P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
38回国会参議院1961/03/27

予算委員会第三分科会 第1号

発言数
269
登壇者
22
会派数
4
開催日
1961/03/27

会議録

太田正孝自由民主党

○仮主査(太田正孝君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条により、私が年長のゆえをもって、正副主査の選挙を管理さしていただきます。  これより正副主査の互選を行ないたいと思いますが、互選は、投票によらないで、便宜、選挙管理者にその指名を御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田正孝自由民主党

○仮主査(太田正孝君) 御異議ないと認めます。  それでは、主査に武藤常介君、副主査に千田正君を指名いたします。よろしくお願いいたします。   —————————————   〔武藤常介君主査席に着く〕

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 皆様の御推選によりまして、私が主査を勤めることになりました。御協力をいただきまして、これから本分科会の運営を行なっていきたいと思います。  審査に入ります前に、議事の進め方についてお諮りいたしたいと思います。本分科会は、昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中農林省、運輸省、郵政省及び建設省所管について審査を行なうわけでありますが、本日は農林省、それから二十八日は郵政省、二十九日は運輸省、三十日は建設省所管について審議を願うという方法で進んで参りたいと思いますが、いかがでございますか。これはもちろん一応の区分でありまして、当日質疑が残りましたとき等につきましては、御協議をいたしまして、順次次に延長する場合もあろうかと思いますが、ただいま申し上げたような順序で進めたいというわけでありますが、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。   —————————————

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) これから審査に入ります。まず、昭和三十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中農林省所管を議題といたします。本件につきまして、まず、政府側の説明を聴取いたしたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それでは昭和三十六年度農林関係予算案についてその概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計における農林関係予算案の総体について申し上げます。  農林省所管予算は一千六百八十二億九千百万円でありますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は、一千八百七十三億三千九百万となり、これを昭和三十五年度当初予算に比較すると五百五十三億二千二百万円の増加となります。  次に、本予算案編成の重点事項について申し上げます。第一に、農業生産性の向上と生産の選択的拡大に関する経費についてであります。  一、まず農業基盤整備事業については、生産の選択的拡大の方向を考慮しつつその計画的推進を行なうため総額四百六十三億六千六百万円を計上いたしております。  このうち土地改良事業については、総額二百九十一億四千八百万円となっております。その重点について申し上げますと、特定土地改良工事特別会計事業については、事案の計画期間内完成を目途として、三十三億九千万円の繰り入れを行なうこととしております。一般会計事業においては、国営及び県営事業については事業効果の早期発現と経済的施行を考慮し、また、団体営事業につきましては耕地の集団化とこれに関連する圃場条件の整備事業との関連を重視するとともに、積寒法等の特殊立法による振興計画を目標として事業の推進に努めることとし、計百九十八億九千八百万円を計上いたしております。また、愛知用水公団事業につきましては、水資源の総合開発と水利用の合理化をはかるとともに、近く工事の完了する愛知用水事業の機械、人員等を一括転用してその活用をはかるため、従来の愛知用水事業の管理とあわせて豊川用水事業等を実施することとして四十一億六千万円を計上いたしました。  次に干拓事業につきましては、農用地の潰廃の趨勢に対処し、かつ造成干拓地の配分を通じて一般農家の経営規模の拡大に資するため、八郎潟干拓事業の計画期間内完了を初め既着工地区の継続事業の計画的推進に重点をおき、特定土地改良工事特別会計繰入六十六億八千五百万円、一般会計五億九千七百万円を計上いたしております。  開拓事業につきましては、総額九十九億三千六百万円を計上いたしておりますが、既入植地区の営農不振の現況にかんがみ、重点を振興地区の建設工事、開墾作業の促進、入植施設の整備に置いて事業の進捗をはかるとともに、一般農家の経営規模の拡大をはかる見地から新たに地元増反の方式を主体とする新しい開拓のパイロット事業に着手することといたしております。  次に、成長農産物の伸長と生産の合理化に関する経費について申し上げます。  まず、畜産物の生産増大につきまして、畜産物需要の急速な増大に応じて畜産の飛躍的な振興をはかる必要がありますので、これがため、畜産経営の基盤である飼料自給度の向上に必要な草地改良造成等の畜産基盤整備事業について補助率の引き上げ、関連利用施設に対する新規助成と相待って事業規模を拡大することとし、総額六億三千八百万円を計上いたしております。  また、家畜の導入、家畜改良増殖等の従来の諸施策については酪農、肉畜を重点として強化するとともに、新規事業としては後に述べる農業近代化資金による融資措置のほか、畜産主産地形成事業を乳牛、和牛、豚及び鶏について実施することとし、さらに、大裸麦転換対策の一環として、肉畜の導入と飼料共同化施設の設置の助成を行なうこととしておりますが、以上に要する経費として二十二億七千百万円を計上いたしております。  次に、大裸麦の転換対策費四十億円について申し上げます。最近における米の増産と消費水準の上昇に伴ない大裸麦の食糧としての需要が連年減退している状況にかんがみ、麦作農家の所得の増大と麦管理方式の合理化をはかるため大裸麦の小麦、飼料作物、菜種、テンサイ等への転換を推進するための措置を講ずることとし、転換奨励金の交付、転換作物の生殖合理化施設の設置、転換農家の家畜導入の助成等を行なうことといたしました。  果樹農業振興費としては四千百万円を計上いたしております。畜産と並んで今後需要の伸びが期待される果実の生産の増大をはかるため、果樹園経営に関し、経営改善計画の樹立、実行の促進、経営改善促進実験集落及び経営技術研修施設の増設、病害虫発生予察実験事業の継続実施のほか、新たに果樹の優良種苗の確保普及のため施策を講ずることといたしております。なお、果樹園植栽資金として農林漁業金融公庫から十億円の融資を行なうことといたしております。  次に、テンサイ生産の拡大についてであります。北海道におけるテンサイ長期生産計画に基づいてテンサイの生産を増進するとともに、暖地等府県の適地において、テンサイの合理的導入をはかるため、前年度に引き続き日本テンサイ振興会に対する出資のほか優良種子確保、テンサイ用機械導入、麦転換対策の一環としてのテンサイの集団的導入等の事業のため三億九千二百.円を計上いたしております。なお、別途北海道における土地改良等の農業基盤整備事業の実施にあたっては、てん菜生産の振興に資するよう配慮する所存であります。  次に大豆及び菜種生産改善対策についてでありますが、大豆輸入の自由化に伴って、後に述べます国産大豆及び菜種の価格保護措置と相待って、生産性の向上を急速に推進する必要があるので、主要生産地において、機械化等による新技術導入のための生産改善施設の設置を行なうため、大裸麦転換対策費に含まれる分を含めて総額一億八千五百万円を計上いたしております。  次に、養蚕の生産性向上に関する予算であります。養蚕経営を合理化し、繭生産費の低減をはかるため、省力技術の普及のための年間条桑育指導地の継続実施と、桑園の集団化による共同管理と全令共同飼育を奨励するため壮蚕共同飼育施設の大幅な増設を行なうとともに、新たに軟化病の検出調査の助成を行なうことといたし、四千万円を計上いたしました。  次に、作付合理化の促進に関する経費について申し上げます。農産物需要の変化に対応して有利な商品作物または飼肥料作物の導入による合理的な作付体系を確立するため、新たに水稲早期栽培跡地及び畑地における新作付体系導入のパイロット事業の実施、田畑輪換導入実験集団の設置並びに水出酪農促進のための飼料自給モデル地区の設置のため一千九百万円を計上いたしております。  第二に、農産物の価格流通対策の強化についてであります。  まず主要食糧の管理についてでありますが、米管理制度につきましてはその基本を維持するとともに、国内麦の管理につきましては、需給の実態に即応して管理方式を改善することとし、食糧管理特別会計の調整資金に対して一般会計より三百七十億円の繰り入れを行なうこととしております。  また、食糧管理特別会計において行なっております主要農産物の価格安定事業につきましても別途措置を講ずる大豆、菜種を除き従来の方針を継続して価格の安定をはかることとし、これによって見込まれる損失を補てんするため食糧管理特別会計農産物等安定勘定に対し、一般会計より二十億円の繰り入れを行なうこととしたのであります。  大豆輸入の自由化に伴い、国産大豆及び菜種を保護するための措置として市価の低落に伴う売買差損等を生産者及び集荷業者に交付金として交付することとしたので、ありますが、これに要する経費三十億円を計上いたしております。  牛乳乳製品及び食肉の価格安定につきましては新たに畜産振興事業団を設立し、乳製品及び食肉の買い入れ、保管、売り渡しによる需給調整を行なうとともに、生産者団体等の自主調整に対する助成を行ない価格変動を防止し、畜産経営の安定と畜産の拡大に資することとしたのでありますが、この事業団は従来の酪農振興基金の業務もあわせて行なうこととし、三十六年度は本事業団に対し五億円の政府出資をすることといたしております。  農畜産物の流通組織を整備強化し、流通の円滑化をはかる措置といたしましては、総額二億円を計上し、中央卸売市場の新増設に対する施設整備費補助金を増額したほか、青果物につきましては従来の事業に加え、新たに都道府県の出荷調整対策事業の助成、青果物出荷事情調査等を行ない、また、牛乳、家畜、食肉等の畜産関係の流通改善につきましても、牛乳品質改善事業、家畜市場再編整備、産地枝肉共販施設助成簿を継続拡充するとともに、新たに生乳取引検査について助成を行なうことといたしております。  農畜産物の需要増進をはかる措置といたしましては、パン及び牛乳の学校給食に対する補助、日本絹業協会による生糸の海外需要増進事業助成等を含め二十七億四千三百万円を計上いたしております。  第三に、農業構造改善対策の推進についてであります。  まず耕地の集団化につきましては、零細分散せる耕地を集団化するとともに、耕地条件を整備することによって、労働力の節減、機械力の導入等を促進し、農業生産性の向上と経営の合理化をはかる事業を積極的に推進することとしたのでありますが、このため耕地集団化事業と二反歩区画の耕地の形成を考慮した区画整理事業等の各種団体営土地改良事業とを有機的に実施することとし、これに要する経費として十六億八千五百万円を計上いたしております。農家の経営規模を拡大する事業として従来より実施して参りました開拓事業、草地造成事業のほか、三十六年度よりは特に一般農家の経営規模拡大を目的として従来の開拓方式によらず、地元一般農家の申請に基づく開拓パイロット事業に着手することとし、このため一億一千八百万円を計上いたしております。  また、自作農維持創設資金につきましても、これを農家経営規模の拡大のために積極的に活用し得るよう運用の改善をはかることとし、全体の融資ワクを前年度の百三十億円から百六十億円へと増額いたしますとともに、一戸当たりの貸付限度についてもこれを引き上げることとしたのであります。  さらに、農家の経営規模の拡大と生産性の維持向上をはかる見地から農業生産法人による協業の推進、農協による農地の売買、貸付に関する信託事業等農地法等について所要の特別措置を講ずることとし、これらに要する経費として八千六百万円を計上いたしております。  次に、農業経営の協業化を促進する施策のうち直接的な予算措置といたしましては、都道府県の行なう農業法人による協業化に対する指導の助成、中型トラクターの導入による協業方式確立のための機械化実験集落の設置、果樹園経営の協業化を進める実験事業としての果樹園経営改善促進実験集落の設置、桑園の集団化と壮蚕飼育の共同化を推進するための集団桑園模範施設の設置等の諸事業を実施することとし、このため七千三百万円を計上いたしております。  農業構造改善対策を具体的地域の特性に応じて総合的に推進するため、三十六年度においては先駆的な九十二地域における事業計画の樹立を指導助成するとともに、五百地域においてその予備調査を実施することとし、都道府県に対する職員設置等指導経費の助成、農業委員会組織の行なう農業基本対策に関する啓蒙普及事業等を含め二億円を計上いたしております。  またこれとともに、都道府県等関係機関の協力を得て、地域別の営農類型を樹立することとし、七百万円の予算措置を講じております。  農業近代化のために必要な農業労働力を確保しつつ過剰就業状態を是正して、農業就業構造の改善をはかるため三十六年度より新たに農業委員会組織が農業労働力調整協議会の開催等を通じて実施する就業構造改善事業に対し八千六百方円の助成措置を講ずることとしております。  なお、農業構造改善の一環として海外移住事業につきましても力を注ぐこととし、これに必要な経費として二億九千百万円を計上いたしております。  第四に、農協系統資金の活用による農業近代化資金融通制度の創設についてであります。  農業経営の近代化をはかり、農業生産性の向上を実現していくためには、農家等が必要とする生産施設等の整備拡充のための資金を確保し、その融通を円滑化することが強く要求されるわけでありますが、最近農協系統金融機関より供給し得る資金量が充実している現状にかんがみ、この資金を積極的に活用するとともに、農業改良資金のうち施設資金、有畜農家創設資金及び原則として農林漁業金融公庫資金のうち農業関係の共同施設資金と主務大臣指定施設資金を発展的に統合して新たに農業近代化資金融通制度を創設することとしたのであります。このため、三十六年度におきましては、この制度によって農協系統資金三百億円の融通をはかることとし、一般会計に設ける農業近代化助成資金三十億円の運用益一億七千万円によって、農協の貸出金利を七分五厘以下とするため必要な利子補給について助成を行なうほか、当該貸付金に対し債務保証を行なうために改組新設される都道府県信用基金協会に対する都道府県の出資について三億円の補助を行なうことといたしております。  第五に、林業振興対策の推進についてであります。  まず林業の基盤整備を計画的に推進いたしますため、林野公共事業につきましては、治山事業費に七十七億一千三百万円、造林事業費に四十三億七千五百万円、林道事業費に三十二億五千四百万円を計上いたしております。  このうち治山事業につきましては、前年度に発足いたしました治山事業十カ年計画の第二年度として、国有林野事業特別会計治山勘定において民有林の治山事業を計画的に実施することといたしております。また、水源林の造成事業につきましては、従来国有林野事業特別会計において官行造林事業として実施して参ったのでありますが、この方式に検討を加えまして、昭和三十六年度以降の新規契約分は森林開発公団により実施することに制度を改め、昭和三十六年度において二万ヘクタールの造成を行なうに必要な資金十億円を、国有林野事業特別会計より一般会計を通して同公団に出資することといたしております。  また、造林事業につきましては、前年度に引き続き拡大造林に重点を置き、人工造林計画を推進するため補助造林を拡充実施するとともに、農林漁業金融公庫に対する一般会計よりの九億円の出資に基づいて融資造林を促進することといたしております。  林道事業につきましては、引き続き奥地林開発に重点を置いて林道網の整備をはかり、また林道改良事業を拡充するとともに、山村振興をはかるため、新たに林業以外の目的を加味した多目的林道の開設を助成することといたしております。  次に、木炭の生産流通対策の強化をはかるため六千二百万円を計上し、引き続き木炭の生産指導及び調整保管事業並びに簡易搬送施設の設置の助成を行なうとともに、木炭の商品価値を高めるため、新たに切炭機の設置を助成することとしております。  第六に、水産業振興対策の推進についてであります。  まず、水産業の基盤である漁港の整備につきましては、五十億二千二百万円を計上いたしまして、漁港整備計画に基づき、特定第三種、第三種及び第四種漁港等に重点を置き修築事業を実施するほか、現状に即し整備計画を再編成するための調査を行ない、また離島の局部改良事業に対する補助率を引き上げることといたしております。  次に、沿岸漁業の振興につきましては五億一千百万円を計上し、新たに沿岸漁業の構造改善促進計画の樹立のための調査指導及び転業のあっせん指導を行なうほか、沿岸漁業振興対策事業を計画的に実施し、また、漁場造成改良及び種苗対策事業の拡充を行なうとともに、補助率な引き上げ、地元負担の軽減をはかることとし、さらに沿岸漁業改良普及体制の確立をはかるため改良普及員の増員等を行なうこととしております。  次に、水産物の価格流通対策につきましては二億五百万円を計上し、農産物と同様、対策を積極的に拡充することといたしておりまして、新たに水産物の市況通報施設の整備のため助成措置を講ずるほか、多獲性大衆魚の価格の安定と流通の改善をはかるため、これら生産者の生産調整組合を組織させるとともに、一部政府出資により魚価安定基金を設置し、さらに、生産者団体に対し、主要生産地等に冷蔵庫及び冷蔵自動車を設置する経費の一部を補助することといたしております。  第七に、その他の重要施策についてであります。  まず、農業災害補償制度の実施につきましては、百二十九億四千百万円を計上しておりまして、昭和三十七年度からの実施を目途として、農作物共済を中心に抜本的な制度改正を行なうこととし、新制度の普及徹底をはかり、あわせて家畜共済、蚕繭共済制度の改正に必要な調査を実施するとともに、昭和三十六年七月以降農業共済組合の基幹事務費を全額国庫負担として農家食掛の軽減をはかることとし、農業共済組合等事務賢負担金において約十億円の増額を行なっております。また、昭和三十七年二月から農業共済再保険特別会計を廃止して農業保険事業団を設立することとし、事業団に対する交付金その他所要の経費を計上いたしております。  次に、農林水産業に関する試験研究及び普及事業につきましては、まず、農林漁業基本対策に即して、試験研究を強化するため五十三億一千五百万円を計上し、特に畑作、畜産、果樹、水産増養殖等に関する研究を強化するとともに、都道府県試験場補助金について新たに総合助成方式を採用することといたしました。改良普及事業につきましては、農業改良普及事業に二十六億二千七百万円、蚕糸の技術改良事業に三億八千七百万円、林業普及卒業に四億六千八百万円、沿岸漁業改良普及事業に四千三百万円をそれぞれ計上し、生活改善関係の専門技術員及び普及員並びに沿岸漁業改良普及員の増員を行なうほか、活動費の充実、研修の強化、指導施設及び機動力の整備等の措置を講じ、関係職員の資質の向上及び活動の強化をはかることといたしております。  次に、農山漁村青年対策につきましては、三億二千六百万円を計上し、引き続き農業講習施設の整備をはかるとともに、農村建設青年隊の構想を改め、農家後継者の教育を目的とした長期研修として拡充実施するほか、新たにラジオ農業学校の設置、農村教育青年会議の開催等による農村青年研究実践活動並びに山村中堅青年を対象とした研修及び技術交換事業に対して助成を行なうことといたしております。なお、漁村青壮年実践活動についても、引き続きその促進をはかることといたしております。  次に、後進地域振興対策についてでありますが、まず、不振開拓地対策といたしましては、先に御説明申し上げました開拓事業について、振興地区関係に重点をおいてこれに八十億八千万円を計上しておりますほか、開拓営農の振興をはかるため十一億二千九百万円を計上し、営農資金融通措置の拡充、開拓保健婦の増員、過剰入植整理措置の推進、老朽住宅の改修等の措置を講ずることといたしております。このほか後進地域振興対策といたしましては、小団地開発整備事業の拡充実施をはかるため三億七千八百万円、僻地農山漁村電気導入事業により、八千戸の未点灯農山漁家を解消するため一億八千六百万円、農山漁村同和対策に二千八百万円、南九州地域の防災営農振興対策に五千万円を計上しておりますほか、さきに御説明申し上げました山村振興林道事業に二億円が計上されております。  次に、農林漁業団体の活動促進につきましては、〈計十七億四千九百万円を計上し、農業委員会、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合等の農林漁業関係団体の組織を整備強化し、その活動を促進することとしておりまして、これら団体に対する育成指導及び整備促進等の措置を継続実施するとともに、新たに農業協同組合の合併を強力に推進するため、合併組合に対する指導及び施設整備の助成等を行なうことといたしております。  次に、災害対策事業につきましては、その計画的実施をはかることを方針といたしております。まず、伊勢湾高潮対策事業については、三十二億九千六百万円を計上し、直轄事業は三十七年度まで、補助事業は三十八年度までにそれぞれ事業を完了することとしております。次に、海岸保全事業のうち、チリ津波災害対策事業については五億一千五百万円を計上し、その緊急に応じ事業を実施するとともに、一般海岸保全事業については、九億九千三百万円を計上し、冷水事業の進展に合わせて事業の実施をはかることといたしております。さらに災害復旧事業は百十二億二千九百万円、災害関連事業は十一億三千八百万円をそれぞれ計上し、所定の進度により事業を推進することといたしております。  次に、昭和三十六年度の農林関係特別会計予算案について申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。  まず、国内産米麦につきましては、米はその集荷数量を五百七十万トン(三千八百万石)とし、麦につきましては、大裸麦の需要の減退等麦需給の動向に即しつつ管理の合理化をはかるため、小麦は従来通り無制限買い入れを行ない、大麦、裸麦についてば一定数量の範囲内の買い入れを行なう方針といたしました。また、予算上の買い入れ単価は、米は前年度の決定米価と同額の百五十キログラム当たり一万四百五円とし、麦も三十五産麦の決定買い入れ価格と同額といたしております。なお、米については消費者価格は現行通り、配給数量は月十キログラムとし、別に、卸、小売業者の販売手数料の改訂を行なうことといたしております。  輸入食糧につきましては国内産米麦及び輸入米麦の需給事情を勘案し必要な限度の数量を輸入することとし、その買い入れ価格も最近の実績及び今後の見通しにより算定いたしました。  農産物等につきましては従来の方針を継続するものといたしますが、大豆、菜種は外国産大豆輸入自由化に伴いまして別途所要の措置を講ずることといたしました。また、飼料につきましては畜産振興対策の進展に対応し所要量を計上することといたしました。  なお、この会計の損益見込みにつきましては、国内米、国内麦、輸入食糧の各勘定を通じまして、三十五年度において二百八十三億円の損失が見込まれますが、三十五年度期首の調整資金持越額は工億円ありまして、三十五年度予算においては前国会で御審議いただきました補正予算を含めて二百九十億円の繰り入れを行ないましたので、差引十二億円を三十六年度へ調整資金として持ち越すこととなりますが、三十六年度はさらに三百七十二億円の損失が見込まれますので、三百七十億円を調整勘定に繰り入れることといたしております。  また、農産物等安定勘定につきましては、三十六年度において二十億円の損失が見込まれますので、同勘定へ三十億円を補てんのため繰り入れることといたしております。  以上により三十六年度本会計の歳入歳出は、それぞれ国内米管理勘定におきまして、七千八百二十五億三千百万円、国内麦管理勘定で一千三十五億五千五百万円、輸入食糧管理勘定におきまして一千六十二億一千五百万円、農産物等安定勘定におきまして、五百八十四億七千九百万円、業務勘定で百九十七億七千二百万円、調整勘定で八千五百三億円となっております。  第二に農業共済再保険特別会計について申し上げます。  最近の農業生産事情の変化と農業災害の実態に即応して昭和三十七年度より従来の画一的な強制加入方式の緩和、農家単位補償方式の採用、組合等の共済責任の強化拡充等抜本的な制度改正を行なうことといたしておりますが、昭和三十七年二月よりは現在の農業共済再保険特別会計を廃止いたしまして農業保険事業団を設立し、事業執行の責任体制を明確にし、事業の合理的運用を期することといたしております。従って、特別会計予算としては、昭和三十七年一月までを計上いたしております。  農業勘定といたしましては歳入歳出ともに百二十一億八千万円でありまして、うち一般会計よりの繰り入れは前年に比し三億八千八百万円増の八十三億一千六百万円となっております。これは、三十四年度の引受実績を基礎として現行料率で算定いたしましたが、最近の農産物特に水稲の基準収量の伸びによる増であります。  また、家畜勘定につきましては、歳入歳出ともに二十七億七千四百万円で、うち一般会計よりの繰り入れは五億六千九百万円で、前年度に比し、三億二千五百万円の減少となっておりますが、これは農業保険事業団設置の関係から本年度十カ月分を計上したことと、三十四年度の引受実績による頭数の減によるものであります。  第三に、森林保険特別会計について申し上げます。  この会計は従来森林の火災による損害填補のみを保険対象といたしておりましたが、林業経営の安定を期するために新たに風水害等の気象災害をもその対象とすることとし、若干の料率改訂を行なうほか、所要の法律改正をすることとし、歳入歳出ともに七億五千四百万円を計上いたしております。  第四に、開拓者資金融通特別会計について申し上げます。昭和三十六年度は、経営不振の開拓農家の振興に重点を置くこととし、従って、新規入植については前述の通り前年と同数の一千戸としております。特に基本営農資金につきまして融資期間を一率に三カ年といたし、また従来の制度では恵まれなかった昭和二十九年度から三十二年度までのいわゆる谷間入植者に対し、営農資金の追加融資の道を開くことといたしました。  このため歳入歳出は五十一億四千百万円であり、歳入の内訳は一般会計よりの繰り入れ五億五千三百万円、資金運用部借り入れ三十六億円、償還金その他九億九千百万円となっております。  第五に、国有林野事業特別会計について申し上げます。まず事業勘定につきましては、前年に引き続き林力増強をはかるため拡大造林を主軸として策定された経営計画によりまして収穫量と事業量に見合う経費をそれぞれ計上いたしておりますほか、治山治水緊急措置法による治山計画の三十六年度予定事業費を計上いたしております。  なお、この会計の資金と組織を活用いたしまして民有林への林政協力をいたすこととし、従来通り、関連林道を継続開設するほか、新たに特別積立金制度を設置してその資金の取りくずしにより、融資造林の拡大のための農林漁業金融公庫への出資及び治山事業の推進等のため必要な資金十三億円を一般会計へ繰り入れるほか、すでに申し上げましたように、治山治水対策の一環として水源林造成事業を森林開発公団に実施せしめるため、その初年度資金として十億円を一般会計を通じて同公団へ出資いたすこととしております。  このため、事業勘定の歳入歳出は六百三十八億八千三百万円となっております。治山勘定につきましては、さきに一般会計で御説明申し上げましたが、そのほかに、地元負担金収入を含めまして歳入歳出ともに六十九億五千六百万円を計上いたしております。  以上のほか、特定土地改良工事特別会計につきましては、さきに御説明申し上げておりますが、漁船再保険、自作農創設特別措置、糸価安定、中小漁業融資保険の各特別会計につきましては、前年度に引き続きほぼ同様の方針で計上いたしております。  次に、財政投融資産計画について御説明申し上げます。昭和三十六年度における農林関係財政投融資計画は五百五十三億円でありまして、そのおもなものは次の通りであります。  第一に、まず、農林漁業金融公庫につきましては、六百億円の新規貸付を行なうことといたし、前年度の五百十七億円に比し八十三億円の増加となっております。これに伴い年度内に資金交付が予定される五百六十四億円に対し、その原資として一般会計九億円、産業投資特別会計八十億円の出資と、資金運用部等からの借り入れ三百二十五億円、回収金等百五十億円を予定いたしております。  貸付計画といたしましては、非補助小団地等土地改良事業、造林事業、自作農維持創設資金、果樹園造成事業等の大幡な拡充をはかるほか、新たに林業経営安定化資金、防災営農資金を設置することといたしました。  第二に愛知用水公団事業につきましては、さきに述べました通り、豊川等の事業を包摂し、従来の愛知用水事業の管理とあわせ実施することといたしておりますが、資金計画といたしまして、国費四十一億六千万円、資金運用部よりの借り入れ四十九億円ほかに、余剰農産物資金よりの借り入れ十七億円を予定いたしております。  第三に特定土地改良工事特別会計につきましては、歳入歳出総額百九十一億一千九百万円に見合う資金計画として、国費百億七千五百万円、資金運用部よりの借り入れ五十三億四千四百万円、他用途転売収入等三十七億円であります。  なお、開拓者資金融通特別会計につきましては、さきに御説明した通りであります。  以上をもちまして農林関係の一般会計予算案及び特別会計予算案並びに財政投融資計画の概要の御説明を終わります。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 周東農林大臣の御説明はただいまをもって終わりましたが、農林省関係の予算につきまして質疑のおありの方は、どうぞ順次御発言を願います。   —————————————

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) この際、分科担当委員の異動について報告いたします。  田中一君が辞任し、その補欠として小柳勇君が指名されました。   —————————————

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ただいま農林関係予算案の大要を承りましたが、私は主として、この政府の農業基本法の実施面並びに所得倍増計画を具体化する場合に起こる現実の矛盾といいますか、現実と政府案との関連について、多くの疑問点がありますので、具体的な問題についてお伺いをいたしたいと思います。たとえば、政府が自立経営農家を作り上げるために大体二・五ヘクタール当たりの規模で十年後には百万戸を創設したいと、これが政府案でありますが、この政府の言うように、農業人口は確かに私は減少すると思います。第一次産業から第二次、第三次産業に移行する、農業人口が漸次移行していくので、農業人口が総体として減ることは間違いないと思いますが、さて、それでは、その結果としてこの二・五ヘクタール程度の自立経営農家が実際に十年後百万戸造成が可能であるかというと、私は非常に疑問を持っておるのであります。私実は先般もこの点につきましては、池田さんのブレーンだと言われる下村さんにも私の意見をずいぶん申し述べましたが、なぜかというと、今申し上げましたように、第一次から他産業への移行は相当行なわれる、その結果、兼業収入もふえます、確かに兼業収入もふえますが、問題は兼業収入の場合は、私ここにいろいろな例を持って参りましたが、私の地方で言いますと、私は長野県ですが、もう話にならない。就職者の場合の給与というものが問題にならぬほど低い。かたっぱし、一番少ないところは六千円というところがありますが、七、八千円——官公労などは別でありますけれども、民間の零細企業で言うならば、七、八千円から、いいところでも一万円から一万二、三千円、これが給与の実態であります。そうすると、農業人口は減っても、また兼業収入はふえても、それでは農地を手放すか、農地は手放しません。ですから兼業収入は若干ふえますが、農地は政府が予定するようには手放さないのだから、その農地を買って二・五ヘクタール程度の自家保有農家が幾らもできるという可能性はほとんどない。ほとんどと言っては語弊がありますけれども、あまりない。これは現実であります。もっとひどい例になりますと、実はこの問……いや、その前にもう一つ申し上げますが、たとえば兼業収入の場合、月給が五万円とか八万円、十万円ということになれば、あえて骨の折れる農業をやる必要はありませんから、農地を手放す。その結果、手放した農地を金のある農家が買い取る。そして二・五ヘクタール当たりの規模の経営は可能になるかもしれません。しかし、月給八千円や一万円の兼業収入があったところで祖先伝来の農地なんかは絶対手放しません。これは経済外的な要因であります。もっとひどいのになると、五万も八万も収入ができれば、ぺんぺん草ははやしても農地は手放さないというひどいことを言う人もありますが、これは極端な例で問題になりませんが、いずれにしても、日本の大部分の地方都市の零細企業に、かりに農家の子弟が就職をして兼業収入がふえましても、その結果、農地を手放すことにはならない。従って、この自立経営農家というものが達成されることは非常に困難だ。これは私実際に現実を見てそういうことをつくづく感ずるわけで、その点は政府の観測が非常に甘いのではないかと私は思う。この点はどうでありましょうか。これは現に進行しておる事態を見て私は申し上げました。また、今後も趨勢はそう大きな変化は起こらないと思いますが、まずこの点についてお伺いいたします。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 羽生さんのお話し一応ごもっともでございます。私どもも実は御指摘の二町五反、百万戸農家設定ということは一つの目安といいますか、一つの構想として所得倍増計画に掲げております。しかし、御承知のように、自立し得る農家として現に一町五反以上持っておる農家、大体六十万戸ほどありますが、こういうところでも地方的に見ますると、かなり生活が楽なところもあるのであります。全部二町五反にならなければならぬとも考えませんが、しかし、農業だけで相当な暮らしをやり、そこに働く農業就労人口は、財産くらいもって、一つの、百万円の収入をあげるとすれば一つ目標はどうだろうかというので立ててありますが、しかし、これは全部各地域においてどんなところでもそれはできるものとは私考えておりません。また、確かに二町五反でなくても、ただいま申し上げたようなところを一つの目標にして定めた格好であります。それに関連いたしまして、お尋ねの点は、なるほど今日におきまして農業就労人口はどんどん減っております。大体三十万ないし四十万毎年出ておりますが、戸数は減らぬじゃないかというお話、これは今の現状はその通りだと思います。減り方は大体二万戸くらいか減っておらぬということですが、この点は将来どうなるかということについては、私どもも他の経済の伸長の場合と関連してよく見なければなりませんが、戸数の減というものは比較的就労人口の面よりも少ないと思います。しかし、その際においてどうするかという場合においては、一面においては、私どもの考え方は、自立農家の設定を目標といたしますが、一面においては、地方的にも、また零細農等でどうしても規模をふやすことができないものについては協業を育てるということを考えておるのであって、一面に、とかく政府案は、自民党は協業はきらいじゃないかというようなことを言われますが、そうでなくて、あくまでこういう点は、私どもは、農家の自主的意思に従っていくということを掲げておるだけでありまして、そういう面は別個の形で作りたいと思っております。これはお尋ねの外になりますが、今のような考え方で、現在はなるほど戸数が減らぬから実際上土地は各方面からふやそうとしてもふえぬじゃないかというお尋ねであります。これに対しては一律になかなか困難でありましょうが、地方によってはやはり農をやめて外へ出るか、あるいは兼業農家であって一町歩くらいでほかの兼業をしておるというもの、こういうものは半分くらいにして、兼業の方でしっかりと収入を得ようというところもあるようであります。そういう地域はそういう土地をできるだけ移動しやすいように、農地法の改正とか、農業協同組合法における信託制度を設けて移動しやすいような方向に処置を講じます。同時に、現在ある零細農の土地だけを移動させるということじゃなくて、場合によりましては、ことに畜産関係ですけれども、来年度におきましては当然国有林野というものなんかについて、この牧草地帯というものについての払い下げというようなことは必要になってくるのじゃなかろうか、どれだけのものが必要かということを計算した上で的確な予定を立てる、そういう方向も考えております。一面においては、また先ほど御説明した中にある地元増反というような考え方、こういう面でも場所的にはふやし得る余地があるのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 念のために申し上げておきますが、私の質問はできるだけ建設的な立場から見ようと思うのです。政府案にけちをつけてうしろ向きに、停滞的な地位に置こうという考え方は毛頭持っておりません。疑問は疑問として述べる。そこで、そういうことになりますというと、結局この老人、婦女子等の家族経営ですね、非常に生産性の低い家族経営がふえてくる、これはあとに協業化の問題に関連しましてふえてきておる。そして土地は今申し上げたように、なかなか手放さないから、二町五反歩平均の自家経営農家の創設というものは、政府の目標通りになかなかいかないのではないか。そこで今のお話しでは、必ずしも二町五反というわけでもないと言われましたが、しかし一応計画にそう出ておるので、その達成は私は非常に困難だ、こう見ておるわけです。  そこで、次は自立経営農家を、先ほど申し上げたように百万程度作る場合の基本的な条件は、結局第二次、第三次産業に従事する人たちの給与、賃金水準それがどの程度になるか。私はこれは実は決定的な要因になると思う。そうでないと、もう兼業農家という形が至るところ存在して、絶対それは農地は手放さない、これが現実の状態だと思います。そうですからこの問題が根本的に所得倍増計画の一環として解決しない限り、農業だけの部門でそういう計画を立ててもなかなか実行できぬ。私は先ほど申したように、詳細に集めたのです、地方の零細企業の連中の給与を。とてもこれが家の農地を売り渡して、他産業へ移動していくという条件なんて全然ないということをつくづく感じるのですが、これは農林大臣にお尋ねするよりも、企画庁長官なんかにお尋ねをする方がよいのですが、これが重要な条件だということですね、一つは。それはお認めになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは羽生さんのお話、私は同感なんです。そこで私ども農業基本法を作りますについても、農業の所得を上げ、その農業構造の改善というような問題につきましても、労働移動の点を考えまして、農村だけで解決できないものが多い。またそれは役所にいたしますと、農林省だけの解決ではいかぬ。各種の関係においての総合施策を立てろという中に、今の労働移動の条件については、労働省のあっせんなり、力を入れてもらわなければならぬ点を考えておりますし、同時に今御指摘の、その場合において、とかくよく言われますけれども、そういう場合においても、どうも低賃金なり、日雇いばかりになって、ほかのものはだめだろうという意見がほかで聞かされるのであります。羽生さんの御意見はそうじゃないのですけれども、私どもは全体の産業の、日本の国民経済における各産業の発展を期するという中には、当然その方における労働賃金というものが一体どうあるべきかということは、その方で考えていかなければならぬ。そこでいわゆる最低賃金制について、意見が違うにしましても、一つの案ができておる。やはり新しい工業が起こり、それに対して従事する人々の賃金に対する政策をどう扱うかということが、今御指摘の点に関係すると思います。これは当然私どもはその方の関係で解決したい。とにかく安い賃金でほかにほうり出すという意味じゃなくして、やはり職業訓練もし、技術訓練もして、よい場所へこれを送り込みたいというのは、一つはそういう点に考えを持っておるからでございます。私どもは、それもできるだけ、来年度になりますか、この国会には間に合わぬと思いますけれども、低開発地、農山村という方面への工場分散計画、都市の分散計画というものに対する一つの法案を出そうとしておりますが、そういう方面はできるならば、水なり、電気なりの関係を考えまして、そういうものを分散させて、そこにいながらにして通えるようにしたらどうかということがいずれ議題に上り、法案になって出てくると思います。そういう方面に関連して問題を考えていきたいと思います。羽生さんの御指摘の通り、農林省だけでいかない分は、そういう方面も考えておるわけでざいます。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 この問題、いずれ他の機会に、総理なり、企画庁長官にお尋ねすることとして、純粋に農業面に限って質問続けますが、そこで政府のいう農業の協業化とは具体的にはどういう内容を持つかということですね。たとえば、協業という場合、それは共同化でもよろしいのですけれども、条件が全然違う農家がある場合に、具体的に、どうしてそれを達成するか。たとえば、ここに水田をやっている人があります、お隣りの人は果樹園をやっている、そのお隣りは桑園である、その向こうはまあ畜産をやっている。全くの異なる条件のもとにあるこの農家の、一体協業というものは、どうして達成されるかということですね。ですから、実は社会党だってそうだと思うのです。共同化、政府は協業化という、そんな言葉はどっちでもよろしいが、それならば具体的に全く異なる条件のもとにある協業をどうして達成するか、これは土地の交換分合をやるか、新しい集団地を作れば別ですよ。現にある、こっちは水田、こっちは果樹だ、そのお隣りは畑作だ、その向こうは畜産をやっている。単に消毒は一つでやりましょう、あるいは脱穀の場合にはお手伝いはしましょうとか、何かそういうことはできます、お互いに。しかし本来の言うところの、具体的な協業化とは、そもそも何であるか。これは非常に、私は現実に見て、両党とも簡単に言っているけれども、なかなかこれは容易なことではないとも感じます。従って、政府の言う協業化とは何を意味するかという問題ですね。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは最もいい点をお尋ねになりましたが、私どももそれはその通りだと思っております。私どもはまず一番考えられることは、畑作の農家で同じ業態の者、これが一番協業のしやすいことと思います。たとえば、今後における作物転換というものを考えたり、将来需要の伸びをも考えるということになると、畜産地帯について考えても、今までのような少数の飼育をやって、できたものを集めるのに大へん手間をかけるということをやめて、よく言われますが、畜産地計画は多頭飼育の計を作る。こういうふうな形に、業態の農業の種類をまとめた上で、協業に持っていくのが一番適当だと思います。しかし、それはなかなか指導の上で困難でありますが、同種類、同地帯、こういうものが一番まず真っ先に問題になる。しかし、それでなくても、協業が全面的の農業の農作共同ということまで入らなくても、おのおのの持つ分野に応じて一部共同というものがあると思うのですね。そういう地域においては、業態が違っても、その部分的な共同ができるということもございましょう、しかしその前提として、今御指摘の農地の集団化ということ、これは今度の予算にも取り上げておりまして、ことに労力なんかを共同化して生産コストを下げるために、分散している零細な農地をできるだけ集団化させるというような方向をとって、あるいは耕作の共同をする。今次問題になっている、何としても深耕、深く耕す深耕の度合は生産に比例するということを昔から言いますが、それなどは大型トラクター、中型トラクターを使うにしても、それは土地を集団化させて、トラクター一台でまとめ上げていく、これは別々に使っていたのでは資本が寝るだけだ、こういう意味の共同耕作もあると思う。これは部分的、地域的にいろいろ違うと思うが、さらに土地の生産性ですね、の違いというようなものをよほど考えないと、どういうふうにでき上がって生産の分配というものが行なわれるかという問題に入ってくると、なかなか個別的にむずかしい問題があると思います。この点は、私どもは協業化にする前に、それをまずモデル・ケースとして、ことしは先進地区九十二地区にモデル地区を設定して調査を進めまして、それを見本にさせたい。さらにことしから五百地区を予備調査させていこうというようなこともありますのは、御指摘のような心配な点を私も考えて、いかなる地区に、いかなる形態に、どの部分まで共同化することができるのかこういうふうなことを一つ示しつつ進めていきたい。かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 私は、なかなかこれは現実に移す場合に、非常にむずかしい問題と思いますが、しかし、今ある程度の方向はわかりましたが、かりに集団化する場合に、その場合に計算なんかも共同計算をやるところまでお考えになっているわけですか。

大沢融農林大臣官房審議官

○政府委員(大沢融君) 一がいに言えませんが、共同計算をしてやるようなところもございましょうし、別個の計算でやるような形もあると思います。一がいにこれということをきめておりません。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 こういうことばお伺いすると非常にこまかくなってくるので、この点今の問題はそれで省略いたしますが、そこで政府のこの基本的な方針というものは自立経営農家の創設が眼目なのか、それとも共同経営または協業化というようなものが主要な方向なのか、どちらかということです。どっちもだと、それは必ずおっしゃると思うけれども、しかし一応二・五ヘクタールで百万戸ということを言っておる点を見れば、将来は農業経営が企業として採算のとれる経営を指向して、それを中心にお考えになるというふうにもとれるし、場合によったら協業化が中心だとも受け取れる。どっちもということは都合のいいことになるには違いないけれども、非常に主目標が私は明確でないと思います。しかし、政府としては何を指向しているのだという点をもう少し明白にしていただきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これはたびたび同じようなお尋ねを受けるのですけれども、やはり日本の農業の今の状態、またこれからの農業者の心理というものを考え、また諸外国の例を見ましても、家族経営を中心とする自立農家というものが作られれば、その方が私どもは理想だと思っておるのです。しかし、日本のようなほんとうに土地をうんとふやすのがなかなか困難な事情のところで、全部御指摘のような二町五反とか、それ以上の農家がなかなか作れないと思います。しからば、それならば小さいのをほったらかして沈むのにまかせるかということは、そういうことは私どもは考えない。そこがあちらではよく切り捨てなんかをやりますけれども、そういうことは考えないで、そういうような小さい方々にはもちろん協業というような形で進めていったらどうか、また将来協業をやりたいという考えがあっても、一律にすぐにはなかなかむずかしいと思うのです、今のお話しのように。ある程度時間もかかる、これから自立農家を作っていくのに十年といっても、なかなかその間に地域的にもむずかしい点がありましょうし、そういう場合にはやはり協業で進めていったらいい、それはいずれも私どもその農家の一発的意思にまかせようじゃないか、この地域はこうだ、やりたい、熟してきた、協業をやっていかなければならぬ、こういうような形に進んで参りますところでは、大きく政府はそれができるように助長し、補助していこう、こういう考えなんです。いずれにいたしましても私どもの見方は、農家を個人的な家族経営でもって立ってゆくようにするか、またそれができぬところは、協業によって立ってゆけるようにするか、いずれにしても今の、零細農家のような形で個人ばらばらにやっているのではいけないから、その二つの形式を考えているが、まず原則としては日本の農家の今日の実態に即した豪族経営を中心とするということを考えるけれども、ほかは絶対にやらせないのではなくて、希望に応じて進めてゆく、こういう両方建てのもので、相補い相助け合って日本の今の零細農家、零細耕地を持っておる零細営農というものから脱却しそのいずれについても近代的な農業をやらせようというような考え方であります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこでもし、零細農家の協業化が個人経営よりも一そう成績を上げることが可能であるならば、自立経営農家の協業化ということは一体どう考えているか、これは明確に区分しますよ、零細農家の協業化が成績がいいというなら、自立経営農家の場合の協業ということは同様の成績を上げ得ることではないか。というのは、よろしゅうございますか、この所得倍増計画を見ると水田においては、将来十年後においては二十ヘクタールから四十ヘクタール、畑作で四十から六十ヘクタールで、いずれも二十ないし四十馬力の大型トラクターの導入ということを想定している。畜産や果樹についてもそれぞれ大きな規模を想定するわけです。これは零細農家の経営の共同化をいっておるのか、あるいは個人自立経営農家の場合でもそういうことを考えておるのか、一体どっちをいっているのか。これもどっちでもと言えば、そういうお答えもできぬことはないと思いますが、しかし零細農家の共同経営が成績を上げ得るのならば、自立経営でも同じことをやってみてもいいと思うわけですね。だからむしろ自立経営農家の方が条件が整って協業化の成績がもっと上がる。その点は、ここのところは非常にあいまいになっているような気がするので、もう少し明白にしていただきたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それはやはり私は将来における自立農家として形成された農家の気持にまかせたらいいかと思うんです。それはある程度自立農家といっても農業だけやっていると、さらにこれはおのおのがある部分的な共同をした方が都合がいい、そういうようなことをやりたいというなら、私はとめるなにはないと思う。しかし基本は、個人で実際やれる農家を作ろうというのが一方の私どもの考え方であり、それがだんだん進んでいって十年後にたとえば二町五反、二町五反というのがたくさんできますね、できたと仮定しますか、その地域において農業をさらに発展させるために、ある部分について共同しようというようなことをやるときに、これをば私はとめるなにはないと思う、必要はないと思う。しかしその場合においておのずから私は徹底した形じゃなくて、部分共同が起こるのではないか、二町五反を法人の上に出資したり、法人のために使用権を設定して、全部自分らが形態的には法人の耕作者になって作るという形はとらないで、むしろでき上がったものの共同加工、共同販売等について、今までのやり方よりももっと徹底したことが行なわれるのではないか。ですから協業ということを一がいに、田畑を自分の手から離して、法人なら法人の形の所有に移して、そうして耕作を共同にし、生産を共同にし、できたものを加工して販売も共同でやるという徹底した協業もあろうし、でき上がったものはおのおのの仕事でやれるが、その生産品をさらにまとめて有利に販売し、商品付加価値を増大するために加工するについて、加工工場を共同に持つというようなことは、部分共同になってゆくのではないかと思うんですが、その点は今後十年後において、その各自立農家おのおの個人個人の考えがあろうと私は思う、そのときにやりたいものを、それは絶対にいかぬと否定する必要はないと私は思う。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 しかし、それは零細農の場合はそうでしょうが、今の自立経営農家の場合、それじゃどうして二十馬力、四十馬力の大型のトラクターの導入ということになるかということですね。できた生産物の共同加工、共同出荷、それはいいです、当然やらなければならぬが、しかし明らかに大型トラクターの導入ということをうたい込んでおるんだから、そうなったら四十馬力のモーターをそんな小さい経営に要るわけはない。その場合にも共同化はあり得るんですね。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それはやはり私が今申し上げたんだが、それは自立経営になったときに、大型トラクターを共同に持って、そうしてそれを耕すということはやはり一部共同ですね。つまり法人のような協業経営というものと協業組織というものがありましょうね、協業、共同組織というものを徹底した土地共有というような格好のところまで目ざされるんですけれども、今自立経営がずっと出てきましたね、それを大型トラクターでもってやろうという場合に、その深耕をさせるということのために自分々々で持たないで、大型トラクターを共同で買って持とう、かわり合って使おう、これは共同ですね、部分共同化ということです。ですからおのずから小さい農家は土地を一緒にしてやった場合がいいということもありましょう、大きいところは土地を一緒にせんでもいいけれども、その土地を耕すのに自分々々が高い大型トラクターを買って持たんでも、共同でその機械を持って、そうしてこれをかわり合って使ってゆくという共同形態もあると思う。これは従来も私が協同組合なんかで持っておった小型の自動耕転機などを共同設備として持って借り合っていくという形態ですが、さらにこれがもっと進むとは思いますね。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこで、この政府のいろいろな計画ですね、それは単なる期待か、あるいはそこに何らかの積極的な指導を伴うのか、こういうことですね。先ほどから農林大臣がなるべく農家の創意にまかせて自然的発展の中でと言われましたが、ある程度の助成措置は先ほどの御説明の中に出ております。私は、自由主義、資本主義経済のもとにおいて完全な計画経済が行なわれないことは、これは当たりまえの話でありますが、この自由主義なり資本主義の経済下においても単なる期待では、私は政府のこの十年計画というものは達成できないと思う。太鼓判を押しておいて間違いない。ですからどの程度の処置をとるか。うっかり処置をして個人の所有権に介入したり、あるいは不必要な規制はなかなかできないでしょう。そうではあっても、ある程度のコントロール、それに見合って年度予算を組んで積極的な助成をしなければ、絶対にこの目標は達成できないということを私はつくづく感じる。しかし、今は社会主義下ではないからわれわれはそんなむちゃなことを言いませんよ。今の政府でも可能な範囲でできる規制、コントロール、これにはどういうものがあるか、それがなければ達成できない。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それはお話の通りで、私どもは言葉のあれじゃいかぬですけれども、よく社会党のいわれる計画経済というような意味における計画を立てないにしても、私どもは長期の見通しを立ててということを言っておるのです。やはり一つの、こういう生産物は将来こういうふうに需給の関係になるであろう。それに立ってどういう形で生産をするか、その生産地域はこういうふうに持っていったらどうか、またそれも個別にいくよりは共同経営、協業形態をとった方がいいというようなところが私はあると思う。これは私先ほど申しましたように、九十二地区に協業に関する一つの設計図を作らせてみる。また五十地区には来年の予備調査をやらせる。こういう形態を見て、なるほど自分の地区はあの形態に沿った方がいいという形を見てとると思う。これは一つの試験的なモデルの設置ではありますけれども、これを見てなるほどよいというようになれば自発的にやる。どこもこういうふうにやれと命令をすることになると、これはなかなかむずかしい問題になると思う。そういう点は一つの指導的な措置だと思う。私どもはあくまでも農業基本法に書いてあるように、長期の需給見通しを立て、それに沿っての施策を政府は示さなければならぬ、こういうことが各条に出ておりますが、そういう形を農家の方に示し、それに応じて誘導していこう、こういう形をとっておるわけです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこで、ちょうど今御答弁の終わりに出てきたたとえば農産物の価格の問題ですがね。農産物の価格が変動する。需給関係等の要因から農民が作付転換をしなければならぬ、またそういうことが起こってくる。そこで問題は、自分は政府がそういうように指導したのでこの作物がいいと思って一生懸命やった。ところが国内、国際的な需給関係から思わざる変化が起こって作付転換をやらなければならぬ。政府は損失補償をやるかどうかわからないが、新しい作付転換の助成なり何なりに非常にたくさんの費用を要し、国全体としては大へんな損害だ。そういう場合に、もっと明白に需給関係を想定できないか。たとえば経済企画庁の大来君の所得倍増計画の解説を見ると、一応想定されますね。たとえば米でいえば、昭和四十五年度には千三百二十三万五千トンですね。それからその他は何というようにちゃんと一応の想定は出ておる。一応の農作物の生産の想定をして、それを日本の総人口との関連で把握して、そうして正確な推算をすれば、そんなに急に需給関係が変わったからしょっちゅう作付転換をやらなければならぬということはないと思う。およその十年後には米はこれだけであるという線を示しております。麦はこれだけである。その政策、方針に向かって相当程度の指導を強化していく、そうすれば若干のでこぼこはあっても、そんなにあわててしょっちゅう農民が作付転換やるということは私はないと思う。最初スタートからそういうかまえで積極的な対策なり指導をやるべきだと思う。それをやらないで、農家の選択的拡大とかいう自由にまかして、自由経済の原則ですからそうでしょうが、それでは私は国家としても、農家としても非常な損害だと思う。だから、妙なコントロールをされても困るけれども、最初から、私はその点は総生産、総人口、その関係を明白に把握して、農民に長期計画を示して、差し引きの誤差、国際関係もありますからそう一がいに言えませんが、試行からくる誤差、そういうものは、私はそうなれば少ない。そのときには政府が徹底してめんどうを見てやる、こういう指導をすべきだと思う。この点はどうでしょう。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その点は同じ考えなんですよ。私どもも今度立てているのは、大体主要な農作物について一つの長期見通しを立てて、ただいまお示しの米についてもそうですし、麦、小麦、これから伸ばそうとしている畜産、あるいは酪農というようなもの、ずっと大体の見通しを立てて、それをもとにして指導していこう、一番問題なのは、米、麦はなかなかこれは皆さん農家の方が、一番安全な作物としてやられて参られるわけですけれども、これから需要の伸びる畜産とか、果樹とかいうものについては、なかなか地域別にも指導がむずかしいと思う。この方はことに大幅に伸び得るのであって、そういうものについての指導というものが一番大事であって、これらについても過去における実需とそれから供給の実績という面から見ての将来への伸び率を考え、そうして計画を立てておるわけです。一応そういうふうな計画に基づいて、品目別に、どの地方にはどういうふうに指導して作付けをしてもらい、また転換してもらったらよかろうという考え方でおりまして、それをやらせるに、さらに個人の経営か協業かという問題がそこに入ってくるわけです。これらは総合的に考えていこうというのが私どものなかなかむずかしい問題でありますけれども、政策的な意欲です。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 それが相当の私は計画と決心がなければいかぬと思うことは、これはちょっと今当面の問題ではないが、たとえば先年来の養蚕、桑園の減反、ところが今生糸の値段はこういうことになったから、急に逆なことが起こった。これらも一つ今の新しい問題ではないけれども、そういう問題があるわけです。それからこういうものを、そういう完全な計画を達成していく場合に、あるいは金融とか利子補給とか、その他いろいろな補助費、そういうものに積極的に補助政策がとられなければならぬと思うが、自然的条件ですね、立地的条件の悪い場合、この都会地周辺の農村はいいと思うのです。ところが、山村ですね、山村とか、自然的条件の悪い場合には、やっぱり対策がなければ、そういう場合には若干のたとえば利子補給を余分に見てやるとか、助成を多くするとか、何かそういう特殊な対策があるのか、ないのか、日本全国一律なのか、それは低開発、後進地域の開発というようなことで、そういうことを他面やっていくというのか、それとも農業そのものずばりでいって、何らかの悪条件の地域については、特殊な対策をとる必要はないかということです。同一条件では絶対これは均衡とれない。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それはお話しの点ごもっともでありまして、漁業政策につきましても、従来から離島振興対策、離島あたりで、特殊な、同じ農林業の関係についても補助率を変えていくとかいう方法をとっておりますが、離島でなくても今問題になっております僻地はどうなっておりますか、今の御指摘のようにやはり離島じゃないけれども、僻地、山村のような、ことに学校なんか大へんな問題がありますが、一年生から六年生まで一緒に教育するなんというところ、ああいう地域に対しては特別な措置を講じてやるというようなことで、僻地に対して特殊な対策を講じていくことが必要だと私ども考えております。これはまあ農業関係についてももちろんでございますけれども、ほかの電気の導入、たとえば無電灯地域については特別な助成で無電灯地域の解消、無医村地域の解消、そういうふうな処置を個々の省と連絡してやりますと同時に、農業地域につきましては農業基本法にも特に二条二項に「地域の自然的経済的社会的諸条件を考慮して講ずる」というのは特殊の補助率等も考えてみなければいかぬ、こういう考えを持っておるわけであります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 これは離島振興なり、それからいろいろ環境整備の問題を通じてその不均衡を是正していくということは、これはもちろん大事でありますが、今お話しのように補助率等についても十分お考えいただくとか、ある特定の地域については利子補給制度を特別に考えてやるとか、そうしていただかなければ、私は自然的条件に恵まれない地方の農業問題は絶対に解決しない。かりに将来解決するときがあるにしても、日本の経済成長が農民に及ぼ時期ははるか先の話ですから、これでは現実の問題の解決にはならぬと思うのです。それからもう一つは、そういう関係から積寒法や急傾斜地帯振興法やいろいろありますが、ものによるとお互いにどの地域もみなこれに編入しようとして、あまりに一般化して独自性がなくなってしまっているのです。そういう点からいって私ば今申し上げた点は積極的にやっていただきたいと思う。  それからこれは意見が少し入りますが、つまり農家の収入が上がっていって、その結果自分の農業所得の中から台所を改善するとか、堆肥舎のいいものを作るとか、あるいは新しい機械を買うとか、これが私は今日の経済条件のもとにおいては一番ノーマルな姿だと思う。しかしなかなかそれは容易でないと思う。それとともに水道の問題とか、台所の改善の問題とか、あるいは堆肥舎の建築の問題とか、つまり農家の生活の自然的環境を高めていく、たとえばどんなに所得倍増といっても、農家が映画を見に行くという場合には大へんなことですよ。バスに乗って遠い町まで行かなければならぬ、なかなか行けません。町へ行って喫茶店でコーヒーを飲めるかといっても、なかなかその機会がない。世の中が近代化しても農業にはなかなか及ばない。ですから農家の環境そのものを高めていく、それは農家の収入がふえて、自分でやるということだけでなく、政府そのものが積極的にこれは社会資本の導入という言葉を使ってもいいかと思いますが、そういう点から側面的に農業従事者の生活向上ということをはからなければいけないと思う。私は政府がその政策をより積極的にやらなければ、他産業との均衡というものは確立できない、こういうことを痛切に感ずるわけです。ですからこの点については一応うたい文句にはあるけれども、一体どういう道をお考えになっているか、この点承わりたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点は御意見の通りでして、私ども農業基本法を作るときに、農業の生産性を上げたり、農業からの所得をふやすことはもちろんだけれども、どうしても生活環境が都会よりおくれておる。これをあらゆる面で向上発展させる道を農業基本法に盛ろうじゃないかというので、第二条の第一項の八号に書いた。これは一応憲法ですからこう書いてありますが、これに対しての必要な施設を講じなければならぬと、これは義務になってしまう。それぞれの先ほどから申しました衛生関係からいうと、下水道の問題ですね。それから無電灯部落の解消、無医村地区における無医村解消というような問題、それから文化等の施設に関しましてはどういうふうなことになるか、これについてはただいま御指摘のような点についても考えていくことが必要だろうと思います。そういう点については今後いかなる施設をするかということについて国家が考えて、これに対する助成の道を講ずるということがこの八号に出てくるわけです。われわれは業態だけでなく、ほんとうに生活環境の改善をするということが農村を大きく引き上げるゆえんだと、こういうふうに思っておるわけです。従ってここで、妙なところで申し上げて恐縮ですが、私どもは第二条にこういうことを掲げまして、国家の義務として必要な施策を講ずるとか、それに対して第四条でしたかで、予算的措置を講ずるといっておりますが、法制上の措置を講ずるということは、これから各条項に沿っての必要な施設をどう具体化するかということが次の大きな問題になってくる。私どもそれぞれ考えておることはありますが、いずれまた御相談をしたいと思います。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 他の御質問の方がお待ちになっておるようですから、私簡潔にもう二問だけにいたしますが、一番重要なことは、先ほど来政府の御答弁にもあり、私がお尋ねしたような問題を完全に達成するためには、その年度の、毎年の予算にその裏づけとなる自主的な処置が十分行なわれなければならぬ。ですから、この点の確信があるのかどうかということですね。それがないと、これは全く計画倒れに終わるわけです。しかも、単なる期待だけでないでしょう。ある程度の積極的指導も伴う場合には、指導もする以上は、相当の予算の裏づけがなければならぬ。しかも、それは投資効率もありますが、必ずしも投資効率だけにとらわれることなく、私は十分な予算の裏づけを持たなければいかぬと思うのです。そういうことがあってのみ初めてこの計画が、内容のいい悪いはそれぞれ批判があるでしょうが、方法としては生きてくる、こう思うのですが、それはちゃんと御確信があるのですかどうですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私はこの農業基本法を制定いたしまする自後における政府の責任は非常に重くなっておると思うのです。御指摘のようにこの農業基本法というものが憲法でありますから、これを多くの法律なり、これからあとの制度によって、これについての施策をどういうふうにするかということは、今後毎年、前年度どういう施策をしたか、それから農業の実態なり生活水準の状況を報告し、とった施策を国会に報告する、またそれに対して御批判を受けることになります。この基本法が制定された後において各具体的な施策について立て、それに対して予算的措置を講ずるということについては相当に私どもも決心を持っておるわけであります。もとより御承知の通り、全体的な財政の中でございますから、一足飛びに何もかもというわけにいかぬかもしれない。しかし私たちは少なくとも今までおくれておる農村というものをこの上ともよくしようという立場からいえば、相当なテンポで計画を立てて実行に移していきたいと、かように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 そこで政府が毎年報告を出すんでしょう。その報告に基づいて新しい施策が盛り込まれる場合、そういう場合には何らか予算編成のときには若干の拘束力を持つのですかどうですか、その辺はこうやりたい、こう思うのだというようなときに、予算的な拘束力はある程度持たなければ、ただ報告をしてみたというだけで、あとはお前たちが自由にやれということでなしに、何らかのそれに裏づけとなるべきこの予算措置についてはある程度の拘束力を持つのかどうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは国会に提出するのですから、これはなかなか国会で鞭撻を受けますから、これはそれですぐに拘束力というのはきついですけれども、これは相当に私は力を持つと思います。それから毎年国会に出すということは、国民の前へ今までの経過はこうなっている、今後はそれに対応してこういう施策をしようと思っているのだ、こういう報告が出るとする。それで多いとか少ないとか、まあ足らぬかという御批判を受けますから、だんだんに私は力強い国会の鞭撻によって農業施策はだんだん充実していくと思う。また、そうすることがこの基本法制定の私は眼目だと思う。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 最後でありますが、私こういうことを感じるのです。全くのこれは感想ですが、私も外国の農業を見てみて、それでまあアメリカあたりの百町歩農業、もっとも耕地面積は五十町歩くらいで、あとは採草地と牧野。それから豪州、カナダの大規模農業、それから少なくともドイツ、フランス等の七、八町歩農業、それに比べて日本の今の現状。しかも目標が二町五反あたりが一戸当たりの自立経営農家の目標という。どんなに所得倍増計画がずっと進んでいっても、私は農業に限界があると思う。他産業がどんなに進んでいっても、農業が共同化になり経営面積が若干ふえて収入がふえるかもしれない。しかしこれはもう限界があるのです。だからこれは、私はよほど政府が農業に対する相当な——無計画的な非能率なことを幾らでもやれということは私は絶対に言いません。そうでなくて、投資は効率的であることを要するが、相当な手を打たなければ私はこの他産業の所得倍増の計画がどんどん進んでも農業だけは決してならない。この壁をどうして破るかということが問題なんです。これは農林大臣に聞いたってしょうがない、日本国民全体の問題なんです。われわれもそんないい知恵があるはずはない。そうなるとやはり実際問題として第二、第三次産業を伸ばして——私の言うのは、池田さんの言う切り捨てと同じじゃないかというこの議論が出るかもしれないが、そうでない。そうであればこそ、もっと共同化して、人口は減っても共同化を通じて一戸当たりの収入をふやす、その方向を指向しないと限界があるのじゃないかということを痛切に諸外国の農業を見てみて私は感じるわけです。だから、しかもまた農民が非常な幻想を持って所得がどれくらいふえるかということを考えるかしらぬが、それが一応の限界があるということを考えるので、最後にこの点については、これはお尋ねしてどうなる問題でもないけれども、農林大臣の御見解を承りたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は羽生さんの御高見には全く傾聴しておるのであります。私はこの農業の曲りかどに来たというときに、ほんとうに農村の方々も理解していただき、国民の方全般も理解していただいて、そうして施策が進めらるべきだと思います。ただいまのお話の点、私も同感でありまして、ただ単に土地をうんとふやして農産物を生産いたしましても限界があるという御指摘の通り、これはもう私どもが池田内閣で考えていることはその点に触れておるわけです。農業の成長率が非常におそくて、他産業はうんと伸びるというところの実態をつかなければならぬのであって、農業の方はまあとにかく、畜産とか果樹はまだまだ日本では伸びますけれども、大体農産物というものと他の第二次、第三次産業の生産物と比べますと、所得額がふえればふえるほど需要弾性値は農産物の方が減ってきて、他がふえるという実態ですね、しかも、その工業生産物の方は日本内地の生活水準が高まれば高まるほど需要が高まるのみならず輸出市場を持っておるということです。日本の農産物については米麦のことは言うまでもなく、御承知の通り外国へは輸出されずに日本人だけ食っておる。こういうものばかり作らないで、もっと需要のふえるもの、外国に出せるものは限界があっても日本でふやせるものがあるはずです。その点まではぐんと伸ばせると思うのです。その点は限界がきていないと思う。畜産物については諸外国は大体限界がきておるわけです。そういう点を見ますと、その点は私は同感でありますが、それならばどうするかというと、やはり今まではやむを得ずして零細農、零細耕地における過剰労働の投入によってやっておった。農業者一人当たりの生産性が低かった。これをいかに改善するかという問題を別に何かいろいろな意図があるように、切り捨てるのだというような問題でなくて、日本全体の産業の発展のために必要なる労働力を提供しつつ日本の国民は農業、工業、商業、あらゆる面において所を得た生活をさせる方向へ一つ持っていく、その中においての農業の構造改革をしていくということに私は御理解をいただいていくと非常にいいのではないかと思います。私どもは決してその意味において農業者をこちらから計画的にどうするということじゃないけれども、少なくともこの喜ぶべき日本経済の成長の度合いの中にあって移動する労働者を、その農業収容人口を有利に移動させつつそこに農業従事者の減退というものが出てくる。そこに初めて近代化の農業を入れ、資本、装備を充実させて一人頭の生産をふやすというところに一つのねらいが起こってくるのじゃないか。かように思っております。その点について私は羽生さんの御意見と全く同感でありまして、それについて私は非常に苦心をしておりまして、いかにしてこの実態を把握し、実態を理解していただいて、かくすることがほんとうに農村の、農業のためにもいいのだし、こういう気持で順次持っていこうと、かように考えております。

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 速記を起こして。

白井勇自由民主党

○白井勇君 私一点にしぼりましてごく簡単に伺っておきたいと思います。  政府で御苦労なさいました農業基本法が提案されておりまして、一日も早く国会の審議を了するように念願しております私一人でございます。あれが制定を見ましても、まあいわれます通りに農業の一つの憲法であるというようなものであって、問題はですから、どういう具体的な施策が生まれ、その施策がどういう方向で具体化していくか。これがやはり一番問題になる点だと私は思うのです。結論だけ私は申し上げておきまするが、あの基本法の趣旨なりあるいは目標において述べておりまする通りに、この他産業との生産性の格差をつめていって農家の所得を増しまして生活水準の均衡をはかっていく。こういうような目標から見まして三十六年度なりにとられようとしまするいろいろな施策、予算におきましても前年度から四六%も増しておるというようなことでありまして、いろいろ前向きの施策があるわけでありまするが、特にこの農業基本法の大筋に沿いました施策におきまして、私は先ほど申しましたその目標でうたっておりまするあの目標と必ずしも一致しないので、かりに目標が大体そういう線に沿っておりましても、運び方があまりにも、簡単に言いますと冷酷な措置ではないか、もうちょっと農民にあたたかい気持を持って施策をやるような方向で持っていかなきゃならぬのじゃないかというような感じがするのであります。  それを二、三例をあげて私お聞きしてみたいと思います。  まず、その大豆の対策であります。そのほかの、たとえば果樹農業振興特別措置法案でありますとか、あるいは農業近代化資金助成法案でありますとか、あるいは畜産物の価格対策の問題でありまするとか、物価対策、これはいずれも前向きであるわけでありますけれども、しかし、これは必ずしも農業基本法というものでなくたって、当然ああいう方向に行く筋合いのものだと思う、そうしますと、特に今回取り上げられておりまするものは、農協法の改正によりまする農地の信託制度と、もう一つは、今申しました、この基本法で申しますと、第二条の一によってうたっておりまする「需要が減少する農産物の生産の転換、外国産農産物と競争関係にある農産物の生産の合理化等農業生産の選択的拡大を図ること。」、この考え方のもとにとられると思われます大豆の対策と麦の対策だと私は思う。  そこで、まず大豆の対策の方をちょっと伺っておきたいと思いますが、国内の大豆に対しまする大口の需要者関係の意向といたしましては、まあいろいろ国内産大豆のことにつきましていっておるようでありますが、日本の大豆というものは、反収は大正二年から十一年当時とほとんど変わりないのでございますね。そういう畑作物のうちの代表的な反収の低いものである大豆というものは、大規模な粗放農業に適当した農産物であって、日本の風土、農業経営に適しないものであるということをこれは証明をいたしておる。だから貿易の自由化による国際分業の利益を実現するよう他の農作物の生産への転換を指導しなければならないのだというのが結論なんですね。こういう結論によってやるのか、あるいは農林省は——大臣の言葉を借りますというと、ソフト麦という小麦八十万トンを国内で生産するということは、外貨を節約するとともに、農業所得を増大する、新しいこれは農業の方向である、こういうふうにおっしゃっているわけですが、やはり同様に大豆というものは、国内の自給度を上げていくのがいいんじゃないかというふうに思うのですが、ここのところは実需者の考え方と農林省の考え方は、どういうことなんですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは白井さんのお話の通り、大豆のごときも多量に外国から入れておりますが、できるならば、これは国内の生産をふやして、そうして輸入を減らすという方向で進むことが、支払いの金を減らして農家の所得を上げるということになると思うので、これはそういう考えでこれからの大豆の生産の対策に臨もうとしておるわけです。

白井勇自由民主党

○白井勇君 ただ、予算も去年の千二、三百万円から約八倍くらいの九千万円くらいまで増加をいたしておるようでありますが、それでは自給度を何年くらいにどこまでいけるかというような見通しをお持ちの上に、御指導をやっていらっしゃいますものか、その辺の具体案があまりはっきりしないのじゃないかと思いますが、どういうものでしょう。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは振興局長にお答えいたさせます。

斎藤誠農林省振興局長

○政府委員(斎藤誠君) ただいま国内大豆についての今後の生産対策の方向は、どういうふうに考えておるか、こういうことでございますが、今農林大臣から御答弁のあった通り、われわれといたしましては今後におきましても、大豆の増産につきましては十分努力をいたして参りたいと考えておるわけでございます。大豆は、先生十分御承知のことだと思いますが、現在の大豆の生産というものは、どちらかといいますと、自給的な生産の色彩がきわめて濃厚でございまして、生産量の約二十万トンが流通量になっております。言いかえますと、約四十万トンの生産のうち二十万トンが流通に乗っておるわけでございますけれども、その作付面積というものは、つまり商品地帯の作付面積というのは、全体の作付面積の約三分の一の十三万町歩くらいで生産されているというのが実情でございまして、大部分は自給的なものが非常に多いわけでございます。従って、そういうわけで、品種につきましても千七百にも上るというふうに、非常にバラエティに富んでおるわけでございます。そういうことで生産自体が非常に商品的なものであるにかかわらず、実際は自給的な色彩でやっておる。しかもこれに対する栽培方法も、どちらかといいますと、非常に不利な条件で、たとえば施肥あるいは深耕といったようなことをやれば、十分増収の技術があるにかかわらず、実際はそれが励行されていないというふうな条件下にあるわけでございます。  で、今後の大豆の対策の方向といたしましては、われわれといたしまして、面積につきましてはそう大きく増加を期待いたしていないのでございまして、もっぱら反収の増ということを主眼に置きまして計画を立てておるわけでございますが、御承知のように、面積におきましてはそう大きく増加を期待いたしておりませんけれども、反収面におきましては今後十分期待ができるのではなかろうか。御承知のように現在の大豆の総需要量の中で、いわゆる食糧用として需要される量が四十五万トン程度あるわけでございまして、従って今後の国内大豆の用途から見ますると、やはり油分よりも蛋白分の多い食糧用の大豆につきましては、十分増産の可能性もあるし、また今申しました需要量を目標に増産を進めて参ることが、当面の目標になろうかと考えておるわけでございます。今の計画といたしましては、現在の商品地帯におきまする反収百五十キログラムくらいを二百四十キロないし二百六十キロくらいには相当短期間に上がるのではないか、こういうことで計画をいたしておるわけでございます。

白井勇自由民主党

○白井勇君 今お話の四十五万トンというものは、蛋白資源として、技術的にも今三俵平均くらいのものが六俵くらいとれるような技術があるわけですね。ですからそういうものを積極的にやるというような態勢をやはりぜひとってもらわなければいかぬのじゃないか、やはりいろんなものを集団的にやっていくわけでしょうが、そういう場合に、やはりそこにその技術を責任をもって普及徹底していくような専門の技術者というものを、そのことだけに専心をさせるような格好でつけてやるということ、これは大豆だけじゃなく、家憲なども私同様だと思うのです。そういう施策をとっていかなければいかぬのじゃないかと思いますし、その点につきまして十分一つ今後お考えおきを願いたいと思います。  大臣にお尋ねいたしますが、今度大豆につきまして農安法からはずしまして、別途の法案でやることになったわけですね。どうも私わからないのは、先ほど申しましたように、価格対策というものは、基本法の考え方によりますれば、相当はっきりいたしました。今までよりもむしろ強化されるような期待を持っておったわけですけれども、今度の交付金というような扱いによりまして、今までの農安法でありますれば、それは優先買い入れというような手もあるわけでありますけれども、しかし、価格の高い低いは別といたしまして、最小限度三千円なら三千円というもので農家はいつでも政府に買ってもらえるというような非常な安心感を持っておったのですね。ところが、今度はそういうものがなくなってきて、ただ差額というものはどういう格好に入るかしれませんけれども、三分の一しかまともに動いていないといわれておる。農業団体等を通じまして、補給金の価格でただ補てんをされると、こういうような、まあ農業基本法の趣旨からいいますと、非常に価格安定という面におきまする具体的措置といたしましては非常に軟化したような措置のように思うのですが、やはり農安法よりはずしてああいう措置の方が適当であるということはどういうことから言えるでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点、御意見でございますが、やはり一面には私は農家の作られるものが品質も向上し、そうして需要に合うような良質なものを早く作り出してもらうということが必要だと思うのですね。それには多少時間がかかるから、外国産大豆等の入ってくるものに対して幾分は防衛しつつ、所得はあまり減らぬようにしながら、その間に農家も品質改良してもらって、よいものを作って、そうしてそれが市場に需要がふえるような格好に持っていくことをすることが私は新しい農政の行き方だと思うのです。何と申しましても、外から入ってくる大豆の方が品質が、用途によって違いますけれども、よいのですから、これをそのままにして、ただ価格だけで支持していくということに持っていけば、どうも生産改良意欲というものは、私はむしろたよられて進まないのじゃないかと思う。そういう意味においては、国家も思い切って生産指導し、品質改良についてお手助けをする、農家もその意味において早く追いついていいものを作るというような気持になる、こういうように私考えて別にしたわけであります。

白井勇自由民主党

○白井勇君 大豆のほかにもう一つの麦対策ですが、今度の大麦、裸麦だけを食管法からはずして別途の法律を作るわけですが、今とにかく現実にもう取り入れを二、三カ月後に控えました三十六年産の麦というもを調整をするというこの考え方ですね、これはもう大臣よく御承知の通りに、戦前から戦後にかけまして農民というものは食糧増産であれだけ苦労をして、そうしてそれに基づいて加工業者なりあるいは配給機関、国民全体の協力のもとにああいう食糧難を切り抜けたわけですけれども、やっぱり土台となったものは農家のこれは増産なんですね。そうして協力してきたものが変わって参ります方向というものがわかりましても、現実にとにかくもう刈り入れも間もないところに持ってきて、それを調節をしていかなければならない、こういうことはどうもあまりにも冷酷な施策のように思うのですが、どうですか。これは私が大臣から一つお考えを聞いてみたいと思うのです。農業基本法を片一方にお出しになるというああいう考え方からいいますと、どうも……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これもやっぱり私どもことし、昨年の秋まいた麦については、どういうふうに取り扱いをするかということでしてね、これは新しい麦、大臣に対する法律を出しますが、その運用の点でいろいろ考えていかれるべき問題だと思うのです。御承知のように、もう大裸についてはことしに始まったことでなく、年々ここ数年来需要と何がマッチしない。実際上の売られておる価格というものは非常に低いのですね。この点は一般農家の方々もよく見ていらっしゃると思う。ただそれは、政府がどういうふうになろうと、値が下がっても政府では興って下さる、そして売られなくても政府は一般財政によってこれをまかなっていかれるのだからという気持であったかもしれませんけれどもね。この点はだんだん直していただいて、そうして国と農家の方が一緒になって新しい農村、農家の作付作物について考えていくということが必要じゃないかと私は思うのです。しかし、それかといって、麦作地帯においては大へんなこれは収入の一つの大事な作物としてやっていらっしゃるから、その点を考えて転換をされても、麦については買い上げもするし、それに対する価格も一応パリティを中心とした価格に経済需要状況を参酌してきめるということが書いてある。これをいかにするかということは麦の買い上げ価格をきめる時期によく研究してみたらいいのだと思う。しかし、その真意は私は農村の方にわかっていただかないといけないのではないか。まあそこに農家の方と政府と共同理解のもとに政治を進めていくということであってほしいと思うのですね。私ども決して初めから麦作農家に対して損をさせていいとか、こういうことは考えない。大裸の実需の実態というものは一体どうであるかということはやはりよく認識していただく。その認識の上に立って、一体今後の大裸麦の生産をどう導びいていけるか、またそれに対する政府の買い上げの方式はどうするかということを考えていきたいというのが今度の法律の趣旨ですがね。

白井勇自由民主党

○白井勇君 重ねてお伺いするようですけれども、私も今大臣のおっしゃるような方向だけ、そういうことはよくわかるのですよ。ただ問題は、要するにもう二、三カ月あとにとることしの麦それ自体についての措置というものをああいうふうに変えていくということは、どうも農家といたしましては十分納得のいかない問題じゃないかと思うのですね。そこをあれですか……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その点は今申し上げたように、昨年の秋まきつけた麦についてはもう少し考慮してはどうかということのようです、そうですね。それはあの法律自体にはどっちにするとはっきり書いていない。大裸の麦の価格の決定はパリティ計算によるものを基礎として需給状態を参酌してきめるとたしか書いてあった。だから、これをどういうふうに決定するかというときにいろいろと検討していきたいと思っております。

白井勇自由民主党

○白井勇君 そうしますと、端的に言いますとあれですか、政府の買い入れ数量というものは過去の実績によってきめるというようなことになっておるようですが、価格自体というものはやはり去年と変わらないということですか。まあ法の建前からいいますと、相当需給均衡価格というような要素が織り込まれてくるように思うのですがね。三十六年産麦につきましてはそういうことじゃなしに、あまり去年とは変えないという行政措置でいくというお考え方ですか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 私から補足をいたしましてお答えを申し上げますが、三十六年産の麦はただいま御指摘がありましたように、今回の政府の麦に対する考え方が十分に明らかになります以前に植付をされましたものでございます。これの扱いにつきましてはちょっとわれわれも農家に不測の迷惑をかけないようにということは十分配慮しながら考えておるわけであります。  問題は二つあるわけでありまして、三十六年産の麦の買い入れをどうするか。それからただいま御指摘の価格の問題でございます。買い入れにつきましては、ただいま国会に提案いたしております法律の附則におきましても、三十六年産の麦の買い入れ数量のきめ方につきましては、三十七年産以降と相当変わった考え方をいたしております。簡単に申し上げますれば、大体農家が通常の販売の仕方をいたします場合は、それを全量買い入れるという実態にほぼ合わせまして考えておりますというつもりでございます。従って、買い入れの面において、農家がはからざる迷惑を受けるということは、まず考えられないと思います。  それから価格の問題でございますが、これは法律ではパリティ価格、需給事情、経済事情を参酌してということに、非常に幅広く書いてございます。これは御承知のように、今まで麦の買い入れ価格の規定は、非常に厳格に規定いたしてあったのでございます。これを従来より相当弾力的に表現した、ただ法文につきましては、この規定の運用によりまして、そう大きく従来の麦の買い入れ価格の水準を動かしたというふうには考えておりません。これは実際にはことしの出来秋、六月のころに、米価審議会で十分御検討いただきましてきまる問題でございます。われわれの心組みといたしましては従来は御承知のように、パリティが上がりますと、パリティが上がった割合に応じまして、その数字は全然これは動かせなかったわけでございます。それも農産物価格をいろいろきめて参りまする会計の中でも、あまりにも窮屈でございます。その窮屈さを改めていくという程度の心組みで考えているわけでございます。

白井勇自由民主党

○白井勇君 麦の問題をもう一点伺っておきたいと思うのですが、三十七年産に、これは大臣、政府が買いまする量は、三十七年中に大体食糧たる精麦に使われまする量というものを基準としてきめるということになっておりますね、新しい法律では。そういたしますと、転換という方向について、私は一つの進歩だと思いますけれども、これはなかなか、一つの計画ですから、そう机上で計算するようなふうに順調にいかない場合もありましょうし、それからやはり転換いたしまするならば、農家としましては、一番生産性の低いものから他に転換していきますね。あるいはまた天候のかげんで、相当豊作というものも予想される。そういたしますと、そういうような場合におきまして、やはりただ精麦量、精麦としましての消費量がだんだん減っていく傾向にあるのですから、そういたしますと、政府に買ってもらえない麦というものが農村にある格好になるわけですね。今まででありますれば、米麦というものは、農作につきまして非常に重要な農作物であるからということで、食管法によって買い上げられておった。それに次ぎまする農作物につきましても、農安法によって、何らかの価格支持がやられておったのですね。ところが、今度の措置によりますというと、そういう価格支持対象にならない麦というものが出てくる。こういう格好になるわけです。こういう姿というものも、やはりこれは私当初申し上げましたように、基本法を出します政府の構想というものには、どうもあぶないような、むしろ後退するように私は感ずるのですがね。そこは大臣どういうふうにお考えになっていますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お尋ねですけれども、私はただいまの基本構想とは矛盾しないと思うのです。あれにはやはり農家のためにも、だんだん需要の減退するものは需要の伸びる作物に変わってもらって、そうして所得を確保してもらったがよろしいということは書いてある。今お話の点は、そうやって減らしてみたけれども、天候のかげんで豊作になってよけいできた。それをまた減らされたのでは、基本法と矛盾するのじゃないかという見方、それはまた別の要因で出てきていることですね。やはり実際上需要の関係がだんだん落ちてきているものに対しては、変えてもらっていこうと、こういう趣旨で出ているのであって、それがために今度は私は特別な事情で、豊作でよけいできたと、それは買わない数量が出てくるから、矛盾するのじゃないかということにはならないと思うのですね。またそれに対してどう処置するかということですが、それはやはりだんだんとその点については、一定の数量以下に生産を減らしていくという方向に、農家の人々に理解していただいて、そうして協力していただくようにしたい、こういうふうに私は考えていますがな。

白井勇自由民主党

○白井勇君 ただ大臣、少し現実にそういう麦が出てくるわけですね。これはその転換それ自体においたって、これはやはりそう順調にいくものじゃありませんし、一方きめ手は、たとえてみますれば、菜種なりあるいは大豆、小麦に転換いたしますれば、すぐ所得というものは、これは何らか多少出てくるわけですけれども、たとえば飼料作物なりあるいは果樹に転向したとしても、すぐ金にならない。何年かというものは穴があく。かりに二千五百円の転換奨励金をもらいましても、一年なり二年というものは、やはりそこに穴があきまして、果樹を入れましても、そういうものが出てくるわけです。まして今度は一方において増産になってくる。それもしかし、買ってもらえないというような姿というものは、これはどうもその重要な農産物で、価格支持対策はとっているといいながら、そういう面において欠ける点が出てくるのじゃないでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これは私は、その点はやはり用途転換ということもあるのですね。つまり大裸麦というものが、人の食糧としての需要が減退してきている。しかし、大裸については、新しい畜産の振興、大幅な需要の伸びるものとしてやっていこうということに、かなり飼料としての需要がふえるのですね。その場合に、一体新しい方向として、大裸というものを、いかなる形に飼料に転換をさしていくかということを、私は考えていかなければならぬと思うのです。もちろんこれに加工した形において、特殊な特契において、大裸麦を飼料としての価値を高めるということも、一つあることはもちろんであります。大裸というものも、最初から精麦し、その麦ぬかその他を、飼料の需要を向けていく、こういう方向に、新しい施策を講じることと相待って私はいかなければならない。あくまでも人の食糧ということだけを考えて、よけいできてきたら、それはどうするかという問題じゃなくて、他のものは他の飼料の方にどう振り向けていくかというこういう方向に、需要の増進という面に一面考えを向けて、農家の売れなくて損するというようなことのないような方向に考えていく。それに価格差というものはどうなるかという問題が出てきましょう。これは実際の形が、人の食糧としてはだんだん落ちてくるとすれば、今後の問題として、一定の数量は人の食糧としていこう、他のものは飼料の方向へ新しく転換していくというようなことも、私は工夫して参るということが必要じゃないかと思います。

白井勇自由民主党

○白井勇君 これで私、やめますけれども、まあ大臣の今のお話でありますけれども、やはりあの措置につきましては、ただその精麦の需要量ということじゃなしに、今私たちは懸念するような点もあるわけですから、まあ今さら法案提出になってからどうこう言ったってしようがないですが、やはり私は生産事情というようなものも考慮してきめるような措置であってほしいというふうに私は今も思っております。  それからいま一言、これは私の意見ですが、いろいろと麦の転換対策は講じられているわけでありますが、小麦ももちろんいいわけですけれども、ビール麦につきましても相当考えていらっしゃるのですね。ただ業界関係の意向を聞いてみますと、最近は二〇%くらいずつ、ずっと伸びておるわけですね。おそらく三十六年度なんかは、業界の見込みでは原麦が三百二十万俵も要るんじゃないか。そのほかに麦芽を四万四千トンも入れなきゃならないと、こう言っておるんですね。これはきまったことじゃないでしょうが、そういう見通しなんですよ。そうしますと、ことしも一万七千トンぐらい入ったと思いますけれども、四万四千トンの麦芽というようなことになりますと、原麦にしますと百万俵ですよ。まあ一反五俵平均としますれば、二万町歩くらいの面積になるわけですね。ところが、そういうものを外国から入れなきゃならぬということは、結局は、御承知の通りに、麦芽の製造設備というようなものが莫大な金がかかるということなんですね。だから、これは従来の四大ビール会社でやるのもいいでしょうし、あるいは、今度農林大臣の構想のいわゆる農業の共同会社というような案もあるわけですから、むしろ農業団体等と手を組んだ、麦芽を思い切って生産するというようなものを作ってもらいますれば、現在、ビール麦になりますと、俵当たりたしか四百円ぐらい高いわけです。そういうようなことに思い切って投資をやるようなことをお考えになることが適切じゃないかという感じを私はしておるわけです。これは私の意見です。  以上で私は終わります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 今の麦芽の問題は、検討すべきものだと思いますね。これは、そういうふうな輸入をしている麦芽を国産化していって大麦の用途をふやすということは、検討さるべき問題であると私は思います。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 大臣は、農業の行き詰まりに希望を与えるために、農業基本法の制定に全力を尽くされておる場合であって、これこそ今議会においての生命とも言うべきもので、この方面に十分時間をとられる必要があると思うから、私はごく簡単に一、二の点について具体的にお尋ねを申し上げ、お答えをいただきたいと思います。  需要の伸びるものは、その方に拡大生産に当たる。需要の減退するものは、これを早く転換するように誘導する。これがために、あらゆる施策を考えておられる点はまことにけっこうだと思う。そこで、政府は蚕糸業を需要の伸びる産業と見るのか、横ばいのものと見るのか、あるいは転換すべき作物の一つと見られるのであるか。私の見るところをもってすれば、戦後という長いことでなくとも、つい最近の実勢から見ても、平和が長く続けば続くほど、繊維は優秀なものを求め、衣料もまたすぐれたものに需要が集まることは当然で、これがために、日本の生糸の輸出量も、織物の輸出量も漸次ふえて参っておる。残念ながら三十五年度は一昨々年の非常な相場の変動から、政府が減反に奨励金まで出したので、養蚕団体等もその方に力を尽くしたために、生産額は伸びるものが伸びないでおる。しかも、今日においては原料不足を見越し非常な高値で、このようなとっぴな高値では、伸びるべき需要もむしろ不当な高値に抑圧されておるというような状態にあるので、これでは私は蚕糸業が健全状態にあるとはどうしても考えられない。これは何とかして、考うべきで、過去の政策のよしあしは今論じてもいたし方ありませんが、蚕糸業がもはや転換すべき事業であるとするなら何をか言わんやであるが、中共の現状から見ましても、彼らは基本産業の基盤整備のために全力を傾けておるので食糧の生産さえも、その方面の労務の不足か、経営のよろしからざる結果であるかは別として現に未曽有の不足を訴えておる始末。従って、かねてから日本の蚕糸業の強敵と見ておった中共の蚕糸業はここしばらくそう心配しなくもいいのじゃないか、こう考えますと、日本の蚕糸業こそむしろなおここしばらく伸びる産業と見ていいのではないか、こう考えるんですが、大臣はいかがでございますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点ですが、なるほどこの二、三年前の状況と今日の状況とは、生糸需要に対する関係が変わっておることは、御指摘の通りであります。しかし、それだからといってこれはこれから非常に需要が伸びてうんとふやしていくべきだと今日直ちに断定するまでには私はいかんのじゃないかと思います。しかしながら、これはもう斜陽産業で転換さすべきものとも私は考えません。御指摘のように、最近における需要の伸び方というものは、私は戦前の状態とは変わっておると思います。今日はすべてが織物原料としての生糸、また、織物として輸出、こういう二つの形でヨーロッパ、アメリカ両方に伸びてきておる。従来のように女のくつ下の原料として九割五分輸出するという状態とは違って、ここに現実な新しい需要の伸びが見られると思うんです。従って、今すぐこれは転換しにゃならぬというようなこともありませんけれども、やはり今後における需要の実態というものをよく精査し、精査するというよりは、むしろ需要増進に関する施策を講ずることと相待ってこの養蚕業の育成奨励ということに当たっていくべきだと、かように考えております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 大臣の言われるところは、そう積極的に現在相場が高いからといってどんどん増産を奨励したいとは思わない。しかし、減反すべき産業では断じてない。ことに、需要は織物の方にアメリカにおいてもヨーロッパにおいても伸びておる。この現状を見詰めて適当な策を講ずるべきだという御意見のようでございます。しからばこれに対する現実の施策はどうであるかというと、相場のことですからいつでも固定しておりませんので、かれこれ言うのじゃありませんが、さきに政府が十万俵持っておった当時、政府は十八万円以上は思惑相場であるということであった。私はむしろあれらのものは持ちこたえておって、需要を圧迫するような非常に高値のときに市場に放出して価格調整に当たるがよかろうとも思ったんですが、これは業界とも相談の上のことで、あとになってみれば批評もできるが、そのときはもうそれでよかろうということで漸次処分された。しかし、まあこれはどうも放出が早過ぎはしないかというので、その後五万俵ばかり残して、そうしてその後は二十万程度でお売りになりましたが、今日ではその当時思惑であったと思った値段を五万円も上回るという非常な同値になって、しかもそれをさえどうにもいたし方ない。もちろんこれが蚕糸業そのものの需給関係から来たならば別ですが、他の蚕糸業に関係のない全く思惑師の相場にほんろうされておる。そのことがまじめな養蚕家にどういう影響があるかということを考えると、このまま拱手傍観すべきではなく、すみやかに蚕糸業振興審議会を開き、この重大な業界の変化に対処すべき根本策を検討すべきであると思う。他の農政には非常に忠実でおられまするが、蚕糸業に対してはその施策が全く休暇状態のように私は考えるんですが、いかがでございましょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 蚕糸業に関する問題については、審議会の開催をなぜやらぬかというお尋ねでございます。少しおくれておりますが、この三十日にこれを開催して御意見を伺うという考え方を持っております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 そこで、振興審議会を開くとのことまことにけっこうですが、それぞれ利害関係の違った者が集まって各人各様の意見を述べっぱなしで、なかなか結論が出ないのが今日まのでどうも残念な実績でございます。そこで政府はこの場合審議会を開かれるにあたりましては、何と言っても、先ほど、お話の伸ばすべき産業か、横ばいにすべきかということも、需給の状態を十分に勘案して進んで需給バランスのとれた健全な状態に導くということが大事であろうと思う。すでに畜産などは伸びる産業として大いに奨励しよう、奨励するのであるが、これもその基礎には基盤の整備と同時に、価格政策というものが大事だということで、価格安定のために畜産振興事業団を作られることもけっこうだと思いますが、蚕糸業においてはすでに繭価の安定をねらって蚕繭事業団があり、糸価の安定と及び需要の増進、輸出の振興等をねらって糸価安定特別会計を設け、糸価安定法というものがあり、これだけりっぱな法律がありながら、運営の面で今はもうどうにも動かない。休眠状態になっておる。しかし、その休眠で済むならばよいけれども、すなわちこの休眠が健全な状態であっての休眠ならよろしいが、こういう不健全な状態であるにもかかわらず休眠でおるということでははなはだ遺憾なことでありまして、これがためには、審議会を三十日に開くということを伺って喜んでますが、政府は一体どういう方針でそれに臨むか。私は、今後、ひとり蚕糸業と言わず、行き詰まった農業の転換のために、各種の農産物に対して価格安定を要望する声が強い。政府もまたその御意向だろうと思いますが、これまた財政的に見て容易ならざるものであります。従って、すでに政府の出費で蚕繭事業団というものができており、他に繭糸価安定特別会計というものがあるので、この政府資金とあわせて、民間でも生産費を割るような低落の場合は助けられるのであるから生産費を乗り越えて非常な利益を得ておるという場合は一部の資金を出し、て民間も不況時に備え政府のそれらの施策と相待って、政府と民間との力で価格安定に力を注ぐように指導されることが必要であり、また効果的ではないか。私はこうも考えるのでございまするが、これらの点についてはいかなる考えを持っておられるのか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 御意見の点は私はごもっともだと思うのでありまして、繭糸価の安定ということをはかることが私は繭糸業振興のために一番必要なものだと思うのであります。今日の糸の価格が二十三万というようなことは少し私は異常だと思うのです。この状態をそのままにしているから、これに相応した価格にすべての価格を変えろということも一部ありますけれども、私はむしろこれはこういう価格を目安にすべての施策を立てては間違いが起こると思う。ことに二十三万円というものを調べてみますと、浜生糸、これは先物で、実質的には二十三万になってからちょっと動いておりませんというところに非常に問題がある。従って、こういう異常な形にあるものを、将来また変動があって下がるというようなことがかりにあったとした場合に、それに備える備えを政府のみならず、民間も協力してやったらどうかという御意見には私は最も賛成であります。かつて二、三年前に対策を立てるときにも、私は養蚕業界また蚕糸業界、貿易の業界等一緒になって、一つ金を出し合って非常時に備えることにしちゃどうだ、政府がちょうど十億円出すときですから申し上げたが、なかなかそういかなかった。今日のごとき景気のいいときには、その利益の一部を出し合って、そうして非常時に備えるということの形ができることを私は心から望んでいます。  さらに、先ほどちょっと私が申し上げた審議会を三十日に開きますと申し上げたのは、価格関係の審議会であります。あなたの御指摘は、多分振興審議会のことだろうと思います。これは昨年の十月にすでに答申を得ております。それに従って当面の施策をやっていこうと思っております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 この畜産振興事業団の方の構想を見ましても、民間出資を求められて、そうして政府と民間との協力を計画されているということであります。従って蚕糸業のごときは既往においては非常な政府施策に恵まれた産業でございましたが、あまりにただ政府にたよるだけで、民間がやっぱりこれに協力するということは非常に大事なことだと思います。幸いに生糸の保管に対しては、輸出生糸の保管会社というものがあって、わずかではありますが政府出資もあり、また、わずかではあるが民間出資もあり、これらの精神を生かして、なお、事業団の方と養蚕家を代表する団体等と十分のお話し合いの上、官民協力して蚕糸業の振興というものをはかり、安定策の基本ともなるべき事業団を育成するように御心配を願いたいという希望を強く申し上げておきます。それで、今は養蚕家は、むしろ需給関係から申しても、現在のような糸価から言って、繭はむしろ不足がちで、また製糸の方の消化力から申しましても、その原料である繭は不足がちであるから、売手市場としてさほど心配はないと思いまするが、一たび往年のような変化がありまするというと、全く養蚕家は立つ瀬がないことになってくる。そういうような場合を予想いたしまして、この農産物たる繭を共同処理という形におく。それには組合、製糸もございまするが、製糸家の持っておりまする乾燥設備を両者の協議により活用することにすれば、新たに設備投資の必要もない。そこらがやっぱり製糸家、養蚕家との協力によって共同の力で、せめて養蚕家は乾繭にして、不当の安値のときには売らないでおれるだけの準備を進めるように御指導をされてはどうか。それがためには養蚕家にも資金等の御配慮を願わなければならぬであろう。これはすでに農林金融公庫の方である程度の規格を添った養蚕家と、製糸家との集まりましての協同乾繭事業には融資ができるということになっておるようでございまするが、これは現在もさように今も理解してよいが、そのように法規なり、内規なりがなっておりますか、どうですか、お尋ね申し上げます。

立川宗保農林省蚕糸局長

○政府委員(立川宗保君) ただいまのお尋ねの件は、お話のようなことができるようになっております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 そうできるようになると同時に、政府の御方針としては、そういう方向に向かうときには、むしろ進んでこれを奨励する、支援しようというお気持は十分持っていらしゃることだと存じますが、いかでございますか。

立川宗保農林省蚕糸局長

○政府委員(立川宗保君) さような方向を奨励していきたいと考えております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 次に、蚕糸業と申しましても結局するところは、先ほど大臣が言われた繭、もしくは糸だけでは目的を達しない。織物にしなければならない。そこで、現に日本の織物もここ二、三年の間に非常に伸びて参りました。ことしは残念ながな異常な生糸高価で少し押えられておるようですが、傾向としては絹の輸出が伸びてきた。これは喜ぶべきことですが、今なお大部分のものは生糸輸出であって、もちろんけっこうでございますけれども、一たびこの糸がヨーロッパにいき、イタリアもしくはフランス等の技術をもってするときには、日本の生糸の原料代の数倍に当たる高い値段になって輸出されているように伝えられておりまするが、これらは最近どんな状態になっておりまするかお聞かせ願いたい。通産大臣はおみえでないが、通産省繊維局に関係があるので、繊維局長からお聞かせ願いたい。

松村敬一通商産業省繊維局長

○政府委員(松村敬一君) ただいまの御質問でございますが、御指摘のように生糸で輸出されましたものが、フランスないしイタリアで加工されます場合に、三倍ないし四倍の価格になっておるということは事実でございます。ただ、統計の点でこちらの品物とちょっと分類が違っておりますために、いろいろ正確な比較ができにくい点がございまして、そういう意味の十分の資料がただいまのところ整っておりませんけれども、大体三倍ないし四倍、事実非常にたくさん格差があるという点は御指摘の通りでございます。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 ただいま繊維局長からお話がありました通り、原料である生糸が一たびあちらの技術をもって加工された場合には、非常な高値になる。しかも、日本からも絹は出ておる。それはそんな価格にはなっておらない。これは技術の相違であろう。この点をは私三年ぐらい前だと思いますが、非常な繭価の暴落の際を予想して、政府がその場合には糸価、安全特別会計で何ぼでも資金操作していこうという場合でありましたが、もしそういうような場合が出たときには大へんな滞貨ができる。その滞貨に対して、それを機会に、政府は一つ生糸で出すことよりも織物で出すことに全力を尽くすべきだとして、この点を農林大臣にも通産大臣にも訴えました。通産大臣は当然織物については所管に属することであるから、全力を尽くすというお話しであったが、その後の実情を見ますると、その試験研究に使っておる金というものはどうも伸びておらない。現に二、三千万のものであって、しかも政府直接の機関というものは、かねては横浜に国立綿業試験所がありましたが、今では繊維工業試験所となり、わずかに神奈川その他信州などに、貧弱とは申しませんが、その地方自治団体において研究を進めておるものに補助しておるぐらいであって、このような程度では私はいかぬではないか。この点は農林省においてもすでに中野の蚕業試験場等で御研究を進められておりますが、これは農林省は、何といっても繭、生糸の生産で織物屋に対しては、農林省はむしろ大いにそこらを鞭撻して需要喚起に骨を折ってもらう立場にあるのじゃないか、こう考えられますので、この点は一つ農林大臣と通産大臣と御相談下さいまして、ぜひこの方面の研究費を大幅に予算の裏づけを持ち、そうして先進地たる海外からりっぱな技術者を何らかの形で十二分に優遇をし一つ招聘して日本の織物技術を飛躍的なる発展のできるように御高配を得たいと、思っておりまするが、農林大臣及び通産当局はどう考えていらっしゃいますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私が先ほど申し上げたように、糸の需要増進ということについて、積極的にやっていく必要があると申し上げたのは、その点も含んでおります。ことに私が申し上げたように、もとのような女の靴下の原料で出たのじゃなくて、織物の原料、または織物というものが非常に伸びていくということは、堅実化した需要の属ができたと思うのであります。たまたま御指摘のように、イタリア、フランス等で日本の生糸を原料としたものは高くなるということは、嗜好というか、流行というものをしっかりつかんでおらぬと思う。同時に織物技術に対する御所信もっともだと思います。こういう点につきましては、通産大臣とも連絡して積極的な方策を講ずるように努力をいたしたいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 私もほかは知りませんが、とにかく通産省の方では、化繊その他のものに十二分に仕事の分量はあるものですから、農林省の方とその間の連絡がどうも不十分ではないか。この点は農林大臣進んで一つ通産大臣と御相談の上、ぜひその実現を予算的裏づけをもって満足のできるように御高配をいただきたい、こう思っております。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は決して通産省がこれを疎漏にしているとは思わないのです。やはり輸出増進ということを考えておるときです。絹業協会というようなものも農林省と通産省と共管になってやっております。これなんかも積極的に動かすように、また、今の技術の導入等に関し、また技術視察等に関係して、できるだけの積極的な努力をいたしたいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 絹業協会に対する政府の補助も累年増して参っておりますことは多とするところでございまするが、なおこの程度では、なお技術方面のことは、ほんの一部分にすぎない。私はどうしても技術士の面で飛躍的の御計画を願いたい。これは農林省でもそうでございましょうが、一つ農林省は進んで通産省に対して協力し、お世話してやるような態度でお願いしたい、通産省の繊維局長いかがでございますか。

松村敬一通商産業省繊維局長

○政府委員(松村敬一君) ただいま農林大臣からお話がございました綿業協会を通じまして従来海外宣伝ということの面を力を入れてやっておるわけでございますが、これは御指摘のように、必ずしも十分とは申せないのでございます。で、特に先ほど来のお話の織物の加工技術を高める、染織加工の面、その面がもっともおくれておるのでございまして、ことしこれは初めてのなんでございますが、そういう面を特に中心にいたしました、品質改善のお金が約六百万円ほど新しく予算に計上されておるわけでございますが、これも新しい染織加工の技術をやります機械を買う費用でございまして、これのみをもっていたしましても、先ほど来御指摘の品質改善ができるとは思っておりません。ことに先ほど来話が出ておりますように、戦前のくつ下中心でございました、本来糸自身も、またあるいは繭すらもそういうことの目的に合うようなふうに従来生産されておったと思うのでございまして、今後そういう根本的な面の対策も、将来新しい輸出品である絹織物に合うような糸から作っていかなければならない。そういう面のことも、これは非常に根本的なことになるので、いろいろむずかしい問題があると存じますが、それを考えますると同時に、とかくこちらから現在の糸で出ておりますものが、外国で織物にされました場合に、数倍の値段になっておるというのは、何といたしましても加工技術が非常におくれておる点にあるのでございまして、これには織物を作ります業界が主として中小企業でできておりまして、そういう研究費等に対する支出も十分でございませんし、まあそれなりに中小企業としての設備の補助というようなことは従来からある程度行なわれておりまするが、これはもっと一歩進んだ研究が必要であると存じます。そういう企業の力が、御指摘のような品質改善をいたしますのに、必ずしも十分でない現状でございますので、この点はまた農林省の方ともいろいろ御相談いたしまして、私どももいろいろ折衝いたしまして、今後国の予算、面として必要な経費をいろいろと研究の上お願いをするようなふうに今後努めたいと思っております。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 通産省においても絹織物に対する研究費等その根本的な施策は不十分であったということを局長自身も認めてるし、そしてまたさきに通産大臣におかれてもこれに協力したいと言う。また農林大臣は大いに通産省と連絡を保ってその目的を達するようお願いしたいと言われるのである。ただ通産局長の言われるのには、織物事情の面から原料の方に問題があるというようなお話があった。両省にまたがっておるので、よほど両省とも緊密な連絡を保っていかれることが大事であると同時に、お話の通りに、他の化学繊維などは大工場、大資本でやっておりますが、絹織物は大がいまことに中小企業の規模に属するものが日本の織物業界の現状でございますので、大企業の方では五百万や八百万の研究費は問題じゃない。しかるに、政府が大いに研究しようとして五百万、八百万の話をしておるということであってはまことに遺憾なことでございます。しかし、これは過去のことであって、今のお言葉をそのまま受け取ってこの際一つすみやかに予算の裏づけのできた、新しい織物生産技術にお骨折りを願うように、農林大臣には一つその目的を達するようくれぐれお骨折りを願いたい。なお、かようにいたしまして、日本の織物がいよいよ高級なものがどんどん出ていくということになりますと、これはおそらくアメリカでも大して大きな産業として取り扱っておるのでございませんから、幾ら出てもアメリカの方でも、輸入税の問題でこれに対抗するということはないと思いまするが、とかくそういうことが絶無とも思われないので、幸いにこのたびは総理大臣並びに外務大臣があちらに行かれる絶好の機会でございますので、聞くところによるとおみやげといっても大したものはないと、そこで手軽にいけるものは絹織物であるということで、絹織物等を御利用になると聞いている。全くけっこうだと思うが、この機会に日本の絹織物の宣伝と、優秀な絹織物に対する輸入に対して特別な関税等での障壁を築くことのないような、これは外務大臣並びに総理大臣にお願いしたいのですが、官房長官お見えですので官房長官の御意見をお聞かせ願い、なお、私の希望の達するように両大臣にお話を願いたいと思うのでございますが、いかがでございますか。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) ただいま御案内の所得倍増計画の推進にとりましては、輸出の振興、輸出のドライブが第一義的に大切であることは私どもよく承知いたしておるわけでございます。特に外貨の取得率の高い絹織物の輸出振興につきまして、政府といたしましては深甚な関心を持っておりますことも御案内の通りでございます。今回総理の渡米が予定されておりますが、もとより日米間に横たわる共通の問題について高度のお話し合いがあると思うのでございますが、今御指摘の絹織物等の輸出振興、また先方における、米国における国内市場の開拓をはばむような状況等は、もとより話題の中に入ると予想いたしておりますので、政府といたしましても、農林、通産各省と御相談いたしまして、との話し合いを通じまして、そういったことに、総理並びに外務大臣のお立場におきまして、ベストを尽くしていただくような措置をとる決意であります。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 ありがとうございます。  そこで、私は最後に農林大臣にお願いいたしたいのですが、すでに蚕糸業の振興審議会というものは法制によってできておりますが、これは現在のでは、どうも蚕糸、製糸、養蚕それから輸出貿易商、こういうようなもので織物業者も入ってはおるけれども、その数がまことに少ないし、また農林大臣の諮問機関であって通産大臣の諮問機関ではないのですね。あれはどうなんですか、農林、通産両省の関係にこれは置かれておりますか、もし置かれておらないとすれば、私は今後の日本の蚕糸業を伸ばすには、やはり絹織物というものに重きを置かなければならない。従って内地の織物業者の希望、要望というものを、この審議会の意見の中に大きく取り入れる必要があると思いますので、いずれこれらは人員の点については法の一部改正の必要があるかもしれません。これについて、農林大臣よろしくお考えを願いたいと思っております。織物業者もごくわずか入っておりますが、そのうちウエートが少ないように思うのです。御研究をわずらわしたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その構成につきましては、よくなお検討をいたしたいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 最後に一点だけ。それは蚕糸業はこれでけっこうです。畜産奨励ことに私は鶏の問題については責任も感じているのですが、ようやくにして鶏にしても、畜産全体も、どんどん振興して参りましたことは喜ばしいが、飼料が非常に高くなってきておる。これは問題であって、これに対する前途のお見通しはいかがでございますか。何といっても畜産の死命を制するものは飼料の値段であろう、こう考えております。このお見通しを一つお聞かせいただきたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 御指摘のように、最近飼料の価格が上向いておる。ものによって上がっておるところは違っておりますが、大体において上向いておるということは御指摘の通りであります。私はこれに対して、将来の畜産を大幅に伸ばそうという立場から申しましても、今後の飼料政策というものは、農業政策の非常な大きな部門になると思います。それで今後においては、各飼料の品目別の需給推算というものをしっかり立てて、そうしてそれぞれの品目ごとに、国内における自給し得る数量はどれだけかということを立て、そうして同時に、どうしても国内生産でまかない得ないものは、何かこれに対してはあらかじめ輸入計画を立てて、品目別の飼料について、計画的な輸入を進めていく、こういうふうな考え方をもって臨む。同時に必要があれば飼料需給安定法の改正をなすべきであろうと、こういうふうに考えております。これは恒久対策ですが、同時に応急対策としては、こまかいことは係の方から申し上げますが、最近——十八日でありましたか、飼料審議会にもかけて了承を得ました。今日におけるふすま、大豆、それから麦ぬか、フィッシュ・ミール等に関する緊急対策をそれぞれ立て、そうして必要なものの緊急輸入計画を立て、かつ政府手持ちの大裸麦の緊急放出、こういうふうな立場をとって、できたふすまについては、従来競争入札であったものを、随意契約によって、飼料を使う実需者団体に直接払い下げをするqまた製粉工場等が、大きな工場に片寄っていたが、むしろ飼料を使うという場面に臨んでは、中小業者というものを活用する必要があるという意見がかねがねありましたので、取り入れて、従来六十六工場であった製粉工場を百二十にふやして、そうしてすみやかに製粉あるいは精麦等によってのふすま、ぬか等の供給の増加をはかるというような各種の事柄をきめて発表した次第であります。  それから輸入等については、何と申しましても、時期がからみまして、五、六月ということになって、その間の抜けばどうするかということに対しては、ものによりましては、学童給食に充てておる脱脂粉乳、そういうものを転換して飼料に回して、かわりに脱脂粉乳を入れる、これなどは時期的に融通がつくようであります。そういうことも考えて処置する、おそらくはこの四、五月の下旬ごろまでには落ちつきを見せるだろう、こういうふうに見ております。なお、数量的に御必要があれば、係の者から御説明させます。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 飼料問題について、恒久的にも、応急的にもいろいろ御心配になっておられることを丁重に御説明いただいて満足であります。この問題は急速に具体化せられるように、応急の問題はすでに出発されておるようでありますが、恒久の問題についても、畜産奨励とともに重大な——政府、われわれ自身も、奨励すればするほど責任を持たなければならぬと思いますので、よろしくそのお考えを具現せられることを希望いたしまして、私の質問を終わります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 農業基本法の実施運営に関連する問題で、二、三点お尋ねいたしたいと思います。  その前に、先刻羽生委員の質疑を聞いておりますると、きわめて常識的に、不用意のうちに共同、協同という字句がいろいろ使われておるのですね。このことは、先般果樹振興法の審議をいたしまするときに、政務次官にお伺いいたしまして、その際にはしかるべく明確な回答が頂戴できなかったので、あとでこんな解釈であるということを一応承りましたが、どうも頭が悪いせいかよくわかりません。共同——ともに同じくという表現が一つあるのですね。もう一つは、力を三つ合わせる協同がある、今回農業基本法に新しく協業という字ができているのですね。そこでお伺いいたしますると、ともに同じくというのは、行為の物理的な共同関係に着目しておる表現である。それから力を三つ合わせる協同とは、精神的なものを表現し、そのうちに行為をするための組織に着目したのが協同である。それから、協業というのは、行為をすることに着目した表現だ、こういうように説明を承っておるのですが、一体これは大臣として、こういういろいろな表現をされておることについて、質疑を聞いておると、何が協同だか、何が協業だかさっぱりわからなくなるようなお答えをなすっておるのですが、今私が申しましたようなことに明確に区分して理解をしておられるのかどうか。

大沢融農林大臣官房審議官

○政府委員(大沢融君) 結局三つは、詰まるところは同じ意味だと思いますけれども、どういう意味合いが強く出ているかというようなことを、今、森委員が言われたようなことに私ども解しております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、法律によっては協同化する、こういうだけで打ち切っておられるのもあるし、協業化をするという表現をしていらっしゃるのがあるし、その協の字の協同化を推進するという結論は一緒になるが、そこから出てきておるニュアンス的なものは非常に違うのだという場合に、そういう感覚で法律が規定されておるとすれば、そういう感覚というものは、法律の運用の上に出てこなければならぬと思うのですね。そういうことであってよろしいのかどうか、たとえていうと、果樹振興法の場合には、ともに同じくと書いてあるのです。ともに同じくだけの精神が果樹振興法には意図されておるということでよろしいのかどうか、結局同じになるのだからいいとおっしゃればそれでもいいのですけれども、その字句の表現するものがそういう内容のものであるとすれば、法律としてはやはりそういう全きものを規定しておらなければいかぬのじゃないかという感じを持ちますので、きわめて理屈めいたことですけれども、必ずしも理屈めいたことではない、精神が違ってきては困るので、それはどう理解されるのですか。

大沢融農林大臣官房審議官

○政府委員(大沢融君) 従来も協同組合法におきまして、協同組合という場合には、力を三つ書いた字を使っておりますし、十条だったと思いますが、協同組合のやり得る事業で、ともに使う共同施設を使ってやるというようなときには、共にという字を使っております。物理的な面に着目してそういうふうに使ったのだと思います。今回の協業と申しますのは、ともに力を合わせて行為をするということで、特に協業という字を使うのが最も適当であるということでああいう字を使っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、果樹振興法の規定のような場合に、二つ以上の果樹栽培者が集団果樹営農をするために、ともに同じくするという表現だけでは物足らぬということになるのじゃございませんか。そういう規定でよろしゅうございますか。そういう具体的な法律の規定の中に使い分けをしていらっしゃるところが、どうも納得ができぬと思うのですが。

大沢融農林大臣官房審議官

○政府委員(大沢融君) 果樹振興法で使いましたのは、おそらく物理的な面に、特にたとえば噴霧器ですか——というような物理的な面についての意味を特に強調するといいますか、そういうところにウエートを持っているというようなことでお使いになったのだと、こういうふうに思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 まあこの問題は、これ以上議論しましても結局結論を得られないと思いますから、やめますが、果樹振興の場合に、物理的な共同だけでよろしいなんということじゃ、果樹振興法を作った意味は私はないと思うのです。そこには、進んで果樹園そのものの共同利用までいかなければならぬと思う。あるいは、もっと進んで、共同化するという必要が多分にあると思うのです。物理的なものだけではない。このことは、今後いろいろな法律が出てくると思うのですけれども、あんまり使い分けをなさるというと、頭の悪い私どもはわからなくなっちまいますので、なるべくわかりやすく一つ規定をしていただきたいということを申し上げておきます。  そこで、具体的なこの基本法の運営に関連して一番重要になって参りまするものは、何と申しましても、近代化、合理化に要する資金の問題であろうと思うのです。そこで、政府もこの問題には非常に着目を願いまして、資金の融通に関する金利の助成の法律をお出し願い、三十億の予算を組んでいただいたということは、非常に私敬意を表するわけでございまするが、これだけではまだ十分ではないと思う。少なくとも農業協同組合の持っております資金を、もっと広く活用することが大切であると思うのです。そこで、現在の諸種の規定なり、あるいは監督上の御方針なりというようなものに関連して、せっかくの資金が十分活用され得ない姿に置かれておるという事態を私は見るのでございますが、こういう点について、今後どういうようなことをお考えになっておるのか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) このたび、近代化資金というような新しい農業協同組合の系統の金を使う制度を設けようとしているわけでございますが、これを農業協同組合の金ばかりに限らず、いろいろ資金を末端まで流しまする場合におきましては、たとえば一番いい例は、協同組合等の体制が非常にネックになって、そうして円滑に流れないというような面もあろうかと思うのでございます。そういうような問題は、いろいろ今後の問題といたしましては、そういうような問題を一つ一つ解決をしていかなければならぬというふうに考えておるのでございまするが、従いまして、今般農業協同組合法等も改正の法案を現在国会に提出をいたしておるのでございまして、農協のそういう体制の整備を十分はかっていくというような問題、それから実際の資金を扱いまする場合に、現在、政令で財務処理基準令というものがございまして、これでいろいろの規制をしておるわけでございまするが、これらの内容につきましても、実情に合わない面が相当あるのじゃないかというふうに考えておるのでございまするので、そういう点も十分一つ検討をいたしまして、この機会に直していきたいというふうに考えておりますわけでございます。それから、一面におきましては、農業協同組合の体制が十分でないというところが、資金の面についてもいろいろ問題があろうと思うのでございまするので、農協合併助成法というものもこの国会に提案をいたしまして、今衆議院の方で御審議をいただいておりまするけれども、農協の規模を大きくいたしまして、そうして十分に事業がやっていけるようにしていきたいというようなことを同時に考えておるわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 農協の体質を改善して、近代営農に十分な手助けができるようにするということについて、合併助長法が提案せられておりますことは承知もしておるし、まあ非常にけっこうな方向であり、今お話しの法律ではなくて、財務基準令等がその後の時勢の進運に伴って現在の時代には即応しないということだから、これを即応いたしまするように具体的な改正をしようということですから、この点も急速に一つ御解決を願いたいと思いまするが、先刻白井議員から大臣に伺われました一例として、麦芽の問題が取り上げられ、大臣も、そういうようなことについては具体的にこれは国内の生産として推進をしようというお話でございましたが、この場合といえども、やはり資金が要るのですね。そういう場合に、その組織が農業協同組合の法律に基づく機構でございますれば、現在の法律の範囲あるいは財務基準令の範囲で融通できる。ところが、仕事が仕事でありまするために、一つの企業として別の方法でこれが行なわれるという場合に、このことにつながる利害は農民に及ぶのですから、その場合に、そういうような事業、具体的に申しますれば、関連産業とでも申しましょか、そういうところに資金が出ていくということによって、農民の利益を守っていくということも私は首肯し得ると思うのですが、そういうような場合にまで農協の資金を活用する道を開かなければ、ほんとうの私は農民の利益を守っていくということには通じなくなるような面が起きてくると思うのですが、そうい点まで考えられるのかどうか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 仰せの通りでございまして、いわゆる今後の農業を伸ばしていく場合に、関連産業に対して農林省でも相当積極的にこれは考えにゃいかぬということは、これは現在も考えておるわけでございます。ですから、従いまして、今度の近代化資金等におきましても、農協が相当の資本を持ってそうしてやっていくような、そういう関連産業については、近代化資金の中に取り込んで、農民と、あるいは農協と同じような扱いをしていこう、こういうようなことを考えておるわけでございます。  それから、大きな産業でございまして、たとえば近代化資金のもとに都道府県の単位で都道府県知事が利子補給をするというようなことには適しないものがあろうと思うのでございますが、そういうようなものにつきましては、現在におきましても、農林中金からあるいは設備資金あるいは運転資金等を相当これは融資をいたしております、関連産業融資といたしまして。しかし、今後の問題といたしましては、今までの農林中金の関連産業に対する融資は非常に消極的でございまして、例外的にとにかくやっていくというような頭で、非常に消極的な考えで来ておるのでございますから、今後農林中金等の融資については、相当やはり系統資金への整備をはかっていきますと同時に、中金からは堂々と、少し積極的にやはり農業にプラスになるような関連産業には融資をしていったらどうか、こういうふうな考え方で今後の運営を二つ考えたらどうかというようなことを同時に考えておりますわけでございまして、今いろいろ検討いたしておりまするが、農林中金法の改正等も、法律案も一つ今国会に提案いたしまして、そういう方向で農林中金を、積極的に一つ農業に動いていく、あるいは関連産業に動いていくというような形で考えたらどうかというように考えておるわけでございます。  そのほか、そういう関連産業に対しましては、農林省といたしましても相当積極的に力を入れまして、これが開発銀行であるとか、あるいは北海道東北開発公庫であるとか、そういう特殊な金融機関からの融資について、できるだけ一つめんどうを見ていく、こういう態勢をとっておるわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 一応今の御説明でわかるにはわかりますが、系統金融として単位農業協同組合、県の連合会、中央の金庫というような段階を経て、その最終である中央金庫が、今お話しのように、相当関連産業には、出資等の関係を度外視しても、農業の発屋なり農民の経済を守っていくために必要な方面には融資の道を開こうということでありますが、もう一歩進めて、県の連合会の段階でそういう操作をなさしめますることがその地域の特殊な関連産業については地域内の農民の利益を保護するということには直接なりますので、これは非常に意味が違ってくると思いますが、そういう場合まで拡大して考えるべきではなかろうかと思うわけでありまするが、その点に関していかがでございましょうか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 仰せの通りでございまして、県の段階におきましても、今度のいわゆる近代化資金等におきましては、県の信連がこれを貸し出す場合におきまして、先ほど申し上げましたように、関連産業で農協等が出資しておりますようなものにつきましては、これは今度の制度に取り込んで一つやっていく、私はこういうことを考えておりまするが、そのほか一般の貸付につきましては、信連のいわゆる県の段階で関連産業に貸し出すといいますけれども、これは実情に応じて相当積極的にやはり考えなければいかぬということもあろうかと思うのでございまするが、現在の段階では、むしろ問題は信連に相当たまってきている金を農民にどうして還元しないのかという要望の方が非常に強いのでございまして、第一段階といたしましては、系統にたまりました金をとにかく農民に還元をするという方向で一つ力を入れていったらどうか、こういう工合に考えているのでございます。今までのたとえば員外利用の規制というようなものも農協法にはございますが、とにかく一応そういう制度のもとで、第一段階としては農民に還元するということを考える。その状況によって、今後の問題としては。県の段階等におきましても、いわゆる関連産業への貸し出しというものをどういう工合に伸ばしていくかというようなことは、一つ今後の問題として考えていきたいというふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 関連産業については、今度の近代化資金で信連の段階でも行ない得るように考えているということは、私も承知しております。その場合には、先般お話がありましたように、その借り受け主体の出資の関係等が一つの条件になると。あとの方でお話しになりました私も希望している中央金庫の段階で操作せられるものは、そういうような出資等の制限を撤廃して、そのことによって農業、農民が利する方面が確実にわかることになれば、道を開こう。その道を、今お話しのように、組織員の方はあと回しにして、よその方へ持っていくということはあり得ないことですが、組織員に対しては十分なる供給をやってもなおかつ余裕がある、そして中金の段階で行ない得るような、農業、農民に裨益する他の団体に融資することが適当であるという場合には、無制限を要求するのでございませんが、道としては、この際あとの問題だなんと言っておらぬで、基本法の実施される段階において踏み切るべきだ。それはその場合に、あるいは農林大臣の認可を受けるとかいう制限があってもいいと思うのです。あるいはなければ——再々整備法を作らなければならぬということでは困ると思うのですが、そういうことがあっていいと思うのです。それは他日の問題なんていってゆっくりしておられない、この機会に踏み切るべきであるということは考えるべきことと思いますが、どうでしょうか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) おっしゃいます通りに、組織員の方がとにかく第一でございますことは、先ほど申し上げました通りでございますが、現在の信連の段階で、四千億くらいの貯金があるということを申しておりますけれども、それではその今のように、今まで四千億もあって、そしてこれが農村に、いわゆる農民に還元されないという原因をいろいろ考えてみますと、あるいは金利が高いとか、あるいは先ほど森委員御指摘のような、中途の過程でネックがあるというような問題もございまして、そういうような関係で、必ずしも十分には還元されていなかったというようなことが若干あろうかと思うのでありまして、そういう点を十分今後、近代化資金におきましては利子補給もし、債務保証もするというようなことで発足をいたしまするわけでございまするから、そういう制度につきました場合に、はたしてそれで、信連の段階に四千億のものが従来通り残るようでは困るのでございまして、これがおそらく資金が足りなくなるくらい相当やっぱり還元されていく、そういう気分になって参りますると、ずいぶんこれは違うのじゃないだろうかというふうに考えておるのでございます。ですから、従いまして、現在の段階で関連産業にも堂々とやっぱり県の段階でも出すのですということを言い切れますかどうか、実態をもう少しやはり見て、それで大体別に、資金の事情がどういう事情になりますかというような点も十分見ました上で、踏み切ってもおそくはないのではなかろうかというような感じがいたしておるのでございます。ただ、気持といたしましては、当然、やはり農業の近代化を進めていくということでございますから、十分それに関連する産業に対してはもっと積極的に金を出していく、こういう考え方のもとにいろいろの問題を一つ検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今の問題ですね、もちろん各都道府県ごとに実態は違うのですから、私もむちゃな、一律にどうせよというようなことを申し上げておるのではないのです。その県々の実態によって、近代化資金等を十分供給してもなおかつかなり余力があるという場合ですね、しかもそれを金庫で行ない得るような業務に対して、その県の中の産業として放出をしていくということが回り回って非常に農民の利益を、あるいは農業の発展を助長していくという場合であれば、これはある一定の認可とか承認とかいう条件のもとにやらしても、決してそれは行き過ぎるとかいうことじゃなしに、むしろそのことこそが近代化を促進していき、農民の所得を他産業に均衡せしめていくために、非常に私は役立つというのですから、そう憶病にお考えになる必要はないので、一律にやれというのではないのですから、その辺を踏み切っていただけばいいのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点、よくわかります。よく検討しますけれども、ただ、とかく信連の段階で、りっぱな経営、運営者がおられるとは思いますけれども、ちょっとイージー・ゴーイングにいく場合がある。そういう関連産業に、しっかりしている方面に、取りはぐれがないし必ずうまくいくということで、そっちに行って、本来の農業者にうまく還元されないで困るということの心配だと思うのです。御案内のように、中金でも関連産業に出すというような、初めは許可を、農林大臣の許可を受けますとか、何か、幅は初めは狭く動き出しまして、だんだん剰余金の増加によって幅を広げたと思いますが、信連の段階でやりますについては、御趣旨は十分考えて、将来研究をしてみたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 関連。先般も予算委員会で農林大臣にお尋ねしたのでありますが、近代化資金が、たとえ利子補給しましても七分五厘というのは、ちょっと農業のような原始産業、基礎産業に対する、しかも長期にわたって必要とする金に対する七分五厘というものは、ちょっと高過ぎるのじゃないか。どう考えてもそう思うのですが、もう少し安い方法はないか。大臣はもっと考える必要があるのじゃありませんか、この点は……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点は、千田さんおっしゃる通りだと思うのです。けれども、まあ今まで農林漁業金融公庫から出している金も、御案内のように、三分五厘の利子補給をして、三分五厘のものもあるし、五分のものもあるし、いろいろ中にあるわけですね。できれば私はお話のように、だんだんと下げていきたいと思うのですが、主としてこの近代化資金の対象となるものは、回転の早いものが確かに対象になっておると思っております。従って、この回転のおそいものについては安くなっておるのですが、そういう面は今後続けて、私将来ともこれは引き下げの方向へさらに努力していきたいと思います。今日は大体農林漁業金融公庫の金が七分五厘見当です。総体には利回りとしては、各種のものを寄せると大体五分何厘ぐらいになるのです。こういう方向に近代化資金の方も持っていきたいと思っておりますが、最初のスタートでやむを得ない事情にありましたことを御了察願いたいと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一つ。さっき森委員のお尋ねのうちにありました、今度協同組合をある程度統合する、今度の法案の中に協同組合に対する課税の問題が起きておるのですね。従来非課税であった農業協同組合等に対して課税するというような問題は、これまた農民にとっても、また協同組合の進展にとっても、非常にこれは考えなくちゃならない問題じゃないか。この点は、農林大臣どうお考えですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ちょっと事務の方からお答えさせます。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) ただいま千田委員の御質問の趣旨がちょっとわかりかねるのでございますが、その内容といたしましては、地方税の中で組合に対する非課税のものが今度課税される、こういうことの御質問でございますか。

千田正無所属クラブ

○千田正君 統合して蓄積した資金に対する、何ですか、二分の一に満たなくても課税するのじゃないですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 四分の一…  …。

千田正無所属クラブ

○千田正君 四分の一以上……。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 四分の一をこえたものについては課税をするのです。

千田正無所属クラブ

○千田正君 こえたものに対しては……。だから、それを今の農業団体としてせめて二分の一ぐらいまでになるまでがまんしてもらいたい、それ以上になってからということを要望しておるのですね。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 農業団体が、農協の法人税について積み立てたものの積立金の二分の一——現在は四分の一をこえるものについては課税する、こういうことになっておりますけれども、二分の一まで非課税にしてくれという要望のございますことは、承知をいたしております。しかしながら、全般的には農協に対してもいろいろと、法人税につきましても、そのほかの課税におきましても、相当の優遇措置をしておるのでございまして、今後の問題といたしまして、農協の法人税をそういうふうなところまで軽減するかどうかという問題は、十分検討しなければならぬ問題だと思いますけれども、今のところその二分の一まで非課税にしようというようなことで具体的な考え方を持ってはおりません。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 先刻の問題ですね、大臣からよくわかったから善処するように考えようと。ただその場合に、関連産業の方の圧力がかかってしまって信連の運営が危殆に瀕するようなことがあってはならぬので、その辺を十分注意しなければならぬというお考え、私も同感でございます。でございますから、そういう点については、これは農林大臣が公正な判断をする最後のきわめだけはしておいて、建前としては、認めるということは、急速に今度の財務基準令その他の改正をおやりになるというのですから、そのときにあわせて解決をしていただきたい。他日なんて言っていないで、やるように一つ御考慮をいただきたいと思います、ということを申し上げておきます。  それから、今千田委員の御質問、私も一お尋ねしたいと思っておりましたが、近代化資金の方は七分五厘ということですね。そこで政府の基本法の実施に伴って、単位農業協同組合あたりが政府の施策に非常に共鳴して、その内部のものとして相当犠牲を払っても金利を安くしようという施策をやっているところは、近代化資金の恩恵には浴されないということになると思いますが、そうはなりませんですか。一律に二分を補助されますか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) 御質問の趣旨は、たとえば今度の近代化資金では大体末端の金利を九分五厘というふうに押えてやっておるのですが、それに対して二分の利子補給をやって七分五厘の金を出そう、こういう目標で考えておるのであるが、たとえば末端で八分の場合にどうするか、こういう御質問じゃないかと思うのでございますが、現在のところは、末端で八分の金利で出すといいまする場合には、それに対していわゆる二分の利子補給もいたします。そうしてその二分分は下げる、こういうことで考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、例として八分を引例されましたが、現に六分で出しておるという場合には四分になるということも同様にお考えをちょうだいいたしておると、こう理解をしていいのですか。

坂村吉正農林省農林経済局長

○政府委員(坂村吉正君) いろいろ金利の全般の体系もございまするけれども、県で利子補給等をいたしまして相当下げているものもございます。たとえば三分五厘とか五分というふうに下げているものもございまして、そういうようなところまで県でいろいろ利子補給をやっておって非常に低いところまで下げておるものについてどういう扱いをいたしますか、その辺のところはまだ最終的には取り扱いを決定いたしておりませんが、とにかく原則としては、考え方は県の、地方で相当勉強して下げているところについても、これは末端の利子補給の率は補給をいたします、こういう考え方で原則としてやりたいというふうに考えております。

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 速記を始めて。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それでは、今の千田委員の質問に関連いたしまして、私もお尋ねしようと思っておりました近代化資金の運営のことにつきましては、いろいろ今政府部内で御検討中と承りましたが、この趣旨が達成せられまして、真に努力をしておる協同組合等が政府の恩恵には浴し得ないという不公平の生じませんように、十分趣旨の達成せられますように、御尽力をいただきたいということを希望申し上げておきます。  その次に、小山委員からも御質問のございました飼料対策なんですが、恒久対策については今後の問題ですからしっかりやっていただくとして、今火のついている応急対策の問題について、先刻とりあえず政府の手持ちの大麦、裸麦を払い下げをしてこの逼迫しておる事態に対処しようというお話、これも非常にけっこうですが、そのやり方について私どもどうも多少疑問を持たざるを得ないということでございますが、これもあるいはここで開き直ってお尋ねをしない方がいいかとも思いまするが、要するに、放出されまする四十万トンの大麦、裸麦というのは、えさの緊急対策として行なわれるのであって、食糧の対策ではないはずでございますから、そのえさ対策だとすれば、畜産農家に与えられるという筋でなければならないと思うのです。その場合に、えらく回り道をしておやりにならないで、端的におやりになった方が、緊急対策の趣旨が畜産農民にも徹底いたしまするし、筋だと、こう思うのです。そういうふうにお考えいただけると思いますが、そう理解していいかどうかということなんです。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 現在政府が持っておりまする麦の飼料用に対してのお尋ねでございます。これは飼料の需給事情が非常に逼迫をしておりますので、なるべく早く実際に飼料の需要に合いまするように放出する方針で、目下準備を進めておるわけであります。原則的な考え方としましては、大、裸麦を飼料に供しまする場合に、従来、一般流通飼料としましては、これを原麦のままで流通飼料として利用されるという例がほとんどございません。麦ぬかとして飼料に回るというのが、今までの一般に使いなれた形になっておるわけでございます。それで、今回の考え方といたしましては、麦ぬかの形にいたしまして飼料に供するという考え方をとっております。当面さしあたりの問題としまして、農業団体等から原麦のままでほしいという御要望がある場合ですが、従来もそういう希望がありまする場合には、一部そういう形で払い下げをいたした例もあるわけでございます。今回の場合も、実際に農業団体からどの程度の量、どういう方面の地帯から需要が出て参りますか、それらをよく見まして、直接その団体に払い下げます場合も目下私どもの方で検討いたしております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 非常に明確に御答弁いただきましたので、私の疑問は解けましたが、そうすると、今度の緊急措置として払い下げる四十万トンというものの中で、従来の慣行に従ってお出しになるものと、この際、畜産関係農民がそれぞれの組織しておる団体を通して払い下げをしてほしいという要求のあったものについては、前段に申し上げたものと同一の条件で売り渡しをされるか、こういう御方針と了解いたしてよろしいかどうか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 政府としましては、大体この端境期に六十万トン程度の余分の麦を持つ見込みでございます。従いまして、必ずしも払い下げ量というものをこの年度内に、一応予算上は四十万トンと見ておりますが、それだけに限定をするということでもございません。実需がありますれば、それをこえて払い下げをするということも十分考えられるわけであります。払い下げの条件につきましては、食管会計としまして麦の全体の売却の体制を混乱させないような方法を十分考えまして、払い下げをして参りたいと考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 最後におっしゃった、麦の全体を混乱せしめないように——これは混乱せしめてはいけません。いけませんから、一般食糧用としてはとりあえず六十万トンを計画をしておる。それから、えさ緊急対策として四十万トン払いさげるというのですが、四十万トン出すということは、混乱をせしめないという見きわめの上におやりになったことですね。その四十万トンは、実需者の団体から要請があれば、その要請に従って出してやろう。その場合の条件は、今政府でお考えになっている条件と同一である、こうであれば、それでいいのですよ。そういうふうになると了解ができるようなお答えと思いますが、それで、長官、よろしゅうございますか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 食糧庁といたしましては、六十万トンの精麦用の麦もその計画で売却をして参らなければなりませんし、また四十万トンの、食糧以外の用途に放出いたします麦につきましても、一定の計画で放出して、それぞれの売却の計画を十分果たしますような売却の仕方を考えて参らなければならぬ。そういう趣旨で、それぞれの用途に予定しておりますものが混乱なく売却できますような方向を考えて参りたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 どうも長官、回りくどく説明されておるのでわからなくなってしまうのですが、端的にいえば、四十万トンは、過日の委員会でも御説明あったように、千二百円だ、それから六十万トンの食糧用のやつは千五百六十五円だということです。この際の四十万トンはえさ用なんだから、えさ用の分は養鶏家なり豚を飼っている連中がほしいと、こう言ってくれば、その団体に対して千二百円でやる。もし、そういう希望が出てこなければ、従来の慣行に従って精麦業者の方にお出しになるということであって、その前の方に、麦ぬかにして云々という、非常に親切なお話がありましたが、これは養鶏にしても何にしても、自分で粉にする、あるいは何にするという技術を持っておるから、まる麦でちょだいいたしたいといってくるので、それをとやかくおっしゃる必要はないので、端的に、同一条件で希望のある場合はやる、こう言っていただければいいです。これは非常にデリケートな問題ですから。大臣、にこにこ笑って聞いていらっしゃるけれども、あまりここで言い切れぬかとも思いますが、これは方針としてはそうしていただかぬと、えさ対策ではなくなってしまって、業者対策に堕するという疑いを、要らぬ邪推を受ける危険がある。そうなりませんように、一つ養鶏家が一番喜ぶ方法でやって参る、こういうふうにしていただかないと困ると思うのです。それはそれでいいのでしょうね。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 実需者の面から見ますれば、なるべく安い価格で払い下げをすることが望ましいことは、これは私どもも十分承知いたしておりますが、食糧庁として持っております麦の全体を秩序正しくさばいて参らなければならぬわけでございます。そういう角度から検討しておるわけであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大臣、にこにこ笑っていらっしゃいますが、それは食糧庁長官、これは麦全体云々なんとおっしゃってはおかしいので、これは今火のついておるえさ対策として政府が踏み切ったと思うのです。これは農民は感謝しております、畜産家は。それに対して今度いよいよ実施する段階では、食糧全体とにらみ合わせてとおっしゃるから、私はわからない。これはあくまでえさとして割り切ってお考えになるということでないと、どうもそこで変な邪推がしたくなってしまう。これは一つここではもうやりません。やりませんが、大臣、大体御了解いただいたので……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) どうか一つ、行った麦は完全に飼料になっていくようにしてもらわなければいかぬ。それで大体……。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 関連。それはえさ対策で緊急処置として出ておる。食糧対策じゃない。残ったもので食糧対策は十分心配なしにやれるという見通しがついておるから、その過剰分であるかないかは知らぬけれども、出すというのだ。これは食糧対策とは関係ないじゃないですか。えさ対策である、範疇は。えさがこう急に上がったんでは、畜産を奨励して、それに相応じてやる世の畜産家が困るから、それを何とか救ってやろうという親心でやるんなら、それを端的にやった方がいいと思うんですが、いかがですか。何かまずいことがあるのですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) よく食糧庁長官は考えておるわけです。値が非常に違うんですから、どうか一つその飼料として出て直接いったものは実需者で飼料として使われることが望ましいということです。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 えさ対策の問題につきましてはいろいろ質疑をいたしまして、まだ明確ではないようでありますが、えさとしていくことは間違いありません。間違いありませんが、そのえさとしていく過程において、やはり養鶏象ないし養豚家がこうしていただきたいという線に沿っていっていただきますことが、この緊急対策の目的を達するゆえんだと、私はそう考えます。そこで、そういう方向で処置されることを希望いたします。もしこれ変な処置をされますと、これは問題ですよ。これはもう痛くない腹を探られたりなんかして、変な問題になります。でございますから、これは端的にえさ対策ということで割り切っていただいてやっていただくことを希望しておきます。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私の申し上げたことをよく頭に置いていただけばわかると思います。えさとして出すんだから、値が非常に違うんですよ。それは、出したものがえさに使われないということでは困ると思う。それはえさとして使われるようにしっかりやってもらいたい。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それでは、ただいまの問題につきましては、私の申し上げましたこともよく御了解を願ったと思いまするし、小山委員からも、これはきわめて明確に割り切ってやるべきだという御発言もありました。大臣もその趣旨をよくわかったということでありますので、私どもの申し上げている趣旨が実現される方向で善処をしていただきたいということを希望しておきます。  えさの問題に関連いたしまして、今度畜産の成長事業部門としての対策として、畜産事業団ができるということを、私どもも十分ではありませんけれども、一応の施策として了承をしたい。けれども、この中に鶏卵の対策が入っていないのですね。おそらくこれは来年度大動物よりも鶏卵の需給関係が一番混乱しやせぬかと。これは半年たてば卵産むんですから。そこで、この鶏卵の安定対策というものを一つ考えておかぬと、また政府の奨励の逆をやった方がいいという非難が巻き起こる危険が非常にあると思うのです。これ何かお考えになっておりますか。

花園一郎農林省畜産局参事官

○説明員(花園一郎君) 便宜、私からお答えいたします。鶏卵につきましては、このたび畜産振興事業団の取り扱い品目に指定しておりません。ただ、鶏卵は御承知の通り年間の季節変動がきわめて明確でございまして、この点については一応季節変動の面では、生産者の方におきましても価格変動についての心がまえがあるかと存じますが、今度は全体的な面で、最近の卵価と申しますものはやはり戦後の一番低い段階に入りつつあることは御承知の通りでございます。しかしながら、これにつきましては、鶏の関係は比較的生産者におきまする、これは別に行政指導等の手段をもちまして十分に指導いたしますれば、生産者の方におきます生産調節というものが比較的鶏自身の性格上容易に行なわれ得ることは、畜産局にとって最も可能なものであることは御承知の通りです。従いまして、今後の生産量というものをやはりある程度まで、過剰傾向が出て参った場合には、当然卵価がそれを差し示すわけでございますが、その関連におきまして、やはりきわめて緊急な指導をやりまして、これに対する生産調節の手段を一方十分指導して参りたいと考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 他の方の質問がありまので、これで打ち切りたいと思いますが今の鶏の方は、生産調節がきわめて簡便にできるからしかるべく指導をしたいということですが、これは結局、端的に申しますれば、生産過剰の場合には、まだ産卵の可能性がある鶏を絞めてしまうということになれば、端的に言えばそういうことになると思うのですが、そうなりますと、これは鶏肉の方にまた影響してくる。結局、成長部門だということで、畜産々々といって新しいことが始まった、それがばかをみたという結論になると私は思うのです。でございますから、今から長期見通しのもとに、鶏卵が、あるいは鶏肉がどの程度入り用かということは想像がつくと思いますので、それ以上飼育をしないように指導していくということが大切です。それから、その上に立って、なおかつ技術の進歩によって、過去における産卵は二百三十卵であったものが二百四十卵になったということになりますと、頭の数を押えておっても産卵がふえる。そういう場合にばかを見ぬようにいたしますために、卵価の安定に関する事業団のごとき構想で出発しないと、これは県庁なり政府なり、あるいは奨励した協同組合がうらまれてしまうということで、今後の農業基本法の推進に非常な悪影響を持ってくると思いますので、畜産事業の中に入れろということを要求いたしませんが、来年の鶏卵が今の情勢で参りますれば私は生産過剰になる危険を、しろうとではありますが感じます。そのときに問題がありませんように、今から考えていただきますならば、あるいは臨時国会等でもございますれば、そういうときには具体的な鶏卵事業団というものをお作りになるなり何か考えていただきたい、こういう希望を持っておりますので、十分一つ御研究願いたいと思います。

小山邦太郎自由民主党

○小山邦太郎君 関連して。その鶏卵ですね、鶏卵については私は、消極的に生産調節で絞めてしまうということよりも、需要の喚起ということも考えていただくことが大事じゃないか。  それから、この前、予算総括質問の際にお尋ねしたときに、大臣は、これには入っておらないが、金融措置でできるだけの効果の上がるような方途を講じたい、というお話があったのでありますが、これはその通りでございましょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その通りです。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、干拓事業と、これに伴う漁業補償の問題について、大臣並びに関係政府委員に質問いたします。  まず第一は、三十六年度の干拓事業の予算総額は七十二億八千二百三十九万円でありまして、昨年よりも五億四千百三十七万円ふえておりまするが、大臣の干拓事業に対する基本的な方針、考え方を承ります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お尋ねの干拓等に関しましては、今後における土地造成というような意味からいたしまして、計画的に今後とも進めて参るつもりでおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私はそういうことを聞いておるのじゃありません。大臣の予算説明の文章は読みました。こういうことでなくて、もう少し具体的にいいますならば、現在、継続事業が三十地区あります。三十地区の継続事業で、件数が十四年以上のものが三十地区のうちで二十地区ばかりあります。十四年といいますと、いわゆる十年一昔でありますから、一昔以上。従って、干拓事業に着手いたしまして、これが竣工する場合の目的から、いろいろ時代の変動によりまして目的も変わってくるだろう。そういうものを是正しませんと、ただ計画でありますからこれを推進いたしますでは、農林大臣の答弁としては受け取れません。従いまして、もう少し具体的に大臣の抱負を聞いて、あと具体的に質問をして参ります。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点は、御指摘の通り、ずいぶん長くかかって完成を見ないというところもありますので、今後の方針としては、できるだけ手をつけているものについて早期完成というものを考え、そうしてそれの完成を待って、早くこれが効率的な利用ができるように持っていくために、いたずらに手を広げるということなく、従来の手をつけているものの早期完成というものを一つの目安に置いてしめていく、こう考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣には、この問題の質ら、農地局長から具体的に説明を願います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 私から補足いたします。今先生おっしゃいましたように、国営地区、そのほかに代行地区というのが、約五十地区ございます。これは全額国費でやっておる地区でございます。非常に数が多くて、なかなか完了しない、これは先生御指摘の通りでございまして、でき上がりましたころには、ほかの周辺の経済情勢が非常に変わってくるというようなことが、特に瀬戸内等が現象的に出ております。私の方でも、これはまず早く完成する必要があるのじゃないかということで、三十二年でございますか、特別会計という制度を作りまして、これは一部は借り入れをしまして事業を進めていくというような、特別会計の制度を一つしいたわけでございます。そのほかに、先ほど申し上げましたように、周囲の経済情勢等が変わりました場合には、それは農地として維持していくことは困難だというようなところにつきましては、最初からほかの目的、たとえば住宅用に売りますとかというような、あるいは工場にするというようなことで、地方公共団体に対しまして売りまして、その入りました収入で、実は今後農業地として維持できると思われるようなところの干拓を進めるというようなことをやっております。実は、先生おっしゃいました金額のほかに、ことしそういう金を十七億ぐらい特別会計に組みまして、そういうものも既存のものに配付いたしまして、早く完成をはかりたいというふうなことをやっております。  また、もう一つ、これは三十六年度からでございますが、国がやりました工事のほかに、いわゆる付帯工事といいまして、地区内の支川の水路でありますとか、道路とか、そういうものをつける工事がございます。これは今まで県営でやっておりました。県営でやっておりましたが、三十六年度からは、県営でやりますと、差しあたってまだそこへ入る人もきまっておりませんので、地元負担等の問題も解決できませんので、なかなか問題が出ますので、特別会計で国が付帯工事も一貫してやってしまうというような制度をとりまして、三十六年度から新しくそういうことをやりまして、工事として一貫して早く仕上げるというふうなことをやりたいというふうに考えております。  また、大臣おっしゃいましたように、特に三十六年度につきましては、干拓につきましては新規のものを採択するのを一時ストップいたしまして、現在までやっております地区を早期完成いたしたいということを心がけております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣並びに政府委員に申し上げますけれども、私は予算の効率的な使用を尋ねておるのでありまして、決して政府の責任を追及しているのじゃありませんから、前もって申し上げておきます。  三十五年度の予算を見ますというと、その中で八郎潟の予算を三十億円とっておりまして、これは率でいうと四六%であります。八郎潟は三十二年に着工いたしておりますが、昭和十七年あるいは二十年前後から着工いたしまして、その竣工を待っている農民がたくさんあるにかかわらず、そういうものには年間わずかしか予算をつけない。しかも、三十の国営の干拓事業が継続事業で、しかもその継続事業の内容を見ますと、一〇%とか二〇%とか、多くて七〇%ぐらいの完工率である。これから先いつ完成するかわからぬというような実情です。そういうことで三十事業をのんべんだらりんと継続いたしますと、でき上がったときは無意味であるというようなこともあるであろう。従って、一つのこの八郎潟に三十億、四六%の予算をつぎ込んで、あとの二十九の事業はこれはのんべんだらりんとやるような予算の使い方はどうであろうか、こう私は疑問を持ちまするので、まず大臣並びに局長の御答弁を願います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お話の点はごもっともでありまして、私どもが新規のやつを少し控えて今まで着手していたものを早く完成することに持っていったらどうかということを考えたのも、その御趣旨の一端であります。どうも、あっちもこっちもいろいろの要求もあり、なかなか希望的には、あれもやりたいこれもやりたいという形になりますが、どうも財政的にみんなに早くやられるだけの金もないという関係で、今のような状態であることはまことに残念であります。集中的に早く完成させる方が私は国家のためにも、またそこへ入れて田畑として早く効率を上げるためにも必要だと思います。今後なお現在の状態について再検討を加えつつ、その趣旨を生かしていきたい、かように考えております。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今先生御指摘のありましたように、特別会計に干拓は国営、代行ともに入れたわけでございます。特別会計に入れますと、これは七カ年完成ということで目標を置いてやっておりますので、おのおの年次計画に従いましてやっているわけでございます。ただ、伊勢湾台風等の関係で事業費がいろいろふえてきました関係で、七カ年完成ということをわれわれ目標にしておりますが、非常にむずかしいことも出てはおりますが、なるべく七カ年で完成したいというような年次計画でやっているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 八郎潟は三十二年着工であるにかかわらず、三十五年度予算で四六%の予算をぶち込んだ理由を、端的に御説明願います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今申し上げましたように、特別会計に入れますと、どの地区といわず、これは一応七年完成ということを目標にいたしておりますので、その完成年次にみんなが完成するようにということで、予算の配賦をしておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、その八郎潟を七カ年計画に入れました直接の理由というのは、どういうことでしょうか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 干拓につきましては、干拓、代行ともに全部これは特別会計に、三十二年度に入ったわけでございます。でありますので、国営、代行ともに、これはできればみんな七カ年完成でやりたいというような予算に組んでいるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 予算委員会から派遣されまして、諌早の干拓地を三名の調査員で調査したのでありますが、諌早干拓はほとんど私たちしろうと目では完成しております。それはこの資料を見ますと、三十六、三十七、あと二ヵ年かかる。そうして一億五千万円を投入すれば入植できるという報告であります。私はこのような、一カ所に三十億を投ずるなら、この中の一部を、一億五千万でありますから、これを投入すれば、もうことしでも入植できるのではないかという気がいたしますが、これはただ一つ諌早だけ言いましたけれども、ほかにも決算委員として私は干拓を見て歩いておりますが、そういうところを二、三見受けました。これに対して答弁を願います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 諌早の例をお出しになりましたが、私どもの調べでは、三十六年度以降二億四千五百万ぐらいの事業費が残っております。これは付帯工事ともにでございますが、私どもとしましては、これは三十七年度には全部終わりまして、入植をするようにしたいというふうに考えております。この地区は、実は伊勢湾台風その他の関係がございますが、若干事業費がふえたりしたことがございますが、特別会計に入れましてから七年といいますと、三十八年でございます。で、三十八年度までには少なくともこういうところは終わってしまいたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 どうも、本論でありませんけれども、これは農林省から、要求いたしましてもらった資料ですから、この数字で一億五千万。この数字が違いますと、私がこれから申し上げることが全部違いますので、まずこの資料を、これは予算委員会から要求いたしまして、農林省提出の資料ですが、これが正しいかどうか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) この事業のほかに、建設付帯工事というのがございます。これは国がやるのでなくて、県がやる仕事でございます。これは先ほど申し上げましたように、三十六年度以降は特別会計で、県にかわってやるというようなことになりましたが、先生のおっしゃいました一億五千万というのは、国がやります従来の建設工事でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 県の付帯工事その他の県費負担のものは、ここでは論及いたしません。従って、国営の問題についてだけ、私は全部これからの問題を論じますので、そのつもりでお答え願いたいと思いまするが、試験を見ますというと、一反歩当たり二毛作で十二俵か十四俵ぐらいはできるような試験がなされておりました。あれを今から二カ年間も放置することは、二百九十九町歩ございまして、まことにもったいない話であるというので、予算を見たわけです。ところが、あと国費で一億五千万投入すれば入植できるということが報告されておりますので、八郎潟に四五%も投入しないでも、その中の一部をさいて、完工間近かのものは早急に完工して、たとえば炭労の首切りなどで入植希望者も相当おりますし、そういう人も待っておりましょうし、あるいは農村の人でも二三男対策で農地を待っておりまするから、一日も早く完工しなければならぬ。そういうことこそが予算の効率的利用ではないかと思いますので、質問しておるわけでございまするが、その点について答弁を求めます。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) これは予算の配賦といいますか、予算の効率的利用の問題でございますが、私どもとしましてもなるべく完了を早くしたいという気持は同じでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、七カ年完了というようなことでやっておりますので、その年度内にいろんなほかの工事もでき上がるということを目標にしておりまして、特にどこにどう重点を置くということじゃなくて、七カ年完成ということに頭を置きまして考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは大臣にお聞きしておきますが、工期を各干拓とも一応何年何月までに完工すると予定してあるわけです。その地方の住民の人はそのことを承知しているわけです。そうしますと、その近郷の町村なりあるいは県の人たちは、実はあの干拓はできるからといって待ってるわけです。それが農林省のいろいろの政策のために延び延びになる。長いのになりますと二十年、そういうのもあります。そうしますと、その農村の人も、干拓というものは農林省がただ何か、慰みとはいいませんけれども、気休めにやってるような印象を持ってる、積極的な協力態勢もない。従って、そういう工期の予定がありますならば、その予定までにはちゃんと完工することが一つの大きな国の政策ではないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 大体、お話の通り、そういうことは私も考えていかなければならぬと思うのですが、ただいま申し上げたような、局長が申し上げたところ、その他にもみな影響しましたのは、昨年の伊勢湾台風その他で早急に災害復旧をやらなければならぬ面に公共土木事業を一部、それで応急処置としてこの方へ回さざるを得ない、こういうような事柄も出たりいたし、そうしておのずからあっちもこっちも少しづつ待ってもらうということも起こったこともやむを得ないと思う。そこで、今年私は、今局長から申し上げましたように、大体今後のメドをはっきり立てて、そして着手したものは国営事業等に関しましてはお約束の通り早くしなければいかぬので、大体七カ年完成というふうな方向で計画を立てて進めたらどういうことになるかということが、ただいま申し上げたようなことだと思います。なるほど、片一方の方へ、八郎潟の方へ四七%入れた、それならこちらの方は一億五千万円、事業費を含めると二億幾ら、そのぐらいの関係のものをこっちに回したら早くできるのにというお話もごもっともだと思いますが、これは三十七年完成、三十八年に仕事ができるようになるという目標のもとに一応きめたというのが現状でございまして、決して特別にどの地域はおくれ、どの地域を先にするという考え方でなくして、一律に国営事業については大体これから七カ年で完成していこう、こういう施策を立てた。これが計画です。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 本論ではありませんが、伊勢湾台風については別途予備費から支出しております。別途災害予算を組んでおりますから、そのためにこの工期がおくれるということは僕ら理解できませんが、どういうことですか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 私からかわってお答えいたします。一昨年の伊勢湾台風で私の方の干拓地が相当被害を受けましたので、これにつきましては、従来のままの設計でなくて、保全効果等を入れて堤防を高くしますとか、あるいは裏側を被覆しますとか、いろいろな安全なことをする施設があるのじゃないかということで、それだけではございませんで、PWの改訂等いろいろございますから、事業費の改訂をやったわけであります。先生の方に差し上げました資料でも、たしか百五十億くらい増加になっているはずであります。こういうことをやりましたので、先ほど大臣がちょっとおっしゃいましたように、伊勢湾の直接の災害復旧ではありませんが、干拓事業自体として事業費がふえましたので、若干その点で影響があったということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 あとの漁業補償の問題と関連して具体的に聞いておきますが、このあとの熊本の横島の干拓につきましては、昭和四十年に完工ということで、予算があと十億残っております。今までの経過を見ますと、毎年一億程度しか投入していない。そうしますというと、五カ年完工といいますと二億何千万円投入しなければなりませんが、そのことは確認しておいてよろしゅうございますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 三十六年度の予算でございますが、御承認いただきまして、予算が通りましたあとでこれは配分計画を作りますが、先生のおっしゃいましたように、今の予定では二億を上回ったものを配賦しまして、先生のおっしゃったようにしたいというふうに存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この予算が通りますと、各事業の予算が配分されますが、その配分のときに、私がただいま申し上げましたように、もう完工間近かなものについては、予算の効率的利用を考えて重点配賦する、こういう方針であると理解してよろしゅうございますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) なるべくそういう方針で実はやりたいと思っておりますが、先ほど申し上げましたように、七カ年ということが一つのめどでございまして、両方頭に置きまして配分いたしたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それからこの干拓事業に関連いたしまして、沿岸漁業の漁民からの陳情を方々で受けるわけです。干拓のために漁場をなくしまして、生活にとほうにくれている。どうして生活をしていいかわからぬという陳情を受けるのでありますが、干拓事業のために影響される漁民、生活権を奪われる漁民については、どのくらいの人数であると把握しておられますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今人数がどのくらいあるかということの御質問でございますが、ちょっとどのくらいということ、私今ここではわからぬのでございますが、私の方がやりますときの対策は補償の問題が当然ございます。補償の問題のほかに、今までの過去の例を見て参りますと、漁業者に土地を与える、そうして飯米なら飯米は確保しますとかいうようなことをして、ある程度生活の安定をして、また沿岸漁業をやるという事例が実は多うございまして、今まででき上がりましたものにつきましては、漁業者にもある程度農地を与えるというふうなやり方をいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 少し本論をはずれますけれども、これも大臣の御意見をお聞きしておきたいと思いますが、ダムの建設、あるいは干拓地の造成によりまして、沿岸漁業——近海漁業まではいきませんが、沿岸漁業、特に養殖漁業などには非常に影響を与えておるようでありますが、大臣はその影響をどのように把握しておられますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 場所によっても異なるでありましょうけれども、やはりその場合における、埋め立てをなして、そうしてそこへ農地を造成するということの場合において、沿岸漁業者が従来そこで漁業を営んでおったであろう水揚同等の収入はどれだけ減るかという関係からいろいろ調査され、そうして補償を与えつつ同意を得て埋め立てをやっておるわけでございます。そうしてなおかつ埋め立てを終わって補償をもらいましても、将来の生活というものがありますので、そういう意味におきましては、ただいま局長が申し上げましたように、農地の一部を与えて一部農業をやらしめる。同時に、沿岸漁業、地先に向かって漁業をやらせる方向をとるということも一つの行き方だと思います。しかし、他の埋め立てのあと工業用地にでもなるというような格好で、また沿岸漁民に及ぼす影響が違った関係に立つ場合においても、それらに対する補償、その工業が与える、沿岸漁民に与える汚水、濁水というものの影響から考えても、補償措置というものが今日考えられておるわけであります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この沿岸漁業の問題については、また別途の機会にいろいろ大臣にお聞きしたいと思いますので、先に進んで参りまするが、この宅地造成によりまして、そのすぐ干拓の近所に漁場を持っておったものに対する補償の問題で質問いたしておきたいと思いますけれども、今の漁業補償の考え方と、それから十何年前の漁業補償の考え方には、相当の隔たりがあるようであります。終戦後非常に食糧難の時代に何でもかんでも農地を造成しようということでやりましたときの補償、それから最近のこの少し落ちつきましたときの漁場の補償の考え方、それが非常に違うようでありまするが、その漁業補償の問題について根本的にはどのようにお考えであるか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 現在やっております補償の問題でございますが、これは年間の漁業の収益を資本還元いたしまして、永久補償するという形で実はやっております。そのほかに希望もありますれば、先ほどの農地造成をするというような問題もあわせて考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、継続事業三十地区の中で二十地区はもう十四年以上の地区でありまするが、そういうところの人は、もうすでにその土地を立ちのいて別に生活する場所を見い出した人もあります。ところが、なお継続事業のために細々ながら、漁獲は少なくなったけれども、なお細々ながらその完成までやろうとする人もあります。そうしますとその十数年前の補償で、もうこれで終わったというような考え方は、これは不合理ではないかと思いまするが、その点いかがでしょう。大臣どう思われますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 具体的の話をお聞きいたさないとわかりませんが、お尋ねの範囲で考えられることは、過去における補償というものの内容だと思います、補償契約の。従ってその当時において、一応その当時における経済観念から見て、そうしてその沿岸から上がる水揚げというものが埋め立てによってどれだけ減らされるか。それを還元した元金をどれだけ補償するかというようなことまで考えての補償は一応片づいたと思います。ただしかし、それから以後、お話しのようにまだ十何年もやって埋め立てが完成していない。その完成していない場所に、完成ができたときにはのくという約束のものに、かりにまだそこで漁業を営んでおるということになりますと、一応前の関係で補償は済んでおる。そのあとの方がやはり埋め立てをする人と、また漁業者との間における中間の漁業契約がどうなっておるかということによって変わって参ると思うのです、具体的の事案がわかりませんので、的確なお答えは避けたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 具体的には、事案はこの前の予算委員会に対する調査報告書がありますから、これを簡単でありますから読みますというと、熊本県の横島干拓であります。  この干拓地は、有明海潮流による沈泥層と菊池川の排出土が堆積して出来たデルタ地帯で干拓適地としての条件を具えた場所で、ここを干拓して六百二十余町歩の農地造成計画実施しております。  この事業は、運輸省が昭和二十一年緊急開拓事業の一環として、農地造成、失業救済等の目的で国営公共事業として干拓に着手したのですが、その後二十六年に農林省に引継がれて現在に至ったものであります。当初の計画では、三カ年で工事を完成する予定でしたが、漁業補償の問題、その他予算措置が遅れたこと等の事情から、十五年を経過した今日防潮堤が半分程完成されたに止まり、昭和四十年にようやく入植出来る計画となっておりますが、現在の土木工事の技術から考えても、この程度の工事完成に二十年もかかることは、地元民の不便も大きく、また予算の効率的使用という点でも問題があります。  尚、三十八億円に及ぶ漁業補償の陳情をうけましたが、農林省の主張と地元漁民の主張とに若干の相違もありましたが、農林省は今後検討して、積極的にこれら問題の解決に当り一日も早く干拓工事を完成されんことを強く要請しておきます。これが報告書であります。概略見ますと、二十一年に着工したというわけです。これを三年間に完成する。そのころはサンド・ポンプも一ありません。従って堤防ができたならば、そのすぐそばに漁場ができるからということで漁業補償もほとんどないままです。そのときの漁業補償は、一つの村と隣の町と合わせまして、片一方の横島村に対する六十万六千円とか小天町の五十二万八千円、これだけの補償をして着工しております。その後何年たってもこれが進行しない。そのうちに漁業会から漁業協同組合法によって漁業組合に変更された。漁業会というものは昭和二十六年になくなってしまった。そこで、それからずっと今日まで横島村で千二百十七人、小天町で五百七十五名の漁業組合員、合計いたしますと千七百九十二人、家族を合わせますと七千二百人の人が漁業、ノリの養殖でありますが、主として……。そういうことで生業を営んでおる。それでその漁業補償の陳情を受けたわけであります。こういうような二十年間もかかるというような工事、しかも着工から十五年を経過いたしております今日、こういう問題が発生いたしておりまするが、まだあとの法的な問題もありまするが、こういう具体的な問題でありますが、そういうものについて、しかもそのときの補償金はちょうど第一次封鎖、第二次封鎖があった時代でありますが、第一次封鎖で出て個人には分けられないものですから学校と警察に寄付した。それは村が仲介に入りまして寄付した。従って漁業を営むその組合員一人々々には補償されておらないという事実であります。そういうものについての農地局長の御答弁を願います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 具体的な例でございますが、当時の契約を見ますと、今先生おっしゃいましたように、金額にしまして百十三万四千円でございます。当時の農林省と漁業会の方で契約を結んでおります。今後は干拓に協力をする、もう補償の要求はしないというようなことがございまして、そのほかにまたしかし干拓地には優先的に土地の世話をしてくれというような話し合いができておるわけでございます。その後先生のおっしゃいましたように、三年と言っておりましたが、これがおくれておることは確かでございます。その後堤防で囲みました地区の中に、ノリでございますが、区画漁業権が設定されておる。ただ、これは私の方の農地事務局も立ち会いまして、現場の漁業協同組合の人々と知事のところで一年更新ということで、漁業権の免許をもらっておるわけでございます。これにも実は補償は、いろいろ地区内の問題については補償の要求はしないというようなことになっておりまして、一応契約の済みました地区のものにつきましては、これは私どもは補償に困難だというふうに実は考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そのときの県知事に対する埋め立て許可の申請など法的な措置についての不備があるようです。そういう不備を犯して農地局は国営事業として、干拓事業を続けておるのでありまするが、こういうような不備に対してどうお考えになりますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 御指摘は、公有水面の埋め立てのことだと思います。これは県にはとうに出してありまして、これについてまだ正式の許可が出ていないことは確かなのであります。私どものやります干拓等につきましては、並行的に実は手続をやっておることは、慣例と言っちゃおかしゅうございますが、必ずしも免許を取ってしまったあとでなければやらぬということでなしに、地元の人と話し合いがつけば、並行的に手続を進めていくということはございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 法的な不備も認めておられまするが、その後その工事のそのときの承認願いにつきましても、五カ年間であった。五カ年間の県知事からの承認をとっているわけですね。五カ年どころか現在まだ完成していない。しかも私ども見てきたのでありますが、まだ水面にやっと見えるくらいの堤防しかない。のりの収獲が年間一億二千万円、その他の魚介類で年間約三億の収入がある。それにさっき申し上げました人たちが生活を営んでおるわけですね。しかも現在サンド・ポンプを使いまして、新たにできるはずの漁場が全然できない。外からどんどん泥を内に運ぶわけですね。そうしますと、堤防の外に新しい漁場が全然できないわけです。そういうようなことで、十数年前に考えました堤防工事というものと現在の堤防工事というものと全然形が変わってきている。そういうことでありまして、今後どこに一体生活する場所を求めるかという生活権の問題、人権問題まで発展しているわけであります。だから、ここに出ております賠償の要求は、横島の漁業協同組合の方が三十億八千万円、大浜の漁業協同組合の方が二十六億五千万円、五十七億三千万円の漁業補償の要求であります。これは今までの漁場をなくする補償、あるいはこれから生活するための生活確立のための資金、いろいろ含んでおりましょう。そういうものを合計してございます。今、農地局長の言われましたように、過去に契約が済んだと言われますると、法律の手続き上の問題がいろいろ残って参りますが、このような千八百人の漁民の人たちの今後の生活権並びに今申し上げましたように、当時としては予想することのできない技術士の差異、そういうものに対して農林省としてはもっと温情ある、しかも生活権に直結した考え方をすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 今、先生の御指摘になりました中で、地区内の問題と地区外の問題と実はございます。サンド・ポンプ等は当時予想もしておりませんでしたので、地区外から砂をとりますと、その辺の外の漁業に影響を与えるというようなことは、これは確かにあろうかと思います。それで、私どもとしましては地区外からサンド・ポンプで砂をとります場合に、地区外の漁業にどういう影響を与えるか、またあそこの菊池川その他名前は失念いたしましたが、小さい河川が第一工区と第二工区の間にございますが、こういうものとの関係で、みお筋等が変わりまして、何か漁業に影響を与えるという問題等ありますれば、これはわれわれの方としても考えるべき問題でございますので、水産の試験所その他にも調査の依頼を実はいたしまして、地区外の問題につきましては、その調査を見まして、どういうふうに考えるかということをきめたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう少し具体的に説明を願います。千八百名の人たちが、これが完工したらどうしようかという生活権の問題でありますから、将来のそういう人たちの生活していける生計の方法を見出さなければなりませんので、もう少し農林省としてのそれに直結した計画を具体的に御説明願いたいと思います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 先ほどから申し上げますように、地区内の漁業権につきましては、これは毎年々々、一年更新で知事の手元で両者話し合いできめております。これには実は補償の要求はしないというような約束で、実は地区内の問題でございますが、やっているわけでございます。これについて、私どもそういうものについてさらに再補償するということは、これはできないという見解をとっております。先生のおっしゃいました地区外につきましてサンド・ポンプ等で砂をとりますので、いろいろ、のりの漁業等に影響を与えている、あるいは陳情者の人が言っておりますみお筋が変わってきて、漁業がうまくいかぬというようなことを言われておるわけでございます。これにつきましては、実は砂をどこからとるかというような問題、そうしてどういう方法で砂を送るかということも、これは実は現場の農地事務所と協同組合で相談してやっております。毎年相談してやっております。それでその場合に影響があれば、これは両者協議をして、どういうふうにするかということを相談することになっておりますので、私どもとしましては、要求は、先生おっしゃいましたように、十八億の事業費に対して五十億の補償というようなことがあるわけでございます。これは私どもとしても、そういうことはとても考えられる問題ではございませんで、正規に何か考えるとしますれば、外部の地区外でどういう影響を与えているかということを、やはり試験地その他で調査しまして、その上でこれは検討したいというふうに思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 概括的なことはわかりましたから、もう少しく、この際ですから、突っ込んで、全体的なほかの干拓事業との関連もありますから、もう少し突っ込んで質問をいたしておきますが、第一点は、国がこのような干拓事業を起こそうとする場合に、地方長官に承認を願わなければなりませんが、その場合、公有水面埋立法の四十二条ですか、これが支配するようでございますが、この工事では、ほかの関係法に対する十分な手続きが完了しておらなかったというようなことがございまするが、こういうことがほかでまた起こりますると大へんでございますが、これに対する今後の農林省の考え方を聞いておきたいと思います。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 先ほど申し上げましたように、実は干拓をやります場合に地元の反対がある場合には手をつけておりません。漁業者から反対だからもうやめてくれ、新規に手をつけてもらっちゃ困るというふうなことは現在やっておりません。それで、今の横島につきましても、当時は実は契約もできまして、やってもらってけっこうだということで実はスタートしたわけでございます。公有水面埋立法の手続きでございますが、これは当然県に出すわけでございますが、地元で話し合いがつきました場合に、それが完全におりてこなくても事業に着工しているという実例がたくさんございまして、実はそのあとで許可をもらっているというようなことがございますので、私どもとしましては、やはり地元の納得を得て手をつけることがまず第一というふうに思っております。手続きはそれに並行してやっておりますが、本件の横島につきましては、実はとうに県に出しておりますので、この手続きがあくまで法的に完了しますように、早急に、これは建設省等とも関連がございますので、やりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第二点は、このような干拓事業で十数年前に契約したその補償が今の実情とマッチしないようなところもあるのではないか。方々で陳情を受けますが、そういう補償計算の相違についてはどのようなお考えでございますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 現存補償をやっておりますのは、電源開発の関係でできました政令を基準にしまして、要綱に基づきまして各省が大体それに似た補償を実はやっております。先ほど申し上げましたような補償のやり方でございます。その前には、農地法でやりました当時は、収益の五年ないし六年分というようなやり方をしたこともございます。それからこれはもっと前でございますが、本件は、区画漁業権については賃貸料の五年分を払います、あるいはのりの損失補償に対しましては、これは所得、収益でございませんで、粗収入の二年ないし五年分を払います、あるいは専用漁業権につきましては生活費の五年分の三分の一払うというように、時代によりまして、今大きく分けまして三つくらいに変わっております。私どもとしましては、過去にやりました補償につきまして、これは皆再補償していくのだというような態度はとっておりませんので、その当時話し合いがつきましたものはそれでやっている。そのほかに、補償に関連しまして、先ほど申し上げましたような土地等の便宜ははかっていくということは、これはございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣、今、農地局長が答弁されたのですが、十数年前に契約して、補償して、それが工事がのびのびになって手もつけないでおる。そういうところで漁民がほかに仕事がないのでやっている。それの補償が現在のそれにマッチしない。現在の補償法でいうならば、昔の補償は全然ものの数ではないと、こういうようなところについては、今の農地局長はほとんど検討するような余地もないようでありましたが、私はこれはあまりにも酷な、いわゆる官僚的な考えではないかと思いますが、大臣いかがですか。もう少し思いやりのある、何といいますか、検討をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 偶然私は先ほどお答えしたのですが、この場所を予想しておったわけではないのですが、私は前の場合に、埋め立てをするという場合における利用者の方との補償の契約がどうなっておったか。そのうちその埋立工事が延び延びになっておる間において、一応補償は前に完了しておるけれども、埋め立てが延びておるために、その間に今度は埋め立てるべき海面を利用して漁業を営むということも、おそらく私は埋立権者というものか、その方の関係と何らかの契約といいますか、話し合いの上によってそこで業を営んでおると思うのであります。従って理論的にいえば、いつでも立ちのきますという形の契約ではないかと思うのですけれども、しかし一面御指摘のように経済状態も変わって、長くやっておる間に、実際上それは毎年許されておる漁業権の範囲でやっておるとしても、ともかくそれによって現実に生活を営んでいると、それがいよいよ今度はどんどん完成に近づいてくるという場合において、その埋立権者と埋め立てされるところの漁業者との間における話し合いというものがもう一ぺんなさるべきだと思うのです。当然の形において補償の要求ができるのか。それは別として、別個の見地から、一体そういう場合にどうするかという話し合いをつけることは違ってくると思います。私はただいま初めて聞いたのですから、どっちにどうということをいたしませんが、一応先ほどの話を聞いておりますと、前に一応、貨幣価値が違っておりますけれども、一応そこで補償の形で済んでおる。その後において、長引いている間に実際上そこで生活をしておる者をどうするかということであります。よく検討してみたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後に、この大臣に対する申請書の最後の方に、こういう事情でございまいますので、もう一度農林省及び水産庁から現場の御調査を願いたいというような申請がございます。現地の農地事務所長の御意見なり、農地事務局長の御意見では、もう補償は済んだのだからもう全然取るに足らぬというようなこと、漁業組合は、今私が申し上げたようなことで、現実を見てくれというような切なる願いです。そこで、現地の農地事務所と漁業組合が対立的な感情にまで発展するようなところもありまました。それでは双方これは非常によくないことでありまして、一つの村に住んでおりますのに、そういう感情的な対立があっては——それは単なる横島干拓だけでありません。ほかのところでもそういう事情がもしあるとするならば、一ぺん行っていただいて、よく事情を聞いていただいて再討だけの配慮は願いたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ただいま申しましたように、よく調査をして検討いたしたいと思います。ただ、そのときに両方ともあまり権利だ、権利だというような話を振り回わしておったのじゃ、ふたも実もないということになると思います。一応私は前の契約で補償が終わっておるのであれば、当然の権利として要求するという形ではなくて、その後における経済上の変動及び現実にその場所を利用させてもらいつつ生活を営んでおる漁業者をどうするかということで、一つ話し合いをしていこうという形にみんななって検討していくことが必要じゃないかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 今の大臣のお答えによりまして、この問題を早急に解決してもらって、干拓が一日も早く、しかも全三十の地区とも予定通りに完工するように切に要請いたしまして質問を終わります。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 先ほど隣りの委員が発言を急がれておったので、一番最後のところを一つだけ私落としてありますので、これだけお尋ねしておきます。先ほど申し上げましたように、日本の農業が総耕地面積と入口との関係から見て、所得倍増を実現する場合に他産業と差がある。それで一応の限界があるということを申し上げたわけですね。そこで政府の所得倍増計画でいくと、今後、現在は成長率は二・九%程度で、国民経済の成長率より低いが、この就業人口が漸次減っていくので、農業生産部門の生産性の上昇率は五・八%になると、そういうことになっております。しかし、これは生産性の向上でありまするから、実際の所得は必ずしもそうならない。ならないわけですね、必ずしも。これは衆議院の淡谷君がだいぶ質問されたようですが、他産業の成長と比べて劣ると思います。そこで私疑問に思うことは、そういう総耕地面積と総人口との関係で一応の限界があるのですから、これは農業人口がうんと減ってしまって、一人が大へんな耕地面積を持つようならこれは別であります。しかし、そんなことはなかなか実現できませんから、従って一応の限界がある。その場合に、そういう農業所得には一応の限界があることをそのままにしておくのか。他産業と均衡のとれるものとするならば、私はもっと綿密な新しい計画を立てなければ他産業と均衡のとれた所得倍増ができるはずはないと思う。政府自身も、農業というものには一応の限界があるということはある程度認められる、またその生産性の低さ、生産性はある程度上がっても、実質所得がそこまで達しないということは認めておられる。農民というものは、他産業に比べて所得が低いということをある程度やむを得ないものとしてこのままにしておくのか。ほんとうに他産業と均衡のとれた完全な所得倍増をやろうとするならば、それに見合うようなもっと緻密な計画がなければならない。私はどう考えてもそう思う。どうしたって日本の九千三百万、近く一億になる総人口とこの耕地面積だけを見て、生産性の向上だけで——農産物価格がうんと上がればいいですよ。しかしそんなことは国民生活に影響があって不可能だし、また国際価格がありますからこれも不可能だ。そうすると、この生産性の向上が主要な要因になるわけですね。それだけに他産業を均衡のとれるものになるかというと、私はならぬと思う。根本的には一戸当たりの耕地面積がうんとふえなければいかぬ。それは共同化でやるか、自家経営でやるか、それは別であります。だから、その面についてある程度の目安がつかぬ限り、私はこの計画達成は不可能だと思います。そこで結論的に言うと、農業というものはそういう状態はある程度やむを得ないということにしておくのか。ほんとうに所得倍増で、他産業と均衡のとれるものにし、それを完全に実現するためには、私はもっと何らかの積極的な政策がとられなければならないと思うわけです。この点はどうでありますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その点は、特に私どもは農業基本法におきましても、生産性の向上と生活水準の均衡ということをうたっているわけです。その中において生活水準の向上ということ、それ自体の中に農業自体の生産を増大して所得を上げる部分と、それから農業就業人口二人当たりの所得効率を上げるということと二つ私はあると思う。同時に、今度それ以外に、農業以外の面については生活環境の部面において、先ほどあなたの御質問があった通り、ほかの施設からこれに対して引き上げていく。それから問題としては、やはり農業関係に対する積極的支出を少なくする面における減税とか、金融の面における低金利政策をとって、徐々に持っていくということから補っていかなければならぬ。私は先ほどからお話のように、なるほど生産性の向上だけではいかぬじゃないかというお話もありますが、私は御指摘のように、農業生産に関しては一応の目安は、所得倍増計画の中では二・九ぐらいの伸びになっております。いわゆる農業構造から見た農業人口の減からくる——生産性の面から見ますと、その減が大体三・八ですか、になっておって、合わせて大体五・六ぐらいの関係が十年も年々伸びるんじゃないか。そうしますと、いわゆる所得倍増という面から見ると、一人当たりの面から見ると、大体三倍ちょっとになるのです。しかし、問題は今の姿のままの形が二倍になったのと、鉱工業の関係が今の形で倍になるというのでは、開くじゃないかというところに問題があると私は思う。ある程度農業生産所得を個人的に考えるときには、生産性の向上による、私は引き上げられるという形は頭に置いてやはり見ていいんじゃなかろうか、かように思うのです。その上に、今申しましたように、減税処置、あるいは必要な場合における金利処置、その上に立って、今度は流通改善等における処置、並びに価格安定の方向に向かっての、所得が安定させていけるように持っていく、こういう施策が加わるものだと思うのです。私はいつもよくこの点論戦になりますが、価格安定の処置というものを私ども非常に重大に見てはおるのです。決してネグレクトしているわけじゃなくて、これは十三条に書いてありますように、われわれは生産条件の自然的、経済的、社会的な不備を補正するために、まず生産を伸ばすためには生産についての施策あるいはその農業構造の関係というものをやっていくけれども、その上になおかつ出てきたものの、ただいま申し上げたような不備を補正するためには、生産の条件なり、あるいは物価とかいうようなものをしんしゃくした一つの経済情勢を参酌しつつ価格を安定さしていこう。これにはあまり高過ぎてもいかぬ、低過ぎてもいかぬ、つまり安定した価格を常にとっていくという形が必要であるし、そのための方法としては、流通関係において処置することと同時に、最後にはそれでもいかぬというときにおける安定を確保する水準に価格を定める。しからば価格安定の処置はどうか。これはいろいろの品物によって違っておりまして、米のごときは管理方式というものもしばらくは続きましょうし、また農産物価格安定法に規定しておる物品については、その体系、方法によって維持して参らなければならぬし、先ほどから御質問のあった繭糸価の安定については特殊な処置を講じていく、また、畜産物価格安定の処置については、私どもは畜産事業団による買い上げ売り渡しの方法でやっていくということでありまして、そういう面も総合的に考えつつ所得の向上をはかって持っていこうと、こういう考えでおります。もとより、いかにいたしましても、生産それ自体の対象となるべきものが、先ほど申しましたように、必ず需要の達成を持っておらぬところに一つの問題があります。私は、御指摘のように、土地をうんと倍にしてもということですが、これは羽生さん肯定されておるわけじゃないのですが、それだけではとてもいかぬと思うのです。倍にして作れるものが需要がうんとふえて、皆作ったものを買ってくれるというのでなければ、これはなかなかむずかしい。そこに農産物というものの、需要を考えての生産というものの根本が、私は見失われてはならない、こういうように考えております。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 最後に、注文だけ。この所得倍増を具体的に考える場合ですね、たとえば耕地面積が倍になる場合、それから反収が倍になる場合、農産物価格が倍になる場合、そういう条件がそろえば、これは所得倍増できますわ。しかし、それはなかなか不可能だということは、もう先ほど来申し上げておる通りであります。そうすると、この生産性の向上も、それから農産物の価格の場合も、安定はできても、著しく高騰するということはあり得ないことだと思うのです。そうすると、要因は、生産性の向上と、それから農産物価格は、安定させておるだけで、下落を防ぐという程度のものなんです。それから最後には、やはりこの二月当たりの耕地面積、それが自家経営であれ、協同化であれ、そういうことになると思います。それから協同化の場合は、私は何と言っても基本的には——先ほど申し上げたことをもう一度繰り返しますが、他産業に従事する者の賃金水準ですね、これが上がらない限り、私はこの日本の農業問題は解決しないと、結論的に言うと、そういうことを考えざるを得ないわけです。この前私イギリスに行って見たときに、あのイギリスの産業構造で、九五%が工業、商業、サービス業ですね。つまり日本はそんなことになりもしないでしょう。なったらそれこそ首切りだということで、大へんなことになるだろうと思う。ですから、そのことは別としても、私はやはりこの均衡のとれた農業収入を維持するためには、第二次、第三次産業の従事者の収入がうんとふえ、それから耕地面積がもっとふえ、それから、農業に対する投資をあまり効率を——私は低くしていいということは言いません。しかし、政府の一部にあるように、あまり投資効率だけにこだわらずに、ときには私は、経済成長第一主義ということでなく、一般的成長率が若干鈍化する場合もあると思うのですね。それでもやはりある程度農業というものを助けない限り、投資効率だけにこだわっておっては、絶対に日本の農業というものは、所得倍増という所期の目的を達することはできないと思います。そういう点を政府も勘案されて、これをさらにもっと具体的な、実際上の農民首切りということは、これはあまり政府はそう考えておるわけでもないでしょうが、そういうことを言うことはどうかと思いますけれども、そういうふうに受け取られるような施策でなしに、もっと積極的に、何年後には実際の農家がこれだけの収入を得られるのだというものを、もう少し緻密に積み上げていっていただいて、それの裏づけとなるこの予算の処置というものを確実に、政府としても実際の計画に乗せる予算処置をするということを、まあぜひやっていただきたいと、希望を申し上げて私の質問を終わることにいたします。これは希望でありますから、別に御答弁は要りません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 二、三お尋ねいたしますが、第一は地域的な問題で大へん恐縮ですけれども、熊本県と鹿児島県の県境に水俣という所があります。かれこれもう六年ぐらい以前だと思いますが、いまだ原因が明確に究明されないで、農林省、厚生省、それから文部省、あるいは通産省と、こういったように各省にまたがって、病源の究明を基礎にして、さらにまた被害者に対する救済の方法が講じられてきております。私も多少それに関係をしておりましたが、水産庁関係で一時魚礁をふやそう、あるいは漁業の転換をはかる、こういうことで措置をとっていただいたことがあります。しかし、最近私は国に帰りまして、その事情をいろいろ聞いてみましたが、なおかつ完全な状態にはない。しかも、農林省のあっせんなのかどうかわかりませんが、長崎県の厳原の方へ新しい漁場を求める。そのために新しい船を買い込むとか、あるいは新しい漁法によった漁業を営みたいということで、水産庁の方に話があったようですね。こういうような計画を少し御説明いただきたいのです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいま熊本県下におきまするいわゆる水俣事件という問題につきましての経過の説明を求められたのでありますが、大略のまず説明をいたします。この水俣事件と申しますのは、御承知のように新日本窒素でございますかから有毒なものが出まして、それが原因だろうというふうに推定されておるわけでございますが、とにかく現地の漁民が大量に地先の魚介類を食べますと、奇病——珍しい病気にかかるということで非常に問題になったわけでございます。水産庁といたしましては、各省と連絡をしてこの対策に乗り出したわけでございまするが、水産庁の方の対策だけを申し上げますと、まず三十四年及び三十五年度両年度にまたがりまして、この原因の調査と、ただいま御指摘を受けました漁業の転換ということに努めたわけでございます。その概略は、まず研究の方でございますが、これは関係省が全部連絡いたしませんと、この研究ができないことは当然でございまするが、水産庁といたしましては、主としてこの海の方の状況の問題、たとえば有毒と思われる魚の移動の問題、あるいは海洋学的な研究の問題、水質の問題その他につきまして、分担いたしましてこれを継続して研究中でございます。ただいま御指摘の漁業の転換の問題でございまするが、これはたとえば昨年度、三十五年度におきましては、ただいま御指摘のようにイカ釣漁業で約六十隻ほどの漁業転換、それからブリの引きなわ漁業への転換、これが約二十三隻、それからその他真珠、これは食用にならぬという意味で、地先の利用として真珠の養殖業、この約三百台の転換というようなことで、補助金制度をもってこの転換をはかったわけであります。ただ、ただいまの説明中のイカ釣漁業につきましては、実は、これは御指摘のように長崎県の厳原に主として根拠地を設けて、その地先のイカ釣りを行なうという転換でございましたけれども、厳原にはまだスルメに加工する設備が十分でございませんで従いまして、地元の長崎漁民とこの転換しようとする熊本県の漁民の間に若干意見の相違があったことは事実でございますが、その後、長崎県当局その他のあっせんによりまして、ほぼ話し合いがつきまして、大体支障なく転換が行なわれたような状況でございます。なお、その後、ただいま申し上げました工場側と地元の漁業協同組合との間に、これは知事さん及び地元水俣市の市長のあっせんによりまして、補償その他の問題につきまして円満に協定がつきましたので、一応新しくスタートを切るわけでございまするが、なお、その協定の中では、単なる補償金だけの問題ではなくて、先ほどちょっと問題になりましたような工場への、漁業者の子弟を工場の工員として採用するというようなお話、なお、工場側で持っておる学校がございまするが、その学校に漁業者の子弟を入れまして技術教育を行なうというような協定、その他が成立しているようなわけでございます。なお、その中にもう一つ、水俣市の市当局が立案企画いたしまして、会社側もこれに出資するような一つの漁業振興の組織を作るということも協定の中に盛られておるようでございまして、これはなお私どもが過去二カ年やった補助金によりまする転換政策のあとを受けまして、このやり方で転換が行なわれるというふうに聞いておるわけでございます。  以上のような経過で、一応漁業転換の問題としては、もちろん不十分ではございまするけれども、まずまず一段落したというふうに感じておるような次第でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大体今御説明いただいたようなことで経過はわかりました。もとよりこの間における前長官を初め皆さんのお骨折りに非常に地元の人も感謝をいたしておりますが、由来、この問題がこういうふうに発展をした経過を考えてみますと、やはり原因がはっきりしない。しかもすぐれた今日の日本の学術を総動員体制で進めていっても今なお病源が明確でない。しかし、この間における一つの問題として今私どもが考えなければならないのは、要するに、危険な海域がある。この危険な海域に対して漁業禁止をするという法律がない。ただ関係者に行政指導をして、あるいは関係者の善意によってそういうことをしないように呼びかける、魚を食べれば死ぬということがわかっているのに、単にそれが行政指導あるいは関係者の良識に訴えるという、こういうことではどうしても危険この上もない問題だと思う。そこで、早くから私どもはこういうふうな事態が方々に起きれば困りますけれども、この一つの問題をとらえてみても、やはり今日の工場廃水の状態等から考えてみても、かりにこういう問題がほかに起きたとするならば、いつでも法律の発動ができて漁業禁止が行ない得るような特別立法等の措置は講じられないのかどうか、こういうことをしきりに主張してきたのですが、もちろんこれは農林省だけの問題ではないでしょう、通産省あるいは厚生省等にも関係がありましょうが、要するに、まあ海という、そういう水産資源という面から、農林省では特別な立法を将来の問題としても講じておくということはお考えになりませんか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この工場廃水による水の汚濁、それが直接には水産資源に及んで漁業がやれなくなるという場合、さらには進んでお話のように、その魚を食べれば死ぬというような問題が起こりますれば大へんな問題であります。これに対して一体どういうふうにするかというふうなことは、結局漁業者に対する処置と、工場をそういうところに設置させる場合における産業の規格向上の問題、しこうして、それに対するはっきりした原因については、当然業者に補償をなし、また、ある場合においては漁業の禁止までいかなければならぬと思うのです。そういう場合において、なかなか補償だけで済まない問題が起こるのじゃないかと思う。補償というものは、一時に金をもらって、そのあとの生業をどうするかという問題も起きると思う。そういう問題を考えるときに非常に複雑な問題があると思う。水質汚濁防止法ができて、一定の汚水はどの程度までは魚に影響すると認められるか一定の水準以上によごれた場合には、これは補償の対象になるとかというようなことで、今水質汚濁の標準設計の調査を各地でやっておるようですが、これもなかなか遅々として進まないようです。その間において各地で問題が起きているので、私も非常に大きな問題だとして将来考えるべきものだと思っておりますが、まだこれは具体的になっておりません。やはり、この間もちょっと私の考え方を話しておったのが、どういうことか新聞に書いてありましたが、やはりもっと深く考えて、新しく工場が設置される場合に、その工場が産業の発達と国民経済の上にどういう影響を及ぼすか、どれだけウエートが高いか漁業と比べてどうかというようなところから、ある場合には、漁業の方をやめてその工場を伸ばす方が国民経済の上においていいかもしれない、そういう場合には漁業者は全部優先雇用したらどうかというようなことがある。また、ある一定の海面においては、私は特殊な漁業であって、国益が非常に増進され、外国にも輸出されているような漁業については、ある一定の海面については工場を設置することを禁ずる海面があってもいいのではないかというようなこと等、いろいろな問題があると思います。そういうことを含めて、一体あなたの今御指摘のような、何か一定の問題が出たときに、直ちにその海面についての漁業を禁止するというような法律を基本的に作るのがいいのか悪いのかという問題もあわせて考慮してみたいと思います。これは漁業の問題は単に農林省だけの問題でなくて、各関係省も非常に広いし、そこに相当の学者を入れつつ、一つ将来の漁村対策、産業対策、を考えてみたいと、かように考えております。これはむしろ個人的意見だと思いますので、その点は御了承願いたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは要らなければ要請みたいになるかもしれないけれども、今、次長からもお話のありましたように、補償の問題、あるいは漁業転換の問題を完全に解決はしていない。ただここまで、非常に困難な情勢の中から、補償あるいは漁業転換の措置をおとりいただいた。とにかくこれは異存なく敬意を表しておきますが、ただ、今からもそういうことにもっと力点を入れていただくということ、こういうケースは異例なケースでありますけれども、どこでどういう事態が発生しないとも全く予測できません。しかも今回の経過から考えてみて、これはやはり人命に影響することだから、一定の海面については漁業を禁止すべきである、こういう声は非常に強かった。また、そういう漁業禁止の説が唱えられておったならば、その責任がどこにあるかということですね。責任がどこにあるかは別として、補償の問題はもっと早く片づいていたのではないか、こういうことも考えられるわけでして、今、大臣がそういう御意見であれば、一そうけっこうだと思いますが、さらに一つ単なる私的な意見、あるいは抽象論というようなことでなく、よく次長の方に、大臣は事情をお聞きいただきまして、具体的に検討していただきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点は、水産庁に命じてよく研究をいたさせたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから私は農林問題、しろうとで多少突拍子もない質問になるかと思うのですが、今度開拓者への資金融資というのが予算の中に盛られております。これは全国の開拓者に渡る場合、各戸当たりどれくらいの金になりますか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 開拓者への融資は三通りございます。国の特別会計から出しております融資と、それから公庫から出ております融資と、それからこれは開拓者でございますので、農協を作っておりますので、系統の農協から出ているものがございまして、仕組みは三つでございます。系統農協の中には、これも予算で御審議願っておりますが、保証協会が保証しまして、そうして系統農協から借りるということもございます。先生の御質問の点は、おそらく公庫なり特別会計から出ている金のことだと思いますが、仕組みは、公庫の資金はこれは大体は共同施設とか、そういうようなものに出ておりますので、一戸々々個人にいくのはほとんどありませんで共同施設がおもでございます。これは開拓者分で十五億ございます。あとの一億は土地の取得のものでございます。それから国の特別会計から出ております資金でございますが、これは三十七億ばかりございます。三十七億ございますが、これは開拓者は現在約十五万戸ございますので、これで割りますと一戸当たりこれは平均しますと二万でございますが、そういうやり方ではなくて、積算の基礎は、国の三十七億の中で約七億は新しく開拓地に入る人が基本営農資金といいまして、肥料でありますとか、農機具でありますとか、あるいは大動物でありますとか、あるいは畜舎とか、そういう基本的なものを施設いたします場合に貸す金で基本営農資金というのが約七億ございます。これは人によって、また機械開墾地区によって違いまして、一般的に多いのは一戸当たり四十五万四千円、これは三年にわたって貸すものであります。それから基本営農類型地区といって、もう少し広いところに入ります人は内地が五十万、北海道が八十万、北海道のパイロット・ファームのようなところですと二月当たり二百五十万というようなことに分けてございます。それの初年度分として基本営農資金というものを組んでおります。それから大きなものでは営農振興資金というのが二十五億中に入っております。これは今まで入りました開拓者で、昭和三十二年に開拓営農振興臨時措置法という法律を作りまして、不振開拓者について、これを融資その他いろいろな計画がございますが、振興計画を作って、これをある程度のところまで上げようということをやったのがございます。これに対しまして営農振興資金として三十七億のうち二十五億組んでおります。これは一戸平均いたしますと十三万八千、これは対象農家が九万五千戸くらいございますので、それに対しまして十三万八千のそのうちの一部の人が借りるのが二十五億でございます。そのほかには災害の起きました場合の対策資金でございますとか、あるいは従来振興資金を借りられない人等の資金を入れておりますが、今申し上げましたように三十七億を十五万戸で割るというわけには参りませんで、今申しましたようないろいろな積算の基礎がございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大体それでわかりましたけれども、おおむね農業の場合には適地適作ということが一つの原則でなければならぬと思う。そこで、もちろんこれは全国的に画一的な物の見方はできないものと思いますけれども、あまり熊本のことばかり言うようなんですが、熊本県の芦北郡というところがある。ここの開拓地に私は行ったことがある。そこへ行きますと、適地適作ということで土地の選定が行なわれていないということが第一の問題、それから道というものがない、農道もありません。しかも約四キロくらいその部落までありますが、ものすごい急勾配の道のない草原を肥料をからいに行ったり、子供なんというものは大へんですよ。学校に行くのに朝四時ごろから起きて行く。私も一晩そこに泊っていろいろ聞いてみましたが、これはほんとうに驚くべきところなんです。だから、そういうのを考えますと、これは一体農林省では適地適作ということで、しかも食糧増産ということで開拓ということをおやりになっておるのか、人が余ったから、どこかに移せばいいということでおやりになったのか、そういうことが私は大へん大きな疑問として今なお残っております。それから、そこの場合にもちろん水田なんというものはありはしませんから、主としてカンショですよ、作っているのは。カンショをやればイノシシが出てきて食ってしまうということで、最近は例のナシですね、そういうものに変えたら、それにかなり金がかかったので、金を借りたけれども利子に追われてどうにもならない、こういうところが私の知っている限りあります。しかも、そういう熊本の特殊な例に限らないで、方々旅行しますと、こういうところにそんな村落があるか、これは確かに開拓団だなと思われますので聞いてみますと、間違いなく開拓団です。ですからそういうものは、私が今一例として指摘をした熊本県の昔北の開拓地とほぼ同類のものだと思うのですが、第一、土地の選定をされる場合に適地適作という方針でおやりになっているのか、人が余っているから、希望者があるから、どこでもいいから移せばいい、いわゆる開拓じゃなくて移住、極端に言うならば、私はそういう人を移せばいいというたぐいのものじゃないかと思うのですが、土地の選定の際の方針はどういうことなんですか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 先生のおっしゃいましたところを具体的に私知りませんが、おそらく終戦直後の緊急開拓に入られた人じゃないかと思いますが、緊急開拓をやっておりました当時のねらいは、一つは食糧増産ということ、もう一つは復員の人、都市の工場が全部戦災でやられたので、そういう人を入れるということで、人口対策といいますか、そういう二つの点からわっと実は入ったということが現実でございます。それで実は開拓累計しますと、二十一万ぐらい入りまして、戸数で約六万ぐらいが離脱いたしております。これは大部分が二十一年、二年ごろに入った人でございます、出た人は。それで当時の事情としては、あるいは今申しましたようなことは一つの理由があったと思うのでございますが、土地等につきましても、これは今から考えてみますと、十分適地の選定や何かが行なわれないところに入ったことは事実あると思います。そういうのがかなり多いと思います。それで適地の選定基準を作りましたのが昭和二十四年であります。ところが買収は、その前に買いました土地の方が実は多うございます。それで最近は、これは法律にも適地の基準をきめて、傾斜度でございますとか、温度でございますとか、土質でございますとか、そういうものをきめまして、入りましてまた再び営農がまずいということにならぬようにというので、一定の規準を作って、最近はといいますか、二十四年以降は実はやっております。それで先生のおっしゃいましたようなところの人につきましては、国が、先ほど言いましたように、開拓者の借金というのは、実は国のものが六割ぐらいございます。それで昨年の国会で、借りたいという人に対してはまた借りかえをして二十年に直すとか、そういうことをやりましたり、その土地がどうしても開拓に向かないというところがありますれば、またその人々がほかのところで開拓地に入りたいとか、あるいはほかに町へ出たいという場合には、間引きという言葉を使っちゃおかしいのでございますけれども、過剰入植者対策としまして、全部入った者が外に出るというような場合に補助金、三十六年度は三十万という単価で補助金を組んでおりますが、そういうことをいたしております。過去におきましては、先生のおっしゃったようなところがかなりあったのではないかというふうに率直にわれわれも考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 さっきの農地局長の言われた十五万というのは戸数ですか、人員ですか。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) 約十四万八千といっておりますが、戸数でございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そこで十五万戸の中に、今私が指摘し、かつまたあなたが肯定をされた、ここで谷間何とかと書いてありますね、こういう表現であるのか、適切には緊急何とかと言われましたね、いわゆるそういう人たちは何人ぐらいおられますか、十五万戸のうちで。

伊東正義農林省農地局長

○政府委員(伊東正義君) そこの農地の谷間というのは意味が違いますが、あとで申し上げます。三十二年に、開拓者が営農不振だということで、これを何とかして上のレベルに上げたいということで開拓営農振興臨時措置法を作りましたことは、これは先ほど申し上げましたが、これはある限度より低い人です。この基準でやりまして、約十五万のうち九万四千戸くらいがその対象になりまして、振興計画を作りまして、さっき二十五億ということを申し上げましたが、国から融資をしているということでございますので、大ざっぱに申しまして三分の二がそれに該当するのじゃなかろうかというふうに思っております。しかしその三分の二全部が先生のおっしゃったように何ともならぬというところじゃなくて、これはもうある一定の面積がどのくらいなら収入がどのくらいというような基準を作ってやりましたので、振興対策になっているのは九万四千戸というふうにお考えになってけっこうだと思います。谷間とおっしゃいましたのは、実は三十二年に法律を作りまして適用したのでございますが、その法律の適用を受けられぬ人が、これも大ざっぱでございますが、二十九年から三十二年に入りました人につきましては、その適用をいたしておりませんので、そういう人々に対しましても、これは振興資金をある程度見る必要があるのではないかということで、今年度から初めて融資したわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、結局十五万の三分の二ということは十万ということですか、そういうことですね。結局、十五万戸の三分の二といえば十万戸だ。それで先刻私は一例をここで申し上げたわけですが、まことにこれは言語に絶するような生活をしている。想像できない。もう周囲はイノシシが出るのです。それで、町へ行って鉄砲を貸してくれという。ただ農作物に影響を与えるだけでなくて、どうかすると人命に危害を加えると、こう言う。だから、町の役場に行って鉄砲を貸してくれと言えば、県に言わないというと簡単に鉄砲は貸さぬのだ、こういうことであってみたり、それと、かりに長期償還の低利というそういう仕組であっても、それに追われている、回収に。ただ自家食糧にすぎません、それを売買をして益をあげることもできない。それが局長も言われるように十万のうちの全部であろうとは私も思いません。しかし、そういう実態というものは私は見のがしてならないと思う。ですから、まあここで一つの結論としてお願いをし、かつまたお考えをいただきたいのは、早急に十万の中にはたしてそういう極悪の環境、人の住むようなところでないところに置いている人たち、その人の生活でなくて、とんでもない環境にある人たちは一つ至急調査されたらどうですか。それにこたえるようなことをしませんと、もう実にこれは人道的にも私は許されないと思うのです。相当なものだと思うのですよ。さてそれじゃ、そういうものを調べあげてどうするかということは次の問題ですが、そういう事実だけはこの際大臣も私は御認識をいただいて、早急にそういう人間以下の生活をしている開拓民をどうするか、明らかにこれは開拓行政の失敗ですよ。私はそう思う。皆さんの方で失敗じゃなかったと、こういう事実をもってするならば、言えないと思うのです。だから、そういう人たちには当然国として報いるものがあってもいい。ただ長年、もう十数年住んできておりますから土地に対する愛着もありましょう。急にそれじゃどこかへなおそうと言っても出ない場合もありましょうけれども、それはそれなりに出たい人、残りたい人おのおの希望によって人並みの生活だけは私はさしてもらいたい。それが過去における開拓行政の失敗を手厚く救済をしていく一つの方法だと思う。こういうことに対して大臣どうお考えになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) よくこれは調査させたいと思いますが、私は当事の為政者の弁解をしておるんじゃないのですけれども、先ほど局長も言っておりましたように、あのときは進駐軍がおって、緊急開拓政策、各県における何万分の一かを開拓適地としてばっと買い上げをして、そして一応入れた。しかもそれは満州その他各地から帰ってくる人は、一応職業を与えるということでとられた措置として、その当時食糧がなかなかなかった、まずみずから作ってみずから食べるというところでやむを得ざる形であったと私は思うのです。そこで、むしろ最近における農林省が、ようやく国家財政もよくなってき、これらのものを再検討しつつ、この緊急開拓でやった地域、この不振地域というものをどうするかということで、積極的にこれを改正しようという努力をやっておるわけです。先ほどお話したと思いますが、開拓政策についての一つの方向は増反の主義をとっていこう、地元増反。一つの方は開拓不振地域をまず改正する、先にしようというような方向を開拓政策に立てているのもこの趣旨であると御了承願っておきたいと思う。ただいまのような具体的の場所についての調査は至急にやらして参りたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは多少議論めいてきますし、また私は今開拓行政の誤りであると言い切ったわけですが、もちろん昭和二十一年のあの状態から考えてみれば、あながち農林省だけ責めるのは酷でしょう。しかし、事実は事実ですから、ぜひ一つこういう人たちを何とか救済をしていただく、これは一つ要望しておきます。なおまた、こういう機会もいずれありましょうから、その進行状態についてはいずれ承ることにいたします。  もう一つお尋ねいたします。農村青壮年の海外派遣、こういうことがありますね。予算書を見てみると、海外への移住ということになっているようですが、この中に沖繩関係はどういうことになりますか、計画の中に入りますか。

斎藤誠農林省振興局長

○政府委員(斎藤誠君) 現在のところ移住の送出人員の中には沖繩の人も現実には入っているようですけれども、これは実は御承知と思いますけれども、現在、移住をする者につきましては、ほとんど農業移住ということになっておりまして、それぞれそれに伴っての必要な市町村の証明をつけるとかというような方法をとっています。それから一般的に移住の中には、計画的に移住する者と、それから現地からの呼び寄せによって移住する者とがございまして、それを合わせまして毎年一万名、三十六年度も一万名、こういう計画を立てているわけでございます。具体的に沖繩等はどうするかと言っても、必ずしも現在のところは行政指導ができていないわけでございますが、事実は沖繩県の人も入っているようでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 海外協会というのがありますね。これとこの移住関係はどういう連携がとれておりますか。

斎藤誠農林省振興局長

○政府委員(斎藤誠君) 海外協会というのは、御承知のように各県に現在ございまして、この海外協会は現在のところは農林省関係の仕事について申し上げますと、農業の移住につきましての募集であるとか、あるいは移住者の選考、あるいは訓練、これを農林省関係でいたしているわけであります。それでこの募集計画につきましては、農林省から各府県知事にその計画を通知いたしますと、それに基きまして、海外協会が募集、選考の実務を担当するということになっております。その実務面を海外協会がやるということが一つの仕事でございます。それからいま一つは、一般的に海外移住についての啓発宣伝事業をこの協会が行なう、こういうことに現在のところなっております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 沖繩にも海外協会があることを御存じですか、私の聞いた限りにおいては、沖繩にも海外協会がある。本土の海外協会と沖繩の海外協会はきわめて密接な連携を保っておるのです。ですから、直接農林省に沖繩の海外協会から海外移住についての話があったのか、さもなければ本土の海外協会を通じて、沖繩の海外協会から沖繩も計画の一環に入れてほしい、こういう話があったんじゃないかと思う、お聞きになっておりませんか。

斎藤誠農林省振興局長

○政府委員(斎藤誠君) 現在、海外協会に対する経費といたしましては、農林省から各府県に補助いたしまして、そうして府県がさらに一応海外協会に補助する、こういう仕組みになっております。それで今の沖繩にあります話は、私もまだつまびらかにいたしておりませんが、先ほど事実問題として沖繩の人も呼び寄せの形でやっておるんじゃなかろうか、こういうことを申し上げましたのは、たとえば兵庫県から移民船が出ることになっております。そこで沖繩の人が兵庫県から呼び寄せの形で外へ出るというのが実情ではないかと思いますが、国内における海外協会と、それから沖繩の海外協会とどういう連携なり連絡をとっているか、ちょっと今つまびらかにいたしておりません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これは農林省よりもむしろ総理府の所管ですから、沖繩の問題は、ですから振興局長にこれ以上お尋ねするのもちょっと無理かと思いますが、今お話がありましたように、沖繩の場合には二種類あるんです。一つは直接出ていく場合、一つは一たん日本の横浜ないしは神戸、そういうところに落ちつきまして、それでいわゆる日本人として出ていく、二つの方法があるのです。これはいろいろむずかしい議論もありますけれども、きょうはここで議論を展開しようとは思いませんけれども、要するに沖繩の場合には、御承知のように膨大な土地を米軍の基地に取られて、しかも基地経済が非常に困窮している。最近の海外移住ということは、むしろこれは日本の政府として総合的な沖繩の一手段としてもとっていかなければならぬ重要な私は政治的問題があると思う。そういう意味で、ここには特段に沖繩を計画の一貫に入れるということではないと思うのですが、早急に一つ総理府あたりとお話をいただいて、ぜひ沖繩の問題をこれに入れていただきたい、こう思うのですが、お考えどうでございますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 沖繩におられる方々のいろいろの面からについてのめんどうは、十分こちらでも考えていかなければならぬと思っております。今の沖繩の人々の移民等に関しましては、よく総理府と連絡をとって、今後の処置を考えていきたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それから次にお尋ねしますが、農業保険事業団というものがここに出ているようですが、これはすでに設置されたものですか。これからの予定ですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これからの予定です。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、今まで農業共済については農家の中に非常に大きな不満がありまして、それが掛金はかける、貸すときにはとんでもないむずかしい条件がついて、一体だれの金だとこういうような意見があるのです。私は具体的にどういう場合に貸し出しができて、どういう条件かということまでは知りませんけれども、そういう意見が農村の中にはうはいとしてあることは間違、ありません。しかも、私どもが今までいろいろ予算の内容を見てみますと、これは資金運用部の金に一たん入って、要するに国家勘定になるのですか。その辺のことを少し詳しく聞かして下さい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 詳しいことは坂村局長からお話ししますが、ちょっと御質問の点が違っておる点があるように思います。大体金を貸すのじゃありません。これは農業災害制度でございまして、特定な農業災害に対しまして平生から掛金をいたしておりまして、それに対して災害が起きた場合において一定の限度の保険金と申しますか、共済金を交付することになっております。そういう点につきましていろいろ農家の意見もありますが、それを今度改正しようとしておりまして、また近く法案が出ることになっております。その中の保険関係を中央として行なう団体として保険事業団ができるわけでありまして、あくまでこれは貸付金をするのではなくて、農業災害に対する災害補償をしていくという関係のものでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 わかりました。それでまあ私のちょっと取り違いがあったことがはっきりしましたのでそれはそれでけっこうです。  次にお尋ねいたしたいのは、いろんな農林省関係の補助金が出ますね、この補助金は単に書面の審査でお貸しになるのか、あるいは現地に行って実情を判定をしてお貸しになるのですか、どちらですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 両方です。書面申請が出まして、それについて十分調査ができておるものはそれでよろしいのですが、場合によっては現地調査をしてそして出すということです。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この前決算委員会で伊勢湾台風のときに架空に船舶を流失したと、それで補助金の申請があった、こういう問題がありました。それで愛知県の国警が刑事問題にしたことがあるのです。それを決算委員会では、すべてこれは書面の審査ではなくして、現地に行って間違いがないかどうかということを認定をして貸すのだ、しかもそれは法律的にはそうなっておる、そういう答弁でしたがどちらがほんとうですか。今大臣のお話からいえば、書面審査の場合と実地調査と二面ある、こういうお話ですし、この前はあくまでも現地に行って認定をする、こういうお話でしたがちょっと食い違っていると思う。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私の申しましたのは、ものによるわけですね。ものによっても両方あるのです。今の災害の場合に関する助成なり融資というようなものは、大体現地に行って災害の実態を調査した上で計画を立て、これに助成をするというのが本体です。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それで今年の決算の報告をまだ拝見しておりませんので、ここでにわかに言うわけにはいきませんけれども、書面審査の場合ですね、実際とだいぶ食い違っているようなところがあるのではないですか、そういう事例はありませんか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 先ほど大臣からお答えがございましたように、災害等につきましては、現地査定を厳密にやりまして、その上で事業費、事業分量を定めるというのが通例でございます。それから補助金の種類によりましては、都道府県が直接的な補助主体となりまして、国は都道府県の行ないます補助事業に対して間接補助者として補助を行なうというような形をとっている奨励補助金の事例がかなりたくさんございます。そのような場合には、一応その補助事業の主体は都道府県でございまして、その都道府県が現地について精細に調査をし、確定いたしました補助計画につきまして農林省は県庁からの覆面あるいは口頭による説明というようなことで、間接補助事業としての必要な処理をいたすというような事例もございます。もちろんそれらにつきましても、全部ではございませんが、事前あるいは事後に直接農林省の方でもって抜き取り的には調査をやっておりますが、間接補助事業につきましては全部農林省の者が直接自分の目で見るというふうにはなっておりません。そういった場合、あとでいろいろ現地の事情を調べますと、必ずしも十分に県庁の調査が行き届いていなかったというような御指摘を受けた事例もございますが、逐次そういった事例も減っておるようでございます。実態はそういうことになっております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それからもう一つ伺いますが、農林省に公労法の適用を受けておる職員がおいでになりますか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 私からお答えいたします。林野庁関係の職員の中で、国有林野事業特別会計法の適用を受けております職員が約三万おりますが、この中で一般職の給与法の適用を受けていない職員、要するに管理、監督の職務にあります以外の職員が、いわゆる公労法の適用を受けておるのでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 何名ですか、正確には。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 正確にはちょっと……約三万ということに相なっております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それで今夕ないしは明朝ぐらいにかけまして例の仲裁裁定が出ますね。今林政部長が言われた三万の人たちは、その対象になる。どのくらいの裁定になるかわかりませんが、予算の用意はできておりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) まだ裁定を受けて、内容を聞いておりませんから、どのくらいになるかは私どもわかりません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どうもちょっと答弁がおかしいです。裁定はゼロじゃないということですよ。ゼロ裁定ではない。それで予算上御用意がありますかと、こう聞いているのです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その裁定の額によりますが、大体予算面は林政部長に答弁させます。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいま森中先生が御指摘になりました点でございますが、裁定の額その他いろいろ中労委でやっているようでございますが、これが仲裁として出ました場合には、それに基づきます所要の予算の措置をとらなければならない、従来政府内閣においてもそういう方針が示されておりますし、私ども事務的にも、それから現在の予算の中でできるか、あるは補正その他でお願いしなければならないと思いますが、とにかく所要の事務手続はとりたい、こういうことでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 今審議中のこの予算の中でできるのか、あるいは補正をやるのか、手っ取り早く言うならば、今審議中の予算の中で間に合うのか、間に合わなければ補正か、こういうことになりますね、そういうことでしょう。そうなりますと、一体その予算の用意はできていないというようにも私は感ずるのです。そうなると、政府が大綱的に今まで国会の中で答弁されてきたこの種仲裁裁定に対する見解というものは少し変わってきますよ、用意できているのですか、どうなんですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 用意ができているかというふうにおっしゃいますと、これは仲裁の結果、それがいつから、どうさかのぼるかという問題もございますし、予算の措置といたしまして本年度だけでできるとか、あるいは本年度によるとか、そこら辺はまだ仲裁の内容によりましてわれわれとしてはまだはっきりいたさないということでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私の聞き方が悪いのかしれませんが、本年度ということは、三十五年度という意味ですか、三十五年度の予算でどうかなりますか、物理的にできませんよ。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 私からお答えをいたします。先ほど林政部長が申しましたように、正確な金額がどれだけ必要であるかという点につきましては、裁定の内容等によってきまることであることは申すまでもないことでございます。いずれにいたしましても、本年度の給与に影響のある勧告であることは想定されるわけであります。従いまして、本年度分の措置といたしましては、御承知のように、三十五年度の林野の特別会計には予備費も組んでございますし、また例年の過去の事例から申しますと、そういった裁定に応じまして、既定の予算の中で流用、移用等の措置をとられたというような実例がございますので、本年度につきましても、まず予備費、あるいは移流用等の措置によって、ある程度応じ得る態勢があるというふうに考えてよろしいと思います。なお裁定の内容いかんによりましては、さらにそれ以上の予算措置を伴う場合もあろうかと思いますが、おおむね従来の経験から申しますれば、そういった今申しましたような予算措置によって、三十五年度の対策は講じ得るだろうと私どもは考えております。なお三十六年度につきましても、当然それが尾を引いて既定のベースに変更を加えるわけでありますが、それにつきまして予備費、あるいは移流用等の措置で相当程度対応し得る態勢にあるというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと官房長、結局現行の予算の内容ないしは三十六年度の中で移用、流用等で当然仲裁裁定には応じ得る、こういうように認識をしてよろしいですね。なおまた、ちょっと御注意申し上げておきますが、国会の答弁のときはたばこをのまないようにして答弁して下さい。大臣どうですか、裁定に応じ得ますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ただいま官房長から御答弁した通りであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 よくわかりました。それからもう一つお尋ねしますが、定員はことしどのくらいふえましたか。なおまた非常勤はどのくらい残っていますか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 三十六年度の農林省関係の予算におきましては、一般会計で千百六十七名、特別会計で一万二千五百六十九名の常勤あるいは非常勤職員の定員化のための増員措置がとられております。なお、この措置によりまして、なお定員化ができませんで残ります職員の数は、常勤職員におきまして約三百名、正確には二百八十八名、非常勤職員におきましては、四千三百八十七名と現在のところ算定されております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 農林省の仕事はだんだんふえていきますね。そうしますと、今言われた四千三百七十八名の残余の非常勤というものは、逐次本採用になっているでしょうが、それと同時に新しく入ってくる人たちは、大よそこの年間に何名くらい見込んでおりますか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) ただいま申し上げました非常勤職員の残っております四千数百名と申しましたのは、主として国有林野特別会計で働いております常労職員と申しますか、日雇いの、日々雇用の職員が主体でございます。なお三十六年度におきましても、各種事業が引き続き行なわれますことは、御指摘の通りでございますので、私どもの今後の方針といたしましては、従来のように、日々雇用で入りまして、それが常勤化するというようなものは、今後は生じない、常動的に雇用いたす必要のある職員は、今申しました数をもって大体まかなえる。あとは完全な日々雇用というふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それじゃこれで大体最後の項目に入りますが、この国際会議というのがここに出されておりますが、この国際会議では主としてどういうことが議題になりますか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 主として国際会議に出席いたしますための農林省職員の旅費、及び国際会議に加盟いたしております結果必要といたします分担金の所要額が予算には計上をせられておるわけであります。そういうわけでございまして、出席いたします国際会議の種類は、年により変動いたしますが、一番何といいますか、一般に年々ありますものは、ローマにございますFAO、国際食糧農業機構の関係の会議に出席いたしますもの、あるいは水産庁の場合で申しますと、御承知の日ソ漁業交渉、あるいは北太平洋の日米加の交渉、そういった種類の国際会議等が年々常時よくあります国際会議でございます。なお、国際会議の種類はかなり多岐にわたっておりまして、数から申しますと年々なかなか、かなりの数の国際会議が技術関係あるいは経済関係その他であるわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私はその種類を聞いているんじゃなくて、主として今言われた国際食糧農業機構、これに加盟しているが、具体的に言うならば、この会議ではどういうことが議題になるのか。もっと具体的に言いますと、各国の農業政策等が討議されるのかどうなのか、こういう意味です。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) FAOの年々の理事会あるいは総会等におきまして議題となります事柄は、そのつど議題の打ち合わせがございまして、必ずしも継続的に一つの議題をやっているわけではございません。なお、国際会議のうち先ほどの例示に漏らしましたが、たとえばガットの関係といったような、関税交渉といったようなものがございます。それらにつきましては、わが国と他のガット加盟国間の関税の、ガット上の取りきめ等につきまして、お互いに注文を出し合って検討するというようなことが行なわれているわけでございます。FAOにつきましては、主として農業食糧関係につきましての国際的な技術提携あるいはもっと広い意味の国際的な協力ということを中心的に議題とし、具体的な事柄としてはそのつど決定されていくわけでございます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この会議は、大体国際会議の性格からいきますと、加盟各国に対する勧告権を持っておりますね。どうですか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) FAOにおきましては、事柄にもよりますが、FAOの加盟各国の間で、場合によりますと、決議あるいは勧告等を採択することがございます。それは憲章の定めるところに従って、それぞれ関係加盟国に通達をされるわけであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それで、勧告権が発動されて、たしか昨年の三月か二月ごろだと私は記憶するのですが、もし私の記憶に間違いがあるかもわかりませんけれども、要するに、この食糧農業機構が、日本の農業政策はすこぶる補助政−策をとり過ぎている。従っていま少し日本の農業政策については転換の必要があるという勧告を受けたことありませんか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 私の承知いたしております限りでは、そのような特に日本の農業政策についてFAOがそういう勧告等をいたした事例はないと記憶いたしております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私の記憶違いかもしれませんが、たまたま貿易の自由化が大きな課題となったときに、しかもその直前であったと思うが。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) FAOにせよ、ガットにせよIMFにせよ、日本の農業政策について特にそういった御指摘のような勧告が、あとに尾を引くような勧告があったことは承知いたしておりませんが、ただ、今の御質問の御趣旨からそんたくいたしますと、ガットについて今後の日本全体の関税のあり方を、あるいは輸入制限のあり方を、ちょうど西ドイツなりイタリアなどがガットにおいて経験いたしたと同じような意味で、国際収支上の理由を理由といたします輸入制限措置について、ガットの中で協議と申しますか、議題に供せられる可能性がございます。それらの可能性なりあるいは一部のそういった論議が先生にそういうふうに伝えられたのではなかろうかと私は想像いたします。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それは私の誤解のようですから訂正をいたしましょう。  そこで、もう一つ最後にお尋ねいたしますが、先ほど白井君からも指摘があったようですが、一面国内においては生産性をうんと向上させる。そのために農政の全分野にわたって助成、補助、こういったように拡大政策をおとりになっておる。他面においては、ことに大豆あたりが顕著な例ですが、貿易の自由化をする。こういうようなことが行なわれるということは、やはり政策に矛盾があるのではないかと思うが、農林大臣、どうお考えになりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は矛盾とは考えないのですが、私はいつまでも、設例の大豆でお答えいたしますが、大豆は何といいましても、外国に比べて品質が劣っている。反当収量も少い、こういうふうな形をそのままにしておいて、これを保護していくということがほんとうに農業者の利益になるのかどうかということは考えてみなければならないと思う。もっと国際競争力を高めるために、品種改良なり、生産に対する合理化、生産性向上という方面に向けつつ施策をしていくということが、私は真に農村のためになるのではなかろうか、こういうふうに考えます。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうなりますと、この中に示されておるのは、要するに三十六年度のいわゆる米穀の収穫総量というものが五百七十万トンとこうある。これは全体の国民食糧の何パーセントに当たっておるのですか。五百七十万トンというものは、国民の全体の食糧の何パーセントに当たりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お尋ねは大豆ですか。

森中守義日本社会党

○森中守義君 米の場合です。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 御質問の趣意をあるいははき違えておるかもしれませんが、米につきましては、明年度は国内の生産は平年作ということで、たぶん千二百四十万トン程度を想定いたし、そのうち今御指摘の数量が食糧管理特別会計による買い入れの対象になるというふうに予定したわけでございますから、約四割強ということに相なろうかと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、外米の予定輸入量は幾らですか。

須賀賢二食糧庁長官

○政府委員(須賀賢二君) 三十六年度予算では、五万八千トンの予定になっております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そういうことになりますと、これはやはり国内で相当量のものがあるのに、わざわざ外米を買う必要はないじゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) これはお話の通りです。私どももぜひ日本で、もうだんだん生産もふえて、国民の需要に応ずるだけのものができてきた今日でございますので、できることならば、外国米を減していきたいという現われから去年に比べてえらく激減してきているわけです、輸入数量については。しかしその点についてはやはりバーターとの関係もありますし、外国との特殊な関係によって日本の貿易収支の関係からいって外交上の関係でやむを得ざる限度にしぼっておる。しかもその点は、次の御心配は、そういうものを入れて内国の米作農家に影響しないかというような御心配が出てきますから、今日、輸入しておる数量五万トンは全部政府でなければ入れられません。そこで、これは政府でがっちりかまえて調整をしておりますから、国内の米生産農家に対しては影響のないようにこれを防いでいくということであります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 しかし事実問題としまして食糧管理特別会計というものにこういうふうに仕分けをされている。今、国内における供出価格の算定の内容、これについてもだいぶ議論があります。ありますけれども、やはり外国からものを買えば食管の会計からそちらの方にも出ていくわけだから、実質的に国内の市場に相当影響を与えるということがこれは常識じゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は、御意見ですが、そういうふうに考えません。とにかく封鎖された形におります。食管会計なりが外米を買い入れて持っております。これはめちゃくちゃに国内産の米に影響するような売り方はしておりませんから、そういう面で保護しております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間も遅くなりましたから私は割愛しますが、最後にただ一言だけ伺って、これはイエスかノーかだけを農林大臣はおっしゃっていただければいいわけです。これは先般の予算委員会で問題になりました水資源の問題ですが、農林関係の問題として愛知用水と、それから豊川用水を合流して、用水公団を作るという法案を今国会に提出するやに新聞等においては伝えられておりますが、農林大臣としましては、今国会中にこの法案を出されますかどうか、それはイエスかノーかだけでいいですが、その点だけ……。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 今の愛知用水公団と豊川用水の関係を合併した法案は、もうすでに提出済みです。

千田正無所属クラブ

○千田正君 その問題については、いずれ別の機会で申し上げます。

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 他に御発言はございませんか。  御発言もなければ、農林省関係の質疑は、これをもちまして終了することとして御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武藤常介自由民主党

○主査(武藤常介君) 御異議ないと認めまして、次回は明二十八日午前十時より開会し、郵政省関係について審議をいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗