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39回国会衆議院1961/11/10

運輸委員会踏切道整備に関する小委員会 第1号

発言数
53
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/11/10

会議録

高橋清一郎自由民主党

○高橋小委員長 これより運輸委員会踏切道整備に関する小委員会を開会いたします。  踏切道の整備に関して調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 小委員長に一言お尋ねというよりは、確認をしておきたいのであります。本小委員会の運営の方針でございますが、これは言うまでもございませんが、さきの国会で踏切道改良促進法が通りました。しかし、これだけでは今日の踏切道等の交通の円滑あるいは安全、こういうものを確保することはむずかしいということから当小委員会が作られまして、そしてこれに対する事後の措置をしようということであると思う。よって、この小委員会の運営の方針は、踏切道整備に関しての一切の調査等を進めることは当然でありますが、それと同時に、この小委員会設置の目的にあったいわゆるさらにこの制度に対して補強すべきものを探し出す、そうして必要な措置をとる、こういう方向で運営されるものと思うのでありますが、いかがでございましょうか、念のためにお尋ねしておきます。

高橋清一郎自由民主党

○高橋小委員長 過般の常任委員長並びに理事の方々の御意向を拝しまして、ただいま久保三郎君の仰せのような内容でいこうというような御趣旨もございましたので、あとう限りの善処を約束さしていただきます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 最初に、警察庁の方にお尋ねしたいのであります。  先般もおいでいただいたと思うのでありますが、御承知のように、さきの国会で踏切道改良促進法が成立いたしまして、これはこれなりにすべり出しをいたしたわけであります。ついては、あの法案では、当時の質問でも、あるいは質問でなくてもおわかりだと思うのでありますが、現在における踏切道の通行にはその他幾多の問題がある、こういうことで考えているわけであります。ついてはこの際、時間もたくさんございませんが、大ざっぱに踏切道関係の今日の問題点——整備促進法は除きまして、立体交差を重点にやるという基本方針は立ちましたから。しかしながら、一挙に全部が、立体交差なり保安施設の改善というのはできないのが現状であります。ついては、これが完備されるまでには相当な時日を要するのでありますから、その間におけるところの問題点、さらには完備されてもなおかつ問題点は残ろうかと思うのですが、そういう大ざっぱな要点についてどうお考えでありますか、御意見を承りたい、こういうように思います。

富永誠美警視監(警察庁保安局参事官)

○富永説明員 踏切につきましては、問題が大きく分けまして二つあると思います。一つは、交通の安全の問題、もう一つは、特に都市交通あるいはまた主要幹線におきまする交通をいかにさばくかという交通の円滑の問題こういう二点があるかと思うのでございます。  まず第一に、交通の安全からいいますと、昨年私どもの方の統計で、全国で踏切において死亡された方が千五百十五名、負傷者が二千三百七十二名という数に上っております。これは昨年一カ年に交通事故での死亡者が一万二千名になっておりますので、その一二%が踏切で死亡いたしておるという現状でございます。しからばこれに対してどうするかという問題でございますが、当然、一つは人の面があると思います。もう一つは一何と申しましても施設の問題があると思うのでございます。人の面につきましては、もちろん運転者なりあるいは歩行者の教育や指導取り締まりということでいくべきでございますが、施設の面におきましては、今回の法に非常に関連があるわけでございますが、たとえば、簡単に実情を申し上げますと、踏切がここにあるという道路標識がはっきりしていないものが、東京だけで言いますと、踏切が二千二百三十あるうち、踏切道の手前に当然立たなければならない踏切の標識がわずか百六十三、パーセントにして七・三%でございます。そのほか踏切のところの道路との幅員の問題それが違うとか、あるいは道路がちょうど上がったところに踏切があるというような個所がかなりある。あるいは危険な踏切に鏡をつければだいぶ違いますが、これがないとか、あるいはまた、特に夜間の踏切の照明というか、これが非常に不完全であるというふうな状況。それから国鉄にお願いいたしたいのは、たとえば踏切の両端がそのままに切り落とされており、車輪を落としますと自分の力では上がれないという状態がございます。これは当然ある程度カーブしてもらって、車輪を落としてもすぐ上がれるような設備に改善してもらいたいというようないろいろな要望を持っているわけでございます。もちろん、踏切があまりにもたくさんあるということも当然あろうと思いますので、踏切の数の整理統合ということもはからなければならないと思うのでございます。東京はこの踏切を公安委員会の規定で交通制限いたしたのでございますが、本来これは道路管理者の方で踏切そのものをなくすのが建前でございますが、待っておれないというので、たとえば百メートル以内に踏切が並んでおって、一つつぶしてももう一つの踏切でいけるではなかろうかというふうなところ百四十四カ所を整理したわけでございます。これを実施するにつきましては、地元からかなり困るというふうな陳情も受けましたが、自動車の通行どめ、あるいは歩行者までの通行どめ、自動車と歩行者全部を含めての通行どめという二つの方法をやってみたわけでございます。それから私の方の要望としましては、踏切全体に、ちょうど東海道の国鉄やら名古屋の名鉄あたりでやっているような黄色に黒をまだらに塗ったトラさくなどは全部完備してもらいたいと思うわけでありますが、こういった交通安全につきましてまだまだやらなければならない点がだいぶあるではないかと思うのであります。  第二の都市交通の点、交通の円滑化の面から現状を申し上げますと、いささか数字にわたって恐縮でありますが、たとえてみますると、午前八時から夕方の六時まで、つまり十時間の間に踏切の遮断機が二百回以上おりるというのが、これは東京だけとりますと二十五カ所でございます。最高は二百九十二回、これは東京の祐天寺の四号踏切でございます。それからさらに繰り上げまして、一時間に遮断機がおりる回数が三十回をこえますのは十カ所でございます。それから遮断時間でございます。遮断しておる時間が何時間になるかという遮断時間の延べ時間を見ますと、先ほどの十時間のうちで遮断時間が七時間以上にわたるものが三カ所ございます。それから五時間以上にわたるものが九カ所ございます。一回の最大の時間は十四分四十五秒、これは千住の一丁目の踏切でございます。これは遮断機のおりている時間が十四分四十五秒でございます。それからその踏切を通る車の交通量でございますが、一時間四千台以上に上るのが十五カ所、最高は東武の伊勢崎の九号踏切で一万四千九百十二台一時間に通るわけでございます。それから遮断機が上がってもなおかつ車が後に残っておるという状況を見ますと、二百台以上残っておる個所が十カ所ございます。最高がやはり先ほど申し上げました東武の伊勢崎九号で千二百十四台、つまり一回電車が通って遮断機が上がってもなおかつ車が千二百十四台もずっと後につながっておるという状況でございます。この面は立体交差になれば当然楽でございますが、平面交差である以上はこれをどうさばくかということにお互い苦心すべきものがあるというふうに存じます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 建設省にお伺いするのでありますが、たとえば今警察庁の方からお話があった踏切標識あるいは予告標、こういうものは道路管理者の責任で今日までやることになっていると思うのでありますが、そうでしょうか。いかがですか。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 ただいまお尋ねがございました標識につきましては、道路管理者の権限、並びに責任があるわけであります。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 そういうはっきりした制度があるにもかかわらず、それすらできないというのではわれわれにとっても非常に残念だと思うのであります。先般通過させました促進法が十分な裏づけがあればこれは問題ないと思うのでありますが、御案内の通りであります。しかもあの法律が裏づけがあったにしても、全部が立体交差等になるわけではないのですから、道路標識が道路管理者の責任であるということになっているとするならば、この整備をどういうふうにやるべきかということでございますが、いかがでしょう。これに対しては強い措置をとっているのかどうか。国道等については、もちろん国の直接の責任でありますから、これはおやりになっていると思うのですが、ただいま警察庁の方から御指摘になったのは都道府県道、あるいは市町村道というようなものではなかろうかと思うのでありますが、こういう措置について建設省としてはいかなる指導をしているか、これをあわせて承りたい。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 道路の管理上の責任につきましては、御承知の通り国道につきましては国が直轄管理をいたしておることになっておるわけでございます。御案内の通り、地方道等につきましては、この点きわめて遺憾な現状でございます。従来これにつきましては地方庁に対しましてしばしば通達その他の行政指導を行ないまして、極力標識の完備をいたすように努めておるわけでございます。しかしながら、予算等の関係もございまして、必ずしもまだ十分でない実情でございます。今後さらに具体的に指導方針を定めて参りたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 予算の関係があるということでありますが、その通りだと思いますけれども、その局所々々にとればそう多額の予算でなくてまかなえるわけであります。あとからまた御質問を申し上げる踏切道の事故の問題でありますが、これの裁判所の判決を拡大して参りますと、今度は道路管理者が標識を立てなかったことによって損害賠償をとられるということもございます。今まで、ただ単に指導されておったというのでありますが、今の御答弁では具体的におやりになるというのでありますから、これは即刻具体的におやりになっていただきたい、こう思うし、おやりになったときには一つわれわれの方にもどういうふうになったかお答えをいただきたい、こういうふうに思うのです。  なおいろいろ御質問を申し上げることもあるのでありますが、続いて国鉄の踏切保安部長さんにお尋ねします。今警察当局から指摘された踏切道の構造の問題の一つ、いわゆる踏み板が直角であるから、車がはまっても上がらぬというようなことで、これをなだらかにというか、勾配をつければということですが、これは一つの例だと思うのですが、照明の暗さ、あるいは鏡の取りつけ、こういうことをいろいろ御研究があると思うのです。今日、国鉄自身は踏切保安部というか、そういうものをお作りになって、積極的にこの対策に取り組まれておると思うのです。対策本部ができてからどの程度にこの踏切道の改善について工夫をこらしておりますか、大ざっぱでけっこうですから、これまた御回答いただきたいと思います。

渡辺寅雄日本国有鉄道参与(施設局踏切保安部長)

○渡辺説明員 ただいま警察庁からお話でありましたが、これは従来国鉄と警察当局と密接に連絡しておりまして、お話はよく承っております。先ほどの踏切の路面にある程度の斜角をつける、まるみをつけて、落ち込んだ車が上がりやすいようにするということは、ただいまのところ全般的にやっておらないのが実情であります。実は各地方に命じまして、とにかく一応数カ所ずつでもやってみろ、現実にこれによってどういうふうに効果があるかということを試験的な面からでもやるようにただいま指導をいたしております。それから踏切の照明につきましては、確かに御指摘の通りでございます。電源的に割合安い経費でできますところは極力これから推進して参りたいと思います。従来も全然やっておらないわけではございません。さらに強力にやりたいと思っております。  それから全般的に踏切保安部が国鉄に設けられまして以来の仕事、あるいは大きな推進の計画についての御質問でございますが、実は立体交差というものは経費的にも一番大きな額を占めておりまして、これにつきましては、この春以来建設省と従来以上の大きな長期的なスケールにおきまして折衝を続けております。ただいま建設省からある一部、国道その他につきましての御回答を得ておりまして、踏切法の通過の前にもそういう努力は傾けて参っておりまして、目下少しずつ成果が上がってきている現状でございます。さらにこの法律が通りまして、この点はさらに明確にまとまってくるのではないかと思っております。  それから一般の踏切保安設備の改良につきましては、大ざっぱに申し上げまして従来の規模の大体三倍ないし四倍の金を支社なり各管理局内に配賦いたしております。これは具体的な踏切につきましては各地方にまかせておるわけでありますので、本社といたしましては一個々々の踏切をこうしろああしろという具体的な指示はいたしませんが、かくかくの性質のものはこの程度まで保安度を上げろというような指示をいたしまして、それに見合う金をつけて参っておるわけであります。まだ設立以来時日がたっておりませんので、大きな目に見える外見的な成果は上がっておらないかもしれませんが、これは今後どもに努力したいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 運輸省鉄監局長では直接関係がないかと思うのでありますが、踏切道というか、これに関する技術的な研究、警報装置の研究とか、そういうものは今運輸省としてはどの程度にやっておられるのか、それをおわかりでしたら御答弁いただきたいと思うのです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 踏切保安設備の改善につきましての技術的な研究の問題でございますが、非常に重要な問題でございますので、運輸省といたしましても重大な関心を払っております。たとえばこの踏切警報機の鳴動時分でございますね。警報機がちんちん鳴っている時間というものが、従来の経験に徴してみますと、相当踏切の安全にも関係がございます。あまり長過ぎても、待っておる方の心理状態から申しますと、かえってそれが災いいたしまして、まだだいぶ先の方におるから鳴っても通過しようとするというふうな気分になります。たとえば、先に見える駅のところで列車がとまっておるにもかかわらず、すでに踏切では警報機が作動しておるというふうなことになりまして、その鳴動による警報的な役割というものが無視されがちになるということもございますので、鳴動時分がいかになれば適正であるかというふうなことも研究をさしておるわけでございます。これも通過列車、つまり急行列車と普通列車によりましても鳴動時分というものはそれぞれ選択いたしまして作用するのが理想的であろうと思いますが、そういった選択的な能力を持つような警報機を考えるとか、そういう技術的な点については、それぞれ国鉄あるいは私鉄に命令いたしまして研究を進めております。あるいは自動踏切、遮断装置につきましても、もっと性能のよいもの、こういったものにつきましても研究を進めておるわけでございまして、今後さらにこういった面を強化していきたい。特に運輸技術研究所あたりでこの問題を真剣に取り上げてもらうことを考えておりますが、せっかく努力いたしてみたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 この際でありますから、運輸省並びに国鉄、警察庁もおやりになっていると思うのでありますが、踏切保安施設の改良研究のテーマと今日やっておる中身について、後刻資料として当委員会へ出してほしいと思います。これは建設省でもおやりになっているかもしれませんが、その関係個所からそれぞれ出していただきたい、こう思います。  それで建設省にお尋ねしたいのは、ただいま御配付いただきました「昭和三十六年度の踏切事業箇所調」でありますが、これで参りますと、大体協議済みが八十五カ所、協議中が百三十九カ所、いまだ協議の整わないものが十、これで大体事業費の総額はどの程度になりますか。もう一つは、主管局長といわれる鉄監局長にお尋ねしたいが、五カ年計画で大体希望の個所の数はわかりましたが、さてしからば、それは大体どの程度の予算が必要なのか、ひっくるめて大ざっぱにおわかりでしたら伺いたいと思います。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 お手元に差し上げました個所の調べを御説明申し上げたいと思います。調書によりますと協議済みとございますが、これが八十五件ございまして、これはすでに設計についての詳細な協議まで終わったものでございます。なお協議中とございますのも実質的にはかなり進んでおりまして、おそらく今後そう時間を要せずして協議がまとまる、こういう見込みのものでございます。なおお尋ねの予算でございますが、大へん申しわけございませんが、件数の調査がまとまりませんので、また、各個の全体の総額を私どものところではまだ集計ができていないのでございます。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 運輸省におきましては、立体交差を必要といたします踏切道は国鉄約三百四十カ所、私鉄六十カ所、合計四百カ所程度であろうと推定いたしておりまして、これに要する費用として国鉄約三百八十億円、私鉄関係約二百六十億円、合計約六百四十億円程度見込んでおります。この経費は総額でございまして、このうち幾らを鉄道事業者が負担するかということになりますと、これは個々の立体交差化すべき個所の経費を算定いたしまして道路管理者と協議することに相なりますので、具体的には今申し上げかねるわけでございます。  それから保安設備の整備につきましては国鉄約三千二百カ所、私鉄約千四百カ所の踏切道について必要性が認められますが、国鉄関係では約三十五億円、私鉄関係では十三億円程度の工事費を要するものと推定いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 まあ建設省の方では集計中でわからないと言うのでありますが、法律が成立というか、通過して間もない時期だと思うので、五カ年計画全体についてお立てになれないのは当然かと思うのでありますが、ただいま鉄監局長のお話のように、これは保安設備の改良まで入れて大体七百億になります。七百億でありますと、五カ年間にやろうというのには大へんな努力が必要だと思うのでありますが、これは受けて立つというか、そういう気がまえは政府自体にあるのでしょうか。大へん失礼な言い分ですが、あるのでしょうか、いかがでしょうか、道路局の方に伺いたい。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 踏切道の問題につきましては、従来建設省といたしましても、もちろん重要なものにつきまして、私どもといたしまして計画の際に相当努力をいたしたつもりでございます。なお今回の法律制定によりまして、この仕事の促進の上において非常に力強いものがあると考えております。現在御承知の通り五カ年計画は一応でき上がっております。ただしその詳細な内容の数字については、先ほど申し上げましたように協議中でございます。個所数といたしましては大体現在千百五十五カ所を数えております。促進法の精神にのっとりまして、運輸省と緊密な御連絡を申し上げて、法律施行に努力をいたしたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 建設省の方に重ねてお尋ねしますが、もっとも個所数が運輸省と両方でまだ一致しないものもあるでしょう、それぞれの立場で観点が違うことでありますから。これを別にあえてどうこう言いませんが、いずれにしても五カ年計画というのが先般の法律の主たる眼目だ。そうしますと、千百五十五カ所の予定は道路五カ年計画の中に含まれて、コンクリートされていると考えていいのですか、いかがですか。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 五カ年計画の内容につきましては、御承知の通り事こまかに全部上がっておるということではございませんので、大よその計算で概算をいたしておるわけでございます。その数字によりますと今申し上げました千百五十五カ所でございます。これが絶対動かないということでは必ずしもございませんで、実施の際に多少動く可能性はあると思います。およその概算といたしましては、はじいたものとして申し上げるのでございますが、もちろん今後実施の段階でさらに検討をいたしたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 もちろん千百五十五が全部コンクリートというのでなくて、そういう概念に基づいた総体としてはコンクリートされているというふうに了解してよろしいですね。そうだとするならば、道路五カ年計画の中でこの踏切道改善についてのいわゆる財政規模は幾らになっているか、お尋ねしたい。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 数字のことをこまかに御報告申し上げますまでの段階にいっておりませんので、まことに申しわけございませんが、路線のおよその数を数えまして、その結果でき上がっておりますものが五カ年計画でございます。従いまして個所数の概算はこの通り出しておるわけでございますが、さらにその額が幾らになるかというところまでは、実は精細なことを申し上げますまでに至っておりません。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 道路五カ年計画は固定しましたね。できていますね。そうだとすれば、先ほどのお話のように五カ年計画の中に立体交差も含むということでありますれば、個所の数はいずれにしても、大ワクとして立体交差の内訳は幾らかということはおわかりでしょう。違いますか。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 五カ年計画を策定いたします際に、もちろん計算をはじいておるわけでございます。従いまして、計算の基礎として出しますことはもちろん可能でございますけれども、路線のとり方等あるいは延長距離、それらの概算で出しますものですから、実施そのものと必ずしも一致いたしておらぬわけでございます。そこで個所数はある程度わかりますし、概算もごく概算を出すことは可能かと思っておるわけでありますが、正確な、資料的な意味を持ったものとしてはちょっと計算ができないかと存じます。概算である程度のものをはじくことができますれば、あるいは大よその数でございますれば後刻御報告申し上げたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 一番最後の方が聞きとれませんでしたが……。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 五カ年計画の内容につきましては、もちろん個々の個所あるいは金額が積み上げてあるわけであります。しかじ個所を特定してどこどこということまではきまっておらぬわけであります。従ってこの踏切道につきましても同様に相なりますので、精細な確たる予算がはじき出せぬわけであります。ただ多少古い数字ですが、大ざっぱに私どもがはじいたものといたしましては、かれこれ九百七十一億から約一千億になろうかと思っておるわけでございます。この数字は先ほど申し上げたような意味で御承知いただきたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 建設省に申し上げたいことは、もちろん一々の積み上げは不確実でありますから当然確たる数字は出ないと思うのでありますが、法案が通った今日は、政府は五カ年計画を約束しておるのでありますから、少なくともその中に立体交差の部面も含めた道路五カ年計画が先にできておると思う。だとすれば、その中で立体交差におよそ幾らさくべきかというきちっとしたものがなければ、五カ年計画は残念ながら雲をつかむようだと私は考える。これは近い将来において、その道路五カ年計画の中で踏切道改善という一つの項目がきっちりする考えはあるのですか、いかがですか。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 今回の法律によりまして三十六年以降五カ年計画によりまして、個所の指定等を行なうわけであります。そういう段階で、今後事務的には運輸省と御相談いたしまして、内容を定めていかなければならぬと考えております。ただいま申し上げましたのは大へんばく然たる数字でありますが、その段階におきましてはもっと確実なものを申し上げることができると思います。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 そこで鉄監局長に、やはり同じ質問でありますが、あなたの方は大体七百億と言っておるわけでありますが、その七百億はやはり五カ年でやるという目標か、あるいはさしあたりこれだけかわかりませんが、法案を通した手前やはり言いたいことは、運輸省自体でまかなわなければならない部面があるわけですから、これはやはり五カ年計画としてきっちり早い時期に確定をすべきだと思うのであります。そうでないと、先ほどもお話申し上げたように、雲をつかむような五カ年計画で、名前は五カ年計画だが、悪い言葉でありますけれども、関東の言葉でできなりフクベというのがあります。そのとき勝負です。これでは五カ年計画でも何でもない。ことしは大体このくらいやろうと思ったができなかった。次の年はこのくらい。何のことはない、五カ年過ぎたらこれだけできたということで、そんなことでは五カ年計画の必要はわれわれはないと思います。今日の状況から考えて早急に整備するというのでありますから、そういう場当たり主義の五カ年計画では意味をなさない。だから、今日までの改良計画よりはさらにこれだけの進度が増すという実証がなければ、法律を審議し通過させた責任はとれないと思うのです、われわれ自身が。だからこれをどうなさるのか、一つ念のためにお伺いしたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 全く仰せの通りでございまして、立体交差すべき個所につきましても、建設省と至急協議いたしまして、具体的に指定すべき個所をまとめたい、かように考えております。そういたしますと、大体五カ年間の計画量のはっきりしたものが出るわけでありまして、それが従来の整備度合いと進捗の度合いとどういうふうな関係になるかということも、明らかに御回答申し上げることができると存じます。保安設備の整備につきましては、これは大体今申し上げた通りでございますが、これにつきましても、さらに詳細な五カ年間にわたる年次別の計画を早急に作りまして、はっきりした具体的な御回答をそのうち申し上げたい、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 そこで国鉄にお尋ねしたいのでありますが、予算要求の時期にもなっているわけなので、三十六年度は別として、三十七年度は立体交差についてはどの程度の予算要求をしておりますか。

渡辺寅雄日本国有鉄道参与(施設局踏切保安部長)

○渡辺説明員 ただいまのところ、法律がきめられる以前からの道路管理者側とのお打ち合わせによりまして、大体個所数もほぼ見当がつきかかっているものだけを選びまして、三十七年度に予算要求としてあげておるわけでありますが、大体十三億ないしそれにプラス三、四億というところが要求の規模でございます。と申し上げますのは、御承知のように、これは国鉄だけの計画で、明確にできませんものもございますものですから、ある程度幅を持たせた資金を要求いたしまして、話がまとまり次第つけていくのが実情でございますので、大へんあいまいな言い方をしたわけであります。ちなみに本年度の立体交差費は大体十一億円程度でございます。従って、私どもは、この法律によってさらにこの立体化の計画が大きく広がりました場合には、国鉄部内の予算の範囲内、ワク内におきまして、もう少しあるいは多額の実行予算を組まなければいけないのじゃないかというふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 鉄監局長、今国鉄から御答弁がありましたが、あなたの方の国鉄部面での立体交差、これが大体三百八十億と出ております。これは五カ年間でやるつもりだったのですか、それともさしあたり三百四十カ所必要と認めているのですか、どちらなのですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 五カ年間でございます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 五カ年間だというと、今の踏切保安部長のお話では、算術計算で簡単に参りましても、毎年七十億から八十億国鉄が必要とするのですね、鉄監局長の御方針でいけば。ところが、これが多くて十六億か十七億、少なければ十一億がことしだそうでありますから、これはとうていこの五カ年計画という名前には追いつけないのではなかろうかと思うのでありますが、新たな工夫をお持ちでありましょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 先ほど申し上げましたように、国鉄の関係で総工事費が約三百八十億円見込まれる、こういうことを申し上げたのでございまして、このうち道路管理者と国鉄が協議いたしましてそれぞれ分担いたすわけでございますが、国鉄と建設省との協定によりますと、大体国鉄が三分の一となっております。駅構内におきましては、さらに分担率が高うございまして、二分の一に相なっておりますが、そういうことで概算百六十億前後になるのじゃないかと思いますが、国鉄が御承知のように新五カ年計画では、立体交差を含めましての踏切改善計画の総経費といたしましては、五カ年間に二百五十億円計上いたしております。そういたしますと、年にいたしまして約五十億円でございます。従いまして、大体この程度の分担はできる、かように考えております。  なお、これもさきの臨時国会でお話申し上げておいた点でございますが、国鉄の新五カ年計画は、五カ年という期間をとってみますと、前半の三カ年におきましては、新東海道線の建設費が改良費に大きな割合を占めますので、その他の主要幹線の複線化あるいは踏切の整備というものが、年度割にいたしますと必ずしも平均的にいかない場合も考えられまして、東海道線の建設の終わりました後の、つまり新五カ年計画の後半の三十九年度、四十年度におきましてこれをカバーいたしまして、全体といたしましては新五カ年計画にお約束しましたことを必ずやるつもりでございます、ということをお話申し上げましたが、そういう点で来年度の国鉄の踏切関係の予算要求というものは、必ずしも二百五十億円を五で割りました五十億というふうにはなっていないかと存じますが、五カ年間には必ず二百五十億程度の投資はやらせますような決意でございますから、御了承いただきたいと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 決意のほどは大へんけっこうなのでありますが、五年目にはごっそりできるのだということにもとれますね。ところがさしあたり困るのでありますから、しかもこれは先行投資が必要なのは言うまでもございません。そういう部類に属するのでありますから、五カ年間ならば、前半の三年にはぐんと出して、あとの二カ年は様子を見るというのが順序だと思うのです。国鉄の改良費は来年度も東海道新幹線にたくさんの投入をしなければならぬ、一般の改良費はそのために圧縮を受けるということもございましょう。これは当然だと思う、踏切がなくてもそうなのでございますから。そうだとすれば、ここで思い切った施策を考えねばいかぬ。このためには、国の財政投融資をその分だけは別ワクにして、ひもつきで出すとかいうことをしない限りは、とうてい促進できないだろうと思います。いかがです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 実はそこまで思い切った対策を講ずるというふうには考えておりませんでしたが、久保先生のお考えもごもっともでございますので、十分研児してみたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 それからもう一つは、道路管理者側のいわゆる財政負担の能力の問題があるわけです。国道等については建設省との協議の上で、これは先ほどの五カ年計画の中である程度、協議さえ整えば、消化はできると思うのであります。ところがこの地方公共団体の都道府県道、市町村道というものにかかわる場合は、当然多額な負担が必要です。駅構内では半分、あるいは構外では三分の二であるということになれば、いわゆる三分の二が道路管理者の負担。そうなっては貧弱な町村と言っては語弊がありますが、とうてい負担はし切れないと思うのです。その問題を解決しなければどうにもならぬと思うのです。道路局自体はどういうふうに考えておりますか。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 お説の通り、地方公共団体の財政が非常に困難であります。ことに踏切の関係におきましては三分の二の負担となっておりますが、場合によりましてはそれ以上持つ場合がございます。しかし五カ年計画の際は、国の負担に伴いまして、地方財源につきましても、自治省と相談をいたしまして、極力その財源的措置を講じてもらっております。  なお御承知かと存じますが、道路整備緊急措置法によりますると、この種の地方公共団体の負担につきましては、補助率を高くしておるのであります。現在三分の二といたしております。そういう措置も講じておる次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 さらにそれでも問題があると思うのです。自治省はきょうはお呼びしておりませんが、ここに裏づのけいわゆる起債、こういうものは特別な配慮で別ワクでとれるものなら、協議整うものは全部これに当てはめるというくらいの働きかけがなければ、残念ながらやってもらいたいといっても、金はない、こういうことになると思うのです。こういう折衝は自治省とは大体できているのでしょうか、あるいはするつもりでしょうか。どうでしょうか。

高田賢造建設事務官(道路局次長)

○高田説明員 今回の促進法によりまして、もちろん今の地方公共団体の財源につきましては、今後引き続き自治省とよく御相談をしたいと思います。それにつきましても、促進法というものが強力なバックになるものと私は存じております。今後自治省との折衝に極力努力をいたしたいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 いずれにしても、裏づけを考えないで、いろんなことを計画しても、これはどうにもなりません。  もう一つは、立体交差が一番理想的で、重点を置かれるのは当然でありますが、何といってもそれは全部はできないのでありますから、先ほど警察庁からも指摘されたような問題については、これはやはり逐次計画を出して、強力に進めていかなければとうてい満足できるものではないと思うのです。この点は運輸、建設両省に強い要望をしておくと同時に、新たなそういう対策を最近において立てる必要が私はあると思うのです。もしも私の意見に同意していただけるとするならば、当委員会に連絡をしてほしい、報告をしてほしい、こういうふうに思います。  時間がありませんから、これはお尋ねいたしたいのでありますが、それについては警察庁に最後に要望というか、資料の要求をしておきたいのであります。いわゆる道路交通をあずかる警察庁として、先ほど大ざっぱな御意見の開陳がありましたが、そのほかにもたくさんあろうかと思うのであります。先ほど私が要求いたしました資料のほかに、道路交通をあずかる立場から、どうあるべきかという要点を、一つ書いたものにして出していただきたい、こういうふうに思います。  そこで最後にお尋ねしたいのは、これは鉄監局長にお尋ねするのが一番妥当かと思うのでありますが、実は先月だと思うのでありますが、たしか昭和二十五年ころの事件でありまして、これは小田急の電車に伊豆箱根のバスが衝突しました。この問題の判決が出たわけであります。これに対する直接の判決ではないようでありますが、この判決の要点は、いわゆる電車の運転手には過失はない。さらに小田急電鉄の、いわゆる地方鉄道建設規程の条項に対しての責任はない。しかしながら、結局、会社の経営自体からいっても、踏切道に保安設備を十分しなかった責任はある、いわゆる保安設備の瑕疵による責任があるから、さきにバス会社が払った損害賠償というか、そういうものの一部を負担すべきだという判決が出たわけであります。これは新しいものの考え方と言うと語弊がありますが、今までにたしかない判決だと思うのであります。これに対してどういうふうな考えをしているか、まず第一点に聞きたい。普遍的にこういう判決が受け入れられるとするならば、今日の踏切道については再検討の必要がある、こういうふうに考える。  そこで今日設置基準もいまだしの感があるし、なおさら構造基準についての明確なものは実はない、と言っては語弊があるが、まあない。こういうことになりますと、これは一鉄道事業者の責任ではなくて、むしろ国自体の責任でもあるように考える。ついては、これに対してどういうふうに今考えておるか。一つお尋ねしたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 本件は、もちろん御指摘のように初めてのケースでございまして、運輸省といたしましても重大な関心を持っております。裁判の結果につきましてかれこれわれわれといたしまして批判いたすのはどうかと存じますが、また小田急側、つまり被告も原判決を不服といたしまして控訴いたしておりますので、どうなりますか、最終的にはわかりませんが、しかし、ともかく運輸省といたしましては、道路交通法の立法精神あるいは具体的な第三十三条の条文の趣旨から見ましても、踏切を通過しようとするには、当然踏切の直前で一たん停止をする義務があるわけでございまして、この義務を自動車なりバスなりの乗務員は必ず履行しなければならないわけでございます。そういたしませんと、鉄道事業者側で幾ら万全の安全設備をいたしましても、相当のスピードで走っておるものでございますから、こういう建前を励行していただきませんと、事故を完全になくするということは私は不可能であろうかと考えるのであります。そこで、判決はどうあろうとも、やはり一たん停止の義務を励行すべきであるということを重ねて強調いたしたいのでございます。しかしながら踏切の保安設備を整備すべきであるということは、これは申すまでもないのでございまして、運輸省といたしましてもこの踏切道改良促進法によりまして、さらに全面的に強力に推進したい、こう考えておりますが、今一気に全部の無人踏切につきまして、保安設備を整備すべきであるかどうかということになりますと、これはまあ負担能力の関係もございまして、相当問題であろうかと思います。最も金のかからない簡易な施設でもって、踏切そのものの存在をはっきりさせて、踏切を通過する交通者なりあるいは車両なりに対して適切な警報的な役割を与えるものはないかどうか、今後研究すべき重大な問題であるということを本件に関連いたしまして痛感いたしております。そういう経費のかからない何か効果の相当上がる警報装置というものはないかということを今後研究することをお約束申し上げたいと存じます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 いや、私はそのことを聞いているのじゃないのです。そのことは当然でありまして、そういう事故が起きないのが一番いいのであります。しかし事故が起きたことについて、私は聞いているのであります。しかも、一応控訴するしないにかかわらず、判決は新しく出たのでありますから、控訴したのは当事者が不服でありますからやった、一応今日オーソライズした一つの見解としては、これが正しいということになっています。そこで私がお尋ねしたいのは、結局判決文の中にはこういうのがあるのです。「各踏切の具体的状況に応じ事故発生の防止のためにはどれだけの保安設備が必要かを客観的に判断して瑕疵の有無を決めなければならない。」ということを一つ言っているわけですね。そうだとすると、今の政府の踏切道に対する方針では大へんこれは問題が出てくると思うのです。結局、これを充足させて、このような判決から免れると言っては語弊がありますが、何か割り切れない気持で判決を受けたから控訴しておられるのだろうと思いますけれども、そういうものを救う道は、結局構造基準というものを明らかにすることが今日一つの方法ではないか。なるほどこの主たる原因は、今日の交通法規に違反して一たん停車を怠ったからできたのであります。ところが、そのことについては、それはその通りだといっているのです。だが、この当該の踏切はこれでは不十分だということをいわれております。だからお前はやはり損害の一部は負担すべきだと、こういうのです。不十分であるかないかというのは客観的にこれは判断しなければならぬというのです。ところが、判断の基準は、裁判官の判定でこれはきまったわけなんです。なるほど、地方鉄道建設規程あるいはそのあとで出した指導要綱みたいなものがございますが、それでは、客観的ないわゆる判断の資料にはならない、こういっているわけですね。だとするならば、ここでやはり構造の基準について明確にすべきだろうと思います。それともう一つは、具体的に見れば、この判決に当てはまるものはたくさん出てくると思うのです。今後そうなった場合は、これはちょっといい意味か悪い意味かわからないが、どっちにしても一つの混乱が起きると思うのです。これに対して運輸省がどう考えるかということを私は聞きたいのです。どういうふうに判断して今後進めていくか、こういうことですね。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 そのことを私は先ほど申し上げたつもりでございます。つまり、保安設備があろうがなかろうが、一たん停止ということは、道路交通法できめられておる義務でございますので、その義務を励行すべきであるということでございます。従いまして、言い過ぎになるかもしれませんが、客観的に妥当と思われる施設をしなかったためにその事故が起こったということによって損害の一部を電鉄事業をやっております者の側に負担せしめるということは必ずしも妥当でない、かように私は考えております。もちろん、そうかといって保安設備を整備すべきことは当然でございますから、これを積極的に推進するということは論を待たないわけでございます。その設置基準につきましては、従来行政指導でやってきておりますが、それにつきまして、今回はあらためて法律に基づく基準を作りまして、いわゆる各方面の権威者の意見も十分聞きまして、一応だれが見ましても妥当であろうという基準は作っていきたい、それによって整備すべき場所を、個所を指定したい、かように考えておりますので、この判決におきます裁判所側の見解も十分参酌いたしまして、できだけ完璧のものを作ってみたい、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 これは設置基準並びに私の言う構造の基準をやはり早急に明確にして、これに即応させるということが一つの方法ではないか、判決がどうあろうとも。そうだと私は思うのです。そうじゃないと、無益な混乱というか、大へんなことができる。そこで、警察庁は、道路交通の面でありますが、その観点からして、この判決は、いわゆる共同不法行為の責任ということでまあ賠償の一部を払え、こうなっておるわけですが、こういう問題について、どのように今後は対処したらいいか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

富永誠美警視監(警察庁保安局参事官)

○富永説明員 小田急の事件は、昭和二十五年の事件でございます。従ってその当時は、今の新道交法じゃなしに前の道路交通取締法時代でございます。前の道路交通取締法では十五条というのがあるわけでございます。ちょっと読んでみますと、「車馬又は軌道車は、鉄道又は軌道の踏切を通過しようとするときは、安全かどうかを確認するため、一時停車しなければならない。但し、信号機の表示、当該警察官又は信号人の指示その他の事由により安全であることを確認したときは、この限りでない。」というような条文になっておるわけでございます。今度の新道交法ではそれが一時停止が非常に強化されて、信号機がある以外はやはり一時停止しなければならないとありますが、その当時は「但し、」以下があったわけでございます。私どもも、現場を検討しております。一方が見通しがきかない。一方はきいた。それから車掌がバスを降りないで、見通しのきいた方だけを見ていったらしいのでありますが、そういうふうな状況と私は聞いております。  判決に対してどういう考えを持つのか、こういう点でございますが、これは先ほど申し上げましたように、踏切事故防止というものはもちろん運転者、歩行者の教育をうんとやらなければなりませんが、同時に施設も改善していただきたいと思うのであります。運転者がみな一時停止をやれば事故は起こらぬ、それははっきりわかっておりますが、やはり数多い人でありますので、状況によっては見通しもきくようなところで一時停止しても車が込んでしょうがない、そういうふうな見方も一面出てくるわけでありますし、また人情というものもございますが、一時停止はしてもらわなければなりませんが、現実は現実として、それにマッチする対策をとるべきだろうというふうに考えるわけでございます。それで私の方としましては、先ほど意見とか資料を出していただきたいというふうなお話もありましたので、こういうことは申し上げる必要はないと思いますが、現在非常に危険な踏切につきましては一つ一つ厳密に調査しまして、そこの状況を、たとえば交通量がどういうふうに変化するか、あるいは交通事故がどういうふうに発生したかという分析をいたしまして、それによってここはこうしていただきたいというふうな意見をそれぞれ申し上げたいというふうな、いわゆるファイル制のやり方をやって、今後対策をその場所その場所について現実に意見を申し上げるように、今作業を進めておるような状況でございます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 もっともこの判決について批判がましいことはこれはなかなか言うことはできないのでありますから、それを聞いても無理だと思うのでありますが、とにもかくにも、新しい道交法であろうが、古い道交法であろうが、この裁判長はそれは運転者の責任であるということは認めている。その問題とは別だ、こういうのですね。別だというのです。こういうことになると、判決が出たときから問題になってくるわけです。これをどうするかというのは、私が言う通り踏切道に対するところの一つの基準をきちっとして、客観的に、それから警察庁の方から御指摘になったように、具体的にこの踏切道はどういう基準でもって規制すべきか、こういうことにならぬと、鉄道事業者にとっては実際言って大へん迷惑な話だと思うのです。  それからもう一つは、この判決にからんで監督の衝にあった運輸省の責任はこれはないものかどうか。この判決を承服すればですよ。いかがなものでしょう。念のために、参考のためにお尋ねしたいのです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本説明員 私も、この判決がかりに正しいとして運輸省に責任があるかどうかということについては研究はいたしておりませんが、しかしこの地方鉄道建設規程第二十一条にございます「交通頻繁ナル踏切道ニハ通行人ノ注意ヲ惹クヘキ警標ヲ設クルコトヲ要ス」とか、「交通頻繁ニシテ展望不良ナル踏切道ニハ門扉其ノ他相当ノ保安設備ヲ為スヘシ」という規定がございまして、この規定をより具体的にいたしました踏切道保安設備設置標準というものを通達として出しておりますので、その通達に基づいてやりますと、この事件の対象になっております踏切道につきましては、別に保安設備はしなくてもいいという踏切道に該当するわけでございまして、遺憾ながらその点において、いわゆる客観的な見方を主張される裁判当局と見解が違うわけでございます。その点は運輸省の行政指導の基準に忠実にやっておったのだから、私の方としては別に過失はない、不手ぎわはないという鉄道事業者の言い分もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても道義的な責任は感じておるわけでございます。そういうことでございますので、先ほど申し上げましたように、さらに法律に基づく新しい基準をきわめて良心的に、完璧なものを作っていきたい、そうしてこういったことが起こらないような方途を講ずることにしたい、かように申し上げた次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保小委員 それでは最後に申し上げますが、私はこの判決を批判するつもりは毛頭ございません。しかしながら現状のままでかかる判決が拡大されていくと大へんなことになります。しかも鉄道事業者あるいはそれに従事する者は過大な責任を負わなければならぬという実態は、やはり考える必要があると思います。これに対してやはり監督官庁である運輸省が責任を感ずると同時に、新たな対策を立ててそういう心配のないようにすることが当然だと思うのです。これはやはり考えてほしい、こういうふうに思います。以上です。

肥田次郎日本社会党

○肥田小委員 関連して。これは格別お答えはけっこうですから、一つ参考意見ということで申し上げておきたいと思います。  今の久保委員の最後の言葉にあったように、私もそのことを確認してもらいたいということであります。それは、個々の裁判にも現われておりますように、裁判というものはそのときの事情で判決を下す場合が多い。これは同時に地域的に異なる場合もある。ですから結局これは当該監督庁であるところの運輸省あたりがはっきりした態度を出すということが、これらの判決に対する大きな影響力を持つだろう、こういうことを考えるのであります。一つの例を申し上げますと、たまたまこういうことがありました。この問題は未然に表ざたにならずにしまいましたが、御承知のように踏切道には、カーブの場合には傾斜があります。この傾斜を自動車が通行して、その中に積んでおったものが天井にぶち当たって自動車の天井が破れた、だからこれを弁償しろという問題を持ち込んできたことがあります。それからまた、中に乗っておって舌をかんでけがをした、だからこれの補償をしろという問題が出て参ります。これは実は非常によく似た性質の問題だと思います。本来踏切道というものは大体において凹凸があるのはあたりまえのことなのです。カーブになればカントがついておる、これも当然なことです。その道路を通ることによって通行者がけがをした、だからそれの道路の管理というものは、踏切だからその踏切の管理者であるところの鉄道に補償しろ、こういう問題はやはり今と同じような性質で論議をされることが必ず起きてくる。ですからこの関係をやはりもう少しはっきりしておかないと、将来いろんな形でこういう問題が起きてきた場合に、やはりその責任の所在というものをはっきりしながら、この問題が判決の結果によってそれぞれ異なる、こういうことになると思うのです。ですからこれは警察庁の方でももちろんそうですし、運輸省当局としてもこれらに対する問題を十分検討しておいてもらいたい、こういうことであります。道路ももちろんであります。往々にして私はこの問題と関連して考えなければいかぬと思いますのは、よく欧米にあるように、踏切の前で一たん停車を強制するために凹凸の道路を作る。これは一つの方法であるけれども、しかし今言ったように凹凸道路を承知して、汽車が通らないということでこれを確認をして通った場合に、そのでこぼこのために車に乗っておる者が被害を受けたというような場合には、将来必ずそういうような問題が訴訟問題として起きてくるだろうと思う。だからこの点特に関係各方面において再検討されるように強く要望しておく次第であります。

高橋清一郎自由民主党

○高橋小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時十一分散会

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