建設委員会 第4号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/11
会議録
○二階堂委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人招致の件につきましてお諮りいたします。 泰阜ダム建設による災害問題について参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 異議なきものと認め、さよう決しました。 なお、参考人の人選並びに意見を聞く日時につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 異議なきものと認め、さよう決定いたします。 ————◇—————
○二階堂委員長 水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案の両案を一括議題とし、前回に引き続き審査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。中島厳君。
○中島(巖)委員 この公団に、河川法の五条か七条だと思いましたけれども、この権限を委譲するところの条項があったわけであります。そこで実際問題といたしまして、河川に構築物を設置するところの権限——河川管理者である知事に与えたところの河川法の河川の維持管理の権限を、公団に与えるわけですが、これは公団法第二十三条に、「公団は、第五十五条第二号に規定する施設の新築又は改築について、河川法第七条の規定にかかわらず、同法にいう河川に関する工事を行なうことができる。」こういうように特例でもって、河川の管理権を有し、維持管理をさせなければならぬところの知事の権限をこの公団に委譲する規定があるわけであります。そこで、そういうようなことをして、はたして知事が河川の維持管理ができるかどうかということが大きな問題じゃないかと思うのです。たとえば泰阜ダムなどは、泰阜ダムという河川の構築物をこしらえたために、上流二十七キロにわたって非常なる堆積土砂をして、それがために災害が頻発しておる。しかも、堤防の決壊なんかも、今回も十何カ所にわたって、一カ所が四十町歩、五十町歩、百町歩というようなところがどんどん流れておる。この河川の維持管理だけを知事がやって、構築物は公団が、河川法の特例によって自由にできる、こういうことに実際問題としてなるわけでありますけれども、これに対して河川の管理者であるところの知事の意見を聞きたいのですが、きょうは知事がおりませんから、河川局はどういう考えを持っておるか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○鮎川説明員 公団法の第二十三条において「公団は、第五十五条第二号に規定する施設」につきましては、河川に関する工事として建設することができるということになっておるわけでございます。第五十五条の第二号と申しますのは、これは洪水や高潮の防御の機能、その他流水の正常な機能の維持と増進を含む、こういう内容を持っておりますものについての施設でございまして、これは特定施設といっておるわけでございますが、こういうものは本来知事または大臣が河川法に基づいて河川に関する工事としてやっておるわけでございますが、その一部を公団にまかしてやるというのがこの規定でございます。ところが、ただいま御指摘になりました泰阜ダムの場合どうなるかということでございますが、泰阜ダムは御承知のように電源開発を目的とするいわゆる利水専用ダムでございます。こういうような利水専用ダムにつきましては、この公団におきましては、従来の河川法の規定がそのままに動くわけでございまして、河川法の十七条で工作物を新築、改築いたします場合には「地方行政庁ノ許可ヲ受クヘシ」ということになっておるわけでございますが、そのままこの十七条の規定が働いて参るわけでございます。この点に関しまして、そういういわゆる利水専用のダムを建設する場合におきましては、従来の河川法の規定と同様であるというふうになっておるわけでございます。
○中島(巖)委員 私の質問したことと見当違いの答弁をしておるわけです。つまりこの公団にそういうようなダムとかせきというものの設置を、今までは河川法によって地方行政庁の許可を得なければならなかったのを、許可を得ずにどんどんそういうものがこの特例で設置できることになるでしょう。その結果は、現在の泰阜ダムと同じように上流何十キロにわたるところの堆積土砂ができて、その場合において河川の維持管理だけを、跡始末だけを知事が行なう、勝手にせきやダムをこしらえることは公団ができる、これがこの二十三条の特例なんです。従って、そういうような場合に対してどういう考えを持って、こういうような大幅な権限をこの公団に与えたか。その跡始末だけは河川管理者であるところの知事がやるというような制度は非常に矛盾しておるじゃないか。こういう点について、この二十三条の特例をこしらえるときに、そういう議論はあったかなかったか。また、それに対してはどういう処置をするか。この点をお伺いしておるわけです。
○鮎川説明員 ただいまの御質問は、ダムを作る場合には知事の許可を受けてやっておる。ところが、今度はその知事の許可がなくなって、公団が建設をして、あと維持管理だけを知事にやらしているのじゃないかという御指摘でございます。ダムの種類には二種類あるわけでございますが、その中で利水専用ダムにつきましては、いわゆる河川工作物として知事の許可を受けてやっておるわけでございます。それは先ほど申し上げました通り、従来の制度のままでございまして、公団で作りますダムにも、もっぱら利水を目的といたしますところのダムもあるわけでございます。これは従来通り河川法の規定が働きまして、この公団がそういうダムを作ります場合には、やはり知事の許可が必要になってくるわけでございます。ところが、洪水防御や高潮の防御を含むような治水目的を含みます施設につきましては、国の機関としての知事あるいは大臣が従来実施してきておるわけでございます。こういうものをかりにこの規定を設けませんといたしますと、先ほど申し上げました利水専用ダムと同じようなことになりますので、それはきのうも大臣がお話しになりましたように、国の機関として大臣が直轄工事としてやるようなものでございますが、そういうものを公団に大臣が指示をしてやらせる、こういうことになっておるわけでございまして、洪水防御のための機能を含むものは国の責任においてやる。それをいたしますためには、どうしても河川法の規定に特例を設けまして、大臣の指示に基づいて工事の面は公団にやらせる、こういうふうにいたしたわけでございます。
○中島(巖)委員 そうすると、ここには「河川法第七条の規定にかかわらず、同法にいう河川に関する工事を行なうことができる。」、河川法の第七条は「地方行政庁ハ河川ニ関スル工事ヲ施行シ其ノ維持ヲナスノ義務アルモノトス」、こういうことになっておるのですが、この規定にかかわらず公団が施設をすることができる、こういうことになっておるのですから、僕らの考えでは、知事の認可を得ずして公団がダムやせきの設置ができる、こういうように解釈しておるのですが、これはそうでないのですか。
○鮎川説明員 第七条は「行方行政庁ハ河川ニ関スル工事ヲ施行シ其ノ維持ヲナス」という規定でございますが、河川法の十七条に「左ニ記載スル工作物ヲ新築、改築若ハ除却セムトスル者ハ地方行政庁ノ許可ヲ受クヘシ」という規定がございます。利水を主たる目的といたします工作物は、従来この十七条の許可を受けてやっておるわけでございます。この十七条の許可を受けてやれますものは、従来通りの考えでこれをいたしておるわけでございます。ところが、治水的な内容を含みますものは、従来この七条によって地方行政庁、八条によって直轄工事に類するものは大臣がやるわけでありますから、その中の一部を公団にまかしてやる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中島(巖)委員 そうしますと、水資源の開発を目的とする公団の行なう工作物というものは、私は利水を目的とするところのせきやダムである、こういうように解釈しておるのですが、治水を目的としたものも公団が仕事をするのですか。
○鮎川説明員 御指摘の通り水資源の開発促進法と公団法の主たる目的は水資源を開発するためでございまして、利水を目的といたしておるわけでございます。ところが、御承知のように多目的ダムなどの建設をいたします場合には、治水的な目的と利水目的をあわせてやっておるわけでございまして、公団におきましても、そういう治水的な目的を果たし、かつ利水目的を果たすというような多目的な内容を持つ仕事をやるわけでございます。そこで、公団法の五十五条にも、洪水防御や高潮防御などの機能を含む施設なども建設するという規定があるわけでございまして、これと一緒に仕事をするということになっておるわけでございます。同時に、そういう仕事をいたしますと、どうしても治水的な観点からの目的と利水的な目的と、両方の目的を果たすようにしなければならないというので、この二十三条でこういう規定をしておるわけでございます。
○中島(巖)委員 治水十カ年計画の予算をぶち込むのでありますから、それは治水という面もあると思うのですが、水資源開発公団そのものは、結局工業用水なんかを確保するということがねらいである以上、これは利水に重点を置いて、治水というものは、公団そのものの事業からいえば従たるものだと思うわけなんです。そこで、治水であるか利水であるかということによって、河川法の特例というものが発動されるわけなんでしょう。そうしますと、そういう見解は結局建設大臣がすることになると思うのですが、たとえば、先ほど言った泰阜ダムのような利水ダムであろうと治水ダムであろうと、河川の、いわゆる堆砂によるところの河床上昇というものは、当然免れられぬことであります。その場合において、知事はそれによるところの河川の維持管理をやらねばならぬ。こういうところに非常に矛盾があるのじゃないかと私は考えるわけであります。そうすると、今の河川局次長の答弁は、治水関係については国が直轄してやるのだから、その考えでもって公団にやらせるのだ、こういうような答弁なんですが、そういうように了解してよろしいですか。
○鮎川説明員 ただいまの御意見の通りでございまして、治水的な内容を持ちますものは、国の機関として知事、大臣がやっておりましたので、従来通りその建前をとってやるということでございます。ただ、工事は公団がやることになりますので、あるいはその資金面も公団がこれを受け持つということになりますので、そういう面につきましては、大臣がやっておりました権限の一部を公団にかわってもらうということにしませんと、そういう仕事ができませんので、この二十三条で、そういう権限の一部を公団にやらせるということにいたしたわけでございます。なお、この十九条でそういう指示は、建設大臣がやるということになっております。
○中島(巖)委員 そうしますと、問題は、はたしてそのダムは治水ダムであるか利水ダムであるかということによって、河川法十七条及び七条の適用を受けるか受けぬか、こういう問題になってくるだろうと理論上からも法律の上からも考えるわけなんです。とにかく全部この法律が成立した以上は、知事の権限を離れて、公団が独自でこの建設ができる、こういうように必ずなるものだと私は思う。その結果は、川の維持管理だけは知事が行なわねばならぬ、こういう結果が生まれてくると思うわけであります。それは二人で議論をやっておっても仕方がありませんけれども、ここに私としては河川法の本質を変えたところの矛盾を蔵している、こういうように考えるわけであります。 それから、きょうは企画庁長官が見えませんので、政務次官にお尋ねをいたします。最近地域格差ということを非常にいわれるのでありますけれども、これは自治省の関係で見ましても、再建整備の団体なんかは、おもに山国の県が多いのです。たとえば、この間もちょっと申し上げましたが、私は長野県でありますけれども、全国の水力発電所の約六分の一、一五、六%を長野県で起こしておるわけであります。ところが、これに対して、水利使用に対する使用料というものがあるけれども、これがわずか四億円程度である。日本全国で二十二、三億程度だと思います。ところが、電気ガス税というものがありまして、現在の電気料金は、おそらく日本全国で三千五、六百億上がっておると思う。ところが、やはりこれにも租税措置法の特例を設けて、うんともうけているセメントだとか、あるいは鉄鋼業だとかいうようなものは全部免除している。それでもなおかつ二百億近いところの電気ガス税が上がる。しかもその電気ガス税の上がるところは、裕福な東京であるとか、川崎であるとか、神戸とかである。東京なんかはおそらく四十億以上の電気ガス税が上がっている。そういうように山の中の水が唯一の資源であるところの県に対して水を収奪してしまって、そしてほんの涙ほどの四億ばかり、日本全国で二十億ばかりの金をやって、そして電力をもらってそれがために繁栄しておるところの都市は、すわって腕を組んでおって電気ガス税で四十億も一県で入るという、こういうような矛盾した政策をとっておる。もしこの電気ガス税を発電税に振りかえれば、長野県はわずか十五、六億で再建整備団体になっておるのですが、そんな金は半年に入る。従って、地方税の立て方いかんによって、たちまち富裕県にもなるし、また貧弱県にもなる。つまり、山間の県でもって唯一の資源であるところの水を収奪して、涙ばかりの水利使用料をやって、そしてものすごい災害を与えさせている。おそらく長野県の今度の災害は、下伊那郡だけで、公共土木施設だけで七十何億というような災害が出ているのだから、全部では何百億というような災害が出ていると思います。そこにまたこの水資源開発促進法をこしらえて、そして都会の工業地域の、現在行き詰まっている状態を救わねばならぬ。これは私どもも同じ考えで、どうしてもやらんならぬと思います。しかし、この水資源を活用するについて、いわゆる水資源県に対するところの何らの考慮も払われておらぬ。たとえば、山村地方において総合開発なんか考えてやろうと思うと、たちまち電力会社の水利権にぶつかって、何もできはしない。わずか百町歩くらいの灌漑用水をとろうと思って、あるいは頭の上に水がある、だからそれをちょっと誘導しさえすれば数百町歩が改良でき、飲料水ができると思っても、みな電力会社の水利使用権に握られておって、何もできぬというのが現在の状態です。また、水資源開発促進法並びに水資源開発公団法もこれと同ず結果になるのであって、水資源県に対して、もう少し相当な考慮が払われるべきと考えるのであるけれども、それについて、この法案作成の過程において、そういうことが議論されたことがあるかどうか、この点についてお伺いしたいと思うわけです。
○菅政府委員 御承知のように、この法律は、人口の増大や工業の非常に発展をしております水の需要地の需要を急速に満たすことが主眼になっておりまして、お話のように、やはり主眼がそういう工業都市の用水供給ということに置かれておることは間違いございませんので、そういう意味におきまして、もちろんこの基本計画の策定その他におきましては広域的な対策を立てるようになっておりまするし、また治山治水の面も考慮を払わねばならぬという規定もございまして、水源県のことを全然顧みぬということではございませんが、力点は、今申し上げましたように需要都市の用水確保が重点になっております。従いまして、お話のように、水源地域におきまする後進地帯の開発をこの法律でやるというわけにはなかなか参りませんが、それはその他の諸般の法令やあるいはいろいろな行政全般の措置で、やはりそういう水源地常の後進地域の開発を考えねばならぬ。この法律では十分手が回らぬことは御指摘の通りでございますが、全体の政治の運営でやるよりほかないのじゃないかと思うわけでございます。 なお、発電所の問題などにつきましても、おっしゃいますように、水利料が非常に少のうございますが、そのほか若干の固定資産税も取れるようになっておりますけれども、それにしましても、非常に報われるところが薄いという全体の趨勢は免れぬと思いますから、こういう上流の後進地域の開発につきましては、この法律でなくて、全般的な政治行政の措置で取り計らうよりほかないと考えておる次第でございます。
○中島(巖)委員 そこで、話はちょっと横道に入るかもわかりませんが、ちょうどきょうは企画庁の政務次官が見えたので、この水資源の開発と関係しまして、水資源県に対して、何とか企画庁なんかが中心になって考えていただいたらいいと思うのです。それは、電気ガス税の話になりますけれども、電気ガス税をまるまる取れば、三百五、六十億の金が入るわけなんです。あの法律が成立しましたのは、たしか昭和二十一、二年ごろだと思いますけれども、当時セメントであるとか鉄であるとか造船業であるとかいうのは非常に不振なときでありましたので、それで、日本経済の発展のために、これらのものに対しては電気ガス税を免除する必要があるというわけで、十何品目かなんかに対して免税措置をとった。ところが、その後の経済の情勢は違って、セメントなんか三日といわれて、三割、四割の利益を出して、五十円株が三百円、五百円しておる。こういう情勢に、造船業においても製鉄業においてもなってきておる。従って、これらにも課税すると、今の二百億のやつが三百数十億になるわけであります。その三百数十億を、これは市町村税になっておりますけれども、これを国が全部吸い上げて市町村税を全部撤廃すると困るとすれば、そのうちの若干はそういうような富裕県へ回すにしましても、重点的に水資源県の方へ回しますれば、長野県であるとか福島県であるとかいうような、こういう地財法の適用を受けておる県が、一躍して裕福な財政になって、治山治水の方面にも十分金が使える、こういう結果になるのです。従いまして、水資源開発公団法をこしらえられて、現在窮迫しておるところの都市の水資源を供給されることもけっこうでありますけれども、ただいま政務次官の言われた言葉について、これではなしに別途に考慮されるとすれば、この電気ガス税に手をつけていただければ、これはもう立ちどころに水資源県の貧弱な県が相当の財源を得て、治山治水方面に、もっと大きな効果をあげることができる。これはぜひ一つ企画庁でお考えになって、自治省なんかと御折衝を願いたいことを希望いたしておきます。 それから、第二の問題として、政府も与党もこの法案の成立を急がれておる以上は、この法案が成立すると直ちに公団の設立、あるいはこの公団を取り扱う窓口、そういうようなものをすでにお考えになっておるだろうと思うわけです。それに対して、この水資源関係の事業を取り扱う窓口に対しては、どんなような行政上の機構を考えておられるか。それから、公団に対しては、この法律が成立すれば六カ月以内に発足せねばならぬことになっておりますけれども、公団に対して政府の構想はどのような構想をお持ちであるか。この二点についてお伺いいたしたいと思います。
○菅政府委員 この両法案に基づいて始まりますいろいろな業務につきましての窓口は、経済企画庁が担任をいたすように相成っておりますことは御承知の通りでございます。内閣総理大臣において重要な公団の人事その他の管理をやられますが、たとえば財務などは企画庁長官に委任をされることになると思いますし、そのほかいろいろな計画の調整、調査の調整などは明文によりましても企画庁長官が担任することになっておりますから、そういうことに基づきまして窓口は経済企画庁が担任をいたすことに相成っております。 なお、予算折衝はこれから始まるというこの段階でこういうことを申し上げるのはいささか早計か知りませんが、相なるべくは、水質保全の行政事務はすでに企画庁がやっておりますから、この関係の業務とあわせまして水資源局とでもいうようなものを経済企画庁に設けまして、そこを事務的な窓口にいたしたい、こういうふうな腹案を持っておるわけでございます。 なお、公団の問題につきましては関係局長からお答えいたさせます。 なお、さっきお話しになりました租税体系の上で全国の均衡をとるように配慮をせよというお考えにつきましては、十分考えてみたいと思っております。電気事業、ガス事業等がだんだん繁栄をいたすわけでありますから、租税特別法におきます特別措置はだんだん減じていくようにして参りまして、その面からの増収が逐次はかられますとともに、水源地帯の方におきます貧弱、と言っては失礼でございますが、貧弱な県に対しては交付税がそれだけだんだん増していくというようなことになりましょうから、そういう大きな資金の環流の過程におきましてはだんだんそういう傾向になると考えるのでございますが、ただ、お話の電気事業に対する課税について、発電地域における発電課税の考えをとったらどうかというお考えにつきましては、これは租税以上の重要な問題でございますから、私の方の主管でもございませんのでお答えができませんが、十分関係方面とともに研究を進めたいと考えておる次第でございます。
○曾田政府委員 公団の性質等につきましてお答えいたしたいと思います。御承知のように、公団法におきましては、法律の施行期日を、公布の日から起算いたしまして六カ月をこえない範囲内において政令で定める日から施行するというふうに規定されておるわけでございます。このことは、要するに水資源開発促進法の成立に伴いまして、水資源の開発の水系の指定、それから基本計画の作成という二つの大きな仕事があるわけでございまして、公団の事業内容は基本計画に基づきまして定まるというような関係上、この法律が成立いたしましても、基本計画の策定等に準備を要します関係上六カ月という期間を設けてあるわけでございます。現在私どもといたしましては、関係各省にいろいろ照会をいたしまして、できるだけ早く基本計画の素案と申しますか、そういう案を作りまして、この両法案が通りました暁におきましては、できるだけ早い機会に水資源開発審議会にかけまして、一応基本計画の策定をお願いするという考えで準備を進めております。
○二階堂委員長 西村関一君。
○西村(関)委員 私のこれからお尋ねしようと思います問題点は、若干ほかの委員からお尋ねになりました点と重複する面があるかもわかりませんが、御了承をいただきたいと思います。なお、主としてこの法案に直接利害関係のございます上流地帯にある農漁民の立場を代表いたしまして、若干の質問をいたしたいと存じます。 本法案が策定せられるにあたりましては、水資源の総合的な開発及び利用の高度化をはかるということが目的でございますが、法案の骨子といたしまするところは、下流の工業地帯の利益が重点になっておるかのごとく思われるのであります。水源地帯の住民の福祉の増進というような面から水源の保全涵養という面につきまして、これをおろそかにいたしまするならば、下流の工場地帯の利水の問題も十分に目的を達することができないということは言うまでもないわけでございまして、開発基本計画の策定にあたっては、水系全体について均衡のあるところの開発、発展という点に十分な留意が払われなければならないことは申すまでもないと思うのであります。その点につきまして、案文を見ますると、水源地帯の保全涵養という面に若干欠くるところがあるように思われるのであります。特に河床の浚渫でありますとか、堤防の増強でありますとか、あるいは砂防計画でありますとか、造林計画でありますとかいうような面に対して、政府はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。その点についてまず最初にお伺いいたしたいと思います。
○菅政府委員 水系全般にわたります総合的開発ということに相なりますと、もちろん今おっしゃいましたように、上流地帯におきまする水源の涵養とか保全とかいうようなことは非常に重要なことだと思うのでございます。そういう意味での砂防とか治山とかいうような仕事は国全体としてすこぶる重要と考えるのでございますが、しかしながらその仕事は、あるいは建設省、あるいは農林省御所管の砂防、治山事業というものもあるのでございまして、そういう砂防ないし治山治水事業と、この本法に規定をいたしますところの水源の開発がどういう関係になりますかということは、非常に微妙な問題でございます。本法の定めましたところによりますと、治山治水に関しましては水資源開発の仕事は十分考慮を払わなければならぬということにはなっておりますが、その本来の仕事はやはり建設省が中心になってやるという建前でございまして、この水資源開発計画におきましては、ここに書いてございますように「水の需要の著しい増大が見られる地域に対する用水の供給を確保するため、」という、これが第一条にある目的であります。そのために、はからうものでありまして、こういうもののための水資源の開発、そういう考えが中心でございます。従いまして、もちろん水源の涵養保全につきましても考えぬではございませんけれども、主としてここで言いまする開発は、ほっておけばそのまま流れてしまいます単なる自然水の状態にあるものを、いつでも工業、上水、あるいは、農業利水等に利用し得る状態に置くという、そこに重点を置いておりますので、やはり治山治水方面は主として従来の治山治水の系統でやっていただき、こちらはそれを十分考慮に入れるという、こういう法の立て方になるものと考えておるのでございます。もちろん十分考慮を払いますし、それから水系全体に対する開発計画でございますから、無視はいたしません、尊重はいたしますが、主たる治山治水の事業、ことに上流の砂防、治山等は、従来通りの建設省もしくは農林省のお仕事が主たる御分担になろうと考えておる次第でございます。
○西村(関)委員 ただいま次官の御説明は承るまでもなく、所管の分野というものはおのずから明らかであると思うのでございます。しかし「都市人口の増加に伴い水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給を確保するため、」とあります、この目的を達するためには、ただ自然のままの、ただ流れておるところの水を有効に利用すればよいという考え方じゃなくて、やはり高度な総合的な計画がなされなければならないことは、今、次官もおっしゃった通りでありますが、これは所管が違うからということでなくて、むしろこの法律の画竜点睛の実をあげようとするならば、やはり水源地帯の保全涵養ということをおろそかにしては、最も水を必要とする下流の工業地帯に対する供給も、常時しかも過不足なく十二分に用を達することもできないということが考えられると思うのであります。これは各省間における緊密な連絡をとられるという、行政的な措置において解決ができる問題であるとおっしゃればそれまででございますけれども、やはり法律の中に水源の保全涵養ということがうたわれてこそ、初めてこの法律の目ざしておるところの目的が達成せられるのではないかと思うのでございます。なるほど著しく水が必要であるという地域の用水を確保する。そういうことのために「特定の河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の促進を図る」ということでありますから、あくまで上流地帯の水源地帯の水資源の保全涵養という面が、何らかの形で法文の中に明らかにせられるということが必要ではないかと思うのであります。その点につきまして政府の御見解はいかがでございますか。
○菅政府委員 ただいま申し上げましたように、第四条の第三項に、「基本計画には、治山治水及び電源開発について十分の考慮が払われていなければならない。」ということになっておりまして、この基本計画の作成に治山治水の面も十分に考慮をいたします。場合によりましたならば、計画の中にそういうことを書き込むことがあるかもしれません。決してこれを忘れておるのではございません。しかし、主たる所管が建設省でございまして、治山治水十カ年計画というものがあるものでございますから、もちろんそれと矛盾をいたしませんことはもとよりのこと、あるいは若干重なる意味において基本計画に書き込むことがあるかもしれませんが、やはり主たるねらいのところといたしましては、第一条のこういう書き方でおっしゃいますような意味は大体含まれておると私どもは解釈して、こう規定いたしておるのでございます。
○西村(関)委員 その点が若干議論の分かれるところだと思います。建設省の所管でありましても、たといほかの省の所管に属する、農林省なりの所管に属することでありましても、やはり法文の中に、そのような、今の御指摘になりましたような点がございますが、目的の中にそういう点が明記せられることが望ましいということを、上流の農民の立場から考えまして、そういうことを申し上げておるのでございまして、その点は重ねて御答弁をいただこうとは思いません。今の御答弁でけっこうでございますが、そういうこともなお十分に御留意をいただきたいということをお願いする次第であります。 なお、水系の指定につきまして、基本計画、事業実施の方針を決定する場合において、関係行政機関の長に協議しなければならないとございます。関係行政機関というのは、やはり各省の責任者、大臣ということであろうと思いますが、同時に上流地帯にありますところの府県知事の立場というものも、基本計画を立てる場合においては、特に施設の管理方針を定めて公団に指示するといったようなこともございますから、こういう点につきましては、やはり関係都道府県の知事の意見というものを尊重しなければならぬと思うのでございます。この点につきまして政府はどういうふうにお考えになっておりますか。
○菅政府委員 ただいまの点でございますが、その趣旨は全く同感でございまして、そういう意味において関係条項がそれぞれきめられておるのでございます。この基本計画を策定をいたしますとき、主務大臣が関係の知事の意見を聞くことになっております。あるいはその前提であります主務大臣がこれに基づきまして公団に事業実施方針を示します場合にも、またそれに基づきまして公団が事業実施計画を策定をいたしますときにも、関係知事の意見を尊重する意味におきまして、この主務大臣の実施方針の指示については地方の知事の意見を聞くことになっておりますし、公団の実施計画策定につきましては公団が知事に協議をする、こういう規定を置いておるわけでございます。多少そういう意見を聞くとか協議をするとかという立て方、表現は違っておりまするが、いずれにいたしましても関係知事の意見を重んずるということが、こういう実施方針を授ける場合、あるいは計画を立てる場合等における一つの重要な要件になっておるのでございます。
○西村(関)委員 この促進法の第四条であります。第三条は水系指定についてでございますが、第四条の基本計画につきましては、水系指定に関連をもちまして基本計画というものは三十七年度においてはどのようにお立てになるお考えでございましょうか。また、第五条にございます基本計画の内容につきましては、どの程度の作業が要求されておるわけでございましょうか。水資源開発基本計画ができるまでは、公団は全く仕事ができないというわけのものでございましょうか。その点どういうふうな進捗状況になっておりますか、お考を伺いたいと思います。
○曾田政府委員 第四条の水資源開発基本計画、また第五条の基本計画の内容の問題あるいはその進捗状況のお尋ねでございますが、御承知のように、公団は水資源開発基本計画におきまして公団が実施するものと定められた事業を行なうわけでございます。この基本計画につきましては、第五条に書いてございますように、水の用途別の需要の見通しと供給の目標というのが一番大きな問題ではないかと思います。たとえば利根川について申し上げますと、利根川にダムを作りまして、あるいは河口せきを作りまして、その水を農業用水あるいは工業用水、上水道、下水道、それぞれにどの程度振り当てるかというような問題が出て参るかと思います。第二号におきましては、この供給の目標を達成するために必要なダムとか河口せきあるいは幹線水路の建設に関します概要というものを記載することになると思います。第三号におきましては、「その他水資源の総合的な開発及び利用の合理化に関する重要事項」というようになっておりますが、現在の段階におきましては、企画庁といたしまして、各省に、特に供給の部門につきましては主として建設省あるいは農林省というふうな方面に照会をしております。それから、需要の面につきましては、通産、厚生、農林という、それぞれ利水三省におおむね十カ年程度の目標でその需要量の想定を照会しておるわけでございます。また、いろいろ非常にむずかしい問題がございまして、まだ最終的なといいますか、素案の程度にも至っておりませんけれども、私どもといたしましては、できるだけ早く固めまして、設立を予定されております水資源開発審議会その他関係都道府県知事等の意見を聞きまして、この基本計画の案を作っていきたい、かように考えております。
○西村(関)委員 いつごろできるお見込みですか。
○曾田政府委員 各河川の事情がいろいろ違うわけでございますが、大体今のところとりあえず指定をいたしたいという河川は、利根川と淀川水系を考えております。この二カ川について基本計画を作るわけでございますが、たとえば利根川について申し上げますと、利根川の全部につきましての水の需給計画というものは相当困難でございまして、とりあえず先ほど申し上げましたある一定の期間内のものを続いて考えておりますが、大体今の目標といたしましては、今年内に最小限度一回程度の審議会を開きまして、おそくとも年度内には基本計画を決定いたしたいというふうに考えております。
○西村(関)委員 もう少し具体的に、淀川水系なり利根川水系について、どの程度までの基本計画が進んでいるかということをお答え願いたいのです。ただ関係各省から資料を集めておるという程度では、今おっしゃったように、今年内に審議会を開いて出すということが間に合うかどうか。その点がどのような状態にまでなっているのか。淀川水系についてはどう、利根川水系についてはどうというふうに、具体的にお答えをいただきたい。
○曾田政府委員 利根川について申し上げますと、供給関係は、建設省の方でダムあるいは利根川本川の河口せき、そういうものを考えておりますが、大体四十五年度におきまして日量約七百万トンという水を新しく開発するというような計画が一応出ております。 それから、需要の関係でございますが、これは実はまだそれぞれ各県の要望等も各省でとっておりまして、いろいろまたその点を査定しておるようでございまして、まだ最終的な数字は出ておりません。特に率直に申し上げますと、農業用水でございますが、この関係が、実はこの十カ年内にどの程度の新規改善といいますか、あるいは畑地灌漑、そういうものを認めていいかという点がはっきりいたしませんので、具体的な取りまとめが終わっておりませんが、特に利根川につきまして、いわゆる利根川特定地域開発計画といいますものが国土総合開発法に基づいてできておりまして、その中に農業用水の見通しというものがあるわけでございます。これはおそらく最小限度の農業の新規需要じゃないかと思いますけれども、その程度の農業需要を考えれば、先ほど申し上げました利根川につきます建設省の供給量というものと、灌漑用水、工業用水あるいは上水道用水の需要の量というものは、大体見合うのではないかというふうに考えられるわけでありますから、大きな問題はやはり農業用水でございまして、この見方によりましてはまたいろいろ需要なりあるいは供給の量の——もう少し供給の量をふやすべきじゃないかという議論も出てくると思いますが、そういう点まだ固まっておりませんので、今各省と鋭意折衝中でございます。
○西村(関)委員 今の利根川水系につきましては、工業用水と農業用水とのパーセンテージはどのくらいと考えておられますか。
○曾田政府委員 先ほども申し上げました利根特定地域開発計画という計画に盛られております最小限の農業用水の新規需要といいますものは、これは毎秒で申し上げるとちょっとおわかりにくいかもしれませんが、毎秒三十四トン、それからそれ以外の工業用水、上水道といいますものが大体四十一トンでございますか、そういうことになります。
○西村(関)委員 比率を伺いたいのです。
○曾田政府委員 大体四割が農業用水になっております。
○西村(関)委員 今おっしゃったのは新規の需要ですね。私の伺いたいのは、従来から農業用水として利根川水系からどのくらい使っておったか。その分を工業用水にどの程度さこうとしているか。この比率ですね。従来は九〇%までは農業用水に使われていると思うのです。それが今度の計画においてどの程度まで農業用水をさいて工業用水に振り向けるか、こういう点を伺っているわけです。 〔委員長退席、松澤委員長代理着 席〕
○曾田政府委員 先ほど申し上げましたのは、新しい用水なりあるいは工業用水の需要の問題でございます。現在の農業用水から持っていくという意味じゃございませずに、先ほど言いましたダムを作り、河口せきを作り、それによって得まする水を配分するというような考えでございます。
○西村(関)委員 その点はわかるのですが、しかし水の一定量はきまっている。ダムを作り河口せきを作ることによって、今までむだに流れておった水を有効に使うという計画だということもわかりますけれども、水の一定量というものはきまっているのですから、その点農業用水に事欠くような計画が立てられるということについては、やはり農民の立場からすると困る。こういう点が問題になると思いますので、そういう点について、計画の樹立に当たる当の局長のお考えですね。そういう点についての配慮、こういうことについて私は伺っているわけですが、その点いかがですか。
○菅政府委員 利根川のことについて申しますと、御承知のごとく昭和五十年には今の開発利用水量の三倍以上を確保するつもりでございまして、利根川の百三十五億トン流れております水、現在一二%しか利用されておりませんのが、昭和五十年度には三九%まで利用する計画に相なっておりますから、十分新開発量がございます。この上流地方の農業利水ばかりでございませんが、既得権益を侵さない。また、新しい開発もできるだけ配慮する、新しい利水にもできるだけ貢献するという考えでございますので、今御主張のようなことは十分尊重する方針でございます。なお、具体的に河川局の方で数字をお持ちでございますから、お答えいたします。
○鮎川説明員 政務次官からお答えになりました通りでございますので、現在の利根川が利用いたしております量は約百三十五億トン、それを一二%程度利用いたしておるのが現状でございます。そういう程度の水でありますと、渇水時に際しましてもいろいろ困った問題が出て参りますので、今度の計画におきまして、需要量その他につきましては企画庁の方で各省関係取りまとめて出されるわけでございますが、それに即応いたしましてダム、河口せきあるいは湖沼の開発をいたしまして、その利用率を先ほどお話しになりましたように約三九%程度、これは昭和五十年の一応の目標でありますが、流量といたしましては五十一億トンくらいの流量を確保いたしまして、そして新しい需要につきましてはもちろん、既得水利につきましても、従来渇水期に困っておりましたが、そういうものに対しましても、この開発によって得た水を放流いたしたいと考えておるわけでございます。
○西村(関)委員 利根川水系の基本計画につきましては一応了解をいたしました。 淀川水系については、基本計画がどの程度に具体的に進捗しておりますか、お伺いいたしたい。
○曾田政府委員 淀川につきましては、建設省の供給計画案といいますものを一応きめておりますが、現在工事中の高山ダムとかいろいろございますが、そういう一群のダムと、それから琵琶湖の開発あるいは下流の未利用水の利用というようなものを考えまして、大体日量四百六十万トンであるという供給計画を一応持っております。 需要の面につきましては、特に農業用水につきましては、滋賀県の場合におきましては、農業用水に使いましても琵琶湖に還元するというような事情もあるようでありまして、特に特別な要望はないと存じております。従いまして、主として問題になりますのは、工業用水と上水ということを考えておりますが、先ほど申し上げました建設省の供給計画に大体マッチした需要量が現在のところ各省から出ております。
○西村(関)委員 農業用水は琵琶湖に還元すると言われたのは、ちょっと私にはわからないのです。滋賀県の場合には農業用水に問題はないと言われるのは、どういう意味ですか。
○曾田政府委員 農業用水に使いました場合に、末流が琵琶湖に出るわけでございますが、それは一応あの周辺の農業の場合におきましては、当然琵琶湖にまた戻ってくるというような関係で、新規にはそう大きな量は要らないんじゃないかということを聞いております。
○西村(関)委員 それは、琵琶湖を流れる河川にダムを作ってやるという御計画の上に立ってのお考えでございますか、琵琶湖の北湖と南湖とを分けて締め切りを作るという建設省の案を骨子としておっしゃっておられるのですか。どちらでございましょう。
○曾田政府委員 お尋ねの後段の、建設省が考えております南湖と北湖の間を締め切るという案で申し上げております。
○西村(関)委員 北と南とに締め切りを作ります場合に、北湖の水位を下げて南湖の水位を上げる、そしてこれを下流の淀川に流す、こういう大体の計画のようでございますが、その場合に北の湖の水位が下がるということによって当然沿岸の地下水に影響をきたす、そうなれば農業用水に事欠くという状態が起こることは必然でございます。今、局長の言われたようなこととは、逆の現象が起こってくるということに対しては、お考えになっておられないのですか。
○曾田政府委員 琶琵湖の南湖、北湖の間を締め切りまして、北湖の方の水位を下げるという場合におきましていろいろな影響があるかと思います。今お話の地下水がなくなるとか、あるいは今までの農業の取入口のままでは水が取れない。取入口を下げるとかなんとかして改良しなければならない。そういう問題が当然起こってくると思いますが、それにつきましてはそれ相応の補償工事、たとえば井戸水がかれる場合におきましては簡易水道を作るとか、いろいろ補償的な工事が要るのではないかと考えております。
○西村(関)委員 御答弁は最初の、農業用水として還元すると言われた点とは若干食い違うように思う。北湖の場合においては還元どころか、非常な農業用水に欠乏をきたしてくるという実情が起こってくるのです。今、局長の言われた通りなのですが、そういうことは補償の問題だけで簡単に片づけられる問題ではない。これは沿岸の滋賀県の農民の死活に関係する問題なのです。下流の、多数の水を要する地帯の水を確保するという大局的な目的のためには、滋賀県の農民も犠牲を甘んじて受けなければならない、こういう理屈は成り立たぬと思う。やはり事実、締切案によって滋賀県の農民がどれだけの影響を受けるかという点について少し御検討が足りないのではないかと思うのです。 それから、下流の水を利用する計画の中で、堺の臨海工業地帯の造成について、やはり琵琶湖の水をその計画の中に入れておられるのかどうか、そういう点もあわせてお伺いいたしたい。
○鮎川説明員 まず第一の問題は、曾田局長からお話がございましたように、補償で解決する問題が相当あるかと思います。また、建設省といたしまして、琵琶湖の締め切りの問題については、一応試案程度でございまして、まだ中身が固まっている段階ではございません。今後そういう案でやった場合にどういう影響があるかということを、漁業の面、農業の面、その他いろいろの面を調査いたしましてから、そういう点は考慮しなければならないというふうなことを考えておるわけでございます。 それから、第二の御質問でございますが、阪神地区におきます水の需要の中身の問題でございまして、私どもといたしましては阪神地区におきます工業用水道、水道用水、こういうものの総合したものがかりに昭和四十五年といたしますと、四十五年にどの程度必要であるか、また緊急に昭和四十年ごろにはどのくらいあるかということを勘案いたしまして、まず緊急な用水につきましては緊急に開発できるものを充てる。たとえて申しますと、長柄可動堰のかさ上げによって、あるいは現在工事いたしております高山、宇陀川、青蓮寺のダムがございますが、そういうダムの建設を急ぎまして、そういう水を供給する。しかし、将来にわたりましては相当の水の量がございますので、その際には琵琶湖の水を開発して全体の需要を満たしたらどうかというふうに考えておるわけでございます。従いまして、先ほどのお尋ねは、阪神工業用水道の中の需要の中に含まれておるわけでございますが、それを琵琶湖でいくか、あるいはどこの水でいくかということは先ほど申し上げた通りの内容になっておるわけでございます。
○西村(関)委員 阪神全体の計画については、ほかの水系も考えられると思いますが、私の特に指定して申しましたのは、堺市の臨海工場地帯、これがもうすでにどの会社にはどこ、どの会社にはどこという工合に区分までせられて具体的な計画が載っておるのでございますが、水の計画については、これは琵琶湖の水をあてにしておる、こういうことがいわれておるわけです。政府の御答弁によりますと、まだ琵琶湖の計画については締切案にするか、あるいはしないかということも煮詰まっていない、こういう御答弁でございますが、水の計画も十分立たないのに、一方においてどんどん下流の工場地帯を進めているということは、若干そこにそごする点が出てきやしないか、こういう点について具体的に伺っているわけなんです。特に滋賀県の琵琶湖の水は、これは何も滋賀県の専有物でございません。やはり国の利益のために、国の産業の発展のために開発せらるべき性質のものだと思いますが、同時に長年水によって生活をしているところの琵琶湖の周辺の滋賀県の住民の福祉というものもあわせ考えなければ、国の政治というものは全うされないと思うのでございます。それらの点、私が質問をして参りますと、まだ十分計画が煮詰まってないというふうにおっしゃる。それならば、上流の淀川水系を開発するという基本計画の中で、どのように政府は考えているかということを一番知りたがっているのは、上流の住民であります。そういう点がまだあいまいもことしている状態では、安堵して生活することができないという立場がやはり生じてくると思うのです。そういう点、もう少し明確に次官からお答えをいただきたいと思うのです。 〔松澤委員長代理退席、委員長着 席〕
○菅政府委員 ただいまこの法案を提出しておる過程でございまして、将来の開発計画を考えてそれぞれの官庁がいわば予備調査と申しますか、いろいろやっております。いよいよこの法案が通りましたならば、促進法第二条の基礎調査にかからなければならぬのでございます。もちろん基礎調査におきましては、過去の調査の実績を取り入れます。また、特に国が権威を持って行ないました国の調査の結果を尊重しなければならぬという方針でございますから、今やっておりますのは十分活用いたしますが、しかし、基礎調査となりましたならば予算も相当とり、また相当の努力を集中いたしまして、迅速にこれをやる決心でございます。それに基づきましていろいろな計画の準備をすることになるわけでございます。ただいまのいわば予備調査と申しますか、この段階では必ずしも十分にできておりませんが、そういう実情でございますので、御了承をいただきたいと思う次第でございます。
○西村(関)委員 この点、私もこれ以上お尋ねしないことにしたいと思いますが、一方においては水資源の問題がまだ明確に計画が立っていないのに、工場地帯がどんどん造成されていく。こういうでこぼこを是正しながら、両方にらみ合せながら総合的な基本計画を立てるというのがこの法案の趣旨だと思うのです。そういう点、行政の指導の面においてなお格段の御留意を願いたい、こう思う次第でございます。 次に、第六条に「総理府に、附属機関として、水資源開発審議会を置く。」ということがございますが、この審議会のメンバーにつきましては、どういう顔ぶれを予想していらっしゃいますか。もちろん具体的に個人の名前等はまだその段階ではございますまいが、どういう階層のどういう人をこの審議会のメンバーにしたらいいというふうにお考えになっていらっしゃいますか、この点をお伺いしたい。
○曾田政府委員 水資源開発審議会の委員にどういう方を考えておるかという御質問でございますが、われわれといたしましては、いわゆる学識経験者、学者あるいは各産業の代表の方、そういう方々を考えております。
○西村(関)委員 各産業の代表者の中には上流の農業関係の代表者もお加えになるというふうに理解してよろしいですか。
○曾田政府委員 この審議会は、要するに全国的と申しますか、相当大きな立場から、政府の意見が独善的にならないように、また全国的な視野からいろいろ御審議を願う機関でございまして、特に特定の地域の代表の方を委員として選ぶかどうかという問題は慎重な検討を要する問題じゃないかというふうに考えております。
○西村(関)委員 今の局長の御答弁は私の質問を誤解していらっしゃる。私は特定の地域の代表を入れろということを言っているのではないのでありまして、最初から申し上げておりますように、上流、下流の双方の利益が相反しないように、両々相待って国の利益が増進されていくような立場からこの法律が効果を発していくことを望みまするがゆえに、そういう立場から質問を申し上げておるのであります。ですから、特定の地域の特定の代表というのではなくて、この法案には上流の関係というものが全体として——これは地域々々じゃなくて全体としてあるのでありますから、その上流の住民の利益を代表する主として農民、そういう側の代表、これは全国的な農協その他の機関もあるわけでございますし、あるいは学識経験者の中には農業専門の人もおるわけですから、そういったような点についても各産業の代表者あるいは学者、学識経験者と言われました中に、そういう点を配慮していただく用意があるかどうか、こういう点を伺っているのです。これは一つ次官からお答え願いたい。
○菅政府委員 十五人の委員でございますが、今御指摘のような工業用水、農業用水あるいは上水道用水等、いろいろ利用の面が分かれておりますから、そういう関係のあります業態の代表はできるだけ入れたいと考えております。たとえば農業利水の面を十分代表し得る人は当然入れなければならぬと思います。その際に上流、下流の利害の反発するものもございますので、上流水源地方面の立場も十分わかるような人、そういう人を委員に加えるように努力をいたす決心でございます。 なお、今お話のように、これは一つ設けまして、全国の次々に指定されます各水域のどの問題も処理するわけでございますから、特定の地方の利害代表という形の者は審議会の委員にはとりにくいと思います。ただし、ここに専門委員という制度がございますが、これは臨時の職員でありまして、いつでも取りかえることができるのでございますから、たとえば淀川水系の問題を審議します際には、この御関係の方を臨時に専門委員に御委嘱をするような手続をとることになると思うのでございます。
○西村(関)委員 次に、第十一条でございます。第十一条には、国土総合開発計画と電源開発基本計画との関係がうたわれておるわけでございます。この水資源開発の問題は、やはり国土総合開発の主たる目標が水資源の開発にあると思うのです。その点重複する面も出てくると思います。こういう点につきまして、国土総合開発法と水資源開発促進法との関係、あるいは電源開発促進法との関係、これはやはり水資源開発をすることによって電力を開発するという法律でございますから、二つの法律は本法案を密接な関係があるわけでございます。そういう点については「内閣総理大臣が国土総合開発審議会と審議会の意見をきいて行なう」、あるいは電源開発基本計画についても、その調整は「内閣総理大臣が電源開発調整審議会と審議会の意見をきいて行なう」ということがうたわれておるのでございますけれども、非常に基本的に相ダブる面がたくさん出てくると思うのでございます。こういう点の調整は、総理大臣にゆだねられておるというわけでございますけれども、何だかそういうことだけでは、どちらが国土総合開発の領域であるか、どちらが電源開発の領域であるかということについて、かなり混乱が起こるかもしれないという心配がこの法案だけではするのでありますが、この点については政府はどういうふうにお考えになっておりますか。
○菅政府委員 国土総合開発計画と本法の基本計画との関係は、相反発する関係ではございません。国土総合開発計画は日本の全国の領域にわたりまして、国土開発のきわめて基本的な部分を策定をいたすのでございまして、そういう意味で地域が全国的であるということと、経済、社会、文化、各方面にわたりましてのきわめて広範な総合的な計画でありますのと、もう一つはきわめて基本的でございます。現在草案といたしまして、関係のところにお配りをして意見を徴しておりますが、来年の三月までに国土総合開発計画をまとめたいと思っております。すでにごらんになったことと思いますが、ある意味において抽象的と申しますか、計画を策定するいろいろな方針、心得、建前というようなものを主として書いておりまして、いわば具体的内容はこれに基づいてできまする地方計画、府県計画の方でだんだん具体化されていくというようなものでございます。従いまして、そういう性格でございますのに対して、本法に基づきます基本計画は、特定水系の水の開発、利用の具体的計画でございます。地域的にも特定水系に限定されておりますし、内容も局地的、きわめて具体的でございます。いわばそういう意味におきまして、本法の基本計画は国土総合開発の大きな中における部分計画あるいは局地計画、こういうふうにお考えを下さればいいかと思うのでございまして、相互に反発する関係ではございません。全体と部分とがうまく調子のとれるようにやらねばならぬという問題は残っておりますが、そういう調整は内閣総理大臣がとります。事務的には経済企画庁が当たるのでございます。 ただし、電源開発計画と本法に基づく計画とは、ほぼ同性格のものでございますので、相反発する可能性はすこぶる多いのでございまして、これの調整は相当専門的にこまかくやらねばならぬと思うのでございますが、建前としましては、電源開発に関します事項は一切本法に基づく計画から除外する、電源開発の系統は別系統でやるという建前に法案がなっておりまして、そういうふうに電源開発に属するものは除くというふうに計画の中にも明示してございますので、はっきりと建前としては二つに分ける、こういう建前を貫いております。これは諸般の条件から考えまして、電源開発は一括してその系統でやった方がいいという考えに基づいておるのでございます。建前はそうでございますが、具体的にはいろいろとその間の葛藤を生ずるおそれがございますから、内閣総理大臣の調整ということでうまくいくようにいたしたいと考えておる次第でございます。
○西村(関)委員 第十二条でございます。「基本計画に基づく事業は、当該事業に関する法律の規定に従い、国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施するものとする。」、こういう規定がございますが、水資源開発公団が行なう事業というものはどういう基準でやらせようというお考えでございますか。これは何か特定の基準によって、この基準に当てはまるものだけは公団にやらせる、そういうことなんでしょうか。あるいはケース・バイ・ケースでおきめになるお考えでしょうか。その点いかがでございますか。
○鮎川説明員 具体的な内容につきましては、基本計画の際に定まってくるわけでございますが、私どもの方で考えております点を申し上げますと、公団の特に建設大臣にかかる事業は、先般来お話がございますように、主として建設大臣が直轄事業としてやっておる内容を考えておるわけでございますが、直轄事業の内容は数府県に利害が関係するもの、あるいは工事費が非常に大きい、建設の技術がむずかしい、こういうものを現在河川法の建前におきましては直轄事業としてやっておるわけでございます。水資源の開発を行ないます場合にも、ほぼそういうような内容を持つものにつきまして公団が行なわれるものというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○西村(関)委員 国の直轄でやっておる事業が公団においてなされるという場合において、国の直轄事業に従事しておる職員の身分というものは公団に移管されるのですか。その点どうなんでしょうか。
○鮎川説明員 現在具体的な内容について申し上げますと、利根川の上流に矢木沢ダムというダムを建設いたしておるわけでございます。これは直轄の事業でやっておるわけでございます。この事業をかりに公団が引き継いでやるということになりますと、これにつきましては、その職員の問題、あるいは財産管理承継の問題等があるわけでございますが、もし基本計画その他によって内容がきまりました場合には、それについて特別に法律の規定が要るかと思っております。その際に身分関係その他についても考えるわけでございますが、原則的に申し上げますと、直轄の事業は国家公務員として一応実施いたしておるわけでございますが、公団で事業をいたしますと、公団職員として事業を実施するわけでございます。身分が変わってくるわけでございます。事業の承継に伴って現在の職員がどの程度公団に移り、あるいは国の直轄事業をさらに続けるかという点につきましては、具体的な内容その他全体的な立場からいろいろな点でただいま検討中でございます。
○西村(関)委員 そういう点につきましてただいま検討中だという御答弁でございますが、国の直轄事業に従事している公務員の立場からいたしますならば、自分の身分に関する問題でありますから、どうなるだろうということで、非常に不安な気持になるのは当然だと思うのであります。そういうことは、ただ利根川だけではなくて、淀川水系においても、また今後指定されるであろうところの各水系においても、同じような問題が起こってくると思う。これは一つの大きな問題であって、その点についてただいま検討中だとおっしゃるから、これ以上のことを伺ってもいたし方がないかもしれませんけれども、非常に大事な問題だと思うのです。身分の保障について、またこういう公団に移行するといった機会に、あるいは人員整理をするとか、あるいは不利な配置転換をするとか、そういったようなことがあってはならないと思う。そういうことについての次官の心がまえはどうでございますか。
○菅政府委員 身分の公団への移管が起こります場合、もちろんその場合に関係者を不当に処遇しようという考えはございません。従来これに似たような、政府の身分と公団の身分と引き継ぎます際にも、決してそれを首切りに利用したり、あるいは待遇を落とすことに利用したりすることは、原則としてしなかったことと思いまするし、給与の点などについても、若干上がる傾向がむしろ多いのじゃないか。また、この規定にもありますように、本公団の役職員は公務員に準ずる地位を持つことになっておりますので、また給与につきましても厳重な監督をいたしておりますから、決して不遇になるようなことはないようにする決心でございます。
○西村(関)委員 この事業を実施する場合において、公団をやらせる場合は、都道府県にまたがるもの、あるいは同一県内にあっても、下流を含むところのほかの利益が含まれるところのものは公団にやらせる。それから、県内だけの利益のものは国もしくは県営、団体営でやらせるというようなお考えのように今伺ったのでありますが、そういう点につきまして、今の公団にやらせる場合はともかくといたしまして、現在行なわれておりまする土地改良区との関係、土地改良法による事業と、団体営でやらせる事業、あるいは県でやらせるところの事業との関係は、一体どうなるのでございましょうか。
○菅政府委員 ちょっと、今、西村委員のおっしゃいました点につきまして、必ずしも二県以上にわたる仕事のみ公団がやるという考えではございませんので、そういうものが根幹にはなりますけれども、それに付随しておる事業で一県内、たとえば農業利水などに多いと思いますが、従来それぞれの機関がやっているものもこの総合事業の一部で施行した方がよいものはこちらに移管してやることになる場合があると思うのであります。
○西村(関)委員 この法案の十二条によりますと、「国、地方公共団体、水資源開発公団その他の者が実施する」となっておりますね。だから、いろいろな事業主体ができるわけであります。今、次官の仰せになりました開発公団にやらせるものにつきましては一応の考えを承ったわけでありますが、ここにございます国がやる場合、地方公共団体がやる場合、「その他の者」というのはおそらく団体営のことだろうと思いますが、これは一体具体的にはどういうものにやらせるか。また、こういう区分をせられた以上は、どういう基準によってそれを適用なさるか、こういう点を伺っているわけです。
○菅政府委員 お話のように、この開発計画全体は総合的に考えますが、中には、公団がやるものがおそらく中心にすわると思いますが、それに付随して、たとえば従来国がやっていたものは国の計画としておき、地方公共団体がやっているものはそれとしてあると思います。「その他」というのは、おそらく土地改良区その他の県営、市町村営にあらざる団体のやっておりますものを含んでいるだろうと思いますが、たとえば土地改良区のごときであります。そういうふうに考えるのでございます。
○西村(関)委員 従来の土地改良区のやっている事業はそれをそのまま事業に指定する、こういうお考えなのですか。私の伺っているのは、従来の土地改良組合法によるところの事業形態がございますね。それと本法案による事業形態との関係は一体どうなるのか、そういう点なんです。これはこの中に吸収してしまうというのですか。
○菅政府委員 従来土地改良区の関係などでやっておられます小規模な灌漑排水事業などは、これは公団が中に取り込んでやるということは必ずしも考えておりません。そういうものは従来通り尊重いたすことが原則だと思うのでございます。ただ、開発計画全体といたしまして、たとえば水の需要供給の全体の計画を立てます場合に、やはり土地改良区のやっていらっしゃるような事業も同じく中に入れませんと、事業計画などに漏れるといけませんから、総合計画そのものに入ることはありましても、そういう小規模のもので従来通りやっておって差しつかえないものはそのまま置くことになると思うのでございます。
○西村(関)委員 それと関係がございますが、例の愛知用水公団、これは愛知用水公団法によってやられておる事業でありますが、この法律が成立いたしました場合にどういうようになさるお考えでありますか。
○菅政府委員 愛知用水公団につきましては、初めは早期に合併吸収しようという考えもございましたけれども、いろいろこれは世銀の方の借款関係もございまして、必ずしもそう単純に参りません問題が一つございます。また、豊川用水の方の仕事を引き続いて愛知用水公団にやらせようという新しい方針もきまりましたので、さしあたり愛知用水公団を吸収するという考えは今のところないのでございますが、将来の問題としてこれは研究したいと思っておるのでございます。
○西村(関)委員 農林省の方もそれでいいのですか。
○福田説明員 農林省といたしましても、今企画庁の政務次官からお答えがありました通りの考えでございます。
○西村(関)委員 群馬用水についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
○曾田政府委員 ただいまのところ公団でやるかどうかは最終的にはきまっておりませんが、基本計画の中には当然これらのものも入れるべきだと考えております。
○西村(関)委員 群馬用水につきましては、建設省の所管と農林省の所管がダブっておりますね。その点については、今度の二法案によりましてはどのように調整をなさるか、あるいは全部ひっくるめて公団に群馬用水をやらせるという基本的なお考えがあるのかないのか。巷間いろいろなことが伝わっておりますから、その点をこの委員会の機会にはっきりさしていただきたい。
○鮎川説明員 各省の所管区分につきましては、公団法の第五十五条に各省の所管の区分が明示されておるわけでございまして、その中で二号、三号の関係が建設大臣、四号の関係が農林大臣その他の大臣になっておるわけでございます。群馬用水は、私どもは主として農業の開発のための用水路というふうに考えておるわけでございまして、私どもは第四号の事業に入るものじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○西村(関)委員 次に、第十四条であります。「損失を受ける者に対する措置が公平かつ適正であるように努めなければならない。」ということがうたわれております。この条文につきまして、たとえば電力関係の場合では補償金を幾らでも出していく。これは経済効果の点から電源開発については補償金をある程度大幅に出していく。あるいはまた大都市の水道計画等においても同じようなことが言えると思うのでありますが、しかし、農業用水につきましては補償が必ずしも十分でなかったと思うのであります。ともいたしますと、補償の問題については、ここにうたわれておりますような公平適正を期するということが必ずしもできていなかった、不公平があったと思うのであります。どのように「公平かつ適正」に補償の問題を取り上げようとなすっていらっしゃるのか。電力、水道、工業用水、農業用水を通じて共通の基準を作るというお考えがあるのかないのか。その場合、ただ金銭的な補償とかいうことだけでなくて、水没する農家につきましては、これはただ経済的な損失だけではなくて、生活の根底がくつがえされるのでございますし、また先祖の墳墓の地をなくすのでありますから、心理的な影響も非常に大きいものがあると思う。こういう水没農村の再建については、ただ一定の基準だけでなしに、特別な補償の道を考えるということが、ここにうたわれておりまする公平適正を期するゆえんではないかと思いますが、その点についての政府のお考えはいかがでございましょうか。
○曾田政府委員 お答えいたします。第十四条におきまして「損失を受ける者に対する措置が公平かつ適正であるように努めなければならない。」という規定を設けておるわけでございます。これはもちろん当然な規定でございますけれども、われわれといたしましては、ぜひこういう規定を入れておきたいということで入れたわけでございます。お尋ねのように、いろいろ電源開発とか、建設省におきましてもダムを作っておられるわけでございまして、それぞれ補償基準というものを作っておるようでございますが、おのおのいろいろ問題があるようでございまして、われわれといたしましては、できるだけ補償の基準といいますものを統一いたしたいという考えは持っておるわけでございますけれども、今後そういう問題につきましても十分検討をしていきたいというふうに考えております。 なお、お尋ねのように、損失補償を金銭補償だけでやることは必ずしも適正でない場合も多いのでございまして、たとえば代替地を与えるとか、あるいは生活の再建のために簡易水道を作ってやる、あるいは学校を作ってやる、そういう問題もいろいろあると思います。そういう点につきましてできるだけ適正にやって参りたいというふうに考えております。
○西村(関)委員 最後に、この開発促進法案につきまして総括的なことをお尋ねいたしたいと思います。 先ほどからるる申し上げて参りましたように、この法案のねらいとするところは、都市の工業地帯の急速な発展によって、そこに多くの水を必要とする。これをどのように満たしていくかということが骨子になっておるのでございますが、そのために農民が被害をこうむり、犠牲を受けるということは、国の政治として考えなければならぬ点だと思うのであります。一面において農業用水の確保が考えられる。これは農林省の所管でございましょうけれども、この法律の目ざすところから、やはり農業の近代化ということが政府の一つの重要な政策の柱でもあるのでございます。農業の近代化には水が必須条件であることは申すまでもございません。これは従来のため池による農業用水が、老朽ため池がどんどんふえて参りまして、これだけにたよることができないという現状において、どうしても天水だけにたよらないで、水資源の合理的な開発によらなければ農業用の水利も考えられないということは、もう十分おわかりだと思うのです。そういう場合に、農民の利益を犠牲にして工業用水に重点が置かれるということであってはならない。先ほどからの御答弁では、従来捨てられておった水を利用するのだということでありますから、農業用水には事欠くことはないという御答弁でございますが、やはり農業の近代化に従って農業用水を確保する特別な施設というものが必要になって参ります。これは農林省の所管でダムを作り、その他の施設を作るということになるわけでございますが、そういう点についても、建設省においては農林省と緊密な連絡をとって、予算の確保等についても、各省のなわ張り争いといったようなことでなしに、全体として総合的な立場に立って農業用水に必要な施設を作るについての必要な予算を確保するという点についても、十分な配慮をしてもらわなければならぬと思うのであります。私の質問の全体を通じての基調は、やはり国全体の産業の総合的な合理的な開発のために水資源を確保する、こういうことではございますが、同時に上流の水源地帯の農民の立場をも無視しない、軽視しないという態度を堅持していただきたいということを特にお願いいたしたい。その点について、最後に次官の御所見を承りたいと思います。
○菅政府委員 ごらんを願いましたように、本計画の策定にあたりましても、新たに開発しました水を農業用水に利用するという点については、十分この計画の中に織り込むことになっております。ことに、さっき申しましたように、上流地帯の治山治水にも十分配慮をせよということもございますし、また、この計画の立て方を総合的にやれと規定いたし、あるいは広域計画としてのものを考えろとなっておりますのも、やはり下流工業地帯のことのみならず、全般のことを配慮しろという趣旨であると考えるのであります。重点はもとより下流の工業地帯の用水確保でございますが、これだけの大量の水を開発して誘導して参ります過程において、水系内における農業用水を十分考えるということは当然この計画の中にも考えられておるところでございます。 しかし、さりとて、やはり主力が工業地帯の用水確保でございますから、この法案自体はやはりそういう性格を脱し切れないと思うのであります。政府の施策全般といたしまして、こういう水資源の開発法案を出しますと同時に、御承知のごとく、低開発地帯の工業開発促進法も今国会において審議中でございますし、また近く政府は地方に工業を分在させることを主眼といたしました新産業都市の建設法案も、何とかして今国会中に提出したいと思って努力をいたしております。その他、自治省を中心といたしまして山間奥地の公共施設を大いに促進するような、山間僻陬地の公共施設の補助に関する新しい法案も準備をいたしております。こういうふうに総合的に見まして、上流の水源地帯、奥地地帯の開発につきましても、政府全体の施策は抜かりないように手を打って参る所存でございます。ことに所得倍増計画の構想、あるいは間もなくできまする全国総合開発計画におきまして、やはり僻地の振興、後進地域の振興については特に力を入れるようにという方針をとっておりますので、全体のそういう施策といたしまして十分上流水源地帯、奥地地帯のことにつきましては配慮をいたす決心でございます。
○西村(関)委員 この水資源開発促進法案についての質問は一応これで終わりたいと思います。なお、水資源開発公団法案についての質問が残っておるわけなんですが、時間等の関係がございますから、次の機会に譲らしていただきたいと思います。
○二階堂委員長 次会は明十二日、午後二時より理事会、二時半より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十五分散会