決算委員会 第3号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/13
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 昭和三十四年度決算外三件を議題といたします。 今国会においては、先般の理事会の申し合わせの通り、これら各件の趣旨説明は省略し、直ちに各省庁別の審査に入ることといたします。 本日は、裁判所所管、及び総理府所管中、総理本府、公正取引委員会、宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、警察庁関係について、審査を進めます。 各件審査に関し、国会法七十二条の規定による最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明の要求がありました場合は、その承認に関する決定につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 まず、裁判所所管決算の概要説明を聴取いたします。最高裁判所事務総長に発言を許します。石田事務総長。
○石田最高裁判所長官代理者 昭和三十四年度の裁判所の決算の概要について御説明申し上げます。 一、昭和三十四年度裁判所所管の歳出予算額は、百二十四億三千三百九十三万三千円でございましたが、右予算決定後、さらに三億四千九百六十四万円増加いたしまして、合計百二十七億八千三百五十七万三千円が、昭和三十四年度歳出予算の現額でございます。 右増加額三億四千九百六十四万円の内訳は、予算補正修正減少額として三千八百六十四万七千円減少し、大蔵省所管から移しかえを受けました金額八千四百七十七万六千円、昭和三十三年度から繰り越しました金額一億九千二百三十八万六千円、予備費使用額一億一千百十二万五千円、が増加し、差引三億四千九百六十四万円が増加したのでございます。 昭和三十四年度裁判所所管の支出済み歳出額は、百二十三億六千四百三十四万二千五百九十二円でございまして、これを右歳出予算現額に比べますと、四億一千九百二十三万四百八円減少しております。 この減少額のうち、翌年度に繰り越しました金額は、一億八千六十四万九千円でございまして、全くの不用となりました金額は、二億三千八百五十八万一千四百八円でございます。この不用額の内訳は、裁判所職員の俸給手当等の人件費二億三千百二十九万九千七百五十六円と、その他の経費七百二十八万一千六百五十二円とでございます。 二、昭和三十四年度裁判所主管の歳入予算額は、一億二千三百四十三万四千円、昭和三十四年度の収納済み歳入額は、一億二千六百七十四万六千九百三十八円でございまして、差引三百三十一万二千九百三十八円の増加となっております。 この増加額は、昇給等による恩給法納金の増加及び民事臨検旅費の弁償金等の増加がおもなものでございます。 以上が、昭和三十四年度裁判所の歳出及び歳入決算の概要でございます。 なお、会計検査院の昭和三十四年度決算検査報告に不当事項として掲げられました事項につきましては、ここに指摘された通りでございまして、裁判所といたしまして、このような不当経理及び不正事故を引き起こしましたことは、まことに遺憾にたえない次第でございます。 経費の年度区分を乱したものにつきましては、今後、再びかかることのないよう、十分に注意いたし、工事の施行につきましては、年度内に完成をはかるよう、その促進に万全の努力をいたしたいと存じております。 また、不正事故につきましては、これらの事故を未然に防止し、あるいは早期発見に努力して参ったのでございますが、犯罪の発生を見ましたことは、まことに申しわけないと存じておる次第でございます。 今後とも、監督者及び関係職員に対し機会あるごとに注意を喚起し、再びこのような事故の発生を見ざるよう、できる限りの対策を講じ、これを強力に推し進めて参りたいと存じております。 以上でございます。
○鈴木委員長 次に、総理府本府、公正取引委員会、宮内庁関係の概要について、総務長官より便宜一括して説明を求めます。小平総務長官。
○小平政府委員 昭和三十四年度における総理府の歳出決算について、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管の本年度歳出予算現額は、五千八百四十八億二百五十五万六千五十九円でありまして、支出済み歳出額は、五千六百六十九億六千二百万六千五百五十二円であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、百七十八億四千五十四万九千五百七円の差額を生じます。右差額のうち、翌年度へ繰り越した額は、百六十三億四千八百七十六万八千八百十七円であり、全く不用となった額は、十四億九千百七十八万六百九十円であります。 総理府所管の支出済み歳出額は、総理本府のほかに、公正取引委員会、国家公安委員会、土地調整委員会及び首都圏整備委員会の四つの委員会と、宮内庁、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、防衛本庁、調達庁、経済企画庁及び科学技術庁の八庁の外局に関するものでありますが、国家公安委員会、行政管理庁、北海道開発庁、自治庁、防衛本庁、調達庁、経済企画庁及び科学技術庁につきましては、各担当の大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局につき申し述べますと、歳出予算現額は、千二百十八億一千二万七千円でありまして、支出済み歳出額は、千百四十五億三千三百二十六万五千四百六十八円であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、七十二億七千六百七十六万一千五百三十二円の差額を生じます。右差額のうち、翌年度へ繰り越した額は、六十六億四千六百七十四万九千円であり、全く不用となった額は、六億三千一万二千五百三十二円であります。 以上申し上げました経費のうち、大部分は恩給関係経費であります。 恩給関係経費の総額は、一千百九十四億五百七十三万一千円であり、そのおもなるものは、文官等に対する恩給費百八十三億四千百八十万五千円、旧軍人遺族等に対する恩給費九百九十七億二千八百七十八万八千円でありまして、これに対する支出済み歳出額は、総額一千百二十二億五百五十三万五千五百九十円であります。そのうち、文官等に対する恩給支給における支出済み歳出額は、百七十七億九千三十万八千四百十五円でありまして、この経費は、恩給法等に基づいて退職した文官等またはその遺族等に支給した年金及び恩給、並びに国会議員互助年金法に基づいて退職した国会議員またはその遺族に支給した年金に要したものであります。 次に、旧軍人遺族等に対する恩給支給における支出済み歳出額は、九百三十億八千七百二十五万二千六十五円であり、この経費は、恩給法等に基づいて旧軍人及び遺族等に支給した恩給に要したものであります。 また、翌年度繰越額のおもなものは、旧軍人遺族等に対する恩給費における六十六億四千百五十三万五千円でありまして、これは恩給の調査決定に関する事務に不測の日数を要したため、年度内に支出を終わらなかったものの繰り越しであります。 不用額のおもなものは、文官等に対する恩給費における五億五千百四十九万六千五百八十五円でありまして、これは、一時恩給受給者が予定より少なかったこと等のためであります。 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○鈴木委員長 次に、行政管理庁及び北海道開発庁関係の概要について、川島国務大臣より一括して説明を求めます。川島国務大臣。
○川島国務大臣 ただいま議題になりました行政管理庁所管事項と北海道開発庁所管事項の決算につきまして、御説明を申し上げます。 まず、行政管理庁の昭和三十四年度決算の概要について、御説明いたします。 行政管理庁の歳出予算額は、十六億三千七百二十万二千円でありますが、赴任旅費予算に不足を生じましたため、調達庁から五十万円、科学技術庁から三十九万一千円、計八十九万一千円の移用を受けましたので、歳出予算現額は、十六億三千五百六十二万九千円でありまして、二百四十六万三千円の不用額を生じておりますが、この不用額を生じましたおもな理由は、職員に欠員を生じましたために職員俸給等を要することが少なかったためであります。 支出済み歳出額の内訳は、大別しますと、行政管理庁の職員に対する人件費が七億四千五百四十九万二千円、事務費等が一億一千八百七十九万円、うち、行政監察旅費三千八百十三万五千円、並びに国の統計調査事務に従事するため、地方公共団体に配置されている統計専任職員三千二百三十三人に対する人件費が七億七千百三十四万七千円でありまして、それぞれ所期の目的のため有効に使用されたものと考えております。 以上、簡単でありますが、昭和三十四年度の行政管理庁の決算の概要を御説明申し上げましたが、なお、御質問に応じまして、御説明申し上げたいと存じます。 何とぞ十分御審議の上、御承認賜わりますようお願いいたします。
○川島国務大臣 次に、昭和三十四年度北海道開発庁決算の概要につき、御説明申し上げます。 昭和三十四年度当初歳出予算額は、三百二十六億七千三百八十四万円でありましたが、年度半ばにおいて伊勢湾台風災害復旧のための予算補正修正減二億三千九十万円がありまして、その結果、三百二十四億四千二百九十四万円となりました。これに前年度繰越額三千二百十六万五千円と予備費使用額四百六十九万六千円を加えますと、総額は三百二十四億七千九百八十万一千円であります。 以上の予算の移しかえ及び支出の状況を御説明いたします。 まず、移しかえについて申し上げますと、厚生省所管の厚生本省へ移しかえた額二千万円、農林省所管の農林本省へ移しかえた額六十八億七千五百四十四万六千円、農林省所管の林野庁へ移しかえた額八億三千三百六十六万四千円、農林省所管の水産庁へ移しかえた額十二億七百九十一万五千円、運輸省所管の運輸本省へ移しかえた額十四億八千六百八十五万五千円、建設省所管の建設本省へ移しかえた額三十七億九千百六十七万一千円、合計百四十二億一千五百五十五万一千円となっております。 次に、移しかえ額を差し引きましたあとの歳出予算現額百八十二億六千四百二十五万円の支出内訳は、次の通りであります。 道路整備事業費では、道路事業で百三十九億二百六十六万六千円、街路事業で三億一千三百万円、港湾漁港空港では、特定港湾整備事業で三億七千百八十万円、工事事務費では、工事事務費二十一億八千七百三十五万一千百七十三円、雑件では、付帯事務費で二億二千六百九十二万五千七百七十九円、一般行政費で十一億六千三百十九万四千六百十四円、北海道開発計画費で六千三百四十三万二千三百二十五円、以上合計百八十二億二千八百三十六万九千八百九十一円であり、支出残三千五百八十八万百九円は不用額となった次第でありまして、その内訳とおもな理由は左の通りであります。 工事事務費で三千四十四万九千八百二十七円、付帯事務費で百五十九万四千二百二十一円、一般行政費で三百七十九万四千三百八十六円、北海道開発計画費で四万一千六百七十五円。 この不用額を生じました理由は、工事事務費、付帯事務費及び一般行政費では、職員に欠員を生じ、給与と国家公務員共済組合負担金が予定より必要でなくなったものであり、また、北海道開発計画費では、諸謝金、委員等旅費等にて多少の整理残を生じた結果によるものであります。 なお、前述予算の実施内容を概略説明申し上げますと、次の通りであります。 項 北海道開発事業付帯事務費は、北海道の河川、農業等直轄事業を実施するため北海道開発局において必要な旅費、庁費等に要した事務費であります。 項 北海道開発事業工事事務費は、北海道において河川、道路及び農業等の直轄事業を実施するため、北海道開発局の施行する工事に直接必要とした人件費及び事務費であります。 項 北海道開発庁経費につきましては、その大部分が職員(定員)二千四百六十六名に必要とした人件事務費でありますが、その他に北海道開発の基本施設である建設事業を進める上において必要な各種試験研究のために設置された土木試験所の経費として、庁費及び施設費として二千三百三十三万二千九百六十一円、芦別堰堤管理委託に要した経費三百三十九万六千円、河川、道路、漁港、開拓、土地改良等の北海道開発事業に従事する北海道職員七百三十八名に要する人件費の一部を、北海道に補助するために支出した経費八千百三十万六千円がおもなものであります。 項 北海道開発計画費は、北海道開発法に基づいて、北海道における土地、水面、山林、鉱物、電力その他資源を総合的に開発するための基本的計画の調査実施に要した経費であって、支出総額六千三百四十三万二千三百二十五円であり、そのうち直轄実施した経費は四千五百四十四万五千三百二十五円、他に委託した経費は一千七百九十八万七千円であります。 なお、当決算年度におきまして、不当事項二件の国会報告を出しましたことにつきましては、衷心より遺憾の意を表する次第であります。このことにつきましては、十分に原因を究明し、業者の責めに対しては、手直しあるいは返還を要するものについては、直ちに所要の措置を講ずるとともに、小樽開発建設部における当該業者に対する指名を一カ年停止することとし、また、関係職員にはそれぞれ訓告処分あるいは厳重注意の処置をいたしました。今後は、十分な注意のもとに工事の実施あるいは事務の処理をするよう、厳に指導して参る所存であります。 以上で、北海道開発庁の昭和三十四年度予算の決算概要を申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○鈴木委員長 次に、警察庁関係の概要について、警察庁当局より説明を求めます。宮地官房長。
○宮地政府委員 昭和三十四年度の警察庁の決算について概要を御説明申し上げます。 第一に、警察庁の項であります。 当初歳出予算額は九十八億七千六百二十六万六千円でありまして、予算補正追加額は九千三百三十五万五千円で、歳出予算額は九十九億六千九百六十二万一千円となったのであります。これに予備費使用額一千八百四十五万二千円、予算移用増加額一千二百七十一万五千円がありますので、歳出予算現額は百億七十八万八千円となっております。 この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は九十九億九千四百二十四万六千二百七十円で、不用額は六百五十四万一千七百三十円となっております。この経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関自体の経費のほか、警察法に基づき都道府県警察に要する経費で警視正以上の階級にある警察官の俸給、その他の給与、教養、通信、装備、犯罪鑑識、犯罪統計、警衛警備、国の公安にかかる犯罪その他特殊犯罪の捜査等に必要な経費で、不用額を生じました主たるものは、職員俸給等の人件費の不用でありまして、これは永年勤続した比較的高額の給与を受ける職員の退職が多かったこと等によるものであります。 予算補正追加額九千三百三十五万五千円は、昭和三十四年に発生した伊勢湾台風による被害地への警備出動等に要した諸経費であります。 予備費使用額一千八百四十五万二千円は、昭和三十四年九月十一日の閣議決定によりまして、予備費使用を承認されたもので、この経費は日本赤十字社と朝鮮民主主義共和国との間における在日朝鮮人の帰還に関する協定に基づく在日朝鮮人の帰還に伴う警備出動等に要した諸経費であります。 予算移用増加額一千二百七十一万五千円は、予算総則第三十三条第八号及び第九号により調達庁の項より移用したもので、この経費は退官退職手当の予算不足を補うため、昭和三十五年三月九日大蔵大臣の承認を受けたのであります。 第二は、警察施設費の項であります。 当初予算額は一億一千四百三十七万三千円、予算補正追加額二千八十万九千円で、歳出予算額は一億三千五百十八万二千円となったのであります。これに予備費使用額四百九十五万円がありますので、歳出予算現額は一億四千十三万二千円となっております。この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は一億四千九万六千三百八十円で、不用額は三万五千六百二十円となっております。 この経費は、警察庁所属の庁舎で施設の増改築及び補修を必要とするもの、警察庁所属の校舎等で施設の増改築及び補修を必要とするもの、並びに警察用舟艇の建造等を実施するために必要とする経費であります。特に昭和三十四年度におきましては、庁舎、校舎等で老朽化のはなはだしいものを最重点に施設の補修を行なっており、また、警察用舟艇につきましても大型二隻、中型一隻の警備艇を建造し、その任務の達成に努力いたしたものであります。 不用額二万九千八百七十円を生じました理由は、学校施設整備費等の入札差額金等によるものであります。 予算補正追加額二千八十万九千円は、伊勢湾台風による被害を受けた警察庁所属の庁舎等の施設復旧に要した経費であります。 予備費使用額四百九十五万円は、昭和三十四年九月十一日の閣議決定によりまして、予備費使用を承認されたもので、在日朝鮮人の帰還に伴い警備のため新潟県に警備警察官を待機させるための特別機動隊庁舎を新設することに要したもので、昭和三十四年十月末に完成し、現在も引き続き使用しているものであります。 第三に、都道府県警察費補助の項であります。 当初予算額は三十五億三千二百十九万五千円、予算補正追加額七千百三十五万一千円、修正減少額一千七百八十九万三千円があり、歳出予算額は三十五億八千五百六十五万三千円となったのであります。これに予備費使用額十二万円がありますので、歳出予算現額は、三十五億八千五百七十七万三千円となっております。この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は三十五億六千六百九十七万三千円で、翌年度繰越額は一千八百八十万円、不用額はありません。この経費は、警察法及び同施行令に定めるところによりまして、都道府県警察に要する経費の一部を補助するものであります。 翌年度繰越額一千八百八十万円は、都道府県警察官待機宿舎施設整備費補助金の一部でございまして、実施設計の変更等により事業の遂行がおくれ、年度内に支出が終わらなかったことによるものであります。 予算補正追加額七千百三十五万一千円は、伊勢湾台風による被災県の被害を受けた警察施設の復旧等に必要な経費であります。また予算修正減一千七百八十九万三千円は、伊勢湾台風により災害を受けた警察施設の復旧に重点を指向するため、他の一般の警察施設整備に要する経費の一部を節減したものであります。 予備費使用額十二万円は、昭和三十四年九月十一日の閣議決定により、予備費使用を承認されたものでありまして、この経費は、在日朝鮮人の帰還に伴う警察活動上必要な電話専用料に要したものであります。 第四に、都道府県警察施設火災復旧費補助の項であります。歳出予算額はなく、昭和三十四年八月四日の閣議決定によりまして、予備費として五百八十万二千円を承認されたので、歳出予算現額は五百八十万二千円であります。この予算現額に対しまして、支出済み歳出額は五百八十万二千円で、不用額はありません。 この経費は、昭和三十四年二月十二日の火災により焼失した高知県高知南警察署、並びに昭和三十四年二月二十五日の火災により類焼した秋田県能代警察署檜山巡査駐在所の復旧費の一部を補助する経費を支出する必要があったもので、昭和三十五年三月末にいずれも復旧完了いたしております。 第五に、庁舎特別取得費の項であります。 歳出予算額、歳出予算現額とも一億八十万円であり、この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は全然なく、一億七十九万九千九百八十七円について翌年度繰り越しを行なっており、不用額は十三円となっております。 この経費は昭和三十四年度一般会計予算総則第三十条に基づき、大蔵省所管大蔵本省より昭和三十四年十二月五日移しかえを受けたのであります。 翌年度へ繰り越した理由は、土地及び建物の取得が事情変更のため引き渡し期限延期のやむなきにいたり、年度内に支出が終わらなかったものであります。 以上で、各項別の概要を御説明申し上げましたが、これを総括して申し上げますと、当初歳出予算額は百三十五億二千二百八十三万四千円、予算補正追加額一億八千五百五十一万五千円、予算補正減少額一千七百八十九万三千円、予算移しかえ増加額一億八十万円がありますので、歳出予算額は百三十七億九千百二十五万六千円となります。これに予備費使用額二千九百三十二万四千円、移用増加額一千二百七十一万五千円があるので、歳出予算現額は百三十八億三千三百二十九万五千円となっております。この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は百三十七億七百十一万七千六百五十円であり、不用額は六百五十七万七千三百六十三円、翌年度繰越額は一億一千九百五十九万九千九百八十七円となっております。 以上で警察庁の決算説明を終ります。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○鈴木委員長 会計検査院の説明はあと回しとし、便宜、川島国務大臣に対する質疑に入ります。小川豊明君。
○小川(豊)委員 川島長官に一点お伺います。 この決算委員会は、国費の不当、不正な使用ということに対する究明、これは当然ですけれども、そのほかに、予算の執行が適正であったかどうか、あるいはその効果があったかどうか、こういう点にまで触れて審査をしているわけです。そこで、会計検査院から出てくるのは、大体不正事項、不当事項で、予算の執行が適正であったかどうか、あるいは効果があったかどうかということになってくると、われわれは、行政管理庁から出てくる行政監察報告が非常に大きな目安になっているわけです。これは管理庁の方で各省に当然出されると思うのですが、それに対する回答をあなたの方では求めておられるのかどうなのかという点と、さらにもう一つは、その監察報告と、各省に回答を求めておられるならば、その回答をつけて国会の方へ出してもらうと、われわれの審査に非常に役立つわけなんです。この点についてどうなっているか、また、そういうお考えがあるものかどうか、この点をお聞きしておきます。
○川島国務大臣 行政監察報告につきましては、監察の集計をいたしまして、それぞれの官庁に文書並びに口頭をもちまして注意、警告、改善等を促しておるのであります。行政管理庁設置法によりまして、そういう勧告をした場合に、それに対する措置の回答を求めることができると書いてありますので、その条項に基づきまして、措置につきましては、必ず回答を求めております。大体従来の実績によりますと、勧告してから四、五カ月のうちには回答が参ります。その回答につきましてさらに重ねて審査をいたしまして、不十分と思うものは重ねて勧告をする、こういう処置を従来ずっととってきておるわけでございます。 ただいまお尋ねの、国会に回答まで報告をさすかどうかということは、従来の慣例等を存じませんから、その点、事務当局から御答弁させますから、御了承願います。
○原田政府委員 各省庁に対しまして勧告しました結果は、今長官から回答いたしました通り、それにつきまして回答を求めておるわけでございます。回答が参りますのは、おおむね半年以内くらいに参りますが、期間が短かいというふうな関係等もありまして、それまでにはなかなか勧告通り実行できない事項が相当あるわけでございます。従いまして、私どもは、その勧告に対します回答の状況を見まして、その後さらに半年以上たちました後に、その実行状況の回答を求める、こういう措置をとっております。従いまして、私どもが監察の結果を発表いたします、あるいは報告書を配付いたしますときには、まだ回答は参っておらないわけでございます。その回答が参りますのも半年くらいたって後である、こういう状況でありますし、さらにその後半年以上たちましてから、その後の措置を回答を求めるということでございますので、国会等に資料等をお配りいたします場合におきましては、まだ勧告に対する回答は来ておらない場合が多い。まして回答した後の措置等につきまして、御報告申し上げるまでの状況になっておらぬ、こういう場合が多い次第でございます。
○小川(豊)委員 勧告をする、それに対して四、五カ月で回答が来る、これは私もわかる。ところが、われわれ決算委員としては、今のようやく三十四年度の審査をしておるわけなんで、従って、回答も、あなたの方で出す気ならば、その期間は十分あるのではないか。この決算委員会として、会計検査院の報告、あなたの方の監察報告とそれに対する回答というものは、われわれの唯一のよりどころなんで、そうでなければ、ここで探し歩くということになると、これはおかしな話なんです。そういう制度がない、慣例もないということになるかもしれませんが、これはぜひ一つ国会の審議を効果的に促進するために、十分お考え願いたい点だと思いますので、ちょっとつけ加えて申し上げます。
○原田政府委員 私どもは、今申し上げました通り、勧告いたしましたときに、その実情を一般に知らせる、新聞発表等もいたしております。さらに、その後回答が参りましたときにおきまして、私どもの方で刊行いたしております監察月報というものがありますが、月報におきまして、こういう勧告に対してこういう回答があったということを載せております。さらに、その後勧告に対する回答に再照会をした、それに対してどういう回答があったかということも、実は監察月報に載せておるわけであります。そしてその監察月報は、この委員会あたりにもお配りいたすことにしておるわけであります。それによりまして勧告に対する措置状況等を御承知願える、かように考えておるわけであります。
○鈴木委員長 勝澤芳雄君。
○勝澤委員 長官があまりお時間がないようでございますので、重要な点だけ二、三お尋ねいたしたいと存じます。 国の会計の監査をする会計検査院、あるいは行政を監察する管理庁というものは、国の役所の中で大へん重要な存在になっていると思うのです。いろいろ機構を見てみますと、やはり監察局へ参りましても、足を使って監察しなければならぬという、いろいろの問題点もあろうと思うのです。私たちが予算の効率的な使用という立場からいろいろ今まで検討して参りますと、会計検査院から指摘されている不当、不正事項についても、管理庁の意見というものをそのまま取り入れて実施しておれば、こういうような事項はないであろうという点が多々あるわけであります。そういう点から言うならば、行政管理庁の任務というものは実に重大だと思うのですが、やはり大臣がしっかりした人でないと、あっていいのか悪いのかわからぬような状態ですが、幸い川島長官は、今の実力者内閣の最実力者といわれておる方でありますから、この行政管理庁の任務というものは、これからますます重く、そしていろいろな面で積極的な施策をとられると思うのです。そこで、決算委員会で私としてお願いいたしたいことは、ここでやられる各省各庁の不正、不当事項以外の行政上の諸問題につきましては、会計検査院はもちろんのこと、やはり行政管理庁としても十分御関心を持っていただいて、これについての御検討をまずわずらわしたい、こう思うわけでございます。そこで、いろいろ詳しい内容につきましては、六月六日に、三十三年度の決算の締めくくり討論として、自民党の鈴木正吾先生と社会党の小川豊明先生が討論しておられますので、それらを見ていただくといたしまして、それらの中で取り上げられました三つの問題について、まず私はお伺いしたいと思う。 それは、まず第一に補助金と委託費の問題であります。昭和三十三年度を見てみますと、補助金、委託費の出ている総額は二千八百三十三億、国の予算の一八・七%が出ているわけであります。そして補助団体というものは、一万以上に上るだろうというふうに計算をされるわけであります。一体国のやり方として、補助金、委託費というものは、このように出されていいのかどうか。そのことが、外郭団体がますます複雑化すると同時に、各省々々がそういうものを互いに作るということになってくるわけであります。 それから第二の問題は、補助金、委託費にありつく外郭団体のまず最初の段階として出てくるのは、公社、公団、公庫の問題であります。公社、公団、公庫を見てみましても、それは必要な公社あるいは公庫もあると思うのです。しかし、どうもこれは必要だろうかなと疑問になるものもあるわけです。その一つの例は、このときにも指摘されましたように、公営企業金融公庫、全国で三十人だ。大蔵事務次官がやめられていすがないので、総裁になって、大臣よりも多い二十六万円の月給をもらって、何をやっておるかといえば、自治省と大蔵省の下請の判こ押しをやっておる。こういうことがあるわけです。池田総理の答弁でも、必要だから作った、こう言われた。それは必要だから作ったのでしょうが、やはり公社、公団、公庫の人事の運営、それからいろいろ内部の機構、それから何といいますか、天下り人事、こういうことから考えてみましても、この公社、公団、公庫という問題、そしてその下につながる補助金や委託費をもらう外郭団体、こういう問題です。 それから三番目の問題としては、今問題になっております審議会とか委員会の問題です。現在二百八十六あって、約八千百人、予算で三億八千七百万円が使われているわけです。この中には、今まで一年間に一回も開かない委員会が三十九あるわけです。それから年に六回以下のものが百五十二、約五割というものがそれに該当するわけであります。そしてその中では、御案内のように国語審議会、結局委員のメンバーをきめたときに結論がきまっておるから、それでもめくり返っておる。あるいは運輸審議会。運輸審議会は何をやっているか。運輸審議会がもうちょっとしっかりしていれば、私は、この間の武州のような問題なんというのは起きないと思うのです。あるいはまた起きるとしても、変わった形になってくると思う。こういう問題があるわけでありまして、これらの問題について池田総理も、この前の答弁では、やはり検討すべき段階にきておるというお話をいたしておりましたので、実力者内閣の最実力を持っておる長官に、一つこの点についてのお考えをまずお聞きいたしたいと思う次第でございます。
○川島国務大臣 お尋ねの第一点は、補助金の問題でありますが、お話の通り、現在非常に多岐多様の補助金が、多額に出ております。これは、私がかつて六年前に行政管理庁長官をやりましたときに、この問題を取り上げて監察をした記憶を今呼び起こしておるのでありますが、補助金の中には当然整理を要するものがあると思います。末端の一戸々々に配付すればきわめて低額で、ほとんどもらっても仕方がないような補助金が、農林省などでは非常にたくさんの種類があるのであります。そういうものを整理しようとしますと、現在の官僚機構というものが反発をいたしまして、なかなかの整理難に陥る。極端に申し上げると、一部の役人が自分で補助金を持っておって、これをつけてやるということで自分の勢力を扶植しようとしているというような点がたくさんあります。こういう実情は私もよくわかっておりますので、補助金の問題につきましては、十分な監察を再びいたしますように考えたい。これは今御指摘になるまでもなく、かねての私の念願でありまして、六年前からやっておるわけであります。全く御同感であります。 次は、公団、公社、事業団等でありますが、公団、公社、事業団の人事に天下り人事が多い。場合によっては人間のために事業団等を作るなんといううわさも出るのでありまして、これに対しても相当世論の非難がございます。公団、公社、事業団には、民間の学識経験者というものを活用して、適切な運用をすることが主たる目的であるにかかわらず、大部分役人が事業団、公社、公団の役員になるということでありましては、それを作った目的を達しないのでありますからして、全部が全部役人がいかぬとは申しませんけれども、相当程度民間の有識者を入れる必要があるのではないか。現に道路公団のごときは、岸道三君が入って非常な実績をあげておりますし、初代の住宅公団の総裁は加納久朗君でありまして、これは横浜正金銀行で長くやった人でありますが、これまた相当の実績をあげておるわけであります。そうした政府の外郭団体には、民間の有能な人、学識経験の豊かな人をなるべく起用することが望ましいのでありますけれども、さて人間があるかというと、これはなかなかむずかしいのでありまして、事業界を退いて月経のあがった人は、使っても仕方がない。ばりばりした若手は、会社で相当収入があるから、収入を減らして公団、公社、事業団にきて、しかも、そういうものは政府、国会の監督を受けるというので、逃げる人が多いのでありまして、適材を得ることが非常にむずかしいのではないかと思います。しかし、そういう人に国家奉仕の観念を呼び起こしていただきまして、なるべく適材を外郭団体に入れる。また、役所との連絡もありますから、その方も多少入れて、いわば役人と民間との混合組織でもって事業団等の役員のメンバーを構成したらどうかというような考え方を今いたすのでありますけれども、これは御質問に対する私の思いつきを申し上げているのでありますからして、御質問の趣意は一つ十分検討をいたしまして、間違いのないような運用をするようにいたしたいと存じております。 最後の御質問は、審議会でありますが、これはお話の通り、すでに二百数十の審議会がありまして、中には全く死んだ、活動していない審議会もあります。実は先般私が行政管理庁長官になりまして、この点に留意いたしまして、各審議会のいわゆる手当というものにどういう差があるかということを調べさせました。最近できましたから、お手元にお配りして差しつかえないのですが、審議会同士の手当もずいぶん違うし、全くむだな審議会もありますが、しかし、現在の審議会はことごとく法律に基づいておる審議会でありまして、行政管理庁だけでこれを簡単に整理することはできませんし、しかも、審議会の相当部分は、議員立法に基づいた審議会でありまして、これらは議員諸君と十分相談をいたしまして、今後整理いたしたいと考えておるわけであります。
○勝澤委員 大へんはっきりした御答弁をいただきまして、われわれも意を強うするわけでありますが、ぜひ一つ十分な御検討を願いまして、在任中にやはり実現をさしていただくようにお願いをいたしだいと存じます。 それから特に会計検査院なりあるいは行政管理庁でいろいろやった結果、やはりこれは法律的にあるいは直さなければならぬ点がいろいろあるように聞いております。たとえて申し上げますならば、私は、このごろ大蔵省の管財の払い下げを見ておるのですが、戦争からり引き続きで、台風がくればつぶれるような建物の中に住んでおる。修理をせよといったら、修理をする金はありません。とにかく早く立ちのいてもらうか、早く払い下げをしたい。しかし、なかなか入っている人がそう直ちに買われる人じゃないから、解決つかないということがたくさんあるわけであります。これは会計検査院の方からいえば、いろいろな規定があります。ですから、そういう点は、会計検査院の方でも積極的な法律改正の意見を出すことが出ておるわけでありますけれども、実は今まで一件もそれについて指摘をしたことがないというようなやり方なんです。ですから、行政管理庁の中で、十分そういう実情に合わない点は積極的に、政治を正すといいますか、あるいはやりいい方向に法律改正をするといいますか、こういうような点などにつきましても、管理庁としても、自分のところには権限はないけれども、こういうやり方をした方が全体的に、あるいは国民のためにいいじゃないかと思いますので、ぜひ御検討願いたいと思います。最近は相談員という制度もできまして、あの人選も、全国的にはわかりませんが、私の知っておる範囲ですと、大へん配慮された人選がされておるようであります。そういう点から、今私が言いましたような問題もちょっと出てくると思いますので、一つ積極的な施策をお願いしたいと思います。
○川島国務大臣 御趣旨はよくわかりましたから、十分考えておきます。
○鈴木委員長 鈴木正吾君。
○鈴木(正)委員 仄聞するところによると、川島長官は、行政機構の簡素化ということを考えておられるようであります。今の日本の政治機構の中で一番大事な問題は、行政機構をもっと簡素化できないかどうかということだろうと思うのであります。吉田内閣時代から、行政機構をもっと簡素化しようということを考えたこともあるようですけれども、それが実現できなかったばかりでなしに、その後において、行政機構はますます複雑多岐にわたってきたように見えます。その原因はいろいろあろうと思いますけれども、一つは人のために官を設けるという長い間の伝統といいますか、因襲が改められない点にあろうと思うのです。幸いに、行政機構の問題については、多年一つの信念を持ってこの問題を考えておられる長官ができたわけなんであります。この際、日本の行政機構簡素化についての長官の御信念を承りたいと思います。
○川島国務大臣 現在の行政機構はきわめて複雑多岐になっております。しかも、能率が非常に悪い。戦争前とただいまの状況を比べまして、内容はほとんど変わらないで、事務のやり方は全く同じであって、ただ事務量がふえるに従って人員だけをふやしている、こういうのが、率直に申し上げて、今の行政機構でないかと考えます。もっと機械化すべきものは機械化し、また能率化するものは能率化いたしまして、国民にサービスするという精神を徹底しなければならぬじゃないか。明治時代から戦前まで仕組みました役所のための行政機構ではなくて、国民のための行政機構を作っていく。ここに重点を置きまして、行政機構の簡素化を考えておるわけでございます。私が就任しましてから、監察事項として第一回に取り上げましたのはこの問題でございまして、第三・四半期でありまする十月から十二月に至る三カ月間は、一切の監察は停止して、行政の二重機構、人事管理の問題、これを今監察をさしております。その結果を見まして、私どもの手で解決すべきものは解決しますし、重大なる問題は、すでに国会に出まして、内閣委員会で御審議願っておりまする人事行政調査会に諮りまして解決したい、こう考えておるのでありまするが、ただいま鈴木さんのお話のように、歴代の内閣がこの問題を取り上げてやっておるのですが、なかなかこれが成功しないということは、結局現在の官僚機構と労組との抵抗でありまして、私どもは、労組の不利益をはかるわけではございません。行政機構の改革ということは、人員整理を意図しておるのではないのであります。ただ、全体を見ますと、いかにも人員のアンバランスがある。それから年々公務員の数がふえる。現に三十七年度の予算におきまして、今日各省の要求しているのを合計いたしますると、自衛隊まで入れて六万四千人の人員増加になる。これをいかに押えるかということで今苦心しておるのでありますけれども、こういう際にも、片一方簡素化して余った人間を配置転換すれば、一切犠牲なしに行政機構簡素化ができる、こういう考えに立ってやっているのでありますが、しかし、今申し上げたように、何としても強い抵抗があるので、この壁を破るのは結局国会の力、自民党、社会党、両方の力を借りなければできないのでありまして、今後一つ皆様と十分相談しながら、皆様の御鞭撻と御支援によりまして、これを達成したい、こう考えておるわけであります。
○鈴木(正)委員 非常に力強い御信念を承って、国民は川島長官に深く期待しておるということを申し上げておきます。
○西村(力)委員 ちょっと関連して。川島長官から今明快なお話がございましたが、あなたの現在の仕事は、行政管理庁長官として行政機構の能率化をやるとともに、北海道開発庁長官という立場を持っていらっしゃるわけですが、この二つの立場を持って、今の御趣旨からいって、北海道開発庁の仕事につきましてどういうお考えを持っていらっしゃるか。これを見ますると、移しかえの費用が大体あなたの方の予算の半額、しかも私たちには、前の知事は社会党員であったというときにはどうだ、今度町村さんのときにはどうだ、こういうようなことを耳にはさむのです。こういう二つのポストのキャップとして、今の御趣旨から見まして、どういうお考えを持っていらっしゃるのか。
○川島国務大臣 北海道開発庁ができましたときには、そのときの政治情勢がありまして、わきの官庁とは多少違った機構になっていることは、御指摘の通りであります。一応北海道開発庁で予算をとりまして、さらにこれを移しかえをして、実施官庁は各それぞれのお役所が受け持つ。しかし、仕事をやるのは北海道開発庁でありまして、この人事は北海道開発庁が持っているという、きわめて複雑な機構でありまして、これで約十年間運営をしているわけであります。私は、従来までこの点にあまり関心を持っていないで、研究いたしませんけれども、一つ研究しまして、現在の機構でもって北海道開発上不都合があるというならば、むろん今度は行政官庁長官としてメスを入れる、こういうように考えております。
○鈴木委員長 続いて、会計検査院当局より各所管別の検査の概要について、順次説明を求めます。 まず樺山第二局長。
○樺山会計検査院説明員 私、本年の六月に、安岡局長のあとを受けまして第二局長となりました樺山でございます。 昭和三十四年度の裁判所関係の経費の検査の結果、検査報告に記載されました事項は三件でありまして、まず、検査報告の二十四ページの第一号、これは最高裁判所で三十五年の二月に契約をいたしました岐阜の裁判所関係の工事は、年度末において約半分程度の出来高であったにもかかわらず、これを三十四年度の予算から全額の支出をいたしましたのでありますが、実際は三十五年の七月、八月に完成しました工事でありまして、このような場合には成規の繰り越しの手続をとって処理すべきものでありまして、会計法規に違反した事項でございます。 次の二号と三号は、職員の不正行為でありまして、いずれも関係職員が担当の裁判官の印を盗捺していた用紙を使用いたしまして、鑑定料とか、証人旅費、あるいは保管金を詐取いたしたものでありまして、主任の書記官あるいは担当の裁判官が、書類の審査が不十分であったことと、印鑑の保管について疎漏な点があったということに原因するものと思われます。 以上で裁判所関係は終わりますが、次の総理府の警察庁関係は、二局の所管でございますが、三十四年度の歳入歳出の検査の結果、不当と認めた事項はございません。 以上で終わります。
○鈴木委員長 次に秋山第一局長。
○秋山会計検査院説明員 総理本府、公正取引委員会、宮内庁及び行政管理庁の三十四年度の歳入歳出決算の検査を書面並びに実地について行ないましたが、特に不当と認めた事項はございません。
○鈴木委員長 白木第三局長。
○白木会計検査院説明員 総理府所管のうち、北海道開発庁関係の検査報告事項について、簡単に御説明申し上げます。 開発庁関係で三十四年度に掲記しておりますのは、工事に関するもの一件、物件の購入に関するもの一件、合計二件でございまして、なお、この決算につきましては、御承知の通り、先ほど大臣からも御説明がございましたように、それぞれ事業費を所管各省に移しかえて決算をする建前になっておりまして、ここに掲げておりますのは、工事の関係は建設省の道路整備特別会計に関するもの、物件の購入、これは自動車の購入でございますが、これは建設省所管、運輸省所管、農林省所管、三省の決算にまたがっております。 まず、工事でございますが、これは二級国道の改良工事を小樽の開発建設部で実施しておるわけでございますが、この工事は砂質心土で盛土をいたしまして、その表面に砂質心土の盛土の保護をするために厚さ五十センチメートルで普通土の被覆をやる設計になっているわけでございますが、検査いたしましたところ、この保護のために施行した普通土の被覆が、設計では五十センチであるのに三十三センチしかやっていない。工事費にいたしまして約四十八万九千円相当の出来高が不足しておる、こういう事案でございます。なお、本件については、設計変更の際に当然減額すべきものを落としておったというようなことで、過大支払いになっておるものが若干ございます。なお、この件につきましては、当局からの回答によりますと、三十五年の九月に請負人の負担において設計通りに手直しを行ない、翌十月に過大支払い分は国庫に返還された旨の報告を受けております。 次に、物件の購入でございますが、これは開発局が事業用に使う主として小型トラックでございますが、随意契約によりまして、日本自動車工業株式会社から小型の貨物自動車等約十六台、総額一千七十四万円の購入になっております。私どもで検査いたしましたときに、開発局でこれを買います場合に、どういう予定価格のきめ方をいたしたかを検討いたしましたところ、前年の十月に札幌における民間の販売実例価格がございまして、これを標準としまして、それぞれ車体の改造費あるいは部品の経費等、車種によりまして適宜加算をいたしましたものを予定価格にしまして、そうしてこれを実際に購入いたします各開発建設部に示達して、それで建設部でそれぞれ購入したわけでございますが、私の方で調査しましたところ、北海道におきましては、この種の自動車は、官庁関係におきましては、すべて東京小売価格に、東京から北海道までの運賃、それからそれぞれ特殊に付加されております部品費等を加算したものをもって購入しておるのが実例でございます。たとえて申しますと、電電公社でありますとか、あるいは営林局でありますとかがそうでありますし、現に北海道開発局におきましても、ジープであるとかあるいはダンプ・トラックというようなものは、いずれもこういう買い方をしておりまして、これがいわば一般の官庁の標準価格である。本件の場合は、これによらないで、比較的割高な一般民間価格だけを基準にして買いましたために、総額で約百万円高価購入となっておるものでございまして、これは購入当事者の調査、検討が十分でなかったことに基因するものと考えております。 以上をもって説明を終わります。 —————————————
○鈴木委員長 引き続き質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。小川豊明君。
○小川(豊)委員 ごく簡単な点を一つお尋ねいたしますが、この裁判所の方で不正行為の(二)、(三)の中に、「残額については、目下回収に努力中である」。これの指摘されたのは三十五年九月三十日ですから、今日までこの残額はどのくらい回収されておりますか。
○栗本最高裁判所長官代理者 まず、横浜地方裁判所の分、百三十万二千幾らという分でございますが、これはただいままでに、本人の資力等がございませんので、八万円の弁償を受けております。残額につきましては、目下、法務省に損害賠償請求の訴訟を提起するようにお願いいたしております。 次に、長崎地方裁判所の六十八万七千六十円という分でございますが、これは幸いに親戚等の努力によりまして、全額弁償を受けております。
○小川(豊)委員 次に、書記官研修所というのが裁判所にありますが、ここは移転するということで予算もとってあるようですが、敷地の場所、それから坪数、建物の坪数、それから設計等は、できましたか。
○栗本最高裁判所長官代理者 書記官研修所が移転いたしますことは大体きまっておるわけでございますが、その敷地等はまだきまっておりません。それから設計等は一応の準備はいたしておりますけれども、まだ具体的にはきまっておらないのでございます。しかし、予算上の坪数等は大体きまっておりますから、取りかかりますればそう時間はかからないという状況でございます。
○小川(豊)委員 設計等はできておるし、坪数もおよそきまっている、こういうお話ですが、場所がきまらなければこれはやりようがないじゃないか。場所はどこなんですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 移転いたします先は、まだ本格的にはきまっておらないのでございます。しかし、もちろん建物の設計は土地と見合いませんとできません関係上、その点におきましても、今建物の設計はまだ本格的にはでき上がってないという状況でございます。
○小川(豊)委員 私がお尋ねしたいのは、台東区の上野にある元岩崎男爵邸が一万四千坪で、建坪が二千四百坪ありますが、これが書記官の研修所になっているのです。ところが、われわれは数年前から、これの払い下げ運動が東都起業株式会社という会社によってかなり活発に行なわれておるということを聞いておる。一体これはどういうことか。その後間もなく、これは去年の春でしたか、吉田元総理もここを見に行っている。それからさらに、大映がここに野球場を建設するといううわさも、かなり大きく出ていた。だから、そういう点を考えていくときに、最高裁判所は、ここは要らなくなったから国へ返すのだ、大蔵省の方へ返すのだ。それで返されたものを東都起業が払い下げを受けるということになっているのか。しかし、問題が起こらなければいいなと思って注視しておったのですが、間もなくこれと符節を合せるように、三十五年度の「国の予算」の中に、ここであなたの方では「裁判所書記官研修所施設の交換について」というように出ています。そして三十六年度になって、これにいよいよ四億五千万の予算がついたわけです。従って、あなたの方ではこの工事にかかるわけでしょう。今お聞きすると、まだ敷地もきまってない、こういうことですが、そうすると、あの台東区の書記官研修所は、あなたの方では、この理由としては建物が老朽であるということが一つ、これは個人の住宅であったから、研修所等には不向きであろうということはわかりますが、その他は都心の繁華街に近くて騒音もはなはだしい、郊外の適当な地を求めて行きたい。ここで「研修所施設の交換について」という交換というのは、どこか新しいところを見つけたら、それとここを交換するつもりだ、それで交換とお書きになったのですか、どういうわけですか。
○栗本最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のように、昭和三十五年度の予算におきまして、債務負担行為といたしまして、本郷の書記官研修所の敷地と建物を他に売却いたしまして、そういたしますと書記官研修所の敷地と建物がなくなりますので、別に新たなところに敷地を獲得し建物を建てる、こういうことが予算書に載っております。従いまして、最高裁判所といたしましては、本郷の書記官研修所の敷地と建物を売却する、と申しますと、結局は大蔵省に返しまして、大蔵省の方で売却するわけでございますが、さようなふうに予算に載っかっております。さようにきまっておるわけでございますが、三十六年度の予算におきまして、書記官研修所の新しい敷地と建物を取得する金といたしまして、四億五千万が現実に予算に載りたわけでございます。そうなりますと、書記官研修所の敷地と建物を取得いたすべくいろいろやって参ったのでありますが、いろいろの事情から、ただいまのところまだ敷地もきまっておりませんし、勢い設計等も、先ほど申し上げましたように、まだ完全なものはできていない、かような状況でございます。
○小川(豊)委員 答弁の前段では、これは会計の取り扱い上からいくと、あなたの方であそこでは困るからよそへ出ていくのだ、適当なところを見つけてそこへ行くのだとするならば、これは大蔵省に返すのが当然じゃないのですか。あなたの方で交換するというようなことはできますか。
○栗本最高裁判所長官代理者 法律的には、官庁の持っております土地、建物等と、新たに別なところから取得します土地、建物等と交換することは可能でございますが、現在は交換でやるというような趣旨ではございませんので、先ほど申し上げましたように、本郷の土地、建物を大蔵省に返しまして、大蔵省の方で売却する、そうして私の方では四億五千万で研修所の土地と建物を取得する、これは買うわけでございますが、そういうような法律関係になっております。
○小川(豊)委員 後段の、あなたの方はあそこを大蔵省の方に返してしまう、新たに別なところを見つけていく、これはそれでいいと思います。ところが、この三十五年度の説明によると、交換となっている。交換だとすれば、そことどこか見つけたところと交換するのじゃないか。そういうことはあなたは法律上可能だと言うが、私は、法律上そういうことはできないのじゃないかと思う。要らなくなったら、これは大蔵省の管財へ返すべきです。そうしてあなたの方が必要なら、別に予算をとってどこかにお作りになるというのが、法律上正しい行き方であって、これを交換するということ自身が、あなたは法律上正しいと言ったが、私は、それは法律上正しくない行き方であると思うのですが、この御見解はどうなんでしょうか。
○栗本最高裁判所長官代理者 法律的に申し上げまして恐縮でありますが、ただいまでも、たとえば官舎の敷地等わずかな坪数の場合は、それを渡し財産としまして、それから受け財産としてやはりそれにかわるような適当な敷地なり土地を取得するということは、現実にやっておることでありまして、法律にも条文がございますから、法律的には可能だと申し上げたわけでございますが、本郷の敷地、建物のような大きなものを、いわゆる官舎の敷地等のような小さなものと同じように、交換することが適当かどうか、これはまた別個の問題であろうと思いますが、いずれにいたしましても、現在は交換でやるということは考えておりませんし、また、現在はそういう趣旨でもございません。
○小川(豊)委員 今あなたの方では、これは交換ではない、これはそれでいい。またそれが当然だと思うのです。ところが、四億五千万円、あなたの方は債務負担行為というものを認められておるのです。そうして説明には、交換となっている。ところが台東区の今あなたの方のお使いになっているところは、おそらく坪十万も二十万もするところです。そうすると、これは大へんな金額でしょう。それと四億五千万の債務負担行為によってこれを交換したら、これはえらいことになってしまうのじゃないですか。ですから、三十六年度において新たに予算をとられたことはそれでいい。私は正しい行き方ではないかと思う。最初の計画というものは交換で出発している。しかも、ただ交換ならそれでいいのです。ところが私どもの耳に、東都起業がどうだこうだということ、あるいは大映があそこにグラウンドを作るのだということがもっぱら入っているときに、それと符節を合わせるように、あなたの方は、三十五年度には——あそこは坪十万以上ですね、そういうところと、あなたの方は四億五千万の債務負担行為でこれを交換するといったら、裁判所としてそんなことはやるべきではないじゃないか、こう思っていたのですが、三十六年度の予算を見たら、予算が組まれている。そこで、これは交換はしないということがここではっきりわかった。そこで交換しないならば、あなたの方は予算はついたのだから、この予算の執行をしなければならぬ。だから、どこへおきまりになったか、こういうことをお聞きしたわけなんです。
○栗本最高裁判所長官代理者 四億五千万によりまして書記官研修所の土地、建物を取得する、またしなければならないわけでございますが、ただいまのところ、先ほど申し上げましたように、移転先、新しい敷地等はまだきまっていない段階でございます。なるべく早くきめたいというふうには考えております。
○小川(豊)委員 そうすると、これは基準があって、四分の一か何かの差額ならば交換してもいい、許されている。ところが、この際には、あなたの方の予算は、債務負担行為が四億五千万、片方は十億も十五億もするところで、これは四分の一どころの騒ぎじゃない。だから、私は念を押すのは、もう交換等はこの際しないで、新しく作るのだ、これは大蔵省の方にお返しになるの、だということが、ここであなたの御答弁によってはっきりしたわけですから、それに間違いなければ、それで私の方はこの質問はこれで打ち切りたいと思います。
○栗本最高裁判所長官代理者 三十五年度の予算書に書いてあります通り、現在の書記官研修所の土地、建物は大蔵省へお返しする、それから書記官研修所の敷地と建物を新たに四億五千万で裁判所が取得する、その通りでございます。
○小川(豊)委員 次にお尋ねしたいのは、私の入手した資料でいくと、いわゆる事件件数といいますか、これは世の中が複雑になっているからふえていくのは当然なんですが、事件件数が非常にふえていっているわけです。従って、裁判の遅延ということが非常にいわれておりまして、ここで審理期間というのを平均とってみると、通常訴訟で、昭和二十八年には一二・五カ月であったものか——これは未済ですよ、三十二年には一八・三カ月になっていますね。それから行政訴訟の方では、二五カ月であったものが、三十二年には三三・五カ月、こういうふうに裁判が遅延しているのです。この点はお認めになりますか。
○石田最高裁判所長官代理者 大体御指摘の通りでありまして、逐次裁判が遅延している。ことに戦前に比べましても、相当裁判の速度がおそいということは事実でございます。
○小川(豊)委員 そこで人口もふえ、世の中も複雑化していきますから、裁判自体もかなり複雑になってくるという主体的な条件というのはあると思います。しかしながら、ここで仕事の分量、これを扱う人、それからこれを動かす予算、この均衡がとれてないと、私は、いかに意気込んでも、裁判の遅延というものを解消することはできないと思います。今逐次解消するように努力しているとおっしゃいましたが、事件数と人員とを比較してみると、二十四年から三十五年にかけては、これでいくと、事件の件数は三・五倍ふえております。件数は三・五倍ふえていながら、裁判官はわずか二百人しかふえていない。それから職員に至っては、二十四年から少しもふえていないのですね。私の調べたのではふえていないのですが、これはふえていますか。裁判官は二百人ふえている。事件の件数だけが三・五倍ふえている、こういう状態でいて、裁判の遅延が解消するといっても、私は解消できないと思いますが、どう対策を立てておられますか。
○石田最高裁判所長官代理者 ただいま御質問の点も、詳しい数字の点は別といたしまして、大体その通りでございます。しかし、裁判がおくれる理由につきましては、いろいろあるわけでございますが、そのうち、裁判官の手不足、裁判、官の員数に比して事件が多いということは、御指摘の通りでございます。そこで最高裁判所といたしましても、裁判官の員数を実は大幅に増員する必要を痛感いたしておるのでございますが、遺憾ながら、裁判官を志望する補充源、そういうもの等との関係から、これを一挙に増員するということはなかなか困難でございます。昨年度は裁判官の増員を八十何名予算要求したのでございますが、予算のワクをとっても充員が困難ではないかということから、結局二十八名だけ増員いたしました。また、本年度の予算におきましても、せめて訴訟の最も遅延しておる八大都市の裁判所の裁判官の増員をはかりますために、合計七十四名、判事の増員を要求予算に計上しておるわけであります。またそれに伴い、書記官等の補助職員につきましても、書記官が百九十名、家庭裁判所調査官というのが百二十四名、合計三百十四名の増員方を要求しておるわけであります。
○小川(豊)委員 お尋ねしますが、八十名要求して二十名、これはあなたの方で二十名しか予算で認められなかったのですか。それとも二十名よりほか希望者がなかったのですか。この点はどうですか。
○石田最高裁判所長官代理者 二十八名でございますが、結局予算において認められなかった。その理由は、おそらく八十何名要求しても、裁判官は充員できないだろうというふうな政府側の御趣旨でございましょう。その当時においては、必ずしも八十何名全部増員するだけの自信は、裁判所側にはございませんでした。
○小川(豊)委員 あなた、ちょっとおかしいじゃないですか。八十名というのは、要求するからには、あなたの方の必要な最低なんでしょう。自信のないものを要求しているというのは、おかしいじゃないですか。それからもう一つは、そういう実情に置かれていることを知りながら、二十八名というのは、あなたの方で二十八名よりほかに充足できなかったのではなくして、予算が二十八名よりほかにつかなかったからできなかったんじゃないですか。どうなんですか。
○石田最高裁判所長官代理者 私の申し方が悪かったのでありますが、結局二十八名きりつかなかったというわけであります。
○小川(豊)委員 あなたの方は、この裁判の遅延は、こういうように事件数もふえておる、そうして裁判官も少ない、職員も少ない——予算の方の問題もありますけれども、そういう事情からこういうように遅延しているのだから、この際、八十名はふやしてもらわなければならぬということは、信念を持って御要求なすったのでしょう。あやふやな態度で御要求なすったのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 申すまでもなく要求したわけでございますが、認められなかったわけでございます。
○小川(豊)委員 大蔵省の主計官の方にお尋ねしますが、こういうように裁判が遅延しておる。これは人の権利に関することであり、利益に関することであり、重大なことだと思う。こういうように遅延しておることは、ゆゆしい問題である。だから、これを促進しなければならぬということは、裁判所としては責任上当然考えるのがあたりまえだし、それに基づいて八十名という要求はされたと思うのですが、あなたの方ではこれを二十八名に切ったのは、どういう根拠で二十八名に減額したわけですか。
○赤羽説明員 裁判官の数について、毎年事件数もふえ、未済件数が累秘しておる、これをどう考えるか、八十人の要求をなぜ二十八人に切ったか、というお尋ねではなかろうかと存じます。まず一番最初の先生のお話の中に、裁判官の数が昔に比べて少しもふえておらぬではないか一書記官の数も同様ではないかというお話がありましたが、一応その点の数字を申し上げますと、昭和二十三年、発足のすぐ翌年でございます。発足の年からすぐ比較してよろしいのでありますが、発足の年は、でき上がったばかりで、それから比較いたしますと、倍率が非常に上がって参りますので、一年おくらせました昭和二十三年度から三十六年度まで裁判官の数がどのくらいふえたかと申しますと、実数にいたしまして約五百名でございます。比率にいたしまして二一%ばかりふえております。それから事務職員全部でございますが、これで比較いたしますと、二十三年度が七千九十名でありまして、三十六年度が一万五千九百三名、倍率にいたしまして約二・二倍くらいふえておる勘定になるわけでございます。裁判官と直接関係のございます書記官、事務官、これだけに限って見て参りますと、二十三年度におきましては、六千七百二十四名、三十六年度におきましては一万二千百二十一名、これが約八割くらいの増になっておるのでございます。 それから裁判官の数の問題でございますが、私らといたしまして、もちろん毎年の事件数、それから未済の状況をながめまして、必要とされる裁判官の数を事務局に検討いたすのでございます。その際、事務総長から申し上げましたように、欠員の問題が必ず毎年問題になるわけであります。現実の問題として、ただいま三十六年度において欠員か裁判官で——定員が先ほど申し上げました通り二千四百十五名でございますが、現員が二千三百五十一名と、六十四名ばかりの欠員があるわけでございます。そういう点でございますとか、もう一つは、人間ではございませんが、事務的ないろいろな経費におきまして、裁判の迅速をはかるという意味において、いろいろの事務用の機械でございますとか器具類、そういうものを拡充いたしますとか、訴訟記録などもたくさんふやして、昔は一つの訴訟記録をぐるぐる回しておったわけですが、そういった副本をたくさん作って時間を節約するというような経費を、裁判の迅速、適正化ということで入れたわけであります。そういった関係で事務の能率化を見まして、全体といたしまして裁判官の数を検討いたすわけでございますが、ただいま申し上げましたそういった点と、それから欠員の状況を見て参りまして、まあ大体こんなところでどうだろうかということで裁判所と御相談いたしまして、三十六年度は二十八名くらいという工合に決定をいたしておる次第でございます。
○小川(豊)委員 今御答弁願ったのですが、私、それを全部書きとめることができなかったわけですが、私の調べたところでは、二十四年から三十五年にかけて、事件件数は三・五倍にふえている。裁判官は、二十四年から今日まで二百人しかふえていない。職員数は二十四年当時と全く人員数は変わっていない、こういうような表を手に入れたのです。私のさっきの質問に対して、大体その通りだという御答弁があったわけですが、今主計官の方の御答弁は、これとは違って、非常にふえたような印象をわれわれに与えるのですが、どうなんですか。
○赤羽説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、先生のおっしゃいましたのは、裁判官の数にいたしますと、二十四年から三十五年度までにおきましては、おっしゃる通り二百人くらいでございます。私の申し上げましたのは、二十三年から三十六年、両わきに一年ずつよけいにとっておるわけでございますが、その差が非常に多いと申しますのは、まず、裁判官の数から申し上げますと、二十三年から二十四年に百四十二名ばかりふえております。それから三十五年から三十六年度に、ただいまお話のございました二十八名ふえております。その関係で、ちょっと比率の点が狂っているのではないかと思います。それから事務官関係の方でございますが、これは同じく二十三年から二十四年に、八百三十六名ばかりふえております。その関係で比率が狂っております。
○小川(豊)委員 私のお尋ねしているのは、私はそんなに資料を持っているわけじゃないのですが、私のあれでは、二十四年から三十五年にかけては事件は三・五倍ふえている。それで裁判官は二百人よりふえていない。事務官は二十四年と三十五年と全く変わっていない、こういうのはどうなのかとお聞きしたので、これに対してお答え願えばいいのです。
○赤羽説明員 大体事件数が今おっしゃいました通りふえているということでございますが、それに相応いたしまして裁判官の数が比例的にふえるということは、直接的にはいえないのじゃないかということは、御了承いただけると思います。特に件数の増に関しましては、簡単な事件でございます交通関係が最近非常にふえているというようなことで、直接的にはいえないのでございますが、そういった要素を、一応全部事務的に裁判官の数を検討いたしますときは、のけましてやっておるわけでございます。しかしながら、最終的にいよいよ来年度一年度におきましてどのくらい載せるかというときのお話になりますと、まず第一に欠員の関係がどうしても先に参ります。それからほかに、事務的に適正、迅速化のためにいろいろな経費を見込んでおりますが、そういった能率アップも見込みまして、三十六年度は二十八名というような数字が出て参るわけであります。
○小川(豊)委員 事件件数は、この表によっても急上昇しているのですが、それは別として、今のあなたの御答弁のように、事件件数がふえたから比例的に裁判官がふえなければならない理由はない、これは私は一応認めます。しかし、二十八年には二十五カ月であった行政訴訟が、三十三・五カ月というように遅延している、この事実は認めなければならぬと思うのです。そうすると、私の言いたいのは、なぜこういうふうに訴訟件数がふえ、そうして訴訟が遅延しているか。この遅延しているのを解消するのには一体どうしたらいいのかということを中心にしてお聞きしようと思っている。そうすると、ここに問題になってくるのは、世の中が複雑になるに従って事件も多くなるだろう、事件の複雑さも出てくるだろうということはわかります。しかし、だから仕方がないのだとほうっておける問題ではなく、解決しなければならない。解決するには、裁判官、書記官とかなんとかいう事務職員、予算、これが伴わなければ、いかに意気込んでも解決しようがないじゃないですか。そこでこういうような事件の複雑化も考えながら、事件がふえて処理日数がどんどん遅延していく、だから、これを解消していくためにはどうしたらいいかということになると、私は、裁判官や事務職員をもっと増さなければならないのじゃないのか、予算も要るのじゃないのか、こう聞いているのです。あなたの方がそれは要らないならば、それはあなたの方の責任で解消していけばよい。これはやらなければできないのではないかと、私は聞いている。
○石田最高裁判所長官代理者 先刻も申しました通り、裁判官の増員は、裁判所といたしましては極力お願いしなければいかぬというふうに考えておるわけであります。そのほかの裁判職員につきましては、ただいま実態調査をしておりますが、職員と申しましてもいろいろな職種がございますので、どういう職種をどのくらいふやしていくかという点をただいま実態調査中でございまして、これは今はまだ結果は見ておりませんが、遠からずその結果ができることと思っております。
○小川(豊)委員 あなたは、お願いしている、お願いしている、こう言っているが、何か物でももらうような考え方のようですが、これは当然あなた方の立場として責任上解決しなければならない問題であって、お願いするのではなくて、要求すべきものでしょう。そうじゃないですか。あなた、お願いする、お願いするというのは、何のことですか。
○石田最高裁判所長官代理者 お願いすると申しましたのは、言葉を丁寧に申しているだけで、もちろん要求している趣旨でありますから、そういう趣旨にお聞き取り願いたいと思います。要求しているわけでございます。
○小川(豊)委員 そこで、あなた方の方ではこういう事態に対し責任を持ってこれを解決しなければならないわけですから、当然ここに裁判官なり、事務職員なり、予算なりの増額、人員でもふやさなければならない、予算でもふやしていかなければならないということは、当然の要求として出なければならない問題である。それをあなたのような、丁寧に言ったのだというけれども、初めから腹の中にお願いする思想ではいけないと私は思います。われわれの責任として、国の機関として、こうしなければならぬということでなかったら、大蔵省がもっと要求してくるのじゃないかと思って待っているはずがない。どうやったらこれを節約できるかと大蔵省が考えるのも、一応当然だ。当然だが、そこにはあなた方の一つのりっぱな正しい主張と信念があって、初めてこれは貫けるものである。 そこで、そういう議論をしていても仕方がないが、それじゃこの問題を解決するには、あなたどうですか、遅延件数が多い。これは対策はどうなんですか。
○石田最高裁判所長官代理者 でございますから、来年度の予算におきましても、さっき申しましたような裁判官の増員、それからさしあたり書記官並びに調査官の増員を、大蔵省のみならず、国会に対しても要求をしていく、こういうことでございます。
○小川(豊)委員 国会に対して要求したって、予算が出てこないものを国会は審議しようがないのです。ですから、問題は大蔵省が——きょう主計官においで願ったのはこういう事情で——裁判官がふえたとかふえないとかいうのは、実際われわれには関係ないことだが、この実情は等閑視してはいけないじゃないか。だから、これについてあなたの方でもここで一つ特段の考慮を払って、この主張に対して十分な検討を加えて、必要にものだけはやはり認めてやらなかったら、だんだん裁判が遅延していってしまうじゃないか、こう思ってあなたの御見解を聞くと同時に、今後の対策というか、お考えをお聞きしたいわけなんであります。
○赤羽説明員 ちょうど今裁判所の予算の事務的な検討に入ったところでございます。先生の御趣旨をよく尊重いたしまして、検討を進めて参りたいと思います。
○西村(力)委員 関連。裁判の遅延を来たす物理的な条件というのは、完全にこれを排除する。裁判を慎重にするための遅延ということは考えられません。物理的な事情によって遅延するのは完全に解消しなければならぬわけだが、そういう場合の考え方として、遅延したためにその裁判の当事者である国民の損失というものは、一体どのくらいか、こういうようなことは、裁判所もしくは大蔵省で算定したことはないかどうか。裁判の期間が三・五倍になったということならば、その間に精神的な苦痛もずっと長引くわけですが、そのほかに経済的な損失も相当あるだろうと思うのです。そういう算定というものは、大よそでもないのかどうか。それはやはり完全に解消するようにしてやらなければならぬわけですが、それをやらないとするならば、これは国の責任であるのだから、その分は国で補償をしなければならぬという考え方も成り立つと思うのですが、そういうことは言っても、ありませんということになるだろうと思うのですが、この裁判遅延のために、そういう当事者の損失というものはどのくらいになっておるか。そこまであなた方は一つ検討して、そして大蔵省あるいは裁判所両方において、その観点からこの問題を解決する方向に向かってこなければならぬと私は思うのです。そういうことに対して、調査をなさったことがあるかどうか。どうですか。
○石田最高裁判所長官代理者 さようなことにつきまして、特に調査をしたというようなことはございませんが、民事事件にしろ、刑事事件にしろ、裁判がおくれますことは、裁判の権威にも関しますことですし、また裁判としての機能が十分果たせないわけでございますから、極力裁判所といたしましては、裁判の遅延しないようにいろいろ対策を講じていきたいと思います。
○小川(豊)委員 さっきあなたは、予算をもらっても、裁判官のなり手がないというような——これはくだけて言えばですよ、そういう御答弁でした。なり手がないということは、よくよく裁判官というのはつまらない仕事だからなり手がないとしか考えられないのですが、待遇の問題とか、何か社会的な、経済的な、そういう点で裁判官というのは非常に劣っているのですか。そうでなかったら、裁判官の志望者がいないというのは、ちょっとおかしいのですが、どういうことなのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 裁判官になり手がないというふうな表現は申さなかったと思いますが、ともかく裁判官になりますには、いろいろな資格があるわけでございます。その資格には、いろいろ試験に合格するとか、あるいは試験に合格してから司法研修所で研修をするとか、それからまた実務に何年かつくとか、そういうむずかしい資格がございます。それで、具体的に申しますと、年々三百五、六十人くらいずつ試験の合格者がございますが、ことしは一万人ばかり志願者がありました中から、三百八十五名ばかり試験に合格しました。それは司法修習生になるわけですが、その人たちが研修所を出ますと、裁判官を志望する者は判事補という裁判官になり、それから検察官、弁護士等になるわけでございますが、最近の例によりますと、大部分が弁護士を志望して、裁判官、検察官を志望する者は必ずしも多くないというわけで、結局昨年あたりは、判事補を志望しましたのは大体九十名くらいであります。さような状況で、そのほか、裁判官になる給源を求めますと、検察官から裁判官になる、あるいは弁護士から裁判官になるということを期待する以外には手がないわけでありますけれども、ただいまの状況によりましては、弁護士から裁判官を希望する者が非常に少ない。絶無ではございませんが、非常に少ない。その原因につきましては、いろいろ私どもも探求いたしておりますが、報酬の問題ということも一つの大きな理由であろうというふうに考えております。さような問題も解決を期待したいのでございますが、なかなか早急にはそれが解決し得ないというのが現状であります。
○小川(豊)委員 裁判官は、特別な地位ですし、憲法の七十九条、八十条において特別な地位を認められていると思うのです。しかし、それにしても他の行政官とのバランスというものがあって、特別に裁判官をどうこうということはできないという慣例もあるかしれません。しかし、そう志望してくる人がなかったとするならば、裁判の麻痺になってしまう。私は、あなたの方で、だから仕方がないんだといってほうっておける問題ではないと思います。十分にこの点を検討して、計画を立てなければなりません。しかも今の御答弁では、一万名の中で三百何名か合格者があって、九十名志望したというならば、裁判官補は九十名の志望者があった。そうすると、八十名要求して、とられた者が二十八名でがまんしているというのは、九十名希望者があったら、とれるのじゃないですか。合格した以上は、自分の考え方でこれはだめだとは言えないだろうから、九十名あったら、十分充足できるのじゃないですか。できないですか。
○石田最高裁判所長官代理者 ただいまの九十名と申しますのは、裁判官の中の判事補という種類であります。一人前の裁判官になるには、さらに十年たたないと判事になれない。先ほど申しました昨年度の二十八名と申しますのは、裁判官のうちの十年たった判事、それが二十八名、しかも欠員も多少ございます。それで御了承願いたいと思います。
○小川(豊)委員 それはすぐには鶏にならない、ひよこで仕方がないと思う。十年たてばなれるのだから、やはりがまんしても充足していく方法をとらなければいけない。弁護士から来てもらうのを待っているなんというのは、裁判の行政としてはとるべきでない。やはり自分で充足するという体制をとるべきだ、こう思います。 そこでその次に、職員数、これもふえていないのですが、ふえていないのは、あなたのさっきの答弁で、それの充足をはかる、こういうのですが、そうすると、何人ぐらい充足したらいけるお見込みですか。
○石田最高裁判所長官代理者 裁判官が今ふえない限りは、裁判官以外の職員をたくさんふやしても、あまり意味がないことでございます。しかし、今のままで十分だとは考えておりませんし、さっき申しましたように、裁判職員の中にはいろいろな職種がございますから、今の裁判官の数を前提といたしまして考えた場合に、どういう職種の職員がどのくらい要るか。あるいは多過ぎるところもあるかもしれませんが、足りないところもある。そういうことで、今実態調査を始めておるのでございますが、遠からずその結果が出ると思います。
○小川(豊)委員 今の御答弁、裁判官がふえないのに、その事務職員だけふやしても能率は上がらない、これは一応御説ですが、一方には明治九年以来の建物があって、そして判事はおっても、部屋がないから裁判が開けないという場所もあるそうですか、そういうところはありますか。
○石田最高裁判所長官代理者 裁判官がおっても、部屋がなくて裁判が開けないということはございません。ただ、たとえば東京等におきましては、裁判官が全員出て参りますと部屋がない。つまり一日置きの開廷ということになっておりますから一これはいつごろからそうなったのか知りませんが、大体一日置きに出てくる。自分が出勤日じゃないときに出てくると、ほかの人がすわっているというような状態が長年続いておりましたが、最近東京におきましては、地方裁判所の刑事部が落成いたしますが、あれができますと、そういうことをしなくて、全員毎日出てこれる、そういう状況です。
○小川(豊)委員 あなたの答弁はおかしい。僕が、裁判官はおるのだけれども部屋がないと言ったら、そんなことはありませんと言いながら、みんな出てきたら部屋がなくなっちゃうと言う。やっぱり部屋がなくて開けない。言葉を裏返しにしただけです。
○石田最高裁判所長官代理者 それは少し説明が足りないわけですが、法廷は、たとえば民事事件等につきましては、裁判官としては準備が要りますから、毎日は開けないわけです。その準備はうちでしてもいいじゃないかというのが、そういうことの起こりなんです。準備をしたり、跡始末をしなければなりませんから、一人の裁判官は裁判を毎日はできないわけです。
○小川(豊)委員 私は法律家でないからわかりませんが、あなたの方では、準備は私宅でやることが望ましいと思っているのですか。そうじやないでしょう。国の仕事なんだから、やはり役所へ来てやるのが一番正しいでしょう。私宅でやっているのは、仕方がないからそうしている。そういうことをやっておきながら、これはこれでやむを得ないという考え方をあなた捨てなさい、僕はこう言うのです。そういう考え方だから、予算でもあなたはお願いしますという考え方になるから、なかなかつかない。裁判官に志望者がないというのは、待遇の問題ばかりではなくて、いろいろそういう隘路があるのではないか。そういう隘路をあなたのお力で解決してもらうようにしていただきたい。 次に、さっき職種という問題が出ました。調べてみますと、私はしろうとでよくわからないのですが、実にたくさんある。書記官補、代行書記官、書記官、主任書記官、首席書記官と、五つに分かれている。調査官というのも、調査官補、代行調査官、調査官、主任調査官、次席調査官、首席調査官となっている。速記官も三つに分かれている。法務省の方を見ると、法務省の方は大体一本にいっているのです。ところがあなたの方は、これは裁判とあれとは違うでしょうが、こういうふうに分けて複雑にしておいて、これらの人の仕事はみなそれぞれ違うのですか。みな大体同じような仕事をしているのではないですか。それを給与の関係か何かでしょうが、こんなに職階を作らなければ、あなたの方では仕事が進まないのですか。もっと一本化していった方がむしろ仕事の進みがいいのじゃないかというしろうと目の観測なんですが、絶対にこれは必要なんですか、一つ御説明願いたいと思います。
○石田最高裁判所長官代理者 たくさんあると申しましても、裁判に一番必要な書記官、それから家庭裁判所という裁判所がございまして、それには家庭裁判所調査官、そのほか司法行政事務、人事とか経理とか、そういうものを担当する事務官、その三種類でございます。あと官とか官補とかいうのは、職種というよりも、一つの書記官の中のある資格があるかないかという相違でございます。大分けに分けて、今の書記官と調査官、それから事務官、この三種類でございます。
○小川(豊)委員 書記官が五種、調査官も六種、速記官は三種、事務官の方は法務省と同じです。そこで私どもにはわからないからお聞きするのですが、書記官補、代行書記官、書記官、主任書記官、首席書記官、書記官でいうと、こういうように分けてある。調査官の方もこういうふうに分けてあるのですが、こんなに分けてしま、うから、それでなくても人手の少ないところを、権限問題が出てきたりなにかしてくる。大体やる仕事は同じだ。それをこれはこの人が扱ってはならない、これはこの人が扱ってはならないという、扱う仕事によってこういうふうに分けたのではないかと思うのですが、こういうことはそんなに必要なんですか。聞くところによりますと、何かあなたの方では代行書記官なんというのは廃止するのだという話もあるが、これはうわさだからわからぬ。一体こういうふうに分ける必要は、どこから生じてきたのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 今の首席書記官とか主任書記官とか申しますのは、行政官庁でいえば課長とか係長とか、そういう意味合いであります。それから代行と申しますのは、たとえば書記官を例にして申しますと、書記官補というのでは公判に立ち会えない、でございますから、書記官補に書記官を代行させる、つまり書記官補の中の相当やれる人に書記官の代行をさせるという建前です。
○小川(豊)委員 ややわかったのですが、そうすると、書記官でなければ立ち会いできない。だから、書記官が足らないから、書記官補という名前をくっつけておいて、立ち会いさせるために書記官補というのは必要だ、こういうことなんですか。代行書記官というのは、代行する人のまた代行させるために代行書記官という名前をくっつけておくのですか。代行書記官というのは、書記官補と同じようなものでしょう。違うのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 さっき申しましたように、書記官補の中に書記官を代行する、代行を命ずるわけです。書記官補は必ず代行じゃなくて、観念的に申しますと、書記官補のある者に書記官の代行を命じて書記官の不足を補う、そういう関係です。
○小川(豊)委員 ややこしくてわからぬが、書記官補は、大体書記官が足らないから書記官補にやらせるのでしょう。さらに足らないから、代行書記官という名前をくっつけて、これも書記官の代行をさせるのじゃないですか。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官補は、書記官の補助者なんです。書記官の仕事はできないわけです。公判の立ち会い等はできないわけです。裁判官と一緒に公判に出るには、その者に代行させなければ法廷へ出られない。書記官補は書記官の補助者ですから。(「ふやせばいいじゃないか」と呼ぶ者あり)だから、書記官をふやせばいいわけです。
○小川(豊)委員 そうすると、代行書記官とか、書記官補とか、主任書記官だ、首席書記官だと一ぱいあるが、それまで聞かないが、こういうものは書記官にできないのですか。資格がないのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 書記官補から書記官にいたしますには、先ほどお尋ねの書記官研修所を卒業するか、あるいは書記官試験に合格するか、そういうふうな一つの段階がありまして、裁判所が再出発しましてから、そういう人員の整備をはかったわけでございますけれども、初めから書記官に相当する職員は採用し得なかったわけです。だから、もっと資格の低い書記官補を採用して、それを養成して、これがある程度実質ができれば、それを書記官に切りかえていく。でございますから、書記官の定員を漸次増員しまして、書記官補の定員は漸次少なくしていく、そういう必要があるわけでございます。
○小川(豊)委員 私は答弁を聞いていて、少しあなたの答弁は言いのがれというか、置かれている立場上苦しい答弁じゃないかと、やや察しはつくのですが、それじゃお尋ねしますが、代行書記官は、書記官の下にあって代行するわけである。仕事は全く同じ仕事をしているのだ。そういう待遇は、書記官は調整金が一六%、代行書記官になると、これが四%になってくる、こういうふうに非常な開きがあるのです。だから、大学を卒業して十年たっても代行官でいなければならない。というのは、あなたの方では代行書記官というのが必要なのではなくて、予算の制約を受けるからこういうのを作っておくのではないのですか。
○石田最高裁判所長官代理者 そうではなくて、書記官になるには相当の力が要るわけです。それで書記官補がどんどん育ってくれば、それを、さっき申しましたように、研修所に入れるとか、あるいは試験をするとか、そういうことをやって、そして書記官クラスと同じ力があると判定されれば、それを書記官にするわけです。ところが、書記官の数が必ずしも多くございませんから、書記官の方をふやして、書記官補の数の方を減らして、それで書記官補の力を得た人を漸次書記官に切りかえていく。書記官と書記官補との仕事は、書記官補はあくまで書記官の補助者です。しかし、書記官補の中のある人たちには、十分ではないけれども、それに近い者は代行を与えて、それで書記官と同じ仕事をしてもらう、そういう運営の仕方であります。
○小川(豊)委員 代行書記官は、書記官とほとんど同じ仕事を現実にしておると私は見ているのです。聞いてもいるのです。ほとんど同じです。そこで、私はくどいようだがお尋ねするのは、あなたの方自身では、代行書記官というような形で置くことは望ましいとは思っていないが、作ってしまったのだから、やはりそこには段階的な制約があるので、それに達しないと書記官にはできなくなるから、そこでこういうものを残しておくけれども、本来ならば、代行書記官というものは廃して、そして書記官にしてしまうのが、あなたの方は一番望ましいことじゃないですか。今御答弁を聞くと、書記官をふやして代行書記官を減らしていく、減らして、書記官がふえれば、代行書記官はなくていいでしょう。これはやはり必要ですか。
○石田最高裁判所長官代理者 私のふやしていくと申しますのは、予算定員をふやしていくということです。予算定員をふやしておいて、現実の人をそれに埋めていく。だれを持ってくるかというと、これは第一には書記官補です。もし外部に書記官と同じ力を持った人があれば、外部からもとっていいわけです。しかし大部分は、その書記官補の中の相当実力を持った者が、その予算定員をふやした、その中へ任命されてくるというわけです。
○小川(豊)委員 そうすると、予算がふえればそのことはできるわけですね。予算がもっと充足されていけば、書記官をふやして、そして代行制度というものはどんどんとっていく。今予算が足らないから、やむを得ずこういう制度をとっているのだというのでしょう。答弁を要約していくと大体わかるので、代行官というものはどうしても必要だから、こういう制度を置いていくのではなくて、予算の制約を受けるからこれを置かなければならない、こういうことでしょう。もっと率直に言って下さい。そうすれば理解がいくのです。
○石田最高裁判所長官代理者 その通りでございますが、予算がないからというよりは、書記官の定員の予算がないということでございますから、今年度も、大体千五百人ほど書記官をふやして、そして書記官補の方を減少するという趣旨の予算を編成中であります。
○小川(豊)委員 わかりました。主計官、今お聞きの通り、裁判所では予算がないために苦しいやりくりをして、必要のない代行書記官だ、書記官補だというのを置いて、職階を一ぱい作ってしまっておるのですが、これはあなたの方に私の方からも要望するのですが、こういう実情を、あなたの方に対する予算要求のときに、おそらく裁判所では、これは妥当だというような説明をしているのじゃないかと思うのです。まあこれはいいのですが、こういう実情だということを十分に考えて下すって、目的は裁判の遅延を解消していくためにはどうしたらいいかということになってくると、私は裁判官、職員、それを動かしていくために、充足していくために、やはり予算という問題が出てくると思うので、この点から、主計官の方でも、これはここで私に約束できるはずはないが、あえて私は裁判所のちょうちん持ちをここでやるわけではありませんが、裁判所からそういう要求があった場合には、この点はあなたの方でも十分御検討をして、裁判のこうした遅延しているものを一日も早く解消できるように、これは要望するわけです。
○西村(力)委員 先ほどお願いしたのですけれども、水戸の地裁の判事に約三ヵ月ばかり前に新任された方が——茨城県の百里の自衛隊基地の土地の権利の問題で国を相手としての訴訟が起きている、その国側の弁護人が、今度は水戸の地方裁判所の判事に任命された、こういうことであります。国の弁護人である方が、今度、公正な判断をする裁判官に任命をされたということになりますと、これはやはり問題じゃないか。訟務局の方で、訴訟の代表責任者という立場の人でも、この事件を扱っている裁判所の判事に任命されるというようなことは、裁判の公正を欠くうらみがあるのじゃないか、こう思うわけなんです。このことは、久保三郎議員からの話でありまするから、私は単なるうわさやなんかで話すのではなく、その意味においてこの席で発言をしているわけですが、その件は早急に調査をして、われわれにお知らせを願いたいと思うのです。そういうようなことがもしかりにあるとすれば、これはちょっと問題でありますから、急速に是正措置を願わなければならぬと思いますので、この調査をぜひお願いしたいと思います。
○石田最高裁判所長官代理者 その点でございましたら、別に調査するまでもなく、私からお答えしていいと思います。結局結果から言いますれば、今申しましたように、百里基地の民事訴訟の国側の代理人であった人が、水戸の裁判官に任命になったことはその通りでございます。それは裁判官の公正を害することになりはせぬかというようなことでございましたが、そういうことは絶対にないことでございまして、そういう事件には一切タッチをいたしませんし、もしタッチをすれば、当事者が忌避するということで、裁判には関係いたしませんから、何ら公正を害するというような御心配は要らないと思います。しかし、実は裁判所が裁判官を任命したりなんかします場合に、その裁判官が任命される、赴任するその裁判所にどういう事件があるから、どういう判事をここへ持っていくというようなことをもしやりますと、これこそ非常に危険があることでありまして、裁判官になるべきその人が、どこの裁判所でどういう事件を担当しているかということは、一応書類等をとりますけれども、百里基地というようなことは書いてございませんから、何か訴訟があるということはわかっておりますけれども、訴訟が普通あった場合に、訴訟があると申しますか、その人が弁護士としてその事件を担当しているということがあっても、そこに任命するのはちっとも差しつかえないことでありまして、むしろ偶然——全く偶然でありますが、その裁判官が百里基地の国の代理人として、水戸の裁判所に係属している事件に関係しておったということは、実はあとからわかったようなわけでありまして、その点から見ましても、絶対公正でございまして、ちっとも心配は要りませんし、また是正措置をとれとおっしゃっても、一たん裁判官が任命されますと、裁判官には地位の保障がございますから、これをやたらに動かすことはできませんし、かりにそういうことでやたらに動くようになりましたら、それこそ国民側としては懸念されるわけでございますから、今おっしゃったことは、さようなことで御了承願えるはずだと思います。
○西村(力)委員 それは一人の判事が担当しておる事件に対して他の判事が介入したりすることは、裁判所長といえどもそれに介入することができない、こういうことで画然としておるだろうと私は信じておるのですが、しかし、一般の国民の側からいいますと、同じ建物に判事としておられるということになると、国側の主張に立って強く主張して戦ってきた方が、今度第三者の公正な立場の判決をする側に立っておるということになれば、そういうことがいろいろ影響するだろうという工合に考えることは、あり得ることなのです。そういう点からいいまして、今のようなお話でございまするが、なかなか国民側、事件の関係当事者、そういう側からしますると、釈然としないものがあるんじゃなかろうかと思う。その件について、裁判官の身分の保障の問題からいいまして軽々にできないことは、私もその通りであると思う。そこで、そういうことに対しては、もし問題が生れた場合には、積極的に裁判所側の立場を鮮明にしてもらうなり、また当然この事件に対しては関係させないということになろうと思うが、そういう点を御配慮願わなければならないのじゃなかろうかと思います。その点念のために申し上げまして、その点は了解いたします。
○鈴木委員長 勝澤君。
○勝澤委員 時間がありませんので簡単に伺いますが、この三十四年度の決算を見ますと、裁判所の職員の俸給、手当、人件費で二億三千万、不用額としてあがっておるわけですね。詳細に見てみますと、高裁、地裁、家裁、みな欠員だ、こうなっておるわけです。先ほどの小川委員からの質問の中でも、だいぶ訴訟が遅延しているという状態なのです。結局この欠員の状態は、先ほどからの内容の中で、やはり給与とかいろいろの問題があると思うのです。今大蔵省の主計官の話では、欠員があるので増員が云々というようなことをいわれておるのですが、やはりこれは大へん重大な問題だと思う。郵便遅配というような問題では、対象が大きいから政治的に大きな問題になりますけれども、裁判は対象が少ないからそう問題にはならぬのでしょうけれども、しかし、事人権に関する大へん重要な問題だと思います。そこで、この人件費がこれだけ余った理由、そうしてなぜこんなふうになったのか、これに対する対策というふうなものはどういうふうにされておるかという点について、お答え願いたいと思います。
○栗本最高裁判所長官代理者 御指摘の通り、二億三千幾らとここに書いてございますように、裁判所職員の俸給、手当等の人件費でございますが、これは主として裁判官の報酬、本俸だけでなく、いろいろな手当等もございます。さようなものを含めましてかような金額になったわけでございますが、これは昭和三十四年度の決算でございますので、当時多少の欠員があってかような関係になってきたわけでございますが、それに対する手当ということになりますと、先ほど来の問題でございまして、やはりできるだけ裁判所の職員を充実していくということ以外に、ちょっと今申し上げることはないわけでございます。
○勝澤委員 それから最後に、欠員がどうなっているか。それから増員をどういうふうに要求しているのか。今現に予算を要求しているのでしょうから、訴訟を促進するために裁判所としてはどのような努力をしたか、その査定がどうなって、一体訴訟を妨害しているのは裁判所なのか、大蔵省なのかというようなことを、われわれ決算委員によくわかるような資料を作って、なるべく早い機会に出していただきたいと思う。私たちは、その面からやはり裁判所が公正な扱いができるように、十分な審査と、それから人権が擁護されるという立場から、この問題は解決をいたしたいと思うので、一つその点を受けて、裁判所の方も大蔵省の方も協力し合って、私たちに資料を提供していただいて、どういうふうにした方がいいのか、研究さしていただきたいと思いますので、資料の要求をしておきます。これで私の質問を終わります。
○鈴木委員長 残余の質疑は後日に譲り、本日の審査はこの程度にとどめて、これにて散会をいたします。 午後零時五十一分散会