運輸委員会 第8号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/24
会議録
○簡牛委員長 これより会議を開きます。 運輸行政に関して調査を進めます。 質疑の通告がありますので、この際これを許します。久保三郎君。
○久保委員 この前若干お尋ねしたのでありますが、時間の関係で省略をしたものがありますので、二、三お尋ねをするわけですが、お見えになっているところからお願いしたいと思います。 まず第一に海運の問題でありますが、海運の問題については、特に従来の海運政策としてとられたものは利子補給を中心にした船腹増強と基盤強化、いわゆる計画造船と並んで今日までやって参ったのでありますが、今日の日本の海運界で、船腹増強と基盤強化というものは、ともすれば二律背反するものがあるわけです。これに対して利子補給あるいは計画造船というものでやってきたわけでありますが、最近の情勢並びに池田内閣の経済政策というようなものから参りますれば、これに対してさらに検討を加える段階だと思っておるわけであります。ところが先般大臣の言明によりますれば、この方策は現在考究中であるという言明が一つ、もう一つは第十七次計画造船は二十五万五千総トンから五十万総トンに増ワクをした、こういうことであります。増ワクもなるほど一つの見方でありますが、むしろ基本方針を今日きちっときめることが先決ではないだろうか、こう思うわけであります。よって政務次官もおられますが、この基盤強化と船腹増強についての今後の対策はいかにあるべきか、御所見を承りたい。 もう一つは、これに関連して、十七次計画造船を五十万総トンに増ワクしたというが、この増ワクはいわゆる来年度計画造船の先食いを意味するのであるかどうか。さらには、そうだとするならば、十八次計画造船はいかような船腹を予定されているのか。その二点についてまずお伺いしたい。
○辻政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございましたように、企業基盤強化の問題と船腹拡充の問題とはある程度相反するような要素を持っているわけでございます。所得倍増計画に伴いましては、ここ十年間に約九百七十万総トンの船腹を拡充しなければならないということに相なっております。片一方企業の現状は依然として全体としましては弱体な現況にございますので、私どもといたしましては、国民経済上日本の海運が背負わされております輸送と国際収支の改善という二つの使命を全うするためには、どうしても船腹拡充のにない手となります企業基盤の強化をいたさなければ、とうてい九百七十万トンの船腹拡充を遂行することは困難である、かように現状を把握いたしまして、その方策につきましては、先日大臣が答弁いたしましたように、現在海運造船合理化審議会に諮問いたしまして、その答申を待っているような状況でございますが、来たるべき通常国会には海運企業基盤強化の問題を提案したい、かように考えておる次第でございます。 それから次にいわゆる十七次船につきまして五十万総トンに増ワクしたのでございますが、この増ワクされました二十数万トンについて、これが来年度のいわゆる計画造船の先食いであるかどうかという点でございますが、この点につきましては、御承知のように現在金融情勢が非常に逼迫しておりますので、増ワクされたものが全部年度内に着工できるかどうか、まだ実はめどがつかない状態でございまして、鋭意関係の方といろいろ話をしておるのでございますが、現在のところはまだめどがつかないような状態でございます。ただ、私ども、計画といたしましては、五十万総トンは本年度のいわゆる計画造船でありまして、来年度は、本年度五十万総トンが着工できたとして、八十万総トン程度やっていきたいということで現在政府部内で折衝中でございます。
○久保委員 海運基盤の強化方策については審議会の結論を待ってというお話でありますが、大体今までの利子補給を中心にして物事を考えて言われているのかどうか、これが一つ。それからもう一つは、五十万トンに増ワクした今年度の計画造船の着工のめどが何ゆえにつかないのか。この二つを伺いたい。
○辻政府委員 企業基盤の問題といたしましては、従来やって参りました利子補給制度をなお強化するという点と、もう一つは、御承知のように現在海運企業は非常に借入金が多いということ、それに伴います利子の支払いの負担が非常に多いということが企業力の弱い大きな要素でございますので、何らかの方法によりまして債務の返済を促進するような考え方がないかどうかというふうに考えておる次第でございます。 それから十七次造船の追加が年度内に着工できるかどうかというめどが現在立たないという点でございますが、これは御承知のように最近いわゆる景気をスロー・ダウンしようということで投資抑制、また一面から申しますと金融引き締めの政策がとられつつありまして、現在市中の金融機関としましては非常に金ぐりに苦しんでおるような状況でございまして、金融が開発銀行と協調融資でございますので、市中の金融機関の動向を見きわめませんとそのめどがつかないというのが、現在めどがつかないおもな理由でございます。
○久保委員 利子補給の制度を従来通りまず第一に考えておるようでありますが、利子補給制度が今日の海運界に貢献したといえばおそらく船腹増強だけだろうと思う。海運界にとって最も悩みの種である基盤強化にはあまり功績がない、こういうことであります。しかも基盤強化に利子補給という手がはたして妥当かどうかということも一面考えられるのでございます。こういう点についてさらに考慮をめぐらす必要が一つあると同時に、さらに新たな基金制度というものを設けてやることも検討さるべき時期ではないか、こういうふうにも考えます。いずれにしても従来のようなどっちつかずの方針でやること自体、今日の悩みを拡大することだと思うのであります。 もう一つは、海運行政の中で船腹増強があまりにも大きく目に映って、そのために基盤強化がなおざりにされるということでは、いつになったらば日本の海運界が健全な運営ができるのか、大へん心もとない次第だと思うのであります。しかも船腹増強が港湾対策と見合って十分なものであるかどうか、こういうふうに考えます。そういうことも一つあわせて今後考えていかねばならぬと思うのです。先ほどの御説明によりますれば、来年度は大体八十万総トンを予想しておるということでありますが、今日でさえ港湾対策は投資不足でネックが出ていることは御案内の通りであります。こういうことも考えなければ、船腹増強はしたものの港につかえてどうにもならぬということも、一面たくさんあるわけであります。こういう調整を至急考えるべきだと思うのです。 もう一つは、五十万総トンにワクは広げたがめどがつかないというのは協調融資の関係でという、これは当然だと思う。設備投資を押える、あるいは金融引き締めということでありまして、当然そこにネックがくるわけです。でありますから、そういうことを予想されながら、今日五十万トンに引き上げたことは、単に船腹増強を早めるということだけでなくして、ほかに何らか理由があったんじゃないだろうかと思うのですが、どうでしょうか。
○辻政府委員 これは今御指摘のように、船腹増強を早めるということだけではなしに、大体追加いたしましたものはみな七年なり十年なりの非常に長期の計画を持っておる船でございまして、また一面その採算面を見ましても、企業基盤に役立つような、割合有利な計画であるという二点から、追加の措置をとったような次第でございます。
○久保委員 この間も申し上げましたが、経済計画の中へ、積み取り比率を戦前の隆盛期以上に持っていこうというのも一つのねらいでありましょう。これは海運収支の改善ということで、当然多いに越したことはないのであります。ただ問題は、戦前における国際海運の様子と今日の国際海運の様子とではだいぶ事情が違っております。違っていることを前提に置いてのいわゆる積み取り比率の改善、そのための船腹増強ということでなくてはならぬと思うのでありますが、この計画には、戦前と今日との海運界の違いというものをあまり要素に置いておらないで、いわゆる国際収支改善という面だけにいっておるようでありまして、最近において非常な危険が感じられておるわけでありますが、こういう点についてはいかがでしょう。
○辻政府委員 戦前と比べまして、日本の置かれております海運の環境というものが相当変化したことは事実でございます。特に私ども感じておりますのは、御承知のように戦前は大体中華民国、満州等を中心にしました東南アジア地区からの原材料の輸入が多かったのでございますが、現在はそれが北米、南米等の非常な遠隔の地からの原材料の輸入が多くなってきておるのでございます。そういう意味におきまして、同じ一トンでございましても、距離から申しますと戦前をはるかに上回るようなトン数、しかも量も戦前以上に多くなっておる。そういうふうなものに対しまして、いわゆる鉱石、石炭等につきましての専用船化の傾向が一般的、世界的な傾向として現われてきております。また油送船につきましても非常な大型化が進みつつある。そういうふうな状態が非常に多くなった点であろうと思います。私どももそういうふうな風潮に対処いたしまして、専用船、油送船につきましては大型化、しかもできるだけ長期の安定的な輸送に貢献し得るような計画をとるように指導して参っておるような次第でございます。
○久保委員 私の質問にまともからお答えをいただけないのでありますが、これは非常にむずかしい問題でもありますけれども、私は先ほど申し上げたように、単に積み取り比率を輸入貨物六〇、あるいはタンカーで六五というようなことを目標にして船腹増強をすることがはたして今日の海運界で妥当かということを、もう一ぺん再検討する必要がありはしないか、こういうように考えているわけであります。このことはいずれ通常国会で予算審議の際にも論議の的にせねばならぬと思うのでありますが、少なくともそういう再検討をしないで、従来からの一つの経済成長計画というか、そういうものだけを前提に置いてやるということは、これは国内の問題ではなくて国際的な問題でありますから、やはり考えていくべきではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。今日いろいろな問題がありますが、そういう問題を一つ考えると同時に、それでは今の御説明からいって、これからの定期船というか定期航路の安定化についてはいかなる方策を持っておられるか。今日のような状態になりまして、特にシップ・アメリカンの問題もかたがたある。あるいは三国間輸送等についても逐次当初の計画よりは残念ながら減ってきている。こういうときに、定期船は三国間輸送とは違いますけれども、少なくとも定期船の安定はどういうふうにするか、定期船の安定はどういうふうにするか、これに対していかなる方策を考えられておるか。
○辻政府委員 定期航路の安定の問題でございますが、これは結局各航路ごとに結成されておりまする運賃同盟の運用の問題であろうと考えております。これは定期船だけではございませんで、各方面からの御指摘もございましたように、日本の海運におけるいわゆる過当競争を防止する見地から、私どもが常々海運企業に対しまして、協調をしていくようにということをやっておるわけでございますが、特に定期船につきましては、各航路ごとの運賃同盟内におきまして、一そう協調して団結していくようなことを進めております。それが非常に常識的なことでございますが、やはりその問題が基本であろうと考えておる次第でございます。
○久保委員 海運局長は具体的にどういうふうにやろうとするのですか。協調というのは幅が広いので、具体的には協調の方策とは何でしょう。 それからもう一つは、過当競争の原因は何なんですか。これに対するコントロールは海運行政の中では考えておらぬのですか。こういうことを一つ具体的に御説明していただきたい。
○辻政府委員 協調の具体的な問題でございますが、定期航路が乱れますのは、いわゆるアウトサイダーが出て参りまして、これがいわゆる運賃のダンピング的な行為を行なうということが定期航路の乱れる一番の原因でございます。それで、私どもは、もしある日本の海運企業が定期航路にそういうふうなアウトサイダー的な動きをするような気配がありますれば、極力それをそういう行為に出ぬような行政指導をいたしますと同時に、また理由のあるような進出の場合には、現在その定期航路のやっておりまする関係の会社と話し合いによりまして円満裏にそこに加入していく、そういうような方策を講じておる次第でございます。ただ、外国の船会社が、いわゆるアウトサイダー的な撹乱的な行為に出るということにつきましては、遺憾ながら日本の政府といたしましては、手の打ちようがないわけでございまして、日本の船主の、あるいは同盟全体の団結によって、その被害を最小限度に食いとめる、そういう方法しかないわけでございます。
○久保委員 どうも具体的にお話がございませんが、なるほど国際間の競争というか、そういうものを規制する、あるいはコントロールすることは非常に困難だと思いますけれども、国内における海運界の過当競争があるとするならば、これはやはり運輸省、政府の責任においてコントロールが必要ではないか、そのための法的な改正が必要なら法改正もする、あるいは行政指導を強化するならする、こういう具体的な方策があってしかるべきだと思うのですが、今までの御答弁では、どうも至って常識的な一般的なお話でありまして、新しい方策としてはおありにならないようであります。 そこでお尋ねしたいのは、現在の日本の海運界の規模からいって、海運会社というか海運企業の数、そういうものは大体妥当なのかどうか、これはどうなんです。
○辻政府委員 なかなかむずかしい問題でございまして、現在ございます海運企業の数が妥当であるかどうかという御質問でございますが、現状を見ますれば非常に規模の小さなものも多数ございますし、また運航業者としての規模についてもいろいろ大小の違いがあるわけでございます。これらの点につきましては、私どもは、企業の統合、合併等が円滑に行なわれまして、それらが海運の企業力を強化する方向に進むことは望ましいと考えておる次第でございますが、これを政府の力でどうこうという考えは持っておりませんので、ただ常識的にある程度の円滑な集約が望ましいという程度の考えしか持っておりません。
○久保委員 政府の方針としては望ましいということでございますが、強制力はない、これはその通りでしょう。だとするなら、先般話に聞きましたところが、第十七次計画造船にせっかく合同した会社が落ちたといううわさも聞いている。これは内部事情はよくわかりませんが、合同して何かマイナスになった面があるのかもしれませんが、そうでないとするならば、これはどうも話がおかしいというのが一つございます。これはうわさでありますからわかりませんが、いずれにしても、海運企業で新しくやったものがどんどん伸びていって、戦時中にも大へんな負担を負ったものが大体伸び上がらぬというところにも一つの問題があると思うのです。もちろんそれにはそれなりの理由がありましょうし、あるいは船腹増強という大前提のもとにはそういうものは小さな問題かもしれませんが、基盤強化という問題になりますれば、やはり今までのような自由な形でやらせること自体にも私は問題があると思う。こういうことについてはどういうお考えでしょうか。
○辻政府委員 今自由な形でやらせるということについて問題があるという御指摘でございますが、自由な形でという意味が、私の今理解しておりますのと違うのかもしれませんが、その自由という形がいわゆる海運企業の活動の自由という形でありますれば、私どもはやはり国際的な動きでございますので、できるだけ自由な形でやらすことが望ましい、基本的な態度としてはかように考えております。
○久保委員 いずれにしても海運行政の問題は非常にデリケートであるし、また重大な問題でありますから、単に今までのような考えだけで物事を処理しようとすると、いつまでたっても問題が解決しないと私は思うのであります。でありますから、先ほどから申し上げたようなものも一つ考えてほしい、こういうように思います。 次に申し上げたいのは、三国間輸送の拡充をするということは従来の方針でありますが、これは先ほども申し上げたように、ともすればどうもだんだん縮小のような傾向にある。この原因は何であろう。さらにもう一つは三国間輸送の増強を来年度も引き続いて考えていくのか、そうだとするならば、新たな方策が何かあるのかどうか、この点お尋ねします。
○辻政府委員 三国間輸送がここ一、二年減りつつあるということは御指摘の通りでございまして、この原因は、日本を積地あるいは揚地とします貨物は、日本の関係の商社、メーカー等の関連がございまして、やはり日本船が有利な立場に立つのでございますが、三国間になりますと、両端ともに外国の商社、メーカーになりますので、そういう集荷量の困難があるために、遺憾ながら外国船との競争に打ち勝てないというのがそのおもな理由でございます。来年度以降の問題といたしましては、やはり現在の三国間の輸送補助金はある程度増額して、三国間の輸送に対する刺激を与えて増加をはかりたい、かように考えております。
○久保委員 来年度も三国間輸送は拡充していく、そのために予算の増額も頼む、こういうお話でありますが、単なる予算の増額だけで三国間輸送が拡充できるものでありましょうか、いかがでしょう。
○辻政府委員 基本的にはただいま申しましたように、三国間の集荷につきましては、競争上日本を中心としたものに比べまして困難性がございますので、飛躍的な増加は望みがたいかと思うのでございますが、やはり各企業の努力と、補助金の増額による多少の刺激によりまして、ある程度伸びるというふうに考えております。
○簡牛委員長 この際お知らせいたします。運輸大臣が所用のため十一時三十分ごろに退席いたしたい旨の申し出がありますので、大臣に対する質疑を先にされますようお願いいたします。
○久保委員 それでは大臣にお尋ねしましょう。 石炭対策でございますが、これに関連をして二つほどお伺いしたいのであります。一つは先般關谷委員からお話があった機帆船の問題でありますが、これは御答弁があった。次に石炭専用船の建造について、政府は石炭業界に対して専用船建造をやらせて運賃の低減をはかっていこう、こういうお話でありました。石炭政策上、確かに運賃の占める比重というものは大きいのでありますから、当然何らかの方法をもって運賃の低減をはからねばならぬ。ただ問題は内航船との関係で、内航船が今日の状態ではそういう専用船の建造をなかなか許しがたい事情にある、こういうふうに聞いておるわけです。この調整をいかにして政府はやられるか、この点を一つ。 もう一つは、やはり石炭政策に関連して、国鉄の貨車積みの運賃についてでございます。先般の運賃値上げの際には、かかる部分は産業政策上等から通産の方の政策として考えてもらうと、前大臣はそういう意味の答弁もしているわけです。ところが最近聞くところによりますと、延べ払い方式ということで実はやっているそうでありますが、この方式も今日の石炭業界にとってはなかなかもって応じがたいということであるそうであります。将来においてこの国鉄運賃等について、いわわゆる割引をする、これは当然あり得ると思うのでありますが、そういう場合において政府は別途の予算をもってこれをまかなう考えであるかどうか、この二点をお伺いしたい。
○斎藤国務大臣 石炭対策はまことに緊急な政策でございまして、政府をあげて石炭対策に今取り組んでおるわけでございますが、今御指摘になられました専用船問題は、まだ決定をいたしておりません。おっしゃいますように、石炭専用船を作るにいたしましても、どういう作り方をするかということも決定をいたしておりませんし、また、それではたして所期の目的が達成せられるかどうかという点も十分検討されておりません。運輸省の立場といたしましては、石炭対策はまことに重要でございますが、しかし、そのために内航船を圧迫する、内航船に犠牲を負わせるという政策は政治としてとるべきではない、かように考えております。言葉をかえていえば他の産業の犠牲において石炭対策を立てるべきじゃない、私はこう考えております。従って内航船にしわ寄せが参って内航船が困るというような事態にならないようにいたしたい、かように考えております。 なお、国鉄の石炭運賃につきましては、御承知のように今延べ払い制を実施いたしておりますが、これも確実な担保がなければ延べ払いは認めないという方針を今も堅持をいたしております。そこではたしてこの延べ払い制で石炭の緊急対策が立つかどうかという点は疑問であろう、かように思います。そこで石炭運賃の割引とかいうような問題に進展してこないかという御質問でございますが、あるいはそういう意見も出るかとも思います。しかし石炭運賃は国鉄貨物運賃の基本でございまするから、これまた先ほど申しましたと同じように、国鉄に負担を一方的に背負わせるという政策は運輸省としては賛成しがたい、ただいまかように考えております。運賃問題専用船問題につきましては、十分な検討を通産省その他とまだ重ねておりませんので、近く重ねて参りたい、かように考えております。
○久保委員 いずれにしても石炭政策は重大でありますから、何とかこれを軌道に乗せなければならぬと思うのであります。特に運賃問題は石炭には大へんに重大な問題であります。大臣のおっしゃるように、他産業の犠牲においてやることは卑怯だと思います。われわれとしては石炭対策が完全に行なわれる反面、他産業にしわ寄せがないように、そこの調整を所管大臣として十分とってほしい、こういうように考えております。 それから次に大臣にお尋ねしたいのは、国鉄の新五カ年計画も第二年目に入るわけであります。現在の様子はいろいろな問題がございましょうが、これは国鉄ばかりじゃございませんが、輸送全体が現在の経済成長に追いつかないというよりはあとになっているということで、ともすればさらにあとじさりをするような傾向が今日あるわけです。ところで来年度計画というか、国鉄の計画でありますが、特にその中で、資金の計画について大臣としてはどの程度、いわゆる当初の計画くらいまで持っていくつもりなのか、それともさらに繰り上げてやらせるような考えを持っておるのか、その点をまず第一にお伺いしたい。
○斎藤国務大臣 国鉄の新五カ年計画はどうしても遂行をいたさなければ日本の運輸の需要に沿えない、かように考えております。場合によりましては、将来これを繰り上げる必要があるのではないかと思って、今検討いたしておるわけであります。本年度の計画は五カ年新計画の当初でもございますので、進捗率は必ずしも十分とは言えません。しかしながら、できるだけ馬力をかけまして、あと半年の間に本年度の計画を完遂させたいと考えまして、特に監査委員会等に対しましても、その点に主眼を置いて新計画の本年度計画が実施できるように、特別な監査と助言をしてほしいということを申しておるわけであります。若干は本年度計画は十分完成しかねる面が出てくるのじゃないかとおそれておるわけであります。来年度計画におきましては、当初計画通りの資金量を大蔵省に要求いたしております。ことしにおいて当初計画をもう少し繰り上げてやってみたらという考えも持ったわけでありますが、本年度計画が、先ほど申しますように、当初のことでもあって、若干おくれるうらみもありますので、来年度は当初計画の資金量を確保し完遂をすることに全力を注ぎたい、かような方針でただいま臨んでおるわけであります。
○久保委員 当初計画通りといっても、いろいろ事情は変わってきておると思うのでありまして、よしんば御説明のように当初計画通りを要求されるという裏には、財政投融資というか、政府資金を今年度以上に多額に投入せねばならぬ事情があると思います。さらに東海道新幹線一つをとりましても、御承知のように予定線はすでに路線の決定はできた。そうだとすれば、この計画通り実施するには相当ピッチを上げて工事をせねばならぬ。かたがた改良費一つとりますれば、これまた先行投資が必要な部面がたくさんございます。線増にいたしましても、あるいは近代化、電化にいたしましても、非常な投資おくれになっております。現在の工事状況を見ましても、資金の関係か知りませんが、中途でこれが経済効果を発揮しない面が相当ある。そうだとすれば、ここで一気に経済効果を上げていくということも考えなければならぬ。そうだとすれば、国鉄経理全体から見て、そう多額の改良費投入、いわゆる資本勘定から工事勘定への繰り入ればそう多額は望み得ない、こういう実態もあると思う。でありますから、大臣の大蔵当局に要求のいわゆる来年度政府資金の投入はどの程度のおつもりでありますか。
○斎藤国務大臣 数字が間違うとなんですから、鉄監局長から……。
○岡本政府委員 来年度の工事計画は、すでに御承知かと存じますが、改良費は千三百七十億であります。それから東海道幹線増設費が六百六十一億、鉄道新線建設費は九十五億でございます。総額二千百二十六億、本年度に比べまして約二百億の増額になっておりますが、そのおもなるものは、この数字でおわかりのように、東海道の幹線増設費が約二百二十億ふえることに相なっております。本年度は四百三十八億に対しまして、来年度の要求は六百六十一億になっておりますので、東海道の新幹線の増設費を主として増額する、こういうことに主眼が置かれておるわけであります。そのために財政投融資はどういうふうなことになるかと申しますと、本年度は七百六十五億五千万円でございますが、来年度は約三百五十億増額要求いたしまして、千百十七億になろうかと存じます。 問題は、昨年度に比較いたしまして本年度の財政投融資の増額は約九十五億でございまして、たしかパーセンテージにいたしますと一五%程度の増額に相なっておるかと存じますが、来年度はこの九十五億とはけたはずれにはるかに大きい額でございまして、三百五十億前後の増額になります。この財政投融資のワクの飛躍的な拡大ということがはたして可能かどうかということは、来年度予算の大きな問題点になっておるわけでございます。われわれといたしましては、全力をあげまして財政投融資のワクを拡大いたしまして、新五カ年計画の第二年目に当たる三十七年度の工事計画を完全にやり遂げたい、かように考えております。
○久保委員 全体の財政投融資を三百五十億ふやしていくという気がまえはけっこうだと思いますので、ぜひそういう点は強硬に要求をして実現をはかってもらいたいと思うのですが、反面、ただいま鉄監局長のお話の中で二つだけ気になることは、一つは新線建設の九十五億であります。これは三十六年はたしか七十五億、もちろん繰り延べがございますから、実際はもっと多いかもしれませんが、計画としては七十五億であります。九十五億にふやすことも理由があるかもしれませんが、少なくとも新線建設自体にいろいろな問題があるわけであります。もちろん必要から見て出ておるわけでありますが、ものには順序がございます。全部私は否定はいたしませんけれども、順序がございますから、順序に従って今日やるべきだ。現在線におけるところの輸送力増強がやはり最大使命でなければならない。かたがた、もちろん開発もけっこうでありますが、開発部面は代替輸送機関も今日あるということであります。だから、そういう点を考えて、九十五億の線はどうもわれわれとしては承服しかねる問題がある、こういう、ふうに思います。これが一つです。 それからもう一つは、特に東海道新幹線はなるほど既定計画に大体いくかもしれませんが、改良費が三十六年度に比較して少なくなる傾向があるやに見受けられておるわけですが、改良費が少なくなる理由はどういう意味なのか。これはどういうことですか。
○岡本政府委員 改良費が、御指摘のように本年度は千四百十二億に対しまして、来年度要求は千三百七十億でございますので、四十二億減額に相なっております。もともとこの新五カ年計画の構想は、三十六年度を初年度にいたしまして昭和四十年度に終わる五カ年間の計画でございますが、前半の三十六、三十七、三十八年の三年間におきましては、東海道線の工事が非常に大きなウエートを占めるものでございますので、これに主力を置きまして、そのために主要幹線の複線化を主体といたします改良計画は若干足踏みをせざるを得ない、こういう構想で出発いたしております。御承知のように東海道新幹線は三十八年度末に完成の予定でございます。従いまして、三十六・三十七、三十八年の三カ年におきましては、若干改良計画はその関係で押えられますが、三十九、四十年の両年度におきましてこれを急速にカバーいたしまして、四十年度末における輸送力の増強目標はぜひとも達成したい、こういうことでございまして、その関係から来年度は若干改良費が減額に相なっておるわけでございます。
○久保委員 改良費はいわゆる東海道新幹線とのにらみ合わせで、東海道の方を若干ダウンする、こういう御説明でありますが、日本の国鉄のネックは東海道ばかりじゃなくて、あらゆる幹線が今非常な隘路になっているわけです。そのために、いわゆる線増その他の問題が計画に上っておるわけです。私が聞くところによりますと、そのしわ寄せがどこにきているかというと、今まで改良費の車両の方は、総体としては大体年次計画の年次割くらいにいっておる。ただし地上施設の方が、平均からいって非常なダウンしている。大体私の計算からいきましても百億ちょっとになるかもしれませんな。こういうのは、ものの考え方の焦点が、全部東海道だけが焦点になっている、どうもあとは少しあと回しというふうになりはしないか、こう思っているのです。この点はまだコンクリートしたわけじゃないでしょうから、私は、既定方針通り、改良費はやはりくずすべきではない、こう思っております。東海道で百億以上も減っていいものかどうか、あらためて私も検討しますけれども、少なくともそういう考えでいるとすれば話は違う、こう思うのですが、いかがでしょう。
○岡本政府委員 先ほど申し上げましたように、新五カ年計画の五カ年間にわたる構想というものは、最初の三カ年は東海道幹線に重点を置きます関係上、一般の改良計画というものは若干スロー・ダウンさせまして、そのかわり三十九、四十の両年度におきましては、東海道線の新幹線に要する工事費というものは全然見る必要がございませんので、フルに主要幹線の複線化等に充てることができる。従いまして、これによって五カ年を通じて予定の改良計画を完成することができる、こういう見通しでございます。主要幹線の複線化につきましては、すでに久保先生も御承知のように、東海道が一番ネックになっておることは周知の事実でございます。東海道の幹線の輸送力を増強しなければ、全国的な主要幹線の増強を行ないましても、とうてい十分な輸送力の増強には相ならないわけでございまして、この点はまず東海道線の輸送力の画期的な整備を行なうことが先決問題である、かように考えます。しかしながら、先ほど大臣から申し上げましたように、根本的に新五カ年計画というものが、現在のあるいは今後の日本経済の高度成長に対応いたしまして十分なものであるかどうかということの根本問題がございます。そこで、大臣からもすでに命令を受けまして、この五カ年計画の再検討をやらなければならぬ、かように考えております。その点は久保先生の御指摘のように慎重に検討する必要がある、かように考えております。
○久保委員 大臣が時間がないそうですから……。いずれにしても国鉄の新五カ年計画というものは、世間の方では運賃値上げと引きかえに考えているわけですが、誤りであろうが何であろうがそうだとすれば、この要望に一日も早くこたえることが先決だと思う。なるほど御説明の通り東海道は一番ネックであるかもしれない。しかし東海道がネックであるということは、それが裏循環がネックであるということが一つかかってくる。あるいは東北、常磐との関係がネックである。こういうしわ寄せがどうしても集中する東海道にくる、こういうことだと思うのです。そういう意味でやはり全般的に考えて改良費については十分な配慮が必要ではないか、こういうふうに考えます。兼松常務がおられますから、この点について一つお考えがあればお聞きしたいと思います。
○兼松説明員 ただいま大臣及び鉄監局長から御説明申し上げました通り、私どもとしてもぜひその方針でやっていきたいと思います。なお、改良費全体として、私どもとしては東海道新幹線を別掲で明らかにするために出しておりますけれども、国鉄は一つの改良費、こういうふうに考えておるわけであります。しかしながら、東北線、函館本線からずっと上越線、常磐線、北陸線、紀勢線、長崎線、鹿児島線、いろいろ各方面の線についても着工いたしておりまして、用地取得が困難な面で若干おくれておるところはございますけれども、あとは予定通り大体進行できておりますので、私どもとしては万難を排して予定の計画を実現いたしたい、こう考えておる次第でございます。
○久保委員 とにかく国鉄の問題といえばネックはそっちこっちにありますから、そういう問題を論議する必要はないと思います。これをやっていく裏づけの財政計画、資金計画が完全に立つかどうか、これは運輸大臣があらためて手がける大きな問題でありまして、今年度は始まりでありまして、これから二年目にかかって、もしも資金計画が完全にいかなかったという場合には大へんな問題になると思うので一大奮起をお願いしたい、こういうように思います。 そこで次にお伺いしたいのは都市交通の問題でありますが、これもやはり論議の必要はないほどであります。特にオリンピックを控えて東京都を中心とする交通もございますが、いろいろ既定計画、地下鉄問題一つとりましても計画はあるが、この進度ではたしていいのだろうかどうかという問題があるわけです。これに対して政府は新たな観点から新たな方策を今日考えるべきだと思うのです。そうでなかったら、これは大体こうやくばり的なものをやっていく以外に方法はないのであります。だからそういうことを考えると、この際政府の方針はどうなんだろうか、来年度予算等もからめて都市交通の解決についてさらに進度を増すような方策があるのかどうか、この点についてお聞かせ願いたい。
○斎藤国務大臣 都市交通の問題は、ことにオリンピックを控えましておっしゃる通りだと思っております。ただいま都市交通審議会におきましても熱心に検討してもらっておるわけでありますが、何といっても東京都の都市交通は大量輸送に依存しなければならぬ。言葉をかえていえば、地下鉄あるいは高架の鉄道に依存をしなければ解決の道がないと私は考えております。既定の地下鉄、営団及び都営の両方を含めまして速度を速めて、オリンピック開催までには少なくとも完成をいたしたい。来年度もそのつもりで予算を要求いたしておるわけでございます。なお既定計画だけでは不十分と存じますので、今おっしゃいましたような趣旨によりまして抜本的な大量輸送の都市交通の対策を立てなければならない、今せっかくいろいろと検討中でございますから、御了承いただきたいと思います。
○久保委員 新たな方策をお出しになる用意をしているということに了解してよろしゅうございますか。
○斎藤国務大臣 さよう御了承願います。
○久保委員 もう一つ大臣にお尋ねしたいのは、経済成長計画の中でも体系立った交通を確立せねばならぬといっているわけなんです。いっているだけでさっぱり政策が出て参らぬのでありますが、こういう問題について運輸当局としては何らかの方策を今考えておるのでしょうか。体系立った交通の整備が必要だ、こういうようなことをうたっているわけですね。ところが、今までの交通政策というのは、武州鉄道一つを見てもあまり全体的な立場からの計画性はなさそうに思うわけです。だれかがやろうと言うからやったらいいだろう、この辺に予定線ができたから今度は一つ着工線に直そう、だれかがバスの路線を申請してきたからここに許可すべきかどうかということだけでやっている。都市交通については、ただいまお話があった通りであります。全体的な体系立った交通政策というものがここでがっちり立ってないと、石炭の問題からいえば内航船に響いてくる、あるいは機帆船の問題が出てくる、こういうことであります。ところが先般、これは私の聞き違いかもしれませんが、ラジオを通じての水田大蔵大臣の御意見によりますれば、前後はよくわかりませんでしたけれども、関心を持っている運輸の問題でありましたから聞いたのですが、現在輸送は詰まってはおらぬじゃないかというお話です。そうだとすれば、これはさっきの国鉄の資金計画一つを見ても大へんな認識不足じゃないかと思うのでありますが、閣議等でそういうお話がございましたか。 それからもう一つ、前段申し上げた体系立った交通政策というものをこの際一発確立すべき時期だと思うのですが、そういうお考えは今のところないのですか。
○斎藤国務大臣 まず前段の、体系の立った交通政策ということであります。これも体系の程度の問題でございますが、おっしゃいますように、どうも今のままではどうであろうかという感じを深くいたしております。ことに陸運と海運あるいは航空との接着点における問題一つを考えましても、相当計画的に考えなければならぬ、かように考えるわけであります。日本全体の交通輸送をどういうように考えるか、これはなかなか大問題でございまして、まだ私には十分な方途が浮かんで参らぬのでございますが、何らか一つ考えてみたい。ただ審議会を設けてそこで検討してくれというだけでは能がない、かように考えておるわけでございます。一つまたいい方策でもございましたら教えていただきたいと思っております。 それから大蔵大臣が日本の運輸は詰まっていないということをおっしゃったのをお聞きになったということでございますが、私がしょっちゅう話をしておりますところでは、そういうことはございません。逆でございまして、運輸の面においては政府の資金も来年度も相当つぎ込まなければならぬだろうという決心は固めてもらっておるように私は考えております。逆だと私は考えております。
○久保委員 私も、私の聞き違いかと思ってお尋ねしたわけであります。これは水田さんにお尋ねするのが筋でございますが、わざわざそのことでお尋ねする必要もないので、あなたにお尋ねしたわけであります。輸送というのは、港湾の輸送はいざ知らず、陸上の輸送のことを言ったのではないか、私はこういうふうに推測したわけであります。いずれにしても運輸省当局が考えているように、輸送の問題というのは局外者にはぴんとこない面がある。でありますから、来年度の予算等については相当配慮して交渉してもらわなければならぬ、こういうように思うわけです。 ところで、もう時間でありますから、最後に運輸大臣にもう一つお伺いしたいのは、先般港湾対策で御質問申し上げたのでありますが、時間の関係上抜けた点が一つございますのでお尋ねしたいのは、まず第一に、はしけ等の増備計画、こういう問題について、来年度の緊急対策はわかりましたが、それでは来年度以降はどういう対策を持っておられるか。もう一つは、港湾の問題は単に設備ばかりじゃなくて、先般もお話があった通り、港湾の労働者の対策が一番大事だと思う。この港湾労働者は何か労働行政の谷間にあるような形でありまして、近代的な港湾の輸送を円滑にさせるというにはほど遠いものがあるわけであります。こういう問題について政府はいかなる対策があるのか、あるいは考えられておるか、この点を一つお答えをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 はしけの問題は、来年度も引き続いてさらに増強して参りたい、かように考えております。おっしゃいますように、港湾の問題は港湾労務問題が非常に大事な問題でございます。港湾の死命を制するのは港湾労務問題ではないかと私は考えております。それにつけましても、はしけ業者、広く言って港湾の運航に従事しておられる業者の方々のまず体質改善ということが肝要であろう、かように考えます。これらを含めまして、今まで労働省に設けられておりました港湾労働協議会を、当協議会からの申し出もございますが、内閣に設けまして、労働省の一付属協議会でなく、政府全体の協議会として、運輸省も強くこれに参画をいたしまして、そして業者、労務者のあり方というものを十分に検討いたしまして、そうして取り残された港湾労務問題というものが新しい角度から進んでいけるような道を一つ開いて参りたい、かように考えております。
○久保委員 それでは大臣、時間ですからけっこうです。あとでまたお伺いしたいと思います。 そこで港湾局長に続いて港湾の問題をお伺いします。はしけについては引き続きという大臣のお話でありますが、新たな緊急対策でやった方式でやっていこうというのでありますか。なかなかはしけについてはそういうことだけではうまくいかぬじゃないかと私は思うが、新たな方策を考えておられるのでありますか。
○坂本政府委員 港湾の対策といたしまして、はしけの増強もぜひ必要であるということで、目下対策に苦慮しているわけでございます。今年度も政府でもいろいろ財政の融資ということも考えておりますが、民間の方にも働きかけまして、自分の力の及ぶ限り増強してもらいたいということで、相当数ことしも作っておるわけであります。しかし何しろ航運業界というものは力が弱いものでございますので、この港湾の発展に対応してずっと自分の力だけで、はしけを増強していくということも、だんだん苦しくなって参ると思います。それで私どもといたしまして、特定船舶整備公団という公団が現在ございます。これは現在戦標船その他をやっておる公団でございますが、その公団の対象として来年度におきまして、はしけと、それからはしけを引っぱる引き船と荷役機械というものをぜひ取り上げていただきたいということで、これから来年度予算の一環といたしまして関係方面と折衝することにいたしております。
○久保委員 公団にやらせるというのも一つの方法だと思うのですが、いずれにしても整備計画をやはり重点に置いてやらなくちゃいかぬ。先ほど申し上げたように、さらに労務者対策を完全にやることが主眼ではないか、こう思うので、この点についてはあらためて機会を見てお尋ねをしたい、こういうふうに思います。 そこで港湾整備五カ年計画のことは、いわゆる港湾審議会の議を経て内閣がこれをきめると、こうなっておりますが、今日その計画全体はコンクリートできたかどうか。これをついでにお伺いしておきます。
○坂本政府委員 港湾整備五カ年計画につきましては、すでに港湾審議会にはお諮りいたしまして、その御意見を伺っております。これは閣議において御決定願うわけでございますが、ほかの省との関係でまだそこまで進んでおりません。近く来月には御決定願えるものと存じております。
○久保委員 船員局長にお尋ねしたいのは、船腹増強に見合うところの船員の確保については、従来も苦心されていると思うのでありますが、新たな方策を今日考えねばならぬと思う。新たな方策を今日考えているかどうか。 それからもう一つは、先般、高知の方面でございますが、高知の方面から、漁船員に対するところのいわゆる試験についても、どうも運輸省の方から十分にやってもらい得ないので、実は困っている、こういう要請があるわけです。これについては予算措置がないのか、それとも人間が足りないのか。どちらなのか、この点をお尋ねしたい。
○若狭政府委員 今、久保先生のお話の新しい船員対策でございますけれども、これにつきましては、目下所得倍増計画に伴う船員の需給計画を策定いたしておりまして、来年度につきましては問題がございませんけれども、さしあたりの問題といたしましては、われわれが想像しておりました以上に陸上へ転換していく者が多いわけでございます。これは船員の給与は今までたとえば陸上の五割増しというような程度で参っておったわけでございますけれども、そういう程度では、なかなか陸上産業の今日の好況から見まして、船員を海に引きとめておくということが困難になってきたというところに、一番大きな原因があるのではないかというふうにわれわれは考えておりまして、この需給計画につきましても、そういう問題が一番大きな問題ではないかというふうに考えております。従いまして今日機帆船等につきましては、最低賃金制度をできるだけ早く実施するということで、本年度中に約五〇%程度の業者間協定を締結させるということを目標にいたしまして、地方の海運局におきまして促進いたしておるような状況でございます。それから外航船につきましては、これは職員の資格者の需給が一番問題でございますので、こういう点につきましては養成機関の拡充ということを考えておりますけれども、御承知のように商船大学あるいは商船高校というようなものは、教育期間が五年間でございますので、当面の需給にはとうてい間に合わないということで、再教育の充実ということに力を入れて来年度はやっていきたいというふうに考えております。具体的に申し上げますと、海技大学校の増募、それから地方の海員学校に再教育機関を併設いたしまして、約千名近くの船舶職員の免状を取らせるための再教育を実施したいというふうに考えております。 それから先ほどのお尋ねにありました職員の試験の問題でございますが、これにつきましては現在予算等の制約がございますけれども、できるだけ差し繰りまして試験の需要に応じているというような状況でございます。ただ試験官の方は、長い間の定員の増加というものが押えられておるという現状でございますので、そういう点で人手が非常に不足しておりまして、なかなか需要に応じ切れないというような面があるのではないかというふうに考えておりますけれども、こういう点につきましても今後できるだけ試験官を合理的に有効に活用いたしまして、そういう御要望のあるところへ出張試験をさしていきたいというふうに考えております。問題は、できるだけたくさんの人を一カ所に集めて試験していただくということでございまして、少人数がお集まり願ってもなかなかその需要に応じ切れないというような事情があるのではないかというふうに考えておりますけれども、こういう点につきましても今後地方の需要に応じまして、また試験を実施される、試験を受けたいという方々の団体とも十分御相談いたしまして需要に応じていきたいというふうに考えております。
○久保委員 先ほどの高知の例などは切実な願いなんでありますが、運輸省としては知らぬはずがないと私は思うのです。もちろん下部で知っていても上に上がらぬということでありますれば——予算や人間の面でやらぬとすれば、それはもう少し努力して早急にこれに対する手配をとってやるべきだと私は思うのでありますが、こういう点を十分考えてほしい、こういうふうに思います。 なお海運局長に最後にお尋ねしたいのは、来年度の戦標船の解撤並びに建造方式はいかように考えられておるか。さらに主機換装は今後どういうふうに考えているか。これは必要ないかどうか。この二点だけ簡単に御説明願いたい。
○辻政府委員 戦標船の解撤の問題につきましては、来年度はやはり本年度と同じように開発銀行と特定船舶整備公団の二本立で参りたいと考えております。主機換装につきましては、解撤の方法が進んで参っておりますので、あまり希望者もないようでございますから、本年度で打ち切りとしたい、かように考えております。
○久保委員 戦漂船の解撤はこの春もしたのでありますが、計画からいけば大へん下回った実績でありますね。これをさらに促進するということに一つは尽きるわけですが、そのためには来年度計画としてどの程度持っておられるのか、具体的にどうですか。
○辻政府委員 戦標船の解撤は、特定船舶整備公団につきましては、予算の関係上本年度八隻程度しかやれないのでございます。開発銀行の関係は、なお申請が出て参りまして審査中でございますので、隻数はきまっておりませんが、何分一応の予算金額としては七億円程度の金しかついておりませんので、あまり多くを望めないわけでございます。来年度の計画といたしましては、両方合わせまして七十三億程度を考えたいというのが計画でございます。 ————◇—————
○簡牛委員長 踏切道改良促進法案を議題とし、審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。内海清君。
○内海(清)委員 踏切道の質問をいたします前に、海運局長に一つお尋ねいたしたいと思います。先ほど久保委員からいろいろ海運の問題について御質問がございましたが、十七次は、大体最初の計画造船が二十五万五千トン、それが最初は追加というような話でございましたが、増ワクというようなことで五十万トン近くなったわけであります。これは御承知のように九月八日の閣議了解によって決定いたしたわけであります。その当時の閣議了解の内容を見ますと、これは大蔵省との間にもずいぶんむずかしい問題があったように想像するのであります。ところがああいうふうに五十万弱が一応十七次の計画造船として発表になったわけであります。このことを考えてみますと、一応政治的には解決したようだけれども、事務的には多くの問題を残しておるのじゃないか。ということは、最近になりましてこの追加分と申しますか、これらに対します大蔵省の態度、大蔵省は十八次の先食いだというふうな声もあるようでありますし、さらにこれに対しまして市銀筋あたりも協調融資の問題でいろいろ渋っているように思うのであります。これは今運輸当局におきましても鋭意これが解決に努力しておられ、検討しておられることと思うのであります。この問題は、ただ単に計画造船の問題のみならず、造船界におきましてもいろいろ大きい関心があるのであります。いずれこれはおりを得て詳細にお伺いいたしたいと思いますけれども、今それに対して事務当局は大体どういうふうなお考えを持っておられるか。特に船台の関係などから申しますならば、計画造船として申し込んだのだから、船台につきましても造船所関係は申し込む以上はそれぞれの般主との間に契約があるわけであります。引き当てがあるわけでございます。こういうふうな面で造船関係にもいろいろな影響を及ぼすのじゃないかというふうに考えておりますが、これが支障なくスムーズにいくものかどうか、ただいまの段階におけるお見通しなりお考えを一つお伺いしておきたいと思います。
○辻政府委員 今御指摘がございましたように、各造船所と船主との間には契約の予約のようなものがもちろんあるわけでございますけれども、造船所では、ある船台をその船に当てまして、その前後にどういうふうに船台を使っていくかというふうな計画がございますので、それらの計画が、もし延期するとすればどういうふうな支障があるかというふうな点も一面検討しますとともに、またいわゆる各船は長期の契約を持っておりまして、これがもし延びるようなことがありますと、その契約がどういうふうな形になって参るか。たとえばそれが破棄されるような事情があるかどうかというふうな点もあわせて考えまして、もう一つは金融の情勢、これは先ほど申し上げましたように非常に金詰まりで、金融が逼迫しておりますので、何とか市中銀行の協力も得るような努力をあわせいたしまして、これらの情勢を勘案して最終的に物事をきめたい。運輸省の方の立場といたしましては、もちろんできるならば全部あの計画のような着工の順序でやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
○内海(清)委員 ただいまいろいろ御努力中でございますから、あまり多く質問することはどうかと思いますが、一応伺っておきたいと思いますのは、事務当局としては、この建造の遂行について大体支障なく進めていかれるというお見通しははっきりいたしておりますかどうか、この点を一つ。
○辻政府委員 私ども金融情勢で一番懸念いたしておりますので、実は今のところ支障なしに遂行できるという確信は持っておりませんが、何とかして支障のないように遂行するような万全の努力をいたしたいということを申し上げる以外に申し上げられないのが非常に残念でございます。率直なところそういうふうな状況でございます。
○内海(清)委員 この問題はまたおりに触れて詳しく聞きたいと思いますが、ただこの際要望しておきたいと思いますことは、国の施策によります計画造船等によりまして、この海運造船というような民間企業にいろんな資金的な圧迫と、その他経営上の圧迫というふうなものが出て参っておりますことは、きわめて重大な問題だと思う。従ってこの点につきましては万遺漏ないようにお進めいただくことをこの際要望しておきたいと思います。 それでは次に、ただいま議題になっております踏切道の改良促進法について若干お尋ねいたしたいと思います。この法案はすでに第三十八通常国会に提案されて、当委員会でも一応議決したものでありますが、幕切れがああいうふうになりましたためにこれが流れて、再び提案になっております。この法案の内容を見ますと、前回提案のありましたものと大体同様のように思うのであります。どこか変わったところがございますか。
○岡本政府委員 全く同じものでございます。
○内海(清)委員 そういたしますと、一つお尋ねいたしたいのは、この前の国会におけるこの法案の審議についてもいろいろな問題点があったわけです。これはあとからまた一、二お尋ねいたしたいと思うのでありますが、それらについて、当時鋭意検討中であるとか十分研究するとかいうふうな御答弁があったわけであります。しかしあれから今日まで相当時間的な余裕もあるわけでありますから、その後、前国会のものよりも一歩進めて、そうして国民の要望に沿うようなものにしようという努力がなされたのであるかどうか、この辺のところを……。
○岡本政府委員 前の通常国会でいろいろ御質疑がございまして、私お答え申し上げましたが、その御質疑のおもなるものは、やはり保安設備の整備計画の実施に要する費用について、鉄道事業者のみが負担するということは必ずしも合理的でない。原因が道路交通の増大にあるという点にかんがみまして、道路管理者側も分担するということにすべきではないかというふうな御意見があったように記憶いたしておりますが、この問題につきましては、当時もお答え申し上げましたように、関係官庁の間においてずいぶん議論いたしまして、この法案でうたっておりますように、鉄道事業者が負担するという原則をはっきりいたしたわけでございます。もちろん運輸省といたしましては、建設省あるいは大蔵省との間にいろいろ意見の交換を行なったのでございまして、前々から申し上げておりますように、必ずしもこの法案に現われておりますような考え方をとってはおらなかったのでございますけれども、政府間の話し合いによりまして、目下のところはこういう格好で意見の統一をいたしたわけでございます。もちろんその後いろいろ折衝いたしたのでございますけれども、何分時間が十分ございませんで、この前通常国会に御提案申し上げました通りの案でお願いすることになったのでございますが、この踏切問題は今後ますます社会的にも重大化して参っておる問題でございますから、法案をよりよくしていくということにつきましては、関係官庁との間に十分話し合いを進めていきたい、かように考えております。 そこで現在までいろいろ考えましたのは、主としてこの法案にうたってございます基準であるとか、あるいは省令でございますとか、そういった案につきまして、いろいろ関係省との間に御相談申し上げて練って参ってきておるというのが実情でございます。
○内海(清)委員 前国会から時間的な関係で打ち合わせも十分できないでそのままということですが、特にこの基準の問題などについて今いろいろ話し合っておるというふうな御答弁でございます。しかしながら、あの当時から見ますならば、相当の時間があるのであります。前国会で問題になりましたのは、やはり費用の分担の問題とか、あるいは補助の問題とか、資金の確保の問題がもちろん中心的なものでございましたが、これらについてもう少し関係省間で十分なる折衝をして本国会に出されるならば、あるいは前より一歩進んだものが出るのではないかということを実は期待いたしておったのであります。それがやはり前国会に提案したものと同様なものが出てくるということに対しましては、はなはだ遺憾に存ずるわけであります。これは国民の面から申しますならば、この重要な踏切道法案に対して、運輸省なりあるいは建設省がどれだけの熱意を持っておるのであろうかという一つのバロメーター的なものになるのじゃないかというふうに私は考えるのであります。この法案につきましては、国民の間にも多くの要望もございます。あるいは私鉄関係からも多くの要望があるわけであります。これらにつきましては、この国会もすでに押し迫っておりますので、今ここで一々これを修正するというようなことを申し上げましても、なかなか困難な問題だと思う。 そこで、この法案について前国会いろいろ私も質問をいたしましたが、さらにこれを再確認するような意味と、さらに私のお尋ねしたいような点について、若干の質問をいたしたいと思う。 そこで、今日の踏切道の問題は、先ほど申し上げましたように社会的にきわめて重要な問題になっている。ことに先般もこういう事故をなくするというような行事が全国的に行なわれたようでありますが、それにもかかわらず、むしろその期間において前よりも事故が多かったというふうなことができておる。警察庁も警察の力だけではこれはどうもならない、お手上げの形になっておるのであります。これはただ単に社会的な問題というよりも、むしろ人道上の問題になってきておるのであります。私どもは、これはできれば来たる国会におきまして、もちろんこれは超党派的な問題でありますので、各党派の方々と十分相談して、これを最も国民の納得のいくような方向に解決していかなければならぬ、これを改めていかなければならぬというふうに実は考えておるわけでございます。 この法案についてでありますが、まず第三条で申しますと、これは運輸省と建設省で定める基準に従って、三十六年度以降の五カ年間において立体交差化あるいは構造の改良、こういうものをきめてこれを指定する。いわゆる一つの強制なんであります。こういう強制の法を出す場合に、しかも五年という期限を限っておるのでありますが、多くの問題があると思うのであります。 そこで、まず最初にこの基準ということです。運輸省令あるいは建設省令に定める基準、この基準とはどういう内容のものか、これを一つ御説明願いたい。
○岡本政府委員 この基準は、第三条にうたってございますように、運輸大臣と建設大臣が相談いたしまして、それぞれ運輸省令、建設省令一本できめることになるわけでございます。ただいままでのところではまだ相談がまとまっておりませんが、運輸省だけの考え方を申し上げてみますと、たとえば立体交差化が必要であるというようなものにつきましては、どういう基準でこれを指定するかということでございますが、「踏切道における交通量、踏切事故の発生状況その他の事情を考慮して」云々とございますので、やはり自動車の交通量が一番大きな要素でございます。そこで、交通量と踏切遮断率、つまり踏切の遮断の割合と申しますか、われわれ事務的には七時から十九時までの総遮断時分を十二時間で割りました数値を一応踏切遮断率というふうに申しておりますが、この自動車交通量に遮断率をかけました値が千以上であるものは、これは立体交差にしなければならない。それから日本国有鉄道の鉄道で、複線以上のものと一級国道で幅員が九メートル以上の道路が交差する踏切道である、それから立体交差立体交差を前提といたしまして、一時的に平面交差になる、こういうふうなものは当然立体交差にすべきである、こういうふうな基準を考えております。 なお、今申し上げましたような場合でも、立体交差にすることに必要な工事の費用が、立体交差することによって生ずる利益よりもはるかに多くかかる場合、つまり、逆に申しますと、立体交差として多大の工事費をかけましても、それによって得るところの利益が非常に少ない場合には、これは立体交差にしなくてもいいというふうな例外を設けるべきではないかというふうなことも考えておりますし、また、地形上立体交差とすることが物理的に困難であるというふうな場合も、これは例外としなければならぬのじゃないかというふうに考えております。概略こういったような基準を考えておりますが、建設省との間で至急この基準をまとめまして、本法案が成立いたしましたら直ちに実施に移れるような準備体制を十分やっておきたい、かように考えております。
○前田説明員 基準につきましては、目下建設省におきましても案を作りまして折衝いたしております。ただいま御説明がありました運輸省と若干違いますのは、まず踏切の自動車の交通量と遮断時間との関係を、ただいま運輸省側の仰せられましたような方法をとらないで、もっと簡単に交通量と遮断時間をかけまして、そしてその数値できめていく方が簡単ではないか、これはしかし数値問題でございますから、両方で考え方を統一すれば、数値の点で一致すればどちらの方式をとろうとそれほど問題はなかろうと思いますが、私どもの方では、もっと簡単で、両者の相乗積でいこうという考えでございます。そうしますと、建設省の原案では、両方かけた数値が二千台時であればこれは指定した方がよかろうというふうな案を持っております。 それからもう一点は、たといこの二千台時に該当しない場合におきましても、私どもで現在道路五カ年計画におきまして道路の改良をやっておりますが、こういうものは将来この改良によりまして相当交通量がふえてくる。たとい現在この数値に及ばなくても将来は改良された道路が使われますので、そういうところは指定してもいいじゃないかというふうな気持でおります。これはしかし、運輸省におきましては、現在における交通量というものを相当重視されますので、若干の調整が要るかと思います。たとえば、一級国道につきましては、これはたとい、いなかで交通量が少なくても、一級国道であるという性格上、当然立体交差にすべきである、かような考えを持っておりますが、この点につきましても、運輸省と今後若干の調整をしたいと考えております。 大体以上のような点でありまして、この法案の成立を待ちまして至急案を作ることにいたしたいと思っております。
○内海(清)委員 その基準がこの法案の基本となるべきものでしょうし、これができなければ指定もできないわけです。ところが、先ほど来申しますように、前国会以来相当の時間があったが、なおこの点関係両省の間で十分な打ち合わせができていない、協定ができていないということは、私は大へん遺憾に存ずるのであります。ことに、これは三十六年度から実施するということであります。しかるに、この法案が今ここにかかっておるときに、しかも三十六年度はすでに半ば以上過ぎている、こういうときになおこの基準の協定さえできぬということ、これはどういうことなんでしょうか。三十六年度から五カ年計画でやるということに対する責任の所在と申しますか、責任の度合いが、きわめて軽う考えておられるではないかと思うのであります。これはもちろんそういうことではないという御答弁に相なると思いますからけっこうでございますが、早急に打ち合わせをしていただかなければならぬ、そうしなければこの遂行は、こういう重要なものがいまだにできぬようなことではおぼつかないと考えるのであります。至急これの基準を協定になって、協定ができましたらそれを資料としてお出し願いたいと思います。 次にお尋ねいたしたいと思いますのは、前国会では、三十六年度以降五カ年間において緊急整備する踏切の数が、立体交差では国鉄で三百四十、私鉄で六十カ所、両方で四百カ所、平面交差が、保安設備の関係が国鉄で三千二百、私鉄で千三百、両方で四千五百ということになっておりますが、これはその後変更がありませんか。
○岡本政府委員 立体交差の個所数につきましては、運輸省の試案を申し上げたのでございまして、いずれ法案が成立いたしますと、建設省といろいろ相談しましてきめられました基準に従って指定をしなければなりませんが、その結果数字に異同のあることは当然考えられるわけでございます。 なお、踏切保安設備の整備計画につきましては、これは運輸省独自で立てますので、今お話しした数字に異同はございません。ただ、今御指摘の数字は、昭和三十四年度末において調べました緊急整備する必要のある踏切道の数でございまして、われわれといたしましては、さらに三十八年度以降四十年度までの三カ年間に逐次改良を実施しなければならぬ個所約千六百カ所を考えておりまして、これを追加いたしまして実施しなければならぬ、かように推測いたしております。
○内海(清)委員 この問題は、今の法案が通ってこれから基準を協定して、それから両方で相談して指定するということで、まことに気の長い話だと思う。少なくとも前国会にこの法案が出て、衆議院は通過したわけなんです。しかもこの国会に再び提案されておるのでありますから、この国会でこれが議決になれば直ちに着手できるだけの体制は両省間においてすでにととのえられておらなければならぬと私は思います。この緊急な重要な問題がそういう状態では、これはまことに遺憾にたえぬと思うのであります。そこで私はこういうふうなものは両省間ですでに前国会から今日までいろいろ話し合いができておると思ったのであります。従ってこれが議決されるならば、三十六年度においては時期的に多少おくれても、こことここだけはぜひやろうというような計画があるべきだと考えておったのであります。これももちろんないのだろうと思います。ありましたら一つお答え願います。
○岡本政府委員 これは私から申し上げるまでもないと存じますが、立体交差にいたしましても、あるいは踏切保安設備の整備にいたしましても、この法律案がございませんでも、年度計画に従いまして整備されておることは御承知の通りでございます。ただこの法案が成立いたしますと、立体交差すべき個所が法律的に指定されるわけでございまして、その整備が強制されるわけでございます。そのところで若干の相違はございますけれども、踏切の問題の重大性にかんがみまして、運輸省といたしましては国鉄並びに私鉄を督励いたしまして、その整備を急速にやるように指導いたしております。そこで、この法案が成立いたしませんでも、従来に増しましてその整備を十分やっていくだけの自信はあるわけでございます。現在のところは国鉄あるいは私鉄におきまして、それぞれ計画に従いまして整備いたしておりますが、ただこの法案の成立がおくれましたので、三十六年度以降といたしておりますが、実際は三十七年度以降というふうになるわけでございます。一例を申し上げますと、たとえば地方鉄道におきまして、赤字欠損であるとかあるいはこれに近いような経理状態の鉄道事業者の保安設備の整備につきましては、国あるいは地方公共団体が補助金を出すことができるという規定がございますが、そういったような補助の実際上の効力が発生いたしますのは、三十七年度の予算にこれを要求いたしまして、その予算に盛られた場合に初めて効力が出てくるわけでございますので、遺憾ながらそういう面におきましては、この法案が成立いたしましても、三十七年度以降実施する、こういうことに相なるかと存じます。
○内海(清)委員 ただいまのお話で、これがなくても重要な問題だからどんどん進めておるということであります。これはもちろんである。しかしながら、この法案を提出する以上は、この法案を基準にして今後どんどん考えを進めてもらわなければならぬ。こういう法案がなくてもこれは順次やっておるのだ、十分な踏切道の整備ができるのだというお考え、これは私鉄関係でも、私鉄関係の人々が言っておるのは、ただ今度の場合は第七条ですか、補助関係が出てきた程度で、他は従来と大して変わりはない、それならばこの法案が無理にできなくても、その程度のことはどんどん進んでいくのじゃないかというようなことさえ言っておるのも、そういうところから出てくると思います。もっとこの法案を出します以上は十分踏切道が整備できるような施策と同時に、当局のこれに対する熱意というものが十分現われてこなければならぬと思う。この点につきましては十分一つお考えいただきたいと思うのであります。 時間の関係もございますが、次にこの法案で一番問題になるのは、やはりこの六条、七条、あるいは八条関係、いわゆる費用分担、あるいは補助あるいは資金の調達の問題というふうなことにあると思うのであります。この問題は鉄道事業者にとりましても最も重要な問題です。さらに今日鉄道事業者の面から申しますれば、この面について最も不安を感じておるところだと思うのであります。そこで六条でありますが、この六条の一項によりますと、立体交差化または構造の改良の実施にあたっては、費用は鉄道事業者と道路管理者が協議して負担をきめるのだ、こういうことになっておる。前国会の御答弁によりますと、従来の慣習が踏襲されるのだ、だから鉄道事業者の負担は増加しないのだ、こういう御答弁でありましたが、従来の鉄道事業者、国鉄、私鉄と建設省あるいは地方自治体との協議、協定と申しますか、こういうふうなものはどういうふうになっておるのか、これを一つ御答弁願いたいと思います。
○岡本政府委員 建設省と国鉄との間におきましては古くから協定がございます。最近の協定におきましては、たとえば立体交差化計画におきましては国鉄側が三分の一、道路管理者側三分の二・普通の場合はそうでございますが、特に駅の構内であるとか、つまり踏切を遮断する回数の非常に多いようなところは、国鉄が二分の一を負担して立体交差をするというふうな協定に相なっております。それから平面交差の踏切保安設備につきましては、これは国鉄側が全面的に負担するという建前になっております。根本的な観念はいわゆる原因者負担主義でありまして、たとえばすでに鉄道が敷設してある、そこへあとから道路が新しくつけられる、それによって踏切を作らなければならない、あるいは立体交差をしなければならぬという場合には、その立体交差なり踏切施設の設備なりの原因を作った道路管理者が、このために要するところの費用を負担する、こういうのが原因者負担主義でございます。そういうことが一貫して基本的な原則になっておりますが、先ほどの三分の一ないし三分の二というふうなお話は、現在の平面交差を立体交差化する場合に、そういう負担割合を作っておるわけでございます。なお私鉄につきましてはそういう普遍的な協定は道路管理者との間にできておりませんが、やはりおおむね建設省と国鉄との協定の精神にのっとりまして、両当事者がそのつど協議いたしましてそれぞれ分担いたしておるわけでございます。今までの実例を申し上げますと、立体交差化につきましてはいろいろまちまちでございますが、場合によっては私鉄側が八分の一というふうな負担率もございますし、あるいは五分の一というふうな分担率になっておることもございます。しかし私鉄の場合はおおむね国鉄の場合よりもその分担率は低いようでございます。
○内海(清)委員 私鉄の場合に負担率が低いというのはどういう意味ですか。
○岡本政府委員 現在、道路管理者と鉄道事業者が協議いたしましてその分担率をきめます場合には、いろいろ計算方法があるのでございます。私の理解いたしておりますところでは、たとえば立体交差化でございますが、主として双方の受益を比較いたしまして計算の根拠といたしておるようでございます。もっと具体的に申し上げますと、現在の踏切設備をやめましてこれを立体交差にいたしますと、道路交通が非常に円滑になることは当然でございます。それからまた鉄道事業者側で申しますと、踏切の保安設備が要らなくなります。つまり踏切警手を置きまして遮断機をおろしておる、そういうことの費用が要らなくなるわけでございます。あるいは踏切におきまして警報器を設置してそれの維持、管理をやっておるというふうな経費もなくなってしまうわけでございます。そうしますとその限度においては鉄道事業者側も受益があるわけでございます。あるいは列車の運転が非常にスムーズに参りまして、場合によっては生じ得るところの事故も防ぎ得る、こういうふうなことで受益があるわけでございますので、その受益をある程度計算いたしまして、分担率算出の根拠にいたしておるようでございます。 そこで、私鉄と国鉄とはなぜ違うかと申しますと、私鉄の場合立体交差化を必要とするような個所は、大体大都市の交通を担当いたしております私鉄事業者に多いのでございます。つまり交通量が非常に多いということでございまして、道路管理者側、つまり道路通行側の受益が非常に大きい、こういう数値が出るわけでございます。これに反しまして国鉄の場合には全国的にプールいたしてその分担率を一定のものにいたしておりますので、都市付近におきましては道路交通側の受益が非常に大きいのでございますけれども、比較的閑散な地方に参りますとむしろ鉄道側の方の受益が大きいということもございまして、平均して考えますとそういう数値になる。そこで私鉄と国鉄の場合にはそういう差が出てくるという結果に相なるかと私は心得ております。
○内海(清)委員 そこで、建設省に一つお伺いいたしたいのですが、国鉄の場合は、立体交差の場合鉄道事業者が三分の一、それから道路管理者が三分の二ということになっておるわけですね。その場合に道路管理者は国の直轄のものと地方団体の管理しておるものとあるわけですが、国道の場合に国庫補助と地方団体の方とはどういうふうな割合になっておるか、あるいは地方の主要道の場合にはそれがどうなっておるか、わかりましたら御説明いただきたい。
○前田説明員 一級国道で建設省が直轄でやる場合には、全額国が持ちまして、そのうち四分の一を地方からあとで負担をしてもらいます。結局、実質的には国が四分の三の負担、地方が四分の一でございます。それから二級国道で実施する場合には、形式上は地方が負担しますが、そのうち四分の三を国が補助いたします。ですから財政的の負担は実質上同じでございます。地方道につきましては、主要地方道もそれ以外の地方道もこれは三分の二の補助でございます。
○内海(清)委員 この際国鉄にちょっとお尋ねいたしたいのでありますが、前国会で明らかにされましたところによると、国鉄は五カ年間で二百億の予算をもって当たる。その二百億のうち立体交差に百五十億、それからその他の一般踏切道の改良で五十億、そして三十六年度では、立体交差に約十一億、それから一般交差の場合は十八億円だったという御答弁がありましたが、それはその後変わっておりませんか。同時に、この予算において、どの個所をやるという具体的な案がございますれば——今ここで一々どこどこと言っていただかなくても、資料をいただけばけっこうです。
○瀧山説明員 今御指摘の五カ年計画の二百億のうち、およそ百五十億は立体交差、あとの五十億は一般改良という線はほぼ変わっておりません。それをさらに具体的に進めまして、三十六年度には前年度からの継続したもの、それから話が具体的にまとまったものを実施しておりまして、これからあと非常に大幅にふえます今につきましては、本法律案が通りまして、具体的な個所の決定を待って実施に移したい、こう考えております。
○内海(清)委員 国鉄側におきましても、との法律案がきまってからまた具体的にということでありますが、これも重要な問題でありますから、当然今までに大体の予定があってしかるべきじゃないかと思います。これからこの法案が成立したらきめるということでありますので、きまりましたらこれもまた一つ資料をちょうだいいたしたいと思います。 それから次に六条の二項の問題であります。これはきわめて重要な問題であると思うのであります。保安設備の整備計画に対しましては、その費用は全部鉄道事業者の負担ということであります。ところが、先ほど鉄監 局長も言われましたけれども、これは事業者の一方的な負担ということに従来相なっておる、ただそれが今度この法律の七条によって補助の道ができたのだということなのであります。この保安設備整備計画の実施による費用というものが鉄道事業者の負担であるということ、これは前回の御答弁によりますと、国有鉄道の建設規程あるいは私有鉄道の建設規程によれば、一応事業者の義務、いわゆる社会的責任としてやるべきものだというふうになっておるということでありますが、この規程というのは大体いつごろできたものですか。
○岡本政府委員 日本国有鉄道建設規程は昭和四年七月の当時の鉄道省令第二号でございます。それから地方鉄道建設規程は大正八年八月、閣令第十一号でございます。
○内海(清)委員 局長にお尋ねいたしますが、これは常識的に見ましても昭和四年と大正八年にこの規程ができておるわけです。その当時こういう鉄道事業者は社会的な責任上からこれをやるという義務を負わされておるわけです。当時と今日の交通事情というものは、いわば雲泥の差があると思うのですが、そのことはおそらく肯定なさると思う。そういう当時のこれをそのまま今日に持ってきて、なお鉄道事業者の義務として一般的に、今度は補助の道ができましたけれども、その補助はもちろん政令で定めるという、いわゆる欠損会社と申しますか、赤字会社のみである。これは前回の御答弁なんですが、これでいいとお考えになっておるわけですか。
○岡本政府委員 この問題は前国会で御答弁申し上げましたように、運輸省といたしましては、最近の道路交通事情にかんがみまして、道路交通の激増ということが踏切保安設備の整備を促進しなければならない一つの大きな要因になっておるのだから、道路管理者側もその保安設備の整備につきましては、応分の分担をすべきであるという説で、いろいろ関係各省と折衝して参りましたけれども、やはりただいま御指摘のように、企業の社会的責任という観点が強く打ち出されまして、運輸省といたしましても、そういった意見に従ってこういう法案の格好に政府の意見統一をすることに賛成いたしたわけでございます。今申し上げましたように、運輸省もいろいろ考えはございましたけれども、運輸省独自の考え方を通すわけにも参りませんで、この踏切問題に対する世論の動向もございますし、あるいは関係各省のいろいろそういう意見もございまして、その調整されたものが政府の意見としてきまるわけでございますので、運輸省の考え方を別に捨てたわけではございませんけれども、将来われわれの考え方をいろいろな方法を通じまして、いわば世論に訴えて、そういった世論のバックが出てくれば、また新しい運輸省的な考え方も支配的になってくるというときもあるかと考えておりますが、目下のところでは、政府の統一的な意見としてはこの法案に現われたようなものでございます。
○内海(清)委員 運輸省の苦衷もわかるのです。ここにも運輸省の弱さが現われておると思うのでございますが、これにつきまして一つ建設省の御意見も伺っておきたいと思います。
○前田説明員 保安設備の費用の負担問題につきましては、かねてから、運輸省からただいまお話のあったような御意見もございます。われわれの方では、道路交通の激増によって被害が起きたと仰せられますけれども、それだからといって必ずしも道路管理者にすぐに負担させるという考え方ではない。現在の交通状況を見ますと、やはり列車、電車が走るときには道路交通をストップして鉄道が優先的に走っておる、こういうふうな交通政策をとっておるという形。それから今申されましたように、古くから鉄道側の社会的責任という考え方を一応肯定しておる、こういうものをこの際改めるまでもないと考えておるわけでございます。特に道路側と鉄道側の費用の分担につきましては、この踏切保安施設はむしろ額としては少ないのでございまして、大きな立体交差につきましては三分の二というふうに道路側は非常に高い負担をしております。こういう関係で特に踏切の立体交差という方面に力を入れていくということにつきましては、道路側としては多額の費用を要するものであるから特に力を入れよう、比較的経費の軽い保安設備につきましては従来からの考え方でいってしかるべきじゃないかということでお話し合いを済ませまして、この考え方に落ちついたわけでございます。
○内海(清)委員 ただいまの建設省の御見解はそうでありますが、実際問題として今日踏切事故の多いのは、踏切の整備されていない、保安設備のないところなんです。これは御承知のように、今日列車や電車の運転回数が非常に多くなっているということももちろんありますが、それよりも最もおもな原因は、自動車が非常にふえてきた、それによる交通量の激増ということが大きな原因をなしておる。ですから今日事故の多いのは、やはりほとんど踏切設備の不十分なところ、保安設備のないところであります。もちろん重要な個所といいますか、そういうものは立体交差にだんだんされつつある。それについては道路管理者が負担して、平面交差においてはこれを負担しない。しかも都市に近いような場所におきまするおもな踏切というものは、ほとんど警手がおりますとか保安設備があるというところであります。ところがそういうものがないところ、都市から少し離れている、しかも交通量の多いところで一番起きているわけです。それに対する建設省の考え方は、どうも私は少し納得いかぬのですが、その点いかがですか。
○前田説明員 道路側といたしましては、立体交差化ということにつきましては、先ほど申しましたように三分の二という高い負担をしておりますし、それから従来からこの保安設備は鉄道の社会的責任を果たすための一つの必要な費用であるというふうに観念されておりまして、一応その考え方で落ちついておる。もちろん無人踏切その他におきまして事故が非常に多いということにつきましては遺憾に思います。これをなくするためには道路側といたしましても、たとえば道路の改良とかその他の方面におきまして、踏切事故をなくするように努力しますけれども、保安設備につきましては、特に道路側で負担しなくても、この程度の負担を鉄道側におかれましてされてもいいのではないかという考えでおるわけであります。
○内海(清)委員 もう少し大局的な考え方に立って——これは人道的な問題であります。立体交差に対して十分なる負担をしておられる。平面交差に対しては、これは費用がそうかからぬのだから鉄道側で負担していいじゃないか、この考え方はどうかと思うのです、もう少し高い立場から全体的に考えて、しかも地方のいろいろの実態その他の状況も考えて解決しなければこれはなかなかむずかしい問題だと思うのです。その点について建設省側でもいま一歩前進した考え方をもって、むしろこれは国有鉄道の建設規程とか地方鉄道の建設規程というようなもので、そういうところは業者の社会的責任なんだから、そういうようにきまっておるのだからお前たちでやれという考え方は、今日私はどうかと考える。これは時間もせかれておりますから、あまりお尋ねしても答弁はあなたの方はこれからなかなか進まぬと思いますけれども、一つよく考えていただかなければならぬ。今後われわれが考えるとすれば、やはりこういう面に出てくると思います。だからその点につきましては十分今度御研究願いたい。やはり費用の分担は、これはあくまでも今後の問題は原因者負担という今まであるものの処理ですから、あるいは受益限度の負担というようなことが当然でしょう。しかし今まであるものをやるのでありますから、そこには一つのそういう立場に立っての考え方をしていただかなければならぬと思う。今日の踏切事故というのは、今の交通事情下におきましては、こういう状態でいけば一つの必然的な社会現象とさえ考えられるのであります。どうしてもすべての力を結集してこれを早急に排除しなければならぬ、こういうふうに考えておるわけです。 それから次に必要問題で簡単にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、必要によって鉄道事業者または軌道経営者に対して補助を与える道を開いている。これは非常な社会福祉的な意味を持っておるというようなこの前の御答弁であったのであります。前国会の答弁によりますと、政令で定めるのが欠損会社だ、大体こういうふうな御答弁があったのであります。この欠損会社という意味は、鉄監局長にお尋ねするのでありますが、私鉄で申しますと、私鉄の企業体としてか、あるいは鉄道事業としての欠損か、どっちなんですか。
○岡本政府委員 この政令でございますが、これも目下大蔵省と折衝中でございまして、運輸省の考え方では、「鉄道事業又は軌道業において、補助を申請しようとする年度の前営業年度について欠損を生じ又はこれに準ずるものをいう。」というふうなことにいたしたらどうかと考えております。「これに準ずる」と申しますのは、固定資産に対する収益率が五%以下のものを考えておるわけでございます。そこでこの「鉄道事業又は軌道業において」と申します場合に、お尋ねの趣旨は鉄道事業あるいは軌道業プロパーに限定しての欠損とかあるいはまた固定資産の収益率を考えるのかどうかということでございますが、われわれといたしましては、鉄道事業または軌道業全般として考えたいと考えております。つまり鉄道事業の名におきまして営まれておるものは全部含めて考えたい、こういうふうに思っておりますが、大蔵省との間におきましては、当然そういった考え方が問題になるかと存じます。
○内海(清)委員 その点はまだきまっていないようですが、私鉄運賃値上げの問題は、運輸省の監督下に置かれるのは鉄道事業のみであるということなんです。ところが今度のこの踏切道の保安設備については、いわゆる兼業もすべて含めた一つの企業体の経理状態による、こういうことはそこに矛盾がありはしませんか。
○岡本政府委員 私が今申し上げましたのは逆でございまして、御指摘のように、鉄道事業または軌道業プロパーについて限定して考えたい、こういうふうな主張でございますが、大蔵省は——たとえば東武鉄道におきましては、鉄道会社の名におきましてバス事業を兼営いたしておるわけでございます。そこで大蔵省側といたしましては、そういった兼業も含めて、全体としての収支の状況を見るべきだということを主張しておりますので、この点は御指摘の通りでございまして、私の御説明が間違っておりましたので訂正させていただきます。
○内海(清)委員 そうすると、ただいまにおきます運輸省の考え方としては、先般の私鉄運賃値上げの問題から考えますと、すべての私鉄は赤字である、こういうふうになっておるのでありますから、そうすると、私鉄に対しては、保安設備をするには、すべての業者に補助を出すということに相なるわけですね。その点いかがですか。
○岡本政府委員 お話の運賃改定につきまして、いわゆる赤字が出るとか出ないとかいうことは原価計算を行ないました上の赤字であるかどうかということでございますが、本法案におきまして赤字欠損であるかどうかというふうなことを見ます場合には、当然いわゆる考課表について見るということになろうかと存じます。厳密な原価計算をやった上の赤字であるかどうかということにはならないんじゃないかというふうに考えております。
○内海(清)委員 経理上の赤字ということになれば、当然原価計算によってやるべきじゃないでしょうか。
○岡本政府委員 厳密に申しますと仰せの通りであろうかと存じますが、ただ、この法律案が成立しましてこの法を実施するにあたりましては、全国の百四、五十の鉄道事業者あるいは軌道事業者につきまして一々厳密な原価計算をやっていくということは、実際問題としては非常に繁雑でございまして、一番手っとり早くは考課表につきまして見るということにならざるを得ないんじゃないかというふうに考えております。しかし仰せの点につきましては、運輸省といたしましては十分研究させていただきたい、かように考えます。
○内海(清)委員 この問題は私鉄にとってはきわめて重要な問題だと思うのです。従ってただいまのお話によりまして、百なんぼというものを全部厳密な原価計算ができぬということだけれども、少なくとも今日の私鉄の鉄道業の状況から見れば、大手の会社が赤字である、まして中小企業の鉄道業については赤字ははっきりしておるのです。だから大した煩瑣な問題ではないと私は思う。少々煩瑣でも親切なやり方である。国民に対する奉仕者として役所としては、それだけのことは当然すべきじゃないかと私は考える。ですからこの点につきましては、一つ厳密にやっていただきたいというふうに考える。 それからこの際もう一つ関連してお尋ねしておきたいと思うのです。それは先般来私鉄運賃の問題がいろいろありますが、これは運輸省側では運賃の値上げはやむを得ないということだろうが、そういうふうな場合に、踏切道の改良、立体交差、あるいは保安設備等の経費についても、その運賃値上げと同時に、これについて一つのファクターとして考えられておるか、この点をお伺いいたします。
○岡本政府委員 その点は当然原価計算の上に入れて考えております。
○内海(清)委員 もう一つ八条の問題ですが、これもこの前お尋ねしたのですが、八条の「運輸大臣は、この法律の規定による踏切道の改良について、鉄道事業者が必要とする資金の確保に関する措置を講ずるように努めるものとする。」これは責任がきわめて不明確だと思うのです。これは大体どういうことを言っておられるのか、一つはっきりお示し願いたい。
○岡本政府委員 ただいま、八条は大臣の責任が非常に不明確であって、その点からいっても不十分な規定である、こういうふうなことでございますが、しかし運輸省といたしましては、踏切の改良につきましては非常にウエートを置いておりまして、すでに開発銀行と折衝いたしまして、踏切の改良を開発銀行の融資対象に加えるということに同意を得たわけでございます。そこで来年度におきましては、私鉄会社十社の立体交差個所二十四カ所につきまして、開発銀行から約八億七千万円の融資のあっせんを得たいというふうに申し込んでおります。これは現実にどれだけ融資ということになりますか、われわれの今後の努力いかんでございますけれども、ともかくこの開発銀行の融資対象に加えることにすでにきまっておりますので、八条の条文はきわめて不十分だという御指摘でございますけれども、その面においてはすでに運輸大臣の努力が実っておるというふうにお考えいただいてけっこうだと思います。
○内海(清)委員 この八条についてはすでに運輸大臣の努力が実っておるということでございますが、そこでお尋ねしたいのは、開発銀行の一般金利は九分だと思っておりますが、特別金利の場合は多くは六分五厘程度になっておる。そういうこともきまっておりますか。特別金利を適用するというようなことがきまっておりますか。
○岡本政府委員 特別金利を適用するということはきまっておりません。御承知のように、地方鉄道に対しましては、現在大都市の都市交通の整備から地下鉄の建設が必要となっておりますが、その地下鉄に乗り入れるものに限りまして、融資の対象になっておりますが、この利率は九分でございます。との利率を下げるという問題があるわけでございますけれども、目下その限りにおいては運輸大臣の努力は成功いたしておりません。大へん申しわけないと思っておりますが、今後努力いたしたいと考えております。
○内海(清)委員 その点が一番問題だと思うのです。結局この法律によって踏切道の改良を強制するわけです。その場合に、特に私鉄においては、資金の確保は大手あたりにおいてはあらゆる方面から確保できると思うのですけれども、その金利負担が問題であるということです。それを一般金利のままで、開銀から八億七千万も出るから、これで大いにやったということには相ならぬと思う。だからほんとうにスムーズにこの踏切道の改良をやろうとするならば、少なくとも業者の金利負担を軽減してやる、ここに努力が払われなければならぬと思うのです。今後その点についてどういう見通しですか。
○岡本政府委員 この前の委員会でございましたか、太田委員から運賃改定に関連しての私鉄行政の問題についてお尋ねがございました際にお答え申し上げましたが、そのときに私は、今後の私鉄行政の重点は、金融面における行政と、税制面における育成と援助といいますか、この二つが大きな柱になるということを申し上げておいたのでございますが、その考え方で今後やっていきたいと思っておりまして、開発銀行の融資の利率につきましても、もっと額を多くするとともに、また利率を下げるということに全力をあげていきたい、かように考えております。先ほど九分と申し上げましたが、ごく最近八分七厘に下がっております。この点はつけ加えて申し上げておきます。
○内海(清)委員 税制の面と金利の面が最も重要である。税制の面においても、固定資産税の面で十分これは考慮されなければならぬことは申し上げるまでもございません。これはしばらくおきまして、この踏切道の改良ということでは、その要する資金の確保はもちろんでありますが、この金利を——これは当然強制法なんです。それでやらす以上は、金利の負担についてはあくまでも特別金利を適用しなければならぬ、かように私は考える。次官がおいでになりますから、次官のお考えを承りたい。
○有馬政府委員 仰せの通りでございまして、特にこの施設に要する費用は、公共性を持った施設でございますから、私は特定の金利をお願いしても筋の通る問題だと思います。今後あなたの御意向を十分大臣にもお伝えいたしまして、御相談をいたしまして、全力をあげて特定金利の方向に進めたいと思っております。
○内海(清)委員 まだ問題は大へんたくさんありますが、時間の関係で大体以上で終わりたいと思います。 ただ私はこの際特に要望しておきたいと思いますのは、いろいろ御質問申し上げますと、運輸省あるいは建設省においては、基準の問題も協定もできていない。あるいはこれが可決された暁に直ちに踏切道の改良に着手できるような態勢でもない。これははなはだ遺憾に考えます。今日踏切事故の激増は、たびたび申し上げますように、まさにこれは社会問題であります。従ってこれが議決されましたら、一日も早く着手されて、改良が着々と実施されて、この問題を解決するように努力願いたい。 なお、その決定にあたりましては、今日なお国道の問題につきましてもいろいろ未解決のところがございまして、国道と鉄道との関係で非常に混雑しておる地域が、私どもの承知いたしております範囲でもきわめて多い。ことに今日の列車の回数の非常な激増ということと、自動車の交通量がふえるということで、さっき鉄監局長の申されましたような、朝七時から夕方の七時まで、こういう時間をとりましても、踏切がほとんど三分の二以上遮断されているというような状況もあるわけです。これが実施にあたりましては、できるだけ実情を把握して、そういう面を一日も早く——このことはただ単に人命に関するだけではなしに、わが国の産業の伸展の上にも大きな影響を持つものであります。一つ特別な御配慮によりまして、この問題が解決できるように切に要望しまして終わりたいと思います。
○簡牛委員長 次会は明二十五日水曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会