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39回国会衆議院1961/11/10

運輸委員会 第11号

発言数
81
登壇者
8
会派数
2
開催日
1961/11/10

会議録

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 これより会議を開きます。  国鉄の経営に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 きょうは運輸大臣も国鉄の総裁も見えておりませんので、具体的な問題についてまずお伺いをさしていただきたいと存じます。  まずその前提でございますが、国鉄の当局は第二次五カ年計画を実施するために異常な熱意を持って行なっているようでありますが、そのためには第一に政府に対する公共企業体としての基本的なあり方というものを今日明確にすべき段階にきておるのではないだろうか、こう思うのであります。具体的には、たとえば預託金のような問題で国鉄経営についての幾分かの貢献をするための努力をしておる。しかし片方では石炭合理化のための石炭運賃の延納という形で押しつけられたり、あるいは電源開発会社のしりぬぐいで只見線の赤字路線の買収を押しつけられたりしている。第二番目に国民に対する協力の要請であると私は思うのです。そのためには国鉄に対する理解を深めねばならぬと思うのです。しかし今回行ないましたダイヤ改正を見てみますと、各所で優等列車の優先ということが中心になりまして、通勤輸送が相当狭められて大衆はなおざりにされておる。第三の問題というのは労使の協力の問題だと思うのです。十一万キロにも及ぶような画期的な大増発というダイヤ改正を行なって、それが労使の円満な解決によって遂行されておるにもかかわらず、今なお各所でダイヤ改正に伴う跡始末という形で不当な処分が行なわれておることは大へん国鉄当局の良識を疑うものでありまして、はなはだ残念に思います。これでは五カ年計画を遂行するためには、かけ声だけであって、基本的な条件ができていないように思います。そこで国鉄経営の本質である公共企業において、今後いわゆる公共負担を拡大していくのかどうか、あるいは企業性を拡大していくのかどうか、これをただ単にケース・バイ・ケースというだけでごまかしていくやり方から、やはりこの際明確に政府としての方針をきめるべき段階にきておると思う。  次に、国鉄の合理化という問題は、国民に一時的には不便になるかもしれないけれども、あるいはまた不便のように見えるかもしれないけれども、たとえば北陸線の問題で旧北陸線の廃止の問題とか、あるいは柳ケ瀬線の問題とか、あるいは貨物の集約輸送あるいは赤字路線の線路をはずして自動車輸送に置きかえる、こいう場合には当然国民の十分な理解と協力が必要であるわけでありまして、そのためには相当な時間をかけて納得させ了解させる努力が必要だと思います。  次の問題といたしましては、従業員に対する協力の問題です。そのためには、合理化とかあるいは機械化を進める場合においては、当然労使の十分な、円満な話し合いが必要であると思うのです。こういうものは労働者の労働環境に直接影響する問題であるので、たとえばその事項が管理運営事項であろうとも、十分な説明がされ、十分な理解がされ、そして納得する協議というものが行なわれてそれが実施されなければ、その目的を達成することはできないと思う。  その第一の、まず国鉄としての企業のあり方というものについての政府に対する要請といいますか、努力といいますか、二番目の国民に対する協力を要請する問題といいますか、第三の労使の基本的なあり方、この三つの点について、総裁は見えておりませんけれども、一つ中村常務からぜひこの点についてのお考えを前提としてお聞かせ願いたいと思うわけでございます。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 お答え申し上げます。  一番最初の、政府に対して国鉄がどういう根本的な考え方で折衝しているかという御質問でございますけれども、これにつきましては、この前運賃改定をお願いしたときにもいろいろと御議論があった点でございまして、いわゆる公共性と企業性の調和ということが具体的な問題としては非常にむずかしい問題と考えております。われわれといたしましては、やはり抽象的なお答えの仕方になって恐縮でございますけれども、両者の調和ということをあくまでも考えていかなければならないのではないか。一方におきまして公共性を持っておりますと同時に、法律上の独立採算制という建前をはっきりとられておるわけです。現在の国鉄におきましては両者の調和ということをやはり第一に考えていかなければならぬと思います。公共負担の問題につきましても、この前から諮問委員会におきましてずいぶん取り上げられ、あるいは監査委員会でも議論がされております。これにつきましては、この前の運賃改定の場合にも一応われわれの議案としてはある程度の是正をお願いしたわけでありますけれども、これは御承知のように実現はしなかったわけでございます。今後とも国鉄の財政問題とのにらみ合いを考えながらそういう問題につきましてもわれわれとしては善処していきたいというふうに考えておるわけであります。  それから国民に対するPRにつきましては、これはわれわれとしては最近は相当一生懸命やっておるという気持でおるわけでございますけれども、まだまだあるいは不徹底な面もあるかと存じます。たまたま先ほど具体的にお触れになりました柳ケ瀬線あるいは杉津線の廃止の問題、この問題につきましても、十分御納得のいくように今地元に手を打っているわけでございます。  それから通勤列車が今度の時刻改正で優等列車に押えられてしまって、他の列車がだいぶおくれているということ、これは若干の地方においてはそういう問題もあるかもしれませんけれども、東海道線あたりにおきましてはかえって急行列車を通勤時間からはずしまして、それだけ湘南電車とか横須賀線の電車をふやすということをやっておりまして、決してわれわれといたしましては通勤旅客をいわゆるないがしろにするというような気持は持っておりません。特に東京付近におきましては、これからの冬の通勤ダイヤにつきましてさらにいろいろ手を打って、昨年のような混乱をできるだけ未然に防ぐという気持で計画を組んでおります。ただ、何と申しましても、人口のふえ方、従って通勤量のふえ方というものがわれわれの輸送力増強計画を上回るようなふえ方でふえて参りますものですから、どういたしましても、やはりこの冬の東京付近の通勤旅客につきましては、昨年と同じように時差出勤ということをお願いしなければならないということを考えまして、この点につきましても、国民の御協力を得ますようにいろいろと現在努力中でございます。  それから最後に組合との関係でございますけれども、これにつきましては、先生御存じのように、近代化、合理化につきましては事前に一応説明するという協約もございまして、この線に沿ってわれわれといたしましては、いわゆる管理運営事項につきましてもできるだけ組合側の理解を得、協力を得てやっていきたいという気持でやっております。もちろん労働条件につきましては、これはもう当然のことでございますけれども、団体交渉によってきめてやっていくということで、その建前はちっとも変わっておりません。ただ、今度の時刻改正の問題に関連いたしまして、客貨車検修規程改正の点、その他各地で若干徹底しなかった問題もございまして、それに伴っての職員の処分が行なわれたということは、われわれとして遺憾に存ずるわけでございますが、こういう問題につきましても、今後十分組合側の理解を得て、円滑に実施していきたい、こういう気持でおります。  以上簡単でございますが、御答弁申し上げました。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこで、まず合理化を進めるにあたっての基本的な前提というものが大へん大事だと私は思うのです。従業員に協力を求める態度というものがまず必要でありますけれども、前提として国鉄自体がやはりもう少しこの公共性、企業性というものを明確にさるべきだと思うのです。片方で一生懸命増収をしながら、片方で国の政策によって押しつけられている、こういうことでは労働意欲が低下するのはあたりまえでありまして、これは運賃値上げのときに十河総裁もまことに残念なことだということを言われておりました。その通りだと思うのです。ですから、国鉄の今のやり方を見ていると、強いものについては低姿勢で、弱いものについてはいじめている。ですから、対政府については何らの要求もせずに、従業員についてだけ犠牲をしいている。私はこれが今日の国鉄の姿じゃないだろうかと思うのです。これではいけないと思う。ようやく数年かかって、まず大蔵省に対して預託金の問題で、わずかのことでありますけれどもそこまでなってきた。ようやく五億かあるいは十億かもしれませんけれども、そのくらいのものは金利の問題で解決したと思ったら、今度はそれに倍するようなものが、石炭の合理化の形で、延納という形で押しつけられてくる。電源開発株式会社が作った鉄道を東京電力に売ればいいやつを、東京電力が買えないから国鉄に押しつけている、こういうことで合理化、近代化、機械化を進めている。そういうむだがあるからどうしても納得できないわけです。だから、その方についてはまあまあ言うなりになって、片方だけ押しつけておる。こういう点についてはどうも納得できないわけです。ダイヤ改正の問題についても確かにいろいろ御苦労されております。しかし、東京と大阪のまん中になっている静岡とか豊橋、浜松なんかにおいては今まで二十分で汽車に乗って行けたやつがもう四十分か五十分になっている。今まで退避なしでやっているものが三駅も四駅も退避をしているわけです。これはまさに通勤者を犠牲にしてそうして優等列車を優先しているわけでありまして、これは私は機会をあらためて具体的にもう少しこまかく申し上げて、ぜひこれが善処を要望したいと思う。  それから一番最後の労使の関係ですが、これは私は基本的なものの考え方が重要だと思う。今の常務のお話ですと、事前に話し合いはしますし、説明もします、労働条件についてはこうです——だから、私はその態度というものが問題だと思う。大体合理化とか近代化とか機械化を進めていく上においては、中身は管理運営であろうとなかろうと、やはり協力をしなければみなすぐ労働条件に関係してくるわけですから、十分な話し合いをし、協議をし、納得を得た上で実施をしていくことが当然であるわけです。そのことが、何かここからここまでは話はするけれども、ここからここまではもうおれの方の責任でやってしまうのだ、これではいけないと思う。ましてや五カ年計画の中で相当無理をしなければならぬでしょう。ですから、そういう基本的なものの態度というものを国鉄はやはりこの際真剣に考えるべきだと思う。そうしなければ、一つことをやるたびにこつんこつんといくわけです。それではうまくいくわけはないのです。政府については孤立をし、国民からは孤立をし、従業員からは孤立をしたら国鉄の第二次五カ年計画は完遂できないと思うのです。ですから、その点についてもっと積極的に組合と相談をし、納得を得、理解を得、協力を得てやっていきます、こういう態度に私はしていただきたいと思うのですが、まずこの点をもう少しお尋ねしたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 われわれの気持は、今先生のおっしゃる通りでありまして、合理化、近代化につきましても、十分組合と協議と申しますか説明をいたしまして、納得を得た上で実施していきたいという気持を持っております。ただ不幸にいたしまして、あくまでも組合そのものの立場からわれわれの計画自体について了解できないという場合が万一にもございますれば、その際はやむを得ず法的に実施する場合もあり得るということを先ほど申し上げたわけでありまして、われわれの気持といたしましては、あくまでも十分了解を得た上でやっていきたいというふうに考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それは非常にいけないのです。前段の気持としてはこうなんだ。しかし、と、これがいけないんです。十月のダイヤ改正を見ればわかると思う。十月一日からダイヤ改正をやったわけなんですが、これだけ画期的なダイヤ改正——われわれから言えばこんな無謀なダイヤ改正をやって、幾人ふやしているのか。これだけ延びた、それを合理化によってやっているわけです。これは従業員あるいは組合員について相当協力を求めなければならぬ。しかし、そのような画期的なことでさえも当局の努力と組合の努力によって十月一日に確実に行なわれたわけです。ですから、これから行なわれることについても、しかし納得がいかなければ、というものの考え方があるということは、私は間違いだと思うのですよ。納得をさせます、理解をさしてやります。しかしという、このことが余分だと思うんですよ。それがあるので、なにおれに責任があるのだ、おれに権限があるのだ。文句を言ったらおれが最後にやるのだ、こういう基本的なものの考え方が国鉄の労使の一番の問題点だと思うのです。もう一度気持と実際のことをお話し願いたいと思うのです。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 何回も繰り返すようでございますけれども、気持といたしましてはほんとうに組合側の十分な理解と納得を得た上でもちろん協力を願うわけでございますから、やっていきたいということでございます。ただあくまでも組合が納得をし理解した上でなければ実施しないということは、私としてはちょっと申し上げられないということでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そこがやはり問題なんですよ。過去にそういう例があったかというのですよ。一方的に実施をしなければならなかった理由というものは、私はあまりなかったと思うのです。ましてや今一つの例として言われる十月のダイヤ改正を見ればよくわかると思うのです。そういう例があるわけですから、どうしても協議がととのわなければというような考え方をそこに持って話し合いをしていく、こういう考え方というものは改むべきであって、話をします、相談をします、納得をさせます、納得するまで十分話をします、こういう態度というものが今一番必要な時期にきていると私は思うのです。もっと国鉄が強くなって、もっと公共性と企業性というものをしっかりきめて、そして企業性のあるやり方というものを私はすべきだと思うのです。そうでなければ——国鉄という企業の管理をまかせられている人たちだけなんです。管理をまかせられている管理者なんですから、企業者じゃない。一つのワクの権限しかないわけですから、その人たちがものを考えるときに同じ企業者と考えて、ただ仕事をやれやれというだけであって、その要求についてはおれは知らない、政府に言ってくれ、これでは私はうまくいかないと思うのです。  そこで、今具体的に現われている第二次五カ年計画に伴う合理化、機械化、近代化によって約三万五千人の要員を削減するんだということが言われているようでありますが、その具体的な内容について御説明を賜わりたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 では具体的に大体三万ないし三万数千人に上る五カ年計画における要員の合理化と申しますか、その計画の大ざっぱなことを申し上げたいと思います。  これはもちろん具体的な問題といたしましては、それぞれの段階において組合と相談をしながら実施をしていくわけでございますが、われわれが今一応考えておりますのは、大体営業、運転関係が八千人くらいでございます。これは輸送方式の近代化あるいはスピード・アップ、それから清掃等の業務を請負に出す、それからこの間やりました車掌の乗務方の改正、そういうものでございます。それから車両の検修関係、車両を修繕し検査する関係で大体一万二千人くらい、工場関係が八千数百人、区の関係が三千数百人、合計大体一万二千人と考えております。このうちの一環といたしまして、客貨車の検査規程の改正をこの間実施したわけでございます。これで大体千人、一万二千人のうち一部が実施されておるわけでございます。それからなお、これは直接要員の捻出にはそれほど関係ありませんが、豊川分工場及び京都の自動車工場を一応廃止しまして、浜松工場なりあるいは鷹取工場に仕事を移すということを考えております。それから施設及び電気の保守の関係で大体一万くらい人を動かしたいというふうに考えております。これは技術がだいぶ進歩いたしまして、いい材料が使えるようになったというようなこと、それから修繕作業に機械力をかなり使っていこうというようなこと、まあそういうことでいわゆる保守施設というのを電気についてはすでに実施しておりますが、施設関係につきましてもこの間決定いたしまして、これによってやっていこうということでございまして、これで約一万人捻出することを考えております。それから自動車の関係といたしまして約千六百人、これは乗務能率が向上いたしましたり、それから修繕、洗車、その他作業を早くいたしましたりして、千六百人ということでございます。それから資材関係、これは約千人考えておりまして、用品施設を整理統合する。たとえば御承知のように汐留の用品庫を廃止しまして隅田川用品庫として統合していくというようなこと、それからある程度労務作業を廃止をいたしますというようなことを考えておると同時に、今度大宮と大崎の被服工場を廃止したいということで、大体この関係だけで七百人以上浮いて参ります。それから工事体制の再編成、工事につきましては御承知のように大体運賃改定の結果、おかげさまで工事経費が年間二千億というような新五カ年計画を実施する体制ができましたので、これに対しまして工事を非常に機動的にやっていくという体制をとりまして、できるだけ増員を節減していこうということを考えておるわけでございます。その他事務の機械化もできるだけやっていきたいというように考えておりまして、あわせて最後に志免の炭鉱も五カ年間には相当思い切った合理化をやっていかなければならないのじゃないかというように考えておるわけでございます。  大体以上申し上げましたような項目につきまして、三万ないし三万数千名が捻出されるというようなわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 今のお話ですと、三万ないし三万数千名と言われておるのですが、これは全体的にもう確定をされているものですか。相当幅があってやられておるものなのですか。その点どうなのですか。これはやはりある程度詳細に検討されて、数字が今の段階で出ておるものですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 もちろんある程度の検討はいたしております。ただしもちろん組合という相手方もあることでございますし、さらにまた五カ年間に一応これだけのものを考えていこうということなので、非常にこまかい点につきましてはまだ未検討分もございます。そういう意味では若干幅があるというふうに申し上げられると思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 今お話しになりました分について、できるだけ現在においてわかる範囲内の詳しく書いた資料をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 けっこうでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それでは次に、このように合理化や機械化、近代化をする目的は一体何ですか。この減らされた人間はこれからどういうふうにされるのですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 御承知のように新五カ年計画におきましては、五カ年間に大体旅客関係が三一%ですか、貨物関係が二一%くらい輸送量を増していくということを計画の基本にいたしております。こうやって捻出いたしました三万ないし三万数千の要員は、その輸送力増強の方に充当したいというふうに考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 輸送力増強のためにこの人間を振り向けるということでございます。そうすると輸送力増強のために当然人員を強化しなければならない部面が五カ年計画の上にあるはずだと思うのですが、輸送力増強に伴う増員の計画はどういうふうになっておりますか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 大体ただいま申し上げました数字と見合う数字を考えておりまして、この前五カ年計画を御説明申し上げたときにも、大体要員数は五カ年間に不増不減でいくという御説明をしたことかと思いますが、原則としてわれわれといたしましては、輸送力の増強に伴う要員増というものを、片一方における合理化によって捻出して、全体としてのワクは不増不減でいきたいというふうに新五カ年計画では考えておるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうしますと、これだけ大規模な輸送力の増強計画を立てながら、人は一人もふやさない、中でもって合理化、機械化、近代化でやっていく、こういうお話でありますが、私はどうもその点納得できないわけなんです。これだけ輸送力が増強されなければならないのなら当然人をふやさなければならぬ、人をふやさなければ当然どこかに労働強化なりあるいは業務の切り捨てといいますか、あるいはまた旅客サービスの低下といいますか、あるいはまた十分な保守を行なわずにいくというようなことがこれはあるのじゃないだろうかと思うのですが、そういうことはこれからますます交通機関の競争が激しくなるのに、国鉄は五カ年間でサービス低下を目ざしてやる、こういうことになると思うのですが、その点どうなんでしょうか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 われわれといたしましてはサービス低下ということは全然考えておりません。捻出する方法といたしましては新しく資本を投下いたしまして、作業なりなんなりを機械化する、あるいは設備を自動化するというようなことで、相当労力が不要になるという面もあると思います。それからその次に、作業方式そのものを改善していくというようなことで、先ほども申し上げました保守関係の新体制というようなことは、作業方式自体を従来よりも変えて、もちろんそこには一部機械というようなものを導入いたしますけれども、作業方式自体を変えて、それによって合理化をやっていく、そういう考え方に大きく分けまして、もう一ついわゆる間接部門も簡素化するというようなことで、たとえば志免の関係とかあるいは電修場、材修場あるいは物資部関係、そういうようなことにつきまして、直接輸送に関係の薄い業務を圧縮していくというようなことから要員を捻出していくというように、大きく考えますと三種類の方法でそれをあわせてやっていこうというふうに考えておりまして、これによりまして輸送サービスが低下するということは絶対にないというふうに考えておりますし、またそうしなければいけないというふうに考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 私は国鉄の業務に直接関係のない鉄道公安官ぐらいを減らすのだったら大賛成なんです。しかし現実にはそういうものはほったらかしておる。これは国鉄本来の仕事じゃない。昔はこれは警察官がやったわけですから。またどうしても国鉄でやるのなら警察の方からの予算をもらえばいいわけです。そういうことはほったらかしておいて、これだけ業務量が増大をするにかかわらず、一人もふやさずに中でやろうとする国鉄の根性がいけないと思うのです。やり方がいけないと思う。このごろ郵便がおくれている、人をふやさなければならぬ、あれを見てもやはり当然なことなんですよ。国鉄がこれだけ膨大な五カ年計画を遂行するためには、当然これはやはり何とかしなければならぬというのが出てくるわけです。出てくるのをこうやって詳細に見てみますと、これは国鉄業務の切り売りをするか、外注をするか、サービス低下以外に私はないと思うのです。ましてや労働時間は国鉄はほかに比べてとにかく長過ぎる、もっと短くせよという勧告すら出ているわけでありますから、そういうことに対してすら今の中でやりくりしよう、そんなに国鉄は余裕があるのかということになると思うのです。一体その労働時間短縮の問題についてはどういうふうにお考えになって、いつまでに実施されようと考えておるのですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 これは御承知のように、公労委からの調停案を労使ともに受諾したわけでございます。これにつきまして組合とただいま団体交渉を持っているわけでございますが、一部につきましてはさっそく具体的に実施するように話を進めているわけでございますが、全体としての扱い方につきましては年度末までにどういうふうに持っていくかということを組合との間でもって話し合いできめようというような空気に大体なっております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 労働時間を短縮せよという調停案を受諾をした国鉄の場合においては、当然私はそのために人員の増加の要求を今していると思うのですが、どの程度やっておるのですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 予算的な人員といたしましては、来年度予算には約三千人ばかりの増員を要求しております。これはこれから三十七年度の予算が決定されます過程におきまして、どういうふうに結論が出ますかわかりませんけれども、われわれの要求といたしましては約三千人ばかりの増員を要求しております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 三千人要求をした根拠はどういう中身なのですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 これは先生も御存じだと思いますが、現在の人件費を予算ではじきます、何と申しますかそのかけ算をする場合の人員、いわゆる予算定員と、それから予算書の中に書いてある人員と、その間にギャップが三千人ばかりございます。それでわれわれといたしましては全部予算の裏づけのあるいわゆる単価のかけ算の対象になる人員としての三千人を埋めてもらいたいという形で、増員を要求しておるわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そのことは予算定員四十五万二千百七十五人に三千人をプラスするものではない、こういうことなのですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 おっしゃる通りでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それは別に何も増員の要求じゃないじゃないですか。予算定員を満配してくれという要求をしているということですね。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 考え方によってはそういうふうにごらんになるかもしれませんけれども、現実の問題といたしましてはとにかく御承知のように給与総額ということで頭数が押えられるものでございますから、その給与総額がそういうような格好でふえれば、その分だけは実際の頭数をふやしていくということができるというふうにわれわれは考えて、そういう要求を出したわけでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この予算定員はそのままで、それよりももっとふやそうという努力をせずに、その中だけでもってやりくりをやっていこうという考え方が、いつまでたっても国鉄がよくならない原因なのですよ。ですからそれが政治的にいろいろなにっちもさっちもいかなくなった経済の失敗の政策を、あとで国鉄がしょい込んでおるというのが今日の実態なのです。それを今度は国鉄は、自分の無能力を、上に対して要求をすることをやめて、労働者に押しつけて、そしてその押しつけ方が、十分納得と理解と協力を求めてやっているならばともかくも、しかし最後的にはおれが権限があるのだという押しつけをしておる。ここにいつまでたっても問題が起きている原因がある。十月一日ダイヤ改正があれだけ円満に行なわれたというのが、一体よその企業の中にありますか。ない。あなたの方がそれだけ円満に行なわれていながら一月たった今ですらあっちで処分、こっちで処分というばかばかしいことがやられている。これは私はけしからぬと思うのです。十月のダイヤ改正が現実に円満に行なわれたという瞬間において、そういう問題はもう終わっているはずなのです。また終わらせるようにすべきなのです。そのことがこれから第二次五カ年計画を困難な中でも協力を求めて円満にやっていこうという国鉄の姿でなければならぬ。常務も一つよくお考えいただきたい。その点については十分お考えを願って、やはり基本的なものの考え方はもう少し国鉄が真剣に、その場限りのやり方でやらないように、もっと基本的にしっかりして、その立場でものを考えるようなやり方に、私はしていただきたいと思う。特に最近問題になっている検修委員会の結論に基づく工場の配置その他の関係につきましては、同僚の吉村委員の方から続けていただきますので、私は一応これでこの質問を保留しておきます。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 吉村吉雄君。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 実はしばらく国鉄の現場の方を二、三歩いて、今非常に国鉄の職員の中でいろいろ物議をかもしている問題がある。それは何かと言いますと、全国の車両修繕の二十七工場の将来の動向について、廃止もしくは縮小、そういうようなことで職員が将来に対して非常に不安を持っておる、こういうようなことを私は見聞をして参りまして、特にこの点について国鉄当局の見解というものを明らかにしておきたい、このように考えるわけですが、その具体的な内容に入る前に一つお伺いをしておきたいと思いますのは、世上一般にそうでありますけれども、特に国鉄の経営に当たっておるところの当局の幹部の頭の中に、ややもすると、国鉄というものはお客さんを輸送する、あるいは貨物を輸送する、そういう表面に現われたところの業務、それだけに重点が置かれるきらいがあって、そうして快適な輸送なりあるいは最も早い輸送ということをやっていくためにいろいろ国鉄の中で行なわれておりますところの業務、そういうものについて軽視されている傾向があるのではないかというふうに私は考えておるわけです。いつかの委員会でも指摘をいたしておきましたけれども、たとえば施設関係の職員の問題等についてもしかりでございますが、国鉄が快適な輸送をしたり、あるいはそのサービス向上に当たるといいましても、何と言いましても車両をどういうふうにするか、車両をよくする、その状態を改善をする、そういうことがなくては、結局本来の任務というものを全うするわけにはいかないということは言うまでもないと思うのです。ところがそういう非常に陰の力になっておるところの車両修繕ないしはその他の付帯的な仕事、そういうような仕事につきましてどうしても国鉄当局は軽視をして、そしてそういう方面に対するところの合理化という名のもとに、職員に対して多くの不安なり動揺なりを与えているような政策がとられている、このように私は感ぜざるを得ないわけです。今の中村常務の答弁にもございましたけれども、間接部門というようなものをできるだけ合理化をすることによって、そして輸送の増強にその人員を充当するのだ、こういう答弁がございました。その答弁の中に含まれているのは、国鉄全体というものが一体になって進むためにはすべてのものが必要なのでありまして、特に表面に現われた輸送面だけが重視されていいという話はない、私はこのように考えざるを得ないわけです。従って、そういう点について国鉄全体をうまく円滑に運営をし、そうして公共の福祉にこたえていくためには、全体の立場というものを考えながらやっていかなければならないというふうに私は考えるのですが、その点ややもすると、当局の経営の方針というものが、施設関係とか車両製修とか、そういうものについて軽視をしたような考え方がとられていやせぬか、このように考えるのですけれども、その点についてまず初めに御回答をいただきたいと思うわけです。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申し上げます。  今御指摘のようなことは私ども毛頭考えておりませんが、大体今合理化ということが盛んに言われておりますし、また私どもも合理化しなければならないと思っておりますが、これは労働強化になったり、そういうようなことじゃなくて、むしろ合理化によって労働環境もよくなれば、それでしかも生産性も上がるというようなことを考えていかなければならない、これがわれわれ技術をやる者についての責任だ、こういうふうに考えております。  それで今の工場の問題につきましては、御承知のように三十二年度に動力近代化ということを決定いたしまして、これによっておおむね昭和五十年までには蒸気機関車を全部なくして、ディーゼルと電気にしてしまおうということの方針をきめたわけでございます。国鉄の合理化というのは動力方式の近代化ということが大きな軸になっていくわけでございまして、これをしませんと、たとえば蒸気機関車でもつて今までの通り輸送をやっていくということになりますと、五十年ごろには大体輸送量は七、八割ふえる、そうするとこの蒸気機関車を扱う人間も七、八割ふやさなければならないということになりますから、せっかく輸送量がふえて増収になりましてもそれが全部経費に食われてしまう。これを何とか合理化していかなければならないというのが動力近代化の趣旨でございまして、この蒸気機関車がなくなって、電気機関車、ディーゼル機関車、または電車とかディーゼル動車というものになりますと、今までの工場の中の設備というものは御承知のように蒸気機関車を主にしまして、たとえば鍛造とか鋳造とか製罐とか、こういうものが主一役をなしていた工場の中の職場が全く一変しまして、工場の中が非常に変わります。そうして設備を新しい動力車に対応するようなものに必然的に変えていかなければならないということになります。その場合に各工場を全部そういうように変えるということになりますと、大へんな投資にもなります。またこの新しい動力車の性質上、これは部分々々を分担して修繕して部品を取りかえていく、そうして本来の機関車なり動力車なりの使用効率をどんどん上げるという方向にいくわけであります。こういう点で工場の中の修繕設備または区の修繕設備というものが全面的に変わらざるを得ない。そこでその変わるのをできるだけ集中して、投資するところは十分りっぱな設備にして、労働環境もよくすれば、作業能率も上がるようにするようにしようというのがこの車両検修委員会の計画でありまして、決して工場だけを軽視してこれを縮小整理してしまうのだ、車両なんかの状態はどうなってもいいのだということでなくて、車両の状態もよくし、働く人の環境もよくして、しかも能率が非常に上がるというような方式に切り変えるというのが私どもの目的でございます。そのために、たとえば直接運転に携わる庫にしましても、これを非常に統合整理して、統合したところの庫はりっぱな設備に——御承知のように工場で申しますと大井工場なんかはこの二、三年の間に約三十億の投資をいたしまして非常に整備して、明るい、作業環境のいい、電車の専門工場にするというようなことをやっておりまして、これは今度の車両検修委員会で工場として残すことにした工場は順次整備していって、環境のいいりっぱな設備にしていきたい、こういうように考えておるわけであります。決して車両検修委員会は工場を縮小整理するというようなことでなくて、むしろどこを残すか、どこを残さないかという目安をきめて、それによって残すところは十分な設備投資をして、しっかりした設備にしていきたい、こういうように考えておるわけであります。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 私どもは別に車両の動力の近代化とかあるいはその他の設備の機械化、合理化そのものに反対をしておるわけではないのですけれども、先ほど来申し上げておりますように、たとえば今車両の状態というものは非常によくなった、将来に向けては蒸気機関車から電車化の方向に進めていく、そして将来五十年度においては蒸気機関車はほとんどなくなる、こういう状態を考えておるという当局の計画は了承はできるのでありますけれども、その過渡的な段階においていろいろの問題が起こってくると思います。現在車両の状況というものは非常によくなった、よくなったから回帰キロというものは延長される、そうすれば車両の修繕回数というものも少なくて済む、こういう状況で、そうして工事量なりなんなりというものがどんどんと減ってくる、現状においてはこういう結果になっておるわけでありますけれども、そこで皆さんに考えていただかなければならぬと思うのは、戦時中あるいは戦後、近くは四、五年前までの状況を考えてみますると、非常に車両の状況をよくするためにということで、各工場の職員というものは、国鉄の経営に協力をする意味で真剣に技術の向上なりあるいはその能力の向上に当たってきたわけです。そうして結果として車両の状況がよくなった、よくなったから今度は回帰キロを延長する、従って工事量が少なくなる、だからお前たちは余分になったんだ、こういうことでは、実際にこの協力をしなければならないところの職員の気持というものを、全く協力できないというふうに変えさしてしまうんではないかと思うのです。先ほど関常務からも、工場の作業環境を整備する云々という話がありましたけれども、作業環境整備、もちろん大切ではありますが、もっと大切なものは、国鉄の将来の計画なり工場の将来について、職員がほんとうに理解し納得して協力できるという、そういう労使関係でなくては、皆さん方の意図するところのものは実現しないと私は思うのです。そこで冒頭に指摘をいたしましたように、現状においては多くの工場の中で将来一体どうなるのか、この工場は縮小される、あるいは廃止をされる、あるいは作業の集中によって非常に業務が少なくなる、そういうことで従来通りの作業というものをやっていけないから、配置転換とか、場合によってはやめざるを得ない、やめさせられるというような不安感が非常に現在かもし出されておるわけですが、こういう状態のままでは幾ら皆さん方が作業環境をよくするの云々言ってみましても、現実にはその不安をなくさない以上は、皆さん方の計画そのものが実現をし得ないというふうに考えるわけです。そこで初めに申し上げましたように、皆さん方の政策に忠実に従って一生懸命協力をして車両状態というものもよくなった、よくなった結果として工事が少なくなったからお前たちは余分な人間だ、過員だというふうになったのでは、これは近代化や合理化の意味ではないと思います。近代化、合理化というものは結果としてこれを利用するところの国民はもちろんではありますけれども、しかし同じくそのことに貢献をしてきたところの労働者もその利益を受ける、こういう状態でなくては正しい意味での近代化にはならないというふうに私は思うのです。そうでないと幾ら当局の考え方に協調してやってきても、最終的には、しまいにほうり出されるという犠牲だけが待っている、こういう状態では私は将来の近代化というものについて大きな不安を持たざるを得ないと思うのです。今私が申し上げたような経緯等から考えて、一体国鉄の当局としてはどのように考えているか、お伺いをしておきたいと思うのです。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申します。  この車両工場の職員が戦後の非常な混乱状態、また車両の状態が非常に悪かったころから現在まで、この状態に上がってきて、回帰キロを延ばすようなことができるようになったということについての努力については非常に認識もいたしておりますし、また感謝もしているわけでございます。ただ、ただいま申しましたように、何と言いましても動力車の内容が全然変わってしまいますので、どうしても同じ工場の中でも職場、職種の転換というものが生じてくるわけでございまして、これについてできるだけこれはあたたかい気持でやっていくつもりではございますが、どうしてもそういうようなことをやらざるを得ない、またこれを突然お前はこっちへかわるのだぞということじゃなくて、十五年くらいの長いスケールでもってこういうところがこういうふうになっていくからということでもって、順次転換した方が都合がいいような人は希望でもって転換するようにしたらいいじゃないか、こういうふうなことでございまして、大体の構想についてはすでに組合の方にもお話し申し上げているわけでございますが、これが長年鉄道工場としてそこに勤められていた方にとっては、非常にその工場そのものが自分のうちと同じことでありますし、また土地そのものにも長い間親しみを持っていられる方の配置転換ということについてはどうしても非常な精神的な負担が多いと思いますが、しかし私ども考えておりますのは、このふえて参ります輸送量を、それに伴って頭数がふえたのではせっかくの職員の給与を増すことができない。やはりみんなが給与の増す分だけは働いていかなければなりません。しかしそいつは労働強化のようなことでやるのではあまりに芸のない話で、これはやはりこういうふうな機械化とか近代化によって一人当たりの働き高を上げて給与が上がっていくようにしていくことが、大きく考えてやらざるを得ないものじゃないか。それですから、その中に縮小する方の部面もありますれば、また輸送量がふえるために、たとえば現実に列車の乗務員なんというものは、これはふやさざるを得ない。こういうような両方の面があるわけでございまして、工場の職員の方方の中には、また動力車の乗務員になった方がいい、そういうようなことを希望される方もありますでしょうし、また子供の教育上都会へ出た方がいいという者もあって、そのためにむしろ配置転換を希望せられる方も出てくる。こういうことを考えますと、少し長い十年とか十五年とかいう先を見通してお知らせしておいた方が順次そういうふうになっていくのじゃないか。もう一度つけ加えますが、工場の方々の御努力、それからまた鉄道工場が持っておりますいろいろな工作技術、こういうものについてはやはり日本の今の産業の中では一流の水準にあるものということで、これを日本の国内の生産に、そう申しますと誤解を受けるかもしれませんが、この車両の整備というような面にいかに有効に使っていくかということを私ども常々考えているところでございまして、今非常に日本の産業が拡大しておりますが、鉄道工場の従業員のようにそろってオーソドックスな訓練を受けてでき上がった技術者を持っているところはほかにはあまりないのじゃないか、こういうように考えておりまして、この点は十分に信頼もしておりますし、敬意を払っている次第でございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 大へん感謝をしているということはわかるのですけれども、それが形になってこなければ納得できないということだと思うのです。観念論や精神論だけで解決するのであれば別に問題はないわけですから……。だから僕は動力車の内容が変わっていく。従って工場の作業方式なりなんなりというものに相当大きな変化が起こっていくということについては職員全体がこれを知っておると思うのです。従って技術の面等についても当然それに対応できるような教育なりなんなりというものが必要であるはずですけれども、そういうことについて必ずしも完全な技術転換の養成教育というようなものがなされていない。そうして職員の努力と技術の向上に依存するという傾向がむしろ強いのではないかというふうに私は考えさせられるのでありますが、なぜ一体そうなってくるのかといいますと、それは現在の国鉄の全体としての合理化を進めるために、先ほども話がありましたように、輸送増強のために四万人前後の人員を浮かさなければならない。その浮かす対象として、工場の現在の転換過程の職員というものを目標にしている、こういうようなことがあるのではなかろうかというふうに考えられるわけです。そこでそういうような考え方の中に、冒頭に指摘をしましたように、ややもすると、国鉄の業務というものは輸送をするという表面のことにのみ重点が置かれて、輸送上必要なところの車両の整備とか施設とか、そういうことを軽視しているという経営方針というものが現われておるのではなかろうかというふうに考えざるを得ないので、冒頭に質問をいたしたわけでありますが、この点については、明確に答えられていないようです。  さらに今、国鉄の工場の職員の将来等につきましても、無理にどうこうという考えはない、むしろ本人たちの将来を考えて、あるいは子弟の将来等を考えて、希望に応じてという言葉が使われておったようでありますが、その範囲でこの工場の将来計画というものをやっていこう、こういうことであるのかどうか、その点を一つ明らかにしていただきたいと思うわけです。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 この希望がなければ、工場の内容を変えることをやらないのかというふうな御質問じゃなかったかと思いますが、これは私ども、こういう計画を立てまして、将来こういうふうになって、ここの工場は整備される、ここの工場は縮小される、ここの工場は廃止されるということをある程度はっきりいたしまして、これによって将来そうなるなら、次第に考えていこう。今これを一年以内にこういうようにやってしまうというようなことであると、なかなか容易じゃないと思いますが、こういうような将来の目標を立てて、これに応じていろいろ考えていただく方が、全体としてどちらにもいいんじゃないかということで考えております。一応目安としては、先般組合の方にもこの計画をお示しして、周知していただくようにしているわけでございます。  それでもう一つ申し上げておきたいのは、下働きの軽視ということをお考えのようでありますが、これは繰り返し申し上げますが、絶対にそんなことは考えておりません。ただ、たとえば電気の方で申しますと、電気の保守要員を減らすために、実際に保守に手のかからないような構造に、従来よりも約一五%から二〇%の工事費を増しまして、手のかからないような構造にして、減らしております。たとえば電車線路の保守のような場合に、はしごをかけて列車運転の合間にやるというのは非常に危険な作業であります。ああいう作業をやらなくてもいいようにするということは、手がかからなくなると同時に、安全性が増す。こういうことでございまして、そういうような危険な作業をなるだけ少なくして、しかもいい保守ができるようにしていく、こういうふうに考えておりまして、下働きを軽視しているのじゃなくて、そういうところの作業環境を常によくしていこうということを心がけてやっておるわけでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 今までのお話では、動力の近代化に伴って工場の作業の実態が大きく変動する、さらにその中で機械化なり合理化によって保守状態については十分改善でき得るようにしていくという話でありますけれども、では一体、国鉄の現在の車両の状況、機関車、客車、貨車を含めて、それがほんとうに荷主や旅客を満足させ得るような状態になっておるのかというと、必ずしも私はそうではないと思うのです。そういう旅客や荷主に対するサービスというものを向上させていくという考え方に立つとするならば、まだまだ国鉄の直営工場の中でやり得る、やっていかなければならないところの仕事というものはたくさんにあるはずだというふうに私どもは考えるわけです。たとえば、将来の計画の中では、客車等につきましては新製車に依存していくという計画のようでありますが、将来国鉄当局が行ないます客車の更新修繕、あるいは貨車の更新修繕、こういうようなことをやるならば、新製車を作るまでもなく、その経費よりもずっと安い経費で新製車同様の車両を得ることができる。そういうようなことをどんどんと進めていくならば、経費の節減と同時に、今起こっておるところの工場の工事量というようなものについての職員の不安というものを解消していける措置というものはまだまだあるように考えられるわけでありますけれども、こういう点について、荷主や旅客に対するサービス向上という面から車両の状態を良好にするために、直営工場の現在持っている能力というものをもっと活用していく、こういうようなことが必要と思いますけれども、その点についてはどのように考えられておりますか。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申します。  工場の作業量をふやして、工場の整理をしないようにできないかというお話かと思いますが、実は客車は現在ほとんど作っておりません。それでお話のように、客車を二等寝台に改造というようなことはある程度車両工場でいたしております。これも年間三十両か四十両程度でございまして、あと全部新製車は電気機関車、ディーゼル機関車、ディーゼル動車、電車、こういうようなものでございまして、工場に特に依存した方がいいという車種については常にやっておりますが、それだけではとても工場の——現在は工場は別に作業があり余って遊んでいるというわけではありませんので、それはあくまで十五年先を対象として考えているわけでありますが、大体現在の工場の要員なりそういうものは作業量一ぱいに使っておる、遊びはないということでございますが、将来に向かって客車についての新製はほとんど予定がございませんので、そういう面から工場の作業量をふやすということをもしかりに考えたとしても、そういう作業はないということになるわけでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 現在の状況では、工事量と職員の数というものは大体マッチするというような話でありますが、しかし現実には五十年度に向けて当局がいろいろ計画を進めていく過程の中で多くの問題を生じているわけであります。だからその間は職員に無用の不安というものをなくしていく、あわせてサービスを向上せしめていくためには計画がないという話でありますが、車両の状態をよくするということについては、新たに計画をしても差しつかえないことなんで、そういうことについて従来やっておりましたような更新修繕というようなことを進めていくことの方が、私鉄などと比較をして非常に車両状態がよくない一面もあるわけですから、それと匹敵させるような車両を作ることができるのじゃないか、こういうふうに考えられるのですけれども、そういう点についてはどうですか。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 ただいまお話のことでございますが、更新修繕をやりましたときには、これは大体客車の鋼体化改造と待ちまして、非常に状態の悪いものはまず私鉄の状態にするということでやったわけでございまして、これが一応完了しまして、今後新しくできて参ります車両のディーゼル動車とか電車というものは、ディーゼル動車などは相当の山間僻地の方にまで配置されておりますので、客車の旅客を輸送する状態をよくするという面ではそれで十分かと考えております。  現在の工場の検修作業量と設備容量をちょっと御参考までに申し上げますと、大体工場における機関車の修繕能力は、一日当たり今八十七両分ございますが、これが現在の作業量としては五十五両分ぐらいしかない、こういう状態でございます。それから旅客車に、つきましては、電車、ディーゼル動車全部をひっくるめまして設備としては四百二十一両分ございますが、これに対して大体三百九十両分ぐらいの作業量がございます。  大体そういうようなことでございまして、機関車の方の設備容量が非常に遊んでいる。旅客車の方はどんどん電車、ディーゼル動車ということでふえて参りますから、将来この設備というものはふさがっていくと思いますが、機関車の方の職場が非常に余ってきている状態なんです。これは、設備の方はこういうことでございまして、早晩に旅客車がもっとふえて参りました場合に、機関車の方の職場を旅客車の方に転換するというようなことをやって、この設備容量をふやしていかなければならない、こういう点はあります。それですから今お話のように旅客車を新製改造をやっていくといいましても、設備の方はむしろ現在ふえてくる旅客車の方に追随していくという方でもって一ぱいだ、こういう状態でございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 今の問題については、私の調査あるいは見通し等によりますと、客車についてはもうそういう必要もないというようなお話でございましたけれども、その他の貨車なり電車等について考えんとするならば、将来まだまだサービス向上という観点から見て、車両の改善のための工事というものは、部内でやらなければならない仕事というものはたくさんにあるというふうに考えておりますけれども、この点についてはなおあとに質問をすることにして保留をさしていただきたいと考えますが、特に私どもがこういうふうに申し上げますのは、ややもすると、国鉄の直営工場の能力というものがあるのにもかかわらず、それを犠牲にして民間の新製なりなんなりの方に依存をしていくという傾向が非常に強い、こういうふうに考えるわけです。たとえば工事の集中化につきましても、従来は修繕するところの車両を移動させるということは経済効果の面から見て不適当だというような話であったわけでありますけれども、これがこのごろの国鉄当局の主張を見てみまするとそうでないというふうに変わっておる、こういうふうなことから考えてみまして、現在までの実績上は御承知のように部内で大きな修繕、いわゆる更新修繕などをやった場合には、ほとんど部分品というものをそのまま採用することができて、新車同様の車両状態を維持することができるということは実績上おわかりだと思いますが、そういうような工事というものは他にあるのじゃないか、こういうふうに考えます。客車についてはほとんどないという話でありますけれども、現在の直営工場の能力を活用し、さらにサービス向上という観点からも、この点については十分もっと検討していただくように要望をしておきたいと思います。  次に特に申し上げておきたいと思いますのは、先ほども少しく触れましたけれども、工場の検修委員会の結論というものが出て以降、皆さん方が否定をいたしましても現実には職員の問題には大きく不安というものが残っておる、これをどうするかということで、もちろん組合側ともこれから交渉に入るものというふうに考えますけれども、この問題は、国鉄の工場の職員というのは、年代的に見ましても御承知のように平均年令がもう三十六、七ぐらいになっておるかというふうに考えられますから、他の系統と違って合理化に伴うところの配転その他については問題が大きいというふうに考えます。従ってそういう点については組合側と十分協議をしていくという考えでやっているものと思いますけれども、協議が、先ほど中村常務の答弁のように、説明をしただけで、どうしても納得でき得ない場合は一方的にやることがあり得る、こういうことでは私はかえって不必要な摩擦というものが生ずることになるのではないか、こういうふうに考えられます。先ほど申し上げましたように、特に工場の職員の年令構成、それから現在までの気持の問題というのは、工場の職員というのは技術系統として教育され、今日までに至っておるわけですから、こういう点について他と違ったところの要素を持っておる、このように考えますので、組合側との交渉にあたっては特にどういうような考え方で臨もうとしておるのか、この際お聞きをしておきたいというふうに考えます。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 先生のお話でございますけれども、われわれといたしましては合理化につきましては、工場の関係といわずその他の関係といわず、先ほど申し上げましたように十分組合側と話し合いをし、納得を得た上でできればやっていきたいというふうに考えております。現に、御承知だと思いますが、昨年度でしたか千八百人ばかりの工場関係の配置転換につきましても、組合と十分話し合いをした上で、納得し、協約を結びまして、今実施の段階に入っているわけでございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 ただいまの中村常務の答弁は、組合側と納得の上でということの答弁でありますから、私もその点は了解をします。  いま一つお尋ねをしておきたいと思うのは、国鉄の直営工場の職員が持っておる技術というものは、非常に高度なものであるという趣旨の話が先ほど関常務の方からありました。国鉄の工場は大体十何年来というもの新規採用というのはほとんどない、従って平均年令構成というものは非常に高くなっている、こういうふうになっておると思うのですけれども、この結果として将来に予想されるものはその高度な技術というものが中断される危険を包含しておると思うのです。ですから、もちろん将来の工場の経営全般についての考え方もあるでありましょうけれども、将来に思いをいたせばいたすほど、この技術というものを温存していく後継者を作っていかなければ温存していくわけにはいかないし、向上もあり得ない、こういうふうに考えられるのですけれども、ほとんど新規の補充というものが行なわれていない。これで一体工場の技術というものを将来に向けて温存していけるのか、あるいはまた将来の車両修繕、保守という重要な仕事を全うしていけるのかということについては、大きな不安なきを得ないわけですけれども、この点についてはどのように考えますか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 先生方のお考えから見ればあるいは不十分かもしれませんけれども、われわれといたしましては工場関係の技術が中断されないように、配転したところにつきましてはある程度新規採用をいたし、それをいわゆる養成所で養成しているわけでございます。この点につきましては去年結びました工場関係の配置転換の協約の中にもはっきりそういうことが書いてございます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 その点は非常に不十分だという観点から質問をしているわけですから。中村常務は工場のことについて特に詳しく知っているとは思わないのですけれども、何と言いましても工場というところは特殊なところですから、だからこそ見習生の制度というものがあって、長いことかかって今日の技術水準というものを維持しているわけです。だから相当思い切ったところの考え方に立って新規の補充あるいはこの教育というものをやっていかないと、今日の状態においては何とか切り抜けられるかもしれませんけれども、将来は大きな技術断層のために車両保守上問題が起こる、このように私は考えられてなりませんので、この点は十分一つ、もっと技術を向上せしめるための教育というものを考えて、そうして人が余っているからというだけではなしに、将来の車両保守という観点から新規採用なりなんなりをして、技術の温存なり向上というものにもっと力点を置いた政策を実施していただくように特にお願いをしておきたいと思うのです。  あと、当面をしておりますところの工場の廃止あるいは縮小といった問題等につきましては、先ほども申し上げましたように、いろいろ具体的な問題等については、なお組合側と協議をするというお話でございますが、特にその際に被服工場などの例に見られますのは、単に経済効果の比較の面からだけこれがなされようとする、こういうふうな点が見られるわけであります。しかし経済効果の高低、比較の中で一番問題になるのは、民間の賃金というものはきわめて安い、それとの比較において、いわゆる被服工場の製品が高くつくということだけでは私は本質的な問題の解決にならないような気がするわけであります。この点については兒玉先輩の方からも触れられていくと思いますから深くは申し上げませんけれども、単に民間の比較、これだけで事を処するというのではなくして、国鉄全体の経営というものを考えていくために、こういうようなものはやはりやっていかなければならないという全体の経営の立場でものをながめていくという考え方が必要なのじゃないか、このように考えておりますので、この点は強く要望して、あと機会を見て具体的な問題等については質問をすることにして、以上できょうの私の質問は終わることにします。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 兒玉末男君。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 今まで勝澤さんと吉村さんが質問されましたが、私はまず国鉄経営の基本的な問題、それに当面している工場の機構縮小なりあるいは廃止の問題等について二、三質問いたしたいと思っております。  私は昨年の五月十三日、衆議院の運輸委員会で国鉄経営の基本的な問題等につきまして副総裁あるいは担当理事、運輸大臣に質問を行ないました。中村さんもその際御出席されておられるわけでありますが、今度の大崎、大宮の被服工場廃止等の問題について、昭和三十年十一月七日と昭和三十三年四月八日に行政管理庁から勧告が出されておるわけであります。その中身についても私たちは検討を加えておるわけでありますが、昭和三十年十一月七日の行政管理庁からの第一次勧告というのは、とにかく国鉄の制服等については、外からこれをまかなうことによって約五千万円程度の節約ができる。第二次勧告においては、さらにこの工場を早急に廃止すべきだという経済的の問題と、それから国鉄経営のいわゆる赤字解消という立場から、これを主軸にした勧告が出されておるわけでありますが、私は具体的数字の反論はきょうは避けようと思いますが、少なくとも今日の国鉄経営の赤字の原因というものが一体どこにあるのか。昭和二十四年の国鉄の機構改革によりまして、公共性と企業性といういわゆる二つの頭を持っておる馬みたいな形で現在右にゆれ左にゆれて国鉄の経営というものが今日までなされております。しかも赤字の原因の主体的なものは何であるかということについて、昨年の運輸委員会における吾孫子副総裁の答弁にも明らかになっておるわけでありますが、このようないわゆる工場等の経営というものが、この行政管理庁の勧告によりますと非常な主軸をなしておるかのような印象を受けるわけでありますが、これは国鉄経営の全体の立場から考えますならば、まさしく九牛の一毛にすぎない点じゃないかと私は思うわけであります。そういう観点に立ちますならば、まず私は中村さんにお伺いしたいことは、国鉄経営上の重大なポイントである赤字の最大の原因というものはどの面にあるのであるか。この点について最高の幹部である理事の皆さん方がどういうような見解を持っておるのか。まず第一の基本的な問題として中村さんにお伺いしたいと存じます。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 この赤字という問題についてはなかなかむずかしい問題でございまして、現に御承知だと思いますが、昨年度は全体として見ました場合、国鉄の決算自体は赤字ではございません。ただわれわれが常に問題といたしますのは、線区別に原価計算をいたしますと、非常に赤字線が多い。全体としては黒字になっておりますが、それは線区の数から申しますとごくわずかの数で、そのわずかの線区においてもうけた黒字で赤字を埋めておるわけでありまして、全体として若干の黒字が出ておるということでございまして、われわれがただいま一番何とかしなければいけないと考えておりますのは、一口に申しますと閑散線区と申しますか、要するに輸送の需要が非常に少なくて、こちらの投資した設備がフルに動かせないというようなところに国有鉄道としての全体の赤字線区が生まれる原因があるのじゃないかと考えております。御承知のように管理方式を新しく採用いたしまして、できるだけ独立採算的な管理が現場において直ちにできるようにというような方式でいろいろと対策を講じておりまして、その成果もある程度上がっておりますが、まだ根本的な問題はなかなか簡単には解決しないのじゃないかと考えております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 この総体的な帳簿面では、確かにこの前の運賃値上げをやった直後で黒字だということが出ましたわけでありますけれども、今国鉄が経営しているのは大体二百二十五線区でございますが、そのうちで経営上いわゆる黒字というのはわずかに全体の八%足らずの十五線区程度が黒字であって、その黒字があとの約二百十線区というものをカバーしている。こういう実態であることを明らかに説明されておるわけであります。そういう点等を含めて、今度の工場の問題がやり玉に上がっておるわけでございますけれども、少なくとも私は国鉄の経営全体の立場から考えますならば、大崎なり大宮の被服工場その他車両工場等の規模縮小の問題といたしましても、全体的な国鉄経営の立場から考えた場合に、どうしてもこれを廃止しなければ国鉄の経営がうまくいかないのかどうか、この基本的な点について——国鉄経営がより黒字を出すということももちろん必要でありますけれども、多くの赤字線区をかかえているこの国鉄の経営のやりくりのしわ寄せというものがこのような、最も国鉄の運営上いわゆる陰の力となっているこういう被服工場にその目標が置かれているということについては、どうしても私は理解ができがたいわけであります。そういう点等について行政管理庁は二次の勧告を行なっておるわけでありますけれども、一体国鉄の経営をより合理化し、また能率的にし一あるいは企業性という面から考えましても、特に二百十数線区、しかも現在建設中の線区の三十六線区等については明らかに多くの赤字が予想されるにもかかわらず、鉄道建設審議会の決定によって国鉄はその犠牲をやむなく背負っておるのが実態であります。こういうような点から考えますならば、むしろそういう建設審議会の決定というもので大きな犠牲、負担を国鉄にしわ寄せをされながら、一方においてこのような九十年近くの伝統と歴史を持ち——しかも技術というものは先ほど吉村委員からも話がありました通り、いわゆる長年の経験というものと、それから実際に国鉄の輸送業務、こういうものとマッチして初めて高度の技術というものが生まれてくる、こういうふうに判断いたすわけでありますけれども、行政管理庁がこういう国鉄の重要な部門を占める工場等に、いわゆるそのような勧告の重点を向けて、国鉄経営全体の立場から大きなつっかい棒となって、しかも犠牲となっている——こういう新しい線路の建設なり、あるいは今かかえている二百十数の赤字線区の、このような赤字の原因というものに対しての追及が全然なされないで、こういう工場等に重点が置かれている、これは私は理論上の矛盾というものを感ずるわけでありますけれども、国鉄当局としてはこういう点についてどういうふうな見解をお持ちか、お聞きしたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 お答え申し上げます。  実は、先ほどちょっと申し上げましたように、赤字線等に対する対策という問題につきましても、ここ数年来相当真剣に取り組んでおりまして、特に地方のローカル的な赤字線区につきましては、先ほど申し上げましたように閑散線区に管理所、管理長、運輸区というような格好で、いろいろと管理方式も変えまして、できるだけ赤字を少なくするように努力しているわけでございまして、これは先ほど申し上げましたようにある程度成果はあげておると思っております。あと、たとえば関西線とか山陰線とか、ああいう大きな線区で実は相当大きな赤字が出ている線区があります。これはそれぞれの支社におきまして、それぞれ抜本的な対策を考えて一部には実施をしているわけでございまして、先生も御承知かと思いますが、関西線につきましてはすでにある程度、王寺機関区の廃止その他の方法で合理化を実施しておるわけでございます。ただ、それと関連いたしまして被服工場をなぜ廃止するかということでございますけれども、われわれといたしましては、できるだけ国鉄が能率的な経営をやらなくちゃならないということはわれわれの使命でございまして、少しでも赤字を少なくしていこうという努力をするのは、当然われわれの責務だと存じております。そういう意味におきまして、被服工場はこの際——相当片方において仕事がどんどんふえてくるという状態がございますので、配置転換その他も比較的スムーズにできるんじゃないかというようなことも考えまして、被服工場の廃止ということに踏み切ったわけでございます。その他京都の自動車工場あるいは豊川の分工場、こういうものにつきましては、一応形は廃止でございますけれども、仕事そのものは国鉄内部のほかの工場でこれを引き受けるわけでございます。被服工場の場合はこれは全部外注に切りかえますから、仕事そのものがなくなるわけでございますけれども、車両工場、自動車工場の場合は、京都あるいは豊川の場合は、その仕事を外に出すわけではございませんで、中の他の工場で引き受ける。従って職員はそのままの工場関係で配置転換ができるということになると思います。ただ被服工場の場合は、被服工場の仕事そのものが外注に切りかわってしまいますので、他の部門、工場以外の部門へ配置転換せざるを得ない、こういうことになっております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 今の答弁では私もなかなか納得できないわけでございますが、これは中村さんだけを責めてもしようがないわけでありまして、やはり国鉄は大企業でありますから、なかなかそう簡単にどうこうという割り切り方はできないと思うのですけれども、私は多少具体的な点でお話をしたいと思うわけでありますが、昨年の五月にも申し上げましたように、今度新線開通によって、鹿児島鉄道管理局の枕崎線というのが十七・七キロ、営業を開始しておる。ところが、この状態を見ておりますと——先ほど私が質問しましたように、被服工場の場合には、五千万円の経費節減ということが主たる骨子になっておる。ところがこの枕崎線はわずか十七・七キロの営業キロでありまして、大体年間収入等が八百万円しかない。ところがこの投資した資本利子だけでも、年間五千百五十何万円という莫大な利子を支払っている。こういうように、国鉄の経営の中において最も端的な不合理性というものが、実際に行なわれておる。しかも、今度また、この前の運輸審議会におきまして、枕崎−西穎娃間の建設に着工するというふうな——私はこれは具体的な例を申し上げるわけでありますけれども、こういうふうに国鉄経営の中において相当の犠牲というものがしいられながら、やはり審議会の決定に基づいて、国鉄が実際上の犠牲を強要されておる。私たちはこういう実態を考えます場合において——しかも、国鉄営業キロのわずか千分の一というキロ数において、その一区間においてすら年間六千万円近くの負担を持ちながら、一方においては、国鉄の長年の伝統と歴史と、そして技術をつちかってきた被服工場なり車両工場というものが、特に被服工場が——そういう全体の線区のごく一部の一年間の赤字に比較するならば、これは全く、行政管理庁の勧告の主体というものが一体どこに置かれておるのかということを、私は疑わざるを得ないのであります。しかも資料によりますと、この工場に導入されている機械というものは、昭和三十年に五十台程度の新しいミシン等を入れただけであって、明治、大正、昭和という三代にわたるこの長期間に一しかも他産業においては相当新しい機械が導入されまして、生産能率においても相当寄与しておるわけでありますけれども、国鉄の被服工場においては旧態依然たる設備の中において、しかも長年の経験と技術によって、他産業に比較した場合に、その作業能率においても決して劣っていないと思う。むしろ私は、行政管理庁の勧告の内容から判断いたしましても、この比較の対象となるのが——他産業におきましては、その生産工程というものがいわゆるその基本の工場でやるのではなくて、さらに下の下のいわゆる家内工業的な、労働法の適用もない、労働時間の制限もないという劣悪な労働条件のもとに、この外部の工場の生産原価というものが計算されておるわけであります。そういう基本的な点から考えましても——全体的な国鉄経営の立場、またこういう直面するところの工場における職員の給与ベースの問題、こういう基本的な問題等から判断をいたしましても、この行政管理庁の勧告というものはきわめて不当なる勧告であると私は指摘せざるを得ないわけであります。そういう点等について担当の理事の皆さん方はどういう見解をお持ちか伺いたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 まず最初にどのくらい被服工場で赤字を出しておるかという点について、行政管理庁の数字は当時の数字でございまして、現在われわれが一応調査いたしますと、これは外注いたしたときに幾らでできるかという問題ともちろん関連がございますが、非常に正確な数字というわけに参らないかもしれませんが、大体最小限度二億くらいは現在のところ赤字が出ている。外注に出した方がその場合二億くらい費用が少なくて済むということが言えると思います。もちろんこの間繊維関係は若干のベース・アップがあったようでございまして、そういう問題をこれに入れましても、一億八、九千万円くらいの経費が少なくて済むという数字が調査の結果出ております。  一方におきまして、建設線の問題でいろいろと御意見があったわけでございますが、これにつきましては、御承知のように利子の補給も政府からいただくようになりましたし、それからいろいろ地方事情その他でもって建設審議会でおきめになったことにつきましては、その裏に全然問題がないと考えられる場合もございます、またいろいろ問題のある場合もなきにしもあらずというふうに考えますが、いずれにいたしましても、そういう権威のある機関でおきめになったことでございますので、われわれといたしましては一応それに従って建設をやっていくという立場をとっておるわけでございます。この被服工場の問題はそれと同列で比較するのはいかがかと存ずる次第でございます。あくまでもわれわれといたしましては、被服工場の問題につきましては、根本的な考え方としてはやはり国鉄の能率的な経営をやっていくためにこういう問題を処理していくんだというふうに考えております。   〔委員長退席、高橋(清)委員長代   理着席〕

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 六年間の間に物価もだいぶ高くなりまして、いろいろと原価も高くなったと思うのですが、五千万から二億といいますと、赤字は四倍ということになるわけでありまして、国鉄労働者の賃金はまだ一・五倍にもなっていないと思うわけです。その点から考えますと、基礎材料の値上がりということは国鉄自体の責任じゃない、こういうように判断いたすわけでございますが、被服工場の二億円という赤字の主たる原因はどこにあるのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 当時の五千万円という数字が出た根拠を実ははっきり持ち合わせておりませんので、それとの比較の御説明はちょっとしにくいのでありますが、われわれの方の出しましたものでは、大体人件費が一応民間の三倍くらいかかっておる。ただし材料費はもちろん民間でも私どもの方の直営工場でも同じだという建前でやっておりまして、そういう計算でいきますと、原価といたしましては民間の大体三割増しくらいという数字が出ております。これを大体年間の総需要量といいますか、総仕事量にかけまして、あれしますと、二億三千万から二億一千万くらい、民間の賃金ベースのとり方によって若干違いますが、それくらい違いがあるというように思っております。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 民間の賃金より国鉄の賃金が三割高い、これは国鉄の賃金ベースの改定にあたって、ことしの仲裁裁定の実施にあたりましても、民間の平均賃金よりもむしろ安いということで、仲裁裁定はその妥当性を認めて実施されたことは私どもよりも中村さんの方が詳しいわけであります。そういう点等から考えますならば、単に被服工場の単位だけを対象にするということのいわゆる不合理性、もう一つは一体それでは民間工場の賃金というのはどこを基準にされて三割高いということを理論的に言われるのか、この点について、賃金問題はこれ一つで終わりますが、その基本的な資料をどこから引き出されたのかお伺いいたしたいと思います。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申します。  労働省の労働統計にあります縫製品製造業の一日当たり賃金が、昭和三十五年十二月全国平均として四百五円というものが出ております。四百五円に間接費率をかけまして、それに下請工場の管理費利益と、それからクズ、こういうものを全部足しますと七百三十九円という数字になります。この七百三十九円というものを一応外注の乗率として八百円と見る。ところが八百円に対して国鉄の被服工場の乗率が二千四百八十三円であります。それでこれが三倍ということになっているわけであります。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 私は、賃金の方はもう少し具体的に調べないと、ここで反論をする材料がないので、あなた方のペースに入ってしまって、それじゃあたりまえだということでは納得できないので、この点は多少研究して反論したいと思っております。そこでいえることは、長年国鉄に勤めておって、長くなれば昇給もあるだろうし、年もふえて家族も持つ、これは賃金が高くなるのは当然である、そういう基本的な考え方に私は大きな矛盾を感じます。というのは、先ほど私が指摘しましたように、機械は明治、大正——一々ミシンの製造年月日を調べておりませんけれども、聞いたり調査したところでは、少なくとも明治、大正の機械が全体の七割方を占めている。そういう環境と規模の中において、能率においても決して他の機関に劣っていないと私は思う。ですから、単に賃金の問題だけがあたかも大きなウエートを占めておるというような指摘の仕方は当を得ておらない、こういうふうに、一応抽象的な表現でありますが、反論して、次に入りたいと思うわけであります。  これは車両工場の関係でございますけれども、現在、国鉄は企業性の立場から非常に高度に車両を駆使している。汽車等においては滞留時間をできるだけ節約する、ディーゼル・カー等についてはその運用を極度にする。この前私は郷里に帰りましたけれども、博多駅に着いて十五分足らずで折り返し運転する、ほとんど小掃除もできないというくらいに非常に駆使しているわけであります。当局の計画によりますと、専門的な用語でありますが、検修が甲乙丙あるいは局検というふうにあるわけでありますが、ディーゼル機関車を例にとりますと、昭和三十二年に二万四千キロであったのが、三十六年は四万キロ、三十八年には四万八千キロ、こういうふうに検修キロが非常に大幅に延ばされておるわけであります。この点から生ずるところの不測の事故の発生、あるいは検修の期間が延びるためにいろいろな事態が予測されるわけであります。もちろん今日、機械製造においては相当高度の技術が導入されて、故障の個所が少ないということは指摘できるわけでありますけれども、同時に、ものすごいスピード・アップ、そしてこのような車両の高度の運用ということから考えますならば、むしろ検修キロをもう少し短縮するのが基本的な考え方じゃないか。にもかかわらず、このように昭和三十年から今日まで、わずか四年足らずで検修キロを一万六千キロも延ばすということは、私は専門的な技術屋でありませんのでわかりませんけれども、常識的な判断として考えますならば、はたして当を得ているかどうか。こういう検修キロの延長という問題は結局工場関係の要員にも大きく影響すると思いますが、そういう技術的な立場から中村さんなり関さんなりどちらでもいいから、どういう理論的な根拠に基づいてこういうべらぼうな検修キロを延ばしたのか、御説明願いたい。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申します。  ただいまの一万六千キロとか二万四千キロという数字はちょっと私どもどれをさしているのか了解いたしませんが、今、本線用のディーゼル・ロコの検修につきましては、甲修繕と中間検修と交番検査、大体こうなっておりまして、現在交番検査が八千キロ、中間検修うのち局検が五万キロで、乙種が十万キロでございます。それで四十万キロでもって甲修繕に付する、こういうことになっております。それで前は、蒸気機関車でございますとやはりボイラーが一番いたみまして、この修繕のために全面的修繕ということになりますが、新しいディーゼル機関車とかこういうものになりますと、ディーゼル・エンジンを取りかえますとまたこれが使えるわけですから、乙種とか局検においてディーゼル・エンジンを取りかえると、それがまたもっと使っていけるということで、これが甲修繕として工場に入るのが四十万キロに一回入る、こういうことになるわけであります。私どもは、こういうものはもっともっと長くすべきであって、たとえば現在計画しております昭和五十年では、ディーゼル・ロコについては甲修繕七十二万キロというふうにして、六年に一ぺん工場に入る。その間に乙修繕というものがもしありますと、これは十八万キロでございますから、一年に一ぺんずつ乙修繕として工場に入る、こういうふうにしたいと考えておるわけであります。それで、これが何で延びるかと申しますと、先ほど申しましたように、部品取りかえ循環修繕によって、工場に入る期間をなるたけ延ばしてできるだけたくさん走らせる。何と言いましても蒸気機関車に比べて二倍以上の値段でございますから、これが二倍以上走ってくれなければ採算がとれないわけでありまして、そういう意味で一生懸命努力しておるわけでございますが、ディーゼル・ロコについては、ほんとうに日本の国産ディーゼルとして絶対これは大丈夫だというものはまだ設計が安定しておりませんので、これは現在二千馬力のディーゼルを試作に移しております。これが安定しますと、これによって初めてディーゼル・ロコの検修体制というものができてくると思うのでありますが、現在はまだディーゼル機関車につきましては発展段階の途中にある、こういうふうに申し上げられると思います。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 関さんはその方のベテランでありまして、私は国鉄に二十年食わしてもらいましたけれども、機械の方は全くしろうとでありますが、まあ常識的な判断からいたしまするならば、今度十月一日のダイヤ改正のときに、一日当初から山陰線でございますか、機関車をぶっ飛ばしてしまった。こういう具体的な例もありますし、昨年から走っております「はつかり」号にしても、しょっちゅう事故を起こして汽車がとまってばかりおる。こういう問題についても相当な批判も出ておるわけであります。でありますから、検修キロを延ばすことは、もちろん技術屋なり商売をする方はできるだけそうすることは常道でありますけれども、何しろ相手は貴重な人様、お客様を乗せている車でございますので、しかもスピードは非常に高くなってきているわけであります。技術と商売と、とうとい人命を運ぶ、こういう立場から考えますならば、関さんの言われるように、むしろ今の検修キロを二倍も三倍もにしなければいけないということは、現実の問題としてはなかなか納得できない。しかもそういう自信があるならば、今度のダイヤ改正というものは相当以前から計画されておった問題であったにもかかわらず、初日から汽車がぶっとまり、また京都−宮崎間の特急「かもめ」にいたしましても、しょっちゅう客貨車区等の検査員が乗っていないと、ここかしこと事故の絶え間がないという現実を見ているのでありますが、これはどうなのか。そういう点等から考えました場合に、関さんのデスク・プランというものは相当甘いのではないか、こういう判断もいたすわけでございますが、その点はいかがでございますか。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申します。  先ほどディーゼル機関車というお話があったものですから、私ディーゼル・ロコについて申し上げましたが、今のお話ではディーゼル動車のようでございまして、ディーゼル動車につきましては、確かに「はつかり」については非常に事故が多かったという実態で、大へんに不安を与えまして申しわけないと思っておりますが、これについて対策を立てまして、その後順次おさまっているようでございまして、この点はもう少し経過を見ていただきたい。それで、これに対しまして添乗員を乗せておりますのは、やはり万全を期するという意味から乗せているわけでございまして、別に危険であるから、心配だから乗せているということではなくて、あらゆる場合に万全を期するというつもりで乗せているわけでございます。まだ故障が絶無になったというわけではございませんが、順次安定しているようでございますので、いましばらく経過をごらんいただきたい、こう考えております。  それで先ほどのディーゼル・カーの回帰キロでございますが、これは違いますので、交番検査八千キロ、中間検修の局検が四万キロ、それから乙種が八万キロで、甲種が十六万キロでございまして、これはディーゼル・カーについてでしたらこのように数字を御訂正申し上げます。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 ちょっと関連して伺います。今、各車両、動力車の回帰キロの話が出ているのですけれども、少しお伺いしておきたいのは、車両の甲種なり乙種なりというものをどの時期にやるかという回帰キロの問題については、車両製修を担当するところの国鉄当局の中の工作局がその責任を持つようになっているのか、それとも車両の運営を主体にするところの運転局の方がその責任を持っておやりになっているのか、この点を明確にしていただきたいと思うのです。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 これは車両検修委員会で運転の部門と工作部門の責任分限を分けまして、運転部門においては車両の運用及び保安、それから工作部門においては車両財産の保全、管理こういうふうに分けたわけでございまして、これを具体的に作業で申しますと、車両運用、仕業検査、交番検査、これは運転が自主的にやります。それから中間検修、甲修繕及び部品加修、これは、もしかりに中間検修というものが庫でやれるような中間検修がありましても、車両の保全、管理ということで、工作部門で、これの運用管理の中に考えている、こういうふうになっております。

吉村吉雄日本社会党

○吉村委員 先ほどから兒玉委員が指摘されているのは、回帰キロというのをきわめて大幅に延長されようとしている、そのことが将来の旅客輸送なり貨物の輸送にあたって、車両保守上安全性を持っているのかどうか、こういう質問が主体であったと思うのです。車両がどういう状態でなければならないのかということについては、運転部門よりは、むしろその車両の性能なりなんなりを熟知しているはずの工作部門が一番適任者であるはずだというふうに私は考えるわけです。そういう点から、今の関常務の答弁を聞いておりますと、機関車なら機関車をどの時期で修繕をするかというようなことについて、一体どちらが責任を持っておるのかというようなことが明確でないような気がするのですが、もっと端的に、それは工作関係なら工作関係、こういうふうに一つ答弁を願いたい。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 お答え申します。  非常に明確に申し上げたつもりでございますが、中間検修及び甲修繕、部品加修は工作部門で担当いたします。ただ実際の修繕作業そのものは一部庫でやるものもございますが、これも全部工作部門の車両の保全管理のデータによってその工程によって、庫でやるにしても工作部門の計画に基づいてやる、こういうことになっております。それでこの回帰キロの延長につきましては、運転、工作もちろん話し合いはしておりますが、工作部門における車両の保全管理についてこれなら責任が負えるということを前提にして工作部門できめたものでございます。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 いろいろとまだ数字の問題あるいは技術的な問題についてはさらに機会をあらためて御質問することにしまして、要望と質問を兼ねまして最後に申し上げたいと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、現在の国鉄の置かれておる立場というものが、先ほど申し上げました通り公共性と企業性というへんてこな状態の中においてなされておるわけであります。私は一昨年ヨーロッパに参りましたが、特に鉄道が発達しておりますフランスの例をとりますならば、一九五六年においてフランスは公共負担として国鉄が相当の割引等をやっておるわけであります。この内容において、運賃割引に対して百九十九億、分担金として九百四十七億、補償金として二百二十二億フラン、それだけの補助金を出して、さらに赤字の三百億に対しても補償金を出しておる。日本の国鉄の場合は、わずかにこの前の国会で三億の利子補給をするというきわめてけちなやり方をやっておる。私はやはり先ほど申し上げた通り、現在でも二百十数線区の赤字線をかかえて全体の経営をなしておるという立場等から考えますならば、この行政管理庁が勧告した工場等の縮小なり廃止ということは、まだまだ検討すべき余地がたくさんあるということを指摘したいと思うわけであります。  そこで最後に締めくくりとして言いたいことは、現在両工場なり関係者はこの廃止の問題について、毎日の勤務なり生活に相当の不安を覚えておるわけであります。これは働く者として当然のことでありますが、そういう点等から私が特に中村さんにお伺いしたいのは、最悪の事態として予想されます首切りの問題あるいは降職の問題、こういう点を含めて、少なくともこの勧告に基づいてこういうふうな労働者にとって最悪の、最大の仕置きがなされるということは、私は非常に懸念するわけであります。そういうような措置はいかなる場合がこようとも絶対にしないという御返答をいただきたい、こういうように存ずるわけでございますが、中村さんの御見解を一つ承りたいと思います。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 もちろん職場がなくなるわけでありますので、配置転換は考えておりますが、強制的な馘首と申しますか、首切りと申しますか、そういうことは全然考えておりません。大体のめどといたしましては、年内に組合と話をつけて実施に移したいというふうに考えておりますが、いわゆる指名解雇というようなことは全然考えておりません。

兒玉末男日本社会党

○兒玉委員 それでもまだ納得できませんが、何もこれだけで終わるわけではありませんので、少なくともこの前時間短縮についての調停委員会の調停がなされ、労使双方とも時間短縮はこれを誠意を持ってやるというふうな確約も得ております。少なくとも近代産業における合理化ということは、単に車をこき使ったり、労働者をうんと働かせるということではなくて、むしろ労働条件の緩和、改善ということが、やはり近代産業における合理化の本質でなくてはいけない、こういう点等を十分一つ考慮されて処置されるように、最後に要望申し上げまして、私の質問を終わります。

高橋清一郎自由民主党

○高橋(清)委員長代理 久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 二、三お尋ねをしておきたいのですが、今三人からそれぞれ合理化の一局面というか、そういう問題で御質問があったわけですが、国鉄では第二次五カ年計画を作ってやっておられるわけでありますから、その中で当然合理化あるいは近代化の問題を含めて第二次五カ年計画というものは推進されるだろうと私は思うのであります。われわれは局部的な合理化や近代化は承知しておるわけでありますが、しかしながら全体の第二次五カ年計画の中に占めている近代化、合理化の具体的な方策については、寡聞にしていまだ承知しておりませんので、そういうものが実はあるのかないのか、あるいはできるところからやるという形で今日合理化等を進めていくのか、どちらなのでしょうか、いかがですか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 先ほどちょっと勝澤先生の御質問のときにお答え申し上げたのですが、われわれとしましては大体三万二、三千人の要員の捻出ということを第二次五カ年計画の中で考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 私がお尋ねしておるのは人間の面ではなくて——もちろん人間の面に関係して参りますが、その三万幾らの増員を押えるというために近代化、合理化をなさっておるのか、それともいわゆる企業の前進という観点から近代化、合理化を進めていく、その一つの問題として三万幾らの人員を押えるという結論になるのか、どちらなんでしょうか。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 もちろん国鉄の近代化そのものは、先生のお言葉を使わせていただけば、企業を前進させる、国鉄の企業全体をよくしていくという意味で計画しておるわけであります。たまたまその中で新しく投資いたしますと、それによって人が浮いてくるという問題がその裏にあったわけであります。ただ要員の捻出につきましてはさらにそれ以外のいろいろの施策を講じまして、要員を捻出するということも考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 要員の捻出ということが重点であるようにちょっと聞こえたのでありますが、それも一つの大きな問題であるとは思うのでありますが、私のお尋ねしたいのは、近代化や合理化の全体計画は寡聞にして知らないが、五カ年計画の中でどの程度の近代化、合理化を進めるのか、具体的な方針があるのでありましょうか、どうでしょうかということが一つ。そうでなくて、実は近代化、合理化は当然やらなければならぬから、できるところからやるのだ、今日話題に出ている二つの工場の縮小というか整理、あるいは被服工場二つの廃止というような御方針はあとの話なのか、それとも全体計画の一環として今日やるのか、その辺のことをお伺いしておるのです。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 近代化につきましては、五カ年計画で電化、あるいはディーゼル化という、いわゆる動力の近代化を中心といたしまして相当大きな投資をされるということにつきましては、もうこの前の運賃改定の際に御説明申し上げたと思っております。それからその他のこまかいいろいろな合理化につきましては、これはまだ具体化されてないものもございますけれども、大体たとえば保守作業の近代化あるいは合理化と申しますか、要するに機械を使って機動的に保守をやっていくというようなことにつきましては、相当具体的な計画が立っております。そういう意味で合理化というものも現在の段階においては五カ年間に大体この程度の合理化はやろうということは考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 時間もありませんから、  この程度のことはやろうというものを、後刻資料として出していただきたい。  それからもう一つ、その合理化の問題の中には、先年の当委員会でも御指摘申し上げましたが、いわゆる遊休施設というか、投資効果が現われないままに実は工事等をやっている問題があるわけでございますが、これにつきましては、十全の策をとっているかどうか、こういうことであります。こういうものにつきましては、その後いろいろ御検討があると思うのでありますが、むしろ、先ほど児玉委員からも御指摘の通り、新線建設と並んで、やはり投資効果をまず考えてすべてを投資していく、こういうことでなくちゃいかぬと思いますが、そういうものも合理化の中に重点として入っておるのでしょうか、いかがでしょう。

中村卓日本国有鉄道常務理事

○中村説明員 もちろん投資効果の問題につきましては、関係方面からもいろいろと御注意もいただきましたし、われわれとしても従来から考えていたわけでございますが、特に今年度新五カ年計画が発足するにあたりまして、投資調査委員会という部内の委員会でございますが、そういうものを作りまして、一つ一つの相当まとまった投資につきましては、その効果を十分に判定した上で、順位をきめていくというような手続もとっておりますし、その後のチェックにつきましても、今後も十分にやっていって、中途半端な、いわゆる未稼働資産というものがふえないように、十分に投資効果を発揮していくようにいたしたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 私も現場でたくさんな事例を見ているわけでありますが、たとえば、最近所々方々に出ております線増の問題にしても、われわれしろうとから見ると、どうも前後の路盤がいつできるかわからぬのに、たとえば小さい鉄橋をかけてみたり、あるいは大きいところでは、これはずっと前でございますが、まだ使用に至らぬ常磐線の利根川の鉄橋などは、代表的な未稼働資産の一つではないかと思うのであります。むしろ今日合理化といえば、むだをなくすことのように考えられているが、単純に考えれば、この種のものを整理することが先ではないか、こういうふうにわれわれは考えているのでありまして、どうも今日国鉄の内部では、まだいろいろな古い型が残っているのではなかろうか、こういうふうに思うので、こういう点についても、われわれはあとで時間をかりて一つ御説明をいただきたいと思うのです。先ほどのお話のように、被服工場自体にしても、これは今後考えておられるようでありますが、投資条項の拡大等のこともございますし、あるいは工場自体も現在のままでは、なるほどお説のような民間に比べて割高であると言うこともできるかもわかりません。古い設備でやっている限りは、これは当然あり得ることでありますから、これをフルに活用するという積極的経営の面を考えないと、今後の一切の投資条項拡大についても、支障が出はしないかと私は心配しております。だから今皆さんがおやりになっており、あるいは従業員との間にいつでも紛争ができるようなものは、早く言えば、これは縮小生産の方向であって、国鉄のとるべき筋ではないと私は思う。むしろこの際、もう時代は変わってきておるのでありますから、拡大生産の観点から、すべてを近代化し、合理化するという考え方をしてもらいたい、こういうふうに一応要望しておきます。  最後に御回答いただきたいのは、先ほどの御答弁の中で、配転にあたっては、これは強制配転はいたさぬと、こういうお話でありましたが、現地においては、強制配転が今日所々方々でやられている。これは最高幹部の意思が末端に通じないのか、あるいは通ずるような機構になっていないのか、私は実際を疑うのでありますが、先ほどの御答弁に間違いがないとするならば——かかる事例はあとで申し上げますが、これは是正をお願いしたい、こういうように思いますが、 いかがでしょう。

関四郎日本国有鉄道常務理事

○関説明員 ただいまの御質問で、強制配転をしないと言ったとかいうお話でありますが、私は先ほど吉村先生の御質問に対して、これは十五年間に考えていくことだから、できるだけスムーズにいくようにしたい、こういうことは申し上げましたが、強制配転をしないというふうなことは申し上げなかったと思います。いずれにしましても、できるだけ納得ずくでもって配置転換すべきものだと思っておりますし、そうやりたいと思っておりますが、しかし実際に、被服工場のようになくなります場合には、これはどうしてもどこかへ移ってもらわない限り、そこにいるわけにいかないということになりますので、これはできるだけ納得していただいてやりたい、こういうように考えている点については違いありませんが、どうしても移りたくないと言われても、職場がなくなる場合の措置としては、多少不満であっても、配置転換させていただかなければならぬという事態があり得ると思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そちら側では、廃止の方向ということでお話があるわけでありますが、私が先ほど申し上げましたようなことも頭に置いて御処理を願う方が、一番賢明ではなかろうかということを、一つ頭に置いてほしい。そうすれば強制配置転換とか、そういうものもなし、それからもう一つ、先ほどから何人かから御指摘があったように、どうも近代化、合理化の全貌が今日あからさまにされないままにいるわけでありますから、ともすれば勤労意欲というような面が非常に後退している部面が、所々方々に見受けられるのは非常に残念であります。そこで私が要望したいのは、第二次五カ年計画の限度においてでけっこうだから、全貌を明らかにして、労使間においてこの問題を処理されることが、一番賢明だと思うのです。そういうこともぜひお考えをいただきたい、こういうように要望して私の質問を終わります。

高橋清一郎自由民主党

○高橋(清)委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十七分散会

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