農林水産委員会 第46号
- 発言数
- 151 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/05/19
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農業基本法案(閣法第四四号、衆議院送付)、農業基本法案(参第十三号)、農業基本法案(衆第二号、予備審査)、以上三案を一括議題とし、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○仲原善一君 地方の聴聞会も来週の月曜二十二日でございますか、開かれるというような段階にきておりまして、一応その会に私も派遣されることになっておりますので、法案全体についての概括的な政府の考え方もずらっと全般的に最後まで、そう深くはなくても、浅くても一応聞いておいた方が参考になるのではなかろうかという考えもありまして、特にきょうはそういう地方の聴聞会を控えての意味も含めて、若干の質問をいたしたいと思います。これはもう順序が不同で、あるいはかつて質問済みの条項に入るかもしれませんし、まだ進んでいない条項に入るかもしれませんし、これは委員長の方におかれても、ただ三案を一括して審議するというお話でございますので、従来のこう審議の経過をそばで聞いておりますと、何か逐条的にやっておるような節も見えますけれども、私はそういうことにこだわらずに、ずっと全般的な点についてお伺いしてみたいと思いますから、そういう意味で政府当局も簡明率直に要点だけを手っ取り早くよくわかるように、そう詳細には要求いたしませんから、簡明率直にお答えをいただきたいと思います。
○亀田得治君 発言中ですが、議事進行についてちょっと……。大へん発言中に恐縮なんですが、審議のやり方としては逐条審議をやろう、こういうことが理事会で申し合わせをされてこれは進行しているのです。ただ、逐条審議自体の進め方についての意見は、これはいろいろおありになる。ところが、逐条審議自体を何か打ち消されるような発言が前提になって進行されるということになりますと、ちょっとそういう印象を受けたのです。これは私は議事の進行の方法としては委員長自体の方で、これは少し疑問を解いてもらわないと困るんじゃないかと思うのです。決して仲原さんのおっしゃるような立場での質問が、無意味だと私は申し上げるのじゃないのです。だけれども委員会としては理事会で相談をして、ともかく逐条審議をやろうということで、こう進んでおるわけですからね、だからそういうふうに、いや理事会でそんなことを言うておったって、そんなことは別だ。委員は自由にみんなやっていくんだということなら、理事会の性格自体もちょっとまた検討し直さなくちゃなりませんし、やはり理事会におけるそういう話し合いというものが認められた上で、ただし時間もないから、そうして関連もあるし、なお地方に出かけるについて、こういう点は確かめたいといったようなことならこれはわかると思う。そんなあなた逐条審議自体を打ち消されるようなことを言われたのじゃ、これはちょっと委員会を休憩してもらって、御相談し直してもらえませんと、それは私たちとして黙って審議に応ずるわけにいきませんから。
○重政庸徳君 それは一つ休憩してもいいでしょう。休憩してお話し合いをして下さい。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。
○仲原善一君 ただいまの大体の空気もわかりましたので、関連いたしましてはあるいはほかの条項にも飛ぶかもしれませんが、今のお話では第三章までということですが、その辺多少関連事項もあろうと思いますので、ほかの章に及ぶかもしれませんけれども、趣旨は皆さんの御了解の先ほどの線で進めるつもりでございますので、御了解をいただきたいと思います。 そこで、第三章と申しますと、これは農産物の価格及び流通に関係した問題になるかと考えますが、これはずいぶん従来の審議を通じても答弁もあり、御質問もあって、大体解明しておるわけでございますが、特に選択的拡大というものと、その裏づけになる価格政策というので、だいぶ質疑応答が繰り返されて、趣旨はだいぶわかったように思いますけれども、特にお伺いいたしたいのは、この条文の中に、第一項でございますけれども、生産事情、需給事情、物価その他の経済事情を考慮してこの価格安定の施策を講ずるということがうたわれておりまして、具体的にはこの生産事情なり、需給事情なり、物価その他の経済事情というものが非常に重要な意味を持ってくると思うわけでございます。そこでまず第一に、四つの項目、ただいまお話しました生産事情、需給事情、物価。これは多分パリティのことを言っておると思いますけれども、その他の経済事情、こういうものの内容を、どういうことをお考えになっておるのか、特にこの点を審議官にお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(大澤融君) 生産事情と申しますのは、もちろん農産物、その価格安定をはかろうという、当該農産物の生産に関する事情ということでございます。たとえば作付の増減など、生産の動向でありますとか、あるいはまた作柄の状況でありますとか、あるいはそのものの生産費というようなこと、こうしたことを全部包含する意味で生産事情と、こう申したのであります。それから需給事情と申しますのは、需要と供給に関する事情ということですが、供給の事情、あるいは需要の動向、あるいは輸入農産物の事情、あるいはストックの状態がどうかというようなことでございます。それから物価の動向でございますが、物価変動する場合に、それに応じて価格を動かすということを考慮する必要もありますので、考慮事情の中に規定した、こういうことでございます。その他の経済事情というのは、その他一切の経済事情をいろいろ考慮するということでございますが、たとえば消費者の生活水準の問題とか、あるいはまた農業所得の中でその農産物が占めるウエイトとかいうような、それに限らず、いろいろなことが経済事情ということで考慮されることになると思います。
○仲原善一君 ただいまのお答えでは、非常に抽象的に感じられますけれども、何かこれは数字をもって表わすような、そういう構想はないわけですか。
○政府委員(大澤融君) もちろん、たとえば物価という場合には、物価をどういうことで押えるかというようなことが数字的に出て参りましょうし、あるいは生産事情の中で、生産費を押えるというようなことは、数字的に生産費ということ、あるいは生産事情というような場合に、生産の動向、生産の状態というようなことで、生産の額、あるいは生産数量がどうかというようなことがみな数字的に抑えてそういうことを考慮してということでございます。
○仲原善一君 それから前提になっておるこの重要農産物というのでございますが、これは一応どういうものを予想されておるのか。それからついでに、まあ時間の関係もありますので、急ぐので、あわせて一緒に聞いておきますけれども、この価格決定の場合に生産費というものは考えられておるのかどうか。しかも、これは農作物別々にいろいろな考え方を適用されるのか、たとえば具体的に申しますと、現在では米については生産費並びに所得補償方式という一つの考え方があります。麦だと食管法の関係でパリテイがもとになっている。その他農安法なんかについても、いろいろなやり方で農産物別にいろいろな価格水準なり、あるいは価格統制のやり方が考えられておりますけれども、ここで第十一条で考えられております重要農産物については何か一律にこういうやり方でやるとか、あるいは所得補償方式でやるとか、生産費をカバーするようなやり方でやるとか、そういう一括してどの農作物にも適用できるようなやり方でお考えになるのか、あるいは作物別にそれぞれのやり方でやっていかれるのか、特にこの生産費なり、所得補償方式という考え方がどこにも出ておりませんので、そういうものはどういうふうに取り入れて、実際には運用されるのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(大澤融君) 最初のどういう具体的な品目かというお話、これはきのうもお答えいたしましたが、現在、米、麦、カンショ、バレイショ、菜種、大豆、テンサイ、それから繭、こういうものについて行なっておるわけでありますが、ただいま御審議を願っている畜産関係の法律によりまして、牛乳あるいは豚肉というものも品目として取り上げる予定をしています。 それから生産費の問題でございますが、もちろん生産事情という中で生産費の問題を考えるわけであります。なお最後の御質問の、どの作物についても同じような方式をとるかというお話でございますが、そうではないのでありまして、ここでは価格安定をする場合の一般的な考え方が述べられておりますので、こうした作物の生産事情なり需給事情なりによりまして、それぞれの作物について最も適当な価格安定方策がとられる、こういうことになります。従いまして今までのように米についてはいわゆる生産費、所得補償方式というようなことがとられており、あるいは農安法では別の形であり、麦については別であるというようなニュアンスの違いが出てくるのは当然のことじゃないか、こういうふうに思います。
○仲原善一君 十一条の三、項で、農政審議会の意見を聞いて、この価格決定の問題を処理するようでございますが、もちろん重要な問題でございますから、審議会にかけるのは当然でありましょうけれども、現在米価審議会とか、その他各方面の法律で審議会があって、価格決定の役割をしております。こういう現在ある審議会、あるいは委員会というものと、今度新しくできます農政審議会、これは第六章にも関係して参りますけれども、この農政審議会との関係、調和と申しますか、運用上どういうふうに実際にやられますか、その点、お伺いいたします。
○政府委員(大澤融君) ここで第十一条で農政審議会が第二項で述べておりますような、価格制度につきましてのレビユーをする、その場合に審議会の意見を聞かなければならない、こういうことになっておりますが、これは施策の基本的なあり方についての、検討についての意見を聞くということでございまして、米の値段を具体的に幾らにきめるとか、あるいは繭の値段を具体的に最低最高価格を幾らにきめるかというような問題は、それぞれの価格安定、米価審議会なりあるいは繭糸価格安定審議会でお取り扱いを願うということになるわけでありまして、そういうふうに考えております。
○仲原善一君 ついでに、この農政審議会の点をちょっとお伺いしておきたいと思いますが、これは学識経験者で組織することになろうと思いますけれども、その中には私どもが非常に関心を持っております農業代表者といいますか、そういうものは入れるように大体構想を持っておられるのか。特にこの農業団体の代表者と申しますか、あるいは農業者を代弁するそういう資格の人を特に入れるかどうか、学識経験者の中にあるいは含めるか含めないか別問題といたしまして、実際上そういう人が入るのかどうか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(大澤融君) 農政審議会の委員のメンバーでございますが、二十七条の一項に「委員は、前条第一項に規定する事項に関し学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。」ということでございます。従いまして、もちろん農民の方で学識経験者として適当な方があれば、また農民の意見を代表される方が学識経験者として適当であれば、そういう方をもちろんこの中に含めて考える、こういうことでございます。
○仲原善一君 それから十二条について若干のお伺いをいたしたいと思いますが、この十二条は農産物の流通の合理化の問題でございますが、その中で加工の問題がそこに取り上げてあるようでございますが、最近大資本、たとえば漁業関係とか、そういう方面の資本が陸に上がってきまして、畜産なりそういう方面にどんどん進出しておりますけれども、そういうものの動向を農林省といたしましてはどういうふうな感覚で見ておられるのか、あるいは、これはいわゆる農協等で加工部門を設けてやる問題もありますが、そういうものとの関連においてどういうふうに調節されるお気持であるのか、この大資本の加工部門参加という問題とからみあわせて、この流通過程の問題、特に加工の問題で具体的な問題があちこちに起きておりますので、特にこの基本法をもとにしてのお考えは、どういうふうにお考えになっておるのか、その点をお伺いいたします。
○政府委員(大澤融君) 食糧消費等が高度化してくるということで、単純なものから加工したものの消費がふえてくると、こういうことであります。そういう加工をするという面についての利益も協同組合等を中心にして農民に還元されるということは非常に望ましいことでありまして、従いまして協同組合が中心になって、そういう加工をやるということ、非常にけっこうなことだと思います。ただ、協同組合といたしましては機動力に欠けたり、あるいは技術なり、販路の面で弱いところがあるというようなこともないこともないのでございますので、ただいまのような大資本、ほかの資本が入って来ていろいろ仕事をするというようなこともあながち排除すべきことじゃないので、むしろ農協等がその原料なりの提供について農協としてまとまって加工部面につきましても農民の方に利益が還元されるようにということで農協組織をしっかりしてやっていくというようなことで、大資本とも結びついて有利な立場に立っていくというようなことが努められなければならない、こういうふうに考えております。
○仲原善一君 ただいまの問題で、大資本の支配下に農業関係の資本構成なりあるいは人事構成なり、経営そのものが入り込んで、大資本の犠牲になるというような心配を持っている向きもあるのですけれども、その点について、農林省はどういう対策をお考えになっているのか、もう少し具体的に。
○政府委員(大澤融君) その点にこそ協同組合の整備と申しますか、協同組合意識を高揚して、しっかりした協同組合活動ができれば、そういうことにならないように持っていける、そしてそういうところから生まれる利益を農民の方に還元し得るようにできる、こういう方向でやらなければいけないと思っております。
○仲原善一君 字句の問題ですけれども、十二条の一番最初にあります「需要の高度化及び農業経営の近代化を考慮して」という言葉が入っておりますけれども、これはどういうことを意味しておられるのか、もう少し具体的に深く御説明を願いたいと思います。
○政府委員(大澤融君) 需要が高度化してくるということにつれまして、畜産物なり、あるいは果実なり、あるいは高級蔬菜というようなものの生産がふえてくるわけでありますが、これらの目的から流通加工部門、流通加工過程というものについては新しい問題であり、いろいろ問題があるわけです。あるいは対策も必ずしも十分でないわけでありますので、これに力を注いでいかなければならないとか、あるいは加工過程におきまして、加工食品の需要が消費構造高度化ということでふえて参りますので、そういうことに即応して、加工業を拡充するとか、あるいは合理化をはかっていくとかいうようなことで、加工向けの農産物の販売のやり方を改善するとか、あるいは経営の近代化に、また別の問題でありますが、農業経営の近代化の問題に伴って、高度ないろいろな機械が使われたり、あるいは肥料あるいは農薬というようなものの需要がふえてくるわけであります。そういうことに対応しても相当農業用資材の流通の合理化、あるいは生産の合理化ということには特に力を入れていかなければならないという意味で、農業経営の近代化を考慮し、需要の高度化を考慮し、という表現を使ったわけでございます。
○仲原善一君 そこで、今のお話しの近代化というようなことについても、農業経営の近代化等についても、やはり若干構造論の方にも関係があると思うのですけれども、そういう意味合いから若干そこに関連する問題をお伺いしたいと思います。と申しますのは、自立農業経営と申しますか、これは定義にもいろいろ出ておりますけれども、そこで特に不明確ではっきりしない点を、これは十五条の関係に多少なるかもしれませんけれども、関連してお伺いしておきたいのは、「正常な構成の家族」というのがあります。それから「正常な能率」というもの、自立農家に対する定義のところにあるわけでございますが、「正常な構成の家族」とはどういうものであるか。また、この「正常な能率」、これは非常にむずかしい言葉ですけれども、生産性をこれによってはかろうということでありましょうけれども、どういうことを考えておられるのか。それからもう一つ、「ほぼ完全に就業することができる規模」という言葉がございます。こういう言葉でいわゆる自立農家というものの概念を規定してあるわけでございますが、今お伺い申しました三つの点、「正常な構成の家族」、「正常な能率」、それから「ほぼ完全に就業することができる規模」、こういうものをもう少し具体的に御説明願いたいと思います。十五条にとんではなはだ恐縮でございますけれども、農業経営の近代化に関係のある条項なのであわせてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(大澤融君) 最初の「正常な構成の家族」という意味は、わが国の農村には、往々にして家族の中に傍系を含んで膨大な家族、前近代的な家族構成のものがあるわけですけれども、ここで申しておりますのは、夫婦と子供を中心にした近代的な家族構成、こういう意味であります。それから「正常な能率」ということでございますが、これは農業経営における能率は、結局経営の生産性の判断の材料になるわけですけれども、通常単位面積当たり、あるいは家畜一頭当たりに投下される労働時間で現わされるわけですが、そうしたものがどういうものがそれじゃ正常かということは、経営規模なり、あるいは経営形態なり、あるいは地方によって立地関係というようなことで一がいには言えないと思うのでありますが、たとえば技術水準というようなことで申し上げますならば少なくともその時点において普及している相当な農業技術だというようなことを、多少平均以上をこえる水準の技術だ、あるいは労働単位で、今申し上げました農家の一反あたり、あるいは一頭あたりに投下される労働単位が、平均よりも上のものだというようなものを「正常な能率」というふうに考えます。それから、その次の「ほぼ完全に就業することができる規模」ということは、先ほどお話申し上げました正常な家族構成であって、そのうちの農業従事者が、こう定義に書いてございますが、正常な家族構成での労働単位というようなことを考えた場合には、経営主というものはもちろん働くわけですが、そのほかに農業従事者としては、それの配偶者、あるいは跡取りというような者が考えられるわけですが、大体二人ないし三人というようなものが、正常な家族構成の中での農業従事者ということになろうと思いますが、この二ないし三人の者が正常な能率、今申し上げたような能率を発揮しながら、ほぼ完全に就業することができる、大体ほかの産業におきましても、年間二千四百時間程度のものを働いているわけでございますが、また諸外国の例を見ましても、大体その程度の能率の、普通のいわゆる自立経営農家というようなものについては、それくらいの労働時間があるようでありますが、大体その辺の労働をしているということを、ここでほぼ完全に就業することができる、そういう程度に就業することができる規模だ、こういうことでございます。
○仲原善一君 それでは十三条、かけ足ですけれども、十三条に移りたいと思います。この条文は非常に私は重要な条文であると考えております。と申しますのは、農業基本法そのものが貿易自由化を推進するために、日本の資本主義社会における独占資本の手先になって、基本法を運用して、そのしわ寄せを、貿易自由化によるしわ寄せを農民に持っていこうとする、そういう意見を述べる人が中にあるわけであります。その点は十三条で十分に解明していただきたいと思うわけでございますけれども、そういう意味から特に質問申し上げるわけでございますが、この条文の中で、「十一条の施策をもってしてもその事態を克服することが困難であると認めるとき」ということになっておりまして、その十三条の適用そのものは、何か価格対策を政府がやっておる農産物についてだけ、それ以外のものは、これは適用できないような仕組みになっておりますけれども、これは少し制限がきつくなっておって、広く農産物が諸外国との競争力に十分にたえ得るだけの施策になかなかほど遠いじゃないか。特定の農産物については特に考えるけれども、全般的にはそこに抜け道ができているというふうに考えられるんですけれども、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(大澤融君) わが国の経済発展のために貿易自由化という基本的な方向に即応するということは当然だと思うのでありますが、その場合に、農産物についてはよほど注意してかからなければならないわけです。そこで私どもの基本法の十三条の考え方としましては、そういう基本的な方向には即応するんだけれども、そのためにはまず第一に、輸入にかかる農産物については対外競争力を培養するという施策をまず講ずることが大切なんだけれども、しかしながら、それはなかなか長期的な問題にもなるわけです。そこで、対外農産物に関しては、まず国内的な措置で価格安定制度というようなことで対応していく。しかる後に、どうしてもそれでも仕方がないというときには、ここにありますように、関税調整をするとか、あるいはまた輸入の制限をするとかいうことをすべきだと、こういう考え方でございます。これがガットの精神にも合い、まず国内でできるだけのことをして、対外的にまた貿易をしていくということを考えるのが当然な筋道じゃないか、こういうふうに思います。
○仲原善一君 自由貿易との関連でこの問題が将来相当重要になってこようかと考えますが、実は少し余談になりますけれども、先般当院から派遣されまして私ジュネーブの列国議会同盟に出たわけですが、そのときの議案の重要な中に、実はこの問題があるわけでございます。私は経済社会の方を担当してその委員会に出たわけでありますが、欧州経済共同体、これはフランス、西ドイツを中心にやっている地域でございます。それから欧州自由市場、これはイギリスが中心になってやっておる地帯でございます。そういう六カ国ないし七カ国の国が共同体を作って、その内部の消費税なり関税なり全く一つの国と同じようなやり方に持っていこうという趣旨で経済が発展しているわけでございます。その政策そのものが世界貿易にどういう影響があるかというのが議題の中心でございましたけれども、いろいろ議論をした最後の結論の中に、いろいろ議決をいたしましたその中の第三項に、実は農産物というものには、そういう経済共同体の地域においてもそれぞれの国の特殊性があるので、農業の混乱を招かないように従来の伝統等を十分生かしていこう、必ずしもそこで自由貿易をやっていくということでなしに、農産物については特例を設けようということが、いわゆる国際世論として国会関係の結論として実は出ているわけであります。そういう意味で特に後進国である日本等においても、この点は十分にガットとも協力されて、日本の農業の後進性をこの十三条で守っていってもらうように、これは一種の希望になりますけれども、そういう点よく御認識の上で十分生かしてもらいたい。農業基本法が独占資本の手先でその自由貿易のしわ寄せが農民に来るというようなことの印象を与えないように特にがんばってもらいたいという意見を申し述べまして、ただいまの十一条の施策をもってしても事態が収拾できないというのは、そういうものについてやるのがガットの精神でありますので、それは了承することにいたします。 それからその次にこれは輸出の問題でございますので、これは大して議論もないと思いますが、ただその経営改善との関連において多少ちょっと飛びますけれども、実は今度の地方の、何といいますか、聴問会等の関係もあってお伺いしておきたいのは、この十六条の問題です、均分相続によって農地が細分されるのをある意味で防ぐ意味で、この十六条というものがここに規定してあると思います。現在の実態は相続法の趣旨に従って日本の農業経営というものが細分されつつあるのかどうか、その現実の動向はどうであるのか、まずその点をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(大澤融君) 現在の相続の実態というものは、なかなか性格がつかみにくいのでありますけれども、農林省あるいは各種の研究機関がやりました調査の結果によりますと、一人の農業経営承継人が単独で相続してほかの者は相続を放棄するという場合が一つと、二人以上の相続人が相続をするけれども、相続法の定める均分相続ではなくて、一人の農業経営の承継人がほかの共同相続人よりもよけいに相続するという行き方が一つと、もう一つは民法の原則通りというものでありますが、大体民法の原則通りというこの第三のタイプは、比較的少ない。むしろ第一、第二のような、ほかの者は放棄をして一人の者が承継する、ほかの者よりは経営を承継する人の方がよけい相続するというような、その第一と第二のタイプが多いように見受けられます。
○仲原善一君 この条文の実際の運用の場合でございますけれども、これは政府当局といたしましては、一人に相続させるような行き方をおやりになると思いますけれども、相続者が多数ある場合どういうふうな指導措置でこれを実現されるのか。所有権というものは相続法によってやはりあるわけですから、その代償を払いながら農地だけは、経営だけは細分せぬように一人に相続さして、残りの人にはほかの物的な補償をするというようなことも考えておられるのか。それについてのほかの他の法制との矛盾はないのか。ただこの十六条だけで目的が達成されるのか。ほかの関連法律も必要なのか、もう少しその辺を具体的に御説明願いたいと思います。
○政府委員(大澤融君) こういう考え方に基づきまして、何らかの法制的な措置をとらなければいかぬということで研究をしております。今申された点の、ほかの法律との抵触はないのかどうかということは、おそらく均分相続の原則のことだと思いますけれども、私どもこの原則に反するようなことではなく、今もお話のございましたように、農業経営自体が分割されて小さくなるというようなことを防止するのであって、一人の人が農業経営が承継されたならば、その中のほかの人が相続した分については、あるいは土地ならば使用権を設定するとか、あるいはまた価値として金の勘定でそれは片づけるとかいうようなことで、均分相続の原則に反しないような方向で農業経営が分割されないで、なるべく一人の人に承継されるようにというようなことで何らかの法制を得たいということで研究をしております。
○仲原善一君 まあ以上で大体三章関係は終わったように思いますけれども、若干補足して関連する問題がありますので、もう少しお伺いしておきたいのは、これは十七条にも関係があります。それから先ほどの農業経営の形態の問題にも関係ありますが、自立経営というものと、これはたびたび質問もあり、御答弁になっておりますけれども、特に地方聴聞会でこの点を、政府のあれをもう一ぺん確認しておきたいと思うわけですが、協業組織と申しますか、いわゆる共同経営の問題と、それから自立農家育成という問題とのこのそれぞれの立場の御説明がございましたけれども、支配的に農林省として将来その助長なり、あるいは発展を期待しておるやり方は、自立農業というものを中心において考えられておるのかさらにその協業組織、共同組織といいますか、そういうものも相当重きを置いて考えておられるのか。この点必ずしも調和のむずかしい問題ではありませんけれども、その辺の農林省のほんとうの考え方のニュアンスというものを実は承知しておきたいわけです。どっちを重点ということにも参りますまいけれども、日本の農業の現状から見て、特にこの共同経営そのもののある一定の限界があるという点から見て、大よそどういうことを考えているかということが腹の中にはあろうかと思いますので、その点各方面のこの条章にも関係ある問題でありますし、重ねてその点明快にお答えを願いたいと思います。
○政府委員(大澤融君) 家族経営と協業との問題だと思いますが、この基本法での考え方は、将来の農業のにない手が家族経営であるのか、あるいは協業経営であるのかというような、いわば二者択一的な考え方で考えておるわけではないのであります。わが国の農業経営の実態から見ましても、また諸外国の例なども見ましても、これからの農業経営のにない手がやはり家族経営だということは予想されるのでありまして、そういう実態をとらえて家族農業経営が今後もにない手であるならば、そういうものの健全な発達をはかるように、そしてその中でできるだけ多くの者が自立経営になるようにということをまずはかるべきではないかという考え方です。しかし、そういうものがさらに発展し、あるいはなかなか自立経営にならないものも農業所得、所得割、あるいは生産性を上げるというような意味で協業ということが必要になってくるわけです。協業という場合に、あるいろいろの共同をして機械を購入して一緒に使うというような協業組織の形から、あるいは農業経営の中の一部門か、あるいは場合によっては全部門をなくしてしまって協業経営をするというようなこともあるわけでありますが、そういうことのためにも十七条では道を開くということで、これと関連しまして農地法なり、あるいは農業協同組合法なりの改正をいたしまして、農業生産協同組合を作る、あるいは従来からあります有限会社、あるいは合名会社、合資会社というようなものも土地を取得して農業経営もできるというような道を開いておるわけでありまして、協業か家族経営、どっちでなければならぬということではないわけであります。
○仲原善一君 今のお話の中で、農業協同組合の問題がちょっと出たんですが、今度の改正法案の山には、農業生産組合は農業ができるように認めてあると思いますけれども、農業協同組合自体はあの信託を受けて、自分自身として農業がやれるような仕組みになっていないと思います。これはどういう意味で農業生産組合の方には認め、農業協同組合には認めないという、そこの理屈と申しますか、どういう筋合いでそういうことを考えておられるのか。この点を十七条と関連してお伺いしたい。
○政府委員(大澤融君) 従来の農業協同組合の制度としては信用事業、あるいは販売事業、購買事業というような、むしろ経済事業が中心になって行なわれておったわけでありますが、そういう事業と相兼ねて農業を行なうというようなことになりますと、農業生産を行なうということのために、今まで本来の事業が危険にさらされるということがあってはならないので、兼営をさせるというようなことはしないで、生産協同組合として農業一本で、あるいはその付帯事業として林業あるいは付帯事業というようなことも考えられますが、農業一本でやるのだという形で、本来の協同組合の事業をそこなうことのないようにという配慮からそういうふうにしたわけであります。
○仲原善一君 第一章のところで一ぺんお伺いして、国がいろいろ積極的な役割を基本法の実施のためにやることはわかったわけでありまして、その際の質問の中に、いわゆる農林省の機構改革を考えているかという話が一章のところでありまして、これは考えているようなお話がありましたけれども、この地方公共団体について機構改革を、これは強制するわけにも参りますまいけれども、大体構想としてどういう指導をやっていこうと、どういう機構改革を考えているというようなことがあれば、地方聴聞会を前にして、そういう点たぶん問題になろうと思いますが、これは二十三条に関連しますので、ちょっととびますけれども、あわせて聞いておきたいと思う。
○政府委員(大澤融君) 基本法が通りました上は、こうした考え方でいろいろ行政をやっていくという場合には、農林省の機構というものも当然に改編が予想されるわけであります。そうしたことでいろいろ私どもも事務的に検討をしておりますけれども、これに応じて地方庁の行政機構、仕事をやる機構というものも表裏一体の関係で仕事は進めていかなければならないと思いますので、いろいろの改編が予想されるのじゃないかと、こう思います。あわせてそうしたようなことも、私ども事務的には検討しております。
○仲原善一君 時間があまりありませんので、あちこちいきますが、やはりこれは地方聴問会で問題になろうと思いますので、お伺いいたしますが、第二十四条の関係で、農業団体の整備という項目になりまして、農業に関する団体整備という言葉が使ってあるわけです。これを具体的には実際農業協同組合あるいは農業会議等がありますけれども、そういう団体を整備するというのを、団体の再編成でもまた考えておられるのか、その辺具体的にもう少しどの程度のことをお考えになっているのか、お話し願いたいと思う。
○政府委員(大澤融君) 第一条に書いてありますような目的を達成するということは、単に国なり政府なりがやっただけではできることじゃないのであって、むしろ農業従事者、あるいはその組織に農業団体の自主的な活動が基礎になって進められる、こういうことだと思います。そういう意味で、第二十四条には農業団体の整備のことが書いておりますが、そうした農民の自主的な活動が大いに強化され、りっぱに行なわれるということで農業団体を整備しなければならないということでございますが、その一つの対策といたしまして、今国会に農業協同組合の整備促進ということで御審議を願ったわけでありますが、合併助成、そうしたような方向で、今後も、いろいろな条件の変化に応じて諸般の対策を講じて参りたい、こう思っております。
○仲原善一君 大体質問は、私のつもりでは三章を中心にして、関連して四章、五章、六章と方々飛びましたけれども、まあ一応非常に浅く広く、そういう意味でまあ聴聞会を控えておる関係もございまして、疑問になる点だけをお伺いしたわけでございますが、大体各条章、この章について、私なりに関連した問題としてお伺いしたわけでございますが、一応私の質問はこの程度で終わります。
○小林孝平君 農林大臣何時ごろ来られますか。
○委員長(藤野繁雄君) 大体三時ごろの予定です。
○小林孝平君 そんなら、昨日から農林大臣に対しての質問を留保しておきましたので、来られるまでちょっと大沢審議官にお尋ねしますが、この第九条の、これはきのうもちょっと尋ねられたと思いますが、「農業生産の調整」というのは、具体的にどういうことをやるのですかな。
○政府委員(大澤融君) これも昨日でしたか、森委員のお尋ねでお答えをいたしましたけれども、選択的拡大ということで、需要の伸びるものをふやし、需要の減るものを減らしていくというような、生産を伸ばすべきものはスムーズに伸ばし、減らすべきものはスムーズに減らしていくということが、「農業生産の調整」ということだと思います。それは、単に農作物の間だけではなくて、地域的にも、生産地形成というようなことで、地域的な生産調整ということもございましょうし、あるいはまた、時期的に調整するというような場合もございます。第八条にございますように、需要の生産の、長期見通しをするということ自体が、そういう生産調整をする一つの目安にもなるわけでありますが、さらに、ただいまやっておりますような農業観測というようなことも、一つの農業生産調整の手段だと思います。あるいはまた、青果物等でやっておりますところの、消費地の事情を生産地の協同組合に知らせる、生産地の協同組合が、それによって出荷調整をやる。さらにそれに、出荷調整だけでなくて、協同組合が中心になって生産調整もやるというような方法もあろうかと思います。そのほか、ただいま大麦あるいは裸麦というようなことで考えておりますことも一つの方法でしょうし、あるいはまた、過般、繭について転換奨励金を出して整理をするというようなこともそうですし、そのほか、わが国にはまだありませんけれども、北村委員等からよくお話がございます、たとえばフランスでやっております先の目標価格をきめて年々の価格を、作物が植えられる前にきめて、さらに収穫のときに実行価格をきめるというような方法でやるのも生産調整でしょうし、あるいは、アメリカでやっているような土地銀行というようなこともそうでしょうし、そういうようなことで、ふやすものはスムーズにふやし、減らすべきものはスムーズに減らしていく、また、転換すべき場合にはやはり円滑に転換をはかっていくということが、生産調整だということでございます。
○小林孝平君 結局何でもやるということですな。何でもやるということじゃないですか、あなた。もうイギリスからフランスからアメリカからみんな例を引いて、ね、しかもスムーズにとか何とか。ちっともスムーズになっていないじゃないですか、あなた。この間の大麦、裸麦の問題、今の問題だってスムーズじゃないですか。そういう大麦、裸麦一つとってもぎくしゃくしているのに、あなたのお話では、全部やると、こういうことですが、これは農林大臣にちょっとあとからお尋ねします。これはきのうの話にも関係しますが、生産調整をやった結果、農民が不利になった場合は、政府が責任を負うのですね。政府が責任を負うということはあなたも言われたんだから、負うでしょう。
○政府委員(大澤融君) 生産見通しと責任の関係の御質問だと思いますが、
○小林孝平君 いや、生産調整。調整をやった結果、農民が不利になったら責任を負うでしょう、政府が。
○政府委員(大澤融君) 生産調整という場合に、私どもは、今お話し申し上げましたが、いわば誘導的な手段を講ずるということであって、作付割当をしたりというような、強制的な方法をとるということは考えておりません。従いまして、そういう、おっしゃるような責任の問題ということが、直接には起こってこないのじゃないかと思います。
○小林孝平君 あなた、きのうばかに元気よく、当然政府が責任負いますと、ラジオの話は、これはまあ別にしますけれども、言われたが、きょうはばかに元気がなくなったんじゃないですか。あなた責任を、農民が不利になったら負うかというのに、きのうの話からいっても、最低限度負いますと言うのが当然でしょう。あなた、一日でそんなに変わるならもう聞きません。農林大臣に聞きますから。しかしあなた、ラジオでは相当言われたんですからな。あとから録音調べてみてもいいです。 次は、この文章ですが、第九条、非常にわからないのです。第一条から文章わからないのですが、第九条もわからないのです。「国は、農業生産の選択的拡大、農業の生産性の向上及び農業総生産の増大を図るため、前条第一項の長期見通しを参酌して、」「施策を講ずる」と、こういうふうに書いてあるのですが、これは逆で、こういうようないろいろの施策を考えて、初めて長期見通しができるのじゃないですか。長期見通しというものは、こういう上に立ってできるのじゃないですか。これはむしろ逆じゃないかと思うのですね。
○政府委員(大澤融君) そういうことではなくて、長期見通しに照らしてこういう施策をいろいろ講じていくんだ、こういうことでございます。
○小林孝平君 それならば、相当、ある見通しを立った、それに合わせてやるというなら、相当強制力を持つとか何とかやらなければできませんですよ。そうしてあなた、これは、スムーズにやるとか、あるいは何ら圧力を加えないとか言うけれども、今のこの事大思想の強いあの農民に、あなた方は、大した圧力を加えないあるいは強い行政指導を加えないと言っても、一片の通牒でも、ほとんど法律的な強制力があると同じように行なわれているのです。大麦、裸麦の転換、昨年食糧庁の長官から出ている通牒に基づいてやった大麦、裸麦の転換をやったのが、今問題になっているのですよ。そういうふうに、農民は、もう農林省の局長通牒などというものは、法律であるか何だかわからないのですよ。あなたは非常に圧力を加えないと言ったって、相手は相当の強力の圧力に感じているのですよ。これはまああなたの御答弁要りませんけれども、そういうふうに、自分のことばかり考えてはだめなんですね。農民がどう受け取るかということを考えなければ困るわけなんです。そうして、今もとへ戻りまして、こういう長期見通しを実際にやるためには、相当強力な指導をやらなければできないのですね。それはまあそれでいいですが、後ほど大臣が来られてからやりますが、第十条のこの「損失の合理的な補てん」というのはどういう意味なんです。「合理的な補てん。」合理的な補てんというのは、従来のように、この「災害」で問題になっているのは、災害の評価なんですね。そうして、どういうことが問題になっているかというと、過小評価ということが問題になっているのです。先般の雪害のときでも、相当の被害を受けたけれども、天災融資法を発動できない。これは農林省、大いに努力されて発動されましたけれども、この過小評価ということが問題になっているのです。それで、ここにある「合理的な補てん」というのは、従来通り過小評価をするという意味ですか。
○政府委員(大澤融君) 災害による損失の補てん、これは従来から農業災害補償法で行なわれてきたわけでありますが、御指摘の損害評価はいろいろ問題があると思いますが、そういうものが今まで過小評価あるいは過大評価されるというような不合理な点がないようにということも一つの考え方であって、そういう意味で合理的な補てんをするように制度を改革しなきゃいけないじゃないかという意味でございます。
○小林孝平君 これは今大沢審議官、非常に重要なことを言われましたね。災害による損失の補てんというのは、農業災害の共済制度ですね、これだと——それに限られているのですか。これはそういうふうに今おっしゃったです。これはいろいろあるでしょう。天災融資法だの何だのその他、それから今度はさらにいろいろなことを考えられるのでしょう。
○政府委員(大澤融君) もちろん、災害に関する施策としまして、災害補償のほかに、災害金融でありますとか、あるいは災害復旧、という問題があるわけでございます。
○小林孝平君 だから、これはいろいろのことを言うのであって、あなたの今の、私が聞いたから明らかになったけれども、あなたの最初の御答弁では、災害補償、農業共済だけというように発言になったのですが、まあ御訂正になったからいいですが、その「合理的な補てん」というのはよくわからんですね、これはやっぱり。まあ、これもまた後ほどやりますからいいですけれども、 そこで、第十一条の価格政策ですね。これは第二条の五号に、「農業の生産条件、交易条件等に関する不利を補正するように農産物の価格の安定及び農業所得の確保を図ること」と、こうあるのですが、ところが、こっちへきたら、この「農業所得の確保を図る」ということはなくなっちまったのですね。従って、この「安定を図る」、安定をはかるというのは、安定すればいいんですね、あまり変動なく。「農業所得の確保を図る」という思想はなくなったのですな。
○政府委員(大澤融君) 農産物の価格政策として、ここに農産物の価格安定のことが述べられておるわけでございますが、御質問の意味は、こういう安定を考える場合には、所得のことなんかは無視をしておるのか、こういう御質問かと思いますが、決してそうではないのでありまして、第十一条の二項にも、安定制度の機能と申しますか、目的として、ここに書いてありますように「農業所得の確保」ということも一つの大きな機能、目的なんでありまして、そういう目的なり機能なりを十分に果たすためには、第十一条の一項に書いてありますようなこういう要素を考えて安定をはかる、こういうことでございます。
○小林孝平君 それはね、そうお答えになるだろうと思っていましたけれども、それは違うのです。第一項はこういう施策を講ずるというのです。講じたあとで、その施策についてこういうことを検討するというのは、施策を講じたあとの検討をするのであって、これは違うのですよ。その施策を講ずるとき、所得の確保ということは入っていなければ、この二条の五号に書いてあることと合わないのですね。これはよくあなたお読みになればわかるでしょう。あとはただやったことを検討するのです。検討する前に、初めからそういう、あなたがおっしゃったような気持であれば、この第一項にそういう精神が入っていなきゃならんじゃないか。一項にはないです。これはやはり第一項は需給均衡価格の考え方なんですね。
○政府委員(大澤融君) たとえば、先ほども仲原委員のお話しでお答えしたわけでございますけれども、「生産事情」というようなことで、生産費を考えるわけであります。生産費を通じて所得の確保のことが、もちろんこういうことを考える場合に考えられる、こういうことを申し上げておるわけでございます。
○小林孝平君 それははっきりしていますね。「生産事情」という中には、生産費の確保ということを含んでいるのですね。これは予算委員会でも、いろいろしばしば問題になったのだけれども、そういうような政府の考え方でなかったのです。これは間違いないですな。あなた、ときどき、よく考えて御答弁下さいよ。すぐあなた、変えられるから、答えられないなら答えられないでいいのです。いつも言っておるように、翌日御回答になってもいい。
○政府委員(大澤融君) 「生産事情」という中には、先ほど申し上げたように、その作物の生産の動向であるとか、作柄の状況とかということと同時に、その作物の生産費ということも入っておるわけです。従いまして、生産費というようなことも考慮して安定をはかるのだ、こういう意味で、生産費のことを申し上げたわけです。
○小林孝平君 要するに、この「生産事情」には、生産費の確保というような思想も含んでいる、こういうふうに言われたのですから、それでよろしゅうございますね。
○政府委員(大澤融君) 生産費の確保をこれでするのだというようなことを、私申し上げたのじゃないですが……。
○小林孝平君 いや、ちょっと待って下さいよ。私が、所得の確保という思想がないと言ったら、先ほど仲原君に対する答弁にも言ったように、この「生産事情」という、この中に生産費の確保というような思想も含んでいて、それで私の聞いている所得確保もこの中に含まれると、こうおっしゃったのです。まあこれは速記録を調べましてあれします。よろしゅうございます。
○政府委員(大澤融君) 誤解があってはなりませんので、もう一度申し上げておきますが、生産費を考慮して安定をはかるということによって、第二項に書いてありますように、価格安定政策というものはいろいろな目的があるわけですが、所得の確保だけじゃございませんが、そういうことを通じて所得の確保というようなことへもつながる、こういうふうに申し上げたわけでございます。
○小林孝平君 大沢さん、あなた、すぐ訂正されるのです。それは訂正されるのもいいけれども、まあ池田総理は訂正大臣、訂正総理などという言葉があるのだが、あなたもだんだん似てきて、すぐ訂正してしまう。だから、訂正しないようにやって下さいよ。時間がむだだから。これは重大なことなんです。あなたから聞くまでもなく価格政策の中にいろいろ目標があることはわかっている、わかっているけれども、この第二条の第五号にこういうふうに掲げて大きくうたっているんです。そのうたっているのがこちらにはない、こういうのでお尋ねしているんですからね、これはこれ以上この問題はいいです。 そこで、一体安定すればいいんですか。安定をはかると書いてあるが、価格の安定をすればいいのですか。たとえば安定をすればいいという場合もあるんです。かつての生糸の値段が非常に変動した、変動した結果、アメリカではまあ高くてもいい、高くてもいいけれども、生糸の価格は変動しないで安定をすればアメリカでは需要がある。そこで生糸の価格が安定するとき、そういうことを強く言われて、あの法律ができたんですけれども、安定すればそれでいいという場合があるんですが、ここでは安定を、どこに安定させるかということをはっきりしていない。そこでめどはどこにあるんですか。政府の政策から言うと、自立経営農家が安定するように、対象にして、この価格安定をはかられるのですか。これはいろいろの階層を対象にする場合があるんですけれども、この法案は自立経営農家ということを非常に強調されておりますから、この自立経営農家を対象にして価格の安定をはかる、こういうことなんですか。
○政府委員(大澤融君) 自立農家を対象として安定をはかるという、おっしゃる意味が私にははっきりいたしませんけれども、ここで申しておりますのは、生産事情、需給事情、物価その他の経済事情を考慮してと、こういうことで、安定をする場合の一般的な原則を述べておるわけでございまして、従いまして、個々の農作物の生産事情なり需給事情なりによって、どの水準に安定させるかというようなことは、別個の問題として出てくると思います。
○小林孝平君 私の尋ねていることがわからんで答弁されておかしい。私の言っていることは、いろいろの階層がある、非常に零細農家、たとえば米についていえば非常に零細なもの、それから自立経営農家の程度のもの、そういうものをそれぞれそれを安定させるためには、米の非常に零細なものまでその米によって安定させることになれば、非常に米価は高くなる。だから大体自立経営農家を対象にして、たとえば米価なら米価というものを安定させる、こういうようなことが考えられる。だからそれは米だけでなく、全体に大ざっぱに言って自立経営農家を対象にして価格の安定をはかると、こういう安定というか、価格の大体基準をそういうところに置くんですかということです。
○政府委員(大澤融君) 私に必ずしも小林先生の御質問を正確に受け取っているかどうかということはありますけれども、今の自立農家との関係を申すならば、安定をさした場合に少なくとも自立農家に不都合だというような安定であってはならないということだと思います。
○小林孝平君 この問題はまたいろいろの人からお話があると思いますから、その程度にいたしておきます。 第十二条に、第十二条というのは、農産物の流通の合理化及び加工の増進並びに農業資材の生産及び流通の合理化をはかっていく、このうち農業資材の生産については、農業協同組合関係の場合だけ考えられておられますか。
○政府委員(大澤融君) 十二条で申しておりますことは、協同組合がやることだけについて考えているんじゃありません。
○小林孝平君 農業資材もそうですね。
○政府委員(大澤融君) その通りです。
○小林孝平君 ところが、この十二条が非常にわかりにくい文章なんですけれども、いろいろ考えたところ、ようやくわかりましたがね。それは流通の合理化をはかるため、いろいろのことをやると書いてある。このいろいろのことは、まず農業協同組合または農業協同組合連合会が行なう販売、購買の事業の発達改善、これが一つなんですね。それからその次は農産物取引の近代化、その次は農業関連事業の振興が一つ、その次が農業協同組合が出資者等となっている農産物の加工または農業資材の生産の事業の発達改善、これが一つなんです。ようやくここまでわかったのです。そこで、この第一の販売購買事業の発達改善は、農協関係なんです。それから農産物取引の近代化、これはあなたのおっしゃったように全部に関連するでしょう。次の農業関連事業の振興というのは、これは何だかわかりませんが、あとから聞きますが、これはまあ全部、その次に最後の農業協同組合が出資者等となっている農産物の加工または農業資材の生産事業の発達改善というのは、これは農業協同組合関係なんです。だからここ にあるところの農業資材の生産事業の発達改善、合理化ですね、合理化は、農業協同組合が出資者となっている場合だけなんですね。あなたは全部にかかるとおっしゃったけれども、これを分解して読むと、ようやくこういうことなんです。これはだから、あなたがおっしゃったように私も初めはそう思ったのです。ところがだんだん分解してみると、今のようになった。それでさらにある人は今度は、これは全部農協が行なう事業だけについて言っているのじゃないかという意見もあるようですが、これは分解してみると、農産物の取引の近代化は明らかに全部にかかりますけれども、私が申した農業資材の生産の合理化は農協だけなんです。これはあなた、お考え違いですね。
○政府委員(大澤融君) 農業協同組合が出資者等となってという場合には、農業協同組合が出資者となっているもののほかに、たとえば役員を送り込むとか、あるいは農業協同組合が原料を長期的な契約で提供するとか、あるいは農業資材を作るところから長期契約で品物を買うというような場合を含んでおりますので、農業協同組合だけが行なうものを言っているわけじゃ、ありません。
○小林孝平君 そうじゃないんです、私が言っているのは。これはあなた、出資者等というのは農業協同組合がやっているのだけじゃないことは明らかです。役員を送っているあるいは出資している、そういうものを含んでいるのはわかっているが、そんなものは少ないでしょう。肥料会社でそういうふうになっているのは少ないでしょう。あるいは農機具や農薬の会社に農協が関係しているのは少ないでしょう。あとの大部分は関係してない。それは全部落ちているじゃないか。だから最初に私はこれは全部のことをやるのですかと聞きましたら、そうですと、あなたおっしゃったけれども、これは分解してみれば、農協に関連するものだけじゃないですか。大部分のものは落ちているじゃないですか。
○政府委員(大澤融君) 私の言葉が足りないで、またおしかりを受けるかもしれませんが、協同組合が出資者等となっているということは、確かにそういうことです。そのほかに農業資材なり農産物の加工をやっているものがあるわけです。そういうものは農業関連事業ということで、そういう意味で一般がやる農業資材もということも入っている、こういう意味でございます。
○小林孝平君 これはあれですか、「農業関連事業」というのは、その資材の生産、肥料工場、そういうものを言ってるんですか。そうじゃないでしょう。
○政府委員(大澤融君) そういう資材を作るものも、それから農産物を加工するものも言っております。
○小林孝平君 おかしいでしょう。それは重複しておりますよ。これは、私「農業関連事業の振興、」というのを先聞いておけばよかったんですよ。大沢さんのようなそういう御答弁なら、いつもそういうふうにやりますよ。あなたはもう少しもっと良心的にお答えになるだろうと思って、そんなやり方やらなかったんですが、あなたがそういう御答弁なんなら、こちらもそういう聞き方をしていかないと、農業関連事業が肥料会社や、ここに言う「農業資材の生産及び流通の合理化を図るため、」に「農業関連事業の振興、」といううのに、そういうものを入れるなどというのはおかしいと思う。これは、確かに、あなた方はそういうのでなくこれは解釈されているはずでしょう。まあこれはいいです、あなたの方も考え違いがあるから。 そこで、大臣がおいでになりましたから、大臣にお尋ねしますが、大臣、この法律のこまかいことになってはなはだ恐縮なんでございますけれども、第七条に「政府は、毎年、国会に、前条第一項の報告に係る農業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を提出しなければならない。」と、こうあるんです。それおわかりになってますか。そこで、この「提出しなければならない。」と、提出して国会の承認を受けられるのですか、受けられないんですか。これは当然重要なあれですから、お受けになるんだろうと。これは国会の方できめればいいんですけれども、政府としては受けるつもりでお書きになっているんだろうと思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(周東英雄君) この第七条の規定は、承認というものを前提とはいたしておりません。国会に毎年文書をもって、ただいまお示しの農業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を提出する義務を負わしただけであります。
○小林孝平君 大臣法律的にこう書いてあるから義務がないと、こういうふうにお答えになったんですか。
○国務大臣(周東英雄君) 法律に書いてある意味は、私どもが申し上げた通りであります。
○小林孝平君 提出するには、議決の承認を得なければならない義務が生ずることもあるんです。
○国務大臣(周東英雄君) 生ずることもあるかもしれませんが、私どもは、このことでは、提出してそして御批判も求めることにはなると思いますが、承認ということを必ずしもそれに付随さしてはおりません。
○小林孝平君 議決の対象になるためには、承認を得なければならないと、こう書かなければならぬ。
○国務大臣(周東英雄君) ああそう。
○小林孝平君 ああそうですか。大臣一つ憲法をごらんになっていただきたいのです。会計検査院が出す決算報告、政府の出す決算報告書は、憲法によって「国会に提出しなければならない。」と書いてあるのです。それはちゃんと議決の対象になっております。憲法にあるんです。それは憲法にちゃんと、政府は国会に、憲法の九十条に「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」と、こうありまして、これは憲法にこうなっておりまして、国会の議決を要することになっております。だから大臣がおっしゃったこと、ちょっとその提出しなければならないというのは、承認あるいは議決の対象にならない。議決の対象になるときはそう書かなければいかぬと、こうおっしゃいましたけれども、そうじゃないですか。
○国務大臣(周東英雄君) これは、御指摘の点は、旧憲法時代から慣行でそうなっておるのですから、逆に現在法律上文書を国会に提出して承認を必要とする場合は、明文で大体提出して承認を求めなければならぬということを明らかに書いております。それは例は、われわれの関係におきましても漁港法とか、あるいは放送法という関係には書いてあります。必ずしもそう書いたからあなたの御指摘のように承認を得なければならぬと、こういうものでもないです。
○小林孝平君 あなた今決算報告は旧憲法からの引き継ぎでそうなっておると、新しいこの憲法下においては、今の立法関係のものが承認を得なければならぬと書いてあるから、そうなっておるとおっしゃいますけれども、新しいものでも、たとえば国有財産無償貸付状況総計算書というものは、国有財産法の三十七条で「翌年度開会の国会の常会に報告することを常例とする。」と、こうなっておるのです。この「報告」となっておっても、これは委員会に付託して議決の対象になっておるのです。それから国有財産増減及び現在額総計算書も、同じく国有財産法第三十四条によって報告しなければならないと、あるいは日本放送協会の財産目録、貸借対照表及び損益計算書も、放送法第四十条で、「国会に提出しなければならない。」とありますが、これはいずれも委員会に付託して議決の対象になっておるのです。たまたま農林省関係の漁港法の第十七条は、「その承認を受けなければならない。」と書いてありますけれども、そうでなくとも、受けなければならない義務を生じているのです。従ってこの「提出しなければならない。」と書いてあれば、はたして議決の対象になるかならぬかというのは問題になるのです。そこで私はこれはむしろ大臣が進んで、これは議決の対象になるというふうにお考えになった方がいいのではないかと思うのです。
○国務大臣(周東英雄君) 今お話しの点ですが、現行法上各種の法律の中に、それぞれ、特に承認を求める場合においては、提出して承認を求めなければならぬと書いた法律と、書かない法律があります。書かない方の法律におきましては、ただいま決算についてお話しになったような従来の慣行から、承認を求めるような方向に出ているものもございまするし、また、ものによって、先ほど指摘いたしましたような関係法規におきましては、提出しなければならぬとして、その内容については議決のことはやっておりません。むしろ逆に、そういうふうな場合に、必要な場合においては、議決を経なければならぬとか、あるいは承認を得なければならぬと書いてあります。そういうふうなものは、同じく提出しなければならぬと響いてあるものに二色あるようであります。私どもはこれだけですぐにあなたのような結論は出ないと思うのです。
○小林孝平君 私は、こうあるのは必ず義務があるとは言っていないのです。これは国会の議院運営委員会で決定すると思うのです。そうすると、将来これは非常に問題になるのですね。問題になるおそれがある。これは委員会に付託して議案として取り扱うかどうかということが非常に問題になる。私もかつて議運の理事をやっておりまして、そういう問題があったから、私は農林大臣にお尋ねしているのです。というのは、これは明らかにしておかないと、議決の対象にならぬという考え方でこれを作る場合と、議決の対象になるという考え方で作る場合は、はなはだ違うのですね。もう非常に問題になるようなものは、議決の対象にならないと思って非常に内容のむずかしいものを作られた。今度国会へどういうものを出すのだということをまた資料をお出しになる。議決の対象にならないと思ってやっておったところが、今度なったということになって、のっぴきならないことになるおそれがあるから、私は御親切までに申し上げておる。のみならず、もう一つは、これは非常に重要な問題だから、当然、農林大臣は、これは二つ解釈があるけれども、私たちは、これは国会の承認事項として考えるとお答えになると思っていたのです。
○国務大臣(周東英雄君) 御親切はまことにありがとうございますけれども、あなた非常に御勉強になっているけれども、私は内容によると思うのですよ。決算のようなものは、毎年、こういうことで金を使いました、こうしました、これがいいか悪いか、その内容は承認を求めるというような形に来る。こういうふうな農業の動向に関しては、その出したものを承認するとか、承認せぬという問題よりも、出さしておいて、そうしてそれに対して、そういうふうな施策では農業の方はうまくいくまい、むしろこうあるべきではないか、また、やり方が足らぬとか、この前にやったものはまだそれではこういう点が欠点であるのではないかという批判論戦というものが大きくものを言い、今後の農政に対してだんだん貢献していくということであって、内容を承認するとか、承認せぬという問題ではなくして、むしろ提出させて、それを議題として論戦させるということが私は問題だと思うのです。それらに同じ字を使っても違っているという点に私は意味があると思うのです。私は、これなんかは、承認を得ると書いていなければ非常に困るものじゃなくて、提出をして、それを議論の対象にして議会で農政について批判させて、そうしてこれを修正してだんだんよりよきものにしていくという機会を作らせるために、政府にしっかりした文書で報告させる。それを提出させるという義務を負わせておけば、私はいいのじゃないかと思うのです。私は、一律に文章だけ見て、その内容を見ずに、書いてあればみんな承認を求めるという形がいいんだとは思わないのです。
○小林孝平君 農林大臣のお考えはよくわかるのです。ところがこのものが非常に期待をされておる、今も、内容がよくわからぬけれども、何が何だかわけがわからぬけれども、ともかく通してくれというような意見がもう出ているほどにこの基本法に期待しているのです。そうするとどういうことになるかというと、この法律によっていろいろこれをさらに農業関係に予算が来るように、あるいはいろいろの施策ができるようにと多くの人が期待する。その期待は、やがて、この文書の、報告書の審議をただ討議すればいいというようなことでは終わらなくなるのです。大臣は議運の委員などをおやりになったことはないでしょうから……(「委員長だよ」と呼ぶ者あり)これは紺屋の白ばかまであったかもしらぬが、これは問題になるのです。特にあなたは、議題にしてと、こうおっしゃるが、議題にするためには委員会に付託されるのです。そうすると、今までの例から言いますと、私も議運の理事をやっておるから専門ですが、たとえば原子燃料公社法第二十六条第三項の規定による原子燃料公社の毎事業年度の予算実施結果の説明書及び財務諸表というもの、これは報告なんです。これがきたとき非常に問題になって、そうしてこれを報告として取り扱うように当時決定されておるのです。だから、これは将来問題になりまして、大臣がそんなことをおっしゃっても、そう簡単にはいかぬのです。それのみならず、大臣がそういうふうにお考えになるならば、これはむしろ提出して、委員会に付託して議題にするということにした方がいいのじゃないかと思うのですね。そうしてこれは農林省の原案を自民党でさらに直されて政府案となったのですが、おそらくこの第七条は、あとから、農林省の原案にはこういうことになっておらぬのですが、こういうふうにされたのは、そういう気持があったのだろうと思うのです。
○国務大臣(周東英雄君) いろいろお話でありますけれども、御意見としては十分伺っておきますが、私どもはそう考えておらないということです。私は議決とか承認とかいうことをしなくても、一体従来いろいろな場合に政府はどう考えておるかということで施策をいろいろと述べますが、そういう問題を総合的に農業についてはかようにするという施策を文書で出すのですから、それを大きく論戦してもらって、大いに間違わない農政にいたしていくということができることは、これは私ども非常に大きな進歩だと思うのです。承認とか、承認しなければ役に立たぬというものではなくて、これを出しました以上は、責任をもって大いに勉強して施策の間違わないものを出すのです。それでもやはり独善になってはいけません。議会を通じて十分に論戦をしていただくということが、私は農政を進めるゆえんであって、承認とか、承認になるとかならないとかいう問題でなくて、文書で提出して、文書で提出して、そうして大いに論戦してもらうということでよいと私は思っております。
○小林孝平君 もし、あくまでも、全然そういう御意思がなければ、この第七条というのを特にここに出すのはおかしいのですね。この第六条にも「提出しなければならない。」と、こうあるのです。しかし、これは「農業の動向及び政府が農業に関して講じた施策に関する報告を提出しなければならない。」、これは明らかに国会の承認というか、そういうものでないのですね。だから、これから読むと、その第六条はもう本質的にそういう承認事項でない。第七条は承認事項だといって書き分けられたと思うのです。もし、どっちもこれは報告計として提出するだけであるというなら、第七条を特別やる必要はないのです。政府は、毎年、国会に、農業の動向及び政府が農業に関して講じた施策に関する報告並びに講じようとする施策を明らかにした文書、こういうふうに六条と七条を一本にすればいいので、これを二つに分けてあるのは、同じく「提出」となっておるけれども、一方は議決の対象にしないで一方はするという考え方だったから、こうされたのだろうと思うのです。しかしこれ以上言いましても、すぐ議決の対象にするとおっしゃらないでしょうから、また日をあらためて大臣にお尋ねいたします。 次は、この第八条では、長期の見通しを立てることになっておるのです。そこで、この長期の見通しが狂って農民が困った場合は、損害を受けた場合はどうなるか、当然政府が責任を負う、あるいはその損害を補償するということでなければならぬと思うのですが、いかがでございますか。
○国務大臣(周東英雄君) これは農業者に対してその生産等に対して誘導の目標を示すわけであります。従って、その目標あるいは生産見通しに誤りがあって損失を与えたら責任をとって補償せいと、こういうことのようですが、私はこれは具体的の場合にどういう見通しの変化によって損失が出たのかということで、その具体的の場合に、どういう処置をとっていくかということは当然出て参ります。しかしただ一律に見通しが違ったら補償するというようなことは、私は抽象的には書けないと思います。
○小林孝平君 見通しが誤って、見通しが誤ったって農民が迷惑を受けなければいいけれども、現実に受けた場合は、政府は責任を負って、その場合によれば補償もする、こういうことのわけですね。
○国務大臣(周東英雄君) そういうことは、特に責任をどうするとかいうこと書かなくたって、こういう法律がなかった場合におきましても、いろいろな農村不況がきた、ある生産物を作って損害を受けたという場合においては、農政の立場において農業者を救済する意味においては、それぞれその場合に必要な施策を講じてきております。従ってこういうふうなものを新たに立てたならば、常に違ったら補償するというようなことは書いてなくっても、その具体的場合において、非常な見通しが違ってそれで損した、あるいはそれによって大へんな損害を受けたという場合に、どういうふうな政治的にものを考えて救済措置を講ずるかということは、具体的の場合に私は考えればいいん、であって、これは八条からくる当然の責任とか何とかいう問題でない。むしろ国の、当然こういう規定のない場合においても、いろいろな経済上の変動において農村が困った、それに対していかなる救済政策を講ずるかということでやって参った。そういう点が、今度は積極的に目標を定めて指導をして参るのですから、それによって損失が起こるとか何とかいうような場合においては、具体的の場合において、従来より以上に対策を立てることの必要性は出てくるだろうと思います。しかしそれはこれの八条から当然出てくる責任だとか、あるいは補償義務とかいうようなものでは私はないと思います。
○小林孝平君 実はきのう大臣がおいでにならなかったから大沢審議官にこの点を尋ねたら、政府が責任を当然負いますということを言われた。その際にどうして私がこういうことを言ったかといいますと、これはきのうの繰り返しになりますけれども、この前の日曜日のNHKのラジオ放送があったのです。私偶然聞きまして、その際に大沢審議官と共同通信の寺山記者と対談をやられたのです。そこでこの点にふれまして、大沢さんは、この見通しが誤っておったときは、農民に迷惑をかけたときは、政府が責任を負うあるいはこれは録音を聞かなければわかりませんけど、私は補償をするというような感じを受けたのです。当然政府が責任を負う、補償をする、だからこれは間違いないかとこういって聞いたところが、補償するとは私は言いません、政府が責任を負うと言った、こう言われているのです。これは非常にみんなが期待しているのです。だから期待しておる重大な問題だから、相手方もすぐ、それは速記に残しておかなきゃならぬなあということを言ってるくらいなんです。そこできのう聞いたら、補償とは言わないけれども、当然責任を負います、それはだから大臣にお尋ねしたところが、大臣はそうはおっしゃらないんですね。
○国務大臣(周東英雄君) その点は私申したように、この補償当然するのかということは具体的な場合で非常に違うだろう、一つの見通しを立てて指導してるんですから、それは大きな誤りがあってそれがために損害を起こしたというような場合においては、それに対して必要な救済策をとるということは、具体的の場合に決定されるものであって、この法律から当然出てくるものではない。当然政府はそういうことを農業者のためにやっていくべきで、今日までも法律があろうがなかろうが、常にやっておる。しかもこの法律が出たからそういうような場合には当然善後措置というようなものをとるべき可能性といいますか、やらなければならぬ問題がふえてくるということはいえるのです。しかし、一がいに、どんな場合にもちょっと間違ってもすぐ補償するかという問題じゃなくて、これはやっぱり農民に及ぼす問題として考えていかなければならない。そういたしませんと、これからやっぱり長期見通しを立てて保障した、それに頼って何でもかんでもやるというのじゃなくて、やっぱり見通しを立てて誘導するのであって、政府は計画経済でこういうふうにやるのだというのじゃなくて、一つははっきり誘導的立場に立っておる。農家の方も、あくまでこういう指導、誘導に対してはいろいろ経済上の考え、また地域的なものも考えて誘導されていきますけれども、やはり一緒になってどういうものを作ってどういうふうにしていこうかということを考えられていかなければならない。何も箱詰めにしたり、いやだけれども、こういうふうにせいといってぴったりきめていくものとは違うのです。しかし私は、新しい農政の方向としては、十分農家が損をしないように、需要の伸びるものを作らせ、あるいは近代化、技術の高度化というものに対しては、こういうふうな機械をこういうふうな形にその技術を使ったらどうだということを指導しつつ、そこに自主性をもはぐくんでいくのが正しいことですから、何かきめると、あとはみなやってやるからやりなさい、補償してやるからやりなさいということで、私は母のおぼれた愛になってはいかぬと思う。私はほんとうにおいては、一面においてあたたかい気持を持ってしっかりとした施策を作っていくという形で育てていくということが、農政の本来でなければならない。従来は、とかく何でもかわいがれば、いいということだけで、おぼれた間違った愛情ではいけないと私は思います。
○小林孝平君 大臣のその神意はわかりますけれども、非常に農民の気持が、事大主義的な気持がそんな急に直るわけじゃないのですね、この法律ができたから。それで農民は今までは農林省からいろいろ通牒が出れば、麦の転換をやれといえば小麦、裸麦の作付の転換などもその通牒に基づいて忠実にやっているのです。その通牒で何もこれは指導したので、強制的にやったのではないとおっしゃいますけれども、受ける農民の方は非常に忠実にやっているのです。また今度は従来よりも違って、需要及び生産の長期見通しを立てて、そうして強制ではないけれどもやらせる、こういうならば、これは当然政府が政治的な責任を負う、こういうことは当然じゃありませんか。これはほんとうならば、おそらく私は農林大臣のお答えとしては、間違ったら内閣は総辞職します、少なくとも農林大臣はやめやすくらいのことをおっしゃるだろうと思ったところが、えらい後退をして、大沢審議官よりもまた後退をされているのですけれども、実際は全然違うのですよ。たとえば昨年の十月に食糧庁長官からこの作付の転換への通牒を出して、それに従ってやった。この忠実にやった者はこれは金が出ないで、今度やる者は出る。それで、今度やった者は出て、前は出なかったというのでわいわい騒いでいるわけです。だから、こんなことでも今あまり責任を負われないのだから、もっと大きいことではなお負われないのじゃないかと思って、心配してお尋ねしているのです。しかし、これ以上おっしゃらないならば、その点はまたあとから亀田委員からお尋ねがあると思いますから、この程度にいたします。 それから農林大臣にお尋ねいたしますけれども、この第十一条の価格ですね、これは予算委員会でもいろいろ論議されましたけれども、この価格の安定をはかる施策をやるというけれども、価格が安定、変動がなく安いところに安定してしまうのではむしろ因るわけですね。価格政策の一つの目標は、所得の確保ということだろうと思うのです。これは第二条の一項五号にもはっきり書いてあるのです。それがここの第十一条には所得の確保という問題が全然ないのですが、これはちょっとおかしいじゃないかな。安定さえすればいいですか。
○国務大臣(周東英雄君) これは、私は価格の安定に関する処置を、施策を講ずるに関して書いてある条文ですが、大体所得を増加していくということがねらいであることはこの法文、第一条その他全文を流れる思想ではっきり出ているんで、そんなことを、所得のことは考えないで生産性を向上したり、あるいは売れる農作物を、需要の増加する物を減らそうというようなことはこれは考えられないのですね。それはもう当然の処置なんです。しこうして、これが価格の問題にいくと、当然価格が不安定な状態において変動の、上がったり下がったりすることのないようにするということが、所得を確保するゆえんなんだということを、この十一条は規定しているのですね。だから、所得の確保を書いてないから所得のことを一つも表わしてないじゃないかということは、これはこの法案全部を流れているところを全部ごらんいただければ、賢明なるあなたですから、もうわからぬはずはないと思う。もう第一条その他に、それを確保するために生産性を上げるということ等が書いてある。ここはただそういうものを上げるにしても、価格というものが標準的な価格というものを割ってしまっていくようなことであれば、せっかく作った物が売れなくて損をするということじゃいけないということで、どうするかということが第十一条に書いてある。そうして、しかもそれについては、私どもはこの第何条、八条かにありますように、やっぱり農家を今後指導していくについては、売れる物でそうして需要のある物を作らしていくのがよかろう。そうして、どんどんよけい作っても売れないから損をするということがないようにしたいということが、そういたしまするというとまず第一番の関係であり、次にはその作った物を、どうしても自然的経済的に不利なものになりますから、その売り方については、あるいは共同出荷をするとか、ある場合においては腐敗性品でありますけれども貯蔵の方法を講じて市場化や、それから数量の調節をやってこれが有利に売れるようにするとか、あるいはまた、加工して商品的価値を増加して手取りを多くするとかというような取引条件というものをよく考えて、交易条件をよく考えていく。そこに所得を維持し価格を安定させる処置がある。しこうしてそれだけでも経済事情のいろいろな変遷がありまするし、不利な生産物でありますから、価格が、せっかくそうやっても、標準価格を割るというようなことでも困りますし、そういうときには、生産事情なり、需給事情なり、物価その他の経済事情を考慮して、そうして価格の安定の処置をとろうということをここに書いているわけですね。だから、その場合に不利な生産事情について、中には生産費というようなものも織り込まれておるし、そうして全体の物価の中にあって、一体農産物だけが不当に圧迫されているということは、当然これは保護していかなければならない。どの程度かということは標準的な価格として出てくる。それについて足らなければ現在米にとっているようなことをやる場合もありましょう、また、農産物価格安定法によってやる方法もありましょう。これはやるのであって、ちっとも価格政策について価格安定に関する施策をとらぬというのじゃないのです。現在のような方法でいく場合もあるでしょうし、価格の安定をはかる施策を講ずるというように、新しい施策が出て、これは法制的予算措置になるかもしれぬ、今日新しくやろうとする畜産物価格安定というものについて畜産事業団をこしらえて、そこで主要乳製品を買い上げたり、あるいは豚肉を買い上げて需給調整をやるということも一つの方法で、これはまあそれと一貫した私はやり方であると、かように考えております。
○小林孝平君 その農林大臣の善意はよくわかるのです。ところがこの間も申し上げたように、あなたはいつまでも農林大臣をおやりになっているわけじゃないのですね。次の農林大臣はどういう方が来られるか、どういう内閣ができるかわからない。その際にこの解釈が、いつもあなたが今おっしゃったようなふうに解釈されればいいけれども、そうでない場合もあり得るから、私はこの間から、少しこまかいようだけれども、疑義のないように書いたらよい。たとえばこれはみんな生産費も含んでいるというなら、ここに生産費とちゃんと書いたらいいのじゃないか。何も差しつかえないのですね。それから価格が、当然価格政策にはいろいろの目標があるでしょう、所得の確保もその幾つかある目標のうちの一つなんですね。だからここに当然それは含んでいるのだというけれども、それならばこの第二条の一項五号に「農産物の価格の安定及び農業所得の確保」、こういうふうに二つに書き分ける必要がないのですね。そこで非常にちゃんと書いてあるのは、やっぱり価格の安定とそれから農業の所得の確保という大きい二つの目標があるわけなんですね。だからここに具体的に、こういう大臣がおっしゃったような意味があるならば、ここに生産費と、あるいは所得を補償をするというようにお書きになればいいので、いいじゃないですか、これちょっと書き直して……。
○国務大臣(周東英雄君) その根本は、今御指摘の通り二条の五号に書いてある。それが今度は安定の方法ということについては、何も所得を確保するために、価格の安定じゃない、所得がぐらぐらせぬようにするほかの問題を考える。これは当然に二条の一項第五号には所得の確保をはかるということが書いてある。そういうふうなことをはかるために価格の安定をさせる方法はどうかというところに、所得を確保するための方法ということを書く必要はないでしょう。
○小林孝平君 だからここは、ここに書いてあるからこっちにない、こちらには安定するための方法を書いてあって、所得を確保する方法は書いてない。
○国務大臣(周東英雄君) いやそうじゃないのです。あなたの言うのは十一条における……、十一条の方は価格を安定させる手段がこう書いてあるのだな。それは所得を確保するというのは、価格を安定させれば所得もだんだん安定してくるということは、言えますよ。しかし所得を確保する、安定させるということは目的でありまして、価格安定の手段じゃない、方法じゃないのです。
○小林孝平君 安定をさせても、所得の確保には必ずしもならぬ。低いところにきめれば所得の確保というものはできないのです。それで、十一条は、農林大臣は御否定になりますけれどもね、何といってもこれから読めば、まあそうい言葉は適切であるかどうかしらぬが、需給均衡価格——よけい作れば安くなる、こういう考え方なんですから、これでは不十分だと思うのです。
○国務大臣(周東英雄君) 小林さんそうおっしゃいますが、私はそううまく書き分けてあると思うのですよ。あなたが今おっしゃるのは、安定させるということは低くきめることにきめてかかっておられるけれども、私はある場合においては不当に標準な価格を下げることはいけませんよ。しかし不当に今度は需要関係その他の物価との関係を無視して高くきめられることもいけないと思う。これは農家に対しては不親切です。やはり常に売れるということがいいので、非常に高いこともいけなければ非常に安くてもいけない。そこに価格を安定させるということがあって、あなたのように価格の安定ということは常に低くなることと、こういうふうにお考えになると私は間違ってくるのじゃなかろうかと、おそらくそういうことはお考えにならぬかもしれないけれども、どうも安定ということは低く見られて、支持価格ということを言えば高くやるように響くように考えられますので、それは私どもはそうは思わぬということなんですが。
○小林孝平君 農林大臣のおっしゃった、非常に高くきめたら因る、それは物価その他の経済事情を考慮してという方にあるのです。ところが非常に低くきめたら困るというふうなことは、あまり書いてないのです、片っ方のだけ書いてあって。これは私もう水かけ論にきょうはなりますから、いずれ根本的に、今度は別の角度から根本的に価格政策はお尋ねします。こういうことだけでは水かけ論になってしまう。おそらく農林大臣は予算委員会で申されたように、これは不満足だろうと思いますけれども、財界その他の圧力でこういうことになったのだろうと思いますから、心中、気持はわかりますから、きょうはこの程度にしておきます。
○亀田得治君 あと一時間しかありませんから、きわめて簡単にお聞きします。 この第十一条ですね。ただいま小林委員から質問があって、大臣の答弁もお聞きしたわけですが、これが非常に問題になっているわけですね、わかりにくいということで。わかりにくいということで非常に問題になっているわけです、第十一条がね。で、説明をるる聞けばそれなりに意味はわからぬことはないわけなんです。第一条に所得を増大させるということも書いてあるし、第二条の第五号にも所得のことが書いてある。だから当然生産事情の中にはそれは含まってくる。それはそういう説明を聞けばわかるわけなんですが、しかし第一条にしても、第二条にしても、そういう書かれたことが実際に実現されるのは、結局は第十一条物価によって実現されるわけですから、この価格に関する規定がやはり一番注目されるわけです。だからそういうふうに、やはり立場に立ってわかりいいようにするのが私はほんとうじゃないかと思う。そこでこの十一条の一項と二項は、私たち何べんもこう読んでおるわけですが、第十一条では価格を安定させる安定のための考慮する条件というものがここに三つ書かれておる。こういう三つの考え方で安定させていく。第二項はそういう施策について定期的にここに書いてあるような立場から検討を加えていく、こうなっておるのですね。このことの点状はやはり検討を加えて直していくと、こういうことも当然これは含まれる意味なんでし、占う。そこはどうなんです。
○国務大臣(周東英雄君) その通りです。
○亀田得治君 そういたしますと、結局価格をきめる要素というのは、第一項と第二項と、これは第一、項には三つ、第二項には四つ書いてある。これらが全部こう合計されてくるわけですね、結論としては。出発点はそれは理屈からいって第一項の三要素かもしれない。しかし第二項によって絶えずこれを批判し検討していくのだから、それは検討のしっ放しじゃなしに、やはり直していくのだ、こういうふうに今お答えになっているわけですから。そうしますと、ここに七つも非常にこう幅の広い言葉で価格決定のための基準が実際上は出ておるわけなんです。そうなれば一項も二項も一緒なんですよ、これは。実質的に見て。これでちょっとわかりますかね。どこを中心にした価格というものが安定されてくるのか。決定されてくるのか。
○国務大臣(周東英雄君) 私は2というものは価格決定に対する要素というように考えないのですよ。これは一項によっていろいろ必要があると認めて価格政策あるいはそれに必要なる施策を講じてきたと、ところがその施策がうまくいっているかどうかということを2によって検討するわけなんです。2のやつはああいうふうに価格に対しての施策を講じたが、一体そのやつがうまくいっているか。それは農産物流通の合理化をやるということが価格を安定させる一つの方法だが、それがうまくいっているだろうかどうだろうか。その面からいって一体価格の関係がいいのかどうか。あるいは農業を選択拡大してきた。しかしこれは前にきめておる価格安定施策、その施策はうまくいっているか。せっかく選択的拡大として作ってきたものが、前項の規定によってとられた価格に対する施策によってうまくいっているかどうか。それではたして所得が確保されるかどうか。それで農産物の需要が増進してきたかどうか。一面、生産者の立場からだけでなくて消費者の生活の安定の見地からいって、前項によってとった価格の施策はそれでよかったかどうかということを検討する材料が2になっておる。これは価格決定要素とは私は考えない。これはちょっと亀田さんのあるいは思い違いじゃないかと思います。
○亀田得治君 それは思い違いじゃないです、それはもう何べんも読んでおりますから。第一項がいわゆる価格決定の要素で、第二項がそれに対するこういう立場からの検討をしていく、そういう要素だということは、これはもう法文に書いてあるのですから、これはもうあなたの説明された通り、何も誤解しておりません。しておりませんが、先ほどお聞きしましたところ、第二項によってそういう検討を加え、加えた結果ここは少しこういうふうに直した方がいいんじゃないかとか、ここはもう少し引っ込めた方がいいんじゃなないかと、こういうことをおやりになるわけでしょう。それでなければこんな検討する必要ないですから、そうであれば、学問的にはこの価格の決定の要素というのはこれこれこれ、あるいはこの法律ではこれこれこれというふうに決定されたところで、私は実質を言うておる。実質的にはその政府のおやりになる価格政策というものの中には第二項の四つの要素というものが入ってくるわけなんです。そこのところを申し上げておる。そうしますと、七つほど事情がこう並ぶのです。これらについて何も上下の差もないし、これはあなた読む方から見てはなはだこれは不明確だ、そうなりませんか。
○国務大臣(周東英雄君) これは御意見でございますが、私はそうならぬと思うのですよ。あなたが二項のまあここに例示してある四つ、あるいは十ありますか、もっといろいろなものが出てきましょうが、これは価格決定の要素となろうとは思わない。それをあなたは先ほど七つあるというお話でしたが、私はそうならぬ。むしろ第一項によって価格の安定の施策が講じられたが、この施策が国民生活、消費生活の安定の上においていろいろ高過ぎやせぬか、低過ぎやせぬか、それでいいのか悪いのか、あるいは生産拡大と言っているけれども、これでうまくいっているかどうかということのみんな検討の対象なんですよ。そこでそれをやってみたところがどうも生産の増加、選択拡大もそれじゃいっていない、これはあるいは価格政策の方がうまくないのじゃないか、その施策がよくないのじゃないか、そこでもう少し生産事情を考えて検討してみようと、こういうことになるのであって、あくまでも価格の安定の施策を立てるについては第一項の価格の例示事項がそれに関係いたしますが、第一項の方はむしろそれによって対象とされて、そういうものが一々うまくいっているかどうかという対象事項であって、これは価格安定施策の要素には私はなって、おらないと思うのです。
○亀田得治君 これは、この法文に沿って読めば大臣のおっしゃったようなことになるのですが、私は実質的なことを申し上げておるのです。そこで、この法文ができた経過を振り返ってもらえば、私の言うことも多少は理解してもらえると思う。この昨年の十二月二十日の農林省案ですね、前文のないころの農林省案です。あれでは、その当時は条文がちょうど十条に当たるわけですが、十二月二十日案では、農産物の価格の決定として、第十条が、政府は農業所得形成上占める地位、国民消費生活に占める重要度などに照して、重要な農産物について、その価格の安定をはかるため必要な施策を講ずるものとする、こう書いております。これが第一項なんです。その当時は、だから価格の安定を重要農産物についてするのだ、このことを第一項でうたっているだけなんです、中身は。私はこれが筋だと思う。実際はしからばその価格の安定する基準は何かというのが、二項に書いてあるわけなんです。その第二項には、本案の第二項のような四つの要素というものが書かれておる。だからこれからいきましても、実質的には、この第二項の四つの要素が価格決定上重いのだという経過から見たら、この第一項というものの、この三つのものがあとからこれは入ってきている。だからそんな第一項の三つの要素と、第二項の要素と実際上そんな区別のできるものじゃないですよ、これは。農林省の十二月二十日案で、価格決定の重要な要素になっていたものが、それから少しこう手直しされたからといって、それは単なる批判、検討の要素であって、価格決定そのものの要素じゃないなんて、そんなことは、それは私はちょっと筋が通らぬと思う、同じ農林省がおやりになって。言葉はどうにでも、ちょっちょっとこう書きかえることはできます。できますが、実質的な考え方が、言葉の置きかえによって、そう変わってくるものじゃ私はなかろうと思う。そういうこともあるものですから、実はお聞きしておる、たまたま第二項には、農業所得の確保という言葉が入っているわけですね、農林省の十二月二十日案には。そのものが第二項に入っておって、これが価格決定の一つの要素と、私たちはこれを非常に重視していたわけなんです。そういう経過等があって、私たちは、この修正された十一条というものはそういう点でぼやかされてきた。所得の確保の面からそういうふうに感じ取っているわけです。これは私だけじゃない。それは農業、農民団体の中で、そういう意味の批判というものは、農基法に賛成の方にでも相当おありになる。これは農林省の十二月二十日案に、そんななかったことが第一項に急に入ってきている、こういうふうに変わってきている、それはどういうふうに大臣考えていますか。
○国務大臣(周東英雄君) 私は農林省の十二月案よりも、これの方がよりよく改正案としてはできていると思う。それはただいまあなたが御指摘になって、国民生活安定のうちで、農産物が非常に関係があるから、価格は安定するものをとらなければならん、こう書いてある、そのことが直ちに国民の消費生活というものの、これが価格の決定の要素というようなことには、私はならんと思う。先ほどから言っているはたして国民生活の上からいって、この価格に対する安定施策が適当であるかどうか。どうもこれじゃ高過ぎる、安過ぎると、しかし、その点は一体どういうふうにするかということも、私は価格をきめられておる、安定された価格というものが国民生活にどう影響しているかということを考えて、もう一ぺん振り返って価格の決定について再検討を加える、こういうことになるわけです。元の関係とは矛盾もしなければ、むしろよりよく改正されている。ことにあなたが御指摘のように、こういう形で一項にきめられた価格の安定施策が、農民の農業所得の確保について、いい影響があるのか、悪い影響があるのか、どうもこれは生産費というものが取り入れられていない、それでもう少し考えなくちゃならん、こういうことの対象にはなりますよ。しかし、価格決定の要素というものは、一面あなた方の御意見の中にありますが、まず所得の確保をするために、需給関係は別にしても、これだけは確認しなければならんという形になると、所得というものを先に出してきて、いろいろの議論になりますが、これは私はあくまでも、こういう価格安定の施策が、農業者の所得の上において適当であるかどうかということの批判を受け、そうして、それに対する施策をもう少し改善するとか、あるいは支持価格制度をとっていれば、施策の内容としてはその支持価格でいいのか悪いのかということで検討をされるでしょう。また、ここにありますが、農業生産の選択的拡大、これは価格決定の要素では私はないと思う。それは拡大する以上は、高い一つの価格を示してやったらよけいやるだろうということにはなるかもしれません。しかし、価格決定の要素というものは、やはり生産上の中にある生産費とかというものが参考になるし、それから実際上の需給状況、それは必ず作った物が売れるような、需要と供給の合うような形に作って、そうしてそれに対して当然標準として、不当に押えられた価格にならんようにするのが要素である。これはやはり国民消費生活との関係においては、一般物価との関係においてはどうだということは参考になりましょう。一般物価はこうだから、農業者の物価を特に安くせいということは私はとりませんが、しかし、安定施策を行なう上においては一つの資料になるとは思っています。私どもはあなたのおっしゃっていることはよくわかりますけれども、直ちに二の問題が価格決定の要素になるということはちょっとおかしいということは出てきます。農産物の流通合理化というものが、経営を安定させる一つの手段でございます。物が売れなくても、作ればいいということで、流通形態においては無理な関係に置かれるということが、価格がフラクチュエーションする元なんです。そういう点を考えていくことが私は正しいと思う。ところがそういうことで考えてこうやってみたが、流通関係においてもあまり合理化されていないのじゃないか、こういう批判が出てくるのです。これをそれによって直す、こういうことであります。
○亀田得治君 ちょっと私の方も多少誤解しているかもしれんが、あなたの方も誤解があるのですがね。われわれの方が何か所得だけしか考えておらんようなことを、今だけではなしに、ほかの場合でもおっしゃる場合があるのですが、やはりそうじゃなしに、それは、需給関係ということは非常にわれわれも重要視しているのです。従って、そういうものがバランスがとれていくというように長期見通しを立てたり、お互いに努力していく、これは非常に重要なことだと思うのです。しかし、現在置かれている農業者の地位、それから農業基本法が出されてきている背景、立場、そういうことを考えますと、需給というものは必ずしも私はぴたっと合うわけじゃない、理論的に非常なアンバランスがあった場合には、これは例外ですが、多少のことはあっても、やはり農業基本法が出てきている事情から言うならば、やはり生産費なり、あるいは所得、こういう点にやはり非常に大きなウエイトを置いていかなければおかしいじゃないか、こういう気持で申し上げているのですよ。需給関係なんかを無視したり、そんなことはだれも考えていませんよ。だから、そういうふうにすなおに考えてもらうと、われわれの意見ももう少し了解してもらえると思うし、それからこの法文にしたって、そういう面では私は重点をもう少しここで明らかに示すということが、やはり必要だということの意味も御理解願えると思うのですがね。
○国務大臣(周東英雄君) いや、もちろんあなた方が需要供給の関係を無視されているとは思いません。十分お考えになった上でしょうけれども、私どもは、今後のやはり農政の大きな眼目、あるいは昔よくあなた方が御指摘になる点は、私どもも農林省あたりの指導においても誤りがあるだろうという点を考えておるのは、ただいいからというてどんどんきめて早く作れ、作れということで、各局ばらばらに指導していたというような面がある。これはやはり考えていかぬと、作れ、作れといってよけいでき過ぎて値が下がっては困るので、そういう点では一つの原則として、大きな目標は、将来に向かって需給の見通しを立ってそれに沿うように作らしていこうというこの眼目は認めていただき、しこうしてそれに対するいわゆる一つの安定の方向はつくが、それだけじゃなかなか農産物というふうな不利なものでありますから、いろんな点において、そこで施策が必要になって参りましょう。そこでそれをやる場合に、価格支持政策をとるとか、あるいは買い入れ施策をとるとか、いろいろな問題をやるそのときに生産需給なり、物価その他経済事情を考慮して作りますということは、私どもこれは割合にはっきりしておると思うのですけれども、それは従来もとってきたような米については、特にこういう価格支持政策をとる、その他麦、菜種、テンサイ糖というようなものについてはそれぞれそれに相応した価格安定方策をとってきておる。また蚕繭、蚕糸ということに対する価格の安定のためには蚕糸価格安定法によって上値、下値の間において安定させる、また今度とろうとしておる畜産物については、ああいうふうな施策をとろうと、それぞれ今度はその品物について、ことに農家の損にならぬように考えていく、その過程の中には必ずしもこの需要均衡によってのみメリットにものを考えておるわけじゃないのです。しかし、根本はよけい作り過ぎさして、あっという間に損をさせないように、これは従来の大きな欠陥だと思うのです。これはどうしても直していかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○亀田得治君 御承知のように、食管法ではまあ生産費なり再生産費ということが明記しておるわけですが、食管法というのが農民には一番親しまれておる法律でしょう、現在では。ところが、そこで使われた具体的なこの基準というものは、少なくともこの文章の上では消えてしまっておるわけです、生産事情となっているから。この生産事情なんていうものは、これはだいぶ物理的な感じですからね、与える感じが。だから、生産費を含むものであるならば、生産費等生産事情というふうに書いてもらえば若干わかりいい。だから、そういうふうにしないと、この食管法の線なんかよりも非常にこれは後退してくるのだ、こういうやはり印象を持ちかねないわけです。がしかし、そこら辺はこれもあまり議論をしても時間の関係もありますから、まあ同じようなことを繰り返すことにもなりますから、それで私この第十一条に関連してこの畜産関係と、この三十六年度の米の関係についての考え方を具体的に聞いてみたいと思うのです。その方が第十一条で農林省がどういう考えでおるのかということが具体的にわかりいいと思うのですね、そういう意味で、二、三、ちょっとお聞きいたします。
○国務大臣(周東英雄君) ちょっと今の点について。十一条で価格の関係が後退しておるというような感じを今お話になりましたが、これは私どもの方のPRといってはおかしいですけれども、理解をさせることの何がおくれておるでしょう。しかし、私ども絶えず言っておることは、十一条をこしらえたら今までの食管法の規定による米に対する施策、価格安定に関する施策、これをやめるものではございません。これはもとより存続しておる。さらに他の問題について必要な場合に必要な施策を講ずるのですから、あの上にプラスされることは、また将来に向かって今のままでの行き方でなくてあるいは米のような形にとった方がいいという場合においては、それらの物品について米についてのような完全とした今のような調査研究が進んでおりませんけれども、そういうものが必要になってくるということならば、それらのことに応じてこの十一条の規定によって必要な施策を講じまするし、その根拠は第二条の第五号によって農産物の価格の安定に関して必要な施策をとるという第二条があるのでして、この法律はむしろ大きく網をかぶせてある。それに一々の具体的な場合にはこの制度を作るわけですから、これは亀田委員も御存じだと思う。だから、今のやつはこれでぼやけているのではなくて、今のやつは残っているわけです。それでたとえば私が申し上げたように、今の米については食管法の規定によってやっております。それをやめることではありませんと、だんだんとほかの方が足りなければこれでやっていきましょうし、従来のものが不備ならば改正する場合も起こりましょうと、こういう意味であります。
○亀田得治君 そういう食管法との法律的な関係というものは私も理解しております。そういうことなら、現在食管法という親しまれておる法律があるのだから、そこで使われておる概念なども含めて、大きく網を張られたとおっしゃいますけれどもね、農民から見たら、ある人は網を大きく張ったんじゃなくて、はみ出されたような感じを受けているのもあるわけなんです。まあ大臣の気持だけは伺っておきますが、それでことにそういう疑惑を与えたのは、十二月二十日のやはり案ですね。それでは十一条のしまいの方になるわけですが、現在の食管法等でやっていることと違った施策を一定の条件のもとにやり得る、こういう条項も入ってきたわけなんですね。だから、このことは非常に疑惑を起こしたということで、この法案ではこれは入ってきておりませんがね、これはしかしみんなが非常に疑惑を持ったわけなんです。何だ、基本法で食管法まで征伐するのかと、その疑惑の延長があるわけですからね。従って、それは当然価格政策の面でもっとはっきりさせなければその疑惑というものはちょっと取れませんよ。まあちょっと具体的な問題に移りますが、そこで基本法に関連してまず初めに問題になる米価ですからね、ここで農林大臣が今までお答えになったような気持ちがびんと出てくれば、これはまあそうかなということになるわけで、それでお聞きするのですが、その前に国会の都合等で若干米審等もおくれるのだろうと思いますが、これはいつごろお開きになる今のところでは大体準備でしょうか。
○国務大臣(周東英雄君) この点は予約出荷という制度がございますので、それに対する処置をとるためにも、従来のしきたりに従えば六月の下旬から七月の初めになっております。米価審議会、そのころに開くことをめどとして検討をさせております。
○亀田得治君 政府の案もいろいろ練っておられるのだと思いますが、この基本法の第一条の所得の増大と、こういう点等も関連しまして、どういうふうな今年度産の生産者米価というものをお考えになっておるか、予算米価はこれは承知しておりますが、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(周東英雄君) 米につきましては、亀田さん十分御承知のように、これは生産費・所得補償法式というものをとって、大体そういう計算の方法もだんだん固まってきておるようです。だからその方法に従って今研究を進めております。
○亀田得治君 その方法でいって昨年度と今年度の生産者米価というものはどんなような結論になる見通しですか。
○国務大臣(周東英雄君) まだその点の的確な金額がどうということはまだ結論出ておりません。しかし、大体これは一定の方式で動きますから、もう少ししたら結論が出るでしょう。
○亀田得治君 そうしたら、またこまかい点に若干なるかもしれませんから、食糧庁長官から御答弁願ってもけっこうなんですが、パリティ指数が相当上がっておりますが、そういう点の上昇率、並びに米価算定にどの程度の影響があるのか、それともう一つは、自家労賃の関係ですね、労賃が全産業上がっておりますから、これの率ですね、上昇率並びに生産者米価への影響の度合いですね。現在の作業の段階でいいと思いますが、一応状況を説明していただきたい。
○政府委員(須賀賢二君) ただいま大臣からお答えございましたように、本年産の米価につきましては、昨年の米価の算定について採用いたしました生産費・所得補償方式の考え方によりましていろいろ検討いたしておるわけでございます。これはただいまも御指摘がありましたように、都市製造業労賃の上昇の度合い、物財費の面におきまして農業パリティの上昇率というようなものが、それぞれ米価の内容に影響して参るわけでございます。私ども現在の段階では米生産費調査、これは申し上げるまでもございませんが、生産費方式によりますと、生産費調査の結果がまず第一の前提になるわけでございます。ただいま生産費調査の結果の取りまとめを急いでおるわけでございます。それから労賃の関係等は、実際に米価をはじきます際は、本年の四月の労賃労働省で作成いたしまする四月の賃金統計の集計を待ちましてこれを最終的に織り込んで使用するわけです。それから農業パリティ等もできる限り直近月のものを用いる、そういう関係がございまして、特に賃金統計等の関係はことしの賃金動向も三月、四月等において特に注目すべき動きもあるようでございます。それらを的確に反映させる必要があるというようなことで、目下それぞれの資料の整備を急いでおる次第でございます。それらが大体まとまって参りますると、米価の実際の試算の作業に入るわけでございます。現在の段階では、私どもいろいろな資料によりましてごく大まかな検討を進めておる程度の段階であります。まだそれぞれの要素について、ことしの米価にどの程度計数的に反映をするかということを申し上げるまでの段階に至っておらぬわけでございます。
○亀田得治君 そういう米価決定の要素になる統計は今整備中なんでしょうが、でき次第これはまた一つ今国会に間に合わないかもしれませんが、終了後でもいいからもらいたいと思いますが、まあしかしいろいろ賃金の上昇の状況なり物財費の関係等がこれは上がっておることは事実なんでしてね、大まかな見当というものはこれは当然責任者としてはつくものだと思うのだがね。そういう点は何も農林大臣は考えていないのですか。もう計算が出てきたら計算通りだというふうな単純な気持でおるのですか。
○国務大臣(周東英雄君) 私は、単純なという意味はどういうのか知りませんが、今度は計算の方法もだんだん固まってきていますから、出てきたものをあまり細工はしたくないと思います。
○亀田得治君 その細工したくないという気持は非常に私はいいと思うのです。ぜひ一つ科学的に出てきた数字というものをこれはもう政治的に動かさないようにやってほしいと思います。そうなれば、たとえば又収増なり労働時間の短縮の問題等もありますけれども、やはり相当値上がりする。そうならなければこの基本法の中でうたっておる所得の増大なりそういうものに沿わぬじゃないか、こういうことが逆に基本法の立場からこう注目されておるわけです。私は、どうしても計算上出てくるものは、決してわれわれも生産者米価のいたずらに高いことだけを望んでいるんじゃないのでしてね。しかし計算上出てくるものはこれは仕方がない。当然なんだ。生産者米価をどうしても低くするためには、出てくるものをこれは押えるのじゃなしに、もっとほかに打つべき手があればその点を検討していく、資財費の問題とか肥料の問題。そうあるべきなんで、相当計算上高く出てきますとね、たとえば時期別格差の問題に手をつけて、実際上そっちでこうあんばいして、総額としてはあまり上がらないように押えていく。いろいろ出てくることを心配するわけですね。しかし農民の気持としては、やっぱりいろいろな加算にいたしましても全部をひっくるめて労力とこういうふうに考えておるわけですからね。だからそこら辺のところのそういう操作はおやりにならぬと思いますが、そこら辺はどういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(周東英雄君) 私が今申しましたのは、上げるも下げるもそういうふうな意味合いにおいて細工をしたくないとこう言っておるのです。
○亀田得治君 非常にそれをお聞きして、私も意を強うしたわけです。 そこで、乳価ですね、私たちは乳価が非常に安いとこういう前提に立っているわけです。米価に比較して安い。この二つの関係を大臣として今後どういうふうに根本的にお考えになるのか。乳価の中で占める労賃というものは非常に低い、米価よりも。そうして酪農は振興させよう、こう言っているわけですね。で、うっかりすると、米の方を押えて乳価に近づけやせぬか。近づけないですね、先ほどの農林大臣のお答えですと、そういう心配が一部にはあるわけなんです。だからそこら辺の関係、同じ農産物内における関係をどういうふうに……、この二つを代表的にとって申し上げるわけです。
○国務大臣(周東英雄君) 乳価についても私は合理的な価格に考えていきたいと思います。
○亀田得治君 それは合理的な価格にぜひこれは考えてもらわなければならないのですが、そこで、たとえば、昭和三十三年の農林省の調査による一行当たりの生産費調査をされたのがここに出ておりますが、これは畜産局長はよく御存じでしょうが、石当たり五千七百六十八円です。この中に占める労働費が千四百七十円、こうなっているわけです。これはもう私は非常に低いと思うのです。合理的々々々といいますが、具体的にこういう労務費が一体合理的かどうか、どういうふうにお考えになっているか。米価の場合に、政府みずからが認めてもらっておる一時間当たり八十円、こういうものと、これははるかに違うわけなんです。私は非常に不合理だと思う。しかも、乳は大いに奨励していこう、こう言うておるわけです。そこら辺、ちょっとこまかいことになりますが、畜産局長、どういうふうに考えておりますか。
○政府委員(安田善一郎君) 亀田先生から御指摘、また御質問の、現行の統計調査部でやっております生産費調査の中で見積もられておりまする、またその結果として現われておりまする労働費、あるいは、それから実際の価格から逆算します労働報酬、必ずしも多いものであるとか、適正であるとは思いませんけれども、それがまだ酪農振興法、あるいは行政措置によって発達中の酪農でございますし、現在統制価格を政府がきめておるわけではございませんので、従来も市場において酪農上の生産諸条件と流通加工等の諸条件、あるいは消費の点もありましょうが、その状況のもとで形成をされた価格がどうであったかということになるわけです、現状におきましては。そこで、今後の成長部門としての酪農部内の農業をどう伸ばしていくか、価格の適正化を期する上においてどうしていくかは、施策と相待ちましてどう考えていくかということは、現在及び将来の問題であるわけであります。生産費調査の中で適当なりやいなやは、ちょっと米の価格の中で労働報酬が一日当たり千円なり千二百、麦は七百円ぐらいになっておる。そういうこととはちょっと問題が違うことだけは御了承願いたいと思います。しかし、それに比べまして、従来の乳価が安い場合は、一升当たり三十七円台になりましたときが最近の数カ年で低いとき、四十数円になる原料乳がありました。市乳よりは原料乳が安いから、原料乳で申しておりますが、一升当たりで現在は四十七円が全国平均でございますが、四十円をこえるときは比較的高い時期で、好況、不況といいますと、二、三年ごとにこれが繰り返されて参りましたけれども、その間におきまする手取りが、今の様式によりまする統計調査部の乳牛飼育部門におきまする労働費ないしは労働報酬が、江田先生等からも御指摘になりましたように、少ないもので、で、ある調査農家は一日九十円、平均的に見て二百円くらい、二百円を割るというようなことが出ておるわけでございます。しかし、これは、私どもは土地の一時的利用、すなわち土地、耕地に作物を作り、それを牛に与える。飼料を購入して飼料を牛に与えて、その牛から牛乳が生産される。その両者から出て参る部門を加えて、言いか、えれば、乳牛飼育部門及び耕種部門でございますが、その両方を加えた乳価によりまする労働報酬が実現しておるというふうに見る必要もあると思います。よく生産費から、きわめて労働報酬なり一日当たり労賃実現のされ方が非常に少ないであろうかという点は、そこはかなり違うと思うのであります。 なお、今後は、畜産物の価格を安定する上において法案を提案いたしておりまするが、現在の零細、少数で、まだ合理化もうんと進めなくちゃならない、近代化も進めなければならない、経営規模も大きくしていかなくちゃならぬというような、動きつつある、伸びつつある問題の多い酪農でございますから、生産条件、需給上その他経済上考えて価格の安定制度をとろうとしておるわけでございます。その酪農が行なわれておる生産条件と流通交易条件、今後の成長部門との関係あるいは農業基本政策の関係から見まして、両者を通じまして、この価格は上と下を押えた幅の中に安定していく制度をとるのが、補足的に申し上げますれば、米や麦のように一本価格で国が施策を、価格政策として参る段階ではないから、そういう案をとったらどうかという案を出しておるわけでございますが、そこで、上限価格について、それも適当であろうというのは消費者も考えられますが、生産者については高い適正価格なら労賃も出ますし、労働報酬が出ますし、下の方で、下値の、安定価格の下値で申しますれば、やはり安い価格からくる労賃評価あるいは労働報酬、そういうことになると思うわけでございます。その制度自身の御審議、それをどういう要素で考えて、過去から現在の価格を見、現在から将来の適正価格を法的制度で実現して参るかというのは、やはり、そういうふうにしてお考えを願いたいように思うのであります。生産上からした労働報酬ばかりでなしに、交易条件あるいは加工条件を改善いたしまして、その分を、生産者がなおとらなくちゃいかぬ分も、多分に家畜及び畜産物なものでございまするので、そのような考えで見るようにいたしたい。亀田先生が適正価格は幾らと見るか、生産費調査から今の乳価で出てくる、今の乳価で見るといいかどうかということは、ちょっとお答えいたしかねる点もあるように思うのであります。
○亀田得治君 たとえば、三十三年の先ほど申し上げた統計の中で、たとえば、飼料費というものがございますわね、項目に。この中に労働報酬が含まっておる、こういうふうな考え方なんでしょう。実質的にはそれは飼育労働費の中に含ませるべきものなんだというのであれば、そういう立場でこういう統計なり調査を出してもらうということになりませんと、そういうことを言われるだけでは、なるほど幾らかはそういうものはあるだろうという想像はできても、乳価を合理化していくというその基礎にはちょっとなりがたい。そういう点の打ち割った調査があるのですか。
○政府委員(安田善一郎君) 統計調査部が生産費調査をいたしますのは、その組織とか、技術とか、なれとか、その他の関係から見まして、私ども適当な機関だと思いますが、あわせまして畜産の需要性の増すにつれまして牛乳の生産費調査は、従来非常に少数でありましたものを、ここ二カ年やっと八百戸調査にいたしました。しかし、そういうことがありましても、統計のつながりというものを見るのも一つの非常に重要なことでございますから、従来の生産費調査のやり方を踏襲いたしておるのであります。しかし、これをいかに読むか、いかに利用するかいうことにつきましては、先ほど私が申し上げましたことは、当然その調査の仕方及びその結果から出てくることを——私個人ではございませんが、農林省の畜産を受け持つ者として、最近以上のように検討いたしておりますので、それについての見解や見方を申し上げたのが先ほどのことでございますので、これをいかに読むか、利用するか、価格と生産費の調査結果、八百戸でございますから、そういうものとの関係をどう見るかということは、先生の御意見もごもっともだと思いますので、統計調査部の様式による結果がどう出たということばかりでなしに、そういうことは、行政としたり、行政指導の分析としたりして、今後いたすつもりでございます。
○国務大臣(周東英雄君) この点は、ただいま畜産局長がお話したような通りでございますが、私はまだまだ畜産に関する労働報酬はどうなるかということは、米麦その他に比べてどうということは調査研究すべき余地はたくさんあると思います。私は統計によらないことですが、現実に、私のくににおいて非常に熱心な青年がやっておる実績が見ておりますと、やはりこの飼料の点や販売の点で非常に研究すべきものがあるのじゃなかろうかと思いますが、具体的にこれは自給飼料の問題、これは私は現に技術家ではありませんから、その青年技術者が実際やっているのを聞いてみますと、一頭の乳牛に対して土地一反という関係に考えているようでありまして、その際に実験的にやって、これも二頭にふやしたのですが、反当の米及び麦、すなわち表裏作のものを従来通りやって、これを換価した受け取り収入と、そこに一頭の乳牛を入れた収入と比べると、乳牛による収入の方が大きいという話をしておりました。私は一例だけで全部推すことは危険だと思うんですが、そういうことが実態に出てくるとすると、すなわちやり方によって、やはり酪農というものの受け取りというものが、米麦の表裏作をやってやる耕地に飼料を植えて、そして酪農をやって、乳を売った受取金が多いとすれば、それはそこにおける報酬関係も多くなることになるわけです。そこで一がいに米の方がよくて、酪農じゃだめだという結論も出ない場合もあるわけです。従いまして、私はまだ未知数の問題かとも思いますが、そういうような実験農家というものが現実に、これは徳島にもございます。そういう点を考えつつ、将来の畜産奨励の政策の裏づけを行なっていくことがやはり今後のやるべき国家の義務だと思います。
○亀田得治君 そういう点を、私は畜産を奨励するという建前を、これはもう皆が認めているわけですから、もっと早く明確にしていくべきですね。自給飼料を主体にしてやっている場合と、購入飼料を主体にしている場合と、労働報酬が今の話から見たって、また普通に常識的に多少考えてもわかるわけなんですよ。だからそういう点を、これは畜産局長、この二つ区別して、この現在の労働報酬がどうなっているのか。そういうふうに三十三年なら三十三年のやつを分析して、もう少しわかるような説明を一ぺんしてほしい。二つ分けなければだめですわ、購入飼料自体とそうでないのと。
○政府委員(安田善一郎君) 勉強も足りませんし、今の牛乳価格が適正であって、今後も今のような状態が続いていけばいいとは全然思っておりません。畜産物価格安定等に関しまする法律案御審議の際には、できる限りの御説明をちゃんといたします。
○亀田得治君 まあ、局長はきのうからも価格安定法ばかり、盛んにあれさえ通してもらえれば、すぐうまくいくようなことを言うて、農業基本法に便乗してあればかり宣伝しているのですが、これはちょっと私はおかしいと思うのですよ。いや、あれはあれとして、実は問題はたくさんあるのだ、すでに問題になっているように、実際事業団にしたって乳を買わないで乳製品を買うのだ、そういうふうなことになっているし、その前に私たちがやっぱり一番関心を持つのは実態の労働報酬はどうなっているのだろうか。これが非常に疑問なわけです。非常に低いと、こう言われる、しかし、なかなか一方で作りたがっているから、だからいろいろあるわけです。だから、そこの解明をしてもらわなければいかぬ。それを一つ。これは基本法の問題です。これは決して価格安定法の問題じゃないんです。基本法の十一条の問題なんです。それで、昨日、畜産局長は非常に一ついいことを、森委員の質問にお答えになったわけですが、畜産物を伸ばすためにはやっぱり生産費、所得補償、それを重視していかなきゃならぬというふうに言いましたがね。ここに議事録を持ってこられたので、まだ読んでおらないのですが、私はあれは小さい声でおっしゃったが、やっぱり実際に畜産に取っ組んでいる局長からしたら、やっぱりこれじゃなければだめだというふうに考えているそのお気持が発露したものだと思う。そうでなけりゃそれはとても。しからば、それでいって労賃をどういうふうにとるのか。基礎資料が今言ったように非常にあいまいな点がありますから、なかなかそこの操作の仕方は、どこへ打ちつけるというようなことはむずかしい点はあると思う。それから、そういう意味である程度上と下と幅を持たせていくというふうなことも、基礎がはっきりしておらぬから、これは了解できる。しかし、原則は局長がおっしゃったようなことで進まないと、幾ら幅があったって、下の方でどれだけ幅を持っておってもこんなものはだめなんですよ。そこを農林大臣に、この点最初には、この合理的な乳価じゃなければいかぬというような意味のことをおっしゃった。合理的ということの中身は、もう少し具体的に言えば、やはり米価で、まあこれからあまり米をふやしてもらいたくないと思っているわけでしょう。それですら生産費、所得補償を昨年とったその計算方法でいく政治的考慮はしない。こう大臣が言明した立場から言っても、少なくとも乳価については、私はこの原則だけは認めてもらわなければ、この基本法の十一条というものは疑わしいと思うのですね。
○政府委員(安田善一郎君) きのう私が申し上げましたことは別に直す気はありませんが、農林大臣に実は御報告する機会がございませんでしたので、再度簡単に申し上げますが、価格は、生産流通の条件が現在過去と将来につながっておりますように、その生産様式とか生産形態とか、流通条件とか、その他物価や財政事情その他の結果として出て参るから、価格自身についても過去五年間の平均値をまず中心にしまして、価格変動が従来もあったものでございますから、また今後安定帯価格を、上限の価格を定めて、その幅の中で価格機能も認めて作ろうという内容で国会に法案を提案をいたしておりますから、そこで標準偏差を一シグマとり、二シグマとる場合は、下の方では幾らになるだろう、過去の平均値より幾ら、一シグマ、二シグマとれば、上限値の方も、高い方の値段も一シグマとり、二シグマとるというような、そういうような考えがまず出ます。しかし、畜産を成長部門として、特に成長させなければならぬし、その上に御審議をお願いしておりますような農業基本法案が出され、その農業をそれに持っていこうという態勢のときでございますから、そこでその法案が第一条にありますように、目的に、農業と他産業との所得の均衡をはかるという、その他御承知の通りでありますから全部申し上げませんが、そういうことにあるから、それを考えて乳価も当然きめられることでありましょう。そういうことを申し上げ、あわせまして今追加を申し上げたいのは、それを変える意味ではございませんが、もし私が勝手に、一応よく考えてお答えしたつもりですが、農林大臣と意見が違いますれば、私は修正をいたします。それを農業基本体制も、畜産振興も、経済条件も過去から現在につながり、将来につながっているわけですから、ただいまからどう直すという、どういうふうに直すべきだということもありましょう、そういう御意見もありましょうが、無制限に長期ではなしに、その産業を伸ばし得て、御了解を願えるような年におきましては、その目標を実現していくということも当然でありますので、それらのことを申し上げたつもりであります。以上であります。
○亀田得治君 ちょっと、大臣がお答えになる前に、きのうは割合、その少しややこしいところがありますが、こういうふうになっているんです。生産費をどういうふうに、生産費及び所得を補償する方式で、どの資料でやるかはなお若干の経験とか努力が見ると思いますが、その考え方とか思想においては以上のようにやると思いますし、努めておりますしと、こういうふうな表現になっている。そうすると、非常に基礎資料が不明確だから、どれをとるかということについての検討はまあ要るが、考え方自体はやはり森さんのあれに同意されたようなあれですね、私たちも聞いている。そこで森さんからさらに念を押されて、いろいろ説明されたが、最後に資料が整えば、生産費及び所得の補償を重点に考えるべきだろうという説明があったので、森さんですからこれはなかなか慎重ですよ、だろうというふうに、今後その方向に施策が進められるものと了解してよいかといって、また鶏卵のこと、これは別ですが、よいかとの趣旨の発言があり、これに対する答弁はなかった、こう書いてある。だから大体あなたの腹の中にはそういう考え方があるわけです。私はそれは合理的だと思うのです。そこで農林大臣一つ。
○国務大臣(周東英雄君) お答えします。あなた方は何か生産費及び所得補償方式というと、大へんに鬼の首でもとったような気持でおりますが、私どもはさっきから言うているのは、亀田さんは、先ほどから私が答えている、ほかの人に対する答えを聞いておられぬように思います。私は、これこれの物品について必要なる施策を講じていきます、しかも、その間において必要があれば、生産所得方式というようなことも考えられる、しかし、そのことはやはり今日、前に一ぺんとった所得は補償するという意味で不足払方式をとっておるアメリカ、これについて今現に批判が起こっておる。それだけじゃいかぬということになっておるのですよ。その点はあくまでも生産費そのものは一つの価格安定の対象として考慮に入れて大きな資料になっていくけれども、いつまでも、いつかかってとっていた所得だけは、それを持っていくということになれば、生産費を下げつつ所得を上げるという方向は考えられないことになるでしょう。今後における飼料の自給をはかって、購入飼料をやめさせて、生産費を下げて、所得を補償しろというときに、前からやはり飼料を買っていたときの所得と同じものをとっていこうといういき方をとっていくことは、そういかないのですよ。やはりこれは、国民経済の上に立って生産費を下げつつ所得を大きくしていく、しかも、それによって消費を増加していくということがねらいで、生産所得方式というと、えらい、ものがたくさんもらえるようなことを考えていると、これは農業者に対してかえって不親切、問題は明らかに生産費は償うような格好にならなければならぬけれども、その中に出てくる所得補償というものは、ある時期における所得というものは、常にいかなる変化があろうとも補償するということじゃない。そのことは物価事情その他の他産業における関係というものが介在していくわけですね。だから、それを一律にどうでも生産費及び所得補償方式というものが金科玉条ではないと私は考えておりますけれども、親切に農業者のために生産費は償うものを考えています、それについて所得補償方式というものを考えなければならぬと、私はそう思います。
○亀田得治君 農林大臣がやっぱり誤解がある。私は決してそんな生産費を下げることを否定して、所得の確保だけを言うておるのじゃないのですよ。それはあなたは今生産費を下げて、安い農産物をみんなに喜んで食べてもらう、これは当然ですよ。しかし、農業者の置かれた立場からいって、所得というものを非常に重視していかなければならぬ、そういう立場で申し上げているので、そんな、こっちの所得さえ確保したらよいのだ、そんなことは絶対考えていません。そんなことは、誤解は解いておいてもらいたい。そこで従って、私はどれにもこれにも生産費、所得補償ということを申し上げているわけじゃない。具体的に、お米についてすら確保されておるのに、この現在の乳価はその点では不当ではないか、これは成長作物だ、こういうふうになっておるのだから、なおさらそのことは私は主張していいと思うのです。その点についても農林大臣誤解しておりますよ。まるでわれわれが生産費、所得補償の一つ覚えのようにいっているようなことをいっておりますが、それは誤解ですよ。まあ、この程度で……。
○岡村文四郎君 私は、農林大臣に簡単にお聞きをして、簡単に御返答をもらおうと思っていますから、時間もございませんから一つ……。 農業基本法はよくできておるようでございますが、一つ困ったことには土地の問題が非常に少ない。私は農業、純粋の百姓でございますが、農業というものは土地によって行なう。ところが、二条の二号にちょっと書いてあります。それではまことに残念で、どうしてもう少し土地の問題を入れてくれないかということを考えておりますが、それはそれでいいわけであります。問題は、今までは適地適作の考えできましたが、それでは十分ではございません。それも無視はしませんが、需要の適産でなければ非常に困るということを考えております。そこで現在増産を当分目ざしてもよろしいというものは、ビートと種類のいい大豆と小麦よりないと思っております。でございますから、それをやればいいと思いますが、それには現在のようなやせた土地では非常に困難でございます。これを一刻も早くいい土地にしませんと、なかなか思うようになりません。たとえばビートを作りましても、一回作れば五年もなる、そんなことはございません。二年連作をやって、そして一年置いてまた作る。それは地力の問題です。ですから、その地力を大いに増強さして、そうして十分に作りませんと、今のようではいけないと思うのです。ですから、金肥の方がめんどうではございませんが、地力をつけるには大いに有機物の奨励あるいは堆肥の奨励をしなければならない。ですから、土地を肥沃にするような施策を講じてくれるか、くれないか、それを聞かしてもらえば、それでいいのです。
○国務大臣(周東英雄君) 御質問の点、含みがありますが、おそらく、私が想像するのは現在の肥料の施肥の方法及び施肥の対象ですね。あまりにも金肥を使い過ぎているのではないか。土地を養うために、私は従来からずっと指導しておりまして、堆肥というような有機物肥料、これを相当に考えなければならないといかぬじゃないか、その方向に何か施策を考えなければならないということではないかと思いますが、これはまあ私も同感です。ほんとうに肥料——金肥がどんどんふえておるが、まあ私が昭和二十七、八年ごろですか、例の肥料合理化問題に取り組んだときに、たしか生産が二百万トン前後でしたが、その中に農家に与えられた肥料というのは再三、四十万トン。今日ですと何と四百六十万トンで、そのうち農業に使われるのは二百六、七十万トン。これはまあいいことでしょう、一面においては。今まで使わなかったところに肥料をやる。それは簡単に化学肥料をやるということですから、これがどれだけ土地を荒らしているかわからない。御指摘の通り、もう少し施肥方法というような問題についても、多量にやらなくても、施肥は時期という問題がやっぱり関連があると思う。これは密度の関係、その間に有機質肥料というものが、堆肥というものが土地に入らぬと土地がよくならぬ。昔は堆肥造成の畜舎の経費を補助したことがありますが、だいぶんこのごろは皆様農家の方々は便宜な方法でやって、きたないものにさわらぬ格好になっております。ところが非常に感心させられたことは、全国の四Hクラブの青年、これが土地に堆肥を何十貫かよけい入れたところが、生産が上がった。ことし米の増産でほうびをもらった。これもやっぱり堆肥です。このことは一つの示唆を与えていると思います。よくその点は研究をいたしたいと思います。
○岡村文四郎君 それでお考え願うのは当然でございますが、はっきりと助成をしようという実は御返答をもらいたいのです。奨励金を出そうという……。
○国務大臣(周東英雄君) 従来、堆肥造成畜舎の建設等について補助金をやった例が前にあったのでありますが、こういう点は合わせて一つ新しい法制の上に考えてみたいと思います。これは今度の基本法を作るときに畜産奨励予算の中で取り上げられた中にも、堆肥、有機物肥料というものをうんと作ることによって金肥をどれだけ節約されるのだ、こういう表も示されておったと思います。こういう点は取り入れて考うべきだと思います。
○委員長(藤野繁雄君) 本日はこの程度にいたします。 それでは散会いたします。 午後四時五十五分散会