運輸委員会 第7号
- 発言数
- 115 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/10/18
会議録
○簡牛委員長 これより会議を開きます。 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 国鉄法の一部改正法律案の議題に入る前に、国鉄当局に一つお尋ねをしたいのであります。 先般の十月一日の時刻改正は、いまだかつてないような時刻改正であったわけでありますが、それはそれなりに一つの理由はございますが、最近に至るまでの列車の運行状態を見ますのに、列車の運行がはなはだしく乱れておりまして、せっかく国民の要望にこたえた大時刻改正のダイヤ通りに走らぬ。ダイヤ通りに走らぬといっても程度の問題がありますが、最近における状況は、特殊な列車について見ますと、毎日三十分ないし一時間近くもおくれるものも出てきている。こういうことは、いろいろな理由はございましょうが、ダイヤ編成上の無理が一つありはとないか、こういうふうに考えるわけです。いろいろな原因があると思うのでありますが、この列車遅延の状況について、国鉄当局はどう考え、どう見ているのか、これを一つ御説明いただきたい、こう思うのです。
○中村説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生のお話にございました通り、平常に比べまして多いときは遅延時分が三倍になっておるということもございまして、われわれとしてはまことに遺憾に思っておる次第でございます。ただ過去におきまして、いろいろこういう大きな時刻改正がありました場合には、やはり現場の職員がふなれの関係あるいはその他のことがございまして、若干おくれが多かった例もございます。そういう場合と大体ある程度似たような傾向をたどっておるわけでありまして、一週間から十日たちますと、ある程度だんだんと落ちついて参るというのが今までの状況でございます。今回も大体そういうように一応考えておるわけでございます。たまたま特定の線路におきましては、工事その他が非常に輻湊いたしております。そのために徐行区間が非常に多いということも重なりまして、なかなか遅延の回復がむずかしいというふうな問題もございます。今回は特に平常に戻るのが少し時間がかかるのではないかということを心配しておりますが、決してこれはダイヤ作成に無理があったというふうには考えておらないのでございます。
○久保委員 ダイヤ改正に無理があったとは考えておらぬということならば、そうするとまだ新しいダイヤに作業がなじみ得ないというだけにとってよろしゅうございますか。
○中村説明員 一応それが主たる原因だというふうに私どもは考えております。
○久保委員 国鉄は長年の経験で毎年といっていいくらいダイヤの改正をやって参る。でありますから、ダイヤ改正に対する作業のやり方というか、こういうものについてはすでに古い経験を持っているわけです。でありますからことさらにその作業面でふなれであるということは言い得ないと思うのです。ただ今回のダイヤ改正は従来に比較して列車増発が相当な数になっているということが言えるわけです。これはふなれであるというよりは、一つには結局作業量として現在の職員なりあるいは線路要員では応じ切れないということでありまして、そういうことを考えますれば、これはふなれというのじゃなくて、ダイヤ設定に非常な無理があった、こういうふうにわれわれは思わざるを得ないのであります。中村常務のお話ではふなれだというのでありますが、大体、従来の傾向から見れば、これはもう平常に戻る時期なんであります。確かに列車の本数が多くなったということでありますが、それを勘案しても、もうすでに平常に復していいころであります。なお列車の運行区間において、数多くの工事区間があるというが、工事区間は今日に始まったことではないのでありまして、これは従来ともあるわけであります。そう今年がこのダイヤ改正を前後にして工事区間が多かったという理由はない。特に最近の第二室戸台風の被害にいたしましても、これは僅少であります。従来の災害復旧の工事よりは、概括的にこれは工事量としては少ないのではなかろうか、こう思うのです。そうしますと、どうしてもこの作業に無理がありはしないか、こういうことであります。特にひどいのは上野口であるというのであります。いわゆる東北、常磐、こういうところが大体前回に比較して非常なおくれを増している。たとえばここに御提出いただいた資料によりますれば、この前以上に、四倍以上の遅延を示している。さらに東海道でも三倍以上のおくれを見ている。こういうことでありまして、これはもう平常に戻るというのには限界がありはしないか、こういうふうに思うのであります。どうでしょうか、単に作業がなれないというだけではないと思うのですが、いかがでしょうか。
○中村説明員 先ほどちょっと申し上げましたように、一週間目くらいが一番遅延時分が多かったわけでございます。最近におきましては大体一万分前後ということで、これはもちろん、ふだんに比べて少ないとかあるいはふだん通りとか申し上げる状態にはまだ回復していないわけでございますが、先生に差し上げました資料は、その一週間前後の一番遅延時分の多かったところを入れましての平均時分ということで、先ほどお話がございましたように東海道地方三倍あるいは常磐、東北四倍ということになっておるわけでありまして、この二、三日の数字は、線路別に私は今持っておらないのでございますけれども、だいぶ全体としては回復してきたのだろうというふうに考えておるわけでございます。従いまして、これはいろいろ見方もあるかと思いますが、私たちといたしましては、ダイヤ改正の作成に無理があったというふうには考えないわけでありまして、いずれそう遠からない時期に平常通りの遅延時分まで——遅延時分が全然ないのがいいのでございますけれども、ないとは申し上げられません。平常通りの遅延時分に戻るのではないかというふうに期待しているわけでございます。もちろん、これにつきましては、いろいろ本社の運転局を中心といたしまして、個別々々に、線区別に、あるいは使用列車別に遅延時分の状況及びその対策ということも今一生懸命やっておるわけであります。そういう点も勘案いたしまして、そう遠くない時期に平常通りに戻るのではないかというふうに考えております。
○久保委員 今のお話ではそういうことになれれば平常に戻るだろうということでありますが、列車別にもちろん遅延の原因は異なると思いますが、私が見る目では先ほど来申し上げた通りでございまして、ここで面子にこだわることなく、やはり所定のダイヤ通り動けるように、ダイヤに最終の手直しを考えてもらう必要がありはしないか、こういうふうに思うわけです。私がなじんでいる列車は、時刻改正以来三十分以下のおくれはないのです。これは準急列車でございますが、これ一つとってもその通りです。ですから、この準急列車の走る前後は全部おくれる、こういうふうに見ても差しつかえないと思います。これは一つの例でありますが、単線区間から併結列車を持ってきて単線区間のおくれを今度複線区間に持ってくるというようなことは、何らかの方法で手直しをする必要があるというふうにわれわれは考えております。でありますからこれは中村常務の話だけではどうも水かけ論でありますが、私はあまりこまかいことを言いたくありませんが、いずれにしても要員の問題、あるいは動力車の運行の問題、あるいは構内作業の問題、いろいろな問題がからんでいくと思います。今までの白紙ダイヤでやったということ自体が、そのダイヤ通りにいろいろな能力が十分これにマッチしてないということだと思います。でありますから、私はこれ以上この問題を申し上げません、要望をしておきますが、少なくとも線区別あるいは特殊な列車別にその原因を早急に探求して、その手当をして、一日も早く平常に戻るようにしてもらいたい、こういうふうに思うわけです。その検討の用意がございますか。
○中村説明員 先ほども申し上げましたように、現在もうすでにそういう方向で検討しております。これが結論がどういう結論になりますか、もうちょっと時間をかしていただかないとわからないわけでありますけれども、どうしても手直しをする必要がある、こういう結論がもし出ましたら、これはもちろん手直しをするにやぶさかではございません。ただいま先生のおっしゃったような方向で各線区別あるいは特殊な列車別に原因を研究中でございますので、もうしばらく時間をおかし願いたいと思います。
○久保委員 手直しを検討されているということでありますから、つけ加えることはあまりございませんが、ただ、ここで一つ申し上げたいのは、たとえば「はつかり」型の特急でありますが、まあ動力車関係でありますが、この動力車自体も、ダイヤ変更以来二、三回事故があったというふうに新聞で報道されているわけなんです。車両についての問題は後刻またあらためて申し上げたいと思うのでありますが、少なくとも国鉄が今日までやっている蒸気機関車は別として、近代動力車についてはいろいろな問題があるわけです。でありますから、「はつかり」型の事故にしても、単にふなれということだけで片づけるわけにいかない面がありはしないか。従いまして、車両設計あるいは試験、こういう部門についてさらに御研究をいただきたい、こういうふうに考えるわけです。それから年末の繁忙期をこれから迎えるわけでありますが、そういう繁忙期を迎えるにあたって、早急な手直しをしておかぬと、繁忙期においてさらに混乱を増すということでありまして、せっかくの十三万キロ増設の列車ダイヤの改正が、ちっとも国民大衆の利便にはならぬということでありますので、少なくとも今月中には平常に戻って、国民大衆の要望にこたえるように御努力をいただきたい、こういうように思います。 次に、続いてこの国鉄法の一部改正でございますが、これは前回会期末に出されました関係でしさいにお話を聞いていないので、一応重複するかもしれませんが、だめ押しの形をとりながら御質問をいたしたい、こういうように思うのであります。 まず第一に、この法案提出の理由は、言うまでもございませんが国鉄の資金運用の効率を増すというのがねらいだと御説明がありました。その通りだと思いますが、ただ、ここで気になるのが二、三ございます。というのは、その前に現在あるところの国鉄法の四十二条の二項でございますが、第二項では、大蔵大臣の定むるところにより預託金については相当の利子を付す、こういうことになっております。これは御承知の通り、そのうち四十億までは無利子、それ以上は日歩八厘、こういう利息を付するように相なっておるそうであります。この四十億という問題は従来からいろいろ討議がなされておりますが、四十億のいわゆる無利子の限度というものは、いかなる根拠でこれは設定してあるのか、大蔵省にお伺いしたいのであります。
○亀徳説明員 最初に、先生の、四十億の無利子限度の考え方はどうかという点でございますが、これは、考え方はちょうど当座預金的な性格と申しますか、日常の支払いに常時対応できるようにしておくためには、どの程度の金を準備しておいたらよいだろうかという考え方から計算されておりまして、昭和二十八年の国鉄関係の予算の一般経費の大体一週間分に当たるものがほぼ四十億となっております。と申しますことは、逆に言えば、一週間分程度の支払いに常時備えておけばいい、まさにそれが当座預金的な性格で、それを四十億の無利子限度ということにする、こういうふうな考え方です。
○久保委員 ただいまの御説明で、四十億という額の限度をきめた根拠は、日常支払いに支障のない程度の金を当座預金的な性格のものにやっている、だから無利子である、こういうことでございまして、なるほど当座という考えになりますれば無利子が当然かと思うのであります。ところが国鉄自体の今日までの支払いは、一週間分の当座預金的なものを置かなければ支払いに困るという理由はあるのでありますか、どうでしょうか。
○亀徳説明員 実はその問題に関連しましては日にちの問題と、それからこのきめられました額は昭和二十八年の相当古い時代でございますので、七日分ということに実は逆に固執すれば、予算規模が相当ふくらんでおりますので、四十億を相当、へたしますと倍近くになるということにも実はなりかねないのであります。しかし、ただ一面、いろいろ国鉄のお話を聞いておりますと、はたして一週間分必ず機械的に準備しておかなければいかぬかどうかという点は、率直に言って相当検討の余地があるのじゃなかろうか。二十八年から今日まで予算規模もふくらんでおります点と、それからはたして一週間でいいかどうか。最近非常にいろいろ便利になっております関係で、一週間まで持たなくてもいいじゃないかという議論も当然成り立ち得ると思いますので、それらを彼此勘案いたしまして、一応この四十億の限度はこの法律改正と無縁——実は直接改正があったからすぐ直さなければいかぬというような必然的な関係はないわけであります。ただそういう角度からいいますと、一応問題はあろうかと思うのでありますが、なお今言った日数がはたして一週間というものを機械的に押えていいかどうかというような点もございますので、このあたりを今一体改正するかどうか、その他十分一つ慎重に取り扱いたいと考えております。
○久保委員 一応お話がありまして、この無利子限度については慎重に扱いたい、こういうお話でありますが、先ほど来の四十億の限度をきめた根拠から参りますれば、当然国鉄自体の支払いという実態を見ますと、必ずしも一週間分を当座預金的に準備しておく必要はないのではなかろうか、こういうことであります。これは御案内の通りでありまして、あなたは専門家でありますから私から申し上げる必要はないと思いますが、まず第一に企業自体として日銭が入る、末端においての支払いはこれで足りる、こういうことでございますね。それからもう一つは、支払い準備金といいましても、毎日これは波動があるわけですね。そういうことからも一つ考えられる。それからもう一つは、民間に対する支払い遅延、こういうものは当然法律に基づいてこれは国鉄自体は許されないということでありますから、そういう御心配はない、こういうことになりますれば、一週間の当座ということは、改正の法案を出して参りました趣旨から参りますれば、四十億の無利子限度ということも矛盾がありはしないか。できるだけ当座というふうな性格のものは切り詰めて、そうしてこれを高率に運用させるというのが建前であろうと思うのであります。大体今日コンスタントな支払い額は毎日十二、三億ではないかと思うのですね。そうすれば一日前に当座に入れておけば大体それで間に合う、こういうふうにも考えるわけです。これから検討されるというのでありますが、法案の改正自体が資金運用の効率を高めるということでありますから、そういう趣旨から参りますれば、四十億の限度をもう少し実情に合うように低目——低目と言っては語弊がありますが、先ほど申し上げた十二、三億とするならば、せいぜい二日かそこら分、これを限度にしておいて、あとはこの法の建前に従って運用させるということの方が妥当じゃないかと思うのでありますが、大蔵省においては前回もう提案されておりますから、この中身を再検討するかどうか、すでに検討は始まっておる、ついては一応のめどがついてきておるはずだと思う。四十億の限度を私が申し上げるような趣旨に従って下げるように方向は向いているのかどうか、こういうことをお尋ねしたい。
○亀徳説明員 今回の国鉄法の一部改正の法律案は、先生のおっしゃいますように、一つの独立企業体としての公社の資金の効率をできるだけ高めたいというのが趣旨でございますので、もちろんその線に沿って考えていきたいと思っております。ただ、先ほど来申し上げましたように、二十八年と今日とではだいぶ予算の規模も変わっております。いきなり四十億を一体下げ得るかどうかという点はなかなか問題はあろうかと思いますが、少なくとも一週間分とかいうような点は必ずしも固執しないでいいのじゃないか。むしろそういった点は、やはり最近の国鉄の支払いの実情も十分お聞きした上で妥当な線にきめていきたい。特に今回の改正にからめて、意識して強目にするとかいうようなことは毛頭考えておりませんので、あくまでも考え方の基礎は、いかにして資金の効率を高めるかという点に重点を置いて検討して参りたいと考えております。
○久保委員 大体今の御答弁で、これを意識して高めるというようなことは考えておらぬ、こういうことで、高目にはならぬが低目にもならぬかもしらぬというふうにとるわけです。ついては四十億の限度がどうであるかは、これから運輸省なり国鉄と御相談の上最終結論を出すと思うのでありますが、せめて当座に振り込みは当日してやって、それまでは、四十億の限度があっても、これは先ほどお話が出た日歩八厘の利息を付するのが当然ではないだろうかと思うのです。というのは、法の建前が、大蔵大臣の定むるところに従って利息をつける、こういうふうになっていますから、それだけ見れば、四十億の無利息というのを別にすれば、法の建前から参りましても、せめて支払いするときに当座に振りかえるということで、その間は日歩八厘の利息を付するというぐらいの余裕はあってしかるべきじゃないか、こういうふうにも考える。これも一つの方法だと思うのですが、いかがでしょう。
○亀徳説明員 先生のおっしゃるお気持はわからないでもないのでございますが、やはり従来のあれから申しまして、どうも当座的なものに利子を付するというところまで割り切るのはどうだろうか、ちょっとむずかしいのではなかろうか。ただ利子を取るとしても日歩八厘でございますし、それから従来と違いまして残りはただ日歩八厘じゃございませんで、主として国債の保有、資金運用部への預託と申しましても、一番有利なのは政府短期証券への運用ということになろうかと思います。そうしますと、日歩で申しまして一銭六厘五毛、年利で申しまして六分二毛、それからころがしと申しまして継続して運用いたしておりますと、両入りで計算いたしますと六分一厘八毛に回ることになりますので、そういう点が従来と比しまして非常に有利になって参ります。その辺で一つごかんべん願いたいと思います。
○久保委員 それはあとでまたお話を申し上げようと思ったのですが、これは、当座は無利子です。私が言うのは、四十億の限度は変えないでも——妥協と言うとおかしいが、いろいろありましょうから、せめて四十億の限度はそのまま据え置いても、四十億の中で、当座にすべてを振りかえておく、当座にしておくということじゃなくて、そのうちの一日分だけを当座に振りかえて無利子、あとは通知預金的なものになりますか知りませんが、少なくともこれに対しては現行の八分を付してやったらどうか、こういうふうに思うわけです。これもなかなかむずかしいということでありましょうが、少なくとも資金管理上そういうことをやるのが当然ではないだろうかと思うのです。というのは、御案内の通り、国鉄の所要資金は安くて六分五厘の金を借りておるわけであります。そういうことになりますれば、ここに大へんアンバランスができてくる。いろいろな問題があるわけですが、片方で高い利息の金を借りておいて、自分の金はこういう低目でありあるいは無利息であるというところには、どうも経理、資金管理上もあまり、一般会社の例をとりましても、納得いかない点がある、こういうふうに考えたのでございます。でありますから、これはいつまでもこの問題だけやっておるわけにも参りませんけれども、少なくとも四十億の限度を下げるように努力をしてもらうか、それとも四十億の限度の中でもいわゆる当座振替は一日分ということにして、あとは利息をつけるように何か考えるか、どちらかを考える時期ではないだろうかと思うが、これはどうでしょう。あと今度の改正の部面についてはまた別途でありますが。
○亀徳説明員 今、先生のおっしゃいました点を法律に即して申し上げますと、第三項にその運用の範囲、一定額をこえたものが運用できる、その限度額と、それから二では、「相当の利子を附する」その相当の利子の中に当座預金的なものを区分して考えておるわけです。国庫に預託する額は一定額、しかしその中で無利子の限度額を変えたらどうだ、法律的にはそういう感じの議論です。一応二項の中での、われわれが無利子の限度額としました四十億の中で操作するということはちょっと理論上困難なんであります。私、先生の御趣旨を敷衍すれば、四十億は無理なんで、国庫に預託する範囲内とその無利子限度の数字を変えて、その預ける限界は相当高めておき、無利子の限度は下げるというような御趣旨ではなかろうかと思います。どうも重ねて同じような答弁になって恐縮でございますが、無利子限度をきめました範囲内の数字の中でどうこうということはどうであろう。さらにまた三項と二項との、今の無利子限度は理論的には違うわけでありますが、むしろわれわれの気持は、本来先生の理屈でいいますと、無利子限度は四十億でももう少し預託しておいた方がいいではないかということにもなりかねない議論にも発展するのですが、それは先ほど申し上げましたように、資金をできるだけ効率的に働かせるという趣旨で、二項の中の無利子限度と三項の預託の限界とは理論的には違っておるわけでありますが、できるだけそれに近い、場合によれば一致さしてできるだけ国債保有、資金運用部への預託というような運用を有利に働かせるという方向で考えていきたい。無利子限度の場合はもっぱら、先ほど申し上げましたように口座の支払いに一体どの程度のものを準備したらいいだろうかというような点を中心に、国鉄の実情も十分聞かしていただいて定めたい、こう考えております。
○久保委員 なるほど総務課長のおっしゃる通りだと思いますが、私の考え方からいけば、手っとり早く言えば四十億までが預託金であって、法改正に基づくところの第三項の大蔵大臣の定める限度というものは四十億である。あとは全部この改正に基づいた外部資金に回す、こういうふうに考えるのがそれならば当然じゃないか、こういうふうにも考える。この点はどうですか。
○亀徳説明員 私はそこまで断言するのはあれかと思いますが、これはできるだけ資金の効率を高めるという方向で考えれば、ぎりぎりそこまでの考え方も出し得るのではなかろうか。まだきまっておりませんので、ここで断言して申し上げるわけにいかないのでありますが、できるだけそういう方向で努力したいと思います。
○久保委員 できるだけそういう方向でというが、第三項のただし書きが二項と振り分けというか、別個に書いてあるのでありますが、ものの道理からいけば、四十億は二項までできまる、第三項では四十億以上何億かはさらに預託金として保有しなければならぬ、こういうことになりますと、この法改正の妙味はちっとも、というと語弊がありますが、ほとんど出てこない場合があるわけです。こういうことを考えると、先ほど申し上げたように、四十億の限度を変えないで、それじゃそれまでは預託金であとは全部第三項のただし書きによってやる。ただし書きによるというのは、ただし書きは四十億限度である。こういうふうに持っていくのが当然だという私の考えです。しかしそれもなかなかむずかしいということでございましょうが、まず確認というか、確認というと大へんですが、だめ押しをしておきたいのは、先ほどからの現行の無利子限度四十億というのは、この限度を上げる考えは今日ございませんか。いかがでしょうか。
○亀徳説明員 絶対上げる意思はないと断定的なことをここで申し上げるわけにいきませんから、先ほど来申し上げましたように、七日というものにも拘泥しておりませんし、あるいは一方予算規模もふくらんでおるということを彼比勘案し、それからこの法律の趣旨というものを十分勘案して処理いたしますならば、これはよほどの理屈がないと上げにくい筋合いではなかろうか。しかし上げない、こう断言することは、今この場で申し上げることはお許し願いたいと思います。
○久保委員 大体上げないことだろうと思うのです。上げれば改正の趣旨に相反することでありますから、これはきっちり考えてほしい。私の考え方からすれば、四十億限度は無利子限度というのは無理がある。だから実情に即してこれを改正すると、一週間というのにも問題がある、こうおっしゃっていますから、その通りだと思います。一週間に無理がありますから、そうだとするならば、先ほど申し上げたように、当座に振りかえは一日ということになれば十二億くらいは振りかえていい、こういうふうにも考えます。その辺の交渉は両者とというか、関係の筋の御交渉にまかせるのですが、どうも大蔵大臣というのは銭のことについては非常に権限を持っておりまして、有無を言わさぬで一方的にお前こうやれということになりますので、こういうことのないように要望しておきたいと思います。 それからもう一つ、この改正の条文であります。先ほどの話とダブりますが、実際から申し上げますと、提案の趣旨からいけばただし書きは要らぬのではないか。趣旨からいけばただし書きを置くことはおかしいじゃないか、こういうふうにも思うわけです。ただし書きを置かなければどういう弊害が出てきましょうかな。
○亀徳説明員 これは当然ただし書きがございませんと、全部有利な運用にして、日々の支払いにも対応していかなければなりませんので、それで先ほどの二項の無利子限度との関連も若干あるわけでございますが、一応いつも支払いの準備に対応させておかなければならぬ。今の建前で申しますと、特にこういうふうに有利な運用に割り切る反面、やはり国庫に預託する建前をとっておりますので、もしも資金が復活すれば、いつでもまた安い金利で国の余裕金を国鉄の方に繰りかえ使用をしていただくという建前になっておりますので、全部を有利に六分何厘に回しておいて、すぐ回収できないから、国庫余裕金で、安い、ほとんどただに近い金を便宜使わしてくれというのは、どうもやはり筋道が通りませんので、そういう常時の支払いに少なくとも迷惑がかからない範囲のものはやはり国庫に置いておいてもらって、それ以上を有利に運用するという考え方にしていただかないと都合が悪いということです。
○久保委員 それでは国鉄にお尋ねいたしますが、大体今大蔵省の総務課長からお話があったような短期に国庫の金を借りるという場合と、今までの預託金の預け工合、こういう関係はどういうようになっておりますか。実例としてそういうものはたくさんあるかどうか。
○兼松説明員 お答え申し上げます。 制度といたしましては、私どもは八厘で預けるとともに八厘で借りられるという制度を立てておるわけでありまして、過去の実例で申しますと、昨年を除きましては、毎年平均借りている方が五十億程度はございましたが、昨年はたまたま資金事情の関係で借り入れをいたしたものはございません。しかし昨年を除きまして、三十四年、三年、二年というものは若干額借り入れてきたのでございます。
○久保委員 そうしますと、今までの例外というものも、五十億くらいが限度でございましょうか。
○兼松説明員 私が申し上げましたのは平均額でございまして、少ないときには、今の借り入れの限度額は予算上百七十億となっております。多いときには限度一ぱい。短い期間でございますが、期末手当の支払いというような場合、給料とかち合うときには支払いが三百億近くなるときがございます。そういうときにはそういうお世話になったことも過去においてはございます。昨年はございませんでした。
○久保委員 今のようなお話でございますと、その限度のきめ方も大蔵省と非常に意見が対立する場合があろうかと思うのですが、少なくともこのただし書きの条項を高い限度できめれば、運用の妙味は全然なくなってしまうということでありますが、大よそのめどはどういうふうに考えておるのですか。額は別にして、どういうものを基準にしてこの限度をきめられる予定であるか、これをお漏らしいただきたいと思います。
○亀徳説明員 この限度のきめ方はいろいろ問題がございますが、基本的には日常の支払いといいますか、そういうものに十分こたえられるという額だけ預託しておいていただきまして、その余はできるだけ有利に運用する方向に考えていきたい、こう考えております。
○久保委員 そうしますと、今のお話では、現在の四十億がいいか悪いか別にして、そのくらいを預けておけばあとは全部運用される。四十億の限度を変えない限りは、四十億を預けておいてあとは有利に運用していただくのだ、こういう考えでございますか。
○亀徳説明員 今はぎりぎりの限界を申し上げました。ぎりぎり考えれば一応そこまで考える。それ以外に突発的なこともございますので、なおもう少し余裕を見るという常識的な考え方もあろうかと思います。しかしそれも非常に特定な時期、たとえば給与の支払いとか、そういうことでございますれば、あらかじめ予見できますので、そういうときには短期の国債に運用しておりましてもすぐそれを売り払って現金化しておくということができますから、たとえば給与の支払いとか、そういう臨時のためのある程度予見されるものは、こういう運用をしてもまた引き上げるということが十分可能じゃなかろうか。ですから、そういうふうに予見できないようなものに常に対応しておく限界ということになろうかと思います。従いまして、二項の無利子限度のあれとはなはだしく食い違うということには少なくともならないということだけは申し上げられます。
○久保委員 そうしますと、特殊な予見されるものは大体給料とか期末手当とか、こういうのは予見されて多額なものでありますから、先ほどお話の通りの運用でいいわけですね。そうすると毎日の支払いの状況によるのですが、そうなれば四十億の限度内で十分まかない得られる、こういうふうに考えていいわけですね。それ以上のものは、だから資金運用を有効にするということでやっていく、ぎりぎりというのはこういうふうにとってよろしゅうございますか。 そこで、御答弁をいただく前に国鉄の方に一つお尋ねしたいのは、その予見されるものは除いて——これはいいというのですから、資金運用上売り払いなり何なりしてそれに充てることもできるということでありますから、そうだと思います、そういうこともあると思う。しかし日々の支払いということを基準にした場合に、はたして限度というのはどのくらいに見たらいいのか。こういうことでありますが、いかがですか。
○兼松説明員 現在金融機構も非常に整備されておりますので、私どもとしては日々の支払いが十億円を若干こす程度でございますので、たまたま国鉄が今度は受け取る方の金を民間金融機関に入れて、それを通じて得ておりますのが平均して三日ないし四日でございます。三・五日くらい。逆にこちらから回すのにもそれだけあれば最大限十分であるということでもございますので、私どもは三日分くらいで十分であろうというのが私どもの見解でございます。 なお、これは当座に用意する金額でございますが、いざ運用する問題となりますれば、法律でお許しをいただきました額がかりに四十億といたしました場合に、ぎりぎり運用するということは事実問題としてはないと思います。それから現に日銀に参りまして買いましても、短期の国債でも二週間はやはり戻せないことになります。そういう事情も考えまして資金運用上御迷惑のかからぬように、また法律に違反することのないように若干の慎重な配慮は必要であろうかと考えますので、ぎりぎりということの間には若干の余裕を見た幅はあるので、財政当局の御心配になるようなこともないように私どもは良識をもってできることと考えます。
○久保委員 大体総務課長のお話を大蔵省のオーソライズした御意見として了解すれば、それは国鉄側の意見ともそう幅がないのではなかろうかと思うのでありますが、とにかくこういうことでせっかく法律を改正しても資金効率にはあまり大したことはなかった、妙味はなかったということにならぬように心がけてほしい、こういうふうに思うわけです。 それで最後にお尋ねしたいのは、この法案は間もなく通過成立すると思うのでありますが、まだこまかい点についての打ち合わせはできておらぬということであります。これは今会期中には必ず通ると思いますが、そういう場合にはいつのころまでにそういう決着ができますか。三項のただし書きの置き方ですね、これは非常に問題だと思う。
○亀徳説明員 できるだけ資金効率を高めるという趣旨からも、法律が通りましたら直ちにこれが動きますように、それまでに事務的な打ち合わせを済ませまして直ちに運用ができるような建前に準備いたしたい、かように考えます。
○久保委員 最後に、運輸大臣おられますから、両者のお話ただいままでお聞きになっておると思うのですが、あなたが提案説明にお述べになりましたように、この法律の改正はいわゆる資金の運用効率を高めるということでございますから、その趣旨に反しあるいはこれをマイナスにしていくということがあってはならぬと思うのであります。と同時に大蔵省の御意見も、一応今までの無利子限度四十億についても再検討したい、あるいは今度の法改正に基づくものもぎりぎり決着その辺ではなかろうかという御意見もあるのでありますが、きょうは課長さんが大体大蔵省の代表の御意見でありますから、間違いはないと思うのであります。せっかく法律を改正してもむだになったということのないように、今後法案が成立いたしました際には、早急にそういう形をとってほしい、こういうように思います。
○斎藤国務大臣 先ほどからの御質問、これに対する大蔵省の答弁、その間に伺いました御意見等、とくと心に入れまして、この法案を提案いたしましたその趣旨にかないますように努めたい、かように私は思っております。よろしく。
○簡牛委員長 山口丈太郎君。
○山口(丈)委員 私は簡単に質問いたしますが、この法律で、今までの答弁でちょっと心配になりますことは、たとえば国債保有を増加する、ところが支払い資金の必要に迫られて、その国債の売り払い等を必要とするような事態が起きた場合、当時の国債価格の変動等によって損害をこうむるようなことはありはしないか、そういうことがあると、運用利子をふやそうとして逆に損害を受けるような事態も招きかねないと思うのですけれども、そういう点についてはどういうように考えておられますか。
○亀徳説明員 われわれとしては現在の短期証券の消化は、理想的な姿は、本来諸外国の例では短期証券は市中が消化して、市中で売買されるという姿でございますが、現在そういう情勢になっておりませんで、政府が短期証券を他に出しますのはほとんど日銀が引き受ける。従いましてこれを買いますときにおそらくは日銀から買い、それから売るときも日銀に売るということでございますので、先生が今御心配になるような点はございません。
○山口(丈)委員 そういう心配はないとすれば、これはそういう保証ができるのかどうか。必要なときに必要な資金を得るための売りオペ、買いオペの関係は保証されているのか。これは運輸省だけでなくて、大蔵省もその辺を保証するということになっておるのかどうか、これをちょっと聞いてみたい。
○亀徳説明員 そのことを言いますと、短期証券がなければ運用のしようがないという問題はございますが、金があればそれに運用し、それを今度売り戻した際に損が出るということはございませんし、また、それは保証とかいう問題抜きに損しないような仕組みになっておりますので、その点は御心配ないのではなかろうか、こう考えます。
○山口(丈)委員 表面上ではそうなっていても、しかしそのときに買い入れるという保証がなかったらば、必要資金を他からの融資を受けなければならぬということになります。そういうようになるとやはり逆に高い利子を支払わなければならぬようになって参ります。ですからそういうことの憂いはないかということなのです。
○亀徳説明員 御質問の趣旨をあるいは私取り違えておるかと思いますが、今言った運用の操作によっての損はございません。それからもう一つは、たとえば鉄道債券を発行して資金を調達して使う場合に、相当高い金利を払わなければいかぬから損だということはむしろ一般的な問題でございまして、また公募債を発行いたします計画でも、やはり国鉄のいろいろな事業の進行状況その他を見て、できるだけ公募債の発行の時期を合わせるということで、むだに金を集めて高い金利を払って資金を遊ばせるということがないように、公募債の発行計画についても十分考えておりますし、また、国鉄に資金運用部の金をお貸しします場合にも、そういうふうに金が遊ばないように、できるだけその事業の進行状況に応じて資金をつけるというように配意し、またそういうことで対処するのが筋道ではなかろうかと考えております。
○山口(丈)委員 この問題は大体了解がつきましたが、一つこの際聞いておきたいのは、こういうふうに資金運用の面からもきめのこまかいといえばきめのこまかい努力を、国鉄の資金確保についてされておるのでありますけれども、これはあとで資料を提出願いたいのですが、近年旅客の乗車について非常に不正がふえていて、非常な損害をこうむっておる、こういうことです。これについては私はいたずら半分のものもあろうと思いますけれども、私も現場におったが、実際には計画的、集団的な、たとえばきせるといったような定期券の不正乗車など非常に多いのであります。これは絶滅を期するというようなことはなかなか困難であるかもしれませんけれども、一面考えますと、取り扱いにあまりにも融通性がある、と言うと語弊がありますが、何か寛容な取り扱いを講じて参って、やり得というか、つかまってもうまく言いのがれをすれば、それで普通料金で事済む。見つからなければそれでもうかってしまう。こういうような観念を与えたのではないかと思う。こういう点については、運用面で非常に手抜かりがあったのではないかと私は思うのですが、これについては今後どういうような対策を立てられるか。こういうきめのこまかい利益についてまで、運用部資金の運用についてまで利益を上げて企業の足しにしようという点は、大へんな苦労をしておられることを私も認めるのですけれども、一面そういうような抜け穴が大きくあって大損害を与える、こういうことがありますので、この取り締まり対策、取り扱い等についてどういうお考えでやっておりますか。この際一つ明かにしておいてもらいたい。
○磯崎説明員 ただいま山口先生からお話のございました点につきましては、数字は別途提出さしていただきます。私どもといたしましては、ただいまお話の通り、現在の国鉄の財政状態から申しまして、わずかな金でも収入漏れがあってはいかぬということから、大へん悪い言葉でございますが、不正旅客の取り締まりにつきましては、非常に手を焼いておるわけでございます。最近まとめました三十五年度の実績で申し上げますと、東京鉄道局管内だけで件数で約三百万件くらい、一日一万件くらい、追徴いたしました金額が約四億でございます。これは国民をお疑いするようなことを申し上げて恐縮でございますが、多少徴収漏れもあるというふうに見ますと、全国的に計算いたしますと相当な金額に上るのではないかと考えております。国鉄の全体の収入の約一%ぐらいに該当いたしますので、私どもといたしましても、今後積極的にこの問題を解決いたしたいと思いまして、実は数日前に都内の各駅全部に約五万枚の掲示を出しまして、今後不正乗車については極力これをやらないでくれ、当然のことでございますが、不正乗車をしないでくれ、必ず正当な切符を買ってほしいということを掲示をいたしまして、そうして裏から申しますと、今後相当検札その他を徹底的に行ないますという意味の意思表示をいたしたわけであります。 不正乗車の内容はただいまお話の通り一番多いのは、これも大へん悪い言葉でございますが、きせる乗車でございます。それからその次に定期券の改ざんと申しますか、期日を変更いたしましたりする定期券の改ざんあるいは他人の使用でございます。実はほとんど定期券の利用者がこの不正乗車に関連いたしております。一番ひどいのは、極端な場合でございますが、たとえば夏場に鎌倉から北鎌倉までの十円区間の切符が非常にたくさん売れます。ところが北鎌倉でそれを回収いたしておりますのはわずか一割でございます。これは明らかに東京付近の定期券を持っている方が、鎌倉から一駅だけ切符を買って、中間非常に電車が込んでおりますので、検札がないということできせるをやっておられるという一つの現われではないかというふうにも思われます。こういった例が競馬とかあるいはその他スキーとかいうところにいろいろございますので、私どもといたしましても極力そういったことのないように、往復乗車券を買って下されば必ず一割くらい割引する、その方が私どもといたしましても利益でございますので、そういうこともいたしておりますが、やはりおもしろ半分にやっている十代の子供たちも相当おるようでございます。結局、これらは車内で今後徹底的に検札を強化して参りたいというふうに考えております。これがまず第一。 それからその次に、検札の強化だけでもなかなか参りませんので、やはり使用いたしました定期券につきましては、これを学校なりあるいは発行いたしました会社なりに御照会申し上げまして、この方がこういうことをしたという御注意を一応申し上げまして、そうして、なおもしそういう例がその学校等でございましたら、ある程度の発行の停止を考えるといったようなことも考えねばいけないし、また定期券の改ざん等につきましては、まだやったことはございませんが、刑事事件として有価証券の偽造というようなことで告発するようなことも考えなければいけないというふうに今考えております。大体十月の初めから、東京付近におきましては相当厳重に現在検札を強化いたしております。その方法といたしましては、ただいま申し上げましたように二段、三段の方法で、少なくとも収入漏れを少しでも減らすという建前から、この問題を考えていきたいと思っております。 ただ、よく先生方からも御注意を受けますが、とかくそういうふうにいたしますと、私どもの職員の態度が非常に高圧的な、またサービス精神と離れた不遜な態度になるということも考えられますので、その点につきましても十分態度、言葉使い等に注意をいたさせまして、不正旅客でない善良な旅客が安心して旅行できるように、そうして一人でも不正旅客が減るような方法を今後講じて参りたいというふうに考えております。
○山口(丈)委員 鉄道というものは、単なる旅客を運ぶというだけにとどまらずに、社会、人心に与える影響というものがきわめて大きいと考える。そこでこういうようなことが通常茶飯事のごとく行なわれれば、これは勢い社会全体の秩序といいますか、人心に与える影響はきわめて大きいのであって、やはりこれこそ人間の活動する一番朝の始まりのところでありますから、いわば門戸に当たる。その社会活動の始まる門戸において、すでにこういうことが行なわれて、それが日常茶飯事になるということになりますと、これは社会的にもゆゆしい問題でありますから、ここには純然たる規律というものを立てなければならぬと私は思うのです。これについて運輸大臣はどういうお考えですか、一つ大臣の御意見をお聞きしたい。
○斎藤国務大臣 私も、ただいま聞いて驚いておるわけであります。全く御意見の通りに思いますので、何らかの方法を考えなければならぬと考えます。ただいま具体的にどういう思いつきはございませんが、十分研究をいたしまして善処いたしたいと思います。
○山口(丈)委員 これは指導監督に当たられる運輸省としても、適切なる裏づけの処置をとっていただいて、そしてこういう無秩序なことが、日常茶飯事に行なわれるということのないように、一つ考慮を願いたいと思います。 そこで私は、資料として各支社別、その支社の管内別に、年間にどれだけの不正があるか、その不正の種類別に一つ……。ですから、支社管内の局別、種類別に不正乗車それからその損害額を資料として御提出を願いたいと思います。 それから、もう一つ重大なことで……。こういうことが起こります原因を私は常に見ているのですが、なるほど企業の合理化をやれということは、国鉄関係の法律案が出ますたびに、当委員会においても問題になっておるところです。けれども、その合理化ということのまず第一は、人員の削減というところに重点が置かれていると私は思うのです。それで、極端な人員の削減が行なわれておる。たとえば、改札など見ておりますと、集札と改札とが同一人で行なわれている。ですから、それではまともに検札できません。合理化はなるほどけっこうでありますけれども、極端にこれを行なうということは、かえって人手不足を招き、こういったような検札業務等が手数を省く——ルーズということは言い過ぎですから言いませんけれども、少なくともそういうような傾向になります。人間の一人の能力というものには限界があるわけでありますから、そういたしますと、これはちょっとおかしいと思ったが知らぬ顔をしておったのだ、こういうことが、だんだんルーズさを助長することになります。それは角をためて牛を殺すと申しますか、いわゆるその合理化によって経費を削減しようとして、かえってこのような莫大な損害を日常こうむり、しかも今申しますように、社会的に影響するところきわめて大である。こういうことでは、国鉄の使命は果たせない、交通機関としての使命は国鉄、私鉄を問わず私は果たせないと思います。ですから、極端なこういうような出改札の人員の削減は、一考を要することだと思うのですが、これについてもっと人員を充実する考えがあるかないか。それによって出改札業務というものがもっと厳格に行なわれるような措置をすべきではないかと思うのですけれども、これについてどういうようにお考えですか。
○磯崎説明員 ただいま先生から御指摘のございました点は、全く私どもも同感でございまして、確かに営業の第一線の人間が足りないということは、単にサービス面だけでなくて、いろいろな面で非常な欠陥をもたらしますので、今後合理化等も行ないますが、やはりこういう大事な面につきましては、人員の減による減収ということがないように、十分注意いたしたいと思っております。
○山口(丈)委員 たとえば、私らが各駅を見回っておりますけれども、改札と集札が同一人で東京駅なんかでも行なわれておりますが、あれでは、持ってくる人は受け取ります、持ってこぬ人はどうぞお通り下さいというのと一緒です。ああいうような極端な業務をやらせておいて、そして不正がありました、不正がありましたと言うけれども、これでは全く不正を誘発しているのと一緒ですよ。そして人の節約ばかりをやって合理化いたしましたということは、そういう営業上の不合理性が出てくるだけではなしに、あの定期を持って通っている者は、主として学生とか何とかいうことであって、私は善意に解釈しても、いたずら盛りの人が多いと思うのです。そういう人にこういう観念を植えつけてしまったのでは、これは幾らたっても社会秩序を確保することができないと思います。子供のときから法網をくぐるようなことばかり考えさせるような結果になる。それは何かといえば、今申し上げたような態勢が整っていないからです。逆にそういうことを誘発しているのです。ですから、これはぜひとも——私は何も一方的な立場から申すのではなくて、そういう社会公共性に奉仕する国鉄であり交通機関であるとするならば、そういう社会の無秩序を誘発するよなう行為を行なわせないためにも、人員の確保ということが一番大切だと思う。これは他の産業には見られない。幾らオートメをやっても、検札業務というものは目で見るよりほかしかない。でありますから、これらの取り締まりについては、ただ単に法規を厳守させるための要求をするばかりじゃなく、むしろこちらから、そういうような悪質な状態を招かない態勢を完備することが大事だ、私はこう考える。そういたしますと、やはり改札、集札というものは、これが厳重に行なえるような人員配置をまず考えなければならぬ。そのためには、今日のような極端な企業整備、合理化による人員削減は、これはよろしくない。ですから、これは大幅にふやして、そしてこういうような損害を受けないようにすることが、私はこまかく言えば、人件費もその中から捻出してなお余りがあるものになると思う。でありますから、この点について十分お考えを持っておられるのかどうか。そればかりではなくて、これをやらなければならぬと思うのですが、どうですか。これは総裁からも、責任のある答弁をしておいてもらいたい。
○磯崎説明員 ただいま御指摘の改札、集札の人員につきましては、ことに最近出札の方は、割合自動的にやれるようになりましたので、このごろは出札の人間を改札に回すとかいろいろ方法を講じておりますが、やはり設備の面でも相当問題があると思います。従って、今後駅のそういった設備の面につきましても、極力人手なしでしかも目的の果たせるような設備を考えなければいけないと思います。外国にも少しそういう例がございますので、そういうものをよく研究いたしまして、そういった設備の面そして人員の充実という、両方の面からこの問題を取り上げて参りたい、こういうふうに考えております。
○十河説明員 ただいまの御意見、まことにもっともでございます。機械化なんかをいたしまして、できるだけそういう必要な人員を充実いたしまして、そういうことを誘発することのないように今後も一そう努力をいたします。
○簡牛委員長 内海清君。
○内海(清)委員 国鉄法の一部改正についてでございますが、時間の関係もございますし、なお今までの質問で大体尽きておるように思いまするが、一、二の御質問を申し上げたいと思います。 この法案が出されましたのは、国鉄の合理化、あるいはまた経営の健全化という面から考えて、資金の効率的な運用ということが大きな眼目になっていると思うのであります。今日国鉄経営が非常な苦況にあるので、あらゆる面で合理化されておりまするが、今回の法律によって出ますものは、国鉄の予算等の面から考えますならば、そう多額のものではない、しかしどれもゆるがせにできない今日の国鉄の状況である、そういう点から考えまして、先ほど来の論議の中でも、いわゆる無利子限度の四十億というもの、これは二十八年に大体決定された、それは、その当時におきまする日常支払いの大体一週間分である、こういう大蔵当局のお話があった。今日国鉄の予算の上から見ましても、あるいは工事の量の面から申しましても、当時より非常に膨大になっておると思う。そういう面から見て、この四十億が、今日国鉄の日常支払いのやはり一週間分に相当しているかどうか、その程度のものかどうかという大蔵当局のお考えを一つ。
○亀徳説明員 今、二十八年と本年との予算を正確に対比してお答えしにくいのでありますが、ざっと申しまして、おそらく倍以上にふくれておるのじゃないかと思いますので、現在の一週間分と同じ考え方にいたしますと、ほとんど九十億をこえる数字になります。ですから、二十八年で算定いたしました通常の一日分の経費の一週間分と同じ考え方を機械的に適用いたしますと、九十億をこえる数字になろうと思います。
○内海(清)委員 今日の状況と二十八年を比べれば、今お話しのようなことだと思うのです。ところが、この四十億というものが二十八年来動かされておらぬということは、これだけの無利子限度において国鉄の日常の支払いには今日なお支障がない、こういうことだと思うのですが、どうですか。
○亀徳説明員 無利子限度と、それから国庫に預託されている金とは、無利子限度が四十億で、事実上国庫に全部預託されておりますので、今後新しい法律で、新規に国債運用とかということになれば別といたしまして、従来金はございますので、そういう点の不都合と申しますか——ただ、先ほど国鉄当局からお話がございましたように、三十四年くらいまでには一時繰りかえ使用、国庫の余裕金を繰りかえて使用しておったというような事例があったわけでございます。
○内海(清)委員 そういたしますと、今度の法律の改正によって、四十億以上は他の方に運用しようというわけですか。そうすると、今度はこの四十億でもって、さっきお話しのような、大きい金額は、予見できるものは手当ができる、こういうことなんです。ところが日常の場合は、今度はこの四十億で大体やるということですね。
○亀徳説明員 まだ四十億と先ほど来断定しては申し上げておらないのであります。できるだけ資金効率を高めるという範囲で、今の一週間がいいかどうか、一週間になりますとさっき申し上げましたように九十億をこえるわけでありますが、先ほど国鉄当局から、あるいはは三日程度でいいという御意見もございますし、そこらあたりを十分検討いたしまして無利子限度額は検討いたしたのであります。ただ、先ほど来申し上げましたように、無利子限度の話は、この法律の改正に実は必然的に結びついてどうこうなるという関連性はないのであります。で、こういった機会にもう一ぺん考え直すという考え方もあろうかと思いますが、しかしこの法律のねらいはあくまでも資金効率を高めるということでございますので、それらとからみ合わせて検討したいということでございます。
○内海(清)委員 ただいまのお話は私どももよくわかるのでありまして、そういうことからいけば、私どもからいえばこの際四十億をなお減して効率の高い方に持っていくということが、今日はわずかにしても国鉄の状況から必要なんじゃないかということを考えるわけであります。そういう点でこの四十億はまだあなた方の方でも十分な結論でないようでありますが、今後その点は、この法律を出された目的から考えても十分考えらるべきじゃないか。これは、電電はたしか三十億になっておると思うが、これもその当時のあるいは一週間分ということだったかしれません。そういう他の慣例もありましょうけれども、この法律の目的からいえば、こういうふうなものはできるだけ資金の効率の面に働かしていくということが必要なんではないかと思います。 その点はその程度にしておきまするが、さらにいま一つは、四十億をこすところの余裕金を、大体大蔵省のあれでは資金運用部への預託か、あるいは国債募集ということだと思うのです。そのほかに国鉄として、この余裕金を、資金の効率運用の面からいって他の民間の金融機関にでも、大蔵大臣が指定するか何か、そういうふうな考え方でもってもっと有利にこれをなにするあれはないかということなのです。この点一つ御意見を伺いたい。
○亀徳説明員 国庫の資金を市中の金融機関に預託するということは、非常に実は問題が多うございまして、一応国鉄の資金が国庫に預託するという建前をとっています以上、もしも国鉄がこの資金を市中に預託するということに踏み切れば、国庫の資金全体が市中の金融機関に預けていいじゃないかという議論にも通ずることになります。で、どうもこれは長くなって恐縮でございますが、国の資金というものの性格上、常時の支払いに応じなければなりませんし、またその資金の性格からしても、一応国庫の余裕金の運用は特別会計に繰りかえ使用するかあるいは資金運用部に預託しまして統一運用するか、いずれか二つの道だけに限られておるわけであります。それで、資金運用部は、そういった国の資金を統一運用する建前になっております。資金運用部からほかに資金を出しますときには、常に政府機関とか政府の出資法人を通じて資金が出る。やはりこういう政府の金が、民間と直結する民間の個々の事業なり個々の金融機関に直接結びつく——特にこういうような資金事情の苦しいときでございますと、どこかの銀行に預託すると、都市銀行はもちろん、地方銀行、あらゆるところへ預託してくれといってくる。しかもその資金は焦げつく。必要なときに引き揚げようと思っても引き揚げられない。非常に不都合な事態も出て参る懸念もございますので、国庫金の市中預託制度は非常に問題があるので、われわれはできればそういうことを避けたい、こう考えております。
○内海(清)委員 今の制度ではなかなかむずかしい問題と思いますけれども、先ほど私が申しましたように、すべての銀行にやれとか、あるいは焦げつくような銀行にまで預託せよというのではない。その点は大蔵省は銀行監督もやっておりますし、大蔵大臣がこれは大丈夫だ、国鉄の経営には差しつかえないというものにやればいい。そういう点はこの法律の目的からいっても当然考えられるべきである。今まで大蔵省はそういうことをお考えになったことがありますか。
○亀徳説明員 国庫金を市中に預託するということは考えておりません。また国鉄は一つの独立企業としての企業的な性格、それから同時に公共的な性格を強く持っておる。従いまして、歳出歳入も国会に提出して御審議を受けるという建前になっております。それらの考え方を通じまして、国鉄で上がりました金はやはり国庫に預託するという建前をとっておるわけであります。しかし、同時に非常に独立企業的な性格を持っておりますので、許され得る範囲内で最も有利な運用はどうすればいいだろうかということで、ぎりぎり考えましたのが今回提案されております国債の保有と資金の運用部への預託であります。一応われわれとしては、公共的な性格と企業的な性格を持っております公社の資金の運用ということで、有利な範囲内では最も勉強しましたところでお願いしておるような次第でございます。
○内海(清)委員 それは大蔵省として最も有利な面であって、国鉄としてはなお有利な面があるだろうと思う。この面では幾らここで押し問答しても始まらぬことだろうと思いますけれども、今日まで大蔵省が国鉄の意見を十分聞いてそれをそんたくしてやれば、もっと違った形が出るのではないか。これははなはだ失礼だけれども、大蔵省は金の面についてはほとんど独断的なところがすべての面にあると思う。ですから国鉄はやむを得ぬと思いますけれども、こういう点は一つ大蔵省でも今後あらゆる面において十分お考え願いたい。このことを私は特に要望しておきたいと思います。 それから国鉄当局にちょっとお伺いいたしたいと思いますのは、三十五年度では余裕金というものが大体二百五十四億ですか、これは前に鉄監局長からお聞きしたと思うのですけれども、そういたしますと、今度の法律によって六億七千万くらい金利が今までより余分に入る、こういうことであります。三十六年度においては余裕金が平均残大体どのくらいあるお見込みか、お聞かせ願いたいと思います。
○兼松説明員 昨年からことしにかけまして実は工事規模がふえましたので、資金運用部からことしの三月三十一日に二百五十億円を特に御融通を願って、予算を持ち越して工事を推進いたしました関係上、今年度におきましては昨年度より平均で若干ふえるものを持ち得るかと思います。しかし五カ年計画の第二年度、来年度になりますと、支払いの方がずっと進む姿になりますので、来年度になりますとまた昨年度より若干少なくなるというふうに考えております。まあ予算と、時の景気の事情その他によることで確実には申しかねますが、今年度は大体結論的には昨年度より若干多い、二百五十四億より若干多い平均であるという予想をいたしております。
○内海(清)委員 これは私ども工事の関係その他でおそらく本年度は昨年度よりふえるだろうと思われますが、それでは国鉄当局の見込みで本年度大体どのくらい今度のこの措置によって金利面でふえてくるか、お聞かせ願いたいと思います。
○兼松説明員 当初この法律をこの前の国会でお認めいただきますときには、予算上は約五億という目算を立てておりましたが、いろいろの関係で今国会で御審議をいただくような事情なので、当初予想より少ない、最大限三億程度ではないか、当初の見積もりより少なくなると思います。
○内海(清)委員 三億程度残ということで、この前の国会でこれが流れた関係もありましょうが、こういう面については一つ国鉄当局も、余剰金についてはできるだけ細心の注意を払って、この法の目的でありまする資金の効率運用という線に沿われるように努力していただきたいと思うのであります。大体以上でありますが、いずれにいたしましてもこの法案に沿うような国鉄当局なりあるいは大蔵当局の施策を待ちませんと効果が発揮できぬと思います。この点、できるだけこの法の目的に沿うような配慮が行なわれますよう要望しまして、私の質問を終わります。
○簡牛委員長 他に御質疑はございませんか。——ほかにないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたしました。 —————————————
○簡牛委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出もありませんので、これより直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○簡牛委員長 御異議なしと認め、これより採決いたします。 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○簡牛委員長 起立総員。よって、本案は原案の通り可決すべきものと決しました。 なお、本案に関する委員会報告書の作成等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○簡牛委員長 航空に関する件について調査を行ないます。 質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
○勝澤委員 運輸省の行政の中で、特に貿易外収支の関係で、たとえば観光の収入とか、あるいは海運、航空は大へん重要な役割をしていると思うのでありますが、きょうはその中の航空についてお尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に一最近の航空関係の状態を見ていますと、政府の所得倍増計画に伴う航空事業の振興、その他がだいぶそぐわないような点があるのではないか、こう思うわけであります。そういう立場から、この所得倍増計画に伴う航空事業の振興の計画なり、あるいは目標の規模なり、あるいはその達成の具体策、こういうような点についてまずお尋ねいたしたいと存じます。
○今井説明員 まず、所得倍増計画における航空の今後の見通しにつきましてのお答えでございますが、所得倍増計画の中では、昭和三十三年度を基準にして四十五年度までに年率約三〇%ずつ旅客並びに貨物の需要がふえるというふうなベースで計画を立てておるように見受けられるのでございますが、実際の状況を見ますと、三十四年、三十五年、これは最近特に航空需要が急速に伸びた年でございますが、その実際の伸びは、幹線については約五〇%、それからローカル線については四八%という数字が私どもの調査によりますと出ております。今、先生がおっしゃいました航空の長期計画の問題について、あとでお答えいたしたいと思いますが、私どもが一応立てました国内線についての幹線並びにローカル線についての増加の一応の見通しにつきましては、昭和三十四年度をベースにいたしまして、幹線で年率が約二五%、ローカル線では約二〇%というふうな程度の非常に手がたい伸びを一応考えておったわけであります。従いまして私どもが考えておりました国内線における航空需要の増加の見通しと、それから三十四年、三十五年における現実の実績というふうなものについて考えますと、所得倍増計画で考えられております年率約三〇%という数字は割合にかたいところではないかというふうに感じられます。それからなお所得倍増の方では、日本の航空、主として日本航空でございますが、日本航空の国際航空旅客で占める大体のパーセントを、目標達成年次昭和四十五年においては全世界の六%程度を日本航空で運びたいというふうな一応の見通しを立てられておるのでございますが、現在三十五年度は全世界の旅客の約一%を運んでおります。これは御承知のように、太平洋線と東南アジア線だけでございます。それ以後の日航の機材の増強計画あるいはまた国際線、特に欧州線の開設その他の状況からいいまして、今後十年間において六%程度まで持っていくということは、日本人の特に海外旅客も最近増加しつつある状況から見ましても、ある程度妥当な数字ではないかというふうに考えております。 第二の御質問でございます航空の長期計画はどうなっておるかという点についてのお答えでございますが、長期計画については、御承知のように自民党の航空特別小委員会におきまして、昨年、昭和三十五年度におきまして航空の五カ年計画という一応の見通しをお作りになっております。これをお作りになる際におきましては、私どもとしましてはあらゆる資料その他を提供して下働きをいたしたのでございます。この計画を作ります当時は、相当大きな計画というふうなつもりで考えたのでございますが、今日その計画を振り返ってみますと、すでに機械計画あるいは空港の建設計画等につきましては、当時の目標よりはさらに大きな伸びを示しておるというふうな状況でございまして、私どもとしては一応この五カ年計画を事務上の一つの目標と考えて努力いたしておりますが、実際はさらにそれより上回った実績が上がりつつあるという状況でございます。従いまして、政府として、航空につきましては特に機材あるいは路線というようなものが進展きわまりない状態でございますので、あまりはっきりした、拘束されるような長期計画を政府に作ってしまうことは、はたしてどうかという感じを持っておりますが、一応そういう目安ということで努力をいたしておるわけでございます。
○勝澤委員 この運輸省の長期計画を見ておると、みな立ちおくれになっておると思うのです。たとえば航空の問題を見ましても、観光客の方の計画を見てみますと、外人客の入るものが相当計画されているわけです。その飛行機関係はどうなっておるかといえば、それがどうもみなあまり芳しくない状態で、ホテルはどうかといえば、ホテルは少ない。港の方はどうかといえば、滞船ばかりで行き詰まっている。こういうような形で、今の局長のお話でも、計画そのものが、相当長期の計画を持っておっても、小ないものだ、こういうふうに言われているわけです。そのこと自体私は皆さんの見方があまり消極的ではないかと思う。別に私はほらを吹けと言っているわけではないのですけれども、やはり現実に伸びている姿をもう少ししっかりつかんでやれば、二五%の伸びの予定が五〇になりあるいは六〇になるというようなことはないと思う。運輸省というのはあまりにも今まで消極的なものの考え方、消極的な予算の立て方というか、施策のやり方というか、こういう点が今日いろいろな問題で隘路になってきていると思う。その点でもう少し腰を強くやってもらいたいと思う。 次に、国際線の路線の問題ですが、アメリカとの大西洋横断の問題、このニューヨークに入るような点がなかなか解決しないというようなことを聞いているし、どうもあまり強腰でないような点があるというようなことなんですが、その見通しあるいは欧州空路の問題、あるいは世界一周線の問題、あるいは大陸線の開通の問題、これらについてお伺いしたい。
○今井説明員 日本航空の海外路線の伸長、特にニューヨーク並びにニューヨーク以遠の乗り入れの問題につきまして、昨日も御説明申し上げたのでございますが、私どもの態度としましては、終始一貫、この夏の交渉においても日航機のニューヨーク乗り入れ並びにニューヨーク以遠権の獲得という点で終始いたしました。米側としまして会談の後半におきまして、日本側に対してニューヨーク乗り入れは認めるというふうな一つの線が出たのでございますけれども、私どもとしてはあくまでも日本航空の将来の路線計画から見まして、この際やはりあわせてニューヨーク以遠、大西洋を横断する権利を得るということでなければ将来十分な計画の実現ができないということで、実はお断わりいたしまして、会談が現在中止になっているという状況でございます。なお、この会談の再開につきましては、事務的に外務省と今般の会談の成果なり何なりを現在検討いたしておりまして、できる限り早い機会にきっかけをとらえてさらに強力に米側に対して要望する、こういうつもりでいるわけでございます。 なお、その他の路線につきましても、日本航空は御承知のように、ことしの六月から北方回り欧州線を開設いたしまして、予想外の成績を現在おさめているような状況でございます。なお、さらに、来年の六月一日を目途にいたしておりますが、インド洋経由南回り欧州線をも開設する準備を現在着々進めている状況でございます。
○勝澤委員 このアメリカのニューヨークを抜けての大西洋横断の欧州空路の見通しというものが困難なために、日航の経営の上にも相当影響していると思うのです。ですからそういう点で、この問題につきましてはいろいろ問題もあるでしょうけれども、早急に解決するということを私は要望いたしておきたいと存じます。 次に、日本航空とそれから日空との関係でございますけれども、前々から私もよく申し上げているのです。今日まあ国際線、それから国内線における主要幹線を日航が引き受け、日空がおもに国内線をやっているという、こういう形になっているわけでありますけれども、将来この日航と日空の空路の分野、こういうものはどういうふうにお考えになっておられるのですか。
○今井説明員 日本航空と全日空の活動分野の問題につきましては、私どもといたしましては、現在の日本航空が国際線並びに幹線を担当する。それから全日空が主要ローカル線並びに幹線の一部を担当するというこの形は、ある程度現実的には相当必要ではないかというふうな実は感じがいたしておるわけであります。それは、沿革的に申しますと、全日本空輸の幹線へ参加を認めました当時の経緯は、全日空が、すでに先生も御記憶の通り、下田沖で事故をやりました以後非常に経営的に苦境になりまして、その苦境は経営を切り抜ける一つの方策として、全日本空輸に幹線参加を私どもは決意いたしたのでございます。その後の状況を見ておりますと、全日本空輸は三十五年度においては二億以上の初めての黒字を出すというふうな状況で、これは確かではございませんが、来年は配当もしようというふうなところまで伸びて参りました。むしろ現在におきましては、ローカル線運営についての機材が足りないというくらいなところまで成長を見せてきておる状況でございます。一方日本航空としましては、国際線につきまして、アメリカ航路においては相当の収益を上げておりますが、東南アジア線においては必ずしもまだ十分は成績を上げておらない。さらには北回り欧州線あるいは南回り欧州線等において非常に激甚な競争にさらされるという状況にありまして、日本航空を現在ささえておるのは、政府の出資あるいはまた政府の保証債というもの以外に、収入源として国内幹線の運営ということが相当大きな要素になっておるようであります。一方乗員養成につきましても、国際線の乗組員につきましては、国内線でまず訓練させるというふうな問題、あるいはまた国際線で余りました飛行機を国内に使うことによって経営上の収支を改善させる等もございまして、現在直ちに日本航空から国内線を切り離すというふうなことも、実際問題としてはできませんし、それからまた全日空を日本航空に合併するということも、現在ようやく地方ローカル線並びに幹線一部運営で成績を非常に上げて参りました全日空自体を他に合併するというふうなことも、実際問題としてはなかなか考えられないことでございまして、従って将来どういうことになるということは、今後の見通しを十分研究していかなければならないと思いますが、ここ当分の間は、やはり今のような両者の幹線における協力態勢ということでいくことが、一番適当ではないかというふうに考えております。
○勝澤委員 日航と日空の関係は、今の段階あるいは将来の段階を見通す場合、私は相当重要になってくるのではないかと思うのです。そこで今国際線を重点にやっている日航が、通称いわれている国際線においては赤字で、それから国内線において黒字で、収支がようやく黒字になった。こういういわれ方をしているわけであまりすけれども、日空の方はようやくこのごろ黒字になってきた。こういうふうになってきますと、日航と日空との関係、それから日空とその他のローカル線との関係、こういうふうに分けて考えてみますと、最近航空審議会の答申案なんか見てみましても、やはり過当な競争、経営規模の適正化という点からいって、役所側から合併あるいは統合ということは困難であろうとしても、やはり相当長い将来のことを頭の中に描きながら、航空界をどういうふうに整備していくかというふうに考えていかないと、私は重大なところに到達するのじゃなかろうかと思うのです。たとえばヘリコプターなどの問題も、七ブロックくらいに分けたらどうだろうという意見が出ておるわけでありまして、そのことは海とは本質的に空は違う、こうお考えになるとは思いますけれども、やはり今日のような事態の中で割合と整理をされている。整理をされている中ですっきり方向を示していけば、あまり混乱が起きないではないか、こういうふうに思うわけです。そういう点で日航と日空の問題、あるいは日空とその他の地方のローカル航空会社との問題、これらの問題は将来の問題として十分御検討願いたいと思うのです。 次に、日航というものは将来どういうふうになっていくのかという点をお尋ねしたいのですが、最初、資本の状態を見ますと、政府出資でやってきたわけでありますけれども、最近の動きを見ますと、民間資本がだいぶ入り始めてきたわけでして、一体民間資本の割合というものはどの程度までやるのか、民間資本が入ることによって政府出資がだんだん少なくなっていきはせぬだろうか、こういうような感があるわけでして、日航というものを将来にわたってどういう方向で考え、政府、民間出資の割合をどの程度まで考えているのか、こういう点をお伺いいたします。
○今井説明員 御指摘の通り、日本航空の政府資本と民間資本との比率は、当初から逐次変化いたして参りまして、民間資本の比重がだんだんと多くなって参っております。そういう結果になっておるのでございますが、私どもとしましては、今後日航が非常に困難な国際競争下において対外的に路線を伸長するという観点からいたしますれば、極力政府の助成保護を強化していくということをぜひお願いいたしたい、かように考えております。現在までのところでは、日本航空は経営的に比較的毎年赤字を出さずに済んできておりますが、はたして来年、再来年というふうな国際線の伸長と同時に、今のような経営の良好な状態を維持できるかどうかということは、必ずしも私どもとしては断言できないのでございます。従って私どもとしましては、他の国のナショナル・キャリアと同じように、やはり国家の補助、保護というものをできるだけ強化していくということに考えていきたいと思います。
○勝澤委員 政府の出資と民間の出資の割合は、これは日航独自でやられるものですか。政府の方でこの程度までよろしいというような規制といいますか、そういう点はどうなっておりますか。
○今井説明員 政府の現在日航に対する助成は、二つの方法で行なわれております。一つは出資、一つは政府の債務保証という形で行なわれているのでありまして、比率につきましては、必ずしも確定した一つの基準があるわけではございません。ただ増資の割当の場合に、政府と民間とに従来の持ち株の比率で分けるというふうな実際上の問題はございますが、日本航空としては民間資本をふやしたければ、場合によっては特別決議によってやるというような、現在やっているような方法で政府の出資より以上の額を民間に仰ぐというような方法もあるわけでございます。定められた一定の基準がないというような実情でございます。
○勝澤委員 そうしますと、資金の割合というものは一応きめがないということになりますと、日航の独自の中で資本をふやすということができることになりますと、結局、政府として日航についての方針がやはりまだはっきりしていないように私は感ずるのですが、そういう点で政府は積極的なといいますか、ある一つの方針を持った助成政策というものはない、その年々の状況によって考えていく、こういうふうになるのですか。日航に対する考え方を、アメリカ型とかイギリス型とか、いろいろ型があると思うのですが、どんなような考え方でこれから進めていかれようとするのですか。その点をもうちょっと明確にしていただきたいと思います。
○今井説明員 政府の補助金、特に出資の問題でございますが、出資については、予算的には私どもは常に大体十億程度の要求をいたしてきておるわけでございます。しかし大蔵省の考え方としましては、必ずしも政府出資のみならず、保証債の額をも合わせて検討すれぱいいじゃないかというようなことで、昭和三十五年度と三十六年度を比較してみますと、三十五年度においては政府出資が五億、それから政府の保証債が二十億、それから三十六年度におきましては、政府の出資が三億、保証債が二十二億、資金需要に対する政府の援助としては、それを合わせましてトータル二十五億というものを出してきておるわけでございます。将来の問題としましては、結局政府がさらに補助を強化するか、あるいは民間資本にある程度ゆだねるようにするかという問題でございますが、これは今後の日航の国際線の経営の状況いかんにかかってくることでございます。これは赤字がふえてもなおかつその路線を維持せねばならぬということになれば、やはりどうしても国でもって強力な補助をうしろからしてやらなければならぬ。現にスカンジナヴィア・エア・ライン、BOAC、またエール・フランスというようなところは経営上非常に苦しい状況にあるように私伺っておるのでございますけれども、そういうところに対しては場合によっては政府が補助してやる、あるいは相当強力な保護をするというふうな措置を講じております。日航は今日までのところでは比較的経営が順調でございまして、しかも計画通り路線を延ばしておるという状況でございますので、そういう問題がシリアスに現われていないというのが現状じゃないかと思います。
○勝澤委員 私はそこが日航の性格が何か不明確なような気がしてならないのです。政府から相当の出資を出して開拓をしているわけでありますから、そういう点で政府がある程度責任を持って進めていくのかというと、いやそうではなくて、その点は大蔵省が予算をくれるかくれないかわからぬから、日航が主体的になってものを考えていく。しかし赤字の点については何か考えてやらなければならぬ。こういうふうになってきますと、日本の航空行政というものについて、日航をこれだけ育て上げながら、今後どうするのかという点では実に私は不明確なような気がしてならないのです。それは大蔵省がきめるのでなくして、やはり運輸省がきめるべきものだと思う。私が当初申し上げました貿易外収支の問題の中における航空という問題だけじゃなくて、あるいは観光というものから考えてみても、やはり日本に来るお客さんは日本の飛行機でもって送り迎えをするというのが一番いい方法だといわれて、よその国も同じようにやっておるわけですから、国際線においては運賃というものがきめられておるわけでありますから、結局その分を国内線の黒字でカバーしていくのか、あるいは別の補助金なりあるいは出資なり、そういう政府の助成策でいくのかということになってくると、そこが大蔵省の予算の関係でごちゃごちゃしている。やはり方針というものがすっきりしていないように思う。ですから、その点は、今の段階ではそのくらいでもってけっこうだと思うのですけれども、やはり将来を見通した計画というものについてはもう少ししっかりした方針というものがあるべきはずだ、こう私は思うのですけれども、大臣いかがでしょうか。今の日航の問題なんですけれども、大蔵省の予算の中で振り回されて、行政というものがあっちへ行ったりこっちへ行ったりするということでなくて、運輸省として日航に対してこういうふうにやっていくのだ、それが全体的な航空行政なんだという、ぴしっとしたものが運輸省として立てられるべきものだと思うのですが、その点について一つ。
○斎藤国務大臣 当面のことにつきましてはただいま航空局長がお答えした通りでございますが、私は日本の航空という点から考えまして、日航はやはり世界の航空界で相当やっていけるというように、政府も必要な限度において相当援助をしていかなければならぬ、こう考えております。それは今お述べになりました理由と同じでございます。ただ、それをいたしますために政府がどこまで力を入れなければならぬかという問題は、その時々の情勢できめていかなければなりますまい。私は理想といたしましては、今後日航が十分の配当をしてペイできるような会社になって、自己資金で、あるいは公募によって資金が獲得できるというようになっていくことが望ましいと思うのでございますが、しかし新路線の開拓その他なかなかそこまでいくのには日がかかるだろうと思いますけれども、理想は政府の援助なくても一人立ちでやっていけるということを目標にしなければならぬと思います。しかしその過程におきましては、政府はやはりできるだけの援助を与えて、早く一本立ちになれるように、そして国際空路も、大体これだけ持てば、日本としては外貨の面からいっても、また空の上における国際競争の面からいっても、ここまでが限度であろうというところまでは伸ばしていかなければならぬだろう、かように考えております。
○勝澤委員 今の問題はまた別の機会にいろいろお伺いすることにいたしまして、次に、国内線における運賃の問題でありますけれども、運賃決定をする機関というものは、国鉄にいたしましても、私鉄にいたしましても、海運にいたしましても、みな運輸省が握っているわけでありますが、こういう観点から、他の交通機関との運賃の格差といいますか、比較といいますか、こういう点をどういうふうにお考えになられておるでしょうか。
○今井説明員 航空運賃につきましては、現在の他の陸上並びに海上交通機関との比較が問題になると思いますが、一応航空運賃の決定につきましては大臣の認可事項でございまして、特に公共性の強い定期路線の場合には、運輸審議会の議を経て大臣が決定する、こういう建前になっております。運賃をきめます際の航空法における基準というものは、一応抽象的でございますが、能率的な経営のもとにおける適正な原価に対して適正な利潤を加えたものの範囲内でなければならないということが一つうたわれておるわけでございます。これはむしろ企業自体の方の立場になるわけであります。それからなお、ここに一つの特別な基準がございまして、これはむしろ他の交通機関に対する不当競争を防止するという趣旨の規定でございますが、航空の提供するサービスの性質を考慮されているものでなければならないというような基準が一つあるわけであります。これを私どもはこんなように理解しておるのでありますが、船の特等、一等とか国鉄の特等、一等というものに対して、航空のサービスは時間的に見ましても非常に早いという観点から、ある程度そういう面を加味して、不当競争にならないようにきめられなければならない。ですから、先ほど言いました適正原価プラス適正利潤の範囲内で、しかも他の競争交通機関に甚大な打撃を与えない限度できめていかなければならない、こういうふうな考え方を持っているわけでございます。従いまして、運賃は路線ごとにそういうふうな角度から検討いたしまして認可をいたしておるわけでございます。現在の実情を見ますと、国鉄あるいは私鉄あるいはまた船舶というものに対して、その特等あるいは一等というふうなものの運賃よりは高目にというふうな建前をとっておるわけでございます。
○勝澤委員 運賃決定の方法はよくわかるのですけれども、たとえば今私鉄大手十四社の運賃の値上げが出ているわけですけれども、基本的なものというのは、国鉄が上がったから私鉄も上げるのだ、私はこういうふうに理解するわけです。ですから、そういう観点からいいますと、国鉄なり、私鉄なり、そういうものとの比較で航空運賃というものが考えられているとすれば、国鉄運賃が上がったのだから、私鉄が上がったのだから、航空運賃も上げる、こういうふうになるのですか。そういう点はどのような考慮といいますか、あるいは国鉄一〇〇に対して航空は一五〇、いろいろ路線別に比較をしているのを見てみますと、二〇〇以上になっているのもありますし、一三〇くらいになっているのもあるわけです。こういう点は、やはり基準があるのですか、それとも今までの慣習といいますか、あるいは、もっと厳密にいえば原価計算をやっているのでしょうけれども、しかしそういうものは政治的なものですから、その辺はどんなふうに考えられているのでございましょうか。
○斎藤国務大臣 ただいまの料金のきめ方の問題は、いろいろ基準がございますが、私は、原則としてはやはり適当なコストというものを標準にしてきめていかなければならぬと思うのであります。この場合に出てきまする社会的な支障と申しますか、そのコストではどうも今おっしゃった競争線との関係その他の関係から工合が悪いというような場合には、これは別の面の要請から考えなければなりませんが、原則といたしましては、適正な利潤という点で考えていくべきだ、さように考えております。 私鉄の運賃値上げに対しましても、国鉄が上がったから私鉄を上げなければならぬ、こういう考え方は毛頭持っておりません。私鉄が経営をやっていくについて、十分やっていけるならば、これは運賃を上げる必要はない、私はこう考えております。ただ、並行線のところで、非常なアンバランスが起こって、そのために交通系統に支障を来たすというようなことがあれば、これは考えなければなりませんが、私は、私鉄の運賃が上がったから国鉄の運賃を上げる、また飛行機の運賃もそういう意味で、今までのバランスがくずれてくるからというだけの理由で上げるということは考えておりません。どこまでも適正なコストということを基準にして、それが根幹で、あとは他の面から要請せられる手直しをどの程度に考えるかということである、こう考えております。
○勝澤委員 御答弁としてはそういうことになると思うのですが、その点は別の機会に譲ります。 次に、空港が拡大化の方向に向かっていると思うのですが、このための整備計画なり、あるいは今東京空港以外にもう一つ小型、中型の空港を作らなければならぬという意見も出ているように聞いておりますが、第二空港の問題、これから飛行機が大型化して相当長い滑走路が要るようになるのですが、こういう関係の整備計画はどういうふうにお考えになっておりますか。
○今井説明員 主として羽田の問題、それから羽田にかわるべき第二空港というか、あるいは補助的空港といいますか、そういった問題についての御質問でございますが、現在羽田の拡張計画は順調に進んでおりまして、現在約三十万坪の埋め立てを完了いたしまして、来年度から新滑走路一万フィートの造成を始めるわけでありまして、あわせまして、バースの数も現在十七ございますのを三十まで増強する。それからまた、ターミナル・ビルディングにつきましても、現在の約三倍近く大きくする計画でおりまして、従来百人の入国旅客に対しまして約二時間近くかかっておりました税関、検疫、入国管理等の業務につきましても、今度の新計画では、二百名の旅客を一時間以内でさばくという同様のもとに現在努力をいたしておるわけであります。しかしながら、将来はたして羽田で十分やっていけるかどうかということは、私ども常々考えております。これはまた飛行機の大型化、頻度の増加ということによって羽田周辺の方々に対して騒音問題等がございますし、あわせて私どもは、将来の羽田空港というものをどういうように考えていったらよいか、まだ実は確定した案は持っておらないのでございますけれども、来年度の予算に東京第二空港調査費というものを要求いたしております。これが通りますれば昭和三十七年度かかりまして東京国際空港の将来のあり方というものについても一つ真剣に検討してみたい、かように考えております。
○加藤(勘)委員 関連質問。今、航空局長のお答えの中で、第二空港について来年度予算で調査費を要求する、こういうお話でしたが、現在の羽田空港の騒音防止の問題、もうすでに前の大臣のときにも私直接大臣に会っていろいろお話ししたのですが、あそこの空港長を議長にして、地元の被害者の諸君が委員会を作ってたびたび会合をして、中間的な結論を出して、航空局の方にも行っているはずだし、大臣にも直接私からお話ししたのですが、そういうことで、その問題についても考えられなければならぬし、また、今までの質疑応答の中に出ておりました将来の旅客の増加、事務の簡素化、こういう点からいっても現在の羽田空港はもう狭隘である。世界の国際空港の主要なものに比べれば非常に小さい。A滑走路が一万メートルに延長されるか、今おっしゃるように滑走路がもう一本建設されなければならぬと思うのです。そういう場合に、問題は埋め立ての問題なんです。埋め立てをやる。これはまた今東京都の東京湾埋め立ての問題に関連してきているのです。きのう、私、東京都の港湾局長にも会いまして、いろいろその問題について話し合ったのですが、将来国が羽田空港をどうするかということが、やはり東京都にとっても重要な問題になっておるわけです。従って、現在狭い羽田空港を埋め立てをして拡張をするならば、東京都の港湾埋め立ての計画と、これは同時的、総合的に検討されなければならないし、あるいは羽田空港を、東京湾の東京港の整備の関係上あそこを移転するというならば、どこへ移転されるかわからぬが、移転される第二の空港を作るというのを——それを拡張して、そちらを主航空場にするか、そういうことについてのやはり明確な方針を持って臨んでもらわないと、あの付近はもう実際問題として狭いのです。そして、あまりにも人家が近過ぎまして、騒音による被害も甚大であるが、同時に、今後埋め立てがなされるとすると、漁業者が全然自分の生活の基本を失ってしまうわけなんです。そういうことについても考えられなければなりませんが、今お伺いすれば、まだはっきりした基準は持っておらぬがというお話でしたけれども、やはり明確な計画を立ててやってもらいたいと思うです。その点についてこの際御意見を承っておきたいと思うのです。二十四日にまた羽田空港で、今言う騒音対策の会合があるはずです。それに私も出るつもりでおりますが、局長なり大臣なり、要するに運輸省としての方針をできるだけ聞かしておいてもらうといいと思いますので、その点聞かしていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいまの段階では残念ながら運輸省としての確定的な方針ということを申し上げる段階には至っておららぬ。おっしゃいますように、なるべく早く基本的な方針を定めるべきだ、かように思います。しかしながら、これは首都圏整備の問題ともからみ合うわけでございますので、第二空港としてどこを選定するか、そしていつから始めて、それを将来主空港にしてしまって、羽田の方はむしろ第二の方に回してしまうかという点は、やはり首都圏の整備と非常に大きくからみ合いますから、それらの点も考え合わせまして、御指摘のようにできるだけ早くきめたい、かように考えております。羽田空港だけで、あそこの埋め立てだけでやっていけるかどうかという点にも、私も若干疑問を持っておるわけであります。
○勝澤委員 第二空港の問題はまたあらためてお伺いするといたしまして、次に航空交通管制の問題でありますけれども、この白書によりましても、「如何にしてジェット機の高速性に追随して、効果的な交通管制を行なってゆくか」というのが第一の問題であり、第二としては、「依然としてその数を増す低速の小型機、中型機と高速ジェット機をどのように調整して管制するか」という問題であり、さらに将来においては「大型機と中・小型機が使用する空港の分離も必要となろう。」こういうふうにいわれておるわけであります。従いましてこの空の交通管制というものは大へん重要な問題だと思うのでありますが、特に関東における交通難というのはよく聞いておるわけであります。この緩和策としては当然長距離観測用のレーダーというものが必要だと思うのですが、これらについての対策はどのようになされておりますか。
○今井説明員 全く先生の御指摘の通りでございます。航空交通管制の近代化につきましては、三十六年度におきまして二年間の継続事業で、現在入間川のジョンソン基地にございます管制本部を北多摩郡の東久留米町に移転することがきまりまして、もうすでに設計図もきまり、来年の三月までには新庁舎ができて、三十七年度において逐次器械を入れていくというふうな状況になりました。この点については私どもとしては先生方にお礼を申し上げる次第でございます。今御指摘の空港面監視レーダーにつきましては、おっしゃる通り東京。コンプレックスといいますか、関東一円の空の交通が非常にひんぱんになり、しかも高速化する。高速機と低速機のセパレーションというような問題が非常に大きな問題になっておるのでございまして、管制本部の整備と相待ちまして、関東一円の空をレーダーで監視するための長距離レーダーを実は来年度の予算で要求いたしておるわけであります。私どもとしてはこの予算の実現に全力をあげまして、交通管制のさらに一そうの向上をはかりたい、かように考える次第でございます。
○勝澤委員 事故が起きるととかくその面に対する行政の不行き届きという点でいつも問題になるわけでありますから、その点については十分やはり——もう諸外国においては相当進んだ器械を入れて、個人の能力によってやるという方向から、進んだ器械によって、計算機やその他によって行なわれておるようでありますから、一つそういう点の整備を早急にしていただきたいと思います。 次に航空従事者の問題でありますが、この白書によりましても、外人をだいぶ使っておるようでありまして、この外人操縦者が六十名くらいおるというのですが、これほど乗員が足りないということなんでありますけれども、これは当然乗員養成ということは毎年三十人くらいやっておるというのですが、五十人くらいにしなければいかぬということで、運輸省としても要求しておるようでありますけれども、やはりこれは早急に何とかしなければいかぬと思うのです。こういうような点についてどういうふうになっておるのか。また外人操縦者を使わなければならぬほど日本の航空技術というものは低いのかどうか、こういう点について一つお尋ねしたい。
○今井説明員 乗員の現在の過不足の状況でございますが、現在私どもが最も重要であると考えております国際線並びに国内線の幹線というものをとって考えました場合に、大体二百二十名程度の所要数に対しまして、現在約百八十名程度しかないという状況でございまして、これは機材別にいろいろなクラシフィケーションといいますか、そういうふうな関係もございまして、実数においては約六十名内外が不足しておるということになるのではないかと思います。そこで今先生のおっしゃいました外人操縦士というものも、現在約六十名日航では雇っておるわけであります。私どもとしては、需給対策につきましては、現在の航空大学校が年間三十名の養成規模でございますが、これを最大限五十名まで、宮崎の養成機構を拡大する。それからさらに防衛庁の方にもお願いしまして、防衛庁の事情の許す限り防衛庁の現役の方、あるいは退役される方に民間航空の方へおいでを願うということで、大体年間にどの程度というふうなところまで、現在防衛庁と話を進めておるような状況であります。こういうような点が軌道に乗りますれば、私どもの見通しでは昭和四十一年度に大体所要数が四百六十一名、これに対して充足数が四百五十二名というふうな程度で、八、九人程度の不足というふうなところまでこぎつけ得るのではないか、こういうふうに考えております。 それからなお外人の操縦士を雇うほど日本の操縦技術が低いのかという御質問でございますが、この点は全くございません。日航の実情を見ましても、日本航空の第一線機である大型ジェット機の操縦士は全部日本人でございます。雇った外人の操縦士はプロペラ機、しかも多くは国内に就航させておるというふうな状況でございまして、やはり日航の最も枢要な操縦士諸君は全部日本人であります。
○勝澤委員 次に今度は航空行政の問題でありますけれども、今日、航空関係の業務というものは運輸省あるいは通産省、科学技術庁、防衛庁というような形で分かれておるわけでありますけれども、やはりこれからますます重要になる航空行政の問題につきましては、これらの緊密な連絡といいますか、ある程度の整理統合といいますか、こういうことが必要じゃないだろうか、こういうふうに思うのですが、この点について大臣はどんなふうなお考えをされておるのですか。
○斎藤国務大臣 航空行政につきましては、今お話しのように、他の諸官庁に関係するところが非常に多いわけでございます。しかしながら、今日のこの制度ができましたのにもいわれがあるわけでございます。科学技術庁の一部をこちらに持ってくるというようなことも考えられないわけではありませんが、しかしまたその方面におきましても、全般的の科学技術の振興との関係を持ち、通産関係にも持つというようなわけで、従って、私といたしましては、できるだけ官庁の組織をそういじらないで、現状をできるだけ生かして、連絡を密にしてやっていくことが一番いいのではないか、かように考えております。
○勝澤委員 懸案の問題でありまして、これからいろいろと航空事業の振興とともに検討されると思いますので、その程度で終わりまして、次に航空の国際収支の状態というのはどういうふうになっているのですか。
○今井説明員 国際収支の関係でございますが、三十五年度の統計では、日本航空の水揚げの外貨は三千万ドルというふうな数字が計上されております。なお三十六年度におきましては、これはまだ一部推定が入るわけでございますが約五千万ドル、従いまして三十五年度よりは二千万ドルもふえるというふうな状況でございます。もちろん航空は、海運あるいは観光そのほか輸出産業等に比べまして、まだ非常に若い産業でございます。経営自体もそういう大企業に比べまして非常に規模が小さいというふうな関係で、額は必ずしも多いものではございませんが、私どもとしては、今後の伸びを期待いたしまして、今後五カ年間に一応一億ドル程度まで外貨収入をあげようという努力をいたすつもりでおります。
○勝澤委員 受け取りの関係と支払った関係というのはどういう形になりますか。
○今井説明員 御指摘のように造船と違いまして、航空におきましては器材その他を外国から輸入する関係がございまして、支払い外貨があるわけでございます。その差引を見ますと、三十五年度におきましては差引受取額が一千万ドル、三十六年度におきましては約一千三百万ドルというふうに予想されております。
○勝澤委員 外国航空の分はわからないわけですね。日航の外人から受け取ったものと日本人から受け取ったもののほかに、外国航空はどういうことになっているのですか。こういう関係はおわかりになりませんか。
○今井説明員 ただいまの御質問の趣旨は、日本人で外国航空に乗るために外貨を支払うという方の関係だと思いますが、ただいま手元に資料がございませんので後ほどお届けいたしたいと思います。
○勝澤委員 そこで、最近シップ・アメリカンとか、日本においては国産品愛用というようなことがいわれているわけでありまして、国際収支の関係については政府もいろいろ御努力されているようであります。しかし、私が調べたものによりますと、日航の路線がある個所で、行きは日航で行っても帰りはパン・アメリカンやBOACというようなことで、日航の利用というのが必ずしも適正ではないように聞いているわけです。この航空関係の受け取りと支払いの状態を見ても、もう少し国際線に乗る日本の人たちが日航を使ったらどうろだうかと思う。補助金も出しているし、政府の出資も出ているし、ましてや今日の国際収支の状態から見たら、これをもっと育成強化していかなければならぬのじゃないかと思うわけです。いろいろ調べてみると、日航を一番使えばいいのに使わない人は国会関係だといわれている。役所の方では外務省だといわれる。ですからこういう点を調べてみると、国産品愛用法案というような法律を通産省の方も考えているようでありますけれども、運輸大臣は、海運にしても航空にしても観光にしてもあまり国際収支の問題については考えていないのじゃないかという疑問があるというわけです。そんなことはないと思うのですが、一つこれらの問題については、今日の状態から考えて、大臣も閣議ででも働きかけをして、これから国会関係あるいは各省で出かける者については、優先的に日航を使うというような方針を出されて、こういう問題についてもっと緻密なお考えをされてやるべきではないだろうかと思うのですが、それらの問題について一つ。
○斎藤国務大臣 ただいまの御質問の点は、私も今何とかせねばならない問題だと考えておるわけであります。先般も日航にも依頼し、また航空局長にも話しまして、日航機の各線別にどのくらい座席があいておるのか一ペん調べて出してもらいたい。日航機がいつも座席がないというなら、これは外国人が乗っておろうと日本人が乗っておろうと、そういうことを言う必要もないと思うのであります。ところが、日航機の座席が相当あいておる。しかるにもかかわらず日本人が外国の飛行機に乗るということは、自由主義でいいかもしれませんが、日本の経済全体という点から考えますといかにもおかしな話です。従ってアメリカなどはほとんど強制的といいますか、法令的に国の官吏、国の費用を使う者は、アメリカの飛行機を使えということになっている。イギリスもそうだと私は承知をいたしております。従って一般の国民全部にまで強要するわけにはいきますまいが、少なくとも国費あるいは公費を使って行くような人は、できるだけ日航機を使ってもらうようにしたい。ここだけの話でありますが、私は近くこの問題を閣議にも持ち出して、関係各省の協力も得たいと思っております。国会議員の方々のお話も出ましたが、これはおそらく自分はどの飛行機で行くということをおきめにならないで、旅行社か、プランを立てる人にまかして、それでよかろうということで行く場合が多いんじゃないだろうか。そうなりますと、そういうことを扱う旅行案内所あるいは国会であればそれぞれ世話をする事務部局もあるわけです。そういうところとも連絡をいたしたい。ただシップ・アメリカンのようなそういうやり方で、かえって外国の反撃を買うというやり方はとってはいかぬと思いますが、日本の産業を育成していくという気持から、そういうことも考えたい、かように今考えて、今明日の次官会議あるいは閣議等にも、そういうような方向を打ち出したいと考えておるところございますから、一つこの上とも御協力をお願いいたしたいと思います。
○勝澤委員 この日本航空の国際線の輸送実績を見てみますと、三十三年が六五%、三十四年が六三%、三十五年が五九%と下がってきているわけです。しかし、これは新しい路線が開拓されて、そのためにパーセンテージが下がっている点も了解をいたしますけれども、今大臣が言われましたように、これから貿易の自由化という形でだいぶ外国品が入ってくるわけでありまして、日本人は何でも舶来だというといいものだと思って、香港へ行って日本品を買ってきたとか、アメリカに行って日本のものを買ってきたというような笑い話があるくらいでありますから、そういう点で一つ、今大臣が言われました点につきましては、十分運輸省として、特に問題のある航空あるいは海運は、一番貿易の中で重要なファクターになっておるわけでありますから、ぜひ積極的な施策をしていただき、またわれわれ国会としても、そういう点については協力するのは当然でありますから、一つそういう点についてもお互いに働きかけをしたい。 約束の時間でありますので、これで終わります。
○簡牛委員長 次会は来たる二十四日火曜日午前十時より委員会を開会いたします。なお、理事会は来たる二十三日月曜日午前十時三十分より開会することとして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時一分散会 ————◇—————