予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 327 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1961/03/27
会議録
○仮主査(館哲二君) ただいまから予算委員会第二分科会を開会いたします。 本院規則第七十五条によりまして、不肖私が年長のゆえをもちまして、正副主査の選挙を管理させていただきます。 これより正副主査の互選を行ないます。互選は、投票によらず、便宜、選挙管理者にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○仮主査(館哲二君) 御異議はないと認めます。 それでは、主査に塩見俊二君、副主査に阿具根登君を御指命いたします。 ————————————— 〔塩見俊二君主査席に着く〕
○主査(塩見俊二君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(塩見俊二君) 速記を始めて下さい。 審査に入る前に、議事の進め方につきましてお諮りをいたしたいと思います。 本分科会の所管は、昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府のうち防衛庁、調達庁、経済企画庁及び科学技術庁並びに外務省及び通商産業省所管につきまして審査をいたすことと相なっております。 速記を中止して下さい。 〔速記中止〕
○主査(塩見俊二君) ちょっと速記をつけて下さい。 本分科会の日程につきましては、お手元にお配りをいたしておりまする日程表、そのうちで調達庁に限りまして、これを二十八日と二十九日の両日に審議をする、かような順序で本分科会の議事を進めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認めます。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(塩見俊二君) 速記をつけて。 本日通商産業省の所管の質疑につきましては、社会党の木村先生五十分、無所属クラブの辻先生四十分、民社党の田畑先生五十分、共産党の岩間先生五十分、社会党の阿具根先生六十分、こういう順序で質疑を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○主査(塩見俊二君) 次に参考人につきましてお諮りをいたしたいと存じます。 明後二十九日の経済企画庁所管の審査の際に、日本銀行総裁を参考人として出席を求めたいと存じまするが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないと認めまして、予算委員長にこの旨申し入れることにいたしたいと存じます。 —————————————
○主査(塩見俊二君) それではこれより昭和三十六年度総予算中、通商産業省所管を議題といたします。 まず政府から説明を求めます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま議題となっております通商産業省予算各案について御説明を申し上げます。 まず、三十六年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は二百三十四億二千五百万円でありまして、これを三十五年度予算額百七十九億四千百万円に比較いたしますと、五十四億八千四百万円増額することになります。 三十六年度予算のうち政策事項につきましては、これを(一)貿易振興及び経済協力費、(二)中小企業対策費、(三)鉱工業技術振興費、(四)産業構造高度化及び産業基盤強化費、(五)石炭対策費の五項目に分け御説明申し上げます。 第一に、貿易振興及び経済協力費といたしましては、世界貿易における輸出競争激化の情勢と、昨年末発表されました米国のドル防衛措置に対処して、海外市場の開拓と販路の拡張をはかりますため、前年度に引き続き各般の貿易振興事業を充実強化するための施策を講ずることといたしまして、前年度対比三億三千四百万円増の三十一億一千八百万円を計上いたしております。 まず、貿易振興につきましては、特殊法人日本貿易振興会の事業運営に必要な経費として、前年度対比一億七千九百万円増の十五億四千二百万円を計上いたしまして、従来に引き続き海外市場調査、国際見本市の開催または参加、貿易斡旋所の運営、日本商品の宣伝等の海外事業を拡充いたしますとともに、国内中小企業者に対する貿易の指導斡旋業務の充実をはかります等、総合的に輸出振興事業を推進する所存であります。 次に、財団法人日本輸出雑貨センターの事業運営に必要な経費として、一億四百万円を計上いたしまして、輸出雑貨のデザインの登録認定及び指導奨励、生産技術の指導、専用機械の試作、常設展示場の運営等の事業を行なうことといたしております。 また、貿易振興関係といたしましては、日本プラント協会事業費補助等のプラント輸出促進費二億五百万円、生糸及び絹織物の海外宣伝費補助六千三百万円、輸出品の検査機関である工業品検査所及び繊維製品検査所の経費三億八千万円等を計上いたしております。 次に、経済協力費でございますが、輸出市場の培養、輸入原材料の安定的確保、中小企業の海外進出等をはかりますため、東南アジアその他の開発途上にある諸国の経済、社会等の実情を十分調査いたしますとともに、これら諸国に対する経済協力を積極的に推進する所存でございまして、おもなる経費といたしましては、特殊法人アジア経済研究所の調査事業の拡充に必要な出資金一億円、補助金二億二千四百万円、海外技術者の受入研修費一億三百万円、技術者及び中小企業者の海外派遣斡旋事業費三千三百万円等がありますが、このほかに、新たに低開発国の一次産品の買付促進資として、現地調査、技術指導、品質改善の施設の設置の助成を行なうための補助金二千四百万円、及び低開発国における中小企業の設立に対する技術援助等を行なうための補助金一千万円を計上いたしております。 第二に、中小企業対策費といたしましては、中小企業の近代化合理化を強力に促進し、今後の貿易自由化の進展に伴って激化する国際競争に打ちかつ実力を培養いたしますとともに、わが国経済の高度成長過程において、中小企業の地位を向上せしめ、大企業との間の格差を是正する等、中小企業の振興が、わが国経済の成長発展のために重要であることにかんがみまして、四十四億三百万円を計上いたしております。これは前年度対比十九億七千四百万円の増、比率にいたしまして約八割増という大幅な増加となっております。 まず、中小企業の近代化の促進につきましては、前年度対比十五億二千五百万円増の三十億円を計上し、これにより中小企業の設備の近代化、合理化を一層推進することといたしますとともに、このうち三億円程度を中小企業団地の造成のために運用いたしまして、集団的に新しい工場適地に移転するものに対して、積極的に助成をいたすこととしております。この他に、中小企業対策費として特に重点をおいた事項といたしまして、小規模専業対策費でございますが、商工会等を通じまして小規模事業者の相談、指導を行なうための補助金を前年度の四億四百万円の二倍をこえる八億二千五百万円計上いたしております。 次に、中小企業の実態に応じた総合的振興策を、業種別に行ないますための業種別指導事業、企業診断事業及び技術指導事業の強化に要する経費として二億八千三百万円を計上いたしております。 なお、中小企業対策費といたしましては、災害復旧利子補給金五千万円、中小企業団体中央会補助七千五百万円、中小鉱山の新鉱床探査費補助一億一千万円等を計上いたしましたほか、中小企業に対して政府の行なっている諸施策を広く周知徹底するための経費一千万円を新しく計上いたしております。 第三に、鉱工業技術振興費といたしましては、最近における先進各国のめざましい技術の進歩に対処して、新技術の開発と、これが産業における工業化の促進をはかりますため、前年度対比九億七千七百万円増の五十七億六千四百万円を計上いたしております。 おもなる事項といたしましては、まず、国立試験研究所の重要研究費等に必要な経費として、前年度対比四億七千二百万円増の十九億八千六百万円を計上いたし、国立試験研究機関の設備の更新近代化をはかりまして、前年度に引き続き、電子技術、エネルギー対策技術、生産加工技術、オートメーション技術、分析技術等、わが国経済にとって重要な研究を推進することといたしております。 また民間における試験研究の補助につきましては、前年度対比一億一千五百万円増の五億九千万円を計上いたしまして、国家的見地より見て重要と思われる応用研究、工業化試験、機械設備の試作等について助成を強化いたしますほか、新たに、共同体制による技術開発の助成を行ない、その積極的な推進をはかる所存であります。 次に、近年工業所有権に関する出願件数が激増いたしておりまして、その最終処分に至る期間が遅延し、産業活動にまで影響を及ぼすにいたっておりますので、定員、経費を充実し、その処理の促進正常化をはかることといたしまして、前年度に比し一億五千三百万円増の七億三千五百万円を計上いたしております。 第四に、産業構造高度化および産業基盤強化費でありますが、わが国経済の高度成長を実現し、所得倍増計画を達成するためには、特に機械工業を中心とする重化学工業部門の大幅な成長発展と、輸出の伸長をはかり、産業構造の高度化を推進いたしますとともに、産業が発展しうるための基礎的諸条件の整備充実を行なうことが必要でありまして、このため、前年度対比十四億一千四百万円の増、比率にいたしまして、ほぼ二倍の二十八億九千百万円を計上いたしております。 その内容の主なるものといたしましては、まず、工業用水の確保が、今後における工業生産の伸長のため、重要不可欠な基盤である点にかんがみまして工業用水道の事業費といたしまして、川崎、大阪臨海、尼崎等継続十五地区のほかに、新規事業として、横浜、愛知、神戸、室蘭等、七地区を加え、計二十二地区の事業に対し補助を行なうこととし、前年度対比十二億二千三百万円増の二十四億九千四百万円を計上いたしております。 また、この他に、今回新たに二億円を計上いたしまして、機械類賦払信用保険制度を創設し、機械工業の需要拡大による量産体制の確立と、中小企業の設備の近代化に資する所存であります。 次に、わが国産業の生産性の向上を推進するため日本生産性本部に対する補助として一億三千二百万円、工業立地条件の調査研究及び工場の適正配置指導に要する経費として二千六百万円、産業構造に関する調査研究に要する経費一千万円等を計上いたしております。 第五に、石炭対策費でありますが、現在の石炭不況を克服し、石炭鉱業の抜本的体質改善をはかりますため、前年度対比四億二千九百万円増の三十二億四千百万円を計上いたしまして、炭鉱の体質改悪による合理化を促進する所存であります。 すなわち、炭鉱の大規模な合理化工事、石炭流通機構の合理化及び中小炭鉱の機械化を促進いたしますため、石炭鉱業合理化事業団に二十二億四千万円を出資することといたしております。 次に、石炭鉱業合理化事業団が行なう非能率炭鉱買収費に対する補助として四億円を計上いたしております。 この他、新たに、炭鉱整備に必要な長期運転資金の借入保証に必要な基金として、石炭鉱業合理化事業団に対する出資金三億円を計上いたしますとともに、産炭地振興対策費として、産炭地における鉱工業地帯の造成、汚水処理、ボタ山の管理利用等を行ないますための調査費として三千万円を計上いたしております。 また、石炭対策関係といたしましては、ほかに、石炭技術振興補助として五千八百万円、炭田総合開発費として三千九百万円、石炭鉱害復旧事業費として当省分一億七千百万円等の経費を、計上いたしております。 以上をもちまして、当省所管の一般会計に関する御説明を終わりますが、詳細については、御手元の予算要求重要事項表をごらんいただきたいと存じます。 なお、当省の所管いたしております特別会計につき、以下歳入歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。 まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、三十六年度の歳入予定額は四十六億五千七十一万五千円歳出予定額は三十九億五千四百三十二万三千円でありまして、資産、売掛金の関係を加減しますと、三十六年度の益金予定額は、八億三百六十四万二千円となります。 第二に、輸出保険特別会計でございますが、三十六年度歳入歳出予定額は、ともに九十八億百九十四万四千円でありまして、歳入のおもなるものは保険料収入十五億六千七百二十四万三千円、資金運用収入三億九千三百万円、雑収入二億七千七百七十二万六千円、前年度剰余金七十五億六千三百九十七万五千円であり、歳出のおもなるものは、支払保険金十一億九百九十九万六千円、予備費八十六億二千二百二十五万一千円であります。 第三に、特定物資納付金処理特別会計でございますが、本会計は、特定物資輸入臨時措置法に基づくもので、三十六年度の歳入歳出予定額はおのおの三十七億四千七百十七万六千円で、歳入のおもなるものは納付金三十二億一千三十三万六千円であり、歳出のおもなるものは、産業投資特別会計繰入三十七億四千三百五十万円であります。 第四に、三十六年度より新たに設けられます機械類賦払信用保険特別会計でございますが、本会計は、先に、一般会計の御説明の際に申し上げました機械類賦払信用保険制度を実施いたしますための特別会計でございまして、三十六年度の歳入歳出予定額はともに二億五千二百七十万円でありまして、歳入のおもなるものは、一般会計よりの受け入れ二億円、保険料収入四千五百万円であり、歳出のおもなるものは支払保険金千五百九十七万五千円、予備費二億二千九百十二万五千円であります。 以上をもちまして、一般会計および特別会計予算の概要につき御説明いたしましたが、次に、当省関係の財政投融資計画について簡単に御説明いたしたいと存じます。 三十六年度における当省関係の財政投融資総額は、一千九百四十四億円でありまして、これを三十五年度当初計画一千六百十二億円と比較いたしますと三百三十二億円の増加となります。 本計画の運用に当たりましては、経済情勢、金融情勢の推移に応じまして弾力的に行なうことにより、重要産業及び中小企業並びに貿易振興の促進のための資金確保につき遺憾なきを期する所存であります。 まづ、日本開発銀行につきまして、三十六年度における同行の融資の重点は、我が国経済の安定的成長を目標といたしまして、産業基盤の強化、産業構造の高度化と資源の有効利用に直接に貢献する産業の育成、助長を目的として、電力、石炭、特定機械、化学肥料等を重点的に取り上げることといたしましたほか、地域間の均衡的発展を目途とした地域開発融資を積極的に推進することといたしました。 運用総額は八百二十五億円を確保するものとし、このため財政資金四百七十億円の融資を確保するほか開銀外債三千万ドル(百八億円)の発行が予定されております。 次に、中小企業金融公庫でございますが、中小企業の設備の合理化、近代化とその企業の経営の安定化に資するよう資金運用を行なうことといたします。このうちには、日本開発銀行と並んで、特定機械向け貸し出しが三十億円程度予定されております。 運用総額は、三十五年度出初計画に対し、百二十億円増の八百三十五億円を確保いたし、このため財政資金四百三十五億円の融資を受けることとした次第であります。 商工組合中央金庫につきましては、中小企業に対する組合金融の充実をはかりますために、三十五年度の当初計画に対し、六十億円増の三百十億円の貸し出し純増を行なう計画でありまして、このため財政資金による商中債の引き受け純増四十億円を行なうことといたしております。 中小企業信用保険公庫につきましては、信用保証協会の保証規模の拡大等に資し、中小企業金融の充実をはかりますために、融資基金として産業投資特別会計から出資二十億円を行なうことといたした次第であります。 次に、日本輸出入銀行でございますが、三十六年度におきましては、プラント輸出の促進、東南アジア等に対する経済協力と賠償実施の促進をはかるため、九百七十億円の貸付を行なう計画であります。 この貸付計画を確保いたしますため、出資百二十億円、融資四百五十億円、合計五百七十億円の財政資金を投入する計画であります。 次に、電源開発株式会社につきましては、三十六年度におきましても、三十五年度に引き継ぎ、奥只見、滝、御母衣、池原等の電源開発継続工事に主力を注ぎますほか、若干の新規地点の開発を計画いたしまして、四百四十億円の工事規模を確保し、このため財政資金四百十億円の融資を行なうこととしております。 次に、石油資源開発株式会社につきましては、海洋堀さくを中心とする石油資源の探鉱等を行ないますため、四億円を産業投資特別会計から出資する計画であります。このほか、油田の開発にかかる民間資金の借り入れにつきまして、五億円の政府による債務保証限度額を設定いたしました。 最後に、日本航空機製造株式会社につきましては、三十六年度専業資金として、経済援助資金特別会計から十億円の財政投資を行ないますほか、量産にかかる民間資金の借り入れについて三億円の政府による債務保証限度額を設定いたしまして、当社の事業計画の円滑なる遂行を確保することといたしました。 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計、特別会計の予算および財政投融資計画の御説明を終わりますが、なお、御質問に応じまして詳細に御説明申し上げたいと存じます。 何とぞよろしく御審議の上、可決せられんことをお願いいたします。
○主査(塩見俊二君) それではただいまから通告に従いまして質疑を行ないたいと存じます。順次御発言願いたいと思います。
○木村禧八郎君 私は国際収支、特に通産省関係ですから、そのうち経常収支、特に貿易収支を中心にして——これは分科会ですから、多少きめのこまかい御質問をしたいと思うのですけれども、御承知のように政府の所得倍増計画の中で、比較的弱点といっては言い過ぎかもしれませんが、問題になっている点がだんだん明らかになってきたのですけれども、一つは国際収支の問題、もう一つは物価の問題、第三は設備投資の問題ですね、この三つが問題になってきておりまして、この動向いかんによっては所得倍増計画というものは、これは変更を余儀なくされるのではないか、あるいはずれてくるのではないかと思われるのです。その中で、国際収支の問題が最近、特に本年に入ってから、ここで急に重大視されるようになってきているわけです。特に経常収支につきまして、今年に入ってから一月の、総合収支は七千三百万ドルの黒字ですけれども、経常収支は九千九百万ドル、ざっと一億ドルの赤字、これは昭和三十二年以来初めての大きな赤字なんです。二月の総合収支は五千万ドルの黒字ですけれども、経常収支は九千三百万ドルの赤字、三月以降も当分五、六千万ドルの赤字が続くのではないか、さらに、この間、二十四日、日銀の政策委員会で国際収支の見通しについて検討したと言われておりますが、それの結果が新聞に報道されておりますが四−六月については経常収支一億九千万ドル程度の赤字、総合収支も一億二千万ドル程度の赤字になるのではないかという見通しになっております。また、輸出期に入る七−九月の経常収支で七、八千万ドルの赤字になるのではないか、総合収支も若干の赤字になるのではないか、こういうふうな見通しが発表されておるわけです。 そこで、通産省としては、最近の経常収支の赤字について、これが単に一時的なものであるのか、あるいはこれは貿易の基調の変化によるものであるか。基調変化によるものであると、これはかなり続くとみなければなりませんし、かなり重大視しなければならないと思うのです。そこで、最近の経常収支の赤字をどういうふうに考えておられるか、その原因がどこにあって、それが単なる一時的なものか、あるいは基調的な変化によるものか、そういう点と今後の見通しをどういうふうに立てておられるか、まず、その点についてお伺いをしたいのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 御指摘の通り、一月、二月の一億ドル弱の赤字、これは三月も続くことになると思うのであります。それで結局三十五年度におきまして、経常収支が赤字になることは免れないということは、もはや判明しておるのでありますが、御承知の通り総合収支においては依然として黒字基調である。それから三十六年度におきましても、六月くらいまでは相当の赤字が続くのではないか、こう見られておることは今御指摘の通りであります。これは設備拡張が意外に衰えない、しかも、設備拡張が割合に堅調な需要に支えられていっておるのであります。どうしてもそのために輸入が旺盛になります関係上、こういう経常収支において赤字が続くものと考えておるわけであります。七月−九月については今お話がございましたが、大体において情勢が逐次改善されていくのではないかというふうに見ておる次第であります。
○木村禧八郎君 私はそれが一時的なものであるのか、基調的な変化によるものであるか、その性格についての見方を御質問したのですが。
○国務大臣(椎名悦三郎君) つまり、設備投資に基づく在庫補てんというのでございまして、基調としての現象ではない、一時的なものである、こう考えております。
○木村禧八郎君 そこで問題になるのですが、ただいまお話のように、経常収支の赤字の原因が輸入の増加だけに原因を求めておるようですが、これはあとで質問しますが、これは輸出の方にも問題があると思う、二つ問題があると思うのです。それから、もう少しあとで詳しく質問をして参りますが、経常収支のうち、とにかく貿易外収入が相当減っているということも問題なんです。そこで、焦点を輸入の増加というところにしぼって、それが単に設備投資の増加による在庫補充が多くなっているということに求めて、かなり軽く考えておられるようですが、そんなその程度の認識で一体いいのかどうか。大体この輸入の増加による経常収支の赤字というものは、赤字というよりはむしろ経常収入が悪くなってきたのは何も本年に入ってからでないと思う。もう少し過去にさかのぼって考えてみますと、これを趨勢的に見ますと非常にはっきりしてくると思うのです。ですから、私はもう少しこまかく、きめこまかく説明してもらいたいのです。趨勢的に説明していただかないと、単にぽつんと本年に入ってからこういう経常収支の赤が表われてきたのではないと私は見ているのです。昭和三十四、五年あたり黒字があった。それがその後三十五年に入り、これがとんとんになり、それが今度は赤字になってきているという、そういう趨勢的な傾向をたどっている。ですから、単に本年に入って一、二月が赤字になったからというだけで問題は私は済まないので、もう少し趨勢的に見ますと、これは単に一時的なものでないと、私は基調的な変化によるものだというように見ているのですが、そこで非常に見方が違ってくるのですよ。そこのところをもう少しきめこまかく御答弁願いたいのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この傾向は本年に入ってから、そう急激に起こった現象かということが問題に今なりつつありますが、十二月からそういう傾向が表われておった。それ以前はその傾向は表面に表われておりませんが、その数字的な説明は担当局長から申し上げます。
○政府委員(今井善衛君) 生産と輸入の関係でございますが、生産の関係は、前年同期に比べまして、去年の下半期七月ごろから大体二〇%増加、つまり一二〇%程度ずっと上がっております。ところが輸入につきましては、九月、十月、十一月あたりにおきましては、前年同期に比べましてわずかに輸入の数量が一割増ということになっておったのでございます。ところで在庫指数を見ますと、そのころから原材料のストックを食いつぶしているという数字が出ておるわけでございまして、十二月になりまして、生産は二割以上前年同期に比べまして上がっておりますが、輸入が前年同期に比べ正して約三割程度上がっている。それが一月、二月あるいは三月、かように続くわけでございまして、むしろ在庫補てん的なにおいというものが非常に多い。特に商品別に見ますと、鉄鉱石、スクラップ、そういう金属関係、これにつきましては、明らかに在庫補てん的な要素が見られるわけでございまして、それから繊維原料が非常にふえております。これは一月からふえております。これは御承知のように、ケネディ政権になりましてから、アメリカにおきまする綿花の支持価格制度が引き上げられるのではないかといううわさが飛びまして、現実にそのうわさが過般実現したのでございますが、さような関係からいたしまして、綿花の輸入量が前年同期に比べまして、著しくふえておる。これは在庫補てんの関係と、正常なる先高見越しという関係があると思います。これが一月、二月、繊維原料の輸入が非常にふえておるという関係でございます。それから石油関係、これも寒い需要期に入っておりますから、伸びるのは断然でございますが、産業活動等に関連しまして、やはり伸びておる。特に、渇水のために電力用に油を使うという関係で、油の需要がふえております。それから先ほど話のございましたように、設備投資と申しますか、投資需要の関係で、機械の輸入が、前年同期に比べまして相当ふえておると、こういう関係でもって、非常に輸入がふえておる。これは、暮から春にかけまして輸入がふえるというのは、これは季節需要と称しまして、例年のならいでございますけれども、本年は、それに対しまして、特に在庫補てん的なにおいが加わりまして、かなりふえておるというふうに考えております。
○木村禧八郎君 そうすると、設備投資が予想外に大きく、それで経済成長が大きくなっていけば、輸入がそれにつれてふえていくというのが、これが基本的な趨勢となっていいと思うのです。それで、経済成長のうち、最近、鉱工業生産が、さっきお話ししましたように、前には、月二%ぐらいの割合でふえておったが、最近では、ふえ高の率は、昨年より減ってきておると思うのですが、鉱工業生産が一%ふえた場合、原料消費の輸入はどのくらいふえるというような推定になっておりますか。
○政府委員(今井善衛君) これは月によって違うと思いますけれども、〇・七ないし八だと思います。
○木村禧八郎君 ばかに小さいようですが、大体〇・九ぐらいに見られるのじゃないですか、最近のを計算してみると。
○政府委員(今井善衛君) これは何がふえるかによって異なると思いますが、たとえば、食糧等は鉱工業生産の伸びとは無関係にございますし、結局は原材料なり機械ということになると思います。輸入原材料につきましては、大体〇・八か、それぐらいじゃないかと思っておりますが、ことし、経済計画におきまして、鉱工業生産が大体一四・七%ふえるという場合の輸入のふえ方としましては、約一一%と、かように見ております。
○木村禧八郎君 経済企画庁が出しました三十六年の経済見通し、これによると、今一一%と言われましたが、それによっても輸入が過小に見積られております。私は、最近の計算なさっているのは、大体〇・九ぐらいだと思います。〇・九としますと、一四・七%の鉱工業生産増加に対して、〇・九とすると、輸入はもっと多くなければならないのです。四十四億ドルぐらいの輸入になる計算なんです。そうしますと、この計画では四十一億九千万ドル、輸入は過小に見積られているということになるんですが、その点どうなんです。
○政府委員(今井善衛君) 私も、はっきり分析したわけではございませんが、産業の伸び方によって違うと思います。たとえば繊維関係が伸びます場合、特に綿花羊毛が伸びます場合、非常にウエートが強く伸びるわけでございますし、鉄鋼自体が伸びます場合も、これは国内資源は使いきっておりますので、従って、それ以上増産するものは輸入にたよるというふうなことになりまして、ただ、御承知のように、鉱工業生産の伸びる場合のウエートとしまして、機械が一番大きいわけでございますが、その機械と鉄鋼との関係で、機械産業が伸びて、そのまま鉄鋼の需要として非常に大きく反映する場合にはやはり伸びると思いますが、たとえば精密機械工業における鉄鋼は、それほど多くはウエートを占めないという場合には、また違った伸び方をする。そこは一がいには言えないと思います。いわゆる機械工業の中でもどういう機械が伸びるかというふうなことでだいぶ変わってくると思います。
○木村禧八郎君 機械のことについて、もちろん機械と原料関係はありますが、機械の輸入自体についてはまた伺いたいと思いますが、今は原材料の輸入について聞いているのですが、どうも過小見積りのように思われるのです。そこで、今後の国際収支の見通し、経済成長の見通しにこの点から一つ狂いが生ずるのではないかと思います。四十一億九千万ドルでは私は済まないのじゃないかと思いますが、どうですか、通産省の感じでもいいのですが、最近の輸入の傾向から見ると、原材料輸入は予定よりやはり多くなりそうじゃないんでしょうか。最近の傾向から見まして、どうも私は最初に予定されたより多くなるのじゃないかと思います。また、多くならないならならないようにするかどうか、四十一億九千万ドルに押えるのかどうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 一時唱えられておった輸入性向の計数がだんだん少なくなってきているようでありますが、やはりこれは固定的なものではなくて、だんだん日本の経済が伸びれば伸びるに従って計数が低くなっていく。さて、その低くなる程度が一体どの程度であるかということになるのでございますが、どうも非常に的確にこの程度であるということを申しかねる状況でございます。
○木村禧八郎君 私は、三十四年あるいは三十五年あたりで鉱工業生産の増加率に対して輸入金額の増加率が少なかったということの一つの理由としては、産業構造が高度化していけば、鉱工業生産の一単位あたりの輸入原料の消費量が低下してくる、そのことを今通産大臣言われていると思います。そういうことにも原因があったわけです。そればかりではありませんけれども、思惑の在庫投資の輸入があまりなかったとか、輸入価格が低下したとか、等々の理由によって、三十四年、三十五年当時は、鉱工業生産の増加率に対して、輸入の増加率が非常に下回っていた。その原因として、今通産大臣が言われたことは、これは傾向的、趨勢的なあれとして言えるわけです。私はそのことを言っているのじゃないのです。そのことも頭に入れて、最近どうも鉱工業生産の増加に対して輸入原材料の消費の増加は〇・九ぐらいに見られるのでありますが、先ほど〇・七とか八とか言っておりますが、どうもそういう点から見て、輸入の見積もりが過小である。そういうところからこの輸出についても問題がありますけれども、今後の国際収支の見通しが違ってくるのではないか。通産大臣にお伺いしたいのは、今秋の見通しでは四十四億ドルぐらいになると思われるのに、四十一億九千万ドルという計画になっておるのですが、この計画通りにおやりになるとすれば、そういう輸入をチェック、押えていくのか。押えていかないとすれば、今のこの趨勢でいけば、鉱工業生産の伸びに対して今までの輸入原材料の増加率の趨勢でいけば、もっと輸入をはからなければならなくなると思うのでありますが、その点をどういうふうにされるのか。チェックされるのかどうかということです。チェックされなければ、もっとどうしたってふえますよ。この見通し以上にふえます。ふえないと思ったらこれは通産省の分析不足ですよ。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 輸入をむしろ自由化するという今段階ですから、輸入を押えるという政策はとろうとは思ってはおりません。その他の点につきましては局長から申し上げます。
○政府委員(今井善衛君) ただいまの御質問としまして、予定しておりましたこの輸入額をオーバーするんじゃないか、それについての感じということでございますが、三十五年度におきましては、御承知のように年間の為替ベースの輸入を三十八億ドルと見ておったのでございますが、大体おそらくこれが三十九億ドル近くなるんじゃないかというふうに予想されております。三十六年度につきましてただいまの御指摘のように四十一億九千万ドル、為替ベースでそういう数字が計上されておりますが、それをもう少し上回るんじゃないかという御指摘でございますが、私どもも若干これを上回るんじゃないか、そういう傾向が多分にあると思います。ただ、実際問題としまして、私どもの見方としまして、現在原材料の輸入が少し多う目になっておりますのは、これは何と申しましてもやはり在庫補充の関係がある。特に去年の十二月ぐらいからこの在庫補てんはことしの六月ぐらいまで続くんじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、従いましてこの六月ぐらいまでは、計画と見られるものよりもある程度上回った輸入が行なわれるんじゃないかというふうに考えますが、七月以降におきましては、在庫補てんが一段落いたしますれば大体横ばいというふうに考えておるのでございまして、今考えられるこれよりもだいぶオーバーするんじゃないか、そういう意味でこの七月以降はある程度平静に推移するのじゃないかということを考えますと、オーバーしましてもそれほどのことはないという感じでおるわけでございます。
○木村禧八郎君 それは確かに在庫補充があると思います。しかし、経済基盤が大きくなればやはり総体に輸入の量が多くなっていきますね、どうしたって。かりにこれが横ばいになるとして、今度は機械類の輸入なんかについては、今後の自由化とか合理化に備えて高性能の機械の輸入が相当意欲的に行なわれようとしているようでありますが、これもかなり昨年十月——十二月では一億一千一百万ドルですか、通関で、前年同期に比べて六割ふえておる。この機械の輸入も、今後自由化に備えて合理化を促進させていこうという場合、もっとふえてくる可能性があるのじゃないかと思うのです。それが昭和三十二年当時には国内の生産力不足から機械の輸入が非常に多かったということもありますが、これからの機械輸入は、国内の生産力不足のためより、むしろ高性能の機械輸入にしようということになってくると思うのです。これもやはりかなりふえていくのじゃないでしょうか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) やはり自由化に備えまして、かなり海外の機械に圧迫されるということが、目に見えてわかっているものが相当あります。それをどこをどうすればいいかということは、やはり餅は餅屋でちゃんと考えている。こういうものをやれば一〇%コストが下がるとか、あるいは二〇%下がるとかいうようなちゃんと目算をして、そうしてそれの輸入、従ってその輸入代金の獲得ということは、各部門において相当熱心にやっております。今後もふえるのではないかと私は思います。
○木村禧八郎君 その見通しはおわかりですか。大体今後の機械の輸入のいわゆる承認ですか、はどのくらいになっていますか。
○政府委員(今井善衛君) 現在御承知のように大体月ベースで三千三百、三千五百万ドル程度輸入しておりますが、これの見通しと申しますと、経済計画にははっきり組んでおりませんけれども、この上期等の予算におきましては、六カ月で約四億三千万ドル程度の機械を見込んでおります。大体この下期におきましては三億六千万ドル程度でございますが、その程度の伸びを見込んでおります。
○木村禧八郎君 それから自由化によるいろいろな製品輸入もふえるでしょう。これまでの実績から見てどうでしょうか。かなりふえているものがありますね。ですから自由化によってまあ肉類、酪農品、飲料、そういうものはかなりふえてきているようですが、今後も自由化による製品輸入はかなりふえてくるのじゃないですか。どうでしょう。
○政府委員(今井善衛君) ただいま製品関係についてもぼつぼつ自由化しておりますけれども、まだそれほど大して自由化している段階ではございません。現在の自由化は御承知のように原材料関係、あるいは機械関係を中心としております。今の機械の輸入が多分にふえるということは、そういうふうな機械の一部自由化ということを組み入れての関係でございますが、そのほかのいわゆる消費資材につきましては、まだ今年度はさほど自由化しませんので、従いまして、それによりまして輸入が著しくふえるということはないと考えております。
○木村禧八郎君 これまでそれは金額としては小さいですけれども、やはり自由化されたものについては、ものによって違いますけれども、かなりふえているようですね。金額は小さいですけれども、自由化されたものについては、ものによって非常にふえたものがある。今輸入ばかりについて伺ったのですが、今度は輸出について伺いたいのですが、輸入は大体その見通しの金額については、通産省とちょっと幅において見解の相違がありますが、私は四十四億ドルくらいになると思うのですけれども、通産省の方は、為替べースで四十一億九千万ドルを多少上回るかもしれないという程度の御認識のようですが、やはりこれは多少上回るというような見解であるということと承知いたしましたが、他方輸出の方はどうなんでしょう。輸出の伸びについて、輸出については、やはりこれも傾向的に輸出はずっと減ってきているのです。前年同期に対する増加率がずっと減ってきている。ことに対米貿易の増加率というのが非常にずっと減ってきているでしょう。今後の輸出の見通しについてはいかがですか。計画の四十三億二千万ドル、為替ベースで、つまり前年度に対して九・四%の増加、これをやはり確保できますかね。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 数字ですからちょっと……。
○木村禧八郎君 大臣、こまかいことでしたら政府委員に答えていただいてけっこうですから。
○政府委員(今井善衛君) 三十五年度におきましては第一・四半期、第二・四半期等におきましては、非常に対前年同期伸び率が大きかったのでございまして、去年の、暦年をとりますと前年同期比はたしか一七%程度の伸び率になっておると思いますが、一、二、三月を入れますと伸び率が最近非常に鈍化しておるわけでございます。しかしながら三十五年度全体をとってみますと、この経済計画の三十九億五千万ドルに対しまして今大体三十九億一千万ドル程度じゃないかと思います、達成率は。三十九億一千万ドル程度で不振だとは申しますけれども、計画に対しまして全体としては一%ぐらいのショートだろうという程度でございまして、特に計画に対しましてショートしましたのはほとんど全部が対米輸出でございます。対米につきましては計画で十一億ドルと見ておりましたものが、大体それより五千万ドル見当はショートするのじゃないかということに考えられるわけでございます。三十六年度の経済計画の輸出目標四十三億二千万ドルというのはもちろん楽観はできませんが、われわれとして努力しさえすれば達成は困難じゃない、どうしてもこれだけのものは達成しなければならぬというふうに考えております。
○木村禧八郎君 それは努力にもよる。まあどういう努力をされるかあとで聞きたいと思うのですけれども、しかし輸入以上に私は、輸出の最近の伸び率の鈍化は非常に基調的な変化を遂げてきていると思うのですよ。それで御承知のように三十四年、それから三十五年の少なくとも七−九月ごろまで、つまり第二・四半期ですか、第二・四半期ごろまで非常に伸びたのは大体東南アジアとか大洋州ですな、そういう方面に対する増加率が非常に大きいですね。たとえば三十五年の一−三月の東南アジアに対する前年同期に対する増加率は二四%、それが七−九月になると四六%にふえていますね。それから大洋州では三十五年の一−三月の前年同期に対する増加率が四八%、それが七−九月になりますと七八%の増加率になっておるのですね。ですからこの面で対米貿易の下がったのをカバーしてきているということもいえると思うのですが、それが東南アジアや大洋州の方が最近減ってきているのですね、そっちの方の増加率が。そこに非常に問題があると思うのですよ。そうなると輸出の努力次第と言われますけれども、どうも傾向からいきまして私は問題じゃないかと思う。 それから対米貿易の伸び率が昨年十月−十二月のあれでは前年同期に対してマイナス一四%なんですね、マイナスの。だからそこに非常に大きな変化がきているので、私はこれはどうもその基調的な変化じゃないかと思うのです。単なる一時的なものじゃない。それと、この輸入以上に輸出の問題を重大視しなければならぬのじゃないか。経常収支の赤字の問題についてはですよ。その点どういうふうに御認識になっておるか。どうも私は通産省の考えが、失礼ですが——あまりまた神経質に、ナーバスになるのもこれはどうも、理由がないのにナーバスになって心配症になる必要はないのでありますけれども、どうも私はその点少し楽観に過ぎるのじゃないかとこう思いますがいかがでしょう。
○政府委員(今井善衛君) 確かに三十五年度におきましては第一・四半期第二・四半期等におきましては伸び率が非常に著しかったのでございまして、その後におきましてまあ伸び率は漸減しておると、ただし前年同期よりは今もってやはり一割以上の伸び率を示しておるわけでございます。たとえばことしの一月、二月いかにも輸出不振という声がみなぎっておりますけれども、前年同期に比べましてやはり一割以上の伸び率を示しておるわけでございます。この三十六年度の経済計画の四十三億二千万ドルと申しますのは、三十五年度に比べまして九・四%の伸び率ということになっておりまして、現在アメリカを除きまして大体それ以上のカーブになっておるわけでございまして、従いまして、たとえば東南アジア等におきましてこの三十五年度は三十四年度に対しまして約二割六分伸びたのでございますが、まあ経済計画におきましては大体一割程度伸びると、こういう前提をもってさようなまあ年間九・四%の伸びということになっておるわけでございます。従いまして問題は対米貿易でございまして、対米貿易は御指摘のように現在二月におきましては対前年比二割程度かえって減っておるという関係になっております。これはまあ対米貿易につきましては、御承知のようにこの鉄鋼等の投資財もございますけれども、そのほかにやはり何と申しましても繊維、雑貨というふうな消費財が非常に多いわけでございまして、向こうの景気の動向に非常に左右されまして、景気が持ち直して参りますと需要がふえて参ると、特にこの対米につきましては、非常に現在不振になっております原因は、去年の六月まで非常に輸出が伸びまして、その関係で多少ストックができたという関係があるわけでございまして、従いましてこの日本から行きましたそういう消費財のストックも現在非常に減少しつつございます。従いまして向こうの景気回復というものが何らかの形で現われますれば、必ず輸出は伸びるというふうに考えておるわけでございます。特に対米市場に対しましては毎年新しい商品の輸出というものが、非常に多種多様の商品の形で輸出ということになっておりまして、対米輸出の二割程度がその年新たに出ますところの新規商品によって占められる、というふうな関係もございますので、従いまして向こうの景気の回復次第によりましてやはり私どもは伸びるのじゃないか。大体まあ経済計画におきましては三十五年度に比べまして三十六年度は対米関係で五%伸びるというふうに見ておりますが、やはり下期の景気の回復ということを期待いたしますればその程度やはり伸びるのじゃないかというふうに考えております。
○木村禧八郎君 まあその点が非常に見解の違いになるのですが、対米貿易に今度アメリカがドル防衛のために輸出ドライブをこれからやるでしょう。そうすると、アメリカの市場以外のところでまた問題が起こってくると思うのです。イギリスは悪いでしょう、最近。それから後進国も悪いのですよね。最近商品が少し上がりぎみである。そうすると、後進国の輸入力もあまり楽観できない、そういう点もあるのです。私はその対米貿易をあまり楽観して、あとで問題が起こってくるのじゃないかと思うのですが、そこで輸出努力というものが必要になってくると思うのです。 時間が少なくなったものですから、もう一つ、経常収支についてのうち、貿易外収支について伺いたいのですが、ことに海運収入が非常な赤字になってきていますね。三十六年度の海運の赤字予想はどのくらい見積もっておられますか。
○政府委員(今井善衛君) 運輸省の見方によりますと、三十六年度海運収入の赤字は約三億五千万ドルと見ております。
○木村禧八郎君 そうしますと、三十五年度は一億三千五百万ドルですね、ずいぶんこれは……、そのほかに特需はまた減ってきましたね。特需はどのぐらい……。
○政府委員(今井善衛君) ICA輸出を除きました特需でございますが、三十六年度におきまして三億五千万ドル見込んでおります。
○木村禧八郎君 それから最近いろいろな技術提携の対価としての利子とか特許の使用料、そういうものが非常にふえてきていますね、年間どのぐらい……。
○政府委員(松尾金蔵君) 今ここにごく最近の数字を持っておりませんけれども、大体外貨、技術導入全体で申しまして、五千万ドル程度であると思います。
○木村禧八郎君 五千万ドル程度ですか、三十六年度の見込みですか、見込みですよ。
○政府委員(松尾金蔵君) 三十六年度見込みという数字は特に持っておりませんけれども、従来大体三十四年度で四千万ドル程度でございますので、三十五年度で五千万ドル程度、正確な数字は持ち合わせておりませんので、概略の数字でございます。
○木村禧八郎君 それは問題にならん、三十五年度大体八千万ドルくらいですよ。三十六年度はもっと多くなるというので今伺ったのです。それはばかに小さいですよ。それはあなたの方の所管かどうか知りませんが……、それではあなたの方に要求してよろしいですか、そういう点資料として。
○政府委員(松尾金蔵君) ごく最近の数字を調べまして整えたいと思います。
○木村禧八郎君 それじゃ海運収入と今の外資のと特需ですね。それからもう一つ、海外渡航による旅費支払いの増加、それについて資料を一つ要求しておきますが、出していただきます。 それで、貿易外収支も非常に赤字になってきておるわけですよ。今後そういうことを総合しまして、経常収支の今後の傾向は、どうも私は通産省が考えているのは少し甘いと思うのですが、そこで輸出振興が非常に重要だということは、この予算にも計上されているのですが、具体的にこの輸出振興によってどのくらいの効果を期待して、アメリカだって、ドル・ドライブをやるのですよ、日本だって円ドライブをやるでしょう、どのくらいの効果を期待しているのですかね。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 輸出振興の直接の施策と、輸出品の国内における体質改善とかあるいはコスト引き下げとか、各般の施策を行なって、そうして日本の輸出振興をして効果を上げるように努力しておるわけでございますが、今後アメリカの輸出ドライブの問題と、かち合う点は種々ございましょうが、最も問題となるのは機械輸出後進国等に対するプラント輸出の関係がかち合ってくるのではないか。そういう場合に問題になりますのは延べ払いですね。どの程度まで日本がこれに奮発して競争していけるかということにあると思うのでありますが、必ずしも悲観状態ではない。従来ともに相当いろいろな手を打ってきておりまして、その打った手がある程度のものをいってきておるのではないか。今後も従来通り、あるいはそれ以上に努力することによって、とにかくこの後進地域のプラント輸出を中心とする輸出というものが伸びていくのではないか。こういうふうに考えておりますし、また業界の第一線に当面して働いておる連中の意見もときどき参考に聞いておるのでありますが、そう悲観した状況ではないと私どもは心得ております。
○木村禧八郎君 そこで問題になりますのは、今度のDAGは二十七日ごろからロンドンで開かれるというのですが、あれにアメリカが後進国の援助として日本に、あれは通産省の方にその詳細なアメリカの要請か何かあったかどうか伺いたいのですが、あれは総生産の一%というのですか、国民所得の一%というのですか、このくらいの援助をアメリカが協力方を要請しているのか。それでちょっと時間がございませんので、先に私の質問の要点だけを言っておきます。それでその点を一つ伺いたい。 それからDAGで問題になってきたのは、今度は日本が援助するでしょう、その場合、輸出入銀行の延べ払いというような形は援助でないという議論が出ている。今までの援助はいわゆるタイド・ローン、輸出と結びついたローンということになる。DAGの場合、アメリカが要請するといわれている援助というものはアンタイド・ローンになってきている。それはインドに与えたような形のクレジットです、こっちが借款を与えて、インドは日本以外から物を買ってもいいということになるわけですね。そういう形の援助というものを期待しているのでしょう。あそこでは。だから輸出入銀行を通ずるああいうものが、後進国援助であるかないかということが非常な問題になるわけですよ。どうもあれは後進国援助の中に含まれないと解釈するらしいですよ、どうも。そうなるとこっちが援助やってもそれが日本の輸出に結びつかぬ、プラント輸出に結びつかぬということになったら、それは重大な問題になってくると思いますが、その点通産省どういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 十カ国の国民所得の総合計の一%、こういうわけでございます。
○木村禧八郎君 十カ国の、日本だけじゃないのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) そうです。それを日本がどの程度、それじゃ一考まるまる新しくかぶるということになるか。それとも今までのものを差し引いてそれで合計一%になるか、あるいはまた一%というのはすべての国に対して一%じゃなくて、国によって多少アロウワンスがあるかどうか、そういったようなことはわからないのです。それで実質賠償ですな、これはもう戦争ペナルティですから、援助なんて大きな口はきけないだろうと思うけれども、実質上低開発国の開発に非常に資しておるということは、これはもうだれしも異存のないことだと思います。これを一体まるまる無視するのかしないのか、そういうことも問題になるようであります。 それから今お話がございましたそのひもつきの延べ払いですね、これは五年未満は援助と見ない、五年を越す場合に越した分については援助と見るというようなふうに解釈されるようでございますが、こういったようなことはきょうからのロンドンにおける協議によってだんだんはっきりすると思います。
○木村禧八郎君 最後に時間がなくなりましたので一点だけ簡単に。それは問題がちょっと違うのですが、強制バーターの地域の問題なんですよ。中国との貿易問題につきまして、この日中貿易の指定業者からいわゆる友好商社というのですか、からいろいろ要望書が政府に出されていると思うのですが、今度このAA物資については中国との貿易について昨年十二月十五日ですか、省令で強制バーター、輸入する場合に片道決済で行なえる措置を開いた。しかし、実際の運用としまして、非常に、審査委員会というものがあって審査するのですが、それが実に手続が繁雑で、従って政府間協定にいく前段として、この中国を強制バーター地域から除外してもらいたいという要請が強くあるわけなんですがね。この点について通産省はどういうふうにお考えか。政府も非常に中国貿易については政府間協定に至らない前段の貿易としてはかなり熱意を示しておられるようで、そこでせっかく十二月十五日に片道決済の道を開いたのですから、それをもっと有効にそれが行なえるように何か措置される必要があるのじゃないかと思うのですがね。それについて通算大臣考慮されたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(今井善衛君) 今御指摘のように、中共との貿易につきましては強制バーターという方式にのっとっておりまして、昨年の暮れにそれを緩和いたしましてケース・バイ・ケースで強制バーターにしないという道を開いておるのでございます。私どもといたしまして、中共との貿易につきまして何も好んで強制バーターという組織はとりたくないのでございまするが、ただ何と申しますか、中国側におきまして、日本からの輸出をこう、何と申しますか、手軽に日本からの輸出を認めると申しますか、そういう組織になっておりません関係上、向こうはもっと日本品につきまして向こうの輸入を容易にしてくれるということになりますれば、わが方としましても強制バーターをやめる何らか別な方式に変えたい、こういうふうな感じを持つわけでございまして、現在この輸入だけストレート、輸出の方はどうしてもなかなか輸出できないとなりますと、非常にやはり片貿易という関係になりますので、従いまして、現在輸入につきまして強制バーターという形で、実際問題としましてはその後申請がございましてバーターを強制したというケースは一件もないわけでございまして、全部片道ストレートと同じような許可でやっておるわけでございます。今まで輸入されました品物は、一件の金額につきましてもさほど大きくはないと、従いまして、大体まあこの強制バーターということをやりませんでも、それに見合う輸出は出るのじゃないかというふうに考えまして、運用上ストレート輸入と同じやり方をやっておるわけでございます。わが方といたしましては、この日本の輸出につきまして、向こうがもっと手軽に受け入れるというふうな態勢が整い次第、わが方でも強制バーターについては考えたいと、かように考えておるわけであります。
○木村禧八郎君 これで終わりますが、最後に手続が非常に煩瑣だというのですね。それで申請してから審査委員会にかかって、商機を逸するという場合もたびたびあるというのですね。ですからまず手続を非常に簡略にする必要があるのじゃないかということと、それから今お話で、輸出について中国側においてそういう態勢が整えば強制バーター地域から除外する御意思があるということですね。そういうふうに解してよろしいですか。その手続の点についてちょっと最後に御答弁願いたいのですが、もっと緩和するようにいきたいと思うのですよ。
○政府委員(今井善衛君) 手続につきましては、これは強制バーターという仕組みのために、あるいはややこしい面もあるのじゃないかと思いますけれども、この運用におきまして、できるだけすばやくやるように努力いたします。
○木村禧八郎君 商機を逸しないようにね。
○辻政信君 すわってお伺いしますから答える方もおすわりのままで。昨年の三月の二十五日にこの分科会におきまして、政府の燃料政策、特に石油問題の根本方針、これを伺いましたが、政府の答弁は、審議会で検討中であり近く結論が出ると、こういうので待っておったのであります。そうして私が政府に資料要求をいたしましたら、提出された資料がエネルギー小委員会の報告と、それから参考資料、経済審議会エネルギー部会における審議結果に関する報告と、これだけを御提出になった。土曜日にいただいてきのう勉強しようと思ったら、この部屋でいただいたもんですからまだ全部これを読みこなすだけのゆとりがない。でありますからその意味でこれにあることが重複することがあったらお断わり願いたいのであります。ざっと見たのですけれども、このエネルギー小委員会の報告、これは政府の方針としてこの答申通りお認めになるものと見てよろしゅうございますか。あるいは参考にしただけの資料ですか、政府が。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 一応所得倍増計画の線に沿うた……。所得倍増計画につきましては、審議会の答申を尊重いたしまして、ただ、地域開発あるいは農業問題等については必ずしもあれによらないで、必要があればこれにまたプラスするというような点をつけ加えて、自余の点については答申通りを認めるということにいたしましたから、このエネルギーの問題につきましても、大体において答申の趣旨を取り入れて参る考えであります。
○辻政信君 どうぞおすわりになったままで。 それではお伺いしますが、これは昨年の九月二十八日の答申ですね。政府が倍増計画の参考にしたというのであり、またこの中にはさらに変更する余地もあるようにお答えになっておりますが、それじゃ政府はこの小委員会の報告を基礎にされて、政府の考えを織り込んでお作りになった政府の原案というものがあるのですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) ただいま大臣からお答えを申し上げましたように、これは所得倍増計画の作業の一環として委員会が作られて答申になったものでございます。もちろん所得倍増計画自体がさような性質を持っておるわけでありますが、これはその時点における一応の将来の目標でございまして、今後われわれといたしましてはエネルギー小委員会の報告を尊重しながらも、常に情勢の変化に応じてそれは検討していくべき性質のものだろうと考えております。
○辻政信君 それでは石炭、石油、水力のエネルギー政策における構成比率、これをざっと見たんですが、十年後の昭和四十五年には大体石油が一億キロリットルと、こう見てよろしゅうございますか。それに近いと見て。
○政府委員(伊藤繁樹君) 輸入原油は一億二千八百万キロでございまして、そのほかに国産原油が二百十四万キロというふうになりますので、大体一億四千万キロでございまして……
○辻政信君 十年後に。
○政府委員(伊藤繁樹君) さようでございます。
○辻政信君 一価四千万キロですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) はあ。そして構成比率は、現在の二九・五%、これは三十四年度でございますが、二九・五%から、エネルギー全体に占める比率が四九・六という比率になっております。
○辻政信君 大体半分ですね。そこで、このように増加する石油の輸入、ほとんど輸入ですが、それには海外に投資をして海外の油田を開発しようとするのか。それとも広く国際市場で安い原油を買って国内に所要のものをストックしようとなさるのか。その点についての国の方針はどうですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 三つの方法を考えておるわけでございます。すなわち雇用その他の関係から見て、国内の資源をできるだけ能率的に開発できるものならば、この開発をしなければならぬ。それからまた商品としてこれを輸入するという方法は今日の場合は非常に容易でございます。容易でございますけれども、一方において為替節約の見地から、できるだけ海外資源を直接開発することができればその方法もやっていく。この三つの方法でそれではどれをその重点とするかということでございますが、おのおの意味が違っておるのでございまして、数量的にはやはりこれを商品として輸入をいたしまして、そしてそれに依存するということがやはり数量的には一番多いのではないかと、かように考えております。
○辻政信君 それは政府が方針を示して民間を指導なさっているのですか。民間のやっていることを、そのままあとから認めていこうというような立場をとっておられるのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 国内資源については政府が相当強い指導力をふるっておることは御承知の通りでございますが、海外の石油資源を獲得することにつきましても、特に特殊の法人を作っておるわけではございませんけれども、その民間の企画、計画、あるいは意欲と申しますか、そういうものを認めてそうしてこれを支援すると、こういう態度をとっております。
○辻政信君 アラビア石油会社に対して国はどういう程度に援助をなさるつもりですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今私が申し上げた特殊会社を作ってどうのこうのということじゃなしに、民間の創意に対してこれをできるだけ便宜をはかってやるという程度でございます。 なお詳しくどういう機構になっているかは、担当局長から申し上げます。
○政府委員(伊藤繁樹君) 三十二年にアラビア政府とアラビア石油株式会社とが利権の協定の交渉を進めておりますときに、当時の政府といたしましては、この石油の開発が、国際協力の点と国際収支の改善の問題と、それから石油の安定供給の確保という意味の三つの目標のもとに、所要の援助措置について考慮するということを決定いたしておる次第でございます。通産省といたしましてはその方針に従いまして、できるだけこの会社の育成に努力するということで措置いたしておる次第でございまして、具体的には輸出入銀行の資金等を相当につぎ込みまして、この事業の成功を助けておるような次第でございます。
○辻政信君 それでは少し具体的にお伺いしますよ。アラビア石油会社はすでに百八十五億円を投資していますね、御承知の通り。それから恒久生産施設の建設に着手いたしまして、年産一千万キロリッターの目標を達成するに、一体どれくらいの資金が要るとお考えになっていますか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 三十五年度までに大約二百億の資金をつぎ込んでおります。それから三十六年度以降、計画完成までにさらにあと三百八十億程度の資金を必要といたしております。
○辻政信君 合計六百億要るのですね。
○政府委員(伊藤繁樹君) 大体さようでございます。
○辻政信君 それに対して政府は輸銀その他からどのくらいのワクを援助なさろうとしておるのですか、今。
○政府委員(伊藤繁樹君) 三十五年度末までに輸銀からは一応七十億程度の資金を借り入れる予定になっております。三十六年度以降の問題は、これは外国の請負業者からのメーカーズ・クレジットなりあるいは外銀からの借り入れも相当予想いたしておりますので、現在のところ輸銀からどれだけ融資するか、この点はまだはっきりいたしておりません。
○辻政信君 しかし見当は先ほどおっしゃったように、もうすでに二百億使って、さらにあと四百億要るのでしょう。
○政府委員(伊藤繁樹君) さようでございます。
○辻政信君 そうして今まで七十億輸銀から融資さしておるし、そうしてこの目標に至るまでにそれだけじゃ足りないですね。四百億というものは別にめんどう見なければならぬでしょう。どれくらいめんどう見るつもりでおられるのか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 三十五年度末までの三百億につきましては一応別問題といたしまして、三十六年度以降の所要資金でございます三百八十億円につきましては、うち百三十三億はアメリカの請負業者のメーカーズ・クレジットで調達することに決定しております。従いまして日本側の銀行から借り入れるべき金額は、その残の二百四十七億でございます。従来の比率によりますと大体市銀と輸銀の協調比率は、輸銀二、市銀一の比率で従来は借りておりますが、しかし輸銀全体のワクの問題もございますが、この点は決定いたしておりません。
○辻政信君 これはすぐ仕事を始めなければならないのですね。そして二百四十七億を一対二で市銀と輸銀でやってやろうというなら、自然に出るのじゃありませんか。もうワクを示してやらぬと仕事が継続できないのじゃないですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 通産省といたしましては、できるだけ輸銀からこのうちの相当部分をみてもらうように輸銀の方に申し入れをいたしておりますけれども、輸銀の予算そのものもまだ国会にかかっております段階でございますので、まだ輸銀の方で決定をしておらない段階だと思います。
○辻政信君 大臣はこれはどのくらい増すつもりですか。決定はしなくても大体の腹がまえを聞きたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) これは相当の資金量でございまして、正直のところ大蔵省とも折衝しなければならない。ただ前にはアラビア石油の資源獲得の成功がどの程度か、その点については多分に危険性があったわけでございます。ところが今日ではもう九本掘って九本とも世界一流の井戸でありますから、その当時とは危険性は非常に違ってきておりますから、私は今のような比率でやらなくても、十分に他の方法によって資金の獲得ができるのではないか、そうしてほしい、こう思っておりますが、これは当たってみなければわかりませんけれども、おそらく従来よりももう少し比率を緩和して考えるのが至当ではないか、かように考えております。
○辻政信君 私は現場を二回見ておりますからそれでお伺いをしておるわけです。それじゃ、さらにこの四月からカフジ原油が初めて日本に入って参りますね。国内の販売価格をどのくらい一体考えておられますか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 今般決定をみました引き取りの基準によりますれば、一般の外割基準の中でカフジ原油を引き取ることになりますので、従ってコマーシャルベースで決定されることになります。すでに辻先生も御承知のように現在原油は相当過剰でございますので、原油のサプライアーはいろいろの意味で実質的に値引きしておる実情でございますので、カフジ原油は一応公示価格は一ドル四十二セントということになっておりますが、その値段で引き取らせるということは商業常識上無理であろうかと思います。相当値引きがあるものであろうと思います。
○辻政信君 それじゃ大体一バーレルあたり一・四二ドルの一割引きぐらいの市場価格でアラビア石油は納得しましたか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 一応引き取りの方式を決定しただけでございまして、できるだけ需要者と話し合えということを言っておるわけでございますので、まだ一割であるかどうかその点は決定しておりません。
○辻政信君 ただこの国際的な建値というやつは、これはサウジアラビアとクエートの両政府が同意しまして発表したのですね、アメリカの業界紙ブラック・オブ・プライスにも、それの発表によりますと結局バーレルあたり国際的な建値の一・四二ドル、これは発表したわけですね、両国政府も同意して。それを皆さんが普通のあれよりも下げるとすると、通常の取引の価格に下げるとすると、クエートとサウジアラビアが一体同意するのかどうか。また日本の通産省がそれを勝手に値下げできるのですか。それはどうなんです。
○政府委員(伊藤繁樹君) 値段は精製業者とアラビア石油との交渉によってきまるわけでありまして、政府としては第一次的にはもちろん介入する性質のものではありません。ただいま先生のお話もございましたようにアラビア石油のポステット・プライスは、両国政府の監督が相当きびしいわけでございますから、事実問題としては値引きしなければ売れないと認定しましたならば、会社側は両国政府にその実情を訴えて了承を得るということになると思います。あるいは場合によっては表面上の販売価格は……ポステット・プライスで内部的に値引きするとか、いろいろな手を使わなければならないと思いますが、会社側としましては一応交渉してみて、どうして値値下げをしなければならない場合には、両国政府の了承を得るというようにしたいということを申しております。
○辻政信君 まだ決定しておりませんね。
○政府委員(伊藤繁樹君) 決定いたしておりません。
○辻政信君 それじゃこれを入れるのに円貨決済の無為替で入れるか。それとも割当外貨のワクの中でお許しになりますか。通産大臣。
○国務大臣(椎名悦三郎君) これはいろいろ論議のあったところでございますが、そのいずれの場合を問わず自由にこの輸入を出し入れするということとはできません。やはり輸入規制という大きな規制の範囲内において行動してもらうより仕方がない。それから入れたものを今までは従来の過去の実績によって各精製会社に割り当てております。その割り当ての制度というものを無視してこれを処理するわけには参りません。この大きな二つの原則は守ってもらわなければいかぬ。そういう制約のもとに自由為替にするか、無為替にするかということになりますから、いわゆる自由為替、無為替の意義というものは、相当に何と申しますか、ないとは言わぬけれども、意味が相当薄くなってしまっている。しかし今は買手市場と申しますか、原油を持っている者よりも精製会社の方がむしろ力が強い。こういう関係にもありますし、いろいろな情勢を考慮いたしまして一応自由為替、従来の割り当て制度により割り当ての比率によって一応外貨を割り当てる。その範囲内においてアラビア石油原油を獲得する。こういう仕組みでございますけれども、まあ実際問題としては日本の会社ですから、無為替と大した違いのないような実際上の効果になると考えております。
○辻政信君 それはおかしいですね。だいぶ苦しい答弁ですが、山下さんそれで納得なさったのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 大体納得いたしました。
○辻政信君 納得しなければそれは許しませんね、値段は国際的な建値よりも一割なり普通の値段に下げるということと、それから割り当て外貨のワクの中にはめ込むという、この二つの条件をのまなければ通産省としては許さぬという気持ですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 引き取りの方式の問題と値段の問題は一応別でございます。引き取りの方式の問題につきましてはただいま大臣からお答え申し上げましたように、一般の外貨割り当て基準で割り当てるということに決定をいたした次第でございます。これはアラビア石油としては非常に抵抗いたしておりましたけれどもそれで納得したわけであります。それであと価格の問題はコマーシャル・ベースで両当事者が交渉するということになるわけであります。
○辻政信君 それで政府から出していただいた石油精製会社の一覧表ですね。これは資本構成とそれから製油能力と三十四年の原油輸入の実績、三十五年度の外貨割当、これをいただいたわけです。これを見て非常に利けげんに思うことがある。それは日本のエネルギーの十年後においては五〇%を占めるという石油が、ほとんど大部分輸入しなければならぬということになると、この輸入外貨の割当を受ける会社ですね。この会社に対しては、政府としては製油能力に基準を置いて割り当てられるのか、あるいは過去の輸入実績というものを尊重して、既得権益として、それらの延長としての新しい外貨の割当をなさるのか、どちらの方向をとっていかれるのか、ちょっと大臣から。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいまでも各社の能力が余っておるという状態でございます。それで、もしも能力に応じてやるということになると、現在すでに余っておるものをまたその設備拡張競争が始まるということでございまして、大体においてまあ過去の実績に準拠してそして割り当てると、こういう方針で参っております。
○辻政信君 そこで過去の実績になると、変に思うのですが、これは間違いないでしょうな、お出しになったのは。たとえて申しますと、一番欄の上の出光は三十四年度は三百十八万六千キロリットルですね。それからその下の丸善が三百三十万キロリットル、それを入れておる。これに対しての外貨の割当が出光が二千七百五十六万四千ドル、それから丸善が二千六百十八万一千ドル、こうなっておりますね、実績と。ところでその下の外国資本の入っておる東亜燃料——これはアメリカ資本が五五%入っておるでしょう。それの昨年度の輸入実績は二百三十四万一千キロリットルですね、出光よりもずっと少ない。しかるに三十五年の外貨割当は出光の民族資本よりもはるかに多い三千百十四万ドルと、こうなっております。次いで日本石油——これはアメリカの資本が五〇%入っている。その三十四年度の、実績はこれまた丸善よりはるかに少ない二百八十一万一千キロリットル、それに対して外貨の割当は丸善よりもはるかに多い三千五百七十七万ドル、こうなっております。昨年の実績よりも民族資本に対する割当が少なくなって、外国資本の入っておる会社に対しては実績以上にドルの割当が多くなっているのは、どういうわけですか、大臣。アメリカの会社に押されましたか、カルテックスに。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 金額で割り当てておるのです。
○辻政信君 金額で……金額で言っているのです、私も。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 金額で割り当てておって、そして今度その金額の範囲において安い原油をつかまえて買うところと、それから高いのは承知で、しかし物がいいということで買う会社と、これがいろいろあるのです。その金額の方で割り当てておるのです。
○辻政信君 おかしいです、これは。油を買う外貨を割り当てる、その一ドルでもよけい割り当ててもらおうとみんな必死になって、あなたのところに頼みにいくでしょう。そうすると通産省の役人は昨年の実績だと言って割り振るでしょう。実績というものはこれは石油の量で入っていますね。今言ったように丸善石油をとってみると、三十四年度の輸入実績が三百三十万キロリットルですよ、それからアメリカ資本が入っている日本石油は昨年の輸入実績が二百八十一万一千キロリットルでしょう。ずっと少ない、日本石油の方が。ところが割当ドルの方になると丸善の方は今言ったように少ないのです。二千六百十八万ドルしかない。それに反して輸入実績の少ない日本石油においては三千五百七十七万ドルというものが外貨の割当になっておるから、一体民族資本を圧迫して、外国資本に押されたのかと言うのです。数字の上に出ているからはっきりしなさいと言うのです。これはどうですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) ただいま大臣からお答えを申し上げましたように、私どもは民族資本であると外国資本であるとを問わず、差別を一切いたしておりません。現在とっております方式は、過去三ヵ年の精製工場の生産金額、実績なり輸入実績なり、輸入数量の実績をそれぞれのパーセントで出しまして、それを何パーセントぐらい見るかということまでを私どもで原則を決定いたしまして、これは当然石油連盟各社にも全部に通達いたしまして、そうして計算をして出しているわけでございます。従いましてその間には全然各社別にこれをどうこうするという余地はないのでございまして、以上がその割当の基準でございます。
○辻政信君 それはこの数字に表われておりませんね、少なくもわれわれが見るといかにも不公平な、民族資本に対して外国資本がよけいとっておるような感じを受ける、公平に理論通りにいけばむしろこの製油能力というものを中心にして、そうして能力の多いものによけい入れるというのが、理屈でなければならぬ。そうなってくると民族資本は苦労しながら、出光と丸善は相当の製油能力を持っているでしょう、東亜燃料だけは一番製油能力は多いでしょうけれども、日本石油なんかずっと下がっているのです、製油能力からいっても。それから昨年の輸入の実績から、いっても日本石油なんか少ない、外貨の割当は一番多いでしょう、ことしは三千五百七十七万ドル、これはどうしたわけですか、一体。おかしいじゃないですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 先ほどお答え申し上げましたように、これは過去三カ年の実績によって算出している数字でございますので、ここにはその答えだけが出ておりますけれども、私も今過去三カ年のそれぞれ上期と下期別にどういう数字になっているか、ここでお答えできないのは残念でございますが、ただ計算方式につきましては、今育ったようにはっきり各社に示しまして、その計算を出しているわけであります。その間に異議のある会社は当然申し出るでございましょうし、全然各社別に操作をする余地はないことを繰り返して申し上げておきます。
○辻政信君 大体日本の石油業界をみますと、外国資本にひどいのは五五%、六〇%も押さえられておりますな、そうすると当然利益の配分もそうなるし、会社経営の主導権は握られてしまっている、アメリカ系に。あるいはイギリスに。でありますから私の言うのは、政府としてはこの民族資本の会社というものをよほど育てるようなお気持ちにならぬというと、石油のすべての政策を米英資本に牛耳られてしまうのじゃないか、この割当から見ても。アラビア石油に対する問題を見ても、あなた方一体それでいいと思うているのですか、まだまだ出しますよ、資料は。もし公平にやっているとおっしゃるなら、椎名さんいいですかな、出しても。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 割当のこまかい計算上の根拠を担当課長からちょっと申し上げます。
○辻政信君 私の時間はあと十分しかないのだからこれ以上あまりやれないのですけれども、問題は、大臣よほど下の連中の気持ちを聞いてやって下さい。かなり政治力が加わっているのだ、僕は時間がないのと、気の毒だから暴露するのは手びかえておくけれども。それからアラビア石油をこのままにしておきますと、アラムコその他に押されてつぶされてしまいますね。ところで民間会社に政府が本腰を入れると、ほかの民間会社が同じようなことを言ったときにどうするか。こうなってくると、あのアラビアに飛び込んで行って、外国資本と太刀打ちしながら十本の井戸を掘り当てて、それに政府が本腰を入れるなら、政府は純国策会社にできるのじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 従来の中近東のあの石油産出物と英米系の各石油会社、石油資本との契約から見ますというと、アラビア石油とサウジアラビア、クエイト両国との契約はかなり向こうから押されておることは、御指摘の通りでありますが、しかし、その部門における石油資本と中近東との契約あるいは南米等における石油資本の進出の状況、これに対する産出国との契約、そういうものを見ますと、やはり相当に今向こうの方が従来よりも利益を非常に強調いたしまして、後退しておるのです、契約の内容が。でありますから、特にアラビアが非常に不利を見た見本のように思われることは、これはやっぱり違うのであって、相当今ではああいうところも目ざめておりますから、この程度のことは仕方がないと思うのですが、それはそれとして、せっかくああいう大利権を獲得したのでございますから、この会社が必ずやりっぱに育つように指導したいと考えます。考えますが、さればと言ってこれを国策会社にするというようなところまではまだ考えておらないのでございます。
○辻政信君 徳永さんきておられますか。徳永さんは石油会社に非常に同情的である。ところが外国資本系の会社にかなりやられて、石油の国際商品性を無視した差別待遇を厳正に抗議された。またイギリス、アメリカの大使館からも政治的警告を受けたように聞いておりますが、そういうことはありませんか、何も。
○国務大臣(椎名悦三郎君) イギリスの方はシェルですが、シェルのことはよく知りませんが、なかなかがんこな会社だそうです。それからアメリカの方はスタンダード、カルテックス等でございますが、なかんずく、シェルが最も頑強にこの問題に対して抗議を申し入れたように聞いておりますが、しかし、先ほど申し上げたように、もう問題は無為替であろうと有為替であろうと、従来の割り当て秩序、原油の精製会社に対する割り当て秩序、その秩序が根本の柱でありまして、結局輸入の規制、それから割り出て問題、この二つ、そのうち一番重大なのは割り当ての問題でありますが、アラビア原油の増加をそれに準拠していくということになりますれば、やはり従来のドルの為替の割り当てをするかしないかは別問題として、とにかく持ってきた原油の割り当てをするという、そういう方法として、従来の為替割当制度というものを一応借りてきて、そうしてその基準に従って分配する、こういうことでございまして、実際にドルというものを厳密に使う必要がない。同じ日本の会社同士の間でございますから使う必要はないということになるのでありまして、かりに割り当てても、これはアラビアの原油を買うためのひもつきの外貨であるということになりますれば、このアラビアの石油会社に入る以外にどこにも行くところがないということになりまして、名を捨てて実をとるということをよく言われますが、その通りだと私は了解しておるのであります。
○辻政信君 これはフランスがサワラ砂漠でずいぶん思いがけない石油が出たときに、これをシェルあたりの外国の大手石油市場に対して国がバックして、そうして民族資本を擁護した例があるのですね。よほどの決意を持っておらないと、今のままではつぶれそうな気がしてかなわぬ。ただ一つ皆さんにお伺いしたいことは、あと、続く問題ですが、アラビア石油会社とサウジアラビア政府及びクエート政府との間に締結された石油開発協定の概要の資料を要求していただいたのですが、これは少し不明瞭な点があるので承りますが、この支払い関係ですね、そうして石油発見後の支払いのところで、純利益の、五六%というものをサウジアラビアに提供することになっている。クエートには純利益の五七%ということになっている。この純利益という解釈ですが、あの各地の現場において原油を掘り出したときのその利益を五十六、五十七と言っておるのか、あるいはそれを日本に持ってきて、精製、販売、一切のすべての純利益、それを含めてこのパーセントを適用するのか、それをはっきりお答え願いたい。
○政府委員(伊藤繁樹君) ちょっと資料の書き方がはっきりいたしませんので恐縮でありますが、これは現地の、石油の精製の義務もございますし、それから内地における精製、販売、その他一切総利益の五六%ないし五七%でございます。
○辻政信君 そこに問題がある。たとえばあの辺でアラムコがやっておるでしょう。アラムコは現地において出た利益を五〇%ずっとし、精製、販売する利益は含んでいない。だから昨年もあなた方に強く言ったのは、この五七%、五六%というのは、向こうに少し右利です。現場のその協定ならいいか、日本に持ってきて精製し販売する一切の利益を、年々この総利益の五六%をサウジ・アラビアに、五七%をクエートに出す、これは大へんなことですよ。通産大臣、これは知っていらっしゃいますか。根こそぎですよ。小売店の末端の利益まで持っていかれるのですよ。これがドル節約になりますかね、どうです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この解釈はいろいろに立つと私は思うのであります。それで一体、一千万トンも原油を堀って、それを全部自分のところで精製、販売してというようなことが一体できるかできないか、やはりものにはほどがあって、原油のままで売る場合もあるだろうし、その一部分をもって精製する、それから精製してその全部を自分の販売網でやる場合もあるし、そうでない場合もあるだろう。そういったような点の制約が、私は必ずしもこれははっきりしておらないと思います。それでございますから、こうは書いてございますが、これは総論で、これにまた具体的な各論というものについてはまだ折衝の余地があるのではないか。御指摘のように、すべて一千万トンの原油を全部自分で処理して精製する。精製したものは自分の販売網で販売する。人にやらせる場合でも委託販売にして、手数料だけやって、あとの利益はこっちでとる。その五七%、あるいは六%、こういったようなふうに考えたらなかなか大へんでございます。私は解釈のこれは余地があるものと考えております。
○辻政信君 私は調べておるのです。あなた方が私の調べたようにお出しにならないで、適当にごまかしておられます、この資料は。純利益というのは、山下太郎さんが石油を掘って、自分が精製したり販売をするのではないでしょう。各石油会社へ分配をして、石油会社が精製し販売したその利益全部を含むのじゃありませんか。この原油に関する限りは、小売の末端までの利益を含めて、五七と五六にされたのじゃないんですか。もし、そうでないならいいが、そうであったら大へんな問題ですよ。
○政府委員(伊藤繁樹君) ただいま大臣からお答えを申し上げました通りでございますが、これはサウジアラビアとクエートと、両方と契約を結んでいるわけでございます。クエートとの契約条項を見ますと、もしサウジアラビアが了承するならば、このアラビア石油は現地製油所だけは建てて下さい、しかし日本国内で精製所を建てたり販売したりするまでの義務はないという協定があるわけでございます。それから考えますと、一応これは英文の協定書で、はなはだ読みにくい協定でございますが、一応サウジアラビアとの間の関係では、先生のおっしゃるように、精製なり販売なりをみずから行なう義務があるかのごとく解釈されますが、今言ったようなクエートとの協定もございますし、将来千二百万キロぐらい出したときに、全然再折衝の余地がないかというと、そうでもないということから、あるいは、場合によっては精製、販売の義務を免れることもあり得るのではないか。その場合には、内地の精製業者にFOBで原油を供給するという、利益の五六%で足りるわけでございますから、そのことを大臣が申し上げたわけでございます。
○辻政信君 時間がないから、これでやめておきますが、いずれこれは私はあとに尾を引きますから、ここで皆さんの答えだけ取っておくが、日本の精製、販売、小売の末端までの利益を含むということになると、これは大問題だと思うのです。そんなことをやったら、決して有利な契約条件で契約ができたとは言えない。カフジの現場においてのこの引き渡し価格の何パーセントなら忍べるが、そういう点は私の考えは杞憂だと、末端まで含まないというふうに大臣はここではっきりおっしゃいますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 解釈上いろいろな余地があると思います。でございますから、あなたのおっしゃるようなふうに解釈することは少し常識的でない、こういうふうに考えております。
○辻政信君 常識的じゃないということは、常識的でないことは、将来政府が許さぬ、そういうお気持なら納得する。そこだけ承っておきましょう。
○国務大臣(椎名悦三郎君) なるべくそういうことのないように指導したいと思っております。
○辻政信君 それでは、それを速記にとどめて、一応これで終わります。
○田畑金光君 私は質問する予定じゃなかったのですけれども、一つ参考までに伺っておきたいのですけれども、先ほど辻さんの質問なさった石油精製会社の一覧表、ドルの割当、これについて過去三年の実績によって、その算出方法等については全会社に提示している、公開している、こういう説明があったわけですが、その過去三年の実績によるというのは、どういう方法で算出しておるのか、それを一つ参考までに教えてもらいたいと思うのですが。
○政府委員(伊藤繁樹君) 過去三年の外貨割当金額実績が五〇%でございます。それから輸入数量実績が二五%でございます。それから生産金額実績が二五%でございます。それによって割当をいたします。
○田畑金光君 その際、この製油能力なんという施設、設備等については全然考慮していないで、先ほどの三つの要素によって割り当てられておる、こういうことなんですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) さようでございます。過去におきまして、設備能力を一つの基準に入れた時期はございますけれども、それを入れますと、非常に各社が設備拡張競争をするということで、操業率が非常に下がり、石油製品のコストが上がるということで、だいぶ以前に、そういうことを一ぺん見た時期がございますが、現在では、ただいま申し上げたような基準によって割当をいたしております。
○田畑金光君 それはいつごろまで、その精油能力等も考慮して割り当てたのですか。またいつごろからそれをやめたのですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 二十八年、二十九年当時に、そういう設備能力を見た時期がございます。
○田畑金光君 やはり今後ともこの割当の方式はこのまま変えない、こういうことなんですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) この割当基準は、各年の下期ごとに決定しておりますので、ただいま申し上げましたのは、現在の、三十五年度下期のことを申し上げておるわけでございますので、常時われわれといたしましては、これは割当基準が公平であるように、常に検討を加えておりますので、将来絶対これ以上ふえないかという御質問でございますれば、それは必ずしもそう考えておりません。
○田畑金光君 これは石油精製会社にも、あるいは今国内資本の会社とか、外国資本と提携した会社であるとか、間接的な提携の会社であるとか、いろいろ説明がありましたが、大手、中小と、これを見ますと、現に存在しているわけです。今あげられた外貨割当五〇%、輸入数量二五%、生産金額二五%、こうなってきますと、結局これは大きなものはますます大きくなるが、中小についてはいつまでも中小、ますますその差は開いていく、こういうことになってくるわけですが、この点はどうですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) ただいま先生の御指摘のような事例もございますので、別に中小企業対策といたしまして、今の原則によって割り当てられました割当数量が、非常に会社の規模に対して少ない場合には、ある程度それに対して中小企業としての割当を加える、そういう制度も同時に並行して採用いたしまして、ただいま先生の御指摘のような一例ができるだけ少ないように努力をいたしておる次第でございます。
○田畑金光君 その中小に特別の配慮を加えているというのは、具体的にどういう内容ですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 八千五百バーレル、これは一日の処理量でございますが、これと、それからさっきの原則によって査定いたしました割当量との差の二分の一を、基準割当量にプラスするという措置をとっております。
○田畑金光君 そのような割当方法を採用されることによって、私が先ほど申し上げましたように、大手と中小の格差というものの是正、この点については、是正されていくのですか、ますます開いていくのですか、そこをお尋ねしているわけです。
○政府委員(伊藤繁樹君) 是正されていくと考えております。ただ一ぺんには解決しないと考えております。
○田畑金光君 私は次に石炭の問題について若干質問したいと思いますが、これは通産大臣に。かって炭主油従政策ということが唱えられていたわけで、そのころ石炭政策については、いろいろな手が打たれていたわけです。今日、この炭主油従政策というのは、どういうことになっているのか、これをちょっとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 炭主油従というようなことは、いわゆるまあ俗称と言っちゃなんですが、やはり日本のこれはエネルギー資源としては石炭がまず重要な地位を占めておったのでございます。それ々称してまあ炭主油従と言ったのだろうと思います。それが今日におきましては、だんだんエネルギーの需要が非常に加速度にふえて参りまして、現存の石炭資源ではまかない切れない。ますます油の方に重点を移していかなければならぬという数量的な変遷がございます。それからもう一つは、コストの問題、そういったようなことで漸次石油が日本のこのエネルギーの最も大きな部分を占めて参るという情勢にあるのでありまして、これは日本のみならず、世界各国の趨勢であると思います。しかし石炭はきわめて工業力の点からいいましても、重要な産業であることは依然として変わりはない。でございますから、できるだけ、石炭産業を合理化いたしまして、そして石油産業というものに十分に拮抗し得るような政策を今後とって参りたい。この石炭というものをよく世間が斜陽産業であるとか何とかいいますけれども、これはまあ俗に言われていることでありまして、依然として石炭産業の重要性というものは減殺されておらぬ。ただ全体のエネルギー需給関係からいってその比率が少なくなって参っておるし、将来においてもだんだんその傾向が助長されて参っておると、こういう現状だろうと思います。
○田畑金光君 そうしますと、今のお話聞いておりますれば、エネルギーというものが経済の効率やあるいは価格の点から見て油に重点が移ってきた。炭主油従政策などと唱えていたころについては、もっと石炭問題について積極的な施策が打たれていたし、またエネルギー資源としての石炭についても重要な価値が置かれていたわけですが、そういう考え方が相当これは大きく思想的にも変わってきた、こういう見方になろうと思いますが、そう見て差しつかえないわけですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まあそれはただ平静に見まして、現在石油が日本のエネルギー全体の供給において占める地位が三十数パーセント、四十五年の十カ年後においては五〇パーセント以上になる。石炭はただいま三八%程度でございますが、だんだんその比率が変わって参りまして、四十五年ごろには二九%くらいになる。こういうような平静に数字を見た場合に、こういう変遷が予想されるのでございます。しかし国内のエネルギー給源として石炭の占めるウエートは、なるほど比率からはこうなりますけれども、工業力の面等から考えて、依然として重要な産業としてこれを育成、維持しなければならぬ、こう考えております。
○田畑金光君 最近のこの鉱工業活動が非常に活発になり、また昨年は渇水による電力用炭の需要等が非常にふえてきて、特に最近は石炭の状況は、需給関係を見ても相当逼迫しておる、こういう情勢であるわけです。そこで石炭協会等においてもいろいろ来年度の生産計画等について検討しておるようですが、これは通産省としては三十六年度の石炭の需給計画あるいは見通し、これについてはどのように見ておられるわけですか。
○政府委員(今井博君) 三十六年度の需給計画といたしましては、ことしは、三十五年度は約五千二百六十万トンから七十万トンというところの実績になるかと思っております。貯炭は約六百七十万トンぐらい、三月末でそのくらいのところで推移するのじゃないか、こう考えておりまして、三十五年度は御指摘になりましたように電力用炭の需要増その他で非常に逼迫いたしまして、貯炭が正常貯炭をだいぶ割っておる。こういう状況でございます。来年度、すなわち昭和三十六年度は、全体の生産としましては一応五千四百八十万トン、この辺はまだ若干協会の方との数字がちょっと食い違っておりますが、われわれの方は五千四百八十万トンというふうに考えておりまして、一応これでもって、これに対する需要は、どのくらいを考えておるかと申しますと、五千四百二十万トン程度の需要は十分にあると、こう考えておりますので、その差額約六十万トン程度は貯炭に回りまして、ほぼ正常貯炭を三十六年度末においては回復するであろうと、こういう見通しに立っております。
○田畑金光君 そうしますと、なんですか、三十六年度も生産調整などということが自主的に必要であると見ておられるのですか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(今井博君) これは昔、ここ二、三年前行ないましたようないわゆる生産制限を皆が相談してやる、こういう意味での調整は必要はないと考えております。ただやはり野放しで生産をやると、掘れるだけ掘るのだという態勢では、やはりどうかと思われますので、全体のワクとしましては五千四百八十万トン程度の生産計画をにらんで各社でやはりそれぞれの調整をしていただきたい、こういう指導をいたしておりますが、昔行ないましたようないわゆる生産制限的な調整というものは必要ないと、こう考えております。
○田畑金光君 今後のこの石炭の需要の伸びというのが、もっぱら電力関係が重点になるようですが、まあ国鉄等は十五年先には石炭を使わないと言っておりまするし、従ってこの電力の需要、従ってまた、この電力と石炭との長期販売協定等について、これは非常に今業界においては関心を集めておる問題で、今後のこの石炭の需給関係において、ことに、どういう点が石炭の需要の最も一有望に伸びていく産業であるか、この点を一つ説明してもらいたいと思うのです。
○政府委員(今井博君) 最近のこの石炭問題としましては、石炭の用途が漸次範囲が狭まってきたというところに一つの大きな問題がありまして、これは世界的の傾向かと思います。この場合にやはり重点は、先ほど先生がおっしゃいましたような電力用炭、それからコークス——鉄とかあるいはガス工業におけるコークスの生産に振り向けられる石炭、いわゆる原料炭でございます。この二つが石炭の中の一番大きな二つの柱であると思います。現在のところは一般炭の需要が漸次減少して参りまして、大体年間百万トンから百五十万トンという減少をいたしておりますが、それに対しまして電力用炭がやはり百万トンから百五十万トン程度ふえております。それから原料炭の方は、ガス関係は大体今後横ばいになるかという見通しを持っておりますが、鉄鋼用の方のコークスは相当大きく伸びる予想をいたしておりまして、来年度は電力でもって約千八百万トンから若干それを上回るところまで需要がある、こう見ております。鉄鋼関係ではやはり七百万トンちょっと割るくらいの需要がある。従いまして、原料炭といたしましては、来年度はこれにガスを加えますと、千二百四十万トンくらいになるかと思います。電力の約千八百万トン、それから原料炭の約千二百から三百と思いますが、これがやはり中心でございまして、これを合計いたしますと、約三千万トン程度になると思います。全体の石炭主席の約六割程度が来年度は電力用炭と原料炭である。大体これが今後の石炭の需要の骨でございまして、これが一般炭において漸次もう少し減少すると思いますが、そのかわりに、先ほど申しましたこの二つの柱がふえていく、こういう関係において石炭の需給関係というものは大体推移していく、こういう見通しを持っております。
○田畑金光君 政府が中に立って、あるいは指導をなされて、電力とそれから石炭との間に長期販売契約をあっせんされておるということでしたが、それは今どの程度政府として介入されておられるのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 介入しております。ただいま進行中であります。
○田畑金光君 だから具体的にどの程度の関係を政府として持っておられるか、具体的にどういうふうな作業を進めてきておられるのか、それを承っておるわけです。
○政府委員(今井博君) ただいまは経団連が中心になりまして、石炭の大きな需要先である電力、鉄鋼、ガス等を中心にいたしまして、それぞれの業界を集めて話し合いを続行中でございます。政府といたしましては、表面的にはこれに介入いたしておりませんが、いろいろと連絡を受けております。これは現在進行中でございまして、この推移を見て政府としてもさらにこれにかんぬきをはめるという必要があるならば、さらにそれに乗り出す、こういう状況でございます。
○田畑金光君 ことに電力会社を例にとりますと、大手と中小との電力会社に対する納入の実績というものを見ますと、たとえば昭和三十二年は大手の石炭が電力会社には約四八%入っております。中小は五二%ということですね。昭和三十三年になると、これが大手が急にふえて五五%、中小は四五%前後に減っておる。三十四年度になりますと、これがさらに大手が五八%、中小が四二%、こういうことになって、こういう最も安定した将来の取引先について、中小というものは非常な圧迫を受けている、こういうようなことが言われているんですが、こういう点については、政府としては何か中小問題等について、特に検討なされたことはないかどうか。
○政府委員(今井博君) 現在、その点は中小炭鉱対策の一つのポイントであると思いまして、研究中でございます。おっしゃるように、中小と大手の比率が最近逆転して参りつつございます。ただ、この事情は、最近の電力用炭が非常に急激に伸びておりまして、多いときには二百万トン電力用炭がふえるという事態でございまして、決して中小関係の絶対数が減ったというわけではございませんが、やはり電力会社としましては、比較的急にふえた場合には安定供給先である大手にやはり重点を置くという傾向がある関係かと思いますが、さらにもう一つは、一つの特殊事情がございまして、東京電力のここ二年ほど前にいろいろな問題が起こりました、あの関係のはね返りも若干影響しているのじゃないかと思います。私としましては、やはり中小炭鉱の、これはほとんど一般炭の生産でございますので、中小炭鉱としては、この電力用炭にある程度の安定した需要先を確保するということが、中小炭鉱対策を遂行する一つのポイントであると思いまして、これにつきましては、やはり電力用炭全体の取引体制というものが確立される場合には、その次にやはりこの比率の問題その他の問題を取り上げていきたい、こう考えておりまして、現在研究をいたしている次第でございます。
○阿具根登君 田畑君の先ほどの質問のお答えに対して、ちょっと関連して質問いたしますが、局長は、来年度に電力が千八百万トンに鉄鋼が一千二、三百万トン、こういうことを言っておられるようですが、一昨々日ですか、植村さんが中に入って出されたやつは、はるかにそれよりも下なんですね。だから非常に業界は硬化してきているわけなんです。石炭業界ですよ、石炭業界の要求が、三十八年度に一千九百五十万トンの電力用炭ですよ。それから鉄鋼に対して一千万トンですよ。三十八年度にそうしてくれ、こう言っているわけなんですね。それができないので、植村さんが中に入ってえらい御心配してもらっているんですが、局長の話では、来年に鉄鋼で一千二百万トンから一千三百万トン使う、こうおっしゃるんですが、それを信用していいですか。
○政府委員(今井博君) ちょっと私の言葉が足りなかったかと思いますが、鉄の場合は、来年度は約七百万トンちょっと下回る、こう申し上げたわけでございまして、これにさらにガス用炭、それから一般のコークスの生産向けに振り向けられる数字を合わせますと、来年度千二、三百万トン、こういうように私申し上げましたので、ちょっとその辺は言葉が足りなかったかと思いますが、それから電力側との話し合いは、一応九電力の使う炭全体としまして、電力側は四十二年度で二千万トン引き取ろう、こういう提案がございまして、これに対して石炭側は、これをもっとふやしてくれということで、話が合いませんが、私が先ほど千八百万トン程度と申し上げましたのは、九電力のほかに常磐火力も使いますとか、それから住友化学とか、そういったものを合わせますると、千八百万トン、こういうわけでございまして、その間、若干九電力とその他とそういう点で数字がちょっと食い違っております。
○阿具根登君 そうしますと、来年度大体どのくらい局長の見通しでは石炭の需要がありますか。
○政府委員(今井博君) 全体としては約千八百万トン程度の需要があると、こういうふうに一応、電力全体でございます。
○阿具根登君 いや、石炭全体は…。
○政府委員(今井博君) 石炭全体は、需要といたしましては五千四百二十万トン程度の需要があると、こういうふうに思っております。
○阿具根登君 私の時間であとは質問いたしますが、五千四百二十万トンとしますと、そうすると来年度だけで三千五百人を首切ると言っておられるけれども、それでよろしいのですか。来年度は三千五百名、炭鉱の労働者をやめさせると書っておるのですね、皆さんは。そうして五千四百二十万トン、こうなりますか。
○政府委員(今井博君) ことしの需要、三十五年度でございますことしの需要が五千三百四十五万トン、こういう数字になっておりまして、来年度は五千四百二十万程度、こういうふうに推定いたしております。
○阿具根登君 あとは私の時間でやります。
○田畑金光君 あの重油ボイラーの設置規制法案というのは現在生きておるわけですが、この重油専焼火力発電というものが、非常にこれふえてきておりますね、建設がですよ。今どの程度にこれは上っておるのですか。
○政府委員(大堀弘君) 電力の需用の伸びが非常に大きいものですから、御指摘のように火力に相当重点を、置いて拡充いたしております。特に重油専焼火力につきましては、昨年来相当建設のテンポを早めておりまして、昨年の暮れに約二百六十万キロほどの追加工事を決定いたしまして、これがまあ三十八年度の需要に見合って建設を急いでおるわけでございます。三十六年度につきましては、目下検討中でございますが、やはり相当数の重油専焼火力の着工を決定しなければ電力の需用に追いつかないのじゃないかと、かように考えておりますが、現在検討中でございます。
○田畑金光君 手元にある資料を見ますと、三十五年で、これは、五月の電源開発調整審議会、それから十二月の電源開発調整審議会等の決定によって、重油専焼火力設備が認可されておりますが、これによると二百八十二万キロワットですか、年間の石炭換算にしますと約一千万トン、九百九十万トンですね、こういう重油専焼火力発電ができてくるわけです。今後電力の需用というものがますます大きく必要になってくるということは、これは当然予測されるわけですけれども、三十六年度についてどういう見通し、あるいは計画申請等がなされておるのか、この点について通産大臣に一つどういう考え方を持っておられるか承っておきたいと思うのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) やはり非常な勢いで需用が伸びておりますので、これに対する供給計画も急いでやらなければならぬという関係でありまして、もちろん石炭部門との話し合いによってなるべく多く、産炭地においては特に石炭による火力設備を増設する必要がございますけれども、産炭地を離れたところにおいては、特にやはり重油によって需用の伸びというものにこたえる必要があるのではないか、しかし一面においては石炭部内に対する電力の責任を十分に果し得るようにしなければならぬ、そのまあ兼ね合いの問題でございますが、一面においてはやっぱり相当国際競争力をつける意味におきましても、一面においては電力コストの引き下げということも考えざるを得ない。そのまあ兼ね合いの問題をどの程度にするかということにつきましては、十分検討してみたいと考えます。
○田畑金光君 この点公益事業局長、まあ先ほど申し上げたように、三十五年度一年をとっても二百八十万キロワット、約石炭換算九百九十万トンですね、これだけの重油専焼火力ができたのですが、こういう歩調でこれは作られていくのですか、見通しですね。
○政府委員(大堀弘君) 実はこれは電力の需給の事情から申し上げませんと説明が十分でないかと思いますが、まあ本年度あたり非常に実は需用の伸びが大きいものですから、この渇水期の時期に、供給確保に非常に困難を来たしておるわけであります。この三十六年、七年にできます電気はすでに三十二、三年ごろに着工したものが出て参りますので、これを今ここで急速にふやすわけに参りませんけれども、現在着工しておりますものは、昨年の暮れにきめたものは大体三十八年から三十九年にかけてできるわけであります。この四月以降三十六年度に着工いたしますものは、大体三十九年以降に稼働して参るものでございまして、私どもとしましては、この三十六年、七年は非常に需用の伸びが大きいので、供給の方はすでに過去において着工したものに限定されておりますので、かなり苦しい場面が出ると思うのでございますが、三十八年、九年以降、需用におくれることのないように早急に建設を進めて、需給のバランスを合わせて参りたい、こういうふうに思いまして、そのために火力に重点を置きまして、特に資金の面から見ますと、水力は非常に三倍も資金が要りますので、火力に重点を置きまして、しかもまた重油専焼火力でございますと、建設費が石炭と正油の混焼火力に比べまして二割ぐらい安くできるわけであります。また重油の価格の値下がりを考えました場合に、電力コストの上昇を抑制する意味におきまして、やはり重油専焼火力に相当な力を入れて建設を急いでいくというのが電気の方の立場でございまして、ただ、先ほど大臣からお話ございましたように、石炭の面についての考慮もわれわれといたしましても十分に考えておるわけでございまして、九州、北海道あるいは産炭地域に近いところは、現在でもほとんど全部石炭火力でございます。中央の地域につきましても、東京あるいは関西地域について、会社としては重油専焼火力を希望いたしております地点についても、若干政策的に石炭火力を入れるように行政指導をいたしまして、昨年から本年にかけても、そういう石炭燃焼火力もある程度並行してやるように指導いたしまして、結局まあ全体として電力が買います石炭の量を相当量ふやしていくということで、長期契約の線が現在両業界の間で話し合いがされておるわけであります。電力業界としては、四十二年に二千万トンまでは精炭で買おうという線は出ておりますが、その点についてなおまだ話し合いで意見の一致を見ておりませんけれども、方向といたしましては、やはり石炭火力もわれわれとしては相当政策的に入れさせまして、しかし、まあ全体の需用が非常に大きいものでございますから、重油専焼火力を相当大幅に入れていきませんと需用に追っつかない、こういう情勢であろうかと思います。三十六年度におきましても、私どもはまた関西、中部、東京地区については相当多数の専焼火力を入れなければならぬと考えておるわけであります。
○田畑金光君 私のお尋ねしておるのは、その最後の、来年度はどのくらい考えておられるかということを聞いておるのですが。
○政府委員(大堀弘君) 今、具体的にどの地点にいたしますか。もう四月の上旬ないし中旬くらいまでに個別の検討を終わりまして結論を得たいと思っておりますが、まあ二百万キロそこらは必要になるんじゃないかと思っております。しかし、個々の地点についていろいろ比較検討を加えておりますので、着工としましては、もう一月くらい検討を要するかと考えております。
○田畑金光君 合理化計画についてお尋ねしたいと思うんですが、すでにしばしばこれは質問もしておりますが、昭和三十四年の十二月の石炭鉱業審議会の答申に基づいて合理化計画が具体的に進められておるわけですね。三十三年に比べて三十八年度までに千二百円のコストの引き下げ、こういうことに目標を立てて努力をしておるわけですが、この千二百円のコスト引き下げというのは、これは業界自身だけの努力によってできるのか、それとも、政府の政策面によって協力することも当然前提として考えておられるのかどうか、この点は、どういうことですか。
○政府委員(今井博君) もちろんこれは業界の努力もさることながら、政府としてもできるだけの援助をして、この目標達成に努めたい、こう考えております。
○田畑金光君 政府の政策面からくる施策によって、どの程度このコスト引き下げに政府として協力できるのか、あるいは、業界の自主的な努力によって、どの程度のコストの引き下げというものを千二百円の中で考えているのか、これをちょっと説明してもらいたいと思うんです。
○政府委員(今井博君) 業界がどの程度で、政府がその中でさらにどの程度を受け持つか、援助によってどの程度達成するか、そういう意味での明白な線は出ておりません。政府といたしましては、御承知のように、近代化資金二十二億の貸付計画を決定し、さらに開銀資金も八十億程度に昨年度ふやしましたし、それから金利も引き下げると、そういう主として資金的な面からの援助によりましてこの計画を達成したい、こう考えておるわけであります。ただ、この千二百円というものを決定いたしましたときに、これは先ほど申しましたように業界のほうは自分の力で八百円まではできるというふうなことを申しておった事実はございますが、しかし、千二百円というものをきめますときには、業界がどこまで、政府の援助がどこまで、そういうふうに具体的に線を引いたと、こういうわけではございません。
○田畑金光君 政府は昨年は合理化資金として二十一億四千万ですか、今年は二十二億四千万、約一億ふえておりますが、合理化部会等においてこういう問題についてはもっと掘り下げて検討された結果がこの千二百円というものか出てきたと——いや、先ほどお話しのように、政府としては、合理化資金によってコスト引き下げに協力されておる。あるいはまた、開発銀行の融資についても、昨年の四月から年利九分から六分五厘に引き下げた。また、私、先ほど申し上げたのは、無利子の政府資金のことですが、無利子の政府資金等についても昨年来予算措置を講ぜられた。こういうことによって、どの程度炭鉱の合理化に寄与するかという具体的なやはり数字というものがあって私は政府としてもそれぞれ手を打っておられると、こう考えたんですが、そうじゃないんですか。
○政府委員(今井博君) 私が、どこまでが政府の援助によって達成したい分とか、そういう意味では実ははっきりした線はないと、こう申し上げたのでありますが、ただ、千二百円というものをきめますときには、やはり各社は、この近代化資金というものを軸にいたしまして、これによって従来は着手し得ないような炭鉱の骨格構造の変更、従来は機械化が中心でございましたけれども、縦坑を中心にした骨格構造の近代化というものにこの無利子の近代化資金によって踏み切りまして、それに基づきまして各社は三十八年度までの新しい合理化計画を出して参りました。それをわれわれのほうでさらにいろいろ検討いたしました結果、各山を総合したところ、コストとしましては、全体で千三百円程度のコストの引き下げは可能である、実はこういう結論に到達したわけでございます。それに対しまして、さらに流通設備、流通関係の合理化というものを検討いたしまして、これは全国平均して千五百円程度の流通関係の合理化ができるだろう。こういうふうに見て参りますと、全体で約千四百五十円から千五百円程度のコストを引き下げ得る余地が出てくるのじゃないか、こういうふうに一応計算が出ております。しかしながら、これは利潤を含んでおりませんし、さらに従来炭鉱は相当赤字を持ってございましたので、そういうものを勘案いたしました結果、主要なる揚げ地において千二百円の引き下げは可能である、こういう実は結論に到達いたしまして、これは相当実は詳細なる数字の検討を経ました結果出て参りました数字でございます。
○田畑金光君 この合理化の問題に関連して特に鉱区の調整という問題が各地域で非常に関心を持たれておるわけですが、現在鉱業法の審議会等においてもいろいろ検討をされておると思うんですが、この鉱区の調整という問題について、合理的な配分というか、こういうようなことについてはどうお考えになっておられるか、この点は一つ通産大臣から承りたいと思うんですがね。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 鉱区調整の問題は、日本の鉱山行政の非常に大きな課題でございまして、特に炭鉱におきましては、その必要性を痛感されながら今日まで具体化しないままに経過しておるのでございます。できるだけ——やはり強制的に鉱区の調整をするということは、これは行政の、政治の建前から言ってもできがたいことでございますけれども、何とかいろいろな方策、あるいはその他の助成政策をもって誘導するという以外には、今日においてはできがたいと思いますし、それからまた、直接の方法ではございませんが、貧弱な炭鉱の買いつぶし問題、そういうようなことによって、鉱区調整に資するということはできるのでありますけれども、そのものずばりという手段は今日の制度においては遺憾ながらない。ただ指導によってできるだけ実効を上げるということで参りたいと存じております。
○田畑金光君 非常に消極的で、結局何もやらぬということなんですが、中小炭鉱を買いつぶすだけで事終われりというのではなくして、鉱区の調整等があれば、やはり中小炭鉱でりっぱにやっていける、命脈を保っていけるという事例も多々あろうと、こう思うのです。また何十年、あるいは何百年の将来にわたる鉱区を温存して、いつまでも資源を死蔵させておるということも、これは国民経済から見ても非常に不利益なことだと思うのです。この点について、やはり鉱区の調整という問題にもっと積極的に取り組んでもらわなければならぬし、鉱業法審議会等の中においても、これは当然検討されておる問題だと思うのですが、何ですか、今の大臣のような、この問題については手の施す道がないということで、何ですか、今後とも放任しようというのですか。
○政府委員(今井博君) 現在鉱業法審議会におきましては、この鉱区調整の問題につきまして討議を重ねております。現在鉱業法の八十八条と八十九条に鉱区調整に関する規定がございまして、これは現在はいろいろ勧告するという程度の規定でございますが、これではやはり弱いのではないか。やはり両方の話がととのわないで、しかし鉱区調整をやる必要がある場合には、政府がこれを決定するというところまで実はしていただきたいということを、石炭局としては鉱業法審議会に、そういう希望を言っておりまして、現在鉱業法審議会はこの問題についてはまだ結論は出ておりませんが、そういう問題もあわせて実は討議をされております。われわれとしましては、石炭の合理化法の中に、その鉱区調整、これは未開発炭田においては当相強力なる鉱区調整が行ない得るような実は規定が合理化法の中に入っております。少なくとも、その程度の規定は必要なのではなかろうかという、実は希望を出しておるわけでございまして、決して鉱区調整の問題を軽視しているわけではございません。ただ、大臣がおっしゃいましたように、これは何分財産権の問題でございまして、現実の問題としては両方の話し合いが相当進んで、値段の点等についても両方の話が進まないと、なかなかこれは実行しにくい問題がございますので、できるだけ政府も中へ入ってあっせんするということで現状はやっておりまして、現実には相当程度、これはこの法律に基づいたというわけじゃございませんが、事実上中へ入りまして、いろいろなあっせん制度をやっているという事態でございますが、将来はやはり鉱業法のそういう規定そのものを改正して行なわないと、十分には行なえないという現状でございます。
○田畑金光君 今の問題ですがね、合理化臨時措置法の中にあることも承知をしておりますが、この際、鉱業法改正の全般的な問題を検討されているわけですから、これは非常に困難であるという要素があることも承知でありますけれども、やはりこの鉱区の調整という問題が、今後の石炭にとっても、その他の地下資源の問題にとっても、非常に重大な問題だと、こう思うので、せめて今の勧告程度についてもっと法的に強く、通産大臣がこれを裁定するとか、地方の通産局長が裁定するとか、こういうようなもっと進んだものに検討し直さるべきだと、こう思うのですが、大臣の一つ見解を承っておきたいと思うのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 財産権であるというそういう建前上、非常にむずかしい問題ではございますけれども、一面においては、従来の弊害にかんがみて、国の利益、国民全体の利益のために考えざるを得ない問題かとも存じます。十分に研究してみたいと思うのでありますが、ことに、権利を獲得して、そのままいつまでもほうっておく、そうして何か適当な機会に利食いをするというような、そういうような鉱業権者も多々あることにかんがみまして、何らかの規制をする必要があるのじゃないか、それは一体こういう財産権を、鉱業法の規定にどういうふうに一体これを取り入れることが適当であるかというようなことにつきましては十分に、これは大へんな問題がある問題でございまますから、御趣旨はよくわかりました。研究してみたいと思います。
○田畑金光君 大臣はこの間私の質問に対して、ことに国鉄運賃の値上げ等が、これ以上炭鉱の合理化にしわの寄らぬように、一つ検討してみたいという答弁をされたわけですが、この国鉄運賃の値上げによって、せっかくの炭鉱の合理化というものが非常な困難に当面するということは、おわかりだと思うのです。全国平均をとってみましても、貨車トン当たりの値上がりが六十三円五十六残、常磐炭のごときはトン当たり九十五円四十二銭、この点について大臣はどのように炭鉱にしわ寄せせぬように努力をされるという準備を、あるいは国鉄当局でありますか知らぬが、政府部内においてどういう努力をなされておられるのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) その努力の内容については、ただいま申し上げる段階でないと思いますが、とにかく、今御指摘の通り、常磐炭等におきましてはかなりこたえるのであります。それでこれは法案が通り、予算の内容をも——概算でございますが、国鉄の収支概算というものが予算できめられていくわけであります。しかしそれにこだわらず、それが通りましたあとでも、なお国鉄総裁の権限において多少のやりくりがつくのでありますから、その段階において、実質上負担過重にならないように善処したいと考えおります。
○田畑金光君 まあ、その点は一つ通産大臣の政治力のほどをしばらく静観したいと思っておりますが、しばしばそういうことを言明されているわけですから、とにかく、せっかく石炭産業が合理化に努力をしておる際に、さらに国鉄の値上げによって蹉跌するということのないように御配慮を願いたい、こう思うのです。 それから、九州電力が一〇・八%の電力料金の値上げということを認められましたね。そうしますと、九州の炭鉱等についてどの程度これはコストに響くか、この点この際明確にしてもらいたいと思うのです。
○政府委員(大堀弘君) 会社の申請案のときはトン当たり百円ぐらいになるんじゃないかということでございました。私どもはできるだけ石炭産業に対する影響を少なくするように料金制度の上で工夫をいたしまして、最終的にはトン当たり三十六円程度の影響に平均で相なるだろうと思います。
○田畑金光君 それは間違いありませんか、三十六円というのは。石炭局長、どうですか。
○政府委員(今井博君) これはわれわれの方は一〇・七%と、こういうふうな数字を公益事業局の方から通知をいただいておりますので、それを大体適用いたしますと、平均いたしまして三十円から三十五円の間じゃないか。これは実は各山によって非常な事情が違いまして、全体の契約ができまして、その契約を全部一ぺん平均してみないと、非常に確実な数字が出て参りませんので、一応われわれの方はそんな程度じゃないかと、こういうふうに想定いたしております。と申しますのは、昨年の昭和三十五年の十二月の実績のトン当たりの電力費を計算いたしてみますと、九州において大手が三百二十五円、それから中小が二百四十四円、こういう数字が出ております。これを平均いたしますと、二百八十二円という数字になっております。三十六年度どのような電力費を払うだろうかということになりますと、まあこの十二月よりは若干平均としては下回るんじゃないか。下回ると申しますよりは、電力費としてはもう少し上がる。こういたしますと、約三百円程度の電力費を大手、中小平均に払うのじゃないか、こう考えておりますので、そういたしますと、やはり三十円から三十五円ぐらいの間じゃないか、こういうふうに私は推定をいたしております。
○田畑金光君 この点は、まあ時間がございませんので、この辺でとめたいと思うのですが、炭鉱用の電力、特に保安電力という問題ですね、これについてはやはり特別の考慮というものが払われてしかるべきだ、こう思うのです。すでに三十何円のコストに加わるということになってきますと、先ほど国鉄の問題と同じようなことが出てくるわけで、こういうような問題については一つ通産大臣の方でも十分考慮、検討していただきたいと、こう思うのです。 まだ残っておりますけれども、時間がきたようですから、まあこの程度にとどめますが、ただ通産大臣に特に一つ申し上げておきたいことは、別段これは石炭について特別の保護措置をやれと私は申し上げているのではなくして、御承知のように、石炭についてはいろいろ深刻な問題があるわけで、九州の地方炭田における最近の事故等を見ましても、あるいは離職者の問題を見ましても、深刻な問題が投げかけられておる。しかも政府の一つの政策として、石炭政策として、千二百円のコスト引き下げを絶対の命題として炭鉱企業に与えておるわけですから、やはりこれにこたえるには、政府としてももっと一つこまかいところまで注意をされて、この合理化目的を達成するにあたって、できるだけ摩擦なく遂行できるように、この合理化を通じて競争でき得るような石炭企業の体質改善をはかるために、一そうの一つ御努力をお願いしたい、これだけ申し上げて私の質問を終わります。
○岩間正男君 私は主管官庁である通産省に対しまして、防衛生産の問題を主としてお聞きしたいと思うのであります。 通産大臣にお伺いしますが、第二次防衛計画に基づいて兵器産業拡充計画が進められていると思うのでありますが、その全貌をここで明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 防衛の第二次計画、まだきまっておりませんので、きまり次第それに即応して防衛生産の問題を考える必要があれば考えたいと思います。
○岩間正男君 ただいまのような御答弁ですが、これは新聞の伝えるところによると、池田総理はアメリカにそのような計画を持っていく、そういうことを言っているわけです。ですから、ただいまのような非常に抽象的な御答弁ですが、しかし、少なくとも、アメリカの援助の内容等がはっきりしていなくとも、ミサイル及び航空機等を中心とした国産化に力点を置くということは間違いない、こういうふうに考えるわけでありますが、その点いかがですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 防衛庁の担当局長が見えておりますから……。
○岩間正男君 ちょっと委員長、私お聞きしたいのは、装備局長からでもいいですけれども、しかし所管庁としての日本の産業計画の一環として、防衛計画をお聞きしているのですから、通産省として、所管大臣としてこの問題を明らかにしていただきたい。その関連で防衛庁にお聞きいたしますから。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 先ほど申し上げたように、第二次防衛計画がきまりまして、それに基づいて通産省の方で考える必要があれば考えていきたい。ただいまのところは考えておらないわけであります。その問題につきまして、装備局長見えておりますから……。
○政府委員(塚本敏夫君) ただいま通産大臣からお答えがありましたが、第二次防衛計画まだきまっておりません。将来どういう方向に行くかということは、われわれとしましても、まだ現在検討の段階でございまして、将来ミサイル中心になるのじゃないかというお話でありましたが、必ずしも全部がミサイル中心というようには考えておりません。
○岩間正男君 非常にばくとしたお答えですけれども、私は経団連の防衛生産委員会というのがあって、御承知のように、それを中心にして三十六年度から四十年度、それから四十一年度から四十五年度の二期に分けて、十カ年計画と航空機並びにミサイルの生産計画を作って政府に提出しているはずだと思いますが、その内容というものはどういうものですか、それを教えていただきたいと思います。
○政府委員(塚本敏夫君) 経団連で、ミサイルの視察を欧米諸国につきまして実施されまして、その結果等につきましては、いろいろ伺っておりますが、経団連として、将来のミサイル計画を防衛庁にかわって作ってあるというようなことは、われわれまだ伺っておりません。
○岩間正男君 通産大臣にお伺いしますが、防衛生産委員会から計画書を政府に出しておるのです。それをあなたの方で知らぬということはないだろうと思うのです。その計画の内容、骨子でいいですから、簡単に教えて下さい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 私の方には提出されておりません。防衛庁の方に行っているそうです。
○岩間正男君 これは、政府全体として、ことに所管省である通産大臣が御存じないというのは、これはおかしいじゃないですか。防衛庁だけに行って、通産大臣は全然知らぬと、そうすると、今後どうして調整してやっていくのです。私たちちょっと伺っただけでも、こんな骨子を聞いているのです。総需要見積り額で、三十六年度から四十年度で、生産額が八百二十三億円、それから四十一年から四十五年で千五百五十二億九千万円、全期を通算しまして、二千三百七十六億、そのうち国産の予定が、前期では四百二十四億三千万円、全体の五一・五%となります。後期は千二百六十三億四千万円、これは全体の八一・三%、全期間を通じて千六百八十七億八千万円、こういうふうな数字まであげた、そのような計画書を出しておられると思うのですが、装備局長いかがですか。
○政府委員(塚本敏夫君) 経団連としてのいろいろ見通し作業はあるかと思いますが、われわれとしましては、さっきも申しましたように、やはり二次計画がきまっておりませんので、それに対してとやかく、どうだというような意見はまだわれわれといたしまして確定いたしておりません。
○岩間正男君 先回りで答弁されないで、私は経団連のそういう計画書が政府に出されたはずだと思うが、ところが、これを聞いてみるというと、通産省では知らぬと、防衛庁に行ったのだと言うが、防衛庁にありますか、ないのですか。ありますなら、その内容についてお答えにならないと、これは議事は進まぬですよ。それについてあなたの見解を先に述べられてしまったのでは……。そういうのがありますか、ないのですか、どうですか。私は、今その骨子をあげて言ったのですが、あるのですかないのですか、そういうものは。
○政府委員(塚本敏夫君) 経団連でそういう検討されました書類は、われわれはもらっております。私持ってきておりませんが、もらっております。
○岩間正男君 大体今私のあげた数字、そういうもので間違いございませんか。
○政府委員(塚本敏夫君) ただいま手元に持っておりませんが、航空機等につきましては、大体そういう数字だったと思います。ミサイルの方は、私ちょっと確実な数字を覚えておりませんので、あとでお知らせしたいと思います。
○岩間正男君 通産大臣御存じないということですが、これじゃ困るのじゃないですか。所管省として、所管大臣が知らないということは……。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 順序としては、経団連からそういう書類が出る出ないにかかわらず、必要があれば、その防衛計画としてミサイルがどう、あるいは航空機、そのうちでも国産機はどうというような計画を防衛庁において出されて、そしてその生産の実施に関して、通産省が相談を受けて、それに協力する、しないということをきめていくのが順序なんです。今までのところは何も知らないのです。
○岩間正男君 それでは装備局長にお伺いしますが、どうですか、政府は独自の計画を持っているのですか、防衛庁として。あるいは、今の経団連のその計画書との関連で、それをどの程度取り入れるのか、あるいは政府の独自の案を持っているのか、あるならそれをここで明らかにしてもらいたいと思います。いかがですか。
○政府委員(塚本敏夫君) たびたび申しておりますように、第二次防衛計画ができますと、防衛庁としましても、はっきりした数字が出るわけでありますが、従来とも、経団連のいろいろ計画を聞いて、われわれが計画を作ってきたというような経緯はないわけであります。今度の経団連の案をわれわれがどの程度採用するかという問題は、全然、第二次防衛計画の場合にもちろん参考になれば参考にいたしたいと思いますが、それによってどうこうというように考えておりません。
○岩間正男君 政府案は。
○政府委員(塚本敏夫君) 政府案は、さっき申しましたように、第二次防衛計画ができるまで、まだ政府案としてできたものはありません。
○岩間正男君 固まったものがないという意味ですか。
○政府委員(塚本敏夫君) いろいろ検討はいたしておりますが、固まったものは現在のところ持っておりません。
○岩間正男君 ミサイル産業の方に具体化しつつあるという、そういう計画を持っておられることは事実ですか、あるいはその生産の問題を検討しておられることは事実ですか。
○政府委員(塚本敏夫君) これは、ミサイルと申しましても、いろいろ広い意味のミサイル、狭い意味のミサイル、両方あるわけでありますが、よく問題になりますサイドワインダー、これもまあミサイルといえばミサイル、それから対戦車ミサイル、これはミサイルと申しましても、有線のせいぜい千五百程度の射程のものであります。これもミサイルといえばミサイルでありますが、そういったものにつきましては、一次計画におきましても研究を進めてきたわけであります。そのほかいわゆるナイキ・アジャックス等につきましては、米国からこれをMAPで供給を受けたいということを考えているわけであります。ナイキ・アジャックス等のミサイルを国産するかどうかということは、まだわれわれ考えておりません。
○岩間正男君 研究はし、また試作程度のことですか。
○政府委員(塚本敏夫君) ナイキ・アジャックス等は、まだ研究はいたしておりません。さっき申しましたように、対戦車ミサイル、それからサイドワインダー程度のAAMのミサイル、こういうものを研究いたしております。
○岩間正男君 ミサイル産業について、よくいわれる三菱グループとか富士精密グループとか、幾つかのグループが作られていると思うのです。この各グループ別の現状はどうなっているのか、会社名、それから研究内容、試作しているミサイル名、量産に入る年度の見通し、年間生産量の予定、こういうものの見通しはどうなっておりますか、お聞きしたいと思います。 〔主査退席、副主査着席〕
○政府委員(塚本敏夫君) 現在までにやって参りましたAAMサイドワインダー程度のもの、それから対戦車ミサイル、それからSAM、この分につきまして、従来から技術研究本部において研究をいたしているわけであります。大体従来研究を委託している会社は、SAMにつきましては新三菱、対戦車ミサイルにつきましては川崎航空機、それからAAMにつきましては富士粗密ということで、従来研究を続けてきておったわけであります。それにつきまして、富士精密の方で今度このプライムになることがなかなか将来を見た場合に困難であるということで、その分につきましては、現在のところ富士精密をプライムすることをやめまして、新三菱その他協力会社で各個に別個に契約を受け持って担当してもらうという方向に今進んでおります。
○岩間正男君 何か資料ございますか、最近のものでいいのですけれども。私たち聞いているのでは、グループだけ分けても、三菱グループ、富士精密グループ、川崎グループ、三井グループ、日電グループ、第二川崎グループ、こういうようなグループの存在を知っている。それから傘下の工場については、それぞれ、大てい四社か五社入っているのですね。それからそこでも計画を立てて、すでに試作程度のことに相当入っている。これはあなたのあげられたものだけではないように思うのですが、これはどうなんですか。
○政府委員(塚本敏夫君) 私があげました三つのもののほかに、今岩間先生が言われました三井グルーーということでありますが、これは三井グループというのは、原子力の研究のためにMS会というのができているのをわれわれ承知いたしております。これは別にミサイルのグループということではありませんが、やはりミサイルにも関係があるということで三井グループというように世間では言われておるわけでありますが、これに対して、われわれとしましてミサイルを発注するというふうな気持は持っておりません。そのほかのグループは、これは、まだ存じておりません。
○岩間正男君 何か資料をいただけますか。
○政府委員(塚本敏夫君) 従来SAM、AAM、それから対戦車ミサイル、こういうものについて、どの程度の年別に発注をしたか、それから生産、試作がどの程度の試作をやったかということにつきましては、資料で提出いたしたいと、かように考えております。
○岩間正男君 ミサイル生産分の量産化の実情ですね。これはまあ、いろいろ先ほど来ばく然としたお話なんですが、これは、どうなっておるのか。それからこの見通しは、どうなっているのか、こういうことを私お聞きするのは実は三月二十日の東京新聞によるというと、「防衛庁は技術研究本部を中心に約三億円の費用をかけて米海軍の空対空ミサイル——マイティ・マウスの国産化を極秘裏に進めていたが、このほどその開発に成功したので、三十七年度から年間一万——二万発の量産に入る方針を決めた。」同ミサイルは「航空自衛隊のF86D、F104Jなど主力戦闘機の主要武器として一機に二十四発から三十八発ずつ装備される。」こういう報道があるのですね。 そうすると、すでにもう、ニュースは伝えておるのです。もうすでにその通り量産化はされている。 ところが、ただいまの御答弁では、こういうことを、新聞に出ていることを当委員会で隠されるほど重要なことは私はなかろうと思うのです。これは説明の不備だというふうに私は考えたいのでありますけれども、こういう点について、ある程度固まっており、すでに実行しておるのです、これは。これについて、やはり、私は資料として示してほしいと思うのですが、いかがでございますか。
○政府委員(塚本敏夫君) ただいま岩間先生の言われましたものはAARでありましてミサイルではありません。ロケットであります。全然、誘導装置はついておりません。これにつきましては、従来、アメリカから輸入をいたしておりましたが、日本でも、もちろん漸次作るようになっておるわけであります。この数量等につきましては、資料で提出いたしたいと思います。
○岩間正男君 まあミサイルといい、ロケットといい、それからあなたは広義のミサイル、狭義のミサイルということを言われましたけれども、これはこの辺の厳密な規定をしなくても、私は総括して言えるじゃないかと思うのです。 それから対戦車ミサイルマットも、三十六年度から量産に入る、空対空ロケットのTMA−0、TMA−1、これも三十六年度から量産に入る、こういうふうに聞いているのですが、われわれでさえ、このくらいのことは聞いて知っているわけです。従って、この衝に当たるあなたたちは、もっと私は進んでいるのではないかと思うのですけれども、この点、いかがでしょう。
○政府委員(塚本敏夫君) 対戦車ミサイルも、三十六年度はまだ試作の段階でありまして、三十七年度から、大体量産に入りたいと思っております。 それから今申しましたAAMロケット、これは量産に入っております。それ以外の分につきましては、まだ試験の段階であります。
○岩間正男君 資料は出していただけますか。資料のこと、御答弁がない。
○政府委員(塚本敏夫君) 資料は提出いたします。
○岩間正男君 提出していただけますな。それじゃ、通算大臣にお伺いいたしますが、通産大臣どうですか、これだけ相当固まって、試作程度よりもあるいは量産に入っておるのだ、その事実があるのですが、通産省は、こういう事実をお知りにならないのですか。私は、これは大へんなことだと思う、所轄官庁として、これはどうなんですか。まさかたな上げじゃないと思うのですけどね。どうなんですか。
○政府委員(佐橋滋君) 通産省は、防衛産業を所管しておりますが、ただいま装備局長等からお話がありましたように、装備計画がきまりますと、どういうふうなものを、どう作らしたらいいかということについては、十分な相談を受けまして、私の方はできるだけ国産化す、といいますのは、ロケットその他の精密な兵器の開発というのが、国内のほかの産業の、機械関係の産業のレベル・アップにも役立ちますし、外貨節約の点もありますので、十分相談を受けまして、どのメーカーにやらせるかということの相談は承っております。
○岩間正男君 どうも、ただいまの局長さんのお話だと、通産大臣の知らぬ存ぜぬと、だいぶ違うようですが、大臣いかがですか。あなたお知りにならないのは、つんぼさじきに置かれているのですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) あなたの先ほどの御質問は、ミサイル等を中心とする将来の第二次防衛計画に関連することをおっしゃったものでありますから、その問題は、その計画がきまって、しかる後に相談を受けて協議するということになる。ただいまのところは、そういうことは関知しておりませんということを申し上げたのであります。 〔副主査退席、主査着席〕
○岩間正男君 そういうことをおっしゃるけれども、池田総理の渡米はいつですか。六月でしょう。あなた、今はそういう態勢ですか。本会議で池田総理が私の質問には、そういうものは、今作っていないと言うてハマグリの口を閉じてしまった。通産大臣は右へならえをしておるかもしれませんが、それは天下に通用しません。当委員会では、ほおかぶりできるかもしれない、そうして、すでにニュースでも、相当詳細に伝えられているものを、こういう問題について、そういうようなことでは私は不十分だと思うのですが、まあそういう点、もう少し、これは重要な問題ですから、はっきり御答弁いただきたいと思うのです。 次に進みますけれども、まあナイキ・アジャックス、ホーク、マイティ・マウス、こういうものは、核弾頭をつけないということになっておるのですが、先ほどの計画の中には、核弾頭をつけることかできるものは——その他のものは、みなこれはできるものですか。その点は、どうなっておりますか、どう考えておりますか。
○政府委員(塚本敏夫君) この防衛庁で研究いたしておりますもの及びアメリカから輸入いたしますもの、これは全部核弾頭はつきません。
○岩間正男君 私たちのこの資料、これによると、必ずしもそう言えないと思います。しかしこれは政府の資料をいただいてから検討したいと思います。 その次にお聞きしたいのは、航空機生産についての実情並びに計画であります。これを通産大臣からお知らせをいただきたい。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ただいま中型輸送機につきましては、試作機を製作中でございます。それからロッキードについては、大体生産を担当する会社もきまりまして、ただいま進行中でございます。
○岩間正男君 それでは次にお聞きしますが、F104Jの生産計画、これはどうなっておりますか、お伺いします。
○政府委員(塚本敏夫君) F104Jにつきましては、現在、会社側と調達実施本部が協議中でありまして、大体、今月末に契約がまとまる見通しでございます。これによりまして、来年当初から生産を開始し、来年の一月に試作機ができる、こういう計画になっております。
○岩間正男君 その他の軍用機について、今中型輸送機、ロッキードですか、これについてお話がありました。その他は、どうでございますか。
○政府委員(塚本敏夫君) その他は、現在日本で国産いたしておりますのは86F、これは、ことしの二月に生産を完了いたしました。あとP2Vが残っております。そのほか来年度におきましては、KMという飛行機を富士重工に発注すべく予算を要求いたしております。なお、中間ジェット練習機、これを大体今まで四十機予算をいただいておりますが、来年度、さらに二十機分の予算をつけていただくということで要求を出しております。
○岩間正男君 それじゃその軍用機の生産並びに修理会社の会社の名前おわかりだと思います。それから生産の数量ですね、こういうものを資料としていただきたいと思いますが、いかがでしょう。ここでおわかりでしたら、お願いしましょう。
○政府委員(塚本敏夫君) 今資料として持っておりませんから、資料として提出いたします。
○岩間正男君 それらの会社の中で、分けて修理会社と生産会社と、この二つ、よろしゅうございますね。 その次に移ります。戦車それから艦艇その他の兵器生産についてお聞きするわけでありますが、特に中特車、装甲車、各種自走砲車その他各種軍用トラック、これらの生産の実情及び計画、特に戦車についてはアメリカで生産中止になって、日本への援助が非常に困難になって、ことしから日本では国産化に力を入れていると言われているわけですが、この実情は、どうでございますか。この点をお聞きいたします。
○政府委員(塚本敏夫君) 特車につきましては、二両試験的に国産をいたしております。今お話の中に、アメリカから特車の供給がないということでありますが、これはある程度、まだわれわれはもらうことにいたしております。ただそのほかに、アメリカからもらう数量で足りませんので、来年度十両、これを国産化することにいたしまして、予算を要求いたしております。そのほかに来年度装甲車三十両、それから一〇六ミリの無反動砲十六両、それから大型の雪上車十両、そういったものを来年度予算で予算要求いたしております。
○岩間正男君 これも私、詳しくは資料をいただきたいと思うのですが、特に製作会社ですね、これは各機種いろいろな棟類別ですね、中特車、装甲車、一〇五ミリ自走榴弾砲車、四二自走迫撃砲車、一〇五ミリ自走無反動砲車、八一ミリ自走迫撃砲車、これらの製作会社、これはおわかりでしょう。どういうところで作っておりますか。
○政府委員(塚本敏夫君) 大体、中特車は三菱日本重工で作っております。それから装甲車等につきましては、まだはっきりきまっておりませんが、大体、小松製作所になるのじゃないかと、かように考えております。一〇六ミリ無反動砲につきましても、大体、小松が予定されるのじゃないかと思っております。
○岩間正男君 小松ですか。
○政府委員(塚本敏夫君) その辺は、まだ来年度の予算がとれませんと、われわれとしましては最終的に決定するわけにはいかぬわけでありますが、中特車につきましては、試作をやっておりますので、大体試作会社である三菱日本重工になるのではないか、かように考えております。
○岩間正男君 これも資料いただけましょうか。私たちこの資料が正確かどうか確かめることができませんので、われわれある程度、これは資料を持っておりますけれども、いただけますか。
○政府委員(塚本敏夫君) 資料として提出いたします。
○岩間正男君 それでは委員長、確認していただきたい。 それから各種装甲車、こういうものの製作費の中には、新三菱重工及び三菱日本重工、富士重工、日産、トヨタ、いすゞ、日野ヂーゼル、こういうところがあがっておりますが、これはいかがですか。
○政府委員(塚本敏夫君) これらにつきましても、またおあげになりましたような会社が、大体予定されると思いますが、従来の実績等につきましては、資料で提出いたしたいと思います。
○岩間正男君 それでは海軍の場合ですが、各種艦艇の建造計画及びその実施状況、これはどうなっておりましょう。
○政府委員(塚本敏夫君) 各種艦艇の製造状況と申しますと、三十五年度分につきまして申し上げたいと思いますが、それでよろしうございますか。
○岩間正男君 三十六年度の計画がありましたら、今度の予算のなんですから、過去の決算じゃありませんから、六年度の計画もおわかりでしたら、ぜひお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(塚本敏夫君) 三十六年度につきましては、これからいろいろ担当会社を予算がとれましてからきめるわけでありまして、ここですぐ、予定を申すわけには参らぬと思います。
○岩間正男君 それでは五年度でけっこうです。
○政府委員(塚本敏夫君) 三十五年度につきまして、予算が計上されました分は警備艦、これは二千六百トンのものでありますが、これはまだきまっておりません。これは継続費でありまして、本体の予算は、来年度になっております。エンジンの分が、やはり継続費になっておりまして、現在いろいろスペック等を検討中でございます。それから潜水艦、これは七百八十トンでありますが、これは一応新三菱、それから川崎重工。それから油槽船でありますが、これは三千五百トンでありまして、浦賀ドック。それから掃海艇、これは三百四十トンでありますが、二隻でありますが、日立造船と日本鋼管。それから魚雷艇、これは百二十トンでありますが、これが三菱造船。以上七隻であります。
○岩間正男君 そういう中で、計画としてはどうですか、艦艇建造計画で、今後何に重点を置かれるのか。たとえば警備艇、潜水艦、敷設艦、敷設艇、掃海艇、駆潜艇、魚雷艇というように、これは艦種があると思うのです。その中で日本としては、どういうところに重点を置かれるというお考えですか。
○政府委員(塚本敏夫君) これはやはり、第二次計画の問題になるかと思いますが、やはり従来とも作っております警備艦、潜水艦、こういうものは、当然続けて作っていくことになるかと思います。そのほか掃海艇、魚雷艇等も、もちろん続けていくことになると思います。油槽船等につきましては、そうたくさんの数量が要るわけではありませんので、そういうものは、何年に一回か作るということになろうかと思います。
○岩間正男君 これは潜水艦が、日本の今後の艦艇建造の重点的な位置をとるということは、そういうふうな方向になることは、これは大体見当が、……、今あなたのお話がありましたようになるのじゃないか、特に安保条約との関連なんかで、こういう問題が三年ほど前からアメリカの軍部からきて、あれはだれでしたか、名前はちょっと今ここではっきりしませんが、この前、当委員会の分科会に出された設備計画の中でも、はっきり言っていましたな、日本は潜水艦において大いに共同作戦の一翼をになってもらいたい、こういうことを、今私、資料を持ってきていないが、こういう点は、今のお話からも出ると思いますが、こういうものと関連いたしまして、艦艇計画についても生産会社、それから生産の配分、こういうものについて、やはり資料をいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○政府委員(塚本敏夫君) 従来の実績につきましては、資料で提出いたしたいと思います。
○森元治郎君 関連……。さっき岩間君が聞いた海軍の方の重点はどこかというお話ね、重点は、どういうふうになっているのか。 今まで見ていると、そのときのポケットの工合か何かであれもほしい、これもほしい、何でもほしいわけだ、そんな、ふうに見えるのですが、金もないから、そろわないからわからんが、ないはないなりに、防衛庁のお考えはあると思うので、海に浮いている船の場合は、どういう重点か。どこの計画でも、やっぱり重点はありますわね、重点が、昔なら大艦巨砲主義で、これを取り巻く重巡、軽巡、駆逐艦、奇襲部隊の潜水艦とありますわね、こっちの場合は、どんなところが重点なんですか。
○政府委員(塚本敏夫君) 警備艦につきましては、従来、大体半数程度はアメリカから借り、あるいはもらったものでありまして、これが大体、四十年までに耐用命数に達しまして、除籍しなければならんのが、大体四万トンくらいあるわけであります。この警備艇の代替の船を今後国産するということは、これは一つのいき方であります。 それから潜水艦は、これはほとんどアメリカからもらっておりません。そういう関係で、日本でやはり国産していかなければならん。まあこういった点で従来やっておるわけでありまして、将来また、どういうふうな方向でいくか、そのほかに、どういうような方向でいくかということは、第二次計画で、われわれきめたいと思っております。
○岩間正男君 その次に、これは最後に、装備局長さんに最後の質問になりますが、火器類ですね、つまり大砲、弾薬ということになるわけですが、これについて、どういうふうになっていますか、この内容と製作会社、それから数量、こういうものについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(塚本敏夫君) 火器類につきましては、小銃、機関銃、大砲等があるわけでございますが、小銃につきましては、従来米側からもらったもので、現在のところやっております。ただ、そのうち九九式と申しまして、相当精度の落ちたものがあります。これにつきましては、さらにアメリカの現在使っておる小銃をもらうかどうかという問題もありまして、アメリカ側とも折衝いたしておりますが、これもなかなか困難なようでありますので、ある程度国産化する必要があるのじゃないか、かように考えております。そのほか機関銃、それから中口径のもの、こういうものにつきましては、漸次国産化をいたしております。その会社名等につきましては、資料で提出いたしたいと思います。
○岩間正男君 それでは、以上いろいろなミサイル兵器、戦車、艦艇、それから火器、こういうものについてお伺いして、資料をいただいて、また詳細に質問いたしたいと思うのですが、この際、通産大臣に特にお伺いしておきたいと思うのであります。 このような規模とテンポで兵器産業に力を入れていくために、政府はこれに対して財政上税制上、金融面での育成措置を講じなければならぬ、こういうふうに考えるわけですね。きっとこれは野放しだけじゃできないだろう、こういうふうに考えるのですが、具体的に、どういうことになっておりますか。 さらにまた、兵器産業を推進するために、何か特別立法その他何らかの総合的な対策を考えているものかどうか。私は日本の防衛産業というものは、相当日本の産業の中でもウェートを占め出してきているということは、ただいまの二十分ばかりの質疑応答の中で、相当これは明らかになりつつあると思う。従いまして通商産業省として、通商産業大臣はこれに対して、防衛生産に対して、どのような対策を財政上、経済上、金融面においてお持ちになるか、また法制的にお持ちになるか、これをどういうような態度をとられるか、この点、明確にしていただきたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 金融上の助成としては、MSA資金ですな、これ以外には、別に特段の助成をしておりません。 それから法制上あるいは税制上、何かしておるかとい5お話でございましたが、これも何もやっておりません。
○岩間正男君 これは何ですか、経団連あたりの防衛計画委員会あたりから政府に対して、このような要求がいろいろ出されておるやに聞いておるのでありますけれども、つまり日本の防衛生産というものは、世界的水準には達していない。そういうようなことで、この育成というふうな問題が問題になっておるのじゃないか、そういうふうに聞いておるのでありますけれども、全然そういうことはございませんか、これに対する対策はないのでございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ありません。
○岩間正男君 確認してようございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) ええ。
○政府委員(佐橋滋君) 三十二年から三十四年までの間に、兵器産業の維持費として予算的な措置を講じていただいた点はありますが、現在、それも打ち切りになっておりまして、ただいま岩間先生の御質問につきましては、今後は防衛計画の進捗状況によりまして、どういうことになるか、現在のところは、何とも申し上げかねますが、少なくとも現段階においては考えておりません。
○岩間正男君 私は、これは私の立場からすれば、今の通産大臣の答弁を確認し、さらに今後そういうことは、これはあまり望ましくないことじゃないかと思うのですが、といいますのは、どうも以上の質疑応答でも明らかなように、政府は核弾頭をつけるミサイル、こういうものが、ミサイル化ということが中心になって、それからジェット機、それから潜水艦等、いわゆる防御用をはるかに上回る近代兵器が、しかも国産化が本格的に始められようとしておる。そうしてこれに取り組んでいる会社ができている。しかもそれは三菱、富士その他のいわば財閥、大独占資本、こういうところが中心になって、かってのこれは兵器産業のいわば花形が、また復活をしてきていると、こういうふうに思うのです。政府は新安保条約のもとで新五ヵ年計画を実施していくためにも、どうしても、今後ますます、こういうような大独占中心に、核ミサイル化をやっていかなくちゃならない。兵器の近代化を押し進める、こういうことが、当然これは出てくると思うのでありますけれども、あなたの今の御答弁との間に、何か、これは将来食い違いが出てくるのじゃないかと思うのでありますが、そういう段階におきまして、はっきりした現在の、先ほど来ここで言われたようなことを、ここで堅持することができますかどうか、通産大臣の、これに対する所見を伺っておきたいのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今、何か助成政策をとっておるかというお話でしたから、MSA以外にはとっておらないということを申し上げたのであります。 将来の問題につきましては、私は、私の所管の関係上、どういうことがありますか、一切存じません。
○岩間正男君 どうもこれはちょっと、あとの方将来のことはわからないというような御答弁ですけれども、それじゃ、私はさっきあなたの何を、今後も、そのような特別に育成するというような態度はとらないということを確認したいと考えたのでありますけれども、これは確認することができないわけですな。今のような御答弁で、それは、ちょっと内容が変わってきております。私が、そういうことを心配してきておるのは、実は次のような事実があるのです。 これは、経団連の防衛生産委員会、この委員会では、こう言っております。兵器は、いわば技術の粋を集めたものであり、その平和産業の技術水準の向上、産業構造の高度化をもたらし、ひいてはそれが貿易の自由化に対応する近道になるのである、こういうふうに言って、つまり防衛生産、兵器産業、軍需産業なしには、日本の産業構造を近代化し、あるいはまたこれを拡大発展させることはできない。従って、日本の産業基盤を大きく育成する上からも、兵器産業というものは重要である、こういう意見をこれは出しておられる。政府もこの問題については、相当肯定を与えておられるやに聞いておるのであります。 そういうことになりますと、どうも通産大臣が先ほど言明された言葉を、第二の、そのあとの御答弁では、少しあいまいにされた、こういうことと、どうも関連があるように思うのですけれども、どうでしょう。私はこれはまあ政府の態度として、ことにその衝に当たられる通産大臣のはっきりした御意見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) あとでよく速記をごらんいただきたいと思いますが、私は現在、兵器、あるいは防衛産業業というものに対して各種の保護政策をとっておるかどうかというお話でございましたから、金融上についてはMSAの助成をやっておる、その資金によって。あとは何もしておりませんということを申し上げたのであります。将来のことは、私は通産大臣としては、ここで言明する資格を持っておらない。 それからまた今、あとで経団連の意見云々ということをお話がございましたが、経団連の意見がどうあろうと、われわれは参考にするかもしれぬが、そういうことによって動かされるようなことはございません。ただ、経団連によると防衛生産、あるいは兵器産業というものの育成が、日本の機械産業ですか、機械工業の育成の上において欠くべからざるものであるという意見を言っておるそうでありますが、真偽のほどはわかりませんが、私どもは、現在機械工業を中心とする重化学工業の育成発達を大いにはからなければならぬということを考えておりますが、その手段として防衛産業、あるいは兵器産業をぜひ育成しなければならぬということは毛頭考えておりません。またやってもおりません。
○岩間正男君 私は、最後に確かめておきたい。というのは、どうも今の御答弁では、不安な気がしたから。現在の段階では、別に育成する、保護政策はとらぬと、こういうことでありましたが、将来のことについては、ここで言明の限りでない、こういうことが私は非常にやはり問題だと思うのです。 と申しますのは、現在でも、相当これは考えてもらわなくちゃならぬ問題なんです。つまり、ICAによるところの兵器が、ことにラオスの戦場で、日本製のマークの入ったいろいろな火器や、あるいは軍服とか、そういうものがたくさん現われている。これはやはり非常に問題になっておるのです。これは形の上では、どうも民間の貿易という形で行ったんだから差しつかえないというふうに逃げられるかもしれませんけれども、私はそういう格好には、これはなっていないのじゃないかと思うのです。と申しますのは、たとえばラオスの問題一つを見ましても、当然これはジュネーブの精神をもって、あくまで他国の中立を、ラオスの中立を維持する、そういう立場に立って、そうして平和、独立、民主、これらの条件を侵さない。そのためには、いろいろな援助をしたり、これはすることは一応禁止されておるはずであります。ところが、実際は、タイを経由して日本のこれらの兵器が、相当ラオスの戦線に流れているという事実です。アメリカの肩がわりというか、日本の憲法の建前から申しましても、私は、これは非常にうまくないのじゃないか。ラオスが日本の兵器、軍需生産品の一つのこれは市場になるという形で、日本がそこに進出をするということは、アジアの平和にとっては、私はうまくないし、それから日本の立場から、真に平和、そして民主の態度を貫くという立場から考えるときには、望ましくないと思うのです。だから、私はそういう点から考えまして、どうしても日本の防衛生産というものは、日本の軍備の問題と不可分の関係があるし、ことにアメリカとの関係で、その肩がわりをさせられているという形で、どんどんこれが拡大される、それから日本の兵器の性格も、これは国産の立場においてもどんどん、単なる防御的なものから攻撃的なものに変わりつつある、こういう姿が、ただいまの質問の間で出てきたと思うのであります。 従いまして、これをほんとうに所轄する通産大臣としては、この点について十分な、これは私ははっきりと見解を表明されておくことが必要だと思うのでありますが、重ねて通産大臣の決意のほどを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) この兵器、あるいは防衛産業を育成することが、日本の機械工業の発達の上に欠くべからざる一つの条件、前提であるというふうには考えておりません。それで、どうやら今日非常に日本の機械産業も発達いたしましたが、これは別に防衛生産、あるいは兵器工業というものによってささえられてきたものではない。事実においてもしかり、また方針においても、そういうようなことを考えております。こういうことを申し上げておきます。
○阿具根登君 非常におそくなりましたので、時間を縮めたいと思いますから、御答弁も、そのつもりでお願いいたします。 鉱山局長おいでですか。大臣並びに局長にお尋ねいたしますが、貿易の自由化によりまして、国内産業が非常な圧迫を加えられておるという懸念が非常にあるのですが、炭鉱もそのことくですが、まず鉱山に対する考え方を御説明願いたいと思います。
○国務大臣(椎名悦三郎君) わが国の非鉄金属、鉱物の状況は、全般的に外国の、資源に恵まれた国に比較いたしまして、まことにどうも自然条件が恵まれておらない状況でございます。従いまして、国際競争力も弱い。自由化という政策を前にして、このままでは、どうかとういことを深く考えさせられるのでございます。でございますから、十分にこの自由化に対処し得るような条件を整備していきたい、こう考えております。
○阿具根登君 その整備をされるのが、どういう構想で整備をされていくのか、いわゆる最近言われておる徳永構想というものがあるのかないのか、あるいはこれはどういうように考えておられるのか、合理化あるいは貿易の自由化、そのものに反対するわけじゃないのですけれども、その急なるあまりに、日本の国内産業が非常な衰退を来たしてくる、失業者が非常に出てくる、こういう観点から、どういう構想をもってお進みになるのか、これをお尋ねしたいのであります。
○政府委員(伊藤繁樹君) 現在まで鉱山の保護につきましては、いろいろな対策を講じておるわけでございますが、これは、いわば一方において輸入を適当に締めながら、しかも鉱山を保護して参ったわけでございますので、自由化というと、その点、保護の必要が一そう強くなると考えますので、私どもといたしましては、従来財政上あるいは税制上、鉱山に対して行なって参りましたいろいろな助長策をさらに一そう強化したいと考えておる次第でございます。 ただ、従来のような保護対策だけで自由化に対処し得るかと申しますと、これは、その程度にもよりますけれども、おのずから限度がございますので、その従来の保護をさらに徹底するということで、いきなり自由化に踏み切るわけには参りませんので、その一つの対策といたしまして、まず国内の非鉄金属の生産金額におきましても、労務者の数におきましても、半数以上を占める銅鉱山につきまして、先生の言及されましたような銅価格のプールというような構想を立てておる次第でございます。一応、銅につきましては、そういう対策を立てておりますが、もしその案が、業界の方でものみ得るというようなことで進んで参りますならば、順次他の鉱種につきましても、同様なアイデアを、全然同じには参りませんけれども立てて参りまして、そういう施策と並行いたしまして、自由化を実施していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○阿具根登君 銅のプール制について、もう少し詳しく御説明願います。
○政府委員(伊藤繁樹君) 国内の鉱山保護という立場だけから考えますれば、輸入の自由化に対処しまして、とり得る最も簡単な方法は、関税を引き上げるということであろうと思います。 しかしながら関税を引き上げることにつきましては、国内鉱山の保護には、それは有効かもしれませんけれども、需要業界の方に非常に大きな反対があるわけでございまして、ことに銅を初めとする非鉄金属は、いろんな重要な基礎産業の基礎資材でございますので、これが関税を引き上げる結果といたしまして、あまり値上がりすることは、需要業界として、当然反対することでございますし、それからまた、生産者の立場を考えましても、国内の鉱石から掘る場合は、ある程度、関税引き上げの立場はわかるといたしましても、輸入鉱石から製練する、いわゆる製練業者の立場を考えますと、輸入鉱石は、大体そのそのときの輸入銅地金の価格によって鉱石を買うわけでございますので、あまりに関税を引き上げますことは、それによって、鉱石は無税でございますので、その銅の値上がりの不当な利益を受けるということで、需要業界がなかなか納得しないわけでございます。 従いまして関税をあまりに引き上げるということは、そういう意味で、生産者の立場は別として、なかなか実現しにくいということから、関税を現行程度に据え置き、あるいはむしろ関税を引き下げて、需要業界の負担すべき関税、現在の関税額より負担を過重せずに、むしろ関税の引き下げ分を、ある程度調整金にして出すことによって、それからまた輸入鉱から練製する業者も、そういう調整金を、輸入地金に付加いたしますと、ある程度不当な利益がそこに生ずる余地もございますので、輸入鉱石から出る−製練業者からも、若干の負担金を出させる。徴収金を取りまして、それを生産費の高い国内鉱山に付与する、回していくという制度でございまして、結局関税を、たとえば現在、銅地金につきましては一割でございますが、それをたとえば、これは全く例でございますが、五、六%に関税を下げる。そうして銅地金の需要者からは、さらに三%くらいの徴収金を取る。そうしますと、需要者の負担は結局八%でございますから、現在よりは下がるわけでございますから、関税財源として、幾分か調整金として国内鉱山の保護に使われるわけでございます。輸入鉱の製練業者も、それに見合った額を負担いたしますので、結局六%なり七%なりの関税が、国内鉱山の鉱石の生産業者に対しては二割くらいに響いてくるという、つまり関税を全体として引き下げつつ、輸入鉱の製練業者なり輸入地金の輸入者には、それが七、八%の関税として働く。国内鉱石を生産する国内鉱山に対しては、二割くらいに働くという、そういうようなことで、需要者の反対もなく、また国内鉱山に対して、ある程度手厚い保護を与えていく。 そういう構想は、いわゆる先生も今言及されました銅の価格の構想でございます。
○阿具根登君 まあ一つの考えだと思うのですが、そういたしますと、まあ銅が、その半数を占めておると、おっしゃる通りですが、銅の国内生産の価格と銅鉱石の、それからまあアメリカを例にとって、アメリカの価格はどのくらいであるか。今言われたようなプール制をして、そうしてどこまで調整ができるか、一応の見通しをお聞かせ願いたいと思うのです。
○政府委員(伊藤繁樹君) たとえば国内の銅鉱山のぎりぎりの生産費を二十八万円と仮定いたしますと、その二十八万円までは、今の操作によって出したい。それには調整金を幾ら取ったらいいかという計算をするわけでございますので、国内の最低生産費は保障するという考えでおります。
○阿具根登君 そういたしますと、国内の価格をまあ二十八万円なら二十八万円と押えた場合ですね、今のアメリカの日本に輸入してくるあるいは六%なら六%かりに関税かけたとして、二十三万円ですか四万円ですか、そのくらいの額になりますが、その金額は、幾らになりますか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 現在、銅の建値は二十七万二千円でござれいますけども、これは、先ほど申しましたように、輸入を押えておりますので、そういう建値で売れておるわけでございまして、もし現在の時点において、自由化が今すぐに行なわれたと仮定いたしますと、アメリカ銅三社の建値は二十九セントでございますので、関税を入れましても、これはちょっと正確でございませんが、二十五万円強で入ってくると思います。従いまして、輸入自由化が行なわれると仮定いたしますと、国際的に特に供給力が不足しない限り、大体二十五万円で、幾らでも入れられるという態勢になるわけでございます。 ただ、今申しました銅価格制度が、現在実施されておるというふうに仮定いたしますと、従来の関税にかわりまして、その上に調整金が付加されるわけでございますから、かりにそれが一万円付加されるといたしますと、二十五万円強で入るものが、関税と同じように、調整金を付加されますので、二十六万円で需要者の手に入るということになるわけでございます。従いまして、国内の建値も二十六万円に下がるわけでございますので、それは幾らでも入るわけですので、その二十六万円と八万円の差の二万円を、今の調整金で、製練業者を通じて国内の鉱山に回していこうということでございますので、輸入自由化が完全に行なわれました場合には、建値は当然、国際価格にさや寄せされる。さや寄せされては、国内鉱山が困るというので、その差額を今の調整金でプールしていこうという思想でございます。
○阿具根登君 そうしますと、国内価格を、二十八万円を最低に押えていく、いわゆる安定価格制度ですか、幅があると思うのです。その場合に、私どもが承知しておる局長の回答では、二十六万円ぐらいから三十二万円ぐらいの幅を持たしたい、こう言っておられるわけですね。今のお話では、二十八万円というのが、今の最低のぎりぎりだろうと思う。二十八万円に支持価格を押えたい、こういうことに解釈していいですか。
○政府委員(伊藤繁樹君) 私は、ただ例として二十八万円を申し上げたのでございまして、それが、最低価格が幾らであるかということは、今後、この今要綱を作りまして、業界と折衝いたしておりますが、そこらで、一体最低の保証価格は幾らであるかということは、その上で決定したいと考えておるわけでございます。例として、ただ申し上げただけでございます。 なお、現在の安定帯価格では、一応二十九万円をベース価格にいたしまして、最低二十六万円、それから最高三十二万円という中で、銅の価格が動く建前になっておりますが、それは、銅の地金の価格でございまして、国内鉱山の最低価格は、やはり二十八万円ということで押えておりまして、製練業者は、かりに二十六万円に下がりました場合は、地金の販売の方は二十六万円でいたしますけれども、鉱石を買う山に対しては二十八万円のベースで払って、国内の中小鉱山を保護するという態勢を現実にとっておるわけでございます。 従って、現在は、二十八万円が最低価格になっておるのでございますから、先ほど私が、二十八万円と申したわけでございますが、二十八万円が妥当かどうかは、今後の検討に待ちたいと考えております。
○阿具根登君 二十八万円になりましたのは、何年前からですか。この一年あるいは一年半くらい前は、もっと多かったと思いますし、三、四年前は、もっと下だったと思うのですが、一応、当たっていただきたい。
○政府委員(伊藤繁樹君) 現在の安定帯価格は、昨年から幅の価格が、若干下がりましたので、あるいは最低保証価格は、一年前は、もう少し高かったかと思いますが、私は、実はつい最近かわりましたものですから、その事情をつまびらかにしておりません。
○阿具根登君 そこで、通産大臣にお尋ねいたしますが、石炭と鉱山というのは、おのずから違うところもありますが、利害が、輸入による場合に、これが取引のように、鉱山自体では、非常に多くの利潤を得るところと、そのためにつぶれていくというところもあるので、これをプール制にしたい。そうして国内産業を保護していきたい。その安定価格については、まだ疑問も多くあります。 しかし、一応国内産業が立っていけるように保護する建前から、お互い業界がプールし合う、あるいは関税を回して、それでプール資金に充てるということが考えられておるのですが、石炭は依然として、そういう救済方法は、ちっともとっておられない、こういうことになるのですが、その基本的な考え方は、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 鉱山に関しては、日本の産出量が足りませんから、海外から相当鉱石あるいは地金を買わなくちゃならぬ。石炭は、ややこれと趣を異にしておりまして、関税による保護政策というものは、従来もとられておらないし、これは適当でない、将来としても適当でない。 そこで、これの対策としては、やはり大手の需要筋、すなわち電力でありますとか、あるいは鉄鋼、まあ行く行くは、国鉄はほとんど石炭を使わないで電化するということを言っておりますけれども、さしあたり、国鉄、セメント、ガス事業、こういうような大手需要筋に相当の量をかかえさせまして、そうしてこの難局を切り抜けたいと、こういうわけでございまして、やっぱり業態、業種によって、おのずから行き方を別にするのは、これは仕方がないのじゃないかと考えております。
○阿具根登君 もちろん業態は違いますけれども、私がお尋ねしたいのは、エネルギー革命だ何だと言われている。それもわかる。しかしそのために、油業者というものは、相当膨大な私は利益を得ておると思うのです。そうすると、今の場合は、その輸入制限をこちらでやって、山を持たない鉱山の業者は、輸入で膨大な利益を得るから、その利益の一部をプールにするのだ、あるいは関税の一部をプールにするのだ、こういって守っているのです。 ところが一方は、業態は違うけれども、油によって、非常な大きな圧迫を石炭が受けてきておるというようになれば、これは永久に、そういう考え方でいくとは私も思っておらない、また、労働力の今後の見通しから見ても、私は考えなければならぬところはあると思うのです。しかし、現在のこの一番不況に立っておるところと、その反面一番好況の波に乗っておるそれらは、野放しにしておいていいのか、こういう考え方なんです。どうお考えになりますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) まだ十分に、この計数について研究しておりませんが、西独では、やはり日本と同じように、石炭と油という深刻な問題に当面しておるので、これの対策の一つとして、石油に対する関税を増徴しまして、それを炭鉱の方にふり向けて、そうして助成政策をとっておると、こういうことを聞いております。その現実の数字等については、まだ十分に研究しておりませんが、これも一つの考え方だと思います。思いますが、今、はたして、その段階であるかどうか。まずもって、石炭を大手需要部門が、まずこれを抱いて当面を切り抜けていく。将来、石炭、石油の自由化という問題に、どうせこれは時間の問題ですが、当面する場合におきましては、こういったような問題も、一つの自由化対策として、あるいは考える余地があるのではないか。しかしこの問題は、いろいろこの全般の、非常に大きなエネルギー問題でございますので、軽々に問題を取り扱うことは非常にむずかしい、きわめて慎重を要する問題だと思いますが、将来、この問題については、やはり考えていかなければならぬのではないか。考え方の一つであるというふうに、少なくとも考える次第でございます。
○阿具根登君 こういう経済のきびしい変り方のときには、だれかが本気になってやらなければ、どうにかなるだろう、その場合に考えましょうというようなことでは助からないわけです。 ただいま例を出されましたドイツでは、日本と同じように、エネルギーの革命だとかなんとかいわれているけれども、この日本に対して二千人からの炭鉱の労働者をドイツに下さいと、貸してくれというくらいに、炭鉱の労働者が足らないのです。それにもかかわらず、それだけの補助をしようと、向こうは、日本のような冷い考えでいくならば、炭鉱をどんどんつぶしていっても、失業者なんか出ないのです。それにもかかわらず、保護政策をとっていっている。日本は失業者をどんどん出しながら、西ドイツほども保護政策をとっておらない。ここに私は考え方の相違があると思うのです。やはり西ドイツは、人間の生活ということが、まず第一に考えられておって、そのためには、国内産業を保護せなければならない。急激な変遷はしないと、こういうことで、炭鉱自体を保護しておる。 ところが、日本は働きたいのを首切ってまでも、外国の資源に依存しておる。これは逆行ではなかろうかと思うのですが、どうですか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今、石炭鉱業の合理化あるいは整備関係、あるいは離職者対策、こういったようなものが、私は現状において十分だとは思わぬけれども、とにかく国の財政で対策を立てております。西独の場合は、その財源をあげて石油関税によっているのではないかと私は考える。 しかし、その両者の違い、あるいは得失、そういったようなものにつきましては、よく研究いたしまして、確かにこれは考えてみる一つの方法であると思いますので、十分に研究したいと思います。
○阿具根登君 そこで、政府の制作が、いかにたよりないものであるかということを一つ申し上げたいと思うのです。 第二十二国会、昭和三十年に、石炭合理化臨時措置法というのが御承知のようにできたわけです。そのときは、五万七千人の離職者を出したい。ということは、掘っていけない山を掘っている。いわゆる採算のとれないみじめな零細中小炭鉱を買い上げたい。そのために五年間に五万七千名を離職させる、こういう提案がなされたわけです。 そうして、そのときも、それだけ失業者を出すならば、一体失業者に対する救済はどうするかという話のときに、福岡県でいえば、川崎線を作って、御承知と思いますけれども、川崎線を作って救済に充てる、こういうことであったわけです。ところが、それから三年たってくると、今度は五万七千では足らない。四百四十万トンですか、四百三十万トン買い上げる。そうして十二万名の人をやめさせる、こういうことになってきたわけです。そうしますと、今から、今度考えてみても、その当時は、一人当たり十八トンでよかった。今は二十六・二トンということになっているわけです。ところが、業界では、すでに三十トン、四十トンの声が出ているのです。四十トンの声が出れば、十一万名でいいのです。今皆さんが考えられている五千五百万トンの石炭を使うにしたところで、十一万名でいいわけです。そうすると、心配でやれない、またこうなるのだろう。ところで、質問しますが、その川崎線は、どうなっておるか御存じですか。川崎線で労働者を救済しますと約束した、その川崎線はできておるか、できておらぬか、知っておりますか。
○政府委員(樋詰誠明君) できたかどうかというお話で、実は私も、最近確かめておりませんが、三十年当時、合理化法を初めて提案しましたときに、そこから失業者として排出される人間を、この川崎線の建設工事に吸収したいという計画を申し上げたのは、確かにその通りだったと思います。ただその後、不況でございました石炭界が、また非常に神武景気というようなもので、一般的の産業の復興に伴って、非常に石炭需要がふえたということのために、その際失業して石炭を掘る仕事には働かぬであろうと思われたような方々が、当時の予想に反して、また石炭山で働いておるというようなことで、川崎線がいよいよ調査、測量を終わって工事に取りかかったというときには、まあ極端な言い分ですが、三名だけ石炭労働者がおったといわれたのが、おととしの初めだったと思います。やむを得ず国鉄当局の方では、九州の産炭地域から労務者を集めることができないということのために、よその地域から労働者を集めてきて、必要な測量あるいは基礎工事ということをいたしたはずでございますが、実は、その後最近の一年ばかりの間に、工事がどの程度まで進捗したかということは、申しわけございませんが、確かめてございません。
○阿具根登君 私が説明して上げますが、三十四年の十一月に、この問題が出たときに、楢橋運輸大臣は、法の不備から人が使えないと言うんです。炭鉱労働者を、失業者を使うように約束をいたしておりますが、使いたいんですが、しかし緊急失業対策法の第四条各号の条件のすべてに概当しなければならないということがあって、全部使えませんと。だから労働省、通産省と話し合って、これを変えれば、一億円使えば一万人の人間が使えます、今のところ四千何百万円か使って、そうしてわずかの人しか使うことができない、そういう法の不備があるのです。楢橋さんは福岡の人なんです。久留米の人なんです。だから地元で一番知っているのです。使いたいけれども、こういう法律があるから使えないから、法律をかえたい、こういうことを言っておるわけですよ、国会で。だから、官房長の説明と、ちょっと違うのです。 で、これに対して何かお考えになりましたかどうか。川崎線なら川崎線で、失業者を使いますという約束であって、今度は、その作業をする運輸省の側から、こういう法律を作ってもらっておったのでは使えないから、使えるように各省間で話をしますということで、ちゃんと約束されておるわけです。議事録を僕は持っているのです。ところが、そういうことは、全然やっておられない。
○政府委員(樋詰誠明君) 楢橋運輸大臣の今のお話という、その法律というのは、実は私よくわからないのでございますが、あの当時鉄道関係に、あるいは一般の建設省の公共事業関係に、あるいは通産省所管の鉱害復旧関係に、非常にその炭鉱労働者の吸収率が低いじゃないかという点が問題になりました。その点につきましては、関係各省全部相集まりまして相談し、特に通産省の方からは、できるだけ一つ炭鉱労働者を優先的にとるということを各省とも考えていただきたいということで、たとえば鉱害復旧関係等におきましても、御承知のように一番大きいのは田地の復旧でございますが、田地の復旧あたりは、やはりその鉱害を受たけ土地の所有者であるそこの耕作をしている百姓というものが、自分のあれを直してもらうの、だというので働いたりするという、一番熱意を持って働きますし、またたんぼを作るのですから、百姓が一番作り方がうまい。で、これはあとから全然しろうとが作って、使いものにならないような、たんぼの格好にされても困るといういうようなことから、農耕に特別に技術のない、こういう炭鉱離職者を使うのは、おのずから制限をされるというので、それでもずいぶん私は、今比率は忘れましたが、農林省の力にお願いいたしまして、できるだけ一つ、よけい使ってもらうということにしたはずでございます。 それから、建設省関係等につきましても、たとえば遠賀川川筋のいろんな河川関係のその修理あるいは浚渫といったようなもの、あるいは道路関係というもの等につきましても、できるだけ使っていただきたいということで、これは建設大臣から非常な御協力をいただいて、建設省の本省から九州地建の方に通達を出していただいて、石炭の離職者を使えということを建設省の本省から流していただいた。 で、今のその鉄道関係の法律というのは、どうもよくわかりませんが、そのときには、国鉄関係も運輸省等を通じまして、これはできるだけ一つ炭鉱地域に近いところで各省がやる公共事業等には、炭鉱労働者を使うようにということを、それぞれの系統でそれぞれの出先に流していただいたはずでございまして、ただ、先ほど申し上げましたように、たとえば土建と申しましても、一般の道路、道普請というようなことと違いまして非常に橋をかけたりする工事というものが、その当時よけい残ったものでございまして、そういう架橋工事等になると、しろうとはなかなか使えない、これは当然今までも、そういうことに専念してきた相当の技術のある熟練労働者でなければならないというふうなことで、相当の制約を受けた事実はございますが、しかし政府といたしましては、関係各省何回も集まりまして、そうしてできるだけそれを一つ使おうじゃないかということを申し合わせて、出先に送る。同時に緊急就労対策事業というものを設けて、八〇%まで国費でめんどうを見るといったような新しい事業を起こしたわけでございまして、政府といたしましては、まあ関係各省とも、この国会の議場を通じて御説明申し上げました、各省から御説明申し上げました方針に沿って、当時としては、できるだけのことをやったというふうに考えております。
○阿具根登君 考え方は、その通りです。たとえば鉄道建設審議会からも、決議案が出されました。決議案が出されて、こういう炭鉱離職者が出るから、だから関係法の整備と、それから特に予算によって、これを吸収しなければならぬということが出されておるわけです。 出されておるけれども、緊急失業対策法の一条、三条、四条、五条というのが、これがひっかかって、全部使えません。だから楢橋国務大臣は、六千八百万円の金を使っても、延べて二千八百人しか使えない。だから、この法律を改正さえしてくれれば、一億円使って今、四千人しか使えないのを、一万人使います、こういうことを言っておるわけなんです。それで現実問題としては、これは非常に失業者がおっても使えないようになっておるということを当の責任者が言っている。ここは労働委員会じゃないから、だから……、これは労働問題と思うのですけれども、しかし失業者を出す政策の所管は、これは通産省ですから、もっと、こういうところに手を伸べてもらいたい、使いたいと言っているところが使えないという、しかもその使いなさいと言っているところも、そういう決議案までしてきている。そういう隘路があるのです。 それから、川崎線、これは油須原線とも言いますが、これが三十七年までにでき上がらなければいかぬのが、四十年まで延びたのです。時間がないから、私の方から申し上げますが、これは政治路線じゃないのです。これは山口県で作ったような赤字の路線じゃないのです。これは運輸省に聞いても黒字です。早く作りたいというのです。それが途中で打ち切られて、作れないのです。なぜ作れないかということを調べてみたところが、それは炭鉱の上を通る——炭鉱の失業者を救済するために、周辺の炭鉱を救うために、莫大の金をかけて、鉄道を作ろうといって鉄道を作ってみれば、自分の炭鉱の上を通る場合には、莫大な補償金を要求して、作れないというのです。一体、炭鉱業者は、どうお考えになるか、同じ業者を守ってやるために、自分のところで働いている労働者を救うために、国がせっかく黒字になるとわかっておる鉄道線を引こうとすれば、自分の炭鉱の上に引く場合には、それでまた、大金もうけをしなければならぬ。莫大な補償金を要求しているから、できないというのが実情なんです。こういう実情があるのです。 だからそういう点を一つ十分調査して、そういう点に対しては、十分なる一つ監督をしてもらいたい。そういうところに限って災害を起こしておるのです。災害は起こす、その責任は知らぬ顔している。みんなを救うために鉄道でも引こうといえば、莫大な補償を要求する。これでは、ころんでもただで起きないのではありましょうが、あまりにも、炭鉱がかわいそうです。他の炭鉱労働者がかわいそうじゃないかと思うのです。十分お調べ願いたいと思います。 それから、最後にお尋ねいたします。総理大臣もあるいは労働大臣も、今度の変災につきましては融資を考える。これまた両議院でも、決議の段取りまでいっておるのですが、一体どういうことをお考えになっておるか。今予算の審議の途中で、これは予算委員会の一つでございますが、今のうちに構想を出して、そうして追加予算でもお考えになっておるかどうか、通産大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 寄り寄り労働大臣と災害の対策について、相当金もかかるだろう、その財源を、どこに見出すかというような問題にまで、もちろん触れて相談をしておるのでありますが、まだ十分の成案をもって大蔵当局と公式の折衝をしておりません。ぜひ急いでやりたいと思っておるのであります。まあ労災保険の積立金等については、その積立金の性質上からいっても、こういうこの災害対策にこそ、大いに活用すべきものであるという点については、両省の間において、大体一致しておりますけれども、いざ大蔵省に当たると、まあいろいろな資金の繰り回しについての過去のいきさつを持ち出して、相当な抵抗を示すことだろうと考えておりますが、この問題につきましては、慎重に一つ問題を提起いたしまして、対策の万全を期したいと考えております。
○阿具根登君 労災の方もけっこうですが、それも、十分考えてもらわねばできぬのですが、これは三十五年度内に起きた変災でもあるし、また起こるかもわからない。三十四年、三十三年を振り返ってみても、大手、中小問わずに、大きな変災を起こしてきておる。しかも三十五年度では、大臣御承知と思いますが、一千億以上のこれは増収がありますね。私どもつい最近予算委員会でお尋ねしたときは、五百億くらいでしょうということを大蔵大臣答えておったが、もう二、三日前の新聞では八百億くらいになっておる。おそらく三月の三十一日になれば、一千億以上のこれは余剰財源が出てくるわけなんです。ほんとうに緊急性を感じるならですね、そういう膨大な金があるのだから、だから今のうちに、そのうちの百分の一持ってきても、これは変災が防げるのだ。だから、金はどこのを出すのだということになれば、どうするかという問題は、おのずから解決してくると思うのです。だからですね、何もかも思案ばかりしていては、将来またできる。また災害起こりますよ。そうした場合には、一体だれが責任とるのか。しかも金がないというならいざ知らず、そういう膨大な財源があるのじゃないですか、何も予定していない財源が。そういうのこそ、この際、一気にやるべきだと思う。これは与野党、人道上の立場からもやるべきである。私は保安局長が気の毒なくらいです。あれだけの災害を出して、自分の部下の自殺者まで出ている。それにまだ予算の見通しがつかない。何とか考えたい、気の毒だ。これでは、また起こるおそれがある。 だからこの際は、やはり通産大臣が総理大臣に、これはやるべきだ。そのくらいのことは、できてしかるべきだと思うが、どうですか。
○政府委員(樋詰誠明君) 相次ぐ変災にかんがみまして、過般次官会議の申し合せで、災害対策連絡会議というものが設けられまして、通産、大蔵、労働、それに自治省、警察、そういうもの、関係各省全部入りまして、内閣の審議室が中心になって、今緊急に、何をやるべきかということを検討したわけでございます。 大きな項目から申しますと、これは何と申しましても、まず、やはり現行法規を厳格に順法させるというのをやるのが一番先であろう。そのためには、実は若干、現在の監督人員等も、われわれは不足を感じておるわけでございますが、たとえば今までに、今御審議願っております予算案、この中できまろうとしている巡回監督費といったようなものを、これは思い切って少し前半に使わしてくれ。あるいは後半に金がなくなるか知らんけれども、とにかくとりあえず金ができれば、新年度早々、今までの倍なり三倍ということをもって、重点的に頻度を多く、あぶないようなところを回って、そして、まず指導するということをしたい。これは新予算ができれば、まず、その中でやりくりをぜひ認めてくれということで、こういうやりくりの関係は、大体事務的な話でつくのじゃないか。こういうふうに思っております。まず、そういうことで監督の方も厳重にしたい。 その次に、監督をしてあぶないところは、これは緊急に直させなければいかん。その直させる際に、とにかく非常に危険だという場合、直しなさいと勧告をして直さないというものは、とにかくあぶない状態に、そのまま置いておくわけにいかないので、それじゃとにかく、やめてもらわなければいけない。 そういう、金ができないという格好が一つと、ただ、金も何も用意しないで、そういう格好でやったのじゃ、そこに働いている人も、とたんに失業する。しかし、若干の金があればいいというなら、何らかの金を用意したらどうだという議論がそこに出てくるわけであります。とにかく何らかの金を、政府の方で用意すると、用意したから、そこから借りなさいと、そうやって借りるための道を開いてあったにもかかわらず借りないという人、それにまで、とにかくぜひこの金を使って下さいと持っていくあれはないのじゃないか。むしろわれわれは、あぶない山に働いているという人たちの直接の正命の被害、そういうところは、えてして鉱害を起こして回りの相手に迷惑をかけている。そうして、そこに働いているこれらの人の身の振り力ということと、それからあとに残される鉱害というものを、どう処置するかということを考えて、それとのかね合いで、そっちの方に適切な手を打つということを前提にして、できるだけ勧告を守らぬというところは、一定期間後には、とにかく操業の停止なり鉱業権の取り消しなんというくらいのことをもって、厳格な態度で今後望むべきじゃないか。そのためのまず段階になりますと、金の面等につきましては、実は新しい三十六年度の財政投融資計画というものも、これからまさに正式にきまらんとしている段階であります。どこをどう使うかということは、まだこれからのものでございますので、実は、政府の中の議論といたしまして、そういうあれだから既定の予算、きまった予算なり、あるいはこれからきまると申しますか、三十六年になれば、きまった国の予算なり、あるいは財政投融資計画から、ある程度優先的に取って、そっちの方に必要な措置を講じて、それから予算を補正するとかいうことは、非常に技術的にもむずかしいということであるなら、それは、あとから考えたらどうかというような、いろいろな議論等がございますので、まず通産省といたしましては、離職者の関係に、一体どのくらいの措置をしなければいかんか、鉱害対策として、どの程度のものを見なければいかんのかといったことも、いろいろ積算をしているわけでございまして、きょうも第三回の話し合いをやったはずでございますが、まだ今の段階では、事務当局で一応、それぞれ案を出し合っているということでありますが、これは先生のおっしゃいますように、いつまでも、じんぜん日を越すわけに参りませんので、ある程度まで、各省の意見が煮詰まれば、当然これは、政治的には御裁断願わなければいかんのじゃないかということで、通産省といたしましては、まず自分自身のやるべきこととして、監督を厳重にする、そのために三十六年に通産省に認められました予算を繰り上げてでも使って、できるだけ事故を少なくするような手を打ちたい。 それから特別の融資というようなものにつきましても、また中小企業金融金庫というようなものを通じてやるのか、あるいはほかの機関を通じてやるのかという方法論も、いろいろ残っておりますが、何らかの格好で保安の最低限度の整備というものをするために、ここに借りにきなさいというようなことができるような道を開いて、そうやっても、こないという人は、これは閉山なり何なりという格好で処理して、それから先の問題は、厚生省、労働省いろいろありますので、そちらと連絡をとって、総合的な対策をもできやせんかということで、一週間に一ぺんということでなしに、できるだけ何回も会合をしまして、成案を得たいということで努力いたしております。まだ、具体的にどうなるということは申し上げられませんが、われわれの気持としては、そういうことで、いろいろ関係各省と何しております。もちろん大蔵省は、これにいいといったわけではございませんで、予算は別につけんでも、法の厳格な施行というような面で、ある程度いくだろうといったような意見があることも、これは事実でありますが、それでいけないという部分がある。 ただ、ここで一つお断わりしておきたいと思いますことは、たとえば、どうしても最低限度の救命具、たとえばガス・マスクとか、ガス検定器等というようなもの、これだけはなくちゃ危いから、国で半分金を出しても、整備させてはどうかという意見がございますが、それをやりますと、ただでさえ先生御承知のように、非常にとるものはじゃんじゃんとるけれども、出すのは舌も出さぬといったような連中が、中に若干ある。そういう連中を、いたずらに不当利得させて、結局何もせんでおいた者が、一番得じゃないかということになったのでは、これは結局国民の税金を使うということになった場合に、国全体の行政の不備と申しますか、国民の税金を、特定の不徳者のためにさかざるを得ないというようなのは不当だと、こういったような議論等もございまして、そういう、ずうずうしく今まで何もしないでおったという連中を、不当に利得させることなしに、働いている人並びに鉱害を、どうやって救うかという調和点の解決というものに、実は一番苦労しているというのが実情でございます。
○阿具根登君 そういう御心配もあると思うのですが、特定のそういう悪い人を対象にして、そうして日にちがたっていけば、まじめに働いている人の命が危いというならば、私は救命具等のものは、国が無償で貸し与えていいと思うのです。 それこそ国が買って貸す、そのかわりこわしたときには、これはそのまま弁償させる、買わせる、そのくらいに私はやらなければ、保安というものはできないと思うのです。皆さん、通産大臣も、今度は行かれたから御存じだろうと思うのですけれども、実際、あの坑内に下ったら、自分がそこで仕事をしていると思ってごらんになったらいいと思うのです。自分が、そこで仕事をしていると思うなら、そんな救命具を、ただでやるくらいのことは問題じゃないのです。どんなことをしてでも、悪いやつはいるでしょう、それはまた法規で厳重に処罰するようにやっていけばいいと思うのです。率直に申し上げれば、極端なところは労災保険も納めてないでしょう。籾井炭鉱はどうです。私が行ったときは、爆発して十三名死んだけれども、労災保険は納めていない、死んだから納めておる。それは、保険金を払わなければいかぬからです。そういう人に限って、おそらく鉱害対策も何もやっていないと思うのです。そういう人が、人命を預かる炭鉱の仕事ができるだろうかと思うんです。できないはずなんです。 それを漫然と、どこからかなんかしらぬけれども、法の不備かなんかしらぬけれども、次々に、通産省は許可するじゃありませんか。許可すれば、そこに労働者が働くから、勢い労働者が行き場所がないようになる。なぜ許可するかということになるのです。五年前だって、十八トン以上を許可したでしょう、たくさん、許可したやつを、また自分で買い上げにゃいかんでしょう。そういうばかなことをやっているじゃありませんか。それで許可するやつを、徹底的に今度から許可しないように、自分で鉱害賠償もできると、労災保険その他のことは当然のこと払えるというような人でなかったら、許可することはできないんです。それを少し炭鉱が嫌気がようなれば、通産省は、何でもかんでもいい子になって、許可してしまう。許可してから先は、どうすることもできない。 だから、そういう点を、はっきりしてもらいたいと思うのと、もうやめますが、豊州炭鉱は、一体どうなるのです。豊州炭鉱は、あの水没したときに、新聞で発表されたものを見てみますと、あれは買い上げ申請されているということを聞いています。もう死体も上がらぬのじゃないかという声が非常に強い。死体の入ったままお買い上げになるつもりですか。事業団じゃないから、そのものズバリ、できないかもしれませんけれども、監督官庁として、いかがですか。死体は、あくまでも上げて下さいますか。
○政府委員(今井博君) 豊州炭鉱が、合理化事業団の買い上げの対象になるかどうかという御質問でございますが、現在では、まだ確答できませんが、これは、御承知のように、石炭合理化法第五条、審査ということで、一応資格審査をしまして、調査の対象になるかどうかという手続を経てから、実際の審査に乗り出すわけであります。 しかし、豊州炭鉱の場合は、死体の問題が、まだ落着いたしておりませんので、これの最終処理についての問題が解決しない限り、合理化事業団としては、これに手をつける、調査をするとか、そういうわけには参らないわけであります。 —————————————
○主査(塩見俊二君) この際、分科担当委員の変更について、御報告申し上げます。 本日、森元治郎君が辞任せられまして、その補欠として、豊瀬禎一君が選任せられました。 —————————————
○主査(塩見俊二君) それでは、ほかに御質疑もないようでございますので、通商産業省所管につきましては、この程度で終了したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(塩見俊二君) 御異議ないものと認めます。 明二十八日は、午前十時に本分科会を開会し、総理府のうち、防衛庁、調達庁及び科学技術庁所管につきまして、審議をお願いすることといたします。 本日は、これにて散会いたします。 午後六時四十三分散会