予算委員会第一分科会 第4号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/30
会議録
○主査(小酒井義男君) これより予算委員会第一分科会を開会いたします。 分科会担当委員の変更について報告いたします。 昨日、藤田藤太郎君が辞任され、その補欠として森元治郎君が選任されました。本日、森元治郎君が辞任をされ、その補欠として大矢正君が選任されました。 ——————————
○主査(小酒井義男君) 昭和三十六年度総予算中、会計検査院所管を議題といたします。 まず、説明を求めます。
○説明員(大沢実君) 会計検査院所管の昭和三十六年度歳出予算について御説明申し上げます。 会計検査院所管昭和三十六年度一般会計歳出予算要求額は、七億三千六百二十六万九千円でありまして、これは、会計検査院が検査を遂行するために必要な人件費、物件費、検査旅費等の経費であります。 今、要求額のおもなものについて申し上げますと、第一に人件費として五億九千九百九十一万七千円を計上いたしましたが、これは職員千百八十五人分の給与、手当等でありまして、要求額の八一%に当たっております。 第二に、検査旅費として七千二百三万円を計上いたしましたが、これは、職員を現地に派遣し、実地について検査を実施するために必要な経費であります。 第三に、物件費として三千五百六十九万二千円を計上いたしましたが、これは、事務上必要な備品、消耗品、通信費、印刷費等の経費であります。 第四に、庁舎施設整備費として二千四百七十六万四千円を計上いたしましたが、これは、現在使用中の電話交換機が老朽のため故障が多く、非能率でありますので、これが更新に必要な経費などであります。 次に、ただいま申し上げました昭和三十六年度歳出予算要求額七億三千六百二十六万九千円を、前年度予算額七億一千八百七十五万五千円に比較いたしますと、一千七百五十一万四千円の増加となっておりますが、そのおもなものについて申し上げますと、人件費五千八百二十一万六千円、検査旅費三百万円、その他二百六十四万四千円、計六千三百八十六万円が増加しておりますが、庁舎施設整備費三千七百四十六万円、物件費等八戸八十八万六千円、計四千六百三十四万六千円が減額となりましたので、これを差引いたしますと、前に述べました通り、一千七百五十一万四千円の増加となります。 はなはだ簡単でございますが、会計検査院所管昭和三十六年度歳出予算要求額の概要の御説明を終わります。何とぞ御審議のほどお願いいたします。
○主査(小酒井義男君) 質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○高田なほ子君 ただいま三十六年度の会計検査院の予算の概略を御説明いただきました。どうもこの御説明で一目してこうわかるように、会計検査院の機能強化のために必要な予算の特段の増額がないように考えられるわけであります。重ねて申し上げますけれども、確かに絶対額は、人件費において、あるいはまた検査旅費等において六千三百八十六万円という絶対額はふえているようでありますが、おそらくこの人件費は給与の改定に基づく増額が主とした内容に含まれているものであって、新たなる定員増、すなわち会計検査院としての機能の拡大のために使われる定員というものは、必ずしもこの中に満足に入っていないのではないか、こういうような実は疑問を持つものでございます。従って、この人件費についてさらに詳細な御説明をいただくとともに、三十六年度の予算を通して、会計検査院の機能の拡大のために、はたしてこの三十六年度予算の中に占めるものはどういうものであるのか。こういう二つの内容を持つ説明をまず承っておきたいと思います。
○説明員(大沢実君) ただいまの高田先生の御質問にお答えいたします。会計検査院といたしまして、定員増——現在の定員で適当であるかどうかということに関しましては、いろいろに意見が内部にもありまして、まあその前提としまして、検査というものがどうしてもあらゆる会計機関を全部実地について検査するということになれば、これは今の定員のおそらく十倍以上の職員を要するだろう。だから、やはり検査というものは抽出検査ということになると、その範囲をどこで抑えるかということによりまして、定員の増が必要であるという意見と、まあこの程度で、もっと質を向上していけばいいではないかという意見が両方あるわけです。そして三十六年度におきましては、一応大蔵省に対しましては、六十名程度増員の要求を出したのですが、いろいろな折衝の過程において、検査報告として不当として掲げる事項も年々減少している、従来もこれで検査をやってきたので、今ふやす必要はないではないかというような意見が大蔵省部内にもありまして、またそれを合理的に、こちらとしてこれだけ必要であるということを合理的に算出することが非常に困難でありますので、一応いろいろ折衝の結果、今年は増員の点は取りやめまして、ただ質におきまして、これを充実していくということにいたしまして、まず第一に取り上げましたのは、調査官の増員であります。調査官と申しますのは、事務官のうち単独で検査をなし得る職員を一応調査官としております。これを増しまして、そして検査を充実させようということで、調査官を全部で十二名本年増員し、この予算に盛ってあります。そのうち三名は審議室調査官、そのほかに上席審議室調査官というのが一名、これは課長相当であります。四名の審議室調査官というのを作りまして、これはどういうねらいであるかと申しますと、会計検査院として将来やっていくのに一体定員がどの程度あるのが合理的であるか、あるいは現在の定員ならば、どういう工合に検査を施行していくのが至当なのか、という点を一つ取り組んでやる。今からでは非常におそいじゃないかという感じもするのですが、とにかく、とっくりと一つ検討してみる必要があるのではないかということで、審議室調査官というのを今度計四名、そのほかに八名いわゆる検査に携わる調査官の増を要求して、それが計上されております。それによって定員内で質の向上をはかる。しかし調査官としてはまだもう少し人をふやす必要がある。これも折衝の過程において来年度に繰り延べて、さらに増員要求をしようとしております。それが検査の充実の点をねらった一点であります。 もう一つは検査旅費の増加、これは内国検査のために三百万円の増額を要求いたしております。この検査旅費は三十一年度は五千七百万円程度であったのが、年々予算の増額を要求いたしまして、三十六年度はただいま御説明いたしましたように、七千二百三万円ということになっております。これだけの検査旅費の増額によって実地検査を充実させていこう、かように考えておる次第でございます。検査員の定員の増は、形式的には七名増になっておりますが、これはいわゆる非常勤の者を定員に繰り入れたための増でありまして、御指摘の通り、実質的な定員の増は、ことしはありませんが、ただいまのような点におきまして検査の充実をはかりたい、かように考えておる次第であります。
○高田なほ子君 今年度の予算から会計検査院という機能の方向というものをただいまお示しになったようでありますが、しかし、ただいまの御説明にもありますように、調査の内容について質の拡大化あるいは範囲の拡大化、こういうような問題についてその方向を決定するための審議室といいますか、そういうものが今度新たに設けられたように伺っておりますが、この審議室は審議会というようなものではなくて、調査をし検査をするといういわゆる調査機関、会計検査院の機能を調査、研究する審議室である、どういう内容を持つもののように思われますけれども、この点はやがて審議会のような形に拡大するお気持を持っての出発であるのかどうか。それとも、たとえば来年度中とか再来年度中とかいうめどを置きながら、この会計検査のあり方というものの新しい結論を出そうとするために設けられておるものなのか。一応やはり新しい機関の出発であるということであれば、そこらあたりの概略の目標、めどというものがなければならぬように感ぜられますが、この点はどういうふうでございますか。
○説明員(大沢実君) 審議室を今度設置いたしました構想といたしましては、とりあえず現在の定員をどういうように配置すれば、どういう点を検査の重点として持っていったならば、検査院としてもっと能率が上がるかということをまず第一としてこの審議室の方で検討させようと考えております七それから第二番は、恒久的に会計検査院としてはどれだけの定員を持ったら最も合理的であるか、多々ますます弁ずということではなしに、最小限これだけあれば所期の目的が達せられるという一つの結論をこれに出してもらう、こういう考えを持っております。これを期間的に考えますと、第一の問題は、とりあえず三十六年度中に一つの結論を出して、それによって局課の職員の配置ということを考えていきたいと思っております。第二の問題につきましては、なおさらに日数を要するのではないか、かように考えております。 なお審議会の設置というような点ですが、審議室としましては、四人が一致しまして一つのそうしたことを調査し結論を報告させる、こういう構想を持っております。
○高田なほ子君 会計検査院は、三十五年度の決算検査についての報告はまだ国会に提出されておらないのでありますので、三十五年度の問題に触れることができませんが、お出しいただいておるのは、国の三十四年度の予算がどのように使われたか、その使われた結果を検査院は検査をされて、三十四年度の不当事項いわゆる不正不当、こういうような内容について国会に報告をされておるわけでございますが、この御報告の内容によりますと、三十四年十二月から三十五年十一月の間に国や政府関係の機関等に対していろいろの書類の検査をしたり、あるいはまた不当な事項を検査をしたというようなことがあげられておりますが、その書類数は十七万九千余冊、枚数にして四千八百余万枚のものを証拠書類として検討した、また質問をそれぞれの機関に発したものは六千余件である、この結果、政府関係それからいろいろの機関関係等について批難した件数が大体二百九十二件であり、その批難金額は概算十二億九千万円、こういうようなかなり膨大な決算の跡始末を検査をされて報告されておったのであります。 そこでお尋ねしたいことは、この批難金額は国の予算の中で十二億九千万円という相当の金額を占めるものでありますが、現在のこの会計検査院の検査方式は抽出検査によるものであって、一部分の検査をされて、その検査から類推されて十二億九千万円という数字が出たのか、抽出された部分についてのみこの批難金額十二億九千万円というものを出されたのか、この点きわめて私の疑問とするところでありますから、この点を少し詳しく説明をしていただきたい。
○説明員(大沢実君) 最初に抽出という言葉を私は申し上げましたが、あるいは誤解をされたかと思いますので、申し上げておきますが、国の機関全部につきましての収入支出の書類、これは原則として全部検査院に計算書及び証拠書類として提出させております。これが十七万九千余冊、四千八百余万枚ということになるわけであります。検査を抽出と言いましたが、出した書類は検査院は見ております。抽出と言いましたが、実地に検査する、これは全部の会計機関の所在地に出かけるわけにいかないので、実地検査は抽出的になる、こういうことを申し上げた次第でございます。そうして今度は、ここに書いてあります二百九十二件、十二億九千万円と申しましたのは、これは書面検査の結果、あるいは実地に検査した結果出てきた具体的な事項に対する金額の累計でありまして、推計額はこれには全然入っておりません。 それで、この十二億九千万円の内訳になりますが、この中で最も大きいのは農林、建設、運輸の関係におきまして、災害のときの査定をまず各省がいたしますが、その査定の結果を会計検査院で実地に検査してみますると、その査定に誤まりがあるという場合、これを減額させるというのが一番大きなウエートを占めておりまして、災害復旧補助金の減額を要するものとして指摘しましたのが五億四千八百万円、租税の徴収不足、これが三億二千百万円、これが実際に検査した結果、推計でなくて、実際に指摘した事項であります。
○高田なほ子君 そうすると、この批難金額というのは実際に検査をされたものであって、推計というものは含まれていない。しかし、会計検査院の良心として、今度は良心の問題になりますが、数字に示されるような定員ではたして政府関係の十二関係ですか、さらにその他の団体等について全面的な検査をするということは、常識的にはとうてい困難であろうという考え方を私どもはするわけです。ですから、十二億という批難金額よりは実際問題としてははるかにオーバーする内容を持つものではないかという懸念を当局は持てるがゆえに、あらためて検査内容の的確を期するために、定員の配置等について審議会というものの新設を企図されたのではないか。こういう考え方を実は持つわけである。従いまして、まだまだここに掲げられている批難金額以外に相当の問題も内在するという見方をおとりになっているのではないかという気持が多分に実はするわけである。この点について検査院はどういうような見方をされておるのか。
○説明員(大沢実君) 御指摘の通り、確かにまだ検査の抽出を漏れたところに不当な事項があるということは一応推定されるわけであります。それを大きく分けますと、大体大きな国の支払いに該当するもの、工事とか物件とか、これは大きな部局は大体検査しておりますから、その方に対してはあまりこうした問題は残っているということはまずないであろうと考える。ただ租税の徴収過不足、あるいは補助事業の補助金の不適正な執行、あるいは保険料の徴収過不足いうようなものになりますと、これはやはりこちらの検査がもっと広がれば広がるほど、そうした事態は同じ比率でなくて、大きな部局はまずまっ先に見ておりますから比率は減ってきましょうが、ある程度同じような事態がほかのところにも生じてくるのではないか、かように考えております。しかし、これはわれわれとしましては、まず大きな部局は全部見る、それから今の補助金とか保険料の徴収過不足とか、租税の徴収過不足という問題は、むしろ会計検査院は二次的に見ていいのではないか。まず第一次的にはそれぞれの部局、たとえば補助なら補助の主管の省、これがまっ先に監査すべきだ。また保険料の徴収不足などは、保険の主管の省がまず監査すべきだ。租税も同様であろう。この二次的に検査院が見る場合、これは全部見るまでの必要はないのではないか。これを適宜見て歩いて刺激することによって内部監査といいますか、内部の機構の充実をはかるということが適当ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 問題になるのは、この補助事業についての問題であろうと思います。今御説明によると、大体補助事業は主管の省が第一次的な検査をし、会計検査院は第二次的な性格を持つものであるというようなお話がありましたが、どうもこれは検査院としてそういうあり方が妥当であると考えておられるように私の耳に聞き取れたのですが、私はそれとは逆の意味に会計検査院の使命というものを実はとっているわけです。今度の三十六年度の予算の内容から見ましても、公共投融資の破格の拡大等によって、いわゆる公共事業というものは相当の発展の度合いを示すでありましょうし、その分野においても多々ますます弁ずるということになるでありましょう。特に道路、港湾事業等の拡大において、しばしば巷間問題にされるのは、土木建設業間におけるいろいろの問題でございます。これを当初から不正であると必ずしも私は見るわけじゃございませんが、事業が拡大すればするほど事業の枝がこまかくなって、費用がふえればふえるほどこうした問題については格段の注意というものが必要になってくるのではないか、このようなことを実は考えておるわけであります。従来、会計検査院は三十四年度の検査報告の中においても「補助金の経理については、補助の対象となる工事の施行が不良なため工事の効果を著しく減殺しているもの、または設計に対して工事の出来高が不足しているもの、事業主体が正当な自己負担をしていないものなどが依然として多く、また、災害復旧工事の完成前にその査定の内容を検査して工事費を減額是正させたものが多数に上っている。」とある。これは単に三十四年度の検査報告だけではなく、従来やはりこの種の検査報告というものは跡を断たないし、その件数においても必ずしもはなはだしい減少の方向をたどっているというふうには考えられない面も多いわけであります。従って、この国の補助によって行なわれる事業等については、当然主管の省がその責任を持つべきものではありましょうけれども、それは単にその主管の省が責任を持っただけで済まされるものではなく、むしろこういう重点的な問題の起こりそうな、また従来問題の起こっている部面については、会計検査院は第一次的な検査をする。こういうような建前に立って物事を処理なさらないと、この種問題の激減を期すということはしかく困難ではないか、このような考え方を私は持つのです。従って、この国の補助による各種事業等については、今回の定員の配置等については格段の御努力をされるつもりであるかどうか。特にこの審議室設置によって現行定員の適正配置等について考慮されるというお話もありましたから、どういう方面に主としてその力を今後入れなければならないのか、従来までの実績からどういうような考え方をお持ちになっておりますか。以上私が指摘した点について、特に詳細にお答えを願いたい。
○説明員(大沢実君) まず第一には、いわゆる公共補助、これが非常に悪いから、これは今の程度の検査では不十分ではないか、こういうのがまあ一番の御指摘の点かと思います。この公共補助に対しまする検査院の検査の、まあ少しくどくなるかもしれませんですが、書くまでの経過をちょっと御説明申し上げますと、これは一番ひどかったのは二十八年で、まあひどいと言いますか、会計検査院が発見して最もひどかったのが二十八年、九年というのが非常にひどかったわけです。当時は農林省、建設省、運輸省と、この三省を通じまして大体補助事業の現場の九%程度を見ましたのですが、この九%程度の中に、多かれ少なかれ、工事が出来高が悪いとか、あるいは何か不当があるというのは、その見たうちの二二・四%というものが何らかの形において不当な点がある。そうして二十九年は、やっぱり一〇%程度見たうちで一六・五%程度がそういう事態である。こういうふうな事態がある。そうして三十年に、これは六十名くらい会計検査院の方で増員をいたしまして、このときは主として参議院の決算委員会の方で、これは補助の方をもっと見なければいかぬのじゃないかというような御趣旨もありまして、検査員の増員がありました。そうして六十人の増員を来たしたわけであります。そうして、そのときに公共補助専門に検査する課というものを作りまして見たわけです。ところが、そのころからだんだんと公共補助は施行がよくなりまして、同時に例の補助金予算の執行の適正化にかかる法律、いわゆる適正化法という法律ができました。その関係で、事業主体の自覚もできました関係か、まだ三十年度は全体の一二%見たうちの九・八%が個所として不当な事項があったということになったのですが、三十一年度はそれが六・九%になり、三十二年度は二・七%になり、三十三年度は〇・九%になり、三十四年度は〇・七%——全体見たうちの〇・七%の個所において不当な点があったというように、いわゆるこの事業の内容というものは、二十八年度ごろから比べると、逐次よくなっております。しかしながら、まだ〇・七%でもとにかくあるのでありますから、これは全然検査をしないわけにはもちろんいきませんですが、検査の度合いといいますものは、やはり私は全体の個所として約一割、それから金額としては四割程度までを見たらほぼいいのではないかと考えております。三十四年度は個所としては九・七%で、金額として事業費で見ますと三〇%程度のものを見まして、これをもう少し見る程度でいいのではなかろうかと、かように考えております。 そこで、しからば今度の配置問題で、補助の方へもっと人員をさくかさかぬかという問題になりますが、これは私がここでこうするということを申し上げるのは適当でないかと思うのですが、大体の構想といたしましては、いわゆる審議室というものに、いろいろなデータによってそうしたものの一応の結論を出させまして、そうして検査官会議によって最後の配置は決定いたしたい、かように考えております。しかし私自身の——現在事務総長としましては、補助の方は現在の人員が約二つの課で六十名程度が補助の検査専門にかかっておりますが、その程度で人員はもう少し機動的に動いて、検査の個所なり検査の事業費を増す、これは出張旅費を増加することによってできる問題であります。そうした程度で人員としてはいいのではないかと考えております。しかし、これはいろいろな調査の結果、どう結論が出ますかは、ただいまのところではちょっと予断はできない次第でございます。
○高田なほ子君 ただいまの御説明によりますと、三十四年度は全補助事業の三〇%を検査した。しかしその中で不適当と思われる、いわゆる批難に値するものは数が減ってきた、こういうことでございます。しかし三十六年度の公共事業の投融資、これは拡大され、道路あるいは港湾等の事業は相当の額に上ってきている。つまり事業面の拡大であります。ですから、常識的に見ますと、事業面が、国が拡大する方向にいった場合には当然これに関する検査の事業、検査の仕事、そういうものが付随してくるのではないかという気がするわけです。しかし三十四年度は全事業の三〇%を見たということでありますが、全事業の三〇%というのは現在の会計検査院の力の限度であるのか、あるいはまたこの三〇%はどのパーセントぐらいまで拡大することによってより以上の正確な国の予算の執行を厳にすることができるのか。要するに質問の要点は、三十四年度に検査された全事業の三〇%という数字は、これはやがて拡大されるものであるのか、検査の限度というものは全事業の何パーセントに及ぶものであるのか、これが一つ。もう一つは三十六年度における港湾、道路事業等の拡大によって、さらにこの方面の手はより必要とするのではないか。これに対してどういうような対策をお立てになろうとするのか。こういった内容になると思います。これについてお答え下さい。
○説明員(大沢実君) 全事業の三〇%という、これはいわゆる農林、建設、運輸、三公共事業のあれでございますが、三〇%がこれでいいのかというまず御質問でございますが、これは多ければ多いほど検査をする方はいいということは当然考えられるわけでありますが、ただ現在の定員をどう配分したらこれにどれだけ向けられるかということになりますと、私は三〇%からせいぜい事業費として四〇%程度の中に入るんではないか、非常にばく然としたことでありますが、さように考えておる次第であります。従いまして、それを四〇%見るのには人員の増加でなくても、一日の検査行程を合理的にやっていくというような、あるいは出張の旅費を増すとかそういうことで、その程度までは達成できるのではないかと、かように一応考えておるような次第でございます。
○高田なほ子君 次に検査の拡大という方面についてお尋ねをしたいと思います。今検査の範囲の拡大について、大体補助事業においては三〇%から四〇%ぐらいが適当ではないかという、いわゆる限界線を示されたようであります。これについて別に私は意見というものはございませんが、ただこういう問題は会計検査院の範疇に入るか入らないかという問題であります。これは必ずしも批難事項というのではありませんが、会計検査院は国費の正当な使用を検査をするのであって、この中には不正、不当、こういう内容がございましょうが、しかし国の予算が一度必要であるという認定のもとに組まれたものが、何らかの欠陥によって要らない、不用になった、こういうような内容のものがかなり多いように考えられますが、会計検査院は前年度予算の検査において不用となった金額の内容等について、あるいは不用となった金額がなぜそのような不用という現実を来たしたのか、こういう点について御調査になる権限があるのか。あるいはまたこれも将来は検査の対象にすべきものであるという考え方をお持ちになるのか。いわゆる予算として組まれたものが不用として残るものについて、検査院の検査の内容に含めるべきものであるかどうかという、これは私の疑問であります。あくまで疑問でありますが、この点について一つ意見を承りたい。
○説明員(大沢実君) 会計検査院は国の決算を検査することになっておりまして、決算の中に不用額というのは計上されてくるわけでございますから、この不用の内容がどういうものであるかということは、当然検査院として検査といいますか調べて、そうして内容を承知しなければならぬことであります。また事実そうした点は調べております。ただそれが不用になったことは不当であるかどうかということになりますと、なかなか結論は出しにくい問題であろうと、こう考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 私は不用即不当という考えを実は持たないです。不当あるいは不正というものと不用というものとは性格が当然これは異るであろうと思います。ただしかし、国が必要予算として計上したものの中に、当然必要である、まだなお足りないと国民が騒いでいるのに、決算の面において不用として残っている部分については、これは不正でなくとも予算の使い方について相当の研究をしなければならない部門に相当するきわめて重要な内容を持つものだと思う。この不用額の使用について会計検査院は関係当局に対して今日まで勧告とか、御注意とか、そういうことをされたという歴史をお持ちになっているかどうか。ばく然とした質問でありますが、そういう歴史を持っているかどうかという問題。
○説明員(大沢実君) 会計検査院というのは保守的と申しますか、なるべく国費の節約ということをまず考えますので、不用にされたことはこれを不用に出したらいかぬではないかというようなことを、今までに意見を述べたことは、私の記憶する範囲におきましては一度もございません。そうした点はどうして不用になったかということを調査しておりますが、その結果においてただいま御指摘のような御注意を発したとか、意見を表したということはございません。
○高田なほ子君 会計検査院は中立の立場になければならない。それがゆえに会計検査院は独立した権能を持つことが法律で明記されております。しかるにあなたの今の発言は「保守的である」というような発言がありました。これははなはだ私は心外にたえない。保守ということは自民党の味方をするのだという、そういう偏狭な考え方を私は持っておるのではありませんよ。これは誤解しないで下さい。会計検査院は保守的であっちゃならない。あくまで民主政治を確立するためには、独立した権能を持つ機関であるから、あなた自体が国費は倹約して使わなければならないとか、節約しなければならないというような、政府側に立つような考え方をまず持つことは誤りです。国の費用がどういうふうに中正に忠実に使われているのか、その中に不正な事項、不当な事項、批難さるべきものがないかどうかということを全く中立の立場においてこれを押し進めていくという、それだけの権能きりない。その権能を持つ会計検査院は中立でなければならない。その権能のために独立した権能を国は検査院に与えておるはずであります。あなたの言う——これは言葉じりをつかまえて言うわけではありませんけれども、感覚的にこれは間違いであるとこれを指摘しなければならない。この間違いが正せられなければ私がいろいろこれから質問を続けていっても、これはむだなんです。こういう基本的な問題が解明されるということが私の質問を続ける前提条件になるのです。この点についてはあなたが言い足りなかったのではないかと私は善意に解しますが、はなはだ穏当を欠く発言であります。
○説明員(大沢実君) ただいま保守という言葉を申しまして、はなはだ誤解をお招きするような言葉を申し上げました。これははなはだ失礼でありますが、これは保守、革新という意味の保守という言葉を決して使ったのではないのです。検査院としては、国費というものはなるべく節約して使わなければならないという、何と言いますか、固く考えるという意味において、はなはだ悪い言葉を使いまして失礼でございましたのですが、つい保守という言葉を使ったわけでございます。決して今高田先生のおっしゃるように保守革新という意味で、保守党に味方する、こういうようなことではございません。これは会計検査院はあくまで中正公平に検査する立場にあります。これは言葉の用法を誤りまして今のような誤解をお招きしたことははなはだ恐縮に存ずる次第でございます。そうして、なお検査院といたしましては、国費というものは節約できるだけ節約していく。これは国民の税金の使用として当然ではなかろうかと考えます。何か使い得る金を使わなかったということは、それが元になる法律なり何かがあってそれを執行しなかったということになりますれば、これはあるいはときによってはこういうことは、執行せずに予算を残したというようなことが問題になることもあろうかと思いますが、一般の場合には見込みが多くてその残りが出た。予算の執行が法律なり政令の規則なりに従ってやって残りが出たという場合には、あまり検査院としてはこれを云々するということはないのではないかと、かように考える次第でありまして、くどいようでございますが、保守的という言葉ははなはだ不穏当であったと思いますので、その点御了承願いたいと思います。
○高田なほ子君 節約という問題が、今会計検査院の立場から出ました。これは会計検査院のみならず、すべての行政官庁もまた、この予算の冗費ということは慎しんでおるわけであります。ですから、会計検査院としては、この予算を節約して使ったかどうかということについてまでくちばしを入れるというのは、これは行き過ぎというものではないか。その使い方がはなはだしく不正であり、不当であるという、こういう問題について会計検査院は鋭いメスをふるうべきであって、金の使い方が節約されているか、節約されていないかという、こういうところにまでメスを入れるということは、私は若干オーバー意識ではないかというふうな見方をするわけです。節約ということの内容には、いろいろ内容があろうかと思いますが、会計検査院は、十の国の予算が取られて、この十の国の予算の使い方の中で、不当であり、不正であり、手続がまずかった、あるいは十という単価、これを過剰に見積もって国に損害をかけたという、いわゆる批難に値いするものを、これを検査されるのが妥当であって、この予算の使い方が少し節約し過ぎたとか過ぎなかったとか、こういうところまでメスを入れられるということは、これはある程度行政官庁の良心を拘束するものであって、私は会計検査院というものは、節約しているかどうか、そこまで制肘を加える、いわゆる検査の内容が及ぶべきものではないという観点を実はとっている。これは私と検査院の見解の違いかもしれませんが、そこまでいくべきものではない、こういうふうな考え方ですが、いわゆる行政事務の中には、相当幅を持たせなければ運用できない面も多々あるわけであります。ですから、節約したかどうか、こういう点は会計検査院の検査の内容に含まれるべき性質のものではない、こういう観点に立つ。あなたは節約もこの検査の内容に持つものである、こういうことを言っておられる。この点の見解をもう一度ただしたい。
○説明員(大沢実君) ちょっと私の申し上げることが、あるいはピントはずれになったかもわかりませんが、私の申し上げようとするのは、国費というのは、必要な範囲内において使用されるのは当然でございまして、むだ使いがあってはならない。そういう意味において、できるだけ節約しなければならないというように会計検査院としては考えている。従いまして、その不用額が出たときには、それが不用を出したのがいけないというような見地からものを見るということはまずないであろうということを申し上げる経過において申し上げたので、各省に対して節約しろ節約しろということを命令する権限は、もちろん検査院としてはないと思います。ただ、節約できるものを節約しないような事態があれば、それを指摘している。つまり先ほど御指摘になりましたように、高く買い過ぎているというような問題は指摘する、こういう立場にあるのであろうと私は考えております。
○高田なほ子君 大へん私はこれにこだわりますが、決してこれは言葉じりをつかまえて言っているのではない。見積もりの誤り、わざと怠慢で誤った場合がある。これは節約とは性格的に違うのです。ですから会計検査院は節約というところまでメスを入れるべきものではない。たとえば百万円のものを見誤って、百八万円という予算の見誤りをした。これはあくまでも予算単価の見誤りであって、いわゆるこれは誤りであります。不当である。しかし節約というのはそういうものじゃないと思うのです。見誤りと節約というものはきわめて性格の違うものです。ですから会計検査院には、もちろん節約をしろなどというような命令権のないことは私も先般承知しておりますから、そういうことを言っているのではない。ただ、節約をしたかしないかという、そういう観点からものを見るのではなくて、国の予算が適正に不正なく、不当なく使われているかどうかというところに眼目を置いていくのが正しいのではないか。それが会計検査院の使命であって、この用紙の使い方が冗費であったかどうかということは、その官庁主管の責任にまかせる部面が、幅がある問題である。あまり検査院は節約というところにまで入りますと、これはある程度の行政権を拘束する、結果として拘束する力を持つものであって、会計検査院の中立性というものについてまでも疑念を持たざるを得ないというような考えを持たれることは不幸だと思う。ですから、節約ということと不正不当ということとは性格的に若干違う内容を持っているものであるということを、もう一度私はあえてここに申し上げて、あなたの見解をもう一ぺんここで繰り返してもらいたい。
○説明員(大沢実君) 御意見の、つまりあるものを買う。買うことは行政庁のこれは予算の範囲において買うのはその権限なんだから、それを節約して買うなというようなことを検査院は言うべきではない、こういうお話、これは私も、行政庁が必要だと思って買うものは、原則としては検査院がとやかく言う筋合いでないと思います。ただ、検査院が見ますると、これはどうしても余分なものを買ったのだというようなことになりますると、これは予算の範囲内でありましても、やはり検査院としては、不用なものを買ったということを一応指摘するのが、私は職責ではないかというように考えている次第であります。そういう御意見だとしますると、その節約を言うべきではないという御意見には承服しかねます。しかし、向こうが予算を適正に執行するのを、とやかく何でもかんでも始末しろ始末しろという見地から検査院が検査する、これはもう検査院はやるべきではない。その点においては御意見の通りだと、かように考える次第であります。
○高田なほ子君 まあ言うべきであるとかないとかという問題でなくて、これは感覚の問題ですから、ここでこれを議論しても果てしないことでしょう。 そこで、先ほどの不用額の問題について、具体的に例をあげて見解をただしておきます。 先ほどの見解では、不用額についても、会計検査院は不用の部分が妥当な予算の行使によって不用になったのか、あるいは予算の行使について手続上等の問題があって不用になったのか、あるいはまた地方財政のいわゆる地方交付税率等の問題に関連しながらこれが心ならずも不用という額になって残ったのか、こういうふうに不用の額の内容等については、さまざまな複雑な内容を持つものだと思うのであります。ただ、特にこの児童保護対策、社会福祉対策、これらの問題は、あげて国民の政府に対して強くその強化を要望している点でございます。ところが、三十四年度の決算の説明、大蔵主計局からこれは出されたものでございますが、遺憾なことには、児童保護その他の社会福祉費は、民間では旱天に慈雨を求めるような気持でこの予算の増額を待ち望んでいるわけです。これは私も本会議や委員会でしばしば問題にしてきて、予算が足りない、政府はもっと予算を組んで、子供やそれから恵まれない人のために全力をあげるべきであるということを実は主張してきたわけであります。しかし、三十四年の収支の状態を見ますと、この面における不用額というものは、相当の項目と額にわたっておるわけであります。国民は旱天に慈雨を望むような気持でこの予算が均霑されることをひたすらに願い、私どももまたかくなければならないといっているが、実際の財政の運営の面においては不用額が出てきております。具体的にいうと、児童保護その他社会福祉費、この経費は児童福祉法に基づいている児童保護費、それから身体障害者の福祉法に基づく身体障害者の更生、医療費等の経費に関する補助であります。それから母子福祉貸付金、それから婦人保護費、それから低額所得層の世帯に対する更生資金の貸付、それから医療費貸付の補助であるとか、それから原爆障害対策費、それから社会福祉事業振興会に対する出費、並びにその他社会福祉諸費に要した経費、これを含めて児童保護その他社会福祉費と、こういうふうにまとめてあるわけであります。これを見ますというと、児童保護費の予算、それから使用額、これらを見ますと、こういうことになっているわけです。歳出予算額は百二億七千二百八万六千円、これは歳出予算額であります。これが支出になりますと、百一億千九百三十六万四千円、こういう支出になって、翌年度の繰り越し額が一億六千四十五万六千円、不用額が一億五千百万七千円というふうになって、不用額が一億五下万円から出ておるわけであります。実にもったいない不用額である。こういう不用額が最も必要なところに残ったというこの予算の運営の仕方、これは妥当を欠く問題だろうと私は思う。でこの妥当を欠く問題について、会計検査院は先ほどお尋ねしたところが、こういうような内容についても、会計検査院はその予算の運営の適正を期さなければならないのだ、こういうようなお話をされておるわけです。おそらくこの不用額は地方財政の貧困による受け入れ態勢ができなかったという理由もあるでしょう、国の補助が消化されない幾多の原因はその他にもございましょう、だがしかし、最低必要であると、こういう考えのもとに出した国の予算が、かくのごとき形で不用額ということになっていくということはまことに残念にたえない。これを適正な運用にするために国はどういう注意をしなければならないのかというような点も、これも単に行政監察の部面にまかせておくだけではなくて、会計検査院の機能の中に、先ほど御答弁になったように、不用額についての検討等も含まれているとするならば、これは当然国に対する会計検査院の態度というものは、決算報告に加えて付加されるべきものではないか、こういう考え方を実は持つのであります。この点について会計検査院のお考え、並びに今日までのいわゆる不用額の運営等についてどのような態度をとり、どのような施策を、あなたの権能内において執行されてこられたのか、こういう点についてお尋ねをしたい。
○説明員(大沢実君) はなはだこの問題はむずかしい問題でございますが、私として今の不用額の内容は、すぐここでよく承知しておりませんが、大体の筋といたしまして考えますことは、これは都道府県を通じての補助金で、都道府県の要した経費の二分の一とか三分の一が補助になっております。結局、都道府県の要した費用の何分の一という補助金を交付するときに、不用額に出た、こういうことになっておりまして、結局都道府県の実際の仕事がそこまで伸びなかった。これが府県の財政貧困によるものか、あるいはそうした対象が少なかったものかということまで、実は私どもの方でははっきり把握しておりません。ただ、府県の方の金額が少なければ自動的に国の補助が減っていく。そういうことにおいて出た不用額だと承知しております。これを出すのはいかんではないかという検査院で表示をすべきではないかという御意見でありますが、それに関しましては、御意見として伺っておきますが、私としては、ただいま見解を申し上げることはちょっとできないことをお許し願いたいと思います。
○高田なほ子君 会計検査院が見解を述べることができないとするならば、このような妥当を欠く予算の運用について、だれが国に注文をつけることができるのか。そういう機関というものはどこに一体所属するものか。検査院はどういうふうにお考えになりますか。少し無理なような質問ですけれども、どういうふうにあなたお考えになりますか。
○説明員(大沢実君) これははなはだ差し出がましいことになるかもしれませんですが、厚生省なりが予算を組まれてやっておられる。そうして厚生省で不用額を立てられるわけでありますが、これはまっ先にやはり厚生省として、まずこれがなぜそうなって、これがどうしてこうしたとか、こうすべきだとかということをお考えになるのが筋ではないかということを考える次第でございます。それ以上はちょっと申し上げかねます。
○高田なほ子君 私もその通りだと思うのです。しかし各省における何と申しますか、調査ですか、そういったものは、必ずしも国民に対して親切でない場合がある。会計検査院の使命は、国民に対する国の行政が親切であるために私は会計検査院の使命があると考えているのです。会計検査院は鋭い検査機能をもって不正を摘発するという、いわゆる検察庁的な内容を一面持つものであるが、裏を返せば、国民に対して親切でない行政に対して国民に対して親切なサービスはかくなければならない、こういう気持から不正不当、こういうものを批難事項として国会に報告をし、その是正を迫るのが会計検査院である。だから、当然今具体的に申し上げました児童保護費等の問題については、厚生省がこれは所管としてやらなければならないところでありますが、例年、厚生省にはこの種問題が跡を断っていない。そうしてそれは必ずしも是正されておらない。これは厚生省に対する資金の不用額についてきびしい勧告、きびしいサービス精神の欠如を摘発する機関がないからです。あなたは先ほど不用額の内容等についても調査をする権能は、拡大して解釈されると先ほど述べておられる。そうだとするならば、このような不親切なサービスに対して、国民に親切でなければならないということを常に念頭に置かれて、俊烈な摘発をされている検査院は、その縦の半面を、国民のサービスに不足ではないかということを、行監とともにこの予算の不用額の内容については勧告をし、その適正な運営を御注意なさるというのが、これは私は行き過ぎではない、こういう考え方を持つのです。あくまで私は国民の側に立って会計検査院の機能の範囲をただしているのです。あなたは会計検査院というその立場に立ってお答えになっているかもしれませんが、しかし会計検査院は会計検査院のためにあるのではない。会計検査院長は会計検査院のためにあるのではない。国民に対して親切でなければならない、政治を正すためにあるのであるとするならば、あなたは国民の側に立って考え方を一つ披瀝されるべきである。勇敢に披瀝されるべきである。もう一度一つこの不用額についての内容の調査権について、どういう見解を持っておるのか、これを一つただしたい。
○説明員(大沢実君) 不用額ができたその結局原因の問題が一番問題だろうと思うのですが、これがほんとうに婦人保護なら婦人保護に使いまして、婦人保護の対象があるのに、それを県が保護の方に金を使わなかった、そのためにひいては補助金が不用額になったという具体的な事例がありますれば、これはやはり不当とかいうこととは別に、検査院は、これはもうそういった具体的な事例について、やはり行政の運用について注意といいますか、これは検査院としてやって差しつかえないことと思います。ただ不用額ができたからいかぬじゃないかと、一般論だけではこれはなかなかちょっと理屈が立たないのではないかと、かように考える次第でございまして、ただいままでお示しの点、いわゆる不用になった内容において、何かその行政的にまずい点があるのじゃないかという具体的な事例がありますれば、これは内容について会計検査院として全然度外視して、別な問題だと考えるというところまでの考えはありません。これは行政制度の改善の意見を表示する権限は検査院にあるわけでありますから、この方でそれが運用されるのではないかと考えております。ただいままでの御意見は、一つの貴重な御意見として私もなお検討してみたいと思います。
○高田なほ子君 貴重なる御意見として、一つ忘れないでもらわなければならない。検査院はもう少し、下々の事情に通じられる必要があるような気もないではない。たとえばこの婦人の場合の生業資金、あるいは仕度資金、こういうようなものがどういうふうに使われているかということ、これは三十四年度でありますが、生業資金の申し込みの実人員は二万一千三百五十六人です。これに対して貸付を決定したというのは一万四千八百六十七名であります。それから仕度資金、これの申し込みは七百六十七人です。貸付の決定したのは六百五十四名であります。このように申し込みの実人員と貸付の決定には人員の開きが出ております。もちろんこれは無条件で貸すわけではありませんから、それぞれその県における条例等によって、あるいはまた国の法律等によって貸付の条件がきまっていることは先刻私どもも承知の通り。しかし行政面においてあまりにも過酷な条件をきびしくつけたがゆえに、ここから振り落とされてこの更生資金の貸付を受けられなかったという、いわゆる国の予算の使い方が妥当を欠くというようなところから不用額として残った部面もないではない。しかも私ども地方で多く聞くのは、この過酷な条件をさらに過酷に解釈して、この貸付を拒否したという、せっかく使われるものを拒否して使わせなかったという、いわゆる予算の使い方がまずい、そうして不用額というものが出てきておる、こういう内容もある。これはいずれも弱い者に対してはこういう傾向が多い。強い者に対してはそんなことはない。大体弱い者に対しては常に過酷な条件をつけて、地方財政がすべったのころんだのといって、不用額にしている。私は、あまり言い過ぎるかもしれませんが、これは政治的な謀略じゃないかという気がする。前年度は保護費はこれだけ取ったのにこれだけ余っている、だから今年度はこれだけでいいという、こういう形にしながら国の予算を削っていくてこにしているんじゃないかという勘ぐりさえも持ちたくなる。私の勘ぐりは、あまりにも現状はこれらの補助について、貸付について、旱天の慈雨を求めるがごとくに両手を伸べている者を切り捨てていって、しかも不用額にしているという、このような愛情のない政治の中で、会計検査院の果たすべき使命は、単に摘発のメスをふるうだけではない。こういう面における不用額の使用の内容等については、親切でなければならない。会計検査院が行管とは別の角度からこれを調査し、そうしてこれを国なり県なりにある意味での注意を勧告することが、政治を正す大きな役割になるのではないか。会計検査院の役目は、申し上げるまでもなく、政治を正すため、国民に親切な政治ができるため、中立であり、そうしてその権能が、独立した権能を持つものであるがゆえに、あまり右顧左眄して本来の使命を忘れ、この不用額の内容についても遠慮がちな態度を示される。もっと積極的に国民に親切でなければならない、政治の根本を正すように一つ奮起をしてもらいたい。大へんきつい言葉を使いましたが、最近会計検査院に対する国会内の批判というものは、必ずしも波静かなるものではない。この点も一つ留意されて、あなたのきぜんたる答弁を期待して、私は質問を終わります。
○説明員(大沢実君) 会計検査院の使命が、国民の税金のいわゆる行方をよく見きわめて、国民の利益を守ることにあるということが会計検査院の使命だと思います。これに付随して、行政上いろいろな意見があれば、会計検査院としては述べ得る権限があります。従いまして、ただいま御指摘のような点につきまして、具体的に非常におかしな事件がありますれば、これは会計検査院としても、法制上改善を要する事項とすれば、改善を要する事項として意見を表示するということもあり得る場合もあろうかと思います。ただすべてそれが検査院の全部の使命であるということになりますと、検査院というものの性格が少し違ってくるのではないかと考えます。まあしかし、それはそれといたしまして、ただいまのような点、御指摘のような点が検査院として調査してありますれば、これに対しましてはしかるべくこれが是正の措置を講ずるというような方途を、意見の表示なり、あるいは制度の改善の意見の表示なりということで持っていくことにわれわれとしても将来努力していく必要があろうかと、かように考える次第であります。
○高田なほ子君 もう質問を私やめようと思いましたが、私が今指摘したことだけが会計検査院の仕事の内容であるなんというようなことを私はさらさら考えておりません。会計検査院は本来の会計検査院の仕事があることは、会計検査院法の示す通り、すべて法律に基づいてあなたは権限を行使されているが、その権能の行使について欠如した部面があるから私は指摘している、欠如した部面があったから。従来のやり方は全部悪いから私の言うようにせいなんというような、そんなばかなことを私は言っているのじゃありませんよ。会計検査院のやるべき使命は法に示す通りであり、その法に示す通りの中で、今申し上げた面が欠如しているのではないか。この欠如した面については、会計検査院の仕事の内容であるのだから、一そうこの点に留意をして、親切な政治のためにがんばって下さいという激励なのです。それなのに、あなたは、会計検査院の使命はあなたのおっしゃる仕事が全面でない、——何を言っているのですか、もっとよく聞いて下さい。
○説明員(大沢実君) お話よくわかりました。われわれも将来、ただいま御指摘のような点に対して十分にいろいろな方面から検討して努力いたしたいと、かように考える次第であります。
○一松定吉君 少しくお尋ねしますが、あなたの説明のうちで、三十六年度で人員を非常にふやしておりますが、五千八百二十一万六千円の給与をしなければならぬ人員がふえていますね。これはどんな人員がふえたのです。また何のためにこんなにふえたのか、それを一つ説明して下さい。
○説明員(大沢実君) 人員がふえましたのは、千百八十五人分とありますが、これは七名の定員増となっております。しかし七名は、これは従来の常勤労務者で、実質の人員の増はありません。もちろん人件費が五千八百何万円と増加いたしておりますのは、これは主として昨年の十月からのベース・アップの関係です。それから先ほどちょっと申しました調査官あるいは審議室調査官というようなのを設置しましたために、多少給与ベースが上がっているということの増額が、この人件費の増加五千八百万円、こういうことになっております。
○一松定吉君 七名というのはどれですか。
○説明員(大沢実君) 七名という数は出ておりませんですが、この説明の第一ページに、これは職員千百八十五人分の給与、手当等でございまして、これが昨年までは千百七十八人であったわけでございます。
○一松定吉君 そのふえたのがどれに当たるのか、この表の中のどれに当たるのですか。
○説明員(大沢実君) この一番最後のところに行政職俸給表第二号適用を受ける者九十六人、これが七人ふえたわけでございます。
○一松定吉君 九十六名のもとは八十九人だったんですか。
○説明員(大沢実君) さようでございます。
○一松定吉君 どういうわけでふやさなければならぬのか、そのわけを。
○説明員(大沢実君) これは検査院だけの問題ではないかと思うのですが、いわゆる常勤労務者と申しまして、印刷に携わっているとか、あるいは電気の仕事をやっておるという者を常勤労務者として採用をしておったのでありますが、これを一つ定員の中へ繰り入れようという、これは大蔵省の方針といいますか、各省共通した方針であります。そこで七名というものが定員の中に繰り入れられた、こういうようになっておる次第であります。
○一松定吉君 それからこれは、私はわからぬところをお尋ねするんですが、あなたの御提出になった第二ページ、職員の旅費、それから検査旅費、それから実地検査旅費、外国旅費、外国旅費はまあわかりますがね。職員の旅費と検査旅費というのは、どういうような区別があるのだね。
○説明員(大沢実君) これは職員旅費といいますのは、たとえば地方の職員を採用したときの赴任旅費とか、あるいは共済組合の仕事とか、その他のいわゆる官房事務で連絡のため出かける、これが職員旅費として計上してあります。それから検査旅費というのが、私どもの職員が実地検査に出かける旅費、これが検査旅費として計上してあるわけであります。
○一松定吉君 それから公務災害補償費というものが、ここに六十二万円ばかりあるが、これはどんなことですか。
○説明員(大沢実君) これは国家公務員が業務に関連しまして災害を受けた場合に、災害補償費を支払うことになっておりますが、これのための予算を計上しているのでありますが、検査院にはそうしたものは実際はありませんが、これは予算には計上してあるのですが、毎年不用領になっております。まあこれは一つの方針としてこれだけ計上していく、こういう方針がありますので計上しているのであります。
○一松定吉君 それでは、あらかじめこういうことがあるということを予定して予算を組んでいるだけで、災害がなければこれだけ残るわけだね。
○説明員(大沢実君) そうです。
○一松定吉君 それから、その次の賠償償還及払戻金、国家支払遅延賠償金、賠償金、諸払戻金、小切手支払未済金償還金、これはどんなことかね。
○説明員(大沢実君) これも検査院としては実際はないのであります。一応万一の場合をおもんぱかって予算に計上してあるわけでありますが、ここに書いてありますように、国が支払遅延いたしますと、日歩何銭という遅延利息を支払わなければならぬ、こういう支払遅延防止法というものがあって、できた場合をおもんぱかってやっておりますが、実際はありません。そのほか小切手の支払未済金、こうした場合は実際ありませんが、もしできた場合をおもんぱかって計上しているわけであります。
○一松定吉君 わずかこれは二万円だが、そんなことでいいのかね。
○説明員(大沢実君) これも万一をおもんぱかって計上してあるのですが、実際その必要はありませんので、いわば前例を生かしてと言ってはあれですが、それでやっているわけであります。
○一松定吉君 それ以外にはありませんから。
○主査(小酒井義男君) 横川正市君から分科担当委員外議員として発言したい旨の申し出がありました。これを許可することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小酒井義男君) 御異議ないものと認めます。横川正市君。
○委員外議員(横川正市君) 一、二点お伺いしたいと思うのでありますが、それは検査院の報告書の中に、各省ごとにぼつぼつとあげられているのでありますけれども、工事の施行にあたって粗漏であった点、それによるところの国に損害を与えたという指摘事項がありますね。これはこの報告書に載せられたものが全部であって、検査院として調査をいたしました結果、これだけしがなかったという数字なんですか。それとも他にまだこういうような事例があるのを載せておらないということになるのですか、そういう点についてお聞きしたいと思います。
○説明員(大沢実君) ただいまのは、工事には二つありまして、一つは補助工事で、一つは国の直轄工事であります。直轄の工事は検査をした中においては、ここに掲げている以外には、三十四年度の検査においては、特に工事が不当だというものは、検査した範囲においてはなかったわけであります。それから補助の方にはここに響いてありますように、出ておりますのは二十万以上のものでありまして、それ以下の一工事二十万円、不当な金額、国庫補助を除外すべき金額二十万円未満のものは、ここに出ておりません。たとえば農林省関係ならば、五十七ページの末尾のところにありますが、四十三工事でありまして、そのうち二十万円以上が二十五件と、こういうふうに表示しておりますので、補助工事においては、出ている以外にもまだ不当としてみたものがあると思う次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) 大体検査の結果、不正な工事の直轄工事、補助工事合わせて、大体原因をおもに指摘するところはどういう項目で指摘されておりますか、いろいろあると思いますけれども、その点をお伺いいたします。
○説明員(大沢実君) 出来商が不足しているというのが相当あります。たとえば、これは申し上げるまでもなく、堤防の高さを一メートル五十にするのが、実測してみると一メートル三十しかないというような、それから工事が粗漏である、不良である、これが相当またあります。つまり、コンクリートが中があんこになっておって、もうすぐ亀裂を生ずるような状態になっている、主として補助工事であります。大きいのは粗漏であるのと、出来高が不足している、この二つが何と言っても多いと思います。
○委員外議員(横川正市君) それでは、そういう工事は、不良工事だということを指摘するだけで、その原因についてはずっと検討してみるということはやるのですかやらないのですか。
○説明員(大沢実君) それは原因といいますか、まず補助工事でありますれば、当然不良の工事に対する補助金相当額は返還させなければならぬというように結末は参りますが、なぜそういう不良工事になったかという原因はどういうことになりますか、結局請負人があまり適当でなかったということになると思うのですが、これは検査院としてこの請負人にさせたから悪くなったのだということは、なかなか言い得る事態でもありませんし、ただ一般的に言いますれば、監督が不十分である、これはあらゆる補助工事について言えるのではないかと私は考えております。
○委員外議員(横川正市君) 私は現存の入札制度についてちょっと問題があるかと思うんですよ。それは、一つの工事が施工段階から積算されて、そして指定業者に対する入札をやるわけですね。その場合に積算根拠の中に、ことしなんかは、——これはまあ三十四年度ですから、ことしの例は不適当かもわかりませんけれども、人件費の値上がりについて認めておらないですね、ことしの予算は工事予算の中に。そうすると、積算根拠というものは、非常に過酷な数字が出るということになるわけです。一般に入札する場合には、私はその積算された根拠よりか大幅に下回って、ダンピングをして落札をする。その一番最低のものに事業を請け負わせる。そういう制度で現行運用されているわけです。そのままでいいかどうかということは、私は問題があるのじゃないかと思うのですよ。ですから、検査院としては、今言ったような不良工事があって、その原因は、請け負わされた業者が悪いのだというふうに言い切れないで、監督不十分ということになりますけれども、工事それ自体が請け負うのに無理があって、どうやってみても利潤を上げることのできないような格好でなおかつ工事を請け負わしておる、そういう制度そのものが私は問題があるのじゃないかというふうに思うのでございますけれども、この点についてお考えを一つお聞きしたいと思います。
○説明員(大沢実君) これも、主として問題は補助工事の方にたくさん出るわけですが、補助工事におきましては、大体において、府県の条例によりまして、予定価格の二割、あるいはところによっては三割というところがあるかもしれませんですが、これ以下のものは落として、いわゆるロワー・リミットの制度で工事を請け負わしているのじゃないかと思います。それで、その積算が酷ではないかというお話ですが、これは私たちもそうした点があるいはあるのではないかという懸念を持ちまして、たとえば、農地事務局の実際直轄でやっておる工事のいわゆる積算と、それから近くの府県の補助の積算、これを一つ対照して見ろということで検討もさしたこともあるのですが、今のところ結論としては、別にそれほど違っているという結論は出ていないように聞いております。従いまして、積算が過酷だということが今すぐ私として言えるかといいますと、ちょっとそこまでは言えないが、そうした懸念は私も多少は持っておる次第であります。
○委員外議員(横川正市君) 私は数多い例を持っているわけじゃないのですが、たとえば伊勢湾台風のときに、自衛隊の建設部隊が出動して作った道路ですね、これは、もちろん、人件費その他かかっておりませんから、工事の費用その他からいきますと、問題にならないのですが、でき上がったものの結果からこれを見ると、たとえば当時の請負業者に請け負わせた道路については、一カ月もしないうちに破損をしている。ところが、自衛隊の施設隊の作った道路はこわれておらない。今もってりっぱな道路がついているというその事例を見せられたとき、これは監督だけが問題なのか、そのほかにこれは大きな問題があるのじゃないかという点がまず一つ考えられるわけですよ。 それから二つ目は、各省最近相当庁舎の改築工夢をやっているわけですね。その入札を見ておりますと、積算された根拠というものは伏せて、そうして推定業者に入札をさせるわけですが、それが、どうしてもその積算額まで到達しないで、最終的には幾つか残った。まあ一番低い入札を入れた者が話し合ってその請負業者をきめる、こういう状態が出てきております。それも非常に私は問題だと思うのですよ。それから、逆に、補助工事その他では、今度は積算された根拠よりかものすごくダンピングをして、そうして、実際上それだけの価格でやれるかどうかと思われるものが、やられている。しかし、やられた結果は、一年ぐらいで、検査院が検査をしたあともう日ならずして、非常に粗漏であった点が出てきて、もうだれもがこれは否定することはできない。一般住民はその恩恵に浴さなければいけないのに、作られた道路は、かえって迷惑をこうむるような破損がひどくなってきている。こういう事例があるわけですね。私は、この点についてはもう少し、業者の選考もそうでしょうが、入札制度それ自体に問題があるのじゃないだろうか。前者で言えば、これはやはり積算根拠を、国の業務であれば、あらゆる面から検討して、妥当な費用というものや資材というものを作るべきであって、幾ら何回入札しても、積算された根拠に近寄らない札しかない。だからあとは談合するのだ、これも問題だと思う。それからもう一つは、工事を請け負いたいということから、ダンピングをして、そうしてやる。その場合には、できれば私は積算根拠というものに最も近い札が落札札になる、これが妥当なんじゃないか。そして、なおかつ工事に不正があった場合には監督の責任を追及する、こういうふうにいくのが妥当ではないかというふうに思うわけでありますけれども、検査院としては、でき上がったものを見て、その結果不正であったかないか、こういうことで判定をされるわけでありましょうけれども、もし一つでも、そういった国に損失をかけるような不正があった場合には、その根拠となるものは何であったかという点を十分検査をした上で、制度の改正というところまで私は意見として出すべきじゃないかと思うのですけれども、その点の意見を一つお伺いしたいと思います。
○説明員(大沢実君) 直轄の、ただいまお話のございました、たとえば庁舎の新築とかあるいはその他直轄の工事におきますと、大体において初度入札は予定価格以上であるから不調、再度入札はまた不調の点が起きて、第三回入札くらいで落ちる。あるいはその後随意契約によるというような例が多いと私も思っております。ただわれわれとしては、それは一体予定価格が酷なためにそうなっているのか。結局それで、予定価格で契約してできたものはりっぱなものができておるというところを見ると、かけ引きの過程においてそうしたことがあるのか。これは、この実情がわれわれとしては実際はほとんどわからぬ次第であります。だから、やっぱり予定価格は適正であって、入札制度をとるということが妥当ではないかと、かように考えておる次第でありまして、ただ出血入札をどうするか、これは大きな一つの問題だと思います。われわれ会計検査院としましても、いろいろな意見がありまして、ただ画一に予定価格の二割以下切ろうというようなことであっては、これはあまり画一過ぎていかぬのじゃないか。だから、何か合理的な方法で、出血入札が排除できるというような方式があるならば、これも一つ考慮の余地はあるのじゃないかというような意見が相当あるわけであります。これに対しましては、現在会計法の改正が、大蔵省の財政制度調査会の方で審議されまして、たしか今国会に提出されることになったんだろうと思いますが、これには多少私出血入札を除外し得るような規定が、たしか案としては入っていたと、かように考えておる次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) 制度が現行制度にかなっておれば——ということは、会計検査院としてはきわめて保守的な性格をそのまま露呈したことになるわけであって、最近の例で言えば、某公社の庁舎が建ちまして、だれが、どの建築業者が見ても、坪単価二十四、五万かかるというものが、十七、八万でできた。請け負わせた方は喜ぶでしょうけれども、請け負った業者の立場というものは非常に微妙な関係があるのだと思うのですよ。ですから、私はまあ節約だとか、それから贅費をできるだけ出さないようにするとかという、いろいろ聞こえのいい理由づけはあると思うのでありますけれども、実際にはそのことがかえって社会悪を醸成しているという場合ですね。検査院としては、やはりこれに対してもっと前向きで解決をする態度というものをとるべきじゃないだろうか。それにはいろいろありますけれども、入札制度に——私は、もちろん積算根拠そのものが全部正しいというふうに決定づけてしまうことは無理かもしれませんけれども、入札価格が、いわゆる札が積算根拠に最も近いもの、ダンピングを許さないということで、最も近いものへ落札をするという制度が確立されてしかるべきじゃないかと思うのでありますけれども、いろいろな工事の監督の結果から見て、そういう面の必要性をお考えになったことがありませんか。その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(大沢実君) 私は予定価格に最も近い落札で契約するということならば、むしろ随意契約の方が最もいいんではないかという感じがするわけでございまして、やはり国の予定価格の積算といいますものも、ある程度大事をとっている場合もありますし、また入札しようという、いわゆる出血とまではいかぬまでも、いろいろな条件で有利に応札し得る業者もあるわけでありますから、やはり最低入札制度、落札制度という制度を、私としては、やはり入札制度をとる以上は、これは原則としてはとるべきでないか。ただ、きわめて例外の場合に、出血受注を除外するようなことがある程度ではなかろうか、私はかように考えております。
○委員外議員(横川正市君) 今の随意契約がいいか、それとも入札制度がいいかということになると、いろいろ論議のある点だと思うのです。しかし指定業者を幾つか選択をするという、そのこと自体がまず完全入札ではないわけですね。どの役所にいたしましても、出入り業者というものを先にきめておいて、そしてそれによってやるわけです。ですからあなたの言うような格好で完全入札が行なわれているかというと、まず指定業者の指名から始まって、その次には業者間の話し合いがあって、なおかつ業者間で、その仕事が必要な場合にはダンピングまで入札にからんで行なわれる。この一連の中で、私としては、当然積算された根拠というものは、これはある程度利潤を認めてやっても……。一般社会におけるところの業者として、立ち行く程度のものは見ていると思うのです。そういうもので積算された根拠に最も近いものが出されるということが妥当なんであって、それを前後するということは、結局、指定業者間の談合だとか、あるいは最もひどいのは、随意契約にひとしいような、指名された業者だけでやりまして、あとは高い札を入れて、一人だけ安い札を入れる、そういう談合まで許す結果になるのではないだろうか。そして悪い面ではダンピングをして落札をするという、そういう結果も出てくる。今の入札制度そのものが、随契から入札制度というその関係の中から敢然と分かれて入札をされているわけではないのでありまして、その中で、どこで今のいろいろな悪い面をチェックするかといえば、積算根拠を中心として入札の札を入れさせるということが私は必要なんではないかというふうに考えているわけでして、その点の前後をお考えの上で……。私は、工事は決してここに上がったものだけだとは思わないのですよ。最近基地区の裁判所へ行きましたら、裁判所の建てたばかりの建物の廊下に大きな亀裂が免じていて、裁判所の所長に、一体これはどうしたんですかと言ったら、「実は今検査中でございます。」「会計検査院はどうしたのだ」と言ったら、「もう終わちゃっている」と言う、そういう事実もあるわけです。ですから、そういう幾つかの事実を見た上で、私はこれは入札——もちろん監督という問題は必要でしょうが——入札そのものに問題があるのじゃないだろうか、こういうふうに考えるので、その点からあなたに質問しているわけなんであります。
○説明員(大沢実君) 契約を、いわゆる指名競争を主とするか、一般競争を主とするか、随意契約を主とするか、これは相当むずかしい問題で、いろいろ論議があるのでございます。最近大蔵省の、先ほど申しました財政制度調査会でそれぞれ業界あるいは実業界の方々が委員として審議された結果によりますと、まだ草案だけしか拝見しておりませんが、ある程度の、いわゆる今までの一般競争原則という原則を多少緩和して、指名競争と随意契約というものが並列的に規定されるというような結果になっているように——これは草案をちょっと拝見しただけで、はっきりしませんが、そういうように承知しております。そしてまた、先ほど申しましたように、出血受注的なものは、ある程度除外し得るような規定を置くような草案になっていると承知いたしております。そういったわけで、私の考えは先ほど申しました通りでありますが、またいろいろな御意見もありまして、結局これは今の大蔵省の財政制度調査会の方の結論がいずれ今国会にはおそらく提案になると思う、あるいは提案になっているかもしれませんですが、よく存じませんが、これの御論議においてその方針がきまっていくものではないかと私は考えております。私自身の考えとしましては、現在のところで、入札制度をとっておる限りは、やはり最低入札が原則でなければおかしいのではないか。予定価格に最も近い落札をとるということは、入札制度からいってあまり適当ではないのではないかというように考えておる次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) 工事そのもので言うと、私は今あなたの意見を聞いておりますと、最低の札で落札して、それで工事が請け負われる、結果的にどういうような業界の人に聞いてみても、坪単価二十四、五万はかかるものが十八万か十九万でできました、これは世にも不思議な建築物でございますと、大手を振ってそのことはだれにも指摘されないで通っていく、それで会計検査院としては妥当だと、請負としては妥当だと、こういうふうに考えられるわけですか。それでいいのですか。
○説明員(大沢実君) その工事ができ方が悪いとか、あるいは疎漏工事だということがありますれば、もちろんその点においてそれは検査は不当、疎漏ということになりますが、ただ安くできたということだけでは、検査院としてはその業者のいろいろなそのときの都合もありましょうから、それで安過ぎたからいかぬという、そういう結論はすぐは出まい、かように考える次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) 私は、その建てた建物が不正工事があるかどうかということで一あなたの方でたとえば建物にいろいろな欠点があるとか、耐久年数もこれじゃどうかという結果が出れば、会計検査院が指摘をするのだということではないと思うのですよ。少なくとも社会通念で妥当な工事が行なわれるということは、やはり入札価格も同時にこれは妥当でなければならないのであって、安ければいいのだ、安くてできておればそれで何も指摘することはないのだということならば、私はあなたのところで作られた建築物のコンクリートに、一々これを分析をしてみて、そして適当なあれをやっているかどうかというところまで検査をして、そして不正工事だけはあるかないかを検査していればいいと思うのですよ。実際上は、それではやはり社会正義というか、そういったものが許さないのじゃないか。そうではなしに、やはり少なくともその工事そのものには不正がなくても、それが遠因となって不正を生むということがもしあるとすれば、これはあなたの方の検査事項ではないとしても、制度の悪さというものを直しておく必要があるのじゃないかということになるのですよ。その点は、実際建てられた建物を見て、いいか悪いかで判断をするのか、それとも、そのことが遠因となって、どうもこの制度は悪を生むようなものも含まれているのだということになれば、その制度に対して意見を持つということは、私は当然じゃないかと思うのですがね、もう一度お聞きしたい。
○説明員(大沢実君) まあ必然的に悪が生ずるような制度ならば、これはもうやはり検査院としては、これが制度の改善の要望が生じてくるだろうと思うのでありますが、今の入札制度で、ある程度、今具体的に御指摘になりました二十数万円が十七万円になったというのは、ちょっとどういうことか存じませんが、ある程度安く入札する人があるということは、これは入札制度上当然じゃないかと思いますが、それがいわゆる出血受注であるかどうかという判定を、ある期間で判定して、出血受注であると認めましたものは除外する、この程度のところが今のところではほぼ妥当な線ではないか、これが今度会計法の改正で一応取り上げられておるということで、私は、その程度が妥当ではないかと、かように考える次第でございます。
○主査(小酒井義男君) 一点だけ私からお尋ねをしたいのですが、会計検査院の仕事で、やはり一番重要なのは検査だと思うのです。検査の旅費が七千二百万円余りのようですが、検査の旅費と、検査の能力ですね。この関係で、予算が実地検査を制約するようなことになってはおらないかどうかということなんです。
○説明員(大沢実君) この点は、この検査院の書面検査を今各省から取っております。この書面検査をやり、また一部実地検査に出ておるということで、こちらとしては、要求としましては、もう少し大きな金額の要求をしておるのでありますが、種々折衝の結果、ことしは七千二百万円ということになっております。もう少し加えても、現在の職員では十分検査できるのではないか、これは来年度の予算においてさらにまた考えてみたいと思いますが、もう少し大幅に旅費を増しましても、書面検査と並立していくことは、あまり大幅な増額をやるときには、むしろこれは人員の増加をしなければだめではないかと、かように考えておる次第でございます。
○主査(小酒井義男君) そうすると、どのくらい予算を要求になったのですか。
○説明員(大沢実君) 九千万円ほど要求したわけでございます。これは、まあ予算要求というのはあれですが、多少水増しした要求をしたわけでございます。七千二百万円になりました。(笑声)
○主査(小酒井義男君) ほかに御発言もなければ、会計検査院所管に関する質疑は終了したものと認めます。 午後は一時五十分より再開いたします。 午後零時四十四分休憩 ————・———— 午後二時十八分開会
○主査(小酒井義男君) これより第一分科会を再開いたします。 内閣及び総理府所管を議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
○委員外議員(横川正市君) 委員外ですから、質問時間をたくさん取れないと思いますが、この予算細目の八ページの放送等実施委託費、14関係でありますけれども、これはまあ私どもはちょっと目を通して、知っている範囲の放送ということになりますと、一般国民向け、ないしは周知向けとして政府関係のパンフレット、写真入りのパンフレットが発行されているようでありますけれども、そのほかここに書かれておるようなことが、実際広報活動として政府から出されて、国民に対して政府活動の一端を周知さしておるということになっておるわけですか。これらは実際私どもは知らないから聞くのだという結果になるかもわかりませんけれども、世論調査その他をして、その効果その他を的確につかみながら広報活動をするのか、それとも一方的に政府から放送だけで、放送ないしは資料の送り込みということで、それについての点検は行なわないのか、この点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(藤枝泉介君) 現在定期的に行なっておりますのは、放送関係では中波で一週間に一回三十分「政府の窓」という名前でやっております。それからテレビが現在十局ネットでこれも週一回二十分、そのほか短波放送で「官庁に聞く」というのを週一回十五分やっております。これらはすべて政府の施策のありのままを国民の方々に知っていただきたいという意味でやっているわけですが、これがどういう効果を上げているかというようなことは、やはり同じ総理府の広報室の仕事として広報効果の測定の仕事もやっておりまして、それらを聞き、あるいはまた一般的に新聞その他での「政府の窓」の放送、テレビ等についての御批判を聞きながら内容の改善その他に当たっておるわけであります。
○委員外議員(横川正市君) 政府の広報活動でありますから、商業放送と違って、どういう声があるからといって、必ずしも政策に変更を来たすわけでもないし、また内容は、説明の言葉や何かが変わっておりましても、内容そのものは変わらないということになると思います。しかし、一般商業放送でスポンサーがこの放送の実際上の効果というものを、これを価格に評価をいたしまして、高い時間とか安い時間とかというふうに分けるわけですね。その結果は、商品売買に一つの結果として出てくるのであって、私はそれでいいと思うのです、その商業放送の場合には。しかし政府の広報活動というのは、その意味では私はもう少し厳密に一般世論というものを調査して、そしてこれまた広報活動の一端として使える資料になるのじゃないだろうか。それをやらないでいると、政府の考え方は全部百パーセントいいことであって、そしてそれを相手方に周知さすだけにとどまる。こういうことになりますから、せっかくの広報活動というものが一方交通になって、具体的には国民の声を政府の行なっているいろいろな問題に反映さすことができないというふうに思うわけですが、広報活動をする限りにおいては、その面もきわめて重要なことなので、経費については、普通は私は一般の商業新聞その他の世論調査で判断をするのではなしに、広報活動は広報活動独自でその問題をやるべきだと思うのでありますが、この点はどういうふうにやっておられますか。
○政府委員(藤枝泉介君) ただいま申しましたように、お話しにもありましたが、政府の行なっておる広報活動がいかなる形で国民に受け取られておるかということは、これは十分考えていかなければならないことと思うのであります。そういう意味で広報効果の測定を実施しておるわけで、来年度の予算で約百九十万ほどでございます。これはことしから続いてやっておるわけでございます。そういうことで広報効果の測定をやっておりますと同時に、またこのラジオ、テレビ等の「政府の窓」につきましても、単にその政府の施策をありのまま伝える、説明をするというばかりでなく、いろいろそれに対する批判の声あるいはそれに対する考え方、そういうようなものもときには取り入れまして、そうして実際的な効果を上げるように努めておるわけでございます。あるいはまた一般の国民の方々の政府に対するいろいろな声というようなものを、こうしたものも入れて、そうして広報活動をさらにより効果的なものにしようと努めておるような次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) まあこれは政府の広報活動と同時に、政党の広報活動というやつがあるわけですね。その場合に、この政党の広報活動の中では、たとえば反対党の広報活動、それから与党の広報活動、それからもちろん政党政治をやっておるわけですから、結果的には与党の広報活動だと、まあいわば表現は違っても、同じような結果が出ているというふうになるのじゃないかと私は思うのですけれども、その場合に、実際上この広報効果測定実施委託費といいますか、年間通じて百九十万足らずですね。これらのものが費用として上がっておるということでありますが、実際には、この費用はもっと多くていいんじゃないかというふうに私は思うのです。ですが、これだけぐらいな金で前年どのくらいの調査が行なわれているか、それを一つお聞きしたいと思います。
○説明員(三枝三郎君) お答えいたします。 今年度につきましては、昨年の十月に対象一万人をとりまして、社団法人中央調査社に委託して実施をいたしました。そのほか、まあこれにつきましては、たとえば基本的にはラジオはどの程度聞かれているかという項目については、NHKを聞いている者が一三四%、民放を聞いているのは三五%、それからテレビについては、NHKが一九%、民放が四四%というような数字が出ています。さらに「政府の窓」をどのくらい聞いておるか、大体これは地域によって違いますが、ラジオの「政府の窓」の聴取率は大体一〇%台です。それからテレビの方は少し落ちましてこれは四%前後になっております。それからそのほかに、ラジオ、テレビとも、NHKとの関係は別ですが、民放につきましては先ほども長官からお話しがありました、ラジオは全国ネットをやっております。それからテレビは十局ネットをやっておりますが、それぞれ民間の放送局が独自のモニターを皆持っておるわけです。それで、自分のところの番組をしょっちゅう調査しているわけですが、現在その各局の持っておりますモニターに対しまして、局を通じて「政府の窓」の反響を調査をお願いしているわけです。それが自発的に大体局ごとに当番制をしいて、その結果をまとめて私どもの方によこしておりますが、それらのものも取り入れて絶えず、何と申しますか、やみ夜に鉄砲撃つようなことではいけませんので、政府の施策がありのままに伝えられているかどうか、反響はどうかということを常に検討して次の番組にそれを生かしております。
○委員外議員(横川正市君) 偏見でものを見るのでなくして、正確にものを見ているわけですが、普通きめられた一つの法律が施行月日を迎えて実施される、その前に、国民の耳であるラジオを通じ、目であるテレビを通じて具体的にその問題を周知さしていく、それから当然まあ窓口を通じて、あるいは裁判所を通じて、法が施行されるというような場合と、今度は実際に個々の国民がその法に従って行動しなければならぬという場合には、おのずとその度合いというものは違って参りますから、頻度を増してこれについて広報活動をやる。それからもう一つは、政党間の考え方の相違点も明らかにする、その点について周知をさしていくいろいろな方法はあると思うのですが、ただ、私がたまたま先般の安保闘争当時の政府の発行しているあれは二十ページぐらいな刊行物ですが、それを見たときに、国民は三分の一とか三分の二とかいう数字によってあれを見るわけじゃありませんから、政府は、このきめられた結果に従って百パーセントの宣伝を行なう、しかし実際のそれを周知される国民の側は、これは二分の一か、三分の一か、あるいはその逆の三分の二か、二分の一である。こういう場合には、やっぱり相当注意をして刊行物を出さないと、一方的な宣伝に終わってしまうのではないか、こういうふうに思われる点があるわけです。 そこで、具体的な問題としてお聞きするのでありますけれども、たとえば新島の問題ですね。あれを広報活動に取り上げるとすれば、政府は一体どういうふうに宣伝するか、私の知る限りでは、たとえば賛成派と反対派がある、賛成派は憲法を理解し、それから国の防衛任務を理解し、国民の税金の使われることを理解し、その上に立って再軍備することに賛成をして、当面の武器による水準も理解して、日本もミサイル基地を必要とするという意味で賛成をしておるというふうにはとれないわけなのです、私の考え方としては。たとえば港湾設備がないから港湾設備をつけてやる、それから道路をつけてやる、これは私はいわば国の行政の、当然国民の社会生活を公共的に必要な度合いに従って施設してやるべき問題であって、道路をつけるから、港湾をつけるからということでミサイル基地を賛成せしめるということは、いわばこれは卑劣なやり方だ。また、そういう必要度の非常に高い所にそういうものを持ち込んでいくということは、政府としてはこれは考える必要があるんじゃないかというふうに私は批判される問題だと思うのであります。それから反対派の方の人たちは、これは再軍備に対して反対をする、それから同時にミサイル基地を持つことによる被害をも考える、いろいろなことに対して必要でないということから反対をする、こういう問題をとらえて、もし国民に広報活動をする場合に、私は先般の安保闘争のときと勘案してみて、一体、政府はどういう取材の取り方をして広報活動をするか、この点は非常に重要な問題だと思うので、この際お聞きしておきたいと思います。
○政府委員(藤枝泉介君) 具体的な問題のお取り上げでございます。しかし現在の新島についての問題に限定をして考えますると、ただいまお話しのありましたようないろいろな複雑な問題を含んでおるわけでございます。従って、こういうものを政府の広報活動の中に取り入れるということは、必ずしも適当でないのではないかというふうな考え方を持っております。 一般的に申し上げて、どこまでも政府が現実にこの施策を取り上げ、あるいは法律が制定されまして、それを一般の国民の方々に十分な理解をいただかなければならないというようなものを、政府の広報活動としてはやっていくべきではないか。しかもその立場というものは、どこまでも政府としての立場で、もちろん政府、与党一体という考え方もありましょうけれども、しかし、おのずから行政府としての政府の立場というものは、その上に立って中正なものでなければならないわけでございます。そういう立場に立ってやるべきものを広報活動に乗せていくということがとるべき道ではないか。そういう心がけでやっておる次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) 今の総務長官の意見でいけば、言葉の上ではまことにその通りのわけですが、おそらく写真入りで報道される結果になるんじゃないかと思うのです。これは先般の安保の場合にも同じ方法がとられておるようですから。そうすると、まあ国の広報活動というものは、少なくともまあ百パーセントやはり正しいものとして報道されることに私はなると思う。そういう場合に、今言ったように新島の場合の賛成、反対の実相が出てくる。賛成というのは、先ほど言ったように港湾とか道路の設備をつけてくれるから賛成なんだ。こういう事態が出てくる。反対というのは戦争に反対するということで、軍備拡張に反対をする。こう出てくる。そういった場合に、安保闘争の例にならえば、私は相当はっきりした政府の態度というものがあって、あの場合は違法行為だという形で写真を入れて報道された。しかし、今度は新島の場合は違った形の内容を持ってくるのではなかろうか。そういった場合に、広報活動としてはどういうように内容を取材をするか。非常に大切なもので、具体的な問題でありますから、公平で中庸な取材というだけではなしに、もっと思想的な考え方もこの際お聞きいたしておきたいと思う。
○政府委員(藤枝泉介君) まず最初に申し上げておかなければなりませんのは、そういうせつな的な、ある瞬間的な様相の写真、そういうようなものだけで政府広報の材料にするということは、必ずしも妥当でないんじゃないか。従って、むしろもっと根本的な、たとえば新島のいわゆるミサイル試射場というものがいかなるものであるかというようなことは、これは政府広報の材料として考えられるべきものだとは思いますけれども、ある瞬間的な情景というようなものだけを写真で云々するということは、必ずしも適当でないというふうな考え方でございます。
○委員外議員(横川正市君) まあ広報活動については、いろいろその立場立場によって見方というものもあろうと思いますけれども、まあ政府がPR活動が今まで不十分だったために、国民の誤解を招いて、結果的に政府、与党に対してマイナスな点も多々あったから、PRをする場合はその面を十分考慮した上で国民に理解を得るPR活動をする。こういうふうになるわけですね。その場合、私は、まあ民主的な議会でありますから、多数決でもってきまったことがすべて正しかったのだという結論で広報活動を行ない、そのことがひいては与党の利益に結びつくという、そういうPRが必要であるということで行なわれているのであれば、今度は逆に、野党側の立場というものも、私は広報活動の中で十分取り上げて、そしてその判断は国民にまかせるという格好にもっていくのが、政府の立場としては正しいのじゃないかと思います。そういう面から具体的に出すとすれば、たとえば政府の考えておりますいろいろな考え方にあわせて与野党の意見というものを出すとか、あるいは具体的な内容については注釈を加えて第三者の批判を載せるとか、そういったことがまんべんなく行なわれていって、一般国民の政治的な批判の目を実際上高めていく、いい政治が行なわれるようになるというふうに広報活動というものはあるべきじゃないかと思うのでありますが、その点についてのお考えはいかがでしょう。
○政府委員(藤枝泉介君) 政府が広報活動をいたします場合に、一方的に何かを押しつけるというような格好は、必ずしも妥当でないと思います。従いまして、政府の施策に対するいろいろの批判というようなものもあわせてこれをやりながら、しかも政府の考え方がかような考え方であるというようなことは、十分今後も留意してやって参りたいと考えております。
○委員外議員(横川正市君) 放送実施委託費、これは一億四千七百五十四万一千円でございますね。聴取率はラジオで一〇%、テレビが四%というのでありますけれども、金にかえがたい一〇%、四%ということになれば、この金は必ずしもむだじゃないと思いますが、この方法で、ラジオはおそらく普及率からいきますと七〇%以上でしょう。テレビはまだそういうところまでいっていませんが、そのうちの一〇%、しかも放送時間の中の十回放送のうち一回聞いた者も聞きましたということになりますから、もっと厳密に聴取率を計算いたしますと、もっと低い聴取率になるのじゃないかと思うのでありますが、それはあなたの方の判断で御回答いただきたいと思うのでありますが、実際にこれだけの金をかけて、これだけの聴取率で、広報活動として満足されているかどうかということは——ちょっと私は質問に該当しないかと思いますが、なお続けていくだけの必要というものを痛切に感じているのかどうか。言いかえれば、これは開拓することによって聴取率はどんどんふえていきますという見込みがあるのか。それとももうその見込みはなくて、実際はやってももう非常に疲れるばかりだというふうにお考えになっておるのか。私ははっきり申し上げて、一億五千万ほどの金を使って、これはあまりにも効果のないことじゃないか。他に何か広報活動としてないかという点を考えるべきじゃないかと思うのでありますが、この点どうでしょう。
○政府委員(藤枝泉介君) 今後のことを考えますと、何といいましても電波が一番——目からあるいは耳から入るPRというものが一番でありまして、なるほど現在の聴取率あるいは聴視率等を考えますと、満足すべきものではございませんけれども、しかし、最近のだんだんの傾向は、口を追って聴取率、聴視率等も上がってきている傾向にございます。さらに適当な時間の取り方その他等もあわせて考えていきますならば、相当これだけの費用をかけるにふさわしいような広報活動ができるものと考えましてこの予算を御審議をお願いしておるような次第でございます。
○委員外議員(横川正市君) 総務長官の意見は、これはどうもやはり一度方針をきめたら、もうよっぽど非難がなければそれを変えないで、だんだん拡充されていくという悪いくせをそのまま踏襲しているのじゃないかと思います。ことに私は、まだPR活動に本腰を入れてから日も浅いから、もう少し様子を見てくれということなら理解しないまでもありませんが、もう始まってみて今のような聴取率であれば、私はやってもやらなくても、それほど国民の側にすれば不自由を感じないものじゃないだろうか。それよりか、一般問題として、NHKそれから一般民間放送、ラジオ、テレビを通じて盛んに電波に親しんでおるわけでありますから、その中で私は時事報道関係とか、時事解説であるとか、もう十分電波と親しむ国民の生活というものは、これはもう密接不可分の関係で今日動いているわけなんでありまして、そこでことさらこの聴取率の悪い放送をもう一本入れて、政府みずからスポンサー料を相当高額払うということが、一体必要なのかどうか。私は国民の側にすれば、ちょっと疑問を持っているのじゃないかと思います。この際ですから、さらに広報効果の、測定実施委託費は少ないのでありますけれども、これを十分活用されて、今回はこのままでかりにやるとしても、何らかの結論を出された方がいいのではないか、こういうふうに思いますので、その点の御意見を一つ伺っておきたいと思います。
○政府委員(藤枝泉介君) 別に一度始めたから、やみくもにやろうというつもりじゃないのでありまして、先ほど申し上げましたように聴取率などもだんだん上がって参っております。しかし、もちろんこれに最後までしがみつくという気持もございませんので、十分その点は放送効果測定等の実施と伴ないまして考えて参りたいと思いますが、今のところは、まあこういう電波によるPRというのが一番適当であり、それが十分国民に親しまれるように努めることがまず先決ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○委員外議員(横川正市君) もう一つ。沖繩マイクロ回線施設工事委託費約一億、この内容についてちょっと説明していただきたい。
○政府委員(藤枝泉介君) 多少の数字の違いがありましたらお許しいただきたいと思いますが、これは二カ年計画でございまして、総額沖繩分が三億五千万円ほどかかります。そのうちの一億八千万ほどが日本政府の負担、その第一次年度が九千八百万でございます。そのほかに日本電電公社が持っておる施設を向こうに譲渡いたしますものが約一億三千万ほどあります。さらに琉球政府の負担分が四千百万円ほどありまして、合計で三億五千万程度の費用が要るということでございます。
○委員外議員(横川正市君) これは主要用途ですね、マイクロですから普通ならばテレビそれから電話その他ということになるわけですが、であれば、私は、これは沖繩が国内であれば、これは電電公社に対して政府がまあ見てやる、それから外国だということになれば国際電電かどこかへ委託するということにもなるのじゃないかと思うのです。その使用の内容はどういうような内容に使われる予定になっていますか。
○政府委員(藤枝泉介君) どうも科学に弱いのでございますが、その電話六十回線と、それからテレビの下り一回線分に当たるわけでございます。
○委員外議員(横川正市君) そうすると、これはあれですね、電電公社に対する委託費ということで、実際上の監理その他は電電公社が行なうということになるわけですね。
○政府委員(藤枝泉介君) この九千八百万円、来年度合わせますと一億八千万円ほどになりますが、これは日本電電公社に委託をいたします。そうしてできましたものは、琉球の官においては琉球の電電公社に譲渡するわけでございます。従って琉球側は琉球の電電公社が監理をするということになるわけでございます。
○委員外議員(横川正市君) このテレビの回線ですが、これは片道だけをこちらから持っていって、片道は向こうから受ける、その一方のやつだけをこちらで持つだけですか。それとも両者で往復持つわけですか。どうなんですか。
○政府委員(藤枝泉介君) こちらからの下りだけ、向こうから来るのは先ほど申し上げた三億五千万円でやるものにはないわけでございます。下りだけでございます。沖繩へ持っていくだけでございます。
○委員外議員(横川正市君) そうすると、これは沖繩からの、向こうからのローカル放送その他については、日本向けには来ないことになるわけですか。
○政府委員(藤枝泉介君) そうです。
○委員外議員(横川正市君) 日本の内容だけが向こうへ伝わる、片道なわけですね。 それからちょっと逆戻りして8の送還者旅費の項目があるわけでありますが、金額からいきましても、項を起こして今なおこういったことを残存されているのは、ちょっと不思議な程度のものなんでありますが、その内容をちょっと説明いただきたいと思います。
○政府委員(藤枝泉介君) これは沖繩へ不正入域したりしまして強制送還をされる者がままあるわけでございます。それに関する費用でございます。
○委員外議員(横川正市君) ちょっと審議会の内容について一言だけお聞きしたいと思いますが、どうも私どもは直接の関係者でないから、傍観をしているという結果になりがちでありまして、その点ではいろいろ問題があるんじゃないかという点が一つと、それからもう一つは、何かお互いに譲り合わないで、政治力やなんかを駆使してぶん取り合いをしている傾向もあるようでございまして、その点非常に不明朗だと思うのでありますが、この国土開発縦貫自動車道建設審議会が作られて、今日までの間で審議の経過は一体どういうふうになっているのか、この機会にちょっと少し詳しく聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(藤枝泉介君) 今調べておりますので、この分科会が終わるまでにお答えいたすようにいたします。
○高田なほ子君 総理府は、過般犯罪防止対策懇談会ですか、こういうものの、どうも私どもお話しまだ伺ったことがございませんのですが、そういうものの委員ですか相談員ですか、これもわかりませんですが、新聞紙で二十五名の委員の氏名が発表せられました。この犯罪防止対策懇談会ですか、協議会というのは、どういう性格のものであるのか、どういういきさつでこの懇談会が総理府の所管のもとに置かれたのか、ここらのいきさつを、まだ説明いただく機会が今日までございませんでしたが、御説明いただきたい。
○政府委員(藤枝泉介君) 最近における暴力犯罪等につきまして、国会方面でもいろいろと政府に対する御質問やら御鞭撻もあったのでございます。政府といたしましてこういう暴力犯罪を絶滅するための各般の施策を考えなければなりませんが、まず第一には行政上の措置といたしまして、現在の法令の範囲におきまして、そうした暴力犯罪の防止ができまするような各般の態勢を作り上げるということが一つ考えられるわけでございます。 第二には、現在の法令ではまだ十分でない面を補っていく、補正していくということも考えられるわけでございまして、過般、本年の二月二十一日に暴力犯罪防止対策要綱というものを閣議で決定をいたしまして、行政上の処置の考え方、あるいはさらに補正的に立法しなければならない問題等を決定をいたしまして、行政的な処置につきましてはそれぞれ各省庁においてその職務に応じてやるように督励をいたしておる次第でございます。しかしながら、こういう問題についてはさらに民間の学識経験ある方々の御意見を聞いて、行政的にあるいは立法的に処置しなければならない幾多の問題があろうと存じまして、そうした民間の有識者の方々にお集まりをいただいて、随時御意見を承るという意味において、過般、暴力犯罪防止対策懇談会というようなものを設けまして、それらに御出席をいただいた方々からいろいろな御意見を伺ったわけでございます。この懇談会はさような趣旨でございますので、別にこの懇談会で決議をしていただくとか、あるいは政府に対する答申をしていただくというような性格のものではございませんで、どこまでもその個々の学識経験者のお知恵を拝借するという意味においてこうしたものを設け、随時開催をして参りたいと考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 これは三十六年の二月二十一日の閣議決定に基づいて誕生したものである。名称は懇談会である。しかし、決議機関でもなければ、答申機関でもない。しかしこれは閣議決定の内容を拝見いたしますと、これは明らかに立法に対する方針、行政上の措置、こういうものが出されておるわけでございまして、これに基づく懇談会であるとするならば、閣議決定の線に基づいて行なわれる懇談会でありますから、これは行政上の——法的にどうであるかは、これは別問題として、 〔主査退席、副主査着席〕 行政上のための一つの機関である、こういうふうに解釈することができると思いますが、過般、本問題については、この懇談会の法的な根拠については内閣委員会で議論をし、また政府当局のこの懇談会の性格等を議論の結果、結論としては、これは近く立法措置をする、こういうような答弁をされたそうです。これは池田首相がみずから立法的な措置を早急に講ずるというような答弁をせられておるのでありますが、ただいまの御答弁では、どうも立法的な措置をされるというのではなくて、単なるお茶飲み談議のような会合であるというようなふうにも受け取れる。そうすると、暴力犯罪防止対策懇談会というのは、池田首相の言うところは、法に基づく行政機関の一環としての会合であるというふうに受け取れる一わけですけれども、若干あなたのお答えのニュアンスと違っておるようですが、この点どうですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 先般の内閣委員会における池田総理の答弁は、私は同席して伺っております。で、総理の答えられましたことは、この暴力犯罪防止対策懇談会に対して、まとまった意見をきめていただいて政府に答申するような、そうした必要が起こってくれば、それは国家行政組織法に定める審議会あるいは調査会にしなければならないということを答弁されておりまして、懇談会においては、先ほど申しましたような性格でございますが、将来にわたってあるいは答申をいただく必要が起こるというような場合には、これはどうしても法制的な処置が必要であると私も考えておる次第であります。
○高田なほ子君 どうせ初めからそういう目的で、閣議決定の線に基づいた対策についての懇談会なんですから、初めからそういう一つの目的を持って生まれている会議なのでありますから、これは池田総理が内閣委員会で答弁されたように、当然これは立法措置が私は必要なものだと思う。話しの中でたまたまその結論みたようなものが出てきた、出てきたから、この懇談会の性格は立法的な措置をしなければならない、こういうようなことではないと思うのです。懇談会を、少なくとも二十五名の委員を委嘱するからには、相当に閣議決定の線を行政面に反映させるために持たれた会合である——持たれるべき会合であって、その会合であるがゆえにこそ、池田総理は立法措置の必要であることを言われたのだろうと思うのです。どうも懇談会で出発して、何かが起こってきたらば立法的措置をするというのは、ちょっと私にはいただけない御答弁なんですが、どうなんですか。起こってきたらば立法的措置をするというのは、ちょっと子供だましじゃないですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 先ほどから申し上げておりますように、政府がみずからやらなければならないことは、どしどしやっていくわけでございます。しかし、さらに行政上におきましても、あるいは法制上の問題におきましても、政府自体が見落としもありましょうし、さらによりよい考え方もあろうかという意味で、民間の方々のこうした御意見を一つ自由に発表していただきたいという意味で懇談会を設けましたのでありますので、そういう性格でこの懇談会はあるわけでございます。しかし、繰り返して申し上げますように、将来にわたりまして、こうした暴力犯罪対策のために特にまとまった御意見を作っていただいて、そうしてそれが行政的にあるいは法制の上に政府の施策として反映するような、いわゆる答申等をいただくようなことが起こるとしますれば、それはもう懇談会の範囲を逸脱するものでございますから、これはやはり法律によって、そうした審議会あるいは調査会を作らなければならないというふうに考えておる次第であります。
○高田なほ子君 審議会、調査会でなければ、立法の根拠がないと言われるのですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 国家行政組織法の八条にいう審議会、調査会、これはどうしても法律によって作らなければいけないというふうに考えておりまして、そういう方針で今後も——従来もその方針でございましたが、今後もその方針は踏襲していくつもりでございます。
○高田なほ子君 これは協議会とか、あるいは審議会、そういうようなものでなくとも、ともかくこの懇談会の性格は、国の行政機能を発揮するために懇談会を置かれるわけでしょう。そうでしょう。行政機能を発揮するために懇談会を置かれたわけでしょう。ただお茶を飲んで集まって、しゃべって、それでお別れというのじゃなくて、国の行政機能を十分に発揮するという目的——方法は知りませんよ。そういう目的のために置かれた懇談会でしょう、性格は。そうですね。そうだとしたならば、審議会、協議会というもののほかに、この国家行政組織法の第八条は、不明確なことがないようにということでこの第八条は、「特に必要がある場合においては、法律の定めるところにより、審議会又は協議会(諮問的又は調査的なもの等第三条に規定する委員会以外のものを云う。)」とあって、「諮問的」であって諮問機関と書いてない、調査機関と書かないで「調査的」です。「調査的なもの等」、「等」です。それもまた他の機関と同様に、立法措置をして置くことができるようになっておる。ですから何も遠慮なさらないで、法的な根拠に基づいて今後これをやっていくのだと、こういうふうに御答弁になったって一こう差しつかえない。私ども野党は、これであげ足を取ろうというわけは何も持っていないのですから、そういうあやふやなところに、この委員の任命が何となくあやふやな人間が出てくるということになってくるのではないか、二十五人があやふやだというわけじゃないのです。あやふやな者が出てくる結果になるのではないか、こういうふうに考える。ですから、やはりこの懇談会というものを行政機能を発揮するために置くのだとするのであれば、この第八条に基づいてやがてそういう事態が起こってくれば云々というのではなくて、首相の言うように、やはりはっきりされて、法的な御準備をされるならされると、こういうふうな態度をとられることが私はあたりまえだろうと思う。何もそんな奥歯に物のはさまった、隠しだてをするようなことをなさる必要は何にもないと思う。正々堂々おやりになったらいいじゃないか。閣議決定のものをやるというのに、何をそんなに遠慮する必要がありますか。立法措置をなさるならなさると、する用意があると、こういうのでいいじゃございませんか。
○政府委員(藤枝泉介君) もちろん、こうしたものが将来にわたって長くいろいろ御答申をいただくような必要が出てくるかと存じております。従いまして、こうした懇談会を行政組織法にいう審議会、協議会にするためのいろいろな研究は、現在でもやっておる次第でございます。
○高田なほ子君 これはね、審議会とか協議会というもののほかも、この国の行政組織は明確に法律に基づいて行なわれなければ、やたらなことをやっちゃ困るんですから……。この国家行政組織法は、行政の秩序を立てるために、行政の筋を通すために、この法に基づいて審議会も協議会も、そしてまた行政の機能を発揮するに必要であると考えられる調査的なものも、あるいは諮問的なものも、それらのもの等もまた八条に基づいて、法的な根拠によってこの運営をしなければならないと規定してあるわけです。それは私は筋が通った話しだと思う。ただお茶飲みみたいな会合で、いいかげんなことをするんなら、二十五人も人は要らない。やはりこの国家行政というものに筋を通さなければ……。いいかげんなことをやられちゃあ困る。この行政の秩序を保つためにこの行政組織法があるわけですから、この法に基づいておる懇談会というものは、当然早急にこれは立法措置をさるべき性格のものです。されるべき性格のもので、結論が出たらやるなんていうのは、それは少しでたらめですよ。それは行政組織法の精神をまっすぐに御解釈にならないあなたの言い分じゃありませんか。やはり筋は通すところは通すべきですよ。そういう立法措置をしないで委員を任命された等のことがあるので、若干御答弁に苦しい点があるから、そうおっしゃっているのかもしれませんが、ここらは割り切って、こういう立法措置をして、そして国家行政の筋を通していくんだという、この基本的な考え方は、ずらされない方がいいと思う。長官の御答弁としては、ずらされない方がいいと思うんです。いかがですか。
○政府委員(藤枝泉介君) この国家行政組織法の精神は、まさに高田さんの御指摘の通りだと考えております。従いまして、その結論が出たらばというような意味ではなくて、この暴力犯罪防止についての対策について、一つのまとまった御意見を政府にいただくという必要がおそらく将来においては生じてくると思うのであります。そういうものを考えて、現在この法律によるこの暴力犯罪対策の審議会あるいは協議会というものをどう構成するかということを研究をいたしておるということを申し上げておる次第でございます。
○高田なほ子君 まあこういうくだらないことで私議論するのはよくないのですけれども、少しあなた、長官としては、わかっていらっしゃるのに、はぐらかそうとするからそういう変なことになるのですよ。まとまった意見が出たらば云々なんというようなことは、これは当然あり得ることなんです。だから、この行政組織法の第八条では「諮問的」、——諮問機関ではない、諮問的、それから「又は」調査機関ではない「調査的」、「等」とまたそこに入れている。これは非常に大きなニュアンスです。それは今のあなたのおっしゃるように、まとまった意見が生ずるかもしれないという機関、しゃべっているうちにこれは意見がまとまるのですから、そういう機関に対しても、これは第八条に基づいて一つの立法措置をして、国家行政の秩序を立てていこう、こういうので、第八条はかなり法解釈の幅の広い表現を使って、国家行政の筋を立てようとしているのが本法の私は精神だと理解をする。だから、まとまった意見が出るとか出ないとか、そういう子供のようなことをおっしゃらないで、将来、近い将来において立法の準備をされると、そうしてこの本問題について閣議決定の線について賢明な民間人の協力も得るのだと、こうあなたがおっしゃってくれれば、何も私こんな何べんも何べんも立ってあなたに聞かなくていいのです。今やらないから違法だからけしからぬなんということは私は言いませんよ。そんなことを言ったって得にならないのですからね。いかがですか。
○政府委員(藤枝泉介君) どうも繰り返して申しわけないと思っておりますが、現在、実はまとまった御意見をまとめていただこうという考え方はございません。ございませんが、しかし将来にわたれば、当然このある種の答申をいただくというようなことにならざるを得ないと思います。従いまして、それに備えまして、法律によるこの暴力犯罪防止対策の協議会とか審議会とかいうようなものをどういう構成で作るかということにつきましては、目下研究を進めておる段階でございます。
○高田なほ子君 いずれにせよ、重ねて申し上げますが、この閣議決定の内容は、明らかに法務省あるいは厚生省、警察、文部省、あらゆる各省にわたる広範な行政上の措置が盛られてある。で、こういうものを中心にする懇談会でありますから、それは一ぺんに結論は出ないでしょうが、要するに、こういう懇談会を持たれたのは、民意を行政に反映して、行政の機能を発揮させるためにこの懇談会を持たれた、これは事実だろうと思います。そのことは否定されないだろうと思う。そこで、法の問題は、また内閣委員会等でまたこの速記録に基づいて議論は展開されるでありましょうが、ただ、その二十五名の委員というのは、どなた様が人選をなさったわけですか。
○政府委員(藤枝泉介君) まあ最終的には内閣総理大臣ということになりますが、事務的には私の手元で、関係各省の御推薦をいただきまして、まとめたものでございます。
○高田なほ子君 これはあれですか、二十五名の方は、総理大臣の任命です二十五名の方は総理大臣の氏名ですか、指名ですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 任命とか指名とかではなくて、こういう懇談会に常時出席をしていただきたいとお願いをしたわけでございます。
○高田なほ子君 どなたがお願いをしたのですか、その責任者はどなたですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 内閣総理大臣でございます。
○高田なほ子君 その辞令面はどういう——何か辞令があるわけですか。
○政府委員(藤枝泉介君) はっきり一字一句を覚えておりませんが、ただいま申しましたように、こうした問題についていろいろな御意見を承りたいので、暴力犯罪防止対策懇談会を開催いたしますので、常時御出席して御意見を御発表いただきたいと、こういう御委嘱でございます。
○高田なほ子君 それは個人池田勇人が指名とか、頼んだというのじゃないのでしょうね。総理大臣池田勇人、これが任命をしたのですか。委嘱をしたのですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 暴力犯罪防止対策懇談会を開くので御出席をいただきたいという御依頼をしたわけでございます。公人としての内閣総理大臣でございます。
○高田なほ子君 その御依頼をするのに、何でもない者を御依頼したわけではない。その依頼した、たとえば徳川夢声なら徳川夢声さんの資格は、学識経験者というそういう資格で、今回、この間の会合に限って出席を御依頼したわけですか。
○政府委員(藤枝泉介君) この間の懇談会はさようでございますが、今後も開くときには常時御出席をいただきたいと、どういうことでございます。 〔副主査退席、主査着席〕
○高田なほ子君 そうすると、これは懇談会の委員ですか。懇談会の役員ですか。それから懇談会のメンバーと呼ばれるわけですか。
○政府委員(藤枝泉介君) まあ正確に申しますれば出席者ということでございまして、広い意味のメンバーということでございます。
○高田なほ子君 これはどなたか、何か足代ぐらいはお出しになるのでしょうが、池田さんのポケット・マネーでお出しになるのですか。
○政府委員(藤枝泉介君) 公人としての内閣総理大臣が御委嘱したのでございますから、お車代ぐらいは公費として出したいと考えております。
○高田なほ子君 国の予算によってこれは開かれるもので、決してこれは池田さんのポケット・マネーではない。こうであるとすると、また蒸し返すようでありますけれども、そういった点を伺ったのは、この国家行政組織法の第八条を根拠としなければ、たとえ一銭たりとも国の予算は勝手に使える性質のものではない。私はこういう筋を通すべきだと考えるから申し上げておる。何も野党だからあげ足を取って言おうとは考えていない。国の予算を使う以上は、一銭でも法的に基づく機関の発動でなければならない。そういう筋だけは通していただかなければならない。私の言っておることは間違いじゃないと思うのですがね。何もあげ足を取ろうと思っておらないのですから、一つできるだけ、何だかわけがわからないけれども懇談の必要があるから委員のようなものを、メンバーのようなものを総理大臣の名においてお願いをした。費用はといえば国から出ている。それでは国の行政のえりを正すことはできないと思う。そういうことを、筋を通さないところに政治の独裁、政治の専横というものが発揮されたという過去の歴史をお互いが忘れないようにしたいものだと、このように考える。そこで、この二十五名の各省の推薦者のお名前をつぶさに拝見いたしました。またこれらの方々は、いろいろな面で、いろいろなところで活躍されておる方々でございます。しかし、この方々の平均年令はお幾つぐらいでしょうか。
○政府委員(藤枝泉介君) 計算をしておりませんけれども、大体の顔ぶれから御承知のように、相当高い年令だと考えております。もっともすでに御承知の通りに、たとえば日青協の会長というような青年の方も入っておることは入っております。
○高田なほ子君 まあケネディ大統領じゃございませんけれども、もう少し新時代の息吹きというものを吸われる方々が、こうした新しい機関に入ることを私どもは非常に望むわけです。しかし、新聞で辞令が出てしまったのですが、これは各方面の民間の学識経験者と言われますが、具体的に言うと、今度のこの犯罪防止対策の要綱の内容というものは、きわめて高度な内容を持っておるものです。拝見すると、どうもこの高度な内容にどういう御発言がいただけるか、ほぼ想像がつくような気がするわけです。今日まで政府の審議機関というのは、ややともすれば各省に都合のいい御用学者、委員が出てきて、その省の、厚生省だったら厚生省の拡充のために、あるいは予算の獲得のためにそういうものが利用される、こういう傾向がないではなかった。今度のこの対策は、法務省とか最高裁、警察庁、厚生省、労働省、中央青少年問題協議会等にわたる内容を持つ高度な行政面についての御相談なんです。そうだとするならば、やはり委員の委嘱等についても相当に吟味しなければならない。私は、しかし第一回辞令の中で惜しい人が抜けたなと思った方もある。失礼ですが、今の二十五名の方々にはあまり希望を持ちません。言うことがわかっているのですから……。政府のちょうちん持ちみたいなものばかり出てきてもしようがない。やはり与野党あげて——この犯罪防止というのは、これは社会党だとか自民党だとかそういうのじゃなくて、与野光をあげて犯罪防止ということについては、お互いにしっかりやらなければならないというそういう性格のものである。そうだとしたならば、やはり委員の委嘱も、従来のようないわゆる学識経験者、政府に都合のよい発言をするような方の多いと思われるそういう懇談会のメンバーであったのでは、ほんとうの意味の暴力犯罪防止対策には若干効果が薄いのではないか。これは、無名の方から私に新聞辞令を見て非常に悲しんでよこされたものですが、私は民間人として今日までこの問題については非常に関心を持ってきた、新聞の報道するところによると、必ずしも国民の気持が代弁される機関だとは考えられない。こういうふうにして非常に悲観をされている。国民が失望しておる。こういうことも一つあわせ考えて、この懇談会の問題については、もう少し慎重に考えていただかなければならない。従来総理府は、審議会のメンバーなんというのは、あまり重要に感じられてこなかった傾向があるようで、これは少し文句になるかもしれませんけれども、この間初めて第一回のあの委員会のときに、こんなに一ぱい審議会の資料をいただいて、私はあれを見るのに三晩くらいかかった。見て驚いたことには、同じ人がいろいろの審議会の審議委員になっておられる。経済投融資の審議会だと思うと、今度は河川審議会。川の問題と経済投融資とどういう関係があるのかなと思って、頭をひねってみた。そうかと思うと、これが変な、縁もゆかりもない審議会に出たりしておる。一々名前をあげると失礼に当たりますけれども、どうもその知り方があまりおざなり過ぎるような気がするのですね。おざなりであると思う。今日審議会というのは、一つ一つ私は数えてみましたけれども、あの中には、少し資料も——紙も切れているようなものもありまして、私正確についに数え切ることができませんでした。正確には、今各省にわたる審議会というのは幾つございますか。
○政府委員(藤枝泉介君) 総理府に付属をいたしておりまする審議会は、現在三十六でございます。それから現在国会で御審議をいただいておる中に、総理府に設置さるべき審議会が六つほど現在出ておるかと考えております。
○高田なほ子君 あれ数えてみたら二百八十幾つかございました、私が数えたのでは。今は国会に六つ。総理府に三十六とおっしゃっておりましたが、この間のあれ、みんなで二百八十幾つでしたかね。そのほか数え切れない、資料の変なものがあって。でありますけれども、ずいぶん数が多い。その多い数の中で一人の方が十も審議委員になっている方があるんです。よくまあごりっぱな方が、十も重責をお果しになるものよと思いましたし、政府はずいぶん特定の人を信任なさるものよと感心もいたしましたんです。こういう皮肉は当たらない皮肉ではございませんでして、できれば将来もこの暴力犯罪防止のための懇談会等については、まだ立法措置がされておらないようでありますけれども、将来やっぱり行くべき方向はわかっているように思われますが、委員等についてはもう少し若返えるべきです。今の犯罪防止には若い人をのけてはいけないのです。年寄りばかり集まって、年寄りの古い観念ではゼネレーションの差が、やはり精神の不安定を来たすわけですから、できれば、こういうのは若い人が半分くらい——若いといっても、私は何も全学連を入れろなんて考えているのじゃないんですから……。もう少しぱりっとした人ですよ、ばりっとした人を入れるんです。頭のもうろくしたのではだめなんです。私たちでもだめなんです。もっと若い人を入れて、そして本気になってこの懇談会のために意見を出す、研究もする、そういう人を入れないでテレビに出てちゃらんぽら言っているような者を幾ら出したって問題は解決しませんよ、ほんとうに。このことは御忠告をいたしますから、十分にこれは一つお考えいただきたいと思います。大体これはこのくらいにいたしましょう。お考えいただけますか。
○政府委員(藤枝泉介君) 第一回の暴力犯罪防止対策懇談会におきましても、出席の方からただいま高田さんがおっしゃったようなこと、あるいは教育関係、宗教関係といったようなものから選んではどうかというような御意見がございました。十分その点は今後の問題といたしまして考慮をいたして参りたい。御指摘の点は十分に研究をいたして実施できるようにいたしたいと考えております。 なお、各種の委員に同一人がたくさんなっておるということにつきましては、御指摘の通りでございまして、できるだけこういうものは避けたいという方向でやっておりますが、たとえばこの商工業全般を含む代表なんということになりますと、どうしても同一人が参りますので、現在のところ、御指摘のような点があります。将来にわたりましては、なるべく重複を避けるというようなことで、適当な人を選んで参りたいと考えております。
○高田なほ子君 希望したんですからこれで終わろうと思ったんですが、長官は、今の審議会の委員のメンバーを、全部これを表にしてごらんなさい。実に大した、博学多識の方がいますよ。あなたそれをなさってみないからそんな軽々なことをおっしゃるけれども、あまりばかにしなさるなと言いたくなる。だから表を作ってみなさい。ついに私は表を半分まで作ってばかばかしくなってやめたんです。こんなくだらないことのために全力をあげる必要があるかということになって、手っ取り早く長官に、たくさんあなたの方の役所は人がおられるんですから、一ぺん一つ表を作ってごらんなさい。あなたもごらんになって深くお考えになるところがございましょう。これはお願いとして申し上げておきます。
○主査(小酒井義男君) 速記をとめて下さい。 〔速記中止〕
○主査(小酒井義男君) 速記を始めて下さい。
○高田なほ子君 実は公正取引委員会の運営等の問題、それから独禁法四十四条に基づく委員会の国会に対する報告、中間報告、こんなものを実はしていただきたかったんですが、問題が一つ起こっている。これは私大へん法律に明るくございませんので、一松先輩にも法律解釈をいただいて御尽力いただきたい、こう思いますから、この問題を一つ先に取り上げたい。 これはけさの朝日新聞に出ている問題です。朝日新聞の十面に出ている問題です。事件は、高校不合格者の家庭へ合格したと喜ばす行き過ぎたデパートの競争、こういうことで、内容は福島県郡山市の百貨店が高校女子制服の売り込み合戦から、ある高等学校の入学試験に際して、不合格な生徒に対して——不合格だということがわかっている生徒に対して、合格であると喜ばせて、うちょうてんになった親は、百貨店から合格を前もってお知らせするということで、注文取りに来た服屋に注文をして、内祝いをして大へん喜んだ。ところがあとになってよく調べてみると不合格であったということがわかった。こういうような内容の記事です。これは一体今日消費者の利益擁護のためにある公正取引委員会の対象にすべき問題であるかどうかということが私の一つの問題点。このような場合に、この二つのデパートの売り込み合戦から、合格でない者に対して合格であるとうそを言って、そういう売り込みをして、そして売り込まれた者には精神的な損害を与えたというこのことについて、こういうことは公正取引委員会の権能の範囲内においてできる調査案件になるかどうか、こういうことが私の伺いたい点なんです。
○政府委員(佐藤基君) 公正取引委員会といたしましては、いわゆる独占禁止法によりまして諸般の措置をとるわけでございますが、ただいまの問題は、一応考えられるのは、いわゆる不公正取引に当たるかどうかという問題であります。しかして、不公正取引につきましては、独占禁止法に規定がありますし、法の規定は概括的規定で、これに基づきまして、特殊指定、一般指定がありますが、これに当たるかどうかという問題でありますが、ただいま伺っただけでは、すぐ不公正取引に当たるというふうな判断をいたしかねるのでありますが、なお事態をよく調べてみたいと思います。
○高田なほ子君 調べてみたいというのは、公正取引委員会の法律的な調査に基づく調査を、あなたは今言われたのですか。調査しますと言うその調査は、どういう調査でございますか。
○政府委員(佐藤基君) 具体的事件の内容が、たとえば落第しているのを知っていて及第したと言ったのか、あるいはさらに発表番号を間違えて、過失でそうしたのか。そういうふうな問題、これはむしろ刑事上の問題かと思いますけれども、そういうふうな事態がはっきりしないというと、法の適用ができないので、そういう意味ではっきりしたい。こういう意味でございます。
○高田なほ子君 これは、この新聞の報道する範囲においては、これはセールス合戦で、いわゆる過当競争の中に起こったセールス合戦、デパートもこの行き過ぎを認めておる。ですから事業主だけでなく、このような不公正な取引をした場合には、人に対しても、公正取引委員会は調査権を発動することができる建前になっているように解釈するわけです。これはなぜこういう問題を出したかというと、最近不当競争の中で、宣伝販売ということが過当に行なわれて、その結果非常に迷惑を受ける場合が多いわけでございます。それがたまたま度が過ぎて、こういうようなセールス合戦の度が過ぎて、子供にまでこのような悲嘆をなめさせるという事件が起こってきて、私は、これは一つの刑事問題になるかもしれないというけれども、その前に、このような売り込み合戦からくるセールス合戦、そして過当な競争、人の迷惑も考えない過当な競争、消費者に迷惑をかける過当競争に対して、ローマ法皇のような役割を果たすのが私は公取委員会の任務ではないかと、こう考える。これは明らかにセールスのオーバーがこういう事件を出してきておる。あなたはセールス合戦のこういう過当競争に対して、公取委員会は何の権能も持たない委員会であるというふうに判断しておられますか、どうですか。
○政府委員(佐藤基君) 公取委員会は、御承知の独占禁止法の執行に当たるのでありまして、独占禁止法に違反するかどうかということが問題なので、違反しないならば、これは何とも仕方がない。今の問題は違反するかしないかということを研究したいと、こういうわけです。
○高田なほ子君 その研究するということは、あれでございますか、何か公取の機関で研究をしていただくということになるのでしょうか、どうなんですか。
○政府委員(佐藤基君) 事務同におきまして、そういうふうな調査に当たっております。
○高田なほ子君 この独占禁止法は、なるほどあなたのおっしゃった一面がございましょう。独占というものを、これを規制するという点がありましょうが、一面には、一般消費者の利益を確保するという、たての両面を持っているものだと私承知いたします。ですから、こういう今申し上げたような事件は、これは不公正な取引方法の第六項に私は該当するような行為ではないかというふうに、研究してみて考えられたのです。いろいろ研究してみて私なりに考えられた。そこで、その公取委員会は、法に基づいて一つの調査権を発動せられて、このような不当競争の中に、将来ある少女たちが犠牲になることのないように立ち上がるべきであるという一つの見解をもって、きょう質問に実は臨んだわけです。いかがです、委員長。この福島県の郡山の問題は、きょうの朝刊に出ておりますから、一つ委員会としてもこれを御調査願って、このようなあまりにもたくましい商魂、不当なセールス、こういうものについて、一つ子供を守る、公取委員会が子供を守ると、こういうような面から、一つこれを調査せられて、後刻適当な機会に、また私どもの方に中間報告でもしていただいて、安心のできるようにしてもらいたい。この事件はおそらく新聞をごらんになった全国の家庭では、なるほどそうだ、こういう問題がうちにもあったと、必ずこれは出てくるに違いない。私はこれは朝日新聞はいいことを取り上げて下すったと、これは子供は実際いやらしい宣伝のために、精神的に迷惑を受けている面が多々あるということを、一つ御了承いただいて、今申し上げたことを約束していただけるかどうか、これをお尋ねしておきます。
○政府委員(佐藤基君) 今のお話しによりまして、私も十分よく調べまして、独禁法違反の疑いがあれば、さらに適当な措置をとります。
○主査(小酒井義男君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○主査(小酒井義男君) 速記を起こして。 暫時休憩いたします。 午後三時五十一分休憩 ————・———— 午後七時三十三分開会
○主査(小酒井義男君) これより第一分科会を再開いたします。 内閣及び総理府所管を議題といたします。質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言がなければ、内閣及び総理府所管に関する質疑は終了したものと認めます。 以上をもちまして昭和三十六年度総予算中、皇室費、国会、裁判所、検査院、内閣、総理府のうち防衛庁、調達庁、経済企画庁、科学技術庁を除く部分、及び法務省所管、並びに他の分科会所管外の事項の審査は全部終了いたしました。 なお、予算委員会における報告の内容及び審査報告書の作成につきましては、主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○主査(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。 これにて散会いたします。 午後七時三十四分散会