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38回国会参議院1961/04/20

文教委員会 第21号

発言数
272
登壇者
13
会派数
3
開催日
1961/04/20

会議録

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動につき御報告いたします。  去る四月十八日、大谷藤之助君が委員を辞任され、その補欠として二見甚郷君が委員に選任されました。  以上であります。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。開会前の理事会におきまして協議の結果、本日はまず、学校図書館法の一部を改正する法律案を議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたしました後、当面の文教政策に関する調査を進め、次いで、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案及び日本育英会法の一部を改正する法律案の審議を行なうことに決定を見ました。  なお、来たる五月二日及び四日の両日は委員会を開会せず、その定例日は他の適当の日に振りかえることに決定を見ました。  以上、理事会決定通り運営いたして参りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) それでは、学校図書館法の一部を改正する法律案を議題とし、発議者より趣旨説明を聴取いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいま議題となりました学校図書館法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。  学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であるとして、その健全な発達をはかるために、学校図書館法が制定されましてから、満八年を迎えようとしております。この間、関係者の努力により、学校図書館の設置は急速に進められ、今日、全国の小・中・高等学校の約九〇%が、何らかの図書館施設を持つに至り、学校教育充実のために、重要な役割を果たしておりますことはまことに喜ばしいことであります。  しかしながら、その実情を見るとき、まだまだ問題は多いと言わなければなりません。申すまでもなく、法律では、学校には、学校図書館を設けなければならないこと、また、学校図書館には、専門的職務をつかさどるための司書教諭を置かなければならないと規定されており、附則で、当分の間、司書教諭を置かないことができるとなっております。この特例は、必要な人数だけの司書教諭を短期間に養成することが、困難であったためのやむを得ない措置だと了解しております。  ところで、法制定後、七年を経た現在でも、司書教諭の発令を受けている者及び司書教諭の有資格者は、なお、非常に少ない状態であります。この原因は、司書講習が円滑に行なわれていないというよりは、一般教科の教員が不足しているところからきていると思われるのであります。これがため、現場では、やむを得ず、図書館事務員を数多く採用し、図書館をささえているというのが実情であります。  昨年一月に行なわれた全国学校図書館協議会の全国実態調査の結果によれば、このような事務員の数は、高等学校で約五千名、小・中学校で約四千名、計九千名に上っております。そして、その給与の出所を見まするに、約七〇%はPTA等の私費負担であり、わずかに三〇%が公費負担であります。私費負担による事務員は、昇給もなく、社会保険の適用もない有様で、せいぜい月額五千円程度の給与しか受けていないというひどい待遇であります。また、公費負担の場合も、たとえば、学校司書、司書見習、主事、主事補、講師、実習助手、用務員、雇員、給食婦等々三十種類に余るさまざまの任用形式がとられており、その身分、待遇ともにまことに不安定であります。  御承知の通り、本年四月一日以降は、市町村立学校で働くこうした事務員等の給与は、PTA負担等に転嫁してはならない旨、地方財政法が改められました。また、これらの事務員の職務は、図書館業務を行ないつつ、生徒・児童の読書指導等の教育面をも担当するわけで、その責任は重く、従って、それにふさわしい素養、資格を必要といたしますが、現に働いているこれらの図書館事務員の学歴は、大多数が高校もしくは短大卒であります。  右のような諸事情を勘案いたしまして、今後の方向としては、第一に、こうした図書館事務員の身分、待遇を安定化するとともに、その素質をさらに高めるため、助教諭である者もしくは助教諭たるべき資格を有するもので、一定の講習を受けた者については、司書助教諭に任命すること、第二には、小・中学校において、新たに助教諭に任ぜられ、司書助教諭を命ぜられた者の給与は、自動的に市町村立学校職員給与負担法によって県費負担とされ、その半額は、国庫負担とされることにより、市町村やPTAの負担を軽減できること、この二点が、真に学校図書館を充実する道であると信ずるものであります。  以上の理由により、現行法に必要な改正を加えることが適切であると考え、ここに、本法律案を提出した次第であります。  改正のおもな点は、現行法第五条を改めて、学校には、司書助教諭を置くことができることとし、司書助教諭は、文部省令で定める一定の講習を受けた助教諭でなければならないといたしたことであります。  なお、講習計画の立案と実施、地方財政計画の策定と義務教育費国庫負担金の計上等の準備の諸点にかんがみ、本法の施行は、昭和三十七年四月一日といたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略であります。  何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、当面の文教政策に関する調査を進めます。  質疑の通告がありますので、発言を許します。米田勲君。

米田勲日本社会党

○米田勲君 内藤初中局長にまずお尋ねをいたしますが、憲法二十六条にあるところの義務教育は無償とするというこの憲法の解釈を、先般、局長が何かの機会に公式に発表していることが報道されておりましたが、この義務教育は無償とするという憲法の規定は、授業料は徴収しないということである、こういうふうに限定をして解釈をしていることが発表になっておりました。  一体、授業料は微収しないということが憲法にいう義務教育は無償とするという意味であると特に限定した根拠が知りたいのです。私はそういう解釈をとっておらないので、この際、まずその点についてお伺いをいたします。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 憲法で、義務教育は無償とするという規定がありますが、この無償の範囲をどの程度にするかということが憲法制定当時から実は問題になってきたのでございます。で、教育基本法を制定するときにあたりまして、無償の範囲は授業料を徴収しないということが現在では精一ばいであるというので、この基本法の第四条に、「国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負う。国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料は、これを徴収しない。」、この規定が実定法の上においての規定でございまして、義務教育の無償の範囲はどの程度にすべきかということは、その時代等によって、また経済状態によって変えられるべきものと思いますけれども、現行法の建前から見ますと、この教育基本法第四条の趣旨が法律的にきめられた唯一の規定であると、こういう趣旨を述べたのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その基本法にあるところの授業料を義務教育は徴収しないという、そういう定めのあることは覚えております。しかし、そのことが直接的に憲法二十六条の義務教育は無償とするということにぴったり合致している建前で定められた法律だとは解釈していないわけであります。私は、この義務教育は無償とするという後段にうたった前に、「国民は法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う。」と、国民が子供に普通教育を受けさせる義務を負うというその「義務」に対照させて義務教育は無償とすると憲法はうたっておるわけであります。この憲法の建前は、ただいまあなたが言われたところの教育基本法になるほどそういうことが書いてあろうとも、憲法のいう建前は授業料を徴収しないということに限定されて解釈されるのは妥当でない。この二十六条全体から考えてもそういうふうにまず考えられるわけであります。それをことさらに憲法解釈をそのように限定するのはよろしくない。現在財政上の関係があるとか、あるいは何とかという理由でこれしかできないという意味と、憲法のこの義務教育は無償とするという規定はこうなのだということはだいぶ建前が違うわけなんですね。その点はどうですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 憲法は国の基本法でございますので、その趣旨に沿っていろいろともろもろの法律制度が考えられるわけでございます。で、制定当時から無償についてはいろいろ議論がありました。その結果実定法の上から申しますと、今お述べになりましたように、「授業料は、これを徴しない。」ということが無償の具体的に現われた規定である。しかしお話のように、無償というものは授業料だけでいいかどうかという点については、私は議論の余地があろうと思います。しかし、少なくとも現在の法律制度の上から見ますと、憲法の義務教育の範囲を限定しておるのはこの基本法四条に根拠があるわけでございます。そういう趣旨から立法論としてはいろいろと御議論がされ得ると思いますけれども、実定法の上から見ますと、この四条の規定しかないのでわれわれはそう解釈する、こういう説を申し上げたわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 私は、その基本法に定められてある授業料を徴収しないということは、それはそれでいいのですよ。ただそのことが憲法に定めてある義務教育は無償とするという概念の全体であるというところに問題があるというのです。それは義務教育を無償とするという憲法の規定の重要な一部をなすものであるという解釈ならいいのですよ。いかがですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは政策論なり立法論と現実の法体系と二つに分けていただきたいと思います。政策論なりあるいは立法論としてお述べになって義務教育の無償の範囲をどこまで広げていくか、教科書なり学用品まで広げるかどうかという点については、いろいろ私は御議論があろうと思います。ただ現在の行政の上から申しますと、私どもは法を施行する立場にございますので、法の施行面から見ますれば実定法に基づいて施行せざるを得ない。現実から考えてみますと、具体的には基本法の四条しか根拠規定はないのですから、それに基づいて都道府県なり市町村は義務を負っているわけでございます。ですから、二つに分けて考えていただきたいと思うのです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣にお伺いしますが、文部大臣の立場というのは、新しく法を改正する発議をする権限を持っております。そういう立場にありますので、特に私はあなたにお伺いしますが、今、内藤局長に聞くと、実定法の建前からいえば、義務教育は無償とするという憲法の規定は、授業料を徴収しないということなのだと、こういうふうにどうも限定しておるように思いますけれども、私は憲法にいう義務教育は無償とするという意味は、そういう限られた範囲のものではない、こういうふうに解釈しておるわけです。文部大臣はこの点はどういうふうに考えておるのか。将来この義務教育は無償とするという憲法の規定をどのように発展させようとしておるのか、こういうふうなことを大臣からお聞きしたいわけです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私も憲法の無償とするという規定は、米田さんと同じ考えであります。憲法は理想を掲げておる。法律的にいって義務教育の経費が何であるかということはこれは検討を要するとは思いますけれども、いやしくも義務教育というものはただでやるのだという理想を掲げているということは間違いない。そこで、それだけでは現実の政治行政の場になりませんので、憲法を受けて教育基本法が授業料は無償とするということをまず基本的にきめておる、そう理解いたします。従って、教育基本法によって生ずることは、授業料をとったならば憲法違反だぞということである。ということは、同時に授業料以外のことを無償にする立法措置を講じてもむろんそれは憲法の趣旨にかなうものである、そういう関係に立とうかと思います。ですから、今、政府委員からも申し上げた通り、今後の立法措置として何を考え追加する努力をすべきであろうかということはむろん残っておるわけでありますが、あくまでも憲法の趣旨は理想的な方向づけをしておる。それに近づく努力をするという趣旨に解すべきものと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣の御答弁で私は一応了解をするわけですが、さきに政府は小学校の一年生の国語、算数等の教科書を無償で配付したことがある。で、その後また財政の関係からやめているわけです。私は義務教育は無償とするというのは授業料を徴収しないことなんだというような概念でこのことをとらえている限り、憲法のさし示す理想の方向には一歩も前進が不可能だと思うわけです。だから私はこの場合、そういう授業料は徴収しないというふうに限定をして解釈をしない。教科書はもちろん義務教育の児童生徒が使う学用品に至るまで可及的すみやかに国がこれを支給して学ばせるのだという方向に発展をさせていく努力をすべきだと思う、教育行政者は。そういうふうに考えますので、この点は内藤局長、どこかの新聞に出ておって、私はどうも、長い間局長として文部行政に携わっておる人が、そういう限定した解釈で今も立てこもっておるようでは、とてもこれは憲法の理想には一歩も近づけない。いつかの機会にあなたに言わなきゃならぬと考えておったんだが、大臣のそういう回答がありましたので、このことについてはぜひそういう方向に努力してもらいたいということを希望をして次のことに移ります。  実は今全国の各地で問題になっていることがあります。その問題は何から起こってきているかというと、中学校の生徒が急増をしてきた。そのために校舎を増築しなければならぬとか、新しい中学校を建てなければならないという問題が各地に起こっているわけです。それからまた相当全国的に老朽危険校舎があって、改築を必要とすることは文部省側でも実情を調査して知っているはずであります。そういう問題やあるいは運動場が、屋内体操場がないというような状態を解決するためにその新設をはかろうと努力をしておる、あるいはまた施設、設備等の充実を考えておる、こういうようなことから今全国的に問題になっているのは税外負担の問題であります。文部省では昨年の十二月三日に次官通達を出しておる。この次官通達の内容が結局今日の市町村の現場において問題が起こっている原因をなしておる。ところでお聞きをいたしますが、私も去年は地方行政委員会に所属をしておりましたので、このことを決議するときには加わった一人でありますが、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案の審議の際にいろいろお互いに論じ合いました。その結果、この法案を通す際に、その論議の過程から附帯決議をつけたのであります。これは御承知だと思います。この二つの附帯決議のうち、特に第二項には「税外負担の解消については、その実効を確保するよう努力するとともに、さらに法律上、財政上の諸措置を検討し、これが完全解消のために万全の方途を講ずること。」と決議しております。ところが、この附帯決議の趣旨を次官通達は十分に受けておらないということが明らかであります。特にこの次官通達の二ページの上から六行目ですか、「なお、今回の法改正は、PTA寄付金等住民の税外負担の軽減をはかる趣旨に基づく」という言葉が使ってある。「軽減をはかる趣旨に基づく」とありますけれども、われわれがこの附帯決議をつけたときには「完全解消のために」というはっきりした言葉を使っている。どういうわけでこういう附帯決議の趣旨と違うような次官通達を出したのか、こういうことをまずお伺いします。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 地方財政法の改正は、御承知の通り、校舎の維持修繕費と、それから学校における人件費等についての父兄に負担の転嫁を禁止しているわけでございます。それ以外に学校の建築費とかあるいは教材、教具のような設備費につきましては、この地方財政法は禁止していないのでございます。従って全体的に見られれば、税外負担の解消ないし軽減ということになるわけでございまして、この地方財政法の改正だけで全部の税外負担が解消するという趣旨のものではないわけでございます。従って、人件費と学校の維持修繕費の二項目につきましては、これは今後父兄に負担を転嫁してはならない、この意味ではこれは解消になりますけれども、その他の費目につきましては、まだ税外負担が残る余地がありますので、全体として軽減をする、こういう趣旨をうたったのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣にお伺いしますが、義務教育関係の学校の建築、施設、もちろん人件費等も含んで、一体住民に税外負担をさせるという立場は、本来ならば許さるべきことでないと私は考えるわけです。義務教育を無償とするという言葉で、憲法でうたっておるわけですから、その義務教育をやっていくために必要な校舎だとか、運動場だとか、あるいは設備等に対して住民が税外負担をしなければならない、させなければならないというのは、これは本体でないと私は考えるのですが、大臣はいかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) むろん本筋でないと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ところで、今、内藤局長の言葉にありましたが、地方財政法は禁止をしていない、こういう言葉を使いました。こういうものの考え方は、私に言わせれば非常にけしからぬ考え方だと思うんです。禁止をしていなければやれるのだという、そういう立場、今、大臣も答えたように、住民に税外負担をかけさせることは、これは極力排除しなければならぬ。それを禁止をしているとか、していないとかいうことを口実にして税外負担を過重にさせるような方向は、これは絶対に排除しなければならない。こう思うんですが、一体、局長はどういうふうに考えているんですか、禁止をしていないからいいんだという答弁がありましたが。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは、先ほど来お述べになりましたように、義務教育は無償であるし、特に公立学校は公費負担の原則を確立すべく文部省も毎年努力して参ったわけであります。特に市町村の教育費の算定にあたりましては、過去五カ年くらい毎年三、四十億くらいの増額をして地方教育費の充実をはかって参る。ところが一向にPTA負担が軽減されませんので、やむを得ず三十六年度から地方財政法の一部改正を行なって、学校における人件費と校舎の維持修繕費だけは禁止規定を置いたわけであります。その他については禁止規定がございませんけれども、お話のように、これは解消すべく最大の努力をすべきものと心得ているわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ただいまの答弁がありましたが、私たちが地方行政委員会において論議したときも、この住民の税外負担の極度に高まっていることを非常に問題にしたわけです。その結果がこの附帯決議になったものであって、単に三行くらいしか行がないから、これは軽く考えてもいいということではなくて、相当長時間にわたる論議の上是が非でも住民の税外負担を早急に解消したい、そういうことで載せたわけです。文部省も三十六年度の予算では、PTAの負担があまりにも過重になっているということで、ごくわずかであったけれども、国も何とか解決の方向に向かおうとして努力して予算に計上した。全国的に何百億に上る住民の負担であります。そういう立場から考えて、私はこの住民の税外負担を極力なくするようにしなさいという次官通達ならいいんです。それなのに、あなの方で出したのですからよく覚えていますが、「法改正は」ということで、その附帯決議の中にあった完全解消というような意味はうたわないで、ことさらに軽減をはかる趣旨だという、ふうに置きかえて、そうしておいて、次のページのところに(2)にありますが、新築、増築、改築等に要する経費は含まれないとわざわざうたっているわけです。一体、完全に今法の上で禁止をしたこの人件費、維持修繕費ですね、これはもう絶対にとってはならないと禁止しているんですが、それでは法の建前は新築、増築、改築等の経費は、税外負担として取ってもいいのだという、そういう法の改正趣旨なのかどうか、特に附帯決議までつけた本院の立場とすれば、こういう逆手を用いて通達を出すようなことは本意ではないはずである。これはむしろ法の改正の盲点をついて住民の税外負担を増大さすような通達になっておったのだが、こういう通達は立法の建前からいっても、本院の審議の経過からいっても間違いではないですか。こういう逆手を使う通達を出すということはどうですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 法は現実に守られなければならぬと思うのであります。そういう意味から法の適切な解釈をすることが必要だと思うのです。現実に申しましてお話のようにあらゆる父兄の負担の軽減をはかるのが私どもの役目でもあるし、また当然の責務だとも考えておるわけでございます。しかし、今日まで相当多額な父兄負担のあることも事実でございます。そこでまず何から最初に手をつけるかということになって、学校における司書とか、あるいは給食の調理員とか、事務補佐員とか使丁、給仕のようなそういう人件費に類するもの及び学校の維持修繕費、特に光熱水料とかあるいは補修繕とかこういうようなものは、もう絶対に父兄に負担を転嫁をしてはならないというのがこの法律の趣旨でございましたので、まずここから根本的に一つ解決の糸口を作っていき、漸次建物の新改築につきましても、教材教具につきましても禁止措置を講ずべきだ。しかし、法で禁止措置を講ずる以上は、法はあくまでも守られなければならないという前提を考えますと、一挙に全部解消することは困難な点もあろうかと思いますので、この法が確実に施行されるように、老婆心ではございますがその点を明記したわけでございまして、決してこういうものが寄付するというような奨励的な意図は毛頭ないのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 老婆心ながら要らないことをしてくれているのです。だから問題が起こっておる、今。大体、人件費や建物の維持修繕費を取ってはならないということを書いた意味は、その逆に、改築や新築や増築の費用は取ってもいいということをいっておる意味ではないのですよ。これは住民の税外負担を完全解消させようという立場で主張しているのです。そういう方向をさしているのです。あなた方の言うようなやり方だと、建物の維持や修繕に使う金よりも、新築や改築、増築等に要する建物はもちろん校地の買収等でさらに一そう金がかかるのではありませんか、こっちの方が。そのこっちの方のたくさん金のかかる方については法は禁止していないのですという読み方は、これは取ってもいいという読み方なんですよ。この通達は、老婆心ながらなどという善意な解釈はできないですよ、これは。法がそれを全部禁止しなかったことをいいことにして逆手を使って住民の税外負担をさらに増大させようとする、ねらっているこの通達でありませんか。だから今、文部省は前に地財法の改正はあったが、それは人件費と維持修繕費だけなのであって、改築費や増築費や新築費は取ってもいいのだ、だから出しなさいといってどんどんやっている。住民はそれでお手あげをしておる、こんなばかなはずはないと。法の改正した建前はこういうことでないのじゃないかという声があちらこちらに起こってもんちゃくの種になっておる。一体、文部大臣、こういう通達を出した文部大臣に責任がありますが、これは一体、地財法の改正やそのときにつけた本院の附帯決議の趣旨を逆用していると考えられませんか。これは禁止をしておるのだが、これは禁止をしていないのですよということをわざわざ明らかにすることは、これを取ってもいいのだということを指導しているのと同じことになる。大臣、そう思いませんか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 地方財政法の改正の点に厳密に密着して通達を出したのだということから言いますと、理論的な矛盾は私はないと思います。ただ御指摘のように、受け取り方次第では、奨励しているとはむろん考えないと思いますけれども、なるほどそういうところは今すぐ解消するのじゃなかったのかということだけはわかる。またわかった結果、もんちゃくを起こすような逆効果がありはしないか、そのおそれでの御発言かと思うのですけれども、そういう意味はおっしゃられればわからないでもありませんが、通達そのものが不合理である、けしからぬというおしかりを受けるような筋のものではないように思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それは大臣おかしい。あなた自身も住民の税外負担はこれを完全に解消する立場を主張する人でしょう。地財法の改正も附帯決議も住民の税外負担を完全解消しようという、PTAの負担があまりにも増大して住民が困っているということもみんなの知っているところなんです。そうでしょう。そして厳重に禁止をして、取り上げたのは確かに人件費と維持修繕費です。だからといって、わざわざ次官通達まで出して、これはだめになったけれども、これはまたいいのだということを明らかにしたために、この次官通達をたてにとって自治体では今しきりに住民から税外負担を強要しておる。もんちゃくが起こるかもしれないどころではない。大臣、あなたまだもんちゃくが起こっていないと思っているかもしれないが、各地にもんちゃくが起こっているので、私はこの問題についてここでお話をしているのです。理論的に矛盾はしていないけれどもこれは確かに私は法の裏をかいた、逆手をとった好ましからざる指導であります、この通達は。ここにはまだ取り得る余地があるのですということをわざわざ教えている。その指導に従って自治体は取り上げておる。子供の教育を大事にしている親たちは泣き泣きでもその寄付に応じなければならぬといったような困った事態が今起こっている。このことは私は国とが果たすべき役割、自治体が果たすべき役割を十分に果たし得ないため、果たさないためにその肩がわりを地方の住民にさせるために次官通達でわざわざ法の穴を教えている。確かにだから問題が起こっている。これなら取ってもいいのですよとわざわざ出したこの次官通達は、大臣もう一度誤解の起こらないように、新築、増築、改築等に要する経費もできるだけ住民の負担にならないようにしていくべきだという通達の趣旨であるということをぜひ徹底させてもらいたい。そうでないと、この通達をたてにとって、法律は決して禁止しておらぬので、文部省もこの点については取ってもいいのだといってわざわざこれが来ているではないかと見せてやっている現実——だからこれはそういう趣旨ではないのだ、新築や増築や改築に要する経費は取ってもいいのだということではなくて、こういう経費もできるだけ住民の負担にならないようにして解決すべきものなんだというように、通達の趣旨が誤解されないように、再度通達の解釈を出してもらいたい、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今、御指摘のようなふうに、このカッコの中を利用する現地の関係者が良識がないと思います。御承知の通り、そういうつまらない誤解をして悪用するような向きもあるとすれば、機会をとらえましてその誤解を解かなければならぬと思います。同時に、このことは何も各校内の新築、改築、増築等でなしに、建物の関係のみならず、その他一切のPTA負担というものはなくするという考え方でやってもらいたいと、しかし、実際は人情がからみますから一挙には解消できないとは思いますが、気持としてはそういうことで運用してもらいたいということは、一般論として適当な機会にその趣旨をはっきりさしたいと思います。このことそれ自身は私はおっしゃるほどの  法の盲点をわざと教えているのだなどとおっしゃるほどの意味はむろん私はないと思う。それを逆用するがごとき、現地の人の良識の問題である、こう考えます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、あなたの性格や人柄だと、そういう逆用をして住民から負担を取り上げるようなことはしないでしょう、あなたは。しかし、現実に文部次官通達がきているのですよ。読んでごらんなさいと言って、これをわざわざ見せる、住民の代表者等の会合で。従って、そういうものは出すべきでないのではないかという人たちをこれで納得さしている。そこでもんちゃくが起こったので、あちこちから私の方に、これは一体どうなのですかということできている、前々から。きようでこれは四回目ですが、これを言おうとして流されて、本日今話をしておる。だから問題が起こったらとか、そういう悪意に解釈して、利用して、というような、そういうなまぬるい話ではなくて、現実にせっぱ詰まっておる。自治体の方ではやっておるわけです。やっておってもんちゃくが起こっておる。それなのに、あなたのようにゆうちょうに、適当な機会があったら一般論として言っておきましょうなどというなまぬるい話では、あなたの言う住民の税外負担を完全解消しようという考え方は、あまり積極的ではないんですな。私は問題が起こっているから、あなたにこのことを言っているのだから、できるだけ早い機会に、この通達の趣旨を逆用して、新築、増築、改築等の経費を住民に負担させるということはよろしくないのたということを理解さしてほしいというのだから、もう少し、なまぬるい話をしないで、はっきりしてもらいたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現に、そういう悪用すると申しますか、これを根拠にそんな具体的なことがあるとすれば、それに対しましてその誤解を解いてやらねばならぬと思いますし、また実際問題といたしましても、事務当局は機会あるごとにそういう問題が起これば誤りのないように指導はしておるようであります。むろん御指摘のところは具体的にどこでありますか、それに応じて事務当局はむろん従来と同じように適当な処置をするものと期待します。

米田勲日本社会党

○米田勲君 何か、問題の起こっている個所を指摘して、そこだけ依命通達を出したり指導するようなお話ですが、この通達は全国的に影響を与えているのですから、ぜひとも問題の発生しておる特定の個所だけでなく、この通達を出したところに全部お願いしたい。文部大臣の趣旨が生きるように、この通達を逆用しないように、理解を深めさす意味でも、ぜひ通達を出してもらいたい。その約束をしてもらいたい。約束をしてもらえなければ私は引き下がらない。何ぼでも続けます。理解してもらえないのだから……。どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 言葉を返すようなことをまた申し上げておそれ入りますが、この学校内のことは、教育委員会に対して今度の法律の改正の厳密な限界点というものは、こういうものなのだということを言うのが主眼だったはずでありまして、どうかしてことさらつじの曲がったようなことでない限りは、御指摘のようなことは疑いもなく解消できると思いますが、教育長会議その他も行なわれるということになっておるようですが、そういう機会に念を押しまして誤りのないように指導したいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その教育長会議というのはいつですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 五月早々にございますので、その機会に……。(「通達を出さなければだめだよ」と呼ぶ者あり)実は、この問題につきましては常々文部省は父兄負担の軽減について委員長会議、教育長会議、校長会議、市町村の教育長会議、あらゆる機会に税外負担の軽減につきまして口のすっぱくなるほど説いているわけです。そこで、御指摘になったような誤解がございますれば、これは大へん私ども通達の趣旨に反するのでございますから、五月分初めに教育長会議がございますので、その機会に十分趣旨を徹底させていきたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 欠席をした教育長のところには伝わらぬことになりますね。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 必ず代理者が出ておりますから御心配ないと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 全部ですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) はい。

米田勲日本社会党

○米田勲君 そのときに指示するその指示内容はどういう内容ですか。念のためにお聞きしておきます。どういう趣旨内容のものですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これから協議してきめたいと思っておりますが、本件につきましては税外負担の軽減、特に父兄負担の軽減について十分に趣旨を徹底させたいと思っております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 念のために言っておきますが、地財法の改正はこれはとってはならないときめたんで、これこれは禁止しておらぬですよということを、念のために、何ぼ言ったってだめですよ。この問題の解決はつきませんよ。禁止しておらなくてもそういう税外負担を住民に加重させてはならないという法の建前なんだから、この通達を逆用して費用をどんどんとり上げてはならないのだ、そういうことをしては。できるだけ自治体なり国の力でもって解決をつけていくべき性質のものなんだ。そのために住民の負担を増したり、強要したりするようなことはいけないということを徹底してもらわないというと、この紛争はなくならない。いいですか。責任を持ってもらえますか。どうですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 責任を持って指導いたします。

米田勲日本社会党

○米田勲君 その法の建前だけを明瞭にさせてはだめなんですよ。それでは、その五月初めにある教育長会議にどういうことを御指示なさるか。そして御指示されたときに教育長たちは何を言ったか。理解がどの程度になったのか。本委員会にその直後報告をして下さい、口頭でいいですから。  それではその次に、私はこれもまた緊急問題なので、法案の審議等もあるでありましょうが、ぜひこの機会に文部大臣にも聞いてもらいたいし、内藤初中局長にも答弁してもらいたいと思うのは、三重県の学校の問題です。文部大臣、この三重県の学校の問題は聞いておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 聞いております。

米田勲日本社会党

○米田勲君 初中局長、あなたとこの前ここの公式の場所ではなかったが、わざわざ会議を持って、その経過をわれわれの方の同僚議員が行ってつぶさに事情を調査してきた。その調査に基づいて相当好意ある意見をあなたにして、あなたもそれを了承して、三月三十一日までには教員の引き上げをさせないで、少しときをおいて、その間に住民との間の説得工作を進めて円満に解決したい。こういう話でしたれ。そのために県の教育長を呼んで十分話をしてと、こういうことだったんじゃありませんか。それをあなたはその後どういうことをして、どういうことになりましたか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 県の教育委員会の職員を呼んで事情をよく聞いたわけでございます。なかなか本件は複雑な事情でございまして、御承知の通り鈴鹿と亀山の町村合併に伴う問題でございまして、非常に根が深いのでございまして、昨年以来この問題の解決に県市両当局が非常に努力をしておったにもかかわらず、去る三月三十一日に教職員の引き上げを行なうような事態になりましたことを、私大へん遺憾に思っておるのでございます。当時、私は係官を呼んでできるだけ教職員の引き上げという事態の起きないように指導をしてほしいということは要望いたしたわけでございます。その後の経過を聞いてみますと、もともとこの相生中学という中学が組合立であったわけです。そこでその組合立が亀山の方は解消を決議いたしまして、統合をはかったわけであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 いや、経過はいいのです、局長。経過は知っているのだから、僕らは。その後の処置をどうしたかというのです。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) いや、私が申し上げたのは、大へん根が深いわけなんであります。そこでともかく三月三十一日には教職員の引き上げをしないで、話し合いを続けるようにという指導をいたしました。ところが遺憾ながら、三月三十一日に両方の市が十分な解決策ができないで、教員の派遣をやむなく中止せざるを得なかった。そこで今日は教員がなくて、授業もろくろくしてないような状況でございます。そこで、再度県の教育委員会の係官を呼んで事情を聞くようにいたしたわけでございますが、実はきのう来るという約束でしたが、まだ県の方から見えなかったわけですが、その後の経過を聞いてみますと、両市を県の方に呼んで、そしてこの打開についていろいろ話し合いをしたと伝えられておるのでありまするが、そこでなるべく早い機会に、少なくとも四月中くらいに何らかの解決策ができないかどうか、もう一ぺん県の方が、両市を仲介するような立場に立って指導するように、県にも指導助言を与えたい、こう思っておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、三重県には、ただいま百二名の生徒がもとの学校に立てこもって、大学の学生、その他の人で、最近までは、先生でなしに、そういう人について自習をしておった。大学も始まって、そういう人もいなくなったきょう現在では、この百二名の生徒たちはこの校舎に立てこもって自習している。先生はただの一人もいない。そういう学校というか、そういうところがあるのですよ。ずいぶん早くから私たちは局長に話をして、解決方を頼んでおいたのですが、三月三十一日で、お聞きのように教員を全部引き上げてしまった。そうしてきのうその人たちが来たのですよ、実をいうと。この部落の人たちが来た。初めて私会いました。ところが、内藤さんと話し合いをしたときよりも、さらに二十八名生徒を増員しておる。こういうものを持ってきておる。相生中学校廃校反対署名書、これは全部で六百二十三名署名しております、この中に。しかも、この両部落全体にわたっているのです。市や県の当局が、もしこの学校を取りつぶしに来たり、机だとか、備品を撤収に来たりすれば一揆が起こりかねない。夜を日についで警戒を出しておる、この部落は。そういうとんでもない事態になっておるのですが、大臣、一体、県の教育長を呼んだり、両市の当事者を呼んで手ぶらで解決はできないと思うのです、こうなったら。何か適当なあっせんの案がなければ手ぶらで意見を聞いても私は早急に解決つかぬし、解決がつかないとすれば、状況は一そう悪くなります。漸次、今まで亀山中学校に通っておった子供たちも、そこから抜けて、前の学校に立てこもり始めておる。両部落全体にわたってこの反対運動が拡大しちゃっておる。それはすでに亀山中学校に子供をやっておった人たちも、やるときの条件を満たしてくれないというわけです。約束を破ったという、市の方が。だからもう約束を破ったのであれば、その学校にやらないといって、こちらの方に立てこもり始めたわけです。状況は私たちが心配して、局長に話をしたときよりも、一段と悪くなっております。険悪になっております。そこで前と同じうに、県の教育長を呼んだり、市の当事者を呼んだりして話を聞くなどということだけでは、私はこの問題の解決にならぬと思います。文部省側の調停あっせんの案を一つわれわれに聞かしてもらいたい。安心ができればこの質疑は打ち切りますが、安心のできないような、手ぶらであれば、もう少し私突っ込んで意見を述べたいし、お聞きもしたい。どうですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほどちょっと経過を申し上げて、米田委員からやめておけとおっしゃったのですが、実は非常にこのあっせんをする場合にむずかしい要件が二つほどあるわけであります。一つは、亀山市がすでに学校統合を決議して、組合立の学校を廃止してしまった。鈴鹿市も廃止の決議をして組合立の学校というのは存置しないわけです。だから正式に認知されていない。亀山の方は学校統合で補助金ももらってしまって学校も建っちゃった。それから今度は、鈴鹿の方は、今ある相生中学校という学校は、亀山地区に学校がある、鈴鹿の地区じゃない。で、そこにも問題がある。それからお話のように、亀山は、当初はスクール・バスを出すということでバスを一カ月ほど出したそうだけれどもそれをやめてしまった。そして亀山の方に行った者がまた戻ってしまった。今設置者であるところの亀山なり鈴鹿の市が、両方で認めてない何か建物があって、そこに子供がたむろしておるという状況なんです。で、問題は、鈴鹿と亀山の市がどういうふうにこれを解決するかという私は基本的問題があろうと思うし、県がその中にあってどういうあっせんをしているのか、この事情をつまびらかにいたしませんと、文部省としても適切な指導なり、あっせんなりというものが用意できないと思う。ですからまず、第一段階としては県を呼んで、県が両市に対してどういうあっせんをしているのか、あっせんのめどがどの程度につくのか、こういうことを十分調査した結果、どういう案なら一番まとまりがいいのか、そういう点をまあ第一段階として十分調査いたしたいというのが私どもの考え方でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 局長のそういう話は私納得できないのですよ。信用できない。大体において、あのときにあなたは教育長を呼んで、三月三十一日には少なくも教員を強硬に取り上げてしまうことを待たせて、時間をおいて解決策を生み出そうという約束だったのです。その一つさえあなたの力で何も納得させられないでしょう。その人が最悪の事態がきているのに、また手ぶらで話を聞くというのでは、なかなか早急な解決はめんどうですよ。もっと積極的な解決策はないですか、あなたの方で。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは両市の問題が根本にありますから、教育委員会だけで処理すべき問題でもないわけなんです。また解決できる問題でもないわけでございます。両市の当局者がどういうお考えなのか、その両市のお考えを十分聞いて、県がどういうあっせんをしているか、こういうことなんです。この話は三月のたしか私中ごろと記憶しておりますが、あるいは下旬でしたか、米田委員はじめ数氏の方から事情を伺ったわけでございます。私はその当時は、一応あなた方のお話は聞きましたけれども、これほど根がこじれておる問題とは思わなかったのでございます。そこでともかくとして、三月三十一日までで教職員の引き上げをするという今までの考え方を変更するように、これは県の教育委員会にも言うたわけです。ところが、両市ががえんじない、私の力が及ばないせいもございますけれども、あるいは私どもが両市の実情というものの把握の仕方が足りなかったとも思うのでございます。で、私どもとしては子供たちが、この両市の、あるいは親たちの犠牲になって不幸な状態を長引かせるということは、これは非常に情けないし、忍びがたいことである。そこでできるだけ、まあ子供たちには罪はないのだから授業を継続するようにということで指導して参ったわけでありますが、両市の頑迷な態度でどうにも解決がつかなかったということは返す返すも私残念に存じているわけであります。そこで県の教育委員会も、今日まで、私は積極的にこの調停に立っているとは思っていない。もう少し県の教育委員会も積極的にあっせんなり調停の労をとっていただきたい。そうして両市を呼んで県がどういうあっせんの態度をとられようとするのか、このことを私はまず最初に聞いて、なるべく早くこれを解決するように私どもも積極的に指導をいたして参りたい、こう思っておるわけでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、その今の話ですと、だいぶこじれている。時間がかかるわけです、何としても。その間、この子供たちは全然教育を受けられない。その暫定期間、この子供たちをどうすることがいいと文部大臣は考えますか。それまでは、話がつくまではほうっておくよりほか仕方がないと考えますか、どうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 実情を詳しく存じませんので、見当を申し上げる以外に方法がございませんが、何とかそのもよりの中学校に応急的に収容して、授業に穴があかないように生徒たちを収容する方法はないものだろうか、そういうことぐらいは市当局あるいは市議会等が住民の代表という立場において当然考えてなし得る二とではなかろうか。またそういうことを県の教育委員会もなぜやらないだろうかということはよくわかりませんが、そのことが今政府委員が申しました根が深くて、感情問題になっていて、きわめて常識的に当面の措置として明らかな、子供たちにとって必要なことすらもなせないぐらいに感情が激しているのではないかと、まあ想像するわけでありますが、応急的に私はそういう手でも打って、そうして根本的な解決には時間がかかりましょうとも、子供の教育そのものにはなるべく穴のあかないようなやり方を実現させるのが一つの目標ではないかと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣は事情を知らないからそういうことを言うんだろうけれども、その問題が解決つけばこの問題は解決つくのですよ。これは鈴鹿の方の、この旧合川村の子供が天栄中学校の方に通うのには七キロ、それから旧昼生村ですか、亀山市の方の亀山中学校の方に通うのに同じく七キロ、この部落からはそういう遠い所に通うことが非常に困難だということが一つにはあって、それで今の問題が発生してきているのですから、暫定期間そのもよりの中学校に通わしておくことはできないかということは、事情をわきまえておらない文部大臣の案なんです。それができれば問題はないわけです。私はこの子供たちが、これから親たちの、おとなの何かわからないがごたごたした中で、今発育盛りの子供が長い間にわたって教育から放置されてしまう、こういうことはどうも忍びがたいことではないか、何らかその暫定期間、引き揚げた先生を暫定的にでも話がまとまるまではこの組合学校、もとの組合学校に配置をさせて、そうして教育の活動だけは続けさせておいて、その間、解決の話し合いをつけるということだけでもしてもらわなければ、犠牲になるのは子供たちだけなんです。何かそういう策はありませんか。名案は出ましたか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 現在は前は組合立でございましたが、組合立学校というものがあったけれども、現在組合立学校というものが存続していないわけです。ですから配置するにもしょうがないわけです。ところが、分校ということで鈴鹿の分校にすれば、これは配置が可能でございますけれども、分校でもない、学校でもない、建物はあるけれども学校でもないと、まあこういう状況なんです。ですから、本来両市が学校の設置者であり管理者であるから、両市が何とかしてこの相生部落の子供の解決をしていく、そのためにはどういう条件なら部落が納得するのか、こういう点について両市が私はもっと部落の立場を尊重してやらないと、県が配置しようにも配置する学校がないということなんです。その辺は第三者にもう少し相談をさせなければならない。それから、これは米田委員も御心配のように、いつまでもこんなことを放置しておいてはいけないと思う。私は期限を切って解決をしたいと思っておるわけでございますので、もうしばらく時をかしていただきたいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それでは私はきょうのところは、これ以上言っても策がないというところが局長さんの手のうららしいので、しかし、それにしてもこの問題をあなたに話をしてからもう一カ月以上経過しているのです。そうして事態はますます悪くなってきている。だからあなたは、もう少し時をかしてくれればぴたっと解決つけますということならいいのだが、それもまだ見通しが立たないということなら非常に問題になりますので、これは文部大臣、一つ積極的に文部省側でもこの問題を解決するための策を立てて、そうして子供たちが長い間犠牲にならないような方法で、部落の住民も納得し、市側も了承するような方法でこの問題の解決をつけていただきたい。それこそこちらで日を切ってあなたの方で対策を進めることを要求いたします。何日までとはきょうは言いませんが、できるだけ早く手を打って、次回の委員会あたりでまたその経過をお聞きします。  ではその次に、もう一つは、これは厚生省と話し合いをしているうちに、はしなくも文部省がどうも事情を理解していないために問題になっているということがわかりましたので、きょう緊急にお伺いしますが、実は小児麻痺が集団発生をしているということは厚生省でないあなた方もよくわかっていると思う。特に私の出身地である北海道では去年集団発生をしました。千六百名からこの小児麻痺が出た、そのうちの大体四〇%ぐらいは後遺症になって、これはもう生涯かたわ者として生活しなければならぬ状態です。そこで私は北海道だけでなしに全国的に、九州でもそうですが、この小児麻痺がずいぶん出て、肢体不自由児が相当ふえた。従来もあったものが、さらにふえてきているのであるが、一体、肢体不自由児養護学校といいますか養護学級といいますか、そういうものの現状は全国的にどういうふうになっているのか、それを概略でいいですからちょっとお聞きしたいわけです。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 肢体不自由児の子供たちは治療を要しますので、現在までのところ都道府県に県立の養護学校の設置を奨励して参りまして、全国で二十七校ぐらいはできているように思うのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 肢体不自由児の現状から見て、この養護学校なり養護学級の設置の仕方が非常に少ないということを認識していただかなければならない、これはそのことを早急に調査をしてもらいたい。特に私はきょう文部省側にはっきり理解をしてもらいたいのは、盲聾の特殊学校のときにもそうなんですが、高等部の設置について、どうも文部省は渋って困る。義務教育関係の小・中だけ置けばそれでいいだろう、高等学校だとか高等部というのは余分だという頭がどこかにあるのじゃないですか。特殊学校の問題もそうだ、いつでも高等部の設置の問題については渋る。ところが、各県に今までできている養護学校にも同じように高等部を置いていない。厚生省側の言い分は、われわれは小中だけでなく、高等部を置かなければこういう肢体不自由児では世の中に暮らしていけない、しかし、文部省側はどうもその必要性を理解してくれないというのが言い分なんですよ。なぜ高等部を置く気にならないのか、その理由をちょっと聞いてみたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) それはとんでもない誤解でございまして、私どもは盲聾の場合でも、養護学校の場合でも高等部まではぜひ作るように指導しておるわけでございます。ただ、高等部は義務制と違いますので、建物や人件費の補助はございませんけれども、まあ県立学校、県に一校か二校の学校でございますので、県でこれは設置していただきたい。ただ子供には、これはお気の毒でございますから設置奨励の、義務制に準じた就学奨励費を援助しておるわけでございます。で、現に東京都の光明学園の高等部には就学奨励費も出しておるのでございます。ですから、高等部のある学校には子供には就学奨励費は義務制に準じて出すようにいたしております。決して高等部を設置することを文部省がためらっておるとか、あるいはいい顔をしないなんということは毛頭ないのでございます。盲聾の場合でもほとんど全部に高等部が置かれておるような実情でございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 それではなぜ高等部が現在各都道府県に置かれておるのに、この肢体不自由児の養護学校に高等部が置かれていないのですか。現状は置かれていないでしょう。現状は置かれていないということはどういうことなんですか。そこを考えなくちゃならぬ。あなたは今の法はこうなっておるので、学校作るにしても、何しても金をやるというわけにはいかぬ、そういう消極的な立場ではこの問題、解決つかないですよ。あなた小児麻痺になって後遺症になった子供、見たことありますか。ありますか、ないのじゃないですか、あなた。あの小児麻痺などになって後遺症になったのは、もう常人並みには世の中、渡っていけませんよ。従って特殊な何か技術を教えなければだめですよ、特殊な技術を。それを小中ではやれない。高等部に設けてそこでからだの不自由な個所に応じた技術指導をして、そうして世の中に出してやらなければ生きることさえできないのですよ。しかし、現状はどこも作っていない、文部省の責任でないとは言わさない、私は。法がそれを出すことを許していないのなら新しく法を出しなさい、議会に。そうして積極的に高等部が設置できるような財政の援助をして、積極的に都道府県の養護学校に高等部ができるようにすべきだと私は思うのです。どうですかその点、あなたでは言えませんかな、文部大臣でなければ。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 養護学校は現在は義務制になっていないのでございます。そこでせめてこの学校の建築をする場合、あるいは教員の俸給等につきましては、これは義務制と同じように半額国庫負担をいたしておるわけでございます。で、将来なるべく早い機会に私どもは少なくとも都道府県に養護学校設置の義務だけは課したいということで、大蔵省と五カ年計画で今日まで折衝いたしておるわけでございます。この点について大蔵当局も異存がないわけであります。ただ、高等部まで義務制にすることは父兄の立場から見ると困難であろうと思います。それで現在までのところは就学奨励費についてだけは、これは義務制に準じた扱いをしているわけでございます。お話のように、建物につきましても、あるいは教員につきましても、義務制に準じたような扱いをすることも一つの方法かと思いますが、これは盲聾についても同様なことが言えると思うのです。現在盲聾につきましても学校建築費、あるいは教員の俸給費については国が負担をしていない。しかし、私どもの考えでは県で一校か二校のことでございますから、義務制以外のものは県でやり得るという実は考え方を持っておるわけなんであります。この点については今後十分県の立場も伺いまして適切な措置を講じたいと思うのでございます。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、これは養護学校のことについても私は同じ意見を持っておるのですが、この肢体不自由児を教育するということについては、私はやはり文部省で特段の考えに立ってほしい。ほかの人並みに暮らしていけないような条件になってしまっているそういうわかいそうな子供たちが、世の中を暮らしていけるような条件を作ってやるのが私は国の教育をあずかっている立場の人のものの考え方でなければならぬと思うのです。今の法は義務教育になっておらぬからそれで金をどうだこうだといっておったのでは救われないのはこの子供たちだけなんです。全身が正常で能力もある子供たちの教育もさることながら、一生日陰のような暮らしをしていかなければ生きていくことさえもできないような子供たちのために私は特別の措置を講ずべきだ、法律が今ないのならば法律をこしらえて、そうして教育ができるようにすべきなんです。私は高等部までを義務教育にしたらこれは困るだろうというのは内藤さんの個人的な見解で、その人の親にしたら国が援助をしてやるということさえできれば、もう喜んで高等部までやって自分の子供に何とかして生きていける技術を身につけさしてもらいたいと思うのはその子をかかえた親たちの気持なんです。ですから、私はこのことについては大蔵省もお話を十分聞けば理解してくれるものと考えますから、少なくともおそくとも来年度予算では積極的に高等部も設置できるような財政措置を講じられるよう、そういう諸法規の改正をやってもらいたいということを強く考えておるが、この点、文部大臣、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 同感でございます。検討の上に善処したいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 ずいぶん文部大臣との間には善処をしてもらわなければならぬものがたくさんあるのですが、このことは一つ忘れないで下さいよ。いいですか、来年度予算ではぜひつけてもらえるような必要な法案を出すとか、法の改正をするとかして、この肢体不自由児が世の中に生きていけるような道を講ずる責任を持ちますか。このことについて責任を持ちますと言ったことないので、このことだけは責任を持ってやるということを一言言って下さい。そうすれば親たちは安心します。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 義務制にはできないと思いますが、極力御要望の線に沿う努力をいたします。

米田勲日本社会党

○米田勲君 文部大臣、義務制にできないという理由は何ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは義務づけるということよりも、現実に御指摘のような、そういうかわいそうな子供たちがどうにか自分で自立していけるようなところまで育成するというところにあると思います。義務制にする、せぬということよりも、実質的に目的を達するという方向をたどることが妥当じゃないかというふうに考えましたから、義務制はちょっと私も考えられないんじゃなかろうかと、こういう考えであります。

米田勲日本社会党

○米田勲君 義務制にするしないは問題ではないのだが、現行法からいくと国から金を援助するのに道を閉ざされているんでしょう。だからそういう面で私も言ったのであって、積極的に学校の新設のための経費、あるいは学ぶためのいろいろな援助、こういったようなものが思い切ってできて、そうして高等部もそれぞれ新設ができるというふうにしてもらえば、何も義務制にしてもらわなくたって今のところはいいですよ。そういうふうにしてもらえますね、来年は。一つぐらい責任を持ちますぐらい言ったらどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 第一には都道府県が自分の行政区域内にそういう切実な実態がある限り、政府からの示唆がなくてもやるのがあたりまえだと思うのでありますが、ですから都道府県自体では財政不如意なところがある、そのために気持はあっても実現できないということが多かろうと思います。それに対して資金をあっせんするなり協力をする。そうして人件費等その他におきましては、先刻政府委員からお答え申し上げたような道も一応あるわけですから、それを活用するというようなことで、都道府県へ協力していく態勢でいけば着々実現の方向に歩んでいくのじゃないか、こう思うのであります。そういう意味で努力したいと思います。

米田勲日本社会党

○米田勲君 再質問。私はこの肢体不自由児の養護学校については、現状設置されているのでは少ないからそれの拡張増設をしてもらいたいということが一点、ぜひ来年は高校部を設置してもらいたいということが一点。そのために大幅に国が財政的な援助ができるように、そしてこの子供たちが十分に世の中に生きていくような道を講じさしてやれるように、おそくも来年度の予算では、来年度の国会には必要法案を出すということを約束したものと考えて私の質問を終わります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 先ほど税外負担の問題が調査の対象になったわけですが、これに関して先般要求いたしました資料が三月十五日付で本委員会に出ておりますので、この資料について内容をお伺いし明確にいたしたいと思います。  質問する前提として、今まで質疑をされて参ったことを整理いたします。それは私は、内閣は地方財政計画を策定する段階において、地方財政法の改正が四月一日から施行される立法措置に沿って、地方財政計画を策定するよう閣議において文部大臣は努力するようにということを要請して、それに対して努力を約束いたしました。そしてその地方財政計画が確定した後に、四月一日からの地方財政法の改正の趣旨に沿った地方財政計画はできた。具体的には父兄の負担の軽減ははかられたかという質疑に対しまして、そのようにできたと答弁をいたしております。しからばその内容を詳しくわかるように資料として提出するよう要求しましたところが、三月十五日付で資料が出て参ったわけです。この資料は二度にわたって私は再提出を求めたわけですが、まず非常に遺憾であることを指摘いたしておきます。何ですか、この資料は。地方交付税法の一部を改正する法律案の内容を列記したにすぎないじゃないですか。道府県分、市町村分、小学校費、中学校費といって交付税法の改正法律案の趣旨を羅列したにとどまっていますよ。従ってその内容というものは明確でない。それはそうなんですよ、法律案と比べますとよけい違いはない、少し違うだけだ。だからよくわからない。そこで今までの大臣の言明に関連して明確にするために、数点伺いますから明確に答えて下さい。  第一点、それは昭和三十六年度において地方税法の改正に伴う父兄の税額負担軽減は何億円実現されましたか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 矢嶋委員の御指摘になった資料は別途お届けしていると思いますので、それをごらんいただきたいと思うのです。父兄負担軽減のための改訂に伴う増加額は三十八億七千百万円であります。こういうことであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その数字よろしいです。そこで伺いますが、地方財政計画の策定にあたって、交付税法の改正の段階において、文部大臣としては税外負担分を約何億円を目途としておったのか、お答えいただきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体、税外負担が推計二百億円余りと承知しておりまして、そいつを五年以内に解消したいものだと、そういう考え方で努力したいと申し上げたと記憶しておりますが、そういう観点からいたしまして、できることならば四十億ないし五十億見当を毎年減らしていくということかと心得ておりました。事務当局を督励しながら、自治省とも十分相談をさせたわけでございますが、ここで申し上げました金額にはやや足りませんけれども、一応この見当で解消の方向に相当歩みを進め得たと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 内藤局長に伺いますが、現在における税外負担の約二百億円、従って計画を策定するにあたっては約五十億円程度確保いたしたい、こういう方針であるというこの数字には相違ございませんか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 間違いございません。ここで維持修繕費の関係が約十七億四千九百万——十七億五千万が維持修繕費、それから補助教員の給与が九億円出ております。これは全体が二百三十億の内訳でございますが、それで、この関係の経費はこの地方財政法の関係で、まず優先的に改訂しなければならない、かように考えたわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それじゃ、このペースでいっても、いつぞやここで御答弁いただいたのですが、五年間で父母負担は完全解消はしないのですね。今の数字が正しいとすれば。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 本年実は四十億程度解消になるわけでございます。昨年地方財政法を改正する当初に三十四億の解消を見たわけでございます。ですから合わせて七十五億程度のものは一応解消になったわけでございます。あと残りのものが教材、教具のような経費が相当多いわけでございます。学校の建物の経費、教材、教具、建物の経費につきましては、三十六年度で一応中学校の校舎整備が一段落いたしますので、校舎整備の関係のPTAの負担は三十七年度以降は急速に減ずるものと考えておるわけでございます。残りは教材、教具の関係の経費が中心でございますので、これを残り四カ年のうちに解消いたしたい、こう思っているわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこで私が要求した資料に書いてきてないから具体にお答え願います。通告してありますから、数字を準備しているはずです。給食調理員、それから学校司書、事務補佐、それから理科、図工等の助手、校費負担でなくて、こういう職種で働いている員数は何名いると数字をつかんでいるか、お答え願います。正確にお答え願いますよ。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 給食の調理員が六千五百七十六人です。それから図書館の司書が四千百五十五人、それからその他事務補佐員等、これは実習助手等を含めて千五百六十八人でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あらためて念を押しますが、この六千五百七十六人、四千百五十五人、千五百六十八人、これは校費負担でなくて、PTA負担にかかる職員ですね。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この数字は、若干私の持っている数字と食い違いがありますが、これを一応認めて、もう数点伺ってみます。それではこの約三十九億軽減した、地方財政法の改正の趣旨が生かされた、池田内閣の地方財政計画の中に小学校生徒九百人の学校について〇・五人相当分、それから中学校生徒七百五十人の規模の学校において〇・五人相当分の給食調理員が、学校図書館職員が積算されていますね。これ、地方財政法の精神生かされますか。  そこで具体的に伺いますが、まあ小学校にいきましょう。小学校の〇・五人相当分というのは、給食調理員とそれから学校図書司を含んで〇・五人ですか、あるいは中学校の〇・五人もそうですが。それをちょっと説明して下さい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは結局市町村が払っておる経費でございまして、小学校とか中学校とか区別する必要はなかろうと思うのです。そこで今日まで教職員の数が、先ほど申しましたように、調理員、学校図書館の司書、その他の職員合わして約一万二千名ございます。今回この措置によりまして、財源措置をしましたのが一方二千四百人ですから、大体これで市町村の経費としてはまかなう。それが小学校、中学校にどう配分されるかは、これは市町村自体が考えるべきことでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それじゃあらためて文部大臣にこれは答えていただきますよ。現在PTA負担にかかる、いわゆる公費負担でない給食調理員、あるいは学校司書、あるいは事務補佐、あるいは理科、図工助手等が現在小中学校に相当数働いている、これらの人々の人件費はこの四月一日から地方財政法の改正の趣旨に沿って公費負担に切りかえられることに相なる、こういう自信は持っているのですね、お答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこでもう一つ数字を伺いますが、この年額三万六千円と書いてありますね。ということは、一人年額七万二千円で、それらの人の一月のサラリーは六千円、こういう積算をしたということですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この六千円という積算、これはどこからはじき出したのですか。月俸六千円というのは。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは自治省が地方の、特に町村におけるこういう職員の待遇状況を見て積算をいたしたわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私はここで討論などできませんから、ただ注意だけ喚起しておきますがね。たしかに学校図書司等四千円程度で働いている人があります。しかし、これは非常に不当ですよ、四千円ぐらいで一月人を使おうということは。これはあなた方あるいは私のポケット・マネーで個人的に人を雇うのならけっこうですよ。しかし、少なくとも最低賃金制がわが国にしかれているときに、公費で雇うべきところの職員を六千円程度で雇うというようなことは、これ実績からいったといっても、そういう実績を使うということは私は不都合だと思うのだな。これは助手にしたって、事務補佐にしたって、学校図書司にしたって、高等学校くらい卒業していなかったら役に立ちませんよ。みんな卒業していますよ。そういう人の人件費を公費で負担する場合に、六千円で積算をする、これは私は大きな誤りだと思うのです。これはたとえ自治省がそれが実績だといっても、その点は、文部省側からそれらの数字の是正を私は要求しなくちゃならぬと思うのです。この点については文部大臣はどういう見解を持っておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 確かに安いと思います。漸進主義で増額する努力をすべきものと心得ます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間がなくなるから私はあまり追求しませんがね。六千円という数字を文部省自体が認めたということは私はおかしいと思う。そうしてあなた方はこの一万二千四百人は全部公費へ切りかえられるということですから、もしできなかった場合には池田内閣の責任において善処することを私は強く要求いたしておきます。  それから学校司書の四千百五十五人というのも私の調査とはずいぶん違う。私の調査は、持っておる数字は約八千から九千です。従ってですね、この財政計画でやった場合に、地方自治体にしわ寄せがいくか、あるいは切りかえができなくて依然としてPTA負担の職員がいるという事態が起こるおそれが多分にあると私は心配いたしております。これが杞憂になれば幸いですがね。しかし、そういう事態が起こったならば、文部大臣、国会で速記をつけ答弁をし、約束しておるわけですからね、是正には当然努力されますね。あなた方そういうつもりで閣議においてこの地方財政計画を閣議決定した。そうして委員会でそういう方針でそういうふうになっていると答弁しておる。しかし、実態を調査してそういうことになっておらなければ、責任を持って是正する義務があると思うのですが、お答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろんそういう考えで努力をいたしますが、さしよりその趣旨を地方に十分わかるように通達したいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう二点ありますがね。それから次の点は先ほど出て参りましたが、助手という言葉が出ましたがね。小中学校の理科並びに図工科の助手というものは現におります、PPA負担で。これは今後の教育推進上、理科、図工の助手はまあ小さい学校はともかくも、標準学級以上の学校には置くようにしなければならぬと思うのですが、この点についての初中局長の見解を聞いておきます。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) あの先ほど八千人というお話がございましたが、八千人の中には市町村負担の司書教員が入っておるように私どもの統計では出ておるわけでございます。数字について御検討いただきたいと思うのでございます。  それから小学校の場合には理科や図工につきましては、全科担任の建前をとっておりますので、困難かと思うのでございます。中学校につきましては、御趣旨の点は理解できるのでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 最後の質問ですがね。その前にさっきの数字を確かめておきます。司書教員については文部省としては困難ですね。PTA負担四千百五十五人おって、それ以外に市町村費負担の学校図書司を加えると、大体八千から九千人という数字をつかんでおる。こういうことでございますね。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では了解しました。  で、最後の質問はこの地方財政計画は非常に大事ですが、この前大臣答弁したことをもう一回伺っておきますがね。旅費は小中学校の場合は四千四百円、高等学校は六千円で積算しておるわけですね。で、県条例通りに支給さるべきだと。県条例通りに支給されない場合は是正するというので、長野県の岡谷東高等学校から投書が参りましたので、この前ある機会にこの是正措置をお願い、要求したわけですね。その機会に内藤さんの答弁は、県でそうなっておっても、教員に限って旅費減額支給条例というものがあればそうなるのだ。こういう答弁で逃げておりますがね。もしそういう教員だけに減額支給条例というものがなくて、旅費規定として県条例だけがあるとするならば、この前の文部大臣の答弁から教育公務員であろうが教育公務員でない一般地方自治体の公務員であろうが、正規の出張命令を出されて出張した場合は、条例通りの旅費が支給されるべきである。またそれができるような地方財政計画を中央においても立てるべきであり、それを受けて地方自治体は正規の旅費を支給するべきであり、されていない場合には、大臣もその是正に適切なる助言と指導を与えて是正をするという今までの答弁を私はここで確認願っておきたいと思うのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せの通りでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 関連して。いろいろ御熱心な義務教育無償の理想の実現あるいは父兄負担の全面的な解消、われわれも強くそのことを願ってやまないのですが、私は年来この問題を考えておったのですが、一つこういう点をどう考えるかということなんです。それはどういうことかといいますというと、父兄あるいは学校当局の教育実施上の欲望というものが無限に伸びていくということなんです。たとえば、私の地元の例で申しますというと、小学校を新しく作ったと、それでやむを得ないから最初はベビーオルガンでやる、その次にはりっぱな大きなオルガンにする、次に縦型のピアノにする、次にグランドピアノ、こういうことなんです。このことは、まあこれは理想的な教育をやりたいと思えば思うほどよい教具がほしい、よい教材がほしい。そこで父兄の欲望も学校の先生方の欲望も限りなく伸びていく。そういう、ちょうど私は影法師を追っているような状態のようにも思えるのです。そのときに父兄負担、役場の費用ではどうしても買えないから父兄が出し合っていいグランドピアノを買おう。こうなったときに、そういうことが行なわれる場合に、父兄負担の解消ということは一体実現できるものであるかどうかということに私は疑問を持っている。もし父兄負担の解消ということを実現しようとするならば、これは教材なり、教具なり、その他所要の品目についてあるいは児童数に応じ、いろいろな学校の諸条件に応じてこの程度の学校にはこれだけのものが入り用だと、この程度のものが入り用だと、こういうふうに一定の量と質の両面からの基準を設けて、それ以上のものはやらない。こんなふうにでもしないというと際限がないので、私は父兄負担の全面的な解消をしなければならぬということも考えますが、そのことにまじめに取り組んでいった場合に、一体どういうことになるだろうかということを考えております。拡大鏡にしてもその通りです。理科の学習に拡大鏡を使っておる。拡大鏡ではいけないから比較的程度の低い顕微鏡を使った。これではまだし切れないから、何百倍、何千倍という高度の性能を持った顕微鏡にしたいという欲望が教育に熱心になればなるほどこう伸びていく。そういう場合に二百億という現在の父兄負担の解消ということを目ざして、四十億ずつ五カ年間出していって一体解消できるかどうか。ここの辺については私は何かのけじめをつけませんと、基準を設けてけじめをつけないというと、これはどこまで行っても父兄負担の問題というものは姿を消さない、こう思うのですがこれはどうですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ野本さんの御指摘の点は、私も実は懸念する一つの事柄でございます。一体どこまで行けばいいのかという意味では、確かに不明確なところがあろうかと思います。そこで、特に義務教育課程について考えれば、公平でなければならない。いやしくも国民の血税を引き当てにして整備する以上は、不公平があってはならないという見地から申しましても、仰せの通りの一つの基準ができれば最も好都合かと思うのですが、さてしかし、その基準が何だということになりますと、私もわかりかねますけれども、考え方としては野本さんのおっしゃるような考えが当然あってしかるべきものと、こういうふうに思います。抽象論以上に申し上げかねますけれども、さらに検討もしてみたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほど米田委員から質問した鈴鹿の問題ですね、これは大臣の問題把握にまことに心もとないものを感じますし、二、三ただしておきたいと思います。  実は、これは局長は十分御承知のように、つい最近起こったことでなくて、実際は一年間にわたっていわゆる内藤局長の言うところの、学校ではない何らかの施設の中で教育を受けておるという現状ですね、だから四月一日から先生がなくなったから早くがんばりなさい、解決に努力しなさいということではなくて、義務教育を受くべき生徒が百人近くが、一カ年間にわたって学校でないところで県教育委員会は教師を派遣するという措置を二月以降はやりましたけれども、それでも学校としてのきちんと認可をしておるわけじゃないのです。ここの事態を見てみますと、非常に長い間かかって県教委、地方教育委員会あるいは文部省も努力されたと思うけれども、一年間も義務教育を受ける生徒たちが不正常な形において教育されてきた。百数十万にわたる人件費を父兄が昨年は負担をして、自分たちの雇った教員で生徒を教授させてきたということですね。もう一つは、これも文部大臣御承知だろうと思いますが、組合立の学校が廃止される際に、組合立学校に定めるところの諸機関には全然事前に諮問あるいは意向打診がなくして、市議会当局において抜き打ち的にこれの廃止が議決された。このことが地元民が憤慨しておる問題の実態です。学校廃止の際の行政機関の不当な措置といいますか、それと局長が答弁されたように、両市の間にかなりのわだかまりがあるし、教育委員会が扱いかねておるというこういう問題です。  それでまず、この問題を従来から担当してきた局長にお尋ねしたいのですが、私どもが内藤局長に話して大体四十日の歳月がたっている。日数がたっていますが、地方教育委員会、市町村教育委員会の代表者あるいは市議会当局者を呼び集めて、県教委が問題解決に、少なくとも内藤局長が一応三月九日以降解決に乗り出していますですね、県教委が両市について問題解決するような誠意ある措置をしたかどうか、これをお答え願いたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 先般お話を伺いましてから、県の教育委員会の教育長が県会開会中でございましたので、代理の者が見えまして、両市を集めて早急に解決するように努力する。そこで、三月三十一日までに教員を引き揚げるという前からの約束について再考慮してみようというところまでは、実は話し合って帰したわけでございます。ところが、その後両市の関係が悪化いたしまして、教員の派遣を拒否されたような格好でございますので、三月三十一日には教員を引き揚げざるを得なかった。その後私は円満に解決したのかと実は勘違いしておりましたが、この間関係の人がお見えになりまして、実は引き揚げてしまったんだと。今先生がいなくて、先ほど米田委員からお話のように、大学の学生も帰ってしまって、今ぶらぶら遊んでおるんだというような状況を聞かされましたので、実は私もがく然としたわけで、再度三重県教育委員会に連絡をとりましたところ、三重県の教育委員会では両市を呼んで今話し合っている最中だということで、近く上京しまして文部省にその報告を申し上げますということで別かれましたわけですが、実はきのう来る予定になっておりましたが、見えなかったので、近日中には見えるものと期待しておりますから、その際に——県が少なくとも過去一年間において私ども積極的な指導をしたとは見受けられないように思うのでございます。ともかく相当根が深いし、両市の市長がある意味では頑強でございますので、両市を呼んで何らかの妥当な解決案を示すなり、あるいは、部落民が納得するような解決策ができないものかどうか、県の案がどういうものか、これをまず問いただしたいと。しかも、期限を切ってこの問題の解決に積極的な文部省も努力してみたいと、こういう気持でございまして、少なくとも、私は、三月中ごろ以降は県も積極的に解決に乗り出している、これは疑っていないのでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 あなたが率直に、四月以降は事態が解決しているんじゃないかという把握をしておったというその把握の間違いを披瀝されましたので、この問題はそうこれ以上質問を続ける意思はありませんけれども、先ほど言いましたように、過去一年間にわたって不正常な運営が行なわれてきておる。従って、四月になってまた先生を帰して生徒が放置されている、さあどうしましょうということでなくして、すでに昨年度数カ月にたわって父兄が費用を出して教師を雇っておったこの時期に、文部省としては、当然、県教委が始末できないとすれば、適当な指導が行なわれてしかるべきであったと思うんです。そのことがなされてきておったのか、あるいはうまく解決しなかったのかは知りませんけれども、とにかく過去一年間も義務教育が不正常に行なわれてきた。それを私どもがやっと問題を把握して三月九日局長に話をしてからあなたが解決の折衝に乗り出しておるにもかかわらず、事前連絡なくして県教委の方が一方的に教師を引き揚げていったという措置は、これまた私は問題があると思うんです。こういう点に対して、やっぱり県教委そのものが問題を解決する熱意に欠除するところがあるというふうに把握するのです。もちろん、調査に参りました私ども社会党議員も、父兄を扇動して、自分たちの好む学校に立てこもってがんばんなさい、これが正常なあり方であると、こういう考え方で対処しておるのではありませんし、また、毛頭そういう考えは持ちません。できるだけ、局長も一緒に聞かれたように、何らかの解決案を見出すように努力しておるのですけれども、肝心の県教委と両市との折衝が行なわれない限りは、これから新学期を迎えて、新入生も、亀山市の方からいわゆる旧相生中学ですね、廃止された相生中学の方に残留しているという形です。早急に措置をお願いしたいのは、たとえば六月なら六月、七月なら七月、一学期なら一学期と適当な目安をぴしゃっと切ってもらって、その間にいずれかの方に条件を出し合って解決していく。それまでは、暫定措置として相生中学に残留しているところの百数十名の義務教育を受けている中学生、これの教育は、父兄が授業を教えることもできないから、自習だけをときどき見て回っている、こういう事態は少なくとも解消できるように、まずその措置を強力にやっていただいて、それから期限をつけて解決されるような措置をとっていただきたいと思うんです。地元父兄と接触しておる私ども議員としても、何らかの望ましい方向に、単に父兄の要望という立場でなくして、法に従い、しかるべき合法的な解決策に協力することにやぶさかではありませんので、その点を十分考えていただいて、現在放置されている百数十名の生徒に対する応急手当だけは早急に文部省の何といいますか忠告指導のもとに解決されるように善処願いたいと思うんです。大臣も、この点については、一年間も義務教育が行政機関の手を離れて放置されておるという事態ですから、そうして第二の面に移っているという点を十分考えていただいて、御善処をお願いしたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大臣のさっきの野本委員に対する答弁ですがね。私は決して野本委員に言葉を返すわけじゃないですけれども、しかし、国会はディスカッスの場ですから、野本委員の誘導質問で大臣が答弁されたとすれば、国務大臣としてのあの答弁は私はあのまま了承できないと思う。だから、もう一ぺんあなたの見解を聞きますが、税外負担の問題はきょう調査されたわけですね。それで、野本委員の将来の心配もごもっともだとは思うんですよ。しかし、憲法を考える場合に、大臣が日本の今の時点でああいう答弁をするということは、僕は不見識だと思う。納得できないですね。というのは、憲法二十六条では、子女に対して普通教育を与える義務を負うているわけですね。その義務者は税を納めているわけですよ。それで、学校の設置者は市町村自治体になっているわけですよ。ところが、さっきから質疑がありましたように、新築する場合は寄付を取ってもいいということにあなた方も認めているわけだ。だから、学校を建築する場合は、父兄は非常にこわいわけですよ。私ら、小中学校に子供は行っていないけれども、しかし、自分の生まれ故郵とか現住地に学校が建てられるのは一番こわいです。ものの二、三万は必ず寄付を取られるわけですね。これは、市町村当局は設置責任者に法律上なっているんですよ。住民は税金を納めているんですよ。だから、当然こういう寄付というものは取るべきじゃないのだけれども、現段階としてそこまでいかないから、大目に見ているというところなんでしょう。それから学校の設備についても、たとえば理科教育振興法、産業教育振興法では一つの標準というのをきめているはずです。その標準に達していないのがわが国の実情でしょう。その標準を上げてほしいというのは産業教育関係者あるいは理科教育関係者の熾烈なる要望でしょう。だから、そういうわが国の現状を考えるとき、文部大臣としての答弁は、今の日本の水準は低いからもう少し上げる必要がある、それからまた、学校の新築の場合でもそういう多額の寄付金を取らなくて済むようにしなければならん、とそういうふうに自分は判断しているという答弁なら僕は了承するけれども、文部大臣が、反対の、何か基準を設けてそれ以上は父兄の負担を仰いでもよろしいと、地方財政法の今度の改正では父兄負担の軽減というが、あるレベル、線を文部省で研究して引く必要があるというようにとれるような答弁をされたということは、私は不見識だと思うんです。了承できません。あらためてあなたの真意を伺っておきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻の野本さんのお尋ねについてお答えを申し上げたわけですが、例を引かれましたのは、たとえばピアノの問題、オルガンから始まってグランドピアノに至るということを例を引かれたことに関して考えますと、父兄の気持あるいは音楽の先生の気持、なるべくいいものを備えて教えたい教わりたいとうことは、これは人情として無理からんことを思います。しかしながら、そういうことを思いつき希望する学校というものは全部が、あらゆる小中学校が、ことごとくそうであるともまた考えられない道理でございますから、個々別々のその場限りの思いつきのことが父兄負担となって現われておる。それが集計されたものなんだということならば、それを完全に解消するという場合には、共通的に、不公平にならないように考慮していくべきではないかという趣旨のことをお答え申し上げたつもりでございます。従いまして矢嶋さんのおっしゃるように学校の新築、増築、改築等については、今度の地方財政法では措置されなかった点は、これは政府の努力が足らないところでありますから、今後努力して、そういうことについて寄付を求めんでもいいようにすべき課題として残っている。現実がそれを許さないのが遺憾だという課題だとむろん心得ます。理科教育等に基準が設けられていると同じように、理科教育以外のことについても、不公平のないようにという考慮から、できるものなら基準があった方がいいのじゃなかろうか、こう思いましてお答えしたわけでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 ちょっと一言。私が大臣を誘導してそして父兄負担の解消の問題その他のことについて、税外負担の問題について非常に消極的な態度であるかのごとく受け取られたとすれば、私としてはきわめて心外千万です。先般地方財政の改正をして、四月一日から父兄負担の軽減のための措置がとられたそのときに、私どもは強く敷地あるいは校舎を新築する場合も、それに当てはめるべきだということの強い主張をして参りました。それからして、その他のことについても同様でありまして、ただ問題は父兄負担の解消というけれども、それを五カ年間なら五カ年間でやるのだ。二百億を目途として五カ年間やったときに、そのときに一体それで終えてしまうのであろうかどうか、それから町村の負担能力というものにもおのずから限界があります。そこでそういうものを越えての教育的な熱意から理想的な設備がほしい、理想的なものがほしいといったときに、二百億が解消したときに、すでに欲望は先に行っている。私はちょうどこれはトラックでかけっこをしておる、競争をしておる場合に、最後の決勝線がある。選手が決勝線に近くかけてくると、その決勝線がまた先に行ってしまう、こういう事態が起こるのではないか。また起こるのがあたりまえだと私は思う。そこに教育に対するいろいろな問題があるので、従って二百億を四十億ずつ五カ年間で解消しようとしても、二百億がなくなったときすでにゴールは先に行っておる。こういう事態が起こるのだから、だから一定の基準というようなものを設けないと、父兄負担の軽減とか、あるいは税外負担を解消するとかいう問題は、永久に残る問題であろう、こういう意味で申したので、このことに対して私は消極的ではありません。積極的であればあるほどそういう事態が予見し得る、こういうことを申したのです。

米田勲日本社会党

○米田勲君 野本さん、今のお話は、あなたの言う通りだと思います、今のままでは。だから僕が先ほど次官通達の問題を出しましたが、結局義務教育関係に住民が——PTAの方が税外負担をするという今のやり方を閉じてしまえばいいのです。税外負担をさせない法律を作ればいいのです。そうしてあげてそれは自治体なり国が責任を持って整備していくのだ、こういうふうになればいいのであって、私は二百億の税外負担を四カ年で解消するということと合わせて新築したら税外負担させてもいいのだとか、増築したら税外負担はさせてもいいのだというああいう次官通達を出すよりは、そういうものを禁止するということを合わせて、禁止するがその父兄の要望は国や自治体が責任を負っていく、こういうふうな態勢を立てれば、何ら心配は要らない。私は今のような習慣が悪いのだと思う。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 他に質疑もなければ、本件に関する調査は、本日のところこの程度といたします。  なお午後は、一時四十五分より委員会を再会いたすことにし、暫時休憩をいたします。    午後零時四十五分休憩    ————・————    午後二時二十二分開会

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) ただいまから委員会を再開いたします。  まず、国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案を議題といたします。  質疑のおありの方は順次御発言を願います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ただいま議題となっていますこの国立工業教員養成所の設置等に関する法律案は、技術者の計画的養成、それからベビー・ブームに伴う工業高等学校の新設生徒増員、それから学制制度、そういうものに関係するところがきわめて大きいので重要法案の一つだと思います。先般、この技術者の計画的養成についてまずただしかけたわけですが、政府側の意見が統一されていないので、それをまず統一しておいで願いたいということをお願いしておったわけです。間もなく官房長官なり、あるいは池田科学技術庁長官がおいでになるでしょうから、それを確認して質問を続けて参りますが、その前に、私は文部大臣にこの際承っておきたいのですが、この国会当初、文部省は本院に内閣提出の形で提出される予想法律案を本委員会に内示説明されております。今や国会会期はあますところ一カ月になっているわけでありますが、一月二十三日付で本委員会に出されました法案でまだ出てきていないものがあります。今審議している法案審議計画とも関係がありますから、大臣から、一月二十三日のこの資料に基づく法案で未提出のもの、今後の見通しについて承っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 高等学校の定数に関する法律案を提案いたしたいと思っており、もう一つ、私学関係の紛争処理について措置をしたいと考えておりますが、この関係にはいろいろと私学方面にも御議論があるようでありまするし、できることならば提案したいと思いますが、なかなか意見の調整等が難航いたしておりまして、まだはっきりと申し上げる段階に至っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 重ねて伺いますが、第二番目に掲示してある公立高等学校の設置適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律案、この提案がおくれている理由と、いつごろ国会に提出される見通しなのか、重ねてお伺いいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) はっきりと申し上げかねる意味もございますが、できることならば、五月、来月早々には提案したい。おそくも来月早々に提案したいというつもりでおるわけでございます。おくれておりますことは、一応の結論に到達しております内容を、できればもっと充実する余地なきやを検討いたしておることでおくれておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 おくれている理由に、政府部内の意見不統一というものがおもなる原因であるか、それとも教育団体との関係が提案がおくれている理由になっているのか、その辺のところを承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府内部は一応事務的には結論的なところまできておりますが、与党との調整もございますし、そのほかもっとよくしたいという要望もあるやに聞いております。あまり具体的なことは、その辺はわかりませんけれども、要は、さっき申し上げましたように、もっと充実する余地なきやということを検討する意味でおくれているわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では確認しておきますが、荒木担当大臣として、五月上旬までにはぜひとも国会に提案し審議をお願いしたい、こういう方針のもとに部下職員を指示督励していると了解してよろしゅうございますね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 先ほど大臣からお話されました私立学校にかかる学校紛争処理に関する法律案、この点について、社団法人日本私立大学連盟会長高村さんの名前で意見書が各国会議員に配付されております。この意見書を見るとごもっともな点がある。第一、法案そのものがいかにも私立学校に学校紛争があるように世間に印象づけて、私学の権威のためにも好ましくない。また、私立学校にそんなに紛争があるわけじゃない。一特定の学校に紛争があったからといって、それを処理するためにこの私学法の立法精神を軽視して特別法を立法するということは納得ができないという、大要そういう意味ですが、この意見書が各議員に陳情の形で出されております。これを読んでまことに私はごもっともだと思うのですが、私立学校にかかる学校紛争の処理に関する法律案、確かに法案の名前自体からおかしいと思うのです。この法案は一月二十三日現在では一応今国会に提出審議を仰ぎたいという説明をなされておりますが、大体この国会にはもう提案されて参らないと、かように予測して今後の法案審議に取り組んでいってよろしいのではないかと、私はそう判断しておるんですが、いかがでしようか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 非常におくれておりまして遺憾でございますが、まだ一縷の望みを、私学方面の御反対がございますが、相談をして提案をする場面になり得るのじゃなかろうかと希望をしておるところでございます。しかし、非常にむずかしかろうとも思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一つ伺いますが、この一覧の中に体育の普及奨励に関する法律案というのが例示されているわけですが、これは議員立法に待って、内閣としては提出することを断念したと、かように了承してよろしいんでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まだはっきりそうも申し上げかねると思います。と申しますのは、超党派で議員立法でお取り扱いいただいた方が適切じゃなかろうかということも、オリンピック組織委員会等では有力な意見として大体そういう気持らしくございますし、できればそれも一つの方法でございますから、そうできれば願ってもないことという希望も一面においては持ちます。ただ、予算その他に関連を持ってくる事柄もございますので、それを議員立法で全部提案するということはどうあろうかという論議も行なわれております。これもまた一理あることでございまして、すなわちはっきりあきらめて議員立法に依存すると断言するわけにはまだ参らない段階と思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それ以外に、この国会中に内閣提出の形で本委員会に提案、審議を求めて参る法律案は今のところないと、かように了承しておってよろしゅうございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では本論に入って参りますが、まず大臣にお伺いいたしますが、先般、大臣は、今の高級技術者養成計画からいくならば約九万七千人不足する、その九万七千人は企業内の再教育その他で充足して参る考えだ、こういう答弁をされておりますが、それは中級技術者を再教育として大学卒業に準ずる程度の技能を与えて充足したい、こういう御構想だと推察されるのでございますが、いかがでございましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうでございますが、文部省の責任においてそれができるという意味ではむろんございませんで、終戦以来今日までやはり同じように不足をしておったことは事実でございますが、現実問題としては、企業内における再訓練等で曲がりなりにもこれをまかなってきた。遺憾ながら大学を卒業した科学技術者という形は整いかねるという前提に立ちまして、やむを得ずそういうことに期待せざるを得ない。また期待しても完全とは申し上げかねましょうけれども、実行が可能であろう。こういう意味でお答えしたつもりでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうだとしますと、中級技術者の不足四十四万の養成計画とも関連を持って参りますね。いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 中級技能者の養成のための教員の充足という意味において、むろん関連を持ってくることと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでこの法案の審議にあたっての基礎要件を整備する意味で伺いますが、先般来通告してありますから政府委員の方で準備しているだろうと思いますから、その数字を承りたいと思います。本年度、工業高等学校の生徒約一万人を増募したわけですが、それで現在定員何名になりますか、一個学年の定員は。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 十一万でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 三十五年度入学定員が十一万人、それから三十六年から四十五年まで逐次教えて下さい。入学定員が何名増員するか、三十六年度は何人増員する予定ですか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 現在の段階におきましては、毎年に増員すべき数というものを、必ずしもまだ政府部内として固めておるわけではございませんで、三十六年度一万人ふやすということで、自後のことは各年次別にはその年度の予算ということできめていきたい、このように考えておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 七年間に八万五千人の定員増をはかるというのでしょう。これによって教員が何名必要かという数字が出てくるわけですからね。十年間に約四十四万人不足だというのですから、当然、人材養成計画としてあなたのところでは三十六年度には一万人ふやす、三十七年度には何人程度、三十八年度には何人程度という、素朴でも案を持っていないはずはありませんよ。それをこの間から政府委員室を通じて連絡を申し上げておったわけですから、それを三十七年、八年、九年と、逐次何名ずつふやす予定か、大まかな数字でいいですから、お答えいただきたい。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 今御指摘ございましたように、一応四十四万人の不足に対しまして、文部省の事務当局といたしましては、およそ八万五千人程度を現在の規模よりも増していくというような考えを持っておるわけでございます。それが年次別にそう不均等になるということはあり得ないということもありますけれども、しかし、これは三十六年度ともかく一万ということでスタートいたしまして、自後また十年間の見通しに対する大まかな数字でございまするから、各年別の具体的な数というのを、何万々々というふうな割り振りのところまでは現在確定をしておるわけでもございません。少なくとも今年よりも減るということは考えられませんし、できるだけ早い目にこれを埋めていくということもございまするし、これは大学との関係につきましても、池田長官の勧告等もございまして、自後の、三十七年度以降の年次計画につきましては、今後さらによく検討いたしまして実情に適するように持っていきたい、このように考えておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、そんなことでこの法案の審議を求める資格がありますか。では文部大臣に伺いますが、昭和三十六年度に工業高等学校を何校増設されるのでございますか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 三十六年度は一万人と予定しておりますのは、それによりまして八十五課程分を新増設をしたい。このように考えておるわけでございます。それが現実に何校になりますかは課程別によって計算をいたしておりますので、三課程一校ということになりますれば、校数としてはいろいろの計算ができるわけでございますが、これは県の設置計画を待って考えなければならぬことでございますから、何校という表現では今のところ考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 八十五課程二万人、一応当初計画は幾らにはじいたのですか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) これは三十六年度の計画といたしましては、八十五課程一万人分ということで当初から要求して参りました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 現在のところ、公立工業高等学校二十四校、私立高等学校二十校というものを一応予定しているわけでしょう。ところが、当初の計画はそういう数字じゃなかったでしょう、どうですか、この数字。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) そのような割り振りについては、私ども別に考えておりませんのでございますが。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは考えていなかったとするならば、八十五課程一万人で、それを基礎に伺いましょう。大臣に伺いますがね、三十七、三十八各年度ですね、幾らずつ増員をするのだという計画がなければ教員養成計画なんかは立てられないじゃございませんか。この間から政府委員を通じて準備して答弁してくれるように要請をしておいたのですがね。その数字を承らなければその批判のしょうがないのですがね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その具体的なことを申し上げられないでおそれ入りますが、ともかく十年間を見通しまして、大学卒業程度の高級科学技術者と申しますか、これは約十七万人現状のままならば不足する。それを十年間に解消せねばならないということを対象として考えまして、教授陣の整備可能の状況等が特に隘路であったようですが、そのことを考慮いたしまして、遺憾ながら一応の計画としては、すでに御案内の通り、御指摘の通り九万七千人くらいは不足するということに相なります。中級の技能者の養成は、現状のままならば四十四万人くらい不足するという勘定になる、それを極力教員の充足も念頭におきながら四十五年には完成したい、その数字を充足したい、こういう考え方でスタートをしておりますが、先刻も申し上げましたように、結局それは推定の数字でしかございませんので、あまり強い関心をその点に集中しておったわけではむろんございません。可能な限り年次別にそれを平均的に割り当てて、そうして年度々々の予算を確保していこうという考え方であるわけでございます。従って、その数字はごらんに入れるとしましても逆算的なもの、そうしてできるだけ初年度に近い方に集中的に養成する計画でいこう、こういう腹がまえをもって臨んでおるわけでございます。以上お答え申し上げます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 所得倍増計画というものは非常に、一つの目標とはいいながら、やっぱりデータがあって立てられておるのですよ。それに伴う人材養成計画というものが出てきておるわけなんですね。だから、できるだけ早く、極力なんということでは済まされないのですね。ある程度なまの数字でもはっきり計画的な数字があるべきですよ。できるだけ早くとか、極力とかいうようなことでは済まされないのですね、この計画は。だから、もう少しはっきり何年度には何名入学者がふえて、それから何年度には卒業者が何名ふえて、いかように充足されていくのだという数字で示して計画をいただかないと批判のしょうがないのです。幾ら工業教員を養成すればいいかという、そういう数字ははじき出せないのですか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 御案内のことと存じますけれども、所得倍増計画におきましては、一応十年先の四十五年度におきます国民経済の規模を考えまして、その経済規模の増大に必要といたします就業者数を勘案いたしまして、そこを目標といたしまして現在の規模との差で将来に拡大すべきものの大きさというものを考えておるわけでございます。倍増計画自体におきましても、年次別に中間段階におきましてどの程度とかいうような、きまった見通しを立っておるわけでございませんので、十年全体を通じましてのその大きさというふうに私ども承知をいたしておるわけでございます。その十年全体の大きさを通じまして、工業高等学校の卒業者の段階におきましては四十四万人の不足が予測される。それに対しまして、工業学校も一応先ほど申し上げましたように八万五千の定員の増ということで、事務的に試算をいたしますならば、関係の教員教は一応八千七百名というふうに推定されるわけでございまして、年次計画として毎年の計画を今直ちに確定をするという段階に至っておりません。でございまするから、総ワクにおきまして、その大きさの規模を、これはいずれにいたしましても、ある程度の年度別の計画として毎年度の予算とともに施策を進めていかなければならない、このように見通しを立てているわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 審議できませんよ。都道府県の場合でも産振計画をいろいろ立ていますがね、はっきりとしたやはり数字が並べられていますよ、ある程度なまな数字が。年次計画がなくて何で十年の計画が作れますか。それは計画した通りぴしゃりはいかないでしょうけれども、大体の計画というものがなくて車はころがりませんよ。これがわからないとね、工業教員の需給関係がいかようになるのか。従って、三カ年間に速成しなければならぬのか、しかもこれが伝えられるように、十一年間置く必要があるかどうかという数字が出てこないのです。あなた方にはわかっておってもこっちにはわからない。そろばんはじくのには。科学技術庁長官あるいは官房長官がくる前に、高級技術者の方を、これは数字が、資料が出ているから、中級技術者に関係がありますので、これからまず伺っていきましょう。  きょうここに資料が出ておりますがね、これで伺いますが、これは科学技術庁長官が文部省にけちをつけるはずですよ、こういう数字だったら。それは養成計画としては明らかに池田さんの方に軍配が上がりますよ。これはずさんですよ、あなた、これ。で、伺いますがね、まずこの(二)のところの一万六千人増員計画を年次計画的に実施すると仮定した場合、三十六年度は入学定員増加予定数が二千七百九十人となっていますね。備考のところに、なお昭和三十六年の入学定員増募は三千二百二十人とある、これはこの前確認した数字ですが、どうしてこういうふうになるのですか。表と備考とに昭和三十六年度の入学定員増加予定数を別別にここに書かれたんですか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 一万六千人の増募計画は先ほども申し上げましたように、四十五年度までに一応現在の規模に対しまして、学生の定員増を一万六千と予定するという前提を一つ置きまして、それを年次計画的に実施するとした場合に、どのような計画になるかという一応の割り振りをしたものでございます。三十六年度は今御指摘ございましたように、大学二千百九十、短期大学六百という一応の計画のもとに予算の折衝その他を進めて参りました。しかし、現実に国立の予算につきましても、当初の見込みよりもやや上回った数字で三十六年度の規模が固まりまして、また私立につきましても、実際に申請のございました私立大学からの新増設に対しまして、設置審議会を通過して新増設を認めましたものの数は、この当初見込みました数よりも若干の増が出たわけでございます。でございますから、一応、計画といたしましては、このような年次別の割り振りということで、総数一万六千人の計画を立てたわけでございますけれども、三十六年度当初見込んでおりましたものに対しまして、現実に入学定員の増として確定を見ましたものが三千二百二十人である、こういうわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうすると、こういうふうに了承できるわけなんですね。当初計画としては二千七百九十人を予定し、それだけの予算措置を講じたと、その後四百三十人ふえて三千二百二十人になった、この数字をさらにふやすか、ふやさないかで池田長官と荒木文相の意見が相違して、今ペンディングになっていると、かように了承してよろしいわけですね。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 先ほどもちょっと申し上げましたのでございますが、国の予算規模におきましても、この一万六千人の計画として上げましたこの数よりも若干上回った予算を国立大学につきましても確定することができたわけでございます。ですから一万六千人を年次計画として割り振った場合の一応のめどがこのくらいの速度で、このくらいのめどでという計画でございまして、現実にはその年度の予算できめていかなきゃならぬことでございますから、予算として確定を見ましたものがこの三十六年度の施策となって参るわけでございまして、その三十六年度の予算との関連で、現実に入学定員の増と出て参りましたものが三千二百二十人である、このように御理解いただきたいと思うのでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それから、あとの後段の質問の答弁は……。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) この規模に対しまして、なお予算と無関係に大学の学生定員の増ができるかどうかという点につきましては、従来からの私どものやって参りました仕事の実態等から考えてみまして、予算と無関係に私立大学の定員を認めていくということは困難ではなかろうかというふうに考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、それでは文部大臣は三十六年度は三千二百二十人で参りたいと、かように最終的に方針をきめられているということですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま説明員から申し上げた通りでございますが、国立、公立はむろん国なり公立団体の予算によって縛られるわけでございますから確定するわけであります。また、私学におきましても、従来、科学技術教育に金がかかりますので、法律によって助成措置を講ずることを決定していただいていること、及び予算措置によって設備の助成をするというやり方で数年来きております。そこで予算に関連を持つ意味で、科学技術教育については私学の方からそれぞれ文部省に申請が出てきて、それが大学設置審議会等の議を経まして予算措置がとられ、配分せられる、そういうやつを集計したのが今申し上げたような数字でございます。それ以外に、予算措置を伴わないで増員ができる方法があるはずだ、また、そういうことをやりたいという大学もあるんだということが勧告に盛られておる一部の事柄だと思います。そのことに対しまして、具体的に関係の大学に連絡をしながら、どういう私学としては計画を、考え方を持っておるか、そのことが予算なしでやれるかどうか、予算なしでやれるものでありせば、むろんそれを制約すべき限りではありませんので、その両者を十分調査をして勧告の趣旨にも沿いたい、こういうことを今やりつつあるところでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 きょうは四月の二十日ですね。何日までにその結論を出される予定ですか、文部大臣。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) なるべく早く、今月一ばいにでも調査を完了するようにという考え方でやっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 説明員に伺いますがね、三千二百二十人の国立、公立と私立の内訳をお教え下さい。

村山松雄文部省大学学術局大学課長

○説明員(村山松雄君) 三千二百二十名のうちで、国立大学関係が千七百九十名でございまして、残りが公、私立大学という割り振りになっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 公立は幾ら——公立と私立は。

村山松雄文部省大学学術局大学課長

○説明員(村山松雄君) 公立は、正確な数字を今持ち合わせておりませんが、百五、六十名だったと記憶しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私立は。きょうこういうこと聞かれるのわかっているじゃないですか、質問されるのわかってるでしょう。

村山松雄文部省大学学術局大学課長

○説明員(村山松雄君) 残りが私立でございますので、私立は約……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 約じゃだめです。私も数字を持っているが、あなたの言葉で確認したいために伺っているのです。幾らですか、お答えいただきます。——私立は千二百六十五、間違いないですか、この数字は。僕の持っている数字は千二百六十五とあるのですがね。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 私立は千二百六十五でございます。公立は百六十五名でございます。国立が千七百九十名でございます。合わせまして三千二百二十名でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では大臣に伺いますが、予算を伴わないで増募することができると池田長官があなたに話されている数字は幾らなんで、ございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 説明員からお答えいたします。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 私立大学につきまして今御指摘のような、今後この年度中に増員がどういう形で可能であるかどうかにつきましては、先ほど大臣から申し上げましたように、本日以来調査を開始しておるところでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 科学技術庁長官の言っておる数字をお答え下さいと言っておる。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 仄聞いたしました数字は約三千というふうに聞いております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 仄聞でなくて、直接、池田長官から数字か何か持って文部大臣にお話があったのじゃないの。どうですか、その点は。国会で答弁する人が仄聞程度ですか。大臣どうですか、お答え願います。審議できませんよ、しっかり答えてもらわぬと。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仄聞と申し上げたのは、本来ならば、それぞれの大学から文部省に対して大学の意思として確定したものが申し出られたその数字を申し上ぐべき数字だと思うのでございますが、科学技術庁長官がメモ書きとして持っておられたやつを事務当局がちょうだいしておると思いますので、それを仄聞と申したことと思います。約三千名と私も記憶いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう少し伺って官房長官にお伺いいたします。お忙しいでしょうが、しばらくお待ちいただきたいと思います。このけさいただいた資料の(一)、(二)、(三)ですね、(三)のところに理工系大学、短期大学卒業者増加予定表という表が出ております。こういう表が高級技術者についてできるならば、どうして中級技術者の高等学校出についてできないのですか、その説明を求めます。先ほど工業高等学校の教員養成計画を検討する立場から、中級技術者養成の、七年間に八万七千人をふやして十年間に四十四万人の欠員を充足するという、その年次計画のなまの数字でもいいからお教えいただきたいと言えば、どうしてもそれはできない、そう言う。高級技術者ができるのにどうして中級技術者ができないのですか、まずそれからお伺いしたい。どういうふうにして説明する。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 前回資料の御要求をちょうだいいたしました際に、私どもの方としては、あるいは聞き違えたかと思ったのでございますが、前回は理工系の学生ということによってこの数字の御要求を承ったように私記憶したものでございまするから、従いまして、四十四万につきましては理工系の学生ということではなくて、別のものと考えて、理系工の学生として、従来、科学技術庁長官との間で議論のありました一万六千人の関係を、一応御要求の線で取りまとめてみますと、そのような資料ができるという意味で用意いたしたわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それはあなたの言うことはその通りなんですよ。それはそういうように速記録に残してあるのです。それは一度に求めても無理だから、この前の質問でこれを求めたわけだ。ところが、これを要求し質問する数日前に、政府委員室を通じて、私はこれだけの勉強して数字を整えておくようにということを要求してあるわけですよ、政府委員室に。それは理工系の大学卒業者の三十五年から四十五年に至る入学自然増とそれから卒業自然増の数字と、それから工業高等学校の入学者の自然増とそれから卒業者の自然増と、それから同じく三十五年から四十五年に至る工業高等学校の教員の年次別不足と、それから教員養成課程に入る学生の入学自然増の人員と卒業自然増の数とを研究して数字を持っておくようにということを、二週間も前に政府委員室を通じて要請してあるわけですよ。それを一度にプリントにするのは骨が折れるから、この前高級技術者の質疑をやったから、それでそのときにこれだけを要求したわけです。あとの二つは、きょう答弁できればと思ってさっき聞いたわけですが、いかにも作れないようなことなんですが、作れないことはないはずです。あるはずで、なかったら、そういう所得倍増計画とか人材養成計画はできっこないのです。これは経済企画庁とお宅で十分話し合っているわけですよ、事務当局から。それで経済企画庁の人材養成計画に載っているわけですからね。そういう点で迫水長官の出席も願っているわけですよ。だから、きょうあらためて要求しますが、さっき申し上げました工業高等学校の生徒関係と、それから教員の数の関係ですね、その二つもこれに準じてプリントにして出して下さい。口頭で答弁できないからね。  そこでこの資料について伺いますが、この第三表を見ますと、これ池田さんが文句を言うはずだと思うのだ。幾ら素朴なる案にしても、なまな数字にしても、これは入学した生徒は全部卒業することにしてあるわけだね。こういう計画というものはあるでしょうかね。特に三十九年、四十年あたりは入学者よりも十人ずつ卒業生が多くなっているのです。これはどこからか転入学でもさせるつもりですか。三十九年の短期大学のところの欄位は千五百六十というのはこれは千五百五十のはずですよ、僕はさっきちょっと検討したのだから。従って、四十、四十一年、以下ずっとその数字を十ずつ狂っている。計のところでは十ずつみなこれはマイナスになるのですよ、間違っているでしょう。こういう計画で十年計画なんか立てたらえらいことになると僕は思うのですね。大体その計画を立てるときは何じゃないですか、一つの係数をかけて計画を立てるものじゃないのですか、いかなる計画を立てる場合でもね。大事な所得倍増計画における人材養成をしようという場合でしょう。その場合に何ら係数を顧慮することなくこういう数字を出して、しかもこれは十万からの不足となれば、科学技術庁長官が僕は勧告書を出すのは当然だと思うのですよ。しかもその勧告が出て一カ月間も閣議にも諮らないでこれを放置してあるというような点は無責任きわまると思う。今事務当局に伺っているわけですがね、このテーブルにおいて数字をあげたやつはどうですか、あなたの判断について。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) ここに第二表にあげましたのは、一万六千人の定員として増募いたしますものを先ほど申し上げましたように割り振ったわけでございまして、第三表は、御指摘のようにそのままの数字を卒業供給数として一応あげてあるわけでございます。御指摘のように、現実の学生数はこれにかなり出入りがございます。国公立におきましては、大体定数、あるいはそれを若干下回る程度の学生が現実に入学をし、卒業して参るわけでございますけれども、私立の大学にいたしましても、この計画として考えました定員に対しまして、現実に大学に入ります定員は、これはもう三十三年、三十四年とその年度によりまして増減がございますのですが、かなり上回った数が現実に入るのでございます。これはその年度によって増減の率も違っておるものでございますから、一応計画として立てます際には、この定員として計画をいたしますものが一応そのままの規模というふうにまあ試算をいたしまして、お手元にありますような七万二千二百という数を出したのでございます。現実にこれが何名になるかと申しますことは、現実にその年次におきまして定員を上回った学生の採用がどの程度行なわれるかという程度によって動いて参りますので、これを当然何割かが増で出るとかというふうに予定いたしますこと自体も不適切かと考えまして、やむを得ずこの計画定員のままということでいたしたわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 何も知らぬ人が聞くと、あなたの言葉りゅうちょうだから名答弁のように思うだろうが、とんでもないですよ、総務課長。これは池田さんなんかに一発やられるはずですよ。それで具体的にこれどうですか。この三表の三十九年のところの短期大学の千五百六十というのは千五百五十のミステークでしょう。あとずっと十ずつ違っているでしょう。これは君、入学定員よりもみなずっと多いもの、卒業するときはね。間違いでしょう。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 大へん恐縮でございますが、先生御指摘のは三十四年……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 三十九年の千五百六十というの。じゃ、その前の三十八年の六百十というのはどうして出たの、十という数字は。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 本年度現実にふえました短期大学の定員が六百十だからでございます。でございますから、一応供給数としては、三十六年度につきましては三千二百二十という確定いたしました数がございまして、この内訳は先ほど申し上げましたように、短期大学が六百十あるわけでございまするから、その六百十が三十八年に出て参る、こういうことで、六百十という数字を入れたわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それならなぜこの二表のところの、三十六年度のところの数字をそういうふうにしておかないのですか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 一応一万六千人という計画で、当初三十六年度には二千七百九十という予定で、あとの年次の割り振りも一応つけるとすれば、こういうことでいくというふうになったのでございますから、三十六年度を実数を書き込みますと、合計数が、一万六千にまあ合わすかどうかという点はあるわけでございますけれども、三十六年度の計画数によって一応三十七年度以降の計画数というものを記入したわけでございまして、計画に対しまして実数が、先ほどから申し上げましたように動いておるものでございまするから、供給数につきましては、三十六年度だけはその現実に、ことし三千二百二十という一応確定をいたしました数字を利用したわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうなれば、何ですか、小学校か中学校の生徒が算術計算をするとして、この一表、二表、三表から計算した場合、四十五年まで不足数がトータル何名となっておりますか。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 四十五年までの総数におきまして、不足の推定数が十七万一千三十一名でございまして、それに対しまして、三表にございますように、七万二千二百という供給増になって参りまするから、差引は九万八千八百三十一名というのが差になってくるわけでござます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その九万八千八百三十一名というのは、先ほどもらって秘書に計算さしたのですが、確かに合いました。九万八千八百三十一名ですね。しかし、この九万八千八百三十一名というのは、そもそもこの統計の素材になっている数字がそう正確なものでないから、約十万と見ておけばいいでしょうね。九万八千なんか、正確にいう必要はない。算術上からいうとそうなりますが、約十万ですね。そうなりますと、この十万を中級技術者で充足するということになるわけだな。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) この増員の計画予定数は、一応一万六千人を年次別にこのように割り振った場合に、一応の試算としてこのような数字を割り振ることができるというわけでございまして、三十七年度以降につきましては、各年次別に、またその予算として、そのときにおきます必要数を具体的に私ども仮定をし、要求をして参りたいと思うわけでございまするから、この計画数の通りに何年も先までぴしっときめておくという意味のものではございません。ただ、一万六千という数字を当初から申し上げて参りましたのは、これは教官の、まあ供給可能数との見合いで、一応総数におきまして一万六千というものをめどにしたわけでございまするから、この計画を三十七年度以降繰り上げることが、もし可能になって参りますならば、実際の供給可能数というのは、それに応じてまたふえてくるわけでございます。ですから、十万がいつまでも絶対的に不足をするということではございませんので、現在の時点で一応この割り振りをいたしてみました場合に、そのような不足が予定できるであろうということでございまするから、現実に十年先に至って、やはり十万人の不足があるかどうかというのは、一にこの来年度以降の私どもの努力にかかわることと、このように考えておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 十年後に十万が不足ということじゃないのだよ、これはね。だからここで経済企画庁長官がどうしても必要なんですがね。これは年次でこう不足していったのが、トータルがこうなってくるわけだね。その過程において、所得倍増計画を組んでいるのですからね、その過程において所得倍増計画のズレが出てくるわけだよ。そのズレをどういう計数をはじいて計算しているかということは、これは非常に大切な一つのポイントだと思うのです。十年たったときに、そこで十万、ばっと不足しているわけじゃないのだからね。その間に不足が累積されていって、それが人材不足で、所得倍増計画を推進するのに支障となってきているわけだからね。その支障を少しでも早く解消していこうということが政治課題として大事なことなんですよ。そこに着眼したのが池田さんで、勧告として出てきた根拠になっているわけだね。だから、その点は経済企画庁側から聞いてみなければわかりません。その点は経済企画庁の方で聞きます。  そこで、いずれにしても何でしょう、この私が今秘書に計算させたところによると、たとえば三十五年に約一万八千、飛んで三十八年にいくと一万二千七百程度、四十一年にいくと約六千七百程度、四十四年にいって約八百四十程度、こういう不足がずっと出てきているわけです。すると、これが計画を推進していくと、文部大臣が言うように、企業内の教育として中級技術者で充足しなきゃならぬということが起こってくる。火急な問題になってくるわけだな。そうすると、その中級技術者のソースであるところの工業高等学校の定員の問題が起こってくるわけですよ。これが十年間に不足という、四十四万に影響を及ぼしてくるわけです。たとえば工業高等学校は、あなた方、資料を作るのに参考に言っておくが、昭和三十八年の時点で約三万五千足らない、飛んで言えば四十二年の時点で約四万一千、四十五年の時点においては約四万六千人不足しているわけだね。だから、これをいかように生徒を増募していくか。で、学校を建てるか、それに伴って工業学校の教員を何年度において何名充足するか、何年度において何名程度卒業者の自然増がふえるかという数字をはじかなければ、この臨時工業教員養成所が適切であるかどうかという判断がつかない。だから、これだけの資料ではこの法案がいいのか悪いのか、僕は批判ができるだけの材料がそろっておりません。だからその数字が出てあらためてそれは追及していきます。  官房長官は忙しいでしょうから官房長官にお伺いをいたしますが、先般おいでいただいたときにこのいわゆる池田勧告は閣議の議題になっていないということで答弁を終始されています。あの質疑が行なわれたのは四月十三日でした。その後、これは閣議の議題に供されたか供されないかお答えいただきたいと思う。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) 閣議の議題になっておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 なっていないですか。これが明確にならないと人材養成計画というものは、どういうものを考えているかということがわからないわけですよ。で、審議できないわけですが、あれだけの勧告を出して、荒木文部大臣と調整がまだできないのに、どういうわけで官房長官は閣議の議題にしないのですか。また、関係閣僚懇談会等を開いて調整解決されようとなさらないのですか。私はどうもそこの理解に苦しむのですがね。何ですか、池田君が勝手にアドバルーンを上げているのだからというようなことで、各閣僚諸君はこれを冷ややかな目で見てほったらかしているという状況ですか。われわれ閣外の者から見れば不可思議であると同時に無責任であると思うのですね。こういう法案を国会で審議してくれといって国会に出しておいて、これを閣議で議決した両大臣は盛んに意見が食い違ってやり合っていて、それでこの法案を審議してくれという、そういうことは立法府に席を置いておる者として、外から見た場合に不可思議でしょうがないのですが、どういうわけで閣議の議題に供して意見調整をするとか、あるいは経済企画庁の長官等を入れて関係閣僚懇談会等を開いて、そうして問題の解明処理をはかろうとされないのですか、どういう御事情なのか、お答えいただきたい。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) この前の委員会にも申し上げておきましたように、池田勧告は文部大臣と科学技術庁長官の間で御調整を期待しておる、こう申し上げたのでございます。そしてその後、両大臣の間でその御調整が進みまして、問題の焦点は、三十六年度におきまして予算を伴わずに増員可能なものがあるかないかということにつきまして、具体的な検討に入るということが保障されたならば、池田大臣も了承されるということでございまして、その了解に基づきまして文部省の方で措置をとられておるわけでございまして、私どもといたしましては、この両者の調整はそういう線でついたものと見ておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 前々回の本委員会で、官房長官は私の質疑に対して、誠実にこれを検討し、調整の労をとるのにやぶさかでない、こういう速記録を残されているのですがね、前々回の委員会ですよ。お二人にまかされておって、この法案をわれわれは審議しようというのに、まだ三千二百二十人が動くのか動かないのかわからないということでは困りますね。私は四月十三日質問したが、四月十四日に閣議で池田長官が発言をして、そうして云々という新聞報道を見て、ああ、これは来週の火曜日までに解決するのかと思って期待したわけですが、これは各紙に出ておったのですが、閣議で池田長官は経過を報告して云々というのは誤報ですか。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) 閣議の議題として各省から関係の文部省なり科学技術庁の庁から提議があったわけではない。閣議の話題として世間を騒がしているようだが、実はこういう経過をたどっているという御報告は受けました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 じゃ、新聞は必ずしも誤報でないというわけですね、閣議で担当の池田長官から報告はあった、それに対して、その閣議はどういう取り扱いをなさったのですか。

大平正芳自由民主党内閣官房長官

○政府委員(大平正芳君) 閣議の取り扱いというか、そういう御報告がございましたので、私の方で、両大臣と、私も加わりまして、三者で調整しますと答え、その後三人で会いまして、先ほど御報告申し上げましたような線で御了解が得られておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 官房長官の立場はわかりました。池田長官をぜひ呼んでいただきたいと思います。  文部大臣、確認いたしますが、文部大臣としては何ですか、三千二百二十人という数字はふえる見通しなんですか、ふやし得るという見通しを持っておられるのか、おられないのか。そうしてその結論は、ぎりぎり一ばいいつまで文部大臣としては官房長官なり科学技術庁長官に出されるということなんですか。明確にちょっとお答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻もお答え申し上げましたように、関係の大学当局に来てもらいまして、大学それ自体の考え方を聞きまして、そうして可能であるかどうかということを文部省としては結論づけたいと、かように思っているわけでございまして、できますならば、今月一ばいに結論に到達したい、そういう見込みで事務当局を督励しておるところであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 大学当局とは幾つありますか。

村山松雄文部省大学学術局大学課長

○説明員(村山松雄君) 十一入学でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そのうちの何大学をすでに招致して事情を聞かれましたか。

村山松雄文部省大学学術局大学課長

○説明員(村山松雄君) 本日二大学から事情を承ったところであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 新学年度が始まっているのですから、官房長官、一日も早く調整して結論を出していただきたいのです。でないと高級、中級技術者並びに理工系教員養成というのは一連の問題ですから、法案審議に支障を来たしますので、早急に調整をしていただくように官房長官には要望申し上げておきます。  官房長官もうけっこうです。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をとめて。    午後三時二十九分速記中止    ————・————    午後四時五十七分速記開始

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をつけて。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 質問が内容に入る前に休憩になって、本日質疑できませんので、要望と、それから資料の要求をいたしておきますから、大臣並びに政府委員からお答え願います。その一つは、次回に、本法案を本格的に審議するにあたって、所管大臣以外に、池田科学技術庁長官と経済企画庁長官の出席を、短時間でけっこうでございますから、委員長においてぜひ取り計らいを願いたい。  それから第二点は、いわゆる池田勧告についての、閣内で意見一致したものを文部大臣は答弁できるように努力していただきたい。それから資料としては、工業高等学校の学生の増募、中級技術者の養成計画として、七年間に八万五千人増という計画を持っているわけですが、この青写真の年次別一覧表、この内容は、各年次における入学自然増並びに卒業自然増の計画数字が判明するものを資料として印刷して出していただきたい。それからそれに伴う工業高等学校の教職員の養成計画、これは十カ年間に八千七百人不足という数字を持たれているわけですが、この充足計画、年次別予想、入学人員と充足される卒業予想人員を、年次別に青写真として提示していただきたい。それからもう一つの資料は、一覧表にして出していただきたいのですが、過去五カ年間における理工系科学技術者の海外へ流出と申しますか、出られて行った方々の数、それから理工系技術者で、官公立の研究公務員から離職して参られた数、それから次は工業高等学校の技術系教職員で、過去五年間で、まあスカウトされて離職された数、最後に、同じく工業高等学校の助手でスカウトされて産業界へと行かれた方の数を、過去五年間にわたって年次別に一覧表にして資料として提示していただきたい。  きょう質疑する予定でありましたが、できませんので、第一は委員長への要望です。第二以下は文部大臣に要望並びに資料要求でありますから、それぞれの方から一応所信を承っておきます。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 両大臣の出席につきましては、御要望に沿うよう極力努力をいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 科学技術庁長官の勧告に関連します課題は、先刻、官房長官からお答え申し上げました通り、三人で話し合いまして一応意見は一致しておるわけでございます。それは重複しますが、簡単に報告させていただきますと、御案内の通り、勧告は、大学卒業程度の高級技術者が今後十年の見通しにおいて約十万人足りない、足りないことははなはだ遺憾であるから、極力これを充足する努力をせよという趣旨であります。将来に向かっての努力を要請された意味においては、委員会等でも申し上げました通り、文部省としては誠意をもって今後に対して努力する、さらに、三十六年度においても、予算に関係なしに養成ができるものならば、それを検討し、実施したらどうだという点であります。これは先刻も申し上げました通り、一応、する線に沿って、本日から極力すみやかに実情を把握いたしまして、実行できるならば、するということで努力したい、そういうことを科学技術庁長官にも話しまして、了解を得て、その作業に着手しておる状況でございます。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほどお尋ねの資料の分でございますが、第一に工業学校の定員を八方五千にふやすという資料、これは年次別に出すということでございますが、これはまだ政府部内で固まったものではございませんで、そのことを十分御承知の上、文部省側の希望図という意味で提出いたしたいと思います。それから第二番目に、工業教員の不足の状況、これを一年八百八十人で出しておりますが、その八百八十人で八千八百人を出した根拠、この資料は提出いたしたいと思います。それから工業学校においてどれだけ民間にスカウトされたかというような、教員あるいは実習助手についてのお尋ねでございましたが、これは私どもの現在手元には資料がございませんので、まあぜひ必要でしたならば、各県にこれから照会をしなければなりませんが、各県で各学校。ことにこまかく調べませんと実は出ないかと思いますが、今すぐに御要望の趣旨には沿いかねると思うのでございます。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) 過去五年間の理工系科学技術者の海外流出の数という御要求のことで、ございますが、これは過去五年間の御要望の通りの数が右から左に間に合うかどうかということは、私ちょっと不案内でありまして、また、理工系科学技術者と申しましても、民間の研究所等もお含みのおつもりであるかどうか、その辺もちょっと明らかでないのでございますが、できます限りの資料を取りそろえてみたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 科学技術庁と連絡をとってみて下さい。

木田宏文部大臣官房総務課長

○説明員(木田宏君) はい。五年間ということで各年次別にぴちっと出るかどうかわかりませんので、できるところまでで一つ御了承願いたいと思います。それから官公立の研究公務員の離職数は、比較的それより私どもの手で取り調べが早くいくかと思いますけれども、これも正確にということになりますと、初中局長の申されたような、各学校ごとの事情も起こって参りますので、これもできます限りのところで努力をさしていただくということで御了承願いたいと思います。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本案に対する質疑は、本日のところこの程度といたします。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、日本育英会法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の通告がありますので、この際発言を許します。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は二、三の問題でぜひ質問をいたしたいと思うのですが、第一に、この法案を見ますと、これは池田総理の発言がありまして、育英会資金の回収が非常に悪い、どうしてもこれを取り立てなければならぬ、こういう趣旨によってこの法案は作られたと、こう思うのでありますが、この点そう考えてようございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。岩間さんのおっしゃることだけが目的の法案ではむろんございません。今までの育英資金の運用の実態を見ますると、どうも当然返済さるべきものが、いろいろな理由はあろうと思いますけれども、返済の実績があまり芳ばしくない。しかし、個別に当たってみれば、案外失念しておったという人もあるようでございます。そういうことにかんがみまして、めんどうなようではございますが、さっそく取るような施策を講じた方が、せっかくの貴重な資金を活用する意味においては有効である、そういうことから、大阪に出張所を設けて、返済が順調にいくようにという考慮が払われておるのは、御指摘の通りであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 今の御答弁で大体まあ明らかになったと思うのですが、結局、池田総理の発言が大きな原因になっている。この点は明らかだと思うのですね。何せ、これは総理が第一次内閣を作ったときでしたか、こういうことがはっきり新聞に載りましたので、非常に私たちは重要な問題であると考えておったのです。その結果こういう法案が出されたのですから、その間の関係を初めに一応まあわれわれとしてはお聞きしたわけです。それでお聞きしたいのですが、これはどうでしょう、たとえば輸銀とか、開銀を通じて貸付をいたしておりますね、投融資をいたしていると思うのですが、こういうものの回収状況について、これは文部大臣は調査されたことございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 所管外のことでございますから調査いたしたことございません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは所管外かもしれませんけれども、私はやはり関連があると思うのですね。一体いわゆる独占資本といわれる大資本に対しての回収状況というものは、これは終戦後も非常に問題になったわけです。そうしてその後の様子を見ても相当なこれは焦げつきがある。しかも、額としたらこれは大量のものです。これと対比して、私はまあいわばいたいけな学生たちの、しかも初任給の状態は、あとでお伺いしますけれども、非常に初任給はこれは低い。世界の水準から比べると問題にならないほど低い。従って、生活の条件はどうかというと、生活の条件は楽ではありません。むろんこれは出せば出せる、こういうことを言えばそれは限りはないのでありますけれども、私は全体の施策として、政治としてこの問題が、一方では大きな資本に対しては焦げつきが相当これはそのままにされている。政治問題にもなった。しかし、その方向についての努力が十分なされているとは思えない。そういうときに、この学生に対してこれを強行する、貸付を返還させる。これはまあ相当強行する、こういう形でこの法案が出されてきておるのでありますから、われわれとしましては、やはりこの両者を対比して考えざるを得ない。こういう点について、はたして、これは日本の現在行なわれている政治に対しまして、文部大臣の立場から、こういうような考え方が学生青年、こういう人たちにどういうように響くかという点については、私は文部大臣として当然御検討になる必要がある。それだけの心がまえを持つ必要がある。そういう問題だと思うのですが、あなたはまあ所管外だからこれについては検討しなかったと言われますが、こういうような問題と関連してあなたはどうお考えになりますか、所見をただしておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 独立資本なんというものは日本にはないと思いますが、財政投融資を受けておる民間企業があるとして、借金しておりながら不当に返さないのはそれはけしからぬ。それはそれで一つのことであり、この育英会法に基づく、国家財政資金が育英会を通じて融資されるという建前、それを万々承知の上で借りております限りに借金であることに間違いない。借金は返すのが当然だと思います。ただ実情は、岩間さんの御指摘のような意味合いもある程度わからぬじゃございませんが、初任給が少ないから返せないということよりも、返せるけれどもつい失念しておったという人を呼びさますということは、これは当然の措置であり、しかもそれによっての回収されることが次々の世代に最も有効に活用される原資でもあるわけですから、税金の取り立てと違いまして、当然の借金を自分の後輩のために努力をして返していくということを勧奨しょうというのですから、御指摘のような意味合いに受け取ることは私は当を得ていないじゃないかと考えるのです。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあここで議論しようとは思いませんけれども、しかし今の御答弁では、別々の問題として、あなたは国務大臣ですから、やはり国政全般の上に立ってこの問題を検討する、学生については、これは奨学金については相当強硬に取り立てる、しかし大資本については相当寛大な措置がとられるということでは、私はやはりこの問題が与える青少年に対する影響というものは、これはあると思う。そういう問題をあなた検討しない上に立って、そうして借りたもんだから返すのはあたりまえだと、この一点張りではこれは身もふたもない御答弁だし、政治的には一つの見通しのない御答弁だというふうに考えざるを得ない。しかし、まあここで議論をしても仕方がないですから、そういう実情があることはこれはお認めになるでしょうね。実際、事情がある。この問題については一応検討せざるを得ない問題じゃないかと思いますが、この点についてはこれは文部大臣としても認めざるを得ないと思うのですが、あらためてお聞きします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 財政投融資を受けている向きがたくさんあろうと思いますから、中には不届き者がおるかと思います。それはそれであって、育英会法に基づく資金の融通はまた別個の問題である。ただ苛斂誅求するのじゃなくて、すでに御案内の通り、経済的にあるいは何らかの病気をしたりなんかという事情のもとに返済が困難であることがわかりました者については猶予をする制度もありまするし、御指摘のような懸念のないように運用していくという建前で御理解いただけようかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 このところの議論はやめておきましょう。しかし総額幾らなんですか、焦げつき。ちょっと会長にお伺いしたいのですがね、幾らなんですか、育英会の……。

田中義男日本育英会会長

○参考人(田中義男君) 返還を要する時期に参っておりますのが総額約四十四億、そのうちすでに収納いたしましたものが二十三億、残がただいままで延滞、こういう数字になっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 道徳的にこれを論議されますと、借りたものを返さないではいけないじゃないか、こういうことになりますと非常に単純で、言う言葉がないわけですけれども、私はやはり総合的に、こういうような問題を大きな立場から検討するという政治的な問題について論議をしたつもりです。  それから、これは基本的な問題ですが、これと関連してどうですか、諸外国の制度と比べて、日本の育英制度というものはこれはどういうふうに考えておりますか。私はこの点でいろいろ問題がある。ことに、この前資料の提出を要求したのですが、社会主義諸国の育英制度という形と——これはそういう格好にはなっていない、奨学制度とか、いろいろ違うと思います。しかし、とにかく学費がないために進学できないというそういう人たちにその道を開く、そのための経済的な配慮をする、こういう制度ですね、これについては、これはどうもこの資料、非常に大ざっぱですね、あなたたちにいただいたのは。しかし、これで見てもだいぶ違うと思うのですが、大体のあれでいいですが、どうですか、社会主義諸国と比べて。どうでしょうね、この制度は。これは会長にお伺いします。

田中義男日本育英会会長

○参考人(田中義男君) 大体の数字を見ますと、給与が多くて貸与が少ない、こういう事情になっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 非常に給与が多い。この表を見ましても、これはソビエト、中華人民共和国、それからチェコスロバキア、朝鮮人民民主主義共和国、こういう例を出してもらったのでありますが、やはり圧倒的に多いわけですね。給与が多いし、さらには貸与制度もこれは加味されておると思うのですけれども、非常にこれは、たとえば中華人民共和国、これは高等学校、大学の学生の八〇%、それからチェコスロバキァ、これは一九五六年ですが、これは六〇%以上、それから朝鮮人民民主主義共和国、大部分の学生と推定されます。まあ推定ですけれども、いずれこれは正確なものをやはり調べられる努力をすべきだと思うのでありますが、これに比べて米国それから英国、フランス、西独、こういうところを比率の上から見ますというと非常に少ないと思うのですね。こういう問題について、この日本の奨学制度を今後検討する上において、一体この違いはどこからくるのか、それからこういう情勢についてどういうような検討の必要を感じておられるのか、これを文部大臣にお聞きしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 共産圏の諸国の実情と、自由主義国家たる日本との比較というものは大した意味は私はないと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それはどういう意味ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 共産主義の考え方で万般の施策が行なわれておる姿において、何かの計数が出てくるということですから、全然根本義を異にする国の実情との比較は、それ自身異質のものの比較であって、大した価値なしと、かように思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 やはり異質のものの比較ですね。全然そういう意味じゃ何か恩恵的に施してやるという立場と、それから大部分のそういう要望を満たしてやろう、こういうのですから、あなたの言う通り異質でしょう。しかし、こういう体制について、どちらがこれはいいのかどうか、ここで論議してもこれは始まらない。しかし明白です。日本の現実を見てごらんなさい。たとえば最近人間衛星が上がりました。この人間衛星が打ち上がったという偉大な勝利というものはどういうところにあるのか、人類のこれは勝利ですよ、単にソビエト一国の勝利じゃない。これはあなたも認められるだろうし、政府もそう祝電を打っておる、認めざるを得ない。ところが日本ではどうです。日本では科学技術者のたまごを作ろうというので、五千人ふやすかふやさないかというので、あなたと——あなたというのは荒木文部大臣、それから池田科学技術庁長官が相当やり合っている、こういう現実でしょう。これは解決つかない、当委員会でもこれはしばしば論議されている。なるほどこれははっきり異質だ。こういう根底の中に、現在どのように教育を経済的にほんとうに保障して、そうしてその実現を可能ならしめておるか、その基本的な私は教育に対するかまえというものがある。そうして、その結果が御承知のように科学の普及徹底、技術者の大量の養成、そうしてその上に立ってピラミッド型にああいう偉大な仕事というのは推進されている。日本はどうです。はっきり私はこの育英資金一つを見ても、その根底をなしておるのは異質だ。あなたが異質と言われた通り、全く異質だと思う。こういう問題について、あなたはこれは今当面するそういう問題と無関係じゃなくて、この育英資金の問題というものはやれればやる、できるだけやるということを言っておるけれども、額は非常に少ない、そうして非常にこれは制限されざるを得ない、こういう格好でしょう。ことに高等学校の場合なんかどうです。全日制は全体の三%ですか、定時制は全体の二%、二%、三%の学生に恩恵的な一体学費の補助をしておいて、どうして一体人材を、優秀な次の時代を開き、さらに当面する要求である科学技術面を私は開くことができるか、できる可能性はないと思うのですがね。この点についてあなたは非常に矛盾を感じませんか。確かにはっきり異質ですよ、この点どうでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 共産主義の考え方で政治をやれば、日本人はもっと不幸になると思っておるのです。恩恵的とおっしゃるのですけれども、国民の自由の立場で、共産圏と違って自由が抑圧されない姿で、人間らしい生活をしつつ努力をして、応分の税金を納めていく、それを国権の最高機関で慎重審議されたその結果が、日本育英会に対する資金の融資となって結果づけられる。それを最も妥当な調査に基づいて融資する。いいかえれば国民のお互いの相互扶助の現われであって、共産圏の育英制度がどんなものか存じませんけれども、全然根本の気持が私は違うと思う。従って御指摘でありますが、大した値打ちなしと、かように考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 なるほど、あなたそういうお考えだから石頭なんということを言われるのですよ。物笑いですよ、世界の物笑いだ。そういうばかなことを今言って、共産主義の体制でやれば人間が不幸になる、全くこれは一九六一年のここでそういう議論が、文部委員会でこれはやられているというのは驚くべきことなんです。しかし、ここでそんな議論をやっているひまもありませんから、これはやめますけれども、もう少しやはり世界の実情をお調べになる必要がある、そうして日本の育英制度についてもっとあなたは私は考える必要がある。  それではその次に進んでお聞きしますけれども、これはどうでしょう。私ここでぜひ大臣にお聞きしておきたいのですがね。この生活保護をもらっている世帯は、これは百六十万何がしあると思う。それからさらにこれに準ずる層を入れれば約一千万といわれています。ところが日本の制度の中で、あなたも御承知だと思いますけれども、高等学校に子供を入れた場合には生活保護を切られるという実情があることは御存じだと思うのです。こういう問題について、あなたの言われる相互扶助という言葉、かりにその言葉の上に立つとしましても、今のような具体的な実情の中でどうですか、みすみす、いわばこの生活保護を受けている人たちの子弟は高等学校にも行けないという実情が起こっている。そのために生活保護をやめるか、あるいは子供がせっかく高校に進学ができたのだけれども、これを取り消すか、あるいはこれに対する一つの便宜的手段としては、戸籍からはずして独立さして、この子供を別の戸籍に移してやっているというような痛ましい実情があるのです。大臣御存じですか、こういう実態を。これを私はこの育英資金の問題と関連さして、一体はっきり考えていられるのかどうか、この点いかがでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今御指摘になりました事柄それ自体に関連させて考えたことは、実は私も調査不十分でございません。遺憾でございますが、ありのままを申し上げればさようでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は大きな失望をするのですね。大臣は口では相互扶助とか何とか言われているけれども、日本国民の、これは政府統計でも九分の一ですよ、九千万人の中の一千万です。生活保護を受けるのは百六十万もあるわけでしょう。そういう人たちが自分の子供が高等学校に行く、そういうことになりますと生活保護を打ち切られる、やめざるを得ない、こういうところに手が届かないで一体どういう育英制度があるかということを根本的に私は伺いたいと思うです。これについて大臣は御存じないというのですけれども、こういう実態に触れて、こういう問題を解決するような、そういう一体意欲をお持ちになるかどうか、私はこの点お聞きしておきたいのです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それはまあ生活保護法それ自体の改善課題でもありましょうし、同時にまた育英制度との関連においても検討すべき一つの課題だと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 あんた課題というようなことで検討されるということですが、しかし、そんなばく然とした御答弁では、現実に少しも文部行政の手が及んでいないという明白な事実ではないかと思うのです。私たちもこれは過去に教壇に十数年立った経験がある。そうして貧困層の中に人材がいないかというと人材はたくさんいる。むしろ貧困層の中にいるとさえ言いたいぐらいです。必ずしも経済的に余裕のあるものの中に優秀な人材がいると、こういうふうには言えない。ところが、今言ったように生活保護を受けているがゆえに、みすみす、子供は高等学校、さらに上の学校に伸びるその素質を持っている、はっきりした能力を持っている者は、もしも教育の機会均等がほんとうに経済的バック・アップされておるならば、私はこれは教育を当然受ける権利があるだろうと思うのです、憲法の精神からいっても。そういうところを具体的に経済的に解決するという点が日本の文部行政の根本義でなけりゃならぬと思うのです。ところがこれについては御存じない、検討してみたいというくらいの投げやりの御答弁では私は非常に現状に合わないと思う。少なくともこれは生活保護法の改正ということを今お話しになりましたけれども、これは文部大臣は育英資金との問題、さらに子供たちの、これは教育の機会均等という立場から一つの大きな課題として取り上げて、これを実際具体的な問題として私は打開をはかって少しもこれは悪くない問題ですよ。むしろあなたがなすべき仕事のうちの非常に重要な一つに私はなると思うのですけれども、どうですか、この点。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 趣旨においてお説の通りだと思います。私がそのことを知る知らぬにかかわらず、あるいは関連して考える考えないにかかわらず、そのことは今後に向かって検討すべき課題として取り上げる以外には、事実問題としてどうにもなるものじゃありません。問題の所在を御指摘いただいた意味においてありがたく存じておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは何ですか、さっそくやはり厚生大臣とこういう問題について話し合い、そうして少なくとも現在の生活保護法はこれは改正する、高等学校に入ったからといってすぐに生活保護を切るのだというおどかしによりまして当然伸びなければならない日本の人材、次の時代をほんとうに背負うところの人材の大きな部分が私はその発展を食いとめられておる。人道問題でもありますよ。文化国家とか何とかということは全くごまかしになる。こういう実態があるのですから、こういう問題について当然私は早い機会にそういう努力をさるべきであると思いますが、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあそういう意味で、三十六年度予算におきましても及ばずながら従来よりは育英の対象を多くする、また内容も充実するということで審議、御決定をいただいておるわけでございます。一挙動ですべてを解決できないのが実情でございますから、今後に向かって努力を積み重ねていきたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 その厚生大臣との何はどうです。具体的に折衝して、早い機会にこれを打開するというように努力する。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 生活保護の関係は私の所管じゃございませんから、ここで私が勝手に申し上げる立場ではなかろうと思います。しかし、まあ政府の一員として検討を加えてみたらいかがであろうと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはあなたの御所管ではないのですけれども、教育を守るという立場からいえば、当然私はあなたの重要な仕事の一つになると思うのです。まあこれについて検討してみるということでありますが、ほんとうに私はここであなたが言明されたことを貫いていただきたいと思うのです。そこでどうでしょうか。この生活保護ですね。この生活保護を受けている人たちには全然これは育英資金の貸与ということが行なわれないのが現状ですね。そうすると、育英資金というものは、まあ貧困層並びにもうそれに準ずるような層というものについては、育英資金の恩恵というものは全然及んでいない、こういうことなんですが、これは田中さんいかがですか。

田中義男日本育英会会長

○参考人(田中義男君) ただいま統計数字は持ちませんけれども、先ほどもお話ございましたように、別世帯とする等の特別はからいによりまして、私の方は所定の条件に合致いたしますならば貸与するという方針で扱っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そういう件数はどれくらいございます、今まであなたが扱われた。

田中義男日本育英会会長

○参考人(田中義男君) その件数はただいまここに持ちませんから、調べましてお答え申し上げます。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 生活保護と奨学金の関係につきましては、先ほどお話ございましたように、非常な低所得階層で高等学校進学率が落ちている部面が顕著に見られますので、御承知の通り、本年度特に増額いたしました特別貸与制度は、そのような低所得者に限って貸与するという奨学金でございまして、この制度が三十三年に出発いたしますときから、このような奨学金を受けた場合には、生活保護を受けておる人であってもその保護を打ち切らないという厚生省との話し合いは、特別奨学金についてはそのときに一応いたしております。従って、そのような特別奨学生に関します限りは生活保護との矛盾の問題は一応解決しておると考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 さきには田中さんのお話がございましたが、別世帯にすればそういう適用を認める、これは便法上ですね。こういうことについて矛盾を感じておられませんか。私はこれはいわば何か法が正しく運用されていないのじゃないか。やむを得ず引いた隘路を打開するための便法なんですね。基本的にはそういうことは排除すべきだ、それが基本的だと思うのですね。あなたたちはそれをやっておられながら、実際には法の運用について何かさっぱりしないものを常に感じておられるのじゃないか。しかし、実際には適用したいからそういう便法で、別世帯で別に戸籍を作ってそれをやっておる。これはいわばほんとうに正当なやり方じゃありませんね。これについてどうお考えになるか、それが一つ。それからこれは説明員に対してお聞きしたいことは、特別奨学生の額、それから適用の人員、全体との対比、この点お聞きしたい。

田中義男日本育英会会長

○参考人(田中義男君) 私の方としては、先ほど来のお話のように、厚生省においていろいろ処置をされておるそのもとにおいて実施運営をいたしてただいままでやってきておりまして、今までのところさような措置を講ずることにおいて問題を解決しておるのが現状であります。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 特別貸与制度は、創設以来、本人の属します家庭の所得水準が日本育英会が定めます基準以下のものというふうに規定いたしております。その内容は、概略申し上げますと、高等学校の特別奨学制度の場合には、たとえば三級地におきましては五人世帯で約年収二十五万以下、大学の特別奨学生の場合は同じ五人世帯で年収三十万円以下の階層に限るという形で選考いたしております。採用人員は三十六年度から人員が増員されまして、高等学校におきましては一学年一万二千人でございます。大学は三十六年度第一回でございまして、一学年八千人でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 総額は幾らになりますか、概算でいいです。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 三十六年度予算におきまして、特別貸与奨学生に対します予算の総額は十二億四千七百万円になっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 パーセンテージを言って下さい。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) これは定数でございますので、高等学校生の……

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 総額に対するパーセンテージ。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 予算総額に対するパーセンテージでございますが、予算総額は三十六年度が事業費規模が五十九億三千三百万円でございますから、ただいまの十二億は大ざっぱに申しまして約四分の一近くかと考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そのうち、どうです、生活保護を実際に適用を受けている、つまり便法を講ずる講じないにかかわらず、どれだけ適用をみていますか。この点何かあなたたちに資料はないですか。私はこういう資料こそ重要だと思うので、こういう資料は作ってもらいたいと思うな。ことに今、文部大臣がこの問題について今後検討する、こういう話なんですから、この資料なしにはこれはできない。これはどうですか、ございますか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 育英会が願書を受け付けますときに、本人の世帯人員及び所得等の記載を求めておりますが、すべての願書につきまして保護対象家庭であるかどうかということは的確にはつかんでいないと思いますので、現在直ちにはその資料がわかりかねますが、この人員及び所得水準から申しますならば、相当その多数が保護世帯に該当するというように推定いたしております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうも今のやつでは、全くこれはここで急速に考えて答弁しているみたいですね。最初からこういうケースが多いのじゃないですか。もう見込みがない。高等学校に行こうとしても行けない。育英資金の貸与を受けようとしてもどうも適用されないから、これで出さない人の数というのは圧倒的に私は多いのじゃないか。しかし、やむにやまれない困難を突破して幾つか出してきている。それがあなたたちの網にかかるわけですね。そうしてその中の一部分であります九牛の一毛が、それがひっかかって、そこのところ、あなたはまあ言っておられる。圧倒的に多いなどということは、私は実情を見ておればそういうことは言えない。まあ資料がないのだから、こんなところで観念的な議論をしても仕方がないのですけれども、これはあなたたちどういうふうにして捕捉しようと思っていますか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 御承知の通り、特別貸与奨学生は、従来の奨学金と違いまして、その下級の学校におきまして、高等学校または大学進学前に、現に中学三年に在学しております者を、育英会が示しました基準によって、学校長が生徒の中からそのような困窮者を探し出して、優秀者を推薦いたしまして、高等学校及び大学に入る前に、これを奨学金の約束をして進学を勧奨する。こういう方法でやっております。おっしゃいます通り、その場合におきましても、この特別奨学金が本人の修学を完全に保障するという程度までの金額というふうに私どもは考えておりますすが、かりに世帯が、本人の属します世帯全体の生活のために本人が就職する方がよりいいんだというような判断がされます場合には、世帯の生活費までこの奨学金が見るというようになってないという点は、一つの限界があろうかと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 まあ中学の校長さんがそういう選考をして出す、こういうことなんですが、この実態はどうです。こういうものを調査されたことがありますか。それから、今のような特別奨学生というものがあるということは徹底していますか、知ってますか。少くとも貧困層の人たちはなかなかわかっていませんよ。われわれは非常に触れているのだ。町に出ていって懇談会でもしてごらんなさい、教育問題の。母親たちは涙を流してこの問題をやるのです。日本の今の政治の縮図みたいな一つの格好になっている。こういう点について私は実態を調査して、これを打開するというはっきりした方針を確立しなくちゃならない。そのような調査に取りかかるべきだと思うのです。今の御答弁では、私は具体的にこの問題を積極的に推進するということにはならないと思いますが、これは文部大臣がこの事務監督の立場からどういうふうにこの点をお考えになりますか。これについてあなたの今ここで声明されたこの方針を実現するためには、どういうふうにこれは係官を督励してこういうような調査を開始するお考えでありますか、この点を明らかにしてもらいたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと具体的なことでございまして、今までのやり方、ないしは今度の特別奨学の実施について事務的な検討をした立場でないとお答えしにくに課題かと思いますので、説明員から御説明を申し上、げます。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 現在の特別奨学制度を、先ほど申し上げましたような家計水準以下の者に限ってやるということを策定いたしました段階におきましても、文部省で行ないます父兄の負担する教育費の調査によりまして、中学校及び高等学校に生活保護に近い水準の子弟がどれくらいいるか、それが高等学校になるとどのくらい減っているか、大学に行くとさらにその階層が減っておるということを具体的に一応数量的につかみまして、そうして現在の高校、大学への進学率の平均水準に達しないような階層はどこにあるのであるかということを考えて、そのような一応家計水準をきめておるわけであります。もとより現在の採用人員がそのような階層のあらゆる希望者をかなえるだけの人数に達しておるかどうかにつきましては、これは一方におきまして特別奨学制度が、一般奨学生よりもより優秀な者に限って貸与するという制度であります限り、そのような貧困な人たちのすべてに行き渡るということには必ずしもなっていない点があろうかと思いますが、ただ、適格者を確実につかみますことについては育英会が従来とも指導をいたしておりますが、私どもの特別奨学制度のできました三十三年度及び大学の今回出発します今年度におきましても、各都道府県教育委員会において適格者が漏れなく受験の機会を得られるよう、現場において指導方をこちらから督励をいたしておるわけであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 全体の今まで出されたこの要望の何パーセントまでかなえておりますか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 先ほどから申し上げますように、家計の面は年収何万円以下ということと、その優秀性を一応保証いたしますために、たとえば中学校の三年生から推薦いたします場合には、全科目についての評定点がある点数以上でなければならないというその成績の面での水準もございます。そのような点から出て参りました推薦者を全国的に試験をいたすわけであります。採用人員に比べましてその受験者は現在で大体二倍程度になっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 幾つもの綱がありまして、その網を越えてきたそういう者が恩恵を受けることになる。これもまあないよりもましだと言えばそうなると思うのですが、私はこういう態勢では、やはり先ほど恩恵的だと申したのでありますが、恩恵的な域を免れ得ないのじゃないか。少なくとも政治のこの不偏ということから考えれば私は不十分じゃないかと思うのですが、まあここでこの問題で議論する考えはありません。  最後にお聞きしたいのですが、これは高校の場合ですけれども、全日制は三%ですか、それから定時制は二%ですね。ところが定時制と全日制の生徒の数はこれはどうなっておりますか、この実数とその割合を教えて下さい。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 予算上の積算に使っております全日制生徒の総数は百九十三万人でございまして、採用率はお話の通りに三%であります。定時制は五十四万八千人で採用率は二%、かようになっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 採用する実数を言って下さい。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 全日制の方におきましては採用総数が五万七千九百十六、定時制の方は採用数が一万九百六十三になっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうですか、この貧富の差の問題、私はさっきから問題にしたつもりですけれども、どうして定時制を少なくしたのですか、私は逆じゃないかと思うのですね。この手心から見たって、貧困層に恩恵が幾分でも及ぶという方針をとるとすれば、私は全日制を三%にしたら、定時制は五%なり一〇%に上げるのが当然だと思うのですが、反対に、御承知のように定時制は、これは貧困家庭が多いのです。これは御存じでしょう、文部大臣も認められる、それの方が二%になって、全日制の、わりに恩恵を受けられるその人の方が三%になっている。しかも、実際の実数から言いますというと、一方は五万七千、一方は一万九百ということですから、これは五分の一以下なんです。これはどうなんです。私はこういうところにはっきりやはり現われているのじゃないか。この育英制度の実施の中にどこをねらって対象にして、どこを育てようとする立場からこれが行われておるのか、これは、何よりも語っているのが私はこの問題じゃないかと思うのですけれども、こういう点について、これは現行の矛盾を感じませんか、文部大臣、いかがですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 定時制の方は職場についておる者が大部分だと推察されるわけでございますが、それは先刻、説明員からも申し上げました通り、その家庭の事情によってやむなく職についておる、その中から選ぶという場合に、パーセンテージをある程度違えて実施する計画をすることも、ある程度理解ができるように私は思います。さらに詳しくは、実態を正確に把握してじゃないと断言はできないと思いますが、気持としては、そういうことでやっておるのであります。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) ただいまの大臣のお話に補足さしていただきますと、予算上の積算はかようになっておりまして、実際に採用をいたします場合に一番苦慮いたしますのは、本人が働いて得ている収入というものを、世帯全体の収入として当然みなします場合には、全日制の方のそういう働いてない人の家庭と比較いたしました場合に、どっちを先に援助すべきかという、いろいろやはりむずかしい問題があります。要するに私どもは、その本人がその家庭の生活まで助けながらいくというような状態を当然なこととは考えておりませんけれども、しかし同じような家計状態の者が、一方は全日制に行き、一方は定時制に行ったといたしますならば、定時制の方に進学した方が、家計的に、経済的に多少の余裕が出てくるような点もございまして、その比較は非常に困難な点があるわけでございまして、現在まで各方面の要望を総合しますと、この定時制の採用率は全日制と同じようにするのがいいのではないかというような意見も出ており、文部省としてもそのような計画も検討いたしておる段階であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうですか、定時制をもっと多くむしろして差しつかえないのではないですか、この精神からいけば。これは逆になっている。私はこの問題、育英会の根本的な問題、こういう問題は幾分でも解決されると思うのですが、この法の精神、そういうものからいって、私はこういうふうにやはり非常に抜けているところがあると思う、一つの性格が出ていると思う。こういう意味からいって私は問題を重視しているのですが、やはり定時制をふやし多くする、そういうことで進むのが私はこの精神から言えば当然じゃないか。これは貧困層の中の人材を育成するという点から考えても、私はこれは時宜に適したやり方だと思うのですが、あなたの今の御説明では、二%を三%にして全日制と同じにする、こういうところまで考えられているようですが、私はもっと実態を研究して、そうして実情に合うように努力すべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) この問題につきましては、育英奨学生の採用の基準を考えます場合に、本人が働いて得ている収入というのをどういうように扱うという、その考え方も現在含めまして、育英会とともに検討いたしておりますので、そのような採用基準を明確に定めまして、それに応ずる採用率等を、より合理的なものにいたすような努力をいたしたいと思っております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それじゃ私は質問を終わりますけれども、いろいろありました——いろいろといっても、二、三点なんですが、こういう問題の中に、やはりこの育英会の現在の制度の性格が出ている。私はやはり恩恵的だという最初言葉を使ったのですが、恩恵的な性格というものが具体的な事実によって私は出ていると思います。あなたは何か社会主義諸国の制度というものはまるで有害なような話をされたが、とんでもないことだと思うのです。これはすでにもう先ほど私があげた、現在大きな問題になっている具体的事実の中で、はっきり言うことができると思うのです。こういう点について、この育英会法の基本的な立場、これをやはり検討する必要があるのじゃないか、こういうことを最後に申し上げて、私の質問を一応終わっておきます。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本件に関する質疑は、本日のところこの程度とし、これにて散会いたします。    午後五時五十五分散会    ————・————

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