災害対策特別委員会 第15号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/27
会議録
○秋山委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、私が委員長の職務を行ないます。 去る二十五日付託になりました、八木一男君外十三名提出の被災者援護法案、及び、八木一男君外十二名提出の昭和三十六年五月二十九日及び三十日並びに十月二日の強風に際し発生した火災、同年六月、七月、八月及び十月の水害又は同年九月の風水害により被害を受けた場合における社会保険の保険料の減免等に関する特別措置法案を一括して議題といたします。 —————————————
○秋山委員長代理 提出者の趣旨説明を求めます。八木一男君。
○八木(一)議員 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題になりました被災者援護法案について、その提案の趣旨、理由並びに内容の大綱を御説明申し上げたいと存じます。 わが国の地理的環境は、残念ながら、季節的に台風の襲撃を受け、また、豪雨の襲来を受ける地帯でございます。このために、完全な災害対策を立てても、なお災害を根絶することがはなはだ困難な状態にあるのにかかわりませず、治山治水計画、防潮計画あるいは気象観測等の不徹底のため、十分な災害防止をなし得ないのみならず、山林の乱伐、地下水の乱用、誤ったダム管理、災害復旧の不徹底等のため、人為的に災害を増大せしめていると言っても過言でない状態は、まことに重大な問題であります。また、工業の発展、変化に伴い、当然なさるべき完全な危険防止の不徹底、人口稠密にして可燃性建物の多いことにかんがみ、当然なさるべき防火対策の怠慢等による大規模な爆発、火事等の災害が増大していることは、まことに遺憾なことであります。右のごとく、多数の国民の生命、身体、住居、財産等は常に危険にさらされており、一夜静かにこのことに思いをめぐらせば、薄氷の上を歩く感じのする状態であります。 このような状態にかんがみ、今後あらゆる災害に対し、これを防止する対策を最大速度をもって完成することが、最も大切なことは申すまでもございませんが、それとともに、災害を受けた人たちに対し、不幸尊い生命を失った方々に弔意を具体的に表し、災害による傷病者の全快、再起を助長し、住居、家財の損失に対しては、立ち上がり助成のため、見舞金、貸付金の制度を設けることは、あえて議論の余地のないことと存じます。 以上の観点に立って、わが党は本法案を絶対に必要と考えている次第でございます。ことに、本年各地において各種災害を受けられた国民各位に本法案の援護対象になっていただくことが、特に必要であると考え、本国会に提出した次第であります。 本法案は、厚生大臣の指定する暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波その他の異常な自然現象または大規模な火事もしくは爆発等により、被害を受けた者に対し、必要な援護を行ない、その自立更生を助長しようとするものであります。 以下、法案の具体的内容について御説明申し上げます。 まず第一に、災害により死亡した者及びこれに準ずる者に対しての弔慰金制度の樹立であります。死亡者一名につき金十万円の弔慰金を国から遺族に支給し、なくなった方の冥福を祈り、かつ、遺家族の再起を援助しようとするものであります。 第二に、被災者に対する医療費の支給制度の樹立であります。災害に起因して負傷し、または疾病にかかった人々の支払った医療費につき、六カ月間に限り国から全額支給して、その健康回復を助長し、かつ、医療費による生計費圧迫を排除しようとするものであります。 第三は、被災世帯主に対し、国よりの見舞金制度を樹立し、その自立更生を助長しようとすることであります。被害の程度により見舞金額を分け、住居及び家財の全部を滅失またはこれに準ずる災害に対しては十万円、一部滅失並びに床上浸水等による被害を受けた世帯に対しては、その被害の程度により、一万円ないし八万円までの支給をいたそうとするものであります。 第四は、被災者に対する特別の貸付制度の樹立であります。被災世帯の世帯主に対し、市町村より二十万円以内の生活資金を貸しつけようとするものでありまして、右の貸付金は無利子、無担保、無保証で貸しつけるものとし、その償還期限は十二年以内にするものであります。市町村が右を実行し得るようにするため、右の貸付による損失については、国より市町村にその全額の損失補償金を交付することにし、また、市町村が貸付財源を作るため地方債を起こした場合は、国が資金運用部資金、簡易生命保険、郵便年金特別会計の積立金をもってその全額を引き受けるものとし、その利子を補償しようとするものであります。 以上がその内容の大綱であり、本案施行に要する費用は、本年度災害に関し約六十五億五千五百万円であります。 本法案に規定する災害については、個人の努力によってはこれを免れることの至難な問題であり、しかるがゆえに、国が全面的に補償すべき問題でありまして、本法案の内容でもまだ十分ということができないと存じますが、少なくとも本法案の内容は即時にこれを実施するのでなければ、国民の負託に全くこたえていないと言ってもあえて過言でないと存じまするし、ことに、被災者の大部分が、政府の諸施策の貧困のため、災害に対して立地条件の悪いところに居住している低所得者階層であることを考えれば、その緊急性は最大級のものでございます。 災害対策に熱心に取っ組んでおられる委員各位の熱心な御審議をいただきまして、可及的すみやかに満場一致御可決下さらんことを、国民の名において心からお願い申し上げる次第でございます。(拍手) 続いて、同時に議題になっております、昭和三十六年五月二十九日及び三十日並びに十月二日の強風に際し発生した火災、同年六月、七月、八月及び十月の水害又は同年九月の風水害により被害を受けた場合における社会保険の保険料の減免等に関する特別措置法案につきまして、日本社会党を代表いたしまして、その提案の趣旨、理由並びに内容の大綱について御説明申し上げたいと存じます。 個人災害についていろいろの対処をしなければならないことは、議論を待つまでもございませんが、その根本的な立法とともに、あらゆる方面からこのことに対処しなければならないと思います。たとえば強制保険であるいろいろの保険料の負担ということも、被害を受けて生活が困窮すれば非常に過重であります。そういったものを軽減するということも、個人被害に対処する一環として重要な問題ではないかと考えるわけであります。そういう問題につきましては、国民健康保険法に、その保険団体で状況により減免をすることができるという規定がございます。ただし、それに対して財政的裏づけがないので、これに対しましては、先般日本社会党から、その裏付けをしてそういうことができるような法律を出したわけでございますが、そういうふうに一応制度はあるわけでございます。また、国民年金保険料についてもそのような該当の法規がございます。ところが、他の社会保険については、このことが全く欠けているわけであります。ことに、この法案の対象になっております健康保険、日雇労働者健康保険、船員保険、厚生年金保険、失業保険には、保険料減免規定が載っておりません。このような法の不備をこの際これを直しまして、この問題に対処をしなければならないと存じます。別な点で、国家公務員共済組合、公共企業体の共済組合においては、災害で被害を受けた人に対して見舞金を支給するという制度がございまして、これが実行をされております。ところが、本法案で取り上げております五つの法律については、このような制度がございませんし、実際的にやりにくい状態にあります。その見舞金の意味を兼ねまして、保険料減免をもって、災害を受けた方々の生活を少しでも援護をすべきだと考えて、本法律案を提出した次第でございます。 その内容は、健康保険、日雇労働者健康保険、船員保険、厚生年金保険、失業保険に関しまして、今次の災害で事務所や事業所を被害を受けた事業主、あるいは住居や家財に被害を受けた被災者に対しまして、この法律の施行後六カ月間、保険料を減免することができるというふうにいたそうとする法律案でございます。そうして、日雇労働者健康保険並びに失業保険の中の日雇労働者の条項においては、保険料を納めることが、受給資格をきめる要件になっておりまするけれども、この場合においては、免除をしたことは、保険料を実際に払った場合と同じに見なしまして、受給要件が損にならないように、完全な支給を受けられるようにすべきであるという内容を含んでおるわけでございます。 この保険料の減免によりまして、各特別会計がそれだけ赤字が出るわけでございまするから、それにつきましては、全額一般会計から補助するという内容でございます。その金額は、本年度災害について、この法案の内容で約六億円を要するものと考えているわけでございます。 どうか、貧しい方々を対象とする制度であり、見舞金の制度がない、いまだ減免の措置が整備されておらない方々のために、この法案を御可決下さいまして、その方々の災害による困窮が幾分でも救われるように、皆様方の満場一致の御賛成をお願いする次第でございます。
○秋山委員長代理 これにて両案の趣旨説明は終わりました。 ————◇—————
○秋山委員長代理 この際、申し上げます。 先ほどの理事会におきまして、日程十三件の請願は、いずれも保留することに決定いたしましたので、御了承願います。 ————◇—————
○秋山委員長代理 この際、閉会中審査案件申し出の件についてお諮りいたします。 理事会の決定通り、災害対策に関する件につきましては、これを議長に対し閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋山委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 次にただいま閉会中審査の申し出の件に基づき、案件が付託され、その現地視察を必要とする場合におきましては、委員を派遣いたし、調査を行ないたいと存じます。つきましては、その委員派遣の人選、期間、派遣地、その他所要の手続等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○秋山委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。 次会は、来たる三十日午後一時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十七分散会