建設委員会 第8号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/20
会議録
○二階堂委員長 これより会議を開きます。 宅地造成等規制法案を議題として審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。田中幾三郎君。
○田中(幾)委員 二、三点質問をいたしたいと存じます。 この第一条には、この法律の目的を書いてあるのであって、宅地造成に伴う災害の発生を防止するということです。そこで、この地域の指定をするには、関係府県知事の申し出によるとしうことであります。そうすると、これは自由になっておりますから、関係の府県知事は、することもできるし、しないこともできる。別に強制規定でもないように思われるのです。そうすると、私の考えるのは、災害の防止ということをあまり厳重にやれば、宅地の造成というものができないのではないか、こういうふうに一つの矛盾を感ずるのですね。しかも、この法律によって知事が自由にやるということになって、しないこともできる。こういうことで災害の防止を完全にできるとお考えになりますか、どうですか。
○齋藤(常)政府委員 この法律は、宅地造成に伴って生じまするところのがけくずれその他の災害というものを防止するために、このような規制の法律を作ろうということで出発したものでございまして、従いまして、指定にあたりましては、その土地柄が、過去、現在、将来ということを考えまして、過去においていろいろな災害が起こった事例がある、しかも現状の地質等を調査してみるとまたそのおそれがある、従って、将来を推定しまして、ある地域を指定して、その中ではこのような規制をすることによって災害を防止しようというわけでございまして、宅地造成とこの災害防止との関係がどういうふうな関係になるかということにつきましては、一般の宅地造成につきましては、この地域以外の場合におきまする場合と、この地域内における場合と、二つ出てくると思います。この地域内において宅地造成が行なわれますときに、それだけ宅地造成がチェックされるのではないかという御懸念があることは当然なことでありますけれども、これはあくまでも災害を防止するということが第一の眼目でありまして、その災害を防止し得る限度において宅地造成が行なわれるということであるならば、それで差しつかえない。しかも、一般の宅地の需要に対して、単にこの地域だけでなしに、今申し上げましたように、地域以外において大量に供給されるということが、われわれの目標としているところでございますから、このような規制をすることによって宅地造成がチェックされる、そのために一般的に造成される宅地が減ってしまうというようなことはないと考えておる次第でございます。
○田中(幾)委員 この法律は、災害防止それ自体が目的であって、この区域以外における宅地の造成はまた別にやるのであるから、宅地造成をやることについては差しつかえない。これはごもっともな話です。災害防止の点からだけ見ますならば、この法律によってその地域が指定されなければならない。その指定された地域のワクの中においてすべてあの規制の法律が適用されるわけでありますから、指定されない地域に土地を造成する場合においては、この法律の規制の規定が適用されないわけであります。ですから、宅地造成の災害防止について、この法律だけでは完全に防止できないんじゃないか、区域に指定されないところにおいてはどういう造成をやってもいいのですから、やはり危険な宅地造成がされはしないか、こういう懸念についてはいかがでございますか。
○齋藤(常)政府委員 ただいまの御懸念につきましてわれわれが考えておりますことは、このような規制地域において災害防止をするということは、この前の集中豪雨というようなものの経験から考えまして、少なくともこういうような危険地域につきましては強度の制限を加えて、災害を防止するということを考えなければならぬということで出発したのがこの法律でございまして、一般のこの区域外の宅地造成についての危険防止ということにつきましては、この地域ほどには危険はない。しかしながら、今おっしゃいましたように、ある程度の宅地造成についての基準と申しますか、そういうものの規制が行なわれなければいけないんじゃないかということは、もとより当然でございます。その点につきましては、別途に宅地開発法等を考える際に、一般的な造成基準というものを作っていこうかという考え方で、検討を進めている次第でございます。今回はあくまでもこの地域内における最小限度の災害だけは救済していこう、防止していこうということで出発したわけでございます。
○田中(幾)委員 ただいまの御説明によりますと、この宅地造成規制区域以外の土地における宅地造成については別途に何か考えて、災害の防止を考えていく。これはぜひやってもらわないと、これだけでは完全に宅地造成の災害の防止はできないのではないか、かように考えるわけであります。 それから、この四条、五条ですが、区域指定をする前の調査等について、土地に立ち入りのできることを規定してあります。これはその他の法律にもあるのですから、この法律だけではないのですけれども、ただ少し行き過ぎではないかと思うのは、五条の規定であって、測量または調査を行なう際に障害物があった場合に、市町村長の許可を得てこれを伐除、取り除くことができるという規定ですね。あとには損失の補償の規定もありますし、協議のととのわないときには土地収用法の規定の裁決を求めるという救済の規定はありますけれども、しかし、竹や雑木のようなものを切り取ってしまうことは大して損害にならぬかもしれませんが、中には非常に貴重な物権がある場合もあり得ると思うのです。そういう場合に、本人の承諾を得ないで所有権を侵害する、あとになってから損害の補償を考えるということは、これはちょっと行き過ぎではないか。前の国会における公共用地の取得に関する特別措置法におきましても、非常に慎重にやって、補償については緊急裁決という特に配慮をした裁決の方法を作って、事前に本人の承諾を得ないで勝手に処分してしまうというような規定は、あのきびしい法律ですらなかったと思うのです。これが少し行き過ぎではないかと思うし、それからもう一つは、市町村長は一体許可するのについてどんな関係があるのか。この市町村長の権限、五条に書いてあるこれはちょっとおかしいですよ。市町村長が許可するという許可権を市町村長に与えて、個人の所有権を事前に侵害する。ちょっとこれはおかしいのではないかと思うのですが、これはどうお考えになっているのでしょうか。
○齋藤(常)政府委員 今の話の中の第五条の問題でありますが、第五条の場合におきましては、障害物の伐除でありますとか、土地の試掘をするという場合において、やむを得ない必要があってこういうような伐除等を行なう場合におきまして、所有者あるいは占有者の同意を得ることが得られない場合、そういう場合におきましては、市町村長の許可を受けて、あるいは都道府県知事の許可を受けて、そのような行為をしてもいいということを規定したわけであります。その場合におきましても、後段に書いてありますように、その土地または障害物の所有者または占有者に対しまして、あらかじめ意見を述べる機会を与えるということになっております。従いまして、このような機会を与えなかった場合にはどうなるかと申しますと、許可は無効になるとわれわれは解釈しているわけでございます。その意味におきましては、決して所有者とかあるいは占有者の権限というものを無理に侵すというようなことを言っているわけではないわけでございます。しかもまた今お話がありましたように、損失の問題もございますが、これが著しく損傷を与えたというようなことが起こって参る場合におきましては、これはやはり範囲を逸脱したことになりますので、許可を得ないでやった行為と同じように解釈するということにもなっておりますので、ただいま御懸念のような点はないように、十分にこまかく所有権あるいは占有権等を保護するということを念願にして規定しているものなのでございます。
○田中(幾)委員 土地収用法におきましても、収用委員会という公の機関があって、そこへかけてしまう。この場合に障害物の伐除、試掘をする場合に、市町村長の許可があればいいというこの規定は、私は、ほかの立法面にはこういうことはないと思うのです。特に一定の期間を設けてやるのならいいし、あるいはあらかじめ協議をして、事前に補償の程度を決定してやるのならいいけれども、非常に貴重な物件もあるかもしれません。たとえばそこに木がはえておって、天然記念物のような貴重なものがあるかもしれません。それを、市町村長の許可によって、協議もととのわぬのに障害物を伐除してしまって、あとで補償金の協議等ができなければ、土地収用法の規定によって裁量しなければならぬ。ちょっと第五条は行き過ぎで、私はほかの立法例にはないのじゃないかと思うのですが、この法律を作るにあたって、何か少し問題になったのじゃないですか。すらすらといったものじゃないと思うのです。これは、法制局あたりでもずいぶん疑義があったのじゃないかと思います。その点を少し詳しく御説明願いたい。
○齋藤(常)政府委員 もう少し詳しく御説明申し上げますと、この障害物の伐除でありますとか、あるいは土地の試掘を行なうという場合は、測量または調査のために土地に立ち入るという場合に、必要が起こってそのようなことが出てくるということでございまして、あくまでも指定とか申し出をするための測量、調査をするというために、他人の占有する土地に立ち入るわけでございます。しかも、その目的が、今申し上げましたように測量、調査等でありますので、これは所有権または占有権に対する侵害と申しましても、まことに一時的な、しかも軽微なものでございます。そのことを前提にして考えますと、第五条におきまして、障害物の伐除とか土地の試掘というようなことを行ないます場合も、今申し上げました測量、調査のために最小必要限度の伐除等を行なうことでありまして、ここに例示しておりますような障害となる植物でありますとか、あるいはさくでありますとかいうことを書いてございますけれども、これはまことに軽微なものでございまして、そういうものを一時的に、しかも軽微に侵害するということでございますので、一般の収用法等の場合におきますように、土地の所有権を収用する、あるいは使用権を収用するために立ち入って調査するという問題とは、程度において大きな差がある。しかも、これは公益といいますか、災害の防止のために必要な調査をするわけでございまするから、この程度の規定で差しつかえはないものということで、われわれも政府部内で法制局等とも協議をいたしまして、そういうふうにしたわけでございます。立法例というものは、住宅地区改良法でありますとか、あるいは市街地改造法等にもほとんど同じような立法例があるのでありまして、その前例を踏んだにすぎないのであります。
○田中(幾)委員 ちょっとこまかいのですけれども、五条の「市町村長等」とあるこの「等」は、何を意味しているのですか。非常に法律の用語としてはあいまいで、しかも障害物の伐除のできる権利の発生する規定でありますから、「等」というのはどういうことを意味しているのですか。市町村長なら市町村長とはっきりしておかないと、「等」というのは、特別区の区長であるとか、あるいはいなかの組長、そういうようなことも入るのではないかと思う。法律の用語としては非常にあいまいです。「市町村長等」というのは、一体どういうことを想定して「等」と書いたのですか。
○齋藤(常)政府委員 非常に御心配のように見受けられるわけでありますが、おっしゃるように、非常に重要な物権、そういうものに対していたずらに侵害が行なわれることがあっては、ほんとうにいけないわけであります。しかしながら、先ほども申し上げましたように、ここで予想しております侵害と申しますか、その対象になりますものは、さくであるとか植物であるとかいう軽微なものでありまして、その場合にも所有者、占有者の意見を十分聴取した上で許可を与えるということになっておりますので、今申し上げましたような観点から、実施にあたりましてはそのような不都合が起こらないように、十分に趣旨の徹底をはかりまして、行政的な指導もあわせて行なっていきたい、かように考えております。
○田中(幾)委員 あなたの御説明ですけれども、ここには障害物の程度については少しも規定しておりませんし、この法律ができたら、たとえばさくじゃなくても、今のような非常に重要なものでも、障害物であればこの規定によって伐除できるのです。そういう解釈が非常に危険だと私は思うのです。これは少し行き過ぎた規定だと思う。 それから、非常にこまかい点ですけれども、今の「市町村長等」とあるが、これはあいまいです。ずばりとだれが許可をするかということを書いておかなければ、ずさんな法律の用語ではないかと思うが、その点を一つ御説明願いたい。
○齋藤(常)政府委員 市町村長の許可を受ける場合におきましても、障害物の所在地を管轄する市町村長の許可を受けるということになっております。 それから、前段において御質問になりました「等」となっているから、いろいろな物権が入ってくるのじゃないかというふうにも解釈できるのではないかというお話でもございましたけれども、たとえば第五条第一項の初めの方にありますように、「障害となる植物若しくはかき、さく等(以下「障害物」という。)」、こうありますけれども、この「等」というのは、われわれの考えておりますのは、くいでありますとかあるいはわら積みであるとかいったような、きわめて軽微なものを考えておる次第でございます。従いまして、今の点は心配ないと考えておる次第であります。
○田中(幾)委員 私は、逐条説明の資料でやっているのですが、それには「等」と書いてあるのです。今瀬戸山委員の御注意を受けましたが、本文には「等」はないのですね。
○齋藤(常)政府委員 私が障害物の場合で「等」と申し上げましたのは、その意味で御説明申したわけじゃありません。逐条説明で「等」と書いてあったために、話が混乱していることはまことに申しわけないと思いますが、これは市町村長及び都道府県知事という意味で「等」が入ったわけで、別に他意があったわけではございません。ただ、さく等の方を御説明申し上げましたのは、あくまでもそういうような軽微なものをさしておるのだということで、前段の方の御質問についてお答えしたわけであります。
○田中(幾)委員 これはこまかい点ですけれども、十一条をちょっとごらん願いたいと思うのです。第十一条の二行目のずっと下の方に、「国文は都道府県と都道府県知事との協議が成立することをもって」云々と、こうあるのですが、国と都道府県知事との協議の成立ということはわかるのですけれども、「又は都道府県と都道府県知事」というのは、県であれば知事ということはわかっておるのですが、都道府県と都道府県知事との協議ということは、自分と自分で協議するということになるのか。この点読んでちょっとおかしいと思ったものですから、解釈を伺いたい。
○齋藤(常)政府委員 十一条におきまして「国又は都道府県の特例」を規定してございますが、この中で国または都道府県が事業をする場合というのは、都道府県が公共団体として事業をするという場合におきまして、都道府県知事との協議と申しております。知事というのは、国の機関としての都道府県知事、すなわち、この法律の事務というものは国の事務である。その前提に立ちまして、国の事務を委任を受けて知事がやっておるわけでございまして、都道府県と都道府県知事ということになります場合、実際には公共団体の長としての都道府県知事と、国の機関としての都道府県との協議ということに相なるわけであります。
○田中(幾)委員 さっぱり僕としてはわからぬのですが、国と都道府県とやる場合は、都道府県知事が都道府県の代表としてやるのはわかる。それから都道府県が国の機関としてでも、都道府県を代表する者は知事か議長か——議長は代表にはならぬと思うのですけれども、やはり県という法人を代表する者は知事だろうと思うのです。国の機関であっても、愛知県、三重県ということで協議ができないのですから、やはり県の機関としての代表者を置いておかなければならぬのですから、ちょっとこの文句を読んでみると、都道府県と都道府県知事との協議ということは、自分で自分の県と協議するということになりますから、その点どうですか、おかしいと考えませんか。私はおかしいと思います。
○齋藤(常)政府委員 今私が申し上げましたことと同じことを繰り返すことになるわけでございますが、都道府県、すなわち公共団体としての都道府県が、宅地造成規制区域内において宅地造成の工事をやります場合においては、国の機関としての都道府県知事に対して協議をするということでございまして、これは現在の公共団体の建前、その長としての知事に対して国の事務を委任するという一般の建前からいきまして、少しもおかしいことはないわけであります。
○田中(幾)委員 私はおかしいと思うのですが、これで私の質問は終わります。
○二階堂委員長 岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 神戸地方に梅雨前線で大きながけくずれによるところの災害が出たのにかんがみてこの法案が出たのであろうと思うのでありますが、この法案の趣旨自体は非常にけっこうでございますが、私は、この法案では少し足りないのじゃないかと思われる点について、一、二お尋ねをいたしたいと思います。 この法案の第一条に、「がけくずれ又は土砂の流出を生ずるおそれが著しい市街地又は市街地となろうとする土地の区域内」について、この宅地造成工事区域を規制するということになるという御趣旨でございますね。そういうことになりますと、どんどん今宅地開発が行なわれております。その宅地開発がどんどん行なわれていくところは、数年もしくは十年くらいの間には大体市街地になると思われるのです。そういうところは一応この対象からはずれているように思われるのでございますが、その点についてはいかがでしょうか。
○齋藤(常)政府委員 市街地または市街地となろうとするところの土地の区域ということで、市街地となろうという、そのなろうという言葉が非常に御疑問になると思うのでございますけれども、これは市街地に将来なるであろうというところを事前に指定をしておきませんと、災害の防止ができない。と申しますのは、そこに宅地造成が今後行なわれる可能性があるという場合につきましては、事前に指定をして規制をしなければならぬというわけでございますから、将来において市街地になるであろうというところは、いろいろの観点からこれを調査推定いたしまして、そうして区域をきめていく、こういうふうになるわけでございます。
○岡本(隆)委員 そうしますと、このごろ盛んに新聞に土地の広告が出ておりますね。ああいうところは、平地は別でございますけれども、相当傾斜度の高いところでは、がけくずれのおそれがある。しかも、今は木のうっそうとはえた森や林だというふうなところ、ことに最近盛んに温泉地帯、たとえば伊豆地方であるとか、那須であるとか、ああいうところを盛んに開発の広告をいたしております。そういうところも、稠密な住宅地にはならないでしょうが、しかし、やがては寮ができたりあるいはその他のいろいろな施設ができて、相当災害が発生するような危険もあるように私は思うのですが、そういうふうなところまでこの法律によって規制される御意向なのかどうか。私は、そういうところまでも、宅地開発でやっていく限りにおいては、今まで森林であったところ、傾斜地を宅地化していくという限りにおいては、たとい一人でもそういうふうな犠牲にあう人があるということは好ましいことではございませんから、はっきりとした規制をしていくべきだと思うのですが、そういうところもこの対象にするというお考えの上に立って、この法案を作っていられるのですか。
○齋藤(常)政府委員 市街地となろうとする土地を考えます場合におきましては、ただいま申し上げましたように、将来を卜して考えるわけでございます。しかも、災害が起こるであろうか、あるいはまた宅地造成がそこに行なわれるであろうかというような点をいろいろ考えて指定するわけでございまするから、現状がいかに森林であり、あるいは農地でありましても、これが宅地化されるであろうという推定がつく場合におきましては、積極的に指定をして参りますし、あるいはまた必要最小限度に指定をしなければならぬという規定もございますので、あるいは段階を分けて第一次、二次というふうに指定する場合も考えられると思います。
○岡本(隆)委員 私も、この指定は最小限度のものでなければならないという第二項の規定がございますので、解釈をあなたの方では非常に狭義にしておられるのではないか、こう思ってただいまのようなことをお尋ねしたのでございますが、それは最小限度にするのだが、いろいろな段階に分けてやるのだ、こういうふうな今の御答弁でございます。それでは、どういう段階に、どういうところへはどの程度の規制をやり、どういうところへはどの程度の規制をやるというふうな、段階的な指定の方法を政令にでもおきめになるのか、その辺のところを具体的に御説明願いたい。
○齋藤(常)政府委員 必要最小限度というふうな規定を設けましたのは、これは私権の制限が強力に行なわれるわけでございますから、必要以上に地域を拡大することは好ましくないということで、こういうような規定を設けたわけでございます。しかしながら、必要である限度におきましては、これが無理のない限度でありますならば、一次、二次というような分け方をしなくても、当然必要だと思う程度まではこれを指定するわけでございまして、ただ、先ほど一次、二次と申しましたのは、現状においてはどうしてもまだ宅地などということを考える必要はない、こういうところが周囲の事情によりまして急速に変化をしてきたというような場合におきましては、追加して二次的にまたその区域を広げていく場合もあるという意味で申し上げた次第であります。
○岡本(隆)委員 そうすると、一次、二次というのは、時期的な問題ではないでしょう。規制の仕方の問題じゃないですか。
○齋藤(常)政府委員 規制の仕方の問題ではございませんので、やはり地域を最初に指定する場合にどういうことを考えるかと申しますと、話が詳しくなりますが、第一には、過去において災害があったかどうかというようなことをまず考えたい。その次には、現在の状況がいかにも災害を引き起こすような地形であり、土質である、あるいはその付近の気象関係がそういう条件を持っておるというような現状を十分に調査いたしまして、将来災害が起こるであろうということを推定していくわけでありますから、規制の問題ということよりも、やはり当初からこの地域を指定して、その中でこの法案の中に規定してあるような具体的な規制を行なっていくということなのでございます。
○岡本(隆)委員 宅地を開発していく場合に、現在でも相当傾斜地を段々畑のようにしてやっていっております。それについて排水施設を整備しなければならないということは、この法案に書いてございます。そういたしますと、相当広い面積を一度に木を切って宅地開発をやると、今まである程度水をたくわえる力を持っておった林が、急に排水がよくなりますから、どっと水が出て参ります。そうしますと、このなにでありますと、知事の許可を受けなければ開発できません。知事の許可を受けて、一定の排水路を作れば、開発できるということになっております。今度、その出たところの排水をさらに末端のどこにつなぐかという問題が出て参ります。たとえば愛知用水の場合でも、愛知用水がいろいろ地形の変化を起こしている。愛知用水自体は、排水のことをみずからの排水溝を作って考えておりますが、それからさらに従来の排水路につないでおったのが不十分であるために、災害がその下において発生いたしておりますが、これも同じようなことが当然起こってくると思うのです。だから、そういう大規模な宅地開発を許可する場合には——これは筆が許可するのでございますが、その許可する場合には、知事は、同時にその市町村長に対して、そういう二次的な災害の発生を防止するための排水路の設置あるいは改良といいますか、そういうことを命じたり、規制したり、一応地方自治体にそういうことを義務づけなければ、開発だけは許す、あとは野放しだということでは、従来からその下に住んでおる住民は非常な迷惑を受ける。現実にそういう場合があるのです。今至るところで開発が行なわれておる。非常に広いところの開発が行なわれておって、そうしてたとえて言えば、谷があって丘陵がある。その谷へ山をくずして持ってきて、片方を埋めてしまいます。そうしますと、そこにあったところの一時貯水地になるような、遊水地帯になるような所がなくなって、それが宅地化されてしまう。そこで排水がよくなってどっと水が来るから、従来なかった場所で、非常な大雨のために水がつくようになるという所が至るところにあるのです。そういう点についての配慮が何か欠けておるように思うのでございますが、これはこの法律とは別個の問題かもしれません。別個の問題であって、当然都市排水としてその自治体において自主的にやるべき問題だというふうにお考えであろうし、そういう問題だろうと思う。ところが、自治体は、宅地の開発はやるが、それに伴う排水路の整備ということになると、相当金が要りますからなかなかやりませんが、その点、そういう関連性をこの法律ではどう考えておられるのか。
○齋藤(常)政府委員 ただいまのお話の点はまことにごもっともな点でございまして、この法律の中では、規制区域内において宅地造成が行なわれる場合の、その区域内の排水路についてのいろいろな規制をしていこうということでございますけれども、その場合におきましても、排水路は、幹線排水路と申しますか、あるいは幹線下水にうまく直結するようにしなければならないわけでございます。しかしながら、その方の分はこの法律とは一応切り離しまして、むしろ一般の公共投資におきまして、重点的にここに下水道の整備等を行なっていくというような事業の裏づけがあわせてありませんと、この法律だけでこの地帯一帯が十分になるとは、毛頭考えていないわけでございます。そのような公共投資の裏づけあるいは下水道事業等の推進ということとうまくかね合いをつけまして、この規制を進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○岡本(隆)委員 かね合いをつけてやっていくというお言葉でございますけれども、かね合いをつけられるという保証が、この法律にはどこにもありません。そうあるべきだ、こうあなたおっしゃいました。そうあるべきだけれども、そうならないことによって、住民が、いつの場合も、宅地開発に伴う地形の変化、それによるところの災害というように——神戸なんかでもずいぶんそれがあると思うのです。現実に住民がそれに困っておるのです。同時排水が十分に行なわれておらない。ところが、宅地開発だけはどんどん先へ進む。そのために一時出水が多くなって、低地では水害のために困っておるというのが現実なんです。あなたの方で宅地造成の規制をやる。それはがけくずれだけしか考えておられないと思うのです。しかしながら、そういうような宅地造成に伴ういろいろの弊害、それに伴ういろいろな障害というものも、こういうふうな法律をせっかく作られる場合には、やはり同時にそういう点への配慮もなければならないと思うのでございますが、これは規制法という名前がついております。これは宅地開発という意味もあると思いますが、同時にまた、宅地造成に伴ういろいろな問題の処理というようなものもあると私は思うのです。そういうことについて、政府の方では、何か将来どういうことをやっていきたいというようなことを考えておられるのか。そういう点についての構想があれば、一つ承っておきたいと思います。
○齋藤(常)政府委員 この問題につきましては、やはり都市計画事業あるいは下水事業というようなもので、今お話のような障害が起こりませんように、たとえて言いますならば、下水道事業というものを、五カ年計画を立てて、しかもこれを急速に促進していくというような場合におきまして、他の関連等も十分考えて、重点的な投資が行なわれるように建設省としては考えておる次第であります。
○岡本(隆)委員 なるほど、仰せの通り、そういうことになって参りますと、これは計画局の仕事でございますから、あなたにそういうことをお尋ねするのもどうかと思うので、その程度にいたしておきます。 そこで、山村へ参りますと、これはあぶないなと思うようなところに住んでいる人がずいぶんございますね。ことに、ある場合に、うしろに相当な傾斜地がある、それを一部へずって平地を作って、家を建てておるというふうなところがございます。そうしますと、それはみずからの防護をその人は怠っておるのだから仕方がない、こういう考え方はございますよ。しかしながら、建築基準法だって、やはり自分が住むことの安全のために、他人への迷惑というものも考えておるでしょうが、しかし、同時にまた、その建築を安全にして、安全なところに住居しなければならないという考え方に立って、建築基準法というものがあると思うのです。そうしますと、宅地にもそういう考え方があって、これは住むのにあぶないと思うようなところには住ませないようにするというふうな考え方、いわば宅地基準法といいますか、そういう考え方があってしかるべきだと私は思うのです。そしてまた、いかさま見るのにあぶないと思えるようなところは、何ぼいなかであって一軒だけ自分の家を建てるんだというふうな場合でも、周囲のがけくずれを防ぐためには、自分である程度の措置をしなければそこへ住宅が建てられないというふうな、宅地化するための基準というようなものがあってしかるべきではないか。また、現実に、梅雨前線の際とかその他大きな豪雨があった場合には、こんなところがと思うような、相当安全だと思えるようなところですら、わき水その他のためにどっとくずれてきて、大きな被害が出ております。ましてや見るからにあぶないと思われるようなところでは、またいつどんなことがないとも限らないと私は思うのですが、そういう点について、狭い日本だから、そんなことをすれば住むところがなくなるじゃないか。また、山村では、少なくとも耕地がほしいから、一そう山に沿って家を建てておりますが、それだけに私は災害の危険が相当あると思うのです。そういう点について、少なくも最小限度の安全を保つような基準というものを作って、従来建っておる家については仕方がないですけれども、これから後家を建てようとするときには、建築基準法に照らして安全な家を建てるということ以外に、宅地としての適正性というものを日陰までいえば問題があるかもしれません。しかしながら、災害防止という意味における適正制度という意味において、最小限度の規制をする必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
○齋藤(常)政府委員 現行法におきましては、御承知のように、建築基準法におきまして、危険地域の指定ということがあります。その場合におきましては、地方において危険地域を指定して、それに対応する条例を作る。それである程度の規制をし、その規制の中では、建物の敷地としての宅地の安全あるいは衛生というようなことを考えてやっておるわけでございます。今お話しのように、宅地そのものに、建築にはならぬでも、宅地としての一般的な基準というものが必要ではないかというお話につきましては、宅地造成に関します一般的な基準である、この規制区域以外において宅地造成等が行なわれる場合における一般的な基準というものは、先ほど申しましたように、検討しているわけでございます。それ以外の個々の問題につきましては、基準法との関係も考慮して、今後十分検討したいと思う次第であります。
○岡本(隆)委員 それから、いろいろな規制をやって安全な宅地を作っていくというふうな場合、傾斜地がある。そこでもってがけくずれが起こって下の家が押しつぶされるというような場合には、これは賠償の責任があるわけですね。上の方の土地を持っている者に賠償の責任があるわけです。ところが、今度この宅地造成の規制法ができまして、知事の許可を受け、工事完了の検査を受けて、これならよろしいということになっておったところで事故が起こったと仮定します。そういう場合には、賠償の責任の関係はどうなるでしょうか。これは下の方の人に言わせれば、当然上の方の土地で、それによって起こってきた災害であるから、賠償の責任がある、こう言うし、片一方は、おれの方は必要な規制のなにがあって、それに伴うところの工事をきちんとやって、検査まで受けてやったんだ、それによって起こってきたのだから、知ったことじゃないといいたいだろうと思うのですが、そういう点についての御解釈をお聞きいたします。
○齋藤(常)政府委員 許可を受けまして宅地造成を行ない、かつ検査済み書をもらって、しかもそれが譲渡された以後におきまして災害が起こった、そのときの許可の責任というものはどうなるのか、国あるいは都道府県は、賠償の責任を負うべきかどうかという問題でございますが、これだつきましては、原則的に言いますと、許可によって直ちに賠償の責任が起こるというものではないと解釈しております。しかしながら、その衝に当たりました担当の職員におきまして、故意または過失によりまして、基準を誤って許可をしたとか、そういう問題がありましたときにおきましては、その行為と現実に起こりました災害との間に相当の因果関係が存在すると認められた場合におきましては、国家賠償法におきまして、国または県が賠償責任を負うということになるわけであります。しかも、その職員に対しましては、国がまた求償権を持つという格好になって参るわけでございます。
○岡本(隆)委員 最後に、二十三条の罰則ですが、少々の罰金は悪質業者は平気ですよ。それからまた賠償の義務なんというものは、逃げ回ってなかなか払いやしません。だから、悪質業者にかかったら、災害にあった者は結局やられ損、こういうことになるのです。そこでこの罰金ですが、これはあまり少な過ぎると思うのです。きょう日十万円や五万円というような罰金は気持よく払って、さっさと売り飛ばして逃げてしまうというようなことがなきにしもあらずだと思うのです。この点もっと罰則を強化しておかなければ——ことにある程度金を持った者がやる事業でしょう。土地のそういうふうな造成というものは、金を持った者がやる事業ですね。少なくもある程度の金を動かせる人間でなければ、宅地の造成をして、それを売却して、というふうなことはできないのです。だから、五万や十万の罰金、こんなものはおそれても何もいないと思うのです。だから、こんなことでこの規制法が守られて災害を未然に防止できるというふうなことは、大臣は法律の専門家で、ことに弁護士さんで、いろいろな事情を御存じだと思うのですが、これはどうかと思うのですが、この点どうでしょう。もう少しがくっと防止できるような程度のものに改めたらどうですか。
○齋藤(常)政府委員 この罰則のいわゆる量刑の基準をきめるにあたりましてわれわれが考えましたのは、ほかの法律の例、たとえば地すべり等防止法でありますとか、あるいは住宅地区改良法というふうなものの例にならって、懲役の年限でありますとか、あるいは罰金の金額でありますとか、きめたわけでございます。しかも、住宅地区改良法等に比較しますと、今のお話の罰金につきましては、むしろ上げておりまして、三万円を五万円に上げているというようなことでございます。しかもまた全体の調整といたしましては、こういう問題につきましては、法務省が全体的に統一的に調整をしておりますので、その方とも協議をいたしました結果、この程度が妥当であるということで落ちついたものでございます。ただ、これは罰金だけでございませんので、二十三条におきましても、二十四条におきましても、懲役または罰金ということになっておるわけであります。それからまた別の方の観点では、これが業者でありますときにおきましては、宅建法によりまして、あるいは停止あるいは取り消しとかいうようなものもあるわけであります。そういうものと両方かねあわせて執行していったらば、大体所期の目的はおさめられるのではないか、かように考えて、このような規定を作ったわけであります。
○岡本(隆)委員 人を見て法を説けという言葉がございますが、かりに指定を取り消しても、仮免でもやりますよ。都合が悪ければ、何ぼでも都合のいい人間で免許をとられてもできるのです。だから、あなたが言われるようなことくらいはもう先刻御存じで、そういうことが現にどんどん行なわれているのです。何かで処分されれば、別な人間でもってやっていく。たとえば大臣になったとか何とかで自分のやっていることが都合が悪いと、ちゃんと自分の親戚とかそういう人をかわりに責任者に据えて適当にやっている人も、現に政界の中にもあるでしょう。だから、そういうことは現に都合が悪ければ、何ぼでも責任者くらいは作りかえていけるのです。そういうなにがあるし、いや、大丈夫ですというような考え方そのものが、形だけを見ておると思うのです。形だけを見て実質を見ていないというところに問題があるわけです。そんなことですべての人が罰金を払ったら一たとい百円の罰金でも、罰金を払うということは恥ずかしいことだという考え方に立てば、それは少しの罰則で、重い刑を科する必要はないのです。しかしながら、少々なことではこたえない。自分の利益のためには恥も外聞もないというふうな人がずいぶん多いから、私は、こういう場合には、ことに神戸に起こったようないろいろな事件にかんがみて、罰則を作る限りにおいては、それを防止できるような罰則を作らなければならぬ、こう思うのです。だから、今までのところは、第四章以前については、多少不備な点はあっても私は賛成ですが、これだけはもうちっと自民党さんと話し合って、罰則を強化してもらわなければ、これには賛成できないと思うのです。 質問はこの程度で終わりますが、自民党の諸君にも一つ考えていただきたいと思うのです。
○日野委員 関連です。この法律の目的からいえば、反対する根拠はありません。大へんにいい一つのねらいを持った法律であることは異論がないのでありますが、この法律の体裁を見ると、今の答弁でも明らかな通り、住宅地区改良法にならった一つの例のように見えます。この内容からいうと、やはり土地の所有権、占有権に大きな制約を加えている点がかなり重要になって参りまするから、過般のここで審議した公共用地取得法のような内容を持っているわけです。もしそうだとするならば、もう少し区域指定の事前手続がこまかに規定さるべきでなかったかと思いますが、その点どうか。これで十分だとお考えですか。公共用地取得法の地域指定の場合は、かなりこまかな規定を持っています。そういう点が不十分だと思いますが、御意見いかがですか。
○中村国務大臣 区域指定は、この条文にもございますように、都道府県知事の申し出に基づいて行なうのでありますが、都道府県知事が申し出をいたしまする場合には、関係市町村長に協議をして、地元のそういう自治団体の意見も十分取り入れて行なうべき手続になっておりますので、私どもとしましては、できるだけ関係地方団体が関係地方団体内に住んでおる住民及びこういった宅地造成に関する公共の福祉等を熱心に考える機関であると思いますので、こういう手続で十分だと思っておるわけでございます。
○日野委員 これは意見の相違で、過般の公共用地取得法で十分論議いたしておりますが、何か物足りないような感じがするのです。できればもっと多く法律として整備する必要があるのじゃないかと考えられるが、それはそれといたしまして、今現に造成の進行中のものがたくさんあります。その中には、この法律で規制を加えなければならぬようなものがたくさんあることは、われわれも承知をいたしておるのですが、この法律を、現に造成工事の執行中のものにどこから適用いたすお考えか。執行中のものは、当然所定の手続をとって許可を得て今やっているのです。しかし、現実に災害等の危険に対応する一つの事業、工事としてはきわめて不安を抱かざるを得ない実情のものがたくさん見受けられる。こういうものをこの法律で規制しようとする場合、どこからこれを規制するか、その適用の起点はどこにあるか。
○齋藤(常)政府委員 この区域の指定の際に、現に行なわれておりますところの宅地造成工事をどう規制するかということにつきましては、第十四条の第一項によりまして、届け出をさせるということになっておるわけであります。これは指定の際に、その区域内で宅地造成に関する工事を行なっている造成主というものは、その指定があった日から二十一日以内に都道府県知事に届け出をしなければならぬということになっておるわけでございます。その届け出を受けました場合におきまして、都道府県知事は、十分にその工事の実情を技術的基準に十分合致しているかどうかということを調査いたしまして、必要があるならば勧告をし、その勧告にも従わない場合におきましては、改善命令を出すということで、指定の際に現に行なわれております工事につきましても、そのような方法で十全を期していくというような建前になっております。
○日野委員 十四条にその規定はありますけれども、現に一定の許可の上に立って進行中のものが届け出なかった場合、どうするのですか。にもかかわらず、これは何とか措置をしなければならないという事態のものに対して、どういう手続をとるのですか。
○齋藤(常)政府委員 届け出をしない場合におきましては、二十四条の第五号といたしまして、罰則の適用をいたします。
○日野委員 二十四条の罰則があるけれども、ただ、この規定には行政上の代執行の規定がないじゃありませんか。適当な処置、命令に対して不履行した者に対しては、行政代執行の規定を持つことが適当であると思うが、その点どうですか。
○齋藤(常)政府委員 現実に地域の指定をいたします際には、その地域の状況を十分に調査をいたしまして、都道府県知事が申し出をする。それに対して指定をするわけでありますから、都道府県知事は、その規制区域に指定すべき予定の地域につきましては、どのような工事が行なわれているかということは、そのときに十分キャッチすることができるわけであります。そこで届け出があろうとなかろうと、その事情を十分に聴取いたしますから、それによって勧告も改善命令も出すことができ、また執行もできるということになるわけであります。
○日野委員 それは適当な処置ができる、法の趣旨からいって代執行もできると解釈すべきでありましょうけれども、そういう場合は、結局行政官庁が代執行をやるべき挙証責任を負わなければならぬことになりますが、そういう点どうでしょう。
○齋藤(常)政府委員 代執行ができると解釈すると申しましたのは、十六条の第三項で第十三条第四項及び第六項の規定を準用するとなっておりまして、第六項は代執行の規定でございます。従いまして、当然それができるというふうに申し上げたのであります。
○日野委員 これは重大ですよ。これは挙証責任を行政官庁が負うということになりますと、緊急の場合に間に合わなかったら、非常な困難な問題が起こる。われわれは、やはり法として整備すべきものはちゃんと整備してやるべきだ、こういう意見を申し上げて、もし今後こういう問題がたくさん起こりますならば、この間も水資源開発公団法を出したのですが、宅地造成公団法というような構想でも持って臨まなければ、こういう情勢に対応できないと思う。この法律は住宅地区改良法のようなもので、内容はきわめて重大な所有権、占有権の制約、田中さんも言っていたが、立ち入り調査というような重大な内容を持っております。こういうことをやって時代の要請にこたえようとするならば一やはり本格的に造成公団法というようなものでも考えてやることが一番いい方法だと思うが、それに対して大臣の見解——先ほど何だか別の方法も考えているというような答弁もあったようですが、その辺を考えているのかどうか、伺いたい。
○中村国務大臣 実は宅地造成については、いろいろの方法があると思います。また同時に、宅地造成の緊急性といいますか、重要性というものも、十分あるわけでございますが、現在の制度といたしまして、住宅公団が宅地造成をする権能を持っております。もう一つは、都道府県市町村等の地方公共団体が、住宅金融公庫の宅地造成資金の借り入れをして宅地造成をする道が開かれ、現にこれは相当活発に進行いたしております。問題は、これらの資金を十分政府が供給できるかどうかということにかかっておると思いますので、あらためて宅地造成公団等を作りませんでも、財政当局との話し合いにより、国の財政事情を勘案しまして、これらの住宅公団の実施いたします宅地造成資金、あるいは地方公共団体が住宅金融公庫から低利の資金を借り入れて宅地造成をする資金、これらの資金が十分に供給できさえすれば、今お話しのような趣旨が達成できるものと私は思うのであります。問題は、国の財政あるいは国際収支とか金融状態とか、いろいろ国の全般の経済事情から見て、その資金が十分に供給できるかどうかということにかかっておると思いますので、新たな機関を作るということは、目下のところ考えておりません。明年度におきましても、これらの宅地造成資金の供給につきましては、努めて最大限の確保ができるように努力して参りたいと思います。
○日野委員 今、大臣の答弁を聞いたのでありますが、僕らがやかましく言っているのは、最近出される一連の法律というものは、非常に重大な私権の制約を平気でやるような一つの方向がとられるということです。僕らも公団をやたらに作ることには反対です。だけれども、今までの住宅公団でも、いろいろあげられたそれらの機関でも、十分にやれない面があるので、この辺はやはりすっきりしたものにして、いつも圧迫感を与えるような、そういう立法を避けて、根本的な解決に進まれたい、こう思うので、十分これらの点を——公団をやたらに作れというのじゃありませんけれども、支障のないように、民権圧迫にならない形で刻下の要請にこたえる計画を樹立されたい、こういう趣旨から申し上げているので、そういう強い要望をして終わります。
○二階堂委員長 石川次夫君。
○石川委員 この前の委員会で、大体質問をやっておりますので、きょうは簡単に、要望のような形でもって申し上げたいと思います。 第一条につきましては、再三質問がありましたので繰り返しません。この前の住宅局長の答弁では、市街地ということにこだわっていろいろ答弁があったのでございますけれども、実はその後、宅地課長から、六甲ハイツ関係の地域が標高五百メートルということで一体どのようになるか、ちょっと心配したのですが、図面を見せてもらいましたところ、ほとんど稜線近くまでいっております。でありますから、私の懸念は、一応こういう具体例でもって解消したという形になるのですが、ただこの法案に関する限りでは、一体市街地という地域はどこなんだということで、非常に手ぬかりが出るのじゃないかという不安を感ずるわけです。従って、行政上のよほどのよい指導をしないと、せっかくの法案が生きてこないという懸念があると思いますので、この点はくれぐれもよろしく善処をお願いしたいと思います。 それから、その間にいろいろあるのですが、災害は、がけくずれまたは土砂の流出ということに限定をしておるようですが、傾斜地だけでなくて、平地におけるこういう宅地造成による災害の問題も、相当続出をする危険があると思います。従って、この点についても何らかの規制を考えてもらいたいという要望を申し上げます。 それからあと一つ、今日野さんから質問が出た問題で、公団を作るということは、これはここで即決はできないでしょうが、県あたりで作っている公社とか何とか、そういうところで宅地造成をやっておりますけれども、これはやはり工場誘致のような関係で、特定の人に利用が限られてしまうというのが、実際の状態だろうと思うのです。従って、やはり国自体が宅地造成を積極的に責任を持ってやるような機関というものができれば、土地の値上がりを抑制する一つの有力な根拠にもなるという点で、これはぜひ一つお考え願わなければいかぬじゃないかということを、日野さんの質問から私も痛感したのですが、相当あちらこちらの県でやてっおりますけれども、私の知っておる範囲では、ほんとうに困っている庶民の住宅に十分活用されているという状態にはなっておりません。やはり大企業の団地というような形で活用される、あるいは工場誘致に有利なようにそれを活用するというようなことに限定されているという感じが強いわけであります。その点もお願いいたします。 それからあと一つ、罰則の点でいろいろ問題が出たのでございますけれども、この法案ができて、適法の許可を受け、工事完了の検査を受けた後で、さらに災害が出たという場合の責任の所在は、一体どうなりますか。これは非常に常識的なしろうとの質問で恐縮なのですが、念のために伺っておきたいと思います。
○中村国務大臣 従来の、こういう制度ができる前の現状をお互いに考えてみたいと思いますが、相当危険な個所に擁壁のとり方あるいは排水施設等無理をして作られた宅地が、災害のためにがけくずれ等を起こして、大ぜいの人命、財産に損傷を与えるような場合、この場合に起こって参りますのは、いつも被害をこうむった者と、被害を与えた、くずれた方の地域の所有者、あるいは造成者との損害賠償の問題でございますが、相当無理な造成をしてあって、そのために起こったのでありましても、特殊の豪雨あるいは暴風雨等の災害が主たる原因でございますから、そこで損害賠償の争いがありましても、天災であって不可抗力のものか不可抗力でないかということが論点になりまして、損害賠償はむずかしい問題が多いと思うのであります。今度この規制法ができまして、これで規制をして参りますと、規制に基づいて都道府県知事の指示等に従わないで起こった場合には、当然その立証自体で損害賠償は成立すると思いますので、従って、不都合な宅地造成に基づく損害賠償問題というのは、従来よりも立証その他争点がしぼられて非常に楽になると私は思うのであります。残された問題は、規制をし、あるいは指示を受けた通りにやったが、災害が起こった、これは不可抗力かどうかという問題になると思います。大体今までの災害の例等にかんがみまして、普通の豪雨や暴風雨、洪水等であるならば大丈夫であるという角度の規制基準を作りまして規制して参るのでありますから、その通りにやってあれば、普通の災害ならば事故を起こさないということになって参ると思うのでありますが、それ以上の予想しがたい災害が起こった場合にどうなるか、こういうことになろうかと思います。この点は、やはり不可抗力であるかないかの法律上の論点にはなろうと思いますが、従来の何もないときから見たら、よほどそれらの民事上の争いの論点はしぼられて、楽になってくると私どもは考えているのでございます。
○石川委員 その程度の答弁だろうと思うのですが、具体的な例としての六甲ハイツは、現在訴訟になっております。しかしながら、宅地造成業者に責任があるかどうかという点で学者の意見を聞いたところ、どうしても宅地造成業者に手落ちがあったというような結論に基づいて、訴訟が行なわれたというふうに聞いております。ところが、訴訟をやって勝ったと仮定しまして、その業者が非常に資力が少ない、あまり大きな業者じゃない、損害賠償の責を負うことができないというような資産能力しか持たない、こういう場合に、さてそれではどこがその責任を持つかという問題が出てくると思います。その場合は、一体国が責任を持つかどうかという非常にむずかしい問題になりますが、そういうことが考えられますか。その点念のために伺いたいと思います。
○中村国務大臣 要するに、この法律がなかったときよりは、よほどそういった問題のさばきはよくなると私ども考えます。それともう一点は、国または都道府県等が賠償責任を負うか負わぬかという問題でございますが、それは既定の工事規格に基づいて十分の監督、指導があって、瑕疵があったかなかったかということに、私は中心が置かれると思うのであります。その指示し、監督をいたしました都道府県に瑕疵がないということであれば、公共団体、国としての賠償責任はないと思います。問題は、その指示なり監督なりに瑕疵があったかなかったかということが中心ではなかろうかと思います。
○石川委員 時間がないようで、大へん済みませんけれども、具体的な今の六甲ハイツの問題ですね。これは、この宅地造成等規制法というものが出ている前のことですが、やはり一応の工事認定の許可というものを与えてある。その限りにおいては、そういう許可を与えたこと自体に不備があったという解釈も、できないでもないという感じがするわけです。そういうものも含めて、損害賠償の責任があるかどうかということは、非常にむずかしい問題で、これは裁判の問題で、ここで答弁はできないと思います。しかも資産能力がなくて、非常に甚大な損害を与えた連中に対しては、何らかの方法を考えなければならぬということで、やはり国も心配しなければいけないという気もわれわれとしてするわけです。法律的にはどうか知りませんけれども、少なくとも道義的にはそんな感じがするので、念のために伺ったのです。ここでは答弁ができないと思いますから打ち切りますが、そういう点で不安でありますが、今罰則の点で非常に軽いのじゃないかという意見もあるし、いろいろまた手直しをしなければならぬような感じもいたしますが、一応私の質問はこれで終わります。
○二階堂委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ、本案に対する質疑は、これにて終局いたしました。 —————————————
○二階堂委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の通告がありませんので、直ちに採決に入ります。宅地造成等規制法案に賛成の諸君の御起立をお願いします。 〔賛成者起立〕
○二階堂委員長 起立多数。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお、本案議決に伴う委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 異議なきものと認め、さように決しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会 ————◇—————