予算委員会第二分科会 第2号
- 発言数
- 368 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1961/03/28
会議録
○主査(塩見俊二君) ただいまから予算委員会第二分科会を附会いたします。 本日は昭和三十六年度総予算中、総理府のうち防衛庁、調達庁及び科学技術庁所管につきまして審査をお願いするわけでございますが、まず、防衛庁及び調達庁を議題といたします。 まず、政府の説明を求めます。
○国務大臣(西村直己君) 昭和三十六年度防衛庁予算につきまして、その概要を御説明いたします。 一、昭和一三十六年度の防衛庁の歳出予算の総額は、千七百十七億千六百七十五が六千円でありまして、これを昭和三十五年度の歳出予算額千五百十六億三千七百三十八万七千円(補正予算を含む)に比べますと、二百億七千九百三十六万九千円の増加となっております。 このほか、国庫債務負担行為として、航空機の購入について五十九億七千六百五十一力千円、器材の整備について百六十二億九千百十一万六千円、弾薬の購入について十二億四千五百八十九万一千円、施設の整備について二十四億七千五百十八万四千円、艦船の建造について二十二億二千六百八十九万八千円、計二百八十二億千一五百六十万円を計上し、さらに継続費として、昭和三十六年度乙型警備艦建造費及び潜水艦建造費を合わせて七十五億九千三十二万七千円のうち、昭和三十七年度以降の年割額六十四億七千八百四十六万一千円を計上いたしております。 なお、昭和三十四年度潜水艦処造費につきましては、建造工程の変更に伴って建造費の一部を後年度に繰り延べるため、年限及び年割額を改訂することといたしております。 また、職員の定数につきましては、防衛庁の昭和三十六年度の予算上の職員定数は、自衛官二十四万二千九人、自衛官以外の職員二万六千三百二十五人、計二十六万八千三百三十四人でありまして、これを昭和三十五年度の予算上の職員定数に比べますと、自衛官において一万千七十五人、自衛官以外の職員において二千四百六十人、計一万三千五百三十五人の増加となっております。 二、次に予算案の内容について申し 上げます。(1) 先ず基本方針といたしまして、三十六年度予算案は、現行防衛力整備計画の達成状況を勘案し、かつ、次期防衛力整備計画の構想を考慮しつつ、防衛力の総合的発展に努めており、特に以下の諸点に留意いたしております。すなわち、 (イ) 自衛隊の増強は常に国力国情に応じた効率的な防衛力を整備することに配意し、もって装備の近代化、及び質的強化を推進するともに、制度上または運営上隊務の能率化をはかっております。 (ロ) また、三自衛隊の統合運用の基盤を造成するため統合幕僚会議の機能を強化し、統合幕僚学校を新設することといたしております。 (ハ) 一方、施設部隊の拡充、ヘリコプターを増強する等、民政面に対する協力を推進することといたしております。 三、以下組織別に予算の内容につき申し上げます。(1) 陸上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして七百十一億八千四十九万二千円、国庫債務負担行為におきまして三十八億四千七百十二万六千円となっており、職員定数におきまして自衛官十七万千五百人、自衛官以外の職員一万三千四百五人、計十八万四千九百五人となっております。 その主要内容につき申し上げますと、現在の六管区隊、四混成団を昭和三十六、三十七両年度にわたり、十四個の師団に改編して防衛力の向上をはかるとともに、前年度に引き続き第七混成団の機甲化の推進と、装備の改普充足を行ない、また自衛官千五百人の増員とあわせて、文体の改変を行って、地区施設隊、建設大隊及び施設大隊等の編成を行ない、もって民政協力をはかっております。(2) 海上自衛隊につきましては、歳出予算におきまして四百二十四億二千三百三十万二千円、国庫債務負担行為におきまして九十八億六千五百二十六万七千円、継続費におきまして冒頭に申し上げた通りであり、職員定数におきまして、自衛官三万二千九十七人、自衛官以外の職員四千四人、計三万六千百一人となっております。 (イ) ます、海上及び航空部隊の緊密な連絡をはかり、空海協同訓練を強化するために、自衛艦隊の改編を行なうこととし、その他新造艦等の完成に伴う海上員、後方補給、教育及び航空機の増強による要員確保等のため自衛官四千四百三十人、自衛官以外の職員千二百四十九人を増員しております。 (ロ) 次に、艦船につきましては、計画的代艦確保を主眼として乙型警備艦二隻三千九百トン、潜水艦一隻千五百トン、駆潜艇二隻、中型掃海艇二隻合計五千九百八十トンのほか、米国より上陸用舟艇三隻、揚陸艇十三隻、五千二百三十六トンの供与を受け、総計一万千三百十六トンの増加を予定しております。これにより昭和三十六年度末の保有艦艇は四百七十六隻、十四万二千七百四トンとなる予定であります。また昭和三十六年度に増加する航空機として、昭和三十三年度より国内生産を開始いたしましたP2V対潜哨戒機十四機の購入のほかに練習機十三機、ヘリコプター七機を購入することにしておりますので、これらにより昭和三十六年度末の海上自衛隊の保有航空機は二百五十八機となります。 (3) 航空自衛隊につきましては、歳出予算におきまして五百二十四億八千六百九十万四千円、国庫債務負担行為百三十七億三千二百六十三万円となっており、職員定数におきまして、自衛官三万八千三百三十七人、自衛官以外の職員五千二百七十五人、計四万三千六百十二人となっております。その主要な内容につき申し上げますと、 (イ) まず防空能力等を強化し、各航空団の配置と指揮機能の適正化をはかり、防空警戒態勢の基盤を造成するため、第六、第七航空団、西部航空方面隊、補給統制処等の編成に要する自衛官五千百十三人、自衛官以外の職員八百九十一人、計六千四人を増員することといたしております。 (ロ) 次に航空機につきましては、実用機について前年度に引き続きF-104Jの生産を行なうとともに、また、ジェット練習機二十機の第三次生産を着手いたしますので、昭和三十六年度末の航空機総数は実用機五百五十三機、練習機五百五十機、実験機一機、計千百四機を保有することとなります。(4) 内局、統合幕僚会議及び附属機関につきましては、歳出予算におきまして五十五億二千六百五が八千円、国庫債務負担行為におきまして七億七千五十七万七千円となっており、職員定数におきまして自衛官七十五人、自衛官以外の職員三千六百四十一人となっております。 その主要な内容につきまして申し上げますと、 (イ) 統合幕僚会議におきまして冒頭に申し上げたとおり統合幕僚学校の新設を行い、 (ロ) また、技術研究本部におきましては、科学技術の進歩に即応して研究開発の充実促進をはかり、防衛大学校におきましては、理工学研究科を設置し、科学技術幹部を養成することをはかっております。 (ハ) その他、附属機関におきまして所要の職員を増員し、あわせて三百五十二人の増員を行なっております。 以上をもちまして防衛庁予算の概略の説明を終わります。 次に、昭和三十六年度(組織)調達庁の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。 昭和三十六年度の(組織)調達庁の歳出予算の要求総額は、八十一億九千四百五十八万六千円で、これを昭和三十五年度の予算額七十九億八千七百五十七万四千円に比べますと二億七百一万二千円の増となっております。 これを(項)別に見ますと、(項)調達庁十五億七千百四十三万四千旧、(項)施設提供等諸費五十六億六千二百三十七万七千円、(項)調達労務管理事務費六億八千七百三十二万七千円、(項)国際連合軍等関係補償費二億七千三百四十四万八千円であります。 次に各(項)について御説明いたしますと、(項)調達庁、この項より支出するものは調達庁の業務遂行に必要な人件費および物件費でありまして、この要求額は十五億七千百四十三万四千円であり、前年度の十五億二千二百五十四万五千円と比較いたしますと四千八百八十八万九千円の増額となっております。 増額のおもなるものは、人件費の給与ベース引上げに伴う九千三百二万四千円、各所修繕費三百二十万円、国有財産管理費三百十万円、その他五百三十七万六千円、計一億四百七十万円であります。一方減額のおもなるものは、調達庁物件補償費二千万円、返還物品処分費一千五百万円、施設の現況調査費一千万円、その他業務量の減による分として一千八十一万一千円、計五千五百八十一万一千円でありまして、差引四千八百八十八万九千円の増額になったものであります。 また、職員の定員につきましては、昭和三十六年度を昭和三十五年度に比較いたしますと七十五名の減少となっております。この七十五名は四ケ月二十名、六ケ月二十名、十一ケ月三十五名の区分により整理することになっております。 (項)施設提供等諸費、この項より支出するものは、行政協定および地位協定により、在日合衆国軍隊に対する「施設区域」の提供に伴って生ずる経費および駐留軍の行為に基づき生じた損失の補償等に要する経費でありまして、要求額五十六億六千二百三十七万七千円を昭和三十五年度の(組織)大蔵本省(項)防衛支出金として、計上し、必要の都度(組織)調達庁(項)防衛支出金に移しかえて使用することになっていた五十六億四千七百九十五万八千円と比較いたしますと、一千四百四十一万九千円の増となっております。 増額のおもなるものは、中間補償五千八百五十四万九千円、漁業補償五千六百五十九万円、防音工事二億八千七百二十五万八千円、各省執行予定分一億六千五百九万円、その他一千七百万九千円、計五億八千四百四十九万六千円であります。 減額のおもなるものは、借料関係八千五百五十万九千円、不動産購入一億五千一百三万四千円、新規補償等二千五百七十六万円、返還財産関係三千八百六十三万七千円、防災工事一億八千七百九十一万三千円、特損補償費七千百二十六万八千円その他九百九十五万六千円計五億七千七万七千円でありまして、差引一千四百四十一万九千円の増額になったものであります。 (項)調達労務管理事務費、この項より支出するものは、駐留米軍の使用する従業員の労務管理事務を処理するために必要な経費であります。 この要求額は、六億八千七百三十二万七千円でありまして、これを昭和三十五年度の六億六千八百四十八万九千円と比較いたしますと、一千八百八十三万八千円の増加となっております。増額のおもなる理由は、都道府県労務管理職員の給与ベース引上げに伴う人件費の増加であります。 (項)国際連合軍等関係補償費、この項より支出するものは、国連軍協定を実施するため及び旧連合国軍に提供した土地等の返還にかかる各種補償、並びに占領期剛中の人身被害者に対する事故給付金に要する経費でありまして、この要求額は二億七千三百四十四万八千円で、昭和三十五年度の一億四千八百五十八万二千円と比較しますと、一億二千四百八十六一万六千円の増額となっております。 増額のおもなるものは、広島県原村演習場防災工事補助金三百五十二万六千円、返還等補償費四百六万四千円、事故給付金一億二千八百七十八万四千円、計一億三千六百三十七万四千円、減額のおもなるものは、広島県原村演習場地区返還道路復旧工事費補助金千五十二万六千円、その他九十八万二千円、計一千百五十万八千円でありまして、差引一億二千四百八十六万六千円の増額になっております。 以上が(組織)調達庁として計上いたしております経費の概要であります。
○主査(塩見俊二君) ただいま防衛庁長官の防衛庁予算に関する説明につきましては、私どもが配付を受けた資料と違っておりますので、ただいまの御説明をあらためて書類で御配付願いたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) 内容は同じでございまして、衆議院の予算分科会で大臣から御説明申し上げましたのと同じでございます。
○主査(塩見俊二君) あらためて御配付願います。
○政府委員(木村秀弘君) 承知いたしました。失礼いたしました。
○主査(塩見俊二君) それでは防衛庁及び調達庁に関する質疑に入りたいと存じます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○豊瀬禎一君 私は自衛隊並びに駐留軍の飛行場周辺における、主として教育施設に対する防音施設について質問を申し上げたいと思います。 まず、質問を始めますにあたりまして、駐留軍基地並びに駐留軍基地のうち、飛行場並びに自衛隊関係の飛行場のそれぞれの全国の総数と、そのうち、周辺における教育施設に対して防音工事を必要と判断してある飛行場のそれぞれの数を説明願いたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 調達庁長官から御説明申し上げます。
○政府委員(丸山佶君) 駐留米軍関係の飛行場は、大きなもの現在八カ所でございます。北から数えますと、青森県の三沢、それから関東地方に参りまして、横田、立川、埼玉県の入間川、ジョンソン飛行場と申しておりますが、それと、千葉県の木更津、なお、神奈川県下に海軍関係の厚木飛行場がございます。それから中国地方に参りまして、岩国の飛行場、それから九州の福岡の板付の飛行場、これが現在において最も大きな飛行場の名称並びに個所でございます。これらに対しまして、調達庁としましては、従来から、周辺の教育施設に学校防音の工事を施行して参りました。
○豊瀬禎一君 ただいまの答弁、当初の質問でしたのでお聞き取り願えなかったと思うのですが、私が質問したのは、駐留軍関係の飛行場の総数と、その中で防音工事を必要とする数、数だけおっしゃればいいのです。並びに、自衛隊関係の飛行場の総数と、その中で、周辺の学校に防音工事を必要とする飛行場数、たとえば百五十あって、そのうちの二十二というふうに、簡単におっしゃっていただければいいです。
○政府委員(木村秀弘君) 自衛隊の方から先に申し上げます。航空自衛隊の飛行場数は、現在二十八でございます。そのうち、現在の調査の結果に基づきまして、教育施設でもって防音装置を施す必要があると思われるもの、施設にいたしまして二百七十二校ございます。それからなお、医療施設におきまして、やはり防音装置の必要があると思われますものが百四十四ございます。そのうち、現在までにすでに実施いたしましたものが、教育施設で八十ございます。
○政府委員(丸山佶君) 駐留米軍関係で、これまで防音工事をやってきました学校数が百九十一校でございます。なお、今後やる必要があると予定しているものが百三十三校でございます。飛行場の個所としては、先ほど名前をあげましたような飛行場の周辺の教育施設に学校防音の工事をする必要がある、このように思っております。
○豊瀬禎一君 特に教育施設関係ですでに工事をされたところとされていないところとが、数が出たようですが、まだ防音工事をしてない教育施設に該当している被害人員といいますか、たとえば駐留軍関係では百三十三校、生徒総数が幾らになるか、自衛隊関係で八十がすでに施設が行なわれたようですが、二百七十三から八十を引いて残りの学校に在席している生徒、児童、学生の総数を説明願いたいと思います。
○政府委員(丸山佶君) 今後やるべき学校数百三十三校の、その生徒の数約五万九千名でございましす。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま生徒数について何人あるかという数字は持ち合わしてございませんが、施設といたしましては、百九十二校、医療施設百四十四カ所というふうに計算をいたしております。
○豊瀬禎一君 今説明されましたように、駐留軍関係で約六万、自衛隊関係で約十万近い学生、生徒、児童が騒音のもとにさらされているわけですが、このように、単に教育施設だけでなくして、飛行場周辺におきましては、一般の人家におきましても同様の事件が起こっております。たとえば小牧飛行場におきましても、周辺の住民による騒音に対する反対運動が起こっているようです。こういう国の施設に基づく被害が一般住民、特に義務教育諸学校に在席しているかなり多くの生徒、児童に直接的な教育障害という現象を与えている問題につきまして、基本的に防衛庁長官はどういうお考えをもってこれに対処しておられますか、承りたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) お答え申し上げます。航空機が近代化されて参りますから、防衛庁所管、調達庁所管の駐留軍、自衛隊の飛行場、同時に、民間機も近代化されて参りまして、商業航空と申しますか、民間航空の方にも同じようなジェットの騒音等があるわけであります。ある程度ジェットの騒音というものを国としてやはり責任をもって解決をしてもらう、これは当然のことでございます。そこで、自衛隊の方といたしましては、サイレンサーと申しますか、その研究を相当やっておりまして、ある程度の成果を見て、地上のテスト等におきましてはサイレンサー、いわゆる消音器でございますか、これを使うとか、あるいは人家のない方に向かってテストを行なうとか、あるいはさらにまたは特殊な建物を作って内部でテストをやるというような方法をとっております。今一つは今度は上りまして、地上から空中に出ます瞬間の音でございますが、これももちろん地上試験ほどの音は出さないわけでして、地上試験のときにはフルでやる場合がテストでありましょうが、上がるときとは、やはり装備その他方向等も考えてやって参らなければならぬと思います。それからそれでなお、さしあたり音が出ますれば、子供さんの授業であるとか、病院とかに影響を与えるのですから、小牧その他におきましても、時間等を非常に考えまして必要な方法をとる。それからおりる場合における進入の方向を考えるというようなことを考えております。と同時に今度は、地上にありますそういう施設に対しまして、政府として騒音の防止のいろいろな方途を考えて参る。それには今年度の予算におきましても、防衛庁並びに調達庁におきまして、二倍近くの予算要求をただいま御審議を願っておるわけであります。さらにしかしこれだけの問題では予算面では解決しない医療とかあるいは幼稚園とかいろいろな問題が出て参ると思います。それから極端な場合には、人家の移転というような問題も、移転補償、こういったようなことにつきまして、予算面からも防衛庁、調達庁で考慮いたしますと同時に、先般来、昨年私着任いたしましてから、政府の単に防衛庁、調達庁だけでなく、関係の省がたくさんございます。厚生省、文部省、農林省、建設省、こういったものと、基地の周辺に住んでおられる方々に対して犠牲をしいるということは、政府としてやるべきことではないのでございまして、前向きに、できればできるだけ基地の――商業航空機と申しますか、一般の飛行場、民間の飛行場等も含めまして、基地等の環境の整備でございます。環境改善と申しますか、こういった面から問題を幅広く取り上げて、今後基本的にさらにさらにその解決のために推進をして参りたい。これが私の当面の考え方でございます。
○豊瀬禎一君 先ほどの説明によりますと、駐留軍並びに自衛隊関係の飛行場による被害を受けておる教育施設が大体六百くらいになっておるようです。このように数百の小学校が防音工事を必要とするというような現象が諸外国にも例がございますか。
○国務大臣(西村直己君) もちろんこれはジェットの騒音につきましては、日本だけの問題ではなくて、各国も同じようにジェットの航空機が発達して参っておるわけであります。ただ地域が非常に地勢的に違うという点もありますし、また民家の構造も一つは違っておるという点もあるわけでございます。昨年も調達庁長官が基地問題を中心に各国を歩いておりますので、さらに調達庁長官からお答えいたします。
○政府委員(丸山佶君) 昨年機会がございましたので、欧州の各国のうち、米軍が駐留しております国々の基地を回ってみまして、この飛行場の騒音問題とその周辺の状況を調べて参りました。私が参りましたところでは、米軍が駐留しあるいは使用しておるような軍用飛行場は大体都市あるいは人口稠密な村落等からは離れたところにおくことが一つ。それからもう一つは、今西村大臣からお話がありましたように、家屋の構造というような関係もありまして、軍用飛行機に関しては、騒音問題で周辺との関係ということはあまりに大きくなっておるようなケースはほとんどありませんでした。むしろ飛行機の騒音、特にジェット機の騒音というものは、民間飛行機、民間飛行場――民間飛行場は御承知の通りあまり大都会から離れたところにあっては役に立たない。これが当然のためであろうかと思いますが、その方面の騒音問題というものはやはり取り上げられております。これに対する対策等の研究は進んでおりますが、具体的にこういうことをやる、こういうことをすればよろしい、あるいはぜひこれをしなければならん。特に日本のわれわれがやっておりますような、学校に対する防音工事等を国がやる、あるいは必要があれば国がその軍用飛行場の周辺から人家を移転する、そのような具体的措置をとっている実情はないように私は見受けて参りました。
○豊瀬禎一君 ただいまの長官の御説明ですね。建物の構造が違うということが出たのですけれども、これは教育に対しては全くしろうと考えだと思うのです。教育は御承知のように、校舎の中だけで、教室の中だけでやるのではありませんし、また家庭に帰りましても、自宅の中で勉学するということが、学生生徒のいわゆる勉強ではありません。今御説明のように、諸外国において騒音による教育施設の防音工事ということが問題にならないのは、基本的には都市の周辺にいわゆる軍事施設を作らないという基本的な構えがあるからです。ところが世界におきまして、ただひとり日本だけは、先ほどの説明のように、非常に多くの都市周辺に、あるいは福岡市の板付飛行場のごとく、都市の中心から一キロそこそこのところに強大な米軍の飛行場がある、こういう日本の特殊現象に対しまして、防衛庁長官は現在の飛行場が都市の近くにあるという事態について、どういうお考えでしょうか。
○国務大臣(西村直己君) 一面ごもっともな御理由はあると私も考えております。ただ日本が御承知の通り、これは御批判のある面もありますが、日米の安保体制というものをとりまして、国土のやはり防衛の一役を米軍にもになわせている共同防衛の面もあります。従って、基地を提供するということは、やはり国の一つの考え方としてやって参らなければなりません。それから一面におきましては、国土が狭隘であるということもまた考えて参りますと、そこに民間に住んでいる人たちとの調節ということは不断に考えつつ、共同防衛体制を実行して参らなければならん。そこで、わが国の特殊事情といたしまして、一つは防音装置、防音に対する国費の投入というようなことが当然起こってきておるし、また今後も私どもは推進しなければならんと同時に、われわれといたしましても、特に飛行場の上を、あるいは飛行場の上から出まして高度をとりますと、騒音というものは消えてしまって感じないのでありますが、問題は地上における始発とか、テストの場合において相当の問題を起こしてきます。これらにつきましては、先ほど申しましたように、使用時間であるとか、あるいは方向であるとか、あるいは特に自衛隊におきましては現在も一部使いつつあって、配置さしておりますサイレンサーでありますけれども、騒音を消しますのに効果はございます、地上におきましては。こういったことを米軍側に勧めるとか、自衛隊はさらによりいいものを完成しながら、現在あるものをさらにりっぱなものにして消音を考えていく、この調節を考えていかなければならないのではないかと思うのであります。大陸のように非常に広い地帯でありますれば、人家のないところに軍基地があるということも考えられますが、日本のような場合には、相当に都市から離れたといたしましても、そこに農家が点在し、また教育施設があるのは、これは当然の国情ではないかと考えられているわけであります。
○豊瀬禎一君 私はきょう長官と自衛の必要について論争しようとは思いませんので、話を進めていきたいと思いますが、こういう飛行場周辺の教育諸施設が、騒音のために生徒児童の心身一両面にわたってかなりの被害を与えておることは、私から説明しなくても御承知と思いますが、特に教育諸施設について、現在までそういう系統的な調査、把握をされたことがございますか。
○政府委員(丸山佶君) 騒音による教育施設に対するところの影響ということ、このうちで、特に教育という、それ自体の面に関しましては、私ども専門外でございますが、その音が校舎にいかなる程度の影響を与えておるか、これを防ぐためにはどのような措置を講ずべきか、防音に関する研究また対策に関しましては、専門の技術、あるいは学校の先生方とも常に連絡をとり、研究を進めて参って、それによりまして今防音の工事をしておる、そういう次第でございます。
○豊瀬禎一君 そこに、何といいますか、事態に対する認識の問題があると思うのですね。なるほど建築物といいますか、校舎等に対する影響は、あなたがおっしゃったように調べて、そのことから、騒音がどれほど消音されるかというものは出てきましょう。しかし問題はそれだけでなくして、私が言いましたように、学校教育の面をとりましても、現在の教育がコミュニティー・スクールという方向をたどって、学校の校地内だけでなくて、家庭に帰っても一つの学校教育の延長と考えられておる場合においては、校外生活ということもきわめて重要な教育の部門なんです。そういう事態の中で、特に心身の発達しない青少年に対して、今日まで騒音によってどういう被害が起こつておるかという調査をなさっていないということは、あまりにも怠慢だと思うのですが、長官どうお考えですか。
○国務大臣(西村直己君) 私どもの方としては、私どもの方の防衛という建前から、音の強さ、あるいは音によって、どの程度たとえばいろいろ妨げられているかという基本的な問題については、それぞれの関係向きで調査しておるのでございます。ただ、おっしゃるような幅の広い基本的な問題になって参りますと、校外教授、あるいは家庭教育においてまで、精神的に、特に精神的にまで影響を与えているか、そこまで調査いたしていないと思います。ただ、これらは単に、私はあれだけでないと思います。軍飛行場だけでなくて、普通の民間航空の場合におきましても、羽田とか、大阪であるとか、ジェット化されて参りますれば、必然やはり同じような問題は出て参ります。従って、これらは、私どもとしては赤地等の環境改憲の関係でもってやはり取り上げてもらって、事実教育の立場からどういう意見を持つかという、積極的な文部省の方面の意見も出してもらいたい、こう思っておる次第であります。
○豊瀬禎一君 ジェット機が日本に入りましてから、すでに十数年になりますし、また学校の防音工事が問題になりましてから、十年近い歳月がたっております。この中で、二十八年に最初に防音工事の問題が起こって施設が行なわれておりますが、そのとき以来、騒音に妨げられながらも今日まで防音工事を施されていない学校、言葉をかえて言いますと、百フォン近い騒音の中にさらされながら勉学をじゃまされておる青少年がおるわけです。これに対して、少なくとも防衛庁が積極的に、文部省の仕事として放任するのでなくして、心身にどういう影響を与えたかということの調査がされていないということは、私は非常に大きな問題だと思うのですが、ここで次の質問に入ります前に私の把握しております被害につきまして、簡単に説明いたしたいと思います。 これは板付飛行場周辺におきまして、九大などの学者の協力を得て、福岡市教育委員会が調査した資料ですが、第一番には、難聴――耳が遠くなっておるという現象を、少年も、おとなにおいても生じております。特に私は大きな問題だと思うのは、文部省の基準は、聴力の三十デシベルを経度難聴としておるのに、その半分の十五デシベル程度の聴力低下という現象は非常に多くの青少年に発見されております。これらの少年が大きくなりました際には、かなり大きな影響を受けてくると思います。また、高校進学問題は自殺者を生じるほど世論の大きな問題となっておりますけれども、周辺の諸学校をとってみますと、騒音が九十フォンをこし始めてから、福岡市内におきまして、ほとんど最高をいっておったところの入学率を持っておる箱崎中学校、千代小学校におきましても、平均五、六%の低下を来たしております。また、文部省の学力調査の結果を見ますと、国語におきましても、算数におきましても、英語におきましても、それぞれ五、六%の、同じ能力を従来持ち、同じ父兄の環境を持っておる学校等と比較いたしましても、学力低下が見られるわけです。そうして、この影響は、単にこうした学力でなくして、児童の作文や、あるいは学者の――疲労度とか、情緒の動揺だとか、あるいは道徳感の問題とか、美に対する認識度合とか、こういった知能の測定から現われておるものは、すべての部面にわたって、年が違うほど大きな影響を受け、男子よりも女子にかなりの影響を生じておる。単に身体的でなくして、情緒、美感の上にも影響を与えておる。情緒不安定という、人格形成の上にも大きな悪影響を与えておるのです。こういう事態を生じておるにもかかわらず、先ほどの長官の御説明では、昨年よりも、予算は二倍になったとおっしゃいましたけれども、調達庁から過日出されました資料を見てみましても、四十校近い。そして今後防音工事を必要とする諸学校に対して約六十億をもちまして、昭和四十一年までにこれを実施したいと考えておる、こういう方針です。文部大臣は、文教委員会においても、国の施設によって、青少年に学力低下、身体に対する障害あるいは道徳感、情緒に対する不安動揺、こういったことを与えておるとすれば、少なくとも二年か、三年程度でやらなければ申しわけないと、こういう説明をしたのですが、本年度の予算を拝見いたしましても、従来よりややテンポが早められたといった程度のことであって、これらの十数万の青少年に対する事態の緊急性に対する予算の組み方があまりに低過ぎると思うんですが、防衛庁長官は、今私が申し上げました義務教育諸学校における青少年に対する影響から、自衛隊関係並びに駐留軍関係の騒音の影響を受けておる諸学校に対して、防音工事を進捗するにあたってどういう基本的なお考えをお持ちですか。
○国務大臣(西村直己君) 予算の直接の問題といたしまして、自衛隊関係は昨年度が一億九千万でございまして、今年度は約六億近く、五億九千八百万円と、三倍に自衛隊の方はなっております。調達庁の方は五億が七億になっております。もちろんこれだけで万全とは私申し上げません。直接の被害に対してできるだけ不燃性その他の防音工事を進めて参るかたわら、先ほど申し上げましたような諸般の施策と申しますか、自衛隊なり駐留軍の発着なりテスト関係自体についていろいろ考究してもらうと同時に、この問題は単に軍用と申しますか、そういう自衛上の基地だけでなく、民間航空関係も私はおそらく同じような問題が伴うと思います。羽田あるいは大阪の伊丹でございますか、ジェット化されてくる。あるいは、国際空港になりますれば、より以上の騒音を出す。104のジェット機のやり方いかんによりましては、むしろ現在のあの例のダグラスDC8の方が、四機発動機がついておるだけに、音度も非常に強いようであります。そういうような点から、私どもとしては、これは政府全体として、単に防衛庁あるいは調達庁だけの問題でなく、あわせまして運輸省、それから同時に被害を受けやすい立場にあります厚生あるいは文部、こういうものと一緒になりまして今後もさらに推進をして参りたいと、また、国の予算化もその面からはかって参りたいと、こういう考え方でおるわけでございます。
○豊瀬禎一君 六億の予算で残っておる百九十二のどの程度を仕上げられる予定ですか。
○政府委員(木村秀弘君) 大体三十校程度になるかと思います。ただし、今長官から御説明申し上げました五億九千八百万と申しますのは、学校等に対する防音工事の補助金でございまして、そのほかにサイレンサーの調達の経費、あるいは移転等補助金の面においてもある程度の予算を要求いたしておる次第でございます。
○豊瀬禎一君 算術計算をしますと、六億程度の金で三十校できる。残りが百九十二ですから、一応これで判断すると、六カ年かかるわけでしょう。もちろん、この通り進むわけではないでしょうけれども。調達庁関係にしましても、先ほど言いましたように、文教委員会に出された資料の中では、四十一年度までの六カ年において実施したいと考えておる、こういうことです。予算がふえておりますのは、従来は木造でよかったのが、騒音の増大によって非常にりっぱなと申しますか、鉄筋化されたために一つは上がっておるのですが、先ほどから何度も申し上げておりますように、少なくとも現在において騒音によって影響を受けておる、逆に言いますと、防音工事が必要であると判断されるものは、調達庁関係で約六十一億ですね、全部やるとして。自衛隊関係では百九十二校がどのくらいかかるかわかりませんけれども、全体の国の予算の中から判断し、また防衛庁等の総予算から判断していきますと、一時間の授業の中に多いときは六へんも七へんも飛行機が飛ぶために授業を中止し、八時間の授業の中で一日の間に五十分、六十分という時間は騒音によって授業が受けられていない。義務教育において正当な教育を受ける権利を騒音によって剥奪され、心身に直接的な被害を受けておる。こういう事態を認識されながら、なおそういう義務教育諸学校における青少年を今後六カ年間も長きにわたって放置するというのは、あまりにも責任の所在に対する認識が薄いような気がするんですが、自衛隊関係におきまして現在防音工事を必要とする百九十二校に対して、今後はどういう計画、判断のもとに早急にやろうとしておるか、長官にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 確かに、私どもは、騒音はできるだけ防止をしていかなければならないし、それからある一面から言えばこれを不燃性化することも必要と思います。従って、予箕面においては当然これをさらに前向きに、率直に申せば速度を上げて解決をしていかなきゃならぬ。その意味で、これはもちろん私どもの方では責任は今後ともとって打開して参らなきゃなりませんし、調達庁も然りでありますが、同時に政府をあげてこの問題は私は解決したいと考えております。その意味で私は、単に防衛庁、調達庁のみならず、関係省を含めた基地等の環境整備と申しますか、そういった面から推進をして参りたい。単に予算期になりまして、防衛庁なり調達庁が音がひどくなったからといって騒ぐよりは、将来を予測して平素から準備を進めて参る。ことに教育なり厚生の担当であります省としては格別な強い御意見もあろうと思います。それらも政府の中へ反映しながらやって参りたい。もっと言って、少し議論が過ぎますが、極端な場合には、私はこれは防衛そのものの費用ではないと思うのでございます。むしろ民生安定と申しますか、こういった面で、防衛費の中に入って防衛費の中で押し合いへし合いしておると、率直に申しますと、防衛費がふえるという批判のもとにこれを縮めて参るという傾向がなきにしもあらずであります。私はむしろこれはある意味からいえば、防衛費と切り離して、基地の周辺に住んでおられる方々はそれだけある意味から言えば犠牲を払っておられると申しますか、そういった面から騒音以外の問題につきましても、基地の環境整備という考え方で進むべきじゃないか。それには関係省が一体となって政府一丸となってやはり前向きに解決していけば、今のように五年間も六年間もただその騒音のもとに放置されておるという事態も、少なくとも誠意をもって解決する方法ができる。かたわらもちろん駐留軍の基地等につきましても、それらの民間の関係との調節をわれわれは不断にまじめに検討は加えていかなきゃならぬ。こんな考えでございます。
○豊瀬禎一君 長官の基本的な考え方を承りまして大体敬意を表しますが、問題の一つは、今長官が指摘されましたように、こういう基本的な問題に関する予算が防衛庁予算の中や調過庁予算の中に入っておること自体が問題だと思います。従って、今長官が言われましたように、もっと別途の角度からこの問題に対して早急に解決できるような方策を、長官としても御考慮をお願いいたしたいと思います。 そこでもう一つお尋ねいたしたいのは、百九十二校残っておりますが、これを防音工事するのに概算どのくらいかかる予定ですか。
○政府委員(木村秀弘君) 概算で現在見積もっておりますのが、三十七億四百七十万経度であったと思うのです。
○豊瀬禎一君 そうしますと、調達庁関係の三十七年度以降六カ年計画を見ますと大体六十億程度、自衛隊関係が二十七億程度、百億程度の金ですね、この金が出されると――私はここでジェット機を何台買わなければこれだけの金が出る、だからジェット機をやめなさいなどとは申しませんけれども、これは五億か六億のジェット機の二十台程度の金で、十数万の義務教育諸学校の青少年が、日々心身ともに非常に強い影響を受けていることが解消できるとすれば、これは政府全体の責任として、四十一年までの六年計画といったような、六年間も長く青少年をそのままの状態で放置するということでなくして、十分この問題については抜本的な解決策をはかっていただきたいと思います。今年度入学した一年生は六年卒業するときに、やっと防音工事にありつくといったような事態は、まことに国の責任として怠慢と思います。 そこで私はもう一つお尋ねしたいのは、先ほど申し上げましたように非常に優劣であった中学校が――その周辺においては民度としては、父兄の教養度合いが高くなりつつあるにもかかわらず、入学率が年々低下しているという状況があるんですね。従ってある特定の学校に一億なら一億、三億なら三億の金を一年につぎ込んで完成するという考え方よりも、影響を受けておる諸学校について、少なくとも第一年度は、入学を控えておる三年生に対しては防音工事の施されている教室の中で勉強させる、こういったことも一つの便法ではないかと思うのです。こういうことに対して、今の計画の中では配慮されておるかどうかお尋ねしたいと思います。
○政府委員(木村秀弘君) まだいま豊瀬委員から仰せになったようなやり方で、防音工事を進めるという方向につきましては、技術的に若干困難な面がございます。と申しますのは、学校によりましては木造で、建設されてから相当年数たって、もうそろそろ建てかえ期に来ておるというようなものにつきましては、鉄筋コンクリートに直すとか、あるいはまだ新しいような施設につきましては、木造のまま防音工事を施すというような場合がございますが、いずれにいたしましても経費を有効に使いますためにば、一つなら一つの学校の、全部入札をいたしまして工事を施すということが、経費の節約という面から見ましても、また工事の段取り、その学校々々の希望等から見ましても、今までの例から申しまして、特に教室を幾つか限って、防音工事を施すということは今までにやっておりません。何と申しましても工事を、これだけの予算でもってできるだけ多くの学校に完全な施設を施したいという気持ちからいたしますと、入札の関係等見ましても、やはり学校全部を一緒に工事を施すということが望ましいのではないかと思っております。
○豊瀬禎一君 そういうのを官僚的ものの考え方というのです。先ほど長官がおっしゃられた趣旨に立って判断していただくと、そういう入札の手続とか業者との関係といったものはこえて、私が先ほど指摘したような事態に対して対処できる方法があると思うのです。この点につきましては今すぐ即答を求めませんので、長官の方でも十分御研究を願いたいと思います。 最後にもう一点お尋ねいたしたいのですが、長官もたびたび言われましたように、単に教育施設だけでなくて、医療機関にいたしましても、福祉施設にいたしましても、また一般の住民等も、私が申し上げましたように、六十をこしている老令の方にも、三カ年間の継続調査の中では耳が聞こえなくなってみたり、耳の聞く能力が低下したりあるいはその他の現象を生じております。こういう人体家畜その他あらゆるものに与えておる影響を、総合調査を要求してきたのですが、今年度三百万程度の予算がとれているように見受けるのですが、現在の段階でどういう計画でこの総合調査を実施しようとしておられるか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(丸山佶君) お話の通り板付の飛行場という、最も市内の近いところに持っております福岡市におきましては、今までいろいろな資料その他を出されております。それに基づきまして私どももなおその調査を通じて、対策のしっかりしたものを作るという考え方で、若干ながら来年度の調査費を持っております。これに関しまして現在考えておりますことは、学校の生徒に関することのみならず、お年寄りの方あるいは妊産婦の方等の人体に及ぼすことに関する調査、なおその被害、騒音の結果として一体人体にどういうような疲労度が加わるか、あるいはお話にもありましたように、耳などの要するに難聴の問題、こういうような人の身体健康に関する問題が一つ、それからなお家畜等の問題も従来からしばしばあげられております。こういうものの影響を調べる。それから合わせましてその飛行場周辺の人家の状況、交通の状況、その他一般的な基礎的の問題も調べ、こういうことによって何らか騒音に対する対策として、これが最も至当な方策であるというところのものをつかみまして、単に学校の校舎の防音のみならず、今後のこれに対する施策を広げていきたい、こういう考え方でその調査のやり方について検討を加えているところでございます。 なお一つつけ加えますが、学校の防音工布に関しましても、今まで確かに一つの学校を早く、それだけは完成するという方針でやって参りました。そうしますとある学校ができましても次の順序になるものは確かにおくれるということもありますので、全般的に少しずつでもいいからやっていくという方策がとれないものであろうかどうか。今後こういうことを実行するにはどういうことをやればいい、このような方針で今後進みたいと思って、これも合わせて検討しております。
○豊瀬禎一君 総合調査の問題は、その内容によっては早期に結論を出すということは本質的にできない問題もあると思いますが、できるだけ総合的な計画のもとに抜本的な対策を立てていただいて、この総合調査の結論に基づいて、先ほど長官も一応決意を表明していただきましたように、早急にこれら特に義務教育諸学校において、騒音のもとに被害を受けているという状態は一日も早く解消していただくように、抜本的な対策をお願いいたしたいと思います。 それと問題はちょっと違いますが、もう一分くらいで済みますから、重要な問題ですので、ついでと申しては失礼ですが、お尋ねしておきたいと思いますことは、昨年の六月ごろであったか、久留米の自衛隊の射撃場におきまして流弾が飛んで、学校の先生に非常に重態に陥るような被害を事えた問題があります。 この問題について追及するのではなくして、私はあすこの校長に対しまして、二度も同じ方向に流弾が飛んでおるという事態は、飛行場の設備に根本的に欠陥がはるのではないか。従って流弾の原因を追及すると同時に、射撃場設備そのものの改善についての研究が必要ではないかということを注意して参ったんですが、事件の内容は御説明していただく必要はございませんので、流弾の原因とその射撃場の施設そのものに対する今後の廃止あるいは改造の予算が組まれておりましたら、簡潔に御説明願いたいと思います。
○政府委員(小幡久男君) 昨年六月久留米の幹部候補生学校の基本射場である藤山の問題であろうかと思いますが、それにつきましては事件直後直ちに射撃を中止いたしまして対策をいろいろ講じまして、とりあえず跳弾防止の応急工事を施しております。なお、三十六年度におきましても予算措置を講じましてその完成をしたいと思っております。原因はやはり石か小岩に当たって弾がそれて、二キロ余りの小高い丘を越えて、被害者の腹部に当たったというふうな結論になっておりますので、それに必要な応急工事をやっておる次第でございます。
○豊瀬禎一君 現在、射撃場の何といいますか、そういう事態が起こらないような改造工事が進められておるということですね。そうして現在は射撃場は使用はまだ行なっておられない……
○政府委員(小幡久男君) はい。
○田畑金光君 先ほどこの新しい防衛年鑑をいただいたわけですが、この防衛年鑑は防衛庁の中で出しておられるのですか。
○政府委員(加藤陽三君) これは防衛年鑑刊行会というのがございまして、そこで編さんをしておるわけでございます。
○田畑金光君 この防衛年鑑刊行会というのは、防衛庁とどういうふうな関係になっておるわけですか。
○政府委員(加藤陽三君) これは民間の方がやっておられるものでございます。
○田畑金光君 そうしますと、防衛庁はこの年鑑については何ら関係がないんだ、こういうようなことですか。
○政府委員(加藤陽三君) これを防衛庁の職員で依頼を受けて執筆をしておる者もあるやに聞いております。その程度でございます。ただ内容といたしまして、相当豊富でありかつ有益なものもございますので、防衛庁で相当数を買い上げて参考に供しておるという事実はございます。
○田畑金光君 これをいただきまして、非常に内容も今お話のように豊富でもあるし、いろんな問題について詳細に編集されておりますので、これは非常に勉強するのに値する本だとこう判断したわけですが、私はいいとか悪いとか言っているわけじゃございませんが、この中に、一番初めに防衛研修所の佐伯さんが「日本の中立は成り立つか」という題で書いておられます。全部読んだわけじゃございませんけれども、その一部を読んでみますると、一つの立場というものが明確に出されているわけです。これ自体はそれぞれの人の地位的な見解であり立場ですから問題はないと、こう思うのですが、防衛研修所の所員ということですね。この防衛研修所というものの予算を見ますと、防衛庁の内部部局あるいは付属機関かどうか知りませんが、ことしも相当の予算を計上しておりますね、これはどういうことをやっておるのですか。
○政府委員(加藤陽三君) 防衛研修所につきましては、これは防衛庁設置法の第三十二条にございまして、その目的は「自衛隊の管理及び運営に関する基本的な調査研究をするとともに、三等陸尉、三等海尉及び三等空尉以上の自衛官その他の幹部職員の教育訓練を行なう機関とする。」第二項におきまして「防衛研修所は、自衛隊法第百条の二の規定により長官が前項に規定する者に準ずる者の教育訓練を受託した場合においては、当該教育訓練を実施する。」こういうことを任務として設置せられております付属機関でございます。
○田畑金光君 付属機関の中で研究員の方が一つの立場に立って論文を書かしておられる。そこで私これに関連して長官に伺いたいのですが、自衛隊員の「政治的行為の制限」というのが自衛隊法の第六十一条にあるわけです。この政治的行為の制限ということは、どういう範囲のことを考えて規定しておるのかですね、何か細目については「政令で」云々ということになっておりますが、この自衛隊の政治的な立場というか、これはどうなければならぬとか、あるいはどういう立場で長官以下臨んでおられるのか、これを伺いたいと思いますが。
○政府委員(小幡久男君) 「政治的行為の定義」につきましては政令で、自衛隊法施行令第八十七条に列挙してありますが、大体、国の基本的な政治的方向を変更するというふうな種類のものが、政治行為の目的として、それに違反する場合はいけない、こういう方針だと思っております。 ただいまの佐伯所員の主張につきましては、中立が可能かどうかということを一所員としまして、いろいろな学究的な研究によりまして、国際的な諸国の論文等を参照して披露したという程度であろうかと思います。特別これには触れないと思っております。
○国務大臣(西村直己君) 法律の解釈につきましては、さらに必要がありますれば政府委員から説明いたしますが、自衛隊員はもちろん――自衛隊員と申しますのは長官、政務次官を除く事務次官以下が自衛隊員になっているわけであります。私どもは自衛隊員ではないのでございますが、自衛隊員に対して政治行為のこの自衛隊法が適用になると思います。従いまして、私どもは直接政治行為をとる一つの国会議員でございますと同時に国務大臣を受けておるわけでございますから、自衛隊員がどういう政治的立場であるかというのは、自衛隊法に基づいて限度をこえられぬ、こういうふうに私は指導いたしております。従いまして一般問題といたしましては、もちろんこれは言論の自由というもの、個人の自由というものは、現在の憲法下において尊重されることは、当然自衛隊員においてもまたそうあらねばならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。ただ自衛隊法で述べている限度においては、その政治活動を制約させる、こういうふうに私どもは考えております。
○田畑金光君 先ほど局長のお話によりますと、政治的な方向に変更を加えるというようなことは許されないというようなお話がございましたが、それをそのまま受け取りますと、結局時の内閣や、時の政府の方針、これに反対することはできないが、それ以外の立場において意見を述べる、物を書く、こういうことは許されるのだと、こういうようなことに解してよろしいのかどうか。さらに私たちが実は、この六十一条の自衛隊員の政治行為の制限ということは、民主国家において国民の基本的な権利である選挙権の行使以外については、政治活動というものはあり得ないと、こう考えておるのですが、その点は私たちの解釈は違っておるのかどうか、これをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(小幡久男君) 国の基本的な政治方向と申しましたのは、民主的な政治態勢でございますね、この態勢をどうこうするような主張をするということは政治行為に違反する、こういう意味であります。中立論とかいろいろの問題を学究的に述べること自体は、政治的行為とかというふうな厳密な意味のものではないという解釈を持っております。
○田畑金光君 長官にお尋ねしますが、民主的な政治態勢を云々するということが禁止されておる、それ以外は許されると見ているわけで、そうしますと、防衛研修所の所員の立場の方が、時の政府の方針に対して批判をしあるいは反駁を加える、政策自体について批判をするということは許されるのかどうか、これを一つ長官から明確にしていただきたいと思うのです。
○国務大臣(西村直己君) ちょっとこまかくなりますが、基本的な問題としましては、今教育局長から解釈しましたように、政治行為の制限は、憲法に定むる民主主義的な政治の基本原則を変更する、こういうようなものは政治行為に入ると思います。隊員個人の政治行為でございますから、従ってそれ以外の政治行為というものは、一応私は個人の立場においては自由であらねばならぬ、基本的人権の問題でございますから。さらにそれらを細目的にあれしたものは、自衛隊法施行令の八十六条に、さらに政治的目的云々ということのこまかなことが出ておるのでございます。政治行為の定義も八十七条にこまかにいろいろ出ておるわけでございます。基本的には、従って今申し上げたようなことだと私は解釈をいたしております。
○政府委員(加藤陽三君) 根本的な考え方は、今長官がお述べになりました通り、基本的人権を、公務員としての必要な限度において制限をしておるということでございまして、この考え方は一般職の国家公務員と全然同様でございます。具体的に施行令の八十六条、八十七条にきめておりますることも、これは国家公務員法に基づきまして、人事院規則できめておることとほぼ同様のことをきめておるわけでございます。目八体的にどういうことかと申しますると、八十六条におきましては政治的な目的とはどういうことかと、三号から八号まで書いてございますが、「衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の長、地方公共団体の議会の議員、農業委員会の委員又は海区漁業調整委員会の委員の選挙において、特定の候補者を支持し、又はこれに反対すること。」「最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査において、特定の裁判官を支持し、又はこれに反対すること。」「特定の政党その他の政治的団体を支持し、又はこれに反対すること。」「特定の内閣を支持し、又はこれに反対すること。」「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」「国又は地方公共団体の機関において決定した政策(法令に規定されたものを含む。)の実施を妨害すること。」「地方自治法に基く地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務監査の請求に関する署名を成立させ、又は成立させないこと。」「地方自治法に基く地方公共団体の議会の解散又は法律に基く公務員の解職の請求に関する署名を成立させ、若しくは成立させず、又はこれらの請求に基く解散若しくは解職に賛成し、若しくは反対すること。」これが政治的目的で、つまり八十七条では政治的行為はどういうことかということと、一号から十七号まで定義をいたしております。第一は「政治的目的のために」……。
○田畑金光君 もうよろしゅうございます。わかりました。その点はその程度にとどめて、次にこの今度の何ですか、自衛隊法の改正で、十三個師団をことしから明年にかけて作られる。十三個師団を新しく編成されるという理由というか、どういう立場、考え方で今度の師団編成を考えられたのか。まあ一つその経緯と今後の構想というか目標等について御説明願いたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 十三個師団の問題はただいま衆議院で御審議願い、参議院で内閣委員会で予備審査をお願いいたしております防衛庁設置法、自衛隊法に関連いたしておる内容の一つでございます。特に自衛隊法の中に編成事項がございまして、その陸上自衛隊の編成がえでございます。で、自衛隊は従来陸上が警察予備隊から発足しましてちょうど十年、その間に大体御存じの通り、六管区隊と四混成団、こういう組織で十の特区に分かれております。従って――私もこまかな数字は知りませんが、管区隊がたしか一万二千名くらいでございます。それから混成団等はちょっとまた少ないというような形で配置されておりましたが、むしろこれをあの程度九千ないし七千の小単位に分けた方が、機動的に動きやすい、効率的である、こういう意味から、九千、七千の二つの単位で、十三にこの単位を小型に多くした。これは長い間運用をいたしまして、また日本の盆地の多い地形というようなものを考え、同時に装備等も、近代化されております。装備のものが一万何千の者が列を作って、この道路の形態等から考えましても、移動したり動くというよりは、むしろそれをできる範囲の小型にした方がいい、こういう考え方から、一つの十三単位という研究を長い間続けまして、約二、三年の間運用上の研究を続けまして、一応これが適当であると考えましたので、今回国防会議の決定を政府部内で受けまして、そして防衛二法案の中に御審議を願うことになっておる次第でございます。
○田畑金光君 まあそのねらいはよく理解できますが、これは一つは、たとえばこの間国会で問題になりました、今防衛庁で検討されておる治安行動草案ですか、こういうようなものともやはり関係しているようにも見受けるわけですが、そういう問題等も考慮の上今回のこのような編成がえというものを考えておられるのかどうか、これを承りたいと思うんです。
○国務大臣(西村直己君) 私は軍事の専門ではございませんが、政治の立場からこれを判定いたしました一つの理由は、先ほど申し上げましたように、非常に大きな単位のものと、小さな混成団があってへんぱな形であるというのを、十年の体験とそれから日本のいろんな地形、道路の状況、盆地、こういうようなものを考えまして、ある程度国内的に配置がえしたい。従いまして、十三個師団によりまして、そのもでは人数はふえておりません。現状の人数をそのままただ編成がえする、こういうことでございます。 それから、治安行動草案と申しますか、治安行動に関する一つの操典的なものの草案が本物であるかどうであるかという問題で、一応日本共離党が予算委員会で提示をなさったことは御存じの通りでございますが、自衛隊が十三側師団になったのは特に治安のためにかえた、こういう趣旨ではございませんで、これは、一つはイギリスにおきましてもその他アメリカにおきましても、各国で、小型師団と申しますか、小型単位にかえておる。装備がかなり火力等も強くなったり、機械化されて参りますので、そういう形を各国ともとっておる。従って、私どもの方の陸上自衛隊におきましても、何年かかかりまして、そういう研究を遂げた成果でございます。治安目的そのものは、自衛隊法によりまして自衛隊は国土を直接外敵から防衛するいわゆる防衛出動と、それから間接侵略並びに今度は公共秩序の維持と二つの目的を持っておりまして、従って、この目的は何ら変わらないのでございます。警察予備隊から保安隊、それから今度は自衛隊に変わります間におきましても、十の単位の時代におきましても、やはり必要に、応じて要請がされるならば治安出動をしなきゃなりませんから、そのためにやはり平素におきましても考え方を練り訓練しておったことは事実でありまして、特に十三個師団とこの治安行動草案そのものとは直接関係がないのであります。自衛隊の本来の任務のためにたびたび訓令あるいはその他に基づきまして、どうしたら警察がなくなったときに治安を維持することができるかということは検討をいたして参っておりますし、また間接侵略のような大規模に治安が乱れるような場合におきましても、国内治安は当然付随して参りますから、警察がほとんど壊滅した状態等のときにはどうするかということは検討しております。しかし、それと直接の関係はございません。十三個師団は、外敵と申しますか、国土の外部からの侵略を守り、同時にまた、間接侵略という内部的な崩壊作用を守り、同町に公共秩序を維持する。これら三者を組み合わせたもので考えて、やはり自衛隊の本来の使命からみて、十の単位より十三の単位がいい、特に治安のために、というふうには私ども判定はしていないわけでございます。
○田畑金光君 今回の予算措置を見ますると、自衛官の増員あるいは予備自衛官の増員をやっておられますが、現在定員に対しまして陸上、海上等において相当欠員がありますが、どれぐらいの今欠員になっておるわけですか。またどういう理由、事情によってそうなっておるか。
○国務大臣(西村直己君) 小野人事局長から……。
○政府委員(小野裕君) 最近の欠員の状況は、陸上自衛隊におきまして細工万二、三千、海、空自衛隊におきましてそれぞれ千前後というように承知しております。これだけの欠員の出ました事情は、いろいろ補充の技術上の点から、ある濃度の欠員は常時あるわけでありまするが、本年度昭和三十五年度初頭あるいは第二・四半期ごろから、任期を満了せずして退職いたしまして民間の職につきました者が多くなり、あるいは任期は二年とか三年とかございますが、その任期を満了いたしましてからも従来は継続任用、さらに次の任期をやりましたものが、最近は続けてやるという率が落ちて参りまして、こういう点から退職数がふえた。その反面におきまして、募集の結果といたしまして予定の数つまり欠員に見合う補充予定が十分に採用できない、という事情がここ半年余り続いて参りまして欠員がふえてきたわけでございます。
○田畑金光君 これは長官にお尋ねしますが、今御説明のありましたように陸で二万二、三千、海空でそれぞれ干の欠員がある。募集も以前ほど志願者がない、また除隊した者も継続勤務を以前のように志願しない、こういうことで欠員が相当多数生まれておるわけです。このことは日本の経済活動がこのように活発になってきますと、結局民間の仕事場に多くの青年諸君が集まっていくという現象の結果だ、とこう思うんですが、こういう際にまた新たに相当数の増員をなされておられるわけで、これはおよそ増員なんということは無意味なことで、現在の定員すらも欠員がある、補充は困難である、こういうようなことを考えたとき、これはもっと掘り下げて対処されることが大事だと思うんですが、長官としてはどのようにお考えになっておらるるか。
○国務大臣(西村直己君) 一応その御意見があるだろうと私も考えております。ただ、こういう点でございます。少し詳しく申し上げますと、海上と空におきましては例年この程度の欠員は年末に起こるのでございまして、千名前後でございます。パーセンテージからいっても非常に少ない。問題は陸上でございます。海空につきましては御存じの通り船ができまた飛行機ができるかたわら二年、三年の間に養成をしていかなければ、陸上のようにとって半年なら半年ですぐ使っていくと申しますかそういうことにはいかないわけですが、海上と空につきましては欠員も少ないし、従来とそう変わっておりません。またこれを増員いたしまして埋めていくということはできる。なぜ海上、空にも欠員ができるかと申しますと、志願制でございますし、それから年に何回か分けてとりますから、その間に多少欠員がありましてもそう普通の官庁とひどい差はないと思います。ただ志願制でございますから、ある時期が来るとやめていくということから来る欠員が普通の状態で生じておる。海空においては、私どもは、これは失礼でありますが、普通の状態である。こう考えております。問題は、陸上におきまして二万余の欠員があるというのに対して――陸上はまた数も多いのでございます。御存じの通り、定員が十七万、それに対して欠員があるというのに対して、さらにこれを千五百名増員するのはどういう点か、こういう御質問だろうと思います。そこで、陸上は十七万の定員でございますので、毎年年間を通じて何回かに分けて採用する。その間にやめていく者もまたあるわけでございますから、やめたら翌日補充するという形ではございませんから、ある時期ある時期に欠員というものは山に来るわけでございます。ただ、それが例年どのくらいかといいますと、六、七千から多いときは万名くらいがあったのでございます、それに対しまして今回は一万、さらにそれ以上ふえております、二万余でございます。これは一つは経済が好調であるという点もあるのでございますが、同時に必ずしもそれだけ、でなくて、私どもはさらに国防に対しあるいは国を守るということに対する私どもがさらに熱意を持ち、また国民も持っていただくことによって技術上の問題もございますが打開はできるんじゃないか。ただ、欠員があるのにさらに千五百名を補充するというのはまた別個の目的でございまして、この千五百人は建設部隊をふやす、言いかえれば例の道路を作り、あるいは整地をやるというような建設のための部隊を福井県その他数ヵ所に、大隊あるいは施設大隊を置こうと、こういう考え方のもとに陸については千五百名という増員をやっておる次第でございます。
○田畑金光君 経済事情によるだけでなくして、もっと本質的には国を守るという防衛意識というか愛国心と申しますか、そういうようなものを鼓吹しなければならぬ、こういう長官の見解です。実は政府の窓というPR雑誌、その中に長官と奥野信太郎氏の、国民のための自衛隊を、という対談を私実はゆうべ読んだわけですが、その最後にやはり国を守るという本人の決意の問題が一番大事です、自分は国を守る武人であるというしっかりした精神を持つことですね、そういうことを長官が言われておられるわけですが、国を守るという精神というものを、どうして自衛隊員はもちろん若い人たちに持たせるかということは、なかなか困難な問題だと思うのですけれども、長官としてどのように考えておられるのか。ことに先般防衛庁においては自衛隊の教育問題というものを非常に熱心に取り上げられて、近く自衛官要綱というものを発表される、まあ最終案としてまとまったものを発表される、こういうようなことも聞いておりますがそういうようなこと等も一つ関連して今長官のお答えの、どうすれば国を守るという気持を青年諸君に持たせるか、この問題について承りたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 非常に大事なしかも根本的な問題でございます。私、国を守ることは単に自衛隊だけで国が守れるとは考えておりません。問題はやはり背後にある国民というか、人たちの意識というものがもちろん根本になると思います。従いまして、施策等におきましては、単に自衛隊を拡大し拡張するだけで国を守れるという考えはございません。従って国の国防の方針におきましても民生安定を一義とする。そのもとにあわせて国力、国情に応じた自衛力を発展させる、この基本観念は私も当然だと思うのでございます。ただ問題は、国の貴重な税金を使って自衛力そのものを構成しておる自衛官そのものが、まず率先して強い、国に対して非常に危険が迫った場合には一身を公のため、国民のために奉仕していくぐらいの気心がなければいかぬ、そういう意味で私は申し上げたわけであります。従いまして、自衛隊の中において同時に三つの部隊が共通して持てるような一つの精神的な基盤というものも、現在の民主主義政治のもとにおける部隊として持つべきものがなくてはいかぬ。この草案を現在練っておる最中、それがまあ新聞に多少御意見が出た、こう考えております。
○田畑金光君 長官の考え方は、もっと日本の政治がしっかりして、これらの自衛官の諸君からも信頼されるようにやらなければ、ほんとうの国防ということはできない、こういう見解を述べておられるわけです。この点はわれわれも同感ですが、単に国防という観点だけでなく、また自衛官という自分の人たちだけでなくして、今日の青年一般、国民一般、今日の政治が一体信頼か持てるかどうか、こういうところにやはり根本的に帰着すると、こう思うのです。そういう立場から私は考えてみたとき、やはり今日の政治が国民の信頼をかち得るためには、それは与野党とも共同に考えねばなりませんけれども、より以上それは政治権力の座を持つ政府や与党の政治のあり方というものが、果してこれで自衛隊の信頼が待てるのか、国民一般の信頼を博し得るかどうか、こういうようなところをやっぱり掘り下げて考えてみる必要があると、こう思うのです。具体的にどういう点とかこういう点とか、私はきょうは時間もない関係で申し上げませんが、私はそういうようことた考えておるわけですけれども、長官はどうでしょうか。
○国務大臣(西村直己君) 私その点同感でございまして、単に一つの池田内閣という立場でなくて、国防に対しましてはふだんにシビル・コントロールという原則が将来においても立たなければ、民主主義の根本というものは立っていかない。そのシビル・コントロールというのは政治が優位である。しこうして与野党を通じ、あるいはいかなる内閣を通じても、国を守るということの基本に対する体制、またそれに臨む態度というものには、私は不断にえりをただし、心をまともにしていく。そのかわり同心に中核の自衛力になってもらう青年諸君には、国土が非常に危険に瀕する場合には、まず率先して自分の一身をなげうっても危険に対処してもらう、こういうことの私は考えでございます。
○田畑金光君 まあ高度な政治の問題はさておいて、そこで今お話のシビル・コントロールということをお話になりましたが、長官自体もこの対談の中で述べておりますように、たとえば防衛庁の内部部局を見ても、今ここにおすわりの局長のクラスという人方は、これはほかの省と非常に出入りが多い。実際まあ、これはお偉い官僚の一つのさらに昇進のステップである、こういうようなこと等について、長官は嘆いておられるようですが、この点はどういうお考えで今後対処されようというお考えですか。
○国務大臣(西村直己君) 私はかねてから防衛庁の省昇格を一つは望んでおります。それは単に人員が多いとかあるいは予算が大きいとか、そういう意味ではなくして、将来にほんとうに武官に当たる防衛大学の卒業生等も漸次りっぱな青年が出て参り、この人たちはいわゆる戦術、戦略等に対しての専門家として養成されて参るわけであります。この人たちに対して、政治を補佐していく文官がやはり落ち着いて、そうして防衛庁の中で育っていって、そうして落ち着いてシビル・コントロールを補佐していくということが、やはり私は一つの民主主義下におけるところの防衛の正しい防衛中核のあり方じゃないか、こういう趣旨から述べております。現在内局におかれる方々、十年の間に非常に自衛隊はいろいろな困難な道を進んで参ったわけでございます。従いまして、各省から人材を求めて各省にその方々が帰られて自衛力をよく認識して総合的に動いていただくということも、私は非常に効果があるとは思いますが、同時に将来を長い目で見たら、シビル・コントロールを考えた場合には、片方は十年二十年と、いわゆる軍事と申しますか武官的なことに日夜専心して参り、かたわらこちらにもそういうものがふえて参っていいじゃないか、それらをまとめて私は正しい意味の、またよい意味のシビル・コントロールの方向に防衛庁というものを、防衛庁というような内局の一部局でなくて、防衛省というようなものにあり得るべきじゃないかと、これが私の意見でございます。
○田畑金光君 長官が今の総理府の内局である防衛庁を国防省に昇格さしたい、しなければならぬという立場をとっておられることは承っておりますが、ただ単に今お話のように、内部部局の人事の面だけをもっと安定した身分で仕事をやってもらう、これだけで国防省昇格のねらいが果たせるとは思わないわけです。まあ当然国防省昇格ということなってきますと、われわれは予算の面、ことに自衛官の質、量の面、いろいろな問題に触れてきょうと、こう考えておるわけです。また長管としては、得に国民に親しみやすい自衛隊というようなことも考えられて、今度呼び名等についても相当変えられるわけですね。師団長とか連隊長とか中隊長と、まあこの特車なんというのも、これはやめて戦車とこういうようなことになっていくんだと、こう見ておりますが、さらにまた自衛隊の階級なんか見ますと、長官が特に一尉とか三尉といっても何のことやらわらぬ、こういうようなことについても変えていきたいと、こういういうようなお考えですが、今大将というのはないんですね。これは大将というのも国防省昇格とともに作っていかれようというお考えであるのかどうか。まあ私はそういうことをかれこれ考えてみますと、やはりそこまでくると憲法の問題とぶつかってきやせぬだろうか、こういうことを考えておるわけですが、長官の一つお考えをお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(西村直己君) もちろんここで憲法論議を申し上げようとは思っておりませんが、ただ問題は憲法で、御承知の通り、自衛力としての自衛隊というものを、まあ許されるという意味で、国会において御決定を願って今日あるわけでございます。そこで私の考えとしましては率直に申しますと、自衛隊というものが国民にわからない自衛隊が一番いけないと、自衛隊をまあ率直に申せば国民に見ていただく、わかっていただくと、これがまず必要じゃないか。たとえば管区隊が一万二千名といいましてもおそらく大多数の方はおわかりになっていない、管区隊にそんな数の人間がいるということを。混成団と申しましてもわからぬ。大体まあ普通の師団という名前であれば一応わかりやすいんじゃないかと、しかもまあ大体師団の数というものならば普通の常識であるとしそれから私は特に階級称呼は今度は変えませんでございました。法案には、法律事項でございますから変えませんでしたが、将来にわたって変えていきたいということは、やはり一体軍隊的なものでございますから、この階級というものがはっきりわかる方が、どのくらいの階級の人がどういったことを言ったということで、責任感を本人も持つと同時に世間もまた理解していただける。まず理解なくしては、存在するものに対して正しい批判も生まれない。その理解の意味において、階級称呼も普通の用語で国際的に通用する、また普通のラジオ、テレビ等でも使っておる言葉に変えるべきではないかというのが私の考え方で、旧軍に返るとかあるいはやたらに旧軍に反抗するというよりは、この際自然の形においてものを考えいきたい、これが私の、自衛隊がまず国民にわかってもらう自衛隊と、わかっていただかなければ自衛隊に親しみはわきません。また批判が曲がって行なわれるということを私は残念に思うのでありまして、実態を知っていただきたい、こういう意味から、称呼等の問題も考えたわけであります。従って、すぐにそれを、それじゃあ陸将というのを大将と呼ぶのかどうかまではまだ決定をしておりませんけれども、そういう意味においても、部内において用語の平易化の委員会というものを私作ってもらいまして、官房長を中心に検討を加えさして、将来の問題として用意をいたして参りたい、これが現状でございます。
○田畑金光君 時間もございませんのでごく問題点だけをお尋ねするわけですが、今の陸海空三軍自衛隊の中で、旧軍人将校と申しますか、の人力がどの程度いるのか、これが一つ。 それからもう一つ、私はこれは長官にお尋ねしておきたいと思うのですけれども、この間、評論家の長谷部さんでしたか、書いておられたわけですが、あの新島の今日の試射場をめぐる国民の相互の争いですね。民族相互が血を流してけんかして争っている。お互いに力と力でやり合っている。この姿はまことに悲劇だと、こう思うわけです。やはり突き詰めてみると、この問題は憲法の解釈から出ている問題である。従って憲法の解釈が、もっと国民全体が共通の認識に立つようなところまで持っていかぬ限りは、ああいう悲劇というものはいつまでたっても避けることはできないであろう、こういうようなことを申されておりましたが、私たちもこの意見には非常に共鳴する点があるわけです。今日の政府与党としては、さらにこれ以上自衛隊を拡大しても、憲法の許されている自衛権であり、自衛力だ、こういう立場をとっているし、野党の立場はそうでない。そういうことを考えてみたとき、やはり先ほど長官のお話にありましたように、自衛隊の諸君が誇りを持って国を守るという意識を持つためには、憲法とのこの矛盾という問題の解決なしにはできないと、こう考えております。根本的に私は憲法の問題にぶつかってきょうと見ておるわけですが、この点長官のお考え方を承りたいと思うのです。 先に旧軍人の数をちょっと。
○政府委員(小野裕君) 昨年の十月の調べでございますが、まあ幹部自衛官と申しまして、これはただいま将から三尉、昔の少尉でございます。そこまでの階級でございます。陸海空を合わせまして総員が二万七千五百八十名おりますところ、旧正規軍人というのが六千三百三名おりまして、比率にいたしますと二二・八%、こういう数字になっております。
○国務大臣(西村直己君) 時間もございませんようですから、要点だけお答えいたします。 長谷部さんの論文は私も拝見いたしております。新島の事柄は御存じの通りミサイルの試射でございます。しかしミサイルと申しましても弾頭もつけない、何にもつけない国産のものを、ただ海上へ発射いたしまして、落下傘をつけまして海中へ静かに落したものを拾い上げて中の機械を調べる、こういうことでございます。で、発射そのものはほとんど糸川さんのやっておられるロケットの原理と何も変わらないわけでございます。ただ目的が自衛科学のためということになってくるわけでございます。そこで先般来私ども社会党さんとお話し合いをいたしまして、もし将来基地になるような御不安があるならば所管を科学技術庁に移してもいいし、民間に解放してもよろしいという三条件を提示して話し合いをいたしましたが、不幸にして別れました。そこへ試射場を、試験場を作りたい、――試射場と言うよりも試験場と言う方がはっきりするのでありますが、そこへ行きます村道を直す、幅を広げるについて、村が工事をやるのについて、それでは村の方の御判断にまかせようといって、それで村会が十対三の多数決できまった次第でございます。その後においてよそのオルグなどは帰ってもらいたいと、村会は全会一致で決定をしておるのが現状で、村内は大体民主主義のルールできまってものが行なわれておると考えております。従いまして、事柄はミサイルというものの解釈の問題でございます。しかし御承知の通りミサイルというのはソ連ではこれをロケットといっております。ほとんど同じようなので、ただ目的が軍事に使っておるか使わぬか、――ソ連では御存じのようにミサイルのことをロケットといっておるくらいであります。従いまして、新島のこと自体を憲法にまで持ってくることは、少し事柄を広げすぎやせんかという考え方を持っておるのでありますが、しかしこれは議論になりますからやめますが、実感はそういう実態で現在おるわけであります。現在、村の実態は村民の八割近くはいいのじゃないかという雰囲気になって、工事が今日も進んでおる、こう考えております。
○田畑金光君 私は新島の起きておる事件そのものをお尋ねしたわけではなくて、こういう基地闘争とか基地紛争というのが、ここ数年来または将来にわたって起きるでしょうし、こういう問題の根本に流れる問題は結局憲法問題に帰着しやせんか、こういうことをお尋ねしているわけで、こういう点は時間もありませんのでこの程度にとどめますが、それから長官は海外派兵の問題は自衛隊法の、国内法改正だけで自衛隊法でやれるのだ、こういう立場をとっておられるようですが、またお話を承りますと、国内法改正をしなくても、外交官という資格を自衛官に与えてやればいいのじゃないか、こういうような考え方をとっておられるようですが、これは海外派兵と憲法との関係等も出てきますが、どういう立場に立っておられるのか、明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 私は国連派遣といいますか、そういった問題は、先般総理大臣以下が本会議等で答えたと同じ意見でありまして、九条に関係なく純粋の憲法上の解釈として、国連が平和目的で、たとえば将来国連が警察をやるような場合において日本から派遣できるかどうか、憲法上の解釈としては、そういう純粋解釈として、九条に関係なく、平和目的ならば国外の秩序というか、国連が警察としての行動のような場合には、憲法上は解釈上できるのではないかと、同じような意見を持っておるわけであります。ただ当面の自衛隊としては、そういうような、法律は国土の守りでありします、関係がないと申しますか、自衛隊法ではっきりできないと、こういうふうに解釈をいたしております。ただ自衛官が外交官の身分で海外へ出ていくということは、現在もうすでに御承知の通り、各国の大使館に外務事務官ですか、外務書記官ですかの身分で、自衛官がモスクワ初めアメリカ、イギリス、フランスへ滞在いたしておりますから、そういう場合もあり得る、そういうことを私は書き、また話しておる次第でございます。
○田畑金光君 あとの点は、いわゆる出先の外務公館に配属腐されておる自衛官のことを指して言うなら、これはわれわれも現に各国に派遣されておることを知っておりますから、そのことを長官が指しておられると私は実はこの対談を見ますと解釈できなかったわけで、とにかく何十名か知らぬが、あるいは相当数を全部外交官という資格で海外に実質的に派兵と同じように自衛官を派遣する、そういうふうなことをこれは考えておられるのじゃないか、こう読んでおるわけです。 それで私のお尋ねは、将来かりに国連が国連警察軍というものを文字通り警察目的のために設けて、各国から派遣を要請した、そういうふうな場合が起きてきた場合は、今の自衛隊法の改正だけで日本の自衛隊というものが外国に派遣できるのかどうか、それを私はお尋ねしておるわけです。その場合、憲法との問題等は出てこないかどうか、こういうことなんですね。
○国務大臣(西村直己君) 先般来、政府あげましてこの問題は一応の御説明を申し上げておりますが、憲法上としましては、九条に関係なく、純粋の国連が警察行動をとるというような場合におきまして、自衛隊法、国内法の制約がありますが、憲法だけの問題をつかまえていくならばそういうことはあり得るので、これは一つの理論としてあり得るじゃないかと、こういうことは言えると思うのでございますが、しかし自衛隊法で国土の守りと、はっきり国内ということもございますが、いま一つは、それから国会の意志というものがございます。海外派兵禁止の決議というものも尊重しなければなりませんし、そういう面から、私どもは純粋の憲法諭としていう場合においては、理論上全然……、自衛官が海外へ行くということは、国連が今の国連と変わった行動をとる、警察目的なりあるいは監視という場合においても、全然憲法解釈としては出せないかというと、憲法上は出せるのじゃないか。しかし自衛隊法としては現在出せないし、また自衛隊自身でも現在そういう考えは全然ないわけでございまして、むしろ国内的に整備をしていく段階である。はっきり言えば、自衛隊は現在そういう余力はないと、私は考えておるのでございます。
○田畑金光君 時間が参りましたから、これで終わります。
○主査(塩見俊二君) それでは午前中はこの程度にいたしまして、午後は二時に再開をいたします。時間の御励行をお願いいたします。暫時休憩をいたします。 午後零時五十七分休憩 ――――・―――― 午後一時十六分開会
○主査(塩見俊二君) 休憩前に引き続いて分科会を再開いたします。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○岩間正男君 私がこの前草案を発表してから、防衛庁長官は何とこれをごまかそうとしても、国民の間に治安行動の問題について大きな不安と怒りが起こっています。これは今後ますます広がるでありましょう。防衛庁長官、長官は私の発表した草案について、これが治安行動草案の成文であることを認めることを回避していますが、防衛庁自身がその後の処置、つまり熊本や小倉でなくなったとか、あるいは紛失した者を処分したり、最近に至っては事務次官通達を出しているはずです。これはみずから認めていることではないか。こういうことに関して国民は非常に注目しています。そこで、きょうはこの問題について私は堀り下げて具体的に質問したいと思います。 第一に、まずお聞きしたいのは、治安行動に際しての刺殺、狙撃というようなことでありますが、これはどのような法的根拠でやるのでありますか、この点をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(加藤陽三君) これは自衛隊法にございまして、自衛隊法の第六章、自衛隊の行動というところでございますが、この第七十八条が「命令による治安出動」第七十九条が「治安出勤待機命令」第八十一条が「要請による治安出動」でございます。これはまあどういう場合に出勤するとか、その出動の場合の手続きはどうだというふうなことがここに規定をしてあるわけでございます。そうして、その場合の権限といたしましては、自衛隊法の第八十九条、九十条のところに規定をしてございます。第八十九条では「治安出動時の権限」といたしまして、「警察官職務執行法の規定は、第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定により出動を命ぜられた」――これは治安出動でございます――「自衛隊の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、同法第四条第二項中「公安委員会」とあるのは「長官の指定する者」と読み替えるものとする。」それから「前項において準用する警察官職務執行法第七条の規定により自衛官が武器を使用するには、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合を除き、当該部隊指揮官の命令によらなければならない。」それから、これは第八十九条というのは、大体におきまして、警察官の職務執行法の規定でございますが、第九十条というのは自衛隊に特別の規定でございます。第九十条は「第七十八条第一項又は第八十一条第二項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官は、前条の規定により武器を使用する場合の外、左の各号の一に該当すると認める相当の理由があるときは、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。」これは二つの場合がございまして第一は、「職務上警護する人、施設又は物件が泰行又は侵害を受け、又は受けようとする明白な危険があり、武器を使用する外、他にこれを排除する適当な手段がない場合。」第二は、「多衆集合して暴行若しくは脅迫をし、又は暴行若しくは脅迫をしようとする明白な危険があり、武器を使用する外、他にこれを鎮圧し、又は防止する適当な手段がない場合」「前条第二項の規定は、前項の場合について準用する。」これが治安出動の場合の自衛隊の出動の手続及びその権限についての法的な根拠でございます。
○岩間正男君 これは議事進行ですがね。法文を読まれたんですが、それもけっこうです。しかし、この法文の要約あるいは精神をやっていただかないと、何せ質問に対する答弁が長過ぎると、時間の制限があるんですから、そういう点ではっきりつかんでいられるところをやってもらいたい、こういう要望です。 ただいまの御答弁で明らかになったと思いますが、自衛隊法の八十九条、九十条、この根拠、これはどこから出たんです。言うまでもなく、あなたの今読まれた法文によりますと、これは警職法七条、こういうふうに考えてようございますか。大臣から。
○政府委員(加藤陽三君) 八十九条の方は、今申しました警職法の方に相当する。九十条というのは自衛隊に特有な権限でございます。
○岩間正男君 第七条にも武器使用の問題があるんですけれども、九十条は自衛隊の特有の権限だということですが、これはどうしてそう解釈されるのかね。この問題は時間の関係でやっておれません。けれども、どうしてそういうことがそういうふうななにになるのです。これは独断だと思うんですね。
○政府委員(加藤陽三君) 法律的な根拠とおっしゃいますと八十九条と九十条にある。八十九条の方は警職法に相当する規定である。九十条の方は警察官には認められておらないが、自衛隊に認められておる法的な根拠であるということを申し上げたわけであります。
○岩間正男君 出動の根拠はどうです。
○政府委員(加藤陽三君) 出動の根拠は前に申し上げました通りでございます。「(命令による治安出動)」と「(要請による治安出動)」、これは第六章の「自衛隊の行動」に関する規定の中の七十八条、八十一条というところにあるわけでございます。
○岩間正男君 あくまでもこれは警職法の範囲内ということが特に明記されていると思うんですが、あなたの今の解釈は、自衛隊の独自のあれだというような解釈ですが、これは非常に問題があるところだと思うんです。とにかくこの根拠をあなた読まれたんですが、しかしどうですかね。こういう中で刺殺し狙撃すると、つまり国民の生命を奪うというようなこういう規定は、これは認められていないんじゃないか。なぜそういうことを私がはっきり言うかというと、自衛隊といえども、憲法によって国民の自衛隊ですね。そうでしょう。国民の命を奪うというのは、これはもう刑事法の裁判手続以外にありませんよ。ところがそういうところを明らかにやってる。私はそういう点から考えて、自衛隊もこれは国家機関の一部である。はっきりしているわけです。昔の軍隊はいざ知らず。それで命を奪われるということは私は大へんな問題だと思うんです。法律の規定によれば、最高裁に至るまで裁判手続の審理が認められている。その上に十分にこれは裁判をしてそうして決定される。ところが一部隊長の勝手な判断で国民の生命を奪う。そういうことは警職法第七条は私は承認していないと思う。ところがあなたは、自衛隊法の九十条の規定は独自の規定だなんということは、これはそういうような解釈によってこの問題をごまそうとしていると思います。私が特に警職法第七条を言ってるのは、非常に重要な問題だと思うので、第七条の範囲ということ、この限界というものは、そういう形で逸脱するということになれば、大へんだと思うんです。従って、警職法を守るか守らないかということが非常に重大な問題です。国民を刺殺し狙撃する、こういうことが警職法の範囲からさらに逸脱して行なわれるという事態になることは、承服しかねるところです。この問題についてはさらに追及したいと思うんですが、ほかに問題を持っておりますから先に進みます。 もう一つお聞きしたい。それは治安行動に関連して罰則の問題がある。自衛隊法に罰則というのがありますな。この罰則によりますと第百十九条は「三年以下の懲役又は禁こ」、それからその中の一項の五号その他いろいろな罰則がございますね。この罰則について簡単に説明をしてほしいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 前段の御質問について私からお答えをいたします。 自衛隊法は警察官職務執行法の準用だけでなく幅がやや広いのであります。この点だけは一つ御認識が違うのでございますが、その点は明らかに自衛隊法で警察官職務執行法準用外の行動も自衛隊の治安出動時には認められる。この根拠は、もちろん憲法三十一条によって法律の手続によってきまっておるものでございます。あくまでも自衛隊法を御審議願い、国会の意思としてこれが成立している、この点を明確にしておきたいと思います。 なお、罰則の点につきましては官房長から……。
○政府委員(加藤陽三君) 御指摘になりました第五十九条の第五号というのは、出動待機命令を受けた物が正当な過ぎたもの、または職務の場所につくように命ぜられた日から、正当な理由がなくて七日を過ぎてなお職務の場所につかないというものに対して、三年以下の懲役又は禁固という罰を課しておるわけでございます。これは一般の公務員にはございません。自衛隊の任務、性格からいたしまして、自衛隊につきまして特別にきめられた罰則の規定でございます。
○岩間正男君 その他罰則はいろいろあるでしょう。
○政府委員(加藤陽三君) 罰則は第百十八条から第百二十二条までございますしこの罰則の規定のできました趣旨は、これは、一般の国家公務員に適用せられておる罰則と、はずを合わしたものを一つ作る、さらに、自衛隊につきましてさきほど申し上げました任務性格等の特殊性からいたしまして、自衛隊がが十分なる規律を持ち、国民の負託にこたえて任務が遂行できるように、という趣旨から特別の規定がいろいろ設けられておるわけでございます。
○岩間正男君 百二十条はどうですか。「五年以下の懲役又は禁こ」というのは。
○政府委員(加藤陽三君) その通りでございます。百二十条は「第七十八条第一項又は第八十一条第二項」――と申しますのは、命令による治安出動または要請による治安出動の命令――を受けた者がここに掲げてございます四つの項目のいずれかに該当いたします場合には「五年以下の懲役又は禁こに処する。」この内容は、第一号は、第六十四条第二項の規定の違反でございまするから、団体等の結成等の禁止、この規定に違反した者に対する罰則、第二号は、さきほど申し上げました職務の場所を離れまたは職務の場所につかない者に対する罰則、第三号は、上官の職務上の命令に対し多数共同して反抗した者に対する罰則、第四号は……
○岩間正男君 いいです。時間の関係から割愛していただきたい。長官の先ほどの答弁がありましたが、この問題は私はそう簡単にいかないと思いますが、これは保留しておきます。 それから今の罰則の問題でありますが、今読まれた罰則は自衛隊員に対するものですね。つまり治安行動草案に書かれていることを実行しなければ、三年あるいは五年の懲役になるということを規定してある。自衛隊員はそうすると親きょうだいでも、あるいは友人でも、あるいは恋人でも、刺殺それから狙撃しなければ自分が懲役にやられることになる。池田首相は私に対してこの前の委員会で、日本国民が同胞でありながら血で血を洗うことは絶対に避けたい、そういうふうに努力しなければならないと思いますと答えておりますが、ここで明らかなように、この草案並びに自衛隊法の罰則こそは、いやがおうでもこのよう悲惨な事態を引き起こすようになっているのではないかと思うのであります。平和憲法のもとで自由と民主主義的権利を持つ国民にとって、このようなことを体許すことができるかどうか、この点は防衛庁長官に伺いたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) もちろんこの自衛隊の治安出動なり防衛出動というものは、最悪の事態、警察ももちろん治安維持ができない、あるいは外敵が入った場合における行動を、最小限にさせるために制約されている。総理大臣が寄ったように日本人同士が争って血を見ないことは一番理想であります。しかし現実に、また日本人の中にそれを企図する者が現れた場合においては、正しい、また自由と平和を愛する国民を守るためにも、また万やむを得ないこういう行動をとらなければならぬ。その趣旨で、憲法に基づき、国会の審議を経てこれが出ておるのであります。願わくはそういう行動を企図する者が一人でも少なくなることを期待するわけであります。
○岩間正男君 そうするとこれは何ですね、あらゆる場合にこれは適用されるということになるわけでありますが、百十九条二項並びに百二十条二項に規定している、自衛隊員の治安弾圧行動をやめるように訴える大衆に対して――これはどうですか、こういうものも適用されるのかどうか。私は百十九条二項並びに石二十条二項のこの適用は一体何をさしているのか、この点がはっきりしないのです。この点をこの法文上で明確にしていただきい。これは自衛隊員だけに適用するのか、あるいはそうでない拡張解釈が行なわれるのかどうか、私はこの点をお伺いしたい。
○政府委員(加藤陽三君) 百十九条の第二項及び第百二十条の第二項は、第一項にそれぞれ規定してあります事柄につきましてその「行為の遂行を共謀し、教唆し、若しくはせん勅した者は、それぞれ同項の刑に処する。」ということでございまするから、これは自衛隊員に限らないと思います。
○岩間正男君 これは重大なことになると思うのですがね。自衛隊員に限らない、これはいろいろこの法案の読み方がある思うのですけれども、そうすると何ですか、自衛隊と対峠をしておる大衆の中からそのような行動はやめなさい、あなたたち発砲はやめなさい、あるいは銃剣の矢ぶすまを作って、同じ国民が日本人に襲いかかるというようなことは許されない、やめなさい、そうしてこの行動をやめさせるような、いわゆるあなたたちの言う教唆扇動――当然私は国民としてそういう事態にぶつかったときに、これは勧める権利を持っておるだろうし、そういうことはできるだろう、ところがそういううものに対してもこれは教唆扇動するのであるから、従ってこれは罰則の適用がある、あるいはそのようなものについては発砲する、こういうことが規定されるんだ、こういうふうにあなたたちは拡大解釈しておるんですか。これは重大な問題だと私は思うのです。この点長官はどういうふうにお考えなのかはっきりお聞きしたい。
○国務大臣(西村直己君) 岩間さんの御質問は全然私らと前提が違うのでありまして、われわれは単なる普通の状態において、あるいは多少の小さなデモの状態において、国民が憲法に従って意思表示をしているのに対しているのではありません。外敵が入って来て、平和であり自由を愛する国民を殺そうとしても警察力がない、間接侵略なり治安維持が困難な状況下において、その平和と自由を愛する国民を守ろうとする者に対して、それを守らぬので、あいつらを殺せというような事態であるならば、おそらくこの事態は全然逆の事態であります。岩間さんもそういう事態はお望みにならぬのじゃないかと思います。そういう意味から言えば、私たちはそういったような自衛隊員の正しい行動、国民の認めている行動を扇動してじゃましようというのは、むしろ率直に申せば国民の敵の立場と解すべきじゃないかと思います。この条文はすなおに御解釈願うならば、前提は今のような外敵が入る、間接侵略によるもの、それからあるいは治安維持が警察官によってできない、重大なる治安維持上の問題があった場合、こういう場合の行動と考えていただきたいと思います。
○岩間正男君 あなたはもう少し研究される必要があると思うのです。今のような答弁でごまかされてはならぬと思う。第一あなたたちは治安出動だと言っていますが、治安出動だと言っても非常に違うのです。命令出動と要請出動と――これはあとで詳しくお開きしますけれども、そういうものを全部一緒くたにして、そうしてこれは書いている。お聞きしますが、要請出動の中に間接侵略に対する対策などというものがありますか。これははっきり要請出動の場合には間接侵略というものがあるなら、防衛庁長官はこの前から二回も三回も、私はばかの一つ覚えという言葉を使いたくありませんが、そういうような言い方で、間接侵略に対する対策だ、対策だと言っている。この要請出動のどこに、条文のどこに間接侵略に対する対策だということがありますか、これをお伺いしたい。どこにありますか。
○国務大臣(西村直己君) 七十八条をごらんいただきますと、治安維持の任務の中には「間接侵略その他の緊急事態に際して、一般の警察力をもっては、治安を維持することができないと認められる場合」こういうふうな法律もございまして、間接侵略も治安維持の一つの態様であることは間違いないのであります。
○岩間正男君 要請出動の中に、これはそういう条項はございませんよ。あなたは混同されてそういうことを言っていられますけれども、そういうような治安出動について言っているかもしれぬけれども、間接侵略に対するそういう対策などということはないんです。私はそういうやり方でこれを拡大して、都合のいいときは間接侵略というような言い方をしてはならぬと思う。そういうことになりますと、要請出血の場合もこれは含むわけでありますから、罰則は……、そういうことになりますと、これは大へんなことになると思うのです。今申しましたように、当然これに対する警察の行動に対して大衆からやめろとか、あなたたちが、言う教唆扇動とか、そういうようなことになる場合が起こるだろう。これも拡大してそれを今度隊員自体じゃなくて、隊員外まで広げてやれば、これは大へんな私は乱用規定になるおそれが十分にあると思うのです。こういうようなやり方を、私はこれはばく然とした解釈できめられてはかなわぬと思うのです。私はそういう点から、このような解釈は不当ではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(西村直己君) もちろん事柄は、いわゆる要請あるいは命令による治安出勤は事柄が重大であります。そのためには前提として国会のいわゆる承認、あるいは知事の要請による場合は地方議会の承認等、 民意を尊重し、いかにしたら平和と自由な大衆がそのためによって守られるかどうかという認定を、国民代表、あるいはその地方自治体の代表である議会に与えてあるわけであります。手続そのものもきわめて出動に対しては慎重にしぼっております。
○岩間正男君 この問題は私はあとで詳しくお聞きしますからいいですが、今の問題、そういうようなあなた勝手な解釈を私はやってはいかぬと思うのです。 それで、さらに私は最後に念を押してお聞きしたいのですが、この八十九条、治安出動に際しての隊員の職務は警職法の規定に準ずる、この精神というものは尊重しなくちゃならぬと思うのです。これが私は治安出動の準則、一番根本になる法律だということをあらためて認めなくちゃならないと思うのですが、これはどうですか。
○国務大臣(西村直己君) もちろん治安出動時の権限といたしましては、警職法によるものが八十九条、それから隊法によりまして、さらに九十条、九十五条というような条文があると思います。これらは対等に考えていきたいと思います。
○岩間正男君 西村長官といえども、これは警職法の規定に準ずると特に明記しているこの精神というものは尊重されると思うのです。私は、次にお開きしたいのですが、治安行動の際の準拠する規定は警職法であるということは、私は確認してもいいと思うのですが、この草案の内容に情報活動とか示威ということをうたっておるのですが、これは一体警職法のどの規定によってこういうことができるかどうか。これも非常に私は重大だと思うのですが、その根拠をはっきりしていただきたい。
○国務大臣(西村直己君) 重ねて申し上げますが、警職法だけに準拠しているのではございません。自衛隊法には他にも武器使用の規定が法律によってきまっておるのであります。それははっきり申し上げておきます。なお、情報活動等は、私はこれらの治安出動を命ぜられた場合は、当然の群雲上の職務と考えてしかるべきだと思います。むしろ、状況判断を誤らないという点からも、むしろ情報活動は活発に行なわれなければ私はいかぬと思います。
○岩間正男君 私は根拠を聞いておるのです。あなたは根拠を答えなくて、そういう一般的なことを言われるということは私は遺憾だと思うのですが、そういう根拠がなくちゃやれないわけですよ。この点を、そういう形で、いかにも軍隊というものは昔の帝国陸軍というような頭にあったら、そういうことになるだろうけれども、これは新しい憲法によって人権をあくまでも守る、そういう立場に立っていけば――そうでないといえば全く鬼っ子なんです、憲法は。こういう形でこのような草案を作ってきているという事態が起こっておるので、そういう点では国会の立場を考えて、今のような御答弁では私はまずいと思うのです。この点自衛隊の性格を変えて、そうしてもうはっきり軍隊と、そういうようなことを法律においても明文にされるならいざ知らず、そうでない形では私は非常にまずい、こういうふうに思うわけです。 それでは、私は次にお聞きしますが、つまりあなたがよく言われる、治安行動が現実に行なわれる、こういう場合は要請出動の場合が多いだろう、主であろう、こういうことをしばしば、これは陸幕でも認めておる。さらにこの要請出動の場合の出動要件は、見ますと非常にきわめてこれは簡単にできているのですね。防衛庁がここに私たちに提出されたところの治安行動時における行動の基準、この中にもいわれていることでありますが、自衛隊の出動は国家の最終的な手段であり、警察のうしろがまえである、こういうことを念を押しております。この要請出動の出動要件の中で、はっきり私はお開きしたいのでありますが、どこにそういう規定があるのか、これははっきりしていただきたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) ちょっと御質問の趣旨がわかりにくいのですが、治安出動と命令による出動とどっちが多いかという、こういう御質問でございますか。
○岩間正男君 これはうしろだてとか、それから国家の最終的段階、こういうときに出すんだ、こういっておりますけれども、要請出動の場合にそういう規定があるかどうか。
○政府委員(加藤陽三君) この要請出動の場合は第八十一条でございます。第八十一条はお読みになります通り、「都道府県知事は、治安維持上重大な事態につきやむを得ない必要がある場合には、当該都道府県公安委員会と協議の上、内閣総理大臣に対し、部隊等の出動を要請することができる。」、都道府県の公安委員会と協議をするわけでございます。都道府県の公安委員会というのは、その都道府県の警察を管理しておるわけでございます。これと協議の上で総理天田に要請するということは、やはりその警察力をもってしては事態の収拾が困難であろうというふうな、一般的な想定の上に立って要請してくるのが普通だろうと思います。
○岩間正男君 だろうでは困るのであって、法的な規定があるかどうかということを聞いておる。ありますか。
○政府委員(加藤陽三君) 法的な規定はこの通りでございます。当該都道府県の公安委員会と協議の上で、内閣総理大臣に要請をするということ自体が、警察力をもってしては事態の収拾が困難であろうという要請をすることになると思います。
○岩間正男君 それは手続の規定であってその出動の内容についてなにした規定ではないと思う。そこのところをはっきりして下さい。命令出動と要請出勤の違い、二つの相違、その主要な点を簡単にやって下さい。
○政府委員(加藤陽三君) 要請市出動の手続は、今言っている通りでございます。治安出動の場合は、内閣総理大臣が間接侵略その他の緊急事態に際しまして、一般の警察力をもってしては事態の収拾が困難であると認めた場合に、命令を出してやる。出ていきます場合の権限につきましては、先ほど御説明いたしましたところでございます。
○岩間正男君 長官に申し上げますが、どっちが重大だとお考えですか。
○国務大臣(西村直己君) もちろん事柄からいえば、第七十八条の方が事態はさらに大きいと思います。従って総理大臣がこれを認定し、国会の承認を求める。片方の方は地域的な制限がおのずからあるわけです。
○岩間正男君 これははっきり長官がお認めになったように、命令出動というのは非常に重大な問題です。それからその内容として、先ほど申しましたように、あなたたちのいわゆる間接侵略とか、そういうことは重大な全国的な問題である。地域的な問題、そういうような場合においては、都道府県知事が公安委員長と相談して、そうして首相にそれを要請することができる。電話でもいいわけだ。そうして出動するわけでしょう。そこで私はお聞きしたいのですが、その場合に警察法七十一条に規定されている内閣総理大臣の緊急事態の特別措置、これが行なわれるのかどうか、これが以前に発動されるのかどうか。これが発動されてから要請出動するのかどうか。そうでなくてもできるのかどうか。この点お伺いします。
○政府委員(加藤陽三君) 警察法の緊急事態の場合と、自衛隊法の今申し上げましたような規定とはこれは別個の規定でございます。岩間委員のお話しになりました問題は、運用上の問題としていろいろの場合があろうと思います。しかし法律の規定といたしましては別でございます。
○岩間正男君 あなたそういう解釈でいいのですか。そうではないでしょう。警察でだめな場合においては軍隊が出動する、こういっているのでしょう。だからその関連でそれを理解しないことには、これは別だ、これは自衛隊だ、これは警察だ、こういう関係にいかないで、要請出動の前提条件として、このような緊急の特別措置というものが行なわれることを必要とするのか、しないのか、この点、はっきりお聞きしたい。これは当然防衛庁長官の御答弁をいただきたい。
○国務大臣(西村直己君) 法律問題でありますから、政府委員から御答弁させますが、法律は、警察法は警察法、自衛隊法は自衛隊法で、分かれております。しかしながら運用におきましては事態は一つでありますから、そのために運用上の連絡というのは当然とられると思っております。特に私は、こういう事態は異常の事態でありますから、ケース・バイ・ケースでおのずから解決されると考えております。
○岩間正男君 それじゃはっきりさせますが、できるのかできぬのか。つまり緊急措置をとらなければできないのか、それでもできるのか、明確にして下さい。もう簡単にやって下さい。
○国務大臣(西村直己君) 私からお答えいたしますが、そういうことがなくてもできると解釈していいと思います。
○岩間正男君 なくてもできる。そうするとこれは大へんなことに私はなるのじゃないかと思いますが、そうすると、総理の判断と認定だけが、この際の出動をきめるかどうかという、これは根拠になるわけですね。総理の判断でもうみなできるのですか。警察の緊急事態のそういう措置をやらないで、そういう前に勝手に、これは要請出動というような重大な、警察力を使っちゃどうにもならないから要請出動するわけです。ところが、今のその緊急事態の発動をしない前にそういうことができるのでありますか、もう一ぺん重ねてお尋ねしますが、できるのですか。
○国務大臣(西村直己君) これは御存じの通り、条文をお読みいただけばいいのでありますが、都道府県知事の要請であります。都道府県知事がまず事態を認定し、しかもその所属といいまするか、その関係の公安委員会と協議の上、総理大臣に要請するので、総理大臣としては受け身であります。
○岩間正男君 それは手続規定であって、最後の決定者、命令者は、これは総理なんですよ。だから総理がどういう条件のもとでやるかということは、法的にこれはきめないで、総理の認定によって、もう勝手な判断で、そしてこれをやることができるということになっておれば、私は大へんなことだと思うのですが、その点はいかがですか、その解釈はそう受け取ってよろしゅうございますか、私は、重大な問題ですから……。
○国務大臣(西村直己君) もちろん、これは地方の自治体の長であります都道府県知事の認定、公安委員会の協議、その上で受けて立って内閣総理大臣が出動を命ずるのであります。しかしながら、同時に都道府県知事としましては、都道府県の県民なり府民の、また代表機関である議会の承認を経ると、こういうふうになっておるわけであります。
○岩間正男君 これも防衛庁長官によく御研究いただきたいのですが、議会の承認なんと書いてありますか。議会に報告するのでしょう。報告だけでしょう。先に諮らない。そういう形でこれは要請出動というのはされるわけでしょう。都道府県が公安委員会と相談して、必要を認めれば首相にこれは要請する。その要請によって首相が判断すれば、これは自由にできる。私はその前の一つの条件として、何で一体警察法の七十一条があるか。これはそういう事態もないような簡単な問題について要請出動ができるのですか、この点どうですか。できるのですか、その点はっきりして下さい。
○国務大臣(西村直己君) 法律の建前としては、これは別個になっております。しかし事実問題としては、おそらく異常の事態でありますし、十分なる連携はとられて参ると思いますしただ、法律解釈といたしましては、別個に一応できる建前になっておる、こう考えるべきでありますから、実際の運用においては、その間必要があれば、全国または一地域に総理大臣が緊急措置をする場合もありましょうし、またそうでない場合もあろうと思います。法律論としては別個に考え、ちょうどこれは昔の一つの例からいえば、知事が大きな地方的なそういう問題があった場合に、師団長に出兵請求をいたしたと、大体大同小異と私は考えております。
○岩間正男君 私は、これはもし今のような御答弁があったら、法の不備じゃないかと思います。警察の範囲内で、七十一条というのは緊急措置について規定しておるのです。そういうときにはどういう一体これは規定があるかというと、国会の承認を受けなければならないでしょう、それでさえ。ところが警察を越えて、そうして、軍隊が出動する場合に何らのこれは規定がない。単にこれは牛後において地方議会に報告をすれば済むのだ、事後承認だ。そういうことになれば私は重大な問題だと思うのですよ。首相権限というものは守られればいいけれども、これが一方的な判断で乱用された場合には実は重大な問題を引き起こすと思うのです。従って今のような防衛庁長官の御答弁であれば、当然これは法改正をしなきゃならぬ問題だと思うのであります。そこのところ任意判断でやるというようなことでしておける問題じゃないと思うのですが、その解釈はそれでよろしゅうございますか。
○国務大臣(西村直己君) 御存じの通り都道府県知事自体が総理大臣のいわゆる隷下というか、部下でないわけでありまして、独立の一つの公選によって出てきておるものであります。従いまして、都道府県知事がその知事の立場において公安委員会と協議して要請をする、そういう形をとって、その意思に基づいて、意思が中心であります。都道府県知事のまず意思が決定をしなければ、これはないのであります。その意思に基づいて、意思の範囲内において、今度は総理大臣がさらに出動を命ずる、こういう形になっておりますわけであります。
○岩間正男君 あなたは現実について御検討するならば、そんな簡単なお答えできないと思う。現に三池の問題があったときに、これは警察の係が毎日三千人、八千人と警官を動員したけれども、とてもこれは治安を維持するのは重大なことで、従って、この場合については考えなきゃならぬ、こういうような、これは財界の人を集めた席上で演説をした事実がございます。私はそういう問題とこの草案というのは無関係だとは考えられない。そういう態勢で御承知のようにこの草案が急速に準備された。それで安保あるいは三池のあとにこれは作られた。そういう中で、今のこの力関係の中で、県知事がそういう一つの地方の有力者あるいは財界と、そういうようなところから必要があるからやってくれ、県知事は公選の立場から、力関係でどうしてもそれを承認せざるを得ない。公安委員はどうかというと、公安委員は御承知のように、これは県知事が任命するものです、そうすると、相談するという、機構の上ではそうなっているけれども、実質的にはそういう形ですぐに電話一本で、これは首相に要請する。また総理大臣もそういうような一つの背後からの圧力によって、総理大臣にも別な横の方から電話がいくというような場合には、私は、これについて承認を与えるという事が非常に起こってくる。これは、私はそういう点から考えますというと、今のような御答弁では、非常に重大な問題をはらんでおると思うのであります。従って、これは新聞やその他の論調でも、非常にこの問題重視されておりますが、要請出動という形でこの治安行勅草案要綱、この要綱によるところの出動というものが今後非常に行なわれる。これをやすやすと簡単に使う、これこそがこの草案の抜け穴である。こういうふうに、これは世論も言っておるのでありますけれども、これに対する何らの保障があるかというとない。全くこれは首相の判断だという形だという形で、実は相当この背後の性格、ことに労働者も今のいろいろな生活の困難から、いろいろ生活を求める、あるいは民主主義を求めて立ち上がっています。また日本の規定の中では、ラオス問題一つ例にとってみても、私は、国民はなかなか自分の平和、これを今の新しい安保関係との関連で非常にやはり問題にせざるを得ないという格好になってくる。当然これは民主的要求としてその意思を反映する。こういう事態が起こってくる。ところが今のような要請出動という安易なやり方で、どんどんこれを使われないという保障はありますか、どこに一体この保障を求めるか。私は、もしほんとうに総理がそういうようなことを、これはやるとすれば、単に総理の考えだけじゃなくて、これを保障するところの法内な規定が絶対必要だと、こう考えるわけです。この草案の一番大きな抜け穴というものはここにあるのじゃないかと考えるわけですが、これについていかがでございますか。
○国務大臣(西村直己君) 私はこれを抜け穴とは考えません。大きな間接侵略の場合には七十八条等の全国的な規模の問題もありますし、それから都道府県知事が認定して、しかもさらに都道府県の公安委員会と協議の上、しかも出動命令権者はあくまでも受け身の中であるわけであります。従って私は、そうこれが簡単に抜け穴になるというふうには考えておりません。
○岩間正男君 私は今要請出動について論議しているので、あなたはそういう間接侵略――私が共産党員だから間接侵略、間接侵略と言えば、うまく言い抜けがでぎると思っているが、私は決して党の立場問題にしておるのではなくして、国民の立場で、日本の民主主義を守る立場で、日本の憲法を守る立場でこういう質問をしているのです。何か間接侵略と言うとそれでいいような、そういう一つの言い方はまずいですよ。そんなことじゃ私はいかぬと思う。とにかく、あなたはこれについて十分に検討して、こういう抜け穴について国民は大きな疑惑を持っておるのですから、絶対承服しませんよ。どうですか。
○国務大臣(西村直己君) 私はもちろん八十一条による要請に、よる治安出動、その場合には都道府県知事が認定をする、しかもそれは警察力をもってできるかどうかというような判定を、公安委員会と相談の上で、その意思に基づいて、意思がまとまった場合に総理大臣に要請する。総理大臣はその意思の範囲内でこれを判定するということで、こういうことで、私はこの条文は、善良なる国民に対して安定を与えるものであると考えます。
○岩間正男君 形式的な御答弁だと思うのですが、私は事を分けてお話をしたのです。日本の現実、それから今までの国民の下からの非常に民主主義を求めて立ち上がっている、そういうこととの関連で話したのです。それから今の力関係、そういうような問題について話した。ただ知事が要請するから大丈夫、それから公安委員会で相談をするから大丈夫、首相が判断するから大丈夫。なるほど、あなたたちの立場からいえばそうお答えになるのでしょうが、そうでない非常に心配な事態が起こってくるから私は質問しているのです。だからこの点は、今のような御答弁では国民は安心しないだろうと思う。 で、時間の関係から私はさらに最後にお開きするのですが、以上治安出動について重要なるわずか数点について質問しただけでありますが、これだけでもこの自衛隊法に基づく自衛隊の治安出動、この治安行動草案は、きわめて危険きわまるものであることが明らかになったと思います。われわれは、すでに初めから主張しているように、この治安行動草案を即刻廃棄する、これを強く要求したい。この立場から重ねて私はお尋ねするのですが、これを一体閣議にかける予定があるのかどうか、先にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) そのつもりはございません。
○岩間正男君 私はこれは重大だと思うのです。時間があれば、私はこれは国家組織法との関連においてお尋ねしたいのですが、時間が残念ながらありませんけれども、私は最近の例をあげると、数日前に消防法の施行細則のことが閣議にかけられたことが新聞に報道されておりますね。これは西村長官もお認めになると思う。このようなことまで開議で検討しているのです。ところがこの重大な治安行動を閣議にかけない。生命に関する重大な問題です。火事どころじゃない。こういうやり方というのは、私は全くファッショ的なやり方ではないかと思います。これは許されない。そうしてさらに私はこういう問題とあわせて指摘したいことは、防犯事務でさえこれは現行憲法では憲法第七十三条にいう「他の一般行政事務」として内閣の事務と解釈されるから、内閣総理大臣は憲法第七十二条にいう、内閣を代表して、「行政各部を指揮監督する。」こういうことになっているのです。従って自衛隊の最高の指揮監督権は内閣総理大臣が持っていることは私は明らかだと思う。それと同時に、総理大臣は、内閣を代表して指揮監督を行なうのでありますから、その指揮監督権は、内閣の閣議にかけて決定した、そのような閣議決定の方針によって行なうということに私はなると思うのです。だから、この治安行動草案が閣議決定なしに自衛隊にばらまかれ、訓練されている。こういう現実のやり方というものは、私はどうしても非常に違法的なものだと思うのです。当然これははっきりと閣議にかけて決定して、そうして国民の意思をも聞いてこの問題を決定しなければならぬと思いますが、いかがでありますか。
○国務大臣(西村直己君) 自衛隊は外敵並びに間接侵略、その他治安維持に対して平素から訓練することは、あるいは研究することは当然の職責で、法律の命ずるところと考えております。その範囲においての行動と解釈をいたしております。
○岩間正男君 私は今のような答弁はまことに不満足でございます。では、お聞きしますが、一体この草案というものは政令ですか、省令ですか、あるいはこれは庁令ですかね。防衛庁ですから庁令ですか。施行細則ですか、訓令ですか、通達ですか、これは何に該当するのですか。全くこれは正体不明なものじゃありませんか、これは何とお答えになるか、お聞きしたい。
○国務大臣(西村直己君) 岩間先生のお持ちになっているものはどういうものか正体不明でございますが、私どもの方で練っておりますものは一応草案で、これはまだ検討している段階で、またものによっては時によって変わっていかなければならない、流動性を帯びているものでございます、草案段階でございますから。従って、これは、将来これがいろいろ当てはめてみて、最後に判断できた場合におきましては、おそらく防衛庁の訓令として出すことになるだろうと思います。
○岩間正男君 これはそういう形で出せるのですか、三千部刷って配って、しかももう一部実施しているのですよ。そういうものを、あなた、今申したような政令か庁令か、施行細則か、訓令か、通達か、これさえも、その性格を蓄えないような形で出せるものですか、一体そんな私は権限はないと思うのです。はっきりとこれは答弁されるべきだと思うのですけれども、いかがですか、この点明確にしていただきたい。
○国務大臣(西村直己君) 現在もちろんわれわれは、陸上自衛隊の中の行動の一つの水準の草案として検討を加えおります。従ってこれは陸上自衛隊の中での手続にのっとって、草案として検討を加えている段階でございます。
○岩間正男君 私は、答弁になっていないと思うのです。そんなことでは、これは国会の建前上いけませんよ、旧陸軍時代はいざ知らす、はっきりこの草案の性格というものを明確にしなくちゃならないのですが、これは答えられないようですが、検討してこの次答弁していただきたい。 最後に私は申し上げたい。あなた、いろいろ申されましたけれども、一昨年暮れ岸内閣によってたくらまれました警職法案の改正の問題がございました。その内容は、立ち入り、勾留、尋問等について規定されている。しかし、これは激しい国会の論議に会いまして、国民の公正な声に押されて失敗したのであります。ただ一日の勾留についても、国民の基本的権利と抵触するようなものは、国会に上程され、審議されることが当然だと私は考えるにもかかわらず、視察、狙撃、戦車から飛行機まで動員してわれわれを視察する十分な危険のあるこの要綱、この要綱を国会に上程しないというのは、一体どういう考えなのか。軍隊は、全くこれでは国民の、主権者のための軍隊でないということになるんじゃないですか、独自の軍隊ですか。そのような権限を持った軍隊ですか。そんな独裁的な軍隊というものは、これはあり得ないと思うのであります、憲法との関連で。私はこういう点ではっきり答弁していただきたい。憲法第三十一条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又は」云々と、はっきりこれはきめられております。「又はその他の刑罰を科せられない。」、刑罰でさえそうですよ。そうしてこれを課すためには、先ほど申しましたように、実にこれは慎重ないろいろな手続がとられている。ところが、この草案の示すところによるというと、現地の第一線の部隊長が、その判断によって直ちにこれを射殺し射盤をすることができる、国民の生命を奪うことができる、こういう重大な内容を持っているのです。これがですね、何らの国会の審議にもかけられないで、やみくもにこれが流されていくということは、大へんな問題だと思うのです。これについてあなたは草案として――よく紙上で言われている、もう書き改めなくちゃならぬ、こう言われているようなことがよく伝えられておるのでありますが、そういうような意思があるか。私ははっきりこの草案を破棄し、そして明確に憲法との関連において、国民の民主的権利を守る、これが重大なことだと思うのでありますが、私は最後に防衛庁長官の決意を伺います。
○国務大臣(西村直己君) 自衛隊の任務そのものが、国民の権利を民主的に守るということが基本であります。そうしてそのために自衛隊法というものが、国会の御審議を経て、憲法の三十一条の、法律によってそういう手続をとるために、自衛隊法の中ではっきり武器使用は最小限に限定することを明らかにしておるのであります。それがすなわち自衛隊法の九十条であり八十九条であり、九十五条でございます。それに基づくところの最悪の場合における最小限の武器使用を、一応想定し、考えた場合においてのものが治安行動の一つの考え方の中に――最悪の場合において最小限の武器を使用するのに、この法律に基づいてどうしたらいいかという一つの考え方を検討している段階で、何ら憲法上にも、また自衛隊法にも、当然許されてい、また命ぜられておるものと考えておる次第でございます。
○岩間正男君 私は最後に申し上げたいと思いますが、これは甲殻類は自分の持っている武器が、それが大きくなって、そうしてとうとう自滅した、こういう歴史がありますね。あなたは、今言われたけれども、国民の民主的権利を守るのだ、そのためにこそ自衛隊が必要なんだと、そういう口実で発足したところの自衛隊が、いつのまにか独自のこういうような国民に隠れたところのやり方で国民を殺す、そういう事項まできめて、いつの間にかこれによって民主主義を破壊する。そういうような一つの動きになるということは、よく歴史の示すところなんです。私たちは、これは非常に重大な分かれ目にきていると思うのです。日本の憲法――大体がこういうものは憲法で認めることのできない自衛隊が、今日では御承知のように核兵器までこれは持っている、こういう段階にきている。そうしてそれがさらに今度はあなたたちの言っている外部からの侵略に対する自衛のためのそういう性格、それの性格にもう一つ大きく、主権者、人民そのものにそのやいばを、きばを向けてくるというような形でこれが行なわれているところに非常に重大な問題があるのです。だからこそ、国民はこれに対して非常な危惧を感じ、憤りを持って、この問題で今世論は大きく動き出してきているのです。防衛庁長官はこの世論をお聞きにならないのですか。私はこれは重大な問題だと思う。あなた、お聞きになる考えがあるならば、御答弁いただいてもいいのですが、そうでないのなら、御答弁はいただかなくてもいいのですが、どうです。お聞きになるのですか。
○国務大臣(西村直己君) 一言申し上げておきますが、世論と申しますが、むしろ自衛隊は、最悪の場合の治安に対しては最小限のものであってもいいが、同時にしっかりした訓練をしてほしいという声もまた強い世論であることを私申し上げたいと思います。
○岩間正男君 最後に申し上げたい。あなたたちよく耳を開いて下さい。声なき声を聞くとか何とか言ったけれども、さっぱり聞いてないのです。自衛隊の内部にさえこの問題について、やはり明らかにしてもらいたいという声が起こっているんじゃないですか、どうですか。あなたは御存じないかもしれない。防衛庁長官にそれを言ってくる人はない、足もとからくずれないように、憲法に違反した、民主主義を守らないこういう問題というものは長続きしませんよ、私はこのことを警告して、最後の私の質問を終わります。
○木村禧八郎君 私、最初に防衛庁の本庁の予算の組み方についてまず御質問したいのです。三十六年度予算、これを一つの例にとって御質問いたしますが、本庁の予算は千三百九十九億六千三百余万円ですがね、これは項に立ててあるわけですね。項というのは、防衛庁長官、御衆知のように、これは議決項目です。国会の承認が要るわけですね。ほかにこんなたくさん、一千億円以上の項を、一項でこんなにたくさん予算を項に立てているところがございますかね、ほかに。
○国務大臣(西村直己君) ちょっと経理局長から。
○木村禧八郎君 防衛庁長官に。これは少し大き過ぎると思いませんですか、防衛庁長官、ます一項目で千億以上の項、――防衛庁長官に伺っているんです。大蔵にはまた聞きますから。
○国務大臣(西村直己君) 私不敏にしてただいまの御質問十分あれがありませんが、自衛隊はどっちかというと人的組織が相当中心になっておると思います。従って、項目によっては非常に大きな項目が入っているのは、人件費等の結果、項目等がまとまっておるので、大きな費目が出てくるのじゃないか、こう思っております。どうですか。ちょっと政府委員の方から技術問題についてお答えいたします。
○政府委員(木村秀弘君) これは防衛庁の方からお答えするよりはむしろ大蔵省の方からお答えいただく方がいいかと思いますが、私たちの存じております範囲内でお答えをいたしたいと思います。 金額におきましては、ただいま木村委員から御指摘がありましたように、非常にに多額の金額でございまして、おそらく、ほかの省では一項目でこれだけの予算を持っておるところはないのじゃないかというふうに考えます。ただ、防衛庁といたしましては、行政目的が非常に単純でございまして、たとえば農林であるとかあるいは通産であるとかいうような省になりますというと、いろいろな事業別に非常に複雑な内容を持った、いわゆる行政目的の違ったものが中へ入ってきておるわけでございます。防衛庁におきましては、行政目的は単一でございまして、非常に簡単な組織になっておりますので、ただいまのところ、項を簡単にしておるというふうにわれわれは考えております。
○木村禧八郎君 それは簡単といいますけれども、程度の問題ですがね。この内容を見ますると、大体あれでしょう。目は二十三日あるでしょう。その中で人件費的なものと、それから物件費、器材費とか通信機器購入費とか、それから油の購入費とか教育訓練費、それから編成装備品費、装備品等の維持費、航空機の修理費とか、それから武器修理費、艦船修理費、弾薬費、そういうものも入っているのですね。単純単純というけれども、この人件費と物件費というものがあるのですね。従って単純というが、二十三も目があるでしょう。この三十三の目というのは、これは言うまでもなく行政科目ですね、国会の承認は要らないわけですね。その承認が要らないというのは、流用の場合には項だけの国会の承認を求めておけばいいでしょう。あとこれは流用できるわけですね。それでこういうような組み方で一体いいとお考えですか。
○政府委員(木村秀弘君) 項の下にあります目につきましては、逐年細分化いたしまして、できるだけその内容を御審議いただく際にわかりやすいように逐年細分化いたしております。三十六年度におきましても、たとえて申し上げますと、二、三例を申し上げますと、留学生等外国旅費、集団訓練外国旅費というふうに分けております。また器材費等につきましても、器材費と通信機器購入費というふうに分けております。たとえば、今お述べになりました装備品等維持費につきましても、装備品等維持費、通信維持費、航空機修理費、車両修理費、武器修理費、艦船修理費、これは、三十五年度までは装備品等維持費一本でございましたものを、今申し上げたように、いろいろ内容によって細分化いたしておるわけでございます。そのほかにもまだございますが、そういうふうに逐年細分化いたしまして、内容を御審議いただく際におわかりになるように、できるだけ便宜なようにいたしておる次第でございます。なお、今後につきましても、できるだけこういう細分化をいたすように工夫、改善を加えていきたいと思っております。ただ、これらの目の流用等につきましては、御承知のように大蔵大臣の承認事項でございますばかりでなく、各省と違いまして、一般に既定科目から支出をいたします場合につきましても、その多くは大蔵大臣の承認事項になっておるという意味におきましては、内部的には厳重な手続を要求されておるわけでございます。
○木村禧八郎君 この目の分け方自体については、われわれ国会で膨大な防衛庁の予算を瀞蔵する場合、まだ不足だと思うのです。実際なら小事項くらいまで資料としてやはり出すべきだと思うのです。金額がこんなに大きいのですから、ただ器材費といってもいろいろあるでしょう。それが適正なのかどうか、これじゃわかりっこないですよ。そういう問題はまたあとで目あるいは目以下の事項、小事項等についての組み方についてまた御質問したいと思うのですが、まず今、項を問題にしておりますが、目は幾ら……。今おっしゃったように前よりは詳細に分類するようになったけれども、これは、あくまでも行政科目ですから、大蔵大臣の承認を受けて流用できるのですから、人件費を器材費に流用し、あるいは器材費を人件費に流用し、あるいは器材費を通信機購入費に流用もできるのです、大蔵大臣の承認を受けて。前にターターの問題が起こったでしょう。流用したでしょう。それは前に問題になったでしょう、あのときにもつと平前に国会で予算を審議するときに詳細にわかるということならまだよかったのですが、しかもそれでもやはり目でありますから、政府の方としては、これは議決科目でございませんから流用ができるのです、それでおしまいなんですよ。反対できないのです。ですから、やはり約千四百億ほどの予算ですよ、本庁予算は。ですからこの項目はもう少しふやすべきではないかと思うのです。これは一本で千四百億の技術科目というのはちょっと非常識じゃないかと思う。ほかの予算の組み方のバランスを考えても非常識だと思う。そこで、防衛庁もむだ使いをしているのではない、また防衛予算の内容を国民に明らかにする意味からいっても、国会に対して責任を負うという意味からも、もう少し項を、やはり技術科目としての項をもう少しふやすような組み方をする意思がないかどうか。それはほかの予算と比べて、非常識ですよ。千四百億を一項目だけで国会に対して責任を負い、あとは流用できるというのでは、あまり非常識過ぎると思う。前からこれは問題になっていたところですが、依然として改善されていない。いつから改善されるかと思っておったが……。
○政府委員(木村秀弘君) ただいま申し上げましたように、項は本来その組織の行政目的を示すというのが本来の性格でございます。従いまして、防衛庁としましては、なるほど金額は非常に多額でございますけれども、事業内容はむしろ単純であるというふうにわれわれ考えております。ただ、この内容をいろいろもっと細分化して国会の審議にかけるべきだという御意見につきましては、今後研究をいたしまして、一体現在の項の中でどういうものを項としてあげるのが適当かという点について、大蔵省とも御相談をいたしまして、今後研究をいたしたいと思います。三十六年度要求いたしております予算書におきましては、従来、防衛本庁に計上いたしましたもののうちで、航空機の購入費と技術研究本部におきます研究開発に要す経費について研究開発費という項を起こしております。将来ともこういうような面で項を新設した方がよいというようなものにつきましては、大蔵省と協議をいたしたいと、こう思っております。
○木村禧八郎君 防衛庁長官はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(西村直己君) 私も基本といたしましては、やはり国民のための自衛隊であり、むしろ予算そのものが国民のための予算でございますから、わかりやすいということがまず基本でなければならないということは全く御同感でございます。ただ、もちろん従来の財政運営、予算編成の建前、それから防衛庁の特殊な業務が単一と申しますか、私は人と組織と申しますか、そういうような特殊性や過去の歴史がこういうふうにあらしめたのではないかと思います。しかし、同時に、木村先生のおっしゃるようにやはり国民にわかりやすい面と、いま一つは、やはり国会の民意の反映と申しますか、御審議と、そういうものとかね合わせて、今後それに検討を十分加えて参りたい。また、防衛庁の特殊性というものも一面御勘案をしていただかなければならないと、こういうように考えております。
○木村禧八郎君 私の質問の趣旨は、それは予算がわかりやすいということと、それから国会の審議に便ということもありますが、それ以上に大切なことは、議決科目の場合には国会に対して責任を負うわけなんですよね。そして行政科目になると、目になると流用ができるという点ですよ。国会では縛れないのです、これは国会で。そこで、国会で縛れません、大蔵大臣の承認だというのですね。ですから大蔵大臣の承認を得れば流用ができることになって、たとえば国会ではターターを買う、ターターを何か通信機器費の方でこれを買うということが、もしこれが項で明らかになっておれば、それは流用できないのですよ。流用できないのです。ところが目であるために、たまたまそういうものが流用できる。そうすると国会で審議したときと別の、国会で予想した別の方にこれが使われてしまうということになるとですね、これは予算が流用される。そういう懸念があるわけです。ですから、やはり国会の審議は、国民の税金を、やはりこれは使うその使途をわれわれは審議するのでありますから、それは賛成、反対いろいろあっても、筋道ははっきりしておかなければならぬと思うのです。そういう意味で、やはり防衛本庁の予算については、これはやはりそういう意味からも項というものをもう少しお立てになる必要があると思うのですよ。この点は私は防衛庁長官も反対する理由はないと思うのですね。そういう趣旨で御質問しているのですがね。
○国務大臣(西村直己君) 御趣旨はよくわかりました。私の、国民にわかりやすいと同時に国会審議というのはそういう意味でございます。審議される以上は、国会に民意を代表して責任を持っていただく、そういう意味からです。やはりわれわれとしては、これは率直に申しますと、十年しかたっていない官庁でございます。ですから歴史的な因縁もあろうと思いますが、しかし、できるだけ私どもとしてはやはり国会の審議――ただ一つこの機会に申し上げたいのは、継続費や、たとえば国庫債務負担行為でも、木村委員からも再々お話がありますが、防衛庁の一つの置かれたる立場、同時にその特殊性と申しますか、さっき費目が単一であるというようなこと、こういうような面も一面加味されつつ、私どもとしては将来に向かって十分御趣旨に沿うように検討を加えていく必要がある、こう考えております。言いかえますれば、国会で審議される以上は、やはり審議される限度において十分責任の持てる予算の編成方式をとらなければならぬのじゃないかというお説に対しては、将来に向かって趣旨を体しながら検討を加え、改善を加えてやっていきたい、こういう考えでございます。
○木村禧八郎君 そうしますと、具体的には防衛本庁の予算については項をもう少しお立てになる、少なくとも人件費と器材費、その他のこういう物件費的なものとは、これはやはり区別して項を立てられる必要があるのじゃないかと思うのですね。そういうことですね。本庁予算についてさらに項をふやして、――どういうものをふやすかということについては、またいろいろ問題があるでしょうが、とにかく、これでは非常識じゃないかと思うのです。一千四百億円も一つの項目で、しかし単純々々と言ったって、この内容は、器材費についてもその他についても種類がたくさんあるのでしてね。よく細分類していけば、そう単純でもないですよ。そういう意味では、またほかの予算とは別な意味で複雑なんですよね。別な意味で複雑な点があるのです。ことに、防衛費は不生産的な支出ですからね。直接的にいえば不生産的な支出ですから、特にこの防衛費については国民は非常にナーバスですよ。税金をそういう不生産的な支出に使う。しかも、立場は違いますけれども、われわれとしては憲法違反であるという立場をとっておるのですが、それだけに、――といったてこれを今われわれとしては、社会党の主張するような自衛隊に編成がえすることが今すぐできないとすれば、せめてこの使途についてはもう厳重ないわゆる監視をしなければならぬのであって、安易に流用できるような予算の組み方を認めるということは、これはよろしくないと思う。そういう意味でやはり項をお立てになる、もう少しふやす、こういう意味に了解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(西村直己君) それは、私結論的に申しますれば、国会の責任の持てるという建前、言いかえれば項をふやすですね、これについて十分検討を加えていきたい。もちろんこれは私の方だけでなくて、大蔵省なり大蔵大臣とも今後検討しなきゃいかぬ、こういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 もう一つ。これは資料を、国会に出す資料のことになるのですが、目についても、この器材費とか、その他通信機構入費とか、そういうものをやはり事項別くらいに出せないかどうかですね、事項別くらいに。まあ小事項までになるとこれは非常に膨大なものになるのですがね。今後まあ慣例としてそういうものを出せないかどうか、どうですか。まあたとえばね、これは、例をいいますと、これはターターを買うのだと、こういうものがわかるぐらいまでのね。それからこれは何かレーダーの金とかね、そういうものがわかるくらいにしませんと、前にターターの例でわれわれこりているのですがね。こりているというのも妙な表現でありますが、通信機器費の項でアメリカから買う分が、アメリカの方から供与してくれないものだから余っちゃって、これをターターの購入に流用したが、それをわれわれ知らなかったわけですね。そういうことがね。まあ別項ぐらいまで分かっていると、そういうことがわれわれにもわかるわけなんですけれどもね。事前に大体わかるのですけれどもね。どうですか。
○政府委員(木村秀弘君) 防衛庁の予算につきましても、各省の予算と同じ程度の資料はこの国会の御審議の御参考に出しておるつもりでございますが、なお特定の事項につままして、どういう予算の内容になっておるかという御質問がございましたならば、その事項々々について詳細な資料を提出いたしたいと思います。ただ、今例にお述べになりました器材費等につきましては、内容が非常に複雑と申しますか、千差万別の器材がございまして、これを一々全部御審議いただくということばとうてい不可能か思います。特別の事項につきまして、これはどうなっておるのだという御質問に応じて資料を提出いたしたいと存じております。
○木村禧八郎君 これからいろいろな近代兵器なんかどんどん入ってくるでしょうからね。そういうものをやっぱりわかるような予算の細み方にしてくれませんと、われわれそういう技術的な専門知識がないものですからね。予算書見るときに、そういうもので予算書からまあ見るよりしようがないのですが、そういう場合にやはりわかるような資料の提出の仕方をしてもらいたいわけなんです。じゃあ大蔵省、大蔵省の方はいかがです、今の点。
○説明員(新保実生君) 防衛庁の予算の組み方についての御質問でございましたが、私どもは防衛本庁の項一本の中にまあ千四百億という多額の金が包摂されておるわけでございますが、意識的にそういうことにしたわけでございませんで、事務的に申し上げますと、項なり、あるいはさかのぼりまして、組織をどういうふうに分けるかということにつきましの基準と申しますか、それは直接には、一つは財政法にございます。たしか二十三条に、歳出予算は組織別に分けて、そうしてその組織の中で目的に従って項を立てようというふうに書いてございますが、その目的、行政目的に従って分けるというのが、一つの基準であるわけでございます。そういう観点から見ました場合に、防衛庁というのは非常に多くの人員と予算を使う組織ではございますけれども、行政目的という観点から見る限りにおいては、国の防衛という非常に単一な目的に集約されるわけでございまして、そういう点から、おのずから項を分けるという問題につきましても制約、限度が出て参ってきておるわけでございます。しかし、実はこれは昨年も御注意をいただいたわけでございますが、いろいろな観点からなるべく議決科目たる項をふやすという方向で私どもも研究したわけでございますが、そういう意味で、先ほど経理局長からお答え申し上げましたように、昨年度の、三十五年度の予算にはなかった航空機構入費、これは従来目でございましたけれども、項に引き上げたわけでございます。それから研究開発費、これも従来は目でございましたけれども、これを項に引き上げたわけでございまして、そういう方向で私どもも研究してきたつもりでございます。今後ともそういう研究を続行して参りたいと考えております。 それからさらにもう一つの基準と申しますか、現在の国家行政組織法に応じて予算を組むという、これは主として直接には組織の区分の問題でございますけれども、そういう観点から見ますと、現在の防衛庁は総理府の外局という格好になっておりまして、その外局は、まあこれは各行共通原則でございますが、一つの組織をまとめるというふうに、まあ私ども従来やって参っておるわけでございます。ところで、その組織に分けた場合に、次の項をどうするかという問題があるわけでございますが、国家行政組織法では、内部部局とか付属機関とか、いろいろ役所の性格に応じまして大ざっぱな分け方をいたしておりますが、たとえば付属機関を項引き上げるという問題もあるわけでございます。ところが、これも大蔵省の扱っております各省統一の基準でございますけれども、建設本部とかもあるいは調達実施本部というように、各自衛隊の要求を受けまして建設なり、あるいは調達をするというようなところは、これは原則として項に立てない。これは各省共通でございます。それから防衛大学校とか防衛研修所とか、そういうところも、各職員の研修機関は項に立てない。これも各省同じ原則に従ってやっておるわけでございまして、まあいろいろ考えておるわけではございますけれども、三十六年度の予算としては、項としては二つの増にとどまったわけでございますが、なお今後とも研究して参りたいと思います。それから目の問題につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、従来、三十五年度に比べますと、相当こまかくブレーク・ダウンして、目の数をふやして参っておるわけでございます。
○木村禧八郎君 三十七年度の予算のときにはもう少し目を新しく立てる、そういうふうに了解していいんでしょうな。
○説明員(新保実生君) 防衛庁と相談しまして、その方向で研究したいと思います。
○木村禧八郎君 次に防衛長官にお伺いしたいんですが、この所得倍増計画読みましたのですが、所得倍増計画の中には、防衛の問題については全然ないんですよ。全然触れてないんです。しかし、防衛費というのはかなり大きいウエートを占めておりますし、今後もまた多くなるんじゃないかと思うんですね。で、単なる直接の防衛費だけでなく、これから防衛産業というものも大きくなると思うんです。そうすると、防衛経済と呼んでいいかどうか、そういう、その日本の経済の中に占める防御経済のウエートというものは決して小さいものではないと思うんです。そこで、この所得倍増計画における防衛経済の位置づけですか、というものはどういうものであるか。防衛庁はそういう点について、どういうふうに全体の日本の経済と防衛関係の予算、及びそれから金融面も資金面も入ってきますね。それから資材面も、設備の問題も入っくるわけです。それから国際収支の問題も関連してくるんですね。アメリカから有償援助を得るような場合には、やっぱり国際収支の問題も入ってくるわけです。そういう点はどういうふうに考えられておるか、まずその点お伺いしたいのです。
○国務大臣(西村直己君) 確かにお説のように、国民の所得倍増計画の中には、長期計画としての防衛費は、現在表面化いたしておりませんのはお説の通りでございます。ただ、防衛費というものに対して長期の見通しを立てなければならぬ。で、御存じの通り、次期防衛整備計画というものを、今後防衛庁でできるだけすみやかに決定して、国防会議で決定しなければならぬ。当然それはやはり財政等に長期性を持って影響を与えることは事実でございます。従って現在は、所得倍増計画とどういう関連に立っておるかというと、大体所得倍増計画外の行政一般費の中に含まれておるのが防衛費だと、われわれは考えております。 それから同時に、防衛生産でございますが、防衛生産の面から申しましても、私から申し上げるまでもなく、すでに木村先生御存じの通り、防衛生産をやる以上は、長期安定性がなければ、資金を導入し、金利を払い、人を集めることも非常に困難になってくる。また、単価が逆に高くなるという危険性もあるわけでございます。また、かりに非常に国際的な混乱がきたような場合においての補給面から考えましても、私はやはり防衛生産と申しますか、育成という面が当然登場してくる、国産化の育成でございます。同時に、またそれ自体が、防衛費そのものは議論はあることでございますが、間接的には多少生産意欲と申しますか、技術開発と申しますか、そういう面へ影響して参るという面から、防衛産業というものの将来につきましても、私といたしましては、やはり国力、国情の許す範囲内において育成の方向をとっていくべきだ、また、国としましても、そういう方針を一応とっておるわけです。ただ、現在の防衛産業の国民総生産の中に占める比率はきわめてまだ微弱でございます。御存じの通り、昭和三十四年度において、数字を調べてみますと、国民総生産の中で〇・七八%でございます、防衛生産の国民総生産の中へ占めるのは。言いかえると一%まできていないというのが一応の状況でございます。しかも、これは防衛庁の国内調達と、駐留米軍の特需の合計を防衛生産額と見まして一%に足りない、〇・七八%でございます。防衛庁分のみでは、一応の数字が〇・五二%になっておるのであります。しかし、お説のようにこれが将来五年計画あるいは十カ年の見通し、あるいはさらにその後を見通した場合におきましては、財政支出の面、同時に財政以外の金融等の面におきましても、当然国民の全体の財政経済の中にある程度比率を漸次高めて参るんではないか、こういうふうに私は考えておる。それだけに長期の見通しというものを、やはり必要度に応じては立てるようにいたして参りたい、こういう考えでございます。
○木村禧八郎君 これは私の聞き方が悪かったのかもしれませんが、所得倍増計画のワク外として防衛費を考えておられると、さっき言われたようですが、ワク外――どういう意味ですか。
○国務大臣(西村直己君) 言葉が足りなかったのですが、国民の総所得の倍増計画の中に、もちろんこれ以外に一般の行政費がほかにもたくさんございます。それらと並行して存在しているわけでございます。従って、それの財政規模等は下の段階の――これは私は直接の担当者じゃありませんが、おそらく経企庁中心の下の段階ではいろいろ計算したと思います。その中において多少の漸増の計算はしたと思いますが、答申になりました部分、あるいは閣議でもって一応了承した部分においては、防衛費というものは表面には全然出てこない。言いかえれば、一般の財政費の中にそれがかかえ込まれておる、こういうふうに私は考えております。
○木村禧八郎君 ただいま防衛庁長官は、日本の防衛費が総生産に占める比率……。
○国務大臣(西村直己君) 防衛産業でございますね。
○木村禧八郎君 防衛産業ですか、防衛費じゃないんですか。
○国務大臣(西村直己君) ちょっとそれでは申し上げますが、防衛費の方は、現在当面の国民総所得の中で今年一度が一・四三%でございます。予算に占めますのがたしか〇・八七、言いかえれば一割に達していない、今年度三十六年度に御審議を願っておる……。それから国民総所得の中で一・四三%という数字を占めております。
○木村禧八郎君 ちょっと待って下さい。そこのところがおかしいんですね。国民所得には一・四三%でしょう。予算に占めるのは九%でしょう。
○国務大臣(西村直己君) 〇・八七、一割に達しない、こういうわけでございます、それから防衛生産でございますが、防衛生産は何をさすかという議論はございますが、一応防衛生産額と申しますか、一応防衛庁の国内で発注します調達額、それから駐留軍の特需額、もちろんこの調達額の中には、普通の食糧とか、みそとか、そういうものは除いたわけでございます。調達額と申しましても、一応工業生産的なものでございます。それと駐留米軍の特需額の合計を合わせて、これを防衛生産額と、国内的に見ますと、国民総生産に対して三十四年度が〇・七八%――ちょっと訂正いたしますが、食糧も被服も入れまして、国内調達の分と、わずかながら駐留軍の特需額とを合わせたものが〇・七八%、従って駐留軍の分をカットいたしまして、防衛庁分のみでは〇・五二%、言いかえますれば、防衛生産が全産業の中で占める地位は現在は低いのでございます。将来に向かっては、お説のようにいろいろ考えていかなければならない点が残ると思います。
○木村禧八郎君 それはわかります。しかし間接に防衛産業の基盤になる、そういうものまでも勘定していくと、計算に入れていけば、もう少し大きいわけですね。
○国務大臣(西村直己君) 艦船とか航空機ですね。
○木村禧八郎君 たとえば鉄、鉄を作るための石炭、そういうふうに計算していけば、これはもう少し大きいと思いますが、そうでしょう。
○国務大臣(西村直己君) そうでございます。
○木村禧八郎君 それで西村長官、よく今後後の防衛費については、大体国民所得二%ぐらいが適正じゃないかというふうに考えられていろといいますが、それでは何年度ぐらいからそういうふうに二%ぐらいを予定されておりますか。
○国務大臣(西村直己君) 実はこれは非常にドイツなりソ連なり、アメリカなり、あるいはインドなりフィリピンというような各国の国民所得に対する防衛費のパーセンテージが御存じのように出ております。しかし、これもその国民所得の実態であるとか、あるいは実際の防衛のあり方とか、いろいろの角度から研究をし、一がいに数字だけをもって推すことはできませんが、従来私ども防衛庁に在任しておりました主管大臣等も、大体いろいろの方面を打診して、常識的に見て、国民所得の二%という線を言っておりますし、それから同時に、私が調べました中でも、多い防衛支出金があった場合には三%を越えておった時代もあったかと思います。それから最近は少し漸減して参りました。むしろ漸減したというよりは国民所得が大きくなったと言えるかもしれませんけれども、二%を割って一・四三%ぐらいになっておりますが、せめて私どもは二%前後が一つの常識の線ではないか、こういうふうに――必ずしもこれは科学的に絶対的なものではないが、私は申し上げたいのであります。それから同時に、それはいつを目標にするか。現在が一・四三%でございますが、一気にそれを来年度から二%と主張するわけではございません。これは二次計画を作ります過程におきまして、国情に応じ、また防衛生産の能力、あるいは将来への見通し、隊員の募集の状況、いろいろな人的、物的の要素を考えながら、少なくともはしご段を上るような段階的な形をとらざるを得ないのじゃないか。それに多少国庫責務負担行為のはね返りと申しますか、歳出化等も計算に入れなければなりません。それらを勘案いたしまして、大体ならして私は二%前後でございます。後の場合もあり得ると思います。そういった方向づけをできたらというのが一つの私の構想でございます。まだこれは十分検討を加えていかなければならない、まだ部内でも固まっていないわけでございますか、そういう方向づけをしていきたい、こういう気持でございます。
○木村禧八郎君 それは一つの防衛費の国民所得に占める比率とか、それはどのくらいが適正であるかどうかということについては、よく諸外国の例を引き合いに出して論ずるようでありますが、これは日本のたとえば税負担を諸外国と比較してやる場合と同じような問題が含まれておりますね。国民所得の問題ですね。しかも税引きの可処分所得、それによってどのくらい生活費がかかるかということ、それから社会保障がどのくらい充実しているかとか、そういういろいろな面をやはり勘案して考えませんと、ただ諸外国の国民所得に占める防衛費が何%ぐらいだから、日本は二%ぐらいでいいじゃないか、大体それくらいが適正じゃないかというような感じできめることは、私は適切じゃないのじゃないかと思います。所得倍増計画の昭和四十五年の国民所得は、大体二十四兆円ぐらいになりますね。そうすると二%というと約五千億ぐらいになりますね。大体二十四兆円ですね、ざっと。
○国務大臣(西村直己君) 四十五年ですね、あるいはもう少し下がってくるかもしれない、十カ年計画ですと……。
○木村禧八郎君 大体それくらいを予定しているということになりますか。
○国務大臣(西村直己君) 私どもは大体の構想は、次期防衛力整備計画は、五ヵ年計画、四十一年を目標にというくらいの見当で、国民所得に対して二%ぐらいいきますと三千六百。しかし、一面におきまして、御説のように、私も単純に国民所得の何%というふうに割り切れないことは了承いたしております。しかし、これは同時に税の問題も社会保障も、その国々の置かれた社会経済構造の観点から、防衛におきましては日本の防衛のあり方、言ってみれば防衛構造というものとも開運して考えなければならないと思いますから、一がいにこれは絶対のものだと主張しておるわけじゃございません。一応のめどとしてそういうものを計算しつついかなければならない。しかも、これは部分だけでまだ論議をかわしておる段階でございますが、ただ、めどを通していくということ、それから私自体としても、もう少し科学的な基礎がないかどうかということを部内でも求めさしております。あるいは、これが参考になるかどうかかわりませんが、イタリアあたりなどでかなり調査を――だれか私の部内の者がその検討を多少こまかく計算したものがあるかもしれません、これはまだよく開いておりませんが。各国のそれぞれの社会経済構造、また防衛のあり方、それによっても変わって参る、こういうふうに思っております。一応のめどとしてはそういうめどを常識的に考えております。こういう程度であります。
○木村禧八郎君 大体今度の第二次整備計画ですか、防衛計画は四十一年をめどにしているというお話でしたが、大体三千六百億ぐらいを予定されておると今御答弁がありましたね。そうしますと三十六年度の防衛費のざっと倍ですね。倍ぐらいになりますね。
○国務大臣(西村直己君) 一応国民所得を十八兆と計算した場合に、これの二%であれば、そういう計算が出るということでございまして、必ずしも国民所得がそう達成されるか、そのときの財政規模がどうなるか、また、これは率直に申しますと、大蔵大臣においても、なかなか議論の多いところでございます。また、他の所管大臣においても、社会保障なり減税の問題、公共事業費のあり方等もございますから、簡単に私はこれを割り切っているわけではございませんが、一応十八兆というものを計算した場合にはそういう数字が出てくる。その前後を一応一つの山としながら考えていったらどうか、これでも人によりましては論があって、ドイツの五%であるとか、どこの国の八%であるとかに比べ非常に低いではないか、防衛努力が足らぬじゃないかという、また別の論も相当強くあることも御承知の通りであります。
○木村禧八郎君 今度池田総理がアメリカに行くについては、やはり防衛計画についても大体の方針を内定していかれるのではないかと思うのですが、まあ第二次防衛計画を作るについても、財政的裏づけというものはやはりはっきりしなければ、それは絵にかいたもちです。そういう財政的裏づけというものももちろん考えられて、今のお話では大体それはもう必ず二%にならなければならないという意味で考えているのではないとおっしゃっていますが、大体四十一年、国民所得の二%ぐらいを目途として、そして今の第一次防衛計画というものを策定されておるのですか、予算的な裏づけがなければ机上プランです。
○国務大臣(西村直己君) 池田総理がアメリカを訪問されますことと二次防衛整備計画とは、直接の関連を持たせておらないし、また、総理にもその考えはないと思います。ただ、私どもとしましては、今年度の予算、第一次防衛計画は一応三十五年度で終了し、従ってその間において、防衛力整備をどうするかという意味で、この間御存じの通り国防会議を開いて重要項目だけは一応決定して、そして今回予算審議を願っておるわけですが、しかし長期防衛計画があった方がよいし、また私はあるべきである、こういう構想のもとに現在練っております。従ってめどは五月ないし六月までには大筋の骨子ぐらいまでのところは、防衛構想に基づいて、具体的にはどんな形の防衛力に整備されるべきであるかということは練り上げたい、こういう考えでございます。池田総理にこれを持っていっていただいてどうということはございません。 特に、この機会に申し上げておきますが、最近米国のマップと申します無償援助も減ってきております。従って、どうしても自衛力整備を自前でやる面もふえてきます。近代的装備も多少は育てるという観点から考えまして、対米依存と申しますか、その面はかなり漸次薄れてきておる。こういう面から、必ずしも池田さんの海外に行かれる、アメリカに行かれることのこれが直ちに裏打ちになっていく……。かつて先の内閣時代に安保改定に一次計画が裏打ちになりましたが、その時代と客観情勢は十分変わっています。しかしわれわれとしても、必要な限度においては米の援助というものはやはりある程度は期待しながら、二次計画は立てて参りたい、こういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 大体まあ第一次計画は三十五年度で一応終わって、三十六年度から第二次計画に入ることになっていたわけですが、それはまあ第二次防衛計画はまだはっきりきまっていないようなお話ですが、三十六年度には第二次防衛計画として重要項目がこの予算に組み込まれていると言われていますが、その第二次防衛計画の何といいますか、骨子というのですか、特徴というのですかね、それはどういうところにあるでしょうか、第一次と第二次の違い、違う点ですね。
○国務大臣(西村直己君) その前に一言申し上げておきますが、第一次防衛整備計画は、一応三十五年度でおわりますが、しかし、当面の防衛力はどうあるべきかということで国防会議が方針を――その取り扱いにつきまして、じゃ当面の取り扱いはどうしよう、こういうことで、従来一応達成した中で、その範囲内で残っている部分があります。その中の重要項目として、十個師単位を十三個師単位にかえようという師団編成がえは、国防会議に基づく、一つの法律に基づく機関で決定を見て、予算編成は同時にやったわけであります。従って十三個師は、定員の増がございませんし、予算上もあまり変化はない、器材費の一部に変化はございます。人員、従来の人員のワク内でやる、こういう建前をとっております。それから三十六年度以降の次期防衛計画の基本的方針は、もちろん御存じの通りの、かつて国防会議できめました基本方針がございます。あの中で今度は三十六年度以降の五年間を一応目途としておりますが、現行計画に引き続いていくことは当然でございます。従って、現在の編成がえをいたします十三個師その他が当然基礎に織り込まれていく。それから艦艇計画等は、年次がずれておりますが、第一次整備計画の中でも、三十七年度、三十八年度に、あるいは航空機にしましても完成するものがございますがそういうものを織り込みつつ、なお基本としては、日米安全保障体制というものを前提に考えて、三自衛隊の均衡ある防衛力、こういう考え方でございます。それにつけ加えまして、従来どちらかというと、ほんの根幹をきめたという形になっておりますから、ある委員から破れ障子だといわれておりますから、根幹にプラス穴のあいたところを張りかえていく作業、言いかえますれば、特に弘報面、施設、補給設備、通信等のこういう機能の整備であるとか、先ほどお話が出ました防衛精神の育成とか、特によくいわれます備蓄でございます。それから多少予備兵力をどうするか、予備兵力の確保、こういうような第一次計画に続いて防衛基盤、破れ障子といわれましたが、その根幹をさらに整備しながら、同時に穴のあいている部分を近代的に整備して参る。こんなふうな構想のもとに三幕と申します陸海空三隊の意見を調整しながら部内の意見の最終決定を取り急ぎいたして参りたい、かように考えております。
○木村禧八郎君 時間がなくなってしまったのですが、あと非常に簡単に項目を申し上げますので、御答弁願いたいのですが、その一つは、日本の防衛は日本だけでできない。日米共同でやるということになっておりますね。そこで日米共同としての日本の防衛をやる場合、どのくらいの予算を納まれているか、日米両方でどのくらいの予算を必要とするか、その中で日米の分担はどの程度であるか、それが一つ。それから分担ばどういうふうになっているか。今後ドル防衛等の関係あるいはアメリカのいろいろな戦略、戦術の変化によって、そういう分担も変わってくるのじゃないかと思うのですね。日本の防衛の場合に、日米共同でどのくらいの金が要るのか。前に発表されたこともあるように聞いておるのですが、よほど前ですが、最近はどのくらいの金を必要としているか、それが第一です。それから今後のその分担割合の変化はどういうふうに見ているか。 それから第二は、調達予算の中で継続費、国庫債務負担行為が非常にふえてきているのですね、最近。これはどういうわけでこんなに……。特に国庫債務負担行為が非常にふえてきている。継続費などは、ほとんど全部が防衛費なんです。全部が防衛庁の予算ですね。それでどうしてこんなにふえてきたか。それから今後これは相当またふえてくると思うのですが、今後の見通しです。こんなに継続費、国庫債務負担行為が、特に国庫債務負担行為がこんなにふえてきますと、事前に国会における予算の審議権をそれだけ制限するわけなんですよね。ですから、それはやはりわれわれとして非常に重大な問題ですから、この継続費、国庫負担行為が急に最近ふえてきたこと、それからそれが今後どういうふうになっていくかの見通しについて伺いたい。まだたくさん質問が残っておりますが、時間がなくなりましたので、この二点について、再質問しなくても済むように一つ御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(西村直己君) 私より、あるいは政府委員でさらに専門的にやっております者がお答えする方がいい場合もあると思いますが……。
○木村禧八郎君 防衛庁長官、時間がありませんからもう一つ簡単に加えたいのです。それは、アメリカから貸与された兵器ですね。艦船もあります。これは資料をいただきました。しかしこの中で、これは古くなって取りかえなければならぬものが相当今後出てくると思うんですね。その取りかえ分としてどのくらい今後出てきて、それがどのくらい予算――これは国産化しなければならなくなる。どのくらいその予算を必要とするものか、概算を……。
○国務大臣(西村直己君) 第一の問題でございます日米共同の分担でございますが、これは非常に率直に申しますとむずかしい御質問になるわけでございまして、私の答弁で十分でないかもしれませんが、結局日本とアメリカとは、それぞれの立場で防衛をやっていると、もちろん日米共同防衛でありますが、同時に日米安全保障、日米間のお互い同士の安全、日本の役割は日本の国内を守る、こういう建前でやっております。従ってこれの費用を一緒にして、そうしてプールにして、これから先はお前の金だ、これから先は日本のものだというほどにはっきり分け合っているものではないと私は思うのでございます。そういう意味でございますから、さらにこれから先、兵器の発達とか、国際情勢の変化によって、これらがどういうふうになるかということは、数字的に非常にはっきりさせることは困難かと思いますが、何か過去の例が一応ありますから、経理局長からさらに答えさせます。 それから、継続費と申しますか、国庫責務負担行為、継続費が多いではないかということは、御承知のようにロッキードその他によって国庫債務、あるいは艦艇によって継続費という、これは一面におきまして――経理局長から御答弁させますが、防衛庁のいわゆる一年間にできない調達、これの特殊性もまたある、こういうふうに一つ御了解願いたいと思います。
○木村禧八郎君 艦艇、アメリカから借りた……。
○国務大臣(西村直己君) それじゃ経理局長から……。
○政府委員(木村秀弘君) 防衛費の中で、わが国で支出した部分と米側の負担部分の御質問についてお答え申し上げますと、昭和二十五年度から昭和三十五年度までに国費で支弁した防衛庁費は九千四百十七億でございます。それから昭和二十六年度から三十五年度までにアメリカ側がマップで供与してくれたもの、これが四千七百九十億でございます。 それで三十六年度につきましては、ただいま国会の御審議を願っておりまして、要求額、これが千七百十七億でございます、防衛庁費。それからその同年度におきましてアメリカ側から供与を期待いたしております金額が二百十三億でございます。 それから第二の御質問の国庫債務負担行為並びに継続費、いわゆる後年度負担になる部分が非常に多いのではないかという御質問でございますが、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、航空機あるいは器材、あるいは艦艇等、一年度限りでもって購入することのできない品物が防衛庁にはたくさんございます。それからまた、先の見通しがないというと民間で生産に応じてくれないというようなもの、普通の品物でございますと、縦横の弾力性がございますが、防衛庁で購入いたします兵器等につきましてはそれがございませんので、ある斜度の見通しが立たないというと、施設なりあるいは技術者等を整えてくれない。また、先ほど長官から御説明申し上げましたように、単価も従って非常に高くなるというような種類のものが非常に多うございますので、やむを得ず国庫債務負担行為あるいは継続費として国会に御要求申し上げておる次第でございます。 なお、御参考までに申し上げますと、三十六年度の要求分を入れまして、三十七年度から三十八年度までに後年度負担として残ります部分が一千二十二億でございまして、三十六年度におきます国庫債務負担行為並びに継続費の歳出化が三百七十九億でございます。大体三百億ないし四百億ぐらいの歳出化は現在の予算規模をもってしても可能かと存じます。
○木村禧八郎君 今後の見通しも聞きたいのですがね。今後もやはりふえていくのですか。
○政府委員(塚本敏夫君) アメリカから供与あるいは貸与されましたものにつきまして、おもな分につきまして簡単に御説明申し上げますが、まず艦艇でありますが、艦艇で貸与されました分、これが大体三十五年の十二月末で、艦令十六年以上になっておりますもの、これが四十七隻で四万四百四十五トン、それから供与されましたものが十五隻で三千七百二トン、これが大体四十年度末までに就役不能になるだろうと思われますのが、そのうち貸与艦で二十四隻、二万七千三百七十五トン、それから供与艦で三隻で九百二十トン、こういうような状況になっております。ただ、これを毎年国産で全部製造するかどうかという問題は、これは二次計画の問題でありまして、その二次計画がきまりました場合に、このうちどの程度を補充するかということが自然にきまってくるわけであります。それから次は特車でありますが、これは現在中特車が、供与されましたものが二百九十九、それから軽特車が四百七十四、これが三十五年から四十年までに大体廃棄しなければならぬと思われますのが中特車で百五、六十両、軽特車で二百二、三十両、合計いたしまして三百八、九十両、こういうように大体見積っております。 それからなお小銃でありますが、小銃の中で九九式という、これはもと日本が持っておったものでありますが、これがさらにアメリカから供与されたのでありますが、これは相当命中率が悪いのでありまして、てれが現在五万五千丁ばかりありますが、これはやはり早い機会に更新する必要があるんじゃないか、かように考えております。これらの点につきましては、どのように更新するかという問題は、二次計画によってきまることになっております。
○政府委員(木村秀弘君) 先ほどの御質問につきまして、多少落としましたのでつけ加えさしていただきます。 今後国庫債務負担行為あるいは継続費がふえるかどうかという御質問でございますが、これはただいま準備をいたしております次期の防衛の整備計画によりましておのずからきまってくると存じまするが、ただその際の配慮といたしましては、ただいま木村委員仰せになりましたように、後年度負担があまりふえますというと、財政の弾力性を失いますので、先ほど申し上げましたように、年間大体全体の予算の規模によって変わって参りますけれども、ただいまの段階では三百億ないし四百億の歳出ということになりますと、今年度並みの規模で済みますので、将来の予算全体のふえ率、伸び率というものと照らし合わして考えなければいけませんけれども、しかしあまりにも後年度負担をふやすということはないように配属をいたしていきたいと思います。
○主査(塩見俊二君) この際、お諮りいたします。 森元治郎君から分科担当委員外委員として発言の通告がございます。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認めます。森元治郎君。
○担当委員外委員(森元治郎君) 防衛庁の関係の御質問はたくさんあるんですが、残念ながら私は現憲法下ではやはり持てないんだという建前をとり、その通りだと私も信じておりますので、残念ながら激励をしたり、こうしたらよかろうということがどうもやりにくいのです。また現実にこうやっていろんな書類を拝見してみても、失礼ながらたるんでいる。あるから予算を使うのだというのが防衛庁の予算の特徴だと思うんです。はなはだどうもまずいんですが、しかしあるから、やっておられるから、そういうものについて二、三伺ってみたいと思います。 一体この陸海空三軍がありまするが、この建前というものが、成立当時からきわめてあいまいで、最初は、これを作るときには、いわゆる旧海軍思想といいますか、で、今度もやらなければならぬ、従って中型甲殻巡洋艦を作る、乙級巡洋艦も持ちたい、あるいはグアムとか、あるいはミッドウェーまでも、あるいは南方の多い食糧を取りに、また兵員輸送もやらなければならぬという考えもありました。陸軍は陸軍で、例の池田さんがロバートソン会談で行ったころ、ダレスは三十五力くらいの陸兵を作れと、その陸兵は表へ持っていくんだというような考えがあったりなんかして、スタートがきわめてあやふやで、しかも警察予備隊、保安隊、自衛隊――このスタートがはっきりしない上に、憲法上の重大な問題があるために、おやりになっている西村長官も腹の底からこれだと言うことができないんだろうと私はまあ思うんです。 そこで現在の三軍の目標というものは一体何か、これを見ますと、艦艇の目標の十二万トンばかりは一体何をしようとするのか。それから地上部隊は、まあ日本人的感覚といいますか、地理的に十三個師団くらいの小さい編成にして、地域的に分散させる。これを直すのに七、八年かかったでしょう、アメリカさんがぎゃあぎゃあすっとんきょうなことを、言っているのを普通に直すのに。一体陸軍はどういうことを考え、空軍は何を目標にしているか。それを一つ予算審議に入る前にちゃんと伺います。
○国務大臣(西村直己君) 一面お説のように、日本の陸海軍は一応解体されてゼロになりました、その後発足の歴史過程におきましては、警察予備隊、保安隊、防衛庁、しかし現在私は、それでは全然無信念でやっておるか、そうではございません。自衛隊法というのがはっきりございまして、これによりまして国土を守り、あわせて国内における間接侵略、また公共秩序の維持、治安維持、こういう面を担当する。この基本目標というものははっきり国会において御承認をいただいておるのが自衛隊三隊でございます。そこで、その中で陸は何をいたしますか、もちろんこれは直接陸上にありまして国土の防衛をいたすわけであります。従って、この自衛隊になりましてから、また保安隊以来の経験等考え、またその他諸外国の装備の状況等もあわせて考えまして、十三個の小単位で機動力、効率、こういうものを発揮して参りたい。従って、十七万の人間を科別、ワクを広げて大きくしてやるわけじゃなくて、現状の範囲内で効率化をはかりたい、こういう運用をやっております。海上におきましては、もちろん艦艇はまだ十分でございません。従ってその中で、海峡あるいは沿岸、あるいは港湾の保護、あわせて潜水艦活動に対していわゆる対潜哨戒と申しますか、潜水艦活動に対して防衛をするなり、警戒するなりという任務についておるわけであります。また、空におきましては、領土の防空、これがもう主眼でございます。その体制で現在逐次整備をやっておるのが現状でございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) 今表面からちょっと見ましたとろでは、小さくバランスがとれた、いわゆるバランスのとれた軍隊だという感じがするのですが、実態は、きわめて目標のあまりはっきりしないものじゃないかと思うのです。そのうち、まず伺うのは海上部隊ですね、何か航空母艦も持ちたいようなお話もあるし、一万トン級巡洋艦らしきものも打ちたいような様子もあるが、むしろ小艦艇主義にする考えはないかどうか。思い切って、そういう他国並みのおもちゃをほしがらないで、他国並みのことをやらないで、小艦艇主義、たとえば西ドイツの場合なんか見ても、やはり地上部隊と空、海というのは、もうコース・ガードみたいにごく少ないように見える。ところが日本はやっぱりどうも昔の海軍といった感じが残っておるのですが、どうですか。
○国務大臣(西村直己君) もちろん、われわれは国力なり国情に応じて、しかも自衛でございますから、国土の守りというところに強い線を引かれております。従って、従来のような大艦巨砲というようなものを考えているわけではありません。特に、ドイツの場合と日本の国情とはずいぶん違いますのは、日本は御存じの通り四面海でございまして、従って物資の輸送、港湾警備あるいは海峡警備、たくさんな海峡がございます。また港湾も持っております。従って、これらに対して警備をする。符に今大きな巡洋艦を持たそうという構想はございませんが、お説の中でヘリ空母の問題は一つ検討は加えております。これは御存じの通り、対潜哨戒としまして、小型の空母の上にヘリコプターを載せることによって、潜水艦発見ということを勤めるのには、移動機として一つの方法じゃないか、こういうような考え方のもとに、やはりこれも国土の防衛、言いかえれば、比較的近いところの対港哨戒、こういうような観点から論議されておるわけでございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) そのヘリ空母の場合、こういうふうに大きな大陸のそばにぴたっとくっつかっているような、この地理的環境のもとにおいて、空母というものはこの辺に実際問題としてはうろうろしておらない。いわゆる離れて飛ばすと、こういうことになるかと思うのですが、その場合には、他国の領土でも自由に出入りし、他国の軍港へも入って作戦をするということはあり得るのですか。
○国務大臣(西村直己君) 寮母と申しましても、決して背の、あるいは第七艦隊にあるレインジャーのような七万トンというものじゃございません。 万トンがせいぜいでございまして、もちろん、これはまだきまっておりません。しかし陸上の基地からヘリコプターで潜水艦を発光するよりは、沿岸近海を遊よくして、そして探す方がより効果的であり合理的である。こういうような意味から一つの構想として現われたものと思っておりますし。従って、これが遠い外国に出る、あるいは他国の軍港に入るということは一応考えられないわけであります。
○担当委員外委員(森元治郎君) それからこの三軍の自衛官の在隊期間というのはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(加藤陽三君) これは幹部と隊員と違うわけでありまして、隊員の方は、陸上自衛隊の隊員は二年または三年、海上自衛隊、航空自衛隊は三年ずつでございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) 在隊期間というものを半減するというようなお考えはないのかどうか。もし半減するということになれば、予算上どのくらいの減りがあるのか、どういうことになりますか。私は少し長いんじゃないか、ことに地上の場合は長いのじゃないか、それから海の場合、空の場合も若干一年くらい、半としくらい削られるんじゃないか。こういうところで節約できて、効果的にできると思うのですが、どうですか。
○政府委員(小野裕君) ただいま陸上の自衛隊員は二年でございますが、また三年もございます。これは技術的な職種のものは三年でございます。海空が三年でございます。お話のように、年または一年半に短縮いたしますならば、数多くのものが訓練される。あるいは給与の面におきまして、これが高くならないうちに新しい者にかわるというような点がございます。しかしながら、一定の教育をやりまして、一定のレベルまで上げる。ことに今日の装備が非常に進んでおりますために、いろいろな科学的、技術的な訓練も必要でございまして、そういうものを実らせますためには、最低二年または三年というものが必要である。こういうふうに考えまして、あるいは短期の面も考えてみようかという考えもございますけれども、基本はやはり二年または三年というところがころ合いである、このように考えております。なお、予算がどう動くかというお話でございますが、一年と二年ではそう大した違い はございません。
○担当委員外委員(森元治郎君) 一年くらい減らした場合のやつは、ちょっとそこらで専門家そろばんはじいてくれませんか。 それから数多くの者が訓練を受けるということの方が、なかなか大きい価値があるじゃないか。単に給与が、だんだん古くなって高くなるという利点もありまするが、数多くを訓練していく、どんどん数多くをやるという方が、もし経費上相当な減額することができるならば、こういう考えは十分検討に値するのじゃないかと思う。そこで、今人事局長の御答弁では、何か現在の兵隊さんというものは、兵器を取り扱うのは片の三八式をいじくっただけで、あとは不動の姿勢の練習だけで済んだ時代とは迷うとおっしゃいますが、しかし、終戦後十六年で、一般人の科学知識も、あるいは機械をいじる頭も心も比較的前よりも進んでいるのではないか。指導よろしきを得て、人を徴募することができるならば、決してむずかしいことではないと思うのですが、ただ減らすことを、一年減らすか半年減らすかは別として、これは十分考えるべき問題だと思いますが、もう一ぺん。
○政府委員(小野裕君) 二年のものを一年にすると予算上どの程度の影響、変化があるかという点につきましては、大体一年たちますと、俸給が一回上がるのが建前でございます。七百円、八百円というところが、上がるわけでございますから、これが年間にいたしますと約一万円であります。それから総員、いわゆる隊員であるところの全員が全部一年でかわるということになりますと、もっとも、これは一年だけでなく、二年、三年とまた更新していく者もあると思いますから、そういう意味で数字がはっきりつかめませんです。たとえば陸上の場合に、隊員が十万、そのうち五万が一年でかわると考えれば五万の人に対して年額一人一万と見れば五億というものが浮いてくるということは言えると思います。もう一つの問題は、ただいまは二年あるいは三年という任期のもとに、特別退職手当という名前で、大体一日当たりの百日分、二百日分というような特別の退官手当を出しております。これが一人当たり二万ないし二万五千というところかと思うのでありますが、こういうようなものをどうしたらいいか、それによりまして、またいろいろと事情が変わってくるわけでございます。それから二年やらなくてもいいじゃないかというお話でございますが、その点につきましては、やはり相当部分の者は、やはり二年以上やってもらわないと一人前の力にならないと考えます。一部には一年でも十分こなせるという職域もあろうかと思うのでありますけれども、これはごく一部であろうと存じます。
○担当委員外委員(森元治郎君) 今の隊員の応募される、ことに陸上自衛隊の場合に応募される方々の知識相反はどの程度ですか。
○政府委員(小野裕君) 全体を通じまして、海上及び航空の方は、概して高校出身の者が大部分でございます。陸上自衛隊におきましては、中学を出られまして、二、三年たったという方がやはり半数近く四割ないし五割というところ入っておられます。その程度で、高校卒あるいは中卒が一部、こういうような状況でございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) 高校卒ならば、基礎的な問題はやはり私は数学だと思うのですが、今の高校はなかなか数学が私たちのときよりは少し多くやっているのではないかと思う。ものを理解する力は相当あるのではないか。ですから学科がむずかしくなったと育っても、からだを使うフィジカルな問題は別として、頭の方の理解は進むのだから、考える余地があるのではないか、海、空の場合、どうですか。
○政府委員(小幡久男君) 新隊員の訓練の概要を申し上げますと、大体入隊いたしまして、最初の前期訓練が約十週間でございます。それから、それが終わりまして、いろいろの職種に分かれまして、長い短いはございますが、十週間から二十九週間後期教育を加えまして、それをトータルいたしますと、大体四ヶ月から十カ月ぐらい、そういう基礎教育に期間をかけるわけであります。さらに高い技術に進む者に若干の補修教育をいたしまして、それが終わりまして、初めて部隊に配属になりまして、最初の三カ月は小隊以下の訓練、次の三カ月は中隊以下、次の三カ月は大隊以下、最後の二カ月を野外教育訓練あるいは総合訓練をやる、そういった仕上げ訓練の過程になっておりますが、一年にすることは、現在の訓練の過程から見まして大へん困難だというふうに考えております。
○担当委員外委員(森元治郎君) 実際われわれ隊を拝見したことがないからわからぬけれども、何でもかんでもきっと一生懸命教えてやられるから、一ぱいになってしまうのだろうと思うので、もう少し気合いをかけて圧縮すれば、私はやり得る余地が十分あると思う。ところが、そこがやっぱり憲法の根本にひっかかってきて、教える方の気合も違ってくるから、ずっと三年にこうなってくるのだろうと思うのです。 ところで、この隊員の隊を退いた場合の就職の問題ということは、陸上自衛隊なんかの場合、あるいは海上でもよろしゅうございますが、就職はどういうふうになっておるか。簡単にいくのですか。
○政府委員(小野裕君) ただいまの社会情勢、経済情勢のもとにおきましては、除隊をいたしました者は、就職に一通り事を欠きません。ただほんとうに終生の職場につき得るかどうか、これはいろいろ問題があると思うのでありますが、一応除隊しました者は、それぞれ就職先を得ております、なお、この点につきましては、部隊あるいは関係の機関であっせんしておるものもございまするし、また、個人として就職口を見つけていく者もございます。特に海と空の関係は就職先に困らない状態でございまして、陸の場合は、やはり勤務の場所とか、あるいは自分の好む職種とか、そういう点について多少の食い違いはあるのでありますが、まあどこでもということであるならば、どちらへ参りましてもりっぱにやっておるようでありまして、概して就職先で評判がいいように聞いて、うれしく思っております。
○担当委員外委員(森元治郎君) 大臣自衛隊に入った者が、採用してもなかなか一生懸命よく働くという評判が一体あるのかどうか。また、名会社の方に向かって、自衛隊だったから職がないんだというようなことがないような手は、防衛庁としてやっておられるのですか。
○国務大臣(西村直己君) 自衛隊でも特に技術を持っていく部面でございますね、につきましては、ある意味から申しますと民間からの引っこ抜きと申しますか、招請をお断わりしなければならぬような場合も相当あるわけでございます。一番いい例がパイロットなんかでございます。非常に苦心して養成して、それを直ちに民間へ引っこ抜かれるというようなことでは困る。それから陸上の場合でも、私どもの立場があるからかもしれませんが、自衛隊出身者は、比較的に使って、規律、訓練、教養、その他が一応できておるのでよいという意見を聞くことの方が多いのでありますし従ってわれわれとしては、これをもう少し組織的にいろいろ就職あっせんなどをやっていくことも将来十分考えて参りたいと、こう考えております。
○担当委員外委員(森元治郎君) そういうふうであるならば、また先ほどの話に戻りますが、在隊年限を短くしても、就職の心配がないのだということであれば、教科内容をもう少し検討すれば短くなり得る余地があるのじゃないかという気がいたします。ところで、予備自衛官とか、私詳しくわからないのですが、自衛隊に入って任期を終えて地方に帰ってきている人数というものはどのくらいになっておりますか。
○政府委員(小野裕君) この数は幹部を含めました数でございますが、幹部は少なうございますからお許しいただきまして、警察予備隊が始まりましから昨年中、三十五年末までに自衛隊員になりました者が四十二万でございます。そのうち、ちょうど半分の二十一万が除隊退職いたしております。このうちには幹部も入っておりまして、幹部はごく少数でございまして、大体二十万、二十一万が退職しております。
○担当委員外委員(森元治郎君) 詳しくわからないので失礼でありますが、この除隊者というのですか、二十一万の人は、昔のようにやはり定期訓練を受ける義務はあるのですか、一年か、三年ごとに。どういうふうな……。
○政府委員(小野裕君) 自衛隊を満期あるいはその他の事情で退職されました方につきましては、特に予備自衛官を志願して採用されました者以外については、自衛隊との関係は完全に切れるのでございます。予備自衛官という制度がございまして、これは現在では一万五千名でございます。三十六年度予算で二千名の増員をお願いしておりますが、この一万五千の予備自衛官、これは大体九十数パーセント今充員しておりますが、この方々は事ある場合には招集に応じなければならないし、年に若干日の教育訓練を受けなければならないということになっております。
○担当委員外委員(森元治郎君) そうすると、現在の自衛隊は、この一万五千の予備自衛官を入れて十六万五千になるのですか。
○政府委員(小野裕君) ただいまのお話、誤解がございますと何でございますが、予備自衛官は常時編成の外にございまして、これは全然別にお考えをいただきたいと思います。
○担当委員外委員(森元治郎君) さっきパイロットがだいぶ引っぱられるという話がありましたので思い出したのですが、どうもこの表を見ると、航空機の機数をそろえる方に一生懸命で、人の訓練というものが割と進んでいない。もっとも、人はそう簡単にはできませんけれども、むしろ機数をたくさん買い込むよりも、ある機数をフルに動かすことの方が経済的にもよろしいし、効率も十分である。六機で六人の操従者では六機効きません。そういうような関係はどうなっておりますか。
○政府委員(小幡久男君) お答えいたします。F86Fについて申しますと、三月一日現在で、飛行機の機数が三百八十五機に対しまして三百五十九名のパイロットがおります。まだ君子の差はございますが、三十六年度には大体とんとんになろうと思っております。それからなお海陸につきましてもそれぞれ順調に進んでおりまして、陸につきましてはし機が百八十六機に対しましてパイロットの数が二百二十九名でございます。海上自衛隊につきましては、一例をP2Vで申しますと、二十七機につきましてすでに百二名のパイロットを養成しております。
○担当委員外委員(森元治郎君) こういうことにもやっっっぱり陸海軍のというかP2V関係の方は海の人がやっているせいか、人数が割にそろっているが、地上部隊の方がどうも比べると少ないように思う。日本は貧乏なんですから、飛行機は銭さえあれば買えるので、これをそんなに常駐しなくてもいい、常駐すればどんどん型は古くなっていく。それよりも搭乗員の訓練をして、予備員を持った方が、いいのじゃないか。その予備をやれば、あるいは民間で採用されるかもしれない。それも別な面で税金を役立たせているのだから、もう少し人の教育を当面この場合やっていいのじゃないか。ところで一機当たりの地上の整備員はどういうふうになりますか。
○政府委員(小幡久男君) お答えいたします。ごく概数でございますが、航空自衛隊の例を申しますと、整備員の現員が五千八百六名でございます。それに対しまして、現在、飛行機が一千百二十八機でございます。そういう関係に現在なっております。
○担当委員外委員(森元治郎君) これは飛行機というのは、要するに羽がはえている……、人間をまぜた数ですね。
○政府委員(小幡久男君) そうです。
○担当委員外委員(森元治郎君) 五千八百というのは、どの程度能力の差が……、相当あると思うのですが。
○政府委員(小幡久男君) 五千八百六名と申しましたのは、すでに整備員といたしまして、現在整備員の中には初級、中級、上級と、三つのレベルがございますが、いずれもその初級以上のものでございまして、内訳を申しますと、上級レベルが六百三十九名、中級が三千三百八十一名、初級が一千七百八十六名、計五千八百六名でございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) そうすると、三階級に分かれておりますが、上級整備員は、昔の逓信省の試験なんかでいくと、どのくらいの期間になるのですか。それから上級になれば、上級の取り扱う機種は、どのくらいまで扱えるか。新しく入ってロッキードとか、そういうところまで扱えるのか。
○政府委員(小幡久男君) これは初級、中級、上級とも、各機種別にございますけれども、各機種別に、初級は、やはり最も基礎的な技術、それから一瀞上級は、全体の整備を監督する程度の力量と、こういうふうになっております。
○担当委員外委員(森元治郎君) そうすると、新制大学の工科でも出たくらい力があるのですか、上級は。
○政府委員(小幡久男君) 直ちに、大学出と比較するのはむずかしいのでございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) 一般教養を別にして。
○政府委員(小幡久男君) 大体の過程を申しますと、まず高校卒が普通でございますが、航空自衛隊の隊員は、高校を出まして、術科学校に入りまして、そこで数ヶ月教育受けまして、その学校を出るときに、初級レベルをもらいます。それから部隊へ参りまして、部隊で隊務を通じて、いろいろ実務を訓練いたしまして、そこで中級のマークを得ます。さらにそれを済みまして、再び術科学校へ帰って参りまして、そこで上級課税を終えまして、その上で上級のレベルを得る。大体五、六年、六年くらいしないと、一番上の課程は済まないというふうになっております。そういう期間でやっております。
○担当委員外委員(森元治郎君) そうすると、現在のこれだけの総数、五千八百六名の整備員をもって、そうして、今持っている千百何十機の、練習機その他を除いて、たとえばF86Fの三百八十五機などというものが、全部完全に動くのですか。このうち、どのくらいが可動になるのですか。三百八十五機のうち、可動なものは、やはり三分の二になるでしょう。
○政府委員(小幡久男君) 大体の平均値は、七割五分という程度可動されております、全体の。
○担当委員外委員(森元治郎君) ちょっとアメリカはぜいたくだと思うのですが、よその国の飛行機と整備員の数を調べると、やはり日本の方が少し落ちている。少しじゃない、だいぶん落ちていると思うのだが、どうですか。
○政府委員(小幡久男君) 一機当たりの定員は、大体同じ積算でやらしてもらっております。ただアメリカのように、歴史が古くございませんので、上級の技能者がまだ少ないという点はいなみ得ない事実でございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) これは、こういうものを動かすのは、やはりパイロットじゃなくて、もう地上の整備員が、しっかりしなきゃならぬことは、もう戦争でたたきつけられて、いやというほど知っているわけだ、こういうものをもう少しやっておかないと、幾ら飛行機なりロッキードを入れても、飛ばないのは、そこらのダットサンと同じだ、飛びたいときに飛ばなければダットサンと同じだから、飛ばすためには、やはりもう少し人を養成しなければだめだと思うので、世間並みのような御答弁でありますが、私は、ちょっと見た感じでは、どうも地上整備とパイロットとが、飛行機とアンバランスであるという感じを今受けました。 教育の方は、それだけにして、話が飛びますが、大臣は、前の赤城さんから事務連絡がおありだったと思うのですけれども、日米安保条約による事前協議のうちで、どのくらいのものが、どのくらいの兵力のものが、協議の主題になるのかということに対して、赤城さん、藤山さんは、一個師団くらいのものだと、これが前政府の御答弁でありましたが、この一個師団というので、国会では、何人――八千人を一個師団と言ったのか、アメリカ式師団か、私忘れましたが、要するに、陸軍地上部隊の一個師団くらい、それがだんだんふえてきてもよし、一ぺんにふえてきてもよい、それは第六条の交換公文にいうところの重要なる配置の変更になるのだ、こういう答弁でした。それならば、これを海とか空に比較した場合には、一体どの程度であるならば重要なる配置の変更になるのか。
○国務大臣(西村直己君) ただいま森さんが御質問なさいました、大体私も、そういう経緯で引き継いでおるわけであります。 安保条約において、交換公文で、配置に対する重要なる変更、まあ陸において、たとえての例になりますが、一個師団程度の兵力と考えておるわけでございまして、これがまあ新たに日本国内に配置になった場合、事前協議の対象とする、まあ空軍でありますれば、やはり航空師団程度とわれわれは考えてきております。それから海の場合であります、海軍の場合でありますと、いわゆるタスク・フォースという言葉が妥当でありますが、第七艦隊の麾下にある一つの機動力、ある程度まとまった機動力というものが、常備配置になる。一時寄港とか、そういう面はございません――そういうことを重要なる変更、こういうふうに、私どもは解釈して参りたいと考えております。
○担当委員外委員(森元治郎君) 空軍ならば、航空師団といっても、これはちょっとわからないのですが、御説明を願いたい。
○政府委員(加藤陽三君) 米軍の航空師団と申しましても、戦術空軍に属するものとか、戦略空軍に属するものとか、防空空軍に属するものとか、いろいろあるわけでございます。大体その任務に応じまして、持っておる飛行機の機種も違いますが、御承知と思いますが、日本には航空師団が二個師団来ておるわけでございまして、その程度のものが、新しく配置になるというふうな場合を考えておるわけでございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) 航空師団の定員というか、定数というか。
○政府委員(加藤陽三君) 定数はつまびらかにいたしておりません。これはやはり、それぞれ攻撃機、爆撃機、偵察機その他によりまして、師団の編成がみな違うわけであります。
○担当委員外委員(森元治郎君) そうすると、せっかく御答弁して下すったのだけれども、ちょっとわからないのですね。内容はわからない。航空師団だというだけでは、その看板だけで、裏がちょっとわからないのですが。何機あるのだとか……。
○政府委員(加藤陽三君) その何機というのが、いろいろ師団によって違うということを申し上げたわけでございます。師団の下にウィングというのがおりまして、ウィングを二つ持っておる師団もあるし、三つ持っておる師団もある。ウィングの下にスコードロンがあるわけですが、そのスコードロンにも、いろいろの編成を持ったウィングがあるわけでございます。戦略空軍といたしますと、一航空師団で、おそらくこれは数十機程度だろうと思います。戦術空軍になりますと、非常にその数がふえるというふうになるわけでございまして、師団として固まった定型的なものは、ちょっと申し上げにくいのじゃないかと思うわけでございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) そこで、こういうことは大臣ありませんか。一個師団の兵力だ、海軍でいうならば八千人くらいだ、あるいは一万人だ、陸軍と同じだ、人数計算は、これはちょっとおかしいと思うのですが、どうですか。やはり海軍ならばタスク・フオース、空軍ならそのスコードロンとかウィングとか、あるいは師団とかというのがほんとであって、人数でいうのはおかしいのじゃないか。海の場合、たとえばどうです。やはりロスク・フォース、一つのユニットで言うのでしょう。
○政府委員(加藤陽三君) でありますから、私ども、人数でこの問題を限定しようということは、無理であるというふうに思っておるわけでございます。海軍の場合は、タスク・フォース程度のものが、新しく日本に配置になる。第七艦隊につきましては、実際問題としては、私は考えることは非常に困難だと思いまするけれども、考えれば、そういうことであろうというふうに説明してきておるわけでございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) そこで、きょうこれは小坂新大臣にお伺いしたところ、だいぶあの方は気負っておられて、それは一個師団は八千か一万でしょうと、私は要するにそれくらいが入った場合は事前協議の対象になるというのだが、海軍の場合はどうだ、たとえば海軍の場合どうだと、きょう伺ったら、それはやはり同じだ、八千人だ。それはその重さと長さをはかるようなものじゃないかと、こう言ったのですが、これは私はわからないものを、そう幾ら突っついてもだめですから、こっちが負けて、答弁はストップしましたが、これは大へんな誤りだと思うのです。さすが防衛庁長官、専用家ですから、やはりそのウィング分けなければいけないのだ、もっと勇ましければわあわあ騒いでしまうのだけれども、私も紳士だから、わからないのを言ってもだめだから、私の方が引っ込んでしまった。これは大へんな間違いであろうと思います。 ところで、終わりに、領空侵犯と科学兵器、航空兵器の発達について、もうレーダーもできた。向こうから飛行機が飛び立ったのが、こちらからわかる。背は領空侵犯というわれわれの観念は、プロペラ機というものがあって、入ってきたら、間違えちゃいけないよ、ここは日本だからといって押えてしまう。逃げなかったら、撃ちましょうか撃ちますまいかと連絡する。そうすると、地上の指令でもって、撃っていかぬとか、撃てとかいって、ゆっくりとしたお話であったけれども、最近は、矢のように飛んでくるので、これはよほど領空侵犯が、敵意を持って入ってきたかどうかという判断は、非常にむずかしいと思う。そこで、その場合の戦闘作戦行動というのは、事前協議の対象になっておりまするか。どういうふうにやられるか。何かこういう場合、もうわかっているのだから、日米間のある程度の了解があるのか。もう寸刻もない自体になると思う。 それから、またロケットなりいろいろなミサイルも、今度入れるとかいうお話もありますが、もうはっきり確認されて、眼の前に来たときには、飛び上がって、ここは北海道の釧路の上ですよと言っているひまはない。もう通過してしまう。それには、途中でもう撃っていって、向こうの速さとミサイルの速さと、ちょうど同じぐらいに北海道の上空になるようにこういうふうに新しくなってきた。こういうとまに、一体防空態勢というものは、もう作戦行動からみた条約上の戦闘作戦行動はどうなるのか、事前協議の問題として。
○国務大臣(西村直己君) この間、予算本委員会におきまして、森さんから外務大臣に対して、詳細の御質問がありました。私も、外務大臣と同意見でございまして、この領空侵犯は、自衛隊法でも一条を起こしておりまして、自衛隊法の八十何条かにございます。あくまでも、これは故意であると無意識であるとを問わず、これを排除する。撃ち落とすとか戦闘するとかいうのじゃなくて、排除する。警告を与えて、さらにこれを、できるだけ誘導するなり排除するという、いわゆるある意味からいえば、国際間における警察活動――戦闘行為ではないと、こういうふうに私どもは解釈いたしておりますので、事前協議の対象にはならないと、こういうふうに解釈している次第でございます。
○担当委員外委員(森元治郎君) そういう場合に、何といいますか、追っ払っても、まだ来る。あるいは三機なり四機なりというか、今、戦闘機の様式もだいぶ変わってきておりますから、そう、のそのそしたものではないので、うかうかゆっくりしてはいない。どの辺から私――この基準ですね。これは、侵略的意図があるらしい、少しく悪意、敵意が、あるいは入っているような行動とみるか、そのものさしですね、どの辺にめどを置いておられますか。
○政府委員(海原治君) お答えいたします。先生も御承知のように、普段飛行機が、一地点からあるところへ飛びますときには、あらかじめフライトプランというものを提出いたします。従って、各サイト等にも、自分のもよりのところを通過する飛行機の通過の計画はあらかじめわかっているわけです。これをレーダー・サイトで見ておりまして、あらかじめ予定されております飛行機と違うものが見えたときには、一応領空侵犯の疑いがあるかもしれないということで、もよりの飛行場から緊急発信いたします。この緊急発信いたしました飛行機は、上へ参りましてから、国際緊急周波用の周波数がきまっておりますが、その一例を申しますと、一二一・五メガサイクルが、国際の急緊周波数になっております。こういうものとか、二四三・〇のメガサイクルの無線等で、誤って航路を失った飛行機でないかどうかということを、確かめることになっております。 これによりまして、普通の場合には、領空侵犯に至らないで、問題は解決されるということがございます。現に日本海沿岸等におきまして、いわゆるロスト・ポジションと申しますか、行く先を失った飛行機、あるいはもよりの飛行場がわからない飛行機等を、わが方の飛行機で誘導した例もございます。無線通信によらない場合は、これもやはり国際慣行で、飛行機を誘導しますいろいろなやり方がきまっております、これは視覚通信と呼んでおります、あらかじめその飛行機の航行進行方向に向かいまして、その外側に翼を数回掘るということによって、そちらの方向に誘導するということが、一般的に国際慣習できまっておりますので、このようなことによりまして、領空侵犯に至らぬ間に、一切の事態を処理する、このようなことになっております。
○担当委員外委員(森元治郎君) 大臣その領空侵犯というのは、私も領海三海里というような古い観念が入っておりますが、これからは、警戒し排除する場合は、もっと先の力でやらないと、排除ができない場合がある。領海なんて言った日には、これは通過してしまう時代になるから、これからは、遠くの力で排除するという傾向になりますね、現実は。
○政府委員(海原治君) 将来、お説のようなことになるかと思います。 従いまして、その警告の方法等が、視覚通信による警告というよりも、むしろ無線による警告、こちらに来れば領空侵犯になるおそれがあるから待避してくれ、こういうことの通信によりまして、領空侵犯をあらかじめ排除する、こういうことになろうかと思います。
○森元治郎君 そうすると、だんだん領空侵犯というふうなことは、レーダーの発達やスピード、それから先ほどの無線の通信方法などによって、なかなかやりにくくなってくる傾向にあると思うんだね。もし入ってきたとすれば、それはだいぶ、ある意図を持っているとみるほかない。いわゆる普通の間違って入ったというようなことは割に起こりにくくなる傾向ですか。
○政府委員(海原治君) 将来のことにつきましては、必ずしも予見はできませんのでございますが、従来の例では、そういうふうに、先ほど申しました自分の位置を失った飛行機を発見するぐらいが例でございます。 従いまして、おそらく心配されますような事態というのは、将来ともに起こることはきわめてまれではないか、このように考えております。
○担当委員外委員(森元治郎君) ソビエトが、バレンツ海だったですか、RB47撃墜事件というのが起こりましたが、あれは領海に入っている、入っていないということも、一つの問題になった。あの場合も、やっぱりあれは相当領海は遠いところで落とされておるんですね。ああいうことがこれから行なわれるわけですか。ソ連の方としても、待ってたんじゃスピードが速いから入られるというので、遠くの方で警戒して警告をしたということであったのか。もし、何かわかっておったら……。あるいは想像でもけっこうですが。
○政府委員(海原治君) 今、御指摘になりました飛行機の撃墜事件につきましては、いろいろな報道が流れておりまして、私どもとしましても、どういう状況であったかということについては、遺憾ながら承知いたしておりません。また、このような事件が、今後起こるとは私どもも考えておらない次第でございます。 その辺で、一つ御了解願いたいと思います。
○辻政信君 簡単に、具体的な問題を申し上げますから、政府の方も具体的に簡単にお答え願いたい。 私、きょうの分科会に出る前に、過去一年間に、内閣委員会と予算委員会で皆さんに質問した、それに対する政府の答弁、これをずうっと当たってみました。と申しますのは、国会における審議が、ともすれば、その場限りになる。いわゆる、言い捨て、聞き捨てになるというのが現在の通弊であります。責任を持って御答弁なさったことが、その次の予算に、どのように、改善されておるか、こういうことをやりませんというと、国会審議というものは全くむだになります。そういう意味で過去一年間、予算に関係する問題を集録してみました。具体的に御質問いたします。 まず最初に、これはたしか江崎防衛庁長官の時代でしたが、三十六年度の予算編成の重点事項として、訓練の向上ということを強調なさっておりました。前年度に比較して、三十六年度予算で訓練向上のために、どのくらいのワクをお取りになったか、その数字をお伺いしたい。
○政府委員(木村秀弘君) 教育訓練費につきまして、三十五年度とただいま要求いたしております三十六年度の要求額の比較を簡単に申し上げます。 三十五年度が陸・海・空・防大、これを合わせまして十七億、五千四百万――百万単位で申し上げます。三十六年度の要求が二十九億四千四百万、差引十一億八千九百万の増として要求いたしております。
○辻政信君 これは、かなり思い切った増加で、政府が言われたことは、うそじゃなかった。その誠意は認めます。 それでは、これは西村防衛庁長官が私にお答になったのですが、陸上自衛隊の欠員が非常に多い。その欠員補充は、年度末までに全力をあげる、こういう御答弁がありました。ちょうど年度末にたりましたが、どのくらい埋めることができたかどうか、これへ数字でお答え願いたいと思います。
○政府委員(小野裕君) 先般お尋ねいただきましたときと、大差ない程度ではないかと思っております。
○辻政信君 数字を言いなさい。どのくらい欠員があって、どのくらい補充できたか。
○政府委員(小野裕君) お尋ねいただきましたときは、何月でございましたでしょうか。
○辻政信君 十二月。
○政府委員(小野裕君) 当時は、三万か二万強の欠員でございましたが、おそらく三月末におきまして、それより少し下がった数字になるのではないかと考えます。
○辻政信君 ほとんどできていないんですね、実際には。西村長官、ほとんどできていないのですね。あなたは、年度末までに全力を尽くして埋めると、こう言っておられる、速記録には。
○国務大臣(西村直己君) 確かに私としましても、あらゆる方途を考え、言い換えますれば、時間の短縮であるとか年令の低下、いろいろな手を考えてみましたが、しかし、必ずしもそれによって、直ちにやられるものでない。また、一つの問題にはなりましたが、沖繩方面で希望者もあるということによって、募集の簡易化の方法答も考慮いたしましたが、今のところ、私が先般申し上げた点において、実際にそれほど伸びないと、こういうことに事実でございます。 ただ、今後も私としましては、あらゆる努力によって質のいい自衛隊――ただ質を下げていたずらに人数を埋めるなら、これはできることでございますが、問題はやはり自衛隊である以上、私どもは質を落としてということは考えたくないものでございますから、そういう意味で、今後努力を続けて参りたい、こう考えております。
○辻政信君 私の言うのは、それは皆さんの困難な理由もわかるが、二万近い欠員を持っておる、編成定員に。そうして今度はまたふやすんですね、編成定員を。そこを私はついておるんです。だから、表の上では三十六万何千になっていますが、実際は、ふたをあけてみるというと、中身はないのでしょう。これが真相じゃないか。 それじゃ具体的に言いますが、人件費は大蔵省から編成定員の額面の何%おもらいになっていますか、ことしは。一〇〇%じゃないでしょう。
○政府委員(木村秀弘君) 人件費につきましては、ただいま先生仰せになりましたように、一〇〇%ではございません。陸上自衛隊につきましては八八%それから海空につきましては九七%でございます。
○辻政信君 この数字が明瞭に表わしておるのですね。だから、私の言うのは、これを充足することに全力をあげて、しかる後に増員はやりなさいと、これを言っているんです。この点は、これは黒星ですから、一つこの次、あなたにお目にかかるときまでに必ず……。
○国務大臣(西村直己君) 確かに、予算定員と言うと語弊がございますが、海空は、もちろんこれは御存じの通り、充員はそう変わっておりません。問題は、陸の問題でございます。陸が二万余の欠員がある。そこへ千五百の増員をはかっておる。一方、予算額においては八八%。確かに一応表面的には、そういうふうに私ども部内でも感ずるぐらいでありますが、しかし、同時に、千五百名を編成を新しく起こしたのは、民生協力の建設部隊、比較的要望の強い建設部隊を各地に置くということが一つでございます。それだけでも足りないので、現在は編成を多少しぼっても、管理要員等をしぼりましても、二千五百名で地役部隊を編成したい-しかし、一方、欠員はどうするんだ、欠員は正面切って埋めたら、予算は足りないじゃないか。まことにその通りでございます。ただ、私ども一としては、十七万の現存の編成を極度にくずすということも、非常に陸上自衛隊の性格上、編成を急速にくずす前に、まず現在の与えられたる予算の範囲内で充足し、そしてそれが、御存じの通り自衛隊は年何回かに補充して参りますから、四月ごろよりはむしろ後年度にいって努力して、その後年度がずっとピークが上がって参りますれば、私は十七万に近い線で充員ができ、さらに来年度は充足率を、予算をいただく場合にも、それに妥当な充足率でいただけば、将来編成を充足していく、実際に人間で充足していく、こういう構想のもとにやっているわけであります。
○辻政信君 そこで、一つ御研究を願いたいことがあるんです。なぜ一体、この陸上に集まらなくて、海、空に集まるかということは、これはつぶしがきかない、泥くさい、陸上は、汗をかいて。そして二年おっても就職がない、海、空なら、どこへでも就職がある、これがあるんですね。 ですから、その欠点をほんとうにあなた方が真剣に直そうと思ったら、少年兵をよけい採って、そして長期志願制度、これをお考えになることです。量よりも質だ、これからの軍は。だから一人々々が、その道の権威であり、一つの技師である、従って年代をへるに従って、下級よりも上級の力には、年功を重ねた技術者にはよけいやるというようなことを新しくお考えにならぬといかぬのじゃないか。その時期に来ているように思いますから、この次の予算編成までに、一つ研究をしてもらいたい。 次は、小口径砲の弾薬です。詳しく言ったら時間がかかりますが、これは非常に欠点があるということを申し上げておきます。その日限り、そして、もう全く八百屋へ買いものに行って、そうして台所を切り盛りするような程度にしかできておらない。大口径はアメリカからもらったやつの食いつぶしですから、これはまだ、自給態勢ができておらない、せめて小口径の火砲弾薬の自給態勢だけお作りなさいということを、これは数年前から言っておるが、どうなっておりますか。
○政府委員(塚本敏夫君) 小口径につきましては、御説のように三十五年度予算と三十六年度予算はふえておりません。これにつきましては辻先生からも、いろいろ御鞭撻をいただいたのでありますが、われわれとしましても、できるだけ小口径の方をふやして参りたいという考えでやっておるわけでありまして、さらに今度の二次計画において、どういうようにこれを備蓄をふやすかということを検討いたしたいと、かように考えております。
○辻政信君 どのくらい備蓄計画がありますか、予算で何千トンぐらい、年度の予算で。
○政府委員(塚本敏夫君) 大体現在は、平常の四十日分ぐらいの備蓄になっております。
○辻政信君 何トンですか。
○政府委員(塚本敏夫君) 四千八百トン……。
○辻政信君 それは、予算に入っておりますか。
○政府委員(塚本敏夫君) 現状の三十六年度の予算においては、戦時備蓄までは入っておりません。
○辻政信君 単にプランだけであって、この三十六年度には、最小限四十日の備蓄は実況できませんね。
○政府委員(塚本敏夫君) 三十六年度予算としては、戦時備蓄は不可能であると思います。
○辻政信君 ガソリンはどうですか。
○政府委員(塚本敏夫君) 油につきましては、現在大体……
○辻政信君 その日暮し……
○政府委員(塚本敏夫君) 大体、三カ月分が理想でありますが、現在のところ三カ月分までの備蓄には至っておりません。これにつきましては貯油能力等の問題もありまして、そういった点を、十分に今後進めていきたいと、かように考えております。
○辻政信君 理想を聞いているのじゃないのです。三十六年度の予算では、何方キロリットル貯蔵できるか、その貯蔵設備に幾らとっておるのか、これを聞いている、私が見たところ、ゼロのような気がする。
○政府委員(塚本敏夫君) 三十六年度予算では、備蓄は大体三十五年度と同じでありまして、ゼロであります。海につきましては、相当備蓄は持っておりますが、陸上につきましては、大体ゼロに近い程度であります。
○辻政信君 これは私、念を押しておきますよ、それは、皆さん104を作るとかヘリ空母を作るとか、いろいろ言ってこられるが、一番大事なものは、小口径の弾薬と必要最小限度のガソリンのストックを持たなければ役に立たなくなるのだということを、口をすっぱくして言っておるが、なかなかやらない、西村さん、ほんとうに考えて下さい、年度計画が出ておらない、その日暮らしなんだ。
○政府委員(海原治君) ただいま鋭意案を作っております二次計画の過程におきましては、先ほどからお話のありました弾薬及び燃料につきまして、全部平均いたしまして、いわゆるでこぼこなしに平均いたしまして、少くとも一カ月ないし四十日程度のものが持てないかということを、検討いたしております。 それから、今のお話にございましたが、燃料関係につきましては、一応年度末にランニングストックがございます。これで約三カ月分もつことになっておりますので、これにいわゆる戦時使用の約一カ月分でございますので、従って、ランニングストックと銘打ってございますが、これが備蓄にかわるものというふうにお考えいただいてもいいのではないかと私は考えます。
○辻政信君 これは、ことし中に各省と折衝され、三十七年度の予算には、ほんとうに実現して下さい、成案を得られて。これは、あなた方だけじゃできない、通産省との関係とか、大蔵省と関係するから、それは一つ、念を押しておきますよ、それまであなた、長官やっておられるかどうかわからぬけれども。要するに今までの国会で言いっぱなし、聞きっぱなしで、全然実っておりませんから、念を押しておきますよ。 その次にそれではF86Fの昨年予算で五千七百万円というのを性能改造の研究費としてとられましたね、これはたびたび申し上げましたが、その研究の成果は、年度末において出たかどうか、その結果は。
○政府委員(塚本敏夫君) F86の性能向上につきましては、昨年三十五年度の予算で、一応計上いたしたのでありますが、アメリカ側に、この性能向上についてのいろいろ研究を依頼したわけでありますが、その結果は、大体所期の性能は発揮せられるようでありますが、まだ最終的な結論は得ておりません。ただ改造いたしますのに、一機当たり大体八千万円以上かかるのではないかというような結論が出ております。そういう面から、今後どうするかということを目下検討中であります。
○辻政信君 ことしの予算では、この研究費は、もう打ち切りますね。
○政府委員(塚本敏夫君) 一応、現在のところは、来年度予算には計上いたしておりません。
○辻政信君 次は、停年制です。これも一ぺん質問いたしましたが、具体的に言うと、ちょっと差しさわりがあるから言いません。大体、中将の階級にある一番経験の多い人が、五十八才で停年という冷たい法律で去らなければならない、すこぶる優秀な人材が、惜しいことをする、こういうものを、法律を変えよとは言わぬが、特定の人になりますが、そういう人材を、停年制で社会に捨てないで、研究機関なりに落ち着いて、現業を離れて過去の経験を生かすようなことに、長官一つ人事問題とからみ合っておりますが、よく一つ、御研究なさらぬと、優秀な者を冷たい法律で切っていかなければならぬということですね、一方また若い人の進級のために道を開くということも考えなければならない、老衰してしまいますから。ただ、私が言いたいことは、この失敗した経験というものは、非常に貴重なものですしその経験を持った人が、この法律によって、どんどん首を切られていくということが惜しい、そうして、どこかの会社の嘱託になって、その日暮らしをする。それには道を開く方法がある。たとえば戦略研究班であるとか、装備研究班であるとか、いろいろなものを作りまして、そこに、人間のプールを作っておかれる、これは人件費だけでできる。そうして、その人たちは、思い切った研究課題を与えて、長官が忙しい、幕僚諸公も忙しいから、冷静に思い切った研究を、一年に一問題与えて答申させるというように、これは人事の問題について、ぜひ研究してもらいたい。西村さんどうですか。
○国務大臣(西村直己君) 停年制の問題は、はっきり申しますと、軍隊的な性格では、最も大事な問題で、それが軍の士気の一つの基本にもなるのではないかと思うだけに、私といたしましては、あらゆる角度から慎重に考えていかなければならぬ。 従って、現在の停年制を、直ちに私としてはどうするということは一個々には優秀な方々が停年に来られるということは、われわれ涙をもってお気の毒に思うのでありますが、ただ自衛隊全体としては、やはり停年制というものは、軽々に動かせない。 ただ、お説のような考え方、あるいはもっと幅広く考えますれば、予備兵力のないこの日本の自衛隊というものが、はたして正しい国土の守りができるかどうかという点から考えますと、もし将来考究すれば、そういう一つの法律制度的にも、私は何か、一ぺん停年を受けられても、後再び国の自衛力に優秀な技能と頭脳をもって参画する道が開ける方法があるのではないか。もちろん、これは国論に問うて、御納得いただかなければなりませんけれども、単に五十八才の年が来たら、そのまま軍を去って、ただ一介の会社の嘱託であるとか、顧問であるとかいうような、姥捨山のような形にしておくことは、非常に残念である。こういうことについては、私も、停年制のみならず、全体の予備兵力とも関連し、そのりっぱな知識、頭脳というものは、将来考えていきたい。また、国会方面におきましても、その点の十分な御了解をいただきたいと、私としては念願をしておる次第であります。
○辻政信君 次に、管理職手当です。これも具体的に申し上げますが、防衛庁の本庁の中のデスクで仕事をしておる人たちは、本俸の六%というものをもらっておる。そうして、北海道の第一線で部下と一緒に汗みどろになって訓練をしておる隊長――大隊長、あるいは連隊長、もしくは中隊長というものが、パーセンテージが非常に低いのみならず、同じ階級であっても、ゼロのものもある。これは、管理職手当という本質から離れているということを強硬に主張して、大蔵大臣にも答弁をさせて、この前の特別委員会では、皆さんの給与改定に、僕は付帯条件をつけて通したのですよ。それは是正されておりますか。
○政府委員(小野裕君) お話の点は、まことにごもっともと存ずるのでございますけれども、給与問題全体が、非常に複雑な関係がございますために、御趣旨のような点についての実現がまだできておりません。 なお、ただいまお話がございましたうちで、管理職手当六%とおっしゃいましたが、これは第一線と中央ではなくて、上位の職責にある者についての六%でございまして、同じ階級の者については同じでございまして、これはポストによって違うわけでございますが、同じ階級で、今お話のは、おそらく中隊長、小隊長というような諸君に対する思いやりであると思うのでありますが、そのクラスにつきましては、中央におりましても、第一線におりましても、同じでございます。
○辻政信君 それでは、これは貸しておきますから、来年度までにぜひ成案を得てもらいたい。 その次は、官舎計画であります。これも申し上げますと、営外居住の下士官が一番困っておる。薄給で、下宿代も払えない。そうして、家内をもらっても、生活に困り抜いておる。そういうところが、自衛隊に対して、志願者が少なくなる。これに対しては、えらい人の大きな庁舎を作るよりも、せめて六畳一間の棟割長屋を作ってやりなさい、一曹、二曹クラス用の――ということを数年前から言っておるのだが、今年の計画で、そういう薄給の人たちに、どのくらいの官舎ができるのか。これは資料で要求しておきましたから、どなたからでもよい。
○政府委員(小野裕君) ただいまのお話につきましても、ごもっともな問題でございます。ただ、御承知のように、これは国家公務員全般の共通の官舎の問題でございまして、そのワクというものが、おのずから限度がありますことと、さらに全体が非常に窮屈な状態にございまして、特に転任の多い、異動の多い中堅幹部の諸君につきましては、やはり一応住宅を確保しなければなりません。しかも、宿舎法の建前が、やはり職務の重い者から順次入れさせることになっておりまして、今のところ、全体で一〇%前後の準備しかございませんので、そのうちで若干を回しましても、大きな改善は、実はできがたい状態でございます。なお一そう努力をいたしまして、また、お話のような小規模な住宅でよいということで、特に僻陣地等につきましては、下士官用の住宅も、昨年来準備して参りましたが、数は知れたもので、まだ御期待に沿えませんですが、この点については、本年度におきましても、三億何がしの予算がございます。そのうちで、大きな部分はさけないと思いますが、その気持は、私も同感でございますので、下の方にも回るように実施計画をさせたいと、このように存じております。
○辻政信君 それでは、これも貸しておきますから、せめて北海道だけは、やってやりなさいよ。ほんとうにかわいそうですから。長官行ってごらんになったでしょう。
○国務大臣(西村直己君) 私は、根本において、隊長手当であるとか、特に軍隊的なものでは、下士官というようなものの部下の掌握、これが中心にならなければいかぬということは、わかっておりますし、また必要だと思っておりますので、長官は、私の代だけではなくて、将来も、十分にこれは考えていかなければならぬと思います。 ことに、私は、自衛隊員というものは、何と申しましても、非常事態において率先して危難に当たってもらって、その部下を掌握するということに中心がなければ、いかにりっぱな装備をしても意味がない。そういう点から、部内でも、予算以外に方法はないかといって、検討を加えてみたのであります。共済組合の金、あるいは住宅金融の金。しかし、問題は、そうなると、金利その者の関係から高くなるという点に難色があるのでありますが、しかし、お説の点は、私は単に国会の答弁ではなくて、やはり具体的なものの運用上、根本になる、管理職手当に近い隊長手当とか、こういう問題については、今後とも、国会で活発な御論議を願うと同時に、防衛庁長官においても、真剣に検討を加えていきたい、こういうつもりでございます。
○辻政信君 この間見て、御注意申し上げておきました須走の寒冷地手当の問題、これは三級地よりもはるかに低い。しかも、一級地の扱いしか受けておらない。これは、すぐに是正なさるように言っておられましたが、これはどうなっておりますか。
○政府委員(小野裕君) 須走の現地が、非常に住みにくいところであることは、お話の通りでございます。ただいままでの寒冷地手当の制度につきましても、いろいろ基準がございまして、それによりまして敵地をきめておるわけでございます。その従来の基準には、どうしても合わないということで、直しようがないということでありましたので、人事院の方と相談いたしまして、そういう条件の悪いところには、新しく別な水準を取り入れてくれないかということでお話をいたしまして、人事院の方といたしましては、それでは材料をくれ、さっそく検討するからということで、従来の方式では改められませんが、新しく何か考えてみようというところまで今こぎつけたところでございます。
○辻政信君 これは私、人事院の連中に――連中と言っては失礼ですが、よく話してあるのです。そうすると、人事院が、防衛庁は、もう人事院にげたを預けて涼しい顔をしているが、人事院としては、防衛庁が大蔵省と折衝したときに、大蔵省がどうだという、これは上げてやりなさいという裏打ちはするけれども、責任の矢表に立つ皆さんが、ほんとうに熱意を持って、大蔵省にかみついておらぬというのが人事院の回答ですよ。
○政府委員(小野裕君) 私、ここで人事院のことをとやかく申すのは、まことに苦しいのでございますが、従来の行き方が、そうであったのでございますが、やはりこれは人事院の勧告がもとになりまして、一般職の国家公務員全般の手当制度ができるわけであります。私どもも、特別職でございますけれども、やはり国家公務員として一般職に準じて、特別の法律ではありますけれども、中身は同じなので、勧告がもとであります。ちょうど給与改定と同じ、ベース・アップと同じでありまして、やはり人事院の勧告をいただかなければ、なかなか実行できない問題であるということを御了承願いたいと思います。
○辻政信君 これもお貸ししておきます。三十七年度中に必ず……。 その次は、医者の不足がひどい。医官の欠員が多い。どのくらいの欠員があるか、それに対して充足する方法が、どこにあるか、技術加俸的なことを考えているか、こういうことを伺いたい。
○政府委員(小野裕君) ただいま医官の欠員は、およそ半分、半分前後であります。この充足対策といたしましては、医師の方々で、自衛隊に対して理解を持っている方々をお勧めして入っていただくのはもちろんでございますが、やはり医科大学在学中の者に対しまして、貸費の制度を実施しておりまして、この方で年々数十名は入ってくることになっております。そういうような状況であります。
○辻政信君 これはこの間も、具体的に私の構想を述べたのですけれども、大学に入るにしても、医科大学は金がかかる。元手が要る。それは技術加俸的なものをやらなければならぬ。なかなかできぬというならば、せめて階級制度を考え直しなさい。少尉のクラスで採用するからそうなる。インターンを卒業した者をいきなり大尉もしくは少佐で採用するのです。そうすると俸給表をいじらずにできるのです。たとえばアメリカでありますと、戦争中有能な新聞記者をいきなり陸軍大佐にした。日本の陸軍はばかだったから、二等兵で広召させて、それで戦争に負けてしまった。技術に応じて、ほんとうにその人を優遇するには、採用階級をぽかっと上げる以外にはないのだ、そういうことを研究しますか。
○政府委員(小野裕君) ただいまお話の採用階級でございますが、私どもの方としては、幹部候補生の課程を終了いたしましたときに三尉にせずに二尉に採用していく。さらに、医官につきましては、各幕の承認の方針のうちで、優遇という方針を入れさせまして、ほかの方が四年で昇給するところをその八割三年であげるというふうなことを考えまして、なるべく早く昇進をし、従って給与もよくなるというような配慮はいたしておりますが、まだ思うようにいっておりません。
○辻政信君 思い切ってやりなさい。 時間がきましたから最後に一点。国防省に昇格するということは、西村さん個人としてはやりたいのですか、やりたくないのですか。
○国務大臣(西村直己君) 私は政府の、また自分としても意見を持っておるのですが、着任以来、国防省と申しますか、省昇格は、どうしてもやりたい。ただこれは、政府全体の問題であります。その問題は、単に予算が大きいとか、部隊の士気を上げるだけではなくて、私はやはり、将来長い防衛というものを考えますときに、防衛のいわゆる戦略戦術面の専門家、優秀な人、若い人が、次々と伸びて、長い期間かかって、国をどうして守るかという技術的な面を担当される人がふえてこなければならないのです。その場合に、やはりシビル・コントロールという基本を立てるにあたっても、まあ外局にも現在各省からそれぞれりっぱな人がき、また内局にも現在りっぱな方がおられますが、より以上に、防衛問題に真剣に長い期間をかけて、シビル・コントロールを検討していただく。そういう両々相待って行なうべきである。そういう観点から単に総理府の一外局でいる以上に、防衛庁たるものは、だんだん――これは行政管理庁長官が、客観情勢の熟するのを待ってと、こういう言葉でありますから、私も十分、世論の御納得をいただいて、事実存在する自衛隊について、御理解をいただくと同時に、それのよい意味の恒久的、長期的な意味のシビル・コントロールを確立しながら、実際の面では、よい国の守りに行かんという――ユニフォームの方は、それに当たっってもらうと、こういう意味で、防衛庁は、言葉は悪いかもしれませんが、私は熱願をいたしておる次第でございます。
○辻政信君 私もこれは今度出るだろうと思って楽しみにしておったのですね。一体客観情勢は、いつになったら熟する。これをやらぬから、その辺におる優秀な経理局長やら、装備局長は、二年たったら本省に帰ってしまう、なぜそうやらぬか。これだけの予算を持っておる庁が、独立しないという理由は、どこにある。だから自衛隊が日陰者なり、私生児扱いされる。あなたの在任中に、これだけはおやりなさい。予算は要らないでできることです。金はかからない。看板一枚だけだ。 しかし金はかからぬが、それによって日本の防衛というものをほんとうに自信を持って自主的に育てていける。それを世間の風当たりが強いとか、マスコミが何とかかんとかいうと、へっぴり腰で客観情勢が熟していないと逃げることは適当じゃない。あなたのこの一年間にそれをおやりになる気はございませんか。
○国務大臣(西村直己君) もちろんこれ以外に、例の私どもの所掌しております調達庁というもの、また基地行政が、必ずしも私は防衛庁または調達庁の二つに分れていることがいいか悪いかの問題、これらも勘案いたしまして、私といたしましては、この国会でやるということについては、政府全体の問題でございます。 ただ、かりに私がまあいかなる形でか在任をいたしておりますれば、自分としても、今後努力をずっと続けて、実現方に努力をしたいと、こういう決意でございます。
○辻政信君 時間がありませんので、きょうの質問は、具体的な問題だけにとどめておきますが、どうか、ここでお約束になったことを事務官の皆さんもよく憶えておかれて、できるまで突っつきますからね、何年かかっても……。来年、再びこういう議論を繰り返さないように、まじめに御検討いただきたい。大きな自衛隊の方向であるとか、戦略的な問題は、これはいずれ防衛二法案に関連して、内閣委員会でやりますから、この分科会では、それだけお願いしておきます。
○主査(塩見俊二君) ほかに御質疑はございませんか。――ほかに御質疑がなければ、防衛庁所管に関する質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、調達庁所管に関する残余の質疑につきましては、明日二十九日午後、さらに続行することといたします。 ――――――――――
○主査(塩見俊二君) 次に、科学技術庁所管を議題といたします。 まず政府の説明を求めます。
○国務大臣(池田正之輔君) ただいま議題となっております科学技術庁の昭和三十六年度予算について御説明申し上げます。 最近における科学技術の進歩発達は、まことに目ざましく、政治、経済文化等各般の分野に大きな影響を与えており、およそ近代国家及び民族の繁栄の基本であり、バロメーターであるといって過言でありません。このような技術革新の趨勢のもとで、わが国経済の高度成長の維持と国民福祉の増進を期し、なかんずく政府が、経済運営の指針として採択いたしました所得倍増計画を効果的に達成するためには、科学技術の振興に格段の努力をいたさねばならないことはいうまでもないところであります。 かかる見地に立って政府におきましては、科学技術の振舞を重要施策として取り上げ、昭和三十六年度予算編成に際しては、特段の考慮を払うこととし、必要な経費を計上した次第であります。 まず科学技術庁予算の規模について申しますと、総理府所管として、総額一百十二億二百十七万円を計上いたしましたしこれを前年度予算額一百八億七千四十万六千円に比較いたしますと三億三千百七十六が四千円の増額であります。 以下、予定経費要求書の順を追って、その大綱を申し述べます。なお、便宜上一般行政費関係につきましては、最後に御説明申し上げることといたします。 まず一、科学振興費関係として五億四百五十七万九千円を計上いたしました。その内訳は次の通りであります。 (イ)科学技術者の渡航、科学技術の振興をはかるためには、研究者の養成訓練が不可欠の要素であると考えられますので、前年度に引き続き関係各省各庁の研究公務員を海外先進諸国に派遣して、そのすぐれた技術を習得させることにいたしております。このため前年度予算額より約二〇%の増額をはかり六千三百五十万円を計上いたしました。 (ロ)発明実施化の助成、優秀な発明考案であるにもかかわらず、経済的理由から、その発明を実施化することが困難な個人、または中小企業者に対する発明実施化試験費補助金として、二千五百四十七万九千円を計上し、そのほかに発明に関する諸施設を総合的に連帯するいわゆる発明センターにつきましては、昭和三十五年度に二カ所の設置をみましたが、明年度も、各地に新設の希望がありますので、その助成を行なうため、施設整備費補助金として二千八百五十万円、以上、合計五千三百九十七万九千円を計上いたしました。 (ハ)科学技術試験研究の助成、多数部門の協力を要する試験研究及び各種部門に共通する試験研究を総合的に実施しようとするものに対する補助金または委託費につきましては、本年度実施中の水質汚濁防止、大気汚染防止、水温利用及び実験用純系動物の研究等を明年度も継続研究とするほか、新たに人工降雨の研究を取り上げる予定にしております。この研究の成果は、単に人工による気象の制御にとどまらず、水資源の開発、台風防災等の研究にも関連するものとして、大いに期待をかけております。これらの研究に対する補助金及び委託費として六千七百十万円を計上いたしました。 (ニ)日本科学技術情報センターの充実、理工学部門及び原子力関係の情報の収集及び提供業務につきましては、着実な発展を期することに努力をいたして参りましたが、いまだ情報の収集数、提供内容等について、不十分な点が多々ありますので、明年度は、質と量との向上に一段の改善をはかっていきたいと考えております。このための補助金及び政府出費金として一億四千八百万円を計上いたしました。 (ホ)宇宙科技術の研究、昭和三十五年度より、開発に着手いたしました気象観測用ロケットにつきましては、明年度引き続き研究委託費を交付して、研究の促進をはかり予定にいたしております。また、人工衛星や観測用ロケットに装備されます計測装置等の技術は、わが国では先進諸国に比しすぐれている点があるといわれていますので、国際協力の一環として、その研究を一そう推進するため、新規に民間企業等に研究の委託をいたしたいと考えております。これら宇宙科学技術の研究開発費として七千万円を計上いたしました。 (ヘ)日本科学技術振興財団の助成、昨年三月発足いたしました日本科学技術振興財団は、東京本部のほか関西、中部にも地方本部を設けその事業たる科学技術の普及宣伝、啓発等科学技術振興の国民的基盤培養のための諸事業もようやく緒につき今後の発展が期待されますので、三十六年度も引き続き補助金を交付して、ますます聖業の拡充をはかり、特に産学連けいのための諸施設等を整備させる予定といたしております。このための補助金として一億円を計上いたしました。 (ト)アジア電子技術会議の援助、アジア地域の電子科学技術の交流をはかるため、本年秋東京で開催される第一回アジア電子技術会議(仮称)に対し、その開催費の一部を補助するため、開催費補助金として二百万円を計上いたしました。 次に、二、特別研究促進調整費、これは三十五年度より計上されたものでありますが、年度途中の新事態に即応し、しかも緊急に解決を要する行別研究について、各省各庁の研究計画の総合的な促進をはかり、かつ、その相互間の調整をはかるため、きわめて有効な研究推進策であるとの確信を得ましたので、明年度は、適用する特別研究の範囲をさらに拡大して実施したいと考えております。このための予算として一億三千万円を計上いたしました。 次に、三、原子力平和利用関係として六十九億一千六百十九万二千円を計上いたしました。その内訳は次の通りでありますし (イ)日本原子力研究所原子炉の開発につきましては、昭和三十三年度より建設を行なって参りました国産一号炉は、昭和三十六年度当初に据付を完了し、十月ごろには臨界に達する予定であります。これにより原子炉は三基完成し、目下建設中の動力試験炉は昭和三十七年度に完成する予定にいたしております。さらに明年度は、新たに原子力船に関する研究を一段と強化するため、遮蔽研究用の原子炉の建設を開始することとしております。また半均質型原子炉につきましても、臨界実験装置の運転等その研究開発を進めて参りましたが、その成果は、わが国独自の研究として期待されますので、明年度引き続き、工学的分野も含めて、総合的にその推進をはかって参りたいと考えております。このほか原子炉特別研究室の新設をはじめ原子力の基礎研究、並びにこれらに関連する各種試験研究、技術者の養成訓練等の業務を強化して参る予定であります。このため、政府出資金として四十四億四千万円を計上いたしました。 (ロ)原子燃料公社、核原料物質の探鉱は人形峠、倉吉地区に重点をおいて探鉱を実施し、鉱量、品位の確定に努力するとともに、山形県新潟県境の小国地区等新規有望鉱床の採鉱にも力を注いでいくことにいたしております。また、金属ウランの製錬につきましては東海製錬所の精製還元中間試験設備により試験を続行し、約十二トンの金属ウランを生産する予定にいたしております。なお核燃料の再処理につきましては所要の調査と準備をいたしたいと考えております。これらの事業を行ないます経費として、政府出資金十三億二千万円を計上いたしました。 (ハ)核燃料物質の購入等、日本原子力研究所を初め、大学及び民間等の原子炉が、漸次完成して参りますので、これに使用する濃縮ウラン等の燃料の手配は、政府が一元的に行なうことになっておりますため、アメリカ合衆国よりの購入、または賃借に必要な経費並びに一部の加工、再処理等に必要な経費として一億三千九十七万円を計上いたしました。 (ニ)原子力技術者の海外派遣、関係各省の公務員を海外先進諸国に派遣して、専門技術について留学研究させることについては、さきに申し述べましたが、原子力関係技術については、この部門が新しい研究分野であるため、別に留学生を一派遣して、これら技術者の養成訓練を前年度に引き続き行なうことにいたしております。このため三千二十四万円を計上いたしました。 (ホ)民間企業等の原子力平和利用研究の助成、原子炉及びこれに関連する機器、材料等の国産化をはかるための試験研究及び核燃料、放射線障害防止機器、材料、放射線化学等の試験研究を促進させるため、民間企業等に対し前年度に引き続き補助金を交付するとともに、核融合、二原子力船、ウラン濃縮、原子炉の安全性、核燃料等についても、民間に研究委託費を交付して、試験研究の開発をはかる予定にいたしております。このため三億一千万円を計上いたしました。 (ヘ)放射性廃棄物の処理対策、放射性廃棄物の処理を一元的に行なう機関に対する事業費補助金につきましては、前年度に引き続き助成をいたしたいと考えておりますので、三百八万八千円を計上いたしました。 (ト)国立機関の試験研究、関係行政機関等の原子力平和利用研究につきましては、固有の研究分野に関連して行なう核融合、原子力船の研究、原子炉用材料等の研究、放射線標準の確立、放射線障害防止、安全対策及び放射線の利用研究のほか、核原料物質の調査等、原子力の開発利用等に面接関係する研究テーマに対して、それぞれの特色に応じた研究活動を期待することといたしまして、六億三千二百七十二万九千円を計上いたしました。 (チ)放射能調査、大気、海洋、土壌、上下水、動植物及び食品中に分布されている自然放射能、または人工放射能につきましては、これを定期的、組織的に測定調査して、放射能障害防止対策等の資料とする必要がありますので、前年度に引き続き国立機関及び公立衛生研究所に、その調査を実施させることといたしております。このため、四千七百十六万五千円を計上いたしました。 (リ)核原料物質の探鉱奨励、民間鉱業権者の行なう核原料物質の探鉱につきましては、引き続きこれを奨励助長する必要がありますので、一千二百万円を補助金として計上いたしました。 次に、四、所管試験研究機関関係として、三十二億六千四百三十六万六千円を計上いたしました。その内訳は、次の通りであります。 (イ)航空技術研究所、昨年完成いたしました遷音速風洞等の設備を若干補足整備をいたしますほか、日本輸送機製造株式会社が、目下設計製作中の国産中型輸送機の試作機が完成いたしますと、機体関係の試験は、航空技術研究所の施設を利用しなければなりませんので、これらの、要求に即応させるよう、機体関係の試験研究施設の整備を行なうことにいたしております。従いまして、これらの諸施設の整備と航空技術に関する試験研究とに必要な経費として十九億四千四百八十四万二千円を計上いたしました。 (ロ)金属材料技術研究所、金属材料の試作試験を行なうための基本的諸設備の整備に重点をおいて整備をはかって参りましたが、金属材料の物理的、化学的試験研究装置がいまだ整備の途中にありますので、引き続きこれらの整備充実に努めることといたしております。このため七億七千四百七十三万円を計上いたしました。 (ハ)放射線医学総合研究所、第一期整備計画の最後として残っておりました付属病院の建設も、本年度中には完成いたしますので、明年度からは本格的診断、治療等の研究が実施できることとなります。しかし放射線による人体の障害及びその予防の研究並びに放射線の医学的利用等の試験研究は、きわめて重要なことと痛感いたしますので、引き続き研究設備の拡充整備等をはかって、強力に研究を推進いたしたいと考えております。このため、五億四千四百七十九万四千円を計上いたしました。 最後に、五、一般行政費関係として三億八千七百三万三千円を計上いたしました。 この内訳は、(イ)一般行政事務処理費、科学技術振興のための各種調査公表、技術士法の施行、科学技術の普及啓発、原子力関係行政事務処理等、内部々局の事務費人件費等のほか、海洋に関する調査研究のうち、重要事項を調査審議する機関を明年度設置したいと考え、別途海洋科学技術審議会を設置するため、総理府設置法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたしておりますので、この審議会と既存の各種審議会の運営費等を含めまして、一般行政事務を処理するため必要な経費として三億三千二百三万一千円を計上いたしました。 (ロ)科学技術会議運営費、科学技術会議の非常勤議員の定数を二名増員いたしたいと考え、別途科学技術会議設置法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたしておりますが、同会議の活発な審議活動に必要な経費として一千二十三万二千円を計上いたしました。 (ハ)原子力委員会運営費原子力委員会につきましては、第三十四回国会におきまして、衆参両院の付帯決議をいただきました、原子炉安全専門審査会を、明年度付置いたしたいと考え、別途原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたしておりますので、原子力委員会の経費を増額して、その活発な審議活動を期待することとして、一千八百十四万六千円を計上いたしました。 (ニ)資源総合利用方策調査費、資源調査会を中心にわが国資源の総合的利用方策の調査を行ないます経費として、二千六百六十二万四千円を計上いたしました。 以上申し述べました歳出予算のほか、国庫債務負担行為を行なう必要がありますので、その限度額について、次の通り要求をいたしております。 一、日本原子力研究所について、原子炉その他の研究施設等を整備いたしますのに多くの日数を要しますので、同研究所に対する政府の出資予定額として、十一億一千二百七十六万一千円。 二、核燃料物質の購入、加工及び再処理等については、多くの日数を要すること、核燃料の借り入れ期間が、昭和三十七年度に及ぶこと等のため、これらの契約を昭和三十六年度中に行ない得る限度額として一億二百十一万一千円。別に三十五年度予算において御承認いただきました日本原子力研究所に設置する動力試験炉用燃料のうち昭和三十五年度中に国庫の負担となる行為を行なうに至らなかったものについて、右の金額に加算いたします限度額として、五億二千七百四十八万円。 三、通商産業省所管工業技術院電気試験所について、原子力試験研究用施設の整備をいたしますのに多くの日数を要しますので、その契約の限度額として九千六百二十二万四千円。 四、航空技術研究所について、航空技術研究施設を整備いたしますのに多くの日数を要しますので、その契約の限度額として、三億二千二百万円。 以上合計二十一億六千五十七万六千円を計上いたしました。 さらに原子炉等の運転及び核燃料物質の使用等により、原子力事業者が原子力損害を賠償することにより生じます原子力事業者の損失を補償するため、別途、原子力損害賠償補償契約に関する法律案の御審議をお願いすることにいたしておりますが、政府が昭和三十六年度において、これが契約を締結できる金額の総額を二十億円とする保証契約等限度額の条項を、昭和三十六年度一般会計予算総則の中に掲記いたしております。 なお、当庁予算のうち、大蔵省所管政府出資金として同省に計上されておりますものが、歳出予算額七億三千万円、国庫債務負担行為額二億八千八百三十万七千円ございます。その内訳は、次の二件であります。 一、理化学研究所出資、理化学研究所は、民間における唯一の総合研究所として、特色ある研究活動を続けて、種々の業績をあげて参りましたが、狭隘かつ老朽化しておりますので、明年度は、郊外に新しい土地を求めて移転させたいと考えております。このため物理関係の建物と受変電設備及び土地造成関係等の契約を実施できるよう計画いたしました、また研究活動の強化と研究室の拡充に必要な経費は、ほぼ前年度と同額を支出することといたしました。このため理化学研究所に対する明年度の政府出資金として、歳出予算額四億三千万円と国庫債務負担行為額二億八千八百三十万七千円を計上いたしております。 二、新技術開発機関(仮称)出資、この機関の設立のため必要な法案につきましては、別途御審議をお願い申し上げる予定でございますが、この機関を設立いたします目的は、わが国において発明されましたいわゆる国産新技術のうち、技術的内容は優秀であるが、危険負担の観点から、民間が独力でこれを企業化することをちゅうちょするようなものを、この機関で取り上げ、これを育成し企業化しようとするものであります。国産新技術の企業化については、昭和三十三年度以来すでに三年間にわたって、小規模ながら試験的に理化学研究所において実施して参りましたが、その経験の上に立って、この際、この事業を理化学研究所から分離独立せしめ、さらに一そう拡充強化するため、新しい特殊法人として独立せしめようとするものでございます。このため政府出資金として三億円を計 上いたしました。 以上申し述べました経費を、一般の部と原子力関係の部とに大別いたしますと、当庁の昭和三十六年度予算要求額は、一般の部におきましては、大蔵省所管に計上しました分を含めて、歳出予算額四十三億五千三百三万四千円、国庫債務負担行為額六億一千三十万七千円、原子力の部におきましては、関係行政機関より別途行政費として要求いたしております分を除き、歳出予算額七十五億七千九百十三万六千円、国庫債務負担行為額十八億三千八百五十七万六千円、これを合計いたしますと、歳出予算額一百十九億三千二百十七万円、国庫債務負担行為額二十四億四千八百八十八万三千円となります。 以上、昭和三十六年度科学技術庁関係予算について、御説明申し上げました。 つきましては、当庁が科学技術振興のため、明年度予定いたしております各種施策を熱意をもって強力に実施いたしますため、何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成を賜わりますようお願いいたします。
○主査(塩見俊二君) これより質疑に入ります。 この際、お諮りいたします。田中一君から、担当委員外委員として発言の通告がございます。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認めます。
○担当委員外委員(田中一君) 長官に伺っておきたいのですが、本年度の予算に盛り込んだ数々の施策は、おそいぐらいであったと言っていいくらいなものでありまして、おそらく各機関の優秀な技術家を養成し、また包容して、相当の成果を上げるものと考えております。 そこで、最近の問題として私がお伺いしたいのは、御承知のように、東海村の原子力研究所は、今までに再三の争議的行為が行なわれておるという点でございます。私は、これがどこからくるかということを考えてみますと、少なくとも原子力研究所、理化学研究所、科学技術情報センター、原子燃料公社等、また新しい分野に対して職員の一人々々が熱意をもって、この仕事に携わっておる。しかしながら、この優秀な技術家あるいは事務官等が働いておりながら、これに報いる給与の問題は不十分であるということに尽きておるのではなかろうかと思う。 こうして科学技術庁が一つの大きな日本の新しい分野に対する前進を続けておる中に、これらの職員というものは相当な権威あるものが多いのではないかと思うのですよ。そういたしますと、この制度の中に、何か欠陥があるのではなかろうか、こう考えるわけです。この四つの、科学技術庁としては、中心になる施策のうち、四つをともに申し上げては、条件がいろいろ違いますから申し上げませんが、日本科学技術情報センターの例をとって調べてみますと、大体、これは特殊法人または財団法人等の形になっておりますけれども、定款等――法律に基づく定款等を見て参りますと、理事者並びに職員の間に、お互いの分野を理解し合って、協定された賃金体系というものができ上がった場合には、当然これは総理大臣、これを代理する国務大臣であるところの長官が、これを承認すれば、一切の問題は解決つくのではないかというように私は考えているのです。 そこで、その点について長官、どういう態度をもって、この四つの機関、少なくとも国としての相当の熱意を傾けてかかっている機関に対する監督権と申しますか、どう考えていらっしゃるか。
○国務大臣(池田正之輔君) これは、まことに残念ながら、われわれが期待するような、こいねがうようなふうに待遇を改善することがなかなかむずかしい、遺憾と思っております。現在の状態におきましては、目下理事者と組合員との間に、それぞれ折衝をやっているはずであります。それが折衝ができましても、それに基づいて、われわれといたしましては、当然これは、それを受けて、それに沿うようにいたしたいのでありますけれども、ときによりますと、予算のワクにしばられまして、必ずしもそれに沿い得ないような場合も、あるいは起こる事態も、これは考えておかなければならない。 現在申し上げられることは、まだわれわれのところに、そういう何まできておりませんので、その上でなお、さらに研究いたしたいと思っております。
○担当委員外委員(田中一君) 情報センターの定款を見ますと、こうなっておるのですね。三十四条に、給与及び退職手当の支給の基準、第三十四条ですが、「本情報センターは、その役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、内閣総理大臣の承認を受けるものとする。これを変更しようとするときも、同様とする。」こうなっているわけです。 そこで、基準をきめるということと、しからば、その額を規定の、だれには何号俸をもって適用するのだということをきめることは、どういう判断をしていらっしゃるか伺いたいのです。定款には、そうなっておるのです。
○政府委員(島村武久君) 島村でございます。ただいまのお尋ねは、定款で総理大臣の認可事項になっているが、それはあくまで基準であって、個々の人間の格づけというものは、情報センターの理事者にまかされているかどうか、こういうお尋ねと存じてよろしゅうございますか。
○担当委員外委員(田中一君) そうです。
○政府委員(島村武久君) その通りでございます。
○担当委員外委員(田中一君) そうすると、昭和三十二年九月十四日に総理府令第六十四号で、日本科学技術情報センター施行規則、これの中の第五条に、「業務に関する規程の届出」、情報センターが、定員その他組織に関する規程、給与に関する規程、旅費に関する規程、物品の取扱に関する規程その他業務の実施に関する規程を制定し、又は改廃しようとするときは、その理由及び内容を明らかにして、その実施の日の十日前までに科学技術庁長官に届け出なければならない。」と、こうなっておるんです。少なくとも給与に関する規程、まあ大体給与に関する規程というのは、号俸その他をきめるのだと思いますが、これは届出制になっておるんです。従ってここに矛盾があるんではないかと思う。と同時に、理化学研究所のごときは、これはまったく交付金的な性格を持っているように、今も予算の上からも拝見したわけなんですよ。出資金とはいっておりますけれども、独自な経営がまかされておるということのように見られておりますが、その点は、どうですか。
○政府委員(島村武久君) ただいま御指摘の情報センター法に関します総理府令その他ちょっと急の御指摘でございましたので、全般的な問題としてお答え申し上げたいと思うんでございますけれども、情報センター以外に、原子力研究所あるいは原子燃料公社、それから理化学研究所というような四つの機関が、同庁関係のいわゆる特殊法人その他の機関として存在いたしておるわけでございますが、これらに対します給与の考え方といたしましては、できるだけ優秀な人材を集めまして、所期の目的を達成するような配慮をしなければならぬ。これは田中委員がおっしゃる通りでございまして、できるだけその、それぞれの機関に弾力性を持たせた行き方をいたしておるわけでございます。ただし、その実際のやり方につきましては、それぞれの機関のおい立ち等によりまして、若干のニュアンスの変化がございます。総理大臣の承認事項にかかわらしめました上で、さらに総理大臣が、これを認可または承認等いたします際に、大蔵大臣と協議を必要とするようなものもございます。あるいは大蔵大臣への協議が法律に書かれていない、いわば法律上は、大蔵大臣に対して協議をしなくてもいいもの等もございます。 そこで、御指摘の点でございますが、給与の一般的な基準等につきましては、これは、これらの機関がほとんど大部分国の出資あるいは補助金等によって運営されております現状におきましては、当然ある程度の国の監督ということも必要でございますので、そのような基準については、内閣総理大臣の認可あるいは承認というようなものを必要とする建前をとっておるわけでございますが、それら基準以外に、いろいろな問題につきまして、やはり所内あるいは団の中におきまして、規則をいろいろ作って運営していくことはございます。それらの点につきましては、いわば基準というような大げさなものではございませんでも、それを補足したり、あるいはその実態を明らかにするような意味を持つものでございますので、これらにつきましては届出制をとっておると、かように理解しております。 従いまして大きな筋の上から申しまして、御指摘がございましたような矛盾を包蔵しておるものではない、かように考えております。
○担当委員外委員(田中一君) まあこれは、あなた方が実際に行政官庁として出資または補助をしている資金の行くえ、実態というものに対して、当然監督権がある。これは国民に対する義務ですからおやりになっていると思うのです。 しかし今池田さんのおっしゃっているように、私が質問する前に、双方同士できめたものが、なかなかそれが知られない場合もあるということを言ってしまったんですが。一体どういう工合なんです。自分の方にまだそれが来ておらないと言っておるけれども、ほんとうに来ておらないんですか。
○政府委員(島村武久君) 長官から先ほど申し上げましたように、今のところ、理事者と組合との間におきまして、交渉中のところでございます。ほとんど全部だと思いますけれども、一々は、今日ただいま、現在の状況は把握いたしておりませんが、大体において理事者と組合との間で、現在交渉中であると私どもは考えております。 従いまして、理事者の考え方なり何なりというものは、私ども今までも経過として承知いたしておりますけれども、理事者と組合との間で、話がこうまとまったからという話は聞いておりません。そういう意味で長官から申し上げたわけでございます。
○担当委員外委員(田中一君) 私は、この科学技術庁所管の各団体は、相当優秀な技術家がそろっていると思うんです。 そこで、一つの例を申しますと、文部省関係の私学振興会という団体がございます。これは、補助金をやりっ放しの団体です。国が、それを回収しようという考えの全然ない団体です。そこの大学新卒の人は九千六百円なんです、初任級は。これはびっくりしたものです。そこで昨年の暮れの特別国会で、衆議院で、われわれの同僚に質問させまして、それが一万二千円にすぐはね上がったわけです。私は、この一般行政機関というものの何も価値、値打ちを、いいの悪いの言うんじゃございませんけれども、少なくとも、まあいわば選ばれた技術を持って立とうという若い人たちが、他の産業と比較して低いということはあってはならぬと思うのですよ。これは国家公務員の場合、地方公務員の場合には、共済年金制度その他がございますから、これは保障されておりますけれども、政府機関に就職しようという若い技術家が、今年度なんか非常に減っておるという事実を見ても、これは、どこかにやっぱり欠陥がある、欠陥は何かというと、技術に一生を捧げようという人たちは、あまり出世主義じゃないわけです。割合に技術によって進んでいこうという良心的な方々が多いわけです。 そこで私の知っている範囲の妥結したというものは、この今月の初めに科学技術情報センターと、その労働組合とは、話がすっかり妥結しております。すっかりついております。そうして理事者側は、科学技術庁の方に対して、一応その協定書、覚書を取りかわして申請しているはずであります。官房では知らぬかもしれないけれども、どこかにあるはずでございますので、その点は、どうでしょう。
○政府委員(島村武久君) 今御指摘になりましたような、組合との話、これは組合との間に妥結したというふうには、私ども承知いたしておりません。いろいろ交渉しておられることは、これは今の問題になっておりますのは、十月にさかのぼりまして公務員の給与引き上げが行なわれましたので、それらの機関につきましても、それと同じようなことをやろうというところから出発しておりますので、もう三月も末になろうとする今日でございますから、だいぶ前から、いろいろ組合との間には、それぞれの機関において話し合いというものが進められておるということは私ども承知いたしておりますが、今御指摘のように、妥結して、そのものを科学技術庁に出して承認を求めるような、こういうことをセンターはいたしておるわけでは決してないと了解いたしております。 私どもは、先ほども申し上げましたように、それだからと申しまして、センターなりほかの機関なりの理事者が、どういうふうに考えておるかということも、全然知らないということを申し上げるわけではございませんので、理事者の考え方というものは、それぞれこういうふうにしたいというような希望というものも聞いておりますけれども、先生が御指摘になりましたような、組合との間に妥結して、それを科学技術庁に出して承認を求めておるというような状況では決してございません。
○担当委員外委員(田中一君) 私ここに、覚書も持っております。協定書も持っておるのです。理化学研難所も、これは、大体回答が出て妥結をいたしております。それから特報センターはむろんのこと、原子燃料公社の方も妥結をしておるように私は承知しております。ただ、原研だけが、まだ組合側の方で一万八千五百円の要求に対して、一万六千円以上は認めよう、あと、どこの線にくるかという点が、まだきまらずにおるそうでございます。もはや、御承知のように、三月はもう、おしまいでございます。国家公務員はベース・アップによって、十月に遡及して、とにかく支給されております。 それで、一体大臣は、これは官房長は知らぬとおっしゃるけれども、どこかにあると思います。そういうことを知らないで、監督が勤まるものじゃございません。こうして国が相当の金をつぎ込んでやっている研究機関の時々刻々の状態というものを、官房長が把握しないで議論するということは、ありようがないです。もしも実際に知らないならば、現存各機関が、どういう種皮に進んでおるかという点ぐらいは知らなきゃならぬでしょう。
○政府委員(島村武久君) 先ほど来申し上げておりますように、どのような状況で交渉されておるか、またその論点がどの辺になっておるかというようなことは、私どもといたしましては把握いたしておるつもりでございます。ただいま現在妥結したかどうかというようなところまでは存じておりませんけれども、少なくとも、どういう点が問題になって、組合との間に話し合いが行なわれておるのかというようなことは、把握いたしておるつもりであります。 なお、三月何日付とおっしゃいましたか、ちょっと聞き漏らしたのでございますけれども、協定書というものを手に入れておるというお話でございましたが、たぶんそれ以後に、私どもが、正式の文書として、情報センターから受け取っております書類によりますと、はっきりと、まだ組合と交渉中であるという文書が、私どもの方に出されておりますので、私どもといたしましては、御指摘のように、妥結がなされておるということは承知しておらぬということを申し上げておるわけであります。
○担当委員外委員(田中一君) これは水かけ論です。私は、もう妥結しておるものと認めて、現在この覚書も協定書も持っております、写しを。従って、これは早急にお調べ願いたい。 そこで、池田さんにちょっと伺いますが、あなたは、これだけの仕事をさせ、また日本の技術開発というものに対して熱意を持っておる長官として、どの点が妥当か、たとえば国家公務員と比較して、こうこうだとか、ただ組合と理事者側とでもって交渉の結果、その妥結したものが来れば、それはお互いに仕事の分野と責任というものが明らかになって妥結したものと思うのですよ。何といったって、圧力団体的な大きな組織があるわけじゃございません。ごく少数な、ごくつつましやかな謙虚な気持でもって、そうした労働運動と申しますか、交渉されておるものだと思うのですよ。かりにその妥結したものが、もし長官の手元に来た場合は、長官はどんな気持で、それをお受け取りになりますか。ただ単に、あなたの所管する権限内の機関の問題が、ただ大蔵省の方に向かっていて、そうして、その実態というものに対する認識が欠けているような、これは言葉が過ぎるかもしらぬけれども、その場限りの答弁じゃ困ると思うのです。もっと、あなたは愛憎を持って、これらの機関の職員、研究員に対する態度を持たなければならぬと思うのですよ。そのためには堂々と、総理大臣は、あなたの方に全部おまかせしているのでしょうから、大蔵大臣等は、もし向こうに疑義というか、反対があるならば、それを説得しても、それを通すというような熱意がなくちゃならぬと思うのです。 その点の心がまえはどうでございますか。私は、あなたの性格からいって、当然それをやっており、またやるものだと思っております。
○国務大臣(池田正之輔君) 御承知のように原子力関係その他を若干上回っておるはずであります。ことに私の考え方としては、あなたと同じような考えで、当然そういうふうに考えて、できるだけのことはしなければならぬと思っておりますが、御承知のように私が就任いたしましたのは、もうすでに予算のワクがきまりまして、大体の予算の折衝のワクがきまっておって、動きがとれないというようなこともあり、同時に他の方面の、つまり人事院なりその他との関係もございまして、思うようにいかないというのが、実は私の苦悶でございます。 将来、これは何らかの形で、これを打ち破っていかなければならぬ、これはただ単に、科学技術庁だけじゃなしに、あらゆる国家の研究機関が、今同様な悩みを続けておるわけなので、それは、ただ単に待遇ばかりでもございませんが、いろいろな角度から、そういうような問題が派生いたしておりますので、特に何といっても、その中心になっているものは、待遇の問題でございますから、当然これは私としても、できるだけのことはしなければならぬというふうに考えております。従って、今度の現実の問題としては、具体的な案が出てさましたら、あなたから今御指摘のように、大蔵省とも十分に折衝していきたい、こう思っております。
○担当委員外委員(田中一君) 研技員その他は、機械を動かすばかりが能じゃないのです。頭脳の問題です。従って給与というものは、これはやはりこやしであるわけなんです。潤滑油であるわけなんです。私は、そういう立場における職員の人たちが、先ほど言った一般行政機関の職員を云々するのじゃございません。特にこれらの機関の職員の人たちの処遇というものが、頭脳の回転をよくしていい発明をしてもらって、またおそらくこういう技術屋は、単なる時間に縛られた――時間だけでもって、自分の一定の勤務時間を過ぎたら事足れりとする人たちではないわけです。おそらく目がさめておれば、間断なく研究を続けておるという人たちが多いのじゃないか、またそれを要求されるような立場におると思うのです。 従って、これに対するところの処遇というものは、当然、幾ら厚くしても、一向差しつかえないと思うのですよ。私はかつてソビエトに行きまして、モスコー大学の教授連中、それから助教授等の待遇問題を聞いたことがあります。そうすると、あそこは御承知のように、本人のノルマをもって給与の一つの標準にしておりますけれども、一人の医学部の教授ですが、これはちょうど日本の金に直しますと、九十倍として計算してみますと、八十五万円です。最低賃金は、はっきりともうきまっておりますから、高等学校を出た人間、大学を出た人間、それから学校を出ないでも、一般国民として最低生活の保障というものは完全にできております。なおかつ技術家に対するところの処遇というものは、ことに、そうした研究機関にあるところの職員の待遇というものは、天井がないわけです。一般行政機関の役人になる人はいやしません――ソビエトがそういうような教育をやっていやしませんから。これは、できの悪い学生が、行政機関に就職するんです。できのいい学生は、どんどん自分の専門にいくんです。そうして自分の研究、努力によって、自分の賃金をどんどん上げていくというやり方をとっておるのです。私は少なくとも、科学技術庁が、非常に、敗戦後立ちおくれをしておるところの日本の科学技術というものに対する、ほんとうの熱意があるならば、これはもう、一般の国民層の給与なんというものに関係なしに、それは研究のテーマによっては、幾らでも、必要な研究費などはむろんのこと、処遇の問題はよくしてやらなければ、おそらく科学技術庁がもって目的とするところの科学振興というものは、発展できないのじゃないか、こう考えるのです。 従って、一般行政機関の長である科学技術庁長官というものは、それと同時に発明家を作る、日本の民族の前進のための偉大なる研究をする、成果を求めるための研究家でなくちゃならぬと、私はこう思うのですよ。今まあ長官の言葉で、私は期待します。相当なこの四つの機関が、組合との間の妥結ができた場合には、これを強くプッシュする。そうしてこの決定を、どこまでも尊重して、そうして財政当局に向かって説得するという熱意をほの感じ取りましたから、これはまあ長い間、私は尊敬する皆さんでございます。もう長い間こういうことなんだから、あなたの腕に期待して、もうこれ以上質問しませんけれども、どうか一つ、この四つの機関が、ただ法律的に監督をするのだ――監督ということは取り締まるのじゃございません。監督というのは、研究を伸ばす、一定のワクはございましょうけれども、それ以上に研究を伸ばすことです。これはもう単なる行政機関の長じゃないような形でもって、あなた方局長連中も、その腹を持たなきゃならないのですよ。私は一番そういう点において心配するのは、どうもこういう科学技術庁ばかりじゃございません、文部省にしてもどこにしても、まあ官房長はまだ融通性があるから、よその役所でも勤まるでしょうけれども、どうも各局長あたりは、こういう機関に、常務理事とか、あるいは理事長とかという形でもって、ほとんどすわってしまう。この上がりか下がりか知りませんけれども、局長上がりか局長下かりか知りませんけれども、そこへすわると、必ず前向きの、いわゆる監督官庁としての面を向って、自分のほんとうの企業というものは、前向きのものである、それが後ろ向きになって、科学技術庁あるいは大蔵省の顔色を見て運営をするというような傾向が強いのですよ。私どもいつも、いろいろな機会に申し上げているが、そうした天下り人事と申しますか、あるいは姥捨山的な、官僚の姥捨山的なものを作っちゃいけないと反対するのは、そこにあるのですよ。この人が、ほんとうに前向きになって、その目的のために長官ともけんかをする、大蔵大臣にもねじ込んでいくというような熱意のあることにならなければ、科学技術庁の考えたところの技術開発というものは、これは不可能だ。これはもう、ソビエトの例をもってしても、アメリカの例をもってしても、これはとても単なる画にかいたその形だけのものであって、何も実質が伴っておらぬことになるわけでございます。私は長官がある決意を持っておるから、官房長以下あなた方局長連中も、これはほんとうにあなた方の立場のために、あなた方の椅子のためにあるこの四つの機関ではない、これは前衛部隊なんですから、一緒になって長官の意思を尊重してぶつかっていただきたいと、こう思うのです。これこそほんとうの日本の将来のために強い前進だと、こう考えておりますから、この点を十分希望して、また約束をしないけれども、約束されたものと、僕は見なして、やっていただきたいと思うのです。 そうして、もう一つ同時に、四つの機関があまりアンバランスであってはならぬと思います、これは。どうか、得てして局長さんたちは、低い方にきめようとする、四つの機関が、それぞれに労使双方でベースアップの額を協定した場合、その額にでこぼこがあった場合、低い方に右へならえをしようとする考え方を持つものです。これは、いわゆる長官向きの顔、それから大蔵省向きの顔つきなんです。やっぱり一番高い方にとって、これによって、権限なり職員を、ほんとうの目的のために協力させるというような方途をとっていただきたい。これは局長さんたちは、僕と約束できますね。
○政府委員(島村武久君) 大ぜい参っておりますけれども、私とみな同じだろうと思いますので、私から……。
○担当委員外委員(田中一君) あなたが一番、その方の当面の責任者なんだから。
○政府委員(島村武久君) お答えいたしたいと思います。先ほど来のお話は、まことにごもっともでございまして、実は私どもが申し上げたいと思っておりましたことを、みなおっしゃったような気がいたします。おっしゃいます通りに大臣の決意に従いまして、私どもみな一生懸命やるつもりでおります。ただ、ちょっとお言葉の中でございましたけれども、申し上げたいと思います点は、研究者を優遇しろ、技術者を優遇しろということでございました。私どもその通りに考えておりましたのでございますが、特にこれらの機関の最初に生まれました原子力研究所等のごときは、国会でも非常に強いそういうお話もございまして、設立の理由の一つが給与に弾力性を持たせる。弾力性と申しますと、上げたり下げたりという意味じゃございませんので、あまり公務員の給与制度等に準じ過ぎまして、しばられないような行き方でなければ、いい人が得られないんじゃなかろうか、そういうところから、特殊法人の日本原子力研究所というものが生み出されたくらいでございまして、給与という問題につきましては、私どもは、それらの機関に働く研究者の方たちに、安んじて研究に没頭できるようにというつもりでいつもおります。 ただ実は、そこに問題がございまして、それらの機関は、何も研究者、技術者ばかりで成り立っておるわけではないわけです。そうでない人も、いろいろ管理上の任務を持ったりして、かなりいるわけであります。従来、これはだんだん改められつつはございますけれども、大体において、世間の一般の風潮に準じまして、いわば事務をやる者も研究者も、同じ給与制度のもとにあったわけであります。それらの者の給与をよくしようとしますと、ついでに事務系統の者もよくなる。先ほど便宜からも申しましたように、これらの機関の給与というものは、私どもは決して満足しておるわけではございませんでございますけれども、他の政府関係機関のものよりはよくなっております。しかしそれが、その機関の中で、たとえば研究者、技術者とは比べますると、よそよりも悪いという現象が起こって来ている。私どもは、できるだけ今後は研究者、技術者を中心にいたしまして、よりよい待遇が得られますように努力して参りたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
○担当委員外委員(田中一君) この機関そのものは、私は研究者も行政的な立場の人も同じだと思うのです。今あなたは、何か私の発言を、ことさらに研究員とか技術者ばかりを偏重しろというようにとられたかもしれませんけれども、やはり機関そのものは、全部有機的に理解と友愛の上に立たなければ運営ができないわけなんですよ。突拍子もなく、一人だけがものをきめたって、これは夢想家ですよ。ことに科学技術というものは、頭の中でりっぱな詩を書いたり、詩を浮かばせたり、あるいは小説を響くだけで、とどまるものじゃないのです。実験が一番大事です。従って、これに関係する機関全部の人たちに対する給与を僕は言っておるのであって、今官房長の言葉は、私はそれは受け取りません。従って、こういうものが、私が言ったことと同じものだというならば、これは大へんな間違いです。官房長は、どうしてそういうことを言うのか、ああいうことを言うから、委員長、ちょっと問題がある。時間が長くなってくる。じゃ、どこの特定の研究課でやって、研究員または技術家を、どういう工合に差別をして待遇しようという考えを持っておられるか。ちょっと説明を伺います。
○政府委員(島村武久君) 先ほど申し上げました四つの機関のうちでは、す でに現在理科学研究所におきましては、研究者とそれ以外の者と違った給与制度のもとに俸給支払い等をいたしております。それから原子力研究所におきましても、昨年以来、研究者には特別の研究手当をつけるということを実施いたしております。そういう点を、私申し上げたわけでございます。
○担当委員外委員(田中一君) なるほど理科学研究所は、今度の妥結した数字も技術系統には一万八千円、それから事務系統は一万七千五百円と五百円の差がございます。これは、そういう形でお互いに理解してあったものなら、何も言うことはありません。ただ一般論として、同じ職員が、差別があるものであっていいということは言えないわけですよ。原研の場合は、あなたおっしゃっておるように特別の危険、あるいはそうした者に特別の手当をつけるのは、これは現在国家公務員においても、いろいろな意味の手当がその状況によってついております。それはむろん文句ありません。しかしながら一般論として官房長が言うならば、それは受け取れません。従って、今の理科学研究所の問題は、そういう形でもって話し合いが済んでいるならば、それはいいと思うのですよ。従って、どこまでも、かつて、この法律が通った三十二年の四月、参議院において付帯決議をつけているのですよ、その機関の自主性というものを尊重しなければならぬということです。国自身がやっているものではございません。そして国家公務員と同じような身分保障があるわけでもございません。従って、その経営の自主性、企業の自主性ということを、機関の自主性ということを尊重してくれということなんです。その間において、まあ労使と申しますか、その間に、十分に理解し合い納得するならば、これは何も言うことはない。特別に官房長が、そういうことを言うと、今度は特に、そういう方向に向かうという考え方が長官の頭にあるのかと、こう私は誤解をするわけですから、そういう点はないのでしょうね。
○政府委員(島村武久君) 私誤解しましたら、誤解でございましたら、御指摘いただきたいと思うのでございますけれども、先ほど来のお話で研究者、技術者というものの待遇をよくするように、どんなに出しすぎても出しすぎるということはないくらいに優遇しなければならぬ。こういうお話でございましたので、私どもも研究者、技術春というものの待遇ということについては、特別に長官の熱意のもとに努力いたしたいということを申し上げたわけでございます。
○主査(塩見俊二君) ほかに御質疑ございませんか。――御質疑がなければ、科学技術庁所管に関する質疑は、終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 明二十九日は、午前十時に開会し、経済企画庁所管を審査いたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十三分散会