文教委員会 第17号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/06
会議録
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動につき御報告いたします。 去る四月四日、小幡治和君が委員を辞任され、その補欠として石原幹市郎君が選任されました。 また昨四月五日、石原幹市郎君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君が委員に選任されました。 以上であります。 ——————————
○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過について御報告申し上げます。 開会前の理事会におきまして協議いたしました結果、本日はまず、当面の文教政策について調査を進め、次いで日本育英会法の一部を改正する法律案を議題とし審議をいたすことに決定を見ました。 以上、理事会決定通り審議いたして参りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう進めて参ります。 それでは、当面の文教政策に関する調査を議題といたします。 質疑の通告がございますので、発言を許します。北畠教真君。
○北畠教真君 昨年夏、文教委員会の調査によりまして、いろいろ問題になりましたトキの問題について若干質問をいたしたいと思います。昨年十一月三十日の委員会におきまして、保安林整備臨時措置法によって、トキの生息地を保安林にしてこれを国で買い上げるという答弁が農林省の大野指導部長からあったわけでございますが、そのとき、私から、なるべくすみやかに措置をされないと、トキの数が非常に少のうございますので、絶滅のおそれがある。ついてはこの通常国会中に、いま一度、文部、農林、両省から具体的な措置の方法について報告を願いたいということを申しておきましたが、その後この問題がいかように取り扱われてきたか、一つ報告を願いたいと思っております。
○政府委員(清水康平君) 昨年当文教委員会が、国勢調査の一環といたしまして、トキの保護対策につきまして御報告があり、その際、私どもも御鞭撻御叱正賜わりまして、まことに感銘深いものがあり、お礼を申し上げる次第であります。その後、農林当局とも折衝をいたして参ったのでございます。申し上げるまでもなく、何と申しましてもトキの営巣地を確保することが急務中の急務でございますので、農林当局との折衝の結果、農林省当局の深い理解と積極的な御協力によりまして、相当のところまでメドがついたのでございます。詳しいことは農林当局からお話があるかと思いますが、大体のところを申し上げまするというと、トキの生息地帯、約三百町歩というものを買い入れたいという御方針がきまったようでございます。その前に、農林省といたしましても、現地調査をいたされたのであります。しかし、これをもし買い入れる、買うにいたしましてもこの土地の測量でありまするとか、あるいはそれぞれ立木をはかるとか、いろいろの問題があるわけでございますが、実は本年のこの四月の中旬ごろまでには、その評価ができるだろうと思っておったのでございますが、本年は特に雪が深いために、私ども承ったところによりますると、現地の財務局あるいは新潟大学に調査を依頼したのでありますが、四月一ばいのうちは雪のためにとても困難だ。雪が解け次第、できるだけ早い機会に評価をしてもらって、それによって買い取りの折衝をするやに承っておるのでございます。 以上が大体の報告でございます。
○北畠教真君 農林省のこれに対する具体的な考え方並びに方向を一つお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(高尾文知君) それでは、ただいま保護委員会の事務局長の方から一応のお話があったわけでございますが、農林省、特に林野庁といたしまして、どういう工合に事務的に進めて参ったかということを御参考までにごくかいつまんで御報告申し上げたいと思います。 まず、ただいま局長の話にもありましたように、いわゆる本調査に入ります前に、事前に予備審査というものをいたす必要があるわけでございます。トキの森林の買い上げにつきましては、そういうふうに規定されておるわけでございます。従いまして、ただいまお話のありましたトキの森林を購入いたしますについて、予備調査ということを第一にいたし、そのために昨年の十二月十二日から十二月十六日の間、これは往復でございます。現地に三日間調査員を派遣いたしたのであります。これには林野庁から買入係、猟政係おのおの一名ずつ、合計二名でございます。それから直接現場を管轄いたしておりまする前橋営林局から庶務課の担当者を一人、それからなお現地におきまして第一線において直接関係のございます村松営林署の署の管理官、これは所長の次席に相当いたしますが、これと担当員一名、合わせて二名派遣いたしまして、合計林野庁関係五名をもって予備調査に着手したわけであります。予備調査の結果の報告等につきましては、まず買い上げ対象地概況調査、それからいかなる区域かという区域の問題、それから土地の所有関係、それからいわゆる森林地積を含みますところの林況調査、それから地況、こういうものを調査いたしまして、本調査の計画を立てることに相なったわけでございます。その予備調査の結果を申し上げますると、まず第一に買い上げ見込みの面積でございますが、これはあそこは禁猟区になっておりまして、そこの村有林といたしまして約二百五十九町歩、それから同じく所有林ではありますが、官行造林地、トキの村の所有地を国が直接経費をもって造林いたしますところ、いわゆる官行造林地というものが約六十九町歩ございまして、合わせて約三百二十八町歩程度が買い上げ見込みの対象面積に相なっておる、こういうことに相なったわけでございます。 それからもう一つ。これは非常に林野関係で専門的なことでございますが、その買い上げのいわゆる林相でございますが、林相というものを調べて見ましたところ、いわゆる立木地のあるところが、村有林約五十町歩、それから官行造林をいたしておりますところが約六十九町歩になっておりまして、官行造林の方は植えましてから大体五、六年を経過いたしておる、こういう状況でございます。従いまして林野庁といたしましては、ただいまそこに文化保護財が生息をしておるというようなこともございまして、従前林野庁としてトキの保護対策といいますか、これに関連いたしました措置としては、いわゆるトキの生息地に対しまして禁猟区を設定いたしておったわけでございますが、その禁猟区の設定しておりますところが約六千六百二十ヘクタールあるわけでございます。そのうちから今の該当地区を購入いたす、こういうことに相なっておりまして、従いまして林野庁として購入いたしますのにはあくまで国有林として経営をしていく、あるいは国土の保安上これを購入して国が維持管理していくのが適当である、そういう意味合いで買うのでございまして、それがたまたま文化保護財ともあわせて明らかに御了解にかなう、そういうふうに御了解願えば非常に事務当局としてありがたいわけでございます。従いまして、今後の調査計画は先ほども局長からお話がございましたように、現地には非常に雪が多いので、こちらとしては四月一ぱい五月早々にやりたいわけでございますが、さような状況で若干おくれております。従いまして林野庁といたしましては、一番大きな問題になりますのは、林業経営の技術の問題もございますが、土地の評価の問題でございます。この点につきましては、先ほどお話のございました通りに、三月の二十三日付で関東財務局、それから新潟大学の農学部長、それからいま一つが不動産研究所の新潟支所、この三者にいわゆる第三者評価をお願いしておるわけでございます。従いまして、この調査の内容といたしましては、いろいろこまかいことがあるわけでございますが、ただいまのところはそういうところまで相なっておる。従いまして、この土地評価の結果が判明いたしますれば、それに基づいてさらに現地において調査をいたしまして、境界の確認とかその他いろいろこまかいことをやるわけでございます。たとえば木につきましては、一々毎木調査ということもやるわけでございまして、それによりまして大蔵当局と相談をいたしまして具体的なことがきまってくる、大体こういうふうなことになっております。
○北畠教真君 林野庁の熱意ある調査に対して敬意を表しますが、ただいまもちょっとお話しになり、前回でも話が出ておりました千五百町歩ですか、千五百ヘクタールですか、どっちか知りませんが、禁猟区が設定してあるというような話も聞いたのですが、その禁猟区とこのたび買い上げていただく三百二十八町歩ですか、これとの関係ですね、どういう関係になりますか、ちょっと御説明願います。
○説明員(高尾文知君) ただいま私の説明がいささか不十分でございましたので、ただいまの御質疑出たかと思いますが、生息地、この佐渡の地区に対しまして三カ所設定してございますが、まず第一は、トキが休息をいたすいわゆる休息地、あるいはえさをとる場所といたしまして三千五十ヘクタールと千七百ヘクタール、これは個所が違いますので、その二カ所禁猟区が設定してあるわけでございます。それからいわゆる営巣地といたしまして千八百七十ヘクタール、これが設定してございます。合わせまして六千六百二十ヘクタール、約六千六百二十町歩と御承知願えればいいと思いますが、存続の期間は昭和三十一年の一月一日から三十七年の十二月三十一日までということにいずれも相なっておるわけでございます。それでただいま約三百二十八町歩の購入ということを申し上げましたのは、この六千六百二十ヘクタールの中で一番トキの生存上必要なところという結果を来たしますと同時に、国有林といたしましても、林業経営なり、あるいは国土の保安上必要な個所、こういう意味合いで購入いたす、こういう意味でございます。
○北畠教真君 ただいま六千六百二十ヘクタールの禁猟区があって、その中で三百町歩をこの際国有林にし、国土の保安上、始終国家においてまかなっていくが、これがひいてはトキの保護に非常に役に立つという御答弁ですが、三百町あればトキの保護に万全を期し得るかということなんですが、この点非常に専門的なことになりますが、文化財保護委員会当局のお考えを伺います。
○政府委員(清水康平君) 非常に専門的であり、また相手が生きものでありますので、その点はむずかしいのでございますが、ただいまの三百町歩というのは、主としてこの営巣地でございます。これが一番大切でありまして、鳥は遊ぶところよりもどこに巣を作るかというところ、これは今三百町歩のところに入っておりますが、三百町歩のこの営巣地が確保されればよろしいのではないかと思うのでございます。特別の事由がない限りはほかに飛んで去るということはないのじゃないか。
○北畠教真君 先ほど林野庁の係の方からお話がありましたが、いろいろ工作をしていただいて、最後には大蔵当局との折衝が必要になって参りますが、この大蔵当局との折衝において必ず、価格にはいろいろありましょうけれども、三百町歩の営巣地を確保することができる予算が考えられるかどうかですね、大蔵当局のお考えが聞きたいのですけれども、林野庁との関係上始終御交渉になっておると思いますが、お気持はどのように……。
○説明員(高尾文知君) ただいまの御質問でございますが、予算上は、これは先般の指導部長が参りまして御説明したとき、保安林整備臨時措置法云々ということで御説明申し上げましたが、そういう法律もあるということを申し上げたと私聞いておりまして、今般これの根拠といたしますのが国有林野整備臨時措置法というのがございまして、これによって購入をいたすわけでございます。予算といたしましては、すでにこれは引き続き前からあるわけでございますが、国有林野事業特別会計の中に土地、森林購入費というものが年々組まれておるわけでございます。これによって予算上はすでにそういう措置が国会の御審議を経ましてなされております。ただ具体的にただいまの問題が現実の交渉となった場合にどうなるかということでございますが、第三者評価の中には財務当局も入ってもらっておるわけでございますし、これは大蔵当局の立場ももちろん含まれておりますが、林野庁の立場も考えていろいろ評価を出すわけでございますので、大蔵とその評価が決定いたしますれば、その事務的な問題はさほど困難ではなかろうと、こういうふうに考えておるわけであります。
○北畠教真君 大体、大蔵当局も経費については了解済みだというふうに受け取りましたが、そうすれば最終決定というのは大体いつごろになる見通しでございますか。
○説明員(高尾文知君) 先ほど申し上げました状況で、本調査に入ってからまだこまかい調査があるわけでございますので、われわれとしてはなるたけ早くやるようにお願いなり、督促をいたすわけでございますが、あるいは土地の評価、あるいは立木の評価、そういう外業のほかにいわゆる内業というものもいろいろとかかるわけでございますので、ただいまのところでは八月中旬にはそういう内業が完了いたすのではなかろうか。そうして実際の大蔵当局と交渉に入る、契約が終わるのは九月の上旬ころに相なるのではなかろうかと、こういうように考えております。
○北畠教真君 御案内の通りに、能登ですか、それに二、三羽というように、非常に少ないトキが住んでおりますので、一日も早くこの保護対策を講じていただかなければ、先ほど申したように絶滅のおそれがあるということをおそれているのでありますが、これに関連いたしまして一月二十四日の朝日新聞ですか、新潟県の山中でトキが射殺されたという報道が載っておりましたが、この件についての詳細な調査ができておるかどうか、お答え願います。
○政府委員(清水康平君) 御承知のごとく、トキが現在七羽、八羽といわれております。能登に大体三羽、佐渡に四羽、昨年育ったのが三羽、そうすると佐渡だけで七羽おったはずでありますが、そのうち一羽が佐渡から新潟方面に飛んで参りました。一猟師がこれを結果的に見ると射落としたということに相なっております。本人はトキの大敵は、御承知の通り、タカでありますが、タカが一羽のトキに群らがっておるので、そのタカを撃つつもりて撃ったところがトキに当たったんだ、こういうことであります。それで本人は、すぐそのトキを持ちまして警察に届け出たということに相なっておりまして、その間、まだ刑事上の最後の決定はいたしておりません。それからもう一つ一羽が、これはことしの天候の特別の異変の結果でございましょうか、新潟の方面へ多分風に押し流されてきたのだと思いますが、これは全く餓死しまして、ついに死んでしまったという状況でございます。
○北畠教真君 ただいま事務局長のお話で一応了解いたしましたが、数少ない中の一羽が餓死した、また他の一羽が射殺されたというような問題は、今後また手当が十分でないと繰り返されるおそれがあると思うのです。特に生息地を至急に作っていただくとか、または射殺をしたというような人に対しては、できるだけの厳戒態度をもって臨まなければ、将来また尾を引くことになるのではなかろうかと思っております。文化財保護法の第百七条の二に罰則が示されておりますが、この射殺事件に対する調査がまだはっきりいたしておらないようでございますが、射殺したというようなことがはっきりいたしましたならば、これを軽く取り扱うというようなことでは累をあとに残すということもございますので、厳罰主義をもって臨んでいただきたいという気持を持っております。特に昨年われわれが調査をいたしまして、当文教委員会で報告もし、あるいは当局のいろいろなお気持を伺ったのでありますが、そういうことなどが新聞紙上に掲載されまして、トキ擁護運動が非常に盛んになっております。特に青少年の間で、トキを擁護しようじゃないか、国際保護鳥であるトキを守るのは日本の責任であるというような気持から、若い人たちが中心になって、トキを守る一つの運動を起こしておる。この記事を見まして、私非常に心を打たれておるのでありますが、とげとげしい世の中において、鳥を愛する、または自然の姿を非常に愛していく、物事をはぐくんでいく、一木一草の上にも何かあたたかい気持をとっていくというような青少年の運動、こういう清らかな運動に対しても、もしも厳罰をおそれて等閑視されるというようなことになりますと、青少年の気持の上にも大きな影響を及ぼしてくる。またはトキを保護する国家の責務と申しますか、日本の責務と申しますか、それにも大きな支障を来たすということになりますので、こういう国際保護鳥というものに対する特別天然記念物に対しては、特段の御注意を払っていただきたいと思っております。なお、私人身を追及しておそれ入りますが、トキを射殺したという人の名前が載っております。こういう人たちに対して刑法上どういう処置をおとりになるか、その結果も最後に聞きたいと思っております。もちろん現在は進行中でありましょうから、お答えはできないと思っておりまするが、刑法上のいろいろな調べが終わり、処分が確定いたしましたならば、当委員会に至急に報告をしていただきたいと思っております。局長のお気持を伺うとともに、文部大臣がこういう国際保護鳥に対する国の責任であるというような問題に対して、どういうお気持を持っておいでになるか、一つお弁えをいただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) トキの問題につきましては、かねて私も関心は持っておりますが、実際の今質疑等が行なわれましたような事柄についてはつまびらかにいたしておりませんでしたが、お話のように、貴重な、世界に例のない貴重なトキの保護につきましては、今まで以上に関心を持って、政府が十分に現地のいろいろな動きと一緒になりまして、成果を上げるように、この上とも努めていくべきものと存じます。
○北畠教真君 事務局長に対する質問もあわせてお伺いしたいのですが、射殺をしたという人の具体的な名前があがっておりますので、この人に対する刑事的な処罰といいますか、戒めといいますか、そういうことがまだ終了いたしておらない。終了の暁においては、責任をもってこの委員会に報告していただきたい、こう思っておりますが、事務局長のお気持を……。
○説明員(清水康平君) 佐渡、それから新潟付近におられます多くの猟師は、トキを問わず、白い鳥はとにかく撃つまいと、こういう申し合わせのようなものがあって、厳守しておったようでございました。たまたま報告によりますというと、白い鳥にタカが群らがっておったというので、タカを射殺に行ったところが、トキが同時に撃ち落とされた。非常にその猟師は恐縮いたしておりまして、すぐそれを持って警察に自首したということになっております。それから、動機その他を今調査中でございますので、決定次第、適当な機会に御報告申し上げたいと思います。御承知のごとく、天然記念物としてトキが指定されたのは昭和九年でございますが、その当時は百羽以上おったのでございます。今日わずか七羽ぐらいしかおらないということは、私どもといたしましても、今後この保護対策に一段の努力を払って参らなけりゃならぬと、こう思っておるわけでございます。
○北畠教真君 今、事務局長のお話で、誤って射殺したというお言葉でありますが、いずれにいたしましても、日本の責任において、国際的な信用、文化的な信用をかち得るためにも、ただ単に、故意ではなかったのだけれども、誤って撃ち落としたというような問題についても、等閑視してはならないと思っているのです。もちろんその罪を責めてその人を責めるにあらずでございますが、トキ保護の空気をいやが上にも醸成するためにも、厳重なる調査と、手はずをとっていただきたいと思っております。 なお、林野庁当局にもう一言最後にだめを押しておきたいのですが、現在のところ大体三百町歩の生息地を購入する予定であるという方針でございますが、これまた結論が出ましたならば、当委員会にその由を報告していただきたいと思っておりますが、林野庁当局のお気持を一言伺わしていただきたいと思います。
○説明員(高尾文知君) ただいま御要望のありました点につきましては、十分努力いたしまして、その結果は、当委員会にあらためて長官から、あるいは担当部長から報告いたしたい、こういうふうに思っております。
○北畠教真君 大体トキの問題についての質疑応答で、トキ保護の問題、特別に国際的な文化責任という、日本の立場にあるトキの問題については、今後も十分なる保護面においても手はずを整えていただきまして、先ほど来お話いたしましたように、若い人たちがトキを守ろうという運動を起こしておる。特に全国から十万余の金を集めて、えさをやりにいくのだというような実に心のあたたまる新聞記事を見て、いよいよわれわれといたしましては、十分こういう問題について関心を持つとともに、こういうものをきっかけにいたしまして、世の中のとげとげしい姿を解消したいという気持を持っておる一人でありますので、今後十分トキの保護の問題についてはできるだけの手を講じていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を打ち切ろうと思います。
○豊瀬禎一君 関連質問。ただいま北畠委員の方からいろいろ質問されましたが、御承知のように、このトキの保護の問題につきましては、昨年文教委員会としての正式調査の際に委員会に報告した事項です。従って、ただいまの二、三の人の答弁で大体の全貌がわかりましたけれども、あの委員会報告に対して、私は大臣に次のような要望をし、大臣の決意を伺っておったことを思い出すわけですが、少なくとも文教委員会が正式に調査を行ない、しかも与野党一致してこのことは文教政策として実現すべきであるという報告した事項の重要な問題については、大臣として次年度予算の中には責任を持ってこれを実現するように努力してもらいたい、こういう要望を付した際に、大臣も十分尊重して、個々の問題についてはまだ未検討であるけれども、趣旨に沿っては努力したいと、こういう決意表明があったはずです。まず第一にお尋ねしたいのは、大臣にトキの問題に対して大臣としてどういう解決策に対して努力されてきたか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 実際のところ、文部大臣という立場におきましては、具体的にみずから措置したことはございません。それはいいかげんにするという意味でなくて、その具体的な措置につきましては、あげて文化財保護委員会において措置される建前でもございますから、当然委員会の御意向を尊重しつつ保護委員会が行動しておったものということに信頼をいたしておったような次第であります。
○豊瀬禎一君 委員会の責任、権限というものを重視された措置としては一応了解しますが、少なくとも委員会がどういう対策を講じつつあるかという点については、あの際の大臣答弁からすると、当然事前に実情を聴取されて、必要な意見なり方針なりを指示すべきであったと思うのですが、それも大臣として委員会にまかせて関与しなかったということですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
○豊瀬禎一君 一昨年でしたか、私は委員会におきまして、久留米がすりの人間国宝に指定されておった森山さんの死亡事件に対して、文化財保護の対策の欠陥といいますか、失策についてただしたことがあるのですが、また福岡城址においても同様政府の機関においてこれを軽視していくという措置がとられて、指定されておった地域の一部改変が行なわれたことも指摘いたしました。また、先ほどの永仁のっぽ事件に関しても、いきさつはどうであろうとも、文化財保護委員会の何らかの失態の責任は世論の追及するところであります。また最近におきましては、日光事件、これら一連の文化財保護に対する何と申しますか、失策が相次いで起こっておる。このことはいろいろなところに原因があると思います。現地のこれに対する責任の希薄とか、あるいは不可抗力とかいろいろな問題があると思いますけれども、やはり文化財保護委員会にまかせると言いながら、文部大臣そのものが文化財を保護し、そうして具体的にこの委員会として大臣に報告し善処方を要望した事項についても努力されていない、こういう事実が国の文化財保護政策の中にいろいろな事件というか、失策を生んでおる問題だと思うのですが、機構的には文化財保護委員会の責任に移行されておっても、今後大臣としては今問題になりましたトキの問題を初め、文化財保護全般の問題について一そうの誠意をもって努力さるべきであると思うのですが、御見解はいかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通りの心がまえで臨むべきものと存じます。ただ、実際問題といたしますと、文部大臣の立場において、文化財保護委員会の運営措置等に直接の指示をいたしましたり、関与したりするという立場にございませんので、気持はありましてもなかなか制度上の制約から、現実の問題としてはやりかねるわけでございまするが、しかし、文化財保護委員会のずっとやっておりますことを観察しながら、将来に向かって万遺漏なきを期するような要望をする立場は持っておるわけでございますから、そういう角度からこの上とも努力をいたしたいと思います。
○豊瀬禎一君 ただいま幾つかの例示をいたしました件並びに文化財保護政策の全般に対しましては、他日ただすことにいたしまして、トキの問題について続いて質問を続けていきたいと思うのですが、先ほどの北畠委員の質問に対する清水事務局長の答弁の中に、なるほど御指摘のように営巣地を保護する、これは最小限度必要だと思うのですね。しかし、単に営巣地という一定の区画だけでなくして、これは空は領域がないのですから、成長して空を飛んでおる際には、営巣地よりも外に飛び出して行ったり、また実際にえをあさったりする際も、現地の私どもの調査では、その地域外に出て行ったり、あるいはその指定されておる地域にえさが少なくなったりする関係で、ほかのところに出て行くわけですね。かりに営巣地が完全に保護されておっても、その周辺に騒音地帯があったり工場ができたりすると、トキはその性向として、これをきらって、勢い成長が阻害されるという現象が出てくるわけです。森林を買収するという金は、二兆円に近い国家予算の中で非常に農林省関係が努力されていただいておりますけれども、営巣地帯とその周辺に対して買い上げろとは言いませんけれども、何らかのもっと別な保護政策といいますかね、営巣地より以上に拡大した地域に対しての保護といったものがなければ、トキの保護としては万全ではないのじゃないかという気がするのですが、トキについて専門的な知識は持ちませんけれども、現地で調査しました当時の土地の人の意見を聞いてみますと、そういう把握をするのですが、局長としてはどういうお考えですか。
○政府委員(清水康平君) 今、豊瀬委員のおっしゃったことは、私も全くそう思います。しかし、大体鳥の問題は、大きく分けまして営巣地とそれから生息地といいますか、生息地、それにえさ場といいますか、これは渾然一体となっておって、厳格には区別できないようでございますが、大体営巣地、生息地、それからえさ場というようなものが、三つ非常に必要のようでございます。それで、その中で何と申しましても営巣地が一番大切で、営巣地を中心にしてえを探し、それから生息するという傾向が多いようでございます。それで、文化財保護委員会の専門審議会の間でも、何としてもこれは営巣地のほかに全部がそうなれば一番いいんでございますが、御承知のごとく五千ヘクタールという禁猟区がございます。それから営巣地が三百町歩以上になっておりまするので、まずここまでいったということは、農林当局の特別の理解と御協力の結果である、まずこれくらい営巣地があり周囲が禁猟区ならいいのじゃないかという私どもの考えでございます。しかし、将来生息地もえさ場も国の保有地になればそれに越したことはありませんが、なおそれは検討いたしたいと思います。
○豊瀬禎一君 最初にちょっとおくれて来ましたために答弁があったかと思いますが、営巣地の三百町歩、それからさらに生息地、えさ場まで確保するとどの程度の広さが必要なんでしょうか。
○政府委員(清水康平君) 大体あの辺は、今禁猟区になっておりまする五千ヘクタール、これが一番中心じゃないかと考えております。
○豊瀬禎一君 この地域の確保されたことについてはけっこうなことですが、今局長も言われた、たとえばあの環境の中で、あの地域は大体えさ場であるというのはわかっているんですが、そういう地域に対して一定の、たとえはドショウとか——トキがドショウを好むかどうか知りませんが、トキの好むようなものを飼育していくとか、あるいはその飼育料を適当なあそこの教育委員会等の保護機関に対して補助していくとか、こういった措置も今回考えておられましょうか。
○政府委員(清水康平君) 三十五年度におきましては、えさ料といたしまして十万円、そのうち半額の五万円を補助いたしております。三十六年度におきましては、佐渡において全体の費用として二十万円、国でその十万円を補助する予定になっております。これは管理団体が新潟県になっております、それによって補助いたします。それでドジョウでありますとか、タニシとかいうものを与えてやるということでございます。
○豊瀬禎一君 北畠委員の指摘されたように、土地の青少年等がえさ代を出し合って保護したり、そういうことをしています。大体ただいま言われた三十六年度の十万円の補助、総計二十万円程度あれば、現在佐渡に住んでおるトキの、えさ代というよりも、えさを確保するという立場から言って万全ですか。
○政府委員(清水康平君) 万全ということは言い切れませんが、これからそろそろ卵がかえる時期でございます。昨年は三羽かえったんでございますが、幸いにしてひながかえっていきますというと、それではたして十分かどうかということはわかりませんが、まず昨年度十万円、今年度二十万円でやっていけるんじゃないかと思っておる次第でございます。
○豊瀬禎一君 これも現地の人たちの非常に切実な訴えがあったのですが、従来えさ場としておったところが何らかの動きによって荒らされてきてみたり、人が近寄ってきたりしたために、えさ場の変更、違ったところに求めて動いている。ところが、そういう地域は、従来人が気がつかなかったり、また割に人間のよく現われる地域であったりするために、トキがこわがって寄りつかなかったりする。こういった現象があるわけです。そういうことのために、あの事件がありましたから、あらためてトキがとられるとか、射殺されるというような事件はあり得ないと思うのですけれども、えさ場の不十分のために、トキの生育についても何らかの障害が与えられるということになりますと、せっかく今回思い切って国際鳥であるトキの保護について万全を期せられようとする措置が、完璧にできないのじゃないかという心配をするわけです。 そこで、やはり今回の予算増額に伴って、佐渡——現地の営巣地を中心とするえさ場等がどの程度にあるかどうか。そういう地域における、今言われましたタニシとかドジョウというようなもののあれが、新たに育ってくるひな、現在いる親鳥等に対して十分であるかどうかも調査していただいて、もし、十万円に対して地方団体が単に十万円ということでなくして、二十万円も三十万円も負担しなければ確保できない。しかし、貧困自治体のため、それがどうしてもむずかしいといったような現象があるとすれば、補助も考えていただこうし、当該県に対しても、予算の同額を支出するという立場だけではなくして、もっと新潟県に対してもこれに対して予算措置をするように勧告を行なっていただくとともに、その後の状況に対しまして、適当な委員会の際に、トキの保護状況についても御報告願いたいと思うのです。
○政府委員(清水康平君) ただいま御指摘の点につきましては、今後十分検討いたしまして、誠心誠意努力して参りたいと思っております。
○豊瀬禎一君 なお関連して、文化財保護の、指定されている物件数とか、いろいろありますね、段階が。物品であるとか、人間であるとか、それからそれに対する予算とか、文化財保護政策の概要につきまして、適当な機会に資料を出していただきたいと思うのです。
○政府委員(清水康平君) 承知いたしました。
○委員長(平林剛君) 矢嶋三義君。
○矢嶋三義君 私は、先般、愛媛の教育委員会の教育行政について質疑をいたし、一週間以内に調査をして資料として提出するよう要請いたしましたところ、本日、文部省から調査に基づく結果が一応資料として出されました。この内容は、私の調査と著しく相違するものがあります。従って、お許しいただいた限定された時間内において質疑を展開いたしたいと思います。 こういう愛媛県の教育行政の問題が起こるのも、究極のところ、荒木文部大臣の荒木文政が、世の中では高姿勢といわれておりますが、誤れる高姿勢というものが、こういう事態を地方教育行政にもたらしてきていると思うのです。根元を断たなくちゃならぬその立場から、私は本論に入る前提として文部大臣に伺いますが、今まで文部大臣は、日本の教育の問題について、五十万の結束力を誇る日本教職員組合と話し合いをする必要はない、義務も権能もない、むしろ話し合うことは有害である、日本の国の法秩序を乱すものである、こういう答弁を衆参を通じてなされて参っているわけです。その理由として、勤評を中止せよ、教科課程の改訂をやめてもらいたい、かように当面行政府がやろうとする政策をやめよというてくるのだから、そういう人と話し合ってもしようがない、こういうことを今まで述べて参られました。ところが、昨日来の報道を承りますと、日本教職員組合は非常に低姿勢で、これからの日本の教育問題について話し合いを持ちたい、ことに政府はILO八十七号条約の批准案件を国会に求めている現段階において、その精神から言っても、これからの教育の問題について大臣はわれわれと会うべきだ、会ってほしい、こういう要請をされたように伝えられているわけです。私はこの段階において文部大臣は話し合いをする決意をされたと思いますが、承りたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私が就任以来日教組に対してとっております言動に対して、高い姿勢だなどと批評されておることは知っております。批評は何人といえども自由なわけでございますが、私としましては、今の憲法の精神にのっとり、教育基本法に従い、もろもろの教育に関する法律制度そのままを念頭に置いて判断します場合には、当然のことなりと信じて今日まで参っておるのであります。昨日でございましたか、三たび、団体交渉をするという形の要望書をちょうだいしたことは知っております。ですけれども、日本教職員組合という任意団体とお目にかかって、言われるがごとき課題について交渉をするということは考えておりません。
○矢嶋三義君 もう一回承りますが、団体交渉をしてほしいというような要請はされていないと私は聞いているのです、事務当局から。事実問題として会ってほしい、そして話し合いをしましょう、こういう申し入れがなされたと私は承っております。 そこで、文部大臣の答弁の前に、地方課長から伺いましょう。昨日、日本教職員組合から申し入れのあった内容は、従来と同じ調子のものか、それとも従来の調子よりはやわらかいものであるかどうか。私は後者であると確認をいたしているわけです。また、今、文部大臣が言ったように、団体交渉を持ってほしいというような要請であるか、それとも事実上、非常に教育の問題が、多種多様問題が今山積しているから、会って話し合いをしてほしいという要請なのか。私は後者であると判断をし、確認をいたしております。あらためて、文部大臣の答弁の前に事務当局の御所見を承ります。
○説明員(今村武俊君) 昨日いただきました書類には、交渉という言葉は一つ使ってございます。それから話し合いという言葉も使ってございます。従って、言葉——日本語の調子としては、矢嶋先生の御指摘されたように、従来と比べてだいぶ気取ったところが少なくなって(「気取ったとは何事だ」と呼ぶ者あり)やわらかな調子になっております。しかし、書いてある内容は従来と全然違っていないと、かように理解いたしております。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私はまだ、その申入書か要望書か知りませんが、そのものは見ておりませんけれども、今、説明員が申しましたようなことであろうと思います。その表現か——用語が固かろうとやわらかかろうと、そういうムードは問題ではないと私は存じております。いやしくも五十万の団結を誇る団体の代表者と、交渉という言葉であろうと、何であろうと、お目にかかることは、事実問題といたしましても、今としては適切でない、こう考えて、申入書をちょうだいいたしましても、お目にかかる意思はございません。
○矢嶋三義君 本論に入る前に、もう一回伺います。納得できない。その前に今村地方課長、さっきの、気取った表現というのは取り消しなさい。この問題は衆参を通じて、ずいぶんと論じられた、日本の教育文化政策の一つとしての重要な問題ですよ。申し入れがあったのに、あなたは本日まで大臣にその書面を見せていないということは怠慢ですよ、今村課長。ましてや従来のような気取ったようなものではなくて、矢嶋委員の指摘のようにやわらかな調子——こういう表現がありますか、それは取り消しなさい。
○説明員(今村武俊君) 用語が適切を欠いたと思います。気負ったという意味で申し上げたつもりでございます。
○矢嶋三義君 それもいけない。気負ったとは何ですか、気負ったとは。気負ったとは気取ったと同じです。どういうことですか、気負ったとは。こういう表現はおだやかでないです。取り消しなさい。修正しなさい。
○説明員(今村武俊君) 気負ったという意味は、まあ何といいますか、法例上あるいは——法例上といいますか、地公法上、教育公務員法上、私が考えておる、そういう職員団体のあり方、それ以上に気負ったという意味でございまして、私はそう思っておるわけでございます。それを取り消す必要はないと考えております。
○岩間正男君 議事進行。あなたは事務官ですね、事務官は事実を言えばいいのです。気負ったという言葉というものは日本語の慣用例からいったって、あなたの主観が入っている。そういう主観の入った中で、そういう言葉を出して、何か先入観のようなものでこの問題を処置していくところに問題があると思う。私は矢嶋委員の発言は当然だと思う。あなたは取り消すべきです。これは文部大臣も、こういうような形で事務官が、しかもこの委員会において主観を混入するような報告をする、こういうことはけしからん。それから矢嶋委員の発言の中にもありましたけれども、まだ文部大臣は見ていないというのです。私も驚いている。五十万の意思ですよ、それが表現されておる。それなのに、この問題をこのままにしてはまずいと思うので、この際取り消してはっきりして下さい。文部大臣もそういう事務官のあり方ではまずいと思うのです。こういう点について明確にして下さい。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。 今村地方課長、ただいまのお話につきまして、補足をして説明して下さい。
○説明員(今村武俊君) ただいまの御質問に対して、従来のものに比べてやわらかな表現になっているということを説明するために、従来のことについて「気負った」という用語を用いましたことは適切でなかったと思います。しかし、言わんとする趣旨は、従来に比べてやわらかな調子になっているということを言わんがためでございました。
○矢嶋三義君 ただいまの今村課長の釈明発言で一応了承します。まああなたはジュネーブの興奮がまだ残っているようですから、説明員ですから、今後御注意いただきたいと思います。 で、大臣に重ねて伺いますが、先般もこの愛媛県の問題をお伺いした大前提に、憲法の条章にうたわれている勤労者の団結権、この問題について法制局長の見解、それから文部大臣の見解を承ったわけです。これはあくまでも尊重さるべきです。その条章を受けて地方公務員法の条章ができていると、従って法制局長の見解では、憲法、法律上からいって勤労者の団結権というものを前向きに進めていくような行政が行なわれるべきだと、こういう明確な答弁を大前提に私はいただいているわけです。で、荒木文部大臣も、結論的にはその憲法解釈、法律解釈を了承した形で質問が進んで参っているわけなんですね。ところが中央、文部省を舞台として行なうところの荒木文政、またその指導と助言を受けて都道府県教育委員会の場において行なわれておるところの地方教育行政、これらはいずれもですね、いずれも憲法の勤労者の団結権尊重というそれを生かした前向きの行政でなくて、できるだけ勤労者の団結、その組合を弱体化しよう、できればこれをつぶしてしまおう、このいう逆方向に方向づけられた教育行政が行なわれているということに私は問題があると思う。その具体的な例が愛媛県教育委員会の行政。それをきょうこのあなた方からいただいた資料によって反論して参りますが、この点は問題だと思うんです。だから、この時点で日本教職員組合が幾多の経過を経て少なくとも所管局長さんがお認めになられるように、やわらかい調子に変わって、団体交渉をして団体協約を結んでほしいというようなことを言っているわけじゃない。話し合いを持ちましょうということになれば、事実問題としてあなたがこの際にお会いになって話し合おうということは当然であり、必要なことだと思う。それが池田内閣がILO八十七号条約をその批准を国会に求めて参ったその精神と合致するものだと思う。そうでなければ私は矛盾していると思うんですね。それで本日の質問の冒頭に、この段階であなたはともかく会ってみようと、それが適切だと御判断されたことと思いますが、といってお伺いしたわけです。あらためてもう一ぺんお答えいただきたいと思うのです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 何度も申し上げましたように、日本教職員組合というのは、憲法第二十八条に根拠を持つ団体であろうと思うんですけれども、今まで団体交渉ないしは交渉というふうなことで持ち込まれますあの課題と態度は、憲法第二十八条に基礎を置くところの団体の態度では私はないと思います。むしろそれは憲法第二十一条にいうところの結社の自由に基づく任意団体的、むしろ政治団体的な気持を持って臨んでおられるように察しられるのであります。本来労働組合、広い意味での労働組合、教職員団体ということであるならば、団結権と団体交渉権は、不満足ではありましょうけれども、一応制度上は認められておる。その法律に定めた課題について、法律に定めた使用者代表たる立場の地方教育委員会と話し合いをするということが、これは憲法なりあるいはもろもろの法律制度上当然のことでありまして、その制度が必要であればこそ都道府県段階でとどまる、それが地方分権制度の教育のあり方上必要であり、当然であるとなっておる、そのことを承知しつつ全国大の立場において、なるほど五十万の団結を誇っている団体であることはみんなが知っておることでありますが、だからといって、全国大の立場において、その任意団体の代表者が文部大臣と、いわれるがごとき課題について話し合いをせねばならぬことは私はないと思います。政治団体ならばまた別問題であります。まあそういうことで、制度論として、私は団体交渉なんかはむろんあるべきではないが、事実問題といたしましても、少なくとも今お目にかかってそういう課題について話し合いをするということは適切でないと判断しておるのであります。
○矢嶋三義君 これは主議題でないのですから、具体的な問題にさらに入って参りたいと思います。 そこで、具体的な内容に入る前に、先日の委員会を受けてでありますから、まず確認いたしておきたいと思います。 先般、私が本委員会で提示をし、お伺いをしたあの事実が認められた場合においては、それは明らかに地公法違反であり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条に基づいて、愛媛県教育委員会に対して措置要求を求めるに値するものだ、もし矢嶋の指摘するのが事実ならばそうだと、かように前委員会で文部大臣御答弁なさっているのでありますが、御確認を願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
○矢嶋三義君 で、内藤初中局長に伺いますが、今ここに調査結果として資料が提示されました。これはいかように連絡をとり、いかようにして出て参った資料であるか、文部省として責任を持てる資料であるかどうか、簡単に伺います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 矢嶋委員からお尋ねのありました事項につきまして、昨日詳細に現地に照会をいたしたわけでございまして、その現地におきましては、それぞれ調査をいたしまして、四月三日に総務課の課長補佐の亀井と、宇和島事務所管内の主事の山本が参りまして、文部省に報告をしたものでございまして、私どもとしては信頼のできるものと確信いたしております。
○矢嶋三義君 それでは私は責任上反論をいたし、またお伺いいたします。先生方の組合員としての団結権を阻害をする、憲法でいう勤労者の団結権を侵犯する働きかけが行なわれている、明らかに地公法違反であるということは明確な事実がある。 まず九項から参りましょう。この九項で、「宇和島教育事務所の主事が、市内の旅館において某教諭に組合脱退を勧誘し、「脱退すれば教頭にしてやる」といい、同教諭は一月八日に脱退したことについて」、こういう事実がないという、存在しないということがあります。かくなった以上はいたし方ありません。私は氏名をあげてさらに再調査を要請いたしましょう。それがもしさらに事実と違うと言うならば、先般も委員長に要求しておきましたように、本委員会に喚問して下さい。あるいは与野党そろって現地に国会から議員派遣をして明確にする必要がある。問題を出した以上黒白をはっきりしなければならない。この事犯は、話しかけられた先生は船越小学校の酒井信三という先生。この人は修学旅行で宇和島の旅館に泊まった。その泊まった酒井先生をつかまえて、こういう内容の働きかけをしたのは宇和島教育事務所の中田管理主事。その話を隣の部屋で、偶然に隣の部屋に泊まり合わせた先生が聴取、確認をしておる。その人の名前はここにわかっていますが、しばらく伏せておきます。いつでも証人に喚問されたなら出て参りますということを言っております。学校の名前も、先生の名前も明確にわかっている。直ちに連絡をとって明確にしてもらいたい。文部大臣こういう事実があったとするならば穏当ですか、どうですか。いかがお考えになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 穏当でないと思います。
○矢嶋三義君 次に、非常に不当人事が行なわれている。私は国会に参りました愛媛新聞を見て発見したんですが、この前の委員会で文部大臣は夫婦共かせぎの先生を引き離すようなそんなやぼなことはすべきでない、やらせないと、こういう御答弁をいただきました。ところが驚くなかれ、私は心配するからそういう事態が起こらないように愛媛の方に連絡してほしいと言ったのですが、まことに遺憾な不当人事がここに起こっています。それは久良小学校の井村教諭が福浦小学校というところに飛ばされている。これはちょっと地図を大臣に見せますからね。ここに夫婦でおったのがここに飛ばされておる。先般も私質問申し上げたように、その井村先生は昨年教育研究協議会に入ったらどうかということを盛んに勧誘を受けたというわけです。その事実を日教組からおいでになった某氏に話して、それを書面に書いた。その書面を日教組はILOに提訴する場合に、かような働きかけがあるという一つの資料としてジュネーブに送った。そうしましたところが、先般のあなた方の答弁のように、ジュネーブのILO事務局から文部省に反論してほしいと問い合わせが来た。そこで文部省としては、愛媛県の教育委員会を通じてその調査を依頼した。ここまであなたが答弁されたわけです。そこでこの井村先生に対して宇和島事務所の管理主事が校長を通じて、君はILOに提訴したかどうか、どういう内容で提訴したかということを再三にわたって問いただされたんですね。ところが井村先生は、先般私が申し上げたように、他の人に研究協議会に入るように勧められたことは事実であり、その限りにおいてはその事実を書いたことはある。しかし、直接自分がILOに書類を送って提訴した覚えがないからILOに提訴したことはないということを申し述べたそうです。そうして学校長は宇和島の事務所に何回も電話連絡をして、提訴したことはない、ILOについては自分は承知してなかったというようなことを書かされて捺印されたわけですね。そうして井村先生は組合に残っている。脱退していないわけです。だから、私が調査に行ったときに、それを心配して——まじめな先生です、この先生は、心配されて、そうして最近組合を脱退しなければ転勤させられるぞ、飛ばされるぞということがあちこちで学校長から、あるいは主事を通じて一般の先生に言われておるので心配だ。自分はそうでもないが、子供が三人ある。家内も——井村先生の言葉です。——家内も教師である。共かせぎをしておる。だから変なところへ飛ばされるというと夫婦別かれ別かれになる、子供もあることだからというので自分の妻が非常に心配しておる。こういうことを述べたわけです。だから私は先般そういう内容を申し述べ、そうして所見を承った。それに対して夫婦共かせぎを引き離すようなやぼなことはすべきでない。それからILOの問題についても事実だけは明確にしてほしい。日教組と文部省はジュネーブで争っているのだけれども、事実だけは明確にしてほしい。愛媛県の教育委員会を通じて井村さんは提訴をしたのです。ILOは何も知らない。書面が来ておっても、これをILOに提出するにあたっては文部省は事実が明確になるような角度で提出してほしいと要望しておいた。そうしましたところが、四月一日の愛媛新聞を見ますと、この井村先生はおそらくILOの問題と組合を脱退していないこと、これが二つの要素になっているのは間違いない。この城辺の町から福浦に飛ばされておる。これでは夫婦一緒に勤めるなんていうことはできませんよ。こういう人事行政というものは許すことができないと思う。大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先日も申し上げましたように、ことさら夫婦を引き離す意図を持って御指摘のような理由のみによってさようなことが行なわれることはもちろん穏当でないと思うのであります。ただ問題は都道府県の教育委員会に専属しておる人事権の発動の結果についての御批判でございまして、教育委員会としてはむろん、憲法はもちろんのこと、あらゆる教育関係あるいは労使関係の法律、制度に照らしても恥じない人事をする責任を持っておるわけですから、そういう責任の立場に立っての人事異動の一々具体的なことについて、その具体的な事実そのものについて今かれこれ申し上げる立場でないと思うわけでございますが、その理非曲直というのは私の承知するところでは当然人事委員会ないし公平委員会等の判定に待たなければ最後的にははっきりしないことだとも思うわけですけれども、さしむき今のお尋ねの範囲内において決定的な意見は申し述べることを差し控えさしていただきます。
○矢嶋三義君 この問題は国会でも取り上げて問題になっておるだけに私にも責任がある。それから本委員会としても責任があると思うのです。事の真相を明確にして、不当な人事は早急に自主的に愛媛県教育委員会で是正されるようにしなければならぬと、かように私は考えます。文部省の出された資料の中に井村教諭に校長が手柄を立ててほしい云々と勧誘したのは、手柄を立ててほしいと言ったことは、宇和島の中田管理主事が、さっき私が申し上げましたように、宇和島の教育事務所の管理主事が宇和島の旅館で、さっき申し上げました酒井教諭に対して、組合を脱退して手柄を立ててほしいと、こう申されたことで、井村教諭に対しては手柄を立ててほしいということは言っておらないので、その点は訂正をいたしておきます。で、この井村教諭が城辺から福浦の小学校に、僻地に飛ばされたことについては、早急に文部省から調査をしてほしい。これは、先般私、そのおそれがあるから、そういう人事をやらないように電話を一本入れてほしいということを、内藤局長に要請しておいたわけです。ところが、私の心配した通りの事実が現われて参ったわけです。これは一つの例です。かように、教員組合に入っているがゆえに、非常に不利益な取り扱いを現実にやっているのです。それからまた、精神的にそういう威圧感を加える教育行政が愛媛県で行なわれているということは、明らかに地公法違反です。憲法違反でもあります。この事実が明確になれば、冒頭に申し上げましたように、文部大臣は、当然、そういう総括的な地方教育行政をやっている愛媛県教育委員会に対しては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条によって、注意を喚起し措置要求を求むべきだと思うのです。お伺いします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいままで調査いたしました結果によりますれば、お示しのような措置を特に講ぜねばならない段階ではないと存じております。
○矢嶋三義君 あなた認識不足です。まだ、私がそれじゃ追及して参りましょう。 第三項、「城辺町教育委員会委員が「組合を脱退して愛媛県教育研究協議会に入会すれば、研修旅費をとってやる」と発言したことについて、指摘されたような事実はない。」というこの調査報告。かくなった上はいたし方ない。何という教育委員が言ったか申しましょう。城辺町の教育委員会の浜見教育委員がこういう事実を申し述べている。本人自身が認めている。何がゆえにこんな調査結果を出すのですか。浜見教育委員自身が、忍ばそういうことを言ったよ、言いましたよということを一般の先生方にもはっきりと明言している。矢嶋は確認してきたのです。そういうことを教育委員の方が言ってよろしいのでしょうかね。人事権を持っているのですよ。先生方にとっては、こわいお方なんですよ。そういう言動があっても、なおかつ、これは法律違反じゃございませんか。文部大臣御所見を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) おっしゃるような事実ありとすれば、教育委員としては、言動は穏当ではないと思います。
○矢嶋三義君 注意を喚起し是正を要求するに値する内容のものだと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。そのことも、やはり当該県の権限のある機関ないしは当該市町村の教育委員会がみずから自主的に行なうべき範囲内のことでございますから、その事実を確認した上でなければ、結論的なことは申し上げることが適当でないように存じます。
○矢嶋三義君 委員長にお伺いしますがね。私まだあと若干あるのですがね。これはきわめて重要なことですよ。こういうこと。私の調査が誤りだったら、私は取り消しもし、あやまりますよ。しかし、私が調査した範囲内には、自信持っているのです。そして調査していただいたところが、「指摘されたような事実はない。」と、こう言っておられる。先生方は戦々きょうきょうとしているのです。そして懸念されたごとく、たとえば井村先生のごときは、こういう人事行政が行なわれているのです。これは私新聞で拾ったんですけれどもね、こういう事実は私は真か否か、明確にする必要があると思う。委員長の御所見と、いかようにして明確にされる御方針を持っておられるか承っておきたい。
○委員長(平林剛君) 矢嶋委員の、さきの委員会におきまして御要望がありましたことについては、私も十分了承いたしております。文部省の手続を経ての調査とあなたの御指摘とが食い違っており、それがはなはだ見解の相違があるとすれば、何らか適切な措置はとらねばならぬと思います。そのことにつきましては、なお審査が続けられた後におきまして、あらためて委員長・理事打合会におきまして御相談申し上げたいと考えております。
○野本品吉君 関連。今、矢嶋委員から、愛媛県の教育委員の一人から、教員にとりましてはきわめて重大な影響を持つ発言があったということで指摘され、論議されているわけでありますが、ここで私はちょっとお伺いしておきたいのですが、個人の教育委員の発言というものと委員会の発言というものが同じものではないと私は了解しております。法令上、教育委員というものと教育委員会というものの権限とか責任ということ、繰り返して申しますというと、教育行政における権能というものは教育委員会が持っておるのであって、教育委員の発言というものは、公式論から言えば教育委員会の責任として追及されるべき筋合いのものでない、かように私は了解しておりますが、これは内藤局長どういうふうにお考えですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 教育委員会は、御承知の通り合議制の行政機関でございますので、教育委員会は、あくまでも合議で決定した事項について責任があるわけでございます。ですから、教育委員個人がいろいろと御意見をお述べになることは、これは御自由でございますが、直接教育委員会を拘束するものではございません。
○矢嶋三義君 そういう法律の方のことは私百も承知なんですがね。政権をささえている与党の委員からそういう御質疑があるというのは、私はまことに心外なんですが、今愛媛県の教育界全般がどういう雰囲気でおおわれているかということは問題でね、教育委員個人の見解としては、人事異動を前に、あるいは職員の組織が動揺しているときに、教育委員としての言動はいかにあるべきかということはね、おのずと私いろいろな問題があると思うのですよ。そういう立場からただしておるので、その点は御了解いただきたいと思います。 次に七、「郵便局員の妻である山本教諭に対し、校長が夫婦別居を余儀なくされる転任を示唆する等により、組合脱退を迫ったことについて、宇和島教育事務所管内中堅教員研修会に出席した山本姓の教諭で、郵便局員の妻であるものは存在しない。」「夫婦別居を示唆して組合脱退を強制した事実もない。」もう一ぺん調査してごらんなさい、学校名申し上げますから、西浦小学校。御主人を郵便局員に持っている女性の先生が昭和三十五学年度において在籍したかしないか調べてごらんなさい。その中で、宇和島で開かれた中堅女教師の研修会に出席した人があるかないか、調べてごらんなさい。私の調べでは、明確に西浦小学校にそういう該当者がおります。主人は郵便局に勤めておる。その人に対して校長さんが、講習会の意図はわかっているでしょうがと、かように話している。この学校は、教職員の定員十四人、そのうちに八人が脱退して六人しか残っておりません。従って、組合に残っている人は戦々きょうきょうとしているという状況です。そういう状況にある先生に対してね、組合に入っておったらあぶないですよと、転任させられたら御主人と別居になるじゃないですか、お困りでしょうと。それよりも寄らば大樹のもと、安全地帯に入るために組合を脱退したらいかがですかと、こういうニュアンスの言葉をもって働きかけるということは法律上許されぬことですよ。組合の切りくずしですよ。不当介入ですよ。憲法の団結権の保障から出た労働法の不当労働行為を禁止している条章の精神に違反するものですよ。こういう事実があるとするならば、これは人権擁護の立場から問題となる性質の問題だということを先般法務省の鈴木人権擁護局長が本委員会で答弁している。あなた方、該当がないということですけれども、私は学校名まで今度さらに進めて指定いたしておきますから、調査してごらんなさい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私どもの調査いたしました範囲によりますと、女子教員研修会に参加した山本という姓の者が三人ありまして、そのうちで山本三千代は独身でございますので除外して、他の二人について調査したわけでございます。しかし、いずれも主人は教員であります。そのうちで山本富枝というのと一人は山本章子というのがございます。で、山本富枝の方は松野町の教育長の吉岡圭一氏について事実の有無を調査しましたが、そういう事実はない。ただ、この方は勤続六年ということで勤続年数が長い関係で実は転任になっておりますが、あと山本章子の場合は脱退を迫った事実はなく、かつ夫婦ともこれは転任しておりませんということでどうも該当者がなかったわけでございますので、ただいまお述べになりました西浦小学校についてさらに調査を続けさせていただきます。
○矢嶋三義君 その点はお手数をかけました。
○政府委員(内藤誉三郎君) 山本章子が西浦小学校でございまして、これは今お話のように脱退を迫った事実はなく、夫婦とも転任しておらない。ですから、西浦小学校の山本はこれでございまして、郵便局員の妻ではないとはっきりしておりますので調査する必要は私なかろうかと思います。
○矢嶋三義君 いやいや、私が今それでお手数かけましたとあれしたわけですがね。聞きようと私の書きようで、山本といった点が速記録に残っているとすると、その山本と確定して、山本に重点を置いて調べたからそういう事態になったのかもしれない。だから私はその点をお手数かけたと申し上げた。山に間違いない、山。(笑声)で、今僕は調査して速記を、自分の書いたのを見てその点確認したのですからね。山に間違いない。それから、西浦小学校、御主人は郵便局員に間違いない。それをもう一ぺん調査してごらんなさい。で、あなた方、なるたけ、その該当者がないと喜んですぐ報告書を書くからこういうことになる。(笑声)もう少し調べてごらんなさい。郵便局員の奥さんがおらぬかといってやったらすぐ出てくるのだから。やっぱり両方から調査しないからこういうことになる。
○政府委員(内藤誉三郎君) 山何とおっしゃるのですか。その名前をはっきりおっしゃっていただかぬと私どもまた調査で御迷惑をかけると大へん済みませんので。
○矢嶋三義君 二冊僕こしらえておるのを、一冊持ってきてないんですよ、整理したの。これは当時の走り書きの方で急いで書いてあるのですが、山吉さんかもしれないな。これで調べればよろしい。西浦小学校で、最初の頭文字が山の人を調べればよい。絶対間違いない。この人は非常に心配しております。 それから次に八番、「妊娠中の女子教員四人に対し、校長が転任を示唆して組合脱退を迫ったことについて、指摘された事実は認められない。」これが事実とすれば、これは人権問題だと鈴木人権擁護局長は先般答弁した。校長さんの名前は、大西という校長さん。妊娠中に転任したら困るでしょう、組合を脱退しませんか。それが安全ですよと、こういうように働きかけておる。しかも授業中呼び出して話をしておりますよ。私がここに書いてある、その女教師の名前だけで三人は確実です。授業中に呼んで説得を受けたと言っております。こういう、違反のみならず、人間としても卑怯ですよ、妊娠している先生にそういうことを言うということは。なぜこういう非常識なことを校長さんが言われるかというと、この前申し上げたように、自分の学校から一人でも早く多く脱退した方が校長の勤務評定がよくなるわけなんです。そういう教育行政をやっている。だから勤労者の団結権を保障した憲法の精神に反した教育行政が愛媛県教育委員会において行なわれているところに私は重大な問題があると言うのですよ。校長さんだってこんなことを言いたくないんですよ、自分と一緒に働いてきた部下だもの。ところが、早く組合員を一人でも多く脱退させぬと管理主事のめがねにかなわない。自分の身かわいさからノルマを与えられたようなもんです。こういう非常識なことをやるに至っているわけです。こういうことが行なわれているということは、私はまことに残念なことだと思うのだね。文部大臣いかがですか、御所見を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻来申し上げておりますように、あくまでも、教育行政に限りませんけれども、特に教育行政においては政治的に中立を厳守すべきであると同時に、憲法の趣旨にも——特に労使関係の問題については慎重に取り扱うべきものでございまして、今御指摘のごときことが事実であるとするならば好ましからざることだと思います。
○矢嶋三義君 事実かどうか最後まではっきりいたしましょう、私も責任がありますからね。で、私が間違っておったならば私は遺憾の意を表わします、間違っておったならばね。 次は第六、「西教諭および同教諭の母堂に対し、校長の命を受けた教頭が組合脱退を強制したことについて」この釈明というのはおかしいのですね。西という女の先生のお母さんはここにも書いてありますが、危篤状態だ、重態だったんですよ。そこに教頭さんがおいでになって、そうして、お宅のお嬢さん組合をやめたらどうですか、組合を脱退しないというとどこにやられるかわかりませんよと、こういうことを病母のまくら元で話しておる。それでその翌日お母さんはなくなられたのですね。そうして、私の調査では、そのあと西先生に、お母さんがなくなって転任でもしたら困るでしょうと話かけて、いかにも早く脱退した方が安全だぞという暗示を与えている。ところが、ここには旧知の同教諭の母堂に面会するため訪問したものである。組合の問題、転任の問題、間違いなく話しているという私は調査をいたし受け取っております。しかし、この六の表現は、七、八分通りその事実のあったことを認めていますね。この点は人権擁護局長御出席になっているでしょうが、あなたの出先機関で御調査下さったでしょうか、どうでしょうか。もし御調査下さったならば、一応現段階でどういう調査報告が参っておるかお答え願いたいと思います。
○政府委員(鈴木才蔵君) まだ調査の結果の報告は参っておりません。この間の委員会で御指摘になりました事実につきまして、さっそく電信で松山地方法務局に調査指示をいたしました。その後なかなか向こうからの返事が参りませんので、きょうも電話を午前中かけましたのでございますが、なかなか最近電話がすぐ通じませんので、まだ電話によるその後の様子もまだ聞き取っておりません。そういう状態でございます。
○矢嶋三義君 要望申し上げますが、人権の問題ですから、なるほど調査も慎重であるし時間も要すると思うのですよ。だから拙速ということにならないように、校長さんとかそういう官側だけの聴取でなくて、当事者も一つ聴取されて、そうして総合的に人権侵犯事犯が成立するか、おそれがあるがという判断を下されるように事案が事案だけに慎重にやっていただきたいと思います。電話連絡して調査していただいておるということですから、その結果をお待ちいたしますから、本日はあなたは私の質問ございません。 次に五項目、「能田教諭に対し、正式任用の辞令交付の際、愛媛県教育研究協議会入会書への捺印の強制等が行われたことについて」、そういう事実は認められず、こう書いてある、しかし、これはさらに対決いたしましょう。私のところに二名名前がわかっているわけですが、辞令を交付するときに判を持っていらっしゃいといって、研究協議会の入会書を出してこれに判を押しなさいといったら、押さない人がいるでしょうか。大学出てまだお若いのですよ。今の就職難の時代ですよ。あなたをこれから正式に採用いたしましょうという辞令を交付する場合に、この研究協議会にお入りになったらどうですか、どう言うか知らぬが、お入りなさいか、お入りになったらどうですか、どう言うか、いずれに表現しようとも辞令を交付するときに入会書を示して署名捺印させたら、明らかに精神的には強制ですよ。それを断わり得る人がいるでしょうか。これは無理だと思うのですよ、そういうことは。しかも愛媛県で教組に残るべきか、脱退して教育委員会の御要望の通りに研究協議会に入るべきか、県をあげてみんな関心を持っている、ことに当事者である教育公務員にとっては非常に重要な問題になっております。そういう問題を辞令交付のときに出すこと自体が間違いだと思う。適切じゃないと思う。適切でないでしょう。文部大臣御見解いかがですか。辞令交付のときにそういう問題を出すということは、教職員組合の団体の加入書あるいは研究協議会の加入書をそのときに提示して、そこで署名捺印するということそのこと自体が適切でない、辞令交付だけしたらよろしいのですよ、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。ただいまの御質問の事柄に関します具体的事例は、私どもの調査によりますと、すでに日教組の組合員ではない人に勧めた事実はあるように報告が来ておるようであります。ですから、お話のような、組合を脱退しなさい、そうしてこれにお入りなさい、という問題ではないように思います。
○矢嶋三義君 愛媛県教職員組合も愛媛県の教育公務員による自主的な団体でしょう。教育研究協議会も愛媛県の教育公務員による自主的な団体でしょう。何がゆえに辞令を交付するときに一方のだけの加入書に署名捺印を求めるような機会を与えるのですか。そのこと自体適切でない。それとも百歩、千歩譲って、私は教育委員会の所管でないと思うのだけれども、愛媛県教職員組合の規約、入会書、研究協議会の規約、入会書をそろえて、そのいずれか入ったらいかがですかということすら私は教育委員会の所管外で、辞令交付のときにそんなことをやるべきでない。ましてや一方は全然準備しないで、研究協議会の入会書だけ出して、そこで署名捺印というのは、教育行政に携わっている公務員として適切でないですよ。この適切でないということについてはどういう御所見を持ちますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 明確にも申し上げかねますけれども、今御指摘の研究協議会というのは、国の補助金も出して研究を奨励しておる団体かと思うのでございますが、そういうことならば、教育に関係する者がその趣旨をよしと考えて、便宜の慫慂をするということはそう荒立てて非難すべきものではないと私は考えます。
○矢嶋三義君 それが偏向ですよ、文部大臣。今から私は愛媛県の師友会という問題を出しますが、この師友会なる団体が非常に問題のある団体です。教育行政の偏向ですよ。何ゆえにそういう団体があって争っているのに、所管外のそういう団体への加入をそこで勧めたりしますか、勧めたりすることができますか。それを何ともあなたは感じないところに問題がありますよ。先生方の団結権、職員団体を構成する権利、そういうものに不当に干渉している。これは不当に介入していることですよ。しかもそれは新任の先生の辞令交付の場ですよ。非常識じゃないですか。この第五項目の調査結果は事実を認めた調査結果です。
○岩間正男君 ちょっと関連してお伺いしておきますが、愛媛県教職員組合、これは任意団体として結成され、それでこれは届け出をしておりますね。それから愛媛の教育研究協議会というやつですね、これは一体どういう性格の団体なんですか。これは地公法により認められる職員団体なのかどうか。それから届け出をしているのかどうか。それからあなたたちは現状においてこれをどうつかんでおられるか。私たちが聞いておるところによると、教職員組合を脱退してこれに入る。全く対抗的にこれをやられておる実際の運用ですね。こういう現実の運用についてあなた実は調査されておるだろうと思う。従いまして、この三つの問題について内藤初中局長からお話を伺いたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 愛媛県教職員組合は、地方公務員法に基づきまして所定の手続をしておるものと思っております。
○岩間正男君 思っておると——これは調べておりませんか。届けているんでしょうな。
○政府委員(内藤誉三郎君) 届けていると思います。 次に、愛媛県教育研究協議会は、これは先日も申し上げましたように、本会は教育職員の親和、提携を密にして、教育上の諸問題を研究討議し、本県教育の刷新、進展に寄与することを目的としておりますので、第一義的には教育研究団体であると把握しております。もちろん届け出の義務があるわけではございませんが、おそらく教育委員会には届けておるものと思っております。 第三の質問でございますが、私どもは、この研究協議会は愛媛県の教育の刷新、充実をはかる教育研究団体であると同時に、先ほど御指摘になったような教員福祉の向上という点についても取り扱っているわけでございます。ただ、規約には出ておりませんが、実際の取り扱いとして、この研究協議会は日教組の加盟員であってはならない、こういうことがあるそうでございます。
○岩間正男君 もう一つだけ。 はっきりしたいのは、愛媛県教育研究協議会というものは、これは地方公務員法による職員団体ですか、そうでないですか。この点を明確にしていただきたい。 それから、あなたは届け出たと思っていると言っているのですが、私がきょう聞いているのは、当然これは公務員法による届け出の義務を、そういう義務はおそらくないのだと思うけれども、それはどうなんですか。そういうような届け出をしているのかどうかということをお伺いしているのです。
○政府委員(内藤誉三郎君) 職員団体でございますれば、当然地方公務員法に基づいて登録をすべきものでございます。しかし、これは憲法二十一条の結社の自由に基づくところの任意の団体でございますので、届け出をする必要は法的にはございませんが、県の方では十分この団体を承知しておると思うのです。
○岩間正男君 法的根拠はないんですな。
○政府委員(内藤誉三郎君) 地方公務員法上の法的根拠はございません。
○岩間正男君 わかりました。
○矢嶋三義君 かかるがゆえに、愛媛県教育協議会に対しては、ここに資料が出ておりますように、国庫から補助支出をしているわけですね。ところが、調査を願っておきましたが、事実上第二組合的になっているじゃないですか。そうして待遇改善等ですね、地公法による職員団体がやるべき業務内容を最近やっているじゃないですか。だからその面から言うならば、当然これは届け出なくちゃならぬ団体ですよ。それからまたこういう団体に対して国が研究助成金を出すということは違法ですよ。どっちにころんでもですよ。そういう団体に対し辞令交付式に入会書に署名捺印させるということは教育行政の偏向ですよ。組合員の団結への不当なる干渉ですよ。是正さるべきだろうと思う。 それからお答え願いたい点は、第二組合的な性格となって、組合員の経済要求的なものを最近やりつつあるということのこの点、そういう団体に対して研究助成金を国庫から出すのは不当である。辞令交付式のその場において、新卒の先生に入会届けに署名捺印させるということは適切なる場所でない、穏当を欠いている、偏向である、きわめて遺憾なことであると思うのです。お答えいただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) この愛媛県教育研究協議会なるものは、あくまでも教育研究団体でございますので、職員団体と違う点は、職員団体は人事委員会に登録して、交渉する権利と当局側に義務があるわけでございます。ですから、この愛媛県教育研究協議会が勤務条件について交渉する自由はあるにいたしましても、当局はこれに応ずる義務はないわけであります。そういう点から考えますと、これはあくまでも明確に、教育研究団体である、たまたま日教組の方はこの研究協議会の会員にはなれない、脱退してなるというようなことは、これは内部の自主的な規約の定めるところであると、こう思うのでございます。私どもは、文部省としてはこれが教育研究の目的であるならば、いかなる団体にも補助を出すことは差しつかえないと考えております。 それから第三のお尋ねの辞令の伝達式にこういうことをやることは違法ではないか、こういうお話、少なくとも不当ではないかというお話でございますが、この能田教諭は別に日教組の組合員でもございませんし、この研究協議会というものが愛媛県の教育の刷新、充実上必要であるということで、国も補助金を出しておりますし、愛媛県の教育委員会も補助金を出しております。従って、勧誘することは私は自由だと思う。これはあくまでも強制したりするようなことがあっては行き過ぎだと思うけれども、勧誘をしたこと自身については向こうも認めているようでございますが、強制をしたりはしないと、こう言っておりますので、別にとがめだてをする必要はないのではなかろうかと思うのでございます。
○矢嶋三義君 水かけ論になりますからこの点はまた後日に譲りますけれども、要は組合の切りくずしをやっているということ、地公法違反をやっているということ、そして権力を背景に先生方に精神的な影響を与えて、愛媛県の教育内容ですね、右翼的な、超国家主義的な偏向教育行政をやろうとしているところに問題がある。そこで具体的に伺いますが、宇輪島で行なわれた講習会の内容を検討してみましたか、あのテキストをどういうお感じを持って見られたかですね。それから、先般指摘しましたように、憲法で、国家の主権者になったような錯覚を起こすのはたわけ者だというような意見が発表されている。文部大臣をして言わしめるならば、これは憲法を知らない者の発言だと、こういうふうに文部大臣は答弁されましたけれども、それの内容、それから、きょうは明確にしてもらいたいのですが、あの竹葉教育委員長さんが支部長をしている師友会という団体はどういう団体か御承知ですか。竹葉教育委員長さんが支部長をなさって、知事、副知事さんが顧問をなさっているあの師友会という団体はどういう団体だという御認識を持っておられますか。お答えいただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 菊地講師のお話についてはよく調べまして、菊地講師は七十五才の方でございまして、冒頭に、自分は年をとっておるし、時代の感覚にずれているかもしれません、だから受講生の方々は適当に取捨選択してほしいということをおっしゃっていらっしゃるわけでございまして、その内容自体を見てみますと、天皇は日本国の象徴である、しかるにまあ、最近の風潮を見ると、天皇制を否定したり、あるいはやゆしたりするような風潮も見られると、こういうふうなことを嘆かれたように書いておるのでございます。そのほか親子の情愛というようなものが出ておる、こういう講義自体からは全然御指摘のような事実は私はないと思っております。ただあいさつ状を私信で出した点に少し用語の適切を欠いておるような部分があるように見受けられるのであります。それはあくまでも本人が私信で出したのであって、講習会終了後でございますので、教育委員会あるいは関係者としては責任の及ぶ範囲ではないのではなかろうか。それから師友会のお話がございましたが、師友会について私は詳細には存じておりませんが、別にこれを右翼的な団体といってとがめだてするほどのものではないと考えておるのでございます。
○矢嶋三義君 総括的に私は問題があると思うんですね。師友会についてはこの前本件についてここで質疑をする場合に、公安調査庁の関次長においでを願って、そして右翼団体の御答弁をいただいたわけですが、それで師友会とは左翼か右翼かとお伺いした、そうしましたところが関次長は速記をつけている場で、こういう場でいずれだということは適切でない、他の場合でありましたら、ということで答弁されなかった。それで僕はあとで関次長をつかまえて、一体師友会はどうなんだと聞きましたら、あれは右翼ですよと関次長は言っておったんですよ。まあ右翼でも極右といろいろありましょうが、ともかく右翼ですよと言っておった。それで竹葉さんがこの会長さんで紀元節復活のデモなんか先頭に立つわけですね、これはどういうお考えを持つのもけっこうですが、教育委員長という職にある人としては僕は慎重であるべきだと思うんですね、そうして師友会は至るところで講演会をやっている。で、先生方の中には師友会に入ってその講演会に行けば早く教頭になれる、早く校長になれるという、そういううわさがささやかれている。ささやく方が悪いかもしらぬが、ささやかれている。そういう心理的影響を与えている。こういう雰囲気というものは教育の中立性という点から好ましくない。そういう一般的な雰囲気の中にある講習会に出たりしているわけですね。まあ時間が延びているから読みませんけれども、愛媛県議会で野党質問で質疑応答された資料がここに来ているのですけれども、それで答弁の言葉がここに出ておりますよ。新憲法下民主教育を維持進展させていこうという場合ですね、その県の教育行政の最高ともいうべき地位に立たれる方の県会答弁としてはやはり偏向性があると私は判断します。しかもその師友会の事務を社会教育課のある主事がとっている。穏やかでないじゃないですか。教育委員長が支部長で、国論が二分されているような紀元節復活のデモの先頭に教育委員長みずからが立っている、そしてこの師友会の事務を社会教育課の某主事がとっている、県会の質疑応答の中に出ている。そういう背景のもとに講演会が行なわれた。で、この講習会の内容というものは明らかにこれは偏向していますよ、しかもその偏向を強要しているところになお問題がある、強要している。学校長には、あなたの学校から二名講習に参加さしてほしいと要請して校長に選択権をまかせるなら、けっこうですよ、それが常道ですよ、ところが県の教育委員会の出先機関から、あなたの学校の何と何がしを参加させろ、こういうように指名してきている。そうして会場に行けば自由にすわれない、すわる順がちゃんと固定しておって、そしてあの寒いときに泊まり込みで、朝早くから夜の十時まで講習して、そして意見を言わせる、そから感想文を自由に書かせるならいいけれども、署名入りの感想文を書かせて、そうして自由なる雰囲気における講習を保障してくれない。それである先生のごときはちょっと批判的な感想文を書いたところが、校長さんからああいう感想文を書いてもらっては困るじゃありませんか、私の顔が立たぬじゃないかと言われた女の先生もある。そういう雰囲気で一体何ですか、研究というものができるんですかね。非常に私は講習の持ち方自体さえ偏向しておる、内容も偏向している、しかもそれを強要している。そしてあとで、この前指摘したように、憲法否認——文部大臣の言葉をもってするならば、憲法を知らない人だと認定されるようなあいさつ状を送って、そして職場で同僚ともどもに組合を脱退していくような雰囲気を作り、その暗示を与える、こういう一連のやり方というものは教育の中立性をそこなうものであり、憲法、法律違反ですよ。こういうような教育が日本全国で行なわれるようになったら、どうしますか。あなた方私の言う点に同調できなければ、徹底的に調査し、はっきりいたしましょう。僕の今申し上げる範囲内が事実ならば、私は文部大臣としては注意を喚起し、是正を要求しなければならぬ、それに値する事柄だと思う。重ねて文部大臣にお伺いいたしておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 申し上げるまでもなく、任意団体をどんなものを作りましょうとも自由であり、あるいはまた職員団体を作ることも自由であり、加入脱退も自由であり、あくまでもその人々の一人々々の自主的な判断に待って行動されることを憲法は期待しておると思うのであります。今御指摘の講習会等につきましても、政府委員から申し上げました通りの私どもは受け取り方をしておるわけでございますが、ただ講師の言動の中に穏当ではない、あるいは今も御指摘のように、そのある種の用語はまるで憲法を知らないのではなかろうかと思われるような用語が使われるということは、これはまことに好ましくないことだと思うわけでありまして、文部省として別にどうしろ、こうしろということをいまだかつて指示したことはございませず、今後についてもことさら日教組を脱退しろとか、あるいは偏向教育をやれとかいう愚かしいことをやる意思は毛頭持っておりませんことを申し上げておきます。
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。 本調査に関する残余の質疑は、午後二時より委員会を再開し、続行することとし、暫時休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————・———— 午後二時四十四分開会
○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を再開いたします。 午前に引き続き調査を続行いたします。
○岩間正男君 午前中の矢嶋委員の質問に関連しまして、簡単に私は二、三の問題をお聞きし、また資料を要求いたしたいと思います。それはほかでもございませんが、この前、愛媛の宇和島における研修会、女教員の研修会の問題で私は予算委員会で文部大臣に質問をいたしたのであります。そのときの質問の中で、また当委員会で問題になったと思いますが、私そのとき当委員会に出席いたしておりません。しかし、その後様子を聞きますというと、予算委員会で答弁された御答弁と当委員会における御答弁と少し食い違いがあるところがあるんじゃないか。私は速記録をまだできておりませんので見ておりませんけれども、この点で一、二ぜひただしておきたいのです。それはこの女教員のこの前の宇和島における研修会、二月五日に行なわれた研修会の問題について質問をしまして、その講師の一人である菊地正行氏のその後会員に出した手紙、その中の問題で四点ほど私はあげております。その中で、「もしも人々が思い上がって、みずから国の主権者の地位を獲得したかのように妄想し、天皇との関係がきのうまでとは逆転したかのように考えるならば、それは笑うべきこっけいというよりは、むしろあわれむべき悲劇であろう」、こういうような言葉、それから最後に、「皇国護持の御ため御勇奮ひたすらお願い申し上げます」、こういうような全く憲法無視の言葉が出された。これに対して当日の荒木文部大臣の御答弁は、ここに速記録にはっきり出ております。「今読み上げられましたことを承っておりましても、格別そうひどいことじゃないように考えております。」、こういうような御答弁、ところが私当委員会のその後の動きをお聞きしますと、そういうような考え方、言い方というものは、まるで憲法を知らない人の言い分じゃないか、文相は当委員会で御答弁になったやに聞いておるのであります。そうしますと、予算委員会の答弁と当委員会における答弁では相当の食い違いがあるわけなんですね。いずれが正しいか、この点、文相の御答弁としては非常に私は重大な基本的な問題に関連しておりますので、この際この点を明確にしていただきたいと、こう思うわけであります。 〔委員長退席、理事豊瀬禎一君着 席〕
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 新しい憲法を明確に理解して発言されたとは思えないと思います。少なくとも用語が適切を欠いておることだけは確かだと思います。
○岩間正男君 そうしますと、私に答弁された、「今読み上げられましたことを承っておりましても、格別そうひどいことじゃないように考えております。」という御答弁は、あのときの、これは私ちょっと長いものを読み上げたものでありますから、お聞き漏らしがあったり、あるいは一問一答式に短かくやったわけではなかったから、そういう点から今のような御答弁があったとも考えられますが、この御答弁ははっきりお取り消しになられますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算委員会のときの御質問、今、岩間さん御自身がおっしゃりましたように、むしろ御質問の主眼点は、前の方をもっと長く御質問があったと記憶しますが、前の方に重点があったように私は受け取っておったのです。今特に読み上げられました点だけから申せば、当委員会においてたしか矢嶋さんの御質問かと思いますが、に対してお答え申し上げたような気持ちでございます。今最初にお答え申し上げたのと同じ趣旨でございまして、今秋はまさしくそういう感じを抱きます。
○岩間正男君 それは前の方も大体似たような趣旨の点を四点あげているのです。私は時間の関係から前の方を略したのですが、ほとんど同じようなことなんですが、まあ今申しましたような問題につきまして、文相はお取り消しになったものと私は確認して進みたいと思うのです。その点は、どさくさのこともありましたし、あの場の空気のこともあって、一応そういう御答弁だと思いますが、はっきり矢嶋君に答弁された、その答弁を私たちは確認して進みたいと思います。 それからもう一つの問題ですが、皇国護持の御ため御勇奮ひたすらお願いします。このことについて文相は、こういう考え方はこれは憲法に違反しませんかどうですかと私はお聞きしたのです。これについて文相は、それは皇国護持という言葉は穏当でないと思います。こういうふうにはっきり考えておられますけれども、このこともあわせて確認してようございます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 「皇国護持」という熟字みたいなものを講師が使いました主観的なことが邦辺にあるか、むろんうかがう余地もありませんけれども、その言葉の持つ意味合いが、今日の憲法下においては適切でない、こう思いましてお答えしたわけであります。
○岩間正男君 もう一点おかしな点は、やはり文相の御答弁の中に、先ほどの菊地正行氏の言葉を私はあげまして質問した御答弁の中で、こういうことを言っておられるのですね。「現在も、今の憲法によりましても、天皇は国民団結の象徴であるという意味においては天皇中心と言える。新しい意味における天皇中心のことを言ったのじゃないかと思います。」というので、これは天皇中心というても、新しいというような解釈で答弁をされているのです。しかし、これは非常に私は重大な問題だと思うのですね。こういった一体解釈が成り立つかどうかということは、むろんこれは時間をかけて論議をしなければならないのですけれども、天皇中心という問題は、一つの戦前における、戦争中における概念があるわけです。その概念についてはこれは否定されているわけなんですね。それを新しい解釈だということで、今これを新しい意味での天皇中心主義だというふうな解釈で御答弁になっているとすれば、これは私は客観性を持たないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、これもいかがですか、こういうふうに今お考えになっておりますか、どうですか、この点はっきり憲法との関連で明確にしていただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 戦前も天皇中心、天皇中心とよく言われたことを、私もむろん承知しておりますが、従ってその部分を、現に講師の話を全部聞いていない立場において、ピック・アップされてお尋ねにあずかりましたときに、ほんとうは御答弁すべき筋合いじゃなかったかと思いますけれども、言葉だけでかりに申し上げますれば、天皇中心という用語が、今の憲法を、もし十分に理解した人が使ったと仮定して申し上げれば、天皇は民族団結の象徴である、日本国の象徴であるという意味合いにおいては、天皇が憲法のしょっぱなに出てきて、民族団結の象徴という意味における中心的な存在だといえば言えないことはない。しかし、戦前戦後を通じてみます場合に、用語そのものが適切であったとは思えないが、さりとてまっこうから憲法に違反しているのだときめつけねばならないとも、いきなりは言いかねるであろうと、そういう気持を岩間さんには予算委員会で御答弁したような記憶であります。
○岩間正男君 用語が適切でないということをお認めになっていらっしゃるようですから、私はこれ以上追及しようとは思いませんけれども、やっぱり象徴という問題と、それから天皇中心という形で日本人の概念の中にあるものとは非常に違う。この点やはり明確に私は峻別して明らかにすることが新憲法における建前だと、こういうふうに考えるわけですから、この点、ことに文部大臣の立場としては、あいまいな形で、あなた自身が用語が適切でなかったというようなことをあとでつけ加えなければならないような形でこのようなことをおっしゃるのは、私は間違いじゃないか、まずいのじゃないか、こういうふうに思いますので、この点明確に、今後まぎらわしい言葉、そして憲法の正確な、これでもって非常にあいまいになるような表現は、やはり今後差し控えていただきたい、こう思うのでありますが、いかがでありましょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) むろん今の御警告は同感でございます。ただ私は、研修会の席上における講師、その講師がどういう方であるかも知らない、講師がしゃべった一部分を抜き書き的に取り上げての御質問でございますから、一応の気持としては、講師の善意を前提としてお答えをするのが筋じゃなかろうかと、こう思って申し上げたのでありまして、むろん法律的に憲法を解釈する、純法律的な立場において厳密にいわれるならば、戦前に使われた言葉そのままを新しい憲法の意味で使ったと本人は思っておっても適切ではない、そういう意味で私は用語は適切でないと思うのであります。
○岩間正男君 時間の関係から、ただいまの御答弁で私は確認して参りたいと思うのですが、時間がありませんから、私はそこでこの前の研修会に関連して資料の御提出をお願いしたい。第一に、昨年から愛媛県でこのような研修会が何回ほどあるのか、この回数ですね、それから開催地、それから主催者、こういうものを調べて一つ出していただきたい。その次には、この愛媛県の北宇和郡ですか、宇和島教育事務所、ここで行なわれた二月五日の女教員の研修会について次のことをお伺いします。主催者団体、それから会の趣旨、期間、会場、講師名、助言者名、出席者、できれば出席者の数、出席者の氏名、出席者の職名、それから次には日程、この日程を詳細に出していただきたい。それからその会で使われたテキスト、テキストの全文を出していただきたいのであります。さらにこれは西条の教育事務所でもこういうことが行なわれているようですね、女教員の研修会、この西条のも今のような、この二つの点について詳細な調査をして、そうしてこの内容を当委員会に御報告をいただきたいと思います。できるだけ早い機会にいただきたい。といいますのは、私この前時間の関係がありまして文部大臣に詳しく質問することができなかったわけです。大急ぎで、質問時間が十四、五分のところでやりましたので、全く大筋だけしかやることができなかった。それで、先ほどの矢嶋委員の質問とも関連しまして、これは非常に内容的には重要なものを持っているわけです。この教育委員会の運営、教育委員会そのものがはたしてこれは教育基本法の、ことにまあ第十条との関連における形で運営されておるかどうか、これは非常に私たちとしましては今後の日本の教育行政をしさいに検討する、ことに第一線の面において検討するためには重大な問題であると考えるのです。従いまして、今の資料を早急に出していただいて、その資料を検討しまして、あらためて詳細な御質問を申し上げたい、こう思います。きょうはまあ日程がほかに詰まっておるようでありますから、以上を御答弁いただいて私の質問を打ち切りたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 宇和島のは、これは日にちが御指摘のと違うのですが、昭和三十六年一月七日、八日なんで。
○岩間正男君 一月ですか。日にちもそれじゃあなたの方が詳しいでしょうから、それでけっこうです。あなたの方が正確でしょうから出して下さい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 宇和島の分と西条の分につきまして御要求の資料を……。
○岩間正男君 それから全県下で行なわれた資料。
○政府委員(内藤誉三郎君) 承知しました。
○矢嶋三義君 午前中質問さしていただいたのでありますが、承るところによりますと、委員長理事打合会をあす開いて、他の案件とともにかなり時間をかけて今後の取り扱い方について御協議なさるそうでありますから、長くいたしません。その協議に必要だという観点から、およそ二十分間程度引き続き質疑さしていただきたいと思います。 まず、先般、社会教育局並びに初中局関係で愛媛県の教育委員会に支出委任をなすっている予算並びに補助金、しかし初中局、社会教育関係ですから、当然、管理局の学校建築補助金等を含みません。その金額をお伺いしたわけですが、初中局関係は先般の要請に基づいて、きょうここに資料が出ていますが、この二十五万円だけということでよろしいのでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 愛媛県教育研究団体に出した金は幾らか、こういうお尋ねでございましたので、これを出したわけでございます。このほかに文教施策の普及徹底費が別にございます。これはこの前、額は申し上げたと思います。
○矢嶋三義君 初中局関係は承りました。で、社会教育局関係の資料をきょういただいたのですが、これは総額幾らになるのでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 主管の者がおりませんが、ここに述べられておるものは文部省から委嘱いたしました学級の数でございまして、これが指定学級でございますれば六万、一般学級でございますれば三万八千から四万の額でございますので、この中で指定学級が幾つあるか、一般学級が幾つあるかということが明確になっておりませんので、総額を至急調べまして、後刻報告申し上げたいと思うのであります。それは社会教育の関係団体の補助額は下にございますように、これは二十五万ということになっておるわけでございます。
○矢嶋三義君 その前者の婦人学級のトータルはあとでお教え下さるそうですが、後者の愛媛県婦人会、県連合婦人会というのですか、愛媛県連合婦人会と書いてあるのですが、母と子がよい映画を見る運動二十五万円と出ていますが、こういう補助金というものは大体各県均一に流されているのでしょうか。そう了承してよろしいでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 担当者を今呼んでおりますから、ちょっとお待ちいただいて、あとに回していただきたいと思います。
○矢嶋三義君 先日こういう講習会関係の補助金、特に支出委任費については、その講習会等の計画書、それから実施後における報告書というものが当然文部省に提出されるはずで、愛媛県の場合にいかなる計画書と報告書が出ているか、写しを提出してほしいということでしたが、本日まで出ないのですが、計画申請書も報告書も文部省には出ていないのでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) お手元に配りました愛媛県教育研究団体助成計画書、これは計画書でございます。なお多少細部のものもございますが、大体はこれでございます。報告書は四月三十日までに提出するように各県に要請しておりますので、四月三十日までに届くものと思っておりますが、若干おくれることがあり得ると思いますので、報告書が参りましたら提出したいと思います。
○矢嶋三義君 計画書は、これは何ですか、予算配分書かと思ったですよ、何をやるかわからぬですね、内容は。何を、どういう内容のことをやられるかわからぬじゃないですか。愛媛県の教育協議会が共催する場合もあるわけですね、師友会と。そういう場合もあるようですよ。そうなりますと、われわれが一つのケースで取り上げている、たとえば西条とか、宇和島事務所でやったああいう内容の講習会でありましたら、国庫から支出することは絶対相ならぬと思うのですよ。だから補助金にしても、特に支出委任をしてやってもらう場合は、その計画書というものはもうちょっと——もうちょっとどころではない、詳しい、どういう内容のものかということがある程度特定されなければ、これでは計画書にならないと思うのです。宇和島の研究会、ああいうたぐいのものに国庫から支出されるということについては大きな疑義がありますよ。そういう点で私はこれを取り上げて伺っているわけです。いかがですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 計画書はこれで全部ではございません。もちろんこれは総括としてここに簡潔にしたわけでございますが、たとえば小学校部会でございますと、国語、算数、理科、音楽、体育、ずうっと並ぶわけでございます。その今お話しのような師友会との共催のようなものは、これとは全然関係はございません。それからお尋ねになりました例の中堅助教員の講習会につきましては、文部省の金は一文も使っておりません。
○矢嶋三義君 宇和島並びに西条等の講習会には、施策普及費等も一切使っていないということですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) その通りでございます。
○矢嶋三義君 それはどうにでもできますよ。県全体としては、そういう講習会とか、施策普及の予算が必要なわけだね。県独自の予算と、文部省からきたのでプールするわけですよ。そうして県は計画してやるわけだから、直接支出してないかもしれんけれども、愛媛県の教育を推進するために、文部省から流れていった施策普及費というものが役立っているわけだから、無関係なんということはないわけです。あなたは聞きもしないのに大いばりで答弁することはない。
○政府委員(内藤誉三郎君) この点は特に念を入れまして、先般御質問もございましたから、文部省の趣旨徹底の経費及び団体助成の経費がこれに使われたかどうかを確かめた上で、これには一文も支出しないということをはっきり言明いたしております。
○矢嶋三義君 帳面づらはそうなっておる。それは了承しました。
○政府委員(内藤誉三郎君) そのほかこれは決算、どうせ報告書が参りますので、文部省としても決算いたしますので、どういう経費に委託支出すべきかという問題も当然起きますし、会計検査院の検査もこれは受けなければなりませんので、この点は明確にしておきたいと思っております。
○矢嶋三義君 報告書は四月末に参るそうですから、特に焦点をしぼって、昭和三十五会計年度における愛媛県教育委員会への助成金が幾ばくで、それをいかように使途したという内容が明確にわかるものですね、愛媛県の教育委員会の報告書になってくると思うのですが、それを書面をもって出していただきたい。今概要がわかっておればお答えいただきたい。詳細については後日書面で出していただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 御要望に沿って報告書が参りましたら、提出いたします。
○矢嶋三義君 そこで私がこういう点を追及するわけは、愛媛県の教育行政がやや偏向を帯びておる。まあ反動かもしれませんがね。そういう懸念が非常に強いので尋ねているわけです。しかも施策普及費の名のもとに、あるいは社会教育団体への補助金の名目で、国庫が支出されておりますからね。名目はともかく、幾らかの国庫が流れて参るということ、それは直接にあるいは間接に愛媛県の学校教育、社会教育施策の推進に関係しているわけですからね。それが憲法も理解していないような言動をするような人を講師に招いて、そして謝礼まで出して講習会をやる。そういうような教育行政が行なわれておれば、これは大きな問題ですからね。その立場でこれを伺っているわけですから、できるだけ早い機会に、詳細な資料を出していただきたい。 それからあすの委員長理事の打合会の参考になる点ですが、この調査結果の第二項に、津島町で、「勤勉手当の支給額に勤務成績による若干の差があるのは事実である」、こう書いてあります。しかし、組合員、非組合員のゆえをもって差別されていないということが書いてありますが、この勤勉手当の問題については、人事院としても特別な見解を持っております。だから幾たびか人事院は勧告いたしましたけれども、勤勉手当の割合を増額するような勧告はここ数年全くなしておりません。民間はいざしらず、官界において、特に教育公務員の職場において、勤勉手当の支給額に差等をつけてやるという事例を僕は多くを知りません。ところが津島町の場合は差がつけてある。 〔理事豊瀬禎一君退席、委員長着 席〕 だから照会いただいて、まあ人名を書けば支障があるとすれば、そこは譲ってよろしいですから、でき得べくんば人名、人名に支障ありとすればABCでけっこうですから、どの程度差等がある勤勉手当の支給をしたのか資料として御提出いただきたい。非常に特異なケースです。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは三百円程度の差だそうでございます。人名につきましては、調査いたしましてお知らせいたします。
○矢嶋三義君 その内容は何ですか、ここにXという勤勉手当の金額があれば、多い人はそれより三百円多い。その二段階の差をつけてある。こういう意味ですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私が聞きましたのは、三百円程度の差があったことは事実だと、こう言っております。
○矢嶋三義君 これは非常に興味ある問題ですよ。それで、ぜひどの程度の差等をつけて支給しているのか出していただきたい。今の貨幣価値の時代に、一年に一度か二度出す給与に、三百円程度の勤勉手当の差額をつけて支給するという、その支給者のお考えもこれは非常に興味がある問題だと思うのだね。しかも受ける人は教育者なんですからね。これは勤務評定の問題とも関連してくると思うのですが、相当なことをやっておられるのですね。これは調査の上、場合によっては査定者の御意見も承りたいとさえ、私は興味しんしんたるものを感じます。そういう資料を出していただきたい。 それから指定いたしておきますが、この調査の第三項、これは午前中質疑いたしましたが、この真否はぜひとも明確にせなければならぬと思っております。それから第六項、この御婦人の先生の家に教頭が行って云々したという点ですね。これは人権とも関係がありますので、ぜひとも明確にせなければならぬ問題だと思っております。それから第八項の、妊娠中の女子教員に対して、授業時間中に校長が呼び出して、転任問題と教職員組合に入っている問題と関連つけて話しをしたということ、この調査と著しく違っておりますので、これも地公法違反、人権問題という角度から、ぜひとも事の真否を明確にせなければならぬ問題だと思います。それから九番、これははっきり証人がいて、国会に出て証言をすると言っておりますからね。しかも午前中、氏名を特定いたしましたが、中田という管理主事は、これは人事権を持っている方ですからね。行政権力を背景に、たとい旅館の一室とはいえ、そういう場で先生に対して、私が申し上げたようなことを言ったということは、文部大臣も午前中認めたように、非常に重要なことだと思います。これは隣の部屋で聞いておった人が、どこにでも出て証言をすると言っておりますので、明確にぜひともせなければならぬと思っております。それが事実と反した場合には、私質問させていただいたのですから、誤っていた場合には私は本委員会において遺憾の意を表明する用意があります。 それから午前中ちょっと触れましたが、師友会という団体は、公安調査庁の関次長に個人的に聞くと、小さい声ながら、右翼ですよと、こういうわけですね。この支部長竹葉委員長さんが勤められて、その庶務を愛媛県教育委員会の社会教育課の某主事がやっておるということは県議会で応答されておるのですが、その事実を解明する必要があります。それが事実とすれば、これは公務員法違反にもなりますし、かなり重要なことと思いますので、私は直接調べておりませんが、愛媛県の議会の速記録にそれが出てきておりますので、明解にする必要があると思います。それから午前中も出ましたが、この井村教諭、この人はILOに提訴した、提訴しないということで、いろいろ現地で上司の人から取り調べられ、書類等も作成させられたお方ですが、それだけに非常に僕は調査に行ったときに、どこかに飛ばされるのではないかという心配をしておりました。はたせるかな、夫婦ともに飛ばしておるわけですね。お二人とも城辺町という南宇和郡の中心地、県の出先機関もあるわけです。そこに住居をかまえて、その自宅から夫婦共かせぎで勤められておったわけです。そうして御主人は福浦に、奥さんは船越に新聞によると転任させられておる。非常にへんぴな所ですよ。転任させられたが、通えば通えないことはない、近い距離だということを愛媛県教育委員会は文部省に電話連絡したそうだが、私はまことにこれは不都合なことだと思うのですね。明らかにこれは井村御夫婦が組合に残っておるということ、それから井村教諭は教育研究協議会に勧誘されたということを述べたその書類がILOにいって、本部に届いて、その反論をILOの本部省から文部省に求めて参った。それから文部省の要求によって、愛媛教育委員会が宇和島の教育事務所を通じて校長並びに本人を取り調べた、そのILOの提訴問題と関連があって、こういう人事が行なわれたということは常識をもって判断されますか。私は感情人事、不当人事だと判断します。お二人には非常に気の毒なことだと思います。この点については愛媛県教育委員会が自主的に是正されることを念願、要望します。国会にまでこれは問題になったわけですから、文部省の所管局長としても善処されることを要望申し上げます。 ここで質問を一応結んで、明日の委員長理事打合会の協議の結果を待って、あらためて私の質疑の態度をきめますが、特に意見として申し上げ、御所見を承っておきたいことは、組合への不当干渉、介入ですね。すなわち憲法の勤労者の団結権、地方公務員法の職員団体結成、そういう法で保障されている勤労者の基本権利に対して不当干渉、介入が行なわれていること、具体的には地公法違反並びにそれのおそれがあることが数多く愛媛県の教育行政の中に現存しているということ、これは重大で、それを明確にせにゃならぬ思うのです。で、誤りがあるということになれば、早急に、先般約束した通りに、教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条で是正していただかなくちゃならない。それから愛媛県の教育行政も、国庫の補助を仰いで、日本の法律のワク内で教育行政が行なわれているわけですけれども、偏向性がかなり露骨になりつつある、しかもその偏向性を宇和島の教育研究協議会に見られるごとく、教師に強要する、あるいは強要したと強く疑われるような事態が起こっているという点は明解にする必要がある。そして私が調査し、私が主張している角度に近い事実が判明したならば、かつて文部大臣が本委員会で答弁したように、これまた愛媛県教育委員会に注意を喚起するとともに、法に基づいて、すなわち地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条によって是正の措置をしていただかなけりゃならぬ、これが私の質疑の目的であり、重点とするところです。明日、委員長理事打合会で御検討下さるそうですが、それを前提として一応ここで質問を切りますが、最終的に、私がピントを合わせて若干意見を申し述べ、もしかくかくの事実があるならば、かくかくにすべきだという要望を含めて発言をしたわけですが、その所見に対して、結びとしてあらためて文部大臣の御所見を承っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) およそ法律制度に違反することは許されないと思います。もし違反した事実が明確でありとするならば、これまた法律制度に従って処置さるべきことと存じます。
○矢嶋三義君 私は幾つかの、私の調査に基づいてという条件のもとに質疑をして参りましたが、一致した点と食い違っている点がありますけれども、ともかく先ほど私が申し上げたように、事の真否を明確にする必要があるということは、文部大臣としても本席上で聞いておられて認識されたと思い ますが、いかがでしょう。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) もちろん明確にさるべきものと思います。ただ問題によりましては、事の当否を制度に基づいて救済する規定もあるようでございますが、そういう手段を通じてでないと、最終的に明確にならないこともあるいはあるかもしれません。いずれにしましても、法律制度の命ずるままに明らかにもし、処置すべきものはするという考え方は当然のことと心得ます。
○政府委員(内藤誉三郎君) ちょっとさっきの質問を確認さしていただきたいと思うのですが、これは至急に再調査のお話がございましたので、実は確認さしていただきたいと思うのですが、第一の点は、津島町において教職員の勤勉手当の支給額に差等があった、その支給額を出すということが一点。
○矢嶋三義君 どういう角度から差等があったか。
○政府委員(内藤誉三郎君) それは勤務成績による差等でございます。それから第二番目に、城辺町教育委員会委員が発言したという点でございまして、これは先ほど矢嶋委員から、浜見委員が言ったという名前が出ましたので、これは私ども調査をさしていただきます。私どもは実は、教育長がこういうことを言ったのだろうというので、教育長を調べたわけでございますが、その事実はなかったので、これは浜見委員の言動についてさらに調査を進めます。次に、六番目の西教諭の問題でございますが、これは教頭の証言がここに出ておりまして、これ以上私どもとしては調査ができかねますので、もしこういう事実があるということがございますれば、一つもっと具体的に御指摘いただかないと、これは調査の進めようがないのでございます。それから、七番目の西浦小学校の、郵便局員——何か山の字のついた者だそうですから、これは調査さしていただきます。次に、八番目の妊娠中の女子教員四人というお話でございますが、私どもの調査では、妊娠している女子教員は三人しかない。ところが、ここに校長の証言が来ておりまして、県下の教育界の情勢について、そのときどき、いろいろな情勢を知らせ、話し合うことはした、しかし、教組の脱退と人事問題に関する発言のときは絶対にいたしていないという、本人の署名入りの証言が来ておりますので、これはこれ以上私は調査が困難かと思いますので、もし反証がございますればあげていただきたい。それから、九番目の点でございますが、これは先ほど中田管理主事という御指名がございましたので、これはさらに調査を進めさせていただきます。
○矢嶋三義君 師友会の件は。
○政府委員(内藤誉三郎君) 師友会の件につきましては、これは調査をいたしますけれども、いかなる公務員といえども、どういう団体に加入するかどうかは、これは自由でございまして……。
○矢嶋三義君 事務をとっているというのは。
○政府委員(内藤誉三郎君) 事務をとることも、公務に差しつかえない限りは、これは自由でございまして、もちろん勤務時間中にやることは、これは許されませんけれども、それ以外に事務をとったからといって、とやかく言うべき性質のものではないと心得ておりますが、ただ一応これも調査いたします。
○矢嶋三義君 今のあなたの答弁は、その限りに私了承いたします。私が先ほど結びとして申し上げたのは、あなた方も私らの要請によって調査するでしょうが、私は本委員会の一員として、この問題を取り上げられた以上は本委員会として明確にしてほしい、する必要があると矢嶋個人が特に認識している事項がかくかくある、こういう意味で申し上げたわけです。それで、先ほど文部大臣の答弁をいただきましたが、この問題をどの点にしぼって、どういう角度から、どの程度に調査をし、真否を明確にするかということは立法府みずからそれをきめるべきだと思う。そのために委員長、理事打合会が明日開かれるのだろうと、私は推察いたしているわけです。先ほどの文部大臣の御答弁から、行政府におかれても、立法府が自主的にやるであろうが、やはり国会でも論じられ、これほど愛媛県民の関心事になり、全国的関心を浴びている問題であれば、事の真否を明確にする必要があり、その立法府によってされることを行政府においても希望いたしているというように、先ほど私は答弁を了承いたしましたが、それで間違いないわけですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私がお答え申し上げたのは、行政府の側に立ってなすべき心がまえとしてお答え申し上げたのであります。立法府において立法府御自身の判断でいかなる調査をなさいますかは、行政府側からかれこれ申し上ぐべき筋合いではないと思います。
○岩間正男君 この資料をもらって先ほどから見ていて、ちょっと感ずることなんですが、この文部省の調査の態度ですね。この中には明らかに、たとえば教育委員、そういう人の身分に関すること、つまりその人の不利益になるようなことさえも調査の対象になっているわけですね。こういうときに、あなたたちの調査の態度としては、その教育委員会の系統だけを通じて調査をして、ここに資料として出すということでは、文部省の段階においても私は十全の努力をなされたものとは考えられない節があると思うのですが、これは今の機構上やむを得ないと言えばそれまでのことだが、しかし、政府機関だけではなくて、もっとこの実態をつかんで、当委員会に正確な客観的な資料を提出するのが、これは私は当然文部当局の任務だと考えるのですが、この点どうでございましょう。たとえば、先ほど矢嶋委員の指摘した、転任させられた、そうして、まるでへんぴな半島のこっちとこっちのはずれに転任させられた。通えば通えるというのですけれども、これなんかも、明らかにこれは実態をまるでごまかしたところの報告だと思う。こういう報告を文部省はうのみにして、こうして出してくると、物笑いになると思う。愛媛の宇和島からもっと西の方の、いわばリアス式海岸のこちらの浜とこちらの浜、なるほど直線距離から見ると、それは通えば通えるでしょう。しかし、これは大へんなことなんです。そういうことを無視されて、ただ、これで調査しました、当人たちから話を聞きました、こう言って出される資料というようなものの客観的な信憑性というものは薄くなる。疑ってはいけないけれども、そういう事態が起こりやすい。これについて私は努力すべきだと思うのですが、この調査の態度について、どのような努力を展開されたか。もっとも時間の制約があることですけれども、私はできると思う。あくまでやはり当委員会の要求する、事実を事実として明らかにするという態度でこの調査をされるか、このことを私は最後に念のために伺っておきたいと思う。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私どもは、都道府県教育委員会に御指摘になった事実を正確に伝えて、そうして的確に資料を提出いただいたものと、特にお名前が出ているようなものにつきましては、それぞれ署名捺印した書類が来ておりますので、それ以上追及する手段もございませんので、反論がございますれば、反証をあげていただければ、さらに調査の方法もございますけれども、責任ある人が責任ある措置をとっておりますので、これはいたし方ないと思うのでございます。
○岩間正男君 そうすると、それだけの信憑性しかない資料だということは明白になりますね。私は今具体的な一例をあげたわけなんだけれども、ことに不利益になる当人から聞いた、そういうようなものを客観的な資料として出されても、はたしてどれほどの私はこれを信頼するに足るものを持っているか、文部省としてやむを得ないと言うけれども、明らかに今の問題なんか、私はもっと念入りに心を働かしてやればわかるものじゃないか。まさか文部省が、そういう不利益な立場の人の肩を持つような資料を出しておるとはわれわれ考えたくない。だから言っているのでありますけれども、文部省は、やはりそういう点で、当委員会あるいは矢嶋委員の要求している趣旨というものは、これは明らかだと思いますから、そういう点から十全の努力をされることを切望したいのですが、どうでしょうか。これは文部大臣にお伺いしておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま政府委員からお答えしたことを出ないと思いますが、人事権は地方教育委員会が制度上持っております。完全な人事権を持っておる。その人事権及び公平な人事を行なうべき責任のもとに行ないましたことに対して、自後の調査を要求して、調査結果が回答されてきたことは、信頼せざるを得ないところの建前になっておると思います。すべて権限に基づき、責任に基づいて行なったことは、正当なことが行なわれるはずだという認識に立って、文部省対教育委員会の間は本来あるべきものと思うのであります。すべてを疑ってかかるというわけには参らない。ただ、問題がありましたときに、調査する方法としましては、今まで御要望によって調査しておる具体的事項がわかった範囲について指示し、調査結果を要求する以外には方法がないと思います。もしそれでいけないとなれば、不当人事が行なわれたならば、おのずから救済する手段もあるわけですから、御当人がそれぞれの提訴すべき機関に向かって解決、処理の方法を講ぜられるべきであろうと思うわけであります。もとより、立法府ないしは司法機関等について、何をなすべきかは、全然別個の問題でございますが、行政府としましては、今の制度上、そうそう立ち入って、すべてを疑ってかかるわけには参るまいと、こう思います。
○岩間正男君 それじゃ明確にしておきますが、ただし、これを出した限りにおいては、文部省の責任において出したのだという点は明確に確認しておきたい。それはようございますな。
○政府委員(内藤誉三郎君) その通りでございます。
○豊瀬禎一君 前回の本件の調査の際に、私は、主として文部大臣に対して、憲法二十八条と九十九条の関係についてただしたわけです。それと同時に、教育基本法で定めるところの教育行政の責任と権限についてもただしたのですが、文部大臣のただいま両委員に答弁された、それぞれの法規に基づいた権限を持っている機関に対する文部省のあり方というか、地方機関の権限を尊重していくという態度につきましては、本件はもちろんのこと、大学入試問題を通しても、終始りっぱであるし、賛成だと思います。しかしながら、問題の本質は、大臣が前回も答弁された二十八条と九十九条に関する大臣の憲法違反の疑いのある見解、この見解が文部省の教育行政の中ににじみ出てきているし、この教育行政の考え方に立って、地方教育委員会が、各委員が指摘したような人事を行ない、講習会をやっているということに問題があると思う。しかも、本件調査は、なるほど大臣が言われるように、地方の正規の機関が責任を持って出した資料です。従って、文部省としてはこれを信用されるというのは当然であろうと思いますし、疑いははさみません。しかし、問題は、矢嶋委員が前回から今日に至って種々指摘しておりますように、事実と異なっているということ、特に私がここで再度調査されるにあたって、大臣に特に指摘しておきたいのは、何らかの事犯を起こして処分された問題に対する反論の問題ではなくして、教育行政が明らかに偏向を行なっているという角度に立った事実の指摘であります。従って、調査の態度も、あくまでも教育行政の基本的なあり方はどうあるべきかという点に立っている。行政機関に対する調査と同時に被害者あるいは被害者を囲繞するところの同僚諸君に対しても十二分の調査を行なわないことには、本件の真相は明らかにならないし、歴年繰り返されている愛媛県教育委員会の偏向教育行政の責任ある是正はできないと思います。従って、矢嶋委員が指摘した、あるいは岩間委員が要求した資料並びに調査につきましては、新たな教育行政の姿勢をただすという角度に立って、もっと真摯に、しかも慎重に調査をしていただきたいのを要望すると同時に、特に各委員からも指摘されたように、本件につきましては、私どもとしては、決してこれはイデオロギーの論争ではなくして、教育行政による個人の権限の侵犯であるという角度に立っておりますので、与党の皆さん方も本件の真相究明に対しましては十分の御協力と慎重さをもって臨んでいただくことを強く要望しておきたいと思います。
○説明員(赤石清悦君) 矢嶋委員からの御質問にお答えいたします。 婦人学級の愛媛県の総額は、百十九万四千円でございます。それから団体に対する、婦人会に対する補助は、母と子がよい映画を見る運動でございますが、これは親子映画会を活発に行なう、子供と母親がいい映画を見ようというもので、そのいいフイルムを購入する費用と、それから巡回に要する費用がおもでございます。それが大体対象になっております。二十五万八千円です。
○矢嶋三義君 それがすべてですね。
○説明員(赤石清悦君) そうです。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。 本件に関する調査は、本日のところこの程度といたします。 ——————————
○委員長(平林剛君) 次に、日本育英会法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○矢嶋三義君 日本育英会法の一部を改正する法律案について質疑いたします。簡単に項目別に伺って参りますから、お答えをいただきたいと思います。 まず、文部大臣にお伺いしますが、この法律の中に小学校、中学校、高等学校とありますが、この中には盲聾学校の高等学部並びに小学部、中学部は入っておると判断いたしますが、相違ございませんね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御指摘の通りと存じます。
○矢嶋三義君 入っているということでありますが、当然そうだと思いますけれども、法の運用の場合にまぎらわしいと困りますから、小学校、中学校、高等学校のところに、盲聾学校の小学部、中学部、高等学部を含むというように、念を入れて特定してはいかがと思うのですが、そういう必要はございませんでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私どもはその必要がないと存じております。
○矢嶋三義君 重ねて申し上げますが、小学部、中学部、高等学部が入っているが、こういう活字で十分誤りなく法の運用ができる、こういう御見解でございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さようでございます。
○矢嶋三義君 法律によりますと、盲学校、聾学校の何学部を含むと書いてある法律と、書いてない法律があるのですよ。一貫してないのですね。学校教育法の第一章の総則第一条には、「この法律で、学校とは、」云々と、ずっと並べてあるわけです。だから、大臣の責任ある答弁がありましたから、法の運用には誤りはないとは思いますけれども、大臣が永久に大臣の職にあるわけではない。それから法律というものは、成立した後には、これを運用する行政官の手によって解釈され、ややもすると独走しがちなものです。だから、そういうあやまちのないようにするためには、念のために書いたらいかがかという見解を持っていることだけを意思表示いたしておきます。大臣の御見解は御見解なりに承っておきます。 次に、大蔵政務次官にお伺いしますが、この育英資金の運用は、最も効率的で回転をよくするということが大事だと思うのです。それで予算編成作業を担当されておる大蔵当局としては、この日本育英会の返還金の回収状況等についてはどういう御見解を持ち、また意見を表明されておられるか承りたいと思います。
○政府委員(田中茂穂君) ただいま御指摘の通り、この育英会の資金の回転はできるだけ効率的に行なう必要があるわけでございますが、残念ながら今日のところなかなか効率的に返還がなされていない面が多々あるわけでございまして、それらにつきましては、三十五年度におきまして、一応試験的に外務徴収員というものを十名程度置きまして、それぞれ職場に派遣しまして徴収するような制度を考えてやったのでございますが、その成績が割に良好でございますので、三十六年度におきましては、なおこの制度を相当広げて参りたい、そうして徴収をできるだけ確実にやりまして、効率的な運用をはかって参りたい、かように考えております。
○矢嶋三義君 重ねて伺いますが、今回返還免除規定を拡大したわけですが、私は石田労働大臣から伺ったのですが、最近の職業訓練という立場から、また日本の労働力の質的向上という立場から、職業訓練所が非常に重要である。従って職業訓練所に勤めている該当者に対しても、返還金を免除してほしいという意見を持ち、水田大蔵大臣と話したところが、大蔵大臣は了承したということを承っているわけですが、さようになっているわけですね。
○政府委員(田中茂穂君) もともと育英会の資金というものは、教育の再生産をはかるという意味においてこの制度があるわけでございますので、そういう観点から、今回拡大いたしましたけれども、その本旨にのっとりましての拡大をはかったわけでございまして、今御指摘の、労働大臣から職業訓練所の職場についた者についてはどうか、水田大蔵大臣が了承したというようなお話がございましたけれども、大臣としましては、その職業訓練の業務に携わる者は、これは人材の育成という精神とは若干異なりますので、今回はそれを適用外にいたしております。大臣が了承したということは私は聞いておりません。
○矢嶋三義君 これはおかしいよ、あなた。人材の育成だけに限定したのですか。施設の教育の場においても免除されるのですよ、厚生省所管。だから、あなたの方の人材の育成云々というのはおかしいですよ。職業訓練所なんて、りっぱな日本の生産増強に対する人材を育成するのだもの。これは石田労働大臣から強力なる発言があって、閣議ではおおむね了承された。それに基づいて法文作業が行なわれたわけです。だから私は当然職業訓練所は含まれていると解釈しておるのですが、人材の養成ですよ。答弁をはっきりせぬと長いこと時間がかかりますよ。
○政府委員(田中茂穂君) 一応、労働省からそういう御要望があったことは事実でありまするけれども、育英資金というものは、やはり先ほどから申しまするような趣旨にのっとってできた制度でございますから、あくまでも人材の育成を再生産するという業に携わる方に対する免除の恩典を行なっておるわけです。職業訓練というものは、これはあくまでも行政的な措置によってなすべきものであるというふうに私は解釈いたしておりますので、閣議でそういうお話し合いがついたということは私は聞いておりませんし、今回も適用からはずしております。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、私はこれは非常に心外なんですが、それで確認いたしたいと思って伺っておるのですが、文部大臣の見解をもってしても、技術者が非常に不足しておる。いずれまたお伺いしますけれども、大学の理工科系卒業生だけで、昭和四十五年までに約十七万何がしが不足する。今の計画では、本年度の予算のペースでいくならば約七万程度しか充足できない。残りの十万の充足については、職業訓練所等の教育によって充足いたしたい、こういうことを文部大臣は衆参を通じて御意見を発表されておるわけです。再生産と結びつきます。人材養成でもあります。しからば国家的な要求として、当然、石田労働大臣の見解はいれらるべきである、そういう意味で、僕は閣議は異議なく了承されたというニュースを正直に承っておったわけです。で、職業訓練所に就職した人を免除をしないとなれば、これは閣内においての意見不統一ですよ。それから文部大臣が約十万の不足——十万といったら過半数ですよ。半分以上ですよ。そういう者の充足をそういう職業訓練機関で補充いたしたいというそのことと、これは矛盾すると思う。どういう経過をたどって、いかようになっておるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど田中政務次官がお話しになった通りでございます。閣議で労働大臣からそういうふうな御要望があったことは事実であります。そこでよく検討しよう、してみようということに相なった次第でございまして、検討しました結論は、今お話しの通り、この育英会の制度の本来の建前を考えてみると、やはり純粋の意味の教育を基本として考えていくことが適当であろう。もとより、国全体から見ましての教育という純粋な場を離れて、一般的に人材育成が必要であることは、これは御指摘の通りでございますけれども、育英会の制度はやはり教育の場を通じての人材育成に奨励の気持を注ぎ込もうという趣旨であるならば、その範囲に限定した方が適切である。しかし、そうだとしましても、もうちょっと拡大していく必要があり、余地があるから、その限度内のことを改正案として御審議を願おう、こういうことに相なった次第でございます。
○矢嶋三義君 意見が違いますけれども、これ以上やれば討論になりますから、次の問題に移ります。 で、大蔵政務次官に伺いますが、この国民所得の格差是正とか、地域格差の是正とかということが言われておる。それとも私は無関係でないと思うのですが、この育英資金は五十数億なんですけれども、ある特定の人に多額のものがいくよりは、日本の今の国民所得の状況、格差からいって、憲法に言う教育の機会均等という線を頭に描いて、広く行き渡るような、そういう構想で、僕は予算編成すべきものだと思うんですが、どういう見解を大蔵省の側ではお持ちですか。
○政府委員(田中茂穂君) ただいまの矢嶋委員の御意見には本質的には私どもは賛成であります。教育の機会均等、また、特に将来理工系の人材を養成しなければなりませんが、またそれに、教育の衝に当たる人材もつちかわなければならない。そういうことで、どうしても地域的な格差あるいは所得格差をなくするための国民全般の水準を上げる、教育の水準を高めるという意味から言いましても、できるだけ幅広くこの制度を適用せしめる必要がある。そういう観点から、今度の予算編成におきましても十分配慮いたしまして、まだ不十分な点もあろうかと存じます。しかしながら、財政の許す範囲内におきまして、できるだけこの育英資金の原資というものをふやしていって、幅広く適用を進めていこう、こういう私どもは見解を持っております。
○矢嶋三義君 私と原則論は同じで、十分生かしたということは、そうは言わせませんよ。 それで佐々木主計官に伺いましょう。あなたは来年度の予算も査定するに違いない。そのうちに主計局次長になって、局長にもなれるかもしれないから伺っておきますが、どういうわけでこの全日制高等高校の三%、定時制高等学校の二%を動かす数字を査定しなかったのですか。今の原則論からいって、当然、全日制高等学校の生徒数の三%、定時制高等学校の二%というのはおかしい。文部省の概算要求は、おのおの一〇%要求しているじゃないですか。一%です。で、その総額はとにかく、国家財政の全般からいって妥当かどうかわからない、にわかにそういう抗弁はしないけれども、約百三十三億円を要求した。ところがあなた方の査定は五十一億九千万円にとどまっている。その金額の大小よりは内容が問題で、ここに実際、全日制高等学校、定時制高等学校の希望者の査定等からいって、三%、二%なんかというのは絶対にいけない数字ですよ。これは育英会の事務をやっている人から学校長まで言っているわけです。だから、文部省はつつましやかにやったのですが、一〇%要求した。ところが一%も動かしていないじゃないですか。十分尊重したと言えないじゃないですか。これは文部省が一〇%要求した、これは私はむちゃな要求じゃないと思いますよ。これが七%か、あるいは悪くても六%以上だったら私は質問しない。ところが来年度全日制三%、定時制二%と押えて全然動かさなかった。断じて私はこれは了承できない。しかも池田総理は、院外において、あるいは施政演説において、育英制度の拡充ということをうたっている。許されないことですよ。どういうわけでこういう査定をしたのか、一つ査定した人の立場から所見を承りたい。
○政府委員(田中茂穂君) 非常なおしかりを受けましたけれども、文教予算につきましては……。
○矢嶋三義君 いや、もうそんなこと言いなさんな、ほかのことはいいです。
○政府委員(田中茂穂君) 漸進的にやっていこう、こういうことで、今回はまあ全日制その他につきましても率が低かったということは言えるかと思いまするけれども、やはりこれは一ぺんにその予算額をふやすということは、なかなか、全般的な関係からまあ十分とは言えなかったわけでございます。昨年に比べまして八億五千万ふえておる。ですから、これから漸進的に、できるだけふやしていこうという考え方を持っております。これで不十分でございましたならば、説明員からお答えさせます。
○矢嶋三義君 了承できない。漸進という言葉は、この三%が四%になっておったら私はこれほど大きい声は出さない。三%をこえておらないじゃないですか。そうして、田中さん、よく聞いて下さい。特別奨学生——文部省は御承知のごとく大学を五千要求した、高等学校は六千だったのが八千と要求したわけですね。そうしたところが、それは大学を八千にして、それから高等学校一万二千と、あなた方の方でふやした査定をした。そうでしょう。そうして、かくのごとく育英をやっているといってPRした。育英資金制度なんか宣伝じゃないですよ、宣伝の具にすべきじゃないですよ。むしろ文部省の要求の方が私は筋が通っておると思う。大学の特別奨学制度は初めて始まる。高等学校の特別奨学生は、ことし初めて卒業する。そういう人が高等学校に入ったときに採用されたのは五千だから、ことしの大学の特別奨学生は五千、こういうならば筋が通っている。それから高等学校を六千を八千にする、そうして、すそを拡げるために全日制高等学校の三%、定時制高等学校の二%を文部省は一〇%要求したのですが、このパーセントを上げるというのは、ほんとうに筋が通っているのですよ。ところが、こうなると数が多くなるものだから予算を切っちゃって、そうして宣伝効果をねらって一方を八千にして、一方を一万二千にして、そうしてあなたの方で編成なんか何したのだから、あと増加した分については六カ月予算を組むというような組み方をしているわけである。絶対納得できないです。今、来年度三%なり二%の数字を検討するといった答弁をしたならば、僕はもうあまり時間をかけない。
○説明員(佐々木達夫君) お答え申し上げます。育英制度を拡充するという方向につきましては、ただいま田中政務次官が申されたように、今後ますます進めていかなければならぬと思います。ただ育英制度を拡充する方向といたしまして、従来のやり方を検討いたしまして、より正しい姿に持っていくということも、われわれ査定官の態度としては非常に考えなければならない問題だと思います。そうした場合に、先般設けられまして特別奨学制度、この制度は非常にいい制度であります。と言いますのは、全国画一的にある一つの一定の資格試験というものをやって、全国どこの人でも同じ資格を持っておるものが一律に与えられるという制度でございます。それから割合にこの金額を増加いたしていくというような点から、この特別奨学制度を今後ふやすならふやすべきだ。従来の一般奨学の問題、これは従来やってきたのでありますが、その問題につきましては、いろいろな問題点がございます。たとえばこれは一律に学校に配布する、従来の実績を考えて配布する、あとは審査過程においていろいろな問題がありますけれども、ある学生とある学生は同じような条件であって、はたして同じように平等に配られるかという審査機構その他から見ますと、必ずしも十分とは言えない。従いまして、今後育英制度を拡充するとするならば、特別奨学制度を逐次拡充して、むしろこういう一般奨学生的なものをそこに吸収していくべきじゃないかという考え方をわれわれはとっております。純粋に考えまして、一般奨学制度と特別奨学制度と比較いたしますと、これは明らかに特別奨学制度は進歩した制度であります。従いまして、進歩した制度をだんだん拡充していくというのが私らの査定的な態度でありまして、そういう意味におきまして、一般奨学制度を大体前年度並みに押えて、特別奨学制度につきまして画期的な増額となったという次第でございます。また、先ほど矢嶋先生から、大蔵省が勝手に増額した、査定したという問題がございますが、途中におきまして、文部省から復活要求がございまして、またそのときにその数字が出された、そういう数字に基づいて査定したので、大蔵省が勝手に増額したのではありません。
○矢嶋三義君 田中会長に伺いますが、今度、高等学校の特別奨学生一万二千人です、これは全国一律にテストを、検定試験みたいのをやって選ばれるのですか。
○参考人(田中義男君) 特別貸与奨学生は、制度創設以来、それぞれ地方におきまして同一の問題について試験をいたします。そしてその合格者を採用する、こういうことにいたしております。
○矢嶋三義君 実際運用の場合、各府県に大体バランスがとれるように数を配当しているじゃありませんか。
○参考人(田中義男君) これは前回も申し上げましたように、いろいろ地方の実情等もございますので、高等学校の生徒にまで全国に大学同様の一律の試験をし、そうしてそれに順位をつけて採用するというのが適当じゃないじゃないか。そこで先回申しましたような、一応の配分基準を考えまして、そうしてそれに基づいてその範囲で試験に合格した者を採用する、こういうふうにいたしておるのであります。
○矢嶋三義君 だから査定官の佐々木主計官のお考えと、実際の運用の面とはかなりずれていますよ。僕は日本育英会事務当局の運用が正しいと思う。そうでなくちゃならぬですよ。大学の特別奨学生にしても若干それに準じた運用をせざるを得ないですよ。すべきだと思う。極端に言ったら、八百の特別奨学生が全部東大とか、一橋の特定大学に集中するということでよろしいでしょうかね。そして北海道では北海道大学が一人か二人、九州では九州大学が一人か二人、あとはみな東大、一橋大学、京都大学、そういういわゆる有名校という一部に限定される。そういうことで、そういう運用でよろしいのですかね、そういうことを考えているの。文部大臣お答え願いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 育英会長から説明されたようなやり方が一応妥当と思います。さらに改善すべき余地があるやなしやを私自身理解しかねますけれども、深く検討して改むべきは改めるという考え方で参りたいと思います。
○矢嶋三義君 それで、佐々木さんは佐々木さんとして、主計官の見識で一つの見解を持っていることはけっこうです。しかし私は池田内閣の方針というものは、さっき政務次官が大蔵大臣にかわって答弁されたように、やはり幅広く広げる、教育関係を広げる。そうして決して私は佐々木さんが述べられたように、今後一般奨学生というものはできるだけ押えていって、それで特別奨学生にこの制度がいいからこれに転換していくのだ、こういうお考えでは私は池田内閣はないと思うのですがね。文部大臣からあらためて御確認願いたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 文部省で当初考えておりました線が常識的な線だと考えております。今後につきましても、一般奨学制度につきましても、これまた検討を要する点があるいはあるかとは思いますけれども、基本的な考え方としましては、なるべく広く人材を発掘するという目的で英才を育てあげる。しかもそれは経済的条件を考え合わせて、なるべく広く野に遺賢なきを期するというぐらいの気持で拡充されていくべきものと心得ております。
○矢嶋三義君 では具体的に承りますが、全日制の高等学校の三%、定時制高等学校の二%、この数字は実際運用してみて非常に困る、従って、この率を上げてほしいというのは前委員会における育英会の田中会長の答弁でありました。文部大臣もそういう認識に立って、そういう努力をされるというお考えであられるように先般来の答弁で承っているのでありますが、念のため承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまお答え申し上げた通りに考えております。
○矢嶋三義君 大蔵政務次官としては同意見ですね。
○政府委員(田中茂穂君) 文部大臣の御意見を十分尊重いたしたいと思いまするし、なお、先ほど主計官が申しましたのは、新たに今度特別奨学制度を設けたわけでありまして、この制度がよければ、これを伸ばしていきたい、これも一つの方法であろうと思いますが、やはり基本的には一般奨学制度というものを考えていかなくちゃならぬ。文部大臣の御意見を十分尊重し、また次年度の予算編成に当たりましては、いろいろ制度の内容等を両者で検討いたしまして、そしてこの育英制度というものを拡大していきたい、かように考えております。
○矢嶋三義君 佐々木主計官にお伺いしますが、あなたは専門家としていろいろ御見解を持たれるでしょうが、大蔵大臣なり内閣の方針が出されれば、それにあまり抵抗することなく従って査定されるということは相違ないでしょうね。念のために伺っておきます。
○説明員(佐々木達夫君) もちろん私ども公務員でございますから、上司の命令に従ってやりたいと思います。ただ一言、私見でございますがつけ加えますと、制度としてりっぱなものがあれば、それをなるべく拡充していくというのがいいのじゃないか。従いまして、理想といたしましては一〇%全部特別奨学制度に持っていくというのが、私は理想的な形態ではないかと考えております。これは私見でございますが、一言申し上げておきます。
○矢嶋三義君 そういう私見を持つということは頼もしいと思うのですが、上司の方針には従わなければいけませんから、念のために申し上げておきます。 政務次官がお見えになっているときに具体的なことを承りたいのですが、ささやかなことですけれども、今度法人税法の施行規則を改正されたわけですよ。それで、その減免措置というのをこの前ちょっと質疑応答しましたけれども、十分でない不満がありますけれども、前進ではあります。その場合に、この育英団体等にも適用されるわけですが、今後これをさらに拡充していただきたい要望を申し上げておくと同時に、この機会に申し上げておきますが、ささやかなことですけれども、神奈川県のごときは寄宿舎あたりまで税金をかけているのです。これは自治体が自主的に考えてやっているのでしょうけれども、やはりこういう法人税法の施行規則の改正と精神を相通ずるわけですから、政府部内で自治省あたりと関連を持たれて、こういう寄宿舎あたりに、これは教育の場でないということで課税するということは、地方税との関係もありますけれども、是正していただきたいと思うのですが、御所見いかがでしょうか。
○政府委員(田中茂穂君) 法人税の問題につきましては、なおただいま検討いたしておりまして、こういった学校施設に対する課税につきましても十分考慮すべき点があることも私承知いたしております。その点につきましては、今後十分検討いたしまして、御要望に沿うように善処いたしたいと思います。
○矢嶋三義君 次に、佐々木主計官にささやかなことを承っておきますけれども、この特別奨学制度はだんだん浸透して参ったわけですけれども、非常に当然ですけれども、厳重な検査をやるのですよ。僕は高等学校の仲間に聞いたのですけれども、大体手続するのに二千円くらいかかるそうです。だから、もし採用されない場合は気の毒だというので勧められぬわけです。だから、私はこの前、文部大臣の見解も聞いたのですが、全額そういう事務費を国費で持つということはいかがかと思うのですけれども、やはり当事者が手続費用を負担するということは当然だと思うのですよ。しかし、僕はマキシマム千円未満でなければ適当でないと思うのです。でき得べくんば五、六百円程度の負担にしてもらいたいと思うのです。それらの残り、差額はわずかでありますから、事務費の方で持つような予算編成をすべきではないかと思いますが、御所見を承っておきます。
○説明員(佐々木達夫君) 特別奨学制度につきまして、非常に経費がかかるということは私も実は初耳でございます。こういう特別奨学制度は、先ほどからも御説明ありますように、いわゆる低所得階層の子弟が受けるのが大部分でございますので、そういうものについて経費がかかるということは非常に問題だと思います。なるべく経費をかからないようにし、そして必要な経費は育英会の事務費、その他の事務費で見るというような措置を検討していきたいと思います。初めて聞きましたので、今後十分検討いたしたいと思います。
○矢嶋三義君 これは大蔵政務次官に伺いますが、あなたに申し上げると釈迦に説法するようになるのですけれども、今、大学を卒業するとみんな優秀なのは民間会社、続いて官庁に就職してしまいますね。昔の大学院というのは優秀なのが集まったものですよ、博士課程なんか。今、大学院に残る学生は、まことに失礼ながら、一流のもあるけれども二流、三流がかなりいるのですね。お宅が豊かな家庭の子供が残る。そうでない場合は、条件がいいものだから民間に就職して、あるいは民間の研究機関に入るという条件で、あるいは外国に研究にやっていただくというような条件でみんな逃げて行ってしまうわけです。だから、今の日本の学者、研究者は後輩の育成に非常に苦慮しているわけです。だから、大学院の修士課程と博士課程の充実というのが非常に重大な問題になっているのですよ。だから、私は博士課程の学生は全員国家の要請という角度から奨学生に採用するようにしたらいかがかと、こういう見解を持っているのですが、いかがですか。
○政府委員(田中茂穂君) 今の大学院の学生に対する免除の問題でございますが、これは実際の研究に従事し、また、大学院を終わったあと、教育に従事する人に対しては、これを免除することになっていることは御承知の通りでございます。博士課税の子弟を免除するという問題については……。
○矢嶋三義君 免除するのじゃなくて、奨学生に採用する。
○政府委員(田中茂穂君) 採用するという問題につきましては、初めて御意見として承りましたので、一つここで即答いたすということはどうかと思いますから、十分検討いたしたいと思っております。
○矢嶋三義君 主計官の御見解も承っておきたいと思います。
○説明員(佐々木達夫君) 博士課程の問題につきましては、いろいろな問題があると思います。従いまして、これを直ちに全員に対して全部奨学金を支給するという問題については非常に重要な問題と思います。ただ、先ほど門中先生からお話のありましたように、非常にこの大学院の博士課程に優秀な人がこないというような、もうそれを通じまして大学の教授が何か不足するというような問題もございますので、それの奨励策といたしまして、今回若干でございますが、大学の博士旅程の人数を増加しております。実行状況その他いろいろ勘案いたしまして、逐次こういう博士課程の採用人数というものもふやしていくような方向で検討していきたいというふうに私ども考えております。
○矢嶋三義君 指摘申し上げておきますが、先般の質疑応答でわかったのですが、博士課程に修士課程の奨学生採用率は四〇%から六〇%程度なんですね、これは少ないですよ。まあ八〇%程度いっておれば僕は質問しない。しかし、四〇%なんていうのでは——これが修士課程ですよ、博士課程六五%というのですね。これでは国家の要請に即応できぬと思うのですよ。これはさらに御研究を御要望申し上げておきます。あと私二間ありますけれども、大蔵省関係のは終わりましたので、委員長のお許しがあったらば御退場願ってけっこうでございます。 あと二点伺いますが、育英会の田中会長に伺いますが、あなたのところの職員の待遇の問題について、先日私は伺って、御研究と善処方を大臣にもあなたにも御要望申し上げたわけですが、あんたから後に数字を当たってみましたか。もし当たってみて何らかの数字をつかみ得たならばお聞かせおき願いたいと思いますし、まだ当たっていなければ当たっていないということでお答えいただきたいと思います。
○参考人(田中義男君) 実はいろいろ御熱心なお話もございましたので、私帰りまして直ちに資料等について調べてみました。ただ、手元にある資料できわめて貧弱なものでございましたが、先般も申しましたように、あのごらんにいれておる表につきまして、大体各団体等きわめて小範囲ですけれども、調べたものを持っておりましたので、それを見ましたが、私の方の職員については、大学卒初任給一万二千円、その他諸手当を入れまして一万四千円程度になっております。これは文部省関係の団体としては最も最高位にございます。ただ、他の官庁、特に産業商工関係の外郭団体等に比べますと、先般も申しましたように、二千円、それ以上も低くはございますが、しかし、また非常にわれわれ以上に低いところも相当数ございますので、大体私どものところが中位じゃないかと、これはほんとうに手元にある資料でございますけれども、さように見ております。
○矢嶋三義君 文部大臣、伺っておきますがね、詳細についてはあらためて研究した後に伺いますが、伺っておきたい点は、文部省関係の外郭団体は大体私はベースは同じであってほしいのでございます。あるべきだと思う。たとえば、文部省の局長あるいは課長が外郭団体に行かれた。Aに行く場合とBに行く場合とで非常に差があるということであれば、やはり思わしくないですよ。ましてや若い方々にとっては重要なことですよ。大体、文部省の外郭団体は同じである。そうしてさらに他の省庁の外郭団体と文部省の外郭団体も全く同じにしなさいということは言いません。それは私は無理のある面も出てくると思う。金融界等の関係もありますから。しかし、できるだけその幅を縮めていくようにすべきものだと思うのですが、御所見を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 勤労者の給与をよくするということは一般的な問題として当然努力さるべきことと思います。何を目標に行くかとなりますと、御指摘のようになかなかむずかしいことではありますが、歩一歩充実する方向をたどらしたいと思います。
○矢嶋三義君 バランスの問題についてはどういう見解を持っておられますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これまたそれぞれ使命がありましょうし、実態が違うこともありましょうし、画一的に同じでなければならない筋合いとは思いません。それぞれ納得のいくものは何かということをまず発見して、それを目標に努力すべきものかと思います。
○矢嶋三義君 この点もう少し追及したいところがありますが、時間ですから最後に言っておきたい。大臣に念のために伺います。大学卒業者が幼稚園、養護学校に職員として就職した場合に免除になるのでありますか、ならぬのでありますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 養護学校の場合は含まれておるはずでございます。幼稚園が除かれておりますが、これは先日もお答え申し上げましたように、幼稚園の制度そのものが、まだ未熟と申してはどうかと思いますが、制度的に安定する状態にまで来ていない。ことにまた、従って幼稚園に勤めておる先生方の立場が安定した職場でないというような状況と思いますが、従って幼稚園制度そのものをまずもって充実し、安定させ、しかる上で考えるべき課題かと思って、今回はそこまで入っていないのであります。
○矢嶋三義君 続いて念のため伺いますが、大学院を終えられた方が小学校、中学校、養護学校に勤める場合に免除になるのでありますか、ならないのでありますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 免除にならないと承知しております。
○矢嶋三義君 大学の卒業生が幼稚園へ就職した場合に、幼稚園は義務制でない、安定していないという理由で除外するということですが、大学院を卒業された方が安定している小学校、中学校、養護学校の教育の場に就職された場合、自分は大学院を出たけれども、小学校教育が重要だ、小学校教育に興味があると言って就職された場合に免除にならない理由は、どういう根拠があるのでございましょうか、免除すべきではないでしょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 小中学校に就職するというケースが事実上ほとんどないということからいたしまして、実際問題として、そこまで拡大する措置を講ずる必要性を認めなかったと申し上ぐべきかと思います。
○矢嶋三義君 ということは、大学院を出たけれども、養護学校あるいは小中学校の教育の重要性を認識し、興味があるというので就職するような該当者があれば免除してしかるべきだ、こういう御見解ですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今申し上げたようなことでございますので、一面、大学院は学術の研究者になるという建前のものでもございますから、従って建前論から申し上げると、お示しのような機会は一応あり得ない。きわめて例外的なことでございますから、本則的なことを拡大し、法律改正をしようとする趣旨からいささか縁が遠いものとして、今申し上げたように処置したわけでございます。
○矢嶋三義君 押し問答しませんが、私は筋が通らぬと思うのですよ。大学院で学のうんのうをきわめた人が、自分は教育学に非常に興味を持っている。専攻したというので小学校、中学校、養護学校の先生になる。けっこうなことじゃないですか。そういう人があった場合に歓迎していいじゃないですか。ある教育学者によると、小学校ほどその勉強を時間的にも内容的にもたっぷりやった人が教育者になるのが適当だと、専門的な立場からそういう論文を書いておる人がたくさんあることは御承知の通りです。大学院を終えた人が小学校、中学校、養護学校に行った場合には免除しない。しかし大学を卒業した人が小学校、中学校、養護学校に行った場合には免除するというのは私は筋が通らぬと思うのですがね。これは十分にお考えになられなかったのではないかと、かように思うのです、が、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほどお答え申し上げた通りでございますが、大学院の課程を経た人が、お示しのような職場につくことそれ自体むろん悪いことではなしに、歓迎すべきことであることは間違いないと思います。思いますけれども、制度的に考えますれば、これはもうレア・ケースであって通常はあり得ないという考え方から、先ほど御説明したようなことにいたした次第でございますが、なおまたその考え方のしさいにつきまして、要すれば説明員から補足させていただきます。
○説明員(西田亀久夫君) 現在の免除制度ができますときに、大学院卒業生の実態についてもいろいろ検討いたしまして、お話しのように、教育心理関係の専攻の大学院の学生が、ある期間現場の実際教育を担当して、そうして自分の学術研究の実際的な経験を得たいというような場合があるということを考えまして、現在、政令では大学院を卒業いたしましたものが小中学校の教師になりました場合には、五ヵ年間はその現場で実際の研究をなさるということは、これは制度上これを認めていこう。しかし、大学院奨学金の根本的な目的が学術研究者になられることを期待いたしておりますので、そのような研究の後に、やはり正規の学術研究職に戻ってこられることを期待いたしまして五ヵ年間の免除期間の猶予をいたしておる、こういうように考えております。
○委員長(平林剛君) 他に御質疑がなければ、本案に関する質疑は本日のところこの程度といたし、散会いたします。 午後四時三十八分散会 ————・————