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38回国会参議院1961/05/18

農林水産委員会 第45号

発言数
245
登壇者
14
会派数
4
開催日
1961/05/18

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  この際、日ソ漁業交渉に関する件についてお諮りいたします。  きのうの委員長及び理事打合会において御協議をいただき、その了承を得まして、便宜私から本件についての決議案を御提案申し上げ、委員各位の御賛成を得たいと存じます。  まず、案文を朗読いたします。  以上が案文でございます。  別に御発言もなければ、本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  なお、本決議に対し、発言を求められております。この際、これを許します。周東農林大臣。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ただいま当委員会におきまして、決議をいただきまして御鞭撻をいただきまして、まことに感謝にたえません。なお一そう御決議の御趣旨に沿いまして努力をいたす覚悟でございます。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) それでは続いて、農業基本法案(閣法第四四号、衆議院送付)、農業基本法案(参第一三号)、農業基本法案(衆第二号、予備審査)以上三案を一括議題として質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 昨日の理事、委員長の打合会で、さらにきょうは第二章、三章も含めて質疑をすることで、非常に範囲が広くなっておりますので、いろいろお尋ねいたしたいこともございますが、時間の関係もありますので、詳細はまた他日、時間をちょうだいいたしたいと思いますが、最初にお尋ねいたしたいことは、農業生産に関する施策の中で、農業技術の高度化ということがうたわれております。最近、選択的拡大というようなこと等にもかんがみまして、高度な果樹園芸、畜産というような方向に生産が指向されてきております。このことは政府の奨励の方針とも相通ずることでありまして非常にけっこうだと思いますが、そのことに関連いたしまして、技術の普及徹底に関しまする技術員が非常に払底をしておるという現実は、政府の御当局でもお認めになっておると思いますが、この農業技術の高度化をはかって参りまするのには、何といたしましてもそういうような技術の指導に関する施策というものが充実をしなければならぬと思います。終戦後、農業改良普及の制度がございまするが、今なおこの現状をもっていたしましては十分ではないと思いまするわけであります。おそらく本法の実施につきまして、そういうような面にもいろいろ考慮をめぐらしていらっしゃるとは存じますが、どんなことをお考えになっていますか、その構想についてこの際承っておきたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) まことにごもっともなお尋ねでございます。私どもは今後における成長農産物の生産拡大ということから見ましても、また農業を近代化する上において、高度の技術をとり入れるということ等からいたしましても、御指摘のようなこの技術各般にわたる技術指導をやり得る技術者というものの必要なことはもちろんでございます。ただ、今年度の予算につきましては、いまだこれに対して十分な措置がとられておるとは思っておりません。がしかし、三十六年度予算中におきましても、試験場等の拡充、また試験、研究の促進ということをやるために、試験場における技術員はわずかながら増員をいたしておりますが、これは将来に向かって、本法が通過の暁、さらに私どもは拡大の方向へ向かって考えをいたしたいと思っております。なお、地方におきまして応急の処置といたしましては、いつかも申し上げたかと思いまするが、現在ありまする御指摘の農業改良普及員というものはたしか一万九百名くらいであったと思いますが、これが技術上におきましては、畜産あるいは果樹等の技術指導にはあまり十分でないのであります。これらの再教育と申しますか、という立場において畜産あるいは果樹について特技の養成ということで、国及び地方府県にありまする試験場にこれを集めて再教育をするということに関する予算も加わっておるのでございます。さらに、農家自体に対しまして同じく国及び地方公共団体の試験場において農業の立場から適当の人を集めて技術のそれぞれ指導、教育をいたすようなことも予算上考えております。これはいずれも大体応急の処置であると考えます。本法通過の暁におきましては、それらについてなお十分に考慮をいたしていきたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 ただいまの問題に関連いたしまして、大臣もしばしば所信をお述べになっておりまするように、本法の完全な実施運営に関連いたしまして、各種の農業団体が全国的に協力するというようにしなければならぬそういう方向に政府としても対処していくということであります。私はそのことはきわめてもっともであり、当然であると思いますが、その際に技術の普及徹底ということと生産物の処理、流通過程における処理ということとは相関連するということを考えるべきではないか。端的に申し上げますると、生産の技術の面において指導をしたそのものが最後の成果をおさめまするには、流通過程を通して上手に処置されるということで終局の目的が達成せられるのですから、その間に連絡のあるような指導が行なわれることが望ましいと思う。といたしますると、流通過程を担当いたしておりまする農業団体といたしましては、農業協同組合が唯一無二の存在であろうと思う。その農業協同組合に高度の技術普及の末端の浸透をはかりまするような職能を持ちまする人を設置するということが、私は最後の目的を達成する手段としては非常にふさわしいというふうに思う。そこで、具体的にお伺いいたしまするのは、農業協同組合等に高度の技術普及の最末端における指導員を設置せしめるというような点について、国が何らかの施策を講ずべきではないかというふうに考えるのでありますが、そういうふうな構想がただいまお話しの中に含まれておるのかどうか。また含まれておらぬとすれば、そういうことを考えるべきではないかという感じを持つのでありますが、御意見はいかがでありますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) この点につきましては、広く新しい法律の実施にあたりまして、それらの事柄を含めて一体この行政機構自体にも改正を加えなければならぬ点が、中央及び地方にあると思う。しこうしてそれの実施にあたりまして、市町村あるいは府県庁、あるいは農業団体にいかにこれから指導していくか、それに対してそれぞれのやり方を検討いたしておりまするので、ただいまお話しのような農業団体に技術員を置いて指導に当らせるということも、御意見として十分に参考にして私どもは研究を進め、考えていきたいと思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 ただいま十分研究して善処するということでございまするが、そのことは実現するように私は期待をいたしまして、そのことは終わっておきたいと思います。  その次に、流通過程の合理化に関しまする第十二条の規定の中に「農業協同組合が出資者等となっている農産物の加工又は農業資材の生産の事業の発達改善等必要な施策を講ずる」ということでありまして、このことはきわめて当然なことでありまするが、そこで一つお伺いいたしたいことは、必ずしも農業協同組合が出資者というような形になりませんでも、同種の仕事が進んでいくという場合があろうと思うのでございます。そういう場合に、農業協同組合がそういうような機能を持つ他の団体に対して融資をするという道を開きますることも、この目的を達成する手段としては、私は考えてしかるべきではないか。現在の農協法におきまして、組合員もしくは準組合員というものに農業生産のため、あるいは生活の向上のために必要な資金を供給ができるということになっておりまするが、もう一歩拡大するということもこの十二条の目的を達成するためにはふさわしい存在であろうと思う。しかし非常に無制限に拡大するということは、農協の本来の性格から申しまして、必ずしも妥当ではないというようなことも思考されますが、何らかの制限規定のもとにそういう道を開くということを考えるべきではないか、こう思う。端的に申しますると、関連産業に対する融資という道を開くべきではないかというように思うのでありますが、大臣の御所見はいかがでございましょうか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) ただいまお話がございました本条の中にございます「協同組合が出資者等となっている」ということで、出資している場合役員を送り込みますとか、あるいはそこで作っている品物を長期的に購入契約をするとか、あるいは農民側の生産したものを、いわゆる共同会社的なものが長期的に原料購入契約を結ぶというような場合には、たとえば、ただいま国会へ提出して御審議を願っている近代化資金なんかにつきましても融通の道を講じよう、こういうことでございます。ただいま考えておりますことは、出資の半分くらいがこういうものであったならば、原料あるいはそこで作ったものなりを長期的な契約を結んで購入しあるいは販売するというようなことがあった場合には、ああいう資金をそういうものに貸し得るような道を開こうじゃないかというようなことを検討して、考えているわけでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今私の申し上げましたのは、大澤さんからお話しのようなことをもう一歩前進しまして、農業団体、農業協同組合が役員を送っているとか、あるいは多少でも出資参加をしているというような事実のございます場合には、ただいまお話しのような措置を御考慮願っていると思いますが、そういうようなことのない場合、しかも、その組織が農産物を高度加工して、農民に利益をもたらしてくれるというような見通しのありまする場合には、そういうような工場の建築資金を出すとか、あるいは組織の運営に要する運転資金を出すとかいうことについて、農業協同組合が取り組んでいけるように農協法を改正するということも、この流通機構の改善なり、あるいは農民の農産物の処理を組織的にやらせる結果として所得を増大をせしめるということにつながってくると思うんです。現在の農協法ではそういうことができませんので、そういうところまで拡大をしていくということを考えるべきではないか。しかし、その場合に無制限にいたしますると、また浮き貸しのような変なことがあってはいけませんから、そういうことについては監督官庁が認可をするとか、承認をするとか、許可をするとか、何らか制限を加えてよいと思います。そういうようなもう少し範囲を広めた協同組合の融資というものを考えてしかるべきではないか、こう思いますが、いかがでしょう。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ごもっともな仰せで、これは現に現在でも、たとえば農林中金から農民のために有利に農産物の加工をしてやるという関連産業に対して融資を行なわせておりますが、ある程度農林省がそれを監督しております。こういうこともございますので、それらの点についてさらに考究をいたし、できるだけ農家の利益になるような形に動く機関に対して融資の道等は今後とも考えていきたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 農林中金が、系統金融機関の先端でそういうような大臣の承認を得て仕事をしていらっしゃいますことは、私も承知いたしております。いたしておりますが、末端の村の農業協同組合とか、あるいは県単位の連合会とかというところでその地域に所存する工場、その他にそういう融資をするということを中金を通じますればできぬわけではありません。しかし、中金を通ずるという格好になりますると、その工場なり、組織との地域のつながりというものが多少薄れていくというような感じがでてくるのです、実際問題としては。ですから、その地域内に所在する工場なりに対してその地域内にある団体から直接に持っていくということの方が、あとの農産物を処理する場合には、金はずっと中金から流れてきても、村から行っても金に変わりはございませんから、同じでございますけれども、その組織の所在する区域内における農協なり、その連合会から結ぼう、こういう姿の方があとの処置には非常に都合のよろしいという結果が生まれることは、これはまあ想像できると思うのです。そういうことを考えるべきではないか。現在の農協法ではその道は閉ざされておると私は思う。そういうことはいかがかと、こう聞いておるのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) ただいま農林大臣からお話がございましたように、中金を通してそういう道があるわけでございますけれども、協同組合本来の仕事といたしまして組合員のいろいろに対して利用をさせるという本旨でございますので、まずそれをやって、しかる後に余裕があった場合に、そういうことをやっていいか、あるいはやり得る余地があるか、あるいはやり得る余地があった場合にやらしてよろしいかという問題になろうかと思いますが、員外利用というようなことから、あるいは組合の健全な運営というようなことから、いろいろの方面から検討をしてみなければならぬ問題が残っているんじゃないか、こういうふうに思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 もちろん私の申し上げておりますように、農協は本来の使命があるのですから、その使命を忘れてそっちの方へ行くということについては、これは論外なんです。ですから私は県なり政府が承認を与えるとか何とかという制限はあってよろしい。その本来の機能に支障を来たさないということであって、しかもその組織に経済的な利益がもたらされるであろうというような見通しがはっきりする場合にはという場合に、中金でやれることを県の連合会なり、単協でいかぬという理屈に私はならぬと思います。現行法ではそれは禁止されておるということですから、そういう道を開くべきではないか。無制限に開けということを主張するものではありません。制限規定があってよろしい。その中でやることを考えることはそうむずかしいことではないし、別に研究するとか何とかということでなしに、私はそれを無制限にやっちまえ、こういうのではないのですから、これは当然考えられてしかるべきだと思いますが、いかがですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 協同組合制度の本旨と反しない方向で検討をいたして参りたい、こう思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 もちろん、私も協同組合の本質を乱ってやって下さい、こういうことを言っておるわけでは毛頭ございませんので、繰り返して申し上げますように、農協本来の使命を逸脱しない、また、使命を達成することに多少でも支障があってはなりませんから、本来の任務というものを十分遂行してそこに余力がある。その余力がある場合に、しかも、組合員にも利益がもたらされ、本法にねらう所得を増大するということに貢献がなし得るという見通しが確実であった場合、それを第三者が、監督官庁が認定した場合に、やらせるということは当然のように思いますので、これは十分一つ御検討を願いまして、しかるべき機会に農協法の改正等お取り運びをいただきまするように御考慮を願いたいと思うのであります。  それから、その次に、第九条に、「農業生産の調整等必要な施策を講ずる」と、これは非常に重要なことであって、非常にむずかしいと思うのです。生産の調整ということは口ではきわめて簡単に言いまするが、実際問題でもかなりこれはむずかしい。現に養蚕の不況のときには桑園の整理ということが行なわれまして、これは一つの生産調整だと思うのです。が、その実際の効果を期待するということは非常にむずかしかった。今後この生産の調整ということを考えなければならぬことではございまするが、実行は非常にむずかしい。今どんなことをどんな方法でやろうとお考えになっているのであるか、御構想がありますればお漏らしをいただきたいと思うのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) おっしゃる通り、生産の調整ということは非常にむずかしい問題だと思います。言います内容は、本法で基本法の考え方といたしまして選択的拡大、こういうことを言っておるわけでありますが、これから需要が大いに伸びるものを伸ばし、減るものを減らしていくというような方向で、ある作物については大いに伸ばす、ある作物については場合によっては減らしていくという、そういうことをスムーズに行なっていくということが、生産の調整ということになろうかと思いますけれども、第二章で言っておりますように、農産物全般について需要なり生産の見通しをするわけです。そういうこと自体が生産調整の一つの目安になるわけでありますが、さらにただいまやっておりますような農業観測というようなことで、まあ半年あるいは一年の短期的ないろいろの見通しを立てております。こういうことも一つの生産調整の方法になります。あるいはまた、現在やっておりますように、青果物につきまして産地あるいは消費市場の情報を相互に交換いたしまして、協同組合が中心になって出荷調整をやっておりますが、さらにこの協同組合が中心になって生産調整まで行なっていくというようなことも、一つの方法かと思います。あるいはまた、先般桑についてやりましたようなことあるいはフランスやイタリアなんかでもブドウの生産調整のために抜き取りの費用を出すというようなことも一つの方法だと思います。あるいはまた、もっと広く考えて、きのう北村委員からもお話がございましたけれども、予示価格というようなこともフランスではやっております。ああいうようなことも一つの方法じゃないかと思います。また、非常におっしゃる通り、困難な問題でございますが、そういうようなことを諸外国もいろいろやっておりますようなことなんかをいろいろ研究しておりますけれども、まあ選択的拡大の方法というものを、これで自主的に生かしていきたいということで、いろいろのことを研究しております。ただいまやっております麦について法案の御審議を願っておりますが、ああした方法も一つの方法だと、こういうふうに考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 ただいまお話しのように、一応長期見通しを立てて、その観測に基づいて将来はこうなっていくであろう、農民が自主的に一つ考えるべきであるということの段階においては、これは問題はないのです。農民が考えて自分の意思によって政府のお話を聞きましてごもっともだと思ってやるということだけで済むのであれば、簡単な問題でございますけれども、それでは国の上需要というものを十分に見通していくあるいは必要な需要の方向に増大をせしめていくということにはそぐわない危険もないとはいえないと思うのです。そういう場合に、ある程度の強制と言っては語弊がございますが、ある程度の拘束力を持つような施策をしなければならぬと思うのです。その具体的な現われがことしの麦の対策だと思うのです。そういうような施策が今後も進められていかなければならぬと思うのです。その場合にその長期見通しの発表のときと、それからそういう施策の行なわれるときと、いずれも農業生産物はその起点が一年前なり二年前なり、果樹のようなものになりますと、十年も十五年も前に出発をしているわけですから、出発をするときには見通した、やれということでやって、その後の経済の変遷でこれはだめだと、こういうことになりますと、非常な問題が起こると思うのです。これは経済の変遷に伴う自然の結果ですから、その責任呼ばりをするということも当たらないかもしれません。しれませんけれども、ある時点においてはこういう見通しだからこういう方向にいくべきである、こういうことが示される。そこで農民としては、その、長期見通しによって政府のおっしゃることなり地方庁のおっしゃることにのっとって仕事を進めていった。その後経済上変わっていってその生産物が必要でない、こういう方向に変わっていった、こうなりますとその生産の出発点が遠く由来しているものについては、これを急に打ち切るわけにいかんという問題が起こると思うのです。そういう場合に一体どういろ措置をされるのか、これが一つ。  それから麦のような場合には、去年のすでに十一月にまいちゃって、その後御研究の結果、その買い入れ制限をするとかいろいろな問題が起きている、やはりこれは時間的には短縮されておりますけれども、結果的に農民に及ぼすあれというものは同じだと思うのです。そういうことでは農民としては非常に迷惑をするということになると思うのです。そういうことについてのしまつをどうお考えになるのか、これも非常にむずかしいことですけれども、これは考えておかんと、やはり農民としてはおっしゃる通りにやっていいのか悪いのかということで、なかなか政府の長期見通しを具現していくということがむずかしくなりはせんか、そのことについての何かのお考えがございますればぜひ承りたい。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 生産見通しなり、需要見通しなりを、五年から十年先のことでございますから、いろいろの材料を使ってやりましても、この程度になるというようなことは、相当幅をもって読まなければならないものだとこう思います。倍増計画で見通しをしておりますのも、あるいはまた基本問題調査会の答申の中で見通しをしておりますのも、そういうことだと思います。そこで見通しが狂ったという意味ですが、そういう幅のあるものでございますから、狂ったという場合のまあどういう狂い方かということが、いろいろ問題がありましょうけれども、そういう幅のあるものだといろ前提から、さらにそいつが狂って、需要見通しをした、その需要に見合った通りの生産が行なわれていったのにえらいことになったというようなことがないとも限らんと思います。そうした場合には、当然私は政治的な責任の問題はあるのであって、必ずそれに対して善後措置をとるということをしていかなければならないと思います。そういう善後措置はどういう善後措置をとるのだというようなことは、きのうもお話がございましたように、六条でいろいろ報告をするわけです。そういうことと相関連して善後措置の施策がとられていく、こういうことになろうかと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その善後措置が経済的に農民にはしわ寄せを及ぼざないようにするのだ、こういうことを言明されれば、農家としては非常に安心をして、全的に政府の施策なり、御方針なりに協力をするということが出てこようと思うのです。ところが、政治的な責任は多少感ずるけれども、経済的なことについてはこれは持ちようがないのだということでは、農業基本法が出発をいたしましても、私は今までの経験に徴しますると、そうすっきりした姿ではいかんのじゃないか、ところが基本法は出発すれば、長期見通しに立ちまして、すっきりした姿でいかなければ困るわけですわね、そうしなければ、日本の高度経済成長にマッチするような発展にはならないのですから、どうしてもやってもらわなければならぬ、やってもらうのには安心をしていける道を開いてやらなければならぬ、安心するということは、ただ単に抽象的な責任を感じますというだけでなしに、経済的にそのしわ寄せを与えませんよと、それは程度の問題もあろうと思うのです。どこまでやるかということになると、経済上のあれで個人々々にはいろいろな問題が起きましょうけれども、抽象的、包括的な表現としては、経済的にも迷惑を及ぼさんように善処をするというようなことを言わんと、くっついてこないと思うのです。その辺が言えるか言えないかという問題だと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ごもっともな仰せでございますが、この点はやはり自主向上の問題について、やはり農業者の方に理解を得て協力をしてもらわなければならぬと思います。一つの見通しは、今後において需要の伸びるものを作らせよう、これは政府が一つ立てます。そうしないと、これは売れぬものを農業者が勝手に作っては損なばかりだろう、これから伸びるものを作るということについて見通しを立てる。だからといって、今度はみなどこもかも一斉に、これはすぐにできるとは思いませんが、やってくると、今度は、ある時期においては、需要よりも供給が多すぎるということも起こる。そこが私どもが一番心配する点で、成長農産物をどういう時期にどういうふうに作らせていくかということの指導が、私は非常に大切だと思います。また、その指導に対して協力をしていただかなければならぬと思う。これは両方の、私はある程度相寄り相助けての将来の伸びる生産物を進めていかなければならぬ。先ほど生産調整ということでございましたが、それは大都会を控えておる青果物のごときは、これはいつもでございますけれども、東京、大阪、名古屋、京都、十大都市といわれますけれども、これは実際上の統計があるのですけれども、活用されていない。これはほんとうにむずかしいことだと思う。私調べておりますのも、その都市に毎年需要がどのくらいあって、年々の増加率は何パーセント、しかもそこへ出荷されている県というものは、どういう県からどのくらい出ているということがわかっているならば、これこそ農業協同組合が将来の需要増を認めつつ縦に横に連絡して、神奈川からどのくらい出そう、あるいは埼玉からどのくらい出そうというようなことを、農協に協力していただくことが必要だと思うのです。これでなくして、カンランがよいということで、大都会の需要が大きく伸びるということで勝手にどんどん作られたのではこれはいかぬ。そこに私は政府は誘導し、また農業者の方は団体を通じて協力をし、生産の自己調整をやるくらいのことが、相寄り相助けでやらなければ、成長生産物を示した、さあみんな作った、さあそのなには政府が責任をとれというのも困る。しかし私はそういう前提のもとに相協力し、相助けて政府が一つの需要の見通しを立てる、それを総合して地域的にどういうふうなあんばいで生産を担当するということをすれば、いわゆる理屈の上からいえば、需要と供給が合ってくるわけですけれども、それはまた全くの理屈だけであって、理論はどうあっても、物が天候に支配されたりいろいろなことが起こって、思ったよりさらにでき過ぎたり、でき過ぎなかったりすることがあります。そういうような場合において極端な損失が与えられるというようなことになれば、今御指摘のような、程度の差はございますが、またものによっては考えなくちゃならぬ、政府も大いに考えていかなければならない点が出てくる。一がいに見通しが違ったから、全部経済的に責任を負うかということは、これはちょっと断定しにくいと思います。しかし、十分なそれに至るまでの処置をつけつつ、なお非常な変動が起きたり、その他の天災といいますか、自然の影響を受ける作物でありますから、計画通り工場生産のようにいきません。それはよけいでき過ぎるということもあろう、そういう場合において、経済の変動とともにやはり損失が出るというときには、政府がどうするかというようなことは、具体的な場合に私は考えていくべきだと考えております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 僕はどこまでも善意に立ってものを考えておるのです。ですから今お話しのように、これをこういう需要が伸びていくからこういう方向にいくのだということを示された、それにむちゃくちゃに乗っかっちゃって、むちゃやって収拾せい、そんなばかなことを言っておるのではない。それに基づきまして、政府でも地方庁でもおおむねの計画と申しまするか、その時点における目標というものは大体立つと思うのです。それを受けまして農業団体等がさらに細目をきめて、所要の数量の生産をする具体的な例なり計画を立てて出発をすると。それでも生きておる経済のことでございまするから、食い違いを生ずる場合がある。  それから果樹あるいは畜産等になりますると、短期の生産ではございませんから、相当長期にわたる生産である。出発するときにきわめて合理的に進んでおりましても、その終点に近づくときには、経済的な変化によって非常な問題が起こる場合がある。善意にやった結果としてそういう不測の損害が起こる場合があると思うのです。そういう場合にはやっぱり政府としてはこたえてやる、その準備があると、これくらいのことは言うべきではないかと思うのです。無計画でやって損が出るということを申し上げておるわけではございません。あくまでも、善意で計画的に協力をしておるというものが、不測の損害をこうむらないということだけは考えていくというぐらいのことをおっしゃってしかるべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) その問題は、ここに補償するかどうかというようなことは別といたしまして、法律全体として、きのう話が出ましたように、それから先ほど申し上げましたように、農業従事者の生活がどうなったかということは、毎年検討ざれるわけです。そういうような事態が起こった場合の農業従事者の生活水準というものが悪くなっておれば、それに対応した施策というものをとらなければならないわけであります。そういう意味で、今の問題は政府が政治的な責任が結果としてはとれる、そして農民の生活の結果としては低くならないような施策が行なわれていく、こういうことになろうかと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 大臣、採決があるそうですから、私はけっこうです。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ただいま局長からお話のございました通りであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今大澤さんのお話抽象的にはわからぬわけではありませんけれども、農民というのはきわめて単純なんですね。単純ですから、母体的に鶏がどうだ、卵がどうだ、乳がどうだということをずばり見ていくのですから、ただあなたのおっしゃるように、農業従事者の全体の生活がどうなるかというようなことで考えていくんだということはわからぬわけじゃありません。ありませんが、農家は今ものをずばりずばり見て、その時点その時点で判断をしていく。そうしてそれの結果が非常にまずかったということになるというと、政府の言っていることはでたらめだということになって、全部基本法の運営に信頼を持てなくなる。私はそれをおそれるのです。ですから、善意をもって具体的に計画を立てて進んだ部分々々についても、やはり政府はめんどう見てやるというぐらいのことは言わなければ、この法律だけ、この法律を起点としてさまざまな実施上の法律が出て参りましても、これは画に書いたもちだという結果になってしまいはせぬか。それでは残念だ、こう思いますので、あとで法律が出てくると思うのです。その出てくる法律には、今ここで論議しておりますようなことが鮮明になるような法律でありたい、こう思うので承っているのです。そう考えるべきじゃないでしょうか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 繰り返して同じことを申し上げることになるかとも思いますけれども、先ほども申し上げたように、見通しの狂いということは、どういう場合に狂ったかということは問題になりましょうが、狂った場合に政治的な責任から諸般の善後措置を講じていかなければならないということになると思います。最終的には、先ほど申し上げた基本法の第一章による措置で、全体的に農家の生活が落ちないように毎年施策を打っていくということになると思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 これはいつまでやっても平行線ですから、その点はあとに譲りますが、そこで具体的に、ことしの麦対策ですね、これは今私の申し上げておるような所論から参りますれば、その需要の減退するものを作らぬで、需要の増大する方向にいきなさいということはよろしいのです。農業者が協力しなければならぬと思う。思うが、現に昨年そういう方針が打ち出される前に作付をしてしまったものなのですからね。それを収穫のまぎわになって変更しろということでありましても、変更のしようがないんですね。そういうような場合には、その実施を一年おくらせてやるとかという親切な措置がなければならぬと思うのです。今年の麦の具体的例としてそういうふうに考えるというのかどうか、その辺どうなのですか。この法律に直接関係ありませんが、今出ている別の法律に関連がある。基本的にこの問題に関連があるのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 必ずしも私からお答えするのが適当ではないかと思いますけれども、すでに昨年の作付前に今後減るであろうということを、あるいは減らした方がいいということの通牒があったわけでございますが、それより前に大麦あるいは裸麦についての需要減退の傾向というものは一般的にいわれておったところでもありますし、あるいはまた農民自体も認識があったわけでありまして、そういうようなことに対して農民にはすでに対応の形があったと思います。そういう対応の形をさらに助長するといいますか、促進して、需要の伸びるような作物の方に持っていく、需要の伸びないものは減らしていくという措置が、今回の麦についての、こういう法律案を御審議願っている趣旨だと思います。そういう意味で、この法律の基本法の考え方と、麦の措置というものは同じ方向で物事を考えている、こういうふうに思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうすると、今の麦対策というものが、農業基本法で考えていることと同じ方向だということになりますると、これは非常に農民として不安な感じを持つと思います。というのは、もちろん大麦、裸麦の需要が減退を示しているということは知っております。知っておればこそ、この統計に出ているように、年々耕作面積というものは減少を来たしている。農民は協力している。おそらく今統計を持ちませんが、三十五年の作付と三十四年の作付と比べて減退をしていると思うのです。がしかしそういう協力をしてきているのに、数字的の結論を出して、これ以上は買わぬとか、買うにしても価格はこうだと、現行法を変えるようなことを、万一こうやられることが、この基本法でも当然なことだという内容を持っているのだということになると、農民としてはこれは非常に不安を持つと思う。そうじゃないのではないですか、もしそうだとすれば、これは重大な問題だと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 先ほど申し上げましたように生産調整と申しますことは、選択的拡大の方向に従って減退すべきものはスムースに減退して、増加すべきものはスムースに増加していくことだと思います。そういう意味で大、裸麦はあまり需要がないということであれば、スムースにこれは生産を減退していくということをとるべきであって、そういう考え方で今回の措置がとられているということは、本法の趣旨とも同じものだ、こういう意味で私申し上げたのでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今お話しになったことと現実に出てきている姿とは違うのではないですか。同じことだとおっしゃるのはおかしい。というのは昨年麦をまきつけたそのときには、現行の食管法という法律があるのです。もちろん農民はそういうものを前提としてやっているのです。今後もこの基本法に準拠していろいろな法律が出てくると思うのですが、その法律が現存している限りは、農民はその法律というものが守られるという約束に立って事を進めていくと思うのです。けれども、全体的に需要の減退をしていくものを、法律などで無理に作るのじゃないでしょう。協力していくという態勢はとりつつも、現存しておる法律というものは守られるのだという前提で理解することは、これは当然だと思うのです。その前提があとでくずれてくる。その結果として農民が、協力しておる農民も経済的に損害をこうむるということになったのでは大へんだと、そういうことが、この法律でも今後指向されるというなら問題だと、こう私は申し上げておるのです。そんなことはないのでしょう。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 国の考え方の選択的拡大の方向、そういうことに沿った動きをされる農業従事者の方が、特に損をするというようなことは、決してないように今後やっていかなければならない、こういうふうに考えます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 それはわかる。そうだとすれば、今まさにここに基本法が制定されんとする、その時限をひとしくして、麦の対策というものがここに出てきておるということはちぐはぐじゃないかと私は思うのです。今、あなたのおっしゃる通りならばいいのですよ。いいのだが、ところが、この時限に、それと違う方向が、今ここにとられんとしておるということは、この基本法に対する信をつなぐゆえんにならないのじゃないか。だから、もう一ぺん、あなたにはここで言ってもいかんけれども、麦対策というものは再考すべきじゃないかということを私は申し上げておるのです。基本法をあなたは主管局長としてやられる限りにおいては、将来において、そういうことを御主張なさらなければ、今ここにできようとする法律が、また信を失うという結果を生むのですから、そういう努力をなされなければいかんと思うのですが、どうですか。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 関連して。今、森委員からの御質問は、非常に重大な問題であって、これは私は、森委員からも最初御理解があったように、大澤審議官の答弁の範囲内じゃないと思うのです。でありますから、森委員の質問は重大であり、また重大であるだけに、後刻、大臣の御出席の際に、一つ政府は答弁すべきであって、私は、根本においては、森委員の思想には全く同調するものであります。いろいろ今大澤さん言われたけれども、経過をたどってみれば、昨年の春までは、農業団体でやったか、政府でやったか、これは一つのもとでしょう。山本富士子さんなんというべっぴんさんを引き合いにして、ポスターに出して、麦を食え麦を食えという宣伝をやったのですが、そのころは麦の需要が減るなんということは考えなかったのですよ。それが突如として、夏から秋にかけて、麦まきの直前になって、減反をはかって、農家としてはしようがなかった。しようがないうちに麦まきになってしまい、それが実って麦の刈り入れの直前になった。こういうときには、この基本法には直接関連はないけれども、関連して、政府は根本的にまだ、最終的にいろいろ再検計すべき余地が残っていると思うのです。また、われわれ与党としても、その点は、全然再考の余地がないとは言えない。この点は、政治的にも考えなければならぬことであって、話は長くなりましたけれども、これは大臣の答弁によって、私ははっきりとしていただく、こういうことが適当じゃないかと思いますので、関連して申し上げます。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私が申し上げておりますことは、基本法の思想の一般的な方向を先ほどから申し上げておりますが、最初に申し上げたように、あるいは麦の問題は私からお話し申し上げるのは不適当かと思いますので、この程度の答弁にさしていただきたいと思います。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 まだ私お尋ねしたいことはありますが、ちょっと大会に呼ばれておりますので、質問はまたあとで、総括的な時間があると思いますので、きょうの質問はこれで打ち切ります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 あらかじめお伺いしておきたいのは、きのう北村君の質問の中で、経済企画庁の農業近代化小委員会の答申に対して、これはあまり尊重しないどころか、これを除外したような考え方で御答弁になったと思いますが、その点どうなんですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 尊重しないというようなことは、私申し上げなかったつもりだと思いますけれども、倍増計画はあのような形で閣議決定をされているものでございますから、構想としていろいろのものの参考にしなければならない、こういうふうに考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それは当然のことでございますが、きのうは確かに北村君そうだったね、関係しないというような御答弁であったので、それではこれをどれくらいの点まで参考として取り上げられているか、企画庁の所得倍増との関係は。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 近代化小委員会の決定と申しますか、議論の結果と申しますか、これは必ずしも閣議決定の内容そのものにはなっておらないと思いますけれども、閣議決定になっております所得倍増計画、これは私ども今後の経済運営にあたって、もちろん農業についてもでありますが、内外のいろいろな実情の変遷にも即応して、弾力的に措置をしていくということで、この倍増計画を考えていきたい、こう思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今の閣議決定になってという経済企画庁の答申なり、閣議決定になっているという資料は配付になっておりますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 経済企画庁から配付されているのじゃないかと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 僕はおそくなって入ってきましたから、もらっておりません。近代化の小委員会の答申だけは、この間もらいましたけれども、至急一つ御手配願います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 資料は手配します。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで、きょうは第二章、第三章をお伺いするのでありますが、二章、三章といいましても、どれをとってみましても、全体が、生産問題としてみましても、価格問題並びに構造問題等が関係していることは言うを待たないのでありまして、従いまして、まず一番先にお伺いしておきたいのは、前に問題を返すようで工合が悪いですけれども、私としてどうしてもお伺いしておきたいと思いますのは、第一章第一条の、「自然的経済的社会的制約による不利を補正し、他産業との生産性の格差が是正されるよう」云々となっているようでありますので、従いまして、農業の「自然的経済的社会的制約による不利」とは何か。これを一つ、この前も言った点ですが、具体的に一つ説明しておいてもらいたいのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) これはかなり詳しくこの前、例をあげて御説明を申し上げたと思うのでありますが、自然的経済的社会的ということで、どれが自然的、どれが経済的、どれが社会的な制約なんだということはなかなか区別しにくいと思います。自然的な制約が即経済的な制約にもなりますし、というようなこともございますので、一体として農業にこういう制約による不利があるのだ、こういうふうに御理解を願いたいと思うのでありますが、申し上げましたように、農業は土地というような自然的なものに結びついた有機生産だということで、自然の変動を非常に受けやすいわけです。ほかの産業よりもはるかに自然の影響を受けることが大きい。自然変動で収穫量が大きく変動するし、あるいはまた種をまいてから、あるいはまた木を植えてから実るまでの生産期間が非常に長いというようなこともございますし、生産の短期的な調整ということはなかなかむずかしい。あるいはまた土地を対象としておりますために、機械力の利用がほかの産業のようになかなかできにくいというようなこともございます。そのためにほかの産業に比べて、今問題になっておりますように、生産性が低いというようなことがあるわけです。とういう生産側の条件にいたしましてもいろんなことがあるわけですが、さらに需要の側について見ましても、農産物の需要は所得の増加に応じてなかなかふえない。価格も多少下がっても需要はそれほど増加しないというような性質のものです。あるいはまた、農業において生産者が零細多数だというようなことは、先ほど申し上げた自然変動の影響を非常に受けやすいということ、あるいはまた今の所得、需要弾力性が低い、小さいということと相待って価格変動というようなことの幅を大きくするというようなことがあるわけです。あるいはまた交易条件を不利にするというようなことがあるわけです。その他雇用条件の面につきましても、社会的な流動性が少ないというようなこともありますし、あるいはまた、社会環境というようなことについても、交通、衛生、文化というようなこと、あるいは教育だとか社会保障というような面についても、農村の方が立ちおくれがあるというようないろんなことがあるわけです。ころいうような制約が農業に不利をもたらしている、こういう意味でこの言葉を使っているわけです。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そこでお伺いしますが、まず、生産性を、この八条に言われる見通しを立てて需給のバランスに合った生産を行なっていくとしましても、まず私は自然制約的なこの三つの条件の不利を一体どの程度まで是正し補っていかれるか、こういう考え方が一つお伺いしておきたいと思うのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 他産業とつり合いがとれた農業の発展をさせようというような場合には、同じようなスタート・ラインに農業も置かなければいかんというようなことだと、こう思うのでありますが、抽象的に申せば。そういう意味で、今言ったようないろんな制約による不利があるのをここで言っていますように補正するということでございますが、どの程度まで補正というのは、なかなか具体的にこうということまでは申し上げかねるのでありますが、たとえば今申し上げたような価格条件について、価格についていろんなこういう制約からして農産物価格というのはほっておけば変動が激しいということがあるわけです。そういうことに対して価格安定施策をやらなきゃいかぬ、あるいはまた土地条件なんかについてもいわゆる水も含んで災害から守るとか、あるいは地産力が高くできるようにうまく農業に使えるように土地条件の整備もしなきゃなりませんでしょうし、あるいはこういうような制約から金融がつきにくいということであれば、利子補給の道も開くとか、特殊の金融制度を設けるとかいうようなととが、政策として不利を補正するということになろうかと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それはあなたが言われるように利子補給もあれもこれもとこう言われるのですけれども、もともと根本が自然的な制約を受けているのだ。そうしてみまするならば、一つのあなた方がここに第八条で言われるような需給の見通しを立てて、そうして、それを発表していかれる場合でも、それに対する一つの裏づけとしていろいろの今の制約条件が出てくるでしょう。その制約条件に対してどれほどまでの、やはり今度は第九条にありますわね、九条の問題の際にこれをなさろうとするのですか、それまでのものをやはりつけて出されるのかどうか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 御質問の御趣旨をあるいは私取り違えているかとも思いますけれども、今申しましたように価格政策ですとか、あるいは生産政策ですとか、あるいは金融の制度とかいうようなことに、この制約を補正するという施策が現われるわけですけれども、生産の見通しというようなものをやる場合には、そういう政策的な意図を織り込んで見通しがされるということになろうかと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、いま一つさかのぼって聞きますがね、昨日の第六条、七条の問題に対しまして北村君がもっとこの点はこういうものをこういうふうにしてというように、もっと明確に法文上書くべきである。こういうことについてとうとうそれはここに明記するということは言われないでしまったのですね。それでその報告書として、報告の内容はこういうものをするのだという、こういう資料を今ちょうだいしております。これを見ましても、結局経過的な今までの農林白書であるとか、あるいは農地白書であるとかなんとかという白書と大して変わりがないのですね。これはこういうふうにわれわれは受け取っておりますが、これじゃ私は問題にならないと思うのです。そこで問題になるのは、その前提として第八条が私は生きてくると思うのです。第八条の「政府は、重要な農産物につき、需要及び生産」生産は私は供給を意味したものだと思いますが、これの見通しについて、必要に応じ、主要な地域について立てるものとすると、「政府は、需給事情その他の経済事情の変動により必要があるときは、」これは変えなければならない。これはあたりまえのことだと思うのです。だからその見通しをつけることについては、第九条で内容的なものがまた書いてある。また選択的拡大を中心にして「農業の生産性の向上及び農業総生産の増大を図るため、前条第一項の長期見通しを参酌して、農業生産の基盤の整備及び開発、農業技術の高度化、資本装備の増大、農業生産の調整等必要な施策を講ずるものとする。」これはこの八条の見通しに第九条のものが裏づけとして一緒に出てくるのですか、どうですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 第九条に書いてありますように、農業生産に関する施策のあり方は、第八条の「需要及び生産の長期見通し」これを参酌してこれこれの施策を講ずるのだと、こういうことでありまして、長期見通しがこういう施策をする場合のいわば道しるべになるということでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 あの最後の方がちょっとわかりませんでしたが、どういうふうになるのですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 具体的に申し上げますと、農業生産の選択的な拡大をやるというような場合とか、農業生産性の向上をはかる、あるいは農業総生産の増大をはかるというために、いろいろの農業生産に関する施策をやるのにあたっては、第八条でいっております生産あるいは需要の長期見通し、これを道しるべとしていろいろの施策を行なっていく、こういうことでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 だから、私のお伺いしておるやつは、第八条を公表せられるときには、その裏づけとして第九条を同時に出されるのかどうか、こういうことなんです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 第八条の長期見通しに基づいていろいろな施策が行なわれていく、こういうことでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 同じあれを言われておるのですがね、ただ第八条の見通しというものを出されたことについて、これだけの施策を、それにマッチしたものですね、それをつけて出されるのかどうか、こういうのです。私は一番重大なものは、ここにあります資本の装備という問題であろうと思います。これだけの長期見通しを立っておるのだから、需給を。しかも選択拡大というような非常なめんどうな問題を中心にして需給のプランを立てられる。これに対してはいろいろつけ加えて構造の問題もありましょうし、あるいは価格の問題も出てきましょうしすることによって、ここに書いてある通りだ、基盤の整備も要りますし、いろいろなものが要るから、こういうものを全部それにつけて出されるのかどうか、こういうのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 第八条での長期見通しは、長期見通しそれだけが公表されるわけです。そこで、第九条では、そういうものに基づいての施策のあり方をいっておるわけですけれども、具体的な施策はどういうものをやるのだということは、年々第七条で翌年度にどういう施策をやるかということを明らかにした文書を出すわけです。それと、その第七条の文書の中に単にこの第九条の農業生産に関する施策に限らずその他のものも含めて提出される、こういうことになると思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 どうもそこのところは僕は非常に疑問、問題点がそとにあると思うのですがね。今までの政府の法律などを見ましても、どうもそこのところがはっきりと出ていないのだ、はっきりとして出したものでもうまくいっていないのだ。ただ見通しはこうなんだと、この見通しについていろいろな施策をやるのだ、これだけじゃ問題にならぬと思うのです。それは紙の上で書いたものはどうでもできるかもしれぬけれども、そのレベルに従って農民はやっていかなければならぬ。今も問題になった麦の問題と同じです。こういうことでこうなっておるからこうだといって作っても、すぐ変えられる、それはいろいろの経済事情が変わってきたから変えられる、これじゃ問題にならないのです。だから、今この農業基本法を取り巻いての一般の考え方は、一体こういう基本法ができても、これが今まで通りただ紙に書いた法律だけで終わるのじゃないかというのが心配なんです。私はそれが一番大事じゃないかと思うのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 紙に書いた法律に終わるというようなことは、断じてないわけでございます。第七条で施策を明らかにすることは、第四条にいっておりますように、こういう施策については必要な法制上、予算上の措置をとらなければならないのだというふうに政府に義務づけておるわけです。農業の動向等から判定して、こういう施策をとらなければならぬということになれば、それに対しての法制上、予算上の裏づけをしていかなければならないというそういう法律でございますから、清潔先生が御心配されるようなことは決してないわけです。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 畜産局長見えておられたね。あなたでわかるかもしれないですがね、酪農振興法という法律が出ましたね、その際集約酪農地帯というものが五つばかり、五カ所か七カ所決定せられておる、今どうなっておりますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 畜産局が来るまで、ちょっと答弁を保留さしていただきます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それでは畜産局長と農地局長を午後から呼んでもらいたい。  それじゃあなたのわかる問題でいきます。三十二年に養蚕の問題が、値下がりして大騒ぎした。私どもは第二次の臨時措置法が出て夏秋蚕の取り扱いについてのとき、どうしてもこれは繭の価格に対しては夏秋蚕にもこれを適用すべきようにしてもらいたい、こういうことを言ったが、何とかそれは方法つけるのだと、こういうふうな話でしたが、最後にどうなりましたか。最後、繭の価格は幾らになりましたか。十二月の二十九日の価格は幾らになりましたか。これはあなたが一番よくわかる。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 三十三年だったと思いますが、十二月の末に価格安定審議会を開きまして、糸の最低価格を改定いたしまして、十四万円という値段にしたと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 繭は幾らになりました。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 繭は一貫当たり千円、ちょっと端数がついていたと思いますが、千円程度です。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうでしょう。そうなるのですよ。私はここで今見通しをつけて、それについて裏づけとしてやはり数量というものをもっとはっきりとした形であらかじめ出しておかなければ、しくじったとき、さっきも森さんの質問に対して、そのときは見通しが狂ったのだ、狂うこともあるのだ、狂った場合には利子補給とか何とかいろいろなことを考えるとこう言われるが、これは口で言われるし、こちらも狂ったのは仕方ないじゃないか、それは自然の条件で狂ったのだ、経済の変動で狂ったのだからいろいろ理屈はつけられる、そのときにですね、農民は一体どうなったんです。千円の繭だ、ちゃんと法律で幾らというものがきまっているのだ、また別の建前でもって価格審議会できめればそれに従がわなければならない。千円できまって繭を売って、一月のもう初生糸の取引かは十六万円に上がっているでしょう。ばかをみたのはほとんど農民だけだと、こういうことのないようにはっきりしなけりゃ問題にならないというのです。われわれがきのうからかけてもっと法律の内容をはっきりしなけりゃいけない、そうしなかったら、あなた方自身がどう考えてみても仕方ないじゃないかと思うのだ。大臣がきたらまた聞きますが、あなたじゃちょっと無理だと思うのだ。だから私はこれでもう質問やめます。大臣来るまではやりません。大澤君を幾ら責めたってしょうがないのだから。こういうばく然としたものを出しておいて、それで農民に量産しろ、いや減産しろと、減産でしょう、場合によれば。撰択拡大ということは減産でなくてだめになってしまうということもあるのだから、こういうものを押しつけていって、押しつけてでない、誘導していって、したあとはいろいろな経済的社会的自然的な制約があってこれはやむを得ないのだ、農業の特殊性なんだ。しかもそれはそういうことがあるのだから、あらかじめこれは不利の場合は補正し、これを一つしっかり直していくのだと、こういう総則にも一条にも書いておって、これがただできたあとを補給するのであるとか、いや何とか別の考え方をするのだとか、これじゃ問題にならないと思うのです。もっとはっきりした私は打ち出し方がこの法案の中にどうしても入り用だと思うのだ。それはどうなんですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 過去の繭あるいは生糸の問題につきましては、いろいろの見方があろうかと思いますけれども、御批判があるとすれば、そういうような御批判がないようにしようというやり方をしようというのがこの基本法の考え方だと思います。需要あるいは生産の見通しを立てて、そういうことを道しるべにしながら、今後の生産対策もやり、価格対策もやっていくということで誤りのないようにやっていこうということが、この基本法の中に全体として流れる思想でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 思想じゃ問題にならないというのですよ、思想では。もっと具体的にそれを表わさんかったらやっていかれないじゃないかと、こういうことを私は言うているのだ。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 生産見通し、需要見通し、具体的に現われるわけでございます。それから第六条で、農業の動向を報告するわけであります。それに基づいて具体的な施策が現われるわけです。その具体的な施策については法制上、予算上の措置をとるわけであります。そういうことでこの法律は具体的に運営をされていくのであって、単に思想だけではございません。これからそういうふうに具体的な施策が生まれてくるわけです。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 具体的なものをそれじゃ一緒に出せばいいのですよ。これを承認すればあとから具体的なものが出ると、それが変わった場合にはどうなるのです。変らないと言われますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) それは計画を立てて、そこへ是が非でも持っていこうというようなやり方ではないのであって、見通しを立てて、それを参酌しながら農業を取り巻く諸条件の変化、あるいは農業内部の変化、そういうものに対応しながら個々具体的に施策を進めようということ、そういうことが六条なり、七条なりに現われておるわけでありまして、そういうやり方でやっていくと、こういうことでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それはあなたそういうことを言われるけれども、今この基本法が考えておるような答申の内容等を見ますれば、これは私は今の自由放任の自由主義の形ではだめなんじゃないかと思うのだ。ある程度まで社会主義的な要素をうんと盛り込んだものでなければ、これはできやしないと思うのですよ。従いましてあなた方が意図してこれに向けようと思っても、なかなかうまくいかない条項がたくさん出てくると思う。その具体的な例として、この基本法に関連して農業市場の、中央市場だ、市場法の改正という問題がある。それがもう二カ月余もごたごたしている、たった一点でもってごたごたしているでしょう、まだ私は市場法の内容も見ませんが、ごたごただけは聞いております。そうしてしまいに市場卸人側の言う通り訂正せられたという、それを直して出てきておる。これは自信のない話じゃないか、それが現実なんだ。そういうものを押えて少なくとも正しい方向に持っていこうとするには、もっと具体的なものを書かなきゃならぬと思うのだ。法律で縛って、縛っても変わることはあるのだから、ちゃんと法律があっても別なものができ上がってしまうのだから、よほどしっかりしたものが出なかったら、私は非常に危険性があるのじゃないか、まずそういう点をお伺いしたいと思うのです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) この基本法の根底をなす考え方といたしましては、計画経済的に物事を進めていく、コントロールして計画を立てて、そこに持っていくのだというような考え方ではなくて、自由主義的な考え方から見通しを立てて、それを道しるべにしていろいろ物事を進める。ですから是が非でも見通しを立てたら、そこに持っていくのだというようなコントロールをするということではなくて、見通しでありますから、いろいろ見通しの中に織り込んだ条件というのは、そっくりそのままいくということは必ずしもないわけです。ですからこそ、そのときどきの条件の変化に応じて適切な具体的な施策を、手を打っていくということ、その具体的な施策のとり方、あるいは農業の向かうべき方向、そこに持っていく具体的の施策のあり方というものは、こういうことなんだというふうなことを示したのが農業基本法でございます。そういうふうにお考え願いたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今のその市場問題を一つ取り上げましても、価格の問題が最後ではやはりポイントだと思うのです。生産の向上といい、機構の改革といい、価格の問題に全部結びついてくると思うのです。今の農産物の価格というものの一番の欠陥は、自分の物を自分できめられないということです。きめられますか。きめられないのだ。人によってきめてもらっておるのだ。これが農産品の私は一番の弱点だと思うのです。そういう場合に市場のあり方、中間マージンの制約、これが重大問題になると思う。先日も乳価の問題で私は明治乳業の植垣さんといろいろ話した。乳価を上げるだけでは問題にならない、消費にマッチした価格をきめるには、もっと生産乳価を下げられるようにしなければならない。それでなければ全般の者が、まだ日本の労働者の経済的な基礎のもとでは十分な牛乳を飲むわけにはいかない、こういう話をしたところが、どう言われたか。「いや清澤さん、そんなに乳価を下げないでいいのです。もっと上げてもいいのです。中間マージンがこれぐらい幅があるのですから、これをつぼめれば、そういう無理なことを考えないでもいいですよ。」と、乳業の大家が言うておられる。それを自然の趨勢にまかせると言っても、今自然の趨勢はどうなっているのですか。農民の方は乳価を上げろ上げろ。乳業者の方でも上げろ。たまたま作ります酪農振興法は、これは酪農振興法ではない、乳業振興法だというようなものを作っている。こういうものが裏づけとして出てきて、これで基本法を作りましたから、農業の振興ができます、生産向上ができます、いろいろのアン・バランスを直して選択拡大が均衡さしていけますと、一体言えますか。自信がありますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 流通の合理化、あるいは市場の問題というようなことにつきましても、合理化をしていかなければならないということが、この法律に述べられておりますけれども、そういう考え方で私ども物事を進めていきたい、こう思っております。具体的な問題については畜産局長から……。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 この問題は大臣にお伺いすることにします。  畜産局長、酪農振興法で集約酪農地帯を作ったと思うのです。初めわれわれが了解しておりましたのは、五カ所か七カ所、ごく非常に小部分が非常にむずかしい規格をつけて作られたと思う。大体五カ年計画であったと思う。それが今は集約酪農地帯というものは何カ所になっているか。許可された場所は何カ所になっているか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) ただいま八十二カ所でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それは一体八十二カ所というのは、どういうわけですか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 法律施工後、地域を指定したのが八十二カ所であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その結果はどうなっておりますか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 日本の乳牛頭数の約四割五分弱がそこにおります。そのほかがその残りになります。そうしてその地域の性格は、十二地域が市乳地域としての集約酪農地域でありまして、その残りが原料乳地帯ともいうべきところであります。原料乳地帯は、山手の方に寄りましたり、あるいは北海道、東北、九州等に多くあるわけであります。原料乳地帯の方の集約酪農地域を考えたのが、最初の立法のようでございましたけれども、酪農振興の地方の要望とか、その他の条件で、市乳地帯を認めるように中ごろなった沿革があるようであります。原料乳地帯は、その地域内の牛乳についての中心工場制度を持っております。この中心工場の規模と乳牛飼育頭数、あるいはその後の増加頭数、さらには生産規模を強化するような措置改良、自給飼料等の、あるいは集乳組織等の措置をとりまして、大体この集乳石数は百五十石数というのが大体の適正規模じゃないかというので、そこいらあたりを目標に乳牛飼育、牛乳生産、牛乳の集乳、牛乳の処理をその地域でできるように考えたものであります。まあその目標の範囲に関しては、法律施行後約半分以上が目標に到達いたしており、市乳地域につきましては、これは地域内に牛乳の集荷施設を伴うことが原則でございますが、域外に搬出いたしまして消費地へ持ってくる、かえますと、乳製品の中心工場を地域内に必ずしも置かせるということがない、そういう性格の差がある。以上が概略でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それは総体的からいえば、乳業というものは総体的に発達している。これはあなたが言われないでも、何も集約酪農地帯で世話しようとしまいと私は相当いっていると思う。問題は集約酪農地帯を作って、そこで五千頭のジャージーを飼っている、これは実行できているのですか、私はそういうふうに了解しておりますが。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) ただいまは集約酪農地域を中心にいたしまして、その地域はジャージーを導入する地帯より広いのでありますが、言いかえますと、ジャージー導入予定地域は、集約酪農地域の中の一地区だということになっております。全国に十二都道府県にわたりました地域があります。昭和二十八年から一万三千頭を導入しまして、ただいまの飼育頭数は二万五千頭おります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私の言うているのは、一番先に計画した五カ所でありますか七カ所の場所だけでもちゃんと五千頭入って、いつ行ってみてもなるほどという形ができているかどうかということです。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 頭数においては目標を突破いたしておりますけれども、ジャージーは草地といいますか、自給飼料中心に飼うのが最も適している。それでこそホルスタインに匹敵し得るわけでありますが、かなりのところにいっておりますが、その点については目標にまだちょっと差があると、こういう状況でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そういう目標に差がある。八十何カ所も指定されているというと、その中でほとんど問題になっていないところもあるでしょう。全部うまくいっていますか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 八十二地域のうちで、大体飼育頭数とおおむねの飼料自給度を目標にして、飼育振興上も、目標以上に動き出したというところは一カ所で、その地域指定に伴う酪農振興計画の当初のものを一応完了したと思うので、その後の施策を打ち切ったところが一カ所ある、こういう状況でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 大津さんにお伺いしますが、今言われた通り、初めは五カ所というものを完成するんだ、これを完成しないうちに八十何カ所もある、おそらくは八十何カ所全部回ってみましたならば、今の畜産局長が言われるようなうまい形になっていないと思うんだ。最近の乳牛を飼う酪農というものの振興熱というものは、おのずから農民の中に起きている。それがたまたま回ってきただけの話で、よほどはっきりした計画をしなければ問題にならない。ところによりますと、せっかくの乳牛地帯が全部崩壊しているところもたくさんあります、私の知っているところでは。それは一昨々年かの価格の下落について、今またちっと上がってきているようですけれども、あのときの問題でも大騒ぎしていた。そういう点がなくしなければ、私は基本法というものは成立しないと、こういうのです。ないと言われますか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) ちょっと、先ほどうっかり言いましたが、八十二と言いましたが、四十二でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それじゃ、もち時間ですから私はやめますが、いま一つ聞きますが、昨年までだか、去年の暮れまでですか、豚肉が非常に高かった。輸入とか、現地輸入もしなければならぬとか言って騒いでおった。今豚肉はどういう傾向になっておりますか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) ちょうど御指摘の時期は、その前の冬の終わりから春にかけまして、需要に伴わない供給もあったように思いますが、価格が終戦後まれに見るほど下がったことがありまして、生産の減退がありましたり、繁殖牝豚という増産のもとのものの屠殺まであった状況でありますが、その後需要は増大し、価格が上昇しまして、豚の飼育頭数も当時に比べて四割以上来たしております。価格の下落のあとにはその供給の減に伴った出回りの減もございまして、終戦後一番値段の高いところ、都市の卸売価格で言いますれば、四百何十円というのが実現したことがあります。ただいまそれに比較しましては、キロ当たりで大都市の価格二百八十円前後でありまして、ほぼ適正な価格じゃないか。安定的な、ちょっと高目な価格だと思いますが、それで推移しております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 少なくともことしの秋には百五十円になると言っているのですが、それはどうですか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 大消費地の卸の価格をおっしゃっていると思いますが、私はならないと思います。大消費地の価格では、過去五年の価格の平均をとりまして、その中心値をとりますと二百六十円前後でございます、これは消費地卸売価格一キログラム当たりでございます。標準偏差を一シグマとしますと、これが下値としてキロ当たり二百四十円、二シグマとしますと、下値としてキロ当たり二百十五円になることが考えられます。現在、養豚も豚肉生産もどんどん増加しておりますが、あわせまして供給を上回る需要の強さとか、わが国の肉類総体の供給と需要の状況からもちまして、キロ百五十円とかいうような暴落価格は実現しないと思いますし、また、この国会で主要な畜産物の価格の安定法案を提出して御審議を待っておりますが、その価格では清澤先生おっしゃるような、都市における卸売の価格の一キロ百五十円などという安いものでなしに、もっと高いところを最低支持価格で出しまして、畜産振興事業団をもちまして、それらの価格の場合は豚肉を買い入れるということを予定いたしております法律案を御可決下さいまして、事業団の事業が行なわれるようになりますれば、そういうようなことはないと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ところがあなたの新聞、あなたの新聞じゃない、政府機関の傍系機関ですか、そういう新聞でそういうようなことを書いてあるんだ。そして盛んに今言われるような畜産物の価格安定法によって方々で豚肉センターを作って、そこで何とか一つ操作していこう、こういう形が出ている。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 先生がおっしゃいました百五十円というのは、私根拠とされた記事を見ませんが、二百五十円のお読み間違いじゃないかと思いますが。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 いわば百五十円が二百五十円でもいいんですよ、それは。価格が問題なんです。私の言おうとしていることは、この間までは非常に下がったために、一応生産が減退してべらぼうな値上がりをしてきた。その値上がりについて、どっとまた変わったために、これが価格が二百五十円でもいいし、百五十円でもいいのです。あとで新聞見せてあげてもいいのですが、そういう価格の値上がりを見る、これが問題になるのじゃないかというのです。そしてこれが、かりにあなたの言われるような、畜産価格の事業団とか、そういうものを作って一応価格を安定すると言われるが、それが農民のところに農民が考えているだけの価格でそれがいくだろうかどうかということなんです。初めの予定と実際とはずっと違っているじゃないか、違うじゃないかと思うのです。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 自由放任主義にいたしておきますと、豚のように回転率の早い生産では、また日本のような小頭数飼育が多いようなところで、濃厚飼料を購入してやっている飼育が原則であるというようなところでは、御指摘のような価格変動がひどい。その価格にマッチしない時期においての頭数増減、生産の増減がひどいように思いますが、最近行政措置でとっておりますこととか、また今回この国会に、制度及びこれに必要な法律案を提案いたしておりまする政府の考えに基づく措置が行なわれますれば、一応農家が期待いたしまする上値と下値の間で、いわば安定帯価格の間で価格が安定するように考えておりまするし、また、そのように努力をいたしておるつもりであります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 関連。今答弁において抽象的にはよくわかるのでありますが、清潔さんは百五十円でも二百五十円でもどっちでもええとおっしゃったけれども、いたずらに高きを欲するんではないということであったと思うのです。が、私は現時点において百五十円も二百五十円でもええ、どっちもええということではないので、やはり安定帯の下限は生産費に見合う価格が策定されなきゃならぬ、こう思うのです。で、今お話を聞いておりますると、過去における流通過程の中における平均価格が何か二重価格、均衡価格というような方のことが、においに出ていると思うのですが、その辺の感覚どうかということが一つと、それから今度の事業団には鶏卵等が入っておりませんが、将来大臣は考慮するとおっしゃいましたが、担当局では御研究が進んでおりますかどうか、その辺を一つ関連として伺っておきたい。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 第一点でございますが、畜産物の価格を法律及びそれの運用をもちまして、またそれができます前までは行政措置等をもちまして、価格安定を期待をいたす努力をするということを努めておりますが、その施策の対象といたしまする価格が、第一は形成の仕方といたしまして、政府が関与する価格の形成の仕方といたしまして、消費者価格のあるいは消費地の価格の方から農家の価格を考えるものか、農家の生産の方から価格を考えるものかということには問題があると思いますけれども、しかし畜産物は、特に主要畜産物は政府が価格の安定をはかろうといたしますものは、現在及び将来農業の成長部門としてこれを取り扱うものである、農民もまたそれをきっと期待しておると思う。選択的拡大もしようとして生産に対処しようとしておるので、国の現状から申しましても、その需給関係は国産だけでは不足するような需給状況にあるわけでございます。そういう条件のもとにおき律して、本来畜産物、特に日本の畜産経営におきましては、生産を取り巻く条件は生産条件、交易条件その他からとかく不利を、だんだんとお話がありましたように本質的に持っておる部分もございますので、これを補正いたしますために価格制度も考えなくちゃいかぬと、その価格制度の目標は、また農業所得と他の産業従事者との間の所得格差を逐次縮めていく、将来は均衡を持たしめていくという建前でございますから、そこで畜産によりまする生産者の所得をやはり中心に考えまして、そして日本の国民経済上必要なこと、過去の価格のつながりがあることも考えまして、過去の価格の沿革とか、現状の生産形態や需給状態等を、あるいは物価事情等、財政事情等を考えてきめるということに一応なるんじゃないかと思うのであります。その趣旨におきまして、畜産物の価格等に関しまする法律案を立案をいたしまして御提案申し上げておるわけでございます。いきなり、まだ必ずしも十分に整備されておらない、資料が整わない場合の生産費調査とか、これが生産費だと世上しっかりした資料もなしに主張をされる生産費を、どういうふうに生産費または所得を補償する方式で、どの資料でやるかは、なお若干の経験とか努力が要ると思いますが、その考え方とか、思想においては以上のようにやろうと思いますし、努めてもおりますし、法案もそういうようにしておるつもりでございます。  第二の鶏卵でございますが、私がお聞きしております限りにおいては、農林大臣は直ちに法律制度上の対象物資にするとお答えはしなかったように思いますが、これに対しまして需給を調整し、価格を安定する。価格が季節的及び年次別な変動を少なくする生産所得あるいは生産費、物価事情、経済事情に適応して養鶏を伸ばしていく、そういうことについては措置を研究中でございますが、前にこの本委員会で御指摘にもなりましたときに、論議がありましたように、肉の冷蔵枝肉を保管調整いたしますとか、政府機関で買い上げて保管いたしまするとか、市場から引き揚げる意味でございますが、そういう方法が必ずしも取りにくい性質もありまして、乳製品ですとか、冷蔵枝肉でありますような措置が同時に取りにくいので、すぐ案が出ません。研究しましたら流通調整、保管、輸出振興あるいは加工工業にもっと奨励して回す。学校給食などのようなその他の特別市場の方に供給をする。そういうことを考えております。ただいまのその状況を申し上げますと、供給増のきらいがありまして、価格はいささか低いのでございますが、冷蔵倉庫については、余裕がある限り十分に入っておるほどの貯蔵もしておる使用状況でございますので、早急に今後検討いたしたいと思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 非常にむずかしい問題ですから、ここで結論を出していただきたいと思いませんけれども、畜産物価格の安定について非常に回りくどくぐりぐりと説明されたので、どっちが重点になっておるのか理解に苦しむわけです。一番おしまいに、資料が整えば生産費及び所得を補償するようなことを重点的に考えていくべきであろうというように御説明になったと思いますので、そういう方向が畜産物の価格安定施策の具体的なものとして将来進められていく、こういうように私は理解いたしまするし、そういう方針であろうと思うのですが、そう了解していいかどうか。  それから鶏卵については、お話のように枝肉と違って非常に私はむずかしいと思うのです。そう簡単に申しませんが、冷蔵性のあるというものじゃないと思う。ですから大臣は直ちにやるとおっしゃいませんが、大切なことだからそういうような実の上がるようなことを一つ研究いたしましょうというお約束がございますが、そのお約束は一つ履行していただくように十分御研究を願いたいという希望を申し上げておきます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 畜産局長の今のお話をお伺いしていると、ちょっと私は腑に落ちないことがある。と申しますのは、農民は買うとき、これから先はあなた方の博学多識な施策によって御誘導を願わなければならないが、これは私も必要だと思うのです。今の場合、かりに豚肉が四百数十円になった。これを基本として農民は買っている。だから子を一つ買いますにも、最後は九千何百円まで上がったんじゃないですか、一万円近くまでいったんじゃないですか。こういう高いものを買って、飼料がどうなろうとこうなろうというそんなことを考えないで、そうして飛びついてどっと買ってしまった。飼料不足で大騒ぎです、今度は。値段は下がる。そういう状態だから、一つ過去五カ年の市場価格等を勘案して、基準価格というのですか、こういうものにして、事業団で何とかしてこれを買い上げてやるのだ、これじゃ私は問題にならんと思うのです。そういうことのないようにするのが、私は基本法の中心じゃないかと思うのです。少なくともこの「選択的拡大」という中には、適地適作という、地域的な格差というものをやはり直していかなければならん。どこもここものべつに飼うということじゃないと思うのです。そうしてみまするならば、この第八条の需給の見通しをつけて、そうして生産を高めていく、しかもその高め方も、ただ増産するというだけじゃ問題にならないと思うのです。所得格差をなくするためには、やはり生産性の向上というものが中心になっていろいろ考えられなければならん。それがためには構造の改善も考えられなければならん、こうしたものがそろって出て、そうして生産をしていくことに一つの安定感を与えるには、私はあらかじめそれを明示して出てこなければ問題にならない。そういうふうにして出てきましても、自然制約による不利があるのであるから、これに対する補償制度くらいは考えておく、価格の保障くらいのものは考えておかなければならないのじゃないか。病気で豚がみんな死ぬかもしれないし、あるいはほかの方のものが、かりに牛肉と、畜肉と対比するものは私は魚肉だと思うのです。これが生産が非常に減ってきたなんというような問題が出て参りますと、自然的に私はこちらの方が上がると思う。また大きな市場価格の変動は、嗜好という問題が私は非常に強いと思う。ただ理屈だけで肉を食っているのじゃない。肉があきたら今度は魚にしよう。魚があきたら今度は野菜にしようということも、相当総括的に考えられる要素を持っている。そういうものの変動に対して一つの安定感を与える施策というものは、私は八条並びに九条で明示せられなければならない。それが国会に提出せられて国民に全部それがわかるようにしなければならない。お前はそういう地域で飼わん方がいいじゃないか、非常に不利だからやめたらいいじゃないか、やるにはこういう前提をとったらどうだと言われるような一つの指導方向が要るのじゃないか。何も大澤さんの言われるように、片っ端からワクにはめて引っ張って持っていく、こういうようなことをわれわれも考えておらない。せいと言っても、これはできない話なんです。今の自民党としてはできないのです、政府としては。できないことなんだから、そういう無理は言いませんが、少なくともそれくらいの方向に持っていくことのできるような打ち出し方が私は必要じゃないか。きのうから北村さんが六条、七条、いろいろ言うていることも、その点に尽きていると思うのです。そこがばく然としておったら問題にならんのじゃないか、こういう私は質問をしているのです。だから、どれくらいの範囲でこの八条、九条を結び合わして出されるのか、どうせ出さなければならんものです。大澤さんどうなんです。どうしてもやはり今まで言うていられるような見通しだけをやって、その見通しについていろいろ考えて、こういう施策をやるのだ、これだけの話なんですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私の申し上げていることを十分に理解していただけないことを非常に残念に思っておりますけれども、もう一度繰り返しますと、八条では具体的な数字で需要、生産の見通しが公表されるわけでございます。その公表された計画に基づいて第九条の施策がいろいろ行なわれていくわけです。その行なわれ方はどういうことかというと、年々の行なわれ方はどういうことかと言いますと、第六条で言っておりますような農業の動向を見きわめて、農業の生産性なり、農業従事者の生活水準なりの動向を見きわめて、その上でこういう施策をすべきだということで、具体的な施策が進められる。その具体的な施策は第四条で言っておりますように法制的、予算、財政的に裏づけを持って、金融の裏づけを持って行なわれていく。こういうことでございます。こういうふうに御理解願いたいと思います。

東隆民主社会党

○東隆君 先ほど畜産局長、ジャージーの問題ちょっとお話しになりましたが、牛乳を購入するのに脂肪の度合いによって大てい購入しておる。ところがジャージーは御承知のように脂肪が多いのであります。これはいやがらせかなんか知りませんけれども、どうもジャージーの牛乳は買わない工場ができておる。こういうふうに聞いておるのですが、そういう声をお聞きになりませんか。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 乳価から先に申し上げますと、乳価が三十三年にはなはだしく下がりました。それから逐次価格は上がって参りましたが、その過程におきまする昭和三十四年ごろに、従来は脂肪率取引をいたしましてホルスタインからする牛乳とジャージーからする牛乳と同じに扱いまして取引している慣行が一般でありましたが、ある会社がある地区等においては三・八の脂肪率をこえる場合の脂肪率の一%当たりの価格を、三・八まで以下の場合よりも下げようとしたことがあります。それは千葉でそういう買い手側から申し出があったり、それが波及しまして東北三県にいったりしまして、これはまたこの酪農振興に対する政策とか、農民が期待しておる状況とか、その牛乳及び乳製品が製造販売される場合の国の需給状態から見まして、買い手側の市場を見ても事由があるという説もあるかもしらんがそれは適当でないというのでやめさせました。最近ではそういうことは起きておらぬと思います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 午前はこの程度とし、午後は一時三十分から再開いたします。それでは休憩いたします。    午後零時二十九分休憩    ————・————    午後一時五十八分開会

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。  午前に引き続き、農業基う本法案(閣法第四四号、衆議院送付)、農業基本法案(参第一三号)、農業基本法案(衆第二号、予備審査)以上三件を一括議題とし、質疑を続行いたします。  御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 農林大臣にお伺いしますが、午前中、大臣のおられぬときに、大体私がお伺いしたいと思いましたことは、過去の農業行政を見ました場合に、一つの法律がありましても、それが多くの場合曲げられている。そのことの一つの実例として午前中に出しましたのが、ちょうど畜産局長がおりますので、酪農振興法により集約酪農地を五カ所ほど選んでやるのだ、これには五千頭のジャージーを入れて、そうして乳業の振興をはかっていく、こういうことで、相当の予算を見てこれが始められたのです。しかもそれには、適地の条件として、非常なめんどうな条項がついておる。しかるに本日お伺いしますと、四十何カ所、五カ所とか六カ所に集約酪農地区が増大せられた。おそらくこれはまだ予算を見ませんが、一カ所の計画予算というものが、四十何カ所というものについては私はないと思うのだ。ないけれども、振興したからという畜産局長のお話でございましたが、そういう中で両三年前、ことに堀本君もおられますが、乳価が非常に下がりました際には、堀本さんと二人して視察に出て、この通り若い乳牛がつぶされている、これでは日本の乳牛というものはもう近くなくなるのじゃないか、こういった事態も迎えているのですから、だからそういうような状態の中でわれわれが考えますとき、大澤さんにお伺いするのは、第八条の需要と生産、いわゆる需給の見通しを立てて、そうしてそれを実行するためには、いろいろな拡大選択というような非常なむずかしい基礎の上に立って、単なる増産ではなくて、生産性の向上を伴って、そうして農民の所得がふえるという一つの施策を講ぜられるならば、これはどうしても一つあらかじめこの見通しの上に立った一つの計画、プランを添えて出してもらうことがほんとうではないか、それが六条の報告の際に、その結果がどうなった、こういうことでなければ農民はなかなか安心できないのだ、しかもこの計画を進めるためには、いろいろ農業には経済的、自然的並びに社会的な制約というものを持っている。だからいかに善意にやり、計画的にやってみましても、そのものによって計画はくずれるのだから、たまたま法律には前文にもあるいは総則の第一条におきましても、この制約の不利を補正すべし、こうなっているのだから、こういう計画を進めていくには、何といいましても価格の問題が中心になり得るであろうから、その制約によっていろいろの価格変動が出てくる。生産の変動が出てくる。いろいろの変動が出てくると思います。それらのものは、この条文を生かしてはっきりした形で持っていかなければうそなんじゃないか。それでなかったら、今言うておられるような長期の一つ見通しをやります、それに対していろいろの施策は考えてやるのだ、これでやったら、今までの例から見ますれば、いろいろくずれてくるのじゃ、ないか、こういうことを私は質問しておったのです。それはなかなか解決つきません。それで、大臣にお伺いしますが、私はそれでなかったならば、なかなか農民は納得しない、こう思うのです。現にこれは農業共済組合新聞、共済組合新聞といいますと、政府の補助金によってできているまあ外局機関と見てよろしい、この機関紙、それに出ております農業基本法に期待するという、この見出しだけ見ましても、法律よりも具体的施策がほしいのだ。基本法なんか要らぬのだから、具体的にもっとわれわれが安心して農耕に従事することのできる、畜産に従事することのできる施策が望ましいのだ、あるいは作りさえすれば、場合によりますれば損がいく、こういう見通しだから、こういう施策をしたのだからとやってみましても、乳の値段が下がって、せっかく買い入れた子牛まで売らなければならぬ、こういうことではいかぬから、作ればもうかる計画をもっとはっきりさしてくれ、こう出ている。そうしてその次には、さっき大澤審議官にもお伺いしましたのですが、ちょうど三十二年の養蚕のごとく、ネコの目の変わるようなこういうようなやり方であっては、そのたびに借金だけが残って頭痛の種だから、こういうことのないようにしてくれ、だから、金のもうかるほんとうの酪農経営ができるような安心した態度のものがほしい、こういう希望でした。そういう状態で非常に困っているから、今出かせぎで家計を補っている、これは兼業農家を中心として考えられる。ほとんどこういうような情勢で、この期待するものは、実際の問題を具体的に施策として示してもらいたい。ところが、漠然とした形で今出て参りますれば、ちょうど非常な意気込みをもって予算をつけてそして酪農振興法五カ年計画で五地区だか、七地区です、こういう集約酪農をやって、これを模範としてだんだんふやすのだ、こういうことをやってみても、いろいろ代議士の運動があったり、地元民の要求がありますれば、四十何カ所ぱらぱらと指定して集酪地区をふやしてしまう、これはおそらく私は全地区に予算などつけられないと思うのです。幸いにして幾らか乳牛が伸びておるということは、これは乳牛ブームが起きておりますが、これは決して施策をやったものではない、これでは問題にならない。こういうことを先ほどから質問しておったのですが、大臣はどう考えられますか。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) お尋ねの点は、私はごもっともな点だと思います。従来酪農等に関して、ともすると総合計画の一つとして立てられなくて、まあ私どもこの農林省のことなんかいえば、畜産局は畜産局で別々に酪農を指導する、ほかの局ではまたほかの局で他の果樹園芸を指導するという形において、計画におきましても、総合的な計画の一環として出ておらなかったようでありまして、またそれについても、同時に御指摘のように、しからばどの地域にどういうふうに産地形成をして、そして多頭飼育をして、袋とまった乳が市場に出せるようにするかというようなことも、やや十分ではなかったようです。またこの点について、将来それらの生産地の乳をどこへどういうような需要地として売っていくか、またそれについてどういうふうにして消毒その他加工施設をもって乳の販路を開拓していくか、取引形態においてどうするかというようなことが、私は考えられていかなければならぬと思うのであります。ことに御指摘の乳牛も、どうもえさが高くなって、乳価が下がると売り飛ばしてしまうというようなことがあったところもあったように聞いておりますが、そういう意味からいいますと、やはり一番大きな飼料について一体どういうふうな措置をとるか、今後私どもはどうしたって酪農その他畜産を奨励するについて、その飼料について品目刑の需給計画を見通して、その上に立って国内においてはどれだけ供給力があるのか、これは購買飼料について、そしてさらに自給飼料についてどれだけはやれるのかというようなことを考え、どうしても不足の部分を外国に仰ぐならば、輸入計画というものをどういうふうに考えるかというようなことになり、こういうようなことが総合的に一貫して立てられて、やはり農家に安定した生産をやっていただけると思うのです。そこで、八条等にいう重要農産物に対する需要及び生産の長期見通しを立てるということについては、そういうようなことを頭に当然入れながら一つの見通し、生産の見通しを立てて、そのことはこういう関係で需要に応じられる、これくらいの需要があるから、これくらいの生産をこの地域において立ててよろしいというようなことを含めた長期見通しを立てていかなければならぬと思うのです。そういうある程度具体性を持ったもので今後はやっていきたいと思っております。これはまあ地域的にもよほど違った点もありましょうが、一ぺんに酪農がいいからといって、全国どの土地にやるわけにいかぬ。やはりそういう面を深く考えて総合的な見通しの上に立った生産指導をしていきたい、こういうふうに思っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それはあなたが言われる通りだろうと思います。総合的に考えて第一番に考えられることは、適地適作だと思うのです。今のところは何をやってもどうもうまくいかない、あるいは単作地帯におきましては労働力の余る時期がある。それらを調和してやっていくには、酪農というようなことは当然考えられる。そこで、少し工合がいいと、適地であろうとあるまいとにかかわらず、これをどっと飼う。だから、先ほどちょうど畜産局長もおりましたので、豚の話をした。おととしとかは、最高、四百、畜産局、長の話によりますれば六十円とかまで上がったそうです。それが一年ほど続きましたものですから、非常に最近は豚を飼い出した。非常な無理な飼い方をした。どこでもここでも豚を飼う。一方では多頭飼育というようなことが、また計画的に行なわれている。そこで、非常な増産体系をとりまして、そうして今年のごときは、豚の値がずんずんと下がっている。先ほど私は、そういう状況の中で、現在二百六、七十円、そしてこの秋には、売り急いだならば、百五十円ぐらいになるだろうと言ったら、そういうことは考えられないと、清澤さんには二百五十円の間違いじゃないか、こういうお話でありましたが、これは農業新聞です。農業会で出している新聞を見ましても、秋には恐慌相場、売り急げば百五十円以下と、こういうのであります。これじゃ問題にならぬ。従いまして、拡大選択という中には、地域的な制約も要ると思います。拡大選択していく上には、地域的ななにも要ると思う。こういうことを一体、自由主義を奉じておられる自民党を中心にした政府としては、これを、ワクをはめて無理して持っていかれない、こういうことはよくわかりますが、この一番めんどうなことをやっていくには、理解を与えることです、だから、計画を密に出して、それで引っぱっていくより私は方法がないと思う。こういう地区でこういう高い飼料を使ってはだめなんだ、今の消費価格を見通した上においては、少なくともこれくらいになるのだから、需要がこれくらいあるのだから、そう無理して飼っても無理だから、そういう地方はやめたらよかろうというくらいの勧告をしつつかかるくらいの私は計画プランを出さなければ、うまくいかないのじゃないか、こう考えておるのです。それが、たまたま、それまでのものをやりましても、なかなかうまくいかないのが現実だと思う。現実の情勢がそういう形に出てきている。だから、よほどここのととろの、八条と九条の取り扱いというものは、最も意識的な、指導的な、計画的な指導体制が、幸い法律としてやり方によっては作られるのであるから、それをまず国会に出して、国会を通じて一般に知らしめるぐらいの努力が私は要るのじゃないか、こう聞いておるのです。ところが、それまでのことは要らないのだと、また総理大臣は、この間江田君のなににつきましては、そんな長い間の計画プランなどは、そういうことは考えておりませんとかいうようなことを言われているが、それなくしては、私は断じてこの法律というものは、今言うた農民諸君の心配、これはみんな農民の心配ですよ、これは農協の出している新聞が書いておるのですから。そういう心配が残ると同時に、この法律の完全な履行は私はできないのじゃないか、こう考えておるのです。これに対しては、そこまではっきりやるのだ、計画プランは出すのなら出すと、こうお答え願いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その点は、私先ほど申しましたように、われわれがこれから成長農産物の生産をふやしていくためには、当然にその一つの見通しを立てて、それに計画したものを考えて指導するわけです。この間総理は、そんな長いものはというお話をされたといろお話ですが、これは、十年とか何とかいう長い見通しについては、これはなかなかこういう見通しそのものについては困難ですけれども、この八条にいうのは、三年とか五年くらいの一つの幅のある見通しを立てる以上は、供給計画と同時に需要を伸ばす計画を立てなければならぬ、こういう考え方です。これは私は、おそらくそういう問題は、今後私どもは、清澤さんのおっしゃるようにその計画をつけてするかいなかは別として、当然私は、われわれなり政府が指導していく場合に、そういう計画のもとに、総合計画のもとに指導しなければいけないと私は思っております。ことに、今豚のことをお話しになりました。すでに私どもはそういう問題を考えつつ、この間も別のところで例をあげたんですけれども、埼玉県におけるハム工場のごときものがありますが、これは午前中どなたかの御質問もありましたが、これは全然協同組合が出資している会社ではございませんが、農協と契約を結び、周辺の農家で飼育する豚を原料として長期的安定的に購入することにより、生産地の育成に資するという役割を果たしております。しかしながら、それは当然に、埼玉県における春日部を中心にした養豚事業に対して、でき上がったものは全部引き取るという約束のもとに計画を進めて、あまり価格の変動を起こさせない。従って、それに対して農林中金から大体二億でしたか金を出していく条件のもとに、片一方は生産者が全部引き取るというところに、需要と申しますか、加工に関する材料提供の方をこっちが担当し、価格が変動して価下がりをさせないような計画のもとに進めておる。そこでその地域には豚の主産地等を形成して、多頭飼育させる、こういう計画のもとにそれをこう作ったわけです。これは私は非常な一つの見ものだと思う。また岩手県におきましては、これは県が中心になって作られたものがありますが、この方は農業協同組合が出資者の畜産公社でございます。これは豚及び肉牛等も養うわけですから、それだけの作ったものをどこへ取引させるかということの目標計画を定めて、これを奨励していくわけです。これは中間を省いて、加工業者に直結することを意図しているやに聞いております。こういうふうな形で生産をふやす計画のもとに、従来は消費需要の計画をむとんちゃくになにしているから、清澤さんのような御心配が現実に起こったし、また起こっていくわけです。私どもは生産計画を立てるために、需要及びその需要先が大体その計画とマッチするようなところに結びついていって、そして生産させるということが一つの計画的な安定を得た生産である。こういうことをやりましても、いろいろもしも問題があるとすれば、今度畜産公団におきまして豚肉を買って市場調整をやるというようなことも考えつつ、生産を伸ばしていきたい、こういうふうに考えております。これは全面的にそういうことを、各地区、地域ごとに指導計画を立てて、そうして誤りのないように指導をいたしたいと私は考えておる次第であります。清澤さんのお考えは全く私は同感であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今ね、大臣は非常に良心的なうまいことをおっしゃるけれども、なかなかそう運ばないのだ。よほどこれを規制して、厳重にしていかぬと運ばないと思うのです。そこで、農地局関係だれか見えておりますか。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 管理部長と建設部長。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ちょっと農地局の方にお伺いしますが、管理部長さん一つお伺いしますが、未墾地買収の政府手持ちの土地は今どれくらいになっていますか、現在。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 現在五十一万町歩管理いたしております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 これは未墾地買収の、買って残っている分ですか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 買いました、過去におきまして百五十万町歩買っております。そのうちで、これを売り払ったものを落としまして、それから現在事業を進行中で、まだ売り払わないもの、あるいはいろいろの計画を樹立中で、まだ政府で手持ちいたしておりますそれが五十一万町歩。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それで、不適地として優先払い下げせられたのはどれくらいありますか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 御承知の通り、農地法では自作農創設のためということで土地を買うわけでございますが、これをいろいろ実行して、開拓をいたしまして、売り渡しにあたりまして、いろいろ適地調査その他をやります。そこで、現在これを開墾して使うのに不適当と考えておりますものが八一万町歩でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それはまだ放されぬのですか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 五十一万町歩のうち八万町歩は今年度中に処分をいたしたいと考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それはあれですか、不適地というものは耕作に、不適なんですか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) そうでございます。ただ現行農地法の施行令で、政府が不適地として認定し土地所有者に渡す土地の認定につきましては、政令で基準が定めてありまして、今申しました八万町歩と申しますのは、昭和二十四年の七月一日以前に買ったものでありまして、かつ不適地であって、現在までに開拓の計画の立つ見込みのないものという制約をつけまして認定いたしたものが、八万町歩であります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その計画はどんな計画なんですか。農耕の計画ですか、どうですか、開墾ですか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 御承知の通り、政府買収をいたしました土地は、一応耕地としまして農耕に使いますために売る分と、それから付帯地区といたしまして採草、放牧地あるいは林地として、その農家の経営の付帯地として売り渡すのに適するか適しないか、その分を売り渡すわけであります。これらの目的全部に適当でないと、こういうものでございます、八万町歩は。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 何か僕は聞きますと、だいぶそれを払い下げられた、こういうことを聞いているのです。これは前から問題にもなって、現在未使用の未墾地買収をしました土地の約一側が不適地であるから、その分を中心にして払い下げる、こういう話がありましたが、それがだいぶたくさん最近では払い下げられて、あとは残っておるものは幾らもないと、こういう話を聞きましたからお伺いするのですが、そういう事実はありませんでしたか。今お伺いする限りありませんか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 五十一万町歩のうち八万町歩だけ先ほどの基準で算定いたしまして払い戻されるのであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その次にお伺いしますのは、国営のいろいろな開墾、干拓あるいは用排水、土地改良等のもので所期の期限を過ぎているものはどれくらいありますか。大体五カ年計画であるとか、あるいは三カ年計画という計画を立てられたものが、延び延びになっておるものはどれくらいありますか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 農地局でやっております土地改良事業のうちで、期限を一応目標として定めておりますのは国営灌排事業におきます特別会計の事業、これは別に法律その他できめているわけではございませんが、七年を目標というととで進めておりますが、それ以外のものにつきましては何年でこれを完成するという具体的に決定しておるものはないのでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 具体的にこれは何年で完成するというものはないかしらぬけれども、とにかく一応の目標は五年なり三年なり六年なりと、こういうことで初めは始めたのでしょう。それが十年たってもまだできない個所が相当あるのじゃないですか。

丹羽雅次郎農林省農地局管理部長

○説明員(丹羽雅次郎君) 具体的に現地の申請によりますと、土地改良事業等につきまして、できるだけ早く完成してもらいたいという意味におきまして、何年程度くらいに完成したいという御要望あるいは内部意思等はございますが、御承知の通り、毎年の予算でそれぞれの工事につきまして、どの程度工事を三十六年度に延ばすかということは、毎年の予算とのかね合いに相なっておるわけでございまして、特定の地区の計画が五年であって、それが六年に延びた、そういう具体的な問題ではないのでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 大澤さん、ちょっとお伺いしますが、私は問題はそれだと思うのですよ。あなたの今説明しておられることは、結果になってみればああいう答弁なんだ。土地改良を始める前には、大体五年とか何年とかいうことはちゃんとあらかじめ計算を立てて農民はひっかかっておるのだ。それがきまりきった予算の中から、いろいろの運動によって次から次と事業分野が拡大してきますものですから、従いまして、延び延びになって五年とか七年とか言われたものが十年たってもまだできない。これはわしらは何べんでも言うておるのだ。その事情はよくわかります。わかるから、私は先ほどからくどいほど言うのです。結局しまするならば、現実の政治の運行上、法案を取り扱っていく上に、そういう現実の問題が出てくる。そこでこれはどうしたのだといえば、今言うたような答弁つかみどころがない。これでは私はこの法案を通して、そうしていろいろ前途の目標がどうだとか、あるいはこういう需要と生産の関係になっておるとか、あるいは拡大選択の方からこういう計画でどうだとか、こう言うてみたところが、結局しまいにだめになったと聞いておる。これはどうしたのだ、こういう問題が出れば、そのときは見通しが誤ったのだとか、あるいは不時の事件でもってこういうふうになりましたとかということであっては、せっかくのこの基本法も何にもならないじゃないか。だからそれが重なっておればこそ、今申し上げました通り、なに法律なんて何にも要らないのだ。具体的な施策が大事なんだ、こういう要求が出ているのだ、こういうことです。私はただ耳が遠いから大きな声を出してやあやあ言うておるのじゃないのです。本気にこの法律を生かしてこの法律に従って、場合によったらこの拡大選択によって自分でやりたいと思うことも放棄しなければならぬ場合も出てくるのだ、そうして別なことも考えなければならぬ場合も十分考えられるのです。それを目標なしに、これから今肉がこれだけ足らないのだからと言うてぱっと出しますと、安田さんがいろいろ弁明しておられましたが、この秋には下手をすれば百五十円になるだろうという農協自身が目安を立てなければならぬ困難性に入る。これじゃ私は問題にならないと思うのですよ。だからそういうものをなくして、そして価格の安定を将来つけていくためには、畜肉か畜産か価格の安定法が通りましたら、それで一つのセンターなり、冷蔵なりの施設を作って、そして事業団をして価格安定するようにしますと言っておる。このときはもうおそいのですよ。おそらくは最低の安定価格はとられると思う。そこで集める肉の品質は下がる、目方は減る、経費はかかる、保管料は取られる、少しくらいのものを国が補助してきましても、農民の手元へ入るときは次の処置をとって幾らか値上げして売ったものなどは、おそらく返ってこないと思うのです、負担金だけが損するくらいのものであります。それは長い間の目で見ますならば、一つの安定価格を作り出す、操作の私は役目はするかもしれませんけれども、それが農民の損害を補償する一つの事業団体系とはなかなかなり得ないと思う。そういうこまかしいところまで十分考えて、そうしてこの生産性というものを高めていく、こういうことが私は何としても重要な問題だとこう思うのです。ただ総合的に考えてあれするとかこうするとかいうことだけじゃ、私は今言った法律と同じになってしまって、ばくばくとして出てくる、そうしてそれを中心にして予算のぶん取りになってしまう、しまいはどこへ行ってしまうかというと、農民の泣きどころだ、これじゃ私はなかなか問題にならないと思う。だからいま少しこの点を腹をきめて御返答願いたいと思うのです、これは無理かもしれませんあなた方に言うのは。これだけの大仕事をするのに、後ほどいろいろこのあと構造問題が出てきますが、構造問題の一つである協業でやっていく場合においても、自主的に、民主的に農民の創意工夫によって計画されたものを、これを助成していくのだ、そういうことがここに書いてある。これじゃ総体的の計画とは何ら因縁が合いませんです。生産はこれだけ、目先はこれから先これだけの生産は要るのだ、増産が必要なんだ、これをするにはこういう金を出してやるのだ、これはわかっている、わかっているが一番大事のところの跡始末がつかんかったら、それは過剰生産になるおそれがないとは断じて言えないと思う。だから経済企画庁の農業近代化小委員会の答申の最後には、この取り扱いが一つ間違ったならば一大混乱に入るであろうとこう書いてある、私はその通りだと思うのです。一大混乱は今年の豚肉の上に現われている、安田さんはばかに安心したことを言うておられるけれども、もはや混乱が現実出ているのだ。ここには農協関係のお方がずらっと並んでおられる。この農協関係のお方が今年の秋には間違ったならば百五十円になるだろう、農民は一大脅威にさらされていると思うのです、おそらく九千円くらいの子供を育てたのじゃないか、少し高い飼料を使って飼ったのが百五十円くらいにさらされるなんて言ったら、これは大へんな話だ、これじゃ私は問題にならないと思う、生産を示唆することによって日本の農業を壊滅せしめる結果になりはしないか、そういうことは考えられませんか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 畜産の問題は、先ほどから畜産局長言われておりましたように、選択的拡大の方向で畜産をこれから伸ばさなければならない。これは当然の、皆さんよくおわかりのことだと思うのでありますが、そのために従来からいろいろのことを、草地の造成でありますとか、あるいは家畜導入の手当でありますとか、いろいろなことをやってきたわけでありますけれども、確かにおっしゃる価格安定という点については、十分な施策がなかったわけであります。そこで、先ほど畜産局長の言われたように、今御審議を願っている畜産物の価格安定の法律があるわけであります。ああいうものの成立と相待って心配なく畜産を伸ばしていけるというようなことを考えておるわけでありまして、具体的ないろいろな手を打ちながら、施策をしながら、選択的拡大の方向に農業を持っていきたい、こういうことでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 それは長い、これから十年先の上でそういろ考え方にいきますれば、それは私はある程度達成せられるようなことも考えられるかもしれない。しかしながら、その過程においては起伏波乱がある。現に選択拡大によって畜産や果樹を一つ作っていかなければならぬ、まず第一番に考えられるのは、地域の問題、地域差の問題、おれも飼おうと思ったやつをお前やめろと言わなければならない。地域差でそういうところは飼わんでよろしい、飼わんでよろしいとはまさか押えるわけにいかぬから、従いましてそういうものを親切にちゃんと出して、そして持っていくよりほかないじゃないか。今の場合はただ肉の値段が非常によくなったのだから豚を飼えばもうかるのだ、そうしたらこれだけのことでばっとくっついていく、将来はこれだけの畜産は四倍になる、やれ光明に輝やいているのだから、権も八もみんな飼うのだから、これだったらしまいにどこかが穴があく。そういうものの種々上がり下がりのうちにだんだん調整せられて、そして事業団等の活用によって一応のある安定が見られるかもしれないが、それは数年後なんで、そこへ達するために幾多の農民の犠牲を経なければいかないと思うのだ。畜産局長は事業団を作ってそしてある価格で余ったものを買ってやればそれでいいのだと話しておられるけれども、あとからあとから何年も余ったらしまいにどうなるのです。肉というのは何年ぐらい保っていったらいいか知りませんけれども、そうこまかしいことは知らない、そうそう持ちきれぬものだろう、肉の質も下がってくる、目方も減ってくる、経費はかかってくる、価格は一番下で買い上げられていく。そういう経営をしていけば、負担金は取られる、少しぐらい高くいよいよそれを始末したときには、さっきも言う通り三文も農民のところには返ってこない。事業団だけでそれをやっていく、しまいの果てには国に要求して事業団を持っていくために、また一つ事務費を出してくれ、こうしてくれ、ああしてくれというようなことで国民に迷惑をかけなければならぬ。しかしそういうことのないように、少なくとも初めからやっていくことが私は正しい指導の方法じゃないかと、こういうことを言うているのです。

安田善一郎農林省畜産局長

○政府委員(安田善一郎君) 清澤先生の御質問の御趣旨が実はちょっとわかりかねるところがありますので、恐縮でございますが、一応私は御質問を了解したとこう申し上げてお答えし、午前中に引き続いたお答えにしたいと思いますが、まず第一にわかりにくい点は、農業基本法が出ておるから、基本法から直ちにその付属法として政府が予定しておるような畜産物価格安定法というものが同時に出てその運用の内容も審議がなくちゃ、いかぬじゃないか、あるいはまあそういう観点から法案はもっとどうあるべきか、基本法の法案はどうあるべきかという御意見が一つと、それから私がお答えしました基本法の精神で立案もし、今後運営もいたしますし、今国会で畜産物の価格安定等に関する法律案を御提出申し上げて御審議をお願いしようと思っております。その法案は、ことしの豚価の上限下限を作るのでありますが、その中の価格安定帯で肉の価格を安定させて、ひいては養豚の安定的な発展をはかることに役立ちますということに対して、昨年の春は値下がりが起きて、その後急激な値段の高騰もあって、そのときにあるところでは農家が仕入れる飼育用豚の、仕入れた子豚が一万五千円から一万円しておった。その当時は規制制度もないが、自由であったけれども、役所は安定して政策的にもっとやるべきでなかったか。また、子豚が高くなったときの、その仕入れた農家の販売肉等は、それに対して個別にあるいはある範囲の包括的であるかもしれませんが、これから法案作って運営するという一般論でなしに、それに対する当該具体的な価格措置を、補償措置を講じなければならんじゃないかという御質問の、その以上がごちゃごちゃと申し上げると失礼ですが、まざって一度に質問せられまして、大澤審議官が答えに若干困ったり、私の答えがあるいは御意図の質問内容に応じて答えられていないということでありますかどうか、それを一つお聞きしたいと思います。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 私は局長、まだ価格の補償しろなんというところまではいっていないんだ。少なくともここに安定法というものが出て、そうして選択的拡大という一つの生産体制をとって進んでいかれる限りにおいては、これには非常な統制的なものが要るということです。一つの例としまして、地域差も要れば、生産性を向上せしめるためにはいろいろな条件があるだろうと思う。さきも問題になっているように飼料等の問題もあるんだ。これは局長が何べんも言われる通り、これからの畜産は自給飼料でまかなうような方法が考えられるというようなこともあるんです。そうしてまず地域差というようなものから先に考えていく場合でも、将来適当でないところで畜産が始まらないとも限らない。私は豚の問題を一つ例として出したのは、そういうような計画的な一つの趣旨がなかったために値段が非常に高かった。だから飼いさえすればもうかるのだということで権も八もと、こういう言葉を使った。だれもかれもどっと先を見ないで飼いましたことが、結局今日叫ばれるような、さっき間違いじゃないかと言われたけれども、私の間違いじゃない。農協が書いている新聞には、売り急ぐならば今年は百五十円になるだろうと、こういう何を出している、現在は二百七十円という大見出しです。こういう危険な状態にわずか一年のうちにさらされるではないか。だから、もっと見通しの立ったもので、この第八条並びに九条を生かして、そういう目安のつくようなところに持っていくことが私は少なくとも考えられる重要な問題じゃないかと、こういうことを私は聞いている。そういうことをやった上で、なおかつそれまでに親切に誘導しておっても、いろいろな農業の生産には自然的制約によって価格のべらぼうに下がることもあるし、あるいは大きい病害にかかることもある、いろいろな欠損も出るから、これを意識的に誘導していくためには、損をしないといろ一つの形をとるためには、補償制度というものがそこに出てくるのじゃないか。だから一番先の総則にも、一条にもある自然的制約による不利を補正し、これは少なくともすべての補償的な問題になって、価格の安定を保つということであり、農民の生産による危険を防止して、そうして経済が正常な発達をすることのできる諸種の施策を考える。これが補償の対象だ。まだ私はその補償までいきません。その前提としてこういうことをやらなかったら、不測の障害を残すのじゃないか。だからどうしてもこういうことが要るのじゃないか。それは自民党としてはなかなかできんことだろう。自由経済を中心にして考えておられる自民党としては、なかなかできんことだろうけれども、できない中をそういう点を重視した誘導ぐらいはやるべきじゃないか、こう言うのです。今、書きました書きっ放しのこれでもって続けていきましたならば、これは予算のぶん取りになってしまう。あるいはいろいろの側の力によって、せっかくの意図したものが曲げられはせんかと思う。経済局長、おられますか。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 松岡参事官がおられます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 あなたにちょっとお伺いしますが、大体、市場法が今度出たそうですが、これ、出るまでにいろいろの問題で約二カ月か三カ月ごたついていましたね、これは一体何がもとなんです。

松岡亮農林省農林経済局参事官

○説明員(松岡亮君) 中央卸売市場法の改正案は、ただいまお話しのありましたように、つい最近提案されたのでございますが、それまでに両院の御決議に基づきまして、調査会を設置しまして、改正点を審議していただいたのでございます。その結果によって、中央市場法の相当部分に改正を加えたいということで整理いたしたのでございます。その中でいろいろ問題になった点がございますが、おそらく御指摘のありましたのは、特に中央卸売市場の卸売人の兼業を制限する問題を御指摘になったのだと存じます。それにつきましては、中央卸売市場の卸売人は、生産者から無条件の委託を受けまして、それで市場においてせりその他の方法で公正な価格を形成して、その代金を生産者に支払ってやる、こういう仕組みになっておりますので、兼業をしたために支払いに支障を生ずるというようなことのないように、何らかそこに現状を改善する方法はないかということについていろいろ論議されたのでございます。それについては、いろいろ方法がございます。いきなり兼業を禁止するというような方法もございますが、それは必要以上の制限になりますし、逆に兼業したために経営が健全になっている場合も相当ございます。また、卸売人の業務からいいまして、むしろたとえば製氷ルートとか、そういうような業務はやった方がよろしい場合もございます。そういうことで、一般的に制限するという方法は行き過ぎである。現に相当数やっておりますし、それをいきなりやめてしまえというような措置は、これは何といっても無理であるということもございます。それから証券業者のように承認制にするという方法もございます。それからほかにも、たとえば今度の改正法律案におきましては、一応届け出を受ける。それで兼業する業者は届け出をする、その兼業について。それで、その結果として卸売業務が健全性を失うとか、あるいは危険な状態になるというおそれがある場合には、必要な措置あるいは改善措置命令を出すことができる。これは行政官庁が検査権を持っておりますので、検査の結果としてそのおそれがある場合は、検査をして必要ありと認めれば、その状態を改善せよといろ命令を出し得するという考え方も成り立ち得るのでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 市場法を聞いているんじゃないよ。

松岡亮農林省農林経済局参事官

○説明員(松岡亮君) そういう方法で、実は今回の法律案を提出したのでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 聞きますと、卸売人の兼業問題でもみ合って、しまいに政府は負けたのでしょう、一口に言えば。これが実態なんでしょう。それからあなた方としても、市場としてもいろいろ考えていることは、類似市場というようなものは、市場としてはまことに迷惑なんです。市場の正常な発達には私はうまくいかないと思うのだ。そういう例はたくさんある。そういうような類似市場等の規制もできない。これは現実なんじゃないですか。私はいずれ市場法の法案が回ってきたときに詳しくはあなたとやりますから、きょうは簡単でいいです。私の言いたいことは、そういうこれらのいろいろ制約というものがばく然としている場合には、ばく然としてぼけてきてしまいます。なお法律ではっきりしない場合は、いろいろの勢力に押さえられるのでしょう。いろいろのじゃま者が出てきて、そして曲がっていくこともあるのです、まっすぐになかなかいかないのです。現在これは大澤さんのごく関係しておられる蚕糸問題なんかそうでしょう。この基本問題調査会や経済企画庁におけるところの農業近代化の小委員会の答申を見ましても、養蚕というものはもろ横ばいなんだ、そう増産ということは考えないでよろしいのだ、なかなか外国の需要増大などもそういかないのだ、大澤さんの言う通りなんです。大澤さんの説はいいのです。現在では繭が足らないから作れ作れと製糸家側は要求している、二十四日に蚕糸審議会がありますから、増産の審議だろうと思うのです。こういうふうな場合に製糸設備の過剰という原因はほかにあるのです。ほかにあって、だれしもが見て正しいと思うことが曲げられるおそれが現在あるのです。現実の大勢なんです。こういうことを考えまするならば、少なくとも基本法というようなものを作って、農民が安心してこれに頼って進んでいかれるとするならば、そういうものを全部押えられるようなものでなければならないと思うのだ。そういう政治が曲げられることのない一つの定木がここにしかれなければならない、私はこう主張したいのです。今も農地局にお伺いしたのはそれなんです。何も十五年かかって国営事業をやるなんていうことは一つもない、大体五年か六年です。あるいは長くて七年です。愛知用水とか八郎潟なんかは計画通り遂行されておるのですが、今までやられた国営土地改良事業等は、そこにばく然としたものがあるから、今のような答弁なんです。十年かかってもまだできないのがたくさんありますよ。農民の負担たるやだんだん重なってくる、年々上京して予算ぶん取り運動をするよけいな金がかかってくる。それがしまいに、もとになってスキャンダルが起きてきておる。私は何べんもこれは言うのだ。だからこういう情勢の中で基本法を作るならば、そういうものも押えられて農民が安心して頼られるものが作られなければならない。これは私の主張なんです。ところが、どうしてもそれがいかれないところに、私はこの法案の弱みがある。ただわずか八条、九条を、私は二条しかやっていない。まだ価格もやりたいし、構造もやりたいし、いろんなところへ足を伸ばしていきたいけれども、そんなところまでいかないで、今私が当面しているのは、そこにぶつかっているのだから、この二条だけがどう生きるか死ぬか、それぐらいのところまで押さえない基本法だったら、基本法じゃないじゃないかというのです。大澤さんどう思うのです。私は何べんも言うのですけれども、もはやあなたからはお伺いしないでいいです。具体的にもっとしっかりしたものを出さなければ、安田さんだって、これはなかなか清澤うまいことを言っている、そうしてもらったらおれの計画もうまくいくのだと、こう考えておられるだろうけれども、私は一昨年福田さんのときにそう言ったのです。三十五年の予算には、あなたはいろいろ山村地区における畜産の振興を考えて、そうして山地利用の調査費、調整だか利用だかの調査費だかというやつを五百五十万円とって、そうしてこれを広く牧草地や放牧地に直そう、こういうようなことを考えておられる。今聞けば、まだ五十万町歩も残っている。えらいことができると思うのですよ、五十万町歩すぐこれを利用することを考えたならば。その山村地帯が一番貧農の巣なんです。第二種兼業農家の巣なんですよ。そういうようなことがもっと計画的に何も宝の持ち腐れでもっていることはいかないのだから、ここに私は明記せられることがほんとうじゃないか、こういうことをお伺いしているのです。もう幾ら言っても同じことですから、これより言いませんですが、だからあとの機会で私はこれを敷衍したいろいろ問題が、構造やあるいは価格の問題で出てくると思いますので、そのときにお尋ねしますが、きょうの質問、私はこれで打り切ります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 第八条の「需要及び生産の長期見通し」ということでございますが、これは単に現状というものの推移を見て、将来こういうようになっていくのだということを公表するのか、それとももっと農業生産を積極的に発展させるためには、内容的に政策を盛り込んだものを公表するのか、こういう点があると思いますが、この点について一つ御説明を願いたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 今おっしゃいましたように、需要、生産の見通しでございますが、たとえば需要の見通しという場合には、最近までの食糧消費の動向ですとか、あるいはこれからの経済成長がどうなるであろうか、あるいは人口増加がどうなるであろうとか、あるいは輸入の見通しですとか、栄養の状態ですとか、   〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕 あるいはまた需要増進というようなことがどうなるだろうかというようなことを考えながら将来の需要の見通しをしていく、こういうことになろうかと思います。なおまた生産の方につきましては、たとえば今までの反収の伸びがどうだとか、あるいは作付面積のふえ方、あるいは減り方の動向がどうであるとか、あるいはまた農業技術というような点も考えながら生産の見通しを立てる。ですから過去のあるいはこれから予見されるであろうような条件を考えながら、過去の姿を将来に移していくというようなことで見るわけですけれども、単にそれのみではなくて、ことに生産の見通しについては、需要の見通しと、今言ったようなことをやりますと、需要の見通しとはギャップが出るわけです。そこで選択的拡大の方向に持っていって生産をやるのにはどうしたらいいかというようなことで、いろいろなとり得る施策というようなことも頭に置きながら、意図的に生産の見通しはこうなんだというようなことを出すというようなことになろうかと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 そうしますと、そういういろいろの条件を含めてそういう条件を十分考慮して、ただいま説明されたような条件ですけれども、経済成長だとか人口増加あるいは食性活の改善、輸入の状況こういうような問題が考慮されるということでございますけれども、そういう問題のほかに、もしそういうことが考慮されるならば、ただそれだけではちょっと不満足のような気がするのです。というのは、第二条の中に一項から八項までのいろいろの項目が政策の基本としてきめられておるわけでございますけれども、そういうようなことがきめられておるならば当然、一つの例でございますが、土地改良であるとか、あるいはその他生産に対する国の補助だとか、あるいはあとで出てくる価格政策、こういうふうなものによって、相当長期の見通しというものは大きく変更されてくるではないか、こういうことが考慮せられてくるわけなんです。従って単にそういう経済的な、前にあなたが申しましたような条件だけで、長期の見通しを立てるということにつきますというと、何かそれだけでは、やはり農民諸君にとってはもの足りないというような感じを受けるわけなんです。こういう点について、もう一度一つ説明を願いたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) おっしゃられることは、主として生産の見通しについての問題だと思いますが、もちろん需要の見通しといたしまして、単純に、さらに生産の見通し、過去の姿を、将来に、いろいろな経済条件の変化を織り込みながら投影するというようなことをいたしますと、確かに需要と生産と、おそらくギャップができるというようなことがあろうと思います。そこで私どもはよく言っております、伸ばすべきものを伸ばす、減るべきものが減っていった方がよい、そういう方向で物事を考えなければならないので、こうした生産の単純な見通しを、さらに土地改良したならばどうなるかというような、可能な政策はどの程度とれるのであろうかというようなことを頭に置きながら、意図的なものについて生産見通しというものを作る、こういうことになります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私が申し上げておるのは、第二条の八項目、いろいろの政策の基本となるものがこの法案にはうたってあるわけなんです。それによって長期の見通しを立てているようでございますけれども、問題は最終的には価格政策というものがこの長期の見通しが大きく変動を生ずるゆえんになると思うのです。従ってやはりそういう点についてどういう考え方を持っておるかということをお聞きしたいわけなんです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 価格政策については、十一条にもいろいろ書いてございますけれども、単に価格政策のみが選択的拡大というようなことについての働きをするということでもありませんし、また価格政策自体も、選択的拡大という立場はもちろんでございますけれども、所得の確保ですとか、あるいは農産物需要の増進の面ですとか、あるいはさらに国民の消費生活の安定というような見地から、役割を果たすわけでございまして、今申し上げた生産の見通し、意図的なものを作るという場合に、価格政策だけを考えてはいけないでしょうし、また価格政策はそれだけやるのだというふうに考えてもいけないと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 それならまたあとでこの問題をいたしますが、この長期の見通しでございますが、これは三年とか、あるいは五年とか、十年とかいうような見通しをやはり立てているのでございますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) おっしゃいますように、五年、十年の先の見通しを作る、こういうことになります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 まあこれは農産物によっていろいろ長期の見通しというものは違うだろうと思いますが、たとえば果樹みたいなようなものは、これは桃にしても、「桃栗三年柿八年」といいますけれども、相当これは長期の見通しを立てなければならぬと思うわけであります。特に果樹は植栽をしてから相当長期間たたなければ結実しない。こういうようなものでございますから、その間に経済情勢が変わってくるというようなことになりますと、これは長期の見通しというものがくずれてしまうという関係が出てくるわけなんです。従ってまあそういう果樹が、今日成長部門であるという点から見ますというと、むしろ長期計画は、そういう成長部門に対しては、なかなか長期の見通しを立てにくいのではないかといろ私は感じを受けるわけなんです。むしろ長期計画は、選択的拡大によって減少するところのいわば農産物については、これは長期の見通しがある程度立てられるのではないか、こういうように考えましたときに、農業を飛躍的に発展させるという基本法の精神からいきますと、やはり長期の見通しが、減産の方向への見通しのものではないかという考えを持たざるを得ない。こういうようなことになるわけなんでございますけれども、こういう点について一つ御説明願いたい。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私どもは、重要な農産物についての長期見通しを作ろうこういう法律でございますが、ただいま言われたような、果樹というようなものは、農産物の中でも生産期間の非常に長いもので、見通しなかなかむずかしい点も、果樹に限らず、ほかのものもむずかしい点が非常にあるわけでございますけれども、それだからこそ、さらに将来の見通しというようなものを作って、いろいろの政策を進めていかなければなりませんし、また農家もそういうものを頭に置いて、自分の経営についても対応していかなければならぬということでございますから、米とか麦とかいうような、短期間のもののみならず、果樹のような長期間のものについても、十分見通しを立ててやるのだということを考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 これは第九条の末尾の方にあります、農業生産の調整という問題があるわけなんです。これに関連しますというと、まあ選択的拡大という農業生産の一つの方向をとってみますというと、たとえば米だとか、麦だとか、繭だとか、イモだとか、大豆、菜種、こういうようなものは、やはり将来において生産を制限をしていく、こういうようにも受け取れるわけなんです。そうしますというと、この農業生産の整理ということは作付の規制をしていく。こういうように発展してくる。さらにこれを強制していくということになりますと、作付の統制をしていくのだといろ方向へ一歩踏み入れるではないか。こういう点については、長期の見通しとして、なるほど外国農産物と競合する点、あるいはその他の国内経済の事情等によって、なるほど長期の見通しがある程度まで立て得られるかもわからぬ。こういう点について、そういう制限する方へ長期の見通しを立てていくのではないかというように考えられるわけなんです。そういう点では、もう一つこれはあとで、構造改善の問題にも関連していくわけでございますが、その点のことはあとにいたしまして、そういう点について何かしら、これが農業生産の拡大再生産、すなわち発展の方へ積極的につながっていくといろ長期の見通しというようなものには、何かしら通じていないというように感ぜられる点があるわけなんですけれども、こういう点について一つもう一度御説明願いたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) そういうことは決してないのであります。生産調整という言葉を、私ども、作付け強制をするというようなことは考えていないのですけれども、生産調整という場合には、もちろん減らすという場合もありましょうし、しかしながらふやしていくという場合もあるわけです。午前中もお話し申し上げましたように、そういう、ふやした方がいいものはふやす、減らした方がいいものは減らすということをスムーズにやっていくというのが生産調整だと思います。決して減らすばかりのことを言っているわけではないわけです。第八条での見通しを立てます場合も、もちろん減らすものだけを取り上げてやるということではございません。伸ばすもの、あるいは横ばいのものもありましょうし、そういうものについて、重要なものに関してはすべて生産需要の長期見通しをしていく、こういうことでございます。

櫻井志郎自由民主党

○理事(櫻井志郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

櫻井志郎自由民主党

○理事(櫻井志郎君) 速記を起こして。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 この長期の見通しを立てる場合に、これは前に返りますけれども、先ほど清澤さんに対する答弁の中で、農林大臣は、総合計画を立てて指導していくのだというようなことを言ったわけです。そうしますというと、総合計画を立てるということになりますというと、この長期見通しの中における総合計画というものは、単に生産量だけを明示していくのか、それとも、そういう生産量に付随して、重要農産物についての価格の水準というようなものまでも示していくのか、こういう点がやはり疑問点として残るわけなんです。こういう点について一つ御説明願いたいと思います。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) 先ほど私が清澤さんにお答えしたのは、ただ、なんぼ将来需要がふえるからという数量だけの問題ではだめではないか。農民はそれでは安心しまい。大体その地方の、地域的にもどういうところはどういうもの、またそれをやるについて、畜産が例に出ましたけれども、豚だけどんどんふやしていって、売れなくなったというときにどうなるか、そういうところに計画があるのかということのお尋ねでありましたので、それはもとより生産の見通しを立てるについて、どの地方にどれだけ畜産をふやすかということについては、地域的にやっぱり牧野の問題も考えなければならないし、飼料の問題も考えて、またそのものを将来売るについて需要の増進をさせるということを考えつつ、その売られるべき相手方といいますか、に対する売り方についてもいろいろ……豚なら加工工場と結びつけて、変動のないようにして生産を立てるというようなことは当然含まれつつ、地域地域に必要な見通しを立て、さらに総合的に総数量はどうなるかということを立てるということは当然でありますということを申し上げたわけであります。今の、しからば、それでは価格のことも織り込んでかと、こういうお話ですが、これは私はいつも申しておるように、農家の方に損失を与えないようにするためには、やはり作ったものが売れるようにしていく。需要に関して大変動を起こさせないようにすることが、何としてもこれからの農政に対して親切な行き方だと思うのであります。従来とかく、需要の方、売れるとか売れぬとかいう問題は別問題として、ただ、作れ作れ、このごろは景気がいいからこれは売れるから、という形でありがちであったということで不測な損害を農家に与えることもありますから、その意味においては、当然将来における需要の面を考え、またその売る場合において有利な売り方を考え、また地域的にも、特殊な地域においてどういうふうに育てたらいいかということを考えていくということであります。そういう意味では、いわば価格の問題は変動を起こさないように需要を見つつ生産をしていくということであります。ただ、それじゃよく言われまする需給均衡価格でいくのかという言葉を使われますが、私どもはそればかりに片寄るわけではございません。むしろ変動にならないような形に、需要に合った生産の進め方をする。しかし御承知の通り、取引の関係も非常に弱い自然的経済的に不利な生産物でありますから、そういうものを補う取引、流通の改善なり、あるいは商品的価値を増加して、よりよき所得を上げさせるための加工設備というようなものにまで持っていくということを考えつつやっては参りますけれども、やはり経済上のいろいろな変動ということに処して価格の安定ということであれば、いかなる形にこの価格を安定さしていくかということについては、それぞれの品目において従来とられておりますように、米についての価格支持政策はどうであるか、その他の重要農産物についてはどういろ格好の価格支持政策がとられておるかということは御承知の通りであります。そういうものと関連し、また参考にしつつ、品物ごとに価格の変動のないような安定した価格を支持していくような必要があれば、そういう法制制度も必要であろう、かように考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 ただいまの農林大臣の御説明はよくわかりますが、たとえば私が郷里の方に行ってみますというと、農業基本法が今度出るのだ、こういうことで、選択的拡大ということがうたってある。さらにそういう中から、果樹部門は非常に成長部門であるということである。ところが、農民はこの際、私のところは山梨でありまして、果樹の生産地帯であります。従って現在果実が、山梨の優秀なのはたとえば白桃にしても、岡山より山梨の方が東京の市場に売れるというのは、非常に距離が近い。前の晩取ったものが、次の朝東京に着けて、鮮度が新しい。また長い輸送をしてこないために傷もついていないというようなことで、非常に東京の一般の市場に売れておるわけなんです。需要が多いわけなんです。ところが、そういうふうなことでもって、その成長部門はどんどん伸ばしていくということで、今度はこの付近の都心に近い相模原あたりに非常に果樹の増植をしていくということになりますというと、結局山梨は遠隔の地だから、つい生産過剰という面よりも、そういう鮮度の点からいって、結局生産過剰を来たす面もある。やはりそういう距離の問題等によって相当将来性がなくなってしまうのではないか、こういうことを言っておるわけです。従ってこれについては、どうしても価格水準というものをやはりある程度きめていただいて、そういう中から農民を保護してくれなければ、幾らりっぱな農業基本法を作ったって何にもならぬじゃないかという声があるわけなんです。これは一つの実例なんですけれども、そういう点を考えましたときに、いたずらに成長部門だからといって、あまり量だけできめていくということはきわめて危険性がある。やはり長期の見通しを立てるというならば、政策的に意欲をもって価格水準までやはり織り込んだもの、これをやはり考慮してもらわないと、農民は安心して生産に、成長部門だからといって植栽をふやしていくというわけにはなかなかいかないのじゃないか、こういうふうに考えられるわけなんです。この点について一つ……

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) その点はごもっともなお尋ねであります。私どもは、ただ成長部門に属するからといって果樹を、どこもかしこも作らせるということを考えておりません。この点は非常にむずかしい点でありますけれども、やはり先ほども清澤さんのお尋ねにありました適地適産を考えると同時に、需要に結びついた供給生産を考えていこう。ことに私は果樹等につきましては、先ほど桃栗三年といろお話が出ましたが、どの果実というわけでもなかろう。私は内地における需要の増という問題、やはりカン詰等になって需要がかなり伸びていく、これについてはカン詰に適した果実は何かということが問題になってくる。カン詰については白桃のようなものが桃の中でもいいということ、あるいはミカンはどうするというような問題はやはり頭に入れて、内地需要だけでなくて、輸出され得べきカン詰として加工して輸出で伸びというもの、これが大いに期待が持てるであろう。そういうものをどこに生産させるか、私はそういうことによって、おのずから標準価格というものはどのくらいで売られたらよかろうかということは考えられるんじゃないか。しかもそのことは、まだ腐敗性品でありますから、御指摘のような距離からいえば、山梨よりももっと相模原にできれば近い方がいいということでありますけれども、しからば山梨の方は場合によってカン詰の方をやる、それにはどうしたらいいかというようなことまで考えて私どもは指導はしていきたい。これは言うべくしてなかなか困難な問題でありますけれども、しかしそこまで入らなければ、ほんとうの意味において、価格なり所得を安定させることはできないと思うのです。私どもは少なくともそういうことを今後において、ただいま例をお引きになってお話しになりましたから、その例をとって申し上げましたが、そこまで私どもは考えていきたいと思っております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 これはあとの方へ入っちゃったのですけれども、ただいま大臣の答弁の中に、加工の方の問題でそういう生産の調整をはかっていくんだというお話がありましたが、最近の農村では非常に農業外の資本が入って、加工の問題でかえって農村を圧迫しておるといろ現実が見られるわけなんです。これはそのまま放置しておきますならば、原料供給者であるところの農村というものが、非常に困窮していくという状態があって、むしろ原料だけ生産して、かえって農業外資本で加工する人の方が太っていくということになりますと、これは幾ら生産いたしましても、結局農民の所得、生活を高めるゆえんにはならないわけなんです。そういう点については将来どういうような政策を考えておるのか、一つ基本的にちょっと聞かしていただきたい。

周東英雄自由民主党農林大臣

○国務大臣(周東英雄君) ごもっともなお尋ねでありますが、私どもが育てていく理想的体系というものは、生産したる農産物をさらに加工をして、そうしてそれを有利に売っていくという方に持っていくことが理想であります。少なくとも今日はよく言われます農業というものはアグリカルチャー、アグリカルチャーというのは、耕作ということだけでなくして、その生産品を加工してやるというところまで入るという意味において、むしろ農業の部門はアグリ・ビジネスという部門まで入るのではないかといわれておる。私は今後の新しい農家に対する所得増加のためには、生産されたかつ原料そのままで売るよりも、より高い程度で、日本の食糧構造が変わってきておりますから、農村等でカン詰にして、加工して売っていくというところまで持っていくことが必要だと思います。そういう意味においては、やはり農業経営の近代化資金等のねらいもそこにありますから、やはり農業者が農業協同組合等の共同加工施設をもって、そこでより有利に販売していくというような形が、一面においては腐敗性品に対する取引関係を強くするし、そうして一面においては、加工による付加価値の増加によって所得を多くするといろ形でいくことが理想でありまして、ただ問題は場所によってはむしろそこまで、いろいろの関連でいかないという場合において、原料での取引というものにおいて、かりに他の資本会社等が出て参りましても、その間における原料等の供給契約というものについて、農業協同組合等がしっかりした立場で交渉するならば、農家の方がよりよけい取り、中間経費を少なくして加工の方において片方が利益するということもありましょう。こういうことは一がいに資本が入ってくるのはけしからぬという意味じゃなくて、原則はあくまでもみずからの力でそこまで進むということを理想に掲げつつ、場所によってはそれによって相互が利益するという形が一つ行き方かと思います。私が先ほど申し上げました例でありましたが、これは清澤さんに、あるいは北村さんですかに申し上げたのですが、豚の生産を、埼玉県の春日部を中心とする豚生産については、もはや価格の変動はさせないで、全部引き取ってハムで売る。そのためにはその加工工場は会社がやりますが、その会社に対しては、供給契約については農業協同組合がしっかりした立場をとります。それがおそらく条件だと思います。知事が入りまして農林中金から二億の金を出して設備さしている。行く行くはその工場はその地帯におけく農家の次、三男その他を、特別な技術を要するものは別として、全部雇い入れる。また将来は加工技術に対しての指導をする学校、教習所のようなものを設け、また畜産技術の指導をそこでやろうというような事柄を私は、あなた方もお考えになっているようでありますが、農村に対する工場誘致の立場で、まず優先的に農産物の加工工場を誘致する、そこに農村農民を送るということが一つの形でなかろうかと思うのです。そういう姿もあると私は思います。いずれにいたしましても原則、理想は農家の共同体をもって、加工まではいかない部門、場所におきましてそういうことがとられる場合においては、農家の損失にならぬような強い体系を整えてやっていくということも、一つの農家の利益を増進するゆえんかと考えます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 農業農産物の流通過程の問題にまで入りましたが、その前においてもう一点お聞きしたいわけでございますけれども、これは大臣でなくてもよろしゅうございますが、第八条の「政府は、重要な農産物につき、」とこうありますが、こえて第十一条には「国は、重要な農産物について、」とこういうように書いてあるわけでございますが、その目的とするところは意味が違うようでございますが、この「重要な農産物について、」は、その内容的にはどういうように違うのですか、同じようなものですか。違うことをうたっていますからちょっと。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 第八条は、まあ生産需要というような立場から、あるいは第十一条は価格政策の立場から考えるわけですから、観念的には異なるわけですが、大体一致しているものと思われます。私ども生産計画で考えております重要な農産物としては、まあできるだけ農業の、農家経済の上から、あるいは国民消費生活、国民経済上から重要なものは拾い上げるという思想でございますけれども、なるべくこれは広く生産、あるいは需要の見通しについての農作物は拾い上げていきたいという気持を持っております。そこで、作物としては、ただいまのところでは米、麦、カンショ、バレイショ、菜種、大豆、トウモロコシ、豆数等の雑穀、テンサイ、サトウキビ、野菜、果実、茶、繭、タバコ、肉、卵、牛乳というようなものを考えております。それから価格政策の方では、現在価格安定制度の対象になっておりますのは、米、麦、カンショ、バレイショ、菜種、大豆、テンサイ、繭、こういうものでありますが、さらにこれを広げて、今御審議を願っております牛乳、それから豚肉というような畜産物についても、価格安定制度を広げていくということを考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 わかりました。それからもう一つですが、その第十一条の二項には「政府は、定期的に、」といって、いろいろ「結果を公表しなければならない。」とあるわけでございますが、やはりその計画を定期的に立てて、初めて結果を定期的に発表するというなら理屈もわかるのでございますが、第八条には、そういう定期的にというような問題がうたってないわけなんです。ですから、立てたいときに計画を立てていくのだ、あるいは、壁にぶつかれば計画を立てていくのだ、経済的な変動があれば計画を練り直していくのだということが考えられてくるわけです。しかし、結果は定期的に発表していくのだということでは、ちょっと計画とその成果の公表というような問題と、少しく将来において食い違いが出てくるのではないかというような点も考えられるのですが、その点について、法文を立てる上において、どういう考え方を持っておったかということをお聞きしたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 第十一条の問題は、きのうもお答えしたかと思いますけれども、二年ないし三年に一回ずつこういうことをやっていこうと、こういうことでございます。それから第八条の方は、これは法律が通りますれば、早い機会に、私ども今申し上げたような作物について、需要、生産の見通しを立てて公表するということでございますが、なお、三ないし五年には、またその先の五年、十年の見通しを作っていく。ざらに主ないし五年たてば、さらに五ないし十年の先の見通しを作っていくというような動き方でやっていきたいと、こう思っております。その間に、二項にありますように、需給その他の経済上の予期しなかった変動があったというような場合には改定をするという趣旨が第二項にうたってあるわけです。そういう形で作っていくつもりでおります。

東隆民主社会党

○東隆君 関連して。今の長期の見通しの場合に、二年ないし三年ぐらいで、その後の五年ぐらいの見通しと、こういうお話しですが、その場合に、どの程度数字的に表現されるのですか。   〔理事櫻井志郎君退席、委員長着   席〕

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) これは私、午前中にも申し上げたかと思いますけれども、もちろん数字で出すわけですから、しかし、見通しと申しましても、過去の姿を投影する、あるいはこれらの経済変動を予測して考えるというようなことで、将来のことを見通すわけですから、たとえば所得倍増計画でも、十年先見通して生産見通しをしておりますし、あるいは基本問題調査会の答申でもしておりますけれども、あれは相当幅のある見通しだということは、頭に置いて読んでいただかなければならぬと思いますけれども、そういう幅のあるという性格がありますが、数字で、米は何ぼとか、大麦はどうだとかいうようなことで見通しを立てるわけでございます。

東隆民主社会党

○東隆君 それから価格の方は、それより短い期間でもって見通しをされるということだし、生産の方は少し長い、二年ほど違うわけですが、このぐらいならば、逆の方がほんとうはいいのじゃないかと思うのですが、そうじゃないですか。価格の方がある程度一定をしている方が、非常に安定性を考えられて、生産の面が長期で、そうして価格の方が短いですから、私はこれはかえって逆で、価格の方の長期の見通しをされて、そうして生産の面はかえって短い方がいいのじゃないか、こういうような気がするのですが、見通しの立て方なんですけれども。それから、この中には見通しを立てるというような言葉を使っておりますから、私どもはこれを自由主義の立場に立っている政府として、計画という言葉を逃げるためにこういうような言葉を使う、こう理解をすると、その辺のところ見当がつくのですけれども、その場合どうですか、価格の方がかえって長期の見通しで一つ定められて、生産の方を一つ短い期間でお考え下さった方が、価格の方面においても好影響を及ぼすのじゃないですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 計画、見通しの問題は、計画という言葉を使っても何ですけれども、ここでいっておりますのは、計画といいますと、そこへ持っていくのだ、いろいろコントロールして持っていくというような意味が入るかと思いますけれども、そういうことでなくて、見通しとしていろいろな施策をやる場合の道しるべにする意味で、見通しという言葉を使っているわけであります。そこで、価格のレビューの問題ですけれども、第十一条二項でいっておりますのは、定期的にと、こうありますが、二、三年に一度、価格政策というものは、一年だけで効果の判定がなかなかわかるものではないので、むしろ二、三年の期間をとって、総合的に検討してみる必要があると思うのです。これは昨日も申し上げましたが、いろいろそのほかの政策になりますと、第六条で年々やるわけですが、価格政策というものは必ずしもそういうものではないので、少し長期をとって考えた方がいいというので、こういう検討を定期的にやる、こういうことになっているわけです。これで今価格の見通しをやるというようなお話がございましたけれども、これらも午前中に話が出たかと思いますけれども、たとえばフランスでやっておりますように、何年か先の値段をきめて、それを目標にして毎年価格をきめていくというような方法も、今後生産調整あるいは選択的拡大というようなことを考える場合には、検討していかなければならない問題だとは思っております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 ただいまの問題ですが、先ほど長期の見通しについては、やはり農業発展のために意欲的な政策を織り込んだ見通しを立てるのだ、こういっているわけです。これは一つの具体的なそういうものを立てるということは、将来における農業生産を拡大していくということについての具体的な政策だろうと思うのです。そういうものを立てておく以上は、それがこっちの十一条以下の方では、定期的にその結果を発表していくのだという場合があったときに、結局価格が非常に暴落したり何かしてしまうと、やはり計画に変更を加えなければならぬわけでしょう。最初立てた計画に変更を加えていかないと、農業というものは立ちゆかなくなっていく。あるいは価格に対して、その暴落したそういう農産物についてのいわゆる政府が責任を負って補てんをするならこれは別な考え方も出てくるわけですけれども、そういうような問題を考えましたときに、やはり基本となるのは、生産の長期見通しのわけです。それについては、やはり価格というものの安定をはかるために必要な施策を講ずるということが十一条にうたってある以上は、やはり長期の見通しの年数と、そのあとで定期的に発表する結果とは、やはり同じ歩調でいかないと、問題が私としては成果が上がらないではないかということが考えられるわけです。こういう点について、どうも今の答弁では少しちょっと納得がいかないわけなんですけれども。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私の申し上げ方があるいは不十分だったので御理解いただけなかったのかと思うのでありますが、十一条の二項で考えておりますことは、現在も先ほど申し上げましたように、いろいろのものについていろいろの方法で価格安定制度があるわけでございます。そういういろいろのものについていろいろの方法でやっておる価格安定制度というものを総合的に、一体そういうものは農産物の需要の観点から、あるいは流通の合理化の観点から、あるいは需要増進の観点あるいは農業の所得の観点から、あるいはまた国民の消費生活というような面について、実際どういうふうな役割を果たしておってそれでいいのかどうかというような点を定期的に検討をして、それはこういうことになっているからこうなった力がいいんじゃないかというようなことが公表される、これが第十一条の第二項でございます。従いまして、今申し上げた生産見通し、意欲的なと申しましたが、意図的な生産見通し、あるものについては減退し、あるものについてはふやさなきゃならぬというようなことにも、この価格の総合的な検討の立場から当然物事は考えられて反映されるということになろうと思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 どうもわからぬですが、おそらく自由主義の経済下においては、生産が上がれば、生産性が向上すれば、そのまま即所得が上がるとは私は限らないと思うわけなんですよ。問題はその生産性が向上するということは、その単位時間内においての生産量がふえるということだろうと思うわけなんです。それだからといって所得がそのまま向上するとは考えられないわけなんです。だから結局問題はこういうふうな長期見通しを立てても、やはり価格政策が不安定ならば、これはやっぱりその長期の見通しというものは打開していかなきゃならぬというように考えられるわけなんですよ。従ってそういう面から考えますと、やはり長期の見通しにつきましても、この第十一条一項、二項の問題にいたしましても、これは不離一体の形でなされていかなければいけないということを考えましたときに、生産の方の長期の見通しについては五年なり、まあそれ以上なりの見通しを持ってやる、ところがこちらの方の価格の方の問題につきましては、定期的に二、三年でもってやっていくんだということになると、農民としてはどっちを信用していいかわからないわけなんです。長期の見通しに片寄ってるというと、二、三年でもって価格の安定政策が変更になっていくというようなことになりますと、これは自分の生産基盤というものに大きな影響が出てくるではないかと、こういうように考えられてくるわけなんです。こういう点がどうも納得ができないあれなんですけれども、もう一度一つ御説明願いたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 選択的拡大と申しますか、そのどういう作物が伸びたらいいんだ、どういう作物が減ったらいいんだというようなことが第八条からの見通しの中で述べられるわけです。そういう選択的拡大の方向に一体価格制度をいろいろのものについて、価格制度がいろいろの方法でやられておるけれども、そういうものにマッチするのかどうだろうか、そういうものを阻害していやしないかどうだろうかというようなことも取り上げて検討するのが、第十一条の第二項の問題です。従いまして第八条で言っております生産見通しでこういう方向なんだというものに合わせた価格安定制度はとられていなければならないという見地からも、第二項で検討されるわけですから、そういうものに合っていないということ、合わせなければならぬということになれば、そういうふうな安定制度を変えていくということでありまして、そういう方向に合わせた価格安定制度というようなものが考えられなければならないという思想で検討されるのが二項、そこで第十一条の一項は、そういう価格安定制度のあり方をいっているわけですから、先ほどから申し上げましたように、必要があれば何年か先の価格をきめて、そこに到達していくようなフランスのやり方を今後検討されていくだろうということを申し上げておるわけであります。

東隆民主社会党

○東隆君 お話を伺っておりますと、生産がふえたときには値段を安くする、それから少なくなったときには値段を高くする、そういうことになりそうなんですね。それで、過剰生産のときには値段を安くします、それから少なく生産されたときには高くいたします、これ以外にないと思うのですがね。この条文をしさいに検討すればするほどそういうことになってしまう。そうすると自由主義経済に立っているのだから、市場中心にして価格が形成をされる。そういうことに最も忠実な表現なんだから間違いはないと思うのですが、それを非常におそれておるので、何とかして価格の安定、それから年産をする場合、計画的に生産をしてそういうようなことにならないようにしよう、こういう考え方で農業基本法は私は考えられなければならぬと思う。そうすると、ここに書いてあるもの、これ、どういうふうに読んでみても私は、選択的拡大生産の文字は非常にいいけれども、しかし、それを選択して生産がどんどん上がり、過剰生産になる。そうすると値段を安くする、どうも四囲の情勢を考えてそういうふうにきめるのじゃないか、こういうふうに考えられて仕方がないのです。それで、もしそういうようなことをしないで、あらかじめ価格を決定しておいて、その価格よりも下がったときには政府が適切な措置を講じて生産農民に対して損失を与えない、こういう保証があるならば、私はこの表現に賛成でございますけれども、こういう表現がなくてそうしてやるのだというと、これはどうもあまり政府が笛を吹いてそうしておやりになって、果樹なんかやたらに植えつけてみても、これはとんでもないことが起きてくるのじゃないか、こう思うのです。リンゴなんかもある程度ぶつかっているでしょう。それからミカンだのなんだの、そのほかはよくわかりませんが、ナシなんかカン詰めの方なんかもおそらくぶつかっておるのじゃないですか。そういうふうに考えてくると、果樹の面なんかだいぶ危険な様相を呈しておるにもかかわらず果樹振興の名のもとに、いわゆる成長部門の方に入れられている。これなんかも私は、はっきりしたものをお示しになって、そうしておやりにならないと、くだもの過剰生産になって、これは大へんなことになる。相当の投資をし、そうして何年間も投資をしたままにおかれておるのですから、その結果年産をする、そうしてそれが過剰生産だ、こういうことになるのですから、これはもう非常に危険を負担して、政府の選択的拡大生産に一生懸命歩調を合わせるのですから、それに対しては十分に補償をしなきゃならぬ筋合いのものではないか、こういうふうに考えるのでありますが、こういう点でもう少し国の責任をこの際考えなければ、この基本法は非常に危険じゃないか、そういうふうになりませんか。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 委員長、ちょっと議事進行。きょう安田君は休んでおられましたから、この委員会の運営がよくわからない関係もあるのですけれども、今回のこの基本法は初めからわれわれ言っているように、非常に法律の内容から疑点がたくさんあるわけなんです。従って、系統的に質問をしなければ困るというので、関連質問はなるべく控える、やっても一たん落ちついたところでやる、こういうところでやっておるわけなんです。人がやっている途中で長々と演説なんかやっておると、質問の要旨がぼけてくるのです。それのみならず、系統的にやって初めてわかるのですからね。お互いにそういうことでやり、委員長もそういうふうに整理してもらいたいと思うのです。疑問はたくさんあるのですから、途中で私たちもみんな聞きたいこともたくさんあるのです。それをそうしないで、一人が系統的にやって、それでも非常に東を西というようなことがあったら、そのとき質問をやってもいいけれども、自分の考えはこうであるというような、長々と演説が間に入ってくると、これはわからなくなるのですよ。これは東君が演説をやったというわけじゃないのですよ。そういうおそれがあるから、委員長、もしこの審議身促進したいならば、ちゃんとそういう議事の運営をやらぬと、もろ無限にこんなものは疑問があるのですよ。それでいいならそれでいいですが、委員長、しっかりやって下さい。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 承知しました。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私どもの立場からは、むしろふえるべきものが価格安定制度の不工合のためにふえていないというようなことがあってはならぬといろ意味での検討をし、またそういう場合に価格安定制度を直していくということのために、十一条の二項があるのだというふうに御理解願いたいと思います。それから果樹の問題につきましては、果樹一本全部が成長財だということはなかなかいえないだろうと思います。個々の果樹の中でも消費がむしろ高度化してくるという傾向があるので、そういうことも考えながら、生産の見通しも立てなければならない、こういうふうに思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 第九条に関連しますが、最近畜産部門が非常に有望視せられてきておるということでございますが、最近の趨勢を見て参りますというと、どこの県でも、おそらく畜産に対する技術指導員という問題が非常に払底しておると思うのですよ。従ってこの法案がかりに政府案が通ったといたしまして、直ちにそういう成長部門についての長期見通しを立てた際に、これと並行したそういう畜産技術の高度化とかというような問題が早急に解決されなければならぬ、こういうように考えられるわけなんです。これについて具体的にどういうことをどんなように今考えられておるのか、ちょっと御説明願いたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 畜産を含めての農業技術の高度化のための考え方はどうか、こういう御質問だと思いますが、農業技術の高度化という場合には、一つは試験研究の推進ということがございましょうし、その試験研究の結果をさらに普及をしていくという問題がございます。その場合には普及をする人の講習ということも、資質の向上ということもございましょうし、さらにそういう技術を入れていくための資金の手当というようなことも問題になってくると思います。そういう意味で、試験研究におきましても、たとえばこれから伸びる畜産部門、むしろ研究のおくれている部門については特に力を入れるという方向でやっておりますし、また試験機関にいたしましても、従来農事試験場として一本であったものを、畜産試験場を独立さしてやっていくというようなことで、今この設置法の改正として国会で御審議願っておりますが、そういう方向でものを考えております。さらにまた、普及の問題につきましても、畜産等のこれから伸びる部門についての普及員、特に特技の普及員を充実していかなければならぬということで、その方面には特に力を入れております。さらに、ことしから新たに福島の牧場に県の職員等を集めて、特にその畜産の技術を身につけさせるというような講習の機会を新たに作るということも考えております。さらにまた、新しい技術を導入するというような面では、技術導入資金というようなこともございますが、まあそういうようなことで、試験研究あるいは普及、あるいは技術導入資金というような面で、新しく伸びる面には特にいろいろと力を入れておりますし、これからも特に力を入れていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私もう一つ伺いたいことがあります。農業生産の調整という問題でございますが、すでにことし政府でも大麦、裸麦の作付転換を奨励して、そういう法案までも出してきておったわけです。ところが、茨城や栃木は農民の与党側に対する強烈な陳情によりまして、大麦、裸麦に対する政府の意図する考え方というものが一応変わってきたわけです。そういうようなことの経緯を考えてみますといろと、特にそういう部門についての農産物は、将来選択的拡大の対象となって、逆に減少を制限しなければならぬ、こういうようなことになろうかと思うわけなんで、そういう際に、この長期の見通しとあわせて、農業生産の調整をするという場合に、どうしても作付の規制をしていかなければならぬだろうと思うわけです。そういう作付の規制というととは、これは広義に解釈していけば、これを長期の見通しの中で押し通していけば、結局統制をしていくのだという形が歴然として出てくるわけです。こういう点についてはどういう思惑を持っておるのですか。あるいはことしのように、与党側の農民の強烈な陳情によって、それが政策的に変更してくるというようなことになれば、これは選択的拡大を政府がうたう精神とは全く逆行するような方向にいってしまう、こういう点についてどういう考え方を持っておりますか。一つ御説明をお聞きしたいと思うわけです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 麦の問題は、午前中にもお話がございましたけれども、選択的拡大という、この基本法で申します方向に合った方向で、大麦、裸麦のような、もうすでにそうこれから消費は伸びないし、むしろ非常な減退を続けているというものについては、今後生産減をしていくという方向がとられなければならぬと思います。そういう意味であの法律が出ているわけであります。しかし、これとても作付割当をして、強制的に減少をさせるということではございませんし、また、農業基本法で申しております九条の生産調整ということも、そういう強制を用いてまでもやろう、ある作物は積極的にふやすのだから、これは何が何でも作れ、あるいはこれは作っちゃいかぬ、そういろ強制を用いてまでやるということを、この法律で考えておるわけではございません。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 次にお伺いしたいことは、この法案が通りますというと、来年の政府の予算であるとか、あるいはこの法案に関連する法案等が一応成立したといたしますというと、来年から一応予算その他の政策事項を実施に移していかなければならぬわけなんです。そうしますというと、大体今年三十六年はこれからあと幾ばくもないわけです。従って来年の予算はすでに今年の六月、七月八月ですか、八月ぐらいから作業を始める、そうすると政府の原案になってくるときには、今年の実績は出てこないわけなんですよ。そうすると来年度の農業政策というものは一応昭和三十五年を道しるべとして立てていかなければならぬと、こういうようなことになるというと、この法案が通って、真の実施段階になるのは昭和三十八年以降と、こういうようなことになるわけなんです。こういう点について政府はどういう考え方を将来、お持ちになっておりますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) お説のように来年度の予算の作業というのは、事務的には早い機会から始まるわけです。私どもとしましても事務的にはこの法案が通過した場合にいろいろやらなければならぬことを研究はしておりますが、新しい方向を当然三十七年度の予算には組み込んで、また必要があれば新しい法律も出すということになろうかと思います。ただ、この法律のねらっておりますことは、一年や二年のことではないのでありまして、むしろ長期的な物事を考えなければいかぬ、こう思います。従いまして今後のいろいろな事情の移り変わりに従って、いろいろの予算も組み、いろいろの法律も出す、こういうことになろうかと思いますが、さしあたりの来年度の予算には、今考えられなければならぬことは織り込んでいかなければならない、事務的にはそういうふうに考えて、いろいろ準備はしております。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 じゃ、先に進みますけれども、第十条の災害に関連する問題でございますが、これはこの問題については風水害を初めとする天災、あるいは病虫害、こういう害が想像せられるわけでございますけれども、やはりこれについての長期的ないわゆる防除対策といいますか、そういうようなものはやはりお立てになっておるわけでございますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 災害防除の長期計画というようなものは特にございませんが、災害が起こらぬように農業生産基盤の整備をいたしますとか、あるいは病虫害についての対応策を講ずるとかいうようなことはもちろん考えておるわけでございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私はこの農業災害というものは非常に農民にとっては大きな脅威になっておるし、農業生産を最も阻害するものです。従ってやはり需要や生産の長期見通しを立てて、そういうものを立てた以上は、これに対する過去の積年の災害というものは、かなり統計的にも相当明白になっているわけなんです。従ってそういろ点を考慮するならば、当然将来予測されるところの災害についての対策というものは、これは立てなければならぬ。特に国家財政によってこれを遂行するときには、全国に点在する農村に対して、急激に巨額な財政を割譲するということは、従来の日本の農政の上からいきましても不可能なんです。従ってこういう問題については計画的に立つべきだ、こういうふうに考えておるわけなんです。そういう問題についてやはり概括的な説明がなされなければならぬと、こういうように考えるわけなんですが、この点どうなんですか。抽象的でなくて、ないならないでいいんですよ。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) すでに災害を受けたところの復旧計画、これの復旧計画、これはございます。御承知のことと思いますが、あるいは治山治水の計画でありますとかというようなことで、災害がいつ発生するかというようなことは必ずしも今言われたように、予定できるじゃないかというお話もございますけれども、そういうものではなかろうと思います。むしろ、災害が起こらないようにということで生産基盤の整備をする、あるいはまた、もしも災害が起きたときには、そういうものに対する手当は怠りのないようにできるようにということで、たとえば災害救助等の対策をしておくというようなことで、これには対処して参りたい、こう思います。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私はそういう大澤さんの説明ですがね。やはり災害というものは、農村にはかなり年次的に毎年繰り返してやってきているわけなんです。従って地域的にかなり農林省でもどこに災害が、風水害はどういう地方におもに多いとか、東北方面に少ない、あるいは地震津波は東北に多いとか、いろいろそういう問題があるし、あるいはたとえば、いもち病にいたしましても、そういう病虫害におきましても果樹地帯においてはどういうものが多いということが、統計的に出ているだろうと思うのですよ。従ってそういう天災を含めたいろいろな災害について、やはりこれを防止していくのだという積極的な具体的な対策というものは、同時にこの長期計画の見通しと付随して立つべきである。なければいいんですよ、災害がなければこれにこしたことはないわけなんですけれども、やはりそういうことを常時考えておくことが必要だ。特に日本の地理的な関係からいっても、そういう年々災害に襲われるという問題は、非常に農民の頭を悩ましておることを考えるとき、やはりそういう点についてもっと関心を持っていくという農業施策が行なわれなければならない、こういうように考えておるわけなんですがね。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 災害に対してあらかじめ備えをするということ、その通りだと思います。そういうことで、私先ほど農業生産基盤というようなことを一口に申し上げましたが、たとえば防災のためのため池の施設ですとか、あるいは海岸堤防でありますとかいうようなこと、そのほか建設省関係でもちろんやっております。さらに病虫害の問題というようなことにつきましても、植物防疫法だったと思いますが、あれで害虫防除の作業をやりますとか、あるいは発生予察をやるというようなことで、今言われましたような病虫害に対しても対処するというようなこともちろん考えてやっておるわけでございます。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 私はこの新しい農業基本法というものを、政府がこれを農業の新しい道しるべとしてこういう法案を作っていくときには、やはりそういう災害についてもこの基本法と並行して、従来分散しておったものも、建設省でやっておるからいいんだとか、あるいは温水ため池を作るのだからいいんだということでなくて、もっと系列の立った恒久的な災害防除対策を、やはりこの際計画すべきであるということを申し上げているわけです。これについての当局の考え方をお聞きしているわけなんですよ。この農業基本法を作らないで、従来の通りのいわゆる何というのですか、一つの壁に当たったならば、あるいは自然的に農民の努力によって成長してきた農産物だとか、そういうものに対応したところの一方的な政策でなくて、もっと農村にたくさん資金を導入しようとか、あるいは政策的な援助をしようとか、あるいは技術の高度化の具体的な問題を解決していこうとか、こういう積極的な意図を表わしていくというような場合にはやはりこの災害というものは、従来のままでは災害は防止でき得ない。新しい観点に立って災害防除対策というものの施策を強化していかなければならぬだろう、こういう観点からお聞きしているわけです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) ただいまもいろいろやっておるわけでありますが、もちろん、これから災害が起こらないように災害防除対策というものは強化して積極的にやっていく、災害の起こらないようにあらかじめ準備をするということは、お説の通りしっかりやっていかなければならない、こういうふうに考えます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 技術的の本質的の問題でないですけれども、ちょっとお尋ねいたします。第八条の、この長期見通しを公表しなければならない、これを公表するこの長期見通しは、一体毎年立てるのですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) この法律が通りましたら、まず第一回立てなきゃいかんと、こう思います。それから二年ないし三年したら、さらにそれから以後の第二回目としましては、それから以後の五年ないし十年の見通しをしていく。こういうふうな作業をしていきたいと思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすると毎年出さないのですね。これは毎年出す必要があるのじゃないですか。非常に今これからは選択的拡大をやるので事情が変わってまずから、毎年この長期見通しというものを公表する必要があるのじゃないですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) その必要はないと思います。長期見通しについてさらに一体その年の農業生産の動向はどういうふうになったのだろうというようなことは、年次報告の中で取りしけてやる問題にもなりますので、今申し上げたようなことで長期見通しを立てていくということが適当じゃないかと、こう思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすると、第一回を出して、その後二年ないし三年を経て五年ないし十年の見通しを、計画でもいいんですが、出すわけですね。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 先ほど私、二ないし三年と申し上げてたらそれはあやまちで、その前に申し上げたように、三ないし五年たてば第二回を五年ないし十年について作る。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 だから念のために聞かないと、すぐ変わっちまいますからな。第一回はいつ出しますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) この法律が通りましたならば、なるべく早い機会にやりたい、こう思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 いつ通るかわからぬけれども、秋の臨時国会になるかわからぬが、かりにこの国会で通ったらいつ、秋の臨時国会で通ったらいつ出す見通しですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) なるべく早く作業をして公表したい、こう思いますが、いつということはちょっと今申しかねます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 なるべく早くなんていうのは、もう最近国会では通用しないのですよ。昔はそういうことで大体よかったのですが、近ごろはなるべく早くというような言葉は通用しないことになってきた。そこで一体いつなんです。なるべく早くといって、一カ月もなるべく早く、一年もなるべく早く、場合によれば二年もなるべく早く、一体いつなんです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) おそくも年度内にはという気持を持っておりますが、なるべく早くやりたいと、こう思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 おそくも今年内ですね、年内。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 年度と。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それから公表とは、どういう形式でやりますか。国会に報告書を出しますか。あるいは農林省の前に看板でも出すのか、公表とはどういうことなんです、ここにいう公表。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 特に様式行為というふうには考えておりませんが、一般に周知できるような形で公表したいと、こう思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それはわかっているのです。ここに「公表しなければならない。」というのですから、わかっていますが、それはどういうふうに具体的にやるか、それによって非常に問題があるのです。じゃあ国会に報告をするかしないか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 一般に周知し得るような方法でやりたいと思いますが、もちろん国会にはおわかりになるような形でやらなければならぬ。義務として報告するとかいうような問題ではなかろうと思いますが、国会にはもちろんお知らせをするということになると思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 国会に報告書を出しますね。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 国会にももちろんおわかりいただくような方法で公表したい。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 いや、そういうことを言っているのじゃない。義務がないことはわかっているのです。国会に報告書を提出するかしないかということをお聞きしておる。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 六条にありますような形の提出ということにはならないと思いますけれども、御要求があれば、もちろん見通しをお出しする、こういうことになります。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 七条に戻ります。七条に「政府は、毎年、国会に、前条第一項の報告に係る農業の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を提出しなければならない。」こうなっている。そこで、との「提出をしなければならない。」というのは、従来の慣行によりますと、報告と提出を、国会に二つありますが、提出の場合はおおむね国会の承認を、議決の対象になっているのです。そこでこれは議決の対象にされますか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 今までこういうことを国会に提出いたします場合に、議決と申しますか、承認というようなことを必要とする場合は、明文で規定してあるようでございます。従ってここで「報告を提出しなければならない。」ということで、そういうことを書いてございませんので、議決というようなこと、あるいは承認というようなことは必要はない、こういうふうに思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 大澤さん、あなた憲法をごらんになればはっきりしますよ、憲法に決算を内閣は国会に決算書を提出しなければならぬことになっている、提出しなければならぬとだけ書いてありますよ。そんなこと書いてないですよ。そのほかの法律にもありますが、まず憲法に歳入歳出の決算書を提出しなければならぬといって議決の対象になっているのです。最も大きい問題ですね、提出というのは書いてなくとも、議決の対象になっているものはたくさんあるのです。従って提出という文字を、私はこの六条の提出まで議決の対象にせいとは言いませんけれども、少なくともあなたたちこれをお書きになるときは、当然議決の対象になるものだと思って、御回答があるものだと思っていたのです。昨日も聞かなかったのは、当然だから聞かなかったのですが、あなたがたまたま例をあげられたからお尋ねいたします。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 現行法上は、明文でそういうことがはっきりしているときにやるということになろうと思います。ただ、国の決裁は今お話がありましたように、憲法には提出しなければならないとありますし、財政法の何条かでもそういうことになっておりますが、これは事実上国会の承認ということを受けておるようですが、旧憲法時代からの慣行、慣例ということでそういうことになったのだと思います。それ以外、あるいはそういう慣行がほかにも、私承知しておりませんけれども、今言ったような議決なりあるいは承認をしなければならないというような場合には、いずれもはっきりした明文があります。そこで、私どもこの場合もそういうふうに取り扱いたい、こういうふうに思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 はっきりと明文がなくとも、やっているものがあるのです。私あなたにそんなことを言いたくないから、今この憲法の条文だけ言ったんですけれども、報告のやつでもたとえば国有財産増減及び現在額計算書、国庫債務負担行為総調書、こういうものは受けているのです。そこであまりあなたに恥をかかせるようなことを、私は言わせないようにしていただきたいと思うのです。ちょっとこれはほんとうは提出しなければならないと書いてあって、当然これは承認の義務があると思ってお書きになっている、そうだと思っておったら、そういう解釈をされておるなら、これは提出をし、承認を得なければならない、こう書かなければならぬと思う。これは農林大臣がおられませんから、明日お尋ねいたします。ちょっとあなただけでは、事務的ではないのですから。これは当然予算と関連して国会の承認、議決事項になるはずだと思うのですよ。そこで御回答は要りませんよ。またその前例等は一つ御研究して下さい。これはあなたがおっしゃったから、そんなことになったのですので、ちょっとそのくらいで……。  それからついでにお尋ねいたしますけれども、第六条の文書は、いつ、何月に提出されるのですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 原則として、予算が国会に出されます二月の初めごろに出したいと、こういうふうに思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすると、予算と大体同時に出されるわけですね。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 大体同じころになると思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それならもう一つついでに、第六条のこの報告はいつ出されます。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 六条、七条、同じ時期に出したいと、こう思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 じゃもとへ戻りまして、第八条で「重要な農産物」と書いてありますが、この「重要な農産物」とは一体何ですか。もし、私、ちょっと席を立って……、重複している点は、もうお答え下さらんでけっこうです。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 先ほど申し上げました。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それからこの「長期見通しをたて、」、この見通しによって農民がいろいろ自主的にやるわけなんです。そこでこの見通しが狂った場合どうなんです、だれが責任を負うのですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) これも案は午前中に森委員のお話がございましたが、狂った場合というのはどういうことかということは、いろいろ問題があると思いますけれども、それが見通しを誤った場合、これは当然政府が政治的な責任があるのでありまして、もちろんそれに対する善後措置をとらなければならぬ、こういうふうに考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そうすると、農民が非常に迷惑したときは、政府が補償するわけですね。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 補償というような法的な義務は別といたしまして、善後措置をとるということでございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 これは明日大臣にもう一度お尋ねいたしますが、大澤さんは今から四日ばかり前でございましたかね、NHKの放送で、たまたま私聞きましたら、あなたは共同通信の寺山記者と農業基本法で対談をされておる。その際にあなたは、この見通しが狂って農民に迷惑をかけたときは、当然政府は補償いたしますと、こう言って、寺山君に、これは速記に残さなければいかぬと、こういうことを言われています。あなたはちょっとそのときのラジオ放送と違うのです。あれは全国の農民が聞いていたのですから、非常にあのときの言葉に、力強い発言に期待しただろうと思うのです。どうなんですか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私は、補償とは言っていないはずです。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私は文章は、あなたは法律の専門家ですからそういうふうに言われますけれども、だから私は初めは補償と言わなかったのです。責任と、こう言っているのです。あなたはおそらく言ったであろう……、私もそんなに記録をとって聞いているわけじゃない、しかしあなたはおそらく政府の責任、政府が当然責任を負いますと言われましたけれども、その前後のニュアンスは、聞いておったときは、補償するという意味にとられるように発言されているのですよ。だから私は、それはそう言わなかったのだからと、そう逃げられるだろうと思うのです。思うから、私は初めは補償とは言わなかったのですが、聞いているのは、おそらく補償と聞こえるようにあなたはお話になっているのです。だからこれはあなたばかりでなく、政府並びに与党の方も含めて、おそらく全国にPRされたときは、そういうお話をされていると思うのですね。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 小林先生がそういうふうにおとりになられたのは、非常に私残念だと思いますが、(「残念じゃないんだ、非常にいいんだ」と呼ぶ者あり)ここで国会の御審議の過程で、今申し上げたようなことをはっきりさしておきたい、こう思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは事務的なことじゃなしに、非常に大事な点ですから、ちょっと例外として関連質問するのですが、国会の論議等、補償とかあるいは責任とか、そういう使い分けをすれば、これは強弱の度合いというものは、おのずから委員の諸君にはわかるわけです。だけどね、外に出て農民の皆さんなどに政府のえらい人が責任を持ちます、こう言えば、これはもう補償と同じ意味ですよ。私は不幸にしてその大事なあなたのなにを聞き漏らしたわけですが、それはそういうふうにとります。その際、これは補償ではありませんよ、責任ですよというふうにまさかお断わりになっておるとは思わない。それは議論のときは補償だ、責任だと言ってやっているから、その区別ははっきりする。それは一般的に政府が責任持つ言ったら、ああそれじゃ工合が悪くなったら政府がちゃんと手当してくれるのだ、こういうふうにあなた、とりますよ。だからこれは国会でですと、非常に責任が重大になるから、こういうところでは言葉を少しやわらげて言う。外においては何といいますか、そういう責任という言葉を使って、そして実際に責任を負っていくんだという気持なら気持でいいわけなんです。そうでなきゃならぬわけなんですよ。だから実際の腹がどうなのか。こう突き詰められると、なるべく責任を軽くしておこう、こういうところでは。これは一般にこういう問題だけじゃなしにあり得ることなんです。だから、たまたまラジオの場合に、ほんとうに考えておる気持がそのまま出ているんなら、私は農林大臣にもやっぱりここで確認してもらった方がいい。この二章、三章の価格問題というものは非常にわかりよくなってくる。だからそういう意味で、委員長その点明日、詳しくさらに明確にさせてほしい。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 大澤さん、ここで改められる必要はないですよ。あなたがおっしゃったようなことを大臣から確認をしてもらいたいと思ったんですが、大臣おられないところで、きょう時間の関係で私始めたからそうなりましたが、明日もう一度一つ大臣にお尋ねいたします。  それからもう一つは、生産の長期見通し、この生産の、さっきだれか、東君だったか言われたのですけれども、不明確なんです。需要及び生産の長期見通し、需要及び生産、この中には、長期見通しは、価格がこのくらい、今の通りなら需要はこうで生産はこうだ、価格が上がればこうだというのがなければ、長期見通しの意味がないんですね。もう何だか知らない、わけのわからない数字を出したら、もう翌年は変わってしまう。たとえばこれから選択的拡大をやるのですから、米価をどんどん上げていけば需要がなくても生産が上がる。こういうことなんです。従ってこの需要及び生産の長期の見通しの中には、当然価格が入っていなければならぬ。価格をどれくらいにするか、どれくらいの場合はどうなるかということが一つになって現われなければ意味がないと思うのです。そういう点お出しになるかどうか。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 私先ほど単純な見通し、意図的なと申しますか、単純な見通しを、生産見通しをした場合に、必ずしも選択的拡大の方向に見合うような見通しが出てこないわけです。そういうことでありますので、選択的拡大というようなことも頭に置いて意図的な見通しを立てなければならぬ。その場合にはどういう政策をとったらいいかというようなことも、頭に置いてやらなければならぬと思います。その場合に、今言われた価格なども頭に入れなければならぬことではありますけれども、むしろそういうふうな生産に持っていくというのに、しからば価格をどういうふうにしたらいいかという、むしろ価格政策の問題、むしろその生産見通しを道しるべにしてそういうふうに持っていくのには、価格政策はどういうふうにしていったらいいかという問題に相関連すると申しますか、むしろそういうものをやっていくのには、価格はどういうふうにしたらいいかという、そういう政策の問題になると思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 私はさっき議事進行で関連質問をやられたのをちょっとおやめになった方がいいと言ったのは、ここなんですよ。価格政策は価格政策で別にあるわけです、そのあとの方に。そうしてこれはこれなんです。これを一緒にして論議されると困るので、わけがわからなくなって、あとから一たん言ったことを訂正できないというようなことでだんだん変になるから、私ははなはだ不本意であったけれども先ほどのような発言をしたのです。そこで今の大澤さんのようなことをおっしゃっているとわけがわからないのですよ。おそらく私、聞かなかったけれども、この十一条の「重要な農産物」は違うことになると思うのですね。そこでこういうものをやるとき農民がこれを見てやるわけでしょう、農家が。政府はその農民の自主性を非常に強調されるのですから、この長期見通しに従って、今後これならば、たとえば米について言えば、まだ十年後需給と生産がとんとんだ、あるいは足らないのだ、こういうことであれば、今の価格でそうだということなら続けてやるでしょう、ところがこれは非常に今の価格では余ることになる、あり余る、こういうしかしそれは今後何らかの政策転換によって米の価格が下がるということになれば、これは水田を作るのはやめるでしょう、だから、農民がやるその目安をこの長期見通しについてやるわけでしょう。そういうことをやるから、初めてさっきのように政府の責任の所在についての論議も行なわれるわけなんです。だから私はこれは価格をあわせて示さなければ意味がないと思う。そこでこれは今すぐこういう質問があるということをお考えになっておらなかったもしれないから、きょうまた帰って御研究になってあす御答弁願いたい。私初めから言っているように、もうその場その場で全部答弁していただくということを考えていないのです。わからないことは研究する、そういう方針でいってもらいたいと思いますから、明日また大臣がおいでになったときお尋ねしますが、あわせてこの需要及び生産の長期見通しの様式といいますかね、そういうものをちょっと大ざっぱにありましたら、ありませんければ作らせて、どういう様式のものを出されるのか、あわせて資料として御提出いただきたいと思います。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) 作り方の問題ですね。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ええ。

大澤融農林大臣官房審議官

○政府委員(大澤融君) これはお出しします。準備します。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それによって、おそらくそれには価格が入ってなければ意味がないから入っていると思いますけれども、(笑声)今の答弁だとちょっと怪しいから念のため申し上げます。いずれ明日これに引き続いて。本日は時間ですから……。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 本日はこの程度にいたします。それでは散会いたします。    午後四時四十一分散会

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