予算委員会 第20号
- 発言数
- 300 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/03/24
会議録
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。 まず、分科担当委員の選定について報告いたします。 本件につきましては、一昨日の委員会におきまして委員長に御一任いただいたのでありますが、お手元にお配りしてございます分科担当委員氏名表の通り決定いたしましたので、御了承願います。 昨日の委員長及び理事打合会の内容について報告いたします。 一般質疑は昨日まで行なうことになっておりましたが、いまだ質疑が終了するに至りませんので、本日も引き続き行なうことにいたします。 分科会は明二十五日から二十九日まで行ない、二十九日に主査報告を行なうことといたします。締めくくりの総括質疑の取扱いにつきましては、三十日、三十一日の両日行ないまして、質疑時間は三百分、その各会派に対する割当は、自由民主党百八分、社会党百二分、民主社会党、無所属クラブ各三十分、同志会二十分、共産党十分であります。 質疑の順位は、社会党、自由民主党、民主社会党、無所属クラブ、同志会、共産党といたします。 次に、各分科会において参考人の出席要求を行なう場合は、これを委員長に一任することといたしました。 以上報告の通り取り運ぶことに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(館哲二君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(館哲二君) 昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 質疑を続けます。占部秀男君。
○占部秀男君 私はILO八十七号条約の批准と国内法の整備に問題点をしぼって御質問を申し上げたいと思います。 まず、石田労働大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、この問題は本委員会でもすでにたびたび問題となっておるところでありますし、さらに、去る二月のILO理事会でも、五月までには批准をされたい、かような意味の日本政府に対する勧告が採択されておると承っております。また、池田総理も本委員会では、来週中に、すなわち十八日ごろまでに提案するように誠意をもって努力する、かように答弁をされておりますし、労働大臣自身も衆議院で、二十二日までには提案したいと発言されたやに承っておるわけであります。ところが、それなのに現在に至るまで政府から批准案に対する提案がなされておりません。一体どんな理由で提案がおくれているのか。また何日には確実に提案ができるのか、この二点についてまずお伺いいたします。
○国務大臣(石田博英君) ILOの日本政府に対する希望を承知いたしております。また、ただいま御発言のように、提出時期について、総理並びに私が希望目標を申し上げたことも事実であります。それが今日まで私どもあらゆる努力をしたのでありますけれども、まだ提案いたすに至らないことを私自身も非常に遺憾に存じます。目下最終段階の調整中でございます。おくれております理由は、各般の意見の調整のためにおくれておるわけでございますが、日にちははっきりと申し上げられませんけれども、もう、そう御迷惑をかけずに提出できると考えておる次第であります。
○占部秀男君 労働大臣の今の御答弁は、私はきわめて無責任な御答弁ではないかと思うのであります。一体、何日に出すのかはっきりとは申し上げられないという御答弁でございましたが、すでにあの総理の答弁があって以来今日まで二週間以上経ている。それだのに依然としてはっきりと何日に出せるかわからないというようなことであっては、これは明らかに食言であると私は考えるのでありますが、その前にお伺いいたしたいことは、それでは一体その調整が最後的にまだきまっていないと、こういう点はどういうところにございますか。
○国務大臣(石田博英君) 主として国家公務員法の改正についての御意見でございますが、しかし、もうその調整も最終段階に入りました。日にちを明言できないと申しましたことは、確かにおっしゃる通り私自身も遺憾に存じます。しかし、ただいま申しましたような調整段階でございますので、もうそう日にちをかけずに提出できるものと確信をいたしております。
○占部秀男君 そうしますと、国家公務員法のうちの政治行動の行為制限、その問題点についてだけであって、他は最終的にまとまっておる、かように確認してよろしゅうございますか。
○国務大臣(石田博英君) そのほかの点については意見の調整がほぼ済みました。それから、ただいまお話の点につきましても順次意思統一が行なわれつつある段階でございます。
○占部秀男君 そうしますと、現在までまとまっておると言われるその限度において整備される関係法案には、どういうものが最終的にきまっておりますか。
○国務大臣(石田博英君) 最終的に調整された法案については、これはまあ元来、意見の調整を完全に終わったとき申し上げるべきが順当であると存じますが、公労法、地公労法の改正を中心といたしまして、そのほかの、たとえば在籍専従の問題……。
○占部秀男君 関係法案の名前だけでいいです。
○国務大臣(石田博英君) 地方公務員法、国家公務員法にも関連をいたして参ります。
○占部秀男君 鉄道は……。
○国務大臣(石田博英君) 鉄道は、これは今の場合は根本的な改正をやるつもりでございますから、従って、これと一緒の取り扱いは、ただいまのところ議論はいたしていないわけでございます。
○占部秀男君 国家公務員に対する政治行動の制限の問題は別にいたしまして、それ以外にすでに最終的にまとまっておる重要な事項がありますね。この事項をどういうふうに改正するのか、これは簡潔に概略でよろしゅうございますから、大臣でなくてもけっこうでありますから、一つ御説明を願いたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) これは法律案が提出されたときに御説明を申し上げるのが、政府として責任ある態度ではないかと私は思いますので、ただいま経過的な過程において御説明を申し上げることは差し控えさしていただきたいと存じます。
○占部秀男君 しかしながら、国内法の整備の問題も、もとの批准案もまだ出されていない、こういう状態ですから、私はもう一歩深くお尋ねをしなければどうしてもならないと思うのであります。そこで大臣にお尋ねいたしますが、それじゃ概略私はお伺いをしたいと思うのですけれども、岸内閣当時出されたところのあの改正の問題と、去る十七日に党と政府との間で調整された四条件、このうちの国務大臣の問題は別にしても、これとプラスしたと、こういう形で概略出されるものであると了承してよろしゅうございますか。
○国務大臣(石田博英君) まだ最終的にまとまっておるわけではございませんから確言をいたすわけではございませんが、インフォーメーションといたしましては、そう御了解をいただいてけっこうだろうと存じます。
○占部秀男君 そこで私は労働大臣に特に注意を喚起したいのでありますが、先ほど申しましたように、この問題については、すでに総理自身が片岡文重君の質問に対して、来週中、すなわち十八日ごろまでには誠意をもって批准案を出すことを努力すると言われておるわけであります。ところが今日までこの問題は提案されておりません。しかも、ただいままでの御答弁を聞いてみますと、国内法の提案がおくれているというその理由については明らかになっておりますが、ILO八十七号条約の批准案そのものが国会に提案がおくれているというその理由については、必ずしも明らかになっていないと思うのであります。というのは、ただいま労働大臣の御答弁を聞きましても、その範囲内でわれわれが考えましたときに、国内法の改正される内容は、そのほとんどが今度の八十七号条約の批准に伴って当然に改正しなければならないというような内容ではないように私には考えられるわけです、その意味から言いますと、条約の批准の問題と直接の関係のない、むしろ関係のほとんど少ない内容である、かように私には考えられるわけであります。従いまして、政府としては、あの総理の御答弁通りに誠意をもって批准案の提案に努力するとするならば、国内法の調整がおくれておる以上は、当然批准案だけでも、まず先に切り離して、約束された時期のころまでに提案されるのが政府としての当然の責任ではないかと私は考えるのでありますが、この点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(石田博英君) ただいま検討を加えつつある問題が、八十七号条約と直接的な関係があるかどうかという議論は、これは法律案提出のときにいたしたいと存じます。私どもといたしましては、労働問題懇談会の三十四年二月における答申の中にも、国内法の調整ということを指摘してございます。それから八十七号条約は団結権の自由を保障いたしますと同時に、その裏には、やはり労使相互不介入の原則というものがあの中には強く貫かれておるわけでありまして、そういう見地から検討を加える必要がございますことが一点。それからもう一つは、公労法制定当時の事情というものが、なお現在全く消滅しておるとは言えないという一般的判断がございますことが一点でございます。そういう点で検討を加えておる次第であります。
○占部秀男君 今の点についてもあとで御質問をしたいと思うのでありますが、それでは私は具体的にお伺いをいたしたいと思います。現在、政府と自民党との間に調整の問題点となっておる点は、言うまでもなく公務員の政治活動の制限をどういうふうに法律化しようかという点でありますが、この点は八十七号条約のどの規定に直接の関係があってさような改正をされようとするのか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(石田博英君) その問題は、まだ政府側と与党との間の態度が決定いたしていないのであります。ただいま御指摘のような問題も、調整の際の一つの議論となっておりますので、政府としても答弁は差し控えたいと思います。
○占部秀男君 これは大臣が御答弁を差し控えても、明らかなように、直接の関係はないのであります。 その次にお伺いをいたしたいのは、今度の改正では、人事院の機構を改組して、権限を内閣に分割して移そう、これは岸内閣時代の成案の中に入っておるわけでありますが、そういう問題のほかに、さらに今度の調整で、新しく各省ごとに人事担当機構を新設して、公務員の人事管理権を完全に内閣が握るようにする。また、特に懲戒分限に関する事項については、人事院の権限から内閣へ移すような改正をあの調整の中で追加してきめておることを新聞で私は了承いたしております。こういうような改正案の内容というものは、一体八十七号条約のどの規定に直 接の関係がございますか、この点をお伺いいたします。
○国務大臣(石田博英君) その問題も提案をいたしましてお答えをいたしたいと存じます。しかし私どもは、先ほど申しました通り、直接的関係という問題以外に、やはり労使相互不介入の原則というものをあわせて考えなければなりません。それと同時に、今各省関係の人事管理機構と申しますか、何か取り締まりとか、抑制とかいうことに非常に重点を置いておるような御印象でありますけれども、そのほか一般の何と申しますか、一言にしていえばヒューマン・リレーションズを管掌いたしまする部署というものが現在各省に欠けておりますので、そういうものはやはりこの際必要でないかという議論があることは事実でございます。
○岩間正男君 関連して。関係国内法の改正を考える理由というのは非常に私は稀薄だと思うのです。むしろそういうことをやるなら、同時に、この前批准した九十八号との関連において、第六条です、あの第六条の公務員には適用しない、こういう条項で地方公務員なんかは非常な不利益をこうむっているわけです。これは労働大臣も御存じだと思う。ところが、この第六条の解釈というのは非常にこれは間違いじゃないか、つまりILOの精神からいえば、あれは政府機関に関係のあるそういう人たちを公務員と呼んでいる。これは国際通例であります。ところが、拡大解釈して、地方公務員にまで適用して拡大解釈をして不利益な処置をやっておるのが九十八号の承認後における日本政府の態度だと思う。私はむしろそういうような問題をこの際はっきりさせて、地方公務員法第五十六条の当然の権利をここで制限しない、こういう措置をとるべきだと思うのでありますけれども、こういう問題は全然たな上げなんですか。私は非常にこれは重大問題だと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 団体交渉権を規定してありまする九十八号条約の第六条には、これはもうただいま岩間さんが御発言のように、この条約は公務員に適用しないということが書いてございますが、その公務員というものの範囲の中に地方公務員も含まれるかどうかという問題であります。これは英文と仏文とが両方併用して正文とされているわけで、そこに書いてございまする公務員という文字から、私どもは地方公務員も含まれると解釈をいたしておるわけであります。英語の原文、フランス語の原文の解釈等はこれは外務省の解釈に従っておるわけでございまして、特に私は外国語に弱いので、外国語についての答弁は外務省の方にお願いをいたしたいと思います。
○占部秀男君 私は、さらに労働大臣に、すでに岸内閣当時成案となっておる交渉の対象の問題や交渉の方法手続に対する制約を強化するというような問題、あるいは在籍専従の廃止や組合費の天引きの廃止の問題、こういう問題が今回のILO八十七号条約のどの規定に直接関係があるか、こういう点についてさらにお伺いをいたしたいと思っておったんでありますけれども、まあどうせただいままでの御答弁を聞きますと、法案ができてからできてからということで、これも同じような結果になると思いますので、むだであるから私はこれを質問を省略いたします。ただ、ここで今までに明らかになったところでは、大臣自身が御答弁ができない、できないその内容はどこにあるかといえば、国内法の整備に関するところのいろいろな諸点というものはそのほとんどがILO八十七号条約の批准に直接何らの関係がない、ないからこそ大臣は御答弁ができなかったのであります。従って、今まで明らかにされたところによってわかりますように、批准案と国内法の改正をあくまでくっつけて考えておられるのは自民党さんと池田内閣だけであって、日本の国全体はそんなことを私は考えてないと思うのであります。特に批准案そのものは国内法の改正をくっつけて出そうと思えばこれも出せるし、くっつけずに切り離して出そうと思えば、これも出せる範囲の問題であります。従って、総理大臣やまたあなたが前回われわれに答弁をされたように、あの時期に、ほんとうに十八日ごろまでに批准案を出そうという誠意と、あるいはまた、努力をされるということがあったならば、その時期に他の法律案と国内法とは切り離しても批准案を出すのが、これが総理大臣あるいはあなたの答弁に対する、これは再言しますけれども、ほんとうの責任のあるやり方ではなかろうか、私はかように考えるのですが、重ねて大臣の御答弁を要求します。
○国務大臣(石田博英君) 十八日を目標として私どもは全力をあげたつもりでございますけれども、しかし、それに間に合わなかったことは深く遺憾といたします。しかし、これは政党内閣でございますので、やはり与党との意見の連絡調整が必要であるということも御了承をいただきたいと存じます。それから私が答弁を差し控えましたのは、この種の答弁は、政府の成案を得て責任をもって提出して、その上に立ってお答えを申すのが順当であろうと考えておるのでございまして、現在検討中の法案がILOと直接関係があるか、間接関係があるかということも、あわせて法案提出後においてお答え申し上げたいと存ずる次第であります。
○占部秀男君 それでは総理やあなたはあのときになぜ来週中であるとか、二十二日までには出したいとか、日限をある程度切って答弁をされたんですか。私はむしろ率直に、あの答弁はずれてしまった、まことに遺憾である、そういうようにあやまるなら、あやまるというか、何というか、まことに遺憾であると言って非を認めるなら、私はこの問題をこれ以上やろうとは思いません。しかし、今のように政党内閣であるから云々というように突っ放されたんでは、その点をどうしても聞かなくちゃならぬわけです。もっとあっさりとその点を認めたらどうですか。
○国務大臣(石田博英君) これはお言葉を返すようでございますが、この問題についての答弁のときに、私は繰り返し冒頭遺憾であるということ、深くその責めを感じておるということは申し上げております。今でもその心境には変わりございません。
○占部秀男君 それでは一応その問題はそれとしておきまして、もう一つお伺いをいたしたいのは、日にちがまだ確定してないという大臣のお話でございます。この点については、われわれは非常に疑義を持っておる、疑いを持っておる。というのは世間には、これは審議未了に持ち込むために、事実上成立をさせないようにするために提案をおくらしているんではないか、こういうように言っておる一部もあるわけです。こういう点はいかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 日にちを切って申し上げますと、私の気持といたしましたら、できるだけ短い期日を申し上げたい心境であります。しかし、そういうことを言うことは、今度ははっきりした日限を切ることになります、そういう確信をまだ持てない段階、しかし、できるだけ早い日にちに提出できるということだけは申し上げられるという気持であります。 それから審議未了に持ち込むために提案をおくらしているというような議論があるやに承ります。そういうことを言う人があることは私も聞いております。しかし、政府は、この八十七号条約の批准は今国会においてぜひやりたいという決意でおることをはっきり申し上げておきたいと存じます。
○占部秀男君 ところが大臣、日にちをはっきりと切らないということから、大臣が幾らそういうように政府としては政府としてはと言って答弁をされても、われわれは率直にそれをそのまま受け取れないんです。というのは、あの十七日以来の国内法の整備、特に国家公務員の政治活動の制限の問題についての調整の面で、自民党さんの一部には、問題を労働関係よりはむしろ治安関係に発展をさして、政治活動の禁止まで持ち出して、これがごたごたしておるという内容を私は聞いております。三十一日には公労協を中心とした実力行使があるだろう。そこで、この実力行使をやらしてしまって、やらしてしまったあとから国内法の改正案を出すならば、相当強いものを出しても、自民党及び池田内閣にとっては有利じゃないかというような作戦的な形から、三十一日以降に批准案並びに国内法の改正案を出そうと、こういう動きがあるということが伝えられておるわけであります。そこで、われわれは、やはりそうではないということの証左に、はっきりとした日にちをある程度切ってもらいたい。この点も重ねてお伺いいたします。
○国務大臣(石田博英君) それは大ぜいの人々の集まりでございますから、いろいろな意見はございます。しかし、政府は、そういうような考えは毛頭ございません。それから日にちの問題でございますが、私はできるだけ早く提出いたしたいと思うし、また、そういう見込みがあるということまでははっきり申し上げられますけれども、私一人の所管でございませんし、党との調整等は私の仕事でもございませんので、直接やっておられる人がおるわけでございますから、私としては、日にちを明言することはいたしかねますけれども、しかし、できるだけ早く、しかも、もう先が見えておるということと、それから御指摘のような持って回った考え方を政府はいたしておりません。
○占部秀男君 なぜ私がかように申し上げるかというと、われわれのような主張は、これは私たちだけ、野党である社会党だけの考え方ではないのであります。今日、世論というものはほぼわれわれと同じような考え方であるし、識者のいろいろな言動の中にもその点がはっきりしておるわけであります。たとえば、この十三日の朝日新聞の社説は、「ILO条約批准に便乗するな」という題目で、いろいろとこの問題を取り上げ、その最終の段階に至って、政府の原案は、人事院の改組、在籍専従の三年後に一斉廃止、その他公労法の数点にわたる改定を含んでいるのであるが、当面の八十七号条約批准との関連からすれば、公労法四条三項、地公労法五条三項だけを削除すればよいのであって、それ以上の広範な改定は、八十七号条約の批准と直接の関係はないはずである。ILOから八十七号条約の批准を迫られているのは、ほかでもない、政府自身であることを、日本政府の名誉と信義のために忘れてはならない。よけいな便乗はやめて、批准を急ぐべきである。かような社説が出ておる。ところが、朝日だけでなく、各社の社説もほぼこれと同じような形の内容になっております。私は、もっと池田内閣、特にその衝に当たる労働大臣が、将来というものを考えられて、進歩的な方向に国内法の改正をするとか、あるいはまた、今度は批准案だけを問題点にするとか、そうした方向をたどってもらいたいと思うわけであります。 そこで、この問題は一応時間の関係がありますから、このぐらいでおくといたしまして、次の問題に移りたいと思います。 それは、今の朝日の社説とも関連することでありますが、池田総理は、私の本委員会での質問に対しまして、国内法の整備をするにあたっては、公務員の労働条伴の維持改善を念願して、前向きの姿勢で改正をしたい、かように言われているわけであります。ところが、新聞で伝えられるところ、およそ大臣から伺うところでは、私はむしろ逆行する形の内容になっていると思うのであります。 そこで、大臣にお伺いいたしますが、岸内閣の当時の内容と、そして今度の十七日の調整で新聞で発表された内容から見ますと、人事院の権限が分割されて、これが縮小されることは、これはもう明らかであります。ところで、人事院というのは、これは申すまでもなく、勤労者としての公務員が労働三権を剥奪された代償として、公務員の勤労条件を保護する、いわば中立機関、第三者機関というような性格を持って生まれたものであります。しかるに、今度の改正にあたって、公務員の勤労条件に直接間接大きく響くところのこれらの権限というものを、いわば使用者の側に立つ内閣に移管するということは、そのこと自体、公務員の労働関係の改悪であると私は考えますが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。 さらにもう一点、ILO憲章十九条では、御存じのように、すべての場合において、いかなる場合でも、条約を批准するに際しては、関係労働者の既得の権利や状態に不利を及ぼしてはならないと規定しているのであります。ところが、こういうような扱いは、明らかにILO憲章十九条に違反すると私は考えるのでありますが、この点、大臣はどういうふうにお考えになっているか。
○国務大臣(石田博英君) これも、元来は法案が提出されましたときにお答えを申し上げるのが順当であると存じます。ただ、人事院の役目というものは、今占部さんの御指摘の通りの役目をもって成立し、存在いたしているものであります。ただ、その中に、管理者の、あるいは使用者の、当然使用者に属すべきものも含まれているものでありまして、そういう点の整理はいつかは私は必要である。人事管理上必要であろうと考えている次第であります。
○占部秀男君 こまかい点については、また他の委員会で私は質問をしたいと思うのですが、そのあなたの言われた点については、今度の改正案の内容の小部分的なところにはひっかかっているかとも思いますけれども、率直に言って、大部分重要な点は、あなたの言われた御答弁では満足できないのです。たとえば、給与の問題一つを取り上げてもそうであります。現行法によれば、人事院の給与の勧告、この勧告については、賃金水準の問題と給与表の問題と職階制の問題、この三つが御存じのように要素になっている。ともに人事院の権限の中に入っているわけであります。ところが、今度の改正によると、賃金水準に関する勧告権の国家公務員法第二十八条の点は残されますけれども、給与準則の立案あるいは改定権、これらは御存じのように、六十三条、六十七条であります。さらにまた、職階制の立案権は二十九条、これらはいずれもとられてしまうという形になっている。これでは一番急所の公務員の給与問題について、大きく公務員そのものが不利益をこうむることは、これは火を見るよりも明らかである、これは常識であります。こういう点一点をとらえても、今度の改正案というものが、公務員の既得権を侵すということはこれは明らかであると思う。ILO憲章十九条の規定に違反するものであると私は考えるのですが、この点いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 占部さんは何かこう案がまとまって、固定して出されているような御議論でございますが、これはそういうものが出ましたときにお答えを申し上げたいと思います。
○占部秀男君 労働大臣に私はざっくばらんに伺っているつもりですが、あなたがそんなに他人行儀の御答弁をなさるなら、それでは私は逆に質問いたします。私が今心配しているようなところは、今度の国内法の改正案には出ないとあなたは私に約束ができますか。
○国務大臣(石田博英君) ただいま意見の調整中であることは、先ほどから繰り返して申し上げているところであります。調整中のものを、私はそれについての見解を述べる立場ではございません。それが、調整がまとまりまして、私の責任において案が提出されました場合、政府の責任において案が提出されました場合、それぞれ担当の国務大臣からお答えをするのが当然であろうと存じます。特にこの公務員法に関係する部分は、これは私の所管でございません。従ってこういう問題について成案を得ないうちに、あるいは調整中に、所管外の事項について私がお答えし得られる立場でないことを御了承いただきたいと思います。
○占部秀男君 あなたが言うことは、労働大臣の立場から言われておると思いますが、所管といえば、地方公務員法についてはそこに安井大臣もおられるわけです。しかし、私はほかの問題もあるので、この問題にこれ以上深く突っ込もうとは思いませんけれども、あなたの今の答弁では、国民全体が納得しないですよ。答弁になっておらぬのですよ。それじゃあ一体あなた方は、何を調整しておるのですか。新聞に伝えられるところでは、国家公務員の政治行動の制限について、これをどういうふうに法律化するかという点にだけ残って今調整が行なわれておる、他の点ではもうきまっておる、これはもう常識ですよ。大臣、その点いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) そのほかの条項については、ほぼ意見が固まりつつあるということを先ほど申しましたが、インフォーメーションとしてお答えをいたした次第であります。それからただいま公務員の政治行動をいかに法文化するかということだけが残されているということではなくて、公務員の政治行動についての問題があるが、その問題をこの際どうするかということが取り残されている問題であると申し上げた方が、適当じゃないかと存じます。
○占部秀男君 時間の関係もあるので、こまかい点はあとでお伺いいたしますが、……
○羽生三七君 ちょっと関連して。質問というより、注文を労働大臣にいたしておきます。 最近私見ておって、この行政府に対する党側の介入が非常に目立つわけです。たとえば医療問題もしかりですよ。それから中国問題についても、外交問題についても同様のことが見受けられます。また、今度のILO問題でも同様であります。だから行政府に対する党側の不当な介入については、大臣がもっと勇気を持って進まれんことを望みます。というのは、政党政治であるからそれは当然といえばそれまででありますが、あまりにもこの介入がえら過ぎる。大臣が勇気を持って所信に邁進して、うしろ向きのところへ邁進されてはなんですが、前向きの前進をされることを要望しておきます。これは答弁要りません。
○占部秀男君 問題点を変えて、私は大臣に率直に一つ望みたいと思うんですが、ただいままでの政府の作業を見ますと、国内法の整備は時代に逆行しておると思うのであります。そこでILO八十七号条約の批准にふさわしく、この際公務員に労働組合法上の団結権を初め労働三権をもとのように回復させるというような御意思はございませんか。
○国務大臣(石田博英君) 公務員と申しましても、一般の公務員とそれからいわゆる単純労務に従事している公務員とがございますが、その単純労務に従事しておりまする国家公務員に対しての取り扱いというものについては、検討をすべき余地があると存じます。しかし、先ほどから九十八号条約の中にも明示されておりまするように、公務員はある程度労働三権の制限を受けますことは、これは諸外国にも例のあることでございますので、他の公に奉仕すべき職務、専従義務のある公務員についての取り扱いは、目下のところ考慮いたしておりません。
○占部秀男君 大臣はそう言われますけれども、勤労者としての公務員に労働組合法上の団結権を認めたとしても、憲法違反になると、こういうわけではないわけでありますね。
○国務大臣(石田博英君) どうも憲法上の議論は、これはなかなかめんどうでございますが、私はただいまのような取り扱い、公務員に対する労働三権のある程度の制約という取り扱いは、憲法違反ではないと、こう考えておる次第であります。
○占部秀男君 大臣の御答弁は答弁になっておらぬですよ。マッカーサー書簡が出た前は、御存じのように、新憲法で労働組合法上の団結権はあったのです。当然今の憲法のもとでは、一般公務員について労働組合法上の団結権を認めるというそのことについては、憲法違反にはならぬと私は考えるのですが、どうですか。
○国務大臣(石田博英君) それは今御指摘の通り、現憲法下にそういう事態が存在したのでありますから、そのことが憲法違反ということを言うことは、これは私どうかと思います。
○占部秀男君 とするならば、今公務員に加えられておるところの制限は、憲法で禁止されているのではなくて、政府の憲法解釈から生まれておるものにすぎないのであります。ところが、今度の八十七号条約は、言うまでもなく公務員も労働者の範疇に加えてこの条約が成り立っておることは御存じの通り。しかもその第十一条には、団結権の擁護を規定している。その団結権については、労働者の団結権と明らかに規定してあるのであって、たとえばわが国の憲法二十一条にいうところの結社、一般の意味における結社とは異なっておることは、これはILO自身が明らかにしているところであります。そこでこの条約を批准する以上は、政府の憲法解釈もこのILO条約の精神に沿うように改めて、労働組合法上の団結権をともかくも公務員に与えることが、池田総理のいわゆる前向きの姿勢の改正ではなかろうかと私は考えるのですが、その点はいかがでございますか。
○国務大臣(石田博英君) 現在の公務員制度、日本のとっております公務員制度は、政府の一方的な憲法解釈によって生まれているということよりは、憲法解釈から公務員制度のあり方というものは、それは幾つか考えられると思います。従って、先ほどおっしゃったように、現憲法下において公務員に労働三権を与えておった時代があるのでありますから、従ってそれがまた憲法違反でないと同じように、憲法十五条前後に書いてあります公務員についての資格、義務というようなものから、現在のような法制をとっておることも憲法上間違いじゃない、こういう立場に立っておるわけであります。公務員について労働三権をもとのように与うるべきであるという議論も、私はわからぬわけではございませんけれども、しかし現在のところ、それをいたす考えはありません。ただ、では単純労務の人々に対する措置は、これは検討を要すべきかと考えておる次第であります。
○占部秀男君 私は現在の公務員のあり方について、憲法違反であるときめつけているわけじゃない。団結権を認めることは憲法で許されているのだから、ILO条約がそういう方向に進んでおるのだから認めたらどうかと、こういう点をお勧めして一おるわけです。まあしかし、大臣がそういうふうな御答弁でありますから、私はこれ以上この点については触れませんけれども、なぜ私がかような点について労働三権の問題を、この前の第二補正のときもそうでしたが、こだわるかと申しますと、公務員の労働関係の将来というものを考え、しかも、今日一般公務員が労働三権を取られておる。公務員の現業関係がきわめてそれを制約されている。これをどういうわけで起こったかという歴史的な過程を考えますと、どうしても日本の国の将来に関連をして私はその主張をせざるを得ないのであります。 そこで、私は大臣にあらためてもう一つお伺いをいたしたいと思うのでありますが、一般公務員が現在の状態になり、現業関係が現在のような法律規制になっておる。こういうことはたしか昭和二十三年のマッカーサー書簡を契機としてこういうことになった、かように私は考えるのですが、いかがでございますか。
○国務大臣(石田博英君) マッカーサー書簡というものが一つの材料、要素ということはいえると思います。しかし、もっと一般的には、その時代における公務員あるいは公社職員の労使関係における一般的不安定、さらにそれが公共に及ぼす影響というものが基礎的な背景をなしているものと考えます。
○占部秀男君 私はそれは逆ではなかろうかと思うのであります。というのは、当時は、これは大臣も御存じのように、日本は米国を主力とした連合軍の占領下にあった。そこで、連合軍司令官としてのマッカーサー元帥の書簡やメモランダムは、いわば国内法を越えるような形であの当時扱われておった。そしてマッカーサー書簡が出たということに基因して、ポツダム政令である二〇一政令が出た。従って、国家公務員法、地方公務員法が現在のようなやつができ上がっておるその淵源は、この二〇一政令にあったわけですよ。マッカーサー書簡を契機としてこういう問題が起こった、こういうことは明らかであると私は考えるのですが、いかがですか。
○国務大臣(石田博英君) 私は、決してその関連性は否定をいたしておりません。しかし、公労法、地公労法が制定をされ、またひいていえば、 マッカーサー書簡が出、二〇一政令が出た背景というものが、やはり一番大きな原因であろうと思います。
○占部秀男君 ところで、そのマッカーサー書簡には、これは大臣も御存じのように、あの当時の情勢の中から、公共の利益の優越を強調はしておりますけれども、労働組合運動の有する歴史的意義というものは承認する立場に立って、あの書簡が出されて、しかも政府関係における労働運動は制限された範囲で適用さるべきであるといっておるけれども、その制限された範囲における労働運動というものは、これはもう団体交渉としても否定してはいないのであります。これに輪をかけて便乗して、二〇一政令でいわゆる団体交渉権がないということを規定して、労働三権を一般から奪い、現業の公務員には非常な厳重な制約をしたというのが、この歴史的な過程だ。ところで、その後十年間の間に私は非常に情勢が変わっておる、かように思うわけです。というのは、ただいま大臣は、マッカーサー書簡だけではないと言われましたけれども、マッカーサー書簡が契機になったことは私は明らかだと思う。現在は占領下ではなくて独立国になっておるのでありますから、日本政府の独自な見解で、一応この問題を私は大きく再検討すべき時期に来ているのではなかろうかと思うのであります。というのは、世界各国の公務員の例を私はこの前お伺いいたしましたが、その例について、あとで、おわかりになっていることだろうと思いますので、ここでちょっと調べたところを言っていただきたい。
○国務大臣(石田博英君) 公務員についての労働三権の制限につきましては、私は、日本政府独自の立場から検討をいたしましても、なお現在にわかに御指摘のような、お話のような方向に変える意思はございません。ただ、この十年間の間に労働事情というものがだんだんと変わってきておる。その変わってきておる方向は、やはり安定の方向へだんだんと変わってきておるという認識について、度合いは別でありますが、私はその点は認めます。 それから、諸外国の例でございますが、イギリス及びフランスにおきましては、公務員は全く一般の労働者と同様の取り扱いになっておるのでありますが、他の国々におきまして、アメリカ、西ドイツ、あるいはノルウェーその他の国々におきましては、公務員はやはり三権上ある程度の制限を受けておるのであります。詳細は労政局長からお答え申し上げます。
○政府委員(富樫総一君) ただいま大臣のお答えの通りでございますが、そのうち特にアメリカ、西独について申し上げますと、アメリカにおきましては、団体交渉権につきましては、労働協約を締結するという趣旨の団体交渉権、あるいは不当労働行為という裏づけを持った団体交渉力といったものは認められておりません。なお、争議権も認められておりません。西独におきましてもほぼ同様でございまして、憲法裁判所の判例その他によりまして、公務員につきましても同じように労働協約を締結するという意味合いの交渉力は認められておりません。争議権もございません。
○占部秀男君 簡単に二、三の例だけを示されたのでありますが、もっと広い範囲で私は聞きたいと思うのであります。時間がないから、私の方から率直に申し上げますが、ILOの機関を通じて私の調べたところでは、労働組合の団結権を公務員が持っているのは、四十五カ国完全に持っております。そのうちスト権だけが制約されておるのが十一カ国、あとは労働組合としての団結権と団体交渉権を持っておるのであります。公務員が団結権を絶対、全く持っていないのは、チリーとペルーとグァテマラですか、この三カ国であるということを、私は調査を聞いて参りました。さらにまた、日本のように労働組合でない職員団体というような形をとっているのは、五カ国だけにしかすぎないのであります。もちろん、この中にはアメリカも入っておりますし、ギリシャ、ブラジル等も入っておるわけでありますが、五九国。世界の大勢というものは、この十年間に大きく変化している。どこでも公務員というものはいわば普遍的にスト権まで持って、多くの国々がかような姿になっている。その中で日本だけが、しかも一等国か二等国か知らぬけれども、文明国家といわれる日本国が、かような状態に公務員を置いておくということは、大臣、恥ずかしいとお思いになりませんか。その点、一つ。
○国務大臣(石田博英君) 一般に公務員についてのいろいろな法規定は、その国の実情及び歴史的経過の中にきめられるところでございますから、そのこと自体としては・私は恥ずかしいとか恥ずかしくないとかということは、申し上げる問題ではないと思います。ただ、日本の労使関係が、なおいろいろな制約を加えなければ正常な状態に立ち至っていない、国民に不安を与え、あるいは労使の安定が期せられないという実情、これは残念に思います。
○委員長(館哲二君) 占部君、時間が来ております。
○占部秀男君 それでは、時間が来たので、一点だけ別の問題を言いますが、特にかような私の主張は、公務員の生活権、特に労働権というものが、人事院——いわゆる労働三権をとられて以来というものは、必ずしも保障されていない、こういうところに一つの原因もあるわけであります。そこで、大臣にお伺いいたしますが、人事院の勧告をその通り実施したのはどのくらいございますか。勧告が何回出て、どのくらい人事院の勧告をその通りに実施したことがございますか。
○国務大臣(石田博英君) これは私の所管ではございませんので、公務員担当の閣僚にお聞きいただきたいと思います。迫水国務大臣であります。
○占部秀男君 それでは終わります。 念のために言っておきますが、七回——八回ですか、八回勧告があって、初めの一回だけで、あとは全部やっていないのですよ。こういうような状態に置いておいて、そうして公務員の労働権も生活権も無視しておいて、労働三権をとるということ自体が、これはもう時代に逆行した問題です。ただ、あとの内容のこまかい点については、時間がありませんから、その次にやりますけれども、石田内閣、(笑声)池田内閣も一つ石田内閣と言われるぐらいに進歩的な労働政策をとってもらいたいということを最後にお願いをして、私の質問は終わりたいと思います。 —————————————
○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。 本日徳永正利君が辞任され、その補欠として大泉寛三君が選任されました。 —————————————
○委員長(館哲二君) 高田なほ子君。
○高田なほ子君 文部大臣はおられますか。
○委員長(館哲二君) 今向こうに行っておりますから、すぐ来ます。 どうぞ御着席を願います。——高田なほ子君。 〔「委員長、休憩して午後にやりなさい」「休憩々々」と呼ぶ者あり〕
○委員長(館哲二君) 午後は十二時半に再開することにしまして、暫時休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ————・———— 午後零時四十七分開会
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を再開します。 この際、委員長から政府に注意を喚起しておきたいと思います。本委員会も連日各委員の非常な御勉強によって審議を重ねてきたのでありますが、昨日も政府側の出席がおくれたために約一時間ほどの時間を空費いたしました。本日もまた政府側の出席が悪かったために、時ならぬ時に休憩を宣せざるを得ないような状態になりましたことは、おそらく各委員全部が非常に遺憾なことと思っていられることと思います。あと時日も少ない際であります。どうか政府においても十二分の注意を払っていただいて、熱意を示していただかなければならぬ。政府の注意を十二分に喚起しておきます。 質疑を続けます。高田なほ子君。
○高田なほ子君 文部大臣にまずお尋ねいたします。 教育基本法の改正問題は、しばしば問題にせられてきたところであります。しかし、どうもその真意が必ずしもはっきりしていないようなところもあります。そこで、この教育基本法を改正したいという大臣のお考えは、これは個人的の政治的なアドバルーンであるのか、あるいはまた政府与党内においても、本問題についてはいろいろな点で議論されておるのか、この点をまずはっきりさせていただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。私が就任当時に公開の席で話をしましたときに、教育基本法の問題に触れたことがございます。そのことをめぐりまして一再ならず国会でも御質問がございまして、それにお答えしたという形で話題に上っておると承知いたしております。で、私が基本法に触れて、ある公開の席上で申しました意味は、日本の教育のみならず、政治の全般にわたりまして、戦争終結、敗戦、占領ということに関連をして、そうでなかった国に比べて非常に違った条件に置かれておる。憲法すらもがまさしくその一つの課題だ。憲法の趣旨にのっとって教育基本法が、教育の面ではいわば教育憲法というふうな立場において制定されて今日に至っておる。占領当時の占領軍の意思によっていわば与えられたようなものがたくさんある。そういうものは、占領行政の行き過ぎという課題として従来取り上げられて、改善すべきは改善するということで経過しておると思うのでありますが、そういう角度から・教育基本法の制定されました経過、その当時の環境、そういうことに思いをいたした場合に、教育基本法といえども、憲法と同様、独立を回復した日本人の自由な意思によってあらためて見直すという一つの課題ではなかろうか。よしんば、検討を加えた結果、現行の基本法と一言半句違いのないもとのままであろうとも、日本人みずからの自由な立場における自由な論議を通じての、日本人の見識をもってこれを再確認をするということすらもが最小限度必要ではなかろうか。そういう意味合いにおいて検討すべき課題だと私は思う、という考え方を表明したことがございます。今日でもそういう意味合いにおいて受け取っておるのでございます。
○高田なほ子君 お考えは大体わかりました。しかし、この教育基本法の成立の経過等については、大臣の真意を伺うことが今できなかった。しかし要約すると、占領軍から押しつけられたものである、日本人は押しつけられたものをうのみにしてできたのではないかというような印象が強く受け取れますが、あなたはこの成立の経過をどういうふうにおとりになっていらっしゃるでしょうか、これを伺っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。憲法は英語で書いた要項が与えられたことをスタートラインとして原案が作られたと承知しておりますが、教育基本法は、刷新委員会というものができまして、日本人だけで構成する、教育に特に関心の深い、また権威者の方々が集まられまして、刷新委員会で原案を作られて、戦前の教育勅語を中心とする教育の基本理念なり、基本制度がすべてこれは無効なりと宣言された直後、空白状態になった。これでは大へんだというので、これらの方々が原案を作られて、枢密院の議を経て国会に提案せられて審議決定せられたということと承知いたしております。ですから、その形式だけを申し上げれば、いわば民主的に、押しつけられないでできたと言えないことはないと思います。それはそう理解いたします。しかし、刷新委員会の方々といえども、GHQにアプルーバルをもらわなければ提案ができない政府側の立場であったことも万々御承知の上で、刷新委員会として御検討に相なった、これも確かな事実であろうと承知いたしております。従いまして、形式は整っておりましょうとも、あの当時の置かれた日本の立場、あるいは日本国民の立場、あるいは国会対GHQとの関係、そういうことを万々念頭に置きながら、言いたいことも言わないで、アプルーバルをもらえそうな限度内のことを原案としてお考えになって、それが政府案として取り入れられて提案された、そういうふろに理解いたします。国会の場におきましても、その速記録を克明に調べたわけじゃございませんので、その点は自信はございませんけれども、私も、占領直後の国会で法案等を審議します場合に、お堀ばたに何回も行ったことを思い出しますが、その場合に、政府案を提案する場合でも、事前にGHQの了解をもらわなければ提案ができなかった。提案されました法案、議案が衆参両院で審議されます過程においては、政治課長が国会内に駐在しておって、一切の審議のいわば監督をしておった。もしアプルーバルをもらった政府案が国会で修正されるという段階ともなれば、修正の動議を出す以前に委員会は休憩を宣して、そうして修正動議提案者とともに、当該委員長が渉外課長を引き連れてお堀ばたに行って、担当のオフィサーに英語に翻訳しました提案理由、あるいは修正原案等を持っていってごらんに入れて、通訳つきでその趣旨を説明をして、簡単なものはその場でアプルーバルがもらえたものもありますが、そうでないものは、たとえば明朝十時にやって来いということで、その間担当者が検討を加えて、その結果オーケーとなればアプルーバルがもらえる、そうでないものはやみからやみに葬り去られるという手続を経て、その間、国会の審議過程は完全にブランクになって、速記録に一言半句載らない。休憩前に引き続き委員会を開きますということで、その暗転の部分は全然なかったがごとき形において審議されておったことを承知いたします。終戦直後の国会——当時帝国議会でございましたが、その帝国議会の場における審議状況は、私みずからが体験はしておりませんからもっと厳粛であったろうと想像をいたしますが、教育基本法の審議過程におきましても、かりに原案に修正を加えたいという意向がありましても、アプルーバルをもらわなければ修正はできなかった。原案その通りが修正されないで通過したと承知いたしておりますが、そういう自由の意思が表明できない。あるいは占領政治の下請機関的な立場に置かれた当時の帝国議会、あるいは国会というものが、日本人みずからの見識が、国民の信託を受けた国会が、国民にかわって自由な意思を表明して国民の意思決定をする場ではなかった。形は整っておりましたが、実質的にはそうでなかったという審議経過を経て生まれ出たものと思うのであります。従って、私は今の教育基本法をすっと読んでみまして、規定されている内容の一つ一つが、ここはけしからぬからこうすべきだというものとはあえて考えません。感想的なものはないじゃございませんけれども、それは一私見にすぎない。しかし、今申し上げるように、刷新委員会の方々の原案作成のときから、政府がそれを受け入れまして政府案として提案する過程におきましても、また国会の審議を通じましても、完全に日本人の自由な立場、自由な意思が表明されて確定されたものとは考えられない、私はそう思うのであります。これは憲法といえども同断であると思いますが、その他もろもろの占領下に制定されました法律についても一般的に言える事柄だと思うのでありますが、そういう角度から独立回復後すでに十年、日本人みずからの見識を国会を通じて発揮していただいて、それ以前に慎重な権威者の検討の上にいかに扱うベきかを審議してもらうことはまあ当然といたしまして、そして、もし改正すべくんば国会を通して日本国民の、独立国日本人の自由な意思の表明のもとにこれが再検討の結論が出るならば、そのことは望ましいことではなかろうか。そうすることが一言半句変えない、今のままであってよろしいとなりましても、日本人全部に対して確信をもってこの教育基本法のもとに前向きに教育をしっかり仕立てていこうという決意も現われて湧いてくるのではなかろうかと、そういう気持から再検討さるべき一つの課題だ。それは条文の一つ一つがどうだというそんなことではなしに、これが制定されました当時の置かれたる環境あるいは成立過程、そういうことに顧みて自由濶達な国民的意思がこれを再検討してくれることが望ましい、そういう意味で申し上げておる次第でございます。
○高田なほ子君 占領政策がいかに厳しいかということについてじゅんじゅんと御説明いただきましたが、全くその通りだと思う。しかし、占領政策はなぜそれまでにきびしくなければならなかったのだろう、問題はここだと思うのです。すなわち戦争に対する考え方、この考え方が私は問題になるのではないかと思う。大臣は、占領下における占領行政のきびしさを通して戦争というものをどういうふうにあなたはお考えになっておられるのでしょうか。また戦争の責任というものをどう果たさなければならないということをお考えになっておられるのでしょうか。私はこういう根本的なお考えを聞きたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 戦争というものはあってはならない、あらしめてはならない、そのためのあらゆる努力を人間はすべきだ、日本人は特にその努力をすべきだと思います。占領政策がきびしかったということを通じまして、戦後十六年を経た今日われわれが静かに反省してみましても、そのきびしさの中から生まれ出たものがいいものがたくさんある。またしかし、戦いに勝ったものとして保障占領をしておるときに行ないましたものの中で、見当違いの、日本人の伝統的なよさも見失い、悪いところはうんと目立ったでしょうが、よさも見失い、歴史も無視し、もしくは日本の国の国民的な力もこれを解体するというがごとき野望もなしとはしなかったと思います。そういう見当違いから生まれ出たきびしさのゆえの、今日静かに日本人が考えて望ましくない、もしくは有害だというものもあり得ると思います。それは両方あろうかと思いますが、その両方を含めて静かに再検討をすることが適切である。その一つとして、やれ憲法だ、あるいは教育基本法だ、もろもろの占領下の法律制度等もそれが悪いからひっくり返せというのではなしに、冷静な自由意思のもとに検討を加えて再確認しようじゃないか。もしくは、その結論として修正しようじゃないかという目的を果たすための再検討と申すか、反省ということも同時に必要だろう、戦前戦後を通じまして一般的に申し上げれば、そういう気持でございます。
○高田なほ子君 この悲惨な事実を通して私どもかちとったと申しましょうか、一番尊い宝物は平和ということでなければならないと思う。大臣は、今平和という問題について私もその通りだ、こういうふうにおっしゃっていますが、結局、刷新委員会の議論というものは、詳細に議事録というものを私は拝見する機会がございませんでしたが、問題は平和ということ、日本の国をほんとうに平和な文化国家、戦争のない世界を打ち立てるためのにない手として日本がなければならない、こういうような一つの目標のもとにこの教育基本法が生まれ出たのだ、私はこういうふうに理解をする。しかし、ここに行き足らざるところ、行き過ぎたるところ、こういうところがあることについて私は改正するということは、これは一向差しつかえないと思います。これは差しつかえないと思う。しかし、大臣が基本法の改正について、地方に行って誤解を生むような放言をなさるということについては、これは慎んでもらはなければならないのですが、もし、あなたがこの基本法を本気になって再検討するとおっしゃるのならば、どういう一体手続をおとりになるつもりであるのか、また、これをどういうふうに一つ改正していこうとするのか、もう少し詳細に伺うことができませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。教育基本法が、御指摘のごとく平和を打ち立てていく、民主主義をさらに進展さしていくという基本的な線に立って憲法の趣旨に基づいて制定されておる前文の趣旨にいささかの異存もございません。私は憲法ももちろん再検討さるべきだと、一つの課題だと今でも思う。かつて、しばらくではございましたが、憲法調査会の委員をしたことがありますけれども、そういうことを通じましても、私自身今の憲法が貫いているところの平和主義あるいは民主主義あるいは国際協調主義というがごとき基本的な観念は、考え方はいささかも異存はありません。これはおそらく全国民そうだろうと思います。ですから、その角度からのお話だとすれば、教育基本法につきましても一つも疑念は持たないのであります。再検討すべきだと申し上げたその気持は先刻申し上げた通りでありまして、繰り返しません。私自身感想的な、こうもしたらという感じが全然ないとは申し上げませんけれども、それは単なる私の個人的な気持でしかない。ですから、そういうことをこういう公の場で申し上げるべき筋合いのものじゃないと思いますので申し上げません。審議、再検討するにいたしましても、文部省には御承知の通り中央教育審議会がございますが、既存の中央教育審議会を通じて御検討願うということはいかがだろうかと今は思っております。憲法につきましては、憲法調査会法によって、国会の御承認を経た制度づけのもとに大調査会ができておりますが、要するに私は、それに準ずる重要課題でございまするから、じっくり腰を落ちつけて時間をかけて先刻申しましたような角度から権威者に御検討をお願い申し上げたらいかがだろうか、これも今私見の域を脱しませんけれども、気持としては、さように考えておる次第でございます。
○高田なほ子君 権威者の意見もけっこうですが、最近の政府の権威者というのは、自分の政党の方に有利なような人だけを集める傾向がある。これは基本法の改正問題ということについては、きわめて重要な憲法改正に全く同じ比重を持つようなものであるから、この問題についてはよほど慎重に考えなければならないのじゃないか、こういう気がするわけです。私ども社会党でも、この基本法が制定されるときに、大臣が、全部がGHQからのいろいろの内諾を得なければ発言もできない、きめられないというようなことを言っておりましたけれども、私ども社会党では、この基本法を制定するときに、自由な意思で将来こういうものも付加しなければならないというような修正意見を四項目にわたって、修正というより、希望意見を四項目にわたって述べているわけです。たとえば憲法に明記された教育機会均等の原則の裏づけがこの基本法でさるべきなのに、それが不十分である。教員及び学生の政治運動の自由の保障が明示されていない。三は、教育財政についての明確な保障がない。四番は、フル・タイム学校に続くパート・タイム義務制を放置している、こういう四つの欠点をあげて、希望意見としてこの教育基本法が通過するときにこれを入れている。このように教育基本法そのものについても、あなたは口をふさがれて、形式的にこれをきめたのだというようなことをおっしゃっていますが、私はそうじゃないと思います。このような希望意見、しかも、法律そのものに対して、きわめて正当な意見を述べているのでありますから、この改正問題については、単に政府自体が気に入るような者を集めたり、政府部内だけでもってこれをきめるというような、そういうような性格のものではなくて、もっとこれは慎重に取り扱わなければならないものである。あなたが放言されて、地方で誤解を招くというような態度は、厳に私は慎んでもらいたいと思います。今後当問題についても、忌憚なくあなたは話し合う機会を私どもとお持ちになろうとする意思をお持ちになっておりますか。これが第一点です。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。ちょっとお言葉を返すようなことを申して恐縮ですけれども、教育基本法の審議のときに希望意見を出された、自由な気持で御発言なすった、それはそうだろうと思う。しかし、希望意見があるならば、当然原案が修正されることこそが国会の場の責任を果たすやり方だと思うのですが、それができなかった、やろうにもOKは、アプルーヴァルはもらえないという情勢でございましたから、せっかくのそういう貴重な御意見も、基本法の原案を改善するに至らなかったというくらいにきびしかった。そういう環境のもとに生まれ出た教育基本法がそのままでよろしいか、そのままでよろしいと結果的になるにしても、再検討をすることによって国民が再確認するという必要があろうということを先刻申し上げたような次第でございます。補足的に——ちょっと言葉を返すような格好になっておそれ入りますが、申し上げた次第でございます。 私は、再検討をするとして、私見でございますが、先刻申し上げましたが、広く私は権威者の御意見によって再検討ということが行なわれなければならぬと思います。憲法調査会にいたしましても、むろん自民党だけでやるのじゃない。社会党もお入り下さいということになっておりましたが、お入り下さらぬものですから、結果的に変になっておりますけれども、そういうことさらにへんぱなある目標をあらかじめ定めて、それでその方に誘導するようなけちな考えで再検討はやるとしても、すべきじゃない、そう思います。
○高田なほ子君 文部大臣、あなたはさっき私に言葉を返すとおっしゃいましたが、それはあなたの御意見です。しかし、このことがGHQのOKをもらうかもらわないかということなんかについては、議事録も何もないのです。意見を出したのに直されないというのは、それは占領行政下にあるきびしさだという、こういうふうにきめつけておりますが、それほどひがまなくてもいいと思う。あなたはこのいきさつについて、まだ御研究になっておらないと思うからそういうことを言っておられるのですが、これはここでやりとりの時間がきわめて惜しいので、このことはまたに譲ります。ただしかし、この基本法を改正するとか検討するとかいうことは、これは憲法そのものを基本にしたものであります。憲法そのものの今度は検討というようなことにならなければこれは問題は解決しない。憲法がこれは先なんです。憲法に基づいてでき上がっている。でありますから、この憲法そのものについての検討は自民党の方はお考えになっておりますが、私どもの方はけっこうな憲法だと思っております。そこらに意見の食い違いがあるかもしれませんが、憲法の精神を貫く基本法の改正というものは、憲法に相関連する法の性格を持っておるものだということについて、私はそういう認識を持っております。あなたはそういう認識をどういうふうにお持ちになっていらっしゃるか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 法律は、すべて憲法の精神にのっとり、それと矛盾しない範囲内で、国会を通じて審議決定されておるものと思います。教育基本法の再検討をかりにやるといたしまして、その再検討の結論として、ある部分が修正され、もしくは補足さるべしという原案ができ上がるとして、それはあくまでも憲法の範囲内においてそういう修正意見等があり得るという、当然その限界内のことであると思います。憲法が、かりに今度は改正されたとする、された後に、またそれに関連して教育基本法が検討さるべきことがあるかもしれない。教育基本法と憲法との相互関係は、私はそういうふうに思います。
○岩間正男君 関連。私は、ただいまの高田委員に対する文相の答弁というものは、非常に重要な意味を持っておると思う。大体教育の憲章といわれておる基本法です。日本の教育は十数年、戦後この基本法を根拠としてやられてきたわけです。現在六十万の教員と二千万の生徒児童は、この方針によって貫かれているわけです。このような、いわば教育憲章であるところの教育基本法を改正するためには、私は、はっきりやはり改正する点について明確でなければ、軽々に自分の私見とか、あるいは単なる感情をもって、これを再検討しなければならぬというようなことを文教の府の最高責任者が口にすべきではないと思う。その影響するところは雄大です。あなたが就任してから放言したそのことによって、どれだけの大きな影響を与えておるかということは、あなた自身のついに考え及ばないところであろうと私は思うのです。ところが、今聞いてみると、改正せざるを得ない、改正のための検討をせざるを得ないその理由というのは、非常に薄弱だ。つまり占領政策によってでき上がったものであるから、これについて現在の段階でそれを再検討しなければならないということ。もしそうならば、単に教育基本法にとどまる問題でありません。これは全般の法律について、占領時代にできた幾ばくの法案について再検討しなければならない。これは一般論です。この一般の理由で現在行なわれておる。そして、これにいろいろ支障がはっきりあるならば、あなたはその点を指摘して、こういう点だから、この点について改正をするというならわかるのでありますけれども、今のような漠然たる放言を最高責任者がすることは、非常に与える影響は大きいのです。こういう点から考えて、私は軽々に見のがすことのできない問題であると思います、ただいまのあれは。そのような根拠薄弱な、理由薄弱な、単なる文部大臣の一つの考え、そういうようなことでこれは動かされるところの問題ではないと私は思うのです。これはまあ総理がいればなお聞きたいけれども、あなた自身にこれはぜひ反省を願わなくてはならないと思う。もしあなたがそのような意見を貫くとするならば、あくまでもこの基本法のこことこことここはこうだ、現在の教育行政と照らし合わせてこうなっている、だからこういうものはこうするんだということをはっきり言わなければならぬと思う。しかも、あなたは言っているじゃないですか、すでに。新聞や、その他の記者会見の席上においては言っておる。しかし、この議場を通じては、あなたはこの点には口を緘して語っていられないという点は、これは国会の審議のために私は十分でないと思う。あらためてこの点をお聞きしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻高田さんにお答え申し上げたことで尽きていると思います。再検討すべき課題であると受け取ることは私の自由であり、また、責任でもあろうかと思っております。ことに岩間さんの属する共産党は、今の憲法に対して、公党としてそれぞれの欠点を指摘して反対をしておる。その反対をした憲法に基づいてできている教育基本法は、共産党みずからが再検討を加えるべきだと言うべきだと思うのでありまして、その点では岩間さんと私は同一のことを申し上げているような気持がいたします。
○岩間正男君 聞きもしないことに答える必要はないじゃないか。聞いたことに明白に答えて下さい。今の党のなにについては聞いていない。あなたは必要以上にこういう問題をここに惹起しておる。委員長から私ははっきり注意を促してもらいたい。毎日、何か共産党と言わなければ気が済まないような発言を繰り返しているところに問題がある。そういうやり方については、はっきり委員長は、当委員会の見識において、注意してもらいたい。必要以上に審議を延ばしているのはああいう答弁なんだ。これはほかの自民党の諸君も考えていただきたい。(「進行々」と呼ぶ者あり)進行々々と言うけれども、権威のために考えていただきたい。委員長、議事進行です。注意を促して下さい。今のような答弁を何回も繰り返しておる。必要のないことです。
○委員長(館哲二君) 今文部大臣から御答弁がありましたので、御了承にならないとしてもやむを得ないんじゃないですか。
○岩間正男君 委員長、注意すべきですよ。どうです、公正な立場に立って下さい。
○高田なほ子君 私は、公党の誹謗というものはあまりすべきものじゃないと思うのです、お互いにこういう場所で。 私は、最後にこの問題について、しぼって確認しておきたいことがある。今後基本法の改正という問題については、軽々にあなたが地方で放言なさらないことをお約束できるかどうかということです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 先ほど来高田さんにお答え申し上げている限度を出ないようにしたいと思います。
○高田なほ子君 約束していただいてありがとうございます。 一つ念のためにお伺いしておきますが、あらゆる法律がございますが、法律を改正するときの基本的な考え方というものを一つあなたに述べておいていただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 すでにある法律が、国民の立場に立って適当でないということがあると考えたならば改正する、そういう考えでいくべきものと思います。
○高田なほ子君 その通りだと思います。国民の権利を保障するという立場に立つ民主政治においてはそうです。今までの考え方は、上から法律でもって押しつけている、拘束している。そうして基本的な人権を押えていく、こういうような法意識に立っている。しかし、今の大臣のお考えがほんとうであれば、私は安心する。国民の立場に立つ、人権保障の方向に向いていくことが改正であって、それと逆の方向にいくことは改悪である、こういう立場を明確にしていただいたことを了といたします。 次にお尋ねをしておきたいことは、教育方針について、過日本委員会で辻委員の質問に答えられたのですが、その中で、最近の青少年の悪くなっていることは教師の責任である、こういうような結論を出されておる。教師の責任で、教育が悪いから、ほかの条件もあるかもしれないが、主としてそういう条件だから、だから教育基本法も直さなければならないという、こういう発展の要素を作るために言っていられるのだときり思えないようなことを言っておられる。ほんとうにあなたは、教師の責任によって今の子供たちが悪くなったというように、本気になって考えていられるのですか。この点をお尋ねしたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 先生は、ほとんど全部に近い大部分の方がりっぱな先生だと思います。一部の先生には好ましくない先生があるようであります。そういう意味で申し上げたのでございまして、私は繰り返して申し上げますが、義務教育課程はもちろんのこと、大学教授に至るまで、大半の先生は、真剣に子供たちの育成、学生、生徒の育成のために、人格形成のために努力してもらっておると信じて一おります。ただ、私がいつか申し上げましたのは、日教組という、その組織の中の幹部諸公の言っていること、していることがどうだろうか、あれをそのまま地でいった日には、教育の中立は脅かされはせぬだろうか、子供が不幸になりはせぬだろうかということを思うのでありまして、また、そう思わざるを得ない現実の事態が、最近に至りまするまで、枚挙にいとまないほどある。そういうことは最近は非常に少なくなりましたから、これはけっこうなことだとむろん思います。過去においては、新聞をめくれば幾らでも出てくる事例があることによって考えましても、中には心得のよくない先生もあるようだ、そういうことの影響をおそれるという意味で申し上げたのであります。
○高田なほ子君 一部の先生のどういうところが悪いですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 一番顕著なことを申し上げれば、日教組の大会で、ある政治目的を貫くために授業放棄をしろということを決定し、指令される。これは私は精神的な暴力沙汰だと思いますが、大半の先生はそういうことをなさいませんけれども、一部の人がやったことがある。そういうことを私はおそれておるのであります。
○高田なほ子君 組合の機関決定というのは、どういうふうな形で決定されるというふうにあなたは把握しておられますか。その点伺います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 組合大会の現場に臨んだことはございませんから承知いたしませんが、決定された結果は、書きものによって周知されておるようであります。それを根拠に申し上げておる。
○高田なほ子君 まあここで貴重な時間を費すのは惜しいようですから、組合の運営というものをもう少し勉強されたらよろしい。執行部というのは、何でもかんでも勝手にやってよいということはないのですね。みんな大衆の皆様方、集まった人たちが討議をして、そうしていいか悪いかということをきめて、きめたものを執行するのです。ですから、一部の人が悪いというようなことは、組合の一部の人がやってるんだというような考え方は、これは改めて、今後少し組合の運営という問題についても勉強なさることが、私はあなたが民主化される一つの方法じゃないかというふうに考えるわけです。 そうすると、この教師の責任というのは、組合の一部の人の責任だというふうにとっていいですか。これはえらいことです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えを申し上げます。 現実に現われました暴力沙汰やなんかということは、ほんの一部の人だと思います。高田さんもお話しのように、それは全員で相談してきめて意思決定するんだからとおっしゃるならば、たとえば授業放棄をせよということを御決定になることは、これはどうも好ましくないと申し上げざるを得ないと思います。
○高田なほ子君 戦術論について、ここで組合のことを知らないあんたと問答したってしようがないです。これは荒木文部大臣は御存じじゃないと思いますが、私のこれは確認書ですが、これは教員が戦後教壇に立つ場合にはこういう確認書をとられた。これも一つの占領政策ではあったと思いますが、この確認書というのはどういう内容を持っているかということは、ちゃんと響いてあります。これはとにかく戦争というものを今後やらないということ、日本の平和憲法を守って、ほんとうに平和な教育をしていくかどうかということについての確認なんです。ですから、戦後ずっと教員をやっておる人はそういう確認に基づきながら戦争というものをほんとうにみんなでもって研究し合った。研究し合った結果、戦争のない社会の中に子供を生かしていくことでなければ、ほんとうに子供のしあわせを守れない、こういうような確認の上に立っておる。ところが政府が再軍備をする、どんどん増強していく、外国軍隊を駐留させる。あまつさえ、そのことによって日本の純潔が汚されてきている。そういうようなものに対する教師の抵抗というものは、教師としての良心だと私は考える。これに対する教師の抵抗権というものをあなたは認めませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 戦争をしないということは教師に限らず、日本人は全部そう思っておると思う。そういう心がまえで銀行におろうと、役人をしておろうと、ことごとくの日本人がそう実践しておる。頭の中にも確信を持ってそういう道を歩いていると思います。 そこで確認書について仰せになりましたが、そのことを私は知りませんけれども、それを通じておっしゃることは、ことごとくけっこうなことであって、一言半句もかれこれ申し上げる余地のないことと存じます。その教師の心がまえと、戦争しちゃいけないだから政治的な問題については具体的に教師の立場でやむにやまれぬからああするのだ、こうするのだということは脱線だと思います。
○高田なほ子君 いや、私は戦争政策というものに対して教師の抵抗権を認めるか認めないかということを聞いておるのです。政治問題じゃないのです。これは純然たる教育権の問題です。これを認められなかったらどうするのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 今お示しのようなことについて、教師に限って抵抗権があるということは、今の憲法上、あるいは法律制度上考えられないことだと思います。
○高田なほ子君 憲法の何条にそういうことをあなたは規定してあると思うか。私は憲法の九十九条に——すべての人が戦争というものに対してこれを押し返さなければならないという、一つの抵抗権です。現在の憲法でいえばこれは国民の一つの権利なんです。義務じゃない。権利なんです。そうだとするならば、教育者として戦争というものに対して絶えず抵抗していかなければならないという考え方を持つのはあたりまえの話です。大臣、そういう権利をあなたが放棄されるようなことを考えているからおかしくなる。自民党の方だってそうじゃありませんか。再軍備政策をとっているから憲法というものを軽んじられる傾向があるんじゃありませんか。私は戦争というものに対する抵抗する教育者の良心というものはお認めにならなければならないと思います。あなたはどう考えられますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 抵抗権というものはどういう意味か私には理解できませんが、お示しのごとく、教師に限らず、教師はもう特にそうであってほしいと思いますが、国民が戦争はいやだ、戦争はしない、戦争になるようなことはあらゆる努力をして食いとめるという心がまえを持つ、人一倍教師が心がまえを持つ、そのことはこれは自由であると同時に望ましいことであると思います。だからといってそれをよく日教組がやられるような現実行動に移す抵抗権ありとは私は思いません。
○高田なほ子君 抵抗権というものをどういうふうにあなたはお考えになっていますか。ずいぶんおかしなことをおっしゃる。騒ぐことが抵抗権だと考えたら大間違いですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 われわれ日本人が持っております基本的人権、自由権というものは憲法に列挙せられたもの以外にはないと思います。
○高田なほ子君 これは押し問答だからよしましょう。抵抗権というのは、私は基本的人権であると、こういうふうに私は解釈しておる。この問題に時間を費やすことは……、非常に急がれますからここで切りますけれども、抵抗権というのは、何もわっしょわっしょと騒ぎ回ることが抵抗権ではない、基本的な人権、あるいは教育者として、憲法に反するような雰囲気がもしできてきたならば、しかもそれが戦争に行くというような雰囲気ができてきたならば、これに対してやはり立ち上がって、これを食いとめさせていくという精神だけではなく、それだけではなく、行動そのものにもこれを移すことがあっても、憲法違反でもなければ、むしろ憲法を守らねばならない公務員としての立場ではないか、こういう解釈を私はとっております。 次にお尋ねをいたしますが、しばしばここでも道徳教育の問題が議論せられましたが、道徳教育の抽象的な議論だけでしたので、この点をはっきりさせておきたい。 道徳教育は、何を何の目的でどういうふうに取り扱うかということが私は議論を展開する道だと思いますが、何を何の目的で、こういうことについてまだ伺ったことがありません。つまり道徳教育の中心的な課題は何であるかという問題です。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 学問的な言葉で申し上げるすべを知りませんが、道徳教育をやる目的は、子供たちが人間として、日本人として恥しくないような人間になってくれかしと念願して授けるものと思います。
○高田なほ子君 そんなことは聞かなくてもわかっている。私はあなたが前向きの姿勢で道徳教育をやると言っておられるから、前向きの姿勢は一体何かということについて大へん疑問を持っている。なぜ私がこういう疑問を持つかというと、愛国心という問題は、たまたま国家統制の方向に持っていかれるという日本の歴史がある。で、私ども社会党は愛国心という問題をあなた方より以上にあるいは考えているかもしれない。ですから愛国心というもの、そのこと、その内容、愛国心を持たない人の愛国心を涵養するように努める、そのことが前向きの姿勢だ、こういうふうにおっしゃっているようですけれども、道徳教育の中心課題がこの愛国心養成だというような説明をこの間されたように思いますので、その中心課題というものはどういうものなのかという点を聞いているわけです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 愛国心涵養もまた道徳教育の一つの重大な目標であろうと心得ます。心とは何ぞや、これまた学問的な言葉では言い表わすすべを知りません。しかし私の理解するところでは、愛国心とは読んで字のごときことである。しからばその国とは何か、国とは私どもの常識に従えば、国土があり国民がおり、そこにまた文化を持っている。で日本人を愛する、また日本の国土を愛する、日本人の持っておる文化を愛するということが最小限度の要素であろうと思います。そのことを涵養する意味合いにおいて愛国心がどうも薄らぎつつあるのではないかということをおそれているのであります。前向きの道徳教育と申し上げることは、その内容の厳密な学問的な定義づけはなし得ないにしましても、私でもわかりますことは、毎度申し上げることですけれども、これまた占領政策のゆえに、児童生徒に道徳教育なすべからず、厳命を下されてやめてしまった。戦前の道徳教育がすべていいと私もむろん思いません。今日においても温存さるべきものがあったであろうし、またそれを作り出しても、道徳教育は一瞬間といえども子供たちには授けないでおくという法はない。にもかかわらず日本人の意思に反して、道徳教育を学童にやっちゃいけないという命令のまにまに空白ができた。しかも、独立回復後もそのままでずるずるべったりやってきた。ようやく一昨年から曲がりなりにそれが復活した。それをさらに充実していくということが前向きの道徳教育だと申すのであります。その内容は、私個人がきめるのじゃない、あくまでも教育課程指導要領に基づいて客観的に定められた線に沿って行なわるべきものだと思います。
○岩間正男君 関連。
○委員長(館哲二君) 高田君よろしゅうございますか。
○高田なほ子君 道徳教育は関連さして下さい。
○岩間正男君 文相のただいまの答弁は、私は事実に反していると思う。いつGHQが道徳教育をやっていけないという指令を出したかはっきり言ってもらいたい。道徳科の特設の問題と道徳教育をあなたははっきり混同している。現在の一年有半前までの教育だって道徳教育はあらゆるところで行なわれておる。ただこれを修身科とかあるいは倫理科とか、そういうような特設の科目としてはやらなかったというのが日本の終戦後における教育の体系であります。あなた自身の言葉によると、道徳教育をやっていかぬということを占領軍が指令をした、それに従ってそれをやったというふうに問題をすりかえておりますけれども、いついかなる指令によって道徳教育をやっていかぬということを占領軍が出したか、はっきりお示しをいただきたいと思う。重大な問題ですよ。修身科をやめろということはあったと思う。しかし、二つを明らかにあなたは混同している。とんでもないこれは間違いです。この点明確にしてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。終戦の昭和二十年の十二月押し詰まってから命令が出ている。修身もやめろ、日本地理もやめろ、日本歴史もやめろという指令が出ております。その後岩間さん御指摘のように、社会科の中からおのずから道徳教育というものはやれないものでもないから、その方式でやれというやり方でやってきていることは、私も承知しております。それが私はGHQの指導の誤りだと思います。本国のアメリカでは、はなたれ小僧のときから教会に通って、宗教的な情操教育を通じて日本の従来の修身教育より以上の徹底した道徳教育が行なわれている。だから日本もそうではなかろうかとGHQが思ったかどうかは私は知りませんけれども、あたかもそうであるかのごとく、社会科で関連してちょいと教えればよろしいのだと思って指導したところに誤りがある。欠陥があると私は思うのであります。従って、アメリカと国情を異にする日本におきましては、凡百の宗教がございますけれども、子供の道徳教育にまで入り込んでいないということにかんがみまして、道徳課程を独立のものとして子供に授けるということは非常にいいことだと思います。
○岩間正男君 今の答弁は答弁になっていませんよ。私ははっきり事を分けて話したわけです。道徳教育をやっていかぬという指令が出たとあなたは言った。だから私はいつ出たかと聞いている。特設の修身科やそれから道徳科という名前でのものはGHQがやめろということを言ったことはあります。しかし道徳教育をやめろと言ったとはとんでもないことです。あなたは事情を認識していない。現在の学校教育を侮辱している。修身科や道徳科は特設しなかったけれども、今までも学校ではあらゆる機会にやっている。それを何かかつての忠君愛国的な軍国主義的な、木口小平は死んでもラッパを離しませんでしたという教育にもどそうというのか、これが道徳教育か。だからはっきり、そこに内藤初中局長がおりますから、あなた知っているでしょう、実際の監督だから。GHQから出た指令をここで読んでみなさい。明確だ。そういう事態を出まかせで答弁にならないことを答弁して、苦しくなると、アメリカのことまで出してくる。答弁にならない。はっきり言ったことを答弁してくれ。いつ、いかなるときに道徳教育をやっちゃいけないという指令が出たか、明確にして下さい。答弁は要領よく、何月何日と……。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど申し上げたことで十分なことだろうと思います。
○岩間正男君 初中局長に聞いている。
○高田なほ子君 道徳教育をやっちゃいけないという指令は出していないのです。修身科の特設の問題です。 そこで伺いたいのですが、占領政策はけしからぬとあなたはおっしゃったけれども、それは修身もやらせなければ地理も歴史もやらせないのはけしからぬと言った。あなたはそういうお考え方ですか。なぜ占領軍はその三科目についてこれを特別にやるなと言ったのか。私は戦争に対するあなたの反省というものに非常に疑問を持ってきておる。今の答弁の中で。なぜそういうものをやっちゃいけないという指令が出たのか。命令の出た理由をもっとあなたははっきりすべきじゃありませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 占領軍がそういう命令を出しましたのは、占領当初の占領政策の基本線は、いかにしてこの憎い日本を立ち上がらせないか、軍事的にはもちろん、経済的にはもちろん、政治的にも。しかも、それは忠君愛国に貫かれているからもってのほかだ。だからまず修身はやめろ、修身はすなわち道徳でありますが、やめろ。日本地理、日本歴史などというようなものを特別に教え込むことが、またいわゆる忠君愛国に結びつくおそれがある、そういうこともあったでございましょう。しかし、持ちきたらんとする目標は、いかにして立ち上がれないようにするかにあった。これは今日においては周知の事実と私は心得ておりますが、その後二カ年ぐらい経過した後は考えが変わったようでございます。しかし占領軍の方はどういう考えでありましょうとも、さようなことは抜きにして、今日冷静に考えて道徳教育は必要なり、日本人の子供である限りは、日本がどういう国土であるかを知らなければ、人間らしくもないし日本人らしくもない。日本の民族がいかなる経過を経て今日にあるか。諸外国から少なくとも勤勉であり正直であると言われるそういう民族が、どういう生い立ちを経て今日にあるかということが明確にわからないと、日本人としての意識がわくはずがない。日本人の意識がわかないと、人間として世界に通用しないはずである。そういう意味合いで申し上げたのであります。
○高田なほ子君 あなたはそういうお考えです。私どもはこの道徳教育に反対じゃない、今までもずっと学校でもやってきておる。そのやり方がます目式の昔のように時間割式にやらなければ気が済まないという考え方がいけない。もう一つは、今までの道徳教育というのはみな縦の道徳であります。みんな従っていかせなければ気が済まない、つまり国家権力を中心とした道徳教育がいけない。道徳の基準というのは時代とともに変わっていく。社会の発展性を伴う道徳観というもの、それで、社会の中で社会生活と離れたます目式の、時間割式の、徳目式の道徳教育というのは現実の社会の発展性に役立たないということで、私は政府の言う道徳教育について批判している。何も道徳教育が悪いと言っているのじゃない。むしろわが国の道徳を害するようなおそれのあった、いわゆる外国軍隊の駐留、こういう問題について、私はもう少し目を向けなければならないのじゃないかと、こういうような気がするわけなんです。そこで、大へん話が暗くなってしまってせつない気持です、私も。もっと明るい面でこの国を愛するようなやり方というものは考えられてもいいのじゃないか。そこで厚生大臣に、もう少し明るい面でこの国を愛するような政策というものを打ち立てられる方法があるのじゃないかと思います。ときしも新聞等で花一ぱい運動というのが出ています。大へん私はこういう運動はいいと思う。それからまた、緑化運動の推進、こういうようなことは大いに祖国を愛する意味において大切な問題だと思う。ところがごらんなさい。学校の庭にいけば丸裸じゃありませんか。一本も木のない学校さえもある。もっともっと花一ぱい運動あるいは緑化運動というものが全社会生活の中に展開されるような方向にいってもらいたい。文部大臣はこういうような運動、あなたはおきらいじゃないでしょう。もう少し閣僚がこういう明るい面に力を入れるということが必要のような気がいたします。厚生大臣は、今までの緑化運動とか、今地方公共団体で起こっておる花一ぱい運動とか、こういうものについて、どういう感想をお持ちになっておるか、もし積極的にこれを進めようというお気持があるなら、これはこの際大いにやってもらいたいと思いますが、この辺どうですか。
○国務大臣(古井喜實君) 緑化運動につきましては、私は個人的ではありますけれども、従来から非常に関心を持っておるのみならず、参加してやっておった一人でありまして、大いにけっこうだと思います。で、高田さんのお尋ねの御趣旨もあるので、今まで何かそういう明るい方面のことをやっておったか、やっておらぬか、少し調べたのですけれども、今までも、たとえば自然に親しむ運動とか、国立公園大会とか、それから保養温泉地の全国大会とか、それから先ごろもやりましたけれども、赤ちゃんコンクール(笑声)母と子のよい歯のコンクール、世界子供の日など、特色はありますけれども、明るい方面のこともやっておったようでございますが、お話の花一ぱいも私まことにけっこうだと思うのです。国民全体の気分を明るく、ほがらかにする。まして病気とか貧乏とか不幸な境遇にある人のことなどを思いますと、そういう人にも及ぶような今のような運動が展開できると大へんよいことと私は思っております。
○高田なほ子君 賛成していただいて大へん私もうれしい。しかし、けっこですというだけではこれはいけないので、やはり国として呼び水くらいは考えてもいいのじゃないか。先般も指摘したように、自衛隊の残飯が一日二十万円もあるということなら、そういう金をこの花一ぱい運動とか緑化運動のために呼び水として出してやるということも一つの方法じゃないか。デンマークの方に行くと、日本でいう団地のあの集団住宅の窓がずっときれいな花で全部かざられて、実にそれは花電車のように美しい。日本の団地はおしめばかりぶら下がっておる、乾燥室がないからですね。そういう花一ぱい運動なんかは、厚生大臣だけでは進められないと思いますが、どうですか文部大臣あたりも、児童文化運動としてこういう運動を展開するように、大蔵大臣もおられるのですから、一つ、明るい運動を展開するように、みんなで気持を合わせてやってみようじゃありませんか。予算をこういうところにはお取りになるお気持はありませんか。大蔵大臣はどうですか。暗過ぎますよ。
○国務大臣(水田三喜男君) 明るい話は大賛成でございまして、予算の要求があれば、金のある限りは出したいと思います。(笑声)
○高田なほ子君 少し愚弄した答弁じゃないですか。あなたには御答弁は求めません。厚生大臣いかがですか。
○国務大臣(古井喜實君) これは、あなたも今もおっしゃったように、厚生省だけの仕事では幅が狭いのであります。学校に花を植えるならば、文部省と一緒にやらなければいけませんし、面が広いのでありますから、私どもだけというわけにはいきませんけれども、これはまあ民間の金もあろうし、自治体の金もあろうし、足らなければ、大したことじゃありませんから、大蔵大臣も出してくれるに相違ないと思います。一つこれはできるだけこういうふうな面を進めるように考えていくことはよいことだと思いますので、よく考えさしていただきたいと思います。
○高田なほ子君 文部大臣、道徳教育はまだ問題の点がありますけれども、私は今の道徳の中で、性道徳というものが頽廃しておるということに実際心配をしておる一人なんです。これはおとながずいぶんひどいんですね。おとなのことは私かれこれ言いませんけれども、子供の純潔教育という問題について、あなたは、どういうふうに学校が実施されておるのか、性教育の面がどういうふうに実施されておるのか、こういう点についてどれだけの認識をお持ちになっていらっしゃるか、これを伺いたいのです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。はっきりした実態認識は持っておりませんが、まあ学校では養護教諭ないしは学校看護婦の方々に特にその点に関心を持っていただいて今日に参っておる。さらに指導要領におきましてもそのことの重要さを考慮に入れて、今後は特に力を入れていこう、こういうことになっておると承知いたします。さらに学校外の青少年に対しましては、社会教育の面でその指導者たちに、これもむろん十分ではございませんけれども、パンフレットその他を通じ、あるいは講習会等を通じて指導者を育成することによって、間接的に純潔教育を、社会教育面における努力をしてもらおう、そういう状況にあると承知いたしております。
○高田なほ子君 文部大臣は、金がかからないで、国の思う通りの子供をこしらえていこうということで道徳教育ということに非常にやっきになっていらっしゃいますけれども、肝心かなめのところがないじゃありませんか。今の御答弁では、ほとんど御答弁にならないのですが、事務当局から、純潔教育はどういうふうにされておるか、予算はどのくらいで、何をしておるのか、これを説明をして下さい。
○政府委員(内藤誉三郎君) お答えします。小学校、中学校の段階におきまして、保健体育の時間、この中で、生理衛生の関係もございますので、その身体の発育の状況を教える場合に、性教育についても当然指導するわけでございます。また道徳教育の指導要領の中におきましても、男女の交際のあり方についてどうしたらいいか、こういう点で特に道徳教育の中に一項目を起こしておるわけでございます。ただ、予算がどれだけかかるかということになりますと、これはむしろ男女の交際のあり方の問題でございますので、指導者が十分その心がまえを持つことが大切であり、そういう指導をすることが必要でございますので、別にこの関係のためには特別に予算は組んではおりませんが、教育課程全体を通じての講習会で五千五万円を計上して実施したようなわけでございます。
○高田なほ子君 純潔教育の予算は八十二万円じゃありませんか。
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいまの八十二万円とおっしゃったのは、社会教育関係の指導者の講習会に必要な経費でございます。
○高田なほ子君 純潔教育というものは、この指導者養成が大へんむずかしい問題になっている。ですから、この八十何万円という、そんな純潔教育なんというものは、私はナンセンスだと思うのです。これはもう政府自体が純潔教育というものについて本気になっていない、こういう私は証拠だと思う。学校教育の中にももちろん本問題を取り扱うことは当然でありますけれども、文部大臣、最近の女子の子供たちの初潮年令はどのくらいになっているか御存じでしょうか。念のために伺っておきます。(笑声)
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げたいのでございますが、材料がございませんから、政府委員からお答えさしていただきます。(高田なほ子君「笑う問題じゃないですよ」と述ぶ)
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいまお尋ねの初潮の時期でございますが、大体小学校の五年ないし六年のころになると、早い者はあるように聞いているのでございます。まあ若干特殊な体質によりまして、それよりも早い場合があるやに聞いております。
○高田なほ子君 もっと研究なさった方がいいと思います。(笑声)こういう問題を私が出したのは、もっとやはりこまかいところに愛情やそれから研究というものが必要じゃないかという、こういう意味でもって質問しているのですよ。もう少しこの道徳教育というふうなことをそれほどおっしゃるなら、男女のエチケットを、ただ机の上だけで教えたってしようがない。生きた社会の中でどうなさなければならないかという、あらゆるところで、徳目主義ではなくて、あらゆる社会の面、あるいは授業を通して、こういう問題が子供の中に正しく把握されて、発展的な態勢をとらせるということが、私ども道徳教育のあり方だと、こういうふうに考える。大臣はもう少しこの性教育という問題について本腰を私は入れていただかなければならないと思う。今、十七や十八の子供が悪くなった悪くなったといって、大へん子供が悪くなったことだけを指摘されますが、これはちょうど今から九年前に、教育環境の問題をいろいろ私は指摘しまして、これをかまわないでおくと大へんなことになるぞという指摘をしている。つまりアメリカの駐留軍が軍事基地を中心にして、あらゆる子供たちの教育環境を破壊している。びょうぶを持ち出してパンパン遊びをしていたというその子供たちが、今ちょうど十七か十八。校庭に行けば変な衛生のあの道具がたくさん散乱して大へんな問題になっている。そういうところはもう全国の学校にある。そういう中でおとなになった子供たちが、今問題の子供たちなんです。で、教育者が一番立ち上がったのは、あの教育環境が戦争で破壊された、アメリカの駐留用によって悪い面の性の解放面だけは出されたということ、一番あの時代に教育者が立ち上がった。あなたは教育者に責任があるということを言われますけれども、あのときほど教育者が立ち上がった時代はない。あの中から児童憲章が生まれてきた。にもかかわらず、青少年の犯罪というものが増加しているのですよ。当時私は教員でありましたが、あのときくらい苦労して、あのときくらい真剣に立ち上がったときはない。その立ち上がりのゆえに教員組合というものが組織せられていった。こういう中でこの教員組合の言う道徳教育、あるいは私どもの考える道徳教育というものは、机上の空論ではない。体験の中から、いかにして子供がよくならなければならないか、こういうような、いわゆる前向きの姿勢の考え方を持っておるということを御理解いただきたい。 そこで、消極的な考え方でありますが、最近の営利主義によるエロ・グロ文化のはんらんというものはやりきれない。文部大臣はいかがですか。あるいはスポンサーがたくさんついて、おしりをまる出しにするようなのが、幾らでもテレビに出てきますけれども、ああいう問題について、もう少し何かないかというような、積極的なお考えか何かを表明されたり、また交渉されたりした事実がございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。表現の自由が世界一に恵まれております関係もあって、ただいま御指摘のような面に、ただ商魂たくましいばかりの無責任な表現の自由が横行し過ぎていると思います。これは法律によってどうするのだという課題ではなくて、それぞれの面の担当者が、おとながもっと良識を持って、子供にどういう影響を与えるかぐらいのことはわかっているはずだから、これこそ学問的に検討せぬでも、直感的にわかるはずですから、そういう人々がもっと真剣にこの問題を念頭に置いて自粛してほしいと、これは国民的な要望だろうと思います。それ以外は、文部省としてそれを法律なり制度なりによってどうするという考えは、今持ち合わせません。ただ、ひたすらにそれぞれの関係者の自覚に待ちたいと、かように思います。
○高田なほ子君 私は、法律でこんなことをきめるということは、やはりあなたと同じ考えを持っておりますが、しかし意見の表明ぐらいはしたっていいのじゃありませんか。そういうことはなさらないのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。意見の表明もむろん意味がないとは申し上げませんけれども、それ以前に、そういう自由の権利をもって表現しておる人々が、自由の背後に必然的に伴うであろう社会に対する責任観念を持ってもらいたい。子供ではございませんから、文部省がそういう訓示めいたことを言うこと、それ自体がいささか気恥しいような気持でございますから、今としてはそういう意見の表明も差し控えた方がかえってよくないかという工合に思います。
○高田なほ子君 資本主義の社会では、営利主義というものは一番重んぜられる。この中では、子供に対する責任なんというものを考える余裕はないのです。利潤の追及これ一本でいく。そういう世の中であればこそ、あなた遠慮する必要はないと思うのですね。もう少しあなたの意見、これじゃ因るから何とかならないかというような意見を出されるということは、私は望ましいことではないかと思うのです。 それから青少年の道徳問題をやかましく言われますけれども、青少年の不良化対策費は、文部省は年間三十一万円ですが、これはどういうふうに使われますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げねばなりませんが、まあ大体御質問の要点はあらかじめ承って、それに関連する政府委員だけを招致いたしておりまして、担当の局長がおりませんので、具体的にはお答え申し上げかねますので、他の機会に譲らさしていただきます。
○高田なほ子君 あなたは青少年不良化だから道徳教育をやるということで、終始一貫お説を唱えておられる。だから、三十一万円という青少年不良化対策費というものを、どういうふうに思われますか。年間三十一万円ですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。ばく然とした感想を申し上げても意味のないことですが、その金額をとってみましても、やり方が、たとえばパンフレットを作って配布するとかいうことだけだといたしましても、なおかつ少な過ぎる。もっと不良化防止に文部省としてなすべき積極的な施策を考えて、予算上も今後はもっと多くを獲得したいと思います。
○高田なほ子君 教育基本法が問題になっていますが、あなたに教育基本法が求めているところは、教育行政の完璧を期さなければならないことを求めている。道徳教育の強化を求めているのではない。道徳教育を言うならば、こういうような予算をしっかりお取りなさいということを、教育基本法はあなたにちゃんと要求している。そういう性格のものなのです。こういう点は十分一つ考えていただかなきゃならない点です。また、教育基本法の精神によると、教育の機会均等ということが、はっきりとここに明記された内容を持っている。ところが、最近の教育の機会均等というものは失なわれつつある。大臣はだいぶ努力されているようですが、問題をしぼりますけれども、高等学校の入学なんというのは容易ならざる問題である。社会党はもう三年も四年も前から騒いでいますが、どうやら今度予算が若干組まれたようですけれども、三十八年度をピークとして容易ならざる受験難が襲ってくるのです。これに対して全員入学ということを私ども考えておりますが、政府としては高校全員入学に対してどういう計画をお持ちになっているのか、この点を数字をあげて納得のいくように説明をしてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。三十八年から高等学校の生徒が急増することに対しましては、施設、設備の整備につきまして、今までと少し趣を変えましてこれこそ前向きの姿勢で授業に差しつかえないような受け入れ態勢を作りたい、こう考えまして、三十八年の学年度に間に合わせる意味合いをもって三十六年度からスタートをしまして、三十六、三十七年を合わせまして三十八年度の急増に対処したい、こういう考えで予算の御審議をお願いしておるのであります。高等学校も全員入学というお説でございますが、今まで、中学を卒業して高等学校に入学することを志願した者をとって考えれば、九〇%以上入学をいたしておると承知しております。もし中学を出た者をすべて高等学校に収容するとならば、それは一種の義務教育の年限延長という課題になろうかと思いますが、そういうことはただいま考えておりません。
○高田なほ子君 この問題ちょっと切れますがね。大臣、私の全員入学と言うのは、その入学率を考えての全員入学です。あなた間違ってとっていらっしゃるから、またこれあとでちょっと質問続けますが、安井大臣が本会議の御都合があるそうですから、安井さんにちょっと伺っておきますが、この教育の地方差という問題は、大へん大きな政治問題だろうと思うわけです。日本の義務教育というものは非常にアンバランスがあるわけです。鳥取県と東京とはだいぶ違う。非常なアンバランスがある。このアンバランスは教育の機会均等というものをくずしていく。もう一つの問題は、日本は山脈がずっと背骨のように本州を通っていますから、僻地の教育というものは日本の教育の中で捨てることのできない重要な問題である。そこで、このアンバランスをなくすためには、地方交付税と地方教育費の中で現在の交付税率二八・丘プラス〇・三こういうような交付税率だけでは間に合わないじゃないか、私そう思いますけれども、この交付税率というものを将来上げていくというような考え方はございませんか。
○国務大臣(安井謙君) お話の通り都会地と僻陬地とでは、いろいろと教育の形態、あり方等について相当な差があるということは事実であろうかと思いますが、しかし、それにいたしましても、これは社会的にも全体の環境の相違というものがあるので、むしろ教育そのものにつきましては、比較的差が少ないのじゃなかろうか。いろいろな外形的な問題とか、そういうことにつきましては確かに私は御指摘のようなものがあろうかと思います。そこで、まあ教育費につきましては交付税の配付といったような面でも非常に留意をいたしておりますが、この僻陬地に毛、十分なものも十分でないものも、でき得る限りのものがいくような配慮をしつつ配分の計算基準を立てておるわけでございます。ことに交付税そのものの率の増額という点につきましては、これは多いに越したことはございませんが、ことしから来年にかけましての地方財政の審議あるいは交付税自体の約九百億ぐらい三十五年度に比べまして自然に増加をいたしておるというような状況から、今直ちに税率を上げるというよりも、内容補正によって欠点を補っていくという方向に努力したいと思っております。
○高田なほ子君 内容補正の中で特に私考えていただきたいことは、僻地の教育というのは実に残酷なものですね、全国一律の単価基準では、僻地の教育をやっていけない面があるわけです。たとえば文教予算を見ましてもスクール・バスはことしは七台ですが、ボートは離島のボートが三台、テレビは九千校の子供がほしいのだけれども四百台しかテレビがない。それからちょうちん学校といわれて電気のつかない学校がたくさんありますが、これに対する補助、それから給食費の問題、それから僻地では貧困な家庭が多いので、おふろに入れないという子供が大へん多い、こういうような問題をなくすためには、基準単価にアルファーの補正をしていかなければならない、こういうような補正については、これは当然文部省と御相談いただきたい点ですけれども、将来御検討いただくことができるのかどうか。
○国務大臣(安井謙君) おっしゃる通り生活水準といいますか、環境から見て、都会に比べてはなはだしく差があるといったような状況も御指摘の通りであろうと思います。こういう点については、今の学校関係のいわゆる基準財政需要の算定につきまして、これは備品でありますとか建物の維持補修あるいは給食に関する人件費の増、そういったものを三十六年度では、ある程度まで増額見込みをいたしておる。そうして三十数億——四十億近い金がその関係方面でふえておりますが、しかし、今のように決して十分ではございません。将来ともこの点についてはできるだけ増額するように今後も考えていきたい。さらに必要な手段があれば講じていきたい。
○高田なほ子君 基準単価の再検討という問題については、お考えいただけませんか。たとえば学校の場合は九百人の児童の学校で通信費が一日十円です。二十万円のピアノで、これを二十年使えというのです。基準をあげると切りもないのですが、電話料は月に二千円だという、大きな学校で。まるでホッテントットみたいな基準単価なんです。野蛮人の基準単価なんです。こういうものは物価の値上がりとともにもっと再検討さるべきことではないかと思います。そうでなければ教育の水準を引き上げるというような形になっていかないというふうに私は思いますが、この不合理な基準単価というものを早急に再検討される用意がございますか。
○国務大臣(安井謙君) 教育関係の費用もさることでありますが、全体の行政費の水準を後進地域といいますか、未開地へどういうふうに割り振っていくかということが大事であろうと思いまして、その修正は、この三十六年度は相当全体の行政費として自治省においてもやっておるわけであります。その結果が今の三十七億ぐらいでございますか、来年度は補正でふえておる額。そういうようなことになっておりますが、しかし、まだ今のお話のように、不十分な点につきましては、今後もこれはできる限り努力をしていきたい。現在三十六年度につきましては、もう一応のそういう基準割当をやっているわけであります。
○高田なほ子君 まあこれ三十六年度はやむを得ないと思いますが、大きな中学校で五十円のまきが百把きり、これが基準単価なんていうのはおよそナンセンスです。私はナンセンスだと思う。こういうことを少し大臣、担当の方に研究さして下さいませ。これの改正のために一つ熱意を示して下さいませ。
○国務大臣(安井謙君) 今伺いますと、おっしゃる通り、今までの非常に水準が低いというので、たとえば通信費なんかは八千六百円の単価を一万八千六百円に上げるとか、また、備品等についても、さらにそういった率で三十六年度は相当な単価上げをいたしております。また十分これらの点についても、御指摘のような点もさらに検討していきたい、こう思っております。
○高田なほ子君 自治大臣お急ぎのようですから、私ももう質問を終わりますから、どうぞお引き取りいただいて……。
○委員長(館哲二君) ちょっと高田君に申しますが、先ほどは文部省の予算のことについてお尋ねになりました。今政府委員の方で調べがついたそうですから、ここで答弁させます。
○政府委員(天城勲君) 先ほどの青少年不良化防止関係の予算三十一万三千円につきまして御説明申し上げます。これは青少年の不良化防止のための児童愛護班を結成したい、並びにその指導者の講習会を行なうための本省の経費でございます。なお、たまたまこの事項が不良化防止という事項になっておりますが、このことの経費の中には、事項としては不良化防止ということに使っておりませんが、社会教育あるいは体育を通じまして、青少年教育振興のための経費としまして、施設等を含めて、本年度約六億余の経費が計上されております。
○高田なほ子君 まあ答弁としてはそう言うより仕方ないでしょう。三十一万円ばかりのものをこんなところに出して、不良化防止などと銘打つことはおこがましいことです。そこで、どうですか、これ大体取り込むといけませんから、五分たったら知らせて下さい。
○委員長(館哲二君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(館哲二君) 速記始めて。
○高田なほ子君 全員高校入学の問題については、私は、全部の中学卒業生を全部そこの高校に入れろなんていうことを言っているのではないのです。これは金のかかることなんですから、また、それぞれの希望もあることなんですから。しかし、高校入学率が二倍半、三倍、こういうようになって、それで中学の浪人が出るようなことをやっちゃいけないと、こう言うのです。それをやらないためにはどういうような計画をお持ちになっておるのかと、こう尋ねておる。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 いわゆる有名校には二倍、三倍、大へんな志願者が殺到するわけですけれども、結局各年度ごとに最近の状況を聞いてみますると、高校入学志望者のうち、九六%は高等学校に入っておる、あと四%が浪人だというわけですが、ですから、中学を卒業して高等学校に行きたいという志望者のほとんど全部が収容されておりますので、お話はございませんでしたが、今後のことを申し上げれば、三十八年から急増しますのにつきましても、ほぼその程度の進学率ということを念頭において対策も講じているような次第でございます。それで、お尋ねの点が、有名校に殺到するから大へんな入学競争になるのだという点だとすれば、これはある程度私はやむを得ないことであり、そう弊害だけを考えぬでもいいことじゃなかろうか、その能力に応じて学校に行くわけですから——とも思いますけれども、しかしながら、一面、有名校に自分の子供を殺到させないように、自分の子供のことはその親が一番よくわかることでもありますし、ことに、また学校の先生がよくおわかりだから、その生徒の能力に応じたところにやって調整してもらったら上がろうと、こう思うのであります。と同時に、有名校に負けないように、有名でない学校もうんと一つ充実して、全部の学校が有名校になるように学校の先生方も御努力を願いたい、こういうふうに思うのであります。
○高田なほ子君 どうもあなたは教育基本法の精神をよくわかっていらっしゃらないように、教育行政の面についても、もう少し研究していただきたいのです。そのことがあなたに課された私は使命だと思う。四%きり、これは浪人じゃないといいますけれども、そうじゃないのですよ。今度は人口の異変なんです。戦争が終わって帰って来た、赤ちゃんが生まれた、それが三十八年、三十九年、四十年と、中学校を卒業して高等学校に行こうという者が六割と見ても大体二百万、これを収容するのにどうするかということが今悩みなんです。ところが、ことしは公立高校の予算というものはあまりみていないじゃありませんか。詳しい方に一つ答えていただきましょう、そういう数字のことは。いかにも解消できるようなことをおっしゃるから、もっと数字的に言って下さい。できないじゃありませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 三十六年度では、普通高校に対しましては、工業高校も含めてではございますが、三十億円の起債財源を出すことによってまかない、先刻も申し上げましたように、三十六年度、三十七年度二カ年合わせて、三十八年の学年当初に必要な施設設備を整備して生徒の急増にも応ずる万全の措置を講じたいと、こういう考えでやっているのであります。
○高田なほ子君 もう終わりましたから、もう一つ確かめておきますが、これは普通の公立高校について、ことしは新設というものは計画ないでしょう、一つもないでしょう。それは今度あなたが新しく考えられた工業高校、これは予算にありますよ。しかし、普通の最も問題になる公立高校に対して、新設の予算がびた一文も組めないで、どうしてこの教育難を打開していくことができるかということが私は問題だろうと思うのです。これはもう少し大臣も研究されまして、子供をノイローゼにしたり自殺させたりしないように、高校の新設問題については、また詳しく分科会等で伺いますから、もう少し研究して実のある答弁をしていただくことを希望いたします。 終わります。(「休憩々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(館哲二君) そのまま暫時休憩いたします。 午後二時五十分休憩 ————・———— 午後二時十一分開会
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を再会いたします。 先ほどは運輸大臣の出席がおくれたために暫時休憩をいたしたのであります。運輸大臣につきましては衆議院の運輸委員会から強い出席の要求がありますのでその点をお含みおきを願いたいと思います。小酒井義男君。
○小酒井義男君 最初に、迫水経企長官にお尋ねをしたいのであります。公共料金その他の諸物価値上げにあなたからストップをかけていただいて、一応今おさまった格好になっておりますが、これで成果は上がったというふうにお考えになっておりますか、どうでございましょうか。
○国務大臣(迫水久常君) 公共料金に関する限り、これは認可がなければ上げられませんから、認可をストップしている間は、公共料金は上がらないものと考えております。
○小酒井義男君 そこで私は現在の状態をたとえてみますと、たくさんの魚が外へ出たがっておるのに、今一応網を張っておられるので、その綱の中にはタイやヒラメや、あるいはイワシやサンマが外へ飛び出そうとして、これは魚ですから、虎視たんたんというのは当たらないかもわかりませんが、そういう格好である状態だと思うのです。長官はそれを船の上からじっと今見ておられる、こういう立場じゃないかと思うのですが、そういう中で一番大きい魚はやはり国鉄運賃の値上げだと思うのです。公共料金の値上げ問題が端を発した一番最初は、やはり国鉄の運賃だと私は思うのですが、その一番大きい魚だけを網の外へ出そうとしておられるのですか。これはその魚が網を破って出ようとしておられるのですか、どちらですか。
○国務大臣(迫水久常君) 国鉄には最初から網をかけなかった、こういうことでございます。
○小酒井義男君 私はそういうことではたして公共料金の値上げが将来とも押えられるかどうかということに対して非常に不安を持っているのです。そういう大きい魚が出てきますと、あとからついていきますし、あるいは網を越したり砂の中にもぐったりして出ていく心配が多分にあると思うのです。やはり一番原因となった運賃の値上げを、これをこの際やめることが一番いいんじゃないか、そういうふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(迫水久常君) 国鉄の運賃値上げも、できることならしないで済ませたいということは、先般国鉄運賃値上げを決定いたします前に、いろいろ努力をいたしましたが、国鉄の運賃はどうしても上げなければ輸送力増強の根本に響いてきて、結局角をためようとして牛を殺すような格好になるということが明らかになりましたのでこれを承認をいたしたわけでございます。私鉄その他これに追随をするものがあるであろうということは当時から一応予想をいたしたのでございますが、率直に申しまして、もう少し何といいますか、軽く考えておりまして、一種のやはりムードでもって非常にその調子が強くなってきたものですから、一応みんなよく理解をして、よく考えて、政府の方でもよく調べる時間ないしは一般のこのムードがおさまる時間、一応ストップしようというのが政府のせんだってのストップの問題であります。
○小酒井義男君 国鉄運賃の問題はいずれ運輸委員会ででもいろいろ質疑が続けられると思いますから、詳しい内容には私は入りませんが、私の一番心配をしていることは、国鉄の運賃の値上げ、これと揮発油税の引き上げ、これは将来いろいろな尾を引く大きな原因になると思うのです。そういう点が私の杞憂で終われば幸いだと思いますが、この問題は私は簡単に楽観はできないだろう、こういうことを申し上げておきたい。 次に、国民所得倍増計画に関連をいたすわけでありますが、この政府の計画と運輸関係の運輸省の所管する仕事とは非常に私は重要な関係をもっていると思うのです。あなたの方の計画が達成されるかされないかということは、この交通運輸の関係が完成できるかどうかということが一番大きなといっていいほどの関係をもっていると思うのですが、こういう点について計画が、たとえば国際航空、国内航空、あるいは外航海運、内航海運、あるいは自動車と道路、そういう点についての計画が少し予算を通じてみますと具体化されておらない、軽く扱われているというような印象を受けるのです。そういう点はどうお考えですか。
○国務大臣(迫水久常君) お話しの通り、運輸交通ということが経済基盤の整備できわめて重要なところでありまして、たとえて言えば、経済という子供に着せる着物のようなものでして、あるいはくつといった方がいいかもしれませんが、これがちゃんと整いませんければ、小さなくつをはかされて背の伸びが悪くなるということで、従いまして交通の関係の計画というものはこれは非常に重要な問題だと思います。所得倍増計画でもその点は十分に配慮して作ってあると考えております。今回の予算との関係でございますけれども、非常に率直に申し上げますが、船の問題、海運の問題が若干もう少しと、こういうような感じがすることは事実でございますけれども、他のものはおおむねこの所得倍増の計画の線に沿い得ていると考えております。
○小酒井義男君 運輸大臣に次にお尋ねをしますが、外航船舶の問題については、過日松浦委員からだいぶ質問がされておったようでありますが、経済企画庁の想定している成長率に見合うと、昭和四十五年千三百三十五万総トン、年間九十七万トンの建造が必要だ、こういうことがはっきりもう活字の上にも出ているわけなんですが、そういう状態の中で運輸省としてはそれではどういうふうに予算要求等をされておったのか、その点はどうですか。
○国務大臣(木暮武太夫君) 外航船の問題でございますか。——御承知の通り、所得倍増の構想によりますると、大体輸出におきまして年々八%、輸入におきまして年々九%の分量が増加するようになりまして、昭和四十五年度におきましては、輸出において二千二百六十万トン、輸入におきまして二億三百五十万トンというようなものになるのでございます。こういうふうに、輸出、輸入とも非常に増大いたしますことに関連いたしまして、国際収支の改善をはかりますためには、外航船舶というものの増強ということがきわめて大切であるというので、御承知の通りに、三千九百五十万トンを目標といたしまして、それまでに九百七十万トンを新しく作り上げようという計画を持っておるのでございます。しかしながら、すでに御承知の通りに、日本の海運企業というものは、非常に基盤が弱いのでございますので、これの成長をしながら、外航船を作っていくような指導をやりたい、こう考えまして、自己資金と、それから借入金と合わせまして、初年度においては五十万トンくらいの船舶の建造をいたす予定をいたしておる次第でございます。
○小酒井義男君 一応そうなっておるようですが、過日松浦委員のこの問題に対する質問の際にも、経企長官も、近く、来年度と言わない、近くこれに対しては何らかの方法を講じなきゃならぬというような意味の答弁をなさっておるようですが、そういうことをお考えになっておるのですか。
○国務大臣(迫水久常君) 年度割り九十七万トンでございますが、所得倍増計画にもきわめて明瞭に書いてございます通り、償却前利益のベースというものをこわすわけにはとうていいかないから、従って年度割り通りに作るということは困難である、前半期においては企業の基盤を強化するということに重点を置いて、後半期に大きく建造していく方針をとるということは、所得倍増計画にも書いてございますが、本年五十万トンというのはいかにも少な過ぎるような感じがするものですから、先般来、何とか造船に関する一つの計画を立てて、もう少し方法を講ずることはできないかということで、運輸省、大蔵省とも相談をしようと言っておるところでございます。一応の計画でございますから、これが進行している過程において、そういう新しいプラスアルファーの計画が立ちますれば、年度の後半あたりからでも、くっつければくっつけられるように思いますので、国会忙しい最中はなかなか大へんなものですから、一つ計画を立ててみたい、こう思っております。
○小酒井義男君 私がこういう質問をしますのは、実は先般当委員会から、兵庫、岡山地方の視察に行ったのです。瀬戸内海の沿岸が非常に埋め立てられて、そこに工場がどんどんできておる。あそこへ大型の船が直接横づけされるようになって、原材料の取り下ろしができるようになると、これは非常に日本の経済にとって有利な条件ができてくる。そういうことを見てきたのです。ところがそういうことを一方ではやりながら、その原材料を運ぶ船をどうするのかいうことに対して、政府の今やっておられることが、非常に歩調がそろっておらぬという印象を実は受けたわけなんです。で、問題になるのは、私は現在の海運界というのは、非常に基盤の弱いところですから、この基盤の弱い海運界を、どうして造船量をふやしていくという方向に持っていくことができるかという、そういう点に一つ問題点があると思うのです。そういう点について、これは運輸大臣からお聞きした方がいいかと思いますが、お考えがあれば承りたい。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。御指摘の通り、日本の海運事業というものは、非常に基盤が脆弱なようであります。ほとんどゼロから出発いたしまして、ようやく今日の六、七百万トンの商船隊を作るのは、借入金によったのでございますが、一番借入金の利息の支払いというものが、海運企業の最大の圧迫になっておることは御存じの通りでございます。従いまして、今後船を建造させるにあたりましても、まず第一に、建造する造船資金を、政府といたしまして、財政融資の方から十分にあっせんいたしてやることに努力をいたしまするとともに、開銀あるいは市中銀行から借り入れまする借入金の金利の負担を、なるべく軽くしてやるようにいたして参りたいと存じまして、昨年からは、市中銀行の金利に対しましての利子補給を行ない、三十六年度からは、御承知の通りに開銀からの借入金に対する利子補給をやる、こういう二つの方面から、利子の過大なる、過重なる負担というものを軽減してやる。一方では、造船資金のあっせんにできるだけ努力をしてやって、そうして所期の目的を達成するような計画遂行に骨を折ってもらおう。もちろん、海運企業者の合理化を徹底するということは論を待たないところでございます。
○小酒井義男君 私は、大臣答弁になるように、日本の海運事業というものが、国際収支の上で果たす役割というものは、やはり無視することはできないと思うのです。しかし、これが国会においても、あるいは国会の外においても、大ぜいの人が納得をする形でやられませんと、ただ国で助成をするというだけに頼っておるということであってはならぬと思うのです。そういう点について、業界も努力をする余地というものがまだあるというふうにお考えになっておりますですか、どうですか。
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいま申し上げたような、諸般の政策を政府としては実行をいたしまするとともに、海運業界におきましても、みずから合理化に努め、また一部ではございまするが、自己資本などを利用いたしまして、造船の方に努力をしていくようなものもだんだんと出てきておるように考える次第でございます。
○小酒井義男君 あまり船のことばかりやっておりますと、時間がありませんから、それに建設大臣が何か本会議の関係があるようでありますから、道路と自動車の関係で、少し建設大臣と運輸大臣のお二人にお尋ねをいたしたいと思いますが、現在、国内の自動車交通というものは非常な混乱を見ておるわけでありまして、これをどうして打開していくかということは、やはり当面する大きな課題になっておると思うのです。そこで今日の道路を考える場合自動車を考えない道路というものはありませんし、自動車を考える場合にはやはり道路というものと切り離すことができない、こういう不即不離の立場にあるのに、一方の自動車は運輸省の自動車局で運輸大臣の監督下にあり、道路は建設大臣の監督下、管掌の下にあるというような、こういう二元的な行政というものが、自動車の発展と道路の整備に非常に支障をきたしてきておるのではないかと思うのです。そういう点について従来運輸省と建設省の間ではどういう方法で道路問題の協議が進められてきておるのか、そういう点についてお尋ねしたい。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。従来、国会の運輸委員会あるいは行政管理庁等におきましても、ただいま御指摘のような道路行政の一元化ということを取り上げられまして、きわめて緊急な問題であることは御指摘の通りでございます。現在は自動車道のことは建設省と運輸省は緊密な連絡をとりまして仕事をやっておりますわけでございます。だんだん都市の交通は非常に混雑をいたして参りまして、都市において高速自動車道等ができることになりますと、この高速白道車道は現在におきましては建設省、運輸省で共管ということになっておるわけでございます。現在におきましては両省の間できわめて円満な緊密な連絡をとって成果をあげることに努力をしておりますので、別に大して故障はないように私どもは考えておる次第でございます。一元化ということが理想ではございますが、今直ちにすぐそういうことが実現できないといたしますならば、現在ある役所の間で緊密円満な連絡によりまして成果をあげることに努力をいたすことよりほか仕方がない、こう考えておる次第でございます。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま運輸大臣からお答えいたしましたように、自動車専用道路につきましてはそのような措置をとっております。なお、一般道路とバス路線の問題等は、若干現実におきましては現実に即しないような点がある場合もあるかと思いますが、極力両省間におきまして連絡を密にいたしまして不都合のないようにやって参りたいと思います。
○小酒井義男君 非常に幾つかの省が共管しておる問題になりますと、相手の立場がありますから、お二人の立場としてははっきりとした意思表示は私はしにくいのではないかと思うのです。 行政管理庁長官にお出でいただいておりますからお尋ねいたしますが、今のように自動車交通が混乱しておる原因の一端は、私はこの政府の行政の面に負うところが相当多いのではないかと思うのですが、行政監察の面でそういう点を監察されたことがありますか、どうなんですか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) 御指摘のように現在の道路、自動車の関係は非常に重大な問題であります。しかし、これを運輸省から建設省に持ってくるあるいは運輸省へ持っていくということは、かなりむずかしい問題がありますので、とりあえず総理府に交通対策本部というものをこしらえまして、そうして緊密な連絡をとってこれをやるようにいたしております。なお、詳細につきましては、目下衆議院に出しておりまする臨時行政調査会ができましたならば、根本的にこれを決定したいと思っております。
○小酒井義男君 長官、今お答えになりましたように、いま直ちにと、こういう意見を持っている人があるのです。運輸省の自動車局と建設省の道路局を合わせて、道路交通省というものが必要なくらい自動車の問題は重要ではないか、こういう意見を述べておるのですが、そこまで一挙にいかないとしたら、道路の計画、運営の面はすべて運輸省にまかせる、建設省はそれの工事面、建設する面をやっていくというようなふうにでもすれば、一歩前進になるのではないかと思いますが、そういう点はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) いろいろそうした問題について御意見はありますけれども、根本的にこれを決定するまでに至っておりません。それで当分の間は、先ほど申しましたように、総理府に交通対策本部がありますので、その不足分を補なっていきたいと思っております。
○小酒井義男君 経審長官、お聞きになっておると思うのですが、この問題は私はやはりあなたの方でも根本的にお考えにならないと、運輸省、建設省あるいは今の行管の長官の御答弁のような形で、これから十年間ずいぶん自動車がふえるのですから、こういう先を見通した道路交通というものの整備は私はちょっと無理じゃないかと思うのです。そういうことについて経審長官は何か所見をお持ちになるかどうか。
○国務大臣(迫水久常君) この問題は所得倍増計画を達成する上にもきわめて重大な問題でございますので、所得倍増計画の番人でございますから、当然考えなければならない問題だと思います。しかし、ただいますぐに私が申し上げるべき所見を持ち合わせませんので、私からは申し上げられません。
○小酒井義男君 これもやはり所得倍増計画と道路の関係になるのですが、あなたの方の計画によると、産業の適正な配置であるとかあるいは後進地域の開発であるとか、地域格差の是正というような幾つかの政策を掲げていらっしゃる。ところがそういうものを結びつけていく線というものが必要ではないか。後進地域の開発をやろうとすれば、当然縦貫自動車道路というものを考えて、これをいつまでに達成するという方針がきまれば、それに従って工場の分散もやれますし人口の配置もできる。あるいはすべての問題がこう現実に手が打っていけることになるのではないか。この根本的な大きな線が政府としては非常に消極的であって、徹底ができないというような状態は一日も早く脱却をして、計画的な経済政策の車が回っていくようにする必要があると思うのですが、経審長官の立場として、縦貫自動車道というものをどう評価されておるかお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 縦貫自動車道路の問題は、私は後進地域といいますか未開発地域の非常に重要な役割を果たすと思っております。予算の折衝の過程におきましても、建設省はしきりに大蔵省に努力しておったけれども、私も低開発地域に一つ実現する夢を与える非常に大きな仕事だと思いましたので、さしあたりは調査費でございますけれども、大いに協力をいたしまして大蔵省の査定原案に対して少しよけいな、倍になる予算をもらったと思っております。九百万円つけてもらったと思います。そういうことを基礎にしてできるだけ早く縦貫自動車道の実現の方向に向かうように私も協力したい、こう思っております。
○小酒井義男君 建設大臣、今の問題で建設省としてもうすでに長い間これは調査もやられてきておりますし、議論もされてきておる問題なんです。そういう点から考えると、もう年次計画ぐらいはできていい時期じゃないかと思うのです。それに対して今年度の予算では調査費だと言っておるんですが、来年度なら来年度から、どういうふうにしてゆくというようなことを具体化してゆく積極的な考え方が必要な時期に来ておると思うのですが、そういう点についての建設大臣のお考えはどうですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 縦貫自動車道の中で中央道につきましては、三十六年度の調査費は四千万円でございますが、従来相当にもう調査を進めて参っております。私どもといたしましてはできるだけ早急に中央自動車道についても着工をするように運びたいと思っております。従って五カ年計画の配分等にあたりましては、具体的な結論を得るために目下検討を続けておるような次第でございます。その他の縦貫自動車道につきましては、東北が昨年からわずかの調査費がつきまして、今年度中央道以外の縦貫自動車道につきましては、ただいま経企長官がお答え申し上げましたように、多分九百万円であったと思いますが、調査費を計上いたしまして着々と調査を進めて参りたいと思うのであります。ただこの平坦な国土でまん中に縦貫しようというならばもっと簡単に着手できることであると思いますが、中央道にいたしましても東西の方はそうでありませんが、中心地帯は相当の山岳地帯でございますから、気象状態でありますとか、そういうところで相当たくさんのトンネルを作った場合の自動車道としての効果等、あるいは厳寒の時期における自動車道路としての状態、すべてにわたりまして相当念入りな調査を重ねる必要がございますので、今日まで相当長く調査に日子を要したような次第でございますが、私どもも、御指摘のように国土の高度利用、ことに後進地帯の開発という点から考えますと、非常に重要視して事を運ぶべきものである、かように考えておる次第でございます。
○小酒井義男君 重要視をして考えていただけるという御答弁ですからけっこうだと思いますが、とにかく中央道の問題と東海道の問題と二つ出るようになって、非常に足踏み状態が長く続いておると思うのです。中央道はやはり後進地域の開発あるいは林業あるいは地下資源の開発、といういろいろな特別の意義を持った自動車道ですし、国の将来の開発計画として非常に重要なもんだと思うのです。ですからそれを一つできる限り早く着工でき得るような方向に進めていただく努力をしていただきたいことを要望を申し上げておきます。 それからもう一点建設大臣にお尋ねをして、私は建設大臣への質問を終わりますが、今度の道路十カ年計画によりましても、全部の国道、一級、二級の舗装が完成するわけではないのですが、そういう場合に考えられてもいいんじゃないかと思うんですが、ある程度人家の密集しておる地帯ですね、そういうところだけはまず最初に優先的に舗装を完成する。こういうことをせぬと、非常に自動車の数がふえ、道路が悪いために迷惑しておる国民が多いわけなんです。ですからそういう地域の道路の舗装を優先的に建設省としてもやるか、あるいは県道、市道等にもそういうことができ得るような方法を政府としても考える、こういうことが必要ではないかと思うんですが、そういう点に対してはいかがでございましょう。
○国務大臣(中村梅吉君) 一級国道は、御承知の通り、重要地点を貫通して結んでおる国土連絡の重要幹線でございますから、これは今度の新五カ年計画におきましては全部舗装を完了いたしたいという見込みで作業を進めておるわけであります。その他二級国道及び主要地方道あるいは今後後進地域開発のために、通産省を中心に産業立地条件の調査等を進められまして、新たにこれが後進地域開発及び産業分散上非常に重要な地点である、というようなところに重点を置いて進めて参りたいと思っておりますが、同時にただいま御指摘のように交通量の状態を勘案いたしまして、重要な地点から先に舗装を進めてゆきたいと、この角度から大体二級国道につきましては、新五カ年計画におきまして、交通量の多い重要地点を少なくも五〇%ぐらいは舗装を完了したい、あわせて主要地方道等重要な、交通量の状態を見ながら重要地点に重点を置きまして舗装の整備をいたしたい、かような考えで進めておるような次第でございます。
○小酒井義男君 重要な地点とおっしゃっておりますが、私は具体的に……これは自動車の交通量も考えなければならぬと思います、が自動車のために非常にほとんど道路に面した方は窓を閉めてしまって、雨が降れば泥をはねる、天気がよければほこりが入ってくるといって、裏の方だけ窓をあけているというような地域があるんですね。こういうところは最も優先的に舗装をする必要があると思うんです。その具体的なことを申し上げておるんですから、それをおやりになっておれば、残っておるところをどうするとか、そういうことを今までやっておらぬのだったらこれからやろうとか、どういうふうか、一つ具体的な御答弁をいただきたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 道路の整備はもちろん自動車の交通量ということも考えなければなりませんが、あわせて自動車の交通だけでなしに沿道住民の関係も考慮しなければなりませんので、御承知の通り従来も人家の密集したところで、同じその道路のうちで舗装するならば、自動車のほこりもかまわない、がまんのできる田園地帯……市街地をなした今御指摘のように、雨でも降りますと、もう奥の座敷まで泥をはねられるような危険がありまするところ、こういうところを先に舗装の整備をいたしておるわけでございますが、今度の新五カ年計画におきましてはこれらの経費も相当大幅に見込めますので、御指摘のような人家のありまするところはまず先に舗装を整備いたしたい、かように考えております。
○小酒井義男君 もう一点だけ建設大臣にお尋ねいたしますが、こういう話は不適当かもわからないですが、数年前、私はモスコーの郊外を午前の三時ごろに通ったことがあるのですが、そこで道路工事をやっているところを見たのです。トラックも、あるいは人間も、そこに非常に大ぜい集めて、そうして道路の工事をやっておるところを見たのです。わが国の場合でも、道路工事というのは非常に長く期間がかかって、完成がおくれておる。こういうのを、もう少し、交通になるたけ支障にならないような形で道路の工事を早くやる、こういうふうなことを考える必要があると思うのです。何か自衛隊などが災害復旧や、あるいは防災にいろいろ出動をして協力をしております点は、これは国民は感謝しておるのですね。自衛隊の諸君も、私は非常にやりがいのある仕事だと思ってやってくれていると思うのです。そこで道路工事などには、やはり建設機械をもう少し自衛隊が持って、そうして集中的に建設省の計画に実施面で協力していく、こういうようなことが考えられるのじゃないかと思うのですが、そういう点について御研究になった点がありましたら伺いたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 建設省としましても、道路工事をできるだけ敏速に進めますために、近年機械化ということに力を入れておるわけでございます。私どもも、三十六年度予算編成にあたりましても、これだけの事業量を消化いたしまするためには、機械化の進行ということに非常に関係がありますので、大いに力を注いで参ったわけでございます。今御指摘の自衛隊に機械を持たせてやったらばどうか、この点は、自衛隊をそういうような国土開発方面にお願いしたらどうかということは、世間にも御意見がございますが、これらにつきましては、私どもとしては、慎重に研究をして、また防衛庁とも相談をして参りたいと思うのでございます。同時に、この道路工事のおくれます状態は、特に市街地におきましては、埋設物等の関係がございますので、これらの調整につきましても、一そう一つ新しい工夫をこらしていくように努めたいと思います。
○高田なほ子君 関連。今のお話なんですが、せっかく道路がコンクリートでずっときれいになると、そのあとは今度はひっくり返して電線を埋めて、大へん人に迷惑をかける。ようやくまたその道路が直ると、今度は水道を埋めるためにまたひっくり返す、それが終ると、また今度はガスでひっくり返す、こういうようなことで、どうも道路業者がもうけるためにああいうようなことをやっているのじゃないか、まるで低能児のようなやり方です。これは国民が大へん迷惑を感じているのです。これは枚挙にいとまあらずなんです。何とかこれは総合的な施策というものがもう講じられているのじゃないかと思いますけれども、今の御答弁だと、これから研究するようなお話ですが、これはほんとうにどういうふうになっているのか、ここのところをしっかり私は聞いておきたいとかねがね思っていたところです。これを一つ承りたい。 もう一点は、年末になると道路をひっくり返し始める。いろいろ聞いてみると、失対事業にだいぶ関係があるので、予算が余ってしまうといけないから、それで暮れになるとその予算を使うためにひっくり返し始める。ころいうようなことで、年末になると大へんに道路が混雑をするところへもってきてそれをやり始める。この失対事業と道路行政というものとはどういう関係を持ち、これをどういうふうに今日まで調整する努力をされてきたかということが第二点です。 もう一点は、交通の非常に煩瑣な十字路、この十字路の道路工事というものは、今小酒井さんが御指摘になったように、本来ならば、徹夜でもやってもらわなければならないところなんです。ロンドンあたりの市民は、ああいうところで三日も四日もひっくり返しておると、市民がプラカードを立てて、そうして当局にデモンストレーションをかけて大へん攻撃するそうです。それほど国民は道路に対して愛情を持ち、また政府当局も、国民の公共の福祉に害を及ぼさない、こういうようなきぜんたる態度を持っておられるそうでありますけれども、どうも見ますと、交通煩瑣な十字路などに、一週間も十日も、まるで特権でもあるかのごとき顔をして、あすこでがんばっていじくっておる。これは徹夜ででも、多少賃金の面か何かで工夫すれば、できない相談ではないはずです。こういうところで自動車がぶっついたり、あるいは横断をするたびに、私どもは非常に不安を感じなければならないという、交差点の道路工事というもの、これについては特殊の考慮が払われてしかるべきではないか。私どもは実際生活をしておって、何を建設省はやっておるのか、建設行政にどういう指導がされておるのかということをいつも考えておるので、この三点についてお話を承りたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 高田さんの御指摘の感じは、私も全く同感でございますが、主としてお互いの目についておりますのは、東京都内と思います。ところが、東京都の二十三区内は、建設省が直轄で事業をいたしますのは一級国道一号線だけでございまして、その他は国道、都道全部東京都が事業実施主体に制度上なっております。そこで問題は、東京都のやり方が悪いということになるわけでございますが、地下埋設物につきましては、すでに、地下埋設物を持っております電電公社、東電ガス、あるいは東京都で連絡協議会を持っておりまして、一回掘ったならば——一つの機関が必要があって補修上掘ったならば、他の機関もその掘ったときに同時に並行工事をやるようにという基本方針で進んでおるわけでございます。ところが、各事業体の予算あるいは事業計画等の関係で、実際にはどうも基本的にきめた理想通りに運行していないように私も思うのです。従って、私もちょうど御指摘と同じような遺憾の念を持っております。もう少しこの点は、都内の道路は、一級国道一号線だけが国直轄でございまして、あと全部東京都が担当いたしておりますので、東京都に対する行政指導をもっと強力に進めなければならないと私も実は痛感をして、国会のひまができましたら、東京都とも話し合う機会を作りましてやりたいと思っております。そこで、そういう関係につきまして、実は忙しくてまだ十分に措置ができないのでありますが、東京都との間に——建設省と東京都及び首都圏と、この三者で実は協議会を作りまして、先月早く会合をいたして、私も都知事も出席をいたしました。今後一つ活発にそういう連絡会議を開きまして、現地担当の東京都の関係者を督励して、一つ一つ問題を解決していきたい、こう思っておるような次第でございます。 それともう一つは、この混雑をしております中心地帯で、工事があるために一そう隘路になる。この点につきまして、国直轄の一級国道一号線は、工事をやりますると、もう深夜工事だけで、公衆に迷惑をかけないように前からやっておるそうでありますが、東京都にも一つ、繁華な混雑するところは、真っ昼間掘ってじゃまされては困るから、夜間工事にしてもらいたいということを最近奨励いたしまして、ごらんになっておわかりだと思いますが、昼間はちょっと自動車の通れるようにふたをしまして、自動車のあまり通らなくなった時間から、夜の九時ごろからそれをあけて工事をやるというような工合に、だいぶ移りつつあるのでございますが、まあ、これらも強化して参りたいと思っておるような次第でございます。 それと、もう一つ、われわれこの担当者であります東京都に対して注文もつけ、実施をしていきたいと思いますのは、確かに御指摘の通り、年度末になりますと非常に掘る量が多くなって参ります。これはやはり都の方が国から予算配分を受けて、それから骨格予算を組んで、それからまた中間で実施の補正予算を組んでという実施、仕方になっておるようで、そのためにどうしても年度末にしわ寄せをされるという傾向にあるようでございます。これらも、これは建設省が行政指導といってはおこがましいかもしれませんが、やはり道路全般についての官庁でございまする以上は、地元の担当者でありまする東京都と今後一そう協議をいたしまして、もっとそういうことのないように、運び方についても具体的に一つ相談をしてやらせるようにいたしたい。まあ、これらの点について、私どもも就任以来、いろいろ気づいた点につきましては手を打ち始めておるのでございますが、なかなかまだ、国会中でございますので、意にまかせないような状態でございますが、一そう一つ注意してやって参りたいと存じます。
○小酒井義男君 道路の問題が出たついでに、順序として安井公安委員長の立場で、安井大臣から一つお答えをいただきたいんですが、新道路交通法が施行になりましてから、その後自動車の事故件数が若干でも減りつつあるという傾向のようなんですが、これは一方自動車の台数はふえておるんですから、事故件数が減るということは、相当顕著なその面では効果をあげておるわけですが、しかし自動車を運転しておる立場の者は、相当やはり罰則強化等で苦労をしておる。また反面、その自動車の混雑というものが一方には現われてきておるという、こういう現状だと思うんです。そこで少しでも混雑の緩和に役立つようなことがあれば、やはり国としてこの際必要な手を打つべきじゃないかというふうに私は考えておるんですが、その具体的な一つの例として、道交法三十三条によりますと、踏切では一たん停車をしなければなりませんし、そうして信号が設置してあれば停車しなくてもいいということになっておるんです。 これは最近問題になっておるのですが、名古屋でこういう問題が起こっておるのです。一日三回より入れかえをやらない専用線ですね、一日三回といいますと六往復ですから、四時間に一回より通らないわけです。ここを自動車が非常によけい通るというので、この地方の交通安全協会の会長が一日調査したそうです。そうしますと一時間に大体五千台に近い自動車が一々ストップしていくために、ずっとうしろの方まで自動車がとまってしまって、大へん混雑を助長しておると、むしろ。だから信号をつけてもらえぬだろうかと、こういう声があがっておるようです。これは具体的に名古屋で起こっておる問題ですが、私の方で全体、今、国内にそういう個所がどのくらいあるかということを調べてみたんですが、これは国鉄の専用線と専用鉄道を合わせますと、線路の数は二千四百四十七本ということになります。その中で、この資料の説明がまずかったのですが、一日五回以下の所はどのくらいあるだろうかという資料の要求をしましたところが、資料として出てきたものは、一日五回以下ということは、片道を一回として数えてきたと、こういうことですから、二往復半ということなんですが、大体これは二往復と見てもよろしかろうと思うのです。こういうのが八百四十二あるわけです。しかし、この中で自動車の交通の、これはひんぱんの所と少ない所とがありますから、これが全部そういう必要性があるということじゃないと思うのですが、そういう所は、やはり自動車がとまらなくてもいいという信号を設置することは、これは交通の混雑緩和にもなりますし、また、これをすることが、自動車を運転する人たちに、踏切一たん停車の義務を軽視させる原因には私はならぬと思う。つまり青信号をつけておる所はとまらなくてもいいのですし、青信号がついていない所はとまらなければならないと、こういう心理的な効果もあげることができるじゃないか。こういう点を一つお調べになって、地方の県警なり、あるいは都道府県の公安委員会なりで、ここは適当だと認める所には、一たん停車を必要としない信号をこの際設置をすると、こういうことをやってもらいたいと思うのですが、どうでございましょう。
○国務大臣(安井謙君) お話の通りに、新道路交通法ができましてから、事故の件数はやや減っておる。それは交通量に比べて相当実績をあげておるというおほめの言葉もいただいたのでありますが、一方、またそのために非常に全体が緩慢になっておる。ふなれのために摩擦を起こしておるという点も事実あろうというように承知をいたしております。これはできるだけ普及徹底をするように、今も指導をいたししておるわけであります。その一環として、踏切の信号機、これは私も非常に有効なものであろうと思いますが、御承知の通りに、一方的に公安委員会だけでやれないものでございまして、同時に、赤信号で汽車あるいは電車をとめるというものの作業は、今度はそちらの方の会社側の仕事にもなろうかと思うのでございますが、費用その他の点でなかなか進みませんので、全国にまだきわめてわずかの数しかないという状況でございます。しかし、ことしも三千万近くの補助費を出しておりまして一何とか少しでも早く促進するように、これは軌道会社、それから公安委員会、両者が協議をしてやることになろうと思いますが、そういうことはどんどんこれからも進めていきたいと思っております。
○小酒井義男君 今の問題で運輸大臣からも御答弁を願いたいのですが、私が言っておるのは、旅客を扱うような線路でなしに、貨物の専用線で、しかも一日に二往復、三往復程度の所でしたら、信号をつけていくということが、運輸行政の面からも必要ではないかと思うのです。運輸省としては、そういう個所に信号をつけることに何か御異議があるのでしょうか。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げます。御趣旨はまことにけっこうのように思うのでございまして、列車の運行の回数の少ない専用の鉄道につきまして、やはり専用線路の、今のようなお話はけっこうでございますので、よく公安委員会などとも相談いたしまして、検討してみたいと思う次第でございます。
○小酒井義男君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、今お聞きのように、大体、そういう目的で信号をつけるということに対しては、運輸省もあるいは国家公安委員長の方も御異議がないように思うのです。それで国家公安委員長の方の答弁の中で、費用の点もある、こうおっしゃっておるので、実は私も、これは反対する人はないが、さていよいよ設置するということになると、どこが費用を出すかということが問題になると思っておる。 その一つの方法というわけではないのですが、実は昭和三十四年度の法務省刑事局で科料、罰金ということで国庫に収納せられておる金額を調べてみますと、現金にして三十二億九千九百余万円、印紙その他仮納付の額を加えますと三十六億二千一百余万円という金が納まっておるのです。しかもこの中の九〇%は、交通法規違反であろうと、想定です、これは、確実に分類されておりませんが、これだけの金が、とにかく交通関係から国庫に収納されておるわけなんです。ですから、予算の問題は、大蔵省としてやはり考える、こういうことをしていただいても、決して差しつかえない問題じゃなかろうかと思いますので、両者で必要だという設置個所については、予算の面では、大蔵大臣の方で一つ見ていこう、こういう御答弁をしていただきたいと思うのです。
○国務大臣(水田三喜男君) 御承知のように、交通信号機の設置は、これは都道府県が負担するということになって、国は、その二分の一を補助する、こういう建前になっておりますので、都道府県が設置するものについては、今後も国は二分の一を補助する、ことしの予算にもその通りに計上してございますが、今後も、そういうふうにしていきたいと思います。
○小酒井義男君 それは、従来の信号機の設置でございますね。新しくできた道交法に基づいて、新しい事態が出てきたのですから、そういう点は、特別な扱いとしてお認めになってもいいのではないでしょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) この間出た問題でございますが、立体交差の問題のときにお答えしましたように、今、内閣に交通の協議会ができておるので、私の方から、これを議題にして、各省間で、いろいろな分担をきめて急に解決したいということを申しましたら、その通りに、今連絡してございます。それと同じようにこの問題も、費用負担の問題を伴うということでございましたら、あわせて、これは一緒にあそこで検討してきめたいと思います。
○小酒井義男君 これは大臣ぜひ、非常に不自由しておるのですね、実際、自動車の連中は。ですから、大して金のかかることではないと思うのです。しかも、この信号機というものは、複雑なものでなく、自動車が通るときさえ青信号がつけば、自動車が通らないときは赤信号がない方がむしろいいのです。そこに赤信号があると、信号がある踏み切りと、信号がない踏み切りとができて、かえって複雑になると思います。ですから、御答弁があったように、今ここでそれでは出しましょうということはお答えが願えぬかもわかりませんが、とにかく関係の方面からも、相当国庫へ金が入ってきておるのですから、それを全部使う必要はないのです、その中のどれだけかを使えば、これだけの仕事がやれて、しかも運転をやる人が助かるだけでなしに、混雑緩和にも役立つわけですから、それはぜひ実施をするように、関係各省と一つ御連絡を願って実現をしていただきたいと強く要望を申し上げておきます。 次に運輸大臣に、航空関係で今度はお尋ねをいたしたいと思いますが、最近やはり国際航空も非常に競争が激しくなっているようです。この海運による外貨の獲得と同時に、観光によるところの外貨の獲得ということも、一つの大きな目的になってくると思うのです。 そういう点に対して、わが国の現在の状態、国際航空に対する実情、あるいはこれをどういうふうに解決をして発展をさせていくか。国内航空の問題、これをどういうふうに今後発展させていくかというようなことについて、運輸省としてお考えになっている点があれば、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) 御指摘の通りに、これからの航空事業というものは非常に大切なものになってくるということは申すまでもないのでございまして、御承知の通り日本航空株式会社が、いよいよ三十六年に、北極回りでもって、ロンドン、パリの方へ、北極を回って行くことになります。また東南アジアの方には、ジェット機を使うようなことになります。それから三十七年には、ニューヨークの方まで乗り入れるということをただいま予定して、交渉をいたしておるような次第でございます。 こういうふうな、日本の航空機が国際的な航路を広げます場合に使用いたします飛行機を買う金でありますとか、あるいはまた路線の開設の費用であるとか、乗員の訓練の費用であるとかいうようなものは、三十六年度におきまして約百四十一億円の資金が大体必要となるのでございまして、この資金を調達する方法といたしましては、予算も出ておりますが、政府といたしましては、今度出資を三億円にいたしまして、それから政府保証の債務が二十二億円ということになっておりまして、これが合計いたしますると二十五億円でございます。これが政府出資でございまするが、これを確保し、ほかに民間出資が約二億円、あるいは開銀保証によるアメリカの輸出入銀行からの借入金が約六十九億円、それから日本航空会社が減価償却費を内部で繰り入れまして、こういうものが約四十八億円というふうに見込まれておりますので、ただいま申し上げました資金には、大体見合う金額というものが出ておるわけでございます。
○小酒井義男君 国際線の問題もありますが、最近特に国内の航空、あるいは飛行場の使用状態等について、いろいろな問題が出てきておるようでありまして、行政管理庁においても、本年の一月、監察の結果を出しておられます。この羽田空港、木更津上空等では、民間機でない練習機が非常にたくさん上におって、着陸がなかなか困難だ、相当な飛行機がそこで待機をしなければならぬというような、こういう実情が出てきているようです。こういうことについて、運輸省として、最近何か対策をお考えになっている点がありますかどうか、承りたい。
○国務大臣(木暮武太夫君) ただいまの御質問の点につきましては、防衛庁とよく相談をいたしまして善処いたしておりますのですが、何か詳細のいろいろ問題につきましては、航空局の政府委員から御説明申し上げたいと思います。
○説明員(栃内一彦君) お答えいたします。 木更津上空の問題につきましては、先般新聞紙上にも出ておりましたが、この問題は防衛庁と協議いたしまして、両者の間で円満に今話がつきまして、従いまして、今後、従来よりもより安全になるのではないか、かように考えております。やや具体的に申しますと、木更津におきましては、防衛庁の輸送機が訓練しております。この訓練に使用いたします木更津上空の場周経路、この高度を従来よりも下げまして、木更津の上空から羽田に入ります一般民間機との間の高度差を、従来よりも広くとる、こういうような方法によりまして、従来とても危険であるということはございませんでしたが、より安全な措置をとる、かようなことをやることにいたしました。
○小酒井義男君 あまり時間がありませんから……。
○森元治郎君 関連、運輸大臣にお伺いをしますが、いつも問題になっている例の三沢のアメリカが使っている飛行場、あそこをまっすぐ日本航空が通れば、時間的にも大へん早いし、運賃も安くなる、こういう問題は、日米間で前から話をやっているはずなんですが、その後、どうなっておりますか。
○説明員(栃内一彦君) ただいまの御質問は、天ケ森の問題であると承知いたしますが、この件につきましては、確かに民間航空路を一時、迂回するような措置をとったこともございますが、その後米軍と折衝いたしまして、いわば直線に近い航路を大体、今とっております。全部というわけじゃございません。そのほか、最近米軍と折衝いたしておりますのは、いわゆるポジティブ・コントロールという方式がございまして、これは三沢にありますレーダーが改良されましたので、これによりまして民間航空機あるいは米軍機、両方とも三沢で管制する、こういう技術的な進歩した方法によりまして、両者の衝突を防止する、こういうことで、現在折衝しておりますので、この点が、先方と了解に達すれば、より経済的かつ安全な両者の航空の調整ができると、かように考えております。
○小酒井義男君 あまり時間がありませんから、重点的にお尋ねをしますが、昨年小牧で自衛隊機との事故がありまして、その後、航空事故対策本部なるものが設けられて、数カ条の報告が出ております。 これに対して、一番やはり問題になるのは、民間機と自衛隊機との飛行場の共用をできるだけ早く分離すべきであるという意見を述べております。運輸委員会で私も一、二回、今の木暮運輸大臣と違いますが、お尋ねをしておった当時には、できるだけ早く、これは分離をするようにしたいという答弁を政府から聞いておるわけですが、この分離をやる方法が、どういうふうに進められておるかどうか承りたい。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、ただいま御質問の自衛隊の方と、なるべく早く分けるようにというお話がございましたので、その後、いろいろと折衝いたしておるわけでございますが、自衛隊の方も、飛行場を作るのに適当な場所を見つけるのが困難であるというようなことで、現在も、まだそのままになっておるようなわけでございますが、しかし御指摘になりましたように、昨年小牧に事故が発生いたしましたので、これにかんがみまして、いろいろ改良すべき点は改良するように、今回の予算に盛っておるわけでございます。
○小酒井義男君 あまり全部にわたって、ここで質疑をかわすことはできませんが、あの中で、私どもも現地の視察をして感じましたことは、同じコントロール・タワーの中で、防衛庁の職員と運輸省の職員が同じ仕事をしておるのですね。しかもこの年令、学歴等をみますと、運輸省の管制官の方が年令も上であるが、学歴も上だ。ところが、実際の待遇の面になると、運輸省に籍のある管制官は非常に悪いというので、これは、この行政管理庁の報告にも出ておりますが、板付でこれは調べた結果として、「管制業務は米軍施設内で実施しており、勤務状況は航空局職員も防衛庁職員も全く同じであるが、両者の身分待遇等の状況等を比較して見ると、次表の通り航空局職員は防衛庁職員よりも全般的に高学歴であり、平均年令も航空局側が二・八年上廻っているが、給与面では、航空局側が防衛庁側より三千六百八十八円下廻っている。」こういう報告がなされておるのです。これは是正を予算で、これ直されたのでしょうか。
○国務大臣(木暮武太夫君) 御質問に対して詳細のことは、航空局の方から御説明いたします。
○説明員(栃内一彦君) ただいまの自衛隊の管制官と運輸省の管制官の待遇の問題でございますが、行政管理庁から御指摘になりましたように、確かに待遇上は若干違っております。 勤務時間の点から申しますと、運輸省の方は、従来三直四交代ということで防衛庁の四直五交代よりも時間が長いようなことでございましたが、この点は、来年度から四直五交代、主要な空港、あるいは管制本部につきましては、四百五交代ということで、防衛庁並みの勤務時間をとることに措置しておるのでございます。それから給与額でございますが、これは防衛庁の方は、特別職の俸給表になっておりますし、運輸省の方は、一般職になっておりますので、今、御指摘のように年令等の関係、また、俸給額は、防衛庁の方が高いという点もございますが、この点につきましては、今度の予算におきまして手当の方でできるだけ改善したいということで、平均的に申しまして、従来の手当を約五割方増額するという予算がとれたわけでございます。しかし、この手当額を入れましても、実際の手取りとしましては、いまだ防衛庁の方の管制官ほどにはなっておらない点もあるかと思いますが、この辺は今後さらに努力をして、できるだけ実際の手取り額が同じようになるように私どもとしてはさらに努力をしたいと、かように考えておる次第でございます。
○小酒井義男君 今、手当でとおっしゃっておりますが、手当はどういう手当がついて、一日勤務するとどれだけになって、一カ月どのくらい給与面で不均衡が是正されることになるか、具体的に一つ御説明を願いたい。
○説明員(栃内一彦君) 現在の今までの手当額につきましては、管制本部の例をとりますと、一時間当たり主務管制官につきまして十円でございましたのが、今度十五円ということに増額になります。これは一カ月当たりの手当額としましては、これは実際の勤務時間等の関係がございますので、大よその額を申し上げますと、従来千八百円というものが今度は二千二百円、このくらいに増額するというふうになるわけでございます。
○小酒井義男君 行政管理庁の長官に対する最後の質問ですが、いろいろ御勧告になっておるようなことが、実際の予算面では実施をされておりません。たとえば長距離レーダーの新設が必要だというので、運輸省が箱根にレーダー管制施設を設置したいということから、三十六年度予算として一千七百万円、債務負担行為は一億四千万円の要求をしておるのが認められておらないのですね。全部削られておる。しかも運輸省が主管をしておる飛行場の管制官が、一緒に出ていっておる防衛庁の管制官と、責任の面では、事故が起こると運輸省の管制官の責任がいろいろ追及されるのです。ところが待遇の面では、こういう不均衡が依然として尾を引いておるというようなことは、非常に責任のある仕事をやっておる立場からいって、これはやはり早急に是正をしなければならぬ必要があるというふうに思うのですが、こういうことに対して政府部内で、それを給与担当ではないと思うのですが、そういう点は是正をしなければならぬということに対して努力をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小澤佐重喜君) この点はいろいろと努力をしておりますが、先年、監察をした際も運輸大臣には勧告をしております。それでなお今年度は予算が十分つかないのでそうなっておりますが、私も努力をしまして、及ばずながら一緒に、あるいはこれ以上になるようにいたしたいと思います。
○小酒井義男君 まだいろいろと御質疑をしたい予定をしておりましたが、時間がないそうでございますから、残余の問題は分科会等で質疑をすることにして、以上で私の質疑を終わります。 —————————————
○委員長(館哲二君) 阿具根登君。
○阿具根登君 建設大臣と通産大臣にお尋ねいたしますが、水資源開発についてそれぞれ二つの公団ができるように、きょう新聞で発表になっておりますが、この法案を今国会中にお出しになるのかどうか、一つ伺いたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) お答えいたします。水資源の開発ということは、非常に重要な事柄でございますが、成案を得るのに若干手間をとっておったような次第でございます。しかし、できますことならば、何とかして今国会に間に合いますように水資源の開発促進法及び水資源開発公団法、あるいはもう一つ用水事業公団法といいますか、そういうような形になると思いますが、すみやかに提案の運びにいたしたい、かように考えております。
○阿具根登君 新聞にも出ておりますが、ただいま大臣の発言でも、すでに自民党内の総務会で決定した、こういうことですが、そういたしますと、今月中に提案される、こういうことになっておりますが、間違いございませんか。
○国務大臣(中村梅吉君) つい先刻、党の方の機関で決定を見たようでございます。政府といたしましては、この線に沿いまして急速に立法作業に着手いたしたいと思います。法制局との関係や大蔵当局との関係等もございまするので、それが何日に仕上がるということは申しかねますが、きわめて最近のうちに提案の運びになるように努力を進めて参りたいと存じております。
○阿具根登君 そうしますと、予算は一体どういうふうになっておりますか。
○国務大臣(中村梅吉君) 実はこの公団を設立する場合の出資金につきましては、当時、予算編成のころ討議をいたしまして、私ども水資源の開発に関係のあるものといたしましては、この問題の重要性にかんがみまして、予算の中に出資金を計上してもらいたいという希望を持っておったわけでございます。しかし、まだ水資源開発に関する方法等が調整がつきませんし、結論を得ませんでしたので、結論を得ない段階で予算の最終段階が参りましたので、いろいろ協議いたしました結果、予算には計上いたさないで、もしそれがこの国会に間に合うように公団法の提案ができる運びになった場合には、産投資金から出資をしていただくということで了解がつきまして、政府の予算額には計上いたさなかったようなわけでございます。
○阿具根登君 大平官房長官は政府の窓口と見てよろしゅうございますか、政府の代弁者と見てよろしゅうございますか——総理がおられぬからお尋ねいたします。官房長官がお見えになっているから言うのですが、衆議院の予算委員会の理事会で、あなたはこの水資源に関する二つの公団の法案は出さないということを明言されたはずですね。それは確認されますか。
○政府委員(大平正芳君) 御案内のように、予算関係の法案は時限を限りまして提出の督促をいたしておりまして、水資源の公団の法案につきましては、まだ政府部内の調整がついていませんので、その時限には提出が間に合わない、若干の時日をかしていただきたい、こう申し上げたのでありまして、今国会に出さないということを明言した覚えはございません。
○阿具根登君 他院のことですから、ここで論争する場ではございませんが、私どもが聞いた範囲内では、内閣を代表して官房長官は今国会に二つの法案は出さないということを明言されておるはずなんです。そういたしますと、衆議院段階においては出さないということを内閣を代表して言っておられる。参議院段階において党から突き上げられてこれを出すと、こういうことを言っておられるわけなんです。一体、池田内閣は与党に信任があるのかないのか、たとえば先ほど問題が起こりましたILOにいたしましても、今度は総理大臣並びに労働大臣は今週一ぱいとか、二十二日に出すということを明言されたけれども、与党から突き上げられてまだ出てこない。今度はこの二つの公団につきましては出さないということを言っておるが、また今度は党から突き上げられて、早々に出しますと、こういうことがたび重なるとするならば、一体われわれはだれを相手に審議をするのか、だれを信用して審議を重ねていくかわからぬようになるのですが、これはどういうように解釈したらいいのですか。
○政府委員(大平正芳君) 先ほどお答え申し上げました通り、衆議院段階でこれは出さないと私は明言した覚えはないのでございます。ただ予算関係の法案、一つの時限を画して御提出を願っておりましたが、調整がつきませんので、この時限には間に合わない。しかし、今国会中に出す決意であることに変わりはないわけでございます。今国会中に出さないと申し上げた覚えはないわけでございます。
○阿具根登君 それならば、予算の審議のさなかに産投の中からこういうものを出すというようなことを言われました。一切そういうことは伏せてあったはずなので、一口もそういうことを聞いた覚えはない。そうしますと、三十五年度の、あの問題になりました産投の中からこれを出すのだ、補正予算の中から出すのだと、こういうことになると思うのですね。そういうことは国会であなたは説明されましたか。
○政府委員(大平正芳君) これは予算関係の法案と心得ておりまして、先ほど申し上げました通り、予算関係のもろもろの法案は出ましたけれども、これを含めまして四つの法案につきましては若干の時間をかしていただきたいということを国会の方にお願いしてあったわけでございます。
○阿具根登君 衆議院段階ですから、これ以上ここで論争しても、言っておらない、言っております、切りがないから私やめますが、私どもが国会対策で聞いた範囲内においては、今、官房長官の言われたのと全く違うわけです。また、かりにそうであったならは、そのことは明言すべきなんです。こういう重要法案が出る場合に、予算からこれを使わないとするならば、予算に入っておらないとするならば、どこから資金を持ってくるかということははっきりすべきである。ところがそれに出さない、今国会に出さないと言われておりますから、わが党は追求しておらない。しかし、これはあなたが一人おられて、そう言わなかったのだと言われれば水かけ論になりますから、衆議院段階で十分やっていただくといたします。 そこで、運輸大臣にまず質問いたしますが、第二十二国会において……。
○木村禧八郎君 関連。今の財源は産投から支出するわけですか、産投の一次補正についても第二の補正についても産投の使途別のあれが出ております。三十六年度についても産投の使途別のが国会に出されておる。その中のどこから出るのですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 先ほど私が申し上げましたのは、私の考えだけで申し上げたのは財政当局とも打ち合わせがついておりませんし、(「おかしい」と呼ぶ者あり)今後の政府の調整に待って最終的に結論を得るようにいたしたいと思います。
○木村禧八郎君 もう予算は衆議院を通過しているのですね。衆議院を通過しているのですよ。衆議院を通過する段階において、こういう財源について、衆議院で了解を求めて、その承認のもとに予算は通されておるのですか、そうじゃないでしょう。そうじゃないのです。三十六年度予算の財政投融資につきまして一応使途別の資料として出されておるのです。そうしてそれを前提として審議されて予算が通された。衆議院段階でもう予算が通ってから新しくこういうものがぽんと出てきて、財源調整すると言っても、これは衆議院をだまかしたことになるんですよ。こういうことになれば大蔵大臣どうなんですか、そういうことできますか。
○国務大臣(水田三喜男君) 水資源公団の問題については、今年度は予算措置を一切やっておりません。
○羽生三七君 今建設大臣の言われた産投の方から出すかもしれぬということは調整中だという、そういうことでない場合、産投で出す場合も今木村さんが言われた通りです。そうでない場合には、それじゃどこから出る、どこから財源が出ます。
○国務大臣(水田三喜男君) 建設大臣がこうしたいというようなことを今ここで答弁されたように、自分の考えで申したと言っておりますが、この問題はまだ政府部内で私ども相談したこともございませんし、従って先ほどと同じように、今のところ予算措置は全然考えておりません。かりに法案が出て公団を作るというような場合でも、この公団が事務引き継ぎをやったりなんかするというのは、事実上今年度中には私はむずかしいことだと思っておりますし、法律ができても来年度から発足してもよろしゅうございますし、今年度予算を直してこれをやるというようなことは事実上不可能だと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 昨日以来ようやく党の方の調整がつきまして、本日政審及び総務会で方向がきまったということを聞きましたので、まだ閣議で相談したわけでもございませんものを、私が実は申し上げたような次第でございます。従いまして、先ほどの私の言葉は取り消しておきまして、今後政府部内で調整をいたしまして、なおこの水資源の開発は、御承知の通り開発促進法が伴うものでありまして、開発促進法ができて、そこで開発審議会が設けられて、そうして総合開発についての方向がきまって、それを実行するのが公団機関でございますから、方向がきまりましても、その公団をいつ設立するか、あるいは法律を出すにいたしましても、私個人としましては、すみやかに重要問題であるから運ぶために提案の運びにいたしたいと思っているわけでございますが、公団の設立の時期等の関係もございます。従いまして先刻の私の申し上げたことは、どうも出過ぎたことのように思いますから率直に取り消しておきます。
○阿具根登君 建設大臣はそういうふうに取り消されたのですが、官房長官もはっきり言われたのですよ。官房長官もここではっきり言われたのです。新聞で見れば十月に発足するとなっているのです。この通り今日まで、きょう政調会と、それから総務会できめる、はっきりなっているのです。あなた取り消してどうなさるのですか、出さないように取り消したのですか、今国会に出さないという取り消しなんですか。あなたは、先ほどはできるだけ早く出したい、緊急に出したい、こうおっしゃったわけなんです。そうなったら新聞の通りなんです。官房長官も出したい、こうおっしゃったのです。だから財政の問題でお尋ねし、木村さんから今質問されて、あなたは取り消しになった。一つも首尾一貫していないから、はっきり今国会で出すのか出さないのか、これは十月になっておりますよ、発足は。
○国務大臣(中村梅吉君) 私も内容は党の方できめたことについてはタッチいたしておりませんから、やはり新聞で見た程度でございまして、新聞には十月から公団を発足させるように出ておりました。しかし、これは党のきめ方でございまして、今後政府としてどういうふうに扱っていくかということは、各省で調整をし、それから今の問題等もございますから、もっと慎重に進めて参るべきだと思います。ただ、水資源開発ということの非常に重要であり、緊要でありますることを私ども認識をいたしておりますので、できるだけ早く立法化をはかる、あるいは公団の発足等はそれらの調整の上で、まず水資源開発促進法ができて、審議会で水資源開発の総合的な企画が立てられて、それから実施機関である公団がやるという構想と思いますので、そうだとするならば、公団の発足はその新聞の伝えるところでは十月となっておりますが、必ずしも十月でなくても、目的を果たすことは可能だと思います。従いまして、今後それらの具体的な問題につきましては検討を進めて参りたいと思います。
○大矢正君 関連。今の水資源の公団に関係する問題は、実は衆議院の予算委員は非常に憤慨しているのですよ。さっき阿具根委員が言われた通り憤慨しているのですよ。それは、予算委員会ではやらないと約束しているのを、けさの新聞ではあの通りでかでかとやるということになっている。だが、建設大臣はそういうふうに意思を述べられたが、予算委員会ではやらないという約束があったのに、やるということになったことに非常に憤慨しているのです。そこで私は大蔵大臣にお尋ねしたいのですが、さっき建設大臣はちょっと言葉のはずみかどうかわかりませんけれども、産投会計で云々という話がございました。がしかし、産投会計でなくても予備費の中からでもあるいは出すのじゃないかという考えも出んとは限らないわけですけれども、そういう公団に対する出資というものが、今日のような状態の中で予備費であるとか、あるいは産投会計の中から、予算書に全然ないし、それから今日までの予算書に付属する計画にも何もない中から出すことが可能なのかどうか、大蔵大臣の見解を承っておきたい、将来のために。
○国務大臣(水田三喜男君) 公団の内容がどうなるか、こういうものは検討してみなければわかりませんが、しかし、予算はもう衆議院の審議を願ってしまっておるところでございますし、財政投融資の計画も、もう私どもは一応の既定計画を国会で説明して御承認願っておるところでございますから・ここにきてこういうものの変更ということは、事実上は不可能なことだと思っておりますし、私どもはそういうことをしたくないと思っております。
○阿具根登君 大蔵大臣はっきりおっしゃったのですが、そうしますと、建設大臣どうなりますか、あなたと全く食い違ったのです。どうなります。閣僚が二人全然違う立場になってしまいましたが、これはどういうふうになります。
○国務大臣(中村梅吉君) 先刻申し上げましたように、水資源開発促進法とそれの実施機関である——党のきめ方としては、公団を開発と利水の二つに分けたいということのようでございますが、これらの実施機関の法律も同時に出すか、あるいは法律は提案をして作っていただくことにいたしましても、その発足をどうするかというようなことは、今後一つわれわれとしては関係各省と協議いたしまして十分慎重に検討をしていきたいと思います。
○阿具根登君 大蔵大臣は、もう予算は衆議院を通過してきたので、動かせないと言っているのです。そうするならば、これはことしじゅうには、今年度にはもう発足できないことになる。そうでしょう。それじゃ、今年度出さないとどうしてはっきりできないのですか。できない。予算がないのにこれはどうしてできますか。金がなくて全然動かないでしょう。どうして予算が伴わないのにそんなに急がなければいけないのですか。だったら、出せないということでしょう。おかしいじゃないですが。
○国務大臣(中村梅吉君) 水資源開発促進法は別として、具体的に公団をどうするかということにつきましては、あるいは発足の時期の問題もありますし、あるいは党がきめたように十月から公団を発足させようということになりますと、ただいま大蔵大臣の御意見もありましたようなことと関連して、政府としてはやれないことになるかもしれません。これらの点はもう少し、私どもとしてはせっかく党の機関でもきまっておることでもありますし、水資源開発をすみやかに進める必要のあることは申すまでもないところでございますからそれらと関連をいたしまして、十分検討をして慎重に進めていきたいと思います。
○阿具根登君 今までは出すか出さぬかはっきりしないわけなんです。大蔵大臣ははっきりだめだと言っているのです。ところが、ここでは、もうきょう建設大臣がお認めになったように、総務会でも出すことに決定したのです。あなたの党は。そうして大臣もこれは出したい、こうおっしゃるわけなんです。どうしても、予算が全然伴っておらないのです。実施できないやつを、何で今時分国会の最中に、しかも予算の審議の最中に党がそういうことをきめるのか。出したいからきめるのでしょう。ところが、予算は全然変えることはできない、こうおっしゃるなら、この矛盾は一体どうするか。主管大臣としてどうお考えになるか。党の力で大蔵大臣に金を出させよう、修正するとおっしゃるなら、そうしたらまた大へんな問題が起こってくるでしょうが、一体これははっきりしなければわからぬじゃないですか。
○国務大臣(中村梅吉君) この問題の研究、調整及び党の決定につきましては、われわれ政府機関におりますものとしては協議を受けていないのであります。党内の各機関で意見の調整をいたし、そうしてまだ正確には私も直接聞いておりませんが、新聞に出ておるような結論を党の機関では得たようでございます。党の機関で得た結論をどう処理するかということは、政府は政府の責任として政府部内で研究をしていきたい、かように思います。
○阿具根登君 研究される。どういう研究をされるのですか。金がなくてやれる研究をどうしてするのですか。金が出ないとはっきりしておる。おかしいじゃないですか。閣僚で二人はっきり見解が違う。大蔵大臣も出せないと言うのですから、あなたも出さないなら出さないと言うならはっきりするのだけれども、研究するというのはどこを研究をするのか。所管大臣としてのあなたは、出したい意思がはっきりある。だから、はっきり、どうして出すのか、あるいは出さないのか。党できまっても出せないのだ。それはそれでいいのです。はっきり答えていただきたい。
○国務大臣(中村梅吉君) 財政当局が、方法はない、出さないのだということになれば、それは党がきめましても、政府としては出すことはできないのでございます。ただ、私どもとしましては、水資源の重要性というものを考えまして、できるだけ早く事を運びたいという希望を持っておる。これはそういう意欲を持っておるというわけでございます。
○岩間正男君 関連。今の問題は、何だか建設大臣の歯切れの悪い、はっきりしない態度が表明されているのですよ。やるとすれば、一つ予算の修正をやるのですか、あるいは補正を組むか、そういう手段はこれはあるわけだ。かりにそういうことをやらなければ、はっきり意思決定をしなければいけない問題でしょう。そういうことを大蔵大臣はやる何があるのですか、この問題に関して。ないとすれば、私は事理明白だと思う。大蔵大臣の御答弁を願います。あらためて聞きますけれども、予算の修正をやるのかあるいは補正を組むのか。このいずれを考えておるのかどうか、この点明確にしてもらいたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 私の考えはもうはっきりしておると思います。
○阿具根登君 非常に、どちらも少し歯切れの悪いところがあるようですが、大蔵大臣ははっきり、もう衆議院で決定して回ってきた段階においてこういう法案が出ても、一切金は動かすことはできないということをおっしゃっておるし、建設大臣も、大蔵大臣がそういうことをおっしゃるならばどうにもすることができませんと言っておりますので、今国会に水資源に関する二つの法案は出せないということを確認して、次の質問に移ってよろしゅうございますか。よろしゅうございますね。(「休憩をして閣議を開いたらどうだ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○国務大臣(中村梅吉君) お答えをいたします。少なくとも財政当局が、先ほど大蔵大臣が明言された通りでございまするならば、かりに法案を提案しまして公団方式というものが制度化されましても、公団の発足はできないと思います。かような意味で、今後われわれとしては検討をいたしたいと思うのでありますから、そのお含みでお願いいたします。
○阿具根登君 建設大臣のことはわかりましたが、それじゃ、もう一つ今度は大問題が起こるわけです。私は、大平官房長官は窓口でございます、政府の代表と認めてよろしゅうございますかといって官房長官に質問したときに、官房長官は、これは出しますと言った。衆議院段階では出しませんと言っておりません。出しますと言っております。一体これはどうなりますか。一体どうなりますか。政府の代表として私は質問をしておる。(「休憩して閣議を開け」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○国務大臣(中村梅吉君) 私も実は、関連がございますので、よく聞いておったつもりでございますが、官房長官は、衆議院で水資源開発公団に関する法案は出さないと言ったそうじゃないか、こういう御質問に対して、出さないとは言ったつもりはなかった、こういうお答えをしたように思うのであります。問題は、出す出さないは別問題といたしまして、今財政当局の意向は、この委員会で大蔵大臣が明確に言われましたので、少なくとも三十六年度内に公団の発足はできないと私は思うのです。その考え方に立って今後扱い方をどうするかということが、われわれ党の方がああいうふうなきめ方をしましたので、真正面に相反することも私もちょっと、率直に申しますと、言いにくいわけです。これをどう党の決定を政府としては受け入れて、さばいていくかということにつきましては、党とも、また関係各省相談をいたしまして、慎重に扱っていきたい、こう申し上げたいと思います。
○阿具根登君 建設大臣の今の言葉はわかりますけれども、あの産投問題から発して、大平官房長官はそれをはっきり言ったわけなんです。あなたに肯定するみたいに言ったのです。衆議院段階だから、衆議院段階の問題はここでやめましょうと言った。ところが、今度は皆さんと大平官房長官の意見が違ってきた。今度はまた別なんです。衆議院で言った言わぬじゃない。ここで言ったのです。今度は衆議院で逃げるようなわけにいかない。だから、ここに大平官房長官を呼んできて下さい。
○委員長(館哲二君) 次の問題にお進め願ったらどうですか。——官房長官の出席を今要求しております。今連絡して、まだ返事は参りませんが、その間他の問題を御進行願えませんか。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(館哲二君) 速記を起こして。
○国務大臣(中村梅吉君) ちょっと申し上げさしていただきます。実はただいま、きょう党の会議に出席をされた方から会議の模様をじかに私は初めてお聞きしたわけでございますが、それによりますと、党の機関できょうきめましたのは、水資源開発はこの方法でいこうということで、水資源開発促進法及び公団に関する構想をきめまして、これを一応党としては考え方をきめて政府に出して、政府に研究をさせようということであったそうでございます。従いまして、私どもこういう線に沿って研究をしてみたい。なお、つけ加えますが、新聞には、私も見ましたが、十月公団を発足させると書いてありましたが、党ではそういう、いつ公団を発足させるということはきめておりませんそうで、水資源開発促進法はこういう構想、公団はこういう構想で進めるようにさしたいという構想をきめたものであるということを、今直接聞きました。従って、私どもはその線に沿って今後研究をして参りたい、かように思います。(「委員長、官房長官どうした」と呼ぶ者あり)
○委員長(館哲二君) 今官房長官の所在がわかりましたので、迎えに行っております。 速記やめて。 〔速記中止〕
○委員長(館哲二君) 速記を始めて。
○阿具根登君 官房長官にお尋ねしますがね、官房長官は先ほどは、この二公団の法案は出すと言われたのか、出さぬと言われたのか。それからまず一応お聞きしましょう。
○政府委員(大平正芳君) 出さないと申し上げた覚えはないと、こう申し上げました。
○阿具根登君 ということは、今国会に出すということですね。
○政府委員(大平正芳君) 政府、与党の意見が完全に調整できますれば、出したいと思っております。
○阿具根登君 そうした場合に、大蔵大臣は、予算がすでに衆議院を通過してきておるし、全然修正も補正も考えられない。他の大臣の方も、だから出せないんだと、こういうことを言われておるのですが、どうして官房長官出せるのですか。
○政府委員(大平正芳君) ただいま御審議をお願いしておりまする予算案との関連はもとより、政府部内におきましても、また政府と与党間におきましても、十分の意見の調整がつきますれば、提案いたしたいと考えております。
○阿具根登君 私はそんなことを聞いておるんじゃないんです。私が言っているのは、全然予算を組んでおらないのを、どうして出せますかということなんです。しかも、きょうの夕刊も御存じだと思うんですが、もうはっきりと書いてある、出すということを。書いてあるんです。そうすると、あなた方の与党は、大臣の意見は一つも聞かずに出すということを勝手にされる、こういうことになるんですか。はっきり出すということを書いてありますよ。法案も何も全部出ておりますよ、全部。
○政府委員(大平正芳君) ちょっと、お言葉でございますが、提出は政府の方でいたすわけでございまして、さよう御承知願いたいと思います。(「要請と書いてある」と呼ぶ者あり)
○阿具根登君 要請があってもなくても、政府自体は出す気があるのかないのかということを聞いた場合に、あなたは衆議院では出さない、予算が伴っておるから出せませんということを言われておるはずです。それをあなたはここで、そんなことは言ってないと言われるから、ここは参議院の場だから、衆議院で言ったのを速記をとっておるわけじゃないんだから、それは言っていないけれども、これでははっきり、二本立てに水資源公団法の提出と、こう書いてある。しかも、大蔵大臣も中村建設大臣も、出さないと、出せないということをはっきり言っておるわけなんです。それがどうしてあなたは出せるというようなことが言えるんです。これは新聞が今来たので、非常に新聞見ながら質問してみっともないんだけれども、しかし、今来たんだからしようがないんだ、今来たんだから。建設大臣は新聞記者に発表しておりなさる。これはわしの時間から引いて下さいよ、読みますから。この問題について、中村建設相は二十四日の閣議後、記者会見で次のように語った。「自民党水資源開発特別委員会が決めた案に従って政府としては、水資源開発の基本計画をうたう水資源開発促進法案と水資源開発公団法案および用水事業公団法案を今国会に提出することになろう。水資源開発公団への出資金については、三十六年度予算案編成の際、私と池田首相、水田蔵相との話し合いで産業投資資金から十億円を支出することに話し合いがついている。」と、こうなっておるのです。これは一体どうなりますか。大蔵大臣もちゃんと名前出ておりますよ。十億円ですよ。建設大臣どうですか、十億円だ。
○国務大臣(水田三喜男君) 私の名前が出ているから御答弁いたします。これはあるいは建設大臣が言葉が足らなかったのではないかと思いますが、この水資源についての対策は、これは党の政策でございまして、昨年各省から予算の概算請求のあったときに、もしこの問題が話がまとまって実現するというようなときには、この公団への財源措置というものを考えてもらいたいという要望はございました。しかしその後、この問題はなかなか政府、与党間の調整がとれませんで、予算編成のときまでに間に合いませんでした。従って財政投融資計画の中でも私どもは落として、御承知の通りな計画を立てたと、こういういきさつでございますので、すでに衆議院の予算も通り、参議院に御審議を願っているこの段階で、財政投融資を変更したり、予算の変更、改正というようなことは、事実上もう私は不可能なことだと考えておりますが、いきさつはそういうことでございまして、建設大臣が説明が足らなかったんじゃないかと思います。
○阿具根登君 では、大蔵大臣が言われるのはよくわかるのです。大蔵大臣だけだ、話のわかるのは。(笑声)建設相ははっきりこう言っておられるのです。今国会に出すようになると、しかも、その資金については十億円を支出することに話がついておる、こうなっておるのですよ。(「つける予定だ」と呼ぶ者あり)いや、いやそうなっておるのです。そうすると、最初産投の問題を言われて、そうしてこれは大へんな問題になったから、あれは私のこの場の思いつきであってこれは取り消しますと言われたのが、また今度は違った形になってきたわけです。最初言われたのがほんとうのことになってきたわけです。一体どれがほんとうなのか。この参議院の予算委員会は、一体どう解釈すればいいのですか。委員長はですね、あなたはただじっと見ておるだけじゃなくて、こういうことを委員会でやられておることにどういう考えをお持ちですか。最初は産投から出す、産投にそんな資金はない、いやあれは自分の思いつきで間違いだった、これは取り消します。ところが、今来た夕刊を見ると、十億円という金額まで出てきておる。建設大臣、どうですか。
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま大蔵大臣から申し上げられましたので、私も当時のことを、いきさつを思い出したのでございますが、建設省は水資源開発公団を作ることについて、当初予算要求の際に十億円の出資要求をいたしております。これに対して、その後いろいろ予算折衝をいたしました結果、予算に盛り込まないで産投資金から出すことがよかろうということに相なりまして、しかし、その当時、党の方は田中角榮議員が水資源開発特別委員長になりまして作業を進めておった次第でございます。当時田中委員長あたりは、急速に予算に間に合うようにきめる腹がまえで努力をされておりました。私どもも、予算編成までにまとまるものと実は思っておったのでありますが、いろいろ各省にも関係のあることでございますし、また議員の中にも、水資源についてはいろいろな考え方がございまして、とうとう意見の調整がつかないで、予算の最終段階を迎えて、そのために大蔵当局が今回提案をいたしました予算からは、それは完全に削除したということでございます。従いまして、先ほどのようなことは、私ども水資源開発に非常に熱意を持っておる者として、できるだけ早く進めたいという考えがありますので、自然そういうニュアンスがありまして、新聞もそういう扱いになったと思いますが、いきさつは、ただいま申し上げた通りでございます。最初はもう予算編成までにまとまるものと期待し、また党の特別委員会も、その意気込みでやっておったのでありますが、不幸にして予算最終段階までに調整がつかなかった。その結果、予算の構成からは削除されたと、こういうのが実態でございます。
○田中一君 関連。今のお話は開発公団のお話しですが、幸い通産大臣が見えておりますから、利水公団の方では、昨年の秋ごろから始まった予算折衝、それ以来今日まで田中角榮氏を中心とするところの党内の調整等どういう経緯で今日になり、そうしてまた中村建設大臣が言っておるように、あなたの方も、産投から幾ら金を出すというような話があったのかどうか、一つ詳しく報告していただきたいと思うのです。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 水資源公団の所管の問題につきまして、関係各省の間に意見の調整がつかないままになりまして、それで取りあえず水資源開発促進法だけを通して、そうしてその次の段階においてこの問題を考えよう、それまでは現状のまま、こういうことが先般来の折衝の結果、話がついて、そういうことに落ちついたということを私は聞いておったのであります。従って産投会計から云々というようなことは、全然私は存じませんでした。それで、急に二、三日の経過によって、党の方でそういうふうになったということは、先ほど部下から報告がございまして、まだ詳細、私は何も聞いておりません。そういうことです。
○田中一君 中村さんに伺いますが、そうすると、先ほどあなたは阿具根委員の質問に答えて、利水開発促進法ですか、という法案を出そう、おそらくその法案の中には、利水公団というものの設置が盛られているだろうと思うのです。その場合には、その促進法をこの国会に出そうという心組みでおられるのか。従ってその法律の裏づけになるものは予算でございます。予算というものが織り込まれているものの考え方でもって出そうとするのか。公団設置という問題は、促進法から全然除外されて出るということなのか、伺っておきます。
○国務大臣(中村梅吉君) 水資源開発促進法の問題につきましても、私どもは党の方の調整にまかせておりまして、党の方で、まだ直接私ども聞く機会がないくらいに、ごく最近構想がまとまったということでございます。従いましてこの扱い方につきましても、十分われわれは研究していきたいと思います。同時に水資源開発促進法ができましても、これを促進法による考え方は、今までの研究を私ども聞いておるところでは、水資源総合開発の方法、基本方針を審議決定するだけでありまして、そこで基本方針がきまったらば、実施機関に移そう、実施機関は公団という形でいこうというような考え方のように私ども聞いておるのであります。従いまして、この促進法と公団法とは相当に深い関連のあるものでございますから、私ども、この問題につきましても、慎重に党の意向を聞き取りまして、研究をしていきたいと思います。
○占部秀男君 議事進行。きょうの委員会はどうもおかしな委員会で、初めから大臣の出席の問題で時間を食ったり、ごたごたしておるのですが、今も阿具根委員が要求している大臣がいなくなっているようですけれども、いずれにしても、これはいなくなってしまうということになると、これは阿具根委員の質問もできないということになるので、その点委員長が責任をもってやっておると私は思うのですが、一体委員長のところに無断でいなくなったり、あるいはまたいだりするのですか。それとも質問者の要求している大臣がいなくてもいいのだという考え方のもとに委員長がそれを許しているんですか、そういう点一つ運営の面ではっきりしてもらいたいと思うんです。
○委員長(館哲二君) 委員長は質疑者の要求されました各政府側の大臣その他をそろえまして、皆さんからの質問を進行しております。
○占部秀男君 重ねて問うんですが、そうすると、阿具根委員が要求している大臣方で、見えない方がだいぶあるように思えるし、さっきの大平さんもそうなんですが、すぐ一つ至急にそろえてもらえませんか。そうしなければ議事進行に責任持てませんよ。
○委員長(館哲二君) 今運輸大臣は、私には何も断わりはなかったので直ちに呼びます。
○千田正君 議事進行。どうもさっきからの政府の答弁を聞いていると、答弁が閣内不統一で、どれが一体池田内閣のほんとうの御答弁なのか、おそらく質問者も迷っていると思います。かりに、今の官房長官の答弁のようだとするというと、参議院で修正でもしない限りにおいては、この水資源の問題はどうにもならない、あるいは補正でも組まなければどうにもならない。こういうようなことでは、審議が継続できないのでありまして、その点を政府一側からはっきり聞いて、統一した見解を答弁として求めているのでありますから、統一した見解を述べてもらいたい。(「委員長、運輸大臣どうした。」と呼ぶ者あり)
○委員長(館哲二君) 今ちょっと退席いたしました。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(館哲二君) 速記を起こして。 そのまま暫時休憩いたします。 午後五時五十一分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕 ————・————