建設委員会 第3号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/10
会議録
○二階堂委員長 これより会議を開きます。 まず宅地造成等規制法案を議題とし、審査を進めます。 政府当局より逐条説明を聴取いたします。斎藤住宅局長。
○斎藤(常)政府委員 ただいま議題となりました宅地造成等規制法案につきまして逐条説明を申し上げます。 第一章、総則。 第一条は、この法律の目的を定めたものでございます。市街地または市街地となろうとする土地の区域内において、宅地造成に伴いがけくずれまたは土砂の流出による災害の発生することを防止することを目的とし、その目的を達成するため、宅地造成に関する工事等について災害の防止のため必要な規制を行なうための規定を定めることといたしております。 第二条は、この法律において使用している特別の用語の定義を掲げてございます。 第一号は、「宅地」について定めてございます。宅地とは、農地、採草放牧地及び森林並びに道路、公園、河川その他政令で定める公共施設の用に供せられている土地以外の土地をいうことといたしております。 第二号は、「宅地造成」について定めてございます。宅地造成とは、宅地以外の土地を宅地にするためまたは宅地において行なう土地の形質の変更で政令で定めるものをいうことといたしております。 第三号は、「災害について定めてございます。この法律でいう災害とは、がけくずれまたは土砂の流出による災害に限定いたしております。 第四号は、「設計」について定めてございます。設計とは、その者の責任において、宅地造成に関する工事を実施するために必要な図面及び仕様書を作成することをいうことといたしております。 第五号は、「造成主」について定めてございます。造成主とは、宅地造成に関する工事の請負契約の注文者または請負契約によらないでみずからその工事を施行する者をいうことといたしております。 第六号は、「工事施行者」について定めてございます。工事施行者とは、宅地造成に関する工事の請負人または請負契約によらないでみずからその工事をする者をいうことといたしております。後者の場合においては、第五号の造成主と工事施行者とを兼ねることになるわけでございます。 第二章、宅地造成工事規制区域。 第三条は、宅地造成工事規制区域、以下規制区域と略称して申し上げます、その指定の要件及びその手続について定めてございます。 第一項は、建設大臣が規制区域として指定することができる土地の具備すべき条件及びその手続を定めたものでございます。この法律は、宅地造成に伴い生ずる災害を防止することを目的といたしておりますから、そのような災害の生ずるおそれの著しい市街地または市街地となろうとする土地の区域を規制区域として指定することといたしております。その指定は、関係都道府県の申し出によることとし、地方自治法第二百五十二条の十九条第一項の指定都市、いわゆる五大市でございます、においては、その指定都市の申し出によることと定めてございます。以下都道府県または都道府県知事と申したときは同様でございます。その申し出の際には、あらかじめ市町村長の意見を聞かなければならないこととして、市町村の意見を十分に反映させることといたしてございます。 第二項は、前項の指定は規制区域内の土地の形質の変更が制限されるなどの私権の制限を伴うものでございますので、規制区域の指定は、この法律の目的を達成するため必要最小限度のものとしなければならない旨を定めたものでございます。 第三項は、規制区域の指定は官報に告示することによって行なうことを定めてございます。 第四条は、規制区域の指定またはその申し出のため、測量または調査を行なう必要がある場合には、建設大臣もしくは都道府県知事等が他人の占有する土地に立ち入ることができること及びその手続について定めてございます。住宅地区改良法、地すべり等防止法等にほぼ同一の規定がございます。 第五条は、測量または調査を行なうにあたって、必要な障害物の伐除及び試掘等を行なう場合には市町村長等の許可を要すること及びその他所要の手続を定めてございます。前条と同じく、住宅地区改良法等と同様の規定であります。 第六条は、他人の占有する土地に立ち入る場合または障害物の伐除もしくは試掘等を行なう場合に携帯すべき身分証明書または許可証について定めてございます。 第七条は、測量及び調査に必要な立ち入り、障害物の伐除等に伴う損失の補償について定めてございます。 第三章、宅地造成に関する工事等の規制。 第八条は、規制区域内において宅地造成に関する工事を行なうとする造成主は、都道府県知事の許可を受けなければならないことを定めてあります。 第二項は、都道府県知事は、許可の申請にかかる宅地造成に関する工事の計画が次条の規定に適合しないと認めるときは、許可をしてはならないことを定めてございます。 第三項は、都道府県知事は、宅地造成に関する工事の許可をする際には、災害を防止するため工事中の安全措置等必要な条件を附することができることを定めてございます。 第九条は、規制区域内で行なわれる宅地造成に関する工事は、政令で定める技術的基準に従い、擁壁、排水施設の設置等災害を防止するため必要な措置が講ぜられたものでなければならない旨を定めてございます。なお、政令でその技術的基準のうち都道府県の規則に委任した事項に関しましては、都道府県知事が規則を定めたときは、その規則に従ったものでなければならないことと定めてございます。 第二項は、前項の規定により講ずべきものとされる措置のうち、大規模でむずかしいものは、一定の資格を有する者の設計によらなければならないことと定めて、工事の安全性を確保しょうといたしてございます。なお、設計者の資格については政令で定めることといたしてございます。 第十条は、宅地造成に関する工事の許可の申請があった場合における都道府県知事のなすべき処分及び通知の方法について定めてございます。 第十一条は、国または都道府県が規制区内でみずから宅地造成に関する工事を行なう場合の特例について定めてございます。 第十二条は、許可にかかる工事が完了した造成主は、都道府県知事から工事完了の検査を受けなければならないことを定めてございます。 第二項は、検査に合格していると認めたときは、検査済証を交付すべきことを定めてございます。 第十三条は、都道府県知事が行なう監督処分について定めてございます。 第一項は、都道府県知事は、偽りその他不正な手段により宅地造成に関する工事の許可を受けた者またはその許可に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができることを定めてございます。 第二項は、都道府県知事は、宅地造成工事規制区域内で行なわれている宅地造成に関する工事で許可を受けないもの、許可に付した条件に違反したもの及び宅地造成に伴う災害を防止するため必要な措置の講ぜられてないものについては当該造成主、当該工事の請負人または現場管理者に対して、工事の施行の停止を命じまたは擁壁もしくは排水施設の設置その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを命ずることができることを定めてございます。 第三項は、宅地造成に関する工事が完了した宅地で、都道府県知事の許可もしくは検査を受けなかったものまたは宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置の講ぜられていないものにつきましては、都道府県知事は、その宅地の所有者、管理者もしくは占有者または造成主に対して、当該宅地の使用を禁止しもしくは制限し、または擁壁もしくは排水施設の設置その他宅地造成に伴う災害の防止のため必要な措置をとることを命ずることができることを定めてございます。 第四項は、都道府県知事が、前三項の処分または命令を行なおうとする場合においては、聴聞を行なわなければならないことを定めてございます。 第六項は、都道府県知事が措置命令を発する者を確知できない場合における代執行について定めてございます。 第十四条は、宅地や宅地造成に関する工事の実情を把握しておくため規制区域内の宅地において規制区域指定の際現に行なわれている宅地造成に関する工事の造成主及び擁壁または排水施設に関する工事その他政令で定める工事を行なおうとする者並びに宅地以外の土地を宅地に転用した者は、それぞれ一定の期間内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならないということを定めてございます。 第十五条は、規制区域内の宅地の所有者等は、宅地造成に伴う災害が生じないよう、その宅地を常時安全な状態に維持するように努めなければならないこと及び都道府県知事は、規制区域内の宅地について宅地造成に伴う災害の防止のため必要があると認める場合は、その宅地の所有者等に対して宅地造成に伴う災害を防止するため必要な措置をとることを勧告をすることができることを定めてございます。 第十六条は、すでに造成された宅地に対する改善命令について定めたものでございます。 すなわち、第一項におきまして、都道府県知事は、規制区域内の宅地で宅地造成に伴う災害の防止のため必要な擁壁または排水施設が設置されていないかまたはきわめて不完全であるため、これを放置しておけば、災害の発生のおそれが著しいものについて、その著しいおそれを除去するため必要であり、かつまた土地の利用状況等からみて相当な限度で宅地所有者等に対して擁壁もしくは排水施設の設置等の工事をすることを命ずることができることとして、危険な状態を放置すれば災害の生ずることが明らかな宅地について安全を確保する措置を講ずることができることといたしております。 第二項は、前項の場合において都道府県知事は、宅地所有者等以外の者の行為、たとえば隣地における土地の形質変更等により宅地造成に伴う災害の発生の著しいおそれが生じたことが明らかな宅地について、その行為をした者に工事をさせることについてその宅地所有者等に異議がないときには、その行為をした者に対して必要な措置をとらせることができることとして、その行為をしない宅地の所有者等に過重な負担をかけることのないように、均衡をはかることとしてございます。 第三項は、前項の場合における聴聞及び代執行について定めてございます。 第十七条は、都道府県知事またはその命じた者もしくは委任した者が許可、監督権限等の権限を行なうために必要な限度で、規制区域内の宅地に立ち入り、当該宅地または当該宅地で行なわれている宅地造成に関する工事の状況を検査することができる旨及びその手続等について定めてございます。 第十八条は、都道府県知事が規制区域内の宅地所有者等から当該宅地または当該宅地において行なわれている工事の状況について報告を求めることができることを定めてございます。 第四章、雑則。 第十九条は、第八条第一項の許可の申請をしようとする者は、三万円をこえない金額の範囲内において政令で定める額の手数料を納めなければならないことといたしております。 第二十条は、市町村長が、都道府県知事に規制区域内の宅地造成に伴う災害の防止に関し意見を申し出ることができることとして、市町村の意見が都道府県知事に反映することといたしてございます。 第二十一条は、都道府県知事のした処分または命令に対する訴願について定めてございます。 第二十二条は、この法律の実施のため必要な規定を政令で定めることができる旨を定めてございます。 第五章、罰則。 第五章は、罰則について定めてございます。 附則につきましては、第一項は、この法律の施行の日について定めてございます。 第二項の建設省設置法の一部改正は、宅地造成等規制法の施行に関する事務を建設本省の所掌事務に加えたものでございます。 第三項の建築基準法の一部改正は、規制区域内において、都道府県知事の許可を受けて工事を施行する擁壁につきましては、建築基準法の確認等に関する手続等の規定は適用しないということに改めたものでございます。 以上でこの法律案の逐条ごとの説明を終わります。十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
○二階堂委員長 本件に対する質疑は次会に譲ります。 本会議終了後再開することとし、暫時休憩いたします。 午後一時四十一分休憩 ————◇————— 午後二時五十九分開議
○二階堂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 水資源開発促進法案及び水資源開発公団法案の両案を一括議題とし、審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保田君。
○久保田(円)委員 水資源開発二法案に関連をいたしまして、企画庁長官といたしまして、特に最近におきましての大都市の地方分散、こういう問題が各省間におきまして強く取り上げられておるわけでございます。中でも経済企画庁といたしましての考え方、これを御計画がございましたら、あらましの構想でもよろしゅうございますが、お聞かせ願いたいと存じます。
○藤山国務大臣 所得倍増計画を達成する上におきましても、あるいは現状の日本の産業の状態から申しまして、過大都市を形成いたしますことは、日本の能率的な発展のためにも適当でございませんし、また地方と中央との地域的な格差、それは所得の上からも生産の上からも同時に考えられる問題でございますが、そうした問題について十分な配意をいたさなければならぬと思います。そういう意味から申しまして、地方的な産業の集中が過大になりますことをある程度分散をしていくということも必要なことでございますし、その分散も計画的に行なわれなければ、再び分散したもの自体の間に混淆を来たしてもいけないと思うわけであります。そういう意味からいいまして、低開発地域の工業開発あるいは新産業都市の建設というような問題は大きな問題として取り上げて参らなければならぬのであります。従って、前者につきましては促進法を提案することにいたしておりますし、また新産業都市建設につきましては、各省でそれぞれのお考えを持っておられるようであります。これらのものを調整して参らなければならぬと思いますが、現在党におかれてもそういう意向におきまして話を進められておるようでありますから、われわれとしてもそういう意味においてこの問題は考えて参りたい、こう存じております。
○久保田(円)委員 私どもも、現在の東京におきましての特に交通上の麻痺状態、人口、産業を地方に何らかの形において分散させなくちゃいけない、これは痛切に考えておるわけでございます。長官が今申されました通りに、現在の状態では将来において非常に心配ができる。ところが、この水資源二法案をよく検討してみますと、先ほど長官が言われましたいわゆる都市と地方との地域格差、これをなくそうというような精神で、非常によろしいと思うのですが、この二法案の精神は、水が必要であるところの地域、結局都市が中心になるわけでございますけれども、これに水を持っていって、そうして水の需要を一つ満たしてやろう、こういうふうな趣旨がこの法律案の目的の中に、はっきり書かれておるわけでございます。かような点から、どうも一方におきましては後進地域の開発のため、なおまた経済格差をなくさせるために地方分散を考え、実際に都市におりまして分散をしようというものが、この法律案ができたために非常に安心感はあるわけです。政府といたしましても、水には心配するな、こういう方向で進むのだという一つの鏡を出したわけでございます。ここらの点、何か矛盾しているような感じがありますけれども、ここらの点に対しましての見解は、どういうふうな御見解を持っていらっしゃいますか。
○藤山国務大臣 現在工業が発展しております地方に水が非常な大きな問題であることは、これは申すまでもないのでございます。特に日本の工業というものの体質改善が行なわれまして、機械工業なりあるいは重化学工業なりが出て参りますと、機械工業は第二といたしましても、重化学工業というものは水によってその生命をつないでいるとさえ申すことができるのではないか、こういうふうに考えられます。従って日本の産業構造を変えて参ります上からいいましても、水を有効に利用するということが必要でございます。さしあたりとしては、当面の工業用水その他の不足しております地方に十分それを有効に利用させるということが、今日の課題でなければなりません。しかし、むろん水が十分に培養されなければ水資源というものは有効に利用されないのでありますから、そういう意味におきまして私は矛盾しているものとは思っておりません。
○久保田(円)委員 この法律案の目的の中で、「水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給を確保するため、特定の河川の水系における水資源の総合的な開発及び利用の合理化の促進を図り、もって国民経済の成長と国民生活の向上に寄与することを目的とする。」とはっきり書かれておるわけでございます。確かに水が必要であるから水を持っていくのだ。しかしながら、昔からこの水をたくわえる上におきまして、その地域におきましてのこの努力というものは大へんなものでございます。森林の造成をする上におきましても、あるいはこれを管理する上におきましても、公共団体あるいは個人におきましても非常な苦労がなされておるわけでございます。こういうふうな面から今後水源の涵養あるいは保全という面から見ても非常に大切ではないか。 なお、私は群馬でありますけれども、利根水系を見まして、なるほどダムを作った、ところがダムを作ったために下流のものがどうなっておるかというと、ダムの下におりまして非常に水が少なくなるわけでございます。そういうふうな点におきましては、井戸水が渇水したとか、あるいはその建設にあたって道路面に対しましても非常に問題が出ておるわけです。一例をとりますと、ダムを作る上において、道路の問題でありますけれども、今までの一定の道路が通れないためにこれを改修をして、そのために別に迂回をしていくわけです。そうしますと、これは町村道ですけれども、これがこわれてしまうわけです。こわれても、こわれっぱなしにしておいて、それは知らないというような問題が各所に起きているわけです。しりの持っていく場所がない、こういう、ふうな関係におきまして、地域的におきましては、非常に何といいましょうか、迷惑をする。そういうふうな現象が現われておるわけです。こういうふうな点から推しましても、今後のいわゆる地域的なめんどうもある程度までみてやらなくちゃならないじゃないか。 同時に、全体から見れば開発という面になりますけれども、そこであるいは電源開発ができたとしましても、その電力はどこへ行くかということになると、やはり都市中心に流れていく、こういう結果になるわけです。それを分析していくと、今度は地方税におきまして、いわゆる電気ガス税に対しましての考え方というものも当然われわれは意見があるわけですけれども、こういう点はこれは問題を別といたしまして、一応とにかく水源県の福祉になるような施策、大きく言えば開発という面に対しまして、やはりこの法律の中で明示しておかなければならないのじゃないかというふうに私は考えます。こういうふうな点に対しまして、企画庁長官の御意見を承りたいと思います。
○藤山国務大臣 むろんこの法案の直接ねらっておりますところは、不足しております工業用水、その他既存の工業地帯に対する水の合理的な供給ということでありまして、合理的な供給ということは、十分むだのないようにこれを開発していくということをねらっておるわけであります。しかしながら、今申し上げましたように、そういう合理的な開発をして、合理的な水の使用をするにいたしましても、水源方面の培養というものは、そういう地方の既存の権益、その他将来の水の需要ということが考慮されることは当然のことでございます。
○久保田(円)委員 そうすると、長官といたしましては、水源の保全、涵養という面に対しても十分な考慮を払わなくちゃならない、なおまた、開発という面に対しましてもとにかく考えておる、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○藤山国務大臣 今申し上げましたように、上流地域の既存の権益、その他将来の水の需要等は十分考慮に入れることが必要だと考えております。 〔「大臣の御答弁はちっとも聞こえ ない」と呼ぶ者あり〕
○二階堂委員長 大きな声で願います。
○久保田(円)委員 開発の点はどうですか。
○藤山国務大臣 むろん、水全体を合理的に運用して参るわけでございますから、そういう意味におきまして十分水源地方面のことも考えますと同時に、国土開発に当たって総合的に各地の経済事情を上昇さしていかなければならぬわけでございます。そういう点は、別途当然各地のいわゆる低開発地と申しますか、そういう地域に対する開発というもの、特に水に関連がありますれば、この開発に対する非常な要望が適地にもなると思うのでありまして、そういう点については別途当然考慮されるべきことだと思います。
○久保田(円)委員 第三条の「関係都道府県知事及び水資源開発審議会の意見をきいて、」という問題と、第四条におきましての、これもやはり「意見をきいて、」という、この意見を聞くという解釈問題でございますが、どの程度に意見を聞くわけですか。
○藤山国務大臣 この「意見をきいて、」と申しますのは、むろん意見を聞いて、十分な尊重を払っていくということでございます。
○久保田(円)委員 私はこう思うのです。意見を聞くにしても、聞いてあとはよきに取り計らうということもございます。それから聞きっぱなしということも意見を聞いたことになる。いろいろ意見を聞くということは解釈できるわけですが、一歩前進してみますと、意見を聞く以上は、当然お互いに協議はしなくちゃならぬわけです。協議をしていく、こういうところまで進んでいかなければならないと思う。ところが、協議をしても協議が成り立たない。ただ意見は聞いたんだ。私の方は意見を聞いたんだから、意見は聞いた、こういう解釈でいくものか。協議をした、協議をしてお互いに意見の一致を見て、これで意見を聞いたんだ、こういうふうに解釈するのと、両方ありますけれども、大体その点はどんなところまでか。いわゆる意見を聞くというその限界点ですね。この点を一つお示し願いたいと思います。
○藤山国務大臣 意見を聞く場合に十分尊重することは、これは当然のことでありまして、初めから尊重しないで意見を聞くというような考え方は、これは当然ないわけであります。従って、政府としてもむろんそういう努力はいたします。いろいろ意見を聞きまして、どういう形において話し合いがつくかということについては、いろいろな事情、そのときの条件がございましょうから、今一がいにこういう形でもって話し合いがつくのだということを限定的に申し上げるわけには参りませんけれども、十分尊重してそれに対処することになろうと思います。
○久保田(円)委員 そうすると、長官の考え方は、十分尊重する、その比重というものは、先方の意見を聞く上において十分尊重する。そうすると、私の解釈でいきますと、比重というものは、意見を聞くこちらにあると思うのです。いろいろの意見を出す方向にある。そうしますと、その意見がお互いの話し合いの上におきまして、結局同調するところまで意見を聞いてくるわけです。そうすると、結局この点は、はっきりと意見を聞くということになると、むしろ地方団体の長といたしましても非常に疑問を受けるわけです。十分意見を尊重するということであったら、むしろお互いに意見が成立をしたときに初めて次の問題に入るわけでございますので、先方の意見に同意するというふうな考え方にむしろ積極的にいった方がいいじゃないかという工合に私は考えます。この点はどうですか。
○藤山国務大臣 意見を聞いて、そしてお互いに相手方の意見を尊重し合って一つの結論を出すということは、単なる同意、イエスかノーかというよりも、もっと具体的に、あるいは実際的な問題の解決の方法だと思います。
○久保田(円)委員 私は了解点が得られたときが、やはり政治という面に対しましては意見を聞いたんだ、こういうふうに解釈をしておるわけです。すべての政治というものは、とにかく意見の聞きっぱなじゃいけない。何らかの形で意見を尊重してやるんだ。こういう考え方でありますので、いわゆる了解ができたときは同意が得られたんだ、こういうふうに解釈をしておるわけです。従ってその意見を聞くということに対しましての解釈は、同意が得られたのだ、こういうふうに解釈してよろしいかどうか。
○藤山国務大臣 同意という言葉とはちょっと違うと私ども思っております。こういう形において意見を聞いて、そしていろいろその意見のあるところに従って考えて参るということは当然だと思います。しかしながら、同意という意味とは同義語でないこと、これは申すまでもございません。
○久保田(円)委員 どうも、意見の聞きっぱなしというものに対しては私は非常に——意見を聞くというたけでは、どうも将来すっきりしないと思うのです。むしろ協議という点に対しましてお考えがあるかどうか。いわゆる協議の解釈は、協議が成立するんだ、成立しないものは協議にならない、こういうふうな考え方はいかがですか。
○菅政府委員 御承知のように、従来の用語例におきまして、主務大臣が都道府県知事の意見を取り入れようとしますときは、いつも「意見をきいて」という文字を用いております。主務大臣から都道府県知事に協議するという言い方は従来しないものですから、こういうふうに書いたのであります。従いまして公団が実施計画を作りますときは、これは明らかに公団が「都道府県知事に協議する」という文字が公団法にございます。でありますから、そういう用語例に従いましたので、協議をするということとほぼ同じ実質を得るように、意見を聞いて尊重して参るという趣旨なのであります。御了承をいただきたいと思います。
○久保田(円)委員 第四条の基本計画の設定でありますけれども、この三項で「基本計画には、治山治水及び電源開発について十分の考慮が払われていなければならない。」、この点で、治山治水、電源開発——ところが、先ほどお伺いいたしました地域に対しましての考え方が、基本計画のどれを見ましてもないのですね。この点はいかがですか。
○藤山国務大臣 むろん治山治水あるいは電源開発というのは、その方面の地域から離れて考えられるわけではないのでありまして、地域を含んでいることは当然でございます。
○菅政府委員 今、大臣から御答弁がありましたように、この仕事は中央、地方が一体となってやらねばならぬのでございますし、特に流域全体にわたりましての考慮は十分払うようなことが、立法の趣旨でございます。第三条にありますように「広域的な用水対策」という、「広域的な」というような文字を使いましたのも、下流の工業用水等を利用する都市方面のみならず、水源地方面の後進地域の開発につきましても十分配慮をするという意味で、わざわざ「広域的な用水対策」というような文字を用いたのであります。また、この第五条の計画の内容に記載すべき事項の中で、第一号に「水の用途別の需要の見とおし及び供給の目標」というものがございますが、この需要供給の関係は、ひとり大都市の工業用水、上水の需要供給のみならず、水源地帯の、上流地帯におきます農業用水やその他の需給についても、十分これを計画いたしまして、記載をする趣旨でございますから、必ずしもそういう文字を用いませんでも、全体の趣旨がそういうように入っておるのでありますから、そういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
○久保田(円)委員 これは基本計画の中に、私の考えといたしましては、先ほど詳しく申し上げました通りに、地域開発、これをとにかく考えてもらわなくちゃならない、かように考えるわけでございます。公団法の第十九条の二項に、先ほど政務次官からお答えがございましたけれども、意見を聞くということと協議するということがあり、それから第二十条にも、はっきり出ておるわけでございますが、結局どちらの、意見を聞く、あるいは協議をするにいたしましても、この協議は、協議が成立するまでは協議をするんだ、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○菅政府委員 協議をすると規定されました以上、やはり協議相ととのわざるときは協議をしたことに相ならぬものと考えております。協議がととのいませんでしたら、あくまで協議を続ける。どうしても協議ととのわないときは事を前に進めない趣旨だ、こういうふうに考えておる次第でございます。
○久保田(円)委員 そうしますと、意見を聞くということもそういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
○菅政府委員 実質上は同じと思います。ただ先ほど申しましたように、主務大臣が都道府県知事に、何と申しますか、協議をするという言い方はいたしませんから、「意見をきく」という表現を用いたのでございまして、趣旨は同じとお考えをいただきたい。
○久保田(円)委員 建設大臣にお伺いいたします。どうも、地方団体に入りますと、私も県会におった当時に、知事の立場というものはとにかく容易でないのです。従って、私どもの陳情にあるのは、いわゆる水系指定も、知事の意見を出すときには議会の承認を得ろというところまで知事が突き上げられておるわけなんです。水系指定をするにしても、あるいは基本計画の策定の中で、いろいろ知事との先ほどの、「協議」「意見」というようなものが出ておるわけです。非常にむずかしい問題でありますので、いわゆる意見を聞く、いわゆる協議をする、ここらの点をはっきりしておかないと、非常に問題が起きるのではないか。かように考えますので、この点を建設大臣といたしましてはどうお考えですか。
○中村国務大臣 大体従来の立法例等によりまして、監督官庁あるいは政府機関と地方機関あるいは下部行政機関との関係におきましては、協議をするという用語を用いないで、意見を聞くという形をとっていっているようでございます。この法律案もそういう精神に基づきまして立案されたと私は考えております。 そこで、公団法の二十条の方で、公団が事業実施計画を立てる場合には、そういったような関連にございませんので、都道府県に協議をするという形に用語が違っておるわけでございます。 先ほど来いろいろ御質問のございました点について私の考えを率直に申しますと、先ほど企画庁政務次官からお答えがありましたように、協議をするということは、協議がととのうということを精神としては目的としておると思うのであります。ただ、いかなる場合においても完全に協議がととのって、意見が一致しなければならないかどうかということについては、同意とのまた差がございますから、若干の開きはあるかもしれませんが、しかしながら協議をするという以上は、協議のととのうことを目標にしておるということは間違いないと私は考えております。
○中島(巖)委員 関連して………。これは非常な問題でありまして、私ども社会党といたしましては、知事の同意を得る、こういうような修正を出しておるわけであります。そこに自民党さんなどの御意見もありまして、その御意見とは、同意ということになると、全く知事が最初から拒否したような場合には話し合いができぬのじゃないか、これでは実際において公団が仕事ができぬ、こういうような御意見もあって、これは私ども十分理由があると考えておるわけであります。そこで、この表現の問題ですが、かりに今、両大臣がいろいろ言われましても、法律として施行された場合は、たとえば公共土木の国庫負担法におきましても、災害復旧は原形復旧だということが樹立されておりますと、なかなか改良を入れる、改良を入れると大臣が言われましても、若干入るけれどもなかなか入らない。実はこっけいなことは、このごろの休会中の災害対策協議会に、前に建設大臣をしておった遠藤三郎君が、改良改造といったってちっとも入らぬじゃないかと、建設大臣みずからがそう言っておるようなもので、この法案が一度施行されれば、やはり意見を聞く、常識的な判断で意見を聞く、この筋でどうしても通らざるを得ぬのです。 それから、この公団法におきましても、促進法においても、一貫して水資源県に対するところの考慮が非常に欠けておるのは私ども遺憾だと思うのです。どうしても利水に先行して治水ということを重点にこの中に流れておらねばいけない。その点が非常に遺憾だと思うのです。たとえば、電源開発の例に見ましても、電気ガス税として一割取っております。すなわち水を水資源県からもらって電源開発をして、それがために栄えておるところの東京だとか川崎だとか、神戸だとか大阪というところが、一割の電気・ガス税を取って、そうしてまるまる太っておる。それから、水を供給する県は、わずかに水利使用料というものが、電気・ガス税に比較すればほとんど何十分の一か何百分の一にしか値もぬような、わずかの金が入って、そうしてダムの河床上昇なんかで非常に治水上の負担をかけられて、地域格差の拡大というものはますます大きくなっておる。 これと同じように、この法案がこのまま通過いたしますと、いわゆる水を利用する工業県、都府県というものはますます発展して、水資源関係の県がますます窮乏するということは、これは明らかなんです。従いまして、この「意見をきく」ではなくいたしまして、「同意」ということでもし困難であるとすれば、「協議をする」、そうして協議がととのわない場合においては手をつけないというような大臣言明でもして、少なくともこの「意見をきく」はもう一歩前進すべきだ。僕は今の久保田君の質問は、この法案の二、三のネックになる大きな問題だと思うので、再度一つ大臣の御考慮をわずらわしたい。こういうように考えるわけで、希望だけ申して、答弁は要りません。
○久保田(円)委員 建設大臣にちょっとお伺いします。公団法第二十三条、これは公団と建設大臣にこの権限が移管をされてくる。そういいますのは、要するに都道府県知事に管理権があったわけでございます。けれども、これが公団並びに建設省の方に移されますと、地方団体といたしましては非常に困る問題ができるのじゃないかという工合に考えますので、ここらのかね合わせは建設大臣といたしましてはどういうふうにお考えですか。
○中村国務大臣 この二十三条との関係は、河川法の七条、八条に関係があるわけでございます。七条におきまして、地方行政庁すなわち都道府県知事が河川に関する工事の施行、維持あるいは認可の権限を持っておりますが、八条の方で七条の例外といいますか、八条の方では、河川ニ関スル工事ニシテ利害ノ関係スルトコロ一府県ノ区域ニ止マラサルトキ又ハ其ノ工事至難ナルトキ若ハ其ノ工費至大ナルトキ」云々というものにつきましては、「主務大臣ハ自ラ其ノ工事ヲ施行シ又ハ其ノ工事ニ因リ特ニ利益ヲ受クル公共団体ノ行政庁ニ命シテ之ヲ施行セシムルコト」ができる。こういう条文が二条並列されておるわけでございます。 従いまして、この二十三条の規定におきましても、「特定施設」すなわち五十五条二号に規定する特定施設の場合におきましては、河川法七条の規定にかかわらず、「河川に関する工事」を公団が行なうことができる。公団は公団独自で勝手にやるのではありませんで、基本計画は政府が都道府県知事の意見を聞いて作り、さらにその基本計画に基づく業務の指令をする場合には、主務大臣がやはり都道府県知事の意見を聞いて指示をするということになっておりますから、主務大臣があくまでみずから実施すると同じような形において、自己の責任において基本計画を行ない、あるいは業務の施行の指示をいたしますから、公団に主務大臣か従来八条の規定によってできたことをやらせても支障ないではないか。また、そうしないことには、せっかく公団ができましても、公団がいわゆる外目的ダムを建設したり、水資源の開発をするような業務ができませんから、その部分をこの二十三条に規定いたしたものでございまして、七条にございまする本来の都道府県知事の河川管理に関する権限はいさかも侵していない、関係していないというのがこの二十三条の規定でございます。
○久保田(円)委員 この二十三条、それから二十四条と、ずっと見てみますと、河川法の適用または準用の問題でございますけれども、すべて政令にゆだねなくてはならないものが、数えてみるとたくさんあるわけです。これは一方的に政令できめてしまうような考え方ですか。あるいは政令できめるときには、とにかく都道府県知事の意見も相当聞いて、そうして政令で定めていく。ここらの見解はどうですか。
○中村国務大臣 二十四条にいいます「特定施設の操作」というのは、大体内容として含んでおりますものはいわゆる多目的ダムの操作というようなことで、この点につきましては、従来からダム操作規程というものがございまして、これによってダムの操作をいたしておるわけでございますが、これらの操作に関しましては政令で時の状況によりまた変化もいたす場合もございましょうから、法律に一々明記いたしますことはかえって弾力性を保持することができないと思いますので、さような角度から政令でその操作関係の制度を定めるということにいたしておるわけでございます。もちろん、この政令の内容につきましては用意をいたしておりますから、適当な機会に政令内容を御説明申し上げまして、御審議の内容として御検討をいただきたいと思っております。
○久保田(円)委員 この政令の字句を私ずっと見まして、非常に政令が多いなという工合に考えたわけですが、決して政令を悪くは、私は解釈しておりません。ただ、問題となるのは、私ども国会議員として、一方的に政令できめられたからということで、ひょいとこう出されたのでは、やはりこれは何といいましょうか、国会軽視というところまで考えられるというような形にもなるわけです。もちろん私どもも地元からいろいろな意見を聞き、われわれも地元の方には意見も出してやる、こういうふうにいろいろ交流されておりますので、政令の制定にあたりましては、とにかく地方団体長の考え方というものをよく聞いて、そうして政令の内容に盛り込んでもらいたい、この点が心配でありますので、ただしたわけでございます。 なお、前国会におきまして、委員会におきましても、あるいは合同審査会におきましても質問をいたしました。建設大臣はもちろんかわっておりませんけれども、企画庁長官はおかわりになりましたので、当時の長官の御答弁で了解してよろしゅうございましょうか。企画庁長官に一つ……。
○藤山国務大臣 当時の長官の答弁を私もその通りだと信じております。
○久保田(円)委員 これはまた少し発展的な質問になるわけですが、出ない化けものにたまげたということではございませんけれども、たまたまこの二法案が通りますと、いよいよ水系指定になる。第一番目に利根川という問題が出てきますが、そこで私どもの水源県といたしましては、県会でもとにかく大きな問題になっておるわけです。地元といたしましては、たまたま沼田ダムという——私もよく知らないのですが——沼田ダムをこしらえる。これが非常に世論が錯綜いたしまして、あるいは土地を買うとか売るとか、なおまた一つの利権とでも申しましょうかそういうふうなものが入りまして、とにかく非常に大きな問題が出ておるわけでございます。この沼田ダムは、聞くところによると、これを建設すると二千五百戸ばかりの家屋が水没をする。そうなると沼田市がほとんど孤独になり、非常に問題になっておりますので、この機会に建設大臣といたしまして将来これは計画しておるんだ、こういうことで、はっきりと計画があるとすれば、私どもも地元に帰って、これは計画があるぞ。ないとすれば、はっきりないんだ、こういうふうにはっきりお答え願うのが一番いいのじゃないかと思いますが、この点一つお考えがありましたならばお知らせ願いたいと思います。
○中村国務大臣 ただいま御指摘の点は、建設省としましては具体的な成案を何を持っておりません。ただ、あの沼田ダムに関しましては、多分松永安左衛門さんが関係しておられるあの産業計画会議で膨大な開発計画といいますか、そういうものを天下に発表されまして、大いに話題を呼んでおるようでございますが、建設省といたしましては利根川全体について総合的な開発をやっていきます具体的な成案をまだ持っておりません。また従って、今御指摘のような沼田ダムを直ちにやろうという意図も具体案も持っていないわけでございます。 利根川について考えられますことは、今後水道用水の問題と工業用水の問題があるわけでございますが、むしろわれわれとしましては、東京及び千葉方面に関する工業用水としては何も上流の水を必ずしも使わなくてもよろしいのでありまして、できるだけ海に放流いたしております利根川の河口せきのようなもので有効に、最終的に水を、農業用水にも迷惑をかけず、その他にも影響を来たさないようにしてやっていくという考え方の方が目下のところ強いかと考えております。
○久保田(円)委員 そうしますと、利根川水系を指定しまして、一応水資源の開発をする上において、矢木沢ダム、それから下久保、それから渡良瀬の神戸ダム、こんなところで今の用水に対しましては大体間に合うんだというような考え方でよろしゅうございますか。
○中村国務大臣 その点は具体的に作業をやっております事務当局からお答えをさせますが、いずれにいたしましても、先ほどお話のありましたような沼田ダム等が将来検討されるといたしますれば、先ほど来議論のありましたように、もちろん地元の都道府県知事の意見を聞き、十分その意見を尊重して利根川の開発計画を全体として取り上げていくということに相なると思いますから、御心配になるような点はないと私は考えております。
○二階堂委員長 前田義雄君。
○前田(義)委員 先ほど質問の中にありました二十三条の「河川法第七条の規定にかかわらず」という点について、もう一ぺん建設大臣の御意見を承りたいと思います。
○中村国務大臣 これは先ほど申し上げました通り、河川法第七条に、これは古い法律でありますから「地方行政庁」ということになっておりますが、「地方行政庁ハ河川ニ関スル工事ヲ施行シ其ノ維持ヲナスノ義務アルモノトス」ということを前段として七条が規定されておるわけであります。従って、基本的には地方行政庁て現在で申しますと都道府県知事が河川に関する工事の施行及びその維持についての義務と権利を持っておるわけでありますが、あわせて並列をいたしている第八条におきまして、抽象的に申しますと、多目的ダムのような利害の関係するところが広い、あるいは一府県にとどまらず二府県以上に区域かまたがるとか、あるいはその規模が非常に大きいとかいうものについては、主務大臣、すなわち現在で申しますと建設大臣が「自ラ其ノ工事ヲ施行シ又ハ其ノ工事ニ因リ特ニ利益ヲ受クル公共団体ノ行政庁ニ命シテ之ヲ施行セシムルコトヲ得」とあります。要するに、そういった規模のものについて、八条に規定する規模については建設大臣の権限でやれるんだということを規定いたしておるわけでございます。これを二十三条に移しまして、「七条の規定にかかわらず」八条の規定にかかる分については公団が政府の基本計画に基づいて施行ができるのだ、こういうことを明らかにさせただけのことでございます
○前田(義)委員 そうしますと、施設の新設とか改築等が派生的に生ずるようなものは、水の占用権というようなものが生じてくることがあるわけですが、そういう場合にも、大臣みずからの権限によって公団がやれるのであって、当該都道府県知事の権限というものは認められないということになるわけですか。
○中村国務大臣 河川法第八条に関する問題については、第八条に従って建設された河川工作物の維持、修繕はもちろん都道府県の知事でなくてできるということになっておりますから、これはこの八条の規定及び公団法の二十三条の規定によって運用されるということに相なると思います。ただし、七条に規定しておりまする八条を除いた河川の工作物につきましては、これはあくまで知事の権限でございまして、その他の部分に知事がこの河川にこういう工作物を作ることがよろしいという考えで作られることについては何ら従来と変わったところはない、こういう建前でございます。
○前田(義)委員 もう一つ。促進法の第十四条の「基本計画に基づく事業を実施する者は、当該事業により損失を受ける者に対する措置が公平かつ適正であるように努めなければならない。」、こういうような規定になっておるわけであります。促進法の第十四条、「損失の補償等」であります。この損失の補償というものは、非常に広範囲にわたるものだと思うのであります。たとえていうと、ダム計画が実施されることによりまして、ダムができることによりまして、そのダムの中におりますところの住民が立ちのかなければならぬというような問題が生じたときは、その村自体に対する居住する者の数が少なくなるために、あるいは農業協同組合の経営が困難になるとか、あるいは学校の維持が困難になるとか、あるいは診療所の維持が困難になるとかいろいろな問題が出てくるだろうと思うわけです。従って「当該事業により損失を受ける者」の範囲というものは、非常に広範囲にならざるを得ないということも考えられると思うのですが、そういうときには当然総合的な開発計画に基づきまして、その地域のそういう特殊な損失についても考えられて、補償の対象になるべきではないか、こういうことが考えられるわけでございます。 ところが、建設省などの今日までおやりになっておるダム計画などによりますと、そういう点が非常に欠けておるのではないか。あるいは電力会社に関係したものは電力会社にやらせる。あるいは建設省に関係するものは建設省にやらせるというように、個々ばらばらにその地域に対する補償が講ぜられるというような観点から、非常にその地域の損失をこうむるものの補償が不利益をこうむっておるという点が多いと思います。そういう点についてどのような考え方で損失補償の措置をとられるのか。「公平かつ適正」というのはどういうことを意味するのか。具体的にちょっと御説明願いたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 損失の補償につきましては、きわめてむずかしい問題がたくさんございますが、さしあたりは直接損害を受ける方の補償は十分考える。それから、ただいま御指摘がございましたような間接的といいますか、そういう点につきましても、そういう方々が建設をやったために損失を受けないような何か総合的な、たとえば移転の場合にはそこに新しく村つくりをするとか、いろんな総合的なことを考えて、できるだけ損失がなくなるような考え方でやるべきであると考え方でやるべきであると考えております。なお用地関係の特別措置の関係も新しくできましたが、そういうことも活用してできるだけ総合的に公平かつ適正にやりたい、こういうふうに考えております。
○二階堂委員長 岡本隆一君。
○岡本(隆)委員 企画庁長官にお尋ねいたします。最初に水資源開発促進法の基本的的なものの考え方についてお伺いしたいと思うのです。この第一条の「目的」をすなおにそのまま読みとっていきますと、とにかく都市では工業用水や水道用水に困っておる。だからその地域の水源を開発して、それでもってその水飢饉を解消しよう、こういう意味の法案にとれるのでありますがそれで間違いないでしょうか。
○藤山国務大臣 その通りでございます。
○岡本(隆)委員 そういたしますと、水資源開発促進法という法案の名前が、その精神に比して少しこけおどしのように思えるのです。TVAのものの思想というものはずいぶん古いものであって、多目的ダムというようなものもTVAの構想から生まれてきたものだと思うのです。そういう多目的ダムの考え方が水資源開発という考え方となって、日本の水資源を利用したところの日本の産業開発というふうな意味にとれるわけなんです。だから、水資源開発促進法と大きく銘打つ限り少なくもTVAの考え方でもって未開発地域を開発していく。そこに生まれるところの水資源を利用した水そのものあるいは電力を通じて国土の開発をやっていく。こういう考え方でなければ水資源開発の名にふさわしくない。だから、こういうふうな法律で非常に美しい名前を掲げて、羊頭を掲げて狗肉を売るというふうな行き方そのものは、政府は国民をだますものだ、私はこう思うのですが、それならそれで法律の名称を変えなければならないと思うのです。都市用水開発特別措置法とか、何か法律の名前を変えなければいかぬと思うのですよ。こういうような大きな看板をばんと打ち出してきて、それでもって、やっていることはみみっちいことをやっているというようなことでは、話にならないと思うのです。でから、もしもあなたのおっしゃる通りなら、これは法律の名称を変えていくべきだと思いますが、いかがお考えでございますか。
○藤山国務大臣 「水の需要の著しい増大が見られる地域」というのは、現在増大を著しく要求している土地ばかりじゃございません。将来低開発地域においても増大してくれば、それに対する対策を講じなければならぬことは当然でございます。また、水資源を合理的に使うために、書いてありますように、「総合的な開発」、水資源が確保されるような「開発及び利用の合理化」ということでありますから、決して羊頭を掲げて狗肉を売るような体のものではないと存じております。
○岡本(隆)委員 これは言葉じりをとええるのじゃないのですけれども、さっき私がお専ねしたのは、今大都市で水が困っておる、それを何とかしてやるための法律じゃないか、こういうような考え方じゃないかと言ったら、その通りですとあなたはお答えになったのです。ところが、今おっしゃっていることは、また別の意味のことをおっしゃっているのです。将来また水の要るところが出てくるだろう、それも考えに入れているのだ、だから促進法でいいんだというふうなことをあなたはおっしゃる。さっきおっしゃったことと、今おっしゃったこととは話の内容が違うのですよ。だから、どっちなんです。後者の方も含めているのかと最初は専ねているのです。後進地域をも開発していくための水資源法なのか、あるいはすでに開発された地域に対する水需要に対する措置のための水資源法なのか、どちらなのかといってお尋ねしているのです。それじゃ、もう一度どちらかはっきりお答えして下さい。
○藤山国務大臣 さしあたりは当然現在水に困っている地方のための確保をはかるということは当然なことだと思います。同時に、しかし日本の産業経済は非常な勢いで伸びておるわけでありまして、また低開発地域におきましても工業の分散計画その他いわゆる新産業都市もしくは基幹都市というような構想もできておりますので、そういう都市を作りますれば、そういう方面にも水資源が非常に必要になってくることは当然でございまして、そういうものにわたっても当然これは考えらるべき問題でございます。
○岡本(隆)委員 それでは、この水資源開発促進法という法律は、日本の将来の水需要に対する恒久的な対策なのか。そういうような考え方でこの法案をお出しになったのですか。
○藤山国務大臣 恒久的な考え方でこの水資源開発法を出しておるわけでございます。
○岡本(隆)委員 それじゃ、初めからそうおっしゃっていただいたらよかったと思うのでございます。私は少なくもこの法律は恒久的な水資源の対策というふうな意味で出されておると理解をして、この法律案を読んでいきますと、書いてある内容がとにかく「水の需要の著しい増大がみられる地域に対する用水の供給を確保するため、」とあって、その次に「特定」という言葉を用いて、「特定の河川の水系における水資源の総合的な開発」というふうなことで表現されておりますから、すうっとすなおに読んでいくと、どうも今日の水飢饉で困っておる都会向きの法律ではないか、そういうふうにとれる。だから、そういうふうな意味にとれるがどうかといって私が聞いたわけなんです。別に意地悪い聞き方をしたというようなことは、そういう取りようをする人が悪いんです。 そこで、第一条の「目的」の中に、少なくも今のような構想から考えていきますと、水の問題はまず第一に治水である。水を治めてそれによって生まれてくるところの水をいろいろな形に、エネルギーの原料と考えたり、あるいはその他工業の用に供するというような考え方で水を利用していくというのが、当然の水利用の基本的な考え方であろうと思うのです。ところが、これについてはそういうふうな治水を行なって、そうして水の利用をやっていくのだというようなことも書いてなければ、水利用の施設と治水をあわせ考えながらやっていくのだというような、治水ということが全然触れられておらない。これは頭からそういうことは考える必要がないのだというのか、あるいはそれは常識だから書かなかったのだというような意味なのか。そういう点を一つお伺いいたしたいと思います。
○藤山国務大臣 治山治水ができなければ、水資源が確保できないということは当然なことでございます。従って、第四条にもこの計画を遂行するに当たっては治山治水に対して「十分の考慮が払われていなければならない」ということが書いてあるわけでございます。
○岡本(隆)委員 もちろんそうでありますが、そういうふうな行き当たったところで書くというよりも、利用ということを書くときには、やはりそういうふうな点についてのこともはっきり打ち出しておかなければ、私はこの法案の歩む道というものが、将来誤解を受けたり、またジクザグな歩み方を法律としてされては困るからお伺いするわけでございます。 それで最近政府の方で何か木材が高くなったから、これからもっと増伐をやるのだというようなことを何かの機関でおきめになって発表されたように新聞紙上で見たのでございますが、従来の伐採量をどの程度上回るようなものをおきめになったのでしょうか、伺いたい。
○藤山国務大臣 本年度の物価が著しく上昇しております。その原因の大半というのは建築資材、特に木材にあるわけでありまして、この点について御売物価の対策としては、木材の供給を十分に確保するということが一番必要なことだと存じております。従いまして、国内におきましては合理的な伐採計画を立てていく。合理的なと申すのは、植林を伴った伐採計画であり、またそのときどきの情勢に応じて治山治水等も考えながら伐採をする、及び緊急輸入の対策でございます。それらのこまかい点については農材大臣の方で、治山治水その他将来の森林資源確保の方策を十分講じつつ伐採の準備をされておるわけでございます。
○岡本(隆)委員 そうすると、従来も合理的な伐採が行なわれていると大臣はお考えになっておられますか。あるいは今日の治山治水対策上非常に大きなガンになっておるのは、従来の伐採のやり方が少し無統制であり過ぎはしなかったかと私は考えておるのですが、そういう点については長官はいかがお考えになりますか。
○藤山国務大臣 従来も伐採は合理的であったと私は考えております。ただ、これ以上さらに緊急対策として木材の伐採をやるのには、なおそれ以上に合理的な配慮が必要であろう、こういうことに考えております。
○岡本(隆)委員 従来の伐採が合理的であるというお考えでありますが、そうすると、今日の水によるところの災害が過伐によるのだということが一般に言われております。そして私もそのように思っておりますが、そういうことはそれでは認識が誤りなんでしょうか。
○藤山国務大臣 むろん従来の伐採というのは、将争中の過去におきますやむを得ざると申すか、あるいは無理な軍による特殊な計画というようなものがあった結果、今日の森林資源が非常な脆弱になったというふうに考えられるのでありまして、農林省におきましてもそれらのことを考慮して、戦後は十分合理的な措置をとられておることと私は信じております。
○岡本(隆)委員 このごろ森林地帯を歩きますと、至るところ坊主山といってもいいほど木がないのです。しかも、木材はどんどん切り出されていっております。なるほど、どんどん戦時中に切られたことも原因でありましょうが、それから後にも外国の木材を全然輸入しないで、ほとんど日本の国内産の木材に——いろいろ外貨の関係もあり、日本の経済的な理由にもよるでありましょう。しかしながら、やはりとにかく、ないそでは振れないという考え方で、やむを得ざる伐採というものが、治水面から見ればそれは非常な乱伐であったということが言える。またそのように一般的に理解されておると思うのでございますけれども、そういうことはあなたの今の御答弁では全然ないと言われるのですか。
○藤山国務大臣 全然一カ所も全国に例がないかというような、全然ということになりますと、私もはっきりしたことは申し上げかねます。しかしながら、方針としていたずらに治山治水をそこなうような伐採方法を従来とりきたったとは思っておりません。これらについては相当技術的な問題もございましょうから、農林省としては十分な注意をされつつ完璧を期していることと信じております。
○岡本(隆)委員 私はこんなに山を切って、そのために災害が強化され、それに対する復旧費を大きく払わなければならないようなら、むしろ当分できるだけ山を切るのを押えて、それでもって木材を輸入した方が賢いのじゃないかというふうな考え方を、日ごろ持っておるのでございます。そういうふうなことは今度おきめになっていることとは何か逆でございます、私の日ごろ考えておることと、今度政府がおきめになった方針とが。むしろ貿易自由化をやろう、そしていろいろなものを外国から輸入を押えておった方針を変更していこうというふうな場合には、まず第一に日本の国内のこの荒れ果てた山を特別に考慮の中に入れて、むしろ木材なんかからこそ自由化をやり、その中から今度は木材が安くなれば、同時にまた治水治山対策にもなる。こういうふうに思われるのでございますけれども、そういう点について、もっとわれわれしろうとにわかりやすい説明をしていただきたい。
○藤山国務大臣 政府としましては、二月に木材の緊急輸入対策をいたしまして、そうして輸入を奨励いたしたわけでございます。その後輸入がふえて参ってきておることは事実でございます。ただ輸入地の、いわゆる港湾におきます貯木場の関係あるいは輸送等の関係のために円滑に出回らないような欠点もあったわけでございますが、しかし輸入の方の促進を第一にするということは、政府としてもます二月の緊急輸入対策から木材対策が始まっておるのでございますから、それが第一であったと思っております。ただこういう状況で著しく高騰して参りましたから、内地におきましても、治山治水を害さないで、そうして合理的に伐採し得るものについてはそういう処置をとっていこうということなのでございます。
○岡本(隆)委員 よほど奥地の山でなければ、今日ではもう治山治水に影響のないというようなところは、ほとんど常識的には残されていないかのようにわれわれにはとれる、だから、今伐採しておるのが、従来伐採しておるのですから少し切り過ぎではないか、こういうふうにわれわれにはとれる。ところが、政府はいろいろな制約はあるにしても、国内の材木をより多く切るのだというふうな方針は、これは治水対策上は何としても私は大きな問題であると思われますので、その点については政府ももう一度真剣に考えていただかなければ、幾ら治山治水の費用を投じましても、これはさいの川原の石積みのようなこと参ります。だから私はもっと総合的に政府の施策としては考えていただかなければならないと思いますが、以上これは議論しても果てのないことでございますから、特にそういう点を考慮していただくように私はお願いしておきたいと思います。 そこで、先ほど促進法の考え方が長期の水資源対策であるというようにお考えになって、そういう意味でこの法案を立案されたということでござます。それでこの法律に基づいて水資源公団ができることになっております。さしあたり当面の都会地に対するところの水資源の供給の機関となっていくのは、今度出ておる水資源開発公団だということになりますか。それでは後進地域の開発に対して今度はまた同じようにいろいろ水資源対策が行なわれなければならないが、それをやるところの機関は、この公団があわせてやっていくのか、あるいは別の機関をしてやらせるのか。そういう辺についての御答弁をお願いいたしたいと思います
○藤山国務大臣 今申し上げましたように水資源公団としては当面の問題を取り扱って参りますけれども、同時に水資源公団としては、将来にわたって各地の開発にあたって当然公団が活用されることに相なります。
○岡本(隆)委員 そういたしますと、当面公団がどれくらいの、たとえば来年度の事業計画あるいは今後五年間の事業計画はどの程度のものと予想されるのか。これはいずれ審議会ができて、審議会がきめることだからと、こうおっしゃるであろうと思うのです。それは確かに具体的には、実質的にはその通りでございましょう。しかしながらやはりこういうふうにこういうことを大体政府としては考えておる、だから公団を作るんだということに私はなっておると思うのでありますが、大体五カ年でどの程度の規模のものになり、十年たてばどの程度の規模を持つような事業体になるのか。そういう点の予想というふうな点をお伺いしたいと思います。
○藤山国務大臣 将来の大きな公団の活動まで現在予測することは、はなはだ困難でございますし、どの程度の規模あるいは施行量をやるかということも当面なかなか決定しにくいのでございますが、現状においては、たとえば利根川あるいは淀川、琵琶湖と関連を持つようなもの、あるいは北九州の筑後川、そういう方面の問題が当面取り上げられるものだと思います。
○岡本(隆)委員 川筋についてはもうすでにお話も承っておりますのですが、それじゃ各河川について、公団はこれからおよそどの程度の規模のダムを建設し、どういうふうな事業をやらせようとしておるというふうな構想なのか、そういう構想を伺いたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 御承知のように、公団はいろいろ関係の大臣で監督されておりますが、そのやる事業も各省にまたがっておるわけでございます。そのうち建設省として、これを公団にやらせるのがいいではないかというものについて御説明を申し上げますと、利根川水系では矢木沢、下久保、神戸、こういう多目的ダムを公団にやらせる。それから、そのあとに続きますのは、霞ケ浦の開発、それから、利根川の河口にせきを作りまして維持用水の活用、にるいはダムで作りました水をそこから需要地に送っていくという目的で、利根川の河口せき、こういうものを考えております。淀川水系について申し上げますと、高山、宇陀川青蓮寺、これは淀川の木津川水系になります。これらのダムをさしあたりやる。それから、淀川の維持用水の活用といたしまして、現在淀川に長柄というせきがございますが、それをかさ上げすることによりまして、一部河道に水を貯留してその水を活用する。なお、それに引き続きまして、琵琶湖の開発に乗り出していく。こういうようなことを現在考えております。
○岡本(隆)委員 木曽川や九州の筑後川、そういう方面ではどうですか。
○山内(一郎)政府委員 木曽川につきましては、現在まだ調査の段階でございまして、具体的にどれを公団にやらしたらいいということは考えておりませんが。ほかの水系と同じように多目的のダムとか、あるいは長良川の河口にせきを作るとか。そういうことによりまして、水資源の開発をやって参りたい、こういうふうに考えております。それから、北九州につきましてはなかなかこれはいい地点はございませんが、現在考えておりますのは、遠賀川水系の八木山、中川水系の南畑というところにダムの建設をやっておりますが、そういうものをやるとか、その他まだ具体的なあれはございませんが、今後調査を進めて、水資源の開発に乗り出したい。しかし、この点はまだ具体的に水公団でやらせるかどうか、中京と北九州の地区につきましてはまだ確信のある計画は持っておりません。淀川と利根川につきましては、先ほど申し上げた通りでございます。
○岡本(隆)委員 この公団の性格でございますけれども、たとえば道路公団は道路ができれば、そうしてまたその建設費がペイされれば、公開していくということでございます。従って、これは建設を目的としたところの公団でございます。それで今度のこの水資源の公団は、今公団法を見たりいたします範囲では、そういう公団ではなくて、建設はやっていく、そうしてあとの維持管理もずっと引き続いてやっていくというふうな意味の公団のようにとれるのでございます。そういたしますとだんだんん施設がふえればふえるほど大きくなって参ります。さしあたり、それじゃ来年から出発して、今おっしゃったような計画を、それが十年か十五年になるのか、およそどの程度の期間に大体完成して、それが完成された時期にはどの程度のダムを規制し、どの程度の水域を規制していく事業体にするつもりなのか。そういうふうな将来構想というふうな点について、およそのところをお聞かせ願いたいと思うのです。
○山内(一郎)政府委員 先ほど申し上げました建設計画は、大体今後十カ年といいますか、所得倍増計画に合わしたような計画を申し上げたわけでございます。従って、予定通りいけば、十年に大体完成する。そういうわけでございまして、完成後は、公団がそれらの施設を管理するのが適当かと思います。ただ、洪水の点について心配がございますので、その場合には、この公団法にも書いてございますが、特別に建設大臣が洪水調節の指揮をする場合もございますが、大体において公団が管理をしてやっていく、こういうふうに考えております。
○岡本(隆)委員 そういたしますと、十年間は一応これらの四つの水域に限定して、この四つの水域の水資源開発に専念していく、そうして十年間に大体四つの水域の水の需要というものを充足させる、こういうふうな構想の模様に承れます。そういたしますと、その間の投資額というものはおよそどれぐらいの額になるのでしょうか。総額のごく大ざっぱなところをお聞かせ願いたいと思います。
○山内(一郎)政府委員 大体のところを申し上げますと、これは、はっきりした計画はございませんが、これらの事業で治水に関係ございます分につきましては、治山治水十カ年計画がございますが、その線に合っているわけでございます。従って、これらは治山治水十カ年計画のダムの分でございますので、千七百七十億でございますか、これを国が交付をいたしまして仕事をやらせていく、こういうわけでございます。
○岡本(隆)委員 そういたしますと治山治水以外の分でございますね、その事業量はおよそ何%ぐらいと見ていられるのでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 これもはっきりいたしませんが、大体同額以下の金でございます。多目的ダム、いわめる洪水調節を加味いたしました施設の分だけでございます。ただ、これ以外に公団といたしましては、その水を目的地に運ぶ水路がございますが、そういう点については考えておりませんけれども、多目的ダム、建設省関係のそういう洪水調節の機能を含んだ部分だけについて申し上げますと、先ほどの数字でございます。
○岡本(隆)委員 そういたしますと、治山治水の分が千七百億、それから利水面については、その同額を少し下回る分、こういうふうにおっしゃっていますが、その他の施設を合わせますと、同額になると見て、大体千七百億の倍の三千五百億というような膨大な投資額、即それは資産になってくる。非常に大きな資産を運用するところの事業体になって参ります。しかもその膨大な資産を運用して、同時にそれは国民生活と非常に密接な関係のある治水に関連がある。従って、その運営が、もちろん建設大臣も国の責任において十分な監督をされるであろうと思うのでございますけれども、今日そのダムというものが各所でダム操作の面で問題を起こしております。だからこのダム操作というものが大きな問題を起こして、ことに今泰阜ダムでは非常に大きな——これは操作以前の問題でダムの建設そのものについての問題でございますけれども、ダムというものが非常に大きな問題を起こしている。だから、国民全体はダムというものには今ではもう無関心でおられない。全国の各地に、しかも多くの開発された、人口の非常に多い部分にたくさんの水源にダムを作り、しかも膨大な資産を運用して、同時にその水の利用というものも、それはそれぞれの法律をもって規制はされております、規制はされておりますけれども、それをぐっと一手に施しておるというふうなことになると、またその水の利用の配分の問題をめぐって、ことに自民党政府からであると、いろいろまたかんばしからざることも起こりはしないか、こういうこともわれわれは危惧するのです。従って、こういうふうな大きな公団の総裁を任命するにあたっては、やはり国会の同意を得るというふうにしていただいた方が、これはやはり国会の同意を得て、国会の信任を得て総裁になっているのだというふうなことでもって、運営にあたる人も非常に厳粛な気分をもって運営していただける、私はこのように思うのでございます。ところが、この公団法の役員の選出の中には、内閣総理大臣が総裁及び監事は任命するということになっておって、国会の同意を得るということにはなっておらないのです。その点、どういうふうにそれをお考えになりますか。その辺のところを一つお伺いしたいと思います。
○藤山国務大臣 従来の例から見ましても、国鉄総裁その他総理大臣が任命いたしておるのでございまして、仕事は非常に大きくなって参りますけれども、むろん従来の例から見て適当であろうと思っております。
○岡本(隆)委員 従来そうだから必要ないということにはならないと思うのです。またそういうことでないから、国鉄なんかでも国鉄汚職が出てくるのです。従来必要でないからただ漫然とそれが行なわれている、従来もこうだから今度もそれでいいという理屈に私はならないと思うのです。これは自民党の諸君とも私はしばしば議論をしておるのでございますけれども、これは陰で議論しておっても何でございますから、私は一応こういう席でこれを話題に載せておきたいと思うのでございます。たとえば今までの他の、道路公団にしても、あるいは住宅公団にしても行なわれておらない、だからこれも必要ないのだというのが自民党の側の御意見の模様です。なるほど、それも一理ございましょう。しかしながら、国鉄についてもやはりあれだけの大きなものであり、しかも国鉄についてはもう相当大きなものであるだけに、絶えず国鉄汚職というものは出ております。古くは東京駅の問題から、あるいは鉄道弘済会の問題、あるいは最近のトンネル建設の問題、絶えず汚職の影が国鉄にはついて回っている。そのことはやはり役員が何としてもそこに心のたるみがあるから、こういうことができてきておると思うのです。だからそういう点については、やはり国の機関というものはもっと公正にならなければなりません、もっと厳粛な気持で国民からゆだねらた機関というものは運営しなければならぬ、こういうように私は思う。そういう意味においては、将来非常に大きな——なるほど出発点のときはきわめてちっぽけなものであった。しかし十年だてば、大体日本の四大工業地帯の水を制約する。しかもそれから後二十年、三十年には後進地域の水までも開発していって、およそ日本の水というものは一応一手に握るというふうな重要な機関になるというものの長として、その運営の責任を負っていこうというような人は、最も公正、最も人格のりっぱな人でなければならない。それが一党の総裁が、場合によったら何かと取引に総裁にしていくというようなことがあってもやむを後ないというようなことであっては、私は断じてならないと思う。だから、そういう点においては、もっとこの法律は正しく規定されておらなければならない。また道路公団も、なるほど総裁はそうではございません。しかし、道路公団というものは、絶えずペイしたものは国へ返していきます。公開していきますから、資産というものは一定の限度にとどまる。水資源公団は無限にふくれ上がってくる。一定の限度にとどまるのと大きな開きがある。また住宅公団については、これは住宅公団もなるほどどんどん大きくなってきます。これも将来はわれわれの理想からいえば、日本の将来の住宅というものはほとんど過半数が公団の住宅だ、しかもそれがうんと安い、設備のいいやつだということになることとをわれわれは望んでおる。しかしながら、それはまだ事業体と直接結んでおらないだけに、いろんな汚職疑獄の種に、建設の場合以外にはならないでしょう。だからそういう意味においては、この水資源公団というものは一つの特徴を持っておる。一つの特性を持っておる。特性を持っておるだけに、特にこれは国鉄と一緒に一もし国鉄がなっておらないというなら、それはこれからむしろ法律を変えてそうすべきである。なっておらないから、もう必要ないんだという理屈にはならないと思うのであります、が、これは藤山さん、どうでしょうか、私の考えは少し行き過ぎですかね。
○藤山国務大臣 どうも少し行き過ぎじゃないか、こう思うのでございます。非常に膨大ではございますけれども、実質的には行政を分担していることでございまして、当然総理大臣の責任において運営はさるべきである。従って、適当な人を選ぶか選ばないかは総理大臣の見識にかかわることだと思います。
○岡本(隆)委員 その総理大臣があなたのように金があり余って、使いとうて使いとうてしょうがない、選挙のときも自分の方からどんどんほうり出していくというような方が総理大臣であれば、いじましいこともされないと思う。ところが、どうも日本の歴代の総理大臣はそういう人ばかりじゃなくて、総理大臣になるためにうんと金が要る。金がほしくて仕方がないという人が総理大臣になっておる。そこに私は問題があると思うのです。だから、政治の公明を期するためには、むしろやはり制度そのものをよりりっぱにしていくという努力が払われなければならないと思うのです。だから、それを私の方から下手に出て、行き過ぎでしょうかと言ったら、それは行き過ぎですなどというあなたの考えそのものが少し、砂糖会社の社長さんだから甘いかもしれないが、どうも少しあなたのおっしゃることも甘過ぎやしないかと思う。しかし、こんな議論はよしましょう。反駁する何かあれば何ぼでも反駁して下さい。またおつき合いさしていただきます。 そこで、今度一つ藤山長官にお尋ねをいたしたいのですが、地下水の問題です。今地下水をどんどんくみ上げております。地下水をどんどんくみ上げて、ましてそれが地盤沈下の原因になるということが明らかになって参りました。今何か対策を立てなければならぬということは政府もお考えの模様でございますが、どういうふうな構想をお持ちになっておられますか。
○藤山国務大臣 工業用水についてはすでに規制をある程度しておりまして、その方針に従って進めて参っておるわけでございます。また、ただいま特に市街地において、災害等の場合に問題になっております冷房用の水につきましては、今後それらを規制いたします法律を作りまして、そうしてそれを規制して、冷房用の水等につきましては地下水を将来使わないように、またやむを得ず過去において使っておるものについては、それを還流装置を作って還流させて、さらに一そうの地下水をくみ上げることのないようにというような趣旨のもとに準備をいたしております。
○岡本(隆)委員 そうすると、それはどの程度の期間にどういう措置を講じて水をくむことをやめさせようとおっしゃるのか、もう一つ明確でございませんが、どの程度の期間でございますか。またどういう措置を講じて水を一方的に禁止するのか。あるいはそれに対して何らかの工業用水を作ってやって回してやるとか、そういうふうなことをもう少し具体的に一つ御説明願えませんか。
○藤山国務大臣 この点は建設省の方で案を具しておられますので、建設大臣からお聞き願います。
○中村国務大臣 実はビル用水の使用規制につきまして、目下その成案を得べく検討を開始いたしておる段階でございますが、ビル用水の使用規制をいたしまするについても、この法案によるような水資源の開発ができて、水の供給が確保できませんと、全然禁止するということは不可能であると思います。できることならば、工業用水あるいは水道用求の間に合いますところは、ビルの冷房用に地下水のくみ上げを完全に禁止いたしたいと思っておりますが、しかしながら、供給の不可能な地域につきましてせ、一応原水だけはくみ上げて、あとはクーリング・タワーによって還流使用させる。要するに使用を極度に節約させるという方法以外にはないかと実は考えております。最近できました冷房装置を持ったビルに対して冷房を禁止するという形になっては、これは時代に沿わないことに相なるかと思いまして、そういう点を苦慮しつつ立案の作業を続けておりまするような次第で、できますことならば、こういった水資源開発公団のようなものができまして、活発にこれらの用求が供給できるように一日も早くなることを私どもは期待いたしておる次第でございます。
○岡本(隆)委員 地下水は自分の土地の下を堀ってくみ上げるんだ、それは自分の土地から出てくる水だからこれは自分のものだ、何ぼくみ上げても差しつかえないんだ、こういうふうな考え方に政府は立っておられますか。あるいは今日地下水のくみ上げがどんどん地盤沈下を起こしている、だからこれはもうその人一人のものではない、その地域住民全体のものなんだ、全体の土地をささえている水なんだ、だからこれはもはや自分のものでない、こういう考え方にお立ちになっておられるのか。どちらでしょう。
○中村国務大臣 今、岡本さんが御指摘になりました後段の方に私ども考えております。たとい所有権は上下に及ぶにいたしましても、それによって地盤沈下をきたし、あるいは自分の地下だけの水ではなしに、地下水を他の地域から流れてくる分まで吸い上げるということになって、それに基づいて地盤沈下をきたし、災害を起こすということになりますれば、どうしても公共の福祉を保持する上から、個人の権利を制限しなければならない。この制限は、国会の議決を経て法律として制限する場合には、公共の福祉に合致するものとして、私どもは、当然所有者として甘んじなければならないところである、かように考えております。
○岡本(隆)委員 私は大阪へ今度参りまして、大阪の高潮の問題の原因が、これはもう地盤沈下問題と非常に密接な関係かある、だから大阪の高潮対策は、これは地盤沈下対策だ、そのことは工業用水の問題だから、勢いこれは水資源対策の問題である、そういう意味において、水資源二法案は早く成立させて、一日も早く水の供給をやらなければならない、こういうふうに私も痛感して帰って参ったのであります。だから、この法案を私は早く成立させなければならないと思っておるのですが……。そこで、そういうふうな性格を持つ地下水であるだけに、そのくみ上げ禁止というものを早く考えなければそれだけより多くの防潮対策費というものが必要なんです。しかも、大阪のように川を持って、自由に川が網の目のように流れておって、高潮が出てくればその全部のなにから水が入ってくるというふうなところになって参りますと、あの高潮のためにするところの大阪市の涙ぐましい努力というものを見ますと、これはもう地下水のくみ上げというものは即時禁止すべきである、こういうふうに私は思うのです。 そこで、今考え方が、地下水というものはもはや自分のものと考えることはできない、こういうことになったとするならば、これから後、地下水をくみ上げておる者は、これは既得権利だから何ぼくみ上げてもいいのだ、こういうふうなものじゃないと思うのです。自分が一トン一トンくみ上げることは、それだけ何ミリか建設D・何ミリかですか、とにかく自分がくみ上げるところの一トンの水は何ミリかを絶えず沈下させているのだ、こういう自覚の上に立たなければならないと思う。だから、今後くみ上げるところの地下水は、くみ上げる量に応じてそれだけのペイを当然——くみ上げている者はそのくみ上げることによって事業をやってもうけているのですから、当然既得権で、これはくむのがあたりまえである、困るけれども仕方がない、こういうような考え方は誤りであって、現在地下水をくんでいる者はやむを得ない、水を供給できない間はくむのはやむを得ない、これは工業をストップというわけにはいかないかもしれないから、だからそれはやむを得ないでしょう。しかしながら、今後予見されるところの防災費、そういうものはそれらの人が責任を持つという必要があるので、それらの人々がどんどん勝手に水をくみ上げている。しかも、それに対する防潮対策費は国民の税金から払われておるというようなことであっては、これはタコが自分の足を食って、それでもってなにしているのに、そのタコの足を自分が食ったから、たとえばタコ配しておる株式会社に、そのタコ配しておる分、それ分をほかの者が全部持ってやれというような考え方と同じであって、これはくみ上げ禁止ということはぴしっと即時きめる。しかしながら、とてもどうにもならない人はくみ上げることはやむを得ない。それについては、それに伴うところの公共の被害というものを補てんするだけのものを政府に対して支払いなさいという建前に立ったところの、地下水くみ上げ禁止法ですか、というふうなものを早く立法化される必要がある。私はこう思うのですが、私の考え方これはちょっと乱暴しょうか。
○中村国務大臣 大体お説のような方向の線に向かってわれわれも検討いたしておる次第で、たといすでに施設を持っておりますところでも、いわゆる既得権者にいたしましても、規制をするようにいたしたいと思っております。
○岡本(隆)委員 ところが、うわさによりますと、くみ上げの禁止をやろう、そうしてビルなんかの冷房用は、クーリング・タワーを作らせるのだ、クーリング・タワーを作らせるには金がかかるから、何か補助を出してやろうというふうな構想があるようなことが新聞で報道されたのを見たのです。今まで地面を沈めておいて、さんざん公共に迷惑をかけておいた人間に対して、今までの分の補償はなにしてやろう、その上にまだ新たな施設に対してまで補助をしてやろうということは、これは盗人に追い銭です。そういうばかな考え方というものは、これは間違っておると思うのです。即時禁止すべきであって、クーリング・タワーを作るなら、これは自前でやればいいのです。またクーリング・タワーを作るのがいやなら、災害に対する、防災費に対する負担をうんと高く政府から吹っかけてもらって、取ってもらっていいと思うのです。そういうような考え方に立っていただかないと、既得の権利であるからどこまでもこれはやむを得ない、こういうふうな考え方で地下水くみ上げ対策というものをお立てになるとすれば、私はどうしてもそういう考え方には承服できないのです。だから、一日も早く地下水のくみ上げ禁止をされると一緒に、さらにあわせてそういう考え方の上に立ったところの立案をしていただくことをあらかじめお願いをしておきたいと思います。おかしな法案が出てからあとで文句をつけるのは私もいやでございますから、政府にあらかじめお願いをしておいて、いい法案を作っていただくようにお願いいたしたいと思うのです。 次に、愛知用水の水の値段、使用料についてお伺いいたします。水資源公団がなにされても、今後行なわれる使用料は、愛知用水の例が一つの基準になってくるであろうと思うので、その辺についてお伺いしたいと思うのでございます。愛知用水では、工業用水が四円で、農業用水が十円、それから飲料用水、水道用水が三十円というふうにトン当たりの使用料がなっておるというふうなことを聞くのでございますけれども、これは、ほんとうでしょうか。
○中村国務大臣 実は今その愛知用水の料金等、確かなところ承知いたしておる者がおりませんので、また適当な機会に、これは農林省の所管でございますから、担当者でも呼んでいただきまして、明らかにしていただきたいと思います。 ただ、われわれといましては、この水資源公団ができまして、用水を確保いたしました場合、できるだけ水の単価は安いことが日本の産業の発展上必要であると思いますので、トン三円台で処理できるようにいたしたいという考え方に立って構想を練っておる次第でございます。
○岡本(隆)委員 そのトン三円というのは、一切のもの全部がトン三円ということですか。一律に一トン三円という意味ですか。
○中村国務大臣 まだ公団が発足してから、これらの事業計画等を立てまして、そうして明細な方法を立てるわけでございまして、もちろん工業用水、上水道あるいは農業用水等もこの水資源開発から生まれる水でございますから、これらによってそれぞれの需要に応じた格差ができるかと思います。ただ、われわれとしましては、できるだけ単価の安い水が造成できるようにという希望を現在抱いてみる、こういう段階でございます。
○岡本(隆)委員 この水の単価をきめておられるのは、多目的ダム法によるところのアロケーションの方式でこういう各種日別の単価が割り出されておると私は思っておるのでございますけれども、愛知用水は特別に自分自身の計算方法をとっておるのでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 愛知用水公団でやっておりまする事業は、多目的ダム以外に長距離の水路の関係もございまして、そういういろいろな点を考えてやっておるようでありますが、やはり考え方としては、アロケーションの方式による、こういうふうに聞いております。
○岡本(隆)委員 そうしますと、ダムの出口においては、大体そのトン当たりの単価は大差がない、ダムの出口から後に引くところの水路についての費用、それのために高くついておるのだ、こういうふうに理解すべきなんでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 詳細はよく存じませんので、よく調べてからお答えをいたしたいと思いますが、やはり水路と両方考えないと、一トン当たりの水の適正な値段というものは出てこないように思います。従って、よく調べてからいずれお答えをいたしたいと思います。
○岡本(隆)委員 大体最初事業計画をきめる場合には、とにかくその河川のあるダム・サイトにおいては、そのダム・サイトにおいて行ない得るだけの最大の貯水量を持つところのダムを建設する。そこに出てくるところの水の使用量というものとは別にできるだけ大きなダムを作っていこう。そうすると、現在必要な量と、それから利用し後る水の量との間にある程度開きができますね。その分だけは先行投資として別に別ワクとして政府が金を出されるのか、あるいはその建造費全体を使う者が分けていくのか。そういう点はアロケーションの場合にはどうなっていくのでしょうか。
○山内(一郎)政府委員 従来の多目的ダムの方式によれば、水をだれが使うかということをきめまして、それによってアロケーション方式によって分担をきめまして、金を出し合ってやる。今回公団がやる場合には、いろいろ水の需要は多いのでございますけれども、はたして早急に実際に水を使う人をきめるということは、審議会等におきましていろいろ問題があるかと思いますが、その場合にも水が要るということは明らかでございますので、その分については先行投資で借入金等でやっていくというふうに考えております。
○岡本(隆)委員 企画庁長官に今度はお尋ねをいたしますけれども、水資源開発促進法なんですね。だから、できるだけ多くの水資源を将来のために確保しなければいかぬ。だから相当現在が必要な人、水の必要な事業体を集めて、これだけ今何万トン要るのだ、しかしながらここの地点へダムを作ればはるかに大きなものを作れないこともないという場合には、せっかく作るダムだから、やはり取れるだけ多くの貯水をしなければならない。しかしながら、さてそれを分配する場合に、さしあたり必要な量というものははるかにそれより低いという場合、これは当然出てくる問題で、またしかくあらねばならないと思うのです。その分だけは当時政府が相当な額の出資をして、公団に渡してやる。その水は将来伸びていくところの工業のためにリザーブしていくのだ。そしてまたその量だけはそれまでの間洪水調節にも役に立つ。だから、その二方面の役に立たせていくという形で運営が当然行なわれるべきだと思うのでございますけれども、そういう用意が政府にはあるのかないのか。そういう点を考慮に入れておられるのか、どうでしょうか。
○藤山国務大臣 できるだけの大きなダムを作ると申しましても経済的な問題もございますから、水の量だけではきまらないと思います。経済的な、しかも水の多い方式でダムを作ることになろうと思います。ちょうどそういうような経済的な規模で作ってみた場合に、それが需要よりも多かったという場合があろうと思います。少ないものを作るわけはございません。多かった場合には、将来その方面における需要というものを目的にいたすことは当然なことだと思います。従って、それをどういうふうに分担して負担していくかという問題になりますと、政府が公団には直接出資をいたしておりませんので、従って、それを負担する方法としては、やはり借入金等の関係から勘案されてくることになろうと思いますが、そういう面についていわゆる先行投資ということになろうかと思います。
○岡本(隆)委員 そういたしますと、先行投資はすべて一応洪水調節費としてまがのうていく、こういうふうな意味でございますか。これはおのずから私は意味が違うと思うのですよ。洪水調節としてはこれだけのものが必要だ、しかしそれ以上の分についてはやはり政府はこれは先行投資だということを明らかにする必要があると私は思うのです。そしてまた、それを明らかにして、そういうふうなことをはっきりと打ち出すことが、この水資源開発公団が生まれ、水資源開発促進法が生まれる理由になると思うのです。それを洪水調節に寝ころばせてしまおう、押しつけてしまおうという考え方は、産業を担当しておられるところのあなたのお考えとしては、あまりにうまく人のふんどしで相撲をとるというふうなことで、これはちょっと受け取りかねると思うのでございますが、どうでしょう。
○藤山国務大臣 私の申し上げたのは、あなたのお考えと同じことを申し上げておるつもりなんでございます。要するに水の需要の量というものが限られていて、それ以上の大きなダムを作るこのことが経済的であるという場合、特に将来それだけの水の需要がふえていくから作っても当然大丈夫だという場合には、現在必要以上の水を貯水する、あるいは得られる方法をとって参るわけでございます。むろん将来この公団に政府が出資等をする場合も考えられますけれども、さしあたり借入金あるいは債券等によりましてやって参りまして、たとえば債券あるいは借入金等でもって何年かの据え置きをいたしまして、その償還計画を立てて参りますれば、何も最初の人だけが非常に大きな全体の負担をしなくとも、将来のものを含めて料金決定はできるわけでございます。そういう意味で、あなたのお考えとそう違ったことを申しておくわけではありません。
○岡本(隆)委員 そうするとなんですか、水資源公債というふうなものでも発行されるおつもりなのですか。
○藤山国務大臣 水資源債券と申しますか、公債と申しますか、債券でございましょうが、そういうものを予定いたしておるのでございます。
○岡本(隆)委員 渇水の場合に水資源公団から水をもらう優先順位と申しますか、そういうものはあるのですか、ないのですか。
○山内(一郎)政府委員 ちょっと御質問の趣旨がわかりませんが、渇水のときについて新しく水資源を開発しまして、そのときにみながまかなえる、こういう計画でございます。
○岡本(隆)委員 ちょっと意味がわかりにくいのですが、もう一ぺん説明して下さい。
○山内(一郎)政府委員 たとえば大都市周辺の川をとりますと、要するに渇水のときには全部需要先はきまっている。そういう状態で新しく水利権を出すということはもうできないわけでございます。それ以上の水の需要に対しまして今回水資源の開発をやる、こういうことであります。従って、新しくできました水はその需要のおのおのに計画的に分けるわけでございますが、渇水時の水にプラスしてそれをやるのでございますから、渇水時における優先的というより、計画通り配分できる。逆にそういう計画のもとに水資源を開発していく、こういうことであります。
○岡本(隆)委員 極端な例でございますけれども、長期にわたって少しも雨が降らなかった。だからせっかくのダムが底をついてきておる。しかも、それが植付の時期であるというふうな場合ですね。工業用水は平生使うところの量はきまっております。大体年間そう大きなカーブでないと思います。農業用水というのは非常に大きなカーブがございますね。だから、たまたま植付の時期に非常な旱魃だというふうな場合に、平生通り工業用水へ水を回していたのでは、これは飲料用水もとまるし、植付などは思いもよらないというふうなことが起こらないとも限らない。こう思うのでございますが、そういう場合に、工業の水をとめれば農業用の植付の水は農民に回してやれるのだ。あるいは工業に回す水を半分セーブすればどうにかこうにか植付できないこともないというふうな事態が起こった場合、どういう措置をお講じになるのか。そういうふうなことについて、何か特別な考え方が規定されておるのかどうかということをお尋ねしておるのです。
○山内(一郎)政府委員 これから開発いたします計画におきましては、工業、上水道、並びに灌漑用水、これの分も一緒にあわせて計画を作るわけでございます。従って、渇水で非常に低いときのことを想定いたしまして、それ以上作って、みながまかなえるということでございます。従って、農業の分もまかなえますし、工業用水もまかなえる、こういう計画で進めてするわけであります。岡本(隆)委員 そうすると、私が今想定しておるような場合はあり得ないという御意見ですか。
○山内(一郎)政府委員 従来の記録に基づきまして渇水のことを想定してやっております。ただ、従来の記録以上にその水が少なくなった場合ということは、今、先生のおっしゃったことはあり得ないとも限りませんが、非常に低い渇水時を想定してやっておりますので、めったにそういうことはないということになると思います。
○岡本(隆)委員 それでは、万一あったときはどうなるか。これは農民が非常に関心を持っておる問題なんですよ。だから、そういう点、農業団体でもわれわれの方へ、これはそういう渇水の場合に工業の方へどんどん水を吸われて−−新たにダムを作った、今まではダムがなかったからその水は根こそぎ農民がとることができた。今後そういうことをやって、工業開発をやった場合に、その水が、工業はどうしてもこれだけ水が要るのだということで、最後の底をついた水も農民はもらえないということがあったら、農民は困る。つまりそういう点については、従来われわれが持っておったところの利水権というものは最後まで確保してもらわなければ困るというのが農民の声なんです。そういう点について、そんなことはあり得ないということだけでは、私は農家は満足しないと思うのです。その辺について、もう少し明確にしておいていただかなければ困るのですが……。
○菅政府委員 御承知のように、施設管理方針というものが主務大臣の方から示されまして、それに基づいて公団の施設管理規程が詳細にできることになっておりますから、この管理規程をを作りますときにはもちろん地方側の意見も聞きまして、そういう非常の場合の業務管理をどうするかということは、これは当然規程ができます。その規程に従い、水利権の内容に従い、その当時の需要の緊急度に従いまして、適切に処理し得るような体制は当然公団がとるはずでございますから、そういうふうにお考えおき願いたいと思います。
○岡本(隆)委員 そこで、さっきの同意あるいは協議の問題が重要になってくると思うのですね。そういうせっぱ詰まった場合、農民にとって、もう一年の収入が皆無になるかどうかという——旱魃の場合に、作付の時期に作付できないということは、これは農民にとったら一年収入がないということなんです。工業にとったら、かりにその期間、二十日間ストップしても、なお一年三百六十五日ですからね。だから、工業にとってはまだ工業の生き死にの——それは大きな問題ですが、これは二十日間ストライキをやられたらどえらい損やということと同じで、これは大へんな問題でしょう。しかし、農民、しかもそれが零細な生計を営む農民が一年間の収入が皆無になるというような段階の水飢饉の問題、それを末端の公団が管理規程を作るときに、地元の意見を聞いてやるのだから心配はなかろうというふうな、こういう漫然とした答えでは、これはそのことが農民にわかれば、農家にわかれば、断じて承服しないと思うのです。これはやはり水利用の順位、ことに従来使っておった——従来はそういうふうなダム・サイトのところを流れておる水の最後の一滴まで農民が水をせいて、そうして、その地域の農民が使っておった。今度新たにそこへダムを作って工業開発がされた。開発された工業はあと入りの口なんです。だから、そういうあと入りの口のために、今度はそういうふうな万一の場合に、最後の——水飢饉というものは、それは二十年に一回か百年に一回か、それは存じません。しかし、そういう非常なときには、農家には水が保証されるのだという保証がなくては、これは農家にとっては重大問題だと思うのです。あるいはまた地域によっては、もっとひんぱんにあるかもしれない問題になってくると思うのです。そういう点について、もっと明確に順位を規定するようなことを政令で定めるというところまでいかなければ、これは意見を聞くんだというようなことでは済まされない問題であると思うのですが、いかがでしょうか。
○菅政府委員 この管理規程を作りますときは、政令の定むるところによって作ることになっておりますから、この政令でそういうことも書くと思いまするし、公団の業務管理規程を作りますときには、そういう例外の場合のことも、これは当然書くと思います。ことに主務大臣の認可を得ることになっておりますから、農林大臣なら農林大臣のお立場から、渇水の場合の農業利水につきましての御要望もありますから、当然そういうことは入ってくると思うのでございますが、この法律上にそこまで書さませんでも、管理規程の作成にあたっては当然そういうことになります。そういう重要な規程が、管理規程の最もまた重要な問題ではないかと私は思いますから、当然そうなると思うのでございます。
○岡本(隆)委員 今の次官の御答弁ですね、順位は政令をもって明らかにするというふうなことでございますが、それでは藤山長官にお尋ねいたしますが、今の次官の御答弁間違いございませんか。 それと、農業用水、飲料水、州業用水、この三者の順位はどうなるのか。ここで明確にしておいていただきたいと思います。
○藤山国務大臣 今の次官が申したことは、その通りに行なわれるのではないかと私も考えております。
○岡本(隆)委員 順位はどうなりますか。藤山国務大臣 むろんそれらの個々の政令の内容についてはございません。しかし、問題は、今の農業と工業、それから飲料水、三者の関係については、それぞれ当該事情によりまして、過去の問題を新たに問題化いたさないような立場において運用されるように規定されることだろうと思います。
○岡本(隆)委員 これはくどいようですが、われわれが政府原案に、あるいは政府原案を少し修正したものに同意するかしないかということをきめる大きなキーポイントになってくるのですから、その点、もう少しはっきり、もやもやした形の御答弁——なかなかあなたは、もやもやっと上手に御答弁なさいます、が、そういうことでなしに、これははっきり、第一に農業用水、第二に飲料用水、第三工業用水、こういう順序においてそういう渇水の場合は水の配分をするんだということを、はっきりここであなたから明確にしていただきたいと思います。今、次官が大体そういうことを言ったのだから、次官の言ったことを大臣が言えないことはないでしょう。
○藤山国務大臣 この政令及びそれを運用する場合に、当然関係主務大臣がおるわけでありまして、その意見が、政令その他の規定にも十分入って参りますので、どれを一番いい順位にするかということは、相当主務大臣間で議論があろうと思います。今お話しのように、何を一位にし、何を第二位にするかということは、私ちょっとここで独断できめて答弁するわけには参らぬと思います。
○岡本(隆)委員 それでは、今、次官の言われたことは、あれはちょいとでたらめだというあなたの御答弁ですか。
○藤山国務大臣 私の理解しておりまするところによると、次官も、どの仕事が第一順位だということは言っておらぬのです。そういうことについて十分に政令において検討の上、これを規定していく、こういう御答弁をしておると思います。
○二階堂委員長 岡本君に申し上げますが、時間もだいぶ経過しておりますので、一つ締めくくりをお願いいたします。
○岡本(隆)委員 それでは、今速記録をもう一度読み直しまして、次の機会にもう一度得心のいくように御説明を願いたいと思います。きょうはこの程度で終わります。
○二階堂委員長 次会は明十一日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十一分散会