法務委員会 第4号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/02/21
会議録
○委員長(松村秀逸君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 二月十五日付、藤原道子君辞任、江田三郎君選任。 本日付、江田三郎君辞任、藤原道子君選任。 以上であります。 ——————————
○委員長(松村秀逸君) 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を議題に供します。当局から植木法務大臣、津田司法法制調査部長、内藤最高裁事務次長、長井総務局第一課長の諸君が出席されております。 これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○高田なほ子君 二、三点お尋ねしておきます。法律案提案の理由説明書によりますと、今回簡易裁判所の管轄区域を変更されることになっておりますが、「これらの管轄区域の変更は、いずれも、地元の住民、関係諸機関等の愚見を十分参酌したものであります。」というふうに、地元の意見というものが参酌された結果、管轄区域の変更がされたというふうな提案理由の説明がございます。地元の住民、それから関係諸機関は、どういう意見を持った結果、こういうふうになったのか、そこいら説明をしていただきたい。
○政府委員(津田実君) ただいまのお尋ねでございますが、まず最初福島県耶麻郡南郷村の区域を、会津若松簡易裁判所から喜多方簡易裁判所の管轄区域に変更しようとする点でございますが、その点につきましては、地元の市町村の方々につきまして実地調査をいたしました。そのほか、関係の弁護士会でありますとか、あるいは関係地方庁のそれぞれの意見を徴しました結果、それからさらに実地踏査等をいたしました結果、お手元に出ております参考資料の末尾にございます二十四ページにございます地図にも示されております通り、高郷村の区域は、鉄道から申しましても会津若松市に出る前にすでに喜多方市を通過することになっております。そういう地理的状況も考えまして、地元の希望が十分納得できるものであるというふうに考えまして、さような立案をいたした次第でございます。で、その次の熊本県阿蘇郡の西原村が新設されましたに伴いまして、この西原村は旧山西村と旧河原村の合併によってできた村でありますが、この旧河原村の区域は、元御船簡易裁判所の管轄区域になっております。また旧山西村の地域は元熊本簡易裁判所の管轄になっております。そこで、両村合併いたしました結果、このままの状態で放置いたしますると、一つの村が二つの簡易裁判所の管轄区域にまたがることになるわけで、非常に地元としては不便であるということが考えられるわけです。そこで地元の村長を初め諸機関並びに関係の地方庁の意見を聞きまして、これは地理的に申しますると熊本に対する依存度が非常に高くて、バスの路線等も熊本へ直行するという路線が相当数あるわけです。その意味におきましても、旧河原村の区域を熊本簡易裁判所にする方が地元の方々にとって非常に便利であるという結論が出まして、その結果、旧河原村の区域は熊本簡易裁判所の管轄区域にすると、こういう変更をいたそうとするわけでございます。
○高田なほ子君 私はこれに反対ではないのですよ。私の質問の要点は、地元から申請したことに基づいてこういう計画をされるのか、それとも当局が計画を立ててから地元の意見を聞くのか、こういう場合、どっちかということを聞いているのです。
○政府委員(津田実君) 一般論としてはいろいろな場合がございますが、今回の具体的の場合は、最初に申し上げました南郷村につきましては地元から陳情書が出ております。それから熊本県の方の問題につきましては、これは市町村合併で合併が成立いたしましたとたんに、一つの村が二つの裁判所に分属することになるわけです。そういう分属するものにつきましては、当然地元の不便という問題も考慮しなければなりませんので、この方は積極的にこちらから調査をいたしまして、地元の御意見を聞いたわけでございます。そういたしましたら熊本に統一してほしいという意見が出て参りました。
○高田なほ子君 いろいろケースはあろうかと思いますが、日本は広いわけでありますから、これに類似する問題はたくさん今後出てくるだろうと思います。政府は今回二つの問題を出されておりますが、計画がございますか。
○政府委員(津田実君) 御承知の通り、市町村の廃置分合は現在まだ進行状態にございます。従いまして、かなりの部分はすでにもう廃置分合は終了いたしておりますが、なお将来終了するものも、将来に向かって廃置分合がなされるものもあろうと考えられます。で、法務省におきましては自治省と連絡をとりまして、その廃置分合がなされるというものにつきまして、事前にこれを承知いたしまして、いろいろ検討いたすわけでございます。でありますから、廃置分合については必ずこちらも一応の調査をいたしております。なお、地元から陳情がございましたものにつきましては、廃置分合のいかんにかかわらず調査もいたしておりますし、なお、当局におきましても積極的に地方の交通状況の変化、たとえば新たに鉄道が開通するとか、いろいろな問題がございますと、それに従いまして管轄区域をいかにすべきかということを調査いたしまして、場合によっては地元にいろいろ問い合わせをいたし、それによりまして将来の立案を考えていくわけであります。過去におきましてもその通り実施いたしております。
○高田なほ子君 そうすると、調査をして、これはこういうふうにやった方がいいという問題が出てきたときに個個に処理をしていくと、こういうような形になるわけですね。別に全国的にいろいろな計画をして、計画に基づいてやっていくというわけではないのですね。
○政府委員(津田実君) 全国的に計画はございません。全く地元の事情によるわけでございます。
○高田なほ子君 法務大臣にこの際お尋ねをしておきます。 今当局からの説明によると、地元からの申請に基づいて調査をして、そしてまた管轄区域を変えたり、あるいは廃置分合をするやり方をしたりというふうに、必ずしも基本的な計画があってやっているというようには私は受け取れません。しかし、最近一説によると、小さな裁判所、簡易裁判所のようなものは廃置統合してしまって、できれば数を少なくしていこうと、僻地の方には簡易裁判所なんか置かなくたっていいのだというような考えが一部にはあるように私には受け取れます。つまり簡易裁判所、小さな裁判所を統合していくといういき方です。私はこの統合といういき方については、きわめて近代性に乏しい感覚だと思う。時代が進むにつれて人権意識というものは高まってくる、従って僻地においても簡易裁判所というものは勝手に統合していいという理屈は成り立たないと思う。そういうわけでありまから、この廃置統合あるいは廃置分合、こういうような問題については、政府としては基本的な態度を私はお示しいただくことがいいのではないか。つまり小さいものはどんどん統合していくのだというような基本的な方針をお立てになることはまずいのじゃないかと、こういうような意味合いから、私は、基本的な態度をこの際大臣に明らかにしていただきたいと思うのです。
○国務大臣(植木庚子郎君) 簡易裁判所の統合等の問題についての御質問でございますが、仰せの通り、こうした裁判所の管轄区域はそれぞれ現在でも相当広範囲に僻遠の地域に設けてある場合が多いのでありまして、そのために住民の受ける利便は相当大きいものがあろうと考えます。つきましては、それを地元の要請の有無にかかわらず、全般的にそういう小さいところをなるべく整理していくような方針は、必ずしもよくないのじゃないかというお話でございます。まことにその点ごもっともに感じますが、また別の面から考えますと、たとえば予算経理上の節約、経費の効率使用の点、あるいは人員の効率的配置というようなことから考えますと、また別の結論が出る場合もなきにしもあらずでありまして、そういう場合もございますから、財政事情、人員のやりくり等のつきます限りは、なるべく現状において、しかも住民の希望を尊更してやっていった方が一番いいと思いますから、そういうふうにありたいものと考えます。しかしまた、時によっては今申しましたような別の理論もありますから、必要に応じて研究はやはりしておく必要はあるのじゃないか、かように脅えます。交通機関もだんだん発達して参りましたし、国全体としてそういうことも常に怠らず研究の対象にしておいて、そうしてまたいよいよそういう要請が起こって、彼比勘案の上でその方がいいということになれば、これも考えていく場合もなきにしもあらずと、かように私は考える次第でございます。
○高田なほ子君 大へん含みのある御答弁ですが、私はそれでは納得ができない。予算面の節約とか、人平の効率的な面、つまり足りない人員を配置する必要上統合していくというような行き方が、今の大臣の御答弁だと考えられないでもない。これは私は大へん重要な問題だと思うのです。私は、できれば僻村にも裁判所というものが置かれて、住民の人権意識というものに対応できるような態勢にしていくというかまえが必要じゃないか。そうでないと、裁判所の定員なんというものはいつまでたっても伸びないし、司法権の確立とか、法秩序の維持とか、そういうことが言われているけれども、どんどん予算の節約なんというようなことで統合するような方向にいくということについては、私は疑問があると思うんですが、まさかそういう意味で大臣はおっしゃったんじゃないでしょうね。予算を節約するから統合したいという、そういう意味でおっしゃっているわけじゃないんでしょうね。
○国務大臣(植木庚子郎君) いや、私の申し上げています意味は、そういう場合も時勢の変転によっては起こり得るかもしれませんから、一切いたしませんとはまあお答えいたしかねますので、先ほどお答えしたような次第です。しかし、先ほども申し上げましたように、さしあたっての問題としましては、予算あるいは人員のやり繰りのつく限り、仰せのように、できるだけ住民の利便ということを考えてやって参りたい。おそらく裁判所当局もそういう御意向であろうと思いますから、われわれもそれに賛成をして、そして善処して参りたい。ただ、あまりにもつまらぬ原則論を申し上げましたから、誤解を招いたかもしれません。
○高田なほ子君 未開庁の簡易裁判所は今幾つありますか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 現在未開庁の簡易裁判所は八カ庁になっております。
○高田なほ子君 なぜ未開庁になっていますか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 簡易裁判所の設立の法律によりまして簡易裁判所が設けられているのでございますので、当然これは開庁すべきことは申すまでもないことでございます。しかし、実際問題といたしまして、まあ適当な庁舎が得られなかったというようなこと、それからまた人員の上におきましても、十分にそういう方の手当ができないというような現実の制約から、今日なお未開庁になっている次第でございます。
○高田なほ子君 法務大臣、今の裁判所の説明でおわかりのように、司法権、人権尊重と、こういうような建前から、一応この簡易裁判所を設置する計画は立てられて、その通り進んできていますが、まだ全国で開庁されないところが八カ所あるという説明ですね。なぜ今開庁されないかというと、庁舎ができないとか、人員の配置ができないと、こういうことのために、せっかくの簡易裁判所の機能が発揮できないと、こういうような裁判所側からのお話が今ありました。この未開庁の問題は、前にも私当委員会で少しお尋ねをしている点でありますけれども、法務大臣は、この際この未開庁の簡易裁判所について、積極的に予算措置を講じて、裁判の活動というものができるように御努力いただけるという御答弁をもらえますか。
○国務大臣(植木庚子郎君) 御質問のその八カ所の簡易裁判所の未設置の問題でございますが、今、最高裁からの答弁がございましたように、それぞれ適当な敷地が得られないとか、あるいは庁舎が得られないとかいうのが、それぞれの理由になっておるようでございます。三十六年度の予算要求の際には、そうした事情が主になっておりまして、予算を要求するだけの段取りまでいっておらなかったということでございます。裁判所の予算は、御承知のように、裁判所当局で大蔵省といろいろな御相談をなさるのですが、われわれ法務省といたしましても、法務大臣の立場から、側面から、非公式ながらいろいろ御支援申しておるのでありますが、今回は、今申したような事情のために設立の予算を獲得するに至らなかったと、こういう事情でございます。
○高田なほ子君 私、法務大臣に今これを質問したのは、若干おかど違いの質問のように考えられたかもしれませんが、しかし裁判所というのは、閣僚会議も何もお出にならないんですね。で、予算の請求権にしても、それは内藤さんがちょこちょこ大蔵省を飛んで回るぐらいでは、失礼だけれども、ろくなことはできない。(笑声)御承知のように、今閣僚会議でも予算のぶんどり競争というような、しばしば指摘されているような臭気ふんぷんたる動きの中で、内藤さんがちょこちょこはね回っているぐらいでは、これはとうてい問題にならない。問題にならないところにこの裁判所の悲劇がある、こういうわけだから、まあ法務大臣は、直接裁判所の予算についてどうこうということはそれはないと思いますけれども、やはり法務大臣の貫禄において、もう少し裁判所の予算等について積極的に努力をしていただきたいものだと、こういうまあ含みを持っての私の質問ですが、御答弁いただいたように、今後御協力いただくということで、安心をいたします。 そこで内藤さんにお伺いいたしますけれども、この簡易裁判所の統合方針というのは、あなたいいと思っていますか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 簡易裁判所の整理統合の問題は、ただいま法務大臣がお答えになりましたように、私どもとしては同様に考えているわけでございまして、簡易裁判所の存在それ自体が、ある地域にとりましては重要な意義を持ちますことは、高田委員のお話の通りでございまして、たやすく整理統合すべきものとは考えられないのでございます。ただ問題になりますのは、先ほど法務大臣も指摘されましたように、交通機関が非常に発達いたしまして、交通の利便というものが従来と著しく変わって参りますというような事情、あるいはまた簡易裁判所によりましては、年間事件が非常に少ないという場所もございます。そういった点を考えまして、財政の効率的な使用というようなことから整理統合というようなことを考えられたわけでございますけれども、しかし高田委員が御指摘になりましたような、僻村というような場所における簡易裁判所は、これは当然廃止の対象、整理統合の対象には理論上ならないと考えているわけでございます。
○高田なほ子君 ちょっと事務的なことをお伺いしますが、この第三表の会津若松の高郷村は今度は喜多方の簡易裁判所に管轄がえになるようになりまして、大へんけっこうだと思います。けっこうですが、今まで若松の方の管轄区域で扱ったものが、今度は喜多方の管轄区域に入りますが、事件がやはりふえていくわけですね、この表で示されているように。事件が喜多方の方にふえてくるようになりますね。こういう場合には、あれですか、定員や何かについては事務的に異動するという方式がとられるのですか。
○政府委員(津田実君) ただいまのお尋ねのうちの一部について法務省からお答えいたしますが、従来会津若松簡易裁判所に係属している事件は、この法律の付則によりましてそのまま会津若松簡易裁判所で終結するわけでございます。これは付則の第二項にございます。将来起こる事件——この法律施行後起こる事件は、当然喜多方簡易裁判所に移るわけでございますが、その事件数につきましては、この資料にございます通り、まあ数で申しますと、この資料の二十一ページにございますが、民事事件について三十三年は年間三件、三十四年度はゼロ、刑事事件につきまして、三十三年が二十三件、三十四年が十二件という非常にわずかな数でございます。従いまして、おそらく裁判所の方では人員の異動等は御考慮になっていないだろうと思いますが、その点は具体的に裁判所からお答え願った方がよろしいかと思います。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) 裁判所の定員配置につきましては、大体二年目ごとに事件の多寡その他の事情を考慮いたしまして定員配置をきめているわけでございます。今回の喜多方簡易裁判所に管轄区域が会津若松から移りますこの問題につきましては、今後の事件数の推移を見まして措置いたしたいと存じます。
○高田なほ子君 もう一問お尋ねしておきますが、これは念のためです。この御船簡易裁判所の管轄から旧山西村は、今度熊本市の簡易裁判所の管轄区域になるのですが、これはあれですね、今まで旧河原村から御船簡易裁判所に行くのには、距離は二七・八キロ、所要時間が乗合バスで六十分、運賃が八十円、今度熊本簡易裁判所になると所要時間が六十五分になり、運賃が八十五円というように五円上がっていきますね。しかしまあ便利という点になると、やはり熊本がいいんじゃないかと思いますけれども、値段が高くなってしまって時間がよけいかかるようにわざわざ改正したということについては、どうもさっきのお話によると、熊本の方は地元の方からの要請ではなくて、上の方から計画されたようですがね、まさかこれは政治的な意味は含まれていないと思いますけれども、念のために、わざわざ時間をよけいかけて、運賃がよけいかかるようにどうしてこういうように改正したのか、私には疑問でならないのです。反対だといいのですけれどもね。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) ただいま御指摘の通りでございますが、これは旧河原村の中心部分といいますか、そこからの計算になっておりまして、バスの停留所は村内にたくさんありますので、それから見ますと運賃が熊本に近い方の人は安くなり、逆に熊本から遠い人たちは若干高くなるということになります。しかし全体から見まして、御承知のように熊本市と御船町というものの間におきましては非常に都市としての差があるわけでありまして、非常に熊本に対する依存度が高いという意味におきまして、熊本に出る機会が非常に多いわけであります。そういう意味を考慮いたしましてのことでありまして、村長はぜひともこういうふうにしていただきたい、こういう希望を住民を代表しておられました。そういうような事情から見まして、この方が適当だと考えております。
○高田なほ子君 以上です。
○後藤義隆君 現在、簡易裁判所でもって判事が全然欠員でいない所がありますか、どうですか。あれば何カ所くらいありますか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) ただいまのお尋ねでございますが、簡易裁判所の中で、併合配置と申しまして、他の庁と併合されて配置されておる庁、そういう庁が六十四カ庁ございます。
○後藤義隆君 併合配置というか、そうでなしに、現在そこの担当の判事がおるべき所が欠員になっておる所がありませんか。普通ならば簡易裁判所に一人の判事が常駐するはずのものが、欠員になって常駐しておらぬ所がありませんか。
○最高裁判所長官代理者(内藤頼博君) ただいまお答えいたしました趣旨は、簡易裁判所によりまして、簡易裁判所の一カ庁には必ず簡易裁判所判事が一名いるということでなくて、二つの簡易裁判所に一名の簡易裁判所判事を併合配置するという措置をとっておる。そういう意味において六十四カ庁が併合配置になっておるわけでございます。ですから配置はされておるわけでございます。 それからなお、今のお尋ねの中に含んでいると思いますが、簡易裁判所の判事の欠員がございますので、そういう意味におきまして、定員は配置されながら現在はいないということがあるわけでございます。これは簡易裁判所判事定員七百名、四十名の欠員がございますので、そういった庁が幾つかあると思います。 ——————————
○委員長(松村秀逸君) この際、の異動について御報告申し上げます。 大野木秀次郎君辞任、大泉寛三君選任。 以上でございます。 ——————————
○委員長(松村秀逸君) ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村秀逸君) 御異議ないものと認めます。 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。 別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村秀逸君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松村秀逸君) 全会一致でございます。よって下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の一部を改正する法律案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松村秀逸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(松村秀逸君) 速記を起こして。 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査の一環として、売春対策に関する件について、前回に引き続き調査を行ないます。 本件に関して、当局からは、法務省から植木法務大臣、古川政務次官、竹内刑事局長、大沢矯正局長、近藤経理部長、警察庁から町田参事官、総理府から佐藤総理府総務副長官、飯田審議室長、厚生省から太宰社会局長、翁生活課長、牛丸薬務局長、久万麻薬課長、労働省から高橋婦人課長の諸君が出席されております。 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○市川房枝君 文部省の社会教育局長は見えていますか。
○委員長(松村秀逸君) 文部省の社会教育局長は今来られました。
○市川房枝君 文部省の社会教育局長にお伺いしたいと思います。 売春防止法の実施が必ずしもよくできていないといいますか、あるいは現在の社会教育行政で売春関係が非常によくないということは、一方からいえば、性犯罪が非常に多いということもありますが、そういう関係で、やはり青年男女といいますか、あるいは国民一般に純潔に関する考え方が変わってきたといいますか、あるいは低下してきたと申しますか、そういうことも言われておりますが、純潔に関する教育は、学校教育でも行なっておりますが、まあきょうは学校教育のことは別にしますが、少なくとも青少年あるいは一般の成人の教育を担当しておられます文部省の社会教育局としては、その問題に対してどうお考えになっておられますか、それをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(斎藤正君) 私どもが担当しております純潔教育という問題でございますが、一口に言いまして、男女両性間の精神的あるいは肉体的な関係を正しくするということが純潔教育の内容というか、目標でございまして、いわゆる性教育というような領域よりも、もう少し広く考えておりまして、青少年自身の生活指導あるいは環境の整備という点、それからまた青少年教育者だけでなくて、青少年に接します成人の婦人あるいは家庭におきます父母、そういう方たちがどういうふうにこの正しい男女の関係というものを教え導くかということまで含んで考えておりまして、要するに健康で明るい男女の関係、明るくてしかも節度のある関係というものを打ち立てるように考えておるわけでございます。
○市川房枝君 そこで、そういうお考えをお持ちになっているとしたら、実際の行政の上でどんなことをなさっておられますか、具体的なことを伺いたいと思います。
○政府委員(斎藤正君) 純潔教育そのもののために一番端的にやっておりますことは、各方面で青少年自身がみずから学び、あるいはおとなの人たちが青少年を導くための資料といたしまして、先般来純潔教育に関する一つの有力な参考材料として資料を出しており、これは引き続き本年度内もさらに続けるつもりでございまするし、明年度もさらに角度を変えて新しいものを出して、そしていろんな社会教育の指導者に読んでいただきたいということを考えております。しかし、これは資料だけでございますから、そう大きな仕事ではございません。で、この問題はむずかしいことでございますから、一つのことをやって、すぐよくなるというふうに私どもは簡単には考えられない。そこで、やはり婦人学級でありますとか、それから青年学級でありますとか、あるいはいろんな民間の団体——婦人団体、青年団体等がいろいろな学習活動をなさいます際、そういう具体的なプログラムの中で、そういう問題をできるだけ正しく位置づけて処理していただくようにお願いしたい。かように考えております。
○市川房枝君 今資料を出しているというお話でございましたけれども、具体的にどういうような資料をお出しになっておりますか。 それからまた社会教育局でいわゆる純潔教育というものに対する予算は、どのくらいお使いになっておりますか。
○政府委員(斎藤正君) 三十六年度の予算といたしまして、資料のためのものは八十二万円でございます。従来出しました資料は、御承知かと思いますが、「性と純潔」これは主として中学上級生あるいは高等学校の生徒あるいはそれに相応いたしますところの年令層の勤労青少年を対象にいたしておるものでございます。 それから第二は「男女の交際と礼儀」というもので、これはもう少し広く一般の青年を対象にいたしたものでございます。 最近年度内に今まとめておりますのは、結婚前後の青年の対象のものをまとめるということで、これは主として母親のためのものという角度で現在京とめておりまして、近く公にできるかと思います。明年度におきましては、広い一般社会の中における純潔教育の問題とい5月度でやったらどうかということで考えておりますが、この資料の内容につきましては、専門家のいろいろな審議を経て決定されますので……。 現在のところはこういう方向で考えております。この冊子は大体百ページ前後のものでございます。引き続きそういうものを出していきたい、かように考えております。
○市川房枝君 今御説明がありました社会教育局が三十四年度にお出しになりましたそのパンフレット、「性と純潔」、「男女の交際と礼儀」というのは、私はここにいただいたのを持っております。これを高等学校の学生などにというお話でしたが、その八十二万円の予算で、一体どのくらいの数をお刷りになったのか、私は特に文部省にお願いをしてこれを実はいただいたのですが、ほかの委員の方々はこれをごらんになったかどうか、こういうものがあるということも、ほんとうはついこの間まで私は知らなかったわけでございますが、出ているには出ているけれども、これでどの程度先ほどからの御趣旨が徹底しているものか、少し疑問に思うわけでございますけれども、いかがでございますか。
○政府委員(斎藤正君) お手元にございます資料は、文部省で直接頒布いたしましたものは、三千部程度であったと思います。で、これはきわめて安い。これをもとにいたしまして、こういうものを複製しまして、社会教育を担当しておりますある団体が、これは三、四万かと思いますが、印刷して、きわめて低廉な価格で頒布いたしております。これは相当購入の希望がありまして、現在出ておりますものにつきましても相当はけておるような実情でございます。私どもといたしましては、文部省が全部の需要に対して無料で配付するということについては限度がございまするので、やはり都道府県の社会教育課、それに接触いたします団体のリーダーとかいう方々に対しまして、そういうものがあるということを見本を出して、できるだけ普及をし、そして幸いにしてこれがいろいろの社会教育の団体活動の中で学習のため用いられ、御希望がありますれば低廉の価格で頒布できるようにいたしたい、こういうふうに考えております。
○市川房枝君 この印刷物のほかに、婦人学級とか、いろいろな会合でお取り上げになっておるということを伺ったのでございますが、男子の方の青年学級といいますか、そういう方でもお取り上げになっていると思いますが、私ども、どの程度お取り上げになったかどうか承知していないのですが、そこで取り上げる要目の中に、純潔教育が入っているかどうか、そういう刷りものがありましたら、きょうでなくてもよろしいが、いただきたいと思うのです。文部省は、私どもが承知しておるところでは、終戦後は非常に熱心に純潔の問題をお取り上げになったと記憶しております。純潔教育の一つの委員会のようなものをお作りなすったようですが、最近そういうようなものは何もないのですね。
○政府委員(斎藤正君) 先ほど申し上げました資料の編さん等は、事実上の委員会でございまするけれども、一年中寄って、どういう角度で資料をまとめたらいいかということを御討議願っておるわけでございます。その中には、医学関係の方もおりますし、その他の面でこういう問題に御理解ある学術経験者をお寄り願っておるわけでございます。御質問のように、その委員会がなくなったということではございません。現在活動しておるわけであります。ただ、これは百ページ内外の冊子でございまするけれども、なかなか私どもが考えてもおまとめ願うには非常にむずかしい問題がございまするので、そうどんどん一年間にたくさんのものを出していくということは、これはお願いする方があるいは無理のことかもしれない。出しまするものといたしましては、毎年二冊程度のものを出していきたいというふうに考えております。
○市川房枝君 委員会のようなものがあるとおっしゃいましたけれども、それはちゃんと規定によった委員会でございますか。
○政府委員(斎藤正君) 終戦直後におきましては、社会教育に対する委員会がいろいろこまかくそれぞれの事項についてあったわけでございます。その後委員会の——これは社会教育に限りませんで、文部省その他におきましても、委員会の整備統合が行なわれまして、非常にこまかい目的を持った委員会を統合いたしまして、大きく社会教育審議会の中に統合いたしました。現在あります先ほど申し上げましたものは、いわばその部分で純潔教育に限って専門的にいろいろ起草していただくという委員会でございまするので、表面は違っておりますけれども、実際の仕事としては決して手を抜いておるわけではございません。
○市川房枝君 ちょっとはっきりしないのですが、社会教育審議会の中に純潔教育の専門の委員会があるとおっしゃるのですか。
○政府委員(斎藤正君) 正式の分科会等ではございません。これは社会教育の分科会の中で、たとえば視聴覚でありますとか、こういうふうに優良な映画を推薦する制度とか、そういうふうに非常に具体的な審査等の仕事をいたしますものは正式の分科会としては載っておりますけれども、純潔教育につきましては、そういう意味の分科会はございませんが、むしろ実際上資料をおまとめ願うという仕事を担当する方々を、専門家をお願いしているような現状でございます。
○市川房枝君 それじゃ委員会じゃないのですね。それは社会教育課で適当な人をピック・アップして、そうしてちょっと相談をかけるという、こういう程度と了解してよろしいのですか。
○政府委員(斎藤正君) 適当にピック・アップしてちょっとお願いするというふうにおっしゃられますと、実際のやり方と違いますけれども、これはまあおっしゃる意味が、設置法に正式に純潔教育委員会として載っているか載っていないかというお尋ねでございますれば、現在そういう委員会はございません。しかし、社会教育の全体の中で当然にそういう問題は考えるべきことであって、審議会といたしましては、特別のものを設けなくても、私ども現在のように専門的な資料を用意いたしますために学識経験者を委嘱して審議していただき、執筆をお願いするということで義務を果たせるものと考えているわけでございます。
○市川房枝君 これは大へん失礼な言い分ですけれども、私の印象を申し上げさせていただけば、文部省は純潔教育に対しては、あまり御関心を持っておいでにならないという実は印象を受けるわけなんです。先ほどそれは大へん責任があるようなお話でしたから、これから先ですね、今後今までのようでなくて、もっとこの問題と真剣に取り組んでいただきたい。やはりこの問題が一番根本の問題なのではないか、そういう意味で文部省の社会教育課に期待を持っているわけなんですが、実は文部省は内閣にできておりまする売春対策審議会に、担当官庁の一つとして、次官が委員にお出になっているはずだと思うのですが、そうですね。
○政府委員(斎藤正君) 次官が委員に私はなってないのではないかと思うのでございますけれども……。失礼いたしました。ただ、私は幹事として私どもが参加しているというふうに考えておりましたものですから……。失礼いたしました。
○市川房枝君 たまたま不熱心なことが暴露したわけですが、委員におなりになっているのだけれども、私が拝見している限りでは、委員会においでになったことはない気がするのです、文部次官は。そこで、局長は幹事でおいでになるわけですね、けれども局長もあまりお出にならないので、課長がお出になるか、あるいは課長補佐がお出になるのじゃないですか。私その印象からも、ほんとうは文部省は非常に不熱心だという感じを一つ持っているのです。それからもう一つ売春対策審議会の関連で申しますと、売春対策審議会が、関係官庁の予算を毎年売春関係のを、ずっとお書き上げになって御配付になっているのです。まだ三十六年度の決定したものをいただいておりませんけれども、要求予算のときにいただいているのですが、それを見ますと、文部省は入ってないのですよ。さっき純潔教育のための予算が八十二万円おありになるとおっしゃいましたけれども、私それはまあ文部省の方のあれなのか、審議会の手落ちなのか、どっちかと思いますけれども、文部省はその予算の面で落ちているのです。だからそういうこととあわせて、私は、どうも文部省のこの問題に対する態度に不満を平生から持っているのですが、私が間違っておれば大へんけっこうなんでございます。で、今のような、性の問題がこういうように乱れてきているということは、何も文部省の責任だとは思いませんけれども、いろいろな問題、原因が重なってこういう状態になっているのですが、一つにはやはり文部省が社会教育の面において、こういう問題に対しての熱意を持っていて下さらないということが、やはり一つの原因といってもいいんじゃないか。その意味においては、文部省は私は責任をやっぱり幾らかおとりをいただかなくちゃならないと、こう考えておりますが、いかがでしょうか。それに対する御感想を伺いたい。
○政府委員(斎藤正君) これはちょっと私見にわたるかもしれませんけれども、文部省として、青少年問題でありますとか、あるいは婦人の問題でありますとかを担当いたします場合の態度でございまするけれども、やはり私どもは、いろいろ文部省の仕事の性質からして、いわば対症療法のようなものを担当するのではなくて、やはり教育の基本といたしまして、まあ人間の形成の上でどういうふうに性の問題を取り扱うかということの考え方が、どうしても主になってくる。私どもは、なるほど純潔教育なりあるいは今お話の売春対策という名目の予算を組んでないというお話でございましたけれども、私どもが従来いろいろな公の機関でやりますところの社会教育、青年、婦人のいろいろな講座にいたしましても、学級にいたしましても、あるいはいろいろ府県の段階で実際援助いたしますところの団体活動の助成等は、それがやはり私どもはほんとうの意味のそういう問題の解決の基本ではないかというふうに考えているのでございます。これは単に婦人の問題だけでなく、私どもが青年の問題を社会教育の面で取り扱う場合にも、私はそういう基本的な態度を持っているわけでございます。
○市川房枝君 文部省社会教育局は、青年男女の性の問題に対する考え方といいますか、そういうものを御調査なすったことがありますか。そういうものの参考資料というものをお持ちになっておりますか。
○政府委員(斎藤正君) 私どもが現実にそういう性犯罪でありますとか、具体的な事象を調査することはございません。それは、私は関係方面の資料を拝読して、私たちの資料というか何というか、施策の参考にいたすことがよいものと思います。ただ、青少年のいろいろな社会的な意識でありますとか、そういう問題の関連では、私どもは研究機関でございませんで、直接はやっておりませんけれども、教育研究所等で、これはかなり地道に長い期間をかけて青少年の意識の調査等を行なっております。それから先ほどもお話に出ましたように、たとえば青年学級の大会等をやって、その実際の討議等を見ておりますと、農村の青年の対象等の場合にも、いろいろこれは、単に現在乱れているか、あるいは乱れているように見えますその性関係というものよりは、もっと広く、青年の男女の交際の方向だとか、あるいは配偶者の選択の問題であるとか、そういうふうなことは、かなり実質的に討議の材料になっているように私は聞いております。
○市川房枝君 もう一つ。 文部省が純潔教育をお取り上げになる場合に、基本はやはり青少年男女の現状、性に対する考え方がどんなであるかという具体的な数字といいますか、調査といいますか、そういうものがなければ、対策というか、的確な対策は立たないのじゃないか。で、性犯罪のことはもちろん文部省の所管外であって、それは法務省とかほかがやるべきである。あるいは売春婦そのものに関する調査は、これはほかの官庁がするけれども、そうでなくて、一般の青年男女というもののいわゆる性に対する考え方というようなものは、私はそれはやはり社会教育局の当然の所管の中と思うのです。だから、それはほかの問題等の調査の中で出てきてかまわないと思いますが、そういうものをお持ちになっておるかどうか。お持ちになっていたら、私どもそれを拝見したいと思うのですが、いかがでしょう。
○政府委員(斎藤正君) お話のような方面のデータは、ただいま持っておりません。ただ私どもは、今年度でももう少し広い角度から、たとえば最近におきます市街地におきます青少年の実態、余暇の活用とか、そういう面の調査の中で、あるいは青少年が余暇を利用する場合に、学習の態度なりあるいは娯楽の態度ということで出てくるかということは、現在のやっております調査で、相当数のものをサンプルとして選びますので、あるいは一つの判断の材料になるかもしれませんが、性の意識とか、そういう面の調査は、間のような意味では、現在持っておりません。
○市川房枝君 今の御答弁はちょっと不満なんですが、とにかく青少年教育は範囲が広いのですから、いろいろな問題があると思うのですけれども、その中のやはりこの問題は非常に重要な基礎的な問題の一つなんです。こう考えますので、そのほかのやったついでといいますか、まあ今の余暇の善用、これは非常に必要なんですけれども、その余暇の善用という主題目のもとで、この問題もちょいと出てくるというふうな副次的な考え方でなくて、私は、やはりこの純潔教育なら純潔教育というか、青少年の性の問題に対する考え方が、現状はどうかという点で、この問題はこの問題として取り組んでいただきたい——いや、いただくべきであると、こう思うのですが、これはまあ一つ今後の問題として、もう一ぺんこの問題を考え直していただいて、やっていただいて、そうしてまたその結果を一つ伺いたいと思いますが、まあ一応私文部省に対する質問はこれで終わります。
○赤松常子君 関連いたしまして。 ただいまの市川議員の御質問にちょっと関連いたしまして、社会教育局長さんの御意見を伺いたいと思うのでございます。今いみじくも局長さんがおっしゃいました、文部当局の社会教育を担当する場面は対症療法ではない、売春問題に対しては対症療法をするのではないと、いみじくもおっしゃったのです。ほんとうにその通りなんで、売春防止法は現象的な問題をとらえて、これに対する対症療法的な行政なのでございますが、もっともっと根本的な大事な点は教育にあると思うのでございます。一番大事な社会教育を担当していらっしゃいます局長さんの先ほどからの答弁を伺ってみますと、一体どうでございましょうか。最近の社会の風潮ですね、売春防止法が巻き返しにあっている。また、しばしば今話題に出ました性の問題が非常に乱れておる。こういうことを総括的に一つごらんになりまして、社会教育局として、何かこれに対しての根本的な対策をお立てになったことございますでしょうか。こういう風潮を一つ取り上げて、関連して、そうしてこれを社会教育当局として一つ一貫した方策を討議する、あるいは取り上げて一つ考えてみようということがおありになったでしょうか。
○政府委員(斎藤正君) 先ほど申し上げましたように、私どもが社会教育で担当しております青少年、あるいは婦人教育の面で、いろいろな問題と一緒に、やはり男女の正しいあり方ということを、それぞれの人が自分で考えるという方向で指導すべき問題だと思うのであります。そうしてそれじゃ一体何を、どういうプログラムを現実に組んだらいいかということは、これは私ども簡単に言えない問題でございますので、それはやはり団体のリーダーたちがそれぞれ検討もなされましょうし、また、私どもも婦人団体、ことに家庭教育の面等におきましては、できるだけ婦人団体の研究集会等があります際には、そういう問題も一つのテーマとして取り上げていただきたいというようにお願いもしておるわけでございます。今、現在の事象についてということでございますが、私は青少年自身のいろいろな自主的な活動の中で、できるだけ援助を与えていくとともに、やはり性の問題に関しましても、あまりにも露骨な、しかもそれは何も青少年を相手にして出されたものでなくとも、広くやはり青少年の目に映ったり手に触れたりして、悪影響を及ぼすということもあろうと思いますので、そういう方面のやはり材料を提供される方も十分に節度を持って自粛をしていただきたいと思うのであります。まあ具体的に、私どもが担当しておりますことで、そういう材料の問題について何があるかといいますと、たとえば映画の問題等につきましては、できるだけ青少年の一般の教育に役立つ、あるいは社会教育のいろいろな材料にし得るようなものでいいものを選定いたしまして、そうして一般の映画館に、できるだけこみにならぬように、早朝興行という形で、勤労青少年の場合もありますし、生徒の場合もありますけれども、日曜等を利用いたしまして、文部省と父兄が両方持ち持ちで、早朝興行という形で、できるだけ教育的な、あるいは少なくとも教育上害のないようなものを見せるような方向をとっておるわけであります。テレビにつきましては、私どもといたしまして、主として問題児に与えるテレビの影響等につきましては、法務省あるいは家庭裁判所等の専門家の御協力を得まして、問題児とそういうマスコミ等の関係につきましては、数年来調査を続けておりまして、引き続き明年あるいは明後年も、特に問題児等に限りましては少し幅を広めまして、その影響の度合い等について調査をいたすことを計画しております。
○赤松常子君 総合的にこういう問題をまとめてお取り上げになったことはないというふうに私ども解釈いたしまして、非常に私残念に思っております。この前、社会教育費を相当計上なさいましたときに、ちょっといろいろな論議がございましたことも局長は御承知だろうと思うのでございますが、その使途につきまして、私ども実に不明瞭な点を一応追及したことがございましたわけです。今度も社会教育費は相当増額されておりますが、それの使い方ですね、使途が、いろいろ聞いてみたりいたしますと、やはりこの団体助成という名目で婦人団体などに出されている、私いい意味において公平にやられればいいと思うのですけれども、そこに何か私ども納得のできない使い方をしておいでになる、こういうように社会教育費の使途が、今伺ってみますと、純潔教育に八十数万円、三十四年度にパンフレットをお出しになっただけに使われているという程度でよろしいのかどうかということを、非常に私ども疑問に思っておるわけでございます。もっとこういうところにも、今おっしゃいましたように映画の問題も必要ですけれども、ただあれを見てはいかぬ、これを見てはいかぬというのでなくて、文部省自体が性教育のすっきりしたいい映画を積極的にお作りになっておるのかどうか。このパンフレットだけでなく、もっとそういう広く教育材料を文部省自身が手がけてお作りになって、それにこの社会教育費が使われていればいいのでございますけれども、どうも私はそこに納得のいかない点を感じている次第でございます。もっと社会教育費の使い方、これに対して今申しますこういう問題に、どのくらいのパーセンテージを取っておいでになるのか、将来どうしようとお思いになるのか、その点お聞きいたしたいと思います。
○政府委員(斎藤正君) 社会教育の予算が年々増額しておることは御承知の通りであります。それで、何を重点にやっておるかと申しますと、第一点は、社会教育のいろいろな施設でございます。これは本年度は特に公民館等は倍近く補助金を出しております。現在の社会教育の実態から見まして、これは地域におきます婦人団体にいたしましても、青年団体にいたしましても、その活動の場所というものが不足しておることは事実でございます。これを与えて、できるだけ年次を追って拡張していくということが一つ。これは重要な問題でございます。 それから第二は、ことしは青年学級の予算、勤労青少年の教育、特に都市にありますところの青年学級というようなものをできるだけ拡充いたしまして、勤労青少年に少しでも教育の機会を多く与えるということを主眼にいたしました。 それから第三点は、社会教育の重要な一つでありますところの指導者の養成の問題でございます。この指導者の養成につきましては、公の機関におきますところの社会教育主事というようなものの養成、あるいは研修等を進めますとともに、各種の団体のリーダーの方々が相互研修の機会を得るための研修費、あるいは会合費等の援助をする経費というものがあるわけでございます。 私どもは、社会教育の方向といたしまして、やはりできるだけリーダーの資質を向上する、それから社会教育の場としてのいろいろな施設の整備をする、それから現状におきまして、青年学級、婦人学級等市町村の段階であります教育の機会というものをできるだけ拡充していく、この三点を主にして予算はできたのでございます。私は、その方向は現在の社会教育の実情から見て適当であるというふうに考えておるわけであります。
○赤松常子君 それじゃもう一つ、ほんとうにお願い申しておきます。今対症療法でないというそのお立場から、最近の社会の風潮、売春の問題のその対策に対しまして、もっと社会教育局の当局といたしまして、総合的にやはり問題をお取り上げになりまして、もっと御熱意のある対策をお立ていただきたいと、私特にお願い申しておきます。
○高田なほ子君 せっかくお見えになりましたから、ちょっと関連してですが、三点だけ質問しておきます。 伺っていますと、大体空気でわかります。あまりいいムードではないようです、この空気は。私は純潔教育についての八十二万円の予算を計上されたことについては承りましたが、この八十二万円の予算きりないから仕事ができないのか、また純潔教育そのものについての計画性が立てられないために予算が取れないのか、こういうところに疑問を持ちます。純潔教育を普及するということは、売春防止法が制定されたときからこれも問題になっておって、いろいろその計画はおありだろうと思いますけれども、その計画を一つ資料か何かでお示しいただけるようにこれはお願いをしたいのです。ここで即座に御答弁ということも無理かと思いますから、一つ計画を示したものを資料としていただきたい。これが一つです。 それから社会教育の予算が増加したことは、私ども喜ぶべきことですけれども、純潔教育普及の上で当時から非常に問題になっていたのは、純潔教育の普及に必要な指導者の養成、このことはずいぶん前から問題になっていたところです。今、社会教育の指導者の養成、つまり指導主事、これの養成にはずいぶん一生懸命になっておるようですけれども、純潔教育のいわゆる指導者についての養成はどういうふうにやられているのか、これが二つ目です。 それから三つ目は、あまりこの調査だか何かはできないようですけれども、現在の中学校の教育の中で、健康に対する学習という問題は、文部当局でも基本的にこれを進めているようです。その中で純潔教育も当然取り上げることになっておるはずだ、取り上げることになっている。しかし、実際には、そこを取り上げられていないというのが実情ではないだろうか。なぜ計画はありながら実際問題として直接その中学校の学習の中でこういう問題が取り上げられないのか、私はこの点に大へん疑問を持っておりますから、これにまあお答えをいただきたい。 それから一応文部省がお出しになっている資料は、青少年向きの録音教材など、純潔教育の問題を取り上げているようですが、「異性と恋愛」望月衛さん、「結婚観」宮城音弥さん、「青年と交際」坂西志保さん、同じく「青年と交際」亀井勝一郎さんと、こういうようなメンバーがあがっておりますけれども、純潔教育でもっと適当なメンバーがほかにおるように私どもには考えられますが、こういうメンバーについては、何か文部省の方でいろいろ用意されておるわけですけれども、の交際、先ほどのパンフレットを拝見いたしますと、大体まあいつも出てくるメンバーばかりで、あまりへんてつのないようなメンバーがそろっているようですが、何か文部省にはメンバーの基準といったようなものがあって、もっと新しい青年の心にピンとくるようなリーダーというものはメンバーの中にないものか、そういう点にも私は少し疑問を持つのですが、ここでは意見を言いませんから、私の質問にだけ簡単でいいですから要領よく答えて下さい。
○政府委員(斎藤正君) 指導者養成につきましては、社会教育主事の養成だけではございませんで、あらゆる分野、公民館の主事でありますとか、あるいは視聴覚教育担当の指導者でありますとか、あるいは青少年団体、婦人団体、あらゆる部門の、あるものは養成、あるものは相互の研修の機会というものを持っております。特に御指摘の純潔教育のための指導者というものは考えてはおりません。しかし、先ほど申しましたように、やはりこれは基本的な問題でございまするので、青少年なり婦人なりの団体活動のその中で取り上げられていいことであろうというふうに私どもは考えておるのでございます。 それから第二点の中学校の問題でございますが、恐縮でございますが、私、ちょっと所管が違いますので、お答えいたしかねます。
○高田なほ子君 お答えいたしかねるのでしたら、いたしていただかなくてもけっこうですが、中学校の保健の学習の内容の中に、いろいろこの中で純潔教育を行なうと、こういうようなことになっている。実際にはそれをやられておらないわけですね。ですから、あなたから今御答弁ができないということであれば、実際やられているのか、いないのかということを、先ほどからまあ皆さん口をそろえて聞いておられる。はっきりいたしませんから、私、重ねてまあ関連質問をしたわけですが、何か私の質問に対する資料みたようなものをいただくことができるかどうか。これが一つ。 それからもう一つは、指導主事だけを養成をするんじゃない、そのほかにもいろいろそういうことを養成しているので、特に純潔教育についての指導者の養成は考えておりませんと、こういう御答弁です。ここが問題のところじゃないですか。当時、純潔教育を普及させるということの中で一番問題になるのは指導者だ、その問題点の解決のためにこれは努力しなければならないのだということは、ずいぶん論議せられた点だと思うのです。かつて、私も文教委員会でこういうことは議論したように覚えております。しかし、今伺うと、全然計画もなければ、そういうことをやる必要もないというような印象にとれる御発言があった。これはまずいと思います。純潔教育の指導者というのは、ずいぶんむずかしいから、一朝一夕にできないにしても、「考えておりません」というのじゃなくて、考えておる、今後努力する、こういうふうに答弁を私はし直していただきたい。そうでないと、私はもっと質問を続けたくなります。
○政府委員(斎藤正君) 私の答弁がまずかったと思いますが、「考えておりません」というのは、決して純潔教育についてもそのリーダーが必要でないという意味で申し上げたのではないのでございます。やはり純潔教育につきましても、具体的にはやはり青少年や団体、そのための専門家ということでなくて、各いろいろな分野のリーダーたちがその問題について関心を持って、そうして日常の指導に当たるということが必要であるという意味で、私どもは特に純潔教育指導者という名目において予算を計上していないという意味で申し上げたのでございますので、その点、私の言い方がまずかったようでございましたら、その点は釈明さしていただきたいと思います。
○高田なほ子君 言い方が悪いようでしたらじゃないですよ。純潔教育には、純潔教育を指導する人材、そういうものが大へんやはり問題になるわけです。何でもない者が下手な純潔教育をされると、かえって逆効果になるような場合もある。ですから、純潔教育を普及させる上でどうしても大切なことは、これを指導する人の問題だということで、今後当局としては、その養成、それらの実際に行なう面で努力をしたいということは、従来からの文部省の方針だったわけなんです。ですから、答え方がいい悪いの問題ではなくて、今後一つ純潔教育の指導者の面について、どういうふうに考えていったらいいかということについては、十分に研究をしていただきたい。それはできますね。
○政府委員(斎藤正君) 先ほどお話のありました指導をどういうふうに今後展開したらいいか、あるいは指導の面でどういう工夫をさらにこらすべきかというような点につきましては、専門家の集まりもございますので、十分御相談の上、検討して参りたい、かように考えます。
○高田なほ子君 八十二万円の計画内容の資料はいただけますか。
○政府委員(斎藤正君) その八十二万円の使途につきましては、資料を後ほど差し上げます。それから本年度の問題につきましては、間もなく稿がまとまると思いますから、まとまりましたらお目にかけたいと思います。
○高田なほ子君 ついでに、大へん失礼なことになりますけれども、文部省は青少年不良化防止対策費というものが三十一万円、去年は三十万円でしたね、それと社会教育というものはどういう関連を持ちながら運営されておるものですか。これもあまり何か説明は、にわかですからむずかしいと思いますが、何か資料をいただけたら……。ちょうだいできますか。三十一万円の使い方。
○政府委員(斎藤正君) 資料は差し上げますけれどもこれも、先ほど私が御説明した中にあるのでございますが、従来、標準経費として不良化防止という名目で特定の子供会等の問題も入っておりますけれども、私どもは青少年の不良化の問題につきましても、社会教育としてどういう態度で全部を考えるかということの場合に、先ほど申し上げましたように、私どもはできるだけ教育の場の少ない勤労青少年に教育の場を与えて、その指導者なり、具体的なプログラムの展開が向上していくようにということ。それから、そういういろんな活動の場所を与えるということを主に考えており、それからその必要な教材教具といたしましては、これは先ほど御指摘になりました録音教材もその一つでございまするし、映画もそうでございまするし、あるいは通信教育等でそれをカバーするという方法もあわせて考えますので、その三十一万円が、何か現在の事象の、不良青少年の現在の趨勢に対する経費であるというふうにお考え願うと、きわめて少ない額だというような感じをお受けになるかもしれませんが、私どもはそういうふうには考えておらない。もう少し広く、青少年の問題について社会教育という面で対しますのは、もう少し広く考えたい、こういうふうに考えております。
○高田なほ子君 もうお気持のほどはよくわかります。わかりますが、どうも、去年も青少年不良化防止対策費というのが三十万円で、ことしは少しふえたというようなお話ですから予算を見たら、一万円ふえています。そこで、どうも私のような常識人は、わが国の青少年に対する不良化防止対策費なるものが文部省で三十一万円というのは、けたが間違ったくらいにきり思えない。ですから、よその人様に聞かれても、お前は議員に出て何やっていると言われても、三十一万円どう使うのか聞かれても、私は答えようがない。だから三十一万円というのはどういうふうに使われているのか、一つ念のためにその使い方を私どもに資料としてちょうだいしたい、これだけのことです。
○藤原道子君 私も関連でお伺いいたします。私たちは売春防止法ができたときに、これは刑罰でなくて指導と教育でなるべく効果を上げるんだというようにいろいろ伺ってきた。またそう信じていた。従って、社会教育の面で果たす役割は非常に大きいと期待していたわけなんです。ところが、私は売春対策審議会に出ておりますけれども、文部省の御出席が一番悪いわけです。それから先ほど来の皆さんの御答弁を伺っておりますと、非常に今度は社会教育の面の予算がふえて、その使途は、婦人学級とか青年学級を拡充強化する、ここに重点をおいていられるらしいし、また、その指導者の養成だという御答弁でございました。私、各地を回ってみましてたまたま耳にすることでございますが、婦人学級において、青少年の性犯罪がふえてきた、これは良家の子女を守る意味からいっても、売春防止法というものが大きな影響を与えているんだと、さながら売春防止法があるから青少年の犯罪がふえて良家の子女が非常に危険になるというような趣旨の指導がなされている。そこで、社会教育局長さんですか、の御答弁を伺っておりますと、純潔教育の面においても、あるいは直接売春関係においても、非常に何だかあいまいなように私には聞けるわけです。一体、この婦人学級の指導の方針、これらについて、そういう意思が流れておるかどうかを伺いたい。あなた自身が、また売春防止法ができたから青少年の性犯罪がふえたんだとか、あるいは売春防止法ができたから非常に良家の子女が危険になるというようなお考えをお持ちでございましょうか、率直にお答えを願いたいと思う。
○政府委員(斎藤正君) 私どもは、先生が地方でお耳にしたような意味の指導は毛頭いたした覚えはございません。私は、各段階の指導もそのような指導をいたしておらないと思います。私どもは、青少年のいろいろ起こります問題について、これが原因等はいろいろ複雑な問題があると思います。私どもは、青少年が困窮した状態におきましても、あるいは、いろいろ繁栄した中でも、これは形を変えていろんな角度で青少年の問題が出てくることは、世界各国のいろんな事例を見ましても明らかでございます。その原因が一つ何だというような考え方をいたしたことはないのでございます。私どもは、先ほどから申し上げますように、青少年に対しましてできるだけ教育というものの機会を与えるということと、それから、これはどういう教育の制度が完備いたしましても、教育制度という型では、なかなか青少年の人格の形成というものに十分ではない。そのためには、やはり教育の形態をはずれて、相互にリーダーとして年少者を誘導する、あるいは相互に切礎琢磨をするというような機会の団体活動というものが活発化するということが、私は一番いいんだという考え方で指導をいたしているわけでございます。
○藤原道子君 私は婦人学級等に対する指導のあり方といたしまして、非常に偏向しているように思うのです。これはどういうふうな基準で婦人学級を運営していらっしゃるのか、その講師等の選定等についての基準ですね、こういうものがおありになるのか、どうか。 それから、あなたは幾らそういうことはやっていないと言っても、現にそういうことが行なわれている事実があるのです。ですから、もしそういうことでないお考えならば、国が定めた法律なんです。青少年にとっても、今後の日本人の健康から見ましても、非常に重大な問題でございますから、やはり社会教育がもっとふんばってかかっていただかなければならない、売春撲滅について。それについてのあなたのお考えなどもあわせてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(斎藤正君) 婦人学級の講師がかくかくでなければならぬというような指導をいたしておりません。社会教育の特色といたしまして、学校教育と違いまして、プロフェショナルなリーダーというものがなければ、いかぬというものではございません。現実に行なわれております婦人学級も、その婦人学級が取り上げますのは、一般教養のものもございましょうし、あるいは農村等でございますれば、営農関係あるいは消費生活、いろいろな問題を取り上げて、それに適当な一般の社会人の余暇をさいて使用していただくということでございますので、どういう講師が現実に選ばれるかということは、もう個々の市町村の開設いたします婦人学級担当者の考えというもので処理されているわけでございまして、どういう者がいるかと一口に言われましても、現実に参加いたしております人員が二百七十万、補助の学級だけにいたしましても千五百に余る学級でございますので、それがどういう人がなったかということを私ども具体的に計数で扱っておりません。いろいろな典型的な事例の講師等は私どもは承知しておりますが、お話のような意味で婦人学級の内容が偏向している、選択に傾向として誤りがあるというふうには、私どもは判断いたしておらないのでございます。 それから第二点の問題につきましては、先ほど申しましたように、純潔教育の意味におきまして、男女の関係の精神的にも肉体的にも正しい、そうして明るい節度のある関係をできるだけ実現するようにするという趣旨で今後も努力して参りたいと思っております。
○藤原道子君 婦人学級の講師については自由な選択にまかされているような御答弁ございましたが、そうでない、ある種の事例が出ているということ、あるいは社会教育課の制約があるというような例がございますので、これはここではあまり追及すべき問題でないと思いますので、委員会を改めて伺いたいと思います。ただ、私がこの際お願いしておきたいのは、売春対策審議会といたしましても、この売春問題で非常に頭を悩ましている、だんだんに予算等も削られる傾向なんです。こういうときに、どうせこの売春防止法は廃止になるんだというような宣伝さえされているときに、私たちはこれをどうしても守って、気の毒な女性を救い、そうして日本の風紀を直していきたい、性のモラルを確立したい、こういう非常に苦労をしているときでございますので、社会教育として非常に大半な面を担当しておられる文部省が、いつの審議会にもほとんど次官どころではない、局長さんもおいでにならないという、こういうことでは、文部省が非常に不熱心だ、冷淡だと言われても、私は、答弁のしようがないと思う。今後はそういうことのないように、関係各省と連絡をとって、もっと真剣にやっていただきたいということを強く要望いたしまして、私、文部省に対する質問はこれで終わります。
○市川房枝君 売春対策審議会の事務を担当しておいでになります総理府の総務副長官おいでいただいておりますので、ちょっと伺いたいと思います。先ほど文部省に対して伺いましたときに、売春対策審議会に文部省の出席がよくないということのまあ事実を知りたいと思いまして、実は審議会に電話をかけて、最近二年ないし三カ年間における審議会の出席表を一つ見せていただきたいということをお願いをしたのですが、ところが出席表はとっていない、事務としてメモはとっているけれども、とっていない。それから会議録もとっていない、こういうお話を実は伺ったのでありまして、それで、一体審議会というものはそういうものなのかどうかと思いまして、幾つかの審議会に実は電話をかけて調べてみたのです。社会保障制度審議会に電話をかけて聞きましたら、出席をとっておる、会議録もちゃんととっておる。それから同じ内閣の青少年問題審議会に電話をかけましたら、これもそうだ。それから地方制度調査会、自治省ですが、これもそうだ。それからユネスコ国内委員会も聞いてみましたら、やはりとっておるのです。それで、どうして売春対策審議会だけがそうなんですか、それでいいのですか、それをちょっと伺いたい。
○政府委員(佐藤朝生君) ただいま出欠の件と議事録の件、お尋ねございましたが、出欠の点は、ただいま、事務の者はそう申したかもしれませんけれども、出欠の点については売春対策審議会もとっておるものと存じております。議事録の点につきましては、委員会によりましては速記等を国会の委員会と同じようにとっているところもございますが、売春対策審議会におきましては、おそらく要領筆記で議事録を作っておるものと私は思っております。
○市川房枝君 そうすると、事務当局の方から私が伺ったのは、それは間違いなんですか。出席も会議録も委員会としてはとっているのだ、とるべきだということと了解してよろしゅうございますか。
○政府委員(佐藤朝生君) 民間委員の出欠につきましては、これは日当の点等もございますから厳重にとっておると思いますが、官庁関係の委員につきましては、厳重にとっておるかどうか、これは私ちょっと存じませんけれども、大体出欠は明らかにしていると思います。
○市川房枝君 それではこの次にお願いしましたら見せて下さいますね。私さっき申しましたように、官庁で次官が正式の委員になっても、差しつかえがあって局長がおいでになる程度までならがまんできますけれども、課長ないしは係長補佐がおいでになっているというのじゃ、委員会に対する関心が薄いといいましょうか、また、売春対策審議会そのものの権威のために、やはりそれは尊重されるべきだと考えられますので、適当な機会に出席簿を見せていただきたいということをお願いを申し上げておきます。 それからこの間、二月十六日の朝日新聞に、「政府も知らぬ〃委員族〃の実態」という記事が出たのですが、これは衆議院の議運の委員会で問題になったことが出ておるのですが、これはだいぶ一般の人達の関心を呼んだとみえまして、私、だいぶいろんな人達から政府の委員というものはいいものですな、ということを言われるのですが、ほかの委員会は別として、私が自分で関係を持っておるのは、売春対策審議会だけなのでありますが、この委員会の、もちろん議員は手当はないことは承知しておりますけれども、いわゆる委員に対する手当といいますか、どのくらいでございますか。
○政府委員(佐藤朝生君) お尋ねの委員の手当でございますが、売春対策審議会は、現在までは会長の方は一回お出になりますと千二百円、委員の方は一回お出になりますと千円というふうになっております。これは実はこういう諮問的な委員会、審議会等につきましては、大蔵省の予算の積算が大体会長は一回千円、委員は一回八百円となっております。その総額の範囲内で運用いたしまして、総理府におきましては審議室に二十有余の委員会がございますから、それの権衡を保つ必要がございますので、大体会長につきましては月千二百円、委員につきましては月千円としております。決してこれは十分であると申せないと思います。御承知の通り一般職の給与法におきましては、こういう審議会、委員会の委員の手当につきましては、一回につきまして四千五百円という制限がございまして、その範囲内で人事院の承認を経た額というふうになっております。二千五百円までは大体抱括承認ということになっておりまして、その範囲内で各省がやっておると思います。われわれといたしましても、これは大蔵省の統一的な予算単価の問題もございますが、その問題につきましても検討を加えますとともに、また予算の運用におきましても将来考えたいと思っております。
○市川房枝君 まあ一応の規定が、委員長が千二百円ですか、委員が千円というお話でございましたが、私、売春対策審議会の委員の方々は、まあ非常にこれはむずかしい問題といいますか、あるいは、ときにはいわゆる反対者からの暴力といいましょうか、身体に危険も感ずるような場合もあるわけなんでございます。この問題がそういう性格であるとすれば、もう少しこれをよくするようにすべきではないかというふうに考えるわけでございますが、さっきお話のように、まだ総理府といいますか、政府の考えで上げられるのですね。四千五百円までですか。
○政府委員(佐藤朝生君) ただいまお話しました通り、四千五百円の最高制限でございますが、予算の積算は先ほど申し上げました通り委員長は千円、委員八百円になっておりますが、各省におきましてはいろいろ予算の中の運用によりまして、それよりもたくさん出しているところもございます。ただいま売春対策審議会の委員につきましてお話がございましたが、われわれ審議室におきまして、先ほど申し上げました通り二十幾つかの委員会がございまして、どの委員会が重要であるか、どれが重要でないかという判断を下すのも非常にむずかしい問題でございますが、売春対策審議会の重要性はよく存じておりますので、将来よく考えてみたいと思います。
○市川房枝君 まあ今の手当の問題は、結局、私どもが承知しております売春対策審議会に対する予算で見当がつくわけなんですが、予算は今度は少しふえたといっても四十七万五千円ですか、来年度ですね。本年度より七万円程度ふえているのです。一体四十七万五千円の内訳はどうなっておりますか。その中に今の委員の手当も入っていることはわかりますけれども、ほかは何にお使いになっていますか。内訳だけ一つ。
○政府委員(佐藤朝生君) この前の法務委員会におきまして、予算のお話がございました。われわれといたしましても大蔵省当局といろいろ折衝いたしまして、ただいまお話の通り四十七万円に来年度予算がなっておりまして、今国会に提出しているわけでございますが、今度増額いたしましたのは、委員の方々が実地を調査される旅費でございます。先日この委員会におきましても、旅費の点につきましてもお話ございましたが、私ども予算折衝をするにいたしましても、旅費の点に重きを置いて折衝いたしました関係上、非常に少額で申しわけないのございますが、七万円だけ増額したわけでございます。委員の手当につきましては、先ほど私が申し上げました通り、大蔵省におきまして予算の統一単価みたいなものができておりますので、これをちょっと増額することはなかなか大蔵省の主計局で全部の委員会につきまして検討いたしませんとできませんので、今回におきましては旅費の点だけ増額した次第で、ございます。
○市川房枝君 内閣総理府の事務当局としては、今お話のように二十幾つかの一瞬議会があって、どれが重要だということもないのだ、こういうお話は一応御無理はないと思うのですが、その二十幾つかあります委員会が一々何だか、私どもよくわからないので、どれが重要でどれが重要でないか、その間のウエートの問題は別にしましても、その担当して下さる方はやはり一人の事務官が幾つも御担当になっていますか、事務的に……。実はこの間伺って、電話かけたのですが、担当の方が旅行だ、あるいは病気だということですと何もわからないのですが、そういう点いかがですか。
○政府委員(佐藤朝生君) 売春対策審議会は、私の方の総理府の審議室で総理府の審議室参事官が十数名と、その下に事務官がおりますのですが、われわれの与えられた職務も非常にたくさんございます。委員会の数も先ほど申し上げましたように二十幾つかございますので、一人の参事官が受け持っております審議会があるいは二つか三つというふうな実情でございます。またその下の事務官もあまりたくさんおりませんので、一人でやはり二つか三つ持っているような実情であります。
○市川房枝君 これは副長官に申し上げても少し見当が違うかもしれませんけれども、その売春対策審議会というものを政府がどうお考えになっているかという問題に関連すると思います。そうすればその予算ももう少しふやせるでしょうし、あるいは内閣においてもこれに相当のウエートを置いていただいて、事務の方も人員を配置していただけるだろうと思うのですが、これは前からそう私ども考えているのですけれども、どうもその審議会というものもおざなりで、法的にあるからしようがないというふうな考え方がどうもあるようであります。従って、委員も官庁関係の委員の方なんかは、特に文部省をさっきからやり玉にあげましたけれども、必ずしも文部省ばかりではありません。ほかの官庁も私はそう言えると思うのですが、もっと売春対策審議会というものを重要に考えて、そうしてこれを十分に活用していただいて、そうして売春対策というものをもう一ぺん再検討するということが必要でないかと思いますが、ほんとうは、さっきから文部省の純潔教育でやれ八十二万円ですか、内閣のやれ四十七万何ぼ、二兆円近い国の予算の中で、わずか万の単位のこれくらいのことをここで問題にしているというのは、実は恥しい話でございまして、売春問題は、国全体とすれば非常に大きな問題の一つですが、それがまあこういう現状になっておるということは、これは政府自身でももっと考えなくてはならぬ問題だと思いますか、ちょうど法務大臣がおいでになっておりますので、この間も申し上げましたように売春問題の関係官庁は幾つかありまするけれども、その中でも中心の官庁は、やはり法案を提案し、法の励行の一番主要なる部分を担当して下さっておる法務省だと思うのですが、その法務大臣が、さっきは文部省に申し上げたのですが、今も内閣審議会にも申し上げておりますようなことについて、あるいは特に売春対策審議会についての将来をどういうふうにお考えになっておりますか、この機会にちょっと御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(植木庚子郎君) 売春防止の対策の問題につきましては、私個人的な立場としましては、先年あの法律が出ましてから運営の実績を十分には承知しておりませんでしたために、はなはだ申しわけありませんが、大体は、だんだんといい方に向かっておるんだと思っておったのです。先日来御質問を受けまして、また担当の者に聞いてみまして、必ずしもそうではない、むしろこの際もっともっと政府が物心ともに力を尽くさなければいかぬのだということをつくづく感じました。先般の予算編成に際しまして、われわれの役所といたしましてもできるだけの要望はいたした次第でございますが、まだ係といたしましても十二分でこれで満足だと、これならば大体理想的なことは何でもやれるというところまではどうもいっておらなかったように思いますので、今にして省みて非常に残念に思っております。せめて今後は取り得たこの予算の範囲内で全力をあげる、また恒久的な対策としても十分今後気をつけて参りたい、かように考えておる次第であります。従いまして、他の関係の省庁とも十分連絡をとって力を尽くして参ろうと、かように考えます。
○赤松常子君 それでは一つだけ私竹内局長にお尋ねいたしたいのでございますが、この前の委員会のとき私所用のため欠席いたしまして失礼いたしましたが、当日の速記録をずっと拝見いたしました。そうしてヒモに対する局長の御答弁も、それによりましてよくわかったのでございますが、特に私少しお尋ねしてみたいのは、外国のヒモと日本のヒモとは非常に何やら違うということ、いささか私さもあろうかと思っております。だから日本のヒモの処罰に対して非常にこの点では甘いお立場のように受け取りました。しかしその点、少し日本のヒモの分析をいたして参りますと、いわゆる暴力団、グレン隊というものも実際あるのでございます。これは私どもよりもそちらの方が御承知だと思うのでございます。そういうヒモの処分に対して、この間の委員会の御答弁は非常に甘いし、それに対してあまりタッチしたくないというような受け取り方を私どもしたわけでございますが、この点について、もう少しはっきりとしたお立場を伺いたいのでございます。それでいいのか、私どもはそれでいけないという立場でございます。
○政府委員(竹内寿平君) 前回の委員会で、ヒモの処罰の規定を拡充強化するかどうかという点につきまして、御質問にお答えを申し上げたのでございますが、ヒモが、ある程度許されてもやむを得ないんだというような考え方は、私いたしておらぬのでございます。ヒモを処罰するということは、国民の皆様の中でかりに売春防止法についてかなり批判的な方でありましても、その犠牲者である売春に陥った婦女から、売春でかせいだものを搾取するという者が許されていいはずがないわけでございまして、このヒモに対しましては峻厳な態度で処理をいたすべきものであると思います。そういう考えに立っているのでございますが、現行の売春防止法の中にもヒモの規定は若干あるわけでございますが、この不備を補いますために、国連の条約等におきましても、売春による搾取ということを厳しく取り締まるべきだということが世界各国に示されているわけでございます。わが国も御承知のようにその条約を批准しているわけでございまして、そういう観点から、ヒモに対する不備な点を補って参りたいというような考え方から研究に当たっておりますことは、前々から御説明申し上げている通りでございます。 それで、私どもの立場は、不備な点を発見いたしまして、法の是正をお願いするということに目的があるわけでございますが、その過程におきまして、皆様方のお話を伺っておりますと、これはいろいろ具体的な事例に接されての御発言と思いますが、私も婦人団体その他から、悪質なヒモが日本にあるんだということは前々伺っておりますし、それから私どもの関係の検察庁の風紀関係の検事の集まりにおきましても、このヒモを罰すべきである、法的な不備を補うべきであるという意見もたびたび聞いております。しかし、それだけではたして立法という手段に訴えていいかどうかということにつきましては、やはり慎重に検討すべきものでございます。これは一つの研究でございますけれども、その研究が決定的な意味を持つとは私も考えておりませんが、たまたま昨年の八月から十二月にかけまして、ある種のヒモの実態の調査というようなものを試みたわけでございます。その資料はお手元に差し上げてあるはずでございますが、その結果を見ますと、一般に言われているよりも、日本の売春に陥っている婦女子とその同居者あるいは別居者、そういう売春のあがりに寄生しているといいますか、そういう同居者の人たちの実態を見ますと、かなりかわいそうな事例も少なくないことが、わずかな事例の研究の結果でございますが、出ているということを申し上げたのでございまして、私の気持なり法務省当局といたしまして、この立法に熱意を失っているというようなつもりはさらにございません。
○赤松常子君 時間も相当過ぎておりますから、簡潔にちょっとお尋ねいたしたいのでございますが、そのヒモの処理につきまして、もちろん私どもも、かわいそうな売春以前の生活諸問題と取っ組んで解決してあげなければならない場合もたくさんあることはよく存じております。だからといって、悪質なヒモが、今あなたのおっしゃるように、慎重に慎重にというふうに考えられていいのかどうか、はっきりそこを私は裁断すべきだと思うのです。それで、今おっしゃいますように、全国の取り締まり当局も法の改正を要望していらっしゃいます。私どもも昨年とことし、二班に分かれまして各地の実情調査に参りました節も、末端の取り締まり当局は、この法の改正を非常に要望していらっしゃるのです。そういう空気がありながら、今おっしゃるように、かわいそうなヒモの面ということで、まだはっきり裁断をするという御熱意がにぶいように思うのでございますが、もうそろそろ、今戸が上がっておりますように、ヒモの問題の処理くらいは、今度の法の改正案として出していただく時期ではないかと思うのでございますが、その点に対してどの程度までお考えが進んでいるのか、本国会にどういう態度でお臨みになろうとしているのか、当局のお考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(竹内寿平君) 悪質なヒモに対して慎重を期しておるのではなくて、悪質でない者に対してヒモの処罰規定が及んでいくことについて慎重を期しておるのでございます。その点誤解のございませんように御理解を願いたいと思います。 そこで、ヒモの処罰の規定の問題でございますが、私どもも幾つかの案を作ってみております。その案によりまして、はたしてかわいそうな人たちにまでその条文によって取り締まりが及んでいくかどうかということで、あまりしぼってしまいますれば改正の意味が失われますし、非常に広いものにいたしますると、かわいそうなものも中へ入ってくるということで、その線を引くところが非常にむずかしいように私は考えるのでございますが、この問題につきましては、そういった技術的な立案作業というようなものが現実の日程に上りかねておるのでございまして、これももっと大きな立場から考えるということでございますれば何でございますが、私ども事務当局の立場といたしましては、ぜひ実現はしたい、したいが、その線を皆様の御納得のいくようないい線が見出し得るかどうかという点につきまして、先ほど申したような一つの調査をやってみたわけでございますし、また各方面の実情も聞いてみたいと思っておるのでございますが、何と申しましても売春の実態というのはつかみにくいのでございまして、実は三十六年度予算におきましても、売春実態調査の関係の予算も、無理を言いましてお願いをしていただいたというような形になっております。こういうことと相待ちまして、もう少し実態を明らかにいたしたいという考えでございます。もちろん、皆さんの方からいろいろな話は伺っておりますし、今後も伺うのにやぶさかじゃございませんが、やはり法律ということになりますと、その一つの規定のために、悪質な者も悪質でない者もひとしく構成要件を満たすものは犯罪になるという関係になることは申すまでもございませんので、そういう意味で実は慎重を期しておる次第でございます。
○赤松常子君 悪質でないものも悪質なものも一緒に処罰されるということが、技術的に非常に区別が困難だということをおっしゃいましたが、では技術的に解決すれば、本国会にそのヒモの問題ぐらいは改正法としてお出しになれますか。
○政府委員(竹内寿平君) 法案を出すということになりますと、私の、局長の立場ではお答え申しかねるわけでございまして、申すまでもなく、省としての正統な機関を経なければなりません。大臣の御決裁も得なければなりませんし、さらにまた法案を出すためのいろいろな手続がございますので、今お答え申し上げておりますのは、全く私の刑事局の立場での意見でございます。
○赤松常子君 大臣も今の局長の御答弁をお聞きになったと存じますが、大臣の御決意いかがでございましょうか。技術的に解決すれば本国会に改正案をお出しなさるのでございましょうか。いかがでございましょうか。
○国務大臣(植木庚子郎君) 御意見の存するところは十二分に拝聴いたしましたから、なおわれわれ部内におきましても十分検討を遂げてみたいと思いますし、また部内での案がまとまりますれば、関係の向きと相談もいたしまして、なるべく貴意に沿い得るように努めたいと思います。
○委員長(松村秀逸君) 御質疑もまだ残っておるようでありますから、午後二時に再開することとして、これをもって休憩いたします。 午後一時十一分休憩 ————・———— 午後二時三十一分開会
○委員長(松村秀逸君) これより委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤原道子君 私は、法務省と厚生省に関連することになるかもわかりませんが、若干お伺いしたいと思います。 まず法務省にお伺いしたいのですが、せんだっての御答弁で、ヒモの問題でございますが、ヒモの問題について局長は大へん苦慮しておいでになるように伺うのでございますが、ここに出していただきました資料、家族調べですか、これを拝見してわからない点をお伺いしたいと思う。大へん詳しい資料でございますが、麻薬との関係の有無というところに「不明」というのがたくさんあるのです。「なし」というのは全然麻薬に関係がない人とわかるのですが、「不明」というのはどういうわけですか、「不明」というのが圧倒的に多い。
○政府委員(竹内寿平君) これは売春に陥った婦人からの調査でございまして、内縁の夫あるいは自分の夫と同居しておる者も別居しておる者もあるわけでございますけれども、自分の夫が麻薬の世話をしておるか、あるいは麻薬取引に関係しておったかということは、なかなか奥さんになる立場でございますので、任意捜査の段階で聞くわけでございますから十分調査ができない。この点は特に麻薬を扱っておりますということになると犯罪になるわけでありますから、この点はあまり信用できない調査かと思います。そこで「なし」とはっきりいたしておるのはこれは「なし」と見るほかはないと思いますが、「不明」といっているもので経験のあるものもあるかもしれません。そういうので、これはちょっとあまり御信用いただけないデータだと思います。
○藤原道子君 そういう場合には被疑者として調べておるわけですから、そういう場合に疑わしき場合には夫を呼び出して調べるということはやっていらっしゃるのですか、それはできないのですか。
○政府委員(竹内寿平君) これは犯罪と関係のない事項でございますと、これは呼び出していろいろお尋ねをすることはできるわけでございます。ただしかしながら、麻薬の場合には、所持、運搬すべて禁じております。従いまして、麻薬の関係を聞きますことは、これはなかなか容疑がないと取り調べるということはむずかしいと思います。
○藤原道子君 このくらい麻薬と売春と関係ありと世論になっているときに、そういう場合には呼び出すことができなかったら、忙しくて費用もないと言われればそれきりですが、疑わしき夫の性行その他の調査などはやっていらっしゃるのですか。
○政府委員(竹内寿平君) これは今の売春防止法にある補導処分につきまして、御審議をいただきます際にいろいろと御質疑もあり御答弁申し上げたわけでございますが、売春婦は売春をしたというだけで補導処分を受けるのではなく、将来また繰り返して売春するであろうというおそれのあるそういう性格を持った、常習とは言いませんが、そういう傾向を多分に持った婦女に対して補導処分によって保護更生をはかろう、こういう趣旨でございます。そこで、そういう問題の五条違反を犯したかどうかということは、きわめて簡単に現行犯的につかめるわけでありますから、そういう傾向を持った人であるかどうかということを認定します材料としては、今の家庭の環境、置かれておる収入の状態などを、できるだけこまかく調べませんと、今のような補導処分に判決を持っていくことは困難でございます。そこで検察官としましては、補導処分を請求すべき案件だと見た場合には、裁判所をして安心して補導処分が行なえるような資料をそろえて提供しなければなりません。そういう関係から、背後関係といいますか、家庭環境、それから家族のつながり、陥ってきた動機、そういうようなものにつきまして詳しく調査をいたしまして、資料を提供するわけでございます。
○藤原道子君 局長はヒモの問題については、現行法でもある程度はやれる、結局ヒモというものが一番のガンといわれているときですから、夫とか、情婦とか、あるいは内縁の夫というようなものがありとした場合に、それはこれをもっともっと調査することは、やはり法に規定されていることの忠実な実行になるというわけにいきませんか。
○政府委員(竹内寿平君) ただいまお話のように、調査することも私どもの職務だと思います。そういうわけでこの調査をしてみたわけでございますが、常時一々のケースについて検事が背後状況を一切がっさい詳しく調べるということも、なかなか言うはやすく、行ないがたいところでございますので、ある一定の条件を示しまして、特に調査をさせましたのが、この資料でございます。もちろん今まで実際の問題になりました五条違反で、検事は補導処分相当だと言ったのにかかわらず、一審の判決では罰金にしてしまったというのについて、自分らの調べました資料を添えて検事控訴をして、やはり補導処分相当だということで、控訴審で争って、その控訴審で検事の主張がいれられて補導処分になった例も幾つか、ございます。そういうものを一々申し上げれば最限もございませんが、相当、検事としましては従来の捜査で、ある程度証拠十分だと思う、その証拠だけでなくて、犯罪事実に関する証拠だけでなくて、今のような点をかなり時間をかけて調査をして、適正な判決を得ようと努力したいと思います。
○藤原道子君 私は頭が悪くてよくわからないのですけれども、ヒモはいけないわけなんですね。つまりヒモ、明らかに夫でありながら、夫であり——内縁の夫も夫ですが——これがかなり売春をさしているのですね。それと同時に、この前ヒモというものについてあなたにお伺いしたら、かわいそうなのもあるので、ヒモについてはもっと考えなければ決意がつかないと言っていらっしゃる。そういう御答弁がある以上は、相当詳しく調査していらっしゃるのだろうと思う。だから私はそうしたこの調査の過程において、麻薬というものが大きな犯罪なわけでございますから、そういうことをただ「不明」だけで済ましていたんじゃわからないのじゃないかしらという気がするものでございますから、それでくどくお伺いするわけなんでございます。
○政府委員(竹内寿平君) 今までの実例におきまして、麻薬と売春と暴力と、こう結びついた事件が、私ども多くを知りませんが、藤原委員も御承知かと思いますが、大阪にそういう事件がございまして、これはまあ徹底的に状況を調査いたしまして、私ども有力なデータにしておる事件でございます。なお東京新宿にございましたのですが、もとあそこの青線の管理売春をしておりましたものが、自分のうちにやはりかかえておりまして、麻薬を扱い、同時に子供にも麻薬を与えておるということで、まあ麻薬によってくぎづけにしておくという、これも事件になっております。まあこれはそういう特異な事例かもしれませんが、そういう事例につきまして暴力と麻薬と売春とがからみ合った事件として、私ども注目しておるわけでございますが、そういう場合に、純粋にヒモという立場で見られる者があるわけです。これはいずれもあるいは麻薬の事件として処罰される。あるいは管理売春の方で処罰される。あるいは周旋とかそういったようなことで処罰をされる。あるいは暴力を伴っておる者については暴力犯罪で処罰をされるということで、それぞれ罪名はヒモという罪名ではないかもしれませんが、それぞれ譴責を負わされておるわけでございます。
○藤原道子君 私は、お調べになってひっかかるのは氷山の一角だと思うのですよ。彼らは巧妙ですから、だから私はどうしてもヒモの問題を、法改正をして、徹底的に調べられるようにしなければ効果は上がらないと思う。あなたが何回も、この前もきょうもおっしゃるのですけれども、家庭が貧しいからかわいそうだからまあこの問題は十分研究を要するというふうなことを言っていらっしゃるんですが、私はこの前も言ったけれども、家庭が貧しければ厚生省の関係と連絡をとって、そういうことをしなくてもできるようにできると思うのです。 そこで、私が伺いたいですが、どうも厚生省は厚生省、法務省は法務省、文部省は文部省、労働省は労働者というふうに、非常に個々ばらばらだからよけい効果が上がらないのじゃないかと思う。こうしてここに出た場合に、まあバタヤで不明だとか、いろいろございますが、まあ病気のもあるでしょうが、そういう場合に、厚生省と連絡をとって、こういう事件があるが厚生省でこうしたらと、あるいは連絡会議の席上でそういうことを打ち合わして、その方針によって扱っているのかどうかという点をちょっと伺わしていただきたい。
○政府委員(竹内寿平君) 厚生省とは非常に密接な連絡を保ちつつ、私の方でこれは厚生省に御注意を願った方がいいと思いますことは遠慮なく申し上げますし、また厚生省の方からもいろいろ私の方にも御注文があるわけでございまして、売春対策審議会を通じてのみならず、常時御連絡を申し上げ、協議しつつあるわけでございます。たとえば婦人相談室でございますか、あそこの係員は厚生省のお役人でございますが、私の方としましてはそこへ飛び込んで来て更生を相談するという方は、なかなか理論としては考えられるわけでございますけれども、人としてのプライドもございますので、何も犯罪で検挙されたわけでもないのに、自分が売春婦でございますがと言って名乗りを上げて、そこに相談をしに行くということも実際に運用してみると、少ないわけでございます。せっかくそういう施設を持っておりますので、窓口、それから収容施設も持っておるわけでございますので、法務省関係の検察庁で五条違反として検挙された婦人の中で検事も見て、これはちょっと手を加え相談相手になってあげれば更生するであろうというように思われるような者について、あるいは家庭の状況などを調べてみて、うちに帰る間に少し家庭の中の環境も調整する必要がある、その間どこかに置いてやらなければならぬというようなこちらの要求もあるわけであります。そのときに厚生省の方の収容施設があいているから、そういうのを収容してもらいたいというので、そういう連絡のもとに私どもも検察庁に連絡して、活用するようにという通牒も出ておりますし、厚生省の方でも快く門戸を開いて、そういう婦人を収容して下さっておるわけでございます。そういうふうに、非常に緊密に連絡をとっております。
○藤原道子君 緊密に連絡をとってやっておいでになるのでございますから、私はヒモの処罰を規定しても、別にかわいそうな人がひっかからないように厚生省と連絡をして、それで生活に困る者、病気の者、これらに対してはあたたかい保護の手を伸ばして、再び売春を妻にさせなくてもやっていける、こういう方法で救えると思う。だから、悪質のヒモですね、局長はいつもないようにおっしゃるけれども、けっこうあると思うのです。いろいろな情報からして。だから、答弁さえうまくすればいいのじゃなくて、ほんとうに、どうしたら売春をなくするかということをお考えいただければ……。婦人相談員であるとかその仕事に携わる人たちから、ヒモの問題についての訴えはずいぶんあるわけであります。これらの人の訴えと局長の答弁とは、いつも非常な差があるわけなんです。ですから、外国だってヒモに対しては相当考えて、やむを得ないからこそ、それをやはり処罰するという方向へ漸次なっていると思うのです。ですから、この際、やはり人情もいいですけれども、事と次第によると思うのです。法を犯している者ですし、売春はやってはならないと禁止されているにもかかわらず、そういうふうな、妻を売春さして生きているとかあるいは子供が病気だから仕方がなく売春をしているというようなのは、私はこれはヒモというのとはちょっと違うと思う。これらは緊密なる厚生省との連絡によって解決できる問題だと思う。私たちが言うヒモとは、悪質なヒモ、ぶって働かせてまたぶってというようなのがずいぶんあるのです、こういうのをどうして下さるか。これに対して局、長は、このままでそういうようなのもやっていけると判断して、法改正にちゅうちょしていらっしゃるのか、どうなんでしょうね。
○政府委員(竹内寿平君) 詭弁を申し上げるつもりはさらさらございませんが、非常に悪質なものにつきましては、現行法の八条、もちろんこれは全部をカバーするとは思いませんが、今言ったように、女をだましあるいは困惑させて売春をさせ、その上がりをもらい受けて搾取しているというようなのは、この八条でぴっしゃり処罰できるわけでございます。あと、先ほども幾つかの事例で申し上げましたように、麻薬を施用しあるいは暴力に訴えてということになりますれば、売春防止法の第何条でということにならぬかもしれませんが、あるいは暴力の傷害罪としてあるいは暴力行為の処罰に関する法律あるいは麻薬取締法というような罪でも、そういう悪質なやつは現にやっているわけですね。そういたしますと、ここで売春防止法においてほかの罪ではやれるが売春防止法でやれないのがあるじゃないか、こういう点につきましては、これは私も認めざるを得ない。そういうのについてどういう規定を設けるかということになりまして、それでも悪質なものを余さず漏らさず取り締まれるような規定を設け、そうして悪質でないものについてはそれにひっかからないで済むような、そういう規定の作り方があるだろうかというようなことが、まあ私どもの苦心をいたして研究しておるところでございます。フランスの緊急例によりますものを見ましても、売春をする婦人と常習的に関係を持っている者であって、そうして自分がその売春の上がりでなくともちゃんと食っているだけの収入があることを証明し得ない者がヒモだというような法律の体裁になっておりますが、日本とフランスと国情も違いますし、一がいには言えないことでございますが、西欧諸国では、何と申しましても個人主義的な社会生活の単位ができておると思います。日本では家という制度は民法からなくなりましたけれども、やはりおじいさん、おばあさんから始まって兄弟、孫に至るまで、やはり大きな家族のつながりというものは、フランスにおけるよりもはるかに強いということが、このお手元に差し上げました資料によっても一半をうかがうことができると思うのでございまして、そういう点からすぐ西欧並みのヒモの規定を設けることはいかがなものであろうかということも考えさせられる次第でございます。
○藤原道子君 日本の家族制度が続いているといっても、一定の収入がなくてごろごろしている者を親、兄弟がいつまでも金を出して養っておくというのは、それは上層社会なら別として、一般ではあまりないと思うのです、私は。ですから、やっぱりこれは行き過ぎではなかろうか。日本は別だからというような、まず過去の事例にとらわれて、今やらなければならない問題をちゅうちょなさるという点が私にはわからない。やはり収入のない者は、しかも何といいますか、職もなく収入もないというような者は、一応私は取り締まってしかるべきだと考えるのです。それが私と局長の見解の相違ですが、この点については一つ行きがかりとか何とかいうことでなくて、もっと真剣にお考えになって、どうしたら売春をなくしていけるか、しかも悪質の管理売春ですね、いろいろに形が変わってきていることは局長も認めていらっしゃると思う。それらに対してさらに手を打っていただかなきゃ私ども了承できない。審議会としてもこの点についての法の改正はほとんど全員が希望しておるということは、局長も御案内のことと思う。その点についての特にお考えを願いたい。私は強く希望いたします。
○政府委員(竹内寿平君) 売春対策審議会におきましても改正の強い御希望が出ておりますことはよく承知いたしております。そして改正点のおもなることは、ヒモを処罰する規定を設ける、それから単純売春を罰すべきである、それからもう一つは管理売春、新しい型の管理売春をいかにして取り締まるか、その点の法の不備があるならば直すべきじゃないか、さらに一部の方からの主張と思いますが、補導処分という制度は非常に進歩的な制度であるが、これは五条の罪を犯した婦女について与えられる処分でございますが——これが六カ月の期間、これが少し短いために実績を上げ得ないのではないかというような御疑念等があるわけでございます。これらの少なくとも四項目につきましては、慎重に私ども検討いたしておるわけでございます。そして最も私が関心を持っておりますのは、新しい型の管理売春、これと悪質なるヒモ、この二つにつきましては、おそらくどなたも御異議のないことだと思うわけでございます。従って、私は少しもその点についてためらいや逡巡を感ずるものではございませんが、新しい型の売春、私どもコール・ガールとかいろいろなことを聞いておりますけれども、はたしてそれが実態であるかどうかということにつきましては、幾多の疑問もまた同時に持っておるわけでございまして、ここで今幾つか出されております問題の中で、法を改正してやるということになりますれば、二つないし三つの問題は同時に解決したいという気持がいたしております。ところが、まあ管理売春につきましては、おそらく売春対策審議会の先生方も実態というものをおつかみになっておられるかどうか。週刊誌等では私どもよくいろいろなのを見るわけでございますが、現場の検察官が調べましたところによりますと、どうも必ずしも週刊誌に書いてあるような実態ではなさそうだという意見もありまして、何としてもこの実態をきわめるということがこの際緊急に必要だというふうに私は考えておるわけでございまして、午前の委員会のときも申し上げましたように、三十六年度の予算におきましては、実態調査のための金を特にお願いをしていただきましたわけでございまして、決して遅疑逡巡、ためらっておるわけではないのでございます。
○藤原道子君 私どもが伺いたいのは、今期国会には改正法を出すという意思はまだ固まっていないのですか。出すとすればいつごろを予定されておりますか。
○政府委員(竹内寿平君) 結論として申し上げますと、まだ決意をいたしかねておるところでございまして、もう少しこう時期を見さしていただきたいという気持でございます。
○藤原道子君 今も局長から出たのですが、その補導期間の六カ月の問題。これに対して私は法制定のときから、これは六カ月では実効が上がらないということを強く主張してきたものなんです。そこで伺いたいのは、更生施設にしても補導所にしても、結局あの補導院ですか、にしても、精薄とそれから一般のと分けてほしいという意向が強いわけです。非常にまあ精薄が多いわけです。これらに対して局長はどうお考えになっておりますか。精神薄弱者とそれから普通の人を同じ所に置いて、それで補導が完全にできるとお考えになっていらっしゃるか。これは、精神薄弱者は六カ月たったって一生たったって頭は回復できないわけですね。これらを六カ月たてばそそのまま出しておるわけです。これがまた繰り返し繰り返しやっているのです。ですから、私どもはどうしてもこれは別個のものにして、精神薄弱者に対してはコロニー的なものが必要である。これがなければ売春問題の解決はできないくらいに考えておる。これに対して、また精薄者に対しての対策をどうお考えになっていらっしゃるか。六カ月でこれは補導できると思うか。それから、普通の精神を持っている人と一緒でいいとお考えになっていらっしゃるかどうか。この点を伺いたい。
○政府委員(大沢一郎君) ただいまお示しのございました婦人補導院の収容者の大体半数がいわゆる精薄と目さるべき程度の者でございます。現に補導院におきましてもかようなものと一般との処遇につきましては非常に苦慮しておるわけでございます。といいましても、また別個にして悪い場合もございますし、ある種の偏見なりあるいはひがみも多少あるというような点で、居室その他につきましては、やはり分類して処遇いたしておるはずでございます。しかし、またその出院の際におきましても、大体は家庭に連絡をつけまして家庭に戻しておるわけでございます。特に行き先のない者につきましては婦人寮にお願いしまして、そちらに入寮させる。釈放時におきましてはさような措置をとっておるわけでございます。で、精薄の問題は、これはまあ法務省だけの問題じゃございません。広く厚生省と連絡してやっておりまして、われわれといたしましても、少年院、刑務所等におきましても精薄者が相当おるわけでございます。これらのものにつきましては、できるだけ一カ所にまとめまして、その精薄者に対する適切な処遇を行なっておるわけでございます。かような精薄者に対して補導期間六カ月で十分とは考えておりません。かと申しまして、これを長くいたしましても、この補導院の補導だけで完全に更生できるとも考えられません。補導期間の問題とは別個にいたしまして、預かっている機関におきまして、それらに相当な授産なりそれに相応する処遇をいたしまして、釈放時において家庭なり厚血省所管の婦人寮にお願いして予後を引き継ぐという方法をとっておるわけでございます。
○藤原道子君 社会局は来ておるのですか。
○委員長(松村秀逸君) 翁課長が参っております。
○藤原道子君 その精薄は、半年ではこれは効果は上がらない。一般の通常の精神の持ち主ですね、これに対して六カ月であなたはちゃんとできると思いますか。
○政府委員(大沢一郎君) 補導期間の問題につきましては、われわれもまだ、全部の退院者が入りましてまだ二年半でございまして、その予後が十分つかめてないわけでございます。現在のところ、昨年末までに補導院から卒業して参りました者の約三〇%が目下定職についておったり、あるいは家事使用人として働いている、またあるいは結婚いたしまして、普通の生活をしているという数字が出ておるわけでございます。で、二三%が再び補導院に戻る、ないしは拘置所、刑務所等に入ってきているわけであります。相当数、二八%の者が、その後の調査が不可能で所在不明の者でございます。かように、大体三分の一は正業につき、あるいは家庭に復帰して、再び売春の道に陥ってないわけでございますが、最近徐々に、二度入った、三度入ってきたという者がふえてきているわけです。これらの状況でございまして、補導院におきます補導は六カ月ではたして十分であったかどうかという点につきましては、われわれといたしましては、これで十分だと、あるいはまた延長すれば必ず効果が上がるということも、まだ結論を得てない状況でございます。いましばらく、かような結果につきまして検討する時間を与えていただきたい。かように存ずる次第でございます。ただ、この間から御視察願いました際に、性病の持ち主、淋疾につきましては大体六カ月の期間で全治して退院しておるわけでございますが、古い梅毒を持った者がおりましては、これらの者は六カ月では治癒できない。まだほとんどの者がなおらずにそのままおる。これらの者が売春防止法のねらいました国民保健に大きな害悪を流すものと思われますが、この点につきましては、各補導院が都道府県の医療機関に依頼いたしまして、特に東京補導院では無料で治療してもらい、あるいは連絡して家庭に帰しておるわけでございます。しかし補導院といたしまして、病気をなおすためだけに、この期間を延長するということも、補導院の性格上いかがかと思います。特にわれわれといたしましては、補導の効果がはたして六カ月で十分であるか、あるいはまた一年にすれば十分であるかというような点を今検討中でございますので、この結論を得ますのに、何ぶんにもまだ五百名足らずの卒業生でございます。もうしばらく時間をかしていただきたいと存じます。
○藤原道子君 私は目的が達成されないで、期限がきたら出してやるというようなやり方は、予算の浪費だと思う。実効が上がるようにしなければいけない。結局、普通のものでも半年で職業補導できるはずはない。精神から肉体からこれを改造しながら職業を補導していくのでございますから、六カ月で実効が上がるとはどうしても思えない、方々の意見を聞きましても。その点につきましては、いましばらく時間をかしてほしいなんていうことでなしに、もっと真剣に私は検討して、やはりこの点の実効が上がるような対策を樹立してもらいたい。私たちはこれでは不完全だ。こういう考えをもって法改正の必要がある。こういう結論に立っておるわけで、ぜひその点は御配慮願いたい。お考えを願いたい。 そこで厚生省にお伺いしたい。今お聞き及びの通りの状態なんですね。私たちが更生施設なんかを視察に行きますと、精薄施設へ来たかと思うようにほとんど精薄者なんです。ちょっと頭の切れる子はコール・ガールになったり、いろいろ転向して生きる道を知っているわけです。ところが精薄はそれができないわけですね、これがだまされておるか、何かヒモの好餌というんですか、えさになっているのが精薄者なんです。厚生省として今精薄者がどのくらいあって——売春じゃありませんよ1全体として精薄者がどのくらい、精薄児がどのくらい、保護施設がどのくらい、コロニー的なものを別意されているかどうか、その点について一つ伺いたい。
○説明員(翁久次郎君) 私生活課長でございますが、一般の精薄並びに精薄児童の数字はあとで調べまして御連絡申し上げます。そこで、私どもの方の関係で婦人保護施設に収容されております婦人の中での、いわゆる精神の弱い人、並びに知能指数の低い人の数字がございますので、それを中心にしてお答えいたしたいと思います。三十四年度に調査いたしました、受け付けた婦人の中で、いわゆる普通、正常であるという人は、全体の一四%、それからやや劣る者、あるいは精神病、精神薄弱者とみなされる者が約三二%、調査不能の者が九%、この数字は、ちょっと不能というのは範囲が多くなりますが、不能が約九%、それから不明とございますが、これはちょっと不能と不明との集めました数字によっておりますので、これは四五%、不明と申しますのは、調査にあたりましてこれは確実に正常であるというのと、それから先ほど申し上げました約三二%との中間と申しますか、はっきりとどちらにも位置づけられないというのが約四五%。御指摘のように、いわゆる精薄的な人がこの婦人保護施設にたまって、吹きだまりになってきているということは事実でございます。それから知能指数の問題でございます。これはただいま申し上げましたのは、いわゆる精神的な面の欠陥のある人、そうでなくて知能指数のきわめて劣る者、これにつきまして調査いたしましたが、結果では約三〇%の人がIQと申しますか、知能指数の低い人が約三〇%、従って先ほど申し上げました精神薄弱の人と知能指数の低いのがちょうど数字的に言っても合うわけでございます。収容いたします婦人の約三割程度がただいま申し上げましたような精神的な欠陥があり、あるいは知能指数が低いという結果が出ておるわけでございます。
○藤原道子君 私はその数字を聞くと同時に、対策を聞きたいのです。私この前の御説明のときには九%というのはもう調べることもできないくらいのごく白痴ですか、こういうふうなものだということを伺っておるのですが、それは別といたしましても、今問題になっているのは、精薄問題が解決できれば売春の七〇%くらいは解決ができると、こう言われているのです。にもかかわらず厚生省は、長い間成人の情薄対策が要望されても、ほとんど見るべきものがないのです。一体これに対して、ましてここに現われた売春婦の中の精薄、これに対してはどういうふうな措置を今後するつもりか、言いのがれでないほんとうにしっかりした御答弁を伺いたい。
○説明員(翁久次郎君) 一般の精薄対策につきましては、更生課の方で所管しておりますが、これは御承知の通りおとなの精薄施設を年々計画を立てまして、四十六府県に施設を作って参るということで、来年度につきましても予算的措置を若干受けておる次第でございます。婦人保護施設、いわゆる売春婦の精薄に対する今後の処置でごさいますが、先ほど法務省からお答えがございましたように、現在施設の中ででき得る所につきましては、いわゆる分類収君と申しますか、一般の、たとえば東京都を例にとって申し上げますと、施設が六つありますが、その中で特に知能指数の低い者につきまして、これは婦人相談所の方で、いずみ寮でございますが、そこに大体精薄に近い人あるいは知能指数の非常に極端に劣る者をある程度集中して集めまして、そこに収容しているのでございます。それ以外の府県で、こういった施設による分数ができない所につきましては、施設の中で知能指数の低い、劣った人たちを、部屋を別にいたしまして、そこで仕事を、いわゆる授産的なことがこういう人にはできませんので、たとえば荷札の穴通しを繰り返しやるというように、長期にわたって収容せざるを得ないというような状態になっておるのでございます。そこで、理想といたしましては、全国的にそういう特段に精薄的あるいは知能指数の低い人たちのみを集める長期収容施設、そこで長い間かかってもできるだけ保護更生ができるような施策を講ずることが最も望ましいというように私ども考えておるのでございますが、ただいま全国にございます六十六の婦人保護施設の収容率は、三十五年度現在で約六〇%、それだけ定員に対しまして若干開きができておるのでございます。そこで、とりあえず現在のところでは保護施設の、東京や大阪のように若干数が多い所におきましては、先ほど申し上げました婦人相談所等が中心になりまして、施設による分類収容をやって参る、そういうことのできない、県に一つしかないような所につきましては、できるだけ一般の婦人と別の所に収容、部屋を別にいたしまして、そこでそういった婦人にふさわしい生活指導をやして参るというようにいたしている状態でございます。将来は、こういった精薄対策の一環として充実をはかっていく必要があるというように、関係者として考えている次第でございます。
○藤原道子君 この問題は、問題になってからかなり長いと思うのですよ。今ごろ「将来は」というような御答弁はできないはずだと思うのです。ほんとうにこれは売春問題のみならず、社会的不安の動機にもなっているわけなんです。ですからこれは厚生省としては、あなたにこんなこと言っちゃどうかと思いますけれども、もっと力を入れて、気の毒な人たち、かわいそうな人たち、それこそ竹内さんの言われるようなかわいそうな階級、これに対する対策を真剣にやってほしいということを、厚生大臣に十分伝えて下さい。 それから社会に与えるいろいろな問題で、今一番緊急ではなかろうかと思うのは、麻薬の問題ではないかと思うのです。この麻薬がどれだけ心身を虫ばんでいるか、特にこのごろはヘロインというのが中毒の度が高いというように私は聞いているのですが、最近の麻薬の実態ですか、これをちょっと伺わしてほしいのです。麻薬が、売春だけではない、一般に対して……。
○政府委員(牛丸義留君) 麻薬事犯は、年々相当数の事犯は検挙しておるわけでございますが、最近の実績を申し上げますと、昭和三十三年から三十五年の三カ年の違反事件は、三十三年が千六百八十六件、検挙人員が二千百六十二人、昭和三十四年が違反事件が千五百五十九件、検挙人員が千八百九十一人、昭和三十五年が千九百八十七件に対して、検挙人員が二王二百十三人というふうに、違反事件並びに検挙人員も最近ある程度の増加を来たしておる、これは私どもの方の麻薬取締官が検挙する違反をあげた数字でございますので、警察の方でやっておられます犯罪に関係するものは、また別のものがあると思います。
○藤原道子君 大体麻薬中毒患者は、推定してどのくらいというふうに考えておられるのですか。
○政府委員(牛丸義留君) 中毒患者の実態を究明することは非常に困難でございますが、麻薬取締官の取り締まり事犯に関連しまして発見した数字を、最近の過去三カ年の実績を申し上げますと、昭和三十三年が、発見者数といいますか、麻薬中毒者の発見者数は二千九十九名、三十四年が千八百五十六名、三十五年が千八百三十三名大体千九百名前後の者が毎年中毒患者として発見されておるわけでございまして、ついでにその中の女子の数字を申し上げますと、三十三年は二千九十九名のうち女子の中毒患者が五百七十二名三十四年は千八百五十六名のうち女子が五百二十九名、三十五年は千八百三十三名中、女子の中毒患者が四百七十五名、大体五百名前後が女子の中毒患者というふうに発見されております。
○藤原道子君 これは非常におそろしいことだと思うのでございますが、中毒患者はこの発見数のおよそ推定すると四倍から五倍くらいいるというふうにいわれておりますが、あなた方はどういうふうに把握していらっしゃいますか。
○政府委員(牛丸義留君) これははっきりとした数字はわかりませんが、一説によると、むしろもっと多いのじゃないか。大体今二千人程度でございますので、それの百倍でございますが、二十万くらいが中毒患者だということもいわれております。しかしこれは正確な数字はもちろん私どもも的確には把握できないのでございます。
○藤原道子君 私も二十万をこしているだろうといわれているのを調べでは発見したわけでございますが、この麻薬の取り締まりは非常にむずかしいといわれておりますし、事実むずかしいと思うのです。これは検察庁の方でも、麻薬取締官の方でもずいぶん御苦労していらっしゃるということはよくわかる。けれどもこれは考えてみると内地ではできないものですね、九九%は輸入ものなんです。こういうふうに聞いているのですが、だから持ってくる根源を断てば簡単でいいということは言えるけれども、ここに非常なむずかしさがあると思うのですが、輸入の経路の一番主体をなしているものはどういうふうに考えておられるか、どの系統が一番輸入しているか。
○政府委員(牛丸義留君) これは一般的には海外からの輸入がほとんどでございまして、不法所持によって密入国者に携帯させたりあるいは出入する舶舶の船員その他の者が、港の上陸のときに密輸入をする、搬入をするというようなのが一番大口でございますし、また一番悪質なものというふうに私どもも考えておるわけでございますが、入取経路、合法な入取でございますね、そういうところから違反事件が発見された数字を見ますと、昭和三十四年には合法源からの入取経路は四百十九件、三十五年は三百件、非合法源から入手されたものが、それに対しまして三十四年は千四百三十七、三十五年は千五百三十三名というふうに、圧倒的に非合法的に入手されたものが多いという結果が出ております。
○藤原道子君 聞くところによると、相当これは広範囲に害毒を流している。売春婦ももちろんその被害者になっている、これがまた右翼テロの団体の資金源にもなっている、こういうことも言われているのですね。ですから、これは厚生省の麻薬取締官だけでどうこうできる問題じゃない。これは各省がやっていると思うのですが、これも何か、なわ張りといっちゃ悪いのですけれども、それぞれの連絡が非常に悪いというふうに聞くのですが、これはどういうふうになっているのですか。
○政府委員(牛丸義留君) もちろん、ただいま御指摘の通りに厚生省の麻薬取締官だけでは、この害毒を防遏することはできないのでございまして、警察当局との緊密な連絡によるわけでございます。私どもの方は、麻薬そのものをとにかく不法に入手されるものを絶滅するというのが任務でございます。警察は、麻薬に関連して犯罪が発生する、その犯罪を防遏されるのが警察の任務でございまして、ここははっきりと両方の任務は判然としておるわけでございますが、同一の事例が両方に関連するということがございますので、私どもは常時警察の方と連絡をとりまして、最近その連絡について不詳事もあったようなわけでございますが、そういうことを奨機といたしまして、さらに今までの各それぞれの任務に徹して両方がよく情報の交換をする、これは警察だけではなくして、入国管理なりあるいは税関なり、いろいろの点で関連がございますので、情報収集なりその他の連繋を密にして事務執行をするようにやっておるようなわけで、将来その点については特に注意をしていきたいと思うわけであります。
○藤原道子君 長くなりますので、悪いから、最後に一つ法務大臣にお伺いしたい。 私は麻薬でも売春でもあるいはテロの問題でも、当局の出先の人はずいぶん苦労していると思うのです。ことに麻薬に対しては命がけでやっていらっしゃるというふうに聞いている。ところが、これは罪が非常に軽いように思うのです、そういうものがつかまったときに。私もよく知らないのですけれども、聞くところによると、台湾あたりは死刑をもって臨んでいるというんです。それからまたアメリカでも十八才以下の未成年に麻薬を売りつけた者は、やはりこれまた死刑だ、こういうふうに聞いている。ところが、日本の場合にはほとんど罪が軽いように思う。私もこれを質問の最後にしたいからぶっ続けでやりますけれども、これでは、阿片戦争でもごらんになるように、国民の体を虫ばんでいくんです。殺人ですからね、こういうものに対しての罪が軽いように思うのです。明治三年ですか、太政官布告というのですか、あれでは主犯は斬首、首切りだったのです。従犯は流刑、こういうふうな処罰が規定されていたというふうに聞いているのです。私が調べたらそうなんです。ところが、今では世間を震憾させたような王漢勝というのですか、あの人でも判決は八年です。その弟が六年で、罰金が五十万円。今の罰金の五十万円や百万円はへいちゃらですよ。三人お客さんを持っておれば、末端の売人というのでも五万円の収入がある。三人お客さんがあれば、婦でも何でも三人持っておれば五万円の収入があるとさえいわれているときに、私は罪が軽過ぎると思う、国民の体を滅ぼすのですから。しかも密輸で、そうして毒薬をもってこういうことをする人に対しての罪が軽いように思う。これに対して、大臣はどうお考えになりますか。今最高十年という規定ですね。
○国務大臣(植木庚子郎君) 麻薬犯罪につきましては、量刑の問題が現在の法律では軽過ぎはしないかという御意見のようでございますが、私まだ各犯罪間の量刑の問題について十分な研究をしておりませんので、即答はいたしかねますけれども、お話のように、この犯罪が国民の心身を虫ばむ非常におそるべき問題でございますから、十分にこれは気をつけていかなければならぬ。もし現行のものが、研究の結果あまりにも軽過ぎるから、それがだんだんとこうした犯罪のふえる原因になっているものとしますと、必ずしも刑罰だけで臨むのがいいかどうかは問題はございましょうけれども、十分研究の余地があるものと考えます。現在の法に定められてありますところの刑の重さが軽過ぎるかどうかという点については、政府委員の方が専門でございますから、政府委員の意見を申し上げさしていただきます。
○藤原道子君 その前に、私は、ほかの犯罪でしたらね、刑が重いか軽いか、いろいろ情状酌量ということもある。しかし、この麻薬に関しては、一片の情状酌量の余地はないと思う。中国だって前にああいう阿片戦争等の刺激があったために、それを承知しているから、今台湾あたりで死刑をもって臨む。この麻薬の及ぼす影響がいかに大きいかということね。私はきのう本を読んで、実際はふるえ上がるほどびっくりした、こういう点を十分に御研究になりますれば、情状酌量の余地は絶対にございません。売春の問題の解決もあるいは暴力団、こういうものの解決にも大きな役割を果たしている。こういう点からも厳重にお考えになっていただきたい。私、きょうは質問はこの程度にいたしまして、麻薬のもっと詳しいデーターをほしいと思います。それからそちらの方から麻薬取り締まり、検挙、こういうものに対しての資料をこの次にはいただきたいと思います。
○赤松常子君 ただいまの資料の御提出のときですね、今厚生当局から人数等の御報告がございましたけれども、法務省関係の観点からこういう麻薬事犯の関係者などの人数及びそれに一体どのくらい金がつぎ込まれているのか、どのくらい金が取引されているか、ちょっとうわさにも聞いておりますけれども、莫大な金がこれにつぎ込まれ、消費されているということなんでございまして、そういう角度からも資料をお願いいたしたいと思っております。
○政府委員(竹内寿平君) ただいま赤松委員から資料の提出を求められたわけでございますが、事件に関連してどのくらいの金が実際に動いたかという点は、私どもの方へ報告の参っておりますだけでは、ちょっと出しにくいかと思いますが、その他の点につきましては、資料として提出することができると思います。
○赤松常子君 お願いいたします。厚生当局の方も特にどのくらい金が動いているか。
○藤原道子君 麻薬官が何人いるかですね。
○市川房枝君 私は午前に引き続いて、厚生、検察、法務に実は売春関係の問題で伺いたいと思っておりましたが、ちょうど私四時から差しつかえますので、それまでの時間、厚生当局に御質問申し上げたいと思っております。 厚生省は局長がおいでになりませんですね。——厚生省関係の売春の予算は、来年度二千万円ばかりふえてはいるのですが、もっともそのふえているのは人件費であって、事業費の方はむしろ減っている、こういう実情なんですが、予算の編成の際、いつも私どもは厚生省予算をもっとふやすようにということを大蔵省に要請しているわけなんですが、ところが、その厚生省がその予算少し余るのですね、いつも。三十四年度はどれくらい余りましたか。またことしは、まだ少しありますけれども、大体どのくらい余りそうか。どういう理由で予算が余るのか、それをちょっと伺いたい。
○説明員(翁久次郎君) 三十四年度に決算をいたしましたが、まだ決算途中でございますので、正確な額は出ておりませんが、やはり千万円近いのではないかと思います。それから三十五年度におきましては、まだ交付をしておる最中でございますが、これは大体もっと余り分が少なくなるはずでございます。正確な数字については後ほどまた申し上げたいと思いますが、余ります一番大きな理由は、婦人更生資金の貸付補助金、それが一番多うございまして、その次が施設に収容する人の数が予算よりも少ない場合にその分が余る。さらに被服の支給費がございますが、これが施設に入る婦人の数が少なくなるに伴いまして、その分が余ってくるということでございます。
○市川房枝君 予算が余る理由は今お答えでわかりましたし、まあ私ども前からその点を気はついておるのですが、この余る現象は三十四年度だけでなく、もっと前から、更生関係の法律が実施されてからちょうどまあ四年になりますね。毎年ほんとうは施設は定員に満たないで、そしてまあそれだけ余る。それでだんだん予算を減らされてくる。それでもまだ余る、こういう点を私どもも心配をしてきておるのですが、厚生省はそういう事実に対して、今のやり方でそれでいいのか。何らか更生保護の仕方を再検討するというようなことはお考えになっていないのですか。
○説明員(翁久次郎君) 余ることにつきましては、事実は申し上げた通りでございまが、その理由を検討いたしますと、現在の法律を施行しているわれわれ並びに末端において、必ずしも真剣にこれが対策を考える余地がないかと申しますと、やはり率直に申し上げまして再検討すべきではないかというように考えます。施設の収容率が下がると申しましても、実際に施設を見て参りますと、定員自体にも問題があるのじゃないかと思います。六畳の部屋に二人とか三人、もしそれを定員というならば、定員の考え方がまあ間違いがあるのじゃないか。それから婦人更生資金にいたしましても、もっとPRをすべきであって、ほかに世帯更生資金とか、母子福祉資金とかいうようなものがあって、その方でまかなわれておるという面もございますけれども、やはりこの婦人更生のためにある資金の活用ということについては、もっと府県当局なり市町村当局がこのあるものをPRし、また借り受けられやすいようにすべきではないか。この点は昨年来、この資金が借りにくいという声を婦人相談員その他関係の方からも伺っております。こういった手続についても再検討をすべきであって、この点については局長からも指示を受けております。そういうような点で、予算を取ったものを適切に使う、十分使うべきであって、しかし油断できる話ではございませんので、十分個々について検討し、さらに必要なものについては構想を新たにしまして、大いに増額すべきものは増額していくべきである、かように考えておる次第でございます。
○市川房枝君 まあ地方の施設に私ども行ってみて、たとえば新しくてなかなかりっぱですし、それから職員は何人もいて、それで収容者はどうかといえば二人か三人くらいというような、それでちゃんとお客を待っているような情勢の所を見受けるのですが、そういう施設のあり方といいますか、今お話のあったように、定員にも問題があると思うのですが、あるいは地域によっても違うでありましょうし、まあこれは最初の私は計画が十分でなかった、見込み違いだったということは——それもほんとうはあってはならないといいますか、ない方がいいんでありますが—一応そういうことは認めるとしても、そうすればそれをどうしたらいいか、今後の問題として私はもっと検討して、そしてそれを直していくようにすべきである。その点、私どもどうも厚生省当局が何だか今まできまっている通りをずっとやっていく、継承しておいでになっているような気がして、少しその点については不満の点があるのでございますが、もっとも実は一年に二億四千万、来年度二億四千二百万円になるのですが、それだけの予算を使うのに、厚生省生活課の実際に売春のことを担当しておいでになる方というのがたった一人なんですね。一人ではもうなかなか回らない、考える余地もない、こういうふうなこともちょっと聞くのですけれども、生活課においての売春関係のお扱いになっている事務官といいますか、陣容はどういうのですか。
○説明員(翁久次郎君) まことに率直な御質問でございますが、生活課としましては婦人保護の関係者が、担当者が少ないということで、先日一人職員を入れましてこれを婦人保護に専念させることにいたしました。現在課長補佐一人、それから係が二人ということになっております。なおこのほかに売春対策推進委員室というのがございますが、それをお世話する女子の職員が一人というのが、ただいまの実情でございます。
○市川房枝君 まあ三人、四人おいでになる、私が聞いていたよりは人数がちょっと多いのですが、しかし、その職員の方が、私どもお目にかかりにいったところによると、じきおかわりになっているようでして、この問題なかなかむずかしい問題でして、やはり専門にだんだん御研究になり、だんだんいろいろ経験をお積みになっていっていただいて初めて適切な施策ができるのじゃないかと思うのですが、これは生活課にはどうですか、社会局に何か売春の方だけ専門に担当して下さるような参事官といいますか、そういう方は置けないのですか、よく私どもわかりませんが……。
○説明員(翁久次郎君) ただいまの御質問の趣旨は、いわゆる専門職の職員を置いたらどうかというような御質問の趣旨だと思います。御指摘のように、職員が配置がえ等で異動することも事実でございますが、先ほど申し上げましたように、この婦人保護の主任者というものをはっきりとことしから定めまして、事務的には、ただいま申し上げた職員でやっていけるものと考えております。ただ、それに必要ないわゆる専門職的な職員を設置することにつきましては、職員設置のいろいろな制約もございますが、一方では幸いこの法律施行以来この問題にきわめて熱心な菅原先生初め推進委員の方々がおられて、常時御相談申し上げる機会もございますので、私のただいまの考えではこの推進委員の方々と十分御連絡申し上げて、現在の体制で仕事を進めて参りたいというふうに考えております。
○市川房枝君 先ほどから売春対策推進委員の方々のお話が出ておりますが、今も五人おいでになりますね。ところが推進委員の方々の一年の予算がたった二十三万円ですね。それだけで今おっしゃったようないろんなことを推進委員の方々に協力を願うことができますか。どの程度御協力願っておいでになりますか。
○説明員(翁久次郎君) これは毎回御指摘を受けることでもございますが、この推進委員の設置費は主としてお集まりいただきます際の手当でございます。それと若干の酒代が入っておるようでございますが、これ以外に私の方ではそれをお世話する職員につきましては別途の経費で見ております。それからたとえばブロック等で大会等がございまして、推進委員の方に御出席願うという場合も他の庁費で見るというふうにいたしまして、確かに額としては少のうございますが、できるだけ生活課全体で仕事の推進をはかっていきたいということで考えております。ただいまのところは月に一回ないし二回程度お集まりいただいて、いろいろ御相談をしていただく、さらにごく近い機会に、最近変わりつつある売春の実態というようなことについて、都内数カ所を御視察願うというようなことを計画しておりますので、現在のところは、こういったような状況で推進委員の方にお力添えいただけるのじゃないかというふうに考えております。
○市川房枝君 来年度の三十六年度の予算で売春防止啓蒙活動費というものを百七十五万円要求なさいましたね。これ全部だめだったように思うのですが、この予算はどういう点にお使いになるものですか。
○説明員(翁久次郎君) 予算要求のときのお話になるのでございますが。これはちょうどこの五月法律が公布になりまして満五周年になるということで、私どもの考えとしましては売春対策審議会の委員の方々あるいは先ほど申し上げました推進委員の方々に、全国の主要個所においでをいただいて、そこで民間と一致の上で講演会その他懇談会等をお開き願う、その他、われわれの方でそれに必要な準備に要する経費として要求したのでございます。
○市川房枝君 売春対策の売春防止の啓蒙費というのは、労働省の婦人少年局に予算が幾らか載っているわけなんですが、婦人少年局ではその予算は承認されたわけで、来年度だけでなく今までもずっと継続してお取りになっているんですね。まあその婦人少年局の啓蒙とそれから厚生省生話課の方の啓蒙と、これはどう違うのか。あるいは別々におやりになるつもりだったのか。今度は厚生省ですがね、この二つの省にまたがって同じことをする。必ずしもその問題ばかりではなく、いろいろ重複といいますか、いろいろあるんですが、これは婦人少年局どうですか。どういうお考えです。
○説明員(高橋展子君) お答えいたします。婦人少年局の方としての啓蒙活動というもののねらいということのお尋ねであったかと思います。この婦人少年局で売春問題を取り上げております基本的な立場といたしましては、やはり婦人の地位の向上というその見地から取り上げているわけでございます。それからまた現在、売春防止法が施行されまして以来は、私どもは直接法の施行にはいわゆる所管上の責任を持たない立場ではございますが、しかし、ただいま申し上げました婦人の地位向上という見地と、それからまた売春防止法成立に努力をいたしましたその立場から、この法の施行後も売春防止対策の推進のためには、法の施行の側面的援助及び婦人少年局としての独特の立場からの対策を進めて参っているつもりでございます。具体的には、私どもの直接出先でございますが、婦人少年室という機関を通じまして各種の活動をいたしておりますが、その一つに、ただいま御指摘のありました啓蒙活動という業務がございまして、これが市川委員御指摘のように、この数年継続的に約百三十万ほどの予算をいただきまして進めて参っているわけでございます。その内容といたしましては、売春問題の発生するその深いところにも触れましての私どもの一つの考え方をもとにいたしまして、日本で売春防止ということの実をあげるためには、やはり広く日本の社会の通念と申しますか、特に男女の関係をめぐる考え方であるとか、あるいは女子の人権の問題であるとか、あるいは午前中問題になりました純潔に関する問題であるとか、その他非常に広い観点からの啓蒙活動が必要であると考えまして、社会の各階層を広く対象といたしまして啓蒙活動を行なっております。つまり特定のこれら関係婦女子に対する啓蒙ということに限定することなく、日本の社会を構成いたします各層に対する啓発活動に努めているわけでございます。具体的には、各種の資料を作成いたしまして、売春問題の動向あるいは売春対策に関する官民の努力の進捗状態あるいは特別な法律をめぐる問題等につきまして、年間の動向をまとめた資料を各方面に配付いたしましたり、また広く一般の方々の関心を喚起いたしますためのいわゆるキャンペインをいたしております。これは一定期間を限りまして、特にその期間中、集約的に全国で婦人少年室が催しております行事でございますが、このキャンペインの際には、いわゆる啓発用の資料を作成いたしまして、関係機関、またいろいろ公衆の集まる場所等に配付いたします。その際、私どもが意を用いておりますのは、今申し上げましたような売春問題に対する正しい考え方の普及ということとあわせまして、特に法施行後は、法の趣旨の徹底をはかるあるいは法によって設けられました保護更生のための施設の周知ということにも努力をして参っております。またこの特別活動期間中には、各種の後援会、座談会というようなものをもちまして売春問題の新しい動きの把握ということにも努めております。今年度の事業につきましては、先般十二月から一月にかけまして、ただいま申し上げましたキャンペインを全国的に行ないまして、そのキャンペイン期間中に各地で懇談会形式の会合を持ちまして、現下の売春問題というものの把握に努めたわけでございますが、その会合等の報告がただいま本省の方に参っておりまして、取りまとめ中でございますが、まとまりましたらこれを御高覧に供し、また売春対策審議会の方にも提出したい、かように考えているわけでございます。
○市川房枝君 その予算を労働省がお取りになって、それから婦人少年局でも今の御計画をお進めになっているわけですが、国民一般からいえば、やはり労働省だけでなく、ほかの官庁といいますか、施設といいますか、厚生省からさっき伺いましたように、啓発用の予算を要求したけれども取れなかった。向こうでもそういう希望を持っているわけです。そういうような場合、お互いに連絡をして、そうしてやるということが必要ではないか、こう思うわけなんですが、これは厚生省とまた労働省だけでなく、私どもの立場では、ほかの方も、警察もあるいは売春問題に関連している官庁は、少なくとも一緒に連絡をとって、いや官庁がむしろこういうことの主になるより、民間の団体と協力してこれはやるべき性質のものだと思いますが、それはその程度にしまして、あともう一つだけちょっと厚生省に伺って終わりたいと思いますが、婦人相談員の問題でございますが、今度の厚生省の予算の中で、婦人相談所の職員については、公務員のベース・アップに準じたベース・アップがあったわけです。ところが婦人相談員は常任者でないので、全然ベース・アップといいますか、待遇が上がらなかったわけですけれども、それでいいのでしょうか。私どもはやはりそれに準ずべく少しふやすのが当然だと思うのですが、厚生当局はその努力をなすったのかもしれませんけれども、その間の経過をちょっと伺いたいと思います。
○説明員(翁久次郎君) ただいま御指摘のございました婦人相談員の手当につきましては、御指摘のように補助金といたしましては前年通り平均一万円。その二分の一の補助ということでございます。私どもこれで十分とは考えておりません。ただ、他の非常勤職員の手当等の関連もございまして、補助金としての手当額の増が実現が困難でございましたので、先日来自治省と折衝をいたしまして、都道府県に対する交付税の算定の基礎といたしまして、母子相談員も二千円アップの一万二千円、これは全部交付税の交付金でございます。母子相談員の方は交付金でございますが、婦人相談員の方につきましては、一万円分を補助金で回わしまして、二千円分を交付税で見て、これを各県の実際の交付税の算定の基礎にするということでお願いをしたわけでございます。従いまして、府県の事情の許す限り、この手当について増額が可能なように措置いたしたいということで、先日厚生関係の部長会議がありましたときにも指示をいたしまして、できるだけ御期待、御希望に沿い得るようにいたしたいと考えておる次第でございます。
○市川房枝君 そうすると、それは確定というわけですか。そうでもないのですか。
○説明員(翁久次郎君) ただいま申し上げましたことにつきましては確定でございます。
○市川房枝君 それは幾らかよかったと思うのですが、婦人相談員は非常勤ですけれども、ほとんど休みの日も出ているという方も多いようですし、あるいは時間なんかもずいぶん長くなっておりますし、仕事の性格上第一線で働いて下すっている人たちでございますから、待遇については一つなおよくお考えをいただきたいと思います。もっとも、これも常勤にするかどうかという問題もありますけれども、私はすぐ直ちに常勤にするということもちょっとまだ賛成しかねる立場なんですが、とにかく現状においてでも待遇をもう少しよく、退職金とかあるいは期末手当のような問題も考えていただきたい。それからもう一つ、危険手当というのだそうですが、いわゆる危険業務といいますか、婦人相談所の職員の方にはあるそうですね。月に千五百円くらいですか。ところが、婦人相談所の職員はすわっていて来る人に応対するわけですけれども、婦人相談員は出かけて行って、山谷なら山谷のような所まで行ってするので、危険率はもっと多いと思うのですが、これは危険手当というのは常勤者でなければつかないのですか。どうも少し不合理のように思いますけれども。
○説明員(翁久次郎君) 危険手当につきましては、都道府県の条例あるいは規則で、それぞれの都道府県の人事委員会の定めによって支給しているわけでございます。こういった危険手当的なものを、手当の算定基礎に含めることはできないことはないと思います。従いまして、結論的に申し上げますと、危険手当は危険手当として支給するのではなくて、危険手当という要素を加味した手当ということは考えられる、かように申し上げられると思います。
○市川房枝君 その支出が地方の自治体だとすれば、厚生省としては発言権といいますか、決定権はないのかもしれませんけれども、今のようなお話で、それを含めて待遇をよくするということで一応御努力を願いたいと思います。それから婦人相談員の人たちが、去年全国婦人相談員連絡協議会ですか、というのをお作りになって、たまたま私もちょっとその会合に出席したのですが、規約とか予算とかを実はその会合で拝見して驚いたことは、まあメンバーが四百人くらいですか、おありになるのですけれども、一年の予算を拝見したら、たった四万円ですね。四万円で一体何ができるか、郵便代さえ私はないと思う。こういう組織は、やはり厚生省当局としては、これを助成し、そして協力を求めていくということであっていいはずなんで、厚生省から補助金なんというものは出せないのですか。
○説明員(翁久次郎君) 補助金を出せないということはないと思います。それから、これは昨年の十月にたしか発足されたと思いますが、こういった任意団体の助成の仕方等につきましては、それぞれ関係各省いろいろ区々でありまして、補助金によって助成するというところもあるかと思いますが、ただ予算的には零細補助という問題もからみまして、きわめて困難であると思います。むしろ、現在の任意団体として、十分大きくなるということを申し上げたらおかしいのですが、発展されまして、それが一つの婦人問題についての大きな発言力になるということは、関係者として大いにお力添えしたい。かように考えております。
○市川房枝君 大きくなって、発言力を強くするのには、やはり四万円の予算ではできないので、それはまあ来年度、厚生省生活課として補助するような予算がないのかもしれませんけれども、それは一つお考え下すって、そうして強力になるように、一つお手伝いをしてもらっていいはずだと、こういうふうに考えるわけでございます。 厚生関係のことで、なお私いろいろ伺いたいことがありますが、ちょうど私、約束の時間が四時なので……、まだいろいろ伺いたいのですが、次の機会まで保留いたしまして、きょうはこれで私の質問を終わりたいと思います。
○赤松常子君 私もちょっと時間に制約がありますけれども、一、二生活課長にお尋ねして、終わりたいと思っております。 先ほど伺いますと、一千万円前後の金が、また国庫に返済されるということ、私、ほんとうにもったいないと思うのですが、更正資金などは、今府県は二割でございましたか、国が八割でございましたか、そういう関係から、府県の財政が赤字の場合、せっかく国で予算を取っても、府県でそれを補充しないものですから、これを利用できない。こういう例もあるのじゃないかと思うのでございますが、そういうことはどうなっておるのでございましょうo
○説明員(翁久次郎君) その点は別に大した大きな要素ではないと思います。むしろこれを借り受ける側の方々に対する広報活動が不十分であったり、あるいは借り受ける側の人が借り受けられやすいような一その手続に欠陥があるというふうにわれわれは考えております。従って、もっとこれが借りやすいような形に検討すべきではないかと思います。
○赤松常子君 私、逆のように聞いておりまして、もし生活課長がおっしゃるようでございましたら、非常に私は当局の怠慢だと思うのでございまして、せっかく道が開かれている、金があるのに、それをまた国庫へ返すなんということは、ほんとうに私もったいないと思いますのです。それが事実であるとするならば、もっとその点、どうぞ検討していただきたいと思っておりますし、それからもう一つお尋ねしたい点は、よく地方に参りまして、いつも私、感じることですが、今、課長も言われましたように、その施設が六〇%しか利用されておらぬ。それを人がいないから、これでいいのだというような見方をなされやすくて、収容すべき人がたくさんいるにかかわらず六〇%しか利用されていないという、こういう社会の実態と施設の運営とが、非常に矛盾があると思うのですが、これを有機的に結びつけるには、婦人相談員の権限の問題あるいは今申します広報活動に、もっと熱を入れるということ、それが非常に足りないのではないか。それが、もうやがて法を実施して五周年を迎えようという今日、毎年毎年、六〇%です。五〇%ですと言って放置されている。こういう点について御検討なさってきたことがございましょうか、いかがでございましょうか。
○説明員(翁久次郎君) この問題は、婦人保護施設の集まりあるいは各県の相談所長のブロック会議等で常に問題になっているところでございます。御承知のようにこの婦人保護行政が、かつての赤線、青線を廃止したときの状況と、それから一応それが姿としてはなくなったけれども、潜在化した売春形態の現状において、出発当初とは、行き方を当然変えるべきではないかということと、それから施設がございます府県のそれぞれの実情があるのでございます。こういった点については、十分検討をして、改めるべき点ないしは足りない点は、充実をすべきであるということで、特に今年、これが再検討については、十分努力をしたいと、かように考えております。
○赤松常子君 ほんとうに売春の実態というものが、年々変化しているのでございますから、それを十分把握なさいまして、せっかくの施設があるのですから、組織もあるのですから、十分これが活用をされるように、ぜひ本腰を入れていただきたいと思っております。 それから地方に参りますと、婦人相談員の方々が、実によく努力されていらっしゃいます。ところが県々によりまして、必ずしも統一されておらない。統一ということに悪い意味じゃないのです。筋が入っていない。それは地区々々における特殊事情で婦人相談員は御活躍されるというその弾力性はあっていいと思いますけれども、本筋がしっかり通っていないという感じを、私よく受けるのでありますが、厚生当局といたしまして、婦人相談員のこのお仕事の要領といいますか、幅といいましようか、筋といいましょうか、一応御指導なさっていらっしゃるのでございましょうか。そのままになさっているのでございましょうか。
○説明員(翁久次郎君) 御指摘の点につきましては、本年の一つ目標といたしまして、婦人相談員の活動要領というようなものを、至急草案でも作りまして、なお相談員の方々とも御相談した上で、これは一つの基本の筋として、活動の中心にして参りたい、かように考えております。
○赤松常子君 ぜひそれを早くしていただきたいということを、私痛感いたしているものでございます。それをお願いいたしておきます。 それから労働省の高橋課長さんにお願いをいたしておきますが、ことしはちょうど五周年の施行記念を迎えるわけでございまして、近々婦人週間を迎えるわけであります。ぜひこのチャンスに、この売春防止法の重要性及び今たびたび申されておりますこの社会の風潮に対抗して、抵抗して、売春防止法の前進をはからなければならないということも、ぜひ婦人週間の間に、十分お考え下さいまして、社会各般にPRしていただきたい、こういうことを御要望申し上げます。
○説明員(高橋展子君) ただいま赤松委員の仰せられました売春防止法施行五周年のことでございますが、このことにつきましては、私どももその重要性ということを深く考えておりますので、各省と御協力の上、あるいはまた民間の諾団体とも御協力の上、来たるべき五月には、記念の行事あるいは広く啓蒙活動等を展開して御期待に沿いたいと思っております。 それからまた婦人週間のことをただいま御指摘いただきましたので、この機会に、御参考までに申しておきますと、今回の婦人週間には、私ども労働省が主唱機関といたしまして、目標を毎年打ち出しているわけでございます。ことしの婦人週間の目標といたしましては、次の世代の成長に婦人が貢献する、このような趣旨を出しているわけでございます。で、婦人週間はもとより婦人の地位向上のための週間でございまして、直接に青少年児童の問題を取り上げる週間ではないわけでございますが、私どもといたしましては、このような目標を打ち出すことによりまして、現下の非常に大きな問題となっております青少年や子供たちの問題に対して、婦人が賢い努力をすることによって、日本の社会の明朗な成長を期待していく、このような考えに立っております。で、この週間に私どもは特に強調いたしたいことは、子供あるいは若い者のモラルということを、その若い者たちのみを叱吃勉励して期待するということではなくて、おとなの姿勢を正すあるいはおとなのモラルというものを高めることによって、次の世代がすこやかに成長することに貢献しようと、このような姿勢でこの婦人週間には臨みたいと思っているわけでございますが、けさほど来のこの委員会の御審議が、非常にその今の若い世代の純潔というような点に関心が深いことを拝見いたしておりまして、私どももこの週間にこのことの重要性を十分に盛り込んでいきたいと思いますし、また、そのようにいけるものと考えております。
○高田なほ子君 時間もありませんが、しかしこれは委員長にお願いしておくことですが、売春対策は法務省それから厚生省、労働省、総理府、文部省、警察庁というふうに大へん多岐にわたる行政面を含んでおります。従って、きょう質問は一応進んでいるわけでありますが、まだ私どもの党では、二人ほとんど質問の時間がありませんでしたので、今後またこういう機会を作っていただいて、一そうこの問題を一生懸命やらないと、先ほどからの質問でもわかるように、どうも政府側はへっぴり腰で、問題にならないというふうな印象を受けます。せめて当委員会でも、よほどこれは委員長を中心にして、一生懸命やっていかないと、先細りになって、とんだことにならないとも限りませんので、この際、基本問題はきょうだけではなく、引き続いてやはり機会あるごとにお互いに究明し、知恵を出し合ってというふうに持っていかしていただきたいと思いますので、この点は一つ委員長において善処されるようにお願いしたいことが一つ。 それから町田さんにお願いいたしますが、刑事局の方から売春婦の家族関係について、最近のデータをいただいて、なかなかけっこうなデータだと思います。ただきょうは質問の機会がなくて残念でしたが、ヒモと暴力団との関係、これはこの資料ではちょっと出てきませんので、大体、夫、内縁の夫というのが大部分ですね。二百五十名について調査したのでは、大部分が内縁の夫で、しかも前科について持ってないと、はっきり前科はないと書いたのは大へん少ないので、あとは前科の問題については九〇%くらいはほとんど不明ですね。これではちょっと暴力とそれからヒモとの関係というものについて私研究することができません。前の何かの資料によりますと、内縁関係といわれる夫の中で、大体二七%くらいが暴力団に加盟しているような数字が出ております。最近はもっとこの数字が上がっているのじゃないかという見通しを持っておりますが、できましたら急がなくてもようございますから、暴力団とそれからこの内縁の夫というものあるいは同居している者というようなもの、もう少し具体的にわかる数字が取れれば、ぜひこれは見せていただきたいところなんです。これはできますか、どうですか。
○説明員(町田充君) 御指摘の暴力団とヒモとの関係、おそらく法務省の刑事局のお出しになった資料だと思いますが、私どもの方では、昨年の五月、一カ月間に売春防止法の被疑者ないし被害者として警察で取り扱いました婦女子について、一体どのくらいヒモがついているか、あるいはヒモがどういう職業であるか、そういうものを一応調べたものがございます。しかし常時そういうものは調べておりませんので、最近のごく新しい資料ということでございましたら、御要望に沿いまして調査をいたしましてお出しをする、こういうことになろうかと思いますので、若干の時日をおかしいただきたいと思います。
○高田なほ子君 じゃ厚生省の方にこういうことができるかどうか。資料の要求ですけれども、婦人の更生指導という面では、いろいろの婦人を更生保護施設に入れておいて、今後の更生のために大へん努力を皆さんされておるのですが、大方の意見では、収容者の基準、そういうものを一応つけたらいいのじゃないか、みそもくそも一緒にして職業補導をして更生させるなんということを、六カ月の間にそんな、できるわけはない。だから期間がこんなに短いのだから、せめて期間を長くしろという要求は皆さん御承知でしょうが、その期間の中にはんとうに更生できるような職業補導をして価値が上がるようなものを、やはり分類してやるようなことをやらなければ、まるでこれじゃさいの河原の石積みみたいだ、何とか収容基準というものが設けられてしかるべきではないかという意見が大へん強い下の意見なんです。多分こういう意見は厚生省の方でももうとうに御存じじゃないかと思いますが、もしそういうことで研究して、どういう点で基準を設けるべきかというようなことが何かの資料で、私どもにわかるようなものがあればちょうだいしたいと思いますが、そういう点の研究はされておられますか。
○説明員(翁久次郎君) ただいま御指摘の期間につきましては、現在厚生省の施設では、期間は定めておりませが、ただ御指摘のように非常に、知能指数の低い人は、先ほど申し上げましたように長期にわたるような、従って分類収容——それぞれの適性に応じた生活指導というものは必要じゃないかということは、従来から論議をされておりますし、検討もしております。ただ収容するにあたって、これはだめだという基準でございますね、これをきめるべきかどうかについては、なお検討させていただく余地があるのじゃないだろうか、将来の行き方として分類収容の上でどういう生活指導をすべきであるかというような点につきましては、やはりこれも直ちには無理かと思いますが、何かの御参考になるような資料はお出しできるのじゃないか、かように考えております。
○高田なほ子君 すると、何か私の求めるような資料があるわけですね、ございませんですか。
○説明員(翁久次郎君) 今すぐということはちょっと無理かと思いますが、時間をおかしいただけましたら御要望の資料をお出しできると思います。
○高田なほ子君 これは、私思いつきで言っているのじゃないので、実はこの間この法務委員会では北九州をずっとこの問題で視察をしてきたのです。そのときに第一線で真剣に取り組んでいられる人から大へん強い要望が出た。しかもこの要望というのは一致した要望でした。ですから今始ったことでないので、相当やはり厚生省あたりでそういう要望というものはつかんでおられるような気がしておるわけです。法務委員会とそれから厚生委員会とセクションが違うのだから、なかなかうまく連絡してお尋ねする機会も実はなかったのですよ、この前の報告のときにもこれは大切だから、一度は伺っておこうとは思っておったところでしたので、もし皆さん方で研究をしておられる資料というものがあればほしいのです。具体的に言えば、収容者の中の知能指数が何パーセントの者が大体どのくらいか、知能指数のこれだけの者が何パーセント、これだけの者が何パーセント、職業補導して更生させるのに最も適確な大体の線はどこらぐらいか、こういう数字的なものを私は知りたいと思っております。ですから、そういうものがあればほしいと、こういうのです。
○説明員(翁久次郎君) その資料でしたらただいま私どもございますから……。
○委員長(松村秀逸君) それでは、ほかに御発言ございませんか。——ほかに御発言もなければ、本件に関する本日の調査はこの程度にとどめたいと存じます。 以上をもって本日の議事は終了いたしました。 次回は公報をもってお知らせいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十一分散会 ————・————