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38回国会参議院1961/03/13

予算委員会 第13号

発言数
409
登壇者
32
会派数
4
開催日
1961/03/13

会議録

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。  委員の変更について報告いたします。  本日片岡文重君、小沢久太郎君及び加賀山之雄君が辞任されまして、その補欠として田畑金光君、手島栄君及び森八三一君が選任されました。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 一昨日、委員長及び理事打ち合わせ会におきまして、一般質疑の取り扱いについて協議を行ないましたので、その内容について報告いたします。  一般質疑は明十四日から始めまして、十五、十八、二十、二十二、二十三日の六日間を目途として行なうことといたしました。質疑の時間は千五分で、その各派に対する割当は、自民党、社会党各三百五十分、民主社会党、無所属クラブ各百分、同志会七十分、共産党三十五分といたしまして、質疑の順位は、総括質疑と同様の順位で進めることといたしました。  以上報告いたしました通り取り計らうことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 御異議がないと認めます。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  質疑を続けます。高田なほ子君。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 池田総理大臣に冒頭にお尋ねをしたいと思います。  質問に先だちまして、私の質問内容は大体治安対策、なかんずく続発するテロ行為に対する対策、さらに青少年対策、教育問題、こういう問題であります。お断わりをしておきますが、これらの諸問題は、野党とか与党とか、そういう立場に立つのではなくて、超党派的に全力をあげてこれが解決に当たらなければならないという性格を持つものであると私考えております。こういうようなわけでありますから、どうぞ一つ特に文教問題については、感情的にならないで、お互いに冷静に解決に当たるような御意見をいただきたいということを、注文を申し上げて質問に入りたいと思います。  池田総理大臣は所得倍増計画について、きわめて御熱心な態度をとられております。われわれもまた幾多の質問者によって展開されました疑問が解消せられることを特に望むわけです。ただしかし、所得倍増計画の中において、最近の犯罪増加傾向というものはゆるがせにすることのできない性格を持ってきていると思います。所得倍増計画と犯罪倍増計画というものが、どうも並行的になってきているような印象を与えられているようです。そこで、当局にまずお尋ねしたいことは、最近の犯罪激増の現状についてどういうような状況であるのか。これらの現状について、まず御説明を承っておきたい。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 最近の犯罪状況について御説明申し上げます。  一般犯罪といたしましては、逐年増加の傾向を示しておりますが、成人と少年とに分けまして申し上げますと、まず少年犯罪につきまして申し上げますと、数字の上ではこれは著しい増加を示しております。昭和三十四年度の新規の受理人員を見ますと、四十五万七千九百四十一人でございまして、そのうち刑法犯に当たります者が十四万三千三百九十二人、特別法犯が三十一万四千五百四十九人でございます。これを昭和二十七年に比べますと、この数字はまさに三倍以上に達しているのでございます。これを質の上から見ますると、傷害とか、傷害致死、恐喝、強盗などのいわゆる粗暴犯、それから凶悪犯、こういうものの増加が注目されるのでございまして、一面集団化の傾向、犯罪層が低年令の方に向いているというようなことが注目されるのでございます。  成年の方の犯罪傾向はどうかと申しますと、これまた数年間非常に増加をいたしておりますが、その増加のおもなるものは特別法犯、主として道交法関係、交通関係の犯罪がふえているのでございます。刑法犯につきましては、一口に申しますれば、横ばい状態を示しておりまして、先ほど申しました少年の犯罪も、道交法等の特別法犯がふえてはおりますけれども、特に刑法犯につきまして、先ほど指摘しましたように著しく数字の増加を見ております。それから質も悪化しております。こういう点が注目される次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 御説明を伺い、はっきりわかるように、きわめてゆゆしい問題でございます。これについては池田総理大臣もいろいろと心を痛められておるでございましょうが、過般の総理大臣の施政演説の中には、こういうような治安の問題についての政府の心がまえの一端が述べられておるようでありますが、ただしかし、このお述べになったことだけではちょっと私ども了解しかねる面もあります。「一般に共同生活の秩序を重んずる教育の徹底と、順法意識の高揚に努めるとともに、国民の信頼にこたえ得るよう所要の措置を講ずる決意であります。」こういうふうに決意を述べておられます。これでは必ずしも的確な御答弁にも考えられませんので、あらためて、ここでこの決意に対して首相としてどういうような方針で臨むのか、ここでその方針をはっきり一つお示しをいただきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 治安の問題、また犯罪防止の問題は、政治の最も重要な面でございますので、私といたしましては、施政演説で申し述べましたように、まず教育の徹底、またそのうちでも学校のみならず家庭教育というような点、また社会生活の上におきましてそういうことがないように、何と申しますか、政治の姿を正すと同時に、立法その他におきまして万全を期したいと考えておるのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 教育と立法、こういうような問題に触れておられますが、しかし、私が特にこの問題を選んで御質問申し上げた理由は、昭和三十五年、法務総合研究所で「犯罪とその対策」、こういうものが出ております。犯罪白書のようなものであります。これによりますと、その国の経済状態、所得格差の拡大の中にこの犯罪がふえていくという傾向が、外国でもそうですが、わが国の犯罪統計の中に大きく見られている。私は、首相がこういう面から一つこの治安維持という問題を検討される用意がなければならないと思います。経済状態と治安の状態というものは常に並行していくということであれば、単に取り締まりとか教育の徹底とか、こういう問題で解決できる面はきわめて消極的な面である。積極的にこの経済格差というものを改めることによって生活の安定、それと治安の維持という方向に向けていかなければならないと考えますが、この点についての御認識が足りないのではないか。お伺いしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 犯罪の主たる原因が経済問題、また、生活環境からくることは、これは何人も認めるところでございます。従いまして、所得倍増につきましても、そういう点を考えて、低所得層の所得引き上げということがその中心になっておるのでございまするが、しかし、何分にも経済状態がよくなったら犯罪がそれに応じて減るというわけのものでもない。ことに、少年犯罪のごときは、ただいま世界各国の悩みでございます。成年よりも少年の方の犯罪が非常にふえていくということは日本ばかりでもないのでございまして、私はあらゆる方面からいろんなことを考えて施策いたしたいと思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 教育の問題は、後刻教育の問題に関連してお尋ねをしたいのですが、法律の徹底とか順法精神の高揚、こういうようなことがしばしば言われております。しからば、一体、特に青少年の問題を出されましたが、法律を守るこの精神は、私ども社会党は何も反対いたしません。しかし、法の権威を高めていくということは、これは現行法をどういうふうに守っていくかということが私は問題だと思う、憲法を初めとして。なかんずく、青少年の犯罪の激増問題が論議されておりますが、一体この青少年を守るためにどういうような法律があるか、この法律がどういうふうに守られていっているかということがきわめて問題ではないかと私は考えます。当局から、青少年の福祉を阻害するような幾多の原因を取り除くための法律が用意されておるわけでありますが、これらの法律がどういうふうに実施せられておるのか、この点についてまず説明を承りたい。

竹内寿平法務省刑事局長

○政府委員(竹内寿平君) 青少年の福祉を守る法律といたしましては、刑法あるいは売春法、児童福祉法、労働基準法、あるいは未成年者喫煙禁止法、未成年者飲酒禁止法等がございますことは、御承知の通りでございます。これらの法律の施行の状況でございますけれども、概して申し上げますならば、先ほどもちょっと数字で申しましたように、性犯罪に属するものは著しい増加を示しておるのでございますが、児童福祉法違反の事件はむしろ激減と申してもいいほど減っておるのでございます。で、その他の犯罪は、大体におきまして横ばいまたは減少の傾向にあるというふうに数字上は見えるのでございます。で、児童福祉法違反事件がなぜ著しい減少を示しておるかということにつきましては、売春防止法が施行されまして、同法によって処罰されることになってきたために減ったものと考えられるのでございます。なお、この性犯罪の中で強姦等のわいせつ事犯につきましては、昭和三十三年の刑法一部改正におきまして、輪姦罪を非親告罪といたしましたことは御承知の通りと存じますが、さらに、そういうことによりまして若干取り締まりの方も強化されてきたために、現実には数字の上で事件が多くなったということが、そういう面からも言えるかと思います。大体現行法のもとにおきましては、今申しましたような趨勢にございますが、なお、これらの犯罪につきまして、取り締まり上あるいは刑罰の体系といたしまして、あるいはまた、一部そのような犯罪は家庭裁判所の管轄に属せしめられておりますが、その家庭裁判所管轄事件の範囲等につきましても、もちろん検討すべき点が多々あるのでございまして、私どもとしましては、そういう面につきましても検討し、少年の福祉を害する罪を厳正な態度で処理していきたいというふうに考えておる次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 未成年者飲酒禁止法、未成年者喫煙禁止法、これは青少年の犯罪と非常に重要な関係を持つ法律です。これについての説明がございませんでしたが、この二つの法律は全く空文に等しい。何にも実施されておらない。その現状について警察庁の方から説明をしていただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) お答え申し上げます。  未成年者飲酒禁止また喫煙禁止につきましては、古くからの法律でございますが、お話しのように、十分の効果を発揮していないことは非常に遺憾に存じます。と申しますのも、青少年自体についての取り締まりという問題でないということから非常に間接的な規制をするというような法の建前もございます。これは少年を導くという意味においては必要なことかと存じますが、そういうような法の実情からも、また、従来の世間の風潮からも、十分徹底した取り締まりがされておらなかったということは、私も認めざるを得ないと思います。今後十分適正に運用をはかって参りたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 この法律をあることも知らないようです。おとなたちが子供たちをみんな悪くしている。これについて政治も無関心である。これから努力するということですが、今まであるのになぜ努力された、かったのか、どういうふうにして努力するのか、これを私は伺いたい。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) ただいまも申し上げましたように、法律の形がなかなか警察上の取り締まりに困難を来たすような問題もございます。しかし、これは、少年自体を取り締まるということでなしに、やはり環境をよくし少年を保護する立場にある者というものの考え方を是正していくということに主眼が置かれておるわけでございますので、そういう面は警察取り締まり自体におきましても今後努めて参りますとともに、そういう風潮を社会一般に醸成していくということがさらに肝要なことではないかというふうに考えるわけでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 大へんおざなりの答弁です。不満足です。これは私も知っています。法律の内容は知っています。しかし、おとなたちにどう徹底させるかということが問題です。取り締まりが困難であるということも問題である。だからどうするのかということです。それだけでは私は納得できない。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) ただいま申し上げましたように、おとなに対して、あるいは教育者に対してそういうことの徹底を期して、そうして全体の風潮を醸成し、それに伴って取り締まりも強化して参るということが必要ではなかろうかと、私どもはそういう方向に努力をして参りたいと、こう考える次第であります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これらの飲みほうだい、あばれほうだい、そうして子供がこれらの渦中で犠牲になっている。大体子供はみんなおとなから強要されて、おとながみなこういうことを教えている。社会が教えている。それで平気な顔をしている。こういうようなことであれば、もう少し政府としては姿勢を正さなきゃならない部面が多いのじゃないか。一部にはこれらの立法措置も伝えられているようでありますが、池田首相としては、やがてお花見も参りましょうから、酒飲み天国、酒飲みムードというようなやり切れない方向にきているこのムードをどうなさるか、お尋ねしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) やはりこういう問題は、家庭の両親がやはりその気持になってやっていかなければならぬし、また、こういう問題につきましては、やはり政府といたしましてもPRを相当しなければならないと考えております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 どういうふうにPRなさいますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これはポスター、その他新聞等でやるほかはございません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 大へんにおざなりの答弁です。姿勢、——政治の姿勢をまず正してもらいたい。造船疑獄でもとほうもないことをやって、国民に政治に対する信頼を失わせ、その行く先がみんな秀駒さんの方に流れ、待合に行く。私は、こういう政治の姿勢を正すというところから、まずPRということが始められなければならないと思うのです。また立法措置についても、過般婦人議員が集まりまして、いろいろ相談をしておりますが、立法措置等については、何か積極的にお考えになる御意思はございませんか。法務大臣、いかがですか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 未成年者の喫煙の防止でありますとか、あるいは飲酒の禁止問題につきましては、ただいまのところ立法措置を講ずる準備はいたしておりません。お答えいたしておきます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 学校教育法で子女違反使用の禁止、保護者の就学義務が、それぞれ十六、二十二、二十五条に、こういうふうにあげられておりますが、これらに非常に違反する事実が多いように考えられますが、その点いかがでございましょうか、実情を一つお話しいただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  義務教育に就学すべき児童で、就学していない者がかなりあると承知いたしております。このことは、はなはだ結果的に遺憾千万でありますが、その原因は、それぞれ違うとは思いますけれども、多くは家庭の事情のために昼間働いて、夜の学校に通うというふうな結果が出ているようでありますが、それ自身、御指摘の通り法律、制度違反であることは確かであります。これをなくしますために、まず第一に、まあ社会保障の徹底化によって、そういう家庭的、経済的条件をなくするということがまず先決であろうかと思います。それでもなおかつ——まあやむを得ざる必要悪というふうなことにも受け取れるわけでございますが、そういうことがなくなりますように、末端の行政機関を通じて常時PRして、やむを得ず存在しているやみの学校などをなくする努力を私どもとしてはやっていかなければならない、かように思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 御決意のほどは一わかりますが、長期欠席児童の実態は、一体どういうふうになっているのか、もう少し事務当局から詳しくお伺いいたします。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 長期欠席者のとり方でございますが、年間を通じて五十日以上欠席している者の数を調べますと、大体小学校、中学校それぞれ約十万程度になっております。小学校の長期欠席者の大半は、からだが弱くて病気の欠席がおもでございます。中学校の方に参りますと、多少事情が違っておりまして、経済的困難な者も多いのでございます。しかしながら、長期欠席者の大部分は、依然として親の無理解ということが重点でございます。これはいろいろと学校の先生方が指導しておりますけれども、同じ生活保護法の適用を受けておりながらも、片方は就学させておるし、一方はさせていないというような事情でもございますので、親の無理解をいかにして改善していくかということが当面の問題でございます。先ほど文部大臣から夜間に通っておる子供の話が出ましたが、その数は千二、三百名程度でございますが、これもできるだけ早く解消していきたいと考えているのでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 的確な数字が上がりませんが、大体百二十万長期欠席者がおるようです。重大な問題です。これは子供を守るというような法律、いわゆる学校教育法を文部省自体が本気になって守るという意思に欠けているところにある。この点については、もう少ししっかりした態度をとって、根本的な一つ御努力をなさってもらわなければならないが、文相いかがでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  御質問の通りだと思います。ただ、文部省という立場からだけでは困難な原因もあろうかと想像するわけでありまして、文部当局はもちろんのこと、政府全体としての横の連絡もとりながら、これが改善に努力しなければならぬと考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 経済貧困児童がこの中に含まれている——私は時間の関係上数を指摘いたしません——従って、給食費が払えない子供、いわゆるボーダー・ライン、生活保護を受けている家庭の子供、これらの子供たちは、これは非常に気の毒な状態である。今、文相は決意のほどを述べておられますが、一体、給食費が払えない子供は何人おりますか。文部省はこれに対してどういうふうな対策を講じておられますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) どのくらいいるかは、正確な数字は政府委員からお答え申し上げます。  当面、要保護児童、生徒に対しましては、従来からも学用品その他のめんどうを見ておりますが、三十六年度予算におきましても、なにがしかの——十分とは申しませんけれども、そういう方面の経費を、もう少し幾らかでもそういう気の毒な子供たちに手助けしたいと考えておる次第でございます。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 今の数字はよろしゅうございますか。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 手助けするというのじゃなくて、この子供たちを守っていく、そういう態度でなければならないと思いますから、もう少し数字を示していただけませんか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) ただいまの御質問でございますが、給食費、教科書等につきまして昭和三十二年の調査をいたしました結果を見ますと、何らかの形で公費の扶助を符なければ教科書や学用品が支給できないというような生活保護を受けております者が四・一%ございまして、四%と申しますと、小中学校で大体七十七万人になるわけでございます。今回の三十六年度予算におきまして従来二%でありましたものを四%に引き上げましたので、これで大体私どもの調査に基づけば、解消する見込みでございます。しかし、これは三十六年度予算を執行してみて、なおかつそういう不幸な子供がございますれば、今後改善いたしたいと考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 数字が的確でないようです。大体これからやってみて……。これは非常になまぬるいことです。文部省はこれに対する的確な数字を持つ情熱を持っていない。子供を守るなんというようなことは、口先だけのことです。もし文部大臣が本気になってこれらの子供たちを守ろうとするならば、予算をもっと組まれなければならない。今後組むと言われておりますが、しかし自衛隊の食費が七十九億くらい昨年取っているが、余り過ぎて毎日二十万ずつ残飯にしているという、この残飯の大体の額は二億数千万円に上るといわれている。こういう金があるならば、なぜ五億くらいの金でごまかそうとするのか。文部大臣はこうした予算がないというようなことではなくて、こういう現状に対して積極的にどういう方法を講じていこうとするのか、私は、あらためてこれを尋ねておきたい、これこそ私は道徳教育を主張されるあなたのなされなければならない仕事ではないかと思いますが、お尋ねいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  ただいま政府委員からもお答え申し上げたのですが、よりどころが三十二年度の数字に基づいておりますから、その意味で的確に把握していないというおしかりもあり得るかと思いますけれども、今後もっと新しい資料に基づいて、今後の努力をすることは当然でございますが、先刻もお答え申し上げましたように、実施しましてその結果が、私どもの見込みとしてはおそらく大丈夫じゃなかろうかと思っておりますけれども、実数の把握は、御指摘の通り今日ただいまの状態が現実問題として把握できないものでございますから、三十二年度の調べた結果に基づいて予算案は組まれておりますけれども、実施結果に基づいて、さらに遺憾なきを期したいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 本年度さらに予算を計上される御予定ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 三十六年度は、現在御審議中の予算案に盛り込まれたものでやるほかはございませんが、その意味で、実施結果を待ちまして、さらに現実を掌握しながら今後の完全を期したいと存じます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 総理大臣、五十数万の義務教育の子供たちが、給食費も払えない、教科書も買えない、こういうことで放置されるのです。現在百万くらいのかわいそうな子供たちがおる。政府は五億くらいの金しか出さないから、三十万くらいの子供は全然対象にならない。こういう子供たちを一体どうなさるのですか。どうされようと思うのですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は、長欠児童の問題は非常に重要な問題だと思いまして、実は、自分で、文部省所管の社団法人長欠児童援護会をこしらえまして、不肖でございますが会長といたしまして努力しておるのでございます。お話のように今までは十分でございません。従いまして三十二年度の実績を見まして、それを倍程度にして、そうしてやってみた結果によって今後善処すべきと考えております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 片一方の自衛隊は、予算が取り過ぎてあり余っている、毎日毎日二十万円もの御飯を捨てている。子供たちは三十万も毎日々々食べることに困っている。まるで人食い人種の国のようであります。  警察庁にお尋ねしますが、自転車競技法で、未成年者に対する車券販売、譲渡行為は禁止されております。最近はこれは非常にふえてきているといわれている。潜在的にふえてきている、摘発されておらない、どうなっていますか。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) ただいまお尋ねの件は、私ちょっと数字的に承知いたしておりませんので、後刻……。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 当局からこの傾向を話せる方、来ておりませんか。質問に一応出しておいたのですが……。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 後ほど政府からまた御答弁することにしまして……。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 警察庁長官、これは子供たちを悪くする非常に大切な問題なんです。競馬、競輪、オート・レース、射倖心をあふって地方財政を助けようとするこの賭博政策の中に、子供たちは悪に転落しています。自転車等の競技法の違反問題について、これは運輸省ともちろん関係はあると思いますけれども、これに対する今日まで打たれてきた手というのは、どういう手が打たれてきているか。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) お答え申します。  ただいま申し上げましたように、私詳細承知いたしておりませんが、ただいまの競馬、競輪等に少年が関与するということにつきまして、これは非常に青少年問題として重要な事柄であろうと思います。ただ、取り締まりの対象について、非常に証拠を握るというようなことも取り締まり上困難な面があろうかと思います。私は、先ほど禁酒禁煙についても申し上げましたように、やはり取り締まりの面につきましても考えなければなりませんが、こういう問題につきましては、家庭のしつけ、社会の環境というような点から、子供をそういう悪に近づけないような風潮を醸成していく。そうしてなおかつ、そういうものに子供を引き込むような悪質な者について十分の取り締まりを行なっていくということが適当ではなかろうかというふうに考えます。また、先ほど数字を申し上げませんでしたが、禁酒禁煙につきましても、最近相当取り締まりの実績はあるわけでございます。業者並びに保護者について取り締まりをいたしております、そういう面で、少年の保護とかあるいは保護者についての注意、それから業者についての警告というようなことを時々行なうことにいたしているわけでございますが、お話のように十分徹底していないということは、私もそうであろうと思います。先ほど来申し上げますように、全体の風潮をよくしていくということに努力をいたしつつ、取り締まりについても適正に考えて参りたい、こう考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 今まではそうすると適切じゃなかったわけですか。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) ただいま申し上げましたように、今までもそういうものについて警察としてできるだけのことをするように注意はいたしているわけでございますが、実績として、お話のように十分でなかったという点は、私もそうであろうと思うのであります。今後、警察としても社会全体の動きとにらみ合わせつつ取り締まりに適正を期して参りたい、こう考えます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 悪質なおとなたちの取り締まり、こういうことが非常にやられておらなかった。これからはおやりになるそうですから、刮目して見たいと思います。  軽犯罪法で救助を要する子供、これは届けなかった場合には、これを罰せられることになっていますが、救助を要する子供を届けなかった罪に該当する軽犯罪法の違反者、これの実績はどうなっていますか。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) 私どもそういう実績は現在承知いたしておりません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 法務大臣にこの軽犯罪法の施行についてお尋ねをしたい。  子供たちを守るためには、それぞれ刑法並びに軽犯罪法にいろいろ条項がありますが、救助を要する子供を届けなかった、これに該当する罪というのは、私調べるとほとんどない。しかし世間にはこれに該当するようなものがたくさんおる。従って、軽犯罪法の施行について、なかんずく子供の福祉を阻害するような条項の実施については、相当の決意をもって当たっていただかなければならない。再検討の御用意ございますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 御指摘の軽犯罪法の励行の問題につきましては、必ずしも十分でない点があるかもしれないやに考えられるのでございます。しかし、こうした問題につきましては、やはりこれが社会悪の広がっていく一つの大きな基本になる問題でございますから、今後でき得る限り注意をいたしまして、事務当局、関係当局とも連絡をとって参りたいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 このほか労働基準法、職業安定法、こういうものにおいて子供たちが守られなければならないことになっておりますが、実際はほとんどこの子供たちを守る法律というものはやられておらない。順法精神を池田首相は強く主張されておりますが、青少年の福祉を害する主要犯罪の再検討をせられて、子供たちを守るためにある法律を、徹底的に実行するという方向に行かなければならないと私考えますが、この点についての首相の見解、これをお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 政府におきましては、御承知の中央青少年問題協議会を置きまして、そういう問題につきましても検討を加え、結論が出ましたらこれを実施するようにいたしたいと思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 さらに首相にお尋ねしたいことは、先ほど当局から説明がありましたが、児童福祉法に違反する罪が非常に減ってきた、これは売春防止法のおかげであるということが言われました。しかし、一部には売春防止法をやめようとするような動きか、一部週刊誌には本年度の十大ニュースとして売春防止法の廃止ということがいわれておる。政府、与党の議員さん方に聞きますと、これはけっこうな動きだと言われる。こういうムードはけしからぬと思う。あなたはこの売春防止法を廃止しようとするような考え方に対して、この際、所信を私は表明されるべきだと思うのです。お伺いいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 売春禁止法は、それ自体として私は廃止すべきものではございません。また国際的の信用から申しましても、私はそういう考えを聞いたこともございませんし、全然持っておりません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 積極的にこれの実施を期する、こういう方向でいらっしゃるおつもりですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 現行法を順法しながら、またその施行によりまして、いろいろの問題がその後においても起こっておりますが、この結果につきましての問題を解消するように努力をしておるのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 御努力の決意は承ったのですが、遺憾ながら厚生省の面に現われている売春対策費は後退の傾向をたどっているようです。一々読み上げることができませんが……。従って、売春防止法実施のために厚生省の所管の経費の中で、婦人保護に必要な経費、性病予防に必要な経費、これらの後退について説明を求めるとともに、今後の法実施のための積極的な計画というものを、持ち合わせていらっしゃったら、この際表明をしていただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) ただいまの問題につきましては、後退するというふうな考え方は毛頭ございませんので、実際の必要経費はこれはもう将来ともに見ていかなければなりませんし、後退などという考え方は、これはとんでもないことで、全然ございません。今後におきましても、問題はむずかしいのでありますけれども、この趣旨を徹底するようにしなければなりません。事柄が非常にむずかしいのでありますから、なかなかきれいに目的を達してしまおうというところにすぐいけるわけでもございませんけれども、根気よくやっていくということだけは御了承願います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 後退しているとはとんでもないというお話ですが、数字は何よりも雄弁です。この項目は全部これは後退している。だからあらためて私は計画をお尋ねしたのですが、非常に抽象的です。これは計画がないからこういうことになるのじゃないですか。これは毎年騒がれる問題です。積極的な計画が示されない。理由を一つお尋ねしたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) ただいまはごく抽象的に申し上げたのでありますけれども、根本的には厚生省だけの施策ではありませんので、根本は、やはり経済問題、生活問題ということもありましょうし、それからまた性道徳の弛緩というか、乱れているというふうなこともあるかとも思いますし、でありますから、これはただ厚生省の施策だけでというわけにはいかぬのでありますが、ただ、私どもの方といたしましても、御案内のように婦人相談所の活動も活発にいたしております。たとえば三十三年度二万五千件ばかりあったものが、三十四年度には二万六千件余にもなっておる、全国四十六カ所の婦人相談所で月平均千五百件くらいの相談に応じておるのでありますが、これも相当の効果を現わしておると思いますので、続けていきたいと思います。婦人相談員の方も御案内のように相当活発にやっておるようなわけでございます。  保護施設の方におきましても、御案内のように六十六カ所の保護施設、今収容しておる者が千五百人弱でございますけれども、そういう方面にも一応必要なだけの準備はいたしております。  のみならず、三十六年度はちょうど売春防止法の五周年に当たるわけです。つきましてこの機会に、関係団体等にも呼びかけまして、一つ全国的な気運を盛り上げるための運動がしたい。ちょうど五周年でありますから、そういう計画もいたしております。従来のやっておりますことを相変わらず活用いたしますとともに、今のような、今度の場合は今度の場合の新しい施策を加えまして徹底を期したいと思っておるところでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 承りました。売春対策審議会に、現在の潜在売春を——売春防止法を廃止するようなムードが起こっているときに、その抜本的な対策を進めらるべきだと思いますが、そういう御用意はございますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) この問題につきましては、先ほども申しましたように、この問題の抜本的な対策と申せば、これはやはり一つは経済問題、生活問題、これが漸次改善されていくということが大事なことだと思うのです。しかしながら、今日の社会的風潮から見て、先ほど申しました性道徳というか道義と申しますか、そういう方面がやはりゆるんでおる、これにつきましてはいろんな原因があると思います。そういう風潮になっておるについて、いろんな原因がある、広い面で考えなければならぬことは申すまでもございません。そこで、ここで新しく大きく計画を立てるための乗り出しを始めるかどうか、これは今すぐ考えておるわけではございませんけれども、また事態に応じてこれも検討すべきものだと思うのでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 池田首相にお尋ねします。青少年問題になるとすぐ政府は青少年問題協議会と相談して云々と言いますけれども、首相は青少年問題協議会、こういう協議会にいろいろ御意見をお持ちになったり研究したりなさったことございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は努めて青少年の方々に接するようにいたしております。またこういう問題につきましては、やはり衆知を集める必要がございますので、青少年問題協議会等に常に御検討を願っておる次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 衆知を集めるためにこの協議会があるのですけれども、首相はこの協議会の内容というものについて御研究になったことございますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 特別に研究ということをいたしておりませんが、各府県にありますし、また中央にもあります。またいろんな施設でございますね、青少年の施設等につきましても、私は実地に見たり聞いたりいたしておるのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 見たり聞いたり各地にあると、こういうことでは、せっかくの中央青少年問題協議会に、あなたは非常な信頼を託しておられるようですけれども、また青少年を守る中央機関というのは、大体これっきりないのです。しかしお粗末です。三十六年度の予算でも非常にお粗末です。四十七億ですが、厚生省、文部省の予算をとると大体十六億の予算が全国の日本の青少年対策になっておる。お話のほかです。もう少し本腰を入れて青少年対策というものに努力をされるのでなければ、口先だけでは私は解決がつかないと思うのです。できれば政府部内に児童省というようなものを設けて、広範にわたる青少年問題を再検討するぐらいの御決意があればこそ池田首相の高名は後世の歴史を飾るのではないか。私は、日本の子供たちのために新しいこのような構想を持たれることが必要ではないかと考えられますが、あなたはこういう夢をお持ちになりませんか。お尋ねします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 青少年に関しまして特別の省を設けている国もございます。ドイツでございます。またフランス等はスポーツを中心にこういうことをやっておるようでございます。私も十分今後検討していきたいと思っております。ただ、今度の予算につきましても、私は青少年、すなわち義務教育を終えた人の高等学校への進学等につきましては、格段の措置をいたしたつもりでございます。しかし大事な青少年でございますから、今後検討を続けたいと思っております。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 わが国唯一の子供を守る中央の機関に大臣のお顔なんて見たことないです。失礼ですけれども大体二流どころの方々がいらっしゃる。こちょこちょっとお話しになって、それでおしまいになってしまう。いつも私はここへ行ってもがっかりして帰ってきたくなるのですが、まあがんばっているのですけれども、これはどうもあんまりお粗末過ぎるので、これはほんとうに再検討していただきたい。  次に法務大臣にお尋ねしますが、前の方にお出で下さいませんでしょうか。法務大臣にお尋ねいたします。テロ問題については、世間はまだ忘れておりません。またこれに対する関心というものは非常に強いものがあります。また政府のこれに対する決意というものもわからないわけではありません。しかし、飯守発言でもいろいろ問題になったように、必ずしもこの問題に対する本格的な取り組みということが期待されるようにも考えられない面もあります。そこで具体的にお尋ねをいたしますが、赤尾愛国党総裁の処分は、きょう拘置期限を前にして、いろいろ議論をされたようでありますが、この議論の分かれ目というものは、きわめて微妙な点があると思いますが、この際、殺人の教唆、扇動ということについては一般の者が非常に関心を持っている。単なる暴行ではない。私はこれに対する法務大臣としてはもう徹底的にテロ行為をやめさせる、こういう固い決意を持ってこれにお臨みにならなければならないと思いますが、まずあなたの本問題に対する政治的な決意というものを一つ承っておきたいのです。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) テロ行為はもちろんのこと、暴力行為犯罪全般にわたりまして、これはあくまでも厳正な態度をもってこれの絶滅を期していきたいと考えておるのでございます。しかしながら、ただいまお述べになりました今回の赤尾敏氏の容疑事件の問題につきましては、検察当局におきましても十分に諸般の調査を進めまして、その主張すべきところを主張して参ることと考えております。過日検察部内におきまして会議もいたしたようでございますが、その結果は、私まだ報告を受けておりません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 お尋ねをいたします。そうすると、赤尾のこの処分問題について、これは法務大臣としては厳正にしかも世論にこたえるような態度をおとりになると、こういうことでございますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) この具体的の事案につきましては、世論にこたえることももちろんでございますが、検察当局といたしましては、法に照らして調査し、得たるその資料に基づいて十二分に厳正な態度をもって臨むように指示はしてございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 どういう法律にお照らしになったのですか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 報告を受けておりませんので、最近の現在におけるこの事案についての検察当局の主張は、ただいま申し上げかねる次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 ただいま申し上げた通りというのは、ちょっとばく然としてわかりません。それでは検察当局はこの捜査の結果というものは出ているわけですか、どういうふうになっておりますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 事務当局もまだ検察庁当局から報告を受けておらないそうでございます。満期になりますのが十四日でございますから、今明日中に何らかの報告もあるだろうと思います。それによって善処したいと思います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 法務大臣、きょうは十四日じゃないのですか。(笑声)きょうは拘置期限の切れる、こういうような日ではないのですか、十三日……。その前に態度を決定されるような報告を受けていないわけですけれども、これはどうなんですか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 期限満了になりますのは明日の十四日でございますので、今明日中に処刑すれば十分間に合います。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 そうすると、捜査の結果というのは出ておるんですかと私は尋ねておるのです。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 検察庁当局の調査の結論はまだ出ておらないそうでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 さらに今後もこの捜査を続けていかれると、しかも、厳正に続けていかれる、こういうような御態度と了解してよろしゅうございますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 仰せの通りでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 法に基づいてこれの処分決定についていろいろ協議されているように新聞等に出ておりますが、法務大臣は先般来、この破防法のテロ行為に対する適用については、いろいろ慎重な御議論をされたようです。しかし、一部新聞の報道するところによると、破防法の改正に踏み切られたように伝えられておりますが、この点についてどういう御態度でいらっしゃいますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) お答えいたします。一部の新聞に私のさような決意が伝えられたとしますと、それは間違いでございまして、私は、破防法のいかなる場所をいかように改正をするか等々については、研究は命じてございますが、まだその結論を持っておらないのでございます。御承知のような最近の忌まわしい事件にかんがみまして、現行法の十二分なる通常をはかることは申すまでもございませんが、もし現行法に不備な点があるならば、これも直していくべきだと考えますので、たとえば破防法の問題につきましても、現行法上、また諸般の情勢にかんがみて、さらにこれを改正する必要があるかないか、こうした点についても十分研究をするように命じてございます。いろいろと会議をいたしておりますけれども、まだその結論を得るに至っておらないのでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 暴力主義的破壊活動、これを抑える破防法、内乱の予備と外患誘致、こういうものとテロ行為というものとは全く性格が違う。従って、破防法をやたらにいじるというのではなくて、思想や信条が違うから殺してこれ々解決するということのテロ行為は、これはしぼってお考えになる必要があると思う。破防法は幾ら研究なすっても、このテロ行為と内乱の予備、陰謀、こういったようなものとはいささか性格が違うものではないか、私はこれは当然区別してしぼるべきだというふうに考えますが、しぼる方向に行こうとするのか、まだこれの改正を今後も続けていこうとされるのか、私はこの方向は重大だと思いますから、一応方向だけお尋ねしておきたい。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 破防法の最近の運営に照らしまして、実際上の諸般の犯罪の事案にかんがみまして、どこの点をどう改正するかというような点について研究をいたしておりますが、そのまた研究を命じてもおりますが、この研究をしたり、研究を命じております点も、最近における御指摘の政治上の殺人といったようなテロ行為、こうした忌まわしい事件をいかにすればなくすることができるかということが主たるねらいでございまして、何も破防法全体について、今どうこうしようということを特に考えておるのではございません。むしろ、最近のこの政治上の殺人に当たるようなこうしたテロ問題を扱うのに、どうして現行法上見合うか、それをどうすればやれるか、それとも他の新立法によらなければならないか、こうした点等を研究いたしておるのでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 テロ事件については世論が注目をしておりますが、この国民の世論に押されたかのごとくに、暴力追放に立ち上がった警察官は、十四都道府県に大動員をされて、相当数の者を逮捕されたようであります。私はその数があまり多いので驚きましたが、なぜもっと今日までこんなことを早くやらなかったか、こういうところに疑問を持ちます。今度のこういう警察の実力行使はどういう団体を目標としてやられたのか、内容等について、ここで説明していただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) お答え申し上げます。先月二十四日に、東京を初めといたします十四都道府県におきまして相当数の警察官を動員して暴力団犯罪の一斉取り締まりを行なったということは、ただいま御指摘のように事実でございます。この暴力の徹底的な取り締まりにつきましては、かねてから、当面の警察活動の重点事項といたしまして、きびしい態度で臨んできたわけでありまして、昨年一カ年間におきます検挙状況についてみましても、七万余件、五万六千七百八十名という者を検挙いたしているわけでございます。これは全国の暴力団約十二万五千名と考えておりますが、その四五%を占めているわけでございます。この暴力団の取り締まりというものは、常時の継続的な取り締まりによりましてこれを制圧し、組織を壊滅に導くことが基本的の態度でございますが、これと並行いたしまして、季節的、地域的に随時集中取り締まりを行なって、その根絶に努めて参ってきているわけでございます。今回の一斉取り締まりも、従来観光シーズンを前にいたしまして、各都道府県を単位にそれぞれ実施いたしておりましたのでございますが、最近におきまして、犯罪が広域化する、犯人が相当広く動くというような点も考慮いたしまして、六大都市を中心として隣接府県の協力を得まして、同時集中的に行なうということで、一方、一地域における取り締まりによって他の地域に逃げるというようなことをできるだけ不可能にしようということと、同時にまた、従来から指名手配をしております者が転々と逮捕を免れているというようなものについて、そういう集中的な取り締まりによって、これを捕捉するということを考えたわけでございます。その結果、先般の二十四日の取り締まりにおきまして二千二十二名を検挙し、拳銃その他凶器類六十二点を押収しているわけでございます。今回の成果は、さらに検討を要する点がございますが、今後とも犯罪の広域化等に対処いたしまして実効の上がる取り締まりを行なって参りたいというふうに考えているわけでございます。  それからただいまどういう団体に向けていくかというお話でございますが、およそ犯罪を犯す者、特に暴力犯を常習的に行なうような者につきましては、常時これを監視して徹底的に取り締まりを実施して参りたい、こう考えている次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 目標とした団体についてお答えがございませんでしたが、大体これは恐喝とか、暴力とかの常習犯の固まりの団体に向けられたのではないかという気がするのですが、テロ行為と一般の暴力事犯というものは区別して考えなければならないのではないかと思う。テロ行為を犯すおそれのある団体は、今回の検挙にどのくらい一体検挙されておりますか。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) 今回の二月二十四日に行なわれましたのは、いわゆる暴力団の取り締まりでございまして、暴力行為等を行なうことが相当ひんぱんに行なわれる、常習的に行なわれるというようなものについて、常時視察をしておりました結果を集めまして取り締まりを行なったわけでございます。テロを行なった団体ということは、たまたまテロが行なわれた場合に、ある団体に所属したということで、その団体が非常にクローズ・アップされるわけでございます。また、そういうものについて、平素の行動、言動等からテロを使嗾する、教唆するというような団体については、これまた監視を怠らないわけでございますが、二月二十四日の取り締まりは、いわゆる暴力団についての取り締まりでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 おそるべき実力行使を背景とした右翼暴力団と称せられるものは、過般の国会でその実体が明らかになりましたが、今日でも、こういうものがきのうこれは舞い込んできたんですけれども、相当これは金があるものと見えますね。こういうものが舞い込んできております。小選挙区の制度実行、中ソの手先総評を打倒せよ、天皇制の強化と治安の確立、反共祖国防衛隊、こういうわけです。こういうものが舞い込んできて、これは相当時間がなくなりまして、このあとの問題に移さしてもらいたいと思いますが、ただ一つ公安調査庁にこれはお尋ねしなきゃならないことですが、直接行動を伴うと思われる危険な右翼団体の中に、約千名から千五百名の青少年がある、こういうようなことでありましたが、あのテロ事件以後、この危険な青少年に対する保護観察はどういうふうに行なわれてきておるのか、現状を説明していただきたい。  それからもう一つは、今日までこの暴力、恐喝をやっているような常習犯をどんどんパクっているようですけれども、これはみんな保釈で出てきてしまう。それだから常習犯になっちゃう。町のダニは絶えないです。保釈という問題について、これはあらためて私は検討する時代が来ているんじゃないかという気がいたしますが、保釈について法務大臣の御意見をお聞きいたします。  それからこの千五百名の、いわゆる刀を持たせればいつでも飛んでいってやっちゃうという青少年は、どういうような保護観察、監視のもとにあるか、この現状を一つ説明をしていただきたい。

柏村信雄警察庁長官

○政府委員(柏村信雄君) お答え申し上げます。ただいま直接行動、いわゆる右翼団体に属する青少年が千五百名あるというふうに聞いているというお話でございましたが、先般の国会の委員会におきまして私申し上げましたのは、ややもすればそういう危険な行動に出るおそれがある者が千五百名ほどあるように思うということで、これは青少年に限ったわけではございません。私どもの見ておるところでは、二十才未満の者はそのうち百名前後ぐらいではないかと思いますが、これは必ずしも保護観察に移されておる者ばかりではございません。最近浅沼事件とか、あるいは嶋中事件等のあとにかなり地方から少年が上京いたして参りまして、いわゆる右翼団体等に加入する希望を持つ者、そういう者もございますので、そういう点につきまして、全国的に監視を強めまして、青少年の動きについて注意を払っておる次第でございます。そのために事前に補導をして親元に帰すというような者あるいは相当危険があるので家庭裁判所の方に送るというような者も出ておるわけでございますが、数字につきましては、ただいま申し上げたような次第でございます。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 保釈制度の運用についてのお尋ねでございますが、御承知の通り人権尊重の建前からでございましょうが、被告人から保釈の願い出がありますと、裁判官は原則としては、これを許可しなければならないという建前になってございます。ただ例外的に、たとえば死刑または無期もしくは短期一年以上の懲役もしくは禁固に当たる罪を犯したときという場合でありますとか、あるいは被告人が証拠隠滅をするようなおそれが多分にあるというようなときでありますとかというふうな特別な場合に限りまして、これを許可しないことができるというふうになっているのでございます。従いまして、危険な右翼的な人たちがある犯罪を犯して、そうしてそれが保釈を願い出た場合におきまして、右翼なるがゆえにこれを許可しないとかということはできませんけれども、しかしながら、考えてみますというと、最近頻発するような、危険な暴力事犯が行なわれるおそれが多分にあるというようなときにおきましては、これはよほど考えなければならぬ問題ではあるまいかというふうに思うのでございます。従いまして先般、二月の下旬でございましたが、刑事部長、検事の会同を催しました際にも、この保釈制度の運用について、もっともっと十分に研究もしなければいけないし、また実際の問題としても十分に、なるべく速急に犯罪事実の調査を十分にいたしまして、これによって十分な資料を裁判当局に提供するということについても、もっともっと努力をしようということに申し合わせをしておるような次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 暴力事犯、暴力事犯といいますが、暴力事犯とテロというものとはこれは違う。それを政府は、暴力事犯というみそもくそもみんな一緒にしてテロというものに対してどうするかという姿勢を、私はかすかに消していくような傾向を持っているように思うのです。ですから、テロ行為というもの、これはしっかり腹に入れて、私と思想が違うから意思を表明しようとか、自分と考え方が違うから意思を表明してこの考え方を変えていこうという方法ではなくて、ここには集団的ないわゆるデモンストレーションというものがありますが、これは暴力だ、そうじゃない。そうじゃなくて思想が違うから消してしまわなければ解決しない、これがテロ。これと暴力事犯というものをごっちゃにしてしまっちゃいけない。テロ行為を絶滅するためには相当な決意が必要だと思います。これをごっちゃにしないようにがんばっていただけますか。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) 政治上の主義主張が違うからとか、あるいは思想が違うから、これが殺人あるいは傷害というようなことが行なわれることは最も憎むべきことであることは、全くお説の通りでございまして、その点私も全然同感でございます。従いまして、こうした事犯の絶滅について十分考えて参りたい。また保釈等の運用の問題についても、証拠の調査に十分な意を用いまして、そうして万全を期したいと考えている次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 次にお尋ねをしたいのですが、青少年の犯罪あるいは暴力事犯、なかんずくテロ行為の手先に使われる青少年たち、こういう問題については、お互いに十分に研究していかなければならない問題ですが、特にもう時間も残り少なくなってはなはだ残念でございますから、道徳教育というような、こういうような問題一本にしぼって文相にお尋ねいたします。  一昨日の辻委員の質問の中に、最近の青少年の犯罪傾向に触れましたが、文部省は、というより文相は、ここに教師の責任を強調されるのあまり、最近の暴力的事犯増高の傾向は、教師が暴力団体、日教組は暴力団体だからこういうふうになるのだ、悪法は法にあらず、何でもやってもいいというような考え方を日教組が持っていると言われたり、あるいは所々方々で教員の組織をさして、暴力団体呼ばわりにしているようでありますけれども、これはあなたの主義では私はないと思う。まさか教師を暴力団というふうにはお考えになっていらっしゃらないだろうと思いますけれども、一昨日の文相の発言は、各界に非常な反響を呼んでいるようであります。もう一度あなたの真意を、私は日本の教育に及ぼす影響を考えるがゆえに、日教組が暴力団体であるかのごとき印象を与える発言というものは適当でないと私は認めますから、御釈明いただき、また、取り消していただくことができれば非常にしあわせだと思います。お尋ねいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。日教組それ自体が暴力団と言った覚えはございません。ただ、日教組の幹部からの指令に基づいて、末端において集団暴力的な事態が起こったことはたくさんあると承知いたしております。そのことを指摘したにとどまるわけでございまして、あくまでも、五十万と称せられる日教組の構成員の圧倒的大多数がりっぱな先生であることを信じ、また、教育の現場において、子供たちの育成のために、情熱を込めて努力してもらっておることを信じております。ただ、中に、一握りのよろしくない人々がおるように私は見受けますので、その人々を中心とする暴力的な言動、それが教育上好ましくない、かような意味において申し上げておるのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 もう一度確かめます。そうすると、日教組は暴力団体だというような印象を受ける発言は、ここであなたは適当でないとお認めになったわけですね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 日教組の構成員全体が暴力団だということを申し上げた覚えはない、こういうふうに申し上げたので、私が懸念しますことは、日教組のよって立つところの教師の倫理綱領の中に、歴史的課題解決のための有能なにない手として子供たちを育成せよという点に大いなる疑問を持つ、このことが解説書等を通じて、何でも教師は政治的にやらねばならぬとか、資本主義ないしは自由経済ではこの歴史的課題は解決できないとかいうふうなことがはっきりと書いてあるものですから、そういう信条を持っておる日教組という団体の執行部は、その倫理綱領に基づいて末端にも指令しておるに違いない、そうだとするならば、日教組という団体が非常に懸念される。子供ないしはその親の立場から見まして、懸念にたえないということは申したことはございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連。ただいまの文相の発言は、私は重大だと思うのです。これは労働組合の運営、あり方というものを全然知らない言い方だ。五十万の教師が、その代表者を出して大会を持ち、その大会で民主的な討議の結果決定されて指導者をきめます。幹部をきめます。この幹部が、重要な段階に対しまして、自分の生活権を守る、そういう立場から、御承知のように、これに対するいろいろな運動の方針を決定するのだ。しかも、それが五十万の支持によって行なわれておる。決してあなたの言うような、一部の指導者がどうしたこうしたというようなことで日教組の運営はされているのじゃありません。それは明白な事実だ。だからこそ、これははっきり地方公務員法の認めるところの団体になっておる。あなたがそのような分断するような言い方で、まことにおかしいことを言う。また、倫理綱領の問題を言っておりましたが、倫理綱領のどこに一体あなたの言う集団暴力的なものがあるのか。たまたま何かこれの説明書に不十分なところがあるということをあなたは指摘して、倫理綱領そのものが、日教組のまるで大会で決定されたところの正式な文書であるかのような印象を至るところでまき散らしておる。これは大へんな重大な問題だと私は思うのであります。従って、日教組の執行部の何人かの行動というのは、五十万の総意によって決定されたものであるから、不可分のものである。それを切り離して、何か変な印象を与えるような言い方をすることは、明らかにこれは労働組合の団結権に対するところの侵害であると言わなければならないと私は思います。こういう点に、あなたは明らかにそのような説明もすることなし、一昨日は何と言ったかというと、日教組は集団暴力をふるう、こういうことを言っておる。これは速記録を見れば明確である。集団暴力をふるうようなそういった団体に、今日五十万の教員をして日常の教育を行なわさせておるというその責任は、文相は免かれないと思うのです。あなたは、日教組を単に誹謗するだけで、そうして、しかも文相としての責任を、口をぬぐって免かれようとしておる。その点、一体、全く矛盾した態度と言わなければなりません。あなたは文教の最高責任者として、当然責めを負わなければなりません。五十万の集団暴力をふるうような教員に日常の一体教育をさせておるというあなたの倫理綱領から言えば、そういう結論になる。そうして何らの責任を負うことなく、口をぬぐって日教組を誹謗しておる。こんなことで文相は務まりますか。私は、はっきりこの議場を通じて、明白にこの説明をされることを希望したい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  教育の責任者であればこそ申し上げておるのであります。五十万と称せられる日教組の中に、三千名余りの共産党員がおって、中央、地方の幹部として、活発な行動をしておるということは明確になっております。そのことを私は一つには憂える次第であります。御指摘の通り、日教組というものが、憲法に保障する、また地方公務員法によって認められておる団体である、結社であるということは、私はいまだかつて否定したことはない。これは当然なことであります。それゆえにこそ、厳然として存在しております。繰り返し申し上げますが、その中の圧倒的多数の教職員はりっぱな先生であることは一点も疑わない。ただ、憂えますことは、今申し上げました通り、倫理綱領の中に、教育の厳正な中立を侵すことなきやをおそれるがごとき一点がある。しかも現実に、毎年々々、岩間さんから御指摘の通り、大会を開いて闘争方針を決定されるのですけれども、その中には、今までほとんど例外なしに、自分の目的を達するためには職場を放棄する、授業を放棄することを指令することが決定されることがたびたびであります。授業放棄などは、精神的な私は暴力だと思います。私の承知するところでは、アメリカのカリフォルニア州の教師の団体の倫理綱領には、もし自分たちが経済的要求のために職場を放棄する、授業を放棄することありと仮定するならば、その問題が解決するまでの間、発育盛りの子供たちは、自分の発育を停止して、やめて待っていてくれない、そのことを念頭に置いて、ストライキなんか絶対やっていけないとみずから規定しておると承知しております。そういうふうな心がまえの団体でぜひあってほしい。私は、国民にかわって念願する気持で従来申し上げておる次第でございます。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 関連。今、荒木さんが、日教組の中に三千名の共産党員がいる云々ということを言われて、あなたが会わないということについての一つの論拠とされておるように考えておりますが、今日、労働組合の中に、共産党員がいない労働組合があったらお目にかかりたい。どこだって、大なり小なり共産党員はいるのだし、共産党そのものは合法政党、これはあえて私が言うまでもないと思う。その共産党員が、合法政党であるところの共産党員が労働組合の中にある、あって活動をする、これは何も悪いことでも何でもない。そのこと自体をとらまえてあなたは云々と言われたけれども、そういう、言葉を演繹していけば、日本の労働組合全体が、やはりあなたの言う悪い組合になっちまう。どこだって共産党員はいるんですから、そういうことは当たりません。  それから第二に、アメリカの問題を例にあげておりますけれども、アメリカ以外の例をあげてもらいたいと思う。池田内閣はアメリカとどんな関係があるか私は知らぬけれども、よその国では、教員がストライキを持っておるのです。アメリカは知らぬ。一般公務員もそうだ。私は前に行ったけれども、イギリスでもドイツでもフランスでもみな持っておる。アメリカは一部は持っておるけれども、一部は持っていないところもある。何もアメリカの例をとって、日本の教員が、アメリカの例にならった準アメリカ的な教員になる必要はない。日本の国は独立国ですから、そんな例のあげ方は、あなたの論拠を、あなたの言うところをいわゆる論理づけるものにはならない。  それから、さっき高田さんの言われたことの中に、あなたはいろいろと言い回しを言っておるけれども、私は、だから委員長におとといの日もくどくど言ったんです。あなたは、日教組の代表と言って、こういうことを言っておる。私は、日教組という集団の代表者とお目にかかることはと、こういうことを言って、そのあとで二つの原因をあげておられる。従って今、高田さんの言われたところと、あなたの答弁されたところとでは、これは違うんですよ。高田さんの言われたところにもっと的確に答弁をしてもらいたい。私はそれを望みます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  先刻申し上げました通り、日教組という団体が正規の団体である。結社の自由権に基づく団体であり、地方公務員法に認める都道府県段階の教職員組合の集合体である。そのことが適法に存在しておることは否定するものではむろんございません。さらに、またその中に共産党員がおることそれ自体違法であるなどと私は考えない。ただ、共産党の信条そのものが、教育の中立を特に侵すおそれなきやを心配する。そういうことでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 一握りの指導者が暴力を指令したような印象を与える発言がありましたが、暴力行為を指令したことがございますか。そういう行為がありますか。授業放棄の問題にたまたま触れましたが、法に基づく措置要求、これは明らかに法に基づいて措置要求をしておるわけです。その過程におけるいろいろの問題を、これを歪曲されて暴力行為を指令したというような印象を与える発言がありましたが、これはあなたは言い足りないのではないでしょうか。ほんとうにそう思っていらっしゃるのですか。言い足りなくてそういう印象を与えておられるのですか。どちらですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  日教組の幹部が暴力行為をやれと指令したとは申し上げません。もし言い得るとすれば、今日申し上げましたように、授業放棄を指令されることは一再ならずあったと私は承知しますが、それ自体精神的な暴力行為であろうと私は思います。さらに、新教育課程絶対反対、あるいは道徳教育絶対反対という立場のもとに指令が行なわれて、反対運動が全国的に津々浦々に起こったと思います。その指令が現に出されたかどうかは私の知るよしもないことですけれども、その集団的な立場において集団暴力的な行為が行なわれたことも枚挙にいとまがないと私は承知いたしております。そのことを、教育が中立でなければならぬ、教育の場が平和でなければならぬ、子供たちに率先して順法精神を説き、みずから子供たちのお手本になるようなことを、子供も親も期待しておるという立場の方々の行動としては適切じゃない。もっとりっぱな、許されたる範囲内の行動があってしかるべきじゃなかろうかとかねて思っておりましたので、そのことを申し上げたにとどまるのであります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 関連。  先ほどの高田さんの質問に対して、岩間君、占部君から関連質問があっていましたが、適切な答弁でないので、さらにお伺いいたしますが、日教組の中に三千名の共産党員がおる。おそらく社会党員もおるでしょう。自由民主党の党員もおるでしょう。私はそういうものだと思うのです。そういたしますと、その中に一部の共産党員がおるからだということになれば、教員の中からそういう政治的な意識を持っておる人は排除していく、こういうことになるわけなんです。だから荒木さんは、学校の先生はそういう思想を持ってはできないのだ、五十万の中に三千名おるからこういうことになるのだということになりますと、そうすると、社会党員もできない、共産党員もできない、自由民主党員もできない、こういうことになると思うのですが、一体それはどういうようにお考えになっているか。共産党ならどれくらいならいいのか、社会党ならどれくらいならいいのか、そういう点少し御説明願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  教師でありましょうとも、その個々人が何党を支持し、いかなる政治的信条を持ち、何党に入党しましょうとも、これは自由だと思います。そのことには私一点の疑いも差しはさむ必要はない。ただ、共産党に関しましては、その私の承知する信条のゆえに、教育の厳正なる中立を侵すおそれなきやを心配する。その意味において、一人でもいてくれない方が国民は望んでいるのじゃなかろうかと、こういうことでございます。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 非常に重要な問題になってきましたから、関連ですから簡単に申し上げますが、それでは五十万の教師が三千名の共産党員の言う通りになるとお考えでしょうか。おそらく、相当数のそれぞれの政党を支持し、あるいは政党に入っている人があると思う。しかし、それを五十万の教師の良識によって私はりっぱに運営をされておると思うのです。荒木文部大臣の言葉で言えば、五十万の教師は、わずか三千名の共産党員の思う通りに動かされているのだと、こういうように塗り変えられてくるのじゃないかと思う。どの党員がおってもけっこうだ。しかし、共産党がおることは国民が望まないのだとここで断定されるということは大へんな問題で、共産党追放だと、こうなってくると思うのです。非常に大きな問題だから、一つ再答弁をお願いいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もし共産党の三千名あまりの人々が、中央、地方の幹部として活発なる行動をしていないとするならば、大多数の教師の良識は、もっと現実行動の面でも透徹して表現されるのじゃないか。それを期待するがゆえの申し条でございます。私は、共産党員によって良識ある人々が現に引っかき回されて、なってないのだということを断定して申し上げるのじゃない。国民にかわって申すとするならば、私は、大多数の国民は、共産党員以外は私と同感であろうと存ずるのであります。もし大多数の良識をもって運営されるとするならば、されておると思いますけれども、少なくとも私は、自分たちの目的を達する手段としての授業放棄だけはやめていただきたい、それだけの良識は、よき教師の方々の良識に訴えて希望を申し上げたい、こういう気持ちを先刻来申し上げておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 委員長、関連。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 高田君の発言を許します。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 どうぞ。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 高田君がいいそうでありますから、岩間君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、ここで文相の反省を求めたいと思います。先ほどの発言の中で、あなたは、自民党の党大会においてさきのような発言をされたなら、私は問題にしません。ところが、あなたは、御承知のように、憲法による国家機関の内閣の閣僚の一人であります。そうして公務員であります。その地位に文相としてあなたはおられるのであります。その方が、国会の内部の、国会のこの委員会におきまして、公然たる発言として、共産党頂は三千人いる。しかも、国民の意思をそんたくするならば、一人もいなくなった方がよろしいというようなこの言葉は、明らかに憲法違反であるということを私は明確に言うことができると思います。憲法は、明らかに国民の政治的信条の自由を許しておる。この上に立って先ほど文部大臣が今のような発言をこの公的な場所においてやるということは、断じて私は日本の憲法の精神から言っても了承することはできない。これは明々白々たる事実であります。もしこの原則を侵すならば、全く憲法は否定されざるを得ないと思います。しかも、法を順守することを、口を開けば二言目には言っておる文部大臣が、国家の基本的な法典であるところの憲法に違反するようなこの発言を、当委員会におきまして内閣の閣僚の一員として言うことは、私は許すことができないだろうと思う。私は、そこで法務大臣にお尋ねいたします。法務大臣は、今のようなことで憲法は正しく運用することができるとお考えになるかどうか。さらに内閣総理大臣にお尋ねいたします。内閣総理大臣は、はたして今のようなことを、閣僚が正しく憲法による精神で発言しているとお考えになっておるか。私は、この問題は日本の政治の基本を正すという意味におきまして、実に重大な問題であると思うので、あえてお伺いする次第でございます。

一松定吉自由民主党

○一松定吉君 会長、関連。会長と言ったのは、いつも言いつけておるから間違いましたので、御了承願いたい。  私は、今の憲法を順守しておる云々というようなことは、憲法を十分に理解していないのだと僕は思うが、どうだ。憲法十二条、十三条を見たまえ、憲法の十二条には、国民は基本的権利を持っているけれども、それは乱用してはならないとある、公共の福祉に反する行動はいけないとある。これを前提として、憲法において保護せられた権利を行使するということでなければいけない。今の質問は、この十二条、十三条の規定を無視して、われわれは何でもそういうようなことを主張し、実行することができるのだと思うことは、憲法の解釈を誤まっておるのですから、こういう点について、私は十分に、国会議員である者は、少くとも自分は基本的人権を持っておるということを認識しておる以上は、それには憲法十二条、十三条の制限があるのだということを了解して言動しなければいけない、かようなことを私は申し上げたいと思います。

植木庚子郎自由民主党法務大臣

○国務大臣(植木庚子郎君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、荒木文部大臣のお答えになりましたのは、おそらく国民の多数がそう思っておるだろうという一つの見方を仰せになっただけでございまして、憲法違反であるとか何とかいう問題ではないと私は考えるのでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これはきわめて重要な問題です。憲法違反であるかないかということは非常に重要な問題。つまり文部大臣は、教員組合の中に共産党がいるべきではない、こういう発言をせられた。これは思想、信条の自由、個人としての政党支持の自由、これをまっこうから否定するあなたの挑戦的な態度、明らかにこの考え方は憲法違反の考え方です。  首相にお尋ねします。個々が政党の支持を自由にしてもいい、また思想の自由を持ってもいい、これを否定することは憲法違反ではないか、私はこういう考え方を持ちます。これについて総理大臣の見解を一つ述べていただきたい。あわせて文部大臣の私の質問に対する見解を述べてもらいたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。ただいま高田さんのおっしゃった通り、何人といえども、今の憲法のもとにおいて、いかなる政党を支持しようと、いかなる信条を持とうと自由と私は心得ております。日教組の構成員たる組合員も同断と思います。同断だと思いますが、他の結社、いわゆる労働組合などと違って、教職員の働く場所は、教育基本法に厳粛に宣言しておりますように、あくまでも政治的に中立でなければならぬということであります。その中立であるがゆえの一つの願いとしては、その信条が、ともすれば教育の中立性を政治的に侵しはしないかとおそれられるような人は、なるべくならばいない方がいいと国民が思っているであろうと、こう思うのでありますから、そのことを申し上げておるのであります。ことに、申し上げるまでもなく、教師が労働者だと倫理綱領にも規定しているようですけれども、それはまさしく広い意味の労働者である。ですけれども、教職員が労働者であるその場は、教育の場にあるがゆえの労働者であるという必然的な関係を考えますと、どうしても政治的に極力中立であらんことを念願するということは、私は当然のことかと心得ます。そういう意味において繰り返して申し上げますが、国民の大多数は私が申し上げたように願望しているのではなかろうか、私はかように推察いたしますから、その推察に立って申し上げておるのでございます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 荒木文部大臣は、結社の自由を否定したりしているのではございません。ただいま自身が言っているような状況でございます。私は、憲法違反とは考えておりません。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 国民はこう考えているのじゃなかろうかというのはあなたの独善です。あなたの推察です。そういう推察を独善的にここにお出しになるということは適当ではないと私は思いますが、時間がないのでここだけ議論をしておられませんが、こういう問題があるからいろいろのそごした問題が今の議論の中にも出てきております。措置要求が暴力行為というようなお考えを持つような場合もあって、全国的に及ぼす教育上の影響がはなはだしく大きいから、だからお話し合いをなすったらいかがでございましょうかという考えを持っているわけです。社会党は、道徳教育を進めようという積極的な考えを持っております。日教組も、また道徳教育を否定してはおらない。しかし、その内容等についてはいろいろ話し合わねばならない。総力を集めて日本の民主教育を立てなければならないから、話し合いをしようというのです。あなたは話し合いをしないでいい理由に、法律違反である、弊害がある、こういうようなことを言っておられるわけでございますが、もう一度あらためて、あなたの見解はきわめて重要な内容を持つものでありますから、私は一般質問の際にこの議論を譲りますが、もう一度日教組と会うことは法律違反であり、弊害があるという見解は、これはあなたの言葉が足りないのじゃないかと思われる節もありますから、正確なる答弁をもう一度私は求めたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。  日教組は、道徳教育には絶対反対を唱えておると承知いたしております。まあそれはともかくといたしまして、先日も申し上げました通り、日本教職員組合という団体は、繰り返し申し上げますが、憲法上認められた団体であることは間違いなし、地方公務員法によって認められた全国体の組織であることも間違いない、それはいささかも否定する意味はございません。しかし、それは勤労者の団体という意味において、結社の自由のもとに存在する団体と承知いたします。また、日教組みずからもそれを主張しているわけであります。その立場においては全国体の組合代表と、全国的立場に立っての文部大臣が団体交渉をする資格がない。これはあくまでも都道府県段階において、それぞれの教育委員会と交渉するのが最高限度だと、これは法律の定めるところだと、その団体交渉相手が法定されておるその制度を飛躍して団体交渉をしますことは、制度を乱る意味において法律違反だと、だから団体交渉に応ずべきではない、資格がない、そういうことを申したのであります。そうすると、あと残るところは、そういう教育に関しての勤労者の団体としての立場の日教組という団体代表者と、その以外の意味において会うか会わないかは事実問題だと心得る。その事実問題である限りは、お互いが自由だと、会おうと会うまいと。しからば会ったらどうだという仰せがよくありますけれども、それは問題によりけりであり、また、そのときの事情にもよる。今は私はお目にかからない方がよろしい、お目にかかることが、かえって有害であると心得る、こう申し上げたのであります。なぜ有害と心得るかと申し上げるならば、道徳教育、新教育課程絶対反対、文部省は敵であるという宣言のしっぱなしのままで、何の必要があって、いかなる事柄でお目にかかることがあるだろうか、そういうお立場の方と話し合いみたいにしてやること自体も、私の常識に従えば有害なり、少なくとも今会うべきでない、かように思っておることを申し上げたのであります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 高田委員の持ち時間は終了しました。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 関連。ただいまの問題で、時間が切れたそうですから簡単にやりますが、私は非常に懸念を持つわけです。総理大臣の一昨日の答弁と荒木文相の答弁に食い違いがある、こう思うわけなんです。総理大臣は、法律で規定はしておらない、会うとか会わないとかいうそんなものは規定しておらない、その通りなんです。ところが、文相は法律違反だと、私は法律違反ではない。それは大臣が会うとか会わないとかいう問題は、それは政治問題で、別です。しかし、会うことは法律違反であるというのは私は間違いだと思う。それで池田総理大臣の言うのが正しいのか、荒木文相が言うのが正しいのか、それをはっきりさせなければならないと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私から便宜お答え申し上げますが、先日総理がお答え申し上げたことも、私の申し上げたことと同じでございます。それはくどくなっておそれ入りますけれども、今も申し上げた通り、教職員団体が団体交渉が許されておるのは、都道府県市町村の地方教育委員会と、しかも、団体交渉をなすべき課題が決定されておる、給与、勤務時間その他の勤務条件ないしは厚生福祉の問題に関して話し合うことができるということで、不十分ではございますが、団体交渉権が法定されておる。しかも日本の教育の基本的なあり方は、地方分権制度に立っておる。もし団体交渉相手として、全国組織の日教組代表と文部大臣が団体交渉をするというならば、これは立法問題としてはわかる。立法問題としましても、そうなれば地方分権の地方公務員ということを改めて、日本の教育を中央集権主義に建て直して、教職員を全部国家公務員にして、使用者たる立場を文部大臣に与えられたならば、法制上当然そういうことになるとは思いますけれども、今は地方分権の建前であり、地方公務員ということであり、その給与決定者、任命権者というのは、言いかえれば教職員の使用者という立場は都道府県市町村の委員会という制度になっておりますから、団体交渉ということは、法定制度を乱って、中央交渉というようなことはやるべきではない、法律上の制度を乱る意味において法律違反だ、こういうことを申し上げたにすぎないのであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 もう質問の時間が切れてしまいましたので、私は、文部大臣に一つ宿題だけお聞きいただきたいということで、一般質問にあと譲りますから、御研究いただきたい問題を申し上げておきます。今文部大臣の御答弁の中に、はしなくも国家公務員は文部大臣と交渉する権利を持つことが今明らかになっています。日教組の構成の中には、御承知のように、大学教職員組合の方々が入っている、大学の方々が入っている。大学の方々は、これは国家公務員です。だから国家公務員法の九十八条には、これは人事院の成規な手続によって国の代表と交渉する権能を与えられている。現在の日教組の小林委員長は、これは大学教職員組合をも代表する代表者であります。選ばれて委員長になった。そうだとするならば、これは明らかに……ちょっと林さん、宿題だけだから今言いなさんな。これは明らかにあなたが日教組と会うことは法律違反だと言うけれども、会わないことが法律に違反なんです。私どもの見解はそうだ。ILOの九十八号との関連においても、会うということがILO九十八号の建前なんです。すでにこれは批准されておるんです。そういう精神を没却するということは、これまた国際的に違法行為である。私は、こういう見解をもって日教組と会うことは法律違反であるということを、あたかも合法的なような言い分をなさる文相の見解は、はなはだしく偏向性であると思う。あなたは商工省や逓信省の有能な属僚として、有名な造船汚職事件等においても、その敏腕を賞賛された一人であると承っていますが、こういう教職員の身分の問題、あるいはまた団体交渉の問題が軽々しく法律違反であるという結論をお下しになるについては、林さんに相談する段階は過ぎている。もっともっと研究されてしかるべきではないかと思う。私は、この問題についてあなたの答弁を今いただきません。どうか一つ十分な研究を積まれて、来たるべき機会に徹底的にこの問題をこの席で議論しようではありませんか。御勉強おき下さい。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。  本日、小林孝平君が辞任されまして、その補欠として小酒井義男君が選任されました。  午後は一時三十分に再開することとし、暫時休憩いたします。    午後四時四十一分休憩    ————・————    午後一時五十五分開会

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) これより予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き質疑を行ないます。小幡治和君

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 持ち時間が非常に短こうございますので、要点だけを申し上げますから、意のあるところを一つお察し願いまして十二分にお答え願いたいと思います。昔、孔子様に弟子の子貢が政治の要諦を聞きまして、孔子様が食を足し、兵を足し、民これを信ずと、こう言っておりますが、食を足しの方はいわゆる衣食住であった。所得倍増で大いに一つ池田内閣にやっていただくことになっておりますが、次の二つの面についてはどうも十分といえないきらいをわれわれは感ずるのであります。日本の現状というものをながめてみますると、国こそ二分されませんでしたけれども、国民の中で敵と味方相対立して、しかも絶対に粗いれざる対立が激化せんといたしております。そういう傾向というものが今日日本の国の中に非常に憂慮されておる。兄弟かきにせめげば外侮りを受くといわれておりますが、すでに外からは侮りを受けておるのじゃないかというふうにも思われます。そういう面について今国民が非常に心配をいたしておるのでありますが、この現状を総理はどう思われますか、またどう対処されんといたされますか。その点をお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のごとく、敗戦後の日本の状態は、思想的に二分というところまではいきませんけれども、州争い他から侮りを受けるような場合もあると私は考えておるのであります。ことに昨年の状態のごときは、まさにその通りでございます。私は内閣を引き受けまして以来、こういうことをできるだけ緩和しようと努めておるのでございます。やはり私と同様に、国民の大多数も御心配になっておると思います。従いまして、まず第一に政治家が自分の身をおさめ、お互いに話し合っていこうというりっぱな慣行を国会内に打ち立てるということが必要であると思いまして、その方向で努力いたしておるのでございます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 今、まず率先垂範していろいろ話し合いでいかれようという御決意を披瀝されたのでありますが、私はその話し合いの姿においても、要するに政治の姿を正して、あくまでも民主政治、議会政治、すなわち法治国としての信用というものを確立するということが、まず話し合いの上においても先決だというふうに私は思っております。今、是非善悪の大綱というものが確立されないで、いたずらに左が言論の自由をたてにとってこう言えば、また右がこれに対して闘争するというふうなことにまかされておる。結局そこに、一つの是非善悪の大綱というものが、国民の中に確立されておらぬということが原因だと思っております。従って、官公庁の中におきましても、われわれが見ますと年じゅう赤い旗が振られており、あるいは闘争のビラがしょっちゅう張りめぐらされておる。一体、こんな役所をかかえておる国というものは世界にあるかというふうに、国民としては非常に慨嘆にたえない気持をもって役所の姿というものをながめております。しかも公務員は政治活動は禁じられておるんじゃないか。そういうような面について総理はどういうふうにこれを締めていかれるかという点を聞きたいのです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほど申し上げましたように、こういう役所内の傾向はずっと以前からでありますが、私はだんだんこれがおさまりつつあるのではないかと思っております。従いまして、私はILO八十七号条約批准につきましても、それに関係しまする国内の態勢を整備するということをただいま研究いたしておるわけであります。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 労働大臣いらっしゃいませんので、これは労働大臣こられましたらお聞きしたいとも思っておりますけれども、今触れられましたILO条約の批准というふうなことも、いよいよされるとしましても、今のこういうような状況下においては、非常に憂慮される面も多いと思います。そういう面で国内法の整備ということが国民の非常な待望されておる姿であるとも思います。また、国民の中で一人法を犯せば、直ちにこれを処置されるということでありますけれども、しかし、多数が腕を組んでやったならば、違法も、じゅうりんして大手で濶歩し得るという態勢、今公労協のスト宣言等についてもいろいろ協議されておると思うのでありますけれども、そういう面についての、政府としては突入したあとじゃなくて、やはりその前に一つ至誠をもって、こういう面については一つただしていく、要するに政治の姿を正すという意味においてただしていくということが最も大事だと感じております。そういう面についての御決意をお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 法で規制することももちろん必要でございまするが、実際面におきまして法ばかりでというわけにもいかないのであります。ただいまお話にも出ました最近の公労協の春闘の問題につきましても、ただいまも官房長官が公労協の人と話しておる状態でございます。何とか話し合いでいきたい。しかも話し合いの済まないうちにストその他の計画を作るということは私はよくない、そういうことのないようにということで、政府としては八方力を尽くしていきたいと思っております。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 今、国民とともに心配いたしましたそういう日本の姿というものも、要は第二の国民の教育の面に非常に大きな関心を寄せられておるのでありまして、国の幕末というものは教育だといわれております。特に義務教育は、これは人間を形成する教育であるとともに、また国民としての教育だと私は思っておるのであります。そういう意味において、文部大臣は教育基本法の問題についても、これじゃ足りないのだという気持は持っておられると聞いておるのでありますが、われわれとしては、あくまでも義務教育というものは、そういう意味において、人間形成とともに国民を作るという意味における基本の姿というものをはっきり確立させるものでなければならないというふうに思っておるのでありますが、この点について御所見を文部大臣にお伺いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。お説の通り教育が大事であることは何人も否定しないことと思います。ひとり義務教育に限らず、もっと幼稚園の教育から始まって大学教育、さては社会教育に至るまでほんとうに次の世代をになうべきもの、あるいは国の運命というものが左右される場合の重大なものと心得ます。従って教育基本法につきましても、取り扱いは慎重を期したいと思うのでありますが、私はその教育基本法の生まれ出ました経過並びに環境に照らしまして、もう一ぺん冷静に、自主的な立場で再検討をするに値する重要課題ではなかろうか、かように思っておるわけであります。しかし、これは私一個の立場で左右すべきものではむろんございません。衆知を集め、英知を集めてそれを再検討するとしても、どういうふうに取り扱いをもっていくべきかということすら、慎重に考えて対処せねばならない一つの課題であろうと思っておる次第でございます。今の内閣として、これが再検討を具体的にきめたわけじゃむろんございませんけれども、一つの考え方として、私は以上申し上げた通りの気持を持っております。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 教育基本法の第八条に、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」というふうに説明されておりますが、過般の日教組の幹部の社会党に対する集団入党、この問題は、まあ日教組の一人々々の先生方が、政治についての独自の見解を持っていくということならばかまわぬのでありますけれども、しかし、集団入党というふうな問題は、いろいろ社会党の中における派閥の抗争、いろいろな原因があったかとも思いますけれども、しかし、これが教育に与える影響というものは、相当大きく反応をされております。また、地方の先生方の中においてすら、この幹部の社会党集団入党という問題が、偏向教育のもとになるということを心配している先生方もずいぶんあるのでありまして、こういう面について、文部大臣はどういうふうに考えられておられますか、その点、お伺いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。お説にも御指摘になりましたように、一般に公務員がいかなる信条を持ち、いかなる政党を支持し、またその政党に入党するかいなかは各個人の自由であり、何ら制約があるとは思いません。ただ、教育の場が、教育基本法を初めとする制度上の建前から申し上げましても、あくまでも政治から中立でなければならぬという、絶対至上の要請があるわけでありまして、そういう点から見ますると、集団入党というがごとき形は私は好ましくないと、率直に申してそう言い得るかと思います。このことは、お話にもありましたように、国民一般が、教育の場を厳正中立の場としたいという念願を持っておる気持からいたしましても、やはり集団入党というがごときことは、好ましいとは一般にも思っていないと心得ております。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 さらに、この間問題にもなっておりました、学校の先生の「御璽」という小説にもありましたが、またいろいろ学校の先生方の書かれてあるものの中を見ましても、先生の集団が児童の集団とともに共同体制を作っていくというふうな姿といいますか、そういうふうな指導もされておるようにも見受けられるような節もありまして、われわれとしては、そういうような体制が、先ほど大臣の言われましたいわゆる偏向教育じゃないとはいえない。そういう面で、非常に国民としては、自分の子弟を託するのに心配いたしております。この間のそういう先生方に対する処置にいたしましても、私はきぜんとして、やはり憲法の第一条に明記してありまする象徴としての権威というか、尊厳というか、そういう面を一つはっきり教育の上に守られなければ、これは憲法に対する忠実な教育ではないというふうに私存じております。そういう面について、官紀をしっかり粛正して、正しい指導といいますか、そういう面をお願いいたしたいと思うのでありますが、文部大臣の御所見を承わりたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。学校の先生たちが生徒と一緒に集団的にある種の政治行動めいたことをすることありせば、これは許しがたき教育の中立を侵しておる、政治を教育の場に持ち来たしておると言っても過言でない、穏当を欠く事柄だと思います。現にそういうことがあったんだという確証を握って申し上げるわけじゃございませんが、今の御質問の仮定に立って申し上げれば、まさしくそういうものとして、厳に戒飭していかねばならぬ課題かと心得ております。お話のあの「御璽」というのは、私は表題と中味を斜めに読んだぐらいで正確に批評することができませんけれども、一般には象徴——天皇一家をひやかすような内容を持っていると言われる、その意味において穏当を欠くものと思います。これに対しまして、文部省としてどうするかということになりますと、広く、御案内のごとく言論は自由であるという憲法の保障上から申しまして、一々これを、もってのほかだと文部省みずからが指導、助言の立場において、都道府県の教育委員会等に意思表示をする課題では一応なかろうかと心得ております。聞きましたところによりますと、岐阜県の教育委員会においては、当該執筆者を警告、戒告処分にしたと伝えられておる。これは特別に本人の経歴にも影響するような処置ではないそうでありますが、一応、当該県の権限ある機関が相談して結論を出しましたことで一応妥当ではなかろうか。しかし、憲法上の存在である象徴天皇に対してことさららしくひやかし半分のことを言ったり、したりするということが穏当でないことは最初申し上げた通りだと心得まして、私は一般に教職員は、特にそういう点をそれぞれの良識に訴えて誤りのないようにしていただきたいと念じておる次第であります。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 個人の言論の自由は、これは当然であると思いますが、しかし、いやしくも精神の未熟なわれわれの子弟を教えていく先生方の言動というものは、別個に考えられてこなければならない、これは当然だと私は思うのでありまして、そういう面についての今文部大臣の御所見は、ちょっと私の気持からいうとなまぬるいというふうな感じがするのでありますが、それはそれとして過般同僚の辻委員が御指摘いたしました、いわゆる教科書の偏向教育の面、あるいは非常に誤りがあった面、そういう面についての是正というもの、これははっきり一つ明示していただきたいと思うのですが、局長のお話しでは、今回新しい指導要領というものが出た以上、それにもとるものは、すべてこれを改訂か禁止かしなけりゃならないというふうに私は思うのです。誤ったものを誤ったままで、ただ検定してしまったからということでそのまま放置しておくということは、これは非常にゆゆしい問題だというふうに私は思っておりますが、その点昨日解明されておらぬような気もいたしますので、はっきり一つその点お答え願いたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。教科書は小、中学校、高等学校に関します限り、政府が指導要領を定め、教育課程を定めて、それに基づいて検定が行なわれて各地方教育委員会においてこの教科書の採択をする、こういうことになっておることは申し上げるまでもなく御承知の通りでございます。そういう立場からいたしまして、いやしくも児童、生徒の知識の根源たるべき教科書に誤りがあったとするならば、なるべくすみやかにこれを正す、改正するということは、当然の処置かと思います。また当然教うべくして教え得ないような内容になっておる部分ありせば、これまた補足していくことも当然だと心得ます。昨日辻さんの質問に対しましても同様の趣旨のことをお答え申し上げたのでありますが、さらに具体的には、私からちょっと十分御答弁申し上げかねる点もございまするので、政府委員から補足することをお許しいただきたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 先日御指摘になりましたうち、小学校の社会科につきましては日の丸のことが書いてない、こういうお話でございましたが、別の個所に日の丸に関する記事が掲げられております。ただ、辻委員の御指摘になったように、日本の日の丸の由来は響いてございませんが、国旗を尊重する気分は一応出ておるわけでございます。なお、小学校の今度の指導要領によりまして、一年の音楽の教科書には、日の丸の歌を歌うことにいたしております。「白地に赤く日の丸染めてああ美しや日本の旗は」というのは一年の教科計に出ておることになっております。  それから次に、御指摘になりました帝国書院の地図の件でございますが、これは昭和三十年度に検定したものでございます。一たび検定をしますと、文部省検定済みとなって、この教科書は一応半永久的に続くわけでございますが、それが現行の教科書制度でございますが、そこで昭和三十年以前には文部省の検定につきましては、従来から専門の調査官もなく、一般に現場の先生や学識経験者にお願いして片手間に見ていただいた。こういう点で誤りもあり、また偏向教育を御指摘になりましたので、三十一年から専門の調査官四十名をもって審議会を大幅に改組いたしまして八十名の審議会といたしておりますから、過去におけるような誤りとか、あるいは偏向教育は絶対にないと確信しておるのでございます。お述べになりました帝国書院のこの地図の北方領土の問題でございますが、北千島が日本の領土になっておる、こういう御指摘でございましたので、これは確かに誤りでございますので、出版社に訂正を命じまして、四月までに間に合うように措置いたしております。  それから次にお述べになりました「日本の社会」、これは中学生の社会科でございますが、これも昭和三十年度に検定したものでございまして、新しい教科書制度の前に出たものでございます。そこで、この中にも御指摘になった多数横暴の個所、あるいは天皇の地位についての記述が必ずしも妥当ではございません。お述べになった部分だけ見ますと、明らかに不適当でございますが、それ以外にも若干全体を読みますと、少数意見を尊重するとか、あるいは天皇の象徴ということも書かれておるわけでございまして、不適当な点がありますけれども、全体としてはあやまちであるというふうには断言いたしかねるのでございますが、この指導要領の改訂によりまして、少数者は多数者の決定に従うとともに、多数者は少数者の意見を尊重する必要がある、こういうふうに明確に規定いたしております。そこで、中学校の場合は三十七年から全面的に教科書が変わりますので、それまでは古い教科書がなお従前の効力を持っておるわけでございます。この場合、新しい指導要領に矛盾抵触するものは、当然この前の指導要領は形式的には一応廃止の措置をとっております。ですから、矛盾するものは、新しい指導要領に従って教えるということになっておりますし、それに必要な指導書も出ておりますから、現在のところ御指摘になったようなことのないように十分心がけるとともに、教職員につきましては、三年間で三分の一ずつ全職員にわたって、新指導要領の趣旨の徹底をいたすことになっておりますので、これに伴う予算として五千五百万円ほど計上いたしまして、そういう趣旨が十分徹底いたしますように配慮いたしておる次第でございます。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 関連。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 小幡君、よろしゅうございますか。——辻君。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 今、内藤局長がおっしゃったことは、一通りわかりましたが、私がこれを昨日、一昨日申し上げたのは、この四月一日から町に販売をされて、そうして学生があるいは生徒が読む本であります。出版社にそれがすでに物となって行っておるわけですから、三十七年度から新しい指導要領で内容のしっかりしたものを渡すとおっしゃるが、この三十六年度といえども、間違ったものを、もしくは疑いを持たれるものを渡してはならない。三十七年度を待てない。その間に間違った内容のものを使うなと文部省がなぜおやりにならぬか。みすみす間違っているとわかりながら、三十六年度は使う。それをどうするか、お答え願いたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) お答えします。この旧の指導要領に基づいた教科書が一応検定済みになっておりますから、有効でございます。しかし、新しい指導要領ができましたので、その指導要領の趣旨によって教育は行なわなければならない、こうなっておりますから、その新しい指導要領に欠けておるものはこれを補ない、必要のないところは省く。それから矛盾いたしておりますところは、それは新指導要領によるべきことを明確にして、三年間の移行措置を行なっておるのでございます。ですから、この移行措置の段階において、そのことは十分徹底しております。ただ御指摘になりましたように、古い教科書が使われることは事実でございます。古い教科書を使う場合に、その趣旨を十分に徹底するように、現場の教職員の研修をいたしておるわけでございます。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 現実の問題として、今あなたにお貸ししてある中教出版発行の「日本の社会」という本を、この四月一日から使わさないようにするかどうかということ。わかっておりながら三十七年まで使わすのかどうか、それを聞いておるのです。(「重大な問題だよ」と呼ぶ者あり)

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省の教科書の検定を経ておりますから、使わさないということは、これは言いがたいのでございます。ただ御指摘になったように不十分な点がございますから、それは教える場合に教師が十分心得て、不十分のないように配慮することになっておるわけでございます。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 私の言うのは、それほど明らかに指摘した、その生徒に間違った思想を与えるものがあるのです。四月一日から売られておるのです。現在売られておるのです。ですから、それほどはっきりしておるのならば、あなたの方は責任を持って出版社なり、地方の教育委員会なりに、この中教出版の日本の社会という本には疑点が多いから、これは買わないようにしろ。作るのは御勝手だ、買わなければいい。こういうことを責任を持っておやりになるかどうか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) この前お述べになりました二カ所でございます。で、これが前段は、確かに辻委員の御指摘の通り妥当ではございません。「しかし国会ではしばしば多数派の横暴が問題にされることがある。ことに多数を占める政党が頭数で国会でその意思を通そうとすれば、結局は多数決でも実質は全く民主々義の精神から離れてしまうことになる。多数決が合理的になるためには、多数派が常に少数派の意見を尊重する態度でなければならない。そうして討論の自由が常に保障されどんな少数党でも意見を述べる機会が与えられなければならない、」こう書いてございまして、これが直ちに間違いだという断定は、私はしにくいのではなかろうかと思います。そこで、この場合に、つまり少数は多数に従わなければならないという指導要領の趣旨は明確になっておりますから、この不十分なる点は教師が補なえばいいのではなかろうかと考えております。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 私の言うのは、多数の横暴は、もちろんこれは戒めなければならぬが、ドイツの社会党なんかは、国会というものを尊重するために、多数で破れたら、それは暴力に訴えないで次の選挙に批判を求める。そんなことが一つも書いてないですよ。だから、私の言うのは、多数の横暴を制するとともに、少数も民主主義を守って、暴力に訴えないで国民の批判によってその功罪というものを問うべきもんだということを教えない限り、その木はとにかく自民党というか、保守党が何でもかでもしたいほうだいなことをしているという印象を受ける、それをなぜ修正しないか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) そこで、新しい指導要領では、少数は多数の決定に従うということを明確にいたしておりますから、その趣旨は十分中学校の社会科の移行措置の段階において、ことしの四月から教える場合には、その点は明確にさせるようにいたしたいと考えております。

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 ですから、私の言うのは、それは三十七年度からその次の教科書ができるでしょうが、現にあなたの持っておられるのは売られているのですよ、今。三十六年の四月一日から子供がそれで習う、そういう疑問を投げながら。だから、それをとめる方法はないかということです。わかっているでしょう、それをなぜやらないか、大臣一つお答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員からお答え申し上げたような措置をとるほかに、現実問題としてなかろうかと思います。もし、辻さんのおっしゃいまするようにいたしますれば、すでに検定が通過しておって、平穏かつ公然に今の本が作られておる。それを採用することもよろしいという一応建前になっておりますから、それを使ってはいけないというためには、教科書会社に対して政府としては当然損害の補償をする責任もあろうかと一応心得ます。そういう予算措置は実はいたしておりませんので、建前からいいましてちょっと実行困難ではなかろうかと、率直に申し上げてそういうふうに思います。ですから、ただいま政府委員が申しました通り、御指摘の誤りもしくは舌足らずの点がある部分は、すでに研修を相当数が終わっております。ですから、現場の教職員むろん心得て善処してもらえると思いますし、あわせて教育委員会等にもそのことを、その趣旨を申し伝えまして、教科書会社にも損害がいかない、また不満足ではありましょうけれども、現場の教育の場においてその誤りなきを期する、足らざるところを補足する努力をいたしまして、当面の必要にこたえたいと存じます。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) もうだいぶ長いようですから……

辻政信無所属クラブ

○辻政信君 金にかえられない大事な問題です。予算がないから、間違ったものを知りながら子供に教えるということは、金にかえられませんよ。そんな政治でどうする。一億や二億の金にかえられないでしょう。また、今の先生がそれをのみ込んで直してくれればいいが、あなたの信頼しておらない思想の人もたくさん入っておる。その自発的な意思によって、教科書にはこう書いてあるが、これはこうしなければならぬということを説明する先生が何人おりますか。そういう意味でありますから、教科書というものは金にかえられない、間違いがあると思ったらこの四月一日の発売を禁止して、そしてそれは国家が補償すべきもんだ。金にかえられない童心をつちかう。金でこの問題解決することは私はけしからぬと思う。もう一回言って下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。御指摘の通りの重要な課題であると思います。さっき申し上げた通りのできるだけの措置を講じますと同時に、さらに徹底したやり方につきましては、検討さしていただきます。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) ちょっといかがですか。羽生君。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 御指摘の点は問題であろうと思います。しかし、政府が地方に通牒を出したり、あるいは内容を検討する場合には、十分な考慮を払うという、長い間多数決主義というものは、民主主義の原理なんです。だから多数党が少数党の意見を尊重しなければならない。それから少数党が多数党に反して暴力をふるっていいなんということは絶対ありません。そういうことを必ずしも言っているわけではないのです。ですから、それは若干皆さんの立場にとっては問題があっても、それを地方に通牒を出したり、あるいは教科書を改訂する場合には、根本的な配慮がなくてはならぬ。だれが要求したからすぐ教科書が直ってしまうというようなことでは、これは非常に重大な問題だと思う。これは辻委員のおっしゃることもよくわかりますが、しかし、これは民主主義の基本的な重要問題でありますから、政府はこれに対して十分な配慮をもってやることを私は心から要望いたします。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 関連。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 小幡君、よろしいですか……。  大谷君。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 今の小幡委員の質問並びに辻委員の関連の御質問はきわめて重大な問題であると思います。そこで、そういうような教科書でもって、どんなに内藤局長が新しい指導要領でやることになっておるからと弁解しても、これは現実の問題としては私は行なわれがたいと思います。そこで、そういうような教育を行なうことが、けさ高田委員の質問のテロの問題につながってくると私は思うのであります。東京新聞の二月十一日の「声」という欄に「日教組小林委員長は右翼とは関係のない十七才の少年にねらわれた。その少年のいう理由は、現在の多くの教員は共産主義者であるといっている。私は最近小学校の生徒に、ソビエトはコジキのいない国で世界中でこんな立派な良い国はどこをさがしてもないのです、とか、日本はスイスのような永世中立国にならなければならないとか、先生が教えていると耳にする。これはほんの一部のことであろう。実際はもっとひどいに違いない。」「小中学校時代から思想教育を行なうことはますますテロを行なわせる危険がある」……。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 大谷君、なるべく簡単にお願いいたします。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 さらに二月七日の新聞は、法政大学の教授本多顕彰氏が「えせ民主主義と教育者の過失怠慢」という題で、「山口、小森の両少年は、教育の外にあったということは、教育者が責任を免れる口実とは決してならぬ。教育者が真に平和を愛し、人命を尊重するならば、あずかっている青少年の心の中に、そういう思想を深く植えつけ、日本中をその思想で満たすだけの熱意を示さなくてはならなかったのである。」……(「委員長、これが関連質問か」と呼ぶ者あり)

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 大谷君に注意しますが、今の問題に関連した質問でありますから、その範囲でやっていただきます。(「ちょっと議事進行」「関連」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 もうすぐですから、ちょっと待って下さい。「道徳教育の廃止とともに、常に道徳の不変の根本であるべき人命の尊重をすら説かず、えせ民主主義への遠慮から、」……。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 大谷君に注意しますが……(「これが民主主義か、関連してないじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)大谷君。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 「しつけをも敬遠して、そのことによって、一部の未熟な青少年をあやまちと不幸に追いやったことの、その罪は決して軽くはない。それは教育の放棄と呼ばれても弁解のできない過失怠慢であった。」と書いてありますが、これに対して文部大臣はいかなる御所見を持っておいでになりますか、これを承ります。(「議事進行」「委員長々々々」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 阿具根君。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 あなた、自分の政党から関連質問がされた場合に——どこが関連していますか。(「教科書問題だ」と呼ぶ者あり)教科書問題じゃないのだよ。教科書問題とあなたの言った問題とどこが関連しているか。自分の政党だからといってあんなものを許していいのですか。あなたそんなことがありますか。長い間全然関連のない別個の質問をさして……。ゆゆしい問題ですよ。  そこで関連質問。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 まず一つ答弁を願います。  委員長は、社会党にばかり関連を許して、わが党に許さぬことはなっていない。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 静粛に願います。発言を許しておりません。  阿具根君。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 そこで羽生委員からも言われましたように、それは今言われた問題について辻さんの言われたことも私は一部わかるところがあると思う。しかし、実際今教科書読まれた内容で、そこまで問題にされるところがどこにあったか。実際今まで長い間、これは保守党自民党が内閣を握っていることは現実の問題です。国会でそういう問題があっても、多数決はだめだ、しかし、少数の勝手もできませんよ、多数に従いなさいということをやっているのだから、私はこれ以上追及することはないと思いますが、その点について一つ釈明を願います。(大谷贇雄君「文部大臣に答えてもらおう、答えてもらわなければだめだ」と述ぶ)

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大谷さんの関連質問にお答え申し上げますが、私もその新聞を当時読んで記憶いたしております。そういうこともあるかなと思っておった程度で、それを根拠にどうということを文部省としてなすべき段階ではない、かように心得ております。  教科書の誤りについての先ほど私が御答弁申し上げたことにも関連しての関連質問かと心得ますので、阿具根さんにお答え申し上げます。  先刻お答え申した通りでございまして、政府委員から申し上げました上ように、新指導要領は決定いたしております。その線に従って助言を行なうということは、当然の処置であり、妥当であると思います。教科書そのものを使っちゃいけないということは、今はちょっと言えないことも現実問題として御理解いただきとうございます。今後の問題としてその点は検討さしていただきます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 いろいろ論議が出ましたが、この問題はここであまり論議しても、時間がありませんから、一つ文部大臣としても慎重に処置していただきたいということを申し上げておきます。  次に、国防の問題に移りますが、外務大臣、非常にお忙しいようでございますから、国防に関連して外務大臣にお聞きしますが、要するに、中共の核兵器の所有が、近く所有されるようになるのじゃないかというふうなことで、内外非常に大きな問題になっていると思いますが、現在アメリカ陣営においても、ソ連陣営においても、両陣営とも、核兵器の制限、禁止あるいは軍縮の問題については真剣に論議をいたされております。しかし、中共がこれに入らなければ私は無意味だというふうに思うわけでありますが、しかし、現在中共は国連には入っておりません。ですから国連のワクの中で、こういう軍縮問題をやろうとするならば、中共を国連に入れなくちゃならぬということになるのでありますが、国連のワク外において中共も加えて折衝するというふうなことが一体不可能なのかどうか、こういう面についても、もうAA諸国もみんな、一つ中共も含めてこういう核兵器の制限なり軍縮の問題については、国連に入っておろうと入っておらぬと、とにかくそういう面について真剣に交渉させるというのがいいんじゃないかというふうな気持も多いように私は見受けているのでありますが、そういう面について、日本の立場から、一体どういうふうに外交の方針としては外務大臣は処置していこうとされるのか。この点、日本も非常に重大な関係に立っておりますので、御質問いたしたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 中共は、北京に出力七千キロワットから二万キロワット程度の原子炉を持っております。その他未確認のものが三カ所ぐらいございますけれども、これは一九五五年四月に締結されました中ソ原子力平和利用に関する協定におきまして、ソ連の援助において一九五八年六月に完成いたしまして九月から運転を開始しております。プルトニウムの生産が軌道に乗りましたのは一九五九年ごろからであるというふうに言われておりますが、御承知のように、このプルトニウムを原爆用にいたしますためには、相当に膨大な施設並びに科学処理が要るわけでございまして、現在この処理機構を持っておりますのは、米、ソ、英、仏という四カ国でございます。しかし、こうしたことがやはりほどなく中共が核爆発の機関を持つに至るであろうという推定を呼びまして、この問題が大きな世界一般の軍縮協定と関連を持つに至っておることは、ただいま小幡さん御指摘の通りでございます。  そこで、世界的な一般軍縮が有効な管理のもとに実施せられまするには、そのような軍縮措置を定める協定へ中共が参加するということは不可欠の問題であろうと思います。現在中断しておりましてなかなかうまくいっておりませんが、この軍縮交渉は、東西間の合意に基づきまして十カ国委員会というものが国連の外に設置せられまして、その機関として、十カ国委員会によって行なわれてきておるのでありまするが、この委員会に中共を参加せしめるかどうかということは、もっぱらこの十カ国委員会が決定すべき問題であります。しかし、この問題は、中共の国連代表権問題の解決が前提であるとは思われませんわけであります。しかしながら、中共は、この中共政権を承認しない国の参加する軍縮会議に招請されてもこれに参加することはできないという態度をとっておることは御承知の通りでございます。そこで、この軍縮問題と関連いたしまして、中共をそうした会議に参加させるにはどういう方針をとったらいいかということは、すでに各国において強い関心を持って研究しておる問題でございます。われわれもそれを検討いたしておりまするが、現在私どもの考えを公に申し上げる段階には至っておらない次第でございます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 それでは外務大臣よろしゅうございます。  それでは、国防の問題に入って参りますが、ケネディ新大統領が就任されまして、直ちに、国防の再検討というものを命ぜられまして、また、岸内閣も、日米の安保条約の強化刷新について、非常に努力された。池田内閣といたしまして、この国防の問題というものは、先ほど孔子様のお話をしたのですが、まあ非常に私は内政に先行すべき重大な問題だと思っております。そういう国防の面について、池田総理としてどういう考えを持っておられますか。まずそれをお伺いしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 国防の必要なることは認めております。しかし、私は、日本の今の状態から申しまして、われわれの生活水準をもっと引き上げることが大切なんでございまして、従いまして、生活水準の引き上げ、福祉国家の実現に努力いたしまするかたがた、自分だけでできないところをアメリカの力によりまして共同防衛の体制をとっていくのが日本としては一番いい方法だと考えておるのであります。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 国防の問題よりもむしろ国民の生活安定というお話でありますが、まあ生活の安定とともに、やはり国防の問題というものはしっかり考えておかなくちゃならぬ問題だと思うのでありまして、その国防の問題にいたしましても、要するにこれは一年々々の問題ではない。そういう意味において、非常に広い関連を持つわけであります。国防は防衛庁長官だけの担任じゃない。むしろ総理が中心になって、各省ともこの国防の面について総合的に常に検討されて、長期的に一つの方針というものが確立されて、そうしていかなきゃならない。また、国民みずから自分の国を守るという信念がなければ、国防というものはできないものでありますから、そういう意味において、国防の教育という面も必要でありましょう。また、いわゆる国防生産、防衛生産という面についても、これも行き当たりばったりじゃなくて、一つの計画的なものとして考えられていかなきゃならぬというふうに思っておるわけでありますが、そういう血について過般も触れられましたけれども、国防会議というものが、まあ懇談会という形式でもよろしい、とにかくそういう面について、真剣に総合的に、また、国民全体としての分野において国防という問題が推進されていくように総理としてもお考え願いたいということをお願いしたいと思うのですが、総理のお考え及び防衛庁長官のお考えをお聞きしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は生活水準の引き上げが第一で、国防は第二と言っておるのじゃございません。両々相待っていかなきゃならぬ、こう言っておるのであります。国防の大事なことは知っております。で、私は今から九年前に、日本の陸上自衛隊はこうあるべきだ、海上はこうあるべきだということを私は研究して、そうして池田・ロバートソン会談にははっきりと言っておる。決しておろそかにしておりません。従いまして、組閣以来、私は防衛庁の三幕僚と会食し、また、ことしに入りまして毎月懇談会を開くことにいたしまして、従来よりもよほど私は熱心にやっておるつもりでございます。お話の点、十分心得まして今後も善処いたしたいと思います。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) ただいま総理から御回答があった通りでございまして、私も国防の直接の担当は持っております。しかしながら、御存じの通り、自衛隊は内閣総理大臣が最高の指揮者である。同時に、直接防衛以外に間接的な広い分野から、全体の国民的な基盤における国土防衛ということが必要であろうと思うのであります。従いまして、最近常例的に、国防会議を直ちに開かない段階において、国防懇談会で関係閣僚間の意思疎通も十分にはかって参る、その意味から申しますれば、国防会議の議員そのものは一応きまっておりますが、必要に応じ総理大臣から指名される、あるいはオブザーバーとして列席して、十分なる意見交換を常時行なって参りたい、こういう考え方でございます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 現在の自衛隊の兵器の問題でありますが、まあいわゆる戦前よりも今日の方が相当火力としては整備されてきておるというふうにいわれておりますが、しかし、現実に見てみますと、米軍からの供与されておるものというものがほとんど大部分、いわゆる八割を占めておる。しかもそういうものが老朽化してきておる。ほんとうに日本の国情に合う兵器というものは、日本の独自の構想によって作られて持たれておるというものはほんの一割か二割くらいしかないというふうな現状において、私は日本の国防というものが非常に不完全な状況にあるというふうに感ぜられます。また、今日、ミサイルというものを考えずして兵器というものは考えられないというふうな時代にもなってきておるというふうに思うのでありますが、そういう面について、こういう整備について防衛庁長官どう感じられておりますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 自衛隊の発足の経過から申しますというと、装備は大多数は米軍供与のものが多いのであります。しかしながら、最近の傾向といたしましては、無償援助から経費分担というような形には変わってきております。同時に、安保改定の経緯等から考えましても、自主防衛の線が漸次打ち出されて参らなければならぬし、一方装備品は古くなってきております。ちょっと申し上げますが、米国からの供与品の自衛隊全装備におきます割合は、三十五年末で艦艇約五割強が米軍供与でございます。言いかえれば国産でない。百九十八のうち百四隻がそうでございます。航空機におきましても、実際は千五百九十二機のうち、五割強が大体貸与品あるいは供与品であります。それから特車、いわゆる戦車でありますが、これは全部と申して差しつかえない、七百七十三台中ほとんど全部であります。従いまして、これらが古くなって参りますから、漸次更新期に入る。従いまして、これらは毎年の、よく論議になります継続費、あるいは国庫債務負担行為等で、計画性をもって後年度へ計画を漸次実現して参るわけであります。ただもちろん、防衛生産等の面から申しましても、これを長期的な計画を持って参らなければ、全然経済ベースに乗らぬものを作れと言っても受ける会社がないわけであります。従いまして、われわれは次期防衛力整備計画等におきましても、国力、国情の許す範囲内で、できるだけこういった更新をはかって参りたいと考えております。  いま一つは、装備の近代化の一つとしてのミサイルの問題でございます。で、一部誤解をいたしまして、ミサイルというものを原水爆のように宣伝をしておる向きもあるのでありますが、私どもの所属の技術研究本部で開発いたしておりまするものは、きわめて短距離の防御的なものでございます。しかも、今日現在不幸にして新島は話し合いがつきません。あそこの試験は、単にミサイルのわずかに小さなものの力学的な研究をしようというだけにすぎないのであります。核弾頭はおろか、弾頭さえもつけない、爆発物もつけない。これに対してさえも原水爆反対運動の形で、政策的な反対をされておるのはまことに遺憾でございます。また、先般滋賀県でやりました対戦車のミサイルもわずかに発射の距離は千メートルであります。きわめてわが国の小型なもので、初歩的なものをやっておるにすぎないのでありますが、まだミサイルというものに対しての御理解がいただけないのは、これを努力して参りたいと思います。なぜミサイルを使うかと申しますと、特に地上のような場合におきまして、ナイキのような場合におきましては、今日の高射砲をもって、音速をはるかにこえる侵入機に対しては、何ら防御的なものがないのであります。従いましてミサイルによる、ロケット推進によるところの防御的な兵器をもってこれを防御するのは、各国当然の常識であります。従って先般もエリコンなどを導入した際に、大へんな騒ぎが起こりましたが、製作会社のスイス方面では、非常にびっくりしておりまして、なぜ日本人は、あの程度の何でもないものを大騒ぎするのだろうということで大へん驚きました。単にロケット推進による防空用の兵器、しかも、音速をこえる航空機の時代になっておりますのに、ミサイルを使えないというのが実際の現状のようであります。ただわが国といたしましては、国力もございますし、国情もございますから、国民の理解をいただきまして、そのもとにおきまして、できるだけ技研を中心にして開発されたものから、順次これを整備して参りたい、こういう考え方でございます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 今、国力に即応してという話でありまして、私こういうものも予算のワクに縛られて非常に窮屈だと思いますが、そこで私として考えますのは、結局そういう限りある予算の中で、今日の世界戦略あるいは極東戦略、あるいはそれからくる日本の国防というような面から考えて、現在の三自衛隊が、それぞれ全部完全になっていこうといっておっても、これはとても無理な話だと思います。結局非常に寸足らず、それぞれ寸足らず、しかも何年たっても寸足らずということでは、これはいけないので、ここにそういう面から考えて、一つの重点というものが考えられてこなくちゃいけないのじゃないか、そういう重点というものが、今度も防衛二法案に出ておりますが、いわゆる統幕というふうなところでその重点というものが慎重に検討されて、そうして予算の使い方も、そういう重点的な使い方というものになっていかなくちゃいけないのじゃないかというふうに思っておるのでありますが、その点について防衛庁長官のお答えをいただきたいとともに、もう一つは、防衛予算というものの性格が、まあ、大蔵大臣に一つ伺いますが、大蔵省の査定というものを対象としてこっちの戦車よりも飛行機が大事だとか、どっちが大事だということは、大蔵省としてはできぬことだと私は思う。これはどうしてももち屋はもち屋で、やはり防衛庁にまかすべきでありまして、私はむしろ防衛予算というものは予算の当初に、国民所得の何%とか、あるいは予算総ワクの何%というワクを与えて、そうしてそのワク内における個々の操作というものは、これは防衛庁がいわゆる戦略的な、また国内の国防全般を見て、自由にそこからその時と場所によって考え得るというものにしていかないと、結局いつまでもこれはむだなものができてしまうし、あるいは何というか、効率のないものもできてしまうというふうに感ずるのですが、そういう予算の措置の仕方というものは一体できぬものかということを、これは大蔵大臣にお伺いしたい。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) お説のように、日本には国力がございます。いま一つは、自衛隊の任務はあくまでも国土の自衛であります。従いましてその限度というものは十分私どもは心得て参らなければならぬのであります。しかも、単に先般も辻委員が仰せられましたように、われわれは物を持ち、人をふやせば自衛ができるという考えはございません。問題は、何とかしてこの自衛隊というものを国民的な基盤の上に乗っけたものでなければいけないということが第一であります。  第二には、自衛隊員の精神の問題でございます。従いまして、ただいまも統一した精神要綱等を研究中でございます。ほんとうに職務に対して、身をもって、責任を持って、しかも命令を遂行していくと同時に、シビル・コントロールの精神をよくわきまえる、これらが大事な点だろうと思うのであります。しかも一面におきまして、人は養うと同時に、またそこにその物もお古ではならぬということは御了承いただけると思いますので、われわれは国防会議等を通じまして、できるだけ長期の見通しの国力、国情に合った限度内においての装備改善を行なって参りたいと思っております。シビル・コントロールでありますから、いずれはそれが国会において御承認を受けると同時に、また防衛庁だけではなしに、武官は武官なりの一つの戦術的な一つの専門家でありますから、戦略的なまた優秀な意見も持とうと思いますが、いずれにしても、シビルの面から十分これをコントロールしつつ初めて国民の手による、国民の運用によるところの、私は国民のためになる自衛隊になるとこう考えておるのであります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 大蔵省は各省の立案に基づいて要求される概算要求の説明を聞いて、必要と思われる予算の計上をするところでございまして、大蔵省が防衛計画を変えさせておるものではございません。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 今の防衛庁長官の、私の聞くところは、お聞きしたいところは、要するに、戦略的に、また日本の国内の国防というものの使命から重点的予算の執行というか、そういう方面を配慮するところにきているのじゃないか、その点についてはどうですか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) それは確かに私は十年の過去を振り返りますというと、そこにただ古い装備品をもらって、少し取り急いで作った面もなきにしもあらずでした。しかしながら、十年たちました自衛隊を、国民の手によってほんとうに運用させていく場合においては、私はできるだけ三軍が均衡していく、そのために、今回防衛二法案にも統合幕僚会議をやはり強化して、そこで十分な基本的な方針を命令し、かつ執行するような体制もとりたい、こういう考え方であります。と同時に、将来に向かっての、ただ国防が無限大にふえるのでは、非常に国民にも国防費がふえるので不安感を与えますので、防衛庁といたしましては五ヵ年計画内の限度内で、どれくらいを国民所得のパーセンテージを充てたら常識であるかといえば、大体二%前後を目標にして考えるべきではないか、こう考えるのでございます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 ちょっとまたねらいが違っているようですが、これはまたあとでお尋ねします。と同時に、もう一つは、防衛という問題が民生協力の面、非常に国民の待望もありますし、施設部隊に対する非常に待望もあるわけですが、これが今までの行き方としては、敷地造成あるいは道路、河川、そういう方面に使われております。農地造成というか、今度農業基本法もできますけれども、開墾、開拓、農地造成の方に、これは範囲を広げて施設部隊を全面的に定期に動員できるようなことを考えることができないかどうか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 現在定員が十七万であります。陸上自衛隊十七万のうちで一四%、約二万五千近くが施設関係、いわゆる昔の工兵関係であります。もちろん、これは日常、訓練等が大部分でありますが、公共団体等の御要望に応じまして、このうちのものが道路とか整地とか、こういう作業に当たっております。しかも、比較的民間業者と競合しない、不便でかつ採算のとれないような部分を請け負っているのが事実でございます。そこで、今年度も防衛二法案中にお願いいたしまして、千五百名の増員、言いかえますれば建設大隊の二、それから施設大隊一、地区施設隊五、ダンプ車両中隊一、現在の既成定員の中から千名さき、二千五百名をさらにその面に増強して、民生協力に充てて参りたい、こういう考えでおるわけであります。  なお農地関係につきましては、事務局で調べさして、私聞いておりますのでは、現在の法規上できるように思うのであります。できると思います。ただ問題はそこまで広げていくかどうか、自衛隊の能力、民間の御要望、また、民間側の経費等の関係、これらをかね合わせて考えて参りたい、こう考えております。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 それでは次に、所得倍増の問題と中小企業の問題、これは通産大臣また労働大臣、大蔵大臣、自治省大臣にもお聞きしたいと思うのですが、要するに端的に申し上げますと、大企業はぐんぐん倍増していく。しかし中小企業はどうもそこまでいかぬ。今地方なんかに帰ってみましても、どうも今度の金利の低下なんかを見ても、大企業はこれで非常に助かる。しかし、中小企業はむしろ金利よりも量がほしい。今まで拒否されても今度貸してくれるようにしてもらいたいのだと、そういうところなんで、むしろそのことによって窓口が規制されるようになってくれば、かえって逆効果だというようなこともいわれております。また、いろいろの中小の企業が今日ベース・アップの影響を受けて、まあ町村の役場の吏員も上がった、農協の職員も上がった、またずっと大きな企業の労働者の人たちも上がったというようなときに、中小企業の労働者の人たちの賃金値上げの闘争というものは、総評あたりもうしろからくっついておるのですが、そういうふうでどんどん賃金値上げのストライキなんかが、行なわれる。しかし、地方の織物業者とかそういうものは、とても所得倍増の線で景気よくなっていかない。今むしろ下降状態、しかし、下から総評には突き上げられる。全くこれではやりきれぬという気持が今相当強い。そういう面について通産大臣としてどう処置されていく、救っていくかということ。それから労働大臣には、そういう面で賃上げだけを突つかれて、経営としては採算がだんだんよくなっていかぬというふうな非常に困っている、また逆にそれでいて労務者を集めるのに非常に苦労している、そのためにえらい鉄筋の寄宿舎でも作ってやらにゃ来てくれない。その鉄筋を作るのには、また金貸してくれぬというようなことで、全く四苦八苦している現状なんです。そういう面についてまあ通産大臣は通産行政の上でどうこれを救っていくか。労働大臣は労働行政の上でどうこれを援護していくか。また、大蔵大臣はいわゆる税制等の面においても、そういう点一つどう考えていくか。たとえば税制の面については、機械の耐用年数なんか今問題になっていますが、こんなのも今どんどん日進月歩新しくなっていくのに、二十年も二十年以上もの耐用年数であってはとてもやりきれない、こういう面もどんどん改正して早くやっていかぬと、中小業者というものはもう困ってしまう。  また自治省大臣にお聞きしたいのは、要するに今度の地方税改正案におきましても、従来実施されてきたところの協同組合などに対する事業税及び住民税、これの免税指貫というものが今度廃止されるというふうなことで、むしろ中小企業者には逆行じゃないか、地方税法の上において逆行じゃないかというふうなこともいわれておりますが、まあ地方税の上において、そういうような中小業者にむしろ較差がつくような税制の改正じゃ因るというふうな声も非常に大きい、各大臣の御所見を承わりたいと思います。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 中小企業と大企業との較差問題、どう是正するかということは、たびたび申し上げるように、中小企業の生産性の向上、言葉をかえていうと、中小企業振興政策のすべてが生産性向上につながるものであり、較差是正に関連するものであるということを申し上げて差しつかえないと思うのであります。それで中小企業といっても、ピンからキリまでございまして、一番すその方は四人ないし九人、つまり十人未満の労務者を使っておるいわゆる零細です。それから三十人から五十人未満、百人から二百人未満、二百人から三百人未満、まあこういったようなふうに分けられておりまして、大体三百人未満というのを中小企業、はたしてそういうカテゴリーがいいか、いろいろ疑問がございますけれども、まあ一般的にそういわれております。それで最も中小企業の上の方はどれくらいの生産性を示しておるかと申しますと、職工、労務者千人以上の企業に対比いたしましてまあ六〇%そこそこの生産性を示しておる、五十人未満から三十人以上、百人から二行人未満、この程度のところが非常に多いのでありますが、これが四、五〇%程度の生産性を示しておる、零細企業に至っては、もうこれはいわゆる半失業の階層につながるとでもいっていいくらいのものでありまして、生産性はきわめて悪い。こういう各中小企業の各層に対して、それぞれ振興政策を行なってきておるのでございますが、一番むずかしいのは何といっても零細企業の生産性、これが一番多いようであります。それをどうして引き上げていくかということでございますが、今申し上げたように、もうすぐお隣りに半失業状態の人たちがいる、隣り合っておる、まあこういうような零細企業を何とかして十年のうちに、今の千人以上の企業の生産性のせめて半分ぐらいまで持っていけるかということで、各般の施策をしておる現状でございます。それは今申し上げるまでもなく、今回の予算におきましては中小企業の近代化補助金として国庫において三十億近く計上しておる、それからまた同じく中小企業の体質改善、近代化というものを目ざして、財政投融資の関係及びこれに類するものを合わせまして約九百億ちょっとの資金量をこれに投入しておる、それからまた技術、経営の改善指導、最後に税制の面におきましては専従者控除、あるいは同族会社の税制上の恩典、それからまた、中小企業の所有する機械設備に対して特別の償却制度を三十六年度におきまして創設されたのであります。まあかように金融、あるいは予算、あるいは税制各方面にわたりまして、極力中小企業の引き上げいうものを目標にして施策を実行しておる。一言にしていえば中小企業対策としてはこれという万能薬はございません。やっぱり、しんぼう強く荒々と各般の施策を行なって参る以外に私はないと思うのであります。今後もこういう方面に最善の努力を傾注したいと考えております。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今回の税制改革におきまして機械設備等の耐用年数につきましては、全般的に短縮することにいたしておりますが、先ほど御指摘になりましたような織物工業の機械設備につきましてはこの更新が非常に特に著しい状況でございますので、現行耐用年数の短縮ということは四月一日から実施するつもりで、今全般にわたって検討しております。また、中小企業の合理化機械につきましては特別償却制度を拡大して適用したいと思って、ただいまやっておるところでございます。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 中小企業の労働問題は、大別いたしますと、一つは労働者保護の問題、それからもう一つは頻発する傾向にあります労使間の紛争処理の問題とに分けられると思います。  労働者保護の見地から考えますと、先ほど通産大臣のお話にもありました通り、現在賃金その他労働条件の上に規模別賃金格差が存在するのであります。従って、所得倍増計画を推進して参りまする過程において、その格差の縮小に努めなければならないわけでありますから、賃金の上昇は大企業より中小企業の方が多くなければその格差の縮小が行なわれないのであります。労働政策としては、中小企業の賃金の上昇率が大企業の上昇率を上回るようにして参らなければならないと存じます。しかし、この賃金格差の存在の原因は、これまた先ほど通産大臣の御答弁のように、ほとんど生産性の差と比例をいたしております。この生産性の差を縮めて参ります上における労働行政といたしましては、よき安定した労働力を中小企業に供給することでありますが、そのためには、また逆に労働条件の向上もあわせてはかっていかなければならないのであります。そこで、私どもは、中小企業が単独で行ない得ないものに対しまして、政策的な援助の手を差し伸べているのであります。  その一つは、最低賃金制の大幅な普及であります。これは今後三カ年の間に二百五十万人の労働者に適用することを目的に行政効果を上げるために努力をいたしておりますとともに、その決定賃金額も、昨今の現状にかんがみまして、十五才で少なくとも二百円以下にならないように、日給二百円以下にならないように指導をし、二百円以下のものに対しましては、それ以上に改訂するように指導をいたしております。また、退職金共済制度、あるいは失業保険、労災保険、健康保険等の社会保険も、小規模事業場に拡張適用いたしますように、すでに法制化を見ておりますので、この行政効果を上げるように努力をいたしております。さらに、住宅福祉施設等におきまして、中小企業が単独で行ない得ない場合におきましては、地域的な共同あるいは同業の共同等によりまして、それらの施設を行ないますように、本年度から更生年金の還元融資額を三十億円設定いたしておるわけであります。  また、大企業はそれぞれ企業内の各種の訓練をいたしておりまするし、また優秀な労働力を優先採用できる立場にありまするから、これは別といたしましても、中小企業にいい技術労働者を得られないという点があります。今労働力の需給関係から見ますと、技術労働者、それから若年労働者の不足が一番深刻な問題であります。これに対しましては、一般ないし総合職業訓練所の訓練生は、これは主として中小企業を対象として行なっているのでありますが、しかし、これとても労働条件の悪いところに、みすみす悪いとわかっておるところに、われわれはあっせんするわけには参りません。やはり労働条件をよくしていかなければなりませんが、さらに考えなければなりませんことは、現在、中小企業におきましてはいわゆる労務管理というものについての未成熟な面が労使双方に非常に多いのであります。極端に申しますると、就業規則、あるいは労働協約というようなものがないところが大部分といってよろしいのでありまして、昨今私どもの方の指導による実例によりますと、拘束時間を著しく減少して、なお生産時間を上げているという事例が多々見られるのでありまして、そういう方面の検討、指導が必要であろうと存じておる次第であります。  要は、いい安定した労働力を供給するという面を通じまして、中小企業の生産性の向上に寄与し、それによって中小企業の労働条件の向上をはかって参りたい。目標は格差を縮めるところにあるのでありまするから、賃金その他の上昇率は当然大企業より早くなければならない。しかし、これは大企業及びそれに関連する下請等の中小企業の場合におきましては、やはり大企業との相互的協力制度を作っていかないと、どうしても大企業の労働者が先取りをする傾向にありまするので、大企業を中心といたします関連産業の組織を今編成中でありまして、すでに茨城県日立製作所、日立鉱山等を中心といたします組織ができまして、相当の成績をあげているのであります。  それから、最近頻発いたしまする労使間の紛争でありますが、その原因は、第一に、まず経済的な基盤の脆弱による労働条件が低位にあるということであります。これはおおいがたい事実であります。第二は、労使双方とも労働問題について未成熟であるということであります。第一の基盤の強化は、これは先ほどから申し上げました通りでございます。第二の労働問題についての知識経験の足りなさは、これはやはり教育によって補っていかなければならないのでありますが、この結果といたしまして、労働者側は組合結成即争議、争議即職場占拠、そして暴力事犯ということにつながります。また、経営者側もこれを話し合いによって処理しようとはしないで、すぐに民事その他の裁判によって処理しようとか、あるいは第三者の応援を求めてこれを処理しようとするところに、やはり暴力事犯発生の原因がございます。従って、これは就業規則、労働協約等を促進せしめますとともに、いい健全な労働組合を持つことはやはりよき労使関係樹立の前提であるという認識を強めていかなければならないのでありますし、それと同時に、裁判や力でものを処理するのではなくて、第三者機関、すなわち地方の労働委員会等の利用によって、第三者のあっせんで平和裏に解決するという風習を作りあげていくように指導をいたして参りたいと考えている次第でございます。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 地方税と中小企業の関係についてお答え申し上げます。大体、中小企業に対しましては、主としてできる限り事業税、地方税を減少したいという線で進んでおりますが、地方税の現状から、思うように十分はいっておらぬことは御存じの通りであります。しかし、大体事業税におきましては毎年機会あるごとに減税をやってきております。なお、ことしも例のいわゆる専従者の白色申告者に対する拡充を認める、あるいは耐用年数に比例して減税するといったようなことから、約百億程度の事業税全体の減税を見込んでおります。また、そのほかにも住民税あるいは固定資産税等にも、それぞれ耐用年数等の影響によって減税がなされることになっております。しかし、今御指摘のように、一部これは国税の方面における租税特別措置法の一部修正であるとか、あるいは法人税法の修正といったようなものの点に比例いたしまして、各種の協同組合あるいは公益法人等に若干の課税がされるという面ができております。しかし、これは総額にいたしまして平年度百七十七億程度の減税をやりますことに対して、この増税になります部分は、四、五十億程度のものでありまして、全体といたしましては減税をいたしております。また、今後も地方財政の改善に伴ってますますその方面については検討を進めて、加重を軽くしていきたいと思っている次第でございます。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 通産大臣御用があるそうですが、電力問題なんですが、電力問題、今日需給の関係はどうなんですか。まあ相当まだ不足しているというふうに感じているのですが、その問題が一つと、それから電源開発の問題に、いわゆる電発と地方の電力会社とが競合する場合に、おれの方がやりたい、おれの方がやりたい、そういうような場合に、何かそこに一つのどっちかにやらせる基準というふうなものがあるのかどうかというふうな問題。それから現実に、今これ私の県の九頭龍の電源の問題なんかございますが、なかなかこれがきまらないということで、地元としては非常に困っている。早く一つきめてもらいたいという気持は県全体の要求なんですが、そういう面一つお答え願いたい。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 御承知の通り、最近の経済成長のテンポは非常に速い。これにつれてエネルギーの供給面も非常に忙しい。電力が最も重要なエネルギー部面を担当しているのでございまして、すでに、九電力の制度になりましてまだ十年そこそこでございますが、その当時の九百万キロ、水力火力合わせて、それがただいまでは二千二百万キロ程度になっております。所得倍増計画で、最終年次においてはこれがさらに二倍半にならなければ、電力不足という側面から経済の非常な混乱を来たすということになっておるのでございまして、これはもう万難を排して、どうしても需用に追いついていかなければならぬという状況であります。これには非常に膨大な資金が要る。これらの点が電力問題の将来の非常に大きな問題として課せられている点でございます。  それから、電源開発と九電力との関係は、一般的に申しますれば、九電力の方はいわゆる営利、どっちかといったら営利会社、電発は国策会社、こういうわけであります。営利会社ではなかなかそろばんに乗らない、非常に経済的に開発困難であるというような問題を、電源開発が引き受けてやるという建前で生まれたものでございまして、ただいまでもこういう建前でやっているわけであります。しかし、具体的にはどの電源をどっちが開発するかということは、これはなかなか理論一片では割り切れない問題でありますから、今御指摘のような、極力日本でも残されている有望な、今の経済に乗って開発可能な大きな電源としてほとんど数少ないうちの一つであると思うのでありますが、この問題につきましては、タイムリーに、十分に両者の間の調整をやりまして善処したいと、かように考えております。近いうちに解決をいたしたいと思います。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 近ごろいわゆる地方開発といいますか、まあ地方総合開発が非常にたくさんできておりますし、また各省におきましても、それぞれこういう低開発地域に対する特別な援助計画というものが、各省においてもどんどんできているけれども、私は、こういう問題は一つ企画庁において、日本国全体というものの総合開発というものを、一つしっかり基本方針というものをきめて、そしてその日本の国全体の総合開発の一環として、地方の総合開発というものが推進されてこなければいけないのじゃないかというふうに私は考えております。まあそういう面、各行ばらばらであり、あるいは各地方の総合開発それぞれみな背伸びして開発をばらばらにやっておるという姿であっては、これは全体として考えて効率も弱いのじゃないかというふうに考えております。  まあその点について企画庁長官の御所見を承りたいとともに、科学技術庁長官にお伺いしたいのは、要するにそういう開発という問題も、これはまあ一年で済むべき問題ではありません。また、今いったような日本の国全体として考えますときに、科学技術庁の資源局の中において、そういう日本の各地における人口、気候、地理、また資源所在、あるいはその産業適地の条件、いろいろな面において調査研究しておる資料というものはきっとうんとあるのだと思うのであります。そういうものが日本の国全体として勘案されて、そしてそういうものが地方の総合開発にいろいろな資料提供となって現われ、あるいは指導となって現われてくるということでなければならぬというふうに思っておるわけなんで、またそういう面においての科学技術庁の考え方と総合企画としての企画庁の考え方とが、ともに相談し合って、一つのそういう総合開発の具象化というものの案ができてこなくちゃいけないというふうにも考えられる。あるいは今交通というと、すぐ道路と、こういうふうに考えて、道路を広げろ、道路をたくさん作れと、こうなるのですが、交通には陸上の道路もあれば、また空中の道路もある。空中も考えられる、あるいは地下も考えられる、あるいは海上も考えられる。最近の科学技術の進歩というものは、御承知のように、空に、空中に一本レールを敷いてどんどん空中を交通機関が走るということにもなって、あるいは船にプロペラをくっつけて海上をどんどん走るというようなことも最近の科学技術の進歩でできてくるしそうすると、単に道路という問題だけじゃない。そういう面から考えて、要するに新しい科学技術というものの進歩に即応して総合開発というものの面、いろいろ指導していくべき面というものが、科学技術庁に調査研究されていなければならない。そういう面、一つ企画庁と科学技術庁とが両々相待って、最近頻発しておるこういう地方総合開発を指導し、あるいは各省のそういう開発計画というものを統合していくというものでなくちゃならぬと思うのですが、その点についての御意見を承りたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 御指摘の通りでございまして、実は全国総合開発計画という基準になるものが先にできて、それからあと各地域の開発計画ができるべき筋合いだったところが、全国開発計画の策定がおくれておりましたので、いろいろの困難がございますけれども、勇猛心をふるい起こして、ことしの上半期内に、六月までの間にそれを作り上げる、それを基準にしまして各省庁協力して総合的な開発の実施に向かっていきたい、こう考えております。その場合、科学技術庁と協力することはもちろんであります。

池田正之輔自由民主党科学技術庁長官

○国務大臣(池田正之輔君) お答えいたします。日本の産業構造が非常なテンポで上昇し、これが変化してきていることは御承知の通りであります。従って、そこにまた地域差も生じておることは、これは論をまたないところであります。従って、そういうところに地方開発という地域の開発問題が、東北なり、北海道なり、あるいは九州というふうなところに起こってきておることも事実であって、そういうものの格差をなくすような、そしてむだのないような開発を進めていくということになりますと、当然に今、小幡委員がおっしゃったような総合的な価格基準の上に立っていかなければならぬことは申すまでもございません。そこで、科学技術庁には御承知のように科学技術審議会というものがございまして、その中には水資源も、あるいは土地資源、あるいはエネルギー資源のそれぞれの専門部会がございまして、そこでそれぞれ調査をいたしたものがございます。さらにもっと砕いて申しますと、たとえば具体的にこれを申し上げますと、私もあなたと同様にその感を非常に深くしております。具体的に申しますと、たとえば印旛沼を、これは農林省は耕地としてこれを埋めて農耕地にしようということで今発足をいたしております。しかし今日の段階から考えますと、むしろこれは埋めないで、あそこに水をためて、いわゆる江東地区の工業用水にすべきであったというような専門的な意見も出ておるのでございます。そうしたようなことが各地に起こっておりますので、今後は十分に、そうした面をいわゆる総合的に水資源なり、土地資源なり、エネルギー資源というものを調整いたしまして、長い目でこれを計画に織り込んでいきたい、そのためには企画庁とも十分に話し合いをいたしまして、今後さようなむだのない、そうして新しい産業の成長に寄与するようにやっていきたい、かように考えております。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 農林大臣に一つ。この農業基本法の問題ですが、いよいよまあ政府の農業基本法も出され、また社会党からも出されております。これを両方ともよく見てみますると、結局、政府の案はまあ自由主義経済を主眼としたこれは一連の基本法ができておる、社会党の案を見ますと、これはどうも社会主義経済構想で、これも一連の、序文からずっと下までそうなっておる。あるいは生産の面を見てみれば、まあ政府の方は、要するに需給の関係というものをまあ見通してある程度馴致していこうと、社会党はこれを完全に国家の需給生産計画でぴしっとこれを規律してしまおうという考え方、あるいはその流通の面を見れば、社会党の方は市場の国営までやって、そうして一つ徹底的にやっていこうというのだが、自民党の方は農協中心に政策を、これを推進していこうという格好になっておる。あるいは構造の面を見ると、社会党の方が現在あるがまま、共有あるいは共用化ということでおっかぶせてしまおうという行き方ですが、自民党の案、政府の案としては、自主、自立経営の農家というものを育成していって、その足りぬところを協業でいこう、そういうふうに、それぞれのところで一つのこの何というか、イデオロギーの対立というものが一貫して流れておると思うのです。そういう面、一つ勘案して、今各農村においては政府の案、社会党の案、いろいろ論議があるのでありますが、一つ、時間もありませんので、農林大臣、社会党の案じゃだめなんだ、政府の案においてこそ初めて農民が救済されるのだというところを、一つ大綱を、自信を持ってずばりずばりと一つここで宣明していただきたい。これを最後に一つお聞きいたします。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 詳しいことは農業基本法案審議会においてこまかくお話しする機会があると思いますから簡潔に申します。  第一は、御指摘のように、何と申しましてもこれは政党のよって立つ理想、考え方が違っておる点があります。それは第三条、第四条、第八条、第二十条等あげて見ましても、大体これは御指摘のように、計画経済、統制経済というもののにおいが強いし、また、それをやらなければできないような内容を含んでおります。私どもの方は、農村に対してあくまでも農業者、農民の自由とその活発なる経済活動を助長していこうとするのでありまして、政府が一定の期間、将来における需給の見通しを立てていくということは、あくまで見通しを持って指導していく、これに対して誘導の政策をとっていくということが基本のねらいであって、統制経済的、あるいは計画経済を主張される立場からいえば、かなり強い国家的な統制と計画経済を立てようとされるのでありますけれども、それは実態上合わないと思うし、実際の農民の、農業者の気持に合わないと思います。  第二点は、やはり私どもの方は、農業構造に関しましても、社会党さんの方はこれを今の小さいのでは困るから、共同経営、共同化というものをやらなければだめだというふうにお考えのようであります。私どもは考えません。やはり農地改革によって小作農家が自作農に変わった、土地を持ってみずから耕すということに私は大きな喜びを感じておるものでありますから、ただそれが小さ過ぎたものが捨てられておる、これによりまして、やはり家族経営を中心とした自立経営農家を作ることが原則であって、これは農業者はこれを私は希望するものと思います。それを原則とし、そしてそれをすべてやりますにつきましても、なかなか土地その他の条件はそう急には参りません。社会党さんの言われるように、土地の強制収用でもやれば別ですけれども、そこまでいかない実態でございます。そういうような立場において、でき得る限り自営農家を作りますが、そこにいかない零細農あるいは兼業農家というものに対する農業部面に対する効率を上げるためにも、自立農家、非自立農家を合わせまして協業を希望する場合においては協業を指導し助長していく、これは一がいにすべて農業経営というものを共同化することは困難であります。これは業態自体においても、全面の農業の共同もありましょうし、部分的な共同もあります。それぞれに即応した形において協業を進めていま、あくまでも原則は家族農業経営を中心にした自立農業経営を作るということが原則であり、これは日本だけではなくて、世界各国の事例を見てもこれは現状であります。私どもはそれに即応して進めていきたいのであります。  第三点は、私どもの考えておりますのに、農地の問題をかなり大きく社会党さんの方では拡大しようとされている。私どもは決して農地の拡大に反対するものではございません。しかし、ただいたずらに考え方が農地を広げて、今よりも三百万町歩ふやしさえすれば、そこに将来において農産物の需要というものは常にあるものだという前提でもって土地をふやすということで農家の所得を上げることは私は困難だと思います。私どもはあくまでも言っておる選択的拡大ということは、農家に損を与えないために、この曲りかどにきておる日本の農政において、将来は将来及び日本の現状に対する転換なんです。(「議事進行」と呼ぶ者あり)あるいは輸出貿易、輸入しておる農産物を国産化するという方向に品目別にとらえて、それに対する生産を助長していこう、それとともに、それに対して私どもは(「議事進行」と呼ぶ者あり)必要なる土地の増産ということについては十分考慮をめぐらしておる次第であります。(「おかしいぞ」「PRはやめろ」と呼ぶ者あり)  もう一つは、価格の問題ですが、価格の問題について立場が少し違っておる、これは生産者及び所得補償方式というものをとられますが、御承知のように、今日の農産物価格の支持につきましても、全部が生産者補償方式になっておりません。ことに品目別にそれがいろいろ考えられておる、私どもはあくまでも農家には損をさせないように、やはり生産については大よその見通しを立ててそれを生産させつつ、生産事情及び経済事情、物価等を参酌して合理的な価格を支持していこう、こういう考えでおります。こういう点は決して農家に対する私は損を与えるものではない。  もう一つは、私どもの考え方としては、はっきり申しますと、予算上、法制上の措置等について、第三条に定めております生産計画によって必要な施策を行ないまするが、その施策に対しては法制上、財政上の措置及び金融上の措置をとらなければならぬことになっておりますので、この点は、私ども法制上の措置について義務づけておる点はもっと私ども進んでおると考えております。その他の点につきましては……。(「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 小幡君の質疑は持ち時間が終了いたしました。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 議事進行について申し上げますが、二つの法案が出されておるところ、こういう場で審議されて、社会党の案がどうである、自民党の案がどうであるということを言われるなら、社会党の説明者を連れてこなければ、社会党の答弁をどうして周東大臣がやるのか、おかしいじゃありませんか。ここは、ただPRの場じゃない。しかも質問者は、ここでPRしてくれ、社会党の案が悪くて自民党の案がいいんだから、それをPRしてくれ。——それを大臣また受けて立って、社会党はどうだ、自民党はこうだ。——そんな審議をする場所じゃないですよ。社会党の案だったら社会党の提案者が来て説明すべきです。こんな審議ありますか。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は、今のような議論をするならば、これは委員長に要望しますけれども、社会党から農業基本法なら農業基本法を説明する者をここに置いて、そうしてやってもらいたい。そうでなくちゃ片手落ちですよ。そして、それだけがもしかりに新聞に載った場合に、一体どうなりますか。どうです、委員長、おかしいと思いませんか。それが第一です。  それから、社会党は農地の強制収用をやるとかなんとか、農林大臣はそういう答弁をされている。一体どこにそんな農地の強制収用をやるということがありますか。それから、もう一つは、社会党は農地の拡大を言っておると、こう言う。これは社会党だけじゃないですよ。たとえば具体的に、あなたのところの松浦周太郎議員なんか盛んに衆議院の委員会において農地を拡大せい、拡大せいといって、あなたに質問しているじゃありませんか。そしてその質問に対して、あなたはこれを肯定するような答弁をして、ここに来たら全く違うような答弁するのはおかしいじゃないですか。あなたがそういう答弁をするなら、社会党の代表者をここへ呼んできて、一緒に並んで答弁すべきじゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私は、社会党が強制収用するとは言っておりません、今の計画経済的な姿において進めるためには強制収用をしなければ困難であろうと思うと、こう言っている。それだけで土地の関係がすぐに解決するものではないということを言っている。  それから、もう一つは、ただいまお話しのように、土地の造成については、大体、抽象的にどれだけをふやすということは言えないのであって、われわれは、将来必要なる生産に選択的拡大その他の方向において農産物を増産する見通しの上に立って、必要なる土地の造成はいたしますと、かように申し上げておるわけであります。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 委員長。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 持ち時間が過ぎておりますから……。小幡君。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 私の基本法の質問は、PRを質問したのじゃなくて、要するに、政府が農業基本法というものを提出しておる。それに対して、社会党も出しておる。社会党の案というものは、われわれは読んで知っておる。要するに、法案そのものは知っておる。そういう意味において、政府が農業基本法というものを提出した以上、政府がそれを、やはり社会党の案よりも自分の政府の案として、これは自民党の案じゃない、政府の案として農業基本法というものの審議を願っておるわけですから、そういう意味における農林大臣の所信というものを伺ったわけなんです。別にここでPRするという気持じゃないのです。委員長、これは……。(「取り消し、取り消し」と呼ぶ者あり)  これで私の質問は終わります。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 宣伝と言ったじゃないか。取り消せばいいですよ。社会党の案よりも政府の案がいいから宣伝しなさいと言ったんだ。(「休憩、休憩、速記録を調べなさい」と呼ぶ者あり)

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) それはまああとにしましょう。(「速記録を調べなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)  委員長はできるだけこういう問題は、農林委員会に付託されている問題でありますので、そちらで一つ議論願いたいと思います。進行させていただきます。(「議事進行」と呼ぶ者あり)今、小幡委員も自分で言われた通りに、何もここで宣伝の場を作るという意味でなかったということを言っているのですから。(「言ったじゃないか、速記録を委員長調べなさい」と呼ぶ者あり)もしそういう文句がありましたら、小幡委員はそれをお取り消しになると思いますが、いかがでございますか。

小幡治和自由民主党

○小幡治和君 私は宜明しろと言ったので、宣伝なんて、そんなばかなことは言っておりません。(「速記録を調べなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 質疑を続行しながら、速記録のできますのを待ってやりたいと思います。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 議事進行について。この問題につきましては、十分に速記録をごらん願って、あとで善処してやるということのお取り計らいをお願いしたいと同時に、ちょっとお願いしたいことがある。実は私は、ここは五等席です。そこで、私は三日ばかり前からかぜを引いて発熱しているにもかかわらず、来ている。しかるに、ここの出入りは、あけっぱなしで出ていきなさったり、また入ってきなさったりしている。これではやり切れない、ここは五等席ですから。まん中のお方は一等席でいいですけれども。一軒の家庭だって、障子のあけたてはきちんとやるのが日本の礼儀です。ほかの委員会は全部きちんとしている。ここでは、政府委員の向こうの方もあけっぱなし、ここもこの通りです。そのたびに風が入ってきて、私のかぜはなおりません。これは生命に影響しますから。委員長におきましては、ここのあけたてのあれをはっきりしていただきたい、お願いいたします。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 速記をとめて。    午後三時四十七分速記中止    ————・————    午後四時三分速記開始

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) それでは速記を起こして。  ただいまの議事進行に関する御発言につきまして、後刻速記録を調査いたしまして、農林大臣の答弁の中に、社会党の提出されております農業基本法の案につきまして、土地の強制収用その他の問題について穏当でない御発言があったとすれば取り消すことにいたしたいと思います。  なお、また小幡君の御発言のうちにも適当でない言葉がありますれば、委員長において善処したいと思います。御了承をいただいておきたいと思います。  それから大谷君の御注意がありました戸の開閉につきましては、事務局に十分注意を払わせます。出入されまする各員においても御注意を願います。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 次に、小平芳平君。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 本国会の予算委員会が開かれるようになりましてから、所得倍増計画、経済の高度成長、所得格差の是正等々の問題について、しばしば質疑が続けられて参ったのであります。私は昨年の三月と十二月の二回にわたって、当予算委員会で所得倍増計画、所得格差の問題について質問をいたしたのでありますが、その後いろいろと具体化されてきた問題も多いので、今回もまた所得格差の縮小、それを実現するための公共投資、総合計画等について御質問を続けたいのであります。  最初に池田総理大臣にお伺いいたしたいことは、所得倍増計画は、計画というよりも構想というふうに表現した方が妥当であるとか、あるいは国民の決意というものが大事であるというようなことをお聞きしたのでありますが、この点について御説明願いたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) われわれは建前としては自由主義経済のもとで進んでおるのでございます。従いまして、政府がこうする、ああするということは二の次でございます。経済の成長あるいは所得倍増という問題は、国民の熱意と行動力によってでき上がるのでございます。われわれ政治をする者は、その国民の熱意と行動力、すなわち潜在勢力と申しますか、潜在のポテンシャル・エナージー、を刺激して、これが十分伸びるような環境を整備するということが、私は政治であろうと考えておるのでございます。従いまして、普通に申しまする計画経済とは、年別にどうこうということを立てて十年間やるのがほんとうでございますが、そういうことはなかなか過去の実績からいってもむずかしいことでございます。たとえば昭和三十年に経済の五カ年計画を作り、また三十二年に作りましたが、過去の実績を見ましても、五カ年計画が二年ぐらいでもう何と申しますか変えなければならぬというふうな状況になるのであります。三十二年のときもそうでございます。従いまして、所得倍増を十年以内にやろうと、そのためにはどういうふうな政府としてするべきことがあるか、根本は国民の努力でございます。その努力を進めていくのにどういうふうな施策をしたらいいかということを、政府はやっていこうと思っているのでございます、もちろん十年先のことはなかなかわかりません。さしむき三年間ぐらいは過去の実績通りに一つ伸びていくとすれば、ここでこういう仕事をしておかなければならぬ。ことに教育の問題等につきましては今から相当手をつけていかないと、急にどうこうというわけにはいかないものでございますから、一応昭和三十七年、八年、九年に急激に出て参りまする新労働力の消化の上から申しましても、一応三年間ぐらいは過去の実績からいくべきじゃないか、こう考えて、計画というよりも構想といった方が当てはまるのじゃないかと私は考えておるのでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 構想という点についてはそれでよくわかりますが、今回発表されている国民所得倍増計画というこの中を読んで参りますと、非常に数字を具体的にあげて、たとえば労働生産性、就業者増加率、成長率というような表で、たとえば第一次産業、第二次産業、第三次産業というような具体的な数字をあげている表もあるわけでありますが、中には非常に抽象的な表現だけでとどまっている部分もあるわけであります。たとえば地域別にどのような総合計画を立てていくかというような点は、この計画には出てないわけであります。で、後進地域の開発促進というその項目には、後進性の強い地域の開発促進並びに所得格差是正のため、すみやかに国土総合開発計画を策定し、その資源の開発に努めるというふうな表現になっているわけであります。ところで昭和二十五年に国土総合開発法というのができましてから、今年は十一年になるわけでありますが、この間に国土総合開発計画ができそうだと、もうすぐできますと、ただいま検討中というようなことが言われたわけでありますが、今日なおできていないのであります。これができないと、その所得倍増の構想も、うっかりすると画にかいたもちか、夢に終わりはしないかというような気がするわけですが、この点はいかがでしょう。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話の通りに、昭和二十五年に国土総合開発法ができまして、非常に熱意を持ってやる予定であったのでございますが、何分にもあのときの状況、その後の行政面、その他各般の点から申しましても、なかなか実現困難であったのでございます。私は今回所得倍増構想を打ち出す以上、どうしてもこの問題は関係の深い問題でございますから、特別の予算を各省並びに総合的に企画庁等におきましてこれをやっていこうといたしておるのでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 それはいつできるのですか、企画庁から。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 大体今年六月までに完結したいという目標をもって、鋭意努力をいたしております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 前には企画庁長官は三月ごろとおっしゃったことがあったように記憶しているのですが、要するに六月になりますと地域別の計画が全部でき上がるわけでありますか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 実は、この前申し上げましたのは年度中、基礎になる仕組みは三月までに作りたいと申し上げたのでありまして、全国総合開発計画というものとして外部に発表し得るようにまとめたものは、六月になるのではないかと今思っております。その場合において、各地域のものは、それからさらに具体的に進んでいくわけでありますから、全国的な立場に立った基準的なものができる予定でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そういたしますと、全体として、十年後に国民所得が、あるいは総生産が倍増するであろうという構想であって、それは今、現在、たとえば東京が何倍になる、一番所得の少ないと言われている鹿児島、宮崎その他は何倍になる……おそらく東京が一に対して鹿児島あたりが三分の一だとしますと、東京が倍になったとき、鹿児島が六倍になってちょうど追いつくわけですが、そういうような計画とか、立案というものは考えられないわけですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 地域間の格差というものをだんだんに是正をしていくという方向ではございますけれども、地域間の格差が全然なくなってしまうという状態は、いろいろな立地条件、その他から考えて不可能でございます。従いまして、現在作案をいたしております場合におきましては、たとえば全国平均を一〇〇にして、東京が二三〇であり、鹿児島が六〇であるとかりに仮定した場合に、十年後といいますか、総合開発計画十年後におきましては、全国平均を一〇〇として、東京が一二〇ぐらいになり、鹿児島が七五ぐらいとか八〇とかというようなところを押えて、そういうような立場で計画をいたしております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 同じく国土総合開発法では、都府県が総合計画を立てて内閣へ報告をするような規定があるわけですが、そのような計画が今日までにありましたかどうか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 現在までにまだ一件もございません。また今後もその計画は必ずしも出てくるとはちょっと思っておりません。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そうしますと、国土総合開発法そのものがほとんど意味をなさない法律のように思います。全国計画もできないし都府県の計画もできない。ただ一つ特定地域の指定は二十一カ所指定されて、それが全国の三二%余りになるそうでありますが、そのうちに日本の全国がだんだん特定地域に指定されてしまうかもしれない。そうなったら、国土総合開発法というよりも、国土ばらばら開発法というふうな結果になってしまいはしないかということをおそれるわけであります。もっと総合開発計画についてのはっきりした見通しとか、考え方を総理大臣から重ねてお示し願います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) お話のように北海道、東北を初めといたしまして最近では四国、九州その他の地区にもいろいろ出ておるようですが、こういうことでは総合的なあれができませんので、今までのやり来たりももちろん土台にいたしまするが、そういうものを土台にいたしまして、新たに総合開発の計画を立てようといたしておるのであります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 それでそれはいつごろまでにそういう総合計画を立てるか。たとえば最近では経済企画庁は単なる企画官庁だから、もっと企画と実施をともに行なえるような、強力に開発を推進できるような態勢を考えなければならないというような論議も盛んになっているわけでありますが、もう少し所得倍増構想を推進していく上にも国土の総合開発、総合計画という点に強力な措置がとられなければ追いつかないではないか、というふうに感ずるわけですが、いかがでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 総合開発の具体的案というのは、これはなかなかむずかしいものじゃないかと思います。それは過去の例から見てもそうでございますが、まず考え方をきめまして、そうしてやはりその地方の方、また経営事業者等々の意見も聞かなければならない。もちろんその前に地質とかいろいろいな点の調査がございますので、こういうあれにぴしゃっと行くのだということはなかなかむずかしい問題だと思うのです。地方々々で個別的にやって、そうして三、四年たったらまた総合的にやるということもできるわけです。机の上ではできますけれども、なかなか実際問題としては産業の伸びを考えていかなければなりませんから、十年後の姿を一、二年の間できめてしまうということは困難なことだと思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 では、企画庁長官から、ただいま総理大臣からは、なかなか困難であるという、それだけのお答なんでありますが、もっと企画をし実施をしていくようなもう少しはっきりしたものができないものかどうか、ただなかなかむずかしいと言って十年過ぎたのでは、結局またばらばらにしかでき上がらないと思いますが、いかがでしょうか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 総合国土開発計画は各関係省全部協力して今作っておりますから、それができますればその計画に準拠して、各それぞれの所管省がこれを強力に推進していく、政府一体にそれを推進していく、こう考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 どうももう少し具体的な計画が早くできないことには具合が悪いんじゃないかと思うわけですが、今度は建設大臣に道路のことでお伺いしたいと思います。  道路整備事業について昭和三十六年を初年度とする新五カ年計画が策定され、総額二兆一千億という膨大な計画がされているわけでありますが、昭和三十六年度の予算でも一千六百億というような予算がついているわけでありますが、これらの道路が建設されていくもう少し具体的な内容について御説明願いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 大体目標といたしましては、五カ年以内に一級国道は全部改修を終わり、舗装を完了いたしますと同時に、二級国道は大体半分程度の改修及び舗装を終わりまして、十年以内には二級国道も完成をするような運びに目標を置いておりますと同時に、これは現在の日本全国の主要地点を結ぶ幹線道路でございまして、そのほかにももちろん地方道についても、今後企画庁を中心といたしまして後進地域の開発を進めて参りまする、あるいは産業の立地条件その他目標の定まるに伴いまして、主要の産業的開発に寄与できるような方向に進めていきたいと思うのでございます。なお数字等の具体的なものにつきましては、近く予算の確定をみました後に閣議決定に付して明らかにいたしたいと、かように考えます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 一級国道、二級国道その他地方道について、もちろんそれぞれ重要でありますが、一つその具体的にお伺いしたいのですが、たとえば首都高速道路公団の一号線でありますが、これは羽田から建設される予定になっているそうでありますが、いつごろまでにそれができ上がる見通しか、お伺いしたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 大体現在の目標といたしましては、三年先のオリンピック開催までには完成をする予定でございます。主として困難な場所は海浜を埋め立てまして道路を作ります場所でございます。これは漁業補償との関係がございまして、東京都を中心に御尽力をいただいておるわけでありますが、最近大体補償の目標及び審議会の審議方法等がきまって参りまして、この漁業補償の解決を極力急いでおります次第であります。これらの用地問題が解決いたしますれば、工事力は御承知の通り相当機械化されて進歩いたしておりますので、そうひまはかからずに完成することができると思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 この首都高速道路公団の着工しようとしておる部分は非常に用地問題が重大問題なんでありますが、ところでただ用地難々々々ということで結局せっかくの予算が消化できないのではないか。五カ年計画二兆一千億という予算は予算としまして、いつまでたっても結局道路ができないんでは何にもならないと思いますが、その点いかがでしょう、高速道路公団の道路がいつごろできるかという、そういうもう少し確実な見通しはないでしょうか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 確かに用地の問題が非常にネックでございます。従いましてこの問題を解決いたしますために、用地取得制度に対する特別措置を実は考究をいたしまして、近く御審議を願うような運びにいたしたいと思っておるわけでございますが、現在の目標といたしましては、ただいまお話しのありました一号線の完成及び二号線、三号線、四号線の、大体オリンピックに関連をする主要の部分は完成をするようにいたしたいという目標をもちまして、首都道路公団といたしましても努力をいたしておる次第でございます。われわれもその裏づけをいたし、また督励をいたしまして、所期の目的を達するように進めて参りたいと思っております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 次に同じく高速道路でありますが、名古屋−神戸間は着工してだいぶ工事も進んでいるようでありますが、その神戸から出た高速道路が名古屋まで参りまして、それから東海道と中央道と二本できるような法律案が通ったわけでありますが、これはいつごろ着工する予定でありますか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 御承知の通り、名神高速自動車道は目下荒々進行いたしておりまして、当初は用地取得に非常に悩みまして、最初の年には相当の繰り越し等をいたしましたが、最近この用地関係も解決をいたして参りまして、非常な速度で進行をいたしております。この道路全体が名神間完成をいたしますのは、今度の新しい五カ年計画の以内において完成をする、かような目標でやっておるわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 名神国道があと五カ年かかるとなりますと、先ほどの東海道あるいは中央道はいつ着工されるんでしょうか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) これと並行いたしまして東海道、中央道とも今度の五カ年計画でできるだけ進めたいと思いますが、この分量の配分等につきましては目下いろいろな角度から検討を進めておる次第で、近く結論を得る目的で実は作業を進めておる次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 今すぐいつ着工して、どこからどこまでできるということは言えないかもしれませんが、とにかく道路の悪いことは世界一悪いんだそうでありますから、大いに推進しなければならないと思うわけです。今度の高速道路の調査費として九百九十三万円でありますか、東北、中国、九州の調査を始めるというふうになっておりますが、この調査の見通し、あるいはそのほかの地点の見通しはいかがでしょう。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 昨年度東北の中央道の予算、調査費がわずかながら初めて盛り込まれまして、本年各地区の中央道関係の調査費が計上されたような次第でございます。しかし、これはなかなか容易のことでないと私は思うんです。いろいろ気象状況あるいは経済調査、その他地勢との関係等を調査するということは、現在ではまだいつまでに完了するというめどが立っておりませんような次第でございます。政府といたしましては、三十六年度予算に計上せられました経費をもちまして、極力その効果を上げるように努力して参りたいと思っております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その辺の調査はまだ先のことになるかもしれませんが、先ほどの中央道の方は、昭和三十四年までに一億六千万円の調査費をかけて、大々的に調査が終わったということがすでにおととし報告されているわけであります。これは大体どのくらい五カ年計画で予定されるか、これはどうでしょう。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 先年一応の基本調査を終わりまして報告をいたしましたようでございますが、なお実施につきましては、相当掘り下げた具体的な調査が必要でございますので、今年度も調査費を計上いたしまして調査を進めるわけでございます。しかし、今度の新五カ年計画におきましては、相当の分量、中央道の建設にも注いで参りたいと、かような実は考え方をもちまして、検討をいたしておる次第でございますが、これはやはり建設をいたしまするには経済効果あるいは工事の難易等もございますから、どこから着手すべきか、あるいは人によっては東からと西からと両方からやったらいいじゃないかという御意見等もございまして、各方面の御意見を参考にしつつ目下具体的に検討を進めておるような次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 また最初の所得倍増計画でありますが、この各地域別に所得を倍増し、それから生産を倍増していこうという場合に、その交通機関、道路、港湾、その他の計画が伴わなければ、ほんとうに、ただそういうように計算をしてみたという結果になりはしないかと思います。  次の問題でありますが、先ほど総理大臣から北海道とか東北、九州、四国、中国というように、地方の開発促進法ができてきたという点の御答弁があったわけであります。私が先ほど申しましたのは、特定地域の二十一カ所の指定のことを譲ったわけであります。今度申しますのは、北海道、東北、四国、九州というようなこの地方の開発促進法でありますが、これは国土総合開発法にいうところの総合開発計画ができないから、そこでばらばらの、東北は東北で、中国は中国でというような地方開発促進法が次々と出てきてしまったわけであります。ところで、それじゃ日本全国がその地方開発促進法に入っているかといえば、まだ、たとえば長野県とか、あるいは北関東とかというところは開発促進法に入っていないわけであります。そういう点については、経済企画庁としては、よほどおかしいのじゃないかというふうに見られないでしょうか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 東北とか九州とか四国とかの開発促進法というのは、本来ならば全国開発、総合開発計画ができておりましたらば、それの実施計画の格好で出てくるのが当然だと思いますけれども、全国開発計画ができておりません間に、比較的低開発地域の開発というものを促進するという意味でそういうような法律が出まして、一定の計画はでき上がりましたし、またでき上がりつつあるのでありますけれども、率直に申して、この法律の一番大きなねらいというものは、そういう低開発地域に対する補助率の引き上げの条文が、一番眼目であったと私は思っておるのですが、今後はその補助率の引き上げの方の条文は、後進地域の補助率の特例に関する法律に統合されますから、その地域の開発促進法からは落ちることになりまして、残るのは各地域の促進法によって作られ、また作られつつあるところの計画だけが残るわけでありますが、それは全国総合開発計画と照合して、またやはり再検討する段階に入ってくる、こう思っております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そこで、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律案でありますか、今回国会提出された法律ができました場合には、その国の負担割合の特例措置が吸収されて、地方開発促進法は必要がなくなる、こういうことですか。これはいつそれが廃止されて……。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 大体お話の通りでございまして、この特例法によります従来の補助率は、漸次今度出しております特例の中へ吸収をしていきたい、こういうふうに考えております。ただ、いきなりやりましても、いろんな弊害と申しますか、事情がございますので、三十六年度は今の特例法、従来の特例法と今度出しております特例法とのどちらか有利な方を地方団体では採用できるというふうにしておりますが、三十七年度、八年度から漸次その幅を縮めまして、三十八年度中にいわゆる公共事業に対する補助率の特例は、現在、これから御審議を願っております法律案に全部吸収をしていく予定でおります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その点は、先ほど来由します総合計画の一つの前進だと思います。ところで昭和三十六年度予算が提案をされまして、いろいろ検討してみますと、また非常に重複するような感じの予算の項目が各省に出てくるわけであります。初めに建設省の方で一千二百万円何がしの予算で広域都市建設計画の調査というのが出ておりますが、この点について御説明願いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この問題もやはり後進地域開発に関連したことでございまして、後進地域を開発していくのにはどういう方法がよかろうかという角度から、これは前大臣のころに広域都市建設という構想を立てたのであります。私も実はそれを承継いたしておるのでございまするが、これはただ、ややもいたしますと、広域都市という言葉が、何かこの既成市街地を拡大していくような感じも持たれやすいので、名称についてはなお今後検討いたしたいと思いますが、要するに後進地域を開発いたしますのに、市町村の区域にとらわれることなしに、産業の立地条件等、ここがよろしいということがきまれば、そういう既成の行政地域にとらわれないで地域開発をやろう、道路の整備にいたしましても、河川にいたしましても、その他その角度でやっていく方がよかろうという構想のこれは一つの考え方でございます。かような角度に立ちまして、三十六年度御提案をいたしておりまする予算の議決を得ましたならば、最も有効に、どういう地域にその目標を置いてやったらよろしいか、具体的に調査を進めたいと、かように考えておるわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 自治省の方でも一千万円何がしの予算で地方開発に関連する調査という点についているようでありますが、その基本的な考え方とか、あるいはその法案の見通しについて御説明願います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 法案はまだ提出いたしておりませんけれども、考え方といたしましては、先ほど企画庁長官からもお話のありました通り、地域格差をなくしますために、各省がそれぞれの分に応じた仕事を進めていかなければなるまいと思っておるわけであります。私の方では、全体にわたります各自治体のあり方というものを検討いたしまして、一方では、今の建設省が中心に、過大都市といわれております大都市を中心に、分散計画あるいは再整備を進めておられるのに対応しまして、地方の後進地域の中小都市を中心に、その地帯一帯に対する今後の産業、経済、文化の発展をやらせるような総合施策を考えておるわけであります。そのためには、何と申しましても、産業的な立地条件の改正といいますか、改善が非常に大事でございますので、まず立地条件を直していくという方に主眼を置いて、今調査を進めようとしておる段階でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 経済企画庁の方からは、低開発地域工業開発促進法案というのが出ているのであります。なお、通産省からも、工業開発促進というような趣旨の用意があるように聞いておるのであります。その点について、企画庁から御説明願います。それから、おわかりでしたら、通産省の方も御説明願います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私の方で提案いたしておりまする低開発地域の工業促進に関する法律というのは、要するに、工場を地方に分散をしていくのについて、何らかの特典を与えなければ、なかなか工場が地方に行かないだろうというところから、一定の低開発の地域を指定いたしまして、そこに工場を建てた者に対しては、税金の関係——地方税の関係、それから金融の関係、そういう何らかの特典を与えて工場を地方に誘致するという一般的な法律でございます。  それから、通産省の方で予算をとっておりますのは、これは前からずっと継続してやっておることでありますけれども、地方的に産業立地の関係の調査をいたしておりまして、工場をつれてくるのに適当であるという地区の調査をしております。その経費が通産省にあるわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そういうように各省でそれぞれ予算をとって、それぞれ調査をし、それぞれ法律案を準備するなり、いろいろな準備をなさる、こういうことでありますが、そういう点について、大蔵大臣として、何かあまりにも、予算をつける場合でも、こま切れ予算に過ぎはしないかとか、そういう御所感がありましたら、お聞かせ願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 先ほどお話がございましたように、国土総合開発の計画というものが一番最初にできておるということでございましたら、非常にむだのない開発ができると思うのですが、御承知のように、これはむずかしい問題でございますために、まず東北とか九州というふうに地域別の開発法ができて、それによって後進地域の開発を始めましたが、それではなかなかむずかしい問題がある。全国にはまだ未開発区域というものがたくさんあるのでございますから、ここで統一的な、先ほどの国の補助率を強化する別の統一的な案を作りましたので、これによって順次今までの地方別の計画をその中に吸収していく、こういう措置をとって、これは一つの確かに前進だと思いますが、さて、そうしておいて、しからば全国的な総合開発計画をどう立てるかという問題になりますと、やはり、現在行政が各省ごとに分かれておりまして、建設省所管、通産省所管、自治省所管、それぞれ所管が違いますので、ここでこの所管に関する範囲の本格的な調査をやっていただこうということになりまして、建設省には千二百万円、通産省には産業立地条件の調査に二千三百万、自治省には一千万、四千五百万円の調査費をつけましたが、この調査を土台として経済企画庁が全体の総合計画を立てるということで、この総合調査費を企画庁に予算を計上するというような措置をとりましたが、どうしても全体的な計画を立てるためには、やはり各省別の調査が私は基準になると思いましたので、今回の予算では、みなダブっておるようでございますが、それぞれの省にその程度の予算をつけて、総合開発への基礎資料を作りたいという考えで善処したわけでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その各省別に研究をされ、調査をされるのは、まあやむを得ないといたしましても、たとえば建設省は全国に十五地区とか、自治省は二十地区とか、あるいは通産省が何地区とかいうふうに、いろいろと低開発地方というものを指定して、そうしてあれこれと調査をしたり、また、どうしたりこうしたりということになると、非常にダブって、まだ調査だけならそうその弊害とまではいかないかもしれませんが、この通り実施したら一体どういうことになるかというふうに私は考えるのでありますが、その点いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は、基礎調査でございますので、この調査ができても、その省単独で計画をきめられるという性質のものではございません。こういうものをもとにして、関係省が相談し、特に企画庁がこれを統合計画するという建前になっておりますので、調査費がついても、行政がばらばらになるということは考えておりません。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 企画庁はいかがですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私の方には、幸いに五千万円の調整費というものをいただいておりますから、この調整費を活用して各省の総合調整をいたしまして、その調査についての総合調整をさらにいたして参りたいと思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その点はわかるのでありますが、低開発地域開発ということで、まことに大義名分が立っているわけです。そういうような点から、各省が調査をし、各省が法律案を準備し、各省がいろいろと動き出したらどういう結果になるか、もう少し考え方がありはしないかという点をお伺いしているのです。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 各省それぞれのいろいろな立場もありますし、各省の協力を得てそういうものは総合的な調査をするわけですから、建設省にお願いをする分もあり、通産省にお願いをする分もあり、自治省にお願いをする分もある。ですからそういうふうな頭で見ていきますというと、それぞれ各省に内閣からお願いをしまして調査をしていただいて、それを総合調整するのがまた企画庁の役目で、予算というのはそれぞれ各省所管別につくのですから、建設省にお願いする分は建設省につく、通産省にお願いする分は通産省につく、こういうことに御理解願ったらいいと思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 建設省にお願いするところの国土総合開発の調査費が、先ほどの広域都市の調査費とは別についてるんじゃないですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 建設省にはこのほかには調査費はついていないようです。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 この建設省の予算の項目についている国土総合調査費というのは、それではどういう性格のものですか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 今御指摘のありました費目は、私よく承知しなかったのでありますが、金額で約一千万円ぐらいで、これはすでに国土総合開発で方針のきまったものについて、この部分をどうするかというようなことを処理するための経費でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 これは総理大臣にお伺いしたいのでありますが、政治は技術であるというふうに言われておるのでありますが、各省別々に予算をつけて、別々に調査をして、そこになわ張り争いが起きるというようなことは、非常に技術として見ては下手な技術ではないか、もう少し能率的ないい方法がないものかどうか、いかがでしょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは国土開発につきまして各省につけておりまするが、たとえば通産省におきましては、水ももちろん、地質あるいはその地方の資源等、やはり通産産業行政の上から国土開発をどうしようかということを研究していくわけでございます。これはもう五、六年前から全国にわたって一応の調査をしていますが、これをもっと深めていこうとするのであります。それから建設省の方は、何と申しますか、道路関係、その他都市を作る場合におきましての建設省所管の方での専門的調査を進めていこうと、こういうのでございまして、私は企画庁にそういう技術者を持ってきて集めてやるよりも、各省々々、そのもち屋もち屋でやって、そしてそのあとを企画庁で総合的に結論を出すことが、今の行政のあり方からいっては、手っとり早くて実効があると私は考えておるのであります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 ただいま総理大臣の御説明の中にちょっと出て参りました水資源の問題でありますが、この点についてもいろいろ問題が多いようであります。治水と利水と分けようかとか、利水の方はどこで管轄しようとか、いろいろ問題になっておるそうでありますが、その点について御説明願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 工業用水なり、また生活のための用水は、非常に需要がふえて参りましたので、これを総合的に開発をしなければならぬという基本的な考え方がございまして、一応水資源開発促進法というような、そういう水の資源の総合開発をする、その計画を立てるための法律なんかも用意をいたしておりますけれども、具体的にこれを実施するのをどこにどうやらせるかということについて、若干まだ意見の調整が残っておりますので、その法律案は提案される運びになっておりませんけれども、できるだけ早くその調整をつけたいと、こう考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 各官庁の方にお聞きしますと、どうも役人はなわ張り争いが激しくてねと、こうおっしゃるです。自分の方がなわ張り争いをしているとは言わない。向こうの方がどうもなわ張り争いだ、向こうの人に言わせると、どうも向こうの方がなわ張りだと、結局そのなわ張りというのは、公務員の仕事に熱心だということにもなるかとも思うわけです。その仕事に熱心な、その熱意をなわ張り争いや、そういうところに費さないための大臣であり政治家であるのじゃないかと思うのです。特に、水資源の問題は、各方面に関係がありまして、各方面で注目しておるわけですから、なるべく早く結論を出して、すっきりした形にしていただかなければならないと思うのですが、もう少し具体的な見通しはないでしょうか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) いつまでということをちょっとはっきり申し上げかねますけれども、その間の意見の調整を鋭意いたしておる最中でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 建設大臣は、この問題について、どうこうというのではありませんけれども、もっと、たとえば国土省というような構想で、もう少し水資源の問題はもとより、一貫した開発計画、あるいは利用計画がなされなければならないではないかというふうに漏らされたことを記憶しているのですが、その点についてのお考えがありましたらお述べいただきたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 水資源の開発ということは非常に重要なことでございまして、これは利水の立場からもまた治水の立場からも、防災の立場からも、これらを総合して水資源の開発が行なわれることが私は望ましいと思います。ただ、使うだけの立場でなしに、河川をどういうふうに処理していくか、また水の災害をどうして防いでいくか、それらとみな関連した事柄でございますから、かような角度において、総合的な水資源開発をいたしまして、工業用水にいたしましても、上水道にいたしましても、あるいは農業用水にいたしましても、利水も円満にいき、またそれが河川のためになり、防災のためになるという仕組みでやるべきだと思っておるような次第でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 先ほど総理大臣が、各省の持ち場によって持ち味を生かしてやるのがよろしいと、今日においては、そうするよりほかないということでありましたが、この水資源の問題などは、この各省間の持ち味によって、まことにうまくいかない一つの例ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 調査を、もちはもち屋でやることと、でき上がったものを、どこで統制するかということは事柄が違うと思います。  だから、水資源の問題につきましては、なるべく一元的にいたしていくべきものだと思います。それは各省が土地、道路の調査をしたことを企画庁がまとめてやると同じように、そのまとめ方をどこにするかということが、今問題になっておるのでございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 所得倍増計画の中にも、「従来の公共投資に対してしばしばなされていた総花性、事業施行の非能率等を是正し、官庁間のセクショナリズムや、種々の利害関係からくるわい曲から脱却し、」このように所得倍増計画には書かれているわけであります。で、その倍増していくという理想は、非常に国民が待望しているものでありますが、肝心の、こういう点について、公共投資に対して総花的であったり、また事業を施行するのに非能率であったり、あるいは官庁間のセクショナリズムとか、あるいは利害関係からくる歪曲というのは、これは、どういう意味か、まあ政治家の何か政治的な圧力ということでも意味しているのでしょうか、こういう点が、一日も早く解消されていかなければならないと思う次第です。  で、こうしている間にも大都市にはますます人口が集中する、交通難や住宅難は激しくなるばかり、一方若い働き手の抜けていく農村やいわゆる低開発地域、後進地域では、全体として貧困化していくばかりであります。ある地方の話でありますが、もう何十年も前から、この谷の人口はほとんど変わってないというような地方もあったそうです。そういう地域が、はたして十年の間に所得倍増していけるかどうか、そういうところに問題があると思います。そうして、今国全体の問題として根本的な解決の方法を考えていかなければ、ただ、今まで通りにやっているだけでは、持ち味を生かしてなんて言っているだけでは、いつになって解決できるかわからないと思うのであります。  で、総理大臣にまたお伺いしたいんですが、東京から地方へ移転できるものはないかどうか。たとえば学校とか研究所とか、病院とか、あるいは皇居を移転するかどうかというようなことも、しばしば問題にされたことがあるわけです。で、行政指導ということで、政府の施策よろしきを得て、東京からある機関が移転すればいい。そうすれば、それだけ東京のまあ交通難なり住宅難なりが緩和される結果になると思います。何かそういう点についてお考えがありましたら、お聞かせ願いたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今は、旧東京市内を中心といたしまして、一定の工場とか、あるいは一定規模の学校は、新築をとめておる状況でございます。  お話のように、非常に交通の点、住宅の点等から考えて、あなたなりの御議論はございましょう。まあ皇居を移すという考えは、私は毛頭持っておりません。これは絶対反対です。その他については、現にある保険会社のごときは、大きい事務所をよそに移す、こういうことを実行しておるようであります。これは、政府がこうやるのだということよりも、やはりもう少し、みんながそういう気持になった結果を考えてやりたいと思います。これは、人心の安定から申しましても、今、そういう問題を、軽々しく総理としてお答えすることはいかがなものかと思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 民間の方が、自発的に後進地域へどんどん移っていきさえすれば、これは問題ないわけでありますが、そのために政府が何らかの施策によって、民間の方が、そう行きやすいように、何らかの方策がないものかということをお伺いしておるわけです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これ以上人口が、人口密度が多くならないように、衛星都市を考えるとか、あるいはその他にも、やはり道路を整備するとか、いろいろな方法はあると思います。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 先ほどの広域都市にしましても、また自治省のお考えにしましても、やはりそういう点にねらいがあるわけでありますが、大蔵大臣から、一つそういう点を何か推進していくような方策をお考えでしたらお聞かせ願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 先ほど総花的というお話がございましたが、これはなかなかむずかしい問題で、所得倍増計画では、やはりまず資金の効率ということを考えれば、大都市を中心にした衛星都市との間の道路とか、あるいは同じ港湾にしても、貿易港の整備が先であって、だんだんに地方へ及ぶ、順序が前半と後半で、この比重を考えろというようなことでございましたが、実際問題としては、これはむずかしい問題でございまして、一方首都圏の整備をやりながら、同時に地方の山の中の農道をやるということでなければ、なかなかこの後進地域の開発といっても、やってないではないかという政治上の問題もございますし、従って、その辺は、相当私どもは勘案して、やはり時期をずらすのでなくて、同時に国の財政力でやれる範囲の仕事を適当に勘案してやることが適当だと、こういう予算のつけ方をいたしましたので、いわゆる重点主義というものは徹底してないうらみがあるかと思います。  しかし、現実に大都市が大きくなって、将来これをどういうふうにするか、あるいは一定の機関を、他のところへ移すというようなことは、必要ではあろうと思いますが、実際から見たら、この仕事は間に合わない。現実に大きい都市に人口が集中してきて、そうして交通の困難ができ、いろいろの問題が出ております以上は、やはりこの現実に対して対処しなければならぬという考えから、私どもは、この首都圏整備というものについて、昨年、これに関したいろいろな経費を一般会計、特別会計から拾ってみますと、九十二億円ぐらいかけておりますが、今度は二百十二億円という予算をもって、前年度より百二十億円予算の強化をいたしましたが、現実にはやはり今起きている事態に対処するということを急がなければならぬと思いますので、予算措置は、こういう点も考えて、今度はやったつもりであります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 この点については、建設省でも、また経済企画庁でも、あるいは自治省でも、大いにお考え願わなければならぬと思うのです。  日本の都市計画とか、あるいは道路計画なんかで、それでは、どこも全部同じように行き詰まっているかというと、必ずしもそうではないと思います。たとえば名古屋の計画にしましても、もちろんこれで十分だというわけではありませんでしょうが、百メートル道路とか、五十メートル道路が何本かできている。また市の中の墓地を大々的に郊外に移動している、あるいは大阪では戦災復興計画と、大阪港の内港化というような観点で、大規模の地盛りをして——今まで高潮あるいは洪水のおそれのあった地域が、何メートルというふうに地盛りをしているというような、いろいろな計画が部分的に実施されているわけであります。そうして、いろいろと住みにくい交通難や、住宅難や、あるいは災害にさらされている、あるいは煙突の煙や煤煙に悩まされている、そういう市を少しでも住みよくしていこうという不断の努力がなければならないと思うのです。  この点について、一つ建設大臣あるいは経済企画庁から、将来の構想というような点がありましたら、お聞かせ願いたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) この大都市の整備と過度の人口集中の排除ということは、非常に刻下の急務であると私どもは考えております。かような角度に立ちまして、現状の整備につきましても、よほどこれは工夫をいたしまして、効果的な道を講じなければならないと思いまして、就任以来、いろいろな知恵を実はしぼっておるような次第であります。今後とも、この点につきましては、全力を注いで参りたいと思います。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 公共投資の予算が総花的にならないようにするために、何か構想があるかというような御質問でございましたら、今作りました総合開発計画なんかは、確かにその一つの基準になると私は考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 先ほど、総理もちょっとおっしゃられましたが、生命保険会社が本社を神奈川県へ移そうというような記事を私も見たわけであります。またブラジルでは、新しい首都を建設しつつあるというようなことであります。大いにその総合開発計画を早く立てて、そうして強力に実施をしていかなければならないと思います。東京の交通が各所で麻痺状態に陥って、自動車が道路にあふれて、自動車で行くよりも歩いた方が早いとか、通勤電車でもまれて、けが人が毎朝出る、こういう状態であります。なお住宅の問題にしても、また水道にしましても、やがて夏になればまた断水するのではないかというような今日の状態であります。で、都内の中心地には、鉄筋の大きな建物があるけれども、海岸よりの低湿地帯には、木造平屋の粗末な建物というような今日の状態です。これで一たん伊勢湾台風とか、あるいは関東大震災のような大災害に襲われたら、一体どういうことになるか。名古屋の場合は、伊勢湾台風のときも、被害の中心が市の中心部ではなかったわけでありますが、それでも一瞬にして何千人という人が濁流にのまれております。  で、そういう点についてお伺いしたいのでありますが、去年は大台風が、それほど大きな台風がこなかったからよかったのですが、もしことし、そういう大災害を受けたとなったら、来年の予算委員会で幾ら議論しても始まらないわけであります。昨年の暮に行政審議会から、首相か国務大臣を議長とする防災会議を設けよ、防災会議を設けて総合的な防災対策を実施しなければならないというような答申が出ているようであります。このことについての御所見をお伺いしたい。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 実は私ども、防災に関しましては、起きてからの対処策でなしに、できるだけの想定をいたしまして、これに対処する必要を痛感いたしまして、防災基本法というような基本的な災害に備える道を講ずる工夫をしたらどうか、こういうことで、この問題につきましては、実は熱心に研究を進めておるような次第でございます。何とか各省とも協議いたしまして、そういった構想をまとめ上げたい、かように考えております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 そうしますと、防災会議というのは、まだ検討の中へ入っておりませんか。

中村梅吉自由民主党建設大臣・首都圏整備委員会委員長

○国務大臣(中村梅吉君) 今御指摘のありました防災会議を置いたらどうかということは、行政審議会から答申があったのだそうでありますが、この点につきまして、ただいま、そういう防災会議をどういう構想で置くか、こういうことにつきまして、政府部内で研究をいたしておる段階でございます。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 一つ、台風のこないうちに結論を出していただきたいと思います。  大へんにおそくなりましてあれですが、最後に、労働大臣にちょっとお伺いいたします。ILO八十七号の条約の問題でありますが、総理大臣からは、今週中に国会へ提出したいというようなお話もあったわけであります。それからまた新聞で拝見しますと、何かと政府与党内でもめているようにも拝見するのでありますが、その見通しはいかがでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) いろいろの意見の調整が、まだ残っていることは事実でございますが、総理大臣御答弁のように、今週中に提出いたすべく、全力をあげて努力をいたしたいと存じております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 日本の労働者は、勤勉でよく働く労働者でありますから、一つ、いろいろ意見の調整で困難なこともありましょうけれども、労働省は労働者の福祉向上とか、あるいは労働者に対するサービス機関であるというような一つの役割もあると思います。  で、一つなるべく労働者のためになるような処置が望ましいと思いますが、特に法律で縛っておこう、将来何をするかわからないから、あらかじめ法律で、こういうふうにしておこうというようなことよりも、もっと労働大臣として、労働者の福祉というような点を中心にお考え下さるものでしょうか、どうでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 労働省の責任とその立場は、今お説の通りであります。私はその立場に立って、調整に当たりたいと考えておる次第であります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 それから、次に、炭鉱離職者の問題でありますが、これは今、高度経済成長という社会の趨勢の中にあって、一つの一番不安な、しかも困難な状態にあるこの炭鉱離職者の問題は、労働省としましても、十分お考えの上で本年度はおやりになると思いますけれども、一つその点について、見通しをお伺いしたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) しばしばこの委員会においても議論されておりまする通り、石炭産業は、中小炭鉱の買い上げや、あるいは合理化の促進に従いまして、炭鉱事業に就業しておる人口は、年々漸減されておるのであります。ただいま昭和三十五年度におきましては、約二十五万でありますが・三十八年度には十七万五、六千という数字でございますので、なお相当の離職者が出てくる見込みでございまして、この離職者各位に対しまして、産業界、経済界の変動に伴いまするやむを得ない雇用の変動ではございますが、しかしそれに後顧の憂いがないように善後処置を完全にするというのは、私どもの責任であります。  これに対しましては、御承知のように、従来石炭離職者援護会が中心となりまして、諸般の仕事を、援護事業をやりますと同時に、政府といたしましては、あるいは広域職業紹介、あるいはまた職業訓練の強化、さらに労働者移転用の住宅の建設、その他炭鉱離職者のための緊急就労事業等の施行等を通じまして、努力をいたしてきておるのでありますが、本年は今度の予算に御承知のごとく、雇用促進事業団を新たに設けることにいたしまして、その中に石炭離職者援護会の従来の仕事を引き継ぎますとともに、さらに積極的な援護事業を行なっていきたいと考えておる次第でございます。  本年度の対象人員は、約三万四、五千人を対象といたしまして、諸般の事業をやっていく計画になっております。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 その雇用促進事業団でありますが、それは三万四、五千人でしたら、炭鉱の離職者の方だけでも、ちょっと足りないわけでありますね。そのほかの産業の離職者についての対策は、いかがでございましょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ただいまお答えをいたしましたのは、炭鉱離職者を対象とする事業が三万四、五千と申し上げましたが、三万一千人であります。もちろんこれは雇用促進事業団の中の炭鉱離職者の部門でございまして、その他につきましても、全体として、職業訓練に例をあげますと、総合及び一般職業訓練所において、合計三万三千人ぐらいを訓練いたす予定でありまするが、それ以外に、企業内職業訓練におきましても、六万数千人を対象としておるわけであります。また広域職業紹介の強化その他も、もちろん石炭離職者以外の者も対象にいたしておることは当然であります。  先ほど申しおくれましたが、失業保険金の給付期間の延長、あるいは職業訓練所における、訓練期間における訓練手当の支給等の処置も講じておる次第であります。

小平芳平無所属クラブ

○小平芳平君 失業対策の問題は、かねがね失業者が増大する、しかもある狭い範囲の地域で失業者がたくさん出ますと、自然に社会不安の原因にもなるし、どうしてもこれは政府の施策よろしきを得て、対策を次々と続けていかなければならない問題だと思います。  失業者が出ても、そのままにしておいたり、あるいはILO条約その他の問題にしましても、政府の施策がまごまごしているうちに、労働者が騒いだとか、どうしたとか、こうしたとか、そういうことのないように、一つ労働省としても、またそのほか厚生省その他とも関係があることでありますが、労働者の福祉向上という点に、大いに力を注いでいただかなければならないと思うのです。  特に炭鉱その他、最近ではどうでありますか。駐留軍労働者の離職の問題なんかもあるわけであります。一方では若い働き手を求めても、なかなか中小企業には集まらない。一方では、失業者が町にだんだん増加して、社会不安の原因になるというようなおそれがないように、一つ推進していただきたいのでありますが、そういう点についての今年度の見通しはいかがでしょうか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 一般的な雇用情勢は、昨年度、三十四年度は、殺到率二でありましたのが、本年は一・三、あるいは一・四というように、求人と求職間の均衡は漸次とれつつあるのでありますが、しかしただいま御指摘のように、その反面、石炭、駐留軍その他集中的な失業が発生しつつございます。さらに若年層、あるいは技能者の不足は非常に著しいのでありますが、他面中高年令層の就職は非常に困難でございます。  そこで、集中的に発生する地域につきましては、ただいま申し上げましたような施策を講じますと同時に、やはり産業基盤を急速に育成いたしまして、そうして、そこに企業を誘致する施策もあわして行なわなければならないと存じておるわけであります。他面、これらの人々に対する転職訓練を強化いたしますると同時に、一般に中、高年層に対する雇用の促進を急速にはかって参りたいと存じまして、昨年以来、私どもの組織並びに日経連、その他を動員いたしまして、中、高年令層の適職の調査をいたしまして、約百二十種について中、高年令層で、十分充足し得るという結論を得たのであります。  そこで、まず政府関係機関に対しまして、この中、高年令層を該当職種について、雇用していただくように呼びかけまして、今、それらによって委員会を結成して具体化を急いでおるのでありますが、その具体化と並行いたしまして、一般民間企業に対しましても、同様呼びかけを行なって参りまして、一番困難な中、高年令層の就職問題の打開をはかりたいと思います。  同時に、その背景をなしております封鎖的雇用制度あるいは年功序列型賃金というような体系につきましても検討を加えますと同時に、そういう背景を改めていく風潮を作り上げることも必要であると考えておる次第であります。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。  本日、鍋島直紹君が辞任されまして、その補欠として米田正文君が選任されました。  午後六時十分に再開することとして、暫時休憩いたします。    午後五時三十一分休憩    ————・————    午後六時四十八分開会

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) これより、予算委員会を再開いたします。

大矢正日本社会党

○大矢正君 休憩前の小幡委員の質問に対する農林大臣の答弁の中で、私どもとしては、とうてい聞き捨てならない一言がございます。私は、休憩以前に委員長に対してもその取り消しを要求いたしましたけれども、議事録ができていない関係上、直ちにその取り消しができないというような発言もございましたから、私は了承して引き下がりましたけれども、その後直ちに私が速記を翻訳してもらいました。その内容によりますと、小幡委員の質問に対する農林大臣の答弁に際して、「社会党さんの言われるように、土地の強制収用でもやれば別ですけれども、」、こういう発言がありました。社会党は一体どこに、土地の強制収用をやりなさいとか、やるべきであるとか、やらなければならないとか、こういうようなことがあるのかどうか。農林大臣に私はお伺いしたいと思います。われわれ社会党は、たとえば共同化の問題にいたしましても、それはあくまでも任意であります。本人の意思に基づいて共同化をやるならば、それはその方向が好ましい。その場合には機械化なり労働力の削減その他を考えてやるべきであるということを言うているのであって、強制的に土地を収用して、それによって共同化しようなどとは社会党はどこにも触れないはずであります。それをあなたは、あたかも社会党は土地の強制収用をやるのだと言わんばかりのことを発言されておりますけれども、万一これが新聞にでも載った場合どうなりますか。社会党は農民の土地を強制的に収用する、こういうように誤解される面が出て参ります。これはとてもわれわれは看過し得ないところでありますから、一体農林大臣は、社会党のわれわれが言うどこに土地の強制収用という点があるのか、この点を明らかにしてもらいたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 私、少し言葉が足らぬところがございます。あとで私は、先ほどの御質問に対して、あの場でも、その次のときにその通り申し上げておりますから、実は社会党さんの案には、土地の利用区分を計画的に立てて、民有地、公有地を買収または使用権設定する云々と書いてあります。それを実行するのには強制収用でもすればともかくも、これはなかなかできない、これは無理だろうということの意思を表示しているわけです。社会党さんが強制収用するということを言ったわけではありませんが、ただいまの、そこでちょっと言葉が落ちております。社会党さんが言われるようにするには土地収用云々と、こうなるのであります。その次の段階に私はそういう説明をしております。私の指摘したい点は、いろいろ話し合いということございましょうけれども、土地の利用区分を計画的に立てて、公有地、民有地の「買収又は使用権の設定」ということが出て参る。これはどこまでも話し合えば別でございますけれども、これをほんとうに計画的に進めるには、土地強制買収でもしなければなかなかできないだろう、それは今できないだろうと、こういうような意思表示をしたかったわけであります。あとで意思を正しく申し上げておるわけでであります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなたのその答弁は非常に逃げ口上で、具体的に私の言うことに対して答弁をされていないのですね、あなたの今の発言は。たとえばあなたは本会議でもって農業基本法の提案をされておる。そのときにわが党から衆議院の北山議員が、同じく社会党の農業基本法を提案しております。その提案理由の中で明らかに一項目あげまして、われわれ社会党は、土地の強制収用などということは一切考えておりません。あくまでもそれは任意であり、本人の自発的意思に基づいて共同化ができ上がるものであるということを宣明しておるわけであります。これは私は本会議で聞いておるのでありますから、あなたも聞いておるはずであります。それにもかかわらず、そういう発言をすることは不謹慎であります。あなたにしたって荒木文部大臣にしたって、参議院のわれわれを少し軽視しておるのじゃないですか、あなた方なめているじゃないですか。われわれは、少しぐらいの失言があっても、まあ参議院なら黙って通すからいいだろうというような考え方しかない。こんな発言を衆議院などでやってごらんなさい、即座に大へんなことになる。参議院のわれわれを少しなめているじゃないですか。あなたにしたって荒木さんにしたって、もっと慎重に答弁をしてもらわなきゃ困りますよ、これから。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) この取り扱いにつきましては、先刻の……。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 委員長。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 何ですか、阿具根君。

阿具根登日本社会党

○阿具根登君 今の農林大臣の発言では、言葉が足らなかったといって補足されただけであって、結論からいえば、社会党は土地を強制収用するのだということを言明されておるわけなんですよ。だから社会党はそんなことも言っておらないし、大矢君が言ったように、本会議の説明でもこれははっきり言われておるのだから、これは自分の考え違いだったということをはっきり言われたら何でもないのです。それを自分の言ったのが正しいのだけれども、言葉が足らなかったからと、自分で自分の構想を作ってやられては困る。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) いずれにいたしましても、その前段における関係はあのまま読まれると誤解を生じます。だから、前段については、土地の収用の問題は取り消してよろしい。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) ただいま農林大臣から発言のありましたように、さきに「社会党さんの言われるように、土地の強制収用でもやれば」云々のことはお取り消しになりましたので御了承いただきたいと思います。  質疑を続けます。藤田藤太郎君。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私はこのたび出されました所得倍増計画の中の雇用問題について御質問を申し上げたいと思うのであります。で、池田総理は国民福祉が先であるということをいっておられる、またこれを計画された迫水企画庁長官もそういう意味のことをいっておられるわけであります。ところがこの計画を見てみてもいつの時期には第一次、第二次、第三次という工合に、そのプランはありますけれども、どうして雇用をこういう工合に進めていくかという具体的なものは一つもない、どうしてこういう工合にして完全雇用を進めていくかということについて池田総理の御意見を聞きたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) たびたび申し上げておりまするごとく、各年度の計画というのは、実はできていないのは御存じの通りでございます。で、私が構想と申しておるのもその意味でございまして、産業が高度成長する場合におきましては、第二次産業、第三次産業が伸びていくのが、理の当然と申しますか過去の経緯から申してもそうなってくるのであります。その間に労働の移動が行なわれまして、そうして雇用の増大を招いていって、だんだん完全雇用と申しますか、完全雇用にもいろいろ定義がございまするが、就労の機会、いわゆる就業の場所がみつかるのだと、こう申しておるのであります。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 雇用の量及び質を増進いたしまして、いわゆる完全雇用に到達いたしまする具体的な雇用政策といたしましては、まず第一に考えなければなりませんことは逐年——これから昭和四十三年くらいまで、逐年増加する見込みでありまする新規労働力の円滑な吸収ということを、第一に考えなければならぬと思います。これは現在の新規労働力に対する需要と見合って参りますると、ほぼ見通しがつくのではないかと存じております。  第二は、技能労働力の確保でございます。これは職業訓練の強化、あるいは技能検定制度の積極的推進、さらに大学及び高等学校におきまする高級、中級技術者の養成、こういうことを心がけたいと存じます。  その次には、労働力移動の促進であります。これは現在、先ほどもお答え申し上げたのでありますが、雇用情勢は、昭和三十四年度におきまして殺到率二でありましたのが、三十五年度は一・三ないし四と、漸次好転いたしておりまするけれども、しかし地域的に、あるいは年令的に、あるいは技能的に産業的に非常にアンバランスであります。そのアンバランスの是正が大切でございますので、これはいわゆる全国的視野に立ちまする広域職業紹介、それから先ほど申しました職業訓練強化あるいは移動用の住宅の建設あるいは移動費用の支給、こういうようなことを行なわなければならぬと存じます。また中高年令層、特にこの労働者の産業政策上の結果として出てきます雇用の変動に対しまして、中高年令層の雇用を促進いたして参りまするためには、現在の封鎖的雇用制度あるいは年功序列型賃金というものの検討も必要だと存じております。しかし労働力の移動と申しましても、これはなかなか限度がございます。そこで、やはり失業者の多発地域あるいは低開発地域に対する産業の振興をはかりまするために、立地条件を整備いたしまして、あるいはそれによって工場の誘致等を行ないたいと存じます。しかし一般的に雇用が改善されてきていると申しまして、事実完全失業者は減少し、失業保険金の支給対象人員も減少しておりますけれども、一方におきましては、膨大ないわゆる不完全雇用の状態が、不完全就業の状態があります。また規模的賃金較差も現存をいたしているのでありますが、この改善のためには、いわゆる雇用の質的な改善をはかって参らなければなりません。これには最低賃金制あるいは退職金共済制度、あるいは社会保険の普及というような施策、あるいはまた共同住宅あるいは共同福利施設の建設というようなものを行なって参らなければならぬと存じます。  一般的にはただいま総理が申し上げましたように、二次産業、三次産業の発展に吸収する、就業構造から申しますると、家族労働者を減少して雇用者を増大し、近代的就業構造を作り上げていくということを目標に進んで参りたいと考えている次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今石田大臣は、殺到率その他を言われましたけれども、労働省が発表されております三十五年十月の二十才の人、それから四十から四十九才の人を見てみますと、二十才の殺到率は一・六、四十才以上の人は三・六六倍であります。紹介率は二十才の人は四二%ぐらいですけれども、四十才以上の人は一八%しか紹介率ができていないということを言っておる。そういう条件にあるわけです。そこで、ここで問題になって参りますのは、農業、第一次労働者が四百九十二万人、年度には移動をするということになります。もう一つは、商業行為をやっているところにたとえばスーパー・マーケットでも出たらどういう格好……スーパー・マーケットでも一つ出たら、その零細商業行為をやっている人はどこで生活をするかと、こういう問題が出て参ります。これは農林省とそれから通産省にあとで聞きたいと思うのです。そういう状態でありますけれども、今の中高年令労働者の雇用の問題というのは、労働大臣は訓練所でいろいろやっているとおっしゃいますけれども、今総合訓練所に九千人の人が入っている。ところが、二十五才以上の人は九十四人でございます、その中で。二十五才以上の人は企業内訓練以外に一般の訓練所で訓練を受けても就職の道がない。だから、年のいった人は入ってこない。この現実でございます。膨大な農業の労働者を移動し、零細商家の過剰労働、過剰就労の方々、現在の不完全就労の中高年令層をどうしてそれじゃ雇用の場につけていくのか。この問題はこれを見たところで出てこない。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) お答えをいたします。この殺到率の年令的に非常に差がございますことは、先ほど私も申し上げました通りでございます。それから紹介率は、ただいま御指摘の通りであります。それは月間のやつでございますから、全体としての数字にはならないと存じます。ただ御指摘の通り、年令が高くなればなるほど就職は非常に困難になっておることも事実でございます。また御指摘のように、総合職業訓練所、一般職業訓練所とも大部分は若年層でございまして、中高年令層はほとんど入っておりません。これは非常に遺憾なことでありますので、本年度からは、いわゆる職業の再訓練ということに訓練所の目的を大きく切りかえまして、中高年令層が職業訓練所に入ってこれるようにいたしたいと存じます。その場合におきまして、今お説の中で年をとった者が、二十五才以上の者が入ってきて訓練を受けても就職の機会がなかなかない、こういう御意見でございましたが、実は案外そうではないのでありまして、先般、数日前に、三池炭鉱の失業者を対象といたします荒尾職業訓練所の第一期生の修了式をいたしました。卒業生は百人でございまして、その中で五十五才の人が二名、五十二才の人が一名あったと記憶しておりまするし、かなりな、正確な数字は覚えておりませんが、ほぼ半分以上の者がいわゆる中高年令層でございました。三名が自家営業いたしましたほか、九十七名が完全に就職いたしました。従って、現在の雇用情勢、特に技能労働者の不足の情勢から見てみますると、中高年令層でも、社会の要求する技術の訓練を受けますると、これは就職の機会がございます。ただ現状はなかなか中高年令層が訓練を受けられないようになっておりますので、それを誤解を一掃いたしますと同時に、われわれの方としても受け入れられやすいような方法を講じて参りたいと存じておる次第でございます。また中高年令層に対しましては、先ほどもお答えを申し上げたのでありますが、これはなかなかむずかしい問題でありまして、まず第一に、私どもの方としては、中高年令層で充足し得る職種の調査をいたしまして、約百二十種ばかりを数えあげておるのでありますが、まず政府関係機関から始めまして、現在もう始めておるわけでありますが、民間に対してもこれを普及して参りたいと存じます。  それから、所得倍増計画の中に第一次産業から減少していく数四百六十数万をおあげになりましたが、これは全員が第二次、第三次産業へいく数字ではないのでありまして、四百六十数万という数字の中には死亡者あるいは引退者が三百数十万、それからそのかわりに新規学校卒業者の参加が百五十八万であったと思います。それから、その残りの二百四十三万、これは三十五年から四十五年まで十一年間の数字でありますが、二百四十三万が第一次産業から第二次、第三次産業へ実質上移っていく数字でございます。この農業を初めとする第一次産業から移って参りまする人々に対しましては、私ども、現在の計画では、職業訓練がこの十五年間に百五十五万を対象といたしておりますが、これで十分と思っておりません。実際その約半分が第一次産業——農村及び漁村の人々でございます。しかし、そのほかに広域職業紹介あるいは産業の低開発地域に対する融資等によって吸収して参りますとともに、農村、漁村に対しまする職業訓練の強化もあわせて行なって参りたいと思っておる次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今の労働大臣のお話を聞いておっても、具体性がないわけです。それで私は農林大臣にお聞きしたい。過剰就労は今日の農業労働者で何人おると推定されておりますか。二十九年当時七百万といわれておったのです、農林省は。今何人おると推定されておりますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ただいま現在における過剰労働人口というものについては、私記憶いたしませんので事務の方からお答えさせますが、十年間、目標年次四十五年度におきまして、大体現在農業就労人口千五百余万人になっております。これが大体四百五十万ないし五百万近く減っていく、こういう考え方であります。この程度のものは過剰と申しますか、大体農業労働人口からほかに移動する人口として、それをいかに有効に転向さしていこうかということを考えておるわけであります。ただいま現在における過剰労働人口は何ぼかということについては、ただいま数字を持ちません。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 農業労働者の所得が低いから第二次、第三次産業に移して、そうして第一次産業の所得をふやしていこうというのでしょう。だから、その今日の農業労働者の中でどれだけ減らすことによって所得が倍増の計画に沿っていくかということを計算したら、過剰労働幾らということがすぐ出るのじゃないですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それは、ただいま申しましたように、十年後の目標としましては千五百何万人かの中で大体四百五十万人ほどほかへ移そうという考えであります。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ちょっと私から訂正いたします。お答えを申しますと、減少する数が四百五、六十万人、正確な数字は覚えておりませんが、大体そんなものであります。その減少する数というのはどうして出てくるかと申しますと、その中で十年間に死亡または引退する労働力が三百数十万、それから新規学校卒業して農業に投入される数を百五十数万と見、それに今度は一次産業から二次産業、三次産業へ移っていく人口が二百四十三万、実質上移動する農業人口は二百四十三万、結果として四百六十万ほど減少する、こういうことに計画ではなっているのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 この所得倍増計画によると、基準年次が千六百四十五万、それから目標年次が千百五十四万と書いてある。今、千六百四十五万の人は農業労働で生活をしている、そうでしょう。それは間違いですか、農林大臣。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) それは大体現在農業就業労働人口として動いております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 だから、死ぬとか、やめるとかいうことでなしに、この計画の中では千百幾万にするというわけです。だから、これだけの人間は減るということじゃないですか、そうでしょう。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) その年次ごとにいろいろ移動して参ります。そこで、十年間に、その結果千六百五十万が千百五十万になりますから、約四百五、六十万というものが減るわけですが、減る一方、新規学校卒業者の入っていくのもあります。そうすると、その十年間に死んだり、引退したりする労働力が三百五、六十万、そうして二次産業、三次産業へ移ります者が二百数十万、そうすると合計六百万以上になりますが、しかし一方、百五、六十万という者が新規学校を卒業して農業へ入っていく、そうしてざっと千百五十万あるいは千五十万という数字を考えているというところであります。もっとも今、現在農業の中で千数百万の人が働いているわけでありますが、その千数百万の人のうちで相当大きな部分が過剰労働と申しますか、あるいは不完全就業と申しますか、それだけでは、働いている人の立場からいえばそれだけでは十分生活ができない。今度は全体から見ますと、その人の労働力がなくても機械化され、さらにほかに改善していけば現在の生産が維持される、こういうことはそれはいわれると思います。しかしそれを、それじゃどう改善していくか、計画的にどう改善していくかというと、ただいま申しましたような方向でやるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあこればかり議論しませんけれども、結局千百五十四万に減らし、農業労働者の所得を上げていこうということなんですから、あるいは今の千六百四十五万を、そういうことですから、そういう機会を十年かかって作るのですと、こういうことなのですね。理想の姿からいえばそれだけ農業労働者が四百九十一万転換し、また理想の姿からいえば余っているということなんです。そうでしょう。  それからもう一つ私がお聞きしたいのは、通産省にお聞きしたいのですけれども、通産省の過剰労働者、要するにそういう零細企業、商業行為をやっている方々が、今日デパートによって中小企業がつぶれ、それから下へ下がって日常生活物資の配給でスーパー・マーケットが出てきて商業行為をやっている個人業者がつぶれる、こういう格好になっている。こういう形の人が、たとえば完全雇用ですから、雇用労働者に転換をしていくわけでありますけれども、そういうものをどういう工合に推定されておるか。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 第三次産業の就労人口でございますが、個人業種が若干減り、家族就業者も若干減る。雇用者は十年後においては現在のほぼ倍になりまして、七百九十八万が千四百何十万、こういう数字が出ております。それで、これはどういう経路でそういうふうになり、また、これを誘導するかということでございますが、従来、商業が過剰労働を吸収する唯一の場所であったというようなことになっているのでありますが、その結果、どういう状況になったかと申しますと、非常に零細な商業が非常に多くなった、これがいろいろな問題をかもしていることは御承知の通りであります。ところが、最近は、過剰な小売業者は減らないで、その小売店で働いている労務者が足りない。商業の主体は依然として過剰であるが、それに働く労務者が足りないという、ちょっと矛盾したような現象を呈しているのでありますが、これに対しまして、だんだん集団市場によって人手を省いて能率を上げて、そうしてまた、個々の小売店が一応の独立性を保っていく。こういうような現象が、今のところ顕著でありませんが、そういう徴候が現われている。この徴候に順応いたしまして、そうして今後は、共同施設——従来もやっておりましたが、共同施設、あるいは共同作業、あるいは市場の施設といったような、そういう集団化という方向に税制あるいは金融その他、各般の助成をしていくべきであるというふうに考えておりますが、ただいまのところは十分な施策が行なわれておらないことはまことに残念でございますが、その方向に将来努力いたしまして、そうして商業部門においてもりっぱな雇用力を育成すべきである。結局、所得倍増というものがだんだん達成されますと、どうしても第三次部門において相当の人が必要になってくるのであります。それには、今のような姿は適当でない。これをやっぱり変えていく必要があるのじゃないか、さような方向で考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 農林大臣にもう一つ聞いておきたいのですが、日本は、大体耕地面積六百万町歩といわれております。一〇何%ですね、全面積の。外国の例をとってみても、だんだんと近代社会になるに応じて、工業が中心に発達してくることは、どこの国でもそういう歴史をたどっておる。しかし、少なくとも、食糧その他農業物資、農業耕地の開拓にはやっぱし最大の努力をしている。たとえば、イタリアの十カ年計画を見てみても、二対一、十年計画で、旧農地が二として、新しい農地を一、二分の一こしらえて、そして農業労働者の所得を上げながら、それで工業労働者にどんどん移動していくという計画が立てられている。日本はそれじゃ農地開拓というような問題は計画はないのですか。お聞きしたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 今度の計画におきましても、大体土地改良、開墾、干拓というものは計画には盛っておるわけです。しかし、今お話のように、耕地面積だけふやして所得を上げるということだけが中心じゃない。これは、御承知の通り、やはり生産されるものの需要というものがすっきりと見合うようにしていく必要があります。従って、農業基本法の制定後におきましては、将来に対する各必要物資の需要増加に見合う物資、生産増加をなすべき物資というものを頭に置きつつ、それを将来の需要に見合ったようにやるにはどれだけ耕地を増加しなければならないかという考えの上に立ってさらに計画を立てたいと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 五百万近くの農業労働者を十年計画で移動しようという考え方があるわけです。それでいて日本は食糧を外国から輸入しているのです。山林は山林地主に握られておって、開拓に農民は手が出ませんが、そういうところに開墾、開拓という計画はないのですか。これからぼつぼつ考えるということですか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) もちろん将来伸ばす畜産方面に考える計画といたしましては当然草地というもの、牧野ですね、この問題については、相当の増加を今後考えていかなければならぬと思っております。これも今後の計画に沿いつつ、新しい計画のもとに草地をどれだけふやすかという問題に触れて考えていきたいと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、農業労働者は非常にたくさん移動しなければならない。しかし、農業労働者は畜産も必要でしょうし、養蚕、果樹という、新しい文化生活に必要なそういうものも必要でありましょう。莫大な主食を輸入しているが、これを日本の内地で開拓をしてまかなうということが農林大臣の任務じゃないですか。そうでしょう。ところがその計画がない。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) もとより今日必要とする主食——米麦、大豆あるいはこれから計画さるべき果樹あるいは畜産に対する計画は一応立てておるわけです。しかし、それ以外に今後さらに計画を検討して、さらにふやすべき方面については積極的に草地改良あるいは耕地の造成等に力を入れるということはもとよりのことであります。よく言われますけれども、外国の草地面積というものは日本に比較して多い。これは英国その他におきましては御承知の通り、草地は粗放的なものが非常に多いのです。それで日本においてもそういうような形で粗放的な一つの牧野というものをふやせば相当ふえますけれども、しかし、そのことは今後における食糧というものが、御指摘のように、外国から輸入している小麦、そういうものを——特に直ちにあの通りのものをすぐ日本に作るということは困難であります。これは品種改良その他とあわせて、それに対する将来の、すなわち国産化をはかるための必要な措置というものは考えていってしかるべきだと思いますけれども、私は、直ちに今日ほかの生産と見合う形において、ただ単に土地を造成するということが主になってはいけないと思います。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 これで終わりますけれども、農林省の関係は。  大臣、年次計画の標準成長率は、第一次産業は二・八%、第二次産業は九%、第三次産業が八・二%という工合に成長していくわけです、そうでしょう。これから見ていっても、単に第一次産業の労働が第二次、第三次に移動しさえすればいいということでは農業行政の努力が足らぬという感じが私にはするわけですが、で、そういう工合にして過剰労働者は二次、三次に移動していく、ところが、これから訓練も大いに技術訓練して、そうして新しい産業、生産についても労働を通じて社会に大いに貢献してもらわなければならないのですけれども、今日、日本で一番やはり悩みは、学卒は二倍、求職の二倍以上の求人があるという格好である。ところが、中庸年になってくると、一八%そこらしかない、これから雇用につけようという人はそういう人たちばかりである、学卒以外に、農民の中から具体的に何人つける、第二、第三次産業に何人つける、今、完全就労を目指して職場につけようとしても職場がない、こういう状態で職業訓練をやろうといったって就職するところがない、五十五才の定年で首を切られたら生活ができぬ、こういう工合にずっと並んできているわけです。こういう具体的な計画を倍増し、計画に入れなければ、この完全雇用ということが一番最初にうたわれているけれども、できやせぬです、私はそう思う。経済企画庁長官どうですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 所得倍増計画におきましては、今後十年間における労働の需要と供給とをずっと積算をしていきますというと、計算の上でちょうど完全雇用になるという、そういう見通しをこの倍増計画は立てております。そういうふうな状態を達成せしめるためには、具体的にはどういうことをしたらいいかということは、所得倍増計画では抽象的にいろいろ書いてございます。たとえば労働移動の円滑化、中風年令層に対する雇用機会の造出、停滞的産業の雇用問題の解消、労務管理の体制の是正、労使関係の近代化、それから中高年令層の労働者の移動対策としては、失業者に対する職業訓練、失業保険制度の適用拡大、給付内容の改善、中高年令層に相応した雇用機会、そういう雇用機会を作る、定年制の年限の延長及び年功序列型賃金体系の合理化等、雇用体制の是正——さっき労働大臣が言われたようなことが所得倍増計画にはうたっております。結局藤田さんの御質問は、非常に所得倍増計画の一つの泣きどころを言っておられるのでして、要するに、所得倍増計画の一番大事なところは、労働の円滑なる移動が行なわれるということが前提になるのでして、そこに非常にむずかしい点があるという御指摘は、まことにその通りだと思いますけれども、それはこれから専門の労働省が具体的に検討をして具体案を作っていく、さっき労働大臣が答弁しているのを聞いておりまして、やはり専門家というのは大したものだと思って実は私感心して聞いておった次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 日本の経済計画を立てる企画庁がずっと並べられて、専門家は労働大臣だ、こう言われる。これは労働大臣は、国の政治の中の労働行政だけを請負業でやってはいかぬと思う。働く能力のある者は全部が勤労の喜びの中で人生を全うしていくということが政治の第一定義だと思います。だから完全雇用をしていくという建前に立って、経済政策からあらゆる政策というものが立てられなければならない。たとえば生産性と賃金の比率を見てごらんなさい。二十八年から今日まで、生産性は五五%上がっているけれども、賃金は三八%しか上がっていない。これは労働大臣云々言うたってしようがない、池田内閣自身の経済政策の中でそういうものを作り上げていかなければならない、そういう問題だと思うのです。これは完全雇用について外国にいろいろな報告があります。たとえば一九二九年から三〇年にかけてのアメリカの不況のときに、アメリカはあの産業復興法というもので大胆に時間の規制と賃金の規制をやってアメリカの経済を立て直した、そうですね。欧州一の貧乏国と言われたイタリアが一九五五年からOEEC——ヨーロッパ経済協力機構ですか、この中で生産性と所得とは同じ状態にならない限りは雇用は伸びないのだ、こういう形の中であの十カ年計画をやられて、今のイタリアの現状はどうですか、そういう方式もございます。大体今日人を雇うには、雇う人がほんとうに一人前の人間生活ができるかできないか、それだけの給料を出せるか、出せないか、出せなければ雇う資格がないというのが今日の近代国家の雇用に対する考え方じゃないか、日本は安ければよかろうということで労働者を雇うのです。こういう状態の中で最低賃金規制しなければならぬ。先ほど労働大臣言ったけれども七業者がきめた賃金で最低賃金横流れで最低賃金をきめますよというようなものの考え方では、どうしてそれじゃその生活が守られるのですか。そういう問題を一つずつ取り上げていって、中高年層の今度は労働力、完全雇用の道につないでいくというこの実態というものを考えてきたら、答えが出てこないじゃないですか、先ほど労働省の発表しておる数字と合わせて見て。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 先ほど企画庁長官がお答えいたしました完全雇用実現への雇用の増大及び量的、質的改善への具体的計画というものは、概略前にお答えを申し上げましたので重複を避けますが、問題の生産性の伸びと賃金の関係でありますが、私どもは、労働行政を預かっておるものといたしまして、やはり労働賃金の伸びを最も大きな重点として期待し、また、考究しなければならぬことは申すまでもございません。ただ、生産性の伸びの中には、やはり資本の蓄積に向けられて、新しい産業の拡大の基礎、ひいては雇用の増大の基礎に向けなければならぬ部分があり、あるいはまた、価格の低下、その他によって大衆に還元する方向に向けられなければならぬ部分もございますので、これは完全に現在、戦後日本の経済復旧のまだ現在の段階で、経済の底がそう深いと言えない段階におきましては、にわかに完全に一致せめるということは、これはむずかしい問題じゃないかと存じます。  それから最低賃金制の普及ということは、特に低い賃金を増大せしめるために必要でございます。そのために現行の最低賃金法について私どもは決して満足はいたしておりません。満足はいたしておりませんが、その法体制の行政的効果を上げまする実際的手段といたしまして、経過的にやむを得ないのではないかと考えておる次第であります。今後その行政指導によりまして、たとえば、先ほどもお答えしたのでありますが、もうすでに十五才で二百円以下というものは、実質上最低賃金として制定すべきものでないという行政指導をいたしております。最近また、今まで早くきめられて、二百円以下のものでもすみやかに二百円以上に上げなきゃならぬということを行政指導いたしておるのであります。中小企業における年少労働者に一般の三カ年、十五才から十八才に至りまする三カ年の平均の賃金上昇率は二九%強であります。そういたしますと、十五才で二百三十円ということをきめますと、十八才になりますと、大体七千八百円弱程度になるのではないかと思います。つまり私どもは、そういう経過的措置に努力を払いつつ、実質的には社会党の言われる十八才八千円の線に近づけるように行政的努力をいたしておるわけでありまして、これが現在五十数万の対象人員でありますが、諸外国の平均例、アメリカは高いのでありますが、他の平均例である一二、三%程度に相当しますのは二百五十万人でありますが、二百五十万人程度に普及いたしました暁におきまして、その行政経験を基礎として、御議論の趣旨をよく拝聴いたしまして改善すべきものと思っている次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今のような石田労働大臣の賃金の問題のお話がありましたが、まあ総理でも迫水さんでも言われるのは、問題が詰まってくると有効需要ということを言われる。有効需要とは何であるか。金持は百着の服を一ぺんに着られるわけではないのだから、やはり全体の国民の生活が引き上っていく中で経済が回転していくということに僕はなると思う。アメリカのケネディが、今度成長率を上げるのに、最低賃金一時間二十五セント——日本で九十円増加さして、消費購買力を増加さす。今までの二千数百万人に対して四百三十万人適用増とする有効需要をその中からふやすというものの考え方が出てきた。これは最低賃金の問題と経済との関係ですから、これ以上は私は言いませんけれども、そういう問題も一つございます。しかし、現実、中高年の、または過剰就労の人が移動していくのにどうにもならぬ問題があるわけであります、雇用問題として。だから外国では、むしろ先任権、後任権ということがあって、年をとった人が、定年制ではずされた人が、年金をもらいながら、ある一定の六十才とか六十五才まで、自分の一生をかけてきた生産に貢献している。日本では、五十五才で首を切ってしまう。これはちょうど思い起こすのですが、昭和の初めに労働科学研究所で当時の五十五才の人と十五才の人が握力と牽引力とが同じだということで、労務者が五十才、職員五十五才で定年がきめられた。その時分から日本の使用者のものの考え方は、ええとこ取り、しぼり上げたらいいという考え方で労働者を雇って雇用関係を結ぶ。今、五十五才にしているけれども、そういう社会公共性ということは一つも使用者の中にないから、こういう問題が出てくるのじゃないかと私は思うのです。これこそ労働大臣はしっかり使用者を教育される問題と私は思うのです。そういうことが私はありますから、今ここでお尋ねしたいことは、定年制を延長するというような問題はどう考えているか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 先ほどから御議論になっておりますように、日本の雇用政策を考えた場合に、最大の問題は中直年層の問題でございます。それはもう全くおっしゃる通りであります。そこでこれを処理いたしまするのには、幾つかの基本原則がある。今おっしゃいましたように、定年制を延長する、つまり中高年令層の失業者をこれ以上出さないようにするということも、これは一つの方法でありまして、先般私どもは、政府関係機関をお招きいたしまして協議いたしましたときも、それを要望いたしましたし、また、実質的に若干延長されつつあるのでございます。また、各企業におきましても、私どもとしては、定年制の延長を要望いたしておりまするし、また、各企業においても、にわかに期待に沿うわけには参りませんけれども、そういう方向に向かいつつあるのでありますが、一そう助長したいと思います。  それからもう一つは、やはり中高年令層で間に合う職種は中高年令層でやってもらうという、中高年令者の適職を調査し、決定することにあると存じます。これは大体百二十種目につきまして、中高年令層でこれは充足し得られるものだという結論を得ましたので、今政府関係機関を手初めといたしまして、民間にも呼びかけたいと存じます。さらにやはりこれには結局封鎖的な雇用制度と申しますか、あるいは年功序列型賃金という現在の賃金体系というものに検討を加える必要があろうと存じます。この改善をはかっていかなければならぬと存じます。しかし、これでどうしてもなかなか思うようにまかせない場合におきましては、あるいはたとえば職業安定所におきまする職業紹介の際におきまして、その種職によっては若年層の紹介をチェックいたしまして、中高年令層に切りかえるということも考えなければならないのではないか。さらに今身体不自由者について設けられておりまする一定割合と申しますか、職種についての一定割合というようなことも考えていかなければならないのじゃないかと思って、今その研究はいたさせておるわけでございます。しかし、一番私どもも残念に思いますことは、元来、転職訓練に重点を置くべき職業訓練にどうしても中庸年令層の人がなかなか入ってこないということでございます。これはわれわれも反省すべきことは多いのでありますが、しかし、実際は、現在の技能労働者の不足は、先ほど荒尾の例を申し上げました通り、相当年令層でも、技術を習得いたしますると、就職の機会が十分あるということをさらに宣伝をいたしまして、御趣旨に沿うように努力をいたしたいと存じます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 時間があまりないので、問題点だけ提起して、あとで違ったところであらためてやりますが……。  そこで、定年の延長の問題は重要な問題、日本の今の雇用、中高年の問題、その次が労働時間短縮の問題、労働時間の短縮の問題は、これはもう私が説明するまでもなしに、土曜、日曜は休む、欧州、アメリカといわず、先進工業国はみんなそういう方法をとっております。最近石田労働大臣は、商店の延長を短くするようにいろいろ努力をされておるようだが、この点はなかなか努力されていると思いますけれども、まだまだこの点も努力してもらいたいし、実際労働者が長時間拘束されるところでは、五十時間働いて生活しておるような状態ですね。これは私は重大な問題だと思うのです。たとえば今日の作業の状態において、基幹産業の大企業だけでも四十時間制というものをやったときには、どれだけの就労の場がふえるかということは、すぐ算術計算でも答えが出てくるわけです。そういう問題について、一つ聞かしていただきたい。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私は、原則として労働時間の短縮は、雇用機会の増大ばかりではなく、労働者の諸君が人生を楽しく、有意義に送るためにも必要であろうと存じます。ただ、それはやはり生産性の伸びと正比例して行なわれるべきであり、また同時に、段階的に行なうべきであると存じておる次第であります。そこで具体的には、現在の段階におきましては、私はまず四十八時間の労働制というものが各種産業、各規模全般にわたって平均して実施せられるように努力をいたしたいと考えておる次第であります。よく御存じのように、中小企業、特に商業及びサービス部門におきましては週休制の実施がまだ完全に行なわれていない。一斉閉店もなかなか困難だという実情にございます。それにつきましては、経済界の実情に沿ってそれを行なって、全体が四十八時間のレベルまでいくように努力する。次に四十時間へ前進をして参りたい、こう考えておる次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今石田労働大臣は、四十八時間云々ということをおっしゃいました。基準法ができてから十何年たちます。監督官は二千人足らず、一つの事業所を監督するのに五年に一回しかできないという状態です。しかし、六十万も七十万もの違反行為があるということですが、労働省がやろうとしたら、監督官が少なくて、監督官がおらなければいい成果を上げられないことは事実ですけれども、やるというかまえをうければ、一年もしたら五十件六十件の違反はなくなるはずです。あなたの今の発言は、期待するという発言であると思うのです。だからそれを一つやる、ことしの何月からはびしびしそういう違反行為は徹底的にあげるというかまえがありますか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) これはもう基準監督官の数が足りるとか足りぬとかいう問題ではなくして、決して多いとは思いませんけれども、いろいろ、当該被害者と言うと語弊がありますが、その基準法違反工場に働いている人々からの内申その他も期待できるわけですから、私は強力にこの違反行為がないように厳正な態度で臨んで参りたいと存じております。ただ、あるいは三六協定のような協定、あるいはそのほかの事情によりまして、労使納得づくで行なわれておる部面も相当あるわけであります。ただ私は、その納得ずくで行なわれている面も漸次なくして、四十八時間労働に近づけていきたい。そうして現在の労働条件が維持されるようにしていきたいと考えておる次第であります。  それから、これはもう藤田さん、京都でいらっしゃるから、よくおわかりと思いますが、土地の事情によりまして、なかなか、特に第三次部門、サービス部門においてはむずかしい問題がございます。また基準法の実施は、私は、基準法の現況や、また中小企業の実情に比べて進み過ぎているから改正しろという議論には絶対反対であります。おくれているものを進んでいるものに近づけていかなければならぬと思いますが、私は、それだからといって、にわかにこれを摘発や、あるいは告発というような手段の行使のみをもって目的を達成しようとするのは、やはり実効を上げる手段ではないのでありまして、やはりあらゆる努力を払って納得づくで進んでいくようにしよう、どうしても納得がいかない場合においては、これはもう最後の手段に訴える。ただ、結論としましては、いいかげんに期待するというのではなくて、厳正強力な態度をもってその実施に当たりたいと考えておる次第であります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は今、労働大臣と、主として論議になってきたのですが、二倍計画というものが、具体的に完全雇用というものが、新規学卒労働者は対象になるけれども、他の今の不完全就労者や転換してくる農業過剰就労者や、その他のところから来る方々が、完全雇用というけれども、非常にこれ、むずかしい状態に置かれているということは、今の質疑の中からお聞きをいただいたと思うのです。  もう一つは、四千八百六十九万といい、雇用者は基準年度からでは相当大きな増加の数字になっていますけれども、昨年の十一月からいえば、ふえる部分は三百二十万くらいです、十年かかってですね。現在、日本の労働力人口のうち、雇用者は四千六百万くらいでございます。だから、私はあとで話をいたしますけれども、たとえば非常に安い賃金の人が夫婦共かせぎをしようというような人が、奥さんが働くというようなことが今後できてくる。そういうものからいくと、四千八百六十九かというものは、もっと産業労働力がふえるのじゃないか。そういう面から考えてみても、働きたいという希望があっても、中高年の方々が働く場所がないという状態。所得はどんどん二倍ということで産業は発展していきましても、勤労の中から所得をふやして、社会に貢献しながらその自分の生活を築いていくという場が、この計画の中には私はなかなか出てこないように思う。だから、一つの問題として、定年制の問題または時間短縮の問題、私は二つの問題を取り上げましたが、これだけでも解決しないほど大きな問題だと思う。私は、所得倍増論の中では大きな問題だと思う。だから、私は、池田総理と企画庁長官——担当される企画庁長官、内閣の責任者である池田総理に、完全雇用の問題についてどういう真剣な——私からいえば、真剣な具体的なかまえを、延長の問題、時間短縮の問題や、それから需要をふやすために購買力を上げるための最低賃金の規制の問題、そういう問題が関連してくるわけですから、そういう問題についての所信をこの際何っておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 藤田さんの御議論は農業関係、ことに農民の就労の問題、そうしてまた、一般中小企業の労務者の問題、そうしてまた、一般労働者の問題につきてまして、定年制の問題、就労時間の問題等々、いろいろ御議論がございました。これは農業あるいは中小企業、一般労務者の問題ばかりじゃないのであります。これは資金の問題につきましても、各方面にいろいろな重要な問題が含まれておる、これらが全部一緒になっていくわけであります。たとえば、ここであまり議論になりませんが、それなら、所得倍増になったときに、輸入の額はどうなるか、船舶は今、六百万トン全体数ございます。十カ年計画になったら、それは千二、三百万トン要るのじゃないか、こうなっていきますと、ただ、船員、船の問題はどうなっていくか、これはいろいろな点がたくさんあることなんです。で、私は構想と申しておりますが、今ここで、農業とか、あるいは一般労務者、中小企業がございますが、資金関係、大企業の問題、そうして貿易関係、各般の問題がございまして、これは常に関連しておりまするから、検討を加えていかなきゃならぬ。今は構想で、こういうことになるだろうというので基礎勉強をしておるところなんでございます。だから、私は藤田さんの御議論のうちに、やっぱり生産を伸ばして、そうして健全な消費、大衆の消費をふやすようにしていかなけりゃならぬ。それにはやっぱり一般労務者の賃金を上げていかなけりゃならぬ。そして、生産性に見合うように賃金も上げたい。しかし、今設備拡張に必要な点がございますから、労働大臣は、生産性の向上を全部賃金に持っていくわけにいかぬ、いましばらくは。私は行く行くはそれに持っていくのがほんとうだと思います。しかし、今のところ、やはり生産性の向上につれて賃金を上げると同時に、将来の雇用のもとを築くいろんな点がございますので、十分勉強し、また皆さんの御意見を聞きながら、ともにともに築き上げていきたいと考えておるのでございます。ただ農業の問題、労働の問題だけを取り上げまして、労働の問題だけは四十八時間を四十時間にする、すなわち土曜日、日曜日を休むと、こういうことは望ましいのでございますが、日本の産業全体、国際収支がどうなるか、中小企業がどうなるかということを考えながらそれをやっていかなきゃならぬ。だから、私は十年の間に各方面に長足な進歩をして、今、藤田さんのおっしゃるようなことを実現しようというのが所得倍増のねらいでございます。今すぐ具体的の分はできませんが、そういう方向で進んでいきたいと考えております。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) ただいま総理がお述べになりましたように、所得倍増計画というのは、社会主義社会でない、自由主義社会の計画でありますから、一つの見通しを描いて、十年先にはこういう格好になればちょうど所得は倍になるんだという形を描いたものでありまして、それに向かって具体的にまあ年を追って年々政策を講じて、その方向に誘導していこうという考えでございます。藤田さんが、お述べになりましたように、労働賃金というものは経済成長を助ける有効需要の大きな要素でありまして、生産性の向上と比例して当然上がっていくべきものと思います。生産性の向上は、価格の低下、労働賃金の引き上げ、及び再生産に回す部分、適当にこれは配分しなければいけないと思いますし、また労働賃金が、かりに生産性の向上をオーバーして労働賃金が上がった場合には、クリーピング・インフレーションと申しますか、コスト・インフレーションの原因になるのでありまして、これはもうかえって経済の成長を害することになる、そこら辺のなかなかかね合いがむずかしいところでございますが、各省それぞれの分担に応じて、この所得倍増計画を道しるべにして具体的な政策を立て、実行していくつもりでございます。  雇用の問題は、先ほど申し上げましたように、この所得倍増計画の一番一つの問題の点でありまして、労働の移動がこうスムーズに円滑にいくということを確保するということは非常に大きな要点だと思います。これは労働大臣が大いに奮起しなければならぬことだと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は時間がありませんから、今、総理や迫水さんが言われたように、経済、貿易とそれらについて議論したいのですが、時間がないから、いずれあとに譲りたいと思いますけれども、しかし現実、私は四十時間をあしたからやれと言っているわけじゃない。そういう成長の中でそういう問題を処理していくというのが大きな柱である、それでいって具体的に今の就労の場につけない、非常にこの何というか、谷底といいますか、置いてきぼりにされておるような人が、そのままの状態で十年いくというわけにいきませんから、そういう処置の問題だけを指摘しているわけでございます。だから、いずれまた詳しいことは、これは時間がないので次にやりますけれども、決してこれだけとらえて云々という議論をしているわけではありません。そういうものを頭に描いて、たとえば有効需要の関係とインフレとの関係の議論もありましょう。それはまた次にやりましょう。  そこで、時間がありませんから具体的に社会保障の問題を一時取り上げてみたいと思うのです。今の失対賃金と生活保障との関係なんです。これは今度の値上げを失対賃金は一五・六%、生活保護は一八%上げることになったのですが、このかね合いのところを厚生省は二六%要求された。労働省は二日稼働で二七・五%ですか、要求された。大蔵省はこういうものに削られた。この三者で一つ要求された考え方と削った考え方を説明していただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) まずそれでは生活保護基準引き上げの問題の方についてお答えを申し上げます。生活保護基準を何パーセント引き上げるかということは、引き上げをしなければならぬことはわかっておりますけれども、何パーセントという問題はいろいろ議論の分かれるところであります。そこで、二六%というのも一つの考え方でできるならということであったのでありますけれども、いろいろ内容を検討したりいたしまして、この際は一八%でいくほかはない、いろいろこの際における見方の違いからこういうことになったのであります。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私どもの方は五十六円、一日の賃金五十六円で現に嫁働日数が二一・五日を二三・五日要求をいたしました。これは日曜日と休日等を考え、日にちの点はそれを考え、あるいは民間雇用等を考え、また五十六円の方は現在の法規定の計算の上で、まあ、あとう限り計算し得る限度を要求したわけでございます。予算折衝の結果は、日にちの点は二一・五日据え置き、賃金の方は五十二円ということに決定をいたしました。これは五十二円になりましたのは、賃金の方はPWのいわゆる低賃金率、それから重軽作業率、それの計算の話し合いでそういうふうになったわけであります。稼働日数も増加させたいと思ったのでありますが、民間雇用の伸びその他を勘案をいたしまして、現在の段階ではやむを得ないものと了承いたした次第であります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この問題は私どもは国の行政全般の立場から、いろいろ均衡をとってきめたものでございますが、たとえば生活補助基準を一定のところへ上げますというと、昔から関連もございますので、今、労働大臣から説明されましたように、日雇い賃金との均衡ということも考えなければなりません。日雇い賃金の問題は、また法律によって民間の職種別の賃金よりも若干下になる、こういうことになっております。これは失対事業者を正常な就職者になるように勤労意欲を減らさぬようにという意味で、一般の民間の同種職の賃金よりも少し低目にするということになっております。そうしますというと、そこにやはり一定の均衡の限度が出て参りますので、そういう問題、さらにまた一般の補助職員、いろんな施設にいる補助職員との俸給の均衡の問題、いろいろなものがございますから、そういう行政全般の立場を考えて、私どもは一八%が大体妥当ではないかときめたわけでございます。その際、特にこの生活保護者に対しましては、御承知の通り勤労意欲を持って、どこかで働けばそれだけすぐに生活保護を打ち切られるということが非常に不合理でございますので、勤労控除を大幅に、五〇%引き上げるというふうな措置をとりまして、そういうので十一億かの予算を計上したわけですが、そのほか期末手当、あるいは住宅、教育補助とかというようなもので、これが十六億円くらいの予算計上になっておりますが、これらを合わせますというと、大体二〇%の引き上げ、予算額としてはそうなるわけでございますが、しかし今申しましたような、いろんな均衡の問題がございますから、扶助率の扶助基準の引き上げの方は一八%にして、そのほかの措置をつけるということでやったわけでございますが、大体ほかの均衡上妥当なところではなかったかと思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 関連質問。生活扶助基準につきまして、厚生大臣からさっき御答弁がありましたが、三十五年度の予算の第一次補正が出たとき、私、厚生大臣に御質問したときに、やはりそれは財源関係のようなお話があったのです。それで、とにかく今生活扶助の基準が低いということは、もう厚生大臣もお認めになっていたのですね。自分は、あのときちょっと失言されまして、二八%まで引き上げたいと言われましたが、あれは二六%のことでございました。そこまで自分は引き上げたいのだ、そうおっしゃったのです。しかしながら、財源関係等もあってというお話だったのです。ところが三十五年度においては、あの第一次補正後に四百四十億の自然増収が出て、また今度六百億の財源が出てくるというのですからね。財源関係ではあるわけですね。この点一つお伺いしたいということなんです。  それからもう一つは、前にもお話ししましたが、御質問したのですが、御答弁なかったのですが、今生活扶助を受けておる人の実態調査をしたことがおありかどうか、今の生活扶助の基準で憲法二十五条にいうところの生活ができるのかできないのか、私は寡聞にして知りませんが、今生活扶助を受けておる人の生活実態を調べたものは、総評で調べたものがございます。これは実態調査です。非常に金をかけて作ったようです。厚生大臣もこれはごらんになったと思うのです。実際には平均一・七倍の生活をしておるのですよ。実際はたとえば一人二千円とすれば三千四百円の実際の生活をしておるのです。それをしなければ生きていかれないのです。だから実態調査をおやりになってごらんなさい。二六%でも低いのです。だから賀屋さんが五〇%上げろと言っておる。賀屋さんの説は確かにあの通りだと思うのです。五〇%でも少ないので、ほんとうは七〇%ぐらい上げなければ、今所得をごまかしたりなんかして、実際は三千四百円の生活をしておるのですよ。だから実態調査をされなければいけないと思う。それに基づいて引き上げを考慮しなければならぬ。実態調査があるのかどうか。実態調査からいえば二六%は低いですよ。それを大蔵省は一八%に削ったんですね。これに対して厚生大臣がさっきのお話、あの御答弁では無責任ではないかと思うのです。二六%じゃ低過ぎるのだから二六%から引き上げたいということをおっしゃったのですよ。その点が第二です。  それから第三は、アメリカでは、日本とアメリカの国民所得を比べますと、日本は大体アメリカの九分の一です。ところが、生活扶助基準はこれは十八分の一ですよ。国民所得はアメリカの九分の一で、生活扶助の基準はアメリカの十八分の一です。これは厚生省の御調査がある。ですから、これはおそらく低賃金を維持するために、これは日経連その他からの要望があったと思う。池田総理が社会保障優先と言うときに日経連から、あまりにも社会保障に重点を置いたのでは賃金との関係で因るという、そういう抗議を申し入れられたのでしょう。それで低賃金を維持するために二六%まで引き上げたのでは全体の賃金が上がる。こういうのでそういう政治考慮から私は一八%に削ったのではないか。財源のことなら財源はあるのです、自然増収で。非常に私は無責任だと思う。厚生省は二六%を一八%に切り下げられてさっきのような御答弁ではあまりに私は無責任だと思う。その点、御答弁願います。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 一八%の引き上げで達した程度が満足なものかどうかという点については、満足だとは申せないと思っております。実際この際でももう少し上げたいくらいに思うので、これは勤労者世帯の生活費の問題とか、あるいは低所得層の生活費の問題なぞとの比較などからいたしましても、もっと差を縮めたい、こういうくらいに思うのであります。それでできることならば一八%でなくて、もっとこの予算を編成する際でも上げられぬものかと、こういうふうに熱心に論議をかわしたわけでありますが、しかし、この際における措置としては、達した程度が十分だと申すのではありませんけれども、何しろそう申せば、過去が低過ぎたと申しますか、一挙に是正まで、十分なところまで是正ができるというところまでいかなかった、こういうふうなのが実情であるのでありまして、私はそう思っているのであります。そこで財源の関係、財政上の問題ということも、これは私というよりも、財政全体を考えておる大蔵大臣の考慮の問題でありましょうけれども、そういうこともあったかなかったかは一つの点ではあります。けれども、一挙に引き上げるということが他とのいろんな関係があったり、とにもかくにも一八%程度では生活保護費がこの際に事務費を込めてでありますけれども百十億この項目で増額になっております。完全に解決ができたとは思いませんけれども、この際の問題としてはこれ以上いくことができなかったという状況であります。単に財政上の問題だけで申しておるわけでもないのであります。  それから実態調査の問題でありますけれども、これは適用しますときにも実態調査をし、またその後も実態調査は月々やっておるわけであります。ただ御承知のように、生活保護を受けておる者の五七%程度は働いておる人であります。で、働くことによる収入もこの人々は持っておるのであります。そういうこともありまするし、きょうの生活保護制度の前提には、よい悪いは別にいたして、家族制度の扶養義務というふうな関係も織り込まれておる。そういうことでこの実態調査はいたしておりますが、これはいたしておりますけれども、生活保護費そのものが十分とは申せませんけれども、とにもかくにも、無理なうちに生活が支えられておる、こういうふうに見ておるわけであります。なお、またアメリカのお話があったわけであります。所得の開き、また生活保護の開きと、こういう点もお話があったわけです。これは一から十までアメリカと同じことをこっちがまねられるか、まねるべきものか、これは議論があると思います。しかしながら、大きにこれも参考にはいたすべきものだと思うのであります。要するに、何回も申し上げましたように、まあぐちを申せばもとが低過ぎた、生活保護の扶助基準が低過ぎた。そこで相当大幅な引き上げはやったのだけれども、しかし、その状態がもうこれで完全、これで申し分ないというところまでいったかというと、そこまでいっておらぬ。つまり、今後になお問題を残したということであると思うのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこで、私は池田総理にお尋ねをしたいのですが、総理はこの前の総選挙に公共投資、減税、社会保障ということを三木の柱で公約をされた。今議論になっているのは、社会保障の中の生活保護ですが、その他医療保障の問題、所得保障の年金その他の問題があったのですけれども、生活保護の問題一つ取り上げてみても、私はこういう議論が行なわれ、公約をされたけれども、新しい年度で組まれた社会保障費というのは、三百三十億ですか、自然増収をのけると、三百三十億です。この程度しか、社会保障をあれだけ宣伝されたのに、お使いになっていない。私は、今後日本の社会保障を進めるにあたって、池田総理はどういうお考えを持っておられるか、この際聞いておきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 社会保障制度に対しまする財政が十分でなかったのじゃないか、こういうお話でございまするが、過去十数年の間に、大体昭和二十四年のときには二百七、八十億じゃなかったかと思います、全体の社会保障関係は。それが十年余りたちまして千八百億になった。私は、あるときに、他の党首から、千億減税をやるのならば、社会保障費も千五百億くらいやるべきじゃないかというお話がございました。やるとは申しません。しかし、十年たって千五百億ふやしたのは、一年で千五百億できるものじゃございません。そんなことはとうてい考えておらぬと言ったら、千億かという、こうお話です。いや、それもそうはできません。それで、私は大体五百億をこえさしたいという念願でおったのでございます。   〔委員長退席、理事梶原茂嘉君着席〕 それで、他の機会にも申し上げましたが、千億減税、一兆数千億のところへ千億減税、それと社会保障と同じような形になるというようなことは、私は初めから思っていない。今までの経過から申しまして、五百億こえさしたい、それで片一方減税が少なかったとおっしゃいますが、私は、減税につきましては、税制調査会の意見よりももっと削ったわけでございます。収入百万円以上の人を削りまして、これも社会保障に回せ、あれも社会保障に回せというのでやったのが六百三十六億でございまして、これは厚生省関係だけでございますが、ほかの社会保障経費を入れますともっとになりますが、これは、私は、日本の財政史上かつてない大幅な増額でございます。千億に対して六百億じゃ少ないといいますが、この千億減税というものは、今まで私、石橋内閣のときに千億減税をやりました。その前もたびたび千二、三百億やりましたが、社会保障はそういうときでも百五十億か二百億、今度は六百数十億やったことは、これは私は公平にいって相当力を入れたということを認めていただけると思います。この気持は私は今後ますます伸ばしていき、とにかく何と申しましても、先ほど来——労働者の賃金ももちろんでございますけれども、こういう社会保障を受けるような方々の収入を多くするということが一番の経済発展のもとでございます。で、一八%にすると同時に、勤労控除も相当ふやしまして、まあ半分以上失業対策の方にやっておるのでございますから、全般から考えて、まあ私ども一八%で実は満足していないのです。しかし、厚生大臣が言ったような状況でございますので、まあこの程度にして来年はまたこれを引き上げていこう、こう考えておるのでございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 池田総理は減税、社会保障に非常に思い切ってやったと言われるけれども、自然増、自然にふえる社会保障を抜きますと——三百三十億、新規のやつですがね。だからですね、税制調査会の関係は、私の記憶が誤りでなければ、自然増収が二千五百億のときには千億の減税はするのだという答申があったと聞いております。ことしの減税は六百二十八億ですか、そして社会保障が三百三十億でございます。私はこれは、生活保護法もそうですが、一番問題なことは、まあこれも社会保障——おろそかに全部できないんですが、たとえばことしから皆保険をやるというときに、市町村が非常に困って、これこそ社会党ばかりじゃなしに、全国の市町村長はあげて国民健康保険に四割の国庫負担、七割給付、そして国保財源を見てくれなければ国保がやれないという一致した市町村会、議会の要請があったことを私は覚えております。これも社会保障をふやさなければならぬ重要な問題でございましょう。年金の問題もそうでございます。これは私は時間がありませんからやりませんけれども、議論をいたしませんけれども、あなたは今非常に大幅にやったとおっしゃいますけれども、税の自然増収が非常にたくさん、昨年とことしとある。昨年の残りが五百億以上あり、三十六年度の残りが、まだ見通しが五百億以上あるという工合に、非常にたくさんの自然増収があるのに、社会保障と減税の問題もそうですし、社会保障についてこれだけのことをやって、思い切ってやったとは言えないんじゃないですかね。これは総理と大蔵大臣、もう一度聞いておきたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 先ほどお答えした通りでございまして、過去の社会保障制度の歩みをごらん下さいましたら私は御納得いけるんじゃないかと思います。また、減税の方につきまして、自然増収が多かったのにどうだというお話でございますが、私は先ほど申し上げましたように、社会保障制度はできるだけ多くしたいというので、自然増収は、税制調査会が立案のとき予想したよりも多くあげましたけれども、税制調査会の大体案通り、課税所得百八十万円以下七十万円以上の人の税率変更をやりまして、七十億ばかり倹約したと申しますか、税制調査会の意見よりも少なくして、それを社会保障制度の方へ回したのでございます。これは水かけ論になりますが、過去の十数年、戦後における社会保障関係経費の増加の状況をごらん下さいましたらおわかりいただけると思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今、総理からお答えになりました通りでございまして、社会保障の査定にあたりましては、実際にはこれはもう最大限の今回引き上げをやったつもりでおります。と申しますのは、さっき申しましたように、もし日本の民間賃金がもう少し高いのでございましたら、失対事業に従事している労務者の賃金もこれに応じてもう少し上げなければなりません。そうするときにはこの社会保障の基準というものも、生活保護の基準というものも、当然もう少し上がらなければならぬと思うのですが、遺憾ながらそういっておりません。従来から見ましても、失対労務者の賃金と生活保護の間に二分四厘程度の開きがある。この開きをあまり変えるということは、いろいろ現在均衡のとれているときに、一つだけその比重を変えてはならぬと、これはごもっともだと思います。労働省の心配もそこにございましたので、そうやってみますと日雇い労働者の一五・六%という率は、今の民間の雇い労務者の賃金と比べて、これ以上ということは現行の法律からいってできないという壁にぶつかったのが一五・六%ということでございますし、最大限の引き上げをやってそれとそのほかの全般の均衡をとるということをやりました。そうしてやはり生活保護は多い方がいいと思いましたので、予算措置としてはさっき申しましたように、私どもは二〇%の引き上げを実質的にはやっておる。そうしてそのほかの均衡をとったということで、これ以上の保護費の引き上げということは、やはり日本の一般の民間の労働賃金が上がって、国民水準がもっと上がったという場合にやれるのでございまして、遺憾ながらそういう点が今、日本が低いということにやはりおのずから制限されておるというような問題がございますので、私はやはり国民所得全般が上がるという政策の中で、こういうものも段階的に解決していくよりほか仕方ないのじゃないかというふうに考えております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 大蔵大臣は法律上、建前上、失対賃金とバランスをとるために上げられなかったと……

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そうじゃないです。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあ待ちなさい。あなたね、法律で上げぬようにしておいて、失対賃金を押えておいて、そして生活保護法との間にバランスをとるのだと、とんでもないことを言われる。緊急失対法の十条に、一般の賃金の八十から九十で失対賃金はきめなさい、こういうことでばしっとしまっている。そして失業対策事業に働いている失対労務者はどれだけ困っておるか。それで一五・六%、失対賃金は。これは法律で押えられている。この十条を取っ払って、やはり働く人は自分の労働力を通して社会に貢献したいと思っているのだ。事業そのものは生産のために労働力をよりよく吸収したいと思っているのです、失対事業は。それに頭から一般賃金の八十から九十ということで押えられてしまっている、これが失対賃金のあり方なんです。だからこれをまず取っ払わなければならない。そして失対賃金というものが、   〔理事梶原茂嘉君退席、委員長着席〕 労使対等の、やはり自分が働いて労働条件をきめるのだから、自分の労働力に応じて賃金をきめるということでなければならぬと思う。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は、その法律を取っ払うということですが、そうではなくて、この法律がなぜできているかと申しますと、失対労働者も漸次一般労働者と同じような立場に立たせるように、そういう勤労意欲をなくしないようにというために、民間の一般賃金よりも少し低める。そうすれば一時失対労働者になっておっても、一般の勤労者にそこから抜け出ていくと、この余地を与えるように、そういう意欲を持たせるようにというので法律ができておるのでございますから、私はこの法律の建前は非常にいいと思っております。ですから一般の民間の賃金が上がることがやはりこれから必要で、それが上がれば自然にそれに伴って失対賃金が解決していくし、生活保護の基準もこれを上げていくということが妥当になっていくということを申しておるのでございまして、あの法律は——やはり私は法律を撤廃すべきじゃなくて、法律の趣旨というものは非常にいいんじゃないかと思っております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 失対事業に働いている人に他の就職の方法があったら、失対事業なんかで働きませんよ。失対事業の労働者の平均年令は四十七才になっておるのですから、先ほど私がるる申し上げましたように、中高年の人の就職の場がない。一般の人でも一八%しかないというのが現代の実情なんです。それでいてそこで働いておるんです。働いておって一般の賃金よりか法律で八〇%にきめられておる。それがいいなんという今の言い方には私は非常に困ると思うのです。だから完全雇用でそういう働き場があったら失対事業なんて働いていませんよ。だからそういうことはよくあなた、大蔵大臣ですね、よく考えておいていただきたい。  それから、これは少し失対の問題に入りましたが、そういう意味で、厚生大臣は初めの決意や世間に訴えたことを、こっちが知らぬ間に変えてしまって、大蔵大臣がきめたことはやむを得ないというようなことでは、私は国民生活を守って大いにやってもらわなければならぬ厚生大臣としては困ると思います。大いに一つがんばってもらわなければならぬ。大蔵大臣も私は今のようなものの考えであると、池田内閣の三つの柱の国民に対する公約というものも、結局はその庶民の生活は潤わない結果に、三十六年度の施策をして終わったという認識に私は立たざるを得ないのでございます。  そこで時間がだんだん迫って参りましたから飛ばしまして、私は問題を指摘したいと思いますが、医療費の値上げの問題でございます。医療費の値上げの問題は、これは古井厚生大臣は医療協議会でやるんだ、医療協議会できめてもらうのだ、それで予算が間に合わなかったから、一〇%の一応腰だめといいますかそのワクを取って置いたのだと、こう言っている。医療協議会でなかなかいかないので、社会保障制度審議会にかけて、そうしてこの医療協議会で歩き出すような方法を社会保障制度審議会に考えてもらう、答申があったはずだと私は思う。ところが当の自民党の三役と医師会との間に話し合いができて、そうして妥結をした。まあ、休診その他がなくなって解決したことは私はけっこうだと思いますけれども、こういう姿というのがあっていいのかと私は非常に疑問に思う。厚生行政の一つの問題を、与党であるといえども、党が政府の行政機関と離れて団体と妥結をしたという。まあ厚生大臣のあとの口吻をみると、あの妥結の意見は尊重するけれども、私は独自でやるんだ——こうなってくると、くりっと返って参りますと、今度は厚生大臣の立場はどうなるか。医師会の立場はどうなるか。せっかく妥結をしたのに医師会の立場はどうなるか。一〇%はうんと積み重ねてこの問題を解決すると妥結したのに、医師会はそれじゃどういうことになるか。厚生大臣は独自の立場でこれを処理すると、こう言っている。そこらのいきさつが僕らよくわからぬ。大体厚生の行政のものを与党の三役とその要求している団体、医師会とか歯科医師会と話をして、そして終わるというような、こういうやり方というのはいいんですか。それをお聞きしたいです。総理と厚生大臣から聞きたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 医療費の問題は、御承知の通りに、医療協議会において最終決定することが本筋でございます。しこうして今までの実情から申しますると、医療協議会に日本医師会が入ってこないという状況なんでございます。今まで二年間、しかも最近に至りまして保険医を返上するとか、いろいろなわれわれの好まない状態が出て参りましたので、党といたしましては、大体、党の考え方を医師会の方へ話しまして、一円以上の値上げをするような方向へいくんだということで、一応医療問題につきましていろいろ話をして、それならば医療協議会に今後出ていこうということになったのでございまして、私はあの際やはりだれかが中に入って、そうして筋を誤らない範囲内において妥協の道を講ずることはやむを得ないことだと私は考えたのでございます。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) ただいま総理から申し上げましたように、自民党の三役中心にあっせんをいたしましたことは、当面の特殊な事態を解決するために、これは実際政治の問題としてああいういき方が行なわれたのでありまして、そのために今お話しのように保険医の総辞退などということが一応これは解消された、こういうことになったのでありまして、これはこの特殊な事態における政治の問題としては、これは一つの行き方であると思うのであります。  そこでこのあとを受けまして、どういうふうに行政の上で処理するかという問題が起るのであります。これについては前々から申し上げておりますように、やはりこの医療協議会という話し合いの場に出て、そこで行政の面においてこれを処理する、この大筋をここで取り戻すようにしなければならぬし、それがまたできますならば、とかく今まで何回もそのつどに混乱を起こしておった医療費の問題が、そういうふうで軌道に乗りますなら、今後何回も繰り返される将来問題でもありますので、今まで申し上げておったようなつまり軌道に乗せるということができますならば、これは非常に大きなことであると思うのであります。そういうわけでありますから、今回の特殊な事態、それからまた医療協議会の場に出てものを処理するという大筋をこれからも打ち立てる。こういう大局的な見地からいたしますと、これにはやはりそれなりの理由も立つものであると私はそう思うのであります。いろいろ御見解もあるかもしれませんけれども、今後は行政の上で軌道に乗せて処理するという行き方をしたいものだと、こういうふうに思っておるのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 今後はこういうケースをまたやってもいいというお考えですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 今、今後と申しましたのはこのあとを受けて、今回のこの医療費の問題を行政面で処理する場合におきましても、医療協議会というもので行政的に処理するという行き方をやっていきたいと、こういう意味であります。でありますから医療協議会という軌道に乗せることは、今回の問題の処理につきましても、これからそういう道に進むことにしなければいかんし、そうなると思っておるのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いや、私が言っておるのは、こういうやり方がいいのか悪いのかということです。こういうやり方で今後もこの種の問題は続けられていくのか、あっせんと言われましたけれども、双方がやっておるところへあっせんに入るというのじゃない。当事者になっておるのですね。やはりそういうことのやり方というものは、行政府との関係でいいのかということを私は言っておる。今後もこういう形でこの種の問題をやっておいでになりますかということをお尋ねしたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 今回のあの党のあっせんというのは、さっきも申しましたように、今回における特殊の事態、この特殊の事態に対応して起こった実際政治の問題であります。でありますから、ああいう形も起こったのでありますが、医療費の問題は——しかし今回のこのあとを受けての処理につきましても、医療協議会をこういう線に持っていきたい、それから将来はこの医療協議会という場においてすべて処理していくという格好にこれを切りかえるの時期としてやっていきたいものだと、こういうふうに思うのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると医療協議会はいつどういう格好で発足されますか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 先ほどもお話しのように、医療協議会は改組いたしたいというわけで、社会保障制度審議会に意見を求めておりましたところが、先般その答申もきたのであります。この答申の精神を忠実に具体化したいと考えまして、今その具体化の検討をいたしておるところであり、これが結論にいきますれば、法律の改正案として御審議を願う段取りになるわけでありまして、今はその準備の、検討の中途であるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 いつ時分かわかりませんか、大体の……。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 御承知のように、これは改組の法律案はなるべく早くと、こういう考えで急いでおるのでありますが、御承知のように、この医療協議会そのものの改革と同時に、もう一つ医療費算定のルールを確立するための別個の機構、こういうものを同時に実現したいと、こういうことでありまして、ことにルール確立のための機構、これについても答申があるわけでありますけれども、新しいこれは問題でもありまして、法律上、技術上検討すべき点もありますし、出発を誤ってはいけませんので、今せっかく検討をいたしておるところでありますから、できるだけ早くと思っておりますけれども、まあ今日はまだ提案までに至っておらぬのであります。しかし遠からず、いつとは申しませんけれども、遠からず両方の改正法案を整えて提案をいたしたいという考えでおるところであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そこでですね、時間がありませんから、この医療費値上げのため政府は七十四億組んでおられるわけでありますが、一〇%以上ということになると、問題点は、どういう工合にして大蔵省は補正予算をお組みになるか。それから患者とか被保険者の負担というものは、ここで表だけ出してぼっと知らぬ顔しておられるけれども、これはどういう工合に負担の関係はなりますか、大蔵大臣と厚生大臣にお聞きしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 昭和三十三年のときに医療費の改訂を行ないましたが、そのときの調査に基づいて、それ以後今日まで医療費の増高がどのくらいあるかという推計をいたしました結果、大体医療費の増高は一〇%という推算を得ましたので、大体総医療費の一〇%増すという予算を計上いたしまして、そうしてその医療費のきめ方は、単価改訂か点数改訂かはともかくとしまして、これは、厚生省が立案し、協議会の審議を経てきめるということになっておりまして、私どもとしましては、医療費が三十三年よりはどれくらい多くなっているかという推算に基づいた予算をきめたということでございますので、今後の措置も、大体この医療費の増高を予算の範囲内でいろいろ立案されることと思っております。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 医療費の引き上げが、この予算に組んでありますような、総医療費に対して一〇%というワクの中でありますならば、その場合につきましては、各保険者団体等に対する財政上の措置は必要なだけはいたしておりまして、従って、このために保険料を特に引き上げるというような必要は大体ないように承知いたしておりますから、その範囲内ならば、これはもうその方面のことは配慮いたしておるわけであります。そこで、総医療費一〇%と申しまするのは、かりに単価に直しますならば、これは見方がございますが、というのは、総医療費の中で、薬代なぞ値上げに関係のない部分が何パーセントあるかという点から起こるのでありまして、で、医師会の従来の見解からいうと、関係ない部分が三三%あるというわけであります。三割以上あると。で、かりにこの三割関係がない部分があるということで、七割に乗せますならば、一円四十二銭という単価になり得るわけであります。けれども、これは医師会が言っておられる、関係がない部分三三%というものをもとにしてのことであります。ところがこの点については、前々から厚生省ないし大蔵省の方では、値上げに関係のない部分、つまり薬代なぞは約二〇%だと、こういうふうに、ここは見方が違っておるのであります。かりにこれが二〇%だとしますと、八割に乗せますというと一円二十五銭、こういうことになるわけであります。ここはまあその基礎に対しての見方から違っておるわけであります。でありますが、そのワク内ならば処置はいたしてある。それ以上のワクにかりになりますならば、今度は今の保険料などの引き上げをしないで済むようにするためには、またそれなりに財政措置をしなければならぬ、これは私はしなければならぬことだと思うのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 一〇%というのは腰だめの数字だから、医療協議会できめられる。一応やむを得ない処置としてとりあえずああいう……。もう再びないであろうという処置からくるのは、大きく一〇%以上ということだ。だからその処置は、今厚生大臣の言われたように、大蔵大臣は、必要なものはその医療協議会できまれば、財政措置は補正予算とかその他で組むと、七月一日から実施ですからね。医療協議会もそれまでに発足さして、きめなければいかぬのですから、そのときには組むと、こういうことでございますね。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) これはその点の前提がどういうふうなことになりますか、一〇%のワク内にとどまるかどうか、こういうそのいかんによりましての問題でありまして、これはワク内の問題であればもうお話の通りで済むのであります。それは、そのいかんの問題にかかっておるのでありますが、これは今後十分検討して、どういう程度においてどう処置するか、これをさらに十分検討した上で最後的な意見をきめる、こういうことになるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、こういう工合に理解していいですね。一応腰だめに一〇%であったが、ああいうあっせんとか、まあ妥結の経過があって、医療協議会で純粋な意味から適切な医療単価が、医療費の値上げがきまる。そのきまったときには、厚生大臣の言をいえば、患者とか保険者に負担はかからない。かからないで、そしてその上げた処理については財政処置は政府が講じる。こういう工合に理解してよろしいですね。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) まだ医療協議会に一ぺんもかけていない問題ですから、それで前にも申し上げたように、予算を組む前に医療協議会の議を経て、これをもとにして組んだものならば、もう医療協議会で変わった意見が出るはずはございませんが、しかし今度はまあ先に、順序を転倒して、予算を組んで、それから医療協議会にかける、こういうことで医療協議会にかけていないのでありますから、そこで論議の結果こういうことが必要である、今の予算では足らないということであるならば、ものの筋道として、これには考慮を払うべきものだと私は思うのであります。なお、この保険者団体に対する財政措置の問題、患者に対する問題で、先ほどもこの引き上げのために新しく保険料を増徴するというようなことはしなくても済むように、今日の予算の範囲内においては考えておるわけでありまするが、同じようにこれは考えなければならぬ。ただ、患者負担の問題であります。患者負担の問題は、これもでき得べくんば軽減をしたいわけでありますけれども、ただこれも、前にも申し上げましたが、たとえば国保ならば五割給付でもって、五割は患者負担になっている。こういう建前からいたしますならば、患者負担の部分が値上げのために若干ふえましても、この建前のもとにおいてはこれよりやむを得ない。で、ここに対する問題は、むしろ給付率そのものを、前提になる給付率そのものを引き上げる、こういう問題に性格がなってくるだろうと思うのであります。その点は、値上げの問題と別個にも、一つの大きな研究課題でありまして、値上げのあるなしだけではなしに、それとは別個にも、給付率の問題は大いに検討しなきゃならぬ問題であるのであります。これはそういうふうに考えていくべきものだと、患者負担の点は思うのであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 そうすると、だんだんわかって参りましたが、保険料は引き上げず財政処置をする、患者負担の問題は、給付率を引き上げて、負担減を行なうということで、今度のこの問題からくる被保険者に関する問題は、政府が財政処置をする、こういうことに考えていいですね。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 給付率の引き上げの点は、これは別個それ自身の問題としても大いに検討しなきゃならぬと、こういうふうに申し上げておるわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 まあ、これ以上やっても何ですから、私は被保険者、患者の負担というものは、社会保障を大幅にやっていこう、医療保障は、日本がこれから完全なものにしていくというかまえの中で、そういう格好で内容をうんとよくしていかなきゃいかぬのでありますから、そういうものは政府が処置すべきものであると、私はこれだけ申し上げておきます。  それから次の問題は、もう時間がないのですが、ILOの八十七号の批准の問題でございます。池田総理は、今週八十七号の批准を出すということをおっしゃっております。石田労働大臣も、今週その批准の手続をとる、こういう工合におっしゃったと思いますが、間違いありませんね。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今週出せるように渾身の努力をいたしますと、こう言っておるのでございます。労働大臣も、そういうふうに答えております。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 私も、同様のお答えをいたしております。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 石田労働大臣の先ほど言われたのは、今週出すということじゃなかったのですか。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) 今週提出したいと思って、鋭意努力中でありますと申し上げたわけであります。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 八十七号の批准というのは、これはILOの理事会や、結社の自由委員会、その他でも、非常に論議をされてきた問題であります。ILOの幾つかの条約の中で、結社の自由と団結権の擁護というのは、ILOの精神からいって、一番初歩の問題ですね。私は、ILOの概念をここでやると長くなりますから申し上げませんけれども、これは批准する、せぬの問題でなしに、ほとんどの国が実施している、団結権の擁護、結社の自由ということは、やっているものです。まあ、しかしこれは、ここで論議する問題ではありませんが、それに差しさわるものは、公労法の四条三項と地公労法の五条三項でありますから、これだけ取って批准するというのが、一番すなおな姿ではないかと思っているのですが、いろいろと、何か政府の内輪では、あれもせい、これもせいという工合に、せっかくILOというものが進んできて、今日の世界の労働者の非常に重要な役割をもって果たしてきたILO条約なんですけれども、それが何か今度、八十七号批准をめぐって、利用してと言うたら、言い過ぎかもわかりませんけれども、便乗して、いろいろの国内の改悪法案を出すやに聞き及ぶ、これはまことにもって、けしからぬ話だと思っているのです。国際労働機構の理事会では、この五月一ぱいに日本の政府が、この批准をするものだということを期待しているようだし、またしてもらいたいという強い要請もしているようだと思うのですが、今、この批准をめぐって、いろいろの、もろもろの問題を出してやろうという準備をされているというのは、ほんとうにこれは私たちとしては了解がしにくい問題だと思うのです。必要な処置としては、公労法の四条三項と地公労法の五条三項を取ってそれで批准をする、こういうことが、最もILOの常任理事国としての日本なら、もっともな処置だと私は思う。労働大臣どうです、これは。

石田博英自由民主党労働大臣

○国務大臣(石田博英君) ILO八十七号条約の持っておる精神及びその内容は、私は、ILOの基礎的な条約であると考えをいたしておりまするし、現在、共産主義国あるいはその他全体主義国は、これは別といたしまして、いわゆる自由主義国では、この建前が大部分貫かれておるものと理解をいたしております。  で、これを批准いたしますための関係法案でございますが、この関係法案につきましては、先般、私が前回労働省におりまするときに、労働問題懇談会に諮問をいたしました結果が、三十四年の二月に答申になりました。そのときは、ILOの八十七号条約は批准すべきものだと、しかしそれに伴って諸般の関係法案は整理すべきものだ、と同時に労使双方とも、日本の国法を守るという建前を確立すべきものだという趣旨の答申がございました。  その答申を尊重いたしまして、前内閣は国内法の調整に当たったのでありますが、その国内法という範囲の問題でございます。目下、その調整中でありますから、一々の議論は、法案を提出したときに譲りたいと思うのでありますが、公労法が制定されて四条三項あるいは地公労法五条三項がきめられましたときの要件、あるいはその基礎をあるいはそれの要求した点というようなものを、条約批准後におきましても、公衆の利益を守るという建前から、確保いたしますために、またさらに申しますならば、この条約自身が労使関係のあり方を規定いたしましたものでございますだけに、特に公務員関係における労使関係というものの基準を明確にいたしますということも、国内法の中に含まれるものと私どもは了解をいたしまして、その範囲を調整中でございます。  私どもは便乗というような批判を受けることのないように、鋭意努力をいたしたいと存じておる次第でございます。

藤田藤太郎日本社会党

○藤田藤太郎君 私は、そういうものの考え方というのは、非常にILOの精神から離れていると思うのです。一九一九年にできたこのILO機構が、戦争が終わる前の年の一九四四年のフィラデルフィアのあの宣言を見てみても、私は最もあの宣言というものが、ILOの機構を大要、精神を訴えているものだと思う。そういう面からいって、今日本が、この結社の自由、団結権の擁護という最低の基礎になる条約をやるのに、今日、私たちはいろいろ先ほどから雇用や有効需要の問題で議論をして参りました。国民が、近代化生活の中に生きていこうというところに議論をして参りました。だから、そういうものを、より推進するのに、やっぱりILOの私はこの国際労働機構というものが、重要な役割りを新しい世界の人類の生活に果たすものだと私は思っている。  そういう意味からいって、この八十七号結社の自由、団結権の擁護というものについて、それに今日まで労働運動その他を縛ってきた問題を、この条約を批准するからといって、それに置きかえて国内法を改悪するなんというようなことは、もってのほかだと私は思います。いずれ、こういう、この議論については大いにする機会があると思いますけれども、もっとあらゆる面からILOというものを、常任理事国である政府というものが十分に見つめて、そうして配慮されんことを特に要望いたします。時間がありませんから、もうやりとうてもやれぬ。終わります。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 小柳君。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 時間も非常に差し迫りましたので、できるだけ簡単に質問いたします。  所得倍増の達成の実現のためには、これを妨げるところの、いろいろの災害を予防いたしまして、その被害を軽減するということは、きわあて大切のことと思うのでございます。災害のうちには、原因が人為的であって、従ってその予防も人為的でできるものがあるのでございますが、その最も大きいものは火災であると思うのでございます。  火災は近年わが国におきましては、いかなる理由か知りませんが、人口の増加に比例して、ますます多くなる傾向でございます。これを三十四年の統計に見まするというと、実に三万六千九百十三件に上ぼっております。損害額は二百八億三百四十万円ということになっておるのであります。しかも近年の火災の特徴として、人命に大きな損傷を与えることが多いのでございまして、火災の直接間接の被害を考えましたならば、実に莫大の損害を、われわれに与えておると思うのでございます。しかもどういうことか官庁の建物が非常に率が多いので、しかもそのうちでも、学校の焼失が多いということは、われわれとしては、まことに遺憾にたえないのでございまするが、それはそれといたしまして、この所得倍増を達成するには、どうしても、この問題を解決するの必要があると思うのでございます。  でありまするから、政府は、所得倍増を達成するために、いわば所得倍増、火災半減というような主唱のもとに、火災の消防に十分力を尽くすことが大切であるのではないかと思うのであります。消防は、単に火災だけではなく、一切の災害につきまして、その力を発揮するのでありまするから、実に、これは所得倍増に非常に関係が多いのでありまして、これによりまして、経済成長を助けることが多大であると思うのでございます。  もちろん、この消防ということは、単に消防の働きだけではなく、あるいは交通なり、警察なり、あるいはまた水道、都市計画、あるいはまた社会教育という方面にも関係あるのでありまするから、政府はこの際、所得倍増の国策達成のため、各方面に連絡を密接にいたしまして、消防力の増強に努むべきであると思うのでありまするが、総理大臣の御所見を承りたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 災害、ことに火災によります被害が、年々増加しておることはお話の通りでございます。その原因を見ますると、おおむね失火が大部分でございます。まず私は、失火を防ぐようにすることが第一でございます。そしてその次には、火災が起こった場合に、これを早く消しとめるということであろうと思います。  従いまして十数年来、この消防に対しましての国の施策は、相当毎年やってきておると思うのであります。ことに消防団員の方々の待遇につきましては、非常に議論もあるのでございます。ほとんど無報酬に近い状態でありますので、何とか、これは解決しなきゃならぬという気持を持っております。最近、ほんの心持ぐらいな予算を組んだのではないかと考えております。そして消防隊の方々の御努力を願うこともちろんでありますが、やっぱり警察との連絡その他施設全般にわたって……、道路ももちろんでございます。こういうことにつきましては、わが国のように可燃質の家屋の多い国におきましては、特に、これを気をつけなければならないことだと思っております。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 今、総理の言われるように、漸次わが国の消防力の増強につきましては、それぞれ手を尽しておりますけれども、諸外国の例を見ますというと、消防の経費は、大体その予算の一〇%程度のものが普通でございまするが、わが国におきましては、漸次増加はしておるとは申しながら、三・七%にすぎない状況でありまするから、これらの点につきましても、なお将来一そう考慮を要すると思うのでありまするが、ことに昨年の八月の消防審議会の答申によりますところの装備等につきましては、実はその半分以下であるという現状でございます。消防研究所におきましては、最新の学理に基づきまして、それぞれ研究をしております。特にこの人命救助の問題であるとか、あるいは高層建築の問題であるとか、特にまた日本の家屋について、いろいろ研究しておりまするが、設備が非常に不十分でありまして、その目的を達成するには、前途なお遼遠であると思うのでございます。  こういうような状況では、まことに心細いと思うのでありまするが、これらの点につきまして、自治大臣の御所見を承りたいと思います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話の通り、消防の機構拡充は非常に重要なことだと思っております。自治省ができました際、消防も、その内部へ包含いたしまして、政府としても、今後大いに力を入れてやろうと思っておりますが、御承知のような現在の消防組織法は、いわゆる都道府県市町村を中心の自治体消防に徹しておりまして、今日の、直ちに消防庁あるいは消防長官をもって、全国的ないろいろな指揮命令をやる措置というものは、非常にできにくい状況にあります。  従いまして、消防庁としまして、あるいは政府といたしましては、消防全体に対する企画を検討する、あるいは施設の充実等に対するでき得る限りの補助等をやることによって、今の機能を達しようとしている次第であります。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 わが国の消防団は、長い伝統があるのでありまして、しかも民主的に発達して参ったのであります。相当各方面に根強い力を持っておりますので、これを等閑に付しては、消防力の増強ということは困難でございます。ことに最近在郷軍人会というものもなくなり、また青年団のあり方も違っておりまするので、地方におきまして、団体的な規律をもって、災害の際に行動するものは、消防団のほかにないと思うのでございます。  私どもは、先般雪害対策のために、状況視察に参りまして、消防団の活動を身近に見聞いたしまして、特にその感を深くいたしたのであります。もちろん消防団には、なお大いに改善すべきものも多々あると思いまするが、かくのごとき趣旨のもとに、かくのごとき地位にあるということを考えまして、その内容を改善して、有為なる青年をできるだけ多く消防団に入れると同時に、奉公犠牲の精神を涵養し、さらにまた規律ある団体行動の訓練をさせるということは、単に消防だけではなく、自治の訓練にも、あるいは地方の振興にも役立つと思うのでありまして、この点につきましては、一段とその力を入れなければならぬと、私は現状を見て確信をしている次第でありますが、この点につきまして、総理の御所見を承りたいと思います。(「新門辰五郎……」と呼ぶ者あり)

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) まことに同感でございまして、私も数十年来の伝統を持ち、しかも地方自治の間にありまして、中堅的団体であるということは、よく存じているのであります。  従いまして、今後も単なる消防ということでなしに、地方自治の振興とかあるいは町村内の融和とか、こういう消防以外の、やはり精神的部面におきましての活動を見まして、私は、この消防等の助成につきましては、十分意を用いたいと思います。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 ただいま自治大臣からも答弁があったのでありまするが、わが国の消防の系統は、いわゆる自治体消防でございます。従って中央の指令が直ちにそこに達し符ないということは、消防組織法の十九条に明記してあるのであります。また実際の行動につきましては警察との関係が密接でありまするが、その警察と消防の関係につきましては、消防組織法の二十四条に協力するということを規定し、場合によっては協定すべしと書いてありまするけれども、その協定がうまくいかなかった場合にどうするのか、協定ができなかった場合にどうするのか、そういうような点についてははっきりしておりません。これは現場において非常の機宜の措置をとる際にはきわめて支障が多いと思いまするが、かつてこの消防は警察とともに内務省に属し、また昨年までは同じく公安委員のもとにあった関係上、人的の連絡はあったのでありまするが、今度自治省ができましたこと等を考えますると、将来はこの点について十分に留意しなければならぬのであります。現に現場におきましては、警察と消防とのデリケートないろいろな関係が起こっておるということを聞いております。ことに中央の指令が今申しまするように地方に及ばぬということを考えますると、たとえば警察におきましていわゆる緊急事態を布告するような場合におきましては、きわめて困難なる問題に遭遇すると思うのでございます。従って警察と消防との関係については一段と考慮を要するものと思うのでありまするが、この点につきましてあらためて自治大臣にお伺いをいたします。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 警察と消防の有機的な関連は非常に御指摘の通り大事であると存じます。警察と消防の間に非常事態の際の協力関係を一応取りきめてはございまするが、なるほど具体的な運営面においてまだ不十分な点のあることもわれわれも承知いたしておりまして、この点につきましては十分今後も検討をいたしていきたいと思っております。しかし何分先ほど御指摘のように消防自体は完全なる自治体消防でございます。警察は非常事態には、国家公安委員会の勧告によっては総理大臣の直接の指揮命令を受ける、というような全国組織になっております。こういった組織上の違いといったようなものにつきましても、今後大いに研究を要するものであろうと考えておる次第でございます。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 日本は災害の非常な多い国でありまするが、しかるに災害に関する行政法規というものは非常に不十分であると思うのであります。先ほども同僚から質問がありましたが、昨年の十一月に行政審議会長の答申によって、この点を指摘し、勧告をしておる次第でありまするが、それはどういうふうに取り運んでおりますか。広域にわたるところの災害、ことに首都がこの災害に襲われたということを考えますると、実に容易ならぬ問題があると思うのでございます。かつて関東大震災の際はその苦杯をなめたのでありまするが、当時におきましては緊急勅令なりあるいは戒厳令の制度がありましたが、今日におきましては主として警察法の七十一条の緊急事態宣告によって処理するほかないと思うのでありまするが、この法の建前から申しましても、警察以外いろいろの法の連絡というものが十分に明記してないのであります。それでありまするから一朝、事あった場合には、実に容易ならぬ問題を引き起こすと思うのであります。それでありまするからあらかじめこれらのことについては綿密な計画を立てる用意をしておらなければならぬと思うのであります。従って今の審議会の答申の、あるいは消防会議とかあるいはまた基本法の制定、こういうようなものがどんなふうになっておりまするか。一日も早くこれは決定しなければならぬと思うのであります。ことにこれは関係するところがきわめて広いのでありまするから、当然各官庁におきましては権限の問題で相当もつれると思うのでありまして、これはどうしても総理大臣におきまして十分な決意をもってその実現をはかるようにしなければならぬと思うのであります。自分のことを申し上げて非常に恐縮でありまするが、私はかつて関東大震災にあい、しかも臨時震災救護事務局に職を奉じたということを考え、その当時を振り返り現在の東京のこの状態を見ますると、肌にあわを生ずる感なきを得ないのであります。そういうような立場におきまして私はこの際政府にこの点を要望し、そうして十分慎重な計画を立てられることを要望するということは、自分の義務でもあると考えまして、あえて質問をする次第でございます、総理に。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 旧憲法時代とは違いまして、いろいろ昔のような考え方でいったならば足らない点があると思います。非常事態に対しましての規定はございまするが、なお今後十分いろいろな事態を想像いたしまして検討を加えたいと思います。

小柳牧衞自由民主党

○小柳牧衞君 私の質問を終わります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 以上をもって総括質疑は終了いたしました。明日は午前十時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後九時十七分散会

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