法務委員会 第10号
- 発言数
- 44 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/06
会議録
○委員長(松村秀逸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 三月二十八日付、後藤義隆君、井川伊平君辞任、下村定君、大谷藤之助君選任。 三月二十九日付、下村定君、大谷藤之助君辞任、後藤義隆君、井川伊平君選任。 三月三十日付、後藤義隆君、井川伊平君辞任、小山邦太郎君、武藤常介君選任。 四月一日付、小山邦太郎君、武藤常介君辞任、後藤義隆君、井川伊平君選任。 四月三日付、栗山良夫君辞任、兼人君選任。 以上であります。 ——————————
○委員長(松村秀逸君) 次に、理事の補欠互選を行ないます。ただいまの報告にもありました通り、井川理事が一時委員を辞任されたため、理解に一名欠員を生じておりますので、この際、理事の補欠互選を行ないたいと存じますが、その方法は、慣例により、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村秀逸君) 御異議ないと認めます。 それでは、私より井川君の補欠として井川伊平君を理事に指名いたします。 ——————————
○委員長(松村秀逸君) 次に、軌条上の車両の運転等に関する業務上の過失刑事事件の審判の特例に関する法律案を議題に供します。 発議者より提案理由の説明をお願いします。
○委員外議員(小酒井義男君) 軌条上の車両の運転等に関する業務上の過失刑事事件の審判の特例に関する法律案の提案理由を説明いたします。 汽車、電車等の交通機関は、文化向上の大動脈として、また、産業経済発展の基盤的施設として、近代国家にとって重要な意義を有するとともに、国民の足として社会生活上不可欠の存在であります。将来ますますその発展が予想されるところでありますが、これらの交通機関は、現代社会の要請に応じて、科学技術の進歩とともに、運転回数を増加し、スピードを上昇させる等、その運行の態様は一そう精密、かつ、複雑な性質を持つに至っていることは、すでに御承知の通りであります。 従って、これらの交通機関の運転に直接関係する業務に従事する者に対しては、高度の専門的技術的知識経験が要求されるとともに、他面、事故の発生を防止するため、不断に細心の注意を払う義務がますます加重されている次第であります。 しかして、これらの交通機関について、一たん交通事故が発生した場合において、その原因の探究にあたっては、汽車、電車等の運行組織の特殊性にかんがみ、運転業務に従事する者の注意について考慮を払うほか、車両、線路、信号その他の物的諸施設の設備の耐久程度、保全措置またはこれらの設備の取り扱い、その他運転に直接関係のある業務全般にわたる諸般の事情についても考慮しなければ、真に公正かつ正確な事故発生の原因の探究はできないと考えられるのであります。 現在このような交通事故を内容とする事件が起訴されております場合におきましては、裁判所は、事件の審理にあたっては、特別の学識経験を要する事項について鑑定を命じてその知識の補充をすることができることになっておりますが、鑑定人は、裁判所から命ぜられた事項に限って鑑定するものであり、事件の審理に終始再興して立ち会って事故発生の原因を探究するものではなく、また、審理にあたって必ず鑑定が行なわれるべきことともなっておりませんので、これらの事件については、この鑑定人の制度のみに頼ることは、裁判の適正を確保するという点においては、必ずしも完璧ではないと考えられるのであります。 以上の理由から、軌条上の車両の運転業務及び運転に直接関係のある業務に従事する者が、業務上過失刑事事件に問われた場合に、当該事件が第一審裁判所において審理されるにあたっては、当該業務に関する学識経験を有する者をこれに立ち会わせ、事故発生の原因に関する技術的事項について、その者の専門的見地からこれを探究させることがきわめて必要であり、かつ、適切と考えるのであります。 この法律案は、右の趣旨にかんがみ、当該事件の審判に特例を設けようとするものであります。以下、この法律案の要点を申し上げますと、 第一点は、軌条上の車両の運転等に関する業務に従事する者についての刑法第百二十九条第二項の罪、すなわち、業務上過失によって汽車、電車の往来の危険を生ぜしめもしくはこれを転覆し、破壊した罪または訴因が汽車、電車等の交通にかかる刑法第二省十一条前段の罪、すなわち、業務上必要な注意を怠って汽車、電車等による交通事故を起こし、その結果、人を死傷した罪に当たる事件については、第一審裁判所は、公判期日における審理に、原則として専門委員を立ち合わせることを要するものとしたことであります。 第二点は、専門委員を訴訟法上、証人、鑑定人と同様に人的証拠としたことであります。すなわち、専門委員は、軌条上の車両の運転等に関する業務に関して学識経験を有する者の中から選定された者につき指定され、当該事件の審理に立ち会って、事故発生の原因に関する技術的事項について意見を述べるものとし、その意見については、鑑定の場合と同様に、裁判所はこれを証拠とすることができることといたしました。 第三点は、右に伴い、専門委員の出頭及び宣誓その他専門委員に関し訴訟手続上必要な規定を設けることとしたことであります。 以上が、この法律案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(松村秀逸君) 以上で、本法律案に対する説明は終了いたしました。本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。 ——————————
○委員長(松村秀逸君) 次は、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。本日は、人権擁護等に関する件について調査を行ないます。当局側の出席者は、植木法務大臣、鈴木人権擁護局長、木村保安局長、三輪警備局長の諸君であります。 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○高田なほ子君 まず冒頭に、法務大臣にお尋ねをしておきたいことがございます。それは、けさ新聞を実は拝見いたしましたのですが、かねてから、政府におきましてもテロ防止等、これら暴力防止のために特段の御研究をしていらっしゃることは、私どもかねがね承知をしております。けさの新聞によりますと、政府は、テロ行為等を含む暴力に対して、破防法の改正、こういうようなお考えもあったように承っておりますが、一部新聞の報道するところによると、テロ行為等に対し、また人殺しを教唆扇動するような団体等に対する金品の供与、こういったようなものも含めて、単独立法として今国会中に御提案になるような新聞の報道でございました。内容はここで一々申し上げませんけれども、事と次第では、私どもの党の方でも御案内のようにテロ行為に対する処罰等の法律案が用意されておるわけで、できれば共同提案で、単独立法でいくことも考えられるというようなお話しが内々進められているように承っておるわけです。もちろん御質問申し上げましても、案が固まっているものとは考えられませんが、しかし閣僚として、こうした治安問題に対する一つの基本的な考え方を示唆するものとして、私どもはけさの報道について重大な関心を実は持っているわけです。煮詰まったお話しは別といたしましても、大体閣議等において、打ち砕いてどういうようなお話しがされ、また法務大臣としては、本問題のためにどういう方針をおとりになるかは、ほぼけさの新聞で了承することができるわけでありますが、この際、必ずしも煮詰まった御意見でたくとも、一つの方向、こういうものをお示しいただければ大へんしあわせである、こういうふうに考えまして、あえて本委員会で、新聞発表の内容等も含めまして、御所信を承っておきたい、こういうふうに存じます。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答え申し上げます。ただいまの御質問に対して、私どもが今考えておりまする問題については、御推察の通り、まだ結論には達しておりません。大体の輪郭だけを申し上げますが、御承知のような昨年来の、右といわず左といわず、世間の者がひんしゅくするようないまわしい事態が頻発して参りました。そこで、われわれといたしましても、社会党並びに民社党からも、すでにそれぞれの立場に立って単独法案の御提出がございましたし、われわれとしても何らかの法的措置も講じなければならぬということについては、つとに研究を重ねておるのであります。他の席においても申し上げました通り、それを現行法制の改正でいくか、あるいは新しい単独立法でいくかというようなことも、なおまだ研究の途上でございます。しかし、有力な参考として、両野党の案に対しましても敬意を払って内容の検討を進めております。われわれといたしまして、今後党の意向も聞き、また政府といたしましても、閣議においてはまだこれについて正式には触れておりませんが、治安各関係の閣僚懇談会というものを催しまして、そうしていろいろと今その検討をいたしておるのであります。なるべく早くこの結論を出して、そうして私の見通しでございますが、おそらく何らかの形で法案として御審議願わなければなるまいと、かように考えておるのが今の状態でございます。
○高田なほ子君 大体お考えはわかりました。煮詰った御意見でないので、抽象的なお答えきりできないことは了承いたします。しかし、単独立法でいくという方向を大体お示しになっているように新聞報道等では伺うわけでありますけれども、大体単独立法という方向でいくようになるわけでしょうか。また、これはできるだけ早い機会ということでございますが、聞くところによると、会期もILO等の関係で二週間ほどの延長が政府筋でも予測されておるというような現状で、大体本国会中に御提案になりたい、こういうような御希望でいらっしゃいましょうか。時期等について、もう少し砕けてお話しいただければしあわせいたします。
○国務大臣(植木庚子郎君) 率直にお答えいたしますが、既存法律の改正で参りますか、あるいは単独法でいきますかについては、まだ全くどちらにウエートが多いと申し上げかねる状態でございまして、それぞれの方法をなお党側とも話しも進め、政府部内においても、これから相談をしてきめようというので、しいて申せば五分々々とでも申しますか、全くどちらにウエートが多いとも申し上げかねる。それから提案の時期等につきましては、これは私法務大臣としてお答えをはっきり申し上げていいんですが、なるべく早く提案をして、そうして本国会においてぜひとも成立させて、そして治安確保の一助にしたいと、かように考えている次第でございます。
○高田なほ子君 御方針はそういうことで、私どもも、民社党も、今申し上げたような法律も用意されておるわけです。こういうことが具体的にお話しが進んでくれば、固まらないうちに両党とも話し合う、こういうようなお気持でお進みになるというふうにも考えられますが、この点はどういうふうにお考えになっておられましょうか。
○国務大臣(植木庚子郎君) その点は党の意向もあることでございますし、私個人としては、法務大臣としては、ちょっといずれともこれはお答えしにくい。法務大臣として両党にお話しかけるのは、これは筋ではございませんし、党からの問題でございます。従って、党がある程度党の意見を固めてから御相談をかけることになるのか、あるいは単独でどんどん進むというようなやり方になりますか、この辺も党のいろいろ今御検討の最中ということに相なっておる次第でございます。
○高田なほ子君 大体そのくらいを承っておけばいいわけですが、ただ、いずれ話しがもう少し煮詰まれば、それぞれの意見を開陳したりすることがあろうかと思いますが、私は法律にはきわめてしろうとでございますが、法律的に、暴力行為ということになれば一つの範疇に入ろうかと思いますが、私どものテロ行為防止に対するいわゆる暴力ということは、思想信条の違いを、人を消すことによって解決しようとするもの、これをテロと、こういうふうに呼んでおるわけです。しかしまた、自民党の皆さん方のお考えの全体を伺っているわけではございませんが、デモで、ジグザグ行進などがあって、たまたま何らかの挑発で一つの暴力的な現象が起こった場合にも、これはやはり法律的に暴力行為という範疇に入るかもわからぬ。そういうものとテロ行為というものをごっちゃにして問題を解決しようとするということについては、私どもとしては大へん問題のあるところではないか。いずれこの問題点は、しかるべく話しの煮詰まる段階でいろいろと御議論されることだろうと思います。ただ、私はこの席で法務大臣に、はっきり、テロ行為というものと、いわゆるジグザグデモ等における何らかの多衆による現象の中から生まれてくる暴力現象というものと、法律的には暴力行為というものは同じ範疇に入るにしても、思想と信条が違うからこれを消してしまわなければ解決がつかないという、こういう暴力行為とは、内容的に大へん違うもので、これは、まあ勉強の足りない私が法律的に同じ行為をどういうふうに法律的に規制するかという問題については、これは私のまだまだ論ずべき筋合いではないと思いますが、この点を法務大臣としては一つお考えの中にお入れ下さって、せっかく国民もこの声を望んでおることでありますから、御所信の通りに進めていただくことを強く希望いたすわけです。希望でございますから、あえて私は大臣の御見解をお伺いはこの際いたしません。
○大川光三君 ただいま高田委員の御発言に、私個人の考えを述べて大臣の御所見を伺いたい。社会党並びに民社党からいろいろ暴力防止に関するきわめて適切な案が提出されておりますが、われわれ自民党におきましても、現在治案対策委員会でこれに関連する問題を検討をいたしております。はたして破防法の改正でいくか単独立法でいくかということは、いまだ決定しておりませんが、できれば三党話し合いの場を持って、そうして一つの成案を得たいという希望でございますので、法務当局におかれましても、どうかわれわれ党として話し合いの場を持つまでは、なるべくすみやかにはけっこうでありますけれども、一応話し合いの場があるということも御考慮の上でお考えをいただきたいと思います。その点お願いしておきたいと思います。
○赤松常子君 ただいま高田委員及び大川委員からおっしゃいました内容の問題につきましても、どうぞ国民のみんなが治安維持のために要望していることが切だと思うのでございます。幸い大川委員から三党が話し合いの共通の場を持って、おのおのその今出しておりますものはニュアンスが違うわけでございますけれど、最善のものを作ることに私ども心がけますから、どうぞ政府もその意をおくみ下さいまして、この機会に御協力、御理解のほどをお願いいたしますよう御要望申し上げておきます。
○高田なほ子君 人権擁護の問題について御質問を申し上げたいのですが、実はかねがね質問の内容等については委員部を通してそれぞれ当局に対して御要請を申し上げておいたわけであります。しかし、これは実は私どもの党でも、この問題を大へん上重要視いたしまして、昨日、党の方から現地に調査に参っておりますが、私、まだその調査の詳細をけさまでに受け取っておりません。しかし概略は、地元のそれぞれの機関で本問題を一そう十分に取り上げて、しかる後また国会でも御心配をいただくようにと、こういうような御要請も、実は地元からあるのでございます。きょうはこういう意味で、地元の方々の本問題に対する並み並みならざる解決に対する苦心、これらも勘案いたしまして、本日は質問というよりは、むしろ一つの問題提起として人権擁護局の方に御調査を一つお願いをしておきたい。私どもの方でも資料がそろい、また人権擁護局の方からも中間な御報告もいただいて、しかる後にそれぞれの機関の方にお立場を説明していただき、私どもの方でも意見を開陳したい、こういう段取りにさしていただきたいと思っております。 そこで、きょう人権擁護局の方にお願いをしておきたいことは、大富のろう学校のできごとでございますが、たまたま団体交渉から端を発しまして、教員と校長との間で住居侵入等の問題にからむ被疑事件が起こっております。ただ私がこの問題でここでお願いしておきたいことは、この被疑事件の容疑者として取り調べを受けた数名の者のうち、特に若い女の先生に対して、埼玉県の警察当局では、三月の二十六日の午前十時二十九分から午後十時十分まで十一時間以上の取り調べを続行された。その間昼食に大体三、四十分の休憩があって、あとはずっと取り調べが続けられた。御本人は、まだ二十六才の若い女性でございますために、非常に精神的なショックを受けて、五時ごろに気分が悪くなり、意識がもうろうとしてきた。そこで一応小使室に行って、若干の休憩をしたそうですが、その休憩後も、なおまた取り調べをされ、取り調べの途中においても、あなたが言わなければ、何べんでもこういうことをやるのだというようなことを警察当局から言われた。こういうことで、御本人にとっては初めてのできごとでもあり、警察当局は特別におどそうという意味一はなかったのかもしれませんが、しかし大へんなショックを受けて、今日、夜中でも飛び起きて、警察が来る、警察が来ると言って、いわゆるノイローゼのような精神症状を呈しておる。こういうことを、実は御本人から直接私は陳情を受けたわけです。これは機関を通したのではございませんが、直接の陳情を受けまして、私も女という立場に立って、さもありなんということで、いろいろまあ事情を実は問いただしてみました。しかし詳細の事情はわかりませんけれども、若干公権力の行き過ぎがあったのではないか、こういうようないわゆる公権力の範囲について、逸脱した点があるのではないか、それが人権の侵害に及ぶような事実があったのではないか、こういう疑問を持っておるわけです。そういう点を御調査いただきたいことが一つです。 それからもう一つ、大富のろう学校は、非常に熱心な学校でございますが、なかなか県財政も思うようにいかず、御承知のように国の予算の中でも特殊教育に対する予算というのは、必ずしも大幅にこれが出されている現段階ではないわけです。そこで、ろう学校の子供たちですから、手取り足取りしなければ、なかなかお世話がむずかしいので、法律に定めるように、寮母さんがこの学校に付属する寮に置かれまして、朝から晩まで、いうところの二十四時間勤務をしておる。こういう中ですから、いろいろそれは不平もあるでしょうし、不満もあるだろうと思うのです。しかしその不平や不満を、全部ここで解決しようと私は考えているのではありませんが、ただ、十号の部屋に九人も雑居しているというようなことは、これははたして人権擁護という意味から考えても妥当なものであるかどうかということについて、私は大へん実は疑問を持っているわけです。しかもこの寮母の勤務は、大体二時間置きくらいに子供を便所に起こさないとおねしょをして、おねしょをした子は、みんなからやはり白い目を向けられるというようなことから、なかなか寮母さんの勤務というものは、私が想像する以上の大へんなものであったことがわかったわけです。 それはそれといたしましても、ただ、校長さんが、寮母さんは結婚したらやめてもらわなければならない、こういうようなことで、寮母さんの結婚問題までも学校当局がこれを拒否させるような態勢をとっていることは、はたして人権の侵害になるかならないかという、これまた一つの問題の提起であります。これはあくまで言葉のやりとりでありますから、証拠物件がどうのこうのというような筋合いのものではもちろんないと思います。しかし、一寮母の口から、そういう事実もあって、私どもは結婚も実はできない、抑制されているような立場に置かれているのだと。こういうようなことは、もっともっと教員と校長との間に、あるいは寮母と校長との間でお話し合いを進めたならば、あるいは人間的に解決の道があるかもしれない、だからまあお話し合いをしたいのだ、こういうようなことからお話し合いをしようという、それが発端になって、住居侵入罪の容疑というようなことが起こってきたように思うわけです。 この住居侵入容疑の問題は、さきに申し上げたように、これはあとにおくとしても、ただ、寮母の結婚問題について、校長がこれを抑制する態度に出る、あるいは十畳の部屋に九人もの者が雑居しなければならないという状態だとか、あるいはまた今のような警察公権力の行使について行き過ぎがあったかどうか。こういう以上の三点にわたって、私は人権擁護の立場からどうも納得できない幾多の節々を発見するわけです。私の方でも極力この信憑性については、実地に当たって調査をするつもりですけれども、人権擁護当局におかれても、これらの問題について、一つ機関を発動されて御調査をいただいて、後刻またその御調査の次第によって、いろいろと意見も伺わせていただきたい。そのように考えますので、本日は人権擁護局長の方にこのことを申し上げて、調査ができるかできないか、こういう点について御回答をいただきたいと思います。
○政府委員(鈴木才蔵君) まず最初に、警察における取り調べに行き過ぎがあったのではないかという問題でありますが、今、御指摘になりました埼玉県立大宮ろう学校の寮母の高田真弓さんに関する件、この事件につきましては、御本人、また埼玉県高等学校教職員組合中央執行委員長の沖松という方と連名で、浦和法務局の方へ人権侵害の疑いがあるとして申告がございました。ちょうど先月、三月二十九日に受け付けておる事件で、今調査にかかっておりますので、申告の内容通りのものであるかどうか、あるいはその他、商田真弓さんの取り調べに当たって、行き過ぎがあったかどうか。その点を慎重に調査をいたしたいと考えております。 それからあとの二点につきましても、浦和の法務局を通じましてその真相をまた調査してみたいと考えておりす。
○高田なほ子君 この人権擁護に関する問題は以上でございます。 次は、警備上の諸点について尋ねたいと思っております。これは予算委員会でもいろいろ質問の内容等を御当局の方にお出しをいたしまして、あらかじめお知らせを申し上げておきましたが、きょうはその全部に触れないで、問題を一つしぼってお尋ねをしておきたいと思います。 それは民間人に対する警備態勢というもの、泊安維持の範疇に入るかと思いますけれども、民間人に対する警備について、私は一般的に非常に手薄な感じがするわけであります。具体的に申し上げますと、これは先般、テロ防止に関する嶋中事件に関して連合委員会を開きました席上に、一つの問題を提起しておいたのでございますが、しかし関連質問の中でありましたために、当局の意図するところが十分承知できなかったわけであります。幸い今度は警察官も何人か増員する予算措置ができておるようでありますから、この際、警察官の増員と、その増員された警察官がどういう所に配備をされていくのか、そういうような点を一応まず説明していただいて、しかる後にいろいろ伺いたいと思います。
○政府委員(木村行蔵君) 直接関係しておりません点もありますので、若干大ざっぱなお答えになるかもしれませんが、お答え申し上げます。すでに御案内の通り三カ年計画で一万人の増員計画を要求いたしまして、三十四年、三十五年にすでに五千五百人の増員を認められました。今年度の分といたしまして四千五百人の増員計画を大蔵省に要求いたしまして、政府案として一応確定いたしまして国会に提案中でございます。従いまして三カ年計画の一万人増員というのは、ほぼ警察側といたしましては一応希望通りの線に動いているわけであります。そのうちで四千人は交通警察官に振り当てることになっております。それから千五百人は少年警察の方に振り当てることになっておりまして、それ以外の四千五百ですか、これにつきましてはそれぞれ一般の外勤関係の警察あるいは暴力団の関係、あるいは警備その他雑多ないろいろな事務がありますが、それに振り向けることになっております。そのこまかい内訳につきましては、ただいま私の手元にございませんので、お答えできないのを残念に思います。
○高田なほ子君 今大体一万人の増員計画について概略の御説明がありました。四千人は交通警察、千五百人が少年警察、あとの四千五百人はその他に振り分けると、概略の数字です。これは一万人の計画のお話しでございます。そこで三十六年度に増員される四千五百名という警官は、どういう部分けと申しますか、配属されるものなのか、こういう点なんです。
○政府委員(木村行蔵君) お答えいたします。 本年度に要する増員といたしまして要求いたしました数が四千五百ということをただいま申し上げましたが、そのうちで交通警察に専従してもらうための警察官がほぼ千八百人、それから少年関係が六百七十五人、まあ約七百人、それ以外の残りの数が先ほど申し上げましたそれ以外のいろいろな警察事務に携わるような配分の計画でございます。
○高田なほ子君 四千五百人のうち二千五百人は交通並びに少年に回る、あとの二千人は今言われたその他の部類に入ると、そこで、その他の部類が実は聞きたかったのです。きょうの私の聞きたい点なんです。それは、先般の連合委員会で大ざっぱに前小倉警視総監から、民間の警備の問題を尋ねましたところが、機動力というものをだんだん発揮して、いわゆるその機動部隊というものを増強していく建前をとっているのだと、こういうふうな御答弁なんです。私はその機動部隊というものは、必ずしも——必ずしもです、一軒一軒の民間のどろぼうやあき巣をつかまえるものが機動部隊だというふうには実は考えておらないわけです。機動部隊というのは、なるほど機動力を発揮して民間の治安を守るために必要だと言えば言えるかもしれない。しかし、どうもこそどろとかあき巣のようなものをそれをつかまえるために一々機動部隊が出張るというようなことは、どうも私の常識では考えられないのです。きわめて素朴な質問でございまして、私もよくわかりませんが、今後の二千名の増員に関係してかどうかわかりませんが、警察当局は、四月一日から特別機動隊を編成して民間の治安に当たるのだということを一部新聞には発表されているようであります。私きょうこの新聞の資料をちょっと置き忘れて参りまして、内容を今御紹介できませんが、私から申し上げるより皆さんの方がよく御存じなんですから、一体、この二千名というものは特別機動隊というようなものに編成されるのか、特別機動隊とうものはどういう役目をするものであるのか、言うところの機動隊というのはどういう役目を果たすものなのか、民間人の生活を守るということに関連して疑問を実は持っているからこういう質問をまあしているわけなんです。この点、一つ詳細に御説明いただきたい。
○政府委員(三輪良雄君) ただいまのお尋ねでございますが、実は何にどう配分いたしますかということにつきましては、二人参っておりますけれども、警務局の所管でございまして、正確な数が申し上げられないわけでございますが、今のお尋ねの中で、こういうことをお考えかと思います点は、第一に小倉警視総監がお答えいたしましたとき、私も同席をいたしておりましたが、先生のお尋ねが新宿方面の、まあただいま御発言になりましたような一般民間人の警備力という点から考えると、交番の警察官等がむしろ人員に比してふえていない、あるいは減っておるというようなことについてのお尋ねに対しまして、小倉警視総監は、一般に人口の増加に伴って警察官がふえておりませんけれども、しかしながら、いわゆる外勤、交番の警察官というものにも非常に通信機動力というようなものが増強されまして、そこで機動力によってそういった点を補うのだというような趣旨を申し上げたように私は伺ったのでございます。と申しますのは、交番の勤務者というものは、なるほどその地域の人口の増に比してふえておりませんけれども、各署には、ただいまの計画でほぼ東京は完成したと思いますが、一署当たり四台のパトロール・カーを配置いたすのでございます。そういたしましてこれが署の管内をくまなく回るわけでございます。俗な言葉で、これは将来動く交番と申しますか、ある所におりますというと、何分かの間隔でパトロール・カーが回って来るというような状態になりますれば、非常になじみの深かった交番が、かりに警察官が増強されませんでも、その機動力によってその地域をカバーすることができる、そういう趣旨で実はやっておるのでございます。と申しますのは、ことに東京ではそうでございますけれども、人口の増、しかもある郊外等の地域をとらえますと、最近の非常な人口増に対しまして、警察官の増員というものが伴いませんので、そういうものをいわばパトロール・カー並びに署の刑事がスクーターを持ちますとか、あるいは受令機と申します、ごく簡単な無線機を持たして、一ぺん出してやった外勤に署から命令することができるということにいたしますとか、そういった機械力によって数の足りない点をカバーしよう、こういうことをお答えしておったように伺っておったのでございます。 先生のお尋ねの機動隊と申しますものは、現在ほぼ全国に五千人、東京で申しますというと二千人おるのでございますけれども、これはそのお言葉の通り、いわゆるこそどろでございますとか、そういうものをつかまえるのが本務ではございません。警察官の任務といたしましては、それぞれの署なり交番に配置されております警察官がすべてのことに当たるわけでございますけれども、災害でございますとか、あるいは雑踏する際、花火そういった場合でございますとか、あるいは競馬、競輪、さらに集団示威運動等がございますような場合に、この警備に当たりますような、いわゆる部隊として行動することがだんだん多いわけでございまして、そういう際に、それぞれの交番なり何なりに配置しております警察官を、そのつど招集して編成するということになりますと、その編成にも、時間的に手間どりまするし、また部隊として活動さすには必ずしも能率が高くないのでございます。そこで、そういった状態をカバーいたしますために、それぞれの県におきまして必要に応じた数の機動隊というものを置く。これは主として警察官になりましてから二、三年の若い独身の者が多いのでございますけれども、それを一年半なり、二年なりの期間で機動隊に編成いたしまして、それが先ほど申し上げましたような集団的な、つまり部隊として行動いたしますときの活動並びにもっとたくさん出す場合はその中核になって活動いたすわけでございます。そういうための機動隊と、小倉警視総監の答えました機動力でカバーするということは、ちょっと違うわけでございます。 それから特別機動隊の話しが今出ましたが、これも実は私の所管ではございませんで、あるいは正確を欠くかもしれませんが、これも新聞によく出ております、ふくろう部隊というものがございまして、刑事を、特定の暴力団等が横行いたします盛り場などに夜間配置いたしまして、これが常時終夜目を光らすということで、ふくろう部隊などと俗に申しますのでございますけれども、そういう意味でいわゆる暴力団の横行に対しまして、そういった必要の個所に特別な——まあ俗に申せば腕も強いし、それからそういったことに向きます警察官を配置して、そういう暴力事犯に対処しようということが、寄り寄り話しになっておりまして、これは刑事局の方で検討いたしておるわけであります。二人も参りましたけれども、所管のものでございませんので、正確なお答えができませんで恐縮ございます。
○高田なほ子君 これはそうすると刑事局に所属する内容のものになるわけですね。それであなたの方はよくわからない。こういうわけですね。それじゃそれくらいにいたしますが、この一年半か二年間特別に機動部隊というものは特殊な訓練を受けるように聞いておりますけれども、その特殊な訓練というものについて、私どもしばしば疑問を持たされる場合があるわけなんです。そこで、どういうわけでこの特殊な訓練をするのか。鬼よりこわい機動隊というのがございますが、民間の言葉で。おまわりさんが鬼よりこわくなられては、私ども大へん迷惑をするのです。鬼よりこわくならないでいただきたいと思いますけれども、どうも特殊な訓練をおやりになっておるようですが、災害、雑踏、それから集団の警備等について、ある意味での訓練は必要かもしれませんが、この際、誤解を解く意味において、どういう意味で、どういう内容でそういう訓練をされているのか。
○政府委員(三輪良雄君) 機動隊は、先ほど申しましたような必要から各県で生まれましたものでございますから、部隊として出動いたすのが本務でございます。これは出動いたしますことが受身でございますから、計画できませんので、その時その場所によって著しく違うわけでございますけれども、昨年一年の全国の延べ出動と延べ訓練というものの時間をざっと取ってみますというと、四六%くらいの時間に出動いたしまして、五四%くらいの時間に訓練をするという結果になっております。警視庁の場合でございますと、これがほぼ半々でございます。そこで、その半々の訓練の方でございますけれども、大体の基準が三五%の時間を学科に、それから六〇%を実科に、五%を用具、装備の手入れ、そういったこまごましたことに充てるということが基準になって、それぞれの県で実施をいたしておるわけでございます。三五%の学科と申しますのは、いわゆる警察官となって若い者でございますし、また部隊として出動いたしますので、それぞれ出動いたしましたときに必要な関係法規を中心といたしまして、部外の方にもときどきおいでを願って、いわゆる民主警察として必要な心がまえ等も教えるようになっておるようでございます。六〇%の実科と申しますのは、これはいわゆる警察官の表芸であります銃劔道、逮捕術、拳銃、それから通信、無線通信というような個人的ないわば腕をみがきますことのほかに、部隊として使うためのことでございまするから、雑踏警備でございますとか、あるいは遭難者を救うための警備でございますとか、あるいは山岳のある所でいいますというと、山岳の警備でございますとか、そういった部隊として号令一下これが全体として動きますような部隊訓練をいたすわけでございます。これらもそれぞれの県の事情によりまして、今申し上げたようなことが、ある県では水害といいますか、そういうものの訓練を非常に重く見る所もありますし、ある所では花火、競輪、競馬というような雑踏の訓練というものを重く見る所もございますが、要するに部隊としての斉整たる活動ができますような訓練を実施いたしておるわけであります。
○高田なほ子君 この内訳をあまり詳しくお伺いしてもしようがございませんが、一説によると、警棒等の使用についても機動隊の場合には、これを武器として使うことの訓練に重きを置いている。こういうような点も実は伺うわけです。武器として使うことが違法でないことはよくわかっておりますが、集団示威運動等に適用するような訓練が主としてされる。遭難救助等に警察官がかけつけるための訓練はもちろん必要でございましょう。しかし、主たる目的は集団のデモ行為等に対する威圧の訓練というものに重点が置かれているような話を巻間聞くわけなんです。私はこのあり方について、意見はもちろんございます。警察官が集団示威の鎮圧にだけ重点を置いてやるということについては、私も意見があります。しかし、ここでは議論を抜きにして、そういう集団デモの鎮圧ということが重点的に訓練の目標にたっているということは、どうも解せないことです。この点はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(三輪良雄君) 第一のお尋ねの警棒の問題でございますが、は、お話の通り武器として使います場合ということで、逮捕術に基本わざがございまして、犯人を逮捕いたしますときに、警棒を抜いて、相手が武器を持っているときにはこう使う、それからどういうときにはこう使うという基本わざがございますし、また、これは剣道と同じように、防具をつけて近ごろは若干訓練するようないたし方もいたしておるのでございます。しかし、これは警棒というのが警察官本来の——これから長い生涯にわたって個々に警察官は勤務いたすわけでございますから、警棒が武器として自由に使えるという訓練をするということは、基本的にきわめて必要なことでございます。しかしながら、機動隊で使いますのに、他の場合と違って、何と申しますか、集団示威行進等に当たります場合に警棒を武器として使う、他の部隊ではそうではないけれども、機動隊がそういうものに武器として使うというような訓練をいたしておるというような趣旨のお尋ねでございましたならば、それは、そういうことは全くございません。たとえば集団示威運動が行き過ぎて、これを実力で規制いたします場合には、警棒というものは、これは武器として使うのではございませんで、用具として押し返すというような状態で使うというような訓練をしているわけでございます。 それから機動隊が集団示威行進等の取り締まりのために使われるだけだというようなお尋ねでございますけれども、これもそうではございませんで、まあこの機動隊がどういう場合に出動いたしておるかということを、ちょっとお聞き取りいただけば、そういう誤解も解けるかと思いますが、回数で申しまするならば、そういう集団示威行進等の警備に出ますものは、きわめて少ないのでございます。昨年、三十五年の全国の集計で申しますと、出動いたしました回数を数でとらえると、ほぼ二万五千回ぐらい出ております。その中で治安出動と申しておりますが、そういう場合に出ます、今のお尋ねの場合に出ますのが、回数で申しますと一一%にしかすぎないのでございます。もっとも、これは相当な数が出ることが多うございますから、人員の比率で申しますと四五%ぐらいになっております。そのほかにどんな使い方があるかということでございますけれども、競輪、競馬等の警備に出ますものが回数で申しましても人員で申しましても、ほぼ一四%ぐらいになっております。それから祭、花火等の雑踏の場合が、これが回数でほぼ六%、人数で七・四%ぐらいになっておるのでございます。災害はこれは全国的にとりまして数としては少のうございまして、ほぼ一・七%見当で、人員としてもそれよりちょっと少ない率でございます、一・四%ぐらい。それから盛り場等の集団警ら——ある地域がどうしてもある時期に集中して取締まりをやるという場合に、この集団警らをいたすのでございますが——そういうようなことに出ますのが、回数で申しますと実は三五%ぐらいでございます。しかし人数が集団警らで一回々々がそう多くございませんので、人数の方で申しますと一五・六%ぐらいでございます。そのほかというのは回数で三一・六%でございますし、人員で一八%になるのでございますけれども、これはたとえば凶悪犯人が山に逃げ込んだ、そこを取り囲んで山狩りをするというようなときに、さっと行く、自動車でかけつけるのは機動隊である場合が多いのでございます。そういう緊急手配等にいつも待機をいたしておりますから、それが出てやるというようなことで、そういった場合に出ますのがそんな回数でございます。従いまして、御心配のように決して集団示威運動の警備に充てることを主務としてやっておるということではないのでございます。
○高田なほ子君 大体活動の内容が数字的にわかりました。花見を控えて私ども婦人議員は、ここにも市川先生もおられますけれども、みんなで酔っぱらいのトラ退治のために衆知を集めているわけですが、それぞれの党の方でも大へん御心配をされていただいております。お花見時等については、酔っぱらいの取り締まりということについて特別の警官の配置というものが、計画の中で考慮されておりますかどうか。
○政府委員(木村行蔵君) ことに行楽期におきまして非常にそういう酔っぱらいによる危害なり被害が多うございますので、毎年四月、五月、特に花見どきなどを中心にしまして、特別に特別防犯期間を設けまして、各県での警察本部及び警察署におきましていろいろ取り締まりの専従班を作りまして、相当力を入れてやっております。
○高田なほ子君 酔っぱらいの方はあとでなにしますが、前にもどりますが、民間の警備という問題については、お話のように各署に平均四台のパトカーですか、あるいは自転車とか、そういうものが従来もあったと思います。ただ、どうも実際問題としては、機動隊に重点が置かれて、いわゆる駐在所とか、そういう所かまことに手薄な感がございます。これはこの間もちょっと申し上げた数字ですけれども、いかにパトカーがふえたにしても、あるいはまた自転車がふえたにしても、どうもこの人数が十年前の人口数と比べてどうも合理性がない。警官が多くなることを私は好まない。好まないのですけれども、機動隊の方にだいぶ政府は重点を置かれているが、民間の警備というものについては、必ずしも科学的な、合理的なこういう配置がされておらないと思う。これは全国の統計をとったわけではもちろんございません。また各都道府県の警察は、それぞれの計画を自主的におやりになっていることも私は認めます。しかし、東京を一つのモデル・ケースとしてこの人口増に比べて全部警察官が減っている。あまりにもこれは減り方がひど過ぎる。たとえば一つの例をとると、杉並の場合は、人口が十年前は三十五万三千四百七十四人、これに対して警察官は七百二十四人、十年後にはさらに杉並の場合は十二万の人口がふえているにかかわらず、おまわりさんの数は七百二十四人から比べると六百人という数の減少です。六百人きりしかおらないわけです。十何万の人口増に比べて配置警官の数が少ないということは、たとえば今回パトカー四台ふやしたにしても、必ずしもこれは合理的でないように考えられる。私どもの板橋区などでも、人口は十六万もふえている。それに比べて警察官の数は減っている。十六万人も人間がふえたのに、五百二十九名、十年前に配置されたものが、今は四百二十五名というべらぼうな数の減り方、こういうわけでありますから、実際私はおまわりさんの勤務について、実は自分の区内のおまわりさんの勤務について詳細調べてきた。非常に手薄です。必要とされるような人が入っていない。かなりの重労働をしいられている。そのくせあき巣などは一こう減らない。お気の毒だが減らない。正直なことを言うと、おまわりさんは全力をあげてやっているんだけれども、どうも手の回りょうがない。これは警察官の悲鳴だろうと思う。この悲鳴を警察官の責任に期すということは酷だと私は思う。 で、私の結論は、人口増に比べて警察官の配置というものが不合理であり、それをカバーするためのいわゆる機動力というものもまことにおざなりである、申しわけ的である。これであってはますますお花見どきにあき巣が横行するでありましょう。酔っぱらいはここを先途とわれわれ弱い者を苦しめるでしょう。どろぼうはわが者顔に横行するでしょう。これでは幾ら中央機動隊が鬼よりこわい存在であっても、必ずしも民間人というものは警察を信頼するに足りない。それはそうでしょう、数が少ないから、おまわりさんの所へ行って言っても、おまわりさんの方はこっちの方の事件があって飛んで行っている。こうなると、まさか交番をからっぽにするわけにいきませんから、一人しかいないときは近所へ応援を求める。応援を求めても一人しかいないから応援できない。警察官の能力の限度もってしても防ぎ得ない現状である。このために迷惑をこうむるのは国民なんです。私は警察官がふえることは好まない。警察国家になることを好まない。好まなけれども、私どもの日々の生活というものがこのような不安定にさらされていることについては、看過すべき問題ではないと思う。従って、小倉警視総監が機動力の増強を強弁せられましたけれども、はたして今回の二千五百名の人員増、すなわち二千人の人員というものが科学的な根拠に立って配置される方向に行こうとするのか。私はこういう点について、もう少し打ち割った話を聞きたいのです。そうして、どうも困るなら困るということをおっしゃってもらいたい。ただ何人配置したとか何だとかいうのでなくて、私は調べてきている。机上の空論で質問しているんじゃないのですから、やっぱり当局としてこういうところに欠陥がある、この欠陥を是正するためにはこうなければならないんだというような案をお示しいただくことによって、私どもも協力のできるところはそれは協力を惜しまないつもりでおるわけです。そういう意味で質問をしておるので、何ともどうもこれは納得いかない。 続いて、質問を続けていきますが、次の質問は派出所の、駐在所の問題、この駐在所というものの予算というのは、どこでだれがどういうふうにして組むのか。これが一つ。 それから駐在所の配置についてもはなはだ不合理であります。たとえば、地元に有力者がいてわんわん、わんわん騒ぐようなところは、そこへ持ってくる。弱い、国民が不便で不便でしょうがなくても、黙っておる所はさっぱり交番がふえていない。たとえば、また私は自分の住んでいる所が一番わかりますから、板橋なんという所は縦が二里半、横が一里半、実に広範な地域です。新開地です。至る所に問題の起こりそうな暗い路地が残っております。警官は全力をあげている、私調べた限りでは。ところが駐在所というのは三十カ所きりしかない。戦前は十九カ所あった。十六万の人口がふえたのに、そのおまわりさんのいる所はたったそれより倍にもふえていない。三十カ所きりしかない。まことにこのことは住民の不満とするところです。これは単に板橋のみでない。若干多いのが港区の五十五カ所です。続いて多いのが大田区、世田谷は特段に多くて六十二カ所という交番がある。それに比べると他の区というものはどうも人口にあるいは地域の実情に沿わない配置がなされている。これはやっぱり組みかえ等において、あるいは有力者等において相当のうるさ方といいますか、そういうような方々のお力添えももちろんあるのではないか、こう考えますけれども、どうも聞くところによると、予算措置というものもかなり影響しているように考えられる。そこで今申し上げたように、前段の質問になるわけですが、交番の配置と予算の関係というものがどういうふうになっているのか。 それから法務大臣は退席を急いでおられるようですから、これに引き続いて質問をいたしますが、政府は今度防犯灯についての単独立法をお考えになっている模様です。しかし、その単独立法についての詳細は、私内容を知りませんけれども、しかしこの考え方は、むしろ時期がおそきに失したと思うのです。たぶん古い当局の方は御承知かと思いますが、私はこの席でしばしば防犯灯は政府の手によって作るべきものである、こういうことを主張してきた。歴代の法務大臣はそのつど約束して引き下がってきたけれども、一こうそれは実現されなかった。しかし、今般嶋中事件をきっかけにしてこういう声が起こったということは、まことに善びにたえないところであります。しかも、政府がこれの単独立法に踏み切られるようないきさつを聞けば、私としてはなおさらにうれしい。しかし、政府の考えるところは、あくまでもこの防犯灯は民間の協力によるという態勢をとっているようですが、これは本来転倒ではないかと思う。一体、国民の安寧のために防犯灯をつけるということを、国民の負担にまかせるというようなことは、これはあまりに手ぬるすぎる。こういうものの費用というものは、そんなに一ぱい要るものじゃない、くどいようですが、自衛隊の残飯を防犯灯に充てるなら、暗がりの道なんかなくなっちまう。一方では自衛隊の残飯を年間に二億数千万円も浪費しながら、世の婦女子が望んでやまない防犯灯が、単独立法だと喜んでいれば、それは民間の負担におっかぶせるなどということは不届きしごくの政治だと思う。従って私は法務大臣にこの法案の用意があるのか、そしてその法案の実質内容というものは、いわゆる民間負担にゆだねようとするのか、こういう点を明確にされたいのです。お急ぎでございましたら、私は法務大臣に御質問するのはその一点なんですから、この点一つ先にお答えいただいて、御自由にしていただきたい。
○国務大臣(植木庚子郎君) お答えいたします。 防犯灯の整備と申しますか、街路灯の整備の問題につきましては、われわれ政府といたしましては、かねがねただいま御指摘の通り、議員各位の御意見もございましたし、また、今回の機縁にかんがみましてもその必要を認めまして、閣議決定におきまして街路灯の整備の問題をいろいろ話題にし、研究をいたし、結論を得たのであります。その結論といたしましては、でき得るならば法律を整備し、かつ、必要に応じて特定の場合には政府も補助を出すというようなことも必要があることを認めておるのでございます。しかしながら今回は、すでにその予算も通過しております。ところが不幸にして、申しわけがないのでございますが、三十六年度予算にその事項の計上がございません。そこで、これを今にわかに法律に出しますというと、予算補正の問題あるいは予備金支出の問題等も生じますので、どうもこの際それを予想して、そういうことのあるべきを予想して立法化するということはいかがなものだろうかというような配慮もございまして、そこで、この所管は自治省あるいは公安委員長の方でございますけれども、私の承知しております範囲では、この際は地方庁等にいろいろ御相談をかけて、そうして、幸い、たとえば東京都におきましては東京都知事の非常な協力が得られる見込みがつきまして、そうして都当局として民間とも協力し、あるいはみずから進んで街路灯の整備に大いに力を尽くしていただけるという見通しもつきました。そこで、この際としては立法することはしばらく見合わせて、むしろ秋に始まります通常国会等の問題にして、そのときには予算措置も堂々と三十七年度予算で講ずるならば講ずるというような形体がよかろうということで、今回は直ちに法律を提案することは見合わせようかというような状況に今相なっております。所管が自治省大臣の所管でございますので、私の知っておる範囲をお答え申し上げた次第であります。
○高田なほ子君 街路灯そのものについては、もちろんそれは所管は違うかもしれません。しかし犯罪対策、いわゆる国民の治安対策という面から見れば、警察庁の統計を前に拝見いたしましたときに、犯罪の起こる場所は暗い所が圧倒的なんです。そうだとすると、単に自治省だけの問題ではなくて、一つの犯罪を防止するという、こういうような見地から、これは法務大臣が力説されることの方が私は適当だ、非常にあなたが適任だと思うのです。これは安井さんが適任じゃないというわけじゃないけれども、これはどうしても犯罪対策の上から緊急必要なことであります。今だんだんお話しを伺えば、その時期等についても考慮されているようでございますけれども、重ねて申し上げますが、政府を非難するわけではないのですけれども、どうもこういうこまかしい問題というものは、よく忘れられがちです。先ほどいやみのように並べましたけれども、この法務委員会で何べん法務大臣が約束しても、まるでそんなこと知ったことかというような顔でこれが忘れられている。これを繰り返してはならないと思う。そのためには、法務大臣はもう少し本問題については発言権をお持ちになって、これは安井自治相の管轄だということではなくて、犯罪は暗い所に起きている。特にこれからお花見の、気候がよくなれば必ず暗い所に犯罪が起こってくる。東京都のような富裕府県の場合には、これは相当のことはできるだろうと思う、その気さえあれば。しかし貧弱市町村については、これはなかなかそうもいかない面もあるので、できれば政府が統一した見解として予算措置も来たるべき国会等において考慮するから、これは地方の実情に応じてできる限り設置することをむしろ強制的にするくらいの御指示くらいはあっていいのじゃないかと思うのです。この間、上清炭鉱で何十人かの方々がおなくなりになりましたね。それでまさに今度の予算がきまろうとするときに、参議院はわざわざ、予算修正ができないからというので、特別に決議を出して、そうして四十数億のそれにプラスする離職者対策の費用を含めてあらためて政府はこれを検討するというような態度も実はおとりになっておるわけです。災害炭鉱と比べて、それでは暗い所で受ける女や子供の被害というものを、それより軽視されるということについては、私はどうかと思う。一年に一体暗い所で何人刺されておるのか、暗い所で何人殺されておるのか、何人ひどい目にあっておるのか、こういうような数字を今持ってこないので大へん残念なんですけれども、あの数字を見ると、必ずしも上清炭鉱の七十一人には劣らないくらいの被害を与えられておる。それは政府の怠慢からのことなんです。女や子供の安全を守るという建前からすれば、単に自治省ではなくて、法務大臣が立ち上がってどんどん強く来年度の見通し等も御指示をされて、自治省とともにこれが対策を進められることを私は非常に強く希望します。一説によれば、警察庁の方では何か本問題について指示を流されたように聞いておりますが、これはいかがなものでしょうか。あわせて伺いたい。
○政府委員(木村行蔵君) ただいまの問題につきましては警察におきましても非常に関心を持っておりまして、先ほど高田委員からお話しがありましたように、夜間における屋外のいろいろな犯罪は八割以上は防犯灯のない所、あるいは防犯灯があっても故障があって消えているというような所が八割でございます。従いまして、防犯灯の有無によって非常に犯罪の発生ということは関係が深いのでありますので、もうこれは数年前から防犯灯の増設ということにつきましては、警察といたしまして第一線もわれわれ中央におります者も、非常に力を入れておる。従いまして、この問題につきましては、この前一月の全国管区警察局長会同を東京でやりました際に、警視総監から話しが出まして、春の防犯運動の一つの大きな柱といたしまして、町を明るくする運動をいたしたい。これについては全国歩調を合わせてやろうではないか、こういう話しが出まして、私たちもそれに対しては大いに賛同を表し、それから全国の管区警察局長もそれに歩調を合わせまして、従いまして、私の方からも通達をその後出しまして、できるだけ時期あるいは方法などについても警視庁と一緒に全国歩調を合わせてこの防犯灯増設運動というものについて全国的な盛り上がりをいたしたい、いたすように努力してもらいたい、こういうことを指示いたしました。
○高田なほ子君 今度は一つ法務大臣に、その次は提案になるのです。今まあ盛り上がるように指示されたといいますけれども、そんな紙一片の指示なんかでは盛り上がらないですよ、私に言わせれば。だから、たとえば防犯灯をつけるということがもしできなければ——いわゆる屋敷町等のあの暗がりで問題が起こるのですね。そういうのが多いようですね。ところが屋敷町の方々は、門灯をつけると電気代が高いでしょう。だからやっぱりこれは消しますよ、相当のお宅でなければ。大体サラリーマンのお宅ではやっぱり消します、電気代が高いから。ですから、進んでこの門灯を街灯、防犯灯のかわりにつけておいて役に立つような所は協力を求めて、そういうものの電気代くらいはめんどうを見るぐらいの暫定措置でも講ぜられてはどうかと思う。私どもの宅なんかも、回りはみな消しますから培うございますからね。もう門灯はつけっ放しにさせるし、それから裏の方の今度は道がまた暗いですからね、台所の電気は十二時まで消すなということで、やっぱりつけっ放し。だれもほめても何もくれませんけれども、やっぱりそうしないと気の毒だと思うからつける。そういふうに心ある者はするけれども、やっぱり一般家庭ではそうはいかないと思うのです、理屈のようには。こういう盛り上がりを指示するだけではなくて、街頭を明るくする運動に積極的に協力されたものを個人の負担にさせないような方法、これはもちろん自治省の管轄に入るかもしれませんけれども、できればこういうような、一足飛びにいかないで、あるものを公共のために利用する。その場合にはお世話して下すった方には何らかの手当てをする、こういうようなことでもお考えになっていけば、大へん私は盛り上がってくるのではないかと思う。これは一つの提案でございますから、にわかにそうもいきませんが、紙一片で盛り上がらせようたっても、これは無理です。具体的に盛り上がるような方法を、今のようなやり方でお考えになることもいい方法ではないか。これは御研究おきいただきたいと思う。 以上は大臣に対する私の意見と質問でございます。もしお考えがあれば御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(植木庚子郎君) いろいろと御所見を承りまして非常に参考になるところが多いのでございます。もちろん所管が違うからどうこうということを考えておるのじゃございませんので、ただ、まあ主管の事項じゃありませんから御遠慮して申し上げただけで、実は私もこの問題については安井大臣と協力して、また閣内におきましても極力この仕事が進捗するように、微力ではございますが、きょうまでやって参りましたけれども、今後ともなお一そうの努力をいたします。 また、先ほどもちょっと触れましたような、さしあたり東京都のごときも都知事の了解のもとに大いに協力していただけるという見通しがついたことを申し上げましたが、本年度三億数千万円の都費を投じて灯数四万四千灯の街路灯を増備するというようなことで、まず率先垂範をやっていただく、これを各地方にもお願いをしようというので、いろいろと機会あることに今後も御努力していただく、われわれもまた側面から協力をする、お願いをするという方針でおります。 また、ただいま御提案のすでに門灯等を持っているものに対して何らかの代償を差し上げて、さしあたりそれをかわりに使うということはどうかというのも、まことに御名案でございます。参考にさしていただきまして、そういう措置ができるかどうか、また方法なんか考えられぬかということも研究してみたいと思います。あるいはまた電力会社そのものに一つ何らか適当な方法を講じまして、そうしてそういう場合にはそういう特殊なものには無料にするというようなことができないものか、こういうこともいろいろ考えておりますし、今後も研究を続けて参りたい、かように思います。非常に有益な御意見でございますから、十分参考にいたしまして、今後も進んで参りたいと思います。
○政府委員(木村行蔵君) 先ほど高田委員から御質問がありました残りの分についてお答え申し上げたいと思います。駐在所、派出所の設置、その他予算などの面等につきましては、それぞれ都道府県の警察本部長が責任をもってやることになっておりまして、もちろん都道府県公安委員会の管理のもとにおいてそれぞれの本部長が駐在所の設置個所、また駐在所の運営について責任を持っておるわけなんです。先ほど先生からお話しがありましたように、人口の非常に急激な変貌がそれぞれの地方にありまして、ある個所は非常にふえ、ある個所はまた減っている所もあるようでありますが、その急激な変貌になかなか追いつけないで、駐在所の増設なり駐在所の配置統合といいますか、その改変については、むしろ実際の人口増なり実態の方が先行して、施設なりあるいは充員なりについてはなかなか追いついていないというようなことは確かに申し上げられると思います。しかし警視庁の御指摘の点につきましては、確かに相当いろんな点で開きがあるように思いますので、この点については、ただいまこの理由なりあるいは事情なり背後の関係なりについては、ちょっと私もお答え申し上げかねますけれども、大体全国に駐在所、派出所に勤務いたしておりますものが約四万人おります。しかしその四万人は駐在所の数からいいますと、欠員も相当あるわけであります。これらの欠員につきましては、できるだけやはり駐在所なり派出所の実際の人間を充実するということをいたさなければいかぬと思いますが、この点につきましては、先ほど交通警察官及び少年警察官の分については四千五百人の中で、約二千五百人はそれに充てる、あとの二千人はいろいろのその以外の警察諸般の事務に従事するものの増員に充てる、こういうことを申し上げましたが、大体全国の警察の配置状況を見ますと、制服を着まして、外勤で、街頭でいろいろ防犯なりあるいはその他の事故の急場に応ずるという外勤警察官は五〇%近くあります。正確に申し上げますと、約四七%が外勤、外で勤務いたしております。その大部分が駐在所、派出所勤務でありまして、先ほど申し上げた四千五百人の残りの二千人の諸般の警察事務に配置されるもののおそらく半分か、半分以上は外勤に充てられるのではないか。従いまして、駐在所の欠員なり派出所の欠員なり、あるいは新たな駐在所の新設あるいは駐在所の増員というものに充てられるものが相当出てくるのではないかと私は思います。
○高田なほ子君 どうも足りないのに、私が幾ら質問したって、核心をついた御答弁はもちろんできないと思いますが、もう少し実態に即した配置というものを研究する必要があると思うんです。今までも研究していられたのだと思いますけれども、どうもこの表を見るとでたらめですよ。みんな読み上げるとほんとうにでたらめでね、何を国家公安委員会はやっているのか、都の公安委員会は何をやっているか、警察庁は何を考えているのかということにむしろ疑問を持つくらいなんですね。どうか一つこの機会に、あらためて配置の合理化という問題について再検討をされることを要望します。 最後にもう一つ質問が残りましたから、端折って申し上げますが、警察官の待遇問題ですね、これは今度の三十六年度の予算で警察官も若干待遇もよくなられたと思います。また、警察官職員の公安職俸給表、これによりますと、一般事務職員の行政職俸給表の一表に比べると、警察官職員の方が初任給が九千四百円、九千八百円二通りあるようですね。これは六カ月の場合です。一般事務職員の場合は八千三百円ですから、一般職員の方が警察官職員よりは低いということができると思う。この表は、拝見すると、青森、岩手、宮城、山形、千葉、新潟及び山口県の給与条例の給与表によって資料を作られておりますが、大体一般もこうだろうと思います。そこで、一般事務職員よりは警察官職員の給与が商いのでございますが、しかし、その職務内容から見ると、大へん超過勤務が多いようです。この一般職員よりも若干高くなっているが、超過勤務等が内容に含まれているものかどうか。 もう一つは、最近ひき逃げ事件が非常に多い。これは警察庁の資料から私調べたんですけれども、非常にひき逃げ事件が多い。そのひき逃げ事件が大体民間の協力でつかまえているわけですけれども、多い。これも特に東京都あるいは大阪のような交通頻繁の場所では、こういうことが今後さらに起こり得る可能性がある。交通巡査の数も、今度の予算ではふえているようですけれども、かねがねこの交通おまわりさんの御苦労というのは深く私同情しておりますが、ああいう人たちには、特殊な手当というものがついているのか、ついていないのか。今度政府がお出しにならうとしている警察官の災害に対する特別措置法、ああいうような中に、交通おまわりさん、白バイに乗っているようなおまわりさんも、災害にならなければああいう補償はもらえないということになれば、死ななきやもらえない、けがしなければもらえないということではなくて——聞くところによると、もうオートバイの激しい運動のために、三年くらいで非常に健康が害されるということも聞いているんですけれども、その場合に、こういう法律を適用されるものかどうか。どうもオートバイのおまわりさんは、あまりに気毒のようなものですから、警察職員の一般の待遇の中でどういうふうになっているか、こういう点を伺っておきます。
○政府委員(木村行蔵君) 交通違反及び交通事故の中で一番悪質なのはひき逃げであります。そのひき逃げの捜査は非常に困難であります。夜間で、しかもフル・スピードで逃げていくものですから、なかなか大へんな捜査です。そのひき逃げの件数は最近相当ふえておりますが、特に新道交法ができてから後、特別にふえたというわけでもございません。新聞には一応そういう印象を受けるような記事がありますけれども、新道交法の関係で目立ってふえたというわけじゃありませんが、ここ数年来からずっと、そのひき逃げの悪質な違反事故というものが多いことは事実でありまして、このひき逃げ捜査につきましては、特に昨年度、三十五年度から国費でひき逃げ捜査の費用を初めて組みました。新設いたしました。
○高田なほ子君 どのくらい。
○政府委員(木村行蔵君) これは中央と地方と合わせまして約九百万でございます。今回三十六年度に組みましたのが千三百万組んでございます。 交通警察官の特殊の手当の問題についてお尋ねがございましたが、特に交通警察官だけに特殊な手当は別に今のところは出ておりません。しかし非常に激動いたします激しい勤務であります。激務でありますので、この激務にたえられるように、いろんな服装なりあるいは装備なり、そういう面でできるだけ過労を防ぐというような面から、いろいろその面をカバーしておりますが、特に交通警察官だけに特殊の手当はもちろん現在のところは出しておりません。それから交通巡査が公務を執行している際に事故を起こせば、当然これは公務傷害で特殊の手当を出すことになっておりますけれども、それ以外について、特に配慮は現在のところはいたしておりません。
○政府委員(三輪良雄君) もう一つのお尋ね、これも両方の所管でございませんけれども、給与のうちに超過勤務手当が含まれておるかどうかというお尋ねでございます。これは最初に給与表がきまりましたときに、一般職員より高くするという論拠の一つが、勤務時間が、拘束時間が普通の勤務より長いということが入っております。それから勤務の性質がやはり危険を伴ったりするということも入っておるということが理由で上がったのでございます。警察官の勤務時間は、外勤内勤それぞれによって違いますけれども、たしか一番長い外勤の場合で五十二時間の勤務だと思います。一般が四十四時間になりましたから、相当に違うのでございます。しかしながら、問題は、実は五十二時間が長いということよりも、交番におります勤務の通常の場合でございますと、朝交代要員が訓示を受けて交番に参りまして、それから署に帰るということになりまして、通常の場合でも実は勤務時間以上に実際長くいさせられる時間が多いのでございますし、なおその上に非番勤務ということで、それから武道の訓練がある場合もございますし、また必要な助勤と申します他の勤務につかれる場合も多いのでございます。そういうことで、実は拘束時間が、きめられた時間が長い上に、超過勤務をいたします時間が、一般職員よりは通常の場合、はるかに多いのでございます。そこで各県といたしましては、御承知のように給与は府県費でございますので、この超過勤務手当をいかに多く県費で組んでもらうかということがそれぞれ本部長としてきわめて苦心をいたすところでございます。交付税の計算の中で、需要額といたしまして勘定いたしておりますものが、一般の県の公務員につきましては給与額の三%の超過勤務手当を予定しておるのでございますけれども、二年前であったと思いますが、自治省と警察庁との話し合いで、それを警察官につきましては六%にするということで、財源の計算はいたしておるのでございます。そこで、それをもとにいたしまして、各県では本部長が県の財政当局と、一般職員よりも三%は少なくとも多く組んでもらいたいという交渉をいたしておるのでございますけれども、これがやはり財政当局の方では他の職員にも必ずしも一〇〇%いってないのだからというようなことで、なかなか財政の事情によりましてうまくいっておりません。ある県では一般の職員に二%しかないということで、その比率で上乗せするというので、三%組んでおるという県もございますし、大阪、神奈川のような所では大体もう延べますとおそらく一〇%見当も組んでおるような所もございます。県の財政によってだいぶん差がございますけれども、県の本部長といたしましては、今の三%の違いという国の財政上の計算上の基礎を根拠にいたしまして、毎年財政当局、と交渉いたしておるのが現状でございます。
○高田なほ子君 大へん参考になることを伺いました。 私、無抵抗な若い者を、警棒を振り上げて豚か犬でもなぐるようになぐる警察官の姿は、ほんとうにきらいです。しかし警察官の待遇というものについては、私正直な話、あまりここで論議をする場所でもありませんので、したくありませんが、どうもオートバイに乗っていらっしゃるおまわりさん、ずいぶん伺っておると健康を害されるように聞いております。いろいろ注意はされておるようでありますが、できればこういう問題、それから今言う六%の超勤の実施と、それから各地方によって再建団体もあるわけだし富裕府県もあるので、警察官の職務内容は同じであっても、県の財政事情によって待遇上のアンバランスが残っておるということは、これはやはり一つの是正しなければならない今後の問題だと思う。六%の超勤は必ずしも私は多いとは考えませんが、私どもも事情よく承知した上で、よい待遇をして、もう少し警察官が人間らしい気持で安定できることを大へん望みますが、最後に希望としては、どうか末端のあの若いおまわりさんの声も、えらい方がもう少し聞いてあげたらどうか。警察官には団体交渉権もない。そういう何の機関もない、団結権もない。従ってある意味では警察官の勤務条件というものは、よほど上の人が注意してあげないと改善されるということがだれよりもおそいのではないかと思う。もちろん東京都のような所は、都労連が騒げば一緒に警察官も上がるのですからいいですけれども、しかし、それかといって、団結権も交渉権もない立場の人でありますから、えらい人は若いおまわりさんのいろいろの意見やなんかも聞くような一つの機会というものを、むしろ上の方からお作りになってあげる必要があるのではないだろうか。こういうことを、自分が実態を調査してみて、しみじみ痛感させられたことであります。また私も大へん今までおまわりさんの待遇というものについて無関心であったことを非常に恥じたわけです。どうか一つそういう機会をこれは私からお願いをするわけですが、えらい方は末端のおまわりさんの声をできるだけ聞くような、何らかのきっかけを作ってあげることが必要だと思いますから、これは考慮していただきたい。以上が私の希望です。(「大賛成です、どうもありがとうございます」と呼ぶ者あり)
○委員長(松村秀逸君) ほかに御発言もなければ、本件に対する調査は、本日はこの程度にとどめたいと存じます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十一分散会 ————・————