予算委員会 第12号
- 発言数
- 334 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1961/03/11
会議録
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。 昭和三十六年度一般会計予算、昭和三十六年度特別会計予算、昭和三十六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 質疑を続けます。辻政信君。
○辻政信君 昭和三十六年度予算案を拝見いたしますと、所得倍増を政治目標となさるだけありまして、物を作る面の予算はふんだんに取られております。しかし、人を養う面において、どれだけの熱意をお持ちであるかどうか、私はこの見地から関係大臣の所信をただしたいと思います。 まず最初に、文部大臣に池田内閣の文教の基本政策を承りたいのでありますが、まだ御出席になっておらぬようであります。委員長……。
○委員長(館哲二君) 直ちに、今出席をするようにします。
○辻政信君 じゃ荒木文部大臣に、最初に池田内閣の文教に関する基本方針を承りたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。先般池田第二次内閣成立と同時に、三十六年度の予算について根本の考え方を打ち出すにあたりまして、文教関係につきましても数本の柱を立てて、それにウエートを置いて当面の文教政策の方向づけをしたいということで、党とも相談をいたして決定をしてもらったわけであります。そのときに、それぞれの、たとえば科学技術教育の振興だあるいは教育の機会均等を決定するという事柄以前に、一体どういう目標をもって進むべきかということを前置きに書きまして、国民に訴えた次第でございます。そのことを繰り返し申し上げた方が適当かと思いますので、簡単に申し上げます。 それは、教育の根本方針としては、子供たちに、国を愛してしかも高い人格と識見を身につけた人間形成を目ざす、そのことは同時に世界の諸民族からも信頼と敬愛をかち得るに値することを目標にすべきだ、国を愛すると申しますと、ともすれば保守反動だ、戦争につながるなどという愚かしい批評も出てくるおそれもございますから、それを払拭する意味において申しておりますことは、国を愛するということは、いろいろな表現の仕方がございましょうけれども、少なくともわが日本民族のおい立ちを知り、長所、欠点を知り、そうして現に諸外国民から、勤勉な、正直な働き者だと言われて敬愛されていることは事実だと思いますが、その民族の一人であることを明確に意識し、よって来たるところも十分に考え合わせて、前向きに、よりよき民族たらんとする意欲を持たせる、さらには、わが国土の長所、短所も十分に教え込む、そうしてこれまた悪い点があればよくする、いい点はもっと伸ばしていくというがごとき、前向きの姿勢で、次の世代にバトンを渡すに値する人間として育成していく、さらにまた、われわれの周囲に、現にもろもろのかおり高い文化を持っているわけですが、それに取り巻かれているわけですけれども、そのまた文化のよって来たるところも明確に子供たちに知ってもらい、さらに自分たちの努力を積み重ねて、よりよき日本の文化育成のために努力してもらう、そういう認識を持つことが、国を愛する少なくともスタート・ラインだ、そういうことを考え合わせて、当初申し上げましたような目標を一応定めて努力していきたい、かように考えておる次第でございます。
○辻政信君 大へん御丁寧に御説明ありましたが、要約いたしますというと、この基本方針は、池田総理が施政方針で述べられておることに尽きておるのであります。その施政方針には、「すべての施策の前提としては、国民が祖国愛と良識に基づく共同生活の秩序を重んずること」であり、「文教の基本は、わが民族と国土と文化を愛し、高い人格と良識を持ち、国際的にも信頼と尊敬を受ける国民を育成することである」と述べられております。歴代内閣になかったことであります。おそらく池田さんが初めて施政方針で祖国愛という言葉を公にお使いになったのじゃないかと思います。従いまして、三十六年度の文教予算におきましては、ただいまの方針が具体的に盛られておるだろうと信じますが、前年度に比較して、どのくらい増加なさったか、その増加した額を目的別に分析をして、有形的な設備にどのくらい、無形的な教育内容にどのくらい、人件費にどのくらい増加なさったか、目的別に増加額をお示し願いたいのであります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 辻さんのお示しの無形、有形の区別がちょっと新機軸でございまして、にわかに集計して、金額的に申し上げかねるのでございますが、しかし、要すれば、どうしても何とか数字を示せとおっしゃれば、政府委員からお答えすることをお許しいただきたいと思いますが、先刻申し上げました、また御指摘の通り、池田総理の施政方針演説に現われております方向づけに対しまして考えるべきことは、第一は教育の内容であろうと思います。ことにがんぜない義務教育課程における児童、生徒に対する教育内容、就いては高等学校の生徒に対する教育内容、これが一番重大だと思われますが、この点につきましては、新教育課程が、多数の権威者によって審議されました結論が出ておりまして、その目標は、第一に科学技術教育を、もっと子供のときから身につけさせる、受け入れ態勢を整える意味において、じっくりと教え込んだらよかろう。従って、小学校、中学校におきましても、特にその配意がなされまして、小学校では、ことしから新しい教科書に基づいて、今申し上げたような科学技術教育の徹底化をはかりたい、こういうことになっております。同時に、あわせまして地理、歴史の課程が、単に社会科の中の一部としてたまたま教えられるという従来のやり方では、日本の国土がいかなるものであるかがよくわからない。また民族のおい立ち、長所、短所も、日本歴史として教えるのでなければ、みっちりといかないということも含んでおるわけでございまして、あわせてまた道徳教育は、終戦の年にGHQに禁止せられまして以来、日本地理、日本歴史と同様、義務教育課程において教えないままにきておったのでありますが、一昨年の秋から道徳教育を小、中学校では始めるということになりまして今日に至っております。この道徳教育の面につきましても、新教育課程においては特に重点を置いていこう、高等学校の生徒に対しましても、一両年おくれますけれども、倫理の課程を特に設けまして、よしあしの判断を教え込んでいこう、こういうことが新教育課程の概念的なねらいでございますが、これを実施するにつきましては、具体的に予算上どれだけの金が切り盛りされておるということは、はじき出すことが困難でありますが、しかし、そのための金額としては、さして申し上げるほどのことはないと思います。すなわち教育内容が第一。第二には、教える先生の側の心がまえが、これが大切でありましょうし、また、新教育課程に対する正確な認識と忠実なこれが実行が必要だろうかと思います。そのためには、現年度におきましても数回行ないましたが、教師の再教育と申しますか、研修を再三行ないまして、今申し上げたように、教師みずからの姿勢を正し、認識を新たにし、認識を充実するというための研修をやっていこうというので、相当額のこれに必要な経費は、三十六年度予算に盛り込まれておるようなわけであります。大学におきましても、科学技術教育の面から特にそういう点に重点を置いていくという性格づけを、三十六年度予算としては、しておるつもりでございますが、高等学校も同様、特に工業高等学校の設置につきまして、生徒急増対策とあわせまして、約百二十校くらいの工業高校を増設しよう、三十六年度としましては、その四分の一見当しか実行できませんけれども、急増対策と申せば、高等学校におきましては三十八年度からでございますから、前向きに、三十六年度から着手して間に合わせたいということで頭を出しましたのが、約三十校分くらいでございますけれども、三十七年度では、残りの目標の百二十校に達しまするまでのものを切り盛りをしていきたい。そういう構想のもとに、一応三十六年度予算として考えておるわけでありますが、繰り返し申し上げますが、御指摘の無形的な予算ないしは有形的な予算と区別をして、金額を明確に示してみろという仰せに対しましては、私だけとしましては、今即座にお答えしかねますので、要すれば政府委員からまた補足的に申し上げさせます。
○辻政信君 じゃ政府委員から……。
○政府委員(内藤誉三郎君) お答えいたします。 有形無形の定義の仕方が、実は大へんむずかしいと思うのでございますが、文部省の本年度予算の昨年対比二百七十五億一千九百万になっているわけでございます。そのうち人件費の増が百六十一億四千万、それ以外は、いわゆる物件費に相当するものでございます。物件費の中で、有形的と見られる施設設備の点を申しますと、一般予算で三十一億三千三百万、それから国立学校の設備及びその他の運営費で六十七億六千五百万、そのほかに育英会費とか、あるいは準保護児童の対策費とか、そういう関係の経費を無形的と申しますれば、これが十二億七千二百万の増になっているわけでございます。
○辻政信君 大へんむずかしい御質問を申し上げて恐縮でありますが、ただいまお答えになった通り、増加額の大半と申しますか、百六十一億円が職員と先生の俸給の値上がり、それから建築施設その他に前年度の補正予算を加えますというと、私の計算じゃ六十一億、それから国立学校に六十八億、その他の目に見えない教育内容というものを広範囲に集めましても十二億であります。でありますから、大体三百億近くの増の中で、わずかに四%がこの無形的方面に向けられて、大半が職員の給与改善に充てられておる。小さい問題になりますが、教科用図書編修費とか、あるいは文教施策普及指導費、あるいは教育統計調査費、こういうものは前年度よりも減額されておるのであります、今度の予算では。でありますから、先ほど大臣がおっしゃったように、どうもものに偏して、目に見える予算は思い切って取られておるが、目に見えないものがはねられておるというような感じを受けるのですが、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この文教関係で一番金がかさみますのは、申し上げるまでもなく教育施設ないしはその中身の設備、これが一番金がかかります。同時に、教える学校の先生の人件費というものがこれがまた大事でもありますし、金額もかさむわけでございます。そのほかの、先ほど来御指摘のようなことにつきましては、国がなしますための財政支出というのは、比較的少なくて済む。まあ本質的な結果が今御指摘のような比較になって現われることと思います。ですから、このことは金額の多少だけでは判定し得たい。何をいかなる方針で、いかなる効果をねらってやるか、やりつつあるかいなかということにかかるかと思うわけでございまして、あえて抗弁するわけじゃございませんけれども、御指摘のような点には比較的金がかからないで、しかも効果の上がる方法がある。また教科書の経費にいたしましても、先刻来申し上げました通り、新教育課程指導要領に即応しての新しい教科書の編さんにつきましては、今までは、わずかではありましても比較的多くの経費が要りましたが、今後に対しましては、それがまた漸減していく性質を持っているわけでございます。まあそういうふうに一つ御理解いただくとありがたいと思います。 —————————————
○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。 本日塩見俊二君、井川伊平君、高橋進太郎君及び下村定君が辞任されまして、その補欠として、後藤義隆君、小幡治和君、泉山三六君及び一松定吉君が選任されました。 —————————————
○辻政信君 植木法務大臣にお伺いしますが、最近五年間における少年犯罪件数の増加傾向、これを数字についてお示し願いたい。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。 最近におきましての少年犯罪の趨勢は、別途資料でも差し上げておりますが、ここで簡単にその内容を御説明申し上げますと、非常に増加の趨勢にあるのであります。まことに遺憾にたえません。罪種別に見ますというと、大分けにしまして、刑法犯と刑法以外の特別法犯とに分けて申し上げますと、まず刑法犯全体といたしましては、昭和二十七年と昭和三十四年とを比べてみますというと、二割八分くらいの増加に相なっております。その中身で特に増加のはなはだしいのは恐喝でありまして、これが昭和二十七年と三十四年と比べますと四倍六分というような、すごい増加になっておるのであります。また強制わいせつ、強姦、強姦致傷といったような性犯罪の面におきましては二倍六分と相なっております。これらが特に刑法犯の中でも増加の傾向が著しいものであります。 またもう一つ、ややそれよりも増加の趨勢は少ないのでありますが、傷害及び傷害致死というものが、これが二倍三分というような増加でありまして、性犯罪、粗暴犯といったようなものが青少年の間に非常に増加の勢いにあることを残念に思うのであります。 特別法犯、これはまあ自動車、交通取締法等の違反その他の特別法でありますが、これまた非常な増加でありまして、昭和二十七年当時に比べますと昭和三十四年は八倍四分になっておる、こういうような姿になっておりまして、まことに遺憾にたえません。
○辻政信君 お出しになった資料から私が計算してみますというと、二十才未満の少年の犯罪件数は昭和三十年に九万七千件、それから漸増しまして三十四年には十四万件、こうなっております。この調子でいきますというと、今後五年間におそらく二十万件をこえるのじゃないか。所得倍増にちょうど並行いたしまして少年犯罪の倍増するこの傾向の世相の原因はどこにあると植木法務大臣、荒木文部大臣はお考えになっているか。
○国務大臣(植木庚子郎君) 青少年犯罪の増加の原因、そのよって来たるところは非常にこれは広範多岐にわたると思います。もちろん基本的には戦後一般の社会風潮の問題も影響がございましょう。あるいは青少年の教育そのものの問題もございましょう。さらに、よくいろいろ考えてみますというと、家庭の状況、社会の状況、さらにおとなの社会における一般の風潮というようなものも影響がございましょう。こういうようないろいろな問題があろうと思われますので、直ちにこの点、この点の一、二をあげて、それだけがこうした増加の原因と言えないかと思うのであります。ことに戦後における青少年犯罪あるいは一般の犯罪にいたしましても、各国ともに増加の趨勢にあることは御承知の通りでございまして、わが国の場合もその一般的の例に漏れないという部分も確かにあろうかと考える次第でございます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。 青少年犯罪が、ことにティーン・エイジャーの犯罪が近来非常に多くなっておることは御指摘の通りであり、その原因につきましては法務大臣から申し上げましたことで大要を尽くしていると思いますが、私も青少年犯罪、特に二十才そこそこまでの年輩の者の犯罪が、件数も多くなっているということを遺憾に思いますが、結局これらの年令層の青少年を見てみますれば、小学校、中学校、高等学校等、毎日々々の時間の大半を学校生活で費やしてきた人々であると言い得ると思います。まあそういう時間的な関係から申しましても、教育の場において十分の教育が行なわれていなかったのではないかと、一応顧みる必要があろうかと思うのでありまして、そういう観点から考えますると、終戦後新しい教育課程が発足をいたしまして、また新しく民主憲法が生まれまして、民主教育と称するものがスタートを切った。その初年度、昭和二十一年において、二十二年から発足をするためのいなかの自治体の六・三制予算を組んだことが私ございますが、そのころを私思い起こしてみますると、ひとり学校の先生のみならず、自治体の理事者はもちろんのこと、あるいは政府みずからもデモクラシーとは何ぞやということがよくわからぬままに民主教育がスタートしたと思います。国民一般はもちろんであった。しかし、よくぞまあ私は六・三制、あるいは六・三・三あるいは大学教育等が今日まで育ってきたと、関係者の努力を私は感謝する気持で一ぱいでございますが、そういう経過を経ておりますがゆえに、一体、子供たちに対して何がいいか悪いかを、自信を持って教え得る人は、戦後数年はなかったと思います。おまけに昭和二十年の十二月にマッカーサー司令部からの命令が出まして、義務教育課程における日本歴史、日本地理の教育を禁止した、修身、道徳教育というものをやることを許さなかった。その言明のまにまに、先刻も申し上げました通り、道徳教育はおととしの九月ようやく始めるに至った。日本地理、日本歴史というものは今日までどこでも教わらない、地球儀をひねくり回して、ここに日本があるというような、それに尾ひれをつける程度の教育でしがなかったというふうに承知しておりますが、そういうことからいたしまして、子供たちは少なくとも学校では何がいいか悪いかのものさしは明確に与えられないままに社会に放り出されて今日に至っておる。こう申しても私は過言でないと思うのであります。非常に私は今のティーン・エイジャーに申しわけないような気持ちがいたします。ようやくおくれながら一昨年からの道徳教育の開始、さらに新教育課程に基づいて、もっとみっちり子供本位に、子供の幸福のためにそのことが行なわれる段取りになっておりますことを喜ぶ次第でございますが、従って、青少年の犯罪の私は相当の重要な原因がそこに胚胎しているのではないかをおそれる者でございます。さらに、それにかてて加えて、教師の側にも私は責任があると思います。終戦以来今日まで、枚挙にいとまのない教師の団体の集団暴力その他の行動は、感じやすい子供たちに少なからざる悪影響を与えた。共産党ばりの悪法は法にあらず式の言動ないしは行動、そういうことが子供たちに右であれ、左であれ、何でもやってよろしいというがごとき野放図の気持ちを私は知らず知らず植え付けたのではないかをおそれる一人であります。 そういう意味で、先刻もお答えを申し上げた通り、教師もみずから自粛をしていただくと同時に、教育課程の研修についても実を入れていただくことによって、教育の場において青少年の今後におけるいまわしい犯罪が一件でも少なくなるように御協力を願いたい、かように思っておるわけでございます。同時に、子供たちが社会に出まして、受け入れた社会の環境はどうだというならば、これは私が申し上げるまでもなく、あらゆる青少年に目の毒であり、あるいは物の判断を誤らせるがごとき事態が待ちかまえておる。これも私はそれぞれの関係者が良心的に子供のために反省をすべきものと思います。さらに、子供たちは学校教育以外はティーン・エイジャーであれば家庭教育に待つところが多かろうと思います。これまた終戦以来のぼう然自失した、端的に申し上げれば、おとなが自信を喪失して、子供に対するあたたかい親切気をもってのアドヴァイザーたるの資格と自信を喪失して今日に至っておる。これまた私は過言ではないと思いますが、このこともまた子供たちをして不幸に陥れた相当の原因であったろうと想像するのであります。おとながもっと責任を持ち、反省し、かつ子供に対するあたたかい気持ちをかき立てて、一年でも五年でも先に生まれた者が、よかれあしかれ人生体験を踏んでいるのですから、失敗したことは失敗したことに基づいて、成功したことは成功したことに立脚して、子供たちにアドヴァイスする資格と責任があると思いますが、特に家庭において親兄弟ががんぜない子供に対する今申し上げた角度からの真剣な協力が足りなかったということは指摘できると思います。それらのことが原因、結果となって、不幸にして青少年の犯罪を御指摘になったような増加の傾向をたどらせておると思うのでございまして、返す返すも残念に思います。あらゆる対策を一日も早く真剣に打ち立てて、子供たちの幸福をくつがえさないような努力をすべきものと心得ます。
○岩間正男君 議事進行。
○辻政信君 文部大臣にこのような自信とそれから良心的な情熱、それだけのものをお持ちならば、なぜ間違った日教組の幹部連中を呼んで、ほんとうにひざを突き合わせて、先輩として、大臣として、なぜ説得なさらないのか、これを伺います。(「委員長、答弁の前に、議事進行の発言があったならば、一応取り上げるのが順当じゃありませんか」と呼ぶ者あり)
○委員長(館哲二君) 今、岩間君から発言要求がありましたから……。
○岩間正男君 今の文相発言に対しまして、聞き捨てならない一言がある。それは教師の側に集団暴行がたびたび行なわれた、こういうことである。さらにまた、共産党ばりの云々ということです。いかにも共産党が暴力団体であるという発言がありました。これは天下の公党に対する非常な侮辱である。こういうことは閣僚のしかも文教の府にある責任者の言として、国会の中で発言されることは私は了承できないものであります。こういうことについては取り消しをはっきりこれはすべきだと思う。取り消しを要求します。この点について、ぜひこれは委員長において取り計らっていただきたい。こういうようなぶざまなことではだめです。
○委員長(館哲二君) 文部大臣。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。先ほど申し上げた通りに、考えるならば、日教組の代表者と会って説得したらどうだという御忠言をいただいたと思いますが、私は日教組という集団の代表者とお目にかかることは、団体交渉の意味ならば法律違反であり、また事実問題として会うということも無意味である。さらに私は弊害があるとかように考えて、お目にかからないのであります。それは相手が子供であれば会ってもいいのですけれども、常識あるべき五十万と称せられる教職員の集団の代表者である限りは、私は子供ではないと思う。子供ではない人々が集まって、そのよって立つ基本を御案内の通り教師の倫理綱領においている。その中に明らかに教師の中立を侵さんとする意図を持ったことが歴然と書かれてある。そういう性格づけの集団の代表者に会って、お示しの通り説得しようにも、私の能力ではできないとあきらめておる。そういうことで、今までお目にかからないできておるわけでありまして、少なくとも今お示しによって会いますことは時期尚早であり、弊害があると心得ております。
○占部秀男君 議事進行。文部大臣に申し上げますが……(発言する者多し)
○委員長(館哲二君) 静かに。
○占部秀男君 先ほど岩間君から議事進行について発言がありましたことについて答弁を……。
○委員長(館哲二君) 文部大臣、答弁はいかがですか。——荒木文部大臣。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) かつての宮城前広場の騒ぎなどを連想いたしまして、つい、そういうことを例に引いたまででございます。宮城前広場の騒ぎがそうでなかったとするならば、取り消さなければならないと思いますが、しかし、教師の集団の名において集団暴行的なものが行なわれたことは、私が申し上げるまでもなく、国民全部が知っておることであります。
○占部秀男君 議事進行。今の岩間君の質問に関連してですが、日教組あるいは教育の職員団体が宮城前広場で大騒ぎをしてなぐり合いのけんかやいろいろな暴行ざたをしたということは、寡聞にして私は聞かないのであります。そういうような事実がいつ、どこで、何時に行なわれたかということをはっきりと一つしてもらいたいということが第一点。 それから第二点としては、いま、文部大臣の答弁の中で、日教組と会わない理由の中に、会うことが法律違反である、こういうことを一つの例としてはっきりと言われておるわけであります。日本の法律の中に、職員団体の連合体と会うことが法律違反である、こういうふうに規定しておる法律がどこにあるか、私は寡聞にして聞かない。おそらく日教組の問題は地方公務員法に関連する問題であろうと思うが、地方公務員法は、連合体の代表とそして当局者とが会うことを決して禁止はしていない。会ってもいいということになっておる。その点もはっきりとどういうところにそれがあるか、私は一つ明らかにしてもらいたい。
○阿具根登君 ちょっと今の点について。舌足らずがありますから、私から補足いたしますが、荒木文部大臣が言われました宮城前ということは、これはもう十年くらいになると思うのですが、宮城前のメーデーのことを指しておられると思うのです。これは現在公訴中でございます。そうすると、それを例に引かれて、日教組が集団暴力で法を認めないというようなことをやったということになれば、その結論が出ておらない出ておるは別として、それと同じようなことを日教組がやったかどうかという問題が問題になってくるわけなんです。 もう一つは、まだ裁判の決定が出ておらないのに、これが集団暴力だというきめつけが正しいのかどうか。二つの点が出てくると思うので、今の問題につけ加えて御質問申し上げます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 日教組という団体に団体交渉の意味において交渉相手になることは法律制度上許されざることであります。教職員の団体は地方分権制度のもとに基本的な方向づけをいたしております日本におきましては、都道府県市町村の教育委員会と団体交渉をするのだということに制度上きまっておることは御案内の通りであります。それをさしおいて中央交渉と称する団体交渉の相手方たる資格は双方にないのは御案内のごとくであります。ですから、言うがごとき団体交渉の相手になることは地方分権の建前による団体交渉制度を乱る意味において法律に違反する、こう心得ておると申し上げたのであります。事実上会うか会わないかとなりますと、これは日教組の幹部も文部大臣もお互いに自由であろうと思います。自由であるがゆえに、今、辻さんから会ったらどうだとおっしゃいますが、そのことは事実問題だと思います。その事実行為として会う会わないは、私の判断によれば適当でない、むしろ今としては私は有害だと心得る、こう申し上げた次第であります。日教組が団体的に終夜つるし上げをしたとか、あるいはカン詰にして暴力ざたに及んだということは、あえて今例に申し上げるまでもなく、新聞を引っくり返せば幾らでも出てきます。その結果に基づいて行政処分を受けた人々もあります。刑事事件に係属しているものも数件あります。最終審まではまだ行っていないと承知しますけれども、少なくとも暴力行為ありとして行政処分を受けた例は幾多ございます。そういうことを抽象的に申し上げたのが先刻の御答弁でございます。
○占部秀男君 宮城前の広場の問題は、はっきりしなければだめじゃないか、委員長どうですか。
○委員長(館哲二君) 今の占部君の質問に対しまして、文部大臣からお答えありますか。
○占部秀男君 今の法律解釈でもまるきり違うじゃないか、条文の解釈と。そんなばかな文部大臣でどうするのか。法律違反なんて、とんでもない話だ。(「進行々々」と呼ぶ者あり)進行進行と言ったって明らかになっていないじゃないか。
○委員長(館哲二君) 占部君に申しますが、占部君はもう一度さっきの点について御発言を願います。
○占部秀男君 私の言ったことは、第一に、文部大臣は日教組が集団暴力をやっておるから会わないのだということを、会わないという一つの理由にしたわけです。そこで、一体日教組はいつどこで集団暴力をやったか、そういう点をはっきりと聞きたいと思うのです。メーデー事件というけれども、メーデー事件のような宮城前広場のことは日教組がやったのじゃなくて、これはどこのところがやったか私は知りませんけれども、日教組がやったわけじゃない。あれはメーデーのくずれです。これは明らかなことです。そこでその点をはっきりしてもらいたいということが第一点。 それから第二点は、日教組の幹部に会わないということについて、会うことが法律違反である、そこで会わないのだということをもう一つの理由にされた。ところが、職員団体の代表と会うことが法律違反であるというような、そうした法律のきめ方はしていないと私は思う。地方公務員法の五十二条でしたか、一つの各県、市町村で団体ができる、これは組合といいますけれども、職員団体ができる。その職員団体は他の団体と連合体を組織することができる、こういうことになっておる。全国的な連合体を作るということは法で認められておる。連合体を作るということ、すなわち団結をするということは、この地方公務員法の同じ条項の中でうたっておるところのいろいろな、生活その他の問題で交渉することができるということを含んでおる。従って文部大臣は、これに会うか会わないかは文部大臣の考え方で、反動的ならば、会わないと突っ放す場合もあるかもしれませんけれども、会うということ自体が法律違反であるということは出てこないのです。その点を明確にしてもらわないと、今後日教組だけではない、他の団体にも大きく飛び火をする問題ですから、誤りなら誤りでよろしい。私は会いたくないから会わないのだ、これなら私はそのまま引っ込みますけれども、法律違反であるというきめつけ方については、絶対に取り消しをしてもらいたい、この点ははっきりしてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通り、法律上教職員の地方団体が連合体を作ることは認められております。これは憲法に基づく結社の自由権から当然でもあるわけであります。私が法律上そういうことになっていないと申し上げるのは、団体交渉という正式の交渉相手としての資格がお互いないという意味において、正式の団体交渉をやる意味で、会う会わぬということは、教育の基方方針から生まれ出た地方交渉こそ認められておるという制度を乱るものだという意味において申し上げたのであります。そのほかに事実上会うか会わないかという問題があります。それは会いたくないし、会うことが弊害があるから会わない、こう申し上げておるのであります。
○占部秀男君 今、文部大臣がお答えになりましたけれども、国家公務員法と地方公務員法との間に、職員団体すなわち組合が交渉する場合に差はどこにあるかというと、国家公務員は交渉することができると書かれておるだけなんです。ところが地方公務員は、団体として交渉することができると、この中に書いてある。もちろん労働組合法上の団体交渉権はないことはわれわれは知っておる。しかし地方公務員法上の団体交渉権は、従って単位組合にもあれば、連合体にもある。それが今の政府の解釈で院内における答弁でも明らかにそうなっておる。それを文部大臣は文部大臣のお考えだけでそういうことを言われるのは、私としては納得ができない。国家公務員法じゃありませんよ、地方公務員法ですから二十何条かを一ぺん読んでいただきたい。ここに書いてある。はっきりしてもらいたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説は、立法論としてはわかりますけれども、現行地方公務員法上から申し上げれば、その連合体として団体交渉をなし得るのは、都道府県の教育委員会に対する都道府県段階までのことでありまして、全国的な組織を作る自由はありましても、団体交渉権という立場においては認められていないということで、私は明瞭だと思います。
○占部秀男君 委員長、だめです、とんでもない、これをはっきりしてもらわなければ……(「関連質問だからいいじゃないか」と呼ぶ者あり)委員長、この問題はあとで一つ……。
○辻政信君 いろいろやかましい議論が展開しましたが、少しお互いに頭を冷やしまして、とにかく日本の病気は、今対立にあります。大臣と日教組が対立しておる。資本家と労働者が対立しておる。野党と与党が対立しておる。この国民が心の中で三十八度線を引いておるこの病気をなおすことが政治だと思いますから、もう少し大臣はおおらかな気持で、会うものはどんなものでも会ってやろう、あなたの大先輩の松村謙三先生が文部大臣のときに、日教組の委員長が中共に行きたい、一部に非常な反対がありましたが、大臣は快く許されて、君たち中共に行ったら一つ教科書の内容をよく見てこいよと、こう言って旅行させましたら、帰ってから、小林君がわざわざ松村先生のところへ来られまして、そして中共の教育や施設については学ぶべき点はなかったが、その教育内容は民族主義が火のように燃え上がっておる。これを見て日本も考えなければなりませんということを、小林君が言っておるのであります。お互いに血を分けた日本人でありますから、血液は思想よりも強いはずであります。今までのいきささつは頭を冷やして、会う機会がありましたら、荒木文部大臣の持っておられるこの祖国愛、また日教組の幹部の連中の血液の中に持っておるこの祖国愛、これを相許さないと、先生を導かずして生徒を導き得ないのであります。これはここで結論を出すのは尚早でありますが、どうかもう少しおとなの態度で指導するという立場にお立ちなさいますことを、特に申し上げておきたいと思います。 次いで方面を変えまして、先生をよくするということが今の条件ではむずかしいが、ではその他の面で教科書の内容を大臣の権限と義務によってよくするという点、これを具体的にお伺いしたいと思いますが、大臣は教科書を検定し、選択する上におきまして、どういう権限と義務をお持ちであるかどうか、それを承わりたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。義務教育課程及び高等学校課程につきましては、それぞれ所定の法律に基づく審議会の議を経まして、教育課程ないしは指導要領を決定し、これに基づいてできました教科書を、これまた専門家の集まりである審議会にかけまして検定して、そうしてそれが教育委員会によって採択されて、それぞれの学校で教科書が使われる、そういう順序を経ての関係の権限を与えられておると思っております。
○辻政信君 大臣はお忙しいから、教科書を一々ごらんになるひまなんかはとてもなかろうと思います。しかし、もしお忙しい中で、現在子供たちが使っておる教科書をどれかお読みになったことがあるかどうか。もしあるとすれば、それが大臣の考えられておる文教行政と一致しておるかどうかということをまず伺いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。一、二斜め読みにめくったことはございますが、とても不可能でございます。のみならず、個人的に文部大臣が見る見ないということは、行政上はまあ必要でないというか、むしろ有害な意味もないではないと思うんですが、さっき申し上げました通り、教科書の編さんにあたっては、それぞれの教科別の数百名に及ぶ権威者たちが国民にかわって、あるいは文部省にかわって見てくれまして、そうして検定をいたしますので、その前置きである指導要領につきましても同断でございますから、これらの専門家の良識ある判定に依存すべきもの、一言といえどもかれこれ言うべからざる立場にある、信頼してやるべきものと存じております。
○辻政信君 教科用図書検定調査審議会の委員の名簿はここにあります、八十名からなっております。この八十名の人と大臣はお会いになって、一番大事なこの検定に当たる人たちに、大臣の情熱と大臣の方向とを話し合われたことはございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。それも今日までのところ、ことさらいたしておりません。
○辻政信君 そういたしますというと、予算は取る、学校は建てるが、生徒が学校で教わっておる教科書の内容について大臣として示すべき何らのことがないと、極端に申しますというと、選ばれた八十名の委員がいいと思ったものはどんどんやっていくんだ、こういうことになるわけですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。選ばれた委員が検定されるについては、先刻申し上げました指導要領をものさしとして判定して検定をされる、そういうことでございます。
○辻政信君 私は幸いに無所属にありますから金はありませんが、ひまがある。ひまにまかせて実は日本の教科書をここに持って参りました、これだけ目を通してみました、それから外国の教科書をこれくらい集めて、読めるものは読んでみたのであります。そうして日本の教科書を一通り勉強してみて、非常に不思議に感じたことがあります。それはこの中、小学で教えておる社会科の中に、私が読んだ限りにおきましては、日本の国旗、日の丸について何の説明も加えられておらない。国旗のことを言ったら反動と思われるかもしれませんが、自国の国旗を尊重するということは、他国の国旗を尊重することであります。従いまして、国際的な教養を高めるためには教えなくてはなりません。これを軽視することが、長崎の国旗事件になって現われております。従いまして小、中学生には日本の国旗の意味、外国の国旗の意味を教えるべきものであると思うが、残念ながら私の見た教科書の中にはただの一言もない。これを大臣はいいとお考えになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。国旗の点は、できることならば教科書内にお説のような範囲において説き明かすことが望ましいと思います。もっとも私がそう思いましても、教科書にそういうやつを書きなさいというまあ権限と申しますか、そういう立場は与えられておりません。しかし、教科書にあろうとなかろうと、終戦直後のぼう然自失した状態から国民一般が冷静になって参りまして、国旗というものの意味合いを思い起こして、また、子供たちも言わず語らずの間に国旗の厳粛さ、厳粛な意味を、そのよさを身につけ始めていると私は思っております。
○辻政信君 中教出版発行の、これは小学校六年生の社会科であります。その百四十ページにこういうことが書いてある、「どの国民も自分の国の国旗をもち、それにほこりを感じています。国旗には、その国民の理想があらわされているからです。」、こういうことを冒頭に置きまして、インドのところでは、インドの国旗を出しておるのであります。そうして「インドの国旗にある糸車は平和な生活の動きをしめすものといわれています。」、こう書いております。その次にフランスの国旗を見ますというと、フランスの国旗は自由・平等・博愛を示す三色旗であるとこう教えておるのであります。またソ連の国旗を見ますというと、「ハンマーとかまをしめした国旗は、労働者と農民の国であることをあらわしています。」アメリカのところでは、アメリカの「その国旗がしめす十三本の横線は、独立当時の十三州をあらわし、星は州の数をあらわしています。星の数は、はじめ十三でしたが、太平洋岸へかけての開拓が進むにつれてしだいにふえ、現在ではアラスカとハワイも加わって五十州」となっている、こういうふうに日本の国旗のことは一言も説明しておらぬのに、ソ連とか、インドとか、フランス、アメリカのことは小学校の六年生で教えている、これでいいかどうかという問題。もし悪いとすれば、文部大臣としては文教のこの審査委員会を通じまして、あるいは指導要項の中に、日本の国旗について外国の国旗と同じように、子供たちに認識をさせようということを、大臣として御注意なさらなければならぬのじゃないかと思いますが、いかがであります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。先刻も申し上げましたように、何百種、数千冊に及ぶものを、とても見ることは初めからあきらめざるを得ないくらいの膨大なものでありまして、見ておりませんでしたせいもございます。ところで、今申し上げた通り、国旗のことを今までの教科書には入れていなかったようですけれども、政府委員から今耳打ちされて、ようやく知って申しわけないんですけれども、新しい指導要領に基づく新しい教科書には、お説のような趣旨で、日本の国旗のことも今度は取り入れることになっておる趣でございますから、追加してお答え申し上げます。
○辻政信君 私が持ってきたのは、この一月に発行された本で、四月から生徒が習う本です。それで政府委員に承わりますが、どの会社から発行した社会科の教科書に、日本国旗についての意義が書かれておるかお答え願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 指導要領によりますと、社会科の中でわが国の国旗を初め、諸外国の国旗に対する関心を一そう深め、これを尊重する態度などを養うことが大切である、こういう規定をいたしておりますので、小学校の場合には、三十六年四月一日から新しい教科書が全部採用になるわけでございます。従って各教科書会社の発行しておる教科書について日本の国旗のことが書かれるのが当然でございます。
○辻政信君 当然であるが、実際どこに印刷してあるのか、ないでしょう。だからどこの出版社で発行したやつに、指導要領が載っているかということを、政府委員からお答え願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 指導要領は官報で告示しておりますし、各会社は全部承知しておるはずでございます。
○辻政信君 承知しながら教えていなかったら、文部大臣としては、この検定を認可しないことになるんですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この点が検定したものにつきまして当然あるべきものでございますが、それの全体を通じて見なければ、その部分だけでは判断しがたいと思うのでございます。従って全体を通じて、日本の国旗のことに対して、全然ふれていないかどうかについては、さらに検討さしていただきたいと思います。
○辻政信君 では、ほかの問題を質問いたしましょう。昨年の三月の五日、私はこの委員会で日本の教科書の地図の中に、北方領土の見解がまちまちであるということを指摘して、岸前総理は閣議の席上でそれを修正するように御指示なさったはずであります。ことしの教科書は、どのように修正されておるか、政府委員からお答え願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) お尋ねの点は、北方領土の点だと思いますが、全部日本の領土としております。
○辻政信君 全部日本の領土……、千島はどこまで……。
○政府委員(内藤誉三郎君) 歯舞、色丹、択捉、国後までを日本の領土として赤にしております。
○辻政信君 ところが、まことに不思議なことに、帝国書院で発行されて、しかも一月、この四月から使う帝国書院の世界総図のところには、千島の占守島まで日本の領土になっている。これでいいんですか。あなたのおっしゃったのは、大日本書院発行の地図と、それから学研書籍発行の世界地図は歯舞、色丹、択捉、国後まで日本の領土になっている。帝国書院は非常に権威のある出版社です。その地図はもっと北の方まで赤く塗ってある。同じ教科書の中で、国の重要な領土が出版社によってかくのごとく見解が違っておる。これで一体あなた方は出版社に対して、指導要領をほんとうに指導し、監督したと言えるかどうか。現物についてごらんなさい。比較してごらんなさい、書いてあるから。これでいいんですか、文部大臣。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。よろしくないと思います。
○辻政信君 私はこれは笑いごとでは済まされない。事、国の領土でしょう。純心な生徒が、帝国書院のときは占守島まで、そういう地図を習った生徒が、杉並から世田谷へ帰るというと、世田谷で使っているやつには択捉、国後までしかない。先生に質問したらどう答えるかというんです。でありますから、そこを私は聞いているのであります。 まだまだありますよ、たくさん。時間がないから全部言えませんが、代表的なものを一つ申し上げますと、中教出版社発行のことしの一月十五日です、これは。そうしてその種類は、小学校の教科書を見ますというと、日本の人口についてこう書いてある。日本の人口は九千万をこえているというのが小学校の社会科の教科書になっているが、同じ日付で出された同じ出版社の中学校の社会科におきましては、日本の人口が八千九百万になっている。同じ社で出した、同じ日に出した小学校と中学校の社会科で、人口に百万の開きがある。これをどう教えますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 統計の取り方によって違う場合もあるのでございますが、今御指摘の点につきましては、さらに調査いたしまして、間違いがございますれば、先ほどの地図の問題につきましても、訂正をさせるつもりでおります。
○辻政信君 今の御答弁は、それじゃあ生徒の手に渡るまでに訂正なさいますね。
○政府委員(内藤誉三郎君) 生徒の手に渡るまでに訂正させます。
○辻政信君 それは帝国書院の地図も含めて訂正しますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいま申しましたように、事実に間違いがあるということがはっきりいたしますれば、訂正さしていただきたいと思います。
○辻政信君 はっきりしていますよ。やるか、やらぬか……。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは事実の問題でございますから、今御指摘になりました点につきまして、さらに調査いたしまして、確かにあやまちがございますれば、生徒に渡る前に訂正させるようにいたしたいと思います。
○辻政信君 はっきりしていますよ。
○政府委員(内藤誉三郎君) あなたの御見解は承わりました。
○辻政信君 それではこのくらいにしておきましょう。たくさんな本ですから、見るひまがないのでしょうけれども、それが根本的な問題になる。目を通すことができないほど多いということが、教科書制度の根本問題ですから、それをお忘れなく。 次に観点を変えまして、総理の施政方針によりますというと、国際的な信用と尊敬を受けるに足る人物を育成すると言われておりますから、教科書をお作りになる委員は、さぞかし国際水準に劣らない教科書をお作りになるだろうと思います。それには、世界の各国でどういう水準の教科書を採用しているかということを、これは参考資料として当然お集めになるべきものであります。文部省にはその予算があるはずです。文部省が現在持っておる外国の教科書、参考資料としてのそれをどのくらいお持ちになっているかお答え願いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私具体的に理解しておりませんので、政府委員からお答えすることをお許し願いたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省の関係におきましては、教育研究所である程度集めております。また、ユネスコの関係でも集めておりますが、ここに正確な数字を持っておりませんので、後刻報告させていただきたいと思います。
○辻政信君 せんだって、この点を念を押して、文部省の教育課長に調べさせてみましたが、こういうことを答えております。アメリカが日本を占領したときに、占領行政の資料として持ってきたのが、十数年前のものが二千冊ほどほこりをかぶっておる。その他は、ドイツのものが二、三冊、あとはユネスコ協会で個人から寄贈を受けたものが数冊あるという程度です。そして、口には国際教養を高めと言っておるのですが、ここに持って参りました私の資料は、十五カ国であります。昨年の八月、大学の学生を連れて、十五カ国を回ったときに、各国で買い集めたものでありまして、インド、ネパール、イラン、アラブ連合、トルコ、ギリシャ、ルーマニア、ユーゴ、オーストリア、チェッコ、ドイツ、スエーデン、イギリス、中共、ソ連、これだけを用意して参りました。そうして、いろいろ見たのでありますが、語学の関係で全部をこなすことはもちろんできませんが、さし絵を見ただけでも、その国の性格がよく表われております。そのうち、中共とソ連のものだけは一通り読んでみました。今お示しするのは、これは北京で手に入れた中共の教科書であります。六年生の国語の教科書でありますが、まことに外見は貧弱ですが、中身はすばらしい。その中身を標題だけを御参考までに読んでみます。第一課愛すべき祖国、第二課愛すべき祖国、第三課愛すべき祖国、第四課愛すべき祖国、第五課万里の長城と運河、第六課不屈の英雄趙一曼、勇敢に戦った趙一曼、第七課蒋介石と勇敢に戦った蔡小という娘の記事、第八課も同じ、第九課戦闘英雄董存瑞、国民党軍との戦い、第十課一人の戦士の誓い、第十一課朝鮮戦線の空軍英雄張積慧、第十二課朝鮮で爆薬を抱いて突入した邱少雲、こういうわけであります。四十八課あります。四十八課のうち二十五課は、祖国愛、祖国の防衛、毛沢東への信頼、これに尽きております。共産主義のイデオロギーじゃない、徹底した民族愛、徹底した祖国愛をうたっておるのが国定教科書で、無料で配給されておるのが中共の教育であります。日本の教科書を拾ってみたが、どこにも、ただの一つも、祖国愛であるとか、祖国を守れとかいう内容が教えられておらない。これを御比較なさいまして、荒木大臣、どういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 中共と同じような教科書を作るわけにも参らないと思います。日本の憲法の趣旨にのっとり、先刻も申し上げましたように、日本人の自主的な判断によらずして、日本地理、日本歴史が教えられない、あるいは何がいいか悪いかすらも教えられないままにきたことにやっと気づいて、おととしから道徳教育だけは取り上げたというくらいでございまして、今後の検討に待ちたいと思います。自分の生まれた祖国を愛しない者があるはずがない。祖国愛などとうっかり言いますと、何とかかんとか言おうと待ちかまえている人が今までは多過ぎた。今後はそういうばかなことはなかろうと思いますから、検定員の諸公も、あるいは指導要領等におきましても、十分冷静な判断のもとの考慮が払われておると存じます。前向きに改善して参りたいと思います。
○辻政信君 それではソ連の教科書、これはソ連の国語の本で、小学校の一年生の教科書であります。この終わりの方に「クレムリンの星」と書いてあります。内容を読みますと、「クレムリンの星はわれわれの上に輝いている。その光は世界の至るところを照らすであろう。われわれには誇るべき祖国がある。このような優れた国は世界のどこにもない。」、これを小学校の一年生で教えておる。次のページには、「平和」——赤旗を立てて、それにはミールと書いてあります。そうしてその説明に、「われわれはたびたびの戦争で、両手に武器を持って勇敢に戦いながら、われわれの祖国と平和を守り抜いた。われわれは平和を望み、戦争を欲しない。平和を守るために地球上のすべての人民が決起せよと叫ぶであろう。」と書いている。その次には、レーニンを掲げております。「レーニンは、すべての勤労者の指導者であり、先生であり、同志である。彼は共産党を作った。レーニンの指導のもとに、わが国民は、ソビエトの権威と労働者、農民の権威を確立した。レーニンは死んだが、彼のなし遂げたことは永久に生きている。共産党はレーニンの教えによって力強く国民を導くであろう。」、小学校の一年生の国語の教科書にこれを書いて、国定教科書として国がただで配給している。これはおそらく岩間さんも反対はなかろうと思う。向こうのまねをするのですから。いいところはまねをしてもいいのじゃないか、こう思いますが、大臣いかがお考えですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあよいところは、それがよい限りにおいては、だれが言おうとも、まねてよろしかろうと思います。いずれにしましても、先刻申し上げたように、専門家が十分一つ御趣旨のほども念頭に置いて検討してもらった上で、だんだんとよくしていくという努力を重ねたいと思います。
○辻政信君 それでは、日本の教科書で、国の象徴である天皇の地位についてどのように教えるように指示なさっておりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これも、一々読んでおりませんので、申し上げる資格がございませんけれども、指導要領にいたしましても、あるいはそれに基づいての検定にいたしましても、今の憲法に規定しております天皇の地位を子供たちに教える線で編さんされておると想像いたします。一々は申し上げかねますけれども。
○辻政信君 実は、想像では困るのです。何といっても、あなたが日本文教の元締めでありますから、池田総理の施政方針というものを教科書の末端までできるだけ浸透させるということをしないと、文教行政というものは、建物だけ作って、中身は腐ってしまうから、私は申し上げておる。それでは、皆さんに御参考に読んでみましょう。これは、中教出版で出した日本の社会という本の百七十ページに、「天皇の地位」、「明治憲法のもとでは、天皇は政治上の主権者であったばかりでなく、同時に現人神であるという信仰が、国民の心に植えつけられていた。天皇の前では、国民は最敬礼をした。式日には、全国の学校の先生と生徒たちは御真影をおがんだ。ところが一九四六年元旦に、天皇は自分は神の子孫ではないこと、また日本民族はほかの民族よりすぐれていて、世界の民族を支配する使命を持っているわけのものではないということを宣言した。」、これだけが天皇の地位について生徒に教えていることなんです。「御真影をおがんだ。しかし、今は神の子供ではないと宣言した。」と書いておる。これ以外に象徴としての権威——象徴を守れというようなことが一体どこに一言でも書いてあるか。ソ連の教科書は、レーニンを国民の中心にして、それをたたえておる。こういう教育で大臣はよいとお考えになるのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。先刻申し上げました通り、日本の憲法上の天皇の地位について、今お読み上げになりました程度では、十分でないと思います。国の象徴であり、国民団結の象徴である点を、もっと子供たちにもよくわかるように説き聞かす努力が必要かと思います。
○辻政信君 では、次は国の防衛問題ですが、政府は憲法いかんにかかわらず防衛することは当然であるという解釈をとっているのですが、私の見た範囲では、小学校からおそらく大学校までを通じて、この日本を守れということを青年たちに教えた個所はただの一カ所もなかろうと思う。あったらどなたでもいい、お教え願いたい。私の見た限りではない。
○政府委員(内藤誉三郎君) 憲法のことは、小学校、中学校において、大体のことは教えることになっております。従って、その中で自衛隊のことも含まれておると思っております。
○辻政信君 私の見た限りでは一言もない。あったら出してもらいたい。ほんとうに、含まれておると思うのじゃなく、あるかないかということです。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは文部省が編さんするわけじゃございませんので、各教科書会社が編さんして、それを文部省が検定する立場でございますので、各教科書会社に強制するわけには参らぬと思うのであります。憲法の中で、重要な事柄は、先ほどお述べになりました天皇の地位とか、あるいは国の理想とか、国民の権利義務というような重要な点については触れておるわけでございます。ただ、小学校の段階におきましては、あまり詳しいことには入らないわけでございまして、中学校の段階になりまして、義務教育は完成するわけでございますから、中学校の段階におきまして、相当詳しく憲法の規定が述べられておるわけでございます。
○辻政信君 私は、小学校と中学校と高等学校の社会科をみな見たのです。ただの一言もありません。これに反して、ソ連の小学校二年生の国定教科書に、次のような記事があります。写真もりっぱに出ておりますが、それを読んでみましょう。「ソ連の軍隊」、「二月二日はソ連軍の記念日である。ソ連の軍隊がわれわれの祖国を守っている。彼は多くの敵に対し輝かしい勝利をおさめた。最も困難な戦争はヒトラーとの戦いであった。ファシスト軍はソ連の国を滅ぼそうとしたが、全人民は決起して勇敢に戦った。老いも若きも、農民も労働者も、全力をあげて軍隊を助けた。そしてファシストを粉砕した。すべての人民はソ連軍を敬愛する。われらの祖国ソビエト軍隊に栄光あれ。」、これを小学校の二年生でソ連は国定で教えている。日本の教科書には小学校から大学校を通じて、祖国を守るということはただの一言も教えられておらぬ。とすれば、全学連が軍備に反対したり、安保反対のデモをやるのはあたりまえ、学校で習った通りを忠実にやっている。これに対して、西村長官、一体どうしてあなたは自衛隊を統率できると思うか。
○国務大臣(西村直己君) 国土の防衛は、私ども自衛隊、防衛庁長官だけの任務ではなく、国民をあげての、やはり一つの任務であろうと私は考えております。従いまして、憲法上のいろいろの論議はありましても、国の自衛権、自衛力、これは厳然たる私は事実であろうと思うのであります。従いまして、これらが漸次社会教育の面から、私どもができる範囲内においては、私自体としまして、努力はいたして参っておりますが、学校教育は文部大臣の所管でございます。ただ、私の念願といたしますのは、最近、国防会議懇談会というものを、総理中心で設けていただいておりますのは、このメンバーはきまっておりますが、常時、国防会議は御存じの通り、国の守りの基本を立てる会議であります。従いまして、この会議等にも、必要に応じては、文部大臣等も将来は御列席をいただきまして、こういった、われわれの自衛隊、自衛力のあり方につきましても、十分御検討なり、御発言を願って、こういう方向へ持って参りたいというのが私の考え方でございます。
○辻政信君 私は、そういう答弁を期待しているのじゃない。われわれの年配以上の者は黙っておってもわかります。問題は、われわれが死んだ後のこの日本を託すべき子供にどういう教育をするか、その根本をつちかわずして、いきなり自衛隊の部隊等における訓練実施に対する達の第六条、自衛隊の使命の示達にあたっては、祖国愛とか民族愛を基盤とし、と書いたって何もならない。砂上の楼閣というものです。でありますから、あなたが真剣に日本の防衛を考えるなら、鉄砲をふやすよりも魂を養え、なぜ日本の教科書だけ——世界にどこにもない、日本の教科書だけが防衛ということを子供に教えなくて、そうして見のがしているのか、文部大臣に聞いたらそこまでの権限がないと言う、政府職員は見たことがないと言う。こういう状態で教育というものが忘れ去られている。今の政治の最大の欠点は、物に偏重して人を作るということが欠けている。そこが犯罪倍増の世相となって現われている。どうですか、西村長官、あなたは閣僚として、文部大臣にそれを要求すべきじゃないですか。
○国務大臣(西村直己君) もちろん私はその考えは持っております。ただ、問題の運び方であります。御存じの通り、戦後自衛力さえも否定するような風潮の時代に、自衛隊はゼロから発足して十年たったのであります。その間におきまして、自衛隊は自衛隊なりに、従いまして、一般民衆に近づくように私はあらゆる面で努力をいたしているのであります。言いかえれば、自衛隊を国民の中に溶け込ませる、同時にまた、国民の方からも溶け込んでいただきたいと思って、社会教育なり学校教育の面から近づいていただく、これらを今後打開して参りたいと考えております。
○辻政信君 ここへ持ってきました十五カ国の教科書を見まして、祖国愛と国旗の尊厳とその国の防衛をうたってないのは十五カ国の教科書に一つもない。特に徹底しているのは共産陣営、ソ連と中共、その次はユーゴ。トルコにおきましてはアタチュルクの精神を教育の根本としており、チェコの教科書におきましてはヤンフス、ヤンジュズカ、五百年前の国を救った偉人を小学校教育の中心にしているのであります。どの国もどの国もその国の歴史、その国の誇りというものを盛り込んでいるが、ただ一つ日本の教科書は何もないということはどうか、池田総理以下全閣僚、全国会議員の皆さんが党派をこえて、われわれの死んだ後のこの日本をだれに託するか、孫や子供をどうするのだという気持で真剣に検討していただきたい、あげ足をとろうと思いません。
○高田なほ子君 関連。憲法の問題で一つだけ、大へん失礼でございますけれども。 憲法の問題は教科書の中に取り入れられてない、あるいはまた、文部省は憲法の問題について十分な教育をされておらないというような御趣旨の御質問がございました。しかし、私は文部省の指導要綱の中に、しばしば憲法に関する指導の方針が出ておったようであります。文部省の憲法解釈は、あくまで教育的な立場に立って、政治的な立場をとらないというのが、教育の私は中立ではないかというふうに思いますが、幸い、ここに文部省の憲法解釈が出ておりますから、文部省の憲法解釈はこんなふうなんだということを御紹介してみたいと思いますが、こういうふうに文部省は憲法解釈をしております。これは九条の解釈です。「いまやっと戦争はおわりました。二度とこんなおそろしい、かなしい思いをしたくないと思いませんか。こんな戦争をして日本の国はどんな利益があったでしょうか。なにもありません。ただ、おそろしい、かなしいことが、たくさんおこっただけではありませんか。戦争は人間をほろぼすことです。世の中のよいものをこわすことです。だから、こんどの戦争をしかけた国には、大きな責任があるといわねばなりません。」「そこでこんどの憲法では、日本の国が、けっして二度と戦争をしないように、二つのことをきめました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。これからさき日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦争の放棄といいます。「放棄」とは「すてましょう」ということです。しかしみなさんは、けっして心ぼそく思うことはありません。日本は正しいことを、ほかの国よりさきに行ったのです。世の中に正しいことぐらい強いものはありません。」「また、戦争とまでゆかずとも、国の力で、相手をおどすようなことは、いっさいしないことにきめたのです。これを戦争の放棄というのです。」これが当時における文部省の憲法解釈であったと思います。しかし、これが政治論議となってその解釈方に戸惑ってきている。この戸惑った中に文部省が憲法解釈を政治論的な解釈をして子供に落とすとするならば、それは教育の中立を侵害する行為ということで、私どもはこの憲法解釈はあくまで政治論議を離れなければならない、こういうふうに考えておるわけでありますが、文部大臣はどういうふうにお考えになられますか、お伺いいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答えを申し上げます。今お読み上げになったのはどういうものか私存じませんけれども、憲法の解釈は文部省の解釈とか防衛庁の解釈とかといろいろとあるべきものではないと思います。で、私は内閣が責任を持って政府としての憲法の解釈が確立されて初めて憲法解釈が文部省の中にも取り入れられると、そういうふうに考えて措置すべきものと思います。まだ今お読み上げになったものを文部省に参りましてから見ておりませんので、不勉強で申しわけございませんけれども、考え方はそうでなきゃならないかと心得ております。
○辻政信君 今、高田委員からも申された、私も今質問しようと思ったところなんですが、これがあの物心ついた子供に教えるところの文部省の指導方針なんです。それをお気づきになっておらないで自衛力漸増ということを政治の場だけにおいてやっておるところに砂上の楼閣を築いておられるということを指摘しようと思う。これは政治の問題、政治教育、小学校からやっております。中教出版発行の中学生の社会科では、国の政治の章で、現在の国会は国民が十分信頼するほどりっぱに運営されてはいない。「国会や内閣の動きをみていると、国民の世論とは反対のことがおこなわれている」それは「多数党が数をたのんで、なんでも自分につごうのいいようにきめて」いる、こう書いてある。社会党は拍手です。自民党諸君、これでいいんですか。しかもこれが文部省検定済みとなって子供に教えられている。私は多数の横暴というものが、これはいかぬと思う。けれども、少数の暴力も否定しなきゃならない。ドイツの社会党は数で敗れたときには多数党の法案を認める、そうしてその批判は暴力に訴えないで、次の選挙を通じて国民に批判をさせる、これが民主主義です。そういうことを教えておらない、子供に。自民党の諸君だけが悪いように小学校で教えているのを見る。文部省検定済みとして出ている。これは何も皆さんが御存じないだろう。そういう教育を積み重ねていったらどうなるか、荒木さんどうでしょう。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。ただいまお読み上げになりました点は、明らかに間違っておると思います。(笑声)少なくとも偏向した意図をもって書かれたものをそのまま見過ごしておるがごとき印象すらも受ける。今後教科書の検定に当たっての当該担当の専門家たちの、私は反省を求めたいと思います。
○辻政信君 次に民主主義。民主主義という言葉が使われるのは小学校六年生の社会科で初めてです。その内容を一通り見ますというと、個人の人権尊重を教えております。しかし、民主主義の根本である順法精神、他人の人権と自由を尊重する内容は全然盛られておらない。その結果が今日の社会相となっておるんじゃないか。また、中学校社会科の憲法論ではこういうことが書いてある。「新しい憲法が、国民自身の手でつくられず、政府も世論をすすんでとりあげることができなかったのは、敗戦後の苦しい国情であったとはいえ、残念なことであった。」一応否定しております。しかし、憲法の「草案は国民によって論議され、議会でも長い間討議された。新憲法は、民主主義の原則のうえにたてられ、国民の大多数が」支持している。明らかに前後矛盾したことが書かれておるのであります。また学問の自由、そこでは「精神の自由は、けっして個人の心だけの問題ではない。それは自分の考えや感情を表現し、他人に伝える自由でなければならない。これが言論、出版の自由である。言論の自由こそ、民主的な社会にとって、このうえもなくたいせつな人権である。」と教えております。その結果、人様が名誉を傷つけられようが、国家に不利益を与えようが、それを戒めるような内容はただの一言もありません。このような考え方が発展して風流夢譚となり、ないしは嶋中事件となっておる。この事件は天皇御一家に対する単なる名誉棄損じゃありません。憲法第一条によって、国民の総意に基づく天皇を国家の象徴としたその憲法第一条、国民の総意に基づく象徴に対する侮辱罪であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そういう意味におきまして容易ならぬ事態であるということを総理大臣以下はっきり認識をされて——この点をこのまま見のがしておいたならば、こういう世相は繰り返され、政治の根本がくずれてくる。ここで即答は求めません。事きわめて大事です。天皇御一家の名誉問題じゃない。憲法第一条の違反である。そういう意味にこれをおとりにならぬというと、私は日本の憲法を改正しなければならぬ、こういう感じがしますから、重大な問題ですから、総理の即答は求めませんが、真剣に閣僚諸君、御検討をお願いしたいのであります。 次は、憲法の章のところです。こういうことがある。「憲法には、「公共の福祉」のために、国民の権利を制限しなければならないときめているところがいくつかある。」それは大切なことだが、公共の福祉の名のもとに基本的人権を無視されてはならぬ、それは、「戦争中にしばしば経験したことである。」こういうことで、個人の人権というものが公共の福祉に制限されてはいかぬということをくぎを打っている。これが道路の拡張も、ダムの建設も、一人ががんばるとできないということを教科書で教え込んでいる。また、憲法の改正のところでは、「今後も、国民の権利をもっとひろげる必要が生じた」場合には改正されるだろう、いいですか、そうして現行憲法では個人の自由がまだ不十分だ、こういうような印象を与えておる。こういうことをお聞きなさいまして、総理以下この忘れられた教科書、青少年の教育ということにもっと真剣に取り組んでいただきたい。 次は、新しい日本の目標についてどのように教えておるかといいますと、これを読んでみると、こういうことが書いてある。日本人は将来に明るい希望を持ち、東西をつなぐ橋としての役割を果たすように努力していかなければならない、東西のかけ橋となるという鳩山外交が小学校六年生で教えられている。この点だけは私は現在の外交よりも少し進んでおるのじゃないかと思う。小坂外務大臣の御所見いかがでありますか。
○国務大臣(小坂善太郎君) 現在の私どもの方針は、世界の平和にその目標を置いております。従いまして、理想としての旗を高く掲げるという点では、さような東西のかけ橋という表現もあるいはけっこうかと思いますが、現実の問題といたしますと、いろいろな障害があることは辻さんもよく御承知の通りであります。そこに私どもの苦労があるわけであります。 以上であります。
○辻政信君 時間がありませんので、惜しいのですが質問をそろそろまとめなければなりません。 次に、教科書の選択、これについて、世田谷におった子供が杉並に転校して一番困る問題は何と考えられるか、文部大臣。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教科書が変わることもその一つかと思います。
○辻政信君 これが生徒及び父兄の最大の苦痛であります。新学期ならともかくとして、十月ごろ変わったら、新しい教科書を探すのに東京中かけ回らなければならない、これが実情であります。では、各科目別及び各学年別に小中高校を通じて出版社から出されている教科書の点数、全国で何点でありますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 小学校で百一点でございます。中学校で三百十四点、高等学校で八百五十一種、総計で千二百六十六種くらいあります。一種類というのは、同じ会社から出した社会科なら社会科で一種としたわけであります。
○辻政信君 私はこの問題を、教科書を販売する会社へ行って、たんねんに調べてきました。そうすると、小学校一年から高等学校三年までの教科書の種類が、点数にしますと、二千八百二点です——シリーズをやらない。これを国が一本にしたら百四十五点で済みます。百四十五点あればいいところを、現状は二千八百二点出ている。そこに、内容に目を通すこともできなければ、内容のミスが出てくるわけなんです。これに対して荒木大臣どう思われますか。改正する必要はないか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。まあ大体今の制度が、文部省が指導要領を決定し、それに基づいて検定をするということをやって、その検定に合格しさえすれば、自由企業としての教科書会社が何百あってもよろしい、そうして自由競争をさせることによって、教科書が体裁もよくなるであろうし、中身も指導要領の線に沿った限りにおいてよくなっていくであろうということをまあ期待してできたものと思いますが、その考え方は、一般的にいって正しいことかと思いますが、現実は数千種類にも及ぶものを今教育委員会が選定して、これを使えということに定まっておるのでございますが、今御指摘の通り、例示されました通り、東京都内でも区が違えばもうすぐ変わると、地方に行きましても同様なことがありまして、児童、生徒、親たちのそのための苦労が非常にかさんできておることも事実だと思います。同時に、会社が今千近くあると聞いておりますが、これがまあお互い不当競争、過当競争をやりまして、青息吐息しておるということも聞いております。そういうことになれば、競争によるよさを期待しながら、実は薬がきき過ぎて、教科書それ自体の今後の改善にあるいは支障なきやを憂えるわけでありまして、できることならば教育委員会がもっと広い範囲で選定をしまして、ちょっと転校すればすぐ全部教科書を買いかえなければならぬということのないように、少なくとも義務教育課程については考慮を払う余地なきやと、今後の検討に待ちたいと思っておるところであります。
○辻政信君 そんななまぬるいことでこの病をなおすことはできますかな。たくさんの出版社が、今おっしゃった通り、めちゃくちゃな販売競争——一体その実情を御調査になったことがありますか、政府委員。どういう方法で売り込みやっておるか、どのくらい金が出ておるか。あったらお答え願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 教科書の採択に当たりまして、好ましくない状況が出ておることは私どももよく承知しておるのであります。教科書につきましては、先ほどお述べになったように、たくさんの会社が多数の種類の木を出しております。同時に、教科書を買うところの生徒さんは、最近は中学校の急増がございますけれども、だんだん小学校の場合には減少の一途をたどっておるわけでありまして、小さいマーケットの中でたくさんの会社がせり合っておるというのが現状でございます。そういう点から不当な販売競争が行なわれているやに伺っておりますので、この点は公正取引委員会とも十分連絡いたしまして、その防止につきましては最善の努力をいたしておりますが、御指摘のような事態があることは、かつてあったことは、私どもも承知しておりますが、最近はだんだんと減少しておるように聞いております。ただ昨年教科書の、小学校の場合、全部新しく採択がえをいたしましたので、大へん不当な宣伝が行なわれたようにも聞いておりまして、教科書業界といたしまして自粛を今回申し合わせまして、中学校の採択に当たってはお互いに自粛しようと、これはある意味では会社の自己防衛でもございまして、相当金を使ってもう余裕がないという面もあろうかと思うのでありますが、今後文部省も地方の教育委員会と十分連絡をとり、また公正取引委員会とも連絡をとって、不当競争の起きないように万全の措置を考えたいと思っております。 先ほどお述べになったうちで教科書の検定の問題がちょっとございましたが、これは中教出版の例が出ましたが、この点は前に出た指導要領に基づいた教科書の中にも、私どもは大へん遺憾な点があったと思うのでございます。今回指導要領の改正をいたしまして、小学校はすでに採択が決定し、四月から採用になるわけですが、中学校の場合におきましては、目下検定の最中でございまして、御指摘のような事態が万一あれば、私大へん不幸なこと思います。今回の指導要領に基づいた検定においては、そういう偏向教育の行なわれる余地はないものと確信しております。
○辻政信君 この出版会社が、内面でいかに醜いことをやっておるかということを、どなたも御存じないですか。私が調べたところをそれじゃ御参考までに御披露申し上げます。これはある有名な信用のある出版会社、しかし、その責任者から聞いたのですが、ここで名前を出すと商売がつぶれるから、それだけはかんべんをしてくれと言いますからやめておきます。この出版社が、昨年全国の売り込みに使った金が一社で約二億円です。どういうふうにしておるのか聞きますと、全国にたくさんの販売員を出張させ、それらが学校へ行って主任の方にお目にかかる。そうすると、教科書をあまり見ないで、僕のところに電気洗たく機がないのだ、テレビがないのだと言われる。さっそくその夜、そうっとテレビ、洗たく機を持っていくと話に乗ってもらえる。これは買ってくれるだろうと思って喜んで帰ってくると、三月になったらその学校からこない。不思議に思って調べたら、ほかの会社が二倍のものを持っていったらしい。そういうことをしみじみと嘆いておりました。そこで、三月ごろになると、全国の学区から東京見物にやってくる、教科書関係の者が。そうすると、必ず電話がかかってきて、うちの学校じゃあなたの出版社の国語の本を採用しておるから事務連絡をしたいと言われる。そこで、事務連絡は形式で、その晩は一流の料亭に呼んで、そうして中には、これは申し上げにくいことですが、女を要求されることもある。その料理屋のツケがそっくり会社に回ってくるのです。第二日は社会科、第三日は算数、そうして最後の、いよいよ東京最後の晩にサービスやれと言われたら、たまったものじゃない。一等の寝台券を買えと言われるし、おみやげを用意しろと言われる、料理屋のツケが回ってくる、こういうものが昨年一年間で二億になっている、一社で。この浪費された金が教科書の値段に組み入れられて損をせぬようにしておる。だから料理屋のそのツケまで父兄は負担をして、そうして子供のために学校の金をひねり出しておるという実情です。それをよく一つお考えになって、このままでは滅びてしまう。幸いにして、こういうことを国定にしようと思ったら、一番反対するのは赤旗を振る人たちですから——ソ連や中共では国定にしている。共産圏は全部国定になっております。いいことは虚心たんかいに共産陣営のことをまねされて、日教組の人もだれも反対はしないわけですから、そうしてほんとうにやってもらいたいと思いますが、文部大臣、聞きますが、かりに小学校の生徒を一千二百五十万として、その教科書を国がきめて無償配給したら、一年の予算はどのくらいになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 資料をちょっと持っておりますが、時間がかかりそうでございますから、政府委員から……。
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在の教科書の総額が百六十五億円ぐらいになっておるわけですが、その中から編集費と分業費が差し引かれますので、大体百三十億ぐらいだろうと見当をつけております。
○委員長(館哲二君) 辻君、時間がきておりますから、御注意願います。
○辻政信君 もう二、三分、結論だけ言いますから……。 問題は、ここに、不当の販売競争の費用がコストに入っておるからそういうことになるのです。国は責任を持って——それがなかったならば、私の大体の見当じゃ百億であります。千二百五十万の学生に対して百億。そうすれば、この教科書を国が責任を持って内容を検討し、間違いないようにして、父兄の負担をかけずにやる。池田内閣の所得倍増はけっこうであります。しかしながら、庶民感情の中には、台所では四苦八苦しておる。そこにただ一つあたたかい火を点ずるのは、政府が責任を持って教科書はただで差し上げる。入学式に行った子供が先生から一人々々これは国が下さったのですよと言われて喜んで帰る姿、またそれを喜ぶ父兄の姿、これこそ池田内閣が歴史に残る仕事としてぜひとも御決意をお願いしたい。来年の自然増収は少なくとも四千億円と見られておる、そのうちの百億。四千億円と見られておるそのうちの百億を、純真な子供に教科書のお祝いとしてプレゼントするだけのあたたかい政治があってもいいじゃないか。これを大蔵大臣、総理大臣から最後に承って私の質問を終わります。
○国務大臣(池田勇人君) だんだんの有益なお話を承わりまして非常に参考になりました。さきの国会で南千島の問題、私は敬服して聞いたのであります。幸いそれによりまして、択捉、国後、歯舞、色丹はもちろんでありますが、日本の緯度になったことを喜ぶのであります。一部会社が間違っておりましたが、さっそくこれは——得撫以北はサンフランシスコ講和条約で放棄したのでありますから、得撫以北を除きまして、歯舞、国後を改めさせたのでございます。教科書の問題非常に参考になりました。私は十分考慮いたしまして、ちょうど地図の塗りかえのごとく手ぎわよくいくかもしれません。将来重要な参考にして、渾身の研究を続けたいと思っております。
○国務大臣(水田三喜男君) 辻さんのいろいろ御心配されておる問題については、われわれ真剣に傾聴いたしました。問題はこの教科書の金をどうするかというような問題ではなくて、予算以前の問題で、私どもは真剣に考えなければならぬと考えております。この問題の考究の過程において、おのずから私どもは金の問題というような問題はまた研究すべき問題ですが、問題はそれ以前の問題だと私は拝聴した次第でございます。
○委員長(館哲二君) 午後一時に再開することとして、これにて休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ————・———— 午後一時十七分開会
○委員長(館哲二君) これより予算委員会を再開いたします。 委員の変更について報告いたします。 本日、手島栄君及び米田正文君が辞任されまして、その補欠として小沢久太郎君及び鍋島直紹君が選任されました。 —————————————
○委員長(館哲二君) 午前に引き続いて質疑を行ないます。加賀山之雄君。
○加賀山之雄君 私に与えられた時間は非常に短いので、意を尽くせないかもしれませんが、総理以下各大臣に対しまして質問を申し上げようと思います。 まず第一に、総理大臣にお伺いをいたしたいのでございますが、総理は本国会の劈頭、施政方針演説において、私は、至誠をもって事に当たる。特に清潔な政治、明るい社会、幸福な家庭、平和な世界の建設のために奉仕するのだという決意を述べられたのでございます。私は、このお言葉の中に、従来に見られない総理の腹の中から出たお気持が異常なまでの決意になっておられるということを感じまして、非常にうれしく拝聴し、ありがたく思ったのであります。こういうところから、総理がかねがね言っておられる政治の姿勢を正すということも出てくるのだ、生れてくるのだと思いますが、しかし、総理がいつも政治の姿勢を正すということについて、国会においてまず話し合い、忍耐の精神でいくのだと言っておられますが、しかし、先ほどからの論議にも出ておりましたように、外交の問題、あるいは教育の問題、自国防衛の問題といったように、国の基本となる非常な重要な問題については全く意見が一致しない面があって、特に国民としてはこれらの重要な問題について国論が二分しておるというようなことを非常に憂えておるのでございまして、場合によっては、いわゆる低姿勢ということだけでは済まない、国家の大事、民族のためには重要な決意をもって、意見は違うがこれはどうしてもやっていかなければならぬのだという問題が出てこないとも限らない。これはもうお伺いするまでもないことでございますが、そういうことについて総理はどういうふうにお考えになっておるか、まず承りたい。
○国務大臣(池田勇人君) 低姿勢ということは私が申した言葉ではないので、私は正しい姿勢、正姿勢だと考えておるのであります。やはり国会は議論の場でございます。十分論議を尽くしてやる、論議を尽くしてやるということが私は正しい姿勢である。何も卑屈になるという意味ではありません。従いまして、私は正しい姿勢で、しかも政策につきましては、これは高姿勢といわれておりますが、これは自分で言ったのでございますよ、自分の政策につきましては、あくまで忠実に主義を通していくという考えで進みたいと思います。
○加賀山之雄君 その問題については、後刻、ILOの問題やあるいは教育の問題についてまた伺いたいと思うのでございまして、総理の言われておることは、私は正姿勢ということは大事なことだと思って念のためこれは伺った次第でございますが、そこで、その政治の姿勢を正すということの中で、一つ私は大事な盲点がありはしないか。それは政党法を制定するかどうかという、こういう問題でございます。この問題については、実は過日の新聞で、あるいは政府、あるいは党から出たか、政党法の制定の準備に取りかかったということを伺って、大いに意を強くしたのでございますが、申すまでもなく、日本の民主政治、いわゆる議会政治を正常に運営していくためには、政党の力を正しく伸ばしていく以外にないのであります。ただいまの政党の重要な地位、役割というものから見まして、これはそこに法律としての根拠がほとんど現われていない。ないということは非常に不自然だと思う。もともと、これは非常にむずかしい法律になるだろうことでしょうし、またほかの前例などもそうたくさんの国が作っておるということじゃないと思いますが、政党法制定ということについていかなるお考えをお持ちであるか、お伺いしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 民主主義、議会主義は、政党によって運営されることが一番の普遍的な形であると思います。で、民主主義、議会政治において、りっぱな政党が必要である。そうすれば、政党法について、規定を設けて政党についての規制ということも一応考えられる。ただいまのところは、政党に関しましては政治資金規正法があるだけです。しかし、お話の通りに、民主主義国で、政党政治であっても、必ずしも政党法というものは国によってあまりたくさんございません。政党法自体というものは、政党を規制するということよりも、主として選挙に関係したことから来ておるのでございます。候補者の選び方、あるいは選挙制度によって比例代表制の方がいいとか、いろいろな具体的な問題から来るのでございます。私は、ただいまもう提案いたしましたが、選挙制度調査会法案で、法律で調査会を設けまして、この調査会におきまして政党のあり方、あるいは選挙、また選挙粛正の問題等々、一括して御検討願いたいというので諮問いたしておるのであります。政府におきまして、政党法云々という問題につきましては、一応の研究はいたしまするが、どういう結論、考えを持っておるかということはまだお答えする段階までいっておりません。
○加賀山之雄君 選挙制度調査会においてあわせてこの問題を研究しておるというお話でございましたが、私は、この選挙制度とはもちろんこれは非常に深い関係があって、候補者の公認制度の問題とか、それから選挙に要る資金調達の問題、まあそういったものが非常に大事な問題であることはわかりますが、しかし、極端にいうと、政党が、今野党であると与党であるとを問わず、政党が日本の政治を動かしておるのだということは言えると思うのです。国家意思の形成にあたってお膳立てをする、あるいはこの間の予算の編成にあたっても、政党が、これはいろいろ批判もございましょうが、非常な大きな役割を勤めた。かようなことから見て、単に資金調達とかあるいは候補者の公認とかということのほかに、あるいは政党といわゆる圧力団体の関係だとか、あるいは労働組合との関係であるとか、あるいはこれが地方の単なる政治結社とは違うのである、こういうような点について、はっきりと国の政党としての地位を法律で明定をして、そうしてその権限、それから責任、こういったものを明確にすることがどうしても必要であると私は思うので、重ねて、総理は今まだそこまでいっていないというお話でございましたが、一つもう一度承っておきたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) この政党法につきまして、各国において加賀山さんのような御意見の方が多くあるようでございまするが、なかなか、選挙制度に非常に重大な関係もありますし、またそれを離れての政党のあり方につきまして法で規制するということにつきましては、いろいろ問題があるようでございます。ドイツなんかにおきましても、政党法を作るべく努力したようでございますが、なかなかそこまでいっていないようでございます。
○加賀山之雄君 大へんお言葉を返すようで恐縮ですが、西ドイツも、これは昨年これを実施をしたように私は聞いておるのでございますが、これは、私は政治の姿勢を正すということについて、この法律、政党というものを正しく位置づける、これはぜひともまずなさなければならぬことじゃないかと、私はこういうように考えておるのですが、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) ドイツについては、まだ実施していないと聞いておるのでございます。最近案ができたやに聞いておりまして、まだ実施はしていないのだと思いますが、よく調べまして……。なかなか、この問題は私はむずかしい問題だと思っております。先ほど申し上げましたように、研究もいたしますし、また選挙制度と非常に関係のあることでございまするから、調査会等の御意見も聞いてみたいと思っております。
○加賀山之雄君 次に、総理はやはり施政方針演説の中で、「憎しみと、たたかいとは、破壊への道」という言葉を使っておられる。これはほんとうに私は共鳴を感じたお言葉でございまして、昨年一年が全く国内が憎しみと戦いに明け暮れたのではないかという感じさえ持つのであります。そこで、言っておられますように、信愛とか寛容とか謙虚というような精神は、この民主政治の上に、いわゆる政治の姿勢を正していく上に欠くべからざる心がまえである。これあってこそ初めて双互の忍耐ともなり、話し合いの精神ともなる、かように私は理解をしているのでございますが、そこで昨年、あるいは本年におきましても忌まわしい事件が起きましたが、そうして国民を非常に暗たんたる気持に陥れているわけでございますが、われわれはここで根源がどこにあるのか静かに振り返って見なければならぬ、精査してみなければならぬと思うのでございます。ある人はこれを政治の悪弊に帰し、簡単に政治が悪いからだと、こう言ってしまう。あるいはまたマスコミがいけないのだと、マスコミに指弾の目を向ける。あるいは教育の罪だ、こういうように教育に罪を着せる。いろいろ考え方はございます。そうしてこれはいずれも当たっておりましょう。しかし、全部が全部正しいということではないのであって、国民全般、特に青少年に対するまあ絶大な影響力を持つということからして、この三つのものが一番やはり第一に反省し、考えなければならぬ点がたくさんあると思うのです。で、政府が総理大臣みずからまず率先してやられ、この先ほどの施政方針で述べられた、清潔な政治にするのだ、話し合いの政治をやるのだ。——これも非常にけっこうなんです。これを前提として、ほかに総理として一体この根源は、どこにあるのか、これをどうしたらいいのか、さようなことをお考えがございましたら承りたい。そうして明るい社会の建設に直していく方策というものもお考えになっていると思うのでありますが、お考えを承りたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) やはりこの明るい朗らかな社会を作るのには、やはりおのおの各自の心がまえがもとだと思います。もちろん、政治家は政治家として、またマスコミにおきまして、またお話しの教育のあり方につきましても、私はお互いが自分の身をおさめるということが根本ではないかと考えているのであります。
○加賀山之雄君 つまり、今後の日本の社会を明るくしていくのには、私は、今言ったような大きな影響力を持つ、それに関連する人が、一人々々がほんとうに自覚を持って反省をして、どうしてこんなことになってきたのかを強く反省を持つと同時に、そうしてみんなでやって考えなければならぬ、かように考えますが、これにはやはりいろいろの制度、あるいは法律、そういったものについてどうしてもこれは直していかなければいけないというものが出てくると思うのです。先ほどもちょっと申し上げたのでありますけれども、その場合に考え方の違いから、あるいは世界観の違いから、ぶつかり合うということはなきにしもあらずでございまして、私どもはたとえば議運の理事会に出ておって、最近非常にまあいわばスムーズにいっておる。われわれは非常に助かるわけなんですが、しかし、これがはたしてこれでいいのかどうかと考える場合に、必ず重要な問題が先に起こり得ることがあり得る、今の状態では。かようにまあ考えるわけであります。その場合にもやはりあくまでもこれは話し合い、あるいは忍耐、お互いに謙虚な気持でいけるものかどうか。この話し合いということ、あるいは忍耐ということは、相手があってのことでありまして、一人だけではどうにもならぬことであると思うのでございますが、さような問題についてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(池田勇人君) 話し合いと申しましても、相手のあることでございます。だから、相手がお互いに相手の気持を汲みながら、そうして国民、世論が見ておりまするから、それにマッチするようにやっていかなければなりません。話し合いでも、それは無制限ということのものではなく、国会におきましても会期もございますし、またその話し合いにつきましても、第三者から見て、これはこちらが無理だというような批判もあることだと思いまするから、これもやはり時期的には一応の限度がある。限度を置いて、そのところまでは円滑にいわゆる寛容と忍耐でいくということであると思います。
○加賀山之雄君 次に、外交に関する問題になりますが、今の問題の中の一つに、今は非常に国論が分かれているというか、そういう問題の一つに対中共の問題があると思うのです。これは、この問題については、総理大臣は今度の国会で、この課題に接近していく年だ、接近しなければならぬ年だという意味のことを言っておられる。また、かねがねその問題については前向きの年だと、こういうようにも言われているのでありまして、過日も外交問題懇談会が開かれ、いろいろ論議があったようでございますが、この中でついにまあ結論というか、統一された結論は出なかったように聞いております。で、われわれいつも外交問題については、あくまで国として一本に出ていく、いわゆる超党派外交というものでなければ、どうしても他国をしてこれを承知させるというような力になり得ないのじゃないかというように考えて、超党派外交というものを主張しておりますが、この中国問題についてはそういったふうに結論がなかなか懇談会では出なかった。ところで、総理大臣は六月には渡米されることは既定の事実になっておるし、その場合にはどうしても日本の自主的立場から中共問題もおっしゃられなければならない、かように思うのでありまして、今度の懇談会の出た意見なんかを参考にされて、もし伺えるならば、総理のこの問題に対するお考え方を伺いたいと思うのです。
○国務大臣(池田勇人君) お話のように、組閣の際に設けました外交問題懇談会におきましては、この中共問題につきまして、五、六回会議を開いていろいろ御議論があったようでございます。結果におきましては一本の結論は出ませんが、二つ三つの結論が出たようでございます。私は、審議の過程につきましてまだ直接には聞いておりませんが、新聞その他から聞いて、この重大な問題が一本の結論が出ない、相当たくさんの識者がお集まりになって、一本にまとまらなかったということが、非常に問題がむずかしいということを表わしておるのであります。 なお、この懇談会の議論ばかりでなしに、国際的にも最近におきまして、この中共問題は今までに増して重要な問題、また接近した問題として取り扱われておるのであります。で、私は、内外におけるこの問題につきましての考え方を十分検討いたしまして、われわれの進むべき道というものにつきましての結論を見出したいと、今努力しておるところでございます。
○加賀山之雄君 そこで、この問題について二つ総理から伺いたいと思うのですが、これはもうおっしゃる通り、非常に何というか、重大で、かつ複雑困難な問題であって、わが国は、——わが国というか、割り切った、こう考えるからといって、なかなかむずかしいということは、私どもよく承知しているわけですが、国民もまたこの問題については非常な深い関心というか、心配を持っておるわけであります。ところが、国民はどういうことを知らされているかというと、私は、ほとんどもう何もわからないといった方が近いんじゃないかと思うのでございます。で、国民に伝えられているところは、あるいは中共へ行ってきて、帰ってきた方のお話を聞く。ところが、これがまた非常に何といいますか、百花斉放というか、いろいろまちまちである。従って、何を根拠にして中共問題の判断をするか、特にこういう重要な問題で国会が一つの判断をしようという場合の、これならばという信憑性をもって判断の資料にするというようなものがないわけなんです。 そこで、まず、まあ国民外交の名においていわれておりますように、外交は国民の基盤が大事であると思うのでございまして、国民に啓蒙するというような意味もあって、このせっかくお作りになった外交問題懇談会、これの議事録というか、お差しつかえのないところを御発表いただくわけにはいかないものかどうか、それをまず伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) この外交問題懇談会の議事は一応秘密ということでやっておるのでございます。ただ、会議の模様を特定の人が発表するということは今までいたしております。従いまして、ちょいちょい新聞に出ているのでございまするが、この問題は、原則がそういうふうになっておりますので、もし懇談会における議論につきまして、この点は正式に発表した方がいいというふうな問題がありましたならば、懇談会の方々と相談いたしまして、そういう手続をとってもいいと思います。ただ、だれがどう言ったというふうなことまではいかないかもわかりませんが、要すれば、私はそういうことに取り計らっても差しつかえないと思います。
○加賀山之雄君 それからもう一つ、やはり北京政府がどういうふうに考えておるのか、これについてわれわれの聞くところは間接的でありまして、一体、真意がどこにあるのか、たとえば両国の関係を打開していく、それにはいろいろ手順や条件や、あるいは方法があろうということでございますが、そういう問題について北京ではどういうふうに考えているのが真相かということがつかめていないと思うのです。あるいは政府におかれましても、これは正式の会談というようなものを今まで持っておられないのだから、同じだと思うのでございますが、まあ一つの糸口を見つけるというような意味からいっても、たとえばワルシャワでしたか、アメリカと中国の代表が会われて会談を持たれた。まあさようなことなんかも、私はやはり糸口を見つけるというようなことからいって一つの方法ではないかというふうに考える。いずれにしても、この真意を確実に把握する、これもまた非常にむずかしいことでございますけれども、ぜひとも、それは打開の道に入る場合にぜひ必要なことだと思うのです。さような意味から、さようなことをお考えにならないかどうか、いわゆる外国において大使級の会談というものを持たれるようなお考えがあるかどうか、伺いたい。
○国務大臣(池田勇人君) お話の通り、中華人民共和国にわが党の方も社会党の方も相当数行かれておりますが、中共の外交問題につきましては、なかなか各人各様で、はっきりしたところがわからないということが定説のようでございます。私も努めてわが党の石橋さん、松村さん、高碕さん等からも聞いております。また、新聞その他でも承知しております。また、最近帰られた山木熊一さん一行に加わった人の話も、私は一昨日直接に聞いたり、また、その使節団と周恩来あるいは廖承志等の方々の会談の、これは速記というわけでございましたが、もらっていろいろ研究しておるのでございます。それから、ワルシャワで行なわれたケネディ大統領、第一回の会談の模様も聞いておりまするが、どうも中共がほんとうにどういう方針だということも、おぼろげにはわかりますが、やはりある程度各人各様で食い違っております。令すぐ私は検討いたしてみたいと思います。 お話のように、中共とアメリカが大使会談をやっておるような方法を、日本と中共の間でやったらどうかという意見も聞いております。この問題につきまして、大使級の人ではだめだということを中共で言われておるということも聞いております。大臣級ならというようでございまするが、しからば、政府の代表として話をするかどうかという問題は、大臣級ということではなしに、今、松村さんとか、高碕さんという人にかわって、同じ党員でございますけれども、政府の代表として今どこでどういう会談をするかということにつきましては、実はまだ私は結論を出していないのでございます。
○加賀山之雄君 次に、労働大臣に伺いたいと思うのでございますが、これはもう政府ははっきりと、ILO第八十七号の承認をきめることに決意をされたということでございます。このこと自体は、私は非常にけっこうなことだと思います。ところで、第一に、これは勉強として伺いたいのですが、未批准国がアメリカを含めて五十九国もあるようであります。これはほとんど基本的な条約でございましょうが、どうしてそういうことになっておるのだろうか、私どもも非常に不思議に思っておりますが、労働大臣から、その間の事情を伺いたい。
○国務大臣(石田博英君) 未批准国の中でおもな——おもなというとおかしいので、大きな国はアメリカとカナダであります。これは、アメリカとカナダは御承知のように連邦制度でありまして、それぞれ連邦が憲法を持っており法律を持っておる。その連邦政府の法律制度との調整に時間がかかっておるので、その両国がおくれておるわけであります。しかし、イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア、その他自由主義国家のおもなものは批准が終わっておるわけであります。それから、たびたび申し上げておりますが、これはILOの基本的な条約の一つであり、かつ同時に、自由主義国家の基本的信条のものとも私は考えておりますので、鋭意批准に努力をいたしたいと思っております。
○加賀山之雄君 このILO八十七号の批准にあたっては、もちろん国内法を整えなければならぬということが第一に出てくると思うのですが、私は、それだけじゃ足りないので、やはり精神的基盤というか、労使の間、また今度は政府も含めて、この三者に、何というか、心がまえというものが非常に大切になる、かように考える。で、その中で私ども心配しているのは、公務員の問題、あるいは、総評が相変わらず生産性向上なんということに反対をしておるというような状態、こういう状態は、この基本的条約を結ぶ場合において非常に考えなきゃならぬ事柄じゃないかと、こういうふうに思います。また、国内法整備ということになりますと、まあこの内容なんかは、いずれお出しになったものについて伺っていけばいいんですが、いろいろまあ党内でも意見が分かれておるというふうに伺っている。ところが、まあこの内容いかんによってはこれまた与野党の非常な激突必至というようなことも考えられる。そこで、まず党内を調整されることが先でございましょうが、私は、その重要な問題についてはまず与野党間で話し合いをされてそして整備をされる。それで片方、批准というものはもう絶対なものであるならば、これはどうしても国内法の整備、あるいはそういった心がまえをしっかり持つということは、前提条件として大事な事柄だと思うんです。労働大臣としてどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(石田博英君) 単に八十七号条約の批准ということに限らず、やはり労使間の安定をはかって参りまするためには相互信頼の回復ということが私は必要であろうと存じます。そのために、政府は労使双方に対しまして政府の一定の労政観というものを確立いたしまして、そして労使双方の信頼感の回復に努力をいたしておるわけであります。で、このILO八十七号条約を批准するということ自身も、やはりこの労使間のけじめをつけるということのために私は必要であると考えておるのであります。と申しますのは、労働組合法におきましては、この八十七号条約の差し示しております団結権の自由というものは確保されておるわけでありまして、当該企業体の職員でない者でもその企業体労働組合の代表として団体交渉に臨み得るわけでありますが、公労法、地公労法は、御承知のように、その逆になっておるわけであります。で、これはやはり労使間の一貫した安定と信頼を確保してこれを軌道に乗せるという上からいっても、一本の線にいくことが、一貫した法体系のもとに貫かれることが正しいものだと、私はこう考えておるのであります。つまり、八十七号条約批准のために労使関係の相互信頼というものを作り上げるということだけではなくて、むしろ、労使間の安定と相互信頼を確保するために労使間のあり方というものに一貫性とけじめをつけていく、こういうふうに私どもは考えておる次第であります。それから、国内法整備の問題に関連をいたしまして、あらかじめ与野党間の話し合いをされたらどうかというお話でありますが、私どもは今目下のところ、党内のいろいろな意見、政府部内の意見の調整をはかっておる段階でございまして、やはり与野党間の意見の方は、私ども党内の意見調整を終わって法律が提出されましたときに、国会を通じて討論をいたす過程において、でき得る限り意見の一致点を見出していきたいと考えておる次第でございます。
○加賀山之雄君 この際、労働大臣に伺いたいと思う一点は、労働大臣は、これは非常に指摘しておられたと私は記憶するのでございますが、産業別労使協議制の実施という問題でございます。で、これはすでに繊維産業等、労使間の実績等もだいぶ出ているんじゃないかと思われるんですが、まあ貿易自由化に対していわゆる合理化あるいは企業整備といったようなことがどうしても起こってくる、こういった場合に、かねがね主張しておられたこの協議制なるものは、私は非常に一つの大きな示唆ではないかと思われるのですが、これをさらに促進されるというようなことについてのお気持はないものか。
○国務大臣(石田博英君) 産業構造の変化、あるいは技術の革新、進歩、その他の経済界、産業界の大きな前進の過程に、雇用の変動が当然相伴って参るわけであります。従って、その雇用の変動をでき得る限り摩擦を少なくして参りますためには、やはり労使間の話し合いを早い時期に開始をいたしまして、そうしてその変動が摩擦を少なくして異動ができるようにお互いが話し合うということは、私は根本的に必要なことであろうと存じます。ただこれをにわかに制度化いたしまして、そうしてその制度のもとに運用していくということになりますると、それにはやはりその前提として労使間の相互の信頼の確保ということがやはり必要となって参るのであります。で、現在労使間の間に相互の信頼が確保されておるところでは、この制度と申しますか、そういう考え方が順次具体化されて参っておるわけであります。政府といたしましては、これに対して制度を設けて、そうしてその制度の中にあらゆる状態にある各種事業のものを持ってこようとするのではなくて、やはり労使間の相互の信頼を回復していくということを前提として、その上に立って順次これが具体化されていくことを期待いたすわけであります。その相互信頼の前提といたしましては、やはり産業界、経済界の進歩に伴いまする雇用の変動は、これは人類の進歩発展の一つの前提として承認をいたしまして、そうしてその承認した上に立って変動を余儀なくされる労働者諸君の今後についてどう考えるかという問題、あるいは生産性の向上もまたこれは人類の生活内容を豊富にいたしていくためにどうしても行なわれなければならないということを前提としての話し合い、やはり話し合いの底辺を統一していくということの上に労使間の相互信頼が確保されることが必要であろう、こう考えておる次第であります。しかし、西ドイツ等におきまして成功をおさめました共同決定法、その他についての検討はいたしておりまするし、また生産性向上本部において提案されました制度等についても労働省としてはきわめて強い関心をもちまして対処いたしておる次第でございます。
○加賀山之雄君 次に、文部大臣にお尋ねをいたしたいのでございますが、先ほど同僚辻委員との質問におきまして、文部大臣がお述べになったことはよく承っておりました。おそらく繰り返すことになるのでございますけれども、私は、お考え直しを願って、日教組の幹部諸君と一つお話し合いをされたらどうか、そういう立場で大臣の御意見を承ってみたいと思うのでございますが、それはまあもちろん法律的にこれが団体交渉であるとかないとかいうことは何もお考えになる必要はないので、国の今政府の重要な文教政策をあずかっておられる大臣、片方は日教組という団体は、これはそれがいいとか悪いとか言うまでもなく、一つのやはり教育者の団体であって、戦後かなり強く日本の教育制度、あるいは極端にいえば教育行政にすら力を持って参ったようにさえ思われるので、これは私は前に実は教育二法案というものが出て、非常に偏向が目立つ、これは一つそういったものは、誤った政治活動をした者は刑罰に処するという、これは当時の大達文相時代でありましたが、出たときに、私は日教組諸君もこれは日本人なんだ、教員諸君は日本人なんだ、必ず悪い点があれば反省してくれるに違いない。これに刑罰をもって振り回すのはどうかということで修正をした記憶があるのでございますが、その後の日教組の活動も私は絶えず注目をいたしておりますが、いずれにせよまだ教育の問題については確かに意見の食い違いがある。先ほどの教科書の問題にしたって教育行政の問題全般に関してあると思います。しかし、あればあるほど一つ腹を打ち割って話し合う。先ほどの総理大臣の話し合いの政治、そしてお互いに、こちらの意見も聞かせる、向こうの意見も聞き取り、そしていわゆるテーゼとアンチテーゼといった格好になって日本の教育行政並びに教育がいいところへいくんじゃないか、かように考えるわけですが、お考え直しを願えないかどうか、文部大臣どうぞ、御意見を承りたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。結論から先に申し上げますと、先刻辻さんにお答え申し上げました通りでございます。日教組は御承知の通り、みずからの規定に従えば、労働者の団体である。法律的にいえば憲法に保障された結社の自由に基づく任意団体であることに間違いございません。ですから、広い意味の労働組合であるわけですが、その立場において代表者が中央交渉を要求すると二回にわたって言われたのであります。それを、ですから、先刻お答え申し上げた意味でお断わりを申し上げた。私は日教組という組織団体の代表者と中央交渉、団体交渉などということでお目にかかる立場ではないからお目にかからぬのはこれは当然のこと、制度を乱るものと今でも思います。ただ、事実上会ったらどうだという御勧告をたびたびいただくわけでございますが、それは先刻も申し上げた通り、お互いの自由であります。しかし、自由ではございますが、団体の代表者という立場において事実上お目にかかるということは、一体何のために会うのか、会わねばならぬのか。私の方から特にお目にかからねばならないということはちょっと考えつきません。(「その通り」と呼ぶ者あり)私はいつも申しておりますが、その日教組という団体の代表者というんでなしに、その日教組を構成する五十万と称せられる現場の教師の方々の一人々々にお目にかからないと言った覚えは一回もございません。(「その通り」と呼ぶ者あり)団体の意思決定のまにまにそれを持ってきて、まあいわば押しつけがましくその課題をとらえて、ことにその課題が今まで承知しておる限りでは政治的な課題でしかないのである。それを話し合っても初めから話はわかっているわけでございますから、今まで接触しました限度内においてはお目にかかる意味をなさない。いわんやそのよって立つところの基本理念が教育の中立というものに手を染めんとする意図が明瞭でございますから適当ではあるまい。繰り返して申しますが、個人としての現場教師の貴重な体験に基づく建設的な御意見は進んでお漏らしを願いたい、教えていただきたいと私は呼びかけているのであります。
○加賀山之雄君 この問題についてはもっと大臣とお話をして、また御意見も伺いたいのでございますが、遺憾ながら時間がありませんから項目を並べて伺いたいと思うのでございますが、一つは先ほど辻委員から出ておりました教科書の問題でございますが、かつて教科書法案というものを政府が準備されたことがあった。ところが、これはいわゆる審議未了になったのでございましたが、私はこの教育という立場から見て教科書の重要性はこれは言わずもがなでございまして、これらの編さんから検定、採択、販売に至るまで、あらゆる点を網羅してしっかりとした教科書法というものがどうしても私は必要だと思うのでございますが、その後杳としてお考えがないように承っておるのですが、いかがでございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。教科書に関する根拠法は、義務教育課程の教科書のことでございますが、終戦直後教科書の用紙が非常に不自由であったということで、教科書に関する臨時措置法が制定せられまして、それによって教科書が作られ供給されておると記憶いたしております。御指摘の通り、この大事な教科書が今申し上げたような根拠に基づいて、ことにこれができましたときの客観情勢と今は、教科書をめぐる経済条件がまるで変わっておるということに考え合わせましても、教科書それ自体の重要さから申しましても、法制的に制度としてもうちょっと検討を加えて、特に義務教育は無償とするという憲法の趣旨から申しましても、重要な一番中心的な教材でもございますから、無償に名実ともになし得るようにどうすればいいかということも合わせ考えまして慎重検討を加えて、なるべくすみやかに実情に合うように生徒児童の学習にぴったりしますように、また教える側の先生の立場から見ましても、もっとりっぱな安定した教科書ができますように考えねばならないかと存じておるところでございます。
○加賀山之雄君 技術者の不足が非常に訴えられておるのでございまして、最近五年制の高専教育なども言い出されておりますが、私は技術教育にしろ何にしろ、まずその教育者、先生の質とそれから量、人数が大切だと思うのでございますが、今回の予算において、そういった先生の充実について盛られておりますかどうですか、その点について承りたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。工業高校を計画的に所得倍増の計画にも見合い、かつまた生徒急増対策の一助にもなるわけでございますが、設置したい、それによって中堅技能者の人材供給にも資したい、こういう計画もございますが、それに見合う意味合いと、また科学技術教育が全面的に小中学校、高等学校、大学を通じてもっと意欲的に推進さるべきだという社会的な要請にも応ずる意味合いにおきまして、何としても御指摘の通り先生がりっぱな人が必要量供給されるのでなければ、設備施設等ができましても不可能なわけでございますから、そのことを考え合わせまして三十六年度予算で一応考えておりますことは、九つの大学院大学に養成所を設置いたしまして、むろん次善の策たらざるを得ないのが遺憾でございますが、そういうことを一面考えますと同時に、高等学校からスタートしまして、科学技術教育を系統的に、まあ五年制の高等専門学校とでもいうようなものを考えていった方が実際の人材需要の面にも合うであろうし、科学技術教育の一般的求めにも応ずるであろうということから、そういうふうなことも考えまして、三十六年度予算にもそれに相応する金額を計上さしていただいております。
○加賀山之雄君 次に、教育の中で、まあ学校教育、家庭教育、それから社会教育、こういうふうに分かれておる。私はこの社会教育という分野が、どうも一番今のところ足りないじゃないかと思うのでございまして、この社会教育は別にいろんな機関を作るというような必要よりも、むしろ資金の足りないために、せっかくのこのりっぱな協会と名のつけられたものが十分力を尽くし得ない事態がたくさんあると思う。一方、新生活運動なんかに対してはかなり広範な資金を見ておられるようでありますが、これも非常に莫大な経費がかかるというものではなくて、ごくわずかな経費で生かしていける。せっかく社会教育法第十三条の改正をしたわけでございますので、その点について、文部大臣は社会教育の今後の助成ということについていかに考えられるか、伺いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあお説の通り、社会教育は先般もここでお話が出ましたように、青少年の犯罪が非常にふえてくる傾向、これはたれしもが心配していることでありますが、そのことに対処します一つの考え方としましても、児童、生徒が社会に出ました直後からこれを受け入れて、日本人としての教養を高めていくという角度から見ましても、当面重要なことであり、そうでございませんでも、御指摘の通り、十分力を入れていくべき筋合いのものと心得ます。御指摘の通り、社会教育法の改正に伴いまして、今までも相当の努力をしては来ておりますが、三十六年度におきましても、及ばずながら、十分ではございませんけれども、予算措置を講じておるわけでございます。少しくどくなりますけれども、申し上げさしていただきます。昭和三十六年度社会教育関係団体補助に必要な経費としては六千万円、前年度よりはわずかではございますが、増加いたしております。文部省の社会教育局主管の予算として申し上げますと、まあ六億三千万円見当、これも前年度よりは少しはふやしておるわけであります。まあ青年学級、公民館の運動に対しての補助等が主たるものでございますが、なお青年団体に対しましては、中央の団体に八つ、都道府県の地域青年団体に二十六、その補助の目的と申しますか、内容の概要を申し上げますと、外国の青少年団体との交流のための派遣費なり、受け入れ費なり、あるいは指導者の相互研究、協議会の経費ないしは大会の経費の補助、青少年活動のための調査及び資料の作成等を目標としまして、青少年団体に対する補助を考えております。婦人団体に対しましては、都道府県の地域婦人団体三十七団体、それらの団体が指導者の研究協議会、大会ないしは社会奉仕活動、文化活動等に対する助成の目的のために、さっき申し上げた経費の中から支弁するわけであります。そのほかに日本PTA全国協議会の研修会等に対しましても、相当の補助金を支給しますほか、青少年教育、成人教育、視聴覚教育、公民館、図書館、博物館、通信教育、芸術等のことを扱っております社会教育の団体十四団体に対する補助をやります。そういうようなことで、幾らかの前年度に比べますれば前進をする意図のもとに予算上は措置いたしておるような次第でございます。これだけでむろん足りるわけじゃございません。今後に向かってもさらに努力を重ねていくべきものと心得ます。
○加賀山之雄君 時間がだんだんなくなってきましたので、次に、運輸大臣に伺いたいと思うのですが、私は運輸、交通について、一番大事なのは交通政策を確立することじゃないかと思う。もちろん港湾は港湾、鉄道は鉄道、道路は道路といったように、何カ年計画かは策定されておりますが、これを総合的に、鉄道には今後五年後、十年後、これだけの役割を持たすのだ、道路はどうだ、港湾はどうだといったように、総合された計画があるように私は伺っていない。歴代の運輸大臣のお務めとしてこれは一番大事な役割だと思うのでございますが、運輸大臣はその点についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(木暮武太夫君) 都市交通の問題でございますか。
○加賀山之雄君 いや、全国の交通政策、交通政策といいますか、鉄道、道路、港湾を含めた、つまり、今後の所得倍増というようなことを考えるにしても、国鉄は国鉄、港湾は港湾、道路は道路であっては、今後二重投資になったり、あるいは大事なところが抜けたりいたします。一体、そういう総合的交通政策をお持ち合わせかどうかということを伺っているのであります。
○国務大臣(木暮武太夫君) お答えを申し上げます。十カ年にわたります所得倍増の構想に伴いまして、道路あるいは港湾、鉄道、それらのものをにらみ合いをいたしまして整備をし、増強をいたさなければならないことは論を待たないわけでございます。それに応じまして、われわれも予算によって、これからあるいは五カ年計画等を作りまして投資をいたして参りますわけでございます。しかし、現在の機構から参りますると、直ちに総合的にここに一つの機関を作るという段階にまで直ちに入ることになっておりませんので、現在ありまする機関が、よく緊密なる連繋をとりまして、御指摘がありましたように、むだな二重の投資のないようにということに力を尽くすということよりほか仕方がないと考えておる次第であります。
○委員長(館哲二君) もう時間がきておりますが。
○加賀山之雄君 時間がなくなりまして大へん残念でございますが、運輸大臣は、この都市交通の問題、特に東京都がもう麻痺寸前の状態に来ている問題、あるいは今後の海運とか、観光事業、これは外貨の手取りということからして非常に大事な事柄になってくるわけですが、こういう問題についてお考えをただしたいと思っておったのでございますが、時間が切れて……。いずれも都市交通の問題については、いろんな審議会や委員会が一ぱいある。そうして答申をたくさん出しておる。それにもかかわらず今日のこの状態、せっかくの答申がみんな眠っている。これはどこに原因があるか。もちろん資金的、法律的にいろんな私は大事なことをしなければ、簡単にできる問題じゃないと思いますが、そういう問題がいわばほうったらかしの状態になっているし、それから海運にしても、このままでいけば、非常に自国船による積み取り率は減っている。これをみすみす外貨を失う、また観光客も多少はふえていっておりますが、いわゆる観光国といわれているような諸国と比較したらものの数でもない。二十万人そこそこの外人が来たといって喜んでいるのは、まことに頼りないと思うのでございますが、そういう政策について、きょうは時間がないので大臣にただしたいと思ったのですが、残念ながら割愛をいたします。いずれ運輸委員会等においてお伺いをすることにいたしまして私の質問を終わります。
○岩間正男君 関連して。先ほどの文部大臣の日教組と会わないことに対する答弁に関連しまして、池田総理にぜひこの際ただしておきたいと思うのであります。 第一点は、日教組は任意団体だ、従って、会う会わないはお互いの自由である、こういうことを言っておるのです。しかし日本の現在の法制の建前から申しまして、御承知のように半額国庫負担の適用を受けております。従って、これらの給与の問題、労働条件の問題、このような問題をこれは所管するのは文部省だ、文部省を抜いてはこれを所管するところはないのであります。従って、全国的なこのような日本最大の労働組合が、その相手の交渉団体を持たないということが、そうしてこれが一方的に文部大臣の自由意思によって会う会わない、好ききらいというような感じで左右されているということは重大問題だと思う。私はあなたが何ら文部大臣という公職についていなければ、これは差しつかえないと思うのですが、いやしくも事文部省の責任者であるその立場から、会う会わないというようなことは自由だということが許されるのであるかどうか。これは池田内閣の一体閣僚として、このような責任を負わなくてもいいと総理大臣は考えるのかどうか、これが第一点であります。 第二点の問題は、これは今まで自由民主党の内閣で、歴代の文部大臣は日教組と団体交渉を持ってきました。法制的には団体交渉といえるかどうかは別としましても、実質的にはこれは団体交渉を持ってきたのであります。そうしていろいろこのような問題について今まで話し合いで解決をするという、そういう問題があったわけであります。また具体的に幾多の問題が解決されておった。ところが、今度会わないというような立場のために、御承知のように非常に困難に逢着しています。そうしますと、今までの歴代の文部大臣は、これは違法を犯しておったのかどうか。先ほど荒木文相は午前中の答弁では違法である、会うことが違法であるというような積極的な解釈を、今まで見せないところを初めて当委員会の今日の答弁において明らかにしたものを出されたわけであります。これは重大な問題なのでありますけれども、そうすると、今までの歴代の十人に近いところの文部大臣は、全部違法を犯しておったということになるのであります。この一体変化は何なのか、同じく自由民主党の内閣であります、池田内閣は。従いまして、ここにもしそのような転換をするとすれば私は重大な政策の変更があって、そのような法的根拠が、また政治上の根拠があって、はっきりこれを明確にしない限りは、私は国民の前に責任を明らかにするものとは思えないのであります。さらにまた具体的にいいますというと、昨年の八月だったと思いますが、池田総理は、総評の代表としまして、日教組の小林委員長を加えた総評の代表に会っておるのです。日教組の委員長には総理大臣は会っておる。そのときにあなたの率いる一閣僚である文部大臣荒木氏が会わない、これは内閣として統一された政治的行動とは私は断じて言えないと思うのであります。これは精神分裂症的現象ではないかと思うのであります。こういう事態を私はこのままにしておくということは、日本の文政の上、さらに池田内閣の統制の面からこれは了承することはできない。私は以上三点を、池田総理大臣が最高責任者として当然明確にする責任を有すると考えるのでありまして、この点から、はっきりこの当委員会を通じての御答弁をお願いしたいと思うのであります。
○小林英三君 議事進行。今、岩間君から関連質問というので御質問があったようでありますが、私は、委員長は御注意願いたい。関連質問というのは、現に加賀山君が文部大臣に御質問中に、それに関連した質問が関連質問であります。それの質問が全部過ぎてしまって、そうして今の御質問を関連質問と言われますが、これは単独の質問であります。お互いにわれわれは予算委員会においては各派で協議をして、各党派において時間を分担をしてやっておる。これを一々関連質問としてやられますと、これはそれらを破ることになります。言論は自由でありますけれども、議院の規則だけは十分委員長守っていただきたい。
○占部秀男君 議事進行。今、自民党の方からそういうお話が出ましたけれども、なぜ岩間君がそういうことを今発言したかといえば、午前中の私の質問に対して、関連質問でしたが、荒木大臣からの答弁がまだはっきりしない、それを途中でやめたときに、委員長はあとでそれはということで私たちはやめたのであります。その問題を委員長が積極的に、わが会派ならわが会派、あるいは他会派に言って、今の問題の処置はどうしようかということで話があるならば、岩間君の今の質問は出てこない。それをそのままにしているからこの問題が出てくる。わが会派はあとでやる……、(「それは関連じゃない」と呼ぶ者あり)関連だよ、問題が解決していないから……。
○委員長(館哲二君) 今の岩間君の質問は、午前中にありました問題に時間的にかけ離れましたけれども、関連のあるものとして許可をいたします。それに対して答弁はいかがでございますか。——池田総理大臣。
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。日教組という教員からでき上がっておる全国団体は任意団体でございまして、私は文部大臣はこれに会わなければならぬ法律上の義務はございません。ただ、お話の教員の俸給は半分国庫負担になっておる。こういう問題は法律できまっておることでございます。そうして、私は法制上教員からでき上がっておりまする府県の教員の連合組合、これと府県の教育委員会とは団体交渉をする建前になっております。しかし日教組というものと文部大臣との会見につきましては、法は何ら規定していないのであります。連合の組合並びに府県の教育委員会との団体の交渉は法律に規定しております。日教組とは規定しておりませんから、文部大臣は会う必要もなし、会わないのが適当であろう、こう答えたのでございます。私は文部大臣の考え方を支持いたします。ただ、今までの大臣が会ったということは、そういう法律的な問題でなしに、事実上の問題として、政策的のあれでございますから、私は何もそこに違いがございません。私はただいまのところ文部大臣の考え方を支持しております。 それから私が第三問の総評の方々と会いました。私は総評として会ったのでございます。日教組の代表者がそこにおったとかいないとか、これは問題にいたしておりません。総評と会ったのでございます。 —————————————
○委員長(館哲二君) 小林孝平君。
○小林孝平君 農業問題は、今や世界のいわゆる大国といわれるいずれにおいても重大な政治問題となっております。米国においても、ソ連、中国においても、また、フランスにおいてもしかりであります。世界のいわゆる大国であるこれらの国々の指導者は、フルシチョフでも、毛沢東あるいは米国の大統領も、それぞれ年次大会あるいは年頭教書等の重大演説の中で農業問題を大きく取り上げているのであります。ところが、わが日本では、この重大なる農業問題について、歴代の首相はいずれも属僚の書いた作文を施政方針演説で読み上げるか、あるいは属僚の書いたメモで質問に答えているにすぎない現状であります。しかるに、初めて池田総理は自分で考えた自分の構想を国民に訴えられました。それがたまたま農民七割削減とか六割削減とかということで全農民をふるえ上がらせましたが、その議論の当否あるいは批判は別として、この前例のなき農業問題に対するあなたの積極的な態度は、私は敬意を表するにやぶさかではありません。そこで首相は、よく日本は今や大国であると言われますが、こういう意味合いであなた池田首相は大国の統領並みの資格を備えられたものということができるのではないかと思うのであります。私は、農業問題についてこの積極的池田総理に所信をこの機会にお伺いいたしたいと思います。 当面の重大案件である農業基本問題に関し、政府案と社会党案とを対比してのこまやかい議論は他日に譲りまして、本日はごく基本的の問題について、農民がぜひ知りたい、あるいは国民がぜひ知りたいと考えている点をお尋ねいたしたいと思うのでありまして、私は、事務当局の作った想定問答集に書いてあるようなことはお尋ねいたしませんから、楽な気持でお答えを願いたいと思うのであります。まず第一に、首相は、経済のことはこの池田にまかせて下さいと言っておられますが、その経済とは、農業を含むのでございますかどうか。
○国務大臣(池田勇人君) 私は、経済のことばかりでなしに政治全部をまかされておるのでございまして、そのつもりで政治をいたしております。もちろん農業は経済のうちに入る最も重要な部分であると考えております。
○小林孝平君 農業基本法のことについてちょっとお尋ねいたしますが、この農業基本法は、政府の各方面に関係しておるのでございますが、この実施官庁というのはどことどこでございますか。
○国務大臣(池田勇人君) 法律に書いてある通りでございまして、農業基本法と申しましても、ただいま申し上げましたごとく、農業は国の経済の重要部分でございまするから、農林大臣ばかりでなしに、あるいは財政問題につきましては大蔵大臣、あるいは産業基盤に関係のある部分につきましては通産大臣、あるいは農民の教育指導につきましては文部大臣、関係大臣は多いのでございます。
○小林孝平君 総理がそうおっしゃったように、各大臣、閣僚はそういう覚悟を持って実際に当たっておられるかどうかということを私は総理にお尋ねいたしたいのであります。これはよそごとのように農林大臣にまかしておけばいいというような気持でやっておられるのではないか。これは後ほど、今、総理がおっしゃったことに関連してお尋ねいたしますが、一体、各閣僚はそういう覚悟を持っておるのかどうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(池田勇人君) これは閣議で決定いたしましたものでございまして、そうして関係各大臣はその気持でおることは当然のことでございます。
○小林孝平君 総理はそうおっしゃっておりますけれども、閣僚がそういう覚悟になっておらないことは、後刻私が質問をすれば明らかになりますから、もう少し待って下さい。そこで、この農業基本法は、その第一条にこういうことが書いてあります。「農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、他産業との生産性の格差が是正されるように農業の生産性が」云々とありまして、要するに、政府は自然的経済的社会的制約の不利を除去することによって農業の生活水準を高める、農業者の生活水準を高めると、こう書いてある。そこで、これは全農民が非常に期待をして、一体どういう不利を除去してくれるのか、具体的にどういう社会的経済的あるいは自然的不利を除去してくれるのかということをみんな知りたがっているのです。だから、具体的にどういう不利があるかということを、不利を除去するのか、お示しを願いたいと思うのであります。
○国務大臣(周東英雄君) お答えいたしますが、自然的経済的社会的不利、これにつきましては、もう御承知の通り農業は土地を生産の対象といたしております。大きく自然的天候というふうな影響を受けます。また、その生産品はかなり腐敗性がある。そういうことから生じます不利、たとえば土地に関しまして、農業改良によって、水利の不利な点を補正しつつ生産を高めるということが一つの例でございます。また生産されたものが、需要に対する弾力性が比較的少ない。その上に生産品が腐敗生産物である。そういうことがおのずから公益的な経済的な条件に不利をもたらすことでありますので、これらの生産物の販売等に対して共販態勢を確立するとか、あるいは市場の態勢を確立するというような方向で政府は指導していこうと思っております。また最後の社会的不利という問題につきましては、これは国民全般に対しましても、社会保障その他の制度によって、弱いところを救うという問題は、当然これは農村に対しても考えていかなきゃならぬ、そういう点についての不利を除去するということであります。
○小林孝平君 私はそんな抽象的のことを言っているのじゃないのです。これは農業憲章ともいうべきものであって、非常に農民が——社会党案と政府案が出ておりますが、ともかく非常に期待を持っている。それで政府案についてはこういう不利を補正をすれば農業が成り立つと、こう言っているのですから、一体どういう不利を是正してくれるのか。自然的の不利とは何ですかと、こういうふうに具体的に農民は聞いているのです。私は聞かれたんです、この間も。ここに、政府案は自然的の不利を補正する、除去するとあるが、新潟県では雪が降って困るが、雪が降らないようにするのか、こういう質問があったのです。まあ、そこまで私は言いませんのですが、一体、具体的にどういうことをやるのか。政治はそんな抽象的なことではだめです。具体的に自然的の不利というのはこうごうごうということ、経済的にはこう、このくらいの準備がなければ、この問題を国会に出すなんということは僣越至極じゃないかと思うのですね。
○国務大臣(周東英雄君) いずれゆっくり農林委員会等で法案の審議において申し上げますが、時間がありませんから例をもって申し上げたのです。だから、土地を対象とする生産であります。まず土地に対する水利の不便、水利がよく行なわれていないとすれば、土地改良によって行なわなくちゃならない。水の便を整えてその不利を是正していく。これに対して土地改良、土地制度というものに対しての予算あるいは財政投融資の措置等でもって補助していくということであります。そういうことを今申し上げたのです、具体的に。まあ従来の大きく農産物販売における諸条件が非常に公益上不利になっておる。そういう面についてはむしろ共販態勢を農民の団体によってもっと強力に推進しつつ、その価格の維持、進んでは加工等の方面に向かって助成して、商品的価値の増大をはかっていくということは当然それの助成になると思います。
○小林孝平君 これは時間がないからとおっしゃいますけれども、あなたが御答弁なさるのは幾ら御答弁なさってもいいのです。差しつかえないのですよ。あなたそんなことおっしゃっても、そんなことはどうせないのだから。少なくとも農林委員会あるいはその他の委員会で、具体的にこういう不利を是正するのだと、そうして農民がよくなるのだということを示さなければ、こんなものは審議は行なわれませんよ。そこで、総理にお尋ねいたしますが、今のことに関連いたしまして、あなたもお聞きになっておればおわかりになったように、この国会には、政府から農業基本法案を中心として、これに関係する法案三十数件、社会党からも同じく農業基本法案及び数多くの関連法案が提案され、あるいは提案の予定であります。この国会はいわゆる農政国会といわれるほど農業問題が真剣に論議されるのでありますが、その法案の内容、性質、量等を考えますと、いかにわれわれが努力しても、この国会にこれを議了することは実際上困難である。たとえば三十幾つの法案がある。一日に一つずつ上げても三十日かかる、物理的にこの国会で議了できないことは明らかなんです。そこで、さればといって会期を延長するといっても、あなたはアメリカに六月においでになる。従って、会期の延長は困難だ。そこで、ほんとうにあなたがこの農業のことはおれにまかせておけというような積極的意欲がおありになれば、秋にこの農政のための臨時国会を開く意思がおありになるかどうかお尋ねいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 農業基本法関係の法律は相当ございますが、三十幾つもはないと思っております。農林委員会にかかる法律は三十幾つはあるでしょうが、農業基本法との関係はそうは、三十何ぼもないと思います。しかし、いずれにいたしましても、重要法案でありますから、小林さんのような専門家ならばさっとおわかりになると思いますので、今国会中に私は議了いただきますよう熱望いたしておる次第であります。秋のことは考えておりません。
○小林孝平君 そんなおだててもだめですよ。今申し上げたように、基礎的に私が最初に申し上げたことすら資料ができていない。あとから各大臣に聞きますが、みんなできていない。ですから、これはとうてい不可能なんです。不可能なことをやれやれとおっしゃってもそれは無理なんです。だから、それは今言いにくいでしょうが、これは当然秋に臨時国会の開催を必要とすることは、あなたはもうお考えになっておかなければならないということを念のために申し上げておきます。 それから、この法案にいろいろな新しい言葉が書いてあります。なかなかよくできております。特に社会党の案をごらんになってそれを参考にして作成されまして、相当よくなっています。そこでこの中に「選択的拡大」という非常にバターくさい言葉があります。だれが考えたか知らぬけれども、こういう言葉があります。そこでこの「選択的拡大」という言葉が非常に大きい意義がありますので、これについてお尋ねいたします。これは第二条に「需要が増加する農産物の生産の増進、需要が減少する農産物の生産の転換」、こうあるのです。そこで、需要が増加する農産物の、この伸ばす農産物は何か、減らす農産物は何か、これを具体的にお答えを願いたいと思います。 〔委員長退席、理事梶原茂嘉君着席〕
○国務大臣(周東英雄君) まず需要の伸びると考えております農産物は、畜産物それから果樹、さらに輸入されておってこれを国産化にもってくるという立場からいうと小麦であります。また需要の減るという問題につきましては大麦、裸麦等を考えております。
○小林孝平君 この需要を伸ばす作物というのは、いわゆる成長財でございますね。そこで、これから非常に重要なことをお尋ねいたしますが、米は一体成長財でありますか。
○国務大臣(周東英雄君) もとよりこれは今後における人口の増と見合いまして、なお需給上は、今後十年の見通しにおきましては、まだ生産を上げていくべき部類に入ります。
○小林孝平君 私の言うのは、農林省は成長財、成長財とおっしゃるから、米は成長財というのですか、どうですかと聞いてる。
○国務大臣(周東英雄君) 今日におきましては、まだ今後生産を増加させていくべきものであると思います。
○小林孝平君 そうすると、米は成長財と農林省は断定をされたわけですね。これは新潟県その他の米作地帯には非常に重要な問題で、さぞ農民は胸をなでおろしたろうと思うのですが、それがあとから間違っていたということのないように一つお願いをいたします。そこで私は、先ほど大麦、裸麦を減らす、こうおっしゃいました。そこで、この転換計画があるわけで、これは国会でもしばしばお話しになりましたが、この大麦、裸麦の転換計画を具体的に、年次的にお尋ねをいたします。事務当局からでよろしゅうございます。
○国務大臣(周東英雄君) 大、裸につきましては、大体三十七年度に十二万町歩くらいの作付を転換させたいと思っております。その転換作物は小麦とか、あるいはテンサイ、菜種というようになっております。
○小林孝平君 事務当局からもう少し詳細の、数字も少し違っておるようですから、詳細に、年次別にどういうふうに何に転換をさせるかということをお尋ねいたします。
○政府委員(昌谷孝君) 大、裸麦の転換計画というか、転換の見通しにつきましては、三十六年にまき付けますものについては、ただいま大臣がお答えをいたしたように考えております。今後の需給見通しからいいまして、現在一つのめどとして私どもが研究をしております模様をお話し申し上げます。三十七年産につきましては、約十二万町歩の転換をめどとして検討しておりますが、その場合の主要転換先といたしましては、小麦四万町歩程度、菜種三万町歩程度、果樹その他で残り、それからそのうち相当大きなものとしては飼料作物を検討をいたしております。三十八年産につきましては、約八万町歩程度を対象として検討したらどうかというふうに考えておりますが、まだ三十七年の検討中でございますので、逐次そういうめどでやります。三十九年産につきましては、さらに六万町歩程度を転換さす必要があるのではなかろうか、そういうふうに現在のところは考えて、地方の事情等によって具体的に今後検討したいと思っております。
○小林孝平君 農林大臣は米を成長財とおっしゃいましたけれども、それならば米の需給見通しはどういうことになっていますか。成長財とおっしゃる以上は、米の需給見通しはこういうふうになって、まだ米は伸ばすことになるのだということから、そういう重大なる御発言をなさったと思いますから、その需給見通しをお伺いしたい。
○国務大臣(周東英雄君) もしも必要があれば、詳細は事務当局から答弁させますが、大体、ただいまの見通しといたしまして、四十五年度におきましては、千三百万トン、これが需要計画でございます。これは当然私は成長財という言葉の中に、将来需要の伸びるものを指して言っておる。その需要の伸びるおよそ各品目につきましては、大きく需要の伸びるものと需要の伸び方の小さいものとありますけれども、この意味におきましては、米はまだ将来、四十五年度目標におきましては、需要は伸び、生産をふやしていかなければならぬと思っております。
○小林孝平君 需給の見通しというのは、生産がどのくらいで需要がどのくらい、あなたは片一方の需要だけをおっしゃっていたのではだめです。生産がどうで需要がどうなのか。
○国務大臣(周東英雄君) 私は需要が千三百万トン、その程度におきまして供給をはからなければなりませんので、大体これが生産の目標は、千三百万トン前後であります。
○小林孝平君 ところが、米は、今年度は千二百八十万トン生産しているわけです。もうほとんど十年後の需要の見通しとトントンになっているのです。これは豊凶の違いがあるかもしれませんが、こういう数字を基礎にして、米は成長財であるということを断定し、この単作地帯の農家を非常に今あなたは喜ばせましたけれども、それがぬか喜びになるのではないでしょうか、そういう計算の基礎からいえば。
○国務大臣(周東英雄君) この生産高を御指摘でありますが、昨年は特に豊作でございます。もとより、こういうことは望むところでありまするし、今日の農業技術などの発展等から考えまして、そう大きな、昔のように、一千万石も違うというようなことは起こらぬでありましょうけれども、しかし、常に昨年通りのような生産があると考えていくことも私は楽観に過ぎると思います。私は将来における人口の増という問題は、常に申しますように、やはり大きな米食率の増加を来たすものであり、一面におきましては、食生活の改善、生活水準の高くなるに従って、米食率というものは減りますけれども、まだある程度この点については増加していくと私は現在は考えておるわけであります。
○小林孝平君 私は、この米は、大きく「選択的拡大」という項目をあげ、先ほど申し上げたようたこういう表現を使われ、これが今後の農政の基本になっておるその際に、米が成長財であると断定された以上は、もっと根拠ある数字を示さなければ納得できないと思うのです。委員長もおそらくそうお考えになると思う。そういう今の政府の御答弁で、あなた御満足になるか。さらに要求されたらどうですか。委員長のごときは、最もそういう御意見だと思います。さらに重ねてもっと詳しい資料を出すようにお願いします。
○国務大臣(周東英雄君) それは、たびたび申しますように、あなたが成長財というものを、需要が大きく伸びるものだけを指されるからそういう議論が出てくる。私は今日の事態において、米はもう作らぬでもいいという時代ではない。米の生産数量も、また将来において需要は伸びるものであるということを言っておる。しかし、今後この米についての需要の幅の伸び方というものは、先ほども申しましたように、他の成長財と認められる畜産物あるいは果樹等とはその幅は違っておるでしょうと私が申し上げておるゆえんであります。
○小林孝平君 それは違います。私は何も米の消費が伸びないなどと言ってない。それは後ほど申し上げる。伸びないようにしているのは政府なんです。これは後ほど申し上げます。私はこういうふうに成長財と、成長財でない、選択的拡大をやるのだ、これが農業基本法のかなめなんです。その米を成長財と断定するかどうかということは、日本の農業の今後をどうするかという根本的な問題に関連するのです。 私は総理大臣にお伺いしますが、一体、あなたは米というものをどういうふうにお考えになっておるか。この重大な米を、今のような御答弁では、これは周東先生にははなはだ失礼でございますけれども、私は、農林大臣の御答弁としては、はなはだ納得がいかない。総理大臣から直接この米の見通しにつきましてお尋ねをいたします。
○国務大臣(池田勇人君) 私は小林君と農林大臣との質疑応答を聞いておりますが、私にはよくわかる。これは昭和四十五年ごろには人口もふえまして、大体千三百万トン要すると、しからば、今年は特別に豊年で相当できましたが、そうやってみますと、今一部に米が要らないのだという議論も聞かぬことはないのでございますけれども、私は、そうじゃない、米はやはり最も重大な農産物であり、今後もそう減るべきものでなしにふえる態勢にいくべきものだと、こう考えております。
○小林孝平君 あなたたちはそういうことをおっしゃいますけれども、新聞の報ずるところによると、農林省は米の作付転換に乗り出し、十年後二十五から六十万ヘクタール過剰、こういうふうに書いておるのですが、そうして農林省は研究を始めたと書いてあるのですが、これはどうですか。
○国務大臣(周東英雄君) そういうお尋ねがあるだろうと思っておりました。しかし問題は、これは小林さんよく知っておられる。私どもは、米の生産というものは反別をふやすことだけで米の数量を増すということは考えておらないのです。必要な米の数量、需要が増加することに対しましては、土地というものはさなきだに少ない土地であります。これを最も効率的に使い、反収量を上げる、そこに農業の近代化もあり、生産性の増加もあり、そこを新しく考えていかなければならぬのが今後の農政だと思うのであります。私は、しからばといって今すぐに、いろいろの点で研究しておるようでありますけれども、将来何万町歩減らすということを全きめておるわけではない。しかし問題は、常に考えられることは、いかにして土地を有効に使って、できるだけ多くの所得を上げさせるようにするためには、その土地の面積を十分に活用して米を増加すべく、あるいは生産させるように持っていく。しこうして、余った土地はさらに他の作物を作って所得を上げるようにする。ここに新しい近代化農業の土地の生産性の増加、また機械力を入れるとか、いろいろ問題が入ってくると、私はそう考えております。
○小林孝平君 私は農林大臣のおっしゃることはよくわかっているんです。そういうことをお尋ねしているんじゃないんです。米の作付転換に乗り出すという記事が大きく出ている。十年後二十五から六十万ヘクタール過剰、これを見た農民は、これは八十万町歩の整理をしなければならぬことになるのだ、また農林大臣今おっしゃったように、生産性を高めて余った土地を整理すると、こうおっしゃるから、二十五ないし六十万ヘクタール過剰、農林省は作付転換に乗り出す、この記事はこのまま受け取っていいのですか、こういうことです。
○国務大臣(周東英雄君) そういう発表もしたことはございませんし、そういうことを今きめておるわけではないので、新聞に対する記事に責任は持ちません。
○小林孝平君 農林大臣、あなたそう御答弁にたると思ったんです。政府は都合の悪いことは、新聞に出た都合の悪いことは、それは知りません、責任を持ちません、あるいは真意でないと、こういうことをおっしゃる。都合の悪いことはみな新聞のせいにしている。そういう政府の姿勢だからどういうことが起きておるか。松平国連大使のように、日本の新聞は読まないという者が出てくるんです。そういうことでは因りますよ。悪いことは新聞になすりつけて、現実に作付の転換を考えておるんでしょう。あなたは考えているなら考えているとおっしゃったらいいじゃないですか。だから、先ほど申し上げましたように、生産財であるかどうかという答弁が、これが非常に問題だ。その答弁のいかんによってだんだんあなたはお困りになる、こういうことを前提にしてお聞きしておるんです。
○国務大臣(周東英雄君) 私は新聞を攻撃しているわけではございません。まだそういうことは決定もしなければ、まだ話したこともございませんので、その通り正直にお話し申し上げておるのです。
○小林孝平君 私は、周東さんは農林省の大先輩であるので非常に尊敬もし、今回質問をするにあたっては、衆参両院の全部の速記録を見まして、非常に誠実に御答弁になって、長々と御答弁になっているけれども、肝心のことはさっぱりお答えになっておられない。私は肝心のことをお聞きしているのです。その前に言われたことはいいんです。それは想定問答集にあるようなことはお聞きいたしませんと先ほど申した。私は政治家としての周東さん、総理大臣に私はお尋ねしているのですから、そのつもりで御答弁を願いたいと思います。 そこで、それはまあそれでいいですが、政府は米は自由化しないと言っていられますが、米を自由化したらその影響はどうなんですか。これはしないのだからとおっしゃるだろうけれども、しないというには、その影響がこうこうこうだからしない、こういうわけだから、その研究した結果、米を自由化した場合に日本の農業はどうなるかということを具体的にお尋ねいたします。
○国務大臣(周東英雄君) まず第一には、ただいま自由化をする必要がない、また、してはならないと思いますのは、米が一番今のところ農民に対する所得の中心をなしている。そこにもし、自由化によって外国から安いものが入ってくれば影響を受けますから、これをやらないというわけです。しかし、仮定の問題ですけれども、自由化した場合にはどんなことになるかということですが、これはでき得る限り、先ほど申し上げましたように、単位面積における収量を高めることによって生産費を引き下げる、つまり生産性を高めて生産費を低めて国際競争力をつちかうということの準備はしておかなければならない、こう思います。しかし、ただいまのところ、たとえば米について自由化のことを考えておりません。
○小林孝平君 私のお尋ねしたのは、さっき申し上げたように、そうじゃないのです。米を自由化にしたらその影響がどうなるか。それを具体的に研究して初めて米の自由化はしないという強い政府の態度が出てくるのです。ただおざなりに、どうも困るらしいからというのじゃ、それは池田さんが米を自由化せいなんということをそのうちにおっしゃりかねないのです。そのときずるずるやられるのです。その影響はかくかくしかじかだというがっちりした資料がなければ、その検討もしないで、ただ米の自由化はしないしないと言ってもだめなんです。しないという以上は、その影響がこうだということをもう少しはっきりして御説明をなさらなければいかぬのじゃないか、こう思うのです。
○国務大臣(周東英雄君) はっきり申し上げておるつもりですが、今は米というものが農業者に対する所得の重要な中心でありまするから、もし生産費等によってもっと安いものが外国から来、それによって内地の農民が影響を受ける——これは受けるでしょう、もし品質が同じもので安いものがくれば。しかし、そういう問題は頭に置きつつ今日ただいま自由化をいたすつもりはないと申し上げておるのであります。 〔理事梶原茂嘉君退席、委員長着 席〕
○小林孝平君 総理大臣にお尋ねするわけじゃありませんけれども、今のこの質疑応答をお聞きになったら、いかにこの農業基本法の審議は困難であるかということがおわかりになったであろうと思います。先ほど私が申し上げたように、これはどうしても臨時国会になるだろうということをそろそろおわかりになったのじゃないだろうかと思います。 そこで私は、それこそこちらは時間がありますから同じことをやっておられませんので、次の問題に移りますが、厚生大臣は来ましたか。
○委員長(館哲二君) 厚生大臣おります。
○小林孝平君 食生活の改善についてお尋ねいたします。農林省は米食の宣伝費を農林省の予算の中にどれだけ組んでおるのですか、事務当局から。
○政府委員(須賀賢二君) お答え申し上げますが、ただいまのところ、農林省所管の予算に特に米食の宣伝という趣旨によりまして予算を計上しておるものはございません。
○小林孝平君 最近米が過剰ぎみだというのに、何かもう今のように、十年後は全体の生産性を高めるが、面積はある程度減らさなければならぬというようにさっきも農林大臣おっしゃいました。そういう状態だのに一方では、政府の中には、米は食わないように、米を食わせないように、米食から脱却するように指導しているようでありますが、そういう事実はありませんか。あなたは消費をこれから伸ばすとおっしゃいましたが、政府はそういうことをやっておいでになりませんか。
○国務大臣(周東英雄君) 積極的に米を食べさせないとかいうような指導はいたしておりません。
○小林孝平君 厚生大臣。
○国務大臣(古井喜實君) 今おくれて参りまして大へん失礼いたしましたが、米食をやめるというか、切りかえていくような指導をしているのか、それがよいのか悪いのかということの御質問だと思うのですけれども……。
○小林孝平君 そうじゃないのです。米食から脱却するように、そういうように食生活を指導しているかどうか。
○国務大臣(古井喜實君) ただいまおっしゃるような、特に食生活を変えていく指導は特別にはいたしておりません。
○小林孝平君 厚生大臣、あなたは日本医師会とばかりけんかをやっているものだから、厚生行政全般にちっとも目がいっていないのです。あなたのところから出しているこの厚生白書を見ますと、二百六十七ページに栄養改善対策というのがあります。国民全般に対してこういうことを指導しておる。こういうのが書いてあります。それを見ますと、「粉食の奨励と相まって、米食依存の食生活から脱却させるよう努力している。」と書いてあります。何ですか、あなたそれで厚生大臣が勤まりますか、この重大な……。
○国務大臣(古井喜實君) ただいまの点はいろいろごらんの仕方もあるかもしれませんが、米ばかりの食生活と、そういう行き方は、それは幅をもって考えなければいけないし、また、それならばそれなりに考えて、他の食物を考えていかなければならぬと、つまり米ばかりの方向でいくと、こういう行き方はどうかと、こういう考えです。
○小林孝平君 あなた、食生活の改善の指導をしていないと言うけれども、厚生省は非常に大きくやっているのですよ。しかも、「粉食の奨励と相まつて、米食依存の食生活から脱却させるよう努力している。」とありまして、さらにこの国民栄養の現状の内容を見ますと、これを通読すると、そういう思想が脈々として波打っているのです。あなたは医師会とばかりけんかすることを仕事にしておられますけれども、それではだめですよ、厚生大臣としては。あなたは、こんなはっきりしたことをどうするのです。この国民主食を脱却させるような指導をするなんて、こんなばかなことをやっていて農林大臣はどう考えられるのですか。
○国務大臣(周東英雄君) それは小林さん、突き詰めて考えていらっしゃる。それは一体、米というものの過食といいますか、あまりにも澱粉食食糧というものを……。
○小林孝平君 それはわかっている。しかし、脱却すると書いてあるのですから。
○国務大臣(周東英雄君) そこは調整して、蛋白と脂肪と澱粉と、栄養のあるものをまぜて、米をあれするような、それは米を全部食べるなという指導をされているわけじゃないのですよ。
○小林孝平君 そんなことはわかっているのです。栄養を総合的にやらなければならぬということぐらいわかっております。米食脱却の指導をするというのですよ。これは大へんなことなんです。
○国務大臣(周東英雄君) おそらく今の「脱却」という言葉は、その意味が別の意味だったろうと思いますが、厚生省で書き方があるいは言い過ぎかもしれません。それは明らかに米というものと他のものとの調整をやろうというのですから。
○小林孝平君 厚生大臣、あなたこれをよく見て二人で相談して……。
○国務大臣(古井喜實君) ただいまの印刷物を拝見いたしましたが、米食依存、米食のみに依存するという行き方はそれを脱却するということであって、それで米を食うのをやめてしまうというのではないのでありまして……。
○小林孝平君 そういう答弁をやられまして私の質問の時間に入っては困ります。 法制局長官、あなた、それでは御答弁にならぬですよ。あなたは法制局長官として、米食依存のこの解釈をどうされますか。こんなことは小学生でもわかる。米食依存というのは米だけ食うのではない。米を食べないのではない、そんなことを聞いておるのではないですよ。法制局長官、いかにあなたのいる池田内閣の閣僚が語学力がないかということをあなたは嘆いておられるでしょうけれども、実際そういうことでは困ります。それでちょっとこれは後ほどやりますが、とにかくもう少し御勉強になって、先ほど申し上げたように、池田内閣全体として、農業基本法とまじめに取り組まなければこれは大へんです。先ほど総理は、みんなやっていますなんて、ちっともやっていないじゃありませんか。
○梶原茂嘉君 ちょっと関連。
○委員長(館哲二君) 小林君よろしいですか。
○小林孝平君 どうぞ。
○梶原茂嘉君 小林委員の御質問は、私きわめて重大な問題だと思います。従来、日本の栄養問題についての国としての基本的な方針が必ずしも明確ではないのであります。また、行政面におきましても、たとえば厚生省の考え方、農林省の考え方、これが常に一致しておるともいいかねるのであります。特に終戦以来今日までの日本の栄養問題についての基本的な国としての考え方が、きわめて不明確であります。特に米につきましては、たとえばこれはもちろん世上のことでありまして、とやかく取り上げる筋合いはないでしょうけれども、米を食うから日本人は短命である、米を食うからガンが多い、米を食うから日本人は頭が悪い、こういう米を誹謗する声はきわめて盛んであります。それに対して、従って一般におきましても、国民大衆も、相当疑問を持ちつつあるのであります。こういうことについて、国として、特にこれから先の農業基本政策の根本から見ましても、間違いのない指導を与えるということは、それは非常に大事な問題だと思う。そういう点について私は格段の、これは真剣な検討を政府に望みたいと思うのであります。この際、この問題についての総理のお考えを承りたい。
○国務大臣(池田勇人君) 食糧の問題、ことに米、麦の問題は、私は、以前から非常に関心を持っておるのであります。米が非常に少なくなったときに、また、輸入もできないときに、麦でがまんして下さいと、こう言ったことがあるのであります。今はその麦が、もうほとんど需要がなくなるほど、よほど変わって参りました。ただ、今の傾向といたしましては、いろいろな議論はございましょうが、私自身につきましては、なかなかパン食はできない。米よりほかには、米と麦をやっておりまするが、これは嗜好でございまするから、一がいには言えぬと思います。だから今お百姓さんでも、社会党さんの言われるように、お三時のかわりに牛乳をもって、三合くらい牛乳を飲ませれば米もよほど減ってくるのじゃないかと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、日本人の、国民の生命の流れといたしまして、米は相当食べておると思います。今から十年後におきまして、人口は相当ふえますが、米がやはりふえることを見込んでおるということは、やはり米というものは日本人と東洋民族というものの関係を現わしておるのであります。ただ、今までのカロリーの点、あるいは蛋白質、脂肪というものをとった方が民族の肉体的発展によいということは、医学上私は言えると思うのであります。従って、これは今まで麦を食った人、いもを食った人が米を食えば、それだけ需要がふえますが、また、カロリーをたくさんとるということになれば、これは米を減らさずに脂肪、蛋白の方をとるようになって、農業自体が発展していくのでありまするが、私は、今ここで米が将来ある程度ふえるのだ、しこうして米のふえる量よりも脂肪、蛋白質の方へいって、カロリーを国民にもっとより多くやるということでいって、今米が要るとか要らぬとかということを議論するのは早いのじゃないか。私の見通しは、やはり日本人として米を食べ、あるいは大麦、裸麦をやめて小麦を食べ、そうして蛋白、脂肪をたくさんとっていくということで一応済ますべき筋合いのものじゃないかと思います。
○小林孝平君 今、梶原さんもちょっとおっしゃったのですけれども、これは重大な問題ですから、厚生大臣よく聞いて下さい。 最近世間に、米を食うと頭が悪くなる、あるいは短命だというようなことがいわれますが、政府は、一体厚生大臣はどう考えられますか。米を食うと頭が悪くなる、短命になるというようなことをいわれているのです。梶原先生もおっしゃったが、厚生大臣どうお考えになりますか。
○国務大臣(古井喜實君) お答えいたします。 世間でいろいろの意見をいう人もあるかもしれませんが、私どもの方としましては、栄養審議会、専門家のお集まりのここの御意見というものを、これを尊重して政策をやっておるわけであります。御承知のように、昭和三十四年七月二十四日に栄養審議会から、国民栄養改善方策についての答申があったのであります。これによりますと、先ほどおっしゃっておった問題にも若干触れておりますが、米食の問題もここに書いてある。これはここに書いてある通り……。
○小林孝平君 私の申し上げたことを答弁して下さい。米を食うと……。
○国務大臣(古井喜實君) そういたしますれば、先ほどの点も補足しようと思いましたが、それはあとにいたしまして、米を食えば頭が悪くなる、どう思う、意見を言えと、これはそういう意見があるかもしれませんけれども、学界あるいは審議会等の意見がそうでありません限りは、なるほどそうでありますと、こう断定するわけにもいきませんから、これはそういう意見があると、こういうことに了解しておくほかはないと思います。
○小林孝平君 ずいぶんあなたの御答弁はふん切りの悪い答弁ですな。そういうことじゃないのです。米を食うと頭が悪くなる、あるいは脚気にはなりますけれどもね、米ばかりを食っておれば。そういうことを基礎にして、厚生白書の、米食依存の食生活から脱却させる、こういう思想が出てきているのです。そこで、梶原先生もおっしゃった頭の悪くなる話で、これは電車の中でもよく学生が話をしておりますので、きのう私はこの本を買ってきました、慶応大学の生理学の教授の林ゆうさんの。あなたなどはこれを読んだらいいのです。「頭のよくなる本」が出ていまして、これはベスト・セラーです。ここで私は昨晩これを見ました。ベスト・セラーです。いいですか、その中にさっと私が読んだだけでもこういうことが書いてある。二十才過ぎるとただの人という項目の中に、これは頭脳の働きが伸びなくなってしまうケースです。日本人には概してこの気味があるのです。これは食物にも大いに関係があります。成長期に白米ばかり食べてビタミンB1、B2、B6、B12などのB群の不足に原因があると言われております。こういうふうに、何も米ばかり食っているのじゃないのです。それをこういうふうに、私は、林さんの学者としてのあれを疑うものではありません。また、言論の自由を尊重しますから、幾ら本が書かれたって文句を言うわけではありませんが、こういうことは書いてある。そこで、もう一つの場所は、つまり頭の働きをよくするにはどうしても蛋白食をしなければならない。白米だけ食べて頭を働かすことはできませんと、こう書いてある。さらにもう一つのところを見ますと、勉強するときの三原則というのがありまして、第二には栄養です。試験の二カ月ぐらい前から白米はやめるべきです。私が言いたいのは、このベスト・セラーの「頭のよくなる本」というのはどういう人が読むかと言えば、あまり頭のいい人は読まぬと思う。そこで、理解力が非常に不十分です。そういう人が見るのです。そうすると、試験の二カ月ぐらい前から白米はやめるべきです。これは白米ばかり食っておったらそういうことになるかもしれません。何も白米ばかり食っているのじゃありませんです。特に受験生などはそんなことはないのです。こういう木が出ておるのに、農林省も厚生省も黙っておる。これはいいのです。この本はいいけれども、厚生省の役人は、こういう本を基礎に米食依存から脱却させるというようなことを考えて書くんですよ。ただ厚生白書は、これは一部不都合なところがあって、厚生大臣が池田さんの逆鱗に触れてやめさせられたそうでありますが、こういうところもやや逆鱗に触れるのじゃないかと思う。非常に私は政治全体として、先ほどから申し上げているように、議論をここでやろうとしているのじゃないのです。国民の皆が知りたがっていることを知らすことが政治なんです。そこで私はこういう質問をしているのです。そこで、農林大臣と厚生大臣は、こういう誤まった考え方を、もう少し多くの学者によって研究したことを教えてやる必要があるのじゃないか。これは試験前二カ月白米をやめるべきですというようなことは、米の消費が激減します。農林大臣にお尋ねいたしますが、あなたはテレビをごらんになると思う。テレビをごらんになってどういうことをお考えになるか知らぬけれども、われわれはテレビを見て一番考えることは、いかに今のメーカー、生産者が物を売ろうとしているか、消費を増大させようとして、コマーシャルで、これでもかこれでもかとわれわれに迫ってくるわけです。この最大の生産の米について、個々の農家がやることはできないが、農林省が予算を一銭も組んでないことは、これはどういうことですか、おかしいじゃないですか。少なくともあなたがテレビをごらんになっておれば、そういうことがちょっとひらめくというのが政治家じゃないかと私は思うのですが、御所感を承りたい。
○国務大臣(周東英雄君) お尋ねは、ほかの商品について、これでもかこれでもかという売らんかなの宣伝をしているのだから、大事な米について消費宣伝をやれというお尋ねかと思います。そうですね。もっとやっていいじゃないかということですね。これは今日までも米はだんだん配給量をふやして参りまして、ようやく二合七勺の配給まで持って参りました。今後はやはり米の生産が増加する。従って、この配給量ももっと上げて持っていこうと思っておりますが、しかし、私は、米というものは、やはり先ほど総理から申しましたように、日本人としては、これはほんとうに宣伝しなくても、かなり私は食べられていくものだと思います。これは数量の問題だと思います。従って、私は、米について大きくまだ消費宣伝をやっておりませんが、いろいろ研究はいたしてみたいと思います。
○小林孝平君 そういうことではだめなんです。一方ではこういう本が出て、どんどんベストセラーになっているのですから、あなたそういう形式的な御答弁だけではだめなんです。総理は実際それでもやっておられます。ライスカレーを食いましょうなんて総理はやっている。やはり総理だけのことはあります。農林大臣にお尋ねします。一体世界のどこの国に、自分の国の国産の澱粉質の食糧をないがしろにして、外国から輸入しようとしている国がありますか。日本は、莫大なアメリカの余剰小麦を入れて、自分の国の米は頭が悪くなる、とんまになる、米食依存から脱却する、こんなことでは全然政策がなっていませんよ。こういうことが政治だと思うのです。むずかしい議論をやるのが国会じゃないのですよ。みんなが知りたがっていることを、国民が不安に思っていることに回答を与えなければならない。ああでもないこうでもないというような話では困る。一体世界のどこの国にありますか、自分の国の澱粉質食糧をないがしろにして、輸入に仰ぐというような国が。例があったら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) えらく米の方を何か食わん方に宣伝しているような話ですけれども、ただいま申しましたように、米はどんどん消費が上がってきておりまするし、生産の伸びるに従って、政府も配給米を増加している。従って、先ほど申しましたように、私は日本人として、人口の増加に伴ってのみ需要は増す。従って、これに対する数量の生産を制約するつもりはないとはっきり申し上げておきます。
○小林孝平君 私は、こういうことは、今申し上げたのは、何も米ばかり作れ、米麦偏重の農政をやれということを言っているのではないのです。この選択的拡大ということが大きい眼目だ、これを考えるには、こういうことを総合的に考えなければ、真の選択的拡大が行なわれないということを申し上げている。これは総理もよく聞いておいていただきたいと思って申し上げているのです。総理はもうよくおわかりになったと思います。 そこで、次には、この法案には、農業基本法には、先ほど申し上げたように、非常に進歩的な言葉があります。その中に「協業」という言葉があります。これは農林委員会でやりますけれども、一体協業とは何だ、協同作業、協同経営という協同とこの協業と、これは一体どういう違いがあるのですか。これは農林大臣よく御答弁できなければ答弁はよろしゅうございます。
○国務大臣(周東英雄君) 内容の問題からいいますと、農業を協同にするという意味からいえば、協業というのが私は当たっていると思います。従来の協同経営ということも、やはりその内容は伝えておりますけれども、新しく実態に即するように、農業の協同ということで「協業」ということになったのであります。
○小林孝平君 これは英語あるいはドイツ語の訳は、協業でも協同でもみんな同じなんです。これはなぜ政府がこういう言葉を使われたかということは、いずれ機会を見ていたしますが、私が申し上げたいことは、政府は協業ということを非常に大きく取り上げられて、そこでこの第十七条に、農林省原案には「協業の促進」となっていたのが、今度政府から提案されたものには「協業の助長」と書きかえられた。「協業の助長」というのはどういうことですか。定義をお尋ねいたします。
○国務大臣(周東英雄君) 私どもは、農業の経営というものは、農業者の自発的意思に沿うて、家族経営を中心とした自立経営に進むか、または協業に進むかということは農民の自由意思にまかしております。その際に必要ありということでやられるというときには、大いにこれは奨励、助長していこうという立場で、こちらから積極的に農業者の意思を無視してやる考えはないということを現わしております。
○小林孝平君 そうすると、黙っている農家は協業をやらせないのですか。黙っておればやらせない、こういうわけですね、助長というのは。
○国務大臣(周東英雄君) 今日の農業の転換とか、農業経営のあり方に関しましては、近代化あるいはその他によって所得をあげなければならない。従って、もとよりこちらはその指導をいたしますから、黙っておるものにはできませんけれども、こういう事態に即してはこういう形がよかろうというモデル・ファームを作って実際上は指導しておりますから、それを見て、自分は実際協業に進むのがいいということになれば、当然それをやって指導、助長していくつもりです。
○小林孝平君 私は、もう少し簡単にお答え願いたいのです。この「促進」という言葉を「助長」にしたのは、これはなぜしたかといいますと、どうも「協業の促進」などというと、社会党の農業基本法と同じようになるから「助長」という言葉にしようということで、これは自民党の内部で大激論の末「助長」になった。従って、農林大臣は、この「助長」は自発的のものにやらせると、こうおっしゃっておる。それなら黙っておる農家には協業をやらせない、こういうことになる。そうすると、黙っている農家にやらせないなら、自立できないものはほったらかしておく、こういうことですね。自立の経営農家でないものは成り立たないのですか。この協業を「促進」から「助長」にされたいということは、黙っている僕家にはやらせない、ほったらかし。これがいわゆる池田内閣の貧農切り捨て論の実体ですな。
○国務大臣(周東英雄君) そういうことは、私は言葉の問題じゃないと思うのです。これから大きく国が新しく農村に向かって、新しい農業のあり方、農村のあり方について全面的に施策を立てよう。その施策を立てて、この方向に持っていこうという場合において、かくすればよくなるということに対しましても、私は、上から強制的にやるということはいけないと言うのです。だから各地方的に、業態別に、こういう地方にはこうしたらよろしいということの指導をし、モデルを作って示して、これならやれるということでやりたい。だから私は、そういう方向をとっていくということは、決して人も黙っている農家は切り捨てるということにはならないのであって、そういうことは自発的にその考え方を刺激し、考え方を進めさせる一つの私は行き方であると思うのであります。
○小林孝平君 それならば「促進」でいいじゃないですか、「協業の促進」で。「促進」ということは強制的な意味があるから、これは社会党の案にその類似の形がある。今回もあなた方は、水戸を初めとして、全国にPRされるそうですが、このときの重大な項目にこれがあるわけです。社会党は強制的に共同作業をやらせる、われわれは違うのだ、こう言って大宣伝して池田さん初めやられることになっている。そのために「促進」を「助長」という言葉に変えているのです。農林大臣よく御存じになっていてそういう御答弁なすっては困ります。そんなら「促進」でいいじゃないか、原案通りで。なぜ「促進」を「助長」にしたか。
○国務大臣(周東英雄君) 私は、そういう言葉にあまりとらわれていないのです。私は、むしろ農民の自己の意思を尊重しつつそれを助長していくという立場の方が実際的である、こう考えて「助長」としたわけです。
○小林孝平君 農林大臣はそうお答えになっても、これは困ったと内心思っておいでになると思います。これ以上やりません。いずれ委員会で、良心的な農林大臣は、私がこれだけ申し上げれば、これは大へんなことであったと、「促進」と「助長」、わずか二字だけれども、これは大へんだということがおわかりになったろうと思う。これはこの程度にしておきます。 そこで、もう一つは、この法案で自立経営農家ということを非常に大きく取り上げられた、十五条で。自立経営農家、この十五条を見ますと、国は自立経営農家の育成ということを言っておられるのですが、できるだけ多くの家族農業経営が自立経営になるように育成する、こうなっている。それで、この自立経営農家によって初めて農業が成り立つと、こういう考え方なんです。そうしますと、できるだけ多くの育成しようとしているこの自立経営農家というものは、現在どれだけあって、今後十年間にどれくらいになる見込みでございますか。
○国務大臣(周東英雄君) いろいろ地域的に違っておりましょうが、大体一応家族の経営で、そうして一人前の生活を営み得る農家というものは、大体一町五反以上の農家と、こうとりますると、大体六十万戸くらいになっております。これを将来十年後にはどうなるかというお尋ねでございますが、大体農家の実態というものから考えまして、兼業農業によって所得をあげて自立し得るような農家と、農業だけやる農家と三つに大きく分けられると思うのです。そういうときには、現在の農家の四割近くと申しますか、大体二百万戸程度のものはそれになるかと考えております。しかし、これは今後十年間における施策と関連して参ることであります。
○小林孝平君 十年間に幾らになるのですか。十年後に現在六十万が幾らになるのですか。
○国務大臣(周東英雄君) 大体二百万になります。
○小林孝平君 これは農林大臣お考え違いではございませんか。所得倍増計画では、たしか百万戸と書いてあったようにに思うのですが、二百万戸ですか。
○国務大臣(周東英雄君) ちょっと私間違えました。百万戸であります。
○小林孝平君 これは百万と二百万では大違いで、たまたま私が知っていたからいいけれども、これは大へんですよ。池田内閣は農民を七割制限すると言って、一晩で六割になってきている。あなたは二百万が百万に直ちになる。こういうことでは、これは大へんですね。それは考え違いということもございますが、そうすると、今六十万、できるだけ多くしても百万しかない。そうすると、専業経営でもって成り立つというのはわずかですから、あとの大部分は結局成り立たない農家だ、救われない農家だと、こういうことになるのですが、それに対してはどう考えておりますか。
○国務大臣(周東英雄君) 兼業農家と、私が今申し上げたような自立農家というものが二つに分かれて参ると思うのです。しかし、私どもの考え方といたしましては、全部あとは成り立たない、こういう考え方でなくて、自立経営ということにいかない農家で、自立なし得ないもの、または兼業農家であって、その農業経営の部分をもっと高率に上げるためには、それは協業の形で、農家の意思に従ってその方向へ助成して参るということによって、自立経営並びに協業の形態において農家が成り立つように持っていこうというのが私の考えです。
○小林孝平君 農林大臣、今のあなたの御答弁になったことと、先ほどのあなたのお考えと非常に矛盾する。今六十万しか成り立たない。そこで農業基本法のようなものを出して、十年後に百万になっても、六百万の残りは全部成り立たない。これは専業もあるけれどもわずか、それでは協業によってこれを成り立たせる、こうおっしゃるなら、協業こそは積極的に促進しなければならない仕事ではないか。それをこれは社会党と同じだから、どうも工合が悪いから「助長」にしようなんというようなことでごまかしておられたのでは、要するに、これは貧農切り捨て論であるということになりますが、これはもう議論になりますから、これ以上お尋ねいたしません。 次は、農業基本法の大きい問題の一つに価格政策があります。それで十一条を見ますと、どういうことが書いてあるかと申しますと、「国は、重要な農産物について、」云々、「生産事情、需給事情、物価その他の経済事情を考慮して、その価格の安定を図るため必要な施策を講ずるものとする。」、この文章から見ますと、これは政府の考えている価格は需給均衡価格なんです。これはこの法案の意図しておるところの農家の所得を増大させ、生活水準を上げるということとは全然無縁の政策がとられようとしておる。この点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(周東英雄君) お話の通り、私どもの考え方は、大体将来の作った農産物の価格を安定さして、所得に変化ないようにさせよう、その意味においては、大きく価格政策の前提となるべき問題としては、長期見通しの上に立って、需給に見合った生産を進めていくことが一番親切だと思う。その意味におきまして、あなたが需給均衡価格とおっしゃればそういうことになります。しかし、支持されるべき、安定させるべき価格というものが、常に需給を離れて、特殊な価格を設定し、支持するということになりますと、かえって私は高価格と申しますか、合理的でない価格によって生産が刺激されて、かえって農家の方たちに迷惑をかけることになる、かように考えております。
○小林孝平君 これは価格が安定しても、農家の生活は安定しませんよ。低いところに安定したのではだめなんです。一定の所得を確保できるようなところに価格は安定しなければだめなんです。それをあなたのように、価格を安定するために、それが需給均衡価格なら、これである程度安定するでしょう、そういう考え方で最も重大なこの価格政策が、少なくとも農林大臣、そういう考えでこの法案を考えておられるということなら、この農業基本法なんていうものは、これは紙くずのようなものです。私は、農林大臣としては、自分はこういうことで大いに主張したのだけれども、財政当局の圧力でやむを得ずこうなったくらいの御答弁があるなら納得しますけれども、あんた、大蔵省の言う通りになってこんなになって、そうしてこれでいいんだ、しかも、一昨日もあなたは合理的価格などとおっしゃっていますけれども、合理的価格とは、これは一体何ですか。こんなことを言って、そうして農家の生活を安定するなどとおっしゃられても、これはこういう考え方をとる以上、これは貧農切り捨て論だということになるわけです。これは農林大臣としてはおっしゃりにくいかもしれませんけれども、そのくらいはきぜんとして、閣内でこれを主張したのだけれども、だめになって残念だ、国会で訂正してくれくらいのことをあんたおっしゃったらどうですか。しかし、これは議論でございますから、いいです。あなたに申し上げても、今解決しませんから。 そこで、もう一つこの中で非常に問題なのは、この第一条の目的に、「農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営むことを期する」、所得の格差をなくして生活水準を均衡させると書いてある。均衡という意味は、これは字引きをお引きになりましたか。均衡とは、つり合いをとるということなんです。同じくするという意味じゃないのです。つり合いをとるということは、初めから差があるということを前提にしているのです。いやしくも政治をやる以上は、ひとしくするということを目的にしなければいかぬじゃないですか。やってもできないならだめだけれども、少なくとも農業者と他の産業従事者の生活水準をひとしくするということが政治の目標じゃないかと思うんですが、どうお考えになります。
○国務大臣(周東英雄君) もちろん均衡をとるということは、現在の格差を是正して、できるだけ差を縮めるということに解しております。そのことは、お話しのように、大きく政治を見れば、だんだん差を縮めて、終局には同等に持っていくということが入るのであって、初めから同等にするということを言ったのではない。
○小林孝平君 農林大臣はそうおっしゃいますけれども、さすが池田さんはそうはおっしゃっていません。これは本会議のわが江田書記長の質問に対しての御答弁ですけれども、「私の理想は、農民の方々が農村における他の産業の方々と一緒になることで満足いたしておりません。農村の人も都市の人も、とにかくその所得格差を少なくし、だんだんなくすること」にする、こう言っている。少なくとも、ゼロにしようと、こう総理は言っておられる。また、同じ日に曾祢議員に対する答弁でも、なお具体的にどういうことをおっしゃっているかと申しますと、「農業基本法を御審議願いまして、そうして長い目で農業所得の他産業に負けないような拡大強化をはかっていこう」、負けないようにというのは、均衡をはかることじゃないんです。同じことにするんです。差があれば負けているんです。だから、これは総理のお考えの、これは本心かどうかわかりませんけれども、速記録ではそうおっしゃっている。少なくとも、これは政治家としての理想でしょう。あなたは、初めから農業はもうだめなんだ、これはもう差のあるのは当然だ、均衡する、生活の均衡はたれが一体判定するか。これくらい違っても均衡です、これくらい違っても均衡です。ひとしくするということを目標に努力するということでなければ、これはその意味が、社会、政治上許されないんじゃないですか。憲法の精神にも違反している。
○国務大臣(周東英雄君) それは今ちょっとお聞き落としになったんじゃないかと思います。総理と同じことをただいま答弁をいたしておりまして、だんだんと差を縮めて、最終局には同等に持っていきたいと思います、こう言っている。
○小林孝平君 それならば、この法律は農業憲章でありまして、一種の農業憲法だから、その目標は、憲法の規定に従って、生活の水準をひとしくするということを書かなければならぬ。これは水かけ論ですから、御答弁を求めません。要するに、これは非常にまやかしのものであるということを私は申し上げたい。こういう法案を出して、この国会で審議を了してやって下さいなど総理はおっしゃいますけれども、大へん虫がいいんじゃないかと言わざるを得ない。 そこで、この農業基本法は、まあ基本法ですから罰則がありません。その罰則がないのは非常にいいですが、この法律の第七条で国会に報告を提出することになっているんです。国会にですよ。「政府は、毎年、国会に、前条第一項の報告に係る農業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を提出しなければならない。」、こうなっているんです。国会に文書を提出する。これについてお尋ねいたしますが、その前に、ちょっと国会にこの文書を提出するのに関連いたしまして、これは内閣に審議会ができますが、この審議会には国会議員を入れるお考えですか、どうですか。
○国務大臣(周東英雄君) 国会議員は入らないことになっております。
○小林孝平君 入らないでなくて、入れないつもりでしょう。
○国務大臣(周東英雄君) そうです。
○小林孝平君 そこで、それは後ほど関連することです。 そこで、この七条によって膨大な報告が国会に出される。しかも農業の動向を考慮して講じようとする施策というのですから大へんむずかしい報告です。そこで、この提出されるいわゆるグリーン・レポートにおいて、見通しが狂うことがあると考えられる。先ほどから農林大臣の需給に関する御答弁その他を考えても、これは大幅に狂うことが考えられる。狂ったときは一体どうなるのです。ソ連では、この計画通りいかないというので農林大臣が首になったりしますが、まさか池田内閣はそういうことはおやりにならぬと思うんですが、一体これはだれが責任を負うのです。
○国務大臣(周東英雄君) 初めから非常に違うということになれば、これは政府の責任もありましょうが、これは経済上のいろいろな変動に基づいて見通しの変わることもありましょう。そういう点は具体的の場合において責任は考えていきたいと思います。
○小林孝平君 今の御答弁をお聞きいたしましても、もうこれは初めから狂うことを想定しているのではないかと思うんです。そこで、現在でも総理大臣と農林大臣のお考えは相当違っております。また総理大臣は九月の七日でございましたか、新政策を発表されたとき、その新聞記者会見でもって、農村人口を七割減らす——これはまあ減るんだと御訂正になりましたが、七割減らすと言っている。その一日たったあと、その影響の大きいのに驚いて、六割に御訂正になりました。まあ誤りを訂正することは差しつかえありません。誤りを改むるにはばかることなかれということがありますから、訂正なさることは、これはちっとも差しつかえありませんけれども、この当時の南條農林大臣は、総理大臣のこの談話がありましたときに、こういうことを言われていられる。農林大臣は、さすが南條さんは衆参両院を通じの将棋の名士といわれているだけあって、言うこともふるっております。総理がそんなことをおっしゃっても、農民は将棋の駒じゃない、そんな勝手に動かすことはできません、と、こう言っておられる。こういうふうに簡単にいかないのですよ、いろいろ見通しだとか何とかおっしゃっても。そこでそういうところから考えても、南條さんだけでなくって、あなたのお考えと今池田さんのお考えと相当やっぱり食い違いがございます。一々ここで指摘いたしませんけれども、そういうふうに、この第七条にこうなっておりますけれども、このグリーン・レポートというものは、相当の大幅の狂いがあるということを、もう当初から政府は予想されておるということをいわなければなりません。こういうことに対しての具体的の質問はいずれあらためていたします。 そこでもう一つお尋ねいたしますが、先ほど兼業農家のお話をされましたが、農業だけではやっていかれない。兼業農家対策としてはどういうことに重点を置かれるのか。農業でやっていかせるのか、あるいは社会福祉に重点を置くのか、あるいは中小企業への雇用等を考えてそれに重点を置いてやっていかれるのか。この点はどういうふうになっておりますか。
○国務大臣(周東英雄君) 兼業農家に対する対策としてはいろいろあると思います。まず、その形態におきましても、同じ兼業農家でも、農業の方に重点を置きつつやる農家と、また農外所得を得る方面への仕事を重点においてやる場合と、いろいろあると思います。一律にはいきません。従って、一律に申し上げるわけにもいきませんが、一面におきましては、兼業農家に対する農外所得をふやすためには、政府が別途考えておりまする将来に向かっての未開発地域あるいは後進地域に対する工場分散計画、都市分散というようなこととあわせて、雇用の機会を増大させることも考えられます。また一面におきましては、兼業農家におきましても、先ほど申しました自立経営農家でも、まだそれが完全にいかないで、小さいものをあわせて、ともに協業の立場をとる場合もあろうと思います。さらに別途御指摘のように社会保障政策によって低い面を救済していくという方面のこともあります。これらはすべて総合的な計画のもとに、各関係省連絡してやっていきたいと思います。
○小林孝平君 総理にお尋ねいたしますが、今農林大臣はそういうことをおっしゃいました。いろいろおっしゃいましたが、そういうことを総合勘案し、総合的にやるのは一体だれがやるんです。どこでやるんです。
○国務大臣(池田勇人君) 兼業農家の将来の問題につきましては、いろいろ問題があります。農林大臣だけでできることじゃございません。あるいは工場の地方分散とか、あるいは技術の訓練等、いろいろな問題がございまして、内閣全体として、その場に応じて適当な措置を講じたいと思います。
○小林孝平君 ですからどこが総合勘案するんですか。内閣全体とおっしゃいますけれども、さっぱり今のこういう問題については、総合勘案する体制になっておらぬじゃないか、こう思う。お答えになる前に、では私から申し上げますが、そういうことですから、私はこの農業が、総理大臣がおっしゃるように産業として成り立つまでは、この今の産業別機構ですね、農林省とか通産省とか、そういうことでなくて、いわば農村あるいは農業を対象とした一つの機構が要るんではないか、それによって総合的にこの政策が行なわれるんではないか。これはこの法案の第二十三条に「国及び地方公共団体は、第二条第一項又は第三条の施策を講ずるに」あたり、相互「協力するとともに、行政組織の整備……に努めるものとする。」こうありますが、この二十三条の「行政組織の整備」とは、まさにこういうことをやらなければならぬのではないか、総理大臣のお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(周東英雄君) 御指摘の点は私もともに考えております。この農業基本法制定の暁、まず中央におきまして、農林省内部におきましても、この農業の新しい行き方に対して、従来各局がばらばらに動いていたということがありとすれば、これを直さなければいけませんので、むしろ総合計画のもとに新しい農業に対する指導を各局が分担をしてやっていけるような、総合的な一つの局が要るんじゃなかろうか、同時にまたこれらを実際に指導する第一線である地方の行政についても考えなくてはならぬと思います。同時にただいまお話しのように、場合によっては、各関係省各般にわたっておりますから、そういう問題について内閣等に総合的な、まとめた組織が、どういう形に現われたらいいか、ということは委員会制度でいいか、あるいは内閣に部局を置くがいいか、こういう点はさらに考究をして考えていきたいと思っております。
○小林孝平君 私は農林省の内部の機構は、当然これは変えなければならぬと思うんです。それは農林大臣も内閣に、内閣全体として、先ほど申し上げたように、総合的にこの農村——まだ産業として成り立っていないんですから、この産業別の今の行政機構ではだめなんですから、教育も文化も社会福祉も、それからその他建設事業でも、そういうことを総合的にやる農村あるいは農業を対象とした行政機関が必要ではないか、これに対する総理大臣のお考えをお伺いしたい。
○国務大臣(池田勇人君) 農業基本法が通過いたしまして、いよいよ実施される場合におきましては、今の二十三条にあります行政組織並びに行政運営につきまして、いろいろ考慮しなければならぬ問題が出て参ります。しかし御承知の通り農林省が主でございますから、農林省に指導性をとらして、そうして運営面で各省協力することもありましょうし、この問題につきましては、今後十分検討いたしたいと思います。
○小林孝平君 そこで、先ほど最初に申し上げましたように、これは各省に関係する。そしてまあ総理大臣はこれは農林省が主だとおっしゃいましたけれども、農林省だけにまかしておったのではだめなんです。そこで先ほど申し上げたように、各省側にこれからお尋ねします。 まず文部大臣にお尋ねいたしますが、都市と農村における学校の施設及び教員についてどういう現在格差があるのか。これは法案でそういう格差をなくする、こういうことに書いてありますが、現在なくするためにはどういう格差があるのかということを具体的にお尋ねいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。現在農村と市街地域と比較しまして、義務教育課程におきましては格差というものは原則としてございません。ございませんと断言し得る制度になっておると思います。高等学校につきましては、今後の農村工業誘致等に応じます意味においては、現在直ちに応じ得ないとは思いますけれども、三十六年度を第一年度として兼業農家の所得を確保する意味合いにおきまして、工業が誘致されました場合、自分のうちから通えるような工業高等学校を作るという要請が出てこようかと思いますが、そういうことを念頭におきまして三十六年度を第一年度に考慮したいと思っております。その辺において格差があるといえば現状はあるかと存じます。 大学制度につきましては、農村のどまん中に大学は現実にございませんので市街地に出かけざるを得ない。大学はやはり現在通りでやった方がかえってよくなかろうか。しかし、その内容につきましては、検討しなければなりませんけれども、おおむねそういう状況だと思います。
○小林孝平君 文部大臣はずいぶんのんきなことをあなたはお考えになっております。農村と都市の学校の施設を差がないなどということはどこから出てきますか。都市にはコンクリートのりっぱな校舎が、暖房も——冷房はないかもしらぬけれども、りっぱな校舎がある。農村には物置のような校舎だ。そこにおる教員も都市ではりっぱな教員がいるが、農村は代用教員、資格のない教員がいる。明らかに差があるじゃありませんか。これをどこであなたは差がないとこうおっしゃるのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ学校施設につきましては、仰せの通り、都会地が本建築のものが比較的早く多く建っておるという意味では、それを格差とおっしゃればあるいはそうだと思います。しかし、そのことに即応しましては、今度木造と、鉄筋もしくは鉄骨等の構造比率もいささか従来よりは上げまして、これはその意味で立ちおくれておると考えられる農村方面を充足して参りたいと思っております。 学校の先生は、これは市街地、都会地にだけいい先生が集まって、いなかには悪い先生ばかりだということは私はないと思います。
○小林孝平君 文部大臣はそういうもののきめつけ方はいかぬと思うのです。現実にあるのですよ、先生などは。もう先生も足らないし、それから先生もいい人、悪い人というのは、それはあなたどこで標準にしておるか知らぬけれども、現実にいろいろの資格のない、非常に能力の劣った先生が多いのです。こういう現実を無視して、ちっとも違いがない……、何もあなた一人の責任じゃないのです。私は現実がどうなっているかということを聞いているのです。事務当局にはこれは資料を要求しておいたのですが、どうなったんですか。これを尋ねますからといって特に申し上げておいたんです。二部教授が行なわれているし、これは格差がないとか何とかということは絶対でたらめです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。学校の先生は免状を持った人が教壇に立つことになっておりまして、同じ免状を持っていて一人々々が能力的にどうだということは、これは実際問題としては比較困難でございますが、まあ制度上そういうことはあるはずがないと……
○小林孝平君 あるはずがないということじゃない、現実にあるのですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現実にあるとおっしゃいますけれども、あるということを確認するのは免状のあるなしだろうと思うのでございます。少なくとも義務教育課程、高等学校も同断でございますが、免状のある人が教える建前にもなっておりますし、事実そういうふうに運営されておるわけでございます。
○小林孝平君 これは施設ばかりでない、いろいろのことをお尋ねしている。現実に二部教授が行なわれている。非常なこれは格差です。そういう点がどういうふうになっているかということをお尋ねしているのです。あなたそういうことになっていないはずだなんておっしゃるけれども、はずじゃ困るのです。
○政府委員(内藤誉三郎君) お尋ねの二部教授でございますが、現在は……
○小林孝平君 二部教授ばかり言っているのじゃないですよ。総合的にどれだけ違うか例をあげただけで、一つずつ……、あなたちょいちょい出てきて……、(笑声)ちゃんと総合したものを持ってきなさい、要求してあるのですから。
○政府委員(内藤誉三郎君) お尋ねの格差といわれる意味が明確でございませんので……
○小林孝平君 明確でない……、格差がないと言っているのだよ、大臣は。格差があるから……、もういいよ。大臣、ちゃんと資料要求しているのですよ。日教組対策ばかりやってちっとも文教政策やらないからこういうことになる。委員長、こんなことでは………。
○委員長(館哲二君) 説明の資料は、小林君からお話があったのがまとまっておるのですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 資料要求という形でのお話がございませんでした。ただ、農村と都市に格差があるかないかというお話でございますが、先ほど文部大臣が御答弁申し上げましたように、施設の点において、あるいは設備の点において、教職員の質の点において差別をいたしておりませんし、現実には教育内容も同じものでございますし、二部授業に至ってはむしろ都会の方にあるような状況で、都会の方がすし詰めをいたしておりまして、全国平均から見ますと農村の方は四十人前後になっておるわけでございます。全国平均は小学校四十五人でございますが、都会の方においてすし詰めが多うございまして、約八万程度が五十人以上の学級になっておるわけでございます。その大部分は都会でございまして、農村の方は大体四十人から四十四、五人までが原則でございます。
○小林孝平君 そういう御答弁では困ります。ちゃんと……、そんなら父兄の負担は都市と農村とどう違いますか、具体的にどういうふうに……。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。父兄負担になっておりますものが年間約二百億見当だと思いますが、都市と農村地帯とどっちがよけいに負担しておるかということは、正確な数字を私存じておりませんので、詳しくは政府委員からお答えすることをお許しいただきたいと思います。
○小林孝平君 一世帯当たりの義務教育費の負担の違い……。
○政府委員(内藤誉三郎君) これはPTA等の負担のことかと思いますが、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、総額で約二百億くらいが税外負担でございます。そのうちおもなものは学校の建築費の補助の不足分、それから給食の従事員等の給与をPTAが負担しておる、こういうものでございます。それから学校の維持運営費について父兄が負担しておる分、その他教材、教具に関するものでございますが、昭和三十六年度の地方財政計画の中でもいたしましたように、三十六年の四月一日からは、学校の維持運営費と人件費に関するものは、PTAに負担を転嫁してはならない、こういう関係でこれは処理いたしております。教材、教具等にはまだPTAの負担がございますが、これはできるだけ解消していきたい。今日の段階で申しますと、PTAの負担はむしろ都会の方が多うございまして、農村の方が低いというのが実情でございます。
○小林孝平君 それは都会ではいろいろのことをやるから、そんなのはちっとも比較になりませんよ。そんな答弁を私は求めておるわけじゃないのです。私は文部大臣にお尋ねしても仕方がありませんから、総理大臣にお尋ねいたしますが、農村から年々——あなたの所得倍増計画に伴って、今度なおそうなるのですけれども、この学卒が農村から都会に大部分就職するわけです。そこで、農村の負担で教育して都会で働く、そういう観点から考えて、これは農業生産にちっとも寄与しないのです。そういうことから考えて、少なくとも農村における義務教育費は全額国庫が負担すべきではないか。少なくとも農村においては、そういうふうにやるべきではないか、こういうふうに思いますが、総理はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(池田勇人君) 義務教育は農村とか都会を教育するのじゃないのでございます。人を教育するのでございます。人本位でございます。従って農村の子弟を教育するのは国庫負担で、都会の人の分は、みんな都会で働いているんだから、それはしないというわけのものじゃございません。教育は人本位でございます。
○委員長(館哲二君) 小林君、遺憾ですが、時間が到達しておりますから御注意願います。
○小林孝平君 もう終わります。 こういうふうに私が各省関係のことをお尋ねしようと思いましても、今の文部大臣の御答弁を聞いていても、全くこの農業基本法案に対する認識がない。ほかの大臣は文部大臣ほどではないかもしらぬけれども、まあ大差がないと言っては失礼ですけれども、あまり期待はできないだろうと思いますので、これらの点は、せっかく御出席を願いましたけれども、いずれあらためてお尋ねをいたしますが、まあよく御勉強下さいまして、総理が期待されるように、この国会で審議がはかどるように御準備をなさるのがよろしかろうと思います。私はこれをもって終わります。 —————————————
○委員長(館哲二君) 小山邦太郎君。
○小山邦太郎君 私はまず通産大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。もっともこれは大蔵大臣にも御答弁を願わなければならぬこともあろうと思いますし、またその他の問題もすべて農林大臣や総理をわずらわしたい点もございますけれども、時間の関係上主務大臣の御答弁で満足を得た場合には、総理も御同感であるということにして、御答弁の労を省くことにいたしたいと思います。御了承を願います。 中小企業問題を中心にお尋ねをいたしたいのでございますが、政府が中小企業振興に対してあれやこれや御心配を重ねておられることはよくわかっております。にもかかわりませずその規模と内容に至りましては、残念ながらまだ満足ができないので、この際あえて御質問を申し上げてみずからの認識を深め、お互いに理解と強い認識の上に立ちまして、なお力強い中小企業振興に対する施策の要求をいたしたいという気持で御質問を申し上げるわけでございます。 そこで、設備近代化資金は昨年の十三億が二十五億になり、その他集団工場地及び共同施設等々を合わせますると三十億、全く昨年の倍以上の御心配でございまするから、この点から見ますれば、普通の予算編成の一般的な方針のもとに役所で組み立てられた案としては、最上のものと思うのでございます。しかしながら私ども、中小企業の現状は何としても生産性を向上せしむることが何よりである。今、労務者が日に日になくなってその経営を維持することさえも困難であるという訴えさえもある場合で、それには一時的には三ばいの飯を二はいにしても分け与えることはできましょうけれども、事業そのものから生み出す利益をもってお互いに楽しみ合う、その公平な分配によって生活の向上をはかるということでなければならないと思うので、それにはどうしてもこの老朽した施設を改善することが大事だ、政府もこれを考えたればこそ十三億のものを三十五億にせられておるけれども、一体この二十五億というものは何が基準であるのか、先般来の本委員会においての設備投資の質疑応答などを伺いましても、ことしは三兆一千であるとか、昨年はそれ上りもずっと少ないけれどもさらにその前年はまたちょっと多かった、また大企業に属する労務者一人当たりの割当と、中小企業に属する方の労務者一人当たりに割り当てる固定資本というようなものと、これも非常に差がありますが、その差はますます広がってくるようではとうてい生産性向上も追いつくものでない。で、それがために私は、この額は相当に多額を要求しなければならぬと思っておったのでございますが、倍だからまずがまんしようというのが今日でありまして、倍もけっこうですが、何を基準にいたして、一体どういうふうな、何年の間にこれを、何か仕事をするには見通しというものがあっておやりにたっておるのだろうと思う。その基礎数字をお示し願いたいと思うのでございます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 設備近代化の助成のやり方につきましては、小山さんも御存じの通り、各府県において中小企業の設備近代化資金を五年の期限で貸し付けておる。その府県の貸し付ける資金を国が約半額これを補助しておる、こういう格好でございまして、中小企業の方面から見ると、多々ますます弁ずるという面もございますけれども、府県のやっぱり負担力というものを考えてみなければならない。それからまた、これに対して一般の認識あるいは熱意というようなものを各府県にわたって見まして、そしてこの程度で今年はというような、政府間においての折衝で補助金がきまって参ったのであります。しかるに、三十五年度までの実績がきわめて良好でございまして、これに対する批判も非常によかったおけであります。私どもといたしましては、とりあえず、今までの補助額を倍にするというようなことは事務的に考えると、かなり大奮発なんであります。まずこの程度にしておいて、そしてさらに実績を見て逐次堅実な歩調をもって設備近代化を伸ばして参りたい、かような考え方で、折衝の結果二十五億ということになった次第でございます。
○小山邦太郎君 お答えによりまして、二十五億に決定したということは、これをもって満足するのではない、漸次実績を見て増したい。しかしながら、この制度は、県の負担力というものもあるので、これが相当の制約を受ける。県の負担力がないところにはどんなにやっても消化できない。県の負担力を封勘案してやった。そうなれば、中小企業の装備改善のために、老朽の程度がどのくらいであり、その規模がどのくらいの金を持っていけば、五年の間にどういう結果があるということよりは、主として県の負担力というようなものが大きく働いておる。それでは私は中小企業はいつまでたってもうだつが上がらない。そうでなくても、その地方格差というものが出てきておる。それは何かというと、政治がどうしても中央に集まり過ぎておって、従って地方には力が足りない。自然、あちらでも開発会社、こちらでも開発会社というようなものをこしらえる。そうして後進県には特別な助成の道を講じて、後進県のおくれておるところを引き上げようとしておる。今度道路政策などから申しましても、あるいは国のやる他の施設についても、補助率は、後進県とそれから先進県とではおのずから違うところが出てくる。しかし一々なかなか困難だというときは、特別交付金制度によってその力の足らざるものを補ってきている。それならばお尋ねをいたしますが、地方の県の負担力よりも比較的多くの負担をして、そうして自分の抱いておるところの中小企業の設備を早く近代化しようという心がけを持っておるところは、何か特別交付金かその他でこれを補っていく道があるのか。それがないとするならば、私はその県の力にまかせて、それの制約を受けて国が動くというのではなく、国が指導的に中小企業をめざして、中小企業をいかにしたら、この多数の中小企業者の労務者の待遇の改善にも当て、そうして社会秩序の上にも平和を求めることができるように、しかも、産業の上には計画された倍増計画に追随していけるように持っていけるという国の計画があって、それについてこられるようにしなければならねと思うのに、県の負担力に支配されるということは、これはここ一、二年の経過を見てのお言葉でございまするから、これも一つ試験研究の時代といたしまして、もはや今日までの経験によっておわかりでございましょうと思いますから、おのずから県の負担に対しましても、今後はその実力を勘案して負担率を少し勘案する。いわば今は五分々々でありますものを、有力県は五分でよろしい、あるいは四分でもよかろう。こういう無利子五カ年というようなものは理想ではございます。自分である程度負担をして、なおその事業が伸びるようでなければほんとうの事業でないのだから、力あるものはそこで四分でも三分でもがまんする。力のない方は六分にし七分にするということで、せっかくこの親心が全国津々浦々に行き渡るようにしなければならぬと思うのでございますが、いかがでございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 三十六年度に計上いたしました程度のものであれば、従来のやり方によってこれを実施して参ることが不可能ではない。しかしながら、今後ますますこの実績が上がりまして、これを拡大しようということになりますというと、県の負担力にいたずらに規制されるということでも、これはまあどうかと思います。その場合におきましては何らか新しい方法を考える。すなわち、御指摘のように府県の負担力というものに相応したやり方を考えなければならないかもしらぬ、さように考えるわけであります。今後の問題として貴重な参考にしたいと考えます。
○小山邦太郎君 五分々々の負担は試みとして今やっておるのであるが、今後この実績によりましては、さらに、その目的は中小企業の設備改善にあると、その改善の結果が労務者の待遇改善にも及ぶ、これはあまねくいかなければならぬのだから、おのずから中小企業の持つ固定設備、これを何年の間にどうするかということを考えると、私はとうてい一年に県の力を交えましても百億や百五十億では、これは全く九牛の一毛と言っては言葉が過ぎるかもしれませんが、行き渡らない。そこで、せっかくのこのけっこうなことであるけれども、各県にいっては、ある特定な県会議員のわれわれとの連絡があるとか、何にしても特殊な人は早く手がつくけれども、一般には浸透できない。それはなぜかといえば、浸透したくも、県自体がそれほど大きく宣伝しても、要望ばかり大きくてこたえることができないという状況でありますので、ぜひこれは一つ今のようなお考えを計画のうちに入れまして、そうしてある時期に少なくとも百億くらいには増していただきたい。すでにわが党のこれを決定する前にも百億の声が常に満ちまして、一度にそれもいかないから四十億でどうかということであったんですが、この際は、今お話にあるような試みという程度もありますのでがまんをしたので、決してこれをもって満足しておりませんので、また大臣も御満足ではないような表情でございまするから、この点を十分御勘案を願いたいと思うのでございます。今日最も大事なものは、私は中小企業での労務確保であると思います。で、昨日通産省からいただきました表によりましても、労務者が、三十三年のときは百人以下を使用する小さい工場、これ全体ではその就業率が、中学校と高等学校とを合わせまして六七%あった。ところがもう今日ではそれが逆になりまして四八%になっちゃった。それで百人以上の工場の方は、最初は、三十三年には三三%でしかなかったもの、六七%ですから三三%であったものが、今は五二%、つまり大きい方へはどんどん人が集まり、小さい方に集まらぬ。無理もない、待遇の点において、同じ働きでありながら、一は二万円以上、一は一万円、これでは、幾らいなかが空気はよし、いろいろの便利はありましても、とうてい青年をつないでいくことができない。この点を一つ十分お力添えを願い、そうしてまたこの近代化資金は、地方の県の負担力もさることでございまするが、中小企業そのものの実態をつかんで、早く改善して、そうしてこれらの人々がこぞって所得倍増計画に協力申し上げることのできるようにいたしたいということの念願を持ちまして、私のこの問題についての質問を終わります。大蔵大臣、今通産大臣も、今は試みであるが、その後の実績によってはそれらのことを十分勘案して、さらに増額をはかりたいという御意見でございましたが、御協力を願いたいと思いまするが、いかがでございますか。
○国務大臣(水田三喜男君) 今年度の近代化の資金は、今通産大臣が言われましたような基礎から概算の要求がございました。今度の予算査定によって、この全額を私どもは査定をしたわけでございますが、これによって国と地方の負担と、従来の回収金、今年度は七十六億円をもって仕事ができるということでございまするが、今後なお強化して参るつもりであります。 ただ、先ほど通産大臣の述べられた意見とちょっと違うところがございますので、念のために申し上げておきますが、今後こういう資金が多くなるというときには、財政力のない府県には国の負担率を増すように考えたいというようなことでございましたが、各種の項目別に、富裕県か貧弱県かで負担率を動かすということは今やっておりません。全体として財政力の少ない県には、交付税の配分の方式で、力のないところには傾斜的に多くやるとか、今度の未開発の法律でも、そういうふうに全体としての調整をとるというやり方をやっておりますので、個々の県の財政力で個々の問題の負担率を変えるというような方法は、今後なかなかむずかしいのではないかと考えます。
○小山邦太郎君 ただいまの貧弱県の負担の問題についての方法は、これは精神が徹底すれば、特別交付税でいきましても、個々にいっても——個々ではなかなか項目が多いので容易でないということは、技術的な問題でございますから、精神の生きるように御心配を願うようにし、そうしてこの効果を上げるに従って、その増額については御同意願いたいということで承知いたします。 その次の問題に移ります。この設備の近代化ももちろん必要ですが、さらにその次に来たるものは、労務君の環境をよくする。これがためには、すでに産労住宅等の制度もあります。しかし、これは三年間の経過を見ますると、一万以上のものを作っておりますが、大部分が大企業、そして一割六分しか中小企業にいっておりません。ことしは、きょう建設大臣見えませんので、委員長、建設大臣に質問がありますが、もし建設大臣が見えなければ……。
○委員長(館哲二君) 間もなく到着する予定です。
○小山邦太郎君 見えなければ、五分間ぐらいならば時を置きまして、お見えになればお伺いし、お見えにならなければあとでいたします。 幸いに建設大臣のお考えから、労務者、中小企業の方に八千戸、今までは二千戸ぐらいしかいかないものを七千戸いく、非常なあかりがついたわけでありまして、これに対しまして、厚生大臣にお尋ねをいたしますが、厚生年金の金は、中小企業の範囲で受け持つのがかなり多い。この点について厚生大臣に何かお考えをいただきまして、そうして中小企業を今まで相手にしないで、この厚生年金の還元融資は、地方自治体と、それから三百人以上を使用する事業者を対象としておりましたのですが、今度は中小企業も組合その他の関係で、直接その金の利用ができるというように承っておりますが、その構想はどのように進んでおりますか。
○国務大臣(古井喜實君) 厚生年金と国民年金の積立金、合わせて今度は考えておるわけでありますが、千四百四十億、三十六年度で運用いたしますうちで、還元融資あるいは特別融資と称するもの、それになりますというと、地方団体に回す分もありますので、三百三十五億だったと思っておりますけれども、地方団体に回す分を除きましたものをどう運用するかと、こういうことになってきまして、そこでその部分は、新しい方式として年金福祉事業団というものを設けまして、そこを通して、この個人というわけにはいきませんけれども、この団体でありますが、それには中小企業も対象に含めて、それで融資するような方法を講じたいと、こういうふうな考え方であります。自治体を通さないで融資する道を開きたいという考え方でおるところであります。
○小山邦太郎君 今度福祉年金を還元融資として中小企業にも手の及ぶように、そしてそれらの慰安所、あるいは研究所、あるいは共同給食所というような、その他娯楽の機関にも用いるように一つ御心配いただくということでございますが、その対象を、その一部にではあるが、なるべくその額をより多くするように御心配を願いたいということを希望を申し上げまして、あなたに対する質問はこの場合ありません。あとでまたいま一つお伺いいたします。 それから環境と今の近代化の問題は、これでよろしゅうございますけれども、中小企業の専門金融機関である三つと、それから保険公庫、これを合わせまして、政府の御心配をいただいておりますことしの融資は、昨年と、返すものを差し引きますると同じになってしまいはしないかと私は思うのです、八百六十億、もっともここには昨年の総理の、特別に大蔵大臣との御心配で二百億の年末資金も入っておるのでありますが、これだけの年末資金というものは、年末だけではない。もう仕事が、やっぱし倍増々々で拡張していきまするから、設備がよくなると同時に、普通融資もよけいに要求してくるというので、ことしは、この方面に少し心配をしておったのであります。ところが、このごろ、例の公社債投資信託の影響でございまするか、いなかの銀行でも、中小企業に対して融資の役割を進めておったのに、この方面からも、かなり金が中央に集まっちゃう。それや、それから、専門金融機関の方の割引やその他の関係が、条件の関係もございましょう、なかなか楽でないということを伺っておりまするので、これは今すぐどうというところにきたのではございませんけれども、あまり逼迫してからでは、かえってこの金融のことなどは間に合いませんので、これらの点につきましては、十分御考慮をわずらわしまして、資金の円滑なる融通のでき得まするよう、大蔵大臣においても御心配をちょうだいいたしたいと思いまするが、いかがでございまするか。 この信託問題につきましては、新聞でもかれこれ論じられており、さきに委員の間から御質問がありましたが、これは、基本産業に対しまして長期資金が、直接に大衆のものと結びつくということは、決して悪いことでない、いいことであって、そしてその方がまた、その利益が間接にほかのほうへ流れてくるということもありましょうけれども、それを待つまでもなく、当面の問題が急迫してきまするというと、思わざる財界の混乱を来たすということにもなりまするので、その点は、十分御注意をわずらわしたいと思います。
○国務大臣(水田三喜男君) 公社債信託の設定等によりまして、それとまた、金利の引き下げというような問題と関連して、銀行の預金が非常に減ってきた。一月中は、そういう現象が見られて、いろいろ議論が起きましたが、最近の新聞でも御承知の通り、一応長期資金が、ああいう形で消化され、そのあと、結局また資金が回り回って銀行にくるというような事態になって参りまして、二月末の銀行預金は、何百億か増加しているという状態になって参りましたので、中小企業の金融を圧迫する、特にこのために圧迫するという事態は、そう今後出てこないだろうと私たちは楽観しています。
○小山邦太郎君 大蔵大臣の御予想のようにいくことを私も期待するのでありまするが、金融のことは、なかなか軽はずみにいろいろ言うわけにも参りませんので、日々変化して参りまするその実情を活眼をもって一つごらんを願って、支障のないように御心配をいただきたいと思います。 次に、先ほど来、設備近代化にしても、それから今の金融の問題にいたしましても、これは多々ますます弁ずるでございまするが、また一面、ある程度の統一をとらないというと、今度は、一定の近代化はだれも求めるところで、それがために生産——この原料と、それから消化すべきその設備とのアンバランスが出るというようなことがあってはならないので、これらの点を考えますると、あたかも中小企業が、今非常な困難なときになっておって、これからあかりを見るのでございましょうけれども、万一この中小企業が、この数年はよかった、しかしここでどうも、大企業との開きが大きくなるようでございまするので、これらの点については、よほど重大な問題でございまするから、あたかも農業が長い間国民の食糧を担当し、重大な役割をつとめておったから、政府も相当力を入れたんだけれども、その間の社会の推移で、総理が言っても言わなくても、人口が減っていくわけだ、何も減らすと言わぬでも減るのだ。これをむしろ政治家の感覚から、維新的な覚悟をもって、この方向の改善に当たるとか、そういうようなことで、基本法の制定にまで及ばれた着想と、その努力は私は多とするのでありますが、同様に中小企業に対しても、ただ一部分、ちょこっと騒がれたから、そこに出すということでなく、見通しをつけたやり方をしなければならぬ。見通しをつけるには、やはり基本法のような、根本的な、現実を基礎として臨むものでなければいかぬではないか、こう考えるのでございますが、通産大臣いかがでございますか。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 設備の過剰を来たすおそれがあると、従って、これらに対する対策の基本として、基本法を考えたらどうかというお尋ねでございますが、大企業の設備拡張は、きわめて旺盛なものがございますけれども、これは堅実な事業にささえられての拡張でございます、現実は。 それで、ただ鉄鋼の設備の見通しを一応立てるために、先般四十年までの計画を出すようにということを約三十社に対して申し入れまして、その数字が集まった。その数字をもとにして、四十年にして、もう四十五年の目標を、あるいはそれ以上になるかもしれぬというような、新聞に大きく宣伝されたのでございますけれども、あれはただ各社から徴した四十年までの希望計画、希望計画に過ぎない。 そこで、あれらを達成するためには、それぞれ膨大な資金が要りますので、これはもう相当困難、あるいは場合によっては至難な問題にぶつかる、そういうことでございまして、あれを直ちに見て、これは大へんだという必要はないことは、お答えを他の機会に申し上げたような次第でございます。 それで、大企業の過剰設備に、あるいはなるかもしれぬという懸念も、幾分ないではありません。これらにつきましては、目下産業合理化審議会の資金部会におきまして、業種について、もう十分に検討して、そうしてその結論を発表し、それぞれの産業に、これを提示いたしまして、十分に自粛するように指導して参っております。 中小企業の部門に対しまして、従って大企業の設備過剰が、中小企業の方にしわ寄せしてくるというようなことのないように、もちろんいたしておるのでありますが、中小企業それ自身の分野における設備のこの増強の問題は、これはむしろ非常に老朽な設備を、早くこれは代替しなければならぬという状況にありますので、その面から過剰投資というようなことが心配されるような状況ではございません。 いずれにいたしましても、全体を十分に勘案いたしまして、御心配の点が起きませんように、今後注意して参りたいと思います。 中小企業の基本法でございますが、これは中小企業と申しましても、きわめてその内容が千種万態でございまして、これに対するやり方は、決して一様ではないのでございます。従って、ただいまのところは、基本法を作るということは考えておらぬ。他の方法によって、十分に振興を推進して参りたいと考えております。
○委員長(館哲二君) 建設大臣がこっちへ来ていられますから。
○小山邦太郎君 大企業の伸びていくのを押さえようというような、そういうけちな考えはないのです。一方伸びるものは、やはり伸ばすことが国力の増進になる。でありますが、中小企業は中小企業で、こうやって、政府が国費まで使ってめんどう見るのですから、ある程度統制のもとにやらないと、事業によっては、すでに業者みずからが、機台のごときは、近代化したものを一台やれば、古いものは必ず一台つぶすとか、あるいは二台に及ぶとか、業者自身がやっていくのですから、これらのことは、こればかりの金を出している間は心配ありませんけれども、だんだん金が大きくなれば、この点は、必ず心配しなければならないものだろうと思うのですが、これは企画庁とも御相談の上、御勘案をちょうだいいたしたいと思います。 それから、これは総理に一つお尋ねしたいと思うのですが、まず労働大臣に先に伺います。最近中小炭鉱の災害が非常に多い。これはまことに遺憾なことでありますが、これも最近の炭鉱界が、ことに石炭が、ほかの液体燃料等に押されまして、石炭界が、政府の厄介になっているほど経営が容易でない。そうでありまするから、弱小炭鉱は、老朽施設を何とかかえようとしても、資金がない。それがついには危険にまで及ぶということがありはしないか。で、ひんぱんとして起こりまするその原因は、大かた、どういうところにあるのですか。
○国務大臣(石田博英君) 炭鉱の被害の実情は、私の所管でございませんので、その原因その他については、通産大臣がお答えするのが適当かと存じます。私は、産業災害全体についてお答えを申し上げますと、災害防止の計画を進めて参ります過程におきまして、災害発生率は、順次減少をいたして参っております。しかし雇用が増大し、生産が伸びておりまするので、災害の絶対数が非常に多いのであります。特に、それが中小企業に著しいことと、それから近年、三人以上の死傷者を出しました、いわゆる私どもの方で重大災害として取り扱っているものは、大へん多いのでございます。 昭和三十四年の計数で申しますと、産業災害のために一日以上休んだ人が約七十五万人であると思うのでございますが——七十五万人近くに上っております。これは三十五年度ですと、七十九万人くらいになっているんじゃないかと存じます。そのうちで、なくなられた方は、三十四年は五千八百九十五人であります。それから、これはやはり三十五年度ですと、六千人をこえるのではないかと想定されます。そのほか、災害のために、けががあとに残る不具、あるいは不具にまでいかないにしても、あとに残って、いろいろなことに障害を与えるという数が、七万人くらいに上るのではないかと存じます。これが大企業と中小企業との割合で見ますと、大企業と申すわけにはいかないかもしれませんけれども、百人以上の事業所の災害率は、昭和二十七年まで三三・二であります。これは労働者千人を分母といたしまして、死傷者数を分子といたしまして出した数字であります。それに千を掛けた数字であります。それからそれが三十四年ですと一九・九という数字になります。三十五年の推定は一七・九。だんだん減少はいたしておりますが、一方で百人未満の方は、昭和二十七度は三〇・八でありましたが、三十四年は四三・八、三十五年は四三・六と、中小企業の災害率は増加いたしておるのであります。 また、これによりまして私どもの方で支払いまする労働者の労災保険の支払額は、三十四年はたしか二百二十四億円ぐらいであったと思うのでありますが、三十五年は三百億に近くなるのではないかと推定されます。それから、そのことによって生じまする損害は——経済的損害であります。たとえば火事が起こって建物が焼けるとか、あるいはそれによって商品が焼けてしまうとか、あるいは鉱山等の爆発によりまして、その設備がだめになってしまうとかいうような意味の、人命あるいは人体に与えた損害以外の経済的損害は、三十四年度におきましては、これは大体千七百億円ぐらいに上るのじゃないかと思います。これは推計でございます。で、やはり同じような推計をいたしますと、三十五年は、またこれも二千億近いのじゃないか。 そこで、私ども、この原因を、私どもの方の安全担当官が調査をいたしまして、その調査の結果、安全及び保安のための設備が必要と認定される、その設備をするに要する費用は、およそ百二十億ぐらいじゃないかと思います。二十億か、三十億程度だと思います。もっともこれは、いわゆる鉱山は、私どもの方の所管でございませんので、鉱山を含んでおりません、この安全の部分につきましては。 で、そういう実情になっておるのでありまして、中小企業に非常に発生率が高いということは、結局中小企業の経営の弱体に基づいて、安全設備をする経済的余裕がないこと、それから、さらにまた、そういうことについての知識、関心が薄いということがあわせて言えるのであります。知識、関心が薄い問題の処理につきましては、私どもの方は、あるいは安全推進員、その他の制度を設けまして、監察を強化する等の方法をとっておるのでありますが、この経済的な余裕のないというような点について、これはどうしても低利の金融制度を研究する必要がある、こう考えておる次第でございます。
○小山邦太郎君 総理大臣に、一つお願いを含めてお聞き取り願い、また、お答えをちょうだいしたいのですが、今伺うところによりまして、この災害から受ける経済的損害というものは千七百億もある。そろばんに見積もれない人的な被害、これは、もう大したものだ。そうして、それは、直そうとしても直すことのできない中小企業の弱体から起こってくることが多いようです。あくまで監督を厳重にし、指導そのよろしきを得るように願いたいのでございまするが、足りないところは、やはり片一方に近代化資金を出すように、この方面でも、何らかの、一つ特別なる処置をとっていただいて、同僚がひねもす心配をして、しかも思い設けざる損害のために、立つことのできないようになること、及びその被害をこうむった多くの家族、これらを考えますると、もう金では見積もれないことと思いまするので、特別なる御処置を、急速におとり下さらんことのお願いを申し上げまして、御意見を拝聴いたします。
○国務大臣(池田勇人君) 一昨年、火薬工場で災害が頻発いたしました。私は通産大臣当時、昨年の予算につきましては、火薬工場につきまして、特別の施設をするような予算を要求したことですが、これは、ただいま労働大臣から申しましたように、また、先般閣議でも、こういう報告がございまして、私は災害防止につきまして、ことに中小企業連中は、それがすぐ直接に生産性の向上にこないものですから、なかなか金が出にくい点を考慮いたしまして、本会議で申し上げましたごとく、この災害防止につきましての、特別の一つワクを考え、低金利で融通する方法を、大蔵大臣に研究してもらうように申し出ておるのであります。善処いたしたいと思います。
○小山邦太郎君 その善政が、すみやかに行なわれることをお願いをいたしたいと思います。 次に、農林大臣にお尋ねを申し上げます。 それで、農林施策は、これはもう、実に画期的な問題で、なかなか一問一答ぐらいで片づく問題じゃない。きめのこまかい、長い間かかっていかなければいかぬことであろうと思います。そこで、おととい同僚の村松君から機構改善、構造改善はもちろん大事だけれども、借金を返すには、やっぱり作ったものの価格がある程度維持できなければならない。これに対しては大臣も価格維持に対して相当の熱意を持ってお答えになりましたが、ただその価格維持の方策は、米ではあのような補償制度を持っております。それからそのほかのものはパリティ計算方式でいくのか、あるいは金融等の処置によって——一口に農産物といってもこれまた種類が多いのでございまするから、そうしてまた、地方々々で環境も違いまするので、一律には参りますまいけれども、大体合理的に価格を維持するというお話でございましたが、その合理的というやつは、需給の関係でだけと、それから他の物価の関係を考慮してという程度で、ちょうど蚕糸業の糸価安定の底を押えるような程度でいくのか、あるいは物によってそれぞれ違いましょうが、どんな御構想でいかれるのでございますか。
○国務大臣(周東英雄君) 御指摘のように、農産物については、地方別と物別によっていろいろ違った生産条件のもとに置かれております。これを一律にどの基準でやるということは困難だと思いますが、農業基本法に示しておりますように、生産事情、経済事情——もちろんその経済事情等には物価の関係も入りますが、生産事情の中には、当然生産費の問題も考慮に入れつつ各品目別におよその水準がきまるが、それによって損をさせないという考えであります。
○小山邦太郎君 盛んに奨励されておりまする畜産物の価格維持の目的といたしまして、法律が案として出ておりますが、これは主要なる畜産物の価格維持ということをねらっておりますが、これには養鶏から出まする鶏肉及び卵価——卵、これはこの中の利益を受けることができるのか、おもなる畜産物と申しますれば、主要なるものに確かに入るので、養蚕どころではない。養鶏はその数が多いし、その産額におきましても一千億をこえる。そうして今ではもう香港方面に去年は十二億も輸出がされてきた。そうしてまた国民の食生活の上からいけば、非常なこれは貢献をしておる。しかも日本の、先ほど小林さんのお話で米の話がありましたが、米食などにはもうきわめて簡単に、なま卵を一つぶっかいてやれば、栄養もとれるし、簡易な生活もできて、栄養もとって盛んな活動もできるということでございます。この方の価格維持、これはこの中には入るのか入らぬのか、入れるとすれば金融の面でいくのかどうかということをお伺いしたい。
○国務大臣(周東英雄君) ただいま考えておりまする畜産振興事業団を設置して価格安定をはかる。これは買い入れ、売り渡しの方法を主体として、需給を調整するわけですが、その中には卵はさしあたっては入っておりません。これはだんだん将来の推移によって考えなければなりませんけれども、三十一年から今日まで大体卵価は安定しておりまして、それから、それは御指摘のように非常に需要も伸びたに応じて生産がマッチしてきております。ただ三十五年には、供給が三十四年以前の関係で伸びて参りまして、多少生産の方がふえて需要がちょっとマッチしたい点もあります。やや下がった傾向はあるわけでありますが、三十六年については、生産の見込みと消費の伸びというものは大体一二%くらいずつ伸びるという見込みのもとに、価格は安定した形で動くだろうという見込みでおります。ただいまのところ、鶏卵は事業団の対象に入れておりません。鶏肉も御承知のように食肉というものの増産をはかっていく上に一番大きな、国民栄養のしからも、農家の所得を増大する上からも大事な問題でございますが、これも食肉の生産供給数量を大体四十万トンだと思いますが、その中のこれは一割ぐらいになっておりまして、大体鶏肉に対しても、今御指摘の肉食等の関係によりまして、従来よりも食生活上重要になってきております。この鶏肉については比較的円滑にいっておりますが、将来ともこれが是正に力を入れていきたいと思います。
○小山邦太郎君 政治は後手ではいけないので、ことに経済の問題は先へ先へと手さえ打っておけば、多くその宝刀を抜かなくても間に合うことがある。あとから追っかけたのでは、幾ら金をかけても追っつかないということがありますので……。今の事業団は、残念ながらも規模も小さいので、そこへ何でも織り込もうというような御意図があるとすれば、あるいは無理だと思いますが、これらは今安定したからといって、もう最近飼料が非常に高くなってきている。どんどん奨励しているのに、一方は飼料が高くなって、お百姓の方は、生産が上がっても間に合わないということになったときに、今まで安定したからといって、あしたの安定が約束できない。そのときにいつでも手が打てるように、事業団でできなければ、融資の道でやるとか何とかいうことの腹を十分置いてやっていただかなければ、せっかく基本法をこしらえて、農民に明るく見せようと思ったのに、演説はいいが、やることはだめだということになってはいかぬと思いますので、よろしく御注意を願いたいと思いますが、この点どうですか。
○国務大臣(周東英雄君) ただいま私は答弁を落としましたが、もとより食肉関係に関する価格安定施策の中に、必要な施設に関する金融の道を講ずる。農業近代化資金の制度も、これに応ずる準備を整えております。畜産関係については、特に金融の面に考え方を向けて、畜産施設あるいは畜産、養鶏に必要な飼料施設援助その他について考えております。ことに御指摘の点は、私は、今まで安定しているからといって油断をしてはならぬ、これはもちろん、政治は先手々々と打つことが必要でありますが、それに対しましては、何といたしましても需給の均衡を得さしめつつ、もう一つについては、生産者である農民と最後の消費者に渡るまでの取引形態、こういうことが非常に大きな問題になると思うのであります。こういう点につきましても、畜産関係については、特に市場関係の情報、調査というものを三十カ所も置きまして、それらの市場の調査と関連して出荷を調整し、そうして、万遺憾ないよう期したいと思っております。もとより、それはそれだけで足りるものではございません。御指摘のように、大きな問題は、最後には飼料政策になって参ります。今やや上値になっておりますが、私も非常に心配しております。これは至急にふすまなど、あるいは政府の持っております裸麦を飼料に転換するために、これを払い下げる。また小麦等ふすまの払い下げに上って、輸入ふすま等によりまして、従来はもう競争入札等によりまして、これが妙なところへ行ってしまうということがありましたので、むしろ当分の間は、直接消費者団体に随意契約でおろして、そうして安く入るような形も考慮する。いろいろな点において飼料対策を立てて、近々これを実行に移すつもりであります。
○小山邦太郎君 もう飼料問題は全く畜産家の生命を決する問題でありまるので、どうぞ一つ急速に手を打っていただきたいと思います。 それから建設大臣、まだいいですね。厚生大臣お急ぎのようですから厚生大臣にお伺いします。 医療問題が、これは世間を非常に騒がした問題でございます。あなたは就任早々で非常に御迷惑であったでしょうと思いますが、長い間の厚生省と医者との感情があすこへいったので、これは党であすこまで乗り出して、三役が骨を折るということは、一面少し出過ぎたという世評もあるのでございますけれども、これは命の問題にかかわることですから、一刻も旨く押えなければならぬ、押さえるというか、平和の間に片づけなければならぬということがあすこまでいったのはもとよりけっこう。そうして今度はあなたの手元でそれぞれの要望を入れて、研究協議の機関を改組されていくということになります。これまであなたが隠忍自重をされ、また一面において反対はあったが、他面において被保険者は、あなたに対して相当の同情を持っておったわけでございまするが、今後の方法、今後の円満なる解決は、どういう御決意でお進めになりますか、それを伺いたい。 時間がないから、あわせて申し上げますが、もう一つのお願いは、子供が宝だといっている。あなたの方で保育所をどんどん奨励されて、めんどうを見ておられて、今では九万何ですか……九千八百個の場所ができた。けれども、その子供を育成をするのにあの苦労をしておりまする保母の手当というものが、今年はめんどうをみていただきましたが、まだまだ他のものと比べますと非常な差がある、これは御存じの通りに……。一つの機会を見まして、できるだけ他のものと勘案をいたして、優先的に、この改善にあたるように御心配をちょうだいいたしたい、こう思うのでございます。また同じ村でいながら、ある子供は千二百円を負担し、ある子供は、これは社会政策は、ほかの面でやって、子供に直接そういうことがわからないようにして、だれも子併のときは、同じ考えでいけるようにしたいものだと思います。この問題が一つ。 それから保育料のことなども、地方によっては問題がありますが、これらはどういうお考えでありますか。時間がないから、ごく簡単でありますが、御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○委員長(館哲二君) 小山さんに申し上げておきますが、持ち時間は、すでに終了しておりますから。
○国務大臣(古井喜實君) まず、医療費の問題でありますが、その前に、自民党の三役を初め御尽力されて、当面の一斉休診とか、保険医総辞退ということが一応解消したことは、大へんこれはけっこうだったと思うのであります。 ただ、これから医療費問題を具体的に処理する段階にくるわけでありまして、それにつきましては、他の機会にも申し上げたと思うのでありますが、医療費の問題は、話し合いの場できめる。そういう道に将来は進んでもらわなければ困る。家の外で一人々々勝手に言い合っておるのではなしに、家の中に入って話し合ってきめるということで、軌道に乗せなければならないという問題になりますので、そこで、その話し合いの場を、工合のよい場所に直したいというので、もちろん医療協議会の改組をやりたいという考え方でおるところであります。関係の人の出やすい場所にして、話し合って、納得し合ってきめるという方式で、このあとを処理していきたいものだという考えでおるわけであります。これはきょうの問題のみならず、将来あのようなことが繰り返されてばかりおっては困るのでありますから、どうしても、そういうふうな道に持っていきたいものだと思っております。 それから保育所のことでありますが、だんだん普及はしてきておるわけでありますけれども、いろいろ問題が残っております。お話のように、保母の待遇もひどかったわけであります。去年の暮れに一一・九%の公務員と同じベース・アップをいたしましたほかに、根源が低いのだ、これを直したいという意味で、来年度は七・五%この給与を引き上げたい、そういう予算に今度はいたしておるわけであります。これで、すっかり済んだとまではいかぬと思います。まだ残っておる。もっと改善をしなければならぬという点が残っておると思いますけれども、ともかく今度はそこまで、その次の負担は、その次にまた一層考えたいということであります。 保育料が高いし、また人によって違う、こういう点でございます。保育料は、とうも全体として少し高いような私も気がするのであります。これには、しかし、いろいろ経費の関係がございまして、ことにただいまの給与の引き上げとか、そのほかの経費がよけいかかるので、ああいうふうになっておりますが、できれば全体的に、もう少し安くできないものか、問題だと思います。人によって差がありますのは、きょうのところは仕方がございません。つまり、生活保護を受けるような全然資力のない人はだだであります。これは、全然ただであります。けれども、段階を三つ、四つつけまして、所得税を納めておるという人になれば、保育料の全額を取る。中間の人は段階的に少なくなるということで、差は起こっております、きょうのところは、どうも保育所の建前上、差をなくするというところまではむずかしいように思います。全体として下げる問題は、何とか努力したいと思っております。
○小山邦太郎君 時間がないというのですから、一言だけお許しを得まして……。
○委員長(館哲二君) 他の委員の持ち時間を減らしますから、どうぞ。
○小山邦太郎君 建設大臣に、一言だけお願いしたいと思います。 今度の道路問題は、これは飛躍的な予算が出ておるので、われわれは向こう五カ年間について、非常な期待を持っておるのですが、過去の予算を見ますると予算の使い方を見ると、どうも都会中心、京浜、中京それから大阪付近、それから福岡。それで、その残りの四十県というものは、もう非常に少ない。これは今度の格差是正という精神からいっても、それから工業などを未開発地方を開発していこうという考えからいっても、どうしても分布の点を、特に御注意を願って……、まだあの配分はきまっておらないようでございまするから、オリンピック等で、この際中央に多少よけい使うことは、都会自身が負担があることでございまするし、国際的の問題もありますから、これらにかれこれ申し上げるわけではございませんが、この点については、従来の惰性でなく、一つお願いしたい。 いま一つは、砂防の問題です。砂防は、これはさきの炭鉱のあれと同じように、元を直さなければ、いつどういう災害があるかわからぬ。去年は何もなかったけれども、ここ数年間は二千億ずつもやられている。それがために、砂防の方に力を入れるといって、去年は大臣も、これは機構も十分でないから砂防部……、ここにおられるかつて大臣は、砂防局まで置こうといって、一松君は骨を折ったのですけれども、ついまだなまけておる。そうして、それは、そのままにしておいて、建政局を設けるというようなことは、私は、これは少しお考え願いたい。実際わが参議院におきましても、各派一致で二回にわたって砂防の大切なること、治水の根本はここだ、そうして、それには人間もなければだめだ、機構も、これだけでは不十分じゃないか、国民の方から、もっとやりなさい、もっとやりなさいと言っておることを、あなたの方でやっておらないということは、はなはだおもしろくないと私は思う。これを一つお願いします。 それからいま一つは、中央道の問題です。中央道の問題は、これは総理大臣からもお答えを願いたいのですが、これは非常に大事な問題で、総理も御演説をしばしばなさっておるし、また議会においても、各派一致の決議で特別法までこしらえてやっておるのですから、それを一億九千かも作っておいて、そうしてまだ今度の予算の五カ年計画の中に、これが入らないというようでは、私は、はなはだ遺憾だと思うので、この点に十分御考慮をわずらわし、総理においても、一つこの点は御心配をちょうだいいたしたい、こう思うのでございます。
○国務大臣(中村梅吉君) 道路の問題につきましては、御承知の通り、道路の輸送需要状態というものを無視するわけには参りませんが、同時に地域的格差是正ということは政府として非常に強調もし、力を入れておる点でございますから、道路予算の配分等につきまして、また実行にあたりましてはその点は十分注意をして参りたいと思います。この両々のにらみ合い、あんばいよろしきを得るということは非常にむずかしいことでございますが、十分注意してやって参りたいと思います。 それから砂防の問題でございますが、砂防の重要性は全く御指摘の通りでございます。三十六年度予算の編成にあたりましても、治水関係全体の平均伸び率は一二・九%でございますが、さような角度から私ども大蔵省にも特にお願いをいたしまして、砂防関係の経費の伸び率は一六・三%、まあほかの部門よりはややよい伸び率をいたしておるのでございます。もっとも伸び率はこうでも今までの基本が不十分じゃないか、こういう点もあるかと思いますが、砂防の重要性は十分認識してやって参りたいと思います。ただ砂防部の設置でございますが、これもわれわれといたしましては砂防課を砂防部に昇格し、砂防部を強化いたしまして砂防の重要性に即応して参りたいという考え方を持っておるわけでございますが、三十六年度は建政局と砂防部の設置と両方お願いいたしておったわけでございます。しかし建政局の方も、これは国土の総合開発、総合的な建設省としての使命達成と、こういう意味からいいますと、今までのように河川局、道路局、住宅局というように縦割りにばかりなって総合的な調査、立案の機関がないということは、非常に建設省としてのこれは欠けた点でございまして、この方がまず昭和三十六年度認められまして、砂防部が一緒にできるということの運びにならなかったおけでございますが、今後ともこの点につきましては留意して参りたいと思います。
○委員長(館哲二君) 速記中止。 〔速記中止〕
○委員長(館哲二君) 速記を始めて。 次回は明後日午前十時に開会いたします。本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十三分散会