文教委員会 第10号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/10
会議録
○委員長(平林剛君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 就学困難な児童及び生徒のための教科用図書及び修学旅行費の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案、盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案、以上二法案を便宜一括して議題といたします。 なお、両案は去る二月九日趣旨説明を聴取いたしております。質疑の通告がありますので発言を許します。
○野本品吉君 最初に盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきまして御質問申し上げたいと思います。 私は、この法案は法案自体としては大した問題ではないと思うのですが、この法案を見る場合に、この法案の背景をなしている盲聾の問題について、一般的な理解をもって臨むときに、初めてこの法案が大きな意義をもって浮かび出してくるような感じがいたしますので、そこで盲聾の問題につきまして、一般的な問題についてまずお伺いいたしたいと思います。 そこで、最初にお伺いいたしますことは、これは厚生省の関係のことになろうと思いますが、現在、日本の盲聾の数、その総数のうち、学齢期にある盲聾の数、これはどれくらいありますか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(江間時彦君) 私は盲聾関係の主管課長ではございませんで、まことに申しわけないのでありますが、盲聾者の全数についてはお答え申し上げることはできないと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは推計でございますが、盲者の出現率は〇・ ○三%、五千五百十三人、強度の弱視者が〇・〇四%で七千三百五十一人で、聾の方が〇・〇五%で九千百八十九人、強度の難聴が〇・〇八%、一万四千七百二人で、全体を通じまして約〇・二%、三万六千七百五十五人が学齢児童、生徒の出現率、〇・二%でございます。
○野本品吉君 そこで、今出現率のお話が出ましたが、同時にこの就学率の問題、私の手元にあります資料によりますというと、盲学校の就学率が四一%、それから聾学校の方の就学率が七〇%、ここで三〇%という非常に大きな開きがあるのですが、この就学率の開きというのはその原因がどこにあるか、どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) その盲聾の場合に非常に強度な者を就学免除しておりますので、その免除にもよると思うのであります。で、特に全盲の場合に体が弱いというような方がございますので、聾に比べますと盲の方が就学困難な度合いが強いのではなかろうかと思っております。経済的な貧困度を見ますと、盲聾は大体同じようでございます。
○野本品吉君 そこで、この就学率の三〇%の違いというものは、確かに通学困難。そこで聾学校の子供は相当遠距離でも通学ができるのですが、盲学校が地域的に偏在しておると中しますか、一県一校きりしかない。そういう学校が少ないということが、就学率に影響を大きく及ぼしておるのではないか、こういう見方もできるのでありますが、・現状はどうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) お説のように、盲学校の数が少ないという点は一つの理由かと思いますが、できるだけ盲学校、聾学校はどこの学校でも寄宿舎を置いて、寄宿舎の経費を国と公共団体で見るようにしておりますので、父兄が、かわいそうだから手放すのがつらいということになりますと、お説のような結果になろうと思うのであります。
○野本品吉君 ただいま局長からお答えのあった通りで、従って、ここで就学奨励に関する法律の一部の改正によりまして、いろいろと親切な手を伸ばしておりますけれども、一番根本の問題は、できるだけ、特に低学年の子供については宿舎へ収容して、安心して教育をまかせることができるというような条件を整えてやるということが、非常に就学奨励上の重点として考えられるべきではないか、これについてとうお考えですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在までのところいろいろめんどうは見ておるのでございまして、寄宿舎の場合には七人に一人の割で寮母を置いておるわけでありまして、寮母がお母さんがわりになって、できるだけめんどうを見ること、それから父兄が面会にくる場合の旅費補助も見ておりますし、子供たちが寄宿舎で生活する寄宿舎の経費、食費、教科書、学用品も一応一通りは見ておるのであります。ただ通学用品だけを見ておりませんけれども、大体見れるだけの経費は見て、しかも援護率は今回七割に上げましたので、経済的に困っておるから就学できないということは、まずなかろうと思うのでございます。ただ、やはりどうしても肢体不自由の子供を親が手放すということは、そこに何か精神的な不安があるのではなかろうかという気もするのであります。
○野本品吉君 大臣、これは将来の盲、聾学校に対する問題としては、要するに、安心して収容して教育をまかせることができるという条件を整えることにもっと努力すべきであると私はそう思うのですが、どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説の通りだと思います。従来そういう考慮のもとにやってきているとは聞きますけれども、まだ十分ではない点があろうかと想像されますので、今後に向かっては、お説のような点に重点を指向しまして努力を続けていきたいと存じます。
○野本品吉君 私はこの問題を考えるときに、全く音の世界に住むことができない子供、光の世界に住むことのできない子供、その子供のことを考え、また、そういう人たちのことを考えると、今のような点についてはもっと熱心に、もっと力こぶを入れて、日本中から少なくも音の世界からはずされており、光あるいは色採の世界からはずされて人世を送らなければならぬという、その点をもっと深刻に考えて対処していかなければいかぬというふうに考えるわけであります。そこで、盲人の問題について次に伺いますが、実は私、大臣も御承知の通り、終戦直後GHQで盲人のあんまをやめさせろという問題が出されたときに、この気の毒な盲人を守らなければいかぬということで、これは大臣と一緒にやったわけなんですが、自来、盲人の問題についていろいろと関心を持ってきておるものですから、いろいろのことをお伺いするわけなんです。そこで、これは厚生省の方にお伺いしますが、現在、盲人のあんま、それからして正眼のあんま、はり、きゅう、これはどんな割合になっていますか、どんな数になっていますか。この方はお答えいただけると思うのです。
○説明員(江間時彦君) 現在あんま師の免許を持っております者の総数は、四万七千七百四十六名おります。そのうち盲人が三万百八十名、正眼者が一万七千五百六十六名という割合になっております。
○野本品吉君 そうしますと、四万七千のあんまのうち、盲人が三万、正眼の者が一万七千五百ということになるのですが、この正眼のあんま数というものは、逐年非常な勢いで増加しつつあるということが言われておるんですが、それはどうですか。
○説明員(江間時彦君) 年々学校養成施設を卒業しまして、あんま師の免許を取る予定の人数は、主として厚生大臣の認定施設が、全部ではございませんが、大部分が正眼者のための養成施設でございまして、それから文部大臣認定の養成施設が、大部分は盲人関係の施設でございます。年々あんま師の免許を取得するために学校を卒業する者の数は二千四百十六名おります。このうち厚生省関係の養成所を卒業する者が一千流百四十名、文部大臣指定の養成所を卒業する者が八百七十六名であります。
○野本品吉君 そこに非常に大きな問題があろうと思うのです。実際の盲人のあんまの生活を見ますと、今まで、たとえば熱海で働いておった者は、目あきのあんまに駆逐されて次のところに移る、それからしてその次のところに行くとまた追われる、転々として正眼のあんまに追い回されて、へんぴなところ、不便なところに移動しておるというのが、めくらのあんまの状況らしいのです。そこで今この厚生省の方の施設で卒業する者の数が千五百四十、文部省のいわゆる盲学校を卒業する者の数であんまの資格をとる者が八百七十六名と、こういうことになってきますというと、やがてはあんまというものが全部正眼のあんまによって占められる、そういう時期がくるわけですね。この点については厚生省はどうお考えですか。
○説明員(江間時彦君) 御説明の通り、現在の養成数は大ざっぱに申しますと、正眼二に対して失明者一という合になっておりまして、年々正眼者の方が失明者に比べまして増加するという趨勢はございます。ただ、この点は非常にむずかしいところでございまして、現在、厚生省と文部省と共同省令で、あんま師などの養成施設の基準をきめております。現在の法令の建前では、省令に定めた基準を満たしておるならば、われわれはその学校に認可を与えざるを得ないというような状況になっておりまして、現実にこういう学校が戦後相当、主として正眼者のためにたくさんできたという事実はございます。しかし、さらにわれわれが業界を規律しておりますあん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法というこの法律は、主として国民保険の立場から、医療従事者の規律を定めるというような観点で規制が行なわれておりまして、率直に申しますと、必ずしも失明者の福祉立法というカテゴリーには入っていないわけでございます。しかしながら、われわれといたしましては、現実に失明者の職域が侵されるということにつきましては非常に心配をいたしておりまして、なるたけ正眼者のあんま師の養成施設ができないことを期待しておるわけでございます。現に昭和三十四年の二月には、あん摩、はり、きゅう、柔道整復中央審議会がございますが、ここで、今後当分の間、養成施設を新設しないというような要望を出しておりまして、最近は新たに学校の認可を行なったり、あるいはあんま師の定員をふやしたり、そういうことはいたしていないわけでございます。
○野本品吉君 今の点が非常に問題なんで、そこで文部省が今度盲学校、聾学校の就学奨励に関するいろいろなことを心配になっておる、このうち特に最近強く考えられるようになってきたのは、盲学校、聾学校の高等部の問題です、これはそうですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
○野本品吉君 高等部の問題についていろいろな面から援助し、養成していく方策を構じているのは一体何のためが、それは盲学校の高等部を出なければあんまになれない、それからして、聾学校の高等部を出なければ、卒業後、生活を続けていくための技術を身につけることができない、だから盲学校と聾学校の高等学校というものが考えられてきたわけですね、それに間違いありませんね。
○政府委員(内藤誉三郎君) 大体そういう方向で、義務教育に準ずる扱いをしているのでございます。
○野本品吉君 そこで、今一方においては正眼者のための学校教育施設ができて、どんどん正眼の者がふえていく、そうして逐次盲人というものが追い込まれてくる、この情勢でかまわぬでおきますというと、ついに盲人にとりましては、ほとんど盲人唯一の生きる道であるあんま稼業というものをやっていくことができない事態が起こってくるのであります。そこで、つまり盲学校教育の最終目的というものが、高等部を出してあんま術を身につけさしてやりたいということであるならば、文部省で考えているこの考え方と、厚生省の考え方との間が衝突し、矛盾してくるので、この点をどう解決するかということが私は恵まれない盲人問題として、もっと深刻にお考えをいただかなければならない問題だと思うのですが、これは大臣どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 盲聾を通じて言えるかと思いますが、お説のようなところも特に考えねばなりませんが、さかのぼれば、もっと三才か四才くらいから教育しないと、盲聾、特に盲の方はまともな人間の能力に近づかせることが困難だということも聞いております。それで、そういうことにも国としてもうんと力こぶを入れていくと同時に、今御指摘の点につきましても、実は私もはなはだとぼしい常識で申しわけないことですが、先刻来のお話を聞きましても、まあ制度上の矛盾と申しますか、特に盲人、失明者の一生の問題として考えました場合に、本人及びその家族にとっては非常な深刻な問題をはらんでいると察せられます。厚生省所管の方で、どういう趣旨で失明者でない人々があんまなどになる施設を認めておられるかは、むろん私には直接わかりませんけれども、できることならば、盲人の生活手段として唯一とも言っていいようなあんまであるならば、もっと保護するような考え方での立法措置が考えられないものか。目あきのあんまでなしに、パンマなんといのがあると聞きますが、そういうふうな好ましからざる人々が出てくる根源がそこら辺にもありと仮定するならば、なおさらのこと、失明者のための職業として保護育成の角度からの再検討を要するのじゃなかろうか。当てずっぽうの点もございまして恐縮ですけれども、一つの課題として私は検討さしていただきたいと思います。
○野本品吉君 私がさっき申しました、全然光の恩恵に沿することのできない盲人の前途に光明を与えるためにどうしたらいいかと、そういった現実に、今言ったような状況にあることを十分お考え下さいまして、将来一つ研究課題としてお取り上げをいただきたいということを希望申し上げます。 次に、盲人の教育の問題ですが、学校ではむろんいろいろなあれで、一般の義務教育と同じような課程を履修させることの教育をいたしておりますが、さらに、やっぱり盲人も学校を出ただけではいけないので、学校を出てから社会人としてのいろいろな教養を身につけていかなければなりません。そこで学校を出た盲人の教養という問題を考えますというと、私は、現在の日本におきましては盲人のための教養に対する関心、努力が足らないと思う。たとえば盲人のための新聞のことを一つ考えてみると、盲人のためのいわゆる点字新聞というのは点字毎日というのがありますが、これも日刊ではないのです。週刊の点字毎日が大阪にわずかに一社あるだけと私は記憶している。そこで、やはりこれは費用の点から、読者等が少ないこともあるかしれませんけれども、社会教育の面からも、それから盲人のためにも、卒業後の教養という点からみるというと、こういう問題も考えられなければならないと思います。それからして、盲人のための雑誌というものは一つもありません。ほとんどないといってよろしい。わずかにありますのは、盲人のための一般の図書を点訳——点字で訳して、そうして地方に回していく盲人図書館というのがあるだけなんです。これではやはり学校におるうちに苦労して教育をしても、卒業したそのままで放り出されたきりで、一般の正常な学校の卒業生のように、新聞を読み、あるいは雑誌を読み、あるいは本を読んで教養を高めるということができない。特に点訳の図書です。点字で訳しました図書などは、費用等もないために、この問題に関心を持っておる有志を会員として、わずかな会費を集めてはやっておるといろ実情だと私は見ております。この点訳の図書の点字図書館ですが、これは文部省の方はどこで関係なさっておりますか、どんなふうにやられておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 点字図書館につきましては、所管が社会教育局の所管になると思うのでございますが、学校におきましては点字図書館までは整備いたしておりませんが、盲学校におきましては、できるだけ点字の書物を集めるようにいたしておるわけでございます。
○野本品吉君 今までの施設で十分だということは、だれもお考えにならぬと思うのですが、やはり私は盲学校でせっかく教育をしたものが、盲学校における教育を基礎として、その基礎の上にいろいろな勉強ができ、修養ができ、人間的に伸びるというようなことのできるような条件を整えてやるための点字の新聞の問題であるとか、あるいは点字の図書館の問題であるとか、こういう問題について、もっと積極的な考慮と配慮を必要とする、こう思うのですが、どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説の通りと思います。今までの努力の足りない点を、きめこまかに一つ充実していきたいものだと存じます。
○野本品吉君 そこでもう一つは、今度の文部省の法案に伴う予算を見ますというと、新規に新しい職業の仕事の開拓ということが考えられるわけですね。その新しい仕事の開拓ということについての具体的な構想がありましたらばお聞かせ願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在、盲学校でやっております課程は、普通課程と職業課程と分かれておりまして、職業課程は、はり、今のあんまの課程が大部分でございまして、そのほかに音楽課程がございます。新しく盲学校の場合に、これは試験的に一つやってみたいと思っておりますのは、これが成功しますれば、全国に普及いたす考えでおりますが、その中で考えておりますのは、金属工作と電気器具の組み立て、ピアノの調律、養鶏、養豚というようなものを考えておるわけでございます。
○野本品吉君 今の金属工作の問題、あるいはピアノの調律、養鶏、養豚というようなことは、盲聾を通じての、聾にはこれはもう音楽、音の関係のことはわかりませんが、そういうものを除けば両方通じてのことですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 現在、聾学校では普通課程のほかに、職業課程といたしまして、木材工芸、竹細工を含んでおりますが、被服が相当多いのでございます。それから美容師、美容関係、印刷というようなものが中心でございますが、そのほかに聾学校では職業課程として金彫と装身具工、電気工、自動車エンジン、果樹園芸、養鶏、養豚と、多少、盲学校とは違うのでございますけれども、こういうものを新職業開拓の上におきまして考慮しておるわけでございます。
○野本品吉君 今の新職業開拓の構想を承りましても、盲人のための新職業というものは、今の御構想の中にはほとんどないんですね、どうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 盲人の方は金属工作と電気器具の組み立て、ピアノの調律、養鶏、養豚、これを新しく加えたいと考えておるのでございます。
○野本品吉君 大へんに新しいことに目をつけられまして、恵まれない人たちの生活の将来に、一つの安定した道を与えようとする御着想に対しましては、大へんけっこうだと私は思っております。しかし実際問題として考えた場合に、はたして盲人に今言ったようなことができるかどうかについては、かなりこれは問題もあろうと思うのですが、とにもかくにも、そのままでおけば人生の落伍者として明るい生活を営むことができないこれらの人たちの将来の生活の道を切り開くために、最善の御努力をお願いいたしたいと思います。 さらにお伺いいたしたいと思いますことは、この盲、聾学校の提案の御趣旨の説明の中で、「就学の奨励はきわめて大きな効果をおさめてきております」と、この大きな効果というのは、就学率のこともありますし、いろいろあろうと思うのですが、どういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 盲学校、聾学校の家庭は大体貧困家庭が多いのでございまして、普通の場合でございますと、低所得者層として一割くらいが考慮されるわけですけれども、盲学校、聾学校の場合には、今回の予算では七割を対象にしておるわけでございます。ですから、この人たちは就学奨励金がなかったら、ほとんど就学できないというような実情ではないかと思います。今日まで、昭和二十三年に盲聾の義務制が発足いたしましてから、三十一年に義務教育が完成したわけでございますが、ともかく聾の七割、盲で四割何分というところまでこぎつけましたのは、一つには就学奨励のお陰であったと思うのでございます。
○野本品吉君 最後に、もう一つお伺いしておきたいのですが、先ほど内藤局長からお話のございましたように、盲聾その他の出現率の問題なんですが、精神薄弱が四・五三%、あるいは肢体不自由者が〇・三四%、あるいは盲人が〇・〇三%、この出現率の問題で、結局そういう盲人なり、聾唖者をどうしたら少なくできるかという根本の問題についても、これは検討が当然加えられなければならぬと思うのですが、この出現率の低下ということについては、もう方法がないのですか、これは厚生省どうですか。
○説明員(江間時彦君) 私は主管課長でございませんので、お答えできないのでございます。
○野本品吉君 いろいろ盲聾対策というものが考えられてくるが、やはりその対策の根本に触れる問題として、多少でも出現率の低下ということができるならば、非常なけっこうなことだと思うので、これは適当な機会にまた厚生省の方にも申し上げるつもりでおりますけれども、ここにもやはり研究のねらいというものは、いかにしたらばこういう人たちの出現率を低下することができるかということを、医学的にも、その他あらゆる方面から科学的な研究のメスを入れる程度の熱意が、やはり政治の上においてほしいと、こう思うのですが、これは大臣どうですか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは御指摘までもなく、根本対策は盲聾の不幸な子供が生まれないこと。生まれて後天的にそうならないようにすることが根本であることは当然だと思いますが、私の乏しい常識で考えましても、私の郷里に漁師町がありますが、井戸水がきたないために、また環境衛生常識が低下しておったために、ずいぶんトラコーマ患者が多かった。簡易水道を引きましたら、とたんに激減したという顕著な例もございます。そういう地域的な特殊な事情、あるいは家庭的な特殊な事情等が原因かと、しろうと考えに想像しますけれども、繰り返し申し上げますが、そういう不幸な者の起こらないように、どうすればよいかということは厚生省御所管のことでありましょうが、環境衛生関係を初めとして、原因を突きとめて、国家的にあらゆる手を差し伸べて、できれば根絶を期するという熱意と努力があってしかるべきものかと思います。
○野本品吉君 やはり私はそういう点について国の力をもって根本的な研究をし、対策を立てるといったようなことは、だれもが最近言っておりますいわゆる福祉国家建設ということの大事な前提で、ややもするというと、こういう点が福祉国家建設の視野の外に置かれるんじゃないかということを心配して今日は申し上げたわけです。 それから法案自体につきましては、私は大した問題はないと思うのですが、ここで県、市町村の負担というものが、この法律の改正によりまして、どの程度に具体的に実際にふえるであろうということを御想定になっておりますか、それを一つ。
○政府委員(内藤誉三郎君) 大体一億程度の都道府県の負担の増になるかと思います。
○野本品吉君 その一億の都道府県の負担増というものに対しては、別に何かそれを埋め合わせていくというような措置をとられるわけですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは当然交付税の対象になっておりますので、交付税の中から措置されるものと考えます。
○野本品吉君 これについては国の方でめんどうを見るというようなことになっておりますけれども、問題は実施の当局であります府県が、こういう問題についてどれだけ熱意を示すかということが、この法律改正の実際的な効果をあげる上において非常に大事なことだと思うので、府県に対して、文部省はこの法律改正の趣旨というものを十分に周知徹底させる必要があると思うのですが、その点についてはどういうふうにおやりになっておりますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 今日まで、予算案が一応確定いたしましたので、教育長会議とか、あるいは主管部課長会議等を開きまして、この趣旨は十分徹底しておるはずでございます。この法案が成立いたしますれば、すみやかにこの趣旨を通達いたしまして、御期待に沿うように努力いたしたいと思います。
○野本品吉君 次に就学困難な……。
○矢嶋三義君 議事進行。法律は一本ずつ片づけていったらどうですか。
○委員長(平林剛君) 一括議題にいたしておりますから。
○野本品吉君 就学困難な児童及び生徒のための教科用図書及び修単旅行費の給与に対する国の補助に関する法律の一部改正、これも私は法律自体としてはけっこうな法律で、特段に申し上げる必要もないと思うのですが、今までこの法律の適用に比べまして適用対象の比率というものを上げたわけですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
○野本品吉君 その適用対象の比率というのは、まあ従来の実績を基礎にしてお考えになって、もっと引き上げる必要があるというふうにお考えになられたのか、これは逐次必要最小限度の比率の引き上げを行なったのか、それとももっと将来はこの比率を上げていくべきだという、そういうお考えでおやりになったのか、その点を一つお伺いしたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) 厚生省の低所得者階層の調査によりますと、大体一〇%がこの援護を要する階層という数字が出ておるわけでございます。そこで、文部省といたしましては、従来、準要保護家庭の対象を二%といたしておったわけでございます。文部省の先年調査いたしました資料によりまして、何らかの形で公私の扶助を必要とする者の調査をいたしました。これは昭和三十二年でございますが、そのときの数字は四・一%という数字が出ておったわけでございます。で、今回は二%を一挙に四%に引き上げたわけでございます。これで私どもは大体まかなえるのではなかろうかという気もいたしますが、もちろん実施後の結果にかんがみまして、不十分な分は来年度以降において処置したいと考えておるわけでございます。
○野本品吉君 そこなんですがね。たとえば今お話のございましたように、厚生省で考えておりますいわゆる低所得者層の一〇%、そこまで持っていく必要はないというお考えなのか、もうやはり低所得者層というもの、そこの辺に線を引いて、そこまで持っていくべきだと、こういうお考えなのか、その辺どうですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 今回の措置によりまして、従来、生活保護の方は二・五%で計算しておったわけでございますが、これがこの保護一八%の引き上げに基づきまして、こちらは三%にしたわけでございます。それから準保護児童は二%を四%に引き上げましたので、対象といたしましては七%が援護の対象になるわけでございます。で、厚生省の数字によりますと、一〇%という数字が一応出ておりますけれども、これはさらに検討をいたさなければならない。やはりこれも課題だと思う。私どもの七%という数字は、過去の実績にかんがみて、この程度であればいいという校長からも証明がございましたので、取りあえず四%ということに落ちついたわけでございますが、これで十分だということは私断言いたしかねますが、まあまかなえるのではなかろうか、しかし、実施の結果、不幸な子供たちが漏れますならば、これは来年度以降の問題として処理したい、こういうことでございます。
○野本品吉君 私の質問は大体これで終わりますが、要するに、こういう親切な法律の改正が提案されたことを大へんけっこうに思いますけれども、まだまだこれで満足すべきではありませんし、それからまた、この法案を通していろいろの問題について考えさせられる幾多の問題があろうと思いますので、今後の検討にまかせたいと思います。
○千葉千代世君 盲、聾学校への就学奨励に関する法律の件でございますけれども、前にありました五項目に一項目学用品の購入費を加えたことについては全く賛成でございますが、ただ、その前提となります文章を見ていきますというと、「その全部又は一部を支弁しなければならない。」と、こうございますね。それは私たちの願いとしましては、これは全部支弁していただきたい、こういうふうに考えておるわけですが、費用とか、そういう点について御検討なすったことがございませんでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 「全部又は一部」と申しますのは、全部の費用を要する者がどの程度か、それから全部は要しないけれども一部を要するという家庭があるわけでございます。そこで、援護率を先ほど申しましたように七割を対象にいたしておるのでございます。生活保護法の大体一・五倍までの家庭については、これは全額無償でございます。それから生活保護法の基準に比べまして一・五倍から二・五倍に当たる階層は二分の一を援護する、こういう立て方をしておるのでございます。生活保護法の一・五倍の者は全額無償、それから一・五倍から二・五倍の家庭でございますが、その家庭については二分の一を援助する、こういうことでございます。全体の援護率は児童数の七割でございます。
○千葉千代世君 生活保護法の適用を受けるというのも非常にきびしい基準でございまして、その前後に非常にいわゆるボーダー・ライン層が多いわけですね。特に盲、聾学校に行く人たら、就学できない人たち、こういう原因を聞いてみますというと、ボーダー・ライン層までいかないでも、もうちょっと生活にゆとりがあるけれども、この子たちを寄宿舎に入れるということは困難だという家庭が相当あるように聞いたわけです。私、この間新潟県の南魚沼郡というところへ行ったのですが、そこのお母さんが、子供が自殺したと言う。耳が聞こえないで、みんなからいじめられて学校にも行かなかった。だんだん年令が大きくなって、今二十才になって、恥しいということで自殺した、こういうことを聞いたわけです。それではお宅では何か学校へ行く方法は考えたかというと、あの辺にはなくて、遠くへ行かなければならないからできない、遠くに行くについではお金がない、寄宿舎に入れるについても、さっき局長が説明したように、国の補助ということも少ないためできなかった、こういうことを言われたわけです。ですから、特に盲聾の方々については、普通ゆとりがあっても、実際的には子供が多かったり何かしてできないという例が多いのでございますけれども、もう少しこのワクを広げていくようなことはできませんでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 生活保護の標準世帯の単価が一万千六百八十七円になっております。それに対して就学奨励費の適用を受けるのは一・五倍でございますが、一万七千五百三十一円までの者は、これは全額無償なんでございます。それから二・五倍と申しますと、二万九千二百十八円、約三万円の月収の方、それは半分を負担します。こういうことでございまして、全体として七割程度やっておりますので、まあ相当手厚い援護をしておると私どもは考えておるわけでございます。
○千葉千代世君 その三万円の収入でございますがね。三万円もらっても家族構成がどうなっているかということは基準になっていないようですね。たとえば三万円収入があったとしても、年寄りをかかえているとか、それから小さい子供をかかえている、こういうような家族構成でございますと、今の三万円というものがどういう価値を持っているかということを考えたときに、これは非常に少ないのじゃないかと思うのですけれども、たとえば三万円を基準にして、それ以上のものについては云々と今おっしゃったでしょう、標準の引き上げの問題……。
○政府委員(内藤誉三郎君) それは標準世帯をどうみるかというと、世帯数がふえれば援護額は上がるわけでございます。
○千葉千代世君 五人家族……。
○政府委員(内藤誉三郎君) ですから、五人をこしますればその分は上がるわけでございます。
○千葉千代世君 それはわかりますが、三万円というところに基準を引いてありましょう。今おっしゃった三万円以上云々というところですが、やはり今の物価高の中で、これだけの収入ではとてもやっていけないということなんですね、そういう子供をかかえては。特に寄宿舎の問題と関連するのですけれども、寄宿舎に入れられないということは、現状を聞いてみますと、それがやはり多かったわけなんです。かなり費用がかかる。それへ持っていって、宿舎の収容能力と申しますか、人数を収容するだけございませんようですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) 盲聾の場合には教科書は全員に無償で支給しているわけであります。それから学校給食も全員に無償で支給しております。それから通学しておる者は通学費、本人とつき添い人の旅費を支給する。寄宿舎におる者には、寝具の購入費、日用品等の購入費、食費等を見ておるのでございまして、その額は年額にいたしまして、瀞宿舎の場合は十万二千百七十七円というものが対象になっておる。これを全額見るか半額見るかという問題でございます。
○千葉千代世君 寄宿舎について、さっき七人を一人の寮母さんが見ておるとおっしゃったのですが、これは単にめくらとか、おしの場合だけであって、この中には目が見えなくて足の悪い方なんかがいるわけなんです。そうすると、おうちからつき添いをつけていらっしゃる。これは事実でございますけれども、一部屋もらって、そこで炊事をして学校に出しているという現状がかなりございます。そういうふうにしていきますと、費用は今のような基準ではとてもこれはできないわけなんです。そういう意味で、私の申し上げたのは、「一部又は全部」とあるのは、「一部」を抹殺して「全部」ということに、特に特殊教育の必要な面についてはこれはできないものでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほど私、寄宿舎の場合十万二千百七十七円と申し上げましたのは間違いでございまして、寄宿舎の場合には、盲学校で三万五千三百七十七円、それから小学校の一年、二年以上が三万三十九円、大体三万円前後というのが国の援護しておる額でございます。 そこで、全員に無償にするかどうかというお尋ねでございますけれども、それは盲学校でも、聾学校でも金持の子供がおるわけでございます。何らかそこに線を引かなければならない。線の引き方でございますが、金持に無償でやる必要はないわけです。その場合にどの程度の援護をしたらいいかということだろうと思うのです。現存のところ、生活保護法の五割増しのところまでは無償でやっておるわけであります。普通の場合ですと、生活保護法の対象だけが問題になるわけでありまして、盲聾のような場合には、お説のような趣旨をくんで、五割増しは無償だ、それから二・五倍までは半分を見るというので相当考慮しておるつもりでございます。ただ、全部無償にするということになりますと、他とのバランスも私はあろうと思うのです。
○千葉千代世君 私がこれを申し上げましたのは、やはり盲聾について文部省は一生懸命になっておりますけれども、まだ一般の認識が非常に低いおけなんです。今、文部大臣は、トラコーマの撲滅のために簡易水道を引いたら大へん減ったというけっこうなお話を伺ったのですけれども、これはトラコーマの問題とは全然性格が違って、聾唖の方なんかについても、原因がお腹の中にあったもの、それから生まれてからなった者、後天的なものはむろん原因がわかりますけれども、お腹の中にあったものについては、今までのところ原因が解明されていないらしいのですね。昨年、当文教委員会で、世田谷の聾唖学校へ視察に参りましたときに、そこの院長さんが、ずっと図解して、それからいろいろなデータをお示し下さった中に、あまりにも気の毒なので、一体原因は何だろう、何とか撲滅する方法はないだろうかと伺ったのです。そうしましたら、やはりお腹の中にありましたときに、栄養障害とか、それから過労であるとか、精神的な不安とか、いろいろな原因は考えられるけれども、これがきめ手でお腹の中にあったときにめくらになった、おしになった、あるいは精神薄弱になったという、きめ手というものがないので、はっきりいえば病源がなかなか追及できない今日だ。そうすると、その子供には責任があるわけでもない、親に責任があるわけでもない。そうした場合には、やはり不具に生まれてきた者に対して、国が責任をもってやっていただかなければと言われて、私、もっともだと思ったわけです。そういう点で、やっぱり私どもも認識不足でございました。実際行ってみて、お金のあるうちだからといって、そう数あるものではございませんでした。一人は長崎県の何か課長さんか何かの子供がおしで、お母さんが連れてきて、早く教育した方がいいというのです。今までは少し大きくなってからと思ったけれども、今はもうものが感じられるところになって、すぐやらなければ、二才ぐらいからやらなければ間に合わないのだというので、その子は三つか四つでしたが、きておったのです。そういうふうな対策をしなければならないとぎなんだから、やっぱり早急に啓蒙運動を起こすと一緒に、そうしてやっぱり費用を国が持ってあげるという方法を示していただかなければ、なかなかこの問題は解決していかないのじゃないかということを考えるわけなんです。そういう意味で、その点は要望して、もう少し当面、率を上げていって、全部を何か国で支弁するような方法に政策を向けていただきたいと要望しておきます。 それからもう一つ、寄宿舎の問題なんですけれども、やっぱりこれは絶対数が足りないわけでございますね。この増設についてもやはり御配慮いただきたいと思うのでございます。それから、ここに私立学校の問題も入っていますようなんですけれども、これに関連しまして、去年、特殊学校の助成金でございますか、私立学校のその問題を予算要求して大蔵省にけられて、そうして今度特殊学校の助成金としては出さないけれども、私立学校の助成費か何かに組んだということを聞いておったわけですね。百万円ですか、幾らですか、ちょっとわかりませんでしたが。そうすると、ことしはどうなっているのでしょうか、特殊学校の助成金という中の私立学校です、公立ではなくて。
○政府委員(内藤誉三郎君) 昨年は実は政府予算の方で認められないで、今お話のように私学振興会の剰余金から百万円出した。本年は大へん文部大臣も御心配になって、ようやく芽が出まして、三百二十万円、入校分認められたのでございます。
○千葉千代世君 それは私立の方なんですね。
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
○千葉千代世君 その要求は幾らでございましたでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 一千万円。
○千葉千代世君 最後に、ここに「前項各号に掲げる経費の範囲、その算定基準その他同項の規定による経費の支弁の基準に関し必要な事項は、政令で定める。」と、こうございますね。必要な事項は政令で定めるという内容でございますね。今どんなふうになっていますですか。この政令で定めた範囲は、何かございますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 政令できめましたのは、教科用図書費、それから学校給食費、通学に要する交通費、帰省に要する交通費、つき添い人のつき添いに要する交通費、学校付設の寄宿舎居住に伴う経費、修学旅行費と、今回、新たに学用品が入ったわけですが、これの額を政令できめておるわけでございます。
○千葉千代世君 その額というのは、先ほどお話しになった額でございますか。
○政府委員(内藤誉三郎君) これは、学用品につきましては予算で単価がきめられておりますので、その予算が小学校が千百五十円、中学校が二千円でございます。
○千葉千代世君 わかりました。 その次の3でございますが、都道府県がまあ第一項の規定により支弁しましたですね。ところが、そこに住んでいる児童が他の県に行った場合については、その、他の県に対し二分の一を求めることができるとございますね。これは、結局、一人の人に配ったものはそのまま上げておくというわけにはいかないのですか。一人の人に配りますと、それを他の県に請求するわけですね。県から県に請求していくわけでしょう。これは、こんなにややこしくしないで済む方法はないですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) この規定は、本来、その学区内におる——同府県に就学義務があるわけですから、その同府県の児童については、当然その府県が責任を持つわけでございます。ところが、神奈川県に今あるとすれば、東京から入ってくる子供もおるわけです。その場合には父兄には御迷惑をかけませんけれども、県と県との間で求償権を行使するわけであります。
○千葉千代世君 これで質問をおわりますけれども、やはりこの特殊学校に対しては特に保護を加えなければならないという国の責任を考えますときに、やはりもう少し、全額を支給するというのが希望でございますけれども、もう少しワクを広げて、ことしよりは来年というふうに、漸進的に予算の折衝については十分な御配慮をしていただきたい。こういうふうに考えまして、質問を終わります。賛成いたします。
○矢嶋三義君 それでは簡単に質問しますから、等えも一つ簡単に願いたいと思うのです。 まず第一番に伺いたい点は、政務次官にお伺いしないので、ごく大事なことは大臣に一つ伺いますが、政務次官にまずお伺いしたいと思います。 特殊教育はごく重要であるということは言うまでもないと思います。その場合に、三、四才の幼児のころから教育をする必要がある。それからまた職業を持たせなければならぬのですから、その職業教育をするために、中学校を卒業したあとに高等部というものがぜひとも必要だ。こういう点で特殊教育は幼から小、中、高と一貫した教育がなければならぬ。この点が普通の健康児の場合の教育と違うと思うのです。政務次官はどういうお考えを持っておられますか。
○政府委員(纐纈彌三君) 矢嶋先生の御意見と大体同意見でございます。非常に必要なことだと思います。
○矢嶋三義君 そこで文部大臣に伺うのでございますが、特殊教育の問題を取り扱う法律をこしらえる場合、また予算を編成する場合、健康児の学校が小、中と高が別になっているから、こういう同じような観念で、特殊教育を幼と小と中と高を分けるというのは私は基本的に間違っていると思うのですが、今の政務次官の見解から言いますと、だから、法律をこさえる場合でも予算化する場合でも、特殊教育に関する限りは幼と小と中と高を一貫して考えなければ、特殊児童に対する教育というものは全うされないと思うのですが、そういうふうになっていないと思うのです、今までの文教政策は。この点は是正を要すると思いますが、文部大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私も直感的にはそう思います。今までそうなっていないのはどういう理由か私はっきりわかりませんから、その辺も一つ検討さしていただいたししで、できることならば一貫性のある教育をした方が子供たちのためになりそうに思います。
○矢嶋三義君 お二人とも非常にりっぱな答弁です。これは法制局にしましても、文部省の、優秀だけれども局、課長さんにされても、ややもすると法律を作るときは法律の虫になるわけですね。だから、健康児の学校は小、中学校だからというので敷衍して特殊学校も小、中とくる。ですから、普通の学校が高になったら今度は特殊学校も高、こういう観念なんですね。普通の学校は幼稚園は義務制になっていない、だから特殊学校の幼稚部も義務制は云々と、こういうふうにふらふらとなってくる。こういう全く井戸の中のカワズみたいなものだ。法律の虫になっていると思うのですよ。今、お二人が答弁された通りな特殊教育だったならば、もう幼稚部なんかも義務制、それから高等部も義務制、そうして小、中、高と一貫して教育したならば——予算なんて微々たるものですよ。先ほど内藤さんも述べられておりましたけれども、そうしたような小さいときから効率的な教育ができて、高等学校を終えたときにはりっぱに職業教育ができて、その人も幸福であるし、また社会悪の根源になるということも防げるわけで、そういう政策でなければならぬと思うのですよ。で、この点はぜひとも今後検討して是正していただきたい。たとえば給食の問題をやるときも、小、中とやって、あとで高等学校をくっつけてきたり、今度の法律でも、学用品の購入費、これは小及び中としてありますね。だから、こういう学用品も幼から高、みな出せばいいと思うのですよ、同じように。寄宿舎だって、幼も高もいずれも必要なんです。だから寄宿舎も幼、小、中、高として、それから学用品にしても給食にしても、あるいは修学旅行にしても、すべてを同じように助成していく、健康児の学校と分離する考えに立たなければならぬと思う。予算の総額としては微々たるもので、特殊教育をいかに把握し、いかに判断するかという根本的な点から出てくるわけで、かように今後是正に御努力をいただきたいと思いますので、文部大臣から御答弁願っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは先刻申した通りでございまして、十分検討を加えて努力していきたいと思います。
○矢嶋三義君 このあなたの編成されたこの予算の中で、学用品費の五億何がしの予算というものは、この予算では白眉のところですよ、荒木さんの一番誇りとするところなんです。その点で私は不十分ながらも敬意を表しますがね。しかし、この小、中だけに切って、幼と高に持ってきていないという点、特殊教育の見方としては非常に不十分である。これはぜひとも、今度修正ができなければ、次期予算編成の段階においてはぜひとも考えるようにしていただきたい。事務当局の内藤局長さん御見解いかがでしょうか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 先ほど来、大臣、政務次官がお述べになったように、できるだけ義務制に準ずる扱いをして参ったし、今後もそういう考えでございます。本年は実は高等部の方は給食費を見ましたので実は一緒にやりたかったのですが、大蔵省との約束がありまして、一点ずつということでございましたのでしんぼうしたわけですが、来年はぜひそれをやりたいと思います。
○矢嶋三義君 事務当局が努力するのはしれたものです。実にみみっちいわけですから、ことしは高等学校の給食、来年度は高等学校の学用品、それではいけないわけで、これは閣議あたりで文部大臣が、問題は国の文教政策としてぽかっと網をかぶせてやっていかないと、こういう問題は私は前進しないと思います。意見は一致していますから特に御要望申し上げておきます。 次に、学用品の単価ですね。これは健康児の小中と特殊教育の小中と同じ単価にとっておりますが、それで大丈夫なんですか。それと小の一人千百五十円、中の一人二千円というのは、これはいかように算出されたのか、簡単にお答え願います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 実績に基づきまして小、中とも普通の学校と同じようにしたわけでございます。
○矢嶋三義君 よく実績という言葉を承るわけなんですが、それでは修学旅行費の方のをちょっと伺っておきましょう。今度修学旅行の補助金を適正に、最終学年でなくて在学中に一回は補助されるということに是正されたことはきわめて実際に即したいい改正だと思うわけですが、今度若干単価を上げられて、小学校七百五十円、中学校千八百円とされましたね。これも実績だということなんですか。よく実績という言葉を使われますが、私は若干の学校を調べておりますがね、小の七百五十円、中の千八百円なんかでやっておる学校なんいうのはきわめて少ないのじゃないですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) これも実績に基づいたわけでございまして、実際小学校の場合は最終学年の修学旅行は原則として日帰りということになっております。で、小学校については七百五十円で十分間に合うという考えでおりますが、中学校の場合には二泊三日を原則にしております。この関係から見ますと、千六百円では低いということで実は千八百円に上げたわけですが、この場合に実はいろいろ統計のとり方がございまして、文部省と大蔵省多少意見が違ったわけですが、最終的には実は文部省から出した前の資料がございまして千八百円ということに相なったわけですが、多少私どもの、これは調査の点で調査局の統計と初中局の統計に食い違いのあった点は遺憾に思っておりますが、実績をさらに検討いたしまして今後さらに改善いたしたいと思います。
○矢嶋三義君 この数字は適正でないですよ。質問の本論からちょっとはずれるのですが、今修学旅行が出ましたから、そこに、重要な一、二の点にピントを合わして一、二伺います。 政務次官にお伺いしますがね。修学旅行のときに先生がつき添いに行かれますが、この先生方のつき添いの旅費というものは子供の醵出した金から払うべきものでしょうか、それとも市町村当局の旅費から、あるいは県費から出すべきものでしょうか、いかがでありましょうか。
○政府委員(纐纈彌三君) 建前といたしましては都道府県費の方で支弁すべきだと思います。
○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますが、修学旅行のつき添いの先生方の旅費が都道府県の旅費から出ていなかったならばさように是正すべきものだという助言と指導を都道府県教育委員会になされますか。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) やりたいと思います。
○矢嶋三義君 必ずやるべきです。 それから次に、これは確認いたしたいのですがね。修学旅行の日数は、出席日数にこれから、新年度から入れないのだというようなことをちらっと私は聞いたのですが、そんなことはないと私は言っておいたのですが、念のためにこれは伺っておきましょう。
○政府委員(内藤誉三郎君) 当然出席日数に入れるべきものと思っております。
○矢嶋三義君 けっこうです。 ついでにこの点一、二聞きますがね。あなたのところでは小学校七百五十円、中学校千八百円と算出した。そこで、この法の改正が出ていますね。ところが、最近小学校、中学校、高等学校の宿泊費を五十円関東地区は上げますね。これはあなた方に許可権というのがあるわけじゃないが、どういう見解を文部大臣は持っておられるか。小学校は三百円を五十円、中学校は三百五十円を五十円、高等学校は四耳五十円を五十円上げる。しかも、問題は、大体米を一升ずつ皆持ってきているのですね、米を一升ずつ。さらに僕は調べてみたところが、東京駅に子供が着くというと、子供はすぐバスに乗る。それで子供が持ってきたリュックサックなんかを旅館が自分の旅館にすぐ運んでいく。あれはサービスで運んでいるのかと思ったら、調べてみましたところがね、一個十円あるいは二十円取って運んでいるのですね。こうなりますと、あなた方が今度予算化した小学校七百五十円、中学校千八百円なんかではとうていやっていけません。第一、米一升も子供に持ってこさせるということがいいのかどうか。そうして今度五十円上げるという。値上げのムードの一つかもしれませんけれども、一体池田内閣の国務大臣として、また所管の文部大臣として荒木さんはどういう見解を持っておられるのか、御所見をこの際承っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 宿泊料のこと、あるいは子供たちのこのリュックサックの運賃として一個当たり幾らか取るということ、そのことはちょっと直接責任持って申し上げかねますが、修学旅行のこの交渉のときにきまる問題でございましょうし、お尋ねの趣旨がまあどの点に焦点を合わせていいかわかりませんのでお答え困難な意味もございますが、旅館の宿泊料のことはちょっと私にわかりかねます。
○矢嶋三義君 あなたたちはこういうことを知らないで予算を組んで、そうしてこの修学旅行についてのこういう法の改正を出している。この法の改正の内容は私は賛成です。しかし、予算をこういうふうに数字をあげて大蔵要求をしてわれわれの審議を仰ぐ以上は、修学旅行の実態はどういうものだということを知ってなくちゃいかぬのですよ。あなた方は予算を組んだ後に五十円ずつ上げよう。これは関西にも影響してきます。それだけならまあまあと思ったところが、聞いてみると、大体米の一升から一升五合持ってくる。これは食管法違反でしょう。一体こういうことを子供にさせていいのかどうか。これは何らか指導があってしかるべきじゃないか。リュックサックを十円、二十円なんということは、そんなことは言わない。けれども彼らの、生徒児童の費用を計算したら、そういうものがあるということを私は発見したから、ただ一つ参考に申し上げただけであって、そこを伺うのが目的じゃない。そういう点については、予算を組む文部省としてはよく熟知しておらなくちゃいけない。ある見解をもって、適正でないものについてはちゃんと指導があってしかるべきです。これは学校の教育の場の延長としてやっている。従って、出席日数に入れられているわけですからね。お答えいただきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) お米を一升持ってくるということはこれは間違いでございまして、こういうことがありますれば是正さしたいと思います。 それから、旅館の宿泊費を五十円上げるという話は私どもまだ聞いておりませんが、数年前に五十円上げるという話があったわけなんですが、ところが、いろいろと業者ともお話し、また特別な手も打ちまして、そのときはさたやみになったわけでございます。今回どういう趣旨で五十円上げるのか、まだ聞いておりませんので、実情調査をさしていただきたいと思います。
○矢嶋三義君 実情の調査の結果を報告していただきたい。よろしゅうございますね。あなた方約束するばっかりで一つも報告してくれない。念のために委員長にお願い申し上げておきます。この前、地方財政計画のうち教育関係分を提出するように要求しておきましたが、まだ出ていない。それから校区外入学についてその是正方に関する通達を都道府県に出されるお約束であったのですが、その写しが本委員会にまだ提出されていない。 それで、きょうは先ほど修学旅行つき添い人の県費負担で、旅費が出ていないのは是正したいという御答弁ですから、その助言と指導を都道府県教育委員会へしていただきたい。ただここで応答して努力いたしますといっても、それが実際に行政面に出てこなければ意味がないわけですから、ぜひその結果を報告していただきたい。 そこで本論に返します。時間がないですから若干要点だけ伺っておきます。文部大臣伺いますが、養護学校並びに特殊学級はあなた方の指導によってだんだんふえつつありますが、しかし、どういうところに目標を置いておられるのか。私は私見を申し述べて意見を伺いますが、養護学校と特殊学級は義務必置とすべきだと思うのです。そうして養護学校は最小限一県に一つ、それから特殊学級は一中学区に一学級、それから一都道府県に養護学校一校、これだけは肢体不自由児である子供の数からいって必要欠くべからざるものだと思うのです。これを完全にやれば日本の特殊教育も飛躍すると思うのですが、現存進展しつつあるわけですが、ぜひ早急に来年度あたりこれを実現するように努力していただきたいと思うのですが、御所見を承っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 趣旨において賛成であります。必ずどこにも画一的にそうするかいなかということは、これこそ実績と申しますか、実態に応じての考慮も必要かと思います。その辺のことはわかりませんので、必要ならば政府委員からお答えを申し上げます。
○政府委員(内藤誉三郎君) お説の通り私どももその趣旨の実現に努力いたしておるわけでございまして、今日までのところ大体都道府県では四十数校すでにできております。ただ、肢体不自由児の学校はどこへも一校ずつ建てさせたい。昨年七校ほど設置を見まして、本年は十二校ほどの予算を計上しておるわけでございます。なるべく早い機会に各県に全部作らしたい。そのためにこれは設置義務はすでに法律で規定されていますので、政令で延期いたしておりますが、政令を改正いたしましてその趣旨を明確にいたしたい、とう考えておるのでございます。 ただ、次の特殊学級の点でございますが、昨年実は四百学級の設置を認めていただき、また本年は七百学級を予算で計上いたしましたので、これで、五カ年計画三万以上の市には必ず養護学校、特殊学級が置けるようにしたい、計画的に設置を進めまして、やがて設置義務を政令によって課したいと、こう思っております。
○矢嶋三義君 その方法はけっこうです。御要望申し上げておきます。そこでやや具体的な問題を伺いますが、養護学校の先生と特殊学級の先生との待遇は同じにさるべきものと思うのですが、御見解いかがですか。今格差がありますが、特殊学級を担当する教師と養護学校の教師とは待遇は同一にすべきだと思うのですが、いかがですか。よりよき教師を確保するために大切だと思うのですが。
○政府委員(内藤誉三郎君) 実際の扱いとして御趣旨はよくわかるのでごさいますけれども、養護学校の場合には盲学校、聾学校と同じ考え方でございますので、これは県立学校でございますから、高等学校の俸給表を適用しているわけでございます。特殊学級の場合は小、中学校に付置しておりますので、小、中学校の俸給表を適用しているのが実情でございます。
○矢嶋三義君 そこで特殊学級担当の先生は、これは苦労しますよ。だから特殊学級の先生に何か調整をして、大体実質給与が対等になるようにすることが私は妥当だと思う。
○政府委員(内藤誉三郎君) そういう趣旨で八%の調整額を出しております。
○矢嶋三義君 その八%調整額というのは、今度年金と退職金のときに影響を及ぼしてこないわけですから、その点が差があるわけなんですよ。だから国の支出には影響してから、だから号俸で調整をする。そうして特殊児童を扱う教師の待遇というものは同じようにすれば人事交流もできるようになりますし、好ましいことだと思います。もう一回お答え願いたい。
○政府委員(内藤誉三郎君) それは考え方の問題だと思うのですが、現在のところ小、中学校の先生で特殊教育に理解の深い方が小、中学校の特殊学級を担任しておるわけでございます。だから免許状は小、中学校の免許状を持っているわけです。そこで今お尋ねのように大へん苦労が多いから調整号俸で八%出しておるわけです。この方が小、中学校の一般の方に戻ればこれは出す必要はないわけでございます。この期間中上げてしまって、今度は普通課程に戻った場合に下げるということは、これは人事交流上も支障がくると思うのです。だから私は調整号俸の方がいいのではないかと考えております。
○矢嶋三義君 これは意見が違いますから、時間がかかりますから、あとに保留しておきます。 次に伺いますが、特殊教育に対しては寮母の功績は非常に大きいわけです。これはかってもあなたに個人的に伺ったことがあるのですが、先ほど七人について一人というのですが、施行規則には六人に一人ということになっておる。施行規則通りに六人に一人にすべきだと思う。それでいつもはあなたに個人的にお話申し上げておるのですが、八時間労働制にすべきだ。二十四時間勤務ですよ。この寮母制度がしかれたときには大がい子供連れの未亡人の人がなられたわけです。だから二十四時間勤務でもよかった。ところが、近ごろの寮母さんは未婚の若い娘さんがたくさんなっておられるわけですよ。二十四時間くぎづけされたら映画一つ見に行けない。これは私は人権問題だと思う。だから、今までお互いが持っておった寮母に対する観念と今の寮母さんは違いますよ。質的に言っても、年令から言っても、あるいは学歴から言いましてもですね。だから、寮母の適正な数を確保して八時間労働、交代が行なわれるようにしなければ、今のように二十四時間勤務で、そそうすればその手当もしてやるわ、あるいは御飯もたいてやるわ、着物のほころびもつくろってあげるなんというようなことでは、二十四時間勤務では気の毒だと思う、幾ら給与を上げても。しかも給与が不十分ときている。この寮母の労働条件の整備についてはもっと人権的な見地から考慮しなければならないと思う。これは事務当局でなく、文部大臣からお答えをいただきたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 御趣旨は非常に合理的なお説のように思います。何とか改善の方向に努力したいと思います。
○矢嶋三義君 これはほんとうにかわいそうですよ。平たい言葉ですけれども、いいなずけの人と会う機会もないというわけです。これはわかりやすいことだから私は申し上げておきたいと思う。ほんとうなんですよ。二十四時間くぎづけされている。しかも、それは二人か三人しか採らないわけですから、これはわずかしか予算が要らないのですから、こういうのを放置されておるのが不思議でしょうがないのですが、重ねて政務次官の見解もこれは承っておきます。寮母さんですね、この人の二十四時間勤務をあなたはどのように考えているか。よく聞いておって下さい。二十四時間勤務をやめて、そうして交代制がとれるように適正な寮母の数を確保する。施行規則では六人について一人となっておる。ところが、七人について一人置いて二十四時間勤務ですよ。あなたにお嬢さんがあられるかどうか知りませんが、寮母になったら大へんですよ、外出できないのだから。こういう健康児でない子供を預かっているわけですから、これは人権問題だと思う。どうしてこういうふうに放置されているか不思議でしょうがないのですが、こういうところにあたたかい教育行政を施していただかなければならぬと思うのですが、非常に人権にも関係することですから、文部大臣だけでなくて、車の両輪として文教政策を進める政務次官の御見解もあわせて承り、今後の御決意のほども承っておきたいと思います。
○政府委員(纐纈彌三君) 失礼しました。寮母の問題につきましては、ただいま矢嶋先生のおっしゃいましたように、相手の子供が子供でございますので、ずいぶん苦労がありますことは、私ども十分承知いたしております。今までどういうことでそういう形になっておりますか、十分私も存じませんが、まさしく見方によりますれば、人権じゅうりんの問題も考えられるというようなことでございますから、十分大臣の指図を受けまして検討しつつ改善するようにいたしたいと考えております。
○矢嶋三義君 この点は長い間の懸案事項でございますから、大臣並びに政務次官の政治力に特に期待したいと思います。もう少しで終わります。 次は、生徒の通学に要する交通費を補助する、これが本年度初めて芽を出したいい予算です。六百二十二万七千円出ておりますがね。この通学費の補助にあたって、通学距離、小学校は四キロ以上、中学校は六キロ以上で、避地並びに島嶼にこれを適用したいというふうに説明されているようですね。そこで内藤局長に伺いますが、教育的見地から、小学校通学距離四キロ以上、中学校六キロ以上はマキシマムだと、あまり適当でないと、こういうお考えがここにはひそんでいると思うのですが、いかがですか。
○政府委員(内藤誉三郎君) さようでございます。
○矢嶋三義君 それじゃ文部大臣に伺いますが、そうなりますと、学校統合の問題がずっと進められて参っておりまして、本年度も相当の予算が計上されております。母校統合をやる場合には、通学距離は、小学校は四キロ程度、中学校は六キロ程度がマキシマムの形において統合はなさるべきもので、それをとえての大統合というものは、文部省としては慫慂しない、こういう一貫した見解に立たれているものと判断されるわけですが、御確認を願います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りでございます。
○矢嶋三義君 関連しますからちょっとごかんべんいただいて、 ついでに伺っておきますが、従って適正な規模という立場から、学校統合は、中業校並びに小学校において、マキシマム何学級という御見解を持っておられるか、初中局長に伺います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 二十四学級程度が妥当ではなかろうかと思っております。
○矢嶋三義君 それは小、中通じてでございますか。小と中とでは、若干学級構成が違うのじゃございませんか。
○政府委員(内藤誉三郎君) 小学校で参りますと、六学年ありますので、それが四学級として二十四でございます。中学校の場合には、四学級できますと、十二学級くらいが適当かと思います。
○矢嶋三義君 それで学校を統合する場合に、マキシマムのクラスですね、理想は十二学級でしょう。マキシマムのクラスというものは三六、十八というところが適当なんじゃございませんか。小学校は四六、二十四ということ、そういう方針で指導されているものと思うのですが、御確認願います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省の義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令によりますと、十二学級から十八学級までが標準でございます。それからその次に、第二項で、十八学級とあるのは二十四学級と読みかえておるわけでございます。で、大体標準としては、十二から十八というふうにしておるのでございます。
○矢嶋三義君 これは本論でありませんから端折ります。文部大臣に伺いますが、学用品費並びに交通費の経費を補助するこの予算というものは、教育面における社会保障政策推進の予算であると、かように池田内閣としてはお考えになっておられるのかどうか、その辺の見解を承っておきます。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 仰せの通りでございます。
○矢嶋三義君 さようだとだとするならば、厚生省の低所得層一〇%という数字は、どうしてもとらなければいけないと思うのです。先ほど野本委員の質疑にるるお答えになっていましたが、三%、四%として七%とした、これは昨年度上り確かに進んでいる。しかし、生活保護基準の引き上げとか、それから予算規模がふくれたとか、そういう点を総合的に考える場合、厚生省が持っていらっしゃる低所得層一〇%というのは、私は、ミニマムだと思うのです。従って私は、池田内閣の教育面における社会保障政策という立場においてこれを取り上げて、そうして予算を立てるとするならば、昨年よりは前進したけれども、この七%という数字は、最低一〇%の数字をとらなければ、池田内閣の全般の政策並びにこの予算から見て、ここが私はへこむと思うのです。皆さん方は予算編成などにいろいろ努力されたけれども、結果としては七%にとどまったのかもしれませんけれども、今年度の国民所得の動向ともにらみ合わして、もう八、九月ごろは来年度の予算要求をするわけですが、その際には国民所得、国内経済の動きにおくれることなく、適正なる数字を把握しなければならぬ。で、本年度の予算においては、私はさしあたり最低一〇%という数字はとるべきだったと思うのですが、過去における反省と、今後いかように対処するかという心がけについて、文部大臣に伺いたい。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) なるべく的確な基礎をつかみまして、その上に立って今後に処すべきものと思います。
○矢嶋三義君 数字をちょっと入れてお答えいただきたいと思います、抽象的ではあとで言質になりませんので。内藤さんは盛んに数字をあげてこちらに説明しておられるわけだから、私もその数字について若干の批判と御要望を申し上げたわけです。従って文部大臣のお答えも、数字をもってお答えいただきたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 数字の点でございますから、私からお答えさせていただきたいと思います。実は、四%という数字は、昭和三十二年に文部省が調査いたした結果、公費の扶助を要するものと校長の認定を得たものが四・一%であったから、この程度の数字をとったわけでございます。今回これを実施いたしまして、その後においてまだ公費の扶助を要するものと認められる分については要求したい。ただ厚生省の白書による一〇%という数字にも、いろいろと問題点があるように聞いておりますので、この点もあわせて十分検討いたして要求したい、こう思うわけでございます。
○矢嶋三義君 委員長の委員会の運営に協力して、あと二間で終わりますが、二つの法律案を三十分くらいで片づけようというのだからあしからず……。その一つは、最も新しい数字として、長欠の生徒児童数を幾らとつかんでおられるか。それから、就学免除の生徒児童数を幾らと把握されておられるか。それをお教えいただきたいと思います。
○政府委員(内藤誉三郎君) 長欠児童のとり方でございますけれども……。
○矢嶋三義君 不就学児童です。
○政府委員(内藤誉三郎君) 不就学児童の中で、猶予、免除した数字というものは、今、手元にございません。で、長欠児童が問題になろうかと思うのですが、長欠児童のとり方ですが、五十日以上欠席した者を長欠児童として推定いたしますと、小、中とも大体十万前後になっておると思うのでございます。
○矢嶋三義君 大臣にお伺いしますが、小、中学校の教育は国としても保護者としても児童に与えなきゃならぬ義務が憲法で規定されておるわけです。しかも、それは無償という規定もなされておるわけですね。しかし、小、中学校おのおの約十万からの長欠児童がいる、それと、御承知のごとく夜間中学校というのができておるわけですね。これは学校教育法違反ですよ。憲法の完全実施という立場から、これらには異常なる決意をもって対処しなくちゃならぬと思うのですが、大臣の抱負と決意を承ります。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 根本的には、社会保障政策を親切に実施すること、主として厚生省方面で考えてもらわねばならぬと思います。現実に御指摘のごとく夜間中学があることは私も聞いておりますが、まさしくこれは法律制度違反の姿であることは間違いない。にもかかわらず、現実にはあるというところに悩みがあるわけでございますが、いわばやみの中学校なわけですから、やみの学校をなくするために、文部省としても極力房力をいたしていかねばならぬと思います。
○矢嶋三義君 願わくばそういうお答えのときに、努力するとだけでなくして、具体案をあわせお答えいただくと非常に幸いであるという意思表示をしておきます。 最後の質問ですが、それは最近の日本の文教予算が就学困難な児童生徒を不十分ながらも何とか救おう、山奥地並びに島嶼の生徒児童の教育を少しでもよくしようという、そういう善意の方向に不十分ながら日本の文教予算の性格が向かいつつあるということは、私は非常にけっこうなことだと思います。その方向として若干芽が出てきつつあるわけですけれども、しかし、その予算というものはきわめて不十分です。それはただ国家財政が不如意であるからという理由にはならぬと思います。先ほど特殊学校について基本的な考え方をただしましたが、少なくとも憲法の立場からそれを完全に生かしていこうとなれば、今の日本の二兆になんなんとする一般会計予算規模からいって微々たるものです、こんなものは。私はいつでも申し上げますが、防衛庁は、国務大臣、一年間にパチパチで七十億円のたまを撃っているのですよ。科学の研究とかなんとかは将来生きてくるかもしれませんけれども、ぶっぱなしたたまはそれっきりです。一年間に七十億円撃っている。まあそういうことと、それは一例ですが、あわせ考えれば、こういう島嶼、僻地の、あるいは就学困難な児童を救済する、数万の子供を救済するなんかというのは、考え方次第では予算は幾らでも出してくれますよ。あるいは決算委員会等で、国の決算委員が指摘したあの移管事項の指摘、あれあたり見ても、それは予算の使途、これに行政府において十分効率的に配慮してやるならば、その面からでもこういう憲法施行上必要な予算というものはどこからでも国は出してくれますよ。社会党内閣だったら一ぺんにやってみせますよ。私ははったりを言うわけじゃない。要するに考え方ですよ。そういう点で、私は今後の善処を特に要望しておきたいと思うのですが、この機会に伺っておきたいというのは、就学困難な問題に僻地を非常に入れておるのですが、私は今後勉強する関係上参考に聞いておきたいのですが、・内藤局長に。テレビがここにでてきておるのですが、僻地を対象にテレビの学校放送教育というのは日本の中学校に重点を置いておるのですか、小学校に重点を置いておるのですか。それとも小中を合わせてねらいとして扱うことを編成してやられているのか。まあNHKさん、あるいは民放さんと連絡してやっていることだと思うのですが、基本的な方針についてはどうなのか、それを聞いておきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) 学校教育において視聴覚の教材というものは、非常に教育的効果が多い。特に平面的な教育でなく、立体的な教育になっておりますので、こういう点から視聴覚は教材をできるだけ取り入れるようにしておるわけでございます。この観点から申しますと、ラジオの方は非常によく普及しております。テレビも最近は一万数千台に上っておりますが、小中とも高等学校に至るまで、テレビの授業は奨励しておるわけでございます。 今回僻地に四百台の、昨年三百台でございましたが、四百台のテレビを普及することにしたわけでございます。 なお、これに伴いまして、電源の開発につきましても、特に数年来努力をいたしておりますので、僻地においてこの視覚のエリアに入っておる限りにおいては、これは全部整備したいと考えております。
○矢嶋三義君 資料の提出を最後にあらためて確認しておきます。昨日の委員会でも要請しておいたんですが、今まで確認された資料をですね、明日中まで委員長を通じて委員会に提出をお願いします。それは地方財政計画関係と、それから区域外入学を、これに対する助言、指導、特に昭和三十六年四月から区域外に入学を絶対に許さないように、それから区域外から入っておる生徒児童から委託金を取っておることは、今までの方針に反するから、即時やめること、これの通達。 それから本日出ました修学旅行に先生方がつき添いに行った場合に、その先生方の旅費が子供の修学旅費あるいはPTAから出るのは間違いで、都道府県の旅費から当然支出さるべきであって、今後もそうやるとともに、そうやってないところは是正すべきである。してほしいという意味の助言と指導をなさる文書ですね、こういうものを早急に出していただき、今週中にその写しを委員長を通じて本委員会に出していただきたい。御確認願っておきます。
○政府委員(内藤誉三郎君) この地方財政計画の点につきまして、自治庁と協議いたしました結果、まだ閣議決定になっていないから、当委員会に出すのも見合わせてほしいと、二、三日中には閣議決定に持ち込みたいと、こういうことでございましたから、御了承いただきたいと思うのです。 それから次に、区域外就学及び委託金徴収禁止についての通達でございますが、これはただいま起案しておりますが、あした中に出せと言われても、ちょっと無理かと思っております。できるだけ早くこれは出したいと思っております。 それからなお、就学旅行のつき添いの旅費については、十分すみやかに検討いたしたい。と申しますのは、これは修学旅行の場合、三十人に限って一人が当然旅費はただになっておるわけでございます。それ以外にまあ出た分でございますので、これについては公費で支弁するのが当然と考えておりますから、適当な通達を出したいと思います。
○高橋進太郎君 法案が可決されます前に、一点だけ文部大臣にお伺いしたいと思うのです。今回政府からお出しになった法案、学用品の購入費を新たに加えたということ、きわめて有効であると思いますが、おそらく予算の制約がありましてこの程度になったと思いますが、こうした日に当たらない部面に政治の光りを及ぼすということが、最も私は政治の上できわめて大切なことと思いますので、今後一そうこうした点について拡大をしていただきたいと思うのでありますが、ただ最後に一点だけこの機会に文部大臣にお願いしたいのは、盲学校といい、聾学校といい、就学している本人はもとよりのこと、父兄が、しかも最近は視力の弱い者あるいは耳の完全に聞こえなくないまでも普通の学校へ行くというのにはどうしてもついていけない、こういうような関係から盲学校あるいは聾学校へ入る者もあるわけです。ところが、その際に一番本人並びに父兄の気にいたしますることは、どうも自分の子供あるいは本人が盲学校、あるいは聾学校というはっきり名前がそううたわれた学校に就学するということが何となく肩身が狭い。あるいはそのために非常にまあ父兄も悩む、こういうような実情にあるのでございまして、従って今直ちにとは申しませんけれども、これは適当の機会にこうした学校自体がお前はめくらだ、お前はおしだ、あるいはつんぼだ、こういう烙印を押すような形の学校の名前ではなくて、何か適当な名称に変えていただいて、そうしてその学校自体が、言いかえるならば、教育自体がそうした愛情を持ったようなあたたかい教育制度と申しますか、そういう発露をしていただいたならば一そう今回の改正の法案の趣旨にも非常に沿い、特に非常に予算を伴うことではございませんので、荒木文部大臣が日ごろ言っておられる、そういう愛情のこもったあたたかい教育行政をやられるという本旨にも必ず沿うのではなかろうかと思いますので、この点一つ大臣から御所信のほどを承っておきたいと、こう思います。
○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ一般にお示しの通り、日の当たらない生徒児童に対しての国家的な思いやりというのはこれはまあ当然なことでございまして、従来とも努力しておるに間違いございませんが、ただこの新規のことを予算化します場合に、高橋さんもよく御承知の通り、なかなか何でもかんでも最後までがんばるというわけにいかない現実を遺憾としますが、まあともかく一応芽を出させていただいて、年々歳々それに対して積み足していって、できるだけすみやかに百点をとれるようにもっていかねばならぬと心得ます。 なお盲学校、聾学校の名称でございますが、私も率直のところお説のような気持がいたします。何もそういう看板をわざと掲げて身体の不自由な者の校門をくぐらせるようにしなければならぬというはずはないわけですから、まあお知恵も拝借しながら検討さしていただきたいと思います。
○委員長(平林剛君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(平林剛君) 速記をつけて。 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって両案の質疑は、これをもって終了いたしました。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○豊瀬禎一君 まず、両法案に賛成をいたしますが、各委員からも切々この問題の本旨について述べられましたように、就学困難な児童の国の補助に関する法律が、これが制定されて五年、盲聾の方は七カ年になります。歴年、次第によくなりつつありますけれども、まだこういう特殊な貧困家庭の児童あるいは身体的に不自由な児童に対しましては、もっと都道府県が私立学校等にその責任を移すことなく、国の責任において他の一般の義務教育より、より以上に優遇と申しますか、諸設備、諸経費等を完備した国の行政の中であたたかな教育が受けられるように特に大臣初め、関係各者が逐次考えていきますということでなくして、次年度においては、画期的な政策ができるように要望いたしまして、社会党といたしましては両案に賛成いたします。
○委員長(平林剛君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって両案の討論は終局いたしました。 これより採決に入ります。まず、就学困難な児童及び生徒のための教科用図書及び修学旅行費の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成君挙手〕
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 次に、盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(平林剛君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案につきまして本院規則により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(平林剛君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十五分散会 ————・———— 三月九日本委員会に左の案件を付託された。(予備審査のための付託は二月四日)一、就学困難な児童及び生徒のための教科用図書及び修学旅行費の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案一、盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案