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38回国会参議院1961/02/17

予算委員会 第5号

発言数
239
登壇者
20
会派数
6
開催日
1961/02/17

会議録

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) これより予算委員会を開会いたします。  委員の変更について報告いたします。本日、杉原荒太君及び小平芳平君が辞任され、その補欠として小沢久太郎君及び北條雋八君が選任されました。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 昭和三十五年度一般会計予算補正(第2号)、昭和三十五年度特別会計予算補正(特第2号)以上二案を一括して議題といたします。  質疑を続行いたします。千田正君。

千田正無所属クラブ

○千田正君 昨日、同僚委員の木村委員から、いろいろ補正予算の疑義をただしておられましたが、私も多少それに関連しまして、総理大臣並びに大蔵大臣にお伺いいたしたいのであります。  一千億減税は池田内閣の国民に公約いたしました金科玉条でありますが、しかし、新たにガソリン税の増税が現われたりしまして、正味の減税は三十六年度の場合はわずかに六百二十一億円、地方税を加えても七百億円程度にしかならないのであります。総選挙の際は、国税、地方税合計で初年度から千億減税を実施するような気がまえを見せておりましたにもかかわらず、大蔵省原案の七百八十八億円に比べても、なお百六十七億円も少ないような見積りの仕方をしたということが、やがて補正予算において、きのうの木村君の質問にもありましたように、産投融資の方向へ、いわゆる二十九条を曲解した方向へいくような感さえも国民に与えているということは、はなはだ残念なことでありますので、この辺のことをはっきりした態度でお答え願いたいと思います。大蔵大臣に。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 一千億以上の減税をするというのが私どもの公約でございましたが、どういう内容の減税をするかということは、御承知のように、私どもは税制調査会でこの問題を特に検討していただいて、この答申を待って、大体この答申通りの内容で、平年度千百億以上減税案、初年度九百二十五億という減税案を作りまして、国会に御審議を願っているということでございますので、当初私どもが予定しておりましたこの減税は、その通り行なっておるわけでございますが、今おっしゃられましたように、ガソリン税の増徴ということをきめましたし、また一方、租税特別措置法の合理化によって、ここに増収分も出しましたために、差し引きずると確かにそういうことになりましたが、私どもの考えていた中小所得者、中小企業を中心とした減税を内容とする減税を一千億円以上やるということだけは、今度の予算でも実行しているつもりでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 自然増収が二千五百億円と見込んだときの一千億減税説と自然増収が三千九百億円以上にふくれ上がった場合の減税の尺度は、おのずから違うはずでありまして、政府としてはどれほど減税を考えておられるのか、また、国民所得に対する税金の割合は、税制調査会が見込んだ二〇・三%よりだいぶ高くなりそうで、減税規模の再検討の必要があると思いますが、この点はいかに思っておられますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ガソリン税の増徴をきめない前は、大体、税制調査会の意見通り二〇・五%の負担率という予定でございましたが、その後、道路問題に対処するために、ガソリン税の増徴ということをきめましたので、これを入れますと二〇・七%前後の負担率になるのじゃないかと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 このように自然増収がどんどん出てくるとすると、あえてガソリン税を新しく増税する必要がなかったんじゃないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 当初の私どもの考え方は、ガソリン税を増徴しなくても道路計画はやっていけるという見込みで、五年間に一兆八千億円の資金投入という計画で対処できはせんかというのが私どもの考え方でございましたが、最後に、政府案の決定段階におきまして一兆八千億の計画では今のこの道路問題に対処できない、もう少し道路に対する資金投入は強化しなければならぬということに、政府の意見も党の意見もなりましたために、急に計画を二兆一千億円計画に変えることになりましたが、その計画を実行するためには、やはり特定財源であるガソリン税の増収を考えなければならぬと、こういうことになって予算編成の最後の段階で決定したというような事情でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 総理大臣にお尋ねしますが、きのう木村委員の御質問のときでありますが、来年度は相当余ってくるような、言外にそういうふうにお答えがあったようにわれわれは感ずるんです。それで、来年のことは鬼が笑うと言いますけれども、実際において池田総理の自信たっぷりの財政的な御発表からいうと、来年度はまた相当の何といいますか、徴税見込みが上がってくる、相当余ってくると、そうした場合における方向の対策としましては、ことしとは違った意味のことを考えておられるのか、あるいはことしと同じような方向にこの金をお使いになるというふうに考えておられますか、その点はどうなんです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 来年度は、ただいま御審議願っております金額は私は正しいと考えております。御質問は昭和三十七年度の御質問ですか。

千田正無所属クラブ

○千田正君 三十七年度です。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 再来年度につきましては、経済の成長が、われわれが予期しておるように実現されますならば、やはり相当の自然増収でなしに、増収が見込まれると思います。その場合におきましては、やはり減税も必要でございましょうし、重点的に、経済成長を助け、国民生活の安定向上という方面に編成したいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ここで私はドル防衛の点について池田首相にお尋ねするのでありますが、昨年アメリカが、なぜドル防衛に踏み切ったかという点であります。私は戦後の世界経済、特に資本主義経済におけるアメリカの優位が、最近に至ってだんだんくずれてきておる。その結果、アメリカ国内の財政そのものに大きな影響を来たしておると考えておるんですが、総理大臣のお考えとしては、アメリカ経済に対してどういうふうにお考えになっておりますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) これは五、六年前は、各国ともドル不足で困っておって、何とかアメリカ合衆国に集中するドルを西欧あるいはわれわれとしてもこちらの方へ持ってくるような努力をしなければならぬというのでいっておったのが、たまたま一九五八年、五九年におきまして、外国へのアメリカの海外援助はそのままでいって、今までの貿易の輸出超過の五、六十億、四、五十億というのが相当減って参りましたために、一九五八年で三十五億ドルの赤、五九年で三十八億ドル、また、昨年度六〇年で四十億程度の赤が出てきた、こういうふうなことになったのでございます。従って、ケネディ大統領としてはドル防衛の措置を講じたのであります。一方アメリカの経済は、一九五八年のリセッションから、五九年に立ち直り、六〇年に参りましてまた下降の傾向をとったのであります。この下降の傾向も、去年の上半期はまだよろしい、下半期に至ってだんだん落ちてきて、今年一月は相当落ちているようでございます。従いまして、ケネディは、やはり国内的に相当の積極政策を私はとっていくと思っておるのであります。で、ドル防衛並びにアメリカの経済繁栄につきまして、今出しておりますような施策を私は推し進めていき、このリセッションも今年の下期になったら立ち直るんじゃないかという気持を持っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 総理は今そうおっしゃっておられるんですが、それでケネディの政策としては、先般もドル防衛の一理として、早く、今までの海外に出しておったドルの吸収をやらなくてはならない。その一環として日本に対して、ガリオア、イロアの借款の早期返還を要求しているがごとく伝えられておるのでありますが、この点については、社会党の諸君、あるいはまた日本の国民の人たちのうちでも、あれは借款ではないのだと、当時の救援物資であるのだという観点に立って考えておられる。これに対して、政府として総理大臣のお考えは、これは借款であるというふうに衆議院の予算委員会でも述べられております。が、これが借款だとすれば、一体どれだけの借款になっておるのか、またかりにそれを返還しなければならないという建前に立つならば、その返還の方策をどういうふうに立てておるのか、そういう点について総理からお答えいただきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) ガリオア、イロアの問題は、ドル防衛と直接の関係は私はないと思っております。これは昭和二十九年、昭和二十八年にロバートソンと会談したときも、これを早く返してくれ、直ちに返してくれという要求がございましたが、それはお断わりいたしました。二十九年に重光さんとの話もありました。その後、日本の総理並びに外務大臣が行ったつど、これは話題に上っておるのであります。どれだけの、私は借款と言ったことはございません。対日援助につきましての総額は、大体二十億ドルといっております。二十一億に近い数字も出ます。二十億程度の数、字も出ますが、しかし、何分にも昭和二十四年の対日援助見返り資金特別会計ができるまでは向こうが管理いたしておったものでございますから、正確な数字は今検討をいたしておるのであります。それが一応二十億ドル程度になった場合に、われわれがこれをどれだけ、債務と心得ておるわれわれがどれだけ返すかということにつきましては、まだ私は結論を出していない。大体ドイツの例もございましょうし、またドイツと日本とは立場が違うところもございます。債務と心得ておりますが、ほんとうに債務になるという場合におきましては、これは国会の承認がなければならぬことでございますので、この問題につきましては私は慎重に検討中でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ガリオア、イロアの問題は、借款ではなくて、いわゆる借り入れであるという考え、それはわかりましたが、ドル防衛の一環としまして、ケネディがアメリカの国内の貿易政策は保護貿易政策的な方向はとらないのだということを言っておるのですけれども、現実においてアメリカの商工団体あるいは労働組合等は最近非常にこの点に力を入れ出しまして、自由貿易などやっていたのではアメリカのドル防衛はできないのだと、あくまで外国製品の輸入というものは阻止しなければならない、こういう立場をとり始めてきておるのですが、そうなるというと、今まで考えておりますところのアメリカに対する貿易の、大体日本貿易の六〇%をアメリカ向けというふうに考えておられた点は、楽観を許さない状況に将来行くのじゃないか、われわれはそういう杞憂を持つのでありますが、総理はどういうふうにお考えですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 国内の事情はお話の通りでございますが、これが今に始まったことではないのです。前からこういう運動はあるのでございます。しかし、政府は自由貿易主義に上りまして、その国内の運動をできるだけ押えてくれておったのであります。われわれといたしましては、一昨年は大体輸出入がバランス、昨年はまたもとへ戻りまして、相当の日本が輸入超過になっております。こういう事例を向こうに説明して、日本の商品をできるだけ買うよう、しかもまた、日本といたしましてもむちゃくちゃに売り込むようなことのないように、自主規制で国家の貿易を正常に発展さすように私は交渉していきたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 衆議院で多分お答えになったように思いますが、東南アジアの貿易の振興等を考えるというと、必ずしも、アメリカの方から輸入制限を、輸入制限のような態度に出ても、日本の貿易の伸長度というものはそう心配するほどのことはないように総理大臣はお考えのようでありますが、同時に、私はこの際日中貿易の問題、日中間の問題についてお尋ねしてみたいと思うのであります。  それで、まず第一に外務大臣にお尋ねいたすのでありますが、先般衆議院でお答えになった外務大臣の、いわゆる従来周恩来中共首相の言っておりますところの三原則、これは一応理解ができると、こう申し述べられておるようでありますが、それは間違いございませんか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) お答えをいたしますが、衆議院外務委員会におきまして、バンドン会議の平和五原則、すなわち領土権を相互に尊重する、互いに侵犯しない、互いに内政干渉しない、互恵平等、平和共存、この精神にのっとって三原則というものがいわれておるわけであります。そこでわれわれとしては、甲兵を敵視しない、日中貿易を妨げない、あるいは二つの中国の陰謀に加担しない、そういうことは認めるかというお話がありましたので、そういうことであるなら、われわれは陰謀に加担する考えも持たないし、敵視する意思も持たない、こういうことを申し上げたのであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 岸内閣からずっと引き続きまして、池田内閣になってからも、中共の国連加入の承認、あるいは国交回復等に対してはどうもはっきりした態度をとっておられないのであります。それは総理大臣はたびたび前向きの姿勢でいくと、こうおっしゃっておられる。きのうは大谷議員のお尋ねに対しまして、これは非常に弾力性のある行き方をやるのだと、こういうお考えのようであります。そこで、私はさらに一歩を進めてお伺いするのでありますが、昨年の秋の国連の会議におけるところの状況から見ましても、あるいは日本で開かれましたところの各国議員同盟のいわゆる国際会議におかれましても見られるところの問題は、相当従来とは変わってきておる。いわゆる新しい独立国等は少なくとも中共に対しては一応の関心を持って、これは現実に中国大陸を支配しておる現在の中共というものは独立国として認めざるを得ないじゃないかという空気が、強く盛り上がってきておる。これはことしの秋の国連の重大課題の一つとして、当然中共の国連加入問題というものが最も重要な議題として国連に提出されるでありましょうが、その際の心がまえとしましては、今からでも私は考えておく必要ありと思うのでありますが、この際、総理としましては、従来のいわゆるそういうことを拒否するという態度を堅持されるのか、あるいは前向きの姿勢によってその際においては日本の立場を新しい角度から考えていくというのか、その点をはっきりしていただきたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 世界の情勢を慎重に検討しながら私は措置していきたいと思います。今、日本政府のとるべき態度をここに申し上げる段階に至っておりません。

千田正無所属クラブ

○千田正君 外務大臣にお伺いしますが、どうも外務省の、大臣を含めてだろうと思いますが、幹部諸公は、二十四時間外交ということを言うておるというようなことを巷間伝えられ、僕は二十四時間外交というのはどういうことかと不思議に思っておったのですが、それはアメリカならアメリカが、一つの中共の問題に関する限りは、中共承認するかしないかは別として、国連の状況は承認せざるを得ない立場に立ちそうな空気の場合には、二十四時間以内に日本の態度をがらりと変えるぐらいの気持を持っていなければ中共問題には取っ組めないのだと、こういうふうに考えておる筋もあるそうでありますが、外務大臣はそういうふうな点はどういうふうにお考えになりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ある大学の教授がある週刊誌にさようなことをやゆ的に書いておるのを私も見まして、はなはだ遺憾なことを言われたものだと存じております。われわれ、もとより二十四時間働くという意味においての二十四時間外交は考えません。しかし、いたずらに追随することなく、われわれ独自の判断をもってあらゆる問題に処していきたいと思います。もとより自分だけでできることでないのが外交の本則でございますから、関係のある国々とは十分連絡をとってやって参りたいと思っております。あくまでも自主的に、しかも慎重に、責任のある態度で事に処していきたいと考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そこで今のところ、総理大臣は世界の情勢を見きわめつつ慎重にこの問題に取っ組んでいきたいと、外務大臣も同じようなお考えのようであります。ただ、私は、ここに数年来、日中間の問題として、かりに国交が即時に回復しないとしましても、少なくとも貿易、こういう問題に対しては、実質的には取引してもいいじゃないか。現実においても取引はされております。しかしながら、それは非常な不安定なものに置かれた取引であって、いわゆる向こう側は、貿易においても政府間の協定というはっきりした約束がなければほんとうの貿易にはならないのだと、国交回復以前にこういう問題を一つ進めていきたいという意向が相当あるようであり、かつまた、同じ自民党のたとえば石橋氏、あるいは松村氏、あるいは高碕氏のような人たちが中国に行った場合も、そういう要請をされたようであります。そこで貿易の実態からいいましても、不安定な貿易は、これはどこの国でもあまり喜ばないことでありまするから、政府間協定がかりに今できないとしましても、それにかわるべきところの、ある程度の信用度を増すような方向に振り向けていくというような考えをお持ちになっても差しつかえないじゃないか、こういうふうに考えますが、総理大臣はいかが考えますか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日中間の貿易の促進は私の望むところでございます。政府間協定以外の方法でできるのならば、それをやっていきたい。私は、従来やっておりました輸出入組合、あるいはジェトロ関係等で何か促進の方法はないかということで、外務大臣あるいは通商産業大臣に検討を願っておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 もう一つ、国内的に、日中問題、特に政治関係からいいまするというと、どうも自民党の方々のうちでも、日中間の問題は重大な日本の政治的課題として研究されておるようであります、社会党あるいは民社党その他の会派の諸君も、非常に慎重に考えておられますが、でき得れば国論というものは、統一とまではいかなくても、一つの大きなパイプを通じて一国と一国との問題の解決に向かうような方途に進んでいくのが好ましい行き方だろうと思うのでありますので、この点について、自民党総裁として、党内におけるいろいろな問題に対して意見が分かれないような方向に向かうように指導される方が総理としては適当ではないかと思うのでありますが、この点はいかがでございますか。各党とあるいは話し合い、あるいは自分の方の党内を統一されて、この国外的な問題に対する一つのパイプを作らるる方途に進まれるような方向をお考えになられておるかどうか、その点をお伺いしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 一般外交問題、ことに重要な中共問題につきましては、内閣組織直後、外交問題懇談会を設けまして、これは各派の人全部とは申しませんが、民間の各界の人にお集まり願って審議しておるのであります。また、党内におきましても、そういう考え方もございまして、外交調査会その他で今検討いたしております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 中国側からは、一応大臣級——今は、ほとんど自民党の大半の方は一度は大臣を御経験になっておるようでありますから、どの程度のことを言っておるのかわかりませんが、少なくとも政府の意向を代表する閣僚級を中国に送ってはいかが、送ってくれないかというような意思を表明しておるようでありますが、そういう点については、特に正式じゃなくても送るというようなお考えは、向こうの要請があった場合は送るという、それくらいの考えはお持ちでありますか、どうですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 政府の代表として送るということは、ただいまのところ私は考えておりません。しかし、個人の資格でおいでになることについて、何もこれをとめたりなんかする手はないと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ぜひ何らかの方途によって、今後どういうふうに展開するにしましても、日本の立場としてはより一歩前進する方向に向かっていくことを考えていただきたい。特に要請をいたします。  次に、日韓問題で外務大臣にお伺いいたすのでありますが、先般、団伊能氏を団長として、韓国訪問のいわゆる産業代表の諸君が、出発の直前に行けなくなった。行けなくなったというよりも、むしろ自主的に行くことをやめたのかもしれませんが、それほど韓国内におけるところの日本に対する考え方が反日的であるとするならば、この外交問題というものは容易ではないのじゃないか。そこで、今特に問題となっておるのは、いわゆる李承晩ラインの問題、あるいは日本に対する財産の請求権、日本側からいいますれば、終戦時におけるところの向こうに残してきた財産の請求の問題もありますが、一つ一つ格好をつけていかなくちゃならないとしましても、日韓問題の最大の課題としての第一点は、一体何を中心にしてやっていくというふうに考えておられるのですか。この際お答え願いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 御承知のように、日韓間においての予備会談で取り上げておりまする大きな問題は、財産請求権の問題、それから漁業の問題、それから在日韓国人の法的地位の問題、この三つになっております。で、財産請求権の問題の中で、一般的な請求権、それから文化財、それから船ということに分かれておるのでありますが、今、これは外交交渉ですから、両方で一番大事だと思う問題があるわけです。われわれの方としては、いわゆる李ライン、平和ラインというもの、並びにそれの撤廃を通じて両国の漁業者の生活の安定、魚族の保護をはかるということを一番大きく取り上げておりますが、先方は、その問題もありまするけれども、やはり財産請求権の問題というのを非常に大きく取り上げておる。で、ただいまのところ、在日韓国人の法的地位の問題が非常に進んでおるということであります。  なお、話の初めにありました団伊能氏一行の先方に参ることにつきまして、われわれといたしましては、実は十分に事前に連絡を受けておりませんでしたが、もう少し時期等についての考え方も、われわれとしては考慮すべきであったかもしれないと思っております。何分にも直接存じませんことでありますが、ああいう結果になりましてはなはだ遺憾に存じております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今、非常に大きな問題の一つとして、財産の請求の問題を言っておるのですが、終戦時におけるところの日本の遺留財産等を比較した場合に、どういうふうに大よその見当は置かれておりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) これは交渉の内容になりまするので、そのつかみを申し上げるのはちょっと遠慮したいと思いますが、法律的な立場を申し上げますと、一九四五年に、アメリカの軍令によりまして、先方にありますわが方の財産を取得したわけです。それを一九四七年に米側から韓国側に引き渡されました。そうして平和条約の四条(b)項によりまして、これをわれわれは韓国側に譲り渡した、かような関係になっております。しかもなお、一九五七年の十二月三十一日の日韓との話し合いによりまして、いわゆるアメリカの解釈というものにわが方も同意いたしまして、先方に引き渡すが、その引き渡したという事実は考慮すると、こういう解釈の建前に相なっておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これはこの際あまりはっきりしたことを言うのはどうかと思うかもしれませんが、竹島の問題は先般の安保問題の際も、われわれはここで論議したのでありますが、竹島の領土の問題についてももちろん日韓問題の最中に出てくると思いますが、これに対する考え方を伺いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 竹島の領土権は当然わが方のものであるということを従来から強く主張しておるわけであります。この解決について国際司法裁判所に提訴するという考え方もあるわけでありますが、これについて先方が応訴いたしませんままになって今日に至っておるわけであります。この問題は日韓関係の友好な状況が回復することによってその問題が平和的に話し合いによって解決できる、こういう見通しのもとに考えておる次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 次に、明日あたりから本格的に日ソ間の漁業問題が討議されるでありましょうが、先般フルシチョフソ連の首相が、場合によっては歯舞、色丹を日本に返してもよろしい、こういうことを言うておるのでありますが、この問題を考えますときに、ポツダム宣言を受諾した当時から、ヤルタ協定並びにサンフランシスコ条約等に関連しますところの一連の問題があるわけであります。この千島、これを南、北と分けた問題、あるいは千島全体を考えた場合、あるいは歯舞、色丹と限られた場合、この三つの観点から日本の立場を主張しなきゃならないと思いまするが、どういうふうな考えを持っておられるか。あのときは確実に一体ソ連が千島列島全部をソ連の領土として持つということになっておるのかどうか、その点をはっきりしておるかどうか、外務大臣から伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 千島、すなわちクーリール・ランドというものが日ソの樺太千島交換条約、明治八年の条約におきまして、ウルップから占守に至る十八島ということが書いてありますので、われわれはさようなものが千島じゃないかというふうに思っておるわけであります。従いまして、われわれといたしましては、それから以南の国後、択捉両島はわが方の固有の領土であるという見解を持っておるわけであります。御承知のように、日ソ共同宣言の中におきましては、ソ連の方は歯舞、色丹は平和条約ができると同時に返すということをいっておるわけであります。その後におきまして、わが方はそうした固有の領土であるということを明証しているわけでございます。ただ、そういうことが明記されておりながら、昨年の二月、ソ連の方においては、現在の状況においては約束した歯舞、色丹の返還も考えなおさなければならない、こんなことを言っておるのは、千田さんも御承知のような状況であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 この歯舞、色丹の返還という問題の一つの向こうがちゅうちょするということは、歯舞、色丹を日本に返した場合は、日本がこれをアメリカに貸与して、そうして沖繩のように軍事基地になるおそれがあるから、その点をはっきりしなきゃ返したくないんだと、こう言うておるようにも見受けられるのですが、これはどうなんですか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) さようなことを言うておるようでありまして、これはソ連に行かれた方々でそういうことを聞いた人もございます。しかしわれわれとしては、そういうことを正式に聞いたことはないかと思いますが、なお条約局長から。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) ただいま外務大臣が申されました通り、ソ連側として歯舞、色丹を日本に返した場合に、日本に外国軍が駐留する権利がある以上、歯舞、色丹に駐留できるのではないか、そのような危険をおかしてまで歯舞、色丹を日本に返すわけにいかないということで、日ソ共同宣言の際にちゃんと書いてあるにかかわらず、歯舞、色丹は、そのように日本に外国軍隊が駐留する間は日本に返せないということを昨年言ってきたわけであります。これに対しまして日本としては、条約、協定にちゃんと書いてある以上、それを一方的に変更することは承服できないという主張をしているわけでございます。なお、一九五六年の日ソ交渉の経過におきまして、日本としては、日本固有の領土である南千島、あるいは歯舞、色丹等が日本に返された場合は、日本は決してこれを軍事的に使う意思はないのだということを先方に言った事実はあるのであります。しかし、そのような経過にもかかわらず、日ソ共同宣言という、あのような暫定的な形でしか交渉が成立しなかったという事実は御承知の通りでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今条約局長からのお話のようでありますが、それは変わりがないのかどうかということなんであります。それは日本としましては、他国にわれわれの領土を貸与するというようなことは絶対避けなければならないし、現在でも沖繩やあるいは小笠原というような問題は直ちに日本に返還してほしいという要求をしているさなかでありますから、当然、歯舞、色丹をほかの国へ貸すというようなことは考えられない。しかしながら、現実の問題としましては、いわゆる安保条約の中における問題として、実際に戦争等の危機が起きた場合においてはそれは貸さざるを得なくなるというふうにもとられるのじゃないか、こういうふうな点もわれわれは考えられるのですが、外務大臣はどういうふうに考えられますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) その点につきましてもう一度申し上げますが、戦後両国の国交は昭和三十一年十月十九日のモスコーにおいて署名されました日ソ共同宣言によって回復して、両国の外交関係は正常な関係にあるわけであります。そこで平和条約が締結されないで、共同宣言をもってこれにかえざるを得なかった理由は、ただいま申し上げましたように領土問題に対する合意ができなかったからであります。共同宣言の第9項におきまして、平和条約は継続審議すべきものであるということが約束されておりますが、この交渉において片づかなかった領土問題のみがこの対象になるわけでありまして、継続審議の対象になるものはこの領土問題をおいてほかにないわけであります。しかるに、ソ連側は領土問題は解決済みであると言って審議に応じないという態度をとっておりまして、わが国固有の領土である択捉、国後諸島の返還を要求する日本国民の声を取り上げることなく、また同じく共同宣言第9項に明文をもって約束されております歯舞、色丹諸島の返還についても、日米安保条約の締結に関連し、これに新たなる条件を付するという理不尽な態度をとっているのであります。これは御承知の通り、この共同宣言の当時すでに日米安保条約というものはあったわけであります。それを今日また理由にいたしましてこの返還に応じないということは、これは理屈にならぬと思うのであります。  漁業問題につきましても、昭和三十一年五月十四日、モスコーにおいて署名されました北西太平洋の公海における漁業に関する条約に基づいて、サケ、マスその他の漁業と、さらに今申し上げました領土問題未解決と関連して起こっておりまする北海道近海漁業の問題があるわけでございます。この前者につきましては、去る二月四日から第五回の会議が東京において交渉継続中であり、合理的な基礎において合意が順調に早期に達せられることを期待いたしております。北海道近海漁業につきましても、日ソ両国間で意見の一致いたしておりません領土問題、領海問題はひとまず別といたしまして、零細漁民の生活問題という人道的見地から、これに実際的な解決の方法を見出そうとする日本の提案に対しまして、ソ連側が交渉に応ずる態度を示すことを再三再四要請しておるのでありますが、ソ連側は、これを平和条約の締結と結びつけて交渉に応じないという態度を現在も変えておりませんことを遺憾に存じておる次第でございます。

大谷贇雄自由民主党

○大谷贇雄君 関連して。この問題はきわめて重要な問題でございまして、日本の固有の領土に対してすったもんだ理屈をつけて理不尽な言いがかりをして、返還をされぬということは、これはもう国際道義の上からはなはだ遺憾千万なことであると存じます。そこで、今千田委員が、向こうがアメリカの基地を作るのじゃないとかいう、そういう邪推をしておるのじゃないか、こういう御質問がございましたが、外務大臣、それに対してお答えがなかったですが、それに対してお答えを願いたいことと、しかしそういうことがいわれなき言いがかりであり、邪推であって、わが方としましては、日本の領土であるのだから、端的に申しますれば、日本が自主的にこれはいたすべき問題である。これは内政干渉ともいうべき問題ではなかろうか。あるいはまた、日本の領土である以上、煮ようが焼こうがそんなことはこっちの勝手なことである。そういうことに対して、従ってそれに対して外務省としては再三今まで抗議を申し込んでおられると存じますが、なお一そう強くその点に対しては日本の立場を鮮明にされる必要があると思いますので、この際大事な問題でありますからお答えを願いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 共同宣言を日ソ両国において合意いたしましたるその以前から日米安保条約というものはあるわけであります。従って今日になりまして、昨年の二月になって、その安保条約ということを理由にして当時の約束をほごにするということは、はなはだ理不尽な考え方であると思います。なおそういうことによって基地ができるのじゃないかということに対してのお答えがないとおっしゃいましたが、これは基地の貸与協定というものは合同委員会において決定するものでございますから、日本側のこの意思がないということを示すことによりまして、合意がなければさような基地は設けられないわけであります。そういう点は問題がないと思います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私はこの問題が今度の東京に開かれておるところの、またこれから本格的に開かれるであろうところの日ソ漁業問題に、日本側はそういう問題を離れて討議したいということを要望しておる。向こうはそれに対してはイエスということを言ってない。当然論議の過程において領土の問題等が起きてくると思いますが、そういう場合における日本側の考え方、たとえば論議の過程にそういうものが出て、またまたデッド・ロックに乗り上げるようなおそれがなしとしないのでありまして、そういう場合におけるところの考え方はどうか。この点を聞いておきたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) この問題は、主として近海操業の問題に関連するわけでございますが、これは先般も私からこの近海における漁業者というものは非常に零細な人たちで、しかも何百年という昔から漁業をやっておる。何百年昔からやっておるということは、その人たちは日本のこれは領海でやっておるということを考えてやっておって、またそれが認められておったればこそ、漁業に従事することができたわけであります。ところが、今度のカイロ宣言によっても、領土不拡大ということが原則になっておる。今までやっておったことができないようになるということは、領土が拡大された、従って領海が拡大された、こういうことになるのであるから、そういう点は一つ当然考え直してもらわなければならぬし、また人道問題としても、零細漁民の生活ということを考え直してくれということを言うておるわけでございます。なお交渉の途中においてどういうふうになるかということは、まだ私もこれからの問題と考えております。できるだけこちらの主張も強く、また先方の主張についても取るべきものは取って、合意できるものを見出したい。かように考えております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今朝の七時半のNHKの放送の中に、堤康次郎氏が池田首相の意を体して、前アメリカ大統領のアイゼンハワー氏を日本で国賓として御招待したい。こういうことを申し述べてきたという放送をしております。二、三日前のどの新聞でしたか、新聞には、アイゼンハワー大統領は大統領の職を離れて、一個人として、民間人として日本に来る。これはコロンビア大学の同窓会の諸君と私学の各大学の総長の人たちで集まっている私学連合等が、共同でいわゆる一個人としてのアイゼンハワーを迎えるのだという意味におけるところの招請状を出したところが、個人としてのあれならば、喜んで日本に行こう。こういうので、この秋来ることになっておったところが、たまたま政府からもそういう要請があるので、同時にそういう問題がぶつかったようでありまするが、これに対して私学連合の方では、政府が表面に出てくるのであれば、われわれの方としては引っ込むんだというて、手を引くような様子であります。ただ、日本の考え方からしましては、アイゼンハワー大統領の訪日という問題は、昨年御承知の通りの六月十九日という、岸内閣のとった、ああした非常に国民の意思とは離れた問題の結果、ああいうような状態に立ち至ったということは、国際関係の上から言って非常に残念である。私人として来る場合においては、これはコロンビア大学のかつての総長であるから、コロンビア大学の諸君が迎えるのだからよろしいんじゃないか。こういう観点に立って、おるようであります。政府が今度正式に招請を出して、国賓として迎えるというようなことになってきた場合においては、またおのずからそこに考え方が違ってくるおそれがあるのではないかという向きもありますので、この際政府の考えをただしておきたい。総理大臣もしくは外務大臣からその間の経過を一つ御説明願いたいと思います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 千田さん御承知のように、また今お述べになりましたように、アイゼンハワー大統領の訪日については、いろいろないきさつがあるわけでありまして、私、昨年池田総理の信書を携行いたしましてアメリカに参りました際に、また機会があればぜひおいでをいただきたいという気持を伝え、先方からもそういうことを期待したいという返事があったわけであります。その後大統領をやめられたわけでありますけれども、たまたまそうした自由な気持になって、日本をぜひ訪問したい。こういう話も聞きましたので、われわれといたしましては先般来のいきさつもあることでございますから、できるだけ政府としてああそうかということでは済まんのじゃないか。政府としてもできるだけ国民的な歓迎をいたしたい。しかし政治的な色彩を離れてですね、大統領をやめられたアイゼンハワー前大統領を気持よくお迎えしたい。まあこういう気持を持っておるわけであります。しかしどういうふうな具体的な方法をとったらいいかということにつきましては、誤解のないようにコロンビア大学の同窓生の方々ともよく連絡をとりまして、政府のそうしたできるだけあたたかく気持よくお迎えしたいという気持と、民間の団体としてそのことを企画された方々との間に、十分調整をとってやって参りたいと思っておるわけであります。まだ具体的にはどうするということは、きまっておらないわけであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 総理大臣並びに国家公安委員長にお伺いいたしまするが、最近頻発するテロ問題についていろいろ心配して、われわれ国会議員の身辺も警戒していただいておるような状況ですが、一体これはどうも日本の国会議員としてはなはだ遺憾なことでありまして、われわれが警官に守られて登院しなければ、いわゆる国民の代表としてここで審議ができないのだと、こういうふうなことは、非常にこれは残念なことであって、刃物を取り締まる、あるいは何を取り締まる、あるいは警官をつけるというようなことよりも、根本的な問題として政治のあり方について私は真剣に考えるべき問題がある、こう思うのであります。かりにわれわれに警官をつけ、護衛をつけられても、これは二六時中われわれの身辺を警戒しなければならぬということになると、これはアフリカのコンゴの状況とそう大差がないような気さえもされるのでありまして、この点につきまして政府として、総理大臣もう少し根本的な問題の解明に当たられるのが当然じゃないか、こう思いますので、総理大臣のお考えを承りたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今お話のようなことは残念千万なことであると思っております。従いまして、こういうことのないように暴力排除の国民的気風を涵養すると同時に、法制もできるだけ整備いたしまして、私たちは徐々にそういうことのないように努力いたしたいと思います。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話の通りでございまして、今総理のお話の通りに、そういう暴力の起こる素地をなくするということに万全を尽くすべきでございますが、さしあたりまして、当分緊張を予想せられる周辺に対しまして——周辺と申しますか、個人の個々の方々に対しまして、できるだけ警戒を厳にいたすことも当面の任務かと思ってやっておる次第でありまして、必要がなくなり次第徐々にこれはなくしていきたいと思っております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 テロ問題につきましては、国民の視聴がそこに集まっておりますから十分政府も考えておられるようであります。そこで政府があまり考えておらない点で一つ聞きたいのであります。  それはテロというものはいわゆる一人一殺主義か何かでぶすっとやる、残念なことで浅沼かつての社会党委員長のようにああいう非業の最後を遂げられた方もありますが、また一方、これとは違った意味で私は、テロとは違った意味において毎日々々数十人の人が死んでおる。これは何かというと交通事故であります。私の手元に参っておりますところの警察庁の調べによりましても、昭和三十五年中の交通事故の発生状況から言いますというと、件数におきましても四十四万九千九百十七件、死者は一万二千五十五人、傷を受けた者、いわゆる負傷者は二十八万九千、物的損害に至っては六十八億という膨大な損害を受けております。で、一日平均の問題から見ましても、件数からは千二百三十二件ですが、死者が三十三人、傷者が七百九十二人、こういうふうに毎日々々どこかで交通事故で被害を受けておる。しかもこれが毎年累増しておるところの状況であります。これは単に公安委員長にお願いするばかりじゃなく、ほかの、交通の問題でありますから建設関係もありましょうし、あるいはその他の問題もありましょうが、一体こういうような不幸なことをなくす方法としては、何か手がないのかと、これであります。これだけの毎日増加する問題に対してとりあえずの処置としてどういうことを考えておられるか、この点をお伺いします。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話の通り、交通の混雑、交通事故の激増というものは非常に憂慮すべき状態でございまして、今おあげになりました数字の通りの実績を三十五年度は示しておるわけであります。そこで政府の方では、これを一国家公安委員会、あるいは警察の仕事だけじゃいかぬというようなことで、現在総務長官のもとに各省の幹部を集めまして交通対策本部というものを作ってこれが対策を講じておるわけでございます。これにつきましては種々のまた具体案もあろうかと思います。  警察の交通防止の方の観点から申しますと、やはりこれは車体の検査等十分いたしまして、この交通事故のもとになる検査を十分にする、あるいは一方交通、貨物の制限といったようなものを非常に強化すると同時に、民間の安全協会等の協力を得まして交通事故の防止に今いろいろ対策を講じておる次第でございます。  その他建設面、道路の建設面で停留所を移します問題、あるいは立体交差をやる、その他の問題につきましては総合的な検討は、今総務長官のところで政府はいろいろな機関をあげて検討を進めておる最中であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これの一つの防止の方法として、先般、道路交通法が改正されたのでありますが、道交法が改正されてからの事故の件数がどういうふうになっておるか、この経過はどういうふうになっていますか。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 今申し落としましたが、昨年末道路交通法を実施いたしましてから、交通事故は二割方減少いたしておる次第であります。しかし、この程度ではまだ不十分でございますので、先ほど申し上げましたような根本的な対策をそれぞれの機関を通じて今検討中でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは一つの法律でだけではとても取り締まり切れないじゃないかとわれわれ普通考えるわけですね。それでこの点については当然道路の幅員、あるいはいろいろな新しい道路等の建設というような面が相当考えられなければならない。それで今度の予算におきましても、ガソリン税の増税等によって道路の整備であるとか、あるいは増強というようなことを考えておるようでありますが、しかし、毎月毎月新しい車がふえてくる。とても、車のふえる台数に比例しまして同時にまたこの事故も発生してくる、容易なことではないと思うのですが、根本問題が道路交通法だけじゃいけないのじゃないかと思いますので、地方自治の観点からも、安井大臣としては何かそこに新しい抜本的な重点政策をやる必要があるのじゃないかと思いますが、お考えがあるならここで一つお述べいただきたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) お話の通りで、道路交通法だけでは決してこれは片づかないと存じますので、今の道路整備拡充、また、使用効率の増加その他につきまして十分な対策を講ずる必要があると存じます。これは建設の関係もございますし、運輸省の関係もございますし、いろいろのものを総合的に総務長官のところで今検討、具体案を練っておるわけでありまして、私の方としても十分協力を得てこれの効果を上げたいと存じております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 時間もありませんから最後に一点、一つ総理大臣にお伺いします。  きのう、きょうの問題としまして、厚生大臣はきょうは見えておりませんから申しませんが、総理大臣からお伺いいたしますが、医師会、あるいは歯科医師会と自民党の幹部の皆さんとが会って、十九日の一斉休診という問題を中心として、今後の医療制度のあり方等についていろいろ話し合ったようでありますが、それも物別れになっておる、こういう状況とうらはらに、現在東京都におきましてはもう流感のために休校しておるのがきょうの新聞でも七百三十五校に達しておる。学級の閉鎖が一千五十三校、九千二百六十八学級が休んでおるわけであります、死亡者も二十四人になっておる。こういうふうに、一方では流感が出て、そうしていたいけな子供たちが学問も十分にできないという状態、一方では休診をやむなくやるのだという、こういうような現実もそこに現われておる。この問題に対しまして、これはどこの責任だということよりも、これは何といっても総理大臣は、十分にこの問題を責任を痛感されて、国民の前に新しい医療制度の改正をやるか、あるいはそれをやる前に、今度の不幸な事態に対して収拾する方法を考えるべきであって、総理大臣みずから乗り出しておやりになるというようなお考えを持っておられるかどうか。こういう問題をあわせて総理大臣の御意向を伺いたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) ただいま流感のありますことも存じております。それのあるなしにかかわらず、医療機関が一日一斉に休診ということはまことに遺憾なことでございまするから、昨日党三役と会いまして、厚生大臣も入れまして、そうして日本医師会、日本歯科医師会の代表者と懇談する、ようにいたしておるのであります。昨夜の状況では、まだ結論に至っておりませんが、多分今日午後も党三役が会長と会うことに相なっておると思います。で、このことは、私と連絡をしながらやっておることでございまして、私のかわりとして党三役は話し合いを続けておる状況でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これは、今総理大臣が一生懸命やっておるからということでありますが、やはり根本的にはこの日本の医療制度というものの抜本的な改革が必要である。と同時に、それに対する予算の裏づけ等々いろいろな問題があると思うのであります。それで、これはあくまで政府の責任において解決していただきたい。特に総理大臣の御善処をお願いいたしまして私の質問を終わります。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。  本日、平島敏夫君、湯澤三千男君、小柳勇君及び佐多忠隆君が辞任されまして、その補欠として近藤鶴代君、上林忠次君、山本伊三郎君及び森元治郎君が選任されました。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 質疑を続けます。杉山昌作君。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 私はもっぱら大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、第一番目の問題は、先般来問題になっておりまする、今度の補正予算が財政法第二十九条に違反するということに関連してのことでございます。  一般会計から産業投資会計への繰り入れは、予算を背景にいたしますと二つある。その会計の歳入へ繰り入れる場合と、それから資金へ繰り入れる場合とある。二十五年度の予算が百二十億円、あるいは三十六年度の大蔵省原案では、歳入の方へ繰り入れることになっておる。今度の補正予算を見ますと、これは資金へ繰り入れるということになっていますが、一体この違いはどういうふうなことですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 特別会計で輸入へ繰り入れませば、特別会計はこれを一般会計から繰り入れる場合にはこれを歳入で受け入れて、そうしてその年の支出を立てる、こういうことになるのでありますが、資金に繰り入れた場合には、これはこの間から申しましたように、その年に必ずしも使う必要はないのでございますから、たとえば三百億円の資金を持っている場合に、その年度に百五十億円使用するというときには特別会計の方がこの資金から百五十億円を輸入に受け入れる、そうしてその年に出すものを歳出に立てるということでございます。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 そういたしますと、資金への繰り入れは必ずしもその年度に使わない、必ずしもというよりも、大体翌年度以降に使うのだ、こういうことになるわけでございますか。そういたしますと、そこでまあ緊急かどうかの問題が出てくるわけです。われわれ常識的に考えますと、財政法二十九条にうたっている経費のというか、支出の緊急というものは、その支出というのは政府から民間なり何なりに、政府以外のものへ金が出ると、それが緊急だということであろうとわれわれは常識的に考える。ですから、今度のような場合は、一般会計から産投会計の資金へは、これは支出になりましょうけれども、政府全体としてはこちらの金庫にあった金がこちらに入るだけであって、民間へ出ていくわけじゃない、民間へ出すのは来年度以降だと、こういうことになる。それですから、われわれはこれが緊急な支出ということが常識的には考えられない、ところが、政府のお話を聞いておりますと、いや、そういうことじゃないのだと、一般会計から出すことが、こちらの金庫からこちらの金庫へ移すことが緊急なんだという。だからこれは緊急な支出だと、こういうふうなことなんです。そこにわれわれの常識と非常に隔たりのある、非常に財政技術的な法律論を政府が弄していると言っちゃはなはだ失礼ですが、そういうことに根拠を求めているようですが、さように解釈してよろしゅうございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) たとえば必要性があって資金というものが設けられた。その資金が枯渇した、不足したというようなときに、その資金に対する需要があるかないかの問題ですが、非常に需要が多いと、で、従って政府が出資することが必要だという必要性のあったときに、この緊急という字は財政法にございませんが、必要避けるべからざる経費の不足というものでそこへ入れるということでございますが、これは御承知の通り、そういう資金が必要ができて、資金が足らなくなった場合に、資金需要が多いときにはこれはやはり政府の判断としてはそこに繰り入れをすることが必要だということになるのでございますが、なかなかこれが従来の例を見ますというと、当初予算でそういう必要な資金を繰り入れるということがむずかしい事情もございますでしょう。今までの例を見ますと、年度末においてそういう必要性のあることがわかっておる資金への繰り入れも、大体自然増が出て、財源的に余裕ができて可能だというときに、歴代資金への繰り入れをやっておるというのが補正予算のときの例でございまして、しばしば食管会計の赤字に対する調整資金というようなものも、そういう資金は常に補正予算のときに行なわれておるというのでございますので、私も大体その前例によりまして、財源が見込み得る状態になったんだから、今出資需要が多いこの資金が現実には枯渇して困っておるのですから、この際これを繰り入れることが妥当だと、こういう判断をまあしたわけでございます。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 その間の事情は、今までの説明あるいは今の説明でよく了承するわけなんですが、私の伺ったのは、そういう事情というよりも、われわれ常識的には支出というか経費というかは、政府からよそへ出るものだけを考えておるのです。ところが、今回のやつはそうじゃなしに、こちらの金庫からこちらの金庫へ支出することも支出だ、そこに緊急性がある、あるいは必要やむべからざると、こういうことなんですが、それはなるほどその通りでいいんでしょう。財政法の解釈としてはあるいはいいのでございましょうが、ただ、そういうふうな、われわれの常識とは違ったような解釈をせざるを得ないようなやり方が一体いいか悪いか。なるべく財政法なり予算なりというものは、しろうとがわかるようにすべきものであるのだ。非常にそういうことにたんのうな大蔵省の専門家だけが理解するような、今のように、われわれが聞けば、これは必ず政府から民間へ金が出るんだ、貸付金にしても出資にしても、あるいはほんとうの経費にしてもそう思うのに、いやそうじゃない、政府の中のこちらの金庫からこちらの金庫へいくこともそこへ入るんだというふうになりますものですから、それではたして緊急性ありやなしや。で、われわれは外へ出る金だけを考えるんだから、ことし外へ出ない金は緊急性がないのじゃないか、だからそんな金をくれるのはおかしいじゃないかという常識論なんでございますが、その常識論を通すような、また常識で解決し得るような、財政法なら財政法の資金運用を少しでも変えていく方が本筋じゃないかと思うわけなんです。そこで、私は今のような産業投資会計、またその会計が特に資金を持つというようなことも、これは私は財政の運用としてはけっこうなことだ。けっこうなことだからこそ今日できておるわけですから、これをだめにしようというのじゃなく、これを生かしてやるために、今のような常識と合わないような解釈をしなくても済むように、何らか方法はないか。で、これは一つの思いつきでございますが、もし今度この補正予算をいたしませんと、今年度の会計は四百四十億の歳計剰余金が残るはずなんです、この補正予算をしないと、一般会計は。すると、その剰余金は、ある程度以上に剰余金が出たときには、その剰余金をこの資金に繰り入れるというような制度でもお作りになったらどうか、あるいは今日歳計剰余金はその一定割合は減債基金で使う、あとの残りは次の年度の歳入に持っていく、こういうふうなことになっておりますが、これをもう一項加えるのか、あるいは別の法律を作るか知りませんが、一定額以上に非常に歳入が順調であって、歳計剰余金が非常にたくさん出た。そのときには、今のようなことで、当然に産投会計の資金にいくんだというようなことをするのも一つの方法。そうすれば今度のような補正予算ですったもんだの問題もないし、またわれわれの常識から言っても、ああそういくものかというふうなことがわかるんですが、何かそういうふうなことをお考えになる必要があるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 資金に繰り入れるというようなことは、実態的に見て必要な場合があるのですから、そういうときにはそういうことが可能になるような条文の改正をやったらいいじゃないかというような御意見も出ておりますし、また今までこれは論議もされてきましたが、大体認められて、何回の国会でもこういう措置は通っておることでございますが、しかし、疑義が常に出てくるというようなことは好ましくございませんので、必要である場合はそういう処理ができるように、それからみだりにそういう措置を勝手にとるということも、これは困ることでございますので、その辺、今後疑義をなくするような措置を私どもとりたいと思いまして、この間から申しましたように、これは財政審議会なり何かに御相談して、私ども適当な検討をいたしたいと考えております。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 次の問題に移ります。  この産投会計にしても、あるいはほかのものでも、一般に財政投融資とまあいわれているものを分解すれば、申すまでもなく、投資すなわち出資金、融資すなわち貸付金と、こういうことになっているのですが、大体ある公庫なり、銀行なり、会社なりに金を出す場合に、資金を出す場合に、これは出資金でいくべきか、あるいは貸付金でいくべきかということをどうしてきめるか。来年度の予算を拝見しましても、すべての公庫あるいは銀行、金庫等に、投資でいっているのもあるし、融資でいっているのもある。一体投資で、出資金でやるのと、貸付金でやるのとを区分けする区別は、何が標準になるか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは、その機関に対する投融資を、投資でやるか、融資でやるか、その問題は、大体その機関の収益率と、その資金コスト、この二つをまあ総合的に検討してやっておるわけでございますが、運用利回りがこの資金コストよりも低いというようなものに対しましては、これはどうしても出資をもってしなければ、運用ができないという問題もございますので、その点を考えて、融資と出資を分けているわけですが、御承知のように、出資財源というものが今非常に少のうございますので、本来なら出資でやるべきものを融資でやっているという事例はございますがこの融資で済むと思われます機関に対して、今出資でこれを見ているというようなことは、現在のところございません。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 出資にすれば、利益がなければ配当は取らなくてもいいのだ、受ける方から言えば、無利子の金だ。融資なら利子のつく金だ、こういうふうなことから、出資金でいくか、貸付金でいくかを区別するとおっしゃるのですが、これは出資金とか、貸付金というものを、そういう利子がつくか、つかないかということだけできめるのは非常におかしいので、もしそれでしたら、同じ貸付金でも、利子を軽減する、あるいは無利子にするという方法があるはずなんです。それでやればいいのです。で、ある会社の資本金を幾らにするかというようなことは、ただその会社、その銀行が、資金コストがどうなるかということだけじゃない。これだけの資金があったらどれだけの事業ができる、どういう利回りになるかという——一体ある事業についての資本金は幾らであるかというようなことが元になって、これは出資でいくか、株で募集するかということがなきゃならない。それを、ただ借りる方の金が、かりに資金コストだけだというなら、私は全部融資でやって、そして必要に応じては無利子でやり、あるいは利子軽減するということの方が、もっとすっきりしたことだと思うが、その点いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) これは事業規模は考えないわけではございません、資本の問題は当然。大体法律でもきめられている問題もありますように、これは考えていたしますが、この利子補給というようなことで、むろん目的は達しられますが、これは最初利子補給でいっても、最初はそう大きい費用を要さなくても、だんだんにこれは累積して大きい金額になって、将来の財政の健全性をそこなうような問題もございますので、恒久的な機関に対しては、むしろ出資でいく方が、将来の財政の健全性にもなるし、その機関の経常の安定化ということにもなりますので、暫定的な措置としての利子補給という方法は考えられますが、恒久措置としては、やはりずっと利子補給を要するようなものについては、これは出資で対処する方が妥当ではないかと考えております。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 いや、私が今申し上げたのは、利子補給でいくか、出資金でいくかということじゃない。そのもう一つ手前の問題で、貸付金でやればいいじゃないか、そして無利子にしておけばいいじゃないか、こういうことを申し上げたわけなんですが、まあしかし要点は、今の大臣が申されたようなことに私も論議を持っていきたいと思っているのですが、これはまあ考え方の見解の違いといえばそれまでですが、私は無利子の金を貸す、あるいは無利子の出資金をするというよりも、正面切って歳出で利子補給だとする方がむしろいいのじゃないかという気がする。よく民間の企業あるいはこういうような営団とかなんとかに対する援助におきまして、正面切って交付金をやる、補助金をやる、利子補給をするというと、これは非常に人の目に立ちます。従って、どうしてもやることに慎重にならざるを得ないと思う。ところが、税金を負ける、減税をする、免税措置をする、あるいは今のように利子のかからない出資をしてやる、あるいは利子の安い融資をするということになりますと、そこに与えているフェーバーに対して国民もあまりはっきりした意識を持たない、従って非常にそういうことがルーズにかえって流れるのじゃないか。むしろ正面切って利子補給をいたします、補助金を出しますということにして、そんなに補助金が多いのはおかしいじゃないか、向こうの計算はどうだというようなことで、やはり国費の節約をはかることがベターじゃないかと思うのですが、その辺のお考えはいかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) そういうやり方をした方がいい場合もあろうかと思います。

杉山昌作参議院同志会

○杉山昌作君 これ以上は見解の相違になりますので、私はそういう考えもあるということを一つお記憶にとどめていただくことにいたしまして質問を終わります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 午後は二時より開会することにいたしまして暫時休憩いたします。    午後零時十三分休憩    ————・————    午後二時十五分開会

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) これより予算委員会を再開いたします。  午前に引き続き、質疑を行ないます。岩間正雄君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、外交問題について質問をいたしたいと思うのであります。  コンゴ問題が今世界の大きな関心を集めています。私はコンゴの事態に最も端的に示された西欧植民地諸国とアメリカ帝国主義に追従する池田内閣の外交政策の将来についてただしたいと思うのでありますが、時間の関係から、きょうはコンゴ問題と本質的に同じ内容を持ち、かつ日本の安全と極東の平和について最も差し迫ったラオス問題に重点を置いて質問したいと思います。  まず第一にお聞きしたいことは、その後のラオスの経過はどうなっておるか、さらにこれに対する政府の見通しについて外務大臣の意見を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ラオスの問題につきましては、御承知のように現在だんだんに解決の方向に参っております。ブン・ウム政権においてもできるだけ広い基盤の上に政権を安定しようということで、プーマ、これは亡命中でございますが、プーマ氏の方に対しても呼びかけをしておるようでございます。一方関係国間におきまして、これを国際監視委員会のもとに置く、しかも、今後の問題について関係国が寄り合って協議をしていく、そうしてラオスの安全と平和というものを確立する方向で問題を解決しようということになっておることは御承知の通りでございます。この点につきまして、アメリカの方においてもイギリスのこの提案を受けまして異議はないようでありますが、ソ連の方はまだこの提案を受諾しておらない、かような状況になっておることはすでに御承知と思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 池田政府は、現在ラオスのブン・ウム政府を正統政府として認めているわけでありますが、この根拠は一体どこにあるのですか。この根拠についてお伺いしたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ラオスにおきましては、いわゆる新しい政府ができたというより、政権の交代と、こうした格好でブン・ウム政府ができた、こういうふうに見ているわけであります。しこうして、このラオスのブン・ウム政権につきましては、ラオス国における憲法上の所定の手続をもってその国会において承認されておる、かようなことで、これを現在のラオスの代表的な政権と、かように見ておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それではお伺いしたいのは、ブン・ウム政府が成立したのは一体いつごろですか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) ブン・ウム政府は実際上は昨年の十二月の十七、八日ごろに成立したのでありますが、その後憲法上のいろいろの問題が残っておりましたので、正式に憲法上認められた政府として成立したのは今年一月の七日であったかと思います。正確な日付は覚えませんが、一月七日ないし八日ごろ、あるいは一月四日ごろだったかと思います。一月の上旬でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 憲法上の正式の所定の手続で成立した、こう言っておられるのでありますが、憲法上の手続というのはこの内容がありますね、この内容は何々ですか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 憲法上ラオスの王様が総理の候補者を指名いたしまして、その人が自分の内閣を組閣いたしまして、それをラオスの国会に提出するのであります。ラオスの国会がこれを多数でもって承認いたしました上、ラオスの王様がまたこれを正式に任命する、任命しました上で、あそこの中央寺院におきまして宣誓式をあげる、こういうのが憲法上定められた所要の手続でございます。その所要の手続を全部完了いたしましたのが一月の四日ないし五日でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 なるほど先の四つの手続については完了したのは一月四日というふうに聞いております。第五項目の宣誓については、これは完了しておるのですか、これはいかがですか、外相御存じないですか、こういう問題について。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 宣誓につきましても完了しておるのでございます。中央寺院において宣誓するということで、その方法を済ましておるのでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 政府はその報告を受けておりますか。実はここに私は政府発行の週報を持っておるのであります。この中にはそのことを書いてない。四項目までは、これは終了しておると書いてある。宣誓の問題については、これは明記されていない。この点はどうしたのか、明確な文書をもって通告があったのか、その点をお伺いしたい。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 御指摘の宣誓というのは、中央寺院におきまして、国会議員を前にいたしまして、新しい首相が宣誓を行なうのでございまして、中央寺院においてそれらの式が行なわれました際には、当然宣誓も行なわれるのであります。宣誓は済んでおるという報告を受けております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは大体ブン・ウム政府を承認したのは、さきの話によりますというと、これはいつなんです。十月ごろと聞いたのですが、どうなんです。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 御承知のように、旧プーマ政府は十二月の中旬に首相が逃亡いたしました結果といたしまして、実際上これが解消してしまったのでございまして、それと同時に、実際上の問題といたしましては、ブン・ウム政府が臨時政府のような格好でできたのでございます。この間日本政府は、この臨時政府を正式に承認するというような意思表示はしていないのでございますが、しかしその後一月の上旬にこれが憲法上の正統な政府として成立いたしましたときから、日本はこれを正統な政府として認めておるわけでありますが、別にこれは憲法上の方法によりまして、政府の交代成立があったわけでありますから、あらためてこれに承認という意思表示を日本がする必要はないのでありまして、自動的に現在あります正統政府を正統政府として認めておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはいつですか。はっきり言って下さい。いつからですか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 一月の四日、宣誓を済ませまして、正式の政府として成立いたしましてからでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 アメリカ政府が認めたのはいつからです。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) アメリカ政府は、十二月の中旬、プーマ政府が逃亡いたしまして、ブン・ウム政権が事実上の臨時政権としてできましたときから、これを正統政府として認めておると考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、一月四日に憲法上の手続が終わって合法性を獲得した、そのことをその後に認めたというのは、一応これはわかるのですけれども、その前の十二月十三日にアメリカが認めた。そしてこれに実はすぐに続いてタイが認めたじゃないか、そのあと日本がほとんど同じような形で実際はこれを認めたような行動で、全くアメリカと同一行動をとってきたというのが今までの真相じゃないかと思うのですが、まず第一にお聞きしたいのは、アメリカが十二月十三日に認めたことについて、これはどうですか、合理性がありますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ただいまお答えしましたように、所定の憲法上の手続をとり終えた政府であるから、これを正統な政府であると見ておるわけであります。これは従来の憲法が変わったわけでもない。その憲法上の所定の手続によって新たな内閣ができたのでありますから、それをさように認めておる、こういう日本の立場であります。他の国の立場については論評をさし控えます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私がお聞きしているのは、アメリカ政府が十二月十三日に認めておることは、これは合法であると思うかどうかということを聞いておるわけです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 私は日本の外務大臣として、日本の立場を申し述べたわけであります。他の国のやったことについては論評をいたしません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはあなたのそういうふうな逃げ口上では、これは話にならないと私は思う。このアメリカのやり方については、合法性を持っていない、これは明白だと思うのです。そうしてこれを認めることによって、今度は十九日くらいから再び軍事援助をやっていった、こういう形で実際は促進をしていった、これがその姿じゃなかったのですか。しかもそれに全くしり馬に乗るような形で追従外交をやってきた、そして今日同じような形で行なわれているのが日本のプーマ政権に対する態度であり、ラオス問題に対する態度であるということが、私はこの点で明白になると思うのです。こういう点はもっとやはり明確にしなくちゃならないと思うのであります。  次にお聞きしますけれども、現在それならこのプーマ政権を認めておる国は世界でどこどこですか。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 現在プーマ政府を認めておる国は、大体共産圏諸国でございます。そのほかインドが認めておるかと存じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 ブン・ウム政府を認めているのはどこどこです。

中川融外務省条約局長

○政府委員(中川融君) 共産圏でない国々の大部分はブン・ウム政権を認めておるのではないかと思いますが、御承知のように、これは正統政府として成立したという関係上、別にその国と直接の関係のない国は、あらためて承認したという意思表示をしないわけでございますから、はたして何カ国がブン・ウムを認めておるかどうかということは的確にわかりかねるのでございますが、大体自由主義陣営の諸国はこのブン・ウム政権を正統政府と認めておると考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう答弁でいいですか。外務大臣、今条約局長はそういうような答弁をしたのですが、そういうような情報でいいんですか、一月四日にかりに合法性を獲得した、その後日本は認めた、世界の情勢についてはもっとキャッチしなければならない。ところが名前を上げることはできないのでしょう。これは非常に私はおかしいと思うのですが、これはどうですか、もっと明確にしてほしい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどから条約局長が申しておりますことは御理解願えたと思いますが、国内法というものがラオスにあるわけです。国内法の基本法である憲法の所定の手続によって、その国におります政府がその手続を了した、そこでほかに亡命しておる政府——前には政府であったプーマ政権がありますけれども、それは現在ラオスにおらない、従っておるもので国内法の手続をとったものは、われわれはそれは正統な政府である、こう思っているわけです。ただしそういうものを認めた通告をするとかしないとか、そういう手続は、現在憲法が変わったわけでもないし、そうした革命政権が新たにできたわけではございませんので、そういう手続を要しないもの、こういう解釈で、他の国においても、多くそういう国があることは今条約局長がお答えした通りである、かようなことであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 しかし、その国をはっきりつかむ、国の数と名前を明確にするということは、非常にラオスの問題を検討する上において必要だと思う。しかし、これは情報がないというのですな。そこで、そこのところは非常に不明瞭だ。われわれの聞いておるところでは、アメリカ、タイ、日本、フィリピン、台湾、南ベトナム、こういうところは認めておることを聞いております。しかし、その他の国では、なかなかこの問題は御承知のようにそう簡単にはいかない問題、ことにアジア・アラブの中ではずいぶん問題のある国です。こういう中で多数認めておるというならば話は別だ。国連参加国九十数カ国、こういう中ではっきり上げることができるのはわずかに五、六カ国だ、しかもこの五、六カ国をよく見ますと、全くこれはSEATO参加の、しかもタイをはじめとして今日ラオスのあの内紛に関係しておる国々じゃないですか。こういう国が認めておるそのお先棒をかついで、日本が一体この政権を認め、そうしてアメリカと同一行動をとり、しり馬に乗る、そうしてラオスの問題に対していろいろな行動をやっておる。こういうことは一体許されるかどうか、これは私は非常に池田外交の基本的性格として重大な問題ですから、総理大臣は一体このような態度が正しいと思うかどうか、これについて明確な御所見を伺いたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日本としては当然のことと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まああなたはそういうことを言われますけれども、そういう答弁でいいかどうかということは、これからの私の質問の中からはっきり出てくるのじゃないかと思います。  そこで私は質問を進めますが、まずお聞きしたいのですが、現在のラオスの戦局は一体どういうふうになっておるのか、さっき小坂の説明によりますというと、小康を得ていい方に向かっておるというようなお話であったのでありますけれども、その後の各国の動きやその他の情勢を、どうつかんでおるのか。このラオスをめぐる情勢について外相の所見を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどおあげになりました国のほかに、イギリス、フランスもブン・ウム政権を認めておるわけです。大体先ほど条約局長が言いましたように、共産圏ことにソビエトを中心とした国々が、このプーマ政権というものを特に強力に支持するようなことを言っておるという実情でございます。先ほど私が申し上げましたように、ラオスの問題は、二つあるのでありまして、一つは現在の情勢をなるたけ早く平穏に化せしめる。もう一つは平穏に化したあとのラオスの経済、また民生の安定というものを築き上げる。この二つの問題があるわけでございます。それにはなるたけ東西の冷戦をここに持ち込まない。そうして周囲の国々が今申し上げた二つの目的に沿った行動を考えていく、こういうことに問題点がある、こう思っております。  私ども何も、アメリカのお先棒をかついでおるというお話でありましたが、さようなことは、われわれラオスの国内問題に介入するという意思は毛頭ございません。そのようなことは一切いたしておりませんことを申し加えておきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 見通しはどうなんです。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 今申し上げましたように、このICC、ICCといっておるのは国際監視委員会ですね。これによってこの問題を片づけようということで、イギリスが動いて、アメリカに呼びかけ、アメリカは承諾したわけです。ところがソ連がまだ返事をしていないという状況であります。しかし、全体の方向として、この問題を各国がより合って、できるだけ平穏化さそうというきざしが見えておるように私は理解しておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あなたの、日本の外務大臣としての見通しをお聞きしておるわけです。ほかの国々はそう動いておる。しかしこれについて、あなたはどうなんだ、どういうふうに見ておるか。つまり、いい方にいっているのか、悪い方にいっているのか、この現状をあなたははっきりつかんで、その上に立っての政府としての見解を述べられることは自由だと思うが、どうなんですか。  今のお話では、そうではなくて、ほかの国がどうだこうだという、そういうことではなく、あなたのことを聞きたい、日本の外相として、はっきり答弁してもらいたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 冒頭に申し上げたと思うのでありますが全体としていい方向に向かいつつある、こういうことであります。  しかし、今申し上げたような事情を私が申し上げます理由は、これは完全に解決した意味ではないということを理由をあげて申し上げておるわけです。  ソ連が、こうした国際監視委員会の復活というものに同意してくれれば、さらに事態がよくなるであろう、こういうふうに思っておる。われわれとしては国際監視委員会の当事国でもございませんし、また国連の方の安保理事会の方の関係も、現在のところないわけです。今安保理事会の理事国をやめまして、社会経済理事会の方の理事国になっておるわけでございまして、直接の関係はないわけでありますから、そういう表面に立つよりも、関係国との通常の外交ルートを通じて、大公使その他を通じまして、できるだけ問題を平和の方向に導くように、われわれとしても努力したいということでございます。見通しというよりも、努力が大切である、かように思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 楽観的な見方ですけれども、私はそういうふうに必ずしも言い切れないのじゃないかと思うのです。これは小坂外相は御存じだと思いますが、二月二日に中国の陳毅外相が北京での各界代表ラオス人民抗議集会というところで演説をしております。こういっておる。ラオスのプーマ政府の要請があれば、中国は必ず援助する。この事実をあなたは知っておられるか、これをどう思うか、この点を伺いたい。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) お互いに世界の平和を考えまする場合に、相互にその立場を尊重する、そうしてその国の内政に干渉しない、こういうことが非常に必要なことと思います。そういう意味におきまして、こうしたラオス問題が、国際的な争いに広がりを持ちませんことを今望むわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私も同じ立場から言っておるのですけれども、しかし、今のような情勢をはっきりつかんで、その上に対処するということは必要だと思うのです。ところが、あなたは願望しておられるけれども、この問題について、一体どういうふうな動きをしているか、そこのところが、はっきりしていないのです。  それで、今の陳毅外相は、このような演説をむやみにやるわけはない。これははっきり現実を踏まえたその上に立っての演説であろうと私は思うのです。これについてあなたは知っておられるか、どうかということを、まず聞いている。それから、これについてどう思うかということを聞いている。この点を伺います。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 非常に国際間の問題は微妙でございますから、いろいろな論評は、ひとの国の外務大臣あるいは責任者が言ったことについて、この席で論評することは差し控えたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 知ってはおりますか。その点どうです。陳毅外相のことについては知っておりますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ここでいろいろ知っているとか、それについてどう思うとか、一切差し控えたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういうようなことをあなたは言ってはいけない。これは事実なんです。その事実、その情勢の事実を知っているか知らないかということについて、はっきり言えばよい。あなたは知っておって黙っておられるのか、あるいは知らないのか。これでは現実を解決することにはならない。私は、この陳毅外相の演説というのは、決してかりそめに出た言葉ではないと思う。ハノイの新華社電によれば、こういうことを伝えております。アメリカ帝国主義者は、大量の銃火兵器、ロケットを装備した飛行機までラオスに持ち込み、タイ軍、蒋介石グループの砲兵、南ベトナムのゴ・ジェン・ジェムグループの兵隊、フィリピンの軍事専門家をラオスに派遣し、米人将校が直接指揮して、この戦争に当たっている。こういうように伝えているのです。  これを見ると、明らかにこれは、アメリカに支配されているSEATO軍とかいらい軍が、独立を目ざすラオス人民軍に対抗している姿であります。こうした外国軍の干渉を排除するために、最近のラオス紛争は単なる内紛の段階から、民族解放戦争のところに、新しい段階に発展しつつあると思うのでありますが、この性格の発展について、外相は、どういうふうに把握しておられるか、はっきりお答え願いたいのであります。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 先ほどから申し上げておりますように、外国軍隊がだんだんに内乱というものを、東西の全面的な力の争いに持っていくということをできるだけ避けるような方向で、われわれもまた努力しなければならぬ、かようなふうに考えておる。もちろん情報というものは、私どもは詳細承知いたしている。各種の情報を承知している。しかし、われわれとしては、それがいいとか悪いとか、ここで論評してみるよりも、そうしたことが行なわれないで、国際的な広がりを持ちませんようにするということの方が、より大切であるということを申し上げておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外交の方針がないじゃないですか。——客観的な情勢をつかむ、性格を把握する。  こういうことで、どうして対策が立ちますか。今のようなことを私がお聞きしているのは、こういうような民族解放的な戦争の段階にきておる、こういうことについて、どう思うかと聞いている。あなたは、これの答弁をそらしておられますけれども、おそらくこれに答弁されないかもしれない。私は、このラオス問題というものを、これはずいぶん過小評価しているのではないかと思うのです。私は、はっきりこれの現実を見なければならないと思う。あなたたちは、アメリカのこの干渉軍に、実際いろいろ協力したり、そうしていろいろな行動をされてきたと思うのです。しかし、この戦争が発展すると、非常にこれに巻き込まれるおそれは十分にある。今そういう意味では、私は重大な段階にきていると思うのです。日本の国民は、このことを心配しております。しかもこういう問題が発展してくると、これは食いとめる保証が現在の情勢の中では、なかなか困難になってくる。  従って、もっと真剣に、この問題を考えなければならないと思うのですが、いかがでございますか。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) ラオスの問題を、できるだけ早く平和裏に解決し、しかもラオス国民が、その堵に安んずることができる時期を、できるだけ早くいたしますために、私は先ほどからわれわれの立場を話しておるわけであります。  どこの国の軍隊がどうしたというようなことを、ここでいろいろコメントするということは、かえってそのこと自体その戦争に巻き込まれる、内乱を戦争に拡大するようなことに巻き込まれることになるので、私は答弁を差し控えたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、なぜそういうことを聞いているかというと、政府の外交方針というものを明確にするため、今のような全くメイファーズみたいな答弁をやっておったのでは、これは方針が立ちませんよ。あなたの願望であるところの問題を解決するということには、あまり役に立たないのです。そういうことを言いながら、実際はこの陰の方で、必ずしもこれにふさわしいことが行なわれていない。これでは非常に私はまずいと思う。  私が非常に心配しておるのは、次のようなこういう事実もあるからで、のんきなことを言っておられない。あなたは、こういうことを御存じですか。昨年の十月五日にアメリカの戦略空軍が千五百機全世界にわたって数十分間攻撃態勢をとった事実があります。これは非常に重大な問題で、世界の問題になっておる。日本のニュースではあまり紹介されなかったようでありますけれども、この事実を御存じでありますか。これは外務大臣並びに防衛庁長官にお伺いいたします。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 存じません。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) そういう事実は、何ら存じておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 こんな怠慢なことで、一体外務大臣や防衛庁長官が勤まりますか。国民は安心できないんですよ。われわれさえ知っているのだ。ロンドン二十四日発のAFP電によりますというと、これは十月二十四日です、ロンドンのデーリー・メール紙は、二十四日、「グリーンランドのツーレにある米ロケット監視所が、月に当たって帰ってきたレーダーの反射波をミサイルと間違えて警報を出したため、約三十分間米国防省をあわてさせ、時ならぬ警戒態勢をとらせた」と報じ、またアメリカのナショナル・ガーディアン誌はその十二月十九日に、このことを詳報している。どうですか、この事実。こんなものは外務省が情報として知らないわけはないと思うのですが、いかがですか。防衛庁長官もいかがですか、もう一度お伺いいたします。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) お答えいたします。  そういう事実は存じておりません。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) 存じませんのみならず、ナショナル・ガーディアンという新聞があることも存じません。ナショナル・ガーディアンという新聞は存じません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 知らないというのですけれども、これはたくさんあります。そうしてここで実は私は、もっとこれは紹介すると、日本国民のためになると思うのですけれども、時間の関係があります。しかしこの一節を読んだ方がいいと思う。ナショナル・ガーディアン誌十二月十九日号、これはアメリカの発行ですから、外務省もお取りになったらいいと思う。「アメリカ戦略空軍の水爆搭載機千五百機が全世界にわたって一斉三十分間攻撃待機の態勢をとった。先日、十月五日のことである。このとき、世界は誤報に基づいて核戦争の一歩前まで行ったのであった。爆撃部隊が最後まで発進しないでいたということは、まさに現代の奇跡だったといえる。警報はグリーンランドのツーレ基地にあるアメリカの遠距離早期警報レーダー・ステーションから出た。レーダー・スクリーンに斑点の大群が現われたのである。この斑点群についての諸元を電子計算機にかけてみると、出てきた答えは、「大量の弾道ミサイルによる攻撃らしい。来襲方向は東。目標はアメリカ」という機械の解釈であった。この報告は海底電線でコロラド・スプリングにある北アメリカ防衛司令部に送られた。立ちどころに命令は全世界のアメリカ基地に飛んだ。オマハの戦略空軍司令部では、危険の場合を意味する赤塗りの電話が鳴った。電話に出た当直将校が聞いたのは、次のような命令だった——「ミサイル攻撃の報告あり。目下のところ未確認。貴隊の爆撃機の緊急退避を準備せよ」。戦略空軍は水爆搭載機に待機を命令し、一方ツーレ基地には情報確認せよの信号が送られた。返答はなかった。同基地は攻撃を受けているということだろうか。アメリカの核反撃兵力は戦争に突入するかまえでいた。そのときツーレから電報が入った——「危険は去った。すべては誤認であった」……。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 岩間君に申し上げますが、持ち時間が、すでに経過しておりますことを申し上げます。御善処を願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 善処いたしたいと思います。  それで、このようなことは、幸いにこれが誤報とわかって、ボタンが押されなかったのでありますけれども、これが攻撃を開始していたら、大へんなことになったと思うんです。私はこういうような問題と関連して、ラオスの問題というものを軽視することができないと思う。  さらに、私はここでお聞きしたいんであります。これは日本の現実ですから、アメリカのことでありますけれども、日本にとって近いラオスの問題と関連しまして、非常に最近危険な問題が出てきております。それは何かといいますというと、私たちの手にしました情報では、最近二月四日から神戸港の米軍専用の第六突堤に着岸したアメリカの第七艦隊の艦船、これだけでも相当な数に上っている。それで防衛庁長官にお伺いしたいんでありますけれども、あなたは、このような情報をつかんでおられますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) アメリカの艦隊の一部が、時おり修理その他で入港するということについては、情報は現在のところ知っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 艦船の数はどのくらいか、今申しましたが、知っておりますか。

西村直己自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(西村直己君) 防衛庁、自衛隊といたしましては、わが国土の防衛に関係ある限度においての情報は、個々には集まる場合がありますが、しかしアメリカの艦船が修理その他に、時おり入るということの個々具体的な情報は、ただいまのところは、私は詳細は存じませんが、必要があればまたお答えいたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私たちの手にした情報の中で、ことに非常にここで重大視しなくちゃならないのは、ラオスの問題が発展しておる、ビエンチャンでノサバン軍が反撃に転じている、これが十一月の中旬のことでありますが、このときの、たとえば今申しました神戸の米軍の岸壁についた船だけでも潜水母艦、空母、駆逐艦、新型ミサイル巡洋艦、潜水艦、このような船がたくさん来ております。この中ではプロヴィデンスという一万五百トンの新型ミサイル巡洋艦も、この中に入っておるのであります。しかも、こういうときに非常に重大な問題は、このブロヴィデンス号というのは、昨年十月十五日に米国の国務次官補パーソンズ氏がアメリカ国務省の特使としてラオスのブーマ首相に内政干渉の三条件を突きつけて、一方そのときにアメリカの第七艦隊の司令長官グリフィン氏が台北で記者会見して、そうしてこういうことを言っております、今日第七艦隊に普通戦争、核戦争どちらにも使えるミサイル巡洋艦プロヴィデンスが加わった、こういうことを言っている。しかもこれは十一月十五日です。  これと符節を合わせるように、実は神戸の岸壁では、こういうようなことが行なわれておる。神戸でもこれです、横須賀とか佐世保に至っては、私は、非常にこれは関係があったと思うんです。このような情勢を、はっきり防衛庁長官は、これをつかみ、そうしてこのような事態についてアメリカと事前協議をする、あるいはあなたたちの安保の中に考えておられましたところの日米安保協議委員会、こういうようなものについて、この問題を相談するということが、あなたたちの言い分からすれば必要であったと私は思う。  ところが、こういう事態については、何らかの措置がされましたか。この前の総理の答弁では、ラオス問題については、日本では、そういう事態はなかった、何も日本は関係しなかった、何もやっておりません、こういうことを外相も言ったと思うのです。ところが実際は、今のような関連の一端、われわれの手にしたこの情報から見ましても、この問題は非常に重大な問題だと考えるんですが、池田総理にお伺いいたします。  この問題について、日本人は非常に心配しておる。この国民の気持になって、あなたはどういう処置をされるかお伺いしたいと思うんです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は詳しい事態を知りません。今、そう心配する状態ではないと思います。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 五分経過しております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 すぐやめます。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) もう一問だけにとどめていただきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 心配するような状態でないと言っても、今のような関連、私があげたのは、全くこれは全体の大勢の中の一つだと思います。そういう中で、あなたは心配するような状態でないということを言われるけれども、日本国民は非常に心配しておるんですよ。この現実を、私たちははっきりふんまえて、その上に立って日本の外交方針というものを、これは明らかにしていくことが非常に重大だと思う。  ところが、どうもこれについては、防衛庁長官も、あまり情報をつかんでいられない。外務大臣にお聞きしますというと、全くつんぼさじきに上がっておるようです。ただ希望だけはしておる、われわれは平和を求めるなら、それは願っただけではだめです。それを具体的に、今アジアと世界の情勢の中で、はっきり日本の果たす役割というものは、これはあると思うんです。日本の憲法の建前からしましても、われわれの外交方針は、どういうものだかというものはあると思うのです。ところが、何らそういう問題については、これは明確な状態を出していられない。全くこれは無方針と言わざるを得ない。いや無方針じゃない、アメリカの外交方針に、あとをついていけばいい、こういう格好でやられているのが、現在の池田内閣の、これは外交方針だと言われても、これについて全く私は言うところがないと思うのですけれども、池田総理は、一体どうですか。真剣にこの問題について対処する考えがあるか、ラオス問題を、一体ほんとうに、どういうふうに今後処理するのか。日韓の問題、あるいは中国の問題とも関連しまして、日本の平和、アジアの平和のためには、非常に重大な関連をもっておるところのこの問題です。  この問題について、もっと明確な、これは内閣として、政府としての態度を明らかにされる必要があると思うんですが、この点、重ねてお聞きいたします。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日本の安全につきましては、日夜私は心を砕いておる次第でございます。今のところ、あなたが御心配なさるようなことは私はないと確信しております。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) もう八分超過しておりますから、それでやめて下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もう一つ……。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 今度一問だけにして下さい。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 具体的にはこれを示さないで、ただ安心してくれというような形で、今日の外交をやることはできません。あなたも口では国民外交ということを言っておられる。しかし何ら方針は示されない、こういう形では私はできないと思う。そうして非常にこれは甘い。先ほど申しましたような、緊迫した情勢が起こり得る可能性がある。非常に危険な可能性がある、そういうものに、はっきり対処するだけの方針を確立してこそ、あなたのこれは言い分は通ると思うんですが、そういうことにはなっていない。これはなぜかというと、現実の認識の甘さ、あるいは現実を見まいとする、あるいは追従的な態度の中にあるのではないか。  私は、ラオス問題の質問をこれで終わりますけれども、最後に申し上げたいのは、大体、そもそもこのラオスの紛争の根源というものは何か、これは明確にこの点を指摘しなければならぬと思うのです。第一に、これは五年前から、ラオスにアメリカが介入しておる。政府要人にドルの札束を持ち込んで彼らを腐敗さしたということが一つ。第二は銃を与えて、この支配をさせた。第三にはフランスを挑発して、そのあとに米軍顧問団を送ってアメリカの兵器を使用させた。第四に三億一千万ドルに及ぶところの援助金をつぎ込んで、その六分の五を軍隊に使っている。第五には、ラオスの中立主義を否定して、紛争を全面的に内戦に変えていった。そうして、こういう態勢の中で、今またSEATO軍の干渉を行ない、またその中に日本を巻き込んで、NEATOの結成というようなものがたくらまれている、こういう現実というものを私どもは忘れることができないと思うのです。  私はほんとうに池田首相が、今ここで声明されたように、日本人の平和というものを願うならば、私は、現在のような態度じゃならぬと思う。私は次のようなことを最後には提案して、あなたが、はたしてこれを行なう気持があるかどうか、このことをはっきり日本共産党の、私は党の責任においてお聞きしたいと思うのであります。また日本国民の名においてお聞きしたいと思うのであります。  それは今、池田政府のなすべきことは、まず第一にいかなる軍事援助にも協力しないということ、日本の基地の使用は、全面的にこれを拒絶すること、そうして即刻ラオスから手を引いて、さらに進んでなすべきことは、カンボジア政府が今提案しておりますようなジュネーヴ会議参加の十四カ国を中心とした国際会議によって、ラオスに対する外国の干渉を阻止し、ラオスの平和回復と、民族独立のために積極的な努力を繰り返して、ねばり強くこれをやる、これでこそ初めて、私はあなたの口で言われたそのことを実際に行なうことになると思うのであります。池田総理並びに外務大臣の、この提案に対して、どういう態度をとるか、これはあなたたちの試金石です。これはあなたたちの考え方を、はっきり判断するところの最大のこれは条件であります。私は、こういう点からお伺いしているのでありますが、これらについて、ぜひ御答弁願いたいと思う。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 日本の安全と、極東の平和に向かって邁進いたします。

小坂善太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(小坂善太郎君) われわれはという名前での御要求でございましたが、それは非常に限られた範囲の御要求だと思います。  なお、われわれは手を出しておりませんので、従って手を引けということも、これは当たらない、こう思うわけであります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 岩間君、八分超過せられましたことを申し上げておきます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 御協力、ありがとうございました。今後ともよろしく。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 大矢正君。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は税制の問題、それから金融政策の問題等を中心といたしまして、関係大臣に質問をいたしたいと思うのでありますが、まず第一にお伺いいたしたいことは、三十五年度におきましては、第一次の補正で千五百億、さらにまた今回の第二次補正で四百億、約二千億近い自然増が見込まれまして、補正予算が編成をされているわけでありますけれども、三十五年度の当初の予算の中において、租税の負担が国民所得に対して、どの程度の負担割合を示しているかということは、前にすでに資料として出されているわけでありますし、また税制調査会の答申の資料の中にも出ておりますから、その点はわかりますけれども、三十五年度の自然増収二千億、さらに、先日の池田総理の話によりますと、二、三百億あるかもしれないというお話でありますが、これだけ自然増収が大きくなって参りますと、国民所得の中に占める国税及び地方税の負担割合というものは、かなり大幅に上回るのではないか。国税が伸びて参りますれば、当然地方税におきましても自然増が見込まれるのでありますから、三十五年度の予想として、国民所得に占める租税の割合はどの程度になるのか、大蔵大臣からお答えをいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 大体二一%前後と考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 今さら申し上げるまでもなく、昨年の十二月の税制調査会の答申では、二〇%程度が、今日の段階においては国民所得の中に占める租税の負担の割合としては妥当であるということが答申されているわけでありますが、今大蔵大臣の答弁によりますと、これが二一%、約一%ぐらい上回るという御答弁でございます。これは明らかに税制調査会の答申とはかなり隔たりがあるのでございますけれども、この点について大蔵大臣はどうお考えになっておられるか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 税制調査会の意見は、国民負担が国民所得に対して何%でなければならぬという基礎を示して意見を出されたのではございませんで、今後所得がふえるというときには、所得のふえ方よりも税のふえ方の方が、累進構造から見て多いのですから、国民所得がふえるに従って税の負担を調節することがいい。大体今程度の負担率より上がらないことが好ましいというのが税制調査会の御意見でございます。当時の税制調査会の意見が出されたときの国民の負担率は二〇・五%というところでございましたので、私どももこの三十五年の自然増収から見まして、今申しましたように二一%の税負担になる、これは負担が非常に重いと考えまするので、当初の予算編成におきまして大体二〇・五%、三十五年度当初予算編成当時の負担率ぐらいにとどめたいということで、今の減税案を作り、今国会の御審議を願っておるわけでございますが、午前中申しましたように、その後ガソリン税の増徴ということをつけ加えましたために、これを入れますというと二〇・七%前後の負担率になるのではないかと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私は池田総理にお伺いいたしたいと思うのでありますが、総理が考えておりますところの所得倍増計画、これは三十六年度の予算の中でも明らかなように、公共投資というものがかなり活発に行なわれなければ、所得倍増計画というものはなかなか困難だということが総理のお考えのようであります。公共投資が活発に行なわれなければならない、この面からの隘路が打開されなければならないという考え方でいきますと、税制調査会は二〇%程度が国民の租税負担の割合としては妥当ではないかといいましても、現実には所得倍増計画に基づくために、二〇%程度が二一あるいは二二というふうに上がらざるを得ないという考え方も出てくるのではないかと思うのでありますけれども、総理は一体、所得倍増計画に見合う租税負担の国民所得に占める割合はどの程度とお考えになっておられるのか。そうしてまた、これは来年度ということではなくて、将来にわたっての考え方があったらお尋ねをいたしたいと思います。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 国民所得に対する租税の割合は、各国ともまちまちであります。また、日本におきましても、時代々々によってよほど変わっております。大体今の状態では二〇%あるいは二〇・五%程度が適当だということが通説のようであります。今後十年以内の所得倍増という場合におきまして、その負担率がどうなるかという問題でございますが、ちょっと常識的に考えますと、お話の通り、所得倍増によりまする公共投資というものを考えますと、初めのほどは負担が少しきつくなるのではないか、おしまいになるとだんだん減ってくるという考え方もできるかと思いますが、いずれにいたしましても、所得の増加に対しましては、先ほど大蔵大臣から言ったように、租税の増加率はそれ以上になって参ります。その点を勘案しながら、やはり減税と社会保障と公共投資、こういう三本、あるいは文教等、必要なことは、今後その収入の増を見込みながら、成長の過程において適当な割り振りを考うべきだと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは大蔵大臣にお伺いしますが、大蔵大臣は前から、これからは毎年減税をやっていきたいということを言われておったと私は記憶しております。それは当然のことだと思うのであります。自然増収が経済の拡大に伴って大幅に出て参りますから、当然毎年減税をしなければ、税のとり過ぎということになって参りますから、これはまあ大蔵大臣の言うことは私当然のことだと思うのであります。ただしかし、その場合に、減税をするにいたしましても、これは減税の仕方が問題だと私は思うのであります。所得税に対する減税もあるでありましょうし、また所得税の中でもいろいろ分かれております。あるいはまた法人税、さらにまた、耐用年数なんかも今度新しく三十六年度では出るようでありますけれども、耐用年数や償却の問題、こういうものを含めて、法人税の問題、間接税の問題、いろいろございます。あるいはまた、外国との関係では関税もございますけれども、毎年減税をやるとおっしゃられるが、三十六年度は予算が出ておりますからわかっておりますが、三十七年度以降大体どこに中心を置いて減税をされていこうとお考えになっているのか、この点をお答え願いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ただいまの考えでは、税制調査会が今順を追うていろいろ検討をいたしておりますが、今後検討に入るべき問題としては、国税、地方税を通ずる税制のあり方という問題にまずこれから入っていきたいと思いますし、それから直接税と間接税のあり方の問題、間接税をどう取り扱うかというような問題にこれからの検討は入っていきたいと思いますので、そういうものを中心の減税案を考えると同時に、今年度の所得税、法人税を中心とする税の改革におきましても、御承知のように、今度は所得税の納税者のうちで九五%を占める部分の減税を中心にしてやりましたが、いわゆる高額所得者というものに対する減税というものは、今度は一切見合わせることにいたしましたが、しかし、国民所得が多くなってきますというと、七十万円以上の課税所得者が必ずしも大口所得者ということは言えないと思いますので、やはり七十万以上の所得者への減税というものも、これは今回は見のがしましたが、来年は考えてもよいのではないかというような、まだ、今回やった問題、これから検討する問題、こういうものを中心にする減税を私はやりたいと考えます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 再度大蔵大臣にお尋ねをしますが、三十六年に限らず、三十七年度以降も二〇・五%から二一%、大体この程度を中心として、国民所得の割合の中に占める租税の負担というものは、その線に従って法律の改正、税法の改正その他を行なっていきたいというふうにお考えになっておられるのか、あるいはまた二一%をこえて二二%近くなってもやむを得ないと、こういうふうにお考えになっておられるのか、その辺のお考えを明確にしてもらいたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私はやはり、ここしばらくの間は二一%以内くらいに税負担を一応押えるのがよいと考えておりますので、その方針でいきたいと思います。ただ、低所得者に対するたとえば二割というものと、高所得者の二割というものについては、同じ率であっても実質的には非常に違うことになりますので、国民所得が今後非常に多くなって全般の所得が上がるという場合には、これは二〇%という負担が重過ぎるということにはならないという事態が来ないとも限りません。将来のことはわかりませんがここ当分の間は、約二一%以内ぐらいにとどめるのが至当じゃないかと思っておりす。

大矢正日本社会党

○大矢正君 三十六年度の予算の中で見込まれておる租税負担の割合いというのは、どの程度になるのですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 中央、地方税を通じてことしは千四百三十億円前後の減税を見込んでおりましたので、それから見ますと二〇・七%ぐらいになるのじゃないかと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 三十六年度は比較的自然増収が多くて、二一%をこえるというような結果が出て参った場合には、三十六年度の年度内において減税を行なうという考え方が持てるかどうか。やはり見方でございますから、自然増収がどの程度であるかということは、今から予測することは困難であろうかと思いますけれども、三十六年度の当初予算でも今大蔵大臣が言われた通り、二〇・七%あるいは二〇・八%ぐらいになるだろうと予想されるのでありますから、自然増収が幾らか出て参りますれば二一%をこえることは、もう優にあり得ることだと思うのでありますが、その場合に年度内減税を行なうという意思がないかどうか、その点お尋ねします。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 三十五年度のときには経済の伸びを当初六・六%ですか、見ておったわけでございますが、その後、経済が見込みよりは非常に予想外に好調で一〇%こえる成長率になったというようなことから、今年度の租税収入については相当の見込み違いがございましたが、来年度すなわち三十六年度は私ども一応経済の伸びを九・二%と見ておりまして、この見通しをもとにしたいろいろ税の収入の見込み方を積み上げ計算でやっておりますので、私は三十六年度にはそう大きく見込み違いはないのじゃないかと考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは税制調査会の答申の一部を載せて参りました資料でございまして、特に三十五年度の当初予算を参考資料としておりますから、今日多少資料の内容は変わってはきておると思いますけれども、三十五年度の当初予算の資料から参りますと、三十万円以下の所得の人が全体の四四・七%で人数から見ますと五百二十八万九千人、それでしかもその税収というものが二百十六億円と、こういう数字になっております。そこで四四・七%といえば、もうわずかすれば五〇%、半分に近い納税人員——五百三十万人に及ぶ人たちの租税収入というものが二百十六億円しかないわけですね。そうすると、この二百十六億円の税収入をあげるために五百二十八万九千人、約五百三十万人の人間の税務行政をやらなければならぬということになるわけで、裏を返して言うと、このことのためにたとえば税務署にしてみましても国税庁にいたしましても、かなりの人員を使っているのではないか、この中には源泉所得、給与所得なんかのように比較的手数のかからないものもあるでしょうけれども、かなりのものは申告所得者としてこの中に存在をしているのではないかと私は思うのであります。そうなって参りますと、この五百三十万人の人間の税収入をやるために、その金額においてわずか二百十六億円しかないのに、膨大な税務署の人員をかけなければならぬということは矛盾ではないか。行政費を節約する意味におきましては、二百十六億円減税をすれば五百三十万人の人間がもう税の対象にはならないのでありますから、これは非常に税務行政の面からいけばいいのではないかと、こういうふうに考えます。ただこの際反論としては、この中には単身者が多いのだ、単身者が多いから単身者に税をかけないで、家族持ちにかけるということはおかしいじゃないか、単身者からも当然取るべきではないかという理屈はございますけれども、単身者でない人もかなり私は農家の申告の人々、中小企業の申告の人々、あるいは家族持ちの人々もあるのではないか、こういうふうに考えますが、この点について大蔵大臣一つ見解を述べておいていただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今度の減税によりましても相当納税資格を失う者がたくさん出て参ります。そういう実情に応じて徴税事務の合理化というものをはかっていきたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 今私が申し上げましたことは、大蔵省としても当然考えていかなければならぬことだと思うのであります。減税する場合においても、その減税の仕方はやはり税務行政と結びつけて考えていかなければなりませんし、こういう零細な人々の税金をわずか二百十六億集めるために非常に大きな労力を費すということは、行政の事務の上からも私は妥当なことではないと思いますから、どうか一つこれからの所得税の減税にあたりましては、こういう方面に目を向けて課税最低限を引き上げるなり、免税点を引き上げるなりということについて積極的に政府は考えるべきではないか、私はこう思うのであります。  そこで、次に同じく大蔵大臣に質問をいたしたいと思うのでありますが、割引債券の償還差益に対しまして、これを従来通り雑所得として扱うということで、利子所得にしないという考え方が出ているようでありますが、大蔵大臣はこの点についてどういうような見解のもとに、従来通りの方法をとろうとお考えになってやっておられるか、お聞きしておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この問題は税制調査会でもだいぶ議論いたしまして、一応利子所得という考えでこれに課税するというような意見が出てきましたが、これは長い間何十年来の議論のあった問題であるそうでございまして、税の理論上からもまた技術上からも、いろいろむずかしい問題がございますので、今度の税制改正では、三十七年度から一応これを解決して実施するということを一たん私どもはきめましたのですが、しかし、三十七年度から実施するについても、その間に政令で検討すべき問題が非常に多いということでございますので、一年おくれて実施するなら、今年度もう一歩その検討を経てから、三十七年度に実施する方がいいということで、今回は改正案の中に入れませんでしたが、一応そういう方針で解決しようと考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大蔵大臣ね、割引金融債の償還差益には税金はかからなくてもいいのだ、無税でもいいのだ、税金を取らなくてもいいのだというふうにあなたはお考えになっておられるのか、税をやはり取るべきだ、取るべきものだが技術的にこうこうこういう問題があるから、あるいはまた金融機関との関係がこうであるから当分の間やらないと、こういうふうにお考えになっておられるのか、そのいずれですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 税制調査会の結論におきましては、一応これは取るのだというふうに結論がついておりますので、私どももその方向に沿った検討を今しているところであります。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは今さら検討しなくても判断をすればわかることなんですよ。やるのかやらないのか、きのう、きょう出てきた問題じゃないんですよ。これはずっと以前から議論をされている問題なんだから、今さらになってから検討しなければならぬというあなたの答弁は逃げ口上なんですよ。特に新聞では一体このことを何と書いているか。これはもう総理大臣にお伺いしなければならぬけれども、公社債の償還差益、首相の意向で削除さる、新聞の大見出しですよ。これは日本経済でありますけれども、それ以外にもまだ朝日新聞その他を見ましても、割引金融債については、その償還差益についての課税は首相が指示してやめさしたと、こう書いてある。全部新聞はこう書いてある。大蔵大臣、あなたはやろうと思って閣議に持ち込んだ。これはもう税制調査会の答申にも、それは課税すべきである、利子所得にすべきであるというふうに言われておるからやらなければならぬ、あなたはそう考えて閣議に出た。ところが池田総理からツルの一声でもって、それはやめさせられて、もとの通りのままでこれについては課税されないことになっている、結果としては。このことについてどうです。僕はその点について、池田さんはこんなこまかいことに、だれから頼まれたかしらぬけれども、あなたが閣議でもって口を挾む問題じゃないじゃないですか。もっと大きな問題で口を挾むのならいいが、こんな税金をとるかとらないかということで、新聞に総理の発言でやめることになったなんてのは、これは恥ずかしい次第じゃないですか。私はそう思う。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 今のお話は、これはちょっと事実に違いまして、そうではございません。総理だけの御発言じゃなくて、閣議の中からこの問題がいろいろ出ましたのですが、むずかしい問題であるだけ、それだけまた何十年間か議論をしておって解決しなかったという問題でございますので、ことしすぐに話がきまって実施するということならともかく、一年先に、三十七年度から実施するという改正案でございますから、そういう方向がきまったにしても、この三十六年度中に政令に関する具体的な問題をきめて実施しても間に合うと、おそくないというようなことから、これは一応改正案から省いたということでございまして、総理の発言でやめろということで、やめたとか何とかいう新聞の記事は、それは事実と違いますので、私から御説明申し上げます。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) この問題につきまして、私は何人からも陳情を受けたことはございません。頼まれたことは全然ない。私はこの割引債券の問題につきましては、過去二十年、二十五年、議論してきました。しこうして、利子課税につきましていろいろ今までの変遷がございましたが、御承知の通り昭和十一年、あるいは十五年、源泉で課税する、利子に対して源泉課税するという制度が置かれました。戦争中は、戦後におきましても、利子所得の五割五分まで課税をしたわけです。そういう高率の利子所得に対して課税するときにも、この割引債券に対する課税というものは行ない得なかった。これは利子所得とごらんになったからですが、それじゃ十万円の国債を持っている、あるいは社債を持っている、それで途中で売ります。利子をつけたままで売る。そのときとる規定になっている。それはまあ次の人がとるということになりますが、この割引債券についての課税というものは、これは私は非常に専門的に研究いたしまして、これは今すぐ唐突としてやるべきじゃない。三十七年からでないと、やろうとしたってできないのです。技術的に困難な点があるから。だから今唐突として、ほかの増税をするときでないのに、これに新たに課税をするということは少し早過ぎやしないか、従って一年研究してみなければならない、そしてもし金利を引き下げすることによって、今の一万円を九千三百六十円にしたと、これで売って他との均衡が悪ければ、発行銀行が利子に相当するものを経済的に加算して、九千三百六十円を九千四百二十円、九千四百十五円にしたらどうか、こういうことをやって権衡をとるべきで、私はほかの増税案も何も出さないときに、多年のいろいろなむずかしい税の理論を含んでおるものを、今唐突として研究せずに三十六年度にやるのなら別だけれども、三十七年度からやる、しかも課税率の問題がある、これはよく検討しなければならぬ、こういう意味で言ったのであります。私はこれは、われわれだけでなしに、金融界におきましても、投資界におきましても、また大蔵省におきましても、十分検討をしなければならぬ。この問題は非常に簡単なようでございますが、われわれの専門家から見ると、なかなか困難な問題があるのであります。少なくとも私は決して陳情は一切受けておりません。これだけはっきり申し上げておきます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それは池田さんは専門家かしらぬけれども、私も大蔵委員会の委員として、五年も六年もこの税問題はずいぶん自分では研究しているつもりです。特に総理は新しく増税すると言うけれども、これは増税じゃないのです。新しく税金を取るというのじゃなくて、当然払わなければならぬものが払われてないだけの話ですよ。払うべきものを暗黙のうちに政府が認めているという話です。池田さんは、仕方がない、それは奨励はしていないが認めているという話ですが、新たに税金を課すという問題でないことは、これはもうはっきりしている。新聞なんかではずいぶんいろいろなことを書いておるが、池田総理は証券界とかあるいは金融界とか、関係が非常に深いようでありますから、われわれもそうなればこれはやはり金融界や証券会社の方から依頼をされてそういうふうにやったのではないか、こういうふうに勘ぐるわけです。しかし、それはあくまでもそうじゃないとおっしゃるから仕方がないとしましても、こういうことがいつまでも許されているということは非常に残念なことでございまして、それからもう一つ、大蔵大臣にこれはお伺いしますが、現在銀行に対する預金、それから社債もそうでございますけれども、国民貯蓄組合でうまい工合に回していきますと税金は一つもかからない、口座をたくさん設けて、限度額一ぱいで口座をたくさん設けて脱税行為が公然と行なわれて、大蔵省は仕方がないといっておられるのかどうかしりませんけれども、認められておるわけです。金を持って、金を運用する人間は、税金がかからないでどこまでも逃げていかれる、こういう現在のあり方というものは、非常にこれは残念なことであります。しかもそれは、さっきの償還差益のように、総理大臣みずからがそれを暗黙のうちに認めるということになっては、実際に税金を納めている者は腹が立ってしようがないのでありますけれども、大蔵大臣は一体私が今申し上げました利子所得、あるいは社債なんかに対して国民貯蓄組合での取り扱いがどんなふうに行なわれて、これに対してどういう手を打とうというふうにお考えになっておられるか、これをお答えいただきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) この問題はただ税の、税負担の公平という本来の税理論からだけで処理されないところがございまして、今やはり日本は資本の蓄積を必要とするときでございますし、そのためには貯蓄の増強とか、あるいは資本構成の是正とかいうような特に政策的な問題から考えなければならぬところがございますので、特に預金の利子所得につきましては、今、日本で金利水準を下げようという方向に来ているときでもございますので、そういう点との関連とか、いろいろ政策的な立場からこれを検討したあげく、私はこの特例をもう一年延期するということが妥当だと考えまして、今回はこの利子課税についての特例を一年延期したというようなことでございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 総理にこれは念を押してお伺いしますが、将来——まあ昭和三十七年度ということも言われておりますが、このときには必ずこれは実施をするのですか、それともそのときになってからまた考えるのですか、その点をお伺いしたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 大蔵大臣に十分考えてもらって、そうして私が納得いく方法でやりたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それはあなたは逃げられるけれども、これは実際問題として新聞等で、あなたが指示をしてこうなったのだというふうに言われているのですから、そういうものを打ち消す意味においても、あなた自身の考え方をこの際明らかにした方がいいのじゃないかと、私はこういうふうに思うのです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 私は今日まではこれは課税すべきでないという結論でずっと進んできております。それは二十年ぐらい前は課税すべき論だった、課税論者、大蔵次官時代からこれは課税すべきでないという考え方に変わってきております。これは経済状況その他から私はそういう結論になっておるのであります。従いまして、税制調査会は最近そういう課税論を出しておりますし、また大蔵省でも検討願うことになって、そうしてその結果が私が承服できるような理屈がつけば、私は喜んで課税に賛成する。つかなければ、私は自分個人の意見としてはこうだということで閣議できめることになると思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 そうすると、一年限りだけは認める、しかし、将来はこれはもう認めない、あくまでも利子所得でいくのだ、こういうように態度をきめてられているわけではないのですか。大蔵大臣、その辺をどうお考えか。そういう態度を大蔵省としてはきめておるのかどうか、あるいは一年たったあとにおいてさらにあらためてどうするかという検討をするというふうにお考えになっているのか、大蔵大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私としては、長い間のこれは議論の種になっておる問題でありますので、解決したいと思うのですが、先ほどのようにむずかしい問題がありますので、もう一年間これを検討して、そうして私自身の考えは、これを、まあ総理の考えもございましたが、課税できる方向で検討したいと思っておりますが、これは一応総理にも話しまして、私の方で十分検討するからということになっておりますので、検討いたします。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは、いずれ大蔵委員会等で具体的にあらためてやり合いたいと思うのですが、予算委員会の場でありますから、これ以上深く追及いたしませんけれども、今のような割引金融債の償還差益に対して、そういう態度でありますれば、当然預金金利の問題や 社債や、証券投資信託や、公社債投資信託、そういう一切の問題に関連してくるのだと思う。課税上の問題ですから、どこかではっきりした態度をとらなければ、全部だらだらとこれは抜け道を作って、税金がかからないように脱税行為をやられれば、これはそのまま仕方がない、仕方がないで過ぎてしまう。そういう点について、あなたもはっきりした態度をこの際とっていただかなければならないと私は思っております。  それから次にお伺いいたしたいことは——これはお答え願うということよりも、私が予算委員会を通して大蔵大臣に特に要望したいと思うのでありますけれども、減税をいたしましたあとには、一般的によくいわれるのですが、特に中小商人の人たちは減税されるのはけっこうだけれども、減税のあとにはすぐ引き続いて徴税強化が襲ってくる、こう言っておる。ですから、東京なんかもそうですが、下町あたりの商店の人たちは、税金がめんどうくさくてしようがないから税務署の人に頼んでやる。今のような申告時期になりますと、署員にちゃんと申告書類を作ってそうして出してもらう。商店の人の方もその方が安心だ、税務署に行っておどかされるよりも安心だということで、幾ばくかの金を包んでおるという傾向が最近顕著になっておる。私は特にそういう実例があることを申し上げませんけれども、実際、そうした方が安心だ、こういうことを言っておる。こういうことは決していいことではない。それからいま一つ、逆な意味で言うと、税務署の署員は、青色申告は別でございますけれども、そうではなしに、白色に対して帳簿をこういうふうに作りなさい、そうしてまた貸借対照表はこういうふうにしなさい、収支決算書はこういうふうにしなさい、そうしてこういう帳簿のひな型を持っていってここに全部書き込ませる。あなたが書き込まないならば、われわれはあなたに対して徹底的に追及する、こう言っておどかして徴税強化が公然と行なわれる。今度減税されて税率が低くなってくるといよいよ危険が出て参りますから、国税庁がネジを一本巻きますと、その威令が下に行きまして、下の零細な中小企業のまじめな商店の人たちが苦しむという実態がございますから、私は減税をするのはけっこうだけれども、同時に、徴税の問題につきましても十分考えてもらわなければならぬ点があるのではないか、こういうふうに考えております。  それから次に、安井自治大臣にお伺いしたいのでありますが、これは遊興飲食税に関係する問題でございますが、遊興飲食税に対しましては、最近国税と同様に減税をすべきである、ついては、この程度というようなことで自民党内におきましてもかなり意見がある、また当然、政府におきましても、遊興飲食税に対してどういう態度をとるかというお考えがおありになるのではないか、こう思うのでありますが、この際お聞かせ願いたい。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 遊興飲食税につきましては、今お話のように大衆を中心にした減税を行ないたいと思って目下検討中でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは、私の質問する立場もみずから申し上げておかなければならぬと思うのでありますけれども、私は、たとえば三百円の軽飲食店なんかに対する課税は五百円まで上げるとか、旅館の八百円を千円に上げるとか、こういう点について、いささかでも反対するものじゃないのであります。ただ高級料飲店とか、キャバレー等に対する遊興飲食税の税率を全部一緒にして下げると、こういうような動きが最近非常に顕著になっておりますが、こういう点に対して自治大臣、どうお考えになります、芸者の花代も当然でありますがね。

安井謙自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(安井謙君) 遊興飲食税に対しましては、いろいろなお考えもあろうと思いますし、現在いろいろな角度から検討いたしておりますが、重点は、今申し上げます大衆飲食を中心に税の合理化をはかっていきたいということで目下検討中でございます。

大矢正日本社会党

○大矢正君 総理大臣にお伺いしますが、これはまあ自民党内におきまして、やはり遊興飲食税の引き下げ問題とからんでかなり議論が活発に行なわれて、近く成案が出るというようなことを新聞なんかでもいわれております。おそらく議論がされていることだと思うのであります。これはまた当然長年の懸案のことでございますから、それぞれの党において議論されることは、私は結果としてはいいことだと思うのであります。ただ自民党内においては、さっき私が申し上げました高級料飲店とキャバレー、こういうものに対しても、これに便乗して税率の引き下げをやろう、こういう動きがかなり活発にあるようでございますが、総理は一体こういうものに対して、課税税率をこういうものまで下げるような考え方がいいのかどうか、この点、総理のお考えをお聞かせ願いたい。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) わが党内でいろいろ検討いたしておるところでございます。総裁といたしまして、今ここで結論の出る前に私が言うのは少し早いのじゃないかと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは総理、大きな問題じゃないのですね。このくらいのことを総理がこの予算委員会で、実際に税の建前からいったって、そういうことはすべきでないということくらい言われたって、決して私は不思議じゃないと思うのであります。それは総理がここではっきりと断言してくれれば、私は国民も喜ぶし、自民党内もきっと一本にまとまるのじゃないかと思いますが、どうですか。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) 今せっかく党内でも検討いたしておるので、私も料飲その他の問題、キャバレーの問題——キャバレーまではあれしておりませんが、旅館における免税点、基礎控除あるいは普通の料飲の三百円の免税点を五百円、免税点か基礎控除か、いろいろな議論をしているところでございます。理論的にはいろいろな問題もありますが、いましばらく、党内がまとまって案が出るまで、一つお待ちを願います。議論はそのときにさしていただきたい。

占部秀男日本社会党

○占部秀男君 関連。総理にお伺いしますが、今の問題に関連してですが、遊興飲食税についての大衆課税の減税の問題は、きょうきのう起こった問題ではないのであります。総理も御存じのように、前国会、前々国会から問題が起こっておる。そうして社会党も官民党も、それから本院においては各会派が一致して、大衆飲食の問題とか、そうした点については、下げようじゃないかということが決定しておる。そうして花代であるとか、あるいは高級料飲、キャバレーの問題は、これは置こうということで決定して、それをたびたびやったけれども、もうこのところ二、三回見送られておる問題になっておる。それがようやく税制調査会で、問題を今度自治庁で手をつけよう、そのときに便乗するような形で、われわれが話し合いをまとめたことをさらにそれ以上便乗するような形でいる。これは何としても各党間の信義の上からいっても、それはおもしろくない問題です。そのくらいのことは総理として、やはり党の総裁でもあるのですから、信義を重んじて、この際は、これはやはり大衆的な問題だけを下げるのだ、そのくらいのことは言っていただいても私はいいんじゃないかと、かように思うわけです。

池田勇人自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(池田勇人君) この問題は前から問題になりまして、一応の結論は、この前の国会の始まる前に出ておったようでございます。その後いろいろな情勢の変化があるという人もありましょうし、また、この前のでいいんだという人もございましょうし、今せっかく議論をし、りっぱな案を考えて結論を出そうとしているところであります。しばらくお待ちを願いたいと思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 償還差益には積極的に発言をして取りやめさせる総理も、事、遊興飲食税になりますと、はっきりした答弁をされないことは、私は非常に残念でございますけれども、幾ら聞いても御答弁いただけないからしようがありませんが、企画庁の長官に一つお尋ねをいたしたいと思うのであります。  海外経済協力基金というものが輸出入銀行から五十億分離をしておる。さらに三十六年度は五千億足して百億ということで動き出す。日本航空の総裁ですか、柳田さんが今度この基金の総裁になって、これから東南アジアを中心として積極的に海外の経済協力をやろう、こういうお考えのようでございますが、その海外経済協力基金という基金をこれからどういうふうにして運営をされていこうと考えておられるのか。ずいぶん前からたなざらしになっている問題でございますが、しかし総裁もきまって、かなり具体的になっているようでございますから、その運営の考え方、それから内容等について、できたらお聞かせを願いたい。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 御承知のように海外経済協力基金は、三月十六日に出発するように今設立の準備中でございます。業務の方法に関しましては、基金が業務方法書を作成し、それに業務の主要内容が策定されることになるのでございますが、業務の運営に際しましては、関係各省と密接な連絡をとりまして、投融資対象の選定及び投融資条件の決定にあたりましては、基金の設立の趣旨並びに財政資金の合理的活用をはかるという観点から、十分適正を期していくつもりでおります。目下のところでは、基金法の国会審議でもるる御説明申し上げましたが、貸付の利率、償還期限、担保等の条件につきましては、法律の目的にかんがみまして、現行の輸出入銀行の貸付その他の条件よりもさらに弾力的なものにいたして参りたいと、こう考えております。具体的にどういうものに金を出していくかということについては、まだ結論を得ておりません。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは輸出入銀行との金利なんかの点、借款を与えた場合に金利なんか輸出入銀行と大体同程度、あるいは、それに追従しているとかという話ですけれども、輸出入銀行の金利というのは御存じの通り四分ですね。これは最低の金利ですが、そうすると、輸出入銀行が輸出に対して、あるいは輸入金融をしている。それに対して四分という低金利をやっておりますが、その四分よりもまだ安い金利で借款を与えるということになるのじゃないか、考え方として。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 輸出入銀行はたしか四分五厘以上ということになっていると思いまして、通常七分というようなふうに私は理解をしておりますが、この基金については、四分程度、あるいはそれより若干低いものができるかもしれませんけれども、一応四分程度、こういうようなふうに今のところ考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 あなたは基準金利が七分とかなんとか言われましたけれども、それはそうじゃないのですよ。四分五厘はあなたの言われた通りだけれども、九九%は四分五厘の一番低い金利で金を貸しているのです、実際問題としては、それはあなたの言われるのは基準金利のことを言われるのです。基準金利はそうであるけれども、中身はそうじゃない。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 私が理解をしておりますところでは、海外投資金融——海外に投資します場合の金融については、大体七分というふうに理解をしております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 私が申し上げておるのは、輸出入銀行の輸出に対しての貸出金利は四分五厘だと言っているのです。それがもう大部分ですからね、実際内容は、そこで、輸出入銀行の業務というものと、貸出範囲ですか、そういう対象というものと、この海外経済協力基金でやる対象というものとは一体どれだけの差異が出てくるのですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 要するに海外経済協力基金という方は、政治的ではない、経済的なベースには乗るけれども、銀行金融のベースには乗らないというようなものがおそらく対象になると思います。従いまして、輸出入銀行という銀行の観点からする金融、銀行金融のベースに乗らないものになってくると思います。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは輸出入銀行というものは、さっきから言っている通り四分五厘ですよ。そのベースにもなお乗らないというのは、一体何があるか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 輸出入銀行の金利四分五厘とおっしゃいますが、投資金融の場合は、七分の方が通常多いのじゃないですか。従って、この海外経済協力基金のようなふうに、海外の経済を開発するためにお金を出すような部分は、そういう場合を比較するときは、四分五厘と比較するよりも、七分と比較した方が適当じゃないでしょうか。

大矢正日本社会党

○大矢正君 それは、今輸出入銀行法というのは改正されまして、それはどんなものにでも、金を貸そうと思えば金を貸せるのです。技術に対しても、あらゆるものに、やろうと思えばどんなものでも、やれないものがないのです。それだけにぴちっと、うまい工合に輸出入銀行法を変えたのです。ですから、あらためて海外経済協力基金というものがなくても、輸出入銀行という名においても、金を貸そうと思えば幾らでも貸せるのです。ところが、なぜこういう海外経済協力基金という形で金を貸すかということになれば、それは経済ベースとかなんとかいう問題ではなくて、政治的な意味において金を貸すこと以外にないのではないかと私は思う。特に事務的、技術的にいきますれば、この範囲までは輸出入銀行で貸せるけれども、これ以上は貸せないという内容のものを分けることは困難です。この点は所管の役所の大蔵省あたりだって、おそらく疑問を持っている点だと私は思うのであります。どうですか。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 金利ばかりでなく、期間の問題もございましょう。輸出入銀行は大体十年間、これは二十年近くのものもあると思います。たとえば森林の問題とか、漁業の問題とか、それから先方の中小企業を開発していくようなこととかというのは、輸出入銀行は何でもできるように法律を改正したとおっしゃいますが、それでやるのはまあ適当でない。もう少し別なカテゴリーでやった方が適当であるというものがあるわけですから、その部分を海外経済協力基金でやろう、こういうわけです。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは企画庁長官、あなたはまだ業務の運営のための方法書とか、そういうものができ上がらないですから、具体的には金利がどのくらいで、どういう内容の範囲のものに貸すかということは実ははっきりしない、抽象的には言い得るけれども、具体的には、輸出入銀行とどういう分け隔てをして金を貸すかということも明らかでない、こういうふうにおっしゃるけれども、実際問題として、業界ではすでにこれは団体を作って、この金をいかにうまく使うかという、そういう委員会ができ上がって、動いているのです。これはごく最近の、二月十日の新聞でございますけれども、海外経済協力基金の運用促進委員会というものを作って、この中にかなり貿易商社、それから、たとえば熊谷組のようなものも入っておりますし、小松製作所も入っている。あるいはまた日綿実業とか、いろいろなものが入って、とにかく数からいきますとかなり多い——十七社が集まって、この基金運用のためにいろいろ相談を現実にしている、金をこういうふうに貸してもらうようにすればいいじゃないか、あるいはまた事務的な事業計画というものまではっきり名前が出てきている。言いかえると、私に言わせますならば、これはそういうふうにして、うまい工合にこの百億の金を利用して、輸出入銀行のベースでもって売れないものを、これに一切ひっかけて、輸出入銀行でその金を借りられないものはこれから借りられることにして、いわば海外にどんどん伸びていこう、こういうお答えがあって、具体的に業界はもう動いているのですから、これはまあ非常に私はおかしな話だと思うのでございますね。長官、どうですか、この点。

迫水久常自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(迫水久常君) 今お述べになりましたようなそういういろいろな計画があるということは、寡聞にして私も知らなかったのでありますが、この海外経済協力基金の法律が先般の国会で審議されましたときにも、商工委員会において、この金がいわゆる政治的にといいますか、まあでたらめに使われてしまう、みんなこれにアリの甘きに寄るがごとく、これをうまく使っていこうというような人もおるから、十分気をつけるようにというお話は、商工委員会で承りまして、私も、そういうことにはならないようにするために、この基金の総裁等の人選等については十分気をつけて、しっかりした、りっぱな方を探したいというふうな話をいたしました。私は、これがそういうふうに乱用されたり、まあ正しからざる使用をされるようなことが絶対にあってはならないものであると考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大蔵大臣にお尋ねしますが、この輸出入銀行が、四分、五厘というふうな、非常に低い金利でもって金を貸すということは、元来これは不当ではないかと私は思うのですね。ですから外国では、もうこれは補助金と同じだというようなことで、非常に難くせをつけていることは、あなたも御存じの通りでありますが、これは、六分五厘でもって資金運用部から金を借りているから、当然国から出資を大幅にしなければ、逆ざやですから、それを埋めることができてないというようなことで、これは、どしどし出資を政府がしなければならぬという結果がこの低金利のために出て来ておりますね。ですから、大蔵省あたりでは、おそらくこれについては、早急にこの金利の引き上げをやるべきではないかというふうにお考えになってもけっこうではないか、こういうふうに私は思うのでございますけれども、あなたの見解はどうか。それから同時に、これは通産大臣にもこのことをお伺いしておきたいと、こう思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 輸入金融の方と投資金融の方は、御承知の通り、一月に若干の引き上げをいたしました。   〔委員長退席、理事梶原茂嘉君席〕 しかし、輸出金融につきましては、まあいろいろの情勢を見てこれをやる方がいいということになりまして、この二つからは一応切り離して、現状のままにしてありますが、やはり今おっしゃられたような問題もございますので、時期はきまっておりませんが、これを引き上げるという方向において今検討中でございます。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 輸出金融の金利につきましてはやはり海外進出力を強める、弱めないという方向で考えたいと思っておるのであります。従いまして、輸出入銀行の他の資金とこれは区別して、そしてできるだけ国際水準に近い、そうして進出力をつける意味において、なるべく安くと、こういう趣旨で大蔵省と折衝しております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 大蔵大臣にお尋ねしますけれども、この金融問題で、時間がございませんから、短く端折って質問いたしますけれども、前の大蔵大臣の佐藤さんは、この金利の引き下げ問題、日本の金利というものは、国際的に見た場合には、これはもう非常に高い、ですから引き下げなければならぬ、こういうことをまあ私自身も思っておりましたし、それからまあ大蔵大臣もそう思っておったのでありますが、しかし、当時は、これはなかなか人為的に金利の引き下げをやるべきものではないのだ、経済の動向とにらみ合わして、一番適当と思われる時期に、これを引き下げるということが妥当なんだというような発言が終始なされておった。今の経済情勢から見てみれば、資金需要というものは非常に多いんであります。それからいま一つは、三十六年度の三兆円をこえる膨大な予算もありまするし、公共料金の値上げという点からいきますと、これは幾分インフレ的傾向といいますか、これは物価高傾向は明らかになっております。こういう中で、さらに積極的に金利を引き下げる指導をなされるということは、これは、元来主張して来たこととおよそ違って来ているのではないか、私はこう思うのでありますけれども、大蔵大臣の見解を伺っておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 確かに資金需要は今強いときでございますが、しかし、昨年の八月ころに見られたような非常に強い揚げ超というようなものは緩和しておりますし、   〔理事梶原茂嘉君退席、委員長着席〕 それから物価の状態、生産の状態、全般に今経済が落ちついているときでございますので、ここで金利を引き下げるということをやっても、特別に経済を刺激するとかいうようなことにはならない、こういういろんな情勢を判断して、今回日銀が公定歩合を引き下げる、市中銀行が金利を下げるということ、金利引き下げのまずこれは一環としての一つの仕事でございますが、これを民間が自主的にやったということは、私は非常に時を得た措置だと思っております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 これは、あなたと私の見解の相違でございますから、しようがないのですけれども、輸出入銀行や開発銀行というような、非常に大きな企業に金を貸すところは、比較的、私に言わしめまするならば、政府の出資や、それから融資が潤沢でございます。しかし、一たび中小企業金融や国民金融公庫、こういうものになって参りますと、政府の投資が、政府出資が非常に少ない。そのために金利を下げることができない、こういう状態です。もちろんこれは、融資の内容は少のうございますから、希望に対してはほんのわずかしか与えられないと、こういう結果が出ておりますけれども、私はこの際、そういうような開発銀行や輸出入銀行というところにどんどん出資や融資をするのでなく、むしろこれは、中小企業金融公庫や国民金融公庫に出資や融資をすることによって、高い、九分という膨大な金利を払っている、こういう零細企業や中小企業に対する金融は、内容的にも緩和してやるし、利下げをしてやる必要があるのではないか。たとえば、もし余裕金があるとすれば、あるいは自然増収があるとすれば、こういうところに出資をしたり融資をしたりすることが今日の段階では必要じゃないかと、こういうふうに私は思うのでありますけれども、大蔵大臣の見解をお伺いしておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) おっしゃられる通りにやりたいと思いまして、いろいろ中小企業金融公庫以下、大体私どもの出資をしたいと予定しているものは、三十六年度において四百億円ということでございますから、その出資の財源が非常に枯渇しているというために怒られておりましたが、今度の政府資金を入れるというのもこの目的のためでございますので、御了解を願いたい。

大矢正日本社会党

○大矢正君 三十六年度に二百億円も違法行為をあえて行なってまで金を繰り延ばしたり、産投会計から輸出入銀行に百何十億も入れたりするということは積極的にされますけれども、中小企業金融公庫、国民金融公庫、こういうものに対する投資や融資が非常に消極的であるということは、非常に残念なんです。私は、たとえば戦地でなくなられた遺家族の方々に対する公債に対して、これを担保にして国民金融公庫から金を借りても六分の金利を取られる。片方は四分や四分五厘で金を借りていく。大企業が六分五厘で金を借りてやっていくということがあるから、因る者はますます困る。そういう国の債券を担保にして金を借りる人は、五万や十万のわずかの金です。それに対して高い金利を取って、大企業に対しては安い金利で金を提供するということは、これは本末を転倒しているのではないかと、こういうふうに私は考えております。  大体時間も参ったようでございますので、金融問題についてはその程度で、最後に厚生大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、それは……

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 ちょっと関連して、簡単に二、三御質問したいのです。  先ほど大蔵大臣は、今の金利の引き下げにつきましては非常に時宜を得たというふうに言われた。これはタイミングの問題ですが、私は時宜を得ていないと思うのです。この三十六年度の予算を見ますると、政府対民間収支は、大体千六百億の支払い超過になりますね。三十五年度と三十六年度は、それにおいて非常に政府対民間の収支は違っております。しかしそれは、この予算を実行してから、そういう支払い超過になって、資金の需給がゆるんでくるのであって、今これは三十六年度の予算を実行することによって、千六百億の支払い超過になる、資金の需給がゆるんでくる、それを今利下げするというのは、タイミングが非常にいいということは、これは、世間でいうところの御祝儀利下げである、こういうことを言われている。選挙でたくさん献金してもらったので、ここで御祝儀のために利下げすれば、たとえば一厘利下げしても、大きな鉄鋼会社では、十五、六億円くらい金利負担が浮くのですからね。そういう意味で御祝儀利下げと言われているのです。金利は資金の需給関係から大体きまっていくものですが、その需給関係からいっても、タイミングとしては、やはり三十六年度の支払い超過の予算を実行する過程においてそういう利下げの問題が起こるのであって、今すぐここで利下げすることが時期的に非常に適当だと言われたことは、それは私は適当じゃないと思うのです。  それからもう一つの問題も、今、中小企業の金融の問題について、大矢君から質問がありましたが、国民金融公庫やあるいは中小企業金融公庫にたくさんの出資をしても、今の支払い遅延防止法を、これを改正しなければ、それをいいことにして、中小企業金融公庫やあるいは国民金融公庫にたくさん出資が行けば、大会社の方は、支払い遅延しても国民金融公庫や中小企業金融公庫がしりぬぐいをしてくれるというので、安心して支払い遅延をするのです。ですから、大企業の支払い遅延のしりぬぐいになっているのが実態なんですよ。実態はそうなんです。名前が中小企業とかあるいは国民金融公庫になっておりますが、実際は大企業のための融資に実態はなっておるのです。ですから、支払い遅延防止法に罰則を設けて、あれは罰則がないですから、大企業が支払い遅延をしたときは金利を取るべきですよ。金利を取る、そういう改正をする必要があると思うのです。  この二点について、最初については大蔵大臣、それから次の点については、総理大臣あるいは通産大臣ですか、中小金融に関係がありますから、産業関係ですし、支払遅延防止法を改正して、それで支払い遅延したときは大企業に金利を課すと、こういうふうに私は改正すべきであると思うのですが、この点についてお伺いしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 日本のような経済成長の高い国におきましては、金融がゆるんだときに国際水準に金利をさや寄せするのだというようなことを言っておったら、なかなかいつになってもこれはできません。で、昨年日銀の買オペをするとか、あるいは政府が二度にわたった予算補正をやるというようなことで、金融状態は今非常に平穏に推移しているときでございますし、経済も落ちついたときに、民間が自主的にこの挙に出たということは、私は一番時宜を得た措置ではないかと思っております。これは、何回も御祝儀利下げとかいうようなことがございましたが、すでに昨年七月末池田内閣ができましたときに、金融政策として今後そういう環境をできるだけ醸成することに骨を折って、国際水準に日本の金利水準をさや寄せするというのは、政策としては述べてきたことでございまして、この線に沿って今まで努力して、ようやくその環境ができかかってきたということでございますので、私は時期としてはいいかと思っております。

椎名悦三郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(椎名悦三郎君) 中小企業の金融機関に資金でも貸せば、それがまあみな直ちに親、大会社の支払い遅延の原因になると、そう極端に私は考えませんけれども、しかし、そういうようなことに利用されるおそれがあるいはないとも限らない。そこで、中小企業の支払いに対する遅延防止法というのが施行されておりますが、これは公取が主管になっております。これらの問題につきましては、もちろん通産省等も非常な関係がございまするので、公取とよく連絡をとりまして、法律の運用よろしきを得たいと考えております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 厚生大臣に先ほど質問をしようとして途中でやめましたけれども、その質問しようとする内容は、これは、十九日の医師会及び歯科医師会の一斉休診にからんでの問題であります。これは、政府あるいはまた与党、それぞれ医師会や歯科医師会と会われて積極的に努力をされておられることは、新聞その他で私もよく承知しております。しかし、なかなか話は一致をしないようでございます。そこで私は、その一斉休診という問題については、一斉休診だけをとらえてこれを論ずるのではなくて、なぜ一斉休診という事態が起こるかという問題までさかのぼらなければならないのではないか、こう思うわけであります。たとえば、十九日の一斉休診は、それ自身は回避できたとしても、根本問題が解決しなければ、やがてまたその次の日に出てくる問題でありますから、何としましても、根本問題を解決する必要性があると思います。そこで私は、その根本問題は、何と申しましても、医師会や歯科医師会が要求しておりますところの単価の問題や、制限診療の問題や、二本立の問題その他いろいろ地域差の問題がございますけれども、こういう根本的な問題が解決をされなければ、当然一斉休診というものが将来にわたって行なわれないで済むという保証はないわけであります。でありますから、厚生大臣としては、こういう医師会、歯科医師会の要求に対して、どういう態度をもって臨むかということがまず大事ではないかと私は思うのであります。しかし反面には、医師会の意思に沿うて、たとえば三〇%の単価の引き上げを行なうということになって、それを被保険者にかけるということになれば、これは大へんな話であります。でありますから、当然医師会の意思も入れなければならないし、同時にまた、被保険者の立場から、ひいては国民全般の立場に立って問題の解決もしなければならぬ。そういう被保険者や国民全般に負担のかからない形で問題の解決をしなければならない立場にあると思うのでありますが、厚生大臣は、私の質問に対して、今一生懸命やっていますからというような不親切な答弁ではなくて、そういうような、被保険者や国民に将来にわたって負担をあまりかけるようなことがない形において問題を解決する自信があるのか。この点についてお答えをいただきたい。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 十九日の一斉休診の問題でありますが、これも国民多数に不安を与えておることでありますから、何とか円満にこの問題を解決したいというわけで、私どものみならず、お話のように、自民党の中の幹部といたしましても、せっかく苦心をして努力をしておる途中であります。これも重要な問題であります。お話のように、この一斉休診などが起こっておりますのは、一つにはきょうの問題、医療費の引き上げの幅とか方法とかいう点にもいろいろ意見もありましょうが、さかのぼって前々の医師会側の、あるいは歯科医師会側の要求もあるわけであります。制限診療の撤廃以下の諸問題があります。こういうことも解決がついていないという不満もあるようであります。もっとさかのぼれば、この保険医療と、それから医師の立場、つまり自由診療のよさを何とか生かすことができないか、保険診療をやっているために制限診療になる、あるいは官僚統制の弊も出てくる、あるいは経済が先に立ってしまって医学が軽んぜられるというような半面もありますので、この保険医療という建前のもとにおいてどうして自由診療的よさを生かすかという、そこに解決がついていないというところまで問題はさかのぼるように思うのであります。それで、その問題はなかなか根本的なことでありまして、きょうのことも重大でありますけれども、根本問題にこれは立ち戻らなければならぬわけです。特に四つの制限診療撤廃以下の問題につきましては、私は右でも左でも、これはほんとうに結論を出さなければならぬときだと思うのであります。で、何とかこれは早く結論を——過去のことはとにかくといたしまして、出したいものだと思うのであります。問題は、関係者がいずれも出ておいでになる共通の広場、話し合いの場というものが、つまり医療協議会が従来動きませんために、やろうと思っても厚生省の独断でやられることじゃありませんから、どうしてもそこで行き詰まってしまう。こういうところに一つのガンがありますので、何とか医療協議会という話し合いの場を起こしたい、それを整えて問題を進めたい、こういうことで今医療協議会の改組に取り組んでいる状況でありまして、この話し合いの場ができますれば、これらの先ほど来の問題に結末をつけることにいたしたい。それを大きに望んでおるわけであります。なお、医療費の値上げ等に伴って負担する側、支払う側の立場もあることであります。大きにそうであります。国保などには患者負担もあるわけであります。健保でも、それは家族については患者負担の問題もあるわけであります。それもありますし、また保険団体が、保険上掛金としてとっておるものもある。そういう方面の負担もあるわけであります。これがどんどんかさんでいってこの負担ができない。また、団体としても立っていかぬということになりましては、なるほど引き上げができて受け取る方の側はけっこうでしょうけれども、他の反面の負担する側の方は参ってしまうということになりますので、両方考えていかなければならぬのであります。おっしゃる通りであります。今回の場合につきましても、少なくとも医療費の引き上げに伴って保険税や掛金を増徴するということはしたくない、しないで済ませるような財政措置を講じたという考え方で、手当をできるだけのことをいたしておるわけでありまして、残るところは、患者負担に対して医療費が上がるだけ、その部分に対するものは残りますけれども、この問題は、給付率がああいう今のような建前になっております以上は、何とも今のところいたし方がない。給付率を上げていくというこの問題とあわせて考えていかなければならない。少なくとも保険税や掛金を増徴することはしないで今回もやりたいという、そういう措置を講じておるようなわけであります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) もう時間がきております。

大矢正日本社会党

○大矢正君 最後に……。今の厚生大臣の答弁は包み紙ばかりで、中身が一つもないのですよ。あなたの言う答弁は包み紙ばかりで、はいでもはいでも中身は一つも出てこないのだがね。ほんとうに保険者や国民に対して過大の負担を与えないで問題を解決できると、こういうように確信を持っておられるのですか。

古井喜實自由民主党厚生大臣

○国務大臣(古井喜實君) 今回の値上げに関する限りは、掛金や保険料の増徴などはいたさないで済まし得ると思っております。

木村禧八郎日本社会党

○木村禧八郎君 議事進行について委員長にお伺いしたいのですが、この第二次補正の審議の一番最初に、議事進行で委員長に要望しておいたのでございますが、この第二次補正については、財政法に違反するのではないか、その疑義が多分にあるので、これは衆議院におきましても非常に論議されました。参議院においても論議されましたが、依然として、少なくとも私たちの立場としては、まだ疑義が解消されておるとは了解できなかったわけです。そこで、委員長に対して、この前疑義が解消されないままに討論採決することは因る、疑義が解消されてから討論採決しても差しつかえないのじゃないか、時期的にもそんなに急いで討論採決する必要はないじゃないかということを委員長に御要望しておいたのですが、委員長におかれましては、理事会でよく相談して、そうしてこの点については処置をいたしたい、こういう御答弁でございました。従いまして、理事会のお話し合いはどういうふうになりましたか。この点を委員長にお伺いいたしたいと思います。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) この際委員長から、委員長理事打合会の経過について御報告申し上げまして御了承を得たいと思います。木村委員が昨日お話になりましたので、昨日の委員会散会後、委員長理事打合会を開きまして、さらに今朝にわたって開いたのであります。そこで検討をいたしましたのに、問題点としてまあ二つが考えられる。一つは、この問題はまあ疑義があるということであれば、権威を持った参考人の意見を聞いて検討を加えていく必要があるだろうという話が一つ出ました。これは参議院予算委員会としてももっともなことであるので、参考人の意見を聞くような処置をとっていこう。それについては、それらの時日あるいは参考人の選定などについては、さらに委員長理事打合会を開いて決定をしていこうという話になりました。  それからもう一つは、昨日大蔵大臣がここでもお話になりましたように、政府としてはこれに対して疑義がないのだが、国会側においてまあ疑いがあるので、これらの疑義を一掃することは必要だと考えるから、政府としても適当な機関に諮って結論を出して、今後すっきりした形でいきたいということで御答弁のあったことは御承知だと思います。これにつきまして、各委員からのいろいろな御発言もありまして、それらのことについて理事会から政府側に申し込みまして、政府がその審議をやろうとせられます審議会その他の構成につきましては、単に政府側だけじゃなくて、権威を持った第三者をも加えたもので公平な審議をしてもらいたいということを強く申し入れたのであります。これにつきましては大蔵大臣も了承されました。これについての大蔵大臣のお考えは、ここで大蔵大臣からお聞き取りを願っていきたいということで理事会の結論を得ましたので、この点で御了承いただきたいと思います。  大蔵大臣、この際御発言を願います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 政府といたしましては、財政法第二十九条について今後再検討を行なう場合、財政制度審議会あるいは他の適当な機関に諮ることといたしたいと思いますが、この場合、構成等につきましては強い意見がございますので、その点十分検討して善処いたしたいと考えております。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) ただいまのようなことでありますので、御了承をいただいておきたいと思います。  以上で質疑通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) これより討論に入ります。森中守義君。

森中守義日本社会党

○森中守義君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和三十五年度予算補正第2号、同じく特第2号に対しまして、反対の意思を表明したいと思います。反対である第一の理由は、今回の補正が財政法上幾つもの疑点を持っているからであります。問題とすべき第一の点は、財政法第六条と今次補正との関係であります。すなわち第六条では、各会計年度において、歳入歳出の決算上剰余を生じた場合においては、当該剰余金のうち、二分の一を下らない金額は、他の法律によるものの外、これを剰余金を生じた年度の翌々年度までに、公債または借入金の償還財源に充てねばならない、としております。これは健全財政を規定したものでありまして、もしかりに今回の補正予算の成立を見るといたしますならば、三十七年度における公債償還の減少となり、財政法の規定する健全財政は侵されるのであります。また池田内閣が公約をいたしました長期健全財政は、池田内閣みずからの手によって危機に瀕するからであります。問題とすべき第二の点は、財政法第四十四条と今次補正予算との関係であります。昨日、この委員会で、財政法第二十九条違反ではないかとの追及を受けた政府は、財政法四十四条の規定を用いまして、特別資金の保有でもある、こういう答えをされたのであります。この四十四条は、明らかに財政法十四条の例外規定であり、この種例外規定は、財政法の建前からいたしましても、みだりに乱用すべきものではありません。しかも、補正予算の内容から見てみますと、四十四条をたてにとること自体、財政法の解釈と運用にきわめて独善的な、しかも、危険な傾向を持っていると思うのであります。加えて今回の補正予算が、資金の保有のみをきめておりまして、歳出の方針、計画が全く不明である限りにおきましては何をかいわんやであります。また、問題とすべき第三の点は、今次補正予算と財政法二十九条との関係であります。財政法二十九条は、内閣は、予算作成後に生じた事由に基づき必要避けることのできない経費もしくは契約上国の義務に属する経費に不足を生じた場合に限り、こういうようにきわめてきびしい制限規定でありますが、補正の内容は、税の自然増収四百四十億の補正総額のうち、三百五十億を産業投資特別会計の資金に繰り入れ、百五十億を三十六年度の財源に、残りの二百億を三十七年度以降の財源に充てるとしておるのでありますが、この事実をもってしましても、財政法二十九条の制限する、緊急にして必要避けることのできない経費の不足でないものであることは、何人も疑いをいれないものでありまして、政府がいかに強弁をされましても、財政法二十九条違反であると私は断定をいたします。ここにおいて、わが党は、以上申し述べました財政法上の疑点が解明されない限り、今次補正予算にあくまでも反対をいたします。よってこの際、政府は、率直にその非を認め、今次補正予算の撤回を行なうべきであり、そのことが国民の血税である国家予算への厳粛にして、公正なる取り扱いであろうと私は思います。  反対である第二の理由は、今次補正予算と三十六年度予算との関係が、あまりにも不明朗であるということであります。大蔵大臣は、きのうこの委員会で、三十六年度予算編成の作業過程において、産業投資の財源措置をとってきたが、後半において、他に優先する費目の設定があったのでこれを変更した、こういう趣旨の弁明がありました。これは、先般衆議院においても、ほぼ同様の趣旨の釈明が行なわれたのでありまして、これはすこぶる重要であります。何となれば、第一次補正と三十六年度予算編成は、あたかも同じ時期に行なわれたのでありますが、第一次補正の審議の中で、これ以上財源はない、第二次補正は行なわないことを言明されております。ところが、そのときすでに政府におきましては、税金の自然増収の見通しを持っていたのではないかと私は思います。第二次補正を予定しながら、三十六年度の予算編成にあたって、とりあえず産業投資に一般会計からの財源を一応振り向けておいて、寄ってたかってのむしり取り、ぶんどり競争に産業投資の原資を回し、当初の予定通り、今次第二次補正を行なうに至ったと見るのでありまして、こういう見方からいたしますならば、醜態というよりも計画的なことと言わなければなりません。また、そういう千日は、いま一つの効果をねらったとも私は見るのであります。それは、三十六年度予算の規模が、二兆円の大台を上回ることをおそれ、三十五年度補正の形をとったのでありまして、実質において、この補正は、三十六年度予算の分計されたものと私は考えるのであります。従って、三十六年度予算の規模は、まさに二兆円の大台を突破したものとなりまして、こういう謀略的、計画的な政府の措置は、政治の折り目をそこなうものでありまして、わが党の断じて承服できないところであります。  反対である第三の理由は、さきの第一次補正予算との関連においてであります。すなわち人事院勧告に対する政府の態度は、財源の不足を理由に、五月から実施すべきものを十月からに引き延ばしまして、また上厚下薄の是正を行なわないで、憲法が保障する国家公務員、地方公務員の労働基本権を奪った一つの償いとしての人事院勧告すらも不完全に終わらせてしまったのであります。また社会保障を重点として公約したはすの池田内閣が、第一次補正におきまして、これまた財源の不定を理由に、正月のもち代として、純増わずかに一億八千万程度の補正でお茶をにごしたという事実は、ボーダー・ライン層に対する非道なる仕打でありまして、池田内閣の看板には偽わりがあると私は思います。要するに、第一次補正の審議を通じまして、その増額が広く国民の声として叫ばれておりましたのに、終始財源がないの一点張りで耳を傾けようとはしませんでした。しからば、はたしてその通り財源が全くなかったのかどうか。昨日この委員会で、水田蔵相は、当時税収の見通しは不確定な要素が多かった、こういうことで、暗に一応の増収の見通しは持っていたということをほのめかし、加えて本年度末までは、さらに最低三百億程度の増収の見通しがあることを明らかにしたのであります。  以上で明白でありますように、たとえ不確定な要素があったといたしましても、一次補正の場合、財源はさらに余裕があったにかかわらず、財源がないということを理由に、一次補正を著しく制限を加えたことは、今次第二次補正に至る経過、その内容を比較いたしますときに、池田内閣の性格を今さらのように私は知ることができるのであります。要するに、四百四十億の大半が産業投資に振り向けられていることは、国民生活の二重構造を深め、その格差を高め、ややもすれば不正なる融資となり、汚職の原因を作り、不潔なる政治献金となる可能性を持っておるものであります。もとより四百四十億は国民が納めた税金であります。当然中小企業のために使わなければなりません。農民のために使わなければなりません。労働者のために使わなければなりません。社会保障のために、あるいは大衆減税の財源に、さらにまた左官五十億の産業投資の財源、これに対する地方交付税の交付金九十億の再検討を行ないまして、地方自治体のために、より高率な配分を行なうことがこの種財源措置の当然な方法であることを強く主張いたしまして、私は、この両案に対する反対の討論を終わりたいと思います。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) この際、委員の変更について報告いたします。  本日、白井勢君が辞任されて、その補欠として高橋進太郎君が選任されました。   —————————————

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 次に、米田正文君。

米田正文自由民主党

○米田正文君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和三十五年度一般会計予算補正(第2号)及び同じく特別会計予算補正(特第2号)について賛成の意を表明せんとするものであります。  この補正は、産業投資特別会計資金への繰り入れ三百五十億円と地方交付税交付金等約九十億円を内容とするものでありまして、その財源といたしましては、法人税二百四十五億の増収を中心とする租税及び印紙収入の自然増三百六十五億円、専売納付金の増三十九億円、日本銀行納付金の増三十六億円をもって充当することとなっております。さきの第一次補正におきまして、政府は千五百十四億円の歳入増を見込み、当時におきましては、まずこの程度が本年度の自然増収の限度であろう、と予測していたのでありましたが、今回再び四百四十億円の補正を要求するに至りましたのも、わが国経済の成長が予想以上に大きな速度をもって進んだためであります。わが国の経済がきわめて高い成長率をもって発展しておる結果として、民間企業の九月決算等が予想外に大きな増収を示し、それが二百四十五億という法人税の増収となって現われてきたものであります。これらの財源をもとにして、政府は今回三百五十億円に上る産業投資特別会計資金への繰り入れを行なうことといたしております。この繰り入れにつきまして、政府は、将来にわたる出資需要の増大に対処するとともに、今後の産業投資を経済情勢に応じて、円滑、かつ弾力的に行ない得る措置をとることが必要となったからであると説明し、三十六年度におきましては、うち百五十億円だけを産業投資支出の財源に充てる予定であることを明らかにしました。  申すまでもなく、産業の合理化、資源の開発、産業基礎施設の整備、住宅の充実、中小企業の育成強化など、財政投融資の役割は非常に大きなものがありますが、中でも産業投資特別会計は、電源開発株式会社、農林漁業金融公庫、住宅金融公庫、住宅公団などに重点的に出資を行なっており、その意義きわめて重要なものであります。ところが、所得倍増計画と関連いたしまして、出資需要は著しく増大して参り、産業投資特別会計の収支は次第に窮屈なものになりつつあります。従って、多くの自然増収が見込まれる今日、三十六年度以降の出資に充てるための繰り入れを行なうことは、予算にゆとりと弾力性を持たせる意味で、きわめて適切な措置であると言わなければなりません。これに対しまして、財政法第二十九条には、予算作成後に生じた事由に基づき、必要避けることのできない経費に不足を生じた場合に限り、追加予算を組むことができると規定しておりますが、翌年度以降の出資財源を産投会計に繰り入れるのは、三十五年度中に必要避けることのできない経費とは言えないではないかという反対意見がございました。また、財政法第十一条には、各年度の経費は、その年度の歳入で支弁する旨の規定があり、今回の補正はこれらの規定に違反しておるという反対意見も出ておりますが、われわれは、これらの反対意見は成り立たないものと考えております。  第一に、財政法第四十四条は、国が特別な資金を保有することを許しておるのでありまして、これは財政に弾力性を持たせるために、特に設けられた例外規定であります。産投会計資金への繰り入れば、まさにこの四十四条の特別資金に該当するものでありまして、決して財政法の規定に違反するものではありません。この種の資金を、将来の支出を見込んで、補正の際に産投会計資金に繰り入れた前例は、すでに昭和三十一年度にもあることを私は強調いたしたいのでございます。  第二に、先にも申し述べました通り、産投会計の収支はきわめて窮屈なものになりつつあります。将来明らかに原資の窮迫が予想せられるとき、しかも好況を反映して、かなりの自然増収が見込まれる今日、財政法四十四条の例外規定に基づく特別の資金を産投会計に繰り入れて、その手当てをしておくことは、必要避けることのできない経費に属するものと解釈して差しつかえないものと考えるのであります。これらの点より見まして、今回の補正が財政法に抵触することはないと思うのでありまして、この補正措置は時宜に適したものと認めて、われわれはこれに賛意を表するものであります。  最後に一言付言いたしたいことは、本案審議の過程において出ました財政法上の疑点について、政府は今後なお検討を加える旨を約束しておりますから、十分に研究を重ねた上で、何らの疑義を残さないよう、適切な措置をされるよう希望してやみません。  以上をもって予算補正一件に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 次に、東隆君。

東隆民主社会党

○東隆君 私は、民主社会党を代表して、ただいま上程されている補正予算両案に対し、反対をいたします。本来ならば、わが党はこの両案の撤回を要求するのが筋でありますが、この両案に、この際一歩を譲って、反対をいたすことにいたしました。従って、これから述べる反対理由は、補正予算案編成上の政府の政治責任に関連すること、財政法上の悪例であること、さらに補正予算案の性格を突き、政府の意図を明らかにしようとするものであります。政府並びに与党各位の耳をかされられんことを希望するものであります。  反対の第一点は、政府の政治責任に関係することであります。政府は、昨年末の特別国会において、本年度予算の第二次補正を行なわないと言明をされたのでありますが、四百四十億円の財政規模を持つ本案を提出したのであります。この事実は、政府が、わずかに一カ月足らずの間に二枚舌を用いられたことになるとともに、歳入増の見積もりを軽視した責任は免れることはできません。さきの国会において、同僚の市川房枝議員の質問に対し、首相は、私はうそはつきませんと答えられたのであります。当時私は、うそをつかないといううそをつきという感じがいたしたのでありますが、一国の首相が国民の代表に向ってうそをつくことは、国民を愚弄するもはなはだしいと言わなければなりません。しかも歳入増の見積もりを軽視して、国家の歳入を自由勝手にあやつるごとき独裁的な政治のあり方は、政治の姿勢を正すともの申さるる首相の言葉と行ないの不一致を示すものであって、このような政府の態度は、民主政治確立上、きわめて残念なことであります。  反対の第二点は、財政法上の悪例であるということであります。本案の内容は、財政法の規定する追加予算の成立の要件を何ら具備していないということであります。政府みずからが、歳出面において予算の補正すべき法的根拠を全く見出し得ないで、本年度財源をもって産投会計に繰り入れるという必要性を唯一の理由として補正予算案の正当性を裏づけようとしているのであります。しかしながら、資金三百五十億円のうち、三十六年度に支出されるものは百五十億円だけであって、しかもこの出資は、輸出金融増強が主たる目的であります。これは政策上からも全額出資を必要としないもので、産投会計繰り入れを今回中止しても、明年度の出資源は、その面に対する融資増と利子の補給によって十分所期の目的を達することができるのであります。さらに地方交付税の交付減は、明年度より交付税率を三〇%に引き上げることによってまかない得るものであります。財源ができたから、財政法上形式的に違法でないという理由を求めて今回の挙に出たことは、許し得ないことであります。かくのごとき補正予算案は、民主主義確立上に大きな悪例を作るものと言わなければなりません。  第三点は、この補正予算の性格の問題であります。第一次補正予算に際して、公務員給与の改定、社会保障関係費の増額に充当すべき財源は故意に隠匿されていたと言っても弁解の余地がないと思うのであります。今回の補正予算が、農業者や中小企業者に最も関係の深い各種の金融公庫等に出資され、社会保障費や間接税の減免に施策がされたといたしまするならば、政府の意のあるところを多といたします。しかし、さきには財源はないと言い、今は大企業の輸出強化資金として、国民の税金を合法的に充当しようとしているのであります。これは今回の第二補正の性格を雄弁に物語っているし、池田内閣の性格を明らかにしておると言わなければなりません。  以上三点をあげて、政治の姿勢を正し、うそを言わないという首相のもとに編成されたこの国民の膏血を、独裁的かつ独善的に大企業者に奉仕させるこの補正予算案に対し、強く反対の意思を表明します。  以上をもって反対討論を終わります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 岩間正男君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和三十五年度補正第二号及び特第二号に反対するものであります。  第一に、この補正予算は四百四十億二千七百万円でありますが、三十六年度の一兆九千億の予算と合わせて、実に二兆億円を突破する莫大な収奪予算の一部として、あらかじめ計画的に組まれたものであります。このことは第一号補正のとき、おくびにも出さなかった第二号補正が突如として提案されたことにもはっきり現われています。いわばこの予算は、補正の名に隠れて、三十六年度以後予算の先取りをやろうとしているものであり、そのために池田内閣は財政法違反をもあえて行なおうとしているのであります。私は、昨日の本予算委員会における審議に静かに耳を傾けたものでありますが、これを正当とする法理的根拠は断じて見当たりません。私は、かかる不合理な予算に絶対賛成することはできないのであります。  次に、その内容を見るに、補正予算の主たる部分は、産投会計にその大部分を繰り入れ、独占資本の強化に直接役立てようとしているものであります。政府は、さきに財源難を口実にして、公務員給与引き上げの実施期日を、人事院勧告を無視して十月にまでずらしました。その他政府の公約である減税、社会保障等をごまかしてきました。しかるに、それらの措置が終わるや、たちまち数百億円の自然増収をひねり出し、これを給与改善費、生活保護費の引き上げ、医療費の国家負担による引き上げ等、その他国民生活の安定のために回さず、独占資本の強化に注入している政府の態度は、まさしくペテン師的やり口であると言わざるを得ません。これは高度成長経済を表看板として、ますます収奪を強化しようとする池田内閣の、最も反国民的独占資本本位の本性を端的に示すものであります。よって私は、かかる補正予算に反対するとともに、政府は即刻この予算案を撤回して、国民の切実なる要求に回すべきことを強く要求するものであります。

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 以上をもって討論通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決を行ないます。昭和三十五年度一般会計予算補正(第2号)、昭和三十五年度特別会計予算補正(特第2号)、以上二案を一括して問題に供します。二案に賛成の方は起立を願います。   〔賛成者起立〕

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 起立多数と認めます。よって一案は可決すべきものと決定いたしました。(拍手)  なお、本院規則第七十二条によりまして、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議がありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

館哲二自由民主党

○委員長(館哲二君) 御異議がないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十一分散会

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