災害対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 26 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/10
会議録
○濱地委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件につきまして調査を進めます。 この際、第二室戸台風等による被害の状況並びにその復旧対策等について、関係各省よりそれぞれ説明を聴取いたします。建設省山内河川局長。
○山内(一郎)政府委員 それでは第二室戸台風による被害の概況並びに現在とっております措置につきまして御説明申し上げます。 一番初めに、公共土木施設について申し上げますが、現在までに各地方建設局並びに都道府県から入っております被害の報告を集計いたしますと、全部で二百四十二億二千六百万円、こういうふうになっております。そのうち、直轄関係の災害が十九億三千百万円、その中に河川、ダム、砂防、海岸がございますが、そのうちの河川関係が十八億五千万円、その他はダム一千万円、砂防一千二百万円、海岸一千七百万円、道路四千二百万円、こういうような内訳になっております。都道府県から参っております補助災害の総計は二百二十二億九千五百万円、これらを合計いたしますと二百四十二億、こういうような被害の報告が参っております。 これらの災害のうち、直轄河川について申し上げますと、二十二河川でございまして、そのうち、特に被害の大きい河川は、淀川の六億円、これが最高でございますが、これは高潮と波浪によりまして、淀川の河口附近の堤防ののりがくずれまして、その復旧に要する経費が六億円でございます。そのほか、四国の吉野川が一億八千三百万円、鳥取の千代川一億七千五百万円、和歌山県の紀ノ川一億二千七百五十万円、四国の那賀川一億二千百八十万円、木曽川が一億三千百六十万円、これらがおもなものになっておるわけでございます。 補助関係で申し上げますと、四十二都道府県から被害の報告が参っております。そのうち、一番大きいのは福井県の四十五億一千九百万円、兵庫県の三十一億三千五百万円、和歌山県の十九億二千百万円、石川県の十九億三千五百万円、徳島県の十六億六千万円、岐阜県の十一億四千九百万円、鳥取県の十一億一千八百万円、これらの県が被害が激甚でございまして、大体十億以上の県を拾いますと、以上の通りになっておるわけでございます。 それから計画局の所管でございますが、都市災害もございます。これは都市の排水路、公共下水道、公園及び街路の都市施設の被害の報告が参っておりますが、それが総計で一億九千八百八十六万四千円、こういうような額に上っております。そのうち、特に被害の大きいのは大阪府の一億一千百六十九万円、それに続きますのが和歌山県の四千六百九十八万二千円、こういうふうになっておるわけでございます。 それから住宅関係の被害でございますが、非常に風が強かった関係と高潮、波浪による被害が、非常に目立って多くあったわけでございますが、全国総計で全壊家屋は一万八千百四戸、こういうふうになっております。そのうち、おもなところは、大阪府の四千三百七十八戸、次が和歌山県の二千八百二戸、それから続きまして新潟県の二千三百八十三一尺こういうように非常に被害が多かったのでございます。 以上が被害の概況でございます。 現在までにとっている措置でございますが、立法関係では、公共土木施設の災害復旧事業費、それから災害関連事業の国庫負担の高率の特別措置法、それから使用いたしました水防資材に対する補助の特例、これらの立法を準備して、国会に提出をしているわけでございます。 そのほか行政措置といたしましては、直轄河川の災害につきましては、すでに予備費から支出をいたしまして、応急の手当を着々実施をいたしております。なお、都道府県の災害につきましては、査定官を出しまして復旧方法の指導、それから県によりましては、現に緊急査定並びに本査定を実施いたしておる最中でございます。これらの復旧につきましては、補正予算の予備費から出す、こういう手はずにしております。 それからなお、今回の大阪市内の高潮対策事業につきましては、一応堤防が完成をいたしておりましたが、地盤沈下のために下がっておりました関係上、今回の高潮で溢水をして被害を受けましたが、その状況にかんがみまして、高潮対策事業を今後格段に促進をいたしたいというので、全体計画並びにその実施計画について、現在、調査並びに大蔵省と折衝をいたしておる段階でございます。 それから大阪湾、和歌山県、徳島県、高知県、兵庫県等の海岸が非常にやられたわけでございますが、その復旧につきましては、災害関連事業の特例措置の点で手当をする個所もございますし、なお、その他改良事業の実施をやることによりまして、今後海岸事業の万全を期していきたい、こういうふうに考えております。 なお、山間地の崩壊等の被害も激甚なところもございましたので、それらには、すみやかに緊急砂防を実施する準備をいたしておる段階でございます。 以上、建設省の被害の概況と公共土木施設関係の現在とっております措置について御説明申し上げましたが、住宅関係その他については、住宅局の方から御説明することにいたします。
○濱地委員長 次に、農林省の昌谷官房長にお願いいたします。
○昌谷政府委員 農林関係の第二室戸台風によります被害の概況を御報告申し上げます。 第二室戸台風は、農林関係につきましては、台風が大きかった割には比較的に施設災害が少なうございましたが、一方、ちょうど出来秋を控えておりまして、作物に対する被害はかなり激甚なものがございます。目下、精細な数字は、明地統計調査事務所で調査中、取りまとめ中で、もう一両日を要しますが、概況の取りまとまったところを申し上げますと、農作物関係の災害の総体が、おおむね五百三十八億程度に及ぶものと見られております。そのうち、大きな部分を占めますものは、何と申しましても水陸稲でございまして、これが三百八十億、石数にいたしますと、おおむね三百五十ないし七、八十万石ということになろうかと思います。それから作物の被害で、次に大きく被害を受けておりますものは果樹類でございまして、これが八十六億円程度、野菜類が四十一億円程度、約四十億、それから工芸作物等といったようなその他の作物が合わせまして約三十億程度の被害に及ぶ模様でございます。 それから次に、施設の関係でございますが、施設の関係は、ただいままでに都道府県から報告を受けました数字を取りまとめた結果は、農林、水産、畜産その他合わせまして二百三十六億円程度でございます。そのうち、農地、農業用施設の関係が約八十億円、林野の関係が四十億円、それから今回は水産の関係がかなり多うございますが、約七十億円、それから畜産関係、共同利用施設関係等、合わせまして約三十五、六億円といったような被害に及ぶ模様でございます。 以上が災害の被害の概況でございますが、なお、このほかにも、作物とは申せませんが、畜産物あるいは林産物、水産物といったようなものが、施設の被害に関連をいたしまして、相当被害を受けております。これらがやはり五十億以上に及んでおるように府県の報告は出ております。 以上の被害の概況に対しまして、ただいままでにとっております対策の概況は、先般衆議院の災害対策協議会で決議等もいただいておりますので、その線に沿いまして実施をいたしておるわけでございますが、まず特別立法措置の準備といたしましては、農林水産業施設災害復旧事業費の暫定措置法につきまして、補助率の引き上げ等特例を定めます特別立法を用意いたして、御審議をお願いいたしたいと思っております。それから天災融資法につきましても、先般来の決議の線に沿いまして、限度の引き上げ等をはかりましたものを用意いたしましたので、これも御審議をいただきたいと思っております。おおむね伊勢湾台風当時の対策にほぼ一致した対策まで引き上げて、第二室戸台風に備えております。 それからその他の対策といたしましては、たとえば先般の集中豪雨のときに方針のきまりました小災害に対する対策、これは起債に対する元利補給の措置でございますが、これらの措置、また、一部の公共土木施設も農林関係にございますので、これらにつきましては、先ほど建設省の方からお話のありました特例措置を、一緒にお願いをいたしておるわけであります。 それから立法措置以外の措置として、目下検討中のものといたしまして、そのおもなるものはまず、最初に、被害をこうむりました漁業者の漁船の建造についての対策でございます。これは予算措置でチリ津波のときにとられましたと同様の措置を行なうことができると考えて、目下関係当局と相談中でございます。 それから次に、農地の塩害の除去でございますが、これにつきましても、客土あるいは石灰の施用等、予算措置をもちまして補助を行なうよう準備を進めております。 それから融資の関係では、天災融資法のほかに、公庫資金、あるいはさらに深手をこうむられました方々に対しましては自作農資金、また、開拓者につきましては、開拓者の災害資金等でございますので、これらも準備を取り進めております。 なお、被害の極端に集中的にひどかった地帯につきましては、先例に準じまして、被害激甚部落の復興対策として、共同利用施設の助成をするよう準備を取り進めております。 なお、このほか、個別農家の営農関係の措置が、いろいろ行政措置として必要になって参ります。たとえば明年の種もみの手配でございますとか、その他ございます。これらにつきましては、目下、まず、その技術的な対策を固めまして、必要適切な措置をとるよう準備を進めておる段階でございます。 以上、概況を申し上げました。
○濱地委員長 次に、通産省の川島中小企業庁振興部長にお願いをします。
○川島説明員 それでは商工関係の被害並びにその対策について、概略御説明を申し上げます。 商工関係の被害は、大体通産局を通じまして、管下の府県からの調査を総合して、現在手元に被害状況が参っておるわけでございますが、今回の第二室戸台風の被害総額は、その調査によりますと、総額で約七百二十億という程度に上っております。特に被害甚大なのは大阪府でございまして、大阪府のみで五百十七億という大きな被害になっております。今回の被害では、大企業の被害は比較的僅少でございます。ただ、御承知の通り、電力関係に相当大きな被害がございましたが、これも旬日ならずして全部回復いたしております。中小企業関係がただいまの被害のほとんど大部分を占めておるわけでございまして、これが対策に中小企業庁といたしまして直ちに手配をいたしましたのは、主として金融関係でございます。 金融関係につきましては、中小公庫、国民公庫、商中、いわゆる政府関係三機関に対しまして、直ちに被災地に対しまする緊急貸し出し措置をとるように指令をいたしました。それぞれにおきまして返済猶予、あるいは新規につきましても、貸し出し、貸付条件の緩和等の措置を迅速にとるように、末端まで手配をいたしておる次第でございます。ただ、今回の被害がかなり大きゅうございますので、当然資金量について手当を要するかと存じますので、先般の年末あるいは金融引き締め対策等に対しまして手配をいたしました三百五十億の財政融資、この中から、災害関係の貸し出しに対しまする資金源を優先的に手配するようにというような措置をとっております。なお、これら三機関に対しましては、貸付金利を六分五厘まで引き下げるという措置をとりました。特に商工中金に対しましては、これに対しまする金利引き下げに伴いまする経費の補助を必要といたしますので、本国会で御審議いただく予定になっております特別立法を用意いたしておるような次第でございます。 それからもう一つの問題といたしまして、信用保証制度の利用の問題でございまして、各地の信用保証協会におきましては、いち早く、各府県の指導によりまして、保証料の減免措置をいたしております。なお、これら保証協会の活動に対しまして、保険公庫から応分の援助をいたしたいと考えておりまして、保険公庫から各保証協会に対しまする貸付金、これを増額いたしたいということで、現在手配をいたしておる次第でございます。 中小企業関係を主として御説明をいたしましたが、ただいま申し上げました通りでございます。
○濱地委員長 以上で第二室戸台風等による被害状況等に関する政府当局の説明は一応終わりました。 この際、政府関係当局に委員長からお願いをいたしておきますが、ただいま御説明のありました第二室戸台風の被害状況に関する資料、また、本年五月以降の各種災害に関する被害状況についても、所管省において取りまとめの上、あわせて本委員会に御提出をお願い申し上げます。 残余の説明はあと回しにいたします。 ————◇—————
○濱地委員長 次に、本日までに本特別委員会に付託になりました内閣提出の昭和三十六年六月及び八月の豪雨による堆(たい)積土砂並びに同年六月、七月及び八月の豪雨による湛(たん)水の排除に関する特別措置法案外六件の法律案を議題とし、政府より順次その趣旨の説明を求めることにいたします。
○濱地委員長 まず、昭和三十六年六月及び八月の豪雨による堆(たい)積土砂並びに同年六月、七月及び八月の豪雨による湛(たん)水の排除に関する特別措置法案、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害又は同年九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案及び昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案以上三案の趣旨説明を求めます。中村建設大臣。
○中村国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十六年六月及び八月の豪雨による堆積土砂並びに同年六月、七月及び八月の豪雨による湛水の排除に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 本年六月、七月及び八月の豪雨のため、各地におきまして、提防等の決壊あるいは土砂の崩壊等により、市街地または農地等に異常に多量の土砂が堆積し、また、河水が流入して長期にわたる浸水を見たのであります。これらの土砂及び湛水の排除につきましては、地方公共団体等において鋭意その促進をはかったのでありますが、被災地方公共団体等の財政事情等から見て、被害激甚地域における堆積土砂及び湛水の排除事業を施行する地方公共団体等に対しては、国の補助について特別の措置を講じ、災害の復旧を促進することといたしたのであります。 以上が、この法律案を提案した理由でありますが、次に、その要旨を御説明申し上げます。 まず、この法律にいう堆積土砂は、昭和三十六年六月及び八月の豪雨に伴い発生した土砂等の流入、崩壊等により被害地域内に堆積した異常に多量の泥土、砂礫、岩石、樹木等をいうものとし、また、湛水は同年六月、七月及び八月の豪雨に伴い被害地域内に浸入した水で、浸水状態が一定の程度以上にわたっているものをいうこととし、被害地域、堆積土砂の量、浸水状態の程度等は、政令でこれを定めることといたしました。 第二に、地方公共団体が河川、道路、公園等の区域内にある堆積土砂の排除事業を施行するときは、国は当該事業費の十分の九を補助することができることといたしました。ただし、その堆積土砂の排除事業が、国の負担または補助の対象となる他の災害復旧事業の一環としてこれに付随して行なわれる場合または公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法その他の法令により国がその費用の一部を負担し、または補助することができる災害復旧事業として行なわれる場合には、それぞれの災害復旧事業として堆積土砂の排除を行なうこととし、この法律による補助は行なわないことといたしました。 第三に、河川、道路等の区域以外の私有地等に堆積している土砂等につきましても、指定場所に取り集められたもの、またはこれを放置することが公益上重大な支障があると認められるものにつきまして、市町村が排除事業を施行する場合におきましては、その事業費の十分の九を補助することができることといたしました。 第四に、地方公共団体等が湛水の排除事業を施行するときは、国は当該事業費の十分の九を補助することができることといたしました。 なお、堆積土砂の排除事業につきましては建設大臣、湛水の排除事業につきましては、政令で定める区分に従い、農林大臣または建設大臣がそれぞれ主務大臣として補助金の交付の事務を行うといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。 次に、昭和三十六年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、同年六月の水害又は同年九月の風水害に伴う公営住宅法の特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 この法律案は、本年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、六月の水害または九月の風水害による住宅の被害の状況にかんがみ、これらの災害による被災者を入居させるための公営住宅または本年九月の風水害による被災者を入居させるための産業労働者住宅の建設等を促進するため、公営住宅の建設等に要する費用についての国の補助率の引き上げ等について公営住宅法の特例を設けるとともに、産業労働者住宅の建設に融通される住宅金融公庫の貸付金の償還期間の延長等に関し、産業労働者住宅資金融通法の特例を設けようとするものであります。 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。 まず、公営住宅法につきましては、次の特例を設けることといたしました。 第一に、事業主体が、本年五月二十九日及び三十日の強風に際し発生した火災、六月の水害または九月の風水害であって政令で定める地域に発生した災害により住宅を失った者に賃貸するため第二種公営住宅を建設するときは、国は、予算の範囲内でその費用につき、現行法に定める国の補助率より高率の四分の三を補助することができることとするとともに、国の補助の対象とする住宅の戸数を増加し、災害により滅失した住宅の戸数の五割に相当する戸数を国の補助の対象とすることといたしております。 第二に、事業主体が、本年九月の風水害であって政令で定める地域に発生した災害により滅失した公営住宅に災害の当時居住していた者に賃貸するため公営住宅を建設するとき、または災害により著しく損傷した公営住宅を補修するときは、国は、予算の範囲内で、第一種公営住宅についてはその費用の三分の二を、第二種公営住宅についてはその費用の四分の三を補助することができることとし、それぞれ現行法に定める国の補助率より高率の補助を行なうことといたしております。 次に、産業労働者住宅資金融通法の特例といたしまして、本年九月の風水害であって政令で定める地域に発生した災害により住宅を失った産業労働者に貸し付けるため、この法律の施行の日から二年以内に住宅を建設しようとする事業者で、主務大臣の定める条件に該当し、かつ、災害により事業場等に著しい損害を受けたものに対し、住宅金融公庫が産業労働者住宅資金融通法によりその建設に必要な資金を貸し付ける場合に、事業者が災害のため法定の償還期間内に償還することが困難な状況にあると認めるときは、その貸付金の償還期間を三年以内延長し、かつ、その償還期間内で三年以内の据置期間を設けることができることといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。 次に、昭和三十六年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 御承知のように、本年六月から九月にかけての梅雨前線豪雨、第二室戸台風等による災害は、ほとんど全国にわたっており、その被害は激甚なものがあります。これらの災害による公共土木施設の被害報告額は、約千八十九億円の巨額に上っており、このため災害を受けた地方公共団体は、その復旧に多大の経費の支出を余儀なくされている次第であります。政府といたしましては、かかる災害の状況にかんがみ、激甚な災害を受けた地方公共団体における公共土木施設の災害の復旧等を促進するため、昭和三十四年における特別措置と同様に、公共土木施設の災害復旧事業費に対する国庫負担率の引き上げ等を行なうことといたし、これにより地方公共団体の災害復旧等に関する財政負担を軽減する措置を講ずることといたしたのであります。以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次にその要旨について御説明申し上げます。 第一に、六月の水害、七月、八月及び九月の水害もしくは風水害または八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設のすみやかな復旧をはかるため、公共土木施設災害復旧事業に関する国の負担率の引き上げについて特別の措置を定めたことであります。 すなわち、これらの水害、風水害または地震による災害であって政令で定める地域に発生したものに関する公共土木施設の災害復旧事業費に対する国の負担率を引き上げることといたし、災害復旧事業費の総額のうち、当該地方公共団体の昭和三十六年度の標準税収入の二分の一に相当する額までの額については十分の八、標準税収入の二分の一をこえ標準税収入に達するまでの額に相当する額については十分の九、標準税収入をこえる額に相当する額については十分の十として算定することといたしております。また、国が直轄で施行する災害復旧事業に対する地方公共団体の費用の負担についても、同様の措置を講ずることといたしました。 第二に、再度災害を防止するため、地方公共団体またはその機関が災害関連事業を施行する場合における国の負担または補助について特別の措置を定めたことであります。すなわち、地方公共団体またはその機関が、これらの水害、風水害または地震による災害であって政令の定める地域に発生したものに関し、災害復旧事業を施行する場合において、災害復旧事業の施行のみでは再度災害の防止に十分な効果が期待できないと認められるため、これと合併して施行する必要のある公共土木施設の新設または改良工事を施行するときは、国の負担率または補助率が三分の二未満のものについて、これを三分の二に引き上げることといたしておりす。 第三に、都道府県または水防管理団体が、これらの水害または風水害であって政令で定める地域に発生したものに関し、水防のため使用した資材に関する費用については、国は予算の範囲内で、その費用の三分の二を補助することができることといたしております。 以上が、この法律案の提案の趣旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げる次第でございます。
○濱地委員長 次に、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案及び昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案の両案の趣旨説明を求めます。中馬農林政務次官。
○中馬政府委員 ただいま議題となりました昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業等に関する特別措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 農林水産業の重要な生産基盤である農地、農業用施設、林道、共同利用施設等の施設は、毎年災害により大きな被害を受けており、従ってその復旧事業の推進については、国及び地方公共団体等において常に努力しているとこでありますが、特に本年は、五月の東北地方における風害を初めとして、六月以降全国的に梅雨前線豪雨等による災害が相次いで発生し、さらに九月中旬には、第二室戸台風が近畿地方を中心に広範囲な地域に猛威をふるい、その被害は一昨年の伊勢湾台風等による被害にも迫るほどの規模でありまして、これらの災害を受けた施設の早期復旧を進め、すみやかに生産の回復と経営の安定をはかることが目下の急務となっております。 このような状況にかんがみまして、伊勢湾台風時における措置に準じて、災害復旧のための特例法を制定し、これらの災害を受けた農林水産業施設の災害復旧事業について現行の暫定措置法の特例を定めて、国が高率の助成を行なうとともに、開拓地の入植施設及び水産動植物の養殖施設の災害復旧事業並びに再度災害防止のためにする災害関連事業についても特別の助成を行なおうとするものであります。 以下、本法案の内容について簡単に御説明いたします。 まず第一に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の特例について申し上げますと、被害激甚地の農地、農業用施設及び林道については、事業費のうち一定の基準額をこえる部分につき補助率を十分の九とするとともに、共同利用施設については被害激甚地における三万円以上の工事費のものを補助対象とし、当該事業費のうち一定の基準額をこえる部分につき補助率を十分の九とするほか、その他の共同利用施設についても補助率を引き上げることとしております。 第二に、開拓地の入植施設及び水産動植物の養殖施設の災害復旧事業に対する助成についてでありますが、被害激甚地における施設の工事費が三万円以上のものにつき、開拓地の入植施設については十分の九の補助率、水産動植物の養殖施設については十分の九の範囲内で政令で定める補助率による補助を行なうこととしております。 第三に、災害関連事業に対する助成についてでありますが、被害激甚地において再度災害の防止のために災害復旧事業と合併して行なう必要のある農業用施設または林道の新設または改良の事業について、当該事業費の三分の二の補助を行なうこととしております。なお、以上を通じまして被害激甚地の指定基準及び一定の基準額は、それぞれの事業ごとに、すべて政令で定めることとしております。 以上が、この法律案を提出する理由及び法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。 次に、ただいま提案になりました昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 この法律案は、本年五月、六月、七月、八月及び九月の天災により農林漁業者等の受けた被害が特に激甚でありましたので、これらの被害農林漁業者等が天災融資法に基づいて貸付を受ける経営資金及び事業資金について、次の三つの特例を設けるものであります。 その第一は、被害農林漁業者に貸し付けられる経営資金の貸付限度額の引き上げであります。すなわち、畜産専業農家に家畜または家禽の購入または飼養に必要な資金として貸し付けられる場合及び真珠、ウナギ等の水産動植物の養殖に必要な資金として貸し付けられる場合は五十万円、果樹栽培をおもな業務とする農家に、果樹栽培に必要な資金を含めて貸し付けられる場合及び被害農家に家畜または家禽の購入または飼養に必要な資金を含めて貸し付けられる場合は、北海道にあっては三十五万円、その他の地域にあっては三十万円、一般の被害農林漁業者に貸し付けられる場合は、北海道にあっては二十五万円、その他の地域にあっては二十万円と、それぞれ大幅に貸付限度額を引き上げるものであります。 第二は、経営資金のうち、果樹栽培をおもな業務とする農家に果樹栽培に必要な資金を含めて貸し付けられる場合の償還期限を七年とするものであります。 第三は、被害組合に貸し付けられる事業資金の貸付限度額を、組合に貸し付けられる場合は一千万円、連合会に貸し付けられる場合は二千万円に引き上げるものであります。 以上が、この法律案を提案いたす理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
○濱地委員長 次に、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案の趣旨説明を求めます。安井自治大臣。
○安井国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案の提案理由と要旨を御説明申し上げます。 本年の水害等による被害が甚大な点にかんがみ、おおむね昭和三十四年の水害または風水害の場合に準じて、国において特例措置を講ずる必要があるのでありまして、その一環として、この法律案は、本年五月の風害もしくは水害、同六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害もしくは風水害または同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体に対し、地方債の発行の特例を認め、さらに、農地その他の農林水産業施設の小災害復旧事業の事業費に充てるため発行が許可された地方債について、国が一定率の元利補給を行ない、もってこれらの地方公共団体の財政運営と農地等小災害の復旧事業の円滑化をはかろうとするものであります。以上が、この法律案の提案の理由であります。 次に、この法律案の内容の要旨につきまして御説明申し上げます。 第一は、財政収入の不足を補うためまたは災害対策の財源とするための地方債の発行であります。地方財政法第五条には、地方公共団体が地方債を起こすことのできる場合が制限的に列挙されておりますが、今回その特例として、災害を受けた地方公共団体が、地方税、使用料、手数料その他自治省令で定める徴収金の減免による歳入の不足を補う場合、または災害救助対策、伝染病予防対策その他の災害対策で、自治省令で定めるものに通常要する費用であって地方公共団体が負担するものの財源とする場合に、地方債を発行することができるようにしようとするものであります。なお、当該地方債を発行することができる地方公共団体は、災害を受けた地方公共団体のうち政令で定めるものとされておりますが、政令では従来の例に準じ、財政力に比し、被害の程度の特に著しい団体を指定いたす予定であります。 第二は、農地等の小災害復旧事業にかかる地方債の元利補給であります。これは、農地その他農林水産業施設の被害の大きい地域を包括している市町村で、政令で指定するものが行なうこれらの施設の災害復旧事業のうち、一カ所の工事の費用が三万円以上十万円未満のものに対して、農地につきましてはその事業費の百分の五十、農業用施設及び林道につきましては百分の六十五に相当する額の範囲内で、また、政令で指定する特に被害の著しい地域については、政令で算定する額についてはいずれも百分の九十に相当する額の範囲内で発行が許可されました地方債について、国が元利償還金の百分の七十一・五に相当する額の元利補給を行なうこととするものであります。なお、元利償還金のうち残余の百分の二十八・五に相当する額については、別途毎年度の地方交付税の算定に用いられる基準財政需要額に算入することといたしております。対象市町村は、農林水産業施設にかかる補助災害復旧事業費と小災害復旧事業費との合計額が一定額をこえる市町村とし、また、特に被害の著しい地域は、農林水産業施設にかかる補助災害復旧事業について、特に高率適用となる地域とする予定であります。 第三は、これらの地方債の資金は、資金運用部資金または簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって充てるものとし、また、利息の定率及び償還方法は政令で定めることといたしております。 以上が、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体の起債の特例等に関する法律案の提案理由とその内容の要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○濱地委員長 次に、昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案の趣旨説明をお願い申します。森通産政務次官。
○森(清)政府委員 ただいま提案になりました昭和三十六年六月、七月及び八月の水害又は同年九月の風水害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げます。 まず、提案の理由について御説明申し上げます。 本年六月の梅雨前線集中豪雨、七月及び八月の集中豪雨に引き続き九月の第二室戸台風は、中小企業者に対して甚大な被害を与えており、その急速な立ち直りをはかるためには、再建資金の融通の円滑化をはかることが、刻下の急務となって参りました。 このため政府におきましては、直ちに国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の資金を重点的に災害融資に振り向けることといたしましたほか、両公庫の災害融資については、一貸付先当たり五十万円までの金額について、貸出利率を年六分五厘とすることの閣議決定を先般行なうとともに、商工組合中央金庫の行なう災害融資についても、これに準ずる措置をとることを検討して参ったのであります。 この法律案は、以上の趣旨に従いまして、商工組合中央金庫が行なう災害融資について、両公庫の場合と同様、その貸付利率の引き下げを行なうため、商工組合中央金庫に対する政府の利子補給に関し必要な事項を規定したものであります。すなわち、政府は、商工組合中央金庫が、災害を受けた中小企業者であって政令で指定するものに対し、昭和三十七年三月三十一日までに貸し付けた再建資金のうち、被害中小企業者にあっては一人につき五十万円まで、また、中小企業者団体にあっては一団体につき百五十万円までの金額について、貸付を行なった日から三年間を限り、年六分五厘の利率を適用したときは、通常利率との差額を商工組合中央金庫に対して支給することができることといたした次第であります。 以上、この法律案の提案理由及びその概要を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。
○濱地委員長 七案に対する質疑は次会に譲ります。 ————◇—————
○濱地委員長 次に、引き続いて第二室戸台風等による被害状況について、なお残っておる関係各省からの説明を聴取いたします。厚生省太宰社会局長。
○太宰政府委員 厚生省関係の被害状況について御報告申し上げます。 第二室戸台風に関しましては、災害救助法を発動いたしました地区が、十九県、六十六市、十三区、二百二十九町村の多きに及びました。これに対しまして、それぞれの当該府県知事をして、さっそく災害救助法に従いまして救助活動を行なわせたわけでございますが、中央からも直ちに森田政務次官及び公衆衛生局長を、特に被害の激しいと思われました関西地方に派遣をいたしますとともに、それぞれ指導官も派遣をいたしました次第であります。 救助の関係につきましては、それぞれ地域の実情に応じまして、たき出し、給水期間等の延長等の特別の措置をいたしますとともに、また、被害の激甚であると見られまする十三府県に対しましては、災害救助費の国庫負担金概算交付をいたしました。 伝染病関係につきましては、さっそく係官を派遣するとともに、その万全を期した次第でございます。被害地域においては、赤痢患者が、九月二十六日現在まで約八十九人ほど発生いたしましたが、これほどの大きな被害に比べますると、最小限度にとどめ得たものと考えておる次第であります。 今後の対策といたしまして、それぞれ防疫対策あるいは環境衛生施設等の復旧等について、必要な予算の措置を講じたり、その措置をとっておる次第であります。 また、社会福祉の面におきましても、世帯更生資金あるいは母子福祉資金の貸付等について、大阪ほか数県からの要請がありまして、ただいまそのワクの拡大について検討いたしますとともに、社会福祉施設の災害復旧等につきましても、その状態を調査、及びこれに対する対策を検討中でございます。 簡単でございますが、厚生省関係の被害状況を御報告申し上げます。
○濱地委員長 次に、文部省福田管理局長にお願いいたします。
○福田(繁)政府委員 お手元に差し上げてあります文部省関係の資料といたしまして、「第二室戸台風による文教関係被害状況について」、三十六年九月二十九日という日付のついた資料がございますが、それについて簡単に御説明申し上げます。 今回の台風に際しましては、関係教育委員会におきまして、いち早く学校の休校等の措置をとりましたために、生徒、児童等におきまして、学校において被害を受けたという者はほとんどございません。児童、生徒で死亡した者が二人、負傷した者が十八人、教職員で負傷した者が七人となっておりますが、これらの者は、大体自宅において被害を受けたというようなことでございます。 人的な被害は、従来の台風の際におきます被害に比べて、非常に少なかっのは幸いでございましたが、反面、施設につきましては、伊勢湾台風の場合の学校被害を上回っている数字になっております。五ページの「総括」をごらんいただきますと、物的施設の方におきましては、公立学校施設において五十六億八千六百万四千円、国立学校施設におきまして十二億二千五十一万三千円、私立学校施設におきまして四億九千五百八十六万五千円、社会教育施設におきまして一億三千七百二十一万三千円、社会体育施設におきまして三千四百六十七万八千円、文化財におきまして一億八千七百十五万五千円、合計いたしますと、七十七億六千百四十二万八千円という膨大な被害になっております。これは関係者教育委員会から報告されました被害報告額でございます。 公立学校、私立学校におきましては、伊勢湾台風の場合を上回っている状況でございます。特に今回の公立文教施設の場合におきまして、被害の多かったのは特定地域でございますが、大阪、和歌山、奈良、三重、愛知、岐阜、滋賀、徳島、それから新潟というような特定の県でございます。特徴といたしましては、風が強かったために、特に市町村における老朽校舎が軒並みに被害を受けた、こういうのが今回の室戸台風の場合の特徴ではないか、こういうように考えております。 応急復旧についても、相当の処置が要ると思っておりますが、これらにつきましては、やはり、私どもとしては、伊勢湾台風の場合のような特例措置が必要ではないかということで、現在これを研究いたしておる次第でございます。 また、私立学校につきましても、伊勢湾台風の場合を上回る被害額でございますが、これは特に私立学校の多い大阪を中心といたしました大阪、京都、和歌山、奈良といったような方面がやられましたために、公立学校と同じように、私立学校も相当の被害を受けておるわけでございます。これにつきましても、やはり特別な措置が必要であろうというように考えて、研究いたしております。 その他、社会教育施設あるいは社会体育施設につきましても、同様に、被害金額といたしましては、伊勢湾台風よりも若干下回っておりますけれども、実情から考えますと、これについても特別な措置が必要ではないかというように考えております。 それから文化財でございますが、特に今回は、京都、奈良を中心にいたしました文化財が相当やられております。建造物等につきましても相当の被害を及ぼしておりますので、これは従来予算的措置によって復旧をやっておりますが、今回につきましても、これも早急に復旧する必要があろうというふうに考えて、その調査なりあるいは復旧計画を現在進めている次第でございます。 ごく簡単でございますけれども、各府県別、小、中、高等学校別の被害状況は、一覧表に出ておりますので、恐縮でございますが、ごらんいただきたいと存じます。 ————◇—————
○濱地委員長 この際、理事諸君との協議に基づき、第二室戸台風等による被害状況並びに復旧状況調査のため、被害各地にそれぞれ派遣されました委員より報告を聴取することといたします。 まず、京都府、奈良県、大阪府、和歌山県の調査報告を求めます。角屋堅次郎君。
○角屋委員 それでは、第一班について御報告いたします。 私どもは、十月二日より四日間、京都府、奈良県、大阪府及び和歌山県下における災害の状況をつぶさに視察して参りました。その概要を御報告いたします。 今回の第二室戸台風は、九月十六日十時に室戸岬に達し、その後、昭和九年の室戸台風と同じく、大阪、京都を通る最悪のコースをたどり、十三時ごろに阪神間に上陸し、十四時に京都市西部を通り、十六時ごろ若狭湾へ通り抜けたのでありますが、今回の災害の特徴は、超A級の台風のため、暴風雨の範囲の広いこと、風力が非常に大きかったこと、これがため高潮は各地の防潮堤を越え、または破堤して浸水したことなどにより、住宅、農林水産関係等に大被害を及ぼしております。 以下、各府県別に申し上げます。 まず、京都府では、知事から全般の説明を聴取し、次いで八幡町、田辺町、木津町等を視察して参りましたが、南部地域では、瞬間風速六十メートルをこえる暴風を受け、特に被害が大きく、多くの死傷者を出しております。 被害は、死者十二名、負傷者二百二十九名、被害総額は六十七億六千万円余で、その内訳は、家屋の全壊九百五十四戸、半壊三千八百八十六戸等、家屋の被害額は三十億二千五百万円に上り、全被害額の半分近くを占めており、次いで農林関係の二十二億三千万円余、商工関係八億六千万円余、教育、公共施設等三億九千万円余、公共土木関係二億五千万円余となっております。 知事から説明を聴取した際に、被災住宅及び学校の復旧、被災農民及び中小企業者に対する国庫補助、融資ワクの拡大、利子の引き下げ、復旧資材の不当な値上がり防止、特別交付税及び起債の増額並びに普通交付税の繰り上げ交付等の格段の応急措置を講ぜられたいとの要望がありました。 また、現地では、以上の要望のうち、住宅関係として、公営住宅の約半数が被害を受け、この復旧については、少なくとも簡易耐火住宅にしたいこと、伊勢湾台風の際の特例法の基準では、激甚地の指定がほとんど受けられないと思われるので、基準を引き下げられたいこと、住宅金融公庫による災害復興資金ワクの確保、単価の引き上げ、全半壊以下の被災住宅に対し融資制度を設けられたいこと、農林関係では、天災融資法による地域指定、使途の範囲の拡大、利子の引き下げ、自作農維持創設資金ワクを拡大されたいこと、果樹、タケノコ等の被災に対する特別助成、製茶施設は、申し合わせて四、五人でやっている施設が多いが、これに共同利用施設の特例を適用されたいこと等、特に強い陳情がありました。 次に、奈良県について申し述べます。 被害状況は、死者六名、負傷者百八十六名、被害総額は八十九億円余で、家屋の倒壊、農作物及び畜産関係の被害が大きくなっております。本県も、風による被害が特に目立ち、倒壊家屋は老朽弱小な低所得者住宅が大半を占めております。経済的に恵まれない者の被災が多いので、住宅復旧については特に考慮すべきと思われます。 県側から、特に住宅復旧のための融資、応急仮設住宅及び応急修理の単価の引き上げ、鶏舎の被害が大きかったので融資対象とすること、農業施設及び経営資金について、伊勢湾台風の立法に準じた特例を考慮すること、開拓者に対する特別措置、文教施設及び観光施設に対する特別措置等について、特に配慮されたいとの要望がありました。 なお、本県においては、文化財の被害もあり、特に奈良公園の被害が大きく、園内の施設復旧、被害木の除去及び植栽、並びに二月堂を初めとする文化財に関する復旧と防災、小さい寺院等の復旧についても、あわせて国の助成を願いたいとのことであります。京都、奈良には文化財が多いので、これらの復旧はもちろんでありますが、修理のしてあったものは今回被害を受けなかったとのことでありますので、防災に十分考慮を払われるよう関係当局に要望いたします。 次に、大阪府について述べます。 最大風速五十・六メートル、ことに ○・Pプラス四・一五メートルという強風と高潮に襲われた大阪湾沿岸から和歌山県北部の被害が顕著であり、被害総額は千二百億円余に達しております。 そのおもなるものは、他県と同じく、住宅関係と農林水産業関係が大きな比率を占めており、住宅関係約四百十八億円、農林水産業関係約八十一億円となっておりますが、他に比べて、大阪府では商工業関係約五百十七億円、文教施設関係約三十億円、公用、公共施設約三十一億円、土木関係約二十七億円と、全域に甚大な被害を及ぼし、その惨状はきわめて深刻なものがあります。 府当局から、公共土木、住宅、農林水産業施設、学校等の災害復旧について万全の措置を講ずるとともに、再度災害防止のための抜本的対策として、高潮対策事業、地盤沈下対策事業等を強力に推進するため、所要の立法措置その他の特別措置を講ぜられたいとの要望がありました。 私たち一行は、柏原市、河内市、淀川、大和川筋、堺市、和泉市、東大津市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市等を視察いたしましたが、これらの市の復旧対策については、次の点を考慮されたいと存じます。 柏原市付近はブドウ園がたくさんありますが、風のため全滅に近い状態となり、市当局も復興に全力を傾けておりますが、復旧には多額の資金を必要とし、生活本拠のブドウを失った人々はあすの生活にも困る状態でありますので、園芸生産施設及び水産生産施設の個人災害にかかる復旧費、農業再生産のための果樹樹勢回復事業費、病害虫防除の経費等については、特別の助成が必要と考えられます。 また、大阪、和歌山にかけて、海岸堤防は高潮のため多大の被害を受けつけておりますので、淀川、大和川河口の護岸工事、泉州海岸の海岸堤防、港湾における防潮堤事業等については、既定計画を改定するとともに、被災個所の復旧並びに海岸整備事業を早急に完成する必要がありますので、伊勢湾等高潮対策事業におけると同様の特別措置をとり、また、関係各省は緊密な連絡をとり、所管争い等により住民に迷惑のいかないようにすることが必要と考えられます。 なお、高潮対策にあわせて、地盤沈下防止のための地下水のくみ上げ規制等の措置も大切なことであります。 次に、文教施設でありますが、大阪における被害額は全国の総被害額の約半分に及び、公立学校の約一割が全半壊であります。学校施設の復旧の国庫負担率の引き上げについては、各県からも強い要望があります。復旧にあたっては積極的に改良復旧を認め、私立学校施設についても助成措置を講じ、あわせて建築単価、起債の特例についても、十分な措置をとられんことを希望いたします。 また、中小企業への復旧資金については、百五十億円の供給を望んでおりますが、利子の引き下げとともに、政府関係機関において十分な手当をされるよう望みます。 次に、和歌山県の状況について申し上げます。 県庁において全般の説明と要望事項を聴取した後、海岸に沿って田辺市まで視察をいたしました。 本県における被害の大きいものは、住宅関係、農林水産関係、観光を含む商工業関係であり、前に述べました他県と同じく、非公共災害額が公共災害に比して非常に多く、被害総額の八一%を占めております。一般民家を初め、建物の損壊が大きいが、それは低額所得者の老朽貧弱な家屋がほとんどであり、これは漁民及び同和地区民等、低所得者が最も悲惨な状態に置かれたことであり、いずれも自力では復旧が困難でありますから、応急仮設住宅及び応急修理戸数の限度の拡大と国庫補助率の引き上げと、激甚地指定の条件の引き下げについて、特別の配慮が必要と思われます。和歌山県にとって果樹が最も重要な産業でありますが、成熟を目前にした富有ガキを初め、温州ミカン、夏ミカン、三宝等の柑橘類と特産の梅等、全果樹に甚大な被害をもたらしました。 県側から、被害果樹の改植に要する資金のワクの拡大、天災融資法の適用を受けた経営資金については、融資限度額を五十万円に引き上げること、共同利用施設に対する補助、樹勢回復及び病害虫発生予防の応急対策費に対する高率補助、梅も重要果樹であるので、他の果樹と同等の措置を講ぜられたいとの要望がありました。 次に、高潮対策についてでありますが、高潮と波浪により、海岸線の長い本県は甚大な被害を受けたので、被災土木施設の原形復旧では防災効果が期し得ず、伊勢湾台風の際の特例と同様の措置を講ぜられるよう要望しておりますが、これは国土の保全、人命、財産の保護その他の経済効果を考慮して、早急に十分なる海岸堤防を築造する必要があろうと思います。 また、本県の被害漁船は二千数百隻に上り、県内漁船数の約半数であります。これが復旧費補助については、チリ地震津波災害の際の救済措置以上の措置をとられるよう強い要望がありました。さらに、公共土木施設災害等の激甚地指定については、全県指定の方式をとられるよう望んでおります。 なお、本県は連年災害をこうむり、財政再建整備の第二年目を迎えて再建に努めている矢先に、災害をまた受けておりますので、国においても諸事情をふくみ、災害復旧については特段の配慮をされるよう望むものであります。 以上で報告を終わりますが、最後に、復旧に日夜努力されている被災地の諸君の御健闘を祈るとともに、視察にあたって種々御協力をいただきました関係者各位に厚く御礼を申し上げ、また、政府におかれましても、被災地の要望事項について十分な立法または行政措置を早急にとられんことを要望し、これにて報告を終わります。(拍手)
○濱地委員長 次に、兵庫及び徳島県の調査報告につきましては、便宜私が行ないます。 それでは、第二班の現地視察につきまして、私から御報告いたします。 第二班は、兵庫県及び徳島県における第二室戸台風の被害状況を、つぶさに視察して参りました。このたびの台風は、史上でもまれにみる超大型台風でありまして、この台風が直接通過した徳島、淡路、兵庫の各地における被害は想像を絶するものがあり、われわれが視察いたしました徳島、淡路の海岸線における決壊状況、河川のはんらん、山地の崩壊等、その惨状は全く目をおおわしむるものがありました。至るところ、暴風雨に伴う高潮のため、波防設備は打ち砕かれ、道路は断絶され、漁港は完膚なきまでに破壊されて、見るもむざんな姿となっており、私どもは、漁民諸君が再起の志すら失われてしまうのではないかとおそれるものであります。かてて加えて、海岸線を乗り越えた荒波は、堤防を破壊し、多くの家を粉砕し、河川のはんらんを誘発せしめて田畑に侵入し、穀物、野菜、果樹にも甚大なる被害を生ぜしめました。住民の不安はまことに深刻なるものがあり、このときにあたって、国が軽薄なその場限りの対策に終始するならば、おそらく、住民諸君の再建の意思を挫折させるばかりか、国に対する不信の念をも抱かしめるおそれすらあるのであります。私たちは、かかるときこそ、国及び地方公共団体が一体となって、総合的かつ計画的な防災行政を整備しなければならないことを痛感して帰って参ったのであります。 まず、われわれ二班の一行は、五日の朝早く、兵庫県庁において、兵庫県下における被害状況並びにその措置等について説明を聴取し、日程の関係で現地視察を行なえない但馬地方の災害状況については、現地の方々より説明を聴取し、直ちに、保安庁の好意によって用意願った船で、岩屋、洲本、由良、沼島を経て徳島に渡りました。翌六日は、徳島県庁において、徳島県下における被害状況並びにその対策措置等について説明を聞き、日程の関係で現地視察を行なえない小松島市を初めとする県南東部の被災状況について、現地の方々より説明を聴取した後、徳島市全域の被害及び上板町を中心とする吉野川流域の被害状況を視察し、さらに沖ノ洲、川内町、大津橋から鳴門市の被害状況を視察いたしましたが、再び淡路島に戻り、翌七日は南淡町、西淡町、五色町の現地を見て、保安庁の船で淡路島の西海岸を望みつつ、神戸港に帰着いたしました。 まず、兵庫県の被害の数字を申し上げますと、人的被害は、死者十名、負傷者百三十一名であり、被災世帯数は四万七千九百九十三世帯、被害人員は二十万四千八十六名の多きに及んでおります。死者や負傷者が幸いにも少なかったのは、台風が日中に参ったからでありまして、被害現場の惨状は目をおおわしむるものがあり、高潮時に台風が襲った場合のすさまじさは、全壊、流失家屋四百九十七一尺半壊千七百五十八一尺床上浸水家屋八千八百一戸、床下浸水三万六千三十四戸という甚大な数字を見ても明瞭であります。物的被害は、被害総額百二十五億一千万円に達し、建設関係三億二千万円、農林漁業関係四十九億六千余万円、商工業関係十五億七千余万円、厚生、文教関係等一億四千万円余りに及んでおります。 次に、徳島県の被害を申し上げます。 人的被害は、死者十一名、負傷者二百五十三名であり、物的被害に比して、死者や負傷者が少なかったことは、まことに不幸中の幸いであると言えるのであります。これは台風が日中に襲来したためでありまして、この点、淡路島の場合も同様でありますが、全壊家屋五百六十九戸、半壊千七百七十七戸、床上浸水家屋二万五千三百十三尺床下浸水家屋三万九千三百六十五戸という数字を見ましても、これが夜襲来した場合を考えますと、りつ然たるものがあるのであります。建物、産業面での被害を申し上げますと、被害総額百二十二億五千万円に及び、うち、家屋関係三十四億九千万円、農業関係二十八億二千万円、林業関係六億四千万円、水産関係八億二千万円、土木関係二十四億九千万円、商工関係十八億七千万円、学校の公共物、公営住宅等一億二千万円余りという膨大な数字に及んでおります。 以上が被害の概要でありますが、総括的に申し上げられますことは、今般の災害の特色は、従来と異なり、個人災害が非常に多いという点でありまして、その対策を練るにあたっても、その特殊性に即した措置が肝要かと考えるものであります。 まず、両県が共通して望んでおられた総体的な要望事項を申し上げます。 第一に、今回の災害の原因となっておりますのは、従来の防災措置が不十分であったという点にあることは明瞭であります。従って、その復旧については、単なる原形復旧にとどまらず、災害関連事業についての予算を大幅に増額する等、改良復旧を全面的に行なってほしいという点と、国及び地方が一致して、防災計画の樹立、災害予防、水難救助等、総合的かつ計画的な防災の整備をなし得るよう、災害対策基本法を早期に成立せしめること、特に災害の多襲地帯については、防災恒久対策を樹立し、その実現をはかるよう、大幅な国の援助措置を行なわれたいとの要望がありました。 第二は、今次災害の実情にかんがみ、これが復旧については、伊勢湾台風に準ずる高率補助の特別措置を講ずるとともに、起債等を見返りとするつなぎ資金融資の措置及び交付税の繰り上げ交付を行なうこと。並びに、補助災害復旧事業費の地方負担額及び単独災害復旧事業費の全額に相当する起債ワクを確保すべしとの要求であります。 第三は、厚生関係の問題であり、一として、災害救助法の県の財政負担を軽減してほしいということであります。二、応急仮設住宅の坪単価及び住宅の補修に対する補助基準が低過ぎるので、これを引き上げてほしいということであります。これは兵庫県等においては、すでに引き上げることを前提として予算を組んでいるような実情もあり、家屋を破壊され、不安な毎日を送っている実情を見れば、当然の要求と思われるものであります。三、災害救助法の適用基準について、町村合併によって非適用地となるがごとき矛盾を取り除くよう配慮されたいという点であります。その他、汚物処理事業、上下水道、簡易水道の災害復旧費、災害防疫等に対する補助率の引き上げ等についての要望がありました。 第四は、商工関係であります。まず、一として、被災中小企業者に対する特別融資等の措置として、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金、保険公庫等の機関が行なう金融並びに保証業務については、増資、低利、条件の緩和等、特別の配慮を払うとともに、近代化資金の貸付金については、返済期限の延長等、特別措置を要望するものであります。 第五は、農林水産関係であります。その一は、天災融資法、自作農創設維持資金及び農林漁業金融公庫の取り扱いにかかる災害資金の貸付対象の拡大、貸付限度額の引き上げ、償還期限の延長及び貸付利率の引き下げ等の特別措置を講ぜられたいというのでありまして、特に天災融資法については、貸付対象たる漁船が二トン未満となっているのを、五トン未満に拡大されたいという点、また、貸付限度額十五万円はあまりにも低きに失し、伊勢湾台風の際の特例のごとく二十万円に引き上げても、今回のごとく漁民が甚大な災害をこうむり、生活の支柱を失っているような現状においては、資金に不足を来たすことは明瞭であるから、少なくとも五十万円程度まで引き上げてほしいという点、さらに、一般の漁具購入者等における償還期限は三年未満となっているのを、一年据え置きの五年償還に延長されたいとの要望のほか、被害漁業者のうちに加工業者を含め、加工場に対しても適用の道を開くべしとの強い要望がありました。なお、農林漁業金融公庫に対し、水産業協同組合法による加工組合の共同施設のごとく、個人施設の加工場に対しても、組合転貸の措置を講じてほしいとの強い要望がありました。 その二といたしましては、漁港、漁船、漁具等の災害に対する補助の問題であります。一、離島振興法に基づく漁港施設災害復旧については、全額国庫負担とされたいこと、二、被害を受けた漁船、漁具については、共同利用によるものは言うまでもなく、個人分についても、大幅な国庫助成の措置を講じてほしいこと、三、産米の品質低下が予想されることから、政府の特別買い上げ等の措置を講じてほしいこと、四、農林水産業施設及び耕地関係の災害復旧費に対しては、特別の高率補助の措置を講じてほしいこと、その他、桑園風水害対策として、病害虫の防除の徹底をはかること、人夫賃金の高騰による設計単価の引き上げを認めること、災害復旧用材に国有林材の払い下げ措置を講ずること等について、強い要望があったのであります。 第六は、文教関係であります。これにつきましては、公立学校の災害復旧に対し、国庫補助の特別措置を講ずるとともに、起債のワクを拡大されたいとの要望、また、準要保護児童等、貧困家庭の児童に対する教材、交通費、医療費、給食費に対する補助、並びに被災高校生徒に対する育英資金の貸与ワクの拡大等を考慮されたいとの要望、さらに、観光地における旅館の災害復旧資金についての融資に関する要望がありました。 以上が、両県を通じての要望事項のあらましでありますが、次に、淡路島の特殊性について、少しく申し述べたいと存じます。 淡路島は、本州と四国間にはさまれた完全なる離島でありまして、このたびの被害をはなはだしく大きくしたものは、ほとんど主要道路及び主要町村がその海岸線に集まっており、その海岸線が。高潮による災害によって起こったものでありますが、一たんその通信が途絶すれば、機能は著しく減退してしまうのであります。従来、淡路島は、農協有線放送の拡充により、その離島上の不利を補って参ったのでありますが、この有線放送設備が、今回の台風により、ほとんど全壊に近い被害をこうむりました。従って、その復旧には早急なる助成が必要なのでありますが、これに対する措置を十分配慮すべきものと考えられるのであります。 また、淡路島は、兵庫県の七割のかわらを生産する産地であります。この施設がほとんど被害ををこうむっております。これらは個人災害の多い一因となっておるのでありまして、何らかの助成措置を講じなければならぬ問題でありましょう。さらに、海岸線が長いということは、漁業の受けた被害が甚大であることを明瞭にするものでありまして、養殖真珠の被害、養魚施設の被害に対する補助措置も、少なくともチリ地震津波の被害に対する特別措置の程度は考慮されねばならぬものと考えられます。特に由良、南淡町、沼島地帯の零細漁業に携わる漁民に対しては、国のあたたかい援助の力なくては再起の力さえ危ぶまれ、切実なる問題であります。 次に、徳島県の特殊事情について申し述べます。 徳島県は、さきの南海地震による地盤の沈下現象から、全般に土地が著しく低いのが特色であります。従って、今回のごとく一たび高潮の災害を受けますと、徳島市のほとんどが海水の侵入をこうむり、海岸に近い地域の住民は、ほとんどその被害を免れませんでした。従って、海岸地帯の開拓入植地域の被害はあまりにもむざんであり、いまだに田畑には海水が充満して、その復旧に要する時日もはかり知れないものがあります。防潮工事を復旧にとどめず、すみやかに改修することはもちろんのこと、これらの入植者に対しましては、全額国庫補助の救済措置をとってほしいとの要望は切実なるものがあります。 ここで一つ、農林省当局に警告を発しておきたいと存じますのは、海水をかぶった農業災害に対しては、現状をもってしてははかり知れないものがあるということであります。なるほど、一見すれば、田の稲は穂をたれて、豊穣な実りを見るようでありますが、一たん塩害を受けました稲は、精米の段階に至り、初めてその被害が判然とすることが往々にして起こり得るのであり、被害の査定にあたっては、十分慎重を期さねば、将来大きな社会問題、政治問題を引き起こす因ともなりかねません。査定には十分慎重を期し、軽率に被災対象のワクからはずしたりすることのないよう留意すべきであります。また、食糧管理倉庫の被害も多大なのでありますが、その管理段階における種々の補助措置または特別措置については、特別の配慮が必要と考えられるのであります。 次に、農業共済関係については、政府再保険金の早期支払いを期せられたいという点、特に被災零細農家に対しては、保険金仮渡し資金の確保に万全を期すべきとの要望、さらに、蚕繭については、農家の受け取る額が、現行では三分の一に達しない現状にかんがみ、三十七年度予算においては、ぜひともこれを引き上げてほしいとの強い要望がありました。 いま一つの徳島における特殊な災害に、塩業の被害があります。徳島県の塩業は、往時は、日本の塩の有数産地として徳島県が大きなウエートを占めて参り、現在でもその生産量は軽視できないものがあるのですが、今次の災害は、塩田のことごとくに海水が浸入し、あたかも塩田は大きな湖のごとき様相と相なり、その被害も甚大なるものがあります。国内での塩業を確保する上からも、これらの災害を軽視することはできないのでありますが、塩の保有量の豊富さから、経済的に恵まれぬ立場にある塩業は、自力で立ち直るには多くの困難があり、これに対し何らかの補助を行なわねばならないものと考えられるのであります。 最後に、宮河内谷川の完全改修工事の要望について申し述べますと、この川は、常時は流水もない中小河川でありますが、川の上流地帯に比し、下流地帯がはなはだしく狭められた特殊な形態を呈しており、しかも、河底が高い、いわゆる天井川の様相を持ち、これがため、遊水地帯が散在する、きわめて不合理な河川であり、一たんこれがはんらんいたしますと、付近一帯は見るもむざんな状態となってしまい、今回も、濁流は三カ所を決壊して、農地や農家に甚大なる被害を及ぼしました。古くは、この河川の両側に位置する住民の偏見による反目等もあったごとく、この工事を遅滞せしめる観があったかに思われる節がないではありませんが、それとても完全改修工事であれば、そのような反目も生まれるはずがなく、また、最近は一致して改修工事を要望しております。そもそも、このような災害は古い災害の形態でありまして、最近の他府県では見られない旧態然たるものでありますので、すみやかに、全面改修工事をおそくとも五カ年内には完成するよう予算を確保すべきものと存じます。 以上は、私どもの視察して参りました被害地域の要望のごく一部を述べたにすぎません。今次の災害について一貫して言えることは、その被災者の多くが零細企業であり、災害をこうむって、明日の生活に大きな不安を抱いているという、きわめて悲惨な状況にあることであります。国としましては、一日も早くこの根本策に大きな力を注ぎ、民心の安定をはかり、強力な助成措置を講じて、被災者諸君の再起に貢献しなければならないことを痛感いたした次第であります。本委員会といたしましても、必要なる立法措置を講ずるとともに、行政面に対しましても、有効適切なる対策を講ずる必要があります。 なお、今回の視察に際し、海上保安庁、県当局並びに関係市町村の御協力を得ましたことは、感謝にたえません。これら地元の方々の御要望にこたえるべく、われわれも大いに努力する所存であります。 なお、地元の市町村の方々から提供願いました各地の資料は、別につづって回覧に供しますから、ぜひとも御閲覧を願います。 以上で報告を終わります。 次に、新潟、富山、石川及び福井県の調査報告を求めます。島本虎三君。
○島本委員 私は、去る二日から六日まで五日間にわたりまして、あの第二室戸台風の災害実情を、新潟県、富山県、石川県、福井県と北陸地方全域を調査して参りましたので、以下、その概要を報告申し上げたいと思います。 北陸地方は、すでに御承知のように、本年当初のあの豪雪、六月から八月に至る集中豪雨、さらに地震等と、大災害を受け、その復旧半ばにして今回の第二室戸台風のじゅうりんするところとなったわけでございまして、この地域に与えた被害は想像以上のものがあったのでございます。豪雪寒冷の季節を目前に控えたこの地方に対しましては、国の施策は一日も早くなければならないということを痛感して参りましたことを、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。 〔委員長退席、古川委員長代理着席〕 新潟県から順次報告を申し上げます。 新潟県におきましては、本年初頭の豪雪、長岡地震、梅雨前線豪雨、八月五日及び八月二十日の集中豪雨等、相次いで災害が発生し、その復旧半ばにして第二室戸台風の襲来となったわけでございますが、その全県各地に与えた被害は莫大なものがございます。台風は佐渡沖を通過したため、最大風速は四六・二メートルの暴風となり、家屋の倒壊が相次ぎ、加えてフェーン現象による火災まで発生し、九月二十七日現在までに判明した被害だけでも、死者が三十六名、負傷者二千三百六十五名、住宅の全壊が二千八百七戸、半壊一万八千六百十九戸、小壊九万四千九百六十一戸を数え、そのほか、公共建物、農林水産業施設、公共土木施設、その他の被害を加えると、その総額は二百五十六億六千万円に達する状態でございまして、今後被害額はさらに増加する見込みでございます。 県当局は、台風襲来の予報とともに、直ちに災害対策本部を設置し、被害を最小限度にとどめるよう万全の措置を講じたのでありますが、不幸にいたしまして、前述のような被害を生じ、ついに出雲崎町、西山町、燕市、田上村など五十六町村にそれぞれ災害救助法を発動したのであります。御存じのように、この地方は新潟県における心臓部をなすところであり、穀倉地帯でもございます。また、今回の台風による災害は、住宅並びに農林水産業施設等、個人災害が意外に多く、全壊家屋に対する応急仮設住宅の建設、半壊家屋に対する応急補修工事の施行が急務であるとともに、稲作、果樹、森林、水産等の農林水産業施設や学校などの公共施設、工場、商店などの災害復旧も、早急に何らかの措置が必要であることを痛切に感じて参りました。 なお、ここで私が特に視察調査いたしました西山町石地地区について、一言申し上げておきたいと思います。前にも申し上げたごとくに、本県は、豪雪、豪雨、地震、さらに台風と災害が相重なっており、被災地域の困窮、悲惨な現状は見るにしのびないものがあったのでございます。西山町石地地区のごときは、部落の大半が強風にあおられ、全壊、その他もほとんど半壊に近い被害を受けておるのでございます。台風被害というよりも、むしろ、大地震により一瞬にして全滅したと言う方が、適切な表現であるかのごとき惨状を呈しておったのであります。町長を初めとし、部落民は、ただぼう然とその惨禍を見つめているばかりという状態でございまして、こうした貧困町村に対する国のあたたかい施策が、一日も早く強力に行なわれなければならないことを痛感して参りました。私は、心から皆さんを代表して激励するとともに、善処を約して参りましたので、復旧の一日も早からんことをお願い申し上げます。 最後に、本県におきまして特に強かった要望事項について、次の点を申し上げておきます。 第一、一般事項といたしまして、一、災害の調査査定を迅速に実施し、災害復旧事業がすみやかに処理されるよう特別の措置を講ずること、二、小災害に関する起債の特例並びに応急対策及び税の減免等による特別の財政需要に対する特別交付税の配分。 第二は、住宅対策に関する事項。これは第一、住宅金融公庫の災害復興住宅資金の融資限度額三十二万円以内を百万円以内に、また、補修費の限度額十六万円以内を五十万円以内に、それぞれ引き上げていただきたい。第二は、災害救助法による応急仮設住宅の一戸十万円を二十万円に、応急修理一戸二万円を五万円に引き上げること、及びこの条件を緩和して農村、漁村に適した方法によることも認めていただきたいこと。 第三は、農林水産関係対策に関する事項でございます。一、早場米第一期供出期限の延長と、被害米についても予約対象分として買い入れること。二、天災融資法の早期適用と、融資限度額の引き上げ。三、農林漁業金融公庫の災害関係資金の利率の引き下げと、すでに貸し付けた分の償還期限の延長。四、共同利用施設の災害復旧に対する高率補助、以上でございます。 次に、民生安定、文教関係対策に関する事項。一、生活保護法による家屋修理、補修費の特別基準設定にあたって、知事権限並びに資金ワクを大幅に拡大すること。二、社会福祉施設の災害復旧に対する国庫補助金の新設。三、公立学校施設災害復旧費国庫負担法施行令第七条の改正による十万円以下の災害復旧に対する助成措置。 その他、幾多の問題が各市町村で質疑応答されましたが、地元民の真剣な要望がなされたことをあえてここにつけ加えさしていただきます。 以上が新潟県でございます。 次に、富山県について申し上げます。 富山県は、ここまたまともに第二室戸台風の進路にぶつかり、午後の五時ごろから七時三十分ごろまでの間、県下全体が暴風雨圏に包まれ、死者九名、負傷者百七十八名の犠牲を出したほか、家屋の倒壊、堤防の決壊、橋梁の流失、水稲の倒伏、立木の折損、その他果樹、蔬菜類に対する大きな被害が発生いたしました。その大きさは、さきの集中豪雨による被害を上回るものでございます。 そのおもな被害状況を申し上げます。 第一、人的被害。今回の台風の被害で目立っているのは、人的被害の大きかったことでございます。特に死者九名のうち七名までは、家屋の倒壊による死亡である点から見ても、風雨のいかに強かったかがうかがわれます。 第二、建築物関係。県未曽有の強風に襲われたために、建築物関係の被害は県下全域にわたっており、その額は五億七千万円に達し、西砺波郡と下新川郡が特に多かったようでございます。 第三、土木関係でございます。今回の台風は、風による被害が多く発生しておりましたが、降雨量が少なかったために、最も心配されておった河川の増水も、小矢部川、庄川、小川、上市、白岩等の河川の警戒水位を突破しただけであったために、土木災害は予想されていたよりも少なく、その総額は二億五千万円程度になっております。 四、教育関係でございます。学校、図書館、公民館等の教育施設の被害は、四百三十一個所、五千万円余りになっております。このうち、学校の被害はその六五%に及んでおるわけでございます。 第五、農産物関係。これは、最も被害の多かったものが水稲、果樹、蔬菜数の農作物でありまして、水稲の倒伏は全県にわたっておりました。私どもの調査を行なったときには、倒伏した水稲から発芽しておる状態でございまして、その損害総額が二十億三千万円に達しておりましたことを強く申し上げて、その対策を要望しておきたいと思います。なお、その発芽の状態等は、現物を持って参りましたから、委員の皆様よくこの実情をお認め願いたいと思います。ではお手元まで配らせます。 次に、林業関係であります。今回の台風は、雨による被害よりも風による被害が特に目立っており、そのため、林産物に対する被害も全県的に広範囲でありまして、杉、キリ等の流木の折損、苗木の損害等は、その額四億三千万円以上に及んでおります。 その他、公益関係、畜産、商工関係等の被害の総額を加えますと、十月二日現在四十一億九千万円に達しているのであります。 以上のような台風の災害によりまして、災害地の人々並びに県、市町村当局の強い要望がなされたのでございますが、そのおもな点を拾って申し上げておきたいと思います。 一、災害基本法の制定を促進されたいこと。一、山林樹苗、苗畑等に対する森林国営保険を適用されたいこと。一、復旧融資資金を増加されたいこと。一、防災対策事業の方途を講ぜられたいこと。一、公立文教施設の災害復旧については、特別立法等をもって国庫補助の高率適用とするとともに、起債のワクを大幅に拡大されたいこと。一、災害復旧事業費の初年度割当額を五〇%にぜひ増加されたいこと等でございます。 次に、石川県について申し上げます。 第二室戸台風は、十六日の夕刻から夜半にかけて、石川県の南端加賀市から県の中心部金沢市を通過した後、能登半島を縦断して、富山、新潟方面に去ったのでありまして、その瞬間最大風速は、金沢において四十メートル、輪島において三十二・四メートルに達しましたため、その暴風による家屋、施設、樹木等の倒壊が続出いたしました。さらに、自由を中心とする県の東部及び南部の山岳地帯には、数時間にわたって激しい集中豪雨が襲来し、河川のはんらん、橋梁の流失、家屋の浸水、作物の冠水倒伏等、瞬時にしてその被害が続出するに至ったのであります。九月三十日現在において、死者十一名、行方不明二名、負傷者二百六名、また、家屋等の被害は、全壊二百五十二戸、半壊千三百六十四尺流失七戸、床上浸水千五百二戸、床下浸水二千八百三十戸、非住家被害二千八百五十七戸となっております。さらに、耕地の流失、冠水、道路の損壊、堤防の決壊等、被害は増大して、その総額は八十一億五千万円以上にもなっております。 今回の水害は、金沢市を中心として、主として加賀地方一帯に及んだものでありますが、金沢市の被害は、市の中心部を流れる犀川のはんらんによるものでありまして、堤防を越えた水は、市内第一の繁華街である香林防付近に達し、大正十一年以来の水禍を招いたのであります。また、県内第一の河川である手取川も、台風の通過に伴い、鶴来町付近においては警戒水位一・九メートルを突破し、最高水位は五・五メートルに及び、一時は大洪水の発生が憂慮されましたが、しかし、その後、夜半にかけて次第に減水したため、辛うじてはんらんの災禍を免れることができたのであります。 石川県は、本年初め、数十年来といわれる豪雪に見舞われ、その後、六月末から七月初めにかけては、総額三十七億円に及ぶ梅雨前線豪雨による被害を受け、さらに八月十九日には、北美濃地震による震災をこうむり、これらの災害の傷あとのいえないうちに、今次の台風による災禍に見舞われることになったのでありまして、相次ぐ天災で県及び市町村はもとより、県民にははかり知れない打撃を与えておるのでございます。 なお、第二室戸台風による被害見込み額のおもなものを申し上げておきますと、土木関係は十九億七千万円、農林関係は三十一億四千万円、商工関係はは七億七千万円、文教関係は一億九千万円、住宅関係十六億六千万円等でありまして、そのほか、厚生施設、運輸関係等、その総額は八十一億五千万円に及んでおるのでございます。 なお、被災各地を視察調査いたしまして、県、市町村並びに被災住民の特に要望されました点を申し上げておきます。 一、災害査定の早期実施について。石川県におきましては、十一月以降気候が激変し、間断ない雨と雪に妨げられ、工事の促進を期することができない現状にあります。その特殊事情を十分考慮し、災害復旧の促進をはかるため、すみやかに災害の査定を実施されたいこと、また、災害査定の早期実施に伴い、国庫支出金、地方債等もすみやかに決定の上、県及び市町村に交付されたいというとでございます。次に、河川改修事業の促進。公共土木、農林施設等の国庫負担率の引き上げ。小災害復旧の強化。被災中小企業に対する特別融資。 このような要望が強くなされたのでありますが、いずれもこれは急を要する問題でありまして、国の適切な措置が必要であることを痛切に感じた次第でございます。特に、金沢市は災害救助法発動を遠慮したのでございますが、その被害が意外に多くて、その対策は特に考えてほしいということも、あわせて、その要望が県民各位から十分なされたことを、つけ加えて申し上げておきたいと思います。 最後に、福井県について申し上げます。 福井県は、すでに御存じのように、去る六月の集中豪雨による災害のため十一億円、引き続く八月十九日の北美濃地震による災害のため三十四億円の被害を受け、その応急復旧に努めておりましたところ、九日本土を襲った第二室戸台風は、十六日にその中心が本県を縦断するという最悪のコースとなり、県全域にわたって膨大な被害をもたらしたものでありまして、その被害総額は百五十五億円の巨額に及んでいるのでございます。これらの再度災害の復旧は、県及び災害市町村の貧弱な財政では全く不可能な状態であります。加うるに福井県は積雪寒冷地帯であるため、災害の早期復旧は真に緊急を要するものであることを痛感して参りました。 その被害の概況を申し上げますと、死者三名、重軽傷者八十六名、家屋被害二万二百五十八戸、災害救助法発動市町村五市町村、被害額については、公共土木関係が五十億二千万円、農林水産関係が三十九億五千万円、商工、鉱業関係三十二億六千万円等、その他、その総額は、先ほど申し述べましたように、実に百五十五億円に及んでおるのでございます。 以上のような事情によりまして、県当局並びに視察調査を行なった被災各市町村は、真剣に、また強力に、次のような点を要請しておりましたことを申し上げます。 一、土木、農林災害査定官の至急派遣。一、公共土木、農林関係施設に関し、国庫負担の大幅増額等の災害特別措置の立法化。一、県、市町村の単独災害復旧につき、特別起債、融資等の措置、その元利償還の完全補給。一、地方交付税の大幅増額配付。一、天災融資法による資金、自作農創設資金の増額。特に天災融資法による資金のワクの中にはフグも入れてほしいという要望があったことを申し添えておきます。一、農業共済金の前払い、政府売り渡し米の概算金の払い戻し延期、及びその利子の免除。一、中小企業災害復旧金融特別措置の立法化、特に金利は最高五分五厘とし、そのうち、二分五厘以上を政府において利子補給すること。一、商工中金、中小企業金融公庫、国民金融公庫の資金量の増大、融資ワクの拡大。一、政府資金の地方一般銀行に対する低利預託。一、住宅対策の早期確立。一、世帯更生資金、母子福祉資金の増ワクと高率補助等の諸点でございました。 以上によって終わるわけでございますが、最後に、われわれが調査に参りました福井県池田、美山及び上志比村について、特に一言申し上げておきたいと思います。この地方は、北美濃地震によりまして地盤がゆるんでいた上に、十六日午後四時ごろより三時間余りにわたって百ミリ以上の集中豪雨があったために、昭和三十四年七月、八月、九月災害復旧工事完了を直前にして、一瞬にして道路、河川は決壊し、田畑、農業施設等は跡形もなく流失し、その上、谷間より流出した土砂は田畑を埋め尽くし、河川に流入したために、河川ははんらんすると同時に、川沿いの住家は至るところで流失し、収穫直前のために、食糧皆無の住民も出るという惨状でございました。村長を初めとして被害地の住民は、総出でわれわれに被害の惨状を説明するとともに、真剣にその対策について要望されたのでございますが、台風期を控え、豪雪期を目前にいたしまして、第一に、小畑川、部子川、水海川等の災害復旧、砂防堰堤の新設と、小災害の復旧、高率補助等、災害防除の適切な措置は、まさに急務であることを痛感して参りました。 文教関係の点等につきましては、先ほどいろいろな報告があった通りで、特に変わった点のみを申し上げてみたいと思いますが、校舎、体育館等、文教施設に多大の被害をこうむりまして、われわれが視察調査の道中に、その惨たんたる被害の現状を幾度か見たのでございます。北陸地方は、相次ぐ災害に市町村の財政状態は極度に疲弊しておりますことは、前に申し上げた通りで、莫大な経費を要するこれらの復旧並びに恒久対策は、とうてい市町村財政のみでは負担ができ得ず、大部分を国の援助に待たねばならない現状でございまして、公立文教施設災害復旧につきましては、特に強い陳情がなされたのでございます。 その陳情のおもな点を申し上げますと、公立学校施設災害復旧費国庫負担法の一部を改正して、負担率を四分の三に引き上げること、応急復旧工事費も経費の一部として認めること、坪数は原形復旧、構造は改良復旧を原則として、一〇〇%認めていただきたいこと、十万円以下の災害復旧費についても国庫負担の適用を十分に認めてもらいたいこと、並びに災害復旧工事費単価を実情に即したもので算定してもらいたいこと等でございました。われわれとしては、このような事情を十分に考えて、その適切な措置はまさに急務であることを痛感して参りました。 政府においても、被災地の要望事項については、十分な立法措置及び必要な行政措置を早急にとられんことを強く要望して、私の報告を終わる次第でございます。(拍手)
○古川委員長代理 これにて第二室戸台風等による被害状況並びに復旧状況の実地調査の報告は終わりました。 派遣委員の各位におかれましては、遠路災害各地を御熱心に調査に当たられまして、詳細にその状況を御報告いただき、今後の本委員会の審査の上にきわめて効果があったことと存じます。ここに派遣委員の各位に厚く御礼を申し上げます。 引き続き本委員室において、災害関係のニュースを映写いたしますので、ごらん願いたいと思います。約十分間であります。 この際、暫時休憩いたします。 午後一時一分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らな かった〕