外務委員会 第9号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/10/27
会議録
○森下委員長 これより会議を開きます。 国際情勢に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、順次これを許します。川上貫一君。
○川上委員 この前の十九日ですか、この委員会で岡田議員が質問されたことに対して、政府の方ではいろいろ御答弁になったのですが、それを聞いておると、どうも羽田空港だけじゃなしに、日本の広い領域にわたって実際にはいつどこの飛行機が何の目的で来ておるものか、国民にはもちろん国会にさえもわけのわからぬようになっておるというように思えるのです。 これはどうも日本が今非常に危険な状態に置かれておるということの証拠だとわれわれは思うのです。そこで、私は時間の制約もありますから、そう長い質問はいたしませんが、二、三の質問をしたいので、繰り返すようですが時間の制約がありますから、私の方も簡明にしますから、外務大臣の方も一つ簡明にお答え願いたいと思います。 まず第一には、ことしの六月ごろからこちらへ、日本の基地にアメリカのB52が何機来ておるかをお聞きしたい。
○安藤政府委員 ただいまここに資料を持ち合わせておりませんので、よく調査いたします。
○川上委員 そうすると、さっぱりわからぬというお答えですか。
○安藤政府委員 ただいま私、資料を持ち合わしておりません。
○川上委員 来ておるのですか、来ておらぬのですか、数はかりにわからないとしたら……。これは外務大臣、どうですか。
○小坂国務大臣 突然のお話で、私もこまかいそういうことはよく存じませんから、政府委員がお答えした通りでございます。
○川上委員 こまかい数字を聞いておるのじゃなくて、B52、B47、これが来ておる、来ておらぬというようなことが外務省にわからぬはずがない、数字を聞いておるのじゃない。来ておるか、来ておらぬかです。
○安藤政府委員 アメリカ内部のことでございますから、向こうに照会してみるより、直ちにお答えする資料を持ち合わせません。その安保条約目的で、正当な理由で来ておる飛行機というものにつきましては、一々われわれの許可を得ているわけではございません。ただいまここに資料を持ち合わしておりません。調査する以外にないと思います。
○川上委員 そうするとこう理解してよいですか。外務省の方では来ておるか来ておらぬか、向こうに聞いてみなければ今のところではわからぬ、調べてもない、こういうように理解してよいですか。
○安藤政府委員 先ほども申しました通り、私現在この場に調査資料を持っておりませんので、よくわかりません。調べてみます。
○川上委員 この重要な問題に、僕は今資料がないとおっしゃるから、数を聞いておるのじゃないと言っておるのです。B52、B47という飛行機はそう簡単な飛行機ではない。これは外務大臣のところで、日本に来ておる、来ておらぬ、資料がないというような問題と違うと思うのです。これはどうなんですか。
○小坂国務大臣 今問題になりました飛行機ですね。たとえば今のB47というのはRB47のことだと思いますが、そういうものは来ておりませんことは確認しております。
○川上委員 B52はどうですか。
○小坂国務大臣 それは今初めて伺ったので、そういう飛行機はどういう飛行機ですか。
○川上委員 それでは聞きます。この飛行機はどういう飛行機ですか。ちょっと見て下さい。それは何ですか。
○小坂国務大臣 こういう関係のものは、USエア・フォースと書いてございますから、これはアメリカのものであることはそうであろうと思いますが、やはり防衛庁の方にお聞きになる対象かと思います。私は一々飛行機が、どれが来ているか、ちょっと外務大臣として一々チェックはいたしておりませんので、問題があればよく存じておりますが、問題にならぬものですから……。
○川上委員 それでは、もう少し時間が続きますから防衛庁を呼んで下さい。この飛行機がわかった人でけっこうです。 これはたくさんあります。われわれ自身の方で撮影した写真ですから、よそからもらったものではありませんから。外務大臣がB52が来ておるか来ておらぬかということがわからないのみならず——B52が来ておらぬというようなことを今言われた。この飛行機、これは何です。B52です。ここには幾らでも写真があります。B52の写真です。お見せしましょう。これはアメリカの写真じゃありません。日本のアメリカの基地でとった写真なんです。出所を言えといえば出所まではっきりします。日にちを言えといえば日にちまではっきりします。これは外務大臣は知らぬとおっしゃいますが、こんなひどい話はない。というのは、たとえば——外務大臣聞いて下さい。たとえば六月の十九日にはB52のF機号番号は七六五一三、これが来ておるのです。機号番号までわかっておる。九月の二十四日にはB52が板付に二機来ておる。十月の九日にはB52が、確認したのは一機でありますが、一機以上来ておったはずであります。そのほか十月の九日にはたくさん来ておる。B57も来ておる、これは三機来ております。KB50というのが一機来ておる。C130というのが六機も来ておる。同じ日です。C124が一機来ておる。それから十月の十七日にはB57が三機来ております。ずっと以前のことをもし言うとすれば、去年からのがありますから、B52機、号番号をはっきり言うてもよろしい。横田へ来ておる、三沢へ来ておる。機号番号何ぼというのを出してもけっこうです。これほど来ておるのに、外務大臣はB52は来ておらぬと言われるのですか、わからぬと言われるのですか。
○小坂国務大臣 この安保条約の範囲内においてといいますか、防衛目的のために米軍の飛行機が来るということは、これは何ら問題にならぬと思います。ただそれが防衛目的でないということを何かいわれる問題があって、そういう問題について調べよとおっしゃれば私どもで調べます。しかしこういう問題については、これは防衛庁の方が担当でございまして、さような観点から私は現在いきなりこれを言われても、直ちにお答え申し上げる資料がない、こういうわけです。
○川上委員 外務大臣はそう心配せぬでもいい。防衛目的でないのに来ておるのではないかというようなことは言いやしません、そんなことは。ただ聞いておるのは、B52が来ておるか来ておらぬかと言ったら、わからぬ、調べなければわからぬ。しかし、外務大臣がこの重大なB52が来ておるということをほんまに知らぬなら、これは大へんだ、また知っておって適当に答弁しておられるなら、これは国会の委員会をちょっとないがしろにされる危険がある。 これはもう一ぺん聞きますが、来ておらぬのですか、来ておるかどうかわからぬと言うのですか、外務省は知らぬのですか、来ておることを。
○安藤政府委員 先ほど申しましたように、私どもの方にはただいま資料はございません。そしてこういったことに一番関係が深いのは防衛庁でございます。われわれといたしましては、先ほども申しましたように、安保条約というか、防衛目的に沿うものである限り、問題はないと思うのであります。それで、もしそれに浴わないものである場合には、いろいろ問題があるかと思います。そういったときには協議を受けるということでございます。
○川上委員 防衛目的か目的でないかというようなことを聞きよるのではない。またこれは防衛庁が知っておるので、外務省が知らぬというような問題ではない、国の安全に関係する問題なんです。小さい理屈を言っておるのではない。
○安藤政府委員 お答えいたします。われわれのところには、具体的に一々こういう飛行機が何機どこにいつ来たという資料は通報を受けておりません。防衛庁にはあるいは来ておるかもしれません。
○川上委員 このB52が、たとえばまだほかにもありますが、外務省は来ておるかどうか知らぬ、これで済みますか。こういうことで外交なり内政ができますか。一体B52というのはどういう飛行機だということくらいは知っておるのでしょう、これは外務大臣どうですか。
○小坂国務大臣 これは防衛庁の所管でございますが、私の知識をもってすれば、長距離爆撃機でということのように聞いておりますが、詳しいことはあまり知りません。
○川上委員 来ておる、来ておらぬの問題はあとで聞きます。 七月二十六日に、アメリカの上院の歳出委員会でマクナマラ国防長官が証言をしておりまます。この証言には、今ソ連の周辺にある一もちろん日本を含むのです。アメリカの海外基地のB52は、命令一下、十五分以内に出動ずる即応体制をとった、こういう証言をしておるのです。これは七月二十六日です。外務大臣はこれを御承知ですかどうですか。
○小坂国務大臣 そういうような証言があったということであります。しかし、私も今手元にそういう資料を持っておりませんから、あなたはその資料を持って御質問でございますが、私はその資料がございませんから、この程度にお答えいたしておきます。
○川上委員 それは知っておるということですね、そういう証言があったことを。あまり心配せずに、はっきり言って下さい、大丈夫ですよ、そんなあげ足をとりやしませんから。
○小坂国務大臣 別に心配をして言っておるわけではございませんけれども、どうもそこまであまり……。私もいきなり聞かれて、どこのどういう人がいつ幾日こういう証言をしたかしないかということを唐突にお聞きになっても、私もはっきりそれを一々記憶いたしておりませんので、こういうふうに申し上げておるわけであります。要するに防衛目的のために安保条約というものがあるのでありまして、何かあった場合に防衛ができるということであれば、それでよろしいのではございませんか。
○川上委員 外務大臣は、だいぶこのごろなれて、国会答弁をいかにしてのがれるかということか、だいぶ上手になった。しかしこのB52が水爆を塔載しておるという事実があったらどうしますか。こういう重要な飛行機が来ておるか来ておらぬかわからない、資料がないからわからぬというようなことを言うて、外務当局が済むと思いますか。これは水爆を持っておると思いますか、どうですか。
○小坂国務大臣 持っておらぬと思います。
○川上委員 四月の五日にアメリカの上院の軍事委員会の聴聞会で明らかにされた——これは国会図書館に速記録がありますからお読みになったと思う。これによると、ソ連の周辺にあるアメリカの海外基地、そこにはB52が六百機おる、B47が千百機配置してある。これはわれわれの方で大よそどこに何機ということは調べてあります。これは日本が入っています。このB52は水爆一個以上を持っているとはっきり聴聞会で言うておる。これは速記録がありますからお読みになったでしょう。これはどうなんです。
○小坂国務大臣 核兵器の持ち込みということは、われわれは拒否するということをはっきりしております。日本にそういうものがいるということは、私どもは考えられません。
○川上委員 そうするとこの速記録をごらんになって、アメリカに何か照会するとか抗議をするとかなさいましたか。文書にあるのですから……。こういう文書を外務省がごらんになって——見ておらぬとは言わせません、文書があるのだから。そうした、もう持ち込みを拒否するのなら、この文書に対して黙っておるはずがない。必ず持ち込みは拒否するのだがどうだとアメリカに照会されましたか、されませんか。
○小坂国務大臣 その証言は、日本にそういうものがいる、水爆を搭載したB52がおる、こういう証言ですか。
○川上委員 そうです。速記録を調べてごらんなさい。
○小坂国務大臣 そうじゃないと思います。証言はそう言ってないのでしょう。日本にそういうものがあると言っているんじゃないでしょう。私はそれを言っているのです。
○川上委員 そういうきいたようなことを言うちゃいかぬです。それなら外務大臣はここで、ここに証言をしておるB52は水爆一個以上を持っておるというのだが、この飛行機は絶対に日本におらぬということを確言しますか。
○小坂国務大臣 水爆を積んだそういう飛行機はいないというふうに、私は確言いたします。
○川上委員 おるじゃないです。(小坂国務大臣「いない」と呼ぶ)六百機は、そのことごとくが一個以上の水爆を搭載しておるということを聴聞会で言うておる。その六百機のうちどこにおよそ何機あるということもわれわれは調べてありますが、それなら日本は除外するという証拠を出して下さい。日本におるB52が別だという証拠を出して下さい。
○小坂国務大臣 先ほどから申し上げているように、日本に核兵器は持ち込まないというこちらの申し状に対して、先方は同意をしておるのであります。もしさようなことがあれば、当然事前協議の対象になります。これは、そういうようなことを隠してやられるとは私ども思いません。
○川上委員 そういうことを政府がいつも言うておることは知っているのです。それがまるでうそじゃということを私は質問しておるのです、私の質問は。それはB52は、核兵器持ち込みの時分には日本の承諾を得るとか、あるいは承認を与えるとかいうことになっておる、これはもう何べんも聞いておるのです。しかし、にもかかわらず実際には来ておるじゃないかということを私は聞いておるのです。だから来ておらぬという証拠を上げて下さいということを私は言うておるのです。それだから、そういう申し合わせがあるのだから、来ておらぬと思いますというような答弁ではいけない。来ておらないということを立証しなくちゃいけない。アメリカの上院の軍事委員会の聴聞会では来ておるということを言うておるのだから。それですから、それを政府の主観で、何を言うてあろうと私の方はそう思いますというようなことでは、私は国政審議の答弁にはならぬと思います。問題は言いのがれじゃありません。日本の危険と安全に関する問題です。この責任は外務当局がとらなくちゃいかぬ。言いのがれが問題じゃない。これはどうですか。
○安藤政府委員 先ほど大臣より御答弁がありました通り、核兵器の持ち込みということについては、日本は拒否する態度をずっととってきており、また米側との間におきましても核兵器の搬入は事前協議の対象になるということにはっきりなっております。われわれは事実上、米側とは合同委員会その他の場所におきまして、常時いろいろな緊密な連絡をとっております。それらのことから勘案いたしまして核兵器は私はないということを断言していいと思います。ただしかし、あるとおっしゃるなら、私は念のために米側に照会して調査することは差しつかえないと思います。
○川上委員 ここに、証言に出ているのに、あなたは約束があるとかなんとかおっしゃいますが、日本の政府が本気でその気でおるなら、これほどはっきり出ておるのだから、なぜ問い合わせをしないのですか。
○安藤政府委員 ただいまも申しました通りの事情であります。その上にその証言は、たしか先ほどお読みになりました通り、また私の記憶では、広く極東の基地と申しておりまして、日本ということはメンションしていないと思います。それと同時に、核兵器の持ち込みということに対しては、われわれがいかなる態度をとっておるかということも、米側は十分承知しております。ことに先ほども申しましたように、これが事前協議の対象になっているという事実でございます。米側とはいろんな点において常時連絡をとっております。従いまして、私はないと確言してよろしいと思います。同時に念のため向こう側と連絡をとって調査することは差しつかえありません。
○川上委員 あなたが抽象的に確言するといっても、ちっともありがたくない。そんな確言をしてもらいたくない。証拠を出してもらいたい。ここに、B52をソ連周辺の基地に配置してある、これは水爆一個以上持っておる、こうあるのです。日本をはねるともないのです。このうちには日本の基地は除くともないのです。こうなりましたら、政府がまじめに日本の危険を考えるならば、これは大へんだ、これが事実とすれば日本は困る、すぐアメリカに照会しよう、こういう態度に出られるはずです。そうでなしに、質問をしたら初めて照会してみる、その態度をわれわれは心配しておるのです。これは公然とわかっておるのです。水爆を持っておると書いてあるのです。これはアメリカの議会です。そこで私は47については今は触れません。しかもこのB52が十五分間以内に出動する即応体制をとった。これは国防長官の証言であります。その時分はどういうときだと思いますか。そのときは七月二十六日ですが、B52は日本では板付におりました。これは知らぬ存ぜぬと言うてもあかんです。このごろにはおったのです。この事実を否認することはできない。しかもこの時期にはベルリン問題をめぐってアメリカが西ヨーロッパで戦争をするのはやむを得ないという覚悟をきめたあのときです。この覚悟をきめたあのとき、こういうことがあったことは、外務大臣御承知でしょうな。西ベルリンを中心として。これはどうですか。
○小坂国務大臣 西ベルリンでアメリカが戦争をする覚悟をしたということは、私は聞いておりません。
○川上委員 そうしたら、あの当時のアメリカの人間二十五万人の引き揚げ計画が漏洩したことがあって、アメリカでは大へん問題になりましたが、あれは御承知ですか。
○小坂国務大臣 それはよく存じません。
○川上委員 日本の外務大臣はつんぼさじきで、これで日本の外交ができますか。アメリカ人二十五万人の引き揚げ計画が漏洩した核兵器の移動が漏洩した。問題になったじゃないですか。この時分にケネディも発言しておるじゃないですか。この漏洩は遺憾であるということを言うておるじゃないですか。その時分に水爆を持っておるB52が日本にきておったのです。こういうような危険が日本にあるのに、外務大臣はほんとうかうそか知らぬが、知らぬ、存ぜぬ、調べなければわからぬ、こんなことで済みますか。私が質問して初めて、そんならアメリカに聞いてみる、政治というものはそんな問題じゃないです。これは三百代言の理屈じゃないのですから、政治ですから……。もしそれがほんとうなら日本の外務省というものはとんでもないものじゃ。これほど危険な状態を持ちながら、何も手を打っておらぬ、心配もしておらぬ、ことに松本委員の質問に対して外務大臣は、ベルリンの問題は日本には関係ないというような答弁をしておられる。それどころの話じゃない。 そこで私はあらためて聞きますが、外務大臣はこの飛行機が一体何かということを一ぺん考えて下さい。これはB52なんです。こう出してくると、きておるかもわからぬという、これが水爆を持っておるという証拠を出すと、それはないはずじゃ、私は確信するとおっしゃる。何べんあなたが確信したって、国民はそうだと思いません。持っておるということは、速記録にあるじゃないですか。もし心配なら、ほんとうに国の安全を考えるなら、外務大臣としては真偽のいかんにかかわらず、これをすぐアメリカに聞き、もしも国会でこういう質問でもあれば、直ちにこれに明瞭な答弁をして、国民にその真相を知らせる、こういう態度をとることこそ外務省の仕事なんです。アメリカのしりにつくばかりが外務省の仕事じゃない。これは外務大臣ちょっとお考えにならなければいかぬのじゃないですか。 繰り返してもう一ぺん具体的に聞きます。何か外務大臣はお答えになるつもりでしょうけれども、聞いても役に立つような発言はしやしない。国防長官の証言があり、アメリカの上院軍事委員会の聴聞会で明らかにされた事実があり、あるいは日本にB52が確かにきておるという事実があり、それは私が言います通り、何月に機号番号なんぼの飛行機がきておるということを、もっと言えといえばなんぼでもある。それが水爆を持って十五分間以内に即応体制に入るという証言まであるのです。こういうことがある時分に、外務大臣はあぶないとも何ともお考えにならなかったのですか。どうですか。ほんまに何も知らぬのですか。これは外務大臣に聞きます。知らぬなら知らぬと率直に言って下さい。
○小坂国務大臣 だんだんに御非難が激しくなりますけれども、あなたの質問を一つ御自分で考えてみていただきたいと思います。お前はこれを知っておるのか、こういう証言があるのになぜお前はぼやぼやしておるか、こういうふうに畳みかけていらしゃいますけれども、こういうことがあるんだぞ、お前の方もこれについて注意しておるだろうな、こういうことであれば、私もはなはだおそれ入りますけれども、不敏にして水爆を積んだ飛行機が日本にいるということは存じませんでした、もしそういうことがありとすれば、これは大へんなことでありますから、よく調べますと言うことだと思います。 それから、 いろいろおっしゃって——これはその機会を得て岡田さんにもお答えしなければならぬと思いますが、この前のお話は、私どもの方で調べてみると、岡田さんとだいぶ違う点があるので、これはまたいずれ御返答申し上げる機会もあるかもしれませんが、どうも川上さんのお話は断定的であって、B52が極東に配置されておる、日本は極東の中にあるんだから、日本にあるはずだ、それをお前黙っていたのはけしからぬ、こういうことでございますから、それは私はきめつけ方がちょっと一方的だと思います。一つあなたも私どもの態度もよく御承知願って御質問を続けられたいと思います。
○川上委員 さっぱり承知できない。私の方は主観論を言うておるのと違います。一々材料を述べておる。あなたの方は、知らぬ存ぜぬとか、そんなことはないとか、こんな申し合わせがあったんだとかおっしゃるだけで、私の方は何も追っかぶせておるのではない。こういう事実を具体的に出しておる。そこであなたの方の御答弁は、その事実はこういう工合で違うという、これを出して下さらなければ、畳みかけるとおっしゃっても、どうしたらいいか。この質問をしてはいかぬというのですか。これはどうしてもしなければならぬ。それだから、私の方は、繰り返しますけれども、抽象論を言うておるのではなしに、具体的な事実に基づいて、どうですかと聞いておるのですから、それが違うとおっしゃるならば、あなたの方も具体的事実を出して、こうだから違うと言うて下さらなければ、さっぱり話にならぬ。お前そんなことを言うてはどうもならぬと言われたのでは、こっちは困る。外務大臣どうですか。
○小坂国務大臣 ですから、今後もしそういう御質問があるならば、一つ事前にこういう問題をおれは非常に疑問に思っておるから聞くと、ちょっと言って下さいますと、私の方ももっと調べてお答えができると思います。しかし、これは唐突でございますから、私どももよく調べるようにいたしましょう。ただこいねがわくは、私の方もいろいろ多方面の仕事を持っておりますので、そういう具体的な事実をいきなり聞かれましても答弁に困る、どうぞその点よろしくお願いいたします。
○川上委員 それでは、私は具体的に資料を出したのですから、これについてアメリカの方に交渉して下さって、その結果をこの委員会で一つ発表して下さるようお願いします。 こういうことになっておるのですがこれは非常に危険な状態になっておって、西ヨーロッパではベルリン中心、アジアでは日本中心に緊張の危険が非常に高まっておると私は考える。この問題についての結論は調べてから回答するとおっしゃるけれども、調べられる前にこれだけの証拠があるのですから、これはわれわれは信ぜざるを得ない。もしもこういうことをやっておってたとえば朝鮮に三十八度線で何か事件が起こる、この問題について心配しておられますか、安全だと思うておられますか。
○小坂国務大臣 そういうことが起こらぬようにするために、われわれはいろいろ外交上の苦労をしておるわけであります。
○森下委員長 約束の時間ですから、よろしくお願いします。
○川上委員 実際そういう答弁ばかりされてはいかぬのではないですか。外務大臣はそうおっしゃるけれども、われわれはここであげ足をとるなんということを少しも考えておりません。あぶない、これが国民とともに問題なんです。そういうことのないようにやるとおっしゃるが、南朝鮮を見てみなさい。もう時間がないというから、私は簡単に言います。八月十七日に、南朝鮮では首都防衛司令部設置法というものを公布しました。これは外務大臣も御承知だと思う。その後アメリカと一緒になって、連日というてもいいほど戦争の準備をしている。作戦司令部を新しく作りました。新しく兵站基地を作っております。アメリカの戦闘団はことしになってから、四個団がよけいに南朝鮮に入っておる。八月十日以後だけでも、核戦争を想定した演習を含めて、大演習を六回やっております。アメリカの軍部の高官は、これは私が名前を言わぬでも外務大臣御承知だと思うが、六人出入りしておる。艦艇駆逐艦を加えて七隻というものを南朝鮮にアメリカは貸し与えました。日本では、九州から西の方の日本海岸のアメリカの基地はどんどんと強化されております。一方先日の質問応答でも、軍事的目的に羽田が使われておるということは、あの政府の答弁からも明らかに出た。第七艦隊がポラリス潜水艦を持ってきておるということは、これは私は証拠は出しませんが、巷間に言われておる。巷間言われておるのは知らぬという問題ではないのです。国の安全と外交を担当しておる人は、これにもやはり耳を傾けて、心配ならアメリカに聞いてみるだけの責任をとらなければいかぬ。国会でうまいこと返答すればいいという問題とは違いますよ。三十八度線は危険地帯になっております。西でベルリンをめぐる危険、東では三十八度線を中心とする危険、もう一つできそうになってきたのは南ベトナムです。これがアジアとヨーロッパの危険地帯、そういう時分に、もしこれの暴発があって日本のアメリカの基地が爆撃されたら、日本政府はどうしますか。
○小坂国務大臣 今御質問の中にあったポラリス潜水艦がいるというようなことは、これは確かめましたが、さようなことはございません。これはいわゆる藩閥のためにするうわさかと思います。 それから、日本の米軍基地が武力攻撃を受けた場合、これは安保条約第五条の規定によりまして、それに対する適用をする措置をとるわけであります。
○川上委員 この前そういうことがあった時分には、自衛隊が出動して、防衛だから戦うのだという政府の答弁があったはずですが、今でもそう理解してけっこうですか。
○中川政府委員 安保条約によりまして、日本領域内に武力攻撃が加えられる場合には、第五条によって日本はこれに対処するために行動するわけでございます。その行動の重要な部分は、力をもってする行動、これは当然そういうことになります。
○森下委員長 川上君、だいぶ約束の時間が過ぎたのですが……。
○川上委員 もう一問だけで済みます。 これは危険なことをあなた方はおっしゃる。三十八度線で事が起こって日本のアメリカの基地が爆撃をされる。向こうにはソ朝条約があります。いい悪いは別ですが、ありますぜ。その時分に、防衛だから日本も立ち上がる、戦争を覚悟しておるのだということで、ソ朝条約を頭に置いてこんなことをやるのですか。こんな危険な状態に今きておるのですぜ、小坂さん。その持分に、あなたの方では核実験の抗議と反対だけすれば事が済むような考えである。問題はそこじゃありますまい。核戦争の危険、世界人類の破滅の危険がアジアで起こるかもしれぬ。その危険があることについて、この根を抜かなければだめじゃないですか。核実験反対という意味を持った決議案の時分に、池田総理はまことにのうのうとして喜ばれておる。われわれは核実験などは何ぼしてもいいというようなことは考えておりません。そうではないのです。ここのところへ問題を集中して、これで片づくような態度をとってはいけない。もとを考えよう。あぶないじゃないですか。アメリカの基地を撤廃し、安全保障条約をやめて、全面軍縮という方向に向かって、日本の政府、日本の外務大臣も加えて努力をするという、この核兵器の危険のもとを考えないでどうするのですか。われわれが、あの核実験の反対の内容を盛った決議案に反対をした意味はここにあるのです。繰り返して言います。核実験は何ぼしてもいいのじゃ、何ぼ何ぼ降ってもいいのじゃ、こんなことをわれわれは決して考えてはおらぬ。問題の中心が違うのじゃないか。私がきょう述べましたような、こういう事実にほおかぶりしておいて、国会では知らぬ存ぜぬというようなことを言うておいて、そうしておいて、そうしてもとをただすということを少しも考えない。こういう態度では日本の外交を間違いやせぬか。同時に、日本の平和、日本の安全を保障する道ではないのじゃないか。時間がありませんから私はこれで終わりますが、このもとを断ち切るための完全軍縮、全面軍縮に対する支持、安保条約の破棄、軍事基地の取り払い、この考えが少しでも外務大臣の頭にはありますか、ありませんか。
○小坂国務大臣 ただいまのお話しを伺っておりますると、もう日本に攻撃があるのだという前提でのお話でございまするが、そういう攻撃的なもと一あなたはもととおっしゃるけれども、そういう攻撃的な思想そのものを私どもはこの地球上から取り去りたいという念願でございます。あなたは、そういう攻撃が日本に下されるという前提でいろいろおっしゃいますけれども、そういうことがないようにするために必要な安保条約であって、私どもはこれを変える考えはないのであります。ただ、お話しの中にあったところの、完全な軍縮に向かって世界が進まなければならぬということについては、私は全く同感です。ただ、完全軍縮のプリンシプルはいいのだけれども、いかにしてそれに達するかという方が問題であります。その方法の一環として、まず、だれにもやろうと思えばできる核実験の停止ということは、まず核保有国においてやってもらいたいというのが、先だってのわれわれの意思表示でございまして、国会の御決議もさような点にあるわけでございます。あなたは、それに反対なさいましたけれども、私どもの大多数がそう考えているということもどうぞ一つ御了承願いたいと思います。
○森下委員長 川上君、あまり時間が長くなり過ぎますから、この辺で…。
○川上委員 あまり時間が長過ぎるという委員長の注意ですから私はこれで終わりますが、この問題については相当残っておりますから、この臨時国会では無理だと思いますから、来たるべき国会の時分には、あらためてこの問題で質問させてもらいます。
○森下委員長 通告順によって、帆足計君に許します。 帆足君にちょっと申し上げますが、外務大臣は渉外事項でどうしてもやむを得ないために、完全に六時十分前にお立ちにならなければなりませんから、どうぞそれをお含みの上でお順いいたします。
○帆足委員 私がきょう御質問いたしますことは、与党の方にも聞いていただきたいのです。日本国民として、だれしも国を愛しない者はありませんし、また、論理と現実に基づいて考えていただくならば、与党の方にも御理解願えることではなかろうかと思いつつ、私は御質問いたすわけでございます。 まず第一に、沖繩の問題につきましては、敗戦のあとを受けまして、沖繩の主権が、すなわち三権がアメリカに移っておりまして、こちらにはただ名目上の潜在主権が残っているだけでございます。軍事基地をただ貸すというだけならば、対等の資格でこのグラウンドを貸す——もちろんそれにもわれわれは厳重な批判がございますけれども、グラウンドとして貸すだけのことで済むべきものを、沖繩八十万の同胞はみずからの自治権を奪われ、国民としての公民権もなくし、また私どもが沖繩に参るのにすらパスポートが容易にもらえない。うわさに聞きますと大内兵衛博士や著名なる自由主義的評論家の中野好夫君のような人ですらまだパスポートがもらえないように私は聞いております。外務大臣は、沖繩の同胞が三権を奪われておることに対して、それは遺憾なことであって、三権は日本に戻ることをよしとすると、当然お考えでしょうが、そのようにお考えでありましょうか。
○小坂国務大臣 沖繩の施政権が早く日本に返還されることを望んでいます。
○帆足委員 当然そうあるべきであると思う次第でありますが、その沖繩に対して、しからばどうなっておるかと言いますと、私は調べれば調べるほど憤激の念を禁じ得ないのでございます。サンフランシスコ条約の際に、沖繩がわれわれの手から離れようとしたときに、インド政府はこれに対してきびしく批判いたしました。沖繩は日本が他から奪った土地でもないのに、なぜアメリカにその主権が帰属せねばならぬのかといって、これを批判しました。それに対して、アメリカ国務省の回答は、千島についてはポツダム宣言で解決済みであるが、沖繩の問題についてはまだ条件も明定されない上に、今日インド政府が今後日本の最大の不満の源となるであろうと沖繩について述べておるのは、なぜそう早く即断するか了解に苦しむ、こう当時アメリカの国務省は述べまして、さらにダレス氏は、沖繩がやがて信託統治になるという見通しのもとにしばらく占領を継続するということをインド代表は御存じないのであるか、このように指摘しました。それに対しまして、英国の代表はこれをこのまま信じまして、琉球その他の高々には日本の主権が残るばかりでなく、日本の行政下にもとどまることになるのである、この点は千島列島に対する日本の主権は完全放棄と対照的である——きわめてはっきり、対照的であって、後者に、すなわち沖繩に反対する人たちに考えていただきたいことである、こういうふうに言っております。吉田首相は、同時にこれに対して、沖繩島に日本の主権が残ることはサンフランシスコ条約において、英国代表が先ほど説明した通りである——英国代表のこの言葉を引いておるわけです。それについて、西村熊雄氏は参議院外務委員会の答弁において、やがて沖繩は信託統治に置かれるであろう、それまでの間暫定的機関として三権の行使をアメリカにゆだねるが、その施政が円滑にいくために、沖繩住民の苦痛のないように、われわれは努力するでありましょう、またその努力がないようになったら直ちに直すようなシステムを今から考えておくことが必要でありましょう——こういうやりとりがなされたのでございます。従って、この論議の上から論理整然と考えますと、アメリカは、沖繩はやがて信託統治にする、それまでの間、暫定機関としてしばらく預かっておく、こういう論理を持ってイギリスをだまし、そうしてインドをだましたことに、今日としては遺憾ながらなっておるのではあるまいか、こう思うのでございます。 しからば、その信託統治とはどう書いてあるかというと、平和的信託統治及び軍事的信託統治の二つに分かれておりまして、だれしもまず考えることは平和的信託統治でしょう。この信託統治は、前の国際連盟の信託統治と違う。国際連合の信託統治は、人民の自治または独立の方向に向かってこれを促進すること、人種、性、言語または宗教による差別等のない、すべての者の人権及び基本的自由を尊重するように、これを奨励し、かつ、世界の人民の相互依存の認識を助長するように指導する、これが戦後における国際連合の信託統治の意味です。 ダレス氏はさらに声を荒げまして、インドに対して暗に諷刺しながら、インド代表その他、沖繩の問題に対して疑惑を差しはさむ人たちは、国険連合憲章第七十六条の趣旨を御存じであるかとまで言うておるわけであります。私はこのダレス氏の言葉を振り返って、現在の悲惨な八十万の沖繩同胞の、主権を奪われ——先日、ジープで四人の少女がひき殺されましたけれども、その犯人がわかっておるのに、われわれはその犯人の名さえ知らされず、その裁判に容喙することのできないような今日の実情を見ると、道徳主義者をもって任じたダレスの道徳なるものが、まるで妖怪変化のような道徳ではなかったかと思うて、まことに暗たんたる気持がするわけでございます。軍事的信託統治ということになると、ソ連の拒否権が行使されますので、アメリカはおそらく平和的信託統治には興味がないのでございましょう。しかし、ここに私はこのことをはっきり速記録に残していただいて、全日本国民にこれを知っていただきたいのでございます。アメリカは信託統治の美名のもとに、われわれをだまし、世界の諸国民をだました、私どもは今のこの事実に即すると、そう言わざるを得ません。そうでないならば、アメリカは一日も早く信託統治にする時期を選ぶべきである。そうしてまた施政権を預かっておるときでも、信託統治の規定に示しているように、住民の自由を尊重し、その自治権を促進するような方向に、預かっているものが指導するという、その精神をこの地においても生かすのが、アメリカの責任ではなかったか。しかるに、それはせずに、終戦後十五年たってなおかつ植民地、奴隷のごとき状況に沖繩の同胞が置かれておって、政府も、見るに見かねるから、ともに施政権を国に戻したいと主張している。そういう状況にあることを思うと、私はダレスという坊さんは、あれはくそ坊主ではなかったという思いもするわけでございますよ。もしライシャワーさんが教養のあるインテリであるならば、この速記録をアメリカ語にして読んで、そうして恥を知るといいと思うのです。わがふるさとを返せ、私たちはだれしもその思いを強くする次第であります。 私がかく声を荒げて申しますのは、政府を督励する意味でありまして、言う言葉は激しいけれども、論理は整然として、通常の状況にある者ならば、だれしもうべなうべき論理であろうと私は思います。ただ、ここに救いの綱が現われました。それは国際連合において満場一致——若干の国は棄権いたしましたけれども、これは良心に恥じて棄権しただけであって、満場一致通過したところの植民地解放決議案です。沖繩が今置かれている状況は、私はあまねく、国際法の書物及び各国のエンサイクロペディアを読みましたけれども、植民地の定義はもはや明らかでございます。明らかでないならば、私は後ほど政府委員に、植民地の定義についての驚くべき資料をお目にかけたいと思っておりますが、明らかに沖繩は広義の植民地、すなわち植民地解放決議案に定義されたその範疇に入っておるのでございますから、国際連合の趣旨に従っても、アメリカは早晩これに対して態度を明らかにせねばならぬ義務があるわけでございます。従いまして、日本政府としては沖繩を植民地と考えられるか、とにかく植民地の範疇に属するものとお考えになるか、お考えになるとするならば、国際連合植民地解放決議案にこの問題が包容される問題とお考えになるか、お考えにならないとする——まあそれほど無学であるはずはありませんけれども、とするならば、植民地に対する定義をここで明確にお尋ね申し上げたい。外務大臣の御答弁をお願いいたします。
○小坂国務大臣 今の御質問の中に、千島はポツダム宣言で所属がきまっておるがというお話がございましたが、これは何かのお間違いだと思います。これは一つ申し上げておきたいと思います。 それから沖繩を信託統治にしなければならないということは、平和条約の第三条から出てこないわけですね。沖繩、小笠原を国連による信託統治にしなければならないという議論は出ない。そこまでに至らぬ間にこの三権はアメリカに属するということをきめておるわけです。そこで、そういうことでだました云々というお話がございますが、われわれの側からいえば、信託統治になるよりも、われわれに施政権そのものが直接返ってくる方がより望ましいわけであります。そこで施政権の返還ということを申しているわけです。現在渡航が非常にむずかしいというお話がございましたけれども、これは参議院の予算委員会で総理府の方から答弁がありましたのですが、現在までの平均値をとってみると〇・八%しか許可されてない、こういうことでございます。これはしかし平均値で、最初のころよりはずっとよくなって、最近はもっとそういうケースはなくなっていると思います。そこで、われわれは漸次施政権を水の流れるような形でわが方に帰属せしめたいということで、アメリカと一緒にわが方も、わが方としてできるだけ沖繩における同胞の福祉、経済活動を助成するための予算的その他の措置を講じようということでいっておるわけですし、先般の池田総理とケネディ・アメリカ大統領の会談の際にも、この問題が非常に熱心に論議せられまして、その線に沿いましてアメリカ側でも、ケーセンという教授を団長とするタスク・フォースを出して、今熱心に、いかにすれば沖繩のわれわれ同胞の住民各位の要望に沿い得るかということを検討しておるわけであります。情勢は著しく好転しておるということを申し上げることができると思います。 そこで、植民地の定義が御質問にありましたが、植民地という言葉の国際法上確立した定義は存在しないと思います。なお昨年の国連総会で採択された植民地独立付与の決議に述べられておりまする植民地とは、政治的な概念でありまして、明確な定義はむずかしいけれども、一応この決議の本文第一項にいいまする、住民が外国による征服、支配及び搾取のもとに置かれる地域というのが妥当であろうかと思います。しかしこれは政府委員から補足してもらうことにいたします。
○帆足委員 同時に沖繩がそれに該当するかどうかを聞きたいのです。
○小坂国務大臣 該当しないというふうに思いますが、なお政府委員から補足させます。
○高橋政府委員 ただいまの大臣の答弁を補足さしていただきます。昨年第十五回国際連合総会におきまして採択されました、いわゆる俗にいう植民地独立付与宣言は、御承知のようにソ連が議題として提案いたしました。そしてソ連の議題提案の覚書のうちには、植民地というものを即時やめなければならないということにつきまして、これに関連して軍事基地の問題を取り上げ、その項で沖繩に触れております。そういうようなことがございましたので、総会におきまして自由諸国側で、それではそういうようなものを取り上げるなら、東ヨーロッパの諸国の状況なども一緒に取り上げたらどうかというような声が起こりましたので、アジア・アフリカ諸国は、そういうような植民地独立の問題に冷戦の問題を取り上げることは好ましくない、純粋の植民地、それを早く独立させるという趣旨の宣言を作ろう、こういうことを相談いたしまして、先ほど御指摘になりました採択された決議は、アジア・アフリカ・グループで起草いたしまして、アジア・アフリカ・グループのほとんど全部が提案国になって通過した決議であります。従いましてアジア・アフリカ・グループの中でも、起草の段階において、沖繩などはこれには入らないという考えでこの宣言が書かれているわけでございます。
○帆足委員 それはあなたのお考えですか、それとも植民地宣言を起草し、それに投票した各国の意見ですか。また起草した人の意見ですか。どこからそういうへ理屈をひねり出されたか、その出所を聞きたい。
○高橋政府委員 実は日本政府の代表は入らないで、それから日本政府の代表は当時この起草の段階において、いろいろ日本政府の代表も意見を出しております。それで起草委員会のある代表が、実は沖繩などが入らないようにはっきりそこを書かなければいけないというようなことを、日本政府代表に言っているのが代表部からの報告に見えております。
○帆足委員 植民地解放宣言の中の言葉に、植民地それから信託統治の地位、それからまだずっと書いてありますね。それから従属人民の自由に対することとか、それから自治地域とか独立運動の援助とか、それからその解釈としては、基本的人権と人間の尊厳、男女及び大小各国の同権等に関する見地から、日本政府は余分なことを御苦労なさったものであって、沖繩を含まないような解釈は、それは国際的に確認されたことでないから、ほかの国々は日本政府の政府委員の頭の中にそういうへ理屈、そういうごみが入っておったとはつゆ知らずに決議したものと思いますが、現にその背景をなすところのアメリカがどう植民地を定義しているかというと、この植民地解放宣言が、民族独立と自由の観念をもって通ったことについては、アメリカの伝統的精神から賛成する、そうしてこの宣言のイニシアチブをAA諸国がとったことについても賛意を表する。同時に植民地主義の定義としては、これは皆さんの尊敬するアメリカの代表、私どもは中くらいしか尊敬しておりません、しかし皆さんが大いに尊敬し過ぎるくらいのアメリカ代表は、植民地主義の定義としては、人民の意思を無視した力による外国勢力の人民に対する継続的支配をあげた。私は、単にグラウンドとして軍事基地を貸すならばまた貸す方法があるでしょう。しかし沖繩の人民の意思は、明らかにアメリカの支配勢力によって無視され、そして制限され、またその母の国であるところの日本政府の意思及び日本政府の願望及び日本人民の意思は無視され、そしてアメリカの支配下に置かれ、沖繩の人民は祖国に対する忠誠をすら認められていない。選挙権もない。そして治外法権で、自分の権利を侵した者に対する裁判権もその支配者に対しては持っていない。これだけの条項をあげれば、これが植民地的状況であることは明らかである。最近の学術雑誌にはそれを幾つかに分けております。委任統治的植民地とか、または租借地的植民地、最近は電車基地的植民地、すなわち住民の基本的人権が差別待遇を受け、極端に制限されている状況が続いているときに、これを植民地というわけです。私は、もし政府委員が沖繩は植民地でないという御意見を持っておられるならば、そしてそれを強弁されるならば、そういう無学の徒輩とはこれ以上議論することを欲しません。これはやましき意図から出てきたわけですから、諸君が東大なり早稲田なり慶応なりを出たときに習った純真な国際法上の観念から出ているのじゃなくて、やましき意図から出ているのですから、これは私は論議を避けます。しかし、国際的には、私の広義の植民地の中に沖繩の状況は不幸にして置かれているという事実は、アメリカの国務省によっても、アメリカの国際法学者によっても、またインドの国際法学者によっても、英国の国際法学者によっても、私は認められると思います。従いまして、政府がやはり、沖繩は一種の植民地的状況に置かれているということを認められて、そして軍事基地の問題は、われわれ野党はそれでもなおかつ批判いたしますけれども、グランドのように軍事基地を貸さねばならないとするならば、保守党としてそれをおやりになることは保守党の自由ですが、沖繩の人民をその道連れにまでする必要はないのでありますから、沖繩が一極の植民地の状況になっている。やはり植民地解放宣言の趣旨からいっても、沖繩人民の自由は日本に戻してもらいたい、こう主張することがすなおな意見で、正論であると思います。しかし、ただいまの政府委員の意見を聞きまして、私はあきれ果てましたから、これは議論いたしましても、少数、多数の意見ということになればやむを得ませんから、まことにきょうは失望落胆いたしました。かくのごとき卑屈の精神は、一体日本のどこからきておるか。そのよるところ遠く、かつ深きを思わねばならぬ。野党たるわれわれにも、また多少は卑屈の精神もありますから、これは日本民族として、私は大いに反省せねばならぬ問題であると思います。論争する勇気もなくなったと速記録に書いていただきたい。しかし、われわれがこの議場で論争しなくても、この真実は世界の世論がこれを支持しますから、小さな定義の問題で政府委員が失言なさっても、どうか落胆なさらずに、それならば、植民地と同じ状況に置かれておる沖繩の施政権を戻してもらいたいと主張して、どうか国際連合の世論を活用していただくことを、私は日本のためにお願いいたします。 第二にお尋ねしたいことは、先ほどちょっと触れました沖繩と並んで千島の問題ですけれども、私が文献を調べたところによりますと、サンフランシスコ条約のときに、不幸にして千島は放棄いたしました。捨てたものが、拾った人はだれかわからぬなんて言いますけれども、捨てたときには、もうあとの発言権は非常に弱くなること御承知の通りでありますが、そのときにインドから注意があり、またダレスからも、国後、択捉は仕方がないが、歯舞、色丹については国際司法裁判所に訴えたらよかろうというようなつまらない注釈のついたことも御承知の通り、鳩山さんはこの真実をありのまま認めて、そして、歯舞、色丹は戻してもらう。ソ連と平和宣言を結んで、やがて国際緊張の緩和、そして米ソ対立の緩和の線に沿うて野党の協力をも得て、何らかの話し合いをさらに進めたいというお考えのようであったし、外務委員長であった植原悦二郎さんの話は、先日私が朗読した通りです。そこで、私は政府に伺いたいのですが、サンフランシスコ条約のときには、その程度にしておいて、そしてあのとき条約局長の失言問題など——失言だと今言うのですけれども、あいまいな御答弁があって、それから五年後に鳩山さんのときに、ちょっと政府は思い出して、また最近強く思い出された。サンフランシスコ条約のときから鳩山さんが日ソ平和宣言に署名するまでの五年間記憶喪失症になっていたのは、どういう状態ですか。敗戦のためについ、うかうかしていたのでしょうか。その辺の心境のほどを——今の外務大臣の責任でありませんけれども、やはり同じ穴の——同じ穴ではない。同じ同類の、同じ敬愛する政党の間柄ですから、その心理学的経過ぐらいはお聞かせ賜わらないと、われわれ正常な人間が、頭が変になる世の中でございますから、一つその辺はどういうことで五年たって急に間歇温泉のように思い出してわめき始めたか、そういうことならサンフランシスコ条約のときに、一方的でもいいから——敗戦国だからアメリカに向かってこうべをあげてこう然と物が語れなかったというならば、それは共同の責任でありますから、よくわかります。それなら一方的でもいいから、それについてわれわれの見解というものを明らかにしておいてほしかった。しかるに、政府は何も言わない。先日新聞がひやかしておりましたように、家を移してその妻を忘る、そういう状況であったのは一体どういうことであったのか、ちょっと歴史の参考のためにお伺いをしておきたい。
○小坂国務大臣 これはもういろいろな機会に申し上げておることですが、このサンフランシスコ講和条約の際には、われわれは交渉のために全権を出すということではなくて、この全権は講和条約を承認するために行ったわけでございます。しかしながら、意見は述べ得るというので述べたわけですが、その当時の情勢といたしましては、この敗戦日本に対するところの非常にきびしい国際感情があった。なお、その後においても、そのできた講和条約を各国が批准する場合に、いたずらにこの問題をさらに広げるということは、批准をすら危うくすることであるということで、あなたの方で問題にされた当時の西村条約局長の答弁なるものがあるわけです。あの答弁は、ごらんになる通り、一見して前段の部分と、後段の部分は矛盾したことをいっているわけですね。そういう環境からできたものであるということでございます。 なお、北方領土の問題は、やはりソ連が現に占有しておるわけでございますから、ソ連との間の話し合いにおいてでなければこれはなかなか解決する問題ではない。事実の問題として……。従って、ソ連との間の国交調整、今あなたのいろいろお話があった鳩山総理時代の日ソ交渉において、これが問題になったわけでございます。あのときも、御承知のように、領土の問題については、意見が最終的に到達しなかった、一致を見なかった。そこで、共同宣言にして、共同宣言といえども、条約的な内容を持ったものであることは、これはちょうちょういたしませんが、そういうものを作って、そうして領土問題は継続審議して、これが合意に達したときに、平和条約を結びましょう、こういうことになったわけでございます。さような情勢でございまして、別に間歇的にどうこうということでもございませんので、いささか所懐の一端を漏らす次第であります。
○帆足委員 五年間記憶喪失症になっていた患者が、私は、これに対して言いわけをなさったものと伺いまして、多少参考になりました。まことに失礼ですが、私はこの問題の取り扱い方はまことに遺憾である。特に与党がお出しになった最近の案のごときは、インドでも、イギリスでも、オーストリアでも、ハンガリーでも、またはスエーデンでも、ノルウェーでも、一国として、その論理に賛成する人はあるまい。国を愛する以上は、やはり論理の道筋と現実の道筋に即してこれは行なわねばならぬ。従って、鳩山さん、すでになきあとですから、仕方がありませんから、植原悦二郎氏はまだ隠棲して健在でございますから、植原さんのつめのあかでも、イギリス外交のつめのあかでも、私はせんじてお飲みになったらよかろうとまで言いたい思いがいたすのであります。 時間がありませんから、最後に一つ、商工省、外務省、大蔵省にそれぞれお尋ねいたしたいのですが、これも大体党派を離れての問題であります。 第一は、最近外貨が不足しまして、そのために輸入物資について窮屈になってきまして、金利を上げるとか、為替の割当を制約するとかということがやむなく行なわれておりますが、私はそれは残念ながら、時と場合によって必要なことでございます。しかし、およそバーター貿易またはそれに準ずる貿易を行なっておる地帯におきましては、輸入を促進しただけ、おおむね輸出も促進されるというような保証のあります——過去の実績に照らし、または条約により、または民間の協定により、または話し合いと事実によって、輸入がふえれば輸出もふえるという見通しのある地域に対しましては、輸入の制約に対して多少寛大にしていただくことが必要であるまいか。特にそういう地域においては、中小貿易業者が多いために、保証金がふえたとか金利が上がったということのために、輸入がふるわないために輸出がふるわず、縮小均衡になるおそれがありますから、この問題に対しては一つ現実に即して日本丸の前途を豊かにするために、格別の御検討と御配慮をお願いいたしたい。
○森下委員長 約束の時間がきましたから、きわめて簡単にお願いします。
○帆足委員 第二には、先般お許しをいただいてキューバに参りまして、与党、野党、皆様の御理解を得ましたことを感謝いたしますが、その際、キューバとの貿易は従来多いときは数千万ドルに及んでおりましたのが、もうドルが流れてしまって、一方的貿易でありましたのが、このたび業界の人とも話をし、公使さんも非常に側面から御努力下され、私もまた日本国の利益を考えてゲバラ工業相その他貿易大臣、次官と話し合いまして、大体において二割ドルがあれば、あとの八割は日本の円でけっこうです。日本商品を買いましょう、そのかわりもちろん国際値段で安い砂糖を差し上げますが、できるだけ安定したまた安定に近い格好で砂糖を買っていただけばしあわせですし、民間銀行同士で為替協定を結んでやるならけっこうです。そうしないとドルが流れてしまうから、協定を結んで八割は日本の輸入をいたしましょうという話がそれぞれの責任者からありました。外務大臣のお耳に入れますために通商局長のお耳に入れておきましたが、私はドル不足の今日、これはよいことであると思いますから、どうか各省、新しいキューバの状況を理解されて、そして拡大均衡に進むようにお骨折り願いたい。もちろん台湾との関係も必要です。台湾から三十万トン砂糖を買っておりますが、台湾は安定しておるように見えても不安定な面がある。キューバは不安定のように見えるがまた安定した面もある。
○森下委員長 約束の時間をだいぶ過ぎておりますので、きわめて簡単に願います。
○帆足委員 最後に、チェコスロバキアの大使から、ナチスの被害者として、西ドイツに最近ファッショ及び失地回復の運動が起こって大へん心配している。そこで、ソ連、アメリカ、東西ドイツを含めて平和的にこの問題が解決して、第二次世界大戦の残りかすをきれいにして、平和的状況になりたいという申し入れがチェコの国会からこちらの国会の議長に対してありました。私は聡明な外務大臣として、理解し得る節々もたくさんあることを過去の歴史の苦しみから見てお認めになった点もあろうと思います。従いまして、これらの問題が平和的に進むことを念願する次第でありますが、一言外務大臣の御意見を伺いたい。
○森下委員長 時間がありませんから、答弁はきわめて簡単に願います。
○森(清)政府委員 バーター制を施行しているところに特別の恩典をというお話でございましたけれども、もちろん私たちとしましても、貿易が拡大することは望ましいことであり、まして、今日強制バーターしているのは御存じの通り北鮮だけでございまして、それ以外の国々とは、バーターとはいいながらも、ケース・バイ・ケースでほとんど片貿易のような形でやっているような実情でございます。そこで、少しでもそうした状況下にある今日の貿易を輸出を振興するような方向におきまして、私どもが努力することは当然でありまして、個々の場合、よく私ども注意いたしまして、なるべく御趣旨に沿うような方向にいきたいと思います。 さらに第二のキューバの問題でございますが、実は私自身といたしましては、ただいま帆足先生の言われましたことは初耳でございまして、ドル防衛をしなければならない建前、あるいは国際収支の悪化している今日、そうしたことが実現することは、私たちとしても望ましいことでありますので、関係各庁ともよく相談をいたしまして、善処いたしたいと考えております。
○小坂国務大臣 チェコの問題と言われますが、プラーグにおいて日本の大使館を通じないで、先方の外務省を通じないで、日本の大使館があちこち通商その他の問題について動くことは困るということを言っておるわけでございます。それと同じ意味において、相互信用の建前から、先方の大使が日本の外務省を通じないでいきなり立法府にいろいろな話をされることは私は困ると思います。 それから西ドイツの復讐主義という問題ですが、これは一つの考え方として言えるかもしれませんが、そういう考え方をもって、日本は西独とも友好国でございますから、日本におる大使が日本の友好国の一方を非難されるということは、はなはだ困ることだと思います。
○帆足委員 チェコのことにつきましては、ドイツから非常な被害をナチスから受けました歴史について、私が外務大臣に詳しくお述べする機会がなかったので、そういうそっけない御返答があったことと思いますので、われわれも啓蒙と御連絡の足らなかったことを残念に思いますが、いずれまた主張したいと思います。
○森下委員長 森島守人君。まことに残念ながらあなたの時間の中に六分半ほど食い込まれました。
○森島委員 私きわめて簡単に御質問いたします。ベルリン問題をめぐる危機に関しまして、日本の安全上大きな問題があると思っておるのですが、それに先だちまして、一間だけ、六月二十二日の共同声明の中にある文句についてお尋ねしたいと思います。 従来私の承知しておるところでは、東南アジアという文字は外務省の文書の中にたくさん見えました。今度初めて、この共同声明の中に東南アジアという字を特に使っておるのでございます。その意図がどこにあるか、またその国々がどこであるか、外務大臣のお考えをお尋ねしたいのです。
○小坂国務大臣 東南アジアといいますと、東から南の国に限られるわけでございますが、それをもっと範囲を広くして束アジア、日本に近いところまで入れたわけであります。東南アジアという観念のほかに、台湾あるいは韓国という国が入ります。
○森島委員 お尋ねしたいのは、特に東南アジアのことについては何ら触れていない。特にこの際東アジアということに限定して、低開発国に関する経済援助について、総理大臣はこれに関連して東アジアに対する開発援助に特別の関心を表明したということでして、総理としては格別の意図があったものと私は思いますが、これはおそらく韓国等の問題を考慮されたのではないか。東アジアという地域は、めんどうかもしれませんが、一体どこを意図しておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○小坂国務大臣 今申したように、東南アジアに対する開発協力ということは、これはもう既定のことであるわけであります。そのほかに東アジア、すなわち東南アジアからさらに東の方の地域、こういうことでございまして、韓国その他の問題を意図しておるわけであります。
○森島委員 おそらく韓国とか台湾を意図しておられると思います。いずれこれは韓国問題に関する質問の際に同僚委員からお尋ねすることにいたしまして、私は先へ急ぎます。 ミコヤン・ソ連副首相が八月訪日したことは御承知の通りでございますが、その際総理大臣との個人的会見においてベルリン問題に触れております。「ベルリンという日本と関係のないところで、もし戦争が起こったとしても、日本が安保体制にある以上、日本は戦争の圏外にはいることはできない」こういう重要な意見を述べておりますが、新聞紙を通じて見ますと、総理はこれに対して格別の応酬をしておられません。おそらく外務大臣も同席されたことと思いますが、これに対する御見解を承りたいと思います。
○小坂国務大臣 ミコヤン氏との会見は、私は私、総理大臣は総理大臣、別個にいたしましたので、その間の事情をつまびらかにいたしません。ただし、私はそういう問題に対しましては、安保条約というものは防衛的なものであって、日本に対する攻撃がなければこれは発動しないものである、その日本への攻撃を防ぐためのものであるから、そのミコヤン氏のそういう考え方は間違っておるということを申し上げました。
○森島委員 おそらく外務大臣としてはそういうお答えしかできぬだろうと思います。しかし抽象的な議論を離れまして、ソ連としては安保条約の存在に大きな関心を持っておることは間違いないと思うのです。事実論からいたしますと、そのために日本に戦禍の及ぶ危険は、十分に考慮し得ると思うのでございます。 それからもう一つは、総理大臣が先月の十九日、改造内閣組閣後の第一回の記者団との会見において、今度、アメリカはベルリン問題についてソ連に回答を出したが、私もケネディ大統領から意見を聞かれたが、日本がこのような意見を聞かれるということは、日本の外交が権威と自信を持てるようになったのだと一人よがりの言説をはいておられますが、ベルリン問題につきまして、終始一貫アメリカが日本と安保条約の関係にあるという見地で、ベルリン問題の解決方法についてアメリカから随時御連絡がありますか、ないですか。
○小坂国務大臣 日本が安保条約を持っておるという関連において、ベルリン問題について連絡があるということはございません。ただ、その友邦国として、アメリカが重大な決定をする場合に、日本として何か意見があれば、さらにこれは平和的により有効な意見だというものがあれば、聞かしてもらうということは歓迎するというふうなアメリカの態度と承知しておるわけであります。 それから、さらに先ほどの私の御答弁で、少し誤解を生ずるかと思いますので補足させていただきます。 東アジアというのは、東南アジアのほかに北東アジアもあるわけでございます。そういうもの全部を包括したもの、こういう意味でございます。
○森島委員 私は、ベルリン問題は非常に重要だと思うのです。安保条約の関係ではなくても、日本政府としては、随時アメリカ側と西欧側との間における交渉の成り行きなり、話し合いなりを日本政府としては進んで情報を提供さすべきだと私は思うのですが、もしそれをやっておらぬとすれば、政府当局としては非常に怠慢のそしりを免れぬと思うのですが、その後、アメリカから何らか具体的にアメリカの立場なり考え方なりについて、意思表示なり交渉の内容なりに関しまして通報がございますか。
○小坂国務大臣 相互にこういう重大な世界の平和に関係があるような問題については、いかにこれを平和的に終息するかという観点において、特に建設的な意見を交換しております。
○森島委員 私は、交渉中の案件でありますから、その内容について詳しいことは聞きませんが、しかし私は日本の立場としては、この大筋だけは承知しておかぬと大へんなことになるだろうと思うのですが、そのアメリカ側の意図というものは、はたしてどういうところにありますか、これをできればお伺いいたしたいと思います。
○小坂国務大臣 アメリカの意図は、平和的にこのドイツ問題、また局部的にはベルリンの問題を解決したいというのが根本であると思うのでございます。もちろんそこに条約上の一つの基礎があるわけです。その条約上の基礎を中心にして、これをいかに解決するかということに腐心しているわけでございます。
○森島委員 そのような抽象的な御答弁では、私がこの席で特にお尋ねする必要はないと思うのです。これをどういうふうな方針で平和的に持っていくか、平和的に持っていくためにはどういうような方針を出した方がいいかというふうなことについても、新聞紙上で見ますといろいろ西欧側とアメリカ側との間で意見の交換が行なわれておるようでございます。その大筋だけでもこの際明らかにしていただきたい。そうして日本国民に不要な憂慮の念を抱かせぬようにするのが、外務大臣としての責任だと私は思うのです。その点について伺うことができますれば幸いでございます。
○小坂国務大臣 根本的に申しますと、占領後にいたしましたる米英ソ仏四カ国の共同管理の条約並びに一九五五年のジュネーブの頂上会談後に各外相に発せられた指令群、それが基礎でございます。その約束の上に、この現状を力をもってことさらに変更するということに対しては、あくまで反撃する、こういう基礎に立っておると考えてよろしいと思います。
○森島委員 私はこのように複雑な問題、しかも戦後十五、六年もたった今日におきましては、条約論や法律論だけではこんな複雑な問題は解決し得ないと思う。そこに私はアメリカとしても十分考慮すべき点があると思うのですが、最初アメリカのケネディ大統領も総理大臣に対して、ソ連との交渉は、譲歩すれば、引っ込めばまた譲歩をしいられるのだということで、強気一点張りで行けというような意見を吐かれたように承知しております。これは新聞紙上のことですが、私はそういうふうな考えをもっていたしましては、ベルリン問題なんかは絶対に解決しないと思う。日本からもっと建設的にソ連の実情も見、既成の事実も見た上で建設的な意見を自主的にアメリカに伝えるべきものだと思うのです。安保条約の関係から、私は日本こそこの意見を自主的にアメリカに述べるべき唯一の絶好の立場にあると信じておるのでございますが、この点に関しては、外務大臣や総理大臣は傍観的態度、成り行きにまかせるというふうなお考えでは困る。私はもっと積極的に意見を開陳される必要があるのではないかと思いますが、外務大臣の御所信を伺えれば幸いと存じます。
○小坂国務大臣 この問題は四カ国においていろいろ交渉しておる際でございますので、私はこの機会に今森島さんの御意見を承りましたけれども、それを先方に言うのが非常にいい時期であるとか、その意見がいいのであるとか、あるいは私がそれに反対であるとか、あるいは賛成であるとかいうことを含めて、特に申し上げることは適当でないというふうに思っております。
○森島委員 私は絶好の機会があると思う。日米経済合同委員会が開かれまして、幸いにしてラスク長官も日本へ参ります。一日には総理大臣と会談されることになっておりますが、この時期こそ日本の立場から見たベルリン問題の解決策について忌憚のない意見を交換さるべき機会であると思うのですが、そのお考えがありますかどうですか。
○小坂国務大臣 何を話し合うであろうということは、今ここで申し上げることは適当でないと思います。
○森島委員 外務大臣はもう全部回避的な態度で、あげ足をとられぬことばかりを意図しておられるようですが、私は絶好の機会だと思うのです。この際にこそ一本から建設的な意見をアメリカに伝えて、安保条約は防御的なものであるとおっしゃっておられますが、ソ連においては攻撃的なものだというふうに解釈しておる。現実に意見が相違しておるアメリカに対して、私は安保条約を引用されないよう十分慎重なる行動をとってほしいということを申し伝えるとともに、ソ連に対しても安保条約を曲解しないで、あなた方の説が正しいといたしましたならば、曲解をしないで、日本に危機を招くことのないように米ソ両国に対して日本の建設的意見を吐かるべきものだと思うのでございます。 これ以上質問をいたしましても御意見がないと思いますから、はなはだ心もとない外務大臣、日本の運命を託するに足らずと私は信じております。 ついでに一つお聞きしたいのは、外務省においては内政干渉論、ミコヤンがああ言うと内政干渉だというふうな意見が強いし、池田総理大臣もフルシチョフに対する回答中において内政干渉論を繰り返しております。内政干渉論というのは一体どこに根拠を置いておるかお聞きしたい。
○小坂国務大臣 私は、外務大臣というものはあまり何か事があるたびにぺらぺらしゃべらない方がかえってたよりになる。まあ、十分に考えるところは考えております。どうぞその点は、一つ今のお話はお返しいたしたいと思います。 それから内政干渉は、わが国の国民がある特定の意図を持って、しかも民主的な多数の意見を集めてこれがいいと考えてやっていることに、一方的な見解を持ってこれをきめつけて、それはいいとか悪いとかいって入ってくることを内政干渉だというふうに申し上げております。
○森島委員 私はこまかいことを一々おっしゃれとは言わない。大筋だけでも日本の政府の進むべき道を明らかにされるのが、政治家としてとらるべき道だ。こまかいことは申し上げません。ただ私がもう一つ触れてみたいのは、外務省が伝統的だとか統一的だとかいう言葉がよく使われますが、私はこのミコヤンの安全保障条約批判論を、内政干渉だとされるにつきましては一言言わざるを得ない。それは太平洋戦争勃発前に三国同盟がございました。三国同盟については、これは今小坂さんの言葉をそのまま返しますれば、日本の主権に基づいて民主的に日本と独伊両国とが結んだ条約であるとおっしゃるでしょう。従って、これは交渉の対象にはならぬはずだ。しかし日本としては戦争になるか、あるいは平和が保てるかというときに、野村・ルーズベルト会談、野村・ハル会談がございました。この野村・ルーズベルト会談、野村・ハル会談の一つの主要な題目は何であったかと申しますと、三国同盟をいかにして適用しないようにしようか、こういうふうな態度で熱心に論議をかわされておったのでございます。これをすらあなたは内政干渉とおっしゃるのなら、これは外務省の立場は一貫しないものがある。私は三国同盟の問題に関連いたしまして、今や日本が非常な危機に立ち得る——立つとは申しません。中立諸国の会議の結果、あるいはネール首相その他の人々も言っておるように、私は何とかして平和が保たれることを信じております。またその意味において関係列国の首脳者に対して善処を要望しなければならぬと思うのでございますが、外務省においては、この点の積極的な外交に欠けておるのじゃないか。 私は重ねて申し上げますが、一日にはラスクも参ります。一々何を言うか言えぬ、私は前もって手のうちをあかせなんということを言っていない。大きい筋だけ、日本がほんとうに危急な立場に立っておる現在、ベルリン問題を通じまして日本に被害が及ぶことのないように、米ソ両国に慎重なる考慮を求められることは、外務大臣としても最も重要な責任であると私は信じておるのでございます。 いずれまた機会を得ましたら、これらの点についてはもっと詳しく私はお聞きしたいのですが、きょうは時間がございませんので、この程度で質問を終わらせていただきます。
○森下委員長 受田新吉君。
○受田委員 私は、ただいま当面されておる、来月早々開かれる箱根会談、日米貿易経済合同委員会、この差し迫った問題について、政府の所信をただしてみたいと思います。 小坂さんも、その日本側から出られる閣僚の一人でございますし、向こうからもラスク長官以下六名という有力閣僚が、こちらへ出かけるという戦後最大の日米政治当覇者の会談でありますので、これは世界的にも注視されている重大な会合でありますので、この会合において日本側は何を言おうとされておるのか、お答えを願いたいのであります。
○小坂国務大臣 これは日米間の貿易経済に関する会議でございますから、両国の貿易を促進し、経済繁栄を企図するためには、どういう点が望ましいかということを双方で言い合いまして、そして非常に打ち解けた雰囲気のうちに思うことを十分に言い合って、そして双方が深く理解し合って、将来の問題を進めて参ります上のよい踏み台にしたい。将来の発展のためのよい会議にいたしたい、こう思っておる次第であります。
○受田委員 日本側も、すでにこれに議題を八つばかり本ぎまりをして臨もうとしておられるようです。また本日の夕刊を拝見しますると、米国務省も日米合同委に対する五目的を指摘していることが報道されているわけです。この箱根会談が、単にお茶飲み会合ということであれば、莫大な金を使って世間をお騒がせして、御婦人まで同伴でぜいたくな会合をされる意味はないもので、そういう意味だけであるなら、もっと質素なところで、国民は今塗炭の苦しみをなめておるときに、政府みずからが莫大な金を使って、大ホテルを独占するような、そういうぜいたくなお仕事をおやめになった方がいいと私は申し上げたいんですがね。しかし何か非常に大きに国民生活の上にプラスになるということであるならば、その舞台が大げさであっても、あまりやかましく言えない。今からその点をお聞きしたいのです。 この経済合同委員会は日米安全条約の第三条に基づく目的を果たすための会合であると了解してよろしゅうございますか。
○小坂国務大臣 さようでございます。
○受田委員 しかして、これは本質的に政府対政府のいわゆる砕けた話し合いという形のものになるのですか。単に経済学者の会合のような形のものになるのですか。
○小坂国務大臣 両国の責任者がひざ突き合わせて、ほんとうに腹をぶちまけて話し合って、そこに今後どうすればいいかという最もよいものをつかみとるための会合ということに相なると思います。
○受田委員 そうしますと高度の経済問題を討議して、その結論をもとにして日米経済協力を具体化しようという ことに考えてよろしゅうございますか。
○小坂国務大臣 さようでございまして、個々の問題を交渉するというのではなくて、もっと深く振り下げた基礎において、今後の大きな発展の基礎をつかみとろうということであります。
○受田委員 さらに、この会合は経済に関係する日米安保条約の他の一つの面、すなわち軍事的な関係というものに、経済につながる血においてはある程度触れる場合もありますか、どうですか。
○小坂国務大臣 安保条約は、単に軍事的なものだけではなくて、やはり国の安全を考える場合は、その経済の発展が当然考えられなければいけない。そこで二条があるわけでございますが、これを特に今後大いに活用して参りたい、こういうことでございます。
○受田委員 経済に関連する軍事面というものが当然考えられるもので、経済と軍事とを別に完全に二分するわけにいかないものですから、経済につながりがある軍事協力面についても触れる公算があるかどうかです。
○小坂国務大臣 これは主として経済貿易ということでございますから、そういう場合はあまりないのではないかと思います。
○受田委員 この合同会議を通じて問題にされることは、本日の米国務省の表明を見ますと、日米合同委の目的を五つ取り上げているのですが、第一に日米が対等の立場で協議しよう。パートナーである池田・ケネディ会談の協調、話し合い、その基調を生かしていくという、こういうことがうたってあるので、いわば日米共同声明というものを具体的に化かす場になるわけでございますか、どうですか。
○小坂国務大臣 さようでございます。その共同声明の中にございまする、特に経済貿易の面を具体的に堀り下げて、大いによい目的をこれからつかみ出していこうということであります。それにはやはり両国ともに双方の現実の状況というものを知り合わなければいけません。知り合った上で大いにこれを発展させていく、こういうことであります。
○受田委員 先ほど森島議員の質問の中に、日米共同声明の中に、東アジアの開発援助を重視するという言葉があったわけですが、やはり共同声明のこの言葉は、非常に大事にされて、今御指摘の韓国や台湾、また沖繩もそれに入りますね。そういうような問題も討議の対象になるわけですね。
○小坂国務大臣 この会議の一つの目的の中に、両国の貿易を促進すること、それから両国の相互の経済を発表せしめることと並んで、やはり経済協力の関係があるわけでございます。この経済協力の関係については、いわゆる東アジア、これは東のアジア全体でございますね。東南アジアから東北のアジア全部を含んでいるわけでございます。
○受田委員 沖繩がもちろん入る、台湾や韓国も入る、その経済援助、開発援助を当然日本の場合にも責任をもって討議するということになるわけですね。
○小坂国務大臣 それはさようでございます。
○受田委員 私ここで一つの懸念を持つのでございますが、韓国や台湾、沖繩——沖繩はわが国の領土でございますから異論はないとして、南ベトナム、こういう地域が、今まで東南アジアの援助ということで、低開発国援助という目的から、日米会談によって共同声明が出された、その目的からいって、こういう地域の援助開発というところまで発展することになると、われわれは今まで東南アジアを中心に考えておったのでございますが、今も御指摘されたような地域の開発援助までも考えていくということになりますと、新しい問題が発生すると思うのです。それは、アメリカが企図しているNEATOの機構、こういうものがこれを契機に具体化する危険はないか、かように考えるのでございますが、この懸念は全然ないと了解してよろしゅうございますか。
○小坂国務大臣 日本は、遠いところを開発協力していくことは必要ですけれども、近いところをやはり忘れてはいかぬと思うのです。日本の近隣の諸国、これらの諸国の大いに発展せんとする民意をわれわれとしてもできるだけ協力して伸ばしていく、経済開発に努めていくということを考えなければならぬと思います。ある意味において新しいと言えば新しいかもしれませんが、これは当然やるべきことをやることだとわれわれは考えております。しかし今お話のNEATOという問題、これはよく話は出るわけであります。御質問などで出るのですけれども、われわれそういうことの内容を実は知らないので、かりによく言われるような意味で、これが軍事的な結合ということでありますれば、これは日本の憲法の建前から言いまして、これに軍事的な一つのそういうものを作るということであるとすれば、これはできないことだと思います。
○受田委員 経済援助は、やがてそういう方向へ発展する可能性が生することは、歴史がよく示していることなのです。今大臣は、そういう点には日本政府当局としては全然考慮していないということに御言明されたと思うのでございますが、さよう了解してよろしゅうございますか。
○小坂国務大臣 いわゆる軍事同盟というような形のものは考えておりません。しかし、東南アジアの方にわれわれ大いに経済協力をやっておるわけでございますが、これについてもそれが軍事的に発展するとは私ども考えていないわけでございます。それと同じ意味において、北東アジアの諸国との間の経済上の連携をもっと密にする、東南アジアのほかに北東アジアを入れるということによって、ことさらに新しい軍事的な問題が発生するとは、私は思っておりません。
○受田委員 日韓、台湾という関係は東南アジアとは別の線で考慮されていることはおわかりいただけると思いますので、性格は一つ違うわけなのですね、東南アジアとは。そのことは大臣十分お含みの上、そうした危険にさらされないような御意思は強くお持ち願いたい。 今韓国や台湾を考える、これは新しい問題だと思うのです。きょうのアメリカ国務省の表明で、はっきりと池田・ケネディ会談の具体的な問題を取り扱いたい、こう言うておるのでございます。そうすると、やはりあの共同声明というものに基づいて話し合いが進められる、こういうことを今私はっきり確認をしたわけです。 そこで一つ沖繩の問題があるわけですが、沖繩もこれはその対象で討議されるということになりますと、問題が次のように発生すると思うのです。沖繩に対しては、われわれは領土権を持っておる、潜在主権がある、こういうことでその施政権の返還を期待し、沖繩住民もまたこれに非常な熱意を持っておる。母国へ帰りたくてしょうがない、住民の総意です。従って、その総意に対しても、わが国は内地と同じような気持で経済援助だけは何とかしたいということで、この国に対して、たとえば技術者を派遣し、医療診療団を出すとか、あるいは育英資金等を出すとか、そういう経済援助を日本政府として非常にしようとしておるし、またわれわれの党の立場からも沖繩住民にせめてわが国内の住民と同じレベルまでの経済生活だけはしていただきたいと思って、いろいろな計画を立てておる。四十億か五十億の経済援助を具体化させようとしても、高等弁務官というやっかいな御存在があって、そこでオーケーが出ないという悲劇があるわけです。アメリカさんにまかしておいては、沖繩の住民は安心して——経済的開発ができてないということはおわかりいただけましょうか。
○小坂国務大臣 実は、この沖繩の問題は共同声明にもあるわけです。特に特掲してあるわけです。これは共同声明をお読みになると、その通りでございます。これはいわゆる東アジア経済協力という問題と別に、もっとわれわれの身近な同胞に対するわれわれの所遇の問題で、別の問題でございます。これは別の問題とお考えになっていいと思います。これについては共同声明が出まして以後、アメリカ側でも非常な熱意を示しまして、御承知のように、大統領の特別補佐官をしておりますケーセンという教授を団長といたしまして、タスク・フォースが沖繩に行っておる。その結果、私も先日ここへ寄ったので、会いまして聞きました。アメリカ側としては非常な熱意を傾けて、日米協力して大いに沖繩住民の福祉を向上させていきたいということを申しておるのであります。この問題については、われわれ大いに率先してやりたいと思います。高等弁務官の問題もそうでありますが、日本の国において沖繩に対する援助の予算をどうするかということも、やはりわれわれ自身の問題として考えていきたいと思います。
○受田委員 熱意を伺いました。 そこで、この沖繩の問題については、日本の政府が金融措置についても、教育についてもあるいは一般厚生施設その他についても、思い切って日本の国の予算の中でこれを計上して沖繩住民を潤してあげる、こういう形をとりたいし、またあちらからこちらへ旅行したい人に便宜を供与してあげるということで、施政権はあちらさんにあっても、一歩々々施政権が一部ずつ返還される形に持っていく、こういう努力を日本政府はしていただかなければならぬ。 そこで、今度の会談で、小坂さん、あなたのお人柄でぜひこれは力を入れてもらいたいことは、経済援助の問題よりも、もっと根本的な問題があるとおっしゃったのですが、沖繩の施政権の経済的面の一分ずつ返還というような点については、あなたの方からも御主張されますか。
○小坂国務大臣 何と申しますか、そういう法律論よりも実体論の面から問題を説き起こしていったらどうかというふうに思っております。われわれは日本の県並みに沖繩の住民に対する協力をしたい、われわれの支出、またアメリカの支出を日本における県並みのものにしたいということを申したのであります。アメリカ側もこれを了承いたしました。その方向に向かって両方で努力するわけでございます。やはり実態の調査をして、そこに現実に予算を出せば、それが有効に消化されていくという素地を作りつつやっていくことが必要だと思うのです。この国旗の問題も総理から言っておりましたわけですけれども、そういうような精神的な面も、十分にアメリカ側も協力いたしておりますので——まあ私は施政権というものはこれを奪うような、もぎ取るような形でなくて、非常に自然な形で、水が低きにつくような形で徐々に日本側に移る、こういうふうに持っていくのが一番いいんじゃないかというように考えております。
○受田委員 御意図はよくわかります。施政権を水の低きにつくがごとく徐々に経済面などからなしくずしていって、これを日本へ返還する方向へ持っていく、こういう御意思であると了解いたしますが、いいですか。
○小坂国務大臣 これは、何といいますか、施政権を返せ、それじゃ返しますということよりも先に、気がついてみたら施政権は返っているというようなふうに持っていくのが、一番現実に即したやり方だと思うのです。問題は、沖繩のわれわれ同胞の生活が、内地の人と同じようにできるにはどうしたらいいかという具体的の問題の解明にあるんじゃないかというふうに思っておる次第であります。
○受田委員 歴代の総理も、歴代の外務大臣も、沖繩の施政権返還については、事あるごとに米当局に申し出た——池田さんもアメリカに行ってその問題にも触れたと聞いております。つまり事あるごとにこの問題を訴え、今度は幸い軍人のおらぬ会合で、ラスクさんもおって外交の責任者もおるわけですから、そういう意味からいえば、この機会にこそ、あの大ホテルを舞台にしたながめのいいところで、もうお互いのくさみを除いた立場で、どうでしょうかラスクさん、とあなたがお問いかけになられて、施政権の問題についてもはっきりとした線で御主張になるべきじゃないか。その点を遠慮されるような箱根会談であれば、これは意味をなさぬでしょう。これは、あなたとしては施政権の返還を事あるごとに訴えたい——ことに今度はその意味では気軽にこれが話し合いのできるチャンスでありますのでこの千載一遇のチャンスを逸せず、小坂外務大臣の気骨のあるところをお示しになって、沖繩問題は率直に、軍政を民政に切りかえてくれ、具体的な問題として高等弁務官を非軍人にしてくれ、そうして日本の経済援助をすなおに受け入れてくれ、そして施政権の返還の方向へ御協力願いたいという、そういう主張は当然——これは両方対等の会合でしょう。従属会合じゃないわけなんですね。対等の会合のこの機会を逸せず御主張いただくべきじゃないかと思うのですが、大臣勇気がないですか。
○小坂国務大臣 勇気の問題ではなくて、その勇気の点でしたら別にここでお答えするまでもなく問題ないと思うのですが、御承知のように、現在の東西緊張の間にあって、日本の方に施政権を返した場合に現在の国際緊張に沿うような立場で、沖繩の防衛というものはできるかという点に問題があると思うのであります。その点になりますと、もう少し現在の東西緊張が遠のくということでないと、沖繩の施政権を日本に返し、いわゆる民政に切りかえるという問題は、これはむずかしいと思います。これは勇気があって言う言わないの問題でなくて、私どもの認識においてそうだ、ただ沖繩の同胞の生活の問題、そういう問題については私どもは日本の内地の県並みにするということを主張し、先方もそれを了承しておるのであります。そういうことでございます。その実体的な問題を解決するように進んで参りたい、こういうように思います。
○受田委員 そうすると、あなたの御主張は、施政権の返還は箱根会談では申し上げない、主張しないということですか。
○小坂国務大臣 施政権の返還を要望しているということはよく先方はわかっているわけであります。また現状においてそれが直ちにできないということは向こう側も言っておるし、それは立場においては私どももわるわけなんです。そこで具体的な、さっきから申し上げるような現実の福祉の向上の方向というものを、日本としては日本の県並みのものにしたいということを言っているわけです。そのプリンシプルは了解しているわけです。これは高等弁務官がいるからできないとかなんとかいう問題ではないんで、そういう点についてもっと具体的に、私どもは共同声明の線に沿ってこの問題を推し進めるということは、万全を期するつもりでございます。
○受田委員 ところが、新しい問題として、台湾、朝鮮など韓国を含めた問題が討議されるということになりますと、沖繩の問題というものは当然強く主張して、せめて沖繩住民を日本の水準に持っていく、こういう形の主張は、経済的にはそちらに切りかえさせるという主張は、当面はすぐそれを実現に持っていけるように御努力はできますね。経済生活は内国並みに持っていけるような交渉はこの機会にやりますか。
○小坂国務大臣 そういうことを何回もさっきから申し上げておるつもりでございます。
○受田委員 そうすると、この会合は非常に意味があると思うのです。沖繩の住民にとって朗報です。財政的な援助でも経済政策でも内国並みの取り扱いに持っていけるという、しばしば今お答えいただいたということですから、そういう努力をこの会合を通じてなさるということで、私は一応その問題は終わりましょう。 もう一つの問題は、日米合同委員会の目的の中に、米国は欧州だけでなく、日本も同じレベルで重視することを具体的に示す経済的な関係でそれを表わしていきたい、こういう意味のことをうたっておるのですが、OECDといいますか、大西洋岸の国々の経済的な関係がある。この組織に日本は入ることを拒否されている。これがDACの線は今入れてもらっておるのですが、もっと根本的な問題の方は入れられていない。それからドイツを中心の欧州経済共同体に対抗しようとすればせめて今の大西洋岸の国々が一応固まっておるOECDだけにはこの機会に、今アメリカが言うている、こういう、日本を世界の水準にまで引き上げたいという機会に十分主張をしていいと思うのですが、御主張なさいますか。
○小坂国務大臣 このOECDに日本が加盟する問題は、アメリカは非常に理解をしているわけです。この箱根会談で初めて言うわけじゃなくて、常にわれわれ言っておるわけです。これは御承知のように、ヨーロッパのOEEC、いわゆるシューマン・プランでできたヨーロッパ経済協力機構が、今度はヨーロッパという字をとって、それにアメリカとカナダの援助していた国が入って、経済協力開発機構というものになったわけです。その機会に、欧州という字がとれたのだし、日本をなぜ入れぬのか、こういう主張をやっているわけです。ところがヨーロッパの方でまだどうもなかなかその気になってくれない。それで日本を今入れれば、ほかにも入りたいという国が出てくる場合にいろいろな問題が起きてきて厄介だから、発足当座でもあるし、日本は一つオブザーバーで入ってくれぬか、こういうことできているわけです。日本はその一番大きな下部機構であるDACでございますね、経済開発委員会、これに入っているわけです。従って、こういうオブザーバーの立場を持っているものは日本だけになるわけです。従って、私どもはもう少しこれで実績を積んで、さてどうじゃ、これは日本を入れてもおかしくないじゃないか、今までこれだけオブザーバーの立場で協力してきているんだ、こういうふうにいって入る方がいいんじゃないかと思いますが、さらにそういうわれわれの考え方というものは会うたびに言っておりますから、おそらく箱根でも言うことになるだろうと思います。今ここで言いますということは、会議の前に言えませんから、この程度にいたしますが、大体御趣旨のようなことで参りたいと考えております。
○受田委員 それをできるだけ申し入れたいという御趣旨でございますし、また日本がそうした経済的な国際関係の中から脱落しておるということは、非常に残念なことなんです。貿易の自由化や為替の自由化が叫ばれながら日本の立場はまことに不利で、アメリカも日本に対して貿易の自由化をいいながらも、輸入の方はなるべく制限しようという意図を持って、あの一番大事なアメリカさんでも、アメリカへ売り出すよりこっちが買う方が多いようになっている。こういうことについて、日本の国の貿易の自由化、為替の自由化を叫ぶアメリカに、日本の経済を守るという立場を十分に認識させるチャンスでもあると思うのです。特に低賃金政策をとっている日本の国として、賃低金であるから、物が安いから、ダンピングのおそれがあるというので、向こうが警戒しておるということもあるのです。そういうことも向こうが言うておるのです。そういうことからいえば、日本の低金というものの解決もこの機会にしなければならぬということになる。大臣、アメリカが日本に対して貿易の自由化や為替の自由化——IMFでもそういうことを言うているけれども、現実に日本を警戒しながらいくという、この疑点をこの会合を通じてからりと晴れさせるように御努力されるのですか。
○小坂国務大臣 その点が、実は一番大きな問題だと思います。今後の日本の貿易拡大を考えます場合に、たとえば今のお話の中にあった、日本は低賃金であるということを考えておる人があるかもしれませんけれども、それでは日本の国民の賃金による生活がどういう状況になっているか。従って、物価も安ければ、その賃金でも実体的には相当内容の充実した生活をしている面もあるわけです。それから、この賃金以外に、いわゆるフリンジド・ベネフィットといいますか、そういうものもある。従って、そういうことを十分認識させる必要があると思うのであります。 それから、今おっしゃった、大きくいえば保護貿易主義というものは、今日においてアメリカの唱える自由化の政策とは背馳しているわけです。そういう点も、先方の誤解している点があれば、日本の実態をよく知らさなければならぬと思いまして、そういう点は十分の準備を整えておるつもりであります。 さらにヨーロッパにおいていわゆる御承知のガット三十五条の適用国が十五カ国あるわけです。こういうものについても、やはりヨーロッパのそういう諸国に、日本に差別待遇をするということは、かえって日本の品物が出ていく道をふさいでいる、そのことが日本の持っているいろいろの産業経済上の構造変化を不可能にしているという実情も、よくアメリカからヨーロッパに対して説き得るだけの知識も与えなければならぬ。そういう意味において、私はこの会議のやり方に非常に期待をしておるのでございます。ぜひ成果のある会議にいたしたいと考えております。
○森下委員長 受田君、森島君が時間をさいてくれましたので、ちょうどあなたの時間が今一ぱいになったのですが……。
○受田委員 それでは質問をやめます。
○森下委員長 明二十八日は特に午前九時より外務大臣及び労働大臣の出席を求め、委員会を開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四分散会