予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/03/29
会議録
○主査(東隆君) これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 昭和三十六年度一般会計予算及び同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生省所管を議題といたします。 まず、本件について政府より説明を願います。
○国務大臣(古井喜實君) 昭和三十六年度の厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について、御説明申し上げます。 厚生行政につきましては、皆様の御協力をいただき、毎年度相当大幅な予算の増額がなされておりますが、昭和三十六年度予算案は、新しい施策の実施を含めて相当の増加となっておりまして、これにより、いささか厚生行政の前進をはかり得るものと確信いたす次第であります。 昭和三十六年度の予算編成にあたりましては、医療保障の充実、低所得者層の福祉の向上、国民年金制度の改善、母子福祉及び児童福祉の充実、生活環境の改善など厚生行政の中核となる諸施策を強力に推進することといたしております。 さて、昭和三十六年度厚生省所管一般予算における総額は、二千二百七十六億二千四百五十万円でありまして、これを昭和三十五年度当初予算一千六百四十七億一千四百九十四万五千円に比較いたしますと、六百二十九億九百五十五万五千円の増加と相なり、前年度予算に対し、三八・二%の上昇を示しております。また、国家予算総額に対する厚生省予算の比率を見てみましても、前年度一〇・五%であったのが二・七%と相なっております。以下、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。 まず、第一は、国民皆保険の推進に必要な経費であります。国民健康保険については、国民皆保険計画達成後の初年度として、被保険者数を四千八百六万七千人として所要の経費を算定し、医療費の一〇%引き上げに伴う特別財政措置として新たに十五億円を計上いたすとともに、結核及び精神病対策の一環として、この疾病の世帯主被保険者の給付率を五割から七割に引き上げることとし、その引き上げに要する経費を全額国庫負担とすることといたしております。また、事務費補助については、一人当たり単価を百十円に引き上げ、これが経費として五十二億八千七百余万円、国民健康保険団体連合会に対して診療報酬審査支払い事務に関する補助金として一億三千万円を計上する等、総額四百十六億四百余万円を計上いたしております。次に、国民皆保険の推進に必要な基礎的条件を整備するため、公的医療機関を整備するとともに、僻地に診療所を設け、新たに巡回診療車及び診療船を整備いたすこととしております。さらに、国立病院の整備改善のため十六億六百余万円を計上いたしております。また、私的医療機関等に対し、長期かつ低利の資金を融資するため、医療金融公庫に対し新たな事業資金として六十八億円を用意いたしております。 第二は、生活保護費及び社会福祉の増進に必要な経費であります。まず、生活保護費でありますが、生活扶助費につきましては、飲食物費を引き上げるとともに、内容の改善をはかり、十八%引き上げることとし、これに要する経費三十一億九千五百余万円を計上し、期末一時扶助についても改訂を行なうとともに、住宅扶助、教育扶助及び生業扶助につきましても基準改訂を行なうことといたしております。また、勤労控除についても所要の改訂を行なうことととし、十三億一千二百余万円を計上するほか、養老施設等の整備に努めるとともに、施設職員の待遇改善を行なうことといたしております。以上、生活保護費として総額五百七十八億九千七百余万円を計上いたしておりますので、前年度当初予算に比し百十四億二千七百余万円の増額となっております。次に、社会福祉の増進に必要な経費でありますが、身体障害者及び精神薄弱者の保護と更生をはかるため、前年度に引き続き収容施設を拡充することとし、新たに、老人福祉対策として軽質老人ホームを設置することといたしております。このほか、世帯更生資金については、新たに修学資金、身体障害者生業資金及び住宅資金の貸付を行なうこととし、五億五千万円を計上し、また、家庭授産等を行なうための経費として、二千五百余万円を計上いたしております。 第三は、児童福祉及び母子福祉の増進に必要な経費であります。児童保護措置費につきましては、保育所給食費、養護施設等の飲食物費及び日常諸費をそれぞれ増額するとともに、新たに、入進学支度金として一件当たり二千円を計上し、児童福祉施設職員の待遇の改善をはかるため、給与額を七・五%引き上げ、期末手当を国家公務員並みに引き上げる等、児童保護措置として百四億八千九百余万円計上いたしております。また、児童扶養手当につきましては、昭和三十七年一月から支給することとし、昭和三十六年度においては、三カ月分として二億三千余万円を計上いたしております。また、青少年非行対策の一環として、新たに短期治療施設を設けるほか、精神薄弱児の通園施設を増設するなど、児童福祉施設整備費として四億三千五百余万円を計上いたしております。次に、母子福祉及び母子保健対策につきましては、新たに、僻地保育所の設置費について補助することとし、また、三才児の特別一斉検診並びに新生児の保健指導費等として四千五百余万円を計上するほか、母子福祉センターを増設する等、母子保健福祉対策として五億八千余万円を計上いたしております。その他、結核児童療育費として、従来のカリエスのほか、一般結核患者にもその対象を拡大する等、諸般の施策の強化拡充をはかっております。 第四は、主要疾病対策に必要な経費であります。まず、結核及び精神病対策でありますが、昭和三十六年度下半期より、これを強力に推進するため、命令入所及び措置入院患者の医療費を原則として全額公費で負担するとともに、国庫補助率を八割に引き上げることといたしております。また、この新措置に伴い、命令入所及び措置入院患者の数を大幅に見込む等、結核予防費補助として八十億九千七百余万円、精神障害者入院措置費補助として三十七億五千二百余万円を計上いたしております。このほか、国立結核療養所の整備運営費として百五十六億六千二百余万円、国立精神療養所の整備運営費として五億六百余万円をそれぞれ計上いたしております。次に、小児麻痺対策についてでありますが、定期及び臨時予防接種のため二億五千八百余万円を計上するとともに、ポリオ・ワクチンの検定、研究費をそれぞれ計上するなど、小児麻痺対策として総額四億六千七百余万円を計上いたしております。また、成人病のうち、特にガンにつきましては、国立ガンセンターを設置することとし、これが整備運営のため九億五千四百余万円を計上いたしております。 第五は、生活環境の改善向上に必要な経費であります。明るい生活環境を実現するため、特に環境衛生施設の整備をさらに強力に推進することとし、簡易水道については十二億四千三百万円、下水道終末処理施設については十億二千万円、屎尿消化槽等の清掃施設については七億四千三百万円をそれぞれ計上するなど、いずれも前年度に比し大幅な増額となっております。このほか、国立公園等の整備のため二億七千万円を計上し、また、地方改善事業としては、従来の同和事業の拡大をはかるほか、新たに、不良環境地区の改善費についても補助するなど、二億二千余万円を計上いたしております。 以上、昭和三十六年度厚生省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げたのであります。 次に、昭和三十六年度厚生省所管の特別会計予算の大要について御説明申し上げます。 まず第一は、厚生保険特別会計についてであります。厚生保険特別会計につきましては、一般会計より九十億八千五百余万円の繰り入れを見込みまして、健康勘定におきましては歳入、歳出とも一千百十三億五千七百五十四万六千円、日雇健康勘定におきましては歳入、歳出とも九十六億一千八百五十五万八千円、年金勘定におきましては歳入一千二百五十二億三千六十三万八千円、歳出百七十六億三千七百四十三万円、業務勘定におきましては歳入、歳出とも七十一億十三万七千円をそれぞれ計上いたしております。なお、健康保険については、新生児手当金、分娩費の改善、また日雇健康保険については、分娩費の改善、給付期間の延長、傷病手当金の支給日数の延長等、所要の改善をはかるとともに、国庫負担率の引き上げを行なっております。 第二は、国民年金特別会計についてであります。国民年金特別会計につきましては、一般会計より四百七十三億七千六百余万円の繰り入れを見込みまして、国民年金勘定におきましては、歳入三百五十六億七千七百六十三万七千円、歳出四千三百四十八万円、福祉年金勘定におきましては、歳入、歳出とも三百七億二千九百四万六千円、業務勘定におきましては、歳入、歳出とも二百七十六億八千五百二十五万円をそれぞれ計上いたしておりますが、福祉年金につきましては、本格的支給を行なうため平年度予算として二百九十六億四百余万円、新たに未支給年金の支給に要する経費四億六千六百余万円、母子福祉年金の支給対象を準母子世帯に拡張するに要する経費一億三千三百余万円、また、母子福祉年金の支給制限の改善に要する経費二億六千百余万円を計上し、醵出年金につきましては、昭和三十六年度から保険料が納付されますので、この年度において納付される保険料の総額の二分の一に相当する国庫負担額百十五億七千六百余万円、検認等の事務執行のための市町村交付金として二十一億三千七百余万円を計上いたしております。 第三は、船員保険特別会計についてであります。船員保険特別会計につきましては、五億二千七百余万円の一般会計よりの繰り入れを行ない、歳入百八億百五十九万七千円、歳出八十億三千三百十万円を計上いたしております。なお、新生児手当金及び分娩費について所要の改善を行なっております。 第四は、国立病院特別会計についてであります。先に述べましたように、国立病院の整備改善等のため、所要財源を一般会計より繰り入れるほか三億五千万円の国庫債務負担行為を計上し、国立病院特別会計といたしましては、歳入、歳出とも百三十八億五千三百五十五万四千円を計上いたしております。 最後に、あへん特別会計についてでありますが、昭和三十六年度のアヘン買い入れ予定量は、輸入五十六トン、国内産四トンでありまして、一方製薬原料としての売り渡しは、五十五トンを予定いたしまして、歳入、歳出とも四億二千七百六十八万三千円を計上いたしております。 以上、昭和三十六年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。 ——————————
○主査(東隆君) 分科担当委員に変更がございましたから御報告いたします。 本日、米田勲君が予算委員を辞任せられ、その補欠として小柳勇君が選任せられましたので、従いまして、米田勲君の分科担当委員の補欠として小柳勇君が委員長から指名せられました。 ——————————
○主査(東隆君) これより質疑に入りますが、ただいま政府側からの出席者は古井厚生大臣、高田厚生大臣官房長、熊崎厚生大臣官房会計課長、厚生省公衆衛生局長、川上医務局長、牛丸薬務局長、太宰社会局長、大山児童局長、森本保険局長、小山年金局長、畠中引揚援護局長、黒木医務局次長、河角公衆衛生局企画課長、高部防疫課長、大磯栄養課長、岩尾大蔵省主計局主計官、以上であります。 この際質疑をしていただきますが、ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(東隆君) それでは速記始めて。
○山本杉君 私は簡単に一つ二つ大臣にお伺いしたいと思います。医療整備計画案の審議が始められたそうでございます。そして医療制度調査会は六月までに結論をお出しになるということでございますが、厚生大臣は一昨日でございましたか、社会労働委員会の方でもこの問題についてお答えがあったのでございますが、いろいろの方面を含めて国保の改善充実ということから切りかえていきたい、どこまで行けるか、まあやれるだけやってみたいということをおっしゃっておったのでございますが、私は何としてもこの際本腰を入れて医療の内容を改善していただかないことには、この問題はいつまでも日本の社会のガンになるだろうと思うんです。そこでどの程度に改善されるか、そこを具体的に伺いたいのでございますが、日本の医療制度というものにどんな矛盾があるかといいますと、一つの例でございますけれども、医薬分業というような面から考えてみましても、ほんとうにこれでいいのかしらと思うようなことでございますが、医薬分業という制度は三十一年に実施されたことはわかり切っているのでございますが、今の実際の医療の面で医薬分業が行なわれているかどうか、これは三十四年の十二月に調べられたものでございますけれども、指定薬局数というものが一万七千六百七十八ありますが、そのうち一件でも調剤した薬局というものがどのくらいあるかというと、二千十一しかない、これは一一・四%、それから処方箋の調剤の数というものは二万三千九百十五件、こういうことでございます。厚生省の調査で私は見たのですけれども、保険の加入者というものの売薬治療の率がどのくらいあるかというと、それは四三・六%なんです。で保険の加入者であっても売薬で治療したのは給付の対象にならぬということは当然なことでございますけれども、病気の判断というものは医者がすべきものなんだからと、そういうふうな考え方で売薬治療したのは保険の方ではちっともあずかり知ったことではないというような考え方から、保険というものがその辺でいいかげんにされているということが一つです。それからこれは売薬でもなおるということが考えられることと、もう一つは医者の門をくぐりさえすれば、何でもかんでもが点数になっている、病気になってしまう。それで、これも厚生省のお調べでございますけれども、現在の保険医療の内容がどんなふうになっているかというと、もう少額医療が大多数だということ、これはもう大臣もよくおわかりだろうと思うのです。たとえば投薬とか注射とか、そういうものに六六%も使われている。処置に一七・一%、重傷の病気になりますと、たった二あるいは三%にしかならない。診断のためにどのくらい使われているかというと、九・四%ということでございます。こうしてみると、医療というものが、非常に低い面で医療保険の報酬というものが食われているということ、これでいいのかということを私どもは強く思います。そうして、一体、その医薬分業という制度がそういうふうに意味のないものである。同時に医療行為、今の保険の医療行為というものがそういうところで点数を食われてしまって、ほんとうにこの医療保険がほしいと気がついたときには、お医者さんは大ていもう、この病気は複雑だから、あるいは重過ぎるから保険じゃできないということになっている現状でございますが、そういうことについても根本的に改良なさるおつもりがございましょうかどうか。一つ具体的な御返事をいただきたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) 今の保険の現状から言いますと、何といいますか、重患というか、重い病気また大きな処置、ほんとうに大事な方面に活用されることがまあ比較的少なくて、そうして今お話のような少額の支払いのようなことになってしまうような方面によけい使われておる。これはどうも私も得心がいかぬので、重い病気、重い手術やまた処置をしなければならぬというような方面に保険が活用されるようになりませんと、ほんとうに大事な医療が保険の方でははずれてしまうようなことになるような気がするのであります。で、原因がどこにあるか、いろいろありましょうけれども、やっぱり患者負担が、ことに国保あるいはまた健保のあの家族などの方面では半額になっておる。五割は患者負担になっているというその負担がなかなか容易でないというところにも一つの大きな原因があるのじゃないかしらんという気がするのであります。これは給付率の引き上げの問題に関係してくると思うのでありますが、つまり患者負担がもう少し軽くないと、やっぱり利用されないということが、どうも大きな原因のような気がするのであります。他にもあるかもしれません、原因は。けれども、どうもそこに一つの難点があるように思うのであります。でありますから、この点を、 ことに国保、それから健保で申せば家族関係などについて、まあ重要な点として一つ研究してみたいものだという気がしておるのであります。 で、ただ、そういたしますと、一方に保険財政の問題に大きな響きをもってくるわけであります、けれども、いわば軽い方面に利用されるよりも、重い病気の方面に利用されるというふうに保険を仕向けるということが必要ならば、ここに全体的に一ぺんよく考えてみなければならぬ点があるのじゃないかしらん。少額のものをいつまでも保険に置いておかなければならぬか、それよりもむしろ重い方面に振り向ける、重い金のかかる治療の方面の給付率を引き上げて、同じ金でもそっちの方に回す、こういう方がむしろ医療としてよいのではないかしら。こういう点もあると思うのであります。そこらを含めて、一つ詰めて考えてみようじゃないかということで、今、関係の部局の方にも申しまして、研究を具体的に始めておるような状況でありますが、まだ結論を申し上げる段階じゃございませんけれども、取り組んでみているところであります。
○山本杉君 今の大臣のお話で、徹底的な改良ということになりますと、そこへ手をつけていただかなくちゃならないのだということがよくわかるのでございますが、今のやり方の中で問題になる一点は、私はやっぱり監査だろうと思うのです。医者もつい取りやすいもの、そういうものから申請してしまう。取りにくいのはあと回しにする。それでもまた減点されるという必配がございますが、ほんとうに治療したもの、そういうものならば減点しないで、それは払っていくという方針が打ち立てられない限り、どうもそこのところがおかしなことになると思うのです。そこで、やはり制限診療の撤廃という問題が起こってくるのだと思います。 で、大臣にもう一つお聞きしたいのは、今お答えの中でもおっしゃっておりました、どうでもいいような、売薬で事が済むようなそういうふうな病気、まあそういう言い方は非常に悪いかもしれませんけれども、保険になったから、かからなくてもいいような患者までかかっておるというような現状でございますから、そういう方面を保険からはずすようなお考えがございませんかどうか。
○国務大臣(古井喜實君) 今はずすということを言っておるのではありませんけれども、同じ金を保険で使うにしましても、どういう方面に使ったらより国民の医療のためによいかということを考えてみれば、重患の方には使えない、軽い方面に使ってしまう、それがほんとうによい姿だろうかというところには、結論は別にいたしまして確かに一つの問題点があると私は思うのであります。どれもこれもひっくるめてやれば一番よろしい。しかし、保険の経済、財政というものに限度があるとしまして、その限度内のものを一番国民の医療のためによい方面に使おうと、こう考えてみますと、今の点とにらみ合わして研究してみるのも問題点の一つではないだろうか、こういう意味で申し上げたのでありまして、結論まで申し上げておるのじゃありませんが、しかし研究はしてみなければならぬと私は思うのであります。
○山本杉君 私どもは、やっぱりだれかが思い切ってこれをやって下さらなくちゃ、いつまでも同じことが繰り返されるだけだと思うのですけれども、一つ、どうか大臣に思い切った方向へ日本の医療保険制度を持っていって下さることをお願いするわけでございます。 もう一つ伺いたいのでございますけれども、これは今御説明の案の中には出て参りませんでしたけれども、地域差撤廃のために三億幾らでございますか、予算をお組みになった、こういうふうな中途半端なことじゃいやだといって、医師会はこれを受けないような態勢になっておると聞いておるのでございますけれども、せっかく組まれた予算が消えてしまうようなことがあるともったいないので、たとえば大阪とか幾つかおきめになったその範囲だけでもこれを受けておいた方がいいと思うのですが、医師会がそれを受けない場合、それはどういうことになりましょうか。
○国務大臣(古井喜實君) 地域差を今のままに置いておくのは考えものだと思うので、方針としては地域差撤廃という方向に向かうのがよいことだと思うのであります。一時には金がかかりますからできますまいけれども、せめて段階的、漸進的にでもその方向に進む方がよいと思うのであります。そこで、そのことが今度はできなくなるのじゃないか、まあ自民党の三役と医師会の話し合いの結果はできなくなるのじゃないかと、こういう御心配のようにも伺いましたが、これは党の三役、医師会、歯科医師会等の話し合いのあの内容をどう具体化していきますかは、この行政の段階でどう具体化していきますかは、よくこれはあらゆる角度から検討いたしまして、そして一番穏当な結論を出したいと思っておるところであります。でありますから、地域差撤廃を必ずやりますともここは申しませんが、問題が起こっておりますから、ああいうふうに。けれども、やりませんとも今申し上げるわけじゃありませんので、含めて急を要する方面から改善していくことが大事だと思いますので、よく検討して最善の結論を出したいと、こういうふうに今は思っておるところであります。
○山本杉君 それからもう一つ伺いたいのですけれども、今行なわれている医療保険診療の行き方の中で、表面に出てこない問題、たとえば差額徴収というようなことをやれば除名されるということになっておりますけれども、やはり差額徴収ということは行なわれている。それをやむを得ないのだというふうな考え方で大目に見ていらっしゃる面がありはしないかと思われるのでざいますけれども、さっきの最初に伺いました問題の関連でございますけれども、そういうふうな問題に対して断固とした解決の方法をおっけになるおつもりはございましょうかどうでしょうか。
○国務大臣(古井喜實君) 今日の保険医療についてワクがあるわけですから、窮屈があることはどうしてもこれはやむを得んのでありますが、その窮屈がどうも非常に重大な、いかにも国民のよい医療のために耐えられぬということであれば、これも考えなければならぬわけでありますので、それでまあ医師会などでは制限診療の撤廃ということをおっしゃる。これはそうなれば、なるほど医学が進めば保険を通して幾らでも進んだ医学を利用できる、またお医者さんの腕がすぐれていれば幾らでも腕が振える、こういうことになってよくはなるわけなのでありますけれども、問題はその撤廃したあと、どんな医療でもできるときに、この経費をだれが持つのだ。全部保険で払うのか、こういう問題になってくるのであります。全部天井なしで保険で払うということになったら保険財政が持つのか、たぶん成り立たないようになると思うのであります。そうすると、どうするのだ。つまり第一この経費の負担の点でまずもって頭をぶつけると思うのであります。それならいっそ患者に持ってもらおうかと、今までの線をこす部分は患者に持ってもらおうかということになると、差額徴収の問題になってくるのであります。そうすれば、金を持っている者はよかろうけれども、金のない者は利用できないじゃないか。金持ちのためのこれは改正じゃないかと、こういうことになってしまう。これもちょっとめんどうなことが起こってくる。そこで、それならばいっそのことフランス式の療養費払いというような、現物給付をよして療養費払いということに切りかえて、そして保険で持つ部分はここまでだという線を引いてしまう、こういうふうな制度もいっそのこといいんじゃないかというような説も出てくる。これは窮屈なことは十分わかっておりますが、それならばどういうふうに解決するかという策につきましては、やはりだれにでも保険は平等に利用してもらいたい。むしろ金のない人によりよく利用してもらいたいということがありますし、財政が立っていかなければ困るということがありますし、そういう辺とにらみ合わしてこれは結論を出さなければならぬので、そう簡単に制限診療撤廃でござる、簡単じゃないかとはいかぬのであります。でありますから、問題は複雑でありますけれども、しかしこれも右でも左でも結論を出さなければならぬと思うのであります。右にせよ左にせよ、何かとにかくこの問題についても結論を出してしまいたいと私は思うのであります。そのつもりでかかっておるところであります。
○山本杉君 どうもありがとうございました。
○横山フク君 私保険のことは伺うつもりでなかったので、山本委員にお願いすることで、伺うつもりはなかったのですけれども、国民皆保険になった、一応皆保険のめどが通ったと思うのです。でありますが、私たち国民は保険であるということだけを望んでいるのじゃないのです。現在の保険は最低の医療を受けられるという形だけだと思うのです。私たちの望みは最低の医療を受けるのではなくて、最南の医療を受けることが願いなんです。早くよくなりたいのです。これが願いなんです。しかし、今の保険制度ではたして早くよくなれるかとなったら、私は疑問だと思うのです。早くよくなるためにどうあるかということ、これは今度厚生大臣のところで保険制度の根本的改革をして下さるということです。その根本的改革をして下さるめどに一つしていただきたい医療の何というか、向上というのですか、内容の充実といいますか、あるいは医者の技術の向上というのですか、そういうことを念願として、医者が技術的にいい医者になるためにはどうあるかということが私はねらいでなければならぬと思うのです。卑近の例を、自分の例を申し上げて大へん恐縮ですが、私がポリープができたんです。ところが、ある医者に行なったときにはポリープだと言わないのです。そうして、行くたびに注射をし、行くたびに薬を塗って注射をしてくれるのです。そのときはまだ国民保険に入っておりませんで、三百円ずつ払っていた。ある病院に行ったのです。ところが、その病院ではポリープだとわかったのです。しかし入院しろと言うのです。麻酔もかけるし、手術もするし、出血もするから入院しろ、十日間の入院を言われたのです。ある病院へ行ったのです。その病院ではすぐ切ってくれたのです。この場合に保険の点数だったらば、だれが一番いい収入を得るかといったらば、一番最初の医者が一番いい収入を得たと思うのです。一番簡単にすぐ切ってくれた日本で有数なその先生は、すぐ簡単に切ってくれたために点数は非常に少ないものじゃないかと思う。こういう形でほんとうの私たち医療の内容が充実できるかと思った。全額が公費負担であっても、私たちは長い間苦しむのじゃなくて、一部負担であったとしても早く苦しさから解放された方が結局において安いと思うのです。であるだけに、私はいい医療の受けられるためにはどういうふうにあるかということを主眼において、医療制度を考えていかなくちゃならぬ。対医師会問題やなんかで引きづり回されている、そういった厚生省の保険局のあり方ではなくて、いい医療を受けるためにはどうあるか、それを目標にして、医師会もそれについていかなければならぬでしょうし、あるいは保険局もその線についていかなきゃならぬだろうと思うのです。いろいろの問題があると思います。本会議が開かれるようでありますので、ここでこの問題はやめますけれども、今までの段階は国民全部が最低の医療を医療保障によって受けられるということを目標に置いたのですが、これから先はよりいい医療を受けられるためにどうあるかということを主体に置いて、その観点から、あるいはいろいろ問題が出てくると思いますが、そういうことを対医師会、あるいは学界、あるいはその他と御研さんになって、差額徴収もあるでしょうし、あるいはそれだけでは解決できない問題もあると思いますが、お考えのほどをお願いいたしたいと思うわけです。
○国務大臣(古井喜實君) 病気は、どうしてもなおさなければなりませんし、まあ命にもかかわるというときにはどうしても救わなきゃならぬ。これがもう医療の根本だと思うのであります。これだけのワクの中だから、以上はできないから死んでしまえというわけにはいかぬ。何としても病気はなおさなければならぬのであります。これが根本だと思います。それと保険とどうかみ合うかということになってくるわけであります。それで、その保険があるために、命が助からぬのじゃ困るけれども、命を助けるということと、保険が全部かぶって成り立たなくなってもかまわぬということと混同もこれはできない。そこにどういうふうに両方の調和点を見つけていくかということが解決の方向だと私は思うのであります。つまりよい医療を国民が得ることができるようにしなければならぬという根本と、保険はどれだけの分野を担当するか、こういうことと両方を成り立つように考えていくことが大事だと思うのであります。それで片方だけ考えたら、これは片一方が犠牲になるのでありますから、両方の調和点を見出していきたい。ぜひそうしたいと私は思うのであります。医療は進歩しなければなりませんし、それからだれもこれは医療の恩恵に浴さなければいかぬ。それは、ことに貧乏な人だってやはり恩恵に浴せられるようにしたいと、むずかしい問題はありますけれども、今のよい医療、満足な医療を得るということを確保することと、保険というものがどれだけの役をはたすかという、つまり自分を成り立たせていくという問題と、両方をにらみ合わせて結論を出したいと思うのであります。
○主査(東隆君) それでは暫時休憩をいたします。 午前十一時二十二分休憩 ————・———— 午前十一時五十七分開会
○主査(東隆君) 休憩前に引き続きまして、分科会を再開いたします。 この際、分科担当委員に変更がございましたから御報告いたします。本日、森元治郎君が辞任をされ、その補欠として藤田藤太郎君が選任せられました。 ——————————
○主査(東隆君) 御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○横山フク君 先ほどよい医療ということで一つ言い落としましたので、つけたしますが、私の申し上げましたのは、医者が勉強しない、医者が勉強するような態勢にならなければいかぬということなんです。点数を患者からどういうふうにもらおうかという、仁術ではなくて算術になった。そのために、保険体制というものがもう少しよくならなければ、よい医者というものが損をするのです。そんな形ではいけないということを申し足りなかったので、一つつけ加えさせていただきます。 私が伺いたかったのは、この前医務局に、助産婦の問題をどう考えるのかということでじゅんじゅんとお話を申し上げまして、医務局も答えられたのです。そのときに、最後に藤田委員から、この問題はほんとうに考えなければいかぬし、医務局の方でも案を立てなさい、こういうことを言われて、そして医務局でもそれを了承されたのです。その直後に厚生大臣がかわられた。厚生大臣の初めておいでになった委員会で、厚生大臣は初めてでいらっしゃると思ったので、その医務局長と私との間の応答の問題の焦点を、厚生大臣の前で、こういうことがあるのだということを申し上げたのです。それから今日まで三月余たっている。この問題に対してどういうような対策をお考えになったのか、お話しいただきたいと思います。
○政府委員(川上六馬君) 助産婦になりてが少ないということで、われわれも心配をいたしておるわけでありますが、いろいろその後、御指摘などによりまして、検討をいたしてみておるわけでございます。一口に言いまして、やはり助産婦の需要を多くしていくと、つまり医療機関における助産婦のポストを多くしていきますとか、あるいは保健所で助産婦を採用いたしていきますとか、あるいは将来、母子健康センターを作っていくとか、そういうように、助産婦の需要をふやしていくということと、それからその職場におけるところの助産婦の待遇をよくしていくと、こういうことが検討の結果、より大事だろうというように考えておりまして、現在、そういう方向で改善をはかっていくような努力をしておるわけであります。 もう一つは、助産婦の養成でございますが、養成をもう少し切り詰めてできないかということで、看護婦の教育の中に助産婦教育をもう少し織り込んでいく、そして助産婦の養成というものを、現在は半年以上になっておりますが、半年ぐらいで助産婦の養成ができるようにしてはどうか。それからただ助産婦だけになると申しましても魅力が少ないものですから、あわせて保健婦の資格を同時に与えるようにした方が希望者もいいのではあるまいか、また、助産婦としても、同時に保健婦の資格を持った保健指導をやるということも大事であるので、そういう制度を考えたらどうかというようなことで、現在検討いたしております。大体結論的に申しますと、以上のような点で改善をはかりたいと思っている次第でございます。
○横山フク君 助産婦の需要を多くする、私は、この面でどういうふうな具体的な形をこの予算なりにお考えになったか、あるいはどういう形で保健所なりあるいは地方の県庁なりに指示なされたか、その点具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(川上六馬君) 具体的にまだどうという段階まで考えておりませんが、そういう線で今いろいろ内部で検討いたしておりまして、現在も各府県の担当者、養成所長なんかも集めていろいろと意見も伺っているのでございます。なお、医療制度調査会におきましても、医療関係者の問題を取り上げるところの分科会もできましたので、そういうところにも二つ諮って、今後改善をしていきたいと思います。
○横山フク君 局長の答弁は混同していらっしゃる。私は需要のことを聞いている。需要の面と養成の面と二つは別な問題です。需要の面はどういうふうにしてふやすような形をとっていらっしゃるかということを伺ったのです。検討しているということだけなんです。検討ではなくて、もうすでにこれは助産婦は減りかけているということは前からわかっているでしょう。医務局がある限り、そういうことに対しての対策は考えてなければならぬはずなんです。私に言われてから三カ月たっても検討しているという話はおそ過ぎると思うのです。これは私が助産婦だから、助産婦の支持層を得る選挙運動などと思わないで下さい。私はそうではない。将来助産婦というものはなくなるでしょう。しかし、日本のお産というものが百六十万のうち、病院であろうと自宅であろうと、それのうちの八〇%、九〇%というものは、これは病院でも助産婦がやっているのです。助産婦というものの志望者がありますか。年々二百人ぐらいしか出てきやしないじゃないですか。それは、あなたの方は学校をふやすなんて言ったって、学校がふえたって、卒業生の総数は同じゃないですか。これでは需給対策はできっこないです。教育の問題は別です。社会的に高い待遇があれば助産婦は多くなります。社会的待遇というものが先の問題です。それから後の問題というものはもちろんあるでしょうけれども、養成以前の問題として、社会的待遇、助産婦のあり方というものが根本問題なんです。それを一つもお考えになっていないじゃないですか。具体的にどういうふうなお考え方か、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(川上六馬君) 病院の助産婦の実態調査などをやりまして、そういうものから見ますと、確かに病院におけるところの助産婦の労働条件なんかもよくない。そういうことで、病院における、ことに産科あるいは魔婦人科などにおけるところの助産婦の定員制についての検討、それからどうしてもそういうところに助産婦が固定されますものですから、職階制などから考えて、必ずしも有利な、他の看護婦などに比べまして待遇は必ずしもよくない。それから超勤なども確かに調べてみますと多いのでありますけれども、それに対する手当が不十分だというような、いろいろそういう点がわかったわけでございまして、そういう点の改善を今後はかっていかなければならない。 それから、かねて先生からも御指摘がありました、今看護婦の定員で母子を一単位として考えているということで、そこにも確かに私は無理があると思っておりますので、そういう点の実情を今国立病院でもって調べて、これをどう改善していくかというようなことの検討をやらしているわけでございます。
○横山フク君 病院等において検討しているとおっしゃるけれども、この問題は保健所、病院、開業助産婦の三つの問題に分けてお話ししましょう。それでないとあなたはあっちこっちふらりふらり害われますから、それではまず病院にいきます。病院の方で、あなたは検討しておられるとおっしゃいました。あなたの方も検討する以前にわかっている問題じゃないですか。新生児に対しての、ベッドに対しての基準として、四ベッドに一人という看護婦ですね。これは助産婦も入っているわけです。これに新生児というのがゼロになっているんでしょう。ですから産科の方は、もう産婦も新生児も二人あわせて一人ということでベッドになっているんでしょう。ですから四ベッドに一人でも過酷なんです。それはわかっている通りで、あとで看護婦の問題でも申し上げるけれども、四ベッドに一人でも過酷なんです。ところが産科に関しては、八ベッドに一人という形になっているでしょう。それが過酷だということはわかっている。あなたが何も国のお金を四十何万もお使いになって調査をしなくてもわかっている問題です。それに対してどういう対策をお立てになったか、今度の予算では国立病院なんかでどういうふうな形をおとりになったか、これは予算に、点数に関係なく国立はできるのですから、それならそういうものに対してどういうような指示をなさったか、伺いたいと思います
○政府委員(川上六馬君) これは母子を一単位にするということに対しての無理があるということは承知いたしているわけでございますけれども、それで実際の国立病院の産婦人科病棟などにおきまして、どの程度やはりふやすことが適当であるか、それからそれが同時に医療費なんかに関係してくるものでありますから、もう少しそういうところを具体的に調べる必要がある。それから定員制につきましても、一年に百件以内というようなところが実は大部分の施設でございまして、ある程度以上のやはり取り扱い件数がなければ、助産婦の定数をきめるということもむずかしいというような問題がございまして、そういう点をもう少し検討しているわけでございます。
○横山フク君 私の方では検討できているのです。各病院でどこの病室にどれだけの人が配置されているか出ているのです。でありますけれども、厚生省ではお金をたくさん使って、私たち民間のけちなお金でやっているのができているのに、厚生省が莫大なお金を使ってできてないならけっこうです。それならいつまでにこれに対しての検討をなさって、どういう形でもってそれをお進めになるのか、目安を私に伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(川上六馬君) 今のように、すでに国病などについて検討さしておりますので、ほぼその結論が出て、そうして医療制度調査会の委員会にも諮りまして、やっていきたいというふうに考えておるわけでございます。これは健康保険の方では、正常分べんは御承知のように現物給付として扱っていないわけでありまして、やり方といたしましては、医療法の政令、改正でやっていくようにしたい。従いまして、これに要する看護費はこれは本人から徴収せざるを得ないという考え方でございまして、今そういう方向で検討いたしております。
○横山フク君 私は健康保険で扱っているとか扱っていないとかいう問題じゃないんですよ。本人からいただくとかいただかないとかという問題じゃないんです。その以前に病院においては何ベッドに何人の看護婦を置くという基準の問題です。これは一人々々の患者さんからお金をもらう問題じゃございません。病院としてそれだけの体制を整えなければいけない。規格に合わないという基準としての問題です。ですから健康保険であろうとなかろうと関係ございません。また本人からいただくいただかないの問題じゃございません。それ以前の問題でございます。
○政府委員(川上六馬君) ただいまのお説の通りでありまして、そういう病院の看護体制として考えて参りたいと思います。
○横山フク君 病院の体制として新生児の問題は、あるいは未熟児の問題はどういうふうにあるかということ、看護婦をどうするかということ、あるいは助産婦もつくでしょうが、どういうふうにするかということ、お考えになるんでございますね。私は未熟児のお金を国の方で、児童局の方でお取りになるのもけっこうなんです。お金をつければいいという問題じゃないんです。その未熟児を病院に入れる、でもってちゃんとした看護体制ができているかできていないかということが問題なんです。できていないでもって無理をしておいて、そうしてお金をつけても未熟児が成熟児に、あるいは完全な健康児になるわけじゃございません。現在こうしたしわ寄せができている。この問題を私は解決つけなければいけないと思う。でございますので、病院助産婦の実態はこれはもう先年度で大体の集計はできているように私は伺っております。早急にこれはお諮りになって、そうしてしかるべき線をお出しになるだろうと思うんですが、大体どのくらいのときに、どういう案として外部に御発表になるんでしょうか、その目安を承りたいのです。
○政府委員(川上六馬君) これは方向としては今申し上げましたように考えておるわけでありますけれども、一方助産婦の需給計画が関係してくるわけでございます。助産婦が現在のように、措置をする人が非常に少ないものでありますから、制度だけ作っても、すぐそれだけの助産婦の需要があるかというと、そこに心配があるわけでありまして、そういうことともまたにらんでいかなければなりませんので、もうしばらく日をかけて検討させていただきたいと思います。
○横山フク君 そこへお逃げになるのは、私は隠れ場所だと思うんです。逃げられないですよ。需給計画をお立てになっても助産婦になり手がない。助産婦になり手がないからそういう新生児の問題がおろそかになる。そんな問題じゃないんですよ。新生児は助産婦でなくともできるんです。看護婦でもできるんです、保健婦でもできるんです。でございますから、助産婦の需給計画に関係がないんです。同時に助産婦の需給計画といっても、あなたの方で供給する面をお作りなんでしょう。養成所をどんなにお作りになったって助産婦に入り手がないんですよ。一カ所に三人や四人のところしかできていないんですよ、できませんよ。御案内の通り三十一年のときから見ると個所はふえている。十八カ所が二十三カ所になったんでしょう。五カ所からふえているんですよ。しかし全体の卒業生はかえって減っているんですよ。今後養成所をどんなにお作りになっても、かえって減ってくるんですよ。ですけれども、私はこの問題にそんなに長くやっている時間がございませんので、これで一応打ち切ります。 それじゃ保健所における助産婦の需給計画はどういうふうにお進めになったんですか。
○政府委員(川上六馬君) 保健所の需給計画は、これは保健所は公衆衛生局が所管いたしておるのでございまして、私からかれこれ言う筋合いでもないかと思いますけれども、やはり現在保健所は約八百カ所くらいございまして、そうして実際に今保健所に働いている人が百七十人くらいだと聞いております。従って、さらに保健所に助産婦を置いてもらうようにしたいと思うわけでございます。
○横山フク君 私はそんなことならこの前も伺ったんです。保健所が八百何カ所で、それから百何十人しかいないということは。保健所自身も助産婦がなければならぬのです。なぜならば妊産婦の保健指導をするんです。実際お産ということを知らない人が——保健婦さんはその資格はございます。しかしお産ということを、最終目的のことを御存じない人が、できない人が実際の保健指導ができるはずがないんです。で、家族計画もございます。あるいは新生児とか未熟児の指導もございます。何かがございますから、保健所に助産婦がなければならぬことはわかる、必要性からいっても。また助産婦の将来を考えて、助産婦というものが今後によく働ける場所というものを考えてあげることが、助産婦になり手が出てくるわけです。そういうことを考えて、保健所には両方の意味からいっても助産婦がなければならぬし、置いてほしいんです。あなたがお考えになっているのはわかるし、公衆衛生局の主管であることもわかっております。しかし助産婦の監督指導をする立場にあるのは医務局ですから、医務局から積極的に公衆衛生局にそういうことについてお話し合いすると、この間おっしゃったが、お話し合いをなさったかどうかということを私伺っておるんです。しようと思っただけで半年たったんではかなわないと思う。
○政府委員(川上六馬君) 公衆衛生局長にもその話を申し出ております。
○横山フク君 それじゃ公衆衛生局長に伺いたいと思いますが、公衆衛生局長おられますか。——じゃ公衆衛生局長が来てからにしますから、その問題は一つ残しておいていただきます。 それから開業助産婦の問題はどういうふうにお考えになっていますか。どういうふうに処理なさったんですか。
○政府委員(川上六馬君) 開業助産婦は、現在実際働いている人が四万七千くらいおられるというように承知いたしておるわけでありますけれども、御承知のように分べん数が、出産率がだいぶ近年下がって参りましたことと、入院分べんが急速にふえておりまして、そういうことで助産婦の分べん取り扱い数というものが大へん減って、そこに問題があることは御承知の通りであります。何分平均年令が相当商いわけでございますから、今後十年もすれば相当なくなる人とかあるいは活動できなくなるというような助産婦さんが大へん多いと思いまして、この点を非常に心配いたして、埼玉とか千葉とかいうような比較的近いところについて、実際どうなっておるかというようなことについて少し調べてみたりしたわけでございますが、これはしかし現在むしろ過剰な状態にあるものでありますから、今助産婦の開業を希望する人も少ないわけでありまして、ただ私たちが少し心配している問題は、助産婦さんがその町村なら町村に一名しかいないとか、あるいは非常に少ないとかいう、そういうようなところで助産婦さんがなくなるということになると、大へん困る問題が起きるんじゃないかというようなことを心配しておるわけでありますが、結局そういうところにおきましては、やはり私はなかなか開業するということも容易ではないのではなかろうか。母子健康センターだとか、あるいは母子衛生課の方で考えておられるような、村で助産婦を雇って助産の便宜をはかるというような方法が、一番実情に即するのではないかというふうに現在は考えております。
○横山フク君 村で雇った方が実情に即するとは私も思うのです。私は開業助産婦ですけれども、開業助産婦でなければならぬと思っておりません。村で雇ったらいいと思います。しかし村で雇う助産婦がありますか、あるなら出していただきたいと思う。現在そこまできているということは、あなた御存じでしょう。あなたの方の厚生省の資料に平均年令五十八才と書いてあるのです。これはあなたの方の承認を得て私の方は資料を作ったのですから、下手な資料を出さないように一々承認を得ろということで、承認を得た。それに平均年令は五十八才、おそらく九十という人はいない、七十くらいまでのところでしょう。そうすると、十年間ですよ、下にも十年間ですよ。四十以上の人ばかりですよ。おそらく四十をこえている人が、その人が死んで村で一人もいなくなって、開業助産婦でなくても、村で助産婦を雇えばいいとおっしゃるけれども、それをどこから連れていらっしゃるのですか、それを伺いたいと思うのです。
○政府委員(川上六馬君) それはやはり比較的過剰なところの助産婦さんにきてもらうとか、あるいは病院の中で働いている人にきてもらうとか、あるいはわずかでありますけれども、卒業生の中からきてもらうとか、そういうような方法しかないわけでございます。
○横山フク君 よそで働いている人が四十なり五十になって、そこに定着している人がよその土地へ新規になりに行けますか。行けるだけの受け入れ態勢をお整えになっていらっしゃいますか。わずかでありますけれど卒業者をとるとおっしゃるけれども、一つの病院でだてや道楽で助産婦を養成しているのではないのです。自分の病院で働く助産婦を養成しているのです。わずか自分のところの助産婦の充足さえもできないのです。その中から、そういう村に連れて行かれますか、連れて行かれる態勢ができていますか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(川上六馬君) 平均平令が五十何才ということでありますけれども、年令別に見ますと、三十幾つ、四十というような階層の人もかなりおるわけであります。その辺はやはりそういう人を採用するだけの条件を持って、これを迎えなければならないというふうに思います。
○横山フク君 時間がたちますから、あとで社労委員会でいたしますけれども、採用するだけの条件を持って迎えなければならぬことはわかりますが、採用するだけの条件をどこでお作りになっているのですか、現在どこにもないですよ。この問題はまた社労委員会でもう一ぺん詰めます。結局詰めなければだめですよ、詰めますよ。 で、この問題は助産婦の問題とか何とかでなくて、日本の母体愛護という上から、ほんとうに考えなければならぬ問題にきておることは真剣におわかりになっているか。もうちょっと真剣に考えなければいかんと思うのですよ。同時に、どうしてそんなに助産婦になり手がないのかということを、あなたのおっしゃった教育制度の問題もあるでしょうけれども、助産婦の職業に対しての魅力がないのです。生活の道がないのです、はっきり言ったら。年をとってから開業しても、開業してやっていかれないということなんです。病院にも勤め手がないのです。病院の側は、看護婦さんと同じかあるいはそれ以下になっている、あるいは過重労働でもろて以下になっているのです。そういう形ではいけないから、開業助産婦のあり方、収入状態ということを本気に考えなかったら、なり手がございません。どんなに教育程度を下げてもなり手はありません。開業助産婦の生活状態というものを考えなければいかぬわけです。また同時に、病院の助産婦の待遇等も考えなければいけないと思う。看護婦の待遇も考えなければいかぬのです。もう少しそういうことに対して、真剣に厚生省の医務局がお考えになるべきはずであると思うのですけれども、ちっともお考えになっていない。厚生大臣どうお考えになりましようか。
○国務大臣(古井喜實君) 助産婦の問題は、お話のようになり手がないというむずかしい問題にぶつかっておるのでありますが、それでどうしてこの職業に魅力を持たせるか、収入、待遇等の問題もあるかもしれませんが、むずかしいところにぶつかっておるのでありますけれども、しかし妊産婦の死亡率の非常に高いことなどを考えますと、まことに事柄は大事なことだと思いますから、今までも関係の局で研究をいたしておりますけれども、一そう本気で真剣に研究していきたいと思いますから、今後の改善に一つ期待をかけていただきたいと思うのであります。
○横山フク君 時間もたちますので、一応今後の改善に期待をかけましょう。仕方がないから、かけられるかどうかわからないですけれども。でございますが、この問題は真剣に考えていただきたい。 もう一つ考えられますことは、病院に入院々々ということをお勧めになるのです。私はそれはいいと思うのです。私は開業助産婦ですけれども、入院して衛生的なところでお産をなさるということはいいことだと思っております。でございますけれども、それは究極の目的としての死亡率を下げるということ、いかに健康が管理されているかということで一つのめどになるのですけれども、入院施設の方へどんどんお入りになるのですけれども、死亡率はちっとも下がっていない。これは入院施設の分娩施設の問題じゃないのです。次長は首をかしげていらっしゃるけれども、実際統計をとってごらんなさい。実際に下がっておりません。相変わらず十七でずっときている。アメリカはかって日本の倍以上の死亡率があったが、今日はアメリカは日本の五分の一、七分の一に下がっているということは、統計ではっきり御案内の通りです。日本も施設がよくなって、かってはほとんど九九%まで自宅分娩であったのが、この節は都会地においては六割から入院分娩になっているという形、しかも、全体ではもう三割から四割くらいが入院分娩という形に、ここに資料がありますけれどもなっている。それでも死亡率は下がっていない、横ばいなんです。それはどこにあるかということを考えなければならぬと思うのです。それは母子衛生課の問題であると思うし、私はこれは社労委員会のこの次のときに伺いたいと思うのですけれども、それは抜きにして、私は、入院施設がいいと思う、入院しろ入院しろ、けっこうでございます。そうして入院の波に押されて開業助産婦が生活難になったということも御案内の通りなんです。ですから助産婦は魅力がない、せめてそれならば助産婦の開業していける入院施設を作りなさい。ところがその入院施設を作るためにはお金がない。医療公庫ができたからというが、医療公庫ではそれはシャット・アウトしている。農業者に対しても金庫がございましょう、中小企業にも金庫がございましょう、あらゆる面において低利の融資の道が開かれている。それなのに助産婦に対してはどうして医療金融公庫のワクの中にお入れにならぬのですか、それを伺いたいと思う。
○政府委員(川上六馬君) これはすでに申し上げましたように、現在の医療金融公庫で扱っておりますところの対象は、保険の方で現物給付でもって、いわゆるマル公の診療費でもって診療を行なっておるというような対象に限っておるわけでございまして、そういう点で、まだこの助産の方の費用というものが現物給付になっていない関係で、暫くその適用がむずかしい状態にあるわけでございます。
○横山フク君 私はそれは承知いたしております。でございますが、医療金融公庫を作るときも難点があったのです。新しく公庫は作らないでいいという方針であって、難点があったのです。しかしそれをどうしてもということで、押し切って医療金融公庫ができたのです。それは大蔵省の建前では、もうそういったいろいろの金融公庫をあれこれ作ることは煩瑣にたえないし、低利の融資の公庫は一つでいいじゃないか、中小企業金融公庫でいいじゃないかということでワクをきめたんです。それを押し切って医療金融公庫ができたんです。問題は押し切りなんです。それはほかにも例がございましょう。あるいは国民年金でもそうです。生別母子にはやらないといった、それが建前だといった。しかし押し切ったらば理屈がついてちゃんとできるわけです。押し切りなんです。その例をあげれば幾つもあると思うんです。助産婦の問題がほんとうに生活に困っている、そして、そういう先輩を見るというと、だれもなり手がない。そしてなり手がないのは助産婦というものの問題でなくて、日本の母子健康ということを管理する、その鍵を持っている助産婦になり手がないということは国家的にも考えなければならない。それに、たかだか医療金融公庫は現物給付であるからないから、さようでございますといって引き下がるくらいであったのでは、私はこの問題は解決できないと思う。今までどんな問題でも大蔵省で言われて、その趣旨でもってさようでございますかと引き下がっていやしない。厚生省でいろんな問題が出ても、みんなこの問題はといって押し切って、そして年金の問題もかつては掛け損といわれても、それは年金体制をくずすからいけないということでもって、死亡した人の死亡一時金というのを出さないことになった。しかし、世論についに押し切られて掛金を出すことになった。私はいいことだと思う。悪いとは言ってないけれども、ただこの問題に関する限りは現物でありますからないかというような形で、私がはいさようでございますかと言って引き下がっていて、解決できるかどうか。もちろん私はこの問題だけで助産婦の問題が解決できるとは思いません。しかし、同じ助産婦でもわれわれから見れば入院施設を持ったそういうところでやっていらっしゃる方々は、助産婦の人たちの中にあっても上に上がっていらっしゃる。そうして皆さん施設を持って近代化したいと思っても、先立つお金がないから困っておる。そういう人たちにそういう道を開いたって七十億の中のわずか一億にもならぬ。それさえも押し切れぬで助産婦のこの問題を解決しよう、やがてゼロになるであろう助産婦の問題を解決しようといったって、できる問題でないと思うんですが、厚生大臣、どうお思いになりますか。
○国務大臣(古井喜實君) 現在公庫の取り扱いの外にあるというわけは、さっき以来局長が申しているような事情でありますが、今のとりあえずは、この保険の対象というか、になっておるもの、そこを金融公庫が取り上げておるわけでありますから、出発の当初の経緯とか今後の必要とか、いろいろ検討してみる必要は十分あるように思うのでありますが、今のようないきさつもありますし、それから資金ワクの問題もありますし、病院などの関係でも金が足らぬというような状況でもありますからして、そこらをもう一ぺん研究してみた上にいたしたいと思います。
○藤田藤太郎君 これは横山さんが、この前社労委員会で議論されて、政府は約束をされた問題。きょう質疑を聞いていると、ちょうどこの前と同じような状態で医務局長以下質問に答えられているんですね。その助産婦が五十八才で、もう一年に何ぼ養成しても百人ぐらいしかないという状態で、病院の入院というものも、病院ができましたからありますけれども、病院へ行けば金が相当かかる、病院に行けない人が相当おる。たとえばさっき医務局長も言われたが、一人その助産婦がある地域でなくなられたら、もう補充のしょうがないという状態であるということは、この前にるる一時間も一時間半もかかって、内容について質疑があったんですよ、厚生省との間に。でありますから、私も横山さんの質疑ですから、あまり発言をせぬようにしておりました。しかし、もう何とか処置をしなければどうにもならぬというところへ来ている。皆さんも社会労働委員会で何とか対策を立てますというてから相当の月日がたっておる。それにいまだに同じような説明でおられるというのは、どう考えておられるんですかね。これは大臣はそのときおいでにならなかったかと思うんですけれども、医務局は直接の責任者ですからね、これは何とか対策を立てなければ大問題ですよ。私たちみんなが口をそろえて言わなければしないのか。私は国会の委員会というものは、問題点を提起し、そうして悪いところは直していくんで、そういうやはり行政をやらなければ、これは議員立法で法律案でも出して問題を処理しなければならぬということになってくる。そうなってきたら厚生行政の担当者としてはどういうことになるんですかね、大へんなことだと私は思う。そのために常任委員会制度が設けられて議論されて、できるだけ関係行政庁がこの問題を処理すると、どうにもならぬときに議員立法という格好になるわけですけれども、私はやっぱり責任内閣、そうしてその中の行政が区分されている厚生行政の行政庁が、この問題についていまだに無関心であるとしかわれわれ感じられないことでは、これは私はどうも了解がしにくいんですよ。もっと的確に一つ日にちを切って、いつ時分までに結論を出してどうするぐらいのことは、きょうおっしゃると私は思っておった。それが全然ないんですね。研究いたしますと、どうするんですか、将来この問題を。これは厚生大臣の問題じゃなしに、あなた方が十分にあのとき審議された問題ですから、医務局長、次長なりで決意をやっぱりここで述べてもらって、厚生大臣にも聞いておってもらって、それでやっぱり行政を進めてもらわなければ、それはちょっと無責任きわまると僕は思うんです。
○説明員(黒木利克君) 補足的に説明させていただきますが、助産婦の問題は横山先生から毎々御指摘の通りでございまして、私の方で事務的に今検討しておる段階について御報告を申し上げます。 この助産婦の問題の第一は、助産婦の需要を多くするという問題でございますが、そのためには先ほど局長が申された医療法上の問題がございます。これは病院助産における定数が、看護婦についてはベッドについていろいろ基準がございますが、その看護婦の中で適当な数を助産婦をもって充てるというような不明確な規定でございますので、この問題をはっきり規定すべきである。それに関連しまして、母子を一ベットというふうに計算をいたしておりますが、しかし入院当時は一ベッドに違いないのでありますが、分べんが終わりますと、新生児というものが生ずるわけでございますから、ただこれを二ベッドに考えるかあるいは一・五ベッドに考えるか、これはいろいろ問題がございますので、いろいろ専門家の意見を聞いて検討を続けておるという段階でございます。 それからもう一つは、保健所の勤務の助産婦の問題でございますが、これもはっきりした助産婦を置かなくてはならぬというような規定はございませんので、しかし横山先生の御指摘のように、保健所が妊産婦指導ということを大きな仕事の内容にしておりますからには、できるだけ保健所には助産婦を置かなくてはならぬというような規定を作ってもらって、この需要を多くしないというようなことを検討いたしておるわけでございます。 それから次に助産婦になり手のないもう一つの理由は、職階上の問題がございまして、産科病棟の婦長というような制度でも、助産婦をもって充てるということにいたしますと、かなり魅力があるわけでございますが、現在のところそういうような職階上看護婦と比べていかにも不利な条件にある。そこで少なくとも産科病棟の婦長は助産婦でなければならぬというような条件というようなものを規定いたしたいが、そのためにはどうしたらいいか。それから給与につきましても、看護婦並みの初任給なりあるいは昇給では不利でございまして、看護婦よりも一年よけいに勉強しておるわけでございますから、そういうような給与の条件について、一体看護婦とどれくらいの差をつけたらいいか、これも計数的にいろいろ検討をしておるのでございます。 それからもう一つは、特に分べんが夜多いというようなことから、普通の看護にプラス何と申しますか夜の助産というような問題で、普通の看護婦さんよりもむしろ夜勤が多いというような特殊の仕事でございます。そこで、何らかの手当の制度というものを別途に考究する必要がないかというようなことで、いろいろ検討いたしておるのでありますが……
○主査(東隆君) 黒木さん、ちょっと申しますが、二時までしか時間がないので、人を割り振っておりますので、簡略にして下さい。
○説明員(黒木利克君) すぐ終わります。ただ問題は、そういうようないろいろむずかしい条件の解決と同時に、この助産婦の資格というものをどうするか。先ほど御指摘がありましたように、看護婦の三年の教育中に助産を入れて、そうして助産婦と看護婦の二つの試験を受けさせる方法もありましょうし、あるいは保健婦、助産婦というようなものを一度に一年で教育をするという方法なり、あるいは助産婦について何らかの専門学校の制度を設ける、あるいは幾栄資金制度を設けるというような教育制度にも関連がございますが、結局、身分制度に関係がある、こういうことで医療制度調査会でせっかく分科会を置かれまして、こういうような助産婦なり医療従業員を中心にした身分制度の検討をなさっておりますから、そういうところに私の方でいろいろな案を提示いたしまして御審議を願い、日本の実情に合うような結論を早急に得たいと、かような準備をいたしておる最中であります。
○横山フク君 もう時間がありませんから、私は今の黒木さんのお話しは、速記録でもって見ることにしますが、今私伺ったところでも、相当反論するところがございます。ここだけのお体裁でおっしゃっておることがたくさんございます。そういうことは、私は社労の委員会でそれを申し上げたいと思います。で、この問題はこれで打ち切ることにいたします。 で、看護婦の問題ですが、この間四十八時間制を四十四時間制にするということで増員をなさいました、この問題で、ちょっと一応一分冊だけ……。 看護用具を購入した。それによって、四十四時間制の定員を充足するするというのを少し折れて、それを看護用具で補ったとおっしゃったのですけれども、ほんとうにこういうような形で妥協なさったのでしょうか。
○政府委員(川上六馬君) 四十四時間制に切りかえるために、今お話しの、一部は看護用具を整備するということで、看護要員、必要な要員の二割程度のものは、そういうような、たとえば電気湯たんぼに取りかえるとかあるいは清拭者を整備するとか、インターンをつけるとか、いろいろそういった看護用の機械、器具などを整備いたしまして、そうして能率を上げるということをはかったわけでございます。
○横山フク君 今のお話しですが、私は看護用具を出すから、それでもって四十四時間制の定員の不足を補うという形そのものが違っておると思うのです。四十八時間を四十四時間にしたための不足の定員は不足の定員で、看護用具を補ったって四十四時間は同じ。時間的にそれは拘束されておるのです。自由を奪われておるのです。その点から言ったら、看護用具で補ったって自分の自由というものは拘束されちゃって同じでございます。この問題がございます。しかし、これはまたあとでお尋ねいたしますが、それで四十四時間にしたって、実際の定員がそれだけなければ、充足してなければ、いかに四十四時間制にしたって、四十八時間も五十時間も働かなければならないというのがむしろ出ている。ですから、そんなものを四十四時間にしたって、少しくらいお金をもらったって、定員は四十四時間にはならないのです。私はこの問題は社労委員会でやりますが、それで用具で補ったと申しますが、用具で三千二百万円でしょう。時間がないと言ってしかられるから早く……。
○政府委員(川上六馬君) 国立病院の方では三千二百万円ですね。それから療養所の方では五千三百九十七万円。
○横山フク君 清拭用具を考えるとか、あるいは電気湯たんぼにかえるとかおっしゃいますけれども、これベッド当たりにして八百円にならないのです。電気湯たんぼ一つ買えないのです。買えますか、八百円で買えますか。清拭幾らになりますか。こういう問題は社労でいたしましょう。いずれ小柳さんお詰めになると思いますが、こういうことで折れたということ自体がおかしいのです。これでもって看護婦さんたちの待遇がうまくいったなんてお考えになったら、これは看護婦さんたちのほんとうの実態を御存じないのです。医務局ではもう三年前に看護婦の実態調査をなさったでしょう。その実態はおありになるでしょう。その実態調査に即していろいろの制度を改善しなければならない。調査というものは調査しっぱなしでは意味がない。調査によって改善するということに調査の目的があるのです。調査は調査で積み重ねて、実際は実際でやるというふうにちぐはぐでは、調査なんかしない方がいいのですよ。こういう点、私は非常に不満でございます。しかしこれは小柳先生の時間に入っておりますので、私は譲ります。きょうはいずれ関連許されるか許されないか、また次の社労で伺わせていただきまして、これで私の質問は中途半端ながら終わらせていただきます。
○小柳勇君 今の問題に関連しまして、この前の答弁で、月三時間の超過時間を取ってある。それから手当はそれだけで、機械三分の一、人員三分の一ということで千五百名増員しなければならないのに三百七名の増員ということで予算が組まれておる。時間がなかったのでこの前も私は追及できませんでしたけれども、四十八時間から四十四時間になるのに、これ一週間の時間ですが、月に三時間ふやしたこと、それから今言われたように、機械購入予算についてごくわずか、そういうことで四十四時間移行ができるのかできないのか。できるとすれば相当の神わざでなければできませんな。もう一回この点について御質問いたします。
○政府委員(川上六馬君) この前も申し上げましたように、まあ増長とそれから現在の欠員の補充、あるいは定員のアンバランスの是正、それから今の機械の装備、それから超勤の利用というようなことで私はできると考えておるわけであります。
○小柳勇君 四十八時間制が四十四時間制になる、一週間に四時間減るわけです。それにあなた方の予算では月に三時間分の超勤手当と、機械購入についてはわずかということで、定員は千五百人の中で三百七名しかふえていない。従って、これは物理的に不可能ではないか。この前の答弁で、空床のところの定員を持ってきて実際仕事をやるというふうなことも答弁してありますけれども、そういうことでは実際上、物理上不可能ではないかということですが、今やりますというと水かけ論でありますから……。私は、この前資料を要求しておきましたから……。しかもこれいつから実施されるのか、四月一日から発足する予算が組んであるのかどうか聞いておきたいと思う。
○説明員(黒木利克君) 四月一日を目途に準備を進めておるのでございますが、この切りかえの場合に、先ほど御指摘がありましたように、どうしても看護婦の増員をしなければなりませんので、その増員の定員化が実現しませんと十分な準備が整ったと言えないのであります。定員法の改正の御審議が四月一日に間に合いますれば可能だと思いますが、それとの見合いで転換の時期をきめたいと考えているのであります。
○小柳勇君 そうしますと、補充の看護婦、資格を持った看護婦はおるが、定員が法律化されないと移行できたない、定員で法律化されるというと四月一日からでも移行できるということですか。
○説明員(黒木利克君) さようでございます。
○小柳勇君 あと、この前の社労からの引き継ぎをいたしますけれども、小児麻痺の問題を質問いたしたいと思います。 小児麻痺が今年初めから今日まで、山口以西の地区、特に九州地方で流行を始めているようでありますが、この新しい数字について報告を求めます。
○国務大臣(古井喜實君) 数字を事務当局からまず申し上げます。
○説明員(高部益男君) 防疫課長の高部でございます。統計調査部を通しまして私どもが集められました最新の数字は二月の末まででございます。全国では二月の末までに小児麻痺は百九十三名、昨年の同期百六十九名、死亡者が本年二十一瓦、昨年十三名という報告になっております。県別に申しまして、御指摘の九州、その他面の方の総計になりますが、九州七県でございますると、患者数七十五名、死亡者数九名となっております。
○小柳勇君 二月までの統計しか出ておりませんが、どういうふうな情報なんですか。小児麻痺については社労でも再々質問いたしておりますし、今婦人並びに子供が非常に恐怖心を持っておるのでありまするが、私の方には三月の四日ころまでの情報がありますが、数字が相当違うのです。その数字をとられる経路について説明を願いたいと思います。
○説明員(高部益男君) これは医師が保健所へ届け出ました届出表に基づきまして、保健所が受け付けましてからその写しをとりまして県に出すわけでございます。県から前週の分につきまして次の次の週までに厚生省の統計調査部へ提出することになります。統計調査部では、それを製表という段階にいたしまして、翌週大体整理をいたしまして原局の方へ回してくるというふうな段階でございます。従いまして、総括的に申しますと、二月の末の週の報告というものは私どものところへ一番早くて約三週間ないし四週間おくれましてから到着するのが実情になっております。
○小柳勇君 それでは私の方の資料によりますと、九州七県で現在罹病しておりますのが百三十八名、昨年同期に比べ昨年は三十二名でありますから、百六名の増加であります。特に福岡県が二十二名、熊本県が六十四名、大分県十六名、宮崎県十五名、鹿児島県十九名、昨年に比べて相当の流行でありまするが、こういう情勢については把握しておられますか。
○説明員(高部益男君) 各府県からの数字のことは別段といたしまして、多発のおそれありという情報を先月の末から今月の初めにかけましてキャッチいたしましたので、私どもとしては早急に何らかの対策を立てる必要ありという判断に基づいて、現在担当官を当該地区に派遣して実情を調査中でございます。当然これは早急に策を練らなければなりませんということで、実情調査だけにとどまらず、担当官にある程度の権限を持たせまして、その範囲内では現地の衛生部長と直接に話し合いをしてよろしいということにして出してございます。
○小柳勇君 緊急対策に対して予算の裏づけがございますか。
○説明員(高部益男君) 御承知の通り、小児麻痺対策の大きな経費といたしましては、こういうふうな流行時に際しましては、伝染病予防費補助という費目がございます。その費目は、これは本年度も、おそらく来年度もそうでございましょうが、いわゆる補充使途という項目に大蔵省として指定しておられまして、ある意味では適正な実質額に対しては国庫は当然負担をすべきであるというふうな形で支弁する費目になっておるわけでございます。従いまして、現在ここに国の予算額がなくても、補正あるいは予備費の支出というふうな時期に、その部分は大蔵の方へ要求して、従来ともその部分についてはいただいておりますので、あまり問題はないと思います。 なお予防接種の経費の問題でございますが、これは当然緊急対策として指定予防接種を考えるべきだと存じますが、それにつきましても、都道府県あるいは市町村が臨時予防接種を実施する場合には、国は義務的にその経費を一定の補助率によって負担することになっております。これも同じような費目の範囲に入っております。従来の実績では、この小児麻痺につきましてはございませんでしたが、来年度から過般御審議いただきました予防接種法の一部改正に関する法律によりまして、そういうふうな支出ができることになりますので、やりたいと存じております。
○小柳勇君 その派遣された係官がどんな措置をしておられるか。それから緊急予防措置としてどういう対策をとられたか。二つの点を具体的に簡単に。
○説明員(高部益男君) ただいままだ帰って参りませんので、具体的な内容は承知しておりません。ただ、私が指示いたしましたのは、臨時予防接種を都道府県が積極的に行なうという意図を見せるならば、その範囲を明確にして、現在来年度予算も——もう来年度予算でございますが、大体。いただいておりますワクの中であるならば自由にやってよろしいというふうな指示でざいます。 それからその他流行時、各種の収容措置、それから清潔、消毒その他の関連措置というものにつきましては、現在、小児麻痺対策要綱というものが厚生省から地方に出ておりますので、そのワクで、どれだけの量をやっても差しつかえない。ただ、現実に市町村並びに都道府県の計画というものが問題で、あるから、その計画の内容指導を厳重にしてほしい、こういうふうに申してございます。おそらくその線で担当官は府県と連絡をして帰ってくると存じます。
○小柳勇君 全般的なものでの話はそれでいいのですが、このような、昨年予想しなかったような急激な流行の情勢ですが、今おっしゃったようなことでは、緊急予防措置をやっておるというまでに受け取れないのですがね。もう少し具体的にたとえばワクチンは足りるのかどうか、あるいは全国的のバランスの中から特にどういうことをしておるというようなことがあったら報告願いたい。
○説明員(高部益男君) 全国的な状況から申しますと、第一点にあげました担当官に指示いたしましたことは、先ほども触れましたが、臨時予防接種を含めまして、流行時における予防接種の強化でございます。従いまして、その内容は、現在緊急措置によりましてある程度の年令層までは予防接種が当該地区において大体八割くらいまで実施されている。従って残りの二割をとりあえずまずやるべきである。 それからこの新しい法律に基づきまして来年度から三才までの者の予防接種が行なわれることになります。これの繰り上げ実施を一応考えてよろしい。それから四才、五才、六才あたり、大体学校へ行くまでの者でございますが、これもある程度の条件がございますが、その部分は法律では臨時予防接種の方式しかとれません。その臨時予防接種の方式をとってもよろしい、ただその際に、他の府県その他のバランス等を見て、いたずらに臨時予防接種の範囲というものをただ広げるということは、特に年令の問題でございますし、それからとれは御承知の通り、全額公費負担という方式でございますので、定期の肩がわりになるような臨時予防接種方式というものは、これはちょっと検討を要するというようなことで、予防接種問題は指示してございます。 それから患者の早期発見並びにその診断の問題でございます。これにつきましては、とにかく数が多いとは申しますものの、都道府県防疫当局の手にかからないほどの数でございません。従いまして、地元の担当医師、必要によっては、地元の専門医療機関と協力の上、適切な一つ収容措置をとってもらいたいというふうに申してございます。それからあとは、先ほど申し上げましたように、大体地域消毒その他の関係を言ってあるわけでございます。
○小柳勇君 夏にかけて流行するという学説ですが、今まだ三月の末です。これから流行は盛んになるのか、今の程度でおさめるのか、見通しを、決意を言っておいてもらいたいと思います。
○説明員(高部益男君) 全国的に申しまして、おかげさまでこのソーク・ワクチンによる予防接種がかなり普及して参りましたので、見通しといたしましては、かなり患者減という方向でこの作用が及ぶであろうというふうに、見通しを立てております。 それからなお多発のおそれありやなしやという問題につきましては、一昨年以来厚生科学研究所をもちまして、学者グループにいろいろ御研究を願っておりますが、現在までの段階のところ、その予測の方式というものがまとまりませんので、一応私どもといたしまして、少なくとも府県単位ぐらいに——一部の学者の御意見等もございますので——行政的に多いのか少ないのかというような程度のところを一応きめて、その線に従って対策の強化をはかりたいというふうに考えている次第であります。
○小柳勇君 大臣、この小児麻痺の問題については、再三問題になりますが、またことしもこういうふうにして流行がきざしておりますが、これに対して、研究体制についての、あるいは実験体制についてのただいま予算は四億七千万になったと、大臣今説明されました。医者なり研究員もまた非常に少ないようでありますが、諸外国に、たとえば米国、ソ連などに比べまして、体制について非常に貧弱だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(古井喜實君) その点は、私も日本の必要にして、十分足るか足らぬか、専門的には判断できませんのでありますけれども、しかし、われわれとして最善を尽くすだけの手だては立てているはずでありますからして、とにかくこれだけの手だてをしておりますれば、力の最大限度まで、これに対応していくことができるだろうと、そういうふうに思っているところであります。
○小柳勇君 担当官の決意を聞きまして、私はそれを信頼しながら今後を見守って参りまするが、これがなお予防措置、治療措置についての手抜かりがありました場合は、大臣並びに担当官の責任追及すら考えなければならぬ、そういうふうな決意をもって、私、今質問いたしております。従って、万全の措置を、予防の態勢をとってもらいたいと思います。 次は、今のなまワクチンあるいは予防態勢についての実験措置などについて、具体的にいま少し御説明を願って、あとの、この九州たけではありません、ほかの方の予防を願っている国民に、一つ御説明を願いたいと思います。要点だけ簡潔に御説明を。
○説明員(高部益男君) 現在われわれのとっております予防対策といたしましては、昨年度対策に加えまして、ソーク・ワクチンによる予防接種の強化、拡充という線を加えて、仕事をいたす方針で現在考えております。ただソーク・ワクチンを単にやるかやらないかという問題じゃなしに、やるならばどの程度まで引き上げてやらなければならないかというところが、各地域とも非常に関心も持ち、かつ民衆も要望されているところでございますので、いろいろこの一月から三月にかけましての、緊急措置という名前のもとに行なわれました予防接種の実態の分析を、現在しております。それによりますと、諸外国の例、あるいは過去のわが国において、これは青森県一県だけでございますが、集団的に接種をいたしました実績等からみまして、どうも実施率が低い。しかも国庫負担の対象になる、いわゆるボーダー・ライン階層以下の実施率が低い。こういうふうな傾向を見せております。その意味で、もっと芸をこまかくいたしまして、ソークの普及をはかるということ、それから実施率の現在出ておりますところが、大体全国平均で、現在までのところ、七割七分くらいになっております。これはやはり小児麻毎予防接種というものが、単に個人にかかるばかりじゃなしに、いわゆる地域集団としての効果を期待しなければならないという関係からみて、やや低過ぎるのじゃないかということで、その実施率の向上ということを、一つの眼目にしているわけでございます。これには過般の閣議了解の線もございまして、民間にもいろいろと協力を求めるということになっておりますので、その線につきまして、現在各方面等に協力をお願いをしている段階でございます。 それからなお、昨年の十月以降、かなり社会として問題にして参りましたなまワクチン問題につきましては、この問題に御承知の通りに、弱毒生ポリオウイルス研究協議会というものがたまたまできておりますので、それにいただきました予算を全額委託いたしまして、研究を進めるということで、なまワクチンの採否について、早急に結論を求めたいという趣旨で現在進んでおります。
○小柳勇君 なまワクチンについて、日本の実験は今着手したばかりのようでありますが、ソ連から十万人のなまワクチンを、申し込むならば送ってよろしいというふうなことが明らかにされておりまするが、なぜソ連のなまワクチンは使いものにならぬのか、御答弁願います。
○説明員(高部益男君) もう十万人の問題につきましては、過般来、それぞれの関係団体等の御代表の方も、厚生省にじきじきにお見えになりまして、各種の御要望がございました。その際、これはやはりまあソ連にせよ、その他の国にせよ、行政問題ということよりは、まだ純然たる学問上の問題を含んでいる一つの品物であるという見解に立っております関係上、先ほど申し上げました弱毒生ポリオウイルス研究協議会というものの幹事の御意見を、われわれとしては聴取したわけでございます。そうしますと、現在のところとしては、これは国立予研を含めまして、どうしても安全性の検査ということの済まないワクチンは、一般国民に、たとい実験の名目のもとにおいても、実施することは早計である。従って国立予研の現在の能力、それから今後このソークの非常に大量な需要が出て参りますが、それの検定能力等を勘案いたしますと、現在入っているイギリス・ファイザーの試験用のなまワクチンの検定——安全性の検査ということだけで精一ぱいだもので、今のままの状態では、これは検査ができないと考えられるというふうな返事をいただいております。
○小柳勇君 大臣に御答弁を求めたいと思いますが、今のような御答弁によりますと、実験できない。実験設備が足らぬので、ソ連から送ってやろうと言っても、こちらではそこまで手が出ないという話であります。初めから質問しておりますように、小児麻痺がもう流行し始めて、世の母親は日夜非常に苦悩しておる。しかも、自分のからだで実験してもよろしいという人もたくさんおるだろう。そういうときに、実験設備が足らぬから、せっかくの申し出であるけれども、ソ連からのやつは辞退申し上げておる。そればかりでありません。情報によりますると、ソ連の保健大臣が日本の代表に不満の意を表明したということでございまするが、日本の政府から、好意々示したソ連の総評議会に対して抗議の申し入れが行っておるらしい。これは国際上の問題がありまするから、大臣、ここで言明はできぬでしょう。私は、そういうふうな薬とかあるいは医者の治療などには、国境もイデオロギーもないと思うわけです。十万人分のワクチンをもし日本の政府から申し出るならば、こちらの方から送ってやってもよろしいと、一週間あれば飛行機で冷蔵庫で送ってやる、そこまで言ってるらしい。そういうものを、日本で実験装置が足らぬとか、実験する人がおらないからとかで、向こうの好意はありがたいがこれは御辞退申し上げますでは、私は、厚生大臣の国民に対する愛情的な厚生行政ではないと思うが、いかがでしょう。
○国務大臣(古井喜實君) お話しのように、何も医学とか薬というものに国境があるわけじゃないでしょうから、どこの技術でも、どこの製品でも一こうかまったものじゃありません。一こうそういうことにはとらわれる必要はないと思います。ただ、生ワクチンの問題は、現に実験を始めておる部門もあることでありまして、とにかくこの実験をやって結論を出したいと。別に他を排斥する意味じゃありませんけれども、これを完成して早く結論を出したい。他の実験にかかりましても時間もかかることであります。こういうことでいっておるのでありまして、しかし、技術的、専門的に見て、どうしてもそれもこれも実験をするという必要があれば、これは一つの問題になると思いますけれども、今の実験体制で早く結論を出すと、こういうことを重点的に急ぎたいという考えで今は進んでおるような状況であります。
○小柳勇君 WHOの会議に対しては、多ヶ谷博士と二名の方を出張させるように厚生省はされたんですか。
○説明員(高部益男君) 予研の病理部長の安全検査の責任者でございますが、とりあえず今度の実験用のワクチンの安全性の検定を取り急いでおりますので、ソ連までは回れませんが、早急に、主としてアメリカそれからイギリスといったところへ海外出張できるような措置が済んでございます。それからなお江頭——やはりこれはヴィールス関係の責任者でございますが、たまたまWHOの方からのお話しがございまして、現在返事を待っておりますが、われわれとしては、早急にソ連を含めて、たしかプラーグの会議と思いますが、プラーグの会議に出席できるようにWHOに要請してございまして、おそらくこれは実現できるであろうという関係方面からの連絡がございます。
○小柳勇君 大臣の答弁、医療に国境はないということでありますから、私は、アメリカであろうとソ連であろうと、そういうふうな薬に対する積極的な活動を期待いたしております。 次に、治療薬のガランタミンとニバーリンのことでお聞きしておきたいと思うんですが、これも完全に治療薬でないようであります。私は医者でありませんからわかりませんが、しかし、病気しておる人は、わらをもつかむという気持でありましょう。それに、ニバーリンが羽田に五千本来ておる。それから二十六日の日にはソ連のチャコフスキ—号という船で二万七千アンプルのガランタミンが陸揚げされておるようです。これは税務署の合成に入っておるようでありまするが、こういうものについてまあ完全に治療薬でないにしても、病人としては使いたいという気持はありましょうが、大臣、この薬の処置についてどうされるか、お聞きしておきたい。
○国務大臣(古井喜實君) 局長から申し上げましょうか。
○小柳勇君 ええ、どうぞ。
○政府委員(牛丸義留君) 私からかわって御答弁いたします。 ただいまのガランタミンとニバーリンの国内輸入の問題でございますが、現在輸入申請のものが一社ございまして、それに対しましては必要の治験の例をつけまして来ておりまて、それに対して、小児麻痺の治療薬としてはなお検討の余地はございますけれども、しかし、小児麻痺による神経麻痺の寛解剤としては効果が現在の治験例によっても確認されるわけでございますので、小児麻痺治療薬ということの確認が得られないでも、現在すでにそういう寛解剤としての輸入を許可していいのじゃないかというような薬事審議会の御意見もございましたので、その申請に対して近く許可の手続をとりたいつもりでございます。従いまして、それよりも前からソ連のガランタミンの寄贈というものが総評を通じて私どもも承知しておりまして、これに対しましては従来は国内の治験用として輸入を許可してもらうように、これは大蔵省の関税当局の方に、税関の方に、私の方から無税で通関してもらうような交渉もしておりまして、一部そういう手続で入ったものがございます。最近また同様な種類のあとのものが追加して搬入されたということも聞いておりますので、それは同様の措置で国内に通関できるように、私どもは同じ条件で許可して差しつかえないとかように考えておるわけでございます。
○小柳勇君 そうしますと、五千本のニバーリンの羽田にありますのと、二十六日に着きました二万七千アンプルのガランタミンを全部治療薬として輸入を許可して使う、こういうことでございますか。
○政府委員(牛丸義留君) 前の計画の一環としてでございますので、厚生省としては無料の通関差しつかえたしという意見を大蔵当局の方には連絡するつもりでございます。従いまして、通関の手続その他につきましては税関の方で御連絡があると思いますが、私どもとしては、治験用の例としてのものであるならば差しつかえない、こういう見解でございます。
○小柳勇君 厚生省の方のそういうふうな治療に対する政策に対して、税関の方でどうでしょうか。すなおに了承して、これが国民の治療薬として使われるような見通しでございますか。
○政府委員(牛丸義留君) 今までの例では、大体厚生省の意見に対して大蔵省の方では通関をさせておるようでございます。従いまして、書類上の手続とかその他の雑務的なもの以外の理由では別に支障はないのではないかというふうに私は承知しております。
○小柳勇君 それでは、この問題はまだ詳しく聞きとうございますけれども、次の問題がありますので、以上にしまして、また社労委員会で詳しく質問をいたしたいと思います。 次には、初めの医療行政の問題について質問いたしますが、看護婦の勤務状態について、夜間勤務について、この前ちょっと触れましたが、夜間一人でいる回数が常にあるということ、これは労働基準法の問題になりますが、女子でありまするので、一週間に何回にするとか、一カ月に何回にするというような夜間勤務についての特別の配慮をやる必要があるのではないか、それが一つ。 それから、この前申しました休みと半どんとのかね合い、こういうものについて、いま一度政府委員から説明を聞いておきたい。
○説明員(黒木利克君) 深夜において看護婦の一人勤務制をとる病棟が現在ございますが、これは患者のうち主として軽症患者でございまして、容体の急変の予想されるような患者さんにつきましては、こういうような軽症病棟には収容いたしませんで、一時的にそれが予想される場合には、それに必要な看護婦を配置するとか、または必要な連絡措置等を特に命じて万全の措置をとっておりますので、一人勤務制による支障は、私の方はあまりないというふうに考えております。ただ、一人勤務制による休憩とか、休息時間を確保してほしいという要求が職員からあるのでございますが、これら職員の業務が時間的に非常に繁閑がございまして、かつ毎日定期的に繰り返されておるのでございます。そこで、各施設がそれぞれ実情に応じまして、業務の繁閑等を見合わせて、おおむね一定時間に適宜そういう休息なり、休憩をとるというような状況にいたしておるのであります。従いまして、今後も一人勤務制は実施を続けざるを得ないと思いますが、しかし、お説のような御趣旨もございますので、十分今後検討さしていただきたいと思います。 なお、第二の質問の四四制の実施に伴いまして、四時間という時間が今度は休みになるわけでございますが、私の方の計画では、できるだけこの四時間は一括して認めるようにいたしたい。しかし休日の前日に、そういうような半どんを全部の人について認めるということは、看護婦の性質上から言って、物理的に非常に困難があると考えますので、原則としてそういうことはとれないのでございますが、しかし、各施設の実情に応じまして、できるだけそういうような運営をやるように施設に工夫させたい、かように考えております。
○小柳勇君 夜勤回数は月の勤務の四分の一以下にしていただきたいというような全医労の要求もありますので、一つそういう線に沿って御検討いただきたいと思います。 それからこの前の社労で御検討願っておきました病院の統廃合について御検討なさった結果を報告願いたいと思います。
○説明員(黒木利克君) 病院の統廃合の問題で、第一の問題は療養所から病院に転換をするという問題がございます。来年度の予算におきましては、五カ所の療養所を病院に転換をするということで御審議を願っておりますが、なぜこういう転換をするのか、また転換に際してどのような措置をとるかという問題があるわけでございます。 それについてお答えをいたしたいと思いますが、病院に転換する療養所は、各地区の医療需要が結核よりも一般病院としての要請が強いというようなことで、つまり地元の要請が強いので、療養所を病院に転換をするというのでございます。しかも、現在この転換する療養所は、総合病院的な色彩が非常に濃いのでございまして、地元の人たちの、総合病院をこの地区にほしいというような要請にこたえるためのものでございます。 ただ、このことによって結核対策が後退するのではないかというような御批判もございますが、実はこういう地域の結核病床は全国平均よりも高くて、療養所を病院に転換いたしましても、結核対策の後退は考えられないというような判断をいたしているのでございます。なお、転換に際しましては、必要な施設整備をする必要があるというので、従来の施設整備費の一割増、千二百五十五万円を整備費の増額に充てまして、同時に看護婦がこれによりまして増員の必要があるというので、五十七名の看護婦の増員を行ないまして、転換をいたしたい、なお、入院する患者の療養費は、従来通り結核については二割引きその他については一割引き、これは従来通りの取り扱いをいたしたいというような転換措置を考えているのでございます。 それから次の統合の問題でございますが、実は先般申し上げましたように、結核対策の根本は、何といっても結核の治療に当たる専門医を確保し、これを教育する、養成をするということでございます。そのためには、現在各医科大学にはあまり期待ができませんので、国立療養所自体でやはり自衛的な手段を講ずる必要がある。そのためにはどうしても各ブロックに結核の基幹療養所といいますか、病院というようなものを整備する必要がある。そうして結核の医師に魅力を持たせる必要があるというようなことで、とりあえず九州地区と関東地区とに一カ所ずつそういうような基幹結核病院といいますか、というようなものを整備することにいたしたのであります。従って、統廃合のためにそういうものを作るということではなしに、結核対策の基本的な対策として基幹療養所を作るというような意味でございます。従ってこの九州地区、福岡地区におきましても、そのために他の療養所を廃止するというような考え方ではないのでございまして、ただ、福岡の古賀市という所に三つの療養所があるのでございますが、その一カ所の敷地に基幹結核療養所を作って、これが、主として治療等が中心になると思いますが、この三つの施設がそれぞれ近代的な結核の施設を利用する、こういうような建前でいるわけであります。しかし、この地区の結核患者の推移にかんがみまして、この地区にこれだけのベッドなりあるいはこれだけの数の結核療養所が必要でないというような推移が判然といたしました場合には、これを先ほど申しましたように病院に転換するなりあるいは精神病院に転換するなり、その節考えて参りたい。こういう趣旨で今回の基幹療養所計画というのは予算の御審議を願っているわけでございます。
○小柳勇君 時間がありませんから、大臣に総括的に質問いたしますが、この病院の統廃合については、一番大事なことは、患者さんと職員が納得して、話し合いの上で決定するということが一番大事なことであると思うわけです。患者さんを犠牲にしてもなりませんし、職員を無理にここはやめるのだから、お前はほかに行くべきだというようなことではいかぬと思いますが、その点について大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) 今のようなわけで、統廃合は合理的である限りはやはりやっていかなければなりませんけれども、お話しのような患者、従業員の扱いということは、実際問題として非常に重要でありますから、よく納得を得るようにして、それからまた適当な配置がえをする行き届いた行き方をしなければなりませんから、その辺をよく心得て、円滑にやっていきたいと思うのであります。
○小柳勇君 細部の問題はあとで局長に質問いたします。 病院ストの問題について大臣に質問いたしたいと思いますが、今なお国立病院においても、その他の病院においても、世間でいわれる病院ストというものが解決いたしません。雑誌や新聞あるいは報道機関の討論会などによりましても、厚生省の医療行政というものがお粗末ではないかという意見すら聞きます。そういうような病院の診療管理、経営管理、労務管理、まあ大きく言って三つあると思うんですが、厚生行政の中の診療行政については、非常に技術的に今まで意見を聞いて参りました。ところが経営管理や労務管理についてはおざなりになっているのではないかという気がいたします。従いまして、病院の経営管理及び労務管理についてどうするかという基本的な大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
○国務大臣(古井喜實君) その点が非常におくれた一面になっておりましたので、それで去年の暮れから特にこの経営管理——それには労務管理も含まれておりますけれども——を中心にして実際の経験家、専門家などに集まってもらって懇談会でもって、まず三月までをめどにやって下さいという期限付のようなわけで、無理を言いながら大いに審議を進めてもらったわけであります。これは非常によい成果をおさめると私は見ておりますが、近いうちに第一回の、この三月という期限を切ったものに対する答申というか意見が、まとまって出てくるようでありますが、非常に熱心に検討してもらって、非常に有益な意見がまとまったようでありますので、これを今度は実際に移して、実行に入るようにしたいと思いますので、この問題は全部が解決とは申しません、制度的な問題などもありますから、その点は第二段になりますけれども、今の制度のワク内における最善の意見と思いますので、近いうちに得られます返事を待ち、実際に移す、こういうことにいたしたいと考えておるところであります。
○小柳勇君 それでは時間がないようでありますから質問いたしませんが、この前参考人を呼んで聞きましたあの病院の経営者の意見を聞きましても、非常に経営管理並びに労務管理についてはお粗末なものを感じております。従いまして、病院ストと言われるものが早急に解決するように、職員の生活水準の向上なり、あるいは施設の改善なりに一つ積極的に厚生省の方も指導監督をしていただきたいと思います。最後の問題については後刻質問いたします。
○中尾辰義君 私は四点についてお伺いしたいと思います。一千億社会保障のスローガンも、結局は公共投資あるいは減税等に圧迫されまして、まあ第三位、オリンピックでいえば銅メダルをどうにか獲得した、こういったような工合になるわけでございますが、それでもどうにか六百二十九億九百万の増を厚生省予算として示しておりますし、この約六百億の予算が低所得者にどのようにプラスになったか、こういう観点から若干お伺いいたします。 まず、国民健康保険の問題でありますが、これは四月一日から全国皆保険制度になるわけでございまして、市町村団体も非常に関心を持っておりますし、それで最近における国保の普及状態それから国保の財政状態、赤字市町村の数あるいは赤字額あるいは医療給付の給付率の状況、これを承りたい。
○国務大臣(古井喜實君) 皆保険の一応の体制はできたわけでありますけれども、内容の充実向上という問題は残っておるわけでございます。その前に、実施の問題でありますけれども、大都会をかかえた京都など非常に実施の問題で困難もあったようでありますけれども、やろうと、こういうところに来まして、今市会で具体問題を審議しておられるような状況で、とにかくも実施は全国的に予定通りできると思っております。内容の充実改善の問題は、これは残っております、全体的に残っております、今後の大きな問題点だと思っております。給付率の点、それから給付率を上げたいが、上げれば国保財政というものは非常に困難を起こす、これに対する国の財政援助の問題、ここはまだ問題が残っております、これからの問題点だと思っております。
○中尾辰義君 毎年々々赤字の問題が地方団体においても大きく取り上げられておるわけでありますが、大阪府下の吹田市の例では、三十四年末の赤字が六千万円近くに達しておりまして、一年間の道路、橋建設等の都市計画を合わせた額に匹敵しておる。あるいは大阪府の布施市においては一千六百万円ぐらいな赤字、またこれは大阪市は今回八割給付になると、今度実施の段階に入るわけでありますが、これでも約六億七千万の赤字をすでに予算計上しておるわけでございまして、こういったような赤字が地方公共団体を圧迫してくる、そうして自主財源の乏しいところに、しかもこれがまた厚生省関係だけでなしに、いろいろと各省からのしわ寄せが来るわけでございまして、非常にこういう点におきまして厚生省当局の努力を願っておるわけでございますが、それで新年度におけるところの医療費の値上げもございましたが、見通しはどういうふうになっておりますか。
○説明員(山本浅太郎君) お答え申し上げます。三十四年度におきまするいわゆる不健全と申しましょうか、赤字を持っておりまする市町村の数は百三十でございます。この中には今御指摘のようないろいろの事情がございますが、中には理事者側におきまして当然今日の必要な経費に見合うところの保険料を引き上げてもらうべき場合、他の市町村に比べまして著しく低い、そういうことで赤字になっておるような所もございます。またその他やむにやまれない立地的な事情等もありまして赤字がある、赤字にもいろいろ事情がございます。従いまして厚生省といたしましては、どうしても本来的にこういう赤字になるのについて、もっともな不可避的な要素も相当あるといった内容を十分検討いたしまして、過去の赤字につきましては調整交付金でその半額程度までは補っていこうというような措置を講じておる次第でございます。 それから明年度の財政の見通しでございますが、おかげをもちまして全体的に見まするというと、こういう赤字を持っておりまする市町村はだんだんと解消されて、数は減っていく傾向でございまして、明年度の見通しといたしましても、全体といたしましては円滑に推移するものと見ております。なお、医療費の値上げ等につきましては、それに対応いたしまする国の財政措置も特別に講じておるような次第もございまして、だんだん国民の理解を得まして、健全に運営されるものと予想いたしております次第でございます。
○中尾辰義君 それで、国民健康保険の方に特別対策部としまして十五億円が組まれておりまするが、この十五億円では十分ではないということはもう明らかでございますし、また厚生省の方では、約九億五千七百万ですか、こういうものは一つ地方団体の方で保険料を上げるなり、あるいは一般会計から繰り入れるなりやってもらいたいとか、こういうように伺っておりますが、こういうものが非常常に困るわけなんです。で、結局二割五分というものは国の方で負担するから、足らぬ分はお前のところでやれ、これではどうしても責任が少しなさ過ぎるように思うわけなんです。この点いかがですか。
○説明員(山本浅太郎君) 御指摘のように、数字はそのようでございますが、御案内の通り、来年度からは結核、精神病という国保を非常に圧迫しておりました疾病のうち、世帯主につきましては公費負担の制度に変わるわけでございます。従いまして市町村の保険者といたしましては、従前、そういう経費を国民健康保険の財政でまかなわなければならなかった面が解消いたしますので、実体的な負担増といいますか、そういうものは前年末に比べますと相当軽減しておる事情も一面にございます。従いまして、私どももこの十五億で確かに十分とは申せなかったのでございますけれども、そのような一面の事情もございますので、市町村の負担にいたしますと、そう過当な数字でないので、まあ一つがまんしていただきたいという御理解を得ておる次第でございます。
○中尾辰義君 あなたの方ではそうおっしゃるかもしれませんが、やはりやってみれば、これは保険料の未収等もありますし、また事務費等の足らない分も出て参りますし、それで、現在国民健康保険は市町村単位でまかなわれておるわけでございますから、これを県単位にやったらどうか、このような意見もあるようでございますが、その点に対して厚生大臣はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(古井喜實君) これも市町村単位では少し単位が小さ過ぎるんではないかという論も聞くのであります。で、これにももっともな点があるように思うのでありますが、ただ県と申しましても大小いろいろございまして、一律に考えてしまっていいかどうかもわかりませんし、それからまた、その他の技術上の点もあるようでもありまして、研究問題とは私も実は思っておるのでありますけれども、それじゃ単位に移行するんだと申しあげる段階までは、まだ来ていない。まあ研究問題としてかかえている状況であります。
○中尾辰義君 それでは大臣に、もう一点お伺いいたしますが、国民健康保険は、御承知の通り非常に低所得者が多いわけでございまして、いわゆる政府管掌の、健康保険組合管掌の健康保険あるいは特別健康保険が、非常にいいところはみなそっちの方に取ってしまった。あとは残りかすでもってまかなっておる。それで非常に給付内容も低いわけでございますが、保険といいますれば、どうしましても十割給付でなければあまりありがたみはないわけであります。ですから、まあある団体等におきましては、非常に不評を買っている。それで、まあ七割給付ということも前々から非常に論じられておりますし、前の中山大臣も相当これを検討されたわけでございますが、それで、この七割給付にした場合に、一体、どれくらいの金額が要るのか、また、七割給付にした場合に、それを国庫負担でやるのかあるいはまた保険料を上げるのか。また、それが実際問題として七割給付というものがやれる見通しがあるのか、そこら辺のところを厚生大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(古井喜實君) まあいろんな医療保険がばらばらに対立しているような格好、分立しているような格好になっておりまして、しかもその内容がつり合いがとれていない、これはお説の通りであります。ことに国保というものが、給付率も低いし、またさっきの、財政も苦しいと、こういうような状況でありますが、全体的にそれを同じようなレベルに調整するということが一つのぜひ考えなければならぬ将来の問題だと思うのであります。一緒くたにしてしまうかどうかということは、これは大問題でありますけれども、給付内容をつり合いをとらせるということは、どうしても大事なことでありますので、それには国保の方を引き上げる、これが非常に重要だと思うのであります。まあ、何割まで上げるかどうか、また、いつやるかということは、これはいろいろ考えなければならない問題ですから、軽率には申し上げられませんけれども、引き上げる方向でこれは取り組んで考えなければならないと思うのであります。ただ、お話しがありましたが、十割給付というのが理想だと、こういうことでありますけれども、私はこれはちょっと問題だと思っております。かりにわずかでもやっぱり患者が負担するということにすることが医療の進歩のために必要だと思うのであります。やはりお医当を選ぶにしてもそれからほんとうにお医者にかかるにしても、若干でも自分の負担があるから、患者——国民全体がよく考えてかかるようにするのであります。この辺からいうと、そうなるから、またお医者の方もすぐれたお医者とそうでないお医者との差もついてくるのであります。で、私はこの十割給付ということは、これは一ぺん再検討してみないと——今日のこの給付を落とそうとかいうことを言っているのじゃありませんけれども、基本的に、一体、医療のためによいことか悪いことか検討してみる必要があるのじゃないかと思います。ただし、今の国保の五割、まあ、結核、精神病、世帯主は例外にしましても、五割というのが高いか低いかといえば、これはどうも低い、何とか上げなければならぬ、上げる方向で取り組んでみなければならないと思っております。
○中尾辰義君 今の医者の巧拙判定のそういうところは、大臣がそう御心配にならなくても、これは国民が、上手な医者は繁栄していきますし、また下手な医者は信用がなくなる。そこらのことはこれはお医者さん次第であって、当然考えておるわけでございますから、それほど私は心配要らないと思います。 それでは次の質問に入りますが、今度は生活保護の問題でございます。これも若干上がりまして、現行標準五人世帯の九千六百二十円を一万一千三百四十一円に引き上げる。つまり千七百二十一円の増になったわけでございまして、この点は厚生大臣に敬意を表するわけでございますが、しかしまだ憲法第二十五条の趣旨に基づいた健康で文化的な生活はできない、これは事実でございます。それで、総理府統計局の家計収支の実態調査によりましても、全国平均が二万五千円だ、一番低いところで鳥取県が一万七千六百五十三円。そこで、最初厚生省としましては、二六%アップを要求なさったわけです。それをあっさりと一八%に認めたというのは、どういう理由に基づくものであるか、この点をお伺いしたい。
○国務大臣(古井喜實君) 二六%を、あっさり一八%にぶつ込んでしまったわけじゃないのでありますが、同時に一八%アップで、これでもう満足だ、こう思っておるのでもありません。ただ、時おり申し上げるのでありますけれども、いわば今までが低い、低過ぎた。今までほったらかしになり過ぎておった。一挙に完全無欠に解決するという行き方はなかなか実際問題としてはできない。一八%というのは今までの例からいうと、いわば想像の外のような引き上げ方であり、それだけこの段階では引き上げるということだけで大きな前進になる。ただし、完全になったかというと、そうも思いませんから、今後さらにこの問題は考えていきたいと思うのであります。
○中尾辰義君 それで、所得倍増計画から見ました場合に、十年後において所得——賃金が倍になると単純に考えた場合に、そうしますというと、やはり所得の格差というものも多少縮まってきますし、そうすると今の保護基準というものは、十年後においては二倍ないし三倍になる、その点はどうですか。
○国務大臣(古井喜實君) 所得倍増も自分の力でぐんぐん伸びられるものが伸びたからといって、別に政策のおかげじゃないので、伸びにくい方を伸ばしていくことが重点だろうと思いますから、伸びにくい方もこの政策の結果伸びていくという結果を大いに望むし、期待したいと思うのでありますが、それにしても、格差が自由主義社会においてなくなるはずはない。そこで、その格差をやはり詰めていくというものとしては、社会保障つまり伸びる方の所得というものを間接的に伸びない方に振りかえていくということで格差を縮めるという問題がどうしても残るし、社会保障としての大きなこれは役割であり、かつ経済成長政策と密接不可分な、ほとんど一連のような深い関係があると思うのであります。そういう意味では成長政策とからみあって、こっちの方も並行して考えていきたい、そういう行き方をすべきものだろうと思うのであります。
○中尾辰義君 勤労控除が今回五〇%上がったわけでございまして、私は非常に富んでおりますが、生活保護者が三千円、四千円内職をして得たわずかな金を控除するのはけしからぬというようなことをよく耳にするのでございますが、今回二十六日以上稼働した場合には五%〇以上は控除する、こういうようなことで幾らか満足したわけでございますが、これも将来一つ、何しろ自立助長、また勤労意欲を喚起するのはどうしても勤労控除をもう少し大幅に引き上げることが大事じゃないかということを思っております。この点は要望だけいたしておきます。 それから次にお伺いしたいのは、社会福祉施設の従事者の待遇の件でございますが、これも全国で施設が一万三千、民間が約五千七百六十四。従事者の方が全国で七万七千、民間経営が三万六千八百九十一と、こういったような数字を示しておりまして、大体四五%内外というものが民間経営である。そこで民間経営でありましても、こういったようなことは当然国の責任として、社会保障の一環としてやらなきゃならない。やることは公立であろうとも私立であろうとも、これは同じだ。ところが非常に民営の方は給料が安い。特に保育所の保母さんに至ってはひどいわけです。これも一今回若干アップになっておりますが、これを比較しますと、保母さんの公立の場合、これは全国平均が九千四百六十円、それから私立の場合七千三百六十二円、こういうふうに出ておりますし、またこれをば公務員の給与に換算しました場合、幼稚園の保母と小中学校の教員とを比較した場合に、幼稚園の保母さんの方は初任給で九千百円、五年目が一万三千二百円、十年目が一万人千百円、それから民間の保母の場合は六千二百十四円、五年目が七千四百九十三円、十年目が八千八骨九十一円と、こういうような数字が出ておるわけでございます。多少昨年の補正予算後のアップもございますけれども、この点は何とかこれをしていただかなければ、非常に私はかわいそうだと思うのです。この点大臣の御意見をお伺いしたい。
○国務大臣(古井喜實君) 全く同感に思いますので、それで民間の関係も含めまして、去年の暮れ公務員と同じように一律のベース・アップをやったほかに、社会福祉施設に勤める保母さんなどの給与につきましては、土台を直すという意味で七・五%特に引き上げようじゃないか。そういうわけで予算の措置もしたようなわけでございまして、これでもう済んだものと思っておりません。おりませんけれども、今までこれをほってあったのはおかしいと思う、何年も何年も。こういうわけで、一どきに全部は解決できませんけれども、とにかく相当な今回新しく解決の策を講じたという点だけはお認め願っておきたいと思うのであります。
○中尾辰義君 七・一五%のアップがあったわけでございますけれども、ほとんどこれはわずかでございますね。大してあまり足しにならないわけです。かりに八千円としまして七・五%を上げてみたところでほんのわずか。予算の関係でこうなったと思いますが、いずれにしても保母さんもやはり保母養成所、学校を出て資格を取った専門家なんです。そこで東京都の調べによりますと、非常に一年間の退職率が多いわけです。読んでみますというと、在籍者が、これは東京都の調べでございますが、保母さんの場合で四千百五十二名、年間平均退職人員が一千二十六名、退職率は二四・七%、このような数字を示しておるわけです。結局保母さんなんかになったって大して給料ももらえないからと、だんだんと減っていくわけなんです。こういったような点をもう少し熱意を持って考えてもらいたいと思うのです。 それからもう一点は、保育単価の問題でございますが、この給与財源の仕組まれ方が、園長も保母もその他職員も込みで一人幾ら、こういうようになっておりますが、これも甲地、乙地、丙地とありまして、目地が一万円ですが、乙地が七千八百円、丙地が六千八百円、これを一山百文で込みで幾らというようなことは、これはどうも常識で考えてもおかしいと思うのですが、この点はいかがですか。
○政府委員(大山正君) 現在措置費につきましては、お話しのように職員給与につきましては一人当たり幾らという平均給与でこれを支出するようにしておるのでございますが、それらの配分等につきましては施設長におまかせするというような考え方から、そのような措置を講じておるわけでございますが、今後この問題につきましては、給与の問題も非常にむずかしい問題になっておりますので、検討してみたいと、かように考えます。
○中尾辰義君 時間がございませんから、最後に一点だけ屎尿処理の問題につきましてお伺いしたいと思います。 一月二十九日の第一新聞にこういうものが出ております。「太平洋黄金に染まる」という見出しで、「東京、横浜等から東京湾口大島附近に一日一万三千八百石も糞尿が海上に投棄されている。ひどいのは夜の暗さにまぎれて指定地以外の地で捨てられている。これがため千葉県や神奈川県の漁業組合は大へんな被害を受けている。まさに漁民の死活問題である。千葉県漁業組合長はこう語っている。「ここ数年海に大量のハエが出たり、ウジがたくさん発生し、非常に心配している、ただでさえ沿岸の水産資源が枯渇の一途をたどっているのに、糞尿に押し寄せられたのでは漁場を失うばかりでなく、保健衛生の面でも大問題だ」と猛烈な反対運動を起こし、また「投棄地点の問題ではなく、海上投棄そのものがいけない。どこにそんなところがあるか。」、まあこのように非常に反感を抱いておるわけであります。それでこういったようなことは、東京だけでなく、大阪、堺、尼崎付近にもございましたが、オリンピックを前にいたしまして、これは早急に対策を講じなければならないと私は思うわけであります。それで、全国のこの屎尿処理状態の現況はどうなっておるのか、それをお伺いしたいと思います。
○説明員(聖成稔君) ただいま御指摘の問題でございますが、最近における都市人口の膨脹あるいは化学肥料の出回り等によりまして、従来わが国において古くから行なわれておりました屎尿処理方式である農村還元という道が、年々極度に行き詰まって参りまして、そのために、今、中尾先生が御指摘のように、やむを得ず海上投棄というような非常手段が行なわれておるわけでございますが、これにつきましては、特に海流関係その他を厳重に調査をいたしまして、一定の禁止区域が設けられておるわけでございます。ただいまお話しのございました房総半島方面における問題も、私どもよく承知いたしておるわけでございますが、先般、東京、川崎、横浜、横須賀これら屎尿の海上投棄をやっております都市の清掃関係の者を招集いたしまして、その禁止区域内における投棄をしないように厳重に警告を発しているようなわけでございます。 根本問題としましては、やはりこの一番理想的な方法は、下水道の整備によりまして便所を水洗化して、いわゆるくみ取り便所というものをなくしてしまうということが最も大切であるかと思うのでございますけれども、わが国では現在まだ下水道が整備され、しかして末端に終末処理場が完成いたしまして動いておると、こういうような形態になっております都市が、まだわずかに二十二都市といったような現状で、約五十都市が現在その終末処理場の工事を施行中なのでございます。ですから私どもといたしましては、下水道計画のある都市につきましては急速にこれを進めまして、そうして下水道の整備によって次には便所の水洗化をはかって屎尿問題の解決をはかる、これを一番の理想的な方法としてやっていくわけであります。それからくみ取りの集められました屎尿につきましては、屎尿消化槽その他の処理施設を設けまして、これによって完全な衛生的な処理をやっていかなければならぬわけでございますが、現在かような施設ができております市町村の数が約百ヵ所でございます。それ以外に工事中のものがなお六十カ所ばかりございまして、引き続いてこれらの施設の整備に今急いでいるわけでございます。 かような状態でございますので、現在においては沿岸地滞におきましては相当の分が先ほど御指摘のように海上投棄が行なわれるというようなことは、やむを得ず非常手段としてやっているわけでございますが、十カ年計画を立てまして、これによって一方に下水道の整備、一方に屎尿処理施設の整備というものをはかって参りまして、そして十カ年後には海上投棄というものは全くなくすようにいたしたい、かように考えているわけでございます。
○中尾辰義君 下水道を完備いたしまして終末処理場を作る、これは一番理想的なことですけれども、とりあえず消化槽の設置を急がなければならぬと、こう思うわけですが、消化槽を作るには相当な費用が要ると思いますが、一カ所で大体どの程度要るわけですか。
○説明員(聖成稔君) この消化槽は大小の規模によりまして建設単価が違いますが、一口に申しまして、大体処理人口一人当たり平均いたしますと千二百円ぐらいの程度、従いまして十万の処理施設であればまあ一億少々といったようなところでございます。これに対して四分の一の国庫負担をいたしまして、残りの四分の三の自己負担分につきましては、平均補助金の約二倍程度の起債をいたしまして、あとまあ自己負担してもらいまして、そして消化槽の整備をやって参る、こんな方針でおります。
○中尾辰義君 まあ相当費用もかかりますし、四分の一程度の補助では、地方団体も相当困難ではないかと思います。一つもう少し思い切って何とかしていただいて、なるべく叩くこういったようなことを、とにかく日本にはくさいものにふたをすると、こういうことがございますが、えてしてこういったような消化槽等の問題は見捨てられる、こういうことがございますが、その点よろしく一つお願い申し上げます。
○主査(東隆君) それでは午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後は三時から再開することにし、暫時休憩いたします。 午後二時八分休憩 ————・———— 午後三時十五分開会
○主査(東隆君) 休憩前に引き続きまして、分科会を再開いたします。 質疑のあります方は、順次発言を願います。
○小柳勇君 さっき病院の統廃合についての当局の説明がありましたが、その中で結核療養所の統合、基幹療養所の設置の問題でいま少し質問いたします。 第一は、この前も社会労働委員会で問題になりましたが、五ヵ年計画なり、あるいは三カ年計画なりの将来の展望がありませんと、われわれとしては考えもまとまらないのですが、将来の計画については全然ないのかどうか。あれば、まとまったものでなくとも一応説明を聞いておきたいと思います。
○説明員(黒木利克君) 結核療養所の今後の方向については、従来はたとえば埴生の療養所の中にある療養所を廃止して、そして一面整備を要する療養所を整備をしていこうというような方針であったのでありますが、そういうような消極的な方針というものでは十分でない。むしろ、積極的に国立療養所を結核行政の中心に置きまして、結核医の確保、養成というものをやらなければ、いかなる結核行政もその効果を上げるわけにいかないということで、基幹療養所というようなものを考え出したわけでございます。ただ、こういうやり方で、はたしてうまくいくかどうか、一応やはりりっぱな施設を作ったしでなければ、今後こういうことを五カ年計画なり、あるいは十カ年計画によってやるにふさわしいか、いろいろやはり研究を要する点がございますので、とりあえず来年度におきましては、九州と関東地区でりっぱな近代的な結核療養所を作るということがきまったわけであります。従いまして、今後その成果を見た上で、今後の長期計画を樹立して参りたいと、かように考えております。
○小柳勇君 治療棟を作りますと、福岡の場合には三つの療養所との関連がありますが、治療棟だけでは、完全な治療体制は整いません。従って、ほかの三つの現在ある療養所と治療棟との関係は、どうなります。
○説明員(黒木利克君) そこで一つ問題点は、かりに各ブロックで近代的な結核病院を作った場合に、その病院だけに優秀な医師が確保される、そこの施設だけを整備するというようなことになりますと、他の施設における結核の専門医がやはり非常な不満を持つわけであります。従いまして、そういう点も考慮いたしまして、共同で各療養所がそういう施設を利用するというような考え方でスタートしたらどうであろうか、各療養所の所長さん方の御意見を聞きまして、取りあえず共同利用の施設として近代的なそういう結核病院というものを試みに作ってみようということになったわけであります。現実に、それでは九州なり東京の場合にどうなるかと申しますと、たとえば御質問の九州では古賀の地区に三カ所の療養所がございます。そのうちの一カ所の敷地に基幹結核療養所を作りまして、主として治療棟を中心にするわけでありますが、それに百ベッドぐらいの来年度におきましては病室を作ること、基幹療養所をもよりの療養所が共同で利用するような一つ体制にしてみよう、従って、将来こういうような一地区に三つの療養所がございますから、経営主体を一体この地区に三つ置く必要があるか、あるいは経営主体を一つにするというような必要も出て参りましょうから、その場合には、経営主体は一つとしますが、しかし、ベッドをそれによって必ずしも減らすとは考えませんので、ベッドはその地区の結核の患者の推移等を見て考えていこう、こういうことでございます。従って、いろいろ療養所の所長さんなり、お医打さんの、そういうような試みに対する協力の度合を見まして、今後の長期計画に移して参りたいというようなことで、いわば試みの段階として、そういうような構想でスタートしようというふうに考えておるわけでございます。
○小柳勇君 そうしますと、現在ある療養所の代表とすでに相談がなされつつあるわけですか。
○説明員(黒木利克君) さようでござ います。
○小柳勇君 その相談によりますと、三つの療養所は若干距離もございますが、新しい一つの治療棟と三つの療養所との間に距離的な問題などで、もうすでに話し合いはできておるわけですか。
○説明員(黒木利克君) 大体設置の場所につきましては、三療養所長の間に意見の一致を見まして、その構造、設備等をどうするかということにつきまして、三療養所の所長さん方の意見を聞いて、共通の御見解が一応できた場合に、その設計を厚生省として認めていこうというような、今準備の段階でございます。
○小柳勇君 完成はいつごろになる見込みですか。
○説明員(黒木利克君) 初年度におきましては、六月ごろから具体的にそういうような建設の準備に入りたい。従いまして、年度内にはもちろんやらなければなりませんが、年末、十二月を目途に完成を考えで参りたい。初年度におきましては、こういうふうに考えております。
○小柳勇君 そうしますと、定員の問題など今年のうちに解決しなければなりませんが、この予算の中にはそういうものも含まっているわけですね。
○説明員(黒木利克君) 定員の関係は、ベッドを本年度中にその三療養所について削減するということは考えておりません。現在のその地区のベッド数に、さらに結局二百ベッドぐらいがふえていくわけでございますが、しかし、全国的に見まして結核患者の今国立病病院関係の数が、昭和三十一、二年ごろから毎年二千程度減少しておるのであります。しかし、今回の結核対策の強化によりまして、それについてかなり異動がある。しかし、どの程度の異動があるかまだわかりませんので、そういう新しい結核対策の推移から見て、一体どの程度のベッドを国立療養所で必要とするかということの検討をしなければなりませんから、それとからんで最終的にはきめて参りたい。しかし、古賀三園につきまして、すぐ今にもベッドを減らすということは考えていないわけでございます。
○小柳勇君 今年度着工される予算の中には増員の予算は入っていないわけですね。
○説明員(黒木利克君) ベッドの関係で例の四四制、看護婦の四四制の実施との関連で、看護婦につきしましては増員が、御説明申し上げましたようにございますが、その他の医者につきましては現状維持ということでおります。ただ、先ほど申しましたように、全国的なベッドの推移を見まして、各療養所ごとの医者と看護婦の配置の転換といいますか、適正配置というものは年度内にやりたいと思っております。
○小柳勇君 私はこの青写真も、ほとんどこの前のときにできてないようだったので、今年中の完成じゃないと思っていたのですが、十二月を目途に本年度中完成ということになりますと、問題は具体的になりますが、二百床の増加に対しまして、たとえば看護婦が五十人要るとすると、三百七人の増員では間に合いませんので、ほかの療養所から配置転換をしなければならぬような情勢も予想されるわけですか。
○説明員(黒木利克君) さようでございます。
○小柳勇君 それで初めの問題に帰ってくるわけですが、四十八時間制が四十四時間制になる、そういう勤務時間の短縮に伴う超過労働、それからこういう新病床の増加に伴う超過労働、そういうものを配置転換などによってやられるということについては、相当問題があると思うのですが、そのことは各関係施設との相談はできておるのですか。
○説明員(黒木利克君) 実は、四四制実施に伴いまして、看護要員の適正配置というのを前提にしなければなりませんが、実は結核療養所につきましては、昭和三十六年でございましたか、それ以降、定員の配置がえをやっていないのでございます。その間、患者に相当な移動がございまして、先ほど申しましたように、毎年二千人程度の患者が国立療養所で減少しているのでありますが、従いまして、やはり忠君の数に応じまして看護要員の配置がえをしなければなりません。そこで今回の四四制の実施を機会に、新しいこういう患者の各施設別の実績にかんがみまして適正配置というものをやりたい。特に九州地区でそういうような事情がございますので、この地区には医師なり、看護婦等についての増員というようなことを当然考えなくちゃなりません。従って、そういうような計画を医務出張所長に指示いたしまして、今各施設を調整中でございます。
○小柳勇君 問題が具体的になりますが、数字的に見ますと、四十八時間制から四十四時間制になるので、一千五百人の増員が見込まれており、必要であった。しかし、予算折衝の過程で三百七名に削られた、それが一つ。それから第二の問題は、基幹療養所設置に伴いまして、とりあえず三十六年度は二百床の治療棟を作りたい、今の看護基準によりまして、たとえば五十名にいたしますと、この五十名は、三百七名からはとるだけの余裕はないはずであります、三百七名しか増加がなかったのですから。そうして、ほかの結核療養所の減少による空床ですね、そういうものによる余裕の看護婦さんを持ってくることも考えなければならぬということですか。そういうものについては、十三月といいましてもすぐですからね。簡単に命令で看護婦をここにか行けというようなことでやれるということは、なかなかできないですが、そういうふうな人的な配置についての基本的な考え、及び具体的の措置ですね、これを聞いておきたい。
○説明員(黒木利克君) 確かに御指摘のような配置転換に伴ういろいろな問題がございますので、実は本月の十五日に、そういうような配置につきまして各施設ごとの割当を医務出張所長に指示をいたしたわけであります。現在、医務出張所長として各施設の長と鋭意調整中であろうと思いますが、ただ基本的な考え方といたしましては、できるだけ無理をしないようにというので、今回の配置計画については医者と看護要員だけに限りまして、しかも看護要員につきましても、看護婦さんにつきましては大体都会に勤務がえをしたいという非常な要望が前からございまして、今回の配置は大体患者の多い都会周辺の療養所に主として重点的に配置をするという建前になります。従いまして、かねての看護婦さんたちの要望が、ある意味においては今回希望がかなえられるのではなかろうか、ただ、その土地の出身の人たちで都会に配置がえができかねる人たちもおりましょうから、そういう人たちについてはまた別途に処置をすることにいたしまして、まあできるだけ無理をしないような考え方でおるのでございます。ただ、基本的には先ほど申しましたように、都会地に看護婦さんがやはり勤務がえをしたいという希望もございますので、大した人数の配置がえはございませんので、話し合いによって円満に処理できること々期待いたしております。
○小柳勇君 もう少し突っ込みますと、日本の全体的な結核療養所の看護婦さんの勤務は、今ひどいのか、まだそうまでもないというのかですね、それから四十八時間から四十四時間になって勤務が詰まってくるのと、その上にこういうふうな増加になってくるのと考えてみますと、今言われたことでまだ少し問題がありますが、今看護基準がありますね、その看護基準は一体結核療養所では守られているのか、それを言っていただくと簡単にわかると思います。
○説明員(黒木利克君) 実は医療法では結核療養所におきましては、入院患者六人に対して一人というような建前に結核療養所ではなっております。そこで、医療法上基準とする患者を一体どこで押えるかということでございますが、それについてははっきりした基準がないのであります。従って、大体ある月の平均とか、あるいは年間の平均というものをとらざるを得ないわけでございますが、そこで、かりに国立結核療養所における患者の実人員というものを基準にとりますというと、現在は助手まで入れた看護要員からみて大体基準には到達はしておる、ただ、問題は各施設ごとに、先ほど申しましたように、患者の非常にこの数年の移動が激しかったために、非常に無理な看護の態勢になっておるところもあるんでございます。従って、全国的にみますと、現在のこの一年間の国立療養所に入院した患者の数から割り出した医療法上の基準には達しておるのでありますが、先ほど申しましたような基準が必ずしも各施設では充足をされていない、従って、配置転換をやりたいというわけでありますが、もう一つは国立療養所の特殊事情と申しますか、特に分棟式の構造になっております昔の軍の施設等を引き継ぎましたために、いろいろ空襲に対する危険分散等の意味もあったと思いますが、あるいは安静療法というような趣旨もあったと思いますが、非常に病棟と病棟の間が距離があるとか、非常な配置上に無理があるのであります。従って、それだけに看護婦さんに対する労務過重というものが考えられるのでありまして、そういう点を考慮して、先般来申しております設備の近代化あるいは看護力をむしろ機械化によって強化をして、看護婦さんの過重労働というものを避ける、そういうことも同時にやらざるを得ないということでございます。確かに御指摘のように、かなり国立療養所の看護態勢には無理がございますので、それをそういう方向で解決をして参りたい。ただ、できるならば思い切った増員をしたいわけでございますが、実は先ほど申しましたように、患者が昭和三十一、二年ごろから毎年二千名ぐらい減っていく、現在あきベッドが一万近い数があるわけでございます。従って、形式的に申せば、かりに一万あきベッドがあるとした場合に、六ベットについて一人の看護婦さんが必要だとなりますと、相当な数千名の看護婦さんの数を削減してもいいというような算術計算になるんでございますが、しかし、私の方では先ほど申しましたような、いろいろ設備構造上の不備もあり、かつ施設のいろいろ配置転換上の無理もあり、そういうようないろいろの無理があるから、必ずしも算術平均でそういうような看護要員というものを算定するわけには参らないということで、財務当局としょっちゅう調整をしながら現在に至っておるわけでございます。ただ、四十八時間制を四十四時間制にするということは、かねてからのわれわれの念願でありましたし、また職員の方々の強い要望もございましたので、来年度予算で初めて実現をすることになったのでありますが、これはいつか申しましたように、従来の先例だと、文部省の大学病院にも先例がございますが、四十四時間制に切りかえる場合に人もふやさないで超勤だけで解決をしたというような先例もございまして、非常な悪い先例でございますが、私の方では単に超勤だけでは、あるいは設備合理化だけでは不十分である。ただ、増員の数につきましては先ほど申し上げましたように、患者の実人員がだんだん減少いたしておりますので、しかし、一面結核対策の強化によりまして、患者がどれくらいふえるかわからぬということで、一応、財務当局の間では数の問題はペンディングいたしまして、とりあえず三百数名の増員をやることによりまして、ここにとにかくやってみるということにしたのでございます。従いまして、その結果を見て、どうしても無理があるというなら増員を要求したいと、かように考えております。
○小柳勇君 私、直接病院を全部知らないので、統計的に言われると具体的に反論はできませんが、手元に患者同盟からの陳情があります。それから病院のストの原因が、看護婦の超過労働だというような意見書も出ております。もう一つは、あなた方自身、厚生省自体が原案として要求したものは、四十四時間にするだけでも手数唐名の予算要求をしている、それになお新病棟ができるということで、私はそれでは配置転換が起こると同時に超過労働になるのじゃないか、こういうことを推測するわけです。従って、そういうくどい質問をしているわけですので、あとは各組合もありますし、各病院で具体的に処理していただかなければなりません。これ以上今ここで追及する何ものもありませんが、今一番ガンになっているのは、基幹療養所を作るにしても青写真がはっきりないということ、五カ年の計画なり十カ年計画の結核対策というものを青写真で示していない、ここに一番原因があるのであります。従いまして、そういうものを早急にお作りになって、現在の空床の問題等の計算を合理的にやられるならば、勤務時間というものが合理的に出るのじゃないかという気がいたしますので、早急にそういう操作をやって、無理のないような対策を立ててもらいたいと思います。 次の問題は、この前も質問いたしました古里扶養園が焼けたという問題ですが、これは一つの小さい例ですが、病院など、あるいは療養所などで火災が起こった場合、患者に対する弁償は国家で補償ができないものかどうかという点。
○説明員(黒木利克君) いろいろ法律上の問題があるのでありまして、従って今検討中でございますが、古里扶養園の問題は、特に被保護患者につきましてはお気の毒な事態もございますので、これらの処理につきまして善処したい、何らかの措置を講じたい、近く措置をするつもりでございます。なお、法律的な問題につきましては、ただいま検討いたしております。
○小柳勇君 何らかの措置と申しますと、国家賠償によらない方法ですか、国家賠償法もできれば適用したいということですか。
○説明員(黒木利克君) いろいろ法律的にはまだ未解決の問題がございますので、とりあえず、見舞金的なものでできるだけの措置がしたいということで準備を進めております。
○小柳勇君 私はむしろ金が幾ら出たということよりも、療養所の火災によって罹災した人に対して国家賠償法が適用されるかどうかということが問題であろうと思いますので、早急にこの問題を御検討願いたいと思います。それであとは具体的には古里扶養園の罹災された方に何らかの措置を講じていただきたいと思うのであります。 それから第三点は病院ストの問題でありますが、日赤ストの問題から質問をいたしますが、先般参考人が来られまして日赤ストの問題についていろいろ公述がありましたし、赤十字病院の実態についても公述がありました。そこで厚生省として今日までこの日赤病院のストに対してとられた措置、まずその経過を御報告願いたいと思います。
○政府委員(太宰博邦君) 日赤の病院ストにつきましては、今日に至るまでまだ一応のまとまりもつかないという状況で、はなはだ遺憾に存じておるのでありますが、問題になります点をだんだん考えて参りますると、いろいろな点にやはり問題があるようであります。当面の問題といたしまして、さしあたりいろいろな要求を組合の方から出しておりますが、その中心をなしますものは、一律五千円のベース・アップ、それに伴って最低一万円を保証するということがどうも中心の問題のようであります。このベース・アップの問題につきまして、日赤の側では、これをなかなか今日の日赤の財政ではまかない切れないという点で苦慮しておったようでありますが、最近、ことしの七月から一般の医療費が引き上げられるということによりまして、それによってできるだけ可能な範囲給与改善に振り向けたいということで、一つの試案もできたようでありまして、それをもってただいま組合側と団体交渉をするという段階に入っております。私どもは労使の問題でございまするので、政府がいたずらに介入するということは極力避けるべきものと思いますが、ただ医療の問題でございまするので、できるだけ労使が話し合って、そしておさめるところにおさめていただく。百パーセント満足はなくとも、そこは互譲の精神で落ちつくところへ落ちつけていただく。万一それが話し合いがつかない場合には、しかるべき第三者の調停機関があるわけでございまするから、そこでもって公平なる御意見を承って、その線でもってまとめるように努力してもらうように希望をいたしております。また日赤側にも極力その点について組合側と話し合うような態勢を促進するようにいたしております。 それから恒久的な問題になりまするが、当面そういうような点でかりに一つの線が、落ちつきが出たといたしましても、今日の日赤の病院の経営その他につきましてはいろいろな問題があるようであります。これにつきましては、そのよって来たるところも相当根深いものもあるようでございまするので、この際日赤の側において、この関係者が一つになってそういう問題に根本的に取り組むような態勢を一つ整えて参りたい。これは何と申しましても時間が少しかかることでありますが、しかし、今日その問題に取り組むことをしなければ、いつまでたっても根本的な解決というものは得られないだろうということから、そういうような審議を一つお願いして、そうしてやっておるような次第でございます。これにつきまして厚生省といたしましても、それが妥当な方向に向くように陰ながらアドバイスするところはアドバイスをして、また午前中大臣からあるいは答弁があったかと思いますが、病院ストのいろいろな問題について、病院の経営の問題及び病院の労使の折衝の未熟な点と、いろいろな点で改善を要する点がございまして、厚生省としては病院経営管理改善の懇談会を設けて、これが大体三月、今月中と申しますともう大して日がございませんが、何か結論を一つ見出していただきたいということをお願いしております。そういうようなものが出ますれば、それをもってまた日赤の方に一つのお手本と申しますか、そういうものを参考にさせまして極力そういう問題を早く結論を出すように指導して参りたい、かようにただいまのところ努力している最中でございます。
○小柳勇君 公労協のストライキというものが労働大臣の仲裁裁定によって中止になったのですが、直接関連があるとは言いませんが、日赤ストも労災ストにいたしましても、労災ストは労働省ですけれども、日赤ストについてあまりに厚生省が無能ではないかという気がするわけです。あれだけ公労協に対して、これは労働大臣だって何も権限がないわけです、力を尽くしたでしょうが。世間の批判が大臣も言いましたように、厚生行政のまずさではないかといわれておるので、質問しているわけですが、具体的に言いますと、先日の日赤病院の衛生部長の話では、たとえば医療社会事業に対して年間七千三百五十二万円も使っております。血液事業に対して千百二十二万円使っておりまして、乳児院に対しては三百四十二万円も年間出しております。こういういわゆる社会事業的なものに私どもは金を出すので、看護婦の給料も医者の給料も上げられない、こういう陳述をしている。医療社会事業などは、当然これは厚生省の方で、社会局の方で具体的に検討していいものではないかと思うのですが、どうでしょう。その具体的な今例をあげたのですが。そういうものを積極的に日赤病院に対して厚生省が考えてやるというようなことが問題を早期に解決する道だと思うのですが、その点いかがですか。
○政府委員(太宰博邦君) 先日の衛生部長の話の中に確かにそういうような点があったと思いますが、まあ数字をおあげになりましたように、この金額それ自体は多い少ないというよりも、全体の病院経営の中の経費からいえば、これはほんのわずかなものでございますが、もちろんかような問題につきましても、国から何ほどかのてこ入れということも考えてやって負担を少なくしてやったらどうか、こういう御趣旨かと思うのでありますがこれは日赤の従来の精神から申しまして、あまり国が補助する、補助する、あるいは向こうの立場からいえば、補助を受けるということについては、やはり意見もあるようでございまして、筋の立つ程度にこれをとどめておかねばならない。その点について国は、では従来どの程度まで援助しておったかといえば、これはいろいろ御意見はあろうかと思いますが、日本赤十字社法によりましても、その病院の施設の改善等については国が補助することができることになっておりますが、今日におきましては、その補助ということではなしに、厚生年金の還元融資をあっせんするという程度でありまして、この点はいろいろ御意見もあろうかと思いますが、ただ国がこういうものに補助をいたします場合におきまして、やはり日赤だけを取り上げて考えるということだけではいかない場合もございまして、他の公的医療機関の問題がありまして、そういう方面とのかね合わせで今考えて参らねばならぬ、かように考えるわけであります。また日本赤十字社の精神からいたしましても、まあかような仕事は、もしこの日赤ででき得ればかようなものはやるのがやはり日赤の使命の一つではなかろうかと考えますので、その点は日赤としてもできるだけ従来はやってきた。それをやめたくないというので今日までやってきておる。たまたま他の方の経営が苦しくなったために、お尋ねのような問題が今日起こってきたのでありまして、これは何としても国も考えなければならぬ点であろうかと思いますけれども、今日直ちに日赤だけをどうこうするということについてはまだ意見を申し上げかねる状況でございます。将来検討して参りたいと思います。
○小柳勇君 ゆうべのラジオでも放送しておりましたように、日赤としても危機に直面いたしまして、病院の経営なりその他全般的に一部厚生省の方に移管して、国の方が直接やってもらうことも考えていただかなければならぬということを感じておりまするが、大臣いないので、決定的な答弁できないでしょうが、そういうことを厚生省で、あなたの局なりほかの局なり、厚生省内で日赤病院なり日赤事業について、過去に根本的に検討されたことがございますか。
○政府委員(太宰博邦君) 昨晩のあれは、ニュースは私ちょっと聞き漏らしましたが、日赤の病院というもののあり方、極端なことになりますると、日赤がはたして病院というものを持っている必要があるのかどうかというようなことは非常に根本的な問題でございまして、こういうような点は、なかなか簡単に結論が出る問題じゃございませんけれども、先ほどお答え申しましたように、今日の日赤のいろいろな問題点というものを検討して参りますと、やはりそういうところにまでも考えを及ぼしていかねばならぬというような気もいたすわけであります。しかしながら、これはただ日赤だけじゃなしに、公的医療機関というものについてどう考えるか、これは今日厚生省におきましても医療制度の問題と全般的に取っ組んでおりますので、それの一環としてこの問題を解決するのではないと、この抜本的な解決にはならないと、かように考えております。これにはもう少し時間をかしていただく必要があろうかと思うのであります。日赤が、たとえば病院経営が苦しくなったから直ちにこれを厚生省に引き取ってくれというような筋合いのものでは私はないと思う。この点は引き取らぬということは今申し上げる必要はないと思いますが、やはり全般的な視野において厚生省としてただいま検討しております。その線に沿って将来考えて参るべき問題だと思います。
○小柳勇君 そうしますと、今のお話は、医療行政全般の問題とひっくるめて、日赤の事業及び日赤病院の経営についても検討すると、こういうように理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(太宰博邦君) これは私主管の局長でございませんので、ちょっと申し上げかねますが、私の考えといたしましては、御指摘のように、全般の問題の一環としてやはりこれは考えるなら考えるべきであろうかと存じます。
○小柳勇君 本論に入りまして、日赤ストについて相当長いことですが、幹部が遭難されまして事故がありましたので、衛生部長が非常に苦労されておるようでありますが、この際に厚生省も積極的に乗り出されて、まず当面のこの労使間の紛争についての解決についても要請したいと思いますが、その点一つ決意を述べておいていただきたいと思います。
○政府委員(太宰博邦君) 御指摘の点と私ども全く同じ考えを持っておるのであります。ただ、申すまでもなく、労使の紛争と申しますか、そういう労使間の折衝の問題にまあ国が介入するといいうことにつきましては、私どもとしては、これは相当慎重に考えなければ、やはりその労使間のそういう問題は極力労使間で詰めていただく。もしそれで詰まらない場合には、しかるべき裁定機関が法律上あるわけですから、そういうところでやっていただく。厚生省がそういうところに介入するにはよほど注意していたしませんと、かえって善意で入ったものが悪い結果を結ぶということも起きないとは限らないので、実は私どもその点は非常に慎重に、ただ何と申しましても、国民医療の立場から、また、日赤というものが従来果たしてきました使命を今後とも極力果たさせたいという立場から、陰ながらできるだけのことはいたして参る決意でございますので、その点御了承願いたいと思います。
○小柳勇君 私は、労使間の紛争ということよりも、大臣に申し上げましたように、経営管理及び労務管理がまずいのではないかという気がするわけです。その経営管理並びに労務管理については、厚生省として監督指導する責任があるのではないか。その分野において、積極的に指導監督されるならば、この日赤ストというものは早急に解決できるのではないか。過去にもそうであったのではないか。ただ財源の問題についていろいろあります。しかし、公労協などについても、裁定は出ましたけれども、やはり赤字でしょう。そういうものを考えて参りますると、医療費の値上げもきまりました。根本的な病院の経営について、厚生省で組織的に十分検討されれば、そのような費用の出るところもまたあるのではないか。それがどうしてもいけなければ、根本的な矛盾ですから、その矛盾はやっぱり国の厚生行政として解決しなければ、病院だけで解決できるはずがないわけですね。金の出所がないのに、職員はやっぱりそれだけ働かせなければならないのなら、それは根本的な矛盾ですから、根本的な矛盾は、厚生行政として、あるいは医療行政として解決していかなければできないのではないか、こういうことを私は雷っておるわけでありまして、その点についていかがですか。
○政府委員(太宰博邦君) お尋ねのように、確かに病院の経営のあり方あるいは労務管理あるいは労務対策というような面につきまして、なお問題が残っておろうかと存じますので、これは小柳委員の御指摘と私も同感でございます。これは主管の局ともよく連繋を保ちながら、十二分に今後努力して参りたいと思います。
○小柳勇君 それからこの報告書の中でもう一つ述べられたのは、看護婦の養成に相当の経費がかかっておる。それからその養成いたしました看護婦がその病院で働く、そのために寄宿舎制度などがありまして、看護婦の養成制度並びに看護婦の全寮制度などについて、根本的にこの際解決することがこれは大きく医療行政の上で必要ではないかと思うのですが、具体的に言いますと、国で看護婦養成をして、たとえば給費生制度などを作って看護婦の養成をやって、そして卒業した者、インターンは別でありますが、卒業した人を、それにペイする報酬をもって就職させる。そうすると、全寮制など要らなくなるのでありますが、そういうことについて検討されたことはないか。これはほかの私立病院なり、国全体の看護婦養成につながる問題でありますが、今たとえば東大などにも看護学校があるようでありますが、看護婦を国の費用をもって給費制度で養成する、そういうことができないものであろうか、こういうことについてお尋ねいたします。
○説明員(黒木利克君) 看護婦の養成の問題でありますが、医務局で所管しておりますから私からお答え申し上げます。午前中横山先生から御指摘がありましたように、看護婦なり助産婦の希望者というものがだんだん少なくなって参りまして、これは世界的な傾向でもございます。そこで何とかこれを確保する手だてを考えなくてはならないというような面と、もう一つは、現在の病院ストの背景にやはり看護要員の処遇の問題が非常にウエートを占めているというような二点から、速急なこれは解決策を講じたいというので、いろいろ案を作っておるのでございますが、実は病院経営管理改善懇談会でも、この看護要員の問題は、やはり病院ストの背景の重要な一つをなしているというので、いろいろ御審議を願っておるのでございます。しかし、三月一ぱいには、とりあえずは経営の組織の問題、特に近代的な労働立法から見て、病院の経営の責任者というものがはっきりしない。たとえば日赤のストにおきましても、本社とそれから支部と病院と組合との関係が非常に不明瞭な、不明確な点がありまして、一つは事が長引いておるのではないかという節もございまして、これは何も日赤に限りませんで、そういう全国的な系統的な病院経営をやっておる団体においては共通の問題でございますが、そういう問題に主としてメスを入れる、それに対する解決案と申しますか、一つの助言をいたしたいというのを中心に、今明日中に大体その一つの解決案というものを出していただくことになっております。それが出ました場合には、それに従いまして、各団体ともいろいろ相談をして、具体的な実現に移したいと思っておりますが、看護要員に関する問題につきましては、三月以降の審議で、これもできるだけ早い機会に、できるなら来年の予算には間に合うような時期に何らかの御意見を聞かせていただきたいというので、審議を始めておるのでございます。 なお、医療制度調査会におかれまして、もっと根本的に今度は医療法の法律制度の改正、あるいは看護婦、助産婦の教育制度の改正、身分制度の改正にまでやはり触れる必要があるというので、実は四月一日以降医療制度調査会を医務局で今度は所掌することになりましたので、私の方で積極的ないろいろな提案を申し上げて、来年の予算には間に合うように一つ具体案というものを出していただくということを期待して、せっかく御審議を願っておる最中でございます。
○小柳勇君 いや、日赤ストについては一番解決の道は労使がもっと話し合って解決することでありますが、厚生省はただいま私が申し上げたような面から速急の解決に全力を傾注していただきたいと思います。 それから次は、社会保険協会の経営病院で同じような紛争がありますので、この点について、同じような趣旨でありますが、質問いたしておきたいと思いますが、把握されておる現状を御報告願いたいと思います。
○説明員(山本浅太郎君) 現在、保険病院におきまして、若干の病院がやはり紛争をいたしております。健康保険病院は全体で六十九現在あるのでございますが、これらの病院につきましては職員組合のないものも多うございますが、職員組合を持っておりまする病院のうち、若干のものが昨年秋のからベース・アップ一律三千円の引き上げ要求をいたし、現在数病院で全日あるいは半日ストを時おり行なっておるような状況でございます。これにつきまして、これを管理いたしまする全社連——全国社会保険団体連合会、全社連におきましては公務員並みのベース・アップをとるということを、三十六年二月を期してそういうふうにするといことを打ち出しておるわけでございますが、組合の方ではこのような一律三千円引き上げ要求をなおいたしておるような次第でございます。全社連の方を私どもも時おり呼びまして、ただいま日赤についてお述べになったような観点に立ちまして、内面的に労使の話し合いで紛争が早急におさまることを期待し、いろいろ話し合いを尽くすように申しておる状況でございます。現地全社連といたしましては、このように公務員並みのベース・アップをすでに三十六年の二月から行なうことといたしておりますので、現在医療費が御承知のように七月から一〇%上がるという建前のもとにおきまして、これ以上組合員側の要求にそう大きくこたえる余地はないというような見解でございますが、いずれにいたしましても、私どもとしては全社連が十分組合側に意を尽くして事情を説明し、円満に話し合いが遂げられるようなことを特に申しているような次第でございます。 それから次に、船員保険の病院、現在三つの病院と一つの診療所がございますが、ここで東京の船員病院と芝浦の診療所につきまして同様な争いが起こっております。これにつきましては、ただいま組合側といたしましては、一律七千円ベース・アップ、最低一万円を下回らない定額を確保するということで、現在要求せられているところでございますが、現在船員保険病院の収入状況、支出状況を勘案いたしまして、非常に余裕のない現状でございますけれども、公務員の水準に合致した給与改訂を四月一日から行なうように、この管理主体でございまする船員保険会と話したいというようなことを申しております。しかし、昨年の十月、このような労組側の御要望がございましたので、船員保険会といたしましては、そのときから一種の改訂の前払い的な意味におきまして、十月から六カ月間に七カ月分にわたりまして若干の給与引き上げに当たる額を出しております。それを給与に換算いたしますると、十二・四%になりますが、こういうことを行ないまして当座をしのがせているわけでございますけれども、先ほど申したように、四月一日から本格的な公務員に準じた給与改訂をいたすようにいたしているところでございますが、この点につきましても、さきに社会保険病院について申し上げましたと同じような態度をもちまして、船員保険会の当事者にすみやかに事態をおさめるように、また十分話し合いができるような措置を講ずるように、内面的に助言をいたしているような次第であります。
○小柳勇君 ただいまの報告を聞きましたが、保険金であるし、国費負担で設備もいたしているような情勢の病院である、日赤と同じようなと言われましたけれども、私どもの公述を受けましたもの及び調べましたものによりますと、もう少し厚生省が積極的に指導勧告すべき義務があるような気がしてならぬのであります。今言われましたような報告によりまして、近くほんとうに解決するものと理解いたしておりまするが、そのめどについてはいかがですか。
○説明員(山本浅太郎君) 確かに、仰せのように、国が施設を作るものでございますので、関係は日赤の場合と比べまして、非常に国に近い、また責任も重い態度であるべきは当然と存じております。しかしながら、御承知のように、健康保険病院は、こういうものができましたいきさつにかんがみまして、当然のやむを得ないことかと存じまするけれども、必ずしも今日採算が十分とり得るような実地的な豊かな条件を備えている病院ばかりではございません。相当本来経営が苦しがるべき病院もございます。それからまた、施設自体が非常に老朽化しておりまして、そういう施設関係から患者のさらに多くを期待しがたいような病院、いろいろ玉石混淆いたしているような状態でございまして、病院の中には相当今後も苦境を訴えなければならないような病院が中に含まれているような事情もございます。また、船員保険の病院につきましては、東京の病院が現在拡張工事をいたしているような、いわば一種の過渡期でございますので、そのような事情を勘案いたしまして、他から見るほど必ずしも経営が全体として楽でないというような点もある次第でございます。 しかしながら、私といたしましては、数を今後多くふやすということは考えておらないところでございますが、非常に老朽した施設なりあるいは重要な機械といったようなものにつきましては、その病院の需要に合致いたしました整備を行ないまして、ただいま仰せのような経営としての安定した姿をなるべく早くもらし得るような国としてのてこ入れを考えていきたいと存じます。 それから、目下の係争の案件につきましては、労使の話し合いでございますので、今どのくらいの時期におさまるかという見当も実はいたしかねるような次第でございますが、先ほど申しましたような趣旨で、私どもとしては可能な限りこうした紛争が早期に妥結するような、われわれとしてとり得る限りの配慮をいたしまして、そのようなことが早期に実現できるように念願して参りたいと考えます。
○小柳勇君 最後に、時間がありませんのでもう質問はいたしませんが、希望を申し上げておきたいと思うのですが、前の全社連の方の病院では、六十八の病院の中で組合が二十九結成されておるようです。それから、船員保険の方では三百六十名職員がおられるのに、東京の方で六十名くらい、芝浦の方で十名くらいの組合員であるということを第一私ども問題にしておりますが、それぞれの理事者の話を聞いておりまして、労務管理の方で若干問題があるのではないかと。まあ極端にいいますと、古い労務管理の意識ではないかという気がいたしました。そのためにこの紛争が起こっておるのではないかという気もいたしました。資金の面だけではないような気がいたしました。それから、施設の問題についても非常にばらばらのような気もいたしました。そういうことで、まあ経営の面、それから労務管理の面、日赤と同じような面で心配いたしておりますので、その点について一つ特に厚生省の方で意を用いてもらって、この紛争を早急に一日も早く解決するように努力してもらいたいと思います。以上希望を申し上げて質問を終わります。
○横山フク君 私、今の病院ストの問題ですけれども、結局病院ストを起こす——労使の話し合いといいましても、結局労使で話し合うといっても、収入のもとは結局保険、まあ国民皆保険のある限り保険であろう。保険の点数が正しい点数に置かれていない限りは、収入源ということは確保できない。従って、この問題は解決できないといえると思うのです。もちろん、収入だけではないと思う。労務管理とか経営、全寮制度や、いろいろ問題があるでしょうけれども、まあ根本は収入の問題、自然保険の問題になると思う。そうすると、結局四ベッドに一人の看護婦とかといった問題にも自然からんでくる問題で、そのもとが解決できない限りはこの病院ストというのは解決できないと思う。 看護婦さんたちのおそれているのは、病院ストということでいって、そうして世間では看護婦さんたちの待遇が悪いということ、あるいは前時代的ないろいろの諸制度ということで看護婦さんに同情されているから、このストは同情されている。しかし、長引くと、これは結局同情ということはだんだん薄らいでくる。非常に不便を受けるので、その問題の原因のいかんにかかわらず、これは同情は薄らいでくると思う。早期に解決しなければならぬ問題であると私は思うのですね。であるんですが、早期に解決するためには、どうしても四ベッドに一人の割合とかその他の問題を解決していくところにいかなければならぬと思いながら、この問題をやっている。そうすると、この問題の一番標準になるのは、モデルになるのは国立だと思うのです。 医務局長はおられないのですけれども、黒木さんに伺うのですけれども、この間、小柳委員の御質問に答えたのでは私少しはっきりしない。私が聞きとれなかったので伺いたいと思うのですけれども、今度の四十四時間制にしたための増員というのは、療養所の方ですね、国立病院の方で二百十名認められたのじゃないのですか。
○説明員(黒木利克君) 四十四時間制で看護婦の増員が二百十名、賃金職員の定員化が百六十四名、それから先ほど申しました転換病院で看護婦の増員の必要がありますから、これが五十七名、これが国立病院の今回の四十四時間制の切りかえに伴う増員分ございます。
○横山フク君 それで、私伺うのですが、賃金職員の定員化したのが百六十四名ですが、これ定員化したのは百六十四名ですけれども、賃金職員の中で定員化されないのが多かったわけなんですね、前には。今度むしろ減ったんじゃないですか。
○説明員(黒木利克君) 実は今までの常勤職員はほとんど大半を定員化するということで、予算を御審議を願っておるわけでございます。
○横山フク君 大半を定員化する……。
○説明員(黒木利克君) はい。
○横山フク君 そうすると、今まで賃金職員が何人あったのですか。
○説明員(黒木利克君) 国立病院につきましては百六十四名。
○横山フク君 いや、今度の定量化したのが百六十四名ですね。定員化されない以前に、国立療養所では賃金職員は何人あったのですか。
○説明員(黒木利克君) これは、国立病院につきましては、先ほど申しましたように百六十四名、それから結核の療養所におきましては……。
○横山フク君 国立療養所だけでけっこうです。また、それはあとで社労委員会で伺うけれども。
○説明員(黒木利克君) 今ちょっとここに手元に資料がございませんが、国立病院だけ持って参りましたが百六十四名であります。
○横山フク君 それは従前も百六十四名だったんですか。
○説明員(黒木利克君) さようでございます。
○横山フク君 それを今度定員化した。違いはございまんか。
○説明員(黒木利克君) 大体予算の範囲内で賃金職員を、私の方の了解なしに雇用しておるところがないということは言えませんが、大体この程度でございます。
○横山フク君 では、これは私の方で調べたのとは違っているようですから、これは私の方でも調べますけれども、次長もお調べになっていただきたいと思う。賃金職員はまだあったはずです。それで、定員化したのは少ないのです。ですから、四十四時間制にしたために二百十名増員されても、定員化した人数でもって打ち切られましたから、今までの賃金職員がむしろ減っているんです。ですから、定員化したのとプラスするというと、かえって前より減ったという勘定になっているんです、私の調べたのですが。これはいずれ社労でもってもう一ぺん伺いますから、そのときにさせていただこうと思います。 今度は、この問題はちょっとあとにいたしまして、看護婦の実態調査をなさいましたね、三年前に。あの資料ですね、調査した結果ですね、それをお出し下さいませんか。
○説明員(黒木利克君) 解析が終わりましたので、印刷をいたしまして配付いたしたいと思います。
○横山フク君 その印刷して、配付するのはいつころになりますか。これは三年前ですよ、三年前に調査したんです。ですから、それがこれから印刷するというのじゃ、印刷どの程度か。あらためてされるのかわかりませんけれども、いつごろ印刷して出されるのでしょうか。
○説明員(黒木利克君) 実は印刷する予算がないのでございますが、ただ助産婦の実態調査の解析も終わりましたので、一括して費用を捻出したいと思いますので、できるだけ早い機会に、おそらく来年度になりまして五月ころには印刷を了したいというような目途で、今準備いたしております。
○横山フク君 私の方で調べたのですと、相当まあ、四十四時間制はおろか——四十四時間制になって人員をもらっても、四十四時間は実行できない。四十八時間にもならぬというところがあると思うのです。あるいは五十時間か五十二時間のところになっておると思います。おそらく医務局の実態調査もそういう形になっていると思うのです。でありますが、医務局の実態調査のその結果をいただきまして、この問題は医務局だけの問題でなくて、対大蔵省との問題にもなるし、対保険局との問題にもなると思います。でございますだけに、私たちのプライベートの調査だけでなくて、医務局の調査をそのままの姿で私たちの方に印刷したものを一応いただきたいと思うのです。そして、その結果でこの問題をあらためて論議するのが妥当じゃないかと私は思うのです。今ここでもって論議しても、医務局の調査に基づいて論議した方がむしろ妥当性を持つと思いますので、早くお出しいただくことをお願いいたしたいと思うのです。 それから、その次に伺いたいのは医療制度調査会です。医療制度調査会のメンバーはどういう方々が入っているんでしょう。
○説明員(黒木利克君) 医療制度調査会のメンバーは、医療関係者として医師、歯科医師、薬剤師の方々、それから学識経験者として学者、特に大学における経営学とか、あるいは会計方面の専門家、その他、医務行政についての経験者と申しますか、そういう人たちをもって構成をしておると承知しておりますが、私の方で四月一日から移管を受けるわけでございますので、まだ詳細承知をいたしておりませんが、大体、成立のときの当初の経過から見まして、そういう方の人選をしたと承知しております。
○横山フク君 私は、まあ成立当時は別問題です。今日、助産婦や保健婦や看護婦の教育問題等をここで論議されるのに、医師や歯科医師や薬剤師や学識経験者、一般の人たちだけで、そういう助産婦や保健婦や看護婦の問題を、そこで制度をきめられるということは、非常に間違った形にいくと思う。やはり助産婦の問題をよく知っているのは助産婦である、看護婦の問題をよく知っているのは看護婦であって、いかにしたらよりよい方向に——自分たちの問題だけじゃございません。対患者の問題として、いかにしたらよくなるかということを考えていて、それの解決策を持っておるのは、助産婦の問題は助産婦であり、看護婦は看護婦であると思うのです。そういう方々が一人も入らないで、その医療制度調査会でもって、助産婦の教育はかくあるべきだなんということがきめられて、そして需給対策をきめられて、そういう形でいくのは間違った形だろうと私は思うのですが、どうでございましょう。
○説明員(黒木利克君) お説のような問題がございますので、そういう場合に専門委員制度というものを置きまして、助産婦なり看護婦の訓練なり養成なり、あるいは経験者をもって専門委員会を作って、いろいろ医療制度調査会の審議に貢献をしていただくように期待をいたしております。なお、四月から私の方に移管しました場合に、いろいろ欠員等もございますので、まあそういう点につきましてはできるだけ考慮をいたして参りたいと思っております。
○横山フク君 私はその問題はもう少し考えていただきたいと思う。でなければ、ほんとうの医療制度調査会が名のみで、実態に即しない形になったらまずい。と申しますのは、もう時間もおそくなっているので簡潔にいたしますけれども、今日の看護婦の問題、助産婦の問題いろいろのここへきたのは、アメリカが来て、そうして日本の実態にそぐわない形の法律を作ったというところに——全部の責任は、原因はないでしょうけど、ある程度の原因はあると思う。ここで改めて、また間違った形にいきたくない、せっかく改めるなら、実情に即して、そしてよりよい形で助産婦なり看護婦なり保健婦なりの体制を確立したいと思うので、そういうことについて、よりお考えを願いたいと私は思うのです。 それからもう一つ伺いたいのは、その問題は医療制度調査会ができて法律を改正するとしても、おそらく早くて一年、二年先のことだろうと思う。法律の改正です。助産婦看護婦法の改正という問題におそらくいくだろう。しかし、早い期間じゃないと思う。その間を、このままの形に置いておくわけにはいかぬだろうと思う。現在逓信病院には看護婦の養成所がある。ところが、この看護婦養成所は今年度は一人も採らない、閉鎖している。これは御承知だと思う。なぜ閉鎖しているかというと、逓信病院の看護婦養成所は日本一の施設の整ったものであり、そして日本一の設備だけでなく、教員等の充足もできているのです。ところが、そこでは一人も採らない。応募がないのではない、応募者はあり余るほどある。ところが採らない。各孤立関係にあるからだと思う。逓信病院は逓信病院でモンロー主義なのです。各養成所それぞれの付属機関としてその病院の看護婦を充足するという形なのです。ですから、看護婦の養成機関を持たないところの病院は看護婦がない。助産婦はもちろんですけれども、そういう形では、私は看護婦の充足ということは考えられないと思うのです。ですから、看護婦の養成所もそうですが、助産婦の養成所もそうですが、そういうのは、全体の需給対策を立てた上の養成−所という形に持っていかなければいけないと思うの、ですが、そういうものに対してやはりお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○説明員(黒木利克君) 確かに御指摘のような問題があり、かつ本年度の看護婦、准看護婦の応募状況から見まして、何とか、抜本的に解決をしなければならないと考えているのであります。昨年の予算折衝の場合に、先生も御存じのように、助産婦養成施設の五カ所の予算要求をしたのでございますが、既存の、これは助産婦の場合でございますが、定員に満たない応募者であるというようなことから、幾ら増設しても定員に満たないではないかというようなことで予算化ができなかったわけであります。そこで根本問題としてやはり先ほど来申し上げましたように、助産婦の身分制度なり、あるいは看護婦の身分制度まで抜本的に一つここで再検討をするということをしなければ、この問題の解決ができない。ただそれを一厚生省の部局だけで官僚的にやるのもどうかと思いまして、せっかくそういうような諮問機関ができましたから、医療制度調査会なり、病院経営改善懇談会なりの御意見を聞いたり、その他看護団体の御意見を聞いたりして、抜本的な解決に当たりたい。ただ、いろいろ立法的な措置につきましては、お説のように数年かかると思いますが、少なくとも三十七年度の予算におきましては、何らかやはり具体的な積極的な手段を講じて参りたい。一つには先ほどから申し上げましたような教育制度につきましても、育英制度と申しますか、そういう点について相当な予算化ができるならば、かなりそういうような問題の解決に寄与するのではなかろうか、そういうことも考えて、いろいろ将来の、三十七年度における予算措置につきましても寄り寄り検討しているような段階でございます。できるなら六月一ぱいまでにそれぞれの諮問機関で御答申をいただいて、それを関係団体と御相談をして、再来年度の予算要求に間に合うようにしたい。かような心組みでおります。
○横山フク君 今のお話で、私考えまするのに、どちらが卵か、どちらが鶏かという問題なのですが、今のように養成所でもって人がいないから、だからというけれども、医療制度を立てよう、しかし医療制度を立てたら養成所にくるかというと、これもなかなかむずかしい問題と思うのです。医療制度の中においての助産婦、保健婦のあり方、もちろんこれは早急にきめなければならぬと思うのです。きめなければならぬ問題であると同時に、医療制度が確立したら、そうなれば各養成所はもう一ぱいになるか、そう簡単にいかないと思う。やはり今予算を取るのに、定員に足りていないから、だから新規は認めないといっても、地域的に現在ある養成所にプラスした予算を取るというなら、これは別です。そのほかの養成所はモンロー主義であるから、たとえば東京の養成所に対しての予算というものを獲得しようというなら、これは別です。しかし、全然養成所のない地域に、たとえば四国に取ろうというならば、これは予算を取っても確かにそこで養成できるわけです。こういう問題があってなかなかむずかしい問題だと思う。そういうことは申し上げるまでもなくよく御存じの次長でいると思うのでございます。これはもう早急に解決しなければならぬし、私たちも別にそのあらを拾って、つっついたり、いじめたりするというのではない。これは協力して一緒になって解決しなかったならば、日本の医療というものはここからくずれてくると思うんです。であるだけに、今ここで長い間論議してもむだだと思うんです。医療制度調査会の問題もあるでしょうし、同時に、私の方では助産婦の方の、あるいは看護婦の調査した資料をいただいて、私たちの方で取り寄せた資料とにらみ合わせながら、そうしてこれを詰めていって、新しい形をどういうふうに持っていくかということを一緒になって検討しなければならぬと思うんです。ですから、早急にこれをお出しいただくことを……。まあ五月ですね。五月というとあと一カ月ちょっとですから、もうそれはりっぱな資料でなくてもいいと私は思うんです、とりあえずは。ですから、最終的なデータだけでもけっこうですから、早目にお出しいただいて、予算の要求、あるいは厚生省の来年度の企画をなさるのはおそらく六月ぐらいだと思うんです。そうして七月、八月にはもう大蔵省にお出しになると思うんです。その前に問題を解決しなかったら、また一年延びるわけです。でありますから、早目に結論だけでもお出しいただくように私としてお願いしてやまないわけでございます。あといろいろ伺いたいこともありますけれども、その資料の結果によって私は伺うことにいたしまして、医務局関係のものはこれで終わりにしたいと思います。 で、児童局長さんがおられますので、一つ伺いたいと思うんですけれども、児童委員です、あるいは児童福祉司です、これは人口十万単位に一人という形になっておるわけです。で、私は今の青少年の悪化ということが学校教育だけにその責任をかぶせるのは少し酷だと思う。学校教育ももちろんであるし、家庭教育もあるけれども、また同時に、学校教育でもない家庭教育でもないいわゆる校外教育といいますか、社会教育という形にもなると思うんです。で、社会教育の役割はどこにあるかという問題になるのですが、ことに虞犯少年は問題児という形になると、これは児童委員なり児童福祉司の活躍ということを願わなければならぬと思うんです。だけれども、児童福祉司なり児童委員というものがそういう形で完全に活躍できる体制にあるかどうかということを、私は疑問を持つわけなんです。児童局長はどうお思いになるんでしょうか。
○政府委員(大山正君) 児童福祉司につきましては、ただいまお話がありましたように、人口十万に一人というようなことで、全国の定員としては八百三十三名でございますが、現実に各府県に置かれておりますのは五百三十七人にすぎません。これは地方交付税交付金の算定の基礎になっておるのでございまして、それを入れておるわけでございますが、遺憾ながら各府県におきまして十分定員を充足しておらない状況でございます。私ども各都道府県の監査を行ないます際に、これらの点を指摘いたしまして、都道府県知事にこれを千分充足するようにお願いしておりまして、逐次充員して参ってはおりますが、なお今申し上げましたような数字でございます。児童福祉司が児童相談所におきまして、ただいまお話のありましたような非行対策その他につきまして相談を受け指導して参りますのに、まだまだ弱体である、こういうように考えるのでございまして、今後ともさらに定員の充足につきまして努力いたしたい、かように考えております。児童委員につきましては、それぞれその市町村におきまして児童の指導についてお願いしておるわけでございますが、この面におきましても必ずしもまだ十分な活躍であるというふうには申し上げかねるかと思うのでございまして、これらの面につきましても今後さらに検討して参りたいと思います。
○横山フク君 今のお話で、児童福祉司の問題ですが、年次別にどのくらいずつふえているか、あるいはまたどのくらいずつ減っているか、そういうことがあると思うんですけれども、それを一つこの次の、これは社会労働委員会のときでもけっこうですけれども、お出しいただきたいと思うのです。 また同時に、児童委員がほんとうに活躍しなければならぬし、あるいは民生委員の方々が活躍しなければならぬと思うんですけれども、これらの人々に対してのいわゆる国の費用というのですか、費用弁償という形ですね、これは非常に少ないと思うんですね。で、法律の建前からいって名誉職で少ないというのはあたりまえだということは言えるんです。しかし、国会議員でもそうでありますけれども、市町村会議員等も、これは名誉職であるけれども、歳費という形でもって順々に増額されていることはすでに御存じの通りなんです。この民生委員の人々だけが、今活躍するのに、あるいは土地によったらば電車賃の無料パスぐらいは出ているんでしょうけれども、それだけで事足りるもんじゃないと思うんです。相当の時間を費して、そうして時間的にも、あるいは労力的にも、金銭的にも、犠牲を払って働いているわけですね。もう少し何らかの形で考えてあげるべきだと私は思うんでございますけれども、児童局長はどうお思いになりすか。
○政府委員(大山正君) 現在民生委員、児童委員、これはすべて兼ねておるわけでございますが、お話にもありましたように、名誉職ということでございまして、きまった給与としては出ておらないのでございますが、都道府県における地方交付税交付金の中に児童委員として一千円、民生委員として一千円という実費弁償の額が計上されております。そのほかに、市町村におきまして、これは実績でございますが、平均五千円くらいのやはり実費弁償が出ておりますが、その他はお話にもありました市内電車の無料パスが出るといったような程度でございまして、国としては特に手当のような形では出ておらないのでございまして、ただ、世帯更生資金の事務費の形でありますとか、あるいは心配事相談所における実際活動というような面で若干の費用が国として見られているというようなことでございますが、さらにこれは社会局の予算といたしまして、来年度予算におきましては互助共励のための事務費を二百万円来年度新たに計上しておるのでございまして、そのような面、あるいは民生委員の記章でありますとか、有功章の授与でありますとか、そういったような面におきまして、今後社会局ともよく打ち合わせまして、できるだけのことをして参りたい、かように考えます。
○横山フク君 なるほど来年度に互助共励三百万円ですか、出ているんですけれども、たとえば児童機関紙なんかの経費にいたしましたならば、最初のころから見たらば、非常に減っているわけですね。前には千二百万円からあったのが、この節は三百二十万円、年々減っているような形になっている。まあ減らされるものもありましょうし、また当然必要なものでふえるものもなければならぬのはあたりまえだと私は思うんです。私はもう少し児童委員あるいは児童福祉司、こういう人たちの活躍に待たなければならぬ面があったらば、その人たちが働きいいような形にしなかったならば、働ける体制にしていないで働けと言っても無理なことでしょうし、もっと働きいい体制に持ってゆくべきだと私は思う。ことに児童委員なり民生委員なりが自分の仕事でもってけがしたりなんかした場合であっても、それは何ら顧みられていない形になっているんですね。こういうことは当然考えられなければならぬものだと私は思うんです。こういう点に対して、来年度はもうすでに予算化されているので、これはおそいことであろうと思うんですけれども、この次の年度あたりにはこういう点に対しても格段の配慮を願ってやまない人ですが、局長はどうお考えになるんですか。
○政府委員(大山正君) 民生委員、児童委員は社会局と児童局の両局の関係になりますので、よく相談いたしまして、十分御趣旨に沿うように努力したいと思います。
○横山フク君 なお、いろいろと伺いたいこともあるんですが、予算に関係があっても、今年度の予算に直接響くということもない問題でありますので、あとの問題は社会労働委員会等において伺うことにいたしまして、この第四分科会ではこれで質問を終わらせることにいたします。
○主査(東隆君) ほかに御質疑はございませんか。——御質疑もございませんようですから、厚生省所管については、質疑はこの程度で終了いたしたいと存じますが、御異議はございませんか。——御異議はないと認め、さよう決定いたします。 なお、明三十日は、労働省所管について質疑を行ないます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十一分散会