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38回国会参議院1961/03/09

文教委員会 第9号

発言数
63
登壇者
7
会派数
2
開催日
1961/03/09

会議録

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動につき御報告いたします。去る三月七日、井川伊平君が委員を辞任され、その補欠として杉原荒太君が委員に選任されました。以上であります。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき、御報告申し上げます。  開会前の理事会におきまして協議の結果、本日は、まず、一昨七日本委員会に予備付託となりました教育職員免許法等の一部を改正する法律案につき文部大臣より提案理由の説明を聴取し、次いで当面の文教政策に関し調査を進めることといたしました。  なお、明日は午後一時より委員会を開会し、就学困難な児童及び生徒のための教科用図書及び修学旅行費の給与に対する国の補助に関する法律の一部を改正する法律案及び盲学校、聾学校及び養護学校への就学奨励に関する法律の一部を改正する法律案、以上二法案を議題とし、審議をいたすことになりました。  以上、理事会決定通り審議いたして参りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう進めて参ります。  なお、本日は前回の委員会におきまして御案内の通り、午後二時より国立近代美術館の視察を行なうこととなっておりますので、この点御配慮の上審議いたされるよう希望いたします。  それでは、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題とし、文部大臣より提案理由の説明を聴取いたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました教育職員免許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  教育職員免許法は、教育職員の免許に関する基準を定め、教育職員の資質の保持と向上をはかるために制定されたものでありまして、施行以来すでに十余年を経過いたしております。その間、同法の施行後の実情にかんがみ、制度の内容に改善を加え、またはその簡素化をはかる等、教育現場の実態に即応させるとともに、同法の趣旨の実現を期するため、すでに五回にわたり改正をいたして参りました。  このたびの改正案は、中学校等の教育課程の改訂に伴う教科の改正に対応して、これらの学校の教員の免許状にかかる教科を改めるとともに、教員需給の現状にかんがみ、不足することが予想される教科の教員の免許状について、その取得要件を緩和する等の措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案の概要について申し上げます。  まず第一に、中学校及び高等学校の教員の免許状にかかる教科の名称を改めたことであります。すなわち、中学校の教員の免許状にかかる教科については、「図画工作」を「美術」に改めるとともに、新たに「技術」を設け、高等学校の教員の免許状にかかる教科については、「図画」及び「工作」を、それぞれ「美術」及び「工業」に改めました。  第二に、高等学校の工業、理科及び数学の教科についての教員免許状の取得方法について特例を設けたことであります。高等学校の工業、理科及び数学を担任する教員の需要は、今後ますます増大することが予想される一方、これらの教員となることを志望する者はきわめて少ない現状であります。そこで、このような需給の実情に応ずるため、これらの教員の免許状を取得する場合に必要とされる教職に関する専門科目の単位の修得については、当該教科に関する専門科目の単位の修得をもってかえることができるよう特例を設けようとするものであります。  第三に、高等学校の実習助手並びに学校看護婦等教員の職務に準ずる職務に従事する職員に対して、教員免許状を授与することができる特例を設けたことであります。すなわち、高等学校において実習を担任する教諭の職務を助ける実習助手で一定の基礎資格を有するものが、所定の在職年数及び単位数を充足した場合には、高等学校において実習を担任する教諭の二級普通免許状の授与を受けることができること一といたしました。また、学校看護婦等の在職年数は、養護教諭の免許状の授与を受ける場合に必要とする養護教員の在職年数に含めることができることといたしております。  第四に、中学校及び高等学校の教員の免許状にかかる教科の改正に伴い、法施行の際、改正前の教科についての教員免許状を有する者については、不利益を生じないよう必要な経過措置を講じたことであります。  なお、この法律は、公布の日から施行することといたしておりますが、中学校の教員の免許状にかかる教科の改正に関する規定は、中学校の教育課程の改正の期日と合わせて昭和三十七年四月一日から施行することといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、当面の文教政策に関する調査を進めます。  質疑の通告がありますので、発言を許します。矢嶋三義君。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は許された時間内で、当面比較的緊急な案件であるこの学区制の問題と、それからスポーツ関係の予算に関して若干伺いたいと思います。  質問の本論に入る前に、文部省にお答え願いたいと思うのですが、それは、先般、地方財政計画が大体策定されました。その策定が行なわれたならば、地方財政法等の改正に基づいて、公費負担でない職員がいかように法の改正の趣旨にのっとって公費負担に切りかえられることになったか、書面をもって委員長を通じて本委員会に報告してほしいということを前々回の委員会で要求いたしましたところが、提出するということでしたが、まだ委員長を通じて本日まで出ていませんが、各委員に提出していただくことになっているのですが、いつ提出していただけるのか、お答え願います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 地方交付税の問題が実は閣議のまだ決定をみていないと思いますので、閣議決定次第に通達を出す心がまえでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 予算案は衆議院を通過して、すでに第二の参議院に回されているのですが、閣僚の一人として、荒木国務大臣はどう考えられますか、まだ閣議決定してないのですか、怠慢ではございませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一部まだ調整を要するところがあるらしゅうございまして、閣議決定に最終的にはなっていないと承知いたしております。ただいま申し上げましたように、その点、はなはだ恐縮でございますけれども、なるべくすみやかにお約束通りにいたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私の質問し、また要請した資料は、都道府県、特に市町村の予算編成と関連がありますので、閣議決定前ではありましょうが、一応、試案という形で書面にして委員長を通じて本委員会の各委員に早急に配付していただきたいことをお願い申し上げたいのですが、大臣お答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 承知いたしました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは御要望申し上げておきますが、詳細なものを本日中でも各委員にお渡し願います。  出席要求の方々は、文部大臣、それから文部省の初中局長、管理局長、体育局長、それに警察庁関係でありますから、まだお見えになっておられない方は早急においで願うようにお取りはからい願いたい。出席されている方々から逐次質問して参ります。  第一間として文部大臣に伺いますが、小学校、中学校、高等学校の学区制についてどういう御見解を持ち、どういう取り扱いをなさり、対処されておられるか、お答えいただきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 学区制は、制度づけられております限り当然守られねばならない、そういう建前で従来文部省としては対処しておると承知いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ちょうど戦後のベビーブームの時代が今おとずれて参っておるわけですが、現在の学区制の施行状況は満足すべき状態にあるとお考えになっておられますか。それとも文部省としては何らかの、今までもやったであろうが、さらに一段と助言、指導を強化せねばならぬ、そういう実情であると御判断になっておられますか、文部大臣の御所見を伺っておきたいと思います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 先刻申し上げた通りの考え方で文部省としては経過いたしておりますけれども、実情は必ずしも理想通りにはいっていないと承知しておりますから、機会あるごとに、学区制が努めて現実に守られるような方向に処置せねばならぬと心得ます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 次の質問をする前に初中局長に伺いますが、小学校、中学校については明確でありますから必要ございません。あなたが持っていらっしゃる最新の資料に基づくところの各都道府県における高等学校の学区制実施状況というものはいかなるものであるか、概要を承りますと同時に、小中高等学校で、そのきめられた学区制を侵して区域外に入学、いわゆるもぐり入学をしている生徒児童数が、おおまかに言ってどの程度であると判断されておられるか、お答え願いたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 高等学校の学区制につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十条によりまして、都道府県教育委員会が定めることになっておるわけでございます。そこで、学区にいろいろございまして、一学区一校というのがいわゆる小学区と言われておるものでございまして、これは最近非常に減少しつつあります。小学区が五道府県にわたっております。それから全県で一学区を作っておるもの、これがいわゆる大学区でございまして、これが五県でございます。その他はいろいろございますが、大部分のものが数校で一学区を形成しておるという形をとっておりますので、大部分が中学区であると、こう御理解いただいてけっこうだと思います。小学区でございますと、一校  一学区でございますから、勢い必ずしもそこに教育の機会均等が実現されないので、できるだけ文部省の方針としては中学区が望ましい、数校で一学区を形成する、こういう考え方をもって指導しておるわけでございます。もちろん大学区で一県一学区というようなところは、これは好ましくないと考えておるわけでございます。  それから次にお尋ねの、やみ入学がどの程度あるか、小中高別に資料を分け、的確な資料がございませんが、小中学校の場合には義務教育でございますので、それぞれ教育委員会が通学区域を定めておるわけでございます。その場合に、大部分のものが小中高も通じて守らておると思いますが、ただ、いわゆる有名校になりますと、特殊なところに住民登録を偽ったり、いろいろな方法でもぐり入学をしておるという事実はございますが、全国的に見ますれば、これはパーセントは非常に少ないと思うのです。ただ、ある有名校に部分的に集中しておるというのが実情ではないかと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そのごく一部分の有名校のその実態というものは、非常に影響性が大きいんではございませんか。全国の生徒児童数から見た場合のパーセントは低くても、一県に一校とか二校とか、ごく学校数としてはパーセンテージは低いけれども、特定の有名校に非常に区域外入学というか、もぐり入学があると、このことは一県に一つとしても、全県に及ぼす影響というものは非常に大きいのではないか。特殊な学校では大体生徒児童数の三〇%から四〇%が医域外入学、もぐり入学になっておる。こういうことを私は聞いておるわけですが、そういう点については文部省としてはどういう認識を持ち、どういう見解を持っておられるのか、具体的には昭和三十六年度の入学期を控えて、最近いかなる指導と助言とをなされたのか、お答え願いたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) お説の通り一部の学校でございまして、これは特に東京にはその例が多いのでございますが、いわゆる有名校にもぐり入学が多い。この率も御指摘のように、多いところは三割くらいに上がっておるとも聞いておるわけでございます。これにつきまして、文部省では以前から実はもぐり入学の禁止について通達も出しておるわけですが、最近は三十三年の三月十三日付をもちまして、各都道府県に、区域外就学について十分徹底した措置をとるように通達もいたしております。機会あるごとに、この区域外就学については十分な配慮の加えられるように指導もいたしておりますが、ただ問題は、現実に学校差があるという事実でございます。この学校差をいかにして解消するかということが、一つの大きな問題でもございますので、施設設備の点において充実をはかるとともに、教員組織につきましても、できるだけ各学校の教員組織をよくいたしまして、学校差をなくするように努力をいたしておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣にあらためて伺いますが、文部省の方針に基づく学区制の堅持と、これを守っていくためには、また父兄並びに児童に満足してその方針に従っていただけるような文教政策というものが、日本全国に行なわれるようになるためには、その対策として具体的にどういうことをさしたらよろしいか、どういうことをなされようと文部大臣としてお考えになっておられるのか、お答え願いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ結局学校差といいますか、その有名校とそうでない学校と一般に認識されておる事実がある限りは、いいことではありませんけれども、なかなか絶滅を期することが困難であるという性質のものかと思います。そこで文部省として、もしくは教育委員会等の責めに帰すべき理由によって学校差があるとすれば、それは極力あらゆる努力をして、あらゆる機会にそういうことのないように努めねばなるまいかと心得ております。同時に学校当局というか、先生たちもうんと勉強して、有名校以上にしてみせるという意欲を持っての御努力を私は期待したいと思います。さらに子供を持つ親が、世間的に有名校だと言われることにあこがれて、子供本人よりは、むしろ親の虚栄のためにわんさと押しかける傾向も否定できないと思いますが、そういう浮わついた考えを一つ一擲していただいて、有名校にただ押しかけるようなことをしないようにというPRを十分することによって、これらのことが総合的に相協力されて初めて絶滅を期し得るかと思います。当初申し上げましたように、一種の何と申しましょうか、人情に立脚した事柄の現われでもございますから、なかなか一律にぴしゃっといかないうらみがあり得ると思いますけれども、それでもなおかつうむことなく、今申し上げたような努力をみんな関係者がし続ける、そういう考え方で臨みたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これはかつて数年前も私は当委員会で質問をし、善処を要望して、年々本委員会で論ぜられておることです。特に三十八年の高等学校入学のときがピークで、これはベビーブームで非常に緊急な重要な事態です。これらをあわせ考えるときに、今文部省がやっておること、それから文部大臣の今の御答弁、そういうことでは問題は前進しない。私は非常に不満です。指導に対する通達なんか、三十三年三月十三日に出してそれきりです。今の中学校の一年生というのは、これは昭和二十二年に生まれた子供ですよ。三十四年、三十五年、ことに三十五年度あたりから強力なる指導をやらなければならないと思うのです。今からでもおそくない。これから高等学校入学を控えて一番大事なことですよ。それを三十三年三月十三日でやっただけです。これを当時われわれ文教委員会でやったわけですが、それを通達を出して強力な指導をして、それなりにほうっておるのは無責任です。今の文部大臣の御答弁は、それは通り一ぺんですよ。失礼だが、点をつけたら五十点ぐらいしかあげられないですよ。それで、私は具体的に伺っていきます。二、三対策を打ち出す意味で。小中学校の生徒は他の区域外の学校に入った場合に委託金を徴収する、これはよろしいのですか、よろしくないのですか、文部大臣、お答えを願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと手間どりますから、政府委員からお答え申し上げます。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 区域外の入学の場合に、もちろん双方の教育委員会が協議によって入学を認めることはこれは合法でございます。ただ問題は、いわゆるやみ入学で住民登録を偽ったりして入学する、こういう場合に、正式に寄留しておればこれは問題はないわけでございます。そこでもちろん今お尋ねの区域外入学の場合に、委託金を取ることは適当でないと考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 区域外から入学する子供に対して六千円から一万円の委託金を取っておるところが多い。これは初中局長の答弁では好ましくないという、こういう答弁です。文部大臣としては、そういう委託金を取ることをやめさせるべきだという御見解があるかどうか、はっきりお答えを願いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 好ましくない限りはやめさせるように指導すべきだと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その通りです。りっぱな答弁です。従って自治大臣との連絡をして、早急にそういう委託金を取っているというのを中止させるところの強力なる指導をしていただきたい、お答えを願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 努力いたしましょう。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 自治省大臣と御協議の上、そういう文書を出していただきたい。出した場合には、その写しを委員長を通じて本委員会に提出願います。これを守らせるか守らせないかは、平衡交付金あるいは特別交付金、特交との配分の場合に自治省が決議をすれば簡単にやめさせられますよ。それは不交付団体に対してはそういう何はきかないかもしれないが、特に交付団体がそういうことをやっておったならば、平衡交付金はともかくとして、特別交付金の場合、特別交付金の分配の場合に、政府がそういう指導をしているのに、その通りやらないで委託金を取っているならば、特別交付金はやらないというような行政指導をやればぴたりやめますよ。だから政府がやるかやらないか、意思があるかどうかという一点にかかるわけです。かつて政府からもそういう委託金を取ってはいかぬということを通達を出したにもかかわらず、これを無視してこういうことがやられているということは、これは中央行政権の権威に関することだと思います。それは中央集権でも何でもない。それで、これがまだ通達の意思が生かされずに多額の委託金が徴収されているということは、義務教育の学区制堅持という立場からまことに遺憾なことであり、その行政能力を私は疑わざるを得ない。従って今私は具体的な点を若干申し上げましたが、文部省と自治省の間で話し合いをして、腹をきめて、そして行政指導をして、それにも従わない自治体があったら特別交付金において考慮したらいい。これは少しも違法ではない。その分を特別交付金から差し引けばいいわけですから、そうしたら行なわれることになりますよ。これを強く要望しておきます。  それから次に、文部省の管理局長に伺いましょう。あなたのところで施設費関係の補助配分等の仕事をしているのですが、こういうやみ入学というような日本の文教政策の根本に関することについて、法に基づいて正常なる文部省の方針、指導、助言を無視して、そういうことをやっている自治体に対しては、補助金等の配分の場合是正を要請すべきだと思う。ただ私は、初中局長の所管は初中局長の所管、管理局長の所管は管理局長の所管というような個々ばらばらであってはならない、行政というものは。あなたの方は学校建築の補助金を受ける資格がある、これは坪数幾らであるからこうこうである、従って資格はありましょう、しかし、この校舎については他の校区からこれだけのやみ入学があってそれだけ脅威を来たしているのだ、だからやみ入学というのは文部省の方針としても許してないのだから、だからその点を十分参酌して申請書を出してもらいたい。こういうことで文部省全体が筋の通ったやり方をやればやみ入学はやめさせられますよ。しかし、ある局ではやみ入学をやめろやめろというが、しかし、もぐり入学のためにその校区の生徒は皆迷惑している。他の校区から三〇%も四〇%も有力者の手ずるで、他の学校の区域外のところからもぐり入学がされるので、その区域の生徒は迷惑している。その子供のおかあさんは、よそからの家庭も豊かな、また権力につながった人の手ずるでたくさん入ってくるので、肩身のせまい思いをする。おとうさん、おかあさんはびくびくしているわけですよ。こういう状態で置いておいていいのか。ただ機械的に五月一日現在で生徒数が何名あるから、だから坪数を計算して補助金を出す。それで初中局と管理局がばらばらだ、こういう教育行政というものがあってよろしいのかどうか、現在まではそうですよ。何らの考慮を払われていない、これは是正すべきである。まず文部大臣から方針をお答えいただいて、次に管理局長からお答え願いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) それぞれ部局が分かれておりますと、ともすれば御指摘のようなことが起こり得ると思いますが、そういうことが起こらないように、総合的に考えねばならない立場が大臣であり官房だろうと思うのですが、そういう気持で御指摘のようなことが極力起こらないように注意したいと思います。

福田繁文部省管理局長

○政府委員(福田繁君) ただいま仰せになりましたいわゆるやみ入学の問題でありますが、決して私ども文部省といたしまして、管理局のみの立場でそれを処理いたしておりませんので、従来は当該年度の五月一日現在の生徒数で押えるやり方をいたしておりまして、それについても今言った、はっきりしたやみ入学というような問題についてはこれを除外するような考え方をとっております。ただし、これがやむを得ない社会増でありますと、この社会増を認めないというようなやり方は認められませんので、従っていわゆる何と申しますか、不正な入学というものについては、生徒数を私どもは認めないという方針で従来から来ております。ただ、これがはっきりいたしません場合はこれはやむを得ません。子供が現実におる場合は、これはやはりその地区の社会増として認めなきゃならないというようなことになるわけでございまして、従ってそういう考え方で今後も処理いたしたいと考えております。ただ私、若干の実例を申し上げますと、東京の周辺におきましては、他県からの越境入学といいますか、そういうものが若干あることは私も認めております。そういうところはやむを得ず、生徒が一学級の五十六人をこえて、やはりそれ以上上回って実際上は迷惑をしているというような事例もあるようでございまするので、そういう点にいては、所管の東京都の教育委員会  に対して注意をいたしておるところでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 まあ福田管理局長は、基本方針を守って適正に扱っていると  いうことは私ども承知をしております、その点は。しかし、あなたのところにわからない、それから初中局からも連絡がない、だから現実的には文部省は一つの旗を掲げているけれども、ほんろうされているという形ですよ。ごく一部の人ですけれどもね。実際数字が上がってこない、都道府県教育委員会、市町村教育委員会、さらに極端に言えば学校長まで、それを極端にあるいはある程度無視して数字を積み重ねてきていますからね。だからつかもうと思ってもかむことができないのが現実ですよ。それでほんろうされているわけですね。従ってこれは解消できないわけです。この点は強く私は注意を喚起しておきます。  この点についてもう二点、具体的なことをお伺いいたしますが、私はある新聞で見たんですが、これは非常に父兄、児童の重大関心事だからある新聞が特集してあった。その中に非常にうまくいったところと比較的混乱している、収拾しかねている例として、静岡県と水戸市を例にとってありました。水戸市の場合は早急に校区に帰れとやったところが混乱した。静岡県の場合は、一部ではなまぬるいと言われるかもしらないが、一年生には絶対に入れるな、二年生は校区に帰りなさい、三年生は今のままで認める、こういうような弾力性のある方針を打ち出して、これが成功したと報ぜられておったようです。私は一つの名案だと思います。具体的なことは行政府に私はまかせますがね。しかし、長い間国会でこれは論ぜられてきて、日本の文教政策の重要な問題だから、立法府に議席を置く私は、一議員として最小限これだけのことを文部大臣に伺い、善処を要望したいと思います。それは来年の四月一日から最小限、小中義務制において校区外の学校に絶対受け入れてはならない、これを強く指導をする、学校長まで浸透すれば、学校長さんは先生方が家庭訪問ざれることですから、これはもぐりかインチキかということはりっぱにわかるはずですよ。ある特定な家だけに居住届けを出しておいて、子供は実際は乗用車、汽車あるいはバスで遠方から通う、ひどい場合は埼玉県から麹町中学に通うということは、主任の先生が子供の家庭訪問をやってはっきりわかるのです。徹底していったら学校長でもチェックできるはずです。そういう指導を守らない学校長に対しては、市町村の教育委員会で適正な指導をすればいい、市町村の教育委員会がそれをしないならば、都道府県の教育委員会で適正な指導をすればいい、そういう指導態勢がはっきりすれば、こういう何人が考えても当然しなければならぬという問題は起こらないと思うのです。だから私、最小限言うことは、文部大臣として、ここにはっきりと荒木文部大臣の方針として意思表示をして、そうしてしかるべく系統を合法的に経て、強力な助言と指導をする、それは明年の四月一日以降、校区外に絶対入れない、そうしないと今の中学校の一年生は、先ほど言いましたように昭和二十二年生まれです。これから新たに中学校に入ってくる者、高等学校に入ってくる者、ことしは高等学校の入試が一番やさしかった年ですが、来年、再来年とだんだんと高等学校の入学試験というものはむずかしくなってくるわけですよ、そうなってくると、この区域外のやみ入学というものが混線してきて、さらにベビーブームを一そう混乱ならしめる大きな要因になると思う。従って今からでもおそくはない、早急に僕はやるべきである、やってほしい、要望を含めて文部大臣の所見を承ります。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 善処いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その通達を出されたならば、その写しを委員長を通じて本委員会に出していただきたい。そうしないと答えっぱなしで、あなた方はやられないことがあるのです。それで私はお手数ですが、写しでいいですから出していただきたい、期日も迫っているのですから、早急にこれはやられなければならないと思いますので、その点御要望申し上げておきます。お答えいただきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま申し上げました通り善処いたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 解決方法として、さっきあなたも言われておりましたが、文部大臣の御答弁の中にごもっともな点があります。しかし、先生がんばってほしいとか、それも必要でしょう、しかし、そういう点はもうごく一部であって、大きなところは、やはり日本の文教政策と文教予算という立場から、学校差をなくする、それから地域の学校をよりよくする、国民がこういう気持になるところに、文教政策と文教予算の性格というものを持っていかなければだめですよ、ただ先生にがんばってもらって、よその学校に負けぬようにやってもらいましょう、その意欲を燃やしてもらいましょうというように、そこに重点を置くのは、私は一応の解決にはなるとしても、ピントをはずれていると思う。世の指導者たる人が、こういう区域外のことを平気でやっている。たとえば都道府県の県庁の知事とか、部局長の方々、はなはだしい場合になると教育委員会の教育委員の人まで、学校差をなくしましょうと言いながら、自分の子供を区域外に入学させるようなことでは、これはやみませんよ。私は答弁を求めませんが、文部省の課長以上の方々で、自分のお子様を区域内の小中学校に完全に入れてますか。僕は一、二持っているのだけれども、そういうことはここでは言いません。伺いません。そういうところに根本があるわけで、地方の教育委員会で、教育行政の当面の責任者がまず率先してそういうふうに努力をすると、予算面においても、行政運用面においても努力をすると、それに合わせて国民が自分の地域の学校をよくしようという、そういう雰囲気が一体となってとなければ解決できるものじゃないですよ。これは非常に重要な問題であり、ことにベビー・ブームとも関連して、当面解決しなければならない問題ですから、特に大臣一つお骨を折っていただきたいと思うんですがね、この要望に沿っていただけましょうか、あらためて決意のほどを伺っておきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) たびたび申し上げた通りでございます。同時に、御質問の当初にお答え申し上げたようなことも、それがすべてではむろんございませんけれども、やはり父兄側及び教職員側にも十分お考えをいただきたい。総合的に並行的な措置を講ずることが万全であろうと心得ております。むろん今御要望の点は、先刻も申し上げました通り、善処いたしたいと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この文部省の予算関係の審議で、スポーツ関係と社会教育関係を全然まだ触れておりませんが、きょうは私はスポーツ関係を少し伺いたいと思うのです。それで、その本論に入る前に、これと関連ある事項について伺いたいと思うんですね。  まあ、一九六四年に日本はオリンピックを招致しているわけですが、従ってこの選手の養成というものも大事なことだと思います。それについての見解はあとで聞きたいと思いますが、選手の養成について、やはり教育的ということを忘れてはならないし、まあ限度というものがあると思うのです。で、二点ほど具体的な問題があるので、その具体的な問題をまず私は伺って、本式の問題に入っていきたいわけですが、これは私は新聞で見たんですが、文部省に調査を要求しておりましたから、調査の結果の報告と所見を承りたいと思います。それは山口県が昭和三十八年に国民体育大会を開催すると、それでいい成績を上げるために選手の強化対策を考えておる。従って山口県下の高等学校に、一つの特定の学校に二種目あるいは三種目割り当てて、A校はラグビーと体操とか、二、三種目を割り当てて、そして県下の中学校のそれぞれ優秀な児童をそういう学校に、一定の高等学校に入学させることによって、選手強化をはかろう、こういう方針を立てられて、高等学校長会で了承をされて、重点指導種目を割り当てるというわけですね。従って中学校の有望選手がそういう学校に入るというわけですね。これは新聞で見た範囲内では僕はちょっと問題点があると思うんですね。これは国体を開く県が、選手を強化していい選手を作り出したい気持は重々わかります。去年私は熊本でやりました。またそれは意義もあると思うんです。日本が一九六四年にオリンピックを開催するに当たって、出場するのに意義があるなんか言っていたって、それは十分でないわけですからね。参加するだけでないのだから、やはりある程度、勝負ですから、勝たなければならぬ。そのためにはオリンピック選手の育成強化をしなければならぬというのは当然だと思うんですね。しかし、教育の場においてやることは、まあ適正でなければならぬと思うのですがね。だから、新聞で報じられる範囲内において私は問題点があると思うのです。それで調査を要請しておいたわけですが、調査の結果どういう実情なのか、それに対して文部省はどういう判断をし、どういう助言と指導をしているのか、お答えいただきたい。

杉江清文部省体育局長

○政府委員(杉江清君) 私どもも選手強化のために学区制を乱すということは望ましくないと考えて調査いたしましたところ、こういう事情が判明いたしました。山口県では、この学区制に関しまして従来とも教育委員会規則でその定めがなされておるのでありますが、昭和三十二年にその一部を改正いたしまして、個性や能力に応じた学校の選択を認める趣旨で、定員の三%までは学区外の生徒で特殊技能を持っている者、それは音楽、図画、工作、体育等についての特殊技能を持った生徒については、それに応じた伝統や環境にある学校を、三%まで区域外の高等学校に志望することを認めておるのであります。で、今回、山口県で三十八年度に国体を開催するという事情もあり、また、オリンピックも迫っておるというようなこともあって、何とか選手を強化したいと、こういうことで、高等学校長協会において国体の選手強化対策本部から何とかいい工夫はないかという話があり、その際に、それでは一つこの現在定められている規定に基づいて、この三%の範囲内で、こういった特殊技能の者をまあ特殊な学校へ入れて、よりその能力を伸ばしていくというこの制度を活用して、できることなら選手強化したいと思うがどうか、こういう相談があったわけであります。で、高等学校長協会としましても、まあこの規定の範囲内で、しかも父兄の了承を得て、また本人の能力その他を審査の上、本人もしたいというような場合には、そういうことをやることはいいのじゃなかろうかと、従来はこの規定に基づいて、いわゆるスポーツの優秀な者を特別な区域外の学校に入学させるということはあまり行な一われていなかった、主として音楽とか美術方面について行なわれておったのでありますけれども、当然当初から体育のこともこの考え方に入っておったのだから、そのワクで一つやりたいという御要望、これはやはりこの際としては考えていいことだと、こういう話し合いになったのであります。しかし、これについては、教育委員会としては、特にそういうことをもちろん奨励もしない、しかし、またそういう範囲で自主的にやるものについては、これはこういう規定を認めておるのだからよかろうという態度をとっておったのであります。で、その後、実際の動きとしては、この規定に基づいて活発にそういうふうな区域外入学をさせるような気配は現在のところ見られない、まあ従来のこの例外規定は弊害なくその趣旨に基づいて実施されてきているので、今回の措置がもしこの規定の外にはみ出したりするようなことがあれば、これは十分注意しなければならない、しかし、そういう動きも現在ないし、まあ本来この規定のほんとの趣旨を生かされるような範囲であれば、これはあえてとがめる筋のものでもない、こういう見解で、現在静観しているというのが現状だと、こういうふうにその結果判明いたしました。そういうふうな事情であれば、この際特に注意を喚起するまでもなく、しばらく様子を見守っていって適当ではないかと考えておる次第であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣に伺いますから聞いておって下さい。私はスポーツが好きだし、スポーツにはかなり理解を持っているつもりです。しかし、今文部省の答弁を承っても、やっぱり私は問題がある。しばらく静観しているといっても、四月には入学してしまうわけです。日中関係ならしばらく静観というように、何カ月か一年とかあるでしょうけれども、入学式というのはすぐ終わって四月には入ってしまうのだから、静観するというのは逃げている感じがする。私は率直に言って、若干一部の方から批判されるかもしれませんけれども。僕は国体とオリンピックというのは、これはケースが少し違う。国民体育大会、ああいう意義で毎年やっているのに、それほどまでして勝たなければならぬのか。僕の郷里の熊本で昨年やりました。若干の選手強化をして、よその人がちょっとびっくりするくらいの成績を上げました。県民もまた自信と誇りを持っており、大成功をしたと思っております。関係者も私も感謝しておるのですが、しかし、山口県が今度考えているようにそれまでして勝たねばならないか。確かに三%というのですか、三%、五%、県によれば一〇%ある。これは僕はいい学区制だと思っておる。いわゆる内藤局長の言う中学区制の一部的なもので、運用よろしきを得ればいいと思う。それは美術とか音楽とか特殊なものの場合、それ以外にもあるでありましょう、いろいろあると思う、運用よろしきを得ればなかなかいい学区制じゃなかろうかと思うのです。それから美術とか音楽とか、私学が特徴を生かして非常に出色している学校がありますね。天才的にそういう芸能に秀でておる子供というものはよく私学に生かされて参る。これは私は私学の私学たる特徴を生かして非常にいいことだと思うのです。山口県の場合、三%を生かすと言われたけれども、それは表面ですよ。現実的にどう現われてくるか。それが児童生徒にいかように見られるかというところに問題があるのです。重大だと思う。この今のあなたの答えから言うならば、現実的には何学校は何種目と何種目が強い。だからそれの強い中学校の子供は三%、その理由でその学校へ行く。この学校なら陸上競技が、水泳が強いとか、二、三種目の特定のものがあるわけですから、その強い子供はその学校に行く。こういう形態が出てくるわけですから、三%のワク内で現実にそれが同年配の児童とクラスメートにどういうように響くか、どういうふうに見るか。三%のワク内とかワク外とか問題ではないと思う。そういう点から見ますと、公立学校がそういう方針でやるということは、私は問題があると思うのです。それで実際に子供が出した学友会費の配分なんか違って参ります。そのクラブ活動というものは変わって参りますよ。それで県の体育協会から認定された二、三種目、その特殊の種目のクラブ活動は盛んになる。そのクラブ委員は一つの誇りを持ってきます。優越感を持ってきます。他のクラブの連中は劣等感を持ってきます。ひがんできます。そういうことは教育の場で適当でしょうか。それほどまでして山口県が国体で、日本国民が一都一道二府四十二県でやるわけですが、そういう場合にそれほどまでして山口県が——日本の同国内で競技するわけですから、そこでよその県を負かさねばならぬでしょうかね。そういう体育行政というものは、教育行政というものはやらなければならぬでしょうかね。私は少しやはりずれているのではないかという感じがするのですがね。全面的には否定しませんよ。しかし、根底にある考え方と、その考え方から現実的に現われた現象面が児童並びに父兄に及ぼす影響というものが私は大きいと思う。で、適正なる指導と助言と、やや行き過ぎる点については是正してほしい、助言も私は必要なのではないか、かように思うのですがね。文部大臣、どういうふうにお考えになりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 山口県の、今御指摘の問題は、私もちょっと聞きかじってはおりますが、私の承知しております限りでは、それほどの御心配になるような弊害は出ないのじゃなかろうかと、甘い考えかしりませんが。私は実は個人的なことを申し上げて恐縮ですが、スポーツばかりで時間をつぶしてきた男なものですから、個人的にはけっこうなことだという気持もしますが、しかし、同時に公立学校の本来の設置目的が阻害される、いわば本末が転倒するようなことは断じて黙過しがたいことでございますから、できればもっと具体的な事情も捜査いたしまして、矢嶋さん御心配になる気持は十分わかるような気がいたしますから、学校教育と、せっかく国体を山口県で開こうということになっての県民全体の一つの希望なり感激もございましょうが、それから出発いたしまして、そうでなかったときと全然同じだという線を無理やりにやらせるのも、いささか行き過ぎのような気持もいたします。そういうことを考え合わせつつ、学校教育の目的と、国体の実施ということと矛盾しない範囲内において、現地では十分善処してもらうという気持で、必要あらば指導、助言等もし、さしあたりもってのほかだと言わなければならぬほどじゃないじゃないか、こういうふうに思っているわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは善処を要望しておきましよう。  もう一つの具体的な例を伺って、本論に入って二、三伺いたいのですが、それは私の承知している経過では次の通りなんです。これは文部省に調査を要請してありまするから、御所見を承りたいと思うのです。私立の目黒高校ですね。ここは一九六四年のオリンピック選手養成に努力されているというのです。けっこうなことだと思うのです。最近大分県玖珠郡の東飯田中学校の三年生が同郷の先生で、その方は目黒高校の先先生になっている人ですが、その人からスカウトされて目黒高校に、陸上競技の優秀な生徒のようですがスカウトされて目黒高校に入れるようになって、そうして入学試験にパスして、合宿練習をしておった。そうしたところが、大分県の警察本部から、嶋中事件の起こった前後ですが、右翼少年が東京に上京した、その動向を注意してほしいという意味の手配が警視庁にきたようです。そこで警視庁は目黒高校に行ってそういうことを調査したらしいのですね。で、合格して合宿しておったのに、それが直接原因となって、目黒高校から合格を取り消されて、本人は郷里の大分県に帰っていったわけですね。こういうことが伝えられているわけですね。これは僕は相当重要な問題を含んでいると思う。それで文部省に調査を要請しているわけですが、真相はどうであったのか。警察庁からはどういう手配がきて、そうしてどういう措置をとられたのか。ところが、大分県警の方では、手配は頼んだのは事実だが間違いだった、右翼少年手配をするような少年ではなかった。入学試験に上京したということがわかったから、そういう連絡は警視庁にしたんだということを、大分県警では言っているようです。だから、最小限は、結論的なものとしては、この学生の将来をおもんばかるときには、目黒高校に合格したんだから、その手配等も誤りであったということを大分県警は認めているんだから、最小限——私立の学校ではあるけれども、その学校に入学できるようにしてやらなくらやならぬと思う。これは僕が頼まれたものでもなければ、僕の知ったことでもない。何も、無縁の子供でありますけれども、しかし、こういうことが法律に定める学校で行なわれるようでは、人権問題であると私は思うんですね。また警察当局としては、こういう時期ですから、いろいろ取り締まりも御心労のことと思いますけれども、よほど注意していただかなければ、こういうような軽率な取り扱い方をされては困ると思う。これは予防警察の行き過ぎですよ。そういう点から、調査の結果と、関係者から御所見と、今後の対処の方針について承りたい。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) 東京都の私学部を通じて私どもの調査いたしました結果を申し上げます。  お尋ねの大分県東飯田中学校生徒Aについて調査いたしましたところ、大要次のようでございます。Aは陸上競技の選手でありますので、受験のために二月に上京以来、私立目黒高校の陸上競技部の合宿訓練に参加しておりましたが、部の監督の観察によりますと、性行上好ましくない傾向もあり、チーム・ワークを乱すなど、合宿中の行動も良好ではなかったとのことであります。特に入学検査の当日、他の受験生とけんかをするなどの行跡もあり、検査の結果も必ずしも良好ではなくて、まあ、せいぜい補欠入学が許される程度であった。で、本人に入学不許可を納得させた上に郷里へ帰さした。その後大分の警察から、Aは大分の中学校在学中に、けんかなどの粗暴な行為や、刃物所持などで補導の対象となっていた旨の連絡があった、こういうことでございまして、大分県警の話はその後の措置と聞いておるのでございます。で、今回の措置は、それは学校当局の自主的な判断によったものと私どもも考えますし、学校当局に特別の指導をすべきではなかろうと思うのでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 警察庁の警備第一課長、お見えになっておりますか。

本多武雄警察庁警備局警備第一課長

○説明員(本多武雄君) お答え申し上げます。二月の十六日に大分県の警備課の方から警視庁に対しまして連絡がごさいました。その少年は、以前決闘を行なって補導されたことがあり、最近、友人に、右翼に入党したいと語っておるのであるが、それが上京したので注意してもらいたい、本人の行先は目黒高校の先生の家であるという連絡がございました。そこで、手配を受けました警視庁におきましては、さっそく警察官をその先生のお宅へ派遣をいたしまして、その先生にお目にかかりまして、その少年は、以前決闘を行なって補導されたことがあり、最近右翼団体に加入したいといって上京した、そういうことが大分県警から連絡がありましたから注意してもらいたいということを、その先生に申し上げたというふうに聞いております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この問題は話は相当行き違っていると思うのです。一つには問題点としては、かりに内藤局長の答弁が正しいとしても、中学校の三年生をそういう形で東京に勧誘してきて、そういう形でふるい落としてよろしいものかどうかという、ここに僕は教育上の問題点があると思う、かりにあなたの答弁が正しいとしても。  次に、警察側にも私は問題があると思うのですよ。当時警察庁では、少年——怪しげな少年が上京するような気配があったら全部連絡するようにということを、都道府県の警察に連絡したのですね。だから都道府県の警察は、ちょっと上京するような少年は全部調べているわけなんです。で、東京に行って、右翼にでも入ろうかと言ってA少年が出発した、こういうふうに大分県警は把握して通知しているのですね。で、僕の調査では、少年はそういうことを言った覚えはないと言っているのですよ。それは、少年がだれに言ったかということは確認されていないわけだ。そういううわさで、東京に行って右翼に行こうかというのでA少年が上京したといううわさに基づいて、すぐ手配された。それで、あなたのところでは、おっ取り刀で、これは大へんだ、まただれかをねらうのじゃないかというので、学校にかけ込んでいった。それは学校はふるえ上がるですよ。大体陸上競技や、スポーツをやる人は、それは中学三年ぐらいのときは、ちょっちょっといざこざありますよ。文部大臣もスポーツで暮らしたと——だから今もあなたそのくらいだから(笑声)、それは中学校や高等学校時代には相当元気だったですよ。それは口論もするだろうし、その何はありますよ。で、それで、大分県警は、これはまあ二年のときにちょっとけんかしたことはあるということは承知しているわけだね。その決闘とか、ずいぶんぎょうさんな何をしていますがね。ともかく、主任の先生の推薦した——今もこの当事者の学校の校長は、心外だというようなことを言っているわけですよ。それで、これを推薦した人は、大阪で現在ある高等学校の先生で、東京の今度は目黒の先生になる方なんですよ。だから、今内藤局長が答弁したような形でこの子供に烙印を押すということは、僕は非情だと思うのだな。そういうことは僕は新聞に出してもらいたくない。これは秘密会じゃないけれども、外に出してもらいたくない。非情ですよ。少年を誤らしめますよ、そんなことでは。で、この試験に、大体君は入学できるだろうという内示を与えたのは、二月九日のようですね。二月九日に内示を与えているようです。そして合宿までやっておったわけですからね。それが断わられた一番大きな原因は、警察からそういう通知がきたということですよ。それで、あとはつけたりですよ。言葉づかいが荒いとか、ちょっとけんかしたとか、チーム・ワークを乱すというのは、あとでつけた理屈ですよ、これは。そういう形でこの子供に烙印を押すということは、僕は非情だと思う。一つには、警察が、やはり少年を取り扱う者としては、それは神経過敏になっておられるのでしょうが、僕は十分でなかったと思う、この事件は。それから、中学三年生の子供をそういう形で東京に勧誘して、スカウトしてきて、そういう形で帰す、こういうことが教育的に正しいかどうかという問題ね。これは両者からお答え願いますよ。  それからまあ私学協会が調査した結果というのは、僕の判断しているものとしては違う。それはだれが判断しても、あとからつけた理由です。で、これはさらに調査されて——その大分県警はミスだったと取り消されているわけですからね。そうしたならば、僕は少年の希望を遂げさせてやるべきだと思うのだね。この三点を、僕は一、二所見を述べて、当事者からお答えをいただきたいと思います。

内藤誉三郎文部省初等中等教育局長

○政府委員(内藤誉三郎君) この目黒高校のA生徒の補欠入学の問題なわけです。で、補欠入学を認めるかいなかということは、その学校の定員に余裕があるかないかということと、競争試験の結果、入れてよろしいという判定できまるべきものであると思うのであります。で、まあいろいろいきさつがあって、ともかく矢嶋委員のお話のように、これをスカウトしてきたというような実情があり、合宿訓練に参加させた。しかし、その後の様子を見ると、目黒高校進学が適当でないという判断を下されたわけです。その判断が正しいかどうかという問題になるわけですが、いやしくも警察からの情報だけによってやったとすれば、これは私問題があろうと思う。警察からどういう情報があったか、それは一応あくまでも参考にされるべき問題であって、学校当局が目黒高校の生徒、高校の生徒として適当であるかという判断の問題になると思うんです。そこで、学校が自主的に判断された結果、不許可という措置をとられたわけです。まだ許可はしていないわけなんです。ですから、最終的に不許可となったわけです。ただ、お話のように、いきさつから見ますと同情すべき点もあるやに思われますけれども、決定権自体は学校当局の判断に基づくもので、行政当局が介入すべき問題ではないと私は思うんです。そういう点でその場合に、警察の情報がどの程度相手方に影響を与えたかという問題は私はあろうかと思うんですけれども、私どもの今日までの調査によれば、学校当局の自主的判断によってきめたんだと、こういう御回答でございますので、まあやむを得ないんではなかろうかと。しかし、せっかくのお尋ねでもございますので、さらに真相を調査してみたいと思っております。

本多武雄警察庁警備局警備第一課長

○説明員(本多武雄君) この大分県からの通報は、単に大分県がいわゆるうわさで知ったというのではございませんので、大分県警に非常に協力しておられますところのある少年補導員の方からそういう事実の申し出があったそうでございまして、何分にも当時はあの嶋中事件の直後で、全国的に見ましても十数名の少年あるいは少女が東京の右翼団体に入りたいといって家出をして上京してくるというような情勢下でもございましたので、警察といたしましても、やはりそういった右翼テロの未然防止を徹底いたしまするためには、少しでも情報がございますれば、一応これを連絡する、そして手配をするという態勢をとっていたのでございます。もっとも相手が少年でございますので、その調査のやり方につきましては十分に慎重な態度をとりまして、本人の人権を侵害することのないように、また、少年を刺激することのないように、いろいろ工夫をいたしまして調査をいたしておったわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その点は、今後も、あなたが警備責任があるから、いろいろと気を配られるだろうと思うんですが、十分配慮してもらいたいと思います。  少し話を戻して、二、三聞いて質問を終わりたいと思いますが、一九六四年のオリンピックをやるにあたっては、若干日本の国力やら実力やらからいってあっちこっちに無理が出てくると思うんです。しかし、総合的には、プラスとマイナス面は、プラスになるように努力しなければならぬと思うんです。それで、若干この予算に関して二、三伺って終わりたいと思うんですが、スポーツ界では、東京に素質のある子供を相当集めることが選手強化に必要だという見解を持たれている。これも私は一理あると思うんです。それというのは、スポーツの施設設備が全国的に普及していない。それから、その選手を育成し指導に当たる人的な面も十分でない。それは結局予算が伴うわけですから、こういう点にもあると思うんです。そこで、私は、一つの方策としては、スポーツ振興法というようなものを制定して、そして予算を確保し、スポーツ人口の底辺を質的にも量的にも豊富にするという立場において全国的に施設設備を充実し、指導者を確保するという方策をとる必要があると思うんです。国会の決議もあって、もう厳然たる事実として三会計年度のうらにはオリンピックは東京で開かれるわけですから、この結果いかんによっては国は世界に恥をさらすことにならないとも限らないですね。国会の決議もあり、民間もこぞって迎えて実施するということになった以上は、そういう根本策を講じないと、全部スカウトして東京に集めてこようとすれば、こういうA少年のようなケースがこれからちょいちょいと起こってくるおそれがあると思うですね。従って、このA少年の問題を私は一つ提起をし、根本的な方法として文部大臣の見解を伺ったわけです。お答えいただきたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お説のように、スポーツ振興法というがごときスポーツについての国民的な立場からする基本的な考え方を確立しておいた方がよかろうというお説であること、私も承知いたしております。さらに、具体的にはオリンピック組織委員会等でも話題になっておりまして、私の仄聞したところによりますると、こういう問題は、政党間の政策の争いというものでなくて、超党派的に取り扱ってしかるべき課題だから、立法措置を考えるとすればむしろ議員立法でやったらどうであろうというお説が非常に強いと承知いたしております。まあそうでないにいたしましても、文部省としても考うべきことだともちろん思うわけでございますが、現在のところは、そういうお取り扱いを願えればさらにいいんじゃなかろうかと、こう考えておる次第であります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 率直に伺いますが、スポーツ振興法案なるものは、政府提出法律案で出したいという立場において努力されているのか、それとも、法案そのものには政府は賛成であるが、国会の法案提出手段としては議員立法の形で出ることが望ましい、そうしてもらいたいものだと、こういう期待感を持っておられるのか、いずれなんでございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) できることならば議員立法でお取り扱いいただけばその方がよくはないかと、こう思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 予算編成段階に皆さんが努力されて相当対策予算は組まれているわけです。それは、施設関係にいたしましても、また、組織委員会の補助金にしても、競技技術の向上にしても、日本の従来の予算からいえば飛躍的に向上しております。体育施設の整備については、体育館十七カ所、プール四十三カ所、補助率三分の一と出ておりますけれども、これでは不十分なんですね。それがさっき言ったような具体的にはああいう現象として現われてきているわけです。従って、大臣としては、先ほど私概要を申し上げましたようなスポーツ振興法というようなものが必要であるという認定には立っておられるわけですね。お答えいただきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこで、次に伺いたい点は、さっきの学校教育の問題と関係するんですがね。それは、オリンピックが開かれた場合に、参加することに意義があるといっても、参加して負けてばかりいたのでは、国民の自信、プライドにも影響するであろう。主催国となって——国が主催するわけじゃない、オリンピック組織委員会が主体になって開催するわけですけれども、日本の東京を主会場としてやった以上は、ある程度の成績を上げなければなるまいと。そのためには選手強化は大切だ。若干の予算が組まれておるわけです。選手強化にあたっては相当若いときからこれを指導しなければならない。その幾つかの方法、その中に具体的な問題として、学校教育と非常に関係がある問題としては、中学生の県外対抗競技ですね。これは昭和二十三年の三月に文部省の次官通達が出て禁止され、その後ごく一部の人に対して特例が認められておるわけであるが、競技会では、たとえば水泳というような種目は、どうしても中学時代から、対県的な規模においての競技に出場することが、その資質を伸ばすために必要だというようなやや科学的なデータをもって、そう結論つけておるようです。それで私はきょうは、文部省側の見解だけを聞いておきたいと思うのですが、この中学生の県外競技出場についての禁止条項を緩和されるようなお考えを持っておられるのかどうか。その緩和をする場合にフルに、どの種目についても、たとえば野球もありましょうがね、緩和をするようなお考えを持っておられるのか。それとも先ほど一つ例をあげましたが、日本の特技でもあるたとえば水泳、そういう限定した種目について、ある程度県外への競技参加を緩和しよう、学校教育を乱さない範囲において、そうしてしかも選手強化に役立つ方法を考えよう、こういう見解に立っておられるのか、文部省側の見解を承っておきたい。文部大臣にお答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私はせっかく東京で国際オリンピック大会が開催されます限り、できることならば、十八種目全部金メダルを一つちょうだいしたいくらいの心意気を国民は感じ始めておると思います。そういう気持で選手強化費等もわずかではございますが、従来よりはオリンピックに備えてという考え方のもとに、予算案に計上して御審議を願っておるような次第でございます。しかしながら、義務教育課程の、ことに実際は中学でございましょうが、中学の生徒たちが県外競技に出場するということは、高等学校の場合よりも、もっと厳粛に教育本位に考えられるべきこともこれは当然でございますので、心意気は心意気としましても、教育目的との矛盾撞着ないようにということを第一義に考え、いわば選手強化の目的と、教育目的が矛盾なく町立し得る限度であるならば、今までの次官通達でそれが非常に禁止的なことになっておるとするならば、種目によってはある程度の緩和を臨時的にでも考えてしかるべきじゃなかろうか、気持としてはそういうふうに思っておりますが、しかし、相当厳粛に、科学的にと申しますか、合理的に検討を加える必要もございまするし、スポーツ界の専門家等とも十分その辺を、二つの目的が背反しないように、ことに教育目的が阻害されるということのない限度で、どういうことができるだろうかということを種目的にも、タイミングとしても十分検討を加えた上でのことにしよう、事務当局には今までそういうことを私伝えておるような段階でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間が参りましたから、最後に一間して終わります。  ただいま文部大臣から答弁がありましたが、その問題について体育行政の所管局としては、どういう見解を持っているかというのを伺うのと、いろいろ伺いたい点がありますが、時間が参りましたから、お約束ですから最後の一間だけで打ち切るわけですが、それは文部大臣に伺いたい点ですけれども、物事はスタートが大事でして、大体日本人というのはなわ張り根性が強いわけです。これは小さい島に海にこぼれ落ちるほどにたくさん人間が住んでいる。こういうところから、こういう国民性というものが出てきて参っていると思うのですが、今度オリンピックを開くにあたっても、いろいろの機関等でなわ張り根性を起こしたり、それから連絡、調整が十分にいかぬということになりますと、予算は少ない、日本のスポーツのレベルがまだ一流国に比べて低いというような点とあわせる場合に、いろいろ、成功するためには至難な問題が出てくると思うのです。従ってそういう点には、スタートにおいて十分関係者で善処しなければならぬと思うのです。その主役をとるところは、何といっても組織委員会だと思うのですけれども、しかし、文部省としても所管する面があるわけですから、発言権もあるわけですから、そういう点については配慮なさるべきだと思うのですが、どういう御見解を持っておられるのかということと、文部省に、ささやかなこれを所管する人員を確保されているわけです。昨年度三人、今度六人ですかふえて、九人になるわけですが、十二月の国会では、文部大臣は行管長官と並んで、当委員会で私にオリンピック課を設ける必要があると、行管長官とお並びで私に公約された。速記録に残っておりますが、それを今度の予算書を見ると、九人の定員を確保されたけれども、オリンピック課という形としては整わなかったけれども、来会計年度は、三十七年度ですか、三十七年の会計年度からやろうというお考えなのか、それとも秋の適当な時期から考えるとしよう、当面定数だけ確保しておいて、文部省の行政機構としては第三・四半期ごろからやろうというお考えなのか。昨年十二月の速記が残っているだけに、あえてお伺いするわけです。それだけ伺って質問終わります。  まず、先ほどとの関連でありますから、体育局長から答弁を……。

杉江清文部省体育局長

○政府委員(杉江清君) 学徒の対外競技につきましては、大臣の申されたことを私もその方針でいくことが正しいと考え、その方針によって今後考えていきたいと思います。具体的なことにつきましては、これは競技団体その他広く学識経験者の意見を聞きまして、その御答申に基づいて具体的な措置を講じたいと考えております。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 文部省にオリンピック課を設けろということは、矢嶋さんを初め、ずいぶんだくさんの方からハッパをかけられまして、概算要求で大いに張り切っておりましたけれども、負けまして、予算はついておりません。おりませんが、それは弁解じみておそれ入りますけれども、国際オリンピックというのは今度幸いにして東京で、日本で行なわれますけれども、何を申しましても国際オリンピックということでありますと、倫理的な気持が先に立つわけでございまして、一般のスポーツ、それから特に恒常的な組織として文部省内に国際オリンピックを具体的に意図したような課を作るかどうかも、再考してみればそれほど血道を上げてがんばらぬでもいいんじゃないかと、まあ思ったわけでございます。むしろ結果論が半ばございますけれども、オリンピック準備室とでも名づけてやった方がやり方によってはかえって気分的にも能率的にも実効を上げ得るのじゃなかろうか、こういうことも考え合わせまして、そういう線で善処したいものだとただいま考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あえてもう一ぺん伺わなければならぬのですが、心境の変化を来たされたのか、来たされないのかということがポイントになるわけですよ。十二月の答弁では、準備室があるけれども、それでは不十分だからオリンピック課は設けると、オリンピックが済んだらやめたらいいわけですからね。そういうお二人の御答弁だったわけですよ。それでおそらく予算編成のときは病院課も必要だ、それから近藤さんもいらっしゃるから、やはり婦人課をぜひ設けなければならぬということで、病院課と婦人課を何してオリンピック課は秋ごろからでもとお考えになっておられたのではないかと私は推察してさっき伺ったわけですが、今の答弁だと十二月にあなたのお考えになったのと、かなり違う答弁なんですね。あの当時と心境の変化を来たされたのか。オリンピック課は約束通り設けるつもりだったけれども、病院課と婦人課の方が優位に出てきたので、一応妥協してオリンピック課は必要だがその設置を次に持ち越した。本年の第四・四半期か、あるいは三十七年の会計年度の当初か、そういうふうにお考えになられたのか、もうやめようというふうに心境の変化を来たされたのか、その辺明確でないので重ねてお答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 結論が妥協によって出てきたわけでございます。それと同時に、半分くらいが心境の変化を来たしたと率直に申し上ぐべきでございますしょう。さっき申し上げたような意味合いにおいて予算査定権を持った側の言うことにもある程度意味がありそうにも思いました。それで妥協したわけでございますが、半分ばかり妥協して、今申し上げたような準備室ということで課を設けたより以上の効果を上げる方法はないものかとただいまのところ考えておるわけでございます。さらに三十七年度予算が問題となりましてから再検討を加えたいと思います。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時三十分散会    ————・————

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