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38回国会参議院1961/09/22

法務委員会 閉会後第2号

発言数
29
登壇者
7
会派数
3
開催日
1961/09/22

会議録

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) ただいまより法務委員会を開会いたします。  この際、委員の異動について御報告申し上げます。  八月九日付、小林孝平君辞任、松澤兼人君選任。北村暢君辞任、江田三郎君選任。  八月三十一日付、松澤兼人君辞任、野溝勝君選任。  九月一日付、野溝勝君辞任、松澤兼人君選任。  以上であります。    ——————————

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 先般、当委員会が行ないました委員派遣について、派遣委員から御報告を願います。  まず、第一班北海道班の御報告を願います。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 私から北海道班の現地調査について御報告いたします。  北海道班は、松村委員長、大森委員、私井川理事の三名が、西村専門員、久保調査員を伴い、八月二十六日から八日間にわたり、札幌、釧路及び函館の各地において売春防止法の運用の状況並びに売春に伴う青少年犯罪の実態等について現地調査を行なって参りました。  すなわち八月二十七日には、札幌高等裁判所及び北海道庁においてそれぞれ関係当局との説明懇談を終えた後、手稲向静学園、これは道立の婦人保護施設であります——を視察し、八月二十九日には釧路市庁、釧路地方裁判所において、また八月三十一日には函館市庁、函館地方裁判所においてそれぞれ関係当局との説明懇談を行なって参りました。なお、今回の調査にあたって最高裁判所事務総局刑事局の佐藤第一課長及び同総務局の今江事務官並びに法務省大臣官房秘書課の井上検事が終始同行され、いろいろの便宜を供与されたことをこの際御報告いたしておきます。  また、北海道では各関係者においてあらかじめ申し入れの資料を整えられたほか、現地では小野札幌高裁長官、熊沢同高検検事長初め、各地の地方裁判所長、検事正その他関係官の諸氏、道庁では町村北海道知事を初めとして、民生部長その他関係者、警察側は道本部長と各方面本部長、札幌市長初め各市長の諸氏の誠意ある協力を得たことを感謝をもって申し述べておきたいと思います。  調査は、まずそれぞれの地域の売春防止法施行の概況とこれに関連する少年犯罪の状況の説明を求め、ついで継続審査中の改正案について、一、単純売春を処罰する規定の新設、二、いわゆる売春婦のヒモの罰則と管理売春に対する罰則の補整、三、婦人補導院収容期間の更新の点についての意見を徴することにいたしました。  各地でそれぞれ詳細な資料の提供を受けましたので、これを整理の上、法務調査室に保管させてありますから、計数にわたるこまかい問題その他は、それについてごらん願うことにして、ここでは大要を報告させていただくことにいたします。  売春事犯は、最近数年の司法統計に現われたところの検挙件数の減少の傾向、再犯者の占める率の高いこと、また少年犯罪の増加等の全国的傾向は、北海道においてもほぼ同様であります。この検挙件数の減少は、各都市の実情で若干の相違があるにせよ、売春事犯そのものの減少を意味するものでなく、むしろその方法が巧妙化する結果であるようでありまして、街娼も、釧路市は取り締まりの厳重であるため、姿を見ることはないようになりましたが、他の二市ではなお跡を断たぬようです。しかし、五条違反に当たる誘惑方法も、往年のような執拗な態度は見られず、十一条違反に当たる場所提供についても、小飲食店、旅館等の利用方法が巧妙になり、検挙に困難を来たす実情のようであります。なお、函館市においては、娼婦に高令者のいること、比較的高い収入を得ている特殊事情が認められました。  また、季節的の出かせぎ漁夫や土建労働者の多い函館の釧路の両市について、性的犯罪のみならず、暴力犯増加の趨勢、年少者の犯罪率の高いことは考えさせられる事態だと思います。気性の荒い者の多いと目される炭坑地方(釧路)の風俗については、条件を同じくする他の地区に比べて特別に高い犯罪率を認めるまでには至っていないようです。観光ルートの歓楽地帯(弟子屈)でありますが、施設もまだ内地の熱海、箱根等とははるかに隔たりが感ぜられ、温泉地帯にも悪質なパンマ等はまだ出現していないようであります。  七条違反、ヒモの問題に関連して、女性が売春を営むに至る実情を調査いたしますと、生活苦等の経済事情のほかに、性に関する道徳感の低下、性的アバンチュールから、みずからを守る観念の稀薄なことによって、低落の原因をみずから作る者もなしとしないことが慨歎されていましたが、この種の女性は、その知能指数がきわめて低く、各地婦人相談所当局の努力も非常に忍耐を要すると思われます。女性の更生を妨げるものとされるヒモとの関係を調べますと、その身分関係にははなはだ複雑なものが内在して、暴力的悪質者に対する現実の取り締まりについて、実効を上げる上に困難が多く伴うもののようであります。  かくして売春防止法は、現行法の励行についてなお種々問題があり、また、事犯予防、検挙に当たる警察官の定員の少ないこと、担当区域の広大なことは、その実行に困難を伴うこと多く、理念として改正案を否定することをあえてしないが、むしろ現行法の実効を上げるための努力を尽くすべきことが急務であり、いわんや単純売春についての罰則を新設することは、現在の人員をもってしては人権じゅうりん問題惹起の可能性を伴う重要問題でもあり、尚早論が多数でありました。  婦人補導院については、院長による収容期間の延長に関して人権擁護の憲法上の問題、その処分の実効の点等について意見がかわされましたが、現行の六カ月の期間で、収容された婦人の更生の実を上げることの困難は、彼女らが知能指数のきわめて低い者が多い事実と、当該施設が北海道内に置かれていないために、たとえば東京など道外に移送収容された者がそこで退院されるとすると、環境の著しく相違した地区で新しい生活を営まねばならぬ場合が想見され、せっかくのこの施設の効果がむだになるおそれが生じないかとの意見も出て、この点は将来考えておかねばならないことと思われました。  なお、北海道の一般事情として、住宅の数が少く、かつ耐寒施設が十分でないために適正な人事管理を行なう上にいろいろの支障を感じる場合が少なくないこと、また北海道の市町村はその区域が広く、従って警察官の担当区域が内地に比して広きに過ぎて、負担過重となり、防犯、検挙等の効率にも影響があると見られる点は、これが善処方についてあらためて特段の考慮を要することであると思いました。  なお、庁舎の営繕に関して、具体的なものとして、釧路地裁庁舎の新築、同家裁庁舎の増築、瀬棚簡裁庁舎の新築の陳情を現地で受けましたが、実地の現状にかんがみますと、十分その理由ありと感じましたことを付言して私の報告を終わります。不足の点につきましては、おいでを賜わりました方々より付け加えて御報告を願います。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 次に第二班中部班の御報告を願います。

大谷瑩潤参議院同志会

○大谷瑩潤君 私から中部班の現地調査について御報告いたします。  中部班は、松澤委員、赤松委員、それに私大谷の三名が、安達法政局第一部第三課長、秋本事務局参事、今井調査員を伴いまして、九月四日、名古屋高等裁判所における法曹懇談を最初に、九月八日、金沢の湖南学院視察に至るまで、名古屋、岐阜、金沢の三都市において、売春防止法の運用状況並びに売春に伴う青少年犯罪の実態等につき調査を行なって参りました。  調査にあたり、最高裁より長井総務局第一課長、並びに今江事務官、法務省から刑事局佐藤検事が同行され、終始私たちの調査に便宜をはかられ、また現地の関係官庁より貴重な資料が提出される等、各方面より多大の御協力にあずかりました。報告に先だち深甚の謝意を表明したいと存じます。  以下、調査事項につき順次説明をいたしますが、なるべく簡単にとどめ、詳細は調査室に備えておきます資料に譲りたいと思います。  私たちは、名古屋と金沢においてそれぞれ専門の裁判官、検察官に御参集を願い、法曹懇談会を、また名古屋、岐阜、金沢の各県庁において、それぞれ県民生部及び県警本部の担当官に御参集を願い、県庁懇談会を持ち、売防法の運用状況等についてお話を伺い、また今回の改正案に対する意見を聴取いたしました。なお、岐阜の県庁懇談会には、岐阜家庭裁判所の裁判官と岐阜地方検察庁の検察官が出席して下さいました。  売春防止法の運用状況。  売春防止法の運用状況等について法曹懇談会の席上述べられましたおもだったところをまとめますと、大要次の通りであります。  すなわち昭和三十五年中、名古屋地方検察庁管内において受理しました売春防止法違反全事件のうち、半数以上が法第五条第一号の勧誘行為で、三百六十件あります。次いで法第十一条第一項の場所提供が百十一件、法第六条第二項第一号の周旋行為が百六件となっております。本年におきましても、この順位に変わりはありません。事件の処理状況を申しますと、三十五年中におきまして起訴猶予件数が六割以上を占めております。残り、起訴されたものの大半が懲役刑でありまして、罰金刑の求刑は非常に少なく、五条違反についてはわずかに二件を数えるのみでありました。  売春婦については、婦女子の保護更生を終局の目的とする法の精神にのっとり、初犯者及び再犯者で保護に適するものについては起訴猶予処分に付し、再犯者で情状の重いものや常習性の認定ができるものについては懲役刑を求刑し、できる限り補導処分の請求をして、彼女らの更生をはかるようにしているとのことでありました。けだし、もっともな処理であると考えられます。なお、岐阜地方検察庁におきましても、全く同様の処理方針であることが述べられました。金沢へ参りますと、違反事件の絶対数、主要事犯等におきまして、名古屋や岐阜とは大へんに異なっておりました。  すなわち昭和三十五年中、金沢地方検察庁で受理しましたもので、法第五条の違反事犯はわずか一件あったのみでして、それも検挙後婦人相談所に引き渡されております。そして、法第六条第一項周施行為が三件、法第十一条場所提供は、第一項、第二項がそれぞれ三件、四件となっております。裁判所におきましては——と申しましても、これは名古屋地方裁判所での話ですが、補導処分、保護観察、あるいは単なる執行猶予に附する場合、標準としては、女の陰にヒモが存在しており、このヒモとの関係を断絶させてやろうとする場合には、補導処分に、両親のもとに帰した方がいいと思われる場合には単純な執行猶予に、精神的にやや弱い、あるいは性格的にいささか異常であると思われる場合には保護観察に付するというようにしているとのことでありました。  売春防止法改正に対する意見。  今回、当法務委員会に付託されました売春防止法の一部を改正する法律案に対する裁判所、検察庁並びに県警察の意見を概略まとめますと、まず単純売春の処罰については、裁判所側は適切妥当な改正であるが、捜査に当たっては人権侵害の起こらぬよう十分に慎重であってほしいとの見解が強うございました。しかるに検察庁及び警察の意見は、一致して非常に批判的でありまして、特に警察側におきましては、理念としては賛成であるが、現実に検挙する段になるときわめて困難を伴うであろうと、ほとんど反対論でありました。すなわち、売春事犯の検挙は、人的証拠(当事者の供述)によって行なわれているため、相手方である遊客をも処罰対象とすると、売春をし、またはその相手方となったことの立証がきわめてむずかしくなり、売春がますます潜在化し、ひいては悪質な管理売春の検挙も困難になるであろうとのことでした。  次に、ヒモの処罰及び管理売春の処罰についてでありますが、検察庁側は現行法でも処罰が可能であるとするのに対し、警察側は法規の補整を望み、大体において改正案に賛成でありました。  なお、補導処分期間の延長については三者の意見は区々であり、特段に強い意見もございませんでした。  次に、視察状況。私たちは、懇談会による調査のほか矯正施設を三個所ばかり視察いたしました。名古屋の明徳少女苑、岐阜の笠松女子刑務所、金沢の湖南学院であります。明徳少女苑は初等、中等、特別及び医療の四種別の少年を収容する総合少年院であります。視察当時の在院者数は五十七名でありまして、このうち売春防止法違反によって送られてきたものが八名、送致行為名とは別に売春行為のあったものが二十三名、合計三十一名が売春行為者でありました。これは全在院者の五四%に当たります。三十一名のうち十三名までが入院前スラム街に住んでいたとのことであります。いかに経済的貧困が売春に大きく原因しているかがうかがわれると存じます。  笠松女子刑務所は、視察当時、収容人員三百四十九名でありまして、このうち売春防止法違反者と、他の犯罪と売春防止法違反との併合罪の者が合わせて三十三名おりました。これは全収容者の一〇%弱であります。なお、この三十三名中、管理売春をしていた者が六名ございました。この刑務所の一つの特色として、施設の中にりっぱな美容専門学校のあることであります。昭和二十八年十月に厚生大臣の認可を受け、現在第八期生十九名が勉強中であります。七期まで八十一名がこの学校を卒業、全員国家試験をパスしているそうであります。予後調査でわかっているものは三十名で、全員更生しているとのことであります。明徳少女苑もそうでしたが、施設のまわりにはごく簡単な塀しかなく、刑務所に特有の重苦しい感じはありませんでした。  最後に、湖南学院は金沢市の郊外、見渡す限りたんぼの広がっている平地のまん中にありまして、塀も柵もない完全な開放施設であります。そうして、逃亡はほとんどないとのことであります。視察の当日、少年たちはまっ黒に日焼けして稲刈りをしておりました。この少年院は、収容少年の分類から申しますと、中等のBとのことでありますが、大都会の少年院には見られない、どこかおっとりとした雰囲気が漂っておりました。少年たちの非行別分類を見ますと、窃盗がやはり一番多く、全収容者六十一名中二十七名、約半数を占めております。虞犯少年は非常に少なく、わずかに二名でありました。大雨を受けたときはしばしば床ぐらいまで出水するそうですが、それを除いたら環境はすばらしくよく、また矯正施設に特有のあのにおいもなく、実に気持のよい少年院でありました。  以上、簡単でありましたが、中部班の報告といたします。なお、調査項目のうち、ここで報告いたしませんでした部分につきましては、すべて資料に譲りたいと存じます。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) ただいまの各班の御報告に対し、御質疑はございませんか。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 井川先生にお伺いします。第一班の御報告を伺って、大へん御苦労様でございました。で、北海道に転落婦人の保護収容施設がないために、道外に送って、そこで保護される、大へん不便だ。こういう御報告を承って、私も驚いてしまったのです。あんな大きな北海道に一つもないということ、これは何か北海道の方でどこかに作るというような計画でもあるのか、また現在の、北海道に起こった保護されなければならない者は大体どこらまで送られて保護されているでしょうか。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 北海道にないために不便だというのは、北海道から東京へ送ってきて、東京の収容所に入れる。東京で一応生活をすることになる。長い間の北海道での生活を離れて東京へ来るためにちぐはぐになって不便だということを報告いたしました。これは不便だということは、北海道に作ってほしいということの裏になっておるわけです。  それで、じゃどこにどうしてという具体的な場所やなんかについては別にお話はなかったのです。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これは今ここで伺ってもどうかと思うのですが、御報告を承って私も驚いたような次第で、何か当局の方として、これの計画か何か、一度予算のときに新しく収容施設を作る、どこそことあげられたわけでありますが、そのとき北海道が入っていないように記憶しておりますが、どなたかおわかりの方おりますか、政府の方で。何か計画の方にはないでしょうか。

荻野かく一郎法務省刑事局青少年課長

○説明員(荻野かく一郎君) きのうまで営繕課長をやっておりまして営繕関係のことを申し上げますが、北海道の方で一番困っておりますのは、補導院の関係もさりながら、御報告の中にちょっとありましたように非常に少年がふえております。女の少年院がわずかに一つ、男の少年院は千歳少年院というのと北海少年院と二カ所でございます。これに定員以上に、大体三百くらいの定員のところへ四百五十人くらい入っております。それから矯正局として今考えておられますのは、まず帯広の方の地区にもう一つ少年院を作る、そういうのが主になっておるように私はこれまでの経過から聞いております。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 婦人の補導院が北海道にない、それは非常に不便だという声は強いものがありました。だから場所等については聞きませんでしたけれども、これはいろいろそうした方面の指導の地位にある人が求めておるということであります。それから今誤解があってはいけませんが、婦人補導施設としては道には一つあるんです。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 これは意見にわたるかもしれませんが、北海道のようなところは僻地が非常に多くてすべて開発がおくれておるわけですね。これは問題は別ですけれども教育面等についても、教育予算は文教予算だけではまかない切れないようなところは、北海道の総合開発計画の中でもお考えをいただいておるということを実は聞いておるわけです。今のように広範なところでまだ十分手の入っていないところですから、いろいろ御不便があろうと思うので、法務省の方でやはり足りないようなところは、北海道の総合開発等と提携をされて、実をあげるようにせられたらいいのではないだろうかということを、今ちょっと御報告を伺いながら考えついたことです。  それからもう一つお伺いしたいことは、さっき懇談の中で井川理事からいろいろ裁判所の営繕の問題について伺って、今の御報告の中にも概略御報告いただいたわけですが、私ども前回に福岡の裁判所を見ましたときに、大へんひどい施設で驚きましたが、井川理事のお話を伺うと、ちょうどあの福岡県のおんぼろ施設と大体似たようなお話があったわけですが、これは何か近いうちに新設をするとか何とか、そういう計画というものがございまして、御視察の中でそんなお話がございましたか。

井川伊平自由民主党

○井川伊平君 今度も参りまして、一度釧路の裁判所の実情は目撃をいたしました。非常な古い木造で、構造自体から申しましても、非常に天井の高い、冬の間暖をとるのには非常な不便なものでありますが、単にそうした状態でなしに外へまわって見ますると、非常な老朽で、これが裁判所といういかめしい役所かといった感じがする、これはどうしても作りかえなければならないものだと、そうわれわれは見ました。  それから瀬棚の方は、一班の方は見ませんで、私だけが見たのであります。そして地元の町長さん、議長さんが汽車に乗り込んで参りまして、いろいろ陳情をなさっておりました。陳情の内容は私が目撃したことと一致しておりました。それは、もと村役場で何十年も長く使っておったところの庁舎があるわけです。それを村役場の方では別に庁舎をこしらえて、その家をあけたわけです。それを裁判所がもらい受けまして、裁判所の庁舎にしておるわけです。従って言語に尽くせないような老朽ぶり。たとえば四尺ほどの窓ですね、いなかのは四尺ほどですね。それをたてますと、上の方は柱とガラス窓が合いますが、下の方は二寸も二寸五分も間があく。冬なんか雪が入るんじゃないかといったら、それは新聞を突っ込んでおくんだということでありました。二階がありまして二階で仕事をしておられましたが、少し風が吹くとはしご段からふるい落されるように、ちょっと風が吹いても家がゆれます。福岡は私は見たことがございませんけれども、お説を承りますと類似のものかもしれません。はなはだひどいものであるということは間違いありません。それから地元の裁判所の方からは、最高裁の方へそれらを改築してくれという強い御要求があるのだろうと思います。最高裁の方からでも、それは今回何か予算に組んであるのではないかと存じますが、まだ詳細は伺っておりません。そういうところでございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 井川理事のお話のように、何か今度の予算の中に建設計画か何かがありましょうか、最高裁の方どうでしょう。

佐藤千速最高裁判所事務総局刑事局第一課長

○説明員(佐藤千速君) 最高裁判所刑事局の第一課長の佐藤でございます。ただいまのお話の瀬棚の件、それから釧路の件、いずれも予算の要求をいたしております。釧路の方は従前からも要求しているわけでございまするが、いまだに実現していないという状況で、ただいまお話に出ました点は、いずれも今回の予算で要求いたしているわけであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 政府当局にこの際尋ねておきたいのですが、裁判所は直接にはそう利害関係がないという点からかもしれませんけれども、ずいぶんひどい、ほうりっぱなしのような施設が多いようですが、最高裁の方では年次的な建設計画というようなもの、ずっと年次的なものができておりますか。

佐藤千速最高裁判所事務総局刑事局第一課長

○説明員(佐藤千速君) 所管ではないのではっきりしたことは申し上げかねますが、やはり緊急度の高いものから手をつけていくと、こういうことになっているわけでございまして、どうしましてもやはり簡裁よりは地裁、大事なところからということになるのではないかと、これは私の憶測になりまするが、緊急度の高いものから手をつける関係上、一挙にできないというので、今までまだ改善されるに至っていなかったのではなかろうか、かように考えている次第であります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 そうすると、今度の予算では問題の瀬棚と、それから釧路のあれですか、新設の予算は出してあるわけですか。

佐藤千速最高裁判所事務総局刑事局第一課長

○説明員(佐藤千速君) はい、仰せの通りであります。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 裁判所には設置基準といったようなものは別にないのでしょうか。たとえば家庭裁判所なんかは、ずいぶん軽視されておって、それでつい立一つでもっていろいろの、離婚の調停やら、つい立の向こう側では強姦事件を取り扱っているというように、強姦も離婚も一緒にごしゃごしゃのところで取り扱われている。これはもう人権じゅうりんじゃないかと思うのです。裁判所の、特に家庭裁判所のような  その他もそうでしょうけれども、離婚問題等についてはかなり慎重に取り扱わなければならないところなのに。裁判所にもやはり一つの設置基準といったようなものができていいんじゃないかという気がしますけれども、現在そういう基準はありますか。

佐藤千速最高裁判所事務総局刑事局第一課長

○説明員(佐藤千速君) この基準というもの、仰せになりまする基準というものがあるかどうかという点でございまするが、おそらくこの計画としては持っていなければならないわけで、その意味におきましてはありますと存ずるのでありますが、今のような、調停でただつい立だけで仕切って、ぶっ通しでやっている。これは結局は施設の問題と申しますか、具体的に申しますると、経費の問題に帰することになろうかと思うのでございます。何分十分でない営繕の費用等の関係で、やむを得ずそういうような措置をとっているということになりまするので、もちろんそれを裁判所といたしまして、それは適当であるとはもちろん考えていないわけでございまするが、できまするならば、やはり仕切った、離隔したそれぞれの部屋におきまして調停を行なうというのがもちろん好ましいと、われわれも考えておる次第でございます。

高田なほ子日本社会党

○高田なほ子君 意見にわたるかもしれませんが、裁判所は人権を守る最高のところだと私は思いますが、学校のような場合は、教育上、設置基準というものがきちっときまりまして、その設置基準に到達するような目標で予算も獲得をし、到達するために当局は努力をしている。ところが、裁判所のほうは、建物が古い順からやる、こわれた順からやるというようなことで、なかなか目標がないというところから、問題がいろいろあるような気もしてならない。できれば、この設置基準という名前はどうかと思いますけれども、何か基準といったようなものをはっきりせられて、それで予算を要求して、あまりひどい庁舎とか、今いうようなみそもくそも一緒にして、ごちゃまぜにして調停をやらなければならないというような、そういうところを改善するためには、やはり当局としては、理想、あるべき姿の基準というようなものをお作りになる必要があるような気がする。これは、きょう、刑事局の第一課長さんで、直接の御責任ではないかもしれませんけれども、私はそうあるべきものではないかと思います。そういうものがないから、やはり予算のときに、押し方が力が弱くて、いつも裁判所はあと回しにされているというような気がしてならない。きょうは、こういう意見もあったからということで、どうか最高裁の責任のある方に御披露いただいて、長期計画をお立てになって、予算の実現のために計画を密にされるように、このことを希望するわけでございます。ありがとうございました。

大森創造日本社会党

○大森創造君 今の高田さんの話に付加いたしますけれども、北海道の瀬棚と釧路の建築の問題、これは基準といいますか、基準は今のところなくて、古くて緊急度のあるものからやるというお話でありますが、そのとおりだろうと思いますが、私の見た限りでは、全国回っておりませんからわかりませんが、法務省のほうで予算を要求されるということについても、ひとつ基準というか、順序というか、あるだろうと思います。釧路と、ことに瀬棚の点については、相当重要度をおいて要求なさっておりますか、お見通しはいかがですか。また法務省は、これは速記をとめてもらいたいのですが……、何か確実に予算のとれる適当な方法があれば、超党派的にやりたいと思いますけれども、何かございますか、いろはにとか、ABCとかつけてやっているのですか。

佐藤千速最高裁判所事務総局刑事局第一課長

○説明員(佐藤千速君) 大事な問題になりますと、所管外になりますので、いろはにというような順序をつけてどういうふうにやっているかということは申し上げることはできないのでございまするが。

大森創造日本社会党

○大森創造君 私は、予算を要求するということは、あれだけのおんぼろ建物だから当然だろうと思いますけれども、問題は、法務省内部の重要度の度合いだろうと思います。ことしから予算が潤沢にあるかもしれないが、例年の例にかんがみて、なかなかどうして実現できませんから、そういう予算の機微に触れる問題について、次回の委員会でも事務的におわかりになる人においでいただいて、その事務的手続と方法などについて承りたいと思います。そういうふうに一つお取り計らいいただきたい。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 佐藤君、いいですね。

佐藤千速最高裁判所事務総局刑事局第一課長

○説明員(佐藤千速君) はい、承知いたしました。

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 別に御質疑もございませんか。御質疑もないようでありますので、委員派遣の報告はこれをもって終了いたします。  次回は、九月二十五日召集日、午前十時二十分より委員長及び理時打合会を開会し、引き続き、午前十時三十分より委員会を開会いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

松村秀逸自由民主党

○委員長(松村秀逸君) 速記を始めて。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時六分散会

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