予算委員会 第16号
- 発言数
- 245 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/03/18
会議録
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。 昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。質疑を続けます。小柳勇君。
○小柳勇君 物価値上げに反対する立場から、国鉄運賃上げを中心に、これに関連する問題々関係大臣並びに国鉄総裁に質問いたしたいと思います。初めに運輸大臣及び国鉄総裁に質問いたします。昭和三十二年に一三%の国鉄運賃値上げがございました。この運賃値上げ理由としては、施設の改良及び輸送力の増強、二つの柱を立てて運賃値上げがなされたのでございますが、今日なお輸送力の増強に不足があって、通勤輸送など非常に混雑をいたしております。このような混雑の緩和がはかられておらないのは、実行計画と実施との間にズレがあるのではないかと思いまするが、三十二年度の運賃値上げについての計画、実施のズレについて、詳細に御説明願いたいと思います。
○説明員(十河信二君) お答えいたします。三十二年度を初年度とする現在の五カ年計画は、先ほどお話がありましたように、戦中、戦後の荒廃した施設を取りかえると、そして輸送の安全度を増すということを柱にいたしまして、その上に輸送力の増強あるいは輸送の近代化というふうなものを実施する計画で進めて参ったのであります。ところが、三十二年度から例の不況がありまして、一面においては、収入が七、八十億も減ってくる。また他面においては、人件費が膨張いたし、その他経費が増大いたしまして、そのために資金が思うように回らない。そのために、一部分は自己資金を借入金にかえましてやりましたけれども、相当額の資金の不足を来たしました。そのために予定の通り実行ができなくてまことに遺憾にたえない状態になったのであります。一面に、また、われわれが当初予想しておりました日本経済の成長率は、われわれの予想以上に非常に大きく伸びて参りまして、その面からもこの計画を変えなければならぬというふうな状態に相なって参りました。政府の所得倍増計画に伴いまして、この際思い切って新しい五カ年計画を樹立することが適当である、こう考えまして、現在の五カ年計画は、工事費五百億を千億ベースに拡大いたしたのでありますが、今度の五カ年計画はさらにそれを倍加して、工事費千億べースを二千億べースに拡大いたしまして、さきの、現在の五カ年計画で荒廃した施設の取りかえはほぼ完了いたしました。輸送力増強、近代化というふうな方がおくれておりまして、今度は輸送力の増強というととを主にいたしまして、経済の発展の隘路にならないようにというつもりで新しい計画を樹立いたしたのであります。二千億でもまだ十分とは申されません。われわれはでき得る限り、一面においては合理化、節約をやりましてできるだけ資金を捻出して、この新しい五カ年計画は最小限度の計画である、これだけはどうしても前のように失敗しないように必ずこれを完成するという固い決意を新たにして新五カ年計画を出発いたしたい、かように考えておる次第であります。
○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、昭和三十二年の運輸委員会並びに予算委員会で運賃値上げが論議されましたときに、この国鉄の計画で必ず輸送の緩和はできる、混雑は解消します、できるはずだと言明いたしておられます。ただいまの国鉄総裁の答弁を聞かれて、運輸大臣としてどのようにお考えになるか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。三十二年度を起点といたしまする第一次の五カ年計画のときには、最初におきまして、もちろん運輸省も国鉄を指導督励いたしまして所期の目的を達成せしめるように努力したのでございますが、御承知の通り、発足いたしましたときには予定もいたしませなんだ仲裁裁定等がございまして、人件費の支出の増等もございますし、また、その後におきまする金融事情の変化とか、あるいは物価の変動等によりまして所期の資金を得ることはきわめて困難であったということが大きな理由となりまして、六七%ぐらいしか四年目の三十五年度におきまして進捗率を見なかったというふうに聞いております次第でございます。
○小柳勇君 国鉄総裁に質問いたしますが、山手線、中央線、東北線沿線は殺人的な超満員であります。いつになったらこの混雑が緩和されるか、御答弁願います。
○説明員(十河信二君) お答えいたしますが、われわれといたしましては、でき得る限りの施設をやったつもりでありますけれども、たとえば最も混雑する中央線でありますが、中央線はラッシュの一番ひどいときは、御案内の通り世界でもまれな二分間隔で十両編成の列車を出すことになっております。従って、一番ひどい八時半から九時までの間三十分間に十五個列車出るように用意しておったのであります。ところが、異常の寒さといいますか、それで皆さんが時間ぎりぎりに出ようということになった結果じゃないかと想像するのでありますが、非常に混雑いたしまして、列車が出ようとしても、お客さんが十分乗り切れないで、列車を出すことができなくて大へんおくれまして、十五個列車三十分間に出すはずのものが半分ぐらいしか出ないというふうなことで、ああいうふうな殺人的の混雑を来たしましてまことに申しわけないと思っておるのであります。何さま東京都の人口が非常に急激にふえて参りまして、とうてい施設が間に合わない。また二面においては、中央線のごときは、お茶の水−東京間に複々線を作る予定になっておるのでありますが、これは用地の買収が非常に困難でなかなかできないのであります。どうすることもできないというふうな状態で、やむを得ず計画を少し変更いたしまして、今度は地下鉄五号線が中野へ入る機会に、中央線を地下鉄五号線に乗り入れて直通運転をするというふうなことで緩和したいと、こう考えておりますが、まあ国鉄としても、でき得る限りのことはやっておるつもりでありますけれども、何さまそういう状態で思うように参らないことはまことに遺憾にたえない。これはどうしても皆さんが総合的に計画を合わせていくようにしていただかぬとうまくいかぬじゃないか、こう考えまして、よりよりそういう相談をいたしておるのであります。いつまでにちゃんとできるかということをお答えできないことははなはだ遺憾でありますが、現状はそういうふうな状態であります。
○小柳勇君 ただいまの答弁では私は満足できせん。新五カ年計画で、八千十五億の中で通勤輸送対策はわずかに八%の六百四十億しか計上していない。ただいま現状でさえ輸送混雑に対して緩和する何ら具体的な対策がない。しかも、これから五カ年間の計画の中にも具体的な対策があるように見受けません。今都民が非常に朝晩死ぬ思いをいたしましておりますので、もう少し具体的に説明を願いたいと思います。
○説明員(十河信二君) そのほかに五カ年計画で電車を二百両作りまして、東京とか大阪とかいう通勤輸送の混雑する面に極力投入するつもりでおります。中央線も中野から以遠の方も複々線を作る計画も立てております。十分御満足はいかぬかと思いますが、ある程度は、最小限度御満足のいくようにいけるかと考えております。
○小柳勇君 今の答弁でも満足できませんが、世間ではこういうことを言っております。「こだま」や「はと」などにたくさんのお金を使って、高級列車を走らせるために、通勤輸送が犠牲になっておるのではないか、こういうふうに世間では言っておりますが、この点に対して総裁の御答弁を伺います。
○説明員(十河信二君) よく「こだま」の話が出るのでありますが、御承知かと思いますが、「こだま」を始めまする際にいろいろ計算をいたしたのであります。投資は大体十二、三億の投資になっておるかと思います。十億から十二、三億の投資で、それで収入は十三億ぐらい上がります。この収入を上げるために約三億の経費を必要といたしますが、十億返ってくるのであります。十億だけもうかるのでありますから、「こだま」をやったために他が犠牲になるどころでなく、「こだま」をやったためにむしろ他の資金が浮いてきて、ほかの方に回る金が非常に——非常にとまではいきませんが、幾らか楽になる。今までの列車でありますと、大阪へ日帰りができないのであります。大阪へ行って、列車が大阪へとまって、翌日帰ってくる。ところが、技術の進歩によって、大して動揺もなく長距離電車を走らせることができるということに相なりました結果は、「こだま」のように、朝出て日帰りで大阪へ行って帰ってくるということになりますから、わずかの投資で非常に回転率が上がって参ります。よけいお客さんを運ぶことができて、よけい収入を上げることができる。他のむしろ加勢になるかと思って考えておるくらいでありまして、決して「こだま」をやったために、ほかが犠牲になるというふうなことはないように私たちは考えております。
○岩間正男君 関連して。国鉄の総裁にお伺いしたいのでありますが、第一の問題は、ただいまの御説明では、今度の運賃値上げでは中央線や山手線の混雑緩和ばできないんだと、こう確認してようございますね。これが一点。 もう一点は、三十四年の二月の運輸委員会であなたは、私の在任中は運輸値上げをいたしません、こういうことを現に私の質問に対して答えられておるのです。昨年の予算委員会で、私はこの問題をあなたに追求しようと思って出席を求めましたが、御病気でおいでにならなかった。らちがあかない。あなたは非常に武士の一言を重んずる古武士的風格を持った方だと思っております。そういう方が、かつてはっきり委員会において言明されたことに対して、どういうような今責任をお感じになるか。一四%以上の運賃値上げが再び行なわれる。あなたの在任中に行なわれようとしている。これはやはり私は重大な問題だと思いますので、この機会にこの二つの問題についてぜひ御答弁いただきたいと思います。
○説明員(十河信二君) お答えいたしますが、通勤輸送が緩和しないとは申し上げないのでありますが、十分に緩和するようには参りかねる。通勤輸送の伸びに施設がなかなか追っつかないのであります。十分に御満足を与えることはできないかもしれませんが、ある程度は御満足いただけるように相なると申し上げたのであります。 運賃値上げにつきましては、私はもう運賃を値上げすることはいやだ、運賃値上げはこりごりだということを申し上げたのであります。お前の在任中に運賃値上げを再び絶対やらぬか——やるかやらぬか、私はいつまで在任するかわからぬのでありますから、そういうことは私は申し上げなかったように思うのであります。私はもう運賃値上げで国民に御迷惑をかけて、皆さんからおしかりを受けることはもうこりごりしておるのであります。だから、なるべくならやりたくない、こう考えましたけれども、国鉄の経営上、国民の皆さんに御満足を与えるために、やむを得ず運賃値上げを決意したような次第であります。まことにそういうなにで皆さんに御迷惑をかけて申しわけありませんが、どうかごかんべんを願います。
○小柳勇君 経済企画庁長官にお尋ねいたしますが、ただいま国鉄総裁の答弁の中で、総合的に考えなければ、もう線増についても問題である、こういうような話でございます。今の通勤輸送の緩和について、経済企画庁など総合的な計画があれば、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 都市に対する過大なる人口の集中というようなことを防止することなんかも、確かに有効な手段だと思っておりまして、従って、今後できる工場を、せめて地方に分散するようにできるだけ努力したいというところから、今回の国会にも、工場の地方分散の法律とか、あるいは後進県に対する負担の特例に関する法律というようなものを出しております。
○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、ただいま国鉄総裁が御答弁になりましたように、季節的な輸送の繁雑、お客の輸送についても非常に心配があるし、通勤輸送についてはなお十分の見通しもないようでありますが、運輸大臣としてどのような見解を持っておられるか、聞いておきたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。御承知の通り、最近の経済成長に伴いまして、国鉄ばかりではございませんが、輸送需要というものが非常に多くなりまして、ことに国鉄の輸送需要というものは、国鉄の輸送力に比べて非常に多くなりまして、先ほど来御指摘のような、通勤の非常な混雑の問題であるとか、貨物の滞貨であるとかというような、新聞などにまで出るような社会問題にまでなった次第でございます。これは先ほど来企画庁長官からも申し上げた通りに、国鉄ばかりが幾ら力を入れましても、国鉄の輸送力というものには、ある限度がありますので、国の総合的な施策として、東京に年々三十万人ぐらい集まるというようなことでなく、いわゆる都市に過大な人口が集中しないように、人口の配分をいたすというようなこともきわめて重要なことでございまするが、しかし、国鉄といたしましては、与えられた使命にかんがみまして、全力を注いでこういうことの緩和に尽くしたいと考えるわけです。そこで、三十六年度を第一年といたしまして、今回の新しい五カ年計画を計画いたしまして、まず第一に隘路となるようなおそれのある主要幹線を一千二百キロ複線にするとか、あるいはさらに進みましては、千八百キロ程度のものを電化する、さらに電化しないところはディーゼル・カーにするとか、あるいは車両を増備いたしますとか、あるいはまた踏切を改善いたします等のことをやりまして、一方では輸送力を増強するとともに、国鉄の体質改善とでも申しましょうか、時勢に応じました近代化、合理化をやりまして、できるだけ今日問題になっておりまする輸送難を緩和することに役立てるように努力をいたしたいと考えておる次第でございまして、これがために、一方においては財政投融資、あるいは国鉄自身の捻出いたしましたところの自己資金で足りませんものですから、現在の国鉄運賃は他の物価に比較いたしまして、小柳さん御存じの通りに、きわめて低位にあることにかんがみまして、今回の程度の改訂でありまするならば、利用者に将来のサービスの改善とか輸送の円滑とかいうようなことでお返しすることによってごがまんができるという程度で、国鉄運賃の改訂によって、一部分でありますが、四百八十六億の増収を計画をいたした、こういう次第でございます。
○小柳勇君 通勤輸送対策については、運輸委員会などでもっと具体的に検討しなければなりませんが、国鉄総裁に次に質問いたしますが、さっきの言葉の中に、施設の方の改良が大体できたのでというお言葉がございました。国鉄内部において、第一次五カ年計画の設備改良、たとえば貨物組成駅における照明度の問題など、設備の問題については万全の態勢がとられておるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 照明のすみずみのことは私よく存じませんが、大体満足にできておるように伺っております。規定通りにやっておるように伺っております。
○小柳勇君 先般、北九州並びに熊本で操車場並びに駅の照明が暗い、基準法違反であるということで問題が起きまして、総裁は十分の調査もなしに、若い九人の青年を馘首されました。そのときの問題は、施設がまだ十分に完備されておらない。特に照明度ゼロ、ゼロ・ルックスというような所で大事な貨物列車の組成をやっておる。従って、これは基準法通りにしてもらいたいという要求を聞かれなかった。それが紛争の原因であるということを聞いております。御存じでございますか。
○説明員(十河信二君) 承知いたしております。熊本の場合はよく調べてみましたが、規定通りにやっております。長い間その規定で列車を運行いたしておったのであります。それが暗過ぎるから仕事はできないといって職場を放棄した。すぐこれをかえろということで、かえなければ仕事ができないと、職場を放棄した。そうして多数の列車をあるいは運休あるいは遅延させて国民の皆さんに御迷惑をおかけしたということはまことに申しわけない、こう考えまして、私は涙をふるって法に従って処断をせざるを得なかったというふうな事情であります。
○小柳勇君 労働大臣に質問をいたしますが、これは国鉄に限りませんが、各企業体、特に省の中で、官庁の中で基準法違反のそういう基準を勝手にきめて、労働省に照会、打ち合わせなどなく、基準をきめているようなことがあって問題を起こしているところがありはしないか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(石田博英君) 基準法についての監督をいたしました結果は、一般的に申しまして、公社その他政府関係機関は他の民間企業に比べて成績がよろしいようでございます。しかし、基準法違反の事実がございましたならば、公社その他政府関係機関はその立場、性質にかんがみまして、特に厳重な処置をとるように指導をいたしておる次第であります。ただいま御発言のような具体的事実を私は聞いておりませんけれども、一般的な詳細の情勢とあわせて、基準局長から答弁をいたさせます。
○政府委員(大島靖君) ただいま労働大臣から答弁申し上げましたように、ことに三公社のごときものにつきましては、基準法の順守につきましては、格別厳重におやり願うようにいたしております。
○小柳勇君 ただいまの問題で、一つは労働省にですが、正式に基準監督署に照明などの調査を依頼したにかかわらず、拒否したところがあります。この点を調査しておいてもらいたい。 それから国鉄総裁に申し上げますが、一人の人間を刃物をもって殺せば殺人罪に問われます。ところが、基準法違反だといって、問題が惹起された場合に、紛糾のあった責任を一方的に、十分の調査もなく、一週間以内に、九名もの若い青年の生活の道を断たれるというようなことについては、もう少し慎重にしてもらいたいと思いまするが、この問題は直接のきょうの問題でありませんから、別途の機会に追及したいと思います。 次の問題に移りますが、第二次五カ年計画——ただいま断片的に運輸大臣、経済企画庁長官及び国鉄総裁から話がございました。今回、平均一二%の運賃値上げが提案されておるようであります。この新五カ年計画の大筋について、運輸大臣並びに国鉄総裁から説明を求めたいと思います。
○説明員(十河信二君) ただいまもちょっと申し上げましたように、第一次五カ年計画は、老朽施設を取りかえまして輸送の安全度を確保したいということを中軸にいたしまして、輸送力増強、輸送の近代化ということをはかる目的で出発いたしたのでありますが、先ほど申し上げましたような結果に相なりましたので、輸送の安全度を確保する目的の老朽施設の取りかえばほぼできたと考えましたので、今度は輸送力の増強、日本経済の発展の隘路をなしておると始終国民からお小言をちょうだいいたしております輸送力の増強を第一にやらなければならぬ、こう考えまして、主要幹線の複線化、千百キロばかりの複線化を実行いたしまして、それに、線路を増すと同時に、今度は車を増し、車を増すのみならず動力を近代化いたしましてスピード・アップをいたします。政府で御計画になっております地方格差をなるべくなくするように、地方の中心地点相互間及び東京、大阪等の中心地と地方の中心都市等を、大体、なるべく早くなるべくひんぱんに列車を出しまして、旅客、貨物とも量、質両面において輸送の改善をいたしたい、そういうふうに考えておりますし、そのほか、特に最近は踏切の事故等の事故は非常に少なくなりました。踏切事故でなおしばしばおそるべき大きな事故が起こりますので、踏切をなるべく立体化したい、実は千カ所ぐらい立体化したいのでありますが、何さま立体化するにはたくさんの金がかかるものですから、今度の五カ年計画では約三百カ所を立体化することに計画いたしております。この立体化では建設省あるいは地方庁等と協議をいたしまして、設計等を協議をするのみならず、費用の分担についても協議いたしまして、大体ルールができております。国鉄は約百五十億の金を投じて立体化を進めていく、そのほか立体化をしないところにはできるだけ機械的施設を充実いたしまして踏切事故をなくするようにということでやっております。電化、ディーゼル化も促進いたしまして、電化、ディーゼル化は、昭和五十年までにはすっかり電化するか、そうでないところはディーゼル化する。煙を追放するという目標をもって五カ年計画を樹立いたしておるのであります。電化し、あるいはディーゼル化することによってスピード・アップができますし、質の改善ができます。しかしながら、これを外国の例と考えますと、まだまだ日本の施設は非常に不足しておるのであります。新五カ年計画といえども決して満足すべき状態じゃないのであります。これは最小限度の施設だと心得ております。一例々申し上げますと、英仏独の三国の旅客輸送は、日本の国鉄の旅客輸送よりか少し少ないのであります。しかるに線路は、日本の線路三万キロのやつが、これは複線は二に計算しての話であります。この三国で二十三万キロになっております。車は日本は電車、客車合わせまして一万七千両くらいしかないにかかわらず、この三国の客車は八万三千両ある。こういったように外国は斜陽産業といわれるほど施設の方が実は先に進んでおる。日本は施設は非常におくれております。従って、新五カ年計画といえども決してこれは満足すべき状態ではない、われわれは最小限度の施設増強であると、こう考えております。ぜひともこれだけは皆さんの御承認を得て完成させていただきたいと念願しておる次第であります。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、政府が策定いたしました所得倍増計画によりますと、十年後の国鉄の輸送量につきましては、旅客におきまして二千三十九億人キロ、貨物におきまして八百十億トンキロと相なっておるのでございます。こういう増加いたしまする国鉄の輸送星と対応いたしまして、まず前半の昭和四十年までを目安といたしまして今回の新しい五カ年計画を樹立をいたしましたわけでございまして、これができましたあとにおきまして、後半の五カ年の計画はさらにそのときにおける経済成長と国鉄に課せられるべき輸送量の増大というものの推移を勘案いたしまして、後半の五カ年の計画を立てたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○小柳勇君 経済企画庁長官に質問いたします。ただいま国鉄総裁の答弁を聞きますると、現在の混雑緩和及び客貨の滞貨を輸送することが精一ぱいのようでありますが、所得倍増計画によるこれから五年、十年先の輸送増に対する計画がこの中に盛り込まれてあるのかないのか、お聞きしておきたいと思うのであります。
○国務大臣(迫水久常君) たびたび申し上げます通り、所得倍増計画というのは十年後における見通しを立てたものでございまして、従って、私たちの立場から申しますれば、国鉄の新五カ年計画というものが立てたこの見通しに対してどういう格好になるだろうかということを研究をいたしたものでありまして、率直に申しまして、新五カ年計画では、人間の輸送量につきましては、われわれの所得倍増計画において見通しました人員の輸送量というものにほぼ追っついていく形でございますが、貨物につきましては、もちろん中間の四十年というものにおいてどういう格好になるだろうかということは所得倍増計画には想定をいたしておりませんけれども、線を引っぱってみますというと、ちょっと線からいって少し低いところにとどまるんじゃないだろうか、こういうような感じがいたしております。
○小柳勇君 経済企画庁長官並びに国鉄総裁に質問いたしますが、今度の一二%の運賃値上げによりまして、勤労者の生計費に対する影響について、どのように把握しておられるか。
○説明員(十河信二君) もちろん若干の影響はあることと思いますが、しかし、きわめて僅少な影響じゃないかと思います。生計費のうち輸送費、その輸送費の中でも国鉄によられる輸送費等を調べてみましても、ごくわずかの負担増になるんじゃないかと考えております。その程度の負担増は何とか国民の皆さん方にがまんしていただきたい、また、いただけるものじゃないかというふうに考えておる次第であります。
○国務大臣(迫水久常君) 貨物の方の運賃の値上げは、過去の経験等に徴しましても、大体物価の中に吸収されてしまいまして、特に卸売物価には影響をしない、こう判断をいたしております。旅客運賃の値上がりにつきましては、消費者物価指数に及ぼす影響は〇・一%程度、こう判断をいたしております。
○小柳勇君 ただいま〇・一%程度の影響ということでございますが、長官、失礼でございますけれども、自分で計算されましたのでございましょうか。その推算の根拠をお示し願いたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 私の事務当局ではそういうものを計算する一つの方式を持っておりまして、それに従って計算をしてもらいました。従って、計算の方式がもしも必要ならば、調整局長から御答弁をいたさせます。
○小柳勇君 計算の方式については私も承知いたしておりますが、その計算の方式の中には推定の指数が入っております。私、具体的に質問いたしますが、長官、運輸大臣並びに国鉄は——どこでもいいのでございますが、東京−大宮間の定期の運賃、通勤定期を買いますと、一体今幾ら払っておるか御存じでございましょうか。
○説明員(十河信二君) 残念ですが、私は存じません。
○国務大臣(迫水久常君) 私心存じません。
○国務大臣(木暮武太夫君) 私も知りません。
○小柳勇君 東海道線の東京から鹿児島までの運賃は御存じでございましょうか。——経企長官、失礼でございますけれども、御存じないものと思いまして、私が——御存じでございますか——御存じないものと思いまして、私が数字を申し上げますけれども、東京−大宮間の通勤定期は、今現在九百四十円でございますが、これが一千八十円になります、改訂されますと。そうすると一五%の値上げになります。こうずっと計算いたしますると、大体運賃が一五%。しかも、それが千円ぐらいのところでございますので、一万円の人に対しては一万円に対する一五%の値上げということで、消費物価に対する影響〇・一%だけでは、私どもはこの問題の解決にならぬのではないか、そう思います。いかがでございましょうか。
○国務大臣(迫水久常君) 東京から大宮に定期で通っておる人の家計には、今おっしゃいますように確かにその部分だけが影響すると思いますが、しかし、国鉄の定期に乗らない家庭には、これは影響はゼロであります。従いまして、私たちの全体的にこれを把握いたします場合には、消費者物価指数というもので把握する以外には方法がないのです。具体的に個々の、たとえば今お話しになりましたように、一家のうちでもって二人も三人も定期で通勤をしておる人がおりましたら、その人の家の影響は一人しか通勤していない家よりも多いでしょう。そういうことでございますので、全体的に把握するには、消費者物価指数というもので把握する以外に方法はないのでありまして、従って、私どもが申し上げておりますのは、消費者物価指数という点で申し上げておるのでありまして、個々の家計については別でございます。
○小柳勇君 それでは勤労者の全体の平均の交通費の占める割合についてはいかがでございますか。何%ぐらいでございますか。
○説明員(十河信二君) そういうなにを私も調べましたけれども、今ちょっと記憶いたしておりません。もし何なら調べさせます。
○小柳勇君 時間の都合上、私が調べておりますので、申し上げて、また質問いたしまするが、勤労者の生活の中で四%が交通費の負担だと統計上は出ております。そういたしますると、一二%の増加になりますると全体的に〇・五ぐらい以上の影響があるものと私は統計上は理解するわけであります。また、この運賃値上げが物価の値上がりに対する影響について、企画庁長官はラジオ討論などでずいぶんお話しのようでありまするが、どのように掌握しておられますか。
○国務大臣(迫水久常君) 貨物運賃の値上げは、過去の経験等に徴しましても、物価の値上がりをそのまま来たしてはおりません。現在の状態では、前前申し上げます通り、生産全体の立場からいたしますというと、生産の方が供給をオーバーする傾向でございますので、むしろ価格は横ばいないし弱含みと考ておりまするので、この貨物運賃の値上げというものはその中に吸収されると思います。ただし、具体的に一つ一つの貨物については、あるいはそれが影響する場合があり得るということはもちろんでありますけれども、私の立場としましては、どこまでも全体的にこれを把握していくという立場から申しますれば、物価に対する影響はないというふうに判断をいたしております。
○小柳勇君 たくさんの品物がありますから、代表的に計算したものを申し上げますと、石炭については、夕張−室蘭間を輸送いたしまして一五%の増であります。木炭については、石見益田−尼崎間を輸送いたしまして一六%増であります。それから小麦粉にいたしましては、前橋−小山間を輸送いたしまして一五%、バレイショにいたしましては、帯広−広島間を輸送いたしまして一五%、リンゴにいたしますと、弘前−秋葉原間を輸送いたしまして一七%の値上げであります。このような運賃の値上がりは消費者の家計支出に相当の影響があると理解いたしておりますが、いかがでございますか。
○国務大臣(迫水久常君) 先ほどから申し上げておりますように、貨物の運賃は値上げをしたのでありまするから、従って、リンゴならリンゴを青森から秋葉原に輸送するのに運賃が高くなるのは当然でございます。でございますけれども、それがリンゴの価格には、卸売の価格にはね返ってこない、こう判断をいたしております。
○小柳勇君 数字の上で計算をされましてラジオ討論などで話される長官のその言葉が、今市内、町かどでは、もう池田内閣は困ると、木炭から野菜からくだものまで上がって、この際もう退陣してもらわぬと困ると、物価値上げに対して非常な不満があるわけですが、数字ではなかなか市民感情というものは解消されない。この物価の値上がりに対してどのような抑制措置を考えておられるか、御質問いたします。
○国務大臣(迫水久常君) 消費者物価の値上がりについては、それこそ私ども必死になってこれを上がらないように努力をしておるのでありまするが、具体的に申しますと、たとえば野菜のごときは、このごろ高い高いとしきりに私のところにお見えになる奥さん方もおっしゃいますが、それはちょうど端境期なんです。大根がつい先だってまでは幾らであったのがその三倍になっておるとおっしゃっている。大根のシーズンが過ぎてしまったんですからそれはあたりまえなんで、これをどうしろとおっしゃってもこれはどうにもなりません。従って、私たちはやっぱり全体的にこれを把握すると同時に、できるだけ個別の問題にも入っていきたいと考えておりまして、先般牛乳が値上がりをしたことに対しまして、脱脂粉乳ないしバターを輸入すると、緊急輸入するとか、そういう手配も整えまして一つ一つの需給、できるだけその需給の関係に応じよう、調整して物価の値上がりを来たさないようにしたい、公共料金については当分の間一切値上げを認めない方針をとる、こういうことを考えておる次第でございます。
○小柳勇君 今、内閣で持っておられる物価対策連絡協議会というものの権限、それからこれできまりましたものがいつまでぐらい効力を持っておるのか。私どもとすれば、国民を欺瞞するための内閣のPR機関のような気がしてならぬのでありますが、これについて質問いたします。
○国務大臣(迫水久常君) 率直に申しまして、小柳さんが消費者物価対策連絡協議会というものは国民を欺瞞するためのものだとおっしゃった。私もう泣きたくなるような気持がいたします。消費者物価協議会といいますのは、政府全体がかかって物価の安定をはかるために、各省間の連絡をよくするために作りました協議会でありまして、私どもの方の事務次官が会長をいたしております。ひんぱんに開催いたしまして、個々の問題についての連絡をいたしておるのでありまして、脱脂粉乳及びバターの輸入なんかもそこできめまして農林省が実行した。これは別に権限はございません。ございませんけれども、各省間がそこでまじめに議論をして連絡協議をする機関でございます。
○小柳勇君 それでは質問いたしておきますが、ここに具体的にこれから値上げされるであろう物価の予想したものがあります。これのおもなるものについて質問いたしますが、たとえば国鉄運賃に類似して私鉄運賃が約一〇%、電気代が一五%、郵便小包が三〇%、水道料金が三三%、都電、バス代二〇%、バター代六%、牛乳代七%、いずれもこれは私どもの日常毎日支出するものでございまするが、この中で今、長官はどのように、私が今パーセントを申し上げましたが、そんなことはないと断言できますか。
○国務大臣(迫水久常君) 私は、 バターは緊急輸入をいたしましたからこれは下がってくるものと考えております。それからいろいろお述べになりました私鉄とかバスとか、いわゆる公共料金に瀕するものは、水道を含めまして当分の間この引き上げを一切認可しない方針をとるのであります。従って、今お述べになりました中で、これから先どうしても上がってくるのであろうと思われるものはちょっとありません。
○小柳勇君 わかりました。 それでは次に質問いたしますが、国鉄総裁に質問いたしますが、一二%平均の運賃値上げによる資金を四百八十六億見込んでおられますが、この計画は、今自動車道路の計画、あるいは二兆円の道路計画などでほかの方の輸送力の増強もなされております。かようなものとにらみ合わせまして、五カ年間先の輸送を見込んでいかなければなりませんが、第一次五カ年計画のように途中に心配はないかどうか、お聞きしておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 道路等の建設改良計画もどんどん進んでおりますし、自動車もますます発達いたします。それらの関係の官庁等とも十分に連絡いたしまして、そういうものを勘案して総合した結果樹立した計画でありますから、大体私たちは、先ほど申し上げましたように、最小限度これだけやれば、これは最小限度の設備としてほぼ皆さんにえらい御迷惑をかけないようになるのじゃないかと考えておりますが、何さまこの社会、経済は生き物でありまして、非常な波乱がありますから、予期せざる波乱が起こった場合には、これはどうも何とも仕方ない。もしこれでも間に合わないような経済成長があれば、それは私たちは非常にありがたいことだと思いますから、さらに計画を練り直して別にまた計画を立てる必要が起こってくるかと思います。今のところでは、大体予想したそれらの方面等総合して、これだけの輸送力があればまあほぼ経済の伸展を阻害しないようにやっていけるのじゃないかという計画であると私は信じております。
○木村禧八郎君 関連。
○委員長(館哲二君) 小柳委員、よろしゅうございますか。
○小柳勇君 どうぞ。
○木村禧八郎君 経済企画庁長官、先ほど小柳氏があげられたものについて、国鉄運賃以外のものについては上がらないという御答弁でしたが、今後上がらないというだけでは、私は所得倍増計画との関連では足りないのではないかと思うのです。むしろ引き下げなければならないと思います。と申しますのは、総理府統計局の消費者物価指数ですね、これを見ますと、しばしば長官と議論いたしましたが、これはすでにもう所得倍増計画で予定されている一・一を上回っているのですよ。それでお伺いしたいことは、長官は一・一%というのは、いつといつの比較を言われているのですか。いつといつの比較をして一・一%と言われているか。この間ちょっとお伺いしましたら、昭和三十六年四月——から年度が始まるわけですね、四月と前年の四月との比較において一・一、そういうお話でしたね。それで三十六年四月の消費君物価指数が、ずっとこれが上がらないとして、横ばいとして、四月の消費者物価指数と前年の四月の物価指数とを比較して一・一の騰貴である、そういうことが予定されているのだと言われました。しかし、実際比較いたしましたらそうなりませんよ。大体二%くらいになります。全国は御承知のようにまだ出ておりませんけれども、全国でも、比較しても一・一にならないですよ。それを上回る。ですから一・一にするにはどこかに下げるものがなければならぬです。その点をお伺いしたいのです。
○国務大臣(迫水久常君) もう少し正確に申しますというと、昭和三十六年度中の平均の消費者物価指数と昭和三十五年度中の平均の消費者物価指数との差が一・一%、こういうことになると思います。今、木村先生おっしゃるように、もう少し下げるものもなければ一・一%にならないとおっしゃいますが、一・一%にするために下げるというのではなくて、事柄の本来の性質から考えて、当然今後引き下げ方に努力し勧奨し、また引き下げを実現していかなければならない、いくべき物資が確かにございます。現在そういうものは、主として工業製品でありまして、生産性の非常に上がってきている工業製品については、やや高めに下に下がる抵抗力がありそうに思うものでありまするから、その点につきましては通産省とも打ち合わせまして、その引き下げ方に努力をいたしておる次第でございます。当然引き下げるものもございます。
○木村禧八郎君 もう一点簡単に伺いますが、今後の物価政策として問題になる点は、消賢者物価の内容をごらんになりますと、大体低所得層に影響のある食料品とか、そういう生活必需物資と、それから高額所得者層の方におもに影響のある、たとえば自家用自動車とか、あるいはクーラーとか、電気洗たく機とか、そういう耐久消費財関係、そういうものの方は、これは下がる可能性はあると思うのです。しかしながら、低所得層の生活に一番関係のあるそういうものについては、あまり下がる見通しがないのですね。ことに食料関係ですね。ですから、消費者物価のあれを編成する場合、やはり問題があると思うのです。その各階層によって物価の影響がいろいろ違うわけなんですね。それがひっくるめてこれに出ているわけですね。ですから、いつも問題になりますこの政府の一・一%というのと実感とどうしても伴わない。高額所得層に対する実感と低額所得層に対する実感とは、同じ国鉄運賃の値上げでも違います。心理的な影響等々が違うと思うのです。ですから、この統計の作成上において、今後やはり工夫をされていただきたい点もあるわけです。そういう点についての御見解を伺いたい。
○国務大臣(迫水久常君) 木村さんお話の通り、今の消費者物価指数は一本で出ているところに非常に実感を伴わない結果が出てくる部分があると思いますので、幸いにして、来年度は私の方は約一千万になる国民生活向上のための委託調査費という予算が取れましたので、その金を活用しまして、せめて総理府の家計調査に出て参ります五分位別ぐらいの消費者指数というものはどういうふうにあるべきかということを研究してもらいたい。あの一千万円のお金の使い道の重要な一つの部分と考えて今準備をいたしております。
○高田なほ子君 関連。今、御説明いただきましたけれども、まだ十分にわかりませんが、この点をお尋ねしておきたいと思います。卸売物価は昨年の二月から今年の二月と比べてみると、きのうの公聴会の公述人のお話では、三・二%の値上がりをしている。しかし、政府としてはこれを一・一%に押えていくのだ、こういうふうにいろいろお話が従来からあったようでございますが、その一・一%に押えていく条件というものについて、十分私ども御説明をいただく機会がないわけです。一般の家庭の主婦は非常にお話を伺っても、なおかつ、不安でありますが、ただそれは幻想だけの不安ではございません。きのうの公聴会で御説明がありまして、東京の消費者の家庭を実際からいろいろ調査してみたところが、ひき肉とか卵とか肉とか野菜とか、いわゆる台所で使う品物、そういうようなものが、昨年大体二百円平均であるものが、今年は二百六十五円になり、三二・五%の値上がりを実際示してきている。これはあまり抑制される方向にいってない。先ほど大根のお話が出ましたけれども。端境期の野菜が商いなんていうことは、長官がお話しにならなくとも主婦はよくこのことはわかっております。カブのようなものでも、決して今端境期ではありませんけれども、小さなカブでも六つぐらいたばねまして二十円ぐらい、根ミツバも端境期ではございませんが、昨年から見ますと、十五円ぐらい高い。でありますから、この消費者物価の値上がりというものについては、数字だけではなく、実際にそういうように上がってきておる。それを押える条件というものを考えて計画して下さらなければ安心ができないわけです。政府はすでに前年度から閣議の決定で消費者物価の値上がりを抑制するために、各省間の連絡を緊密にしながらこれを抑制していくのだ、こういうことが一年も前からおっしゃっていらっしゃる。けれども、各省間の連絡によって、どれだけこの消費者物価の値上がりが抑制されてきたのか。私どもはどうもこれがわかりません。これを新たにどのように各省閥の連絡を強化せられたか。その強化せられた結果、どのように物価が抑制されたのか。また物価ん抑制するために中間マージンに対する政府の対策というものはどういうふうにとられてきたのか。この際御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 非常に広範な御質問でございまして、ここでもって簡単に全部御答弁することはできないかと思いますけれども、先ほど卸売物価と高田さんおっしゃいましたけれども、それは消費者物価指数のことだと思います。消費者物価指数は、三十五年度において全体の平均が昭和三十四年度の全体の平均に対しまして、今までにかつてない騰貴、約三・何%の騰貴をいたしましたことは事実でございます。この三・何%を一・一%に押えるということでなしに、昭和三十六年度中におきましては、いろいろ物価も、さっき木村さんお話のように下げるものもあるし、抑制をいたしまして、三十五年度と対比するというと一・一%程度にしたいと、すると、そういう方針でやるのだというのが一・一%の意味であります。三・何%というものを二・一%に押えるというのではないのです。実際問題といたしまして、さっき木村さんのお話にありましたように、農産物というものは、とかく値上がりの方向に来つつあることはこれは事実であります。肉になりますと、これは輸入がききまするがゆえに、これを調整することが比較的可能でありまするが、生鮮野菜になりますというと、これを輸入によって調整する道がございません。従って、需要がふえた場合には、これに対して農家でもって供給をふやしてもらう以外には、生鮮の野菜というものはなかなか値段が下がる方向にはいかないと思います。先だって、私がこのごろ消費者の方々にばかりお目にかかりまして、必死になってお野菜の値段なんかを下げることばかり考えておりましたが、この席で御質問がございまして、農家の所得の問題も考えなければいけない、こういうお話が出て参りました。私は一瞬がく然といたしたので、全くそれば日本国民全体の立場を考えなければいけないのだということをつくづく感じたのでございますが、農産物につきましても、ただ、上げてはいけない、上げてはいけないというのでなしに、そこは日本全体の人たちの立場を考えて合理的な、両方ともほどほどのところに安定せしめていきたいというのが念願でございます。消費者物価協議会においてどれほどの効果があったか。これは私は非常に効果があったと思いますが。というのは、早い話が、先般の公共料金の値上げを今後当分認めないというようなことも消費者物価協議会でそういうことが話がついたのでございますし、それから脱脂乳あるいはバターの輸入ということも、緊急輸入することもそこで話をした結果でございますので、そのものが存在することが、少なくとも各省とも物価は安定する方向、引き下げる方向にいくのだという空気をそこで持っておりますことは、非常に効果があると考えております。
○小柳勇君 次に、さっきの話に返りますが、運賃値上げを一二%やりましたその金が、また今度は東海道新幹線の方向に金を取られて通勤輸送緩和など、広い利用者の方の輸送増の金にならぬのではないかという心配がございますので、この点、総裁いかがでございますか。
○説明員(十河信二君) それはとんでもない誤解だと思います。東海道新幹線は初めから借入金でやるという計画で進めておりまして、すでに一部の借入金を世界銀行に政府を通じて申し込んでおることは御承知の通りであると思います。世界銀行の借り入れもほぼ順調に進んでおるように私は承知いたしておる。東海道新幹線は非常に輸送量の多いところで、現在の東海道線は明治の末年に区線が完成いたしまして、今日まで弥縫的ないろいろな輸送力増強の手当はいたしましたけれども、今日となってはもうどうにも背負いきれないほどの旅客、貨物が殺到いたしまして、従ってこれが完成の暁には相当収益を上げることができる確信を持っておる。従ってこれは借金で支弁しても少しも不安がない、世界銀行も何ら不安を持っていないという状態であります。どうかさように御承知を願いたいと思います。
○小柳勇君 世界銀行から金を借りますと、たとえば御母衣ダムの建設のように世界銀行の方でいろいろ条件をつけはしないか。たとえば技術者を雇えとか、大きな土木機械を購入せよとか、いろいろな条件がつくのではないかという心配があるのでありますが、世界銀行からの金については一切の条件がないということを確認してよろしゅうございましょうか。
○説明員(十河信二君) もちろん貸借でありますから、いろんな条件があるのでありますけれども、御心配になるような何を買わなければ貸してやらないとかいうふうな条件は一切ありません。世界銀行はきわめて、何といいますか、寛大といいますか、われわれを信用してくれて、そういう条件は一切一言も申し出ておりませんですから、どうかその点は御安心を願いたいと存じます。ただ、われわれといたしましては、日本の技術、日本の工業力というものを世界に示すために、あるいは一部分は外国のたとえば土建業者なりに呼びかけてみたらどうかということを考えておるくらいでありまして、条件というようなものは何ら御心配になることはないと信じております。
○大矢正君 関連。
○委員長(館哲二君) 小柳君よろしいですか。
○小柳勇君 どうぞ。
○大矢正君 そのあなたの今の答弁からいくと、国鉄のこの世銀からの借款に対しては条件というものは何にもない、こういう御答弁なんです。しかし、まあ私ども考えてみて、前に電力会社がこの借款をする場合には、条件として電力料金の値上げが前提であるということが言われておるのです。電力料金が値上げになったならば、あるいは値上げするという前提があれば世銀は借款を与える、こういう内容が今まであったのです。これは政府は明らかにそのことを表明しないけれども、あらゆる雑誌や新聞その他からは具体的にそのことが表明されておるのです。今度の国鉄借款の問題にしたところで、おそらく今度この運賃の値上げがあるから世銀も快く金を出そうと、こういうように考えているかもしれないけれども、かりに運賃の値上げが、これが行なわれない、今の運賃の値上げは、これを政府が何らかの形で肩がわりするなり、政府がその分一般会計その他から金を出すとか、こういうような措置でやるとすれば、世銀というものはすなおに、あるいは快く金を出すという約束をしたかということについて大きな疑問があると私は思うのであります。そういう点について、私はもちろん国鉄のあなた方が世銀とどういうふうに具体的に話し合いをしたかということをつまびらかにはしておりませんけれども、しかし、電力料金の値上げの問題と借款の問題の関連からいけば、今度の国鉄の場合も、必ず裏にそういうものがあるのではないかと私は感ずるのでありますが、いかがですか。
○説明員(十河信二君) 電力款借のときにはどういう折衝があったかは存じませんが、国鉄の今回の借款の場合には、そういう話は全然ありません。東海道新幹線は、これは非常にもうかる有望な事業であるということを初めから彼らは信用してくれたと思っております。ただ彼らが一つ問題にしたことは技術上の点であります。世界で一番スピードの早い鉄道ができるということは、どうも日本の技術ではおかしいじゃないかというふうなことは多少心配いたしたようであります。しかし、調査団がわれわれの技術研究所を見てくれて、われわれは今日までこういう研究をして、こういう実験をして、その上でこの結論を得て計画を立てたんだということを説明いたしました。彼らは驚いて、もう満足をいたして十分納得をいたしております。その点だけが最初に少し問題にされただけでありまして、その他の点はさっきから申し上げますように、十分なる収益力を持っておりますから、借款の対象となる事業ではこんなりっぱな事業はないと言うほど、彼らはおせじを言ってくれておるくらいであります。そういう事実は毛頭ありません。
○小柳勇君 そういたしますと、値上げによらないでも、公共負担五百二十五億の金を政府が負担してくれるならば、新幹線の方は別に金は出るのであるから、新しい所得倍増に伴う輸送量の増強は別途の方向でできるのではないかということになりまするが、公共負担に対して大蔵大臣、運輸大臣、経済企画庁、長官並びに国鉄総裁の御意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げます。御指摘の通りに日本国有鉄道は、たとえば通勤者のきわめて高度の割引等とかあるいは貨物につきましても国民の生活に関係する農林水産物の暫定割引等とかいうような、いろいろの形でもって公共負担をやっておりますることは約五百二十五億円になるのでございます。従いまして、世間ではよくある議論ですが、今回増収をはかりまする四百八十六億円の運賃改訂の増収とその金額が似ておるところから、それでは運賃の改訂による増収をはからんで、国家がちょうど港湾を作るように、あるいは道路を作るような公共事業費というようなものを、その分出してやれば運賃の値上げをせずに済むではないかという御議論のあることもよく聞くのでございます。しかし、現在の国有鉄道が公共企業体といたしまして高い公共性を持っておることにかんがみ、また日本の国民経済の輸送をいたしまする国鉄の特殊の地位等を勘案いたしますると、公共負担をある程度国鉄がやるべきものであるというふうに私どもは考えておるのでございまして、公共企業体という公共性を持った企業体が一般国民の税収入を中核といたしまする一般財政から多額の援助を受けるということは、今日の日本の財政の実情から見ましていかがなものであるかというふうに考え、かつ利用者負担になりまする国鉄の運賃が他の物価と比較いたしまして、きわめて低位にありますることは小柳委員の御存じの通りでございまして、そういうようなことをかれこれ考え合わせまして、一方では国のお世話になって、財政融資をこの際昨年に比較いたしますると、百七十億をも増加いたしまして、千億程度の財政融資を得た。また国鉄自身の自己資金といたしましても、減価償却の繰り入れで六百億円、あるいはまたいつも問題になりまする国鉄の企業の合理化等によりましても、相当額を捻出いたしますほかに、諸種の事情を考えますると、この際輸送増強あるいは輸送の円滑ということで、利用者に還元することができることを目途といたしますならば、この程度の最小限度の運賃を改訂することによって増収をはかってよろしいのではないかという考えに立ちまして、踏み切りましたわけでございます。 しかし、御承知の通りに、本年度予算におきましては、従来から各方面から要求のございましたような公共負担に対して、国庫がある部分を負担をすべしという意見を入れまして、たとえば新線開設の借入金に対する利子補給を、少額ではありますが三億八百二十五万円三十六年度予算として計上いたしましたし、あるいは従来からやっておりまする戦傷病者の無賃輸送に対しましても、三十六年度におきましてはこれをカバーできるほどの大きな額にこれを増加いたしてくれるというようなことで、政府といたしましても国鉄の経理、経営の圧迫になりまする公共負担に対しましても、理解のある態度を示しておるという次第であります。
○国務大臣(水田三喜男君) 今私も運輸大臣の申した通りの考えでございます。で、公共企業体でありますからこそ、いろいろその特殊性にかんがみた十分の措置を国はとっておるのでございまして、一兆一千億円以上の出資というのも、私企業体でございましたら配当もしなければならないでしょうし、また本来ならば、国に納付金があってもいいものを取っておりませんし、国税も取っていないというような現状でございますので、ある程度の公共負担というものを国鉄がするのは当然であって、問題は国鉄が合理的な運賃に基づいた合理的な経営をやっているか、やっていないか。やっておるならば、その収支をそこなわない範囲においては公共負担をかけてもいいのだ、それを越す場合にはどうかという問題でございますが、これは相当今後そういう角度からの国鉄の経営について私どもは検討して、一定のものさしを今後持って判断する必要はあろうかと私は考えておりますが、公共負担を最近、これはみんな国が持つべきものだというのでしたら、国鉄の公共企業体というものの性格に完全に矛盾すると思いますので、これは私は今運輸大臣が述べられた考えが正しいのじゃないかと考えております。
○国務大臣(迫水久常君) 両大臣のお述べになりましたところに、私としては別にさらに付加して申し上げることはございません。
○説明員(十河信二君) 政府の方からいろいろ御答弁がございましたので、私としては何も申し上げる余地はないかと思います。私といたしましては、もう少し公共負担を軽減してもらいたかった、また運賃ももう少し上げてもらいたかった、そうしてなるべく皆さんに御満足のいくような合理化、近代化、輸送力増強をやりたかったのですが、政府は国全体のことを勘案せられて、わずか公共負担はちびっと軽減されただけであります。運賃も少し押えられましたけれども、これは国全体のためにこうすることが必要だということであればやむを得ないということで、おじぎした次第であります。今後も、やはりそういう方面になおお願いをいたしたいと思っております。
○岩間正男君 関連。
○委員長(館哲二君) 小柳君、よろしいですか。
○小柳勇君 ええ。
○岩間正男君 今の国鉄の総裁の御答弁は、先ほど私の関連質問による御答弁と、まるで食い違いがあるじゃないですか。あなたは運賃を上げるのはいやでいやで仕方がない、それでどうぞお許しを願いますと、さつきこう言ったはずです。それなのに、今度、上げてもらえるものならもっと上げてもらいたい、これはまるで前後支離滅裂じゃないですか、どっちかほんとうなんですか。今の発言は非常に重大だと思うので、このようにあなた、再度食言しておったのじや話にならぬ、この委員会の議事も進行を阻害されるわけです。はっきりあなたはどっちだったか言って下さい。今の言葉を取消すべきじゃないかと思うのです。はっきり言って下さい。
○説明員(十河信二君) 輸送力の増強、近代化その他、国民の要望されることが非常にたくさんあります。公共負担の軽減か運賃か、われわれはでき得る限り自分の努力によって合理化を進めまして、その方面においても十分資金を生み出すことはもちろんであります。しかしながら、皆さんの御要望にこたえるためには、どちらか、政府が出資をしてくれるとか、あるいは公共負担を軽減してくれるとか、そうでなければ運賃を値上げしてもらうか、どれかをやって皆さんの御要望にこたえるのが私の義務である。運賃の値上げはもちろん最後の手段であります。しかしながら、どうしてもできないとなれば、運賃の埴上げをお願いすることもこれはやむを得ないと、こう考えたのであります。私は、何も運賃の値上げを希望するとか——運賃の値上げはもうたびたび申しまするように、これはもうこりごりでありまして、皆さんからお叱りを受けるだけでも非常につらいのでありまして、そういうことはいたしたくないのでありますが、やむを得ずお願いをいたしたような次第であります。
○辻政信君 関連。
○委員長(館哲二君) 小柳君、いいですか。
○小柳勇君 ええ。
○辻政信君 私は、今まで十河さんに実は敬意を表しながら聞いておったのです。しかしあなたは調子に乗ってしまって本気になって……、今度の発言を聞くと、もう少し上げてほしかった。また聞き捨てにならぬことは、公共負担が多過ぎると言われる。公共負担は何をやっているか。その一つの例として、けがをした傷痍軍人に対して無賃パスを出した、こういうことを麗々しくおっしゃるけれども、どのくらい出しておるのか。それに対して国鉄の職員が無賃乗車をやっているじゃないか、国会議員はただで出ているじゃないか。それにもかかわらず、戦争で両腕をなくし、両足をなくした者に、二等切符だけで急行料金さえ支給しておらない。あの両腕、両足もないほんとうに困り切った人に、わずかの急行料金さえやろうとしない。そうして、からだの不自由な者が鈍行に乗って、つき添い人をつけてくると、どうしもたまらぬから二人とも急行券を買う。そうすると、一人に対して無賃乗車を与えておっても、急行料金を払うことによって無賃になっておらない。こういう気の毒な人には二等の急行料金さえけちけちしておりながら、国鉄職員が家族の遊覧旅行をするのにも無賃パスを与え、国会議員は無賃パスをもらっておる。それから取ってもいいから、むしろ気の毒な人を救うことがほんとうの公共性じゃありませんか。弱い者を見捨てておいて、権限の座にすわる国鉄に職を持っておる者を優遇する、こういうことが一体国鉄の運営の精神か、はっきり承りたい。
○説明員(十河信二君) 私の言葉が悪かったために皆さんから非常におしかりを受けておる、私の言葉の悪かった点は重々おわびを申し上げます。ことにわれわれとしては、でき得る限りわれわれの身を切り詰めて、われわれの内輪でなすべきことは十分になして、その上で公共負担なり運賃なりをお願いすべきだということは、もちろん私はさように考えております。従って、今お話のような気の毒な方々に対する処置は、当然私はやるべきだと考えております。そういうことはもちろんやるべきだと思いますが、運賃の高額割引のごときは、もう少しやめてもらいたかったということを申し上げた次第であります。言葉が足りなくて誤解を生じた点は重々おわび申し上げます。
○辻政信君 私が言うのは言葉じゃない、あなたの精神を言っているのですよ。公共負担を受けるのは当然だ、しかも社会保障的な観点で、国の命令でけがをした兵隊が二等の急行料金さえ召し上げられておる、この現状はどうするか、幸いあなたは今答弁で、それはやるのは当然だとおっしゃったから、やるものと心得てよいのでございますか、来年から——今からいいですか。
○説明員(十河信二君) 今申し上げたのは、私は、高度の運賃割引をしておる、たとえば学生の九割二分というようなものは、世界に類のないような高度の割引をいたしております、そういうものは少し軽減してもらいたいという意味で申し上げたのでありまして、気の毒な方の割引をやらないと、そういう意味で申し上げたのでないのであります。そういうことは従来通りやりますし、今後でき得る限りのことをやるつもりでおります。
○小柳勇君 さっきからの総裁の答弁の中にも、通勤、通学などの定期の収入が少ない。さっき私はデラックス車の方にこのような金が取られているのではないかというような質問をいたしましたが、デラックス車の方で金が十億ばかり増収がある。で、そのような公共負担を、今私もその割引をやめよというのではなくて、そのような負担については、政府の方で負担するということが相当に通勤の輸送緩和にもなるし、その幹線の輸送力増強にもなるのではないか、こういうことを言っているのでありまするが、大蔵大臣、いま一度公共負担について答弁を願います。
○国務大臣(水田三喜男君) ある程度公共負担は、公共企業体としての国鉄が負担すべきものだと思っております。しかし、それはさっき申しましたように、公共負担が重過ぎるために、国鉄の収支が非常に圧迫されるという問題が出たときには、これは公共負担の問題を国が考える必要も出てきょうと思いますが、その圧迫する状態になっているかどうかということを見るためには、まず国鉄がほんとうに合理的に経営が行なわれているかという問題、その基礎になっている運賃というものが妥当なものであるかどうか、そういう問題が出て参りますので、そういうものを勘案して、国鉄の経営が、公共負担が重過ぎるためにこうなっているのだというものがはっきりする場合には、これは国として考えなければならぬと思っておりますが、私は、国鉄の現状から見まして、今、辻さんから質問がございましたが、戦傷病者に対する無賃乗車に対して、今度の予算では六千二百六十二万円ですかを国が負担することにしましたが、本来なら全額国の出資の企業体でございますから、国のためにけがをされたというくらいの人の無賃乗車ぐらいは、これは公共企業体の国鉄自身がほんとうに持ってもいい性質のものではないかと私は考えるのですが、国はこれを負担することに今度はしておりますが、これは公共負担が重過ぎるか重過ぎないかという問題の判定が非常にむずかしいために、今後国鉄の経営についての私どもは相当の検討をやって、その限度をこえているかこえていないかという判定の、やはりものさしというものを、今後持たなければならぬだろうと私も考えておりますが、ある程度の公共負担は、当然国鉄の性格上、これは国鉄が負担すべきだと思っております。
○小柳勇君 さっきの国鉄総裁の答弁並びにただいまの大蔵大臣の答弁を総合いたしまして、辻委員が言いましたように、たとえば戦傷病者の普通料金以外の急行料金などの負担については政府として負担して、これが実現に努力するというふうに理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(水田三喜男君) 今申した原則に沿った考慮を私どもはしたいと思っております。
○小柳勇君 原則に沿ったということを、私は速記を今読めませんからわかりませんので、もう少し具体的に答弁願います。
○国務大臣(水田三喜男君) やはり国鉄の経営は独立採算制である以上は、基本的収入である運賃の妥当性というようなものを検討しなければなりません。で、国鉄総裁からもお話がございましたが、割引率が現状においてこれが合理的かどうかという検討も、確かにこれは考えなければならぬ問題だと思いますし、合理的に直せるものでしたら、それはそれ自身で解決できますし、直せないものかどうかというような点は、簡単にきめてかかれるものではございませんので、そういうものを真剣に考えたあげく、これは当然この程度は国に持ってもらうべきだというような結論が出た場合には、これは国が負担することもやむを得ないと思いますが、しかし、今程度の公共負担というものは、私は、かりにこれが私企業であったというような場合を考えますと、今新線建設を強制されるから国鉄は困るのだというのですが、新線建設が直接採算がとれないにしても、そこからみなお客が幹線に集まってきて、幹線が大きくもうかっているのですから、一つの培養線であって、幹線だけ持って営業するなら、こんないい商売はございません。ただほかの線は損するからといって、この線を国会に押されて作ることで国鉄が赤字になるのだというような、そういう論法で、そういうものが全部公共負担の犠牲だというような考え方については、私は相当これは検討しなければならぬ問題だと思っております。
○小柳勇君 問題を具体的に話していきたいと思いまするが、公共割引の中で、その他の項目がございますが、辻委員が言われました戦傷病者の割引については、全額については幾らか、大蔵大蔵並びに国鉄総裁御存じでしょうか。
○説明員(十河信二君) 六千二百万円だそうでございます。
○小柳勇君 そういたしますと、その急行料金など普通料金以外の金額については、わずかと思いまするが、大蔵大臣並びに国鉄総裁、ただいまのこの議事進行の上からも、これにケリをつけて先に進みたいと思いますが、もう一回御答弁を願います。
○説明員(十河信二君) できる限りのことを考慮いたします。
○国務大臣(水田三喜男君) さっき話しましたように、この問題は今年度において六千二百六十二万円国が負担するということにきめた次第でございます。
○小柳勇君 いや、そのことではございません。その後の辻委員の発言に伴いまして、それ以外に急行料金など若干の金額でございますが公共負担として割引をする、このことについて具体的に発言を願います。
○国務大臣(水田三喜男君) 今後の予算に関することは、また今後の問題として検討するよりほか仕方がないと思います。
○小柳勇君 もう少し具体的に聞きとうございますが、この問題は運輸委員会でも追及することにいたしまして、次の問題に入りますが、国鉄総裁は昭和三十五年九月八日に出されました国有鉄道諮問委員会の意見書については御存じであろうと思いまするが、いかがですか。
○説明員(十河信二君) 存じております。
○小柳勇君 昭和三十二年に一三%の運賃値上げがきまりました前にも、相当の国会で論議がありまして、その結果として、運輸大臣の答弁あるいは国鉄総裁の答弁を見ましても、根本的に公共負担については検討しよう、そのためには適当な委員会を作って、というような発言もございました。おそらくそれに従ってこのような意見書を出されたと思いまするが、その第一項に書いてございます「割引率を採算点まで引き下げるか、もしくは国鉄の負担分に対して国家が補償の責に任ずること。」、これは委員長は佐藤喜一郎さんでございますが、三十名の委員をもって構成いたしました委員会の答申、その答申に対して国鉄総裁は非常に不誠意きわまる答弁をされたと思う。公共負担についてあいまいな答弁をされましたが、この点について、この意見書に対してどういう見解を持っておられるか聞いておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 私はこの意見書はしごく穏当な意見書である、こう考えまして、極力この意見書に沿うて行動をいたしたいと考えております。しかしながら、力及ばずして十分にいかなかった点が多々あるかと考えております。それらの点は今後さらに一段の努力を傾けたいと思います。
○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたします。さっき新線建設など、あるいは赤字線区などの問題について言及されましたが、新線建設には利子補給の金を今回出すことになりました。ところが赤字線区も相当ございます。大蔵大臣の発言から推察いたしましても、このような赤字線区のこれから新線建設されるようなものについては、大なたをふるって根本的に検討し直さなければならぬのではないかと思います。そのようなことでなければ、赤字については政府が負担しなければ国鉄のこの答申意見書についても反することになるのでありますが、いかがなものでございましょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) さっきは私の考え方と申しますか、気持を述べただけでございますが、これが問題になって予算折衝のときに、私はそういう根本的な問題は後日に譲るとしても、一応国鉄側の要望に沿って、新線建設については、今国鉄がやっておる五カ年計画中は、それを国が負担しようということで話がきまって、そういうふうにしたわけでございますが、これは問題は実際問題に即して解決するよりほかございません。原則としては、この公共企業体としての国鉄の任務としても、まだ地方開発のためにやはり必要な新線は、これは敷いていくべきだと私は思うのですが、今のような国鉄収支の現状から見て非常に無理が伴って、それほどの重要度が、その無理を冒してもする重要度がないのじゃないかというような問題については、今後これは極力抑制するということも考えなけりゃならぬと思います。そこで、経済企画庁長官の答弁ではないのですが、実際に即してほどほどに今後これは対策をするよりほかに仕方がないだろうと思います。
○小柳勇君 運輸大臣に質問いたしますが、鉄道敷設法という法律があります。大正十一年にできました鉄道敷設法という法律によりまして予定線というのがきまっておる。赤字線であろうがあるまいが、建設審議会できまりますと建設することになっておりまするが、さっき言いましたように、二兆円道路計画など公共投資などもありまして道路もりっぱになるが、このような鉄道敷設法については、この際、もう大なたをふるって一切御破算にするだけの決意がおありかどうか、運輸大臣並びに国鉄総裁にもそれに関連してそれに対する意見を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。先ほど来御質問のございました諮問委員会の答申につきましては、御承知の通り諮問委員会は日本国有鉄道総裁の諮問委員会でございますので、運輸大臣といたしましては、これをよく拝見いたしまして重大な関心を持って参考として、いろいろ国鉄を指導監督する場合に参考といたしたいというふうに考えておるのでございます。 それから公共負担の問題につきましていろいろ御質問がございましたが、先ほど申し上げましたように、鉄道の公共企業体ということにかんがみまして、いわゆる公共の福祉を増進することのその仕事をやっておることは、一方当然でございます。この公共性の高いために公共負担をやっておることと、一方、日本国有鉄道は企業体でございますから、企業体として経理の上から独立採算制をとっておりますることとがとかく矛盾をいたしておるのでございまして、この間に調和を得るということがきわめて困難であって、先ほど国鉄総裁のお話がいろいろ論議を呼び起こしたようなことは、国鉄といたしましては、企業体としては公共負担は国家でなるべく持ってもらいたい、また運賃もある程度上げてもらいたいという希望を持つことは、これは企業体としては、経理の改善と経営の健全化の上から見て、そういう希望を持つことは当然だと私は思います。しかしながら一方で今の公共性が非常に商いし、公共企業体であるので、公共負担も、鉄道の経理、経営が耐えられる程度においては、公共負担をやるべきものであると考えておりますが、しかしながら国鉄のあり方というものが従来のような日本における独占企業という形をだんだんと脱して参りまして、新しいバスやトラックが国鉄と競争するような時代になって参りますると、これは公共負担というものの限度につきましても、先ほど大蔵大臣が言ったように、今後大いに検討して参っていく必要があるということは、論を待たないようにも考える次第でございます。 それから新線建設につきましては、敷設法をこの際大なたをふるって改める考えはないかというが、それは私は多年日本の鉄道網を作り上げようというために、多くの人たちが心血を注いで、この敷設法の別表を作りましたものでございます。従いまして私がこの際この別表に手を加えるという考えは毛頭持っておりません。しかしながら、赤字によりまして国鉄の大きな負担になる新線建設につきましては、すでに鉄道建設審議会からの妥当なる答申にもわれわれが見ておりまするように、どうしても鉄道でなければならぬような場所は別として、一キロ一億円以上もかかるような、鉄道でなくていいところは、新しい交通機関を使うことによりまして、幾分でも鉄道の経営の上から見て、赤字の負担の減るようなことを工夫すべきものであるということを、国鉄の方に指導をいたしておりますとともに、現在ありまする非常に赤字の出る鉄道でございましても、ただいま大蔵大臣がお話のように、これから乗ってきた人が本線へ乗りかえて、一つの培養線となり、また地方の産業の振興であるとか、あるいは地域格差の是正とかいうことや文化の交流等に、それぞれ役立つものであるので、現に鉄道が敷かれておるものといたしますると、赤字が出ておるから、これをいきなり廃止してしまうというようなことを軽々に行なうべきものでなく、地方民生の安定ということをよく考慮いたしまして、慎重に決定すべきものである、こういうふうに考えておる次第でございます。
○説明員(十河信二君) 先ほども申し上げましたように、大体において穏当な意見だと思うのでございますが、どんな正しい意見でもこれを現実の生きた社会に適用する場合には、必ずしもそれをすぐやることはできないものが多々あります。新線の建設につきましては、建設審議会においても、たびたび建議がありましたように、政府の出資でやっていただきたい、出資のできない場合には利子補給をしていただきたいということが建設審議会でもたびたび決議されているのでございます。私たちとしては、その決議を実行していただきたいと今日までお願いいたしておったんであります。今日までは、不幸にして力足らず、実現できませんでした。今回その一部分利子の補給ということができるようになりました。その限りにおいて、私は非常に感謝しているような次第でございます。先ほども申し上げましたように、諸外国は線路も、車両も設備が非常に日本に比較して多いのであります。日本はその点においてまだまだ非常に足りないのであります。今後も設備を充実していく必要は多々あるのじゃないかと考えております。
○小柳勇君 先日参議院の本会議で問題になりました只見線、田子倉線専用鉄道の国鉄編入について、経済企画庁長官、また運輸大臣、国鉄総裁に質問いたしますが十五億で三十三キロの赤字線区が、ほとんどもう収入もない線路を国鉄に編入せよという動きがあるようでありまするが、しかも、これは経済企画庁長官が中心になってこれをやっておられる、動いておられる。しかもこの電源開発としてはこれを国鉄が買ってくれなければ、東京に送っている電力の六%を値上げしなければならない、こういう両天びんにかけた書面が出ておりますが、これについてのいきさつを御説明願いたいと思います。
○国務大臣(迫水久常君) 只見線の問題というのは、率直に申して、私が引き受けた非常に大きな負債でございまして、これは実に処理に困っているわけでございます。というのは、昭和三十一年の一月の三十一日に、何内閣であったか知りませんが、閣議の了解がございまして、 一、電源開発株式会社は田子倉ダムの建設用資料を輸送するため国鉄会津川口駅より田子倉に至る鉄道を専用鉄道として敷設するものとする。 二、上記鉄道は本年一月着工し一八カ月の工期をもって完成するものとし、その建設工事は日本国有鉄道に委託するものとする。 三、上計鉄道のうち会津川口−只見間は田子倉ダムの完成後専用を廃し日本国有鉄道の営業路線に編入するよう措置するものとする。 という閣議了解がございますので、この閣議了解の線に沿って電源開発の主管省であります通産省と運輸省との間にずっと折衝が続いておりました。しかし、なかなか問題が妥結いたしませんので、先般経済企画庁が調整というような立場からこの問題に入りまして、両省間に今あっせんをいたしておりまして、私の方では、お金が十五億円かかったというのですけれども、そんなに高いお金ではとても引き受けていただけるわけにはいかないというところから、金額をうんと減らした数字、それからその支払いを一ぺんに払わずに、年賦にして払うというような、条件の緩和したところで国有鉄道の方の負担をできるだけ小さくして、しかし、閣議了解の線はこれを実行いたしませんと、電源開発会社の経理ひいては電気料金の問題にも影響することでございますので、両者間に何とか話をつけたいと、現在努力をいたしている次第でございます。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。只見線のお話は、大体今企画庁長官からお答えをいたした通りでございまするが、昭和三十一年の一月三十一日の閣議の了解事項がございますので、運輸大臣としてはその方向に従って処理いたしたいと考えておる次第でございまするが、国鉄といたしましては、これをほんとうの人を乗せる線路とするのには、さらにもっと金をかけなくちゃならぬとか、赤字であるとか、今後赤字になるとかいうようなことを、実際上国鉄としてはいうておる関係がございますので運輸大臣としても実はあんまり気が進まないわけでございますけれども、それですから、おくれておるわけでございます。従ってこれがもうかる線ならすぐ喜んで慫慂をするわけですけれども、そういうわけでございますが、閣議の了解がございますから、この線に従って何とか話し合いのつくようにというふうに考えて、今、事務当局でせっかく折衝をさしておるというのが実際の状態でございます。
○説明員(十河信二君) ただいま運輸大臣からお答えのありましたように、この問題につきましては、電源開発の総裁から私にしばしばお話がありましたが、私としては閣議了解の次第は承知いたしておりますけれども、今日国鉄財政窮迫の際、運賃値上げをお順いしなければならぬような際であるから、こういう、これを営業線にするためには四億ないし七億も金がかかるというふうなことでありますから、なるべくごめんこうむりたいということで、電源開発の総裁と私との間はそういうことで別れております。今政府の方で相談してくれておるところであります。
○小柳勇君 経済企画庁長官に質問しますが、ただいま問題は二つあると思うのです。そのようなことを、鉄道敷設法の問題——あるいは敷設したものを国鉄に譲渡する場合に手続などを経ずして、閣議了解で、会社が勝手に工事を始める前に閣議了解をとることができるかどうかという点、それが一つであります。それからあと東京の電力は、もし国鉄が編入しない場合は六%値上げしなければならぬといっておるが、これをさっきの問題に返りまして、このような電力の値上げについて企画庁長官は許すのか許さぬのか。この二つの点を伺いたい。
○国務大臣(迫水久常君) この只見線、大体話がつきました場合には、運輸審議会というのですか、そこにかけて、そうして建設線かなんかにする手続をとらなければいけないのだと思います。それから電源開発会社が申しておりますように、電力料金六%はね返るかどうかということについては、私はもう少し検討しなければならぬ問題であると思っております。
○小柳勇君 法制局長官でないので法的にどうかと思いますが、閣議了解というものが、こういう民間の会社が専用線を敷く場合に、私の方で使ってしまったら、あとは国鉄の線路として編入するということを、閣議でこういうことをきめていいのか悪いのか。このことを聞いておるわけです。
○国務大臣(迫水久常君) 私は三十一年当時のことをよく知らないんですけれども、残っておりますのは、こういう閣議了解が残っておることは明らかなんです。おそらく当時におきましては、当時の運輸大臣、これを御了解の上、国鉄も全然知らないでこういうことをきめたんじゃないと私は実は思っておるのです。法律的にこういう閣議了解が有効であるかどうかということにつきましては、さらに手続の上からどうかということについては、私今ちょっとここで、閣議了解をするにはこうしなければいけなかったんじゃないかということについては、私ここでよくわかりませんけれども、とにかく当時の運輸大臣なり国務大臣がおったんですから、その了解が残っておる以上は、正当にできた閣議了解と、こう思っております。
○小柳勇君 国鉄総裁どうです。三十一年の一月三十一日の閣議できまりまして、三十一年の五月から着工しているんですが、そのとき御存じだったんですか。
○説明員(十河信二君) 閣議にかける前は私は存じませんでした。閣議でそういう了解があったということを後に承った次第でございます。
○小柳勇君 経済企画庁長官、今北九州及び北海道などで、石炭産業が不振でありまして、産炭地振興計画というものを計画されつつありますが、特に北九州では田川線、油須原線の建設が途中でとまっておるわけです。そういう産炭地振興計画を立てて、法人なり法人組織でやりまして、鉄道を作って、すぐこれを国鉄に編入しようということができるとするならば、そうしなければならぬような情勢に北九州の油須原線などあるわけですが、それとこれと勘案しまして、今私の申しますような鉄道線路の建設に対しての決意を聞いておきたいと思う。
○国務大臣(迫水久常君) 田川の線路をどういうふうにしたらいいかということについての私の考えでございますか、田川あるいは九州の方の線……。
○小柳勇君 こういうことの閣議了解ができたんですから、あなたは経済企画庁長官として、そういった産炭地を振興しなければならぬ責任と義務があると思うが、どうでございますかと言っておるんです。
○国務大臣(迫水久常君) はなはだ不敏でございまして、きょう今初めて伺いました、どうも、鉄道のことは。従いまして、私よく研究しまして産炭地振興のために有効であって、それが可能であるならばぜひやりたいと思います。
○小柳勇君 次に、運賃値上げに関連いたしまして、また少し深く検討いたしますが、運賃制度が不合理であるということが二十八年の運賃値上げでも、三十二年の運賃値上げでも言われて参りました。第一の不合理の点は、お客の方は黒字であるけれども貨物の方は赤字である、貨物は運べば運ぶほど赤字である、それはたくさん荷物を運ぶような会社などが利益するようにこの貨物運賃はできているんだ、旅客運賃については国民大衆からこれを吸い上げてしまうんだ、こういうことが再三国会で検討されて参りましたが、運賃制度の検討について、総裁はやってこられたかどうか聞いておきたいと思う。
○説明員(十河信二君) 運賃制度の検討は絶えずやっておりますし、運賃制度調査会が約二年の歳月を費やしまして、しさいに検討してくれたので、その結果、今お話しのように、旅客が黒字で貨物が赤字であるという計算は一応出ております。一応出ておりますが、御承知のように同じ施設を旅客と貨物と両方で使うのでありますから、この旅客の経費がどうなるか、貨物の経費がどうなるかということは、実はこれは非常に困難な問題でありまして、世界各国まだこうすれば正確な計算が出るということになっていないように承知いたしております。そこで私どもはなるべくこの運賃について、今日はもう先ほどからたびたびお話に出るように、鉄道は独占企業でないのであります。競争者が、しかも新進気鋭の競争者が現われてきておるのであります。それらの競争機関は原価主義で運賃をきめておりますから、独占時代の遺物である負担力主義で運賃をきめることは間違っておると考えます。しかしながら急激にこれを変更することはできない。漸次原価主義を取り入れていけと、運賃制度調査会の意見もそういうふうになっております。私どももそうすべきであるとこう考えまして、ただいまその計算方法をいろいろと検討をいたしております。徹底した原価主義は個別の原価主義であります。個別の原価主義というものはなかなかむずかしいのであります。地域的にきめることもなかなかむずかしい。旅客と貨物に分けるということも非常にむずかしいのであります。このむずかしい問題と取つ組んで今せっかくその計算方法をどうしたらいいかということを検討いたしまして、なるべく公正妥当な運賃制度を作り上げたいと今努力いたしておりますが、ただいまはまだ今までの計算方法を踏襲して、しばらくその旅客は黒字であるが貨物は赤字であるという結論をそのまま採用しておるような次第であります。
○小柳勇君 原価主義については内閣総理大臣も衆議院の予算委員会で言明いたしておりまして、原価主義を確立するということを言っておるのでありまするが、いま少し具体的に検討しておられる機関、あるいは運賃制度調査会などの進行情勢などについて御答弁願いたいと思います。
○説明員(十河信二君) ただいま申し上げましたように、その計算方法を今いろいろと検討いたしておるところでありまして、具体的にと申しましても、ちょっと私ここで経過をこうだ、ああだということを申し上げかねるのでございます。もし何なら後日でも係の者に説明いたさせたいと存じます。
○小柳勇君 貨物の輸送については、トラックの輸送の敏速化あるいは大型化などによって、相当の脅威を受けておるということでありまするが、今支線などでは集約輸送をやっております。集約輸送をやりますると、もう農村などではめんどうくさいからほとんどの貨物がトラックの方に移動しつつあります。そういうようなものも貨物収入の減少に響いておるのではないか、根本的な制度の問題です。経営合理化といいながら集約輸送をやっておられるが、かえってそれが運賃収入の減になっておるのではないかと思いますので、統計的に出ておったら御説明願いたいと思います。
○説明員(十河信二君) 鉄道の不利な点は戸口から戸口への輸送ができないということ、これがまた自動車、トラックの有利な点であります。鉄道の有利な点は比較的原価が安くて大量に運べるということが有利な点であります。今日、御承知の通り、旅客と貨物と同じ線路を走っております。貨物の各駅に停車して積み下ろしをやるために貨物列車の赤字が非常に多くなっておりまして、はなはだしいのは、一日に八キロくらいしか走らないというふうなひどい程度になっております。これではとうてい国民の満足を得ることができません。物価を安定させるためにも、早く貨物を適時適所に送り届けるということが必要であります。貨物列車の足をできるだけ速くするということは、国民生活の上からいっても、経済発展の上からいっても、国鉄の経営の上からいってもそれが必要だと、こう考えます。そこで短い区間の輸送はできるだけトラックにまかせて、遠方へ貨物をできるだけ早く輸送するということをわれわれ国鉄はやらなければならぬ、こう考えまして、貨物駅の集約を実は計画し徐々に実行いたしておるのであります。これが収入をかえって増加することになって減少することにはならぬと、短距離の輸送は外国でもやっておりますようにこれはもうトラックにまかせた方がいいのじゃないかと、長距離の輸送を鉄道が引き受け、それをできるだけ大量にできるだけ早く安く送るということがわれわれの持ち前じゃないか、そう考えまして、そういうふうにやっておる次第であります。決してこれは貨物収入の減収にならぬで、むしろこういうふうにしてこそ貨物収入をだんだん増していくことができるのじゃないかと考えておる次第であります。
○小柳勇君 大蔵大臣に質問いたしますが、この前の参議院本会議でも問題になりました国庫預託金制度でありますが、これは国鉄ばかりでなく、ほかの公社でもやっておると思いまするが、国鉄並びに電電公社などの預託金制度について御説明願います。
○国務大臣(水田三喜男君) まあ国鉄の場合は御承知の通り、国庫に預託するかわりに、また国鉄は収入に不足を生じた場合には、国庫の余裕金を使用できるというような建前になっておるわけでございますが、これはひとり国鉄だけではなくて、三公社のほか政府関係機関においても全額政府出資の法人であって、しかもこの予算も国会にかかるという性格のものである以上は、こういう制度がまた妥当でもあり、過去からずっとそういうふうに踏襲されてきている制度でございますが、しかし、いろいろ各機関からの改善の要望もございます際でございますので、国鉄だけではなくて他の政府機関とあわせて、私どもはこの制度の合理化ということについて検討中でございますので、できるだけこの制度は改善する方向へ努力したいと思っております。
○小柳勇君 利子が二分九厘並びに金額も百億になんなんとする金が、そういうような低利あるいは無利子で扱われております。今検討するということでございまするが、この問題ももう再三論議されておる問題です。もう少し具体的に、大蔵大臣あるいは運輸大臣及び国鉄総裁も、この問題について見解を述べてもらいたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げます。 国鉄の国庫預託金は、三十四年度におきまして百五十四億円という多きに上っておるわけでございます。そのうちに四十億円は無利子、残りがただいま御指摘のように二分九厘というものでございますが、これはただいま大蔵大臣からお話がございましたように、国鉄の資本金を国家が全部出資いたしておるという関係から、この企業から収支のずれによりまして余りましたものを国庫に預納させて、これを一元的に国家として、大蔵省として利用するということも、当然のように私どもは考える次第でございます。しかしながらこういうものが、国鉄の経営の上から見ますると、もっと有利に利用さしてやることが、国鉄の公共負担をする基盤を作ることにもなりますので、ただいま大蔵大臣からも御検討して下さるというお話がございましたが、今後も大蔵当局と折衝いたしまして、何とか解決の道をはかりたい、こう考えておる次第でございます。
○説明員(十河信二君) 私を初めとして国鉄の職員は、利息の計算というものに非常にうといのであります。公共企業体となって独立採算をやる以上は、なるべく利息の計算に敏感になるようにということを念願いたしております。今問題になっておりますようなものも、そういう意味において、そういうふうなことも、やっていただければ、もっとわれわれが商売人らしく、企業家らしく、利息の計算に敏感になるのじゃないかと考えまして、そういうふうなことをお願いしておる次第であります。
○小柳勇君 預託金制度については、もう長い間の問題でありまして、大蔵大臣、運輸大臣とも御検討願いたいと思うのであります。 それから公共負担の中でもう一つ、災害補償の問題でありますが、災害の場合に自動車道路あるいは国道、県道などではそれ相当の公共的な補償をなされる。国鉄は災害の予算をあらかじめ予定はいたしておりまするが、大災害についてはほとんど赤字でこれを復旧している。このような避くべからざる大災害に対して、政府補償というものは考えられないものであるか、この点について大蔵大臣に御答弁願います。
○国務大臣(水田三喜男君) 公共企業体として交通事業の経営をやっている以上は、一般の私企業と同じように災害も当然経営の中で考慮しておかなければならぬ問題でございますし、今まではこれは全部企業体としての国鉄に負担してもらっているということでございますが、これはある程度そうしてもらうよりほか仕方がないだろうと考えます。
○小柳勇君 それから国鉄総裁に質問いたしますが、国鉄総裁はさっき道路と鉄道との交差あるいは立体交差などについてずいぶん投資をした、金をかけたというような答弁がございました。立体交差などについては、外国の例によれば相当の国の補償あるいは県の補償、地方の補償があるようでありますが、この点について、国鉄総裁は、自分で一切これをやっていくのだというような計画が、これに入っておるのでありますか。
○説明員(十河信二君) 先ほども申し上げましたように、私どもが急いで立体交差にしたいという所が、たしかおよそ千カ所くらいあるのであります。それがなかなかできないで、五カ年計画で約三百カ所立体交差にする予定になっております。これは莫大な金がかかりますので、建設省にもお願いいたしまして、建設省と運輸省、国鉄の間で協議ができておりまして、いろいろな条件がありますが、大体半々ぐらいに負担することになっていたのじゃないかと思いますが、場合によって率は違いますが、そういうふうなことになっております。百五十億を立体交差に国鉄が出せば、三百億か四百億くらいの工事ができるように相なるのであります。そういうふうにしてやっておりますが、外国でもいろいろでありましてこういうものは全部鉄道がやっておるところもありますし、また政府が補助をしてくれておるところもあります、いろいろであります。われわれが今、政府と御相談してやっておるところは、今申し上げましたように双方で適当な部分を負担し合って、なるべく早くやろうじゃないかということで進めておるような次第であります。
○小柳勇君 今までの質問の中でわかりましたことは、新しい所得倍増計画に伴う五カ年計画というものは、運賃値上げ一二%の財源を主として施設の増強に使うというようなことで、政府としては公共的な負担についてもこれを運賃値上げの財源に期待するところが非常に多い、こういうことが明らかにされたようであります。 で、私はいま一度質問いたしたいのでありまするが、当然国あるいは公共的な負担、政府がみるべきようなものを大衆の運賃の中に加えて、一二%という運賃値上げによって大衆によってこういう施設をやらせようという政策に対して、これをしようがないとこういうことでございますか。大蔵大臣、運輸大臣並ぶに国鉄総裁に御質問いたします。
○国務大臣(木暮武太夫君) 今回の第二次五カ年計画におきまする昭和三十六年度分の千九百五十億円のうちには、先ほど御説明申し上げましたように、国鉄の体質改善とでも申しましょうか時勢に即応した近代化、すなわち電化——電車にかえるとかあるいは踏切の改善をいたしますとか、その他複線にいたしますとかいうような仕事がございますが、こういうことは、申すまでもなく国鉄を一つの企業と見まする場合には、採算に乗らない、ペイしない仕事でございます。これが三十六年度分として千二百億円くらいあるのでございます。従いまして企業経理の観念から申しまして、こういうものは借入金によらずに自己が捻出した資金によることが当然であるというふうに考えまして、まず国鉄といたしましては、減価償却等の繰り入れによって六百億円を自分で捻出をいたしまして、残りを四百八十六億円の今般の利用者負担による運賃の改訂の増収に待つ、こういうことになったわけでございまして、先ほど来繰り返して御質問ございました公共負担というものを国家の一般会計において世話を見てやるということにつきましては、公共企業体である鉄道といたしまして、その経理の上から、負担し得る限度におきましては、やはりみずから公共性の高きことを認識して、公共の福祉の増進のために、公共負担をある程度やるべきものであるというふうに原則としては考えておるのでございますが、しかし、その公共負担の赤字が、国鉄の経理、経済を圧迫することの過大なるにかんがみて、政府におきましては、先ほど御説明申し上げましたような新線建設の利子補給や、あるいは戦傷病者の無賃乗車等に対しましては、今年度から十分とは申しませんけれども、国家の支出を予算としていたすことにいたしたわけでございます。この程度で進んでいきまして、先ほど来申し上げました通り、昔のように国鉄が唯一の独占企業でなくなりまして、競争者があるような今日は輸送機関となりましたことを考えて、今後における赤字累積のもととなる公共負担というものを一体どうするかということは、また企業体自身としても、まだこれを負担する余地があるかどうか、あるいは経営の合理化によってもっと公共負担をなすべき余地があるかどうかというようなことをよく検討、勘案いたしませんければ、今にわかにこれに賛否を申し上げることは不適当である、というふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(水田三喜男君) 実はその問題はきのう参議院の大蔵委員会でも出た問題でございますが、立体交差というような問題は、これは国の大きい交通政策の上からもくる問題でございますから、この費用をひとり鉄道にだけ負担させるということは不当でございますし、道路管理者としての建設省がどれだけ負担するか、あるいは場合によっては地方がどのくらい負担するのが適当かという問題も出てきましょうし、この問題がなかなか解決されないために、今日非常にこれがおくれておるという実態もきのうお聞きしましたので、私は今総理府の中にある交通協議会というようなものにこの問題を出して、今後やはりどういう負担でこれを解決するのがいいのかというようないろいろな各省間の相談をやって、急速にこの問題の解決策をはかろうと、きのう御返事申し上げたわけでございますが、そういう方向で、鉄道だけにこういうものを負担させないという方向で解決したいと思います。
○説明員(十河信二君) 必要な資金をどうして捻出するか、申すまでもなく、第一は企業内において合理化をし、節約をし、収入増加をして、そうして捻出すべきは当然であります。われわれは今日までそういう趣旨において努力して参ったのであります。しかし、なかなかそれだけでは思うような巨額の資金を生み出すことはとうていできません。そこで次は、公共負担を軽減するか、利用者の負担かということが問題になるんであります。これはまあいろいろな理由があるかと思います。今日は全体のことを総合的に考えて、一般物価等に対して運賃が非常に低位に押えられているから、ここのところは利用者でこのくらいは負担してもらってはどうかということで、一部分運賃、利用者に負担してもらう、その他の部分は財政投融資等に仰ぐことにいたした次第であります。
○小柳勇君 これから五カ年間において、運賃値上げが実現いたしたといたしますと、約九千億の仕事がなされるわけであります。で、このような仕事を民間の会社などに請け負わされるのでありまするが、今民間の企業者あるいは事業会社などの間で、国鉄の仕事は普通よりも単価が二割ぐらい高いので、われわれは追いついていけないということで、小さい土建業者、建築業者などが非常に不満を漏らしている、不平を言っているというような事実がありますが、国鉄の請負工事というものは、どのような方法で請負をやらせるのか。また、ここに電化やディーゼル化などは、取りかえ、その他で数千億の仕事をなしていかれるのでありますが、日本の会社で、あるいは電気機関単なり、あるいは部品なり、五カ年間にこのような金を消化するだけの仕事ができるのかどうか、お聞きしておきたいと思います。この二点を国鉄総裁から御返事願いたい。
○説明員(十河信二君) ただいま国鉄の請負単価が非常に高いというふうに伺ったのでありますが、私どもはできる限り安く工事を進めたい、こう考えまして、単価をきめるにつきましても、内輪においても委員会を作り、また部外の公平な権威者にもお願いして、積算のやり方等をも委員会でいろいろ御意見を伺ってやっております。さらに請負人を選定するにつきましても、皆さんの御意見を伺って選定基準をきめまして、特殊の関係で請負を指定するというふうなことの絶対ないように、できる限りみんな競争して、安くいい仕事をしてもらうように努力をいたしている次第であります。なお、不行き届きの点が多々あるかと思います。今後もそういう点については一そう注意して努力いたしたいと存じます。また、これだけの仕事ができるかというお尋ねでありますが、これらにつきましても、それぞれ関係の方面とも協議をいたしまして、十分に消化ができるという見込みをつけてこの計画を立てたような次第であります。
○小柳勇君 重ねて質問いたしますが、第一次の五カ年計画は、金の消化率が、車両などは二割六分しか消化されておりません。四年間たちまして二割六分程度であります。この二割六分程度しか電気機関車などできなかった理由はどこにあるのでございましょうか。
○説明員(十河信二君) これは先刻もちょっと申し上げましたが、主として資金面にあるので、収入が予定よりか少なくなる、経費が予定よりか非常にふくれて参る、そのために仕事がおくれたんであります。会社に工事能力が不足したためではないのであります。会社は仕事をよけいやれば、喜んでいたしたいと待ち受けておる次第であります。
○小柳勇君 この金の中で消化していく施設の問題についてはわかりましたが、人間の動きについてほとんど明らかにされておりません。昭和二十七年から昭和三十四年までの八年間で、旅客の輸送は四二%増、貨物の方は二七%の増でございますが、人間は、国鉄の職員は四十四万七千人そのままであります。このような客貨の増化に対して人間はそのままであった。これから五カ年間で旅客は二三%の増、貨物は一七%の増を見込んでございますが、これにも職員の、人の増加については全然触れてありません。一人当たりの輸送トンキロは相当増加して参りますが、この点についてどのような措置をとられておるか、国鉄総裁にお聞きしたいと思います。
○説明員(十河信二君) 仰せの通り、人間、人は増加いたしておりません。来年度でわずか三百人ですか、増加いたしておりますが、これは他の面において、合理化、機械化、近代化をやっております。その方面から若干人が浮いて参ります。そちらの方から融通して間に合わせて、できるだけ人を増加さないように、御承知のように国鉄の人件費は年々非常な勢いで膨張いたしております。昨年度のごときは一年に百九十億の膨張を来たした、こういうことであります。人件費の膨張はちょっと押えることができないものでありますから、なるべく人を増さないように、できるだけ合理化、やり方も組織も変えますし、機械化も実行いたしまして、仕事も楽にできてはかどるようにという方針でやっております。大体その程度のことでやっていける見込みでおるのであります。
○小柳勇君 そういうような仕事が非常に過重になった点、それから速度が数年前までは最高速度九十五キロぐらいで旅客列車は走っておった。ところが今「こだま」などに乗りますと、最高百十キロぐらいで走っております。九十五キロから百十キロまでの速度の増加というものは、運転その他に相当質的な変化を来たしております。そういうせいもありましょうか、職員の死傷事故を調査してみますと、一年間に死亡者だけで百十名、重傷者、軽傷者合わせますと八千二百四十名というような非常に危険な状態にあります。このようなことに対して、総裁はどのような安全措置を考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○説明員(十河信二君) できる限り安全装置を充実いたしまして、環境をよくして、なるべくけがをしないように、安全にできるだけ楽に仕事をしてもらえるようにということで、近代化の面においては、その点も十分に注意してやっておるつもりであります。 なお、今お話しのような、 スピード・アップによって時間と距離の関係が出て参ります。これらのことについては、組合側と絶えず懇談をし、また団交をいたして決定しております。十分に了解を得てやっておるつもりであります。
○小柳勇君 一昨年から争いがあります調停委員会の、労働時間の短縮にいたしましても、先般動力車労働組合が事前協議の問題で、新聞で大きく取り扱われました職場大会の問題にいたしましても、そのようなことに起因しておると思います。それからいま一つ、これはほかの企業にも関係ありますが、四十才以上、昭和四十年から一万五千名ずつ首切るのだと、こういうようなことが非常に職場を不安にしておる。国鉄がやられたら、あとは私鉄であろう、日通であろう、あるいは全逓、電通であろう、そのようなものも、今回のこのいわゆる春季闘争といわれる中で、非常な不安な中で、みんながこの際何とかしてもらわなければならぬという憤りがあります。このような労働時間の短縮なり事前協議なり、労働者がいろいろ要求しておるものに対して、総裁はどのように解決しようと考えておられるか、お聞きいたします。
○説明員(十河信二君) 時間はでき得るだけ短縮して、待遇はできるだけよくしょうということで、まあ非常な努力をいたしておるんであります。事前協議の点についてお話がありましたが、この動力近代化ということは、サービスの改善になり、スピード・アップになり、輸送力の増強になるのみならず、従業員の職場の環境をよくして、仕事が楽に安全にできるということも多分にあるのであります。それゆえに、私が就任後、動力近代化の推進をはかりたい、こう考えまして、委員会を組織いたしました。その際に労働組合に対しても、ぜひ諸君に、われわれが何を考えておるか、われわれのやろうとすることはどういうことであるか、やった結果がどうなるかということを知っておってもらうことが必要だから、ぜひこの委員会に参加してほしいということを私は懇請いたしましたが、最初は労働組合の方でどうしても承知してくれないのであります。私は諸君に別に制限を加えたり、あるいは不当な責任を負わせるというふうなこと、意味は毛頭持っていないのだ。協力してもらうには、どうしても認識してもらうことが必要だ。それだからオブザーバーの資格でも個人の資格でも何でもいいから、どうかわれわれがやろうとしておることを一つ聞いてほしい、知ってほしい。そうして諸君の意見も言ってほしいということで、あれは最初オブザーバーということで参加してもらったような次第であります。 私は四十五万の従業員がです、打って一丸となって、十分に何をしようかということを認識して、協力してくれるのでなければ、今日わが国鉄は非常な危機に際会しておる。私は身をもってこの危機を打開したい、こう考えております。従って、従業員諸君が私の心持を十分理解し、私が何をやろうとするかということを十分知ってもらって、協力をしてもらいたいということで、事前協議は十分にやりたいと考えております。この間も組合との間に大体そういう趣旨で、これは団体交渉じゃありませんが、十分に協議をして、お互いに認識を深めて、心から協力するということになってほしいというのが、私の念願でありまして、今後も十分に事前協議をいたすつもりでおります。
○小柳勇君 総裁の言われるところはわかりますが、精神主義だけでは、仕事は円満にいかないと思います。今年度の予算を見ますと、職員の給与の予算としては四・五%の昇給資金は組んであります。しかし、ベース・アップについては一円の予算も組んでありません。まあ所得倍増計画によって、所得は九%毎年増加すると仮定いたしますと、三年では二七%であります。今、平均賃金が二万三千円といたしますると、約三割、三年で三割上がったといたしまするならば、六千九百円当然アップということも考えてしかるべきではないか。しかるに、四・五%昇給資金を入れたんだと、そういうことで、これから一年間あるいは二年間の賃金の問題については予算に出ていない。そういうものをしておいて、精神主義だけで、働け働けでは、なかなか仕事は円満にいかぬではないか。それが、きのうも国鉄の前で、総裁に陳情しているあの姿ではないかと思うが、その点、いかがでありますか。
○説明員(十河信二君) なるほど予算の人件費は、従業員の側から見れば不十分であるかもしれません。 しかしながら、あの中には、先ほど来申し上げますように、いろいろな合理化あるいは近代化等で、一面においては経費の減るような、一面においては収入の増加するような仕事を進めていくようになっておりますから、従業員の協力によりまして成績を上げるならば、私は、そう従業員の皆さんに御迷惑をかけることなくしてこれを実行していくことができると、こう考えております。
○小柳勇君 重ねて総裁に質問いたしますが、成績を上げるならばというものと、給与の水準の引き上げというものは、これはおのずから違うと思います。成績が上がりましたいわゆる超過労働に対するペイは当然あるべきものでありまするが、この所得倍増計画に伴って、周囲の人は、国民全体の生活水準は上がって参る。給与水準が上がって参るときに、当然これだけの予算が新年度として、五カ年間として計算されるならば、設備費と同時に、人の問題も考えてしかるべきではないか。物だけでは輸送できません。物と人と調和して、初めて輸送は完璧でありましょう。その人の待遇の問題がないことを私は言っているわけであります。 第二の問題は、さっき申しました、四十才になったらば、昭和四十年から一万五千名ずつやめさせるのだということは、この際撤回されますか。そのことを聞いておきたいと思います。
○説明員(十河信二君) 国鉄は四十五万という大衆が働いておる職場であります。多数の人を擁するところであります。戦争中あるいは戦後の特殊な事情で、今までもたびたび運輸大臣その他からお話のありましたような特殊の事情で、今日の国鉄の職員の年令構成というものが、全く正常でない形になっておるのであります。ちょうちん型といいますか、そういうふうなことになっておりますので、それゆえに、人を増さなくとも、一年に百億の二百億のという人件費の増加を来たしておるのであります。これは、やむを得ないのであります。 そこで、これをどうしたらいいかと、われわれに名案がありませんので、それで、要員対策委員会というものを設けまして、識者の、権威者のお知恵を拝借して、これをどうしたらいいかということを御相談申し上げたのでありますが、その結論が、先ほどお話のあったように、ある年令層が非常にふくれておるから、それを正常化するためには、こういうふうにしなければならぬという意見が発表せられたのであります。毎年一万五千人ずつ首切るということを言ったわけでも何でもないのであります。この処置は、今のような経済界の好況の時代に、こうしたらいいのじゃないかというのが、この委員会の御意見であります。 私ども、どういうふうにしたらいいかということを、今せっかく苦慮して研究いたしておるところでありまして、決して一万五千人首切るということを委員会が言ったわけでも、私どもが言ったわけでもないのであります。こういうふうにしなければならぬような情勢であるということを委員会が発表したようなことでありまして、どうかその点は、誤解のないようにお願いしたいと思います。
○小柳勇君 いま一つは、デラックスの車両が走る割には、国鉄内部の施設はよくなっておりません。よその官庁を言って済みませんけれども、たとえば、郵便局にいたしましても電話局にいたしましても、あの施設あるいは庁舎などと比べまして、国鉄では、ほとんど明治年代からの建物もたくさんあります。 で、今総裁は、職場の整備など言われましたけれども、もちろん車両のよくなることはけっこうでありますが、職員のそのような施設についても、十分意を用いてもらいたいのと、それから待遇の問題について、もっと積極的に意を用いてもらいたい。 最後に、非常に大事なことでございますが、一番、一つの大きな問題は、これから五年したら、国鉄は財政事情によって、もう破綻するのではないか。東京−大阪間の新幹線ができて、オリンピックが終わったあとでは、もう国鉄は赤字で、どうもこうも危機に瀕するのではないかという危険があります。 もう一つは、ここに日本国有鉄道諮問委員会から出されました最後の意見として、こういうのがあります。「一層根本的なる欠陥と認むべきものがあった。それは、国鉄のあるべき姿が、国鉄の内外を通じ、どの方面においても明確に意識されていなかったと同時に、国鉄は「公共企業体」とはいいながら、その経営面において「企業性」を発揮する余地を殆んど与えられない性格不明の存在であったということである。そのため、改善のための真のイニシアティブは、国鉄の内外を通じ、どこからも出て来なかったのである。」こういうことを書いてある。 運輸大臣並びに国鉄総裁は、私は今、長時間かけて質問いたしました私の質問も、これは三十二年度の運賃値上げのときに言われた質問であります。あるいは二十八年度の運賃値上げのときに問題にされた問題であります。それを私は、ここで三たび繰り返しました。しかも、そのことが、またこの次の運賃値上げについても問題になりましょう。その改善のイニシアは、一体だれがとるのか。国鉄総裁、大蔵大臣、あるいは運輸大臣おられますけれども、ばらばらにして国鉄を放置しておいて、そうしてさっき言われましたような、傷痍軍人の急行料金一つすら、ここで満足に答弁できない。そこに、このような大きな国鉄の改善に対して、一体運輸大臣あるいは大蔵大臣あるいは国鉄総裁は、どうお考えであるかを最後にお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、先ほど来、いろいろ御意見のございましたように、国鉄が公共企業体として、一方では公共負担を負い、一方では公共企業体としての経理、運営の上から、能率化をはかるために独立採算制を維持しておりますが、この矛盾したことをやっておりまするということは、非常にむずかしい問題になっておるのでございまして、御指摘のような、いろいろの問題が今後あると思いますが、私どもは、各種の諮問委員会とか審議会とかいうところから出ておりまする意見をよく参考にいたしまして、今後も国鉄の健全なる運営に、どうしたらいいかということを、十分に検討をしていきたいと思います。現在のままで、必ずしも満足すべきものであると考えておるわけではございません。
○説明員(十河信二君) 私は国鉄総裁として、今御質問のありました一切の責任を私が負います。私は、一切の責任を負います。もちろん、政府各大臣のことは、私は存じませんが、私、国鉄に関する限り、私は全責任があると自覚いたしております。職員の職場環境をよくすることを、もちろん私は極力努力いたしたいと考えております。 しかしながら、われわれのやっておることは、国民から委託されて、国民の財産を預かって、国民にサービスをすることが、われわれの任務であります。時には、自分の職場環境が悪くても、これはまあ、もう少しがまんしてくれ、まずお客様の方の待遇をよくしなければいかぬ、お客様の設備をよくしなければいかぬということが、私のたえず従業員に要望しておるところであります。私自身、そういうふうにやっていきたい、こう思っております。ひどいところは、漸次直して参りますが、まず第一は、お客様のために施設を改善しようということに、今後も私は進んでいきたい、それが正しい道じゃないか、こう考えておるのであります。従って、いろいろな点のおくれておることは、これは従業員に対して申しわけないのでありますが、そういう次第で、がまんをしてもらっております。 諮問委員会に、いろいろなことが書かれておりますが、私は帰するところ、企業体として自主性が足りない。もっと自主性を持つべきじゃないかということが、諮問委員会の結論じゃないかと思います。同様のことを、運輸大臣の任命せられた監査委員会でも、結論を出しております。私も、でき得る限り自主性を拡大していただきまして、自分が一つ責任を持って、国民の負託にこたえたいということを念願しておるものであります。
○国務大臣(水田三喜男君) 国鉄総裁のおっしゃられた通りでよろしいのであります。 —————————————
○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。 本日、藤田藤太郎君及び森元治郎君が辞任され、その補欠として椿繁夫君及び久保等君が選任されました。 二時半より再開することとして、暫時休憩いたします。 午後一時四十四分休憩 ————・———— 午後二時五十分開会
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を再開いたします。 委員の変更について報告いたします。 本日、泉山三六君及び塩見俊二君が辞任され、その補欠として近藤鶴代君及び鍋島直紹君が選任されました。 —————————————
○委員長(館哲二君) 午前に引き続き、質疑を行ないます。金丸冨夫君。
○金丸冨夫君 私、三十六年度予算並びにこれに関連いたしまして、交通関係を中心に若干の質問をいたしたいと思います。 まず一般の質問に先立ちまして、労働大臣並びに運輸大臣にお伺いいたしたいのでありますが、ここ両三日新聞紙上等で非常に論議せられておりまする来たる三十一日の公労協を中心とした九組合、公労協九組合約八十万人が半日ストを行なうということにつきまして、非常に国民は憂慮をいたしておるような次第でありまして、まさに二・一スト以来の大がかりなものでございまして、全くこの二、三日はゼネスト前夜の観を呈しておるように受け取れるのでございます。ことに、国鉄が半日といえどもストップをするということは、過去の事例に徴しましても非常な影響をもたらすものでございまして、もしこれが行なわれるといたしまするならば、これが平常の状態に復帰するには約一週間を要するのではないかと私どもは考えて、非常に憂慮をいたしておるのであります。またさらに、公労法につきましては、御承知のように十七条または十八条におきましてスト禁止の条項が明白になっておりまするのにかかわらず、今回は今までと違いまして、ストを堂々と宣言をしてこれを行なうというようなことに相なりまして、今各新聞が一斉に唱えておりまするように、全く法律自体を守らないことを前提としてのストライキのように受け取れてならないのであります。 おおよそ法治国におきましては、民一人々々といわず、あるいは団体と言わず、法律を守るということが、もう前提でございます。従いまして、この解決という問題については、政府御当局におかれましてもいろいろと御苦心、特にまた仲裁裁定の申請等もなされ、最善の措置を講ぜられておるように新聞紙上等において伺っておりまするが、およそ法律を守らないというようなことは、全く法治国の破滅でありまして、この点につきましては厳たる態度をもって解決に当たり、今回の事態のみが解決すればいいというような問題では、これは済まされない問題ではないかとかように存ずるのでございまして、この間につきまして政府のただいままでの経過並びにこれに対する御所信を伺いたい、かように存ずる次第でございます。
○国務大臣(石田博英君) 公労協の賃上げを中心といたしまする三十一日の半日ストは、金丸委員御指摘の通り、明白に公共企業体労働関係法十七条に違反する行為であります。これをあらかじめ公然と天下に明らかにいたしましたことは、全く前例を見ないところでありまして、法秩序の維持のためにも、また労働運動が国民の理解と同情のうちに健全に発達して参りますためにも、きわめて遺憾に存ずるところであります。 もとより、私どもは法律に違反する行為に対しましては、厳正に法の示す通りの処置を遂行する所存でございます。 今回の公労協の賃上げの要求に対しましては、政府はまず第一に、諸般の事情から、相当の賃金の上昇をいたすべきものだという方針であります。従って、従来この種の場合、当局と組合との団体交渉が行なわれましたときには、予算上の関係から公社当局、現業当局はゼロ回答しなければならないのが実情でございました。しかし、政府の方も今回は前例を破りまして、あとう限り誠意のある回答をなし得られるように、所要の措置をとったのであります。その結果、御承知のように当局はほぼ千円の賃上げの回答をいたしました。これは国鉄の場合に例をとりますと、一般昇給を加えて千九百円であります。私鉄が現在中労委の調停中でありますが、その前に行なわれました私鉄経営者の回答は、定時昇給を含みまして千三百円でありますから、定時昇給を含んで千九百円という数字は、私は公社現業当局が最大限の、現状で許し得る最大限の誠意を尽くしたもの、こう考えるのであります。しかし、それでもなお組合側が不満であるという実情については、その実情を理解できるのであります。しかし、その不満な点を処理いたしまする手段は、私どもは団体交渉で話し合いがつかない場合におきましては、公正な第三者である公共企業体労働委員会の調停仲裁を待って解決すべきであると考えておる次第であります。その場合におきまして、仲裁裁定が提示せられましたならば、政府はこれを完全に、実施をいたす旨をしばしば明らかにいたして参りました。しかし、十三日にスト宣言が行なわれ、かつ、そのスト宣言の中に、交渉が決裂した旨の文句が入っておりました。また現実に団体交渉の、各公社現業との間に行なわれております交渉の経過を見てみまして、かつそれを個々連絡をいたしました結果、交渉をもって解決する見込みがなく、かつ組合側が調停に応ずる見込みもない、こう判断をいたしましたので、私は御承知のように十五日、職権による仲裁請求を公労委に出した次第であります。公労委はいろいろの経過はございますけれども、目下仲裁を進行中であります。この裁定が提示せられましたならば、政府はこれを完全に実施いたすつもりでございまするし、組合側言論の中には、あるいは公共企業体労働委員会の公益委員が、政府の一方的任命であるとか、あるいはその公正を疑うかのごとき発言がございますが、この公益委員は、労使双方の同意を得ました後、国会において参衆両院それぞれ満場一致で可決せられました方々であります。私はその独立性と公平を信じて、必ず良識ある裁定が提示せられるものと確信をいたします。この裁定は、もとより法律上最終のものであります。従って、労使双方を明確に拘束するものでありまするから、政府はかねて申しておりまする通り、この裁定を完全に実施いたすつもりであります。 私は、公共企業体の労働関係は、一時の力関係によって左右されたり、あるいは筋を曲げたりするのではなくて、やはりこの公共企業体労働委員会の仲裁裁定を、政府もまた労働者もこれを完全に尊重するということを中心といたしまして運営せられるべきものと考えている次第であります。従って政府はあくまでこれを完全に実施いたしますが、それをしも無視して行なわれる不法行為に対しましては、先ほど申しましたように厳正に法の命ずる通りを実施する決意でございます。私は三十一日の計画せられている不法な行為の力の圧迫によって処置がゆがめられ、あるいは筋が曲げられることのないことを確信をいたしておりまするし、また、組合員の大多数の人々の良識を信じまするし、また、国民の世論は必ず良識を大きく支持することを信じまして、全力をあげて三十一日の国民に迷惑をかけるような行為の行なけれないように努めて参りたい所存でございます。
○国務大臣(木暮武太夫君) さきに公労協の戦術委員会で決定した春闘に関しまして、国鉄労組並びに国鉄の動力車労組におきましてもほかの方と同じような賃金の引き上げ、あるいは時間短縮あるいはスト権の奪還等をスローガンに掲げまして、来たる三十一日に半日のストを行なうような構想を持っておりますことは、御指摘の通りでありまして、私どもはこういうことは、国民大衆の生活を混迷に導くものと考えまして、自重を要請をいたしているような次第でございます。 御承知の通り公労協の労働条件に関しましては、当事者の間で決定を見ません場合には、あっせん、調停、仲裁制度等によって決定するというのは論を待たないのでありまして、国民の迷惑になるような事態においてストを行なうということは、法律において許されておらないのであります。ぜひそういうことの起こらないことを期待をいたしまするが、万万一公労法に違反するようなことをいたしました者に対しましては、関係者を厳重に処分するのが至当であると考えている次第であります。
○金丸冨夫君 お答えをいただきました労働問題の解決に当たりましては、労使双方がほんとうに理解、一致を見出すということは非常に困難でありまするが、これを尽くさなければならぬということはもちろんでございまして、ただいま組合の御要求になっている問題につきましても、政府はほんとうにあたたかい気持をもって、また財政の許す範囲においてこれが実行をされるということが、また解決の主要な点であり、またその方法等において、お互いにストライキ自体の行儀を直すという意味からいたしましても、この法律を順守するということは絶対要件であろうと私は考えるのでございまして、この両者におきまして、ただいまお答えをいただきました、この御決意によって進められることは、まことに妥当であると思うのでございまして、世論の向かうところをよく御洞察願いまして、最善を尽くし、かようなストライキの起こらないように、この解快方について一段の御尽力を賜わりたい、かように存じまして、この問題は私はこれで打ち切りたいと思います。 次にお伺い申し上げたいことは、最近、都市におけるところの交通が非常に輻湊いたしております。六大都市ももちろんでありますが、特に東京都におきましては、全く行き詰まりの状態ではないか。かようなことで非常に憂慮をいたしているような次第でございます。 大体、最近の交通の非常に輻湊いたして参りました原因といたしましては、第一には人口の自然増加及び都市集中というようなことが非常にはなはだしくなったということが一つ、また生活向上あるいはまた文化の向上、さらにまた産業の伸びが最近非常にテンポを速めてきたということが第二の原因であろうと思いますし、また第三には、国民各階層の所得が非常に増加をいたしてきた結果は、車を利用するということが非常に旺盛になったということであり、また第四には、自動車工業というものが非常に発展をいたして参っておる事実並びに第五には、ガソリン、重油等の動力源の入手が非常に最近容易になったということであろうと思うのでありまして、試みにわが国の自動車保有台数を運輸省の調査によりますと、三十五年十二月末でもうすでに三百四十五万三千台というようなことに上りまして、毎年大体二〇%から三〇%の増加、特に三十四年度は平均いたしまして二四%という増加に相なっております。ことに乗用車につきましては三五%、また二輪車は三四%というような高度の増加をいたしておるのでございまして、これが一つの大きいこの都市交通輻湊の原因であると思うのでございます。また、交通事故の面から考えてみますと、三十五年中の全国の事故件数は三十五万六千二百五十八件というようなことに、これは警視庁の調べでありまするが、なっておりまして、何と驚くなかれ、死者が八千六百九人、負傷者は二十万五百九十という数に達しておりまして、一日平均二人半また負傷者は五百五十人というような数字に相なっておるわけであります。死傷に関係なく交通違反の件数は、これはまた法務省の調査によりますというと、三十四年中全国でもって三十万六千百四十七件、三十五年はちょうど六月までの統計ですが、二十一万三千なにがしでありますが、おそらく三十五年全体については四十二万人に上りはしないかと、かように考えておるわけでございます。 およそ交通といえば、産業、経済発展の基盤をなし、民生安定の基本であるというようなことをよく申しますが、今日までかように行き詰った原因は、何といっても、この交通に対する認識が私は足らなかったということを強調いたしたいのであります。たとえば道路にいたしましても、終戦後、二十五年でしたか、米国からの調査団のときでも、日本には道路予定地はあるけれども道路はないというようなことを言われておる。また鉄道につきましても、最近ちょっと数字がふえるというと、すぐに隘路だ隘路だというて大騒ぎをする。鉄道自身は、私は今日新五カ年計画は設定されておりまするが、当然のことであって、今まであまり金を使わずに、いかなる事態においても貧乏人のやりくりで効率が世界一高いということを自慢をしてきておった。その報いがここにしわ寄せされたと私は見て差しつかえないと思うのであります。これは結局国が交通に関して金を使わないということがここにきておるのであると思うのでありまして、また、一般世間でも大体私は認識が非常に足らない。物の売買をする場合でも、物の代金は非常にやかましいが、運送賃のごときはこの次に考えておる。また、木材等がたくさん産地に山積していながら金にならないということを嘆いておるが、輸送というもの自体を開いてこそ、物の価値が上がるということはよく存じているにもかかわらず、これを軽視する。この傾向が、私は一番今日の交通の行き詰まりを来たした原因であろうと、かように考えているわけであります。ところが今回は、池田内閣におきまして所得倍増というりっぱな構想、さらに引き続き、具体策として、鉄道におきましては鉄道五カ年計画、あるいは道路整備五カ年計画、また、港湾整備五カ年計画、船舶建造十カ年計画と、なかなか計画はたくさん盛られまして、そうしてこの取り戻しをやろうということになっておられるようで、まことにこれは時宜を得たことであると私は考えるのでありまするが、ただ、ただいままで予算委員会を通じて伺っておりますというと、大事なところになるというと、これは構想であるとかというようなことで、すぐ逃げられてしまう。また現に、今年の予算を見ますというと、ほとんど初年度の三分の一にも達しないようなものを盛っている。これでは国民が納得しそうにもないのであります。私は、あえて年度割りをやかましく言うわけではありませんが、かようなものについて国家が立てられた計画を、ほんとうに五カ年で完成しようという熱意があってやられるか、言いかえれば、かかる認識の上に立ってこれる政府はやられているかどうかということについて、すべての台所をお締めになっております大蔵大臣に、総理にかわって一つお答えをいただきたい、かように考えます。
○国務大臣(水田三喜男君) 所得倍増計画の基本をなす各種の公共投資計画が行なわれておりますが、大体において、私は、その初年度の予算の計上の仕方、投融資のつけ方は、できるだけこの計画に合わせているつもりでございます。たとえば道路計画で見ましても、五カ年間の計画は御承知の通りでございますが、今年度の予算を見ますというと、一般道路事業が千九百十九億円、有料道路事業が四百八十八億円、合計で二千四百八億円を今年度は道路整備につぎ込むことになるのでございますが、これが計画に対して、初年度予算としていいかどうかという問題ですが、この間、ちょっとこの委員会で融れましたように、財政の見通しとか、あるいはその事業の性質とか、いろいろなものを勘案しまして、十カ年計画ということになりますというと、前期の五年と後期の五年というものをどういうふうに分けたらいいかというような問題が実際問題としてはむずかしい問題でございましたが、この間申しましたように、三五%、三七、八%−四〇%は多過ぎると思うのですが前期が、そのくらいで、後期が六〇何%というような分け方が最も合理的な聖業分量の分け方であるというようなことも言われておりますし、また、もっと別の角度から大ざっぱに計算しますと、十カ年計画の初年度の計画は、十年という場合は、大体十五分の一が初年度の計画とすると合理的だというような計算も出て参ります。そうしますと、今回の計画から見まして、この計画の一四、五%というような予算になりますと、少し低目であるかもしれませんが、そう全体計画とそごした計画ではないということが言えるでございましょうし、港湾の方は、これは五千億円というものを前期後期に分けますと、私は二千二百億円ぐらいが最初の五年間の計画として妥当ではないかと考えて非常にがんばったのでございますが、まあ港湾整備が急がれる事情もございますので、比率は変わって、最初の五カ年間に二千五百億円ということになりましたので、これが非常に計画としては強い計画でございまして、この計画通りの今後いろんな予算措置がとれるかどうかということについては、相当これはむずかしい問題で、来年度からよほど港湾計画についての予算化は骨を折らなければならぬ問題だと思いますが、その二千五百億円というふうに見た角度から見ますと、ことしの初年度計画は去年よりは大幅な増加をいたしていますが、全体計画に少し予算が足りないというようなことがあるかもしれませんが、これは、計画の見方そのものが少し道路計画に比べては比重が大きいということも言えますし、そういう点もございますが、そのほかの各年次計画は、大体私は初年度計画としてはそうかけ離れたものではないというふうに自分では思っております。
○金丸冨夫君 大蔵大臣のお示しによりますれば、今、初年度は五カ年計画であれば三分の一程度、あるいは十カ年計画であったら十五分の一程度でいくのが普通であるというお話でございまするが、それを裏返せば、しからば、たとえば道路計画の建設省でやっておられるこの予算というものは、大蔵大臣もちゃんと御理解の上にお立てになっておるということになるのだと思う。これはあとでまたお伺いいたしますが、非常に安心いたしました。 次に、具体問題に入って参りたいと思いまするが、特に、六大都市でも、東京都の関係は非常に御承知のように輻湊いたして、全く行き詰まりの状況になっておる。人口の点も、すでに一千万を数えるに至って、 ロンドン、ニューヨークをしのいで、世界第一の都市になっておる。これは、やはり都市自体が非常に大きくなるということになりますれば、自然やはり限界効用の理論で、この機能が低下することは当然であります。どうしても都市分散の問題が起こって参ることであって、これは絶対に今後必要であろう、かように考えるわけでありまするが、この場合においては、都市の分散とはしからば何ぞやと申しまするというと、私の考えでは、やはり政治、経済、それから教育というようなもの、さしあたりこういうものの分離ということが最も必要ではなかろうか。歓楽街を離すとか、あるいはまた、ただいまやっておりまする団地の設定、住宅の分散でございますね、こういうものは、これはやはり交通の面から考えると、何も一つも分散にはならないのであって、豊田に、あるいは松戸に設けましても、これから入ってくるということでは同じことなんです。従いまして、こういう基本に触れなければならぬと思いまするが、この点については、諸外国におきましても御承知のように、オーストラリアにおけるキャンベラ、あるいはまた、ブラジルにおける、よく例に引かれますブラジリア、あるいはまた、方向は変わっておりますが、あのフィリピンのケソンシティの構想、こういうことは非常に参考になるのではないかと思うわけでありますが、キャンベラは御承知の通り、メルボルンとシドニーの間に設けるのでありまして、もう相当に進んでおるようでありますが、ブラジリアは今度見ましても議会とそれから住宅ができておるだけで、ただいまほかの機関というものの移動というものはほとんど中止状態になっておるように見受けるのであります。クビチェックという大統領は、これはブラジリア形成ということに非常に力を入れてやっておるのですが、三月にかわったシャニオクワドル大統領の政策は必ずしもこれはあとを受けるかどうかわからぬような状況に相なっておるわけであります。 私の申し上げたいことば、都市を富士山麓に移すとか何とかいうことはなかなか困難だろうと思いまするが、せめてマニラのケソンシティの構想のように、ごく近接したところにいろいろな機関を集中して、そうして分散するということが一番いいのではないか、かように考えまするが、首都圏整備委員会がこれを取り上げておられるようでありますが、具体的にしからばどういうことをただいま計画し、それがどの程度に進んでおりまするか、また、所得倍増計画でこれをさらに上回った新計画がおありでありましょうか、こういう点を一つ建設大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 首都圏整備の計画といたしましては、概要をかいつまんで申しますと、大体ベッド・タウンでなしに定着した衛星都市を周辺に設けまして、東京へのこれ以上の過度の人口集中を排除する道を講じたいということが基本的なねらいでございます。すでに四カ所に地域指定をいたしまして、この地域につきましては活発に工場及び工場従業員の定着をはかる措置を進めておりまする次第であります。相模原、町田地区が一番先に指定になりましたが、すでにこの地区は五十工場くらいが建設に着手をしておる段階でございまして、大宮地区なども相当に団地ができまして、今工場の希望の向きに割り当てを行なっておる最中でございます。その他の地区もやや同様な進行をしておるわけでございますが、なお、現在の計画といたしましては、このほかに首都圏整備地域の東京から離れたところに十一カ所ほど指定地域をふやしていく予定でございます。すでに内容的にはかなり工場団地の取得も進行いたしておりますが、正式に指定をいたしますと地価の値上がり等を来たしますので、それらと見合いながら内容的な進行をある程度はかっておるようなわけでございます。 御承知の通り、戦後の住宅事情にかんがみまして、住宅公団がいろいろな住宅団地計画を立てましたが、これは住宅の応急の措置でございまして、今後はできるだけ衛星都市に工場及び従業員が通勤でなしにそこの団地に定着をする、ちょうどロンドンの周辺にできましたニュータウンのような形に作りまして、そこに定着人口を作って、また、これからできる工場等も既成市街地に作るよりはそういうところに作った方が、いろんな便益もあるし、工場の経営上有利であるという態勢を築きまして、既成市街地にそのような施設ができ、人口集中の素因を作らないようにしたいという考え方でございます。かたがた先年国会の議決を得ました工場等制限に関する法律ができまして、既成市街地内に一定規模以上の工場、学校等の建設を抑制する措置を講じました。これによって既成市街地のできるのを防ぐと同時に、作りたい人たちは周辺の衛星都市にそれを作るというように誘導する意味でその立法措置を講じたわけでございます。現在ある市街地の学校とか工場などを他に移せば非常にこれは理想的でございますが、これはなかなか容易なことではございませんので、さしあたりそのような措置を講じまして、過度の人口集中を排除する道を講じて参りたい。ただニュータウンの建設は、道路及び鉄道の貨車能力等が非常に影響しまして、たとえば相模原にいたしましても、工場は五十工場からの建設に入っておりますけれども、まだあすこは単線がございまして、貨車能力が非常に乏しいので、原料及び製品の搬入、搬出に支障を来たすから、早く鉄道を整備してもらいたい、道路を整備してもらいたいという要請がございまして、もちろんこれは要請がなくてもやらなければならないことでございますが、それらの作業を目下進めている段階でございます。
○金丸冨夫君 都市分散の件につきましては、お尋ねすれば際限がないからこのくらいで打ち切ります。 次に、道路の問題でございますが、首都の道路に対する御計画はちらほら資料で拝見いたしておりますが、五カ年計画を現に今までやっているその目標と、それからこれはすでに三カ年経過いたしておりますが、現在までの間に大体どの程度できているか、こういう点を一つ承りたいと思います。
○国務大臣(中村梅吉君) 三十三年度から発足いたしましたこの五カ年計画につきましては、財源の関係等もございまして、先太りになるわけでございますが、二〇%——この五カ年計画のうちの二〇%近く内外が実施をされておるという段階でございます。
○金丸冨夫君 そうすると、三カ年たって二〇%しかもとの計画はできない、こういうことでございますか。
○国務大臣(中村梅吉君) はい。
○金丸冨夫君 それでは伺いますが、首都の道路計画、今この輻湊をわれわれは毎日経験いたします関係からいたしますれば、主要幹線における立体交差ということが一番私は大事な、しかも交通の混雑を防止する第一の問題だろう、かように考えるわけでございますが、これについて何でも大きいところで十カ所、さらに四十一カ所ばかり小さいところを加えて計画されているということを承っておりますが、この進行状況はどういうことになっておりますか、鉄道の立体交差ではございません、道路でございます。
○国務大臣(中村梅吉君) 先ほど申しましたことを私勘違いしたかもしれませんが、二〇%あまりと申しましたのは、東京だけの関係でございまして、全国の道路につきましては、五カ年計画のうち五〇数%進行いたしております。 それから今お話のございました立体交差でございますが、従来非常に重要なことでございますが、あまり進んでおらないわけでございます。今度の新五カ年計画におきましては、極力立体交差を推進して参りたいということで目下具体的に検討を進めておる次第でございます。手近なことを申しますと、祝田橋の立体交差あるいは東京都が中心になって実施するわけでございますが、昭和通りの立体交差あるいは目下建設途上にございます、オリンピックまでに完成を目途といたしておりまする環状七号線のごときは、道路、鉄道等を入れますというと、二十七、八カ所の立体交差はどうしても作らなければならぬだろうということで進めておりますが、なおそのほかに都内既成市街地の立体交差につきましては、大体国の直轄事業は国道一号線だけでございまして、あとは東京都の実施する事業でございますから、国はこれを援助する立場でありますので、目下東京都が中心になりまして、ネックになっておりまする場所はどこか、その場所を立体交差化するにはどういう技術的な設計をすればよかろう、可能か不可能かというような点を、相当の数にわたりまして研究を続けておりまする段階でございます。私どもといたしましては、新五カ年計画の中にも、かような混雑を来たしておりまする既成市街地の立体交差を極力進めまして、ネックの解決をいたして、車の流れがよくなる、流れがよくなれば交通の消化量というものも相当に増大できますから、拡幅等をいたしまする場所もございますが、なかなか全面的な拡幅は困難でございますので、そのような方法によりまして、交通の隘路を打開する方途を講じたい、かように考えておる次第でございます。
○金丸冨夫君 国は一号線だけだということになりますというと、あとは都で御計画になられるということですが、私どもはどちらでもかまわぬが早くやってもらいたいということですが、自治大臣、どうぞ一つお願い申し上げたい。都に関しての進行状況を伺いたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 交通問題が特に東京都あるいは大阪で非常な重要な問題になっておることは、御指摘の通りでございます。しかし、これは御承知のように、国が、今建設省あるいは首都圏整備委員会等が中心になりまして道路その他の施設をやりますので、東京都自体が自分の事業計画としてやる部面、両方相待って今解決をはかっておるわけでございます。大体、東京都といたしましては、一般会計におきまして三百二十五億程度の予算を三十六年度計上いたして、また交通そのものにも百二十一億程度を計上してやっておる次第でございます。これは自治省では、それぞれの各政府機関あるいは自治体自体がやります仕事をできるだけやりやすくやらせますため、起債その他のめんどうを見るという程度のことでございます。 今お話しの通りに、この全体の財政バランスをとるとか、政府が財政計画表見るという場合におきましては、都市のあり方というものに対するいろいろな算出の方法、財政処理の方法というものが従来必ずしも適切じゃないのじゃないか、そういうような状況から、今日のようなこの過大した非常に混乱したような都市の状況、まあ言いかえますれば、都市における人口あるいは経済生活上の発展に比例をした公共施設がはなはだしくおくれておるという状況は、確かにおっしゃる通りであろうと思います。そういった点につきましても、今後十分留意して、相当抜本的な対策を立てるのでなければならないと考えておる次第であります。
○金丸冨夫君 建設大臣にもう一つお伺いをしたいのですが、オリンピック大会に備えての道路ということもございますが、首都高速道路の進行状況、さらにもう一つ、新しい新五カ年計画で取り上げられるこの自動車専用道路、これはおそらく宮城を中心とした御構想じゃないかと私想像いたしますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(中村梅吉君) 首都高速道路公団ができまして以来、東京の高速道路建設に努力を進めておる次第でございますが、まだ発足早々でございまして、十分の成果を上げておらない次第でございますが、大体首都高速道路公団としましては、五カ年間に約五百九十億円余りの事業を実施する予定でございます。これは羽田空港から参りまする一号線、二号線、三号線、四号線及び八号線の五路線をオリンピックまでにぜひ完成をいたしたいということで、現在この五路線に着工いたしておるわけでございます。進捗度はまことにのろいのでございますが、これは用地関係等がございまして、なかなか容易でなかったわけでございますが、最近やや軌道に乗って参りまして、相当に活発に行ない得るような状態になって参っておるわけでございます。 私どもといたしましては、既成道路を拡幅するための困難な事情、自動車の増勢等から見ましてどうしても高速道路の発達をはかる必要を痛感いたしております。極力やって参りたいと思います。ことに、東京の中心を通過いたします自動車はできるだけ高速道路を通過してもらうというような意味からも、高速道路を発達させまして、そうして既成道路の方は地回りの自動車が走るという姿にしなければ、今後の輻湊をさばくことはできないのじゃないか、かように考えまして、極力努力をいたしておる次第でございます。
○金丸冨夫君 先ほどから伺いますというと、どうも建設省、言いかえれば国の負担に属するものは国道線だけだ、その他については都がやるというようなことで、ずいぶんと都に重みがかかっておるようでございますが、この輻湊を緩和するためには、やはり大きく国が問題を取り上げて解決するということでなければ解決がつかないのじゃないかというような感じが私はいたします。それについて、たとえば都の財政においてほんとうに道路についてそういうことになっておるかどうか。これをちょっと見ますというと、雑誌に載っておりますところによれば、ガソリン税の都の納付額は三十五年で二百十一億に上ろうとしておる。ところが、国が都に交付しておる金はたった二十七億二千万円だというようなことを言っておりますが、大蔵大臣、ほんとうでございましょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) 大体そうだと思いますが、この道路予算の地域別の配分方法というのは、ガソリン税の量にはよらない配分をやっておりますので、具体的には、もし必要があるならば、その配分について主計局長からお答えいたします。
○金丸冨夫君 しかし、二百十一億そのまま返せということはこれは言い得るものではないと思うが、地域格差とかなんとかという問題も起こっております。しかし、二百十一億に二十七億はあまり小さいのじゃないですか、この点いかがですか。
○政府委員(石原周夫君) 二十七億という数字は三十四年度の数字かと思います。三十五年度の東京都に対しまする国の補助負担の金額は四十八億三千三百万円でございます。
○金丸冨夫君 それにしましても、非常な違いがあるわけでございます。ほんのちょっぴり出すというようなことでは、国がほんとうにこの首都の交通を何とかして解決しようという誠意には私はならないと思います。もうあえて追及いたしませんが、どうか一つ大いに理解を持って、都にまかせておくだけじゃいけないのであって、ほんとうに国が取り上げて解決するのでなければ、もう今日行き詰まってしまっておる。蒲田、八ツ山のごときはもうほとんど道路というものは通るものじゃない、駐車場だ。たった五間か三間のところを一時間かかって動くという実情で、これを解決することは笑いごとじゃないのです。どうしてもやはり、都ができなければ国がこれを助けて、早く解決するということでなければ、オリンピックで物笑いになりますよ。どうぞよろしくお願いいたします。 時間がございませんから、建設大臣、もう一つ伺いますが、道路整備が今言うように都内だけでも三年かかってたった二〇%というのは非常に驚くのですが、この原因ですね、原因は何でありましょうか。これに対する対策、これちょっと簡単にお答え願います。
○国務大臣(中村梅吉君) 都内の前期の三十三年度以来の五カ年計画で割合に事業量の実行が進みませんでしたのは、結局するのに、用地の取得が困難なために、事業の消化ができないで繰り越しが非常に多かったという結果でございます。従いまして、われわれといたしましては、ことにオリンピック関連道路等、期限のある、目標達成を完全に行なわなければならない事業を控えております次第でございます。 なお、これについてつけ加えて申し上げますが、先ほど実は申しました、国道一号と申しましたのは、建設省が直轄工事として担当いたしておりますのがこれでございまして、あと事業の実行は東京都がいたしますが、それぞれ事業自体については相協力をいたします。ことにオリンピック関連道路につきましては、国が三分の二補助でございます。事業の実施機関は東京都になっておりますが、さように財政的な力の合わせ合いをいたしまして実行いたしておる次第でございます。 そこで、用地の取得難を解決をいたしますために、目下近く提案の運びにいたすべく、公共用地の取得に関する特別立法をいたしたい。従来の土地収用法というものもございますが、これは制度としてはよくできておりますけれども、非常に時間を長く要する制度になっております。そこで、特に公共性が強い、特に緊急性の強いというものを、審議会を設けまして、第三者の公正な方々に御審議をいただいて、その審議会でこの公共性、緊急性の強いものをピックアップして御決定を願ったものにつきましては、もっと急速に土地収用手続の運びまするように、特別立法をいたしたいというつもりで、立案作業を進めておる次第でございます。これをぜひ今国会に成立をさせていただきまして、これら緊急を要しまする事業につきましては、これを適用し、一般の方々にも十分PRをいたしまして、理解ある協力をいただいて、目標年次に達成するように運びたい、かように考えておる次第でございます。
○金丸冨夫君 次に、運輸大臣にお伺いいたしたいのでありまするが、路面交通が非常に行き詰まっておりまする当然の結果として、やはり各国の例をとりましても、一々あげませんが、地下鉄拡充ということにこれはどうしても向かうことだと思うのであります。これについての計画も詳しく伺いたかったのですが、やめまして、結局ラッシュアワーのときにこれを早く郊外に運ぶとか、あるいは朝のラッシュアワーの場合になるべく早く都心に運ぶということが要諦だろうと思うのです。これについて、私電等が都心に乗り入れをするというようなことがあれば、あの連絡地点における混雑は解消されて早くなるのではないか、かように考えますが、私電乗り入れに対して運輸省はどういう政策をおとりになるか、この点を一つお伺いしたい。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げます。まことにごっともなお尋ねで、お話のように、私鉄等の周辺から入りますものが便利に地下鉄等と連絡をとりまして、都心へ人の入って来るように、乗りかえを便利にするとかというようなことはいたしておる次第でございます。
○金丸冨夫君 私の申し上げるのは、私電自体を地下乗り入れということをお許しになるならば、もっとも都内地下鉄の運営にも関連づけなければなりませんけれども、それをやるならば、中央から直ちに郊外に行くということで、国電が非常にラッシュになって、拡充に拡充、地価はどんどん上がるというようなことが、やはり全体的に平均にいくことについては、やはり私電をうまく、運賃の調整もございましょうが、乗り入れというような問題をお考えになれるのじゃないかと思ったんですが、この点については将来はどうお考えになるか。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答え申し上げますが、地下鉄などの今後、ただいま三十九キロくらいしかないものをもっとふやさなければならぬという問題がございます。都心の方から周辺の方へ参りますものはもちろんでございますが、また周辺から入りますものが都心の方へ乗りかえ等によって連絡をとって便利に行けるということに力を尽くしておるわけでございます。
○金丸冨夫君 次に、都電について、都電の存在、特に地下鉄線が完成したところにおきましては、これは考慮できると思うのですが、大体自動車交通の点から考えれば非常に障害になっておりまするが、この撤去の可否についての御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げますが、路面の電車をどんどん撤去しなければならぬということは、これはヨーロッパあるいはその他で、一般の趨勢になっておるようでございます。しかしながら、今日の東京都の都電は一日に百六十万ないし百七十万人のお客さんを運んでおるという現状と、それからここにはたくさんの従業者がいて、これを撤去するというようなことは直ちに配置転換等に関係をいたしますものですから、一方におきましては、地下鉄の整備拡充に努めまして、路面電車にかわるべき地下鉄の整備ができるのと相待って、そこで働いておる勤労者の配置転換というものとよくにらみ合わせましてから、この現在役に立っておる都電の撤去というものをだんだんと慎重になすべきものであるというふうに考えておる次第でございます。
○金丸冨夫君 警察庁長官にお尋ねいたしますが、ロータリー、安全地帯について同様なことが言い得るわけでありまするが、この効果及び撤去の可否についての御方針等ございましたら、お伺いしたいと思います。
○政府委員(柏村信雄君) お答え申し上げます。ロータリーにつきましては、相当に広い四つかど等におきまして、交差点等におきまして有効な機能を営むものももちろんあるわけでございますが、比較的狭い交差点等においてはむしろ交通上支障を来たすというようなことも考えられますので、こういうものにつきましては、検討をして撤去するような方向に向けていかなければならないというふうに思います。また、安全地帯につきましても、交差点の先に行ってとまるというような方が現在多く行なわれております。交差点の手前でとまるよりも、交通の円滑化という点においては有利な場所も多多あるわけでございまして、東京都等におきましてはそういう着意のもとに、かなり安全地帯を移転するというようなこともやっておりますが、やはりその具体的なところところに応じまして交通の実際の動きというようなものを見比べつつ、検討をさらに加えていかなければならないと、こう考えておるのであります。
○金丸冨夫君 ただいま運輸大臣から地下鉄拡充はしなければならないということを伺いましたが、しからば地下鉄拡充につきまして、資金もこれから非常に多額に上ると思います。ことに大阪、名古屋のごときは、これからの問題で、ほんとうに計画的にやらなければならぬと思うのでありまするが、かような多額に上った資金についての資金調達、その他また新線は大体一カ年くらいはなかなか収支が困難ではないかということも考えられる。これに対しまして政府または都でこれを助成をするというようなことについてはいかに考えられておりましょうか。大蔵大臣並びに自治大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。運輸省におきましては、昭和三十年以来都市交通解議会を作りまして、地下鉄の整備拡充に対しまして審議をお願いをいたしておるのでございます。東京につきましては、昭和五十年までに約百八キロ、現在におきましてはそのうちの三十九キロができておるわけでございます。大阪におきましては、昭和五十年までに約七十六キロ、名古屋については昭和六十年までに約七十五キロの整備が必要であるという答申を得ておるのでありますが、現在までにできましたものは、ただいま申し上げました東京におきまして三路線で三十九キロ、大阪においては二路線で十六・七キロ、名古屋においては一路線六キロが開通しておるような現在の状態でございまして、今までは順調に進捗いたしておるのでございますが、東京におきまする最近の輸送混雑の状態から見まして、昭和五十年までに百八キロではとうてい輸送需要をまかなうということは困難だというふうに当局としては考えましたので、昨年の九月にまたあらためて都市交通審議会に対して、再び高速鉄道の整備につきまして諮問をいたしまして、近く今年の六月にはさらにあらためてもっと早くやらなくちゃならぬという結論が出ることを期待しておるようなわけであります。
○国務大臣(水田三喜男君) 地下鉄事業の事業費を申しますと、昨年は二百十億円、今年は三百四十三億円と事業費は上がっておりますが、そのうちで国が財政投融資で援助します分は、昨年の百三十二億円に対し、今年は二百二十億円、七割の増加をはかっておる次第でございますが、今後も地下鉄の重要性にかんがみまして財政融資の援助は十分に続けていくつもりでございます。
○金丸冨夫君 英国などでは支払い保証とか、あるいはまたさらに社債の政府利子負担とか、いろいろなことを考えておりますが、利子の軽減あるいはまたさらに都におきましては、固定資産税の軽減というようなことをお考えになる意思はございませんか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(安井謙君) 今、大蔵大臣からお話がありましたように、それぞれ地下鉄事業に対しても政府が資金のあっせん、起債の割当をやっておるわけでございますから、東京では三十六年度百四十億円の起債の割当をやっております。さらに税その他で援助する、軽減をしていないということでございましたが、実は固定資産税等におきまして、これは地下鉄、高速道路営団というものも企業体でございまするから、全免というわけには参りませんが、主たる隧道といったようなものについて、これを免税といたしております。さらにその他の部分につきましても、当初の五カ年間は全体の三分の一に課税する、その次の五カ年間は三分の二に課税するといったような軽減をやっておるような次第でございます。
○金丸冨夫君 交通事情から申しますれば、東京都に限らず、大阪、名古屋におきましても、今後相当これからの建設は金が要ると思うのです。これについて、少なくとも利子の軽減というようなことを国家がはかるということは私当然だと思いまするが、まあ国鉄並みでいけば六分五厘程度になると思いますが、こういうことのお計らいの御意思はございませんでしょうか、大蔵大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(水田三喜男君) 高速道路営団、いわゆる地下鉄に対しましては、そういう意味で国がずっと出資を継続してやっているというようなことで、いろいろ援助いたしておりますが、地方の、東京、大阪、名古屋というものに対しましても、できるだけ長期で低利な資金を供給するように考えたいと思います。
○金丸冨夫君 もう一つ、都内交通に関して最も重要な問題は、ちょうど国鉄総裁おいででございますから、ちょっとお伺いしたいのでありますが、この都内の集中の問題に関連いたしまして、新線のターミナルをどこに持っていくかということはおきまりになっておりましょうか、おりませんでしょうか。その点をお伺いしたいのであります。特にこれを設定する場合に、ただ単に部外の用地の獲得の容易なところというような目標でやられますというと、さなきだに今日行き詰まっておるこの首都の交通が非常に困難になって参ると思うのでございまするが、この点をお考えになって御設定に、まだならなければそれを一つお考えになっていただきたいと、かように考えるわけでありまするが、御所見いかがでありましようか。
○説明員(十河信二君) 今のお話は、多分東海道新幹線のターミナルのお話だと思います。東海道新幹線のターミナルをどこへ置くかということは、首都圏整備の問題とも関連いたしております。非常に重要な問題だと考えまして、関係方面と緊密に連絡をして、協議をいたしたのであります。御承知のように、東海道新幹線は、さしあたっては旅客の輸送に主力が伸びると思うのであります。旅客の輸送、旅客のターミナルにつきましても、いろいろの案があったのであります。都市のまん中に大きな停車場を置いて交通を遮断し、何か都市を分断するようなことになってもまことに申しわけのないことだと、こう考えますが、一面はまた、利用せられる国民の皆さんに最も便利なところへ置く必要がある。現在の東海道線は旅客は東京駅、貨物は汐留ということに大体なっております。これもそういう趣旨で、ああいうところに置かれたことと思うのであります。東海道新幹線もそういう意味において旅客の方は東京駅にターミナルを設置することに決定いたしました。貨物の方は少し離れたところでもいいのじゃないかという意見も非常に強かったのでありますが、今お話のように、現在の都市の交通の状況を見ますると、できるだけ都心に近いところがいいのじゃないかということで、これはまだ決定いたしておりません。今いろいろな案について検討中であります。御趣旨を体して、十分協議をした上で決定いたしたいと存じます。
○金丸冨夫君 時間がありませんから少し急ぎますが、ただいままでお伺いいたしましたように、あらゆる問題について、まず計画、次には御所見というようなことで、実際これでもって計画がどしどし今完成されたものは非常に少ないのであります。結論は、結局この結果がしわ寄せいたしまして今日の都内の行き詰まりを来たしておると、かように存ずるのでありまするが、この行き詰まりを打開するためには、今度はやることはできないのですから、今まで動いておるやつをどう一体ぶった切るかという問題になろうかと思うのであります。つまり、交通の規制に対して、すでに警察庁は各方面に調査を派遣してやられておる。またさらに、首都交通対策審議会は十二月の六日に答申をされておるというようなことでありまするが、これは事実でございましょうか、お伺いしたいのであります。
○国務大臣(安井謙君) 交通の緩和のためには、施設の拡充もどうしても必要でございますが、同時に、現在あるものを整理、整頓してスムーズに通すということが刻下の急務でございます。そういう意味からは、交通の規制、一方交通あるいは一定の大型貨車の制限というようなものも今後必要になるのじゃないかというふうに考えておりますが、これはしかし同時に、国民に与える経済影響、社会的な影響も非常に大きいものでございますから、慎重にいたしまして、各方面の意見も十分参酌した上で実施に移すような準備を進めておる状況でございます。
○小林英三君 関連質問。今の都市の交通の緩和の問題ですが、私ども自動車に乗って通ってみますというと、たとえば交差点で大きな道路がある。一方は小さい道路がある。ところが、その小さい道路の方から少しも自動車が通らないのに、むやみにシグナルで止められているような場面にたびたび私はあっているのです。これらもやむを得ないかもしれませんが、何か工夫すれば、こういうところの緩和ができるのではないかと思うのです。その点について、公安委員会がその方の係りですか、あるいは警察庁の係りの方からお伺いしたい。こういう問題について、大きい道路と小さい道路が交差しているところ、このシグナルの出方はどういうふうにしておりますか。それからまた、東京都においてそれらのところを警察庁では常に視察をして、シグナルの時間の問題についていろいろ緩和されておりますか。そういう点についてお伺いしたい。
○政府委員(柏村信雄君) お答え申し上げます。広い道路と狭い道路とが交差いたします場合、信号がないようなところにおきましては、広い方が優先ということになるわけございまするが、信号をつけてこれを調整するということのためには、広い道路にだけ偏するようなことのないように、交通量その他実態をよく調べて、できるだけ具体的に順調な、円滑な運行ができるように指導をいたしておるような次第でございます。
○小林英三君 ちょっと、その今具体的なやつはわかりませんが、私が今承ろうとしているのは、たとばえ十間の道路がある、それに五間の道路が交差しているというような場合におきまして、私しろうと考えでは、十間の道路の方には四分間通過さしている、二分間の停車さしている、あるいは一分間停車さしている。反対に小さい方の道路は、停車は四分間で、通過だけ二分間か一分間にすれば、非常に緩和できるのじゃないかということを考えるのですが、そういう点はどうなっておりますか。
○政府委員(柏村信雄君) 各地におきまして、信号機の点滅の時間等につきましては、ただいまお述べになりましたような趣旨を生かすように指導をいたしておるわけでございます。
○小林英三君 それから、先ほど私が後段に承りましたように、そういう問題は、今警察庁長官はそうお述べになりましたけれども、われわれが自動車で通っておると、そうでないところがたくさんある。そういう問題はあなたの方で常に視察して緩和さすように、シグナルをやったらそれでほうっておくのでなしに、始終そういう問題は情勢に応じて変化さす必要があるのじゃないかと思います。
○政府委員(柏村信雄君) まことにお述べになる通りであろうと思います。警視庁その他都市におきましても、御趣旨のような考え方でできるだけ努力はいたしておるわけでございまするが、間々それに合わないような、また時がたつにつれて状況も変わってくるというような点から、順調にいかない点もあるかと思いまするが、そういう点につきましては、お話のような線をさらに強く指導をして参りたいと思いまするし、また警察において操作することは、これは責任を持って十分やらなきゃなりませんけれども、民間の方方におかれましてもお気づきのことは遠慮なくお申し込み下さるようなことになれば警察としても非常に助かる、またその趣旨に沿って改善していくということになろうかと思います。
○金丸冨夫君 警察庁長官にお伺いいたしますが、この十二月の六日の交通対策審議会の決定——答申でございますが、その第二に「間引き規則」というものがございまして、「大型トラック等の車両の通行を禁止する、」と、こういうことを取り上げられておりまするが、これはどういう見地から一番先に大型トラックをやり玉にあげたか、それを一つ承りたい。
○政府委員(柏村信雄君) お答えします。何と申しましても、都市の交通が非常に輻湊いたし、所によりましては麻痺状態というような事態にも相なっておるわけでございまして、先ほど来お話のございましたように、こういうものについてどういうふうにこれを調整していくかということが非常に大問題であるわけでございます。この大型トラックというようなものは、それ自体物の輸送、経済の発達ということに欠くべからざる交通機関でございますけれども、同時に、都市交通におきましてその占める部分が、交通の場所を占める割合が非常に大きい、また普通自動車等の前を行くと、なかなか見通しがきかない、あるいは道路の損傷というような問題、いろいろ影響するところが大きいわけでございます。従いまして、これについて適当な規制措置を考えるという趣旨と私は理解いたしておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、そのまた社会的な機能というものが非常に重大なものでございますので、東京都におきましては、二月に一回、三月に一回、さらに四月に入りまして一回、詳細な実態調査をいたしました上で、どういうふうにこれを規制していくかということについて検討をし、案を作成し、また関係方面にも、いろいろ関係のある方々の御意見を承って決定するという方針をとっておるわけでございます。大阪市におきましては、すでに案を作成いたしまして、目下関係方面にいろいろと協議をし、意見を承っておるという状況であります。
○金丸冨夫君 それで問題なんです。第一、大型を禁止するというのはどういうことなんですか。大型一つ禁止して、それで小型になるということになれば、大体今の都内の数量は鉄道関係が月間二百五万トン、船舶が百四十五万トン、自動車で百十三万トン、四百六十五万トンくらい月間輸送する。一日平均十五万四千七百トンくらいになるのですが、所要台数とすれば大体延べ台数四万四千台くらい要るのです。これは全部ではないけれども、大型一台に、小型でやらなければならぬということになると、その三倍、十五万にふえるということは、一向規制どころじゃないじゃないですか。これはどうですか。
○政府委員(柏村信雄君) 大型自動車の規制と申しましても、これの使用を禁止するという趣旨ではございませんで、一定の地域であるとかあるいは特定の道路であるとか、そこを大型は通らないようにするということで、実情に応じてできるだけ円滑にいくような道路を通るということにするわけでございまして、大型自動車を使用させない、こういう趣旨ではないのでございます。
○金丸冨夫君 もう一つお伺いしますが、トラックを先にやり玉に上げるというのは、見てくれが悪いからとか、あるいは見通しの点でどうだとかいう、それは格外なんかは別ですよ。普通のトラック運行から考えれば、ミゼットも大型トラックもやはり一台は一台、それを禁止して、そうして小型でもって、特にこの乗用車等の関係は全然野放しにしておいて——これはむずかしい問題でありましょう、ありましょうけれども、トラックを一体禁止するというようなことの頭で、今後規制をされるとするならば、まあ今度は迂回道路等をお考えになるかもしれぬけれども、これは大へんな問題になると私は思うのです。都内のほんとうに治安確保の責任にある警察庁の方々が、そういうことでやられますと、非常に迷惑すると思うのでありますが、米国その他の例、特に私今度ニューヨークでもって経験したのですけれども、あの雪でもって五日ばかり途絶いたしました。その場合でも除雪ができて第一番に通るのはトラックなんですよ。われわれの乗る自動車なんというのは、四日間くらい通ることはできなかった。メーヤーが許可をしないのです。そういうことになっておる。また、あなたは乗用車ということを言いますけれども、車のふえているやつは、先ほど指摘しましたように、乗用車が一番多いのです。三五%も対前年だけでふえているのです。数寄屋橋に立って見てごらんなさい。トラックが何台通るか、乗用車が何台通るか見ていただけばすぐわかる。そういうことで、結局治安ということの任務に当たる方が、こういう案をうのみで実行しなければならぬ。われわれがいろいろ意見を申し上げますと変でありまするけれども、そういう場合には、なかなか警察の方はもう相手にしない。これは審議会できまったのだから、どうしても面子上これをやらぬわけにいかぬと、こう言っている。現にそういう考えでやられたら、大へんなことであります。これは一つよくお考えを願いたいと思うのであります。もうニューヨークのことは、皆さん方も御存じでありましょうが、第一あの乗用車が一番先にやられております。あれは郊外で皆とまるようになっている。内輪の方は地下鉄及びハイタク、こういうもの、そうして結局いつもやれるのは、バスとそれからトラックでなければならぬ、こういうことで実際規制されております。私どもは、できるだけこういう点についての御意見をおきめになる場合に、もう少しこの実情をよく御審議願いたい、かように考えます。それについて、この委員会のメンバーをちょっと私、拝見しましたけれども、みな学識経験者か官庁の方だけでもってこれはできている。そうしておいて、実際の利用者あるいはまたはその業者というものはあまり入っていない。あまりじゃない、これは入っていないと思うのですが、そういうことで、この大事な憲法上保障せられた自由というものを、大きく言えば制限するのですからね、今度は。それをやられたのでは大へん困ると思うのですが、この点の御所見を伺いたい。
○政府委員(柏村信雄君) 首都交通対策審議会についてのお話でございますが、これは東京都知事が設けたものでございまして、都としてこれが適当だという意味の人を人選されたのだろうと思いますが、これによってきめられたことを、そのままうのみにして、警察が規制にまっしぐらに行くということではございませんで、きめられたことはきめられたものとして尊重はいたしますが、これを実施に移すにあたりましては、先ほど申し上げましたように、十分に実態を調査し、実情に即するような方法において、警察上の措置を考えていくというつもりでいるわけでございます。
○金丸冨夫君 そうすると、自治大臣にお伺いいたしますが、これは二十二人もきまっているが、これは二人や三人ぐらいは、実際のそういうものの実情に明るい方を入れるわけにはいきませんか。
○国務大臣(安井謙君) おっしゃる通り、この首都交通対策審議会には、必ずしも交通関係の専門家というような人はあるいは少ないかもしれませんが、これは東京都でおきめになっていることでありますから、自治省といたしましても、こういう問題につきましては、あるいは国家公安委員会としましても、十分今後専門家の意見は聞くように指導はいたしていきたいと思います。ただお尋ねの、このトラックは優先でまず第一に通すのだというお考えもあるかもしれませんが、これもやはり昼間交通規制をやるということになりますと、トラックが相当目標になることはやむを得ないかと思っております。できるだけしかしこれについては、慎重な態度をもって、各方面の御意見を伺った上で扱っていきたいと思います。
○金丸冨夫君 そこでお願いしたいことが一つあります。それはおそらく時間の規制はこれはやむを得ぬと思います。各車について、規制はやむを得ぬと思いますが、規制をした場合におきまして、今度は集配なんかをやるというので、四時間以後はもう商店も会社もおらない。そういう場合において、こちらが六時以後あるいは夜間にやると、これは労賃等が非常に高くなることはがまんするとして、持って行ったって受け取ってくれなければ、また持って帰らなければならぬ。これについて、これは御関係はどちらか存じませんが、つまり引取義務というものを、こういう規制を始めたならば、荷物に対する引取義務というものを、少なくとも法制化する必要があると、私、思いますが、この点の御意見はいかがですか。
○国務大臣(安井謙君) お話の通りに特に急を要する配達物といったようなものに対しましても、これは十分便宜ははからなければならぬと思っております。
○金丸冨夫君 ちょっと、便宜をはかるということではなくて、私どもから考えれば、民間においてもその間の調整は十分やると思うのです。やると思うのですけれども、何しろ近ごろの労働時間というものはやかましい。その上にもまたやかましくなるものですから、これは人は実際上非常に少ないということで、受け取らぬということになりますと、配達は非常に困るということになるので、やはり義務化することを法制化しなければいかぬと思うのです。これは警察庁方面のあれでできるかどうか、私まだ今直ちに意見を申し上げられませんが、少なくとも法制化する必要があると、われわれは考えているわけです。この点、いかがですか、運輸大臣の御意見。
○国務大臣(安井謙君) 関係方面と十分協議いたしまして、慎重に検討したいと思います。
○国務大臣(木暮武太夫君) 先ほど来お尋ねの、最近東京その他の大きい都市でもって、特に都心部における交通混雑に対処いたしますために、トラックの乗り入れを制限するというふうなことが問題になっている点についてでございますが、トラックの輸送が、生活必需品その他重要な商品の流通に非常に役立っておりますものですから、経済活動の分野から見てこれに制限を加えるということは、支障を来たして国民生活に大きな影響を及ぼすということはもちろんでございます。そこで、都市交通の全体を円滑にいかしまするためにはある程度やむを得ないことであるけれども、ごく限られた必要やむを得ない場合にのみトラックの都心に入るというようなことについて規制をするという建前をとることはよろしいと私どもは考えております。その場合におきましても、今の交通の円滑化と貨物輸送の調和をはかるために大量貨物の積みおろしなどは周辺地域のトラック・ターミナルで行なって、あるいはまた、都市内の専用ターミナルの活用をはかって都心部での貨物集配というものを合理化できるような態勢をとり得るようにトラック・ターミナルの整備をして関係者を指導いたしたいと考えておるのでございまして、そういう場合に、ただいま御指摘の、ある一定の時間に大型トラック等の交通規制がやられました場合に、集配とか配達等はやはり夜間に行なわれなければならぬというような状態にある場合に、非常に混乱が生ずるではないかというようなことは、私どもも荷主の引き受け態勢だとかあるいはまた、勤務時間等いろいろ困難の事情が発生するであろうということは想像できるのでございますが、これらの問題につきましては、警察とか荷受け機関とかあるいは鉄道輸送担当事業者等の関係者の間で密接な、緊密な連絡を行ないまして、輸送上の混乱が生じないようにいたして、貨物の輸送と交通の円滑と両方の目的を達成するようにいたしたいとこう考えておる次第でございます。
○金丸冨夫君 時間がなくなりましたから簡単に要点だけを申し上げますが、道路近接の場合の建物ですね。最近非常にふえて参りましたが、外国でもよくあるのですが、荷受け設備を一つ規制化する意味において建築基準法というようなものを変えて、そして道路からすぐに鉄板をあげたらずっと行けるような、ああいうトラックの入る設備とか、そういうようなことを一つ変える御意思はございませんでしょうか。
○国務大臣(中村梅吉君) 実は、現在においても建築基準法では、一定規模以上の建物、高さ三階以上、一千平方メートル以上だと思いますが、それと特殊用途、たとえばデパートとかマーケットとか特殊用途の建物を建てます場合には、その建物の建築主に対して荷受け場所の設設を強制することができるようになっております。この方法は、実は少しぬるいかもしれませんが、現在の制度では、都道府県が条例によって制限をすることができると、建築基準法では実は都道府県条例に委任しておるのでございます。東京都ではある程度条例を作って実行をいたしておりますが、最近、自動車が非常に急激にふえましたので、今の状態から見ればまだ東京都の扱い方がゆるいのじゃないかと思いますが、私どもこの点はもっと強化いたしまして、建築主の責任においてそういう荷受け場所をきちんと作るように今後指導し、努力して参りたいと思います。
○金丸冨夫君 規制については、どうぞ警察庁長官その他各御関係の方、十分一つ実情をよく判断せられて、そうしておきめを願いたいと思います。 次に、もう時間がございませんから簡単に質問いたしますが、三十六年度の税収について、揮発油税それから軽油引取税の引き上げを決定し、大体増収額四百三十億くらいを予定しておるように思いまするが、これをやりまする理由、内容等お伺いしたいと思います。大蔵大臣お願いします。
○国務大臣(水田三喜男君) ちょっとその内容を説明員から説明させます。
○説明員(泉美之松君) お答え申し上げます。 四百三十億という数字は、揮発油税につきまして自然増収分が二百七十六億、それから今回の道路整備新五カ年計画に対応いたしまして、揮発油税の税率を一五%引き上げることによりまする増収分が百五十四億合わせまして四百三十億でございます。 引き上げの理由はただいま申し上げましたように、新道路整備計画で、二兆一千億の計画で道路整備を進めていく上におきましては、現行税率では財源に不足を来たしますので、揮発油税及び地方道路税につきましてそれぞれ一五%、軽油引取税につきまして二〇%の税率の引き上げを行なうことといたしておるわけでございます。
○金丸冨夫君 私はその点は存じております。存じておりますが、先ほど大臣も御発言になりましたように、新道路計画は十年間六兆、それから五カ年計画の計画であっても二兆一千億になっておりますね。それをなんでございますか、目的税で揮発油税その他でずっと取っていこうという御趣旨でございましょうか。その点を一つお伺いしたい。
○国務大臣(水田三喜男君) 三兆一千億円の内容はもう御存じだと思いますが、この道路費は、もともとこれは一般会計で負担すべきものでございますが、特に道路は揮発油税を財源にして今後やっていくという特別会計になっている建前から、道路整備費の大部分はこの揮発油税によるということに建前がなっております。で、その建前に立って二兆一千億円の計画をいたしておるわけでございますが、そのうち四千五百億円は有料道路の関係費でございますし、地方の単独事業費は三千五百億円、そのほかが今の特別の財源をもって行なうべきものでございますが、その中に大体五カ年間、最初の五年間のときは一般財源で負担すべきもの、三百二十億円前後を予定して、ございましたが、今度の第二次の計画では約九百億円——八百五、六十億円を国の一般会計で持つという予定になっております。
○金丸冨夫君 本年度の予算は昨年より、二十五億というのが一躍百億になったというので、非常に総理大臣も御自慢でありまするけれども、一般財源を使ったのはたったの百億、これが五年間として五百億、二兆一千億から五百億引いた残りはみんな利用者の払いということになるのでしょうか。
○国務大臣(水田三喜男君) 一般会計からどれくらい出すかということはもともと問題でございまして、外国の例を見ませば、ガソリン税が特定財源としてなっておるところでは道路費をまかなってなお残りを一般会計の方に逆に入れるということをやっておるのでございますが、特別会計にして目的税を設定してそれを財源に充てるという建前をとった以上は、本来なら一般会計から出すことは、筋が通らないのでございますが、しかし、現在の道路の実情を見ましても、できるだけ一般会計が負担する方が好ましいということで、私どもは前年度は二十五億円でございましたが、今度百億円の予算を盛ったわけでございますが、そのほかに公共事業はたくさんございますので、これはみな一般会計で行なっておりますし、道路だけが、今後税収がどんどん伸びていくと予想される税をここで特定しているのでございますから、ここで一般会計からさらに入れろという議論が出てきませば、ほかの港湾から、農業基盤の整備費から、そういうところから、全部それなら特定財源を一般会計へ返して、そしてそれを公平に配分するのが正しいという意見が現に出ているところでございまして、特定財源をもってやると、特別会計を作った以上は、一般会計から無制限に入れるという筋は立たないだろうと思います。
○金丸冨夫君 政府はすぐにいつでも外国の例を引くのですが、外国にいたしましても国民所得自体がもう違うのですから。この国民所得を比較いたしますと、もうそちらでございましょうから申し上げませんが、イタリアを除いては、みな日本よりはうんと低いのです。すでにもう七〇%、今度の値上げによってガソリンの七〇%は税金なんです。税金を燃やして生活をするという人が非常に多くなっている、しかもガソリンの利用はもう大きいところは飛行機から船へ、あるいはまた、小さいところはほんとうにライター、化粧用までもみなかかっている、国民全部に浸透しているものであって、おまけにこれを納付する者はほとんど中小企業になっている、こういう実情があるわけでありまして、外国の例をとりますけれども、たとえば乗用車につきましても、オーナー、ドライバーでやっている者と、その日稼ぎのタクシー業者というようなところは比較にならぬと思うのです。そういう状況を十分にお考えにならずに、まあ徴収する税が伸びるから目的税でやればもういとやすいことなのだ、そんなことを、目的税でもどんどんかけていけば徴収は伸びるにきまっておるのですよ。しかし、五カ年計画なんか作るならば、こういう際こそこの目的税というものを是正すべきじゃないか。これをお伺いしておるのです。私はどうも、大そう恩に着せて言われるが、私どもの方の日通技研で調べたところによりますと、道路の改装しないところと、今度は改装したら一体どういうことになるかということをちょっと調べてみたのです。道路が改装せられた場合、一キロ当たり十九円助かるという問題なんです。それから今度は、今度の税を上げたことによって一キロ当たり六十四円ふえるのです。これは統計がありませんから、私の方で調べましたが、そういうことになっておる。それからまた……。
○委員長(館哲二君) 金丸君に申し上げますが……
○金丸冨夫君 簡単にやります。 鮎川道路調査会の調べによると、道路整備によって……。
○委員長(館哲二君) 金丸君、時間がきておりますから。
○金丸冨夫君 受ける利益は、三四%しか占めていない。それ以外のものはその道路を通る人よりも、それを利用する人の利益になっておる、こういう点から考えて、このガソリン税、引取税の目的税化ということは、これはどうしてもこの時期において政府は考えなければいかぬ。わずか一般財源でどうのこうのと申しますけれども、二十五億円を今度は百億円にして、これでもって、実はこれもやるべからざるものをやったのだというような、そういうことはとんでもない間違いだと思います。どうぞ一つ、先ほど大臣の理解ある御答弁が第一番にございましたので、どうぞ道路計画その他交通計画については、諸産業の基本として大いに金を使ってもらいたい。そうなければ直らないのです。どうぞ一つこれをお願いを申し上げます。 半分しか質問ができませんけれども、時間がきましたからこれで打ち切ります。 —————————————
○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。本日大谷贇雄君及び白井勇君が辞任されまして、その補欠として小沢久太郎君及び野上進君が選任されました。 —————————————
○委員長(館哲二君) 次に、森中守義君。
○占部秀男君 議事進行。
○委員長(館哲二君) 速記をやめて。 午後四時三十六分速記中止 ————・———— 午後四時五十分速記開始
○委員長(館哲二君) 速記始めて。 次回は、明後午前十時より開会いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十一分散会