石炭対策特別委員会 第11号
- 発言数
- 285 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/25
会議録
○有田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案、勝間田清一君外二名提出の石炭鉱業安定法案の三案を一括して議題とし、審査を進めます。 前会に引き続き、質疑を続行いたします。伊藤卯四郎君。
○伊藤(卯)委員 私は、本日、石炭安定対策について、佐藤通産大臣その他関係者にこの根本的な問題について質問してみたいと思います。それぞれの問題については、同僚各位から相当突っ込んだ質問が行なわれておりますので、私は石炭の根本問題について、政府はどのような対策を立ててやろうとするかという点について伺いたいと思っております。 私どもが先日、炭鉱労働組合の代表とともに池田総理と会見をいたしましたおりに、佐藤通産大臣と稲永労働大臣、大平官房長官等もおられました。そのおりに池田総理は、大蔵大臣は見えていないが、これは自分の方で十分話をいたします、こういうことでした。そのとき池田総理がわれわれに回答されたことは、心を新たにして石炭対策については思い切ってやります、このことを佐藤通産大臣も福永労働大臣も十分考えて、君らも思い切って一つ対策を立ててくれ、こういうことを特に総理は両大臣に要請されておりました。私はそのとき、総理がわれわれに回答された今の言葉は、非常に大きな希望と期待を与えた、従って、これを裏切らないようにしてもらいたい、さらにあなただけではなくて、政府の関係者、自民党のそれぞれの関係者にも十分その意思を伝えて、一つ実行してもらいたいということをつけ加えました。ところが池田総理は、承知しました、こういうことを言われておる。それから、そのとき佐藤通産大臣も、総理があそこまで思い切ってやると言われたので、非常にやりやすくなりました、こういうことを言われておる。それから稲永労働大臣も私の手を握って感激的に、総理があそこまで言ってもらったので、今度われわれも思い切ってやれますからほんとうによかった、こういうことを言っていました。そうすると、私は、もうこれより以上に政府として力を合わせてやろうということを計画されたことはないのじゃないかと思う。ついては、佐藤通産大臣もわざわざ先日、時間をさいて、現地を視察されました。おそらくそういうところがら、相当根本的な対策についてどうやるべきかということについては、ある構想が立てられただろうと思います。同憾にまた、内閣においても、石炭対策について関係閣僚の懇談会も持っておられるようですから、従って万全の態勢ができて進められておるわけですから、それらの点について佐藤通産大臣はどのような考えを持って、今後この国会開会中に、あるいはまた次の通常国会に――そういう点に対する当面あるいは恒久、諸般の点について十分なお考えができておると思うから、そういう点について一つお聞かせを願いたい。
○佐藤国務大臣 ただいま伊藤さんから応急対策はともかくとして、恒久対策はどういうような構想を持っておるか、内閣は、総理を初め各大臣とも、思想の統一ができておるか、こういう点を御指摘になりました。その通りであります。ことに私は、皆様方にかくまで御熱心に御審議をいただいております大問題でありますから、御了承を得、お許しを得なければならないと思いますことは、池田総理が通産大臣時代、私は当時大蔵大臣でご、さいまして、いわゆる石炭産業の合理化、安定化に乗り出したその当時、ある程度の柱はできておりましたが、当時はまだ液体燃料との関係におきまして、今日ほど深刻な事態をかもし出しておらない、同時にまた、財源等の関係もありまして十分の予算をこれにつけることができなかった。もし三年前にそういう処置がとられておりましたならば、あるいは今日の事態につきましても、事前に、ある程度、ここまで追い込まなくても済んだのじゃないだろうか、かように実は反省をしておる。この点を御披露いたしまして、最初に御了承を求めたいと思います。 ところで、今日当面いたしておりますものは、私、九州におきまして申し上げました通り、基幹産業である石炭産業を安定産業たらしめるという構想のもとに諸政策を推進して参りたい、かように考えておる、この一言に尽きると思います。具体的内容といたしましては、石炭合理化資金いわゆる近代化資金につきましては、開発銀行やあるいは整備事業団の予算等を十分手当する、これが第一だろうと思いますし、あるいはまた、産炭地振興について特別の考慮を払うこと、これが今後の問題だろうと思いますし、また離職者対策につきましても、従前にも増しての内容の充実をはかること、同時に、この点に関連しましては、炭鉱に従事しておる人たちが、労務者あるいは経営者ともに安定産業としての誇りを持ち、この職場に安心して勤務できる、こういう態勢を整備することが何よりだろうと思います。すでに最低賃金の問題が起こったり、あるいは離職した場合における賃金保障の問題などの御意見が出ておりますこと等を考えますと、ただいま申すような点に具体的な処置が講ぜらるべきではないか、かように実は思うのであります。いろいろ具体的な問題につきましてさらに掘り下げてみれば、いろいろの具体的対策があると思いますが、つづめて申しますならば、安定産業たらしめる、そこに経営者もまた労務者も安心して働ける、そうして離職後の心配のないような産業たらしめる、そういう意味において、また地方としては、産炭地がいろいろ疲弊その他して参るでございましょうから、そういう意味においての産炭地振興、こういう点を具体化する、こういうことに尽きるのではないか、かように考えておる次第であります。
○伊藤(卯)委員 これから私は根本的る問題について、具体的に例をあげまして数点お尋ねいたしますので、通産大臣もそのつもりで、一つその考え方、方針をお答え願いたいと思います。 石炭の不況は、一時的なものではございません。これはエネルギー構造の変化によって起こっておることは、御存じの通り。そこで政府は、日本の産業経済の重要な基本政策として石炭対策を具体的に立てられるということが、与えられた一つの使命であろうと思う。そういうところから、佐藤通産大臣も先日現地に行かれたとき、石炭は斜陽産業じゃない、この言葉は返上してもらいたい、国の基幹重要産業として五千五百万トンは維持せなければならない、こういうことをそれぞれの会合で相当強調されたことを私は伺っておりました。私も大いに賛成し意を強うした一人であるが、こういうことを発表された。その重要な基幹産業としての五千五百万トンを安定させなきゃならぬ、その安定させなきゃならぬという具体的な対策について、どういうことをお考えになっておるか。
○佐藤国務大臣 まず、安定需要というものを確保することが必要だと思います。御承知のように最近は、液体エネルギー源の石油がどんどん進出してくる。かつて唯一のエネルギー源であった石炭産業は、そういう面で競争の立場に置かれておる。従いまして液体燃料に自分たちの基盤をとられる石炭産業、こういうことでございますから、ここに一つの不安定なものがある。そのためには、需要の安定化をはかる。今大体私ども考えておりますのは、五千五百万トンのうち七割は安定需要、こういうところへ目標を置きまして、業界の協力を得、指導をし、同時にまた石炭の合理化、これは労使とも絶えず工夫していかれることだと思いますが、これはすべての産業に当然のことでございますから、そういう工夫はお願いをいたしますが、特に目標を定めてのコストの低減は、三十八年度を目標にしての千二百円下げ、これの実現に一そうの御協力を願いたい。それより以上のことを重ねてお願いするつもりは、ただいまのところございませんし、これは当然今日もいろいろ努力をされ、困難な条件のもとにおきましても最善の協力を願っておるのでございますから、いわゆるこの柱のもとに、需要の安定化をはかっていくということを、まず大柱として考えるわけであります。 そこで、さらにこれをやっていきます場合に、いわゆる非能率炭鉱は、まことにお気の毒ではございますが、政府が買い上げていく。そうして、能率のいい山をどんどん開発していく。そのためには鉱区の整備の問題も生じてくるだろうと思いますし、あるいはまた、買い上げの際にいろいろ問題が起こりますような租鉱権等の問題についても、これが納得のいくような解決方法をぜひとも講じて参りたい、かように考えておる次第でございます。
○伊藤(卯)委員 今の御答弁を聞いておって、実は私は非常に失望しました。たとえば、今通産大臣は、七割を大口需要家に協力してもらうということでありますが、単に政府が協力を求める程度で大口需要家がその石炭の買い取りについて責任を持ったというためしが、今まではありません。たとえば、雨がよけい降って出水量が多くなったということになってくると、電力会社は水力の方で全部まかなえるわけである。従って、石炭の買い取りを控えてしまう。すでに今日では、三百億以上の渇水準備金が電力社会にある。雨がよけい降ったために、それだけの余裕の金ができておる。ところが、貯炭のためにこの金を使って炭鉱を助けたという例を、私はあまり聞いたことがありません。それから国鉄にしても、国の機関であるにかかわらず、どんどん油と混焼して使っている。あるいはだんだん油に切りかえていく。鉄その他の大口需要家を見ましても、足らざるときにはよけい買いますけれども、油に切りかえていって、石炭をだんだん減してきている。営利主義の事業のもとにおいては、経営者は燃料、原料の安いものを使って自分の製品を作るのは当然のことですから、協力を求めるという程度のことでは、あなたのおっしゃる五千五百万トンの安定を確保することはできない。だから、そういう場合に政府はどういう形で補償するのか、政府の補償貯炭にするのか。あるいはそれぞれの大口需要家に対して、その買い取りをさせて貯炭として保存さしておく、そのために必要な資金は国が融資する、こういう形を明確にされない限りにおいては、私は五千五百万トンの安定ということ、今後の石炭の保障は得られないと思うが、その点についてはどうですか。
○佐藤国務大臣 今日まですでに大口のところには、長期引取契約を締結さしております。その長期引取契約の実施状況を調査してみますと、大口炭鉱の石炭はその通り入っております。また電力会社自身も、それを断わった例はございません。また、御承知のように、ただいまは火主水従といいますか、発電は火力に重点を置き、水力は補完的な使い方をいたしております。その立場からいたしまして、石炭についての電力会社の要望は非常に強いのであります。ただ最近、長期契約自体がその通り実行されておらないという――これは一面、業界からそういう話を聞くのでありますが、また火力発電の方についていろいろ話を聞いてみますと、大手の方はそのまま入っているが、中小の方においてはなかなか契約の炭を確保することは困難だ、実はこういうことを申しております。これはおそらく中小のところにおいては、最近の需要の関係から見まして、比較的価格の安い長期引取契約のある方でなしに、より高い方に炭が動いているのではないか、こういう懸念があるのであります。私は適正価格であることについていろいろ検討をする必要があると思いますが、長期引取契約としての安定性というところには、やはり価格の安定もなければならない。それが一方的に需要者側の電力会社から値段がたたかれるようではいかぬ、かように思いますので、適正な価格というものの指導は、もちろん通産省はいたすつもりでございます。だから、ただいま申し上げました長期引取契約は、そういう意味で十分信頼するに足ることだと思います。また、ただいま言われるように、水力が非常に豊富で、電力会社自身がその長期引取契約があるにかかわらず買い取らないというような事態がございますれば、もちろん政府も片棒をかつぎまして、港湾だろうが、工場だろうが、買い取るような処置を政府みずからがとって差しつかえないことだと思います。けれども大筋の基本的なものとしては、やはり長期安定の引取契約を作ること、これが第一だろう。そういう事柄がどういうように行なわれるか、これを絶えず私どもが見、そうして石炭が残らないような処置をとる。これを一つ気をつけて参りたい、かように思っておるわけであります。
○伊藤(卯)委員 だいぶ具体的な答弁になってきましたが、さらにもう一言、そのことについてはっきりしておきたいと思いますことは、第一は、大口需要家にそれぞれ長期引取契約した数量は、必ずこれを引き取らす、万一引き取らない場合、あるいはその他の事情によって山元に貯炭ができ、炭鉱が掘ったものが売れないという場合には、国がそれについて補償をする、国の補償貯炭とするということですか。それをはっきりしておきたい。
○佐藤国務大臣 そこまで考えるべきだ。ただいまはそういう必要はございませんけれども、今のような御心配がございますれば、そこまで考えますということを申し上げたのであります。
○伊藤(卯)委員 それでだいぶん安心しましたが、一言私が注意をしておきたいのは、現大臣のときはお約束されるが、次の大臣にかわられると、それが実行されたためしがほとんどない。そとで佐藤通産大臣は、これはもう自民党、池田内閣の確約であるということをここで一つはっきりした、こういうふうに思って差しつかえないかどうか。
○佐藤国務大臣 私は、この出炭の七割というものが適当かどうか、そこにまず一つの議論があると思いますが、少なくとも七割はちゃんと引き取る、そして出炭者に七割が引き取られないような事態は起こさない。これは自民党の確約と申すよりも、国自身が業界に対し、一般に対し約束すべきもの、かように思います。ただいま池田内閣でございますが、池田内閣が続くという意味から申すわけではございません。私どもは個人的な解釈はございません。これは政府の責任においてただいま発言しておるので、御了承を願います。
○伊藤(卯)委員 これは余談になりますけれども、特に私が佐藤通産大臣に信頼しておるのは、池田内閣がつぶれたら、おそらく佐藤内閣になるだろうというのが世間の定評ですから、あなたが確約したことはおそらく間違いないだろうと固く信じますから、一つそのつもりでお願いします。 それから、御存じのように、炭鉱では民間の金融資金を得るということは、今のところほとんど不可能になってきました。これは中小のみならず大手にもその点が大部分になってきたことは、御承知の通りです。そこでどうしても、協力を求めて政府の方針を実行しようとすれば、国の財政資金によるほかにはない。しかしながら、国が直接貸すというより、ほとんど民間を通じてということになっておりますから、従って国の財政投融資資金をもって民間に保証する形を多くとられなければ、炭鉱にその資金が回っていかないわけです。そういう点から、多くの炭鉱が政府の石炭政策に協力をして立ち直ろうとするについては、どうしても政府の財政投融資による以外にない、また、その保証による民間からの融資を受けるよりほかに方法がないということは、すでに御承知の通りですから、そこで、この資金難の窮状を打開するために、政府はどういうような処置をして金融問題を具体的に解決されようとしておるか、この点について一つ。
○佐藤国務大臣 御承知のように、一般事業と申しますと、これは民間資金で、いわゆる政府の資金はほとんど入ってこないと思います。パーセンテージからいって非常に低いのであります。ただいま事務局に調べさしておりますが、石炭産業はその特殊性から見まして、過去におきましても政府資金を投入いたしておりますが、今後とも一そうそういう必要があるだろう。先ほど冒頭に申しました安定産業たらしめる、そういう意味の機械化、近代化等に必要の資金は開銀融資に待つのでございますから、そういう資金ワクを拡大するということを申しましたのも、石炭産業の現状に即するように政府資金に依存するからで、そのパーセンテージは、他の産業とは格段に変えていくつもりでございます。ただいまのところ、三百十二億というのが設備資金でございます。運転資金は市中金融ということになっておりますが、まず設備資金で低利の政府資金の貸付をすることが望ましいんじゃないか、かように思います。 ところで今日まで、大手に対する設備資金は使われるが、中小企業にはほとんど使われておらない、こういうような点がございます。これは結局資金のワクをふやすこと以外には解決する方法がないんじゃないか、かように思っておりますので、特にその点に力を入れたい、こういう気持でございます。昨日現地を視察して帰って参りましたが、最近の一般金融の引き締め等から、中小と言わず大手もまた、金融の点で困っておるようでございますから、特に閣議で決定をいたしまして、大蔵省から日銀を通じ、石炭産業の特殊性にかんがみて、石炭産業への金融は格別な配慮をするように注意をいたして参ったのであります。中小企業はこの点では抽象的な配慮というだけでは不十分でございますから、すでに御承知のように、年末金融としては、今回十五億を閣議決定をいたしまして、そのワクをきめたわけであります。しかもこの貸付の方法としては、在来に見ないほど条件を緩和いたしまして、伊勢湾台風の後に一般中小企業に対して貸し付けましたと同様の条件のもとに、今回の十五億の融資をする、こういうような処置をとっておるわけであります。この石炭産業に対する資金の特別融資方法というものは、今後安定産業たらしめるためには一そう緊要になってくるだろう。だから、今回の年末に限らず、そういうような方向で政府としても努力をすべきだ、そういう具体的方策を立てるべきだ、かように私は考えております。
○伊藤(卯)委員 石炭は値段が高い、高いということを今日まで言われてきております。ところが石油より一割石炭の価格がカロリー的に高くとも、工業に与える影響、その製品に与えておる影響というものは、〇・二%だという数字を出しているのを見ました。それは相当専門機関によって出されておるようです。工業生産品の中に占める燃料代というのは、一万円に対して二十円満になるという計算になるようでありますが、そういたしますと、工業製品に与える影響というものはそう大したものではないのではないか。たとえば、油の場合ほとんど外貨を使っておりますし、また外貨の使いがしらと言っていいわけです。そういたしますと、こういう外貨を使う油と石炭との比較につきまして、今申し上げたように、工業製品に与える影響というものは、問題にならぬ程度である、むしろ国の政治の全体的な配慮の点から考えるならば、私は、石炭の商いということは問題にならぬのではないか、むしろそういう点はいわゆる国の政治の配慮によって解決をするということが、きわめて容易であると思う。私は、日本経済の基礎的な将来の上に立って、むしろその方向をとるべきだ、こういうことも考えられるが、大臣この点についてどういうお考えですか。
○佐藤国務大臣 これは、全体の産業による平均から申しますと〇・二、これから見ると、いかにも低いということであります。しかし電力の火力で見ますと、燃料の使用額等から見まして、電力料金をきめるものは燃料費だということになるので、五七・八という数字が出ておる。いわゆる一般産業に占むる割合と申しますのは、食料品の関係であるとか、繊維関係であるとか、あるいはソーダ関係であるとか、あるいは豆練炭その他こういうところ、この辺は一%ちょっとでございますから、そういうところには比較的影響はない、ただ、今指摘いたしますように、大口消費者であるところには非常な影響がある。電力あるいは――コークスは大したことはございませんが、ガラスが一〇・五、さらにセメントが二三・七、石灰ドロマイトが二五・九、特殊の産業につきましては相当燃料の占むる率というものが高いわけでありますから、石炭のあり方というものをきめることは、いわゆる総体のエネルギーの占むる割合だけできめていくわけにはいかない、一つこれの中身を御検討いただきたい。
○伊藤(卯)委員 今大臣が答弁されたのは、あまりにも古い数字ではないかと思う。これは別にここで議論するつもりはありませんが、たとえば電力についても、今後の水力開発というものは非常に投資資金がかかる。その反面石炭の方は、低品位火力というものが日本でもほとんど成功している。そういう点から新たな見通し、計算を立てていきますと、私は今おっしゃったその数字には、非常に大きな変更が起こってくることと思っております。ここでその点を今議論しようとは思いませんが、そういう点は一つ大きく考えられるべき問題であるということだけを私は提供しておきます。 それから、世界の近代工業国は、石炭問題の解決は経済的な使用価値だけではいかぬ、その国の国内の地下資源というものをどのように有効に活用するかということに各国とも政治の力を非常に注いでおることは、御承知の通りだと思います。日本の場合におきましては、輸入油が非常に多くなってきておる。この輸入する油というものは、国際的な不安というものをたえず考慮しなければならぬということは、議論の余地がないと思うのです。そういう点から、石炭を政治的にどういうように配慮するか。その国の産業経済の上にどういうように配慮して解決するかということ、これは世界各国が重要な問題として取り上げてやっておる点でございます。日本においては、今まで歴代の政府はそういう配慮をしてやっておりません。たまたま、このたびこの問題を政治的に配慮してやろうということが、ようやく取り上げられる段階にきておるのじゃないか、こういうように思いますが、こういう一つの基本的な考え方について、一つ大臣の意見をお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 国内の石炭であるということから供給の安定性を高く評価しなければならない、これはただいま伊藤さんの御指摘の通りであります。昔のような、自国の独立経済というような考え方でなしに、やはり安定的な供給が可能だ、これを高く評価すべきだと思います。特に日本の場合におきましては、外国から全部の石油を買うわけでございますから、しかもこれが国際市場の動きによって、日本の石油市場が独占、あるいは左右される。これは非常な危険を包蔵するといわなければならない。あえて戦争というようなことを考えるまでもなく、経済的な止揚におきまして国際市場に独占されておるのは非常に危険だといわなければならない。ことに最近石油価格が変動しておりますのも、これは正常的な価格だとは考えられない。そういうようなことをも考慮に入れて参りますと、外国に依存することは非常な危険性があるということがいえるわけであります。しかしながら、本来国内のものだから、値段がどうあろうと全部国内のものを使う、こういう議論になるかというと、そこまでは私も踏み切らないつもりでございます。やはり、一応の経済性ということは考えなければいけない。ただ、国内のものが不利でありましても、がまんのできる不利であるならば、国内のものを優先的に使う。私どもがしばしば皆様方に御披露いたしておるように、石炭と石油を価格の面でそのままの姿で競争さす考えは毛頭ないということは、ただいま申すような点にあるわけでございます。今後エネルギーの需要が非常に増大して参ります。それに対応して国内エネルギー源をどの程度使い得るか、こういうことが私どもの方の計画の基礎に実はなければならないわけであります。そこでこの石炭のあり方をいろいろ見ておる。ただいまはなかなか国内の需要が強いのでありますが、五千五百万トン出炭がされておらない。そういうことを考えてみますと、五千五百万トンの目標というものは、現状におきましては相当高い目標だということがいえるのではないかと思います。しかし今後、原料炭を中心にしての新鉱開発などができ、新しくどんどん国内の石炭も発展して参りますならば、これは五千五百万トン以上出るようになることも考えのうちに置かなければならぬと思います。しかし、どうも今まで各方面の方々の御意見を聞いてみますと、五千五百万トンが相当高い目標だ、こういうところへ意見が一致しておる。ただいま御指摘になりましたような、国内資源であり、安定的なものであり、外貨を使わぬで済む、これらの点も勘案し、経済的なベースというものがこういう辺にあるのじゃないだろうか、実はこういうような考え方をいたしておるわけであります。もちろんこれを一歩も譲らないとか、一切動かさないとか、こういうかたいワクではございません。だから、今後情勢が変わって参りまして、国内の石炭に非常に明るい面が出て参りますれば、五千五百万トンの目標数字を上げることはもちろんでございます。ただいまの状況は、先ほど伊藤さんが御指摘になりましたような諸条件を勘案して出した結論である、かように私ども、考えております。
○伊藤(卯)委員 政府の計画しておる通りの炭価引き下げをやりますと、明年には石炭価格を九千五百円下げる、ところが、さらにこれを一年繰り上げてやるというようにしておるようでありますが、そうすると、明年一ぱいのうちに炭価を千二百円引き下げるということになるわけです。ところが石炭を生産する必要機材は、ますます上がる一方です。特に私が非常に遺憾に思っておりますのは、さきの国会で、商工委員会におきまして、鉱産物、特に石炭の国鉄運賃は値上げをしてはならぬということが全会一致で決議になっておる。ところが、決議になっているのにもかかわらず、政府はこの石炭の輸送賃の値下げに手をつけておりません。政府は国会の決議を無視しておるわけです。それから電力料金も、政府の監督下にあるのに、これをどんどん上げてしまう。たとえば、石炭を掘り出すために絶対必要な坑木その他、そういうものはとめどもなくどんどん上がっておるわけです。さらにまた政府は、すでに明年から石油の自由化を決定しております。この石油の自由化によって、これまた石炭が圧迫されてきます。そうすると石炭は、いわば内憂外患というところに置かれておるわけです。こういうような現状にあるのに、明年九百五十円のものを、さらに一年繰り上げて千二百円下げるというようなことが、はたしてやれると通産大臣はお考えですか。やれるということになれば、当然この生産に必要な機材、運賃その他を下げなければならぬ。下げなければ、炭鉱側ではこれを返上すると言っておる。そこへ、かてて加えて石油の自由化が起こってきて、現在のような石油の値下がりをもっていたしますならば、いよいよもってこれは収拾がつかぬ状態になると私は思うが、この辺の政治的な解決をどういうようにお考えですか。たとえば、生産に必要な運賃その他の機材費というものについては値下げはできないから、これは補給金をもってカバーする、こういうお考えですかどうですか。これは非常に重大な問題だと思うから、そういう点について一つはっきり御答弁願いたい。
○佐藤国務大臣 いわゆる炭価引き下げ――ただいま、私が聞き間違えたのですか、九千五百円云々というふうに聞いたのですが、九千五百円という炭価はないのでございますから、これは何か私の聞き間違いだろうかと思います……。
○伊藤(卯)委員 九百五十円です。
○佐藤国務大臣 それで今下げるという千二百円、そのうちある程度は下がってきたのです。そこで今おっしゃるように、電力料金が上がった、あるいは坑木が上がった、あるいは運貸が上がった、こういうような問題がある。また労賃も、この千二百円下げの際に予定した三%より以上の上がりを示している。これは、いろいろの条件の相違はあるようでございます。しかしその大筋としては、とにかく千二百円の下げにみんな協力してみようという方向に、今気持は動いていると私は思います。そこで緊急対策の問題として、そのうちで一番千二百円下げを困難ならしめるものは鉄道運賃だろう、だから鉄道運賃について何か特別な工夫はできないか、緊急問題としてこれを実は取り上げておるわけです。緊急問題として取り上げましたのが、三点あります。一つは緊急就労対策、もう一つは中小炭鉱向けの金融の処置、それから第三の問題は運賃の問題です。この三つを石炭関係閣僚会議で取り上げておるわけであります。それじゃどうするのか、ただいま非常に突き進んだお話をしておられますが、前内閣時分に、この問題については一応の解決策を下しておるわけです。それはどういうことか、これは運賃の後払いをする、そういうことを閣議で決定いたしておるのであります。ところが運賃後払いの場合には担保が要るとか、あるいは保証が要るとかいう問題になるわけでありますが、これが大手の方はともかくといたしまして、中小炭鉱の方ではそういう道がない。こういうことで運賃後払いの閣議決定が実施されておらない。これが最近の金融の引き締めと同時に、あわせて一そう経営者の苦痛を増しておる、こういうように思います。これは最近、どういうわけで前回の閣議決定が実施できないか、これをまず実施することが第一の基礎的な問題じゃないか、こういうので関係閣僚の間でこれを実施さす具体案をいろいろ工夫をしているというのが現状でありまして、まだ、この点で大蔵当局などとの間に意見が一致を見ておりません。一致を見ておりませんが、これはぜひとも取り上げて解決しなければならない。その解決する方法としては、前内閣時分に閣議決定をしたその線を実現さす、これを第一段階の目標にしておる。かような考え方でただいま各省間の折衝をしておる、そういう段階でございます。
○伊藤(卯)委員 これは重ねて伺っておかなければなりませんが、さきにお話を申し上げたように、国会の、しかも超党派的に全会一致で議決されたものに対しては、行政の府はこれを尊重しなければならぬはずです。私がこれを特にここで言うのは、たとえばこの石炭対策特別委員会においても、私はおそらく超党派的というか全会一致の形で、石炭問題に対する一つの決議というようなことが取り上げられることになるだろうという気もいたします。ところが国会が議決した、しかも全会一致してやったのだ、それを行政の府が取り上げないということになれば、実行しないということになれば、これは私はゆゆしき問題だと実は思う。 それからさきに申し上げたように、特にこの石炭生産に必要なそういうもろもろの料金が上がってきておる。しかも、これをトン当たりあるいは二百何十円といい、三百何十円といっております。もちろんこれは山々によって違うと思いますが、これを値下げをしてくれるか、しからずんば国がこれを補給してくれなければ、能率だけの問題では値下げはできぬというのが切実な訴えであるし、大臣は現地に行かれて、それぞれ業者団体からもお聞きになっておるだろう、また労働組合の方からも、そのしわ寄せを労働諸条件の上に受けるので、この問題はやはり労使一体になっての解決でなければならぬということを、政府にも、佐藤通産大臣にも強く訴えておるはずです。だから、この問題の解決を具体的にどうされるつもりですか。
○佐藤国務大臣 前国会にどういうことがなされたか、ただいま聞いてみますと、肝心な運輸委員会ではそういう決議がなされていない、商工委員会でそういう決議がなされたということであります。もちろん商工委員会の決議を無視するとか、軽視するということで申すわけではございませんが、ただいま仰せになるように各党派一致ということでございますには、やや、国会の運営上から見ると、形を欠いているのじゃないか、かように私は思います。しかし政府は、そういう事柄もありますから、その点を尊重して、いわゆるあと払いの契約の処置をとった、これが閣議決定の線だ、かように私は理解をするのでございます。ただいま言われるように、商工委員会の決議を無視したとかということじゃなくて、十分尊重いたしまして、ただいま申すようにあと払いの閣議決定をしたということだろうと思います。だから、この閣議決定のあと払い契約というものが実施され、運賃があと払いされる、そういうことをとにかく実現しなければ、せっかくの閣議決定をしても、行なわれなければ何にもならない。一体だれがそれをはばんでいるかということでただいま検討しているのですが、それが実情でございます。だから、誤解がないように申し上げますが、十分尊重した結果がさような処置がとられた、かように考えておる次第でございます。
○有田委員長 労働省の政府委員が来ておりますから、また、運輸大臣は井手委員の質問のために見えておりますので、相当約束の時間が経過しておりますから、簡潔にお願いいたします。
○伊藤(卯)委員 どうも通産大臣は、私が一番はっきり伺わなければならぬ点にちっとも触れて答弁をされようとされないのです。今も運賃のことばかりおっしゃるが、私は運賃のことばかり言っておるのではないのです。電力にしても、その他生産に必要な機材費が上がって、そのままの形では値下げできぬというのが切実の訴えになっている。だから値を元に戻されるのか、戻せないから補給金で何とか配慮するというのか、その点どうですか。
○佐藤国務大臣 これは、先ほど申しましたように、機材費も高くなっておるし、運賃も高くなっておるし、労賃も予定したよりも高くなっている、いろいろあるのです。けれども、いずれもそれぞれの理由があって、それぞれ変わってきている。そこで合理化の現状がどうなっているだろうか、かように考えてみますと、今の賃金が三〇%以上いったからといって、これをカットするわけにいかぬじゃないか、これは一つ生産を上げてのんでいただく。機材費も、とにかくこれも経営の面から見て、負担から見て一応生産の方で一つ消化してもらう。あとに残るのが運賃問題、これは相当かさんでおるんじゃないか、これは政府も約束したのだから、このくらいは政府が何とかしなければ、業界やそれから労働者に対しても相済まぬのじゃないかというので、真剣に取り組んでいるということを実は申しておる。今、それでは千二百円は後退したのかどうかと言われるが、業界の実情等によりまして、中小炭鉱からは、千二百円は因る、おれの方は先にやっているのだ、こういうようなお話も出ております。また大手の方の筋では、もっと近代化資金等を貸してくれるなら、積極的にこれはやれるのだ。しかして、少なくとも石炭産業界としては、大口消費者に対して、三十八年には千二百円下げをするのだ、こういう約束のもとに長期引取契約を立てたのだから、われわれは一つ忠実にそれをやっていこう、こういうようなお話も一部にはあるわけであります。政府がその間に立ちまして、それは困難かどうか、その辺の検討をしておるというのが今日の実情であります。私は、苦しいことの方からいえば、今御指摘になりますように、予定通りいかないのだから苦しい。計画通りなっておらぬじゃないか、こういうような非難も当たろうかと思います。しかし、大筋そのものから見ますと、そういう方向へ御協力願うというのが今の状況でございます。これは非常に打ち割ったお話を申し上げている次第であります。
○伊藤(卯)委員 どうも佐藤大臣は、一番私が聞かなければならぬことについて、そうしてしまって言おうとされません。運賃の問題がどうの、労働賃金の値上がりがとうの――労働賃金は能率が上がれば、上がるのはあたりまえですよ。それ以外の解決しなければならぬ点が、どうすることもできなくなっている。それがおそらくあなたの一番苦しいところだろうと思うが、これがまた、この問題を解決する上において一番重要な点なんです。私はこればかりをここであなたと水かけ論をやってもいかぬから、これはなお今後あわゆる機会に追及することにします。 さらに、関連もしておりますから続けますが、政府が支持しておる、炭価を千二百円引き下げる、これは石油の八千四百円に対する一つの見合い単価として作られたものだと思います。しかるに石油の方は、すでに最近、大口との契約を見ると、六千九百円まで値下げをしてきているようです。そうすると、油の値段というものは、これは外国の油資本が握っているのでありまして、これと石炭と見合い単価にしようということで競争するということは成り立たぬことなんです。ずいぶんばかげた話なんです。そこでこの油との見合いということで炭価を下げていくというなら、これは競争できません。そういう考え方であるなら、もう千二百円ではとうてい追っつかぬ話なんです。だからその辺の点について、油との単価競争じゃなくて、石炭をどう守るかという問題がここで初めて出てくると私は思うのです。単価競争ではとてもこれは太刀打ちできぬ。また油資本は、御存じのように外国資本で、カルテルを作っておるのですから、この油資本が日本の燃料エネルギー界の生殺与奪の権を握っておると言ってもいいくらいなんです。それと石炭と価格競争をやらすということでは、石炭の安定というのは永久にあるものではありません。この千二百円というのは、油の八千四百円に対する見合いとしてやったものであるから、油がさらに下がってきた、そうすれば千二百円ではこれはもう維持できなくなってくる。その辺の点についての価格の保障の問題、そういう点についてはどういうお考えですか。
○佐藤国務大臣 先ほど来たびたび申し上げておりますように、石油はどんどん下がる。これは安定的な価格ではないにしろ、現状下がっておる。千二百円下げは、一応油との見合いで当時考えた。その後石油は下がったから、また石炭を下げなければならぬかというと、これはもうやらぬということを先ほど申し上げたわけです。だから、石炭と石油を価格の面で競争さすことはもうやめよう。しかして、最初予定した千二百円下げ、五千五百万トン、これはとにかく御協力を得て進めてみよう。しかし、それより以上に進んで価格を下げろということは政府は言わぬことにしようということを実は申し上げておるのです。それでは一体どうなるのか。私は大まかに申しまして、高い石炭、安い石油、両方を使えばそのコストは、適当のところでコスト・ダウンはできるのだと思うのです。ところが一部に、石油を上げたらどうだというお話があります。これを上げることは、全部を高いものにそろえることでありますから、これは必ずしも経済的にはいいことじゃないのじゃないか。それよりも、高いものはもうこの辺で、なかなか値段を下げるわけにいかぬ、しかし安いものが入れば、安いもので埋めれば高いものが安くなるのだ、こういう方向が経済としては望ましい姿ではないか、こういうような考え方をしておりますので、石油と石炭とを価格の面で競争させぬ方が産業的には利口だろう、かように実は申しておるのであります。その意味において、この五千五百万トンの七割の長期引取契約が可能かどうか、それを現実にそろばんをはじいてみているのが現状でございます。
○井手委員 伊藤さんの大事な質問のさなかですけれども、鉄道運賃の問題が出ましたので関連してお尋ねいたしたい。 通産大臣は、炭価千二百円の引き下げに、流通部門で二百円引き下げるという基本方針は、御承知であろうと思いますが、いかがですか。
○佐藤国務大臣 承知しております。
○井手委員 そうでありますれば、鉄道運賃の値上がりは逆行することになるわけであります。そこでこの問題に対して、この臨時国会ではいろいろ論議がございましたが、その源になったこの前の国会で、次のような質疑応答なり結論が得られておるのであります。運輸大臣もお見えになっておりますが、通産大臣、運輸大臣の言明というものは、たとえ人がかわっても一貫されるものでありますし、特に自民党の内閣ですから、前の大臣はどうこうというわけには参らぬでしょう。申し上げておきますが、この問題は私が取り扱って質問いたしたのに対して、前の通産大臣椎名さんは「鉄道運賃の六十四円六十銭の引き上げ、これを合理化によって吸収することができませんので、値上がりによる負担増はこれが負担増とならないように考えております」こういうふうに答弁なさっておるのであります。引き続いて時の木暮運輸大臣は「国鉄として分に応じて協力をいたすことはやぶさかではございません」と申し述べられております。このときに、新聞のハコモノにもなりました「親は泣き寄り」という言葉を使われた。親戚の不幸があったときには泣き寄り、お互いに困ったときには助け合おうという言葉を使われたのであります。従って、この運賃の値上がりに対しては、政府も幾らか負担しよう、国鉄もまた分に応じて負担をいたしましょう、また場合によっては、若干は業者も負担しなくてはならぬだろう、その点の協定がまだついておりませんから、暫定的にそれでは一つ延納することに話し合いを進めましょう、こういうことに話が進んで参りまして、このときの結果として、いつまでにそれをきめるのですかと問い詰めましたところが、時の幹事役でございました企画庁長官の迫水さんから、六月八日の通常国会の会期の満了までにお答えを出すよう、誠意をもって努力いたしますという答弁があったのであります。従って、それに基づいて翌々日ですか、閣議決定が行なわれておることは御承知の通りであります。その閣議決定とは、私が申し上げるまでもございませんが、値上げ分の半分については三十八年度末まで延納を認める、そのために国鉄が資金不足になったら政府で別途に措置する、その決定と同時に了解事項として、石炭業者が延納分を支払えない場合はこれも別に考える、という一項がつけ加えられたのでございます。だから今ごろになって、担保がどうのこうのというときではないはずです。大体責任大臣の通産大臣がしっかりしておらぬから、そうなるのです。今も伊藤さんから問い詰められましたが、この六十四円六十銭という負担増、実際は流通機構で二百円下げなくてはならぬのに、逆に六十四円六十銭上がっておるというとの事実を、一体どうされるのですか。さかのぼって、どうされるのですか。さかのぼってやってもらいたいと私は思うのです。済んだことはもうしようがないとおっしゃるのですか。この点をお聞かせ願いたいと思います。
○佐藤国務大臣 先ほど来伊藤さんにお答えしておりますように、ただいまこれが措置について相談中でございまして、その相談は一体どうするのか、今お読み上げになりました前内閣で決定した、これがどうしてその通りやれぬのか、それをやることがまず第一だ、かように申し上げておる次第でございます。
○井手委員 これは暫定措置でございまして、本来なら、流通機構の整備によって二百円下げなくてはなりません。だからこれは暫定措置で、本来はこの運賃について政府も国鉄も、あるいは場合によっては業者も、お互いに負担し合ってこの問題を解決しなければならないと思うのです。延納ではないはずです。しかもそのときと今日の石炭事情というものは、大へんな変化でございますから、この石炭危機でございますから、この延納だけで済むというわけではないと思うのです。この点はどうですか。
○佐藤国務大臣 もちろん、このあといだけで事が済むとは思わぬです。三十八年度末になれば当然問題が起こる、こういうふうに実は思います。だから、こういうような解決方法は本来の解決じゃない、私をして言わしむればそういう気がする。だけれども、ただいま一度きめたものがございますから、きめた通り一ぺんやり、それから先の問題としての考え方をまとめ上げる、これは仕事の進め方、順序はそうしたものだということを、先ほど来申しておるのでございます。
○井手委員 きまったものを実行するのは、当然の話です。進んで流通機構の整備によって二百円下げなくてはならぬ。それはあなたの方の約束なんです。だから、通産大臣のあなたとしては、きまったものを約束するとともに、本格的に流通機構の整備によって二百円下げるためにどういう措置をお考えになっておるか、この点をお聞きしたい。
○佐藤国務大臣 ただいままで流通機構で考えられておりますのは、発地あるいは着地における荷役設備の整備をする、これが近代化されると大へん負担が軽くなる、あるいは、鉄道運賃については今のようなあと払い方法もありますが、海上運債についてはもう少し能率のいい船を就航させたい、こういうような希望を持っております。
○井手委員 私は関連質問でありますから、ほかの問題はあとで聞きますが、鉄道運賃についてどうなさるのですか。ただ、あと払いだけで済まそうとなさるのですか。
○佐藤国務大臣 ただいま申し上げますように、流通機構といえばいろいろございますから、その総体について申しております。鉄道運賃はどうするのだというお話は、先ほど来何度も申し上げますように、第一段とすれば、約束のものをやる。
○井手委員 第二段は考えていますか。
○佐藤国務大臣 第二段階は、その次に考えます。
○井手委員 運輸大臣に、せっかくおいでいただきましたからお聞きいたします。この前の大臣が、先刻申し上げたような約束をなさっておるのであります。親は泣き寄りという言葉で、国鉄も苦しいけれども協力させようという言葉があるわけです。それなのに、協力させようというのに、担保がどうのこうのといっていざこざを起こすようでは、これは国会における食言であると私は考えておる。大臣は、この苦しい石炭問題を解決するのに、運賃についてただ延納であるとかなんとかということではなくて、業者に負担増にならないよう、六十四円六十銭の幾分かを持たれるお考えが、前大臣同様におありになりますかどうですか、その点お伺いいたします。
○斎藤国務大臣 前大臣がどういう気持でお答えになったか私存じませんが、国鉄が運賃の一部を持つというところまで踏み切られたのか――延納も相当な援助だと私は思います。その間における相当な援助で、やはり泣き寄りの一つではないかと思います。
○井手委員 あとでまた私の時間に申し上げますが、大臣の熱意というのはその程度ですか。今当面一番大きな石炭危機打開という問題で、延納というのは大きな協力の一つだとおっしゃいますが、一熱意はその程度ですか。
○斎藤国務大臣 国鉄も政府の機関には相違ありませんが、しかし、御承知のように、建前は独立採算制をとっておるわけであります。従って、ある程度の御協力はできましても、最終負担において相当な、何と言いますか、運賃を下げてしまうとか、翻り引いてしまうということは、国鉄経営の面からいきますると、国民に対する責任は果たせないのではないか、こう思うのであります。
○井手委員 いろいろありますけれども、よろしゅうございます。関連質問ですからあとでまた……。
○伊藤(卯)委員 これは通産大臣並びに労働大臣がおいでになっておられれば労働大臣もと思いましたが、労働大臣お見えになっておりませんで、職安局長が見えておるようですから、あわせて、関係の点においては御答弁願いたいと思います。 御承知のように、石炭の消費数量というものが増加しないのに、そこで企業の合理化というものをどんどんやっていくということになりますと、また、設備の近代化もやるということになりますと、当然人員の過剰が出てくることは議論の余地のないところであります。そういう点から、この三十年以来、私どもの数字を見ますると、炭鉱からこれらのために十万以上の人々が離職しております。これはやはり、政府の一つの方針に協力をするという建前に立って、そういう離職者が出ておるわけです。ところが政府はこれらの多く出てくる離職者の解決に対して、これを具体的な計画をもってほとんどやっておりません。ただ何というか、お茶を満した程度というか、申しわけの程度に扱われてあるといわなければなりません。そういう点から炭鉱地区には、佐藤国務大臣も福永国務大臣も見られたように、深刻な、ああした社会問題の爆発する前夜のような状態があるわけであります。これらの問題というものは、ただ行政上の措置だけではなかなか解決できないのじゃないか。だからこれはやはり、基本的な問題という解決の方法をとらなければならぬのじゃないか。そういう点から、次の通常国会に政府は、雇用基本法のようなものを出すというお考えがあるかどうか。また、そういうことについて準備をされつつあるかどうかという点を一つ伺いたい。 それから、もはやこの離職者の問題については、弥縫策や小手先だけでは解決できません。だからこの炭鉱離職者の再就職の問題、それから労働の非常なアンバランスがあるわけですが、このアンバランスを解決するという点からでも、これは、たとえば労働省の職安関係などでやれるなまやさしいものではありません。そういう点から、労働の根本的な問題を解決するためにやはり雇用基本法というか、そういう法律制度によらなければ、これは解決できないのです。たとえば諸外国においても、この労働のアンバランスをいかに解決するかということは、それぞれやっておるのです。労働省の所管ぐらいのところにやらしておるのは、日本だけですよ。これは何も労働者だけの問題ではなくて、特に通産省との関係その他全体にわたって大きな政府の問題ですから、そういう点について佐藤大臣あるいは労働省の所管局長、そういうところでこの問題に対する根本的な解決策を今後やろうとしておられるかという点について、一つお聞かせ願いたい。
○堀政府委員 ただいま御指摘のように、最近のわが国の雇用の状況を見ますときに、一面において地域別に労働力のきわめて不足しておる地域がある。反面におきまして、廃炭地のごとく労働者が離職いたしまして、情勢が非常に悪いという地域があります。また、年令別に見ましても、弱年層に対する求人はきわめて多い反面におきまして、中高年令層の離職者の就職状況はなかなかむずかしいものがある。こういうようにいろいろなアンバランスが出ておる状況でございます。従いまして、労働省といたしましては、先般の通常国会におきまして雇用促進事業団法を成立させていただきまして、これに基づきまして労働力の流動性を促進するというための裏づけ措置を講じたところでございますが、やはりこれと同時に、現在の職業紹介の方法、それから全国を通じての労働力の流動を円滑ならしめるための基本的な考え方を策定して、それに基づいた計画を実行するということの必要性はきわめて増大しておると考えるところでございます。従いまして、まず現在におきましては、この石炭離職者問題をいかに解決するかという観点から、石炭関係の閣僚会議、それからその下に次官レベルの連絡会議を設けまして、ただいま従来の施策にとどまらない、思い切った方策を講ずるように検討いたしておるところでございますが、さらにこれと関連させまして、全国的に労働力の問題を考えていく必要があるのではないか。従いまして、現行の職業安定法その他の関係法制についても、ただいま労働省に設置されております職安審議会等にも諮問をいたしまして、いろいろ御審議を願っておるところでございまするが、今後これらの関係者の方々の御意見を十分伺いまして、ただいま指摘されましたような方向に向かって、私どもは来年度から、根本的な職安の紹介方式についても検討を加えたいと考えております。そのために、要すれば法的措置も考えたいと思いまして、目下鋭意準備、検討中でございます。
○佐藤国務大臣 離職者対策、これは労働省の所管でございますから、労働省でいろいろ具体化しているだろうと思います。またそういう際に、私ども関係閣僚として発言することは、これはもう当然のことでございまするが、通産省といたしましては、不幸にして離職者が生じました場合には、そういうような方が労働者の所管に移ることもけっこうですが、同時に、その土地で他産業へ移動し得るように、いわゆる産炭地振興と申しますか、こういう方面に力をいたして、現地で就職の機会を得るように、産業の開発を積極的にいたしたい、かように考えております。
○伊藤(卯)委員 さっき私がお伺いしたように、雇用問題というのは今後ますます非常に重大な問題として起こってくるわけです。私は、今の池田内閣の高度成長の引き締めという点から、最近特に株価の暴落とともに、中小企業の破産倒産の問題は、年末から明年初めにかけておそらく相当起こってくると思う。そうなってくると、いよいよ、雇用の問題というのは非常に重大な問題であり、またアンバランスがものすごく起こってくると思う。やはりこれらについても、さっきお伺いしたように、雇用基本法というようなものを作って、政府として根本的に解決をしていくということが必要と思うが、雇用基本法の問題について、労働省あるいは閣議において取り上げようとされたこと等ありますか。
○堀政府委員 先般の国会におきまして雇用促進事業団法が通過いたしました際に、衆参両院の社会労働委員会の附帯決議におきましても、雇用基本法のようなものを制定することについて政府は検討に着手すべきであるという決議がなされたわけであります。私どもはその考え方につきましては基本的には同感でございまして、ただ、雇用基本法というような法制を考えまするときに、その中身をどうするか、あるいは関係各省との関連をどう考えるかというような点につきましていろいろな考え方がございますので、目下職安審議会等に意見をお聞きしておる段階でございます。各方面の御意見を聞きつつ、現在の労働力の流動性を促進するための措置について、さらに根本的な検討を加えていく、そのため必要ならば、ただいま仰せのような法制も準備することが必要であろうと考えておりますが、目下そのような方向で鋭意検討の段階でございます。
○伊藤(卯)委員 時間の問題等もありますから、だんだん端折っていきたいと思っておりますが、さらに関連もいたしますから、あわせてお伺いいたしておきます。 炭鉱企業の合理化と、設備の近代化をある程度やった、しかしながら、退職金が借りられないので人員の整理ができないでおるという炭鉱も相当あるのであります。これでは政府の方針というものを実行しようとしても協力できない、こういうことになるわけです。それからまた、設備の近代化計画ができておる、あるいは、そういうことについても十分の用意、準備ができておるけれども、これまた金を借り入れる見通しがないので、この計画が実行できないでおる。問題は、合理化、近代化からよって起こる人員を整理しようとすれば、相当退職金が要る。何かこの間大手炭鉱の石炭協会が出しておったあれを見ますと、このために大手だけで百億の金が必要だ、これを何とかしてもらわなければ合理化、近代化せ、それから人員整理をして計画された能率を上げていくことはできない、こういうことを明らかにしておりますが、これらの点について通商大臣はどういうようにこの問題を解決しようとしておられるか、との点を一つお聞かせを願いたい。
○佐藤国務大臣 ただいま御指摘のような離職者に対する退職金の借り入れに困っておる、これはひとり中小ばかりじゃございません。大手筋も同様の悩みがございます。過去におきましては、いろいろ金融のあっせん等もいたして参りましたけれども、なかなかそれでは不十分でありますので、構想としては、ただいまは整備事業団が保証するという建前でございますが、保証でなしに、直接やはり融資できるような措置はとれないか、そういう方向で検討いたしております。今回も、この法律では大蔵省との話が片づいておらない現状でございますので、現在においては、ただいま日銀に特別に頼んで、特別の融資をして、それらの処理をさせておるのが実情でございます。だから、将来の問題といたしましては、伊藤さん御指摘のように、通産省としてもさらに積極的にかような資金の確保の道を考えなければならぬ、かように考えております。
○伊藤(卯)委員 さらに、炭鉱労働者の問題でございますが、これは本委員会で同僚委員諸君から相当突っ込んで質問をいたしておりますから、きわめて要点だけを伺っておきたいと思います。 御存じのように、炭鉱の労働者の労働諸条件が、他産業に比較をして、賃金においても、あるいは期末手当においてもことごとく非常に悪い。そういうところから、炭鉱には将来性がない。また、生活に対する希望もない。そういうところから、同僚諸君が言っておりましたように、若い炭鉱労働者がほとんどいなくなってしまう。また、炭鉱に働いておる人は、最近は特にそうですが、自分の子供だけは炭鉱に働かせたくない、こういうことで、炭鉱に年長働いておる人たちが、子供たちを炭鉱に働かせようとしない。みんな外へ出そうとしております。いわんや最近は中学、高校出という者は、ほとんど他の方面に奪われております。そういうことになりますと、炭鉱にいよいよ若い労働者というものがなくなってしまうので、これらに炭鉱で働いてもらうためには、労働条件を、危険産業ですから、他産業に負けないようにする。それから炭鉱労働者に職場の安定、それから生活の向上、そういう点に対して十分希望を持たすようにしなければならぬ。そういう点に対する処置が、ほとんどやられておりません。こういう点について一つの根本的な対策をどういうように立てて、炭鉱に若い労働者を維持しようとしておられるのか、あるいは、炭鉱に働いておる人たちの子供をその炭鉱に永住して働かせるようにする。この問題は相当重要に対策を立てて考えなければならぬ問題だと思うが、こういう点について一体どういうようにお考えになるか。
○堀政府委員 お説のような傾向がありますことは、われわれとしてもまことに残念に思うところでございます。この問題のためには、根本的にはやはり、今の石炭産業に属する各企業の基盤を強化していくということであると思います。また、そのための金融その他の資金繰りを円滑化する、そうしてその基盤を強化充実させていく、これが根本問題であると考えます。こういう問題につきましては、ただいま政府に設けられておりますところの連絡会議その他におきましても、労働、通産両省よく連絡をし合いまして、お話のような方向に持っていきたい考えでございますが、それと並びまして、賃金が安いという問題があるわけでございます。これにつきましては、石炭の労働関係者からのいろいろの御要望も伺っておりますので、最低賃金の問題につきまして、本日の午後でございますが、中央最低賃金審議会の総会を開催いたしまして、その席において労働大臣から、炭鉱の最低賃金の問題について審議を願うことを要請するという運びになっております。この中央最低賃金審議会において、いろいろ実情を御調査の上、御検討願いました上で、適正な結論の出ることをわれわれは期待しておりますが、今のような対策ともあわせまして、根本的に企業の基盤を充実強化することによって、労働条件の向上をはかるということについて、われわれは通産省とも十分連絡をとって、今後一そう努力したい考えであります。
○伊藤(卯)委員 通産大臣もお急ぎのようでございますが、もう二点だけでやめますからごしんぼう願いたいと思います。 そうしますと、炭鉱労働者の最低賃金について、他の基幹産業というか、重要産業というか、それらと同額の労働賃金に上げなければならぬ、こういう考え方に立って労働大臣はそれぞれの機関にこれを諮問しておられるか、あるいは、通常国会にそういう上に立った一つの法案というか、あるいは改正というか、そういうものをお出しになろうというお考えはないかどうか。
○堀政府委員 最低賃金の問題につきましては、御承知のごとく、現在の最低賃金法におきましても、いろいろな方式があるわけでございますから、これらの規定を活用することによりまして、法的な措置を別に講ずることなしに解決の方向が見出せるのではないかと考えております。しかし、この問題につきましては、労働省は中央最低賃金審議会に要請をいたしまして、その自由な御討議に期待するということになっておりますから、私どもが今その結論を先に申し上げることは適切でないと思いますが、私どもといたしましては、法的な措置は、最低賃金については必要ではないのではないかと考えております。 それから、そのほかの石炭産業の基盤を強化する問題につきましては、今後通産省とも十分連絡いたしまして、要すれば、所要の措置を次の通常国会に提出するという運びになるであろうと考えております。
○伊藤(卯)委員 今答弁されておることについて相当議論の点がありますけれども、それは時間の関係で差し控えます。これは私の強い希望として申し上げておきたいが、他の基幹産業、重要産業と同等の程度に炭鉱労働者の労働条件、待遇というものを考えてやらない限りは、炭鉱には若い労働者を得ることはできない、この点だけははっきりしておりますから、労働省としてそれぞれの機関に諮られるについて、やはり労働省の意向というものが相当反映するわけですから、そういう点は一つ十分にお考えになって対処されるように強く要請しておきます。 それから、われわれが石炭産業の合理化に反対をし続けてきておるのは、また、炭鉱労働者も反対し続けてきておるのは、帰するところは、結局この合理化をやって多くの失業者が出ておる。たとえば、戦後一番盛んなときは四十八万から炭鉱に労働者がおったのですが、今は二十二万です。とすると、二十六万というものはこの十年ちょっとのうちに、炭鉱から消えていってしまっているのです。これらはやはり有形無形に合理化、あるいはつぶれ、あるいは近代化ということで炭鉱から去っていっているのです。政府は炭価は下げる、あるいは能率は上げるという一つの方針を示されておるが、それからよって起こる失業者、離職者の問題について、根本的に、具体的に、政府が責任を持って再就職を解決する、それから再教育、毎訓練に対してはこうしてやる、あるいはその間における生活保障、給与はこうしてやるという点等が明らかに裏づけされないので、われわれはこれに反対しておる。だから、これらの点を明らかにされない限りにおいては、このよって起こる炭鉱の重大な問題が解決しないのです。たとえば三池のあの激しいストにしましてももあるいはその後大きな炭鉱にそれぞれ、泥沼闘争といわれる深刻な問題が起こっております。これはみんな合理化なんです。みんな失業の問題なんです。これから、労使の問題がああいう激しい闘いになってしまっておるのです。これは、政府の一つの石炭政策に対する方針に、経営者としては協力しようとしておる。そうすると労働者としては、そのために犠牲になって離職する。離職になっては再就職の生活の道もない。そういうところから、その合理化によって犠牲になる労働者としては、これは死活の問題なんです。だから、この問題を具体的に裏づける保障をされない限りにおいては、炭鉱労働者も反対し、われわれも反対する。依然として続いておるあの深刻なストライキ、あるいは、よって起こるああいう激突のいろいろな事件、これはみんな政府の方針に協力しようというところから、政府が根本的な裏づけの問題を解決しようとしないところに、こういう問題がある。これはみんな政府の責任ですよ。これらの点について、これは通産大臣と労働大臣との問題だが、佐藤通産大臣は池田内閣の実力者中の実力者といわれている。あなたが今通産大臣をしておられるが、あなたが解決しなければ合理化、近代化も解決できない。この裏づけの問題を解決しなければならぬ。あなたならききめがあるはずです。この点をどうお考えですか。
○佐藤国務大臣 まことにこれは深刻な問題でございます。従いまして、労働省とも十分緊密な連携をとりまして、それぞれ手を打っていかなければならぬと思います。ただいま具体的に特に組合側から強く要望されておりますものが、住宅の問題であったり、あるいは今後離職するであろうと予想される中高年令層の方々、これはもう家族持ちでもございますから、住宅の問題あるいは再就職の場合の賃金の保障とか、こういうような問題があるのでございまして、そういう点については真剣に労働省もただいま検討しておる最中でございます。今言われますように、今後の整理の場合一そう深刻さを増してくるだろう、かようにまで予想されますから、政府といたしましてもあらゆる場合を想定して、それに対するあたたかい処置をとる、これはもう絶対に必要だろう。だから抽象的な、一般的原則もさることですが、やはり具体的に溶け込んだお世話をするようにならないと、真の労働省のサービス官庁の実も上がらないじゃないか。ことに再就職の問題になりますと、その土地に対する感情、あるいは産業に対する魅力、いろいろ複雑なものがあると思いますので、離職者の立場に立ちまして、よくお話を聞いて具体的な相談に応ずる、これが必要だろう、かように考えております。
○伊藤(卯)委員 そうすると、合理化をやってこれだけ失業者が出る、その離職者の問題について、政府の方でこれこれ再就職の解決をするという見通しの調整ができない間は、失業者の出る合理化というものは業者に勝手にやらせない。だからその点においては通産省と労働省とが話し合いをして、その問題が具体的にかく解決ができるという上に立って、初めて離職者の出る合理化をやらす、その離職者の問題の解決ができない問は合理化はちょっと待ったということぐらいまでの責任を持ちますか。
○佐藤国務大臣 やや私の話を誤解されておるかと思います。今日までも、再就職の計画なしに整理は実行されてはおらないと思います。それぞれ失業者が出てくる、その再就職の計画を持っておる。ただ問題は、その計画通りになかなか動かない。これはもちろん人間の個性、そういうものも尊重されなければならない。だからそこに、もう少しあたたかいお世話をすることが必要だろう、かように思うわけでございます。そういう点が今までの離職者対策にやや抜けているのではないだろうか、私どもが反省を要する点じゃないだろうか、かように思います。
○伊藤(卯)委員 今の点について一言つけ加えておきますが、政府は国会の開会中答弁されることについては、いろいろ計画が発表されるが、さて国会が終わったあとでは、その計画が、特に今の離職者の問題などについて、われわれに発表される計画の一割も成果を上げておりません。一割以上上がっておるというなら、職安局長、ここで言ってもらいたい。私も具体的なものを出すから。これは上がっておらぬ。それはできないようになっている。だから、この点は佐藤大臣も特に福永労働大臣と十分一つ話し合いをされて、この合理化の成果を上げようというなら、どうしても一人当たりの生産能率を上げていかなければならない。これはやらなければならぬことである。炭鉱労働組合の方でもそれに反対するものではない、しかしよって起こる失業者、離職者の問題を解決していかなければ、これは困るじゃないかという切実な訴えを、佐藤大臣も十分お聞きになったことですから、今後合理化、近代化を進める上において、この問題をあわせて解決しなければならないのだということを、一つ十分肝に銘じておいてもらいたい。 最後に一つだけ伺ってしまいにいたしますが、通産省の中で石炭に理解のある、それからこれを守らなければならぬ局は、石炭局だけですね。あとは通商局その他局、外局等がありますけれども、これはみな石炭を使う方ばかりです。従って、石炭は安いほどいい、また、石炭が高かったら油を使ったらいいじゃないか、こういうような考え方だといってもいいのです。だから、これだけの大きな石炭の問題、あるいは石炭ばかりじゃない、油の問題、ガスの問題、電力の問題、これらは総合エネルギーという一つの省にもすべきほどの大きな問題なんですね。それが一つの、石炭局でまま子扱いにされておるようなことでは、この問題はなかなか解決できないのです。だから、中小企業庁がある、あるいは特許庁があるというように、むしろ通産省の中に外局としての一つの総合エネルギーというか、あるいはそういうような一 つの拡大したなにを作って、総合エネルギーの対策はそこで扱わす、その中において石炭の安定地位というものを常にこの程度に守っていく、そういう総合的な上に立っての石炭の地位を守るということでなければ、石炭だけ特別扱いにして切り離しているということでは、なかなかやれないのじゃないか。だから、そういう総合エネルギーを取り扱うところの通産省の外局的なものを作って、そこで一つの総合エネルギーの計画を立てて、石炭の安定地位を確保していく、総合的な上に立ってこうしていくということでなければ、私は今後守り得ないだろうと思う。また、それだけの必要があるのではないか。この総合エネルギーという大きな問題を取り扱う上においては、当然そういうふうに拡大してそこで扱わす必要があるのではないか、私はこう信じておるが、大臣はこの点についてどうお考えですか。
○佐藤国務大臣 前段の御質問の失業者対策、これは確かに肝に銘じましたから、肝に銘じて対策に力を入れるつもりであります。 それから、ただいまの問題でございますが、これはいろいろの見方があると思います。外国の例等において、動力省ができておるとかいうような例もございます。しかし私は、ただいまの機構で日本の場合は当分やっていけるのじゃないかと思います。将来のことはわかりません。先ほど申し上げましたように、石炭局は石炭のことをやりますが、使うものは公益事業局であったり、あるいは重工業局であったり、いろいろいたしますが、長期引取契約ができるということは、他の局の協力がなければできることではありません。今日大へんな政治問題、社会問題になりつつある石炭産業でございますから、石炭局が中心になりまして、通産省の関係局を動員してりっぱな案を作りたい、かように考えております。ただ、御指摘になりますように、石炭対策は石炭だけでは済まない。いわゆる石油、あるいは国内産の石油、あるいは水力、ガス、あらゆるものとの関連において石炭産業の地位を位置づけるということが大事なことでございますから、そういう意味の総合エネルギー対策は絶対に必要だ、かように考えますが、これは直ちに官庁機構に結びつけなくても済みはしないか、かように思います。ことに通産省として当面する問題には、石炭産業の問題、あるいは中小企業の問題、あるいはまた自由化に備える各種の政策、まあつづめてみますと、三つばかりの大柱があるのでございます。そういう意味で、ただいまのところは十分連絡を緊密にして対策に遺憾なきを期し得る、かように私は考えております。
○岡田(利)委員 ただいま伊藤委員から質問された燃料コストの問題について、一点だけお伺いしたい。これは質問というよりもある程度要請という面が非常に強くなると思うわけです。 今のわが国のエネルギー価格の問題なんですが、これを国際的に比較をする場合に、石油はほぼ国際価格、もしくは下がりぎみにある。それから石炭の場合にはもちろん高いわけなんですが、電力の場合には、平均して欧米に比べて大体六〇%くらいのところじゃないか。産業向けの電力の場合は大体六〇くらいなんです。ところが小口電灯料金については、一五〇%になっておるわけです。平均をして欧米に比べて電力の場合は大体八〇、こういう国際比価が出ておるわけです。ですから、総体で見ると、わが国のエネルギー・コストは高いという工合に、一方的にきめつけることはどうかと思うわけです。しかるに、一方において電力の場合を見ますと、九分断をされておる結果、実は非常に電力単価の違いが出ておるわけです。今回九州電力並びに東京電力の料金値上げが行なわれましたけれども、それ以前の場合には、小口電力単価では最高四国の七円七十六銭、これに対して東京電力は五円五十四銭であって、二円二十二銭違う。大口電力単価の場合は、最高四円九銭、最低二円六十九銭で、三割五分も違うわけです。これはもちろん電力料金の値上がりによって若干違ってきますけれども、九分断されておる電力会社それ自体で、これだけの単価の違いが出てきておるわけです。それでは、国際的に見て電力料金が非常に安い、しかも九分断してみると非常に較差がある、これがわが国の産業構造に燃料コストとしてどういう影響があるか。これは先般大臣が出ないときに質問しましたり、実は前国会でも商工委員会で質問したのですが、この面についてなかなか納得できる資料が出てこないわけです。あるいはそういう実態は一体通産省としてつかんでいるのかどうか、この点の資料を要求しても出てこないのです。一般論で答弁しておるだけであって、実際わが国の燃料コストというものは一体どういう実態にあるのか、各業種別には一体どういう状態にあるかということになると、非常にお粗末ではないかという気がするわけです。しかも、先ほど大臣が言われましたように、電力会社の場合にも水力、火力、両方あるわけですから、これを電力会社自体の燃料コストとしてずっと検討して参りますと、三十五年の統計で見て、三つの電力会社を調べたのですが、大蔵省に届け出る有価証券報告書によれば、大体二五%、安いところは一四・八%の燃料コストになるわけです。これはもちろん、水力があるわけですから。そうすると、電力は国際的に比較しても安いわけですから、こういう面でも、何か実態をはっきり把握しないで燃料コストを論議しておるような気がするわけです。あるいは鉄鋼の場合には、それも大体六・二%あるいは七・二%というように燃料コストはきわめて低いわけです。化学工業をずっと調べて参りますと、もちろん苛性ソーダとかあるいは電気亜鉛、電気鉛、こういうような場合は比較的高くつくわけですが、一番高くて三〇%、しかしこれはむしろ、横ばいか下がりぎみに今日なっておるわけです。それ以外の化学工業の場合は五%から一〇%、機械製造工業のごときは、有価証券報告書を分析しても数字として出てこないというのが実態なんです。ですから、総体的に見ると燃料価格が二割下がっても、実際産業的に影響するところは、二%程度しか燃料コストは下がらぬ、こういうことが実はいわれておるわけなんですが、これも実態としてどこまで詳しく把握しておるかということは、私非常に疑問があると思うのです。総合エネルギー政策を立案するというけれども、そういうわが国の産業構造における各産業に占める燃料コストの実態というものがはっきり正確に把握されないと、私は、やはり総合エネルギー政策を立てる場合に大きな支障を来たしたり、あるいはこの燃料コストの問題について、一般論だけで常識的に通ってしまう、こういう気がするわけなんです。従って、そういう点についてずいぶん私も質問しておるのですが、何ら具体的な納得のできるような、実態を把握したような統計なり資料は示されておらぬわけです。こういう点について、特に通産省として、この重大な時期においてわが国の産業の各業種別の燃料コストというものが、実際にどういう影響を及ぼすか、しかも、それがそれぞれの部門における生産性で吸収される面についてどんな障害があるのか、こういう点をはっきりしなければ、何か将来われわれの恒久的な対策を立てる場合に論議がから回りする、こういう気がするわけなんです。この点についての大臣の所見を聞くとともに、強くこういう点についての配慮を要請したいと思うのです。
○佐藤国務大臣 一般的に申しますと、御指摘の通りだと思います。先ほどの、産業におけるエネルギーの占むる割合というか、これもいろいろ統計がご、さいまして、これが最も意義のあるものだという裏づけがなかなか出にくい。ただいま御指摘になりますような数字も出ていますし、私の方でお示ししましたのは、これは工業統計表によるものでございます。いろいろの統計の基礎がございまして、なかなか一様に言えない。ここに、ただいま御指摘の通り、おかしな事態になっている。そこで、各界の専門家の知識、経験、それによって総合的な判断を下す以外に方法はないだろう、それが総合エネルギー対策の審議会を設けたゆえんでございます。ただいま、石油についての調査団が欧州に参っております。来月半ばになれば帰ってくる。そしてそれぞれが、今度は総合的な計画を樹立するということに実はなると思います。先ほど電力について一つ御指摘になりました。今大体電力は火主水従というか、水主火従ではなくて、もう火力に重点を置き、水従でございますが、それでも御指摘のように、各電力会社で料金も違えば、また出力もそれぞれ過不足がございます。まず、料金の点についての国内均一化がはかられておりませんから、従って地方に産業を興すにいたしましても、立地条件としては、電力料金の高いところはなかなか進んでいかない、こういう状況にあります。また量の問題にいたしましても、これが過不足がございますから、ようやく今広域供給でお互いに融通し合う方法を立てて、電力量だけは融通し合っておるようでございます。しかし、これなどにいたしましても、電力が非常に豊富だと考えられる東北地方へ今後工場がどんどんできていくと、もうそういうことは将来できなくなる、こういうことにも実はなるわけでございます。だから、工場を誘致し、地方開発という面から見ましても、今あるがままの姿ではなかなかたよれない、ここらに非常に問題がある。これは御指摘の通りで通ります。できるだけ私どもは信頼するに足る数字をつかまえ、そして基本的対策を立てるべきだ、かように思います。一部で電力の再編成を言ったり、あるいは石炭問題では、産炭地発電で超高圧送電というようないろいろのお話まで出て、おりますけれども、いずれも技術的に困難であったり、あるいは現状において各界の協力を得ないような実情にただいまございますが、できるだけ相互に融通し合う、また電力も指導によりまして順次高低の差がないようにしよう、こういう努力をしているのが、ただいまの現状でございます。
○有田委員長 井手以誠君。
○井手委員 だいぶ時間もたって参りまして、どうもみなひもじいだろうと思いますし、これは人道上の問題でございますが、たっての要請がございますので、しばらくお聞き願いたいと思います。 私は、通産大臣の先般の所信表明に対して、若干お伺いをいたしたいと思います。まず、産炭地振興法案についてお伺いをいたします。この産炭地振興について大臣もだいぶ認識を得られたようでありますし、特に事業団を設置したいという意向を表明なさっておるようでありますが、この産炭地振興を行なう場合には、何としても事業団が中核であると私どもは考えておりますし、その要請が非常に強いのでありますが、大臣の決意を承っておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 順次固まりつつある状況でございます。やはり産炭地振興の中心になる必要がある。これは、何にいたしましても、特別開発の資金の確保が絶対に必要でございますので、そういう点で特に力をいたしていきたい、かように考えております。
○井手委員 作る御意思のようでございますが、通産大臣としてはいつごろお作りになるお考えですか。
○佐藤国務大臣 これはただいまの石炭関係閣僚会議に素案を出し、さらに予算折衝に持ち込まなければ結論を得ない問題だ、かように考えます。
○井手委員 それでは、三十七年度には作りたいという御意思でございますか。
○佐藤国務大臣 さような考えでございます。
○井手委員 それでは、せっかく法律案が出て参っておりますから、内容はともかくとして、別に定める法律により産炭地振興の事業団を設けるという条文をつけても差しつかえない、その方が産炭地関係には非常に明るい期待を持たせると思うのでございますが、その御意思はどうでございますか。
○佐藤国務大臣 実は現在出しております法律案は、関係各省で相談をいたしまして、関係省の了承を得た案でございます。従いまして、ただいまのように挿入いたしますと、あらためて相談をしなければならないということになりますので、成立の時期がおくれるということで、私はこのままお進めをいただき、私どもの意気込み、また当委員会の御意向等を明らかにする方法は別にあるのではないか、かように思います。得心を願いたいと思います。
○井手委員 その点は理解できるのでございます。しかし、やろうという熱意があれば、これほど石炭対策が大きな問題になっておりますから、やれるはずだと思います。百歩譲って、来年度やりたい、何らかの方法を講じたいということでございますならば、一応この法律は通してもらって、来国会早々にで毛改正案を出したい、順序としてはこういうことになるわけでありますか。
○佐藤国務大臣 法律に基づく事業団を作れば、あるいは単独立法をすることも一つの方法だし、あるいはこの法律の一部改正をすることも望ましい、その辺はこれから考究いたします。
○井手委員 大臣の意思は大体わかりました。あとは当委員会の検討に待ちたいと思います。 そこで、この産炭地振興ですが、私は産炭地振興というのは、先般大臣も視察をなさって御理解なさったように、たとえばあき家になった古いアパートを管理するようなものでございまして、さあ、人に入ってくれ、部屋に入ってくれといっても、なかなかそういう古いアパートには入ってこないのでございまして、よほどの努力、工夫をしなくては、振興はできないものでございます。そういう意味から申しますならば、この政府の産炭地域振興臨時措置法案というものは、なまぬるい感じがいたすのでありますが、その点について二、三お伺いをいたします。 まず、条文を追ってお伺いいたしますが、きのう地方財政について大臣にお伺いをいたしましたけれども、これに対する明確なお答えができなかったのでありまして、本日までに自治省の統一された見解をいただくようになっておったのでありますから、この機会に第六条並びに第九条についてのあなたの力の御用意を承っておきたいと思うのであります。第六条については、地方税を減免した分を政府が見てやろう、措置しようということでありますが、それはどういう方法でおやりになるのか。交付税でやるか、補助金でやるか、どういう費目でどういう補てんをしてやろうというお考えであるのか、この点が第一。第二は、起債について、地方債について特別の配慮をするということが書いてありますが、特別な配慮とはどういう具体的な内容を持ったものであるか。すでにこの法律案は今明日のうちに衆議院を通りますので、この機会に明確にしておいてもらいたいと思います。
○奥野政府委員 前段の問題は、地方税の減免による減収額を地方交付税で補てんしたい、かように考えております。後段の問題につきましては、産炭地域振興実施計画ができますと、産業基盤とかあるいは生活基盤とかいう施設を整えていかなければならぬと思いますので、工業用水道の問題でありますとか、あるいは上水道の問題でありますとか、いろいろな施設が出て参るのであります。そういう場合には、その計画に取り上げられて参ります限り、優先的に許可を与えて参りたい、かように考えておるわけであります。
○井手委員 第六条について、交付税でやろうということについては私はにわかに賛成はできがたいのであります。やはり特定のものについては、その支出使途については明確にしておいてもらいたい。交付税の算定の基礎はございますけれども、その減収について、もう明確に減収の分はわかっておりますから、ほかのものと一緒になって、算定の基礎はあるとしても、その金額は明確でありませんから、やはり私は交付税ではおもしろくないと思う。その点について一つみんなが納得できる方法を講じてもらいたい意味で、重ねてお伺いをいたします。第二点について、優先的に考えてやろうということでは、ちょっとそれも納得しがたいのでありますが、別ワクを設けて、産炭地振興については別ワクで、特別の起債を認めるという方法はないものか。その二点をお伺いいたします。
○奥野政府委員 前段の問題につきましては、補助金を交付するというのも一つの方法であろうと思いますが、ただ、現在地方交付税を計算いたします際には、井手さんよく御承知のことでありますが、基準財政需要額から基準財政収人額を控除いたしまして算定いたして参るわけであります。その場合に、基準財政収入額は地方団体が課し得る税額を基礎にして算定をするわけであります。その際に地方団体が減免をする、その減免をした残りのものが地方団体の課し得る税収だ、こう考えるのが妥当だと思うのであります。そうしますと、やはり基準財政収入額を算定いたします場合に、減免後の税額を基礎にして算定せざるを得ない。そうしますと、基準財政収入額が減って参りますので、自動的に交付税が増額になってくるわけであります。国が一方的に減免をさせる、そういう場合には国庫補助金を交付するのが妥当だと思うのでございますけれども、既存の事業もございますので、既存の事業に対する課税との均衡を考えながら、どの程度の減免が妥当か、それは地方団体に判定さした方がよろしいのではないか、こういう見地に立っているわけでございますので、自然その結果としては、基準財政収入額の算定においても減免後の額をとることが妥当だ、こういうことにならざるを得ないわけでございます。第二点の地方債の問題は、工業用水道の地方債の総額をきめましたり、あるいは上水道の地方債の総額をきめましたりします場合には、個々の団体の所要額を積み上げて算定しているわけでございます。従いまして、産炭地域において、その関係の地方債の資金運用が多くなって参りますと、地方債計画を作りますときにその基礎に入ってくるわけでございますので、別ワクにいたしませんでも、優先的に許可を与えるということで、十分期待にこたえることができるのじゃなかろうか、こう私たちは考えておるわけでございます。
○井手委員 あなたの御答弁は、理屈としてはなるほどわかるんですよ。しかし、交付税そのものは、そうはなっていないのです。それなら交付税の税率というものを上げなければならぬ。今は税収が、国税三税がふえておるから、その分だけ地方財政は少しよくなるのじゃないかというお考えがあるかもしれません。しかし、たとえば同じ二八・八%の交付税率であるなら、産炭地のそのものだけは二八・八に対して加えなくてはならぬはずです。交付税の総額そのものをふやさなくては、それは出てこないはずです。そうでしょう、理屈としては。理屈通りでいくならそうなる。だから私はあなたに、交付税で見ようとか、特別のことはせぬで、地方債の総額がきまればそのうち優先的に認められる、こう言われても、にわかに賛成できないというのは、そういう理由です。交付税の総額の二八・八の分にこの産炭地のものはプラスしなくてはならぬでしょう。実際それが現地に行く場合には、総額がふえなくてはならぬはずです。今までと同じ金額の中で割ってやろうとするならば、極端に言うならば、片方の側には若干よけいに行くけれども、産炭地でないところには減るという結果になるでしょう。
○奥野政府委員 地方交付税なり地方税収入なりの額を一定に押えました場合には、全く御指摘の通りだと思います。ただ、御承知のように、国と府県と市町村との間に財政需要をいろいろ分け合っておりますし、また税収入も分け合っているわけでございまして、その間に移動もございますし、自然増収の問題もございますので、今御指摘になりましたようなこういう主要財源も頭に置いて、国と府県と市町村との間に財源を適正に分け合っていかなければならないという問題は残って参ろうかと思うのであります。
○井手委員 この点の論議は残りますけれども、時間の関係もございますからこれにとどめておきますが、単に交付税で見るから大丈夫ということでは、承知できません。それならば、あなたの方で二八・八を二九くらいに上げなくてはならぬという理屈になるわけです。 もう一つあなたの方にお聞きしたいのは、きのうの質問に対して先刻資料が出て参りました。三十五年度における産炭地対策について、産炭地については特別交付税で七億九千二百万円見ておるのだということでありました。お伺いいたしますが、この特別交付税を見られる場合に、たとえば生活保護者、それから失業者という場合に、実際の保護者数、実際の失業者数の差について算定したと書いてあります。そうしますと、失業多発地帯あるいは生活保護者が多い地帯、それは産炭地に限らず、そういうところは同じになるわけじゃございませんか。その点はどうでございますか。
○奥野政府委員 失業者の多いところ、生活扶助を受けている君の多いところは、産炭地でありませんでも、もちろん特別交付税を増額交付して参るわけでございます。ただ産炭地域において特にこういう事例が多いものでございますから、このような事例を捕捉して特別交付税を配分することにしておるわけであります。
○井手委員 それで明らかになりました。明らかになったけれども、それでいよいよけしからぬことになって参ったわけであります。産炭地だから特別に財政を措置いたしております、産炭地であるからお困りになっておりますから、自治省は考慮いたしました、こういう答弁です。産炭地であるからでございません。失業多発地帯であるから、保護者が多いから見てやるわけであって、産炭地であるというわけじゃございません。なぜ私どもが強調したかと申しますと、きのうも、これは社会党も自民党も超党派で強調いたしました。鉱害についての支出が多いであろう、あるいは生活保護とか、あるいは失対事業についても地元の負担がふえてくるであろうとか、一々目に見えないのがどんどん出て参ります。ですから、そういう産炭地については多くの収入減と支出増があるから特別に見てもらいたい、これが私どもの要望であるし、また産炭地各方面の強い要望であると思う。それに対して、特別交付税で見ておりますから大丈夫です、こういうお答えですが、産炭地としては見てないじゃございませんか。この点はあとでまた別の機会に追及したいと思いますが、この点だけはっきりしておいてもらいたい。産炭地だから見て参りましたということだけは、取り消してもらいたい。失業多発地帯だから見てやったということは言えますよ。しかし、炭鉱地帯だから見てやった、石炭関係だから見てやったというわけじゃございませんよ。
○奥野政府委員 どうも、うらはらになってくる問題じゃないかと思うのであります。産炭地だから見た、失業多発地帯だから見た、抽象的にいえば失業地帯でありますし、具体的にいえば産炭地だからということになろうかと思うのであります。いずれにいたしましても、私たちとしては、産炭地におきまする地方団体の財政需要、これが地方交付税、起債で措置されていないものにつきましては、積極的にこれを取り上げて考えていきたい。失業者数の問題にいたしましても、生活扶助者数の問題にいたしましても、いずれもそういう見地からでございますが、今後もなおしさいに検討いたしまして、地方団体が当然実施すべきだという面につきましては、地方債なり、特別交付税なりにおいて取り上げるように努力をいたして参りたいわけであります。
○滝井委員 関連して。交付税なり、特別交付税なり、地方債で失業の多発地帯に特別な配慮をするということはわかるわけです。その先にもう一歩やってくれということなんです、われわれの言っておるのは。あなたの方は、端的にいえば、特別交付税なり、地方債でやっていますから、その上やる必要はないという答弁です。そこでもう一歩やってくれということはどういうことかというと、二十八年の災害のときに、われわれは、地方債を出しましょう、しかしそこに利子を払わなければならぬから、元利を補給しましょうという一つの制度を打ち立てたわけです。それをこういう鉱害復旧とか緊急就労対策事業に期待したわけですから、こういうものについては、一つその起債分については元利補給をやって下さい、こういう要求に一歩踏み込んでいっておるわけです。これは何も何百億のものをやるわけじゃないのです。これを見ておっても、たとえば鉱害復旧は八千百万円、それから緊急就労対策は一億八千六百万円、わずかなものです。この元利補給をやってくれませんかという要求ですから、非常につつましい要求だと思うのです。 それからもう一つの要求は、生活保護で、なるほど普通交付税で三十三億四百万円、特別交付税で二千八百万円、合わしたら三十三億三千二百万円いただいております。しかし、これについてもおそらく二割の自治体負担分、こういうことでしょう。ところが、こういうものを二割その場で取られてしまいますと、交付税、特別交付税、特に特別交付税はずっと年度末にしかやってこない、こういうことになるわけです。実質的に二月にくるのですから、他のいろいろな政策というものがそのためにストップをすることになるわけです。それでは困るので、この保護費の自治体の持つ二割分について何か特別の措置をしてもらいたい。たとえば二割負担するのを、一割にしてくれませんか。乱給が行なわれるおそれがあるから、全部まるまる国が見てくれということを自治体で言っているけれども、それはいかぬだろう、親方日の丸ということはいかぬので、やはり国が九割見るとか、九割五分見るとか、こういう施策にとりあえず、たとえば産炭地振興が行なわれる二年間くらいはしてもらうと、自治体の行政が非常にやりよくなる、こういう要求をしておるわけです。こういう点についてこの方の専門家の奥野さんに――われわれ一応災害の経験がありますが、炭鉱のこういうものはいわば人災だ、日本の近世の政治における、まれに見る人災だ、だからそういうものについては災害と同じ取り扱いをしてもらえぬか、こういうことなんです。
○井手委員 ついでに伺います。あなたも近いうちに、大臣と九州においでになるかもしれませんけれども、もし予定がなければぜひ行ってもらいたい。隣の石炭局長に聞いてごらんなさい。産炭地は大へんなものですよ。たとえば、私の近所の宅地なんかも、鉱区が輻湊しておりまして、鉱害についての加害者がわからない。しかも井戸は何百カ所も枯渇してしまった。何とか応急の措置を講じなければならぬという場合に、市が何十万円、何百万円の金を出さなくちゃなりません。また、賃金が不払いになった。賃金は二億何千万円ですか、その九十何%は炭鉱の関係です。高度成長のときに、そういう賃金の不払いがあった。その賃金不払いは、市町村が銀行から金を借りて、そして貸しておる実情です。その利子というものは、市が負担しなくちゃならぬでしょう。閉山になったときの住宅はどうなるか、それも市町村が相当負担しなくちゃならぬ。電灯料の問題もある。現実にしなくちゃならぬのです。ほっておくわけにはいきません。そういったものがあるから、産炭地として特に見てもらいたいというのが、私どもの主張です。失業者が多いから、生活保護者が多いから、それで見ておるのだということでは済まされません。どうぞ一緒に御答弁願います。
○奥野政府委員 地方債を起こしても、その元利の負担が残るじゃないかというお話でございますが、全くごもっともなことでございます。私たちといたしましては、事業をやる場合に、なるたけそれが将来に生きていく事業に工夫してもらいたい。そのためにはある程度の負担を持つ建前でいろいろ仕事を運んでもらった方が、有益に事業が行なわれるのではないだろうかという気持を持つものですから、一部地方債でつけられた特別交付税というような財源措置の仕方をしておるのでありまして、そういう建前でございますので、地方債は必ず元利償還額を基準財政需要額に繰り入れるという考えはとりにくい、こういうふうに思っておるわけでございます。しかし、弱小の町村は大へんな負担になりますので、そういう市町村につきましては地方債をつけないで、大部分を特別交付税でめんどうをみていく、こういうようなやり方にいたしておるわけであります。団体によりましてその間には若干の差をつけておるわけでございます。 第二番目に、資金繰りのお話がありました。御承知のように、地方交付税にいたしましても、国庫負担金にいたしましても、大体甲四回、概算交付しているわけであります。地方交付税の場合には、四、六、八、十一月、これで総額の九四%までを配分してしまうわけであります。従いまして、年度が非常におくれているじゃないかということは、そうないのではないかと思うのでございます。生活保護にいたしましても、同じように概算交付の建前をとっているわけでございます。しかし、実際問題として、いろいろ資金繰りに困ることもございましょう。そういう意味で、できる限りやはり金融の道でやってもらいたい、こういう考え方をいたしておるのでございまして、どうしても資金繰りが困難だというものにつきましては、私の方であっせんしてもよろしいと思うのであります。それがその団体にとって大きな負担になっていくという場合には、その借り入れの実態に応じましては、支払い利子につきまして特別交付税でめんどうをみていくというようなことは、将来も起こる事態においては十分考えていける問題だ、こう考えております。それぞれの団体の実情に応じた措置を工夫していきたい、こう存じておるわけでございます。 なお井手さんからお話しのございました、いろいろな財政需要があるのだ、これもごもっとものことだと思います。しかし、私たちとしては、できる限り個々の財政需要をつかまえまして、客観的な基準で算定をしていく、そのことが令地方団体にとって当然のことだと思われるような格好で運営していくべきだ、こう思うのでございます。そういうことから、生活保護者とか、あるいは失業者というような数字を使っておったわけでございますけれども、なかなかそれだけでは捕捉し切れない、これもごもっともでございます。そういうこともございまして、石炭の産額の大きなところは大きいほどそういう財政需要が多いだろうということから、鉱産税の一割の額をそういう意味で還元するということにしているわけでございます。その鉱産税というものは、基準財政収入額で、あるべき鉱産税額として算定されるべき額、それを予想しておるわけでございます。実際問題として鉱産税が減収になった、これはこの面で別途に見ているわけでございます。
○滝井委員 金繰りの問題ですが、実は炭鉱のある筑豊地帯、佐賀あるいは長崎の町村の実態を見ると、非常に一時借入金が多いのです。これで泳いでいるわけです。国から四回にくる交付税だけでは――とにかく生活保護費の支払いというのが異常に上るのですから。たとえば、昨日も指摘しましたが、私の田川郡というのは、一〇〇〇人について一〇四人です。全国平均が一七か二〇です。それの五倍にも上るのです。だから、市が十億ばかりの予算を組みますと、六億というのは一般失対と生活保護にとられてしまう。そうすると、他のものには金のやり繰りなんかできないです。みんなそれにとられてしまう。こういう実態ですから、あなたの方で、よろしい、金に困ったときには貸してくれる、世話しようと言うが、それはレア・ケースになるのです。筑豊地帯は全部どこもそういう状態です。市会のあるたびごとに、町村会のあるたびごとに、一時借入金のワクを広げていくわけです。そうして銀行からも、農協からもみな言ってしもうて、非常に困難だという事態があるわけです。これは非常に例外だけれども、最初言ったように、非常な歴史的な人災なんですから、生活保護費を八割のものを九割に上げても、特殊の炭田だけのものですから、あなたの方の地方財政計画にそんなに莫大な狂いができるわけのものでもないし、それから鉱害復旧その他についても、貧しいところは特別交付税を上げましょう、しかし、幾分でも余裕があれば地方債でいけるといっても、実際に財政の大きかったところほど大きい世帯を張っておって、失業者と生活保護者がふえてきていますから、こういう点については――あなたの言い分もよくわかります。しかし、これは非常にまれな状態になっておるわけですから、二年間ぐらいの臨時的な措置として、自治省はやはり次の通常国会ぐらいには何か検討をして踏み切ってもらいたいと思うのです。
○奥野政府委員 市町村で多額の借入金を持っておる団体、これはすでに財政再建計画を立てまして、そうして国から特別な援助を受けている団体もございます。また、最近になりまして赤字団体になった、そして財政再建計画を作って自治省がこれを、承認している、そういう団体につきましては、借入金の利子につきまして特別な援助をやっているわけでございます。それは産炭地域だけではございませんで、全国的にあるものですから、こういう中にはあげておりませんけれども、そういう団体につきましては再建計画を立ててもらう、そのかわり政府資金のあっせんをしよう、あっせんした政府資金の利子については、相当分を今後特別交付税で援助する、こういうやり方をしているわけです。産炭地域町村の、具体的な名前は覚えておりませんが、そういう団体がございます。そういうことで、将来とも十分なめんどうを見て参りたいと思います。なおまた、産炭地の地方団体についての地方財政上の援助措置につきましても、さらに十分を期し得るように今後も一そう検討を加えて参りたい。そういうこともございまして、自治大臣が近く現地にも行かれるわけでありますから、自治大臣がお帰りになってから積極的にそういうことを工夫しようということを昨夜も実は相談をしておったところでございます。
○多賀谷委員 関連して――それは理屈が合わぬ点があるのです。それは鉱害復旧の地方債です。今度は、市町村というのは、受益者でもないし、企業的なものでもない。鉱業権者が負担すべきものをかわって負担するのですから、これは当然交付税の範疇に入るべきものです。私は、地方債と特別交付税と半々に分けられている根拠というものはないと思う。これは生活保護あるいは一般失対と同じように、当然交付税で行なうべきである、純然たる受益者ではないわけですから。これはかわって払っているわけです。利益を生んでいくわけではないのですから、地方債というのは非常におかしいと思いますが、どうですか。
○奥野政府委員 鉱害復旧の事業は、一種の災害復旧事業みたいなものかと思います。また、災害復旧事業につきましても、地方債をつけまして、元利償還額を基準財政需要額に算入するというようなことをやっております。復旧事業につきましては、災害復旧事業に相当するものもございますし、災害関連事業に相当するようなものもあろうかと思います。従いまして、特別交付税において相当多額な見方をしているわけでございます。全部特別交付税ということは、先ほども申し上げましたようなこともございますので、ある程度は地方債で地方団体に負担が残る。従いまして、そういう事業の執行につきましては、地方団体がいろいろな角度から工夫をして執行するような方向に持っていってもらいたいと期待をしているわけであります。
○多賀谷委員 災害は、やはり国及び地方公共団体が復旧する一般的な行政上の義務を持つわけです。この鉱害復旧というのは、本来責任者ははっきりしている。これは経営者なんです。それをいろいろな石炭政策を含めての政策によって、一部負担するのであるという、これは純然たる交付税的性格のものであって、それによって地方が益を受けるわけではないのですよ。これを間違われたら困ります。一般の災害は地方が負担する義務を持つわけですから……。
○奥野政府委員 御承知のように、もちろん、加害者であります炭鉱も相当な負担をしているわけであります。国もまた負担をしているわけでございまして、三者負担の格好において事業が進められていくわけでございます。地方団体にありましても、ある程度自己の負担になる気持でその事業の有効な運営をやってもらいたい、こういう期待を持つわけでございます。
○多賀谷委員 これは、たとえば緊急就労の場合もいろいろ意見がありますけれども、これは受益者の面も若干新しく出てくるのですからあえて私は否定しませんが、これもウエートが大きくなれば負担が大きくなるので、本来ならばあまり益がないけれども、仕事を見つけるために事業を行なうという要素が最近はだんだん多くなってきましたから、これも交付税と地方債と同じような比率というのは実際上均衡を失するのではないかと思いますけれども、鉱害復旧だけは全然別概念じゃないかと思うのです。政府の政策によってたまたま地方に負担をさすのですが、地方は利益を受けるものが全然ないのです。むしろ地方は被害者の側に立つのですから、これは全然違うのです。
○奥野政府委員 これもよく御承知だと思いますけれども、鉱害復旧事業の性質によりまして、地方団体の負担が多かったり少なかったりしているわけであります。たとえは道路の整備をやるとかいうような問題になって参りますと、地方団体としてもその道路の整備によりましてある程度利益があるわけであります。また、そういうような方向に道路整備をやってもらいたいというような希望を持っているわけであります。鉱害復旧聖業にかかります地方団体の負担が現在適当であるか適当でないか、いろいろ論議はございましょうけれども、先ほども申しましたようなことで、石炭側と国と地方団体の三者負担になっている、その地方団体の負担に属するものにつきましては、さらに特別交付税でめんどうを見るというようなやり方をしている点を御了解願いたいと思います。
○多賀谷委員 特別交付税はけっこうですが、私は地方債のことを言っているのです。現在の復旧は、原状回復までいかないのです。ですから、プラス・アルファの改良的なものがあれば地方債という面もあるでしょうけれども、改良的な面は否定されているわけです。鉱害復旧の範疇にはそれを認めない。それをプラス・アルファしようとするならば、これは純然たる、たとえば地方公共団体の道路あるいは堤防であるならば、地方公共団体みずから鉱害復旧と別に出さなければならぬわけですから、これを今やっておると時間がかかりますけれども、とにかく地方債というのはおかしいのです。
○奥野政府委員 鉱害復旧事業の問題につきましては、先ほど来るる申し上げましたようなことで取り扱っておるわけでありますけれども、さらに産炭地の問題につきましていろいろな問題もございますので、そういう検討事項の一つとして将来とも十分検討していきたいと思います。
○井手委員 局長殿から検討して参りたいというように幕を切った格好ですが、とにかく今までの質疑応答によりますと、正直なところ産炭地の実情にうといようです。地方財政についてはきわめて明るいですけれども、産炭地についてはきわめてうといです。これはぜひ一つ近々のうちに大臣とあなたは、福岡、佐賀、長崎、それから常磐、北海道まで、国会に支障がない範囲で見てもらいたい。あなたは先刻鉱産税が入るとかなんとかおっしゃいましたけれども、産炭地の小山が多いところなんかほとんど入らないですよ。私はきょうはこの程度であなたの方の地方財政については打ち切りたいと思います。 そこで、次に法案の第七条に移りますが、施設の整備等について国及び地方公共団体は努力をするというふうに書いてある。どういう努力をなさるのか。たとえば工場用地、道路、港湾施設、工業用水道その他の産業関連施設について、あるいは職業訓練についてはどの程度の補助をなさるのか、あるいはどの程度の資金のあっせんをなさるのか。法案をすでに出されており、日にちもたっておりますから、十分の御用意が私はあると思う。その点をまずお伺いいたします。
○今井(博)政府委員 この第七条のいろいろな整備計画につきましては、たとえば、道路の問題になりますれば、建設省のいろいろ道路計画がございます。従って、この産炭地の振興実施計画が定まりました場合には、たとえば道路の問題につきましては建設省の道路計画、あるいは港湾の問題につきましては、運輸省における港湾の計画の中にぜひ入れていただいて、これを推進するということが一番肝要かと思うのです。この点は、実施計画をきめるときに関係各省といろいろ相談してきめますので、その中へ入れて一つ極力推進する。それから地方公共団体の問題につきましては、これはたとえば土地を造成するとか、水の開発をやるとか、こういう場合に、先ほど出ました地方債につきまして、現にたとえば苅田区とか、あるいは裏門司あたりですでに土地の造成を始めておりまして、それに必要ある地方債の起債について大蔵省及び自治省の方にいろいろとわれわれの方から現にあっせんをいたしております。これは実施計画としてはさまっておりませんが、実は先行してやっておる、こういう状況であります。
○井手委員 そうしますと、今の御答弁では、工場用地については、地方公共団体がその用地を造成する場合などには、地方債の配慮であるとか、あるいは資金のあっせんなどをやろう、道路、港湾、工業用水道などの公共施設については、これはそれそれの公共事業の方でなるべく優先的に取り扱ってもらう、こういう程度の努力をいたすというわけでございますか。
○今井(博)政府委員 この法案の趣旨はそうでございますが、ただ、今実施計画を策定中でございまして、各地方の希望をいろいろとっておりまするが、それぞれ今私が申し上げましたような線に沿って一つやってくれという要求と、事業団を作って、その事業団でみずからやってくれというのと、いろいろございます。特に狭義の産炭地周辺の計画は、おおむね事業団でぜひやってくれというふうな要望が強い例が多くて、地方債でやってくれというのはむしろその周辺の都市が多い、こういう状況でございます。今の井手さんの御質問の、どの程度の努力かとおっしゃいますと、この法案におきましては、先ほど私が申し上げましたような意味の努力をいたす、こういうつ吃りでおります。
○井手委員 どうも、かねや太鼓でふれ回った産炭地振興法というものの一番大事な施設の整備等にそのくらいの努力では、これは大したことにはならぬわけです。大臣御承知のように、これは工業再配置の問題にも関連いたしますが、やはり企業家にとっては、採算ベースから、適地でなくては企業が施設を行なうことはやらないわけであります。産炭地に企業を誘致しようという産炭地の要請にこたえるためには、この程度のもので企業が誘致できようなどとはとても思いも寄らぬことです。 さらに、私はもう一点申し上げておきますが、第十一条には、合理化事業団が持っておる鉱業施設などを貸し付けたり、あるいは譲渡することができるとありますが、これも非常になまぬるいものでございまして、むしろ進んで国有の施設、国有地、そういったものもやはり貸し付けたり、譲渡するという必要が私はあると思う。あっせんをするとか、公共事業に組み込んでもらうように世話をしようとか、あるいは事業団の持っておる鉱業施設を貸し付けるという程度では、産炭地関係方面の期待に沿うには非常に遠いと思うのです。大臣は事業団の構想があるようですけれども、どうですか、この法案はこれで期待が持てそうですが。
○佐藤国務大臣 この法律は方向を示しておるというように思いますので、審議会等で具体的な問題を取り上げた際に、また掘り下げて――そこまでは書いてないということでございます。しかし、この法律ができ上がりまして、あとで審議会等でそれぞれのプロジェクトをとって参りますれば、政府はこの法律によって縛られる。むろん言葉は努力でございますが、これが実現に最善をはかる、これは当然のことでございます。
○井手委員 実現に努力を払うとおっしゃいますけれども、第七条程度のものでは、期待が持てないと思うのです。この間ですか、審議会の九州部会の決定された数字を見ますとい三十七年度に百十億の事業をやりたいということをきめたようであります。そのうち本省でどのくらいお認めになるかわかりませんが、この百一億といい、あるいは全体で二百億になろうとするこの三十七年度の希望に対して、大体どのくらいの事業が産炭地に必要であるとお考えになっておりますか。これは遠い将来の問題ではございませんよ。焦眉の急として要請されておる産炭地振興ですから、これは五カ年間の暫定法であっても、やはり二年先とか三年先、三十七年度、三十八年度にやらなければならめ問題です。百一億の事業をあなたの方はどういうふうにお考えになっておりますか。しかもその百一億のうち幾ら認めようとなさっているかわかりませんが、それはだれがその資金を受け持つのですか。
○今井(博)政府委員 九州の百一億という実体については、まだ詳細に検討いたしておりません。それから各地方の部会は、現在やっておる最中であります。これは十一月の末くらいには大体まとまる、こう思っておりますが、これは緊急のもののみをまとめようということでございまして、今、井手さんのおっしゃいました百一億というのは、あらゆるものを網羅した数字ではないかと思います。従って、これは公共団体がやるものもありましょうし、あるいは事業団でやってくれというものもありましょうし、その資金措置をどうするかという問題は、一つ今後の問題として検討したいと思います。
○佐藤国務大臣 緊急性から、大へん突き進んだお考え方であることはよくわかります。その感じにはこの振興法はだいぶ感覚がずれておるということは、指摘できるかと思います。ただ私が大へん恐縮に思いますことは、今ほんとうに緊急中の緊急事項と取り組んでおります。従いまして、井手さんが今御指摘になりますような点は、いましばらく時間をかしていただきたい。皆様方が非常に突き進んでいらっしゃることはよくわかりますが、当方はいましばらく時間をかしていただきたい。御了承願います。
○井手委員 時間はかさぬわけでもございません。大臣は、来年には事業団を設けたいという構想も言明なさいましたし、実力者のあなたに私は期待をいたしております。しかし、法律案を出す以上は、やはりある程度の構想がなくてはならぬと思います。第七条の場合はこうする、第八条はこうするという用意がなくてはならぬはずです。当然のことです。しかも五月に一たんここを通った問題ですし、その後準備期間も相当あったはずです。なかったならばなかったでよろしいのですよ。待ってくれということですから、私は待ちましょう。しかし、私は、この産炭地の関係方面が要望しておりますいろいろな事業をやる場合に、ただやりたいだけでは、なかなか企業の誘致とか、あるいは施設の設置というものはできるものじゃない。やはり産炭地で企業をやっても、事業をやっても、十分に引き合うだけの条件を整えなくてはならぬと思うのです。そして、その資金はどうするかということです。 ここで私は、一つ大臣に特にお伺いしておきたいのは、そういう産炭地の実情から申しますと、適当な企業を誘致する――機械工業その他いろんなものがございましょうが、ほんとうに企業が誘致できるというためには、私は、一番大事なことは、電力の格安な特殊料金を設けておくことがかなめではないかと思うのです。特に九州なんかは、あなたはあのときは内閣にいらっしゃいませんでしたけれども、電力料金が一割以上引き上げになった。日本一電力の高いこの九州の産炭地に工場を誘致しようとするならば、何としても電力料金に手をつけなくてはならぬと思うのです。これが一番ですよ。名古屋地方あるいは大阪地方で工場を作るよりも、産炭地で設けた方がむしろ有利だという、そういう条件を作らなければ、企業の誘致という本問題の実効を期することは困難であると思います。私どもの案には、電力の特殊料金問題を強調いたしておりますが、そこまでやらなくては、実際の効果は上がらぬと思います。これに対する大臣の所見を承っておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 いろいろ考え方があります。そこで立地条件を整備する、これは、第七条に一応列挙してありますものが、その立地条件の整備と通常指摘される点だと思います。九州において電力料金が特別だと仰せられますと、そういう点が考えられるでございましょう。しかし、先ほど来議論が出ておりますように、産業自体に電力料金が占めるコストの割合というものが、それぞれの産業でだいぶ違っておりますから、電力料金だけを取り上げてどうこう申すことも、必ずしも当たらないのではないか。先ほど御指摘になったことをこれは逆にお返しすることになりまして大へん恐縮でありますが、そういうように思います。一番問題は水の確保だろう。ところが、産炭地は水の確保が非常に困難であります。こういう点で、水もあまり使わずに済むような事業がないかとか、いろいろなことが考えられると思います。しかし、どちらにしても、最小限度の水の確保は絶対に必要でしょう。そういう意味で、立地条件としては、土地の整備あるいは水を確保するというようなことに特に力を入れる、また、海岸ならば港湾の設備、また、内陸ならば道路の整備というような点が特に主張されるだろう、かように思います。
○井手委員 電力の要らない工場、水の要らない工場があったらけっこうでありますけれども、残念ながらそういう工場はないのであります。やはり一番大事な水と電力を特別に考慮しなくては、この産炭地の振興ということは考えられないわけです。とにかく、今まで短い時間、産炭地振興法案について質疑応答を重ねて参りましたが、これではとても日なた水にもならない、なまぬるい、関係者の期待を裏切るような法案であると私は申し上げたいのでありまして、今後画期的な通商大臣の構想に期待して、この産炭地法案についてはこの程度で質問を終わりたいと思っております。 なお、私は本問題の合理化関係について質疑を続行したいと思いますが、本会議の都合とかいろいろございますので、この程度で午前中は終わりたいと思います。
○有田委員長 本会議散会後まで休憩いたします。 午後一時三十七分休憩 ――――◇――――― 午後四時三十二分開議
○有田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 休憩前の質疑を続行いたします。井手以誠君。
○井手委員 運輸大臣にお伺いいたしますが、先刻は関連質問でございましたので十分意を尽くすことができませんでしたから、御迷惑でしたけれども、重ねておいでをお願いをしたわけであります。 石炭合理化の千二百円の炭価引き下げの中に、政府の指導によって、流通機構の整備により二百円を引き下げるというのが、昭和三十五年、昨年の春正式にきめられたものであります。この点は大臣十分御承知であろうと思います。
○斎藤国務大臣 承知しております。
○井手委員 御承知でありますならば、この物価高、ほかの物価はどんどん上がっておる、しかも自由主義経済からいけば、品物が少ないときは値段が上がるのにもかかわらず、だんだん炭価は引き下げられておるという矛盾があるのに、あえて炭価を引き下げなくてはならぬ。トン当たり二百円引き下げるのに、石炭の鉄道運賃が六十四円六十銭引き上げになるということは、この石炭の問題に逆行するのでありますが、この点について、これはあとでもお聞きしますけれども、荷役関係その他にもいろいろ関連して参りますが、そういう流通機構の整備によって二百円引き下げるというその大目的のためには、業者あるいは経営者からの相当の要請はあっても、私はそれを押えるべきものであると考えますが、いかがでございますか。
○斎藤国務大臣 運賃の値上げの問題は、いろいろな物価の上昇と関係を持つわけでございます。従いまして、石炭の運賃を上げるということは、できるだけ慎重にいたさなければならぬと存じまするけれども、しかし石炭といわず、何といわず、一般運賃といたしまして、合理的にその企業の運営をいたしますために必要な限度においてはやむを得ない、かように考えております。
○井手委員 極力押えるけれども、若干の値上げはやむを得ないという場合に、それが石炭の引き下げに逆行する場合には、私は当然関係大臣として、一般会計からでもこれを補給するという政策に積極的に協力すべきであると考えますが、どうお考えになりますか。そういう努力をなすった実績がありましたならば、この機会に承りたいと思います。
○斎藤国務大臣 運賃の引き上げはやむを得ないという場合に、今おっしゃったのは、おそらく運賃を政府から補給をするという意味であろうと思いますが、これは石炭部面を担当しておりますのは通産関係が主でございますが、私の方もこれに協力するのにやぶさかではないわけです。まだ、石炭の運賃の問題について、いよいよどうするかという点を十分煮詰めた段階の協議には入っておらないわけでございます。
○井手委員 それはおかしいですよ。六月の九日でしたか、閣議決定があったわけでありまして、煮詰まっていないなどというのは、国会でおっしゃる言葉ではないと私は思うのです。前の運輸大臣の木暮さんは、こういうことをおっしゃったのです。国鉄の経営ということも考えなくてはならぬ。従って、こういう石炭の引き下げという重要な問題について、それを国鉄ばかりで負担するというわけにはもちろん参りません。参らないけれども、政府も出す、業者も幾らかがまんをしょう、そういう場合には国鉄もやはり三分の一か半分か、その数字まではおっしゃいませんでしたけれども、政府が一般会計から補給するような場合には、国鉄もまた負担をしなくてはなるまいということを、商工委員会なり、あるいは連合審査会で木暮運輸大臣はお話しになっておる。そういう意味で、親は泣き寄りという言葉を使われたわけです。すでにきまったことが実行されないというのは、どうも国鉄側の担保の問題、そういうことが動機でこんなに紛糾が起こっておるのだと私は思うのです。私は国鉄の立場も承知しておりますから、国鉄だけが負担するというのは忍びないけれども、国が一般会計から出す場合には、応分の負担もしなくてはならぬ。公共のためにそういう特別の措置をとられる場合には、その幾分かは国鉄もやむな得まいという木暮運輸大臣の言葉、私はこれは理解できると思うのです。担保の問題とか、利子の問題とかで、あまりみみっちいことをおっしゃるから、私はこういうことに発展をしたのだと思うし、また、そこが国鉄がこの石炭の運賃問題に誠意を見せられなかった証拠であると私は考えるのであります。そこで、齋藤運輸大臣は、今後またその点当委員会で毛あるいは意思表示を行なうかもしれませんが、との運賃を半額延納するというだけにとどまるわけには参りません。そこで、非常に関係の深い国鉄として、この石炭の単価引き下げに協力する意味において、磁極的に各方面で運賃値上げの分を負担をする、国鉄もその一部を負担するということに御努力が願えますか、その点の熱意を承っておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 前運輸大臣のときに、いわゆる運賃の一部を延納するという基本問題で、私は一応運賃問題は片づいておる、こう考えておったのでございます。ところが、どうも最近の様子を考えてみますると、担保問題その他の諸情勢から、あの閣議の決定がなかなか履行しがたいような状況にきておるように見えます。あれがあの通り実行されれば、私はそれで問題は一応済んでいる、こう思うのでございます。ただ、非常にむずかしい状態になっている。どういうようにあの閣議の決定を実行していくか。おっしゃいますように、担保問題について、十分担保も提供できないというような問題もありますので、通産大臣ともお話をしなければならないと思っておるのですが、通産省の方から、しからばこういうようにしてはどうだというお考えもまだご提示になっておりません。何とかしてこの問題は解決を見たい。ただ、私は、国鉄においてこれ以上さらに一そう負担をしなければならぬということになりますると、国鉄の全体の計画にも影響が参りまするから、政府の一般資金という問題とあわせて考えなければならぬ、こう考えております。
○井手委員 どうも運輸大臣の答弁は、熱意を認めがたいのであります。国務大臣である運輸大臣齋藤さんが、今これほど緊迫した石炭の問題に関する鉄道の運賃問題で、あまりにも国鉄の経営にこだわっておられるような気がいたすのであります。この前の六月の閣議決定を履行すれば、それで済むというものではないのであります。私の隣にちゃんと当時の農林大臣、生き証人もいらっしゃるわけであります。閣議できまったのですから、了解事項もつけてあるわけです。しかし、将来の問題は別にいたしまして、やはり進んでこの著しい石炭産業の危機を打開しようというのには、どうもお言葉が私は熱意が足りないと思う。予算委員会その他ではございませんから声を大にしては申し上げませんけれども、これはあなたの方が音頭をとるべきではないでしょうか。この前は幹事役として企画庁長官が中心になっておられました。だれがなられるか、それは政府でおきめになることでしょうけれども、そういう機会をおそらく今後持たれるでしょうが、非常に困っておる石炭産業を救う意味において、何も国鉄の力だけに負担させようということではありません。私も国鉄の経営の状態を知っておりますが、ただあなたに申し上げておきたいことは、国鉄は赤字赤字と言っておったのに、三十五年度の決算において、年度末に、百数十億円の支出をしておきながらなお五十億の黒字になっておったということが、私はかなり各方面に好ましからぬ印象を与えたと思うのです。どうぞ、今後齋藤運輸大臣は石炭もうんと勉強されて御協力を願いたい、これを特に要望いたしておきます。 そこで、事務当局でもけっこうですけれども、こういう石炭に関する流通機構の整備について、鉄道の運賃ばかりではなくして、荷役関係その他にもかなりの値上げがあるだろうと思う。二、三日前に若松で船賃の問題で十円引き上げが行なわれたことを私は新聞で承知いたしたのでありますが、最近あなたの方の運輸省の関係のもので石炭の運賃が引き上げになっておりますか。鉄道運賃、荷役関係その他。
○岡本政府委員 先生がおっしゃいましたように、鉄道運賃はトン当たり大体六十二円あるいは六十三円くらいになったと存じます。
○辻政府委員 海上運賃について申し上げます。今御指摘がございましたように、去る三十日に石炭関係者を機帆船関係者と話がつきまして、若松-阪神の石炭遠賀といたしましてトン当たり十五円、ただし、積み荷役及び揚げ荷役の能率のよいところは、早出料といたしまして五円値引きする、大多数が値引きの恩恵に浴するのではないかと思うのでありますが、そういうふうな話し合いがついております。
○井手委員 今のお話は海上運賃だけですか、荷役を含んだものですか。
○辻政府委員 海上運賃だけでございます。
○井手委員 荷役は。
○今井(博)政府委員 私の方で調べました推計の資料によりますと、港湾荷役作業料金の値上げによるものがトン当たり三十九円でありますが、出炭全体でこれを割りますとトン当たり一円、こういう数字になります。もう一つは、国鉄の荷役料金の値上げによるものがございまして、直接の値上がりが四円でございますが、出炭全体で割りますと、トン当たり同じく一円、こういう値上げになっております。
○井手委員 そうすると、全体を合計しますと、引き上げによって総額は幾らになりますか。
○今井(博)政府委員 三十六年度になりましての数字を合計いたしますと、出炭トン当たり全体で六十八円という数字が出ております。
○井手委員 そうしますと、流通関係で全国平均二百円引き下げるという、この千二百円引き下げの問題について、それでは六十八円ふえただけになりますね。何かほかに合理化して減ったものがございますか。
○今井(博)政府委員 ただいまの数字は値上がりになったものでございまして、そのほかに流通関係で一体どういう数字が出ておるかということを申し上げます、われわれは三十三年を基準にいたしまして、北海道で二百円、それから全国平均しますと百五十円、こういう流通過程の合理化を考えておったわけでございますが、三十三年から海上運賃が非常に下がりまして、海上運賃だけで百四十五円の値下がりを見ております。これが最近少し上がってきておるという状況であります。その他販売関係の合理化で二十五円程度の値下げをやっておりまして、三十三年に比較しますと、現在の流通関係では約百七十円程度の合理化といいますか、値下がりを見ておる。これが現状でございますが、その大半は三十三年から四年、五年にかけての海上運賃の値下がりが、一番大きな原因になっております。
○井手委員 それから通産省でお考えになっております石炭専用船、これはどちらの所管になりますか。運輸省ですか、通産省ですか。
○今井(博)政府委員 所管の点になると、やはりこれは船舶の建造の許可が要るという関係になりますと、運輸省の所管になりますけれども、予算を要求して、いろいろ具体的にそれをどういうふうに動かすかという実態の問題になりますと、通産省が今計画しておる、こういうことでございまして、まだ専用船はございませんので、専用船そのものについての所管は従来は運輸省であった、こういうふうにわれわれは考えております。
○井手委員 あなたの方の計画では、五千トン内外の石炭専用船を七そう建造なさりたいというふうに承っております。大体計画としてはそうですが。
○今井(博)政府委員 われわれの方は全体で三十三隻という計画を持っておるわけでございます。これは相当時間がかかりますので、とりあえず来年度としましては、最初は七隻の計画をいたしておりましたが、現在はこれを四隻というふうに数字を減らしております。
○井手委員 これは主管省が運輸省でございますのでお伺いしますが、石炭専用船については大臣は御承知になっておると思いますが、いかがでございますか。またもちろんそれについては協力なさっておると思いますが、いかがでございますか。
○斎藤国務大臣 通産省にそういうお考えもあるということを聞いておりますが、まだ十分私は通産省からは話は聞いておりません。
○井手委員 海運局長いかがですか。
○辻政府委員 石炭専用船の問題につきましては、石炭局から事務的な連絡を受けております。御承知のように、内航の海運におきまして石炭が占める比重は非常に大きなものでございまして、通炭質のお考えのような石炭専用船が出て参りますと、内航海運一般につきましていろいろ問題が起こるおそれもございますので、やり方につきまして石炭局の方といろいろ折衝しておるような段階でございます。
○井手委員 ちょっと伺いますが、石炭関係閣僚会議には運輸大臣はどうなっていますか。
○斎藤国務大臣 閣僚会議には出ておりますが、この点はまだ閣僚会議で問題に取り上げておりません。
○井手委員 それでは局長にお伺いしますが、ただいま一応の御答弁をいただきましたが、どうですか、結論として、この大事な国策ともいうべき石炭運賃を引き下げるための石炭専用船に対して、大体運輸省では御協力願える態勢でございましょうか。
○斎藤国務大臣 基方方針といたしましては、今海運局長が申しましたように、石炭を運ぶ機帆船の人たちが困らないようにしていくのにはどうしたらいいかという問題がある。この調整がどうできるであろうか。私は、物を運ぶについてできるだけ合理化されて安い運賃でいけるということが望ましい、こう思っております。しかしながら、御承知のように、二面、たくさんの機帆船業者の方がおられます。これらの人たちは、ほとんど労働をもって立っておるような人たちでございます。従って、これらの人たちの生きる道と運送を合理化するということと、どうにらみ合わせていくか、その調節がうまくはがれればしあわせと思っております。そういう見地から検討をいたしていきたい、また協力もいたすべき点はいたしたい、こう考えております。
○井手委員 それでは、運輸省関係はこれで終わりました。一つ鉄道運賃の問題に対しては、格別の熱意を示していただきますように要望をいたしておきます。 続いて、石炭局長にお伺いをいたします。 合理化の問題に入りますが、千二百円の引き下げは、生産において大体千円、流通過程で大体二百円、そうして昨年の春審議しましたときには、一人当たり二十四トンに引き上げるということになっておりましたが、大体その通りですか。
○今井(博)政府委員 千二百円の合理化計画のときにはじきました数字は、先生のおっしゃいます数字とちょっと違いまして、山元で千三百円、それから流通過程で平均して百五十円、合計いたしまして千四百五十円という数字に相なるわけであります。それを千二百円といたしましたのは、これは利潤を全然見込んでございませんので、やはり増資、社債その他を考える場合に当然利潤を見込まなければいかぬ。もう一つは、過去において相当の赤字がありましたので、そういうものを考えまして、揚げ地においては、主として京浜でございますが、千二百円炭価を引き下げる、こういうように実は計算をしたわけでございます。
○井手委員 少し違いますね。一昨年の秋の臨時国会で、私ここにおります同僚議員とこの問題を予算委員会並びに商工委員会で論議し、また昨年四月の商工委員会でこの点はいろいろと論議したわけですが、その際の池田通産大臣の答弁あるいは樋詰石炭局長の答弁によりますと、山元で千円、流通過程で二百円、これで大丈夫かと念を押しましたところ、大丈夫ですという返事でございました。そこでそのときは一人当たり二十四トンに引き上げるという目標でございました。その後、石炭鉱業審議会の答申があって、今お話しのように利潤のことも考えなくちゃならぬであろうから、山元で千円ふやす、その結果、一人当たり二十六・一トンになる、こういうふうに私どもは記憶しておりますが、違いますか。
○今井(博)政府委員 それは速記録で見ないとわかりませんが、その後、私石炭局長になりましてから、合理化審議会のそういう答申に基づいて、各社からとりました計画に基づいて、生産性部会でもって数字を詰めて、はたしてそういうことができるのかどうかということを、実は詳細に検討いたしました。その生産性部会を開きまして、昨年の六月だったと思いますが、そのときにコンクリートな数字が出ましたので、私はその生産性部会の数字を現在申し上げたわけであります。その数字をさらに審議会にかけて決定いたしておりますので、私の申し上げる数字の方が最終的に正しい数字だと思います。
○井手委員 それはどうもおかしいですね。そうしますと、結論はどうですか。あなたの方の方針によりますと、千四百五十円の引き下げということになるわけですか。
○今井(博)政府委員 これは山元の生産原価で千三百円、それから流通経費で百五十円でございますから、流通経費の百五十円が達成された場合は、千四百五十円ネットで下げ得る力が出てくる、こういうことになるわけであります。しかし、先ほども申しました利潤と従来の赤字補てんということを考えまして、これを千二百円、こういうふうに査定しました。
○井手委員 そうすると、一人当たりトンは幾らに引き上げるのですか。
○今井(博)政府委員 これは二十六・二トンに三十八年度において引き上げる、こういう計画でございます。
○井手委員 過ぎたことの勝ち負けはどうこうせぬでもいいわけですが、どうもその辺が少しややこしくなっておるようでして、私どもがこの国会で聞いたのは、今言ったように千円と二百円、二十四トンに引き上げる、こういうことでございました。それは大臣からの言明もあります。ことしの予算委員会で松井さんが聞いたときも、その通りの答弁なんです。 それでは私は、目標が違いますから、次に山元の生産費の引き下げのことでお伺いしますが、その生産費引き下げに要する資金は幾ら計画されておりましたか。大手と中小に分けて、総資金とその中に含まれる政府資金を別々にお示し願いたい。
○今井(博)政府委員 三十三年度から三十八年度まで、詳細な数字はあとから申し上げますが、ラウンド・ナンバーにいたしまして約手二百億ちょっと欠ける、千百五十億の資金でもってこの合理化計画を進めております。この場合、大手と中小との関係は、はっきりした数字が出ておりませんので、あとで少し資料を整理してから正確に申し上げたいと思います。
○井手委員 当時樋詰さんが私に答えたのには、こう出ております。大手十八社で三十八年度まで五カ年間に約千四百億円、それから、そのうちに近代化資金として七十五億、それから開発銀行で二百三十億程度、これは大手の分です。それから中小の分については近代化資金などで三十億程度、それから全体の資金で三百億程度、中小と大手合わせますと千七百億程度、こういうふうになっております。これはここに書いてあるのです。
○今井(博)政府委員 それはいつからいつまでの数字でありますか。
○井手委員 これは昨年の四月五日の委員会で答弁なさった数字でございますが、これは千二百円の目標が達成される三十八年度までのそれに要する資金です。
○今井(博)政府委員 三十四年度からですか。
○井手委員 三十四年度からの五カ年間です。
○今井(博)政府委員 私、先ほど三十三年度からと申し上げましたが、私が千百五十億と申し上げましたのは、三十五年から三十八年までの四カ年間の数字でございまして、今の、樋詰局長時代申し上げました数字は、三十四年以降の数字が入っているんじゃないかと思いまして、その間に若干数字の食い違いがありますが、石炭鉱業審議会で具体的にきめました三十五年から三十八年までの設備投資額は千百五十四億という数字になっておりまして、これが従来から千二百円とかいわれておる数字でございます。
○井手委員 これは政府資金も含んだものですか。その内訳を一つ示してもらいたい。
○今井(博)政府委員 全部含んだものでございます。
○井手委員 それじゃ大手、中小別に内訳をおっしゃって下さい。
○今井(博)政府委員 近代化資金と開銀の資金は、このときには配分しておりません。おそらく樋詰局長は一応の予想を言われたものだろうと思いますが、われわれのこの千百五十四億の場合に、どのくらいを近代化資金、どのくらいを開銀資金というふうにやっておりませんので、これはできるだけ近代化資金なり開銀のその分をふやしていきたい、こう思います。それから中小炭鉱の場合、設備資金はどのくらいか、これは非常に捕捉しにくいのであります。従来の実績から見ますと、大体六十億程度が毎年の中小炭鉱の設備投資額になっておりますので、この場合もこの中で近代化資金と開銀資金が幾らということは、三十五年度、三十六年度については、もちろん計画はちゃんと立っておりますし、過去の実績も出ておりますが、三十八年度まで幾らを予定するかという配分はいたしておりません。従って、前の局長の申し上げましたのは、おそらく予想を申し上げたのじゃないかと私は考えます。
○井手委員 それが千二百円をどうして引き下げるかという根拠の数字でございまして、私はそれを確かめてから、今後の問題を発展させていきたいと思っております。そうしますと、三十五年度から中小、大手合わせて大体千四、五百億円の資金が必要になってくる。そのうち政府は幾ら出すべきかということについては、あなたの方では三十五、三十六年はどうなっていますか。
○今井(博)政府委員 三十五年度の実績を申し上げますと、総体で三百三億という実績になっておりまして、この中で政府関係の資金は約八十四億という数字になっております。その八十四億の内訳は、開銀が六十二億、近代化が十九億、中小公庫が三億という数字になっておるわけでございます。
○井手委員 そうしますと、物価のことは別にいたしまして、政府の施策と業者の努力によって、三十六年度までに単価は幾ら引き下げになりましたか。
○今井(博)政府委員 三十六年度の生産原価の目標を三千九百十円というところに置いて、今実施をいたしておりますが、三十三年が四千七百二十五円でございますので、それから三千九百十円を引きました八百十五円が、コストとしてダウンした数字になっております。
○井手委員 そうすると、予定の通りいっておるわけですか。
○今井(博)政府委員 三十六年度の三千九百十円という数字は、これは一応本年度の初めにきめました目標数字でございます。これから三十七年の三月の年度末までにこの数字を達するということでございますので、この三十六年度については、まだ実績は出ておりません。相当むずかしい問題があるように思います。
○井手委員 そのむずかしい問題の内容を承りたいのと、今日まで物価上昇その他で、これからマイナスは幾らになりますか。
○今井(博)政府委員 これは少し詳しく申し上げたいと思いますが、むずかしい問題と申しますのは、結局三十五年度は非常に合理化の実績が上がった年度でございまして、年間で約四百円程度のコスト・ダウンができておるわけでございます。従って、三十五年度は決算の内容も相当よくなりまして、若干の利潤が出てきた、こういう年でございますが、三十六年度に入りまして、御指摘のような物価の値上がりが相当ございましたので、三十六年度の目標を到達するためには相当もうけをはき出さなければいかぬ。従って、おそらく三十六年度は年間を平均いたしますと、相当赤字の山も出てくるのじゃないか。全部平均して収支とんとんくらいじゃないかという予想のもとに、三千九百十円という出産原価の目標をきめた次第でございます。
○井手委員 そうしますと、本年一ぱいを予想した物価あるいは三・八%を見込んだ賃金を上回るベース・アップの分等々、それは幾らになりますか。
○今井(博)政府委員 これは、年度のとり方によって違うのでありますが、最近の収支の値上がりとしましては、今申し上げましたベース・アップとかその他を全部含めまして、トン当たり二百円というふうにわれわれは押えております。
○井手委員 運賃もですか。
○今井(博)政府委員 運賃は別でございます。一応生産原価を今論じておりますので、山元の原価に影響する、たとえば電気料金の値上げとか、そういうものを入れて、トン当たり二百円の値上がり、運賃はそれにさらに加算される、こういうことになります。
○井手委員 あなたのお話の通り千三百円を基準にいたしましょう。そうしますと、千三百円山元で引き下げなくちゃならぬのに、三十六年度までに引き下がる見込みの八百十五円から物価その他の引き上げによるもの二百円を差し引きますと六百十五円になるわけですね。それが引き下げになった。そうなりますと、貿易の自由化によって三十八年度、すなわち昭和三十九年三月までに予定された千三百円の引き下げというものを来年の九月まで、今後八カ月ばかりの間に、あと七百円ばかり引き下げなくてはあなたの方の目標に達しないということになりますか。
○今井(博)政府委員 千二百円引き下げの計画は、三十八年度の計画でございますので、来年の九月にそれを全部やる、そういう計画は現在考えておりません。
○井手委員 それでは、貿易の自由化ということは全然考えないでいいわけですね。貿易の自由化というものは、炭価の引き下げについては考えないでいいということですか。
○今井(博)政府委員 石油の自由化は来年の十月から実施いたしますが、石炭の合理化計画といたしましては、現在の計画の目標を変える意思は持っておりません。
○井手委員 当時の樋詰石炭局長の答弁の中にはっきりしておりますが、石炭業界の方で八百円の価格を引き下げ、これに対して三十九年か四十年に完成を予定されていたいろいろな合理化工事を、繰り上げて三十八年度中に完成させれば、この目的が達成される、こう言われております。今後七、八カ年でやろうとするものを五カ年間でやってしまえば、千二百円の炭価引き下げは実現できますということを約束されておる。それとうらはらになりますが、石炭鉱業審議会の答申などによりますと、業者の方で八百円、それに、政府の強力な施策によって――、ここで差額は四百円になるわけですが、千二百円の引き下げができるということになっておるわけです。そうしますと、差額の四百円は政府の強力な施策ということになるわけですが、それは間違いないでしょう。
○今井(博)政府委員 そういうことになります。
○井手委員 その政府の施策の四百円は、どのくらい実行なさっておりますか。
○今井(博)政府委員 これは、石炭鉱業審議会でこの議論が出まして、答申の一部にもその趣旨が出ておるわけでございますが、私その当時の模様をいろいろといろいろな委員から聞きましたところ、業界の方は八百円しかできないという話でございまして、この四百円につきましては、文書には出ておりませんが、議論の内容としては、政府が財政資金でもってこの合理化資金の援助を十分に行なうこと、それから、離職者対策について十分なる措置を講ずること、この二つが大きな内容になっておりました。それから流通関係の対策、流通関係についても合理化をやることによって千二百円が達成できる、こういう議論がなされて、ああいう結論になったものと聞いております。
○井手委員 局長にお伺いしておりますのは、当時、石炭局長なり池田通産大臣の約束によりますと、政府資金は大手に対して近代化資金が七十五億、開銀資金が二百三十億、それから中小に対して三十億程度、そういう強力な政府の施策があればこそ、トン当たり四百円の引き下げが可能になってくるわけです。政府の二十一億とか十九億とかいう金くらいで四百円も下がるものじゃございません。離職者対策は別個の問題です。この政府の強力な施策のうちどのくらい実行なさったか、また、三十八年度までに実行なさる確信があるのか、そして今日まではどのくらい下がったか、この数字が私はほしいのです。
○今井(博)政府委員 三十四年度の企業費は全体で二百七十四億でございましたが、その後三十五年度には、三百三十億の企業費の計画をもちましてスタートをいたしました。ところが実績は三十五年度は三百三億という数字に実はなっております。これは主として三井のストライキの関係で、出るべき開銀資金がずれたというところに一番大きな原因があるのでございますが、三十六年度は三百五十四億に企業費の計画を上げたということで、現在資金計画を組んでございます。この三百五十四億の内訳は、開銀資金が八十億、近代化資金が二十五億、中小公庫が十五億で、合計しまして百二十億の財政資金をこの中で調達したい、実はこういう計画で三十六年度やっておるわけでございます。しかし三十七年度は、さらにそれではまだ不十分であろうと思いまして、企業費の計画を三百七十億に今上げたいと思って予算の要求をいたしておるわけでありまして、開銀資金、近代化資金ともに、それぞれ相当な数字をふやしたい、こういう計画を持っております。しかし、今先生御指摘になりましたように、財政資金の状況は、必ずしも樋詰局長が当初言われましたごとくスムーズには多額に出ておりませんので、三十六年、三十七年、三十八年については一つ十分なる措置を講じたい、こういう計画を今立てておるわけであります。
○井手委員 物価の問題その他は、通産省の関係ではございませんから申し上げませんが、政府の強力な施策によって四百円、炭価の引き下げに協力をするという場合に、それでは政府資金が、近代化資金も開銀資金も財政資金も一緒に含めまして、幾らあったら四百円の引き下げが可能になって参りますか。そして今日までそれが幾ら辻成されて、トン当たり幾らの引き下げになったのか、従って今後、昭和三十八年度までには幾らの資金が必要であるか、この点をはっきり、数字だけでけっこうですから一つ示していただきたい。
○今井(博)政府委員 ただいま申されましたように、この四百円についてどのくらい投資したらどうなるかということについては、残念ながら今先生が要求されるような明確な数字は出ませんので、近代化資金を幾ら投じたら幾ら下がる、これは、近代化資金を投じて下がるのが相当先になって下がるという山もありますので、三十五年から三十八年までに幾らの財政資金を調達したら幾ら下がるか、この数字はちょっと出にくいのでございます。御了承を願いたいと思います。
○井手委員 それはそろばんをはじくように、一プラス二のようには参りませんけれども、大体見当はつくはずです。つかなくては千二百円の引き下げなんということは、国会では答弁できないはずです。
○今井(博)政府委員 現在の時点に立ちまして、今後どのくらいの財政資金を投じたら所期の計画が達成できるかという数字は、現在持っております。これは三十六年度が百二十億、それから三十七年度は百八十九億、三十八年度はまだ計画が立っておりません。
○井手委員 今までの集計は三十四、三十五両年度で、幾らになっておりますか。
○今井(博)政府委員 三十四、三十五で百四十億。
○滝井委員 ちょっと関連して。石炭鉱業審議会の生産性部会で、所要資金の調達の円滑化をはかることが必要だ、計画期間における設備投資総額は約千二百億円と想定されるが、このほかに企業整備資金等を含めると、必要資金額は相当に上る、こういうことになっておりますが、この計画期間というのは四十五年までですか。
○今井(博)政府委員 三十八年度までの計画です。
○滝井委員 そうしますと、この内訳は一体どういうことで累計千三百億になるのですか。そうして、千三百億にプラスして企業整備資金が入ってくるわけです。この企業整備資金というのは、一体どの程度必要になってくるのか。
○今井(博)政府委員 その数字は、どの数字ですか。
○滝井委員 これは、石炭鉱業審議会生産性部会の数字です。
○今井(博)政府委員 ただいま滝井先生のお尋ねの千三百億というのは生産性部会の答申の中に入っておりますが、これは私が先ほど申しました千百五十四億という設備投資の額に中小関係の投資を加えまして千二百億、こういうふうに押えた数字であります。
○滝井委員 そうしますと、千百五十四億に中小関係の約六十億程度を加えたもの、六十億というのは一年の数字でありますから、三カ年で百八十億を加えたものである。そうしますと、そのほかに今度は、企業整備資金等を含めて必要資金は相当額に上る、こうなっておるわけです。そういうものは一体幾らになるか、こういうことになるわけです。そうしますと、それだけの金が出れば大体生産部会としては山元で千三百円のコストになる、こういう結論に一応紙の上ではなってくると思うのです。
○今井(博)政府委員 確かに御指摘のように、企業整備資金というのは山を閉める場合の金でございますから、これはいわゆる設備資金の中に入っておりません。それは市中銀行から調達してやっておる。ことしの計画が約百億程度、石炭鉱業の整備資金は今後三年間に約四百三十億程度の資金が必要だ、こういう見通しを現在持っておりまして、大体一年間に約百四十億程度の整備資金が要る、こういう計算になります。
○滝井委員 その百四十億の整備資金というのは、整備事業団が買い上げるお金ですね。これは、六百三十万トンか何かを買い上げますね。そしてさらに六百二十万トン、来年かなんか追加するでしょう、その買い上げるお金は入っておりませんね。
○今井(博)政府委員 その金は入っておりません。これは炭鉱整備資金ということで、主として退職金と鉱害処理の金、こういうものでございます。
○滝井委員 その金が一体幾らくらい要ることになりますか。大体設備資金と純粋の企業整備のための資金、それから今度は買い上げていくお金、これだけのものがあれば大体山のビルドの部分とスクラップの部分との全部が出てくるのじゃないかと思うのです。
○今井(博)政府委員 それが、先ほど申しましたように、今後三年間に四百三十億必要だ、こういう見通しを持っておるわけであります。だから年間にいたしますと約百四十億程度。それから山の買い上げの資金は大体年間百万トンを買い上げることで進んでおりまして、年間約十五億の金が必要になってきます。従って毎年大体十五億の金がそれにプラスする、こういう見通しであります。
○滝井委員 そうしますと、千三百億と四百三十億と、それから四十五億、こういう三つを足したものが大体ビルド・アンド・スクラップのための総経費だ、こういう形になりますね。
○今井(博)政府委員 この十五億と申しましたのは、たとえばことしの所要資金の必要量を申し上げたのであります。従って毎年百万トンずつ買い上げていけば、そういう数字に毎年いくということになりますが、それがふえますと――来年度はもっとふやしたいと思っておりますので、そうしますと、それがふえるわけでありますから、百万トンで十五億、こういうふうにお考え願います。
○滝井委員 それでわかりました。一応百万トンずっと計算して四十五億ですね。だからビルドをしてスクラップをするためには総額千八百億程度必要だ、大体そう理解してさしつかえないでしょう。
○今井(博)政府委員 さらに詳細な数字はもう一度整理してから差し上げますが、大ざっぱに申しますと、そういうことになります。
○井手委員 大臣がお見えになりましたから、大臣の所見をお伺いしたいと思います。 ただいままで、石炭局長との質疑応答から判明いたしましたことは、山元で炭価引き下げが千三百円の予定のところ、今日まで八百十五円引き下げになったけれども、物価の値上がりその他によってマイナスが二百円程度あるので、差し引き今六百十五円のコスト・ダウンになっておる。そうなれば今後三十八年度までに、さらに七百円コスト・ダウンをしなくてはならぬということになるわけです。そこで、揚げ地千二百円の炭価引き下げの基本方針の場合に、業者においては八百円、それに政府の強力な施策によって四百円を加えれば千二百円になるということが、当時の国会の審議で明らかにされておるのでありますし、今もさようでございますと石炭局長は答えられたのであります。すなわち政府の責任によるものが、トン当たり四百円になるわけです。ところが、トン当たり四百円引き下げるには、全部の資金量はおそらく千八百億円程度になるでありましょう。そうして、ただいま石炭局長のお話によると、今日までの政府資金は百四十億円出ておる。従って、今後政府の責任である四百円を引き下げるためには、目標を達成するためには、政府資金五百億円が必要であると言われておるのであります。これは三十六、三十七、三十八、三カ年間に五百億円、あるいは補助金でもけっこうでしょう、あるいは低利の金でもけっこうでありましょう、あるいは低利の開銀資金でもけっこうでありましょう、いずれにしても、政府財政資金を五百億円出さなくてはならぬのであります。そこで大臣、従来、経済合理主義というものが新聞社の精神のようにいわれておりますが、各新聞社の論説を最近見て参りますと、これ以上炭価を引き下げるのは酷だ、業界も一尉懸命になっておる、労働君は犠牲になっておる、千二百円はやむを得ないかもしれないけれども、それ以上引き下げるのは酷だ、ここで石炭産業を安定させるためには、一年間に二百億円、三百億円くらいの金は思い切って出すべきだという論説を、各新聞は最近掲げておるのであります。大臣は五百億円の金をことしを含めて今後三カ年間にお出しになる勇気がございますか、がございますか。熱意のほどを承っておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 さらに下げることが酷だということでありますが、この点には私も心から実は同情いたしております。従いまして、今までも千二百円より以上下げろという目標を示しておらない。これは、そういう意味で御了承いたただきたいと思います。ただ私は、こういう目標を達成さしたいのです。問題は、それ以外にも必ず業界は業界なりに合理化は進められるだろう、かように思いますが、事業主体の利潤をいかように分配されようとも、それは私どもタッチするところではございませんけれども、そういうことは引き続いて経営主体並びに労使双方でやるべきことだ、かように思うわけでございます。ただいま、さらに五百億になるかということでございますが、先ほど来説明を申し上げたことだと思いますが、三十六年に百二十億の融資ワクができておりますし、さらにまた、三十七年に要求しておりますものが約百九十億、百八十九億、こういうことを考えて参りますと、資金的な面では、ただいま申し上げるような金額になるだろう、かように私は思います。
○井手委員 通産省としてはそうですけれども、あくまでも千二百円は動かせないとおっしゃるのですから、これだけは通産省の希望じゃなくて、政府としてあくまでもことし百二十億、来年は百八十九億、再来年も大体同額を出さなくては、政府の責任であるトン当たり四百円の引き下げにはならぬです。だから、あなたは閣内でも有力なのですから、この金額は必ず達成するという決意を承りたい。
○佐藤国務大臣 最善の努力を払って達成したいと、はっきり申し上げます。
○井手委員 現金を持ってあなたがやるわけじゃないですから、そうはっきり言えぬかもしれませんけれども、佐藤さんの政治生命は長いのですし、大きいのですから、十分私どもは監視しております。それともう一つ。そればかりではありません。それで済むものじゃございません。もう一つは、物価の値上げなどによる負担、これは政府が協力しなくてはならぬじゃないか。トン当たり千二百円引き下げになる場合、今までは合理化と一緒に物価の方も吸収したのだから、その分だけ労働者の方にしわ寄せがいっているわけだ。賃下げ、首切りという犠牲が、多く加わっているのです。だから、この部分は物価の値上げ、賃金は三・八%、それを上回ったものは、やはり何といっても労働者の団体交渉というよりも、物価の値上げがしからしめたわけでありますが、この物価の値上げ、石炭運賃、荷役の引き上げ、そういった、横ばいだと政府が声明しておったものが引き上げになった。その分の政府の責任はいかがでございますか。
○佐藤国務大臣 この物価の値上がり、あるいは賃金の値上がり、あるいは運賃の値上がり、きょうも午前中にいろいろ消化の方法をお話しいたしました。最後に残っておるというか、最終的解決ができておらないものが実は運賃じゃないか、かように私ども思っております。今、気休め程度の閣議の決定はございますが、これは絶対に最終決定だとは言えない、かように思いますので、抜本的な解決をぜひともはからなければならない、そういう今の段階だろう、かように私は思います。もちろん電力料金、あるいは資材等の値上がり、これはパーセンテージは出ておりますから、それを見ろ、こういう御議論も成り立つかと思います。その程度は吸収可能じゃないか、こういうように実は見ておりますし、また、物価自身の変動等もございますから、一がいに上がったからすぐというわけのものでもないだろうと思います。しかし、運賃に関する限りは、積極性を持って解決しなければならぬ問題だ、かように私は深く感じております。
○井手委員 物価その他の引き上げによる犠牲は、なるほど今日までは、いわゆる合理化に吸収された。先刻も申しますように、それは労働者にほとんどしわ寄せになっておる。全部とは申しません。だから、これで済んだというわけには絶対に参らないのであります。物価は横ばいだといっているのに、上がったからそうなっておる。公共料金を引き上げたから、そういう結果になっているのですから、業者は政府に、五百円負担しろと言うのです。それが負担できないというならば、千二百円引き下げを千百円にとどめるという、そういう措置が必要ではないですか。私は、もし国で負担ができないというならば、合理化の線をやわらげるという別な方法があると思う。それが一点。 もう一つは、最終的に残っておるとおっしゃる運賃の問題について、閣議決定が最終のものではないとおっしゃるが、残っているものというのは、六十何円に相当するものは、歩合はともかくとして、政府あるいは国鉄その他のもので分担しなければならないというお考えであると理解してよろしゅうございますか。
○佐藤国務大臣 第一段のものは、もちろんいろいろ工夫して参りますが、いわゆる理屈でなしに、解決することはもちろん可能だと思います。千二百円をびた一文も動かすとか動かさないとか、こういうことを言わないととはもちろんでございます。だけれども、今の大目標が千二百円下げということでございますから、そういう意味で御協力を願っているわけでございます。それじゃ、今こういうものがあるから、百円引けとか、二百円引けとか言われましても、直ちにそれに応ずるわけには参りません。実情等を十分把握して、そしてお互いに理解のできるところへとめていく。ただいまは千二百円下げの目標だ、かように了承いただきたいと思います。 運賃の問題は、閣議決定はあと払いの契約でございます。三十八年までのあと払いということは、一体どういうことを意味するのか、三十八年になれば、今度はためて支払わなければならないのか、ただ問題の解決を先に譲っているのではないかという感じが深くいたしますので、そういう意味で、私は最終的な解決でないのだということを実は申し上げておるわけでございます。これは、当時の模様など私想像いたしますと、おそらく当時運賃の値上げの問題があった、国鉄自身が運賃の値上げの必要に迫られている、そういう際に運賃の割引はできない、一応の理屈はそうであったろうと思います。もう一つは、しからば国が負担することが可能かと申しますと、この種の補給は財政でしたことがないというのできめかねたというのが、おそらく実情だろうと思います。しかし事態は、そういうような事柄を言っているべきではないのでございますから、解決の道をとにかく見出さなければならない、かように私は思っております。
○井手委員 通産大臣の誠意の一端はお伺いすることができました。私ども、主管の通産大臣としては、三十九年以降にこれを解決することではいけない、この際、非常に石炭産業の問題が論議されているので、この機会に根本的にその問題は解決をしたい、かような意味に理解してよろしゅうございますか。
○佐藤国務大臣 さようでございます。いずれ恒久対策の一部として解決したいということでございます。
○井手委員 それから千二百円の引き下げは、これは目標として動かすわけにはいかない。しかし、政府の施策その他によって物価が上がった、そういうものが二百円になりますか、今後の物価の趨勢によってどうなるかわかりませんけれども、その分については絶対的に千二百円というものではない、その分は幾らか幅のあるものであるというふうに理解してよろしゅうございますか。
○佐藤国務大臣 非常な物価の変動等があります場合に、そういう事態を無視して、千二百円下げなど、そんな冷酷な主張はいたさないということを申し上げておきます。
○井手委員 大体わかって参りました。そこで来年十月から石油が自由化になりまして、石炭界に及ぼす影響がきわめて重大でありますが、この三十八年度までに千二百円引き下げるという石炭鉱業の合理化、これは三十八年度までという目標は動かしませんね。
○佐藤国務大臣 ただいまのところ、動かすつもりはございません。
○岡田(利)委員 関連しまして。現在すでに大手炭鉱と中小炭鉱の場合、同じカロリーで、大体銘柄が同じであっても、電力、鉄鋼等大きな企業に売られている売炭価格が、大体トン二百円程度の差があるわけなんですから、千二百円のダウンというものは、出発当時から差があって、中小と大手の場合には同じスタートから出発していないわけです。ここに今日、中小炭鉱の大きな問題があるという工合に私は考えるわけです。従って、たとえば同じ電力会社に石炭を売っても、中小炭鉱の場合には、初めから二百円の値引きだ。その上にさらに千二百円のコスト・ダウンである、こういう状態に中小炭鉱があるわけなんです。これは私は、やはりある時期に同じスタート・ラインに並べる必要があるのではないか、そうでなければ、中小炭鉱というものは今日も成り立っていかないし、千二百円のコスト・ダウンも非常に苦しくなってくるのではないか、こういう考え方を持つわけなんです。大体同じ銘柄であり、カロリーも同じなんですから、その点の指導なり、あるいは業界に対して、その面の格差を是正するということが、緊急の問題として私は必要だと思うのですけれども、この点、所見はいかがでしょう。
○佐藤国務大臣 ただいまの岡田さんの御指摘の点、これは私ども今後指導の問題として取り上げなければならないことではないか、かように考えております。すでに御承知のように、国鉄などは納炭が大と中小との間に差がなく、非常に近づいて参っておる、かように聞いております。電力に関する限り、過去の経過といいますか、特殊なきめ方があり、それがそのまま踏襲されておると思います。ここらに中小の特殊性もあるわけでございまして、値段だけから申しますと、非常につらいという感じもすると思いますが、また中小自身が、過去において、数量が小口であり、しかもそれを納める上において、特殊な勉強をしてきた、こういう中小炭鉱の身軽さが、かような炭価を今まで決定してきたのだと思います。同時にそういう事柄が、需要が旺盛な際には、中小が身軽によそにいくというようなことがありまして、いわゆる長期引取契約が十分川をなさないというような点もあるわけでございます。今後はこういう事柄がないように、やはり長期引取契約をするということなら、その権利義務の関係もはっきりさしていく、そういう方向に指導していくことが必要である、かように思います。
○多賀谷委員 ちょっと、運賃に関係しまして、国鉄と私鉄間の運賃が、大部分は通算制になっておるわけです。御存じのように、国鉄は長距離逓減の法則をとっておりますから、通算制の方が安いわけですが、ある線によっては併算制のままで放置されておる。これはやはり、今度の運賃補給その他の問題のときに一緒に解決されるつもりかどうか、これをお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 だいぶこまかい問題になって参りました。ことに地方鉄道というか、社線の場合でございますと、多くの原則は合算主義だ、通算にあらずして、併算あるいは合算と申しますか、そういう仕組みだと思います。ということは、あとの割賦の問題が生ずるものでございますから、その地方鉄道の採算性の面から見まして、遠距離逓減の法則をやられると運賃が安くなるので、本来は併算主義をとっております。併算主義をとっておるところでは、ただいまの遠距離逓減の恩典がない、かように思いますが、これは比較的短かい区間であったり、あるいはまた、その鉄道会社と炭鉱との特別な結びつき等で、実際の処理は、大口のものについては特別の処置もあるのじゃないか、かように思います。具体的に、九州ではもうそういうのはあまりはやらなくなっているのじゃないかと思いますが、いかようでございますか。北海道ではまだ一、二あるかと思います。
○多賀谷委員 その数からいいますと、確かに、御指摘のように、合算制の方が多いのですよ。ところが量からいいますと、通算制の方が多いわけです。ですから、これはやはり今度の補給問題の際に解決してやった方がいいのではないか、かように考えるわけです。ましてや、私鉄関係の方がそれでよろしいということならば、通算してやった方がいいのじゃないか、石炭では運賃が非常に多いものでございますから。
○佐藤国務大臣 ただいま石炭局長が申しておりますが、この前の連絡会議では、もちろん社線の関係も出したそうでございます。だから、今御指摘のございましたから、運賃問題解決の際には、あわせて考えることにいたします。
○井手委員 だいぶん時間が経過して参りましたので、あと一、二点にとどめたいと思っております。 通産大臣はただいま、炭価を千二百円以上には引き下げない、そういう冷酷なことはしないとおっしゃいました。午前中、伊藤さんの質問に対しては、石炭は安定産業にしたいという心がまえをお述べになりました。ところが石油の自由化とか、あるいはいろんなことから、また重油がどんどん下がり、七千円を割っていく。合理化計画を立てられたときには、重油が八千四百円であった。それがすでに七千円を割っておるという今日、重油が下がれば、また炭価の引き下げが強要されるのではないか、こういうので、経営者も労働者も、もうびくびくしておるのです。先刻おっしゃった安定産業にしたいという決意は、私はいい言葉だと思うのです。これは、今後のことで非常に大事な点でありますが、私どもは千二百円引き下げることについて反対であります。合理化、近代化することについては、これは当然のことだと思うのですが、今のように労働者の犠牲でやられることに対しては、反対であります。その主張は別にいたしまして、大体この千二百円の目標を達成した暁には、安定産業として、これ以上の炭価引き下げはやらないという建前で、合理化、近代化によるものは別ですが、今後石炭鉱業の再建をおはかりになるおつもりでございますか、その点をお伺いしたい。
○佐藤国務大臣 安定産業と申しますことは、需給関係において安定、あるいは需要が安定するということ、言いかえますならば、企業が採算がとれるということでなければならない。いろいろの補助も、もちろんその道程においてはございますが、これはやはり一本立ちすることが必要だと思います。そのことを考えますと、働く人々に対する労賃が適正であり、同時に、資本に対しても相当の利潤が得られる、そういうような事業計画がなければならない。だから、現在におきましては、石炭産業がいろいろ関連産業をやっておれば別でございますが、事業自体が決して適正な利潤を生んでおる事業だとは私考えません。そういうことを考えますと、これは一応需給関係は立ちましても、事業自体としてはなお安定だとはいえない。そういうことを考えますと、今の千二百円下げても、すでに非常な合理化資金を必要とし、非常な積極的な改善を必要とする、その辺で一息つかすことは当然のことじゃないか、かように実は思うのであります。しからば利潤は一体どの程度が適正であるのか、かように申しますと、普通産業としては、やはり八分ないし一割見当の利潤がないと、新しく資本などは来るものではございません。先ほど申しますように、この目標の千二百円というものが達成された暁においても、もちろん事業自体は労使双方で経営の合理化を進められるだろう。そして、コスト下げをされるだろう。それが賃金に分配されたり、あるいは資本に分配されたり、価格の面で最終消費者に安いものを提供するようになったりするだろう。それが私どもが考える事業のあり方でございますから、今その途上で次の段階のものを示すということは、行き過ぎだろう、かように実は申して、ただいま三十八年の目標を推し進めて、それを実行していただくということを申しておるわけであります。しかし、私は別な言い方をするならば、そして三十八年になりまして、なお賃金水準が非常に高く、また配当も非常な高率の配当をするというような時期がきたら、さらに一歩下げる。これは、最終消費者の炭価を引き下げることを一つ努力をしてもらいたい、こういうふうに考えますが、今言われるように、なかなか困難なことだろうと思いますので、そういう無理なことは考えない。今までしばしば申しますように、石油は石油、石炭は石炭、その建前において一応考えられるところで進めていこうというのが、今日の決意でございますし、その点では、あまり御心配をかけなくて済むのじゃないか。ただ今まで陳情その他を受けまして、非常に有望な山といいますか、生産性を上げておる山も、また一昨日最初に見たような山も、一緒にされて山だと言われる。そこらに非常な間違いがあるのだと思います。だから、ここの問題と石炭産業に対するあり方とやや具体的には区別してお考え願わないと、佐藤はこう言ったけれども、それはどうしたと言われても無理だと思います。
○井手委員 炭鉱は六百も七百もあるほどに、銘柄が二千もあるほどに、複雑多岐であることは申すまでもございません。そういう意味で、私は真の安定産業になるということは、なかなかのことだろうと思うのです。ただ、物価は上がって、石炭だけは引き下げなくちゃならない。自由主義経済でありますならば、品物が少ないときには値段は上がる。ことしの冬は燃料に困ると言われておるときに、炭価を下げなければというこの矛盾。私がお尋ねしておるのは、将来の施策として、国策として、千二百円のこの目標のあとには、もうそんなことはしない。石炭は石炭、石油は石油、これ以上無理はしないというはっきりした見解がほしかったのと、千二百円を最低として、石炭を安定産業にするための施策を講じていきたい、その千二百円が最低だという、そこを私は聞きたかったのですが、その点を、もう一つはっきりこの委員会を通じて関係者に示してもらいたい。
○佐藤国務大臣 先ほど非常にはっきりと申し上げたと思いますが、重ねてのお話ですけれども、十分御理解をいただいたと思います。私どもは、非常な無理をするというか、今の千二百円の目標自体につきましても、先ほど来の質疑応答でおわかりのように、無理をしいる考えはない。また、この目標を達成しないうちから、次を御心配になることは絶対ございません。またただいま、安定産業のゆえんは一体どこにあるのかと申したのは、配当その他まで申しましたのも、そういう意味の安定産業でございますから、これは誤解のないように願いたいと思います。とにかくこの際に基幹産業である石炭、しかも長期にこれが永続性を持つ安定産業にする、この意味においての御協力をお願いしておる次第でございます。
○井手委員 石炭の持っておる社会的、あるいは人間的なもの、あるいは国際収支――石油をどんどん入れますと、特に今の場合は国際収支が恐くなる、そういったことを考えますと、やはりお話のように、石炭は石炭として、石炭産業の占める重要な任務、国の基幹産業としての立場というものを十分考えてやっていただきたいと思う。 そこで、あとは簡単な質問ですが、すでに買い上げは六百二十万トンきまって、ワク外で百何十万トン申し込みがあると聞いておりますが、来年度はどういう御計画でございますか。
○佐藤国務大臣 来年度として残っておりますものが、六十七、八万トンだと思っております。その他に、予算といたしましては、大体百万トン加えて、百七十万トン程度の予算を要求しておる、かようになっておると思います。ただいままでのところ、ことし予定いたしましたもので予算の未使用分がなお十五億程度ございます。今、炭鉱の整備について、一番ここを問題にしておるわけでございますから、おそらく中小企業としても、また大きい山にいたしましても、対象になった山、またこれからなるんじゃないかという、そこらに非常な不安感を持っておるのではないかと思います。従って、それを安定させる方法として、右か左か安定させることが必要なんじゃないか、こういうように実は考えるのでございまして、そういう意味で、九州に参りました際に、御希望があれば百六万トンも追加して、本年度内に片づけたいというととを申したのです。山の実情は必ずしも一様ではございませんから、予算がありましても年度を越しておるのが過去の例でございますけれども、不安な際は、右か左か早く処理をつけた方がいいのではないか。不安定な状況のもとにありますと、金融などはほとんどできない状況だと思います。それこそ経営者というよりも、働く人たちの職場のことを考えますと、労働者のためには早くきめることが必要じゃないかという感を実は深くいたしておるわけでございます。ただいま申し上げますように、今後の合理化の問題として、あるいは事務的にいろいろな数字などが出ておると思いますが、あまり先走った考え方よりも、具体的に可能な範囲の予算を計上していくことが、あまり不安を与えなくて済むのではないか、こういう点は、十分考えて予算も要求し、またその予算ができれば、できるだけ早目に処置すべきじゃないか、かように思います。
○井手委員 ちょっと局長に伺いますが、私が事業団で聞いたのは、今までのワクは六百二十万トン、それに対して、すでにあなたに対して申し出があって、はみ出したのが百万トン以上に上っておると聞いておるのですが、そうですか。――そうでありますならば、経営者にも労働者にも不安を与えないように、なるべく早く右か左かきめたいという大臣のお考えのようですが、最近のようにデフレ傾向になって参りますと、就職の点を非常に心配しますが、しかし、どうにもならぬところはやむを得ない、やはり右か左かきめておかなくちゃならぬと思います。そうしますと、百万トン以上も申し出があって、ワク外になってしまうというもの、それを、できるならばワクを広げて予算措置をしてやりたいということでございますが、その辺をはっきり答えて下さい。
○佐藤国務大臣 予算は一応ついておりまして、ことし実施するというものが、昨年も同様でございますが、年度を越しておるのです。でありますから年度を越して処理しないで、ワクを別にふやすわけじゃございません。だから、今予定されております整理トン数、それを予算が今あるのでございますから、その範囲内で処理したらどうか、それが先ほど申します百六万トンという数字でございます。 それから、先ほど申しますように、来年はと言われますと、百六万トン処理してしまうと、あと残りますのが六十七、八方トンということになるわけです。それに対して、さらに百万トン程度の見込みの予算をつけておる、要求しておる、こういうことであります。
○井手委員 大体わかりはしましたが、私が事業団から聞いておるところでは、六百三十万トンの処理ができておらぬことは事実です。けれども次々に申し込みがあって、もう今から整理しようとして申し込んだってだめなんです。処理はできておらぬけれども、すでに申し込みというものは満ぱいになって、なお百万トン余っておるのです。門前にたまっておるのです。だからそれをどうなさるか。今から申し込んだって、二年先になるか一年先になるかわからぬのです。
○今井(博)政府委員 これは、先ほど大臣からもお答えになりましたように、来年度のワクは六十七万トンしかございませんので、さらに三カ年計画で六百二十万トンの新しいワクを設定したい、こう考えまして、年来度は、そのうち現在予算要求しておるのは百二十万トンでありますから、百二十万トンを新しく要求したい。従って、既存の計画の六十七万トンを加えますと、約百八十七万トンになりますが、それを来年度やりたい、こう思って、今ワクからあふれておるのはそれで処理したい、こう考えております。
○井手委員 なお不足の分も考えられますけれども、それは大臣、大へんな熱意のようですから、もうその点は、今日は触れないことにいたします。 最後に、大臣は鉱区の統廃合について、積極的に進めたいということを岡田さんにお答えになったことがございます。そして昨日でしたか、未開発炭田は全国八地区あるが、特に原料炭の開発に手を伸ばしたいというお話がございました。それは石炭合理化法に基づいてのお考えですか、あるいは鉱業法でお考えになっておりますか。最近非常にけっこうなものが出て参りました。「鉱業法改正の基本方針」として、鉱業法改正審議会でこういうことが言われておるのであります。「鉱区調整を、通商産業局長の勧告、仲介、決定等の方法により行ないうる制度を整備することとする。」こういう非常に進んだ、けっこうな案が出て参っておりますが、真に鉱区の統廃合をするためには、やはり通産局長が決定するところまでいかなくてはならぬと私は思うのです。今までは、買う方と売るかも一しれない方との間をあっせんする、紹介する程度であった。これは、簡単にできないのはあたりまえです。国家的な立場から必要と認めるなら、やはり通産局長が強いあっせん、仲介、最後には決定まで行なうことが必要だと思うのです。そこまでの、西欧でやっておりますような強い御意思が通産大臣におありになるかどうか。
○佐藤国務大臣 鉱業法審議会の答申を今お話しになったのだと思いますが、鉱業法の改正が当然必要になってくるのではないか。ただいまの勧告の程度では目的を達しないと思いますので、ただいまそのような改正を検討いたしておるわけであります。
○井手委員 だから、まだ正式答申ではございませんが、やはりこの基本方針にありますような方法でいかなくては、真の統廃合による開発ということはむずかしいと思います。そこで、あなたの決意を承りたかったのです。
○佐藤国務大臣 ただいまそういう方向で検討しております。いずれ鉱業法の改正を出しましたら、御審議を願わなければならぬと思いますが、よろしくお願いいたします。
○井手委員 それではもう一点、ただいま申しました未開発の炭田の中の、特に原料炭の開発に手を伸ばしたいということは、第一にやはり有明海の開発が考えられるでありましょう。こういった未開発炭田について、すでに鉱区がこまかく分制されているような状態において、これを国で積極的に開発なさる。有明海には、御承知の通り、粘結炭四十億トンが埋蔵されておると、通産省ではすでに数字が出ております。原料炭四十億トンですから、これを開発いたしますならば、外国から輸入しておる原料炭というものはほとんど輸入しなくて済むという、きわめて重要な開発であろうと私は考えますが、これに対してどういう熱意を持っておられますか。
○佐藤国務大臣 具体的に地区等に局長に説明させたいと思います。私が先ほど申しました石炭の基本方針から申しまして、未開発の有望炭田の開発は、ぜひやらなければならないと思います。ことに恒久的なエネルギー対策の面からいたしましても、これは絶対に必要でありますし、また緊急な離職者対策の面でも、これは必ず役立つことだ、かように考えておるわけでございます。ただいままでのところ政府に調査機構がついておる、かように申しておりますので、その実情などは局長から一通り説明させたいと思います。
○今井(博)政府委員 御承知のように、炭田総合開発という計画を立てまして、現在八地区について調査を行なっておりまして、今一番重点を置いておりますのは、三池を中心とする有明海、それから高島炭田といいますか、それよりもう少し北になる高島炭田、それから石狩の南部地区、この三地区が最も有望かと思います。これは主として原料炭の炭田でございます。その他につきましては、まだ一般炭の地区もございますし、まだ未調査の地区ばかりでございまして、現在八カ所のうちでは、この三つに重点を置いてさらに調査を進めたい、こう考えておる次第でございます。将来は、やはりそういう意味で、原料炭の需要状況からいたしましても、少なくとも四〇%程度の原料炭は国内でまかないたい。その他は強粘結炭になりますので、これはやはり輸入に待つ以外にはないだろう、こういう計画を持っております。
○井手委員 真に石炭産業を安定産業とするためには、鉱区の整理統合、未開発炭田の開発がきわめて重要でありますので、これはなお論議する機会が次にあるかと思いますから、特にその点、一つ熱意を持ってもらいたいということを御要望いたしておきます。
○滝井委員 さいぜん大臣の御説明の、申し込まれてはおるけれども、まだ処理ができてないものが百六万トンあるという点に関連してですが、申し込みがあって処理ができないというのは、いろいろありますが、非常に鉱害が多いということが一番多いのだろうと思います。ところが、二年も三年も前から申し込んで、できない主たる理由は、最近における建築資材、それから人件費の値上がり、これは二割以上値上がりをしているわけです。従って処理をしようとしても、今度は鉱業権者が合理化事業団に自分でお金を持っていかなければ処理ができないという状態が、おそらくこの群六万トンの中には相当出てくるのじゃないかと思う。もっと進めれば進めるほど、そういう状態が濃厚になってくる。そうしますと、百六万トンの中には、焦げつきというか、これはとてもだめだろうというやつが出てくると思うのです。今私も、そういうのを扱っておるのですが、そういうものの処理は――無資力にいく分は何とか解決できるのです。無資力になれば六十六条、今度改正したら六十六条はなくなりますが、現行法の六十六条を適用すればよいことになるわけですが、そうでないものがある。ところが、今経営している炭鉱というものは、買い上げの申請をしないで、経営している炭鉱も、あっぷあっぷしていて、ようやく収支償うていっている。とても追い銭まで打って買い上げしてもらう資力がないという炭鉱が、私は百六万トンのうちに相当あるではないかと思うのです。とういうものの処理が進まぬと、あとの六十八万トン・プラス百二十万トンですか、百八十七万トンの来年の業務が進まぬことになるわけです。これが現在整備率業団の事務渋滞の大きな――百六万トンというものが、いわば前にふさがっているわけです。人数もそう多くないから、事業団の職員はこれに忙殺されているわけです。だから、新しいものの買い上げの事務をやろうと思っても、やれない状態です。ここらあたりの打開策を一体どうお考えになっているかということです。
○今井(博)政府委員 確かに先生の御指摘になりましたように、どうにもならない炭鉱がございまして、これが相当数に達すると思います。それで、現在の処理の方針としましては、現在の買い上げの方式ではどうしても買い上げができませんので、これについては、この年末くらいまでに何らかの目鼻をつけたい。従って、もしもそういうものが、山の方でも延ばさざるを得ないということになりますれば、その分はむしろあとに回しまして、現在受け付けていないものをさらに受け付けて審査するとかいう、一種の取りかえといいますか、そういうふうなことも可能かと思いますが、この十二月、年末までにどの程度のものが買い上げできないかということをはっきりさしたいと思います。ただ、その中には、初めから書類も何も出さずに、ただ権利だけを持って眠っているというふうな炭鉱もございますので、この点ももう少し選別しなければならぬと思いますが、根本的にこういうものをどうして処理するかということにつきましては、やはり現在の買い上げ方式では買い上げが不可能でありますので、鉱業権の譲渡を含んだ今の買い上げ方式そのものを再検討しまして、来年度はそういうものも買い上げ得るような方式を考えたいと思います。そうしますと、やはり無資力認定へ移行する例が多くなると思いますが、無資力認定の今のやり方そのものをも、それに関連して検討しなければならぬと思いますので、現在の買い上げ方式は、やはり現在保安でやっておりますような買い上げ方式とも関連しまして、もう少し新しい考え方をとっていきたい、こう思っております。
○滝井委員 そうすると、その新しい買い上げの方式の構想というのは、およそどういう方法がございますか。何かいいことをお考えづきになっておるとすれば、そのアウト・ラインでも――こういう方法はどうかということがあれば、われわれも研究してみたいと思いますが……。
○今井(博)政府委員 まだ成案は得ておりませんけれども、やはり現在保安で考えておりますような、保安の今度の法律できまりましたように、鉱業権を抹消してきた抹消登録というものを条件にして、一種の整備補給金といいますか、補償といいますか、買い上げではなくて、鉱業権を抹消した場合の整備補給金、補償金、そういった方式の金を出すことを検討しております。考え方は、保安の今度の法律で考えておりますのと同じようなものであります。
○滝井委員 そうしますと、整備補償金を出して、なおあと鉱害その他が残れば、その部分については、今度は無資力なら無資力を適用する、こういう二段がまえになってくるわけですか。
○今井(博)政府委員 そうでございます。
○滝井委員 そうしますと、非常に不均衡ができてくるわけです。どうして不均衡ができるかというと、整備を受けた人は、私が数日前以来指摘をしておるように、鉱業権者として今度やられる分については、迷惑料その他が全部出てくるわけです。整備資金を出す場合は、鉱業権がついているから、従って、迷惑料その他が全部出てくる。ところが、ある限度まで行って無資力になった途端に、今度は迷惑料その他がなくなってしまう。従って、同じ鉱区の中に非常に不均衡が出てきます。あなたは無資力のものも検討しますと言われましたが、無資力分についてもそういう迷惑料その他を考えなければならぬという問題が出てくると思います。これはまだ仮定の問題ですが、そういう点も考えてもらわなければならぬと思うのです。 それからもう一つ。その前の段階で、百六万トンというものが現在申し込んでいるのですが、停滞をしている。それを今度は、買い上げの対象にならぬということで、しばらくあと回しにする、こうなりますと、その百六万トンのうちどのくらいがあと回しになるかしらぬけれども、このあと回しになったもののケースは二つになってくる。どういう工合に二つになってくるかというと、一つは、ポンプ・アップをして細々ながら採炭をして歩いている炭鉱。それからもう一つは、買い上げることによって、労務者はそのまま置いておって採炭をやめているのと二つあるのです。そうすると、一体こういうものはずっと歩かせるのか、それとももうストップしてしまうのかという問題が出てくるわけです。これはいずれの場合も炭住に労務者が滞留してしまうわけです。この問題の見通しをはっきりつけておかぬと、労務者というものは、野上鉱で見たり、本洞で見たように、また原口さんの炭鉱で見たと同じように、破れ屋に何年も滞留することになる。だから、あと回しにした場合、歩いているものとやめているものとの二つをどう処理するかということ、歩いているものは、鉱業権者が今保安の確保をやっておりますから、電気料から水道料から全部払っているわけです。それは、結局、買い上げられた金の中から払おうと思って借金している。だから、借金がうんとたまっているわけです。買い上げたときは、同時に借金でとられる、こういう形になるわけです。買い上げられないとすれば、借金のままの中で、事業主は非常に悲惨になるという状態が出てくるわけですが、この二つのケースを一体どう処理するか。
○今井(博)政府委員 非常にむずかしいケースが出てくるかと思いますので、これはそのケース、ケースに応じまして、慎重に対策を考えていきたいと思っております。
○滝井委員 それからもう一つ大事な点は、こういうように非常にいろいろのケースで売山が行なわれてくるわけです。その結果、最近こういうことが行なわれ始めたわけです。自分の山はもう終掘じゃ、もう全部掘り尽くして石炭はありませんと言って、ぱたっとやめてしまうわけです。やめて労務者に退職金を払って、そして社宅その他から出てもらう。それからおもむろに売山申請をするわけです。そうして買い上げられます。そうしますと、われわれ合理化法というのは反対をしましたけれども、合理化というのは、鉱業権者についても買い上げてやるが、同時に、労務者も、移住資金とか離職金がもらえる、こういう考え方だったわけです。ところが、閉山をしてその後に売山申請をすると、労務者は何ももらえないですね、閉山をしているのですから。これはこの法律に反するわけです。そして、大体今買い上げの業務は、最も早いもので六カ月、練達堪能の事務屋がおっても普通一年かかります。六カ月から一年の間に大体評価額が内示されます。内示されるときには、ほとんどその地区の鉱害を全部洗いざらい、大体鉱害がどの程度あるかということが、もう同時に把握されておるのです。そして評価額が内示される。内示されると、たとえば鉱害が六千万円、評価額は一億、こうなると、よし、これで調印というと、もしそれを片づけていなければ、六千万円を事業団にリザーブしてしまう。そして残りの四千万円を払うことになる。ところが、今言ったように、物価が上がったり、思わぬところから鉱害が出たり、大へんですから、四千万円は返さないのです。八千万円までリザーブして二千万円くらい返すのです。こういう形になるのです。そこでこの合理化法を見ると、労務者が離職金をもらうためには、買い上げのときから前三カ月に勤務をして、あと二カ月の後に解雇されておらなければ、離職金も何ももらえないわけです。従って閉山をした炭鉱は、一切労務者なくして買い上げてもらう、こういうことになって、労務者は何の恩典にも浴さない。これは何といいますか、体のいい脱法行為ですよ。こういうことは、私は許されぬと思うのです。そこで、こういう形の買い上げが今後行なわれるとすれば、閉山のときの前三カ月、あるいはあと二カ月とかというように、ずっと前にさかのぼって設定しないと、労務者というものは何ももらえぬでおっぽり出されてしまうのです。それは、退職金はもらえます。けれども、合理化に伴うお金はもらえないのです。だから、この点に対する措置を、私はこの機会に、やはり合理化法の審議ですから、政府としてははっきりしておく必要があると思います。買い上げの予定日やなんかは、これは買い上げに伴う行政上の措置ですから、いいです。それはいろいろおやりになっていいですが、労務者だけには、これは鉱業権者が金を出すのじゃないのですから、政府と鉱業権者全部がプールしたお金を労務者に払うわけなんですから、閉山のときにしてやっても、鉱業権者は腹は痛まぬわけです。合理化によって労働者が首を切られて悲惨な目にあうのですから、やはり一カ月分くらいの離職金や移住資金をやるような政策は、やはり私は温情ある政策としてとる必要があると思うんですがね。これは佐藤さん、どうでしょうか。
○今井(博)政府委員 非常にむずかしいケースでございまして、現在の合理化法、それから業務方法書の建前からいいますと、今の場合には離職金を出す方法がないということになります。われわれの方は、離職金は、先生御承知のように、買い上げ予定日を中心にできるだけさかのぼって、一人でも多く離職金が労務者に渡るように実は考えておりまして、決してこれを惜しむものではございませんが、今のように先に閉山してしまって、労務者が全部いなくなってから申し込んできた、こういう悪質といいますか、そういう鉱業権者の場合には、ちょっと今の方法では救いようがないのじゃないかと思います。なぜ鉱業権者がそういうことをするのか、それから、それだけ労務者が離職金をよけいもらえるわけですから、むしろそういう温情ある措置は鉱業権者みずからが考うべきだ、それが当然だと思いますが、そういうふうな事例が確かにあり得ると思いますので、今は相当思い切ってさかのぼって離職金を支給いたしておりまするけれども、そういう場合に、何かうまく理屈をつけて支払い得るような方法があるならば、ぜひとりたいと思います。この点は非常に規則とも関係いたしますので、もう少し研究さしていただきたいと思います。
○滝井委員 実は、これからだんだん大手の炭鉱が閉山する場合には、やはり労務者から合理化反対、売山反対が出てくるわけです。そうすると、労務者の同意をとらなければ申請がやれないわけです。だからなかなか閉山――終掘で閉山した、こういう形になるといいですが、終掘で閉山といっても、こういうことをやるのは、大手がこれから多いのですが、終掘しましたといって大手はやってしまう。そうして、第二会社でも作ってやらせる場合は別です。ところがその場合でも、鉱区を分割するわけです。大きな鉱区を分割して、たとえば浅い層の残っておる分は、大手がやったのでは鉱害その他を払わなければならぬので、第二会社なり中小に渡して、残りだけ売れば同じことなのです。だから、こういう形がとられますから、私は五年も十年もさかのぼってやりなさいとは言いません。やはり閉山時において使用されておった労務者については、移住資金は当然もらえますが、離職金はわずか一カ月分ですよ。だから、やるというように何か業務方法書をかえていただけば、私は事足りると思います。二年も三年もさかのぼれば、これは大手はたくさん使っているから、閉山といってやるとなかなか問題がありますけれども、最近は閉山といっても、閉山式をおくらすのです。買い上げになる前になって閉山式をやるようでありますから、閉山式じゃなくて、実質的に閉山をしたと見られるときですね。これも、実質的に閉山したときというのもなかなかむずかしいのです。ポンプ・アップその他何人かの保安要員を残して全部首切ってしまうわけです。むずかしいけれども、それは大体客観的に見ればわかるのであります。だから、何かここらあたりをぜひしてもらわないと、合理化法という法律は、事業主側も救うけれども、労務者も救うという形になっておるのですが、主は助かって労務者は助からないということでは、均衡がとられていない。現実にそういうふうに出てきたのですから、大臣、ぜひあなたから御答弁願って、速急にやっていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 なかなかむずかしい問題のようですが、御指摘の通り、せっかくの制度が悪用されて、効果を発揮しないようでは申しわけございませんので、十分誠意のある検討を続けていきたいと思います。
○有田委員長 多賀谷君、だいぶ時間が経過しましたから、簡潔にお願いします。
○多賀谷委員 まだ逐条審議は一つもやっていない。これは、法律が運用され出すと、一つも審議してないと、大へんなのです。私たち関係者なんですが、速記録がこうあったとか、あとから、これは条文が違うとか、いつでも大へんなことが起とる。これは与党でも審議してないからこういうものが出てくるので、やはり私は審議をしておきたいと思います。 そこで、今の滝井さんの指摘した一つは、悪質の業者だけでなく、政府もワクがないのです。自分は買い上げを申請したいけれども、ワクがない。そこで覆面で申請して届けておる。ところがワクがないから、表面は受けつけてないのであります。これが今の例なのです。これは、何も悪質な業者だけじゃなくて、政府もワクを持ってないものですから、正式に受けつけるわけにいかない。そこで、届出は預かっております、それで、ワクが拡大されれば先着順にやります、こういうところにそのような問題が一つは起こる。それは業者だけの問題ではない。ですからワクの拡大の方は、やはりそういう時期を見ておやりになった方がいいと思う。そこで、今滝井さんの方から、労働者が非常に困っておる例をお話しになりましたが、現在の合理化法で一番困っているのは賃金、退職金がもらえない。なかんずく、退職金がもらえない。ほとんどの例が小さな炭鉱ですが、ほとんど鉱害の処理をしてない。ですから、買上価格よりも、鉱害の力がすこぶる多い。そういたしますと、鉱害の方は、連帯債務になる。すなわち事業団は、買い上げを申請いたしました鉱業権者と連帯債務になるものですから、事業団は、鉱害をいわば瑕疵ある鉱業権のような扱いをして、最優先に鉱害を払うという仕組みになっておる。あらゆるものよりも最優先に払う。そういたしますと、労働者の方は退職金なんてほとんどもらえない。加茂炭鉱の例を言っておそれ入りますが、労働者の退職金が千九百万円ほどあった。ところが鉱害が四千万円以上ありまして、買い上げ代金がたしか三千数百万円あったと思う。そこで百万円くらいしか労働者に渡らなかった。千九百万円退職金があって、百万円くらいしか渡らなかったという例が現実にある。今度の石炭鉱山保安臨時措置法は、退職金を含む賃金と鉱害を、単なる代位弁済だけでなくて、優先弁済にしておりますから、このシステムは私は非常にいいと思うのですが、われわれこの合理化法に反対しておりますから、われわれの方から修正するというわけになかなかいかないのです。ですから、政府の方で合理化法の改正を出されるときには、すべからく退職金を含む賃金は、これを少なくとも石炭鉱山保安臨時措置法のような取り扱いをしてもらいたい、こう考えますが、どうですか。これは事務当局でもけっこうです。
○今井(博)政府委員 十分研究させていただきます。
○多賀谷委員 研究させていただきますといいましても、現在同じような法律、石炭鉱山保安臨時措置法では退職金を含んで、しかも優先弁済ですよ。ところが石炭鉱業合理化臨時措置法の方は、退職金なんというのはもう一般債権のビリの方にいくのです。そうでしょう。それはまず鉱害、その次は抵当権なんか持ってきます、公租公課があります。結局、退職金なんて一般債権の中へ入っているわけですからね。ですから、非常に順位が違う。そこで、少なくとも政府が同じような法案を出されておるわけですから、合理化臨時措置法もそういうふうに扱ってもらいたい、こういうふうに思います。
○佐藤国務大臣 未払い賃金は、御指摘の通り、優先先取りだということのようですが、ただいまのお話は退職金まで含める、そこに問題があるようでございます。その点は、なお今事務当局が申しますように十分検討して、将来の問題として解決したい、かように実は申しておるわけでございます。私やはり退職金も、大きい退職金じゃございませんから、最低の退職金程度は、未払い賃金同様に扱うことが望ましいことだと思います。だから、ただいまの法律がどうなっておりますか、その辺十分検討さしていただきたい、かように思っております。
○多賀谷委員 石炭鉱山保安臨時措置法の方では踏み切られておるわけですから、私はそれと同じような扱いをしてもらいたい、かように思います。 そこで今度の合理化臨時措置法の一部改正の保証契約の問題ですが、この保証契約の対象になります三十六条の十三の一号、二号は合理化法の買い上げの場合は適用されませんか、適用されますか。
○今井(博)政府委員 三十六条の十三の一号の場合は、買い上げの場合もそうでない場合も一応適用される建前にはなっておりますが、かりに、ある鉱山業者がその山一つしか持っていないという場合に、その山が買い上げられるということになりますと、実際問題としてはあとに何にも財産がありませんから、この一号の適用はむずかしいかと思います。 それから第二号の場合は、これは実際に山を廃止する場合でございます。山を実際に廃止した場合に、鉱害について一度に金が要るという場合のことを想定いたしまして、山を廃止した場合にのみこの二号を適用する、こういう考え方をとっております。従って、山を廃止する場合でなくて、一般に鉱害に金が必要だという場合には第二号は適用されない、こういうことであります。
○多賀谷委員 そうすると第二号の場合は、買い上げることによって事業を廃止する場合はどうなんですか。
○今井(博)政府委員 それは適用になります。
○多賀谷委員 そうしますと、二号の場合は買上代金ももらって、また保証契約もできるわけですね。
○今井(博)政府委員 これは、その事業を廃止して事業団に買い上げの申請をした場合、その場合は買い上げになりましても、第二号の適用は当然あると思います。
○多賀谷委員 そうすると、その山が一つだけの場合で、それを買い上げた場合は、ありませんか。
○今井(博)政府委員 この第二号の場合でございますが、一社一山という場合には、第二号の適用は考えておりません。
○多賀谷委員 そうすると、ほかに担保があっても、これは保証契約になりませんか。その炭鉱でなくても、ほかに担保があってもできませんか。
○今井(博)政府委員 かりに兼業部門を持って、相当な担保を持っておるという場合は、第二号の適用は考えております。
○多賀谷委員 そうすると、担保がありさえすれば一山の買い上げとは関係ないわけですね。担保があるかないかという問題でしょう。
○今井(博)政府委員 これは実際保証する場合に、やはり全然財産がないという場合には保証ができませんので、結局どういう担保があるか、それだけの返済能力があるかということできまるわけであります。
○多賀谷委員 結局、炭鉱の経営を残しておくということは、前提条件ではございませんね。
○今井(博)政府委員 前提条件ではございません。
○多賀谷委員 大臣、大体炭鉱には三つの型があると思う。それは、退職金さえくれれば、未払い賃金が続いているから、退職金さえ見せれば全部やめたい、閉山をしたいという労働者の希望の山。次の層は、別に非常に安定した職場があればぜひやめたいという層の炭鉱がある。その上の層が、いや、首を切られても絶対やめたくないという層である。これを考えると結局三十六条の十三に該当する炭鉱というのは、労働者が絶対やめたくないというところに該当するんですよ。もしこれがそうでなくて、二、三というところに該当するとするならば、これは山をつぶすことになる。逆に、若い労働者と技術者がいなくなる法律になりますよ。炭鉱の再建にならない。退職金を見せれば、労働者はやめたいという状態です。プレミアムをつけなくてもやめたいという労働者は、幾らでもいるのですよ。ですから、今大手なんかの炭鉱においても、退職金を全部払えないで分割して払っておるので、退職金を令部くれないからがまんして、いよう、こう言っている。退職金をまるまる払いますと言ったら、希望者が殺到する。そうすると、山の再建も何もできない、どういう状態にあるのです。一体政府がどこにポイントを貫いて政策を立てようとするのか、何を焦点に置いて政策を立てようとするのか、それをお聞かせ願いたいと思う。
○佐藤国務大臣 ちょっとわかりかねるのですが、ただいま言われるような事柄、労働者は退職金をくれればやめる、あるいは未払い賃金をくれればやめたい、こういう山自体はおそらく、採算性のない山だ、こういうように一般には見られる山じゃないかと思うのです。見込みのある山だと、おそらくそういう事態も起こらないと思いますから、そういう山こそ対象になるのじゃないか、私はそんな気がするのですが、あるいはお話の点を取り違えておるかと思います。そうじゃないかと思います。
○多賀谷委員 見込みのない山は、担保がないのですよ。
○佐藤国務大臣 それは程度の問題だろうと思いますので、一がいに申し上げるわけにいかない。ことに労使双方で話し合いもされることだろうと思いますから、そういう点は比較的労使双方了承しないと進んでいかないのじゃないか、いわゆる整理の方に進んでいかないのじゃないか、かように私は思いますが、いかがでございますか。
○多賀谷委員 今、プレミアムをつけて労使が合意に達しての大量解雇でない場合でも、やめ手がどんどんあるのです。しかも、中高年層はやめません。若い者と技術を持った者がやめていく、こういう状態です。ですから、いわゆる良質な労働力というものが失われるわけです。そして、一番しなければならない政策のポイントであるいわゆる中堅炭鉱、その中堅炭鉱は、退職金を払うと言うと若い労働者がいなくなる。だから、今むずかしい状態にあるわけです。ですから、一体政府は何をねらっておるのか、そのことをお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 これは、私は申し上げていることと合うかどうかと思いますが、安定産業にしますと、やはり必要な労務は確保しなければならない、この必要な労務の確保がはたしてできるか、こういうことをせんだっても、炭労の原委員長と実は話し合ったことがあるのであります。これはもう最近の労働の状況等から見まして、山から離れる、あるいは新たに山に入ってくる、これが非常に困難になっておる、これはもうひとり日本ばかりではございません。外国等においても、そういう例になっておる、かような点が指摘されております。従いまして、冒頭に申すような、また、基本的な考え方でおります、基幹産業であり、産業にする、こういう観点に立てば、必要な労務者の確保、これは経営者として十二分に努力していかなければならぬと思っております。そういう場合に、やはり賃金構成というものが一つの問題になるだろう、かように考えます。そこでいわゆる中小炭鉱等におきましても、今回の最低賃金というものが、そういう意味では新たなる賃金構成ができて、安堵してその職場に踏みとどまり得るのではないか、そういう待遇をすることが必要ではないか。幸いにいたしまして、本日、労働省は、中央審議会ですか、それに諮問したという実情もございますように、賃金体系も今後は積極の面――今までは離職者について非常に議論が集中されておりますが、残る人あるいは今後新しく入ってくる必要な労務者のための制度も整備されて参るだろう、これを私どもは期待いたしております。
○多賀谷委員 そういたしますと、まず、炭鉱の再建並びに安定のためには、良質な労働者を確保しなければならない。それがためには最低賃金が必要である、こういう考え方で最低賃金審議会に答申をされたわけですね。
○佐藤国務大臣 私は、労働省がどういうふうに考えたか知りませんけれども、私自身は、そういう意味で新しい賃金体系が今後発足するだろう、実はこれに期待をかけておる次第でございます。
○有田委員長 次会は明二十六日木曜日午前十時より理事会、十時十五分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時五十五分散会