文教委員会 第15号
- 発言数
- 492 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/30
会議録
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員長及び理事打合会の経過について御報告いたします。 開会前の理事会におきまして協議いたしました結果、本日は、まず当面の文教政策について調査を進め、続いて国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題とし審議をいたすことに決定を見ました。 以上、理事会決定通り審議いたして参りたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう進めて参ります。 ――――――――――
○委員長(平林剛君) それでは当面の文教政策に関し調査を進めます。 質疑の通告がございますので、この際発言を許します。矢嶋三義君。
○矢嶋三義君 ちょうど学年末で、全国的に人事異動が行なわれている段階でございますので、それらとの関係がある緊急案件について、お許しを得て質疑をいたしたいと思います。 その本論に入る前に若干文部当局に念を押しておきたいと思うんですが、まず大学学術局長と初中局長に再確認していただきますが、先般来入試問題のミスが陸続として起こっている。この調査を早急にして、資料を出すように要請して参ったのでありますが、その作業は進んでいるかどうかお伺いしておきます。
○政府委員(小林行雄君) 大学関係の部分におきましては、大体作業を進めておりますが、中にまだ二つ、三つ、詳細にわからないものがございますので、資料としてまだ出し得ない状況でございます。できるだけ早く調製をして、御提出申し上げたいと思っております。
○政府委員(内藤誉三郎君) 高等学校での入学試験問題につきましては、近く全国の指導部課長を集める会議がごさいますので、その際に詳細を聞きたいと思っております。
○矢嶋三義君 早急にやっていただくように、重ねて要望しておきます。 それから初中局長に伺いますが、先般本委員会を通じて要請申し上げておりました地方財政法等の改正に基づく地方財政計画の中で、三十六年四月一日以降いかように予算的にこれが組まれ、生かされているか、資料として出すようにということを要請しましたところが、若干ずれましたが、先般委員部を通じていただきました。しかし、私が本委員会で要請申し上げた内容に沿うものではございません。あの数字の羅列では意味なさないんです。速記録を読んでみて下さい。だからあらためて私は要請いたします。それはあの地方財政法等の改正によって父兄の負担を軽減する、それは四月一日から施行されると、その方向で地方財政計画の編成に努力をし、その法の精神が生かされるようになっているということを文部大臣はここで答弁したわけです。しからば、あるいは給食の調理員とか、あるいは学校図書司とか、そういう公費負担でない職員が現場で働いているから、これが法の改正によって公費負担に切りかえられなくちゃならぬという立法精神なんだから、だから今度の地方財政計画、地方交付税の中に織り込むにあたっては、かくかくに積算してされているというその数字を明確に示して、あの資料として出していただかなければ、県負担分がこれだけで、市町村負担分がこれだけで、増減が幾らだという数字だけでは全く意味をなしませんので、内容がわからないので、そういう意味のものを約一カ月前から御要請申し上げて参ったわけでありますから、あの資料は要請にこたえていませんから、あらためて提出し直していただきたいことを御要望いたします。
○政府委員(内藤誉三郎君) あれ以上詳しいものということになりますと、今度は積算の基礎になろうかと思うんです。大体あれを中心に御質疑いただけば、お答え申し上げたいと思うのです。あの中で今回の分といたしまして父兄負担の軽減は、三十五年度にも約三十数億の交付税の引き上げをいたしたわけでございまして、特に給食婦につきましては三百人に一人の割で見たわけであります。今回は九百人について三・五人を計上いたしておるのでございます。ですから、その点と今、司書教諭のお話がございましたが、これは〇・五人分を見た。こういうことでございまして、人件費として約九億ほどを見込んでおりまして、その他の一般の学校の維持修繕費等につきまして約三十億を見ておりますので、それ以上つけ加えることはなかろうかと思うのでございます。
○矢嶋三義君 この質疑をしますと時間がなくなりますし、法案審議もできなくなりますので、そういうのを、独立した質疑をする時間というものはなかなか持ち得ませんので、だから書面にして出すように御要請申し上げているわけです。だから、今のあなたの答弁も含めて、こういうふうな数字で積算をしたと、それで現状ではPTA負担等はこうなっているけれども、これによって地方財政法等の改正の趣旨に沿ってかくかく金額が軽減になるのだというのを、そうめんどうなことでないわけですから、書面にしてあらためて出していただきたい。御要請申し上げます。
○政府委員(内藤誉三郎君) できるだけ御期待に沿いたいと思いますけれども、現実に維持修繕費はPTAの負担が幾らかかってるかということになると、これは私の方に資料がないわけでございます。ですから、ある限りの資料で積算の基礎を明らかにしたいと思います。
○矢嶋三義君 その資料ここ三日以内程度に出していただきたいと存じます。 そこで質疑に入ります。まずお伺いいたしますが、文部大臣、あなたと、私文教委員になってここで文教委員会でいろいろと質疑応答をなしておりますが、私の所論は、わが国憲法と照らし合わせるときに、私は妥当な中正な意見を申し上げているつもりです。それからまたがって私は教師であったわけですが、幸にして、あなたの代議士秘書の藤島君は私の優秀な教え子でありました。だから、私の教育はどういうものだったかということも若干お知りだと思うのです。私は法に従った――口はばったいようですが、責任の持てる自信のある教育をした信念を私は持っております。あなたと私問答するにあたって、あなたはいかなる矢嶋観を持ってるかということをまず一つ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 矢嶋さんの御質疑に対してお答えしたりして足かけ二年になりますが、おおむね合理的な建設的な御意見で、また御質問にしてもそういう筋の質問が多いように拝聴しております。
○矢嶋三義君 次に文部大臣伺いますが、最近の左翼、右翼の思想動向、これらは教育の中正、それから憲法に基づく教育基本法の順守という角度から、特に最近の右翼の思想動向というものをいかように文教の府として判断をされておるのかということを承りたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 思想動向を総合的に観測し把握することは私にはできませんので、お答えする材料がございません。ただ森戸辰男先生が、先般憲法調査会の席において意見を述べられたことが新聞に要点だけが出ておりましたが、教育の場合が、左翼及び右翼の勢力によって脅かされておる傾向がある。右であれ左であれ、断じてそういうことを許しがたいという趣旨のことが載っておったようでございます。具体的に何をさしてそう言っておられるのかまだはっきりいたしませんけれども、新聞その他を通じて森戸先生の言われることが相当あるようにも感じられます。一々具体的な証拠を持ち合わせませんし、最初申し上げた通り、そういう意味で思想動向を観測するということをしておりませんので、ちょっとお答え申しかねるような気がいたします。
○矢嶋三義君 本論に入る前に伺ってるわけですが、最近右翼の動き、それからその右翼の方々の主義主張を背景とする青少年への私的研修団体のようなものの動きをいかように大臣は受け取られておるか。最近の郷友会等の青少年部等の教育方針、それらの内容というものは、あるいは学校教育の面、あるいは社会教育の面からこれをながめた場合に、憲法、教育基本法と照らすときに、相当私は警戒を要する面が非常に濃化しつつあるのではないか。かような危惧の念を持って見ている一人ですが、大臣のおめがねにはいかように映っておられるか承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ばく然たる危惧の念は私も感じるのであります。そういう危惧の念が現実となって現われないように、文部省としても、あるいは教育委員会としても、あるいは学校の教職員自体も十分に警戒をし、教育の場がその中立性を政治的に脅かされないように厳に戒めていくべきものかと心得ております。
○矢嶋三義君 關次長がお見えになってないようですから、それだけ保留いたしまして次に進みますが、文部大臣に伺いますが、学年末になると、教職員の人事異動が行なわれるわけですが、これは教職員自体につきましても、また教えを受ける生徒児童、父兄にとっても非常に重大な関心事なんですね。それがその地域の教育の進展と不可分の関係にあるということは今さら申し上げることもないと思うのです。従って原則をはっきりと確立して、適正なるより効果の上がる人事異動でなければならぬと、かように私は考えます。そういう立場から一、二原則的なものを承りたいのですが、人事異動に臨むにあたっては男女不当に区別してはならないと思いますね。女性なるがゆえにというその大前提で不当に差等をつけてはいけない。それから教職員の場合は夫婦共かせぎという場合が非常に多いわけです。都市部でありましたら狭い地域内に多数学校があるからそう問題は起こらないのですが、郡部、僻地に参りますと、お隣の学校が非常に離れて参りますから、夫婦共かせぎで教職にある場合には、できるだけこの配慮して、共かせぎの人が同じ家に同居してそれぞれの職場にお勤めできるような人事異動というものを私は十分配慮しなければならない、特に若い新婚の共かせぎの先生方等の人事にあたっては人間的な愛情を持って人事行政に当たるところの用意がなければならないと思うんですが、そういう原則的な、一、二の点について、大臣は矢嶋の所見に対してどういう見解を持たれておられるか、はっきりお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お話の点は同感でございます。人事異動するについてもやぼなことはしない方が適切だと思います。
○矢嶋三義君 そのやぼということはどういうことですか。ちょっと私の伺ってないことが答弁に出たのですがね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと俗語を使い過ぎましたが、今おっしゃるように新婚でなくても夫婦である限りは同じ屋根の下に私生活をしていくのが本則でございますから、いわんや新婚の人ならばなおさらのこと、その教職員の私生活に不当な無理がいかないようにという配慮も人事異動のときには任命権者たる者、当然考慮すべき性質のものと思います。
○矢嶋三義君 關次長、お見えになったでしょうか。關次長御出席のようですから、ちょっと伺っておきますが、今公安調査庁で左翼団体、右翼団体、かような認定をあなたの方でしている団体の数と、当面注意をする必要があると、かように認定されている団体数はどの程度あられるか、お答えいただきます。
○政府委員(關之君) お答えいたします。左翼団体と称して私ども調べている団体は、少なくとも現在五つございます。それは一つは日本共産党、そして朝鮮人総連合、全学連、社会主義学生同盟及び共産主義者同盟、この五つでございます。それから右翼団体という御質問でございますが、これは私どもは右翼団体といいましても、その中できわめて強い反共的な立場に立って、そしてやや過激なと申しましょうか、そういうような言説行動に出る団体、こういうようにまあ考えまして、その観点から破防法との関連において調査しているのでありまして、一応最も注意いたす、すなわち破防法の観点から調査をしておる団体は、少なくとも現在五つあるわけでございますが、それは一つは護国団、次は治安確立同志会、次に大日本愛国党、日本青年連盟、全アジア反共青年連盟というのが破防法上において調査の対象としておる団体であります。そのほか、これに次ぐ団体として構成員がときどき刑事事件を起こしたり、あるいはその団体との関連で、いろいろ過激な行動に出るような団体が、約十五、六ございまして、それらはまあそういうものとして、一応前五者ほどではございませんが、動向は一応注視しているというような次第でございます。
○矢嶋三義君 それはあなたのところで注意を払っている団体の、ともかく数とその名前を答弁されたわけで、その限りにおいては承っておきます。で、もう一つ伺っていることは、時間がないからしぼりますが、破防法の適用調査団体とはならないが、右翼的な団体としてかなり組織的に活動しているという団体の数はどのくらいあると判断されておりますか。
○政府委員(關之君) その点につきましては、ただいま申し上げましたように、大体その数は十五、六ございまして、いつか参議院の予算委員会であったか、一応それらの名前をあげました名簿を提出いたしたのであります。その名簿の記載によりますと、以上申し上げましたほかに、十六ぐらいか載してあるはずでありまして、ごらんいただけますればその名前はおわかりになるかと思うのであります。
○矢嶋三義君 もう一回伺いますが、師友会という団体が最近かなり動いております。教師の師友の会、師友会。この団体はどういう性格の団体で、構成員はどのくらいだというように承知されておられますか。
○政府委員(關之君) どうもお尋ねの団体につきましては、私も常識的には承知していないわけではございませんが、どうもこの席で私が、破防法の所管の官庁といたしまして、その師友会についてお答えすることは遠慮させていただきたいと思います。
○矢嶋三義君 あなたはいつかの本委員会において、逆の立場をとられておるんですね。あなたが常識的に把握されているところでけっこうですよ。破防法適用のおそれのある云々というわけではないんですから。だから、あなたが常識的に判断されている立場からお答えいただければいいと思うんですが、どういうふうに概括的に常識的に把握されておりますか。参考に聞いておきたいんです。
○政府委員(關之君) これはどうもこの席では私としてはどうもお答えいたしかねるわけであります。それはやはり破防法の観点から、公務としてここではお答えしているわけでありますから、席をあらためるとか何でしたら別でありましょうが、お答えいたしかねるのであります。
○矢嶋三義君 それだけ聞いておけばよろしいんです。私はあなたにもう質問終わりました。 で、さっきの質問に返します。今度は人権擁護局長に伺いたいと思うのですが、あなたが就任以来人権擁護の行政はずいぶん浸透して参ったようでありますが、しかし出先機関の有無、それから都市と僻地等で人権擁護の実情というものは非常にアンバランスがあるようです。それで最近、長いこと答弁していただかぬでけっこうですが、人権侵犯事犯あるいは軽視しているような事犯というものは増加の傾向にあるのか、一般状況としていかように扱われるか、簡単にお答えいただきたい。
○政府委員(鈴木才藏君) ちょっと聞き取れなかったのですが、軽視している事件……。
○矢嶋三義君 はっきりと人権侵犯事犯として警告をするとか注意を喚起するとまではいかなくても、人権尊重の憲法上の条章から照らす場合に、人権を無視、軽視する傾向があるというそういう意味ですね。
○政府委員(鈴木才藏君) 統計面から見ますと、従来私の方で扱います事件の重点は、公務員の人権侵犯事件でございまして、従いまして、今日まで公務員の人権侵犯事件、特に第一線で活躍いたします、しかも強制力を使います場合等警察官の事件、そういうものが相当取り上げられております。その次は、公務員としては、教職員の体罰あるいはその教育の場における行き過ぎた一つの懲戒方法をとった場合、そういうふうな事案も相当重視して参りました。ところが、最近におきましては、統計面におきましては、国家公務員が一般の人権侵犯事件として訴えられてくる件数が、横ばいあるいは減少の傾向にあり、かつその侵犯の内容が比較的軽微になってきていることは、顕著な事実であります。それに反しまして、むしろ公務員でない一般私人が、そのいろいろの生活の場におきまして、他の私人の人権を侵害したという事案が、増加の傾向にあることであります。特にいわゆる訴えて参ります事件のうちでは、最近目立ちますのは、いわゆる労働争議とかあるいは集団行動の場におきます人権侵害が、相当数ふえているのであります。それとともに、またマスコミ関係、いわゆる報道関係による名誉棄損、あるいは最近いわれておりますプライバシーの権利と申しますか、私生活の領域に不用に、あるいは興味本意に闖入して取り上げるような暴露記事、そういうものに対する一つの不満の声、それからいわゆる公害と申しますか、騒音とかあるいは煤煙、汚水、そういうものによる侵害事件、そういうものが相当ふえてきているということと、それからさらに目立ちますのは、事件にはなりませんけれども、人権上のいわゆる相談事件――これは人権擁護委員の受けられるのも、あるいは法務局、本局のわれわれの方に相談に来られる事件も多いのであります。いわゆる人権相談事件というものが非常にふえてきている。そういう傾向にあるのであります。 今われわれの方から見まして、一般国民にもう少しこの人権尊重の気風がほしい、そういう社会慣行なり社会の風と申しますか、そういうものがほしいと願いますのは、どういう場合かといえば、一がいにはいえないのでありますが、やはり今まで人権侵害と申しますと、とかくこの警察官なんかがやる、あるいは公務員の侵害事件ということを考えられておったのでありますが、最近たとえば厚生省関係、新しい一つのいろいろな行政部門を含んでいるように思うのでありますが、厚生省関係の行政の場合におきまして、特にこれは公務員の場で、公務員の問題であります。そういう場合に、ときどき問題が起こるように思うのであります。それからときに労働争議の場、特にこの組合が分裂をいたしました場合、その組合員同士における深刻なる人権問題が発生するように思うのであります。やはり闘争過程においては、ついこの人権尊重ということを忘れがちになってしまうという感じを、今受けるのであります。
○矢嶋三義君 あなたの所管事項の概要というものは、今の答弁で大体わかりました。いかなる場合にも、人権というものは尊重されなければならないわけですから、誤りない現況情勢把握の上に、善処を特に要望しておきます。 次に一、二点、具体的にお伺いしたいのですが、たとえば行政権を持っていらっしゃる方が、自分の意図を果たすために、重病で床についているような人の枕もとに行って、そうして人事案件を話して、そうして自分の行政目的を達しようとする、こういうやり方は、行政の進め方としては、不適当というにとどまらず、人権を尊重するという立場から、ことにこの行政権力を持っているものとしては、慎重にやらなければ人権軽視、侵犯のおそれが私は十分あると思うのですが、擁護局としてどういう見解を持たれますか。
○政府委員(鈴木才藏君) 御質問の趣旨は、その重病にあえいでいる人に、何か好まない転任を勧奨するとか、そういうひざ詰め談判をするという事例でございますか。もちろんそういう場合は、この人権尊重という、むずかしい言葉でありますが、結局は人間の人格を認める、人間を大切にすることだろうと思います。そういう見地から見れば確かに好ましくない、むしろそれは強制圧迫的な一つの行為じゃないかと私は考えます。
○矢嶋三義君 さらに一、二点伺いますがね。私はさっき文部大臣に、男女差別をして扱うような人事行政はあるべからずということに対して、文部大臣は同感の意を表したわけですね。特に教育者には女教師が多いわけなんです。この女教師の妊娠ということは、これは生理的現象なんですね。その懐妊中に精神状態がいかようにあるかということは、私がここでとやこう申し上げなくても、常識的なことはわかるはずです。ところが、行政権力を持った人が、懐妊しているその女教師のその状況も顧慮することなく、それを逆用して、行政権力を持っている人が、自分の行政の目的を達成しようと、こういうやり方というものは、これまた私は女性の人権を尊重したやり方ではなくて、むしろ人権軽視、無視の思想から出た行政執行であって、遺憾にとどまらず、私は人権無視のおそれが、注意を喚起するに値するものと思うのですが、擁護局長の御見解、いかがですか。
○政府委員(鈴木才藏君) それは具体的にどういうふうなんですか。妊娠をしておるがゆえに、それを理由にして左遷とかなんとかするのでございますか、どういう意味ですか。
○矢嶋三義君 具体的に申し上げますと、たとえば懐妊している女先生であれば、新任地へ行きますと、同僚も変わり、それから父兄も、生徒も変わるわけですね。だから懐妊している人は、できるだけ分娩が終わるまではその学校に続けておりたいというのは、これは自然の情だと私は思うのです。動かされると大きな腹をして未知の土地へ行くわけですから、物心両面から好まないことは当然だと思うのです。そういう場合に、あなたはかくかく私の言う通りにならなければ転任させるぞ、そうしたら困るでしょう、だから私の言う通りになさい、こういうような権力を持った人が行政をやるということは、私は人権軽視、侵犯で、注意を喚起するに値するものと思うのです。女性の身にとったら、私は重大なことだと思うのです。こういう角度から、人権擁護局長の見解を承っておきたい。
○政府委員(鈴木才藏君) これは抽象的ななんでございますが、特に最近女性の職場における差別待遇なんかがいろいろ問題になるのでございますが、非常にこの場合はデリケートなむずかしい問題を含んでおるように思いますが、そういう場合でも、特に今抽象的な問題でございますけれども、妊娠を理由にして妊娠しておるために転任すると、非常に本人としても生活上、あるいは精神上苦痛を受ける、非常に迷惑をする。そういう機に乗じて、いろいろ上司の方がそういうことのみを利用して、何か自分の言うことを聞かすということになりますと、やはりこれは広い意味では人間の取り扱いにおいて問題じゃないかと思います。具体的にまあどういうふうに、もう少し、やはり具体的になりませんと、ちょっと私もはっきりしたことは申し上げられないのでございます。それは、人間取り扱いについては遺憾な点があるように伺います。
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記を始めて。
○矢嶋三義君 人権擁護局長、私は原則論として、一応伺ったわけですけれども、学校名も人名もはっきりわかっているわけです。あと質問の展開とともに具体的に提示いたします。それであなたの答弁は、私の判断と一致しておりますけれども、さらにあなたは具体的事例によって、さらに的確な判断を下して、あなたの出先機関に対してもしかるべく指示をされることになると思うのですが、そのためにはもう少し具体的に聞きたいということでありますから、御多忙かもしれませんけれども、しばらく本委員会に御出席を願いたいと思います。あと、私再開後に質疑いたします。
○委員長(平林剛君) 本会議が開会いたしますので、暫時休憩いたします。 午前十一時十四分休憩 ――――・―――― 午前十一時四十八分開会
○委員長(平林剛君) ただいまより委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き調査を進めます。
○矢嶋三義君 休憩前に引き続いて質疑いたします。 参議院の法制局長に伺います。わが国の基本法である憲法の二十八条ですが、この二十八条に勤労者の団結する権利、これが保障されているわけです。で、この憲法の条章から、あるいは労働組合法、あるいは国公法、地公法等の該当条章が生まれてきておると思うのですが、憲法の精神に忠実な、即応した行政を行なう立場からいうならば、日本の勤労者の団結が保障されるように、そういう方向づけで行政はやられるべきで、勤労者の団結を妨げるような、あるいはそれを弱化させるような、あるいはそれを期待しての行政の方向づけというものは、憲法の二十八条の条章からは好ましくないのみならず、憲法に違反しているやり方だと、かように私は考えるのですが、法制局長としては憲法二十八条をいかように解釈しているか、御見解を承りたいと思います。
○法制局長(斎藤朔郎君) 申すまでもなく憲法を尊重し、擁護しなければならぬ義務はすべての公務員に課せられております。憲法の精神をできるだけ尊重してそれを擁護しなければならぬのですが、ただいま御指摘になりました二十八条の問題は、要するに憲法で保障しております国民の基本的人権の尊重の問題でございまして、この国民の基本的人権の尊重の問題は、二十八条以外にも表現の自由その他いろいろの規定がございまして、さような国民の基本的人権を保障しておる憲法の保障をどの程度までやるべきか。また言いかえれば、それに対して何らかの制約を加えればそれは憲法の精神に反するのではないか、憲法を尊重したことにならないのではないかという問題が、団結権以外の基本的人権にも共通した問題でございますが、結局は公共の福祉による制限をした場合に、その制約がはたして最小必要限度と申しましょうか、あるいはその制約が合理的な範囲内であるかどうかという問題に帰するのではないかと思うのです。さような意味におきまして合理的な制約以外の制約は国民の基本的人権に加えることは憲法の精神に反するということになるかと思います。
○矢嶋三義君 簡明に承りますがね、勤労者の団結を保障するということは、憲法の精神から言うならば消極的でなくて、行政は積極的であるべきであり、それを期待していると思うのですが、御見解いかがですか。
○法制局長(斎藤朔郎君) 根本的の考え方としては私もさように感じます。
○矢嶋三義君 もう一つ伺いますがね、労働組合法の七条の不当労働行為禁止の精神というものは憲法二十八条から導き出されて参るものであり、七条の不当労働行為の精神というものは、公務員の場合にもその精神は当然生かされるべきものだと思うのですが、御見解いかがですか。
○法制局長(斎藤朔郎君) 労働組合法七条の規定が憲法の、先ほど御指摘の団結権保障の規定から出てきた規定であるのではないかという御見解は私もさように存じます。公務員につきまして……。
○矢嶋三義君 その精神がね。
○法制局長(斎藤朔郎君) この不当労働行為、すなわち労働組合法七条の規定と同一内容の規定は公務員についてはございませんけれども、たとえば国家公務員法の九十八条の三項でございますかの規定、その他これと同趣旨の規定が地方公務員についてもございますが、さような規定はやはり労働組合法の七条の立法趣旨に精神としては相通ずるものではないかと考えます。
○矢嶋三義君 もう一問承っておきます。今、国公法の答弁がありましたが、たとえば地公法の五十六条の不利益取り扱いの禁止条項というものは憲法二十八条、それから労働組合法の七条の不当労働行為の精神と同一のものである、かように確認できると思うのですが、念のために承っておきます。
○法制局長(斎藤朔郎君) 先ほど地方公務員法の条文はあげませんでしたけれども、御指摘の地方公務員法の条文も同様の精神に基づいて公務員の特殊性を考慮して規定したものと考えております。
○矢嶋三義君 これから具体的な内容の質問に入る前に文部大臣に伺いますが、あなたも国務大臣として憲法九十九条によって憲法を尊重し擁護するところの義務を負われているわけでありますが、参議院法制局長並びに法務省の人権擁護局長の見解とあなたの見解は同一と思うのでありますが、念のために承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 同様でございます。
○矢嶋三義君 それじゃ文部大臣に伺って参ります。教職員が組合、日本教職員組合に参加しているがゆえに勤評が悪いとかあるいは勤勉手当に差等をつけられるということがあってよろしいものでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) あっていけないことと思います。
○矢嶋三義君 もし、そういう事実があるならば当然文部省としてはそういうことをやっている地方教育委員会に対しては是正の措置を求めるべきものと思いますが、御見解はいかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せの通りと思います。
○矢嶋三義君 それでは申し上げますが一愛媛県全体にわたって特に私の調査したところによると、南宇和地域において勤評評定者である校長みずから、君は組合におれば勤評は悪くなるぞといって半ば脅迫的な言辞を部下教職員に弄しています。そうして事実今まで、それから具体的に名前をあげますが、津島町という町ですが、この町では教職員組合に残っているがゆえに勤勉手当に差等をつけられている。このことは町の教育委員みずからがそれを肯定している。これはゆゆしき事態だと思うのです。調査の必要ありません。私は明確に調査してきている。従って、即刻この地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十二条に基づいて措置要求を求めることを要請いたします。お答えいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 矢嶋さんの御調査を別に疑うわけじゃありませんけれども、私どもの側としましても、みずから責任を持った調査結果に基づいて行動をすべくんばするということでなければいけないかと心得ております。
○矢嶋三義君 ということは、文部省の方で調査するということですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
○矢嶋三義君 で、調査して、私の今の発言趣旨の内容であったならば、先ほどの答弁のように措置要求を求めますね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 第五十六条……。
○矢嶋三義君 五十二条。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この趣旨に反していると思われますから、文部大臣に与えられた権限の範囲内の措置をするのも当然かと思います。
○矢嶋三義君 それでは、その調査は、これは人事にも関連して参りますので、きわめて緊急な事案ですが、何日間内に調査して本委員会に報告していただけますか、お答えいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと具体的に何日かかればということは申し上げかねると思いますが、なるべくすみやかに調査をいたしまして、その結果を確認し、しかるべき処置をとりたいと思います。
○矢嶋三義君 なるべく早くというようなことでは、この時点に立っては了承できません。私から提案をいたしてお伺いいたします。 五日以内に調査を完了して本委員会に報告をしていただきたい。お答えいただきます。十分できますよ。
○政府委員(内藤誉三郎君) できるだけ御期待に沿いたいと思います。
○矢嶋三義君 文教委員長にお願い申し上げておきますが、私の質問は調査に基づいているわけです。で、文部大臣は、信用しないわけじゃないが、任当局として念のために五日以内に調査して報告するということですが、もしその報告が私の調査と著しく違った場合には、それを確認する意味において、しかるべき人を本委員会に証人として御出席を願って、そうしてその真否を明確にされるよう、委員長にこの点は強く御要望申し上げておきます。 次に質問を進めますが、文部大臣、あなたは日教組に対して特別の御見解をもって、またあなたの意を受けた都道府県教育委員会は、後ほど具体的に事例をあげますが、いろいろな行政を取り行なわれているようです、以心伝心という形で。非常に問題点がございます。 それで新たに基本的に承りたいのですが、先ほど法制局長が憲法解釈をなされたのでありますが、それにあなたは同感の意を表されましたが、教職員が日教組という団体から脱退するように脱退するようにという、こういう方向づけの教育行政をやるということは、先ほどの答弁から、明らかにこれは憲法の精神に反した行政であって、私はあり得べからざることだと思うのですね。あなたは、そういうお考えでおられるのかどうかですね。それとも、この憲法二十八条の精神から、勤労者の団結権が保障される、これが地公法に流れて、その法に基づいて、あるいは教育公務員特例法に基づいてできている各都道府県教職員組合、こういう先生方の団体は育成強化していくという方向において教育行政はとらるべきである、こういう御見解に立っておられるのか。そのあなたの基本的な態度をお答えいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は、日教組から教職員が脱退すべきだなどと言った覚えもなし、念頭にも、そういう意味においてはございません。私が今まで当委員会においても申し上げていることで御理解いただいておると思いますが、あくまでも教職員の団体であるならば、任意団体であろうとなかろうと、願わくは教育基本法にいうところの教育の中立性を侵さないような、そのおそれのないような団体であってほしいという気持を申し上げ続けておるにすぎないのでございまして、結社の自由を否定し、もしくは二十八条にいうところの労働者の団結権というものに触れるようなおろかしいことは考えもしませんし、言ったこともございません。 また、第二の御質問の、組合というものは育成強化していかなければならないという、そういう具体的な指示あるいは指導等を文部省はことさらすべきではない。これは、勤労者たる教職員の憲法に直結した基本的な自由でありまして、特に強化するとか弱体化するとかということでなしに、自主的に組合員の教職員の一人々々が考えられて行動されるべき筋合いのものと、こう心得ております。
○矢嶋三義君 その団結権の保障に基づく、団結権の保障をしている条章に基づく組合員の行動については、自主性はあくまでも尊重さるべきである、それから、これを切りくずすとか、脱退を目的としたところの行政等をやる意思は寸毫もない、こういう御答弁ですが、それはその通りだと思うのです。そうあってしかるべきだと思う。じゃ、かりにですね。かりに、行政権力を背景にして、これを駆使して、そして組合から脱退するような、脱退をもたらすような行政、具体的には人事行政、あるいはそういうことを意図し、それを目的として講習会等を開くというような、かような教育行政というものは断じてあるべきでない、こういう文部大臣の意向だと思うのですが、念のためお伺いいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
○矢嶋三義君 それでは、今私が申し上げたような内容のものが地方教育委員会の手によって行なわれているという事実があがるならば、当然、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第五十二条によって、文部大臣は措置要求を求めらるべきものだと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 建前としてはその通りだと思います。
○矢嶋三義君 その答弁を了として、次に……。
○豊瀬禎一君 次に移るならばちょっとその前に関連して……。
○矢嶋三義君 具体的に入る前に豊瀬委員から関連があるそうですから。
○豊瀬禎一君 先ほどの矢嶋委員に対する大臣の答弁の中で、いわゆる職員団体を強化するとかどうという方向に進めていくということは全くその人々の自由であって、行政として別に何にも考える必要はない、こういう趣旨の御答弁があったように記憶するのですが、間違いないですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体そういうつもりでございます。
○豊瀬禎一君 矢嶋委員が冒頭に法制局長並びに大臣の見解をただした際に、大臣が答弁になった趣旨は、団結権を保障している憲法の精神あるいは地公法の職員団体の結成等、こういった趣旨からして、当然憲法九十九条の趣旨にのっとって大臣は憲法を尊重するという立場に立てば、職員団体の組織等が健全かつ発展していくことを期待すべき義務があると思うのですが、そんなことは組織者の責任であって何にもかまいませんというようなつき放した態度がはたして憲法九十九条の精神ですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことを期待する義務という義務はないと思います。教職員であれだれであれ、国民は勤労者である限り、二十八条の憲法の保障する基本的人権を持っておる直結した問題であって、行政の府がその一人々々の自由意思を積極的であれ消極的であれ、影響を与えるようなことをすべきではない、完全な自由な立場において行動さるべき性質の基本的人権と思います。そう認識して、妨害しない、あるいは影響を与えないということが、九十九条にいうところの公務員たるものの行政府の長たるものの心がまえでなければならぬ、こら理解しております。
○豊瀬禎一君 前段の、基本的人権に関することであるし、当事者の固有の権利であるから、それに対して妨害したり干渉したりする、これはもちろん憲法の禁止するところですよ。私が言っているのは、憲法九十九条の精神からして、国務大臣たるものは、憲法二十八条の趣旨に沿ったところの組織団体が、健全に発展していくことを当然期待すべき義務があると思うのですが、もう一度御答弁願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 期待することは当然でありますが、期待する義務という義務があるとは思いません。健全であれかしと念じ、健全でないならば健全であるように希望するということはあり得ましても、そういう意味の義務ということをおっしゃることはよく理解できませんけれども、二十八条を本来の規定の趣旨そのままに受け取っていくべきもので、それが九十九条にいうところの尊重する義務の内容だと思います。
○豊瀬禎一君 もう一つだけ。御承知のように尊重し擁護する義務がある、従って二十八条の精神が侵されないように、尊重すると同時に擁護する義務があなたにあるわけですね。その擁護というものは、これが侵されようとする場合に防いでやるということは、この条章を積極的に解すると、当然健全な発達を期待していくという義務を持つものと思うのです。大臣はそう考えないのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 期待することは、これは事案問題でございまして、期待する義務という特に義務と言われる意味合いのものが別にあるとは私は理解できないと思います。
○北畠教真君 議事進行。ちょうど御飯の時間でもありますが、まだ時間が相当かかるような質問でもありますので、一時休憩しまして、再開していただいて質疑続行ということにしていただいたらどうですか。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
○矢嶋三義君 今、豊瀬委員が関連質問されましたのはごもっともだと思うのです。私は全く同感です、豊瀬委員の見解と。文部大臣のさっきの自主性云々というもっともらしい言葉で突っぱねた形というのは、私は憲法の精神に反すると思う、法制局長に伺いますが、あなたはさっき私が見解をただして答弁をいただいたわけです。あの答弁のニュアンスから出てくるのは、勤労者の団結権を保障する憲法二十八条があるのだから、少なくとも健全にしてりっぱな組合、職員団体、そういうものが前向きの姿勢で前進していくことを期待していると思う、そうあってほしい、そうあるべきだということは憲法二十八条の精神から出てくると思う。憲法九十九条で憲法を擁護し尊重する義務を負っている国務大臣、国会議員、公務員というのは、それに即応した立法措置並びに行政措置をとらなければならぬ、これは私は憲法の精神だと思います。そういう意味で先ほど冒頭に私は参議院法制局長の見解を承って、私と全く同感だというので一応あなたへの質問をとめているのですが、もう一回念のために伺いたいと思います。
○法制局長(斎藤朔郎君) 期待する義務というような義務があるかどうかという議論は別といたしまして、憲法を尊重、擁護するという立場から申しましたら、職員団体が健全に発達、発展するように行政が行なわれるべきものだというふうに思います。
○矢嶋三義君 やはりあなたは法制局長らしい答弁ですよ。あなたは行政府に何の気がねをすることもないのです。だから信念に基づいて法律家として答弁していただきたいと思うのですが、さっきの荒木文部大臣の答弁ですよ。じゃまはしないよ、しかし自主性にまかせるから勝手にしておきなさいという、そういう突っぱねたようなニュアンス、ああいう答弁は穏やかでないと思うのです。あなたの今の答弁からそういうことになると思いますが、信念に基づいてはっきり答えていただきたい。穏当でないでしょう。
○法制局長(斎藤朔郎君) 前に申しました答弁で御判断をいただきたいと思います。
○矢嶋三義君 よくわかりました。そこで具体的な内容に入って参るわけですが、文部大臣に伺います――文部大臣よりもむしろ初中局長に伺いましよう。 これはかつて私は本院の他の委員会であなたに伺ったことがあるのですが、愛媛県にある教育研究協議会というものについては、あなたはどういう認識を持っておられますか、どういう団体であるという認識を持っておられますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 教員の親睦をはかり研修をし、あわせて教員の福祉を増進する、こういう団体だと聞いております。
○矢嶋三義君 かつてあなたはこの愛媛県の教育研究協議会に対して、愛媛県教委の要請に基づいて研究団体に補助金を出すということを答弁しておられますが、これは出されておりますね。
○政府委員(内藤誉三郎君) 出しております。
○矢嶋三義君 その場合にあなたは、この研究団体に出す補助金は純然たるこの研究団体に出すので、組合的な労働条件の改善等を目的とする組合的な団体にはあの補助金は出せないのだと答弁されましたが、現在でもそうでしょうね。
○政府委員(内藤誉三郎君) その通りです。
○矢嶋三義君 それからもう一つ伺いますが、まあ具体的に出ていますから伺いますが、愛媛県の教育研究協議会の会員になるための要件として、愛媛県教職員組合を脱退していなければならないというようなことは法違反で、そういうことはあり得べからざることだということを、あなたはかって本院の他の委員会で私に答弁されたのを想起されたと思うのですが、現在でもそう思っておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 法違反ということは、私申し上げた覚えはないのですが、教育研究を目的とする団体でございますので、組合員であろうとなかろうとそれは御自由です、こういう意味でございます。
○矢嶋三義君 それなら文部大臣に伺いますがね――いや、文部大臣じゃなく、内藤局長に伺いましょう。 愛媛県の教職員組合員であるから研究協議会には参加することはできない、またそういう教職員が参加しているようであるならば中央からの補助金は出せない、こういう見解というものはとるべからざる見解だと思うのですが、かつてあなたはそういう答弁をされているのですけれども、確認していただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) その通りでございまして、決してこれが、組合員が入ったら補助金を出さぬというようなことは毛頭考えておりません。
○矢嶋三義君 ところが、これは補助金を出されていますが、愛媛県の教育研究協議会は純然たる研究団体ではなくて、第二組合的な性格を帯びて、そういう業務内容を目的に掲示して活動されているということをあなたは御承知ですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この目的を読んでみますと、本会は教育職員の親和提携を密にして教育上の諸問題を研究協議し、本県教育の刷新進展に寄与することを目的とする、こう出ておりますので、これは明らかに教育研究団体である、こう認定しているのでございます。
○矢嶋三義君 それでは伺いますが、待遇改善に関する対策部を設けて、そうして旅費とか日、宿直の料金の引上げ等の要求をするというようなことは、純然たる教育研究協議会のやるべきことでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) そういうことは付随的な仕事としてやることは、ほかにもございます。
○矢嶋三義君 それでは地公法の職員団体に基づく、教職員の待遇、勤労条件の改善等を目的とする職員団体との区別はどこでつけますか。そういうことをやるべきじゃないでしょう。
○政府委員(内藤誉三郎君) 主たる目的がどちらにあるかということです。教職員団体でも、いろいろ今の日教組の団体でも、この勤務条件だけでなくて、教育行政全般について、あるいは教育内容についてもやっていらっしゃるので、この研究団体の主目的は、あくまでも教育研究が主であって、あわせて教職員の福祉増進をする、こういうことなんです。ですから、職員団体とこの研究団体とでは明確に私は区別があると思うのです。
○矢嶋三義君 それは詭弁ですよ、内藤さん。それでは私はさらに聞きますが、愛媛県教育研究協議会が愛媛県教職員組合の第二組合的な性格を帯びた行動をしておるとするならば、あなた方から出ておるところの補助金というものは不当支出金になって、そういう補助金は出すべきでないと思うのですが、これはどうですか。第二組合的な性格を帯び、それを内容とした行動をしておるとするならばです。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは実態を調査しなければわかりませんが、私どもの調査した範囲では明らかに教育研究団体である、こういうことでございます。
○矢嶋三義君 それはあなたの認定で、私は事実をあげますから、私の先ほどの質問に答えて下さい。 愛媛県の教職員組合というものは一つの目的を持って、法に基づいて結成されている。その第二組合的な目的を持ち、そういう性格、内容を持った行動をかりにしているとすれば、そういう団体に対しては今流してるところの補助金は出せないものだ、かように私は考えるのですが、この点についてお答え願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 第二組合であろうと第一組合であろうと、私どもは教育の内容を研究し、そうして教育を推進するという面について出しておるのであります。たとえばその出し方につきましても、研修会をするとか、あるいは研究出版をする金を助成するとか、そういう面について助成しているのでございまして、内容のいかんによって出すわけでございます。
○矢嶋三義君 あなたは参議院の決算委員会で十二月に――私の持ってきた速記録を読んでみて下さい。だんだんと変わってきておかしくなってきているのじゃないですか。そういうそのつど答弁は、内藤さんやめようじゃないですか。明らかに私の調査では、この研究協議会はこういうことをいっているのですよ、組合に対して。組合は何も取りきらぬ、待遇改善なんか何も取りきらぬ、だからわれわれでやるから、われわれの方に入ってきなさい、そうして先般日宿直があったら、あれは研究協議会でとったのだ、組合は何にもとれない、こういうように校長みずから教職員に言って勧誘している。それから新卒者が辞令を受け取りに呼び出されるときに、判こを持ってこいと、こう言うから何かと思って判こを持っていったら、そうしたら、そこで研究協議会の入会書に判を押さされている。それも本人に押させないで、かわって自分が、教育庁の管理主事が押した。こういうようなことをあわせ考えるとき、これは純然たる教育研究団体ではありませんよ。 それから文部大臣は、教職員組合を切りくずすとか弱化するような教育行政をやることは、憲法並びに憲法から出た教育関係の法からいって誤りだということをさっき述べられたわけです。もしそういうことがあったならば是正措置を要請するということを言われた。愛媛県の教育委員会では、さらに私は昼食後具体例を申し上げますが、明らかにそういうことはやっているのです。当然注意を喚起するのみならず、是正措置を要求すべきだと思うのです。そうしてあとで金額を聞きますが、あなたのところから出ている助成金は再検討すべきである。その教育内容、会の運営を査察し、その是正が行なわれなければ、昭和三十六年度の予算案から補助金等は出すべきでない。これは重要な問題になって参りますよ。文部大臣の御見解を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻来申し上げている通りの心がまえで教育行政を行なうべきものと思います。
○矢嶋三義君 その点、具体的に言っているわけですよ。そういう純然たる教育団体ではなくて、組合を切りくずすような目的で会が運営されているのです。それから教職員の自主性を侵すような、辞令と一緒に入会させるというような、こういう教師の自主性を侵したようなやり方で、しかも組合を切りくずすような活動をし、それから教職員の待遇改善、愛媛県教職員組合は法によって結成されているわけですが、そういう団体がなすべき内容と同一のような内容の会の行事をやっているということになれば、国会の議決を得た研究団体の補助金なんか出せぬじゃないですか。出しておったら回収しなくちゃなりませんよ。これは決算委員会の重要な問題になりますよ。回収しなくちゃならない。三十六年度の予算から出されるべきでない。私もこれは委員会で質疑する以上は、調査した結果に基づいての質疑をしているわけです。その点を伺っているわけですから、文部大臣お答えをいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻来申し上げた通りでございます。地方の教育行政は申すまでもなく教育委員会がやっておるんで、責任を持ってやっておるものと思います。中正に行なっておるものと考えます。ただ、お話のごとく、憲法の趣旨ないしはそれぞれの教育行政ないしは教職員団体に関する法令にまさしく違反しておるという事実があった場合にどうするかということについては、先刻お答え申し上げた通りの措置を私どもとしてはなさねばならないと思います。これまた、矢嶋さんのおっしゃることを疑う意思はありませんけれども、責任をもって調査し、実態をつかんだ上でないと、具体的な御答弁は申し上げにくいのじゃないかと心得ております。
○米田勲君 内藤局長にお伺いしますが、愛媛県の研究協議会のメンバーは、愛媛県教職員組合に入っている組合員は入れない、絶対に入れない。研究協議会に入りたいのなら抜けてこいと言ってやっている、その研究協議会にはあなたの方から金が出ている。こういうことは、同じ愛媛県の教職員でありながら、愛媛県教職員組合に入っているメンバーは入れないと言って門を閉ざしておる研究協議会に、あなたの方から研究のためだといって金が出ているということは、これは不当な金の出方ではありませんか。実態が、愛媛県の教員に公平に研究をさせる条件があるなら、それは入る、入らぬは自主的ですが、入りたいと思っても、教職員組合のメンバーは絶対に入れないと言って門を閉ざしている。その研究協議会があなたの方から金をもらって、かりにその言葉の通り研究会をやるとしても、この実態では、あなたの方から金が出ていることは不当だと私は思うわけです。この点はどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 研究団体と申しますのは、各県にいろいろございます。ですから、全県的なものもございますし、一部の人が入っているものもございます。そこで、この愛媛県の教育研究協議会を見ますと、別にこの規約の面から見ると、組合を脱退しなければ入っちゃいかぬというような規定はどこにもないのでございます。ただ、そういうことがいわれておるということは私も聞いておりますけれども、この規約の文面から見れば、そういうことはございませんし、研究団体としてできるだけ多くの者に参加していただき、そして教育研究を進めていくことはけっこうなことだと思いまして、私どもは補助金を出しているわけであります。
○米田勲君 その言い方はおかしいじゃないですか。その規約の上に何がうたってあるか、何がうたってあるということが問題じゃなくて、何をやっているか、どういうメンバーを入れているのか、どういうメンバーを入れないようにしているかということが問題でしょう。そこに書いてある文章がどうだこうだということで、あなたの方の金が出ていることが正当だとか不当だとかという判断はできないんじゃないですか。実態じゃないですか、問題は。
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省はあくまで、どういう教育研究をするか、たとえば講習会をするとか、あるいは研究出版をするとか、そういう研究事業の面について助成をしているのでございます。
○米田勲君 だから、愛媛県の教職員が自由に入りたいと言えば、その研究団体に入ることができて、そうして、その研究会に出席することができる条件が備わっているならばよろしい。しかし、教職員組合のメンバーは絶対に入れないということにしてやっているのは事実なんです。そういう条件になっておる研究団体にあなたの方から金が出ておるという、そういうことは不当ではないか。自由に入られないようにしておる、ある者については制限しておる。こういう実態であれば、私は、金が出ておるということは不当だと思うわけであります。どうですか。たとい、研究会をあなたの言うようにやったとしても、その研究会に出席をさせない教職員を作っておるわけです。これはどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) それは、私は会の性格によると思うのであります。自主的に、どういう性格にされるかは、会の関係者の意見によってきまるのであります。私どもが補助金を出すか出さぬかということは、これはあくまでも教育研究を進めておるかどうかという、その事業の面において、しかも、その教育が新教育課程の趣旨に沿っておるかどうか、この面を見て補助金を出しているわけでございます。
○矢嶋三義君 時間が参りましたから二問で終わりますが、内藤局長、昭和三十五年度にこの研究協議会に幾ら補助金を出しておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 非常にわずかですが、二十五万でございます。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺います。愛媛県の南宇和郡城辺町の教育委員、その人が教職員組合を脱退して研究協議会に入れば、研修旅費を町当局からとってやる、こういうふうに述べています。それから同じ郡の井村という先生、これは学校の名前もわかっておりますので、必要ならばいつでも出します。井村という先生は校長から、組合を脱退して教育研究協議会に入ってほしい、こういうように言われておる。それから納田という先生は、新卒ですが、六カ月の臨時採用期間が過ぎて辞令交付に出てこいということで出ていったところが、そのときに判を持ってこいという要請があったわけですが、何に使うのかと思って判を持っていったところが、辞令を渡すときに、君、この研究協議会にぜひ入れと言って、交換に判を押させられて、僕がこう言ったということをだれにも言っちゃいかぬぞと言って念を押しておる。こういうようなことが、先ほどの法制局長並びに文部大臣の答弁からして、あり得べきことでしょうか。あってよろしいことでしょうか。そういうことがあったならば、注意を喚起するのみならず、そういうことは自粛させなければなりませんよ。そうでなくて、こういうことを放置しておいたならば、これは愛媛県に起こっている問題ですが、全国的に発展するならば、日本の地方の教育行政というものはめちゃくちゃになって参りますよ。従って、きわめて私は重大な関心を払い重大な決意のもとに伺っておるのですが、こういう事実に対して文部大臣の所見はいかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) おっしゃる通りの事実がありとすれば、それはどうも行き過ぎだと思います。
○矢嶋三義君 是正すべきものでしょう。いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことはない方が望ましいと思います。
○矢嶋三義君 そんな舌をかむような答弁をしなさぬな。是正すべきじゃないですか。法に基づいて、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条をこういうときに適用しないで、いつ適用するのですか。正常な地方教育行政は守れないじゃないですか。ひいては、あなた、日本の民主教育は守れないじゃないですか。こういう事実がもしあったとするならば、五十二条に基づいて、文部大臣は当該都府県の教育委員会に対して注意を喚起し、その是正を要求する権利はもちろんのこと、義務があると私は思う。それがこの立法精神だと思う。はっきりとお答え願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) あったとするならば、まさに仰せの通り処置すべきものと思います。これも先刻来申し上げまするように、例示されていることをそれ自体疑うわけじゃ毛頭ございませんけれども、やはりそれだけの措置するとするならば、またそういうなにがあるのだったら、それを契機といたしまして、文部当局自体としても調べて、そして責任のある根拠に基づいて措置をするならするとしなければならない事柄でございましょうから、いささか歯切れの悪いことを申し上げたわけですけれども、調査の上でお答えもし、また措置もいたしたいと思います。
○矢嶋三義君 これで終わりますが、それで先ほどの点もあったわけですが、あなたの方の部下である内藤初中局長の所管ですから、大臣から指示を与えて、これが当面の人事と関係して参っておりますので、午後質疑して参りますが、ここ五日以内に文部省として調査した結果を書面をもってこの委員会に出していただきたい。お答えいただきます。(「大臣、そういう指導をあなたの部下がやっているんですよ、地方に行って」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(荒木萬壽夫君) とにかく調査いたします。
○矢嶋三義君 その調査の結果を書面をもって本委員会に提示を要請いたします。お答えいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 承知しました。
○矢嶋三義君 ここで委員長に御要請申し上げておきますが、委員長としては、委員が真剣に重大視して質疑しているわけでありますから、立法府の役員として行政府に早急に出すように、出るまで督励、監視して、矢嶋委員の期待に沿うように委員長として特に努力していただきたい。その調査の報告書が私の調査した結果と著しく食い違う場合においては、立法府の権威と責任においてこれを明確にするために、ということは、私は愛媛のみならず、日本の全国の地方教育行政に重大な影響を与える問題でありますから、関係証人等喚問して事の真否を明確にするように、委員長については特に御要望申し上げておきます。
○委員長(平林剛君) 御趣旨は了承いたしました。御要望に沿うよう善処いたしたいと思います。 本件に関する調査はまだ終了いたしておりませんが、午後一時四十分より委員会を再開いたし、調査を継続することにいたしたいと存じます。なお、午後は七号委員室において審議をいたしますので、さよう御了承願います。これにて休憩いたします。 午後零時四十四分休憩 ――――・―――― 午後一時五十三分開会
○委員長(平林剛君) これより文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き調査を進めます。
○豊瀬禎一君 午前中の矢嶋委員並びに米田委員の質問に対する主として内藤局長の答弁に対して一、二ただしたいと思います。言葉は明確に覚えておりませんけれども、局長は一つは日教組の組合員の加入を拒否しておる事項について、研究会必ずしも全県下の教職員を網羅する必要はないのだという、こういう答弁があったと思います。もう一つは、研究団体の性格とよりも、そういう必ずしもそのままの用語ではなかったと思いますが、研究的事業に対して、それが教育を促進すると、こういうことであるならば補助金を出すのだ。こういう二点についての回答があったと思います。そこでまず第一の問題について、たとえば音楽研究会というのが中学校教員をもって組織する、そういう規定があるとすれば、小学校の教員は入れないことになりますね。そういったサークルといいますか、同好者団体の任意的な組織の場合と、午前中から大臣に再々ただしたあなたの方で認められておる職員団体の団体員である場合には、これは入れないという問題とは、おのずから性格が異なってくると思いますが、見解はどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) どういう団体があるか、それはまあいろいろ憲法二十一条の結社の自由でございますから、それぞれ団体が存在するわけでございます。そこで文部省としては音楽にいたしましても、国語にいたしましても、数学にいたしましても、それぞれ各教科の研究団体が自発的に生まれることを期待し、これによって教育の推進をして参りたい。その構成員が組合員であろうとなかろうと、それは問うところではございません。その研究団体であって、しかも研究事業をする。その研修事業として、たとえば講習会をしたいとか、あるいは自分たちの研究の成果を発表したい、こういうような御趣旨であれば、その事業計画を見た上で適切なものに対しては補助をしていきたい、こういう趣旨でございます。
○豊瀬禎一君 同一県内の教職員がその研修機関に、組織に参加することは無条件に拒否されておる。しかも、その拒否の条件が登録団体である団体の構成員ということであるということは、今、再度局長が答弁した、いわゆる同好会的、あるいはサークル的、こういったものと問題の性質が異なるのではないか、こう言っているのですが、それはどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省が研究団体の助成をしておるのは、あくまで研究研修を目的にし、そして、その研究事業の面を見て、これに助成をするのでございまして、その構成員のいかんを問うているわけではございません。
○豊瀬禎一君 局長、関連質問ですから、あまり長くやれませんから、あなたの答弁も僕の質問に対し、そのものに即した答弁をしていただきたい。文部省が研究団体に補助しておる建前としては、あなたのおっしゃる通りだろうと思います。僕が聞いているのは、教職員が合法的な職員団体に加入をしておるということで無条件に参加を拒否される、そういう教職員としての明らかに差別をつけられておるような研究団体と、たとえば中学校の教員で、音楽教員で組織するといったような制約とは性質が違うわけじゃないかと聞いているのです。同じであるとおっしゃるのですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私は同じだと考えております。
○豊瀬禎一君 そうすると、文部大臣にお尋ねしますが、大臣あるいは行政機関というものが一般的に国民の権利を擁護するということに対してどういう大臣としての心がまえですか。これは午前中の質問に関連します。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 擁護する、お尋ねの意味がよくわかりませんが、要はとにかく憲法二十八条に関連する意味での団体についてのお尋ねでございましょうか。
○豊瀬禎一君 そうです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) それは擁護すると申しましても、憲法以下の法律制度に従っておらないならば、従うようにということが擁護の内容かと思います。今お話の出ているようなことは、労働組合であるという断定は下せないだろうと思います。教職員団体と正式に認めておる意味での団体ではないのであって、その任意団体が団体員の加入、脱退等についてどんなふうに考えるかということは、これは御自由な問題じゃないかと思います。
○豊瀬禎一君 文部大臣は、午前中から再々各委員が指摘しましたように、憲法九十九条によって、憲法を尊重し、擁護する義務を負っておりますね。従って、憲法二十八条に関する限りは、文章を読まなくても御承知の通りに、団結をする権利が保障されておる、その保障をあなたは擁護する義務を九十九条で負っておると、これは認めますね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 団結をするということは、午前中も申し上げましたように、日本人である限り、一人一人の勤労者の自主的な判断によって団結をするかいなかを決定することができるということでございますから、それを行政府の者がとやかく言うという筋ではない。そういうことに関与するという事それ自体が擁護しないことになると、そういうふうに理解いたします。
○豊瀬禎一君 僕は、団結基本権の解釈について大臣の見解をただしておるのではない。九十九条の憲法を尊重し、擁護する義務を負うという明規については、大臣は否定されないと思います。従って、この九十九条の尊重、擁護する義務というものは、二十八条に関しては団結する権利の保障を擁護する、こういうことでしょうと聞いているのです。否定されますか、
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 擁護する責任を負うことは、憲法から直接規定されておって当然のことでありますが、具体的にその擁護する方法となれば、これは法治国である日本ならば、法律、制度に従って擁護する方法が定められておる、そのやり方によって擁護する、こういうことだろうと思います。
○豊瀬禎一君 団結をする権利を保障されておることを擁護する義務を感じておりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 擁護する義務、責任があると思いますが、その擁護する義務、責任の具体的現われ方は法律に基づいてしかやれない、法律に規定していないこと、方法をもって擁護するという権限は与えられていないし、責任もない、そういうふうに理解します。
○豊瀬禎一君 無用の答弁の内容は別にして、大臣も二十八条に関しては九十九条の規定が――勤労者の団結する権利の保障を擁護する義務を感じておられるということを認めます。 そこで、ある市町村における、登録された職員団体の組合員であるということを唯一の条件として、研究団体に加入をする――他の教職員と平等の研究の権利を獲得するということが無条件に阻却されておるような研究団体に、その研究内容がよろしければという理由のもとに交付金を譲渡する、出すということは、今の大臣の答弁からすると好ましいことではないではないですか、大臣の見解を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教職員組合という側から見て好ましくないということは当然のことであります。ただ、問題は、教職員組合でない、にさかのぼれば二十一条に関連する任意団体、それが結社を、行為をやることは自由である、そのまた綱領というか、規約も自由である。その規約に基づき、運営方針に基づいて会員の獲得あるいは脱退等を処理するということも自由であるというわけでございますから、その事自体に対して文部省ないしは教育行政機関という手段はないと思います。
○豊瀬禎一君 文部省から補助される研修費について教職員が研修の機会を主張することは当然だと思います。大臣はそれをどう思っておられますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 自由でございましょう。同時にまた今の問題としていえば、ある団体を作ることも自由であり、その団体がいかなる内容、いかなる考え方を持つかも自由である。ただ補助金関係でいえば、内藤局長から申しておりますように、研究を目的とする団体であるということを確認する方法については、その団体から正式に出してきた責任のある書類を通じてしか決定的な観測はできないと思います。その目的がまさに研修の点があり、しかも任意の団体であって、研修の具体的な計画等も妥当であると判断すれば、補助金を支給しているという先ほど来のお話は、私は正しいと思いますが、その団体が教職員組合に入っている人は入れないんだということも自由だろうと思います、理屈としては。それが法律、制度の責任だ、義務だということを離れまして、望ましいことであるかいなかということはおのずから別にございましょうけれども、任意団体がいかなる人を入れることを好ましいとするかいなかということに関与するわけには参らない問題ではなかろうかと、こう思うわけであります。
○豊瀬禎一君 大臣、なるたけ簡潔に質問しておりますから、簡潔に答弁するようにお願いいたします。 今私が言ったように、文部省から教育研究のため交付される補助金については、すべての教職員がその恩典にあずかって研修を進めようとする希望のあることは当然であるし、その権利は基本的には平等に与えられるべきものです。ところが、前段の質問と関連してきますが、ある市町村単位の職員団体の構成員であることを唯一の条件として加入を否定されている。そうすると、現在文部省の研修費の恩典にあずかろうとすれば勢いその人間は職員団体を脱退せざるを得ない。また矢嶋委員の指摘の通り脱退を当局は勧奨している。そうすると、当該市町村の教育委員会という行政機関は憲法二十八条の団結に対して不当の干渉をしていることになる。大臣はそう思いませんか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 当該県の教育委員会等の行政機関が、その任意団体に入るについては組合を脱退しなければだめだということを言ったり、したりするということは、これは許し得ざることと思います。その任意団体自体が自分みずから自主的な考え方によって、ある団体に所属する人は入らないで下さいということは自由だろうと思います。それとこれは私は別じゃないかと思うのであります。
○豊瀬禎一君 ある団体が構成員に対して制限を設けることの自由についてはあえて否定をいたしません。大臣のおっしゃる通りです。ところが二つの問題が生じます。その団体に対して合法的な団体の加盟員であるということが加入否定の条件になっておる。そうしてそこの中に、文部省が、全教員に対して恩典があずかれない特定の、しかもその恩典にあずかることを主張する根拠さえも奪われた条件の中で交付金を支給している。これは明らかに好ましくないことでしょう。好ましいと思うか、好ましくないと思うか、簡潔に御答弁願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 好ましい、好ましくないという感想は、実態をよく見なければわかりませんけれども、今も申し上げました通り、そういうふうな制約をつける、つけないは、その団体結社の自由であることには間違いないことであり、それがその結果が、御説のように、研修をしたい機会を失うのだという不利益があるじゃないかというお話のようでありましたが、それはそれで別途に自分みずからがまた団体を作って、研修団体として補助金をもらいながら研修するという、その機会は閉ざされていないわけですから、文教行政それ自体の問題ではないように思います。
○豊瀬禎一君 もう一問だけ。文部大臣は、その団体の性格いかんにかかわらず、また事業の実態のいかんにかかわらず、届けられた書類をほとんど中心として、それが教育研修という名を使っておれば当然交付金を支給する、こういう言い方ですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 現実問題は、ある任意団体が、研修団体ができて、補助金をもらいたいという場合には、当該教育委員会を通じて文部省に進達して参るということだそうでありまして、従って現地の行政を担当する教育委員会が補助の趣旨は心得ておるわけでございますから、その補助の趣旨に照らして、進達するに値すると判断して出してきた書類に基づいて補助金を出すかいなかを決定する、こういうことで行なわれていると思います。従ってさっき申し上げましたように、責任をもって出した書類、それが教育委員会を通じて進達されたということ以外には判断する直接の資料はないのだから、それがその意味においてその団体が研究団体であり、また研究のための事業計画というのか、それが補助対象になるという限りにおいては補助をするという建前であると思います。
○豊瀬禎一君 いずれも、大臣も局長の答弁も了解いたしかねますけれども、関連質問ですので、矢嶋委員の質問が終わり次第、また質問を続けることにして一応終わります。
○矢嶋三義君 午前に引き続いて質疑をいたします。 まず第一番に、今朝来、文部省に準備を要請しておったわけですが、お答えいただきたいと思います。それは準備が、時間の関係で十分できなかったかと思いますので、特に限定して、初中局、社会教育局関係の経費支出で、都道府県教育委員会に支出委任をしておるところの、いわゆる支出委任費、それにはどういう種類のものがあり、金額にして幾らかということと、それから教育研修団体等に対する支出委任以外の補助金という形で出されているものが種類としていかようなものがあり、また金額はいかようになっておるかという点についてお答え願います。
○政府委員(安嶋彌君) お答えいたします。三十五年度の本日までの支出委任の金額でございますが、初中局関係といたしましては、まず教職員の研修等に必要な経費といたしまして、都道府県に支出委任になっております額は四千五百九十四万七千円でございます。次に同じく初中局関係で、文教施策の普及指導に必要な経費といたしまして支出委任になっております額が千七百十二万円でございます。次に社会局関係でございますが、これは総体といたしまして七千四十四万九千円でございます。これは初中局それから社会局の重要な事項のみを時間の関係で拾い上げたのでございますから、ほかにもこまがいものは若干ございます。
○矢嶋三義君 補助金の方は……。
○政府委員(安嶋彌君) 前の御連絡が支出委任ということでございましたので、支出委任についてだけ実は資料を整えたわけでございますが、補助金といたしましては予算書に補助金として、そういう目が上がっております。
○矢嶋三義君 補助金の方は、三百六十七ページ、文教施策普及指導費二千九百七十三万五千円、それ以外に、三百七十一ページ、社会教育関係団体補助金五千五百五十万円、これらが主であると了承してよろしいですね。
○政府委員(安嶋彌君) お答えいたします。文教施策普及指導費、これは本省費でございまして、補助金ではございません。それから三百六十八ページにございまする十六日の教育研究費補助金、これが御指摘の補助金かと思います。同じように、社会教育関係のものといたしましては、社会教育関係の団体に対する補助金がございます。以上でございます。
○矢嶋三義君 それだけの資料で質問できまずから伺います。 文部大臣に伺います。補助金を支出する場合に、それを受ける都道府県教育委員会には計画書を提示させ、またそれを査定して、補助金を支出した後においては、その執行経過について報告を受けておるものと思いますが、また受けるべきものと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せの通りでございます。
○矢嶋三義君 この支出委任費については、これは都道府県の監査委員会の権限内における監査対象としてもある程度大目に見られるような状況でありますから、いわばこの支出委任費というのはひもつき予算でありますから、この支出委任、さらにその執行経過については、文部省としては補助金を取り扱う以上に綿密な計画と、その予算執行の経過について、見届ける責任が非常に大きいものと思いますが、文部大臣の見解いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体仰せの通りと思いますが、正確なことは政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(安嶋彌君) 矢嶋委員の御指摘の通りでございます。支出委任につきましては、これは本省費、国費として経理されるわけであります。従いまして会計法その他の国の法規が適用になります。そういうことでございます。
○矢嶋三義君 そこで会計課長あるいは内藤初等中等教育局長からお尋ねいたしたいのですが、今モデル・ケースとして愛媛県を取り上げていますから、時間の関係上愛媛県に限定して伺いましょう。昭和三十五年度において学校教育並びに社会教育の両面にわたって、先ほど御答弁いただいた予算金額から、補助金として、あるいは支出委任費として愛媛県に支出された金額をそれぞれお答えいただきたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 文教施策普及徹底費の方で愛媛県は四十万円でございます。それから教育研究団体助成費の委託費が二十五万です。
○矢嶋三義君 それは初中局関係だけですか。社会教育局関係も含んでおりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいま申し上げましたのは初中局関係だけでございます。
○矢嶋三義君 社会教育局関係は、課長、わかりませんか。
○政府委員(安嶋彌君) ただいま資料を持ち合わせておりません。
○矢嶋三義君 それでは所管局長に連絡をとって、本委員会終了までにその数字をお教えいただきたい。よろしゅうございますね。
○政府委員(安嶋彌君) そのように指図いたします。
○矢嶋三義君 それでは、初中局長にお伺いしますが、それではこれは愛媛県の補助金並びに支出委任費の文部省からの支出に際しては、愛媛県教育委員会の計画書並びに計画後の予算執行結果ということについての報告書は十分整っているはずですが、整っていますか、いませんか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 計画書の方は整っておるはずでございますけれども、報告書はまだ整っているかどうか、私つまびらかにしておりません。
○矢嶋三義君 だれがつまびらかにするのですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私の手元でつまびらかにしますが、これは三十五年度の分でございますので、報告書は各県とも来ておると思いまするけれども、三十五年度のまだ会計の途中でございますので、いずれ整うはずでございます。
○矢嶋三義君 こういう予算の支出をした場合は、私は何日以内に報告書を出すように、という内規があるのだろうと思うのです。もうきょうは三月三十日ですからね、出納の締め切りにはまだちょっとありますけれども、こういう報告書というものは、執行したならば二週間以内とか十日以内とかいう内規が私はあってしかるべきだと思うのですがね。いつまでに都道府県教育委員会は出したらいいのですか。どういうふうに指示しておるのですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは年度が済むまではいろいろ事業計画もあると思うのです。たとえば三月の二十日ごろまでかかる分もございます。その年度、三十五年度中に事業を完了して、その後に報告を出すわけでございますから、早く済んだところは早く報告が来ていると思いますし、おそく済めばおそくなる場合もありましょう。しかしながら、三十五年の三月三十一日で一応締め切っておりますから、その後参ると思います。
○矢嶋三義君 私は若干愛媛県の事情に通じているのですが、また視察をしてきているので、これはモデル・ケースとして取り上げているので、きわめて重大でありますから、委員長を通じて資料の提出を要求いたします。それは昭和三十五年度初中局関係並びに社会教育局関係で、補助金支出、それから支出委任費を愛媛県に支出するに際して、愛媛県側から出された計画書並びに報告書がきているかきていないか。きているとすればその写し、それを明日中に委員長を通じて本委員会に御提示願いたい。文部大臣のお答えをいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 承知いたしました。
○矢嶋三義君 それでは次に質問を進めます。内藤初中局長に伺いますが、昨年秋、当院の決算委員会で、昭和三十三年度の決算を審議する際に、公務員共済組合の文部省側の負担金の剰余金を、支出委任費の形で、文教施策普及徹底費という名目で、都道府県に約二千五十六万円が支出された件について、私から質疑、追及された御記憶がございますかどうか、お答え願います。
○政府委員(内藤誉三郎君) よくございます。
○矢嶋三義君 その際に、愛媛県の教育研究協議会の問題について質疑応答がなされ、その研究協議会の性格、実態についても、あなたは所見を述べられ、補助金を出すということも、当時予定しておるという答弁をされました。本日の答弁では二十五万円出されたということを午前中答弁されたわけですが、私は先刻その速記録を見たのですが、そのとき、あなたが愛媛県の教育研究協議会に対して持っておられた認識、その内容、実態についてあなたが持っておられた認識と、今日のこの時点においてあなたが持たれている認識とには、相当変化があったのではないかということが、速記録上から明確です。もう少し内容を申し上げますと、その当時のあなたの認識、答弁は、これは純然たる教育研究団体である。かるがゆえにかくかくの補助金云々、それから教職員組合とダブってもよろしい。教職員組合なるがゆえに参加できないということはあり得べからざることだ、こういう答弁を速記に残している。ところが、きょうの午前中のあなたの答弁、それから私に関連して米田委員、あるいは豊瀬委員から質疑をされたわけですが、そのときの答弁から考えられることは、教育研究協議会に対して、あの当時あなたが持たれた認識より若干ずれて、純然たる教育研究だけでなくて、それと関連ある――少し拡大されて、関連ある福祉厚生、教職員の勤労条件、それまで拡大されて参ったという内容、実態認識に若干変わってきておると思うのですが、いかがですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私実はこの前参議院でお尋ねになったときは、この研究協議会の実態というものをあまり詳しく承知しておりませんでした。しかし、その後矢嶋委員から調査するように、というお尋ねでございましたので、調査いたしました。その結果、確かにこれは先ほど午前中の委員会で申し上げました通り、この規約の文面から見れば、明らかに教育研究団体でございます。ただ教育研究団体だからといって、教師の福祉増進のことをやってはいかぬということではございませんので、これは副次的な目的としてやることは一向に差しつかえない、こういうことでございます。
○矢嶋三義君 これは午前中論じて、調査も要求したことですから、繰り返しません。その規約上いかにあろうと、実態論として、実態としてどちらが主になり、どちらが従になっているかということが問題であって、その目的、意図というものが問題であって、この点については、私調査してきているわけだから、午前中調査をあなた方に要請して、それはこたえるということでありますからね。早急にやっていただきたい。これは問題がありますよ。あなたはそれを正直に言いなさいよ。あなたそれをちゃんと知ってるんだよ。だから答弁が変わってきているんだ。だからもう一ぺんこの問題について裏返して尋ねれば、日本教職員組合に補助金出さなきゃならぬですよ、内藤さん。あなたのきょうの午前中の――この前の秋のと違ってああいう拡大したぽわっとしたような答弁したならば、日本教職員組合に補助金出さなきゃなりませんよ。日本教職員組合は地公法に基づくところの団体として都道府県に組合ができてきて、そうしてその連合組織として日本教職員組合ができている。都道府県教職員組合は五十二条の三項によってちゃんと法的にできた団体なんです。これは職員の待遇、勤労条件の向上等もやっていると同時に、あなたがきょう言った、ある県によるとそれを主にやっているようなところもある。教育の研修、そういうことをやられておるわけです。文部大臣は一方的な見方をしているかもしれませんが、それらの研修というのは末端にいったらほんとうに真剣に実際やっていますよ。かかるがゆえに、この前都の体育館でやったときなんか一万数千というものが集まっていきますよ。何で役に立たないものに全国一万数千人という人が集まりますか。地方の郡市段階にいってごらんなさい。地方の教育委員会の教育長、お父さん、お母さんもおいでになって、ほんとうにその地域に即応する教育を打ち立てようというので懸命に教育されていますよ。それを主にやっている単位組合がたくさんありますよ。私知っている。けさ午前中あなたが言ったような角度から見れば、私はそういう団体に対しても補助金を出さねばならない。行政府は予算執行の義務がある。反論できますか。文部大臣答弁……。あなた聞いてなかったですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この研究団体が、第一の目的が教育研究団体でなければならないと、こういう点から考えますと、教職員組合は職員団体でございますので該当しないと、それから教職員組合の方で研究団体を組織していらっしゃるのはたくさんございます。これについては助成金も委託金も出しておるわけでございます。ただし、この場合に、文部省としては教育課程を反対し、粉砕するようなものには、これは補助金を出すわけには参らぬと思います。
○矢嶋三義君 批判することは自由じゃないですか、あなた。それじゃ研究にならぬじゃないですか。学問の自由がある、研究の自由がある、それを批判してはいかぬぞ、内藤のきめたことにはひれ伏せというのでは、これはあなたえらいことじゃないですか。だから私は午前中一応けりがついたものだからここで次にいきますが、あなたのけさの答弁というものは、昨年の秋の段階における当時の決算委員会における私に対する答弁とは非常に変わってきている。愛媛県の教育研究協議会というのは第二組合的なものです。実態的に動いていきつつあるということをあなたは腹の中で承知です。木田さんは激励している。木田課長からほめられたという人がおる、愛媛県に。文部大臣そういう実態なんですよ。だから私調査も要求した。だからああいうふうに無責任な答弁するならば、日本教職員組合の単位組合の中でも補助金を出さなければならぬ団体があると、こういうふうに私は裏側からお尋ねしたわけです。 そこで次に進みますが、人権擁護局長、あなたはこの文教委員会に御出席になっているので、あまり長く出席できないので、人権擁護に関係するということでありますから、あなたから先に済ましたいと思いますからちょっとそこにお出まし願いたい。原則論は、きょう午前中伺いましたがね。私の調査の結果は、こういう事態があるのですよ。後ほど文部省相手に質疑をやって参りますがね。私の判断では、これは九九%私自信を持っております。この愛媛県の県教育委員会の出張所である宇和島教育事務所で講習会を開いたり、あるいはいろいろなその教育行政を当然やっておるわけですがね。私の調査と判断では、愛媛県教職員組合から組合員を脱退させ、そして研究協議会に加盟させろ、この大きな、おそらく県教委から指示されたものと思います。宇和島の地方事務所では、そういう方針のもとに校長にそれを指示しておるわけですね。学校長はよその学校よりもうちの方を早く脱退させなければ校長としての勤務評定が悪くなるというので、学校長はこぞってその努力をしているわけですね。それが末端に出てきますと、内申、意見の具申のできる学校長は、先生方に盛んに、教育権力の末端としてそれらの圧力に屈して、そして人事異動について非常な圧力を加えている。それから自主的であり、自由であるべき団体の所属について圧力を加えておるわけですね。この私の判断は九九%間違いない。いずれ文部省の調査によると、その調査食い違ったならば、この委員会で私は立法府の権威と、私の責任において対決さしてもらいたい。それで午前中委員長に要請したわけですから、その一つの現われとしてこういう現われ方が出ておるわけですね。名前だけ申し上げますがね、西という御婦人の先生です。この人がなかなか教職員組合から脱退しなかった。そうしましたところが、校長さんの命を受けて増田という教頭さんが西という女の先生に幾ら話しても通じないもんだから、御家庭に行ったわけですね。そうしたら御家庭ではお母さんが危篤状態で休まれているわけですね。そのお母さんのまくら元に行って、お宅のお嬢さん、組合を脱退しないというとよそに飛ばされますよと、私は責任を持てません、こういうことを人に言ってもらっては困るが、私は責任は持てぬから、お嬢さんの組合脱退を勧めたらどうですか、よそに飛ばされたら困るでしょう、この学校におれないかもしれませんよ。こういうふうに話しているわけですね。私も行って驚いたのですが、この愛媛県の南予というところは非常に不便なところですよ。だからよそに飛ばされると、自宅から通勤できないわけですよ。それは精神的にも、経済的にも、家庭的にも非常に困るわけですよ、そういう地域ですから。これはお母さんはさぞ心痛されたと思うのです。それでまあそれが原因か、私は幾らか原因だと思うのです。その翌日なくなられているのですね、お母さんが。そしてそのあとまた女の西という先生をつかまえて、お母さんがなくなったが、あなたよそに転任させられたら困るでしょう、こういう追い打ち的な話をしておるのですよ。こういうことは人権擁護局長、許されることでしょうかね。行政としてはきわめて不適当で、責任を追及しなければなりませんが、それに伴わないと思うのですよ。そこまでいけば、私は人権無視、人権軽視、人権侵犯に該当すると思うのですよ。これは年とった病母、病んでいるお母さんはわが娘のことを心配でしょうがないですよ。そんなまくら元まで行って、そのお嬢さんである先生が聞き入れないからといってお母さんにそういう脅迫的な言辞を弄するということはあるまじきことだと思うのですよ。 それから、こういう事例がある。御主人様は郵便局に勤められておる。そして奥様は学校の先生です。その名は山本と申します。その人に学校長が組合を脱退しないというと夫婦ばらばらにされるぞ、それはばらばらに離されて同居できぬことになれば精神的にもさることながら、経済的にそれは号俸が二号、三号上がっても合わないですよ、ああいう僻地では。この方はあとほど出てきますが、講習会に参加した人です。講習会の意図はわかっているでしょうが、とこういうふうに校長さんは呼びかけた。こういうその主人は郵便局に勤めて、その人は動けませんからね。これが別かれるということは経済的に、精神的に非常に痛いことであり、弱味ですよ、それは。その弱点につけ込んでこういう言辞を弄して、一つの行政権力というものを背景に、やる、やらせるということはこれはもう私は人権問題に突入していると思うのです。あと文部にはあげて質疑することがあるわけなんですが、人権擁護局長にこの二例をあげます。 もう一点午前中あげた事例で、あなたが具体的に示してほしいと言った事例をさらに追加して御所見を承りたいのですがね。妊娠している御婦人の先生です。松沢、藤田云々という先生方ですがね。四人いらっしゃいます。けさ私は一般論としてお伺いしましたがね。それに大西という校長です。名前まで言ってよろしい。妊娠している先生方に、転任しては困るだろう、教組を脱退しませんか、しかも授業中に呼び出してこういう勧告めいたことを言っている。それに応じて脱退された女の先生がございます。午前中申しましたけれどもね。御婦人の懐妊ということはこれは非常に重要なことですよ。懐妊の身で転任したくないということは百パーセントそういう心情だと思うのですよ。そういう適切でないかしらぬが、弱点ですね、そういう点をとらえて、そうして自分の行政目的を達成するために一つの意図をもって組合脱退を働きかける、自分の意図に従ってやらなかったならば、私は責任持ちませんよ、よそに転任させられると困るでしょう。こういう生理的現象というものを無視し、それを悪用してこういう行政的目的を達成しようという、またさせようという行政権というものはですね、そういうあり方というものはこれは私は人権問題だと思うのですね。こういう事態が全国的に起こって参ったならば事重大だと思うのですよ。私幾つかこの例を調べてきていますが、こういう事犯があれば人権擁護局としてはやはり何らか私は所信があってしかるべきだ、かように思いましたので、きょうの委員会に御出席願って、午前中において一般論として伺ったわけです。一般論として大体私の見解と同じ答弁をされました。今私は具体的に名前まで申し上げて御所信を承るのです。いかがでしょうか、お答え願います。
○政府委員(鈴木才藏君) その前に一つお聞きしたいのでありますが、こういうふうな校長あるいは教頭の行動は、その当該教職員の方をその属しておられる教職員組合から脱退させるのを唯一の目的のためにこういう行動をとられたのでありますか、ちょっとその点お伺いしておきたいと思います。
○矢嶋三義君 私の九九%の判断では前提として申し上げましたように、任命権者である、その出先機関である愛媛県教育委員会の宇和島事務所の意向を受けて、そうしてみずからの校長としての勤務評定をよくしたいという――気の毒ですがね、――そういう立場に追い込まれてこういうことをやられている。これは九九%間違いない判断だと思っています。
○政府委員(鈴木才藏君) 非常に一般的な御質問でありますが、また私は矢嶋委員の御質問の内容をよく理解しておるか疑問でありますが、結局人事異動に際し、あるいは勤務評定に際しまして、現在認められておる教職員団体を脱退をする、脱退をするならば勤務評定もよくなる、あるいはいい、好む人事異動をしてやる。あるいはもし脱退しないとその人の教育の場における教育者としての成績いかんにかかわらず、脱退しないということから不当な勤務評定を受ける、あるいは不当な、本人の好まない、また本人に非常に不利になる人事異動をするという言辞を掲げて、そうして教職員組合から脱退することを直接間接ほのめかすというふうなことは広い意味におきまして私は人権上問題になると思うのであります。今御指摘になりました当該事件においてはたしてどういう意図のもとにどういう人事異動の客観情勢のもとに、また必要からこういう行動をなされたか、やはり具体的にもう少し調べてみないと当該三件の事件につきまして人権侵害であるという人権擁護局の認定を下すには少し資料が十分でないように考えます。一般論としては今おっしゃいましたような、また私が仮説的に申しましたような事項は人権上問題になると私は考えます。
○矢嶋三義君 あなた非常に慎重に答弁されておりますが、あなたの判断はだいぶ正しい。そこで私は御要請申し上げます。あなたの出先機関は松山市にありますから、松山市のあなたの出先機関にきょう即刻連絡をとられまして人権擁護局として御調査いただきたい。それで範囲は私の調査した範囲内に限定いたしましょう。愛媛県教育委員会宇和島事務所管内、この管内にこういう事犯が続出いたしておりますから、私の推察ではこの管内に限らず、愛媛県全域にわたってあると予想いたしますけれども、それは綿密に調査しておりませんので、あなたたちも大へんでしょうから宇和島事務所管内に限って本日早急に連絡をとって調査し、その結果を本委員会に御報告願いたいと思います。よろしゅうございましょうか。
○政府委員(鈴木才藏君) できるだけすみやかにやります。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺います。 もうちょっと例をあげて伺いますが、こういう例もあるのですよ。宇和島のある旅館――ある旅館にしておきましょう。そこで宇和島事務所の主事――その名前はわかっていますが、某主事としておきましょう。その某主事が、ある先生に――名前はわかっていますが、ある先生に脱退して手柄を立てないか、教頭にしてやるぞ、こういうふうに話しておられる、そうしてその先生は一月八日に脱退いたしました。私は教頭になるかならぬか重大関心を持って見守っております。もしこういう形で誘って脱退させておいて、教頭になるというようなことがあってしかるべきものかどうか、これは事が重大だと思います。明らかに地公法違反ですよ。こういう公務員は地公法違反として処罰されなければならない。大臣の御所見を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういうことが事実とすれば、五十六条でございますか、違反する疑いがあると思います。
○矢嶋三義君 それで私はあとになって争いたくないし、またその方にお気の毒ですから内藤初中局長に御要請申し上げますが、本日愛媛県の教育委員会を通じて電話連絡をしていただいて、国会で矢嶋からこういう質問があったが、その該当者を、もしもそういうことで人事異動をやれば、これは重大問題になる、大臣は法違反に対する答弁をしているから、慎重に取り扱うようにという連絡をしていただきたい、そういう事犯が起こってもむよりは、事前に防止すべきである、本人にも気の毒だと思いますので。これは非常に名前まで明確でありますから、とにかく宇和島事務所へ連絡をすれば、あなたのところの主事が其教師をとらえて、こういうことを言って、その人は一月八日に脱退したそうだが云々という質問があったからという注意を喚起していただきたい、お答えいただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 連絡はいたしますけれども……、そういう質問があった趣旨を連絡いたします。よく調査いたしまして、県の教育委員会に行き過ぎがありますれば注意をいたしたいと思いますが、実情をまず調査させていただきたいと思います。
○矢嶋三義君 これは火急ですから、だからきょう緊急質問を願っているわけです。それからまた名前はわかっておりますが、ある教頭ですね、この教頭に私は会いましたが、なかなかしっかりした人ですわ。で、その人に校長が、君、教頭でまだ脱退してないのは君だけだ、早く脱退しないと今度は飛ばされるぞ、そして南宇和郡から北宇和郡に売りに出されているということです。だからこの人の名前はわかっているが、この人が今度の人事異動で北宇和郡へ転任発令されるかどうかという点について、私は重大関心を払っている。もしそういうことになれば、組合員なるがゆえにこんな不利益な取り扱いを受けるのみならず、具申権を持っている人が、上司の命を受けてそういうことを言っているわけですから、これは明らかに法違反です。こういうことがあってはならないと思う。従って、こういう趣旨のあったということも連絡していただきたい。もしそういうことが行なわれた場合には、私は委員長に要請して、本委員会に愛媛県の当事者をおいで願って、事の是非、黒白をはっきりつけなければならない。でないと、ここで見過ごしていると、日本の地方教育行政は秩序を失い混乱してしまうと思いますので、明確に具体的な例があがっているから伺うわけですが、部下をしてそういう措置をとらせていただきたいと思うのですが、念のために大臣のお答えをいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 調査いたします。
○矢嶋三義君 年度末になっておりますから、本日中に連絡をいたし、電話で連絡をとっていただきたいと思うのですが、内藤局長よろしゅうございますね。
○政府委員(内藤誉三郎君) 本日中とおっしゃっても、これから役所へいつ帰していただけるかわからぬことですから……。
○矢嶋三義君 帰ってからでけっこうです。
○政府委員(内藤誉三郎君) 実は向こうが責任者がいないこともありますから、御趣旨は十分伝えるつもりでおります。
○矢嶋三義君 これも例をあげるとこういうのはたくさんあるわけです。だからここで限定いたしましょう、愛媛県の教育委員会に、そういう注意を喚起する意味の連絡をとることと、宇和島事務所に確実にやることと、それから午前中お願いしました調査は、愛媛県教育委員会宇和島地方事務所管内、その管内に限定して一つ調査して下さい。で、宇和島事務所にやれば、こういう質問があったか、こういう該当があるかないかとやったら、事務所で心得があるから報告書を作るなり、または各学校へ問い合わせれば出てくるわけですから、宇和島地方事務所ですね、これに限定して一応早急に出していただきたい、よろしゅうございますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 直接には都道府県の教育委員会が相手でございますので、愛媛県教育委員会に午前中ありましたケースにつきましては至急に調査を依頼いたしたいと思います。先ほど御質問のありました宇和島管内のケースにつきましては、やはり同様に愛媛県教育委員会に事情の調査を依頼したいと思っております。
○矢嶋三義君 もう一つ、私は非常に火急で心配している件があるのですがね、それを具体的に伺う前に内藤局長にお伺いしますが、文部省から愛媛県教育委員会に、ILOに関して愛媛県教育委員会あるいは特定教師に対しての調査をみずからしたり、あるいは委託したようなことは、あるいは報告を求めたようなことがありますか、ありませんか。もしあるとするならば、どういう内容のものでございますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この前、これは日教組のILOに提訴された事件がありまして、その事件の中で愛媛県の問題が、事例があがっております。そこでその愛媛県の事例としてこういう反論を要求されているわけであります。その反論のことにつきましてジュネーブから要求されておりますので、反論を今政府が準備中でございます。そこで、その関係の調査はいたしておりますが、本件はILOで係争中でございますので、内容につきましては差し控えさしていただきたいと思います。
○矢嶋三義君 それは初聞きですがね、ジュネーブから問い合わせがきたわけですね、それで愛媛県に問い合わせて、個人を指名してきていますか、どうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私も、その内容については、個人を指名しているかどうか存じませんけれども、日教組の提訴の中には愛媛県のケースが相当たくさん出ておるように聞いております。その関係の部分について文部省から人を派遣いたしまして調査を依頼した事実はございます。
○矢嶋三義君 かりにその先生の調査がきたからといって、その先生を今度の人事異動で差別扱いするというようなことはあり得べきことでない、断じてあってはならないと思うのですが、文部大臣の御所見いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そういう、今の調査に関係したというだけでもって人事異動に異動があろうとは思いません。
○矢嶋三義君 思いませんのみならず、あり得べきことでないですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そう思います。
○矢嶋三義君 その愛媛県教育委員会からきた回答書ですね、何通かきておりますね、これをジュネーブに発送することはちょっと待ってもらいたい。というのは、私は現地でこれを聞いて調査したのですがね、そのジュネーブの地ではっきりと黒白をつけようというに際して、出す資料としてはあの教育委員会を通じて校長が先生に書かせて判を押させて出した書類は正確なものではありませんよ、これは私ここで名前を言ってもよろしいですがね、これは人事異動に出てくるかもしれぬから申し上げておいてもよろしい。久吉小学校という学校の井村先生、これは奥さんも先生で、子供さんが三人ある。この人は、昨年愛媛県の教育研究協議会が発足してから組合を脱退して教育研究会に参加するようにということをしつこく勧誘されて、その事実がある。本人も認めている。それがどうも提訴の理由となっている。提訴の理由を、自分は教職員組合におりたいのに、半ば官制の教育研究協議会に――だから教員組合をやめて教育研究協議会に入りなさいとしつこく勧告を受けた。その事実を井村さんは供述した過去の事実があるということを本人が認めている、これは書面としてジュネーブにいっているものと推察されます、私の推察では。そこでジュネーブから反論としてあなたの方にきた。そして県教育委員会を通じて、当該学校にいったところが、約五回にわたって学校長が宇和島事務所に何べんも電話連絡をとるやら何やらして、事の事態は井村先生には詳しく話さないで、ただ、あなたはジュネーブのILOに提訴したかせぬか、といって問い合わせしている。そこで自分の方は提訴した覚えはないから、書類を出していないから、だから提訴していないということを書いて判を押しなさい、それで本人はジュネーブに書類を自分で出した覚えはないものだから、何か五へんほど校長から話があって、宇和島の県教委の事務所と何べんも連絡があったから判をついたと言うのです、それが実情ですよ。そういう書類をジュネーブに送って、日教組から出ている書類はでたらめだというようなことは、これは文部省としてそういう反論をするに足る資料でない、すべきじゃないと思うのです。事実に基づかなければいけない。だからこの点は愛媛県教委からあなたの方にきている書類は、発送を保留してもう少し真相をはっきりして送るなら送るべきだと思う。もう送ったのか送らないのか、送っていなければ、ともかく真相をはっきりしてお送りなさい。それからもし送ったとするならば、送っているとするならば、さらに本人の名前も学校もわかっているわけなんですから、はっきり事態を明白にして、その明白な事実に基づいての資料を送っていただきたい。そうあるべきだと思うのですが、文部大臣いかがでしょうか、当然そうあるべきだ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説でございますが、私どもは私どもの責任において調査したものを送る責任があろうかと思います。お話もございますから、さらに念を入れて調査する必要も感じますけれども、ジュネーブに送りますについては、政府としての責任をもって送るべきものと心得ます。
○矢嶋三義君 それは政府の責任は、当然そうでしょう。しかし、私はこの井村という先生にお会いしたのですよ。そしてあなたはどういう事実があったか、と言ったら、こういう事実があった、かつてこういうことを番いたことがあった、校長さんからどういう話があったか、こういうふうに判を押してくれと言うから書いて出した、それで私は、こういうことじゃないだろうかと言ったら、井村先生はびっくりして、ああそんなことですか、そんなことがわかっていれば、私はそんなことを書いて、判を押して校長さんに渡すんじゃなかった、校長さんが何べんもそう言うから、私は自分でジュネーブに書類を送った覚えはないから、こうしたと言われる、これは明白にわかっているんだから。だからあなた方が私信用できなかったから、もう隠す必要はない、久吉小学校の井村先生、南宇和郡、この人をお呼びになってはっきりすべきだと思うのです。もう愛媛県の教育委員会にきた書類はジュネーブに送ったのですか、送らないのですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 愛媛県からきた書類をそのまま送るというわけではございませんので、文部省でよく検討をいたしまして、資料を作成して送りたいと思っております。まだ送っておりません。
○矢嶋三義君 送っていない。――それでは今からでもおそくない、今の経過なんですから、井村先生の問題は明確にして、あなた方はどういう反論をしようが自由です。それはあなた方の信ずるところでやりなさい。しかし、事実に基づかなきゃいけませんよ。だからその井村先生のはちょっと私が言えば、引っかかったような形ですよ。そして事実と反するものを書かされて捺印させられているわけだから、これは正しく直されなくちゃならぬと思うのです。明確にはっきりさせていただけますね。局長、答弁。
○政府委員(内藤誉三郎君) 明確にいたしたいと思っております。
○矢嶋三義君 それで冒頭に、文部大臣、あなたに私伺ったのですがね、事実があったか、なかったかということを。そういうことを矢嶋にしゃべったのはけしからぬというので、そんな感情的ななにで井村さんを変なところに転任させて、奥さんと引き離すようなことがあれば、これは私承知しませんよ、人権問題だ。だからきょう午前中に法制局長と人権擁護局長、それからあなたに、原則論として話した。あなたは、夫婦が共かせぎをしている、同居しているのを離すようなやぼなことをすべきでないということを、午前中冒頭に私の質問に答えられました。そのお言葉を私、了としたわけであります。奥さんはほんとうにびくびくしています、子供さんが三人もありますから、あの南予で共かせぎの御夫婦が離されて、子供が三人もあったらどうしますか。こういうことを理由に感情をもって人事異動をやるというようなことは、絶対あってはならないと思う。こういう点についての注意喚起も愛媛県当局にしていただきたいと思います。矢嶋の言うのも無理じゃないでしょう、文部大臣いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育委員会は、感情をまじえて人事異動をすべきではないし、するはずもないと思っております。
○矢嶋三義君 その言葉の限りはその通りですが、最近すごいんですよ、具体的な例を一つ反論としてあげましょうか。 去年南宇和の教組の調査部長をしておった中田という先生は、南宇和郡から、本人の希望でないのに、北宇和郡の小さな分校に昨年の四月転任させられた。そうして南宇和郡の教員の組織構成を検討して見ますと、松山市並びにその周辺の伊予市等から約一割五分の先生方がおいでになって、そういう先生方は、あの南予から松山市付近に帰りたくてしょうがないわけです。それでやはり学校長は、あなた郷里の松山付近に帰りたいなら、組合を脱退しなければ絶対だめですよと言っているわけです。これはききますよ、これは。こういう勧誘に従って、私は脱退をしましたという先生もおります。卑劣だと思うのです、法律違反、のみならず卑劣である、人間的に許すことのできないものであると思う。人権無視、軽視、人権侵犯の該当事項にこれは入っていると思うのですよ。こういう人事行政が愛媛県で行なわれているのですよ、文部大臣。あなた、はずがないと言っても。だから私は井村先生についても非常に心配すると同時に、重大関心を払っているわけなんです。だからこういう質問があったということを、内藤局長の方から一つ連絡事項として、つけ加えてもらいたい。そうしてこの成り行きを見守っておって、事と場合では、私はここまで委員会で具体的にあげて言った以上は、私も責任がありますから、事の成り行き次第では、本委員会に証人として喚問して、事を明白にしなければならぬ、これは委員長にも責任があると思う。私きょう質問さしていただいて重大であるから――井村さんの学校から名前まで出て具体的に申し述べているわけであります。かりに愛媛県当局から、矢嶋あたりにしゃべって国会まで問題になった、けしからぬというような、そういう、要素を含めて、不当なる人事行政が行なわれるということになれば、この本件を取り扱った本委員会も無関係ではないわけでありますから、この成り行きというものについてはやはり責任があるし、重大関心をもって見守らなければならぬ、その意思表示を明確に申し上げておきます。 次にちょっと角度を変えて午後の第二質問に入りますが、それは昨日内藤局長は衆議院の委員会で、講習会の補助、研究団体の育成、それから文教施策の趣旨徹底の補助金の金額を答弁されましたが、本日午後の冒頭に会計課長から答弁されたのとかなり数字が食い違っているようなんですが、調査の角度が違うのでしょうか、それともいずれか答弁が間違っているのでしょうか、いかがですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私の申し上げたのは、正しいとは思っておりますが、会計課長どういう資料で申し上げたのか、また角度が違うのではなかろうかと思います。ちょっと矢嶋委員にお尋ねいたしますが、会計課長はこの愛媛県の件については申し上げていないと思うので、私がこれは申し上げたので、何か勘違いしていらっしゃるのではないでしょうか。愛媛県には、文教施策普及費が四十万、それから研究団体の助成が二十五万――会計課長はこの愛媛県の数字について申し上げたはずはないと思いますが……。
○矢嶋三義君 いや、さっき会計課長が委任支出の数字等を答弁されたでしょう。それから補助金関係のことを答弁をされましたね。一般会計予算書をもとにね。内藤初中局長が――きのうちょっと私傍聴しておったのですが、講習会の関係で五千五百万、研究団体助成が各県に二十万、文教施策趣旨徹底が各県に数十万という答弁をされましたね。それとかなり数字が違うように思うのですが。
○政府委員(内藤誉三郎君) きの私う、どういうお尋ねか存じませんでしたが、申し上げましたのは、講習会の関係で五千五百万、これは文部本省費でございますので、その一部が委託費になるわけでございます。ですから、文部省みずから使うものもございますし、各県に支払い委任する分もあるわけでございます。この五千五百万というのは、昭和三十六年度予算に計上している分でございます。あるいは年度が違ったのかとも思いますが……。それから文京施策普及費につきましては、三十五年度にすでに支払い済みが確定しましたものが千七百十二万円ございます。それから研究団体の助成費の支払い済み決定額が千六十八万五千円です。
○矢嶋三義君 まあ若干食い違うが、角度も違うようですから、ほかに質問がありますから、きょうのところは、この数字は保留して、質問を続けますが、会計課長に特に注意を喚起しておきますが、これは文部省だけでなくて、各省庁を通じて、支出委任費というものが一番問題ですよ。これは会計検査院が検査する場合に、国費支出とはいいながら、ちょっとワク外になってくるわけだね。やるにしても、出てきたばらばらな文書をちょっと検査するというぐらいになってしまうわけだね。それから、都道府県にいった場合に、これはその県の歳入の中に繰り入れられませんから、議会でも論じられないのだから、ある意味から言えば、いわばポケット・マネーみたいなものなんだから、だからその経理支出というものは、場合によっては厳密になり、場合によっては非常にルーズになるのですよ。これはあなたの省に限らぬ、各省を通じて非常に重要なことだろうと思う。ここは予算委員会ではないから言わないけれども、こういう予算金額をふやすということは、予算編成上から私は問題点だと、かように考えているのですが、最近の文部省の予算を見ると、これはだんだんふえていっているのですね。四年ぐらい前から非常に上昇カーブをとってきている。これはしかし、国会で議決されたのをあなたが執行しているのだから、ここではこれ以上言わないけれども、出てきた書類だけは厳重に審査しなければいけませんよ。それで、誤りがあったら、指摘しなければなりません。宴会費等にむちゃくちゃに使われるようなことがあってはならないと思うのだ。ポケット・マネー的な性格を持っておりますからね。こういう心がけを持っておられるかどうか、今後のこともありますから、会計課長としての認識と心がけを承っておきたい。
○政府委員(安嶋彌君) 矢嶋委員がおっしゃったような心がけで経理事務を処理しているつもりでございます。ただ、支出委任の関係の扱いは、御承知かと思いますが、都道府県の教育長が負担行為、担当官でございまして、都道府県の出納長が支出官でございます。従いまして、その経費の執行が適正に行なわれているかどうかという点は、もっぱら負担行為担当官及び支出官にまかされているわけでございまして、逐一本省の方におきまして、その経理事務の扱いについて監督指導するということは、これは行なっておりませんし、また実際上不可能かと思います。ただ、所管局におきまして、その事業の遂行につきましていろいろ指示をする、あるいは報告をとるということはやっているわけでございます。 それから、ルーズに流れるおそれがあるというお話でありますが、これは先ほども申し上げました通り、国費の執行でございますので、会計検査の対象になっておりまして、検査院が地方に参りました際には厳密に審査しているはずであります。
○矢嶋三義君 束で検査しておりますよ。だから問題だというのです。その点はその程度にとどめまして、次に伺いますが、内藤初中局長、この愛媛県の教育委員会の宇和島教育事務所で中堅女教員研修会というものを開かれましたね。これを承知しているかどうか、その内容のものはどういうものと認識されておられるか、この研修会の計画、あるいは報告というものが文部省にいっているかどうか、その点についてお伺いいたします。
○政府委員(内藤誉三郎君) 愛媛県で主催のもとに、宇和島、西条その他で中堅女教員の研修会が開かれたことは聞いております。その詳細については、私どもまだ報告を受けておりませんが、大体のことは聞いております。
○矢嶋三義君 文部省からの補助金をこの研修会に使ったとあなた認識しているのですか、使っていないと認識しておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) その点は十分確かめておりません。
○矢嶋三義君 これは私は確証を握るに至っていない。ということは、愛媛県教育委員会の出納簿を見ていないから、百パーセントとは言いませんが、会員からも徴収しておりますが、県からも支出しているようです。この計画の報告も受け取っておりませんか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この研修会については、私も聞いておりますけれども、この研修会に文部省の経費を使ったかどうかということは、私まだ確かめておりません。
○矢嶋三義君 それを確かめておいて下さい。それから、内容はどういうものだとあなたは聞いておりますか、また判断しておりますか。望ましいものだと、あまり好ましくなかったというような見方をしておりますか。ともかく有名ですからね。所管局長が知らないはずないですよ。知らないと言ったら、あなた職務に怠慢ですよ。ちゃんと知っているはずだ。だから、あなたはこれをどういうふうに報告を受け、どういうふうに判断をされているか、それを承りたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 御承知の通り、小学校、特に義務教育の学校では、女教員が相当数おりますし、女教員の資質向上ということは教育水準向上の上に大へん大事な計画だと思うのでございます。 で、内容につきまして、いろいろこれは泊まり込みの講習会でございまして、その細部にわたって私もよく承知いたしかねますけれども、その中で吉田松陰のお話をしたことが出ておるわけですが、特に日本の教育者として先覚者であるところの吉田松陰のお話を古典として話すことはけっこうなことだと思うのでございます。
○矢嶋三義君 けっこうなことだけ申したのですが、けっこうでないことはないですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 私も全文を承知いたしておりませんので、中身につきましては、今、速記録なりあるいは要旨のようなものを拝見させていただきたいと、こう思って愛媛県教育委員会に依頼をいたしておるわけであります。ただ、多少あいさつ文の中などに用語の適切を欠いたものもあるやに見受けられるのでございます。
○矢嶋三義君 これはきわめて重要な内容を持っていると思うのですがね。そこで、私は一、二申し述べて大臣の所見を承りたいのですが、私のところに資料そろっているのですがね。たとえば講習会に参加した人に、あとで講師である菊地正行という人があいさつ状を出されているのです。そのあいさつ状の中には、なかなか甘いこともちょっと書いてあるのですよ。相手が中年の女性ですからね。そうして、私はここで指摘して申し上げたいことは、一つには組合を脱退したがいいよと、しなさいよ、して下さいよということをはっきりと暗示している。それから絶対に許すことのできないことは、こういう文章が書いてある。「もしも、人々が思い上がってみずから国の主権者の地位を獲得したかのように妄想し」云々と書いて、「笑うべきこっけいというよりむしろあわれむべき悲劇であろう。」こういうことをあいさつ状に書いてある。提訴していいですよ。文部大臣、現行憲法において国家の主権者はだれであるか、国家の主権はどこにあるかということは明々白々たることですよ。その主権の存在について憲法の誤れる文章を書いている。憲法を忠実に解釈している者は思い上がっている、こっけいというよりはあわれだ、悲劇だ、こういうような書面を出し、そういう角度で講習をする、そういう講習会というものは認められるものでしょうか。文部大臣の御所見を承っておきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは憲法を知らない人だと思われますが、それがまあどういう場合に、前後の関連がどうだということはむろんわかりませんけれども、それは今おっしゃるがごときことを本気で言っているとすればむしろこっけいであろうと思います。
○矢嶋三義君 これは教育委員会に注意を喚起する必要はないですか。こういう講師を求めて、そうしてあとで申しますが、持ち方が問題ですが、そうして泊まり込みで再教育をする。そういう講習会をやっている教育委員会に対して、そういう事実を確認して、文部省は黙っているということがあるでしょうか。何らかの助言と指導と警告は発せられなくちゃならぬ。それ以上に、私は午前中も言ったように、この地方教育行政の組織及び運営に関する法律の五十二条に基づいて、こういう講習会は好ましくない、やるべきでないという措置要求を文部大臣としては教育委員会にしなければならぬと思うが、いかがですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この講習会はもう済んでしまったので措置要求をするということの意味がないわけでございます。この講習会につきましては十分内容を調査したい、こういうことでございますが、問題は、御指摘になった点はあとのあいさつ状のように伺っているのです。内容の点について、講習会の講師がどういう言動をしたかということが問題かと思うのであります。その点については今せっかく調査中でございますので、調査した上で善処したいと思っております。
○矢嶋三義君 調査、調査じゃ私は納得しない、もう少しはっきりした御所見を伺うのでなければ。この講習会は、文部大臣、私は調べたのですがね、なかなか巧妙に組み立てられているのですよ。中堅女教師とはよくも言うたものですが、ちょうど勇退を勧告される年令に近づきつつある先生とか、それから夫婦共かせぎの方とか、そういう方々、中年層をピック・アップしているのです。若い大学を卒業したはつらつたる女性はあまり選んでいない。あまりじゃない、ほとんど選んでいない。そうしてその先生はその学校の職場に行きますと、その職場においても相当の影響力を持つ。特に後輩である同性の女性の先生方には、大きな指導性と影響力を持っているという方々をピック・アップしているのですね。そうして中年の女性というのは生理的にも特殊な状況下にあるわけですが、なかなか、ときによると教育長も肩たたきみたいなことをして泣かせるような話をしたりして、それは実に巧妙にやっているわけだな。そうして、あとでこういう文書を出している。 だから、ここで明快な答弁をしていただきたいことは、愛媛県教育委員会から参加者全員に対して、次の内容の文書を出すことを文部大臣の方から指導助言して下さい。それは。愛媛県教育委員会の宇和島事務所の責任のもとに開催した講習会で、県教委が講師として選定した菊地何がしから、終了後皆様方参加者に対してあいさつ状が届いた。そのあいさつ状の中にかくかくの文章があるが、これは憲法否認の――文部大臣の言葉をもってすれば憲法を知らない人の文章で、重大であるから、参加者はしかるべく感得してほしい。申すまでもないことであるが、県の教育委員会が責任開催した講習会の講師の発言であるから、責任を感ずるから念のために申し上げるという意味の文書を、愛媛県教育委員会は参加者全員に出す義務がありますよ。絶対、放置すべきものじゃないですね。これを愛媛県の教育委員会がみずから率先してやればそれはけっこう。私の調査では本日まではやっておりませんよ。従って文部大臣としては、文部省としては、そういう助言と指導を教育委員会にされるべきである。かように思うのですが、文部大臣にお答えいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) とくと調査しました上で善処いたします。
○矢嶋三義君 調査してじゃない、ここにあるのですよ、ちゃんと文章が。じゃ、これは文章があれば、そういう措置をとっていただけるということですね。私が申し上げた事実があるのです。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その文書が私文書であるとしますれば、話が違うかと思いますが、それも合わせまして、調査の上で私どものなすべき責任のある処置を講じたいと思います。
○矢嶋三義君 ここに資料ありますから、事実あればそうやられるということですから、その結果を本委員会にやはり報告してもらいたい。でないと、あなた方はここでもって調査するとか言って、そのまま見過ごされるということがあるので、せっかくの立法府における調査が意味をなしませんので、はっきり最後まで責任をもって委員会に報告されることを要請いたします。そこでこの講習会は先ほど申し上げましたように、参加者の自由がないのですね。募集したのじゃないですよ。で、半ば強制的に指名してきています。学校長の指名じゃないのですよ、地方事務所から指名してきている。こういう講習会というのは珍しいと思うのですね。それは学校長みずからその証言しています。普通は講習会を開く場合には、学校長に対してあなたの学校から何々教科の先生を何名参加さしてほしいと、これですよ。ところが、教育委員会から何という先生と何という先生を参加さしてほしい、学校長にある先生は、名前はわかっていますが、都合が悪いからかわってほしいと言ったら、かわっちゃいけない、無理やり参加させられた。そうして会場に行きますと、すわる位置がちゃんときまっているんですよ。動くことができない。すわる位置がきまっておる。お隣にだれがすわるかきまっておる。座禅を組んだり、これも好ききらいがありますから、私はそこはあまり言いませんが、自由な雰囲気がない。半ば強制的だ、そうして意見を発表させるわけですね。そうして教育委員会が、あまり好ましくない意見を出した女の先生は、学校長から、君こんな意見書書かれたら僕の顔が立たぬじゃないかとしかられておる。そんな講習会というものが、教師の自主性を失った講習会というものがあっていいんでしょうかね。どんな感想持とうが自由じゃないですか。受けた先生は、それに対して上司であるところの校長が、君、そんな意見を発表されては僕の顔が立たぬ、困るじゃないかと参加した女の先生に言うということは、これはゆゆしい事柄だと思うのです。そういうことがあっていいでしょうか、どうでしょうか、内藤さんお答えいただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) この講習会について、大へんよかったという感想を述べておる方も多い。ですから、一がいにすべて講習会は私は悪いとは言えないと思う。その講習会に全部どういうものがあったのか、私ども実情把握いたしかねますが、御指摘の通りこれもよく調査してみたいと思います。
○矢嶋三義君 今言った、ヒントを合わしていきましょう。女の先生に、校長さんが、あなた方の指示によって、その人が勤評するのですよ。その女の先生の勤務評定を出すのですよ。そうしてあなた方はこれを給与にも影響させるというように指導しているでしょう、誤れる指導をやるのですよ。その校長さんから、私は講習に参加しました、こういう感想を持ちました、発言をし書いたことについて、君そんな意見、感想を持たれちゃ困るじゃないか、僕の顔が立たぬじゃないかと言ってそういう文句を言う、直させるということがあっていいんですか、どうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) それは内容にもよりけりだと思うのです。言論の自由でございますけれども、公務員としては職責に忠実でなければならぬ、それに違反したようなものをもしかりに書いたとすれば、校長は指導助言の立場で、いい教師を作るように、処分する責任があると思う。これも内容いかんです。どういう内容について……。
○矢嶋三義君 内容なら言いましょう。第一に講師が憲法否認のことを堂々と述べているじゃないですか。文部大臣の言葉をもって言えば、憲法を知らない講師だと言っているんじゃないですか。そんな人がやった講習内容はどういうものだということははっきりしますよ。憲法を知らないと文部大臣が断定するような、そういう見識、思想の持主が講師になって聞いた講習会です。だからそういう点について批判するのは当然ですよ。批判できない教師こそ私は批判されるべきであり、教育をまかされることはできないと思う。そういう批判めいた意見を言ったからといって、校長がそういう発言をするということは、事実あったとすれば、その校長は罷免に値すると思うが、文部大臣いかがですか。私は労働組合に対しては愛情がありますけれども、この憲法に対してこういう認識では罷免に値すると思う。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) すべて調査の結果に待ちたいと思います。
○矢嶋三義君 いつごろまでに調査いたしますか、お答え願います。文部大臣から。
○政府委員(内藤誉三郎君) なるべく早く調査いたします。
○矢嶋三義君 文部大臣、なるべく早くというのは、目途を一つお示し下さい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) なるべく早くと申します意味は、この場を適当に免れようと思って申し上げているわけではございません。現実に可能な、最もすみやかなやり方、方法において、時期において調査いたしたいと思います。
○矢嶋三義君 事務当局としては、過去の経験から一週間以内でできるという判断を持たれているわけですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
○矢嶋三義君 そこでもう少し伺いますが、このテキストを見ますと、これは国粋主義右翼思想ですわ。だから、きょう午前中に私は日本の右翼の動き等について、公安調査庁の次長にも伺ったわけですが、明らかに国粋主義右翼思想、現行日本憲法否認のニュアンスが至るところに出ている。そうして非常に打ち出されて参っているのが絶対的天皇制ですね。これが非常に強く打ち出されている。そこに憲法否認が出でくるわけです。国家の主権の所在をはっきりと明確にするような言説が出てきているわけですね。この講習会はテキストから見ますと、明らかにこの法律に違反すると思うのですね。この講習会の企図、内容、それから終末の取り扱い方ですね。教育長が手紙を出しております。それから講師の菊地さん等も手紙を出している。それから、それを受けて学校長は先生にどうでしたか、あるいはあとで、あの講習会の意図はわかっているでしょう。あなたは脱退しなさいよ。組合を脱退を意図したものということはおわかりでしょう。これを脱退しないと、あなた飛ばされますよ。責任持てませんよ。こういうような事後処理をずっとやっているわけです。だから計画、企図から、講習会の実行の内容から、終末処理、これを一貫して見たときに、明らかにこれは義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法、教師の目主性を擁護しない点において第一条違反、それから特定の政党を支持させる等の教育の教唆及び扇動禁止をしている第三条違反です。はっきり「義務教育諸学校の児童又は生徒に対して、特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させる教育を行なうことを教唆し、又はせん動してはならない。」、明らかに教唆し、扇動している。こういう教育をしてほしいというその教唆、扇動を明らかにしている。半ば強要している。それは、中正なものならけっこうですよ。ところが、さっき言ったように、憲法否認、それが菊地さんの場合には出ているのです。それから、この超国粋主義、右翼思想というものが非常に強く打ち出されて参っております。 それから驚くべき発言をしているのがあるのですね。こういう教育者が、指導者が今日本にいるのかとびっくりするような何がありますよ。憲法を非常に誹謗した個所があったのですが、ちょっと今見つからないのですけれどもね。要するに、憲法否認の、極端に右翼思想に色どられた内容のものになっている。そこからもう徹底的に、言葉には出していないが、社会党批判、日教組批判、その批判まではいい。脱退を教唆、扇動する。で、講習会も持ち方では意義があるのですが、明らかに第一条の先ほど申しました点と、それからこの第三条違反、従って、第四条を適用しますと、「前条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」となっている。これは一年以下の懲役または三万円以下の罰金に処せられる疑いのある講習会だと私は判断をしているのですが、きょうの私の質疑を聞かれて、文部大臣はどういう御判断に立たれますか。従って、地方教育行政の組織並びに運営の五十二条によって、愛媛県教育委員会に、そのような講習会はなすべきでない、講習会をするならば、その企画、内容を再検討させにゃならぬという措置要求をなされるのが適当で、また、それが文部大臣の義務だと思うのですが、お答え願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 矢嶋さんのおっしゃったことで、十分これは私どもも調査をして、その上で善処すべき事柄だというふうに感ずる次第でございます。調査をさせていただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) ただいま義務教育諸学校のお話が出ましたけれども、この法律には該当しないと思います。と申しますのは、それは教唆一扇動して、学校における偏向教育をせしめたという事、実が出なければ、この法律の該当にはならない。それからもう一つ……。
○矢嶋三義君 出ますよ。あなた、脱退しているのだから。
○政府委員(内藤誉三郎君) いやいや、偏向教育という点で。
○矢嶋三義君 脱退させたのだから、脱退させた人はそういうことをやるおそれは十分ありますよ。
○政府委員(内藤誉三郎君) この法律は、特定の政党を支持し、または反対するための政治教育または政治活動をすると、こういう前提に立って、学校の場において先生がそういう偏向教育をしたという事実に基づいて、それを教唆、扇動した人を罰するのですから、これはあいさつ状を出したというだけでございますので、そういう事例はまだ出てこないわけでございます。
○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
○矢嶋三義君 あのね、内藤さん、私は学校の先生を「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」と言っているんじゃないのですよ。この法律が日本にできた立法の趣旨からいって、愛媛県の教育委員会宇和島地方事務所の、国民のサーバントであるべき公務員がやっていられることは、この法律の立法精神にはっきり違反する。だから、その罪状たるや「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」に相当するものだと、こう言っておるのです。明快でしょう。だから私が申し上げたような事実があったならば、愛媛県教育委員会の当事者と、また直接企画し、実行した宇和島教育事務所の諸君は、気の毒ながら罷免されなくちゃならぬ。大西教育長の教育長としての人事案件の承認が文部大臣に求められてきた場合には、そんな人事は承認できないのですよ。そういう確固たる態度をとらなければ、これは日本に最近右翼が蠢動しておりますが、えらいことになりますよ。全国的にそういうような教育行政が行なわれるようになったならば、一体日本の地方教育というものはどうなりますか。それを危惧するがゆえに私は伺ったわけです。気持わかるでしょう、文部大臣お答えいただきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育の場が、左からも右からも脅かされてはならないと思います。
○矢嶋三義君 内藤局長に伺いますが、あなた、きのう衆議院の文教委員会で全く心外の答弁をしておったのですがね。この先生方はみんな半ば強制的に出席させられたわけですね。それで一人三百円の会費を取られているわけですがね。それに非常に不満を述べている女の先生から、私、手紙をもらっているのですがね。ごもっともだと思うのですよ。その上旅費はまあ実費くらいは出したがよかろうというような答弁をしたのですね。これは二月二十三日、本委員会における私の質疑に対して、文部大臣が答弁されたのと違っておりますから、ここでお取り消しを願いたい。文部大臣は、二月二十三日本委員会において、旅費の問題に対する私の質疑に対して、次の通り答弁いたしました。すなわち、先生方が出張させられた場合には、県の規定通りの正当なる旅費が支給されるようにされるべきだ。もしそうなっていなかったならば、大臣はそれが行なえるように、打ち切り旅費等というような形で取り扱われている場合には、その是正に努力すべきものだと思いますと、こういうふうに私への答弁に速記録に残しております。これは文部大臣、この答弁間違いありませんね。当然ですね、そうですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今もそう考えます。ただ、それぞれの都道府県で、一時的に会計不如意か何か知りませんが、納得づくで打ち切り旅費等が行われる例はあったろうと思いますが、それはその時と場合によりけりであって、一般論としては、むろん今お読み上げになりました通りの考え方を私は持っております。
○矢嶋三義君 あるべきことでない。当然こうなくちゃならぬのですね。だから、この点もはっきり正当旅費が払えるように、愛媛県やすべての県でやってもらわなければならない、大臣がはっきり約束されたのだから。そういう質疑応答がされましたら、具体的に手紙が来た。約束通り大臣からさっそくやっていただきたい。ここに、長野県の岡谷東高等学校の人から、新聞を見たと言って手紙が来ております。幾つかありますが、一、二あげますと、原貞雄という先生が、全英連研究大会に広島市に出張して、県の正当旅費でいうならば、一万五千九百七十五円なのを、打ち切りで九千円しかもらえなかった。不満である。それからもう一つ例をあげますと、林ふみえという先生、この人は保育指導者講習会、東京で開かれた、これに参加いたしまして、県の条例では正当旅費は一万四千六百三十円、ところが九千円しか支給されなかった。こういう事態があれば、これは是正のために文部大臣としては努力すべきものだと思いますということを速記に明確に残しております。これに基づいて、私はたのみもしないのにこういう手紙が来ております。これをあげますから、長野県教育委員会に連絡をとってさっそく是正さしていただきたい、よろしゅうございますか。文部大臣答弁願います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 県の規定によりまして、条例によって減額支給することができるようにきめられておるわけであります。ですから、その県の規定に従って出された旅費額は正当であろうと思っております。
○矢嶋三義君 その自治体の公務員で県庁関係に勤めている人は、条例通りに旅費をいただく。ところが同じ自治体の公務員でも教育公務員は、そんな減額措置なんかでやられていて、それでいいのですか。三十年も四十年も初等教育界あるいは高等教育界に貢献して、腰が曲がり、頭の毛が白くなるまで働いた校長さんが、はるばる遠方から――今は名前だけは二等車ですが、そのすし詰めの列車に乗らされて出張する。県庁の若い本省から流れていった二十六、七才の課長さんが一等車の寝台車に深々と休んで出張に出かける、そういうことで一体よろしいのですか。文部大臣はそういうことについて何とも感じませんか、よろしいと思いますか。そんな減額措置云々というのは、ある県もあればない県もありましょう。そんなものは排除すべきですよ。むしろあなた、六十近くなった校長さんあたりは特別優遇して、楽な車に乗っていただいて出張してもらうくらいの心がけがなくて、文化国家の、教育尊重の国家の、教育尊重の池田政策の、池田内閣と言えますか、文部大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) さっき申し上げた通りでございます。その都道府県それ自体の都合によって、一時的には条例等で不公平のないような定めをするということはあり得ましょうけれども、一般的な問題としては矢嶋さんと私は同じ気持です。堂々と一等に乗って歩かれるようなところまで持っていくべきだ。こう思います。
○矢嶋三義君 あなたはそれに努力されるわけですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻申し上げた通りであります。
○矢嶋三義君 そこでその原因は、今度一割上がったけれども、小学校、中学校の旅費の積算の場合に、去年まで四千円、これが四千四百円、高等学校の場合は去年は五千円、まあことし二割上げて六千円にした。この四千四百円という数字と六千円という数字がこういう事態をもたらすのですよ。その数字なるがゆえに、都道府県教育委員会のもとに働いている先生方は、出張のときに正当旅費がもらえなくて、こういう事態が起こってくるわけですよ。だからその四千四百とか、六千という数字は実態に即応するように直さなくちゃならぬですよ。いかがですか、文部大臣、そこに私は問題があると思う。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力いたします。
○矢嶋三義君 直さなくちゃならぬですね、問題は。そうでしょう。
○政府委員(内藤誉三郎君) その……。
○矢嶋三義君 ちょっとあなた、文部大臣に聞いたんだから局長はすわっていらっしゃいよ。
○委員長(平林剛君) 内藤局長、ちょっと発言を待って下さい。文部大臣が答弁をされますから。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ある程度具体的に申さなければならぬと思いますから、政府委員からお答え申し上げます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 義務教育費国庫負担法の建前は、御承知の通り実績主義になっておりますので、文部省といたしても、教員の旅費はできるだけ上げたいのでございます。上げたいのでございますけれども、教員の旅費の積算にしても、給与単価にいたしましても実績を基礎にいたしておりますので、実績以上に組むことがなかなか困難なわけでございます。
○矢嶋三義君 また大きな声を出しますよ、そんなことを言ったら。そういうあなたでたらめありますか。実績負担主義だから云々というのは悪循環になってしまうじゃないですか。なぜ実態を調べて、その意向を聞いて、実際はこれだけ出張して、そしてこの県条例なみでいけば、これだけ要るという立場から数字を要求し積算していかないのですか。四千四百と六千あるから都道府県はその四千四百と六千という数字を金科玉条に予算を組むわけですよ。だから出張しようにも出張ができなくなるわけですよ。都道府県は自治体予算を組む場合に、本省の積算の数字というものを金科玉条に使うわけですよ。そういうことは最近では若干よくなっても、地方財政が不如意だからですよ。特に義務教育の場合は国の責任だということで半額負担ということになっているわけだね。だから文部大臣はさっき私と同じ意見だというならば、実態を調査して、そしてこれだけの金額が要る、そのためにはこういう数字で積算せにゃならぬという数字を出して、文部省はあるいは大蔵省に、あるいは自治省に主張を通して実現させなければならぬわけでしょう。そういう手順でしょう。そういう手順で事務当局を督励すべきだと思うのですが、文部大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 矢嶋さんの御意向に同感であります。
○矢嶋三義君 そこで文部大臣、一つちょっと横に問題をそらして伺いますが、これ一つでもあなたは先生方と話し合いする必要があるのじゃないですか、先生方と。こういう事態があるということは私もなかなか把握ができない、手紙がこなければ。文部省も把握できないわけですよ。ただ実績負担、実績負担ということで、都道府県教育委員会の実績負担ということをかくかく聞いて予算を組むよりしようがない。だからこれ一つをとっても都道府県の先生方の意向を聞く。それが組織されているならば、そこでちゃんと研究統計をされたその数字で話し合いをする。あなたの方で意向を聞いて、そしてあの予算編成の資料にする、参考にするということが大事じゃないですか。これ一つをとっても、あなたは教職員組合と話し合いをされなければ、あなたの思うような予算が組めないし、教育は振興できない、荒木文政を推進するためにそういうことをしなければならぬ、そうして先生方に迷惑をかけないようにしなくてはならぬという私は義務があると思うのです。それからまた、あなたはそうして予算の概算要求をする権利、権能が私はあると思うのです、これ一つをとっても。だから、きのう私は衆議院の文教委員会をちょっと伺いましたが、何か変な法理論で、権利も義務もない、それが会って話し合いをするということは法治国として秩序を乱すものである、ずいぶん思い切った、おそれ入ったお言葉を使っておられましたがね。あの発言は私は是正されなくちゃならぬと思うのですが、私の所論は明確ですよ。お答えいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今おっしゃったことで交渉しなければならぬとは思いません。国会において皆さん方から御高見を拝聴する機会もあります。また都道府県の、市町村の教育委員から実情を聴取することによって実情把握の権威あるルートがございます。そういうことでやるべきことであって、会うとか会わないとか、交渉してどうだとかいうことで、それのみで事が解決するとは私は思っておりません。なおまた、日教組と団体交渉をするという意味においてはやるべきではない、権限はない、責任もない、これは法律制度上明確なことであると心得ておりますから申し上げたのであります。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) それじゃ速記をつけて。
○矢嶋三義君 しかしそういうことは大事だから……。やってよろしいですか、やって悪いということなら私も考えます。よろしゅうございますか。
○委員長(平林剛君) どうぞ。
○矢嶋三義君 文部大臣ね、ああいう答弁をあなたがしなければ私もあまり質問せずに済むのですけれども、私は労働組合法に基づく団体交渉をやれというのじゃないのですよ。団体協約を結べというようなことを言うのではないのですよ。法的に認められた職員団体と会って、そういう実情を聞くなり要望を聞くなり、あなたの意向を話してその比判を仰ぐ、そういうものが実在してしかるべきじゃないか、また、そうすることが教育行政を推し進めていくにあたって必要であり、国務大臣として国民の期待に沿うような文教政策を具現していくためには、そういう努力をする国務大臣としての義務があるし、そうしたからといってどの法律に違反するものでない、そういうことをしていいあなたには十分の権利も国務大臣としてあるのだ、こういうことを私は言っているわけですよ。労働組合法に基づいての団体交渉をやれ、労働協約を結べ、そういうことを私は申し上げているのではないのですよ。従来の文部大臣は私のような所見、見解でずっとこられたわけですね。しかし、そのことをあなたは、好ましくない、法治国としてその法体制を乱すものだというような発言まで国務大臣としてされるということは私は非常な誤りである、行き過ぎでなければ誤りだと思うのですがね、あなたはこのことについて何らの御反省ございませんか、お伺いします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま矢嶋さんのおっしゃいましたことは、私が申し上げておることを十分御理解いただいてないように思いますから簡単に申し上げたいと思います。私が法律制度上なすべからざることであると申し上げるとこは、あくまでも中央交渉などという団体交渉の形で交渉をしたいという申し出をとらえて言っているのであります。団体交渉という制度上の権限も義務もお互いにない、だからそういう意味合いの交渉に応ずることは適切でない、制度を乱すものだ、言いかえれば、地方分権の教育制度の根本に照らしまして、御案内のごとく都道府県市町村の地方教職員団体としては、まさしく憲法二十八条に具象するところの関連ではないにしても、権利をささえられておる、その段階において交渉というものは行なわるべきものだ、それを途中カットしたようなもので、文部大臣という立場で団体交渉に応ずるということは法秩序違反だ、秩序を乱すものだと、こう申し上げておるのでありまして、実際問題として会うか会わないかということは、これはお互いの自由だ、その自由な立場に立って、私が現実に事実問題としてお目にかかるかどうかということは、私は少なくとも今としては適切でないと、こう判断してお会いしないと、こう申し上げているだけであります。
○矢嶋三義君 これはきょうは私の質疑の主題にはなかったですから他日にして、ここで結びをいたしますが、私はあなたが今会うことは適切でないと考えているんだと、その考え方が国務大臣として適切でないという私は主張をしているわけです。しかし、先ほど申しましたように、本日の質疑の主題でないですから、最後に結びといたします。 午前中から質疑さしていただきましたが、その中には幾つか早急に、五日ないし一週間以内に調査をして、そして委員長を通じて本委員会に報告をされるということと、それから矢嶋が調査したということに基づいて発言されていることが事実とするならば、それは非常に遺憾であり、また法律違反もあり、法に基づいての是正措置の要求をするに値するものがある、かような答弁もあり、もしその調査と著しく食い違った場合においては、立法府として責任ある態度でその真相を明白にするために、場合においては証人も喚問するように委員長において取り計らわれたいという要望をいたし、それぞれに対して委員長並びに文部大臣、政府委員から答弁があったわけです。この点はあらためて確認をいたして、早急に当事者において取り運ばれるように強く要請をいたしておきます。要するところ、学年末で人事がまさに発令されようといたしておりますが、あくまでもこの人事行政というものは公正でなければならない、私が先ほど申し上げたような形で、かりに一件たりとも誤れる人事行政は断じて行なわるべきではない、もしそういうものが行なわれた場合には、私はあらためてこの問題を取り上げるつもりでありますから、先ほどのお約束通りに取り運んでいただきたいと思います。内容的には、愛媛で行なわれた講習会、これは非常に偏向性を強要している、この意味からこの教育の政治的中立という、このわが国の立法精神に及しているこの点が重大であるということと、それから憲法二十八条の勤労者の団結権が保障されておるにかかわらず、勤労者の団体に対して不当な干渉と支配が組織的に計画的に行なわれている点が非常に遺憾であり、これを見過ごして、日本の各都道府県にこういう事態が起こるならば、文部大臣じゃないが、日本が法治国として、日本の地方行政、教育行政というものがゆゆしき事態に立ち至るという、こういう懸念のもとに注意を喚起するとともに、善処を要望する立場から伺ったわけです。大へん長いこと質問さしていただいて恐縮でございました。これをもって一応終わります。
○豊瀬禎一君 今の矢嶋さんの質問に関して一点だけ尋ねておきたいのですが、資料の信憑性についてはいろいろの論議があるかと思いますが、私の承知しておるところでは、自由民主党が教職員の人事異動に関してかなり長文の計画を立て、特にその中で注目されることは、日教組の活動家、これを僻遠の地に転出させるとか、組合を脱退し、ないしは脱退勧奨に功労のあった者等を管理職等に登用していく。こういった種類の文書を自由民主党の私の友人からいただいたのですが、党の幹部である大臣は、その自由民主党の資料と称せられる教職員の人事異動に関する政策といいますか、方針なるものを御存じでございますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 全然存じません。また私は政府側におるのでありまして、党の幹部ではございませんから、御理解をいただきたいと思います。
○豊瀬禎一君 矢嶋委員の質問はすべて文部省の調査の後に持ち越されたましたので、党の出した書類といえども、教職員の人事異動に関する政策が、たとえば本委員会の質疑で問題になりました地方教育委員会の教育行政権に対して不当の干渉を行ない、その結果がこうした事実を招来したとすれば、きわめて重要な問題であります。従って、党の役員であろうと、なかろうと、党に所属される大臣としては、その真否について確められて、そのことについても次回に質問に答えられるように御処置をお願いいたしておきます。
○野本品吉君 関連。朝来、矢嶋さんの非常に綿密な御調査に基づきましてのきわめて具体的な質問がございました。私も質問の一々を拝聴いたしておりまして、いろいろ考えさせられる問題はあるわけです。ただ、矢嶋委員もみずからも御警戒になっておられるように、ことが個人的な問題に触れております。そこで私の心配いたしますのは、文部省のいわゆる指導助言という形においてどういうことをされるかは今後の問題でありますけれども、その度が過ぎますというと、地方教育委員会の教育行政運営に対する自主性を喪失するおそれがある。そこで、この調査にしろ、調査の結果に基づく措置にせよ、地方教育委員会の自主性が侵犯されることのないように、もしそういうことがありますというと、非常に悪例を今後に残すわけです。地方に起こった個々の問題について国会で取り上げて、それが直ちに地方教育委員会に具体的な姿においていろいろなことが行なわれるということになりますと、前例としてもよくないことでありますし、文部省の権限権能という立場から見ましても慎重に考えていただきたいと、かように私は考えるわけです。文部省のその点についての御所信を承わっておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど豊瀬さんの御質疑に対してお答え申し上げましたが、党として何をやっているかということは、政府側として調べるべき範囲外であろうかと思うのであります。党としての行動であるならば、党員たる方が本委員会にもいらっしゃいますから、最も正確に御承知でもございましょうし、そういうことの御調査に待っていただきたいと思うのであります。 野本さんの御質問にお答え申し上げますが、もちろん御指摘の通り、指導助言、措置要求等をするにつきましても、指導助言、措置要求の根拠法規のめざす範囲内でなければならないということは、これは当然でございます。慎重にかまえてやることももちろんでございますが、とにかく法制度の許す範囲内において適切な措置を講ずるということでなければならぬと思っております。
○野本品吉君 もう一つ。それから、先ほど自民党の云々ということが出ましたが、私はもし自民党がどういうことを地方の下部組織、あるいは党員に言ったかということが問題になってくるということになりますというと、逆に社会党は一体何をしておるか、どういうことを出しておるかということが一々問題になって、この委員会が両政党の討論会の場所になるので、そういうことにつきましては、私は本委員会において取り上げるべき問題じゃないと思う。党と党との討論ならば、これはけっこうですけれども、この委員会で特定の政党がどういうことをしたということが問題になってきますというと、その指摘を受けた政党とすれば、自分たちの主張を通すためには、相手の政党のことも言わなければならぬ。どうぞこの委員会が政党の討論会の場所にならないようにということを希望申し上げておきます。それだけです。
○豊瀬禎一君 野本委員のおっしゃる基本的な趣旨については別段ここで反論を加える必要を認めません。私が憂慮するのは、その具体的な政策並びにそれが実践に移された際に、教育基本法の精神を明らかに侵害するという事実がある場合には、教育基本法を守っていくという立場、あるいは教育行政権を正当に擁護するという立場、そのことから具体的な問題があるとすれば、これは別に政党の政策の批判の問題としてではなくして、教育の中立ないしは具体的な教育行政権のあり方として、あるいは教育基本法の危機として私は論じ得ることも、これは決して文教委員会の任務外のことではないと思います。従って、私としては野本委員から指摘されましたような他党の政策をここであげつらい、これに対して論難攻撃するというような態度ないし意図は全然持つものではありません。今申し上げましたように、基本法を正当に擁護し、教育行政権の正常なあり方を祈願するという立場から、今の資料の提出要望をあらためていたしておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げますが、政党がいかなることを行動しましょうとも、行政府の側からこれに関与するようなことはなすべきではないと私は思います。資料の御要求でございますが、行政府側から、ある政党の考えておることに基づいて何かをなしたことについての資料要求ということはなすべきではない。また要望しましても、与えられなくてもそれまでだという性質のものかと私は心得ますので、ただいまの、文部省として資料を入手してどうかしろ、提出しろとおっしゃることには、ちょっと応じかねると思います。
○豊瀬禎一君 たとえば日本社会党に所属する私が、教職員に対して、日本社会党を支持すべきであると、いわゆる教唆扇動したとか、当該影響を受けた教師が、義務教育諸学校の生徒に対して、日本社会党を支持すべきであるという教育を行なった際には、当然、当該法規の定むるところによって、調査の対象になってくるはずであります。こういう点につきまして、あえてこれ以上論及いたしませんけれども、十分の御考慮を大臣にお願いいたしておきます。
○岩間正男君 関連してこの機会にお聞きしておきたいのですが、今月の十五日に、愛媛の問題で、私は予算委員会で質問した。そのときに大臣の答弁は、調査してお答えしますということであった。もう半月たちます。きょう、私いろいろほかの都合があって今参ったのでありますけれども、そういう問題についてどうなんですか、何回調査されて、具体的にまとまったものがありますか。半月になりますよ。食言じゃないでしょうな。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと御発言の内容を聞き取りそこねまして恐縮でございますが、具体的におっしゃっていただけませんでしょうか。
○岩間正男君 愛媛の講習会の問題で、あなたに聞きましたな。三月の十五日、私忘れていない。そうでしょう。あなたはそのとき、調査して答弁すると答弁していますよ。講習会の問題です。予算委員会でです。当委員会じゃありません。関連がある事件です。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど矢嶋さんからも同様の御質問があり、調査要求が出されまして、できるだけすみやかに調査して御報告申し上げるということに、先ほど御返事したわけですが、それで一つ御了承いただきたいと思います。
○岩間正男君 私お聞きしておるのは、半月になるのですよ。半月になるから、怠慢でない限りは、すでにもう調査をしているだろうと思うのです。この問題について、しかも予算委員会で答弁しなくちゃならぬはずです、予算委員会から請求されたものですから。いまだにその返答は来ていない。これはどうしたわけでしょうか。具体的に、電話をかけるなり人をやるなり、何回調査して、その結果はどうなったのかということを中間報告を求めておき、さらに、最も近い機会に出されて、もう予算はあす、あさって通るのですから、それまで間に合いますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) お話もございましたから、愛媛県に文部省の係官を三月中ごろに派遣して調べたわけでございますけれども、具体的に愛媛県の教育委員会の言うところでは、あまり大した問題ではないのだというような見解でございましたので、これも、いろいろと衆議院の方、あるいは参議院の方が御調査をされた結果、具体的に御指摘がございましたので、その具体的な御指摘の事項について、さらに調査を進めたいと思っておるわけでございます。
○岩間正男君 大たしことはないと言うが、そんな、向こうが言ったからとそのまま黙っていたら、文部省は実態を調べるということにはならぬと思う。すでに偏しておるです。当時者が、はっきり非難されておる当事者がほんとうに悪うございましたとか何とか、なかなか言いっこないのですよ。それを厳正に調べて、公正な立場から問題を明らかにするというのが、当然あなたたちの任務じゃないですか。もしも公平だったら、不公平なことを具体的に現わしておることになりませんか。だから、そういうことのないように、早く答弁すべきです。
○委員長(平林剛君) 岩間委員に申し上げますが、本日の調査で、政府当局も調査を進めて委員長を通じてお返事があることになっておりますから、御了承願います。 他に御発言もなければ、本件に関する調査はこの程度にとどめます。 ――――――――――
○委員長(平林剛君) 次に、国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○豊瀬禎一君 先回二、三の質疑を行ないまして資料提出を要求したのですが、大体拝見すると了解できる内容のものですが、特に四枚目の原爆放射能医学研究所と放射線云々の研究部門について、当事者から簡単な説明をお願いいたします。
○政府委員(小林行雄君) 御提出申し上げました資料にございますように、放射線医学総合研究所は、科学技術庁設置法の規定の通りに、そこにございますように、「放射線による人体の障害並びにその予防、診断及び治療に関する調査研究」、「放射線の医学的利用に関する調査研究」、「放射線による人体の障害の予防、診断及び治療並びに放射線の医学的利用に関する技術者の養成訓練」と、こういうことでございまして、今回、広島大学に創設しようといたしておりますところの原爆放射能医学研究所は、特に原子爆弾の放射能、一般放射能ではございませんので原子爆弾のきわめて特殊な放射能による障害の治療及び予防に関する学理並びにその応用の研究ということを目的といたしておるわけでございます。そこにございますように、放医研が放射線医学一般ということでございますのに、原爆放射能医学研究所はもっぱら原子爆弾の放射能による障害の治療及び予防と、こういう特定の問題に限って調査研究すると、こういう建前でございます。
○豊瀬禎一君 先回も指摘いたしましたように、放射線医学総合研究所の原理的な研究と、新たに設置が予定されておりますところの、主として人体に及ぼす影響の調査とは相互に関連して進めなければ、全く無縁のものとしての研究はあり得ないと思います。そこで局長に尋ねたいのは、この両者間において、先回も指摘しましたようなセクト的な考え方がなく、相互にそれぞれの研究機関がかなり自由に利用し得るような体制に置き得るという自信ございますか。
○政府委員(小林行雄君) もちろん人体に対する放射能の影響、放射線による放射能の影響ということから申しますと全然無縁ではございませんで、部分的にはオーバーラップするようなところが出て参るだろうと思いますし、また、研究上必要があればお互いに提携し、連絡するということも必要であろうと思います。そういうことになりますれば、それらの点については、十分そういうことができますように今後施策を考えていかなければならぬと思っております。
○豊瀬禎一君 次に、大学の研究機関の民間利用ないしは共同利用の問題についてただしたいと思います。この資料によりますと、企業内研究所の数はきわめて少ないようですが、大学局としては企業内研究者が努めて利用するような方針のもとに指導されておりますか。
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、そこに出ております物性研究所あるいはたんぱく質研究所以外にも、共同利用の研究施設があるわけでございますが、そういうところでは、いわゆる企業内の研究者の利用ということは出ておりません。文部省といたしましては、共同研究所を、必要があればそういった民間の方がそういうところに入り込んでくるということは、もちろん想定もいたしておりますし、その必要もあるわけでございますが、特にいわゆる企業内研究者が自己の企業を伸展させる、いわゆる営業的な意味でこれを利用するということを特に奨励するということは考えておりません。純粋に学問的な意味から、学問研究の伸展という意味から、こういうところが利用されることは、文部省としても歓迎するものでございます。
○豊瀬禎一君 企業内研究者の利用に際して、今、局長答弁のように、特定の企業体の、何といいますか、企業発展を直接目的とした研究費が潤沢に投入されるために、当該大学の研究がそのことに主たる重点が置かれるといったような危険性は、現段階においてはないと判断してよろしいですね。
○政府委員(小林行雄君) そういった利用の関係から、あるいは研究の分野なり、研究領域がゆがめられるというようなことは絶対ないと思っております。
○豊瀬禎一君 大学相互の共同利用の問題ですが、前回も指摘しましたように、企業体から大学の自治、自由というものが侵されることを私は極端に否定したいと思うのですが、そのことから、あるいはこう言っては失礼ですが、大学各部門における学者の研究心というものが、時たま秘密主義的、あるいは独善的な考え方に陥って、相互の交流研究、研究機関の利用といったような面において欠くるところがありはしないかという危惧を持つのでありますが、そういう心配はありませんか。
○政府委員(小林行雄君) 先ほどもお尋ねでお答え申し上げましたように、そういった企業関係からの制約のために、学問の研究がゆがめられるというようなことは、私は警戒しなければならぬと思いますが、ただ、大学なり、あるいは研究所が、いわゆる象牙の塔ということになりまして、社会全体から遊離する、独善的になるというようなことでありますれば、やはり大学なり研究所等は社会的な存在でありますので、そういうふうに秘密的になることは必ずしも好ましいこととは思いません。一般社会、ことにそういったものが利用をされる実業界、あるいは産業界等の連絡というようなことも、きわめて重要なことだと考えます。
○豊瀬禎一君 少し質問の趣旨と異ったようですが、大学相互の共同利用を積極的に進めておられるかどうかということです。
○政府委員(小林行雄君) 共同利用の研究所は、本来研究の規模なり研究の性質上、単に国立大学のみならず、公私立の大学、あるいは研究機関等が、できるだけこの利用の普及をはかり、全国的に利用されるということが建前でございまして、文部省としては、必要のある場合には、できるだけこういうものを利用してもらう。もちろん各大学で、それぞれいろいろな角度から、似たような研究はあろうと思いますが、最近の現状では、こういったものについては、一カ所にこういう共同利用の研究所を作るという建前にいたしておりますので、できるだけこの共同利用の研究所を利用してもらいたいと思っております。
○豊瀬禎一君 最後に一言、提案理由書第一ページに、「この基礎工学部は、最近の科学技術の進展に即応して、工学に関する基礎科学を重視した」云々、こういう点があるのですが、前回の文教委員会における矢嶋委員の質問に対する科学技術庁長官と大学局長の応答を聞いておりますと、科学技術の進展に必要な対策に対する基礎調査と申しますか、あるいは施策と申しますか、これがややずさんなような気がするのですが、局長の所見はいかがですか。
○政府委員(小林行雄君) 科学技術者の養成、所得倍増計画に即応する科学技術者の養成につきましては、御承知のように科学技術庁で、諮問に対する答申という形で出ているわけでございまして、御承知のように、理工系関係の科学技術者として十七万人の不足を生ずる。これに対して文部省として考えておりますのは、四十五年度における不足数一万六千を補うということでいっていることは御承知だと思います。もちろん、これで私ども完全だとは思いませんけれども、現在の大学における教官なり設備、あるいは施設、いろいろな面から勘案しまして、現状では、まずこの程度しかできないのではないかということを考えて、一万六千人の計画を立てたわけでございます。しかし、国家的な要請にできるだけ沿うように、今後も努力をするつもりでございまして、その面から、先日もお答え申し上げましたように、現在の一万六千人計画を、できるだけ初期の年度に繰り上げて実施をするというようなことも、できるだけ実施をいたしたいと思いますし、また、単に国立――もちろん現在でも私立の大学に協力を求めて、その私立の大学で協力してもらう、養成してもらう数も予定いたしておりますが、私学の特段な協力を得まして、この数もできるだけ増すようにしたい、そういう意味で、科学技術庁の今回の勧告については、できるだけその御趣旨に沿っていくつもりでございます。
○豊瀬禎一君 最後に、一つだけ要望いたしておきます。放射能研究所等につきましては、御承知のように、たとえば新潟県等の穀物の中に、放射能の影響を受けて、ある程度人体に被害を生ずる危険性があるという段階になっていることもしばしば報道されるているところです。従って、人命という観点からいたしてみましても、この種の研究はきわめて重大であります。従って、広島大学に新たにそれが設置されるということもけっこうなことですが、こうした何と申しますか、高度の研究機関につきましては、できるだけ一体化して、十分な予算と設備と施策が行われるように御留意を願いたいと思います。 第二には、たびたび質問いたしましたように、大学相互間の研究機関の利用につきましても、局長の答弁では、ある程度うまくいっているようですけれども、今後とも研究の交流ということ、あるいは諸施設の利用ということについても、あるいは共同研究ということについても、もっと積極的に推進していただくようにお願いいたしておきます。
○矢嶋三義君 おそくなって恐縮ですが、私はこの法案に対してまだ一回も質問していないので、ごく簡単に要点だけ質問させていただきたいと思います。先般、政務次官が御出席のときに、鶴瀬委員の質疑に関連して、最後に私は、失礼だけれども、顔を洗い直して出てきてほしいということを要請しておいたのですが、いかように洗っておいでになったか、お答えいただきたいと思うのですが、それは日本の大学のあり方について、中央教育審議会に文部大臣は諮問しておる、鋭意検討中である、そういうときに、ここに宇都宮、長岡、宇部の工業短期大学の新設の法案を出して参った。久留米の工業短期大学には付属の高等学校を付設するという内容も入っておる。ところが、伝えられるところによるというと、きょうあたり次官会議を開いて、近く高等学校三年と短大卒の二年をくっつけた五年制の高等専門学校とやらいう法案を出されるやに承っておる。久留米の工業短期大学に三年の高等学校を付設をするなら既存の北見にはどうだ。この法案に新たに審議を求めてきた宇都宮、長岡、宇部はどうだというと、それに対するお答えができない。これでは一体文部省は、日本の大学、高等教育機関はいかにあるべきか、どのように進めようかという統一したお考えはいずこにも見当たらない。しかも、同じ国会にばらばらな形で立法府に審議を仰ぐ、審議のしょうがない。一応、失礼ながら顔を洗い直して出てきてほしいと、かように要請を申し上げておいた。おそらく文部大臣とも御協議されたことと思うのでありますが、いかがですか。
○政府委員(小林行雄君) 委員長……。
○矢嶋三義君 政務次官からお答え願いたい。政府委員はちょこちょこ立つものじゃないですよ。これは基本的な問題です。そんなのわからないで政務次官勤まりますか。
○政府委員(纐纈彌三君) お答えいたします。この前の御質問に対しましても、新しく短期大学を作りますことに対しましては、高等学校を付設するつもりであるということをはっきり申し上げておるのでありますが、そういう方針で進んでいきたいということを考えておる次第でございます。
○矢嶋三義君 文部大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) この前ほかのところに行って欠席しておりましたから、その当時の経過等を知っております政府委員から答えさせていただきます。
○政府委員(小林行雄君) 現在この国立学校設置法の一部改正では、現在、学校教育法上認められておりますところの大学、短期大学で科学技術者の養成をする、ことに短期大学では中堅技術者の養成をするということでございまして、久留米の短期大学に付属の工業高等学校を設けますのは、これは御承知だと思いますが、やはり付属の高等学校を設けて、高等学校の課程三年と短期大学の課程二年をできるだけ連係のある教育をしてくれという要望が従来から強くあったのでございまして、幸い久留米の短期大学はすでに卒業者も出ておる状況でありますので、まずここに国立の付属の工業高等学校を設けるということにいたしたわけでございます。北見にも、これが卒業生が出るようになりましたならば、付属の工業高等学校を設けたいと思っておりますし、また、三十六年度に新設される宇都宮、長岡、宇部、この三工業短期大学にも将来は付属の高等学校を設けるようにしたいと思っております。なお、高等専門学校のことでございますが、これにつきましては、このときにはまだ予想されておりませんでしたけれども、将来こういうものが国会の御承認を得て制度が創設されるということになりますれば、文部省としては、国立の工業短期大学は、できればこの高等専門学校というものに移しかえていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○矢嶋三義君 都合によれば、官房長官の出席を願いたいと思うのですがね。事は重大だと思うのですよ。だから私はこの前質疑に入るときに、政務次官がお見えになっているときに、五年制のいわゆる高等専門学校というのは内閣提出で提案されないものと了承してよろしいのですかと、こう伺った。そうだとすれば、私審議できるのですよ。しかしそれに対するお答えは不明確であった。だからはっきりしていらっしゃいと私は言った。同じ国会に、同じ内閣提出で、内閣総理大臣池田勇人氏の名前で立法府で審議を受ける場合に、この法案で短期大学を三つ作り、久留米短大に高等学校を設ける。一方では五年制の何という名前をつけるのか知らぬが、高等専門学校法案を出すという、そういうこと炉行政府としてとられますか。立法府に対して、いまだかつてそんな例はない。日本の議会史を探してごらんなさい。内閣提出で、そんな法案の提出の仕方は断じてないですよ。高等専門学校の法案の提出をやめるか、それともこの今提出している法案を一応撤回して、修正して、そうして高等専門学校は両方出してくるか、二者択一ですよ。だからきょうあらためて承りましょう。五年制の高等専門学校法案を、内閣提出法律案として、この国会に出されないという見通しがとられたならば、私はこれは十分審議いたします。賛成、反対は別として審議できます。立法府として。しかし、それも出すのだというならば、これは内閣の国会への法案の出し方として根本的に誤りです。これを一つ一回撤回して、修正して出すかしなければ、そんな立法府を軽視した行き当たりばったりの法案の提出の仕方はありませんよ。この解明は、ともかく文部大臣に、私は内閣として出すのか出さないのか聞きましょう。その結果によっては内閣総理大臣なり、あるいは法案の取りまとめを内閣としてやる官房長官の御出席をいただかなければ、これは私は横車を押しているのではない。立法府としてできません。いまだかつてそんな法案の出し方はございませんよ。そういうことを研究しないで出されているのですかね。驚きますよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 高等専門学校と名づけたいと思いますが、五年制の学校の法律案も本国会に提案いたしまして、御審議をお願いしたいと実は思っておるのであります。そこで提案の仕方が異例に属するという御指摘は私もわかります。わかりますが、その点は懸念されましたので、専門学校の内容の御審議を願うについて、はたして同じ国会に同じ法律が二度審議されるという形になるけれども、前例等はどうであろうということで調べさせましたのですが、そういう前例はある。ただし事柄が違うことであるならば、同じ法律案でございましても、その修正でございましても、違う事柄であるならば提案された前例はある。率直に申し上げまして、実は高等専門学校の法案につきましては、いろいろと各方面から御意見がございまして、その意見の調整等に手間取りましたものですから、本来ならば、一本にして御審議願うべき筋合いであることは当然でございますけれども、実情から申し上げてやむを得ず時期がずれます。ずれることが必至になりましたから、二つに分けて提案するという気持になったわけでございます。これはことさら国会を軽視するとか何とかいうことでございませんで、せめて前例があるならば、その前例に従わさしていただこう、こういう気持でおるわけでございます。
○矢嶋三義君 そんな前例ございません。それは同じ法案でも、内容が違えば一事不再議の原則に反しませんから、ありますよ。しかし、この内容たるや、とりあえず本年は久留米短大分を予算に組んで付設し、将来、北見短大並びに今回新設する宇都宮、長岡、宇部の各短大にも将来付属高工を設けるためだというのでしょう。しかも高等専門学校にするつもりだというのでしょう。だから高等専門学校の法案を出すという方針もきまっておるのでしょう。それだのにこういう法案を出してくるということはありませんよ。大臣、内容は一体ですよ。結果としてはこれを議決したあとで高等専門学校の法案が出てくるということになれば、これは立法府に対しても失礼ですよ。失礼だけじゃない、法律案の出し方として前古未曽有のものですよ、内容的には同じなんですから。法律案の名前は同じでも内容が違えばいいですよ、それでも見苦しいですよ。ほんとうは政党として議員立法する場合において、あるいは内閣として政府提出案にする場合でも、出し方の形としてはあまりスマートじゃない。しかし、そういうことはあり得たし、あってよろしいわけだ。しかし、内容が本質的に同じものをそういうような形で出すということはいまだかつてないことで、やるべきことじゃないと思う。そういう点において、私はこれはとりあえず官房長官に連絡して下さい、委員長。この点は保留して次の質問に入っていきます。官房長官を呼んで下さい。官房長官が内閣のとりまとめをする内閣の責任者ですから、ある程度。責任者池田さん云々ということは無理ですから官房長官を呼んでいただきたい。保留して、第二問をお尋ねいたしますが、名古屋工業大学の短期大学と九州工業大学の短期大学部は、今まで計画的に募集を停止して、今度夜間の大学になるということですが、国立学校設置法を見るというと、短期大学部は、これは出ているのですが、夜間の大学部というのは幾つあるのか出ていませんね。これは私は六つぐらいあると思うのですがね。今幾つあるのですか、夜間の短期大学はこれは設置法に出ていないということはゆゆしきことだと思うが、どういうわけですか、お答えいただきたいと思う。どうして出してこられないのですか。
○政府委員(小林行雄君) 従来から大学で夜間の授業を行なっているものがございます。横浜国立、それから神戸、広島、大阪学芸、こういったようなものが夜間の授業を行なっておるわけでございます。ただ、これは学校教育法では夜間の学部を置くことができるといっておりますが、これは発足の当時から国立学校設置法では夜間学部というような言葉を使わずに、夜間の授業を行なうというような建前できておりましたので、国立学校設置法の方では、これらのいわゆる夜間の授業を行なう課程は掲載されておりません。
○矢嶋三義君 これは文部大臣にお伺いしますが、初めから出ていないというのですが、これは載せるべきではないですかね。短期大学と一緒に夜間の制度の学部はどこどこに設けてあるかというのは、当然、国立学校設置法の中に載せられるべきだと思うのですがね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっとすぐお答えいたしかねますので、説明員から御聴取願いたいと思います。
○矢嶋三義君 その前にもう一つ聞いてから。この法律に出ている大学部は修業年限おおむね四年ですね。医学部と特殊のものを除いて四年ですね。ところが、夜間のは医学部はないと法律では言っているのですよ。しかし、それらの修業年限は四年ではないでしょう。私は五年だと思うんです。今度新たに名古屋工業大学、九州工業大学に夜間の学部ができるわけですね。それとこれと勘案した場合に、ちゃんと法律に載せて、夜間の学部は修業年限何年以上とか、何年とか、僕は法定しなければ設置法としては不十分だと思うのですがね、あわせてお答えいただきたい。
○説明員(春山順之輔君) ただいまの御質問でございますが、昼間の授業を行なう学部において夜間の課程を置くという意味で、夜間の学部の専任の教官というものは非常に少ない、三分の一程度教官を置いて授業を開始しているわけでございます。これは国立も、公立も、私立も同じでございます。従って、教育課程としては昼間の課程と夜間の課程がございますが、学部の運営につきましては一体として運営をしているわけでございます。そういう意味で法律に規定はしてはおりませんですが、大学におきましては、学則において、ただいまの修業年限の点もはっきりと規定してやっております。なお、修業年限は、私立大学の場合は、夜間の課程においては四年以上で、実際は四年でやっております。国立大学は日曜日とか、サンマー・バケーションというような期間を全部の学生に適用できないので、修業年限五年で実施しております。事情はそのような事情であります。
○矢嶋三義君 事情はわかったのですが、それは一体的に運営はしているのですから学則には載っていますよ。載っていなければわからないですよ。しかし、国立学校設置法とあった場合に、私自身この法律を見て、幾つあったかとみても幾ら見てもないので、それから調査室に行って、ないかなと言って、聞いたところが、ありますよということで、私自身も実はめんくらっちゃったんですよ。国立学校設置法であれば、どこどこに学部を設けているということを載せておかなければ――載せておいた方が便利だと思う。今までのことはとにかくとして、今後は載せていくべきだと思います。法律は国民が読むものですから。
○説明員(春山順之輔君) その問題は最初から御指摘のような問題があったわけでございます。現在でもその点については研究いたしております。
○矢嶋三義君 研究期間が長いね。よく研究中というけれども、国立学校設置法みたいな簡単な法律案を、荒木さんどうですか、来年からでも載せたらいいと思うのですが、国民として便利ですよ。私自身困っちゃったです。あなた自身六法を読んだ場合わからないでしょう。今年は何としても、来年から載せるべきだと思う。新たにここに名古屋工業短大、九州工業短大ができるのを、ここに載せれば名古屋と九州にできたなということがわかるけれども、なければわからないじゃないですか。学則をとった人は学則でわかるでしょう。しかし、学則をとる前までは、国民としてはこの法律なんですから、だから私は載せるべきだと思うのですがいかがでしょうか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今までの沿革等を存じませんで恐縮でございましたが、なるほどお説の通り、今聞きますと、昼間、夜間という区別はあるけれども、大学としては同じだということから載せてなかったと思われますが、少なくとも検討を加うべき問題でございましょうし、別個の大学としての表現はあるいはできないかもしれませんが、昼間は言わぬでもいいかとも思いますが、夜間があるという事柄が、どこかにあった方が適切だろうと思うわけであります。検討さしていただきます。
○矢嶋三義君 どうも大臣負けぎらいだな。それでわかりました。そこで大学課長に伺いますが、私立大学の第二工学部ですね、夜間の工学部も、どこも四年でやっているのですか。
○説明員(春山順之輔君) 新制大学の発足のときに、夜間の各学部の修業年限をいかにするかということで、実に論争というか、検討いたしたわけです。大体四年ではできないのじゃないかというのが結論だったのですが、私立大学のある有力大学で非常に研究の結果、土曜日の午後、日曜日、それからサマー・セッション、それを利用して、時間的には四年の中で履修が可能なような案が出てきたわけでございます。それをとりまして、それでは四年でその大学についてはよかろうという決定をいたしたわけでございます。しかし、一つの大学に四年ということができますれば、それと同様な履修方法を各大学が立てて、現在ではほとんど大部分の大学が夜間の場合でも修業年限が四年というふうになっております。
○矢嶋三義君 これは国の法律に基づいて国立、公立、私立を問わず学士号を付与するわけですからね。必修単位というものがあるわけですね。だから私学の場合、そういう講義時間、実験時間というものが、法に定められているように行なわれているかどうかということは、設置を法的に認められた私立大学の自主性とその責任だけですか、それとも私立大学審議会なりどこかの、何かそういうものを見守っているというような機関があるのですか、どうですか。
○説明員(春山順之輔君) 大学の教育内容につきましては、学則に規定がございます。学則の規定に従って各大学が自主的に実施する、それに対してとやかく申す機関というのはございません。ただ、ある種の専攻分野、たとえば医学とか、歯学とか、薬学、そういう分野につきましては、視学員制度というものがございまして、この視学員が、これは教育内容ということよりも、むしろ適切に医師の養成ができているか、あるいは病院の運営ができているか、医学の場合ならそういう視察をいたしまして、大学が少しでも充実し、向上するような助言と指導を与える機関がございます。なお、大学設置審議会におきましても、認可後において、何らか認可した状態が維持され、向上されているかということを今後見る必要があるのじゃないかというようなことを希望する向きは少なくございません。確かにその認可した後の大学の充実向上というものが一番大事なことだと思います。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、私はこの水準の低下をもたらしてはならないと思うのです。それから、今度新たに、先ほど申したように夜間の学部ができるわけですが、今後も私はこの方向というものは、日本の国民所得層をあわせ考える場合に推し進めなくちゃならぬと思うのです。定時制高等学校を卒業した諸君というものは、大体そういう道を選ぶ以外にないわけですから。私学も同じです。しかし、私学だけでもいかないと思う。最近のようにあんなに授業料が上がって参りますと、所得の低い層の子弟というものは学ぶべきところがないと思うのです、いかに優秀でも。だから国立の大学の夜学部の全国的な適正なる配置というものは、これは私は大切だと思います。それで相当の定員を大学側に与え、そうして校費も予算に計上すれば、大学からも協力すると思うのです。今のところは校費も不十分である、そうして定員の増員もしない、そうして施設設備を併用する、管理上も困るというので、おおむね大学の先生方は毛ぎらいいたします。これは私非常に遺憾なことだと思うのです。これは大学の先生だけに責任を負わせることはできない、むしろ協力のできるような条件を整備しない行政当局の責任の方が私は大きいと思うのですけれども、こういう面を整備して、ことに科学技術の振興等がいわれておりますが、そういう面からも、今不十分ながらもある日本の施設設備を昼夜フルにこれを効率的に活用する、そうして教育の機会を与え、能率を上げる、そういう大学行政というものは、もう少し積極的に活発に行なわれなければならぬ。その際に水準が低下するようなことをしてはならないということは、もう先ほど申し上げた通りなんですが、大臣の御所見を承りたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 矢嶋さんのおっしゃる御趣旨はごもっともなように思います。検討をさせていただきます。
○矢嶋三義君 所管局長の意向も承っておきます。
○政府委員(小林行雄君) 夜間の短期大学は、御承知のように相当数、実はあるわけでございます。これの現在のいろいろな環境をさらに整備しなければならぬと思っております。具体的に申しますと、教官の数あるいは設備等についても、今後できるだけ努力をして参りたいと思っております。また地元あるいは大学等から御要望もありますれば、こういったものの増設も今後考えて参りたいと思っております。
○矢嶋三義君 次にお伺いいたしたい点は、文部省関係の研究所も相当あります。今度もまた新設されるわけですが、科学技術庁長官は、この研究費の効率的な活用という立場から、この各省庁関係の研究所の合理的な統廃合をする必要があるというような見解を表示されていますことは、非常に重要な御意見だと思いますがね、文部大臣としては、どういう構想を持っておられるのか、承っておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学に付置された研究所等は、それ自体いわば自主的な見地において、それぞれの沿革を持ち、特色を持っておるのだろうと思うのでございます。そういう意味で統配合という考え方もむろん無用ではないと思いますが、にわかに即座に賛成いたしかねるのではないかと思います。それぞれの特色を発揮していくことによって、研究機関が本来の使命を発揮できる意味合いも多分に考えられるわけでございますから、それはそれなりに特色を発揮しつつ効率を上げていく、しかしまた、池田長官が申したような統廃合を必要とする部分もあるいはあろうかと思いますが、一般的な即時の問題としては、直ちに実行するという意味においては、ちょっとみだりに賛同しかねる問題じゃなかろうかと考えるのでございます。
○矢嶋三義君 私はみだりにやるべきではないということは全く同意見です。しかし、わが国の研究所がかなり重複して中途半端な施設、設備で行なわれているということも否定できないと思います。だからこれは統括的に十分検討して、これは大きく統合して充実した施設、設備のもとにやった方がよろしいというような結論が出た面については、これはみだりに入らないと思うのですが、合理的になってくると思うのですが、そういうものは私は検討に値いするのじゃないかと、そういう意味で私は科学技術庁の長官をかなり重要な示唆に富んだと、かようにとっているのですが、いずれこれは閣議等の議題にもなってくると思うのですが、おおむねなわ張り根性というものがありますから、なかなかむずかしい点もあると思うんですけれども、こういう見解については文部大臣どういう御所見を持っておられますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学に付置された研究所というのは、科学技術庁が直接所管しておりますような研究所と本来の趣旨が違うと思います。大学におきましては、あくまでも学問の研究のためのものであり、真理探求のためのものであって、科学技術庁所管のものはその次の段階と申しますか、原理、原則、基本的な学理の研究に続く応用研究を主眼として置かれておるものと心得ます。従って大学の学術研究用の研究機関というものは、先刻申し上げたような意味合いをそれぞれが持っておる。しかし、それにいたしましても、御指摘の通り今後の研究機関の設備というものは、科学技術的な問題が進展すればするほど、容易ならざる経費を必要とすると一応想定されるわけでございまして、将来に向かっては学術研究だ、応用研究だと別々に考えておったんじゃどっちもできなくなるおそれもあるという角度から、一種の政策的な立場において総合されて施設されるということはあり得ると思いますし、そうせざるを得ないことがあると思います。既存のものを統合するという具体的なものがあるかないか私もわかりませんけれども、お説の通り、みだりに統廃合するのじゃなしに、十分検討の結果、そうした方が本来の目的がさらに充実していくんだ、解決していくんだということがはっきりしたものについては、むろん統合等も考えられるべきものもあります。
○矢嶋三義君 この点は私はもう一回意見だけ言って終わりますが、私は文部省と科学技術庁関係だけ言っているのじゃないのですよ。これは農林省、通産省、建設省等通じて見た場合、調査機関というものを設けて調査してみるに値いする案件だと、かように私は判断しております。しかし、軽率に行なわれるべきものじゃありませんし、これらの点については、文部大臣として十分関心を持っておっていただきたいと思います。具体的にこの法案と関連してですが、そういう角度から、これは豊瀬委員から先般と本日も指摘されましたが、広島大学の原爆放射能医学研究所を新たに設けられたという点については、私は非常に賛成いたしかねます。気持がわからないですね。科学技術庁の放射線医学研究所は、ごく最近、近年できたのですが、それとあわせ考えるときに、乏しい財源をこのように分散しなければならぬのかという点に疑点なきを得ない。特に昭和三十六年度の予算の概算要求のときには、これはなかったですね、最初。文部省の概算要求の当初の要求にはないものが、どうして最終段階の予算案としてここに出てきたのですか。まれに見る奇現象だと思う。文部大臣、どうお考えになりますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 当初も話だけはありましたが、相当大がかりなものでもございまするし、当初出すのはどうであろうとちゅうちょしたことはございます。その後、党の方からも非常に関心のある話があり、さらにまた広島大学の方からも、学長みずからの強い御要請等もありまして、さらに検討の末要求をいたしたような経過でございます。
○矢嶋三義君 原爆放射能の研究が必要だということは私よく認めているのですよ。私、昭和二十年の八月九日に長崎で原爆を受けた一人なんです。幸いにして私は工場が休みで行っていなかったから一命を拾ったのですがね。この研究が重要なことは百も承知しております。しかし、この過程からいって、今言ったような与党の意向があってというが、池田さんじゃないですか。池田さんは文部省の予算に横車を押してきたじゃないですか。池田さん、広島の御出身です。それで広島に作ろうというので、文部省の概算要求のないのを池田総理が与党を背景に申し出てきて、そうしてあとで追加されたんじゃないですか。そういうようなことでいいんですかね。それでなくったって日本の研究予算は少ないのだというんですよ。それで科学技術庁長官が研究所の統廃合ということを言われているときに、文部省としては慎重に検討をして、当初、第一次概算要求にないものを、総理が自分の選挙区の関係で持ってきたからといってあとでつけ加えられるというような、そういうようなことでよろしいのですかね。私は批判いたしますよ。御所見いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 池田総理が関心を持っておったかどうか、それは私知りませんが、池田総理の意向が広島に置いた方がよろしいというふうなことは全然私は耳にいたしておりません。党が関心を持ったことも事実でありますが、特に私がこの問題を要求に入れて成立を期したいと思いましたことは、広島大学の学長からの直接の御要望が私自身にございまして、そのことで特に私としては関心を深めたわけでございます。これはもう申し上げるまでもなく、放射線医学研究所というものと広島大学に付置されるところの研究所というものは、先刻申した通りの、大学本来の立場において、また臨床的にも研究のできる広島にこれを置くというそれ自体に客観的な値打があると判断いたしまして要求いたした次第であります。
○矢嶋三義君 時間がないからこれに長くかかれませんが、広島には原爆病院もあるのですからね。だからその方のことは足りると思うのですよ。科学技術庁に先年研究所を設けられたならば、それを拡充強化する、そうして施設設備の不十分なのを国際的なレベルに持っていく、原爆の被害国として世界に冠たる指導的な程度のものを作る、こうして初めて乏しい国民の税金は生きると思うのですよ。それをこの前、豊瀬委員が聞かれて、小林局長なかなか苦しい答弁しておりますがね。そういう形で乏しい日本の研究予算を分散させるということは私は反対です。批判いたします。で、文部大臣は今そう答弁されたのですがね、大蔵大臣と主計局長に聞いてごらんなさい。池田さんの意向が非常に多くかかっておりますよ。僕は予算編成段階の動きを知っているのですよ。それほど重要ならば、なぜあなた方は第一次要求のときにこういうものを出さないか。批判点として指摘いたしておきます。 次にお伺いいたしたい点は、先般この委員会で、科学技術者の養成計画に関する三月十一日付の池田科学技術庁長官の荒木文部大臣への勧告問題について質疑応答をやらしてもらったんです。きょうはそれには深く触れません。繰り返すようなことは時間的にも申しません。しかし、ただそのこととこれとは関連が非常に深いので、所管大臣にちょっと所見を聞いておきたいのですがね。あなたちょうどおられなかったから、いずれまた機会があったら伺いたいと思ったのですが、池田科学技術庁長官は、ものすごいことを言っていらっしゃるのですね。あなたの部下である文部官僚は頑迷固陋で、何を話してもわからない。そして、まことに失礼ですけれども、荒木文部大臣は人がよくてぼやっとしているから、だまされているのだという意味のことを速記をつけて堂々とおっしゃっていますよ。同じ閣僚の一人ですよ。国会に法案を提出する場合には、ともに閣議決定して署名した仲です。あなたの部下の方が、あなたが、そういうように科学技術庁長官から評価されている。その養成計画とこの法案とは無関係じゃないのですよ。関係があるのですよ、非常に。従って、私はそれに関してだけ大臣の所見を承り、自省されるべき点についてあなたが反省され、あるいは気づいている点があられましたら、それを述べられ、その対策についてもお考えがあったならば私は承っておきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 科学技術庁長官からの勧告は、私は将来に向かって政府としてもしっかりやろうじゃないか、文部省もしっかりしろ、がんばれという、好意ある激励の言葉と思って、ありがたくちょうだいいたしております。文部官僚が頑迷固陋にしてけしからぬということも同席していて承りました。今、私自身につきましても評価されたことも記憶いたしております。しかしそれは、これまた、私も非常に適切な御忠言だと思って、将来に向かって、だまされないようにしなくちゃいけないと思っております。だまされたなどということは現実問題としてはございません。頑迷固陋と池田長官が言われた点は、私立大学の設置審議等に関連いたしまして、以前からあります設置基準、これが厳格過ぎるのじゃないか。もうちょっと弾力性を持っていいんじゃないかと池田長官は思っておられるようであります。その点は、私は去る委員会でもお答えしたのですけれども、科学技術のこの急速なテンポで進展していく時期に、だいぶん前にきめた設置基準そのままでいいかどうかということは検討すべきものであろう、しかしそれは、いきなりどう変えるということは簡単にいきませんので、十分、これこそ調査いたしまして、審議してもらって、変えべくんば変えるという努力は一応してみなければなるまい、こういうことを申したわけですが、文部官僚の頑迷固陋と言われた点は、具体的にはその点に関しておりまして、これまた一応筋の通った話であろうかと思っておるところであります。
○矢嶋三義君 この点についてもう一回伺いますがね、文部大臣、あなたは池田科学技術庁長官の勧告と、池田科学技術庁長官の心境というものを、かなり甘く見、判断を誤っておりますよ。重要な点をあなた取り違えている。科学技術庁長官の腹というものは、全くなんですよ、それは正しいかどうかは別ですよ。立法府における答弁、意思表示は、文部大臣初め文部省の考え方は全く赤ん坊だ、こんな人にまかされない。だから、国家のために意を決して勧告を出したとこういうことですよ。その内容について私はここで時間をかけてやるというわけじゃないですよ。あなたの受け取り方が間違っているところに私は重要な点があると思う。好意あるものじゃございませんよ。そして具体的には自省を要求しているのですよ。その点だけを伺いましょう。あなたは、しっかりこれから将来に向かってやろうじゃないか、激励したものと思っているけれどもね、科学技術庁長官が、官房長官を横にして、はっきり言ったことは、三十六年度の予算の中でやれる。三十六年の予算を修正して手直ししなければやれない面もある。それはやる必要がある。文部官僚に何ぼ言うてもわからないのだ、だから自分は意を決してこれを何したのだ、こう言われているのですよ。だから、それを十分検討されて、今度は三公社五現業のあの仲裁裁定にからんで補正予算も近く組まれようとしているわけなんだから、だから当然、文部大臣としては、その必要があるかどうかということを検討され、あるとならば、その補正予算の中に計上するというぐらいな研究と決意を持ってもらわなければならぬと思いますが、非常に受け取り方が間違っておると思うのですね。お伺いいたします。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は受け取り方は間違っていないと思っております。科学技術庁長官の勧告も、三十六年度予算案そのものを修正すべきだということではないようであります。もともと財源が許せば、なるべくすみやかに、十七万人の大学卒業程度の科学技術者が現在では必要であるならば、一年でも早くこれを充足するということは当然のことですけれども、第一大学教授陣をそろえ得るかいなかということまで一応は具体的に検討をいたしまして、やむを得ず、数字的には足りないことを承知のままでやるほかに方法がなかったということにつきましては、科学技術庁の事務当局、文部省事務当局、あるいは経済企画庁等、科学技術会議の答申案の作業のときから十二分の連絡をいたして検討いたしました結果が、現在としては、三十六年度の財源から考えました場合には、不満足でありますけれども、やむを得ないということで予算案が組まれ、それを科学技術庁長官も一緒に国会に提案して御審議を願っておるわけでありますから、言うまでもなく、そういうことに融れておられるんではないか。ただ事実上、三十六年度にも予算に関係なしにやられることがあったならば、一つ検討したらどうだろうという意味合いのことが重点でもあろうし、しかし、さらに重要な要点としては、予算としては三十七年度以降に、もっとしっかり検討を加えてやったらどうだ、やろうじゃないか、こういうところが主眼点であろうと私は受け取っておるのであります。
○矢嶋三義君 もう一項目質疑があるわけですが、官房長官がおいでになりましたから、官房長官に対する質疑を先にいたしたいと思います。 官房長官にお伺いをする前に、今の問題ですね、これは官房長官として、科学技術庁長官と文部大臣の調整をされる必要があると思うのであります。あなたは閣議の調整役なんですからね。あなたを前に置かれて、科学技術庁長官ははっきり言われたでしょう。それは文部大臣の言われたのと違いますよ。三十六年度を含んで早急に再検討を要するというこの勧告の文書というものは、三十六年度の予算の範囲内でできるものとできないものがあるということを明確に答弁した。そうして文部大臣の善処の仕方によっては、それに基づいて総理大臣に意見具申をする、それがいれられない場合においては、所管大臣として勧告をした上からも、自分の政治的進退を決する場合もあり得るということを答弁したじゃないですか。あのとき官房長官おられたはずである。その池田科学技術庁長官の勧告内容と、その真意というものは、今、荒木文部大臣の答えたのとは違うと思うのですね。だから、今補正予算等の問題が起こっているのですが、先般も私が官房長官にお尋ねしたときは、まだ未知数だ、まだ未知数だということで答えられておりますけれども、ああいうふうにはっきりと、同じ閣内に、同じ閣内におられる閣僚から他の閣僚に、法に基づいて勧告がなされて、立法府であれだけの答弁があったら、閣内の意見統一、調整を官房長官としてやられなかったら、私が居直ったらそんなもの――両大臣何なら、こんなもの審議できるか、はっきり内閣として意見を統一してきてほしい、でなければ、科学技術の技術者の養成に関連したこんな関連法案の審議はできない、こういう私が居直ったらそれまでですよ。いかがでございますか、お答えいただきたい。
○政府委員(大平正芳君) 先般の委員会におきましても申し上げました通り、三月十一日の科学技術庁長官の勧告につきましては、荒木大臣からも、池田大臣からも、閣議に御請議がございません。従いまして、科学技術庁と文部省の間で意見の御調整中であると承っております。で、意見の相違点につきましては、若干私も承知いたしておりまするが、科学技術者、技能者の養成を倍増計画に合わせまして推進して参るという方向におきまして、目的におきましては両大臣とも一致されておると思います。ただ、これを遂行する方法論において若干の相違点があるように承知いたしておりまするが、先ほど申しましたように、本問題は両大臣の間で御調整をつけていただけるものと期待いたしております。なお、ここに、ただいま参議院におきまして御審議をいただいておりまする予算案は、現時点におきまして、私どもはベストの、最善の案として御審議をいただいておるわけでございまして、これあるがために本予算案を今の段階において肯定しろと、そういう意図は毛頭持っておりません。
○矢嶋三義君 補正予算のことを言っているわけですよ、私は。
○政府委員(大平正芳君) 補正予算につきましても、先般の委員会で申し上げました通り、予算編成当時予想されなかったような事態が生じまして、予算成立後生じた事態に伴う支出につきましては、たとえば先般の公労委の裁定のような事実を踏まえて予算補正を目下考えておりますけれども、しかし、技術者の養成につきましては、予算編成当時と現在の時点におきまして、技術者の養成の必要という事態はあったわけでございまして、それにつきましては、先ほど私が申し上げました通り、政府として最善の計画として、ただいま御審議中の予算案を編成して御審議をわずらわしておるわけでございます。その後こういう事態が変わったわけではないと承知いたしておりますので、これにつきまして、今度の仲裁裁定に伴う予算補正、これは目下のところ特別会計、公社等考えておりますけれども、しかし一般会計のそういった関係予算を補正しようというもくろみは毛頭持っておりません。
○矢嶋三義君 めずらしく、長官、毛頭という言葉を使われましたが、私が問題にしている点は、勧告文というのは、立法府の要請に基づいて成規の資料としてわれわれに提示されたのですよ。その勧告文の内容について、池田内閣の池田大臣と荒木大臣との把握の仕方が違うというところに問題があるのです。行政府から立法府に出された資料は一枚の紙ですよ。同じものですよ。それを勧告した池田国務大臣と、それを受けた同じ池田内閣の荒木文部大臣の受け取り方が違うというところが問題だと思うのです。それで行政府は立法府に対して責任がとれますか、どうですか。――いやちょっと待って下さい。違うということは明確にしているわけです。それはこの前の速記録ときょうの速記録でわかります。官房長官は同席されておったわけですから、あの池田さんの答弁と、今ここの荒木さんの答弁とは、勧告の内容において受け取り方が違うということは明々白々ですよ。それで行政府は立法府に責任をとれますかということを、私一番重要な問題として指摘し、それであなたの方で調整をしてこれを解決するならば、それで補正予算を組むというならば、私学の理工系の助成、ここで何億か補正を組んで、そして私学側が受け入れ態勢があるというのだから、何名かの学生を募集させるということになれば、これは池田さんの勧告の趣旨も達成できるし、意見の調整というものもできる。そういう調整の仕方もあるというのです。だから、そういう考え方があるのかどうか聞いてみると、あなたは補正予算云々というような、ただ法理論で、毛頭ないというような答弁をするわけだ。それでは私はわかりませんよ。私はこれがあるから、今うちの予算委員会で審議している予算の審議はできない、これを修正して再提出してほしいということを決して言っているのじゃないですよ。この前も私はそれを言っているはずですね。前向きの解決という立場から私は言っているわけなんです。そうでなけりゃ、同じ内閣の二大臣の意見が一致しないで、立法府に責任は負えないのじゃないですか。いかがですか、官房長官。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私に関連しておりますから、ちょっと申し上げさせていただきます。科学技術庁長官の勧告は、三十六年度を含めて云々ということになっておったかと思います。しかし、科学技術庁長官の勧告は、あくまでも三十六年度の予算案として御審議中の今の予算に手を染めてどうやるのだというのじゃなしに……。
○矢嶋三義君 この前、速記とって述べたのですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算に関係なしにやる方法があるのじゃないかという角度から、それをあわせて検討しようという御勧告と私は承知いたしまして、そのことについては検討を開始しておるのであります。あくまでも予算案そのものに手を染めて、どうしなきゃならないという勧告の趣旨ではないと承知いたしております。
○矢嶋三義君 ますます重要になりましたよ。それを一番ポイントに置いて、私はこの前速記をつけてやった。ところが池田さんは――私は池田さんに、あなたは日本人だ、日本語も詳しいのだ、あなたが書かれた文章をごらんなさい、こういう両面があるのでしょうと言ったところが、その通りだと、こう言った。そのとき官房長官は、横で大きなからだをいかにもむずむずして苦しそうにしておったじゃないですか。官房長官も御記憶あるでしょう。ところが、荒木さんはそんなことを言っている。それは閣議としては廊下でどんなことを話そうが、立法府と行政府の関係では、ここで速記をつけていかに述べたかということですよ。それが重要ですよ、立法府では。私はここで速記をつけて述べたことを根拠に申し上げている。明らかに食い違っていますよ。いかがですか、官房長官。
○政府委員(大平正芳君) お言葉でございますが、行政府と立法府の関係を重大と考えまするがゆえに、閣議に御請議がまだない案件につきまして、閣僚会議のお世話を申し上げている私といたしまして、この問題について、両相の間の御調整をお願いしたいという以上に申し上げるのはいかがかと思っております。
○矢嶋三義君 じゃ、この点に対する質疑はもう一問で終わりますがね。官房長官、前向きに話を進めましょう。それは池田内閣のためでもあると思うのですよ。今度補正予算を組まれるならば、池田大臣と荒木大臣の意向を、よく官房長官としてお聞きになって調整をして、そして両者の意見が一致したならば、やがて提出されるであろう補正予算においても考慮する場合がある、かように矢嶋は了承して、これに関する質疑を下がりたいと思うのですが、それまでは答弁できるでしょう。いかがですか。
○政府委員(大平正芳君) これは先ほども申し上げました通り、補正予算を組むということは、財政法にもございます。この予算編成当時予見することができなかった事情が前提になっておるわけでございます。先ほど私も申し上げましたように、この科学技術者、技能者の養成を倍増計画とも見合わせて養成していくということは、予算編成当時すでにそういう事実があったわけでございまして、予算編成後予想されなかった事態ではございませんから、逆に私どもが補正予算をこの案件で組んだとすれば、私は矢嶋参議院議員からこれはおしかりを受けるのじゃないかとさえ思っておるわけでございまして、前々から申し上げました通り、予算編成当時の状況におきまして、私どもは最善の案として、今御審議中の予算を編成して、責任を持って御審議を願っておるわけでございます。かように御承知いただきたいと思います。
○矢嶋三義君 官房長官、そう言われるが、私は立法府の一員として下がるわけにいかないです。あなたは大蔵省出身であり、現在官房長官を勤められておって、そういう答弁で立法府が通ると思いますか。私は下がりませんよ、大平さん。それなら昨年の補正予算を撤回しなさい。矛盾しているじゃないですか、時と場合に。昨年あなた方が国会に補正予算を提出してわれわれに審議を仰いだあの場合は、明らかに政策的なものが入っていたじゃないですか。当初の骨格予算を組んだ場合に予期できなかった新たな突発事項に基づくものだけの補正予算だったですか。昭和三十六会計年度において当然なすべき政策的な予算を組まれておったじゃないですか。これ否定しますか、大平官房長官。そういう形式的な水くさいことを言って糊塗して通ろうとなさるということは容赦できませんよ、個人的な関係を越えて、立法府に席を置く一員として。だとするならば、昨年の秋に国会に出されたあの補正予算は責任を追及されたらどうしますか。骨格予算――当初予算を組んだ当時当然予想されたものも入っておる。それから昭和三十六会計年度の政策的な予算が入っておる。むしろその方が多いです。財政法から見れば補正予算に適格な金額の方が少ないです、あの予算には。これは公聴会においても識者の述べたところでしょう。それが日本の国会では認められていったのです。池田内閣としては、ごく最近ではそういう見解できているわけです。そうしたならば、同じ内閣で今国務大臣の一人の池田さんが、同じ内閣の他の荒木さんに勧告をして、そうして先般来こういう質疑が行なわれておるのですよ。そうなると、この時点において検討して、場合によったら、そういう政策的な補正予算を組むことはあり得るという答弁ができぬということは絶対ないですよ。それとも、私がここであなたがそういう答弁をしたなら、今のこの予算委員会で審議している予算を撤回して出し直してきなさい、審議ができない、こう野党が主張をする、そういう争いの具にも供しよう、そういうおそれがあるというなら、それは話は別です。しかし、その後の検討等によってそう出てこぬのだから、そういうことは抜きにして、これから前向きに、よりよき解決をはかろう、だから閣内における両大臣の意見の統一もはかろう、官房長官として調整する義務がある、してもらおう。もしそれがなかったならば、立法府に席を置くものとしてはその不統一の責任を追及しますよ。こういうわけですから、だから、もう少し誠意のある答弁を私は官房長官はすべきだと思う。
○政府委員(大平正芳君) 去年の補正予算についての御見解でございますが、私ども補正予算を出す場合におきまして、補正予算事項になるかどうかということにつきましては、財政当局初め、専門家の御意見を徴しましてお願いをいたした、提案いたしたわけでございます。それから今の問題の文部省と科学技術庁との間の問題につきましては、今鋭意両相の間で御検討いただいておりますので、近く御調整がつくものと期待いたしております。
○矢嶋三義君 補正予算の中で一つ例をあげればですよ、義務教育諸学校の施設補助費として、結果としてはいいことですが、四十数億円補正予算の中に組まれている。これは当初予算をベースとして編成した後に、緊急に発生した事項でも何でもありませんよ。当然、当初予算を組むときから百パーセント予期された事柄ですよ。そういう政策的な内容を含んだ補正予算を出しているじゃないですか、これは一例ですがね。だから、さっき言ったような答弁は木で鼻をくくったような答弁だと言うのです。時間が延びますから、池田国務大臣と荒木国務大臣の答弁不一致の点については、大平さんがそういう答弁をするなら私は保留いたします。了承しません。速記録に明確ですよ。この次は御両者の統一見解を出していただきたい。簡単に速記録の訂正等は私は許しませんよ、内容にわたるものですし、しかも重大な内容を含んでいるものですからね。場合によると、大平官房長官が内閣を代表して、そういう態度に出るならば、私は現在参議院の予算委員会で審議中の予算にも関連した質問をあるいは発展させるかもしれません、内閣の不統一として。しかも立法府に資料を出して、その資料の解釈が両大臣において違うということは行政府として何としても立法府に責任を果たせませんよ。この点は私は了解しなかったことによって保留いたします。 で、おいで願いましたのは、ただいま国立学校設置法の一部を改正する法律案を本委員会で急ぎ審議しているわけですが、これについて内閣で法案の取りまとめをし、総理大臣の名前で立法府に提案されるわけですが、その取りまとめの役である官房長官の御所見を承りたいのですがね。内閣の方針がきまっておってですね、同一法律案名で同一内容のものを、同じ国会に二度に分けて提出をするというような形というものは望ましいものですか、望ましくないものですか、お答え願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと申し上げたいと思います、関連でありますから。内閣の方針がきまっておったとおっしゃったことで、ちょっと気になりますので申し上げますが、高等専門学校と通称されておりまする制度につきましては、内閣としてはまだ決定いたしておりません。主管省として、そういうことで閣議決定を願いたいものだと考えておる段階でございますことを補足させていただきます。
○政府委員(大平正芳君) 今、矢嶋先生が言われた通りの状況であれば望ましくないと思います。
○矢嶋三義君 望ましくない、そういう形で内閣は立法府に審議を仰ぐべきものでない、そういう形で法案を提出すべきものでない。それがまた日本の国会の前例でもある、こういうことですね。
○政府委員(大平正芳君) ただ、今問題になっておる案件につきましては…。
○矢嶋三義君 原則論を聞いておる。
○政府委員(大平正芳君) 原則論としては、一事不再議になるような案件を提案申し上げることは好ましくないというよりほかございません。
○矢嶋三義君 そこで内容に入りますが、官房長官は長期国会に臨むに当たられまして、各省庁の長に対して、法案を提出するならば、予算が伴う法案については何月何日ごろまで、予算が伴わない法律案については何月何日ころまで官房の方に出していただきたい、こういう指示をなさっているものと思いますが、いかがですか。
○政府委員(大平正芳君) そういうお願いをいたしております。
○矢嶋三義君 ただいま文部大臣並びに文部省の政府委員に伺いますと、こういうことなんです。ここに国立学校設置法の一部改正法律案が出されている。この中に久留米工業短期大学というのがある。その久留米工業短期大学に三年制の工業高等学校を付設するというわけです。そこで私は今ある北見の工業短期大学をどうするのですかと言ったところが、それにも将来付設するつもりだと。それからまた、この法律案で新たに設ける宇都宮工業短期大学、長岡工業短期大学、宇部工業短期大学、この三つの短期大学は新設されるわけなんですが、この新設される短期大学にも三年の工業高等学校を付設するつもりだ。これが文部省の意向だということは御答弁になったわけですね。そこで私は短期大学の二年と付属の高等学校の三年とを結びつけた五年制の学校――高等専門学校と仮称されているようですが、そういう法案がこの国会には出ないのですか。そうだったらこれを審議いたしましょう。ところが、文部省としてはその五年制の高等専門学校をこの国会に提案するつもりだと、ここにはっきり意見表示をしている。そうしたらおかしいというのですが、五年制の高等学校の法案をこの国会に提案される。ところが今、久留米の短期大学は五年制にしてくれとこう出ているあとに、短期大学を設けた。それもこの次には五年制の高等専門学校にするのだとはっきり答弁している。それだったら、法律の提案の仕方は内容としては整理をして出さなければならぬ、同一内容ですから。しかもその主管庁の方針というものはきまっている。そうして答弁されている。それをばらばらに離して、とりあえずこれだけ出して、これが成立した後に同じ内容の新たなる法律案を出す、こういう不見識なことはないと思います。前例のないことだと思います。立法府に対しては失礼になると思います。立法府は黙って下りませんよ。官房長官としては取りまとめ方が不十分じゃございませんか。予算が伴うのは何日ごろまで、予算を伴わないものは何日ごろまで提出してほしいと、こういうふうに要請されたら、その要請の仕方が不十分であったのか、それともそれを受けた文部省がなまけたのか、いずれかですよ。そのために立法府としては非常に迷惑をしておる。それでこれを通したあとに新たに出てくれば、またこっちは引っかけられたような形になってきますね。そういう法案の提出の仕方というものは私はないと思うのです。さっき一般原則論としてお伺いしたように、従って、この時点に立って、もし筋を通すならば二者択一だと思うのです。高等専門学校の法案はこの国会に出さない、かりに出すとするならば、この中のある条項を削除しなければならない。それがいずれともきまらないならば、きまるまではこの採決を御猶予願う、この三つのいずれかをとる以外に私はないと思うのですがね。決して私は横車を押しているのじゃないのです。立法府に籍を置く一員として筋を通したことを申し上げている。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その点は先刻も申し上げましたように、提案の仕方としてはむろん望ましいことではないと存じます。ただ、私どもとしましては、先刻も申し上げた通り、通称高等専門学校と申しますような改正をさらに二度に分けて御審議願うことの望ましくないことは御指摘の通りでございますけれども、実際問題といたしまして、高等専門学校と考えておりますことの意見調整に手間取りまして、同時に御審議願えなかったことを遺憾に存じますが、まあ予算としては、久留米短大に高等学校を付置するという関係の予算案を御審議願っておるわけでございます。高等専門学校の構想は、できることならば三十七年度に発足することを期待いたしておりまして、予算はこれには伴っていない。現在御審議中の予算案の中には予算としては全然ございません。ただ実施上、今国会で御審議願って御決定いただいておかないと、三十七年度初頭からの発足を意図します限りにおいては適切でないということから、この国会での御審議をお願いしたいという心組みで準備をいたしておるということを申し添えさしていただきます。
○矢嶋三義君 官房長官も答えて下さい。ちょっと官房長官、問題を進行させるために具体的に言います。官房長官、この国会で高等専門学校の法案を出さないということをあなたが一言お話しになれば、ごたごたは、この法案の賛否は別として解決していきます。それもあわせ申し上げて、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(大平正芳君) ただいま文部大臣が申し上げました通り、この高等専門学校制度を設けるという法律案は、まだ閣議に参っておりません。従いまして、私から申し上げるのはいかがかと思うのでございますが、先ほど申し上げましたように、この今、文部大臣がもくろまれておるような御提案をされたとかりにいたしますと、それが矢嶋先生のおっしゃる一事不再議の公理に引っかかるかどうかという判断においては、あなたと私は所見を異にいたしておるわけでございます。高等専門学校制度を設けるという内容のものを、国立学校設置法の一部改正ということと現にある短期大学制度のもとで幾つかの短期大学を置くということとは、事柄が法制上別なものではないかと私は考えております。
○矢嶋三義君 時間が延びるので不本意なんですけれども、やはり官房長官そういう答弁だと私は下がれないのですよ。あなたも大政治家になられて、しらじらしいことを言っていらっしゃるが、高等専門学校の法案は閣議決定していないと言うが、きょう次官会議できまったのじゃないですか。
○政府委員(大平正芳君) 次官会議できまったことは承知しております。
○矢嶋三義君 あなたは次官会議の主宰者じゃないですか、あるいは副長官が。そういうしらじらしいことをおっしゃいますな。きょう次官会議にかかったら、あすは閣議にかかるのでしょう。それを知っているから私は言うのですよ。それを前にしてこの法案云々という、そういう立法府軽視の態度はございますか、あなた。そして法制上違う云々と云っても、今度出るのは五年制の高等専門学校ですよ。そして久留米の短期大学が二年つけるのですよ。そして北見にもっけるのだ、それがこの法案の所管大臣である荒木文部大臣の意向なんです。速記をつけて意思表示している。それから今度は新たに短期大学というのを三つ申請とここに出ているが、これにもつけるのだ、それから大学のあり方、根本について、まあ大学設置審議会で検討中だ、結論が出ていない、そういう内容的にばらばらな方針もきまらない状況下に法案を出してくること自体が問題なのに、内容は同一のものを同じ国会で、しかも委員長の話ではきょうは採決をしようかという心がまえのようでしょう、当初は。しかも一方は次官会議できまっている。ここでは速記をつけてまだ閣議ではさまっておらないという答弁ですが、それはその通り。しかし、これはあすは閣議で通るでしょう、閣議にかけるのでしょう。そういうことであの行政府を代表する官房長官として立法府に相済むことでしょうかね。私は問題だと思うのだね。そういうふうにはっきりしてくると下がれなくなってしまうんですね。
○政府委員(大平正芳君) 行政府として立法府に対して厳粛でなければなりませんから、閣議を通っていないものは通っていないということを申し上げたのであります。
○矢嶋三義君 それでは私も厳粛に申しましょう。あす、これを閣議にかけるのでしょう、いかがですか。
○政府委員(大平正芳君) かける予定でおります。
○矢嶋三義君 その閣議は通りそうですが、通りそうでございませんか。
○政府委員(大平正芳君) 御異議がなければ通ると思っております。
○矢嶋三義君 重大な問題だよ。だからそれは、言葉を裏返せば、それは私たちをペテンにかけるということなんですよ。そうなんですよ。これは与党の理事さんも、長くなったのは不満だろうが、矢嶋の意見が筋が通っておるとお思いになっておると思う。だからさっき言った三つのどれかをとらなくちゃならぬ、やはりお互いのことですから、いろいろそれは妥協もしますよ。しかし、立法府は悪例は残すべきじゃないのです。ちゃんとした法律規則にのっとってやる、前例を尊重する、その前例、慣例というものは、りっぱなものをこしらえていくということが、今、国会におるお互いの責任であるとともに、将来、国会に議席を持つであろう後輩諸君への義務だと私は思う。だから、こういう形では、さっき言った三つ、あすの閣議を取りやめて、この法案をこの国会に出さないか、それともこの法案の該当部分を修正して再提出をするか、この段階では、次官会議を通った以上は、その二者択一になってくる。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて団 午後六時四分速記中止 ――――・―――― 午後六時五十七分速記開始
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
○矢嶋三義君 この法律案については 一項目の質疑事項を残して、官房長官に御出席願って質疑している段階であったわけですが、引き続いて、法案の内容を明確にする意味でまず伺います。 文部大臣に伺いますが、この法案を国会に提出するにあたっては、与党の政調会の承認を得ましたか、得ませんでしたか、得たとするならば、どういう内容として与党の政調会の承認を得られておられるのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。党の政調ともむろん連絡をいたしまして了解を得て、次官会議にも持ち込むという段階にきているわけでございます。それは三年の高等学校と申しますことは正確ではございませんが、従来の三年の高等学校にプラスして二年の課程をくっつけまして、五年間を一貫して工業の課程の専門学校を置くという趣旨で了承を得ているわけでございます。
○矢嶋三義君 そうすれば、伝えられる工業高等軍門学校とはいかように違うのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 通称、工業高等専門学校というのがそれでございます。
○矢嶋三義君 それと、短期大学に付属の高等学校三年を付設するというのは、どういうふうに違うのですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 短大に工業高等学校を付置すると申しますのは、あくまでも高等学校がそこに同時にあるということ、制度としては、従来の高等学校と同じものを一緒の所に置く、事実上はなるべく関連があるような授業をしていくということはございましょうが、制度としては、短期大学に、従来の高等学校を付置するということでございます。
○矢嶋三義君 それでは、この法にいう付属の高等学校というのは普通課程の高等学校ですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 具体的に予定しておりますのは工業高等学校を付置する、久留米に付置するということでございます。ですから、従来あります、制度上あります高等学校でございます。
○矢嶋三義君 工業課程を付設するのですね。それではどこが違うのですか、その相違点を伺っておるわけです。内容を明確にしておかなければならぬと思うのですよ。与党の政調会の承認を得て提案した、与党の政調会の承認はどういう形で得られたかと承ると、これは違うものだという見解に立たれているのですね、あなたは。そうでしょう。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今お答え申し上げたのは、短大に付置する高等学校との関係を申し上げたのでありまして、通称、工業高等専門学校という、今後に御審議をお願い申し上げようと思っております、すなわち党の政調会と連絡をして賛成してもらいましたその内容は、五年間一貫いたしまして工業課程の専門学校というものを作ろう、こういうものであります。
○矢嶋三義君 そうすると、この法にいう短期大学に付設する工業高等学校は、工業教育はするが一貫していないという点が違うわけですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうでございます。
○米田勲君 関連して。学術局長にお聞きしますが、その付属工業高校と、短大二年とのこのカリキュラムはどうしますか。これは別々ではなくて、やはり付属高校を置くからには、カリキュラムとしては一貫したものを五年間考えるという立場に立っているのでしょう。
○政府委員(小林行雄君) これは御承知だと思いますが、付属の高等学校は、これは高等学校の教育課程に基づかなければならないわけでありますが、上の方の短大は、短大の設置基準というものがございまして、それに制約されるわけでございますので、そういうことを無視して、五年間、三年と二年を全然一つのシステムで一貫する教育を行なうということは、現制度ではできないことになっております。
○米田勲君 これはあなた、理屈はそうなんです、建前は。しかし、実際の教育経営は、私は一貫した一貫性を持たしたような意味におけるカリキュラムを編成しなければ、何も短大に工業高校を付属高校として同じ所に置くという意味がない。同じ所に付設しようという意味は、やはり建前はあなたの言う通りであっても、カリキュラムとしてはやはり一貫性を持たせるような考え方に立たざるを得ないのですよ。立たないとすれば、そんな所に一緒に置くことはないということになる。それを否定するわけにはいかないでしょう。どうですか。
○政府委員(小林行雄君) この付属工業高校を設けませんければ、もちろん一般の付属以外の工業高校からも入って参りますし、また、普通科の高等学校からも入ってくるわけであります。これとは違いまして、今度のように付属の工業高等学校を付置することになりますれば、これは高等学校の教育課程に幾つかの類型がございますが、その中で最も短大の設置された目的にふさわしいものを取り上げる。そしてできるだけつながりのある教育をしたい。しかし、一貫教育という、私どもの考えておりますような五年間一貫した教育を行なうということは、現制度ではできないことになっております。
○矢嶋三義君 もう一つ伺いますが、いよいよこれはわからなくなったのだね、文部大臣。先ほど政調会の承認を得た、それで与党の理事さんから、この二つは異質のものだというお答えがあったのですが、異質のものだという御見解なんですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうでございます。
○矢嶋三義君 その異質とは、どちらも工業課程であるが、一貫しているのと、一貫していないというわけだね。ナンセンスですよ。小林局長の方がよほどしっかりしている。そういう学制のよしあしは別として、一貫している、理論的に筋が通っている。与党の政調会のもとに承認されて云々というのは、これは支離滅裂たるもの、内容的に問題がありますよ。こういう重大な問題について、小林局長が認識不足で答弁の誤りがあり得るはずがない。文部大臣はそういう形で与党の政調会の承認を得たというが、さっきの小林局長の答弁は違う、そういう根本的の問題について、あの俊敏な小林局長が誤る答弁なんかすることは絶対あり得ないですよ。ここに新たな問題が起こってきましたよ。しかもその点について、所管局長と文部大臣の発言が食い違っているということは重大だと思うのです。さっきの答弁は誤りでありましたというようなことでは小林さんは済まされない、それはあなたの筋は通っている。何とならば、一体、五年間工業教育をやるのに、一方は一貫していれば一方は一貫していない。今、米田君がカリキュラムから言いましたが、そんなことは事実上あり得るのですか。もう一つ具体的に伺いますが、さらに伺いますが、小林局長、何ですか、この久留米の短期大学の定員は何名。
○政府委員(小林行雄君) 現在、御承知のように三科ございます。百二十人。
○矢嶋三義君 今度の付属高等学校の定員は何名。
○政府委員(小林行雄君) それも大体それに応じて、短大の方の各科に応じてやはり四十人ずつ百二十人ということになっております。
○矢嶋三義君 明確ですよ。明確でしょう、短大の学科と付属高等学校の学科は同じ、定員も同じ、一貫しているんですよ。だから、いずれはこれは高等専門学校にしたい、そういう考えだといった答弁は筋が通っているんですよ、その制度のよしあしは別として。それが文部大臣の、一方では一貫してやる、一方は一貫してやらない、異質だ。そんなことよく言えますね。かように大臣と局長の認識が違う、与党の政調会の承認を得たというが、その承認した側とされた側の見解が違うようで、この法律案の採決、意思表示ができるでしょうか。これは重大ですよ。あなた、学科から定員まで同じ数ということは一貫しているからじゃないのですか。さらに伺いますよ。それでは何ですか、工業高等専門学校を作ったらどこに設置するつもりです。
○政府委員(小林行雄君) 私は、矢嶋先生のお言葉でございますが、この短期大学に付属の工業高校を設ける制度と、それからいわゆる高等専門学校とは質が違っていると思います。と申しますのは、先ほど申しましたように、短期大学に付属の高等学校を設けても、それぞれ教育課程、あるいは設置基準というものがございまして、その制約を受けるわけでございます。いわゆる高等専門学校は、これとは全然別個の制度として考えておるわけでございます。なお、どこへどう作るかということは、まだ、高等専門学校の制度ができてから考えることでございまして、現在のところ特にここに予定というものはございません。国立でどこへ作るというように確定しているものはございません。
○矢嶋三義君 そんな、内容がはっきりわからないで政調会で承認を受けたり、次官会議や閣議が通っていくということは私は重大問題だと思うのです。これが異質のものだったら、たとえば、東京大学の付属高等学校があります。教育大学の付属高等学校があります。ああいう形で付属の高等学校があって、それが教育大学に行こうが、あるいは東大に行こうが、他の大学に行こうが、それは自由であり、そしてその定員も違うならば、それは異質ですよ。しかし、学科まで同じにして、定員まで同じになっておって、それで短期大学を設置したのと、こちらは異質で、日本としては五年制の工業高等専門学校をこういうふうに作る。それからこちらには、短期大学の下に付属の工業高等学校をこういうふうに付設したのを全国にばらまく。そんな一体、教育制度なんかありますか、あなた。さっき小林局長が答弁したのが、それはその内容のよしあしは別として、筋が通って一貫している。文部大臣の言うようなことで、そんな一国の教育制度というものがありますか。一方は一貫しているが、一方は一貫していないなんて言われますが、これは工業の短期大学に対して、付属の高等学校が普通科の高等学校なら、それは異質だと言えますよ。しかし、学科から定員まで一貫して、一方は一貫している、一方は一貫していない、違う。だから、今審議している法案とこれから作る法案は別のものだ、無関係のものだ、こういう主張は通らぬですよ。そういうことでは私は与党の方々でも採決に困るのじゃないかと思う。(「見解の相違ということもあり得る」と呼ぶ者あり)見解の相違じゃないですよ。お答えいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻申しました通りに理解いたしております。付置されました高等学校は、卒業生が建前上その短大に行かぬばならないということはないのであって、どこに行くのも自由だという建前のものと心得ております。
○矢嶋三義君 一貫していないのに、なぜ学科から定員まで合わしているのですか、そんな必要ないじゃないですか。それから五年制の工業高等専門学校が別のものなら、何も付属の工業高等学校なんか作る必要ないじゃないですか。工業短大だけ生かしておけばいいじゃないですか。今、大学設置審議会がやっているというが、それだけ生かしておけばいいじゃないですか。工業高等学校なんか、三年間くっつけて五年にせぬでもいいじゃないですか。一貫した五年制の工業高等専門学校がいいとあれば、それをとったらいいじゃないですか。一貫しているじゃないですか。五年間じゃないですか。その制度をとったらいいじゃないのですか。何で、二年の工業短期大学があって、そして付属の工業高等学校を付設して、その大学に行こうが、よそに行こうが、就職しようが自由だ、そんなものを付設する必要があるのですか。納得できませんね。必要はないじゃないですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ同じ場所に高等学校がございますれば、現実問題としては短大に進んでいくものが多かろうと思いますけれども、制度としては、何もそこへ行かなくてもよろしいという考え方でございます。
○矢嶋三義君 二年の短大と三年の工業高等学校、一貫して教育したいから付属の高等学校を付設するのじゃないですか、私はそうだと思うのだがな。一貫してやる必要があるから付属の工業高等学校、しかも同じ学科のものを付設するのじゃないですか、そうでしょう。
○政府委員(小林行雄君) できるだけ連絡があるような教育は私どもしたいと思いますけれども、先ほど申しましたように、付属の工業高校それ自体が一つの完成教育でございまして、これには御承知のように教育課程があるわけでございます。こういうものを無視して、その短大に全くつながるような教育課程を踏むということはできないわけでございます。できるだけつながりのある教育を行ないたい。しかし、それにも制約があるということを御承知いただきたいと思います。いわゆる高等専門学校では、そういうものに拘束されないで、五年間ほんとうに一貫した教育を行ないたいというふうに考えておるわけでございます。
○矢嶋三義君 さらに伺いますが、先ほど雑談のときに、与党の理事から聞いたのですが、工業高等専門学校の方は、こちらと異質で、一般教養がないという言葉を伺ったのですが、そういう点、どういうふうに違うのですか。
○政府委員(小林行雄君) まだこまかいところまで作業は進んでおるわけではございませんが、一般教育を全然やらぬということは考えておりません。
○野本品吉君 関連。いろいろ議論されておりますが、ここで私がはっきりしてもらいたいことがあるのです。それがはっきりするというと、よほど考え方が変わってくると思うのです。それは短期大学に付属の高等学校を置く、その際に、付属の高等学校へ上がったものが全員そのまま無条件で短大に入るものとも私は考えられない。そこで定員が途中で欠けた場合には、定員の不足のものを……定員が欠けるというと、入学試験というものは高等学校の段階においてもやる。それからして短期大学に入る場合にもやる、こういうことになろうと思うのですが、その点はどうですか。
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、付属の工業高校自体が、これは完成教育でございますから、この付属に入りましても、あるいはいわゆる四年制の大学の工学部に行きたいというようなものも私は出てくるのじゃなかろうか、当然そういうこともあり得ると思っております。その全員が、いわゆる上の短期大学に行かなければならぬというふうには言えないと思っております。欠けたような場合には、当然、短期大学自体も入学試験があるというふうに考えられるわけでございます。
○矢嶋三義君 その付属の工業高等学校に入った人は、義務的に短大に行かなければならないことはない。それはわかりました。それから同様に、他の独立の工業高等学校を出た生徒は、付属の工業高等学校を出た生徒と同一条件下に短大に入る資格はある。それは東京大学の付属高等学校にしても、東京教育大学の付属の高等学校にしてもしかり。一方、高等専門学校は一貫しておる。一方は一貫していないという答弁と、今の野本委員に対する答弁から必然的にそういうことに相なると思いますが、さようですね。
○政府委員(小林行雄君) 先ほど申しましたように、付属の工業高等学校から上に行くということを期待するわけでございますが、それが、これは完成教育でございますから、他の大学に行くものも当然予想はされるわけでございます。そういうふうに、あきが出るような場合には、あるいはその付属の工業高校以外のものも受け入れるということも必要になってこようかと思っております。
○矢嶋三義君 その場合は対等の立場でしょう。当然そうなければなりません。対等の立場でなければなりません。短大に行くのも行かないのも自由。独立した短大に入ろうと目ざす人は、付属の学校におろうが、独立の他の公立の高等学校に在籍しょうが、平等に、この大学の付属高等学校でも一貫性がないという意味において言うならば、当然そういうことにならなくちゃならない、そうなんですね。
○政府委員(小林行雄君) 建前としては平等であろうと思います。
○矢嶋三義君 こういう形はおかしいと思うのだな。法案を早急に通すために答弁を変えて、法案そのもの自体がよくわからないようにするというのは非常に私はいかぬと思いますね。今まであなた一貫した工業教育をやる必要があるからということで、付属高等学校を付設するんだと言っておった。ところがきょうになって一貫しない。であったならば、ちょっと伺いますが、今、国立学校の予算でなすべきことはたくさんあるんですよ。何を好んで、一貫した工業教育をやる必要があってやるのじゃなかったら、こういう付属工業高等学校を作るんですか。一方では五年制の工業専門学校作るというんだ。工業短期大学はそれだけにしておけばいいじゃないですか。工業高等学校は国としては若干の補助金を出して公立の工業高等学校を設立し、援助し、所有したらいいじゃないですか。専門の工業高等学校の設立の希望があるにもかかわらず補助金を出していない。これにことしやっと一億何千万円しか出さなかったじゃないですか、あれだけ希望があったのに。公立二十四校、私二十校の工業高等学校の新設すら予算査定は通過しなかったじゃないですか、そういう状況から考えて一貫したものでない。ただ、付属の工業高等学校というならば、これに対する予算をうんととって、それの裏づけとして都道府県に寄付して、公立の工業高等学校をこしらえないのですか。あるいはそれ以外に使うならば、国立学校の予算というものは幾らあっても足りないんじゃないか、そういう方面になぜ使わないんですか。私は一貫した二年の工業短大に直結した工業教育を行ないたいという立場において入ってくる人も、あなた方はこの三年を終えたら、あと二年の短大に入れるんですよ、ここにいく場合には優先権もあるんですよ、こういうような考えで私はこれは出てきたと思っておった、それならよしあしは別として意義がありますよ。予算の執行の仕方から言っても、全く筋が通らないじゃないですか、大臣、疑問持ちませんか、いかがですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 付属させておりますから、実際問題として、なるべく一貫性のあるような運営がなされることと思いますが、制度としてはおのずから別個の高等学校であり、短大である。そうしてまた、そういうことでありますから、実際、高等学校を出た生徒がその短大にいくことが多かろうとは思いますが、制度上は他の短大なり、他の大学に試験を受けて入ることも自由だというふうな建て方になっておるわけであります。
○矢嶋三義君 高等専門学校というものが設けられるということになると、これはかつて、工業関係に限定してやるつもりだ、こういう御答弁がありますが、これは変わっていないわけですね。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せの通りのつもりでおります。
○矢嶋三義君 わからないんですが、それをわかるように一つ説明して下さい。この国の教育制度として、義務教育を終えた同じ中堅工業技術者を養成しようというのに、三、二を、五年の工業高等専門学校と実質上一貫して教育をしたいからというので、付属の工業高等学校と短大と、こういう二つのシステムを作らなければならなかったというその必要性と、それから理論的な根拠、それをわかるように説明していただきたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、工業関係を中心にして申し上げますと、短期大学は中堅技術者の養成をやっているわけでございますが、これは御承知のように、短期大学は四年の課程の大学教育を二年に、まあそのまま圧縮したというような制度でございます。先生御承知のように、そういうことになっておりますので、これだけでは実力的に十分でないという要望がございまして、何とか五年間の教育をしたものがほしいということが、社会一般、ことに産業界等から強く言われているわけでございます。しかし、現制度下におきましては、その要望に対しまして、やはりこたえる道は、付属の高等学校を付設するということ以外にできないわけでございますが、その方法をもっていたしましても、もちろん短大二年だけの終了者に比べれば、実力は相当つくと思いますが、高等学校教育課程とか、あるいは短大の設置基準というように、それぞれ教育内容に制約があるわけでございまして、五年間の一貫した教育を施して、十分充実した工業教育をやるという点から申しますと、いわゆる高等専門学校の必要性が言われているわけでございます。産業界等におきましても、この点についてはずいぶんと強い要望を出してきているわけでございますので、その必要性に基づいて、新たな制度として、いわゆる高等専門学校というものを作りたいと、こういうふうに考えたわけでございます。
○豊瀬禎一君 関連して。小林さん、ただいまのあなたの説明を聞いていますと、ますますあなたの言うことがわかりかねてきたのですが、こういうことならわかるのです。工業高等学校は、今おっしゃったような業界等の要請に応じて、三年間でしかるべき技術教育をやって、そうしてそれは短大のあるところへ設置して、そこで運営としては一貫的にやっていくけれども、高等学校三年で卒業して短期に社会の需要に応じていかれる、こうおっしゃれば、なるほど少しは違うなと思うけれども、そうはおっしゃらずして、やはり一貫した教育の中で、建前としてはほかの学校へも行き、ほかの学校から受験する者も短大に入れるけれども、望ましいことは、工業高等学校を卒業したものは、カリキュラムから言っても、同じ場所にあるところの短期大学へ入学して、そこを卒業する、そうでしょう。そうして同じ学校の中にある五年制の高等学校、今度三十七年度から発足を予想してあるところの専門学校は五年間で終える。そうすると、どこが違いますか。
○政府委員(小林行雄君) 従来申しておりますように、それぞれ付属の工業高校は、やはりその学校の教育課程にこれは当然制約されるものでございます。それからその上の短期大学は、短期大学の設置基準に基づいてこれはやらなければなりませんので、その制約がある。これを五年間一貫した教育にまで持っていくということはむずかしい。なるべくつながりのあるような教育は、それはしなければならぬと思いますけれども、いわゆる三プラス二ということ以上には出ないわけでございます。
○豊瀬禎一君 もう一つ、工業高等学校の方は、たとえば五年制の専門学校と異なって、現行諸制度、法規上から、これこれの特徴ある教科を設置することができる、ないしはこれこれの教科は、現行高等学校制度からどうしても設置できない、その欠陥を補うために、専門学校を作って五年間で養成すると、こういう言い方ならまだ少しわかるのですよ。ところが、大体似たようなものを作って、上に行くことも望みます、しかし、規制は法律的な規制がある、これは当然ですよ。高等学校と大学専門学校だから、それを規制する法規は違います。しかし、実態として育成されていく個人Aなるものは、こちらの学校によっても、こちらの学校によっても、三年目に受験をするという過程を通るだけのことで、極端に言うなら、似たような教育を受けていく。これを三年で早く出して社会の需要に応ずる、追い出すようにするとおっしゃるならわかる。そうじゃない。上に上がることを期待しておる。そのために短大のところに付置してあるのでしょう。そうなると、理論的には少しも通らぬじゃないですか。聞けば聞くほど奇々怪々ですな、これは。どうなんですか。
○政府委員(小林行雄君) 御承知のように、両者いずれも中学校を卒業いたしまして、高等専門学校は五年、この付属の方は三年をやりまして、さらに二年をやる。年限的には同じでございますが、先ほど来申し上げておりますように、高等専門学校のいわゆる教育過程については、付属の高等学校、それから短大の教育課程とは違うものにいたしまして、五年間一貫した、充実した工業教育をやりたい、こういうふうに考えておりますので、私どもは、短大プラス付属高校と質が違うかと考えております。
○豊瀬禎一君 そうすると、三年の工業高校を経て短大を出た者はあまり役に立たない。きのうの衆院の文教委員会における大臣の言葉を転用すると、ばかたれ的なのができておる。あまりこれは役に立たぬのが出ておる、一貫してないから。だから、こっちを置くのだと、こうぴたりと言ってしまわれれば、まだわからぬでもない、事の適否は別として。こちらは充実し、系統的な養成をする、こちらは三年と二年だから、似たようなものだけれども、あまり体系的でない。そうすると、こっちを作る意味が全くないじゃないですか。あまり役に立たないのを三年で卒業させるというのならすぐわかる。あまり役に立たぬものを作りましょうと、大臣、これはどういうことなんですか。局長よりも、あなたのところの政調会にかかった基本の政策をちょっと聞かして下さい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 付属の工業高等学校を卒業しまして、すぐ社会に出る者もおりましょう。それは現在と同じだろうと思います。しかし、工業高等学校はもっとたくさん作らなければならないという建前でおりますが、それを同じ作るにしましても、短大に付属させて作った方がより効果的じゃなかろうか。第一は、短大に事実上多くの者が入り得るという便宜もございましょう。ぽつんと離れたところにできるよりも、より便宜であろう、学生生徒にとって便宜であろうという点もあろうかと思いますが、ともかく現在の短大をより効果的にする意味におきましても、付属工業高校があった方がよくなかろうか、こう思うわけでございまして、一方の専門学校と称するものは、先刻来お話しておりますように、初めから終始一貫して中堅技術者を養成するという産業界の要請にも、あるいは所得倍増の問題に対処するにおきましても、特にその要望にこたえる制度として新たに作りたい、こういう考えでございます。
○豊瀬禎一君 なるほど言葉は使い分けることはできるのですけれども、二つの学校の実態が、大臣の御答弁では、どうしてもすなおに考えて、併置する、二つとも、将来ともにわたって存置していくという、こういう答弁を大臣はなさっている、それを存置していくいわゆる教育必要感というものがきわめて不明確ですよ。もう一度省内でしかるべき方法で論議されて、ぴしゃっと論理的に答弁できるようにやられませんか。今の速記録をあとで読んでごらんなさい、まことに理論的には支離滅裂、一貫性がないですよ。むしろ提案される文部省のために、そういう今のような答弁は私は悲しみます。議論のもてあそびとしては成り立ちます。どうですか、もう一ぺん体系づけるか、両法案を再検討されるかされた方がよくないですか、むちゃですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 短大制度そのものは、一般の大学と同じように、中教審で審議中でございますが、その結論を待ってどうするかという線が出てこようかと思います。現にあります短大を活用する意味においても、付属の高等学校を置いた方が短大の使命を果たす意味においても効果的じゃなかろうかということが付置します一つの理由でもございます。一貫した専門教育を受けた者がほしいのだという現実の要請に沿う意味において、高等専門学校と通称して参りました制度がほしい、こういうことでございます。
○矢嶋三義君 大臣、冷静に聞いていただきたいですが、非常に重要な問題です。高等専門学校の件については、中教審の意向も聞いてあなた方は法案を提出されているわけです。中教審は、今諮問にこたえて大学制度を検討されているわけです。はたしてこの付属高等学校というものは、そういう認識に立っているかどうかということは非常に疑問がある。だから、今おっしゃるような様子だったならば、大学のあり方を中教審に諮問して、その中で短大のあり方というものは非常に重要な論争点になっているのです。そのときに諮問したその文相が、今説明するような形で、こういう付属高等学校というのを出すのは非常に不適正である、そうだとすれば。中教審で御意思が表示された、あるいは昨年の十月に科学技術会議から十カ年計画の答申がなされた。あの線から、中堅工業技術者の養成の方向づけとして、よしあしは別として、高等専門学校というものが出てきたならば、それなりに審議はできると思うのです。しかし、先ほども申されたように、異質なものであるという形ではお話にならない。特に重要なことは、第三点として、この法案が国会に提案されて、審議の過程で、その内容の説明が変わってきた。第一院で上がってきたが、第一院の諸君は、短期大学に付設するものと高等専門学校というものを、そういう認識で審議していませんよ。早い話が、きょうこの一日間において、所管局長の答弁が先刻と今と変わってきているということは、これは私はきわめて重要なことだ。あなたは先刻、中堅工業技術者の養成方針の方向づけを説明された、それなりに明確だったのです。ところがあとで異質なものだと、こう変わってきたわけですね。そこで、こうなった一番大きな原因をずばり申しましょうか、ここが重大なんです。短期大学に対する考え方、これは短期大学協会ですね、これと他とはかなり違うものがあるのですよ。だから国会においても、またA政党とB政党、具体的にいうならば、与党内においても短期大学協会の意向に非常に従っている人は、これは異質だというでしょう。そうでない人は異質でないというでしょう。だからまことに失礼ですけれども、私は与党の文教部会で、今言ったような統一認識のもとにこれが承認されているかどうかという点について多大な疑問を持っている。かかるがゆえに審議過程においてこういうように変わってきているわけです。だから、さらにずばりものを言うならば、小林局長は、あなたが今まで考えておった意向と、不本意ながらも曲がった答弁を、大臣、与党側の意向でせざるを得ないところに追い込まれている。そのことが私は重大だと思う。異質で、違うといっても違いませんよ。違うのならば付属高等学校など設ける必要がない。ただ違うのは名前が違うだけで、一方は一貫した教育、一方は一貫しない教育――一貫しない教育なんてありますか。工業短大に付属工業高等学校を設置して、教科も同じ、定員も同じにしておいて一貫した教育じゃないのだと、そういうようなことは企図していないのだというようなことで立法府の審議は仰げるでしょうか、どうでしょうかね。短期大学を今廃止するとは言えないが、二年の短大と、それでは十分でないようだから中堅技術者を養成するために付属の三年の工業高等学校を付設して、一貫したカリキュラムを組んで、五年間、中堅技術者の養成をしようとするのだ、これならばその方針のよし悪しは別としてはっきりしますよ。しかし、こういう問題をそのままにしておいて、一方は一貫するのだ、一方は、一貫しないのだ、どちらにいこうが自由なんだ、それでこの二つは異質だというような答弁じゃ通りませんよ、あなた。与党の文教部会を開いて討論してごらんなさい。必ず二つに割れる、私は百パーセント自信を持って言えますよ。短期大学協会だったら絶対的に異質だといいますよ。だから、これは大学のあり方について、中教審に対して大臣が諮問した一番重要なキー・ポイトにこれは触れているわけですね。しかし、行政府は法案を国会で審議していただく場合に、衆参を通じてずっと一貫してきたとすればそれでよろしいのです。しかし、一院と二院でその説明が違い、二院における審議の過程で、同じ日にその答弁のニュアンスが変わる。しかも責任所管局長の意向が変わる、これは重大ですよ。この点、法案を出した行政府、これは明確にしていただかなければならぬと思うのです。私はここで短大をどうする云々という私見を申しません。しかし、客観的な事実として申します。文部省の態勢は、短大制度の抜本的な改革を必要とするという認識に立ってきている、歴史的に。それに短大協会に猛烈に抵抗しているわけですね。その考え方の争いがあるわけですよ。だから、私はきょう伺っているときに、小林さんの答弁を聞いておって、ははあ、文部省のニュアンスが出た答弁をしているなと思った。ところが、あとであっちこっちからちょっと出て、話しているうちに文部省と短大協会が対立している、短大協会的な答弁に変わっていった、このことは重大ですよ、これははっきりしてもらわぬと。これは非常に私も苦しいんだが、立法府に籍を置く者として、そういう形で直ちに意思表示というものはできないじゃないですかね。困った問題にぶつかったと私は心痛しているわけですがね。いわば文部省と短大協会の今までの争いをここに持ってきて、そうして審議の段階で変わってきた。これは大学課長の春山さんが、そうだ、そうだといって笑っている、それが真相ですよ。だから与党の方でも早く採決してほしいと希望しながらも、黙っていらっしゃるけれども、若干問題があると思っていらっしゃると思う。思っていらっしゃらない人はどっかおかしいと思う。失礼だけれども、与党の文教部会を開いてごらんなさい。全く割れますよ。それだけ重要だということです。文部大臣いかがですか、政治責任者として納得する説明がないのだが。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 付属高校を置きました姿の短大と、高等専門学校と通称して参りましたものと、一応考えておりますこととは異質のものだという考え方は当初からそういう考え方でございまして、一事不再議という問題に関連して考えましても、国会でも御了解いただけるのではなかろうかと、こう考えてそもそも提案しておったのでございます。ですから、その基本的な考え方で初めと今と変わっておるとは考えておらないのであります。
○矢嶋三義君 そんなら私はずばり申しましょう。大臣、そういう無責任な答弁しない方がいいと思うのです。久留米の工業短大付属高等学校ができる、これは地元は非常に喜んでいる。あすこの市長は杉本さん、あなたとも親交があるはずです。あなたの選挙区です。三年と二年を結びつけた一貫した工業高校ができる、その名は専科大学でもよろしい、あるいは工業高等専門学校でもよろしい実質的に今ある久留米の短大の二年に三年がくっついて一貫した中堅技術者の養成ができるような制度をこしらえてほしいと、あたは何べんも陳情を受けているわけです。矢嶋も受けています。豊瀬委員も福岡県出身として受けています。これとこれとは異質で、さっき答弁されたような何だったらびっくりしますよ。あなたは御期待に沿いましょうといって、そうして話合いが一致して、テスト・ケースとして久留米工業短大にこの付属高校ができた。石井光次郎さんもそういう認識のもとですよ。だから審議の途中で異質のものだ云々なんというのはおかしいですよ。そういう認識のもとで第一院をこの法律案は通ってきていない。具体的に所管局長の当初の見解が違うというところに私はさらに重大性がある。さっきも豊瀬委員が指摘した点と同じ点ですが、そこのところを明確にしてもらわないと困ると思うのです。
○政府委員(小林行雄君) 私といたしましては、別に衆議院の段階におきまする御答弁と変わったというふうに全然考えておりません。衆議院のときから(「ここで違うじゃないか」と呼ぶ者あり)全然、いわゆる高等専門学校は、短大に付属の高等学校を作るものとは制度的に別個のものである、そういう意味で質の違うものである、教育の内容面から申しましても、先ほど来申し上げておるような点が、制約のない五年間一貫した教育をやる気持があるというふうに考えております。
○豊瀬禎一君 小林局長のただいまの答弁ですね。矢嶋委員が指摘しましたように、衆議院の文教委員会で審議され、本会議でも同様扱っているのですが、三月十七日の衆院文教委員会の議事録を読みますとあなたの工業高等学校設置の理由は、「短期大学の設置基準等によって制約されておりますので、この短期大学だけでは不十分でございますので、これに付属の高等学校を付設いたしまして、高等学校課程の三年間と短期大学課程の二年間、この合計五年間を連係ある充実した工業教育を実施したい、」、それから先ほどの休憩前の委員会における御答弁、これについて大きく取り上げる意思はありませんけれども、速記録を取り寄せて見ましたところ、「なお、高等専門学校のことでございますが、これにつきましては、このときにはまだ予想されておりませんでしたけれども、将来こういうものが国会の御承認を得て制度が創設されるということになりますれば、文部省としては、国立の工業短期大学は、できればこの高等専門学校というものに移しかえていきたいというふうに考えておるわけでございます。」、あなたの考え方は一貫していましょう。ところが、今の大臣の答弁を聞いておりますと、それと食い違っているでしょう。大臣はお認めになるでしょう。合計五年間を連係ある充実した工業教育を施すという工業高等学校設置の趣旨は、先ほどの大臣の御答弁によれば、高等専門学校の際にそのままの似たような用語で設置の趣旨を言っておる。多少のてにをはの相違はあろうと、また意図的に用語の使い分けは可能であろうとも、高等専門学校の設立の趣旨と、衆院文教委員会において工業高等学校の設置の趣旨を言われたのは全く同じじゃないですか。だから私は先ほどから指摘しておりますように、いろいろの立場もありましょうけれども、国会の議事録の中に、理路滅裂なる記録をこれ以上続けられるの愚行を繰り返されることなく、ここでいさぎよく十分討議して、再度趣旨説明をしますということで引かれた方がよくないですか、醜いですよ。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員から御答弁申し上げたような考え方も一つの考え方とはむろん思います。思いますけれども、そういう方針を文部省だけとしてでも、その方針をきめておるわけではございません。また、かりに今のお読み上げになったような構想を持ったといたしましても、やはり国会において御審議願って制度づけをしないことには、こういうことはできないわけでございますから、一つの考え方として申したことと私は心得ます。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。 午後七時四十九分速記中止 ――――・―――― 午後八時二十分速記開始
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。
○豊瀬禎一君 先ほど局長の答弁によりますと、国立の工業短期大学は、高等専門学校ができた場合にはこちらに移しかえていきたいという見解の披瀝がありましたが、大臣の答弁等によって、このことは違うやに聞き及んだんですが、この際、局長から明確にこれを取り消していただきたいと思います。
○政府委員(小林行雄君) 先ほどの答弁で、移行するという点について申し上げたんでございますが、移行するという考えは誤解を招くおそれがありますから取り消します。
○豊瀬禎一君 そのただいまの御答弁は、工業高等学校は将来存置していく方針であると、このように確認してよろしいですね。
○政府委員(小林行雄君) 短大所属の工業高等学校は存置すると考えております。
○豊瀬禎一君 大臣の、ただいま局長答弁に対する御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 政府委員から申し上げました通りでございます。
○委員長(平林剛君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○矢嶋三義君 私は日本社会党を代表いたしまして、本法律案に賛成の討論をなさんとするものであります。賛成の討論をなすに際しまして、若干希望条項を申し述べ、また、今後の法の運用について要請もいたし、賛成討論といたしたいと思います。 まず、この大阪大学に基礎工学部を設置すること、このことは非常に適切でありますが、文字通り基礎科学の振興に役立つような基礎工学部であるように公正運用していただきたい。かりそめにも大阪大学の第二工学部的な性格にならないように、この法の提案理由その通りに心がけていただきたい。 それから宇都宮工業短期大学、長岡工業短期大学、宇部工業短期大学を設置したことに対しまして賛成をいたします。ただし、これは質問をする予定でございましたけれども、委員長の御要請もあり、与党委員の方々の心中も察しまして質疑を取りやめましたので、特に要望いたしておきますが、こういう新設大学の発足に対しまして、地元の負担を過重にすることのないように、この点については特に文部大臣において配慮していただくよう強く要請しておきます。 次に、名古屋工業大学の短期大学と九州工業大学の短期大学を廃止して、夜間の学部と相なることになっておりますが、これまた年次計画でやられたことで適切だと思います。しかし、質疑の段階にございましたように、国立学校設置法の中に、このいずれの大学に夜間部の学部を設置しているかということが国民に明確にわかるように、近き将来に設置法の手直しを強く要請いたしておきます。と同時に、段階に明確にいたしましたように、わが国の国民所得、さらに科学技術者の養成が要請されているところから、それらを勘案して、夜間部の学部を正常な全国的視野からの配置を考慮していただき、御答弁にありましたように、推進に当たっては行政府において特に努力されるよう、これも希望いたしておきます。 批判を申し上げたい点は一、二ございます。これは将来のために、本法案に賛成でございますけれども、批判いたしておきたいと思います。それは、広島大学に原爆放射能医学研究所を新設されたわけでございますが、これは質疑の段階にも応答がございましたように、科学技術庁所管の研究所との関連において、はたして適切であったかどうかという点には疑問がございます。わが国の科学技術の振興と研究所を大規模なものをこしらえる必要があるということは衆目の認めるところです。さなきだに関係予算が貧弱でございますので、最も効率的に成果を上げるためには、質疑のときに大臣の所見もただしましたけれども、調査会等を設けて、各省庁所管付属の各研究機関に重複している点はないか、不能率な点はないかというような点を調査されて、合理的に、国全体という角度から研究体制を整備強化することが世界の進運におくれないのみならず、先んじていく立場からも、きわめて重要なことと思いますので、この点については科学技術庁を初め、関係省庁とも十分連携をとって今後研究をされ、近き将来にわれわれに何らかの形で審議が要請されることを期待いたします。 それから、批判申し上げたい、そして御注意申し上げたい点は、法案提出の手続であります。この点については、質疑の段階にある程度尽くされましたけれども、何と申しましても、同一国会にほとんど日を同じうして、実質的に同一内容の法律案が同じ内閣の手によって立法府に提出されたということは前古未曽有のことで、まことに遺憾に思います。その上、この法律案の内容説明について、第一院と第二院における説明に根本的にやや食い違いがあったり、本一日間における当院の質疑段階に、今後の学制制度のあり方、方向づけについて答弁が若干食い違って、その答弁の取り消し是正をしなければならないというような点は、法案を出した行政府において明確なる見解の統一がなされていなかったものと考え、まことに遺憾千万であります。このことは将来に問題を残すと思いますが、しかし、先ほど豊瀬委員との質疑において明確に一応なりましたので、それを前提として、わが日本社会党は賛成をいたします。 あらためてはっきりと申し上げておきますが、工業短期大学に付属するところの工業高等学校は存置するのである。そうして衆議院で答弁されましたように、二年の短期大学では不十分であるから、三年の付属工業高等学校を併置して、一貫性を持った中堅工業技術者の養成を企図したものである。しかして、これを伝えられるところの工業高等専門学校等に移行する考えはさらさらない。この最終確認を前提として私は賛成をするものであります。従って、三年と二年、合わせて五年制の一貫した中堅工業技術者養成を目的とする工業高等専門学校等の存在価値はありません、私の見解では。従って、要望としては、伝えられるような工業高等専門学校等の法案提出は断念することを強く要請をいたします。私ども先ほどの答弁を承って、この法案に本国会において賛成したものといたしましては、伝えられる工業高等専門学校の法案のごときは審議の対象とならない。審議することはできないと私は考えていることをはっきりと意思表示をいたしておきます。 それから次に、この質疑の段階でできませんでしたので、ここで討論の中で意思表示をし、御要望を申し上げたい点は、国立学校の学部あるいは大学をここに増設する法案を可決するわけでございますけれども、常に叫ばれている研究者の給与の問題、特に教官研究費の問題については、若干改善はなされましたけれども、当院における過去の速記録をひもとくときに、その公約が実現されておりません。このことは、本国会で他日機会を得てあらためて質疑をいたしたいと思いますが、国立学校の設置法の一部を改正する法律案の討論に際して、特に教官研究費等については、世界の進運におくれないように今後十分配慮されることを強く要請をいたしておきます。でなければ、学部を増設し、新たに大学を、あるいは研究所を増設するのみでは、所期の目的を国家としては達成することはできないと思いますし、このことが教育目的、科学技術の振興に根本的な一つの要因となりますので、あえて討論の中で意思表示をいたしておくわけであります。 最後に、質疑のときにちょっと触れましたが、科学技術者の養成計画について、国立学校並びに付属研究所等を所管している荒木文部大臣は、池田内閣の同僚国務大臣池田科学技術庁長官から手きびしい勧告を受けております。その勧告の内容の受け取り方において両大臣に差異があるということは、これはきわめて重要なことと考え、ある意味においては内閣の責任問題だと私は思います。従って、質疑の段階に要望申し上げましたように、関係大臣と早急に協議され、その意識統一をはかられて、あらためて適当なる機会に、本委員会においてその結果を報告されることを最後に要望いたし、本法律案に日本社会党は賛成の意思を表明するものであります。
○野本品吉君 私は自由民主党を代表いたしまして本案に賛成の意を表します。 なお、ただいま社会党の代表の討論の中で、やがて出されるであろう法案を峻拒する御討論がございましたが、私どもはその法案の提出を見て、その適否によってその段階において考えたいと思います。私どもの意見だけを申し述べまして賛成の意を表します。
○委員長(平林剛君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。国立学校設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後八時三十七分散会