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39回国会衆議院1961/10/17

災害対策特別委員会 第8号

発言数
61
登壇者
6
会派数
3
開催日
1961/10/17

会議録

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 これより会議を開きます。  前会に引き続き、昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案外六件を一括議題とし、質疑を行ないます。  内閣総理大臣の御出席を得ましたので、この際、質疑を許します。辻原弘市君。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 今回の第二室戸台風を中心にいたしまして、当特別委員会に初めて総理が御出席になりましたので、重要な二、三の問題について、総理大臣から政府の所信としてお伺いをいたしておきたいと思います。  私が第一番に、総理から特に政府としての誠意ある答弁を求めたい問題は、打ち続く災害の中で、公共事業その他に対する手当は、最近に至りましては、国会におきましても、また政府においても、地方公共団体におきましても、かなり努力をいたしまして、その手当をいたしておりまするけれども、国民が実質的にみずからの生活権を奪われておるというこの個人的災害については、今日災害対策としてはきわめて不十分であります。特に今回の第二室戸台風を考えてみますると、一般にこういうことが言われております。今度の第二室戸台風は貧乏台風だ、こう言っておる。その意味合いというものは、お考えになればよくおわかりだと思いますが、雨よりも大きな風、しかも、予想しがたいような高波、こういうものにぶちつけられて甚大な被害を受けた国民というものは、どちらかと申せば、その被害の程度は、比較的低所得の階層の人々に手痛く当たったということであります。言いかえてみれば、海岸線の漁業地帯、あるいは農山村におきましても、比較的に家の程度が悪い、そういった備えの十分できておらないような住民に対して、手痛く当たったということであります。また、住宅街にいたしましても、近代的な堅牢な住宅設備をなしておるところは、比較的その被害は少なかったのでございますけれども、集団住宅の中でも程度の悪い地域には、ちょっと一般に予想しがたいような大きな被害を与えておるというところに、貧乏人にとってはまさに泣きつらにハチだというのが、今回第二室戸台風によって被害を受けた人々の異口同音の口吻であります。そういった点から、私どもとしましては、こうした低所得の階層の人々に早く立ち上がってもらうためにも、単に公共事業その他での復旧だけでは、これはほんとうの災害対策にはならない。従って、この際、政府としても、また国会としても、何らかの措置、方法によって、個人的災害を救う意味の諸施策をやって、一日も早く災害から立ち上がって、完全な生業につき得るように、そういう方途を講ずべきじゃないかというのが、私どもの主張でありまして、この点、先般官房長官にもお伺いをいたしましたところ、今までは政府としてもその点については明確な結論を出しておらないが、最近部内においても必要だという空気が生まれてきておる、だから慎重に一つ検討いたしたい、こういう答弁があったのでありまするが、われわれ社会党といたしましては、かつての伊勢湾台風から今日まで、何とかこの種の立法をいたしたいということで、国会にも提出をいたしております。しかし、いまだ、政府は、この個人災害ということについてははっきりした態度のお示しがないのでありまして、この機会に、特に個人災害が顕著であった第二室戸台風の被害の中で、何とかあたたかい気持でもってこれらの人々への救済の手を伸ばす、そういう方針をおとりになれないものであるかどうか、政府の所信を総理から私は承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 災害の形態によりまして、公共土木災害が非常に多かった、あるいは今回のように海岸地帯の風水害と申しますか、高潮その他の災害、いろいろ災害の種類によって、被害者の状況も一定いたしておりません。しこうして、従来のような風水害ならば公共施設が多かったのでございますが、今回のは逆に、公共施設もさることでございますが、個人災害が非常に多いようでございます。従って、個人災害に対して政府が特別の補償をするとかいうことは、昔からいろいろ議論にはなっております。われわれもそういうことに頭から反対するものではございませんが、財政の状況、その他公平の原則等から、なかなか案が見当たりにくいのでございます。従いまして、今回は、伊勢湾台風におけると大体同様といいますか、それに準じまして、大体似た方向で個人災害の救済に当っていく、その点につきましては、世帯更生資金の貸付とか、母子福祉貸付金の方法とか、そういう点で考えていきたいと思っておるのであります。個人災害に対して抜本的な政府の補償ということは、今のところなかなか困難ではないかと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 私は、この個人災害をどうするかということは、単に財政の問題ではないと思うのであります。財政の問題だけでなく、その必要を認めるかどうかという、ものの考え方の上にその結論が出てくるものであると考えておるのであって、ただいま総理のお答えによれば、財政上の問題を主たる理由として、個人災害は、今日の段階では政府としてはとる方針を考えておらない、こういう答弁でありましたが、災害対策という以上、ただ公共土木事業あるいは農林水産その他の在来の災害のみを対象としておったのでは、累次災害を受けるような地域にあっては、国民自身、住民自身の力というものは年々低下していく、総理が言われる所得倍増というようなことも、一面、こうした災害のつど、倍増どころか、その災害によって生活の基盤が失われていく、これこそ、私は深刻な政治問題ではないかと言っておる。だから、これを救うことこそが、私は、単に金銭という問題ではなくて、工夫してやらなければならぬ大きな責任である。そういう意味合いで、何らかの方法、あるいは生活あるいは生業、そういった資金に対する国の融通の方法もありましょうし、あるいは死者その他に対する見舞金もありましょうし、あるいは当座の生活資金に対する国としての見舞金、こういう方式もありましょうし、いろいろな方法が考えられるが、政府としては、そういった具体的な、個人的な人々の立ち上がりに、国としても何らか援助を与えてやるということについて、あくまでそれは財政上の理由ということで、これを拒否されるという考え方で終始されるのか、その点をいま一度私は総理大臣から承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 この財政上の事由ということは昔から言っておるが、私は、それともう一つ言っておる。やはり個人間の負担の均衡という問題でございます。これは税なんかの負担の均衡とか、補償する場合、私有財産制度を認めた場合におきまして、個人が被害を受けました個々の財産を政府が補償する、償いをするとかいう問題は、財政上の理由、あるいは個人間の権衡等から考えて、なかなかむずかしい。従いまして、その事案に応じて、世帯更生資金とか、母子福祉とか、あるいは中小企業に対しまする復興資金の貸付限度、あるいは利子補給、いろいろな問題もございましょう。このたびの第二室戸台風におきましては、従来に見ないような果樹の問題も出て参ります。また、直接ではございませんが、聞くところによれば、筍竹の被害、これなどは今まではなかったと思いますが、こういうものも考えなければいけない。やはりそのときどきによって、タケノコといったものもその災害の状況に応じてやっていかなければならぬ。伊勢湾台風並みと申しましたが、和歌山県その他漁村の多いところにおきましては、伊勢湾台風で例を見なかった漁船の修理資金につきましても、チリ津波と同じように見ていかなければならぬものもあるように聞いております。まだ閣議決定はいたしておりませんが、そういう方向でやっていきたい。それはだれだってお気の毒な方にできるだけの手を伸ばすということは、何も社会党さんに限ったことではない、われわれもそういうふうに考えておるのですが、いろいろな沿革かと、その他事情等によりまして、なかなかむずかしいから、大きく復旧資金——災害の当座の復旧資金につきましては、できるだけ事態に即応して、立ち上がりやすいような見方をしていこう、しかも、同じ事柄につきましても、十年前、十五年前のそれよりは、災害復旧に対しての施策が広がっていったということをお考え願いたいと思います。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 これもやったし、あれもやった、だから、個人災害はやらぬでもよろしいという議論のように聞こえます。私は、そういうことではない。さらに、今の問題について、あながち財政上の理由ばかりではございませんと、こう申された。そうすると、国が個人の災害に対して補償することはいけないという前提に政府は立っているのかどうか、どうも何かそういった面にこだわっておるように私は聞こえる。その点は一体どうなんですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 そういう考え方はやはり認めております。しかし、なかなかむずかしい。どういうところがむずかしいかといったら、財政上の問題もあるし、また、補償の問題等々がありますので、そういう議論はありますが、今そういう施策を実行するということはできないということを言っておるのであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 そうしますと、国が災害に対して個人の被害を救助し、援助していくという根本の考え方については異論がない、個人災害を認めていくということには異論はないが、財政上あるいは公平の負担という面において、今直ちにどういう具体策をとったらいいかということについての結論が出ておらない。今の総理の答弁を裏返して私は解釈しますと、そういうことになりますが、それでよろしゅうございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 ニュアンスが違う。災害その他でそういう考えもあるけれども、われわれは、今の立場としては、復旧に対して国が援助していくという建前をとっておるのであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 わからない。私が尋ねているのは、いろいろ言われたので、それじゃ、一体現状は、あなたも言われて、社会党もわれわれも同じことだと言われた。同じなら、われわれが考えるように、何かの援助の手を差し伸べていいのじゃないか、こう言っている。そうすると、財政上の理由かというと、財政上の理由でもない。その他公平の負担、いろいろな問題がある、だから、今としてはやらないとあなたはおっしゃっているから、それならば、根本的な個人災害を補償していくということについてのものの考え方については、私どもと同じように考えておられるかと、こう聞いておる。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 個人の災害による損害を政府が今補償するという建前は、私はとりません。理想としてはそういう考え方もありましょう。しかし、政府の今考えておることは、個人の災害による損害をできるだけ早く復旧するようにお助けするという程度にまでしかいっていないのであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 その考え方で終始されておるならば、それは総理の答弁も理論的にはわかるのです。しかし、すでに、われわれは、必要を認めたものから、個人的災害についても国が援助しているのです。現実にすでに、農地においても個人災害を考えている。あるいは今回われわれは、強く果樹その他の問題についてもこれは考えろと主張し、大よそその方針を政府もとろうとしておるならば、個人的な海水をかぶった、あるいは家をつぶされた、こういった直接の生活基盤を失って、あしたから働くというよりも生きていくことに事を欠いている人々について、国がその個人の被害を何らかの方法で援護していくということは、決して不思議ではないじゃないかと言っている。だから、あなたの、個人災害は今これを政府としては見ていこうとは考えておらないという、その根本の考え方というのは、一体どこにあるかということの発見に私は苦しんでおるから、質問をしたのです。いま一度お願いをしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 そういうことは、沿革もありますし、業態の種類にもよるわけであります。農地の問題につきましての災害、これは国土復旧と申しますか、昔にやったように、だんだん米の問題がやかましくなって、戦後におきましては、政府が相当の復旧の補助をいたしております。しかし、個人の動産、船舶は不動産でありますが、そういうものについての災害は、従来は補償しなかった。で、最近起こりました漁船というものにつきましては、漁船保険もございますが、漁船保険でまかない切れない、また、漁船保険に入っていないような方々につきましては、先ほど申し上げましたように、その復旧につきまして政府が助成措置をとる、こういうことでございます。農地をやるから、それじゃ中小企業の商品の損害までみな見ていくということになりますと、先ほど言ったような理由から、なかなか今それを原則的に認めるというわけにいかない。しかし、それが復旧のために必要ならば、更生資金の貸付とか、あるいは住宅なら住宅復旧の貸付、あるいは商品その他の被害に対しては、中小企業の復興のための貸付金についての保険の制度の拡充とか、こういった援助を国はいたしますが、もとから国でそれを見てあげるというわけにはいかないということを言っておるわけであります。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 すべての問題について個人補償をしろ、個人的災害のめんどうを見ろとは私は言っていない。いろいろの、たとえば農地においては沿革があるとおっしゃった通り、こういう災害の中で、個人的災害についての必要というものの度合いもだんだん高まってきておるわけです。それも一つの沿革ではないか。そういう中から、とりあえず政府としては、財政上の理由あるいはその他の公平の原則、こういったものをも諸般勘案して、やれるものから一つ手をつけてはいかがかと、こう私は言っておるのです。しかし、総理のお答え全体を推察いたしますると、どんなに被災地の人々の、何とかこういうことについて政府が少しでも援助してほしいという悲痛な叫びも、今の段階としてはやる意思がないということで、冷たく突っぱねられたようでありまするから、これ以上議論する時間もありませんので、この問題は、いずれ、われわれとしては、国会に罹災者援護法を提出いたしまして、そうして、われわれの見解なり、さらに、詳細に政府が一体拒否する理由がどこにあるか突き詰めて、この問題の処理に当たりたい、こういうふうに考えておりますので、この問題はその時期に譲っておきたいと思います。  次に、私が総理に伺いたいのは、それは先般建設大臣にも伺いましたが、二十八年の大災害以来、一つの政府の慣行として、被害地がその復旧を非常に急いでおるにかかわらず、予算の計上、また工事の進捗というのは、おおむね三カ年の目安をもって、これを三・五、二の比率でもってやる、こういうことのために、再災害を受けて、せっかく初年度でかなり進捗したものが、次の年にはもうもとのもくあみに返ったというような例が、しばしば見受けられるのであります。従って、私どもとしては、災害の復旧は、そういう期限にこだわらず、また予算にこだわらず、必要なるものを計上して、すみやかにやるということが原則でなければならぬということを、絶えず災害のおりに主張して参りましたが、この間、中村建設大臣のお答えによれば、お説の通りであって、従来の三・五・二という比率を、今回の災害については、これを改めるという答弁が行なわれたのでありまするが、総理としては、その点についてはどう考えられておるのか。大蔵省、建設省の間で話し合いがついたと承っておるのでありますが、われわれが要求しておりまするように、災害はすみやかにやる、従来の三・五・二にはこだわらない、実施計画ができれば、その実施計画に従って幾らでも予算も計上し、施行期日も早める、こういうような政府全般の考え方でもって、今後の災害復旧を強力に推進される決意がありまするかどうか、この点を承っておきたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 私は、建設大臣から、従来の方針の三・五・二を御破算にするということは聞いておりません。どういう答弁をなすったか、大体まだ閣議で変更をしたことを存じませんが、われわれとしても、三・五・二が理想であるとは思っておりません。この三・五・二も過去四、五年来だと思いますが、それまではもっと長かった。だから、できればだんだん短くしていきたいという気持は、建設大臣も私も同じでございます。そしてまた、三・五・二の原則はありますけれども、予算その他の関係で繰り上げられるものならば繰り上げるという考え方も、大体似ておると思いますが、あれをやめてしまうということはまだきめておりません。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 いや、それはちょっとおかしいですよ。建設大臣の答弁がはっきりしておるのです。従来の三・五・二という比率は、何も三・五・二という基準があったわけじゃないのだ、ここを言っているのですよ。これが一点。それからそういう三・五・二ということは、慣例として二十八年以来一つの実施計画の上でやってきたけれども、それにはこだわらないで、できるだけすみやかにやるように、だから、それぞれの主管責任者が、これは一年を待たず半年でやれる、二年を待たず一年でやれるというような実施計画ができれば、それによってどんどん工事を施行するようにということを通達いたしましたと、こう言っております。それは総理知らないのですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 お話の通りに、三・五・二というのは大体の基準でございます。これで今まで予算をおおむね組んでおりました。しかし、その範囲外におきましても、いろいろな事情でこれを早くやった方がいいという例外的な場合には、これは縮めた場合もございましょう。だから、原則は今まで三・五・二ということで行っておったわけであります。特例の場合にはそういう場合もあったでしょう。また、建設大臣としては、今後必要に応じて特例の場合が多くなるということもお考えになったかもわかりません。しかし、建設大臣が各所へお出しになる通達は私は見ておりません。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 辻原君にちょっと申し上げますが、予定の時間が今まさに過ぎんとするところでございますから、そのおつもりで一つ。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 ただいまの点は、私に建設大臣が答えられましたニュアンスと、総理が今三・五・二というものを一つの目安、基準ではあるとは言いながら、かなりはっきりしたものだというふうにおっしゃっている点と、非常に食い違っているように私は思うので、あらためて建設大臣等の所信もただしてみたいと思いますが、きょうは時間もございませんから、その問題についてはこれ以上触れないことにいたします。  次の問題は、若干時間が経過して恐縮でありますが、高潮対策についての政府の根本的方針を承っておきたいと思います。  伊勢湾のときもそうでありましたが、今回も被害が大きくなったという主たる理由は、高潮のためであります。風だけの被害では、あれだけ大きな災害をもたらしはしなかった。考えてみると、特に今度の被害の大きかった伊勢湾を中心として紀伊水道へかけてあるいは四国の沿岸、こういったところは、従来から問題にされておりました地盤沈下の地帯であります。同時にまた台風の常襲地帯でもあります。こういうところは、毎年の災害のためにあるいは地盤沈下のために、護岸が従来の効用をどんどん失いつつある。だから少し高い波がきますと堤防を越してしまう、海岸護岸線を越してしまう、こういうことだから台風期になりますれば、住民は常に戦々きょうきょうとしておるというような状況であります。そういった点から考えてみて、その復旧もまた海岸線に対する工事の施行というものも、従来の方法ではだめだということは、現地に行かれた方々は異口同音に言っておることである。また海岸の住民の人たちも、何とら今までとは違った強いもっとりっぱな海岸堤防を作ってもらいたいということが、切実な要求となっておるのであります。そういった点から、先ほど総理も、今回の災害の対策は伊勢湾同様にやるとおっしゃっておるのでありますが、伊勢湾同様にやるという限りにおいては、この高潮対策事業も伊勢湾同様にやってもらわなくては困るというのがわれわれの言い分であります。従って具体的には、これらの大阪湾を中心にした地盤沈下の地帯あるいは紀伊水道の台風常襲地帯、こういうところに対しては、伊勢湾同様の高潮対策事業を各省調整の上おやりになるという意思があまりすかどうか。伊勢湾台風のときには、伊勢湾等高潮対策事業という単独立法を設けて、そして所要予算を計上して今日に至っておる。それと同様の措置をおとりになる御意思がありますかということをお尋ねします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 大阪並びに東京の高潮対策、防潮堤の問題は、従来からも非常に問題になっております。そして従来からやっておることでございます。だから伊勢湾台風並みに一般の施策をやるといって、名古屋の沖の防潮堤と同じようにやるということにはなっていないように思います。今までやっていました東京、大阪の高潮対策の分を、今後も継続してやっていくということは、大蔵大臣から私は聞いておるのであります。その場合において、一般におきましては補助率が四割になっておるのを、東京と大阪は三割にしておるようであります。それをどうするかという問題はまだ結論が出ていない。東京、大阪の分は他の府県とは違うから、補助率あるいは進行程度とにらみ合わせまして今後検討するということに、今話し合いでなっていると聞いております。私も、これは重大な問題でございますから、結論が出る時期には、その結論の出し方につきまして聞いてみようと思っております。ただいまのところ、そういう状況でございます。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 辻原さん、御相談ですが、もうあなたの持ち時間が五分過ぎ去ったのですが、一つよろしくお願いいたします。

辻原弘市日本社会党

○辻原委員 今総理は、ほんとうに通り一ぺんの答弁をされたんですが、少なくとも日本の護岸というのは、これは住民にとっては国防の第一線、国の守りの第一線です。あなた方は、国の守りは自衛隊なり軍備を増強しなければいかぬということで、多額の経費を費やされておりますが、そういうことよりは、少なくとも現実に毎年受ける損害から国民を守ってやるということに大いに国としては金を費やすべきだ、しかも大した金はかからない。思い切って海岸護岸をやったところで、軍備に投ぜられるほど大きな金を必要としない。しかもそれだけの価値があり、そういう必要がある。そういう意味から新しい観点に立って、漁港は水産庁、港は運輸省その他の海岸堤防は建設省、こういう各省のばらばらのやり方ではなくて、国として責任をもって一貫性のある工事を施行すべし。そのためには一つの例として伊勢湾のあの高潮対策事業があるではないか、だからこういう災害のおりに、再び同じような災害を来たさぬという意味からも、単なる改良、単なる関連工事ということではなくて、もっと高い観点からやるべきである、こういうことを要求しておるのでありまするけれども、総理の考え方は、どうも今までの災害復旧といったような点から一歩も出ておらないように考えまするので、この機会に私は具体的に伺いますが、将来海岸法等をも再検討して、統一のある護岸工事、統一のある高潮対策事業あるいは港湾、漁港、こういったものの整備をお考えになる用意はありませんか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 高潮対策はやはりそのところところによって考慮していかなければなりません。もちろん高潮に対しましての防御は、政府としては常に考えねばならない。今の大阪湾の問題につきましても、私は今まで通りでやるというのではないのでございます。今の負担率の分につきましても研究を要するだろうという……(「和歌山県はどうだ」と呼ぶ者あり)和歌山県も大阪と大体同じように考えております。そこで補助率の問題、そうして事業の進行の問題、事業の程度の問題等、いろいろな点がありますから、今後考えていくというのでございまして、今まで通りにやるのだと言っておるんじゃない。やはり国の発展と同時に、高潮の損害が非常に莫大なことはよく存じておりますから、それに適応したような施策を今後やっていこうというのであります。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 角屋堅次郎君。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は池田総理大臣出席の機会に、時間的な制約もありますが、補正予算との関連の問題、今後の防災態勢整備の問題、治山治水十カ年計画との関連における海岸保全計画の問題、特に海岸保全の中で、今次災害から特徴的に出てくる高潮対策事業の問題、特例法の場合における激甚地指定の問題、あるいは中小企業、農林水産その他の災害実態に即応する災害対策の問題等、重点的な問題に触れながら池田総理大臣の所信をお伺いをいたしたいと思います。  今次臨時国会は、申し上げるまでもなく、災害国会ということで、六月の集中豪雨以来あるいは第二室戸台風、その後における二十四号台風等も含む本年度の累次にわたる全国的な大災害に対しまして、災害対策の万全を期さなければならぬというところに、臨時国会の一つの焦点があったことは御承知の通りであります。私どもはそういう意味から本特別委員会においても、連日災害対策の万全を期するために努力して参ったわけでありますが、本日総理の出席を得ましたので、この際総理から基本的な問題についてお伺いをいたしたいと思います。  まず、過般衆議院を通過いたしました昭和三十六年度一般会計予算補正第一号との関連の問題でありますが、これでは、補正予算の中に百四十九億の予算が組まれ、さらに災害査定の未確定要素に備えて百二十億の予備費が含まれておるわけでありますけれども、私どもは、今次災害の態様からいたしまして、今後の査定の進行、予算の全体的な問題から見ますと、さらに予算補正を必要とする事態が発生をしてくるであろうということを予想いたしておるわけでありますが、もし、今後の具体的な災害対策の確定に伴って予算の補正を必要とする場合においては、次の通常国会に必要な措置をとる、こういう考え方のもとにおいて今次災害に対処しておられるかどうか、総理大臣の誠意ある御答弁をまずお伺いいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 梅雨前線並びに第二室戸台風の災害復旧につきましては、今次御審議願っております補正予算並びに予備費によって大体まかなえると、大蔵大臣から私は聞いております。私もそう感じております。従いまして、結果が出てどうなったというときは、そのときに考慮すべき問題と思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは今の総理の答弁のように、今後の予算の施行に伴って、必要な場合においては善処する誠意があるように私どもは判断をいたしまして、第二の問題に入りたいと思います。  第二の問題は、日本は申し上げるまでもなく、例年全国的な各地における災害の被災に苦しんでおるわけでありますが、何と申しましても、これら災害に対するところの十分なる体制の整備のためには、防災体制の整備が必要であります。今次国会には、政府から、伊勢湾台風等の際に強く要望せられたところに基づいて、災害対策基本法案が提出されて参っておりますけれども、私どもは、この災害対策基本法案で十分万全な防災体制を含む災害の対策ができるかどうかということについては、大いなる疑問を持つわけでありますが、防災体制の中で、特に台風の襲来時において国民が最もたよりにするのは、気象の観測の問題であります。今日気象庁の機構については着々整備の過程にありますけれども、最近の気象観測の近代化の傾向に伴いまして、あるいはレーダー網の設置、その他無人ロボットの観測器の問題、あるいはまた気象観測の航空機の問題等、やはり今後整備しなければならぬ問題がたくさんございます。たとえばレーダー気象観測の問題についても、今後、富士山あるいは従来設置されていない東北、北海道の方面にも、明年度以降整備しようという気象庁の希望があるようでありまするし、ことに私どもが今委員会においても問題にしておりますのは、気象観測の場合における遠距離の気象観測の航空機観測については、今日では御承知の通り、米軍の観測にたよっておるのであります。これらの問題についても、気象庁、つまり、日本の独自の気象観測の体制において十分まかなっていく、こういう体制をすみやかに整備すべきではないか。気象観測の問題については、特に欠陥として私どもが考えますのは、いわゆる航空機観測について米軍の観測に依頼をしておる、これに気象観測時に出動してもらって、その通報によって観測の万全の保全をやっていく、こういう体制にあるわけですが、これらの問題については、今後早急に気象庁独自の計画においてこれが実施される方向にいかなければなりませんし、また、レーダー網その他の機械体制の整備についても十分万全の措置を講ずるように、来年度においては積極的な予算措置が必要であろうかと思います。また、災害対策基本法との関連の問題でありますけれども、やはり機動力というものが非常に重要であります。いわゆる国、県、市町村、末端の市町村までも含んでの災害時におけるところの無線連絡、あるいはまた各重点県におけるところのヘリコプター等の常設問題等もあわせ考えながら、災害の防災体制について今後十分なる整備をしていくことが、日本の災害国の実態から見て必要なことではないか、こういうことを考えるわけですが、これらの防災体制整備の問題について、総理の基本的な見解を承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 具体的な問題について、こうこういうことはいろいろ考えられるのでございますが、基本的な考え方はあなたと同じであります。われわれは、できるだけそういう方向に向かって努力していきたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 時間の関係もありますから、詳細な点についてのそれぞれの具体的な問題に対する見解については、さらに追及を避けたいと思います。要するに、この問題は非常にじみな問題でありますけれども、やはり防災体制の万全を期するということが、災害被害を未然に防ぐという意味からも非常に重要であり、また、台風襲来時においては、国民は気象庁の観測を唯一のたよりにしておる実態から見ても、これは年次計画でいくよりも、単年度で必要最小限のものは整備するという熱意で、今後推進をしてもらいたいと思います。  次に、治山治水十カ年計画の問題でありますが、これは御承知の通り、一昨年治山治水に関する特別措置法等ができまして、特別会計等も設置され、いわゆる十カ年計画、しかも、それを前段、後段に分けて、治山治水それぞれの資金計画が立っておるわけであります。数年来の災害の態様からして、建設大臣においても農林大臣等においても、この治山治水の十カ年計画の繰り上げ実施をやっていかなければならぬ段階にある、こういうことが述べられておるわけでありますが、これは今後の行政投資の重点をどこに置くか、こういう問題とも、御承知のように関連して参るわけであります。池田内閣は、かねて減税、社会保障、公共投資というようなことを言っておりますが、日本の災害の態様からいたしますと、ことにまた、住民との関係からいたしますれば、治山治水という問題は、一刻も軽視できない政治的な重要な問題であろうかと思うわけであります。数年来の災害の態様からいって、治山治水の十カ年計画については、これを繰り上げてでも積極的に実施をしていく、こういう心がまえが、明年度以降の予算問題についても必要なのではないか。さらに、先ほど辻原委員からも触れられた問題でありますけれども、これは治山治水の特別措置法が審議されるときに、衆議院の農林水産委員会、建設委員会の連合審査の中でも、附帯決議として、第三項に、海岸の保全についてのすみやかなる計画を策定し、治山治水と並行してこれを推進をしなければならぬということが入っておるのであります。私どもは、山から河川までの問題ついて計画的な推進だけでは、災害に対する十分な防災体制はできない、日本のような海岸線の長いところにおいては、海岸保全の十カ年計画、それに必要な予算措置、こういうようなものを総合的に立てて、治山治水十カ年計画と海岸保全の十カ年計画とを相総合させながら、公共的な施設における防災体制を整備する、こういうことが今日急務な段階にきておるのではないか。今日、海岸保全の問題については、御承知の通り、所管が運輸省、建設省、農林省三省にまたがっておりますから、こういう海岸保全十カ年計画等を作る場合においては、総理府に海岸保全審議会等を設け、全体的な予算作成については、三省の協力によって立てる、また、総合調整の中で計画的な推進をはかるということが必要であろうかと思うわけであります。今次災害の態様からいたしましても、治山治水十カ年計画の積極的な繰り上げ推進、並びに明年度以降の実施の問題としては、これと相並行して海岸保全における十カ年計画を早期に策定し、海岸保全に対する万全な態勢を整備する、こういう熱意が政府に期待される問題であろうかと思いますが、この点に対する池田総理の御見解を承りたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 治山治水十カ年計画で、約一兆円に近い数字が一応きめられておりますが、これで十分だとは私ども考えておりません。財政の許す限り繰り上げていきたいと思います。  また、海岸の防災ですが、先ほど申し上げましたように、重要地帯と申しますか、鉱工業地帯におきましては、東京、大阪はやっております。また、その他のところでも、従来考えておる。しかし、最近の高潮対策等から考えまして、こういう点につきましても、政府は一段と工夫をこらしていきたいと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 これは総理に対する質問のときでありますが、いずれ建設、農林、それぞれの本特別委員会における審議の際に、各省の大臣から具体的に、この問題に関連した御意見を後刻承っていきたいと思います。  そこで、先ほど辻原委員からも触れられた高潮対策に関する問題でありますけれども、私どもは、本年度の災害の態様から見て、本特別委員会に政府から提案されておる七つの特別立法、さらに今後、公立学校、私立学校等文教施設に対する特例法、あるいは漁船に対する特例法等が追って出て参るようでありますけれども、これをもってして伊勢湾に準ずる措置をするということは言えないというふうに判断をいたしておるわけであります。御承知の通り、伊勢湾の際には、二十七件に上る特別立法が制定されて各般の措置が講ぜられる、こういう態勢になったわけであります。しかも、海岸保全の問題に関連しては、先ほども御指摘のように、伊勢湾高潮対策に関する特別立法が実施をされまして、そして愛知県、三重県における海岸の高潮対策に対する万全の措置をとるための工事が、今日実施をされて参っておるわけであります。伊勢湾の場合における建設省、農林省、運輸省等の、愛知県、三重県における具体的な予算内容についても私は持っておりまするけれども、時間の関係上詳細は省略をいたしますが、運輸省を見ましても、建設省を見ましても、あるいは農林省の漁港関係を見ましても、いわゆる災害復旧事業費に対する災害関連事業費は、ほぼ同等額あるいは場合によってはそれ以上の額を占めておるのであります。これは積極的な高潮に対する改良復旧が行なわれた証左であります。しかも、この災害関連については、伊勢湾のときには八割の国庫助成が行なわれる、こういう特別措置が講ぜられて、今後、愛知、三重方面の伊勢湾に面する海岸地帯については、伊勢湾台風とほぼ同等の災害がくる場合においては、これに耐え得るであろうということが期待されておるのであります。私どもは、今次災害の場合、特に集中豪雨のときには静岡、愛知、三重方面を視察し、さらにまた、今回の第二室戸台風にあたっては京都、奈良、大阪、和歌山方面を視察いたしたのでありますが、特に高潮に関連した問題としては、和歌山、大阪方面を視察して、伊勢湾と同等な高潮対策の特例法を講ずる必要があるということを痛感して参ったのでありますし、現実に、大阪からもあるいは和歌山からも、この点は切実に訴えられておったのであります。和歌山等においては、漁港といわず、港湾といわず、あるいは建設省関係の海岸といわず、並みにやられておる状況であり、また大阪方面でも、泉州海岸等においてはその事態が同様であります。さらに、兵庫、徳島方面に派遣の視察班によりましても、同様な災害の実態が本委員会に報告されておるのであります。  私どもは、そういう状況から見て、今後海岸保全十カ年計画という恒久的な計画の推進を希望すると同時に、災害の起こった機会に、やはり災害地の海岸護岸については、この機会に積極的な改良復旧を行なって、高潮等を含む災害に対して十分なる態勢が整備できるということが、政治の恩情ある措置ではなかろうかというふうに思うのであります。  ことに、和歌山に一例をとれば、連年の災害によって県財政も非常な窮迫状態にある。これは多くの県においてもそうであろうかと思いますが、そういう観点からいたしましても、政府が伊勢湾台風に準じた措置をするというならば、海岸保全の重要な項目である高潮に対して万全の措置をとるという態勢からいっても、伊勢湾と同様に高潮対策に対する特別立法を設け、積極的な改良復旧を実施して、今後第二室戸台風以上の台風がきても、十分海岸護岸として整備できるという施策をやるべきではないかと思いますが、重ねて、この点について総理大臣の御見解を承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 高潮対策につきましては、先ほど申し上げましたように、東京、大阪につきましては既定計画で進んでおります。これをどういうふうに繰り上げるか、どういうふうなやり方にするか、今後研究いたしていくことになると思います。  その他の地域につきましては、具体的に問題を私は聞いておりませんが、先ほど申し上げましたように、高潮対策というものは、日本の置かれた場合から申しまして重要なことでございます。十分検討を加えていきたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 私は、最近石炭対策の問題で関係大臣が九州に行かれるということを聞きました。実態を調査するということは、政治の施策を講ずるに重要なことだと思います。今度の集中豪雨以来、災害の激甚な県について、総理大臣以下関係大臣の何人が災害の現地調査に行ったか、私どもは寡聞にして知らないのであります。建設大臣は、集中豪雨の際においても、あるいは第二室戸台風の場合においても、率先現地に行かれましたから、本特別委員会が設置されたときにも熱心に御出席になり、私どものいろいろな質問に対しても答えられたようでありますけれども、とにかく災害の場合においては、特に被災地の状況把握をし、それに基づいて災害に対する万全の措置を講ずるということが、為政者として非常に必要だろうと思う。率直に言うならば、被害の激甚な県については、総理大臣、あるいはいつも財布のひもを締めやすい大蔵大臣、こういうものが被災地のなまなましい現状を視察して、それに基づいて災害に対する措置をどう講ずべきか、こういうことにならなければ、視察に行った関係各省の大臣からいろいろあっても、最後は金で締める、こういうことで、被災民の要求にこたえないということが出て参るのではないかというふうに思う。これは質問ではありませんけれども、災害のひどい場合における為政者の心がまえとして私は必要なことだと思いますし、現実にそういう被災県の視察に行っておらない状況から、大阪に頭を置いて他の府県はよくわかりませんがという答えでは、誠意ある被災者に対する答弁とは申し上げられないと思うのであります。高潮対策に対する特別立法の問題については、本特別委員会の焦点の一つでありまして、私どもは、この問題については今後ともそれぞれ関係大臣の出席を求め、災害対策の前進のために、お互いに努力をしなければならぬ問題であると思います。  次に、激甚地指定の問題でありますが、これは、災害対策基本法の中でも関係条項を設けて、激甚地の指定については、特に統一した見解に立ってやるようなことが書いてあります。災害ごとに特例法の問題が出てくのは、やはり恒久立法化するのが本筋であろうかと思うのであります。従って、激甚地指定の問題については、公共土木の問題、農林水産関係の問題、あるいは住宅関係の問題、学校関係の問題、あるいは金融関係の問題等、各般の問題についてそれぞれ激甚地指定の方式が違うわけであります。これらの問題については、地方公共団体が負担する性格のもの、個人の災害に及ぶものの態様を二つに分けて、どういうふうな形に激甚地指定をするのが最も合理的であり、最も災害対策上適切を得たものであるかという点について、来年度までの機会に、関係各省が従来の激甚地指定の基準、今後あるべき激甚地指定のあり方等について詳細なる検討を行ない、合理的な激甚地指定の基準を設け、いわゆる特例法等の法律の性格を恒久立法化する、そういう考え方が必要ではないかと思いますが、これらの問題について総理の見解を承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 災害府県に対しましては、近畿方面は建設大臣、また福井、石川、富山、新潟県は法務大臣にお見舞に行っていただきました。いろいろ有益な報告を受け、示唆も受けました。  激甚地指定の問題は、いろいろむずかしい問題でございます。従来とっておりました災害ごとの特別立法ということが、日本のようにたびたびあるところでは、いかにも能がないと思います。災害対策基本法を一応作りまして、お話のように、次の通常国会までに、激甚地指定に対します考え方等の規定を設けることで今努力いたしておるのであります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 具体的な数点の問題について触れたいと思います。  まず中小企業関係の金融の問題でありますが、この問題は、本特別委員会でもすでに触れられておる問題でありまするけれども、伊勢湾台風に準ずるといいながら、中小企業に対する金融の問題については、たとえば個人に対する伊勢湾台風の百万が今度は五十万になっておる。あるいは従来の団体に対する三百万が百五十万になっておる。こういう問題等がありまして、いわゆる年末金融等も含む三百五十億の金融については、災害額に対しては、大体五十億を予定しておる、さらに必要があるならば今後増額を考えたいということでありますけれども、中小企業に対する金融のうちで、伊勢湾に準ずるという実態からいっても、この特別法ですでに出しておる法律案の中の五十万、百五十万の点については、伊勢湾に準じて改正するのが当然であろう、こういうことが委員会の意見として出て参っておりまするし、また全体の総ワクとしても、これはもっと現地の実情に即して増額を考えてもらわなければならない。ことに今度は、いわゆる産業の中心である大阪を中心にして和歌山に延び、兵庫に延び、さらにまた北陸の福井、新潟等では、中小企業の被害が相当の額に上っておるという実態からいたしましても、私は伊勢湾に準じた措置に前進させるのが当然であろうかと思いますが、災害額の問題と関連して、この点についての総理の見解を承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 経過は存じませんが、百万と三百万になっていると聞いております。(「いつそうなったんだ」と呼ぶ者あり)そういうことになったようであります。  それから、災害のための融資五十億というのは、一応五十億にいたしております。しかし、大蔵大臣が答えたごとく、事情の調査によりましてぜひ増額を必要とするものがあるならば、これをふやすのに何らやぶさかではございません。われわれは常にそれを積極的に見ながら、一般の融資と災害の融資とで一応三百五十億といたしておるのであります。今後の情勢によりまして考えるのにやぶさかではございません。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 農林水産関係の問題についても、詳細に述べればいろいろありまするけれども、特に私は大阪、和歌山、京都、奈良方面を視察して、果樹の被害が非常に多いのに驚いたのであります。御承知の通り、政府は農業基本法等を作りまして、今後の選択的拡大の中では果樹、畜産をいわゆる成長財と見ておる。こういう成長財とも見られておる果樹の問題について、主要な果樹生産県であるこれらの県における深刻な被害が現実に出ておる。従来の果樹に対する災害対策としては、凍霜害等で若干のことがやられておりますけれども、これはスズメの涙ほどであります。また政府は、ややもすれば果樹共済を考えるということを隠れみのにして、果樹に対する万全な態勢をとろうとしない、こういう状況に相なっておるわけであります。私どもは、今後の農林水産関係における重要な要素である果樹園芸方面に対する災害対策については、特に被害の深刻な状況からいたしましても、今次特別委員会においては、従来のきわめて弥縫的な対策を大きく前進をさして、果樹あるいは園芸方面に対しても、積極的な助成その他の措置をとるべきではないか、こう考えているわけでありますが、総理のこの方面に対する御方針を重ねてお伺いしておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 方向としては、果樹園芸は今後の農村の重大な産業になってくるのであります。従来この点につきましての施策は、やはり米麦中心であったために不十分であったことを認めます。今回の災害につきまして、天災融資法あるいは農林漁業金融公庫等を通じまして融資いたしたいと思いまするが、単なる融資だけでなく、私どもといたしましても、果樹に対しましての災害救済については、やはりもっと検討を加えていかなければならぬかと思っております。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 さっきも言われましたように、今度の第二室戸台風等の災害の態様は、これは貧乏台風だというふうにいわれている。現実に災害地を回りましてその感を深くするわけであります。特に住宅等の問題に対する万全の態勢を整備することも非常に重要な問題であります。いわゆる災害救助法発動地域における応急仮設住宅の問題、あるいは第二種公営住宅の問題、さらに住宅金融公庫から出すところの災害金融ワクの額の問題、いろいろな問題を住宅問題については含んでいるわけでありますけれども、たとえば新潟等の問題をとらえましても、豪雪、集中豪雨、地震あるいはまた今次第二室戸台風というふうに何回となく災害を受けている被災県から、住宅金融公庫等といろいろ取引をする場合に、ややもすれば業務が煩瑣であってなかなか被災民の要請にこたえてくれない、これらの被害激甚地においては、市町村等が一本でこれらの問題を取り扱うということも行政的に考えるべきではないかというような問題も出て参っておるのであります。政府におかれましても、住宅等の災害の悲惨な状況からいたしまして、応急仮設住宅あるいは第二種公営住宅あるいは住宅金融公庫等の災害融資ワク等の問題も含めて、具体的に被災民の要請に沿うように措置すべきではないかと思いますが、いかがでありますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 理想といたしましてはお話の通りでございます。従来もいろいろな災害のときに、商工中金からの貸付等は商工会あるいは商工会議所に一括して出し、そのやり方は責任者が出すというようなやり方をしておりました。住宅等につきましても、普通の商業資金とは違うのでございますから、お話のような点は将来研究すべきことだと思います。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 角屋さん、ちょっと申し上げますが、あなたの持ち時間はもうすでに二分過ぎておりますけれども、さらに三分お許し申し上げます。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 次に、学校関係の災害、それから社会福祉施設や文化財等の問題も含めてでありますけれども、これは非常にじみな問題でありますが、重要な問題であります。私は、本特別委員会においても、文化財の問題については数次にわたり触れたのでありますが、今度の第二室戸台風の中では、御承知のように、京都であるとか、奈良とか、滋賀とかいう方面の昔からの文化財が相当にいたんでおります。私ども、やはり民族の歴史的遺産としての文化財は、防災面においても積極的にやらなければならぬし、災害が生じた場合における災害復旧においても金を惜しんではならないというふうに思うわけであります。私どもは、京都、奈良方面の現地の東大寺その他の問題についても視察して参りましたが、昔のままの姿で保存をして、荒廃した状況になっているのではなくて、もっとこういう歴史遺産については積極的にやはり政府としても考えていく、重要文化財等についても、防災面あるいは災害の場合における積極的な災害対策面、ことにこういう問題については、この技術者というのはなかなか専門的なものが要るのであって、特別なこういうものの技術者等の将来の養成というものも含めて、なかなかきめのこまかい問題でありますけれども、十分文化財の保護について考えていかなければならぬのではないかということを痛感しますし、また学校関係の問題については、伊勢湾台風の際にも文部省の査定が非常にきびしい、ことにゼロ地帯以下の学校の災害復旧については、いわゆる避難地ということも考えて、積極的に鉄筋コンクリート化しなければならぬのではないか、そういうことを私ども強調いたしまして、伊勢湾の際には数億の予算増額がなされて査定の手直しなども行なわれたのであります。私どもは、今度の第二室戸台風の災害の実態から申しましても、学校被害は、少なくとも五十億以上の、伊勢湾台風と匹敵するような額に上っていることを承知しております。具体的に学校の被災状況等についても視察をいたしましたが、いわゆる全壊等の災害復旧は、小中学校等においては、特にいわゆる青少年の教育の場でありますから、鉄筋化を原則として災害復旧をすることはもちろん必要でありましょうし、この際、学校復旧あるいは文化財等の問題については、きわめてじみな問題でありますけれども、将来の問題としてはやはり重要な問題でありまして、こういう問題について現実に進行している過程において不十分な点があるならば、いわゆる総理の方針に基づいて積極的に手直し等も考えてやってもらいたいと思うわけでありますが、いかがでございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 伊勢湾台風のときにはお話のような状況でございまして、海岸地帯は鉄筋を建築することになっております。その後、海岸地帯の住宅等につきましても、できるだけ不燃性の鉄筋ということにいたしております。その方針は今後も続けて参ります。  それから重要文化財の保守その他災害対策、これは私も最も気を使っているところです。わが国の誇りでございますから、これにつきましては私はだれよりも一番熱心な一人であるということをここで申し上げておく次第であります。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 最後に、時間の関係もありますので、小災害対策あるいは災害予算の今後の問題については冒頭に触れましたけれども、小災害の問題については、これはなかなかきめのこまかい問題でありまして、今回の起債の特例等においては、伊勢湾台風の際における建設関係の小災害についての問題をこれを削る、あるいは文教関係における小災害をこれを削る、こういう形で起債の特例等が出て参っておるわけでありますが、私どもは、いわゆる特例法の適用に入らない小災害が——災害が大きければ大きいほど広範囲にこれが存在をしておる、こういう状況からいたしまして、地方財政あるいは被災民、こういうふうな関連からいたしましても、小災害については、特に公共土木といわず、農林水産関係といわず、あるいは文教関係といわず、きめのこまかいあたたかい対策が必要ではないか、この点については伊勢湾台風以下の考え方が今次特例法として出されておるわけでありますけれども、これらの問題についてはいずれ特別委員会で前進をしなければならぬかと思いますが、小災害等のきめのこまかい問題に対する総理の御見解を承っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 災害復旧につきまして常に問題になる点でございます。今回の災害におきましても、伊勢湾台風と大体同様な方向で起債で認め、平衡交付金でこれを補い、そうして小災害につきましても万全の措置をとるようにいたしたいと思います。

角屋堅次郎日本社会党

○角屋委員 時間の関係上私はこれをもって質問を終わりたいと思いますけれども、冒頭から申し上げておりますように、災害国である日本の防災体制の整備、あるいは災害県に対する公共関係、個人災害を含めての災害対策の万全の措置、こういうふうな問題については、今後政府は今までとり来たった方針で不備な点については積極的にこれを補正し、また今後の恒久的な問題については、政府におかれても次期通常国会に備えて万全の諸方策を講ぜられるように希望をいたしまして、私の質問を終わります。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 玉置一徳君。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 時間がございませんので、端的に質問に入りたいと思います。総理に対してお伺いいたしたいと思います。  まず高潮対策でありますが、これは勢い地盤沈下の対策であり、ゼロ地帯の排水、下水の問題だと思います。以上はいずれも相互に関連する問題でございまして、しかも、総合的に施策を行なっていかないと効果が上がらない、技術的にも困難な問題であり、しかも多額の予算を必要とするわけであります。水害日本の緊急の課題でありまして、何と申しましても、日本の人口の二割以上がここに住んでおる。総理の言われる日本産業の発展の心臓部でもございます。先ほど、従来からやっておるものについてなお十分とは思えないところは、これからだんだん検討していく、こういうお答えでございました。本委員会におきましてはこれが一番焦眉の問題であり、しかも二千万に近い人々が非常な関心を持って注目している問題でありますので、ぜひとも治水十カ年計画の別ワクとして、しかも早期に完成できるような補助率でもってこの問題を処理していただきたい、かように思うのでありますが、先ほどの総理のお答えではちょっとふに落ちない点がございましたので、一つ誠意を持った御決意を承りたい、かように思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 大阪方面の高潮対策につきましては、ただいま私がお答え申し上げた通りでございます。政府におきましても、従来のことを考え、また今後のことも頭に入れまして検討を続けておる状況であるのであります。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 ぜひとも多数の方々の御要望におこたえをいただきたい、かように思います。  次に、今回の災害の経験にかんがみまして、先ほどもお話がございましたが、安全な避難場所と患者の収容所を確保するために、学校並びに公立の病院等はすべて耐火耐震の永久構造でなければならないということは、痛切に考えられたことであります。次には、いやというほどその脆弱性を見せつけられました公営住宅、戦後の、安かろう、あるいはまずかろうでは、もうすでに時代が違うのではないか、できるだけこれも半永久もしくは永久構造物に一つ建て直していただきたいと思うのであります。そこで、総理にお伺いいたしたいのは、今年度災害のために滅失いたしました学校、病院、公民館というような公共の建造物の復旧は、改良復旧を加味いたしまして、そういうような永久構造物に直すお考えがございますかどうか。あるいは来年度からの学校、公立病院、それから公民館等の公共建造物は、全部できれば永久建造物にしていただきたい。なお、公営住宅もなし得る限りそういった意味のやり方にやっていただくことができないかどうか、総理のお答えをいただきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 その方向で前もいっております。今後ますますそういう気持でいたしたいと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 よろしくお願いしたいのでありますが、最後に、先ほどもお話がございました個人被害に対する救済措置でございます。今次の災害が、先ほどのお話のごとく、個人災害が非常に多い。ことに恵まれざる人々にこの例が顕著であるということもわかるわけであります。従来公共事業の復旧に力を入れておいでになりました政府も、今後こういった被災者個人の救済という点もお考えいただいて、総理のいつもおっしゃいます社会福祉国家の建設という意味におきましても、具体的にぼつぼつ取り上げていただかなければならないのではないか、かように思うのであります。そこで、いろいろむずかしい問題はあると思いますけれども、私の方から一つ試案を提案したいと思うのです。それは、御承知と思いますが、農業災害保険の方です。全農家の約半数くらいが、十二年か十三年間にわたりまして、風水害を入れた火災保険を実施しております。こういう問題を中小企業や一般庶民にお広めいただくことによりまして、相互救済ということが非常にやりやすくなるのではないか、その中のボーダー・ライン以下の方々に対する措置を政府がよくお考えいただいたらよいのではないかというように思うのでありますが、こういう問題につきまして今後御検討いただくお心持があるかどうかということと、第二点といたしましては、先ほど総理からもお答えがございましたが、農家の果樹の被害その他が非常に多いのでございます。農業基本法にも、今後果樹の成長財としての将来を約束されておるわけです。現在、農業災害補償法が国会で改正の議に上っておるわけでありますけれども、いまだ米麦、家畜等を中心にいたしますだけで、こういった果樹その他にまで及んでおりません。従って、真の意味の生活保障というところまではこぎつけておらないわけでありますが、これも、農業基本法の精神から申しまして、そこまで内容を充実するということがこの際非常に必要ではないか、この二点につきまして総理のお答えをいただきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 農家の家屋の保険につきましては、お話の通り、以前から行なわれておることを聞いております。ただ、風水害における一般中小企業、漁民の方々の家屋の損害保険、また、火災でなしに、風水害の商品の損害保険ということにつきましては、保険の性質上相当研究すべき点があると思いますが、しかし、日本のような場合におきましては、一つの研究題目としてこれは考えていかなければならぬ問題と思います。  それから第二の果樹の保険につきまして、これは今後果樹が非常に盛んになっていく場合におきましては、今のように米麦とか家畜だけでなしに、果樹につきましても考えなければならぬのじゃないか。今までの米麦等の保険の欠点を補いながら、また果樹特有の保険機構というものを考えまして、検討していかなければならぬ問題だと思います。

玉置一徳民主社会党

○玉置委員 自余の問題は、時間がございませんので、各大臣あるいは政府委員の方々にお伺いいたすことにいたしまして、私の質問を終わります。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 原田憲君。

原田憲自由民主党

○原田委員 私は、総理に一点にまとめてお伺いいたしたいと思うのでございますが、ただいま開かれておる国会は、一番大きな理由は、ことし受けた災害に対する施策をどうするかということで開かれておるのでございます。これに対して、日本の行政を総括される総理の宰相としての心がまえを、一つお伺いいたしたいと思うのでございますが、あなたが考え、私どもが推進して参りました、この日本の国で完全雇用を現出して、福祉国家を作り上げよう、この手段としての所得倍増計画を進めていく上に、一番大きな障害となるのが災害でございます。これが重なったら、これは根っこからゆらいでしまう、つぶれてしまう。この災害に対して、いろいろなことを総理もすでに本会議場でも所信を表明されておりますが、私は、この災害の中で、特に政府が心を入れていかなければならないと思うのは、日本の国は御案内のように海国で、海岸線が多い。よき港湾に恵まれておる。これが立地条件として経済の成長に非常に役立つことは、総理も常におっしゃっておる通りであります。現に日本の四大工業地帯、経済のにない手であるところの大きな工業地帯は、全部港湾に面したところの地帯であります。こういう重要な地帯に大きな災害が発生した場合には、いわゆる所得倍増計画というものは根本からゆらいでしまう。さきに伊勢湾台風がおととしやって参りました。その際に、総理は通産大臣でございましたが、大蔵大臣を兼ねておられ、さっそく現地へ乗り込んでいかれて、皆さん、心配要らぬ、融資が必要ならさしずめ百億の金は出しておこう、こういうように激励されて、民心を鼓舞された。こういう結果が非常によい結果となって、政府もそうであれば、われわれ立法府も、あるいは市町村までも一心不乱になりまして、災害の被害対策だけではなく、防災、これから起こらないようにという意味で、特別立法をやって、高率の八割の補助をし、その成果が現われて、さきごろ私はテレビを見ておりましたら、名古屋では六十万もの人が出て名古屋祭りをやっておる。これが善政であり、これが政治であります。今度の室戸台風あるいはことし起きました集中豪雨というものに関しまして、私は一点に集約いたしまして、高潮対策についてお尋ねをいたしたいと思うのでございますが、先ほど辻原委員あるいは玉置委員、角屋委員にお答えになっておりますから、重複するようでございますが、もう少し突っ込んで御答弁をちょうだいいたしたいと思うのであります。  それは、大阪の高潮対策に二つあります。いわゆる、先ほどから総理が言われております、事業を続けておるところの大阪市内のかさ上げ工事というものと、それから和歌山県、徳島県、兵庫県、大阪府下、これに起きましたものと、二つの問題がございますが、まず最初に、大阪市内の災害について申し上げたい。私は災害と思っておりますが、災害でないという議論はもういたそうと思いませんが、これに対して、先ほど総理は、辻原君の質問中に、工事を繰り上げてやっていこうということを言うておる。なお、補助率もこれでいいかどうかということも検討してみたい、こうおっしゃっておりました。なお、それぞれの関係各省の大臣が話をするときには、私が口を出してみてもよいということをおっしゃっておったのでございますが、私は、一歩進んで、こういう災害のときには、各省の大臣がやる先に、総理は、こういう点はこうすべきであるという御指示を賜わってよいものではないか、こういうように私は考えるのでございますが、いかがでございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 各省大臣の所管に属することでございます。やはりそういう人の衆知を集めて相談した方が——私はしろうとでありますから、あまり先走ってやることはどうかと思います。

原田憲自由民主党

○原田委員 しろうと、しろうととおっしゃいますけれども、総理はもうくろうとであります。あらゆることをよく御存じなんです。そこで、私の申し上げたいのは、今の大阪のかさ上げ工事を繰り上げてやっていく、これだけでは安心をしない。民心を安めること、これが政治なんです。これだけのことをやっています、この国会でこれをやりました、こういうことで安心して、よし、がんばろうという気持が起きてくるのであります。そこで、このためにも、災害に際して、大阪では一番大きな問題の高潮対策に対して、あの工事だけで四百億ほどですが、そのうち、三十四年から始まって三十四、三十五、三十六と、今まで済んでおるのがわずか十六億ほど、港湾に関して三、四億金が出ておると思います。これでは二十年たってもやれるかやれないかというところです。その二十年間に何べん台風が来るかわからぬ。毎年日本の国に来ることはきまっておる。これは災害であったら三・五・二の比率でやっていく、だから、それと同じように計画を立て、補助率も高めてやっていこう、こういうことで御指示を願うことが、私は政治だと思う。いかがですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○池田国務大臣 先ほどお答えした通りでございます。十分所管各省で検討いたしまして、また、大阪府とも相談いたしましてやっていきたいと思います。

原田憲自由民主党

○原田委員 ただいま各省大臣とも相談し、大阪府ともよく相談してやっていくということをおっしゃっていただきましたので、それ以上のことは私は申し上げたくないのでございますが、要するに、この国会は災害国会である。この国会の間にすべてのものを解決していく、こういう建前でおやり下さるもの、こう承知をいたしまして、この点はこれでおきます。  続いて、大阪府下、それから兵庫県、和歌山、徳島、これらに起こっておるところの災害は、伊勢湾台風とちっとも変わらないのです。大きな違いはないです。それに対して伊勢湾並みの施策をやらなかったら、これは国民の中に不公平じゃないかという心理が生まれてきます。これらについて、よく関係各省に指示していただきまして、不公平の起こらないようにやっていけということを御指示下さるようにお願い申し上げます。  私はこれでけっこうです。

濱地文平自由民主党

○濱地委員長 内閣総理大臣に対する質疑は終わりました。  次会は、明十八日午前十時より開会し、主として農林省関係の法案について審査することといたします。本日は、これにて散会いたします。   午後四時二十分散会

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