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38回国会参議院1961/03/02

文教委員会 第8号

発言数
226
登壇者
14
会派数
2
開催日
1961/03/02

会議録

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) ただいまから文 教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動につき御報告申し 上げます。  去る二月二十四日、西田隆男君が委 員を辞任され、その補欠として平井太 郎君が委員に選任されました。また、 翌二十五日、平井太郎君が委員を辞任 され、その補欠として井川伊平君が委 員に選任されました。  以上であります。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、委員長及び理事打合会の経過につき御報告いたします。開会前の理事会におきまして協議いたしました結果、本日はまず、国立学校設置法の一部を改正する法律案、学校教育法等の一部を改正する法律案及び国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案、以上予備付託三案につき文部大臣より趣旨説明を聴取いたし、引き続き昭和三十六年度文教関係予算及びその他当面の文教政策に関し調査を進めることに決定を見ました。  以上、理事会決定通り、本委員会の審査及び調査を進めて参りたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 御異議ないと認め、さよう進めて参ります。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) それでは、国立学校設置法の一部を改正する法律案、学校教育法等の一部を改正する法律案及び国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案、以上三案を、便宜一括して議題とし、文部大臣より提案理由の説明を聴取いたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和三十六年度における国立大学の学部の新設、国立短期大学の新設及び廃止並びに国立大学付置の研究施設の新設について規定するとともに、国立短期大学に付属して国立学校を設置することができることとする旨を規定したものであります。  まず、国立大学の学部の新設につきましては、大阪大学に基礎工学部を設置することとしたものであります。この基礎工学部は、最近の科学技術の進展に即応して、工学に関する基礎科学を重視した教育及び研究を行なうことを目標としております。  第二に、国立短期大学の新設につきましては、科学技術振興の一環として、宇都宮工業短期大学、長岡工業短期大学及び宇部工業短期大学を設置することとし、中堅技術者の養成をはかろうとするものであります。  第三は、国立大学付置の研究施設の新設に関するものでありまして、広島大学に原爆放射能医学研究所を、名古屋大学にプラズマ研究所を付置することといたしました。原爆放射能医学研究所は、原子爆弾の放射能による障害の治療及び予防に関する学理並びにその応用の研究を目的としております。一方、プラズマ研究所は大学関係者等の共同利用の研究施設でありまして、プラズマに関する基礎的研究を目的としているものであります。  第四、国立短期大学の廃止に関するものでありまして、昭和三十四年度より、名古屋工業大学短期大学部は名古屋工業大学の、また、九州工業大学短期大学部は九州工業大学の夜間の学部に、それぞれ、転換して授業を行なうこととなり、このたびその移行が完了することになりましたので、とれに伴い、関係規定を整理するものであります。  以上の諸点のほか、国立短期大学に付属の学校を設置することにつきまして規定を整備することといたしました。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、御賛成下さるようお願い申し上げます。  次にこのたび政府から提出いたしました学校教育法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法律案は、学校教育法につきまして、高等学校の通信制の課程の整備並びに高等学校の定時制の課程及び通信制の課程と技能教育施設との連携のため所要の規定を設けるとともに、特殊教育及び就学義務関係の規定等を整備し、また、私立学校法につきまして、通信制の課程の整備に伴う学校法人にかかる認可等について所要の規定を設けることとしたものであります。  まず、学校教育法の改正といたしましては、第一に高等学校の通信による教育を行なう課程を通信制の課程として整備したことであります。  高等学校の通信による教育は、その発足当初の諸事情のため、全日制の課程または定時制の課程における教育方法として考えられ、現在まで運営されてきたのでありますが、最近に至り年々これを利用する生徒数も増加し、関係者の努力によりその内容も充実し、定時制の課程と並んで勤労青年を対象とする教育の上に相当の役割を果たすに至ったのであります。そこで、このたび、これを全日制の課程、定時制の課程と並ぶ独立の通信制の課程として明確に位置づけるようにするとともに、通信制の課程のみを置く高等学校の設置をも認めることといたしたのであります。また、通信による教育は、これまで都道府県を単位として実施されていたのであり、将来もその発達を促進するとともに、最近におけるラジオ、テレビの普及に伴い、通信教育にこれらの新しい教育手段をも考慮し、全国または数都道府県を実施単位とする広域の通信制の課程をも設置し得る道を開くことといたしました。なお、広域の通信制の課程の設置、廃止等にかかる都道府県の教育委員会または知事の認可を行なうに際し、全国的見地からの調整、教育水準の維持の必要等の見地から、あらかじめ文部大臣の承認を受けて行なわせることとして、その適切な実施を確保しようとしたのであります。  これらの法的整備をはかるとともに、さらに各般の行政施策を講じ、勤労青年の教育の機会の普及拡充に今後格段の努力をいたしたいと存ずるのであります。  第二は、高等学校の定時制の課程及び通信制の課程と技能教育施設との連携をはかったことであります。  高等学校の定時制の課程または通信制の課程に在学する生徒が、同時にまた事業内訓練施設その他の技能教育施設において相当組織的な教育を受け、その成果を上げている場合がありますが、その施設、設備、教員組織、指導内容等が、高等学校と同等以上と認められるときには、これらの技能教育施設における学習を高等学校における教科の一部の履修とみなすことといたしました。このことにより学校と産業界との相互の連携を密にし、技能教育についての能率を高め、もって科学技術教育の振興に資することといたしたのであります。  第三は、特殊教育に関する規定を整備いたしたことであります。すなわち、現在、盲学校、ろう学校及び養護学校の幼稚部及び高等部は、単独には設置できないこととなっておりますが、特別の必要がある場合には、これらの部をそれぞれ単独に設置し得る道を開くとともに、盲学校、ろう学校、養護学校または特殊学級において教育することが適当な児童。生徒の範囲を明確にし、もって特殊教育の振興に資することといたしたのであります。  なお、これらのほか、義務教育諸学校にかかる就学義務に関する規定等を整備することといたしたのであります。  次に、私立学校法の改正につきましては、主として学校教育法の改正による高等学校の通信教育制度の改正に伴い、規定の整備をはかったものであります。すなわち、広域の通信制の課程の設置、廃止等にかかる認可につきましては、文部大臣の承認を経ることといたしましたことに伴い、これを設ける学校法人についても同様の措置を定めるなど所要の規定を設けることといたしました。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。  次にこのたび政府から提出いたしました国立工業教員養成所の設置等に関する臨時措置法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  この法案は、高等学校の工業教員のすみやかな養成をはかるため、臨時に、国立工業教員養成所を設置することとし、もって高等学校における工業教育の拡充に伴う工業教員の需要の増加に対処しようとするものであります。  現在、高等学校の工業教員の養成は、国立、公立及び私立の大学の工学部等において行なわれておりますが、産業界の需要と競合するため、これらの大学を卒業して工業教員になる者は、年々減少しております。  そこで、中学校または高等学校で工業以外の教科を担任している現職教員または民間企業従事者等で工業教員免許状を所有している者の転任、転職によって、辛うじて工業教員の需要に対処している現状であります。  一方、今後、経済の成長に伴う技術者の需要の増大と、昭和三十八年度以降における高等学校生徒の急激な増加に対応して、工業高等学校の急速な難増設が予測されます。従って、工業教員の需要の増大は、きわめて著しいものがあると考えられます。  このような工業教員の需給の状況にかんがみ、緊急の措置として、国立の工業教員養成所を設置し、工業教員の急速な養成を行なう必要があると考えた次第であります。  次に、この法案の概要について申し上げます。  まず、高等学校の工業教員の養成を行なう教育施設として、臨時に、国立工業教員養成所を設置することとし、その養成所は、地域別の配置を考慮し、また、養成所が行なう教育について、大学との協力関係を緊密ならしめるため、北海道大学、東北大学、東京工業大学、横浜国立大学、名古屋工業大学、京都大学、大阪大学、広島大学及び九州大学の九つの国立大学に、それぞれ付置することといたしました。  第二に、この養成所の修業年限は三年とすることとし、その入学資格は大学の入学資格と同じにすることといたしております。  また、この養成所には、教育上、運営上必要な職員として、所長のほか教授、助教授、助手等の職員を配置することといたしております。なお、教員の身分取り扱いにつきましては、教育公務員特例法の所要の規定を準用することといたしました。  第三に、この養成所における授業料その他の費用の免除及び猶予について特別の規定を設けることといたしました。すなわち、養成所の学生に対し、授業料の一部の徴収を猶予し、かつ、これらの学生が卒業後六カ月以内に工業教員となり、引き続き一定の期間工業教員として在職した場合には、その猶予された授業料の納付を免除することができることといたしますとともに、学業優秀な学生で、経済的理由によって、授業料その他の費用の納付が困難であると認められる場合等につきましても、これらの費用を免除し、またはその徴収を猶予することができることといたしました。  第四に、養成所を卒業した者に対して、高等学校教諭二級普通免許状を授与することができるよう教育職員免許法の一部を改正することといたしました。  以上が、この法案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をつけて。    ——————————

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 次に、昭和三十六年度文教関係予算及びその他当面の文教政策に関する件につき調査を進めます。  質疑の通告がありますので、この際発言を許します。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は、文部省所管にかかる国、公、私立大学並びに防衛庁、運輸省所管にかかる防衛大学校、あるいは海上保安大学校、航空大学校等について、その教育方針並びに教育予算の角度から、文部、防衛、運輸の大臣並びに政府委員に対して質疑いたしたいと思います。  その本論に入る前に、文部大臣に、ごく簡単に一、二伺いますが、大臣、この委員会で責任持って御答弁なさったことは、確実に実施されるように努力されておられるし、今後もしていただけるものと信じますが、念のためにお伺いいたします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのつもりでおります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは具体的に伺いますが、非常に法案提出の時期がおくれましたが、迫って参りましたが、いわゆる高等学校定数法案はお約束通り、この国会に必ず提出なさいますね。お答えいただきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 提出するつもりで関係の者と相談をいたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 もう一点伺います。閣内であなたも関与されまして、地方財政計画は決定されたようでありますが、昭和三十六年の四月一日以後、地方財政法等の改正に基づいて、公立学校に勤務する職員で公費負担でない職員は公費負担に切りかえるべきだということになっておりますが、あの地方財政計画に基づく運用において、現在そういう公立学校にいる職員は、具体的にいうならば、公費負担でない職員は、公費負担に切りかえるような内容を含んだ地方財政計画を立てたと、そういうふうにするという答弁を繰り返してきているわけですが、そういうふうに承っておいてよろしゅうございますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのつもりで折衝をいたして参りました。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そのつもりで折衝してきたわけですが、きまってるわけですから、大臣としては、そういう内容のものになっていると、こういうふうにお考えになっていらっしゃるものと私は思って、いるわけですが、それであらためてここで確認しておきたいと思うのですが、お答えいただきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大体、そういうことになっておると存じます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 じゃ本論に入ります。  運輸大臣あるいは運輸政務次官お見えになっておりますが。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(福家俊一君) 来ております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは、あなたのところから伺いましょう。あなたのところの所管に、海上保安大学校、あるいは航空大学校というのがあるのですが、あの場で行なわれている教育は、教育基本法の前文にある「教育の目的を明示して、新しい日本の教育……」云々とありますが、この「教育の目的と明示して」という教育の中に含まれているものと私は考えるわけですが、それはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(福家俊一君) お答えを申し上げます。目的とか精神はもちろん尊重しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁所管の防衛大学校における教育はいかがですか。今の運輸省に対する同じ質問に対してお答えいただきます。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 今、福家政務次官が答えられました通り、教育の基本的なあり方というものは、やはり基本法にのっとってやっておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 さらに次の質問を伺う前に文部大臣に伺いますが、防衛大学校、海上保安大学校の卒業生は、学校教育法に基づく大学卒業生と同等以上の、云々という認定をしておりますか、してないか、お答え願います。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 防衛大学については認定をいたしておると思います。海上保安大学はそうでなかったと記憶いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その理由はいかがですか。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) 防衛大学校の教科課程は大体理工系に属する専門学科を教えておりまして、その内容は大学設置基準の内容に合致しております。それから防衛大学当局から申し入れがありまして、審査をして大体一般の大学と内容が同じ、同等以上と認定いたしまして規定いたしたわけであります。  海上保安大学はまだその運びになっておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 その運びになっていないということは、申請が出ていないということですか。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) そうであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 運輸政務次官、いかがですか。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(福家俊一君) 政府委員より説明いたさせます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 どうして申請しないのですか。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) お答え申し上げます。  海上保安大学校の出身者に対しましても、もちろん一般の大学と同じ待遇を受けるようにということで、もちろん関係方面と連絡をとってやっておりますが、やはり現状におきまして全部職員でございますので、大学を出ました者と同じように卒業いたしますと七等級になる、こういうふうになっておりまして、その点につきましては大体目的を達しておると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 質問とピントが合っていないですよ。海上保安大学校の学生は職員ですが、防衛大学校の学生は職員でないんですか、職員ですか。どういうふうな認識をなすっておりますか。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 防衛学校ももちろん職員になっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうするとあなたの答弁は答弁にならないですね。私の質問に全然答弁にならないです。文部省の方では、防衛大学からはこういう申請があったから検討しているのだという。海上保安大学は、その運びにいっていない。その理由は、申請がないからだ。そんなことであなた後輩の教育ができるのですか。海上保安庁の長官としても、職務執行上も問題があるし、全般的に見て、国のそういう教育を行なう機関として一貫性のない点が問題がありますが、ここは質問の本筋からはずれて参りますし、時間が尽きますから、次に進んで参ります。  そこで、文部大臣に伺いますが、そうすると、防衛大学校の卒業生は、学校教育法に基づく大学の卒業生と同等以上と認める、従っていろいろの特権が出て参ります。その具体的なものは今申し上げません。そうなれば、先ほどの防衛政務次官の答弁から、防衛大学校の教育は学校教育法の適用は受けていないけれども、教育基本法のワク内の教育である、その適用を受けているものだ、このような認識に立っておられるものとお二方の答弁から考えられるわけですが、まず文部大臣、続いて防衛政務次官の答弁をお願いします。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その通りだと思います。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) その通りであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 運輸政務次官に伺いますが、お二人と同意見でありますか。

福家俊一自由民主党運輸政務次官

○政府委員(福家俊一君) 同じでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうなると、さっきの問題は、海上保安大学の問題がありますよ、残しておきますがね。で、文部大臣に伺います、そうすると、防衛大学校の教育は、あるいは海上保安大学校の教育は、相当専門的な教育をされているわけで、教育基本法の教育の中に含まれるというのですが、学問のうちに入るのか、入らないのか、いかがですか。法律に出てくる学問という言葉のうちに入るのか、入らないのか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 学校教育法の適用は当然に受けないわけですが、学問であることには間違いないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 では、次に、まず海上保安庁の長官に伺いましょう。そうすると、あなたのところの海上保安大学校は、憲法で保障される学問の自由がありますか、ありませんか。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 私どもの方の海上保安大学校は、職員の訓練をいたしております。従って訓練の範囲内において教育いたしておりますが、別に……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私のお尋ねしておる点に答えて下さい。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 国民一般が持っておる学問の自由はあると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛政務次官、いかがですか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 教育基本法にのっとってはやっておりますが、特に防衛庁設置法に基づいて「枠部自衛官となるべき者」に必要な、というふうな一つのワクがありますので、そのワク内では学問の自由が許されておるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そうすると、憲法二十三条の「学問の自由は、これを保障する。」というのはあるのですか、ないのですか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 法律によりまして、そのワク内での自由はあるわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 私は、憲法二十三条を申し上げておるわけです。憲法二十三条は全面的には適用されない、制限されたものだ、こういう解釈ですか。海上保安大学校には、それでは全面的にあるということなんですか、いかがですか。それとも憲法を適用する場合に、一部と全部なのか、そういう運用というものがあって、あなた、憲法九十九条に違反しないですか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 教育局長から答弁いたさせます。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) もちろん国民としていろいろ学問されるのは自由ですが、学校で教育する際には、先ほど政務次官がお答えいたしましたように、自衛隊法に基づきまして、幹部自衛官として必要な……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そんなことは知っていますよ。憲法二十三条の「学問の自由は、これを保障する。」というのはあるのか、ないのか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 個人的におやりになる範囲内においては許されるだろうと思います。学問としては一つの……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 学校としては……。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 一つの制限のワク内で……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 憲法二十三条は適用されない……。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 委員長の指名を求めて発言されるように……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは教育局長、はっきり答えて下さい。防衛大学校の教育には、憲法二十三条の学問の自由は、これは保障されない、つまり適用されない、こういう見解ですね。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 学校のやっております教育は、自衛隊法、防衛庁設置法に基づきまして幹部自衛官として必要な制限内でやっているのですが、個人として学生が勉強する分には、当然そういう自由はあると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 憲法は個々の法律よりは優先するわけですよ、基本法ですから。だから私は、防衛大学校の教育というものには、憲法二十三条との関係はどうかということを伺っているわけです。個人云々のことを伺っておるわけじゃありません。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 憲法は根本をきめたものでありまして、法律によって、さらに防衛大学校は、憲法によって認められた国会におきまして一つの制限を受けてできておるわけでありますから、その制限内において教育をしておるわけでございます。しかし、学生個人は、その学問につきましては自由を持っておるということでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 文部大臣の見解いかがですか、文部省の最高責任者として。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 個人としての勉強、学問の自由は当然あると思います。大学校としてはやはり設置目的と申しまするか——に応じて、一般の大学、国立大学等における大学の自治というような立場における自由というものは制限されるのが当然だと心得ます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それじゃ文部大臣に伺いますが、学校教育法のワク内における教育の場だと、これは当然確定解釈しましたよ。そうして一方では、憲法二十三条の学問の自由は保障されない、そのワク内で教育が行なわれておると、こういうのです。そういうところで行なわれた教育に対して、学校教育法に基づく国立大学の卒業以上と認定するということはできますか。問題がありはしないですか。学校教育法でやっている大学と同等以上の力と認めて、これに特権を与える以上は、少なくとも国の、教育基本法のワク内の教育の場で行なわるものであり、それが憲法で基本法として保障している学問の自由の雰囲気の中で、そういう場において行なわれた教育に対してでなければ、そういう評価をし特権を与えるということは矛盾であり、間違いじゃないですか。文教の最高責任者として、どういう見解を持たれますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 個人の学問が自由であり、たとえば防衛大学校における特殊の必要から、学校における大学校の自治という立場での自由な研究は許されないにいたしましても、その教科内容を調べて、それを卒業すれば、同等以上の学力ありという認定は、学問の自由それ自体とは必ずしも関係なく判断でるんじゃないかと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 とんでもないことをおっしゃるですよ、大臣。(「その通り」と呼ぶ者あり)外野から発言やめて下さい、内野でやっていますから。あなたはね、文部大臣としてやられているわけですがね。それは憲法、学問の自由は保障すると、それからそれを根拠とした教育基本法、さらにそれを具体化した学校教育法、そういう規制、ワクで教育が行なわれて、それに対して、大学卒業者である、学士だという資格を与え、いろいろ特権があるわけでしょう、それ以上という以上は。そういう基本的なものが、それは枝葉のことは少し違ってもよろしいですよ、基本的なものが合致していなければ、大学卒業以上という認定をして、それに特権を与えるというのは問題があるわけじゃないですか。ことに大学の目的からいって、学問の自由なんというのは、基本的な要素でしょう。それが保障されない教育の場において、そういう雰囲気の場において行なわれたそういう教育を、かように評価するということは、教育関係の法の組み立てからいって私は非常に矛盾があると思う。そたを文部大臣として何とも不思議にお感じになりませんか。重ねて伺いましょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) まあ、先刻申した通りでございますが、どれだけの学力があるかということは、その教科課程内容によって判断できると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 学力の問題じゃないですよ。学力なんかからいったら、たとえば工業関係なんかだったら、学校へ行かなくたって、職場に行っている人で、研究して、技術だってできるし、理論だって相当高邁な学力を持った人が幾らもおりますよ。それから、そういう実力持った人がおります。だからといって、大学卒業以上という認定をするということはできないでしょう。私は、教育する場合には根拠になる法律というものが大事だと思うのです。この点については疑問が残りますが、もう一、二問してまた返って参りましよう。  それでは次に、防衛政務次官に伺いますが、防衛大学校の教育は、教育基本法のワク内で教育が行なわれている。そうなりますと、まず伺いたいですが、防衛大学校に共産党員に入学をさしておりますか。どうですか。工合悪いんじゃないですか。どうですか。差別していますか、していませんか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 教育局長から答弁させます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これはあなたから答弁していただきたいのですが。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) そのような人は入っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 入っておらない。共産党員でも点数がよかったら、許可いたしますか、それとも若干配慮しますか。どうですか。方針を伺います。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) お答えいたします。特別に共産党員であるからといって入れないというようなことはございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それはほんとうですか。私の知っているのでね、試験を受けたあと調査を受けて、そして家族が共産党員だからというので特別扱いを受けた例を私は幾つも知っていますよ。私はそういう人をね、入れろとか入れないとか、そういうことを言っているのじゃない。実際あなたのところの方針を、実際やっていることを聞いているのだ。もし、あなたの答弁が間違っているということの根拠が出たら、あなたはどういう責任を持ちますか。追及しますよ。あなた、はっきり答えて下さい。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) ただいま申し上げましたように、特に共産党員であるからということで区別はいたしておりませんけれども、自衛官あるいは自衛隊員になるための適格性というような点を広く判断いたしましたときに、いろいろむずかしいケースも出て参ると思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛大学校のよって立つ法律にあやふやなところがあるから問題が起こってくる、これは教育基本法の三条の違反をやっていますよ、防衛大学校は。第三条に「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」、信条によってはっきり差別されているのです。このことを政務次官はお認めになりませんか、なりますか。正直に認められた方がよろしいと思う。そうすれば私は追及いたしません。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 人事局長より答弁させます。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 大ぜいの志願者の中から適格者を採用しますためには、いろいろな見地から選考をいたすわけでありままして、そういうようなことを特に配慮いたしませんけれども、あるいは先生のお話のような結果が出ておることは、まあないということは申されませんけれども、これは私の方で意識しておることではございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それじゃもう一間。健全なる良識を持っておられる政務次官、包括的にお答え願いたいと思います。今、防衛大学の教育方針並びに実際の運用は教育基本法のワク内で、教育基本法の第三条、信条によって教育上差別されないと。若干その疑点があるという点は政務次官としてお認めになられると思うのですが、お答え願います。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) ただいま人事局長からお答えしました通りでございますが、あくまでも防衛大学校は防衛庁設置法に基づいて幹部自衛官となる者についていろいろ教育をしなければならないという見地から、いろいろな問題があそこに出てこようかと思いますが、 (矢嶋三義君「三条との関係にしぼって」と述ぶ)私どもはなるたけ教育基本法の趣旨にのっとって今後もやっていきたいと考えておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それじゃもう一つ伺いますが、防衛大学校は法律に定める学校という認識に立たれているのだと思いますが、いかがですか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) その通りであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 特定政党を支持しておられますね。防衛大学校の教育方針は特定政党を支持する教育方針にのっとっておられますね、いかがですか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) そんなことはないと思いますか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 社会党と自民党と同じように支持していますか。防衛大学校の教育方針はいかがですか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) それはあくまでも自由でございますから、そういうふうな教育は指示もしていないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 これは、時間を費やすのはもったいないから言いませんが、これは教育基本法の第八条のはっきり違反ですよ、防衛大学校でやっていることは、あなた方は教育基本法のワク内でやっておる、そうして大学卒業以上と認定し特権を与えるというのですが、これは第八条の「法律に定める学校は、特定の政党を支持し」云々と……、社会党は憲法九条との関係で自衛隊にどういう見解を持ち、ひいては幹部自衛官を養成する防衛大学については、一体どういう見解を持っているか、御承知の通りです。だから、決して社会党を支持しちゃおらぬのですね。そんな教育をしている教官おりますか。(「集団による問題の方が大事だ」と呼ぶ者あり)ヤジをとめて下さい。もと防衛政務次官までやった人が、品が悪いですわ。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) お答えいたします。特定の政党を支持するように、そうした指導などはやっていないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あのね、教育方針にね、教育内容にね、その社会党と自民党と共産党と、政党が日本にあるわけですが、これらは、教育基本法の第八条にのっとった教育が行なわれておると思ったら、その人が頭がどうかしていますよ。文部大臣、どうですか。あなたはよく政治的中立、政治的中立と言われるが、ここではよう言われないが、日教組の倫理綱領は政治的中立を侵す懸念がある云々と言われますが、それは今まであなたの見解を承り、質疑応答をしてきましたが、海上保安大学校はその点は問題はない、安心しておってよろしい。防衛大学校の教育は、教育基本法のワク内であったら第八条に違反していないとし文部大臣、あなたは確言されますか。倫理綱領については、十年前の古証文を引っぱり出してきて、政治的中立を侵しているから、これを改めなければ会わぬのだと言って、あなたは姿勢をくずされないでおられますが、そのこととあわせ考えられるときに、日本の教育基本法を考え、これを運用する教育関係の日本の最高責任者としてどういう見解を持っておられるか、承りましょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育基本法にいうところの「法律に定める学校は、」というのは、学校教育法の制定を予想した個条だと承知いたします。ここでいう「法律に定める学校」は、あくまでも学校教育法を意図しており、御指摘の一条、二条等はおよそ教育と名づけ得るような場ではこういう心がまえでやれよという宣言規定だと思いますが、ですから、その意味において防衛大学校は、第六条にいうところの学校とはいえない。従ってよその所管のことについて申し上げる立場ではございませんが、お尋ねでございますから私見を申し上げれば、私は防衛大学校というのは、特殊の権力関係に立つ職員の養成機関であるならば、その設置目的に背反しないものをよりすぐって入れるということは当然であると思います。従って、社会党すらも一線を画するといわれる共産党員のごときは好ましくない。だから、入れないのだという選択方法をとりましても、私は憲法違反でもなければ、教育基本法違反でもないのじゃなかろうか。これはあくまで私見でおそれ入りますけれども、お尋ねによってお答え申し上げればただいまそう考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 だいぶ次元が違いますよ、大臣。だから、私は初めから聞いてきたわけです。教育基本法は適用を受ける、ワク内で。だから、文部省所管の大学の卒業生と同等以上という認定を下す。そういうものがなかったら、私はとやかく言いませんよ。そういう認定を下しているのだ。そうなってくれば、教育基本法の各条章というものは適用されなければならない。それは適用にならなかったら教育の場ではありませんよ。それだったら、純然たる自衛官でいったらいいじゃないですか。あるいは海上保安官でいったらいいじゃないですか。従って、文部省所管の大学の卒業生と同等以上というのはそういう認定をしたり、特権を与えたりしないようにすればそれなりに筋が通っていきます。そういうところに非常に矛盾がある。その矛盾を文部大臣感じられませんか。免許法上の特権が与えられるのですよ。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は矛盾はないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは何ですか、学問の自由もなくて、それから政治的中立でない教育を受けた人を大学卒業以上の資格があるといって教員の免許状なんかの特権を与えても何にも矛盾を感じませんか。そういうことがありましょうかね。どうでしょう。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 免許法は、関係ないそうですが、同等以上の学力ありと認定いたしました特権と申しますか、つながり合いはたしか大学院に入学する資格を与えるということだけだったと思いますが、個人的には学問の自由はある。大学校としての国、公、私立の大学等における大学の自治といと範疇に属するという学問の自由というのは、これは特殊の教育機関ですから許されないということは、これは憲法上も教育基本法上も合理的な内容だろうと思うのですが、従って本人が学問の自由の権利のもとに一生懸命勉強する。大学では教育課程ないし学校教育法において国、公、私立の学校教育法にいうところの大学より以上の教育を授ける制度になっており、また現実にそういう成果を上げているということを押えて、同等以上の学力ありと認定することは私は矛盾はなさそうに存じますが。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この点はあなたと意見が非常に違いますがまた先にいってまた返って参ります、時間がないから。今、あなた、大学の話が出たから伺いますが、防衛大学の生徒は大学院に入れる資格を与えられるわけですが、今度は防衛大学に理工学研究科を新設するそうですが、これは大学院扱いにするのか。どうですか。また学位を与えるように権限を与えるのか。どうなんですか。お答え願います。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そのお話は初耳でございますが……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、初耳じゃない。あなたの提案理由に書いてある。理工学研究科を新設しますということを国会に説明しておりますよ。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 防衛大学じゃありませんか。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛大学ですよ。池田内閣が説明しております。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は不勉強ですが……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、閣議で通っておりますよ。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 私は認定するかどうかということは改めて検討した上でないとお答えできません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 冗談じゃないですよ。これは閣議を通して池田内閣の内閣提出案として国会に説明しておりますよ。御承知の通り、大学院は研究科を置くのですよ。一つないし数個の研究科を置くのが大学院ですよ。これも理工学研究科を新設するというのがある。これを大学院扱いにするのかどうか。しないのかどうか。文部省所管の大学院と同等あるいはそれ以上という認定をするのかどうか。そういうことをお考えにならないで、どうして閣議でサインされるのですか。あなたのサインがあるのですよ。いかがですか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 防衛大学の大学院の問題が出ましたので、私からお答えいたします。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 いや、あなたのところはわかっているのですが、文部省はどういう見解を持っているか。文部大臣は署名しているのですよ、閣議で。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 大学院ではございません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それでは大学院相当と扱わない。そういうことですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 ところが、防衛大学校を卒業された方は、大学院の入学資格、文部省の大学院の入学資格を認める。こういうことですね。大事な言質としていただいておきますよ。お答えいただきます。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと時間がとれますから政府委員からお答えさせていただきます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 今のところだけ、ノーかイエスの問題です。説明は要りません。記録として残しておく……。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) 防衛大学校として研究科を作るというお話は聞いております。しかし、これは防衛大学で、まだ防衛大学の四年間を終わって、さらに高度の研究をする学生のために研究科を置くので、大学院とは性質が違うようでございます。そういうふうに承っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 従って……。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) 従って、一般大学の大学院となることはありません。大学院となるためには文部大臣から設置の認可を受けなければならぬ建前になっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 だから、そういうのは認めない方針だということを言っているわけですね。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) ただいまのところは、内容もよく存じておりませんので、ただ防衛大学卒業程度をもって二年間の研究をさせる場、こういうふうに承っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 閣議で法案決定をする場合には、もう少し慎重にやっていただきたいと思うのです。  そこで、次に質問は進んで参りますが、いまこういう質問をなぜ私がしているかというと、一つは文部省所管の大学と運輸省所管の大学校との関係、それから海上保安大学校と防衛大学校との関係というのは、若い青年層にとって非常に重大な問題だと思うのです。海上保安庁の保安官と海上自衛官となったら、これは非常な相関関係があるわけですから、若い者にとっては。そういう立場で聞いているのですが、そこで防衛庁の政務次官がおられますが、防衛大学校の教育方針というのは、非常に重要だと思うのです。特に将来を考える場合に、シビリアン・コントロールという問題を考えた場合には、非常に重大だと思うのです。失礼ながら今の防衛庁の首脳部の方々には、かっての第二次世界大戦に大なり小なり関与した方々です。ある意味からいえば戦犯の方々です。だから、非常に遠慮している点があるのです。しかし、今、若い層が防衛大学校に入って、そうして教育基本法のワク内とはいいながら、幾多の問題がある教育をやって、そうしてああいう方々が防衛庁、自衛隊の首脳部になられたころ、今の教育がよほど適正を期していなければ、そのときに、私はなかなかシビリアン・コントロール、文民優先というのはむずかしいのではないか、そういう点を私は懸念するがゆえに、この防衛大学校の教育方針は教育基本法のワク内といいながら、これは私は重大だと思うのですが、そういう配慮をなさっているのかどうか、お答えをいただきます。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 御指摘の通りでありまして、長官初め今後の教育については十分検討をいたしておるわけであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこで、まあ第二問的なものに入るわけですが、通告してありますから、お答えいただきたいと思うのです。数字ですが、次の順序でお答え願います。海下保安大学校、それから防衛大学校、それから文部省所管の国立大学、私立大学、これに分けて学生——在学生は一年間に学生負担はおよそどのくらいか。国立、私立の文部省の大学については医学と文学部に分けてお答え願います、通告してありますから。それから学生一人について国費は大体幾らつぎ込んでおるか。さらにこれも通告してありますが、四月の入学時、それぞれの大学並びに大学校においては、学生並びに父兄はどの程度の負担をしているのか。その数字を運輸省、防衛庁、文部省の順序でお答えいただきたいと思います。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 海上保上安大学校についてお答え申し上げます。海上保安大学校におきましては在学中は給与を受けております。従って……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 幾ら受けていますか。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 行政職の八等級一号俸という、こういう……。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 幾らですか。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) これは本俸は八千三百円でございまして、そのほかに暫定手当、期末手当、勤勉手当というのが加わっております。それから、制服その他のものは貸与を受けております。従って、もちろん給与の中で負担をするというのが実情でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 国費は。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) ちょっと一人頭で割っておりませんですが、大体海上保安大学校運営の経費は、船などを持っております関係で、割ってみますと五十万円ちょっとになろうかと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 運輸省の政務次官、政府委員室の連絡不十分ですよ、こんな答弁を立法府でされたら。ちゃんと通達してあるのですから、数字だけさらさらと述べたらいいのですよ。非常に連絡不十分ですよ。  それじゃ、次にお願いいたします。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) お答えいたします。防衛大学校の全経費を学生一人当たりで割りました経費は、年間三十九万円であります。学生手当は月に四千五百円出しておりますが、学生手当、被服費、食糧費等特殊なものを学生に支給いたしますものは年間十万円になっております。それから入校時に支給されます物品費の金額は、貸与被服費二万九千円、補充装具が七千三百七十一円、それから支給被服、これが一千九円。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 合計では。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 総合計で一番最初に申しましたように一人当たり三十九万円というのが学校の全経費の頭割りでございます。その次に申しました学生諸手当、被服費、食糧費等合わせますと十万円になります。そのうちの学生手当は四千五百円、それから被服費のうちで入校時に支給されますものは二万九千円、七千三百七十一円プラス一千九円、かようでございます。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) 国立大学の経費でございますが、まず大学は総合大学が多いので科目別に分けますのが非常にむずかしいので、単科大学の基準のことについて申し上げますと、大体一橋大学のような法文系の学部ですと、三十四年度の予算によりますと、一人当り十二万円、外国語大学のような種類の大学ですと、六万円ということになっております。それから医科大学でございますが、この医科大学は、病院あるいは研究所を含んでおりますので、これを差し引いて残りで計算するのが正しいのかもしれませんが、全体の経費でその学生一人当たりを出しますと、大体六十三万円ぐらいになっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 入学時にどのくらい負担するのですか、これも通知しておるのですがね。説明は要らないのよ。各省庁に通達してあるのだから、その数字をずっと述べられたらよろしいのです。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) 入学時は国立大学で入学金が一千円、それから年間授業料が九千円でございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そんなこまかいことはいいのですよ。知っているのですよ、私は。だから、入学する四月に幾ら負担するのか、それを各大学なら大学で教えていただきたいということを政府委員にるる説明申し上げてあるわけですよ。それをお答え願います。

春山順之輔文部省大学学術局大学課長

○説明員(春山順之輔君) 入学時に必要な経費、これは日本育英会の調査でございますが、国立大学におきましては最低二千円から最高三万一千九百円、これは昼間の学部でございます。夜間の学部ですと最低が二千円、最高が一万五百円。同様なことを私立大学で申し上げますと、私立大学の昼間は最低五千五百六十円、最高三十二万五百円です。これは昼間ですが、夜間学部は最低が七千五百円、最高が四万四百円、こういうことになっております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 およそ私の期待した数字が出ましたが、答弁いただいた数字は、私が答えていただこうと思ったことはそのまま出てこないのですよ。調査が不十分で困りますよ。このまま質問続けていきますが、航空大学について聞きますが、お答え願いたい。

今井榮文運輸省航空局長

○政府委員(今井榮文君) 生徒の費用としましては、大体年間に授業料を合わせまして二万九千円でございます。それから国費としましては二年間の操縦士養成のために四百五十万円大体支出いたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛庁と運輸省に伺いますが、防衛大学校の学生は期末手当二、五カ月分受けていますね。この点は海上保安大学校も同じかどうか、お答え願います。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) さようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛大学、それでよろしいですね。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 防衛大学校の学生に対する期末手当はお話の通りでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛大学校並びに海上保安大学校、航空大学校の学生は国家公務員共済組合に入っていますか、いせんか、お答え願います。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 防衛大学校の学生は共済組合に加入しております。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 海上保安大学校の学生は入っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 航空大学校の……。

今井榮文運輸省航空局長

○政府委員(今井榮文君) 航空大学校の学生は入っておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 組合費はいかように納めていますか、お答え願います。

林坦海上保安庁長官

○政府委員(林坦君) 一般の公務員と同じ比率で納めております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 防衛大学校は。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 防衛大学校の学生の保険の掛金は一般の公務員と同じであると考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 学生は払っているか、払っていないかということを伺っている。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 払っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 払っていますか、学生はどういう形で払っていますか。国家公務員の共済組合員になっておりますが、掛金はどういう形で払っておられますか。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) 一般の職員と同じ形で払っておると私は承知しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 それなら基礎は四千五円から払っているのですか。

小野裕防衛庁人事局長

○政府委員(小野裕君) そのように承知しております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 きょう帰ってさっそく調べてごらんなさい。私の調査では払っていない、そういうように私は調査していますがね。調べてごらんなさい。  そこで文部大臣に伺いますが、文部大臣、若干今数字を伺ったわけですが、これは教育基本法三条と憲法二十六条違反だと思うのですよ、こういう予算を組むということは。たとえば海上勤務者として海上自衛隊の自衛官と海上保安官のアンバランスというものは、これはひどいものです。また、民間航空の育成云々ということを言っているが、この航空大学校、宮崎にあるこれと、航空自衛官となる防衛大学の学生とは、国の扱い方というものは非常なアンバランスです。一年間の学生、父兄の負担です。これは航空大学校の学生と、防衛大学校におる航空自衛官幹部候補生の差はひどいものです。これほどの差があってよろしいのかどうか、そして防衛大学校の諸君は、共済組合員であり、私の調査では組合費を納めていないのですが、そして入ったときから在勤年数として扱われて、そしてそれで年金がつくような形態になっているのです。一方ですよ、国立大学でもこれは父兄、学生の負担というものはものすごいものです。ましてや私立大学になると、文部大臣御承知の通りに入学するときにどんな文科に入っても四月一カ月に十万納めなければならぬ、医学部とか理学部になると何十万と納めなければならない、学生、父兄の負担というものはものすごいものです。これは憲法二十六条、この教育の機会均等です。「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」というのと、教育基本法の第三条に、「国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」と、こういう教育機会均等が教育基本法第三条に憲法を受けてうたわれているわけです。この大精神を生かすとなれば予算編成のとき等に、今の防衛大学校と海上保安大学、航空大学校のバランスの問題もありますが、全く同じにしろということを言っているのではない、バランスの問題もあります。さらに私立大学等の助成というものも、そういう角度から大幅にされなければならないと思うのです。忠実に憲法の条章を生かした予算を組んでないというのです。そこに今の日本の私立大学の苦悶があり、学生、父兄の負担の増大というものがあっていると思うのです。そういう配慮が予算編成の段階になされていないということは、これは私非常に重大なことだと思うのですが、文部大臣はどういう御所見を持たれるか。私はあなたに、文部大臣としてまた池田内閣の閣僚の一人として幾らか聞いていただき、注意を喚起する意味において各関係者からいろいろ数字をあげていただいたわけです。統一的なものは何もないのです、ばらばらですよ。ある方は申請して大学卒業以上と扱ったり、あるいは申請もしない、大学卒業以上の扱いもしない、それで教育基本法のワク内に入るかと思うと、一部は憲法の条章あるいは教育基本法の条章の適用が制限され、ところが一方では文部省所管の大学と同等以上に扱うと、こういうところは全く支離滅裂で体系が整っていない。こういう点から、あとほど私は具体的なかなり今後の防衛大学校の教育方針に関係ある重大な具体的な問題を聞きたいと思うのですが、大臣の御所見を承りたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 例示されましたそれぞれの教育機関は、おのおの独自の目的を持っておると思うのでございますが、それぞれの行政目的に応じて必要ある法律規定がなされて、それに基づいて現状が生まれ出ておると思います。従って、矢嶋さんも画一的なことは要求しないというお話のように、画一的である必要はないと思います。ただ人間的に、通例常識的に考えられる待遇というものは、努めて同じようにする努力を注ぐべきものと思いますが、きちんと一緒でないからといって、それ自体もってのほかだという考えで臨む必要はなかろうかと思います。さらに学校教育法にいうところの、国、公、私立の大学の相互の生徒、父兄の負担、これも国、公立と私学とが同じでなければならぬとは言い得ないと思います。しかし、なるべく学生なり父兄の負担が少なくて、同じように教育が行なわれるようにする努力はしなきゃならぬとむろん思いますけれども、それぞれその生い立ちの基本が違いますし、私学は私学なりの自主的な範囲もあるわけでございますから、ある程度の違いはやむを得ないかと思うのであります。しかし、できるならばなるべく経費が少なくて済むような工夫を政府としても考えていくべきだ、かように考えております

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 非常に不十分だということを私は指摘しているわけです。もう一問して、豊瀬委員が関連質問があるようですから関連質問をしていただいて、それで次の私、質問に入りますが、その一間とは、具体的に申し上げますよ、たとえば教育基本法の第六条に「法律に定める学校は、」云々とあって、「教員の身分は尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。」というのが第六条にあるわけですよ。「教員の身分は尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。」その「学校」とは何であるか、これは法律で定める学校ときているわけですね。たとえば今、私学の問題が出たが、私学と国立の差をとってみますと、学長にして約三万七千円ぐらいの差がありますよ、給与で。教授にして約三万円、助手にして約七千円の差がありますよ。だから、この寄付金の免除をしてほしい、指定寄付のワクを広げてほしい、施設設備でなくて、経常費の寄付に対しても免税措置をしてほしいというような、こういう要望が出てきている。それさえやらないじゃないですか。それは明らかに教育基本法第六条を忠実にやっているとは言えませんよ、文部大臣。ちゃんと明文に書いてあるんだから、ここに。さらに海上保安大学、防衛大学の職員の勤労条件というのには差がありますよ。それと国立大学の差もある。同じ文部省内にとっても、第六条からいって、国、公、私と同じにする必要はないだろうが、この条文からいうならば、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるような法律的措置と予算的措置をとらなければこの教育基本法に沿った文教行政が行なわれるということにならないでしょう。ところが、私さっき申し上げたように、給与でこれだけの差がある、こういう点どうお考えになられるか。そこで具体的に伺いますが、この前も伺ったんですが、努力するということでしたが、あの寄付免除の指定寄付のワクの拡大、施設設備以外にこの経常費の免税というのは当然私はやるべきだと思うのです。そんなのは国の歳入には影響しないのだから、そのくらいのものはこれからいって当然やらなくちゃなりませんよ。努力するということでしたが、それはできたのかどうか、見通しはどうなのか、あわせてここでお答えおき願いたい。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 国、公立と私立の学校はおのずから別物でございますから、ある程度の違いがあることはやむを得ないと思います。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 程度があるのですね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) その程度をどこに見るかが問題かとはむろん思いますけれどもそれでもなおかつ私学の振興ということは、教育の公共的な目的を達するために協力している姿ですから、国の立場において妥当な援助助成をすることは必要だと思います。そこで民間からの寄付が集まりやすいようにする努力をしたいと申し上、げたわけですが、指定寄付のワクを拡大いたしまして、絶対額の確たることはわかりませんが、二百四、五十億ないし五、六十億見当ぐらい新たに寄付が集まってくるようにしたいという線で、まだ折衝中ございますが、今月一ぱいぐらいまでに、おそくも結論を出したいと思って努力をいたしております。経常費の援助につきましては、私は私学の自治及び学校教育という公共性との調整を考えて、どういう考え方でいくべきかという点が問題かと思います。原則的にいえば、私学の経常費をまかなうような金を、国庫から全国民の負担で出すということは、当然には私はやるべきじゃないのじゃなかろうか、やるとしますれば、特に国民的な立場におきましても、政府の政策遂行という立場からいたしましても、特に私学に期待する、期待し協力してもらわなければやれないというふうな事柄に関しましては、税金支弁の経常費の何がしかの助成ということも納得し得ると思いますが、一般的には、私学の自主性をそこなうのじゃなかろうか、そこで矢嶋さんもとくと御承知の通り、従来施設設備についてその建設資金を、なるべく低利長期のものをあっせんする、その方面からこの負担を軽減していこうということと、科学技術振興という国民的な要請、時代的な要請に特に応じてもらわなければ、国民経済それ自体にも影響を持つという角度から、そういう面に何がしかの助成をするやり方でやってきておりますが、やはりその考え方は、それが正しいのじゃなかろうか、そういう気持で私学振興会からの資金の融通等について、いささかの予算でも増額してもらったわけですが、科学技術振興の角度からも、満足ではむろんございませんでしたけれども、今申し上げたような考え方で援助をしていきたい。さらに指定寄付の問題はさっき申し上げた通り、そういうことで、私学に対しては国の立場から協力していこう、こういうふうに考えているわけであります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 先ほどの矢嶋委員の質問に関連して、一、二理解に苦しむところがありますので、ただしておきたいと思います。  まず一つは、大臣その他の関係者の方から、防衛大学等においても教育基本法の適用は受ける、こういうお話でしたが、文部大臣の方は後ほどの御答弁で、基本法六条に定めるいわゆる学校ではない、こういう言い方をされたと思うのです。このことは間違いありませんか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 間違いないと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 学校教育法あるいは教育基本法の適用を受けるという認識の中から、ある条文だけは適用を受けないという根拠は、どういう法律的な根拠ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 防衛大学等には、教育基本法の宣言的な基本的な要請は適用があるということであって、学校教育法はむろん適用はない教育機関だと思ます。教育基本法一条、二条等の総括的な基本的な宣言規定は全文にかぶるといたしましても、一々申し上げるまでもなく、「(義務教育)」とか何かという見出しをつけながら、各条文が次々と出てくるわけですけれども、各条項ごとに適用される範囲は、総括的なものを除いては、おのずから宣言的に規定されておるという意味で申し上げるわけであります。第六条は先刻も申し上げましたように、学校教育法の制定ということ、これを受けて学校教育法が制定されるということを意識した条項である。従って第六条にいうところの「法律に定める学校」は学校教育法にいうところの学校、こう理解しております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 私がお聞きしておるのは、教育基本法は適用される、ある条文だけは適用されないという法律的な根拠はどこですかと、こう聞いている。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) これは読んで字のごとく教育基本法でございますから、原則としては教育基本法の趣旨は教育と名づけ得る分野には適用あり、こういうことでございます。しからば第一条から最終条項に至るまで、どれが適用されるかは具体的な条文の解釈ないしは教育基本法の制定されました経過等から考えて明らかなことだろうと思っております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ただいまの大臣のような解釈はすべての学校に適用されますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 教育基本法のいう教育という概念から例外的に、たとえば防衛大学、海上保安大学等の個別的なものが例外的に抜けておるということを申し上げておるので、一般的には学校教育法にいうところの学校にはこれは全面的に適用される、そう考えます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、たとえば防衛大学等に教育基本法が適用されるという法的な根拠は何ですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 法的根拠とおっしゃるとどういう意味か知りませんが、学校教育法であるから適用される。その限界は学校教育法の内客によって定まる、そういうものと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 教育基本法という一つの法律が適用されるということは、この法律が十一カ条にわたってすべての適用されなければ、あるいは別個の法律の中に、ただしこの法律に関してはこれこれの理由に基づいて適用しない、別個に定める、こういうことがない以上は、基本法が適用される以上はすべての条項が適用されるのが当然でしょう。私が聞いているのは、防衛大学等が何の法律で、さっき矢嶋委員からも再々聞かれた六条その他が適用されないかと、こう聞いている。防衛庁設置法ないしは自衛隊法の何条によって適用されないとなっておりますか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) お尋ねの趣旨がよく理解されない意味もございますが、先刻申し上げた通り、教育基本法は教育と名づけ得るあらゆる教育の場を予定して教育基本法が制定されておる。前文なり、第一条、第二条等の総括的な一種の宣言的規定は、教育の場では、国立であろうと、公立であろうと、私立であろうと、あらゆるところにかぶっているという意味で教育基本法が適用されるということであって、たとえば「(義務教育)」と見出しをつけた条項等が防衛大学等に適用されないということは、これはおのずから条項の内客からいって当然のことであって、これは、適用されるかいないかは、そういうふうに考えなければ考えようがないように思いますが。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 防衛庁設置法、自衛隊法等による法的な根拠はないけれども、大臣がそうしなければしようがないという判断だと解していいですね。——次に質問を進めたいと思うんですが、そうすると、当然、基本法第六条が適用されないということは、学校教育法すべて、特に学校教育法の第一条、それから第五章の大学、この適用もすべてないということですね。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) 第六条につきましては、先刻も矢嶋さんにお答え申し上げたのですけれども、これは  「法律に定める学校」といっておりますのは、学校教育法というのを教育基本法の第六条のいわば施行法律的な関係において当然制定するんだという関係に立つ条文であって、第六条にいうのは、あくまでも学校教育法にいう諸学校、従って防衛大学とかその他の教育機関は第六条は予定していない、こういうものと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 僕の質問は、ただいまの大臣の答弁通りだから、学校教育法の第一条も第五章の大学に関する点もすべて適用されない、こういうことですねと、こう聞いているんです。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) そうでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、学校教育法で定められない——逆に言いますと、定めておる大学あるいはその他の大学院あるいは学位の資格等、これの適用を受けないで、これと同等または同等以上の資格を与えるというのは、どの法律のどこの根拠に基づいてきめられたんですか。

荒木萬壽夫自由民主党文部大臣

○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっとよりどころを今はっきり記憶いたしておりませんから、政府委員からお答えいたします。

天城勲文部大臣官房長

○政府委員(天城勲君) 今、防衛大学校の資格等のお話しですけれども、これは大学院に入学する学力として認めたので、防衛大学校が大学であるとか、学士であるとかいうことを法律的に規定しておるわけではございませんです。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 今度はあなたが直接答えられていいから僕の質問をちゃんと聞いて下さいね。私の聞いているのは、今おっしゃる通りだから、どこでその資格を与えるという法的な根拠を持っておられますかと、こう聞いておるんです。

天城勲文部大臣官房長

○政府委員(天城勲君) 条文に即してお答えいたします。学校教育法の第六十七条でございます。それは大学院に入学することのできる者の資格でございますが、「第五十七条第二項に規定する者とする。」。五十七条第二項に規定する者というのは、「大学の専攻科は、大学を卒業した者又は監督庁の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者に対して、」ということでございまして、その本人の学力を言っておるわけでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 学校教育法は適用されないんでしょう。この条文をお読みになったって意味ないんでしょう。

天城勲文部大臣官房長

○政府委員(天城勲君) 大学院に入ることのできるものはこういう資格を有するということを言っておるのがこの学校教育法の条文でございます。防衛大学校が学校教育法の適用を受けるかいなかということとは関連がないと考えております。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 防衛大学が学校教育法の適用を受けるか受けないかという質問をしておるのじゃない。私の聞いておるのは、問題が進んで、そのことは、適用を受けないと大臣はおっしゃった。従って、学校教育法の大学という、すべての条章は、防衛大学等に関してはすべて適用されないこと。ところが、資格判断の際に、学力じゃありません、資格判断の際にだけは、言葉は悪いけれども、盗人たけだけしく、六十七条だけを適用しようと、これはどういう根拠ですか。

天城勲文部大臣官房長

○政府委員(天城勲君) 私が申し上げたことは、防衛大学校がどうのということの問題じゃなくて、そこを卒業した者の学力が大学院に入る資格があると、こういうふうに認めたのでございまして、学校教育法の適用のない学校から、たとえて申しますれば、外国の大学の卒業生についてもこういう形で認める場合が予想されるので、学校をここで指定するという考え方ではないのでございます。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 そうすると、六十七条の「第五十七条第二項に規定する者とする。」という、この五十七条の第二項、お手元に法文をお持ちでしょうから読みませんけれども、五十七条の二項が資格として適用されておるという判断でしょう、あなたは。五十七条第二項が資格判断の際にこれが適用されておる。それは六十七条を受けてだと、しかし、五十七条にしろ、六十七条にしろ、すべての条文にしろ、学校教育法とは無関係だと大臣はおっしゃっておる。学校教育法に関する限りは無関係である、適用を受けない。

天城勲文部大臣官房長

○政府委員(天城勲君) 御質問の趣旨とあるいは、違っておるかもしれませんが、防衛大学の大学院というもしお話なら、学校教育法の問題ではございません。ただ、防衛大学の卒業生が、学校教育法でいう大学の大学院に入る場合については、この根拠によってやっていくということを申し上げておるわけでございます。私、御質問の趣旨を違えておるかもしれませんが。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 時間がありませんから、今の問題をここで結んで、次に、防衛大学校の学生の自殺事件を私はちょっと聞いておきたい、教育基本方針とちょっと関係がありますので。これは豊瀬委員からも伺っておりますが、私の質問したことと同じ考えで伺っておるわけですが、結局、憲法と自衛隊の関係、それから防衛大学の関係ですっきりしないところがあるわけなんですね。今の官房長の答弁したところでは、防衛大学を卒業した人が、文部省所管の大学の卒業生と同等以上の力があると認めると、それと教育基本法の適用の問題、そこに問題があるというわけです。それで、文部大臣にこの際ちょっと注意を喚起しておきたい点は、海上保安大学の学生は、防衛大学校の海上自衛官に対して一つの抵抗感を持っておりますよ。僕らは海上勤務について海上自衛官以上に働けるというのです。ところが、実際の待遇にアンバランスがある。こういうみぞを作ってよろしいのかどうかということですね。それから国立大学の人も私立大学の人も、防衛大学校の人に対しては抵抗を持っています。あなたは、都内の大学の入学試験に行ってごらんなさい。私、早稲田に行ってみましたが、ものすごいものです。あの早稲田の大学にあふれるほどです。政治家として、いかにこのエネルギーを国のために生かすべきかということを、私はささやかな政治家として非常に胸にこたえて考えましたが、大臣行ってごらんなさい。ああいう諸君は学費があるから試験も受けるが、受験できない学生がたくさんいる。合格しても、私学は何十万といって納めて、その条件下にいかなければならない。ところが防衛大学校は目的が違うとはいえ、憲法上から幾らも問題はありますが、大学卒業以上と認定されて、大学院への入学資格も付与されて、入ったときから職員で、月に四千五百円もらって、国家公務員共済組合にも入って、在職年数に通算して年金がついて、そうして上着が二組から夏服二組、靴二足というふうにずらっと与えられる。高等学校で一緒に勉強した諸君がそういうふうに扱われている。ところが、自分は公立大学に入れないで私立大学を受ける。入学試験はこんなにむずかしい、入ったらかくかく金を支払わなければならぬ。家の父の収入はこれこれで、学費がこれこれで、アルバイトだと、こうきた場合に、同じ年代の青年層の間にみぞができぬで済むかどうかということです。このみぞができる、抵抗感を持たせるということは、あなた方が言う広い意味の国防という立場から私は重大な問題だと思います。だから、私は教育基本法の三条とか、憲法二十六条を引っぱり出したわけです。そういう立場からもう少し根本的に考えられた立場において予算というものを組まなければ、今の予算を組む場合の基本的態度というものは、私は憲法に忠実ではない、教育基本法に忠実ではないという、この根本を私は指摘したいわけです。憲法九十九条を国務大臣として完全に履行しているとは私は思えない。防衛大学校は防衛庁の付属機関でしょう。従って、自衛隊法にいう自衛隊という観念に入るのですよ。自衛隊法の自衛隊という中に入るわけです。それと一体教育基本法の一条と矛盾するかしないかということです。教育基本法にいう教育の基本方針は当然適用されなくちゃなりません。その教育基本法の第一条の教育目的ということと、自衛隊法の中において防衛大学は規定づけられているのですが、そういうものが全然矛盾しないかどうかということですね。こういう点をもう少し解明していただかなくちゃならぬと思います。そういうところから一つの教育の基本方針が出てきているわけです。従って、防衛大学は教育的に無理があると判断しております。特に私が関心を持っているわけは、防衛大学校の学生の合格着の約三分の一から四分の一は、私の出身の九州の者です。だから九州は防衛大学校の学生の供給源なんです。従って、防衛大学校の教育方針なり学生の扱い方については、私は異常な関心を持っているものです。ところが昨年十二月四日に辻君という学生が自殺している。そうしてまた、最近、二月十三日に原君という学生が自殺をしております。この原因なり取り扱いについて僕は疑問を持っている。これは防衛大学の教育方針とも関連があると思いますので、あと二、三十分間要点を伺いますから、防衛庁の政務次官から明快にお答え願います。  まず第一問、十二月四日、第三大隊の隊長であった辻学生が自殺されたのです。その取り扱いについては、不十分な点があったという反省を防衛庁当局としては持っておられるか持っておられないか、その答弁のいかんによって、私の質問構成は変わって参ります。いかがでしょう。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) ただいま御質問の辻君のことにつきましては、卒業を間近に控えた、しかも非常に有為な学生でありましたので、まことに残念でもあり、故人並びに御両親に対しても衷心お気の毒に思っているわけでございます。しかしながら、ただいまお尋ねの取り扱いなどにつきましては、十分私ども注意をし、同時にまた、できるだけの措置をしたというふうに考えているわけでございます。また、その後の措置につきましても、できるだけ十分な措置をしていきたいと考えているわけでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 本人がなくなられているから、私は厳粛に真剣な気持で伺いたいと思いますが、明確にしておかなくちゃならないと思うのは、防衛庁並びに防衛大学当局としては、辻君の自殺というものは家庭の事情によるものと判断されているか、判断されていないか、お答え願います。これはある新聞に、家庭の事情によるというように報道されたことについて、ずいぶんと私は苦しんでおるということを聞いておるのですが、防衛大学校、防衛庁におきましては、家庭の事情による、そういう要素があった、そういうふうに判断されているか、判断されていないか、お答え願います。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 教育局長から。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) お答えいたします。家庭の事情によるとは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この方は第三大隊の隊長、学生長であったわけですが、こういう隊長の任命基準、方針と任務とは、どういうものですか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 辻君は学生長でございまして、平たく申しますと、大隊長といった資格のものの学生長でございます。任命基準といたしましては、学内の非常に優秀なる人物から選ぶというふうになっております。なお、学生長の任務は自己の属する大隊の規律を確保し、常に人員を掌握し、それから装備品等の補給を担当したり、いわゆる大隊の世話をする、指導するということを任務とする最高の学生の責任者でありまして、その下に中隊学生長、小隊学生長がございます。任期は約四カ月というように考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 相当優秀な方が学生長になり、その任務は学生としては相当重いものである、こういう認識に立たれていると思うのですが、いかがですか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) その通りであります。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 この学生長の任務遂行について大学側から相当強い御要請がある。ところが、学生にはある程度自治が認められているから、学生の方の要望もあり、その学生長は学生と大学校側の間に板ばさみになって、かなり苦労するような実情があるのではないですか。その点どういうふうな御認識に立っておられますか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 学生長は大隊ごとに指導官と一緒に学生隊の指揮に当たっていますので、指導官のいろいろな注文によりまして学生隊の行事等の準備をしたりする半面と、もう一つは、さらに学生隊の構成員である学生のいろいろの希望を聞きまして、指導官を通じてお骨折りをお願いするというふうな両面がございまして、おっしゃるような、問題いかんによっては板ばらみになることもあり得ると考えております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 重要なポイントに触れますが、この辻学生の自殺されたということと、この辻学生が学生長に任命されておった、そういう職務を持っておられたということとは関係がないという認識に立っておられますか、相関関係があるという御認識に立っておられますか、その答弁次第によっては質問構成が変わります。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 関係がないとは考えておりません。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 そこが重要なポイントで、私の調査では局長の答弁は適当だと思う。ところがその当時、当時の新聞記事を私とっておりますけれども、防衛大学校の中村訓練部長等の、ともかく新聞に報ぜられた報道というものは妥当でない。学生がノイローゼになって、勝手にとはいっていないが、勝手になくなっていったのだから、個人の問題だからというようにとれる談話を記者にしたに違いない。各新聞にはそういうニァンス記事が出ている。僕は大へん不謹慎だと思うのだ。学生にかわいそうだと思うのですよ。こういう考え方でやっておったら、防衛大学にまれた今後犠牲者が出てきますよ。私はこれは反省を促したいと思う。この辻学生については、私は高等学校時代のこの人の成績から、担任の先生等にも会って、その性質やらつぶさに調べている。非常に責任感の重い人です。普通の人は大したことでもないと思うことでも、非常に重要に考える。自分のことよりも大学校のことを先に考えるような性格の人なんですね。柔道も二段、詩吟もやる、弓道が初段、水泳もやる、文武にたけた有為な青年であったようですね。それをこういう当時のような——新聞記者が悪いか何か知らぬけれども、しかし一つの新聞でないのですからね。荒木大臣がいつかやられたような印象を与えるような発言をなさったに間違いないと思う。この点について局長はどう思っていますか、遺憾だと思いませんか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 御指摘のように、学校の新聞発表につきましては、妥当を欠く点があったということを承知しております。従いまして、校長から厳重注意をいたしております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 遺書ですね。当時の新聞には、ガラスにちょこちょこ書いたように出ていますが、ところが、その遺書が一月中旬になって遺族に届けられているのはどういうわけですか。私の調書では、その辻学生の遺書は、学生長を補佐する隊長付き副官の引き出しに入っておったというのですね。これは間違いなのかどうなのか、それに入っておったとするならば、十二月四日になくなられておるから、一月中旬まで遺書が出てこなかったという点は、私は非常に不思議に思うのです。この点は経緯はどうなんですか。私はどうも大学当局で隠密に隠密にという、ほおかぶり的な気持ちがあったのじゃないかと、邪推せざるを得ない根拠があるのですが、どういうふうにお考えになっておられますか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 遺書がおくれて発見されたことは事実でございますが、詳細に調べましたところ、辻学生長が執務をしておられました机の中に、たくさんの詰め込んである中の紙のうしろに書いてあったらしいのでございます。従いまして、辻学生長がなくなられて、後任者が事務引き継ぎができませんものですから、自分でそのページを見ておりますときに、そのときに発見されたのが事実でございまして、そのような誤解を与えておりますれば、この際払拭していただきたいと思っております。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 あなた方もお手は相当尽くしているでしょうけれども、しかし自分らが預かっている大事な学生が、そういう最後を遂げられたら、まあ普通は探すだろうと思うのですね。探すべきだと思うのだ。ほかでなくて、隊長付き副官の机の中に入っておったとするならば、当然私は発見されてなくちゃならぬと思う。こういう点にも僕は非常に遺憾な点を指摘せざるを得ません。  そこで、もう少し伺いますが、学生の死と、この人が学生長という重い任務についておる。それでかなり苦悶した事柄があるようです。詳しいことを僕は申しません。そうして、なくなられた場合、あまり僕は非人間的な冷たい扱い方をしてはならぬと思うのです。防衛大学校の名誉を汚したということを意識するとしないとにかかわらず、そういう気持でこれをなるたけ表面に出さないように、お葬式なんかこっそりしょうというような態度であってはならない。なくなった人にもかわいそうですし、父兄にしても慰められるところがないのですよ。この学生は熊本大学の工学部と防衛大学と両方合格したのですね。ある先生は、熊大の工学部へ行ったらどうかと勧めたようです。ところが、父兄としては防衛大学校に預けておけば安心だというような気持で預けたようですね。そうして今度の要件が起こってみれば、それは口に出して言わないかもしれないが、言いようのない心情にあるということは推察されます。で、防衛庁の政務次官に伺いますが、この故人並びに父兄を慰めるような事柄については配慮しているものだと思うのですが、そういうように了承してよろしゅうございますか。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) その通りで、長官初め努力をいたしております。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 速記をつけて。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 続いて二月十二日に、同じ熊本県出身、山鹿高校出身の原学生、この人も優秀であったわけですが、四年生の原君という人が自殺していますね。一月二十三日に初めて防大医務室に入院したのです。二月十三日に自殺しているのですね。これはどういうようにお考えですか、どういうお取り扱いをされていますか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 原君につきましては、本年の一月中旬ごろから、不眠不安を訴えられまして、校内医務室において診療を受けて、一月二十三日入院されたのでございますが、その後さらに病状は悪化いたしまして、横須賀の海上自衛隊横須賀地区病院に入院をされたのでありますが、加療中、屋上から飛び降りて自殺されまして、はなはだ痛恨に思う次第であります。この方もやはりみずから生命を断たれましたので、公務になりませんのが非常に残念であると思います。やはり学校としてはできるだけのことはして、防衛庁長官も御満足になっておるようでございます。

矢嶋三義日本社会党

○矢嶋三義君 こういう事故が引き続き起こるということは、私は文部省所管の大学のような部分も持たせる、それも遂げようと、また自衛隊の自衛官の幹部を養成するというような目的も達成しようというような、日本の憲法上、法律上、自衛隊そのものが非常に問題があると思うのですが、そういうはっきりしない両またといいますか、そういう性格のところから教育方針にやはり無理があるのじゃないか。それから実践教育面に若干無理があり、あの若い青年層の諸君にある程度の悩みを抱かせるような面もあるのじゃないかというような感じもするのですがね。こういう点については防衛庁の付属機関でありますから、防衛庁並びに大学当局としても十分配慮していただかなくちゃならぬ。そうして若い世代の人で希望を持って入った人ですから、なくなられたような場合には、ともかく霊が安らかに眠られるように、また、遺族の人だって特殊な感情を持つことのないように、ひとしく適切な適正なる取り扱いをしていただかなければならぬと、かように思うのですか、このことを、これで質問を終わりますから、数字を聞いて注意を喚起しておきたいのですが、要求してありますから数字を持ってきておるでしょうが、三十四年四月一日以降、この二年間に、航空自衛隊、海上自衛隊、それから陸上自衛隊の航空機関係の事故が何回あって、そうして自衛官が何人程度犠牲になったのか、その数字を承っておきたい。ということは、学校教育法の教育基本法のワク内の教育でないのだろうが、飛行は飛行学校があるわけですね。こういうところの訓練というものが非常に背伸びをしておる。基礎教育をやらないで背伸びをしておる。まだプロペラで訓練しなければならないのを早くジェッに乗せる。そうしてまた射撃訓練が無理なのに早く射撃訓練をさせる、そういう教育計画に無理がある、背伸びをしておる。そこに最近非常に事故が多くなりつつある。これは国費の面もありますけれども、人命尊重という立場から私はゆるがせにできないことだと思う。ここにも防衛庁、自衛隊のあせりというものが出ていますし、そういう点では僕は防衛大学校にこういう犠牲者が出るのと一脉相通ずるものがあると思うのです。それですから、先ほど私がお伺いいたしました数字をお答え願うとともに、政務次官並びに教育局長のお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。

白浜仁吉自由民主党防衛政務次官

○政府委員(白濱仁吉君) 十分今後も注意していかなければならないことでございますが、こうした事故が再び起こらないように注意をしていくと同時に、不幸にして最近起こりました二人の学生の霊も十分慰められ、同時に御遺族の方々にもできるだけの償いをしていきたいと考えております。なお、航空機の事故につきましては教育局長から答弁させます。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 航空機の事故につきましてお答えいたします。昭和三十四年四月から昭和三十五年十二月末までの航空機の事故件数は三十六件であります。機数は三十八機であります。件数と機数が若干合いませんのは、空中で二機接触した事故が二件でございましたものですから二つの差が出ておりますが、人員につきましがは、死亡十二名、重傷五名、軽傷九名であります。事故の原因といたしましては、操縦上の過誤が最も多く、その他は器材の欠陥であります。機種別に申しますと、F86Dが四機、F86Fて十四機、T33が十三機、T6が三機、SNJが三機、H13が一機、計三十八機であります。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 ついでと申しては何ですが、ずいぶんたくさん見えておりますので、一つだけお聞きしておきたいのですが、昨年何月だったか覚えませんけれども、久留米の自衛隊関係の学校が管理をしております射撃場におきまして射撃訓練を行なっている際に、そのたまが外に飛び出して学校の教員の腹に当たり瀕死の重傷を負わせた事件がございましたね。これに対しましてどういう措置をとっておられますか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) 今手元に資料がございませんので、正確にお答えするのはあるいはできないかと思いますが、久留米の学校で演習中に流弾が飛びまして、数キロ離れた山を越えまして、作業をしておられる先生のたしかおなかだったと思いますが、たまが当たりました。さっそく自衛隊から人を派遣いたしまして、その先生の看護に当たるとともに、作業のお手伝いをいたし、さらに現地の部隊ではポケットマネーを出しまして何かと御援助をしたというふうに申し出まして、現地では一まず措置を御了解願っておるというふうに聞いてあります。最近のことは確かなことは覚えておりませんが、一応御了解願っておきたいと思います。

豊瀬禎一日本社会党

○豊瀬禎一君 本人に対する措置については非常に手厚いことをなさったようですが、私が現段階でお聞きしたいのは、あのときに私、学校長に会いまして直接申し出ておったことは、あれ以前にも同家の戸にたまが当たって火消しつぼが割れるという事件が起こっております。従って、あの射撃場は二度にわたって同一方向に流弾が飛んでおるわけですね。しかもあの射撃をしておったのは全国大会に出る優秀な射撃手でしょう。そうすると、どうしても射撃場そのものの構造に欠陥があるのじゃないかと思います。その点について、早急に射撃を中止して改修をするか、射撃場を変更するかという要求をしておったのですが、その点はどうなっておりますか。

小幡久男防衛庁教育局長

○政府委員(小幡久男君) その点につきましては、お話の通りでございままして、現在射撃を中止いたしまして、改修をするか、あるいはそういう射撃は他の演習場でやるかということを検討して現在は中止しております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 健康手帳についてお尋ねしたいと思いますが、本年の二月八日付で文部省の体育局長名をもって各都道府県の教育委員会、各都道府県知事あてに健康手帳についてという通牒が出されております。で、お伺いしたいのは、この通牒が出されるまでの経過と、それからその目的と内容の概略についてお尋ねいたします。

杉江清文部省体育局長

○政府委員(杉江清君) 保康管理を徹底いたしますについて、生徒各自に手帳を持たせて自覚を高め、その指導を強化する方法が適当であろう、こういう考え方を私どもも持ち、また現場からもそういう御要望がありましたので、三十二年の十一月に保健体育審議会に諮問いたしまして、自来ずっとその研究を継続いたしました結果、ようやく成案を得られまして、昨年の八月八日に答申があったのでございます。で、この答申を受けまして、なお事務的にも検討し、また実際使用する際の詳細な検討をもなお重ねまして、一応妥当と考えられる参考案を固めたのでございます。その上で二月八日に通牒を出しました。で、この健康手帳の目的は、児童生徒に自分の健康について理解させる、そしてその理解に基づきまして、自分の健康の保持増進のために必要なことをみずから実践させたいということがまず第一の最も重要な目的であります。そのほか、児童生徒の健康について、学校と家庭との相互連絡を密にする。学校及び家庭における保健管理と保健指導の強化をはかっていきたいということ、また、児童生徒の健康診断や健康相談にこれを活用したい。こういうふうな目的を持っておるわけであります。そして、この健康手帳の内容でございますが、これは保健体育審議会の御答申に基づいて一つの参考を示しておりますが、これはあくまでも参考案でありまして、学校及び地域の実情を勘案して最も適当なものを一つ使っていただこう。しかし、この案はそういった研究の末考えられたのでありますから、おおむね私どもは妥当だと考えておりますが、これで画一的な実施を期待しているものではございません。そういう意味で、示しました内容についてはこれだけに限る意図はありませんし、また、これを必ずやれという意味でもございませんが、大体私ども妥当だと考えております内容につきましては、まずこのような記録を記載するということが適当だと考えております。それは一つとして、既応症、体質と罹病傾向、それから定期の健康診断の記録、それから定期の健康診断の結果の疾病の治療の指示、保健指導、それから月別または季節別の身体発育状況、身長、体重等でございます。次に肺活量、背筋力、運動能力等の測定記録、次に寄生虫卵保有状況、それから健康相談の記録とか、それから学校から家庭、または家庭から学校への連絡事項を記入する等でございます。これらの内容を記載することが適当だと考えております。しかし実際の内容は、これは学年によって変えることが適当だと考えておるのでありますが、大体小学校は上中下の別にすることが適当だと考えますし、中学校及び高等学校は大体一冊でいいのではないかと、かように考えております。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 私どもには資料がございませんので、適当な時期になるべく早い機会に今お読みになっている内容ですか、各県に配られましたそのままのを一つ当文教委員会の皆さんに配付していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

杉江清文部省体育局長

○政府委員(杉江清君) 承知いたしました。

千葉千代世日本社会党

○千葉千代世君 今伺っておりますと、やはりまだ扱い方とか、それから身体検査表との関連とか、それから内容等についてまだ詳しく聞いておりませんので問題があるように思われますので、資料をいただいてから研究いたしまして、また質問していきたいと思いますので、これで終わります。

平林剛日本社会党

○委員長(平林剛君) 本件に関する調査は、本日のところこの程度とし、散会をいたします。      午後零時五十九分散会    ————・————

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