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39回国会衆議院1961/10/04

外務委員会 第2号

発言数
7
登壇者
2
会派数
1
開催日
1961/10/04

会議録

森下國雄自由民主党

○森下委員長 これより会議を開きます。  関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件、日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約の締結について承認を求めるの件、第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件、通商に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国とインドネシア共和国との間の友好通商条約の締結について承認を求めるの件、以上の各案件を一括して議題といたします。     —————————————

森下國雄自由民主党

○森下委員長 まず、政府側より提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 提案理由を御説明申し上げます前に、一言ごあいさつを申し上げます。  先般の内閣改造に引き続きまして外務大臣の職を汚すことになりました。また皆様にいろいろと御厄介になることと存じます。何とぞよろしく。御承知のように、はなはだ浅学非才のものでございますので、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。  ただいま議題となりました関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件及び関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し、又は撤回するためのドイツ連邦共和国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を一括御説明いたします。  わが国は、昭和三十のガット加入の際の関税交渉、昭和三十一年の第四回ガット関税交渉並びに昭和三十三年の対ブラジル及び対スイス関税交渉に参加し、わが国の関税率表の九百四十三税目のうち二百七十九税目についてガット締約国に対して譲許を行なっておりましたが、一部の譲許税率については、その後の経済事情の変化に即応しないものとなりましたので、その修正または撤回の必要が生じて参りました。このため、昨年ガット第二十八条に基づくガットの再交渉会議が開催されました機会に、大豆、工作機械、乗用車などの二十四品目の譲許税率引き上げ修正または撤回を目的として、これらの譲許の原交渉国すなわち十二品目については米・独両国、他の十二品目については米国のみと交渉を行ない、その際、両国にそれぞれ新たな譲許を代償として提供することにより、所期の税率引き上げについて合意が成立し、本年四月十日及び四月二十九日に、それぞれ日米及び日独両国代表団の間に交渉を完了し、その結果に関する文書への署名を行なった次第であります。  この新しい譲許は、ガット第二十八条に基づく関税交渉の結果の適用に関するガット上の一般的な手続に従い、わが国が締約国団の書記局長に対して適用通告を行なうことにより、右通告において指定する日から実施されることとなっておりますところ、政府は、これらの新譲許のうち特に別段の合意のあった工作機械を除く品目についての譲許を、本年七月一日までに実施に移す方針で、さきの第三十八回国会に対し、本件二文書の締結について承認を求めた次第でありますが、審議未了のまま国会が終了いたしましたので、右締結について事前に国会の承認を得ることができませんでした。しかしながら、政府は、前述の交渉の妥結に際し、大豆の自由化をおそくとも本年七月一日から実施することを米側と約束した経緯もあり、諸般の事情を考慮した結果、両文書に掲げる新たな譲許を同日から適用することが必要であるとの結論に達しました。  よって、政府は、その責任において、去る六月二十八日、本件二文書に掲げる品目中工作機械を除く品目の新譲許税率を本年七月一日から適用する旨の通告をガット締約国団の書記局長に対して行ない、国会に対しましては、憲法第七十三条第三号ただし書きの規定に従い、事後にその御承認を求めることとした次第であります。  よって、ここにこの二文書の締結について御承認を求める次第であります。  次に日本国とフィリピン共和国との間の友好通商航海条約について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  フィリピン共和国とわが国との国交関係は、御承知の通り、昭和三十一年七月二十三日にサンフランシスコ平和条約が両国間に発効することにより正常化を見るに至ったわけであります。それ以来政府は、両国間の貿易、通商関係を長期かつ安定した基礎に置くため、機会あるごとに通商航海条約の締結交渉の早期開始をフィリピン共和国政府に申し入れてきたのでありますが、フィリピン側の事情でなかなか実現を見るに至りませんでした。  この間、わが政府としましては、フィリピン政府との間に昭和三十三年初頭、関税及び貿易事項について無差別の原則にのっとった待遇を行政上の措置として与える旨の取りきめを行ない、また、同年八月比国におけるわが国民の入国、滞在手続を簡素化することを目的とする取りきめを行なう等、行政権の範囲内で両国間の通商貿易の発展をはかるためにできる限りの努力を積み重ねてきた次第であります。  その後、フィリピンの対日感情も次第に好転し、また最近数年にわたる両国間の通商関係の進展に伴い、フィリピン政府も次第にわが国との通商航海条約締結の必要性を認識するに至りましたので、一昨年六月、日本側から条約草案を先方に提示して交渉開始を正式に申し入れた結果、昭和三十五年二月から交渉が開始され、約十カ月の折衝の後昨年十二月九日この条約及び議定書の署名調印を見た次第であります。  この条約の内容は、入国、滞在、出訴権、財産権、内国課税、事業及び職業活動、為替管理、輸出入制限、関税、海運等の事項につき最恵国待遇を相互に許与することをその骨子としております。従来これらの重要事項については何ら条約上の待遇保障がないために、行政措置で最小限をまかなってきたことはさきに申し述べた通りでありますが、この条約により日比両国間の通商関係は安定した基礎の上に正常化されることになる次第でございます。また九カ月にわたる交渉は互譲と相互平等の精神でまとめ上げられ、両国間の通商関係を律するための可能な最善の措置を網羅しているものであると確信いたしております。  戦後わが国は、東南アジア諸国のうち、インド及びマラヤ連邦と通商協定を締結しましたが、この条約の署名後に、パキスタンと友好通商条約を締結し、本年七月にはインドネシアと友好通商条約の署名を見るに至り東南アジアの主要諸国との通商条約関係はますます拡充整備されるに至った次第であります。なおフィリピン共和国にとりましては、本条約は独立後外国と締結する最初の友好通商航海条約であります。フィリピン政府はこの条約をモデルにしてさらに西欧諸国との通商航海条約の交渉の準備をしている旨の報道も最近伝えられており、この条約の持つ歴史的な意義は日比両国にとってそれぞれ深いものがあると思われます。  政府はこの条約の締結について御承認を求めるため前国会に提出いたしましたが、審議未了となりました経緯は御承知の通りでありまして、さきに申し述べました本条約成立の事情を十二分に御勘案の上、何とぞあらためて慎重御審議の上、本件につきすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。  次に第二次国際すず協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  第二次国際すず協定は、一九五六年七月一日に発効した第一次の国際すず協定が本年六月末日に失効することになっておりましたので、これにかわるものとして、昨年、五月二十三日からニューヨークで開催された国連すず会議において、わが国を含む二十三カ国の代表参加の下に採択された協定でありまして、署名開放期間に、わが国を含む英仏等十四の消費国及びマラヤ、インドネシア等七つの生産国が署名を行ないました。  この協定の目的は、価格変動の激しい国際商品の一つであるすずの国際価格を安定させることにあります。すずの国際価格が妥当な価格で安定することは、生産国にとっても消費国にとってもきわめて望ましいことでありますが、この協定は、すずの最高価格及び最低価格を定め、市場価格がこの両価格の間に落ちつくように、緩衝在庫制度を設け、この運用、操作と、輸出割当制とを併用することによりまして、市場の需要を調整し、すずの国際価格の安定をはかることを骨子とするものであります。  わが国は、この協定に参加することにより、すずの国際価格の安定を通じて、近来とみに重要性を増している第一次産品生産国に対する協力、及び世界貿易の拡大に積極的に寄与することとなりますとともに、これら生産国、特にわが国と関係の深いマラヤ、インドネシア、タイ等の東南アジアの諸国に対するわが国の通商政策上の利益は大きいものと考えられます。  なお、この協定は、所定の数の国が批准または受諾を行なっていないのでまだ確定的に効力を発生するに至っておりませんが、わが国は、この協定を受諾する意思がある旨の通告をとりあえず行なっております。  よって、右の事情及び諸利益を考慮し、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に通商に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  ペルー共和国との間の通商関係に関して、昭和九年にペルー側の一方的通告によりわが国とペルーとの間の戦前の通商航海条約が廃棄されまして後、両国間の通商関係を律する基本的な条約がなく、他方両国間の経済協力の促進をはかるためにも出入国を初めとする通商上の待遇の保障を約する通商協定の締結が必要であると認めて、政府は従来行なってきた予備交渉に基づき本年三月より現地において正式交渉を開始し、五月にペルー大統領が国宝として来日された機会に、東京でさらに折衝を続けました結果、条約案文に関し、両政府間で最終的合意を見ましたので、五月十五日に東京でこの協定及び議定書に署名を行なった次第であります。  この協定は、関税、為替管理、出入国、滞在、内国課税、財産権、事業活動、商事仲裁判断、工業所有権等について規定しております。  この協定の締結により、わが国とペルー共和国との間の通商関係は、さらに一そう安定した基礎の上に置かれるものと期待されます。  よって、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  最後に日本国とインドネシア共和国との間の友好通商条約について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  インドネシア共和国とわが国との国交関係は、御承知の通り、昭和三十三年四月十五日に、日本国とインドネシア共和国との間の平和条約が発効することにより正常化を見るに至りました。その際、わが方の希望により、同平和条約第三条において、両国は、貿易、海運、航空その他の経済関係を安定したかつ友好的な基礎の上に置くために、条約または協定を締結するための交渉をできるだけすみやかに開始すべき旨が合意されました。しかし、その後条約交渉の機会がなかなかつかめないままに、昨年九月スカルノ大統領の訪日を迎えました。  その際九月二十七日に行なわれた池田総理とスカルノ大統領との会談において、日・イ両国間の経済交流が貿易、賠償、経済協力等の方法で円滑に進みつつある事実にかんがみ、通商航海条約締結交渉をなるべく早く開始することに意見の一致を見ました。次いで同年十一月、コロンボ・プラン閣僚会議に出席のためスパンドリオ外相が来日した際、私、小坂より、わが方条約草案を手交するとともに基本的な考え方をよく説明し、その後インドネシア側の準備の整うのを待って、本年四月より、ジャカルタで予備交渉を開始し、六月中旬からは正式交渉による最終的意見の調整をジャカルタ及び東京で行なった結果、最終的合意に達したので去る七月一日、私とスパンドリオ外相との間で、本件条約及び議定書の署名調印が行なわれるに至った次第であります。  この条約は出入国、滞在、身体財産の保護、出訴権、財産権、財産収用、内国課税、事業及び職業活動、為替管理、輸出入制限、関税等両国間の基本的関係につき最恵国待遇を相互に許与することを骨子としておりますので、この条約の成立により、日・イ両国間の友好、通商関係が、一段と促進されるものと期待される次第であります。また、この条約は、わが国が戦後東南アジア諸国と締結した類似の条約ないし協定としてはインド、マラヤ連邦・フィリピン・パキスタンに次ぐ第五番目のものであり、また、インドネシアとしては本条約は独立後外国と締結する最初の友好通商条約でありまして、その歴史的な意義はきわめて深いものがあるものと信じます。以上六件につきまして、何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。

森下國雄自由民主党

○森下委員長 ただいま提案理由の説明を聴取いたしました各件に対する質疑は、次会に行なうことといたします。      ————◇—————

森下國雄自由民主党

○森下委員長 この際外務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。外務大臣。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○小坂国務大臣 なおこの際、ガット関係両文書の締結について、国会の承認を事後に求めることとした理由について、御説明を申し上げ、御了承を得たいと存じます。ガットに附属する日本国の譲許表に掲げる譲許を修正又は撤回するための、アメリカ及びドイツとの交渉の結果に関する、それぞれの文書の締結について承認を求める件は、ともにさきの通常国会で審議未了になりましたが、政府は憲法第七十三条三項ただし書きの規定する「時宜によっては事後」の承認を求めることが必要な事例に該当するものと認め、両文書に関しては、去る六月二十八日、ガット書記局長に対し、七月一日より新関税税率を適用すべき旨通告を行ない、同日より新税率を適用することといたした次第であります。以下右に至る事情を御説明申し上げます。  政府は貿易自由化の一環として、昨年来しばしば大豆の自由化について、これに最も関係がある米国その他の諸国に対し、政府の基本方針としておそくも本年七月一日を目標として可及的すみやかにこれを実施すべき意向を表明して参りました。しかしながらその実施の前に、国内産大豆の価格安定を維持するための関係措置を講じておく必要があり、すなわち自由化の暁には、国内の価格安定のための補助金制度を改善するとともに、従来の関税率を引き上げることが必要であると認めて参りました。よって昨年秋から開始されたガット第二十八条に基づく譲許表の修正交渉の重要な項目の一として、主たる輸出国たる米国との間に引き上げ交渉を行なった次第でございます。  この交渉において、米国側は、大豆の税率引き上げに関するわが方案を受諾することの条件として、税率の引き上げは自由化に先立っては行なわないこと、及び自由化はおそくも本年七月一日以前に実施すること、の二点の確認を得たい旨申し越して参りました。これに対し政府としては、米国が三パーセントの税率引き上げに同意することが明らかとなったこと、米国の早期自由化への要望が従前からきわめて強いこと、及び前述の政府の基本方針にかんがみ、自由化はおそくとも七月一日に実施すること及び税率の引き上げは自由化に先立っては行なわないこととする旨の意向を伝えまして、交渉が妥結を見るに至った次第であります。従って自由化に伴う税率引き上げと自由化の七月一日よりの実施の二点は対米交渉において他の品目に関する交渉結果と不可分のものであったのであります。  右の対米交渉は難航を重ねた上四月十日に至って妥結しましたので、政府は同二十四日関係文書を国会に提出し、衆議院外務委員会には同日付託され、また参議院外務委員会にも、同日予備審査のため付託されたのであります。自後両委員会における審議は慎重に進められ、特に衆議院外務委員会においては大豆の自由化の問題に関連して農林水産委員会との連合審査の措置もとられて順調に進められた次第でありまして、政府といたしましては、もとより、関税率の引き上げのみでなく、価格安定に必要な他の国内措置についても、七月一日より以前に国会における議決が得られることを強く期待しておりました。  しかるところ、不幸にして審議未了となった次第でありましたが、自由化の実施は、前述の通り七月一日以後に遷延しがたき事情にあり、また同じく国会において不成立となった大豆の国内価格安定措置の面はさしあたり行政措置をもって対処し得る目途も得られましたので、税率の引き上げにつきましては、七月一日の自由化と同時に実施するのほかなきものと認め、さように措置した次第であります。  なおドイツとの交渉結果につきましては、対米交渉において、大豆以外でわが方の譲許の修正または撤回を認めさせた品目、特に乗用車等は、原交渉国である西独に対しても同時に修正または撤回を認めさせ、その代償として西独に若干の品目の税率引き下げを約しているのでありまして、その関係から、これらの税率を米国に対して引き上げるにあたっては、西独に対する新税率も同時に実施する必要があった次第であります。ドイツとの交渉は対米交渉よりおくれて四月二十九日に妥結しましたが、五月十五日国会に提出し、対米交渉の結果とあわせて御審議を願っていた次第であります。  以上がガット関係二文書に関し、国会の事後の御承認を求めることとするに至った事情でございます。憲法第七十三条三項の趣旨にかんがみ、政府は従来から条約の締結には、原則として事前に国会の承認を求めることとし、事後承認を求めるのは内閣の外交処理の責任を果たす上にやむを得ない場合に限るとの方針を堅持しており、また事後承認の先例は九件にとどまっておる次第であります。右の基本方針については政府としては今後ともいささかもこれを変える考えはございません。  本件二文書については、以上申し述べた事情で、これが事後に御承認を求めることになりましたことについて、何とぞ御了承の上、御審議を願いたいと存ずる次第でございます。

森下國雄自由民主党

○森下委員長 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十九分散会

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