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39回国会衆議院1961/10/25

運輸委員会 第9号

発言数
142
登壇者
14
会派数
2
開催日
1961/10/25

会議録

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 これより会議を開きます。  最初に請願取り下げの件についてお諮りいたします。  当委員会に付託されております請願中、鹿児島の空港整備拡充に関する請願、文書表第五二七号について、昨二十四日付をもって、紹介議員池田清志君を経て取下願が提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 御異議なしと認めます。よって、本請願は取り下げを許可するに決しました。      ————◇—————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 次に踏切道改良促進法案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。

久保三郎日本社会党

○久保委員 まず第一にお伺いしたいのは、この法案は前国会で審議未了ということで再提出なさったわけでありますが、この法案の中身というか重点は——目的は第一条にある通り踏切道の改良を促進して交通事故をなくし、あるいは交通の円滑化をはかるということでありますが、この法案の重点は、立体交差を含む踏切道の改良、しかも今年度を初めとする五ヵ年計画が重点のようになっているわけであります。ついてはこの五ヵ年計画の中身をあらためてお伺いしたい。いかなる規模において五ヵ年間に立体交差を含む踏切道の改良をなさんとするのか、これをまず第一にお伺いしたいのであります。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 立体交差すべき踏切道は、これはもちろんこの法案にございますようにまず建設省と、立体交差すべき個所を指定する基準について打ち合わせをいたしまして、この基準に基づいて具体的に指定するわけでございますので、運輸省限りではこの指定はできないわけでございますが、運輸省においてどのくらい計画をいたしておるかと申しますと、立体交差の個所は国鉄が三百四十カ所、私鉄が六十カ所、計四百カ所程度でございます。これに要する費用として、国鉄約三百八十億円、私鉄約二百六十億円、計約六百四十億円と見込んでおります。  それから構造の改良が必要と認められます踏切道につきましては、目下調査をいたしております。従って詳細な数字は申し上げかねるのでございますが、御参考に申し上げてみますと、道路と踏切道との幅員の違うところが相当ございますが、その違いが五十センチ以上に上るような踏切道が、国鉄については約一万六千、私鉄については約一万一千程度あることはわかっております。  それから保安設備の整備でございますが、これは毎々申し上げておりますように、国鉄が約三千二百カ所、私鉄が約千四百カ所の踏切道についてその必要性が認められておるのでございまして、国鉄は約三十五億円、私鉄は約十三億円程度の工事費を要する見込みでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ただいまのお話は、国鉄というか、運輸省側の大体の予想だけをお示しになったのでありますが、五ヵ年計画で少なくともやるというのが重点であるとするならば、国としてこの法律を出した建前上、五ヵ年間におよそどの程度を完成するというか、改善するというか、これがないのでは、はなはだ心もとないと考えるわけです。なるほど設置基準等については関係省間の協議に待つべきものが相当あるわけでありますが、いずれにいたしましても、法案を五ヵ年計画で実施するというのは、単に今踏切事故が多いから、踏切におけるところの交通に支障を来たしているから一つやろうというのでありまして、別に五ヵ年計画の中身としてはないのではないかと思うわけです。われわれとしては大へん残念であります。法案を出した意味はどこにあるのだろうか、五ヵ年計画なら少なくともどの程度の事業量をもってどの程度の数を改善するのか、これがあってしかるべきである。ところが、この法案自体にはそれがいまだにない。先般の国会で審議未了になりましたが、全会一致で委員会を通ったということになっているのだから、少なくとも再度この国会に提出するまでの間には、かような調整なり計画が樹立されてしかるべきなんです。これでは単に今の踏切道における事故あるいは踏切道におけるところの交通の支障、こういう世論にただこたえたといううわべだけであって、実質的には何ら前進の形はこの法案からは見られない。今まで通りのものをやっていくというにすぎないのではないかというふうに思うわけであります。少なくともこの五ヵ年のうちには何カ所をやるということぐらいはもう立ってなければならない。なるほど運輸省自体には計画があるようでありますが、建設省に関係するものがこれはたくさんあるのであります。ところが、まだ建設省の御意見を聞いておりませんが、これは大体政府の計画なのか何なのか、建設省の方へもお伺いしたいと思います。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 建設省におきましては、道路五ヵ年計画をこの踏切道改良法の五ヵ年計画をあわせて昭和三十六年度から四十年度まで実施する計画を進めております。その案の中におきましては、特に立体交差化等による踏切道の改善に重点を置くことにしておりまして、目下のところ検討しておりまする立体交差の改善個所数は全部で千百五十五カ所を計画しております。この中にはもちろん運輸省と協議がととのいまして指定の基準に合致するものもございますが、一面また道路側だけで、運輸省としては特に必要のない個所につきましても、道路の改良という面から立体交差化等をすべき場所もありますので、その数は運輸省の数よりは相当上回るわけであります。これに要する経費といたしましては、一応目下のところ約九百七十億程度を見込んでおるのでございます。この中におきまして、運輸省と今後指定の基準を設け、その基準に従いまして今後踏切道を指定し、この法案の趣旨に沿って立体交差化等によって改良したいと思っております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 とにかく建設省では立体交差約九百七十億で千百五十五カ所という四十年度までの計画を持っておる、運輸省は六百四十億で大体四百カ所、こういうことでありまして、道路側の必要に基づく道路の立体交差も大へん多いので、その数において調整がとれないということでございますが。少なくとも一応の目安がついて、政府として一本の形でこの踏切道改良促進法に基づいて今年度からの五ヵ年計画ではこれだけは最小限やるというお示しがないわけであります。非常に不確実なんです。こういうことでは、先ほども申し上げたように、言いづらいことでありますが、今日の踏切を中心にした交通対策はおざなり的なものになりはしないか、こういう心配をしているわけであります。この五ヵ年計画のことはまだきまらぬというから、これをいろいろ申し上げてもいたし方のない話でありますから、それでは具体的に三十六年度から始まるというか、三十六年度は何カ所計画をしたか、これをお尋ねしたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 三十六年度の踏切保安設備の整備の計画個所数は、私鉄におきましては二百八十カ所、所要金額は約二億六千九百万円でございます。それから国有鉄道におきましては、約三千カ所で十八億円の改良費を踏切保安設備の整備計画に主として計上いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そのうち道路側と協議がととのったという史実際に着工できるものは何カ所ありますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 立体交差につきましては一々道路管理者側と協議いたすわけでございますので、その数字はまだはっきりいたしておりません。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 道路側から申し上げます。  道路側におきまして昭和三十六年度に立体交差化等をするために、国鉄及び私鉄と協議をしたいと思っております総計は、国鉄関係におきましては二百五件ございます。そのうち現在協議が済みましたのが六十六件、目下協議中が百三十件、九件がまだ協議の段階に至っておりません。私鉄につきましては全部で二十七件ございますが、そのうち協議済みが十四件、協議中が十二件、未協議が一件でございます。そういう状況で三十六年度の全部の二百三十二件のうち相当数が協議が進んでおる次第でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 三十六年度ももう下半期に入っているわけであります。今御説明のように、道路側としての協議がととのったという件数は御発表になりましたが、これはもちろん運輸省側でも同様かと思います。ところが、三十六年度がもう暮れようとするこのさなかに、しかも法案は二番せんじで出して参りましたが、大体国会の模様も知っていながらこういうことではたしてうまくいくだろうかどうか、こういうふうに考えるわけです。この法律自体、どうもぬるま湯につかったような法律で、どっちつかずじゃないかと思うのですが、これでこの法律を実施すれば大体どれだけの効果があるのか、あらためて運輸大臣に一つお伺いしたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 ただいまも御意見の中に御指摘がありましたように、関係するところが方々にありまして推進をするのになかなかむずかしい問題であるわけでございます。従いましてこの法案を御通過をしていただきますれば、今御説明を申し上げておりましたような協議その他もこの法律によって一そう促進をされるわけでございます。むしろ義務が生ずるわけでございますので、従いまして関係省及び他の団体等もこの法律によった義務としてやるということになりますれば、一そう促進するものと、かように考えておりますし、またお通しをいただきました上は、法律にのっとりまして今までのこういう法律のないのと違って、一段と促進し得るものと考えます。また私もさらに一そうそのつもりをもちまして十分な効果を上げさせるようにいたしたい、かように存じます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 いずれにしてもこの踏切に関する問題は、引き続いて当委員会で調査審議をすることに大体話がなっておりますから、こまかい点についてはその際いろいろと御意見を承りますが、この法律は、おそらく昭和三十二年の十月に内閣において作られました交通事故防止対策本部で決定された要綱に基づいて、その一環として出して参ったと思うのです。ところが大臣、これは御承知かと思いますが、この踏切事故防止対策というのが三十二年の十月に結論を得ているわけです。しかもその中身は、すべて現在考え得られるような問題については一応あげているわけです。当然この踏切道の改良を中心にした交通問題にはこの対策要綱はほとんど吸収さるべきはずのものである。ところが現実には三十六年度を初めとする五ヵ年計画でできるだけやろう——なるほど大臣がおっしゃるように、この法律が出ればいわゆる一つの規制というか、責任が生ずるからという話でありますが、責任を生ずるのは鉄道事業者に対するところの改良命令というか、指示、こういうものだけは出ております。しかしながら各省間にわたるところの、特に運輸、建設、こういうものの間の規制というか、そういうものは何もありませんで、従来の通りの協議によるということになっております。でありますからこの法律は別段出さぬでも、はっきり申し上げると踏切道の促進という名前だけとるのならば今まで通りと同じでいい、これでも促進ができる格好になる。しいてこの法律で新味を持つものというなら、それは予算の範囲内で何がしかの措置ができるということ、そういう程度のものになりはしないかと思うわけです。これは政府においても一つの責任のがれでこういうふうな法律にでっち上げたと思うのでありますが、一つには官庁間の権限争いというか、そういうものが大きく災いしていると思うのであります。これを解決する道は、そのセクショナリズムを取り除くのがまず第一。第二番目には、この三十二年の十月の踏切事故防止対策要綱に示されているところの各要綱についてそれぞれ必要な措置をとること。これがなされない限りは、たとえばこの踏切道改良促進法案を通過させたにしても、何ら以前と変わりはない、こういうふうにわれわれは考えております。  そこでお尋ねしたいのは、まず第一に設置基準なりあるいは構造基準、こういうものについて特に運輸並びに建設省は今後いかなる基準を作ろうとするのか、これを御説明いただきたいと思います。先ほどのお話ではまだ協議をしていないというか、あるいはととのっていないのではないかと思うのですが、設置基準あるいは構造基準がきっちりしなければ、これは年じゅうさまようようなことになりまして、前進はおそらくないと私は思います。だからその設置基準をどうしてきめるか、両者の協議によってきめるということでありますが、これはもう少し高いレベルにおいて決定を願わなければ結末はつかぬのではないかと思うのですが、どうですか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 立体交差化の指定基準なりあるいは構造改良の指定基準につきましては、建設省と私の方との間で協議してきめることになるわけでございますが、目下協議中でございまして、まだはっきりした結論には到達いたしておりません。これにつきましては、昨日も内海委員からお尋ねがございましたのでお答え申し上げましたが、概略運輸省の考え方を申し上げますと、立体交差の基準につきましては、昭和四十年度末を想定いたしまして、踏切道における自動車交通量に踏切遮断率——踏切遮断率と申しますのは、午前七時から午後七時までの総遮断時分を十二時間で割って得た数値をいうわけでありますが、この遮断率をかけたものの値が千以上であるもの、そういう個所は立体交差にすべきであるというふうな考え方でございます。それから日本国有鉄道の鉄道で複線以上のものと一級国道で幅員が九メートル以上の道路とが交差する踏切道、それから立体交差を前提として一時的に平面交差となっておるようなもの、これはすみやかに立体交差とすべきでありますので、こういうところは指定しよう、こういう考え方でございます。仰せのように指定基準につきまして、従来いろいろ考え方の相違がございました。従ってこの指定基準につきまして両者の意見を一致させることが、この改良促進法案の実施については重要なポイントになるわけでございます。これについては鋭意今協議を進めておりますので、いましばらく御猶予願いたいと存じます。  なお、構造改良の基準につきましては、むしろ建設省の発議におきまして運輸省がこれを受けて御相談に応ずるという話し合いで、今建設省側の発案を待っておるような状況でございますので、後ほど建設省の方からお答えがあるかと存じます。  それから平面交差におきますところの踏切保安設備の整備基準でございますけれども、これにつきましては運輸省独自でできますので、すでに一応の基準につきましては成案を得ておりますので、これを若干訂正していけば十分間に合う、こういうふうに考えております。

前田光嘉建設事務官(道路局次長)

○前田説明員 立体交差化の基準につきましては、昨日申し上げましたように運輸省と最終的には意見の合致を見ておりません。若干の意見の相違がございますが、きのう申し上げましたように、交通量と遮断時間の関係を表現するのに、運輸省側の御意見に対しまして、われわれはもっと簡単に交通台数と遮断時間との相乗積の方が簡単じゃないかということを申し上げております。それからまた一級国道につきましては、先ほど一定の幅員を限度にいたしまして、幅員の小さいところは立体交差にする必要がないというふうな御意見でございますけれども、国の幹線であり、しかも将来交通が輻湊する可能性の多いところにつきましては、全部幅員のいかんによらず立体交差にしたいということで今意見の交換をいたしております。  それから構造改良の基準につきましては、一応建設省におきましては、まず踏切道の前後の道路と踏切道との幅員の差が非常に著しいもの、それから鉄道と道路との交差角が鋭くて見通しが悪いもの、それから踏切道の直前直後の勾配が急であること、こういうふうな踏切道につきまして、踏切道における構造の不備が原因または誘因となっておって踏切事故が発生じたもの、あるいは交通量と遮断時間との相乗積が大きなものを指定しようと思って案を作り、運輸省と事務折衝をしている段階でございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 設置基準なり構造基準というか、改善の方針というか、ただいまやっているということですが、今無理なことを言ってもしごく困難だと思いますが、そういうものを早急に確定して当委員会に出すべきだと私は思っております。運輸省もその通りだと思うのです。  そこで、大臣が退席するそうでありますから、大臣にお伺いします。大臣もお読みになっておると思うのですが、踏切事故防止対策の要項で、今までにこの法案を含めて満たされる面というものは非常に少ないという点でありまして、私は非常に残念であります。これはあなたの方の内閣がきめられた方針でありますから、別に私から申し上げなくてもいいと思いますが、確認するために一言申し上げたいのは、いろいろ書いてありますが、その中で、要項の一つは踏切道通行に関する措置として、この中で満たされたものは、言うまでもありませんが、道交法によって踏切道の一たん停車、こういうものがきちっとできているだけであります。その中で漏れている重大なものは、踏切の改善と相待って踏切保安員というか、そういうものに対する教育並びに素質の向上とあわせて踏切保安員に対する踏切道通行に対する禁止あるいは制限の法的権限を与えよというのが大きく抜けているわけです。これはいずれにしても踏切道改良というタイトルであるが、実際は踏切道における交通の円滑化ということをねらいにしておることは事実であります。それを一つだけとってあとは全然やらぬということでは話が違うのであります。第二番目の要項は、立体交差施設の整備改善に関する措置として、先ほど話を出しましたいわゆる構造基準を法定しろ、その内容についてはいろいろ言っておりますが、ただいま建設省から述べられたようなものを中身に入れろ、こういうふうに言っているわけであります。それからもう一つは、設置基準もやはり法律できめろ、その中身は立体交差すべきものの範囲を法定しろ、あるいは踏切道における列車の通過回数あるいは道路の交通量の見通し、そういうものによって適切な保安設備の種類をきめろ、こういうふうになっているわけであります。さらには交差施設の保守基準を法定しろ、こういうようなことがいろいろ抜けてあるわけです。ところが当然踏切道の改良とあわせてこれは中身へ入れるべきなのであります。お尋ねしますが、この法律とは別途にそういうものの法制化をはかる考えでございましょうか。いかがでしょう。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 この法律は踏切における交通安全を確保するための諸方策の一つだと考えております。今お述べになりましたように、いろいろあるわけでございますが、まず関係各省ともお話がつき、手を下しやすいものから逐次やっていく、こういう方針でこの踏切改良の促進法を立案いたしたのでございますが、今おっしゃいますような諸点につきましても、どうしても法律によらなければならぬものは法律による、あるいは法律によらなくて実施できるものは実施をしていく、こういうように進めて参りたいと考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そうしますと、踏切道における交通の円滑化の一つの方法としてこの法案を出してきた、これはわかりましたが、それじゃ私の質問の通りあとの抜けているものは今後近い将来考える御意思があるかどうか、いかがですか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 近い将来考えて参りたいと存じております。ただその中で踏切番人に対して相当交通整理の権限を与えるかどうかという点につきましては、私十分まだ検討する必要があるのじゃないかという気がいたしております。これを法律で権限を与える、また与えるにしてもどの程度の権限かという与え方もありましょうが、この点は相当大きな問題でありまするので、この点につきましては十分検討したい、こう考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それではあとからまだ質問がありますから先へ進めますが、今大臣がお述べになった踏切警手に踏切道における通行の指示権を与えることは問題があるということですが、現実に今の踏切道の通行は、両端においていわゆる自動車なり通行人が非常にたまる。しかも、それを今の法律の建前からいけばそこには警察官もおりませんし、門扉が上がればこれは当然両端にいる者は通行していいわけです。そうなった場合、現実に踏切道の中において交通が大きく支障を来たすわけです。こういう現実が所々方々に今日あるわけです。それを整理する権限が今日踏切警手にはもちろんありません。先ほど申し上げたように、警察官の配置もございません。これをどうやって解決するかも当面の大きな問題だと思います。これについてやはり疑問があるというのはどういう点でありましょうか、この機会に承っておきたい、こういうように思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 今おっしゃいますようなことは、法律上の権限を与えなければできないかどうかという点に若干疑問があるのであります。権限を与えた結果どうなるかということを考えますると、なお考慮する点が相当あろう、かように考えますので、それらをあわせまして十分検討いたします。

久保三郎日本社会党

○久保委員 この権限を与えなくてもということでありますが、今日のトラックの運転者、あるいは先を急ぐ通行人あるいはバス、こういうものは一刻を争っているのであります。権限のない者がこれを押えることあるいは指示することは非常に不可能な実態が今日あるわけです。これを十分考えて一つ研究をしていただかなければならぬと思うのでありますが、大臣は参議院の方に出られますから、警察庁の見解を一つ伺いたいのであります。こういう権限を付与することについて、警察庁はいかなる見解を持っておるかお伺いしたい。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村(行)政府委員 ただいま久保委員から御指摘のありました点は、非常にむずかしい問題をたくさん含んでおりまして、しかも非常に重要な問題であるのであります。久保委員も御案内かと思いますが、新道交法が制定される際に、踏切の交通の安全と危険防止という点に重点を置きまして、さらに踏切の直前で一時停止する義務をきびしくいたしました。従来、旧道路交通取締法におきます場合にはただし書きで、信号機の表示に従う場合以外に、警察官の指示、信号の指示に従って安全であるということを確認した場合には、一時停止しなくてもいいという、こういう義務がありましたので、踏切警手が信号人としての任務を持っておる。そうしてそういう場合に指示する一応の法的な裏づけがあって、それに基づいて法的な効果が出ておったわけであります。しかしここ数年来の踏切の事故を見ますと、非常に大きな事故が多うございまするし、また信号人の誤った指示によりまして踏切事故が起こっているのが三十五年には三七六件ございます。しかもそれは信号人の踏切警手の指示によりますので、進めと言われて安心して突っ走るということで非常に大きい事故が大部分であります。そういう観点のかね合いも考えまして、実はこの前の通常国会で、この道交法の審議の際に、信号機の表示する信号に従う場合だけは一時停止を免責する、こういうふうにいたしまして、踏切警手すなわち信号人の指示に従う場合は削りましたわけであります。そういう意味合いにおいて、ただいま先生のお尋ねの点は若干さらにきびしくなりました。この問題につきまして、もし踏切警手に通行指示権といいますか、指示する場合の法的効果を与えるという問題を考えます場合に、やはり踏切警手の資格要件といいますか、そういうものをもう少し厳重に考慮する規定上のいろいろな裏づけをしていただき、さらに踏切警手の交通整理上の訓練をもっと高度にやりまして、その他の条件を整えていきます場合には、あるいは踏切警手に踏切道における通行指示の権限といいますか、それによる効果を法的に裏づけするということは検討すべき問題でありますけれども、ただ、今結論的にそれはできるということも申し上げかねますので、十分に運輸省とも相談いたしまして、今後研究を進めて参りたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 ただいまお話があった一つの例の中でありますが、踏切警手の責任において通行したところが、大へんな事故になったという例をお示しになりましたが、これは通行指示権を与えても与えぬでもそれは同じ結果だとわれわれは考えます。しかもこれはまれな事故でありまして、後段あなたがおっしゃるところの踏切警手の資格要件、訓練といいますか、素質の向上、こういうものに待つ以外にはないのであります。これは指示権を与えるかどうかの論点には私は入らぬと思う。私が申し上げたいことは、両端にひしめき合っている通行者を円滑に通す場合に、そこに警官がおって、そうしてこれを整理するというならまだしも、そういう配置は今日の段階では非常にむずかしいだろうと思うし、また配置されても、かたがた鉄道の列車の通行の状況も日ごと多少変わって参ります。そういう事情を知らぬ警察官では残念ながら整理に当たり得ないではないか。むしろここでそういう実態があるのだから、実態に応じてまず第一に整理権を与えるべきではないか、こういうふうにも考える。さらにもう一つは資格要件のことでありますが、これはもちろんお話の通り、資格要件を高めて、真に交通指示権が付与できるものを配置するということが当然だと思う。これは言うまでもございません。  それから現在警察側との非公式な話し合いで、そういう整理をやっている踏み切りが多少あるそうであります。これはどういう見解に基づいておられますか。それはよろしいが、それでいいか、一たんその指示権が間違った場合の責任というのはどうなのか。警察側が負うべきか、踏切警手が負うべきか、いずれなのか。そういう点もこの際明らかにしてほしいと思うのです。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村(行)政府委員 ただいま私の手元で判断します場合に、鉄道側と相談しまして、踏切警手に、そういう指示の実際上の話し合いをつけて、踏切道における整理権といいますか、整理権の行使に基づかなければなりませんので、権とまではいきませんけれども、整理してもらう、そういうような話し合いをしていると私寡聞にして聞いておりませんけれども、かりにその話し合いがありましても、法律的には効果がありませんので、やはりその話し合いに基づいて、もし踏切警手があやまって、たとえば一時停止の義務があるにもかかわらず停止しないで通した場合に事故が起こったという場合には、当然踏切警手側にも責任がありますし、また一時停止をしなかった運転者の方にも責任があると私は思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そういう問題が現実にあるわけでありまして、なるほど一たん停止は道交法で確定しておりますから、そういう部面からいえば当然でありますが、たとえば一たん停止することによって交通が混乱する踏切がございますね。そういうものをよく考えられて検討すべき必要がある、こういうふうにわれわれは考えております。いずれにしても、現実にそういう踏切があることも御調査をいただきたい、こういうふうに思うわけです。なお、道交法だけで十分だというふうには考えておらぬのでございましょう、いかがですか。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村(行)政府委員 その通りでありまして、道交法だけではとても片づかない問題であります。ただ、御参考までにちょっと申し上げたい点は、来年度の予算要求で若干今の問題と関連した要求をいたしております。それは危険防止の観点だけでなしに、やはりその踏切を通る自動車や歩行者の交通の円滑化と両面考えなければいけませんので、そういうかね合いから運輸省側ともいろいろ相談し、私鉄側ともいろいろ相談いたしておりますが、列車側の通行が一日十回以下、それから逆に自動車側の一時間の通行が五十台以上、すなわちおおむね一分一台以上の交通量があるというものにつきましては、国の予算で踏切信号機をその踏切道につける、こういうふうにいたします場合には、いわゆるレールと連動いたしますので非常に正確になります。こういう危険防止と交通の円滑化の両面から多少でもプラスにしたいということでそういう要求をいたしておりまして、三百六十三カ所一応予算要求をいたしております。これがその通り通るかどうかわかりませんが、できるだけ努力して参りたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それはわかりました。  次の問題で、やはりこれは運輸省にまずお尋ねしたいのですが、踏切道というのは、設置の当初においては、いずれか原因がある、そういうわけで原因者負担というのが実は踏切道の改良なり設置の基準になっているように思うのであります。そのことは別として、踏切道を通行するものにとっては、やはり踏切道も道路であります。鉄道の専有物ではない、こういう思想もあるわけですね。そうだとすれば、今のように鉄道側の作業というか、これだけをもって踏切道を閉鎖することは、どうも全体の交通から見て理屈に合わぬ、こういうふうにわれわれは思う。しかもあかずの踏切というものが今日たくさん出てきておる。ここであります。そういうことでありますから、われわれとしては、当然次に考えられるのは、道路交通の面も考えて、鉄道事業者の列車運行なりその他の作業の調整をはかる必要がありはしないか、こういう考えなんです。もちろんこれを法的にきちっと規制することは非常に不可能だと思う。少なくとも今日まで、道路側というか、道路交通を主体とする建設省あるいは警察庁が鉄道事業者に対して、あかずの踏切をどうするかという協議、こういう協議さえ公式にはやっておらぬだろうと思うのです。また鉄道側にいたしますれば、列車運行という一つの前提だけを振りかざして一分一秒といえどもこれを変更するという考えが今日ではないと思う。ところが一般の通行者は非常に迷惑しておるのだ。私は、休会中になりますれば、毎日のごとく実はその被害者の一人なんです。一つの、構内にある踏切を例にとりますと、上下の列車はこれは当然でありますが、そのほかに貨物線の入れかえあるいは機関車の入れかえ、こういうふうなことでありまして、はなはだしいのは三十分くらいも閉鎖する。こういうのは道路交通からいっても非常に危険なんですね。もちろんこういうのは当然立体交差等を促進すべき筋合いのものでありますが、といって今のお話ではそう促進されないということならば、先ほど申し上げたように道路交通の面から鉄道事業者もこの調整をはかるということを考えてしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 確かに御指摘のようにそういう具体的な必要の起こる場合があると存じます。調整の余地があればよろしゅうございますけれども、私の考えではそういう場合がありましてもほとんど調整すべき余地はないのじゃないかというふうに考えるのでございます。従いまして、御指摘のように根本的にはこれを立体交差に持っていくよりほかに解決の方法がない、かように考えます。ただ、最近の道路交通事情にかんがみまして、従来の鉄道優先主義といいますか、鉄道万能主義の考え方は改めなければならぬと考えております。先ほど警察庁の保安局長からお話がありましたように、運輸省としても従来の態度をだいぶ変えまして、たとえば交通量は非常に多い、その割合にこれと交差しておる鉄道の運行回数が少ないというふうな場合には、むしろ道路交通信号機を警報機のかわりに設置して、これを鉄道と連動いたしまして、鉄道の運行しない場合には常時青、つまり通過信号を現示して、鉄道の通る場合にのみ赤を現示する、こういうふうなことで、むしろ道路輸送に重点を置いた施設の設置を考える、こういう考え方に変わって参っておるのでございまして、必ずしも多くの人の迷惑を無視して優先主義を振りかざしておるということでもないのでございます。ただ根本的には立体交差で解決するよりほかない。調整の余地は非常に少ないのじゃないかというふうに考えます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 調整の余地は少ないということでありますが、やはり根本的にはお話の通り私の言っておる通りでありまして、そういうところは立体交差にするのは当然であります。それを聞いておるのでなくて、それでは直ちに全部できるかというと、できない。今日自動車の増加は非常にはなはだしい、あるいは列車も増発しなければならぬ、こういう二つのものがあるわけですから、そこの調整なり調和をはかるという気がまえがなくてはならぬ、これは当然努力すべきだと思う。たとえば三分間が大体踏切の最小限度のあける時間だとします。ところが三分ならぬ二分だけある、その一分は入れかえだというのなら、この一分はちょっと押えるというくらいの工夫はあってしかるべきだと私は思う。はたしてそういうダイヤが組めるかどうかは問題があろうと思いますが、道路側できちっと何分あけろという規制は非常にむずかしいでしょう、できかねるでしょう。しかしながらそういう気がまえをしなければ、今日の当面する踏切道の通行を円滑化することは非常に不可能ではないかと思うのです。立体交差の工事を始めても三年かかるでしょう。その間どうするかの問題が今日当面の問題です。当面の問題を考えてしかるべきじゃないか、こういうふうにわれわれは考える。いずれにしてもこれは研究課題でありましょうが、少なくとも警察庁は道路交通の安全を担当するところなんでありますが、今までそういうことをやったためしはございますか。

木村行藏警視監(警察庁保安局長)

○木村(行)政府委員 ただいまの御説に全く共鳴申し上げるのですが、その線に沿いまして実は運輸省あるいは国鉄側と随時連絡会をやりまして協議をいたしておりますけれども、なかなか技術的にむずかしい点がありまして、実際にはその効果は上がっておりません。しかし先生のおっしゃる御説には全く共鳴いたしておりますので、できるだけその線に努力いたしたいと思います。

久保三郎日本社会党

○久保委員 次に自治省にお尋ねしたいのは、踏切道改善といっても多額の費用を要するわけなんであります。そこでこの法律案でも国の助成なり都道府県あるいは市町村の助成ということがあるわけでありますが、これはなかなかもって法律は出したものの容易なことではないと思うのであります。しかし、これは容易でないけれども、今日の交通の実態からいけば最大限の努力をしてもらわなければいかぬ、こう思っておるわけです。そこで、もう一つつけ加えて考えられないかどうかの問題でありますが、今日鉄道事業者にはそれぞれ固定資産税なりあるいは固定資産見合いの納付金という制度があるわけでありますが、せめてこの踏切道に関係するものはこの際その課税対象から除くのが、そしてその面からも助成というか促進するのが政府の責任ではないかと思うのです。この点はいかがでしょう。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 私、税の方を直接やっておりませんので、技術的な問題にもなりますので、はたして適当なお答えができるかどうかわかりませんが、現在固定資産税は御承知の通り企業の償却資産に対して自治体として課税するという建前をとっております。それはいろいろな企業はそれぞれ社会的責任を果たしながら収益を上げる事業をやっておるわけでありまして、そのうちのある部分だけをはずすということは、企業の負担というものがそういう社会的責任を果たす部面を含めてその経営をやっておる建前からいって、私鉄だけについてそういう考え方がとれるものかどうか多少問題があるのではないか。たとえば電気事業にいたしましても、やはり需用者の安全という見地からいろいろな配慮をされていることであろうと思います。またその他の工場にいたしましても、公害を防ぐというような配慮のもとにいろいろな施設もしておられると思います。従いましてそういう意味から企業としてある程度の社会の安全を保持しながら事業を行なっていくということは、ある意味においては当然の義務でございまして、そういう点から踏切道の問題はあるいは特殊かも存じませんけれども、一般的にいってそういうものを課税対象から特にはずすということについては、なお慎重に検討をする必要のある問題ではなかろうか、こういうふうに考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 今私がお話し申し上げたのはお答えになるものとはちょっと違うと思うのです。担当の責任者ではないそうでありますが、少なくともこれは市町村道なりあるいは都道府県道なりあるいは国道というものがございます。それにかかわる踏切道でありまして、それ以外の踏切道というのは一つもないわけです。しかもそこを通行する者はこれは大半がそこにおるところの地方住民ということになります。しかもその踏切道が改善されることによって利益を受ける者も同様でございます。そうだとすれば、予算の範囲内でありますかしれませんが、この法律の第七条で、政令で定めるところによって保安設備整備計画に必要な費用の一部を補助する、こうなっております。これもけっこうでありますが、改善すればするほど固定資産税がよけい取られるという矛盾は、やはりどこかで解決しなければいかぬと思うのです。そういう意味からいっても、これは一つ将来政府部内において十分考えて、その面くらいのいわゆる非課税は当然だとわれわれは考えておる。だから、なるほど電気事業やその他の事業の控除もございますから、これと一般的に比較して全部をやれというわけには、企業でありますから参りませんでしょう。しかしながら地域住民にとって一番必要なものである、しかもこれを改善すればするほど税金をよけい納めなければならぬという矛盾でありますから、そういう点を解決するのが一つではないか、こういうふうに考えるわけであります。御研究をいただきたいということでございます。  それからもう一つ、この法案で「予算の範囲内で、」云々ということになっておりますが、今年度、三十六年度どの程度自治省の中では考えておられるのでありましょう。

松島五郎自治事務官(財政局財政課長)

○松島説明員 これは御承知の通り国の予算と異なりまして、直接国の予算に計上をしてそこから出すというわけのものではなく、それぞれの地方団体の予算で計上して出すという性質のものでございますので、自治省の予算に計上するというようなものではございません。ただ私どもこういう法律ができます以上は、地方団体としてはこの法律の趣旨に従って善処を願わなければならぬわけでございますので、従いまして関係の地方団体としてはそれだけの支出が生まれてくるわけであります。その推計は、一応整備計画ができて具体的に取り上げられる個所がきまって参りませんとはっきりしないのでありますけれども、私どもは地方団体に対する措置といたしましては、今年度はさしあたりそういう必要の生じました団体には特別交付税等をもって措置をいたしたい、かように考えておる次第であります。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこで、これは運輸省に一括してお尋ねしますが、第七条の補助は「政令で定めるところにより、」というのでありますが、政令で定めるところの内容はどういうものでありますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 この政令で定めます内容は、国が交付する補助金の額は大体どういうものを対象にして算出するか、あるいはどういう程度の補助の割合を考えておるかということをはっきりさせたい、こういうことでございまして、大体運輸省として考えておりますのは、もちろんこれは大蔵省と打ち合わせまして最終的にはきまるわけでございますが、ただいまのところ保安設備整備計画の実施に要する費用のうち、その保安設備の整備に関係する工事のために直接必要な本工事費及び付帯工事費の合計額に三分の一を乗じて得た額とするというふうな考え方で進めております。  それからもう一つは、地方鉄道業者または軌道経営者に対しまして全部を補助の対象とするのではないのでありまして、本法案を政府提案としてまとめます過程におきましては、大蔵省との間におきましては、大体赤字欠損ないしはこれに準ずるという鉄道の事業者あるいは軌道経営者を対象にしよう、こういうふうな話し合いになっております。つまり自分の力でもってみずから保安設備を設置することは非常にむずかしいというものを対象として、国の補助の手を差し伸べようということでございますので、欠損を生じ、またはそれに準ずるようなもの、こういうようなことを政令でうたいたい、こういうことでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 そこでこの整備計画が運輸大臣と建設大臣の協議ですか、あるいは道路管理者とかそういうものできめた場合、この法案からいけば、鉄道事業者に大体押しつけ、といえば語弊がありますが、一つの命令形態でこれを改善する、こういうことに相なるわけでございますね。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 さようでございます。指定いたしますとこれを緊急に整備しなければならぬ義務が出て参るわけでございます。

久保三郎日本社会党

○久保委員 今政令の補助のことでお話がございましたが、大体において赤字経営のものに直接費の三分の一くらいを補助しよう、こういうことでありますが、実際に経営上そういう計画に実は乗っていけない。指定がありましても指定返上ということになった場合はどういうことになりますか。それでもやらせますか。いかがです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 保安設備整備に要する費用というのは、たとえば踏切警報機をとってみますと、一カ所大体百二十万円前後でございまして、現在の地方鉄道業者からいいますと、必ずしもその負担能力から見まして無理な要求ではないというふうに考えております。ただ地方のいわゆる弱小鉄道になりますとほとんど毎年赤字欠損で、とてもそういう施設の整備はできないというものも相当ございます。そこでこの第七条という条文を生かしまして、国からもあるいは都道府県、市町村の地方団体からも援助の手を差し伸べよう、こういうわけでございます。そのことによって大体そう大して無理をしないでスムーズに実施できる、かように考えております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 立体交差はどうなのです。警報機等はわかりました。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 立体交差は第六条にございますように、従来通りこれに要する費用は鉄道事業者と道路管理者が協議いたしまして分担いたすのでございますが、立体交差を必要とするような個所はおおむね大都市付近、つまり交通量の非常に多い都市の付近が多いと考えておりますので、そういったところの鉄道事業者は概して大きな鉄道事業者が多いのでございまして、負担能力は、もちろん非常に窮屈であるとは存じますけれども、ないとは言えない、かように考えております。もちろんこの立体交差は御承知のように巨額の経費を要するわけでございまして、このことが立体交差の進展に伴って相当の費用負担を鉄道事業者に対して要求せられる結果になるということになりますと、原価計算上は相当大きなウエートを占めて参る場合も考え得るのでございまして、こういったものは当然運賃改定というふうな機会に原価計算の上におきましても反映さしていきたい。当然そういうことは考えるべきであるというふうに私どもとしては目下のところ考慮いたしております。

久保三郎日本社会党

○久保委員 結論として運賃改定のときにそういうのは考えれば、というお話でありますが、少し筋が違うように考えられるわけです。道路を通る人の分までも鉄道に乗る人が負担しなければならぬというのは、鉄道に乗る人にとってはどうも承認しがたい話でございまして、鉄道事業者と道路管理者との話ならそれでも通ると思いますが、非常に問題だと思うのです。立体交差についてはなるほど都市近郊というか都市周辺に多いということでありますが、そうばかりも言えないのじゃなかろうか、こう思うわけであります。しかもそれによって鉄道事業者が非常に利益を得るというなら当然それは進んで資本投下をするでありましょう。これによっては全然利益を得られないのですから。全然といっても、別にふえはしないということですね。私がさっき言ったような非常な規制をして、その時間単位は汽車を通してはいかぬということでもやれば、そのかわり汽車が通るから、そういう利益になるということが出てくるかもしれませんが、それは不可能でありますから。そうなると結局今のこの法案に盛られたような財源措置だけでは、残念ながら促進がはかり得ないのじゃないか、決定的なものはないのじゃないかと申し上げたいのであります。もちろんそれは幾らかでも足しになるという程度でありますが、少なくとも財政負担の面を、もう少し税の問題も含めて考えてやらぬければ、それがまず先です。何といっても費用、いわゆる金の問題がネックになっているのでありますから、まず第一それを解決しないではだめだ。それから暫定措置としては先ほど申し上げたように、単に踏切道改良法案を出しただけでは、踏切道における交通の円滑化をはかれない。事故防止にもならない。だから現在あるがままの姿をまず率直に認めて、そうして第一段階、第二段階の方策をやはり網羅して立てるのが、今日の世論にこたえる道ではないかとわれわれは考えている。ところが残念ながらこの法律はたった一つ、しかも一小部分で、従来の方針からの前進はあまりない。法案に五ヵ年と書いてあるから五ヵ年過ぎたら大へんりっぱな踏切道がたくさんできるだろうという、いわゆる一つの夢があるだけであって、何らの今日の裏づけがないのを非常に残念とするわけであります。これは先ほど話も出たように、当委員会でもこれから引き続いて法案に関係なく審議を進めるということでありますから、私はこれ以上ここで質問いたしません。とにもかくにもこの法律はこういう形で、早く言えば時限立法であるような、ないような形で出てきた、しかも中身は、大へんに失礼でありますが、御苦労は大へん敬意を表しますが、苦労がいのないような法律ではないだろうか。これは言うまでもございませんが、この間政府の方でも発表したそうでありますが、少なくとも官庁間のセクショナリズムが今日こういう災いをしているという典型的な法律だと思って、われわれは今日記念すべき法律だと思っております。これがサンプルであるというふうに考えております。これは御列席の各庁ですか、知りませんが、そういう最高首脳部の方々もおられますが、特に政務次官、これはあなたも一つ本腰を入れぬというと、これが官庁のセクショナリズムの典型的な法律だということで後世に名をなすということになりますから反省をしていただきたい、こういうふうに思います

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 もう別に御質問はないのでございますけれども、ただ一点私申し上げておきたいのは、立体交差に要する費用を、これは道路交通の円滑化のための施設であるにもかかわらず、電車に乗っている乗客がそのための費用を分担する、つまり運賃の形において負担するということはおかしいじゃないか、こういう仰せでございますけれども、これはちょっと考え方がおかしいのじゃないかと思うのです。と申しますのは、動力車を運行してそのためにいろいろな危険が生ずるという場合には、鉄道事業者というものはその危険を防止するだけのいろいろな施設をしなければならぬ。これはいわゆる企業の社会的責任であろうかと思うのです。その社会的責任の範囲の限界についてはいろいろ議論があるとは思います。そこで立体交差もそういうわけで無縁のものではないわけです。やはりそうすることによって、列車の運行自体がスムーズになりますし、また列車の運行によって社会的に及ぼす危険、迷惑というものは少なくなるわけです。ですからそういうことにおいて、これに要する費用は全然鉄道利用者と関係がないとはいえないと思うのです。その点誤解のないようにしていただきたい。

久保三郎日本社会党

○久保委員 それは一つの考えでございまして、向こうからいろいろ御意見が出ればこちらの御意見も申し上げなければならぬ。これが国会という場であって、それをとめるものは何もありません。鉄道事業というものを考えた場合にそういう一面もございます。しかしながら今日の鉄道を企業として考えた場合に、そういうものまで乗客負担ということではたして妥当なりやいなやということは検討の要がある。あなたが言うような面を全然否定はしません。しかしながら今日の踏切道改良を乗客だけが負担しなければならぬという理屈はどこにあるだろうか。社会的な問題は社会的な立場から考えていかなければならぬ。一鉄道事業者や道路管理者だけの話であってはならぬということです。何かお話を聞くと、踏切を改善するのは当然乗っておる者がやるべきじゃなくて、踏切道というそのものの性格からいって、これは単なる輸送設備の改善とかあるいは列車の増発ということだけと同じように考えるべき筋合いではないということを私は申し上げたい。いずれ機会を見て論争をいたしましょう。あとがつかえておりますから、これでやめておきます。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 勝澤芳雄君。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 従来踏切道の改良が叫ばれてきまして、そういう立場からこの法案が出てきたことは大へんけっこうなことだと存じますけれども、この法案ができることによって、踏切が促進されなければならないと思うのです。法律ができることは目的でないので、踏切が促進されなければならないのですが、今、久保委員からも言われましたように、一体この法律は何をする法律だ、こういうことなんです。そこで、従来踏切の改良が促進されなかった原因が一体どこにあったのかという点をまず明確にさせていただきたいと思うのです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 これはいろいろ原因があると思いますし、また見る人によっていろいろ意見があると存じますが、私の個人的な見解を申し上げてみますと、要するに第一に立体交差にいたしましても、非常に多額の経費を要するということでございます。それから平面交差にいたしましても、保安設備を整備いたすということになりますと、相当の経費がかかる。これらの経費がかかるということ自体と、またその経費を道路管理者あるいは鉄道事業者側がいかに負担するかという負担の割合です。これについてなかなか話し合いがうまく進まない。道路法上は両者が協議して定めるということになっておりますけれども、それがなかなかうまくいかない。経費自体が多大にかかるということと、その経費の分担割合というものがはっきりしないということであろうかと存じます。もちろん経費自体について多額に上るという問題は、これは踏切の立体交差の重要性にかんがみまして、それぞれ当事者におきまして非常に認識が深まって参りましたので、最近におきましては、非常に積極的にこれと取り組むという気がまえによって、この問題はやや解消してきた感があるように考えております。ただ平面交差におきましては、鉄道事業者側に企業の社会的責任といたしまして、設備をしなければならない規定ももちろんございますし、また規定がなくても道義上当然それをすべきでございましょうが、一方踏切設備の設置の必要性が道路交通の激増、特にハイ・スピードの自動車の交通量の激増ということにも関連いたすものでございますので、その面の協力も必要であるという考え方が根本的にあるわけでございまして、従いまして保安設備の整備は、ただ鉄道事業者だけの責任ではないというふうな考え方が、無意識に支配して道路管理者側の協力がないためにその整備が必ずしも積極的でない、こういう点に一つ難点があるというふうにも考えるわけでございます。  それからもっと大きな問題といたしましては、道路管理者側と鉄道事業者側との立体交差すべき個所についての意見の一致がなかなか見られないというところに難点があろうかと思います。つまり道路側は必ずしも鉄道事業者が希望するような都心の交通量の非常に激しい踏切道を立体交差するよりか、そういったところはむしろそのままに捨てて、バイパス道路を作りまして、それによって平面交差の道路混雑を救済するという考え方に立ちまして、依然としてそういう考え方に立つ限りその踏切道は平面交差として残るわけでございます。ですから鉄道事業者側からいいますと、その踏切そのものを立体交差してほしいにもかかわらず、道路管理者側はバイパスに主力を置いて考えるというようなことで、立体交差すべき個所についての意見の一致が見られないということではないか、こう思います。さらに立体交差について考えてみますと、国道については建設省みずから積極的に財政的にもめんどうが見られるわけでありますけれども、地方道以下になりますと、非常に負担力の小さい地方公共団体になりますので、かりに鉄道事業者側が立体交差すべきことについて応じましても、これに対応するだけの分担の経費がなかなか出ない、こういうことにも問題があるのではないかというふうに推測いたしております。大体そんなところじゃないかと思います。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 今踏切道の改良が促進されなかった原因について説明があったのでありますが、その原因を除去するためにこの法律が作られたと思うのです。その原因というのは、まず第一番が費用がかかるということが問題でありますし、そうして両者の意見が一致しない原因は、もとをただせば金の負担ということになると思います。それがこの法律を作る中でどのように具体的に考えられたのか、もっと具体的に言うならば、一体三十六年度以降五ヵ年計画で踏切道改良のための予算は幾ら使うのか、何カ所直るのかという点を明確にしていただきたいと思います。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 ただいま、従来この踏切の改善が必ずしも積極的でなかった理由をあげましたが、その点がこの法律案においてどういうふうに救済されておるかというお尋ねでございますが、道路管理者側と鉄道事業者側との意見が必ずしも一致していなかったという点につきましては、第三条におきまして「運輸大臣及び建設大臣は、踏切道における交通量、踏切事故の発生状況その他の事情を考慮して運輸省令、建設省令で定める基準に従い、」立体交差をすべき個所あるいは構造を改良すべき個所について指定するということに相なっておりますので、両者の考え方がこの省令ではっきり意見の一致を見たものとして現われるわけでございまして、従って、その基準に従って指定するということになりますと、非常にスムーズに立体交差すべき個所が指定できるというところに特徴があるようにわれわれは考えております。  それから第二の、経費がかかるという点でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、踏切問題が非常に重大化して参りましたので、道路管理者側におきましても、あるいは鉄道事業者側におきましても自覚を非常に強めて参りまして、積極的にこの整備と取り組むようになりましたので、経費の問題はほとんど解決しておるのではないかというふうに考えております。ただ、立体交差あたりになりますと、非常に多額の経費を要しますので、これにつきましては、第八条におきまして「運輸大臣は、この法律の規定による踏切道の改良について、鉄道事業者が必要とする資金の確保に関する措置を講ずるように努めるものとする。」とございまして、政府も援助することになっておりますが、とれにつきましては、運輸省といたしまして開発銀行といろいろ折衝いたしました結果、踏切の立体交差化に要する資金については開発銀行の融資の対象にするということに話し合いがつきまして、来年度はとりあえず立体交差をすべき個所二十四カ所につきまして、約八億七千万円の融資のあっせんをしてもらうようにそれぞれ手続をとっておるわけでございます。また踏切保安設備の整備につきましては、中には非常に財政的に弱体で整備ができないようなものもございましょうから、この七条によって、国または都道府県、市町村は補助金を出しまして援助の手を差し伸べることができるということになっておるわけでございまして、国で補助する分につきましては、来年度予算に約六千五百三十三万円を要求いたしておるのでございます。こういったことで、大体従来隘路と目されるようなものは、この促進法においておおむね解決することができる、かように考えておる次第でございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 どうも今の御説明がよくわからないのですけれども、この法律ができることによって三十六年度以降五ヵ年計画で全国、鉄道、道路を含めて何カ所、総額何億の計画を持っておるのか、それを年度別にどういうふうに持っておるのか、そうしてそれが私鉄なりあるいは地方自治体なり、そういう関係で、予算は総額的にどういうふうな資金的裏づけになっているかという点をお尋ねしたいのです。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 これは先ほど久保委員の御質問にお答えいたしましたときに申し上げたのでございますが、まず、立体交差すべき踏切道は、建設省と指定基準を相談いたしましてきめまして、それから指定して初めてどのくらいになるかということが出るわけでございますが、目下のところ、運輸省におきましては、国鉄三百四十カ所、私鉄六十カ所、計四百カ所程度、これに要する費用として国鉄は約三百八十億円、私鉄は二百六十億円、計約六百四十億円と見込んでおります。それから保安設備の整備は、国鉄約三千二百カ所、私鉄約千四百カ所の踏切道についてその必要性が認められておりますので、これを五ヵ年間で整備していきたい、経費は国鉄が三十五億円、私鉄が十三億円程度のものとなろうかと見込んでおります。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 そうすると、今言われた資金というものは、ある程度五ヵ年計画の中で大蔵省から認められたというか、了解された計画である、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 五ヵ年計画として認められた所要の経費であるかどうかということでございますけれども、国鉄につきましては、五ヵ年間全般の所要資金について大蔵省が承諾しておるということはございません。やはり毎年度予算に計上いたしまして要求するわけでございます。しかし、国鉄としては、五ヵ年間に二百五十億円の踏切改善のための経費を投入するということはすでにきめておるわけでございまして、これは大体その通り確保できると期待していただいてよろしいかと存じます。私鉄につきましては、これは私鉄みずから負担するわけでございまして、別に大蔵省の関係はございません。ただ、弱小地方鉄道につきまして国が援助する場合に当然予算措置が必要でございますが、これはやはり毎年予算折衝で話し合っていかなければならぬ、かように考えております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この踏切の改良しなければならないということと、実際にこれをどう改良するかということは、その事業にとっては大へんな問題だと思うのです。たとえば、通産省の関係で鉱害の防止ということが最近盛んに言われているわけです。しかし、たとえば何億というものをかければその鉱害を防止することが科学的に可能である。可能だけれども、そんなことをするより黙っていた方が得だ、あるいは文句言ったときに補償を少しやった方が得だ、金利一割以下の負担で十分やっていける、こういうことで、鉱害復旧というものは、やかましく言われておってもなかなかできないわけです。私は踏切は同じような状態だと思うのです。ですから、積極的に踏切を直そうというふうに考えることは、国ならともかくも、営業をやっている企業においてはなかなか困難だと思うのです。この前私鉄の運賃の問題でお尋ねしたときに、五ヵ年計画でこういう計画を持っておりました。今度の運賃値上げでも五ヵ年間にこういう計画を持っているという資料をいただきました。しかし、その五ヵ年計画の実績は、ひどいところは三割しか実施していない。多いところで約五割です。それについて、では鉄監局としての監督行政があるかといえば、監督があるような、ないようなものであると私は思うのです。この踏切だって、先ほどあなたは都市の立体交差なんかは、経営のよい会社がやるのだからそれはもうできるだろう、こう言われておりますけれども、結局そっちをやるよりこっちの車を作った方がよい、もっと営業収益の上がる方に資金を流した方がよいということは、当然だれも考えることだと思うのです。だから、今の国の方針あるいは今の社会情勢の中から、新しい情勢としてもっと呼び水的なものを出すことによってやはり義務づけを強制的にしていかなければ気の毒だと思うのです。それは幾ら鉄監局長やります、やりますと言ったって、できた結果というのは一年たってみればわかると思うのです。あなたの予定のせいぜいうまくいって五割、まずければ三割しかいかないと思う。いかないからあなたに幾ら何か言ったって、結局大蔵省が予算を出さなかったんだ、努力したんだが私鉄がやらなんだということになって、運賃だけが上がったということになるのですから、そういう点を考えてこの問題を取り上げないといけないと思うのです。十分それは取り上げたわけなんでしょうけれども、大蔵省の方が金を出さぬからしてこんな法律になってしまったと思うのですが……。  そこで、次に指定の問題です。指定の問題は運輸大臣と建設大臣と、こういうふうになっております。結局基準は共同省令だという説明がなされていたようでありますけれども、これは具体的に条文上は別々に指定が運輸大臣、建設大臣と書かれておりますけれども、実際の取り扱いとしては一致をして指定をしていく、こういうことになるのじゃないかと思うのですが、この点具体的にそういうものはいつごろきまっていくのかという点をお尋ねいたします。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 仰せの通りでございまして、運輸省令、建設省令で、一本の省令で基準を定めるわけでございまして、この基準に従って指定されるわけであります。ただし、これは立体交差化と構造の改良についてでございます。それから踏切道の保安設備の整備は運輸大臣限りにおきまして、踏切道における交通量、踏切事故の発生状況その他の事情を考慮いたしまして、運輸省令で定める基準で指定いたします。  いつごろこれができるかというお話でございますが、われわれといたしましてはできるだけ努力いたしまして、一カ月以内にはまとめ得る自信を持っております。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 次に六条の費用の負担の関係でありますけれども、道路管理者と鉄道事業者が協議して負担するものとするとありますが、この負担割合というものは今どういうふうにお考えになっておられますか。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 立体交差化あるいは構造改良計画の実施に要する費用は、両者が協議して負担するということに条文上なっておりますが、これは従来のやり方を踏襲したものでございまして、従来の例によりますと、たとえば国鉄の場合でございますと、建設省との間に協定を結んでおりまして、その協定によりますと、立体交差化する場合には国鉄が三分の一、道路管理者が三分の二というふうなことでありますし、また鉄道が先に敷設されておりまして、道路があとからあらためて作られるというふうな場合には、立体交差あるいは踏切道の設置に要する費用は、そういった工事を必要とするに至った原因を持つ道路管理者側が全額負担するということになりますし、逆に道路がすでにある場合にそれと交差する鉄道を敷設する場合には、鉄道事業者が踏切あるいは立体交差の施設に要する経費を全額負担する、いわゆる原因者負担主義でございます。そういうような例によってやっております。それから私鉄につきましては、こういった協定はございませんが、大体この建設省と国鉄との間におきます協定の精神にのっとりまして、そのつど道路管理者と協議されておるようでございまして、立体交差につきましてはいろいろそのケースによって負担率がまちまちでございます。鉄道事業者側が八分の一あるいは七分の一くらいの負担率にとどまっておる場合もございますし、あるいは五分の一くらいの負担率になっておるものもございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 それから、先ほども説明がありましたが、第七条の補助の関係でありますけれども、結局保安設備整備計画のようなものは、大体大きなところはできるから、赤字欠損、それに準ずる会社程度に費用の一部を補助するのだ、こういう考え方であり、第八条の関係では立体交差と構造改良のものだと思うのですけれども、この七条の補助なり八条の資金の確保の問題というものは、大へん重要な、この法律の骨子になっておると思うのです。これがやはりもう少し具体的に出てこないと、この法律そのものが生きてはこないだろうと思うのですけれども、この七条なり八条なり、資金関係というものについては、一体どの程度までどういうふうにやればこれが促進されるというふうにお考えになっておるのですか、もう一度伺いたい。

岡本悟運輸事務官(鉄道監督局長)

○岡本政府委員 第七条につきましてはすでに御説明申し上げましたように、この法案が成立いたしましたら、来年度の予算につきまして補助金を要求したい、かように考えておりまして、すでに概算要求は大蔵省に提出してございます。補助対象会社は約四十九社でございまして、赤字会社四十社と、これに準ずる会社として固定資産に対する収益率が五%以下のもの九社を含めたものでございます。これらの会社で現に整備を要する踏切道が三百八十七カ所ありまして、これを三十七年、三十八年の二カ年で整備するものといたしまして、三十七年度整備分百九十九カ所の工事費一億九千六百万円に対しまして、国の補助率を三分の一として補助額は六千五百三十三万となりますので、この額を要求いたしておるわけでございます。なお七条の第二項によりまして、都道府県または市町村はこういったものに対してやはり補助金を与えることができますので、運輸省といたしましては国の補助に加えてさらにこういった地方公共団体からの補助がやはり三分の一程度期待できるものと考えております。そういたしますとこういった赤字欠損、あるいはこれに準ずるような地方鉄道業者、軌道経営者は三分の二の補助を得ることになるわけでございまして、あとの三分の一程度なら十分負担力はあるものと考えております。  なお第八条でございますけれども、踏切改善のうち一番大きな資金を要するものは、御承知のように立体交差でございますが、その立体交差につきましては先ほど来申し上げておりますように、開発銀行の融資対象として取り上げてもらうことに話し合いがつきまして、来年度私鉄十社の立体交差個所二十四カ所につきまして八億七千万円の融資あっせんを願いたいということを申し入れてございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 あまり時間がありませんので、最後に、最近新幹線の建設に伴って各地で踏切道の新設に伴い、その経費負担の問題でいろいろと話し合いが進められておりますが、その中で特に静岡市内に建設する操車場、それから電車区、こういうものの新設に伴って、道路が鉄道と交差するための改良工事が今行なわれておるわけでありますが、これに伴う立体交差の費用分担というようなものは、いろいろ説明を聞いてみますと、今までの建設省と国鉄との協定をそのままで適用することはあまり適当ではないのではないだろうか、こういうように思うわけでございまして、このためには当然費用の分担等について何らかの特例を考えていかなければ、今の新幹線の建設なり、あるいは国鉄自体の必要によって起こるところの操車場とか電車区、こういうような膨大な個所の踏切改良というものは困難ではないかと思うのですが、これについてどういうふうにお考えなされているか。あるいはこれの話し合い、協議がまとまる見通しはどういうふうになっておるか、その点についてお尋ねいたしたい。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 お答え申し上げます。  先ほど来鉄監局長から御説明がございましたように、従来の踏切を除去します分については分担の協定ができております。中間部分は三分の一を国鉄が持ち、あとの構内においては二分の一まで持てることにいたしておるのでございます。ところが新たに鉄道が原因を投げますような工事になりますと、いわゆる原因者負担というふうな問題がやはり起きて参りまして、静岡の場合は従来の東海道線に沿いまして操車場を作りますので、踏切の長さと申しますか、道路のまたがる部分が非常に長くなるわけであります。それにさらに都市計画といたしまして幅員を拡張されるというような事情がございますので、この場合は両方の原因者の負担責任が重なって参り、しかも建鉄協定といっておりますが、従来の建設省と国鉄との協定の精神を尊重しなければならぬという特殊なケースでございまして、いろいろ地元の方の御要望もくみ取り、しかも建設省の方である程度新線についての協定も結ばれておりますので、地元の事情をくみ取りまして近日中に話がまとまる見込みでございます。

勝澤芳雄日本社会党

○勝澤委員 この原因というものは一応操車場とか駅舎が新設されるという建前から一つの問題が起こってきたわけであります。たまたまそれについて市も従来の計画があるから拡幅しようじゃないか、こういうことになってきたと思うのです。従いましてそれを従来の基準でいろいろとやるということは私は不合理なものだと思っております。今のお話でも最終的にまとまりかけているというようなことでありますので、一つ地元の意向も十分聞いていただきまして、お互いにこれは市なり国鉄なり公共的な機関でありますから、将来協力しなければならぬ点が多々あると思いますので、そういう点一つ十分な協議をされて円満な解決に一つ促進していただきたいと思います。  最後に、大臣がお見えになりましたから私ちょっと申し上げておきますけれども、先ほど久保委員からもこの法案につきましてはいろいろ言われました。結論的に言うならば、この法律ができても促進されるかどうかは法律できまるのでなくして、その裏づけである予算というものできめられると思うわけでありまして、また鉄監局そのものも、今までのような考え方ではなくして積極的に整備していくという考え方で建設省とも打ち合わせをしながら、やはり私鉄についても十分な監督、指導をしながら今日の世論にこたえて踏切事故をなくするように積極的にやっていただきたいと存じますし、その資金的な裏づけにつきましては、来年度予算の中で十分考えられていいと思うのですけれども、それが実現されるようにぜひしていただきたいということを要望いたしまして私の質問を終わります。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 本案についてほかに御質疑はございませんか。——ほかにないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。     —————————————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 これより討論に入ります。  討論の通告がありますので、これを許します。山口丈太郎君。

山口丈太郎日本社会党

○山口(丈)委員 ただいま議題となりました踏切道改良促進法案につきまして、日本社会党を代表して二、三要望を兼ねて討論をいたしたいと存じます。  本法案は、最近の道路交通のひんぱん化に伴い、自動車事故等の激増するのを防止するために鉄道踏切の改良を促進せんとするものでありまして、その趣旨につきましては私どもあげて賛成をいたすところであります。しかし、本法案をただいままで審議いたして参りましたところを見ますると、多くの矛盾点やあるいはまたこの法案を改正すべき諸点も多々あるのであります。しかも審議の過程で明らかになりましたように、政府が行政上法律をもってこの踏切道を改良するゆえんは、今まで業者によってのみ行なわれておりました踏切改良工事に対しまして、いわば国が法律によってある程度の強制力を持たそうとするものであります。こういうことでありますから、当然その強制力に対しては、政治的にも行政的にも確固たる資金的あるいはまた補助的責任を明確にすべきものだと思うのでありますが、本法律案の内容を見ますと、そういった重大な点に関しまして積極的な施策がないことが不備の第一条件であります。もしこれを解決しなければ、いかに法律を作りましても、この踏切道の改良を促進することは不可能だと思うのであります。従いまして今後におきましてはこれらの点に特段の注意と努力を払われるよう要望いたす次第であります。  第二に申し上げたい点は、この法律案が提案されました前国会から、相当の時日を要しておるのであります。しかるに、今日この法案審議の過程におきまして、建設省、運輸省等、当法案に関係のある各省におきまして、いまだこの法施行に伴う踏切道の改良基準等についても、何ら示されるところがないのであります。承りますと、それは時間的な制約等もあって、その基準を示すことができなかったとの答弁でありますけれども、それは私どもの納得し得ないところでありまして、今日まで時間的な余裕は十分にあった。しかもこの法案は時限立法の性格を持ったのでありまして、五ヵ年という期限を付したものであります。しかも本年度はすでに会計年度では半ばを経過いたしておるのでありますが、いまだにその基準すら示されないということは、私はその裏に、この法を施行するにあたって、いまなお建設省、運輸省において、それぞれ経費の負担あるいは国庫の補助、融資の問題等が解決されていないことを物語っておるのではないかと思うのであります。これでは本年度この法案が通過いたしましても、実際にはその計画を実行に移すことは不可能ではなかろうかと思うのでありまして、実質上は三十七年度からの実施ということになるでありましょう。それでは今まで運輸行政一般の問題として、第二次五ヵ年計画を策定されたその計画とも大きな矛盾を来たしてくると思うのであります。こういうことではいわゆる仏作って魂入れずという結果に陥るのであります。こういうような措置がいまだにとられていないということは、国民に建設省、運輸省がこの法律に伴う踏切道の改良促進に対してどれだけの熱意を持っておるか疑われてもいたし方がないと思うのであります。従って今後におきましては早急に建設省、運輸省、大蔵省等、それぞれ関係各省におきまして、一刻も早くその基準をきめていただきたい。これは社会的に、道路交通のひんぱんになったことが原因となっておるのであって、業者の、いわゆる鉄道側の交通の頻度によって起こるものとも考えられないような事態もあるのであります。従って、これはやはり踏切道法によって強制をいたします場合には、一そう行政的責任は重大だと私は思うのであります。しかるにその裏づけのない法律案を作って強制するということは、まことにもって本末転倒のやり方といっても過言ではございません。それゆえに、ただ経営者のみではありません、労働組合等もあげてこの法案の修正を要望されていたのであります。しかし審議の時間的な関係もあり、会期の関係もありまして、一応私どもは、従来とは違って踏切の改良に関して一歩の前進であることを認め、賛成をいたす次第でありますが、以上申し述べましたような事案について今後法案の不備についてもその改正のために特段の努力をせられるよう希望いたしまして、賛成討論といたします。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 これより採決いたします。  踏切道改良促進法案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。  なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 この際、小委員会の設置に関する件についてお諮りいたします。  先般の理事会の協議によりまして踏切道整備に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員の員数は十名とし、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 御異議なしと認め、小委員に    關谷 勝利君  高橋清一郎君    塚原 俊郎君  西村 英一君    細田 吉藏君  山田 彌一君    久保 二郎君  肥田 次郎君    山口丈太郎君  内海  清君 をそれぞれ指名することとし、小委員長に高橋清一郎君を指名いたします。      ————◇—————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 次に都市交通に関する小委員の補欠選任についてお諮りいたします。  小委員佐々木義武君が先般委員を辞任されたため、小委員が一名欠員になっておりましたが、同君が再び委員に選任されましたので、佐々木義武君を再度小委員に指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 次に、航空に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。武藤山治君。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大へん時間がおそいようでありますから、要点だけをかいつまんで質疑をしてみたいと存じます。  最初に、大臣がお見えになる間に大臣にお尋ねしておきたいと思います。実は私どもの栃木県、群馬県、埼玉県の青年会議所の諸君が、第二国際空港の誘致運動と申しますか、アイデアを打ち出しまして、過般九月の十二日の日だと思いますが、斎藤運輸大臣と小平総務長官に面会をして、その青年の構想なるものを文書をもって手渡したと聞いておりますが、そういう事実があるのかどうか、大臣に一つお答えを願いたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 太田の飛行場を国際空港の補助にでもやってもらったらどうだろうという御希望がございました。私は今の羽田の空港の将来の整備ということを考えてみます際に、あそこがはたして将来の拡張の任にたえ得るかどうかという点につきましても、疑問の点も若干ございます。従いまして、補助空港として将来考えることについては、絶対そんなことは考えにも及ばぬということではないから、一つ将来の太田とこちらとの交通事情といわゆる道路交通その他のことも考え合わせまして、将来の問題として検討してみましょうというお答えをいたしておいたわけでありますが、以来その通りに考えております。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 今の大臣の答弁を聞きますと、大臣と防衛庁なり、他の管轄の庁との間の連絡が不十分のために、現在太田の飛行場がどういう状況になっているかということを大臣がお知りになっておらなかった、そういうところに、運動しておる青年に非常に大きな迷惑がかかったような気がするのです。というのは、太田の飛行場はすでに払い下げが決定をして首都圏整備法による工場団地ということで確定をしている。国の補助金もすでにつくようにきまっておる。そういう状況をやはり運輸大臣としては青年たちの陳情者に率直に答えてやれば、こういう運動は発展させずに他の方法に転化できたと思うのであります。そういう点、今でも大臣は太田の飛行場が工場団地に指定されて、もう飛行場としては断念せざるを得ないという状況については御存じないのでしょうか、その点を一つ……。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 私は工場団地ということに一応きまっておることも承知いたしておりますが、しかしそれらは地方の要望その他によってどういうように変化をしてくるかもわかりませんから、そこで私はその程度のお答えをいたしておったわけでありますが、自衛隊その他と実際真剣に今すぐ問題になるというものではございませんから、将来そういうようなことにでもなればという程度の答えをしておいたにすぎません。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 私どもの調べた範囲では、太田の飛行場はすでにそういうわけで工場団地に確定をして国の補助金もつく、こういうことでありますから、おそらく第二空港の誘致ということを運動してもむだですし、さらに太田市なり大泉町長なり行政当局の意見を聞きましても、すでにそういうことがはっきりきまっているから、飛行場の誘致だけはやめてほしい、こういう連絡も受けたような状況であります。  そこで観点を変えて少し御質問してみたいと思うわけでありますが、十八日の本委員会で勝澤さん、さらに加藤勘十さんから、やはり第二空港の問題で質疑がなされております。その質疑の中で、大臣もお答えいたしておりますが、今後第二空港としてどこを選定するか、そしていつから始めてよいかということについてはまだはっきり返答はできないが、今の状態では狭いようだという趣旨の答弁をいたしております。さらに航空局長は、現在の羽田空港では十分でない、不安がある、従って来年度の予算には第二空港調査費というものを要求いたしております、こういう明確な回答をいたしておるわけであります。そこでお尋ねを進めるわけでありますが、一体第二空港を作る場合にはどんな条件——まだ確定じゃありませんから明確な答弁は無理でしょうが、どんな条件のところを目安としているのか、その点のアウトラインを一つお示し願いたいと思うのであります。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 これはいろいろ技術的な条件がございますから、局長からお答えいたさせます。

今井栄文運輸事務官(航空局長)

○今井説明員 今のどういうふうな条件が将来にわたって第二空港として必要かということでございますが、将来の空港の規模というものは、その大きさからいうと大体二百万坪ぐらい要るのじゃないかというふうなことが一般に言われておるわけでございます。私どもは十分そういう面の設計図を作っておるわけではございませんが、そういうふうな程度の話は私どもとして十分承知いたしております。現在、御承知のように羽田国際空港は三十万坪の埋め立てを完了いたしまして、ようやく百万坪になったという状況でございます。従いまして百万坪の埋め立てをいたしまして、現在の計画としましては、約三千メートルの滑走路を並行で二本作る、これをオリンピックの年までに完成させるという計画で進んでおります。飛行機の発達は非常に急激でございますので、私どもも将来明確に予想はできないのでございますが、一応の見通しといたしましては、空港ビルにおける検疫あるいは税関、入国管理というふうな仕事の能力上の限界もございますし、それからまた管制上の飛行機をどの程度さばけるかという限界もございますし、私どもの予想としては、大体ここ十年ぐらいは何とか羽田が使えるのではないかというふうな感じでおるわけでございます。しかし非常に急速に飛行機が発達してきますので、はたしてそういうふうな程度まで羽田が使えるかどうかということは、どうも私どもとしても十分な確信がないわけでございます。従いまして今言いました程度の規模の空港の適地をどこに求めるかという問題がいろいろ議論されておるわけでございます。その場合にまだ私どもとしても十分——これは前に大臣も申し上げましたように、首都圏整備その他関係各省とも十分将来計画というものはお打ち合わせしなければできないわけでありますが、たとえば案といたしましては現在の羽田の空港をさらに百万坪埋め立て得るかどうかというような問題であるとか、あるいはまた東京湾の適当な海面を埋め立てて新しい空港を作るとか、あるいは他に適地を求めるかというふうな問題があるわけでございます。やはり空港全般の基本的な条件としましては、その立地事情なり、あるいは都市と都市との交通の関係であるとか、あるいは気象条件であるとかいうふうなものが当然技術的には問題になってくるわけでございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 来年度の予算に第二空港調査費を計上すべく要求しておると申しますが、どのくらい要求しておって、どのくらい調査費が通る見通しですか。

今井栄文運輸事務官(航空局長)

○今井説明員 今明確に数字は持っておりませんけれども、たしか五十万円か七、八十万円の間じゃなかろうかと思います。これはほんとうの調査だけの費用でございます。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 そこで、要望を兼ねた質疑になるわけでございますが、太田の飛行場の現状をあのまま工場団地にすることは、確かに国家的見地から見たらずいぶん損だと私は思うのです。ああいうせっかくある既存の飛行場を、できれば空港に使えればいいという希望は、かなりアイデアとしては私はりっぱだと思うのですが、現実には無理だ、こういう答えが出たわけでありますから、できれば首都圏の範囲内に属する府県、この辺で言うならば栃木、埼玉、群馬、茨城、大体道路さえ整備されれば四、五十分で東京に入れるところ、こういう程度の近距離のところで、しかも広大な土地があるという場所があるなら、そういうところに空港を作る方がいいのではないか、それでなくてもマンモス都市の東京を少しでも人口を減らそうということが、大きな政治上の論争になっておるのでございますから、そういう観点から一つ調査を進めてもらいたい、こういう希望を持つものです。というのは、関東東北縦貫道路が法に基づいて建設計画が進んでおりますが、来年度は五千万円の調査費が計上されるということがやや確定的になりました。この関東東北縦貫道路ができますと、ちょうど埼玉、群馬、栃木の県境を経て青森まで時速百二十キロで飛ばすという高速道路でございますから、東京に入るのも非常に時間が短縮されるわけです。たまたまその道路の予定地になっておる栃木県の下都賀郡に赤麻湧水池というのがございます。面積は三千百六十ヘクタールという非常に広大なもので、しかも今日治山治水事業が進行するにつれて、ダムの建設により水害が非常に少なくなってきた。そういう見地から、この湧水池がかなり他に利用できる面積ができてきた。こういうことが言われておるわけであります。そこで栃木、群馬、茨城、埼玉の四県にまたがるこの湧水池の付近を十分研究して、これならば弾丸道路ができた場合には東京へ四十分で入れる、しかも土地は全部国有地である、買収費は要らぬ、こういう見地から、今三県の青年会議所の諸君が新たな構想を練って一つ運輸省の耳に入れておこう、こういう運動が起こってきたわけであります。そこで、そこまでの距離とかあるいは今言った三千百六十ヘクタールという全く広い面積、こういうところを一つ十分検討してみようというお気持になられるかどうか、航空局長の御意見をお聞かせ願いたい。

今井栄文運輸事務官(航空局長)

○今井説明員 先ほども申し上げましたように、第二国際空港の候補地につきましては、今後の調査に待つわけでございますが、先生の今のお話もございましたので、もしそういうふうな点についての具体的な御計画、お話がございました際には、十分検討をいたしたいと思います。  それから、先ほど私ちょっと、東京国際空港の来年度の調査費の要求について五十万円ないし百万円というふうな額を申し上げましたが、これは私の他の予算項目との思い違いでありまして、東京については個々的には私の手元の資料にはございませんが、来年度の調査費の合計が、東京をも含めまして七カ所について千五百万円要求いたしております。従ってその一部になるわけでございますが、今東京についてだけの調査費の資料がございませんので、後ほどまた調べた上で御連絡いたしたいと思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大体栃木県のそういう場所も調査をしてみてもいいという御意見でありますから、私もやや満足でございます。ただ、今の日本の行政のやり方を見ておりますと、運輸省は運輸省、建設省は建設省、農林省は農林省という形で、その間の連絡というものが十分とれていない。従って太田のような問題も出てきますし、それから膨大な国有資源というものが眠っておるという場合もあるのです。そこで、首都圏整備法という法律ができたからには、できるだけその圏内に指定されておる都市が十分発展ができ、しかも東京の人口が分散できる、そういう大きな国家的な見地から第二空港の問題なども考えたらいいのじゃないか。羽田の拡張という問題については、特に品川出身の加藤勘十さんの質問要旨を読んでみますと、すでに騒音防止の問題がこれ以上拡張はもう無理だ、どうしてもこれは狭いのだ、そういうようなこともはっきり言い切ったり、いろいろなあつれきが起こる状況なども述べられております。そういうところを拡張するよりは、やはり関東は一つの経済圏である、一つの地域だという大きな考え方から、大東京首都圏というものを一つ構想の中に描いてもらいたい。私は、そういう大きなアイデアで今日の東京都の問題も解決しようとしないと、将来行き詰まってしまうのじゃないか、そういうような心配も持つものでございます。せっかく一千五百万円の予算が計上されたので、そういう大きな見地から、第二空港の問題に真剣に取り組んでもらいたい。大臣はこの前、青年会議所の諸君に、さらに検討してみようという御回答をなさったようでありますが、太田の問題は諸般の情勢からだめだ、そういうことをはっきり長谷川四郎代議士なり、あるいはは小平総務長官なりにお伝えをしておいた方が、大臣のためにも——私は青年諸君に失望を与えないと思いますから、一つ御注意を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 はっきりだめだということを決定いたしましたらさようにいたします。私はまだはっきりだめだということは——直接だめかいいか何もまだ聞いていないのですから、従ってどこがもうはっきりだめだということを言うのはまだ早過ぎると思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 大臣は、はっきりだめだということはまだ聞いておらぬと申しますけれども、それだとすれば、私は太田の問題は、もう大いにこれから大臣の方に陳情や請願をいたしますが、しかし、首都圏整備委員会の方で、はっきりもう工場団地ということに指定をして、補助金まで国の方でつけて、それは払い下げするのだということになってしまっておるのです。それを大臣がまだだめじゃないという認識を持つというのは、僕は閣内においておかしいと思うのです。同じ自民党から出ておる大臣の中で、そういう他の行政府のやったことを、おれらの方へ連絡がないから知らぬというような形で、まだだめじゃないということを言うのは、ちょっと僕はどう考えても筋が通らぬような気がするのです。それはほんとうにまだだめだという、失望する段階になっていないのでしょうか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 首都圏整備委員会の考え方というものは、私は非常に大事だ、こう思っております。首都圏整備委員会がまだ、第二空港をどこへ持っていったらいいかということもきめていません。また、首都圏整備委員会で、第二空港——今の羽田をどうしようか、あるいは羽田がだめな場合はどうしようかということを考えてもらわなければなりません。この考えのもとに立って結論を下してもらえばそれでよいと思います。どこがだめだ、どこが見込みがあるということを言うのはちょっと早過ぎると思います。

武藤山治日本社会党

○武藤委員 どこがだめでどこが見込みがあるというはっきりした答えを私は大臣から求めたいとは思わない。ただ、青年が純真な気持から自分たちのアイデアを打ち出して、長谷川代議士と小平総務長官を通じて、しかも大臣のところまでじきじきに陳情しておるわけです。その青年諸君は、大臣に会ってきたんだから、あるいは取り上げてもらえるだろうという望みをまだ持っておるわけです。ところが、事実は工場団地に指定されてしまって、もう飛行場の誘致運動をやってもだめなんだということが確定的なんです。それは大泉町長も太田の市長もはっきり文書をもって、予算の額までも内示してその内容を打ち出しておるわけです。それを大臣は、いや、まだ望みを完全に捨てたものでない、まだできるかできないかわからぬという二つの認識を持っておるというのは、僕はおかしいと思う。もう太田の場合はだめなんだという答えを出してやることが、やはりわれわれは国の政治をつかさどる大臣の立場としては親切だと思うのです。もうできないというのはわかっておるのですから。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 わかっておるとおっしゃれば、そうなるかもわかりません。わかりませんが、私みずからそれを確かめてみて、その上のことにいたします。      ————◇—————

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 この際、国鉄の経営に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。島本虎三君。

島本虎三日本社会党

○島本委員 表記の命題で若干質疑を申し上げたいと思います。これは私が言うまでもなく、昭和三十二年から発足した国鉄の第一次の五ヵ年計画、これが、計画そのものの規模または資金の不足、輸送需要に応じ切れない、こういうようないろいろな事情が重なりまして、今度国の長期経済発展に対応して、今度は経営の安定をはかるという命題のもとにあらためて第二次の五ヵ年計画が策定されて、三十六年度から四十年度までにわたる予算が九千七百五十億、こういうように組まれて、もうすでに通っておる。これは私があえて申し上げる必要もなく、はっきりした事実なんであります。しかし、これによりますと、主要幹線の線路増設と車両増強を主眼として輸送方式の近代化を行なう、こういうような説明もあるわけでございます。私が今聞こうとするのは、このようにして、現在ダイヤ編成なんかには特急や急行、こういうようなものを中心とした計画がりっぱに行なわれている。この現実の上に立って第二次五ヵ年計画を策定しこれを実施するのに、予算の中に駅舎の整備その他住民を中心としたサービスの改善という点に重点を置いて今後やるようなお考えなのか、それともこの国鉄内の輸送強化に重点を置いておやりになるような考えなのか、この点はっきりした大臣の答弁を伺った上で私これから具体的にお伺いしたい点があるわけでございますが、この点いかがでございましょうか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 国鉄はやはりサービスの改善ということも大事なことでございますから、これはいっときも忘れては相ならぬ問題だ、かように考えております。しかし、駅舎の改善その他等につきましては、特に重点をその方に注いでやるということのためには相当の金も要るわけであります。今日はやはり輸送の需要に応じるということが一番急務になっております。従って、それを最重点に打ち出してはおりますが、しかし、サービスの改善ということも、これはゆるがせにはできない、こう考えております。ただ、これを重点的に取り上げて、そして、資金総量の中から輸送力の増強という面までさいて持っていくというほどにはできないと思いますが、サービスの改善は、これは常時やっていかなければならぬと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その点は、昭和三十五年度の日本国有鉄道監査報告書に重点的に具体的に指摘してあり、この報告書によっても今の答弁はわかるのです。私の目を引いたのは、この工事内容の要点としてイ、ロ、ハ、ニとずっとやっておりますが、そのうちの(ヘ)というところに、停車場設備の増強、停車場設備の拡充強化、これも重点的に行なうのだということがはっきり載っているわけです。今、大臣の答弁によりますと、重点ではないのだということですが、ここに踏切の改善等を含めてとはっきり載っているのです。この辺何かお考えの相違はございませんか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 私は別段ないと思うのですが、たとえば停車場の設備の改善、これも輸送と非常に関係を持つわけであります。輸送とあまり関係を持たない停車場を非常にりっぱにしていくという点、この点はその次のいわゆる一般サービスという点でありまして、今日停車場の設備が悪いために輸送面で非常に困っているという点があるわけでありますから、そういう面から考えますと、その中に取り上げましたのは私は当然だ、こう思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 輸送面と関係ある方面の停車場の設備の整備をやるべきだという考えの上に立って、次の質問を展開いたします。  それは、御存じのように、北海道の札幌市の人口が現在四十万から六十万にふくれ上がっております。これは、これからもうほとんど広域経済圏が確立いたしまして、もうあの辺の百万都市はすぐ近いのじゃないかと言われている。この事情については大臣も十分知っておられると思う。ここで、現在のこの人口の急激なる増加という点で、おそらく札幌市においても昭和二十九年以来この昇降客の扱いについて、北の方へ伸びておるのに、南の方にばかり向いて、北口がないために、北口停車場をつけてくれという要請が現在までずっと行なわれておって、もうすでにある程度まで結論が出ておったのじゃないかとも聞いておるのですが、この点で昇降客の実に四割くらいがその方面の人だということを聞いております。その意義と必要性というものは十分認識すべきではないかと思うのですが、この点等について実情の調査も終わっておるはずだと思いますが、いかがでしょうか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 札幌駅は設備的に非常に行き詰まっておりまして、入口といたしましては表の方の整備を今まで非常に力を入れてやっておりまして、駅前広場、それから駅の本屋もやっと整備ができました。それから輸送力が非常に不足しておりましたので、先般ホームの増強、それから最近は小荷物の整備という工合に、駅の中心部分と表の方は大体整備を終わったのでありますが、御指摘のように最近人口が裏と申しますか、北口の方に非常に伸びて参ったことも承知しております。この方面に駅前広場を市の方で今確保しておられるようでございますが、いずれこういった問題につきましては分担その他の話もございますので、こちらといたしましては鋭意調査いたしまして御相談に応じたい。しかし今申し上げますように、今までは基本的な表の方あるいは駅の本屋のところに重点を注いでおりましたので、裏の方はややあとになったわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 大臣が次の用事があるそうですから、具体的な問題はあと事務当局にお伺いいたしまして、大臣の方だけあと一、二御質問申し上げたいと思います。どうも時間を制約されて、工合が悪いのですが、その点御了承願います。  そういうように人口の増からしてこれは当然やらなければならぬということになっておりますと、これはもう準備ができて、この北口の昇降口というものはやるということに決定というか、認めたものとわれわれ考えてよろしいのかどうか。この際、大臣、はっきり裏口に対する考え方として、必要によってやりますということだけ言っておいてもらいたい。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 私は具体的にどこまで進んでおるか存じませんが、抽象的に申し上げまして、札幌のみならず各都市に、表口だけであったのを今度裏の方に市街地が非常に発展してきたので、裏の方にもほしいというところがたくさんありまして、もっともなところが相当あると私は考えております。従ってできるだけ地元と話を進めてそういうところはやっていった方がいいというように考えます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それでは駅舎の問題はあと回しにします。  函館本線が今度新しい計画によりまして、ずっと旭川まで延びて、これもディーゼル化して特急が走っておる。今までは後志を通っておりまして、長万部から倶知安、小樽を通ってずっと奥地の方に行っていたのが、今度変わった。こういうことになりますと、あの辺の後志開拓と申しますか、開拓のいろいろな計画にそごを来たさないか、またこれと同時に、向こうの方では要望がはなはだ強いものがあるし、皆さんの耳にも達しておるのじゃないかと思うのです。おそらくは発展する上において企業性も考えてこれはやっておるということは十分わかりますが、はたしてこの後志方面のことをどのように考え、将来の開発に即応してどういうように処置しようと思っているのでしょうか、大臣いかがですか。

斎藤昇自由民主党運輸大臣

○斎藤国務大臣 私はまだ具体的に後志方面の開拓状況というものを承知いたしておりません。一つ具体的な問題として検討さしていただきたい、こう御承知おきを願います。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今の御指摘の問題は、函館本線が倶知安を経由いたしまして通っておったわけでありますが、この区間は非常な勾配区間でございまして、輸送力について非常につけにくいわけでございます。ところが北海道と内地との輸送が、客貨ともにふえて参りましたので、国鉄といたしましては従来の函館線を増強するよりも、地形的に非常に容易な室蘭線と千歳線をつなぎまして、これを使った方が旅客においても非常に便利である。それから貨物においても経費が安く済みますので、通過貨物について、あるいは通過旅客について、だんだんとこの方に転換していきたい、こういう考えを持っておるわけであります。このような次第でありまして、通過いたします列車が室蘭線の方を通りますと、それだけ従来の函館線の方に余力を生じますので、開発については御迷惑をおかけしないというような考え方を持っておるわけであります。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その問題につきまして、向こうの後志には小樽、倶知安というふうに重要な産業的な地位にある都市があるわけであります。それが今度はずされ、急行も減らされて、それでも十分考えているということは言えないのではないか。室蘭線が登別のあの集中豪雨によって二週間かそれに近いくらい不通になったとき、函館本線を倶知安経由で通らしたではないか、この経験等についても十分知っておられると思うのです。おそらくその点は両方ともやれるのではないかと思うのです。ことさらに向こうを選ばぬでも、今までの通りの函館本線をなぜやらぬのか、これに対してもやれないというのは決定的な不利な立地条件がおありなのですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 これはやはり比較の問題だと思いますけれども、戦後室蘭が非常に発達し、室蘭沿線についての旅客の輸送需要も強いというような事柄からも、急行列車をどう通すかというような措置がとられるべきものでございますので、小樽については別途小樽を中心としまして、札幌、岩見沢方面の輸送の改善というものを並行してやっております。それからまた倶知安の問題は、今ここに数字を用意してあるわけではありませんが、ある程度総体的には急行が減って御迷惑かもしれませんけれども、必要なサービスは逐次提供していくという考えであろうと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 特急ができてそれを利用して、大いにけっこうだということはいいのです。けっこうなことはけっこうです。しかしながら今ずっと沿線を見ますと温泉めぐりばかり、レジャー・ブームに乗った計画のようにさえ思われる。そうでしょう。登別、それから洞爺、もう全部温泉地帯をずっと回って札幌に入る、それからまっすぐ行くと層雲峡、おそらく特急は温泉めぐり、レジャー・ブームに乗った計画だ、こう思われるような計画なんです。ほんとうに経済的にそこを考えてやるというならば、もっともっと考え方において並行する計画があったってしかるべきだ。これは重大な問題ですから考えておいてもらいたい。あなたの方ではっきりした考えがあったら伺いたいと思うのです。今のようにあれは温泉めぐりコースのようなものです。こういうふうにやらぬと採算が合わぬのですか。もうからぬのですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 営業の問題は実は私直接担当はしておりませんけれども、国鉄といたしましても来られるお客様がどういう目的であろうとやはり運ばなければなりませんし、その需要に応じたサービスというものを提供しなければなりませんので、北海道に関しては事実非常なお客の伸びが夏に集中いたしまして、これはあるいはレジャー・ブームといわれるかもしれませんけれども、このお客の目的に応じた輸送を考えなければならぬということは事実だと思います。それと先ほど申しましたように室蘭を中心といたします工場の発展というふうなものが非常に顕著でございますので、その方の旅客の要請も強うございます。また事実数もふえておりますので、必ずしも室蘭線経由というものが温泉ばかりであるとはいえないと思うのでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 それと、これは要望ですが、後志の開発というようなものも現在北海道では大きくクローズ・アップされてきておるような状態ですから、特急をはずしてそのあと何も手直しをしないというようなことでなしに、それにかわるべきいろいろな輸送計画を拡充させるということで住民を納得させるようにして、このような不満をなくすように早く配慮をしてほしいわけです。常磐線と東北線のようにして両方通るようになったら一番いいわけです。こういうような配慮もあわせて計画の万全を期してもらいたい。  それから、大臣はいませんけれども、先ほど言ったような札幌の都市計画にからんで、駅舎の問題に具体的に入っていきます。そういたしますと、昭和二十九年にできて、本年の九月十日に国鉄が結論を出すということになっておったそうですが、いまだに結論が出ないという。札幌市の方でも都市計画は七割ほど済み、土地買収も済んで協力している。それなのに皆さんの方ではまだ結論を出していないということなんです。これは事実ですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 札幌ばかりではございませんで、実は従来税金を財源とされております都市計画の方は非常に進捗が早うございまして、運賃あるいは借入金で制約されております国鉄の方の投資が戦後非常におくれていることは事実でございます。これは全国的な傾向でございまして、今回の新五ヵ年計画で輸送力の方は回復できましょうけれども、まだ若干こういった点で各地に御迷惑をおかけしておると思っております。札幌につきましても先ほど申し上げましたように基本的な問題、ことに表の方の問題についてはようやく解決の緒についたわけでございますが、裏の問題につきましては市の方から裏に本屋を作ってくれという要望のあることも事実でございますし、また、先ほど御指摘がありましたように人口が非常に北に移っておりますので、鉄道の方も必要であるということは認めているわけでございますけれども、具体的に設計をまとめ、しかも分担の問題がまだ若干議論がございますので、年度割を決定するところまでいきかねておりまして、今御指摘のような返事がおくれているのではないかということを考えている次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これもまた重大な御答弁のように思います。というのは北口の新設によって札鉄は増収にならないものだから本社に対して効果的な理由を付して要求できないのだということをどなたかが漏らしておった。これは現在直接住民に不便をかけているけれども、四割になろうと五割になろうと、そっちに発展しようと、横を向こうと、前へ向こうと、うしろを向こうと、人が乗りおりさえして金をこっちに払ってくれればいいんだ。住民に対する利便はこの次でかまわないということになると今のような答弁でいいかと思うのです。しかしながら前に大臣が言ったように、また三十六年度の新しい第二次五カ年計画によってこれがはっきり指摘されているでしょう。停車場の整備確保は重点項目の中に入っているのですよ。輸送力だけの問題じゃないのです。従ってこういう問題をもっと国鉄当局が早く態度をきめて市の方に言ってやればいい。市の方では二十九年からこれを待って特別委員会を作ってまだ継続されているじゃありませんか。そういうどっちつかずの、態度をきめないままで、ぶらぶらの状態で困っているのが札幌市の現在の実態です。これは九月十日にきめるというのがまだきまらないでずるずるべったりになっている。これに対して早く態度をきめる必要があるのではないかと思うのですが、国鉄が計画を進められなかった。こういう計画案を策定して、進めてもいいような状態にあるのに進められなかったのは何か理由があったのか。これを私は聞いておきたい。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今御質問になりました点は二つに分けてお答えしたらいいかと思います。  最初に、現地で採算に乗らない、収益が上がらないから本社にあげにくいと言っていることは、これは担当者あたりの一つの言葉であろうと思います。と申しますのは国鉄は独立採算でございますので、五ヵ年計画を作ります際に、支社に対しても五年後の収益見通しをつけてやったことは事実でございまして、結果が採算に合わない投資をたくさんいたしますと結局は運賃値上げのようなしわになって参りますので、現地としては投資を相当厳選したことは事実でございます。そういう考え方から、あるいはこの駅舎のようなものは積極的にあげにくいというような気持があったかと思います。  なお五ヵ年計画に輸送力増強というものが入っており、停車場が入っておることは事実でございますが、停車場の入り方は主として主要幹線が所得倍増計画によって複線化いたしまして輸送量がふえたときに、それをさばくのに必要最小限度のヤード——貨物がふえますから貨車をさばくためにはヤードが要るわけです。列車を着発させるためにはホームが要る、こういった輸送に直接必要なものはどうしてもあげざるを得ないという気持がございまして、あとの面については若干重点から見送っておる面があると思います。そういう点が今の札幌の場合にも現われてきておるのじゃないかということを私は考える次第でございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 あまり技術的なことばかり言われるが、それでは答弁にならないのじゃないかと思うのです。そんなしゃくし定木に当てはめたようなものじゃないのです。一つの目標をきめて、これはいいと思うものは思い切ってどんどんやっていかなければならない。これは決してあなたを詰問しておるわけじゃありません。何だったら私の言う通り答えてくれればそれでなおいいのです。それではこれで一つやるならば、やり方について具体的に何か考えておりますか。工事計画、建設計画並びに予算、こういうようなものをどういうふうに考えていますか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 先ほども予算のきめ方の大体の方針は申し上げたのですが、個々のケースにつきましては、実は市当局とのいろいろな御相談によって、地方の話し合いを待って具体的な解決を急いでおるような次第でございます。一例を申し上げますれば、地方において今回の財源としては相当財産の処分というようなことを条件にされておりますので、われわれとしては財産を処分するようなことによって財源が生み出せれば、またそういうようなものはその地方に還元するという方法をとっておりますので、札幌地方につきましては、札幌の支社がその実現方について今いろいろ検討しておると思います。そして市当局と話がまとまれば、本社としてもできるだけ財源的な措置というものは講じたいと思っております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 話が前後していませんか。向こうの方では早くやってくれといっている、早く結論を出してくれということを市当局が要望しておるのに、九月十日までに出すといってまだ出さないのは国鉄当局だ。向こうの方の話し合いによってというが、向こうは話し合いをまとめて、早く出して下さい、協力態勢は整えていますよと言っているのでしょう。なぜ出さないかというのです。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 誤解があるようでございますけれども、そういった予算の大きな措置は本社が全国的に見ておるということでございます。具体的に話をお進めするのは地方がやっておるのでありまして、今本社と支社とで将来を見通して、また地方的に財源を生み出すような余地があるかないか検討いたしまして、その結論によって本社が支社にある程度の指示が与えられると思っておりますが、それが今若干時間がかかっておるために支社で返答ができない、こういうことだろうと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これは昭和二十九年以来のことでして、北口の広場を確保するために都市計画法による計画決定を行なって、もう市では七割方をとって協力しておるのです。これははっきりした事実なんですよ。また同時に、旅客収入が札幌は全国第七位という重要な駅でしょう。こういういろいろな条件がそろっている、今駅を建ててもらいたいという。また北の方に向かって伸びているでしょう。どっちからいったってあなたの方は損するような状態ではないはずだ、何も差しさわりはないはずだと思いますが、計画を出さないがためにみな困っておる、これじゃうまくない。九月十日に出すということならばやはり出してやるべきじゃないですか。協力すると言っているのでしょう。怠慢とは言いませんが、これはやはり急いだ方がいいんじゃないですか。この点どうなんです。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今の御指摘の点は、できるだけ誠意をもって解決するように努力したいと思います。

島本虎三日本社会党

○島本委員 誠意をもって早くやって下さい。そうでないとだめですよ。またここに大臣に来てもらわないと結論が出ないようでは実際弱るのです。これは利用債を買ってもらう計画をお立てですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 利用債につきましては、国鉄が実施すべきものを資金源が得られないときに地元で御協力願うという建前になっておるわけでございますが、これもある程度総ワクが押えられている点もございますし、それからその年度々々におきましてやはり消化の模様を見ながらやっておりますので、従来は駅の分担がきまりますれば、国鉄が持ちます分については利用債でお願いするというようなやり方をとっております。しかし駅本屋につきましては実は非常に議論がございまして、利用債でやることは原則としては部内ではやりたくない。と申しますのは、利用債も金利がつきますので、利用債の分についてはなるべく還元できるものということから、重点は電化であるとかあるいはディーゼル化であるとかいうようなものを利用債で利用する。あるいは最近では工場が新設されまして、工場設備に見合う増強というもの、これは増収にもなりますので、そういうものは利用債にすることを第一義にしまして、駅本屋は特殊なものを除いては利用債はとりたくないというふうに事務的には考えております。

島本虎三日本社会党

○島本委員 その考え方で進めてもらいたいと思います。そうして計画の点も早く実施して、協力を仰ぐ点は仰ぐようにしないと、昭和二十九年からですから特別委員会を作ってここに七年間も協力すると言うのに、国鉄がけとばす必要もないのですから、この点は今のような考え方に立って、地方自治体に直接財政的な負担を負わせることなしでも、十分にあそこはやっていける都市だと思いますから、その点等は十分建設の考慮の中に入れてやっていただかなければならないんじゃないか、こういうように思います。ことにこの点で私が直接あなたに質問申し上げて疑問を晴らしたいと思うのです。国鉄の場合には、日本国有鉄道法四十二条の二によって借り入れのいろいろな鉄道債券、こういうようなものの発行に関して大臣の認可をもってやれることになっております。それも、国会の決議も同時に必要なこととされております。この四十二条の二並びに日本国有鉄道法によって利用債をやる場合には、国としての政府が国鉄にかわって支払う義務がない。いわゆる国の裏づけがないのは、他の公社とは違うところだというふうにわれわれの手元に調査がきております。国鉄の分だけこういうふうに不十分なままに利用債を使わせるということになると、地方自治体に対しては自治省との間にいろいろトラブルが絶えないと思うのですが、これに対しては、今まではトラブルが起こったことはないのですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 三十三年度第一次五ヵ年計画が発足しましたあとに、政府の御方針で金融の引き締めがございまして、そのときに利用債のワクが大幅に広げられたときがございます。新五ヵ年計画を遂行しなければならないということから、地方に利用債をお願いいたしまして、電化あるいは線増というものに利用債をお持ちになったときに、自治省の方から今先生の御指摘になりましたような抗議がございましたことは事実でございます。従ってそのときには基本的なものはなるべく持たないということで了解がついたわけでございますが、しかし地方では国鉄の設備増強に対しまして非常に要望が強うございまして、場合によってはその地方自治団体ではなくて、地元の会社その他にお移しになったのかどうか、その後も若干線増なり電化について利用債を持たれた例がございますので、地方において御満足になれば国鉄としてやむを得ないのではないか、それによって国鉄の計画が推進されるならば利用債に応じてということになっているわけでございます。

島本虎三日本社会党

○島本委員 自治省からの疑問がある点もわかりました。今後駅を新五ヵ年計画によってやる場合においては、自己負担においてこれをやりたいということも大体わかりました。そういうような点で、それを含めて住民が要望しているサービスの改善、ことに重要な幹線のこういうようなところに対しては早く計画を進めてもらうようにしてもらいたい。大臣も必要によってこれはやってもよろしいという答弁のようですが、あなたの方から明確にこれはやるべきであるという青写真を示さない以上は、今やりますということは言えないと思う。ことに事務当局の方では九月十日までに出すということを十分確約されておったはずですから、この点考え合わせて五ヵ年計画を実施するに必要な停車場の整備その他の問題に対して遺憾なきを期するために、この北口の早期建設を促進してもらいたい、この点いかがでしょう。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 先ほど申し上げたことと同じことになりますけれども、回答が、約束した形のものをここにつかんでおりませんけれども、おくれたのは申しわけないと思いますが、できるだけ早く態度を示すように努力いたします。

島本虎三日本社会党

○島本委員 これで終わりますが、最後に、次会までの間に具体的に、大臣をも含めて、その内容等を含めていつごろできるのか、この見通しを持ってもう一回ここへ現われてもらいたいと思います。一つよろしく願います。  以上をもって私の質問を終わります。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 楯兼次郎君。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 大へんおそくなって申しわけないと思いますが、もう機会がないようでありますから簡単に一つ質問をいたしますので御答弁をいただきたいと思います。  実は中央線の問題でありますが、私、ずっと運輸委員会に所属をいたしまして、あまり地方的な問題は遠慮しておったのでありますが、他の路線の近代化に比べまして非常におくれておる、こういうように思えるわけです。特に今度のダイヤ改正から、従来からもそうでありましたが、貨物の積み込みあたりは、輸送力の不足によって——施設あるいは定数というような問題があると思いますが、非常に削減をされて、在貨はあるけれども、ひどいときになると要求の十分の一しかいかぬというような状態。それから、どうしても貨物輸送ではもうからないと思うのですが、もうからないから旅客が優先をするために貨物列車の削減が行なわれる。今度は旅客の方を見ますと、急行が増設になりましたから、これは沿線の住民は非常に喜んでいる。ところが単線でありますから、急行が増設になったために、ローカル列車が非常に時間的に、あるいはその数からいっても不足をしてくるので利用者は困惑をしておる。こういう状態です。だから、私も北陸線その他いろいろの線路の状況からはよくわかっているわけですが、とにかくこれでは困るというので、何とか中央線の増強をいま一歩積極的に努力をしていただけないか、こう思って質問するわけです。名古屋から東の方でありますが、大曾根あたりまでは何カ年計画というので工事はいたしておりますが、他の線の線増、近代化と比べると速度がきわめておそいと思いますので、以下三点にわたって質問をいたしたいと思います。  第一は、少なくとも中津川までは早急に複線にしなければ輸送力が詰まってしまうじゃないか、こういうことを考えるわけです。電化であるか、ディーゼルであるかということは別として、複線にすべきであると思うのですが、この点について国鉄の計画並びに将来の同線に対する意欲をお答え願いたい。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 今回の白紙ダイヤ改正と言っておりますが、今回の時刻改正は非常に輸送に対する御要望が強うございますので、それに応ずるありったけの余力というものを使い尽くしたダイヤになったわけでございます。しかし前提はあくまで今度の新五ヵ年計画というものが実施され、輸送力がつくということが前提でありましたので、その間いろいろと御迷惑をおかけした点もあると思います。旅客のふえ方が非常に急でございますので、旅客列車の増発があった、また遠距離のお客様が非常にふえておりますので、これを優先するために近距離を待車しているというようなことで、どうもこれはある程度いたし方ないと思うのでございますが、今御指摘の中央線につきましては、われわれも複線の必要を痛感いたしまして、五ヵ年計画としては多治見までは複線化する。あとの線区につきましては追っかけ複線化するわけでありますが、その区間々々の中に特に隘路区間というものがございまして、たとえば駅間の長い区間、あるいは勾配がありまして列車が速度が出ないというようなところが幾らもございますので、今どの区間を先にやったらいいかということを検討いたしまして、中津川までについては、特にひどい区間から解決したい、こう考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 これは私の四十年来住んだところでありますから、よくわかるのですが、もちろん多治見までの複線を早急にやらなければ奥の方の複線をやっても断片的になるわけですが、実際は多治見からその奥の東の二、三の駅が一番困っておるわけです。いまだに何か行事がある、あるいは旅行シーズンというときには、旅客列車は積み残しまでしておる、バスで輸送をするというような状態であるので、もちろん早急に多治見まで複線化にしていただかなければならぬのですが、現実に困っておるのは、多治見から奥である、こういうことを一つよく認識していただきたいと思います。それで多治見までは五ヵ年計画で複線だ、その奥は中津川まで部分的複線だというようなお答えでありますが、部分的複線ということになりますと、実質上中津川−名古屋間までの複線としての操作が、ダイヤの組み合わせができるような状態にされるということであるかどうか、もう一回その点についてお聞きしたいと思います。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 やや専門的になるので恐縮でございますけれども、実は中央線西線につきましては、将来の計画としては全線複線になるのでございますが、その際に複線のあり方としまして、従来は先ほど申し上げました駅間というものを中心としてやっておりましたが、最近国鉄の中でダイヤの質をよくすることを加味した部分複線という案を今採用することにしています。言いかえますと、駅間の区間がふぞろいでありますので、この駅間を直しながら複線化していく、そのかわり従来は駅と駅で待っておりましたのを中間で分岐器を入れまして、工費を少なくして、ある程度の輸送力をつけながら、しかもスピード・アップできるような線増方式というものを今後こういうところに採用いたしまして、あと列車のふえるに見合って全線複線化していくということが、一番少ない投資でもって行き詰まりを打開し、またサービスをよくする道じゃないか、こう考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 それでは今度は複線と電化あるいはディーゼルを併用していくのか。複線にするということは先決条件だと私は思うのですが、将来電化するのか、あるいは複線にしてディーゼル化するのか、こういう問題があるだろうと思うのですが、そういう見通し、考え方はどうですか。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 本区間は将来電化することに考えておったのであります。実は動力近代化委員会というものを先般持ちまして、国鉄の幹線の電化について案を作ったわけでありますが、そのときに中央線は電化区間になっておりますので、将来電化に考えておりますけれども、ただ問題は電化は一挙に大きな設備投資が要りますし、当面はディーゼルで処理する方が少ない投資でもってこういった隧道の多い区間についてしかも列車の回数を容易にふやすことができますので、現在のやり方といたしましては、将来電化区間といえども、当面の応急対策として近代化してディーゼルを考えていくということをとっておりますので、おそらく中央線については西の方はそういうことになるのじゃなかろうかと考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 それでは次には、私今急に質問しましたのでこまかい資料を持っておられるかどうか知りませんが、大体本年度、来年三月までが大曾根までかと思うのですが、三十七年度の工事はどこまで延長される計画であるかということをお聞きしたいと思います。——わからなければわからないでいいですよ。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 中央線につきましては、非常に先生から力強く前から御要望がございまして、国鉄といたしましては、実は非常に失礼な言い分でございますけれども、ほかの線区の輸送力の積もりの方がひどかったものでございますから、中央線はややあとの方にされておったのでございますが、非常に地元の熱烈なる御協力——利用債の御負担とか、格段の御協力がございましたので、大曾根までは早く立体交差をかねて着工したのでありますが、最近また特段の御協力によりまして、春日井まで現在工事を進めております。来年度はそのあと多治見までの準備をいたしておるわけでありますが、何ぶんにも線増工事の促進というものは、こちらの能力、資金の問題もございますけれども、地元のいろいろの御協力の問題もありまして、おそらく、との地方は従来も非常に御協力願っておりますから、そういう今後の御協力というものがあることを期待いたしまして、私どもはできるだけこの既定計画を進めるようにいたしたいと考えております。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 そうすると本年度は春日井まで、来年度はやりたいとは思っておるけれどもまだ工事費としては決定をしていない、こういうことなんですか。簡単に数字だけでいいですから……。

滝山養日本国有鉄道常務理事

○滝山説明員 ちょっとこまかい数字まで入っておりませんが、来年度大曾根までは竣工いたします。それからあと、今工事をやっておりますのは春日井まででございますが、引き続き先の方に取りかかる態勢をとっております。まだ金はちょっとこまかくはじいておりません。

楯兼次郎日本社会党

○楯委員 私は、島本君も言っておりました利用債の問題ですが、大曾根までは——そんなことを言ってはどうかと思うのですが、相当大きな地方財政の都市が多かったわけであります。ところが利用債は、特に多治見から奥に入りますと、多治見を中心とした周辺は非常に貧弱な町村が多いわけです。そうかといって今まで利用債を入れておったのをゼロというわけにもいかぬだろう。そうかといってゼロとはいかぬが、今までと同じような考え方で利用債の割当をして工事をやられたのでは、貧弱町村でありますからこれもまた困る。そういう点を十分一つ勘案をされて、この複線化工事をやっていただきたいと思います。私がここでこまかい問題を申し上げなくても、あなたの方で十分御承知だと思いますので、時間もおそいですから、具体的な項目だけあげて質問をしたわけですが、非常に最近は逼迫をして、特に貨物あたりは奥から東京方面へ持ってくるのに全く困っているわけです。貧弱な町村で——貧弱なといっては語弊がありますが、特に零細な業者が多いわけですから、その日に貨車一車積むか積まないかということは直ちに自分の企業に大きな影響がある人たちが多いので、この点を一つ十分勘案されて、早急に中央線の輸送力の増強に尽力をしていただきたい、こう思います。  これで終わります。

簡牛凡夫自由民主党

○簡牛委員長 次会は来たる三十日午前十時より理事会、午前十時半から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十九分散会

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