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38回国会参議院1961/03/16

文教委員会 第12号

発言数
184
登壇者
14
会派数
3
開催日
1961/03/16

会議録

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。  開会前の理事会におきまして協議いたしました結果、本日は昭和三十六年度文教関係予算に関する件及びその他当面の文教政策に関し、調査を進めることに決定をいたしました。  以上、理事会決定通り、調査を進めて参りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう進めて参ります。  質疑の通告がございますので発言を許します。野本品吉君。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 きょう、私は主として全学連に関する質疑、つけ加えまして高等学校の生徒、学生、生徒の問題を中心にしまして、実情を知る意味において質問をいたしたいと思うのです。私どもは昨年、国内的にも国外的にも非常に大きなニュースとして日本の全学連の問題ということが報道されておるわけですが、国会の内外における安保反対闘争を通じての全学連の問題、あるいは羽田の飛行場における岸総理の出発のとき、ハガチーの来たときも、それから三池の争議における全学連の諸君の動き等々につきまして、日本のすべての人が国をあげて学生問題につきまして深い関心を持ち、またかような状態がきわめて憂慮すべき問題であるということを考えておったわけです。その後、逐次いろいろな指導の加わったこともあろうと思いますが、学生の問題が一時国民の関心の目から姿を消したということでありませんけれども、比較的国民的な関心から遠ざかりつつあったと私は思います。ところが、私はこの学生の傾向につきまして、逐次これで安定していくであろうということに多大の期待と希望を持っておったわけでありますが、かような気持でおりましたとき、突如として私の目に、一般の人はどうだか知りませんけれども、これは教育という観点から考えて非常に重大な問題であるという印象を与えた新聞報道があったわけです。これは三月七日の読売で報道されておるのでありますが、「受験目的は学生運動、全学連主流派来年から組織割り当て」、こういうタイトルで報道されておるわけです。記事の内容につきましては、すでに皆さん御承知のことと思いますが、私の質問を進める上から言いまして、一応長いものではありませんから、ここでその記事をそのまま私は読んでみたいと思います。題目はただいま申し上げた通り。「東大の第一次合格者発表が六日行なわれたのをはじめ、各大学に入学試験はいま最後の決勝点にさしかかっているが、受験生の中に大学ではなく、「学生自治会」にはいるのが目的の割り切った一群が現われてきた。ことはまだ自発的な動きのようだが、全学連書記局はことしの主流派学生の勢力分布によっては、四月からハッキリと高校生メンバーを大学別に割り当てて、来年度から主流派確保の受験攻勢を行なうことを考えているという。個人の自由と学生運動の「強制」と、これは新しい問題となりそうだ。全学連の高校生組織である日本社会主義学生同盟高校部の受験組約三十人は昨年十二月東京で会合、話し合いで東大へ五人、法大へ六人をはじめ、教育大、早大、東京学芸大、明大、地方大学への進学受験を割り当てた。東大駒場は全学連主流派勢力が五割、教育大は一割、早大は七割と勢力分布を協議、分析のうえ、相談と説得で強力メンバーを配分したのだが、都立A高校のI君は東大志望をやめて法大に変えるようにすすめられ、主流派の拠点である法大自治会の地盤確保が目的だと納得。地元の地方大学をすすめられたC君は地元高校生の組織に便利だからと承知したという。こうした受験対策は全学連主流派だけでなく、これと派閥争いしている代々木系の平和と民主主義を守る高校生協議会やマルクス主義学生同盟でも動いており、学生運動の主導権争いは受験の高校生にまで拡大してきたようだ。」これであります。  そこで、この記事を一応信頼してみますというと、そこには教育上非常に大きな問題をはらんでおると思う。それはどういうことかといえば、つまり個人の自由というものが組織の指導者によりましてゆがめられて、進学の自由がゆがめられている、そういう傾向が今後拡大されていったときに一体どうなることか。これはきわめて重大なことだと私は思う。そこで、まずお伺いいたしますのは、詳細についてはまたお聞きしますが、かような事実があるのかないのか、あったのかどうか、この点について公安局等で御承知でありましたらばお伺いしたい。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 御説明申し上げます。三月七日の読売新聞のその記事は、実は私も初めてそんなことがあるのかと、こう思ったことなのであります。それで、その当時まで私どもが承知した件は、一昨年ごろ、要するに大学における学生活動家が高等学校の活動家の若干進学の手助けをして、そうして進学の目的を達成してやったというような事実は承知しておったのですが、割当というところまでいったかどうかという問題は、実はその記事で初めて承知したのであります。その後一応その問題につきまして、今日まで調査をいたしてみましたが、どうも私どもの目から見まするというと、そういうような割当というようなところまでの事実は確認できないというような今日までの状況でございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 確認できないにしましても、そういう傾向があるということはお認めになりませんか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) これはこの新聞記事は、要するに高校生の中に学生活動家を育成して、その育成された高校生が大学に入って引き続いて学生運動をすると、こういうところに実は問題がある、本筋はそういうことを指摘している。それの一つの表徴的事実として学生活動家を割当入学、まあ割り当てたということは、今申し上げたように、私どもとしては今日までのところどうも確認ができません。しかし、問題を他に置きかえまして、高校生に学生活動家が養成されていて、それが進んで大学に行って引き続いて同じ運動をする、学生運動に走ると、こういうようなことを考えてみますと、この二、三年来問題の傾向がその方向に進んでおる。かつては、要するにその高校生の分野というのは、学生運動から見ると処女地であり、未開拓の分野でありましたが、それが漸次全学連その他のいろいろな指導によって、そこの部分に学生運動の拠点が出て、学生運動が高校生時代から養成されてきた。それが大学に行くと引き続きやると、こういうことになりますと、いわば大学における学生運動の給源地が高校生の学生活動家になるという意味で、お尋ねの割当という点は私はどうも確認できませんが、高校生の学生活動家が大学の学生運動の給源地になるという意味において、やはりその記事はある意味において一つの点を示唆しておるものと、こういうふうに私は考えておるのであります。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 このことにつきまして、文部省の学生課等はどういうふうにお感じになっておりますか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 学生課からまだ見えておりませんが、この点につきまして、実は私どもも特に大学の全学連がいろいろと指導しておるという話は前から聞いておったわけであります。特にこの動きが活発になりましたのは、例の安保騒動のときに相当な影響がありまして、高等学校の校長会といたしましては、外部からの圧力を加えないでくれ、高校の自主性を確立したいということで、高等学校長協会も声明を出した次第でありまして、文部省としましても次官通達をもちまして、高等学校の学生活動というのはあくまでも生徒会を中心としてやらなければならないし、またその生徒会の目的は、学校生活を楽しくし、規律正しくして、そこに一つの校風を作るのが目的だ、これは指導要領にも明記してありますが、そういう意味で学生の民主的なあり方及び自主的なあり方を規定したものだから連合組織というものは認めない、こういう考え方で指導して参ったわけでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 これはまた別に学生の補導の問題にもちょっと触れてみたいと思いますから、学生課の課長なり、そのことを扱っておる当局の出席を求めたい。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 吉川説明員が出席しておりますから、それに答えさせます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そうですが、どうぞ。

吉川孔敏文部省大学学術局学生課課長補佐

○説明員(吉川孔敏君) 私からお答えいたします。この問題につきましては、私ども公安調査庁の方からお話がありましたように、あの記事で、そういう傾向があるということは前々から知っておりましたけれども、あれではっきりしたわけでありますが、まだその事実につきましては、各大学に対しまして調査中でございまして、学術局といたしましては、そのような中に入りまして活動家にならないような指導を行なうようにしたいと思っております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 学生課としては、事実の調査をしておりますか。

吉川孔敏文部省大学学術局学生課課長補佐

○説明員(吉川孔敏君) 私の方では個個の大学にあたりまして一応調べております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そうすると、個々の大学に対して、かようの事実があるかということの調査を依頼したという程度のものですか。

吉川孔敏文部省大学学術局学生課課長補佐

○説明員(吉川孔敏君) 二、三の大学に参りまして、口頭でそのことをお聞きしました。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 大学からはどういう返事がありましたか。

吉川孔敏文部省大学学術局学生課課長補佐

○説明員(吉川孔敏君) 大学からは、確実に、そういうふうな傾向は認められないけれども、大学に入学して、学業に専念しないで、そういう学生運動にだけ従事している、たとえば単位が卒業までに足りないというような学生は、あるいはそういう傾向のある学生ではないかというふうに言っておりました。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 これは私は事務的な問題ではないので、教育の本質、根本に触れる大きな問題だと思うのですよ。つまり進学の自由ということがなくなってくるというふうなことになりますと、それは個人といたしましても、父兄といたしましても、それから大きく教育という点から考えても、非常に大きな問題だと思うので、かようなことが報道された以上は、事の真相を究明して、そうしてそれに対する適当な措置をとるということは、これは文部省の当然考えなければならぬことで、事務的に、その大学にかような事実があったかないかということを照会して、向こうの返事を待っているというような消極的な態度は、文部省としては、許されない態度だと私は思うのです。幸い大臣が来ておりますが、大臣この点についてどうお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は、実は、その新聞記事を見過ごしておりますが、きょう初めて承ったんで、まあ意外なことに驚きますけれども、ただ考えてみますると、問題はその学生生徒本人の自覚の問題であり、また大学なり高等学校それ自体で考えらるべき問題であろうと、原則的には思います。まさしく本人の自由が奪われることもあり得ると思いますが、新聞記事のお読み上げになったことだけから言いますと、そういう説得を受けて本人が納得してそうしたということだけで、それを取り立てて教育行政上どうだと、いきなり具体的な考慮が生まれるものかどうか、ちょっと私も即断いたしかねますけれども、好ましからざることであることは、これは間違いない。あくまでも本人の能力なり特質なりに応じ、自分自身の判断で、さらにはまだ未成年者でもあるわけですから、親兄弟とも相談し、あるいは高等学校の先生とも相談して、みずからの道を固めて大学の志望もするということが望ましいことだと思うわけでございますが、しかし、それにもかかわらず、一つの組織によってある政治的な意図をおそらく持っておると思われる、そうでないにいたしましても、全学連などという集団の意向を体して、その特殊の動きの協力者たらしめんとする意図を持って人を説得するということ、そのことが好ましからざることは、これは当然のことと思いますが、さりとてそれをいきなり文部省という立場においてどうするかとなりますと、十分検討しない思いつきで申しわけありませんけれども、格別の有効適切な手段措置を講ずる場面じゃないようにも思うわけでございます。  初めに返りまして、同じことを申しましておそれ入りますが、あくまでもそれは本人の認識、自覚の問題であり、またそれを教え、指導される高等学校の教師の立場においての補導があってしかるべきじゃないか。受け入れる大学側におきましても、そういうことにも関心を持って大学の自治の見識に立って処置されるべきことが第一段階のことであろうと思うわけであります。さらにそういうことが累積しまして、見のがすべからざる具体的の弊害等が現われましたら、全国的の視野に立って考慮すべき課題として取り扱わるべきかとも思いますが、当面、以上申し上げる程度の考えを持つ以外には申し上げることございません。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 今、大臣のお話の中にも出た問題なんですが、これは高等学校の先生が在学年間を通して本人の個性なりあるいは素質なり、いろいろな方面、家庭の環境とかいろいろの方面から考慮して、進学指導に相当な努力をされておるわけです。これは申し上げるまでもないことなんです。そうすると、高等学校の先生が本人の将来を思って親切になされる進学指導がこういうことによってゆがめられ、妨げられてくると思う。私はそこに教育的の大きな問題があろうかと思う。従って、高等学校の当局の者もこの問題を見のがすことはできないことだと思うのですが、学校当局の進学指導というものが意味をなさなくなってくるということになりますと、これはきわめて重大だと思うのです。これは初中教育局長どうですか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 生徒の進学についての指導は、当然職員の責務でもございますし、父兄の要望なり本人の希望を十分考慮しながら、適切な進学指導をすることが当然でございます。従って、それ以外の外部の者が、いろいろな指導をし、干渉することは好ましくないと思います。あくまでもこれは参考程度でございまして、進学指導の本質を誤ってはならないと考えております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そこで高等学校の問題が出たから、私はそれに関連してさらにお伺いしたいのですが、私の記憶に間違いがなければ、実は全学連が発生した当時から私は全学連の規約の中に一つの問題があるという見方をしておったのです。それは全学連の規約の十三条、全学連は大学の学生自治会と、それから高等学校の生徒会をもって組織するということが十三条に規定されておると私は思うのです。従って全学連の運動というものが高等学校まで発展し、伸びていくということは、全学連の発足当時の規約から見て、当然予想されるものなんです。それが悪いとは申しません。正常な学生組織あるいは学生運動というものが続けられる限りにおきまして、そういうことが悪いとは私は考えない。ただし全学連の主流派、反主流派入り乱れての最近の状況から見まして、その全学連の規約通りに、高等学校というものにあの動きが拡大されていくのではないかということを実は懸念しつつ事態の推移を私は見守ってきたわけです。ところが、その通りに最近高等学校の生徒会というものが結成され、その横断的な連絡というものもつくようになった。学生本来の使命の上に立って若い諸君がいろいろなことをなさることはけっこうなことですけれども、それが学生として好ましくない方向にそういう勢力というものが伸びていく、拡大されていくということになりますと、これは大へんなことだと思う。そこで高等学校の生徒会というものが全国の各府県にどのように結成されておるかということを、まず文部省の方でおわかりになった点があったらばお聞かせ願いたい。同時に、公安調査庁等でお調べになっております点があったらば、その点をお知らせ願いたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 生徒会というのは学校における生徒会でございまして、これは指導要領の中に定められた特別教育活動の一環として認められておるのでございまして、あくまでも学校単位でなければならない。その目的は学校生活を楽しくし、規律正しいものにし、よい校風を作るというのが主眼でございまして、学校生活における集団活動に積極的に参加して民主的な態度を養い、学校における自主的な能力を養うとともに、公民としての資質を向上させる、これがねらいでございまして、そういう意味の生徒会活動は各学校で行なっております。特にホーム・ルームなり、あるいはクラブ活動を通じて行なっておりますが、今、野本委員の御指摘になったのは連合的な組織での動きではなかろうかと思うのでございますが、高等学校の府県内の連合組織として芽ばえておりますのが、大阪、高知、それから京都にある程度の連合組織が現実にできておるわけです。で、最近は和歌山、岡山、大分、東京等にもその動きが出ておるような次第でございまして、この点は私どもは教育上大へん好ましくないという判断をいたしておるのでございます。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 私は野本委員の御質問に対しまして、高校生運動と、まあこれは広く申しますと、いろいろ今、内藤局長のお話にあったそういう広い運動も一つ含まれておるのでありまして、そういう問題について私どもは全然もう破防法上縁のないことでありまして、問題は要するに、たとえて申しますと全学連的な、まあ左翼的な高校生の政治的な運動というものがどのように展開しておるか、それがどのような組織で行なわれておるかというような角度から少し御説明申し上げてみたいと思うのであります。  要するに、私が今御説明申し上げる学生運動というのはそういう意味でありまして、まずその点を御理解いただきたいと、こう思うのであります。さて、このような運動というものは時期的に申しますと、全学連は終戦直後結成されたのでありまするが、高校生の方へこのような運動が浸透して参ったのは昭和二十九年ころでありまして、それからその後の全学連の運動の発展及びいろいろな日本に問題が起きました。たとえば勤評反対の問題であるとか、あるいは警職法の問題であるとか、あるいは安保の問題であるとか、こういう問題に比例いたしまして学生運動、高校生におけるこのような政治的な運動が発展して参った、時期的には、沿革的にはそういうことに相なるわけであります。  それから次に、この地域の問題から申しますと、これはまず東京は一つのやはり拠点と申しましょうか、そういう運動の盛んなところの地域になるわけであります。その次は概して近畿一般、大阪、京都、兵庫、和歌山、この地域がその強い地域になるわけであります。御承知のごとく、この地域は日本においても共産主義勢力が一番強い地域でありまして、党員数も多いし、いろいろな背景的基盤も強いのであります、この地域が。それから四国に渡りまして高知、高知が御承知のような次第でかなり沿革的に強い。今日においてもかなり強いのであります。そういうような地域的な問題。さて、そこでそういうような高校生の学生運動が組織的にはどういうような指導、連絡のもとにどの程度のことが行なわれているか、こういうことが次の問題に相なるわけであります。それでこれを高校生のそういうような運動に対する組織という点から見ますると、御承知のごとく、全学連の中にやはり全学連系統のある流れを受けているというようなことにまずなるわけでありまして、その中には御承知の通り、主流派と反主流派があるわけなんです。そこで現在の主流派の方におきましては、これはいろいろ動きがありまするが、高校生まで手を伸ばしているのは社会主義学生同盟というのがありまして、これが社会主義学生同盟高校班というものがあるわけであります。全学連自体には現在高校生がそのまま入っているというのはどうもないように私は思うのであります。かつてちょっとあったこともありましたが、全学連自体にはこれは大学を単位として高校生は入っていない、しかし、その全学連の主流派を動かしている社学同の支部は、二、三年前から社学同が全国的に高校班の結成ということを努力いたしておるようであります。ところが主流派の社学同、その一番の中心勢力である共産主義者同盟、これなどが最近安保の後に少しこの内部の派閥抗争によって活動勢力が少し減退いたしておりまして、最近におきましてはこれがその高校班を全国の高校に呼びかけるというような運動は比較的低調になっておるようであります。しかし、それかといって、すでに従来、東京のいろいろな有名校には相当数の社学同の高校班ができておる、これがいわば現在の全学連主流派の流れをくむ高校生の組織、こう考えてよろしいかと思います。  次に、この全学連の反主流派の流れをくむどころの高校生運動はどうなっておるかと申しますと、これは、結局、その背後にはこれは共産党があるわけでありまして、反主流派は御承知の通りに共産党派の学生になるわけであります。共産党におきましては、例の民主主義青年同盟、民青同と称する青年部隊があるわけでありまして、この執行委員の大多数はこれもほとんど共産党員でありまして、要するにそれを共産党員のプールにする、そこに青年分子を獲得してふやしていく、こういうプール的な役割を負うて青年をそこに集める、こういう組織を持っているわけであります。そこでこの民青同という組織を全国の高校に相当伸ばしまして、東京、今申し上げたような大阪、京都、兵庫、和歌山その他全国の各府県に、その数にしまして約八十の高校以上に民青同の支部とか班が構成されておる、こういうふうに大体認められるのであります。そうしてそこで今のそのような二つの流れがありまして、そして民青同の組織というものが高校生の中にかなり入り込んでおる。これらの二つの流れがそれぞれ全国的に組織の結成ということを目途としておりまして、主流派の方の社学同系統におきましては全国高校生会議、これはいろいろの沿革で名前は変わりましたが、現在においてはそのような全国的な高校生会議を持っておるのであります。今の共産党民青同系の高校生は、平和と民主主義を守る全国の高校生会議というものを結んで、全国的な一応の組織を持っておるのであります。そういうような組織によって高校生の、いわば左翼的な運動が推進されておるのでありまして、その中において、しからばどんな問題を取り上げるという問題でありますが、これは勤評反対、警職法反対あるいは安保闘争というようなそういうような問題を取り上げて、彼ら一流の主流派の流れをくむ者は主流派的な考え方を持つ、反主流派の考え方はおおむねこれは共産党の指導と育成によってその運動を展開する、これらのことによって、たとえば安保闘争において高校生が相当動員されるという事態がそこに起きて参るかと私は思うのであります。  さて、この高校生の方は、そのような組織と今の各高校への伸び工合でありますが、これはこの数は確かに伸びて参ったのであります。この伸びて参ったということは、結局高校におけるところの学生活動家がそこで養成されて、そして次に大学へ入る、大学に入った大学の活動家が、高校生以来引き続き相当の経験を積んで大学におけるところの学生運動を展開する、こういうふうにこれは解されるべきものである。従って学生運動というものも、高校生における学生運動の盛り上がりに比例した大学における学生運動、または全般の学生運動というものが相当強い闘士をそこに養成、迎えて、ある高校に入っていく、こういうふうに問題は考えうるべきものかと判断いたしておるのであります。概況は以上の通りであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 委員会の運営に疑義がある。野本委員がただいま重要な質疑をされているわけですが、私は委員会運営に疑義があると思うのです。それで議事進行の発言を求めて委員長の所見をただしたいし、議事を解明していただくという意味で質疑いたします。  関次長が先ほどから盛んにここで発言されておりますが、私は全学連のあり方とか、高等学校の学生運動云々ということを申すのではないですが、あなたにそういう権限があるのですか。公安調査庁の設置法からいって、この第三条、第四条の権限からいって、あなたに高等学校の現段階における学生運動を調査する権限はないと思うのです。どういう見解のもとに高等学校の学生の動きというものを、あるいは国会で可決成立させた予算を執行をして、その経理支出のもとにそういう調査をされているのか、僕は立法精神からいって逸脱行為だと思います。そうして先ほど来の答弁されるということは私は疑義がある。  それからもう一つの疑義は、非常にこれは私は慎重に答弁される人もしてもらわなければならぬ、時期的に見ても重大な影響性があると思う。たとえば、お答え願います、大学学術局の学生課の方はこういうことを言っているのです。大学に対して調査をした、それに対して野本委員は、なまぬるいから積極的にやって文部省が措置をとるように、こう言っておるわけですね。一体、どういう調査をして、どういう処置をとろうとするのですか。私は、基本的な答弁は、文部大臣の答弁はまれに見る適正な答弁だと思うのです、先ほどの。これは、何ですよ、事と次第では……。今ちょうど第一期試験を発表するときですが、第二期はこれからですよ、公立大学等。文部省はこういう見解で、あるいは出かけていき、あるいは文書で調査をして、高等学校で学生運動あるいは自治会運動の役員等をされておる学生が何らかの形で入学試験のテストをする場合に、これが色目で見られるということになったら重要ですよ、これは、健全な高等学校の学生運動というものや自治活動というものが。従って、われわれも学生時代に役員なんかしたものですよ。そういう学生が一ぱいいるわけですね。そういう学生が、今度、出かけていって調査をするとかへ国会でこういう議論をされて、色目でかりに見られるようになったらどうしますか。時期的に見て私は非常に重大だと思うのです。野本委員は野本委員で非常に心配をされている、これは私はけっこうだと思うのです。しかし、文部省の担当の学生課の答弁が私は非常に重大だと思うのです。それに合わして関公安調査庁次長がああいう答弁をされることは、あなたの、立法府が許した政府委員としての資格からいっても、私は若干疑義を感ぜざるを得ないわけです。先ほど申し上げましたように、この問題に対するこれは重要な要素を持っているのですよ。しかし、その答弁については、文部大臣がさっき申されたように、本人の自覚の問題であり、高等学校の先生の進学指導の問題であり、また、家庭教育の範囲内の問題であると、相当まれに見る適正なる私は答弁だと思うのですが、しかしながら、担当課の説明員の答弁と関次長の答弁には疑義があると同時に、非常に私は重大だと思うのです。委員長におかれてはどうお考えになっていらっしゃるか、最後にお答えいただくとともに、説明員の方と関次長の見解を承りたいと思います。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) お答えいたします。私がただいま申し上げた線は、全部破壊活動防止法の調査の範囲内の問題として申し上げた次第であります。御存じのごとくに、破壊活動防止法は第二十七条に調査の権限が書いてあるわけでございます。それによりまして私どもは現在、日本共産党、全学連、社会主義学生同盟、共産主義者同盟、この四つの団体について、遺憾ながら、法上調査する必要があるということにいたしまして調査をいたしておるわけであります。その調査の発展は、要するにその組織あるいは構成員ないしはその活動の発展というところを見なければ調査ができないわけでありまして、今まで私が申し上げたものは、すべて共産党ないしこれらの団体の活動であり、あるいはそれらの命令によって活動することであり、法律に基づく調査であることを私は信じて疑っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 学生課の説明員からの答弁は、積極的に大学に出かけていく、あるいは書面によって調査をする、そうして野本委員から激励されて、それを肯定するような答えをなさっておるのですが、一体そんなことはどんなことをするのですか。私は非常に心配するのだ、だからちょっとお答えを願いたいと思うのです。

吉川孔敏文部省大学学術局学生課課長補佐

○説明員(吉川孔敏君) お答え申し上げます。私ども新聞で今まで見ましたので、そのことが事実かどうかということを個々の大学にあたりまして、今までの傾向はどうであったかという程度の照会をしたわけでございます。そういう事実が、傾向があったかないかを聞いただけでございます。大学では入学験試で面接で排除するということはできませんので、入学後どういうふうな活動状況があったかということについて、私どもの方の所管事項でございます、学生の課外教育活動の助言と援助という項に基づきまして大学と連絡をとったわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 関次長に伺いますが、何ですか、高等学校の学生の、高等学校を場としての学生活動は、破壊活動防止法に基づいて公安調査庁の調査対象としておるわけですか。あなたの御答弁を承っておりますと、そこまで入っておりますよ、御答弁の具体的な内容から。これは私は逸脱だと認定して、あなたの答弁の適正でないという疑義を私は申し上げた、それをお答え願いたい。  それと今、説明員がお答えになったから、私は大臣に関連して一つだけお伺いしておくのですが、それは大学は、自分の大学で教育する高等学校の卒業生のどういう生徒を入学させるかということは、大学の自主的にきめることだと私は思うのです。もちろん国の法律という大きなワクがあることはありますが、しかし、何らか文部省の指導が少しでも影響して、高等学校で学生活動なんかした者は排除するとか、あるいはかりに共産党員だったら排除するとか——私は共産党員じゃありませんけれどもね。あるいはそのシンパだったから排除するというような、そういうような方向を打ち出すということは、学問の自由の憲法の二十三条からいいましても、あるいは教育の機会均等の憲法二十六条からいいましても、私は違反であって、文部省側からそういうような意見を述べたり、示唆を与えるようなことは、私は間違いであって、あげて大学の責任と自治に私はまかせられるべきものだと思うのですが、ちょうどこれから第二期試験があるので重要な時期ですから、大臣の所見をはっきりさしていただきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 議事進行に関して。大体、この案件につきましては、理事会、委員会の承認を求めて、野本委員から質問があっておると思うのです。そうして各政府委員の答弁の適否については、関連質問でなければ、一応答弁の適否は、それぞれ判断がありましようけれども、野本委員の質問を続行していただいて、今、矢嶋委員の御質問は、やや本件を否定するような議事進行を出しながら、御質問の内容は本件に関する内容に立ち入っておると思うのです。従って野本委員がまだ質問が残っておるとすれば、その質問を続けていただいて、しかるべき時期に関連質問として、政府委員の答弁の内容としては別個に取り上げて論議を続けていただきたいと思います。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 矢嶋委員の御注意もありますから、政府側の答弁につきましても、誤解のないように御留意いただきたいと思います。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 矢嶋委員の御質問でございますから、さらにあらためて私の立場を御説明申し上げてみたいと思うのであります。私は法律違反を少しも犯しておるつもりはありません。つまり破防法の正当な実施として国家の公務を行なって、その公務に基づく職務上の御報告を申し上げておる所存であります。冒頭私が申し上げたごとくに、高校生のことは、それは私どもは縁のないことであります。これは私が冒頭の言葉で、どういう立場で私が説明するかということは申し上げたはずであります。要するに高校生の普通のことなどは、私どもの立場から見れば、縁のないことであります。ただ問題は、たとえば今申し上げた共産党ないしは全学連、あるいは社学問、共産主義者同盟に関する運動と関係してくると、これは調査しなければならないのでありまして、しかし、われわれは節度は心得ておりますので、むちゃくちゃにやるわけではありません。健全な学生運動の発展ということは、これはそこらの問題を慎重に考慮して、そうしてそれらの運動の関連を明らかにしていく、これは破防法の実施をあずかっておる以上は私の義務だと考えております。その範囲内においてできるだけ控え目に御報告さしていただいておるわけであります。ごうも間違っていないと思うのであります。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 豊瀬禎一君の議事進行の発言もございますので、引き続き野本品吉君の質疑を許します。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 私が高等学校の生徒に触れましたのは、先ほども申しましたように、全学連の運動というものは、その規約の示すところによって当然高等学校へ発展していくべきものであるという、そういう認識の上に立ちまして全学連の運動を私は見ておるわけなんです。そこで、特に高等学校の生徒についてお伺いしておりますのは、昨年の、三十五年の六月二十一日に緒方次官の名によりまして各都道府県知事、それから付属高校を置く各国立大学の学長に対しまして、高等学校生徒に対する指導体制の確立についてという通達が出ておるわけです。またそれを受けましたといってもいいかもしれませんが、昨年の十二月の二十四日に高等学校生徒会の連合的な組織についてという件名で内藤局長からこれまた都道府字の教育委員会、都道府県知事、付属高校を持つ国立大学長、国立高等学校長あての通達が出ているわけです。私はこの通達を出さなければならないようになったこと自体に、そのこと自体に対して非常に遺憾に思っておるのでありますけれども、こういう通達が出されたので、その後やはり文部省としてはこの通達の実際的な効果といいますか、通達がどの程度まで学校教育の実際に浸透しておるかどうかということについては、これは絶えず注意して見ていかなければならないことであると、かように考えておる。この通達の趣旨が高等学校に十分に徹底されることを私は望んでおるわけであります。一方これは、いつですか、十二月の二十五日には全国の高等学校長の協会の研究の理事会がありまして、そして校長の指導監督にない生徒会諸活動の横の連絡は認めるべきでないという申し合わせが行なわれているわけです。で、こういういろいろな文部省からの通達、次官通達あるいは局長の通達、校長会の申し合わせの中で現実にどういう動きを示しておるかということを見るというと、この通達の趣旨がまだ徹底しておらぬという私は認識を持つわけなんです。だからこういう問題を私は取り上げておるわけです。この通達、校長会の申し合わせ等が有効に高等学校の生徒の指導の上に実施されておるかどうかということについて文部省はどういうふうな御見解を持っておりますか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 大部分の学校においてはこの通達の趣旨に沿って運営されておるものと心得ております。ただなおこの趣旨の徹底が不十分なためもありまして、一部におきまして、先ほど来御指摘のあったような事例もあるやに聞いておるわけでございます。特に大阪、高知、京都の三県につきましては、東京もそうでございますが、こういうような県においてはなおかつこういう動きが執拗に繰り返されておりますので、校長会も大へん心配しておりますし、私どもも校長会と高等学校長協会と十分連絡を密にいたしまして、一そうこの趣旨の徹底に努力をいたしたいと考えております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 私は、まあ今局長からその後も注意深くこの問題を見ておるという意味の御答弁がありましたが、要するに文部省から通達が出、校長会が申し合わせ、そういう中で現実の問題としては先ほど関公安調査庁次長から話のありましたように、全国高校生会議とか、あるいは平和と民主主義を守る高等学校の生徒の会合ができておる。そういうことになってきますと、この通達というものが死文に終わってしまう。校長会の申し合わせというものがこれまた一片の申し合わせに終わってしまう。そのこと自体が実は教育の問題から見ますというと、非常に重大なことでありますし、遺憾なことでありますので、そこで私はお伺いしているわけなんです。  そこで、さらに質問を進めたいと思いますが、私どもが昨年の安保闘争前後を通じての全学連の問題が大きく国民的な関心を呼んだ当時におきましては、一応先ほどのお話の全学連の主流派、反主流派というようなことで理解しておったんですが、まあ聞くところによりますというと、その後全学連の内部におきましてもいろいろな批判勢力が起こり、それが単に反主流派、主流派という二つでなしに、別な動きも起こっておるということを聞いておるわけです。そこで私どもはやっぱり全学連のそういう動きに対して、実際がどうなっておるかを知っておりますことが学生の問題を、あるいは生徒の問題を観察し、それに対して正しい判断を加わえる上において必要だと思うので、そこで重ねて関次長にお伺いいたしますが、現在の全学連の動きというものは、主流派、反主流派だけのものであるか。その後いろいろな分派といいますか、複雑な内容を持ってきたということを伺っておりますが、その点についてどういうふうに考えておりますか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 全学連のその後の動きといたしまして申し上げられる点は、やはり大筋を分けてみますと、主流派と反主流派に分かれるのであります。そうしてこの反主流派、すなわち共産党系の勢力がやや秩序立って組織的な発展をいたしておるということが全体としていえる一つの特徴かと思うのであります。ただいま申し上げた高校生組織などもその方が非常に伸びておるのは、やはりそういう民青同ないしは共産党という背景を持って運動をしておるからであろうかと、こう思われるのであります。次に、この主流派の方は——やはり主流派と呼んでよろしいかと思いますが、その中には共片産主義者同盟、別派といたしまして革共同——革命共産主義者同盟、いろいろとこういうものがありまして、ややニュアンスをもって、それぞれニュアンスを異なえて相対立しているのでありますが、そのまた共産主義者同盟の中にも最近いろいろの分派を生じてきたというのが安保闘争後の一つの特徴でございます。で、それはもともと共産主義者同盟と申しますのは、非常に自由にマルクス主義を解釈するという人々が、学生たちが集まっておるのでありまして、従って、その目から見て、おれはマルクスをこう思う、おれはこう思うというようなふうに各人に意見を立てる傾向があるわけでありまして、従って、そこらにやはり分派が発生し、分かれてくるという可能性があるわけでありまして、最近はこの共産主義者同盟、全学連主流派のまたその主流である共産主義者同盟の中に数個の派閥が起きておりまして争っておる。そうしてそれらの勢力のうちのある者が今申し上げた革共同派と結合して、そこが少し力を入れつつあるというような状況がまあ現在の全学連の中の大体の概況になるわけであります。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そこで、これは学生課の方としてお伺いしたいのですが、文部省はかねて学生補導の重要性ということを考えて、いろいろとお考えいただいておることを承知しておりますが、私はいつか学生補導に対して大学のどなたか中心にしての審議会に諮問を発せられたことがある。あの諮問に対する答申というものは、非常に学生補導の重要な点をついて、そして適切な方策というものを示しておるように思う。その後の学生補導対策というものがどのように考えられ、どのように進められておりますか。これは文部当局から一つ御答弁願います。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 学生の厚生補導に関しまして、学徒厚生審議会からいただきました答申の中で私どもが現在最も力を入れておりますのは、学生の厚生補導を扱うという仕事は従来の単なる事務官でもいけない、また教官であればだれでもよろしいというわけでもない。これはやはりそれなりの専門的な勉強をした人がその職務をやるようにするべきだ、こういう観点から答申書の中にありますような職制の確立ということを今まで検討して参りました。しかしながら、その実行はなかなかいろいろ困難な点がございまして、三十六年度におきましては比較的大規模の大学に学生部の部長を直接補佐いたします次長のポストを新たに二十五名予算上確保いたしました。そしてこれらに有能な人をつけて将来の専門職員たり得るようなそういう人を育成しよう、こういうことを考えております。また答申書の中には学生の就学環境の改善ということにつきましても強く要望がございますので、あるいは学生会館あるいは学生僚の新営等につきましても、単に建物をよくするだけでなくて、これに伴った学生の訓育、指導というものをあわせて改善するような措置をいろいろ文部省としては検討いたし、大学と相談をいたしましていろいろなモデル・プランに着手するという方法を昨年、一昨年から逐次実施しているわけでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 で、今の審議会の答申に基づいて文部省が着々お進めになっておられることはけっこうなんですが、そこで今お話のございました二十五名の専門の学生の指導者を置いて大きな大学の学生指導に手をつけたと、すでに。そこで、私はこの点について希望的な意見を差しはさんでさらにお伺いしたいんでありますが、従来のかつて学生主事といいましたか、というようなものを置いて指導されたことがあるわけですが、この仕事は容易なことでないから、片手間ではできない、で、専門の指導者を置く必要があるということは、これは言うまでもない。そこで、この指導の役割を果たす人たちの問題でありますが、私はこれが、いわゆる学生を監視するとか、監督的な傾向が強くなりますというと、ほんとうの生活指導はできないと思う。青年とともに悩み、青年とともに暮らしていく、そういう生活態度を持った指導力のある人でないというと、いわゆる監視監督的なものになる傾きが起こりやすいと思う。この点についてどういうふうにお考えになっておりますか、お伺いしたいと思います。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) お話の通りに、その学生部次長という職につきまして、われわれが現在大学とその人事の選考等について協議をいたします場合に、その第一の要件は、その人が全学の教官と学生から信頼感を持たれるような人物であるかどうか、そうでなければ、単なる実務の練達の人である、単にあるいは学問について造詣があるだけではいけないという観点から、人事問題については大学と慎重に検討をいたしたまして、そのような人を何とか見つけ出すことに苦心をいたしておるわけでございます。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そこで、そういう適当な指導者を見つけることに苦心されておるということでありますが、そういう仕事に当たられる方は、先ほどもお話のございましたように、これは一つの専門的な知識能力を持つと同時に、人間的にも尊敬される人でなくちゃならぬ。そこで、これはやはり専門的な研究あるいは力を持つための機会を持つわけですか、それからの教師は。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) お話の通りに厚生補導の中心に立ちます人たちは、その仕事についての専門的なやはり勉強をしなければならない、ということが広くいわれて参りまして、文部省としては過去数年間、主として東京大学、京都大学、九州大学等の教育学部関係者の御協力を得まして、そのような学問的な研修の仕事を逐次開拓して参ったわけであります。従ってもし今回次長等に任命される人が、大学自体も希望され、御本人も希望されれば、しかるべき大学においてその仕事の根底となります学問的な研究をやれるような道を開きたい、かように文部省では考えております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 そこで最後にお伺いしたいと思うんですが、私は今まで全学連の問題とか、高等学校の生徒会の問題等につきまして、いろいろとお伺いしてたきのでありますが、要するに問題は、個人の自由というものが、外部の力によってゆがめられたり左右されたりするようなことがあっては大へんだという、そういう考え方からお伺いして参ったわけなんです。で、先ほど矢嶋委員等からも御意見がございましたが、一人々々の思想の自由あるいは学問の自由というようなことについて、何ら疑問を持っておるわけではありません。問題は偶然の結果が——一人々々の自由が許されて、そうして進学し、その結果がどうなるということを問題にしているんではない。そういう点からいいまして、私はやはり外部の力がその個人の自由ということを拘束するような事態の発生ということをおそれておるわけなんで、今後学生の補導それから高等学校の生徒の動き等については、そういうふうな角度から見たいと思っているんです。そこでお伺いいたしたいことの一つは、先ほども申しました文部省の通達なり、校長会のお申し合わせなりということを、さらに再確認して、そうして学生の将来を誤らないように、特に私は日本の行政全般を見ておって、通達とか何とかいうものが出しっぱなしであって、必要に応じて出された通達が出しっぱなしであって、その後どうなっているかという、事後の状況についての見届けということが欠けておると思うのです。それは単に文部省だけじゃない、各省がそうなんです。そういう点から、そういう点についてさらに文部省の特段の御配慮をお願いしたいと思う。その点どうですか。今までの通達がどういうふうになっておるか、それの見届けの必要ということをどのようにお考えになっておりますか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 通達いたしました趣旨について不徹底な点がございますれば、それは十分あらゆる機会にこの点は解明いたしまして、その趣旨の実現に努力したいと思います。ただ、いろいろな諸条件がございますので、その他の条件の整備につきましても、あわせて考慮をめぐらしながら徹底したい。お話のように、どうも不徹底な点もあるやに見受けられますので、今後一そう注意いたしたいと考えております。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 もう一つ、これは関さんにですが、先ほどのお話で大体わかったのですが、特にあなたにお伺いいたしました趣旨は、ただいま申しました学生の自由というものが、そういうものによって拘束されることをおそれるということでありますが、もっと突き詰めてこれを申しますと、高等学校というものが大学の全学連の予備校と言ってはあれですが、予科練のようになっちゃ困るというのです。そういうことを私は心配しているわけなんで、今のところ、そういう心配があるかないか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) これはすでに二、三回繰り返して申し上げた点でありまして、予科練的危険性はあると、こういうことに相なろうかと思うのでありますが、と申しますのは、たとえば、その運動がなかった時代には、学生の活動家というものが高校生にはありませんから、大学に入って養成されるということに相成るわけであります。ところが、学生運動が漸次高校生の分野に浸透して参って、そこで共産党ないしは民青同あたりの意図を受けて学生運動家がそこで養成される。そうすると、大学に入るときに一かどの革命家になって大学に入るということになるのであります。そういう意味において、高校生へのそのような学生の政治的な運動の活動家の浸透とともに、学生運動、広い意味での学生運動、大学における学生運動が明らかにすでに注意しなければならない方向に発展するであろうと、こういうように考えられるのであります。

野本品吉自由民主党

○野本品吉君 ただいま公安調査庁次長の御答弁にありましたが、それは私は誇大に考えたり、どうかしようとは思っておりませんが、文部当局でも、今のような観点から高等学校、大学を通じましての学生指導ということに対しまして一段の御配慮御努力をされることを希望いたしまして、私の質問を終わります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 さっきの答弁だけしておいて下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。先刻説明員から御答弁申し上げたことについて御質問があったと思います。一般的なこの御質問の、野本さんの御質問の課題に対しましては、当初私がお答えした通りだと第一義的に思います。それはあくまでも高等学校であれ、特に大学においては自治を信頼し、また高等学校においては、教職員の本来の責務を果たされるはずだという信頼に立って申し上げたことでありまして、もしそのことに、信頼度を疑われるような事実でもありせば、これはやはり指導助言の考え方に立って、将来何らかの措置を必要とすることはあり得るかと思います。そこで、先ほど説明員が申し上げましたことは、ともかく新聞に、好ましからざることが行なわれつつあるということが出たとするならば、そのことの真偽ぐらいは、当該担当官としては知っておく必要を認めるのも当然かと思います。まあそういう意味合いで、関係の大学等に照会をし、その事実を知る努力をしたことと心得まして、適切なことであろうと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 関連質問。まず、関さんにお尋ねしたいのですけれども、先ほど、ちょっと答弁の中に出た、学生運動の諸団体の中で、破防法に抵触する可能性のある、あるいはそういう危険性を感じて、すでに調査しておる団体を言って下さい。簡単でいい。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) これは、すでに本委員会におきまして、何回か御説明した点でありまして、全学連、社会主義学生同盟及び共産主義者同盟、この三つの団体は、昨年以来、とにかく破防法によって一応調べねばなるまい、こういうことにいたしているわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほど関さんの答弁の中に、割当は確認されていないが、一つの示唆を示しておる、こういうことがあったのですが、今の三つの諸団体が、野本委員の質問されたあの件に関して、破防法の何条のどこに抵触するおそれがありとして、あなたの方は調査したのですか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) これは勤評反対闘争、警職法あるいは安保闘争と、まあ発展して参りました。御承知の通りの外形的事実は、昨年に示されたような三団体の活動の中にある。その背後における各種の文書活動その他を見まして、破防法上二十七条によて、破壊的団体の規制に関し必要な調査をなすことができる、この規定によって調査をするのが必要に相なる、こう考えたのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 関さんに注意しておきますがね。前置きは要らないから、僕の質問だけに簡潔に答えて下さい。僕が聞いておるのは、二十七条の調査権の問題じゃなくして、破防法の定義がありますね、そのどれに該当すると判断して調査したかということです。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) これらは、御承知の通りに、破防法の核心は第四条に定めてあるわけであります。第四条は、暴力主義的破壊活動が記載してあるわけであります。その破壊活動に発展し、ないしはどうもそれに当たるのじゃないかというような活動が、それらの団体の中に看取できるのであります。そうなりますると、破防法の運用として、これは一応やはり調べなければなるまい、こう相なるわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 一応当該団体がそのおそれがあると判断をした場合には、調査権の二十七条ないしは三条の定義を受けた第四条の範囲内で、加入運動をするということ、あるいはその運動の性格方針を宣伝していくということ等の行為に対しても、常に調査をすべきであるという判断ですか。その判断であるとすれば、それは何法のどこに基づいてそれをやっておりますか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 公安調査庁は破防法の実施の国家機関として義務づけられているわけでありまして、第四条の暴力主義的破壊活動というその行為の内容を中心といたしまして、それに触れ、ないしは触れるおそれのある行為があったときにはそれに対する調査をする、こういうことに相なるのであります。三団体はいずれもそういう団体である、こういうことになって、その認定は私どもの全責任において私どもがいたすわけであります。認定をすることも私どもの義務になるのであります。認定を通じて調査をいたす、こういうことになるのであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 前段の答弁……。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) ただいまの答弁で、御質問に対してはお答えし得られたと思っておりますが、なお残っているところがありましたら、ちょっと失念いたしましたので……。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 答弁を予定してあなたが人の質問を聞いているからそういうことになるんですから、以後注意して聞いて下さい。  僕の前段に開いたのは、加入運動あるいはその他の当該団体の宣伝活動も常に調査し得ると判断しておるその権限は、どの法律のどこに基づくかと聞いているのです。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) それは究極するところ第二十七条「のに関し、」「必要な調査」に相なるわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると……。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 破壊的団体の「規制に関し、」「必要な調査をすることができる。」というのが第二十七条にあります。「に関し、」「必要」云々。破壊的団体の団体の構成、その組織活動の概要、要するにどういうことからそういう活動が出るかというような点については、必要な限りにおいてこれは調査をいたさなければならないわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 前段の答弁は……。僕が聞いているのは二つあるのですよ。一つは加入運動、具体的に加入運動、宣伝活動、こういうものをすべて調査すべく義務づけられておるか。それは……。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 私としましてはその御質問には答えているつもりでありまして、要するに、「に関し、」「必要な調査」は、そういうことも調べることを含んでおるわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、当該団体の調査に関しては、地域あるいは年令、所属、こういったもののいかんを問わず常に調査するということですね。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 少なくとも、ただいま申し上げた三団体についてはそういうような方針において調べているわけであります。しかしながら、問題はやはり学生の問題でありまするからして、運用においてはきわめて慎重な態度をとり、一般の運動と、健全なる学生運動に対してはこれを阻害にならないように慎重な考慮を払ってやっている次第であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほど関さん答弁の際にも、高校生のことだから非常に慎重に考えてやっておるということでしたが、割当は確認できなかったということですね。大体どういう当該——全学連その他の三つの団体でなくて、いわゆる勧誘をされたであろうところの高校生に対してはどういう調査をされましたか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 今の野本委員の御質問にありました読売の記事でありまするが、実は私も、冒頭申し上げたように、初めて、そんなことがあるのかと、こう思ったのであります。まあそれは調査の方法はここでは申し上げかねまするが、一応現段階においての責任ある御答弁としては、どうもそういうことは新聞の記事とは違う、そういうこととは、そこまではなかったのではないか、こういうふうに今思っておる次第であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 高等学校当局、並びに調査の結果判明したとすれば、当該高校生についても調査しましたか。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 新聞の記事で拝見いたした次第でありまして、その調査の内容につきましてはここで詳細に申し上げることを差し控えたいと思います。しかし、そのようなことはいたしておりません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 次に、西田さんでも吉川さんでも、いずれでもよろしいですが、この点に関して口頭ないしその他で調査されたように答弁されたようですが、学校当局に対してどういう具体的な事項を調査されましたか。

吉川孔敏文部省大学学術局学生課課長補佐

○説明員(吉川孔敏君) 大学に対しましては、新聞にこういうことが載っているけれども、お宅の学校ではそういう傾向が見られるかどうかということだけをお聞きいたしました。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 当該学生、特に当該学生あるいは学校当局に対して、学生が一つのサークルあるいは研修諸団体、これに加入することの自由については学生課長はどういう判断ですか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 大学が公認いたしました学内団体に対して学生が加入することは、これは学生の自由選択でございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 大学だけでなくて、高等学校も含んでですか、まあ大学だけでもいいですが、公認しない団体に入ることも当然自由である、こう思うのですが、あえて公認した団体に対してとおっしゃったのはどういう根拠ですか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 大学は学生が当該大学の学生をもつて団体を結成したいと申します場合に、学校の教育指導上著しく問題があります場合にはこれに指導を与えまして、そのような団体の結成をしないように学校が指導する場合がございます。従ってすべての大学は学校の教育方針に基づきまして、団体の設立についてはそれに届け出をさしてこれを認めるというふうなやり方をいたしております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 僕が聞いているのは、一つの学内で団体を結成するという問題ではなくして、各個人がそういった外部の諸団体に加入することの自由についての見解をただしているのです。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) もちろん本人が個人といたしまして学外の任意の団体に加盟いたしますことは本人の自由であります。しかしながら、大学は、その本人の加入しました団体との関係において、本人がどのような活動をするかについては教育上深い関心を持っているわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほど野本委員の質問に対して答えられました、いわゆる学生指導専門職員ですね、これに対して専門的な、学問的な研修をやらせていきたいということですが、学生補導という立場から、あなたの考えておられる専門的、学問的な研修というのは何ですか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) これにつきましては、私どもは必ずしもその内容についての専門家でございませんが、現在までこの種の職員に対する研究会等で出されました結論といたしましは、学生の補導の中枢に立つ人たちは、少なくとも教育心理学を基盤といたしますカウンセリングの問題、それから集団活動に対する指導技術としましての集団力学の問題、その他大学の運営に関する行政上のまたは制度上の問題についての十分な理解がなければならない、そういうことがいわれております。そのような知識に対する訓練を受けた者がいわゆる専門的な職員と、私どもはかように考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 こういう職員を置くということを、あなたの先ほどの答弁では、現段階では必要であるという判断に立っておられたようです。そうすると、単にそこの研修会で行なわれておるものがこうこうですということでなくして、必要さに立ったところの何といいますか、こういう知識、こういう能力を持たなければならない、持つべきであるという文部省当局の見解はないのですか。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 私どもは、大学が厚生補導を充実するために行政上どういう措置を必要とするかということは、大学御当局の要望を受けまして実施しているわけであります。先ほど申しました学生部次長の設置は、これは国立大学協会の第三常置委員会の報告として総会で認められ、そのような措置をとるように文部省が要望されまして、そのような職を新たに設けたわけであります。その場合に、大学協会がこれを専門職員として将来育てるようにしたいということも、その趣旨の中に含まれております。その専門職員という趣旨は、私どもは先ほどお答え申し上げましたような趣旨に了解をしておるわけでありますが、これをさらに具体的に実施いたします場合には、それぞれの専門家の御意見を伺って、内容を固めていくべきだと、かように考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 あと一、二点で終わりますが、文部省としては、二十五名の思想憲兵を配置して、学生運動に対して一つの統一的な指導をしようという考え方は、現在では全然ないのですね。

西田亀久夫文部省大学学術局学生課長

○説明員(西田亀久夫君) 私どもは、大学協会のその御要望と、先ほど申し上げました学徒厚生審議会の答申書に基づきまして、そのような専門職を置こうとしておるわけでありまして、その答申書自身が明確に述べておられますことは、学生補導の方針は大学の管理機関が定め、それの執行に当たっては専門職員が必要であるということがいわれております。従って、お話のような特定の職員が、特別の権限を持って学生の思想を監視したり、これを取り締ったりするというようなことは、制度上も考えられないことと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 これは大臣にお聞きしたいのですが、昨年、福岡県の教育委員会は、教員の採用試験の際に、学生運動に従事したかどうかをかなり執拗に本人に対して調べておるし、大学当局もまた、委員会の秘密要請に応じて、その学生中に行なった活動や役職等について報告をし、その人間が学業は非常に優秀なのに採用されないという事態が起こり、私ども、教育委員会と、個々に調査をし、交渉をし、結局県の教育委員会は行き過ぎであったという正式の釈明をいたしております。こういう学生運動というものに対する行き過ぎの調査、あるいは採用に際しての差別措置、こういったものがかなり目につかないところで行なわれておるということが、今の福岡県の教育委員会の実例をもってもよくわかると思うのですが、こういう事態は、大臣は好ましいと思っておりますか、もし好ましくないというお考えでしたら、どういう措置ないし指導が必要であるとお考えですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 今のお話の具体的事実は、私存じませんけれども、教育委員会がその権限内のことを自主的にやることはむろん自由であります。また、大学との相談において、大学の自治の建前において必要だと思ったことをやることも、これまた自由だと思います。しかし、結論は、お話によれば、行き過ぎであったということを認めて、将来を戒めたということですから、それはそれ自体としてもうけりがついておると思うわけであります。一般に学生運動について、教育委員会ないしは大学当局が関心を持つことは、これは私は当然だろうと思います。それはあくまでも、教育基本法の趣旨、あるいは学校教育法の趣旨に照らして必要だと考える範囲において関心を持つことは、これまた法律上自由だと思います。ことに、先刻来の話を承れば、学生運動と申しましても、だれしも納得のできる学生運動もあれば、共産党にそそのかされて政治的に学生にあるまじき社会的な影響、もしくは学園内の平和と秩序を乱すおそれがあり、現にそういうこともあったというようなことを念頭に置いて、そういう学生運動を現実にやり、秩序を乱し、あるいは教育の中立を乱すようなことがあったとするならば、これは当然ある程度の差別的な考慮をされてもいたし方がない事柄ではなかろうか。それはしかし、あくまでも現実に即して、教育委員会なりあるいは大学が法的に認められる限度内の判定でなければむろんいけませんけれども、絶対にそういうことを考えてはならないものとは必ずしも思いません。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、大臣の見解としては、特定の個人が破防法あるいは憲法ないしは教育基本法に違反する具体的な行動があった場合には、これは当然と思いますが、そうでなくて、一般的な学生運動、その学生運動をしたという事実、あるいは役職等を、採用試験の際に特別に調査する、あるいはそのことゆえをもって教職員として不適格であるという一般原則的な判断をする、これに対しては、当然と思いますが、好ましくないと思いますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど申し上げたことで私の見解は尽きておりますが、一般的に許されることをしたのに、そういう行動をしておったのにひが目をもって差別待遇をすることは許されないことと、かように思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 前国会の審議の際も、こういった種類の問題はいろいろ出てきたのですけれども、学内秩序とか、あるいは公安調査庁の次長が答えたようないろいろな角度から、学生運動あるいは学生自身の個人的な自由というものが非常に侵されておる危険性があると思うのです。従って、全般的な配慮から、一つの学校教育の範囲内における善導といいますか、指導というのは、当然だれしも認めるところですけれども、ややともすれば、先ほど私が申し上げました福岡県の実例が示すように、行き過ぎの調査、憲法違反的な学問、思想の自由を侵すような調査とか、あるいは採用の際の判断が、随所にとは言いませんけれども、かなり至るところに起こっていることは事実であります。こういう点につきましては、一方において行き過ぎを是正していくと同時に、そのことから全般的な思想の自由あるいは行動の自由というものを拘束する態勢なりムードというものが生じないように、大臣としては十分の配慮をもって処置をしていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 千葉千代世君の質問が予定されておりますから、関連はなるべく遠慮していただきたいのです。一問だけどうぞ。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関次長に伺いますが、あなたは破壊活動対象の団体としてさっき四つあげたのですね。これはあなたたちの認定に従うとこういうことなんです。私は特に聞きたいのだが、わが共産党に対して破壊活動をやる対象だ、とこういうことですね。しばしばあらゆるところで述べるわけだな。これを文書でその証拠を出して下さい。どういう条項によってこれを破壊活動の対象として調査せざるを得ないと、その認定をした証拠を文書ではっきり出して下さい。いやしくも公党に対して、そのようなことを至るところでしゃべっておる。私はついでに同時に要求しておくのは、ほかの団体——あなたがあげた三つの団体、もう一つこれと関連して、この前朝鮮大学の問題で、予算委員会で、あなたはこれも破防法の対象だと言った。さっきの答弁では不十分なんだが、あの場ではそう言っておるわけなんだ。それは何だというと、朝連というものが破防法の対象になっている、従って朝鮮大学はそれが経営しているのだから破防法の対象になっているということをはっきり言ったはずです。第三国人に対して破防法というものはどういう関連を持つかということは、これは時間がありませんからやりませんけれども、この問題も、これはわれわれ国際的な問題として重要だと思う。外交上重要な問題だと思う。従いまして、私がお聞きしたのは、今あげた四つの団体、特にわれわれ共産党の問題、はっきり出しておいてもらいたい。それから朝連並びに朝鮮大学、これは破防法の、あなたの今まであっちこっち放言した、その中での五つ、六つ、これについて明確なあなたたちの認定の基礎を文書にして当委員会に提出してもらいたい。これは最も近い、この次の委員会までにそれを確認してほしいと思うのでありますが、委員長いかがですか。これはちょっとあなた答弁して下さい。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) ただいまの御要求に対しましては、正式なお求めであれば考えてみたいと思っております。さりながらこれにつきましては、従来国会の御審議の記録を見ていただきますれば、十分に私はおわかりになるはずでございまして、結局そこらは、そのあとのいろいろな御答弁の中のことをまとめて申し上げるというようなことと同じになると思うのです。そこの記録の方で一応ごらんいただきたい。どういう考えによってこれを調べるかという点は何回も申し上げておるわけでありまして、ことさら文書にして申し上げるまでもないことと実は考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 公務員として不謹慎だ。議員が要求しているんだよ。あなたに正式な文書を要求している。あなたがあっちこっちどこにどういう放言したか、われわれはあとを追う必要はない。責任ある態度で、そうしてちゃんと法律に規定された中でやっておるのだから、権限を逸脱しておるかどうか、それがはっきりわかる文書として出して下さい。そんなあなた責任を回避するような、議員の要求に対してそっちで見なさい、そういう答弁は不謹慎です。もう一回答弁しなさい。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 関公安調査庁次長に申し上げますが、岩間委員の御要望でございますから、この点について従来記録等がございましても、一応調査して御提出になるようにお願いいたします。

関之公安調査庁次長

○政府委員(関之君) 承知いたしました。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私は教員定数の件に関連いたしまして、養護教諭の問題についてお尋ねしたいと思います。その第一番は、三十六年度の文教予算の中の養護教諭の数の算定基礎と申しますか、それは小学校児童何人について一人、中学校は何人について一人、それから小中学校の何学級以上という、こういうふうに内容を説明していただきたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 三十六年度予算は、これは実績主義に基づきましたので、実績を三十五年度の実績を基礎にして予算を計上しておるのでございます。たしか八千七百六十四人かと思っておりますが。  それから次にお尋ねの点は、定数法の点と多少混同していらっしゃるのじゃないかと思うのですが、定数法におきましては、小学校は千五百人に一人、中学校は児童数二千人に一人の割で算定をするという建前になっております。しかし、これはまだ三十八年度までに完全に施行されますので、その定数までには充足されておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 実績に基づいて組んだとおっしゃいますが、その昨年の実績で足りると思っておりますでしょうか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 御承和の通り、義務教育国庫負担法は、実績の二分の一を負担するという建前になっておりますので、給与に関しましても定員に関しましても実績を基礎にいたしておるわけでございます。そこで変革を加える部門といたしましては、たとえば生徒が百万人ふえるという、この百万人ふえる部分の手当はしておるわけでございます。それから小学校の場合は、七、八十万人減でございますから、その減は差し引いて増を見込んで、ことし八千五百人の増員を認めておるわけでございます。あとのは全部実績でございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 先ほどおっしゃいました基準でございますが、小学校は千五百名、中学校二千名、これが一応三十八年度までと言われておりますけれども、実際的には長いこと養護教員の定数の増を要求しているわけでございますが、この定数基準の何から見ましても、現在配置状況を見ていきますというと非常に悪いわけです。この五〇%以下というのがかなり多いわけなんです。この基準に照らしてみましても、ひどいものになりますというと、島根県の一一・五ということがございます。これは実績に基礎を置いて配置したとなりますというと、島根県の一一・五というのは、また来年もそういうふうになっていくわけです。こうして考えていきますと、全国で大体基準の五〇%以下というのが十一県もあるという現状になっております。多いところでは、これは文部省の表を見ますと、山形県の最高一八五・四、それから長野県が基準に照らして一六八・八とか、こういうふうに十三県、基準以上があるわけです。中学校で十三県。今度は全然問題にならない、たとえば一県について十名しか配置していないとか、こういうような例がございましたね。鳥取県ですか、栃木県ですか、三十名置いている。こういうふうになって、いつまでも実績を基礎にしていきますと、悪循環が続いていって解決のめどがつかないわけです。そうすると、これは法律を改正しなくても、学校教育法を改正しなくても、三十八年度までにこの定数基準ですか、この通りに埋めていくという見通しがございましょうか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省があまり干渉しないということで、地方が努力すれば、努力した分の半分は負担しましょうというのがこの趣旨でございまして、あくまでも地方の自主性に主体を置いたわけでございます。そこで地方が、先ほどお述べになりましたように、養護教員に非常に御熱心な県もあるわけですが、それが基準の一八〇%になっておりましても、そのまま二分の一を負担している。それでは基準以下はどうするかという問題があるわけでございまして、その基準以下のものを上げるために、実は定数基準の法律を作っているわけです。その定数基準の法律が三十八年度までには完全に施行したい、こう考えておりますから、残された三十六、七、八の三カ年間には小学校千五百人に一人、中学校二千人に一人まで充足したい。これに必要な養護教諭としてまだ二千五百人ほど増員しなければならぬわけです。この計画が実施されますように、私どもも今後努力したいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 地方の自主性にまかしているとおっしゃったのですけれども、これは地方の自主性にまかしておったのでは解決しないということがたくさんの例でございますが、現在でも、たとえば神奈川県でございますというと、最高三十一学級ですね。三十一学級について一人とか、それから鳥取ですか、二十二学級について一人、人数でいいますというと、二千五百人について一人、一番ひどいのは最高七千五百人について一人と、こういうふうになっているわけです。そうしますと、全国的に非常にアンバランスの中に学校保健が遂行されているわけです。そうすると、あまりにもひどいアンバランスの原因は何にあるのでございましょうか。自主性にまかしておいてとおっしゃって、文部省で算定基礎の中できっちり組んでいくという。定数基準に近づけていくという。もう一つは、定数基準の人数についても、小学校千五百人について一名、中学校二千名について一名、これは非常に少ない。やはりこれは学校保健の一番重要な部門を受け持っているこの人数に対しては、私どもは六百名について一名、譲りまして千名について一名、これくらいの必要性というものをあらゆるデータで検討したわけなんです。けれども、文部省のこの定数基準それさえも五〇%以下もやられてないという現状については非常な問題があると思うのです。そういう意味で私はお尋ねいたしますけれども、これ自主性にまかしておいて見通しがつくとお思いでしょうか。もう一ぺん伺います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) やはり教育委員会が教育行政を所管しておりますので、教育委員会の意見を尊重するのが法の建前になっております。これは単に養護教諭だけでございませんで、事務職員につきましても、教員の定数につきましても、給与につきましても、文部省が一定の基準はきめましても、その基準をどう適用するかは県のお考えなわけです。県によっては養護教員をたくさん置いていらっしゃる県もあるし、県によっては養護教員よりも一般の教員を充実しまして、一般の教員が当然小学校の教育全体をつかさどるのでございますから、保健の指導につきましても、十分力を注ぐというお考えもあるわけなんです。ですから、私どもの考え方としては、できるだけ養護教員を充実したいと、そして全体のバランスのとれた中で適正な学校運営をしていくのが正しいのではなかろうかと、こういう考え方から実は基準をお示ししておるのでございます。この基準の充足につきましては、三十八年度までにはできるだけの努力をいたしたいと。ただ定数が総定数になっておりまして、積算の基礎ということで法律はなっておりますから、その積算の基礎通りいかないかもしれませんが、少なくとも総定数は当然に交付税から半額は見ておりますし、残りの半分は国の負担で、精算補助を負担をいたしておるような次第でございますので、まあ地方財政を運営していく上から考えて、この考え方の方が正しいのではなかろうかと、こう思っておるのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今御答弁にございましたけれども、やはりそれでは私は解決していかないと思います。具体的には学校教育法の二十八条の中に、御承知のように「小学校には、校長、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。」と、こうございます。ところが百三条の方に、当分の間は置かなくてもいいということがございますので、やはりこの法の趣旨からいっても、文部省としては日本の全体的な教育行政の立場に立って、この法の趣旨に沿った運営をしていくというようにやはりやっていただかなければならないじゃないか。特に逃げ道としては、文部省では各県の自主性によって云々ということをおっしゃるから、私どもも視察に行きました場合にも、そのことについてただします。そうすると、学校教育法の百三条の中に、当分の間置かなくてもいいということがあるものですから、それに重点を置かれ過ぎるわけなんです。この立法の趣旨は、昭和十五年に勅令で下りますときの、この当分の間というのは養成機関がまだ十分でないために、各校一名置きたいけれども養成機関がないから、その養成機関が満たされるまでの間だけ当分の間ということで、努力規定なわけなんです。それを今は地方財政が逼迫したとか、いろいろの実情でもってこれを逃避する、逃げていく材料にしているという県が率直に申しましてかなりございますんです。ですが、これは非常な問題で、自主性におまかせになっているというお気持は非常に私は賛成なんですけれども、これが野放しにされておるということに置きかえられているという現状を見まして、早急にやはり解決していかなければならないのじゃないかと思いますが、で、そういう工合なものですから、法律にはばまれていること一つと、それから県で運営するにいわゆる熱意がないという県がたくさんございます。そういう県でございますというと、県費以外の職員、これをたくさん採用しているわけなんです。鹿児島でございますというと、市町村で出しているのが二百十四とか、兵庫では百二十一、これ市町村とPTA。京都では九十四、市町村。こういうふうに小学校だけでも二千五百十二名、それから中学校で千三百二十七名です。合計三千八百三十九名もいるわけなんです。その他まだPTAだけで採用が小中校合わせて百四十五名いるという現状です。ですから、自主性にまかせたということがこういう現状で現われまするというと、これは同じように学校の職員として働いている、身分的な問題もさることながら、やはり自分が責任を持って学校教育の一環としてほんとうにやっていこうとする熱意を意欲的に欠いていることも事実だし、また研究機関、養成その他についてもなかなか行なわれていない、こういう現状なんでございます。だから県費以外の、つまり公費でなくても採用していない、何にも一人もそういうものがいないという県が千葉県が一県あるというので私調べてみたんです。ところが一名いる、といっても現場にはいないだけであって、やはりこれはいろいろ回っているということを聞いたのですが、この点について文部省としては、県費以外の、県費あるいは国庫半分負担でけっこうですが、そういう点でどのように把握していらっしゃるのでしょうか。またこの問題について、今のままで自主性にまかしておいたらこれは解決できるかどうか。これは一つ文部大臣に御答弁いただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。初めおっしゃったことはちょっと私もぴったりいきませんので、政府委員からお答えさしていただきます。今のままで充実していけるかということになりますと、いつのことかわからぬことになろうと思います。建前は必ず置かねばならないということになっていて、経過的に当分の間そうしなくてもよろしい。義務——必置制でなくてよろしい。そういう意味で、地方の自主性にまかしていると先刻政府委員はお答えしたと思います。私もそうだと思います。なお、その点について私の承知している限りでは、千葉さんもおっしゃったように、建前は今申し上げたように必置制たるべきものであるけれども、実際は義務制にしてみたところで人がいなければ実効が上げられないということから、経過的には当分の間置かないでよろしいということになっていると承知しております。  そこで、その養護教諭たるべき人的資源養成学校における人材育成の面からどうであろうと聞いてみましての私の理解では、なかなか養護教諭になる課程もあるそうですけれども、その資格がある人がありましても、養護教諭の希望者が非常に少ないというために現実の充足速度が鈍っている。実際は看護婦がかわってやっており、そういうところにさしむき人的給源を求めなければいかぬ傾向も顕著だということもありますし、また必置制に一歩近づく意味においても、便宜そういう学校看護婦の経歴のある人を養護教諭になし得る道を開いた方がよくないかということが別途御審議願っている法案だと思うのであります。まあ、そういうことで、お話の通りなるべくすみやかに義務制になし得るような事態を作り出す努力を文部当局としてはなすべきものと心得ます。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 養護教諭は、これは都道府県の負担すべき職員でございます。で、学校看護婦というような形のものが市町村の財源で雇われている例が多いのではなかろうかと思うのです。養護教諭という形のものはできるだけ県が負担するように指導して参りたいと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今大臣の御答弁の中に、人がいなければやむを得ぬと、こういう御答弁があったのですが、それでは具体的にお尋ねいたしますが、文部省は予算編成のときに大蔵省に対して、養護教諭の養成所について国立でもって養成したい。そうして予算をお組みになって本年度は幾ら提出なさって、そうして削られたのか。一銭ももらっておりませんね。過去五年間にわたってわかる範囲で、幾ら要求して削られたか。削られっぱなしでもって引き下げてしまって、まあこれが、ほかが重要だという点で置きかえられていないかどうかという点についてお答え願いたいと思います。

村山松雄文部省大学学術局教職員養成課長

○説明員(村山松雄君) 御説明申し上げます。養護教員の養成課程といたしまして、国立大学に委託して看護婦を基礎資格といたしまして一年の養成課程、一大学当たり三十名、五大学で養成課程を設けたいという要求を三十六年度にいたしております。金額として約三百万円でございますが、これは政府原案に乗るに至りませんで見送りになっております。過去五年間も大体同様な考え方で養護教員の養成課程の要求をいたして参ったのでありますが、現在まで実現に至りません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 そうしますというと、この人数が足りないという原因がやはり政府の予算編成の中における怠慢ではないかということを考えるわけなんですが、というのは、先般文部省の方からも資料としていただきました中にも一年課程、二年課程——一年課程で申しますと、御承知のように保健婦の免許状を持った者、高等学校をやり、それから保健課程をやり、さらに一年の養護教諭の課程と、こういうようになる。二年課程ですというと、御承知のようにこれは短大程度になっていくわけです。ところが、やはり山形その他で二年課程をやっておりますというと、どうしてもこれは十分なあれにならないから四年にしてほしいと、こういう要望もあるわけなんです。ここに出ております養成所の内容を見てみますというと、入学定員も非常に少ないわけです。そして充足しなければならない数というのはもっとたくさんあるわけです。ですから人がないのではなくて、やはりそのもとの養成所を国立でもってもっとふやしていくということ。現在のように予算を組まれても日の目を見ない。これはもう十数年来の要望なわけです。だから、いつも日の目を見そうになりますというと、これはけられていってしまうと、こういう現状で、今年こそはという望みをかけておってもだめだ。そうした場合に、文部省は一体このままで養成をまた来年組んでけられ、人数が足りないから百三条の当分の間云々ということも削ることもできない。学校教育法の二十八条が生かされていない。これは単なる人数が足りないということでもって当面を糊塗されていってはいけないんじゃないかと思うのです。いかがでしょうか。この養成に対してもっと本腰を入れて、来年度はもっとこれを組んでいく、そういうふうな考えはございましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 確かに御指摘のように努力不足を感じます。今後必置制になし得るような方向に実質的に十分認識を新たにして努力していかねばならぬと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 重ねてお伺いいたしますが、努力していただくという気持はありがたいのですが、これは学校教育法の二十八条を生かしておいて百三条を削除していくという、こういうところに努力の焦点を置いていただくようにお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 千葉さんのおっしゃるお気持は私も同感でございますが、現実問題として削除したからできるんじゃなしに、削除できる事態を作ることの方が先のように思いますから、そういう意味で先ほども申し上げたような努力を積み重ねていきたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 削除できる状態を積み重ねていくというのは、何年一体続けていくのでしょうか。これは昭和十七年勅令を発布したときにこれが載っておって、今もうあれから十何年たっていましょうか。十九年ですね。(「消極的だな」と呼ぶ者あり)そうすると、これは何にもそれは現われていないということになるわけなんです。特に文部省が三百万円組んだというのですが、三百万円組んでこれは何ができると思っているのですか。やはりこれは国立大学の中に委託ということもございますが、一つの課を設けて、そして解決していくよりほかに方法はないんじゃないかと思うのです。埼玉の例でございますけれども、これはあすこにいわば短大制度を設けて、高等学校を卒業した方、それを養成の課程に入れるわけなんです。そして養護教諭と保健婦、これは中学の保健の免状をくれている。そして充足している。そういうふうな一つ一つの県の努力というものをやっぱり全体に及ぼしていくためには、国が中心となって、この学校教育法の一部改正ということを目ざしていかなければ、これはまた二十年も三十年もほうっておかれてしまう、こういう現状になると思うのです。というのは、私はただ観念で言うのではなくて、十九年もほうっておかれたわけですから、やっぱりここで大臣のはっきりした御答弁をいただいてそうしてその隘路を打開していくためにお互い協力していかなければならないと思うのですけれども……。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先ほど申し上げた以上のことを申し上げかねますが、御趣旨はむろん賛成であり、そういう方向にちっとでも早く最終点に到達する努力をしなければならぬと思います。私が今申し上げておりますのは、現実問題として、ここで景気のいいことを御答弁を申し上げてその通りにならない現実なものですから、何年かの目標を定めつつ、その年次計画に従って最終点に到達できるような考慮をしながら努力していかねばなるまい、それが実情かと思いますので、あまり歯切れのよくないことを申しておりますが、誠意を尽くして努力したいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 この養護教諭の点については、文部大臣もそうだし、各県もそうなんです。たとえば学校保健課というのが文部省の体育局の中にありますね。学校保健課の方は実際の御指導、講習その他について非常によくしていただいております。そうすると、教職員養成課との関連、これは養護教諭の職制の性質から各課にまたがるわけです。一貫していかないわけです。県でも、たとえば東京の例をとりますと、教員の採用試験、選考試験がある。そうすると、養護教諭の問題については、当初あれは指導課でございますか、検定課でございますか、よく存じませんが、そこで、問題をこしらえる。それだけでやっぱり学校の実務というものがわかっていないから、ほんとうの養護教諭を採用する場合に十分な認定ができないのじゃないかということで、養護教諭の皆さんから申し出でて学校保健課からも出していただいて、相関的な委員会を創設していただいて万全をはかっておる実情ですが、県によっては、なかなかそうでなくて、実務とそれから実際の教職課程とがそういうものとのウエートの置き方が違っておって、採用のはばまれる点もあるということと、もう一つは、前歴がまちまちでございます。やはり年令的にも相当上回っておる方が多いのです。そうすると、選考のその県の基準で見ていきますというと、正式ではございませんが、まあ内規的とか、申し合わせ的に年令三十歳をこえてはならないとか、今大体三十才前のようなわけなんです。そうすると、たとえば保健婦の免状を持って実務も持っておって、それから勉強をして養護教員の免許状をとる。高等学校三年、保健婦の仕事三年、それから一年の養成課程を通る。それから実務についておった時間があるとしますというと、これがなかなか年令的にはばまれてできないという現状なんです。そういうような特別処置も講じられないままで、養成もできないし、採用についてはそういう特殊条件も考えておらない。このままでいきますというと、やはりこれはいつまでたっても同じじゃないですか。大へんくどいようですけれども、よほど本気で言わないと、文部省の方ではああそうですがと言うけれども、実際になってしまうとできないという現状でもって非常に悲しんでおります。  それから、それに関連しまして、こういうふうに不足しておりますから、これがいろいろな形で現在の養護教員にしわ寄せされていく。言葉で言えば労働過重という言葉でしょうか。調べてみましたところが、兼務つまり自分の実際本務の学校のほかに兼務しているわけです、一校も二校も三校も。本務の学校のほかに一校余分に兼務しているのが小学校で二百六もあるし、それから二校兼務が百三十三、三校は五十八、四校が二十九、五校が十二、ひどいのは岡山ですが、七校も兼務しているわけなんです。この七校兼務ということが一体どういう効果を上げていくかということをお考えになったことはございましょうか。これはどちら様でもけっこうですが、その衝に当たっている体育局でもよろしいし、初中局長でもよろしいのですが、ちょっと答えていただきたいと思うのですけれども。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 兼務の実態にもよると思うのでございますけれども、今の定数法で申しますと、小学校は千五百人に一人、中学校は二千人に一人という建前で予算を、定数基準を作っておるわけでございます。これまたおっしゃるように、私も多少無理があるようにも思うんでございまして、三十八年度の第一期が過ぎましたならば、第二期に全般的に定数基準の改訂をいたしたいと思います。できるだけ実情に沿うようにいたしたい。ただ千五百人まとまった学校ですと、一校に一人置けるわけです。しかし、数校持つ場合の限界も私はあろうと思う。そこで教育的に効果の上がらないようなことでは意味がないと思います。おのずから通う範囲、あるいは生徒の数等によって限界があろうかと思うのであります。具体的に七校持ったからいかぬとも言いがたいし、生徒数にもよろうと思うのですが、生徒数があまりにも多過ぎても効果が上がらぬと思います。その辺は教育委員会が適切であると判断されたのではなかろうかと思うのであります。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 言葉じりをとるようで恐縮ですけれども、多少無理がある——多少どころではないわけです。千五百名に足りないというのは、御承知のように僻地が非常に多いわけです。山越え野越え行かなければならない僻地の子供は体位も非常に劣っている、いろいろな保健上のたくさんの問題を持っているわけです。それを七校も自転車でかけめぐって行くというと、たとえば学校へ行きますと、その学校に始終おりませんから自然おろそかにされて、職員会議に出ても系統的な発言もできない、自分の研究も続いてやっていけない。やっぱりその学校に勤めておって、児童生徒の家庭状況を把握して、子供たちの健康状態を一人々々把握していかなければ遂行できないし、地域の保健所との連絡もございますし、そうした中でこれが七校も受け持っておったら、とてもやれるものではない。これは人間わざでないということが一つ。それから置いているという名目だけにすぎない。事実を聞いてみますと、自転車で次から次へ行ってふらふらになってしまって、自分があせっていても何一つできないじゃないか。特に小学校の例で申し上げましたが、中学校でございますと、一校余分に持っているのが三百五名、二校が二百五十二名、三校が二十一名、それから七校が二名もあるわけです。これは秋田でございますが。そうすると、小学校における養護教員の任務、それから中学校における養護教員の任務、これはやはり内容については同じなんですが、ウエートのかけ方が違うわけです。端的に申しまして、中学校でございますと、思春期の青年男女をかかえておるわけです。そうすると、純潔指導その他の面においても、養護教員の必要性はどの学校でもいわれている。修学旅行に行きます場合に、たとえば初潮期がちょうど、年はこのごろ早くなっています、小学校五年生か四年生と聞きますが、これは非常に例は少ないんですが、中学校に行きますとほとんどでございます。修学旅行について行くのが、中学校に女の先生がだんだん減ります。男の先生ばかりついて行くわけです。これは男の先生ばかりで悪いということを言っているわけではございませんけれども、日本の今の現状の中では、やっぱり女の子の生理に対してほんとうに母親の気持になって、安定した気持でやるとか、もちろんその初潮の最中の子供は行きませんけれども、旅行なんかの精神的な変動があると、これはかなりの数出てくるわけです。そういう問題に対して、ほんとうに学校保健の立場から、これをかかえていくということについて、七校受け持っているのが二名もある。これはあるからいい方なんです。いいということはないけれども、ないよりはいいわけで、ないのは、野放しになっているのはうんとあるわけです。そういうことが個々に出てきても、まとめて文部省の方としてこれを人数をふやしていただくことをしなければ解決していかない。  また兼務しておって、兼務の辞令をもらっているかということを聞いてみたのです。そうしたら、兼務の発令のないのが十一県もあるわけです。全然発令しないでもって。これは違っていたら、調査をしたら答えていただきたいのですが、私的な調査でございます、十一県あるのです。そうして発令されていない県が十一県で、四校も五校も持った者に対しては旅費も出ていないというのが現状です。御自分で旅費を出している。その上に、講習会があるというと、自分で旅費を出して講習会に行っている。こういう現状です。それは非常に労働過重と、それから教育の実績が上がらないことと、それから経済的な面についても、どこからもがんじがらめにされてしまって浮かぶ瀬がないということを考えてみたときに、これは非常な問題だと思うのです。  もう一つは、群馬の例でございますけれども、学校安全会法が発足しましてから、お金の徴収はだれがするかと調べたのです。そうしたら、群馬で養護員が四六%集めている、全体の集める中で。保健主事が一三%、事務担当者が一二%、その他が一般教員でございますが、これは二九%。そうしてこの学校安全会法が発足して、その事務を扱う者については何ら規定がございません。そうすると、このしわ寄せが養護教員にかかってきている。こういう現状です。一般教員にもかかってきている。そうしますと、いい法律ができていいように考えているのに、こういう点なんか置き去りにされているという現状です。だから非常な問題があるのじゃないかということを考えるのですけれども、この兼務の問題について、兼務発令のないままに十一県も放置されているのですが、それについても、県の自主性だから文部省は何ら指導する気持もないのでしょうか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 発令しないということはこれは間違いでございます。当然、勤務すべき学校の本務校及び兼務校について発令するのが当然でございます。もしそういうことがしてないとすれば、これは教育委員会の怠慢でございまして、十分注意をいたしたいと思います。一つ養護教育の職責をどういうことに見るかという問題もあろうかと思います。本来、小学校と中学校とでやはり学校の児童の保健指導については、それぞれ担任の先生が十分責任を持っていただきたいと思うし、小学校の場合は女教員が半数以上いるわけでございますし、中学校にも相当数の女教員がいるわけでございますから、修学旅行等の場合にもできるだけ女子教員が参加していただいて、女生徒に不安のないように、心配のないようにしていただきたい。あまりに養護教員に過重な負担をさせることは慎むべきではなかろうか。また、職責が不明確な点があればもう少し明確にして、できるだけ負担を軽くするようにして、学校運営に支障のないようにしていただきたいと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは集金の問題ですけれども、学校安全会法ができて、文部省とは切り離して運営されているわけですけれども、生みの親は文部省であって、その衝に当っているのが体育局でございます。そうすると、集金の問題について、こういうふうに養護教員が四六%とか、こういう集金をしている現状について、これでよろしいと思うのですが、どうなんですか。

渋谷敬三文部省体育局学校保健課長

○説明員(渋谷敬三君) 御承知のように安全会は毎年年間、小中学校ですと、掛金が二十円になっております。市町村が大体十円を負担いたしまして、残りの十円を父兄から徴収する、こういうことになっておりますが、教育委員会は、実際には校長にその事務を補助執行せしめているわけです。従って校長として一般的には事務職員がおられれば事務職員とかというところにお願いすると思うのでありますが、養護教員に集金事務を扱わせるというのは、実は今初めて伺いました。遺憾なことではないかと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは一つ実情をお調べいただいて、そういう指導もあわせてしていただかないとこれはまずいんじゃないか。校長にまかせてございますね。そうすると校長さんは、自分が一番言いやすいところでやっていくとか、あるいは授業を持っていないからいいだろうという、観念的にやられてしまうわけなんです。ですから、そういう点で当然の職務以外のお仕事をするについてはこれは非常に問題がございますので、この点は御調査いただいて適当な指導をしていただきたいと思っておりますが、なお、先ほど内藤局長がおっしゃったように、児童の保健をつかさどるということになっているわけですけれども、これは養護教諭という、当初養護訓導という名前をつけたのについては、これは授業をするのが本体でないけれども、研究授業とか、保健についての指導をするとか、そういう場合には教壇に立つことができる。こういう意味で訓導という名をつけたわけですね。これが今逆用されまして、教諭であり訓導であるから補欠授業をするのはあたりまえだ、応援授業をするのはあたりまえだ、こういうふうに言っていまして、一般の教員が足りないためにそのしわ寄せがまたここへ出てきているのです。具体的には、時間数で言いますと、秋田県の例をとりますというと、三時間から四時間受け持っているのが二六%、これは常時であります。四時間から十時間、これは六五%もいるんです。これは群馬です。ほんとうでしようか。私調べたのですが、この点も一つお調べいただきたいと思うのです。山梨で七時間持っているのが三〇%というふうに、十県も含めて調べてみたのですけれども、小学校でこういうふうに多い。中学校ではさらに多いのです。保健の科目を持たしている。そうすると中学校ですと、保健の臨免を持っていなければ教壇に立てないのです。臨免を持たせないで、そして教壇に立てているのです。ですから、要求として、養護教諭の免状のほかに保健の免状があれば中学校では採用するけれども、こういうことになるのです。ですから、こういうふうになってきて、しわ寄せが行きつくところを知らないように次から次へ出てくるわけなんです。だから、この授業時間を持つことについて、養護教諭の本務というものと、それからしかも研究授業とか保健指導の特定な場合とかいうものでなくて、こういうふうに常時持たしていることについては、体育局並びに初中局でどういうふうにお考えになっておりますか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 養護教諭が現実に授業を担当することは適当でないと考えております。それぞれ、小学校の場合には体育、あるいは中学校の場合は保健体育という教科があって、それぞれ専門の先生なりあるいは担任の先生がその教科指導をしておるわけなんです。養護教諭は生徒の保健についての指導をするということが建前でございまして、授業実数は持たないのが原則でございます。ただ生徒に接触いたしますので、教員としての他の資格も必要である。同時に看護の知識が必要である。こういう観点からこの養護教諭という職制が設けられているわけでございます。ですから、現実の教科を担当することは適当でないと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 続いてお尋ねいたしますけれども、県費以外の職員ですね、市町村条例によって勤めている養護教諭、そういう養護教諭の名前が養護婦であるとか、保健技師という名前であるとか、あるいは養護保健婦とか、いろいろな名前が出ているわけでありますが、そういうふうにいろいろと名曲が違っておりますために、県費が非常に少ないところへもってきて、市町村条例の中でこれを教育職にするか、あるいは行政職にするとか、医療職にするということで各県でまちまちなんです。人事院規則の細則によって教育職にしておるところもあれば、俸給の高い医療職にしている。行政職、こういうわけで一般的には教育職にいくようにという、相当県でも市町村を指導していらっしゃるようなんですけれども、やっぱり市町村の財政によりましてこれがなかなか思うようにいかない、こういう板ばさみになっておりますために、退職の問題、あるいは恩給に加算されないとか、免許法の問題とかたくさんの不合理をはさんでいるわけなんです。これは人事院細則のままでこれを自由に選んでいく、こういう実情が弊害を生んでいるわけなんですけれども、市町村条例について、学校の保健に当たっている者たち、養護婦あるいは学校看護婦、名目は何でもけっこうですが、これを教育職に持っていってもらうような御指導いただけないでしょうか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) これは市町村の吏員ではなかろうかと思うのです。学校の養護教育を助ける者としてこれは養護教諭として発令さるべきものであり、都道府県が負担すべきものでございます。ただ、学校で看護婦を置いた、こういう場合は一般の病院等に看護婦が派遣されると同じようなものでございますから、市町村の条例でおきめになることは差しつかえないわけでございます。それと、学校看護婦を県費負担にしろという問題はこれは別問題だと思います。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 ちょっと問題があとに戻って恐縮ですが、私もう一つ追加して聞いておきたいのは、さっき局長がおっしゃったように、授業を持つのが本体ではないということをおっしゃったのですが、これは体育局の問題でございますが、地方に御指導なさる場合に、その点についてどういう御指導をしていらっしゃるのでしょうか。

渋谷敬三文部省体育局学校保健課長

○説明員(渋谷敬三君) 初中局長の御答弁と同じ考えでございます。ただ、いわゆる虫歯のこととか、そういうときに、いわゆる保健指導的な、そういういろいろ資料を集めましたり話をする機会ということはございますが、授業につきましては初中局長と全く同じ考えで指導いたしております。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をつけて。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それから指導主事の問題でございますが、これは大分県の例でございますが、養護教諭を置くという、定員をとっておったわけです、県で。その養護教諭を一般の指導主事に振りかえているわけなんです。これは御存じでしょうか。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 存じません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 一つお調べいただきたいと思います。ことしの予算に六百名の指導主事のワクをおとりになったわけですね。それと関連していると思いますから、一つお調べいただきたいと思っております。これは大分県でございます。養護教諭という点にしても、養護教諭が何人何人要るといってとった。その中に普通の指導主事もとっているわけです。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) ちょっと御質問の趣旨がはっきりしないのですが、もう少し明確にちょっと教えていただきたいのでございます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 養護教諭の定員の中に養護教諭でなくて一般の教員が指導主事としているわけなんです。養護教諭を指導するわけじゃないのですが、ほかの一般の指導主事がワクにとってあるのです。ですから、名目は養護教諭が五百人なら五百人配置されていると言っておりますが、その中の何人かは養護教諭でなくて指導主事だと、こういうことでございます。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) よくわかりましたから、調べてみます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 ちょっとお調べいただきたい。その指導主事に関連しますけれども、現在全国で現職の養護教諭が指導主事となっておる県はどのくらいございましょうか。これは養護教諭の指導主事でございますが、どのくらいございましょうか。たとえば大阪におるとか、京都にあるとかいうように……。

渋谷敬三文部省体育局学校保健課長

○説明員(渋谷敬三君) ちょっと正確にはわかりませんが。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは、やはり文部省でわからないくらいだから、なかなか各県で置いてないということです。大阪とか京都とか、かなり置いております。十何県だと思いますけれども、これも私も的確な数はつかんでおりませんが、たとえば東京のように、ほとんど完全配置に近いような形になっておりますけれども、これは指導主事の人数とか、なわ張り争いですね、たとえば養護教諭を指導するのは一般の指導主事でもいいじゃないか、それよりも一般指導主事の人数をよけいとろうということでしわ寄せされていっている。都議会では、養護教諭の指導主事を置いた方が、学校教育の発展のためにいいから、置くようにという決議をしておるのですが、予算に盛りますときに、実際、教育庁の内部にいきますと、それは一般でも指導できるからいいじゃないか、それから学校保健課の中に、調査係という名目で現場の養護教諭を置く。そうすると、これは指導主事の名でないものですから、そろばん勘定か電話の取り次ぎしかしてないというようなところに、これは言い過ぎるのですが、要点が置かれてしまって、実際の現場で指導する人はだれかということになっているわけです。ですから、指導主事が学校へ行って、ほんとうにいい意味の、指導主事はいいか悪いかは別問題として、現在いるからには、学校全体の中で、じゃ、保健室をのぞいて、養護教諭と会って、この学校の保健についてはどういう立場だということを把握する方はほとんどないということです、学校へいらっしゃっても。ですから、この指導も野放しにされているし、ただ講習をする程度に終わってしまうわけです。ですから、これは、私は指導主事がいいか悪いかじゃなくして、現在あるとなれば、養護教諭だけなぜ置かないのかということに非常な疑問があるわけです。ですから、養護教諭の指導をする指導主事、これを置いたがいいか悪いかということを一つ御検討なさって、私は、これが必要であるならば、養護教諭だけオミットして置かないというのは、非常に不心得じゃないかという考えを持っていますが、いかがでしょう。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 養護教諭についての指導を十分するために、指導主事が必要であろうと思っております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 続いて、先ほど申し上げました学校看護婦あるいは学校保健婦とか、いろいろな名称になっております、県費以外については。この名称をやはり統一していくような方向に指導していただきたいと思いますが、いかがでしょう。というのは、免許法についての問題、あるいはそれから退職金なんかを通算する場合でも、ひどいのは事務助手という名前で、実際はこの仕事をしている者がいるわけなんです。そうすると、あらゆる面で不平等になっていくのじゃないかと、こう思いますので、名称の統一について御考慮いただきたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) よく検討しておきます。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 それから養護教諭というのは、立法の初めの昭和十六年には、看護婦の免許状を持っているということが第一条件であって、それに今度は教職課程、専門課程、たくさんの単位をとってということになっていますが、現に、その後免許法が改正になりまして、看護婦の免許状云々にはこだわらなくなったわけです。ですから、男の養護教諭が現在大阪二人、愛媛で一人、高知で一人というふうにいるわけですが、ですから、私は男だからどうの、女だからどうのというけちな考えは持っておりませんけれども、やはり臨床の経験と知識を持っておってその上に教育全般の勉強をした者、これがやはり安心して勤務していただけるのじゃないかと、こう思うのです。ですから、免許法の改正のときに、一つの資格要素を落としているわけなんです。それについてはどうなんでございますか。

村山松雄文部省大学学術局教職員養成課長

○説明員(村山松雄君) 養護教諭の資格要件は、御承知だと思いますが、養護教諭は、生徒児童の養護をつかさどるという職責からいたしまして、保健婦、看護婦的な要素と、それから教育者的な要素と二つが要求されているわけでございます。現行法といたしましては、従いまして、大学四年を卒業いたしまして二つの要素を両方とも充足した者が、養護教諭の資格の原則的要件になっております。ただ、いろいろ沿革的な事情並びに現実の事情を反映いたしまして、保健婦の資格を有している者は、それに何ら付加するものなく直ちに養護教諭の二級の資格が得られることになっております。それから看護婦の資格を有する者は養護助教諭の資格がそのままで得られることになっております。なお、保健婦、看護婦の資格に半年ないし一年と、それから所定の一般教育ないし教職の教育の単位を付加いたしますと、養護教諭の一級または二級の資格が得られることになっております。ただ、御質問の要旨を私はっきり受けとめかねたのでございますが、養護教諭の資格として性別要件は課しておりません。従いまして、観念的に男であっても養護教諭になり得るわけでございます。これは看護婦の場合も同じかと承知しております。ただ、看護婦の場合には、男でありますと婦というわけに参りませんので、看護人ということを申しております。養護教諭の場合もそういうことにつきまして深く検討したかどうか、私は承知しておりませんけれども、女子であることという要件は課しておりません。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 あなた、看護婦というのは看護人とは別ですよ。精神病院の看護人のことを言われるのでしょう。そうではないのです。看護婦というのは婦人の婦を書いて、女でなければならないのです。保健婦の婦も夫ではないのです。婦人の婦です。学校保健婦。ですから、保健婦を基礎として、たとえば高等学校三年やって、保健婦の養成所を三年やって、その上に一年やれば一級の免許状くれるとか、それから高等学校三年やって保健婦の免状とったらすぐ二級の免状くれるとか、いろいろ条件がございましょう。保健婦というのは女ですから、その条件からいった者は男はないわけですね。ただ、短大かその他で養成する場合に、単位だけとればいいというのがありますでしょう。施行規則何条によるとか、単位とる場合に、男女の区別はないということです。だから本体としては、これは別に男の職場を狭めるなんという意味で言っているのじゃないのです。けっこうなことですけれども、立法の趣旨というものがやはり生かされていくという方向に運営していかなければならないのじゃないか。こういう意味で、男の養護教諭がいることについていけないとかいいとかいうのではない。今後これをずっと認めて、そうしてふやしていくつもりかどうかということなんです。これはそちらと関係ございますが。

村山松雄文部省大学学術局教職員養成課長

○説明員(村山松雄君) 御指摘のように、養護教諭資格取得の三つの方法のうちで、保健婦、看護婦から入ってくる者につきましては、保健婦、看護婦といたしまして女であるこことが確定しておりますので、男の養護教諭がそっちの面から出てくるおそれはないのであります。残る一つの大学ないし短大を卒業して所定の単位をとって養護教諭の資格を得る場合につきましては、現在性別の規制がございませんから、男が出てくる可能性があるわけでございますが、大学に養護教諭の養成課程を置いております大学は十三大学ほどございますが、主として教員養成系の教育学部、学芸学部ないしは医学部系統の学部、それから家政学部、それから私立の短期大学につきましては看護婦の養成を主たる目的としている学科であわせて養護教諭の養成もやっているというのが大部分でございますので、そういう大学ないし短期大学の性格からいたしまして、男の養護教諭が続出するというようなことは、ほうっておいてもあり得ないことと考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 これは私の意見になりますけれども、やはり臨床的な経験、看護婦の経験、あるいは保健婦の経験、そういうものが十分基礎の中に入っておりませんと、たとえば学校で体操中に腸捻転起こしたとか脱腸とか、よくある例なんです。そういうときに臨床的な基礎を持っておりますと、すぐ連絡も早いけれども、ただ、お腹が痛いと言ったら、寝ていればなおるといってほうっておかれたら大へんなことになってしまう。こういう例もございますので、私はやっぱり、こういう養護教諭は婦人の方が望ましいという見解でございますので、その点について文部省に御討議をいただきたいと思っております。  それから最後に、定時制高校——まあ高等学校には現在置かれておりますけれども、これは非常に数が少ないので、この数をふやしていくということと、それから定時制にはほとんど皆無なんです。兼務している者は少しございますが、特に定時制の方々は昼間働いて夜勉強なさる、二重の負担の中で一生懸命なさっておるわけですから、これは給食の面、それから養護の面、あらゆる面から政府があたたかい手を差し伸べていかなければならないではないかと、こういうふうに考えているときに、体位を比較してみますと、全日制の高校の方々よりも定時制の方々の方が劣っているわけです。ちょうど僻地の子供とそうでない子供とで体位の違いがあるように。こういう点については特に配慮をしていただきたいと思うのです。  それから幼稚園についても特に必置制にする。幼稚園についても幼稚園の養護教員ということではなくて、養護教諭の免状をとっていれば、幼稚園だけではなくて、小、中、高どこへでも自由にいけるわけですから、この養成は非常にやりやすいわけで、こんなやりやすい養成はないと思う。一方を養成すればいいのですから、そんなにむずかしく考える必要はないと思います。そういう養護教員養成の問題とあわしてくどく申し上げました。学校教育法二十八条の必置制でございますからね。それから養護教諭の百三条の削除。これは三十三年の四月に公布されました学校保健法の中に盛ったらどうかという意見がずいぶんあったのです。ところが、学校教育法の方にすでに盛ってあるから盛らなくてもいいじゃないかという、こういう意見があって、とりあえず学校医、学校歯科医、学校薬剤師というそういう職務内容ですが、置くことについて、学校保健法の中にうたってあるのです。ですから、これを学校保健法の中にうたわなかった理由は、より必要であるけれども、学校教育法が優先しているものだからそれに沿ってやるということで、付帯決議として必置制がうたわれているわけです。ですから、これは学校保健法の学校医、学校歯科医、学校薬剤師、それから学校長と、教育界全般のこぞっての要望じゃないかというふうに私は把握しておりますんで、先ほど当局からいろいろ御説明がございましたですが、とてもこのまま、少しぐらい努力しますからでは、これは済まされない問題ではないか。やっぱり、すみやかにこれは学校教育法の一部改正をして、そうしてその内容については、またいろいろ当局の御意見、それから要望者の意見もございましょうけれども、早急に御配慮をいただきたいと要望しておきます。  以上です。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 答弁は要りませんか。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 要りません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間があまりございませんので、ごく簡単にお伺いしたいと思うのですが、それはほかでもございません。昨晩、日光東照宮の薬師堂が焼けてしまった。これは重要文化財でございますから、非常に私は、これは多くの国民が失望しておると思うのであります。  で、文化財保養委員会として、この経過をいろいろ今までお聞きになったと思う。その経過のあらましについて、簡単でけっこうでございますから、まずお伺いいたしたいと思います。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 昨晩、日本でも文化財が集中しており、しかも内外人に親しまれておりまする日光山の建物のうちの薬師堂が焼失いたしましたことは、まことに残念しごくでございます。さっそく文化財保護委員会といたしましては、主管課長と係官を現地に派遣いたしまして、失火の原因、失火の際における防火措置、防火施設についての状態、今後の措置等を調査するために、ただいま調査中でございます。  今日までの非公式その他の通知を総合いたしますと、昨晩七時ごろ、薬師堂の内部から火を発し、御承知のごとく日光の建物はウルシ総塗りでございまして、ウルシは一種の樹脂——あぶらのようなものでございますので、なかなか消えにくくて、一時はすぐ目の前に回廊、陽明門に移るという心配があり、一部そばの杉の木にも燃え移ったようでございますが、必死の防火によりまして、回廊や陽明門には飛び火せず、昨夜おそくその堂が焼け落ちて鎮火いたしたという報告を受けたのでございます。その際、防火施設の一つでございます、普通、千トン貯水槽といわれております大きな貯水槽がございますが、これから水をくみ上げて防火したということが他に類焼するということを防ぐ大きな力だったろうという報告がございました。  文化財保護委員会といたしましては、発足以来、わが国の国宝、重要文化財の防災につきまして、特に火災防止につきましては、あらゆる努力をして参ったのでございますが、この際まだ原因は調査中でございますけれども、大体のところ火の不始末によって薬師堂が燃えたということはまことに遺憾に存じておる次第でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 文化財保護委員会の任務としては、私は、常時、こういうことを起こさないようなはっきりした対策を持っていなくちゃならないのじゃないか。どうも問題が起こってから、いつでも火事あとで、どろなわのようなやり方をやってきている。実は二十四年に法隆寺が焼けまして、二十五年には金閣寺が焼けた。三十一年には延暦寺の大講堂が焼けるというような、重要文化財だけでも非常に名だたるものが焼けているわけであります。この参議院の文教委員会として、特に法隆寺の問題が起こりましたとき、二班の調査班を作って全国を回った。そうして私たちも東北に参りました。平泉のあそこの実情を調査して、そうして、今後そういうことを起こさないような措置を講ずるという点で、地元の人たちとも相談をしたりしてやったわけであります。そういう伝統を持っているわけですけれども、しばらくないと思っていたところが、今度はまあ非常に人口に膾灸していたこういう日光の東照宮が焼けて、しかも東照宮の一番眼目の薬師堂、ことに鳴龍なんかで非常に有名なところだ。ここで失われたものはこれは建物だけじゃないと思うのですが、そのほかにどういうものが今度の火事で焼けたのですか。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 文化財保護委員会といたしましては、日本の文化財をどういうふうにして保存していくかという点に重点を置きまして、修理はもちろん防災について特に意を用いて参ったところでございます。御承知のごとく、日本の文化財は、世界でも最も優秀な文化財といわれておりますが、性質上腐りやすく、こわれやすく、しかも燃えやすいという性質を持っておりまするので防火対策には特に意を用いて参ったのでございます。従いまして、問題は防火施設も大切であるけれども、それとそれ以上に一般国民、特に所有者が、文化財が国民の国家的な財産であるということを認識していただきまして、まず防火施設よりも心の防災施設が大切ではないか。あらゆる機会にその点を主張して参ったのでございまして、たとえば一月二十六日の日を文化財防火デーにきめまして、その行事をして参ったのでございますが、天災が忘れたころに、人災が心のゆるんだころに発生することを考えると、今後その点を大いに留意していかなければならぬと思っておる次第でございます。今御質問の中に、それ以外に燃えたところはないかというお話がございましたが、明治四十一年に指定いたしました薬師堂が燃えたわけでございます。ただ中に宝物があったのではないだろうか、今調査いたしておりますが、中にはこれは御承知と思いますが、本地仏の薬師如来が祭ってあるのでございます。これは重要文化財としては指定してございませんけれども、これも燃えたのではないだろうか、あるいは二社一寺が持っております国宝、重要文化財をこの中へ入れておったのではなかろうかということを調査いたしておりますが、ただいまのところわかっておりません。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 時間がございませんし、大臣もお待ちですから、私はあまり答弁を長引かせないでやっていただきたい。私がお聞きしたのは堂のほかに何が焼けたか、新聞には月光菩薩、日光菩薩、十二神将、こういう重要な国宝が焼けておると書いてあるのですよ。これさえもあなたは御存じないのですか。今から聞くのだったら、こういうことではここに問題があると思うのだ。一つは対策をやっぱりはっきりする。問題が起こったときにはそれについて鋭意これを調べる。新聞でさえわかっておることをあなたはお知りになってないということはまずいと思うのです。私は意見を申し上げることが能ではありませんけれども、この問題はいずれ本格的にやろうと思いますが、きょうはとりあえずお聞きしておるのですから、その点はきはき一つお答え願いたいと思うのです。私はこの問題の中で、一つ問題になっておりますのは管理の問題、この管理が一体どうなっておるのか、管理の一体責任者はだれなのか、はっきり文化財保護法によって管理の責任者を指定しなければならない、こういうふうになっておりますけれども、この日光の場合だれが一体管理の責任者になっておりますか、お聞きします。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 御承知のごとく、日光は二社一寺を日光山といっておりますが、それぞれの所有者が所有者管理として管理いたしておるわけでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、この際何ですか、輪王寺と二荒神社とそういうところが各いろいろ同等分有しておる、管理者が分かれておる、統一されていない、統一されていないためにこれには統一的な施策をやることができなかった、ここにやはり一つのすき間があったのだと考えてよいのでございますか。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 二荒山、それから東照宮、輪王寺、それぞれの所有者はそれぞれの所有物であるものを管理いたしております。ただし、ここに問題があるのでございますが、東照宮のいわゆる陽明門の前にございました薬師堂につきまして、薬師堂と五重塔につきましては、明治維新の際の関係がございますが、ただいま所有権について係争中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 はい、わかりました。そうすると、当面の薬師堂のあれはだれか、管理責任者は。これ、はっきりしないのですね。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 当面の薬師堂のこれは実質上の管理は、薬師寺がいたしておるわけでございますが、毎日、冬は四時、夏は五時でございますが、輪王寺の職員がそれまでそこにおりまして、それを錠をかってそして帰ります。そうすると、その周囲と申しますか、それは東照宮が管理するということになっております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはどうもわからないのですね、そういう二重管理になっているわけですな。薬師寺は輪王寺の薬師寺ですね、そこのところは管理していると、しかも見物人が帰ってしまうと締めてしまう。そこで東照宮の管理だと、こういうことになっていると責任の主体が不明で、こういう重要な文化財をこんな管理でごたごたしておる。その前提条件としては所有権の現在抗争中だと、こういうことで、こういう問題を一体文化財保護委員会、今までちゃんと問題としてはっきりやはり責任の主体を明らかにするために努力しなくちゃならなかったと思うのですが、これは努力をされたか。  それから文部大臣として、こういう問題お聞きになっていらっしゃったかどうかわかりませんけれども、これについてやはり文部省は文化財保護委員会に対して、こういう点について注意を喚起するということはなさったかどうか、お聞きしたい。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 薬師堂の実質上の管理は、明治初年からやっておるわけでございますが、指定といたしましては、東照宮、本地堂一棟として指定してあるわけでございます。それで、それまでは、数年前まではそのままきておったんでございますが、数年前に輪王寺から不動産の登記を申請し、それに対しまして東照宮の方から異議が出まして、今係争中でございますが、文化財保護委員会といたしましては、その訴えの出る前に両者でもって話し合いをして、そして所有者をきめると同時に管理の適正をはかるように努力して参ったんでございますが、ついに法廷上の係争になったということは、まことに残念、遺憾に存ずる次第でございます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まだ私の立場から文化財保護委員会に注意を喚起し、もしくは助言等をいたすことはいたしておりません。昨晩発火直後、清水局長から報告を受けまして、やきもきしましてもどうにもならなかったわけですけれども、これは今後いろいろと検討すべきことがあるのじゃなかろうかと、自分自身では自問自答しているわけですが、新聞記事だけからいきましても、また今お話し合いのことを聞いておりましても、管理の責任者がはっきりしなかったこともこれも遺憾千万なことであったと、結果論ですけれども、さらにまた新聞に出ておるところによれば、何か火災が起こったときに警報のベルが鳴るような装置があったというのだが、それが社務所に引いてあったと、ほんとうの直接関心を持つ側にははたしてそういうことがあったかどうか等いろいろ考慮すべきこともございましょう。今度の文化財の罹災その他については、調査をした上でなければかれこれ申し上げるべき段階でもちろんないと思いますが、一般的なこういう文化財の保護の関係において、十分注意をしてもらうような考慮もせねばなるまいと思っておるところであります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これは、私は今度の問題は、あとの祭りになったわけですけれども、やはり文化財保護委員会がこれは直接の責任を持つ。やはり文化財保護政策というのは、これは文部大臣が一つの政策としてお考えにならなくちゃならぬ。そういう点からいいましたら、やはり単に私は運営だけの問題じゃなくて、私はこんなところは全国にもあるんじゃないかと今御答弁を聞いていて心配が起こってきた。こういう問題をやはりはっきり解決して、こういう紛争が一つの大きな原因になっていると思いますので、責任を明確にするという態度を今後おとりになる必要があると思いますが、文部大臣いかがでございましょうか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま申し上げました通り、全般的に十分な検討を要すると思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この当面の日光の問題をはっきりさせる。それから同時に、それと関連して、災いを転じて福とするために、これは私は全般的に検討をされる、こういうふうに確認したいと思います。  それから、先ほど文部大臣からお話がございましたが、警報が七時五分に鳴ったという。それが十三分まで風で鳴ることもあるからというので、怠っていて十三分になって初めて気がついた。その八分間というのは非常に重要だったと思いますが、その設備はどういうふうなんですか。これは完全にいっているのですか、いっていないのですか。この点についての何か情報が入っておりますか、つかんでおられますか。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 自動火災警報装置は二社一寺の全部の建物に取り付けたのであります。一つの報告によりますというと、これはこわれておって聞こえなかったという報告がございます。一つはよく鳴ったけれども、あわてふためいちゃって周章ろうばい、手のつけようがなかったという報告がございます。その二つでございますが、今調査中でございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 どうもお聞きしているというと、大へんなことだと思うので、実にこういう重要文化財は失ってしまってから何といったって実際あとの祭りなんです。われわれは法隆寺を失ったとき、これはがく然としたんです。そのあとに金閣寺でしょう。私はやはりこのときの問題が起こったとぎだけではだめで、常にこの問題に対するきちっとした態勢をとらなければならぬ。これは十分に、この問題の原因だと思いますが、はっきりしておいて、ことに私はそれを予算面からお聞きしたい。予算を相当かけている。文化財保護委員会の今年度——の三十六年度でありますが——予算を見ますと、文化財防災施設として一億四千六百万を組んでおるわけです。少し三十五年度よりは一千万ばかり多くなっております。その中で、特に日光東照宮に対してはどれくらいの予算を取っておりますか。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 日光防災施設につきましては、二十五年度からデコボコがございますが、やって参ったのでございますが、二十五年度から三十五年度までの防災の総経費は一億一千九百万——九百五十一万七千でありますが——一億一千九百万かけて防災施設をやっております。三十六年度におきましては五百五、六十万円、五百九十万、金額ははっきり確定しておりませんが、計画いたしたいと考えておる次第であります。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そうすると、これは第一級の防災施設をやっておるのじゃないですか、この重要文化財としては……。一億一千万。ことに、東北というところは非常に文化財の少ないところです、関西と違って平泉とか日光とか、もう重要文化財といえば頭にくるところはそういうところなんです。そうしてまた、国民もそう思っているわけですよ。そういう意味で防災を強化しておったと思うのでありますけれども、金はこんなにかけて、この効果が上がらないで焼いてしまったということは、どういうことなんです。どこに原因があるのですか。重要な問題です。(「たるんでいるんだ」と呼ぶ者あり)

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 私は、もちろん防災施設もこれは必要だと思いますが、結局、心のゆるみがあってはならない。その点、今後より一そう注意していかなければならぬと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 一番大事なポイントだと思うのですよ。文部大臣に私は伺っておきますが、この文化財保護法の第五条で、「委員会の委員は、独立してその職権を行う。」となっているのです。「独立してその職権を行う。」と、だから、今文部大臣はやや脇役的なところにおるわけですが、文化財保護委員会の委員長を長い間空白にしておって、それが今岩間委員から指摘されたように、防災施設等に若干予算があるのだが、それにしても日本は比較的文化財が多いわけだけれども、ことしの予算は文化財保護関係で約七億近く——六億九千万——七億近くで、今奈良にも問題が起こっておりますけれども、そういう行政をやる場合に、文化財保護というような点について、現在の政府、それをささえている保守党、日本の政界を通じてでもいいのですけれども、非常に無関心なんだな。この先祖代々受け継いできたこの文化財を大事に維持管理してこれを子孫に伝える、この認識が不十分なんだ。予算編成のときの一次査定、二次査定、復活段階なんか、文化財保護なんか全く脇にやられてしまって、独立してや出るにもかかわらず、文化財保護委員長をいつまでも空白にしておる。こういう点が要するにたるんでおるわけですよ。僕は文部大臣に気合いを入れる。保護委員会の事務局長はずいぶんいろいろ努められておるようだけれども、長い間委員長空席で御苦労なさったと思いますけれども、きょうの岩間委員の質問きわめて適切だったと思うのですが、これを引き締めてやらなければ、こういう火災により、あるいは道路とか鉄道とか、そういう国土開発利用に関連して、そういうことでも日本の文化財というものは次々に失われて参ると思うのです。文部大臣の私はこの際決意をはっきり承っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 委員長は最もいい人を選びたいと思って時間がかかっちまいましたが、同時にまた、国会の御同意を得る人事だもんでございますから、特別国会、臨時国会等では時間的にいかがであろう。問題それ自体としてもいかがであろうというふうなことで、通常国会の開会を待ったことも少しは時間をずらしたことになったのですが、この点私も遺憾に存じます。もちろん仰せの通り、ほんとうに一つしかないものを焼いてしまって、かつてああいうものがあったそうだ、けさラジオを聞いておりましたらどなたかがそういう感想を漏らしておられたが、そういうふうなことを別にしましても、なおさらまことに遺憾千万の一語に尽きるわけでありますが、今後こういうばかなことが起こらぬように、あらゆる科学的な施設も防災上考慮せねばなりませんでしょうし、また、たるまないような気合いを入れることもむろん必要でございましょうし、新委員長のもとに、必ず御期待にこたえるようにやるものと信じもしますし、激励もしたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 矢嶋委員から指摘されました点ですね、これも私も言いたいところだと思っております。で、一つは、やはり保護委員長がおくれたということ。予算が十分でない。たるんでいたという話でありますが、私はこの点で、ことにここ数日来の文相と私相当論争したわけですね。面をはらって論争した。その点であなたは民族——伝統を愛する、日本人らしい日本人を作る、こういうことを言っております。そういう立場から、私はこれも言っているのです。そういう点から考えますというと、この民族文化に対する認識というものは、口では言っているけれども、非常に私は浅いのじゃないか、こういうふうに考える。大体戦後の様相を見ますというと、民族文化というものに対する国民の認識というものは、非常に私は希薄になっていると思う。われわれ共産党は、非常にこれを重大視しております。そういう中で、特に感ずることなんでありますけれども、やはり先に文化を創造する、生産する、こういう人が初めて民族文化というものを、その中の栄養として取り上げる。そうしてこれを生かし、発展させる。私はそういう点に非常に今の世相、まあアメリカがやってきてからの世相、こういう中で、日本のこのいろいろな尊ぶべき文化というものは、相当滅ぼされ、あるいはいろいろ侵害された、こういう点がたくさんある。海外に文化が流れた。こういう問題もあるわけでありますけれども、こういう点と関係して、この点で一体文相はどう思っておられる。口先だけで、民族文化を愛しましょう、民族のすぐれたところを大いに発揚しましょうと言っても、できないのじゃないか。私はこれに関連して、われわれの立場を申し上げたいし、また私自身が特に最近痛感したことを、一つだけ申し上げておきたい。  それは一昨年私は中国に行った。中国のいろいろな産業、経済、政治情勢を一カ月にわたって、党の代表として見ました。しかし、そういう中で、私は文化に非常に深い関心を持っているものですから、そういうところも見てきた。そういう中で、やはり驚いたのは、たとえばあの故宮ですね。北京のあの故宮の復旧のために——私たちはあそこを見てから、夕方あそこを出て行ったのですけれども、門の外へ出るというと、五百人ぐらいの石工屋さんたちが、夕方でありましたけれども、のみをふるっている。何をするのだと聞いてみたところが、これは文化復旧隊、そうしてこれを全面的に、故宮を大きな予算をかけて復旧するのだというので、全国からそういう人たちが集められた。そういう人たちが熱意に燃えて、この文化復旧をやっているわけです。あるいは十三陵ダムを見たついでに、十三陵のあすこの地下宮殿を見ました。あれの発掘のために実に苦心し、しかもそれを保存するために、実に大きなこれは努力を払っている。私は最もその中で驚いたのは、西安の郊外に、これは半坡遺跡というのがあります。今から六千年前、周時代より前だと思いますが、この時代の遺跡がある。工場を建てようとして、山を掘り出したところが、どうも遺跡が出てきた。遺跡らしいというので、工場をやめて、それから全部発掘してみたところが、これはあの縄文土器ですか、あの時代の文化がずっと出てきたわけです。ところが、それを保護するために、今度は大きな外屋を作ったわけです、全部。そうしてそれを完全に保存するところの態勢をとっているわけですね。ところが、私は登呂の遺跡のことが、そのとき頭にきた。聞いてみると、登呂はどうかというと、登呂はそれより何倍も大きな遺跡だけれども、発掘はされた、しかし、非常に不十分だ。国家の手も及ばなかった。そうしてせっかく発掘はされたけれども、野ざらしになっている。そのためにそこに水がたまっている。そうして最近は、これはボウフラの培養基になっているそうです。私はこれを見て、これと半坡遺跡のあの顕彰の仕方、そうしてその脇に作られたところの宝物殿、そこに集まっているところの、中国のこれは古代から中世期にかけるところのいろいろな文化の遺物、こういうものを見て、私は考えた。よくこう言われるのです。何だ、共産党は暴力破壊だと、文相もよくおっしゃった。そんなことはありませんよ。これは全く文化を作る、そのためにやっている。そういう中には生産、それから創造という面がはっきり動いているときには、どんどん民族の文化というものは、過去の伝統を吸収してこれを大きく発展させる、前向きに。ここに意味があるのです。私はこの二つの、日本と中国の姿をはっきり見たわけです。  今度のこの日光の問題というものは、どうも簡単な問題じゃない。ことに私は法隆寺あるいは金閣寺のときに、当委員会も、皆で超党派的にこれは視察団を結成して、先ほど申し上げましたけれども、ずいぶん努力した。この関係者の諸君も知っておられると思う。終始一貫してそういうことを、参議院の文教委員会は努めてきていると思うのです。私はこういう点から、はっきりやはり文化に対する、まあゆるんだぐらいの考えじゃなくてしっかりした考えをここで持って、伝統文化を保存するこの任務をはっきり堅持する、そうしてこれを次の時代の文化発展のため、さらに次の時代の民族にこれを伝えるための、そういう熱意をもって、これは進めることが根本問題だと思うのです。そういう問題について、文相はどうですか。決意を、そうして今度のこの焼失に対する文部大臣としての私は意見を、一つまずお伺いすると同時に、私の今申し上げましたこの一つの、最近私の経験した感想と関連しての御意見をお伺いしたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまの岩間さんの御意見、大体において同感でございますが、一部不服のところもございます。先ほどたるんだと申し上げましたが、私はその意味は、今度のこの火災にあいました現場の人々が、大事な文化財であるということの認識が十分でなかった。防災についての終始緊張した管理が足りなかったという意味において、たるんでいると感じるのであります。文化財保護委員会が、委員長がいませんでしたのは、恐縮でございますが、各委員ないしは清水局長以下、たるんでおったとは思いません。さらに一そうの緊張をもってもらいたいと期待するものであります。私は文化の貴重さについての、日本固有の文化の認識は何としても教育から出なければならぬ、特にそれは歴史教育が、日本歴史として十分に教えられなければならぬと思うものでございますが、その点は岩間さん御指摘の通り、終戦直後日本に歴史を教えるべからずといった占領政策の誤りがあったと指摘せざるを得ない。独立回復と同時に、きちっとすべきであったのですけれども、それをなし得なかった政治も責任を負わなければならぬことむろんでございます。どうやら新教育課程でもって、日本歴史を子供たちに十分教えようという線が打ち出されましたことは、御同慶にその意味においてたえません。ただこれに絶対反対を唱えたり、それをそそのかしたりする人があるとすれば、私は遺憾だと思います。私は微力ながら、ただいまおっしゃったような趣旨において、今後に向かって、文化財保護に万全を期する微力をささげたいと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それと日光の焼けたことに対する、何かあなたの御意見を述べておいて下さい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) これもただ遺憾千万の一語に尽きます。岩間さんがさっきおっしゃったように、災いを転じて福となす努力が残されたことだと思います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 それでは私の質問を終わりますけれども、文相のお話は聞いたことだけにしておきましょう。私はそれを反論したり、歴史教育の問題について、ここでやると大へんだから。しかし要はほんとうに文化をここで保存するという、この目的を達成するためですから、十分に調査を遂げ、また文化財保護委員長にも出ていただきまして、さらに関係者に出ていただきまして、この問題は、私は当委員会として責任をもって推進すると、それから必要があれば、当委員会においても実地調査をする、こういうようなことを、委員長に要望申し上げて、私の質問を終わりたいと存じます。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) この際委員長も、一つ、二つお尋ねいたしたいことがあります。今日の文化財の焼失はまことに遺憾なことでありましたが、今日この文化財保護全般にわたりまして、再検討すべき問題が山積しているように思われるのであります。巷間これに関心を持つ人たちからも、文化保護行政の統一その他について、大へん意見が寄せられておりまして、私もはなはだ関心を持っておりまして、この改善すべき点について、試案を検討中でありますけれども、文化財事務当局におきましては、これらの各界の要望についてどういう程度把握なさっておられるか。私はこの機会に広く全般にわたって再検討すべきものは再検討しなければならぬと考えております。御見解をこの機会に承りたい。

清水康平文化財保護委員会事務局長

○政府委員(清水康平君) 御存じの通り、文化財保護法は議員立法、特に参議院から去る二十五年出たものでございます。私の知る限りにおきまして、文化財保護委員会が文部省の外局といたしまして、独立してその職権を行なうという意味からできております趣旨を考えまするとき、文化財保護行政の中には相当価値判断を必要とするものがある。高い学識と経験、それに伴う経験の累積といいますか、勘といいますか、そういうような行政が深い。そういう意味合いから独立してできたものと思っておるわけでございます。  その後、文化財保護法ができまして、数次にわたって改正はされているわけでございまして、文化財保護委員会の立場といたしましても、内容的に変えていくところは二、三あるように思っている次第でございますが、これを根本的にどうするかというような問題につきましては、正式にどこからもまだ聞いておりません。しかし、根本的な問題につきましては、事重要な問題でございますので、検討いたさなければならぬと思います。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本日は文化財保護委員会の委員長もおいでいただきまして、十分それらの問題についても検討いたしたかったのでありますが、緊急の場合に、この事態が発生したときにおいでがなかったことをまことに遺憾に存じます。岩間委員の御要望もありましたように、またあらためてこの問題について、またこれに派生する根本的な問題につきましては、文教委員会としても十分検討しなければならぬように考えます。  政府におきましても、現在、文化財保護につきまして、各種の意見、根本的に検討すべき点が叫ばれておりますので、できるだけその意見を集約いたしまして、政府みずからも御検討下さるように、この機会に要望いたしておきたいと思います。文部大臣のお答えをいただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまの委員長のお話ごもっともに存じます。私どもといたしましても、根本的な検討をすべき課題は何ぞや、各方面からの要望も聞きただしまして検討を加えたいと思います。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本日の調査はこの程度にいたしまして、これにて散会いたします。    午後一時五十三分散会

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