運輸委員会観光に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 21 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/18
会議録
○塚原小委員長 これより運輸委員会観光に関する小委員会を開会いたします。 本日はまず政府当局より観光事業の現況並びに今後の振興対策、特に近く開催されるオリンピックに伴う宿泊施設等の整備について説明を聴取いたしたいと存じます。安富計画課長。
○安富説明員 それでは私から観光行政の概要についてお話し申し上げたいと思います。 まず現在の観光事業の規模でございますが、昭和三十五年度においては、入国外客数が二十一万二千人という数字になっております。これは前年度と比較いたしますと三万人増、一七%の増ということになっております。一方、外客の推定消費額はどれだけになっておるかと申しますと、一億一千六百万ドルの外貨が消費された。これは対前年増加率二三%という数字を示しております。 それから本年度の予想はどれだけかということでございますが、入国外客数は二十四万八千人、対前年比一七%の増という数字を見込んでおります。外客推定消費額につきましては一億三千七百万ドル、対前年比一八%の増という数字を見込んでおります。 それから昭和三十八年における推定消費額、入国外客数について推定をやっておるわけでございますが、これは内閣の観光事業審議会においていろいろ審議されまして答申を得た数字でございます。それによりますと三十八年度の目標といたしまして外客を三十五万誘致する。それから外客の推定消費額は約一億ドルという推定を立てております。 こういうふうに、入国外客数は過去の実績において年々一七%程度の増、それから将来の伸びとして一八%ないし一九%の増を見込んでおります。それから外客の推定消費額におきましては、入国外客数の増加率よりは多くて、大体二〇%程度の増加を見込んでおるわけであります。 最近、ジェット機の発達によりまして外客の日本来訪状況はますます激しくなっておりまして、この見込みの入国外客数並びに推定消費額の達成も決して困難ではないというふうに見込んでおるわけであります。こういうふうに将来の外客の来訪状況というものはまことに明るいものでございますが、しかしながら、これもわが国の積極的な海外宣伝を今後続けていかなければ、こういった数字は期待できないというふうに考えられますので、今後とも一そう対外的な宣伝活動を強化していかなければならぬと思うわけでございます。 御承知の通り、対外宣伝機関といたしまして日本観光協会がございます。これは昭和三十四年にできました日本観光協会法に基づいて成立した特殊法人でございます。これは従来海外宣伝につきましては財団法人の国際観光協会が当たっておりまして、それから国内観光につきましては全日本観光連盟というのがやっておったのでございますが、昭和三十四年に両者が一緒になりまして日本観光協会というものが新たにできまして、観光に関する国の公の機関といたしまして日本観光協会が一手に行なうという体制が確立されたわけでございます。 それでこの日本観光協会に対しまして昭和三十四年以降毎年国から補助金が出ておりまして、昭和三十四年におきましては二億円、昭和三十五年におきましては二億一千三百万円、昭和三十六年度におきましては二億八千二百万円というふうに年々増額を見ておるということで、海外における宣伝活動もますます活発に行ない得る体制になっているわけであります。 しからば現地の海外の宣伝事務所は一体どういうふうになっているかということでございますが、それは現在すでに七カ所ございます。ニューヨーク、サンフランシスコ、それからホノルル、トロント、パリ、バンコック、シカゴ、この七カ所にすでにございます。それで本年度の予算におきましてロンドンとシドニーが認められております。ロンドンにつきましては十一月早々開設されることになっております。それからシドニーにつきましては来年の三月開設されるという予定でございます。それで来年度の予算要求におきましてさらに三カ所設けるべく、いろいろ折衝しているわけでございます。来年度といたしましては、テキサス州のダラス、それから西独のフランクフルト、アルゼンチンのブエノスアイレス、この三カ所に新たに事務所を設けるべく大蔵省といろいろ折衝をやっておる状況でございます。 話がちょっと前後いたしましたが、こういうふうに対外宣伝網の強化をはかりたいということから、来年度の予算要求におきましては、今までは国からの援助は補助金の格好だけでございましたが、補助金もさることながら、さらに政府から観光協会に対して政府出資をやっていただきたいということで大蔵省の方に要求しております。その額といたしましては十億円を要求いたしております。この十億円の運用益金の六千五百万円をもって協会の管理費に充てるという考え方でございます。これによりまして協会の安定性を確保し、また協会の自主性を確保するというのがわれわれの大きなねらいでございます。それから補助金の要求でございますが、本年度の補助金は先ほど申し上げましたように二億八千二百万円でございますが、来年度において四億二千三百万円の予算要求を行なっておる状況でございます。こういった予算の増額をはかりまして、先ほど申し上げましたように海外宣伝事務所の増設強化をはかる。来年度は三カ所でございます。 それからそのほかに来年度新しい事業といたしましては、東京に総合観光案内所を設けるということであります。いわゆるビジターズ・ビューローというものであります。これは今、日本にはないのでございまして、諸外国のおもな観光国には大体あるのでございます。来年度においてはぜひこのビジターズ・ビューローの新設を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。これは単なる旅行の案内だけではございませんで、日本の風土、文化、政治、経済、あらゆるものについて総合的に外人に対していろいろ案内を申し上げるというための施設でございます。最近海外の旅行者は単独旅行者が非常に多くなりまして、全体の旅行者の六割程度であるという状況でございます。旅行あっせん業者を通じないで単独にわが国に来るというお客さんが六割だということでございまして、そういったことからいきましても、こういった総合案内所が開設されまして、日本へ外国人が来て、はてさてどこへ行ったらいいかといったようなことについて、この総合案内所に飛び込んでいろいろの状況を聞くということになるということでございます。こういったごとによって受け入れ態勢の整備をはかっていこうという考え方でございます。 それから運輸省の行政といたしまして、宿泊施設の整備の問題でございますが、三十九年にはオリンピックを控えているという情勢もあり、外人向けの宿泊設備の確保についてはいろいろ努力しているところでございます。現在の宿泊設備がどうなっているかということでございますが、現在外人向けの宿泊施設が、ホテルも旅館も入れまして、大体九千三百室という数字になっております。本年度に九百室完成するであろうというふうに見込まれるわけでございます。今年度末におきましては、一万二百室という数字が確保される見込みでございます。昭和三十七年にはどれだけの部屋が必要かということでございますが、昭和三十七年度の入国外客数は大体二十九万人でございまして、その中から一時上陸客を引きますと、大体滞在客というものが二十三万人見込まれております。これに対する必要な室数というものが、一万五千五百室という数字になっております。われわれといたしましては、来年度においてはぜひこの一万五千五百室を確保したいということから、開銀の融資について特別の配慮を得られるよう、開銀あるいは大蔵省当局といろいろ折衝しているわけでございます。それでこの部屋を確保するために昭和三十七年度といたしまして七十億の開銀資金のワクを要求している、そういう状況でございます。それから昭和三十八年度は省略いたしまして、オリンピックの開催年次である昭和三十九年度における必要室数についてお話しいたしますと、昭和三十九年度におきましてはオリンピックが開催されないとして大体今の伸びでいきますと、四十二万人の外客の来訪が予想されております。それから一時上陸客を引きますと、大体三十五万人の滞在客が来るであろうというふうに見込まれておるわけでございます。それでこれに対する必要室数が二万四千室というふうに考えております。ところがこの年におきましてはオリンピックがございまして、オリンピックによって担当の観光客の来訪の増がこの年度においては予想されるわけでございますが、この三十九年におきましては、大体来訪外客の数が五十五万人であろうというふうにわれわれとしては推定しております。その中から一時上陸客を引きまして、滞在客は四十八万人という数字を考えております。これに必要な宿泊施設といたしましては三万三千室の確保をはからなければならぬというふうに考えております。それで三万三千室を確保するためには、三十九年一年度だけで完成できることではございませんので、われわれの方といたしましては、一般的の、オリンピックがない場合の外客の増加状況に合わせた宿泊施設を年々行なっていくとともに、さらにオリンピックのための施設については、来年度から三カ年計画で建設を行ないまして宿泊施設の確保をはかりたいということから、来年度の予算要求といたしましては、開銀の資金といたしましては六十億程度のワクを設定してもらいたいということで、大蔵省並びに開銀当局に要求している次第でございます。 それから観光行政一般ということでございますので、そのほかいろいろございますが、ユースホステルの問題をごく概略申し上げますと、いわゆるユースホステル運動という、ドイツに起こったそういう運動が欧州全体を風靡して、日本においてもそういったことからいろいろ渡り鳥運動というものが過去において行なわれたわけでありますけれども、運輸省といたしましても、青少年対策という観点から、青少年に対して清潔な低廉な宿泊施設を提供するということで、ユースホステルというものを三十三年度から補助金を与えまして地方公共団体に建設させております。三十三年度におきましては八カ所四千万円の補助金を出しております。それから三十四年度におきましては十カ所五千万円、三十五年度においては八カ所四千七百五十万円、それから三十六年度の予算といたしまして九カ所四千七百五十万円ということで、地方公共団体に補助金を交付している状況でございます。三十七年度の予算といたしましては七千八百八十八万円、十カ所の要求を行なっている状況でございます。今申し上げましたのは地方公共団体が建設するユースホステルでございますが、国でもって大津の皇子山に建設しているユースホステルがございます。これは国立でございまして、三十五年度、三十六年度、三十七年度の三カ年で作り上げる計画になっております。三十五年度の予算を申し上げますと二千万円、三十六年度が三千万円、三十七年度の予算要求といたしまして六千八百万円の要求を行なっているという状況でございます。 以上、大体観光行政の根幹になる問題について概略お話申し上げましたが、何か御質問がございますればお答えいたしたいと思います。
○塚原小委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。加藤勘十君。
○加藤(勘)小委員 ただいま概略の御説明があったのですが、既設の問題についてかれこれ言っても仕方がないが、海外宣伝の方法ですね。ついこの間私は、あまり日本人向きでない北アフリカのチュニジアとモロッコに行ってきました。こういうほとんど日本というものに対して理解がないと思われる国々においても、日本とは何だといえば芸者ガールと富士山、こういうことを聞かされる。それは何によってかというとパンフレットです。このパンフレットには、日本の着物その他乳を出して赤ん坊に乳を飲ましておる実に醜い写真が出されておるのです。こういう宣伝の方法では、私は国辱という言葉は使いたくないけれども、実際日本人としての恥辱だと思うのです。そういう点について、過去の伝統を追うというような旧態依然たる宣伝の方式ではいけないと思うのです。たまたま私ども行くときにジェトロから日本紹介のフィルムを借りていこうとしたけれども、フィルムは持っていくのが非常にめんどうだということで、ついに借りられなかったのですが、今日の日本を正直に紹介するには、もちろん異国情緒も必要であろうし、あるいは日本のすぐれた点を示すことも必要だと思いますけれども、今日いなかに行っても、日本の髪を結って胸をはだけ出して子供に乳を飲ましておるというような風景は、実際見られぬことです。いつごろどうしてそういう写真がとられたか知らぬけれども、そういうものが、あんなおくれた、日本についての認識のほとんどない国に行き渡っておる。行き渡っておると言うと語弊があるけれども、少なくとも都会地にはそういう点だけ質問を受けるほどに知られておるわけです。あとは何にも知られていない。これは非常に海の外に行った者としては恥ずかしいと思うのです。だから今後宣伝に力を入れられるなら、そういう点従来の惰性を一掃して、全く新しい観点に立って、ほんとうの今日の姿を紹介する。そうして日本のすぐれたるものを見てもらうという方向に、宣伝の方向が向けられなければいけない。この点は一つ十分に注意してもらいたいと思うのです。 それから、この間も懇談のときに私個人的に言ったのですが、来年ダラス、フランクフルト、ブエノスアイレス、三ヵ所に設けられるということですが、ドイツや、アメリカのダラスというところは適当かどうか、それは私知りませんが、少なくとも南米についてはアルゼンチンが妥当なのか、ブラジルが妥当なのか。私どもの常識からいけば、日本の二世を交えて四十万以上の日本人系を持っておるブラジルのしかもサンパウロというのは近くにあるわけです。アルゼンチンのブエノスアイレスの近くにあるわけです。そのサンパウロがのけられて、ブエノスアイレスに設けられようとした意図は一体どこにあるのか。今日までのブラジルからの日本観光客と、アルゼンチンからの日本観光の客の数と、どういう関係になっておるのか。何を根拠としてやられたのか。私の憂えるのは、御承知の通りサンパウロには、日本文化を紹介するために文化センターが日本人の手によって設けられて、これには今の政府も相当関心を示しておるわけです。先般来あそこの代表者が来ておられて、相当政府筋にも運動をされたことを聞いておるのですが、そういう日本文化の紹介をしようという文化センターが設けられようとするサンパウロが除外されて、ブエノスアイレスに設けられるということになると、サンパウロの日本人もしくは日本人系の第二世等は一体どういう感じを持つであろうかということを考慮すれば、どういう観点からかお伺いしなければわかりませんけれども、われわれが常識的に見れば、当然サンパウロが選ばれなければならないと思うのですが、これは一体どういう点からブエノスアイレスをお選びになったのか。 それからついでですから国内の問題ですけれども、なるほど観光客は、今数字をあげてお話になりましたように、漸次年ごとにふえていく。これは非常にいい傾向ですが、その受け入れ態勢としての施設を、従来の民間のいわゆるホテル業者というか、宿泊業者というか、観光業者というか、そういうものにただ補助金だけを出してまかせ切りでいていいのか、ある程度政府も積極的な監督をして、協力態勢において、それらの人々が不快に感じないような施設を行なわなければならないのじゃないかと思うのです。そういう点についてのお考え方、ことに国全体が、貿易以外の外貨収入の上からいって必要であるとすれば、やはり愉快な感じを与えさせなければならない。この前もちょっと話が出たようですが、宿泊料金においても、アメリカなんかは高いといっても、この前私どもが行ったときには、五、六年前のことですけれども、非常に大きな部屋で、三人別々な部屋で、しかも一つになっておって、議員などがワシントンに来たときにはそこに家族連れで宿泊して、しかも宿泊料は四十五ドル、三人泊まれば一人が十五ドルに当たらないというような格安なのです。この間行きましたカサブランカなんかは、モロッコですから日本よりは文化の程度が低いといえばいえますけれども、ホテルの設備なんかはヨーロッパ風にとてもりっぱにできている。何一つ手落ちのないように施設がなされておって、宿泊料がきわめて安い。実際問題とすれば、朝飯をつけて八ドルです。十ドルにならないのですよ。ただワイシャツの洗たく、プレスなんというものは日本よりは高いから、結局ある程度は高くつくけれども、宿泊料そのものとしては安いですよ。そういう点からいいまして、日本のホテルは相当高いと思います。だからそういう点について、一体建設費を何年で償却しようという考え方から料金等を割り出されようとするのか、そういうことは業者に全然一任して、ただ補助金を出すだけで関与しないというのか、そういう点もあわせて聞かしてもらいたい。
○安富説明員 最初の、対外宣伝が旧態依然たる宣伝であるという御指摘でございますが、私もいろいろ諸外国の宣伝のパンフレットなんかを見ておりまして、こういったものを持ち出さなくてもいいのではないかという点もございまして、そういったものが行なわれているかもしれぬというふうにも思うわけでございます。われわれといたしましても、内部でいろいろ検討いたしますとともに、日本観光協会にいろいろ適切な指導をして、そういった昔の変な、今の日本にはないような変な宣伝、それは歴史的なものとかなんとかいうものは別といたしまして、何か日本の国辱になるようなものが、今でも行なわれているといった認識を与える宣伝が行なわれるということでありますれば、是正をして誤りのないようにいたしたいと考える次第でございます。 それからもう一つ、来年度の対外事務所の設置予定個所の問題でございますが、これは実は来年度予算要求のときに、ブエノスアイレスにするか、あるいはサンパウロにするかということで、いろいろ意見が分かれたところでございまして、われわれとしてはいろいろ議論をしたのでございます。それでブエノスアイレスにいたしました根拠といたしましてわれわれが考えておりますのは、大体南米は御承知の通り、大きく分けましてポルトガル系の国と、スペイン系の国の二つに分かれるということでございまして、人口としてはスペイン語系が多いということが一つの根拠でございます。それから諸外国の宣伝事務所も、主としてブエノスアイレスに置いてございます。具体的に申し上げますと、イギリスがそうでございます。それからフランス、イタリア、スペイン、スイス、こういった国々がみんなブエノスアイレスに置いております。それから旅行あっせん業者の数も多い。旅行あっせん業者は百六社ございます。それから航空会社が十四社、船会社が二十四社、そういったことで旅行関係業者の支店が多いということでございます。それから人口が三百五十五万人でございまして、南米屈指の大都会である。それから金持ちも非常に多いということでございます。それから日航の支店がブエノスアイレスにございます。そういったことと、それから御指摘のようにブラジルは日本人が非常に多いのでございますが、われわれがブエノスアイレスを選んだときの一つの考え方といたしましては、在留邦人は宣伝をしなくても、故国に何年置きかにお帰りになるということで、むしろ宣伝するのは在留邦人を相手にするのじゃなくて、ほんとうの外国人の方がいいのじゃないかということから、ブエノスアイレスを選んだということでございます。ブエノスアイレスを選んだ理由はそういうことでございますが、この点につきましては、われわれも帰りましてさらによく検討を加えたいというふうに思うわけでございます。 それからホテルの建設について、民間業者だけでなく、国がもっと積極的に介入したらどうかというお話でございますが、戦前は御指摘のように鉄道省で経営しておりましたステーション・ホテルといったものがあって、相当安い料金で宿泊施設を提供しておったということでございますが、現在はそういう国営のホテルというものは全然ございません。しかしながら、要するに安いホテルの提供ということでございまして、現在第一ホテルには五ドル級の部屋があるということで、われわれの今後の行政といたしましても、こういった中級ホテルの建設が促進されるように、いろいろ行政的な配慮を加えたいというふうに思っているわけでございます。 われわれの考えておりますホテルの償却でございますが、これはいろいろ作るものによって違うわけでございますが、建物は、鉄筋コンクリート作りについては四十年の償却ということを考えております。その他建物の付属物品、設備、いろいろございますが、これはものによって違うのでございます。たとえば電気設備については十五年、汽かん設備については、鋳鉄製のものにについては十年、鋼鉄製のものについては十五年というふうにいろいろ分かれております。大体そういったことで考えているということでございます。
○加藤(勘)小委員 私、実際議論するつもりはないのですが、ただこの間ブラジルから来ておった人々と接触して、そういう人々の故国に対する考え方等を私は無視できぬと思うのです。今おっしゃるように、在留邦人は宣伝しなくても当然来てくれるのだという考え方は、やはりどうかと思うのです。それと人口の点からいけば、これは私の間違いかどうか知らないが、ブエノスアイレスよりはサンパウロの方が逆に多いはずです。スペイン系が多いというが、ブラジルもやはりスペイン系が非常に多く、主要な部分を占めておるのですから、そういうことは私は議論の対象にならないと思うのです。だから問題は、一口に南米というても非常に広いのですから、ブエノスアイレスに設けられることもよかろうし、またサンパウロに設けられることもいいが、一カ所選ぶとすれば、やはり南米の各国に一番共通点を持っているサンパウロの方が妥当ではないか、こう考えられるのです。それだけなんです。そういうことをあなた方の方で考慮されて、それでもなおかつ他に事情があってブエノスアイレスを選ばれる。私は、そこに英米の宣伝所がたくさんあるとか、航空会社がたくさんあるとかいうが、サンパウロもやはり国際航空路の主要なるステーションの一つなんですから、そういう点は大した変わりはないじゃないかと思う。経済的にはなるほどブエノスアイレスの方が町はがっちりしておるのです。だから金持ちらしく見える。実際に金持ちかもしれませんが……。しかしそうばかりじゃなくて、いろいろなそこの土地の人々の気持というか感情、そういうものもやはり誘い込むように仕向けるというのが一つの宣伝の対象にならなければならない、こういうことも考えられまするから、もう確定されてしまって動きがとれぬものなら今われわれかれこれ言いませんけれども、もし万一再検討して考慮する余地がまだあるとするならば、南方関係の団体もたくさんありますから、そういう団体、たとえばラテン・アメリカ協会とかいろいろな関係の団体があるわけですから、そういうところの意見も一度お聞きになる方が、あとになってそうでなかったということのないためには、そういう最善の準備行為をなさる方がよいのではないかと思います。だから、こういう点は一つ注意してもらいたい。
○安富説明員 今御指摘の点については、われわれとしても今後さらにいろいろ研究いたしたいというふうに思っておるわけでございます。 先ほどの説明でちょっと落としたのですが、前に議論いたしましたときに、その当時は政情が不安で変な情勢であったということもわれわれの考慮の一つだったわけでございます。いずれにいたしましてもわれわれの方といたしましては、三十八年度においてはサンパウロに設けたいというふうには思っておるわけです。いずれにしても先生の御意見もよく研究いたしたいと思っておる次第でございます。
○塚原小委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)小委員 総務長官お急ぎのようでございますが、御承知の通りオリンピックを控えまして、この委員会で観光小委員会が設けられました。従前からあったのですが、前国会から私、提案いたしまして、特にオリンピックを控えて恥かしくない観光態勢、あるいはそれに伴う施設態勢を整えるべきであるということで与野党ともに賛成をいたしまして、この小委員会を作ったのであります。そこできょうは、内閣におきまして総務長官が主としてオリンピックの諸問題についてその衝に与たられておるということでございますので、御出席を願ったわけでありますが、まず、昨日の都議会におきまして、朝霞キャンプからワシントン・ハイツに選手村を移す計画を了承した、そしてワシントン・ハイツに選手村を設けるにあたりまして、まず付随して整備しようといたしておりました従来の道路計画の遂行、ワシントン・ハイツ周辺と競技場間における道路の整備と交通の調整、その他三つ、合計いたしまして五つの条件を強く政府に要求をして、閣議でそれを決定してもらいたいという条件をつけたようであります。そこで、まず朝霞キャンプをワシントン・ハイツに政府が変更をされたその経緯について御報告を願いたいのと、選手村の変更に伴って、今申しました道路の当初の計画も変更ということになるわけでありますが、御承知の通り、今日の都内における交通状況を見ますると、もうほとんど飽和状態、麻痺状態をも現出しておるのが現在の事情であります。このままでなお三年先のオリンピックを迎えるということになりますと、一そう交通難は激しくなって参るのであります。そういたしますと、これは全く日本の施設の不備、非近代化を世界に暴露するようなことになるのでありまして、こういう点等を考え合わせますると、よほどの計画をもってオリンピックに臨まなくてはならぬと思うのでありますが、これについても閣内においてはどういう方法をとろうとしておられるのか。また総務長官はどういうような計画を持っておられますか。こういう点につきまして、まず御説明をお願いしたいと思います。
○小平政府委員 まず第一に、オリンピックの選手村を朝霞からワシントン・ハイツに、こういう経路をただいまたどっておるわけでありますが、そのいきさつにつきまして御説明を申し上げたいと思います。 選手村を朝霞にということにつきましては、すでに三十三年当時から選手村については朝霞が適当であろう、こういうことで今日まで進んで参ったわけであります。その間いろいろこまかいいきさつはありますが、それはしばらくおくといたしまして、ただどうしてそういう決定方針で進んで参ったかと申しますと、当時の状況といたしましては、朝霞の方であるならば選手村を作るに必要な敷地を米軍から返還が比較的容易であろう、そういう前提に立っておったわけでございます。しこうして、こういう返還の問題につきましては、実は選手村のこととあわせまして、水泳場を作るのですが、これは室内になる関係で、屋内総合体育館、こう称しておりますが、それの敷地も同時に決定しなければならぬという条件にあったわけでございます。そこでオリンピック組織委員会といたしましては、この屋内総合体育館につきましては、ワシントン・ハイツの一部、約九万坪程度を返還をしてほしい、こういう意向でございまして、以上申し上げましたごとく、朝霞の選手村の関係とワシントン・ハイツの屋内競技場の敷地、この両者につきまして、政府といたしましては、三十五年の十二月でございますが、米側と折衝をいたしたのでございます。ところが本年の五月九日になりまして、米側から正式の回答がございました。そこで朝霞の関係におきましては、当初こちら側が要望をいたしましたサウス・キャンプの地点については、オリンピックの期間中の一時使用はよろしい、しかしそこは返還はできない、それから桃手地区の方につきましては十万坪程度は返してもよろしい、こういう返事がありました。そこで選手村につきましては、多少地域が違いますが、それでは朝霞を使おうか、依然としてそういうことで参っておったわけであります。一方ワシントン・ハイツの屋内競技場につきましては、ワシントン・ハイツの一部をそういう競技場を作るために使うことは困る、つまり一部返還は米側としても困る、全面返還であるならばよろしい。同時にまた、この先にありますリンカーン・センターですが、これと同時にワシントン・ハイツは全面的に返還してもよろしい、こういう意向が伝えられたわけであります。そこで一応選手村は依然として朝霞、総合体育館はワシントン・ハイツの一部、こういうことを組織委員会としては、米側から今申した通りの返事がありましたが、なおかつ、九万坪と最初言ったのでありますが、それを三万坪程度に狭めてでも何とか一部返還をしてそこに屋内体育館をぜひ作らしてほしい、こういう要望が強かったのでありますが、その点はどうしてもまずい、一部返還は依然としてまずい、こういうことでありましたので、しからば屋内総合体育館をどこか他に適当な土地に求められないか、こういうことで、実はこの八月、九月ごろにかけまして都内数個所について綿密な検討をいたしたのでございますが、他になかなか適当な土地が見当たらない状況であったわけであります。 そこで組織委員会といたしましても、何回かそういう事態のもとにどう処するかということについて、組織委員の懇談会等も持ちました。もちろん政府側としても十分検討を続けておったのでございます。そうこうしておりますうちに、競技の関係団体であるとか、あるいは一般の世論でありますとか、そういう方面からも、せっかく、ワシントン・ハイツの全面返還ならよろしいとアメリカが言うのであるから、これを全面的に利用したらどうか、むしろその方がよろしいんじゃないか、朝霞は選手村として片道四十数分も要する、そういうことでございますから大体遠過ぎるじゃないか、そこで、もう村もこの際ワシントン・ハイツに移してこれを全面的に利用する方がむしろ望ましいのじゃないか、競技の選手の立場からいたしましても、その方がよろしかろう、そういった声が各方面から盛んになって参ったわけでございます。そこで、組織委員会の方でも、こういった世論もありましたので——多分懇談会の形式で二回やっていると思います。その後正式の総会を二回ほどやりました。第二回の委員会におきましては、ワシントン・ハイツに選手村を持ってくるといたしましたならば、一体どういう点が問題になるか、こういうことをよく事務的にも検討しようじゃないかということになりまして、いろいろ検討をいたしたのであります。その結果といたしまして、道路の関係につきましては、若干の困難性が確かにある。しかしながら、ワシントン・ハイツの現在の建物は大部分実は選手村として活用するわけであります。そういう関係もありまして、その他の事項としては、食堂であるとかあるいはその他の施設を若干かりに大会時に設けますならば、今の施設を大部分使ってやれる、こういうような結論に達したわけであります。ところが、御承知と思いますが、その間にありまして、東京都議会におきましては、本年の多分五月十五日だったと思いますが、選手村は朝霞にする、こういう決議をされて、またその建前でこの朝霞とこちらの神宮の主競技場との間の道路等の建設に大いに馬力をかけてこられたわけであります。そういう建前もありますので、今急にこれを変更されても非常に困る、こういうことで、東京都の方の意向がなかなか、要するにはっきりせずにおったわけであります。一方、埼玉側につきましても、若干希望その他は違うかもしれませんが、これも朝霞に選手村を作るという建前でいろいろ期待をいたされておったと思います。そういう関係もありますので、主として関係の深い東京都及び埼玉県側との意見を組織委員会当局が調整することにしよう、こういうことになりまして、そういう事情で、その後東京都と組織委員会が何回か話し合いをされ、また、都議会は都議会としてそれぞれの会合を持たれた。先ほど申し上げました都議会の全員協議会というのが昨日持たれて、御指摘のあったような大体五つの事項の要望をされた上で、村をワシントン・ハイツにすることを受諾する、こういったことになったようであります。東京都の関係としましては、けさほど私が伺ったところでは、さらに今明日にかけまして、なお、何か実行委員会というのがあるそうですけれども、そういうところでさらに相談をして最後の決定をする。こういうふうに承っておりますし、埼玉側とは明日午後二時から組織委員会側と意見の調整をやり、最後の決定をなす、こういう予定になっておるようであります。そこで、政府側といたしましては、東京都の意向も大体固まって参ったわけでありますから、明朝関係閣僚の懇談会を持ちまして、東京都が要望されておる事項等を検討いたしたいと存じております。埼玉側の要望につきましては、明朝は間に合わぬかと思いますので、それは追って追加して検討をいたしたい。なお、その閣僚懇談会の結果によりますが、でき得れば明後日、おそくも来週の火曜日あたりの閣議等において、政府としてはこういう方針でいきたいという閣議の了解も求めたい、ただいまのところさように考えております。 そこで、東京都の五つの要望事項が一番問題なんでございますが、これらのことにつきましては、けさほど鈴木副知事から詳細御報告をちょうだいして拝見いたしましたところ、別段政府側として問題になるようなこともあまりなかろうと私としては存じております。特に一番問題なのは、生先御指摘の通り、道路の関係でございます。この道路の関係につきましては、朝霞に選手村ができることを前提として進めて参りました従来のいわゆるオリンピック道路と称するものが二十三本あるそうであります。しかし、この大部分はもう国の道路五ヵ年計画に入っておるものでございます。従って、たとい選手村がワシントン・ハイツに移りましても、これらにつきましては従前の方針通りの工事を進めていく、こういうことに政府としてもおそらく異存がないでございましょう。これは最後は閣議に諮らなければなりませんが、ただいままで私の承知しておるところではないものと思っております。それと同時に、選手村が新たにワシントン・ハイツに移る関係からいたしまして、若干道路の改修等をいたさなければなりません。これは、都の要望によりますと、環状四号線と補助二十四号線との立体交差、それから環状五号線と明治神宮表参道との立体交差、放射二十三号線のハーフカット、これだけは少なくもやらなければならぬ、こういうことでございます。この三者で大体七億ほどの予算が要るそうでありますが、これらはいずれも新たなる用地の買収を要しないでできるところであります。もちろん、十全を期するということになればさらにやらなければならぬ点もいろいろございましょう。しかし、一応この程度のことをやりますならば、さらに交通規制等を適切にやりますならば、まず選手村の運営もできるではないか、こういう見方をいたしておるわけであります。 なお、先ほどの道路関係でもう一つ落としましたが、第四としては、選手村北端の高速道路四号線のランプウエー、これもつけなければならぬそうであります。これは五億かかるそうでありますが、帝都高速度交通営団がやる、こういうことに相なるわけであります。 その他のことにつきましては、たとえばワシントン・ハイツについては、オリンピック終了後東京都の森林公園にする、これはかねがねそういう計画でありますが、今度利用するハイツにある建物は十五、六年たっている木造のものが大部分でございますから、終わった後にはこれらを撤去して公園にするということについても別段問題はなかろう、かように考えております。 以上のような次第でありまして、まだ最終の結論には達しておりませんが、大体選手村はワシントン・ハイツ、またこれをめぐる高速道路の問題につきましても、東京都側の要望に沿うて政府も善処して参る、こういう方針でただいまのところおるわけであります。
○山口(丈)小委員 詳細な御説明をいただきましたので、大体その内容につきましては了解をいたしますが、御承知の通りこれは非常に時日も差し迫った問題でありますから、一日も早く計画を実施に移さなければならぬ、もう議論の段階でもないというふうに私は考えております。 そこで、もう一、二点、計画をお伺いしてみたいと思うのであります。このワシントン・ハイツは、米軍の家族が居住しておるところと聞いておるのですが、それを移転しなければこの計画は実行できない。ところがこのハイツを移転する移転先は調布とか聞いておりますが、これも事実でありますかどうか。こういうことはどうかと思うのですけれども、今日の状態でいきますと、ああいう施設を移転するということは非常に反対の強いものだと思うのです。こういう移転をきめられるとすれば、スムーズに、時日を要しないで、移転先にこのハイツを移転することについて確信を持っておられるのか。その地方の説得等についても、どういう手を事前に打っておられるのか。そういうことなしに、ただ機械的に持っていこうとすれば、これは大へんな支障を招きかねない、不測の支障を招きかねないとも思うのですが、これについてはどういうことになっておりますか、お伺いをしたいと思います。 それからもう一つ、現在の宿泊施設あるいは外人のホテル施設など、オリンピックを控えて、これは急速に整備をしなければならぬのでありまして、しかも、それは時日を要する難事業だと思います。ところが最近の政府の資金計画その他経済政策上から見まして、承るところによれば、ホテルであるとかあるいはまたそういう娯楽施設等については、極力その投資を抑制するという方針がきめられたと承っておるわけです。そうなりますると、満足な外人の宿泊施設もないというありさまで、オリンピックなどにたくさんの外人がやってきても宿泊するところがないのでまた船の上に寝たり、いろいろ苦情を生ずることになる。運輸省からの資料によりますと、各国のオリピックを開催せられたその開催地、開催国では、オリンピックを一つの段階として急速に海外の観光客がふえております。外貨の獲得ということは、今日日本においては、特に国際収支の芳しからぬときにおいては、これはなおさら重要な産業の一つだと思うのです。このオリンピックで、もし外人に、日本国内の施設に不評な評判を立てられるということになりますと、こういった全く重要な産業の一つに数えられる観光事業というものは挫折するおそれがある。逆にこれがうまくいけば、これを契機にしてさらに広く世界に日本の観光を紹介することになり、それが飛躍的な発展の基礎になる、私はこういう工合に考えるのですが、そういう意味におきまして、政府のこれらの投資抑制策とこの間の事情はどういうことになるのでありましょうか。一つ総務長官から承っておきたい。 以上二点をお伺いします。
○小平政府委員 第一点は、ワシントン・ハイツの移転先として府中の方が予定されておるようだが、その間地元等の了解工作がどうか、こういう御趣旨と思いますが、実は、先ほど申し上げましたようないきさつで、大体選手村の村自体のことは見通しが今日ではついたわけでありますが、この移転先といたしましては、調布にありまする水耕農園、これは米軍がずっと使っておったところでありまするが、そこへ移転をしよう。この点はアメリカ側も了承をいたしております。ただ地元との関係でございますが、実はオリンピックの選手村等をどこにするかという決定権、というとかどばりますが、まあ決定の権限を持っておるものはオリンピック組織委員会でございます。そこで、それを受けて政府は協力していく、こういう立場に置かれておるわけであります。そこで、村自体について朝霞からワシントン・ハイツヘということが非常に困難ないきさつをたどって今日に至っておるものですから、実は政府側としてあまり先ばしった、あたかも政府の決定によって選手村がワシントン・ハイツになった、従ってその行き先も今度は政府がきめて、どんどんそちらの方に折衝というか、交渉している、こういうことになりますと、どうも、あまり政府が勝手にやるじゃないか、こういったようなことで組織委員会あるいは東京都といいますか、との関係、要するに従来朝霞と思っておられた方面への影響を考慮しなければならぬ、こういうことでありましたので、ワシントン・ハイツの移転に関しては、もちろん米側との交渉は実は内々やらして参りました。これは円満にいかないと困りますからやりましたが、地元との交渉は、実は今日まで何らしておらなかったわけであります。ところが先週の金曜日に、地元の三市、すなわち府中、調布、三鷹、これらの市当局の方々あるいは市議会の皆さんがお見え下さいまして、選手村の話がだいぶワシントン・ハイツということに進んだようだが、しかも現在のワシントン・ハイツの米軍の宿舎は水耕農園の方へということが伝えられておる、従って、これの移転については地元側ともよく相談をしながらやってほしい、こういう趣旨の要請がございました。実はそのときに私が議会へ参っておりまして留守だったものですから、その要請書を見まして、今日に至っては、すでに大体各方面の意向も判明して参りましたから、もう地元と話をしてもよろしかろう、こう思いましたので、昨日、今申しました三市の市長さんあるいは市議会の代表者、これらの方々に来ていただきまして、従来のいきさつをお話し申し上げ、また移転については大体どういう計画を今考えておるんだというようなことをお話し申し上げました。これは昨日お会いした印象でございますが、印象から申しますならば、積極的に反対という御意向の表明は別段ありませんでした。それからこれは、もっとも関係地元といたしましても、政府の計画等についても昨日初めて説明申し上げたわけですから、これらを持ち帰って考慮をされる、こういうことでございます。そこで今後ももちろん政府側としても地元と十分連絡をとりつつ円満に進めたいと思いますし、その間地元の要望等がありますならば、これもできるだけもちろん聞いてやって参りたいと考えております。 なお、先刻申しましたように東京都の副知事が見えましたから、東京都側としてもワシントン・ハイツの移転については一つ十分協力してほしいということを頼み、鈴木君もそれを了承して帰ったわけであります。いずれこれは近く本ぎまりになると思いますので、その間十分地元と連絡しながら円満にいけるようにこの上とも努力いたしたい、かように考えております。 もう一点は資金規制とホテル等の建設の問題でありますが、オリンピックまでにはホテルの部屋等を相当数ふやさなければならぬことは御承知の通りでございます。しかし、それにつきましては、先生のお話の通り、われわれとしましても、せっかくの機会でありますから、これを十分活用でき、また将来に向かってわが国への観光客がますます増大するように、そのためにはやはりオリンピック時における宿泊施設というものはきわめて重要でございますから、これにつきましては主として運輸省で実際問題はやっていただいておるわけですが、今回の資金規制等の関係からいたしましても、いわゆる規制の対象とせずに、必要最小限と申しますか、必要なホテルの部屋の確保にはぜひ努力をいたして参りたいと考えておるわけでございます。これは運輸大臣ともまだ詳細な打ち合わせをいたしておりませんが、いずれ運輸大臣とも十分話をいたしまして、いわゆる規制対象から除外する方向に努力いたして参りたい、かように考えております。
○山口(丈)小委員 お約束の時間になりましたから、長官お忙しいでしょうから私はこれで質問を終わりますが、今申し上げましたように、このワシントン・ハイツの移転に伴う地元との交渉等については、よほど事前に地元の納得のいくような措置を早急にとっていただかないと、不測の障害によってこの事業が停滞するおそれもないとも限りません。従ってこれにはよほどの注意を払われるよう要望いたしたいと思います。 それから今、設備投資に対する資金の抑制策につきましては、これが除外について努力をする旨御答弁がありましたが、どうかそのようにぜひ計らってもらいたい。これは単にオリンピックのときの一時的なものではなくて、これを契機として、将来観光産業が——私は産業と心得ているのですが、この観光産業が飛躍的に発展をするかどうかという一つの分かれ道だと思って重税をいたしておるわけです。このときに、海外に不評を買うような始末になりますれば、それで日本の観光産業は挫折をいたして参るわけであります。それは日本の貴重な外貨獲得の手段を失うということになるのでありますから、ぜひとも、この観光施設の拡充につきましては、長官の言われますように、一つ設備投資の融資の面については格段の御努力を願うとともに、そういう抑制の例外策をとっていただくよりに要望申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○加藤(勘)小委員 ちょっと総務長官にお伺いしますが、東京都できめた五つの条項、これは総務長官としては御了承になったと承知してよろしゅうございますね。
○小平政府委員 私といたしましては了承してよろしかろうと考えております。
○山口(丈)小委員 ただいまの総務長官の答弁と関連をして二、三お尋ねをいたしておきたいと思います。 ただいまの説明で、また加藤先生の質問で、海外への宣伝方法については、従来のような宣伝方法ではなくて、宣伝方法を変えるという答弁がありましたが、これは従来のような、ただ文化の紹介であるとか、旧来の民俗、風俗の紹介であるとか、こういったものだけではなくて、近代的な観光宣伝を行なうには、やはり日本の産業とは切っても切れないものだと私は思う。そこで、日本の近代産業をあわせて宣伝をして、そして観光の用に供するように努力をすべきではないか、それが観光事業が産業としての価値を持つゆえんではないか、私はこういうように思うのですが、これについてどういうお考えですか、一つお伺いをいたします。 次にホテルの設備の点でありますが、ホテルは、もし私どもが外国へ参るとすれば、外国の生活というものに非常な興味を持って行くのであって、従来の私どもの生活にはあまり興味を持たない。でありますから、人間である以上やはり外国人も同じことだと思うのです。しかるに、現在の日本の一流ホテルなどを見ますと、外国のホテルを模倣した施設ばかりで、日本独得の、たとえば和洋折衷の間を設けるなりなんなりして、日本の生活風俗というものをそういう施設を通じて紹介することに非常に関心が薄いのではないか。これでは、せっかく日本へ来た観光客が、ほんとうに日本に触れた気持がしないで、自分が生活しておるのと同じような施設の中に入ってうんざりする、こういうことになるのではないかと私は思う。従って、根本的に、これからのこういう施設については、やはり日本の生活様式がその宿泊所で十分に満喫できるような施設に変えるべきではないか、またそういう指導も行なうべきではないかと思いますが、これについて一つ御意見を承りたいと思います。まずその二点について。
○安富説明員 まず海外宣伝のことでございますが、現在日本観光協会で出しておりますパンフレットでは、われわれの見るところではそういう変なあれはないということでございます。それから観光産業の振興のためには産業観光というものが重要なウエートを占めておるということは、われわれもよく認識しておるところでございまして、観光協会においても工場の紹介等についてのパンフレットを現実に作って、いろいろばらまいておるという次第でございます。それで現に、大阪では産業観光の具体的なルートもできておりまして、そういったことでどしどし産業観光の面の振興もはかっておるという状況でございます。 それから外客の宿泊施設に和式のものを取り入れたらどうかというお説でございますが、ごもっともでございまして、最近アメリカにおきましては日本の旅館についての興味が非常に引き立てられておる状況でございまして、アメリカのだれでございますか、ジャパニーズ・インという本で、日本に来て見聞した日本の旅館について書いたところが、それがベスト・セラーになったということで、日本の旅館に対する興味というものが非常に上がっておるという状況でございます。それでわれわれの方といたしましても、そういった和洋折衷の施設を作ることについていろいろ指導しているところでございまして、純粋の日本式の部屋というものは彼らの生活様式からいってやはり合わないということでだめなんでございますが、和洋折衷的なものについては、われわれの方もいろいろ基準を示しまして指導しておるという状況でございます。たとえば洋式部分と畳敷き部分とで一室を構成するというもので、畳敷きの部分の面積が洋式の部分の面積より小さいものについては、われわれの方のホテルの整備法にいう洋室というふうな考え方で扱っておるわけでございます。そういったふうにして、和洋折衷のものを作るということについていろいろ指導しているのでございますが、現実の問題といたしまして部屋だけそういうことをいたしましても、周囲の施設が純粋の日本式なものでありますと、たとえば廊下をばたばたと通って歩くということになりますと、騒音がたちまち部屋の中に入ってくるというような状況で、そういうものの指導の仕方というものは、現実には非常にむずかしいような状況でございますが、御指摘の通り日本ブームというもので和室についての関心が非常に高まっているおりでございますので、そういった方向にできるだけ持っていくように、われわれとしては今後とも一そう努力したいというふうに考えるわけであります。
○山口(丈)小委員 次官にお尋ねをしますが、ただいまの総務長官の御答弁によりますと、オリンピックを控えての宿泊施設等の投資については、除外例を設けてもやりたいというような御答弁であって、私も強くそれを要望したのですが、これについて運輸省でもこれを促進するためにはその方針をもって大蔵省なり閣内に臨まなければいけないと思うのですが、それについてどういう考えですか。
○有馬政府委員 先般、御承知のように内閣から各省に対して投資抑制のお達しがございまして、それに従って各省はその対策を申し出ておるわけでありますが、御承知のように運輸省では、山口さんのおっしゃる通り、観光はもちろんのこと、船の場合におきましても、全部外貨状況を改善するために必要最低限のものを今日まで要求してきておるわけであります。従いましてほとんど全部が抑制の対象になってはむしろ逆に困るものばかりでございますから、そういう理由のもとに強く抑制の対象からはずしていただくように要望しております。現在は企画庁の方においてまとめておると思うのでございますが、そこに強く申し入れて、原則は一応了承されておるものと私どもは考えております。
○山口(丈)小委員 それでは本日は御説明を聞いた程度で私は質問はやめますが、予算編成期を控えまして、先ほど申しますように、この観光産業が発展するかしないかのバロメーターになる時期を迎えておるのですから、私は過剰な設備を要求しろというのでもありませんし、将来のことももちろん考えなければいけないのでありますけれども、しかしこういう国際的な行事を前にして、少なくとも諸外国に見劣りするようなことでは、この重要な観光産業というものが衰微する結果になる。それはせっかく今まで投資してきたものもむだになってしまうことであります。これはこの産業の非常な混乱になると思います。ですから一つ来年度からの観光事業に関する予算については、あるいは投融資の関係については、格段の努力を払って万全の処置をしてもらうように要望しておきたいと思います。
○塚原小委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十八分散会