石炭対策特別委員会 第10号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/24
会議録
○有田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案及び勝間田清一君外二名提出の石炭鉱業安定法案、以上三法案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。 ちょっと速記をとめて懇談いたしたいと思います。 〔速記中止〕
○有田委員長 速記を始めて。 本会議散会後まで休憩いたします。 午前十一時二十一分休憩 ――――◇――――― 午後三時六分開議
○有田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出の石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、産炭地域振興臨時措置法案及び勝間田清一君外二名提出の石炭鉱業安定法案、以上三法案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。多賀谷真稔君。
○多賀谷委員 通産大臣並びに大蔵大臣においては、国会開会中で、しかも非常にお忙しい中を、現地の筑豊炭田を視察していただきまして、非常に敬意を表する次第でございます。 そこでまず、大臣として現地視察後どういう所感を持たれたか、また、今後の対策はどういうように進められようとするか、お尋ねいたしたい。
○佐藤国務大臣 ただいまのお尋ねに対してお答えいたします前に、昨日筑豊地方に参りました際に、大へんに皆様方にお世話になりましたことを一言お礼を申し上げたいと思います。自民党の藏内さん、また社会党の多賀谷さん、滝井さん、あるいはまた民主社会党の伊藤さん、お忙しいにもかかわりませず、現地においでをいただきまして、私並びに大蔵大臣の不十分な点等いろいろ補なっていただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。 今回の現地視察は短時間でございました、意に満たないものがもちろんあるのでございます。しかしながら、ただいま一言お礼を申し上げましたように、現地の皆様方のお手配によりまして、比較的短時間の間に要領よく現地の視察ができた、かように私感じております。同町にまた、午後の時間は大部分、産炭地の三県知事、あるいはまた経営者の団体、あるいはまた組合の幹部の方々、それぞれ別々の会合を持ち、また、ただいま問題になっております大正鑛業につきましては、経営者並びに組合の諸君と席を同じくして、大正鑛業の実情等について詳しくお話を聞きました。それから後に総合の協議会を持ちまして、その間におきましても、時間はまことに短時間でありましたが、皆様方の御意見、御要望等を伺うことができまして、大へんしあわせだと思います。もちろん出かけます前に、すでに東京におきまして、総評や炭労や全炭鉱、あるいはまた炭鉱職員組合の方、それぞれ別々にお話も聞いておりますし、また経営者の方々からも、中小あるいは大手それぞれの筋からお話を聞いておりますし、また書類等もいただいておりますので、大体の点はかくもあるだろう、かように考えて現地に参りました。しかしながら、やはり百聞は一見にしかずとでも申しますか、現地に参りますると、現地がかもし出しておる雰囲気等から申しまして、また別なものも感得するわけでございます。そうした結果、何と申しましても、一日も早く基幹産業である石炭産業をして安定産業たらしめる、これはもう絶対に必要なことだ、いわゆる恒久対策として指摘しております、安定産業たらしめるあらゆる具体方策、これは一そう熱意を持ってこの大事業と、取り組まなければならない、かように決意をいたしました。同時にまた、今日現地において当面しておる、また、社会問題にまで発展しようとしておる事態に対しましても緊急措置を講じなければならない、かように強く、深く感得した次第であります。 恒久対策の問題につきましては、また機会をあらためて種々工夫を練っていきたい、かように考えまするが、今日速急に緊急措置を取らなければならないものは、いずれもが石炭産業の特殊性にかんがみての問題でございます。 一つは、最近の金融引き締めによって石炭産業がこうむっている金融の問題であります。この点につきましては、出かけます前に、中小炭鉱向けについて十五億の別ワクを設けて、そうして中小炭鉱向けの金融の円滑をはかる、こういう処置をとったのでありまして、すでに発表いたした通りであります。しかし、今回参りましていろいろお話を伺いますと、この十五億の金額が私は少額とは申しませんが、御要望等の点と比べますと相当の開きのあるもので、また、在来の金融の仕方でありましては、この十五億すら消化というか、金融措置が実際にできにくいのじゃないか、こういう点を感じたわけでありまして、今回の十五億については、伊勢湾台風の際にとりましたと同じような金融措置を緩和した点でこの融資あっせんもするつもりでございますけれども、この点を一そう通産局のあっせん班をして徹底さす、こういうことを実は指示いたして参りました。またこの点では、中小炭鉱の経営者との協議会におきましても、具体的な事務処理の方法など詳細にお話をいたしておきましたから、おそらくこの十五億はうまく融資ができはしないか、また、ぜひともそうさせたいものだと思います。同町にまた、融資班は、ひとりこの十五億の長期資金の貸付のみならず、今日当面しておられる商業手形の割引等につきましても相談に応ずる、こういうことで、このをよく説明して参ったのであります。また、大蔵大臣とも相談をいたしまして、この金額でとりあえずこの処置をとるが、今後の融資の実情等にかんがみて、さらに将来重ねて手を打つということを決意いたしておるわけであります。また、これはひとり中小炭鉱のみならず、大手筋もすでに金融の面においては非常に苦しんでおる時代でございますから、本日の閣議におきまして、昨日の視察の結果を詳細に報告すると同時に、この大手に対しましても金融の面で、石灰産業の特殊性にかんがみ、特に日銀並びに地方銀行が配慮するよう、大蔵省から通牒を出させることにいたしました。この方は金額が幾らというような問題ではなくて、金融の円滑化に金融機関自身が十分注意する、こういうことで特に注意を喚起いたしておいた次第であります。また、金融の実際面等から実情に合わない点がございますれば、さらに私どもも具体的に金融をつけるべく処置する考えでございます。 もう一つは、離職者対策の問題であります。簡単に離職者対策と申しますが、いわゆる生活保護を受けておられる階層の方々並びに現在なお炭住に住んでおられる離職者に対する対策の問題であります。現地におきましては、失業対策あるいは臨時就労対策その他の名目によりまして、いろいろこれらの方々に職場を与えるような努力を払っておられるやに伺ったのであります。ことに知事並びに市町村長の方々からのお話など伺いますと、そういう手をそれぞれとっておられるやに伺いました。もちろん、これもある程度の効果を上げておることとは思います。しかしながら、もともと多数の失業者を出したり、あるいは生活保護者を出しておるような市町村は、市町村の財政自体もまことに窮迫しておる次第でございますので、この処置についてなお欠けるものがあるように見受けたのであります。ことに、最近休廃止した山は別といたしまして、三十一年当初に整理されました山、その炭住、それは一切修理もされず、そのままに放置され、そこに人が住んでおるわけでございますから、住川そのものもまことにおそまつであり、それは惨たんたるものであります。これはお話を聞いたというだけの者には、なかなか想像がつかない。私ども現地に行って見て、初めてその実態に触れた感がいたすのであります。この生活の実態に触れました際に、この離職者対策につき、その住居を初めあらゆる面において、さらにさらに内容を充実しなければならない、これを強く感じた次第であります。政府といたしましても、離職者の問題は、いわゆる臨時に、応急的に仕事を与える失業対策というような事業もございますけれども、やはり離職者としては本格的に永続的な職場を見つけるということ、これは絶対に必要だ、かように考えます。そういう意味で労働省が、広域にわたっての職業あっせんということ、これをする必要を痛切に感じた次第であります。ことに福岡、長崎、佐賀と三県とも、伺ってみますと、炭鉱労務者の半分に近い人は大体その児の人のようであります。残り半分、これが県外から来ておられる方のようにお見受けいたします。従いまして、この再就職という問題については、それらの点をも勘案し、また、一たん山に入った方々は心から山を愛し、その土地を去ることになかなか踏み切らない、だから、甲の山で失職しても乙の山に転職するというような場合があって、なかなか恒久的な職場を見つけかねておる、こういうこともあるようでございますから、これらの点はもう少し実態に即した指導が必要だろう、こういう意味で、これまた労働大臣に、現地地を視察した後でありますが、本日も閣議等においてそれらのを私並びに大蔵大臣から指摘した次第であります。しかしそれにいたしましても、恒久対策はそう容易にできるわけでもないでありましょうし、家族持ちであるし、あるいは子供が学校に行っておる、それらのことなど考えますると、いずれその日その日を過ごすその生活のかてとしても、臨時事業を起こすことが必要だろう、こういう意味で、急場の間に合わせの事業を作ること、これを得に労働大臣にもお話をした次第であります。きょうは労働省については、再就職で他の場所へ変わる場合に住宅が一番問題になるから、住宅建設についてのワクの拡大なり、あるいはその補助の拡大なり、これを閣議で決定をいたしました。さらにまた、炭鉱離職者を収容するような事業場に対しても、特別な融資の処置など考えた次第でございますが、こういう処置をとる前に、やはり生活の安定、これをもう少し指導する必要がある、かように私は考えたので、率直にその話をいたしました。 また、住宅自体の問題でありますが、これにつきましては、今のあの炭住は事業団の所有に帰しておると思います。事業団といたしましては、も取りませんが、同時に、修理もでききない状況でございます。従いまして、他に転居される、こういう場合がない限り、あの炭住はつぶれていかないだろう、住む限りにおいては、また、現地において仕事が見つかる限りにおいては、とにかく一応住める程度にはこれを修理しなけれ、ばならない。雨が漏るまま、月の光が漏るままにほっておくわけにいかない。これは強く実は感じたのであります。こういう点については、これから具体的に考え、所在の市町村等とも十分相談をして考えて参るならば、必ず対策を得る、かような実は確信を持っております。ただ問題は、肝心の市町村自身も財政が疲弊いたしておりますから、この市町村に対する財政措置も、これまた緊急を要します。近く、自治大臣が現地を視察することになっております。また、予算的には、来年の一月になりますと、特別交付金の交付がございますから、これらの処置ができるように思います。それらの点もあわせて処置していく、こういう臨時応急の処置は一通り――内容的には十分とは申せませんが、一わたり当たったような感じでただいまいる次第でございます。きょうも詳細に、関係大臣ではなしに、閣議におきまして全部を報告して、そしてただいま申し上げるような金融並びに離職者対策のうちの住宅についての財政的措置、これを決定した次第でございます。
○多賀谷委員 ただいま提案になっております産炭地域振興法案を主として、大臣の今所見の発表がございましたので、それに関連して質問を続けたいと思います。 大臣、詳細に調査していただきまして、関係者として非常に感謝しておる次第であります。そこで、大臣はお帰りになってから羽田での記者会見で、広域職業紹介もいいけれども、やはり実情に相応した就職、すなわち、現地で職場を見つけるという点から、ぜひ早急に産炭地域振興法案を通したい、こういうお話があった。私はもっともな点もあると思いますけれども、私たちは、この法案では残念ながら産炭地域の振興ということに、万全を期し得ない、こういうように考えるわけです。第一、事業主体がないのでございます。ただ国が計画を立てて、やれやれと言いましても、市町村は御存じのような財政の窮迫しておる状態であるし、それから産炭地は主として内陸にありまして、臨海工業地帯の地点というのは非常に少ない。そこで、現在水があり、港があり、土地があれば企業が参りますけれども、残念ながら港でない点が多い、そうして水も少ない、こういう立地条件必ずしもよくないという状態である。そこで、財政は市町村、県にゆだねておくわけにいかない情勢にあり、また立地条件必ずしもよくないということになると、国としての積極的な政策が必要であり、それがためには施行主体というものをはっきりする必要があるのじゃないか。これは日本でも、すでに東北開発につきましては、御存じのように、戦争中から、東北興業株大会社というのがありまして、あのぼうばくたる広い地域で仕事をしておるのですから、かなり成果を上げておるとはいえないわけですが、しかし、とにかく戦年中から今日まで二十幾つの工場をみずから経営をし、九十余の会社に投資をしている。そうして、あの広い地域ですから、目立つものはありませんけれども、そういったものをあの筑豊地方とか、あるいは佐賀炭田に集中的に持っていくならば、この方法も効果を上げないとは決して言えない。また、日本の現行法制の中に、御存じのように、日本へ合成ゴム株式会社というのがありまして、とにかく天然ゴムに対して現在のキャパシティー、量では競争できないけれども、これは育成すればかなり競争ができ得る。そうして、政府みずから投資をしておるわけであります。これはやがてペイするようになれば、企業が一人立ちするようになれば株をその会社に買わす、こういうような方法で現在やられておるわけです。現在でも一産業についてはそういう方法があり、地域についてはそういう方法があるわけでありますから、一体、産炭地域振興公団あるいは事業団でも設けて積極的におやりになる意志があるかどうか、今度の国会でその法案が出されるかどうか、これをお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 ただいま御指摘になりました点でございますが、今審議をいただいております法案は、今から考えますといろいろ不備な点もあるやに見受けます。また、実情に即する面から申せば、さらに一歩進める要あり、かようにも思います。この法律案を出しました際に大蔵当局等とも話し合った程度のものでございまして、予算的措置は積極的にはまだついておらない。しかし、来年度予算の要求等におきましては、ぜひとも企業主体なども考えたい、かように考えております。問題の、今回問も参りまして――筑豊の中心直方に参りますと、ここは機械工業の地である。機械工業はなかなか盛んなところである。中小企業が多い。しかし、肝心の事業相手である炭鉱自身が不振で、その機械工業も困る、こういう話である。しかしながら、もうかねてからここに中小企業の団地を形成しようという計画が一面進んでおりますので、これはいわゆる振興法とは別な法律ではございますけれども、いずれ団地形成の方向で進めて参りたいと思います。ただいまお話しになりますように、工場誘致をするにしても、あるいは産炭地発電をするにいたしましても、その立地条件を整備しないと、なかなか工場などできるものではございません。今言われるように土地が狭い、水が不足だ、この二つがいつも工場誘致の場合にネックになるのでございます。しかしながら、今回の視察でちょっと見たところでありますが、二瀬にいたしましても、あるいは直方地区にいたしましても、田用地区にいたしましても、積極的に事業を起こそうとすれば、必ずしも至難というか、そう克服できないような条件下にあるとは私は思いません。従いまして、さらに積極的な意図を持って変わった事業を起こすこと、これはもう絶対に必要だ、かように考えて参りますと、事業の主体である事業団の形成ということ、これは必要なことだろうと思います。そういう意味で、私ども来年度了算におきましてはこれが要求をするという心組みで、今日まで参っております。だから、そういう点も時期的にややおくれておりまして、あるいは御審議なさる方から見れば、一日でも早くそういうものに着手したい、この国会ではそういうところまでなぜ進めないのかというおしかりを受けるかとも思いますけれども、ただいま準備いたしましたものは来年度予算でという感じでおります点、御了承をいただきたいと思います。
○多賀谷委員 私は現在の日本の雇用問題には二つあると思うわけです。一つは御存じのように、若い労働力は足らないけれども、中高年の労働力は余っておる、こういう問題。もう一つのネックは、地域格差が非常にある。労働は地域偏在をしておる。こういう点で、私はこの二つのネックを除くことは、全体的に非常に失業者が多い時代と違って、政府の政策よろしきを得ればできるのじゃないか、こう思うのです。このことは、第二次大戦後の失業問題というのは、地域的に過剰労働力をどう処理するかという問題であるというようなことがすでに戦時中からいわれて、御存じのように、英国では工場配置法ができました。またアメリカのような、今は非常に失業者が多いわけですけれども、一時非常に失業者が少なかった時代でも、やはり軍需工場が倒れたとか、あるいは鉱産物が資源が枯渇したとか、あるいは炭鉱地帯であるとか、繊維工場がいわゆる綿から合成化学になったというようなところは、やはり同じような地域的な労働力過剰地帯を示しておる。そこで不況地域再開発法という法律を作って、今、ああいう資本主義の、自由主義の国でもやっておるわけです。そうしてそいう地域には官公需、ことに国防省等の官公需を多く発注するというようなこともやっておるわけですが、どうも日本で今までおざなりになっておったこういうことで非常に残念に思うわけですが、最近地域開発という問題が起こったのです。しかし産炭地の問題は、私は、東北や北海道あるいは九州の果てのように比校的労働力が過剰で現在困っておるという地域と違って、非常に急迫した問題だと思うのです。未開発地域の開発よりも、すでに開発されておる、そして人間は余っておるけれども、その人間が失業者になるという状態のところの方が、緊急を要すると思うのです。今日出されておりますこの産炭地域振興臨時措置法案というのは、例の低開発地域振興法と内容があまり変わないのですよ。一部においてはそれよりも劣っておった点があって、われわれ直さしたわけですけれども、まことに政府としては――これは大臣がおかわりになったわけで、あまり責めるわけにはいきませんけれども、しかし池田内閣の時代ですから、当然責任があると思いますけれども、どうも熱意が足らないのじゃないかと思う。最近大臣見て帰られて非常な熱意を燃やしておられますから、この際多くの一言明を得たい、こう欲ばって質問するわけですけれども……。 それで、第一には、政府みずから水の問題とそれから土地の問題は解決してやるべきではないか。筋二の問題は、資金の問題で一般の商業ベースにはなかなか乗らない問題があるから、むしろ投資会社的なものを作る必要があるのではないか。これは現在フランスで行なっております。フランスでは、結局炭鉱地帯でだんだん疲弊していく地帯におきましては、御存じのように、パリに集まっております工場を分散させようという計画の中に乗っけてどんどん工場誘致をしておる。ところがその工場誘致をする場合に、市中銀行からの金融がなかなかうまくいかない、あるいは金利が高いという場合には、特別の措置をしてやっておるのです。すなわち、それは政府が株を持つわけです。そうしてその会社は、五年間なら五年間、要するに政府のただの金を使うわけですから、やがてペイするようになりますと、その株をその会社に買わすという方法をやっておる。これは日本の合成ゴム株式会社と同じ方法です。これを地域的にやっておるというのが違うわけですが、そういう投資方法まで考える必要があるのではないか、こういうように考えるわけですが、大臣の構想の産炭地域振興事業団にはそういう構想があるかどうか、投資的な考え方があるかどうかお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 ただいまのところは一応土地を作るといいますか、これを第一に事業団の仕事にしたらどうか、そういうことで考えております。しこうして今言われるような融資、そういうことまで考えておるかと言われますと、ただいまはまだそこまで考えておりません。これは正直に申し上げるので、やらないというわけじゃございません、まだそこまで考えが進んでおらないということを申すのですが、今までいろいろ交渉いたしておりますると、税の問題で何か優遇措置がとれれば工場が来やすいんじゃないかということが、まずいわれております。この免税措置はもちろん可能だと思いますが、今御指摘になりますように、問題はやはり資金的な裏づけがないと、現実にはなかなか工場は来ないんじゃないのか。だから、やはりここに特定の資金を確保する。その場合に、これは低利であることがもちろん必要でございますから、そういう意味では政府資金を確保する機関がどうしても必要になってくるんじゃないか、かように思います。まだ十分構想も練れておらない際に申し上げますことは、一面、私がでたらめを言ったということになっても恐縮にも思いますし、言質をとられたというか、そういう意味で、実現しないと私自身の責任でもございますので、その必要性はございますが具体的にそこまで行っていないということを正直に申し上げる次第でございます。今回ずっと視察に参っていろいろ感じますことは、直方に機械工業の団地を作る、これなどはすぐ考えられることでありますし、あるいはまた、あれだけ石灰石の山がありますから、ここにセメント工場が興ることも、これまた必要であり、考えられることじゃないか、かようにも思います。石灰石を出して別な場所でセメントを作るまでもなく、石炭山のそばでセメントを作ることは望ましいのじゃないか、かようにも考えます。あるいはまた、中高年層の方々だと、力の作業もさることながら、やはり力よりも技術本位の事業などに向くだろうと思いますし、いろいろ工夫すれば工夫の余地があるだろう。そういう場合に特別金融措置ができれば――今までのところでは、あるいは開発銀行の資金で特別に確保するとかいう程度のものを考えておりますが、事業団自身がそこまで考える必要があるかどうか、その辺は研究の問題として残さして置いていただきたいと思います。御指摘になりました点は、いずれの形にしろ、とにかく金融をつけることを考えなければならぬことはよくわかります。
○多賀谷委員 この法律の第十条の「政府は、実施計画の円滑な実施を図るため、実施計画に基づいて、鉱工業等を営む者に対し、技術的な助言、必要な資金の確保その他の援助に努めるものとする。」この「必要な資金の確保」というのも、私たちが修正をしてやっとこの前の委員会で入れてもらったような工合なのです。しかも「助言」より前に書いてくれと言うけれども、うしろにやっとくっつけたというようにきわめて消極的なわけです。これで一体できるかどうか。私は、政府みずから株を持ちなさいとは一言わないけれども、しかしこの十条程度のことでは、とても大蔵省は金を出しませんよ。この事業団というものを地方公共団体あるいは住民が望むのは、私は土地の造成ぐらいじゃないと思うのです。土地は案外あるのです。炭鉱がやまった跡なんか、すでに大きな土地があいておる。ですから、土地の造成は、ブルドーザーを一台借りてきて、さあっとならせば簡単にできる。事業団は仕事をすることがないくらい早く、簡単にできますよ、土地の造成くらいは。ものすごい山をくずすわけじゃなく、すでに炭鉱があって事務所が建っておったところをならせばいいのですから、仕事がなくなって、もう二、三カ月もすれば開店休業になります。私は、少なくとも事業団体の構想があるならば、もう少し幅広い事業を考えられてしかるべきではないかと思う。ですから、まず、みずからどういう仕事をやるか、これはモデル工業を自分でやってもいいし、みずから東北開発のようにある仕事をやってもいい。あるいは投資会社になってもいいし、また、金融をつけてやってもいい。何らかもう少し大きな構想でいかないと、佐藤構想ともあろうものが、みみっちい土地のことくらいではとてもお話にならぬと思うのですがね。
○佐藤国務大臣 今の段階は、在来からいろいろ検討しておるそのお話をしておるわけでございます。今事務当局がいろいろ説明しているところを聞きますと、振興事業団は金の貸付もできるようにするつもりでいるようでございます。これも、そういう意味に予算を要求しておるということでございますが、あるいは、この程度ではなかなか予算はくれないかもわからないし、そこらにまだ折衝上残っておる問題があるかと思います。また、ただいまいろいろお話しになりましたことは、よく私どもも理解できまずから、もう少し構想を固めた上でお話をするようにさせていただきたいと思います。
○多賀谷委員 この問題は、石炭政策の全体を考えて、少なくとも閣僚べースで話をされぬと、事務官が、これは今まで例がありませんでしたなんということでは、とても私は緊急の間に合わないと思うのですよ。大蔵省の主計官はそれを仕事としてずっとやってきておるのですが、これは今まで例がなかったとか、あるいは、炭鉱労働者のことだけやるのはどうもおかしいなんということを言っておるから、御存じのように、昭和三十一年から首を切られた人がいまだにあそこに停滞しておる、こういうことになると思う。そこのことは、国としても非常に損です。私はこの前労働大臣にもお話ししたのですが、とにかく今労働省が要求しております緊急就労対策事業というのは、人件費、事業費全部含めて千五百円です。一人当たり千五百円ということになると、三百日というと四十五万円でしょう。一人ざっと五十万円要るのですよ。そうすると、一人一年間に五十万円という金、これは半永久的に続くわけですから、それだけの金を思い切って一時に出すならば、相当の政策ができるし、また今までできておらなければならぬ、私はこう考えるわけです。しかし、幸いにこのたびは四大臣とも現地に行かれるということですから、私はかなり大きなことを期待しておるわけです。 それで、次に私は質問をしたいと思いますことは、もう少し政府として官公需品の発注について考慮されたらどうかと思う。これは中小企業対策でもよくいわれたわけですね。政府のあれだけの膨大な需品が発注されるわけですから、それについて中小企業にも各業種別に発注のワクをきめたらどうか、そういうことがいわれたわけです。そのことは、やはり産炭地振興とか、あるいは不況地域の振興とか、そういう面に必要ではないかと思う。外国でもやっておるわけです。なるべく官公需品の発注はそういう地域にする。現在炭鉱では、婦人労働力が非常に余っている。御承知の通り、婦人の職場というものはないわけです。それに、炭鉱労働者があの地域で他の職を求めましても、一時的ではなかなか賃金は高くない。そうすると世帯として収入を考えなければならぬという問題が起こる。これはすでに英国において、ニュー・タウンをどんどん作って、そうして炭鉱地域には向こうでも婦人労働力が余っておるというので、なるべく婦人労働力の職場というのを造出するようにしております。そうすると一世帯として二割から三割くらいの所得のアップになる。そこで私は、この地域には婦人労働力の職場を見つけてやる必要があるのではないか、こういうように考えるわけです。それが手っとり早いのは、御存じのように、国鉄とか全逓等の制服の工場だって考えられるわけです。今大宮の整理という問題が起こっておりますけれども、関東地域には婦人労働力が足らないという状態は、人件費が上がっておるということに基因しておるだろうと思いますが、今産炭地域というのは婦人労働力が余っている地域ですから――九州には制服工場というのは一つもないそうです。ですから、このことを一つお考えになっていただきたい。これは所管は逸雄大臣になります。あなたは国鉄におられた関係もあるし、大蔵大臣をされた関係もあるし、繊維は通産省の内部の問題です。どうですか。
○佐藤国務大臣 今御指摘になりましたようなことは、別に所管争いする必要はないように思いますし、いいことはそれぞれ進めてしかるべきだと思いますが、ただいま御指摘のように、九州にはないと思います。あるいは一部きわめて小さな、何というか小修理をやっておる程度のものはあるかと思います。しかし、縫工というようなものはどこでどういうようにしておるか実情をよく知りませんが、九州にはないように思いますので、そういうことが考えられるかどうか、国鉄に勧めてみてもいいことと思います。これは一つ私が勧めてみましょう。
○多賀谷委員 しかし、私は、将来あの地域の基幹産業となるべきものは、やはり機械工業ではないかと思う。それには、水が非常に不足しておるということがある。そこで筑豊でいいますと、近くに八幡製鉄所がある、あるいは北海道でも室蘭の製鉄所があるというように、今までどちらかといえば石炭地域にかなり製鉄工場があるわけです。最近は御存じのように臨海地帯、消費地に製鉄工場が移っておりますが、あります。そこで機械工場の育成を今のうちにしておかぬと、若い労働力がいなくなるわけです。若い労働力がいなくなりますと、もうあすこの産業は壊滅し、一番困るのは、炭鉱離職者も困りますけれども、中小商工業者です。農村の人々だって困る。町全体が極貧層になるということですから、今若い労働力がまだかなりおるうちに、機械工業の振興を政府が重点政策としておやりになったらどうか。しかも芽はあると思う。現在各地において、御存じのように、現実に直方まではあれだけの機械工業があるし、また、飯塚に入ってからも幸袋工作所とか、あるいは筑豊機械というものがあるのですから、まだ芽はある。これを育成する必要があるのではないか。これは何といいましても、政府の力がかなり大きなウエートを占めるのではないかと思うわけです。これについて具体的にお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 九州、しかも北九州だけつかまえてみますと、海岸地帯、北部五大都市付近の繁栄、これは私が指摘するまでもなく、人口に 膾炙しておるところだろうと思います。今回も出かけてみまして私が意外に思ったことは、私が知っておる時分から見て非常に変わっておると思うのは、古賀、赤間、福岡、香椎、あの一帯です。昔の松林に、りっぱな工場がどんどんできつつある。機械工業がどんどんあの付近に新興しつつある。それにもかかわらず、産炭地帯が取り残されておる。しかも今申し上げたような古賀だとか、あるいは香椎付近がそれでは水に非常に恵まれておるかというと、そうでもないのですね。これはどういうわけでああいうことになったのか、そういうことを考えてみますと、自治体身もそういうことについてもう少し積極性を持ち、また、お互いがそういう意味で便宜をはかっていくなら、福岡県に関する限り、少なくとも筑豊地帯にさらに工業が興ってしかるべきだ、かように思います。私は、税制その他の点で特別な配慮が払われ、あるいは交通が整備されるとか、こういうことになって参りますと、直方、飯塚を中心としての筑豊地帯が、そう経済的にも立ちおくれた場所だとは言えないと思う。だから、最初から石炭にたよっておりますけれども、石炭だけでなくて、新しいものの工夫の余地が十分ある。また、ただいま御指摘になりました幸袋工作所などは非常に歴史を持ち、いいものである。そして、りっぱな製品を作っておるのでございます。だから、これは今後の先覚者の警鐘乱打によって、私は必ずそういう時代がくるだろう、そういう意味から申しましても、産炭地帯振興ということを積極的に呼びかけ、産炭地振興のムードを作ることが、もう絶対に必要だと思う。そういうことをやって参りますと、地方には向き向きのものが必ず出てくると思います。今のような状態でほっておくと、産炭地振興の方策としていろいろあげておられるように、あるいは酪農地帯を作れ、あるいは果樹園芸をやるようにしろ、あるいは観光地を作れとかいうような、本筋の問題でなしに、産業の近代化でなしに、逆行するようなことになるのではないかと思います。私は遠賀川の川筋などを見まして、これはもちろん放牧にも適する、酪農もけっこうだと思いますし、また、あの小さな松のはえておる山々が果樹園になることもけっこうだと思いますが、それは、自然にほっておいてもそれぞれの道が聞けてくると思う。しかし、積極的に工業都市を筑豊に誘致するのだという意気込みが、絶対に必要だろう。そういうように考えで参りますと、中身は不十分にしろ、ムードを作ることにおいては、産炭地域振興法というものはそういう意味の効果は十分ある、そういう意味で、これはぜひとも作りたい。それは、今申し上げますように、同じ福岡県下で、山一つ越した向こう側に新しい工業がどんどんできつつあるのを見て、私、実は非常に意を強うしたわけです。一つよろしくお願いいたします。
○多賀谷委員 どうもムードでは私企業は興りませんよ。ムードでは政治家は一生懸命になるかもしれないけれども、私企業は来ない。問題はそこなんです。ですから、私は、やはりその魂を入れる必要がある。それはやはり事業団じゃないか。事業で機械工場あたりの投資をするなり、何らかの投資をする必要があるのじゃないか、こういうことを聞いておるわけです。 さらに、もう一つ問題は、大臣、労働者の方から陳情があったと思いますが、産炭地振興というのは有炭の振興だと、こういうことを言われる。これも私は理由があるし、よくわかると思うのです。そこで、現在の労働者は、私は率直に言って、離職者になった場合に、すぐ機械工業に向くかというと、なかなかそこにギャップがあるだろうと思う。行く人もあるだろうけれども、行けない人もある。ところが、これらの人々は長い間炭鉱にいたのですから、やはり石炭開発ということが、どうしても産炭地域振興のまた大きなウエートを占めるわけです。それがために、第一には新鉱開発である。それから北海道においては、先般秋原石炭協会会長が見えまして、北海道で年産百万トン出炭できるような鉱区が四つある、自分の会社だけでも二つある、政府がやられるならば、いつでもそれを提供いたします。こういう話が一昨々日ここであったわけです。そこで、問題は金です。資金繰りの問題です。そうして、はたして今新鉱開発をしてペイするかどうかという点は、なかなか問題なんです。今ある炭鉱が、二百数十億で新鉱発発をしておる。これは原料炭で非常にいい。将来二百万トンの規模になるといわれておりますけれども、十年くらいかかるわけです。これはゆっくりやっておりましたからそんなにかかったのでしょうが、詰めてやっても四、五年はかかるでしょう。よくいったら三年くらいでしょう。そうすると、かなり資金は寝るわけです。そして、ずっと合理化ができて四千円としましても、年間八十億円ですね。二百数十億投資をして、八十億円くらいの光上金ではペイしない。そんな金があれば、銀行に預けておいた方がいい。だから、問題は、ここじゃないかと思う。私をして言わしむるならば、今の、石炭業界というものは、新鉱開発はサボっておるとしか思えないのです。あれだけの鉱区を持って、どうして遅々として開発が進まないのだろうか、こういうように私たちは疑問を持たざるを得ない。そうして五千五百万トンでもやむを得ません、こういうのは、結局新しい鉱区の開発の意欲がない。意欲がないのは、資金もないけれども、ペイしない、こういう状態になっておるわけです。そこで今の離職者をほんとうに吸収して、炭鉱で安定職場を見つけるというならば、単に整理をして、買い上げてつぶしてしまうだけでは意味がないのではないか、そういう人々は、むしろ新鉱開発をして、そこに安定した職場を見出したらよいのではないか、こういうように思うわけです。これはかなり根本的な問題になると思いますけれども、今新鉱開発をしてペイするかどうか、一体、大臣はどういうふうにお考えですか。
○佐藤国務大臣 今新鉱開発のお話が出ております。また、縦坑は絶対に必要だ、こういうことでございますので、三井の伊加利坑を私ども見学したわけであります。これなども、大体七百メートルの深いものでありますが、あれの建設資金が大体三十億から三十五億くらいかかる、三十三億幾らかかった、かように伺っております。もうすでに四キロ近くも先に出かけて掘る、こうなりますと、だんだん能率が下がってくる。やはり炭層に直接縦坑を掘って生産を上げるように工夫をしなければならないと思います。ところが、なかなか金がかかる。これはおそらく、今三十数億かかっておるものが、今後機械や何かが国産になれば順次もう少し安くできるようになるのではないか。これはもう縦坑は絶対に必要であり、また、坑口と切羽との関係もできるだけ近くしなければ能率は悪いのでありますから、そういうことが今後の問題だと思う。そこで、なかなか資本を投じて縦坑を作ることは困難だということで、政府は近代化資金助成制度を設け、縦坑を奨励しておるわけであります。この方法は一そうその内容を充実する必要があるのではないか、こういうことをあの山に入りまして痛切に感じた。だから、今御指摘の通りに、かかっておりますそれらのものを全部やりまして――全部その私企業の負担においてやられるとすると、日本の炭鉱などではなかなかペイする状況にいかない。やはり政府がある程度の資金的な援助を当然しなければいかぬ、かように実は考えておりまして、今御指摘の通りの事柄を痛感しておるような次第であります。
○多賀谷委員 縦坑も、今建設中のものは、ほとんど既開発の地域の縦抗なんですね。斜坑を縦坑にするという方式です。私の言っておるのは、むしろ新鉱開発が必要ではないか、こう言っておるのです。とにかく二百二億トンもあるといっておるし、国内エネルギーとして重要であるといっておる。買いつぶすとすれば、新しい職場という点もあるでしょう、国内エネルギーという面もあるでしょう。しかし、とにかく、年産一トン出すためには、一万円から一万二千円の資金が要るわけです。ですから、その点、一体どういうふうにお考えであるか、こういうことを聞いておるわけです。
○佐藤国務大臣 原料炭を主体にして、新鉱の開発をするつもりでございます。また、ただいま御指摘のように、未開発の鉱区については、これは積極性を持ってしかるべきだ。その場合には、ただいま言うように原料炭を中心にしてやっていきたい、かように思います。
○多賀谷委員 大臣がやっていきたいと言われても、相手がやらぬ場合はどうにもならぬのです。未開発炭田の開発なんて合理化法に書いて、この前えらく積極的に、昭和五十年には七千五百万トンにしようなどと意気込んでやったのですが、その後五千五百万トンになって、ずっとしりつぼみになったわけです。法律もちゃんとできておるのです。しかしさっぱり進まない。進まないのはやはり問題は、新しい炭鉱はペイしないというところにあるのですよ。そんな金があるなら、不動産会社を作ったり、観光に手を出したりした方がいいというのが現状ですよ。ですからむしろ今こういうことさえ言われておるのです。炭鉱会社はどうにもならぬから、炭鉱会社に別に金を貸してほかの仕事をさせて、炭鉱の赤字を埋めてやった方がいいじゃないかということを言う人すらある。これはゆゆしき問題です。すでに炭鉱会社が、そういう方向でみずからやっておるのですよ。
○佐藤国務大臣 それはゆゆしき問題以上の問題です。冒頭に申しますように、基幹産業である石炭産業を安定産業たらしめる、それについての努力、これは今後の問題だと思います。ただいま御指摘のような点がこれから取り上げられなければならない問題である、かように私どもは理解しておりますし、幸いにして業界自身も国に差し上げてもよろしいとまで言っている。国に差し上げるまでもなく、自分たちで開発すればよろしい。ただいま事務官の話を聞きますと、開発したい地区として大体八地区ばかり計画を持っているということでございます。計画はあるという以上、これに対する開発資金の確保ということに当然手を下していかなければならぬ。そういうことができていないから、ただいまのようなおしかりを受けるのだと思います。十分注意して参りたいと思います。
○多賀谷委員 この問題は、根本問題と関連をして十分われわれも検討しますし、政府においても検討していただきたいと思う。 それから、根本的な問題にして、しかも緊急を要する問題があるのです。それは流通機構の問題です。とにかくこの冬場は石灰は高くなりますよ。というのは、一般の家庭用炭が高くなるという意味です。この前、岡田君がちょっと質問しておりましたが、そういう情勢にあるわけですね。そして私は、石炭に対する一般国民の不信感というものは非常なものだと思う。第一、われわれの家庭へ届けられて、これは一トンといっても、えらい少ないなと思うときがある。不景気のときには、一トンというのは案外多いなという感じを受ける。われわれみたいに石炭で少し飯を食った者でも、カロリーがわからぬわけですよ。同じ埴段でも、いいカロリーの場合と、えらい燃えない場合とがある。ですから、今炭鉱は非常に不況だといいながら、ことしの冬、北海道の暖房用炭が値上げしてごらんなさい、大へんなことになると思う。もうすでに一般炭が足らないという状態になっているのですよ。今、炭労の諸君が家庭的に非常に生活が苦しい中から、三千数百円を出して上京している。そして今、炭鉱労働者に同情が沸いているのですね。何とかしなければならぬという状態になっている。ところが、石炭の値段が上がってごらんなさい。これは、労使とも国民から反感を持たれますよ。今の闘争が共感を呼ばない。ですから、石炭の値段がすでに山元においては三千数百円あるいは四千円であるのが、東京において一万二、三千円になっているという事実をわれわれは知るわけですけれども、これは何らか処置をしておかなければ、一般流通機構の根本的な整備の問題よりも前に、この冬場の石炭に対する非常な不信感が起こるんじゃないかと思うのですが、これに対する対策をお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 ただいままで、あるいは銘柄の整理であるとか、あるいは流通機構の簡素化だとか、あるいは負担の軽減だとか、いろいろ工夫しております。そういう意味では、まず積み出しあるいは荷揚げの機械設備その他というような、公共的というか、共同で使用するものに実は重点が置かれております。ただいま御指摘のように、山で掘り出した石炭が数人の商人の手を経て小売として家庭に届けられる、その機構そのものは、実は今まであまり手が染められておらない。その結果、山元の値段と東京における炭の値段との間に非常な開きがある、こういうことになっておると思います。この点を将来いかにしたらいいか。私どもからすれば、これは炭鉱経営者自身がみずからの利益を擁護する意味からも、共同販売機構を持ってしかるべきじゃないか、こういう感じがします。しかしながら、今の、銘柄の整理もできず、その上、粉から塊までもある石炭のあり方等から見まして、なかなか共同販売組織というものは困難ではないか、そういうことが現状のように推移してきているのじゃないかと思います。しかし大手の筋でございますと、これは生産者からあまり中間の機関を経ないで直ちに売られるというような処置もあるだろうと思いますので、今後の問題としては、中間の扱い人というものが不都合だとは申し議せんが、中間の扱い機関がある限りだんだん値段が高くなる、こういう結果だろうと思います。これらを今後一つ業界ともよく相談をして、あり方等を工夫してみたいものだ、かように思います。私自身しろうとでございましてしばしば感じますことは、今御指摘の通りでありまして、私のうちもまだガスでなしに、石炭を使っておるのですが、石炭がだんだん高くなる、一体これはどういうことだ、みんな山では安い安いと言っておるのに、自分のところは一万三千円、これは一体どうするのだ、こういうことを実は感じておるわけですが、今の流通機構をそこまで整理するところまでなかなか手が回っていないというのが実情でございます。
○多賀谷委員 私は流通機構そのものの解決が根本問題だと思いますが、その前に、とにかく石炭のカロリーがわからぬ。それから、目方をはかるわけにいかぬでしょう。この冬が私はやはり大事だと思うのですよ。私たちが政策を立案し推進する上において、この冬に石炭に対する不信感を与えるということは非常によくないことですよ。ですから、電気ならば電気用品取締法なんか出て電気器具の悪いのを検査するとかいうように、何か一般の国民に量と質でごまかしがきかないのだというような指導が法律化できないものか。流通機構全般をやるということは、これは根本問題ですから、いずれ近くわれわれやらなければならぬのですが、その最終製品があんなにでたらめに売られていいものか。検査もなく取り締まりもできないなんということは、どうもおかしいですね。油を見てごらんなさい、電気を見てごらんなさい、これはごまかしがないですよ。
○佐藤国務大臣 これは専門家によく聞かなければならないのですが、その銘柄というものがたくさんあって違っている。これはなかなか簡単にいかないのじゃないか。だから結局、自身の販売口というものを設けない限り、なかなかうまくいかないだろうと思います。大部分のもの、あるいは七別なら七割がそういう処置をとられれば、そこらでは炭価が一定してくるでしょう。それから、そういうものへかからないで自由販売されるものは、ある程度高くても仕方がないのだということになるのかと思いますが、家庭川炭でもそれぞれ常磐炭、山口炭、北海道炭あるいは九州炭、ただ地方名だけでももう四つもあるのですが、それがさらに炭鉱なりまた炭質が変わり、銘柄はもう大へんなものだと思うのですね。銘柄の整理はずいぶん長いことあらゆる機会にいわれておりますが、これがなかなかできない。これはひとり家庭入るばかりじゃございません。輸送の場合におきましても、船舶輸送などの場合には、それぞれ銘柄で区分しなければならない。これは大へんな船倉作業です。鉄道の場合だとトン数が比較的小さいですから済みますけれども、北海道などのようになりますと、これまた大へんな苦労の種であります。これが中小炭鉱になってくると、一そう銘柄の統一ができない。ここらに石炭と油との根本の相違があると思います。だからこれは今やりたいことではございますが、実際取り組んでみまして名案がなかなかない。(井手委員「二年前からやるやる言うておる。あなたが大蔵大臣のとき、池田さんが言うておる」と呼ぶ)私はその事情がよくわかっておるから、そんなことを言ったはずはないのです。
○多賀谷委員 昭和三十四年の十月でしたか、私が質問しましたら池田通産大臣は、二千数百の銘柄の整備ということをちゃんとおっしゃっておるのです。その当時の大蔵大臣ですから、やはり内閣は責任一体ですから、私どもは当然今ごろはやられておってしかるべきだろうと思うのです。もちろんそういうような根本的な問題は、私たちはこの臨時国会から閉会中あるいは通常国会でやりますけれども、とにかく何らか指導すべきです。あるいは指示を出すべきです。あまりひどいでたらめがこの冬行なわれると、大へんなことになると思うのです。
○佐藤国務大臣 今全部の銘柄整理がなかなか困難でございますことは、御承知の通りだと思います。しかしながら、少なくとも同じ社内で幾つもの銘柄の炭を出さないように、できるだけまとめる方法があるのじゃないか、こういうことを指導はいたしております。これは、たとえば三井なら三井の炭、田川の炭はどういうようにするとか、こういう整理方法はないかということを実は申しております。それでもなかなかうまくできない。実は私が正直に白状しなければならないのですが、伊加利の坑内に入って、あそこにある炭車の炭を見ると、全部が粉だから、これは全部が粉かと言ったら、中に塊もあれば中塊もありますということで、その炭にさわっているところが写真に出ているのですが、ただいま申し上げますように、さらに選炭をいたす際に、少なくとも三種類か四種類くらいに整理して出すように、これは各社が気をつけていって、そして三井の粉なら幾らだ、塊なら幾らだ、中塊なら幾らだ、こういうことにきまるように各社できめていく、そうしていただく以外に方法はないだろう、それを内面指導しているのが今の状況でございます。
○多賀谷委員 私は、一般家庭用炭だけでもざっと概括的な指導をされてもいいと思うのです。工場あたりはかなり長期的な契約でしょうから、これはいいと私は思うのですが、少なくとも暖房用炭くらいは、大体カロリーと最終価格指示くらいは出してもいいのじゃないですか。
○佐藤国務大臣 どうもあまりしろうとがしゃべっていると、傍聴の方々は専門家だから、笑われるかわかりませんが、家庭の暖房用炭その他になりますと、買い手も、それぞれ、自分のところはしょっちゅう常磐の炭を使っているとか、あるいは自分のところは山口の炭を使っているとか、また、九州ならどこそこの炭を使っているとか、それぞれ得意があるようでございまして、毎回変わるわけではございませんから、石炭商に対してもそれぞれの注文をして、あまり変わらないように――私のうちではそういうようにしておりますが、それぞれ、長期にわたって石炭を使用されるところは、おそらく、私のところの特別な工夫ではなくて、そういうふうにやられるのではないかと思います。その場合に、最初にお賢いになるときには、必ず、一体この炭はどういうカロリーの炭か、また灰分が多いかどうか、あるいはにおいはどうかと聞かれることだと思いますが、いかがなものでしょう。
○多賀谷委員 大蔵大臣が見えましたので、大蔵大臣お忙しいようですから、一、二点質問をしたいと思います。 大蔵大臣は通産大臣と一緒に筑豊を視察していただきまして、現地でかなり労働者とも懇談をして実情を視察していただきましたことを感謝するわけであります。 そこで、大臣は、合理化法ができた当時の離職者は、そのまま停滞をして非常に気の毒だという話がありましたが、合理化法ができた当時だけでもないのです。あの地点は、ちょうど合理化法ができた直後に行なわれた整備の地点でしたが、その後においてもやはり悲惨な状態を現出しておるわけです。そこで、一体雇用安定についてどういう考え方を持たれておるのか、これをお聞かせ願いたいと同時に、その処置は大体いつからおやりになるか、緊急なものはいつからおやりになるか、これをお聞かせ願いたい。
○水田国務大臣 緊急なものは私はきょうからやらなければいかぬだろうと思っております。問題は、なかなか一本調子の対策だけではいかぬと思っております。 根本的には離職した方は全部が本格就業できるところへ持っていくというのが根本でございますので、そういう方向に向かっていろいろな措置をとるよりほかはない。産炭地振興といわれておりますが、私の考えでは、産炭地振興だけでは解決しない。限度があるのではないかと思います。かりに一定の企業が産炭地へきても、その土地からの離職者を全部吸収できるだけの産業なら産業というものをその土地に持ってくるためには、これが本格化するのには、今法案が出ようとしているようなときですから、まだ一年も二年もかかる。それまでは行っておれませんので、やれることはやりますが、それだけでは対策にならない。それから、できるだけその土地に定着することが、やはりこれは一番離職者の希望であるかもしれません。そうすれば、定着できる方法をその土地でどういう形でとるか、ただ今の産炭地開発というような方向だけのことではいかぬ、そのほかの問題についてどういうことを考えたらいいかという問題がございますし、さらには、日本経済がこの五、六年の間に相当に伸びて、むしろ他の地区においては人手が不足しているというような現実があるのですから、こういう過程においてもっとやり方はなかったかと私どもは考えますので、これは今でもおそくございません。現に、たとえば新潟県というようなところは、人がみなよその県へどんどん出るというのが例になっている県であって、むしろ県内が手不足だ、だから県内企業に、もし九州の離職者が困って、好むというのなら、自分の県へ迎える用意ありというような申し出のところもあると聞いております。これは全国に相当そういう傾向になっているところもございますし、そうだとしたら、やはり住宅の問題、移住資金の問題、そういういろいろな問題を解決してやらなければなりませんので、そういうこともすぐにやらなければならぬ。なおかつそれが完全にできない間は、生活保護、緊急就労対策というようなもので一時いてもらわなければならぬというようなことにもなろうと思います。その一つだけやればいいというものではなくて、この全部をここでやって、本筋としては、本格な就業ができるように、必要なら訓練所の強化ということも考えますし、それはやらなくとも自分のところで引き受けますという企業に対しては、引き受ける企業自身に対するいろいろな奨励金を出すとか、国がめんどう見ることもありましょうし、直接移っていく人への援助ということもございましょうし、考えられるあらゆる手をここで真剣にとることが必要だろうと思いまして、きのう帰ってきました結果、御承知と思いますが、きょうは、通産大臣の方からは金融対策について、これは市中銀行の金融というのが一番大切ですから、これについての配慮をするようにという閣議決定もなされましたので、銀行局はその線に沿って市中銀行への通達その他いろいろな手続をとりましたし、また、市中銀行もこれに応じて、中小企業に対してここで二千億金融ワクを増額するというような方向も、今集まってきめておりますので、石炭産業もこの一環として市中銀行がある程度めんどうを見るという措置もとられると思いますし、それから離職対策につきましては、議論しておいっても、受入先の準備というようなものをここで対策を立てなければ問題になりませんので、その点について、緊急住宅対策というようなものを、今年度の計画も思い切った充実拡大、前向きにまずきめてかかることが先だというようなことから、この問題も、きょう急ぐものだけの閣議決定をしたというようなことでございまして、これはきょうから私どもは剣に取り組んでやりたいと思っております。
○多賀谷委員 そうすると、大臣のおっしゃったのは、まず住宅の確保、それから移住資金を出すということ、 これはもう出ておりますから、おそらく増額の意味じゃないかと思うのです。それから雇い主側に奨励金でも出す、こういういわゆる雇用奨励の問題、それから職業訓練強化の問題、本人への援助、こういうお話があった。次の職場に行くという場合には大体そういうことをお考えであるのか、また、本人への援助とはどういうものであるのか、お聞かせを願いたい。
○水田国務大臣 今いろいろ考え方を言ったのですが、そういうやり方でどれが一番合理的か、まだ各省間できまっていない事務的な問題もたくさんございますから、そこまで今私が言うわけには参りませんが、今やればやれる、筋のきまっている問題をとりあえず強化するということをきめたのが、きょうのきめ方でございます。
○多賀谷委員 そういたしますと、大臣の決意でいきますと、やはり第二補正でも出さざるを得ない、あるいは出す、こういうように考えてよろしいですか。
○水田国務大臣 たとえば石炭合理化事業団の仕事としますと、政府分担の分と、整理されない企業の分担というようなものもございますし、こういうのは今後いろいろ折り合っていかなければなりませんので、本年度はその折り合いは間に合いませんが、あとからいろいろの折り合いをつける。とりあえず、三千五百人くらいが今年度移動できるだけの措置くらいはもうきめなければいかぬので、きめましたけれども、金の話はこれからでございまして、必要によって措置しょうという話になっております。ほかにいろいろな仕事がございますが、こういうもののやりくりでどの辺までやっていけるか、それができないから、どうしてもこれだけ国が持たなければならぬかという数字は、あとから出てくると思います。また、それはあとから出てきてもいいものでございますから、それによって必要措置をわれわれはとるということをきめたわけでございますから、先にいってそういう必要が出てくれば盛りますし、今度の国会の補正予算はもう通ってしまいましたから、これとは無関係でやれるだろうということでございます。
○多賀谷委員 大臣の意のあるところは、予備金を出す、あるいは足らない分は必要があれば、私が質問いたしました第二補正を出す、こういう意味で了解したいと思います。 そこで、今三千五百人というお話をなさいましたが、これは本年度の三千戸の住宅の計画のほかに三千五百戸を建てる、こういう意味ですか。
○水田国務大臣 これはよそへ移る場合の資金の問題ですが、住宅としますと、まず、雇用受け入れ側で自己資金で建てる住宅についての補助というようなものは、今年度のワクは三百戸でございましたが、三倍の九百戸にする、それから移動用の宿舎は九百戸ということになっておりますが、それを千四百五十戸にとりあえず拡大するということでございます。
○多賀谷委員 そうすると、これは本年度内におやりになる、こういうことですね。
○水田国務大臣 年度内にやるつもりです。
○多賀谷委員 今までより多くの処置をされるということで、非常に感謝するわけですが、私は、やはり移動の中心的な問題は住宅だろうと思うのです。大臣の方から先におっしゃいましたが、今の炭鉱は、戦争直後、御存じのように、傾斜生産のときに、とにかく炭住は建ててあげます、それから食糧も与えます、こういうことで、比較的住宅のない人を集めた――と言ったら語弊がありますが、そういうことになっておるのですから、どうしても広域職業紹介で他に転職さすということならば、住宅が最も先決問題です。そしてこれが一番のネックです。その次のネックは、就職先の生活、すなわち賃金の問題、これは日本だけでなくて、外国でも、御存じのように、ドイツにおいても前収補償という制度を設けまして、最初は九五%、そしてその次は九〇%、とにかく差額補償をしておるわけです。日本の炭鉱の場合は特にドイツの場合以上に福利厚生施設というものがありまして、早い話が、住宅はただ、水道、電器、それからふろもただであります。ですから、同じ賃金をもらいましても、生活環境がかなり変わることと、また、以前のように自分の同僚ばかりがいたところですと、服装なんかにしましても、そうかまわないで済んだ。それが、都会へ出たとなるとおのずから違う、こういうことは事実なんですね。ですから、同じ賃金の補償がありましても、生活程度としては実質上かなり切り下げられる、こういう失態なんです。そこで、移住資金をもらいましても、向こうの相手方の就職先の賃金はどうかということが問題ですから、これも年度内に処置してもらいたい、こう考えるのですが、これをお聞かせ願いたい。
○水田国務大臣 この問題は、通産、労働、大蔵等関係省がこの前集まったときに、この検討に入るという申し合せをして、今それぞれやっておるところでございまして、近くこの問題について私どもは結論を出すつもりでおります。
○多賀谷委員 結論が出ましたら、これもやはり年度内にやっていただけると考えてよろしいでしょうか。
○水田国務大臣 まだそこまでの相談ができておりませんが、私の方は、少なくとも三十七年度予算編成には間に合わせるというつもりでいろいろ準備いたしております。これは相当大きい問題でございますので、実際は新年度予算とからむのじゃないかと思いますが、どうしても緊急の必要があるという場合には、またこれは関係省間で相談が行なわれると思います。私どもの方は、少なくとも三十七年度予算までに間に合わせるというつもりでその対策を立てております。
○多賀谷委員 移住をする以上、賃金をもらいますから、賃金差額というのは、やはり移住をするということが前提条件ならば、同じように必要であるし、またその手当をしてやることが、政治じゃないかと思うのです。善は急げといいますし、きょうからやるんだという決意ですから、私はそれだけの親切心があっていいのじゃないかと思う。金額も、一年分組まなくてもいい、実施をされるときから、三月三十一日まで組まれればいいわけです。(「大した額じゃない」と呼ぶ者あり)大した額ではないとは、われわれは言いかねるのです。政府の財政全部からはもちろん大した額じゃないのですけれども、やる以上は、早くやっていただきたい、こういうことをお願いするわけです。
○水田国務大臣 私はきょうからと言ったけれども、できるだけ急ぐつもりですが、入れものの方がなかなか、一方きまっても一方解決しなければ実際にできませんので、これは両方が時を合わせてうまくいくような方法でやりたいと思います。
○多賀谷委員 これは当然、移住資金を出されるのですから、移動するときはうちもできているのだろうと思うので、当然移動すると同時に新しい職場へ行くのですから、一つぜひ年度内にやっていただくようにお願いしたい。通産大臣、一つ閣内で大いにがんばっていただかなければならぬのですが、その決意のほどを……。
○佐藤国務大臣 それぞれの事柄がございます、そのいずれを急ぐというわけのものではございませんが、今の離職者対策で恒久的な職場を見つける、こうなりますと、当然住むところ、あるいは賃金は幾らになる、こういうことは最初にきめなければならぬ問題だと思います。従いまして、さっそく内輪で十分に相談して態度をきめたい、かように思います。
○多賀谷委員 そうしますと、立ち入った話をわれわれするようですが、何もわれわれがこういう話をしなくても、政府の方でお考えのようですが、炭鉱労務者にこういう処置をされるということになると、もう大体財源の方は踏み切っておられるわけでしょう。率直にいって、重油に対する課税ということは、もう踏み切っておられるわけですね。そのことが前提でお話しなさっておるわけでしょう、どうですか。まず問題のある通産省から……。
○佐藤国務大臣 まだ、その問題はきまっておりません。
○多賀谷委員 金のことは、われわれが言わなくとも大丈夫出るだろうと思うのですが、大蔵大臣、どうですか。
○水田国務大臣 この石炭産業に対する根本的対策も同時にこれからやる問題でございますが、そういうものとからんでいる問題でございますので、まだはっきりはきめておりませんが、とにかく合理的にきめたいと思います。
○多賀谷委員 私たちが、ある種のものに関税をかけるとかいうようなことは言わなくてもいいのです。財源は政府にまかしておけばいいのです。池田さんに経済をまかし、金の方は水田さんにまかせばいいのですから、私たちはあえて言いませんけれども、やはり特殊財源をもってやる、そのことがまた炭鉱企業の安定にも、また国内エネルギーの安定にもなるのですから、一つその方向でやっていただきたいと思います。 時間もありませんし、ほかの質問者もおられますから、一、二点だけ質問をいたしたいと思いますが、この七条です。産炭地域の第七条に「国及び地方公共団体は、実施計画の円滑な実施を図るために必要な工場用地、道路、港湾施設、工業用水道その他の産業関連施設及び職業訓練を行なうための施設の整備の促進に努めるものとする。」こういうことが書いてある。地方公共団体にもこれを義務づけておるわけです。「努めるものとする。」ということですが、これは財政措置はどうしてやるわけですか。
○今井(博)政府委員 地方公共団体はそれぞれの計画を持っておるわけですが、手っとり早くいえば、たとえば県債を発行するとか、そういう地方債を発行してこういう事業をやることが一般的に多いと思います。ここで産炭地の振興のいろいろな計画がきまって参りまして、やはりこれを推進しなければならぬという場合には、そういう地方債の資金源の問題その他についていろいろ国としても援助する、こういう場合が多いかと思います。
○多賀谷委員 地方債のことをこの九条に書いておるわけですが、「法令の範囲内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。」これはどうもきわめてばくとしていて、何も保証がない。今地方公共団体はそれでなくても財政が御存じのように窮迫しているという話を、大蔵大臣聞かれたはずです。生活保護の数を、各市町村並びに県の方から説明があったと思う。国の平均は人口千人につき十七人程度であるけれども、福岡県は四十人である。さらにまた市町村別に見ると、たとえば田川郡においては百四名、それから田川市においては八十七名、大牟田市においても八十七名、鞍手郡においては八十名、嘉穂郡においても八十名、こういうような状態である。よその数倍になっておるという話をされたアメリカ。ですから当然、市の場合は市の財政、町村の場合は県の財政に響いておる。それは何も生活保護だけじゃない。これは失対事業においてもそうですし、それから緊急就労においてもそうです。全部財政の非常な支出増になる。ましてや鉱産税が入ってこない、固定資産税が入ってこない、こういう状態ですから、とても地方債をやるような余裕がない。また利子を払うような余裕がないのだけれども、一体どういうようにお考えであるか、大蔵大臣、お聞かせ願いたい。
○水田国務大臣 「特別の配慮をするものとする。」ということは、具体的にどうするかというのは、自治省に開かれるのが一番適当だと思いますが、私の方は、地方財政の全般について今後どういう考えを持つかということを中心に、政府の中でいろいろ考えられております。そういう方向に基づいて、御承知のように、後進地域の開発法ができましたし、それから特殊地域の開発振興法とか、こういうものが現行法で三つも四つも重なっているときでございます。その全部がこの地方格差をなくするというための、そういう線に沿った方策でございますので、従ってこれに伴う財政のやり方をどうするということ、これは共通に考えられる問題で、ここは一つになっておるのですが、今私どもの考えておりますのは、たとえばいろいろな公共事業の補助にしましても、実際は財政力が今後ますます各県で違ってきて、多くなる富裕県とそうでない県との差は非常に大きくなりますので、この調整をどうしたらいいかという問題が始終問題になってなかなか根本的な解決はできませんでしたが、とりあえず後進地域の開発についてこの間とったような方策で、財政力によって補助率をみんな変えるということをまず考えまして、それから今後起債のあり方をどうするという問題も同時にからんで今考えられておりますが、それらのものを全部総合して今度できるこういう法案については、そういう現行立法が幾つかございますが、それの総合から具体的にはどうしようかといういろいろな問題がございますので、やり方は、これは大蔵、自治省、特に自治省が必要でございますが、そこが三管官庁でございますので、十分相談してやるつもりでございます。これはやれる方法はいろいろございますので、ちょっと自治省を差しおいて大蔵省がこういうふうなことをやると言うことは、私の方はただいまちょっと適当でないのじゃないかと思います。
○多賀谷委員 まさに法案を通そうというときなんですよ。しかも、この法案はもうこの二月ごろ提出された関係もあるので、まだ話ができていないということは私も非常に残念です。しかも、これは大臣、現地で見られましたように、今までの財政規模から著しく小さくしなければならぬ状態にあるわけですね。収入がとにかくもう少なくなってきて、著しく激減をしておる、こういう状態でしょう。そして、あった炭鉱が大部分なくなったということで、固定資産税も鉱産税も住民税も全部入らないという状態で、支出だけが多くなるのですからね。ですから私は、よそのことを言っては失礼ですが、低開発地域というのは、今から開発するために資金が必要である。財政の方は今からよけい要るけれども、収入が減になるわけではないのです。ところが現在の産炭地域というのは収人が減になり、支出が増になる。しかもこれは緊急を要してほうっておけないという状態ですから、私はすでにこの九条の処置は当然考えられておるべきではないかと思う。そこで今自治省を呼んでおりますから、自治省が来ましたら重ねて御答弁を願いたいと思う。 そこでもう一つの問題として、的に現地で陳情のありました大正鉱業――個別の会社の話をして非常に恐縮ですけれども、御存じのような非常に窮迫した状態で、二十五日に金ができないと、二十六日から電力もとまるし、米も全然購買会にないという哀れな状態です。これについて一体どういうふうに処置されるつもりであるか。これは率直に言うならば、銀行があまり債権の取り立てに急な状態の中で、こういう状態が起こっておるのじゃないかと思う。これは銀行側にもいろいろ理由があるでしょう。経営全体に対する不信の念もあるでしょうけれども、しかしだれに聞きましても、あの炭鉱はぜひもり立てていかなければならぬ、そうおっしゃるわけです。あの炭鉱はもうだめだからつぶしてしまえとおっしゃるなら、これはまた別な考え方があるでしょうけれども、新鉱を開発しておるし、それがやがて軌道に乗るだろう、現在も日々は黒字になっておるんだ、こういうことでありますから、私たちはこれはぜひもり立てていきたい。ところが当面運転資金がなくて、先般も二千万円ほど手形を持っていきましたところが、わずか七百万円しか割ってもらえなかった、こういう状態で、ともかく今の運転ができない。こういうことで今のままでいきますと自滅作用を起こす。あの炭鉱が自滅いたしますと、とにかく十八社の中の一社ですし、今中小炭鉱の金融の問題をいろいろ論議をされ、措置されようとしておりますけれども、大手炭鉱がつぶれたということは、石炭業界の労使に与える影響が非常に大きいだけでなくて、関連産業に与える影響も非常に大きいと思います。ですから、もしそういう炭鉱がつぶれたということになれば、もう手形の割引なんかも炭鉱についてはほとんど不可能という状態になるだろうと思う。しかも、それだけではありません。今政府がいよいよ石炭政策に乗り出そうというその出鼻に、そういうことが起こってごらんなさい。これはもう大へんな状態になる。しかも保安が危険だというのでしょう。そうしてすでに鉱山保安監督部から保安に対する勧告を受けておるのです。もしあの炭鉱がつぶれて水浸しになるということになりますと、あの炭鉱だけではないのです。あの付近におけるたとえば大辻炭鉱、それから九州採炭さらに金丸大隈、日炭高松、これは全部水浸しになる可能性があるのです。つないでいなくても、これは全部古洞ですからね。どこから水が十何メートルの壁を破ってよその坑口に入るかもしれません。こういう非常な危険性があるわけです。少なくともこの炭鉱を今つぶして、そうして水を揚げないということになると、遠賀郡における炭鉱は全部つぶれてしまう。いわば筑豊の北の部分が全部つぶれるということになるわけです。ですから、早く処置しなければならぬと考えますが、まず、所管大臣の通産大臣は現地の声を非常に熱心にお聞きになって、努力すると確約されたわけですが、どういう努力をされるつもりであるか、これをお聞かせ願いたい。
○佐藤国務大臣 実情は現地におきまして労使双方から詳しく聴取いたしました。また、大手の石炭協会の方々の御意見も十分伺いました。そこで結論といたしましては、ぜひともあの炭鉱は存続させたい、実はこういう決意を持ちまして、ただいま各方面に対しそういう意味の努力を続けておる最中でございます。ただ一カ所問題があると思いますのは、今後の経営陣を作る、そういうことに一にかかっている。その点さえ解決いたしますならば、金融関係も了承をするのじゃないか、かように思いますので、そういう意味の努力をしている最中でございます。とりあえずの措置としての事柄は、一応いたしたつもりでございます。たとえば電力の差しとめの問題云々については、そういう状態でございます。
○多賀谷委員 そういたしますと、大丈夫ですか、あの炭鉱はころがっていきますかね。
○佐藤国務大臣 大丈夫ころがっていくとまだ確言する段階にはなっておりません。しかし、あしたとかいうようなときに、二十五日に作業用の電力をとめるということはまず起こさない、こういうことでございます。これは電力会社ともよく話し合いをいたしておりますので、まずあしたとめるということはないだろう、かように思っております。
○多賀谷委員 まあ電力の問題は片づきましても、賃金その他の問題もありますし、米の問題もありますし、経営陣を立て直すということは、それは前提でしょう、前提でしょうが、当面とにかく切り抜けてやらなければならぬでしょう、きょうあした経営陣ができるわけじゃないのですから。それが私は政治だと思うんです。そうして、きょうの問題がきわめて緊急なわけです。ですから、きょう、たとえば手形の割引をしてやるとか、あるいは近代化資金を出してやるとか、何らかの処置が必要ではないか。近代化資金というのは、三十五年度の近代化資金なんだ。しかも、あれは現実に仕事は終わっておるんですよ。一つ政府の資金なのですから、私はとにかくとりあえずの処置をしてやる必要があるのじゃないかというように考えるわけです。
○佐藤国務大臣 ただいま、政府の関係のものにつきましては、私どもが十分相談して処理したいと思っております。その場その場の問題としての一寸のがれは、ただいまのところ、それは可能な手があると思います。しかし私はそういう意味でなくて、順調にころげ出すためにはやはりしっかりした経営陣、そうして関係者が納得のいく方法ということが必要だと思うのです。幸いにして労使双方意見が一致しておるようでございますから、金融機関との間に了解さえつけばこれでころげ出していく。ただいま二十日以後の処置は、その日その日をつないでおるという状況でございます。
○多賀谷委員 大蔵大臣にお願いしたいのですが、それは銀行の立場からいいますと、大衆預金を集めておるのですから、当然健全な貸付ということが必要でしょう。しかし今の状態を見ますと、率直に言うと、とにかく市中金融機関が、もう炭鉱はだめだ、だから一日も早く回収しようということにかかっておるようですね。ですから、だんだん貸し出しの残高が減っておるのです。炭鉱は片しい苦しいと言いながら残高が減っておる。それは回収しておる証拠ですよ。この回収しておる状態が、こういう金詰まりになってきて、動かなくなってきておる。賃金が払えない。賃金が払えないから、労働者はよそにアルバイトに行く。こういうことになる。アルバイトに行くと出炭が落ちる。出炭が落ちると赤字になる、こういう悪循環を繰り返しておるわけです。ここに何らか対策が必要ではないか。これは金融行政として、また銀行行政としても必要ではないか、私はこう考えるわけですが、どのようにお考えですか。
○水田国務大臣 私は、この問題は、銀行行政の問題ではないと思っております。と申しますのは、前々から金融についてのいろいろな再建計画というものが銀行に出されて、そしてそのつど両方が合意して、それに基づいてやり出しておっても、ほとんどその通りに今まで動かなかったということから、銀行がその経営のやり方と、きまった再建方策というものについて信用をしていないというようなことから生じている問題でございますので、今度の場合、こういう方策をとっていけば、りっぱに再建できるのだというはっきりした見通しをここでつけることが、やはりどうしても前提条件になるのじゃないかと思っています。そういう点も、通産省は今、中に入って、この再建の計画というものをはっきりさせて切り抜けられるようにしようという方にいろいろ努力して下さっているときでありますから、私はそういう形で、これはやっていける方向で解決できるものと思っております。
○多賀谷委員 しかし私は、返済計画を見ても、銀行でもおわかりであろうと思うのですけれども、これは期末手当を原価から損金に落としておるのだけれども、その期末手当を原価から落とした分まで返済しておる。ですから、当然期末手当を払わなければならぬというときには現金がないという状態です。そういう返済計画というものは、銀行でもバランスシートを見ればわかるのですから、そういう状態の中で返済を迫るということは、結果的にはこれは結局つぶしていくということになるのです。ですから、私は、銀行としても考えてもらいたいと思うのです。今までうまくいきそうなのがつまずいておるというのは、そういう点にあるのですから。北九州あたりの銀行でなるべくならば炭鉱に貸さないということになると、これは結局炭鉱はつぶれますよ。ですから、ああいった銀行は、私は特殊銀行として、日本銀行でもあるいは大蔵省でも見ていただきたいと思うのです。
○佐藤国務大臣 金融のお話でございますが、ただいま大蔵省もいろいろ私どもの山里についてありせん中でございます。それから私どもも、もちろん二十五日がきても二十六日がきても、これを投げるつもりはございません。あらゆる努力をするつもりでございます。せっかく努力している最中のことでございますから、今しばらく模様を見ていただきたいと思います。特に最近、双方でやや感情的な問題も起きているのじゃないかと疑うような点もございますから、扱い方としては慎重にし、同時にぜひとも会社を存続さしたい、この熱はで交渉中でございますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。
○有田委員長 滝井義高君。
○滝井委員 昨日はどうも、両大臣、非常にお忙しいところを現地をごらんいただきまして、感謝にたえません。先日の質問では、お互いに認識が統一されておりませんでした。しかし、両大臣が現地をごらんいただきましたので、少なくとも本日は、お互いに炭鉱の現況、特に廃山、閉山した炭鉱に対する認識は共通になったと思います。従って、これから議論はうまく進んでいくだろう、こう考えるわけです。いろいろな点で多賀谷君が御質問申し上げましたが、重複をしないようにお尋ねをしてみたいと思うのです。できるだけスピードを上げますので、ちょっと大蔵大臣、時間をさいていただきたいと思います。 まず第一に、昭和三十四年十二月十八日に石炭鉱業の離職者のための臨時措置法ができたわけです。そうしてこの法律でどういうことをやったかというと、まず第一に広域職業紹介、第二番目は職業訓練、第三番目は緊急就労対策事業、第四番目は援護会を作っていろいろお世話をする、こういう四本立ての政策で炭鉱離職者の対策をやったわけです。ところが、第一の広域職業紹介というのが失敗したわけです。当時政府は、炭鉱地帯に多くの離職名、すなわち失業者が出ることは社会不安を作る、だからこれは分散をさせなければならぬという、いわば分散政策をとったわけです。そこで炭住から分散をして、京阪神等に行ってもらう、こういう政策でこの離職者の臨時措置法を作ったわけです。ところが、その第一の分散政策である広域職業紹介というものは、現実には一万四百人程度しか行っていないわけです。五万か六万の人が首を切られたけれども、一万そこそこしか行かなかった。あとはほとんど全部滞留をしてきたわけです。一体どうして広域職業紹介が成功しなかったかというと、さいぜんから多賀谷君が御指摘になっているように、住宅問題が一つあります。それから行った先の賃金が不安定なんです。行った先の賃金が不安定だというのは、職業が土建その他の仕事なんです。これはジプシーのような生活をするわけです。炭鉱にきちっと今までおって、傾斜生産以来住宅も提供されるし、食糧も提供される、燃料もおふろもあるというような状態とは違ってきているわけです。しかも夫婦子供生き別れの形で別居するわけですから、これは失敗したわけです。 そこで、その反省の上に立って、今政府は、具体的な政策として住宅政策をお出しになってきたわけです。ところが、この住宅の建設が遅々として進まないのです。どうして住宅の建設が遅々として進まないかというと、省以外には建てることがならぬという一つの鉄則があるわけです。そこで、まず第一の広域職業紹介をやる場合の隘路の問題について、これは大蔵大臣に一つぜひ勇断を持ってもらわなければならぬのは、今住宅を建て得るものが新しく二つ出てきた。それは何かというと、援護会にかわってできた雇用促進事業団、これが住宅を建てる。ところが雇用促進事業団で住宅を建てるとは言ってはならないのです。なぜならば、建設省が厳として住宅を建てることに反対するからです。それならば一体何と言っておるかというと、宿泊施設、宿舎、こう言っておる。絶対に住宅とは言わない。単身者用の宿舎あるいは世帯用の宿舎とか、こういうように言うわけです。そうすると、失業保険には金が余っておる、失業者のための福祉施設はこれは当然やっていいわけです。ところが、住宅政策としてこの雇用促進事業団がそれを打ち出すことは、もうタブーになっているわけです。ここに雇用促進事業団が大々的に住宅をやり得ない一つの隘路があるわけです。これが一つです。 もう一つ、今度の国会で年金福祉事業団というものができたわけです。これは、今後日本の国民年金と厚生年金の積立金というのは、昭和八十年から九十年にかけて八兆から九兆になるわけです。この積立金を福祉のために還元をするということは、池田内閣の基本的な政策としてわれわれに説明されておるわけです。ところがこの年金編祉事業団も住宅を建ててはいけない。何をやるかというと、老人ホームとか病院とかをやるわけです。ところが、何兆という金が出てくるのですから、ことしでも五十億、これにつぎ込んでおります。老人ホームとか病院といったって、こんなものは二、三年やれば一ぱいになる。何十億という金が入ってくるのです。積立金の二割五分というものは福祉に使うということは、あなたのお兄さんの岸さんが言明しておるわけです。ところが、これはそういう方面になかなか使えない。これは一つ両大臣、特に大蔵大臣に私は要請をするわけですが、これは厚生省と労働省なんですから、建設大臣と協議をして、この際、こういう莫大な何億という金があるのですから、この金をお使いになって、どしどし住宅をお作りになる。そうしてその住宅を作ったときに、その金が順当に年金会計に返ってくる方策さえ、きちっとされればいいわけです。ところが、それがやはり各省の所管事項の縄張りのためにうまくいかない。そこで私たちが住宅を作れということを幾ら言っても、それを言ってもらっては困るといって、労働省にしても、厚生省にしても、三拝九拝してさせない、こういう実態です。そこでこれは、私が財源を見つけるわけではございませんけれども、一つ両大臣がお話し合いになって、ここらからおやりになると、これは今年といわず来年、再末年と、非常に明るい展望が広域職業紹介の方に開けてくると思うのですが、この点一つ大蔵大臣、どうお考えになりますか。
○水田国務大臣 私は、住宅という字が使えないことになっている実情をあまりよく知りませんでしたが、促進事業団を作るときは明らかに人の入るうちを作るつもりでやったことでありますから、これは名前がどうあろうとも、家は作れるような政策の推進はしたいと思います。そこらの実情は私の方でもう一ぺん調査しますが、そういうことになっているということは知りませんでした。
○滝井委員 次は、職業訓練です。この職業訓練というのは、今まで地下労働をやっておった労務者の訓練が、わずかに六カ月です。しかも大臣ご存じの通り、三六・六才、最近は三十八才になってきて、この三十八才になった人が電気やらその他の基礎の学科をやるわけです。そうすると、われわれも四十をこえて電気の基礎からやるというと、なかなか頭に入らぬ。それを六カ月で一人前の人間にしていこうというところに問題がある。これでは、行った先でりっぱな一人前の技能労働者としては使えないわけです。現在日本には、ことしの二月で技能労働者が百十六万不足です。電気とか、旋盤とか、大工さんとか、左官屋さんとか、ブロックの建築工が不足しておる。ところが六カ月で、やがて老眼鏡をかけなければならぬという人に、そういう基礎的な学問から技術まで教えることはほとんど不可能なんです。ところが、これはどうして短期にするかというと、失業者なんですから、職業訓練手当というものがちょっぴりしか出ていない。今までは二百三十円程度です。そうすると、それでうちの者を養うことはほとんど不可能なんですね。これを少なくとも職業訓練手当を与えて、最低限一年にしなければいかぬ。そうしますと一人前の技術者になって、これは引く手あまたになる。ここらをやらないために、あの帯留が起こってくるわけです。広域職業紹介に行っても、ジプシーのような土建だ。だから、すぐ帰ってくる。ずいぶん送り出したけれども、それは旅費だけ損してみな帰ってきた。そうして、帰ってきてはもとの炭住に居つくという形になるわけです。そこで職業訓練川間の延長をやる。延長をやって、その期間はやはり最低限度の生活というものは保障してやる、こういう形が出てくる。そうして少なくとも早期に職業訓練をさせないと、だんだん精神的なゆるみが来ますから、失業保険をもらっている間でも、職業訓練手当と併給してやるという政策、これは労働大臣に一任するのでなくて、主管大臣の佐藤さんの方と金を出す大蔵省の方で十分、労働大臣も入れてお話し合いになって前進する以外にない。そうしないと、安い賃金しかもらえないから、住宅を作って行ってもやはり滞留する、こういう点はあなた方はどう認識され、どうお考えになるのですか。
○岩尾説明員 今の、失業保険手当と訓練手当の併給の問題でございますが、従来訓練手当というのは、失業保険等がない人あるいは切れた人に対しまして、訓練期間中の生活を見るという意味で訓練手当が出されたわけです。その後国会で議論がございまして、失業保険の受給期間というものを訓練所に入っている間は伸ばす、訓練期間を伸ばすというふうになりまして、大半の失業保険を受給しておる人は、失業保険の延長ということでやっておるわけであります。訓練手当と失業保険というものは、本来互いに同じ性質のものでございます。従って、こういうものを併給することは制度としてはタブることになるわけで、おかしいという点が一つございます。 それから額でございますが、訓練手当の三百円という額は、現在の失業保険の平均の日額、あるいは一般失対の日額等がた大体二百七十幾らだと思いますが、そういう面から見ましても、三百円という額で、あえてこれを失業保険と併給するという必要はないのではないか、こういうふうに考えております。
○滝井委員 実は、その認識が問題なんです。一日二百七十円で食って、そうして学問をやるということは、妻子を費わなければならぬからほとんど不可能です。従って、こういう点の前進がないために滞留するのです。そうして、職業訓練を受けて行っても優遇されないわけです。だから、今のような主計官の認識では、これは困るのです。大臣に実は職業訓練所を少しごらんになっていただければ一番よかったのですが、自動車単科を設けたけれども、土地がないから、自動車の正規の運転ができるようなコースがない。だから、正規のコースでやらぬので、行ったらみな落第してしまう、こういう形です。これでは幾ら職業訓練をやってもらったって、もう半年か一年行かなければならぬ、こういうことになる。だからそういう点は、これは労働省の方の問題ですけれども、もう少し血の通った政策というものをやってもらわないと、せっかくやった金をどぶに捨てるようなことでは困る。 緊急就労対策事業は省略しまして、次は援護会です。援護会が今度は雇用促進事業団にかわったわけです。ところが炭鉱における政策というものは、ばらばらに行なわれておるのです。まず、鉱害というものは何がやるかというと、鉱害復旧事業団がおやりになる、炭鉱の買い上げはどこがおやりになるかというと、合理化事業団がおやりになる。そこから出てきた失業者は、雇用促進事業団がおやりになる。産炭地の振興は産炭地振興事業団がおやりになるというように、一つの炭鉱から出る失業者と、その炭鉱の問題については、四つのものができてくる。これがきちっと横の連絡がとれて、タイムリーに政策を行なえば、一挙にいきます。ところが、それらのものが全部だめなんです。鉱害復旧事業団がいろいろやろうとすれば、まず合理化事業団から金を入れてくれなければできないわけです。合理化事業団が金を入れようとすれば、買い上げた炭鉱の事業主の了承を得て、お金をリザーブしておかなければやり得ないわけです。そうすると、そういう金を払ってしまえば、事業主は離職者のための政策をやれないから国にたよらなければならない、こうなっておる。みな、わが道を行っておる。このわが道を行く人が、一つの道を行かなければならぬと思います。これは通産省の先輩である田口副理事長もそう言っておる。この石炭政策を今後合理的にやろうとすれば、これらのものを一元化して、きちっとしたものにしないと大へんなことになる。これがばらばらであるところに、横の血のつながりのないところに、政策の前進がないという一つの理由がある。だからこれは、もうできてしまったものはなかなか一本化することができないので、この間の連携というものをよほど大臣においては身をもってやっていただきたいと思うのですか、どうですか。
○佐藤国務大臣 いろいろお話を伺えば、どうもセクショナリズムその他で非常にまずい、せっかく尊い国費を使っておるのでございますから、ただいま滝井さんの御指摘になりますように、将来十分効果を上げるようにできるだけの連携、緊密化をはかっていくように努力したいと思います。
○滝井委員 これから自治省に入りますが、実は私の郷里のある町で、炭鉱離職者の職業訓練を町でやろう、幸いに閉山した炭鉱が広いグラウンドを持っておったので、そのグラウンドをもらって自動車の学校を作ろう、こういうことになったわけです。そうしてなけなしの金を出して、その炭鉱の用地を買い上げたのです。そうしまして、いよいよ自動車学校を作ろうということになったら、その金を貸すところがないのです。私はこれを、職業訓練ですからまず労働省に相談をしてみた。ところが自治体で職業訓練をやるというのは、金の貸しようがない。通産省にも金の相談をしてみた。ところが、どうもそれは出す方法がない。自治体の起債にならないかと思ったら、起債の対象にもならない。そこで今の産炭地域振興臨時措置法の七条をごらんになると、「国及び地方公共団体は、実施計画の円滑な実施を図るために必要な工場用地、道路、港湾施設、工業用水道その他の産業関連施設及び職業訓練を行なうための施設の整備の促進に努めるものとする。」とあって、九条で、そういう実施計画のときには起債の配慮をするということが新しく条文に出てきております。これは法律が通っておらぬから、将来の問題ですが、そういうように、炭鉱が終わったあとの町村が何かやろうとしても金融の道がないのです。私はいろいろ各省を当たってみたが、全部だめなんです。そこで今度市中銀行に金を貸してもらえぬかということを知事に言ってやったが、貧乏になった町村に銀行が金を貸すはずがない。なかなか貸さない。だから、結局これは行き詰まっておる。この問題は何も、職業訓練所でなければ職業訓練施設をしてはならぬというわけじゃないと思うのです。その地域にたくさんの失業者がおれば、その町村がやればいいのです。最近農村においては、自動耕転機が出てきたわけです。ところがこの耕転機を使うためには、第二種の免許が要るのです。そうすると、農民もこの学校にこれるわけです。一挙両得なんです。農業の近代化にも役立つし、それから職業訓練にも役立つ。これができないのですが、自治省はこういう点、一体どうお考えになっておりますか。
○安井国務大臣 具体的な事例をおあげになりましたが、実は私、その例がどれに当たるかはっきり伺っておりません。そういう場合に、自治体が訓練所の施設をやるという場合には、私はこれは絶対に起債の対象にならぬとは考えません。どういういきさつでそういうふうになっておりますか、これはもしそういう問題があれば、自治省としても十分考えたいと思っております。
○滝井委員 起債の対象になるということであればいいですが、今まで実はなってないので今お尋ねしたのですが、大臣からこういう言明をいただきましたので、なお一つ御検討になつて、なるようにしていただきたいと思うのです。 それから、そういう問題に関連をしてきまして、大臣御存じの通り、非常にこの炭鉱地帯は生活保護者がふえてきた、それから失業対策事業がふえてきております。さいぜん多賀谷さんも指摘しておりましたが、田川郡というところは千人について生活保護者が百四人です。全国は多分千人について十七人から二十人くらいです。ところが、筑豊の炭山の市町村に行ってごらんなさい。七十から八十です。多いところでは百をこえ始めたのです。これはおそらくこのままでおけば、もっと多くなってくると思うのです。そのために、これは県ならば町村分について生活保護は二割を持つわけです。それから市ならば、当然市自身が二割を持つわけです。そうして失対事業もうなぎ上りに増加をして、福岡県知事が言っておりましたように、八千人が必要だ、ところが五千三、四百人しかワクがございません、こうなるわけです。これは全く表面に出たところであって、もっとそれを精細にすると、八千どころじゃないのです。もっと多いわけです。これは、一般失対ならばどういうことになるかというと、五割から六割程度は国が見ますが、四割以上は自治体が負担しているわけです。それから緊急就労対策事業でも、二割は負担をしているわけです。こういう生活保護の二割あるいは緊急就労の二割、一般失対の四割ないし五割の自治体の負担というものが、できなくなり始めたわけです。それはどうしてかというと、鉱産税もなくなるし、県でいえば事業税もなくなる、固定資産税も、炭鉱がやめてしまえばスクラップになるから入ってこないのです。支出が多くて、一番大宗の市民税はもちろん入ってこない。県なら法人税です。こういう状態になってきたのです。それが今度の産炭地の法律を見ますと、特別の場合は基準財政収入額から、いろいろ措置をして、まけてやった分についてはこれは減額をしましょう、こうなっておるのです。それはこの産炭地振興法が通った後の話なんです。ところが今は、こういう産炭地振興とは関係なく、生活保護とか失対は増加をしているのです。そこでこれを一体自治省はどうしてくれているかというと、特別交付税で措置をしてくれているわけです。ところがそういうものは、今までの特別交付税法なり交付税の計算の仕方ではもう追いつけないわけです。とにかく異常な状態で、百もできておるのですから、今までの常識の計算ではどうにもならぬ。五百万か六百が程度の特別交付税をもらったって、焼け石に水なんです。そこで、これについては私二十八年の災害のときに自治庁とやったのですが、これはやはりこういう異常の災害なんですから――いわば人災ですよ。異常災害ですから、こういうものについては起伏をしてやって、たとえば生活保護の問題については起債をする、あるいは失対については起伏をする、生活保護は起債はやりにくいですが起債をする、そしてそれを元利補給をしていただく。それから生活保護については法律の改正を必要としますが、持つと親方日の丸で乱給が行なわれるおそれがありますから、やはり八割を九割とか九割五分に引き上げるという、こういう高率な例外の適用をやらなければ、もうどうにもならぬところにきておるのじゃないかと思うのです。これは将来産炭地の振興ができて、炭鉱地帯が明るくなればそういうものは要らないのですが、当面産炭地振興の調査をやる間、ここ二年間くらいは、臨時に生活保護については高率適用をやる、それから、そういう失対事業その他に出すものについては元利補給をやる、こういうことにしていただくと、炭鉱地帯は緊褌一番、もう一回こういうものについて積極的な対策をやって、不平と不満、社会不安を除くことができるのじゃないかと思う。この点は、まず自治大臣から御決意のほどをお聞かせ願って、次には大蔵大臣にその裏打ちができればしてもらいたい、こういうことなんです。
○安井国務大臣 お話しのように、自治省が地方団体に財政措置をいたすとしますれば、従来の普通の交付税のほかに、特別交付税になるわけでありますが、大体昨三十五年度におきましても、この石炭対策に純粋にあげられるものに、八億程度特別交付税を出しておるわけであります。なお起債の面からも、二億六千七百万程度の起債のワクを認めておるわけであります。ただしかし、今の実況から、いろいろ閣僚がおいでになったお話等からいきましても、もっと十分考えなければならぬ面はあろうと思います。三十六年度におきましても基本線はそこに置きまして、でき得る限りの措置をしたいと思っております。今の利子の減免の問題につきましては、これは御承知の通り、特例法の要ることでございますから、そういう問題も慎重に考慮したい、こういうふうに考えます。
○滝井委員 私はこれは臨時国会にはできないと思いますけれども、やはり、災害のときには元利を見る特例をお作りになったのです。少なくともこの産炭地振興は、二年間の調査期間があるわけですしその間は、そこに産業が興らない限りは、自治体は支出ばかりで、収入は出てこないわけです。そして失業者がふえるわけですから、何か二カ年間程度の臨時措置をお作りになっていただくことが必要だと思いまが、これは一つ真剣に御検討を願いたいと思うのです。どうでしょうか。
○安井国務大臣 十分検討いたしてみたいと思います。
○滝井委員 大蔵大臣一つ……。
○水田国務大臣 今の問題ですが、三十五年度を見ますと、鉱業市町村の臨時就労対策、失対、そういうものに対して七億九千二百万という、特別交付税で措置した額がございますが、むろん自治省の方でもそういう点についていろいろ考えられるというお話で、お考えになると思いますが、この特別交付税で措置する部面というものも現にやっておるのですから、こういうものの増額とかそうしうようなことで、やはり実情に合った方法はわれわれの方でいろいろ考えたいと思っております。
○井手委員 関連して一言自治大臣にお伺いをいたしますが、三十五年度における産炭地の収入減は六億数千万円、支出増が十八億数千万円と私どもの調査では出ております。関係市町村から出てきた資料によって集計したものであります。私はこの前の五月の商工委員会でございましたか、産炭地振興法案の審議に際して、あなたにお伺いをいたしました。その際、あなたの答弁はこうなっております。安井国務大臣、あなたの答弁です。「収入減に当たります分については、特別交付税等で相当年度末にかげんをいたすことに考えております。さらに逆に支出のふえました分、失対事業、あるいは生活保護費その他鉱害等によります分については、やはり交付税等の面から補給していかなければなるまい、そういうふうに考えております。」こういうよりに御答弁になっておりまして、三十五年度の特別交付税については、ただいまお話がありました支出増については交付税で見るという御答弁がありましたが、三十六年度の交付税においてどのくらい産炭地にお考えになっておるのか。すでに配当になっておると思いますから、その点をお伺いいたします。 なお、先般国会を通りました三十六年分の地方交付税の単位費用の特例に関する法律には、産炭地については何ら考慮されてないようです。その点をあわせて御答弁願いたい。
○安井国務大臣 具体的な数字につきましては事務当局からお答えいたしますが、減収分につきましても、三十六年度の普通交付税を算定いたします際に、基準財政需要あるいは収入の面に相当計算をいたしておるはずであります。なおそれで足りません分を、今の国庫の特別交付税でもって見る。これは普通にいきますれば、来年の二月ごろに計算ができるわけでございます。あるいは、起債の面等でカバーをしていく。ただ特別交付税が二月まで待てないというような状況があれば、その状況に応じてできるだけの対策を講じたい、こう考えております。
○井手委員 すべてのものが、交付税に入っておる入っておるということで、今日まで結論を得ない場合が多かったのでありますが、先般のあなたの答弁は、収入減に対しては特別交付税、支出増については交付税等で補給をすることにいたしておりますという明確な答弁があったからお伺いをしておるのでありますが、すでに成立した単位費用の測定に関する特例の法律、これには産炭地については全然考慮されておりませんが、すでに決定した三十六年度の交付税には幾ら考慮されておりますか。三十六年度は交付税として幾ら産炭地には必要である、その分については幾ら交付税を配当し、なお不足の分については幾ら特別交付税で考慮するという用意がすでにあると思いますが、金額を明確に御答弁を願いたい。
○安井国務大臣 御承知の遮り、交付税を計算いたします場合に、この産炭地の事情を考慮しますれば、鉱害対策費とか、あるいは臨時就労の施設のための費用とか、特別失対とか、その他いろいろな項目がございまして、それぞれあるものを順位計算によってふやすわけでございます。ただ、石炭対策というような一本である数字には出ておらぬかもしれませんが、そういうような形で計上しておるわけであります。具体的な数字につきましては、今ちょっと事務当局も手元でわからぬそうでございますが、これはわからないのが無理ないのでありまして、いわゆる基準計算の方にそれを乗っけて全部計算をしていきますから、総額になってしまうわけです。
○井手委員 今あなたは、交付税でもすでに考慮して配当したとおっしゃったでしょう。だから、その分をお聞きしておるわけです。幾ら配当されたのか。
○松島説明員 ただいまお尋ねの点、私から説明をさしていただきたいと思いますが、交付税は、御承知の通り、それぞれの費目ごとに単位費用を決定をいたしまして、それに数値を乗じて出すという形が原則でございます。その場合にとります数値が、たとえば失業対策費でございますと、前年度における失業者数の統計を使うわけでございます。そこで、失業者が増加しております場合には、前年度の統計と本年度の実態との間にずれが出て参ります。しかしながら、前年度の統計がさらに前々年度よりもふえておりますから、その関係では、ことしの基準財政需要額は普通交付税の面においてふえるわけであります。ただ統計の制約がございまして、本年度もそのままとれませんので、その差額を最後に特別交付税でもって措置をする、こういうことで、従来も特別交付税で措置をしてきているわけでございます。まだ、生活保護にいたしましても、同様に生活保護者の数も前年度実績をとります関係上、当核年度にどんどん発生しておりますような場合には、ある程度実態とかけ離れてしまいますので、その差額をさらに特別交付税で措置をするというような措置をいたしておるわけでございます。そういうことでございますので、普通交付税の計算においてはもちろんふえておりますし、またそれで十分でなかった面、すなわちその年度にどんどん増加しておりますような場合には、特別交付税でさらにその補完をする、そういう形で処理をいたしておるわけでございます。
○井手委員 失業者の数であるとか、あるいは生活保護費というようなものは、一般的なものであります。産炭地に関しては、これは特別の分でありますから、産炭地振興で特別に見るというものであれば、一般的な失業者の数とか、あるいは生活保護者の数というもので一律に計算すべきものではないのです。もしあなたの方でほんとうにお考えになっておりますならば、単位費用として石炭関係の失業者は歩をよくして、特別の方法でやはりこれに出しておかなければならぬはずです。単位費用には出していないじゃないですか。
○松島説明員 ただいまも御説明申し上げましたように、一般失対に吸収されます分につきましては、数の増加ということが結局問題になってさておるわけでございますので、それが実態と違います部面を特別交付税でさらに補正する。普通交付税の場合には、全国一律にとっておるわけではございません。それぞれ前年度の実績をもとにしてとっておるのでございますが、統計の制約がございますので、さらにその差額を特別交付税で処理をするという方針でやっておるわけであります。また先ほど御指摘のございました、今回の交付税法の特例に関する法律の中に、産炭地域のことが出ていないじゃないかという御指摘でございますが、これは先ほど来申し上げますように、普通交付税としては数字の増加という形でもって処理されるべき問題でありまして、今回提案をいたしました特例法は、給与改定に伴います職員給与費の増額分を単位費用に反映させるという趣旨で提案をいたしたのでございます。
○井手委員 私は関連質問ですから多くは申し上げません。大臣にお伺いいたしますが、今までの財政課長の答弁では、産炭地であるから特別に見てやれという交付税の建前ではございません。それはそうでしょう。はっきりしておるでしょう。失業者にしろ生活保護者にしろ何にしろ、一般的な基準で計算されておるのですよ。産炭地であるからというわけで、特別の措置はしてないのです。その点ははっきりしてもらわなくちゃならない。だからあなたが五月におっしゃった、交付税で見ることにしておりますということは、あなた、これはうそですよ。そのことについては後日ゆっくりあなたと質疑応答をいたしますが、産炭地であるから交付税で見るということはないはずです。その点だけははっきりして下さい。
○安井国務大臣 産炭地におきまして特に失業者が多いというこの傾向、数字は普通交付税の計算に入れているわけであります。それは数で入れてあるのでありまして、そういうものは交付税につきましても、あるいは特別失対その他につきましても、当然行なわなければいかぬ産炭地の特別の事情のものは、普通交付税にも入れてあるわけであります。ただ特別交付税でそれ以上の特殊のものを、またあとで実情に応じて、さらに不足のものを加減をしていく、こういうふうにやっておるわけであります。
○井手委員 これで終わりますが、それでは産炭地に対する特別の措置というのは、結局は特別交付税で見るというわけですね。結論はそういうことですね。
○安井国務大臣 特別交付税と起債と、両方の面からこれは特別に見ていきます。
○井手委員 それでは、もう一回念を押しておきますが、産炭地については財政の困窮に対する救済方法は特別交付税で見る、なお一方では起債については考慮する、こういうことですね。ほかはないのですね。
○安井国務大臣 ほかは全然ないと言われますと、非常にこれは困るのでありまして、一般の交付税で、趨勢として産炭地で失業者が非常に多くなったというのは、統計数字の上から見ておる。ですから、その見方が足りないという部分については、さらに特別交付税で積み重ねていく、こういうわけでありまして、全然初めからそれは平坦にして見ないと一言われると、それは語弊があると思います。
○多賀谷委員 そうすると、こういうことですね。結局は、産炭地であるからということではなくて、失業者が出るから、その失業者の単位費用は一般の交付税で見る、ところが、統計上その後に現われているものは特別交付税で見る、こういうことだけですね。それは産炭地という要素はないわけですね。
○安井国務大臣 産炭地という特別の名称を付してございません。産炭地におけるその特殊事情が、この数字の上に現われてきておるるわけであります。その現われた数字は普通の交付税で見る。それでも足りない分が今のようなはげしい時代には出てきますから、その分をあらためて精算をして年度末に特別交付税で見る、こういうことになっております。
○滝井委員 そうしますと、この法案の九条ですね。「地方公共団体が実施計画の円滑な実施を図るために行なう事業の実施に要する経費に充てるため起こす地方債については、法令の範四内において、資金事情及び当該地方公共団体の財政状況が許す限り、特別の配慮をするものとする。」こうあるわけです。これはどういう意味ですか。特にここに特別な配慮をする、こうなったのですね。今のように、別に法律に君かなくても、炭鉱地帯においては起債はやります、それから特別交付税もやりますというならば、こんな条文は要らないわけです。ところが特にわざわざ九条にこういうものを入れたというのは、何かその資金事情なり当該地方公共団体の財政事情が許す限り、特別な配慮をする、こうなっておるわけですから、起伏については何か特別な方法をやらなければならぬことになると思うのですが、これはどういう意味ですか。
○安井国務大臣 これは、今お話のございました通りでありまして、なるほどこの個条がなくても、起債のワクを広げるという場合があり得るわけであります。特にこうして明確に法律にうたってあれば、さらに十分の措置をやるのに非常に都合もいいし、やりやすい、こういうことであります。
○滝井委員 これは既存の法令の範囲内でやるのですから、そうすると九条というのは、今までもできたのだけれども、これがあるとやりいいから、こういうことであると、炭鉱の特殊性というものは出てこないわけです。いろいろのことをやることになっておるのですけれども、前には、基準財政収入額の中からいろいろ措置したものについては、それは減額してあげましょう、こうなっておる。そして今度は、同時に起債についても特別に考慮を払いますよ、こうなっておるけれども、これでは具体的に一体産炭地以外と起債その他の処置がどう違うのかということがはっきりしないわけです。地方財政計画にもそういうものは載ってこなければならぬことになるわけです。ことしの地方財政計画には、こういうものは載っていませんよ。これはほんとうは、ああいうごたごたがなければもっと早く通って、少なくとも実施されている法律なのだけれども、もう少し何か具体的にきちっと、こういう特別な配慮をやるのだということを、今御答弁ができなければ大蔵当局とも相談をされて、こういうことなのだということを、あすでもけっこうですが、一つまとめてもらいたいと思うのですが、どうですか。
○安井国務大臣 産炭地の特別施設の形がきまっておりませんために、個々のワクを特に名前をあげておられぬかもしれませんが、こういう条章があれば今後の起債のワクをふやします際に十分気をつけて、ことしならことしのうちにでも、まだこれからやるわけでございます。
○滝井委員 実は実施計画をいろいろお定めになるについては、大体六項目ばかりの具体的な項目がきまっておるわけです。それを産炭地域振興審議会で意見を聞くことになっておるわけなのですけれども、やはり起債の対象になっていくのは、これらのものと関連していくと思うのです。従って、現在の炭鉱の実態から特別に起債について配慮するとか、あるいは、基準財政収入額から減額を配慮するというのは大体こういうものがあるのだというぐらいのことは、自治省としては当然準備をされておかなければならぬと思うのです。ところがまだ何もわからぬから、それはできたあとの実態を見てからだ、こういうことになりますと、これはなかなかだと思うのです。こういうものはやはり、政府は前向きの姿勢なのですから、具体的に、こういう場合には起債は特別配慮しますよ、こういう場合には基準財政収入額から減額をしますよという、一つ前向きの例示ぐらいはしてもらわぬといかぬと思うのです。きょうそれが御無理なら、あすでけっこうですから、何か一つ大蔵省と話し合ってそういうものをお示し願いたいと思うのです。
○木村(守)委員 関連質問をしますが、ただいまの質問のように、産炭地としての特別な交付税、特別交付税、そういう名前のものはないらしいのですが、今までの答弁を聞いておりますと、一般の失業者が出たところの交付税、普通交付税と同じような手当しかしていないのじゃないかということです。ところが産炭地では、それ以外に産炭地特有のいろいろ困る事態があるのです。たとえば、廃山になったというと電気を切ってしまうから、炭鉱だけでなく、炭住一軒々々の電灯も切れてしまう。そういう場合には、これは役場や何かで特別の金を出してやっているのです。そういうような産炭地特有のいろいろな問題があるのです。そういうようなものに対して、これは見ていないのじゃないか。それを見ていなければ、ほんとうに産炭地に対して手当をしたとは言えない。平衡交付金並びに特別交付金で見たとは言えないのじゃないかというような質問の趣旨でありまして、私どもそれに対しては同感です。そういうような特殊な事情がありますから、普通の失業者のあるところとはちょっと違うと思うのです。そういう点を十分に手当しなければ、産炭地に対して手当をしたとは言えない、そう考えるのです。その点、どうですか。
○安井国務大臣 先ほど、特別交付税で八億程度の手当をしたと申しましたが、それがちょうど、大蔵大臣がお話しになりました七億九千何百万円というものに当たるわけであります。この内容は、鉱害の対策、緊急就労、特別失対、減税に伴う対策、それから生活保護、市町村のそういった、今木村委員が御指摘になりましたような点に対する補給、こういうものを具体的に補給しておるわけであります。ただ、これは三十五年でありますから、金額は少ないかもしれませんが、そういった線につきまして、三十六年度においても、これはできるだけ十分調査して手当をしたい、こう思っておるわけであります。
○滝井委員 今のことはよくわかりますから、もう一回、七億九千二百万円と起債の二億六百七十万円ですか、そういう内沢の算定の基礎ですか、そういうものと一緒にあす当委員会に出していただきたいと思うのです。そして同時に、今できれば十分御相談されて、六条、それから特に九条ですか、こういうところの具体的な配慮の例示を、こういうところだったら配慮されるだろう――これは産炭地の現状を大蔵大臣も通産大臣もごらんになっているのですから、御相談してぜひ出していただきたいと思うのです。委員長、それをぜひやっていただきたい。過去の実績とそれに関連する特別の配慮、それから、基準財政収入顧から減額するような具体例をぜひ出していただきたい。
○有田委員長 自治省、どうですか、あす出すという御回答ができますか。
○安井国務大臣 なるべく早く、あす出すようにできるだけ努力したいと思います。
○滝井委員 では、次に移ります。 産炭地のこの法律に関連して、調査費が三千万円出ておるわけです。これがばらまかれた実態を見ると、あそこに百万円、あそこに五十万円というように、スズメの涙ほどの金がばらばらとばらまかれておるわけです。これではなかなか本格的な調査が進まぬことになる。やはり、大臣ごらんの通り荒廃した国土になっておるわけですから、これをやるためには相当優秀な人を集めて、そこにおける立地条件等の再検討が必要なわけなんです。ところが、福岡県あたりを見ると、県の企画室でもやっておりますけれども、しかし、こういった問題についてももう少しお金を入れて、やはり優秀な技術者、そういう調査の専門家等は国があっせんをして送り込んで、ほんとうに荒れた地帯の調査をやって、そうしてすみやかに、二年といわず、一年くらいで、ここには何をやるという、こういう形を作ることが必要だと思う。これはあとはわずかですから、あるいは三千万円でお茶を濁すことができるかもしれませんけれども、これはとても三千万円くらいではどうにもならぬと思うのです。この点については、ある人は、これは十億くらい出してもらわなければいかぬという意見さえあるくらいなんです。こういうことでは、この法律ができても、結局画龍点睛を欠くことになる。通産大臣は、現地を見て、こういう点はどうお考えになるのか。三千万円くらいではとてもだめなんです。
○佐藤国務大臣 三千万円は調査費だそうであります。調査費でありますので、これは年度内に使って調査しておるわけです。先ほど来いろいろお話がございましたが、振興審議会というものを作っております。その振興審議会において十分議を練って、いわゆる官僚の独善にならないような対策を立てることになっておるように私は記憶しております。審議会の内府等は、事務当局から説明させることにいたします。
○今井(博)政府委員 審議会は、現在各地方の部会、すなわち、産炭地の九州に一つ、その他の産炭地に一つずつ設けまして、今地方の部会でおおむね四、五一くらい開きまして、これを十一力には東京に持ち寄って、非常に緊急を要する問題についての方針、それから今後の産炭地全般についての基本的な方向という問題にしぼって、答申していただくという予定になっております。従って、先ほどからお話が出ておりました実施計画云々についての問題は、一応各地方でそれぞれ今案を持っておりますけれども、どういう実施計画についてどうするということにつきましては、やはり全体がまとまらないと、今自治省がどうするという方針は立てにくいのではないか。三千万円という数字は、現在一応、本年度としては筑豊の地区に重点を置いて、一番緊急を要するという地区から始めましたので、従って、全体の各地方々々には若干金額が少ないという不満はございますが、これはやはり相当時間をかけてこれからやりますので、来年度は相当な調査費をいただいて、十分な調査をしたいということであります。
○滝井委員 今時間をかけてとおっしゃるけれども、これは二年間にやるわけです。二年くらいで調査して、その結論によってやるかやらぬかというわけでしょう。この5年の時限立法の中で二年調査にかけるのですから、そんなものは死んでしまいますよ。来年も調査費を、要求してやる、これでは三千万円で間に合わないわけですよ。実はこういうものはすっと一億や三億くらい出して、あらゆる衆知を結集して、すみやかに結論を出すことが必要なんです。やはりこういうものは、徹夜するくらいの緊急性が私は必要だと思う。緊急事態だから、政府はいろいろ緊急対策をお出しになっておる。普通の事態なら、普通の状態で年々百万円か二百万円の調査費をちびちびやって、どこの水を、ダムをどうしようか、筑豊をどうしようかという調査ができる。ところが、あの事態ですから、これでは間に合わない。だから、あなた方三千万円の要求ではなかった、相当要求をしておったが、削られ削られして三千万になった、こういうことで、三千万円になったらしようがない、この法律を出しておこうかというので、この法律が出てきたのです。故事来歴を言えばそうです。三千万円ついたのだから、法律を出さなければしょうがないということだった。しかし、いよいよとなったら、そういうわけにはいかないことになってきた。だから、三千万円ということでは少ないので、すみやかにこれはやる必要があると思うのですがね。
○佐藤国務大臣 私からお答えいたしますが、ただいま御審議をいただいております法律、これはちょっと最近の実情にも合わない点があることは、先ほど来御指摘の通りであります。私が考えることでございますが、この法律案が出て、前国会で成立しておれば、あるいはただいまのような前論もなかった。不幸な事態が起きて、その後事態が、まただんだん進んでおるということであります。前回の予算が成立して、その予算執行のために作られた法律が成立を見ておらないのでありますから、とりあえずは、本年の問題は本年の問題としてぜひ片づけさしていただきたい。そういう意味でも、この法律の成立を強くお願いする次第でございます。先ほど来、また今までもこの特別委員会で御審議をいただいておりますように、恒久対策としての具体案等は、なお予算要求とも関連しておりまして、具体化しておらない状況でございますので、そういう点も御理解賜わりまして、今回の三十六年度予算執行に必要なものとして、ぜひとも早急に御賛成賜わるようお願いいたします。
○多賀谷委員 誤解があるようですが、審議会は別になっておるのですよ。審議会は、通産省設置法の一部改正で、ことしの三月三十一日に通過したのですから、審議会の予算は別ですよ。この法律がなくても、三千万円ついておるのですから、これは別なんです。これは誤解のないように……。何かわれわれの責任のようにおっしゃるが、国会の責任じゃないですよ。もうすでに三千万円使っているのです。ですから、別個なんです。しかし、私の一言うのは、少なくともこの法律がこういうような状態になっているのですから、審議会の中間答申くらいは、この法律が再度提案される臨時国会前くらいにすべきじゃないかと思うのですよ。そうすれば、われわれが受けて立って、悪いところは直すのだけれども、大臣が不満足であるというような状態では、われわれ、どうもこれをそのまま修正もせずして通すというのは不本意ですけれども、しかし、今言っているのは調査費の予算め増額ですよ。どうですか。
○佐藤国務大臣 実情を知らなかったので、大へん申しわけございません。そこで、審議会に至急に答申を出してもらうように、私ども督励したいと思います。ことに、私ども現地調査を終えて、なまなましい印象の際に、ぜひとも審満会が具体案を答申するように、これはさらに督促するつもりでございます。また、自治大臣も近く行かれるようでございますから、その点もあわせて、いましばらく時間をかしていただくことをお願いしておきます。
○滝井委員 従って、今多賀谷君が御指摘のように、周密な計画をやろうとすれば、三千万円の金がばらばらっとばらまかれてしまったわけです。そして、五十万とか、百万とか、百二十万とかついてやっておるわけです。ところが、そんなものでは、ほんとうにこのダムが合理的に能率の上がるものか、これを使ったならば一体産業が興るかどうか、そのダムに関連する全般的な調査というものが、なかなかうまくいきかねる。また来年の予算を待たなければ、ことしはこれで予算が終わるから調査は終わりだ、こういうことになってしまう。そこで、この調査費というものを、速急にやはり補正予算か何かを組んで、そしてしりをたたいてもらって、審議会の方は馬力をかけてもわなければならぬというのが、われわれの主張ですよ。誤解があったようでございますが、ぜひそういう形にしていただきたいと思う。そうすれば、この金は早く少きる。それを、二年も三年もかかって出てきた結論で、これから実施計画を立ててやりますということでは、死のうとしておる病人には間に合わないということを私は指摘しておる。今度見た現実から、少なくても一年くらいでも繰り上げてやってもらいたい。これがわれわれの主張です。これは石炭局長も大蔵大臣もおわかりのことと思いますが……。
○水田国務大臣 さっき例示の問題が出ましたが、結局、この事業の実施に要する経費に充てるために起債をやる必要があった場合は、法令の範囲内で特別の配慮をするというのですが、例示というと、私の方でむずかしいのは、さっき言われておりますように、今この審議会が開かれて、どういう仕事をやるかということをきめておるところでございますので、それについて、たとえばこうとかああとか言うのがなかなかむずかしいから、例示は一つごかんべん願って、今きめてきた仕事を適当と思われるという答申があって、それを、計画を立ててやるというものについての起債をどうするかというのは、この法律を通していただければ、今われわれ特別の配慮をすると言っているのですから、これは特別な配慮をいろいろな形でいたしますので、ちょっと例示されないと困るということは、要求されても、あしたまでに私の方で例示をして持ってくるということはむずかしいと思います。この点は御了承を願いたいと思います。
○滝井委員 例示と言ったのは、四条をごらんになると、実施計画に定める事項がずっと書いてあるわけです。これは相当具体的です。炭鉱地帯における石炭の需要の拡大とか、鉱工業等の振興による雇用の拡大に関する事項なんというものは、大体炭鉱地帯からいろいろ出てきているのですよ。こういう仕事、こういう仕事というものが出てきている。非常に具体的に出てきている。たとえば耐火れんがを作るとか、具体的に出てきているのですよ。だから、その出てきているものについてやはり検討してみて、大体こういうようなものということで、その通りやらなくてもけっこうですが、一応御検討になって、どうしてもできなければ、これはやむを行ないと思いますけれども、一応お互いに誠意のあるところでやっていただきたいと思います。 時間がありませんから、あと二点で終わりますが、もう一点は、これは両大臣に非常に真剣にごらんになっていただいた、あの炭住の問題です。あの炭住は二通りある。一つは、整備事業団が貰い上げて、そして、雨が降っても行くところがないので住んでいる炭住と、それから、依然として鉱業権者が売らずに持っていて労務者を置いている炭住と、こういう二通りある。ところが、労務者は、これは家賃がよう払えぬから、事業主も修理も何もしないのです。住宅を作るまでの間は、寒い冬空でもあの炭住の中に置いておくというのは、これは気の毒だと思います。離職者は青空会というものを作っている。なぜかというと、さいぜん佐藤大臣が言ったように、雨が漏り、そして夜、月が出れば、座敷の中からごうごうたる月が屋根越しに見える。こういうことですから、一体あの処置を、国としては、事業団の持っているものと来業主の持っているものと、処置は違うでしょうが、緊急な措置としてこれをどうするかということです。住宅を建てる前に、あれを一体どう処置するかの方が、私は先だと思います。それでは、これを市町村に譲り渡したらよかろうという意見がある。これは市町村は受けません。なぜならば、受ければ、これの維持、管理が大へんです。だから市町村は、これは無料でやると言っても、よう受けない、こういう問題があるわけです。そこで、政府としては、あれだけの放置されておる住宅、しかも、その放置された住宅には人が住んでおるという、この住宅の対策を、私は一番緊急な対策として、新しく家を建てる前にやる問題だと思います。これを一つお考えを承りたい。
○佐藤国務大臣 あれは、あのままほっておいてはいかぬ。今滝井さんの言われるように、市町村に無料でやると言っても引き受けぬかもわからない。また、事業団の事業計画といいますか、許可の範囲から見ると、できないような問題もあります。しかし、これはほってはおけませんので、もう少し、二、三日かしていただけば、対策は立ちはしないかと思います。何か手を打たないことには、あのままほっておくわけにいかない。ことに、私ども見ないうちならともかく、見てきて、あのままにしておくわけにいきません。これはもう少し工夫させて下さい。
○滝井委員 大臣の責任ある御答弁で、非常に満足をいたしました。見ていただいたので、見ただけのことは、ぜひしていただきたいと思います。 それからもう一つ。きょう緊急対策で、金融の問題とそれから離職者の問題を出してきたわけですが、緊急対策がもう一つ落ちている。それは運賃をどうするかという問題です。国鉄の運賃の問題です。これは政府が、緊急対策の三つのうちの一つとしてお出しになったわけですが、これが、佐藤さんのさいぜんの御説明の中に落ちておったのです。この運賃の対策はどうなるでしょうか。
○佐藤国務大臣 運賃問題は、また進んでおらないというのが結論でございます。ただいままで検討しておりますところは、前内閣で閣議決定をしておりますから、その閣議決定通りやることが、どういうわけでやれないか、その点を事務的に検討しておる段階でございまして、まだ結論が出ておりません。
○滝井委員 この前の答弁、それからまた進みましたけれども、一応今の御答弁の中で、この前実施した、いわゆる担保をもらって、そして支払いの繰り延べをやる、これが一体どうして実施できないのか。担保がないのだからというような推定もお互いにしたわけですが、大体これの結論が出るのは、どの程度の日にちがかかりますか。
○佐藤国務大臣 そう長くかかるわけでもないと思います。いろいろ折衝をしておって、まだ意見の一致を見ないものもございますけれども、これもいつまでも長くほっておけるものでもございませんかち、そのうち結論が出てくる、かように思います。
○多賀谷委員 私は、この際、三池の離職者対策――組合も、また政府にも非常に努力していただいたのですが、その実績をお話しして、参考に供してもらいたい。これは石田労働大臣もお約束になって、政府としても、かなり熱を入れておやりになったことを、われわれは認めるわけです。また、組合の方も非常に努力をいたしました。しかし、こういう結果しか出てないのです。 それは、千百七十六名のうちで、雇用関係として就職した者が四百五十二名、それから企業組合、要するに、これは建材であるとか、タクシー会社であるとか、あるいは燃料――石油コンロとプロパン・ガスをお互いにやる、それから養豚の農場をやる、こういうグループに分けまして、企業組合を組織した諸君が三十名、それから自営業をやった者が三十六名、要するに、五百十八名がちゃんとした、いわば就職をしたのです。しかし、雇用関係の四百五十二名というのは、ほとんどが中小企業であります。ですから、非常に低賃金のところで働いておるという状態です。そのほかは、現在職業訓練所に入っているものが三百十七名。しかし、これはかなり年令が高い層になっている。ですから、今までのように訓練所から出たら就職がすぐあるかどうかということが、非常に問題の人々です。それから、自分で何とか開拓しなければならぬというのが四十七名。その他まだ就職待機者が七十四名で、転出したものが七十正名という状態ですが、いかに就職がむずかしいかということは――企業組合を実は組合の方で一生懸命努力したのですけれども、結局うまくいかないのです。そうして、三十名ですが、その三十名のために労働組合でみずから貸した金が現在において二千三百万円、本人たちの退職金を集めたのが千二百四十万円、そのほかに、農場については、まだ一千万円資金を組合が融資してやらなければならぬという状態です。ですから、就職が困難であるし、また、三千三百万円も、借金を負うた三池の労働組合がみずから融資をしてやらなければならぬという状態では、今後出てくる失業者の離職対策というのはなかなか困難ではないかと思う。ですから、一つよく参考にしていただいて、抜本的な対策をお願いいたしたい、かように思うわけです。
○有田委員長 次会は、明二十五日午前十時より理事会、理事会散会後に委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三分散会