運輸委員会 第2号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/10/03
会議録
○簡牛委員長 これより会議を開きます。 最初に小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 すなわち、都市交通に関する小委員会及び観光に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、小委員の員数並びに小委員及び小委員長の選任につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○簡牛委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○簡牛委員長 モーターボート競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、踏切道改良促進法案、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案及び船舶職員法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
○簡牛委員長 まず各案について政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。 斎藤運輸大臣。
○斎藤国務大臣 ただいま上程になりました法律案の趣旨を御説明申し上げます前に、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。 私、先般はからずも運輸大臣を拝命いたした次第でございまするが、その後今日に至りますまで、ごあいさつを申し上げる機会がございませんで、まことに申しわけのない次第だと存じておるわけでございます。どうぞ、まことにふつつか不敏なものでございまするが、当委員会の絶大なる御支援と御協力をお願いを申し上げたいと存じます。 御承知のように、今日の運輸行政はまことに多端でございまして、最近の日本の急速な経済成長に伴うのに対しまして、運輸関係の公共投資が非常におくれておりまするので、陸の上におきましても海の上におきましてもいろいろな問題を起こしておるわけであります。いわゆる交通混雑の問題、あるいは運輸のネックの問題、あるいは港湾の船だまりの問題、また船舶の急速なる建造の問題等も含んでおりまして、これらの問題を解決して参りますにつきましては、格別皆様方の御支援をお願い申し上げなければならぬと存じます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。 ただいま議題となりましたモーターボート競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この法律案は、モーターボート競走法による造船関係事業及び海難防止事業の振興に関する現行の制度をさしあたりさらに一年間存続させることを内容とするものであります。 この制度は、モーターボート競走による売上金の一部を全国モーターボート競走会連合会に交付して、造船関係事業及び海難防止事業の振興のため造船関連工業の設備資金の貸付、造船関係事業及び海難防止事業に対する補助等を行なうものでありまして、昭和三十二年の一部改正において、モーターボート競走法の中に取り入れられたものであります。その際、この制度の存続期間は、一応三年とし、その後の措置については、さらに検討の上決定するという趣旨から、昭和三十五年十月一日以後は別に法律で定めるところによるものとされたのでありますが、昭和三十五年七月の第三十五回臨時国会におきましては、すでに別途、公営競技の現行制度全般について検討を加え、関係諸問題を調査審議するため、総理府に公営競技調査会を設置するとの政府の方針が決定されておりました関係上、とりあえずそれまでこの制度の存続期間を一年間延長する改正が行なわれたのであります。 ところで、公営競技調査会は、当初の予定よりおくれまして、昭和三十五年末の第三十七回臨時国会において設置がきまりましたため、本年七月二十五日にその答申の提出がありましたが、答申に基づくモーターボート競走制度全般についての改正法律案の作成にはなお日時を要し、目下、次の通常国会に提案すべく鋭意検討中でありまして、今国会に根本的改正案を提出することは困難でございます。従いまして、この際は、さしあたり現行制度をさらに一年間だけ延長する法律案を提出いたしまして、御審議いただくことにいたした次第でございます。 以上が、本法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いを申し上げます。 次に、踏切道改良促進法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。 鉄道と道路とが平面的に交差するいわゆる踏切道は、交通事故発生の要因となり、また、交通の障害ともなりますため、政府といたしましても、従来から、その立体交差化あるいは保安設備の整備等、踏切道の改良につきまして、極力その推進をはかって参ったのであります。 しかしながら、最近における交通の発達は、まことに目ざましいものがあり、自動車の著しい増加に伴う道路交通量の激増、列車運転回数の増加等によりまして、踏切事故が頻発するとともに、踏切道における道路交通の能率が著しく阻害されている現状にかんがみ、政府といたしましては、踏切道の改良を早急に促進する措置を講じ、交通事故の防止と交通能率の増進をはかりたいと考え、この法律案を提出いたした次第であります。 次に、その要旨について御説明を申し上げます。 この法律は、踏切道の改良を促進することにより、交通事故の防止と交通の円滑化に寄与することを目的といたしております。 このため、まず、昭和三十六年度以降の五カ年間において改良を行なうことが必要であると認められる踏切道につきまして、立体交差化及び構造の改良については運輸大臣及び建設大臣が、保安設備の整備については運輸大臣が、それぞれ、その改良の方法を定めて指定することといたしました。 この指定によりまして、早急に改良しなければならない踏切道が明確に示されることになり、一般の注意を喚起し、その改良に関して協力を期待することができるとともに、当該の責任者である鉄道事業者及び道路管理者は、指定された踏切道の改良に努めることを公に要請されたことによって、相互に協調してその達成をはかることとなりますので、今後の踏切道の改良の促進に大いに寄与することができるものと考えられます。 なお、指定に伴う効果といたしまして、当該の鉄道事業者及び道路管理者は、指定踏切道の改良に関する計画を作成して提出し、その計画に従って改良工事を実施する等の義務を負うこととなり、よって踏切道の改良の実現を期しております。 次に、指定踏切道の改良を行なう場合の費用負担者でありますが、立体交差化または構造改良に要する費用は鉄道事業者及び道路管理者が協議して負担し、保安設備の整備に要する費用は鉄道事業者が負担する旨を明確にし、なお、鉄道事業者が負担する保安設備の整備につきましては、その整備の促進に資するため、国または地方公共団体は、政令で定める地方鉄道業者または軌道経営者に対して、その費用の一部を補助することができることといたしました。 また、踏切道の改良については、相当量の資金を必要といたしますので、運輸大臣は、この法律の規定による踏切道の改良について、資金の融通あっせん等、資金の確保に関する措置を講ずるよう努めるものといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 次に、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 日本国有鉄道は、公共企業体として、公共の福祉を増進するためにその事業を経営し、能率的な運営を行なうべき使命を有しております。そのために政府といたしましても従来から種々の施策を講じて参ったのでありますが、日本国有鉄道が、その保有いたします余裕金につきまして、効率的運用をはかるため、これを国債の保有または資金運用部への預託に運用することができるように今回法律措置を講じることといたしたのであります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますよう御願いいたします。 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。 わが国海運企業の現状は、きわめて困難な事態に直面いたしております。政府といたしましては、海運企業の国際競争力を強化するため、あらゆる努力をいたして参ったのでありますが、企業強化の一環として船舶乗組定員の合理化については、つとに関係各方面から強く要望せられているところであり、海運界におきましてもこの点について現在真剣な努力が払われているところであります。 しかるに、船舶通信士につきましては、その乗組員数及び資格は船舶職員法に定められておりますが、現行規定は太平洋戦争中の特殊事情によって船舶通信士を増員して以来、今日までおおむねその体制を踏襲しており、諸外国に比べて船舶通信士の乗組員数は相当上回っております。従って、日本海運の国際競争力を強化し、海運企業の合理化を促進するため、海上航行の安全に支障を来たさない範囲で、これを諸外国並みに改める必要があるのであります。 なお、船舶職員法の改正に対応いたしまして、船舶無線局の運用義務時間を国際水準の線に置くこととする電波法の一部を改正する法律案も、本国会に提案されて、別途御審議を願っているわけであります。 今回の改正の第一点は、法別表第二から別表第四までを改め、旅客船を除き、船舶通信士の法定乗り組みを一名にしたことであります。ただし、法施行の際の現存船については、諸般の事情を考慮し、三カ年間は経過措置を設け、船舶通信士の員数を一挙に軽減することによって各般の支障が生ずることを避けております。 改正の第二点は、現在乙種船舶通信士及び丙種船舶通信士の免許年令が満二十才以上でありますのを満十八才以上に改めた点であります。これは、電波高等学校等の卒業者が学校卒業後資格取得まで約二カ年の空白があるため、海運界に必要な人材が得られない情勢にありますので、当分の間、措置をとることによって船舶通信士の需給緩和をはかろうとするものであります。 以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。 ————◇—————
○簡牛委員長 次に、海運に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 大臣がお見えになりますので、簡単にお尋ねを申し上げまして、また善処方を要望いたしたいと思います。 今、内航船が非常に困っておりまする実情は、これは大臣よく御承知であろうと存じます。これにつきましては、石炭専用船とかいろいろな問題がありまするが、そういうことはあらためてすべての法律案が通過をいたしまして後に御質問を申し上げることといたしまして、非常に差し迫った問題がありますので、それだけを一つ申し上げてみたいと思います。 今、石炭を運んでおりまするのは、機帆船が瀬戸内海あたりはほとんどであります。その機帆船あたりも、運賃は以前のままに据え置かれまして、長年月ほとんど動いておらないのでありまするが、最近の物価高あるいは賃金高というようなことで、どうしてもこの際石炭の運賃を上げてもらわなければならぬ。通産省あたりにおきましては、石炭の合理化の面で、流通の面で、運賃の面でこれをまた引き下げろというふうなこともいっておりますけれども、今の機帆船の運賃を現在以下に落とすようなことがありましたら、機帆船界はもう崩壊してしまいます。ことに今の運賃でさえどうにもならないということで、先般調整運賃の認可を得まして、若松−阪神間で四百六十円でありますが、これを四百七十五円にしてくれというようなことで、海運当局はこれを認可いたしております。そうして、これを荷主に要求をいたしました結果、荷主の方はそれは承服できないということで、けってしまったのであります。そのために今、若松では若松−阪神間の輸送をストップいたしまして、機帆船が船どめを行なっております。もう何日になりますか、機帆船の船主と荷主との間に意見の相違がありますために、一方は積まないのだ、これが解決するまで船どめをするのだというふうなことで、みんな船どめをやっておるような状態であります。これは今の物価高や賃金上昇の関係から考えまして、どうしても認めてやるべきだということで海運局も認めておるのでありますが、これを荷主が実施しないということになりまして、そのために争いが起きておるのであります。これは一つ早速に大臣は現地に行くなり、あるいは本省から人を派してでも荷主等を説得いたしまして、そうして円満に解決して、この調整運賃通りにやれるようにお取り計らいを願いたい。これは質問と申しますより、差し迫っておる問題でありますので、これについての善処方をお願いを申し上げたいのであります。大臣の御所見を伺っておきます。
○斎藤国務大臣 お答えを申し上げます。 海運局がこれを認めましたのは、合理的な理由がある、こう認めていたしたわけでございます。荷主の方々がこれを拒否されるという権利もあろうかと思いますけれども、できるだけ海運当局が許しました趣旨を話しまして、一日も早く円満に解決するように努めたいと思います。
○關谷委員 大臣の御答弁をいただきましたので、私、安心いたしておりますが、もしこの若松の港で船どめをいたしておりますのが、荷主が承諾しないで解決がつきませんと、次には苅田の港、それから小倉の港あたりも全部船どめをするということになりまして、内海の機帆船がことごとく停止するというような重大な事態が起きて参りますので、ぜひとも早急に手を打っていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 承知いたしました。 ————◇—————
○簡牛委員長 次に、陸運及び国鉄の経営に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
○久保委員 大臣はこれから予算委員会で向こうにおいでになるそうでありますから、私の大臣に対する質問はいずれあとでお願いすることにしますけれども、そこで一つお願いしたいのは、過般来、特に武州鉄道の問題が世間の耳目をそばだてているわけであります。これに対して、当委員会の委員として当然その内容等をしさいに検討するのは責任だと思って、それぞれ非公式でありますが、政府に対し所要の資料の要求をいたしております。ところが、出てくる資料はいずれもそのものずばりでなくて、要約したもの等を出されるのは非常に本員として迷惑しごくであります。この点はそのものずばりの本物の写しを要求通り出していただくように、大臣から下部の方にも徹底してほしい。と同時に、もう一つは、汚職云々は別として、本免許の中身について、あるいは経営について、相当な疑問があるということは事実であります。事実でありまから、事実の究明は当然与えられた責任として徹底的にやらなければならぬのでありますが、幸い運輸大臣は先般かわられたばかりであります。新しい大臣としてそういう問題を徹底的に究明するための御協力を願わなければならぬと思うのですが、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 武州鉄道問題が、これの認可に関連をいたしまして、司直の方で疑いを受けておりますことはまことに遺憾に存じます。ただいま御意見のありました資料の提出、それからこれについて事務の手続、その他当委員会において御調査になりますことは、私らの方においてなし得ますことは、最善の御協力と申し上げてはなんでございますが、御答弁も申し上げ、また資料の提出にも応じまして、本委員会における調査が十分できますようにいたしたい、それだけを申し上げておきます。
○久保委員 まず鉄監局長にお尋ねするわけでありますが、武州鉄道の免許が、申請当初には政府部内では反対の意向であったそうでありますけれども、この反対であった理由はどういうことなのか、中身についてお述べをいただきたい、こういうふうに思います。
○岡本政府委員 ただいま武州鉄道の免許申請につきまして、政府部内で反対があったというふうに聞いておるが、それはどういういきさつかというふうなお尋ねでございますが、政府部内で反対があったということについては私は何も存じません。
○久保委員 それでは、これは参議院の九月二十一日の決算委員会であなたがお述べになっている事項でありますが、若干速記録を読み上げてみますと、「そこで、政府側から出されました反対陳述の要点は、計画が非常にずさんである。こういうことであったように大ざっぱに申し上げますと記憶いたしております。」こうお述べになって、さらにどういうことかということでありますが、「大体建設費というものが少な過ぎるんじゃないかというような趣旨であったかと思います。また発起人に相当各界の名士がなっておられるけれども、はたしてどなたが中心で、どれだけの熱意を持って、この事業を遂行する気持があるのかどうかということについて、多大の疑問を持たざるを得ない。こういうようなことであったように覚えております。もちろん詳細は、その記録をごらんになればよくおわかりと思いますが、そういうことで、確かに反対の立場からの陳述を見ますと、そういう点もあったかと思いますが、その後武州鉄道の発起人の方では追加申請をいたしまして、建設費その他について、多少の修正をいたして出して参りました。それからもう一つは、本年の五月発起人の変更がございまして、従来の発起人総代がやめまして、新しく三人の方がかわってなられたのでございます。この二つが条件の変化といえば変化であろうかと考えます。」こう述べておりますので私はお尋ねしておるわけです。
○岡本政府委員 実は私、速記録を見ておりませんが、それは政府ではなくて西武鉄道の間違いだと思います。つまり本年の五月でございましたか、運輸審議会の方で職権公聴会を開きました際に、西武側が反対の陳述をいたしたのでありますが、その要旨をまとめて申し上げたようなつもりでございます。
○久保委員 それからもう一つ、ことしの四月十二日当院の決算委員会で、あなたの部下であった石井民鉄部長がこういうふうに説明しております。「国鉄の混雑を当然予想しながら、これ以上中央線の混雑をひどくさせるといいますことは、われわれとしては、運輸行政上、通勤、通学も見てやらなければならない立場にありますので、より以上困難になるということを推定予想しながら、直ちに処置するというようなことは、できかねるのじゃないかと思います。」こう言っております。これは反対です。
○岡本政府委員 私の記憶いたしますところは、運輸審議会の方で、実は本件の審議につきましては、中央線が非常に混雑しておる、この武州鉄道の免許申請の計画を見ると、中央線の三鷹に連絡するように相なっておるわけであります。そこで、この鉄道が建設されますと、中央線の混雑が倍加されるんじゃないか、こういう心配があるのだが、運輸事務当局はどういう見解を持っておるか、こういうお話がございまして、それは仰せのように確かに非常に心配であるということを御回答申し上げたのでございます。ただその後の情勢の変化と申しますか、すでに御承知のように国有鉄道は中央線の混雑緩和のために、いわば第二中央線を建設することを決定いたしました。御承知のように三鷹−中野間を複々線にいたしまして、その新しい複線を、地下鉄の第五号路線と申しまして中野から高田馬場、それから大手町を経まして東陽町へ出る路線がございますが、この路線の中へ直通をさせよう、こういう計画で本年度から着工することに相なっております。そこでこの路線の輸送力の画期的な増強ということも目鼻がつくであろうということは、運輸審議会の方へ御回答申し上げております。
○久保委員 しかし、やはりこの同じ決算委員会で国鉄総裁の十河さんは委員の質問に答えて、今の中央線の輸送力から考えて、われわれとしては今国鉄の輸送だけで手一ぱいなので、とこういう答弁をしております。こういうことについては御関心はなかったということでありますか。
○岡本政府委員 国有鉄道といたしましては、かねがね申しておりますように、今の、特に東京都を中心といたします通勤輸送の輸送力の体系というものが、国鉄に片寄り過ぎておる。特にこれは定期運賃の関係から申しまして、いつでも例に引き出されることでございますが、たとえば千円の定期で通える通勤範囲というものが、国鉄だけで参りますと、相当長距離から通勤できる。しかるに私鉄、国鉄を渡りまして通勤いたしますと、同じ千円でも非常に通勤の距離が短い。こういうことから不自然に国鉄の沿線に通勤客というものがふえていって、国鉄の負担というものが非常に過重であるということを申しておるのでございますが、確かにそのことは言えると思います。従いまして、運輸省といたしましても、新しい地下鉄を作ります場合には、郊外私鉄と直通運転させまして、いわば国鉄のバイ・パス的な役割を持たせるとか、そういうこともいろいろ考えておるのでございます。しかし、何と申しましても、国鉄の通勤輸送の緩和につきましては、やはりその公共的使命から申しまして、全力をあげてこれに対処しなければならぬことは間違いございません。そこでかねてからの懸案でありました第二中央線もいよいよ本年度から着工するということに決意いたしたわけでございますが、このことに関連いたしまして中央線の輸送力は大幅に緩和できる、こういう見通しが立ったわけでございます。そうすれば三鷹からこの武州鉄道が建設されました際に起こるところの輸送需要の増、輸送量の増というものはまかない切れる。こういうふうに判断いたしたわけでございます。
○久保委員 まかない切れるという判断があったそうでありますが、これは後刻資料をもって説明を願いたい、こういうように思います。国鉄総裁は、やはり四月十四日の委員会でこういうふうに答弁をしておるのであります。いわゆる先ほどお話があった複々線にするということも考慮の上、しかも「今国鉄の引き受けているお客さんだけでも運び切れないのでありますから、」ということで婉曲に断わっておる。これに対するあなたの見解は運び切れるということであります。これは後刻数字をもって詳細な御説明をお願いしたいと思います。 そこで、次にお尋ねしたいのは、楢橋元運輸大臣は、きのうでありますか、おとといでありますか、いわゆるお宅にお帰りになる際に記者団と会見をいたしまして、その中で、自分はこの免許には反対であった、こういうことでありますが、あなたが鉄監局長になられたのは、楢橋運輸大臣在任中でありました、いわゆる三十五年の七月十二日に鉄監局長におなりになったと思いますが、これに間違いございませんか。
○岡本政府委員 確かに間違いないと思います。はっきりしたことは記憶しておりませんが−…。
○久保委員 そうしますと楢橋運輸大臣が同月十九日に辞任されていわゆる木暮前運輸大臣にバトン・タッチをしたわけでございます。そこでお尋ねしたいのは、あなたの前任者である山内鉄監局長から鉄監局長事務引き継ぎの際に、武州鉄道は重大な問題だと思うので当然事務引き継ぎがあったと思うのでありますが、本件に関してはどういう引き継ぎがあったか、さらには十二日から十九日の間いわゆる元運輸大臣であった楢橋さんからいかなる指示なり見解が表明されたか、これをお尋ねしたい。
○岡本政府委員 前鉄監局長から引き継ぎを受けましたのは、本件についてはいろいろ審議しておるが、資力信用の点について十分なる確信が得られない、こういうふうな引き継ぎでありました。それから楢橋元大臣からは私は本件については何も承っておりません。
○久保委員 しかし楢橋さんは、当時大臣をやめられるまでの間は、少なくともその談話は正当だとするならば、これは重大なことであります。免許に反対である。ただ資力信用というのは一つの理由である。免許に反対だといのはそればかりじゃないと思う。それは当然事務引き継ぎの中に資力信用が不十分であるからなお調査するということでなくて、今日ではどうも免許ができかねるという状態になっているくらいの事務引き継ぎがあったと思うのですが、どうですか。
○岡本政府委員 先ほど申し上げた通りでございます。
○久保委員 その引き継ぎは文書によってなされましたか。
○岡本政府委員 前局長との引き継ぎは口頭でございます。
○久保委員 いずれ、おやめになりましたが前鉄監局長であり事務次官であった山内さんは当委員会に参考人としてでも来ていただくということにいたします。 そこで次にお尋ねしたいのは、この条件というか追加申請が公聴会を前後にして再三にわたってあったということは、これは通例なことでありますか。いわゆる免許申請が長年といっては語弊がありますが、三十四年の一月に申請をしておいて三十五年の中ごろいわゆる公聴会がある前後に重大な申請内容の変更がされた、こういうことは今まで間々あることでありますか。
○岡本政府委員 追加申請があるのはよく例がございます。必ずしも本件だけについてそういうものが出たということではないように思っております。
○久保委員 この追加申請は免許申請そのものの重大な変更だと考えられませんか。
○岡本政府委員 追加申請がございましたのは、運輸数量の変更並びに営業収支の推定の場合の変更、それから建設費並びに営業費の変更でございます。まあ考えようによってはこれが事業計画の骨でございますので、重要でもございます。つまり建設資金の調達なりあるいは今後の、建設しまして営業開始しましてから、はたして収支の見込みがどうなるかということにも影響いたしますので、相当重要なものだというふうに考えております。ただ、これはあくまで推定でございまして、実際建設いたします場合に、建設費がどうなるか、あるいは運輸数量がどういうふうになるであろうかということは、どうしても一つの推定というワクをのがれることはできないだろうと考えております。
○久保委員 あなたのお話を聞いていますと、推定であるから、変更しようがしまいが、それはあまり大した要素でないというふうにあとの方は聞きます。最初の方は大へん重大だと、こういうふうに言っておられます。この矛盾はどういうふうに理解したらよろしゅうございますか。
○岡本政府委員 これは、こういうことは本件だけではないということを申し上げておるのでございまして、ほかの案件につきましても、たとえば免許を得た当時の推定の建設費では三十億であったものが、実際にやる場合には五十億になったとか、こういう例はよくあることであるということを申し上げたのでございます。
○久保委員 よくあることであるが、そういうのを受け付けることは、これは当然ですか。
○岡本政府委員 これは、現行法上拒否すべき理由はないと思います。
○久保委員 そういうものを審理するに値するものと思っておるわけですか。そういうものを審査するに値すると思いますか。
○岡本政府委員 失礼でございますが、どういう意味でお尋ねになったか、ちょっとはっきり御真意のほどをはかりかねますが、免許申請当初出したわれわれの見積もりというものが、どうもいろいろ調査してみると、少し過大であったとか過小であったとか、まあこういうことの場合、追加申請を出すことはよくあることでございまして、これは官庁といたしましても、受け付けて十分審査してやる必要はあると考えます。
○久保委員 鉄道建設は、バス路線設定というようなものとは違うことは局長御存じの通りであります。なるほど推定でありますから、多少の幅が出るのはこれは当然であります。しかしながら、膨大な固定資本を投下して、しかも一朝一夕に撤廃ということもむずかしい。事業の成否に、この収支なりあるいは建設費が大へんな影響がある。これもあなたがおっしゃるような、軽い気持で取り上げること自体に、私は本問題の誤りがありはしないか、こういうふうに思う。これはいかがですか。 それと同時にもう一つは、当局でもって調査した資料と、追加申請を含めてどういうふうに違うのか、いわゆる営業収支あるいは建設費、こういうものとの幅はどの程度あったのか、これをお答え願いたい。
○岡本政府委員 ただいまお尋ねの建設費の問題でございますが、たとえば、最近の例を申し上げますと、西武鉄道が池袋線の延長を申請しておりまして、それを免許いたしたのでございますが、その例を申し上げますと、申請におきましては、建設費が二十二億七千万円でございましたが、最近工事施行認可申請を出して参りました。その内容によりますと、三十六億三千七百万円に変わっております。それから伊豆急行の例でございますが、申請は四十七億五千万円でございますが、現在六十億になっております。こういうことで、申請時に詳細な建設費の見積もりを作るということは非常に困難であるということが、この例でもおわかりかと存ずるのでございます。もちろん的確な計画というものが作られればこれは申し分ない、できるだけ的確であることが望ましいのでございますが、いろいろな不測の条件が相次いで出て参るような状況でございますので、こういう食い違いが出るのも、これはやむを得ぬかと存ずるのでございます。 それから第二のお尋ねの建設費でございますが、免許申請者の建設費の概算は、たしか五十六億三千万円ばかりでございましたが、私の方で事務的に査定いたしたものは、六十四億三千五百万円。営業収支の関係でございますが、申請は、年間収入合計が六億七百八十七万円になっております。営業費が八億一千五百万円、それでマイナスが、つまり損失が二億七百二十六万円。私の方で査定いたしましたのは、収入が六億四千二百万円、営業費が八億一千八百万円、マイナスが一億七千六百万円、こういうふうな査定をいたしております。
○久保委員 ただいまお話がありました追加申請変更の分でありますが、よその鉄道の施行認可のときの額を聞いているのではないのであります。これは、何か建設費等に誤算が大きくあるのは当然だという裏づけでお話があったと思うのですが、とにもかくにも最初は四十一億五千万の建設費、これが最終的には、しかもこれは公聴会が終わってから、その直後に五十六億三千万ということで追加申請をしているわけであります。ところが当局で計算したところによれば、六十四億三千五百万と、これは大幅な変化でありまして、しかも営業収支においてはさらに赤字が上回っている、こういうことでございますが、こういう内容のたび重なる大きな変更というのは、鉄道に対する建設というか、そういうものに対する知識が非常に低いという証左ではないか。こういう方々がはたして鉄道企業を完全にでき得ると思ったかどうか。この点について。
○岡本政府委員 建設費の見積もりがあるいは甘いとかあるいは辛いとかいろいろございますが、見込みが事務当局側の見込みと違うから全然建設能力がないんだというふうに断定するのは、私は早計ではないかというふうに考えております。これは、一番問題になりますのは、やはり土地の入手でございますから、たとえば、われわれとしては、昨今の情勢から申しますと、坪千円くらいはかかるだろうというふうに見ましても、地元の協力態勢その他によりまして、あるいはこれが半分になるかもしれぬ。そういうわけで、非常に変動の要素の多いものでございますので、これについて食い違いがあったからといって、それを致命的な欠陥とするというわけには参らぬかと思うのでございます。先ほど申し上げました例でもおわかりのように、西武鉄道の場合、あるいは伊豆急行の場合でも、前者は十四億、後者は十三億の開きがあるわけでございます。そういうわけで、この建設費の見積もりというのは、特に昨今の情勢から申しますと、非常に困難ではないか、かように考えております。
○久保委員 あなたは用地の問題を一つあげられておりますが、武州鉄道から出て参りました用地費は、一アールにつき単価三万五千円でやっているわけなんです。これについては、なるほど大幅な変動があるかもしれませんが、鉄道建設費の中に占める用地費の割合は、そう大幅なものではない、あなたの方からもらったこの資料から、こういうふうに見るわけです。 それではもう一つあわせてお尋ねしますが、たとえば貨物輸送の問題であります。貨物輸送では、特に秩父地方の鉱産物がおもであるようでありますが、大体四十二年度を初年度として百万トン以上のものを輸送する。輸送計画としては、この全線というか、秩父、いわゆる御花畑と称するところから国鉄の箱根ケ崎まで、大体箱根ケ崎で貨車の中継をいたすそうであります。そこでこの輸送計画は、十五トン車十五両編成で一日十往復する、こういうのです。ところが、まず第一に車両関係で見ますと、貨車は四十両の計算になっております。四十両の貨車を設備して、はたして十五両編成で十往復の貨物列車を出せるかどうか。もちろん国鉄からの迎車を受け入れるということもありましょうが、今日の国鉄の貨物輸送から見て、百万トン以上のものを輸送するための余分の能力は今日ないとわれわれは考えておる。今日ばかりじゃない、当分ない。この四十両の貨車で、どうしていわゆる十五両編成で十往復の車が出せるかどうか。 さらにもう一つは、箱根ケ崎におけるところの中継が、はたして国鉄の協力があったにしても、あの線区並びにその停車場の改善が可能であったと認めたかどうか。この点をお尋ねします。
○岡本政府委員 この点は、私の記憶では、運輸審議会でも相当こまかく御審議に相なったようでございまして、ずいぶん立ち入った御質問がございまして、十分検討いたした結果可能性があるというふうに判断いたしたわけでございます。 今の車両の問題でございますが、御指摘のように、やはり最近の私鉄は−以前からもそうでございますが、大体国鉄から迎車によりましてまかなっておりますが、もちろん目下のところで国鉄はその余力はございません。しかしこの鉄道が建設されまする年次の昭和四十二年ごろを考えてみますと、新しい五カ年計画というものが大体完成することでございますし、車両におきましても十分余力は出てくるというふうに判断いたしたのでございます。
○久保委員 あなたの判断は、それはけっこうかもしれませんが、第二次五カ年計画が何ら財政の裏づけのない今日、これは変動があるものと見なければならぬ。さらに今日の経済の成長というか、伸びから参りまして、今日国鉄は大体百七、八十万トンの滞貨を擁しておる。異例なことでありますが、こういうものは慢性的になっておる。なるほど今日も三千五百両ほどの廃車をやめてそのまま生かして使っているという状況。こういう際にこの線区にだけそんな大量の迎車を入れることは当然できないはずだと思う。ところがあなたのお考えでは可能だという。可能だというならばそういう数字をもって御説明をいただきたい。これはきょう数字を持っておらぬと思いますから、後刻この数字を本委員会に提出してほしい、こう思います。 それから箱根ケ崎における一日十五両十往復三百両、三百両というのは平均でありますが、この三百両の貨車さばき、これはどういう方法でやるのか、この線区については、いわゆる見解を数字をもって、あるいは構想をもって示してほしい、こう思います。 それからもう一つ、かかる問題について国鉄とは免許する前に協議なさったのでありますか。
○岡本政府委員 もちろん国鉄の実情につきましても、私の方から十分問い合わせてやっております。
○久保委員 それじゃ国鉄からそれに対する見解を一つ御表明願いたい。
○磯崎説明員 ただいま御質問の武州鉄道と私の方の貨物輸送の問題でございますが、先生の御指摘の通り、三鷹でもって中央線に接続されることは、これは貨物輸送上困るということで、接続地点は箱根ケ崎というふうに話が進んでおったわけであります。箱根ケ崎の出入りにつきましては、今御指摘の通り、今の武州鉄道の計画のごとくそれだけの貨物が出ますと、やはり五、六百両の貨車を操車する相当大きな設備が要ると思います。その点につきましては、公聴会におきましても、私の方で、箱根ケ崎の設備については十分にしていただかなければ困るということは、はっきり申したわけであります。その点は、運輸省におきましても、多分箱根ケ崎における接続設備については十分御検討をなさったものというふうに考えております。 それから先の私の方の線内の問題でございますが、今度五カ年計画で南武線の線増を現在計画しておりますので、もし南武線の線増ができますれば、立川から浜川崎の方にまっすぐに出すということを将来考えておりますが、現在まだ南武線の輸送力がございませんので、高麗川へ戻りまして、高麗川から川越線経由大宮というめんどうな迂回路をとらなければならぬというふうに考えております。幸い現在この線区は割合に貨物の輸送の少ない地区でございまして、将来南武線のできるまでの輸送程度ならばうちの方の線内はどうやらやっていける。貨車問題で別に問題がありますが、輸送力としては大体カバーできる。しかし何と申しましても、箱根ケ崎の連絡設備、これは十分やっていただかなければ困るというふうに考えております。
○久保委員 箱根ケ崎の中継設備につきましては、これは後刻また構想を聞かなければならぬと思う。そういう構想は持って免許されたのでありますか、結論として目安を持って……。
○岡本政府委員 さようでございます。
○久保委員 それからもう一つ国鉄にお尋ねしたいのは、迎車の要求がこの通り輸送されるとすれば大半だと思うのです。貨車の大半がいわゆる迎車に仰ぐ、こういうことなんでありますが、そういう余力は鉄監局長の言うように可能でございますか。
○磯崎説明員 その点は武州鉄道の貨物輸送計画を年次別にまだ詳しく検討いたしておりません。ただいまの出荷の輸送数量が最終数量であるというふうに私どもは了承いたしております。これは逐年ふえていく形——正確には昭和四十三年まで逐年ふえていくと思いますので、現在私どもの方でいわゆる迎車をいたしておりますのは約一日二千両くらいございます。これは今後私鉄におきましては、ある私鉄はたとえば貨物輸送をだんだんやめていくというところもございますれば、また一方ある私鉄は主として原材料物資は非常に多い、貨物輸送がふえていくということでもって、私鉄自体の今後の貨物輸送につきましては、必ずしも全般としてふえていくかどうかは多少疑問があると思います。しかしふえていく私鉄の分につきましては、私どもの方は全体の今後の貨物輸送計画と見合いまして、その中の一部として取り上げて参りたいというふうに考えておりますので、年次別に最終目標として昭和四十三、四年ごろならば、現在の私の力の第二次五カ年計画の貨車の増備計画が進捗いたしますれば、そのころならばどうやらやれるのじゃないかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、多少段階を経てふえていくというふうに考えておりますので、それとマッチした車の配置をしなくちゃならないというふうに考えております。
○久保委員 鉄監局長、今お話の通り、現在の能力で迎車限度は二千両と押えて、これがたとえば倍にふえても四千両、そのうちの一%の迎車がこの鉄道に迎車されるというふうには考えられないのですが、一%来ても全部フルに動かして四十両。ただし貨車はすぐには運用できません。しかもこの線区は片道輸送でありますから、こういうことを考えて、この可能性は私はないと思う。しかも貨物に重点を置いて、特に秩父から箱根ケ崎の間というよりも東青梅、この間は貨物輸送を重点にこの鉄道は考えられる。そうだとすれば、この貨車一つとっても非常な問題があると私は思うのです。 それからもう一つは、この百万トン以上の貨物の輸送の主要なものは何かというと、いずれも原材料物資特に石灰石等が多いわけであります。御案内の通り、貨物の賃率からいけばこれは低賃率でありまして、今までの私鉄、国鉄を問わずその貨物輸送についての原価計算から見れば採算割れが大きい品物であります。こういうものを運んではたしてこの私鉄企業が成り立つかどうか、こういうことに考えられるのであります。こういう点はいかに考えて免許されたのであるか。
○岡本政府委員 第一の迎車の問題でございますが、これは国鉄側から説明申し上げましたように、この申請の免許区間というものが全般的にでき上がりますのは昭和四十三年の初めでございます。予定通り参りましてそうでございますが、その場合には、すでに国鉄におきましては新五カ年計画に引き続いてその次の五カ年計画の半ばに入っておるような時期でございますので、輸送力も相当増強されまして、それだけの余力も出てくるのではないかというふうに判断いたしております。なお、この推定貨物輸送量のうちセメントが相当ございます。三十万トンございますので、このセメントはセメント会社の専用車で輸送するということも考えられておりますので、全国的に国鉄から迎車で仰ぐということはないのではないかというふうに考えてもおります。 それから貨物輸送が相当多いのではたして収支のバランスがとれるかということでございますが、これはわれわれ収支を見ます場合に、貨物、旅客それぞれに分けまして一応の推定をいたしておりますので、当初は赤字でございますが、六年ないし七年たてば大体バランスがとれてくるのではないだろうかという推定をいたしたわけでございます。
○久保委員 そうしますと、推定ではバランスは何年でとれるというふうに予想されたのでありますか。
○岡本政府委員 六年でございます。
○久保委員 その六年の根拠はどういうことでありますか。
○岡本政府委員 大体常識でもおわかりのように、開業当初からだんだん沿線の開発も進みまして輸送数量が伸びてくるであろう、こういうことが前提になりまして収支のバランスがだんだん改善されていく。毎年輸送数量の伸びを見まして収支を見てみますと、そういうふうに推定されるわけでございます。
○久保委員 それじゃお尋ねしますが、東京陸運局長からのいわゆる事業の整備の中で営業収支年次別予想表が出ておりまして、これでは第一案、第二案、第三案とございますが、わずかに第二案で九年後にやっと黒字になり、あとの第一案は十年後も赤字である、第三案はやっと十年目に黒字に転化する、こういうことになっておりますが、この東京陸運局長の副申内容は、そうしますとこれは予想はずれでありますか。
○岡本政府委員 今見ておりますのですが、私の記憶では、この算出根拠のたとえば旅客で申しますとキロ当たりの賃率がたしか二円七十銭になっておるかと思います。そうしますと、今、御承知のように国有鉄道におきましても、キロ当たりの賃率は二円七十五銭になっておりますから、二円七十五銭ではじくというのはあまりに辛過ぎる査定じゃないか。まあ大体私鉄でございますから、国有鉄道より下回った賃率のものももちろんございますけれども、おおむねこれより上回る運賃を制定するのが例でございますから、まあどんなに安く見積もりましても、キロ当たり三円はやはり見てやらなくちゃいけないのではないか、こういうことでございます。東京陸運局の推定表の根拠になっております基本運賃は、第一案は二円七十銭、第二案も二円七十銭、第三案が三円でございますが、私の方におきましては大体三円程度を想定いたしたのでございます。
○久保委員 あなたがごらんになっているその資料には、第三案で基本運賃三円と見て、九年までは赤字、十年後にやっと黒字に転化する、こういうことに相なっているわけです。これはどういうわけですか。
○岡本政府委員 東京陸運局の算出は自己資本二十億とした場合でございますが、その後本省で査定いたしましたのは、追加申請によりまして資本金が三十億になっております。その関係で違ったものと思います。
○久保委員 今の資料はあとで提出願いましょう。 それから次にお尋ねしたいのはモノレールの問題であります。本鉄道の免許は、たしか路面電車ということで免許がなされておるわけでありますが、モノレールの問題は、すでに公聴会当時、反対陳述人からモノレールの問題の話が出ている。もちろん反対人側の言うことでありますから、そのまま信用ができないといえばそれまででありますが、これに対して当事者に確かめたかどうか。これは運輸審議会の会長さん並びに鉄監局長からお答え願いたい。
○岡本政府委員 私が引き継ぎましてから、モノレールということにつきまして、私自身から確かめたことはございません。
○青柳説明員 モノレールをやるというふうなことを公聴会で言ったことがあるように記憶しております。しかし、私どもの免許は、あくまでも路面電車によるものでございます。そういうふうな話は聞いたことはございません。
○久保委員 審議会の会長さんにお尋ねいたしますが、なるほどそういう話もあったが、われわれの免許の対象は電車である、こういうことでございましょうか。私のお尋ねするのは、そういう公述がなされておるが、これに対して真偽のほどを確かめましたかどうかということです。
○青柳説明員 あくまでも申請書が路面電車ということでございますので、路面電車によるということで審議を進めました。
○久保委員 なるほど路面電車と、申請が正式のものはそうでありましょうが、反対公述人であろうが何であろうが、公式の場所でモノレールの考えの構想をしている。こういうようなことを公式に発表されれば、これに対して、あなたの責任から参りますれば、当然反対陳述者に対して解明するためにも、モノレールはどうなのか、こうお確かめになるのが当然かと思うのでありますが、これをお確かめにならぬということは、どういうことでしょう。
○青柳説明員 モノレールでやるというはつきりした言説はございません。たしか反対公述者からの話によりまして、反対をすると、そこはモノレールでやるぞなどと言うて逃げておられるがというふうな話が、その話の内容にあった。こういうふうに記憶している次第であります。
○久保委員 それは運輸審議会としては、たとえば公述がなくても、あっても、そういう各般の問題点については御調査になるのが審議会として当然かと思うのでありますけれども、先ほどのお話ではお確かめにもならぬということでありますが、それでいいんでしょうか。
○青柳説明員 モノレールにするとか、地下鉄にするとかいう話があって、信用ができませんというふうな、単なる話を反対公述者がしたにすぎません。申請書には、それらの点について全然触れずして、あくまでも路面電車ということでございましたので、路面電車としての審議のみをいたしました。
○久保委員 何回お尋ねしても同じでありますが、われわれの常識並びに考え方からいけば、当然そういうのは重要な変更にもとれます。もちろん申請人から何らの意思表示はないから、それでよろしいといえばそうでしょうが、少なくともこういう公式の場所でそういうものがあるとすれば、一応お確かめになるのが当然ではなかろうかと思うんですが、当然ではないでしょうか。
○青柳説明員 そうではないと私は思っております。
○久保委員 次に、鉄監局長にやはりモノレールでお尋ねします。武鉄の起業発起人のある人は、公的機関である技術研究所に参りまして、モノレールについていろいろ御相談なり何かをしたということが出ておりますが、そういう情報は聞いておりませんか、聞いておりますか。
○岡本政府委員 そういう情報は聞いておりませんが、公聴会の速記録を見ますと、そういうことを申請人が申しております。それは私、承知いたしております。
○久保委員 それについて申請人に確かめなかったかどうか。
○岡本政府委員 確かめておりません。
○久保委員 それは少しく形式的なことであって、怠慢であると思う。重大な変更があるかわからないという予想が出てくる。それに対して無関心でいて、いわゆる書面がこうだからあとは一切知らぬということが、問題を大きく誤るもとだと思う。怠慢だと思いませんか。いろいろな情報もあなたの方でおとりになっているでしょう。たとえば東京陸運局長の副申にもあるように、地元の協力程度はどうだ、あるいは土地の入手はどうだという情報までこれに入っている。ところが、モノレールに変更するという情報が入っていながら、これに対して一切確かめもしないということは、不見識きわまりないと思いますが、どうですか。
○岡本政府委員 官庁といたしましては、たとえばモノレールに変更するということになりますと、起業目論見の変更の所定の手続が要るわけでございますが、それならばはたしてこれを認可すべきものかどうかということは、当然われわれといたしましては慎重に審議をしなければならぬと考えますが、しかし、公聴会に相手側から、何かそういう「モノレールの御研究もなさっておるとか新聞でいろいろ聴いておりますが、その点非常に私共懸念致すわけであります。」というふうな公述がございまして、そこで今度は運輸審議会の委員の岩村さんが「何か別のモノレールとかいうととを伺いますが、こういうものをお考えになっているのでは全然ないのですか?」こういう質問をしております。で、申請人代表がとれに答えまして、これはできれば非常にけっこうだというふうな趣旨を述べまして、私どものまじめな誠実な考えから、研究として運輸技術研究所にお願いしてある、こう言っております。ところで岩村委員から「そう致しますと、モノレールは現在御計画になっているものである御申請の六十キロには全然関係のないことだ、将来のことだ、こういう風に解釈してよろしいですね。」「はい、そうでございます。」こういうふうに言っております。
○久保委員 その議事録を一つあとで御提出願いたいと思う。 会長さん、あなたの御答弁は、議事録を聞いておりますと、違うようでございますね。お知りになってそのとき——もっともおいでにならなかったかもしれませんが、あなたでなくても、運審としてのどなたかが確かめていらっしゃることは事実のようでございます。それはお認めになりましたね。
○青柳説明員 私の記憶違いであったかと思います、今の点は。ただ、審議は路面電車として審議をしたということを私は申し上げたわけであります。
○久保委員 言葉を返すようで恐縮ですが、審議をスムーズにいくために私があなたにお尋ねしていたのは、モノレールについて確かめましたかと聞いている。審議の対象はどういうことであったかということは聞いてない。だから、そうすると確かめられておりますね。そういうふうに一つお願いしたい。 それからもう一つ、鉄監局長、その岩村委員との間のやりとりから見ますと、この起業者はモノレールができればモノレールにしたいという強い考えをやはり持っておられる。だとすれば、この企業そのものは、いわゆる路面にするか、モノレールにするかという大きなコンクリートされたものでは——なるほど表面においてはコンクリートされておるが、実際にはコンクリートされていなかったのじゃないかと私は思う。こういうものを、何をあわてふためいて、答申が出たあと直ちに認可、いわゆる免許をしたのかということがまず第一点問題になる。そうだとするならば、従来の例によって、これは十分関係者の意見をさらに聴取しながら、あるいは企業としての見込みもさらに調査しながら結論を出すべきである。ところが、運輸審議会から答申があったら、その直後にこれを決裁したということでありますが、これについては何らの疑点も持たないでやったのですか。さらに、免許には条件はつけなかったか、どうですか。
○岡本政府委員 公聴会におきます申請人の発言は、非常に関心は持っておる、しかし、このたびの免許についてモノレールが間に合うかどうかということは、これは全然考えておらぬ、ただ一日も早くそういう交通機関ができればいいということは祈っておるという客観的な言い方をしておりまして、先ほど申し上げましたように、岩村委員の全然関係のないことだというふうに解釈してよろしいかという問いに対して、はい、さようでございますということでありますので、監督官庁といたしましては、あくまで申請につきまして審議いたすのでございますから、それを別に確かめないから怠慢であるということにはならないかと考えます。
○久保委員 申請書を出して公聴会に臨んで、よしんばモノレールの構想があったとしても、できるならばモノレールにあとでしたいのだという発言はできないのが常識でしょう。あたりまえです。こういうやりとりは形式的なやりとりであって、関係はございませんかとだめを押すのは、形式的である。もちろんそう確かめなくてはならぬと思うが、あとの処理については、十分配慮してやるのが当然ではなかろうかと思う。それを不見識と言わないで、何と言ったらいいのでしょう。
○岡本政府委員 それは先ほども申し上げましたように、官庁といたしまし ては、あくまでモノレールということにするためには所定の手続が要るのでございますから、もしそういう申請が、変更の認可申請というものが出て参りました際には、はたしてそのことが適当であるかどうかについては、真剣に十分審議する必要はあると存じますが、この程度のやりとりで、免許するにあたってこれを確認しなければならぬということには相ならぬかと考えるのであります。
○久保委員 免許をする場合の心がけとして、今までの御発言では、あまりにも形式だけでそれを整えていこう、こういうことでありますが、今まで免許や何かは、高度の配慮というか、考えで処理されているように聞いているわけです。だとするならば・そういう構想が一応あるにはあるが、今関係ございませんということでありますから、そうだとすれば、今後におけることも予想しなければいかぬ。でありますから、これを早急に免許するということはあり得べからざることだとわれわれは考えている。ところが、あなたの御見解ではそうだというのですが、これはいずれまた別な観点からお話を伺いたいと思います。いずれにしても、その議事録は手元にお出しをいただきたいと思います。 もう一つ、発起人でありますが、発起人は、完全にこの間御提出をいただいた資料通りでございますか。
○岡本政府委員 さようでございます。
○久保委員 資力、信用というか、そういうものについて先ほどもお話があったのでありますが、事務引き継ぎの際にその問題があった、こういうことでありましたが、これはもう少し事務引き継ぎの際のお話を伺いたい、こう思うのです。前任者から、いわゆる資金調達という問題にはちょっと疑念があるから、さらに検討しなければならぬということでありますが、それはどういう点でございますか。
○岡本政府委員 そういう簡単な引き継ぎでございまして、資力、信用につきまして必ずしも十分の確信が持てないから、この点よく研究してほしい、こういうことでございます。
○久保委員 この発起人のうちのメンバーの変更でございますが、大体財界あるいは政界の方々もおられるのであります。沿線の市町村長は別として、それ以外の方が、大体この事業の裏づけといっては語弊がありますが、そうだと思います。そこで、たとえば埼玉銀行がこの起業とは深い関係があったことは、御存じの通りでございます。ところが埼玉銀行の頭取は、すでに免許以前に脱退いたしております。さらにもう一つ、財界の大立者というような経団連の石坂会長も、これまた三十六年の三月に脱退をしている。さらにもう一つ申し上げたいのは、関係市町村で大和町長が脱退している。さらに新興不動産社長の内田さんが、これまた三月に脱退している。こういうことで、なるほどあとから入られた小笠原三九郎さん、あるいは東邦レーヨンの社長、あるいは熊谷観光開発社長、こういう三人は加入と同時に総代になられたようでありますが、今申し上げたような方の変更ということについては、関心を持たれなかったかどうか。
○岡本政府委員 実はこの点につきましては、私の引き継ぎ前のことでございますので、その前後の当局側の当事者の一人としての感触と申しますか、そういうものは全然持ち合わせがございませんので、申し上げることはできないのでございますが、そういう脱退につきましては、いろいろな事情があったことだと思います。たとえば、私の聞いておりますのは石坂さんの関係でございますが、これは何か発起人の代表者をかえるにつきましては、各発起人の同意が要るわけでございますが、この人が外遊中でなかなか同意が得られないから、やむなく脱退の格好にしてもらったというふうなこともちょっと聞いております。それだけで、平沼さんがどういう理由で脱退されたか、私、聞いておりません。そのほかも聞いておりません。
○久保委員 聞いておりませんと言うが、事務引き継ぎをされてあなたが現職につかれてから免許されたのでありますから、免許の際には過去における一切のことを頭の中に入れて、大臣の決裁に誤りなからしめるのがあなたのお務めだと思うのであります。今お尋ねすると、重要なこの発起人の変更については、あまりお調べになっておらぬと言うのですが、こういうことでもけっこうなんでございましょうか。
○岡本政府委員 これだけの人数でございますので、いろいろ事情があって・変更したのであろうとは推定はいたし ております。ただ問題は、現在どういう人が発起人であり、あるいはその代表者であるかということが、やはり審議の対象としては一番重要なことであろうかと考えます。
○久保委員 運審の会長さんにお尋ねしますが、発起人の中で、埼玉銀行の頭取、石坂経団連会長、そういう方々が辞退というか、脱退されたことについては、運輸審議会としては関心はお持ちにならなかったでしょうか。
○青柳説明員 石坂さんの脱退につきましては、ただいま局長からお話がありました通りの事情であろうと思います。平沼さんの脱退につきましては、銀行の信用に関することでありますので、ここで私、発言をいたしますることは、いかがかと思います。なおあらためて上司と申しますか、大臣などとも相談いたしまして、お話しする機会もあろうかと思います。各種の監督を受けておる銀行といたしまして、いろいろなことがあるというふうに考えます。
○久保委員 一番大事な埼玉銀行の頭取の脱退については、ここで御発表ができない、こういうことでありますが、御発表ができないなら、後刻また適当な席でお尋ねをするにしても、脱退については、この起業に重大な影響があるとは思いませんでしたか。
○青柳説明員 私が承りまするところによりますると、あの路線の近くに生まれた方でもありまするし、この路線に相当な興味を持っておる方である、また有力な財閥であるこの方が脱退することは、相当な影響があると思いました。しかしながら、新しく発起人になってこられた方々が、相当りっぱな方でありますので、それらの方々によって各種の資力の収集というか、信用度があるというふうに判断いたした次第でございます。
○久保委員 埼玉銀行の頭取が、脱退前かあとかわかりませんが、当初の発起人総代であった滝島さんにとってかわって、いわゆる鉄道用地買収の傍系会社というか、白雲観光株式会社の方へ移られた、こういうことはお聞きになっておりますか。
○青柳説明員 私は、はっきりとそのことは聞いておりません。
○久保委員 鉄監局長はどういうふうに聞いておりますか。
○岡本政府委員 私もその点聞いておりませんです。
○久保委員 しかし、大へん失礼でありますが、御両人はあまりこういうことには御関心が向けられないということでありまして、どうも免許の一番大事な発起人というか、その方々の異動について、強い関心を持つのが常識だと思うのですが、どうでしょう。いかがですか。
○岡本政府委員 これは先ほど申し上げた通りでございまして、新しく代表になった人がどういう人であるかということが、相当大きな問題であることは仰せの通りであります。
○久保委員 それで、あなたはたしかさっき参議院の決算委員会の話の後段でお話があったようですが、これは武鉄の方じゃなくてあなたの御意見として出ておりますが、いわゆる条件変更といえば、発起人というか、総代がかわられて、これで十分やっていけるのだ、こういうふうにかわられたのが、かわったといえばかわったでしょう、こうお話があったわけですね。そうですね。そうだとすれば、当然その前、三十五年の六月には埼玉銀行の頭取が、そして石坂さんがと、こういう方々が三十五年から六年にかけて脱退をされたわけです。そこでそういう方の脱退後しばらくして、三十六年、ことしの五月一日に総代になられた三人がそれぞれ新たに加盟されたから、これで条件としては満足である、こういうことで免許されたようにも考えるわけです。ついては、このブランクの期間中は、どうも信用がおけないとか、資力信用がないということで、いわゆる運審においても答申を渋っておったのでございますか、いかがですか。
○青柳説明員 御存じと思いますが、このための公聴会は、関連事案といたしまして西武鉄道の吾野−秩父間の鉄道と一緒に公聴会を開きました。これは競願事案ではないのであります。従いまして、その後西武側から、関連事案であって競願事案でないので、自分の方でオリンピックを目ざして石灰石よりセメントを多量に作るという計画を進められた。従いまして、それについての要望というか、いろいろな議論が出て参りました。それでついにそれを関連事案である、オリンピックに間に合うようにというので認可いたしました。その後も数回にわたってこれの審議をいたしております。もちろん先ほど来お話がありました追加申請の査定の問題などにつきましても、数回審議をいたしました。それによりまして時日がおくれておったのであります。別にただいまの新しい総代が出たためだけでこれが免許になったという次第ではございません。
○久保委員 お言葉を返すようでありますが、東京陸運局長からの副申書によりますれば、競願は、あなたのおっしゃる通り、西武の吾野1秩父間の競願となっております。それで運輸審議会は、同時にこの二つの問題で公聴会をお開きになりました。競願になってないというが、これは運輸省の鉄監局長にお尋ねしますが、競願ということで、この武州鉄道の副申については競願路線として西武鉄道から申請が出ている、こういうことがありますが、これは競願じゃないですか。運審の会長がおっしゃるように、競願じゃないのですか。
○岡本政府委員 運輸審議会が職権で開催しました公聴会では、関連事案といいますか、そういったふうに扱われております。私が引き継ぎましてから間もないでございましたか、西武鉄道の方から、先ほど運輸審議会の会長から申し上げましたが、秩父における石灰石の開発を非常に急ぐのだ、そこで一日も早くこれを免許してほしい、こういう陳情が私のところにあったわけであります。それは確かに石灰石の開発というものが非常に重要でございますから、この必要性はよくわかる。また西武鉄道が資力信用において十分であるということも、これはもちろんでございます。そこで私といたしましては、運輸省事務当局といたしましては、これはいわゆる競合事案というのか関連事案と申しますのか・その言葉の定義が問題でございますが、終点は同じく秩父市でございますので、秩父と東京というものをばく然とつかんでみますと、一応終点が同じだということで、競合事案であるということも言えるかと思います。しかし、バス路線の申請のように、全く同じ道路の上におきまして、AとBという間を二つのものが相競って申請しておる。その申請が全く競合しておる。オーバー・ラップしておるというととではないのでございまして、そういった意味における競合事案とは全く性格を異にするものとわれわれは判断いたしたのでございまして、そういう意味合いにおきまして、両者を同時処分する必要はないのであって、審議がもうすでに終わっておれば・しかもそれが十分免許に値するものであれば・これを切り離してやることはいささかも逃避していない。つまり関連はしておる事案かもしれぬけれども、先ほど申しました意味合いにおける競合事案ではない、こういうふうに判断して免許をしたのでございます。
○久保委員 競願であるような、ないような解釈をしておりますが、いずれにしても、お説の通り競願ではないということにいたしまして、たとえば西武の問題を一つ取り上げてみます。西武は三十二年の十二月に免許申請を提出いたしております。ところが、武州は三十四年の一月に提出をして参りました。こうなりますと、何がゆえに運審に諮問を同時にしたのか。まず第一に、西武鉄道から出たものは、運審に諮問はいつなされましたか。
○岡本政府委員 西武関係の事案は、三十四年の十一月二十一日に運輸審議会に諮問いたしております。
○久保委員 運審の会長さんにお尋ねしますが、三十四年十二月にあなたのところへ西武の方は諮問されているというのですが、武州鉄道のものと一緒に公聴会をおやりになったという御趣旨は、何に出たものでございましょうか。
○青柳説明員 ただいま御発言がございましたように、西武の申請があるということが判明いたしました。従いまして、その案件も処理しなければならないというので、同日に諮問になったものと思っております。諮問をいたしますと、官報に公示いたしますが、これについては両者から公聴会の申請がございませんでした。それをもってしましても、いわゆる先生の言われる競願でなくして、私どもはこれを関連事案、こう申しておりますが、関連事案だと思っています。
○久保委員 もう一ぺん聞きますが、鉄監局長、西武の秩父までの延長を諮問したのは、三十四年の十二月でございますか、何月ですか。
○岡本政府委員 三十四年の十一月二十一日であります。
○久保委員 先に申請が出たものをとめておいて、あとから出たものと一括して諮問した理由は何かある。しかも、運審の登載番号は一番違いで、西武がたしか三二三〇、武州が三二三一かもしれないが、とにかく〇と一の違いです。何がゆえにそういう手続をとったのか。
○岡本政府委員 これは私も確かめたのでありますが、西武の事案につきまして、東京陸運局の方でいろいろ調査いたしますのに関係資料の提出を求めましたところ、なかなかその提出がなかったので、調査書を本省へ申達することがなかなかできない、こういう情勢にあったのでおくれたのだというふうに私は聞いております。
○久保委員 それじゃ、東陸の局長からの申達は何月何日にあったのですか。
○岡本政府委員 ただいまお尋ねの点は、西武関係の東京陸運局の調査書がいつ本省に出てきたか、どういうことでございますか。−ちょっと調べてみますから、しばらく御猶予いただきたいと思います。
○久保委員 それじゃあとで答えて下さい。 そこで、首都圏整備委員会の方へお伺いしたいのでございますが、あなたの方から運輸大臣あてに、この武州に関連して促進の書面が三十四年の九月二日に出されておるわけであります。仄聞するところによりますと、こういうものは自発的にそれぞれの向きに意見具申をしておる、こういうことでありますが、ただいまの西武の秩父延長については、かかる意味の書類は運輸大臣あてに出しておりますか。
○樺山説明員 ただいまお尋ねの西武の問題につきましては、私どもは書面を出しておりません。
○久保委員 そうしますと、今までにかかる書類は、運輸大臣あてにどういうものがおおよそ出ておりますか。
○樺山説明員 私どもといたしましては、東京の三多摩地方の主として青梅と羽村を中心といたしまして、首都圏整備事業計画の重要な一環といたしまして、衛星工業都市の建設の構想を持っておりまして、従いまして、衛星工業都市を建設いたしますためには、東京との間の道路その他の交通機関の整備をはからなければいけないという問題がございまして、東京と青梅間を結びます交通機関の整備ということは、私どもといたしましてもぜひ促進をしなければならないというようなことがございまして、そういう計画を伺いましたので、その意見を申し述べまして要望いたしたわけでございます。
○久保委員 私のお尋ねは、かかる意見書をこのほかにどういうものをお出しになったかということです。
○樺山説明員 運輸大臣あてに要望書を出しましたものは、ほかにございません。ただいま御指摘がございました武州だけでございます。
○久保委員 文書の内容に入る前に、これは首都圏整備委員会の正式議題に供して、この決定というか、意見書を出すということに相なったのでありますかどうか。
○樺山説明員 これは、委員会におきまして正式の議題に供します場合と、各委員の決裁を得まして出す場合と、両方ございまして、この場合は、各委員の決裁を得まして文書を出しております。
○久保委員 この計画のあることをどういう方法でお知りになったでしょうか。
○樺山説明員 私の記憶では、新聞その他で報道されまして、時たまたま私どもといたしましても青梅・羽村地区を開発いたします構想を検討しておりまして、そういう関係で私どもはこの計画を聞いた次第であります。
○久保委員 新聞その他というと、詳細であったとは考えられませんが、この書面を出す前に、いろいろこの計画について御調査をなさったのでありましょうか。
○樺山説明員 私どもが一番最初にこういう情報を聞きましたのは、おそらくただいま申しました新聞その他の情報であったと思いますが、その点は運輸省に確かめまして、そういった出願が出ておるということを確かめた上で出したのであります。
○久保委員 ところで、あなたのおっしゃるこの書面から見ますと、青梅・羽村地区と都心を短絡する鉄道建設の計画、こういうことになっているようでありますが、三鷹は交通上都心と称してよろしゅうございますか。
○樺山説明員 私ども申します青梅、羽村と都心を結ぶという意味は、きわめて広い意味でございまして、三鷹を経由をいたしまして都心に入ってくるという意味で、そういうふうに表現をいたした次第であります。
○久保委員 都心という場合は、もちろん三鷹も都心の一部になりましょうが、事、輸送に関しての都心という問題になりますれば、特に都心といわゆるその外郭、こういうところの間、たとえば中央線なら三鷹−東京間、こういうものが今日輸送の混乱を来たしているということは首都圏整備委員は、つとにこれは御承知のはずであります。だとするならば、都心と短絡するというならば、せめて東京にもっと近い地点だとわれわれは考える。これはどういうふうに考えられているか。 それから第二番目は、三鷹−東京間の輸送というものについて、今日どういう御認識をいただいているか。 三番目は、いわゆる衛星都市というが、羽村・青梅地区はいかなる市街地であるか。これは、別な政府の方のお話でありますが、去る四月の決算委員会で、運輸省の石井民鉄部長はこういうふうに言っています。首都圏整備委員会も、この地区はいわゆるベッド・タウンにするのではなくて、この地区に市街地を形成して、そこに住みついていただくのだ、いわゆる青梅地区に住んでもらって、毎朝毎晩この交通をさらに混雑させることは首都圏整備委員会の構想ではないと考えております、こういう答弁をしておる。この考えとこの御答申というか御意見は、相反するように思うわけですが、これはどういうわけでしょう。
○樺山説明員 先ほど申しましたように、青梅・羽村地区と都心を短絡いたしますという意味は、私どもといたしましては、本来ならば、直接都心に結びつくことができますならばそれにこしたことはないのでございますけれども、いずれにいたしましても、現在羽村・青梅地区が非常に交通の便利が悪いのでございまして、三鷹で連絡をいたしまして、都心に入ってくるということができますならば、現在よりも相当ベターな交通の便利な場所になるという意味でございます。 それから三鷹と都心間の問題でございますが、私どもといたしましては、この間の交通の輻湊しておりますことは十分承知をしておりまして、中央線の複々線化その他につきましても、運輸省に常時お願いをいたしておる次第でございます。 それから青梅・羽村地区の工業衛星都市の問題でございますが、ただいま御指摘のございましたように、私どもが計画しております衛星工業都市は、いわゆる普通のベッド・タウンではございませんで、そこに工場を誘致をいたしまして、人口を吸収いたしまして、定着をさせるという意味で現在仕事を進めておるわけでございます。しかしながら、今の工業衛星都市と東京とを結びます交通機関は、あるいは貨物にいたしましても、人の往来にいたしましても、多少はどうしてもこれはふえてくるのはやむを得ないのでございます。−そういった意味で東京との交通を便利にする必要があるわけでございます。
○久保委員 いずれにしても、都心を短絡するというが、あながち短絡にはならないし、輸送のネックについて御配慮がないということは、どうもわれわれとしては不可解だ、こういうふうに思うわけです。 そこで、最後にあなたにお伺いしたいのは、この要請の書面を出すことについて、どなたからかあなたに強い要請があったのではないかと思うのでありますが、そういう要請はどこからもございませんでしたか。
○樺山説明員 先ほど申し上げましたように、時たまたま私どもといたしましては、青梅・羽村地区の開発構想を検討している最中でございました。私ども事務局の者が、そういった検討の途中におきまして、私どもが自発的にこの要望をいたしたような次第でございます。
○久保委員 それでは首都圏整備委員会が、鉄監局長の照会に基づいて青梅地区の市街地開発の構想案というものをお出しになっているそうでありますから、これは後刻その写しをちょうだいしたい、こういうように思います。 それから、いろいろお尋ねしなくてはならぬこともたくさんあるわけでありますが、もう一つ。先ほど聞き忘れたのでありますが、免許については条件は何らございませんか。
○岡本政府委員 お尋ねの点につきましては、御返事申し上げるのを失念いたしておりましたが、条件はついておりません。
○久保委員 運審からの答申では、一つには、いわゆるこの資金調達の面で問題を投げかけているわけです。というのは、「建設資金については、今後工事施行に当ってその増額をきたすことが予想されるが、本審議会としては申請発起人の信用状況より考慮して、その調達は可能なものと認めるものであるが、なお、資金調達について関係者の一層の努力を望むものである。」こういうことでありますが、これは答申としては、一つの条件に類するようなものにわれわれは考える。当時、先ほどお尋ねを申し上げた通り、資金源であったところの埼玉銀行の頭取そのものが、いわゆる発起人から脱退をしている。こういう事情を勘案すれば、なるほどそれにかわる者がきたというが、当初からの資金関係が。こういう者が途中で、脱落と言っては語弊があるが、抜けていくということは、これは大へん重大な変化だと思う。こういうことが予想されて、おそらく今後関係者の一そうの努力を望むということでありますから、これは一つの条件だと考えていいことだと思うのですが、どういうふうに運審の会長さんはお考えでございますか。
○青柳説明員 この工事を三期に分けて進めるそうでございます。従いまして、おしまいの期になりますと、諸物価の値上がりも相当考えられるというふうなことも運審で考えました。しかし発起人をすべて見てみますと、それらの発起人の力によって、それら必要な資金は集め得るのじゃないか、こう思いますが、その点につきましての努力をしてもらうというふうな考えで書いた次第でございます。
○久保委員 鉄監局長にお尋ねしますが、免許に対しては、それは口頭でも確かめなければならぬし、−ただ免許の書面を交付したということだけでございますか。資金問題等についての、運審からの答申に対するあなたの考えとしてはいかがですか。
○岡本政府委員 私が引き継ぎまして調べましたところでは、自己資金の三十億につきましては、一応申請人が発起人の代表の方から、出資の確約書とか、そういった類のものを取っておったようでございます。いずれにいたしましても、要するに資力信用があるかどうかということは、これは非常にむずかしいことでございまして、まあ私の個人的な意見にわたるかと思いますけれども、私自身の考えでは、やはり発起人の顔ぶれを見て、いわばその人たちの持つ世間に対する資力信用といったものについてのわれわれが得る心証から判断するよりほかないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○久保委員 今の、確約書を取ってあるそうでございますが・この写しを一つ御提出いただきたい、こういうふうに思います。 それから、公聴会の席で明らかにこういう発言が反対側からあった一わけであります。いわゆる政治的圧力に屈しないようにお願いしたい、こういうようなことが運審並びに運輸省当局に対してあったと思うのでありますが、まさかあなたたちがそういうものに屈したとはゆめ思っておりませんが、別な観点からお尋ねをするのは、運輸審議会並びに鉄監局長そのもの、青柳会長そのものに、どういう方々が免許促進に陳情なり申し入れをしたか、これを御発表いただきたいと思います。
○青柳説明員 私どもは毎日運審に出ております。私は、少なくとも午前中は出ております。そういう際に、多数の地元民の方たちの数回にわたる陳情を受けたことを思い出します。別にそれによって圧力は感じませんでした。
○岡本政府委員 私が引き継ぎましてから、そう陳情の方は見えなかったのでございますが、地元の関係者の若干の方々から陳情があったかと存じます。
○久保委員 若干の陳情じゃなくて、どなたからあっただろうかということなんです。おもだった方でもいいです。記憶を呼び起こして、どういう方々から、いわゆる免許を早急にやれ、免許すべきである、こういうような申し入れなり要請があったかをお尋ねしているのです。
○岡本政府委員 これは御承知でもあろうかと存じますが、この前の国会で、先ほど読み上げられましたように、荒舩先生が地元代表といいますか、地元の関係者の意見を代表されまして質問をされておりましたが、私も直接そういう陳情は承ったことがございます。それから、名前ははっきり私記憶しておりませんが、やはり三多摩地区の関係のある代議士の方からもそういう陳情がございました。それから、ここに発起人の一人に加わっておられます加賀山先生からもそういう陳情がございまして、私、聞いております。
○久保委員 青柳会長さん、やはりその程度のものですか。
○青柳説明員 加賀山さん、荒舩さんのことを今言われましたが、それらの方々が来られたことはございます。多数の人を引き連れて来られたのでございます。
○久保委員 その要請は単純な要請でございましたか、岡本鉄監局長。
○岡本政府委員 これはもう御承知の通りでございまして、われわれのところにいろいろたくさんの先生方も御陳情に見えるわけでございまして、それを一々取り上げて政治的圧力を感じるとか感じないとか、これは申し上げることは適当ではないと思います。
○青柳説明員 ただいま名前をあげましたけれども、その方が数度来られたというのではございません。一回あるいは二回程度であったと思います。この点だけを申し上げておきます。
○久保委員 青柳さんにお尋ねしますが、楢橋さんからは、おやめになる前、あるいはなってからそういう要請がございましたか。
○青柳説明員 そういうことを私が申し上げますと先生におこられるのかもしれませんけれども、人にはおのおの持っておる性格があって、楢橋先生は非常にせっかちな方です。ですから、廊下で会うと、おい、というようなことで、あれどうなったかというようなお話があったことはございます。
○久保委員 あとでまたこれはお話を聞かなければいかぬと思うのでありますが、運輸大臣もおられませんからいろいろお尋ねをすることもどうかと思いますが、少なくとも御両人はそういう強い要請とかお話ということにあまり関心を持たなかった、こういうふうに解釈してよいわけですね。楢橋さんに肩をたたかれて、おい、どうした青柳さん、ああそうかと思い出して、また忘れた、こういうことでよいでしょうね、これは。
○青柳説明員 先生の言われたのをもう一ぺんおっしゃって下さい。
○久保委員 かいつまんで言えば、廊下で楢橋さんに会って、あれはどうしたい、こう言われても、すぐあっと気がついてまた忘れた、こういうことに解釈してよろしゅうございますか。
○青柳説明員 この事件ばかりではございませんが、お目にかかったときに、あれはどうなったかというふうなことを聞かれたということを申し上げたのでございます。
○久保委員 そこで、大へん開きにくいのですが、こういうことは。強い印象に残った陳情なり要請はございましたか、鉄監局長。
○岡本政府委員 どう申しますか、荒舩先生は、地元の沿線の町村民が傍聴に参っておりました決算委員会の席上で、みずから委員席に下がられて、政府側に、どうして免許がおくれているかということについて質問されましたから、これは非常に強い御希望を持っておられるというふうに私も拝承いたした次第であります。
○久保委員 ところで、答申が三十六年の七月の六日にあって、三十六年の七月十一日に免許になったということになったわけでありますが、この起業者の方の報告では、すでに答申があった日に内示があった、こう了解しているそうであります。こんなことをお尋ねするのは不見識でありますが、答申のあった日並びに翌日等にこの起業者に対して何らかの形でお話を出しましたか。
○岡本政府委員 そういうことはございません。
○久保委員 そう答弁するだろうと思ったのですが、しかし、この短い期間に結論を出したというのは、この中身について、もう一点の疑念もないというふうに答申があったから出したのだ、こういうふうに考えられて出したのでしょうか。いかがでしょうか。
○岡本政府委員 これはどの場合でもそういうふうになっておるのでございますが、答申がございましたら、それを受けましてすぐ免許をするというのが例でございます。
○久保委員 そうしますと、今までの事案で、答申があって免許に至った、いわゆる許可というか認可、すべてを含めて、答申があってから免許の期日、こういうのを全部資料にして出して下さい。 それからもう一つ申し上げたいのは、答申があるまでの間に大へん長い時間がかかっておる。この間、運輸省自体は、本件について何かやっておりましたか。それともやらぬでおりましたか。いずれです。
○岡本政府委員 運輸審議会でいろいろ御審議されます過程で、運輸審議会で、こういう点はどうか、ああいう点はどうかというふうなことでいろいろお尋ねがあるわけでございます。私が参りましてからは、主として、先ほどお尋ねがございました貨物輸送の点が、運輸審議会の方でいろいろ議論されておったようでございましてわれわれ事務当局の方から、いろいろ求められました資料をお出しして説明しておったというのが、一つの大きな問題点であったろうかと思います。それからもう一つは、先ほどこれも申し上げました中央線の輸送力の問題について、事務当局はどういうふうに考えるかというお尋ねがあったように思っております。そういうことが、事務的にはわれわれの方でいろいろ関係資料を集めておりました過程で、ございます。
○久保委員 大へん話が前後しますが、運審に出すまでの間、監督局としては一応の調査なり何なりをするわけだと思うのですが、これはどの程度やられておりますか。
○岡本政府委員 これは主としてきわめて事務的なものでございまして、東京陸運局の出しました調査書というものを、本省としてもいろいろ再審査いたしまして、建設費はどのくらいになるであろうか、あるいは推定輸送数量というものはどうであろうかと、いろいろデータがとり方によって違いますので、そういういろんな作業もいたしたわけでございます。
○久保委員 そこで、この運輸審議会の方は、本件については担当の委員を指定して調査をいたしましたか。あるいは担当の審理官はどなたですか。
○青柳説明員 別に担当とまでいうのではありませんが、公聴会において進行係を勤める委員をきめます。その方が一番勉強されることに自然なります。その方は、なくなられた波多という委員の方でございます。それから担当の審理官は宮永という審理官でございます。
○久保委員 波多さんはどうしたのですか。
○青柳説明員 運輸審議会定例会議開催中に急逝いたしました。
○久保委員 それではあとで、審理官というか、そういう方にも出てきていただいてお話を聞きたいのでありますが、この委員会で最終的に採決をして答申をきめたのですね。答申をきめた際は全員が出席でございましたか。
○青柳説明員 全員出席でございます。
○久保委員 そうしてこれは反対者というか、これはなかったかどうか。
○青柳説明員 全員賛成でございます。
○久保委員 この答申の案文については、討議をどういうふうにされたか。
○青柳説明員 まずわれわれの仲間だけで議決をいたしまして、その次の会議に答申書というものを審理官が作って出て参ります。それをわれわれが審理いたしまして、それを修正いたしたりなんかして、答申を出すのでございます。
○久保委員 仲間だけというのは、通例そういうことになっておるのでしょうか。いわゆる委員だけがその席におりまして、審理官などは入っておらないで議決をしたというのでしょうか。そうだとするならば、それは幾日のことでございますか。
○青柳説明員 お答えいたします。三十六年の七月の四日に、われわれの仲間、と申しますのはもちろん審理官も入れて議決いたしました。そうして三十六年の七月の六日に答申案を練りまして、その日に答申をしたということでございます。
○久保委員 それで、審議会の方へ資料の要求をいたしたいのですが、本件を審理した日にち。一回や二回じゃないと思いますからその日にち。それからそのときに出席された審理官並びに委員、その審理した概要、こまかくは要りませんから概要を一つお出しいただきたいと思います。 それからもう一つ鉄監局長にお尋ねしたいのは、答申があってからの省内における手続を日にちを追ってお述べいただきたい。どういう手続で幾日にどうやってどうして、だれがどうやったか。
○岡本政府委員 決裁手続と申しますのは、通常担当の係官が立案いたしまして、係長、補佐官、課長、部長、それから局長、それから官房の文書課長、官房長、それから両次官、大臣、こういうふうになるわけです。別に格別変わったことはないと思います。
○久保委員 それは決裁文書を見ればわかると思うのですが、そういうものの手続についても承知しておきたいと思いますから、あとで一つお願いしておきます。 それから最後に、大臣がおりませんから何ですが、特に運審の会長さんに御見解を承りたいのは、青柳会長主宰するところの運審は、非常に広範な仕事を、しかも重大な仕事をお扱いになっておるわけなんです。しかも委員は七名、こういうことになっておる。このうち一名は事務次官、これは仄聞するところによれば出たり出なかったりという。早くいえば連絡係みたいな形で出ておいでになると思う。実質的にこの膨大な、早くいえば陸海空にわたる輸送に関連したすべての大事な免許、許可、認可、こういう事務を扱うわけでありますが、この六人の委員さんで今日のかかる膨大な業務を遂行するためには大へんな御苦労だと思います。六名や七名で、はたして今の構成メンバーで万全を期し得られると思っておられるかどうか、まず一点お伺いしたい。
○青柳説明員 御同情の言葉をいただきましてありがとうございます。一々が具体的の事案、それに取り組む苦労というものが大へんにございます。あくまでも筋の立った結論を出すためにいつも苦労しております。ただ七人で今までやってきたんですから、現在の七人では少ないと申すよりも、私はもっと、でき得べくんぱ審理官の増強あるいは実地に当たってみるというための予算、そういうものがほしいという気がいたします。
○久保委員 その人員の問題も、皆さんが能力がないということではございませんが、あまりにも能力以上の問題がありはしないか。特に専門的な知識を多分に持たなければならぬ面が相当多い。たとえば鉄道建設一つとりましても、建設費を検討いたしますについても、これはやはり専門的な知識が必要だと思うのです。そういうメンバーに欠けてはいないだろうか。あるいは航空機の問題、国内航空の定期航路の問題、こういう問題についてもやはり専門的な知識が要求されるのではなかろうか、こういうふうにも思うわけです。もちろんそれぞれ優秀な方々でありますから、そういうものを一挙にして解決するというか、理解される方々が多いと思うのです。それにしても今日案件は非常にたまっております。たまっておるというか、渋滞しておるということでありますから、これをはく意味においても、あるいは今日武鉄の問題を中心にして運輸審議会にも焦点が当てられておるということ自体にも、内容の構成メンバーにもやはり一考を要する点がありはしないかということを私は申し上げたいのです。くどいようですが、その点についてはどうでしょうか。
○青柳説明員 多きにこしたことはないと私も思います。ただ、先生の御意見の中にございましたが、やはり専門家ばかりであってはならないと私は思います。しろうとの常識で筋を立てるという人も必要であろう、こう私は考えております。
○久保委員 私は付加すべきものを申し上げたので、現在、しろうとと言っては語弊があるが、高い観点から会長さんのようにおにらみになる方も当然必要だと思うが、それ以外にやはり専門的なものがなくてはいかぬだろう。爾それからもう一つあなたの御見解を聞きたいのは、今日の運輸審議会というのは、なるほど運輸大臣の諮問機関でございます。しかしながら、お扱いになると言っては語弊があるが、すべての調査の足となり手となる審理官は、残念ながら官房長の配下というふうに相なっておるわけです。完全な運輸大臣に対する独立機関というか、そういうものでないところにも問題がありはしないか、こう思うのでありますが、いかがでしょう。
○青柳説明員 御説の通りでございます。審議についての独立性を持っておるがごとくにして、運輸省内の内部機構でございます。従いまして、運輸省に頼んで、と言いますとおかしいですが、原局に頼んで調査をしてもらって、それによってわれわれの審議を進める。もっともわれわれにも調査の権能は規則上は与えられております。しかしながら、なかなかそれを行なうだけの人と金がないということを遺憾に思って、先ほども申し述べたような次第であります。
○久保委員 その点は後刻運輸大臣にもお尋ねレなければならぬと思うのでありますが、もう一点は、現在の運輸審議会は、いわゆる運輸官僚というか、運輸大臣を含めてのいわゆる隠れみのになっておるということであります。たとえばこの武鉄の問題が出れば、答申がこう出たのであるから直ちに免許するんだというのですね。実際は、あなたもおっしゃるように、その資料その他は全部運輸省からもらっている、こういうことでありまして、あなたらは体裁のいいサル芝居を演じさせられている面が多少ありはしないか、こういうふうに思うのです。これはもっとも役人にとっては大へん都合のいいことで、運輸審議会からかかる免許をすべしという答申が出たから、この答申を尊重するという法律の建前からこれをやったんだ、こういうことになっておりまして、何かどうも隠れみの的な存在であります。先ほど申し上げたような独立機関にして・公正にしてほんとうのi法律にうたっておるいわゆる公正にして合理的な決定をさせるのだということにはなっていないと思うのです。もともと審理の材料になる資料等は、先ほどお話しの通り全部運輸省からもらわなければならぬ、こういうことだと思うのです。この点はさらに会長さん初め委員さんの方々の御意見を一つ詳細に別の機会にまたお聞きしたいと思うのですが、私自身は、今日の問題を契機にして運輸審議会のあり方は全面的に変えるべし、こういうふうな考えをしております。これは一つの考えでありますが、こういう利権というか権利義務に関係するような大きな問題は、少なくとも裁判所的な公正なものがあってしかるべきだと私は思うのです。これは一つの問題でありまして・非常に問題が出てくると思うのですが、少なくとも独立機関でないところから便宜に使われておる、いいあんばいに使われておる、こういうふうにわれわれは今日思っておる。でありますから、こういう点についても一つ考えてほしいと思います。いずれ後刻われわれの構想をお話し申し上げて御意見をお聞きしたい、こういうふうに思います。 それから審理官は何名おられますか。
○青柳説明員 定員六名でございます。
○久保委員 事務次官を除いた委員に一人の割合のたった六名ということで、完全な精査ができるものとは残念ながら思えない。いわゆる足となり手となる者が少ないということですね。でありますから、問題があるとここが隠れみのにされてしまう。運輸省の言いなりほうだいと言っては語弊があるが、運輸省の意図をくんでここで結論を出すよりほかにない。これは鉄監局長にお尋ねしますが、今までに運輸省が運審からの答申に相反して決裁したことがございますか。
○岡本政府委員 私の記憶ではそういうことはないと思いますが、相反してと申しますか、結論と違ったことが出ましたのは、三十二年の国有鉄道の運賃改正のときであろうかと思います。大臣から諮問しましたのが国鉄申請の一八%アップの案で、運輸審議会が答申を出してきましたのが一五%アップの案であったかと思います。それが、結局、国有鉄道運賃法の審議で結果としては二二%幾らに修正された、こういうことだけであったかと存じます。
○久保委員 国鉄や私鉄の運賃の値上げの場合にそういうことはあったと思うのでありますが、値上げするという方針には相反しない決裁であったと考えておる。この一事をもってしても、もちろんだれがやっても同じだということでありますが、少なくともたくさんある案件を審理しておるこの運審の結論と、当時の運輸大臣というか、そういうものとの意見がいつも合っているというところにも問題がありはしないかと思うのです。六名の審理官では正しい調査なり審理はおそらくできないだろう、こういうふうに思うのです。これは、官房長もおられませんから、後刻しますが、少なくともそれを隠れみのにするということは卑怯千万ではなかろうか、そこに今日の武鉄の問題等も出てくるということではなかろうか、こう思うのです。この案件に対する当面の責任者は、運輸大臣を除いてはだれとだれですか。鉄監局長は、これは免許を出した当面の局長さんですから、そうですね。それから当時の民鉄部長は石井さんですね。違いますか。民鉄部長はおかわりになってからの決裁ですか。そうしますと民鉄部長おられますからお伺いしますが、前任者の石井さんから引き継ぎはございましたか。どういう引き継ぎですか。
○佐藤説明員 私は七月四日に発令になりましたが、着任して間もなく答申をいただきましたので、その答申の線に沿って処理いたしました。
○久保委員 そうしますと、七月四日にかわられたのでありますが、引き継ぎはなかったというのですか。
○佐藤説明員 すでに答申が出る段階にあったわけでございます。
○久保委員 しつっこいようでありますが、本件について引き継ぎはなかったかどうかをお尋ねしたい。
○佐藤説明員 そういう状態にあるという引き継ぎを受けました。
○久保委員 その際石井前民鉄部長の見解、この問題についてはこうだということは表明されなかったのですか。
○佐藤説明員 別に特別な見解の表明はございません。
○久保委員 いずれにしても、本件は単に汚職ということでわれわれは調査しているわけではないのでありまして、この汚職自身の出た原因についてわれわれは究明しなければいかぬと思うのです。それには機構の問題もあるし、今までのあり方の問題、幾多の問題がありますが、今日は大臣もおりませんから、後刻またあらためて資料の提出等もにらみ合わせて再度お話を伺いたいと思います。今日はこの辺で打ち切ります。
○簡牛委員長 次回は明四日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれをもって散会いたします。 午後零時五十三分散会