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38回国会参議院1961/04/27

農林水産委員会 第37号

発言数
230
登壇者
14
会派数
4
開催日
1961/04/27

会議録

秋山俊一郎自由民主党

○理事(秋山俊一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  昨日小林孝平君が辞任、その補欠として永岡光治君が選任されました。  この際、理事の辞任についてお諮りいたします。櫻井志郎君から理事を辞任したい旨の申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼び者あり〕

秋山俊一郎自由民主党

○理事(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。  ついては、辞任に伴う補欠互選は、便宜私から理事を指名することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

秋山俊一郎自由民主党

○理事(秋山俊一郎君) 御異議ないと認めます。よって理事に石谷憲男君を指名いたします。   —————————————

秋山俊一郎自由民主党

○理事(秋山俊一郎君) 魚価安定基金法案(閣法第七四号)、漁業生産調整組合法案(閣法第七五号)、漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)以上予備審査の三案を一括して議題といたします。  三案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私はまず政府提案による漁業生産調整組合法案と魚価安定法案の両案を対象としてお尋ねをいたしますが、政府案によれば、十カ年計画を所得倍増計画とあわせて計画するという御発表のようであります。従ってこの十カ年の生産計画はどういうふうな見通しを立てて政府として考えておられるか、その点を聞きたい。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 今後におきまする各般の施策の基準になりまする所得倍増計画並びにそれに関連のございまする生産の見通しについてのお尋ねでございますが、一応まず漁業の生産の方から申し上げますと、基準年次におきまして漁業の生産額は一応二千三百五十一億程度というふうに考えますと、約十年後の四十五年におきましては三千四百五十一億円ということを想定いたしまして、それらの想定に基づきまして各般の政策を今後やって参りたいと、このように考えておるような次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ただいま総額を申し述べられましたが、それは生産の額でありまして、生産の額は、それは年によっていろいろ違うのでありますが、生産量としてはどういうような量を見込んでおりますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 十年後におきまする生産量の見通しでございますが、御指摘のように、なかなか予測がむずかしいわけでございまするが、一応の目標といたしましては七百四十万トンぐらいを目標にしておるわけであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 ただいま次長から御説明があったように、政府の考え方としましては、十カ年後には四十五年度には生産総量が七百四十万トンということを達する見込みで考えておられる。ただこれにやっぱり需要であるとか、人口増加あるいは所得の伸び率に備えまして八百四十万トンと見ておくのが至当であるというふうなことを私は聞いておりますが、そういうふうに政府としては考えておられないわけですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 数字にわたりますので、漁政部長からいたさせます。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 需要の見方でございますが、これは私たちの算出方法といたしましては、現在の所得弾性値というものを考えまして、それで現在の所得弾性値でございますから、将来所得がだんだん上昇して参りますると、需要というものは、必ずしもそれだけ上がらぬのじゃないかというふうなこともございまするし、また肉の生産がふえて参りますると、肉と魚に対してどういうふうな割合で需要が伸びるであろうかというふうなことも、いろいろ考え合わせなければならないわけでありまして、そういうふうな点から、的確な需要の判定というのはきわめてむずかしいことは、もう御承知の通りでございます。それで、現在の所得弾性値からはじいて参りましたならば、ただいま仰せにありましたような八百万トンをこえる数字が見込める次第でございまするが、これはそのような所得弾性値から考えました一応の算出でございまして、一方それに見合いまする供給といたしましては、これもきわめてその算出はむずかしい次第でございまして、最近数カ年におきまして取れておるその生産状況を伸ばして参りまして、しかも北洋における底びきとか、あるいは沿岸におきます増養殖、そういうものを相当期待をいたしまして、それで七百四十万トンくらい生産としては考え得るのじゃないかということを一応見込んでおるような次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 おそらく水産庁としては、大体概算はそうであって、それを標準として今度の場合の生産調整というようなことが出てくるのだろうと思うのですが、三十六年度、あるいは三十五年度でもけっこうですが、三十五年度もしくは三十六年度の生産数量はどれくらいになっておるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 三十四年におきます農林統計によりますと、五百八十八万トンでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 そうしますというと、大体四十五年度には生産を七百四十万トンと見るとしますというと、約百六十万トン増トンするという予定を立てておられるわけですね。ところが、現実において水産の資源がそれほど豊富であるかどうかという問題、それからさらに北洋漁業等においては、もうきのうきょうもいろいろ問題になっておるように、必ずしも今までのような漁獲量を確定的に確保できるかどうかということも非常に疑問になってきておる。そういうことから考えて、今度の場合の漁業生産の調整組合法の理念としましては、生産者の自主的調整によって生産活動を調整していくとはいうものの、すこぶるそこに疑問があるのですね。私はそういうふうに、必ずしも私は七百四十万トンを目標としていくのは正しいかどうかということは別としまして、非常な危険な数字じゃないか、そういうことを目標にして立てる調整法であれば、これはどうも少し楽観し過ぎるのじゃないか、私はそう思うのですが、どうなんでしょうか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) まずお尋ねの第一点は、このたび御審議願っておりまする   〔理事秋山俊一郎君退席、理事石谷憲男君着席〕 生産調整組合法の運用による生産の調整ということが、この七百四十万トンを目標とする増産の達成に阻害要因になるのではないかということを前提にしてのお尋ねかと思いまするが、私どもは必ずしもそうは考えないのでございまして、この漁業生産調整組合法による生産調整は、特定の漁港に対する多獲性の魚の一時的な過剰な水揚げと申しますか、それによる魚の値段の暴落ということを防止しようと、調整しようというのが趣旨でございまして、この漁業生産調整組合の活動によって、漁業者の生産意欲が低下するということではなくて、逆にそのような暴落現象によって漁業者の生産意欲が低下することを防止しようということでございまするから、十年後におきます七百四十万トンが必ず達成されるかどうかということについては問題としても、少なくともそれを達成しようとする意欲を低下させるということは全然ないので、むしろそこへ持っていくためにも、一次的な現象による生産意欲の低下を防止しようということでございますので、このような制度の運用によってこそ、将来の中小企業者の経営の安定が期せられ、従ってさらに生産意欲を増加していただきまして、その後における需要の増加の見通しとバランスをとりながら健全な漁獲量の増大を期することができようと、このように考えておる次第であります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私は今の次長さんの御答弁はそれでいいのですが、それは一時的な価格を調整していくための、いわゆる価格安定を目標として、変動する価格を一定しなければ、漁業者の経営が成り立たないから、そのための調整として自主的にこういう組合を作らしてやろうと、その意図はわかりますよ。その意図はわかりますが、現実においてこの十カ年に百六十万トンも、あるいは二百万トンもどうして増強できるかという問題がその裏になければならない。それがどういうふうに、だんだん資源がなくなっておる、しかも、北洋だとか、あるいは李承晩ラインだとか、あるいは南支那海であるとか、そういうところはみな国際的漁場であって、そこにはしょっちゅう国際的トラブルが起きていて、そして十分なる漁獲を上げ得ない現状を、どうして打開しながらこの目標の七百四十万トンなり、あるいはそれ以上を上回るところの生産がなされるか。そういうことがはっきりしないで、魚価だけの安定だけをやるというのは、非常に一時的な姑息な手段だと私は考えるのです。生産の実態であるところの、どうしたならば目標の七百四十万トンというものを上げられるということの的確な目標を立てて、それによってやはり根本的な調整方法を考えなければうそじゃないかと私は思う。そういう点についてどうですか、はっきりした目標があるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 御指摘のように生産と需要との関係につきましては、私ども必ずしも楽観しておりませんで、先ほど漁政部長からも御説明がありましたように、十年後では少なくとも需要と供給との関係は万一需要に追いつかないであろうかと、ただいまの所得弾性値からいいましてそのようなことも考えておるわけで、従って、何と申しますか、国内の水産物に対する需要を完全にまかない切って、しかも相当の余力を持って輸出をしてきた日本の漁業も、このような状態が永久に続くかどうかについては、かなり問題があるわけでございます。従いましてこれをいかに増産を考えていくかということが当面の問題でございますが、御指摘のように国際的な漁業につきましては、各種の制約がございますし、一方資源につきましては、やはり限界がございまするので、簡単にこの生産額を紙の上でふやすということであってはならない。そういう安易な考え方ですと、なかなか七百四十万トンという目標すら速成できないかもわからないという点につきましては、私どもも先生の御指摘の通り非常に慎重に考えておるわけでございます。  ただ、それでは全然増産の見通しがないかと申しますと、二、三具体的に申しますと、たとえば北洋におきまする底魚資源、それからサンマにつきましても、これは東北水産研究所の研究によりましても、まだ私どもはごく、大きい資源の一部しか取っていないような状況でございます。ただ漁、不漁はございまするが、これが全体の資源量が多いにもかかわらず、岸近くに寄ってくるかどうかということ、それから経済的な漁場として形成されるかどうかという点につきましては、やはり海洋学的な自然の影響を受けまするので、御案内のように年々変動を繰り返しておるわけでございますが、しかし、サンマ資源につきましては、まだまだ私どもはその一部しか取ってないわけでございまするから、もっと調子が伸びますれば増加する可能性があるというふうに考えておるわけでございます。それから年々マグロ漁業につきましては、増加はいたしております。これも需要の面にあわせて伸ばして参りませんと、かえっていろいろな混乱が起きますし、生産者に与える影響も少なくありませんので、このマグロ漁業の発展につきましても、私どもとしては慎重な態度でおるわけでございまするが、需要いかんによりましては、まだ伸び得る余地はあろうかというふうに考えております。また、底魚は北洋だけではなくて、なお諸外国の大陸棚周辺には相当の底魚資源があるようでございます。なおこの点につきましては、やはりもちろん外国の領土に近接するわけでございまするから、慎重な態度をとることと、需要と見合うようなやり方が必要かと思いまするが、しかしそのようにずっと考えて参りますと、七百四十万トンに達成するのは決して不可能ではない。現に水産物は毎年々々新しい記録を更新しております。国際的な制約にもかかわらず、生産額それ自体は毎年々々新しい記録を更新しておるのでございますから、これはもちろん施策のよろしきを得なければならないわけでございまするが、日本の漁業者の優秀な技術をもってすれば、七百四十万トンを達成するのは、決して不可能ではない、このような考え方を持つものでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 どうも次長さんは非常に楽観のようでありますが、日本の漁業が非常に技術的に発達すればするほど、漁獲が目標に達するということはわかるが、一面それに即応して資源の方が間に合わないというのは、国際的な水産関係の学者の一致した意見として、日本が袋だたきになっておるわけです。これはまあここで議論してもしょうがないのですが、そこであなた方の考えは、まあこれは人口の増加、需要の伸び等によって供給不足を来たすであろうという考えのもとにやっておるようであります。そうだとすれば、供給不足、需要の伸び、人口の増加その他によって需要が伸びていく、供給がそれに間に合わないというようなことから、調整の問題も出てくるだろうが、そうすれば、もっと積極的にその裏づけ工作の生産というものを考えなければならないと思うのですが、それはここでは、この法案が出てないからですが、沿岸漁業振興法か何かにそういう裏づけの資源の培養の問題がうたってあるのですが、どうなんですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 御指摘のように資源の問題につきましては、私ども慎重にやらなきゃいけないと思います。なお、どのような水産政策でも、必ず私どもはこの資源の問題にぶつかるわけでございまするから、従ってもし沿岸振興法というようなことになりますれば、当然それは、この資源と生産の問題についての基本的な考え方がやはり盛られるべきであろうというふうに考えております。ただ一点だけ問題になる点を申し上げますと、この資源の問題でございまするが、確かに諸外国では特定の資源を目標にいたしまするので、たとえば北洋におけるサケ、マスの資源、それから、アメリカではやはりサケマス及びハリバットの資源というふうに、諸外国では魚だったら何でも食べるというものではなくて、魚の中の特定の種類だけを非常に問題にするケースが多いわけでございます。ところが日本ではそうではなくて、早い話が、何でもこれを利用するというのが日本の漁業と諸外国の漁業と根本的に違う点でございます。これはたとえ話で恐縮でございますけれども、日本の漁業は優良な品種の草も雑草も同時に取るというのが、日本の資源の利用の仕方でございまするけれども、外国では優良な品種だけを抜き取る、こういう漁業の仕方かとも思います。従いまして、雑草とともに取るという日本のやり方は、一見非常に乱獲のように見えまするけれども、最近の私どもの研究によりますと、実はたとえ話で恐縮ですが、雑草とともに優良品種も取るというやり方の方が、はるかに合理的だというふうに考えております。そういう考え方をとりますと、たとえば瀬戸内海の魚も御案内のように数十年前からこの漁獲減少の点が憂えられておったわけでございまするが、統計的には少なくともそれほど減退は見えず、少なくとも若干ながら増加しているような現象もございます。従いまして、それらの点からも考えて、特定の品種だけを問題にした資源論に対しては、もちろん、私どもはそれに対して立ち向かうだけの勉強はしなければいかぬわけでございまするが、この日本の漁獲高全般を上げていく場合には、決してそのような考え方だけではなくて、日本の漁業の実態から見ますと、決して七百四十万トンというのは、架空な推定ではあるまいと私は技術官として確信しておるような次第でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 これを議論していると、長くなりますから言いませんけれども、どうも高橋次長の議論は、雑草も一緒に取るから大丈夫だというのですが、そういう一例で瀬戸内海のタイの話も出たのだが、逆にどうですか、北海道のニシンなどは。これはわれわれ今数の子を食べようと思っても、百目千円から二千円取られるような、まるでダイヤモンドといわれるようなああいうような状況なんです。これは必ずしも外国じゃそういうものを好むわけではないのです。そういう資源などは少なくなって、北海道のニシン漁業というものは、この数年というものは不漁続きです。そこで今日漁業転換をしなければならないといって今騒いでいる。だから、必ずしもあなたの言うように楽観できないのじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ニシンの減産は、御指摘のようにこれは厳然たる事実でございます。これは世界的な現象でございますが、ただ乱獲の結果による減少ではないというふうに考えますが、ニシンはやはり非常に冷水地帯に生息する、それに適する魚類でありますが、北海道の海水が一般的に暖かくなってくる現象に伴いまして、ニシンが漸次北の方に押し詰められておる状況でございまして、その他ニシンが北海道の周辺に来るためのいろいろな海洋学的条件が変わって参ったための漁獲減少でございまして、乱獲のために減ったというふうには私どもは考えていないわけであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連で一つお伺いしますが、どうも水産庁次長は、あまりあれが言われる通り楽観しておるのじゃないでしょうか。ということは、あなたのこの資料ですね、資料の三十四ベージなどを見ますと、需要が書いてある。経済成長率が七・八%の場合は八百四十三万三千トン要る。それから七・二の経済成長である場合には、八百二十一万八千トン、六・五の成長率の場合は、八百万一千トン、こういうものの需要がある。それから三十八ページのこれの供給量を見ますと、あなた方の書いたのでは、四十五年度においては、今言われた七百四十万一千トン、こういう数字になって、すでにここで需給が合っていませんね、あなた方が作ったので。そうすると、これも年別に相当出ているようですが、めんどうだから申し上げませんが、大体需給が合わないのだと、こういうことはもう一応の通説になっているのじゃないでしょうか。従いまして、そういうことが中心でわれわれは考える場合、いわゆる大水産業者がおかに上がって、畜産にもう目をつけて、そして畜産界へ急速に乗り出してきた原因などは、こういうあなた方の調査それ自身や、相当漁業資源等に対する悲観している人たちの動向というものは、これを認識しているのじゃないでしょか、こう思っている。そうすれば、いま少し千田さんの質問に対してわれわれが納得するような説明が実はほしかったのです。ただ、今聞いておりますると、何か心配ないと、こういうような話ですけれども、現にあなた方が作った資料にはこういうものが出ている。これは重大問題だと思う。この点を一つわかるようにして下さい。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) ただいまの数字でございますが、これは農林漁業の基本問題におきまして、私たちの一応の目安として算出した数字でございます。それで、仰せのように、供給と需要が見合っていないわけでございまするが、この需要の中には食糧の需要のほかにえさの需要とか、あるいは輸出の需要、そういうふうな食糧以外の需要量もすべて含んでおるわけでございます。たとえば輸出は現在四十九万トンぐらいでございますが、百一万トンぐらいに、四十五年には輸出するというふうなことも考えておるようなわけで、国内の食糧需要のみでございましたならば、それほどの開きはなくなってくる次第でございます。それからこの需要供給の開きをどういうふうにして解消すべきものであるかということは、魚類、藻類の供給をふやすために、大いに今後生産の面におきまして国の投資とかあるいは漁民のいろいろな技術の向上とか、そういうふうなことで努力をして参りまするが、なお、現在さかなを食べておるいわゆる可食率と申しまするか、五四%より食べていない次第でございまして、すなわち骨とか臓物とか、そういうふうなものは腐りましたり、あるいは捨てておる、肥飼料に向かう以外の、そういう部分が相当多いわけで、可食率五四%でございますので、その可食率を相当量上げて参りたい。いろいろな加工の技術を伸ばしていくことによりまして、そういうようなことも考えておりますして、その差を縮めるということにつきましては、大いに努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 ところがこの表を見ますと、一人一年当たり純食糧キログラムと書いてありますね、こういうものの計算が今言った数字になるわけではないのですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 仰せのように一人一日当たりの純食糧につきましては、三十一年——三十三年の平均二一・六キログラムから三〇・九キログラムになるであろうというようなことで計算をいたしておりまして、そういうもののほかに輸出とか肥飼料とかそういうほかの用途も加えまして需要の総トータルを算出しておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうして、ここの「漁業種類別生産量の推移と四十五年の生産見透し」とこうなって出ておりますね。それにはそうすると総量が七百四十万一千トン、こういうものが出て、そうして、それから内水面、養殖漁業、沿岸、沖合い、遠洋漁業、捕鯨を除くと、こうなっておるわけです。海草類はもちろん除いておりますけれども、このあれが出ておると、ちょっと言われることと違ったことが出ているのじゃないかと思う。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 総括的に申し上げますと、現在この基準年次におきまする生産量は、先ほど申しましたように基準年次におきましては五百二十二万八千トンということになりまして、これが約十年後にはこの五百二十二万八千トンが、七百四十万トンにする。しかし、需要の方はいろいろな計算がありまするけれども、ただいまの想定としては八百四十三万トンほどの需要が出てくるであろうと、従いまして、五百二十二万トンの生産額が将来七百四十万トンになっても、なおかつ多少足りないということは十分想定しておるわけでございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そうすると、今千田さんのに、心配ないようなお話があったが、それは相当これからの水産物の取り扱い方については、漁獲のやり方については慎重な態度が要る、こういうこともやはり言い得ると思うのです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) その通りでございます。私どもはこの七百四十万トンに将来の生産額をするためには相当な努力が必要だと、このように考えます。ただ、先ほど千田委員に対して私お答えしたのは、七百四十万トンは非常に楽観的に過ぎるのではないかと、こう言って、それはただいまの国際的な情勢なり、資源の問題からとうてい達成できることができない数字ではないかという御指摘がありましたので、それはそうは必ずしも考えておりませんということを申し上げただけでありまして、私どもは、これがこのままのんべんだらりんにやっておって、七百四十万トンが達成されるとは決して思っていないわけでございます。相当の努力を要することは、御指摘の通りであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 じゃ、もう二、三点だけ御質問申し上げますが、さて調整組合の結成に際しまして、資格者三分の二以上の参加を要件としておりますが、実際には裏作の許可漁業でもないし、結局、許可と自由漁業の間の中間的存在の就業として一定しておらないじゃないかと、いわゆる一定しておらない条件のもとにこういう結成をさして、はたして期待ができるかどうか。三分の二を確保できるかどうか。こういう点を私は心配しているのですがね。  もう一点は、たとえば陸揚げ港で、もう相当、これはまあサンマならサンマ、これは特に私はサンマの場合を言っているのですが、サンマががたくさん取れてきた。この調整に基づきまして、船どめをする、あるいは他の港へこれを回送するというような特別制限をする。こういう場合に、サンマの調整組合がはたして管理を実行できるかどうか。たとえば、八戸に揚げよう。ところがもう非常に八戸で陸揚げしたんじゃ値段が下がる。これじゃだめだから、次の港、宮古か釜石かあるいは気仙沼、そういうようなところへ船どめして、あるいは船を回してやる。まあいろいろこういうことは、今度の調整組合の仕事でしょう。はたしてこれを実行できるかどうかということを非常に疑問に思うのです。今申し上げた通り、その調整組合なるものの結成に際して、三分の二以上の組合員を、十分にあなた方の目標にするような組合員を確保してそうして、この調整事業に参加させようという計画がはたしてできるかどうか。非常に私は疑問に思うのですがね。それが大丈夫だという裏づけの何か証左を一つ話していただきたいと思うのです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) まず第一の御質問は、生産調整組合を作る場合の要件でございまするこの一定の資格を備えた漁業者の三分の二が確保されるかどうかということでございまするが、私どもは、できるとこう思っております。ただ、御指摘のように、非常に、サンマを例にとりますと、零細な経営者も相当ございます。そうして、これらの経営者は、先生御心配のように、サンマがよければ出る、悪けりゃ出ないというような、かなり、まあある意味では一つの経営の仕方でございまするけれども、そういう面が確かにございます。従いまして、このサンマの三分の二を規定する場合には、それらの事情も考えまして、あるトン数以下のものを落としております。で、あるトン数、一定トン数以上のものを資格のある漁業者といたしますので、そうなりますと、大体前年のサンマの操業状態その他から見まして、私どもとしてはこれは確定できるというふうに考えております。  なお、もちろんこの加入脱退は自由でございますから、アウトサイダーが出ることは、これはもう当然予想しておるわけでございまして、やむを得ない場合につきましては、アウトサイダーに対してもこの調整が及び得るような措置も法律の中で考えてございまするので、まずこのような小さい漁船、下限を除外することにいたしまして、そのことがまたサンマの漁獲の大勢にそれほど影響のない、影響の少ないウエイトを考慮いたしますれば、私どもとしては、三分の二は必ずできるし、またある程度、この二年ほど実験を積んでおるわけでございまするが、その実態から申しましても大丈夫やられると、こういうふうに考えておるものであります。  それから第二点は、そのように組合が、作ってみても、いろいろな予定されている調整事業が実行できるかどうかということでございまするが、もちろん、私どもは、必ずしも楽観はいたしてはおりません。楽観はいたしておりませんが、過去二カ年ほどの、現にやっておる漁業者の自主的なやり方から見ても、大体大丈夫だと、ことに何らの法制的な裏打ちがなくても、ある程度自主的にやっておられたわけでございまするから、このたびそれを法制的に裏打ちできる措置を講ずれば、おそらく現在までやっておるよりも、はるかに効果的な行動ができるであろうというふうな想定をしているわけであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それじゃもう一点。そういう意味においての安定基金というようなものが出てくるでしょうが、これに対する要員ですね、配置する要員に対する裏づけ予算、これは調整組合の組合費のうちから捻出するのですか。それとも、今度設定されるところの安定基金からそれは出されるのですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 調整組合は、この法案に書いてありまするように、経費の賦課とか、あるいは負担金を課し得ることになっておりまして、魚価安定基金は、調整組合も魚価安定基金に出資いたしまして、国とか県の出資を入れまして一億六千万円の出資でやっていくということに、一応サンマについてはしておるわけでございます。それで、魚価安定基金が、サンマの生産調整組合が生産調整をやるのにつきまして、生産調整のほかに流通調整をやるわけでございますが、そういう場合に必要な資金を基金の方から出すことにいたしておりまして、魚価安定基金といたしましては、若干の職員をもちましてその仕事をやっていくわけでございます。しかしながら、生産調整組合自身といたしましては、そういう経費の賦課によりまして、調整組合自身の職員をもちまして、それが各港を、主たる港を中心にいたしまして、生産調整事業、流通調整事業をやっていく上におきましては、その賦課した経費によって大体まかなっていくというのが原則でございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 今度の安定基金には、たとえばサンマ業者の組合から四千万円、そうでしょう。政府が八千万円ですか、あとの四千万円はどっから出るのですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 県です。

千田正無所属クラブ

○千田正君 県ですね。地方自活団体が四千万円、サンマ業者から四千万円、政府が八千万円、合計で一億六千万円をもってこの安定基金とするわけでしょう。そこで私は、これはまあ要らない心配だと言われるかもしれないが、この間サンマ業者の諸君を打診してみますと、生産調整組合はできると、これに対しては、もちろんその組合費を払わなくちゃならないと同時に、また安定基金の方には四千万円を用意して出さなければならない。そういう四千万の金も、小さい組合でなかなか容易じゃない、こういう声を聞くのですね。それはそれとして、この一億六千万円ですね。従来の経験から言えば、これだけあれば大体当該年度に錯綜してきた漁場において、あるいは水揚げにおけるオーバーしたものをほかへ回わしてやるとか、あるいは加工した分の費用、あるいは船どめによって、休まなくてはならない労働賃金、それからそれによって減価するところの、いわゆる値段が下がるための、それを補正してやるというような問題を総合しまして、一億六千万円でできるかどうか。たとえばここに資料がありますところの気仙沼の水揚げに対する資料を、水産庁の方としては私どものところへ出して下さっておりますが、これは一日の水揚げにしても、もうすでにそれくらいのものが揚がることは往々にしてあるわけですな。一億円くらいのものはもう盛漁期になるというと揚がる。ところがそれをある程度調整していかなくちゃならないというときになるというと、どうも一億六千万円では私は処理し切れないんじゃないか。まかなえるほどの金じゃないじゃないか。不足するのじゃないか、こういうふうに私は杞憂を持っているのですが、これは大丈夫であるという何か確信があるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいまの先生の御指摘まことにごもっともでございまして、この程度の基金、従いましてこの基金から出まする運用益は大体千百万ないし千二百万程度だけと思いますが、その程度の運用益でこの大漁のサンマの暴落を救えるかどうかという御注意でございますが、このような御心配もあろうかと実は思っておりますが、私どもは非常に役に立つであろうとこのように考えるわけでございます。と申しまするのは、このサンマの価格の暴落の現象を私ども見ておりますと、たとえばサンマかすの価格から見まして、キロ当たり十一円より絶対に下がるはずがないというような場合であっても、十一円よりも非常に下がるということがしばしばあるのでございます。そのように考えて参りますと、このキロ十一円ぐらいを見当にいたしまして、それ以下に下がる場合にこの基金なり、ないしは根本的には生産調整組合の自主的な生産調整が働きかけてそれは総力をあげてこれを押えるんだという一つのささえがありますと、この金額としては御指摘のように計算上全部をささえることは不可能な計算になっておっても私はこのようなささえがありますれば、キロ十一円よりさらに暴落いたしまして、ほとんどもう何と申しますか、漁業者の言葉で言いますと、恐怖相場といいますか、捨て値といいますか、そういうような程度に価格がものすごく恐怖的に下がることをささえることができると、こう私考えておるわけでございます。その点は確かにその私の説明それはもうそういう精神的なことを言ってもしようがないじゃないかというおしかりを受けることは覚悟はしておりますが、やはりこれは非常に鮮度と申しますか、なま魚と申しますか、それの改命的な商品としての欠陥がございまして、とうてい考えられないぐらいの暴落の現象に対して、あるささえる制度をとる場合にはこれはかなりささえになるということを過去私ども経験しておりますし、その計算から見ますと、確かにこれだけでは足りないという御指摘はあるのでありますけれども、これはぜひやらして見ていただきたい。このような制度的な裏打ちがあれば、おそらく今後はキロ十一円より下がるようなことは、少なくとも下がるかもわからないという非常に大きな漁業者の不安、加工業者の不安、冷蔵業者の不安、これを解消することができるのではないか、こう私考えるわけでございます。で、事例的に申しますと、たとえば冷蔵庫が非常に漁価の暴落に対しましてささえになることは、これはもう諸先生のかねがね御指摘を受けている通りでございまするが、しかしどこまで下がるかわからないということになると、冷蔵庫も実は魚を買うことを控えることになるという状況に相なるのであります。従って私どもはサンマかすの価格等から考えまして、十一円も下がることはまず万そういうことはもう恐怖相場であって、そういうことはないのだということを想定してこれらの政策をとりますれば、加工業者も冷蔵業者もその価格で買い進むことが可能になってくるとこう考えておるわけでございます。  いろいろ申し上げましたが、要約いたしますと、金額的には確かに計算上十分だということば、あるいは申せないかとも思いますが、この制度並びに今年度予算でわれわれの考えております冷蔵庫に対する補助金の問題ないしはいろいろな市況通報につきましても、新たに費算を組ましていただきましたので、それらと一緒になってやれば、私はやれるのじゃないかというふうに現在考えておるわけでございます。

千田正無所属クラブ

○千田正君 高橋次長さんの話を聞いているというと、からだはやせているけれども、何か大黒さんかえびすさんみたいに、あなたの持っているつちの中から金がどんどん心配なく出そうに考えているのだが、現実の問題として私はここに二つだけ質問したいのです。一つは私は決して安心していません、そういうお話であっても。もう一つは錯綜してきた場合に、やむを得ずたとえば農業で言えば、どうしても背に腹はかえられないから、軒先売りをしなければならないような場面に、今まで何回となく零細農民がぶつかってきたのです。たとえば幾らりっぱな制度を作っても、現実においては一文の金もない、あすの生活にも窮するという場合には、やむを得ず商人に対してみすみす損だと思っても、軒先売りをしなければならないような場合がたびたびあった、そういうことが漁業にもないと私は言えないと思います。だからこそ、こういう制度が出ていると思うけれども、それに対して十分な措置ができるという御自信をもっているようでありますけれども、私は非常にそれが必ずしもそうではない、だからこの調整組合ができた場合に、かりにそういうお人たちが出て、これがお互いの協約を破るようなことがあり得ると思う。それに対して別に制限とか罰則というものはつけてないのでありますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) まず楽観し過ぎているじゃないかということでございますが、私は楽観いたしておりません。かなり困難な問題でございまして、これは生鮮食料品の価格の問題に私どもは飛び込まざるを得ない格好で飛び込んでしまうわけでございますから、何と申しましても諸外国には若干の例がありましても、生鮮食料品に対する価格の問題に取り組むということは決してなまやさしい問題じゃないということについては、おしかりをこうむるまでもなく私自身そう思っております。しかし、このままでほうっておいて魚のなまの値段はどうすることもできないんだということをあきらめるには、あまりにも問題が多過ぎますので、私どもの考え得る一つの制度をここにやらしていただきたいと、こう思うわけでございまして、私個人としてはこれなら自信があると、こう思いまするけれども、しかし諸外国では例がございますけれども、何さま日本ではまだやったことのない事業でございまするので、その点一そう気をつけまして、自信はございまするけれども、ただいまの御指摘のように一そう気をつけてやって参りたいと、こう思っております。なお、生産調整組合の調整の問題でございまするが、まず法律関係並びに方針につきまして漁政部長より御説明申し上げます。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 生産調整組合の組合員が調整規程に服従しないという場合につきましては、この十六条によりまして、調整規程に違反した組合員に対して過怠金を課することができるようにしてございます。  それから組合員以外のアウト・サイダーにつきましては、農林大臣が規制命令を出すようにしておりまして、それに従わないという場合につきましては、六十九条によりまして罰則を課することにしております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 私はまた勉強してからお尋するとして、最後に一点、これは政務次官とそれから次長にお伺いしたいのですが、いろいろ考えてみて、さっきも申し上げた通り、必ずしも私は普通の場合は一億六千万円程度でいいかもしらぬけれども、実際にやってくると、もっと資金が必要な場合もあるし、そういう場合に対処しましてある程度永久的な設備、たとえば冷蔵庫だとかというような設備をする必要がある場合もあるでしょう。そういう意味におけるところの資金の原資として、先般来ここで問題になりましたいわゆる外国から輸入するフィッシュ・ミール等のこの資金操作の面で、たとえば今度は食糧特別会計の中で操作すると、そういう安いものが向こうから入ってきて、そうしてそこに余った利益というものは、先般もわれわれは言うたように、漁業者の犠牲の上に立って、そういう操作をやるとするならば、そういう問題はやはり水産業の方に振り向けて、そうしたものを、こういう必要がある基金の方へ回すべきであるという考えを私は持っておるわけであります。これは一たん入ったものは特別会計であるから、これは勝手にできないというようなお考えも政府は持っておるかもしれませんし、あのときのお話では、次官も御承知の通りこれは水産業の将来のためからいっても、漁価安定政策の何か資金にそういう場合は政府としては考えるというようなお話もあったと私は思っております。でそういう場合においてより以上の基金が必要であるというような場合に、あの特別会計からあるいは大蔵省の了解のもとに回すというようなことを考えておられるかどうか、そういうこともあり得るということを考えて私はこの前に質問したのでありますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。

井原岸高自由民主党農林政務次官

○政府委員(井原岸高君) 先般千田先生から、ただいまお話のようなふうに、外国から輸入しておりまする飼料についての益金については、当然国内産の生産者がそれぞれの損害を受けるわけだから、それに対して補てん金と申しますか、そういうふうに使ったらどうかというような御意見もございまして、これだけではございませんが、ほかのことにも関連がございまして、一応省議を開いて相談いたしたわけでございますが、そのときの大体の話し合いは、特別会計だからといって、必ずしもそれを食糧の面にもっていくということでなしに、むろんこれは漁業だけというわけに参りませんが、その辺は漁業並びに飼料の高い分の調整と、両方に一応回すようにしたらどうかというような内輪話もいたしておるようなわけでございます。ただいま次長から御説明を申し上げましたようなふうに、将来の増産のいろいろな問題の見通し、またこの資金についての御質問は、私も千田先生が御心配になっている通りだと思うのでございます。しかしながら、本年度こうして新しい一つの制度を作っていただきますれば、その本年内における操作の状況を見まして不足いたしました場合には、来年度において、とにかくこれをもとにして大蔵当局等の話し合いも進められるわけでございますので、増額し得られるものだ、またそうしなければならないものだというふうな考え方に基づいて出発をさしていただいているのでございますので、そういうように一つ御了承願いたいと思うのでございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 非常に新しい施策ですから、一ぺんにこれが効果を上げるということを完全に期待することは、私はむずかしいと思うが、しかしやる以上は最大の効果が出るように考えていかなければならないと思うのです。そこで大漁の場合に、価格が暴落して中小企業者が経営に不安を感ずることを除いていこう、こういう考え方はけっこうですが、その場合に価格の基準といいますかね、そういうものは一体どういう算定で考えられるのか、暴落するというその価格ですね、というものは何を基準にしててこ入れをする限度をきめていくかということの考え方ですね。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これはいろいろな考え方があるわけでございまするが、先ほど千田先生に対するお答えの中で申し上げましたように、私どもとしてはいわゆる大漁貧乏の解消、そういうことを考えているわけでございます。従いまして、この価格に対する考え方も一極のなんと申しますか、下限価格とでも申しますか、そのような考え方でございまして、過去の例それから最悪の場合におきまする魚かすの価格の問題、それやらを考えまして、逆にサンマの下限価格を考えていきたい。考え方としてはそのように考えているわけでございまして、なお具体的な説明は漁政部長より御説明いたします。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) サンマの場合でございまするが、サンマが資料にございますように非常に大漁でありました昭和三十三年それから昭和三十四年は、平均的にサンマが取れたわけでございますが、三十三年、三十四年のサンマの平均価格を見てみますると、昭和三十三年は一キログラム当たりが大体十三円くらいでございます。それから三十四年は一キログラム当たりが十八円くらいでございまして、この二カ年の平均をとりますと、一キログラム当たり十五円くらいになるわけであります。それで気仙沼港がサンマの水揚げの中心地といたしまして、生鮮向けのみならず、冷凍とか、カン詰、その他かすというふうに、他の用途向けにおきましても中心でございまして、気仙沼港の魚価の標準偏差を、昭和三十三年の大漁時をゼロとして算出いたしますと、大体四円十銭くらいになるわけでございます。それで三十三年、三十四年の平均の十五円を中心といたしまして、その標準偏差の下限をとりますと、大体十一円になる次第でございます。また大漁のときの昭和三十三年の気仙沼港の水揚量と価格の回帰線を考えてみますると、処理能力以下になった場合にはうんと価格が暴落いたしまして、七円あたりにまで下がったような場合もあるのでありますが、処理能力のところの回帰線の交点が十一円になるわけでございます。そういうようなことからいろいろ考え合わせまして、大体十一円程度で最低限を支持していったならば、大漁貧乏というふうなことがないんじゃないだろうかという考え方で、一応十一円程度を考えたいという次第でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その十一円というものが、今お話しのような過去の実際の歴史から組み立ってくる一応の理論数字だということだと思いますが、その十一円というものが、この提案理由の説明にも言ってらっしゃいますように、中小漁業者の経営の安定をはかりつつ、中小漁業者の所得を保障していくということにふさわしい額である、こういうことに言い切れるのかどうか。またそういう十一円というものは過去の経済情勢のもとに組み立てられた金題なのか。これから推移していく新しい経済情勢というものを勘案すると、それが必ずしも目標を達成するための妥当な額だというわけには、私は言えぬ場合も起きると思うのです。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) これは仰せの通りでございまして、その辺につきましては、慎重に考慮をしておる次第でございます。それではサンマの生産費がどの程度のものであろうかということが問題になってくるわけでございますが、実は今統計調査の方面におきまして調査をいたしておりまする生産費のサンプルが、十分な数が多くありませんので、その生産費も的確に把握しておるということは言い得ないと存ずるのでございますが、また、サンマの生産費は各年の漁業の状況によりましても非常に違っておりまして、それで一応大漁貧乏の騒がれました昭和三十三年を見てみますると、これも階層によって異なるのでありまするが、平均して一キログラム当たり十三円十銭というふうな線が出ておりまして、最高は五十トン−百トン層で一キログラム当たりが十六円五十銭くらいが出ておるわけであります。それから最低はなお低いのも出ておりまするが、そういうような生産費でございまして、大体下限十一円くらいを支持いたしますると、この漁期が八月末ごろから十二月末まであるわけでありまするけれども、それを通じ平均してみまして、大体十五円程度が支持できるのじゃないかということを考えられまして、まあ生産費を大体償っているんじゃないかという考え方で、ある程度利潤も生み得るという数字になりますので、下限としては、十一円を支持したならばいいんじゃないだろうかという考え方でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 今おっしゃった生産費というものは、直接生産費だけを言っていらっしゃるのか、その生産費の中には漁民生活を維持しながら、漁業経営を継続していくために必要な、所得的な考えで言っていらっしゃるのか。その内容は一体どうなんですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) この生産費は、実は理想的な再生産をやっていくために、かくあるべき生産費というようにしてはじいた生産費ではないわけでございまして、現実にその階層、その漁業別にどの程度の生産費がかかっておるであろうか。すなわち賃金にいたしましても、現実に支払っておる賃金を算定いたしまして、現実の生産費というようにしてはじいた次第であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、この制度によって保障されるという結果は、漁民の所得というものを、他の産業と均衡のとれた所得を保障してやるというような、積極的な意図はちっとも含まれておらぬ、こう理解するのですが、そういうことですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 実は、先ほど御説明申し上げましたように、下限を十一円程度で支持いたしますると、漁期の全体といたしましては、十五円以上くらいになるのじゃないか、それで十五円以上になりましたならば、生産費もいろいろな生産費が出て参りまして、平均では十三円程度になるわけなんですが、そこでまあ二、三円くらいの開きは出てくるわけでございまして、これは大漁貧乏を支持して参る。そのほかに、この対策ばかりでなくて、いろいろ流通対策を立てたい。たとえば、市況通報とか、あるいは冷蔵庫を設けて、もっと、十一円どころじゃなくて、高い価格でできるだけ生鮮魚の方に回していくというようなほかの対策をやりまして、ただ一時に大量に入って参るというところを支持したならば、漁民の今後の所得の上昇にも相当稗益し得るということを考えておる。最低の保障の政策として考えておる次第であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、申し上げましたように、この制度によって保障されるというか、確保される価格というものは、サンマの漁業を、その時点において適正に営み得る価格ではない。それよりはるかに低い額がこの場合における支持目標価格である。こういうように理解していいんですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) サンマの価格を見て参りますると、取れ始めたときは非常に商いわけでありまして、また終わりの時期にも高くなる。ただ十月ごろにうんととれたというときだけが極端に、そしてそれがまたその港の加工能力以上に取れたという場合に、うんと暴落をしておるというわけでございまして、その暴落部分を十一円で支持をするということになりましたならば、ほかの部分はそれよりみな以上になるわけでありまして、これで相当この政策といたしましては、価格の面におきましても、再生産が支持できる政策ではないかというふうに考えておる次第であります。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その次に、このアウトサイダーその他に対して規制命令を出すというのですが、その規制命令の出し方ですね。これは事前に抽象的、包括的に規制命令というものを出しておるということなのか、その出し方は一体どうなるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) この生産調整組合についての生産調整の具体的なやり方でございまするが、まずその考え方といたしましては、御指摘のような問題があるわけでございます。それで、通常中小企業協同組合関係の規制でございますと、一般的な不況要件というものが出て参りまして、その上でいろいろな調整規程が発動される、こういう組み立てになっておることは、先生御承知の通りでございます。しかるところ、このサンマにつきましては、調整組合をかりに作って、設立されておりましても、大漁貧乏になってから、それぞれの行政庁に対して調整規程の発動を求めるということではとうてい間に合わないわけでございまして、その点は一般的な工業及び商業関係と違う性格を持つものというふうに私ども考えた次第でございます。従いまして、この調整組合の発動の規程につきましては、事前にこれを行政庁が承認するような格好にしておきまして、その要件が満たされればそれが発動するというようなシステムを考えざるを得ないと思って立案してみたわけでございます。全体の趣旨はそういう趣旨でございまするが、なお具体的には漁政部長より御説明をお聞き取り願いたいと思います。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 規制命令の発動の手続でございまするが、これは第六十九条、七十条以下に書いてある次第でございまして、この規制命令は、アウトサイダーによりまして調整組合がやっておる仕事を阻害されるという場合が一つと、その調整組合自身が弱体で、十分組合員を規制できないという場合と、この二つの場合に出し得るということにしておるわけでございます。まず、出す方法といたしましては、第七十条によりまして、調整組合が総会の議決を経まして農林大臣に申し出てくるわけであります。そうしますと、農林大臣は聴聞を行ないまして、広く一般の意見を聞くわけでございます。それから漁業調整の中央の審議会があるわけでございますが、それに諮問することにいたしております。それから公取で協議する、これだけの手続を経まして規制命令を出し得るということにいたしておりまして、一般の消費者にも、そのために特に不利になるというようなことはいたさないというような考え方から、そういう手続を経るようにいたしておるわけでございます。それで一般的にはできるだけ常時こういうふうな規制命令を出し得る態勢にしておくために、あらかじめこういう規制命令を出しておくというようなやり方で進めていきたいというように考えております。もちろん、この規制命令は、この組合が一般的な制限とか、あるいは特定なものに対する制限とか、この二つの調整事業をやるようなことになっておりまして、それで規制命令は一般的な制限のみをなし得るということにしておる次第でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そうしますと、今法律にありますように、いろいろなむずかしい手続も必要だ、そういう手続を踏んでおったのでは、次長のおっしゃるように目的を達成し得ないという結果になるのですから、組合に対して事前に包括的な指示を与えておくと申しますか、規制命令を組合がその判断においてやるだけの権限を法律によってあらかじめ付与してやる、こういう建前をとるという考え方ですか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 仰せの通りでございまして、大体九月ごろから漁期が始まるということになりますと、その前に規制命令が必要でありましたならば、もう規制命令を出しておくというやり方でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その場合に、大漁で暴落するかせぬかというその判断の基準といいますか、それは事前にはわかりませんね。経済事情というのは変化していくのですから、昨年と同量のものが取れても、それは必ずしも規制命令を出す必要はないという数量であるかもわからぬし、昨年よりも非常に漁獲高は少量であっても、暴落を来たすという現実の生ずる場合もありますね。だから事前に包括的な権限を付与しておるという場合に、その具体的な運び方ですね、それはどうなさるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) やり方の問題でございますが、これはやはり若干言葉の問題があろうかと思います。私どもは調整事業をやる場合の調整規程というものを考えておるわけでございまして、これは組合が調整事業を実施しようとする場合には、やはりどういう制限をするか、制限の種類、それからその方法、それから実施の期間などは、やはり調整規程できめておきまして、そうして農林大臣の認可を受けることにいたしたいというふうに考えております。そうして漁業生産の調整組合は、この認可を受けた調整規程によりまして、必要に応じ、有効な調整活動をするというような考え方をとっております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 その場合は、常態の場合でないのですか。その規制命令というのは、今調整規程によって、自主的に内部の取りきめによる発動をするということであって、規制命令の場合には違うのじゃないですか。私の考えが出逢うのであれば、一つ……。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) この規制命令と調整規程の両方の言葉の問題でございますが、御指摘になりました規制命令と、それからただいま漁政部長から答弁のありました規制に関する命令でございますが、これは一定要件のもとで、農林大臣が直接に組合の調整事業と同種の制限を定めて、組合員たる資格を有する全員に対して、これに従うべきだというようないわゆるアウトサイダー規制の問題でありますが、これはやはりあらかじめというわけには参りませんで、これはそのつど必要に応じ、申請を待って農林大臣がこれを認めるというような仕組みにいたしたいと思います。ただもし、言葉の問題でございますが、そうではなくて組合が価格の問題、それから生産調整にからんでの問題でございますれば、それはあらかじめ調整規程、規制命令でありませんで、調整規程というものをあらかじめ作っておきまして、この調整規程によって組合の目的と申しますか、実際の活動と申しますか、それがあらかじめ承認を受けました調整規程によって運用されていく、このように考えている次第でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私の申し上げているのは、その調整規程というものによって、組合内部の自主的な調整をする基準というものがきまると思うのです。それからあらかじめ組合員の利害の上に規程されるのですから、包括的な認可といいますか、許可といいますか、お与えになってもこれは問題はない。ところが、組合員外のアウトサイダーを規制しなければならないという場合には、漁政部長お話しのように、公取との関係だとか審議会の関係、いろいろな関係があるのですよ、規程上。そういう手続を経ておったのでは、腐敗性の強い、時期的に非常に漁獲高の変動の激しいものについて、この法律の目的を達成するということが非常に困難になるのじゃないか、これは次長もおっしゃった通りなんです。そこでそういう場合には一体どうされるのか、その具体的な事例が迫ってきてから規制命令発動を申請して、手続を経られて、命令が出るころには、事は済んでしまっておると、こうなると思うのですよ。といたしますると、事前に組合にそういうような規制をなし得る権限を付与しておかなければならない、大臣にかわって組合がそういう権限を行使するということの、白紙委任状じゃありませんけれども、ある程度の委任をしておかなければいかぬのではないかという感じを持つのです。そういうふうなことがこの法律でできるのか、できぬのか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) 先生のおっしゃる通りでございまして、ある程度余裕を持って規制命令をかけておかないと間に合わないというおそれがあるわけでございます。それでそういうふうな消費者一般を害しない、いろいろな手続を経ましてかけることにいたしまして、漁期の始まる前にかけておこうという考え方を持っております。それで、それではその年に豊漁になるかどうかわからぬじゃないかという御質問でございまするが、もちろん魚のことでございまするので、取れてみないとよくわからぬ次第でありますが、サンマは大体資源研究が進んでおりまして、まあこういうふうな事態は毎年起こり得るということが、ある程度予測されるわけでございます。それで、もちろんもうサンマは取れそうにないというふうな研究所の意見でございましたならば、そういうことはいたしませんが、大体毎年のようにサンマが相当おるということが、七月ごろになって参りまするとわかって参りまするので、それによりまして資源の状況を把握いたし、それからまたアウトサイダーが相当出てきたというような場合は、これはもう生産調整組合の活動を阻害するということになりまするので、もちろんアウトサイダーが一人か二人というような場合はかける必要はないわけでありまするが、相当出ておる。またあるいは組合が非常に弱体にてなってきおるということも、もうあらかじめわかる次第でございまして、そういうことがわかりまするので、漁期の始まる前には一般的にこの規制命令をかけておくということにいたしたいと思っております。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 私、申し上げているのは、取れるか取れぬかということはわかりませんから、取れた場合に、大漁貧乏ということになった場合には、この法律を発動しなければならぬ。それだから、取れる取れぬということは問題にしないでいいのです。そういう事象の発生した場合には、直ちにこの法律の規制命令が発動するような準備というものをやっておかなければならぬと思うのですね。もし予期に反して取れなかったというときには、それは事前に付与しておいた規制命令の発動というものは、発動しなくて済んだという結果が起こるだけであって、事前にやっておっていいと思うのです。その場合に、事前に与える場合に、どういうときに発動してよろしいという命令をお与えになるのかということなんですよ。具体的に昨年はこれだけ取れたからこういうように暴落の状態が発生したという、昨年の例だけで本年の経済事情をはかってしまうということであっていいかどうかということです。もっと具体的に言いますと、昨年百取れた、だから魚価が非常に暴落した、ことしは百取れても暴落をしないかもわからぬですね。ところが、百取れたから暴落、ことしも百取れたときには発動してよろしい、こういう事前の認可を与えておいた場合に、百取れたから発動しますということになると、それはむしろ消費者の関係なりいろいろな加工業者の関係なりに、あるいは輸出貿易等の関係に、思わざる障害を来たすという結果が生まれはせぬかと、逆の場合をこれは考えているのです。その事前に、包括的に抽象的な規制命令発動の権限を大臣にかわって行なわしめるその権能を付与する場合には、ものさしは一体どうお考えになるかと、こういうことなんです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいま先生の御指摘の通りでございまして、この考え方を申し上げますと、やはりできますれば、かなり強い権限をこの漁業生産調整組合の方に与えておって、それがその実態に応じて適宜に活動するということが望ましいわけでございますが、しかし問題は何と申しましても、調整とは申しましても、若干の強制が伴うわけでございまするので、おのずから限度があろうかと思います。従いまして、先ほど漁政部長が説明いたしましたように、やはり私どもとしては一般消費者の問題、加工業者の問題、それから冷蔵、冷凍等の関係者の方々の問題、これも考えざるを得ないわけでございます。それをしかしあまり考え過ぎますと、弾力性が失われて所期の目的がサンマのような漁業を考えても、なかなかこれはむずかしかろうと思いまして、私どもは最もその点に苦慮したわけでございまするが、まあ最初のことでございますので、あるいは完全じゃなしに、どちらかにあるいは偏しているという御意見があろうかと思いまするけれども、私どもとしては、やはり慎重に一定の手続を経てこれをきめて、十全のことがやれるまで権限を与えるかどうかについては、かなり踏み切れない点がございまするけれども、少なくとも最小限度のところまでは、十分すばやい行動ができるようにいたしたいというような気持で組み立ててみたわけでございまして、その点確かにいろいろ御批判があるわけでございまするが、なお具体的なそこら辺の、あるいは固定的な、あるいは弾力的なやり方につきましては、具体的にぜひ一つお聞き取り願いたいと思いますので、漁政部長よりの説明を聞いていただきたいと思います。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) まず規制命令の内容でございまするが、この六十九条の終わりの方に書いておりまするように、十条の一項一号に掲げる制限を定めるということにしておるわけでございます。それで、その制限とは、この調整組合が行ないまする一般的な制限でありまして、水産動物の採捕、それから運搬、陸揚げに関する制限でございます。それでどういうことをやるかと申しますると、採捕につきましては、たとえば休漁日を設けまして、月のうちに三日ほどあらかじめ休む日をきめておくとか、そういうふうな休漁日をまず設定するとか、あるいは火船の隻数を制限いたしますとか、あるいは網の大きさとか、網の数を制限するとか、そういうふうな採捕の制限がございます。それから運搬の制限は、たとえば百トンの船なら九十トンより積んじゃいかぬというふうな積載量の制限、それから陸揚げに関する制限につきましては、港に入って参りまして、そこでしばらく停泊させるとか、そういうふうな制限を考えておるわけでございます。それでそのほかに特定者に対する制限というのは、ある船が入ってきた場合に、非常に価格が下がっておるから、その船をちょっと揚げるのを待てというふうな、特定のものに対する制限ですが、これは規制命令にはいたさないわけでございまして、一般的に組合員があらかじめ制限規程を設けておりまして、その制限に服していくと、そういう一般的制限だけを規制命令に揚げるということを考えておる次第でございます。

森八三一参議院同志会

○森八三一君 そういう内容が、いつどういう時点において発動されるかということですね、それは必要を生じた場合に、調整組合が農林大臣に申請をして、農林大臣から命令が出ると、これが常態でしょう。そういうことをやっておったんじゃ間に合わないというのが、現実なんでしょう。それで間に合うんですか。令おっしゃったような内容の、陸揚げを中止させるとかというようなことを大臣に申請して、大臣は口頭なりその他の手続を経られて、そうして命令をお出しになって魚価の暴落を防ぐということが可能であれば、それでいいんですよ。私は可能でないと思うから、その場合にはあらかじめ包括的な権限を付与しておかなければならぬのではないかとこう思うのです。その権限を付与する場合に、そのものさしはどういう基準でお定めになるのか。もしこれを非常にゆるくきめておけば、原価の暴落ということをささえていく意味が失われてしまう。非常に窮屈にきめたら、これは消費者その他の方に影響が来ると思うのです。だから漁民の方に損害を与えてもならないし、一般的な消費者方面にも、不測の損害を与えてはならぬ、非常にむずかしい問題なんです。だからそれを事前に与えておくという場合の尺度はどうおやりになるのか。前年の実績だけでやるということだけでは十分じゃないのじゃないか。そのときの経済事情というものも織り込まなければならぬのじゃないか。そうすると、どうしてもそのつどの申請を待って、大臣が公正な判断をされるということ以外にない。それでは間に合わぬ。それをどうされるか。

林田悠紀夫水産庁漁政部長

○説明員(林田悠紀夫君) まず、この調整の内容にも、きわめてゆるやかなものと、きついものといろいろあるわけでございまするが、一般的に休漁日を設けておくというふうなことは、これはもうあらかじめやっておくということになるわけでございます。それでたとえば陸揚げ制限をするというふうな場合になりますると、これを発動いたしまするのは、そこの港の価格がキロ十一円以下に下がってきたというような場合に、これを発動する。そういう考え方で、従って十一円くらいは支持をいたしていきたいということを原則にして考えておりまするので、港の市場におきまして価格が下がってきたということが、市況通報とか、あるいはその港に調整組合の職員を委嘱しておきまして、それがはっきりするというようなことになりますと、すぐ知事の方へそういう通報をいたしまして、そのときには発動してよろしいということをあらかじめきめておきまして、従って陸揚げの制限のような場合には、そういうふうに価格が一定価格以下に下がったという場合に直ちに発動するというふうなやり方にしたいと思っております。

石谷憲男自由民主党

○理事(石谷憲男君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

石谷憲男自由民主党

○理事(石谷憲男君) 記速をつけて。   —————————————

石谷憲男自由民主党

○理事(石谷憲男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、上林忠次君及び谷口慶吉君が辞任、その補欠として青田源太郎君及び仲原善一君が選任されました。  しばらく休憩して、午後は一時三十分から再開いたします。    午後零時十七分休憩    ————・————    午後一時五十五分開会

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。  委員の異動について報告します。本日永岡光治君が辞任、その補欠として小林孝平君が選任されました。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 農業災害補償法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(閣法第一八三号)予備審査を議題といたします。  本案について提案理由の説明を願います。

井原岸高自由民主党農林政務次官

○政府委員(井原岸高君) 農業災害補償法の一部改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由を説明いたします。  農業災害補償法第百七条第四項の通常共済掛金標準率、異常共済掛金標準率及び超異常共済掛金標準率のうち農作物共済にかかるものについては、昭和三十六年にこれを一般的に改訂することとなっております。しかし、現在農業災害補償制度の改正を準備しており、農作物共済の共済掛金率の設定方法についても、新制度に則して改善を加えるのが適当と考えられますので、本年は農作物共済についての通常共済掛金標準率等の改訂を行なわないこととした次第であります。  以上が、この法律案の提案理由であります。  何とぞ慎重審議の上、すみやかに御可決あらんことを御願いいたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 以上で本案についての提案理由の説明は終わりました。本案については、この程度にいたします。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) この際林業労務に関する件を議題といたします。  本件について質疑の要求がございますので、これを許します。北村君。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、過日の国有林の従業員に対する仲裁裁定が出まして、その実施の問題について若干質問をいたしたいと思いますが、まずお伺いしたいのは、先日閣議において国有林の増伐問題が出ておりますが、これは三十六年度の収入に対してどのような影響が出てくるか、この点おわかりになっておったら一つ御説明願いたいと思います。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 私から直接お答えするのはあるいはどうかと思いますが、大体今まで林野庁の方で検討いたしておりまするのは、三十六年度の計画の中にこの増伐ということを繰り込んでやるということは、御指摘の通りあるわけでございますが、この計画はまだ具体的になっておりませんので、これは若干日数が要するかと思います。それがきまりますれば、ただいまお示しのような予算上の措置あるいはその他がはっきしりてくるかと思います。ただいまのところ局におきまして検討中というのが実情でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 約一千万石くらい増伐するというようなことを聞いていますが、その大体のワクもわかりませんか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 三十六年度は、ただいま御指摘の通りに、三十五年度千八百万キュービックメートル、これが二百万立方メートルふえるわけでございますので、その単価等をどういうふうに、大蔵との関係もございまして、きめていくか、つまびらかにはまだいたしておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 増伐すれば、収入増になることは間違いございませんか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) お説の通りでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 木材の価格の値上がりの傾向がありますが、これによる三十六年度予算編成当初における価格と、その後における木材価格の値上がり傾向、こういうものについて、どのような傾向になっておりますか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 三十六年度の当初の予算編成のときにおきましては、前年度価格に比しまして五%のアップということで積算をいたしたわけでございます。ただいまの時点におきましては、これが約二%さらにアップをしておる、こういう状況でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、増伐の問題、木材価格の値上がりの問題等からいって、国有林野特別会計の収入増になってくる見通しは大体ついているのじゃないかと思いますが、その見通しを、確実な点はわからないにしても、相当程度の収入増になるのじゃないかと思いますが、ここら辺の感じはどういうことでしょう。具体的な数字でなくて、概略の数字でようございますから、おわかりになったら一つ。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) はなはだ恐縮でございますが、伐採量が具体的に決定いたしましてから、収入その他がはっきりいたしてくる、こういうことでございますので、一つ御了承願いたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは具体的に、時間がございませんので急いでお伺いいたしますが、現在仲裁裁定の実施について、組合と当局の間で交渉中のようでございますが、一応明らかにしたところによると、定員内、いわゆる三七以上の配分の関係について問題がありますが、これは自主的に交渉によってやるべきだと思いますが、その内容等について私は触れません。ただ林野庁が今作業員の賃金を平均して八%程度上げたいということの回答が出たようでございますが、これは予備費の範囲においてやるというようなことも聞いておるのですが、一体今度の仲裁裁定実施に対して、この八%を上げるというと、どのくらいの金額が必要になりますか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいま八%アップというお話がございましたが、これは先生すでに御承知の通り、仲裁裁定の中におきましては、いわゆる定員内職員の基準賃金その他を最初に出しまして、いろいろ裁定が出ておるわけでございますが、その中のいわゆる三七以上の職員あるいは作業員につきましては、それぞれ金額を示されておるのもございますが、基準内賃金で一二%アップしろ、相当額アップしろ、そういうふうに出ておりますが、ただいまお示しの八%と申しますのは、林野庁といたしましても、この仲裁裁定の第四号でありますか、ここにうたわれておりまする趣旨を十分尊重いたしまして、金額その他明示されておりませんけれども、これを組合と自主的に解決しようということで、当局が四月二十四日に提案いたしましたのが、ただいまお示しの約八%相当額の問題、こういうふうになっておるわけでございます。総平均で約八%程度でございますが、金額にいたしますと九億八千万、約十億、こういう数字に相なるわけでございます。その予算上の措置と申しますか、これは今先生の御質問にありましたように、予備費からということに一応考えたわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 定員内の方は幾らですか、必要原資は。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 定員内の方は、先般長官からもお答えいたしましたように、これは計数の整理で若干ふえる、あるいは減るということもありますが、約十九億、それからその裁定の中に示されておりますもう一つの、いわゆる作業員に対するものが四千万という数字が出ておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、予備費は三十億五千万くらいだったと思いますが、予備費の中にこれは入る、予備費で全部まかなうということになれば、これで予備費はほとんどなくなるのじゃないかと思いますが、またこの予備費からはみ出すことはございませんか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいままで私が申し上げました数字で参りますと、大体三十億前後になろうかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 まあ三十億前後ですから、三十億五千万あれば、予備費の中で処理はできる、このように思いますが、例年予備費は一体、そういうふうにかつかつになるまで年度当初において使ってしまうということはあるのですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 当初三十六年度の予算を編成いたしましたときの事情でございますが、これは、予算は大体前年度の六月、七月ごろに着手するわけでございます。その後はっきりした見通しのついたものは、大蔵の折衝過程においても、もちろん考慮して修正することはございますが、ただいま御指摘のありました林野庁関係の組合とのいわゆる新賃金問題、これは相当紆余曲折がありまして、一体どのくらいになるかということ、それからこれがどういう時点でどうきまるかということも、実は予測が予算編成の時期においては、事務的についてなかった、そういうことではっきり見通しをつけてなかったわけでございますが、一応予備費といたしまして三十億を曲がりなりにも計上いたしておる、そういう事情でございますので、これを全部使い切ってしまうという計算になれば、あとはどうするのか、こういう御質問だろうと思いますが、これは私どもの方でも今すぐにこの予備費の方に増額をするとか、あるいは理由も相当考えねばなりません、実は相当苦慮いたしておるわけでございますが、なお御参考までに申し上げますと、いわゆる災害等の突発事故、こういうものに対しまする予備費はたしか十一億だったと思いますが、別に計上いたしてございますので、普通予想せられますようないわゆる災害はその方でまかなっていく、こういう仕組みに当初から相なっておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今度の仲裁裁定の処理をするにあたって、補正予算を組むということは考えなかったのですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) お説の通り、三十七条適用者に対しまするいわゆる約十九億、これは補正予算でやるということで、事務的に大蔵省と折衝中でございます。ただ、ここで御留意願いたいと思いますのは、総体のワクというのが、一応国有林野は収支相償うようにきめられておりまするので、この補正にお願いするにいたしましても、一応予備費の方が消滅されるのではなかろうか、まあこういうふうに考えるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、この十九億の方は補正予算で実施をする、その場合、予備費を減らされる。結局、予備費の三十億五千万のワクの中で補正をする、こういうことになるのですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいまの時点におきましては、一応そういう形になるのじゃなかろうかと、こういうように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、先ほど、増伐なり木林価格の値上がりなんというもののことをお伺いしたのは、そういう点からお伺いしたのですが、十分収入源として相当確実な見通しがあるとするならば、この予備費に触れないで、補正予算というものが考えられるべきでなかったか、このように思うのですが、補正予算のワクが、予備費のワクで補正する、こういうことで、新たな原資というものを考えておらない。このような考え方で補正予算を組もうとしているのですか、どうなんですか。新しい収入源というものを考えずに、予備費だけで補正をしよう、こういう考え方なんですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいま御指摘の点まことにごもっともでございますが、ただいまの時点におきましては、先ほど申し上げたようなふうに進んでおるわけでございますが、御承知の通りに、国有林野事業の特別会計には、いわゆる弾力条項というものがございますので、所定の、まあ限定はされておりまするが、事業をふやしてやるというような場合には、それに伴う支出ということが充当できるというふうに相なっておりますので、そういう運用の方法があろうかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 どうしてもちょっとわからないのですが、仲裁裁定実施するということになれば、増伐なり木材価格の値上がりの収入源を見れば、この独立採算制の建前からいえば、仲裁裁定の実施を予備費の三十億内で解決しよう、こういうことは、私はちょっと理屈が成り立たないのじゃないかと、このように思います。というのは、三七以上については一二%というのは、これは仲裁裁定で明確に出ているのですから、これはもうどうしてもこうしても出さなければならない。幸いなるかな、作業員の方は、あなた方から言えば、作業員の方は額は出ていないわけですね。それで自主的に交渉でやりなさい、こういうことになっておるので、それを予備費のワク内におさめるべく、非常に巧妙にできているのだか何だか知らないが、九億八千万円ということで、定員内外合わせて予備費かつかつというところに計算がされておる。これは悪く邪推すれば、予備費のワクに当てはめて逆算をして、八%になるようにしたのじゃないかと、こういうような感じを受けるわけですよ。でありますから、それじゃ、この八%というものの算出の根拠というのは一体何か、こういうことで一つ御説明をいただきたい。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいまお話がございましたが、予備費のワクがこれこれだから、それによって逆算してこうしたと、そういうことではございません。これは御承知の通りに、いわゆるPWも相当上がってきたという客観的な情勢もございまするし、私どもの方で一応計算をいたしましたその値上がり職種の中で、国有林野事業の中に相当するといいますか、そういうものを拾ってみて出しました上昇率が約一一・一%ということになっておるわけでございます。それから、それに対しまして、すでに昨年度、まあ非公式あっせんと申しますか、当時の公労委の事務局長の私的あっせんという形で、組合と話がつきまして上げました、わずかな額でございますが、これが大体三%のアップになっておるということで、一一・一%から三%を引きまして約八・一%と、こういう数字をはじき出したわけでございます。なお、この三%引くということについては、目下組合の方で非常に反対がございまして、目下交渉中でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすると、PWの改訂があったから、約一二%の改訂があったから、それに合わせて一二%にして、昨年の上げた分三%引いて、まあ八%か何かと、そういうものが出てきたと、こういうような説明のようですが、PWは昨年は上がっておりませんですか。改訂はなかったのですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいま申しましたPWは、今度の裁定が出しました後、新しくきめられたやつでございます。それを基準にいたしておる。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いや、昨年PWの改訂はありませんでしたかと聞いている。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) あったそうであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 幾らあったのですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 三十二年に三百七十円という数字がございまして、それが昨年の三十五年において四百二十五円、これに上がっておる、こういうことでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今言った数字ですというと、だいぶん上がっているようですが、ことしは、あなた方は、まあ一二%PWが上がったから、上げよう。昨年は、PWは上がっても、上げなかったわけですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 昨年は、あるいは御承知かと思いますが、いろいろ賃金問題については折衝を重ねたわけでございます。その間いろいろ折衝がございましたが、なかなか労使双方の意見が一致いたしませんで、御案内の通りに、一応八百円という線は出たわけでございますが、いわゆる作業員についての裁定というものは、労使双方において賃金の決定方法も含めて十分検討しろ、こういう趣旨の裁定があったわけでございまして、それに基づきまして、当局におきましても検討を重ねて参った、こういう経緯になっております。その結果を最近の段階において提示し交渉しておる、こういう段階でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ですからお伺いしておるのは、今年はPWが上がったから上げた、こういうわけでしょう。だから昨年はPW、やっぱり相当上がっているでしょう。今額で言われましたが何%上がったのですか。昨年はパーセントはどのくらいですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 三十二年を一〇〇といたしますと、三十五年が一五%のアップ、こういうことになっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、昨年一五%上がって、三十二年、これは国有林の労働者も同じですよ、この三年間上がっていないのですから、従って、上がっていないのですから、PWは一五%上がって、今年また一二%上がる。そうすればその一二%上がっているやつからあなた方は今三%引いて八%だかしか上げないというのでしょう。一体これはどういう計算になるのですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 計算の点は、また後刻お答えいたしますが、三十五年におきましても全然上げていないというわけでございます。これはごくわずかでございますが、先ほど申し上げましたように、去年の八月一日以降六円の引き上げをいたしておる、こういうことでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすると、昨年の場合はごくわずか上げて、PWの一五%上がったものに対しては、それに見合うものは上がっていない。これは明確ですね。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 現実はその通りでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、あなた方はこの三%引くと言うけれども、PWの一二%から三%引いて何か八%あげようと、こういうことなんだが、三%引くという根拠はもう全然ないんじゃないですか、理屈からいって。PWを基準として物事を考えれば、あなた方今比較しておるのはPWでやっておるのだから、PWを問題の対象として考える場合に、三%引くという理屈は成り立たないでしょう。昨年PWのは一五%上がってこれに見合うものは上げていない。そうしてまた今年PWが一二%上がっている。それだからそれに見合うものは上がっていないのに、三%ぐらい昨年上げたが、何かしらないけれども、全然前に上げてあるから、PWの一二%から三%引くという理論的根拠はないんじゃないがすか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) 私の説明が不十分だったかと思いますが、国有林の作業員のいわゆる賃金の推移というものは、全然上がっていないというわけではございませんので、団体交渉といたしましてそういうことを決定して上げた、上げない、そういうことはなかったということを申し上げておるのでありまして、推移といたしましては、指数的に相当アップの動きがあるわけでございます。御参考までに申し上げますると、三十二年におきましては、これを一〇〇といたしますると、三十三が一〇四、三十四年が一〇八、三十五年は一一一、こういうような主要十一職種の平均をとりますと、そういう推移になっておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それはベース・アップじゃないですよ。あなた方の今までの賃金のきめ方の不合理を直しだたけの話で、それはベース・アップでもなければ賃金引き上げというものに該当するものではないはずですね。ですから、それは理屈にならないですよ。まあどのくらい上げてきているか知りませんけれども、それは全然理屈にならないので、それじゃ一般の定員内の人だって、これは定期昇給というものはだまっていたってしていくのですよ。定期昇給というものはだんだんしていく。そういうものとの昇給原資というようなものに該当するかどうか。それとぴったり一致はいたしませんけれども、そういう性格のものであるはずです。ところが今度はそうじゃなしに、はっきりとこの一二%アップというものは賃金の水準を引き上げることになっておりますですね。ですから、これはやはり物事の考え方というのを、そういうふうに理解してもらわければいけない問題だと思うのですよ。でありますから、あなた方は今度の作業員の賃金をきめるのに、PWというものを出してきた。実は私はこのPWを使うことは賛成じゃないのです、私は。しかしながら、あなた方の土俵に入ったとして、今PWというものでやろうとしているから、それじゃPWの比較の上で一体どうなるかと言ったら、どうも今私の聞いた範囲では、昨年一五%上がって、ことし一二%上がって、そういうふうにPWは上がっておる。その昨年のPWの一五%に該当するものというものは、昨年はとにかく上がっていないことはもう間違いない、これは。それで、昨年の三%というのが、一体PWに比較すればPWの一体どの分に該当するのか、一五%の中のどれに該当するのかそれはわかりませんけれども、従って、今のあなた方が引こうとしているこの三%というのは、昨年上げた分でしょう。従って、その引くという理屈をとるとするならば、昨年のPWはゼロだった。にもかかわらず国有林は三%上げた。それであるから、ことしのPWは一二%だから、昨年上げた分を三%引くというならまだ理屈はわかる。ところが、PWは昨年一五%上がっているのにそれについてのことは言わないで、昨年三%上げているから、今度は一二%の中から三%引くのだといったら、これは全然理屈に合わないのじゃないですか。それだから、私は先ほど言ったように、予備費というものを頭に置いておいて、そうして一二%から三%引いたらちょうどこの予備費の中に当てはまったから、それで三%引くのだ。たまたまその三%というのが去年上げた分に該当しておった。何か職種をやって上げたようですが、それに該当した、だから逆算したのじゃないか、そういうふうに私は実は言ったのもそこにある。だから、これはあっさり昨年のことは言わないから、ことしの分は上げたらいいじゃないですか。理屈は全然成り立たないのじゃないですか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) どうもはなはだ説明がまずいので、ただいま問題になっております作業員の約十億と申しましたのは、これは仲裁裁定にかくかくすべしと明示された額、その他基準によってやったものではないのでございまして、ともかくこの精神をくみまして、労使双方で、団体交渉において何とか解決していこう。とにかくここ数年来、先ほど申し上げましたような意味では上げてない、上がってないという事態を、双方認識いたしまして、一歩前進といいますか、前向きでいこうという一つの現われがこれになっておりますので、そこら辺も一つ、御了解願いたいと思います。なお、今の三%の点については、目下大論争をやっておりますので、ここで私がとかく申し上げまして、妙なふうになってもまずいので、これはこの程度で御了承願いたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 とにかくあなた方のP・W一二%上がったとして、それから三%引くという理屈は今の点からいっても、全然成り立たないという私は感じがします。今あなたの答弁の中から聞いておって。しかしながら、これは私は三%上げるといえば、団体交渉成立したようなことになって、非常にまずいから、その点私言っているのでなくて、理屈が成り立たない、こういうことを言っている。昨年あなた一五%のP・W上がっていたのなら、これに該当するものは、あるいは何かしら考えておかなければならなかった問題だと思う。だから国有林の労働者の賃金は、民間と比較して、上がった上がったというけれども、私はこれは大きな論争があるのですよ。いわゆる地域別、職種別賃金というP・Wの考え方これについては、これはいろいろありますけれども、大体これは大企業でP・W何だのというものを使って、交渉をやったり何かして、賃金をきめているところはないですよ。大体労働省のあの政令か何かで発表しているというP・Wというやつは、これは中小企業とか何とかの便宜のために出しているのですよ。使うのに、土建屋さんでも何でも、いろいろ業者あるでしょうけれども、そういう性格のものなんです、大体が。ですから、P・Wというのは、これはうんと低いのですよ。非常に低いのですよ。そういう性格のものなんです。これは二年ばかり前の予算委員会で、大論争やったことがあるのですけれども、労働省とやったことがあるのですけれども、これは占領時代の置きみやげなんです。P・Wを作ったというのは、あれはマッカーサーが占領したときに、駐留軍労務者の賃金があまり高過ぎて困るので、P・Wというやつで押えたのですよ。そういう性格を持っているので、独立国には必要のないP・Wなんです。それをあなたたち、今使って、賃金を査定しようなんて、大体おかしいのだ、あなたたちの頭が。もう少し自主的に団体交渉してきめるというなら、そのようにやったらいい。しかもP・Wよりまだ低いところで、三%削ったり何とかしようという、しみったれたことをやっているから、おかしなことになる。だからあれじゃないですか、私は補正予算を組むというのだったら、予備費ということに限定しないで、やはり収入源だってあるのだから、この際やはり積極的に補正予算を組んで、補正予算で出てきたときにまた論議になるだろうと思いますが、私はそういう考え方でやるべきでないか。少なくとも定員内の方が一二%というものが上がっている。これは定員内は昨年も八百円上がっている。で、なお、一二%今度は上げようという。作業員の方は、八百円に該当するものは上がっていないでしょう、昨年。だんだん改訂して、何か賃金の体系そのものも変えてきているというけれども、いまだに、この間も言いましたように、仲裁裁定の賃金の払い方自体だって、まだきまっていない。こういうような状態ですよ。その場合に、何がゆえに削らなければならないかということは、実にわからないですよ。もう少しやはりあなた方、国有林野事業を運営する作業員としての基幹的な作業員でしょう、定期作業員、常用作業員、そういうものに対して、あたたかみというものがないのじゃないか。これは前から長官にも言ったのです。その点を一つ、要望したわけですけれども、一つその点は、私はどうしてもやはり、この一二%アップというものを、PWと比較しているのですから、それを削る理屈というものは全く成り立たないように思いますし、まだ私は上げるべきだと思うのですね。一日当たりのこの賃金単価だけで言ったって、これはだめです。やはり人間、生活しているのですから、一カ月の所得というものを、やはり考えてやっていくべきじゃないでしょうか。こういう傾向というのは、もう所得倍増ばかりでなしに、全部そういう傾向に考え方が変わってきているでしょう。基本問題調査会の答申だって、農家の所得というものを問題にするのですよ。一時的に高いものがあったって、年間平均して一体所得というものは幾らになるか、これが問題なんですよ。ですから、そういう新しい感覚で、やはり物事を処理されるべきじゃないでしょうか。差しあたっての団体交渉について、私はそういう点からいって、まことに理解できないものが、あなたの説明自体からも受け取れますので、これは善処を一つしていただきたいというふうに思います。どうですか。その大論争を今、労働組合とやってるんですけれどもね。どこに押えたから、どうだのこうだのということでなしに、もう少し筋の通った賃金の組み方をすべきではないでしょうか。

高尾文知林野庁林政部長

○説明員(高尾文知君) ただいまいろいろお話がございましたが、精神においてはその通りだと思います。私どももそういう方向で、一つやっていきたいと思っております。いろいろと御承知の通り、諸制約も当局として受けているわけでございますが、その中で、団体交渉という場において、自主的にただいまのような趣旨に従って進んでいきたい。これは昨日、私作業員の一部の方とお会いしたときも、そういうことは申し上げたわけでございます。これは精神としてはそういうことで進んでいく。なお、日給制の職員の場合でございますが、なるほど私どもといたしまして、昨年の八月一日以降に、若干の賃上げをしたわけでございますが、その後において、調査会の答申等でも指摘しておりますように、農山村の人口そのものが、非常に減少してきているということで、賃金の事情にも相当変化が生じてきている。こういうことは私どもも認識しているわけであります。そういう点に立脚いたしまして、賃金体系自体の是正といいますか、改訂ということも、早急にやっていきたい、かように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 もう一点だけ、今林政部長が言われましたように、今までは国有林の賃金は高かった。高かったということで、一般の業者から、国有林の賃金をあまり上げないようにしてくれというようなことがあったということも、私ども知っております。しかし、今日賃金の事情が非常に違ってしまって、国有林の方が逆に民間よりも低いか、もしくは同じだというふうなところが、ざらに出てきたわけです。そういう点は、非常に大きな変わり方です。しかし民間は割合不安定です、雇用関係が。ところが、国有林は割合安定している。従ってほかの民有林と比べれば、今までだって若干高かったかもしれないけれども、ほかの電源開発だとかその他と比べたら、賃金は問題にならないですよ。これはしかしながら、国有林は雇用が安定しているから、将来もこれはお世話にならなければならぬというので、低賃金に甘んじて、国有林で働いているのですよ。そういう点をやっぱり林業という中だけで物事を考えないで、あなた方PWというものを使うのだったならば、PWというのはこれは全産業についてあるのですからね。あるのですから、そういうような点をやはり十分考えてしかるべきだと、こういうふうに思いますよ。ですから、好きこのんで国有林の低賃金におるのじゃない。やはり少しでも安定した方がいいというので安くてもまあ長くと、こういうのが今までの農山村における考え方なんですよね。ところが、今もうそういう事情が非常に変わってきたでしょう。今、造林の作業員を探すったってあんた、担当者は四苦八苦ですよ。あなた方どう思っているか知らないけれども、作業員を募集するのにもうどうにもこうにもならなくなって万歳やっているような状態でしょう。そういう時期にとにかく賃金は安いので、予算で押えられているというので、それでもなおかつあんた、何とかかんとかだましてつれて来なければならないというね。非常に末端の担当者が苦しんでいますよ、作業員を集めることにね。そういう状態にある。これらをやはり十分勘案して今度の賃上げというものに対して臨んでいただきたい。この点は一つ要望しておきます。  しかも、財源は私は増伐なり何なりで出てくるし、木材の値上がり、二%上がったらこれは大へんなことになるのですよ、やっぱり収入においてね。でありますから、財源についても相当の見通しがないとはいえない、今の説明を聞いていてね。ですから、この点は一つ大蔵折衝をして、あなたたちだけで、団体交渉だけで簡単にいけるわけではない。やはり大蔵省と折衝しなければならないのですから、十分折衝をして一つ善処をしていただきたい、このように思います。終わります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 本件についてはこの程度にいたします。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 魚価安定基金法案(閣法第七四号)、漁業生産調整組合法案(閣法第七五号)、漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)、以上予備審査の三案を一括議題といたします。  三案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 きのう途中で質問を中止したわけですが、その続きをいたします。  昨日もちょっと問題に出ました例の三重県の伊勢湾における問題ですが、あれば前回に質問を申し上げたときには、まず県庁の方で一つしかるべく解決に努力をしてもらう。それを待っておるのだというふうな趣旨のお答えがあったはずですが、その後どういうふうに実際はなっておるのか。県の努力の結果、話がまとまったんならまとまったと、その辺の御説明を願いたいと思います。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 三重県の四日市市周辺における魚の異臭問題についてでありますが、三重県御当局で魚に石油等のにおいがつく原因等につきまして、その原因並びに範囲等については各機関、学校等の協力を得まして調査をしておったのでございまするが、過日およその調査を終えて一応の中間的な報告があったわけでございます。この内容はまだ最終的な調査を終えたわけではございませんですが、範囲等については、かなり具体的な報告があったわけであります。  その後、三重県当局でこの問題の処理の方法につきまして研究中のようでございまして、やはりこの原因と思われる工場側と被害者の漁業者との間に立ちまして、補償その他の問題についてもこれからやるというような話を聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは文章によって報告がきておるのだと思いますが、結局その原因はどういうふうに その調査では結論が出たのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ちょっとただいま資料を持って参りませんでしたが、私の記憶に間違いなければ、やはり原因は石油関係の工場並びに海の方から陸の工場へ石油を揚げる場合に、ある程度漏れたかどうかというような点、そういうような点がやはり原因であろうということが考えられまして、ただ問題は、それだけではなくて、そのほかに都市一般の糞尿処理等の問題、それからその他の一般工場による水質の汚濁の問題もこれに関連して、結果として魚が石油くさくなるというような趣旨のたしか報告だったように記憶いたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そんなに原因をこう広げてしまうと、はなはだ処理がむずかしくなるわけでしょうが、石油くさいわけですからね、だから石油関係の工場の廃液といったことが主たる原因なんだろうと思いますが、報告書ではどういうふうにそれはなっているんですか。石油を海から揚げるときにこぼれたのもあるかもしれぬとか、そんなことまで言い出すと、これはまことになんですわね、かもしれぬでしょうが、多少のことはあったって、そんなものは影響しないでしょうしね。どうもこの調査というのはちょっとおかしいですね。あなたその調査書をごらんになってもっともだと、こう思ったんですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 内容の詳細は忘れましたけれども、一応もっともだというふうに考えたわけであります。特にあの試験の中で注目すべき点は、その場所を相当ある程度試験の中に織り込みましてそれぞれの水面を分けまして、その水面では特にその異臭の度合いがどうかというような点まで、たしかやっておったはずでございますから、まあ原因もほぼわかるわけでございますけれども、過日知事さんの話を聞いたわけですが、もちろん石油関係がおもな原因であろうけれども、それだけでなくて、ほかの原因もそれにつけ加わっているようであるというような口頭の説明も受けたわけであります。しかし、もちろん三重県の四日市というところは、御存じの通り石油工場が相当あるわけでありまして、従ってどの工場がどの程度だということを工場別に加害の度合いを確定することは困難にしても、いずれにしても、石油関係の工場が大きな原因になっているということについては、ほぼ誤りないのじゃないかというふうにまあ報告を読んだ印象ではそのような印象を受けております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういう書き方ならいいと思うのです。石油関係工場が主たる原因であとがまあ付加されておるというふうな言い方ですね。だから損害を一〇〇として、それじゃ付加された不明確な原因はそれを二〇%とみるか三〇%とみるかというふうになっていけば、なるほど基準が出てきます。それから現在でもそういう何でしょう、工場の廃液などは同じように出ているのですか、その点の改善などは何か一応されておるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 原因等につきましては、まだそこまで研究がいっていないようでありまして、ただいまのところは、海の方の調査区域ごとに異臭の程度を確認する程度の試験だったようであります。今後の問題としては、ただいま御説明申し上げましたように、石油の精製の際どの程度出てくるかというような問題、海の上から工場へ原油その他を送り込む場合にどの程度漏れるかといったような問題、それぞれのそういったような原因の除去の問題について、今後調査が進められるというふうに理解しておりますが、県当局も、もちろんまず現象を確かめ、それから原因を確かめてその原因をなくする、こういうように持っていくことは確実だと考えられます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 工場がたくさんあるということもおっしゃるわけですが、しかし、これは工場の排水の能力などというものは大よそわかるわけですから、だから全損害を工場間でどういうふうに配分するかというふうな問題は、制令に簡単にこれはできるはずなんですね。そこで、これはもう相当陳情を受けてから日も長いのでして、そこまで調査がきておるのであれば、工場側は相当積極的に考えておるのであれば、まあ話は割合簡単につくべきはずなんですがね。その辺は何かあまり協力しないのと違いますか。工場の方はそういう問題を明らかにしたり、あるいは起きた損害を、ともかくもお互いに分担して賠償する、あるいは今後の被害現象については、工場の排水についてどういうふうに処理をするとか、これは実際加害者が大よそわかっているならば、加害者だって、もっとああそうだったか、済まなかったということで、人から言われるまでもなく、もっと積極的に出てくる義務があるのじゃないですか。どんな態度をとっているのですか、加害者の方は。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 知事並びに県の事務当局の報告その他で聞いておるわけでございまするが、決してお話しのように工場側は非協力的な態度であるというようなふうには聞いておりません。調査その他につきましては、相当の協力もいただいているようでございます。決して非協力ということはないようであります。県当局としては、そのような事情もございまするので、時期が熟しますれば、両者の間に入りまして、仲介いたしまして、補償その他の問題についても仲介の労をとりたいというような意向でございますので、私どもとしては、その知事さんのそのようなことは大へんけっこうなんで、ぜひ両者の間に立って善処していただきたいというふうに申し上げているわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは工場の排水の浄化設備なんというものは、簡単にできるのでしょう。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 具体的に私その点はまだ聞いておらなかったわけですが、やはり絶対に大丈夫ということはあり得ないにしても、現状を改善する幾つかの方法は、必ずしもないとは言えないのじゃないかというふうに聞いております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、そんなことはもう少し水産庁当局としては、四日市に限らず、研究されているものと私は思っているのですが、今後これに類する問題がいろいろ予想されるわけですが、そういう面の研究というものはあまりできていないのですかね。工場排水等を浄化して、魚族に悪影響のないようにしていくといったような研究ですね。ともかく問題が起きてから、いつもこう騒がれてから研究するというのでは、ちょっとこれからの時代にふさわしくないですね。そういう研究をあまりされていないのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) この漁業者の側でこのような水質汚濁の問題並びに今度の点は水質の汚濁と申しますよりも、微量のにおいの問題があるわけでございまして、通常水質の汚濁と申しますと、魚にかなり直接的な影響を与えるケースが多いのでございますが、今度の件は直接的に生命に対しては別段の差しさわりがないのでありまするが、しかし商品としての、魚としての価値を減殺するわけでございまするので、この問題を通産当局に対して、漁業者の話もあるし、われわれとしても関心がある問題であるから、そういう問題について十分に一つ調査研究をしてもらいたいということを、水質の問題と同時に、この問題も通産省の方に依頼したようなわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それはあなた水質というたって、それはにおいだって質の中の一つですからね。そういう意味で水質と申し上げているのです。で、そういう研究は通産省の方では何か専門に研究されておる部署があるんですか。あなた方にはどうもないようですな。通産省の方には何かあるんですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 私ども水産庁の方は、主として被害の立場で水質の問題を各研究機関を通しまして検討しているわけですが、原因の除去、特に工場側の設備等の問題につきましては、もう私どもの知っているところでは、現在ではかなり大きな工場につきましては、相当研究も自主的にやっているふうでございますし、通産省もこれに対してかなり報告も聴取し、技術的な指導もしておられるように聞いておりますが、これがはたして国の機関として研究しているかどうか、ちょっと私今知っていないわけでございます。水質の問題につきましては、私どもの方で十分に検討いたしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 水質を研究されたら、水質の方はまあ水産庁の方で十分研究しておるというんでしょう。それじゃそれから先聞きましょう。それはどういう、水産庁のどこの課でやっておりますか。そうして何人ぐらいそういう担当者が実際におりますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これは現在水産研究所というものが全国に約八カ所ございますが、それぞれの研究機関に水質の調査をする担当がございます。なお主体は、淡水区の方では特に内水面に非常に影響がございまするので、淡水区の水産研究所ではこの問題にかなり力を入れて調査いたしております。なおこの国のプロパーの研究だけでは十分でない面もございまするので、委託費を計上いたしまして、必要のテーマによりまして、各大学のそれぞれの先生等にもお願いいたしまして、研究所だけで足りない点は、そのような形で学術的に詰めていただくというようなことも行なっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その各研究所を合計でいいわけですが、何人ぐらいそういう担当者がおるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ちょっときょう手元の資料がございませんので、後刻調査いたしまして御報告申し上げます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大学にも委託したりするというのですが、たとえば、昨年度では何件ぐらい委託して調べさしたのですか。大よそでいいのです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 昨年はたしか一件だと思いましたけれども、本年度はその予算額をふやしまして、これは主として技術会議の担当になろうと思いますが、技術会議の方にもお願いいたしまして内容を増加するはずであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、そこの水質関係を研究する技術陣というのは、あまり大したことないようですね。まあ、人数の点はまだ聞いておりませんが、それにしても、悪くなっている水質を調べるだけじゃ、これは何も問題の解決にはならぬので、悪いのを結局はどうするかということで調べておられるわけでしょうから、だからその調べる関係は、やっているというのじゃなしに、その有害なやつを有害でないようにするにはどうするかという研究に、どうして水産庁進まないのですか。そっちの方は何かこう通産省の仕事であるかのごとくちょっとおっしゃるわけですが、あるいはそうかもしれんけれども、しかし、それならそれで通産省の方が一体どういうふうな仕事ぶりをしておるのか、そういう点はあなたの方でよくつかんでいて、何か問題が起きた場合には、積極的に農林省からも通産省の方にやっぱり要求をしていくというくらいの積極性がないといかぬと思うのですが、そこらはどういうふうにお考えですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 御指摘の通りでございます。これは最近における一番の問題でございましたのは、ちょっと問題が違うかとも思いますけれども、例の水俣市におけるいろいろな問題でございました。あの水俣事件等で私どもが経験いたしましたことは、あのような問題についての原因につきまして、それぞれの部門が個々別別に調査をいたしましても、なかなか真相の究明はむずかしいということを、あの事件でまさしく痛感したわけでございまして、たとえば、水俣の問題につきましては、水産庁としては主として生物の問題、すなわち、ある原因に対して生物がどういうふうに、主として魚類でございますが、魚類がどのように反応していくか、それからそれらの魚類がどのような回遊状況をしているかということ、並びにその面から見た原因についても生物の立場から、魚類、生物の立場から、原因の究明を行なうという問題を担当したわけでございます。厚生省の方は、主として病気の問題、魚と人間との関係の問題、これを担当いたしまして、それぞれの大学等の医学陣その他を動員いたしまして、この究明に当たったわけであります。それから通産省は、汚水の、汚水と申しますか、有毒と思われる水を一体どの程度出すか、それを防止するのにはどうするかという点を、通産省で担当していただきまして、それを、総合官庁でございまする経済企画庁にそれらの問題を持ち寄りまして、事務連絡会議を開きまして、この問題に対処しつつあるわけでございます。それで、これは単なる、水俣という特異な一つの事件でございましたが、今後、水質の問題につきましては、経済企画庁の担当ではございまするが、私どもは私どもの立場で、やるべき分野を責任をもって調査し、通産は通産としてやるべきものを担当していただきまして、それを担当機関でありまする経済企画庁に持ち込んで、各産業間のこの種の問題を解決していくというような方向が一番よかろうと、このように考えるわけでありまして、私どもは、その意味で、それぞれの仕事を分担してやっておるつもりでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それは、具体的に起きた問題については、放っておけないから、そういうふうな分担をしておやりになるということになるのでしょうが、私の申し上げておるのは、そういう問題が起きてからでなしに、もう、いろいろ予想されるわけですからね、工場の発達等によって、だから、やはりこれは、今お聞きしたような程度の対処の仕方ですと、もう、そのつどそのつど追い回されるという結果になってしまう。それで、三重県のような場合は、これは比較的原因などもはっきりしているわけですね。石油のにおいが魚につくというのですから、これは石油工場にきまっているのです。だから、こんな程度のものすら、相当やかましくなってから、長時間期間が経過しておる。これじゃ、私は、国の機構の対処の仕方としてはなはだ不十分だと思いますね。そこを申し上げておるのです。通産の方の係の人、委員長、あしたでも呼んでほしいと思うのですが、そうすれば、先方の方の対処の状況がもっとわかると思うのですが、ともかく、問題は、水俣にしろ、伊勢湾にしろ、被害の出どころは工場ですね、だから、そこの、悪いものが出るその場所を適当に押える、そこで品物を処理すると、こんなことぐらいは、いろいろ化学工業なんか発達しているのですから、物を変化させるぐらいのことは簡単にできそうなんですがね。ともかく金のもうかる方ではずいぶん、ちょっとわれわれしろうとが聞いたって驚くようなことが行なわれているわけなんです。だけれども、弱い者に迷惑をかけるような、そんな問題については放置されているというのは、それはよくない。割合簡単なことなんです。そうでしょう。起きてしまった被害について、いや厚生省が担当したり、通産省が担当したり、農林省も一部担当したりして騒いでいるのです。ずっともとをたぐっていけば、被害を起こす原因の場所ははっきりしている。そんなことの化学処理ぐらいできそうだと思うのです。そんなむずかしいものですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) それでは若干現状から説明をいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あまりむずかしいことを言ってもらってもわからぬから。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 昭和三十三年度におきまする水質汚濁による漁業被害の私どもでやりました事例調査でございますが、これを見ますと、総体として三百四十四件あったわけでございますが、このうち石炭産業によるものが二十六、澱粉工場によるものが三十八、染色加工工場によるものが十九、紙パルプによるものが六十一、化学工業によるものが五十四、金属工業によるものが十三、電気ガス等によるものが十五、その他百十八件でございまして、このその他百十八件に、ただいま問題になったような石油等の事案もこれに含まれると思います。申し上げましたように、この水を悪くする原因は、非常にたくさんの原因がございまして、また、その悪い水を出すことを防止するためにも、それぞれの工業の実態に沿ったやり方でなければ、具体的な問題の処理がむずかしいわけでございます。従いまして、しかも、これがたとえば東京湾の例をとりましてもわかりまするように、水が悪くなりました場合に、その原因をどの業種のどの会社かということを突きとめるのは、実はそれほど容易なことではございません。今度の事案のように、加害者がほぼある程度言える場合は、むしろ別の意味ではやりやすいと申しますか、はっきりするわけでございますが、私ども一番苦しむのは、たとえば東京湾等におけるごとく、どういう業種のどの会社のということが特定し得ない場合、たとえば隅田川等の水が非常に悪くなって、あそこに魚がいないということは御案内の通りでございますが、さてその隅田川の水を悪くしたのはだれかということを、加害者を突きとめようとしても、これまた実際問題としては容易でない問題でございます。従いまして、これはそういう問題がございましたので、例の水質二法と申しますか、水質汚濁防止法と、これの関連する処理の問題としての法律と、二つの法律を現在制定していただきまして、この水質二法をもってこの問題に取り組んでいるわけでございまするが、先生ただいまおしかりのように、簡単な問題ではないかとおっしゃいましたけれども、私はそうは思わないのでありまして、これはなかなか容易でない問題だというふうに、私どもは覚悟をきめているような次第でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 変な覚悟をきめちゃだめです。そんな覚悟をきめちゃだめだ。私の言うのは、つまり、隅田川の例をとられたけれども、あんなに濁ってしまったらその原因を突きとめるといったって、そんなものはなかなかわかるものではない。そうではなしに、もう一歩突っ込んでいえば、各工場がいろいろな廃液を出すわけだ。だから、ともかくそれが魚族に影響するしないということを抜きにして、ともかくそとへ出す場合にはちゃんときれいなものにして出す、みんながそうやればちゃんとそれできれいなものになるわけでしょう。むしろそこまで、そんなことも、それは一々の工場が有害であるのかないのかわからないのに全部やれということはちょっと酷なようですけれども、しかしそうしませんと、被害が起きてからそれを突きとめて歩いておるのじゃ、これは大へんですよ。そんなことはできないものなんですかな。  それからそういう点についてのこれはどうなんですか、諸外国でもいろいろ工場地帯等では問題があろうと思うのですが、どういうふうになっておりますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) まず最初の御質問の点でございますが、ただいま水質汚濁防止法で制定いたしました考え方は、ある特定の場所について水質基準をきめまして、その水質の基準に合致しないような水の問題に対しては、これをいろいろと制約していくと、こういう考え方の法律でございまするが、もちろん私どもとしては、水質の基準をきめる前に、具体的な工場の水質が、基準のいかんにかかわらず、工場側が完全な設備をしていただくのが一番いいということは、これはもう漁業者の立場から当然いえると思います。従いまして、この水質汚濁防止法を制定する当時は、私どもの考えておりましてまた御要望いたしました線は、かなりただいま先生がおっしゃった線に近かったのでございまするけれども、しかし、私どもだけでこのような法律を作ることができませんで、やはり関連した各省の政府としての合意がなければ、なかなか法律としてはできないものでございまするから、その点から見ますと、必ずしも漁業者の立場から見て現在の水質汚濁防止法が完全なものであるというふうには私ども考えていないわけでございます。なおこの問題は重要な問題でございまするので、水質の問題を、忠実に法律を実行すればよいわけでございまするけれども、それだけではどうも十分でない点も漸次あろうかと思いますので、今後改正等についても研究して参りたいと、こう思っております。なかなか現在の実情から申しますと、水質の基準すらきめることは、これは容易でないことでございまして、いわんやこの法律を改正するということも決して容易な道ではないとは思いまするけれども、しかし、なお一そうそういう方向にもっていくべく努力いたしたいと思います。  それから外国の事例でございますが、これは割合に日本よりも、いろんな例外はございましょうけれども、概略的に申し上げますと、日本よりもやや厳重なようでございます。御案内のように、私どもが実際の問題にあたりまして一番苦しむのは相手方が中小企業以下の工場の場合、特に澱粉工場等につきましては非常に私ども苦しむわけでございまして、交渉をいたしましてもなかなかどうも具体的な問題、解決がむずかしい点もございますので……。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと、簡単に言って下さい。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) まあ今後ともなお十分注意して参りたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 大体、工場経営される方は、やはりそういう排水などによって他人に迷惑をかけないそれだけの設備をちゃんとしている、こういうことも工場のやっぱり計画の中に入れていかなきゃならぬ。それによって原価が高くなったってこれは仕方がない。そんなところで手を抜くべきじゃないですね。だからそういうそこら辺の考え方がやっぱりちょっとルーズなんだな。しかし、文化国家というものはやっぱり便所を一番きれいにしないとだめなんだ。だから日本なんかまだまだ野蛮国だというのはそういうところから。工場見たってどこ見たってだね、自分の工場だけぱっと建てて、いや水利関係がどうなろうが何しようが、そんなことはあとから問題が起きてから、それに対して手当をするという程度ですからね。だからもうあんたの方の姿勢がもうちょっとしゃんとしてなきゃうそですよ。それはそんなことあまり強く言うと中小が困ると、要らぬことまであんた言うけれども、そうしたらそれは中小企業対策というものをまた別個に考えてやればいい。そっちが困るから、こっちもだめなんだというようなことを言っていちゃ、それはいつまでたっても進歩しないですからね。だからよほどこの問題については、これはこれからもっと問題が悪くなるわけですからね。放っておけば悪くなるのだから、検討してもらわぬといかぬと思う。  で、そういう工場、工場もまあ最近はずいぶん海岸の方にくるわけですがね。ことに埋め立てなんかをやったりして、まあいろいろ物資を運んだりするのに便利なんでしょうが、そういう何かまた日本全体についての配置計画というようなことを多少でも研究しておるのですか。この辺の地区には、そういう埋め立てなどをさせていかぬとかこの辺ならいいとか思っておるだけで、あまり検討もしてないじゃないですか。どうなんです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 過日周東農林大臣から、その点の検討の足りない点を指摘されまして、私どもただいまその問題をどう持っていくかということについて検討中でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 どういう陣容で検討しておるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいまは、問題になりましたのは、沿岸漁業振興法の中で、他産業の、ただいま亀田先生から御指摘を受けたような問題に対して、やはり基本的な事項を入れるべきではないだろうかという点でございます。これは一つの事例でございまするけれども、たとえば漁業上非常に重要な海域と申しますか、地帯と申しますか、それについては、そういう地帯をもしあけることができるならば、その地帯については工場の設置については一般的に制限すると申しますか、そういったようなものの考え方ができないかという点について、ただいま水産庁の部内で検討をしております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 通産省の方ではそういう海岸を使う、そういうことについてのいろいろな検討をやっておるでしょうが、それがあなたそういうことはお聞きですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) たとえば、東京湾の問題等について全部ではございませんが、大事な点は知っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、あなたの方が非常に立ちおくれですからね。結局は向こう側の立場だけでここを使おうあそこを使おう、こうなんでしょう。そうすると、こっちの方はそれに対してただ防ぐ方の立場になってしまうのだな。そうじゃなしに、やっぱり漁業という立場から見ての積極的な案を、向こうが出した案についてここがいい、悪いと言うているのじゃなしに、あなた方の立場から言うたら、こういうところは、ぜひちゃんと手をつけてならぬもんだ、あるいは工場がほしいのであればこういうところならいいとこっちの案を示してやるのでなければ、向こうはそんなことがわからないのだから、どこにでも自分らの都合のいい立場だけで候補地を選ぶわけですがね、それくらいのこまかい作業をやってもらわなければね。できますかね、そんな仕事。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これはなかなか容易でないと実は考えております。と申しますのは、特定の海をつかまえてここだけは困るということ、従って、ほかはいいということが、あるそういう区分が一体できるかどうかという点、それから海全般についてそういうことは言えないのですけれども、ではこういう場合の、たとえば輸出すべき特定の、漁業の中の特定の産業について保護の問題ないしはこれは繁殖保護上の問題として資源保護上、こういう場合はこうするということを、一体どの程度区分してそういうことがいえるかというと、これは技術的に私申し上げますと、そう簡単な問題ではないというふうに思います。しかし、先生ただいま御指摘のように、やはりあまり私どもが防御一方のやり方では、どうもおしかりを受けましたように十分ではございませんので、ただいま先生の言われた方向に従って、私どもも今後何とかやっていきたいというふうには考えております。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) この際、衆議院提出の土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案外一件の提案理由の説明を聞くことに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。  それでは土地改良の財政の再建に関する特別措置法案(衆第二四号)、農業生産組合法案(衆第二五号)、以上予備審査の二案を一括議題として、両案について順次提案理由の説明を願います。

石田宥全日本社会党

○衆議院議員(石田宥全君) ただいま議題となりました土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  戦後の土地改良事業は、農地制度の大改革と相並ぶ国の最も重要な施策の一環として、自作農を中心とする農業経営の合理化と農業生産力の発展をはかり、食糧その他の農作物の増産によって、農業の国民扶養力を引き上げ、ひいては国民経済の成長と発展に寄与することを目的として強力に推進されましたが、一方ではこれが法的体系の整備のために、昭和二十四年土地改良法が制定せられたのであります。自来今日まで数次の改正を見、本法を根拠に土地改良事業の実施、土地改良区等の設立運営が行なわれ、農民諸君の努力と相俟って、わが国食糧農業問題の前進のため多くの成果を上げて参ったことは、御承知の通りであります。  最近の実績を徴しまするに、昭和三十二年度までに事業費で約二千七十余億円、完成受益面積約百八十八万ヘクタールに達し、栽培技術の進歩向上に助けられつつ、農地なかんずく水田の生産力は飛躍的な増大と安定を見ることとなったのであります。昭和三十年以降、五年続き、六年続きの豊作がうたわれておりまするが、水稲におきましてはすでに千二百万トン台の生産水準をもって平年作とすることが、今日の常識となるに至っているのであります。このように土地改良事業は土地生産力の発展に役立っておりますと同時に、一面においては農業労働の軽減による労働の生産性の向上に稗益し、総じて農業の近代化、合理化を促進して参った事実を否定することはできないと思うのであります。  戦後の土地改良事業はかような効果を上げて参りましたが、同時にまた、今なお、全国には数百万ヘクタールに達する要土地改良面積が残されており、さらに、新時代に即応し、畜産農業、果樹農業等の振興のため強力なる畑地対策の推進が要請せられておるのであります。それにもかかわらず、食糧事情の若干の好転を背景として、いわゆる農業生産基盤整備事業に対する政府の熱意が近来とみに冷却の傾向を示し、昭和三十六年度予算におきましても、その徴候を明瞭に看取できますことははなはだ遺憾とせざるを得ないところであります。  われわれといたしましては、むしろ現在の土地改良事業がその内部に持っておりますもろもろの欠陥、すなわち、事業進度の遅延による経済効果の減殺、事業の一貫施行態勢の不徹底、営農技術指導の不十分、事業完了後の施設の維持管理方式の不備、農民負担の過重等各種の問題点に真正面から取り組み、一つ一つこれを解決すると同時に、他産業との所得較差が漸次拡大するおそれのある今日の情勢下におきましては、さらに高い次元の上に立って、農業の共同化、近代化を推進する必要のあることを認めており、これがためには、あらゆる施策に先立って、農業生産基盤の整備拡充とその制度の確立に努めて参らねばならないと信ずるものであります。  われわれは去る二月十七日、政府に先立って、農業基本法案を国会に提案し、ただいま各位の御審議をわずらわしているのでありますが、本案におきましては、前述の見地に立って、農業基盤の整備拡充については特に意を用い、その前文で「国の責任において、積極的かつ計画的に、農用地の大規模な拡張、土地条件の整備及び共同化による経営の拡大と近代化を促進する」ことを明らかにし、さらに本文では「農業基本計画に基づく農業年度計画の実施に必要な予算の確保」をうたい、また「農業経営の共同化を促進するため、全額国庫負担による農用地の造成、土地改良及び集団化による農業生産基盤の整備をはからなければならない」ことを述べもって国の義務として、農業生産基盤の整備拡充を積極的に促進すべき旨を明示しているのであります。政府案におきましては、この点においていささか見劣りがあるのでありますが、いずれにいたしましても、農業基本法成立の暁には、土地改良事業の手続規定を中心とする現行土地改良法には、新しい理念に基づいて大幅な改正を加うべきものと考えるのであります。  われわれは以上の趣旨により、土地改良法の抜本改正を主張するものでありますが、ここに至るまでの間におきましても、いたずらに手をこまねいて待っているわけには参らぬ緊急の課題が生じているのであります。すなわち、それは土地改良区の財政を再建して、その体質改善をはからねばならぬということであります。御承知のごとく、土地改良区は団体営土地改良の主たる事業主体として、はたまた国営または県営により施行せられた農業施設の管理主体として、土地改良法に基づいて設立される公共団体でありますが、あたかも全国の多数の市町村や農業協同組合が財政上の危機や経営上の困難に見舞われ、再建整備に苦慮いたしておりますと同様の運命に陥りつつあるのであります。  土地改良区の設立状況は、昭和三十五年三月三十一日現在において、一万二千七百三十二地区、その関係面積は三百三十九万二千ヘクタールでありますが、農林省の調査によりましても、大なり小なり経営の不振に悩む土地改良区の数は一万、専任職員の設置すらできないものはその八割にも達するものと目され、これらのうち著しい事業の不振団体は、三百二十九地区、関係面積十四万二千ヘクタールに及び、その負債額五十四億三千三百万のうち延滞額は八億八千四百余万円であると報告せられておりまするが、さらに詳細な調査をいたしましたならば、不振団体はおびただしい数に上るであろうと想像されるのであります。しかして、そのよってきたる原因は様々でありますが、そのおもなるものは、国営、県営及び団体営の各級事業が一貫施行せられず、多くのものが経済効果の発生しないうちに借入金の償還に入ることはあるいは事業進度の遅延により金利が増大すること等、結局は農民の負担力の限界をこえて過重な金銭が賦課され、多額の延滞を生じて業績不振に陥っているものと認められるのでありまして、国また都道府県の側における指導や施策に適切を欠き、そのしわ寄せを受けているところに根本原因があると断ぜざるを得ないのであります。土地改良区がはつらつとして健全な運営を行なわない限り、農業生産基盤整備の画期的な前進を望むべくもないのでありまして、かくては農業基本施策の確立そのものも画餅に帰することは明らかであります。  ここにおいて、われわれは、かかる不振土地改良区に対し、国、都道府県及び農林漁業金融公庫等が一体となって、その借入金について、利子補給、貸付条件の緩和等の措置を行ない、もってその業務の円滑な遂行を期することが必要であると認め、本案を提出した次第であります。  以下その内容について申し上げます。  第一に、債務の弁済が著しく困難な土地改良区につき、その財政の再建のため必要な援助措置を行なうことにより、その業務の円滑な遂行をはかることをこの法律の目的といたしております。  第二に、債務の弁済が著しく困難な土地改良区は、財政運営の現況及び債務の償還計画、農林漁業金融公庫または農林中央金庫から受けることを必要とする援助の内容、事業の実施に必要な資金の調達方法、業務執行の体制を改善するための措置、事業の実施に関する事項等を内容とする再建整備計画を作成し、これを都道府県知事に提出して、その計画が適当であるかどうかの認定を求めることができることとし、その申請は昭和三十八年三月三十一日までにすることにいたしております。また、土地改良区が再建整備計画を作成する場合には、その組合員の三分の二以上が出席する総会において、その議決権の三分の二以上の多数による議決を必要といたしております。  なお、都道府県知事が、この計画を認定する場合には、農林省令で定める基準に従って行ない、かつ、認定するときには農林漁業金融公庫または農林中央金庫の意見を聞かなければならないこととしております。  第三に、農林漁業金融公庫は、再建整備計画が適当である旨の認定を受けた土地改良区に対し、その計画達成のため必要な資金の貸付または貸付金にかかわる償還期限の延長、利子の減免その他の貸付条件の変更をするものとし、その場合の償還期限の延長は、農林漁業金融公庫法の定める償還期限をこえて十年を限り、行なうことができることといたしております。  第四に、都道府県知事は、土地改良区に対し、再建整備計画の作成及び実施につき必要な指導を行なうものといたしております。  第五に、国は、毎年度予算の範囲内において、都道府県に対し、再建整備計画が適当である旨の認定を受けた土地改良区に対して、その計画の達成のため債権の利息を減免した農林中央金庫に対しその減免した利息の額の全部または一部に相当する金額を都道府県が補助した場合の経費については三分の二を、土地改良区に対し、その計画の達成に必要な事務費の全部または一部に相当する金額を都道府県が補助した場合の経費にいってはその全部を、それぞれ補助することといたしております。  以上が本案の提案理由とその内容であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことをお願いいたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 芳賀貢君。

芳賀貢日本社会党

○衆議院議員(芳賀貢君) 私は提案者を代表し、ただいま議題となりました農業生産組合法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  さきに、国会に提案して御審議をいただいております日本社会党の農業基本法案におきましては、農業経営の共同化及び近代化をはかる施策として、(1)わが国農業における過小農経営を克服するため、農業生産組合その他の農民の共同組織を育成すること。(2)国は、農業経営の共同化を促進するため、全額国庫負担による農用地の造成、土地改良及び集団化により農業生産基盤の整備をはかること。(3)国は、農業協同組合の下に農業生産組合を育成するため、農業生産組合に対し、その事業及び施設について、指導、助成、機械の貸付け、長期低利資金の貸付け、税法上の特別措置等の措置を講ずること。(4)国は、農業経営の共同化及び近代化を促進するため、農業協同組合の活動を活発ならしめるよう必要な措置を講ずること等を明示しているのであります。  この農業基本法案の趣旨に沿い、農民の経済的地位の向上をはかるため、農民が相互扶助の精神に基づいて共同して農業を行なうための組織を整備確立するとともに、新たに農業生産組合が農地等に関する権利を取得し得るようにする等、現行農地法に所要の改正を加えて、生産または経営の共同化を促進することが必要であると考えるのであります。  すなわちわが国農業は、歴史的に時代の支配層によって搾取され、抑圧され続けてきた結果、今日なお過小農経営から脱却できず、土地その他の生産条件の整備が立ちおくれ、農村の生活文化は前近代的な状態に足踏みしている状況でありますが、これらの歴史的な悪条件を克服して、農民の所得と生活とを豊かにし、都市と農村との文化水準の較差を解消することは、われわれの年来の念願であるのであります。  さらにまた、戦後において、農地改革や農村民主化によって一時向上した農民の地位は、大資本の支配力復活によって、生産、価格、流通の各面にわたる経済的な圧迫を受けて低下を来たし、他産業との所得較差は拡大してきており、その上、農業を自由経済に組み入れ、貿易の自由化によって国際競争にさらそうとする政府の政策により、小農、中農はもとより、比較的規模の大きな農家すら、その自立はやがて困難となり、農業の発展はこれによって決定的に阻害されると考えるのでありまして、われわれは農民が独占資本の収奪から自己を防衛するとともに、進んでは共同の力により農業生産力の発展の契機をつかんで参ることが肝要と存ずるのであります。  以上のような見地に立って、われわれは農用地の拡大、土地条件の整備、農畜産物及び農業用資材の価格流通面における適切な施策等各種の施策を一そう計画的かつ積極果敢に実行するほか、農業の経営形態については、経営規模を拡大して、わが国の農業構造の致命的欠陥である零細経営から農民を解放するため、基本的には、共同化、共同経営を推進することといたし、本案により、農業協同組合のもとに農業生産組合を育成するとともに、新たに農業生産組合が、その共同経営のため必要となる農地、採草放牧地に関する権利の取得を認めることとしたのであります。これが社会党が特に農業生産組合法案という独立単行法案を提案した趣旨であります。  次に、法律案の主要な内容について御説明申し上げます。まず、農業生産組合の行なう事業、その組織等についてでありますが、  第一に、その行なう事業につきましては、農業生産組合は、農業及びその附帯事業のみを行なうものとして、原則としてそれ以外の事業を行なうことは認めておりません。  第二、農業生産組合の組織原則につきましては、農業経営の共同化及び近代化を貫徹することと、一方においては生産手段の導入の必要性をも考慮して、農業生産組合の組合員はすべて組合の事業に常時従事しなければならないこととするとともに、その事業に常時従事する者のうち、組合員または、その世帯員以外の者の数は、常時従事者の総数の三分の一をこえてはならないものとしているのであります。  第三に、その組合員につきましては、組合員の資格を、組合の住所のある市町村の区域内に住所を有する農民で定款で定めるものとし、特に準組合員制度を設けず、また定款の定めるところによって加入を制限することができるものとしておりますが、これは、地域性を考慮した土地と労働の地縁的な共同化に眼目を置いて組合の事業を推進することが、農業の実態に即応するものであるとの考え方に出たものであります。なお、この農業生産組合は、独立の経営体として農業経営を行なう関係上、出資制度をとることとし、組合員は出資一口以上を有しなければならず、しかして組合員の責任は、出資額を限度とする有限責任とすることにしております。  第四に、組合の管理及び財務の運営につきましては、おおむね一般の農業協同組合と同様の規定をいたしておりますが、剰余金の配当方法につきましては、まず、年五分以内で定款で定める割合の出資配当をなし、なお剰余がある場合には、組合員が事業に従事した程度に応じて配当することといたしております。  第五に、設立等の手続につきましては、農業生産組合が組合員の共同により農業経営を行なうという従来に例のない生産事業を実施する組合であることにかんがみ、かつ、出資制度、有限責任をとっている建前から、一般の農業協同組合と同様、認可主義を採用するとともに、一面においては生産組合の設立を容易ならしめるため極力その手続を簡素化することといたしました。すなわち、七人以上(当分の間は設立を容易にするため二人以上)の農民が発起人となり、設立手続を終了し、行政庁の認可を受けたとき初めて農業生産組合が成立するものとしておるのであります。  第六に、農業生産組合を農業生産法人として発展させるため、都道府県は、組合の設立及びその業務の運営に関し必要な指導を行なうとともに、国は、生産基盤の拡充、機械化、有畜化の促進、技術経営面の指導、資金の確保等について積極的な助成をすることといたしております。  次に、本案の大きな柱ともいうべき農地制度の改正の主要点について申し上げます。  農地の所有形態につきましては、農業基本法案におきまして、農地は、これを耕作する者が所有するという原則を貫くとともに、農民自身の自主的な意思によって、農地に関する権利を共同で保有するよう漸進的にこれを指導することといたしておりますが、この基本法案の理念に沿って、地主的土地所有者を排除する従来の農地法の精神を堅持しつつ、一面、共同化を推進するため、新たに農業生産組合に農地、採草放牧地についての権利の取得を認めることとしたのであります。  すなわち第一には、新たに農業生産法人が農地または採草放牧地についての所有権または使用収益権を取得し得るようにするとともに、その場合においては、従来の農地等の最高面積の制限を緩和して、農地法第三条第二項第三号または第四号の別表で定める面積に、その農業生産組合の組合員に属する世帯数を乗じた面積まで取得し得ることとしたのであります。  第二に、農業生産組合の組合員がその農地または採草放牧地に関する所有権以外を組合に対して設定しようとする場合には、従来の小作地等の保有の制限を適用しないこととし、また、組合員が、その賃借している農地を組合に対して転貸しようとする場合には、所有者の承諾を要しないこととして、組合の農地等に関する権利の取得を容易ならしめるとともに、一方において農業生産組合が一たん取得した農地等についてはこれを他に貸し付けることを禁止して、共同化の実を上げることといたしております。  第三に、創設農地について所有権以外の権利を組合に対し設定した場合、その組合が解散した際におけるその創設農地の取り扱いについて規定しております。すなわち、創設農地については、従来、原則として、賃借権等の用益権の設定は、禁止されております関係上、組合が解散した場合等には、一定の手続を経て旧所有者に返還するか、それができない場合には国が買収する旨を規定しております。  以上が農業生産組合法案のおもなる内容でありますが、政府案におきましては農業生産法人については組合法人以外に、有限、合名、合資会社のような会社法人をも考慮し、これらに対して農地等に関する権利の取得を認めることとしておりますが、本来営利を目的とし、構成員の資格要件に何らの制限を加えず、二人以上の者ががなり任意に設立し得る会社法人を認めることは、農民の一部を、土地、資本を所有する資本主義的企業者へ、他の多数の農民を土地、資本から分離された農業労働者へ、それぞれ分解させることとなり、農村の階層分化を一そう激化せしめるおそれ少なしとせず、害多く益少ないかような措置は、われわれとしてはこの際とらざることとし、日本社会党案におきましては、農業生産法人は、生産組合法人に限ってこれを認め、強力に育成しようとするものであります。このような農業生産組合の制度によってのみ、農業の近代化、合理化が達成されることをわれわれは深く期待している次第であります。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容の説明であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 以上で両案についての提案理由の説明は終わりました。両案については、本日はこの程度にいたします。   —————————————

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) それでは漁業関係三案に対する質疑を続けます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この漁業権に関する漁業権内部の争い、他産業との間のもめごと、いろいろあるようです。昨日も各県別にちょっと報告をしていただいたわけですが、明日あれをちょっと簡単なわかりいい表に一つまとめてほしいと思うのです。これは一つ要望しておきます。  それからもう一つこの漁業権に関連してお聞きしておきたいのは、漁業権の売買ですね。こういうことは法律上はできないわけでしょう。できないのだが、実際上そういったふうなことが行なわれておるといったような現象等はどうなっているのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいま御指摘の通り、漁業権の売買は禁止されております。問題の一つの点は、さらに賃貸をも禁止しておるわけでございますが、事実上売買が行なわれたということは、漁業権につきましては、私どもの聞いている範囲では、ほとんどないのではないかというふうに考えます。ただ問題は、漁業協同組合等に定地漁業権等をみずから経営するということで、漁業協同組合に免許した場合に、これが他のものの資本を受けて、共同経営ということは、法律上許されておるわけでございますが、これが事実上の賃貸ではないかどうかという経営内部の問題につきましては、若干各地でいろいろの問題があるようでございますけれども、売買ということはまずないというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その賃貸というようなものもありませんか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) お答えいたします。これは法律上他の者の資本を一応受けて共同経営体に入ることが直ちに漁業権を取得する場合の適格性の喪失になるというわけのものではないわけでございまして、三十条では「漁業権は、貸付の目的となることができない」というわけで、移転はもちろんのこと、貸付の禁止は明確に規定しております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、だから、その法律はそうなっておるのだけれども、共同経営というのではなしに、貸し付けで、賃貸ということになっておるようなものは実際上ないのかということを聞いております。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これは過日来漁業制度調査会でいろいろと御審議あったわけでございますが、もちろん解釈の問題は、事実上の貸付と同じではないかというような御趣旨でのいろいろな論議があったわけでございますが、はっきりと貸し付けるという場合は、もちろん、これは漁業法違反でございますので、そういうことはまずないであろうというふうに考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それに違反して貸し付けたような場合には、それは取り消しになるのですか、漁業権の免許の取り消しに、どういう処分があるのですか、法律上。ちょっと条文を指摘してもらいたい。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 三十八条の三項でございますが、適格性の喪失等による漁業権の取り消しの規定でございます。三項を読みますと、「漁業権者以外の者が実質上当該漁業権の内容たる漁業の経営を支配しており、且つ、その者には第十五条から第二十条までの規定によれば当該漁業の免許をしないことが明らかであると認めて、海区漁業調整委員会が漁業権を取り消すべきことを申請したときは、都道府県知事は、漁業権を取り消すことができる」という規定がございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 養殖やノリ、それの漁業権を設定しているわけですが、そこいらに入会権を持って他の漁区から入ってくる。これらは一応何かの形で権利の移譲がなければ、こういうことはできないと思うが、そういうものが相当あると思うのですが、それらはどういう形で入ってくるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) ただいまの御質問のノリの区画漁業権等について他の組合員がその漁場の一部に入ってくることは、法制上どうかということがございますが、これは漁業法における入漁権の問題でございます。従いまして今のこの漁業法上規定しておる賃貸ではなくて、その漁業権に設定された入漁権の効果として他の組合員がその当該漁場に入ってくる、こういう関係になっております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 その際人の区画漁業区の場所へ他の者が入ってくる、すると区画漁業協同組合といいますか、漁業協同組合に一応のわたりをつける、そうして入漁権を得るのではないか、こう思いますが、これらがただで、無償で入るということはちょっと考えられませんのですがね。その場合は権利の貸付もしくは譲渡というような形、譲渡じゃないでしょうが、貸付というようなことが考えられるのじゃないか。実質的にはそういうものがある限りは、無償で何か過去における何といいますか、因縁といいますか、歴史ですか、習慣といいますか、こういうものがあって、こういうものはそういう区画漁業権のある場所へ入漁権があるというものがあれば別ですけれども、そうでないものが相当離れた所から入ってきて、三里も五里も離れた所から入ってきて、これは一つの極端な例ですけれども、例の屏風ヶ浦の埋め立ての問題で明瞭になったのですが、ある地区においては前側から入ってくる。東京湾を越した向こう側から来ている。これらは習慣だの歴史だのということはちょっと考えられない所から入ってくる。こういうことを見ますと、それは何か実質上の金銭代償を払って年々入って、何か借り入れをしているのか、あるいは入漁権の代償を払っているのか、こういう実質上私はやっぱり貸付になっているのじゃないかと思いますが。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) まず、入漁権の本質と実体にからんでの御質問でございますが、入漁権は漁業法第七条に書いてありますように、両当事者間の設定行為にと申しますか、いわゆる契約によりまして、漁業協同組合間の契約によりまして、他人の共同漁業権もしくは区画漁業権の中にほかの組合が入漁権の設定に基づきまして入ってくるわけでございます。なお、この入漁権につきましては、第四十四条に書いてありますように、入漁権の内容の書面化ということが書いてありますが、当事者間で入漁の協定ができました、協定と申しますか、契約ができました場合には、書面によってその内容を明らかにしなければならないという規定がございまするが、この中にも書いてありますように、入漁料の定めがある場合には、その事項を書面の内容として記載しなければならない、こういうことを規定しておるわけでございます。  さて、その次は実態の問題でございますが、たとえば東京側におきまする大森周辺のノリの漁業者が千葉県のノリの場所におきまして、特にノリの種付の関係で、これは御案内のように、東京側の種場よりも千葉県側の方が種場として優秀でございますので、種場の関係で千葉県の区画漁業権に対しまして東京側が入漁権の設定をするという場合が往々ございます。従いまして、おおむねは周辺の漁業協同組合間の入漁が多いのでありますけれども、県を異にし、対岸の漁場に入漁権を設定するのも決してまれな事例ではございません。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 だから私の言うのは、その場合は一つの漁業権の貸し付けじゃないか、こういうことを言うのです。契約にしろ、何にしろ、そういう一つのものができる、それに対しては一つのやはり代償を仏ってやるでしょうから、何か法律でこういう場合には入漁権があるというなら別ですが、こういうものがなくて契約でするということになれば、その代償を払って契約が行なわれることになれば、これは貸し付けもできるし、借り入れもできる、業種によっては。こういうことも考えられる、こういうことを聞いておるのです。それが実質上どうだということを。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 入漁権につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、漁業法上明確に規定しておりますし、一方、漁業権全体が賃貸を禁止しておるわけでございますが、入漁権につきましては、やり方なり、内容について明確に規定しておりますので、私どもは入漁権の設定が漁業法でいう漁業権そのものの賃貸には該当しないというふうに考えております。ただ、入漁料その他の問題について賃貸料とほぼ同じような性格を有しますので、その意味で賃貸と同じではないかという御指摘だと思いますけれども、漁業法におきましては、入漁権に基づきまして他人の持っておる漁業権に入り込んでその一部ないしは全部を入漁権に基づきまして入っていく場合には、これは漁業法でいう賃貸の禁止の規定には該当しないというふうに考えるものでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 入漁権を設定した場合、元の漁業権者が全然自分の方では漁業をやらないという場合には、賃貸等と非常に似通うし、ちょっと区別が実際上つきにくくなりませんか。それはどうですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 入漁権の本体は、やはり本権者と入りまじってやる一つの入会権、こうお考えになるのが非常に適切だと思います。たとえば、事例的に申しますと、テングサの漁業権の、共同漁業権を想定した場合に、隣りの部落が入漁権に基づきまして、隣りの漁業協同組合にテングサについて地元の漁業協同組合員と一緒になってとるというのが入漁権の本質だろうと思っております。  ただ、ノリの区画漁業権、すなわち、ノリの養殖になりますと、確かに物理的に本権者と全く同一の場所を同時に入り会って取ることは、物理的に不可能でございますので、先生ただいま御指摘のように、そのような点に重点を置いて考えると、漁業権の一部賃貸とどこが違うかという点が確かに問題になるわけでございまして、この点は、法律的にもかなり議論のあるところでございまするけれども、現行法ではその点を割り切りまして、入漁権に基づきまする区画漁業権の入り会いについては賃貸ではない、賃貸と区別して制度化しているようなわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 一応そこの解釈は承っておきますが、他資本との共同経営は差しつかえない、ただし他資本が事実上経営を支配するような格好になってはいけない、こうなっておるわけですが、支配しているかどうかということは、いろいろの点を検討する必要があるでしょうが、そういう他資本との共同経営というような格好のものですね、これは全国的に幾つくらいあるのですか。調査がありましたら。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 問題は定置漁業権が一番、漁業権の中でも共同漁業権と区画漁業権については、その問題が比較的少のうございまして、やはり多額の資本が必要な定置漁業権にその問題が一番多かろうというふうに考えるわけでございまして、この問題はやはり個人に定置漁業権を免許したのではなくて、漁業協同組合に免許した場合がそういうあれがかなり多かろうと思うわけでございますが、先生の御質問の御趣旨は、おそらく何と申しますか、経営のほんとうの真相についての、単なる表面的な数字でなくて……。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 表面的な数字だ、一応。共同経営をやっているような……。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 昭和三十三年の現在の調査によりますと、定置漁業権で申し上げますと、総件数が三千四百四十五件ございます。そのうち漁業協同組合に単独に免許をされたものが五百二十七件、それから漁業生産組合に免許されたものが百二十一件、個人その他の会社等に単独に免許されたものが千八百二件、その他が二十一件でございます。それから御指摘のように共同免許の場合でございますね、二つ以上の漁業協同組合に対して免許をした件数が四十三件、それから漁業協同組合と漁業協同組合以外のものとの共同に対して免許をしたもの、これがただいま問題になったところでございますが、これは百四件、それから個人会社の共同免許に属するものが七百九十六件、その他が三十一件というような状況でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この百四件というのは、これは何と何の共同ですか、もう一ぺんおっしゃって下さい。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これは漁業協同組合と、たとえば何某という個人または漁業協同組合と何々会社というようなものに対する共同の免許でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そうすると、本来ならば、協同組合だけでやる、それでは資本が足らないからということで、ほかの個人なり会社をそこへ引き込んでくると、こういうものですね。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) そうでございます。ただ問題は、単独で漁業協同組合が免許を受けた場合であっても、表面に出ないで、実質的に資本の供給を仰ぐというケースもございますから、要するに、漁業共同組合が他人の資本を持ってきて、共同経営みたいな格好をとるのが、百四件だけに限るのかという御質問でありますれば、必ずしもそうではなくして、ほかにも、名義は単独でも、実質は共同の場合もあり得ると、しかし、名義も内容も共同のものということであれば、ただいま申しましたような百四件に相なろうかと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 名義上も、協同組合とほかの資本とが、免許を取るときから表に出ているというものは、これは知事の方でも十分調査できるわけですね。だから、こういうのは、それでも調査が疎漏だったりすれば、やはり事実上、実際上漁業できないものが権利を握っているというふうなことも、やはりあると思うのですね。その調査はよくやっているのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これは経営の内容に入りまして、実質上、だれがリーダー・シップをとっておるかという調査に相なろうかと思いまするが、これは調査に行きましても、二日や三日の出張の日数では、なかなか実態がつかめない場合が多いのは、私ども経験いたしております。それで一体、私どもは、そういう調査なり何なりをする場合に、これは当たっておるかどうかは別問題として、やはり問題は、その生産手段と申しますか、漁具、漁船等を組合が持っておるのか、個人が持っておるのか、会社が持っておるのかというところを一つの、何といいますか、それらの問題を判別する場合の一つの目安としておるわけでございます。おそらく、理論的には、組合と個人と、たとえば共同経営に入った場合に、理論的には、組合としては船を持たず、網も持たないで、実質的には経営の支配権を取っておるのだということもあり得るわけではございまするけれども、しかし、私どもとしては、やはり一つの目安として、網の所有権は組合にあるのか個人にあるのかという点も、一つの目安として見当を立てておるわけでございまして、そういう見当を立てた上で、適切な府県当局も指導をする場合には、一つの参考資料になろうかということでございます。くだくだ申しましたが、要するに、経営の内部に入っての調査は、事実上、なかなかむずかしい問題でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういう調査権というものは別にないのですか、強制的に調査するというようなことは。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) これは一般的な監督権限は知事にございますし、必要な報告書を出すことを要求する規定もございます。それに従って報告を出させることができるのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから個人の場合が相当件数ありましたね。千八百ですか、個人並びに会社、これはこの中は、表面には共同者が現われておらぬやつですね。複数の個人のやつも入っているのですか、千八百二件というのは。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) この千八百二件と申しますのは、個人または会社の単独に免許を受けた場合でございまして、個人または会社が共同で免許を受けた場合は七百九十六件でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 こういうものには、表面と実質とだいぶ違うものが予想できるのじゃないですか、どうなんですか。やはり資格と申しますか、免許を取りやすいものを表に立てて、個人ですから、会社ほどきっちりした帳簿を備えつけるというわけでもないから、皆さんの方から調べようと思ったって、なかなか一そう調査がしにくいわけですね。それはどうです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 免許申請時において、個人または会社が私どもの方でつかみにくいというようなことは、むしろ少ないのでございまして、これは免許時においては少なくともわかっているわけでございます。ただ問題は、定置漁業というのは、非常に豊凶の差が激しいものでございますから、経営の途中で赤字をしょいこみまして、その関係で実質的な経営が多少免許時とは違ってくるようなケースもございまして、この点は御指摘のように、結果としてある年数がたってしまいますと、免許当時の漁業権者であるかどうか、はなはだあいまいな格好になる事態が実は相当ございます。従いまして、私どもとしては、定置漁業権を現行法では免許期間を五年としております。この五年といたしましたのは、やはり豊凶の問題、従って、それによるところの経営の多少の移動の問題も考えているわけでございまして、これをあまり免許期間を短くいたしますと、権利と実際の経営との間を適確にすることはできまするけれども、あまり短くいたしますと、経営の安定が期せられない。それからあまり長くいたしますと、ただいま先生御指摘のような事態が起こりますので、一応五年ごとに漁業権をなしにして、新しく権利を発生させていくというようなことを現行法で規定しておりますのも、一つはそういう趣旨かと心得ております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういう表と中身がいつの間にか違ってきた、そういうような理由で取り消し処分を行政上したような実例はあるのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 私どもの記憶している範囲ではございません。この規定はそういう場合に漁業権を取り消さなければならないというふうには規定していないのも、その辺の配慮が、これは立法の趣旨としてあったわけでございまして、海区漁業調整委員会が弊害を認めて、意識的に変わってくるような場合には、適格性その他の問題から非常に弊害があるという場合には、海区漁業調整委員会の方から取消しが要求されると、その場合に、知事が取消すことができる、という規定でございます。と申しますのは、やはり漁、不漁によりまして若干いろんな資本関係が変わってくることが相当ございます。その場合に、免許当時と全然同じでなければ直ちに漁業権を取り消さなければならない、というふうにすると、かなり実態的にも合わない点が出てくるのではないかということが、この立法当時考慮されたものと、私どもは解釈しております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この三十八条の第一項には、十四条の適格性というものがなくなった場合には、知事は取り消さなければならない。ねばならないと、ちゃんと義務づけておりますね。もちろん海区の調整委員会の意見は聞くわけですが、できる、じゃなしに「取り消さなければならない。」三項の方は、「できる。」ですけれども、第一項の方はちゃんと義務的に書いてありますね。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) その通りでございます。それで第一項の方は、主として十四条の適格性の問題でございます。この十四条の適格性の問題はかなり本質的な問題でございまして、たとえば漁業協同組合と共同漁業権の関係のような本質的な問題につきまして、途中で適格性が変わったという場合には取り消さなければならない、というふうに規定してございます。先ほどから先生から御質問のありました、主として資本の問題、共同経営にからんでの優先順位等に関連するところの経営支配の第三項の規定で、漁業権者以外の者が漁業権の内容の漁業経営を支配するかどうかという問題に関しましては、これは先ほどお答えしたように、「取り消すことができる。」という規定になっております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そこの区別はわかりましたが、そういたしますと、この漁業権者以外の者が実質的に漁業経営の内容を支配しておるということがわかっても、知事はこれを取り消さんでもいいわけだね、場合によっては。そういう解釈ですね。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 第三項・第四項の規定から見ますとそのように考えられます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そして実際上取り消し処分されたものがないと、こういうことになりますと、もうこんなことは大っぴらに行なわれているのじゃないですか。水産庁も知事の方も、そんな取り消しというようなことは実際上はしないのだ実績がそうですからね。また取り消さんでも別に違法にはならないのだというふうなことになりますと、これは名義だけ権利取りやすい者にやらして、そうしてあとはどんどん大っぴらにこれはやっていける規定だ。もしそんなことならこんなややこしい書き方でなしに、表と裏と何か逆になってしまうような実際上の運営では。第一、取り消すことができるということになっておるのに、一件も取り消しがないということはおかしいじゃないですか。人間がそんなにいい者ばかりであるわけがないんですから、どこの社会だって。取り消すことができるのに一つもないと、それは結局あまりそういう問題は眼中に置いてないんじゃないですか、行政面で。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) お言葉ですが、そうは思わないのでございまして、これは相当重要に考えておるわけでございます。一番この問題が具体的に出てきますケースは、漁業協同組合が定置漁業を経営する場合、これが大部分の問題でございまするが、理屈を申すようでございまするが、この定置を漁業協同組合が経営するということは、実は必ずしも容易な問題ではないわけでございます。これはもちろん資本と技術の問題がございまするが、やはり定置漁業という非常に資本がかかるにもかかわらず、豊凶常ならぬ不安定なものでございまするので、なかなか組合としてはこの問題に、この定置漁業の経営に失敗いたしますと、なかなか立ち上がりが容易ではないわけでございます。現に私ども組合の調査をいたしましても、漁業協同組合の赤字の組合を調べましても、自営に失敗する例が相当多いわけでございます。それならばすぐ問題が出るわけで、そういうような漁業は組合が本来経営すべきものではないんじゃないかという御意見もあろうかと思いますが、もちろんそういう議論もございます。しかし、漁業協同組合の地先の定置漁業権に対しまして、とにかく経営する以外に権利者たることを許されておらないわけでございますから、従いまして漁業協同組合としては、そういう言葉が適切であるかどうかは別問題として、やや無理な態勢のもとにこの定置の経営に入るという場合もございます。従いまして、その経営に入る場合ないしは一たん単独だけで経営いたしまして、あとで資本面で他人の資本参加が求められてくるということはあるわけでございまして、これはそういう言葉が許されるとすれば、漁業協同組合側に立って私どもが見ますと、現行法を直ちにどうするかということについては、やや踏み切れない点があるわけでございまして、私の感じといたしましては、漁業協同組合が経営上の資本の問題として、他人の経営参加を認めることはやむを得ない場合があるというような感じを持っているのでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 せっかく漁業権を免許してもらって経営の主体になっている人が、ただ漁業の性質上取れたり取れなかったり、これはまあそういうものでしょう漁業は。農産物の場合は最近はそんなことはない、非常に災害の対策が進んでおるから。だからそういうことについての対策というものは国として別個に考えるべきことなんで、ずうっと平均がとれるような、そういううまいことはできぬだろうが、しからば収獲が多かったり少なかったりする、そういう場合にどうするのか。これは国としての対策というものは別個に考えていいんじゃないですか。それが困るからというので、せっかく権利を漁民に与えながら、それがほかの資本家に頼らなければ経営していけない、結局そういうことになれば、うまい汁はその人に吸われてしまう。これは漁業免許を与えた趣旨に反すると思う。そういう点は、なるほどほかに施策がないから仕方なしにそれは頼っているものの、そういうものに頼らぬでもいいようなふうにするには、どうしたらいいのかという研究というものはされていないのですか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 制度的に申し上げますと、金融の問題ともう一つは、漁業共済制度と申しますか、この制度を立てているわけでございまして、何と申しますか、一応の答弁としては漁業共済制度があるからそれでいきたい、こういうことでいいかとも思いますが、しかし実態を考えますと、なかなかそう簡単には参らないわけでございまして、漁業共済制度も実はまだ実験段階でございまして、保険料率も漁業者から見て必ずしも安いわけではございませんで、なかなか漁業者としても入りにくい。またそういうことでございまするから、全国平均がなかなかうまくいきませんで、保険業務をやっておられる団体の方も、定置はなかなかあぶないということで、料率もつい高くならざるを得ない、こういうような悪循環的の問題が現実にございます。なおこれにつきましては、もう少し工夫をこらして共済制度でこの自営の問題をバック・アップするということも、この制度的の一つの方法かと思っておりまするので、そういう方向でただいま研究して参っておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それから漁業権の侵害、こういうような事件というものは相当あるのですか。漁業法の百四十三条に書いてありますが、侵害されておってもほうりっぱなしになっているのじゃないかね。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 漁業権の侵害の問題、たとえばただいま漁業協同組合に属している共同漁業権、その共同漁業権に属している、たとえばテングサの漁業につきまして他部落から入漁権を設定しないで、テングサを取りにこられたというようなのがティピカルな侵害の問題だと、こう心得ておりますが、そのような事業案は個々の村にいきますと、若干聞いてはおりまするが、そう多くございませんし、これが私どもの方までくるような侵害の問題もないというふうに考えています。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 一件もないわけですか、百四十二条に該当するような問題は。表に出た問題。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) そのようにお答えをしたわけではございませんので、地方的の問題としては若干あろうかと思いまするが、大きな問題として私どものところまでくるような大きな問題は、最近のところでございません。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この漁業権の侵害ということの意味はどういうふうに水産庁解釈しているのですかね。たとえば入漁権のないものが勝手に入ってきたとか、しかしこれは生活に困って入ってくる場合もある、多少知りつつも。それがティピカルだと思いますけれども、たとえばああいう四日市の工場など、ああいう事態という事態というものはここに該当しないですか。権利を侵害しているわけでしょう。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 具体的な御質問でございますが、たとえば漁業権を設定しておる漁場に対しまして、漁業者が一種の漁業という行為によってその漁業権を侵害するについては、先ほどお答えした通りなんです。しかし、漁業権に対する、漁業それ自体に対しましては、そのような事案だけではなしに、御指摘のように、たとえば他産業によるいろいろな被害を与えるというケースがあるわけであります。これは漁業権は物権と見なされておりますし、土地に関する規定を準用されているわけでございます。従いまして、漁業権に対して、他産業からその財産的な価値に対しまして損害を与えるような場合には、当然損害賠償の請求権のあることは、これは申し上げるまでもないことでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いや、そんな民事上の損害賠償請求権じゃなしに、ここに書いてあるじゃないですか。漁業権を侵害した者は二万円以下の罰金に処する、どうして侵害にならぬのですか。侵害したから民事上の請求権があるわけでしょう。同じ言葉じゃないですか。だからこれに入るのだということになれば、あんな被害を及ぼしてだな、ああでもない、こうでもないといつまでも言うておるのなんかは、どんどん告発していじめなければいかぬ、そういう意味で聞いているんです。どうして工場が民事上の損害賠償を請求できるのに、どうしてこれに当らぬか。そんなことは研究しないで言うておるなら、はっきり言わぬ方がいいし、もっと法務省とも打ち合わしてみてだね。そうして言いませんとね。それに当らぬというようなことを断定するのはちょっとおかしい。これをお作りになった場合には漁民同士の、そういう権利のないものがちょっと隣りへ釣に行ったとか、そういうことを考えているのだと思う。けれども言葉そのものからいったら、何もみな含まれるでしょう。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) あるいは私どもの研究不足かとも思いまするが、いわゆる一応の解釈といたしましては、ここの百四十三条に書いてあります「漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者」というのは、これはあくまでも漁場を他人を排斥して、独占的に当該漁業を営なむ漁業の権利を侵害された場合、従いまして、一番いい例は、先ほどのお説のように、漁業を他人が当該漁場に来て漁業権に属する漁業をするような場合、これがティピカルな例でございまして、たとえば汚れその他で出た場合に、漁業権者としていろいろなことを言うことができることは、これはもう申すまでもないことでございますが、ただ問題は百四十三条であるかどうかということでございまするが、私はそうじゃないと思いますけれども、私も法律の方はあまりよく知らないのでございますから、なおよく専門家にも研究していただきまして、その上で正確にお答えいたしたいと思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これは刑事罰ですからね、もちろん犯意が要るわけです。だから汚水だということをわかりながらどんどん流している。それで新聞にも書いてある。なおかつ流している。知らぬ間はこれは百四十三条を適用することはできない。知ってしまえば、これはあなた犯罪的な行動ですよ。生活に困った漁民が権利がないのにちょっとほかの魚を取ったと、それを処罰しながら、わかっておってたくさんの魚族が困るようなことを堂々とやっている、これがどうして侵害にならないか。そんなおかしなかたくなな考えを持っておっはいかぬ。あなたは水産を守る立場にいるので、もっと積極的に考えなければいかぬ。だからその刑罰の規定からいうたら、この汚水などをどんどん流して、漁業権をやっぱりこれは侵害しておるわけですからね。だからそういうものまではこれは考えていなかったのだろう、これを作るときに。それまで考えておればこれはもっと刑罰が重いはずですよ。しかし言葉の中には入るんだよ。すべて入るから、場合によってはもっと刑を重くしなさいよ。そんな生活に困った人にそんな重いものを適用する必要はない。ところが、事情がよくわかっておって、ずるくかまえてじゃんじゃんやるのは、これは損害賠償はもちろん一方でやらなければいかぬが、それからまた予防措置の要求だってこれは当然できるわけです。そんなことをあくまでも続ける者にはもっときつくやったらいいのです。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) はなはだその点勉強不足でありまして、もう少し勉強した上で正確にお答えいたします。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連。これは僕らもこの規定があることは気がつかなかったけれども、あなたも委員長も一緒に行かれたが、富浦のノリの事件の問題は、あのときは明確に重油を流した船はわかっている。ただその流す際に、密輸の船がやったのですな。それが第一の請負者に請負わして規定の場所に流すようにしたんだと、それが第一の請負者が二番目の請負者にこれを請負わしたわけであります。それがたまたま朝鮮人であって非常な資産のない人で、賠償の能力がない。こういうのであれはうやむやになったのですがね。やったって仕方がないと。だがしかし、こういう規定があれば、はっきりと犯罪者であることはあのときは明確であったんです。これははっきりしたんだけれども、取れないものは仕方がないじゃないか、こういうのであのときはやめてしまった、中途で。ああいう場合に、なぜ処罰せんかったか。金を取ることができなかったならば、この規定によって処分してくれたらよかった。これは私も一番最後に関連してもう一回お伺いしようと思っておったが、今四日市の問題なども、非常にこれらのケースと似たものが存在しているのじゃないかと思うんです。今の陳情書を見ますと、そういう点も考えられるのが非常に多いと思うのであります。その後水産庁に向かって決議とまではいきませんでしたが、これは重大な問題だから、将来において、こういう請負が次から次と変わっていく場合ですね、その際にはやはり最後の責任を、そういうものを正規の場所に流す船舶に最後の責任負わせるという契約条項をつけて下さい。これは労賃などの未払いによって、非常に下請が未払いをしたというので取り前がなかったでしょう。この方も非常に弱くて、そういうことでは現在農林省などでは工事の請負のときに必ずこれを契約条項の中に入れてある。だからそういう契約条項をつけるようにということを強く通産省に要求して、そうしてそれをするようにやってくれと、こういう審議の過程であれがあったと思うのですが、そういうことを今やっておられますか。現在船舶の廃液等を捨てるとき、もしくは東京湾における糞尿の放棄ですか、いわゆる規定の場所へこれを捨てる場合、これを下請等にやらした場合に問題が起きたときの準備として、そういうものをちゃんと一つ規定をつける、こういうことは水産庁に要求してあったはずですが、現在行なわれておりますか。

高橋泰彦水産庁次長

○政府委員(高橋泰彦君) 御指摘のように石油類の投棄の問題、それからその次に糞尿の投棄の問題があるわけですが、いずれも法律または条例によりまして、この投棄すべき限界を定めているわけでございまして、それを厳重に守っていただきたい。特に糞尿等の問題につきましては、過日関係省の問で協議をいたしまして、根本的には施設の完備、東京都に完備していただくのが根本的な解決策ではございまするけれども、間に合わない場合であっても、あまり漁業に直接的に影響を及ぼすような近いところで、しかもそれをもぐって投げられるというようなことに対しては、それぞれの所管の省に対しまして、私どもとして取り締まりを要求しているような次第でございます。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 だからね、糞尿の問題だって今年あったでしょう。勝浦で。あれはほとんど糞尿が一ぱいであって、もうどうにもできないということがあったでしょう。それからノリに石油がついたということはもう数件あるのです。だから私が言うのは、これをそういう規定の場所まで、東京湾外何海里というのでしょう、そういう規定のところに行って放棄するまでの責任を、東京都が屎尿の始末をするならば、これに役人をつけてやればいいことなんです。そうしてそこへはっきり投げればいいのです。投げないでいるものがあった場合は、これはもう明確な問題ですから、東京都がこれに補償しなければならない。こういうものをはっきりさしたらどうだと、こう言っている。それから船の廃液等を放棄する場合には、これもやはり放棄場所があなたの言われる通りきまっているのだから、これを請負等でやって、現実に三段階も請負がだんだん下へ下がってきて、最後のときには犯罪がはっきりわかっておっても、これは朝鮮人であって、まあ朝鮮人であろうと、日本人であろうと、そんなことは問題でないと思うのですが、賠償能力がないのだということでもううやむやになった、おれは知らない、おれは知らないで。だからこういう場合に、廃棄契約をする場合には、必ずこれを廃棄する船舶の所有者が、これに対する最後までの責任を負う、こういう契約をして、もしそういうことで人に損害を与えた場合には、その会社が損害の責任を負う。従ってちゃんとそこまでのものをやったらどうか、何べんもあるのですからこれは。あなた方のところだけじゃない、もう請負ではたくさんあるのですよ。この事例が。農林省の工事請負にはちゃんとそれがきまっているのですよ。下請負が賃金の未払いの場合には元請負が払う。それを支払いをするんだ、こういうことが契約の中にちゃんとうたわれて下までおりてきているのですよ。だからそれくらいのことはやはりがんばって、あなた方からやってもらわなかったら、いつまでたったって紛糾は片づかぬと思うのですよ。

秋山俊一郎自由民主党

○理事(秋山俊一郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

秋山俊一郎自由民主党

○理事(秋山俊一郎君) 速記を始めて。  それでは三案につきましては、本日はこの程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後五時三分散会

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