農林水産委員会 第33号
- 発言数
- 265 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/04/21
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について報告いたします。 本日、東降君、仲原善一君が辞任され、その補欠として田上松衞君、谷口慶吉君が選任されました。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。 ただいまの委員の異動に伴い理事が欠員になりましたが、その補欠互選は便宜委員長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 異議ないと認めます。よって、委員長は棚橋小虎君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 肥料取締法の一部を改正する法律案(閣法第一七一号)参議院先議を議題といたします。 本案に対する質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○清澤俊英君 幸いこういう法案が出ましたので、関連質問としてお伺いをしたいことが三点ばかりあります。 その第一点は、何か肥料審議会において、かねて輸出会社が持っております赤字の問題と、価格決定に対する比重の取り方というか、いわゆるわれわれの方ではバルク・ラインで今までのように価格の中心を計算して出す。片方は原料総加重平均でしていくというか、原料のものを平均して出すというようなことでもつれているというお話を聞きましたが、この国会では、赤字の問題は租税特別措置法で解消したのじゃないかと、こう思っております。そうすると、あとに残りましたものは、比重の取り方の点だけで、まだそれがきまらない、こういう状態でありますので、肥料価格がきまらぬということは、どちらから見ましても農民としては非常な不安を感じておりますので、その後の経過はどうなったのか。あとで審議会等を開いて至急決定せられる時期等をいつごろに考えておられますか。そういう成案が通産省とともに大体政府ででき上がっておるのか、こういう点に対しては、できるだけ要点をつまんで一つお話を願いたい。これが第一点。 それからいま一つは、先日来肥料と薬品の問題でいろいろやっております際に、私は一つの疑問が出て参りましたが、それは肥料の定義にもはまらぬし、この法律から見ました定義にもはまらぬし、農薬の定義にもはまらぬ促成剤みたいなものがあります。これは多分昭和二十二年か三年だと思いますが、理研で紅波という赤外線を物質的に集めて、これを溶かして種子をつけたり、あるいはこれを水溶液にして植物にかけますと、そうすると非常な赤外線の力で成長を促進する、こういう品物なんです。それから肥料でもなければ薬品でもない、農薬でもない。こういうものが当時どういう事情であったか知りませんが、発売禁止になった。こういう事件があるのです。これからいろいろそういうものが発達して参りまする際に、出てくる際に、そういうものをどういう取り扱いをするのだろうか。これは非常な疑問に思っておりますので、これに対しての解釈といいますか、御説明を願いたい。 それから第三点は、最近水産陸上がりで、いろいろ水産会社等が大きな資本を投じて、そして豚を飼ったり、あるいは養鶏をやったりして、これは農民にかわって特約的な一つの組織体を作って、自分で取りました魚粉その他のものを飼料としてこれを分配する、こうなっている。ところが、これは前にも養蚕の場合等で製糸会社と農民との特約契約等で、肥料の問題で、不良品を配給した肥料について非常に紛糾したこともありますので、従いましてこういう販売にあらざる一種の言い方にしますれば自家用ですね、というような肥料が、もしくは飼料がこれが取り締まりの対象となるのかならないのか。販売品ではない。これはいずれそういう問題が起きなければよろしいけれども、起きないとは過去の例から見るとなかなか断言できない問題が生じております。これが取り締まりとどういう関係を持つのか。どういうふうのそういう場合に対することを考えておられるのか。 右三点に対してお伺いしたいと思います。
○政府委員(坂村吉正君) お答えいたします。第一点の肥料のマル公の問題でございますが、これは昨年の七月の肥料審議会におきまして、三十五肥料年度のマル公をきめる案を、政府案を提出をいたしまして、これは基準価格といたしまして四十キロ一俵当たり七百五十七円五十四銭という基準価格でありましたが、この案を提出いたしまして御審議をいただいたわけでございますけれども、現在先ほどの清澤先生のお話にもございましたように、輸出の関係等で輸出会社に相当赤字がたまっている、だから合理化計画もなかなか十分に進んでいない。こういうようないろいろの問題がありまして、政府といたしましてこの今までの輸出赤字の対策をどうするか、今後の合理化計画をどうするか。そういう点が必ずしも十分でないから肥料審議会としてはマル公についての、公定価格については答申を、価格の適否を判断することはできないと、こういう答申をいただいておるのでございまして、そこで政府といたしましては、その場合におきましても合理化計画は肥料審議会の御趣旨の線に沿いまして十分至急にきちんとした合理化計画を一つ策定をしようということと、それから輸出会社の赤字の対策につきましても同時に政府として対策を考えようと、こういうことでその後いろいろ検討を進めて参っておるのでございます。しかし、価格の問題は、そういう状態でありましてもほうっておくわけには参りませんので、政府の責任におきまして、肥料審議会の答申は出ておりませんが、政府の責任においてまあいわゆる暫定価格といいまするか、そういうような意味におきましてマル公をきめて参っておるのでございます。そういうようなことでございまするので、この七百五十七円五十四銭という基準価格を限月に直しまして月ごとにマル公はきめて参っております。ですから、従いまして今後も合理化計画等がきちんとでき上がりません場合におきましても、これはマル公についてはそういう心配はない、肥料の価格については農民に心配をかけるという情勢ではございません。毎月マル公はこの基準価格を直しまして限月きめていく、こういう考え方できめております。 一方、合理化計画とそれから輸出赤字の対策でございまするが、これにつきましては輸出会社に積もっておりました赤字が三十五年の七月末で百十五億になっておるのでございまして、それを何とか処理をしなければ硫安工業の負担が非常に大きいものでございますから、だからそれの処理について税法上の措置をもってこれを処理しようということで、先ほどのお話のように租税特別措置法によって今まで払い過ぎました税金を戻すと、こういう処置を講じていただきましたわけでございます。まあそれにいたしましても、それで救済されまする分は全部とはいえませんので、まだ今後の赤字の問題についての処理は今検討中でございまするが、残った分については今後の問題としてこれは検討して片づけていくと、こういうつもりで検討いたしているわけでございます。 一方、肥料工業——硫安工業合理化の問題は、これは今まで第一次合理化計画、第二次合理化計画というようなことで確めて参っておるのでございまして、初めはトン当たり六十ドル前後のものが最近におきましては五十二、三ドルまで大体下がってきておるのでございまするけれども、まだまだ外国との輸出競争等を考えてみますると、こういうような状態で競争はなかなかできないという状態でございまするので、今後合理化計画を徹底いたしまして、外国と競争をいたしましても硫安工業が成り立っていくような状態にまで合理化を進めていかなければいかぬと、こういう情勢にありますわけでございます。ですから、従いまして今の第二次合理化計画の最終年度は昭和三十八肥料年度でございまするけれども、それまでの間に、三十八年度までに徹底した合理化を完成しようと、こういう目標で合理化計画を現在策定をいたしておりまする段階でございます。 で、従来、非常に合理化計画そのものについても通産省でいろいろやっておりました問題につきましても、いろいろなかなかむずかしい問題もございましたので、思い切って一つ合理化を、低コスト優先主義で合理化を徹底しようじゃないか、こういう考え方で通産、農林両省とも今各メーカーの工場の能力等も洗っておりまして、そういうものを基礎にいたしまして徹底した合理化計画を立てようと、こういうことで考えておるわけでございます。それをもとにいたしまして今後の価格というようなものもできるだけ下げていく方向に策定をしていくというつもりで考えておるわけでございます。 御承知のように、現在の硫安のマル公につきましては、臨時肥料需給安定法の十三条で「販売価格につき、その最高額を定めることができる。」と、こういうことになっておりまして、「前項の販売価格の最高額は、政令の定めるところにより、生産費又は輸入価格を基準とし、農産物価格、肥料の国際価格その他の経済事情を参しゃくして定める。」ということになっておるのでございまして、その政令におきましては「法第十三条第一項の生産業者の販売価格の最高額は、硫酸アンモニアについては、附録の算式により算出される合成硫酸アンモニアの生産費の額を基準とし、農産物価格、硫酸アンモニアの国際価格その他の経済事情を参しゃくして定める。」こういう法律と政令になっておるのでございます。個々の生産費の定め方、生産費のはじき方がいわゆるバルク・ライン方式というようにいわれておるわけでございます。現在までもこの法律によって公定価格をきめて参っておるのでございまして、これはできる限り硫安工業の合理化を進めるとともに、農民に対する肥料の供給の価格をできるだけ下げていこう、こういう主義でやっておるわけでございますので、この法律の精神は堅持いたしまして今後の硫安工業の合理化と、それから価格の決定の問題につきましては対処していきたいというふうに考えております。 それから第二点でございまするが、第二点の御質問の趣旨はあまりまことに申しわけございませんがはっきりいたさないのでございまするけれども、たとえば赤外線というようなものを何か肥料に使うというようなことがございましたようで、これを昭和二十三年に販売禁止をした、販売を停止したというお話のようでございます。これは肥料の定義から申し上げますると、大体、肥料というのは植物に栄養を与えるということと、それから今までの観念は、土壌に化学的な変化をもたらして、そうして植物に栄養を与える、こういう観念で大体肥料というものを扱ってきておるのでございます。ですから、そういうような関係で申し上げますると、たとえば赤外線だとか放射能だとかいいまするようなものは、直接植物のいわゆる栄養といいまするか、同化作用あるいは光合成というような、そういうようなものとの関連が直接主体になって動くというようなものではなくて、あるいは私もよくわかりませんけれどももおそらく触媒的な機能とか、あるいは人間でいえばホルモンというような、そういうような感じのそういう機能を持っているようなものじゃあるまいかというふうに考えておるのでございます。従いまして、そういうようなものは、現在のところ肥料の対象としては考えておりませんので、肥料の取り締まりの対象にしているわけではございません。その当時販売を停止したという事情は、あまり現在、まだよく精細な調査がございませんけれども、おそらくその当時は、間接肥料販売制限規則というのがございまして、ですからこの規則によって、土壌に施す肥料以外のものは、許可をされたものでなかったら市販ができない、こういう規則がございましたので、あるいはその関係から販売停止というような処分があったのじゃないかというふうな、想像でございますが、まだその調査が届いておりませんので、その程度しかお答え申し上げられないのでございまするが、そういう事情ではないかというふうに考えております。 今後の問題といたしましては、異物混入という、今度の法律改正で、異物を混入しても公定規格に従って肥効の増進になるとかその他の目的のために異物が入った場合でもこれは許す、いいんだというふうに今度は法律を直してもらう、こういう工合に考えておるわけでございます。今考えておりますのは、この前御説明申し上げましたように、農薬であるとか、大谷石であるとか、ベントナイトであるとか、そういうようなものを考えておるのでございまするけれども、今後の問題といたしまして、たとえば、先ほど言いました植物のホルモン的な機能をいたしまするところの成長を調整するものであるとか、というようなものが今いろいろ出始めておるようなわけでございます。まだほんとに普及されて市販されて、堂々と使われているという段階じゃございませんけれども、そういうような問題がだんだん起こりつつあるのでございます。たとえば、例を申し上げますると、ジベレリンというようなものがございますし、アルファ・ナフタリン酢酸、それからインドール酢酸というようなものがございまして、こういうようなものは、大体内容を見てみますと、成長促進といいますか、発育促進といいますか、ホルモン的な機能を持っているものじゃないかというふうに思うのでございますが、こういうふうなものを今後の問題として異物混入というような観念から言って混入させていいかどうかという問題は、現在まだ検討いたしておりませんけれども、今後の問題としては、製造や何かの状況によってどういう工合に扱いますか、一つ検討いたしたいというふうに考えております。 それから、第三番目の問題は、畜産局が参りましたので、畜産局から……。
○清澤俊英君 今ね、局長に質問したのを、簡単にあなたにあれした方がいいと思う。 最近、水産山へ登るというか、丘へ上がるというようなことで、方々で水産会社が大資本を投じて豚を飼ったり鶏を飼ったりする。こういう特約組合のような形で農家と特約をやって、いろいろマヨネーズとかチーズとか、そういうものに乗り出している。そこで、問題になりますのは、そういう形が出ると同時に、その様式のなにを見ますと、自分のとってきた魚の魚粉等を飼料として配給するという問題が出ている。これは、ずうっと前には、農村の特約組合等ができて、飼料を特約組合に押しつけるというような形が出て、問題の起きない場所もあったが、問題の起きた場所も相当あった。こういう事例があるので、そこで、これは売品じゃないけれども特約組合の配給品であって、商品ではないのでこれを安くやるというようなことで不良品を回してやるために、そこに問題の起きるものがあったら、これは販売品でないが、飼料として取り締まりの対象になるのかならぬのか、こういう質問です。
○説明員(石田茂君) それは、取り締まりの対象になります。それから、今申し上げましたような、水産関係会社が配合飼料を作っておりますけれども、それは私どもに登録しておりまして、登録しておるものも当然取り締まりの対象になります。
○清澤俊英君 登録をとっていないものは、配給するわけにいきませんね。
○説明員(石田茂君) 登録するのは、一応任意登録になっておりますので、登録してないものでも配給することはできます。しかしながら、取り締まりの対象にはなります。
○清澤俊英君 問題が起きた場合ですか。
○説明員(石田茂君) さようでございます。
○清澤俊英君 今の場合、ちょっと取り締まりの中に入れられたようですが、第二の促成剤ですね。肥料の取締規則に言った肥料という定義には入っていないですね。それから農薬の定義にも入っていない、こういうものですかね。それはホルモン剤と解釈して、異物混入しなかった場合は、問題ないのでしょう。
○政府委員(坂村吉正君) その通りでございまして、たとえば成長促進剤のようなホルモン剤のようなものは肥料として扱っておりませんから、ですから、肥料取締法の対象にはしていないわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたのは、今後の問題としてそういうものを肥料に入れて参るものがだんだん出てくる可能性もございますので、今後の問題としては、そういうものが出て参りました場合には、異物といたしましてこれだけのパーセントのものがこの肥料には入っていますということで規格を作りまして、そうして普及するような状況でありますれば、これを取り締まりの対象にしてもいいのじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、今後検討いたしますと、こう申し上げたわけでございます。
○清澤俊英君 この紅波は、目に見えない一つの物質化したものです。固形物化していて、この固形物だけ使ってほかのものと混ぜては使わん、こういうものですから、この場合は異物混入になるかならないか。
○政府委員(坂村吉正君) その通りでございまして、ですから、現在取り締まりの対象にはなっておりません。
○清澤俊英君 ただいま聞きますと、肥料の問題ですが、第一回目の合理化の際、これをやれば非常に肥料の値段が下がるというので合理化は済ましたのですが、外国との競争にはまだ対応するだけの合理化はいかなかった、第二合理化を進めている、こういうお話でしたね。ところが、第二合理化を進めるために今いろいろのものを計画している、こう言っていられるのですが、これは、第二合理化を進めているということと今また第二合理化計画を検討して進めているというそこのつながりはどういうふうになりますか。
○政府委員(坂村吉正君) 先ほどあるいは御答弁が十分でなかったかと思うのでございますが、第二次合理化計画を立てて進めて参っておりましたのでございますが、外国との競争等がだんだんとひどくなって参りまして、外国の値段等もだんだん下がってきておるのでございまして、第二次合理化計画当初の計画ではなかなかこれはむずかしいと、こういうことで、中途の段階でこれを改定をいたしましてそうしてもっと徹底した合理化をやる、こういうことで今検討しておるわけでございます。
○清澤俊英君 その会社の中に、ひどく悪いのがありますわね。べらぼうに悪い肥料会社というのがあるのだがね。そういうのは消していくつもりですか。
○政府委員(坂村吉正君) 今までの合理化計画の過程におきましても、非常にコストの高いものであるとかそういうようなものは、あるいは合併をするとか、設備をある所に吸収をするとか、そういうような形で合理化をして参っておるのでございまして、現在ではそれほどひどいというものはだんだんなくなってきておりまして、いいものと悪いものとの差もだんだん縮まってきております。しかしながら、今後の問題といたしましては、今後国内でどれだけアンモニアが要るか、それから輸出としてはどれだけのものが大体見込まれるか、こういうようなものを基礎にいたしまして硫安の製造量といいまするか、能力といいまするか、そういうようなものを考えていきます場合には、低コスト優先主義でこれをとって参ってそうしてそれだけの硫安工業を保存しよう、こういうことで考えました場合には、ある程度それは非常にコストの高くてなかなか合理化のできないようなものは、自然にこれはやっぱり何といいまするか、ついて行けない、こういう段階に来ることもやむを得ないのじゃないかというふうなつもりでいろいろこれは検討をいたしておるわけでございます。
○清澤俊英君 これで質問を打ち切りますが、まあ、これはどういうことになりますか。聞きますところによりますと、製鉄の煙の中から肥料をとるというのですがね。これは非常に安くできる、あまり安くできるというのでとめてあるというのですが、それはほんとうですか。
○政府委員(坂村吉正君) お話のように、非常に何といいますか、副生硫安といいますか、そういうようなもので非常に安いものがだんだんできて参るようでございます。それからアメリカ等におきましても、それはアメリカ等の硫安の相当な部分が副生硫安でやっておるというようなこともございます。これは非常にコストが安くなるわけでして、今度の合理化計画等におきましても、製鉄事業の方の今後の整備とも関連いたしまして、そういうようなものも十分取り入れて考えなければならないということのもとに、当然そういうものを取り入れて合理化を進める、こういう考え方で検討いたしております。
○清澤俊英君 私の聞いているのは、現在そういうものをあまり安いというのでとめているというのです。そういうことで硫安などを作ることはならぬと、とめてある、現在。将来考えられるのはあたりまえの話だけれども、そういう話を聞いているが、そういうとめていることは、事実かどうか、こういうことです。
○政府委員(坂村吉正君) とめているということはないと思っておりますが、現在までそういう副生硫安というようなものは、まだ生産量が日本ではまだ非常に少ないわけでございます。現在それで出てきておりますものが、総生産量三百何万トンのうち十七万トンぐらいでございまして、これがどんどん今後の問題としてはふえて参るというふうに考えております。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御質疑もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それではこれより採決に入ります。 肥料取締法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤野繁雄君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続については、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。 次に、森林開発公団法の一部を改正する法律案(閣法第四五号)及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案(閣法第四六号)、いずれも衆議院送付の二案を議題といたします。 両案について御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○阿部竹松君 委員長、大臣は月曜でなければおいでにならぬわけですか。
○委員長(藤野繁雄君) そうです。そういうふうに約束いたしました。
○阿部竹松君 理事会で決定を見ているわけですね。
○委員長(藤野繁雄君) 理事会でそういう決定をしました。
○阿部竹松君 それでは政務次官と長官にお尋ねをいたしますが、二つの法案についてですが、一つはなくす方、一つは作る方ですね。私、農林委員になったのは、これが初めてですが、長いこと商工委員その他をやっておりまして、公団、また事業団、何々株式会社といって政府が出資するそれぞれの団体ができるとき、もうすでに総裁がきまっておるとか理事長がきまっておって、この案件を論議するというような不愉快なことが両三度ありました。従って、今回のこの問題も、すでに公団ができ上がればどなたが総裁になるといううわさまで飛んでいる。きわめて不愉快な話なんですが、こういうことは私はなかろうかと思いますが、そういうお話を次官はお聞きになったことはございませんか。
○政府委員(井原岸高君) 現在、御承知のようなふうな森林開発公団というのがございまして、その開発公団法の改正によって植林事業ということをやらそうということでございますので、現に理事長がいるわけでございます。
○阿部竹松君 次官の御答弁の通りですが、これができ上がると、すでに、名前をあげると大へん失礼ですからあげませんけれども、今度はこういう人が新しくなるのである、そういううわさを私聞いている。うわさであればいいわけですが、この案件のそれぞれの機関ができ上がるときに、うわさが必ず事実となって、法案が通った後に、今までわれわれ何度もそういうことを記憶しておるわけです。ですから、そういうことがなければないでよろしいわけですが。
○政府委員(井原岸高君) 今の場合、人事のさような異動等は考えておりません。ことに御承知のようなふうに、これが出発いたしまするためには、公団の今までのいろいろな事情のよくわかっておる今の幹部の方々に相当力こぶを入れていただきませんと、すぐに新しく幹部をかえるということは事業の運営に支障を来たしますので、おそらくそういうことは考えられないのじゃないかというふうに考えます。
○阿部竹松君 人事問題ですからきめつけるということはいかぬことで、これ以上発言しませんけれども、その点については。そうすると、大体次官の御答弁通り、今やっておられる方がやるのであって、新しく他から人が入ってくることはないと、こういうふうに理解してもよろしゅうございますか。
○政府委員(井原岸高君) そのように御了解願います。
○阿部竹松君 その次にお尋ねいたしますが、実は私参議院だからといって、次官、衆議院と参議院とどちらが優位性、ということは、憲法にも定まっており、国会法でも規定されておりますので言いませんが、あなたの方の省内の人で、衆議院を通ったら大体法律が通るんだということを言っておる人が、どうもあるらしい。きのうここにお見えになった参考人の中でも、その旨の参考人の意見としての開陳がなされておるわけですね。私は別に参議院だからどうのこうのというわけではございませんけれども、憲法から見ても、国会法上から見ましても、参議院を通らんうちは一つの法律としてでき上がらぬわけです。そうすると行政府当局は、法律ができ上がらぬうちにそういう行動することは厳に慎むべきであるし、また言っちゃいかぬことになっている。そういうことが僕たちも聞いておりまするし、たまたまきのう参考人の意見を聞いていますと、そういう発言の内容がある。こういう点については、次官は全然御承知おきございませんか。
○政府委員(井原岸高君) 政府といたしましては、両委員会とも重要な御審議をちょうだいする機関でございまして、決して衆議院が重く、参議院が軽いと、衆議院が軽く参議院が重いと、さような考えは毛頭持っておりません。これは私の私見でございますが、むしろ参議院側には非常に権威のある研究されている方々がおいでになりまして、そういう面では非常にわれわれ勉強させられますし、ここを通ることがむずかしいのだ。だから参議院を通ることができませんと、実際に衆議院を通りましてもどうにもならない、またこの委員会に御審議いただくことは一番われわれ勉強になるわけでございまして、まるきりそういうような評判は、私どもといたしましては逆の話じゃないかというふうに考えております。これは私の考えでございます。
○阿部竹松君 もう次官のおだてに乗るような年でもございませんから、そういう話は別にいたしまして、そうしますと、次官はきのうの岡庭参考人の発言は否定されるわけですか、そういうことはございませんと、否定されるわけですか。
○政府委員(井原岸高君) ちょうど、昨日途中で席をはずしましたので、今長官から聞きましたが、まるっきり参考人は何か思い違いをしたり、話した人はだれが話したか、現場の者が何か言ったようでございますが、それはその人の誤解でございます。われわれはさようなことは考えておりません。
○阿部竹松君 きのう次官が御欠席で参考人の話をお聞きになっておらぬということになれば、今その答弁を求めるのは無理ですから、速記録ができ上がりますから、その速記録を読んでいただいて、この次の委員会で御見解をお示しいただきたいと思います。 その次に、これは長官の担当だと思うのですが、木を売る方がなくなるわけですね。あなたの方で直接やらなくなるわけですね。しかし、それとまた別個の問題ですが、官行伐木といって、国有林の木を切るのは、あなたの方の直営でやっておりますね、どうですか。
○政府委員(山崎斉君) 官公有林の造林というのは、この法律が予定しておりますように通りますと、植え付けるという仕事はなくなってくる。ところが、従来国有林、もともとの国有林地帯でございまして、直営事業という形で、材木を切ったり運んだりという仕事は、従来通りやるというふうに考えているわけであります。
○阿部竹松君 それはやめないで、将来ともやっていかれる。それで、たとえば私全部知りませんけれども、北海道の下川とか留辺藥あるいは当麻町、たくさんございますね。そうすると、そこで官行の伐木事務所というのがあって、あれは営林署の直轄事業でやっているのでしょう。つまりあなたの方の直轄ですね、やっておって、あの木を切って売買するのが、あなたの方の特別会計の最大の資源でしょう。
○政府委員(山崎斉君) 国有林で伐採しております数量の中で、大ざっぱに申し上げますと、立木の石数から見ますと、約半分が立木のまま売り払い、半分はお話のように丸太にいたしまして輸送して売るという仕事をやっているわけでございます。そういう線は、今後とも一つ続けてやっていきたいというふうに考えております。
○阿部竹松君 そこで特別会計のことについては、これは大臣と話をしなければいけぬと思うので、長官からは直接お伺いいたしませんけれども、この法案の内容を見ますと、あなたの方の今言ったような、立木で売ったりあるいは自分が木を伐採して町まで運んで売ったりする売り上げ代金が、特別会計に入って、それからたらい回しになってこの公団にくるということなんですね。そういう形でしょう。
○政府委員(山崎斉君) 国有林野事業特別会計といたしましては、特別会計の決算上の利益金というものがあるわけでありまして、風水害等のときにはもちろんない場合もあるわけでありますが、通常、風水害等がなければ、従来の例からいえばあるわけでありまして、そういうものを一般会計等に出していくということも、この両三年来やっているわけでありまして、民有林の振興にあてていくという考え方で一般会計に出すということをやっているわけであります。
○阿部竹松君 そうしますと、勘定科目は違うようですが、長官、あれですか、もしあなたの方の特別会計の金がふえなくても、政府は毎年金を出す。植林作業を公団を通じてやらせる分の金は政府が一般会計で常時出すということになりますか、あなたの方の特別会計がなくとも。
○政府委員(山崎斉君) 国有林野事業特別会計が三十五年度までに考えておりましたことは、現在の特別会計法によっておるのでありますが、決算上の利益があり、かつ、それぞれの年度におきまして剰余金があるという場合には、両者の限度内におきまして予算の定めるところによって一般会計に繰り入れることができるという規定があるのでありまして、それを適用いたしまして、三十五年度十一億でありますか、一般会計に繰り入れたという措置をとっておるわけであります。
○阿部竹松君 長官の御答弁はよくわかるわけです。私はなおあなたの御答弁以上、単刀直入、端的にお伺いしてるわけです。あなたの方で、特別会計にまあ余剰金が出るんですね。余剰金が出たことによって、その余剰金の中から公団というものに出すことになっておるのでないですかと。——科目は違ってきますよ、金庫を、直接あなたの方から公団の金庫へ行くとは思いません、これを読んでみますとね。——そういうことになっておるんですかと、こういうことをお尋ねしている。
○政府委員(山崎斉君) そこのところは、まあ直接ひもがついているというふうには、法律上はもちろんなってないようでありますが、この国有林の剰余金あるいはそれがまた利益金という両者の見合いにおきまして一般会計に繰り入れ、それを民有林の林業振興等に振り向けていくということをやっておるわけでありますので、その間接的と申し上げますか、間接的にはやはりたとえば農林漁業金融公庫への造林の長期据置融資の金に回るとか、あるいは公団のこういうものに回るとかいうふうなことには間接的に関係するということになるのであります。
○阿部竹松君 そのあたり、よくわかるわけですよ。あなたも回りくどくてあれだが、なお端的に言うならば、特別会計から余剰金がもし一銭もなかったとしても、一般会計から大蔵省とあなた方の話し合いで公庫に常時、年々金をつぎ込むことができるかどうかということですよ。
○政府委員(山崎斉君) それは可能であると考えております。
○阿部竹松君 全然関係なしに、一般会計から入れる、これは大蔵省と話がついているわけですか。
○政府委員(山崎斉君) これは、国有林で従来から繰り入れ等やっておりますが、その金が足りないじゃないかというふうな場合ももちろんあるわけでありますし、国有林に全然出すべきものがないというふうな場合におきましても、この造林という仕事は途中で打ち切るという性格の仕事じゃないと、前年度植えたものは次の年もやはりその手入れをしなきゃならぬというふうな性格のものでありますから、必要な資金というものは一般会計からこれにも出してもらうということは、われわれとしてもちろん考えておるのであります。
○阿部竹松君 あなたがお考えになっても、あなた一人で、熱意のほどは高く評価してあげてもよろしいんだが、そういうことが大蔵省と話し合いがちゃんとできておりますかと。あらゆる公団を作って、ことしは何億円、来年は何億円出しますと言っても、御承知の通り大蔵省は、もうことしはだめですよ、一年見送って下さい、という例があるから、あなたの計画で出発していって、そっちの方から金が回ってこぬようじゃ出せませんよとなる、こういう例は何回もある。あなたもやっぱり農林省に何年おられたかわからぬけれども、政府機関の長官までなられた人ですから、僕らより政府機構の内部を知っているわけです。そういう危険性ございませんかと尋ねている。
○政府委員(井原岸高君) 御承知のように、この法律改正の中の一環として治山治水の必要上経済効果の非常に薄いところをも公団の植林をやろうという、大きく治山治水、いわゆる国土保全のための事業というものの一つの意義がこの中に含まれているわけでございまして、政府は御承知のように、従来災害を防ぎますためには治山治水に相当な重点を置かなければならないというようなことで、五カ年計画で予算を組んでそれぞれ仕事をしておる状況でございますので、そういうような理由から申しましても、まだ植林が残っております地域がはっきりしているのでございますが、これを途中で打ち切るということになりますと、災害の起こりますこの原因を放任するということになりますので、これは国民も辞しませんし、また当然政府がこれは始末すべき問題でもございますので、そういう点につきましては、おそらく長官がどうかわかりましょうとも、また政府のだれがどうなりましょうとも、当然の仕事でございますので、われわれは相次いでやり得るという確信を持って、こういうような法律案をお願いしているわけでございます。
○委員長(藤野繁雄君) 申し上げます。農林大臣官房審議官の大澤さんが見えましたから、御参考までに申し上げます。
○北村暢君 関連。ただいま次官は、治山治水五カ年計画でやれるから一般会計から公団へ金がいく、こういうような趣旨の御答弁のようですが、五カ年計画でなく、治山治水十カ年計画、治山治水特別措置法によって十カ年計画が立っているわけですよ。その十カ年計画の中に水源林造成事業というものが含まれておりますか、おらないのですか、どうでしょうか。
○政府委員(井原岸高君) そういう名前では、水源林造成という名前では載っておりませんが、大きな目標の一環の中で、そういうものも政治的に考えられるということを考慮いたしまして、ただいま申し上げるような答弁をいたしたわけであります。
○北村暢君 政務次官、政務次官にはちょっと無理かもしれませんから、あなたの方からいただいたこの資料の中の治山治水十カ年計画の中に、水源林のことは載っておらないのですよ。ですから、治山治水十カ年計画で金を出すということには、私はならないだろうと思うのですが、この点は後ほどお伺いしなければならないと思っているのですが。
○政府委員(井原岸高君) ただいまおっしゃる通りでございまして、費目には載っておらぬのでございますが、そういう関連性においてこの植林というものは重要でございます。そういう意味において、政府としても当然これに金を出すべきものであるというふうに考えているわけでございます。
○阿部竹松君 きのうの北村委員の質問にもそうですが、この法律の中身をあいまいもこでなく、明確にお示しいただけば、私どもは賛成、反対を明確にこの委員会で最終段階に表明できるわけです。しかし、ああいえばこういう、こういえばああいうで、聞こえはいいが中身が悪いということになれば、これは実に困るわけです。この委員会だけ通ればいいということでやられたのでは、私どももこれは勉強不足かもしれませんが困るので、悪いものは悪いで仕方ない、気に食わなければ気に食わないで仕方ない、あなた方は一つの方針で進めているのですから、これを明確にお示し願いたいのです。 そこで次にお尋ねしますが、四月一日から実施というのが農林省当局のお考えだったのですね。たまたま衆議院の方で公布の日からと修正されたのではございませんか。
○政府委員(山崎斉君) その通りであります。
○阿部竹松君 そうしますと、衆議院からこちらに回ってきて今審議しているのですが、何日になるかはっきりわからぬわけです。特にさいぜん政務次官から、参議院は大切だから参議院の御審議を経なければ、議決をしてもらわなければ何もやりませんと、こうおっしゃっている。そうしますと、植林のことは私よくわかりませんけれども、これは日本全国から見て、今から植えたら木が枯れて、根がつかないというふうな問題が生じてくるでしょうね。そこに植えるという計画で、両方から苗を現地まで持って行って、そこで百本束か、三百本束か、ずっと仮植えしておるところもあると思います。こういうのは一体どういうふうになりますか。衆議院の修正案にからんでお尋ねいたします。
○政府委員(山崎斉君) この点につきましては、当委員会でも先般お答えいたしたと思いますが、お説の通り、造林には、それぞれ地方による適期というものがあるわけでありまして、その適期を過ぎまして造林するということは、この造林の成績に重大な悪影響を及ぼすということに相なるわけでありまして、この法律の施行というものが審議の関係でできないわけでありますから、そこで今お話のような、苗木を山へ持って行って仮植をしたとかいうふうな、地ごしらえまでできておるというようなところにつきましては、官行造林事業として造林を、植え付けをしていくというふうに考えまして、そういう線で実行するということにいたしたいと思うのであります。
○阿部竹松君 私どもは立法府のものですから、行政府にあまり関与しちゃいかぬと思うのですが、法律を作るときには、その法が行政府に移されて、施行されるときにはどういう点に影響があるかということを判断して、法律に賛否を明らかにしなければなりませんが、そうしますと、長官、こういうことになるわけですか。たとえばもう九州のようなところはどうですか。四国はもうおそくなってだめである。もちろん関西ももうおそらくだめでしょう。そうすると、東北六県もだめで、もう大体だめでしょうね、期日からいって、植林するのに。まだ大丈夫ですか。
○政府委員(山崎斉君) 通常の適期という点から申し上げますと、適期が今後に残されておると申しますのは、北海道が残されておるように考えるのであります。と、東北等におきましても、高冷地等におきましては、まだ適期が残っておるというとともいえるように思います。それと先般の参考人の方のお話によりましても、まあ伊那あたりでは、海抜千四、五百メートル、あるいはそれをこすようなところは正月に入ってもどうにか適当な時期ではなかろうかというふうなお話があったのでありますが、そういうふうにいたしまして、特に場所というものと関連いたしまして、地方々々によって何ほかの差はあるわけでございますが、総括的に申し上げますと、九州、四国、それから近畿と申しますか、それとまあ関東地方あたりは、常識的に見て、大体もう適期の過ぎた、適期の終わりかというふうなところに相なっておるかと思うのであります。
○北村暢君 関連。この問題に関連しまして、先日来から、この法律が通るまでは、従来の官行造林法は生きておる。しかも既契約分のものについては、衆議院段階においての答弁では、合意契約が成り立たない場合は、これは既契約分については、契約に基づいて事業を、植栽をしていく、こういう御答弁になっておるようでございますが、これはそのように確認して差しつかえないでしょうか。
○政府委員(山崎斉君) もちろん、この法律が通ったにいたしましても、この新しい制度に乗り移ることを希望されないという方々に対しましては、従来通り、官行造林として考えなければならぬということになるのであります。
○北村暢君 その問題について、一つもう適期が過ぎておるところは、九州、四国、これは従来の契約に基づいて法律が通るまでは官行造林法は生きているわけですから、既契約のもの——新しいものはこれはやらないでしょうが、既契約のものについては植えることを指示しておられるということのようでした。従って、これは私は来週の月曜日までに、四国、九州、関西の植えた実績について、一つ報告をしていただきたい。どのくらい植えたかということを報告していただきたい。あなたのところは、もうほかの官庁で持ってない、全国にぴゆっと通ずる特殊な電話も持っておるんですから、これはもう非常に迅速にいく近代科学的な施設を持っておるのだから、これを有効に利用して、一つ植えたという、四月以降−三月までは当然できるわけですから、あの法律が通るまでは衆議院段階においても修正してきましたけれども、施行の日からと、こういうことのようですが、四月に入ってから、四国、九州は植えたはずでありますが、長官はそういうふうに答弁されておるので、植えた実績について、月曜日まで一つ報告をしていただきたい。この点確認いただけますか。
○政府委員(山崎斉君) 植えて終わったもの、それから現に植付中のものというような形で調査いたしまして、そう時間がかかるほどではないと思いますので、早急に調査してお答えいたしたいと思います。
○阿部竹松君 長官の御答弁通り、確かに伊那の山奥とか、それから軽井沢とか、あるいは山形県の山奥、北海道など、こういうところは五月になってもいいと思いますね。しかし、現実問題として、九州とか四国、あるいは関西ですね。大阪営林局関係ですか、これはとうてい不可能だと思うのですが、そういうところは何にもやらぬでじっとしておるのでしょうか、あなたのお説を伺っておると間に合わぬところは今まで通り官行造林でやっておりますというのですから、官行造林で全部やっておるんですか、南の方は。
○政府委員(山崎斉君) 先ほど御説明いたしました通り、地ごしらえが終わった、あるいはまた苗木を仮植しておる、あるいは苗畑で苗木を準備して仮植しておるというふうなものにつきましては、適期を失しないように造林するということも指示いたしております。実行しているというふうに考えてります。
○阿部竹松君 仮植して、大体本植えするまでどのくらい持つのですか。
○政府委員(山崎斉君) これはいろいろな場合があると思いますが、たとえば前の年に地ごしらえして、近くにもうすでに持っていっておるというようなこともあるわけでありまして、これの仮植の状態、そういうものでいろいろ違ってくるのであります。要は、仮植しましたものが、気候その他の関係で芽を出してくるというようなことがない時期に、この造林というものをしなければいかぬということになりますのでございます。
○阿部竹松君 長官の御答弁は理解ができるわけですが、現実の問題として苗木がうろちょろして、しまいには枯れてしまうという事実は起きませんか。これには落葉樹もあれば針葉樹もあるし、いろいろと土地や気候によって違いがございましょうが、しかし、大体持つ寿命というものは仮植した場合に何日ぐらいということは大体あまり変わらないそうです。そうすると、国の方針がきまらないために、官行造林でいくのか、さらに公団方式でいくのかわからないために、膨大な高価な苗木が仮植したまま枯れてしまうという問題が起きるのではないかという心配があるわけです。そういうことは全然ございませんということであれば、これは別問題ですか。
○政府委員(山崎斉君) 今お話申し上げました通り、仮植等いたしまして、それが造林されなかったというようなことで腐ってしまう、だめになるというようなことはないように考えております。
○阿部竹松君 それはないというのですか、ないようにということは、どっちですか。
○政府委員(山崎斉君) そういうものは従来通り官行造林事業として造林していくというふうに考えておるわけでございまして、そういうことは起こらないように考えております。
○阿部竹松君 そういうことはない、もし起きた場合には林野庁が責任を負う、こういうことですね。
○政府委員(山崎斉君) もちろん苗木をそういうふうなことで天然的な現象というものではなく、人為的な現象等によりましてそういうものが枯れてしまったということについては林野庁の責任であるというふうに考えております。
○阿部竹松君 それはわかりました。 その次に、さいぜん北村委員から解約の問題が出ておりましたが、解約をがえんじない人たちは、ことしは官行造林でいくというようなことですが、もう永久にこれはいやだと言ったら解約せぬままに、公団でやることになるでしょうから、これはもう自然消滅になるわけでしょうか、契約の分は。
○政府委員(山崎斉君) 御審議願っております公有林野寺官行造林法を廃止する法律案の附則に、「この法律の施行前に公有林野等官行造林法に基づき締結された契約については、同法は、なおその効力を有する。」ということになっておるのでありまして、この新しい方式に移ることをがえんじない、好まない、ぜひとも従来のように自行造林でやってもらわなければならないという方に対しては、この法律の趣旨からいっても、官行造林によって責任を持って植栽等していくという義務が国にあるわけでございます。それを履行していかなければならないというふうに考えております。
○阿部竹松君 それはわかりました。 その次に、公団でやることになるので、その市町村とか、あるいはきのうもお見えになっておったようですが、山形県知事の安孫子さんが、ああいう知事さんとか地方自治団体といろいろまた関係が公団として生じてくるわけですね。そういう自治体とのいろいろの関係が生じてくる。従って、あなたの方の林野庁で省議できめて閣議決定を得たのでしょうが、その前に十分打ち合わせをなさったわけですか、いろいろな関係団体と。政府がいろいろ法律案を作り出して国会に出す前に、いろいろな関係団体、法人格もあろうし、いろいろな関係団体と、賛成するか反対するかは別として、あらゆる省と、一つの法律を作り、さらに閣議決定の前に十分な連絡をとった上で法制化するように私承っておりますが、その点いかがですか。
○政府委員(山崎斉君) この問題につきましては、全国町村長会議、全国町村議長会議という団体等にこの趣旨を十分に御説明し、向こうの関係の方々の御意見も伺ったという経緯であります。
○阿部竹松君 それはいつごろなさったのですか。もう一つは、全国町村長会議ですか、市町村長会議ですか、二つの会議で、態度は賛成ですか、反対ですか。
○政府委員(山崎斉君) 一月の終わりごろであったように考えております。
○阿部竹松君 しかし、山形県の安孫子知事は二月十七日に初めてこういう法律ができることを知りました、しかも長官の方からの連絡ではなく、全林野の労働組合の方からその話を聞きましたと、きのうそういうようなお話をしておられたのですが、知事会の方には、あなたの方は全然連絡なさらなかったのですか。
○政府委員(山崎斉君) 全国知事会に対しましては、安孫子知事が言われた通りであります。が、県の林務部課長という人々には参集を願いまして、十二月であったと思いますが、この趣旨を十分説明したのであります。
○阿部竹松君 そのとき林務部課長さん方は賛成なんですが、反対なんですか。
○政府委員(山崎斉君) 林務部課長の各位からは反対だというような意見がなかったと考えております。
○阿部竹松君 賛成もなかったわけですか。
○政府委員(山崎斉君) こういう制度の切りかえにつきまして、御了解をいただいたというふうに考えております。
○阿部竹松君 御了解といっても、ただ初め集まった席上で話をして、政府がこうこうこういうことをやるからという説明会的なものを開いて、そこでだれも言い出さぬからといって、反対とか賛成とかいう態度の表明にはならぬでしょう。林野庁というところは、一切そういうことで物事を済ましておるところなんですか。
○政府委員(山崎斉君) 御承知の通り、林務部課長会議等におきましては、林野庁の考えているところを御説明いたしますとともに、林務部課長からもそれに対する意見というものも求めるわけでありまして、そういう際におきまして、林務部課長等からこういう制度の切りかえについては反対だというふうな意見は全然出なかったという経緯であります。
○阿部竹松君 ですから、単なるあなたの方は説明会であったか、それともそういうことをやるので一つ賛否を表明してくれぬかという会議であったかということについて、私の承知している限りでは、この問題で集まったのではなくて、ほかの議題で集まったときにそういう話がございました、しかし、別にどうこうという結論を出したわけではございませんと、従って、県によっていろいろ違う考え方を持っていましょう。私の承知している限りではそのように承知しているのですが、全部の県が賛意を表したと長官はおっしゃるわけですか。
○政府委員(山崎斉君) 先ほどお話いたしました林務部課長会議におきます主要な議題はやはりこの問題であったわけでありまして、これにつきまして、林野庁から説明し、県の関係者からそれぞれ意見も聞いたわけでありまして、先ほど申し上げました通り、反対だというふうな意見は出なかったのであります。その後におきましても、林野庁に対して反対論というような意見は、文書等によりましても、林務部課長から出ていないという現状であります。
○阿部竹松君 その次、お尋ねいたしますが、北海道の山ろく地帯とか、あの渡島半島、それから伊豆の湯ケ島の天城山ろく、こういうところは、昔は炭鉱会社が坑木に使うために山を買って、そこで坑木を切り出したり、造林したものなんですよ。このごろは、炭鉱会社は全部坑木を使わないで、鉄柱ですから坑木が要らぬ、今度は変わって、長官十分御承知でしょうが、大昭和とか秋木とか、あるいは苫小牧の製紙会社とかがはげ山を買って、造林をやり出そうということで、今盛んにやっておる。これが公団ができると対象になりますね。
○政府委員(山崎斉君) 坑木のお話につきましては、お説の通り、鉄柱とかカッペ等が相当進んで参りまして、使用量は減少いたしております。それにいたしましても、たしか北海道等におきましても、百万石近いものを現在でも使っておるという状況であるように思っております。 それから、今お話のありましたような地帯につきまして、パルプ会社等が山を買って造林しようとしているが、それとの関係はどうかという点の御質問であるわけでありますが、これは御存じのように、保安林整備臨時措置法によりまして、保安林として今後指定して、保全機能というものを確保していかなければいかぬという地域の中で、しかも現在無立木地である、あるいは粗悪林地というようなところを対象にするという考え方でありますし、それらにつきましては、それぞれ農林大臣が、場所の認可と申しますか、そういうものをしていくという考え方でやっておるわけでございます。いわゆるパルプ会社等がやろうといたしております里山地帯というようなものは、この範疇に入らないということに相なるのでありまして、私たちといたしましては、パルプ会社等が買って、切ってあとに植えるとかいうようなものは、これには該当しないというように考えております。
○阿部竹松君 林野庁長官、そういうことにならぬでしょう。もう戦争中乱伐して、はげ山がたくさんできておるのですからね。それから、今御承知の通り、工業用水が足らぬ、工場を誘致したいけれども、水がない。従って、水資源確保ということで、あなたの方も片足かついでいるようだが、盛んにやっていますね。そうしますと、どういう山だって、これは水が足りないのだ、保安林だ、あるいは水源造林地域だといって、農林大臣が指定しなさいと言ったら、これは指定しないわけにはいきませんよ、これは何といったって水源造林地域ですから。はげ山であることは事実なんですから、どこの持ち山であろうが、はげ山で、そこに木を植えれば、これは水源造林地域の確保になるのですから。戦争中に乱伐したのですから、当然そこが植林対象になって、地価が比較的安いということになれば、これは一番効果的な土地になる。あなたのおっしゃるように、それは対象になりませんよと言うのは、どうも納得できないのですがね。
○政府委員(山崎斉君) これに対しましては、この資料にも御説明いたしております通り、二十三万二千町歩という面積をやっていこうということ、しかもそれが現に保安林であるものと、それから保安林整備臨時措置法による保安林整備計画の範囲内の土地であるということ、それと二十三万二千町歩というものが、さらに所有区分等で見てみますと、市町村有林が九万町歩余、部落有林が四万町歩余、私有林がやはり九万町歩余というふうな計画に相なっておるのでありまして、保安林整備のそういう計画の中に、パルプ会社とかあるいはその他の個人というふうなものが持っておられ、しかもそれがこの計画のといいますか、保安林として将来予定計画に載っているというところであれば、もちろんそれは所有者と——だれが持っているということに関係はしないわけでありまして、私が申し上げましたのは、いわゆる一般的にはげ山でありましても、そういう保安林整備計画等との関連のない地域につきましては、これで造林していくという考え方はないということを申し上げたわけであります。
○阿部竹松君 そうしますと、明確にその部落のあれはわかるわけですから、どこでも詳細にわかっておりますね。今説明になった私有林、公有林、どこの部落が、どこの土地が該当するか、そこではっきりわかりますね。
○政府委員(山崎斉君) 保安林整備計画で今後保安林として考えるべきもの、現に保安林となっておるものというものを対象にして考えておるわけでありますから、しかも二十三万町歩が一万数千という件数に分かれるというふうに、われわれ調査いたしておるわけでありますので、県別にどれだけあるというふうなことはよくわかっておるわけであります。
○阿部竹松君 そうすると、それは資料で出しているのですね。県別にこれはわかっておって、現に保安林になっておるところが対象であるから、それ以外は該当しませんというのもわかりますね。資料いただいておりますか。
○政府委員(山崎斉君) 四月十日に当委員会に提出いたしました資料の二十三ページに、三十六年度以降考えております二十三万町歩に対します府県別市町村有林、部落有林、私有林別の面積は計上いたしておいたのであります。四月十日提出参考資料(I)というのを出してありますが、二十三ページであります。
○阿部竹松君 二十三ページですね、これは長官、資料には県別ですが、あなたのところでは、きょうお教え願わなくてもいいですが、なお小さくわかりますね。
○政府委員(山崎斉君) これの調査につきましては、国有林につきましては国有林の機構を通じて、国有林、民有林別になっております。それぞれ営林局等から府県別にどれだけの該当面積があるのかということを調査いたしました。また民有林につきましても同様に、県の機構を通じまして調査をいたしたわけでありまして、それが具体的に県の方からどこそこのような、たとえば何番地というようなところまでは林野には報告されてないという形でありますので、具体的な場所まで全部今ここで御説明するというわけにはいかない次第です。
○阿部竹松君 そうすると、話がまた戻って恐縮ですが、この私有林なら私有林というところに今度入ってくるんじゃないですか。さいぜん申し上げましたように、ただあなたの方で大ざっぱには二十三万何がしというのを出したんだけれども、詳細わかっておらぬなれば、今甲ということでここがいいなと思っても、今度乙の方で運動すれば、これは自由に動かせるということができるじゃないですか。
○政府委員(山崎斉君) 今お説の点、私有林といたしましたら県に調査さしたわけであります。保安林整備計画によります地域というものが県にはわかっておるわけでありますから、その区域内にあるということと、しかも無立木地、そういう性格のものである、そういうことで県に調査をさしたわけでありますから、それが県の、たとえば具体的の場合について、適当に運動があればそれぞれ変わっていくという性格のものではないのであります。
○北村暢君 今、長官は、保安林整備計画に基づいて指定したところである、従ってその保安林整備計画でやっていくんだ、こういう御説明のようでしたが、これは非常に大事な問題ですからね、混乱を起こしますといけませんから、しかも治山治水という非常に大事な問題ですから確かめておきたいと思うのですよ。というのは、治山治水十カ年計画には載ってない。それはいただいた資料には載っておらないわけだ。載っておらないんだが、先ほどの政務次官の御答弁あるいは長官の答弁で私は納得しないんだが、一応承ったんですがね、これはやはりはっきりさしておく必要がありますからお尋ねしますが、なぜ治山治水十カ年計画にこれは載ってないのですか。
○政府委員(山崎斉君) 新しい治山治水計画におきましては、いわゆる昨年でありましたか、これが制定されたわけであります。その時点におきまして、いわゆる治山治水事業として実行いたしております業務の範囲というものを前提にいたしまして、この治山治水十カ年計画というものを作ったわけでありまして、保安林等の問題につきましては、保安林整備臨時措置法という特別の法律をもって進めておるわけでありまして、十カ年計画にはこの部門は計上してないという経緯であります。
○北村暢君 じゃ、保安林整備計画が治山治水の面で私はこれは重要だと思うのですが、法律が単独法であるとないとにかかわらず、治山治水十カ年計画の中に、どこで所管していようとこの計画になければならないはずです。治山治水、水源林涵養というものは、保安林行政の一環として、保安林整備事業というものがここに計画に載っておる。載っておるんですから、当然水源林涵養事業というものは、造成事業というものは保安林整備事業の中に入ってなければならない。これから落ちている。これに入ってなくていい性格のものですか。
○政府委員(山崎斉君) この性格の論議は、との治山事業、治山治水計画というものを考えていきます場合に、どういう範囲のものまでこれを入れるのかという問題になるわけであります。先ほど御説明いたしました通り、保安林整備計画等による、臨時措置法等による整備計画というものに入るわけであります。この水源林というものを作っていくという仕事自体は、民有林等の部分に加えなかったという経緯でありまして、お説のように治山治水十カ年計画というようなものには入れていいんじゃないかという御議論もあるようにはわれわれは聞いております。
○北村暢君 そういうところが抜けるというと、治山治水十カ年計画は完全に実施できない。それじゃお伺いいたします。あなたが言っている臨時措置法による保安林整備事業、それから森林法の保安林施設事業、この指定区域なんでしょう、今水源林をやろうとしているところは。にもかかわらず、それじゃこの指定区域に対して分収造林で措置しようというのに、分収造林は契約者が納得しなければこれは契約できませんよ。公団なんというのはおかしいのだと、契約したってとてもこれは信用できないから契約しないということになったら、一体分収造林でもってこの保安林行政は処理できますか、できませんか、どうですか、この点は。これは非常に大事なことです。
○政府委員(山崎斉君) もちろんこの官行造林にいたしましても、今度の新しい様式による造林にいたしましても、その契約等を強制するというシステム、考え方にはなっていないのでありまして、関係者の方々に十分御説明もし、納得をいただいて契約を進めて造林したいというふうに考えていかなければならぬというふうに考えております。
○北村暢君 今おっしゃる通りに、十分話し合って、応じない場合は、保安林に指定しても、保安林に指定したことが実現できますか。大臣が保安林を指定するのですよ。指定したならば臨時措置法などによって保安林整備というものはやらなければならない。ところが、分収造林ですから、話し合いがまとまらなければ、契約ができなかったら植えられない。そういうことが出てくるでしょう。そうすると保安林行政としては、この任意事項である分収造林法では、この重要な保安林行政というものは全うできないということになってくるのですよ。そういう問題と関連して、明確に一つ答弁して下さい。ここらはあなたの行政の混乱しているところなんだ。
○政府委員(山崎斉君) この保安林につきましての地域内の造林事業というものを、現在の法律におきましても強制するというシステムにはなっていないのでありまして、森林法全体といたしまして、実は造林の義務というものは道徳的と申しますか、精神的な義務だというふうなことに相なっておるのでありまして、そういう点は行政面の指導ということで達成していかなければいかぬというふうに考えております。
○北村暢君 ただいまの長官の理解でいけば、この保安林行政というものは一体どこにその趣旨があるのか、わからなくなってしまう。これはやはり私が流域別の保安林の整備計画による資料を出して下さいというのが出てきていない。保安林の施設の指定からいけば、これはもう地番から何まですっかりわかっておるはずです。しかもその対象地があなたのおっしゃる水源林なんです。水源林と水源涵養保安林との差はどういうことですか。水源林の造成ということと、森林法による水源涵養保安林というものとの差はどういうものなんですか。
○政府委員(山崎斉君) この水源地帯におきまして、無立木地区等に造林をするということを考えておるわけでありますが、それらの地帯は現に保安林に指定されていなければ保安林になるというわけであります。
○北村暢君 だから、これは保安林というそういう指定の整備計画というもの——治山事業の十カ年計画の中に保安林整備事業というものがあるでしょう。そういうものからわざわざ水源林というものをはずしている。はずれていて現実にないのですよ。
○政府委員(山崎斉君) 森林法によりまして、保安施設事業というものはこれは国と県で所有者の承諾を得なくてもやれるということになっておるのでありまして、その造林、たとえば治山事業に伴いまして山腹にやるとか、その保全のために砂防植栽に適する樹種を植えるというようなことにつきましては、治山事業として、保安施設卒業としてやれるわけでありますが、造林ということにつきまして強制するというふうにはなっていないのであります。
○北村暢君 それじゃ水源涵養林の保安林の施設事業というのは何ですか。
○政府委員(山崎斉君) 水源涵養林に対します保安施設事業と申しますと、これは水源涵養林の中におきまして、いわゆる治山事業その他のものが必要だという場合におきまして、それを指定して事業をやっていくという趣旨のものであるというふうに考えております。
○北村暢君 それじゃ、造林することは保安林の事業ではございませんね。
○政府委員(山崎斉君) 保安林施設事業という中には、いわゆる治山事業に関連する造林でない仕事は含まれないというふうに考えております。
○清澤俊英君 関連。治山治水緊急措置法、これを見ますと、との指定は、森林法第四十一条の保安施設地区の指定、こうなって出てくる。それを見てみますと、保安林及び保安施設地区の指定、解除等に関する手続規定、そこには水源林の造成事業というふうに入っている。これはおかしいと思って、僕は書き出して持ってきて聞こうと思ったのですが、ちょうどいい。そうなってちゃんとあるんだ。
○政府委員(山崎斉君) この問題につきましては、当初に御説明申し上げたような経緯もありまして、水源林造成事業という形で公共事業におきまして補助事業としてやって参ったのでありまして、そういう段階におきましては、この水源林造成事業というものも、保安施設事業として考えて参ったのでありますが、それが三十一年度になって打ち切られまして、その自来におきましては、これは保安施設事業という取り扱いはいたしてないのです。
○清澤俊英君 指定地区をこういうふうに定めるというのが、順序を追うてきて四項目あったと思うのです。その中で水源林の造成というのが指定地区になるのだ、こう解釈している。その点どうもおかしいと思って、一応お伺いしたいと思って、ここへ書いてきた。私らにはよくわからぬ。そういうふうにはっきりしている、こういう地区を指定するのだというのが四項目になっている。治山治水に対する目標のうち、その中から四つが指定地区に指定されるのだ、そういうふうに書いてある。中の一つとしてあります。
○北村暢君 これはむずかしい問題ですよ、非常に解釈上からいって。だけれども、法的にいえば、今清澤先生のおっしゃっている通りなんだ。これは法律解釈が違っているのだよ。だから今すぐ答弁しろといっても無理だから、これはやっぱり林野庁で統一見解をとって、そうして正しく報告をしてもらわないと、治山計画に載っていないこともおかしいし、そうしてしかも指定地域だと、こうでしょう。そうすると、これは森林法による保安林であることには間違いない。その保安林行政の一つである公団の水源林造成だけは、この治山計画にもなければ何にもない。どっかのところでちゃんとあって、これは公団が今までは官行造林でやるのだから、国の信用でまかしておくというのだからそれでもよかったが、今度は怪しげな公団でやるようになる。そうすると、非常に大きな問題なんですよ。だから、この問題はやはりはっきりした統一解釈をとらないと治山治水緊急措置法と、保安林整備臨時措置法と、森林法と、この三者間において統一解釈をとって、どういうふうにするのか、どこに含めるかどうかということをはっきりさせなければいけない、こういう問題なんです。ですから、これは一つ検討していただいて、正しい回答を国会にしてもらわないと……。これをお願いしますね。
○政府委員(山崎斉君) そういうことにいたしたいと存じます。
○阿部竹松君 その次にお尋ねしますが、各地の営林署で水資源造林計画というのがありますね。
○政府委員(山崎斉君) 国有林におきましても、民有林と考え方を一にいたしまして、国有林内におきます同様な地域の造林をやっていかなければならぬということでその計画はいたしておるのであります。
○阿部竹松君 そうしますと、林野長官、その地域は、今まで営林署で計画なさっていた地域は、今度公団ができて作業を行なわんとする対象地域になりますか、どうですか。
○政府委員(山崎斉君) これは国有林自体であるわけでありまして、この公団のやろうとしておるものとは全然まあ別のもんだということになるのであります。
○阿部竹松君 民有地の方は一応公団の方で引き継いで、まあ公団がやるわけじゃございませんけれども引き継ぐことになるのですから、官行造林を。だから、あなたの方で、今まで営林署として計画なさっておった個所を公団が作業をなされる場合に、やはりその指定されてある地域が指定地域として公団が認めてやられることになるかどうかと、こういうことなんです。
○政府委員(山崎斉君) この点は官行造林においてやろうという考え方のもとに今まで契約しているというものがその該当のものであるように考えておりますが、これは先ほども申し上げました通り、お話し合いの上、公団に移るか、あるいは従来通り官行分でやるのかということは、所有者の方々と話し合いの上でこれを考えていきたいという考え方であります。
○阿部竹松君 そうすると、従来の通り官行造林がいいという人には官行造林で、従来通りやっていくわけですね。
○政府委員(山崎斉君) 先ほど法律で御答弁を申し上げました通り、既契約のものにつきましてはそういう考え方をとっていきたいと思っております。
○阿部竹松君 そうすると、量は違うかもしれませんけれども、やはり官行造林はずっと永久に残るということになるのですね。今まで通り、一〇〇%残るとは申しませんけれども、今まで通りやっぱり契約が履行されていくと、こういうことですか。
○政府委員(山崎斉君) 既契約のものでありましてその所有者の方がぜひとも官行造林でなければならぬという方に対しましては、造林を行なっていくわけでありますから、それの事業が終わると引き続いて手入れの仕事というようなものも残ってくるわけでありますから、そういうものもあわして従来通りやっていくということになるのであります。
○阿部竹松君 その点は了解しました。 その次ですね、これから新たに計画して、あなたのところで去年までは官行造林で将来はいこう、まあ長官個人はどうかわかりませんけれども、去年まで農林省あるいは担当局である林野庁、あなたのところの林野長官は、去年までは官行造林でやっていこうとなされて、それぞれ計画を立てられておったのだから、新たにこれからやろうとするところはやはり一応計画はできておったでしょうね。できておりましたでしょう。ことしからこういうふうになるという構想のもとに、去年、計画しなかったのですか。
○政府委員(山崎斉君) 昭和三十二年度に官行造林事業によりましてこの水源地帯の造林をやっていこうというふうに考えたわけでありまして、その当時におきましては三十五万町歩というものを水源造林としてやらなければいかぬという計画があったわけであります。それぞれにつきまして官行造林でやっていくということを考えておったということは、まあお説の通りであります。
○阿部竹松君 そうしますと、さいぜんパルプ会社の例等をあげて該当するのではないかという質問に対して、林野長官はそれはもうすでに県、市町村でこうこうこのようにきまっておるからそれは対象外になりましょうという御答弁がありましたね、そうでしょう。 そこで、あなたが御答弁なさったこの二十三ページに、北海道の例だけとってみますと、国有林、市町村有林、部落有林、私有林、合計が一万六千四百三となっております。ところが、あなたの方の営林局別水源造林計画面積数というものがありますね、これはやっぱり一六四〇三になっておるわけですよ。結局はずれる所が一つもないというわけだ、数字をあげて申し上げると。
○政府委員(山崎斉君) お説のように二十三ページの右の方に営林局別水源造林計画面積というのを計上いたしておりますが、これは北海道という——まあ五つ営林局があるわけでありますが、その五つの営林局管内すなわち北海道全体に、その国有林でやるべきものが、みずからやるべきものが、千三百三町歩ある。その北海道の地域内で民有林としてやるべきものが一万五千百町歩あるということになっておるわけでありますから、この民有林の分を営林局で全部やるというふうに整理したのではないのでありますけれども、その内地の、青森、秋田、前橋というふうな営林局というものの管轄区域というもので見た場合には、どれだけの水源造林面積があるのかということを参考のために掲記したという意味のものでありますので、お含み願いたいと思います。
○阿部竹松君 長官、御答弁とぼけていやしませんか。私の言うのは、こちらの実数と右の方のあなたの方の計画数と二つが全く同じであるから、これから買わんとするパルプ会社あるいは現在やりつつあるパルプ会社はすでにこの該当する数字の中に入っている。該当するかどうかというのですよ。そうしたらそれは当然適用されるのじゃないですか。
○政府委員(山崎斉君) お説の通りでありまして、この該当の個所というものにつきましては、その所有別がどうであるというふうには考えていないのでありまして、先ほど私が御説明いたしましたのはあるいは非常に言い足りなかったかと思うのでありまして、まあ一般経済林というふうな所におきますものは全然やる考え方はないということを申し上げたつもりでありますが、その点御了承願いたいと思います。
○阿部竹松君 それから、本日は事務的なことだけお尋ねをしてあれですが、その次に、ここの官行造林というのは、これは今までやってきてがたりと仕事がなくなるわけですが、全部おらなくならぬでしょう。結局、契約いやですという人はあれまでやっていくのですからね。しかし、何名か官行造林の仕事が進むと、あなたの説でいくとやめなければならぬ。公団でやる場合はそこに仕事がなくなる。そういうものの、残る人とかあるいはやめられる人などをすっかり調べてあるのですか。それともあるいはあなたの方で、国会を通らなければ実施しませんということになるかもしれませんが、しかし、やっぱり一応そういうことも含めてやはり御検討なさっていろと思うので、案があればお示し願いたいと思います。
○政府委員(山崎斉君) この官行造林に従来関係いたしておりました職員は、いわゆる定員内職員と、それから造林等の植付などを具体的にやる作業員というふうに両方に分かれるわけでありますが、定員内職員、これは常勤労務者というものを含めまして従来五百八名の定員でやっておったのであります。この五百八名の定員は、今回の措置によりましても国有林野事業特別会計からこの全部あるいは一部を定員から落とすというふうにはいたしていないのでありまして、従来通り国有林野事業特別会計の職員として働いていただくということを考えておるのであります。 それから第二の作業員につきましては、この官行造林事業に従事しておりました作業員、常用作業員が百六名とそれから定期作業員が千七十六名、それから月雇いの作業員が二千三百七名というふうにおるのでありまして、これらの職員の方々も、作業員の方々も、この切りかえということによりまして国有林で解雇するというようなことは考えない。もちろん既往の官行造林でやりましたところの新植はなくても手入れが残るわけでありますから、そういう手入れに働いていただく。なお、本来の国有林におきます仕事、両者を組み合わせまして従来のような条件で雇用していくということを考えていくつもりでおるのであります。
○阿部竹松君 そうしますると、五百名に百六名と二千何がし、千何がしというものは在来の在籍と何ら変わりがない。新植という新しい植付の仕事はなくなるかもしれぬが、これがなくなると職場が若干変わるかもしれぬけれども在来と同じ待遇で、つまり農林省の林野庁の職員として残り、あるいは定員というのですか、常用というのですか、そういう名目で在来通り残る、こういうことですか。
○政府委員(山崎斉君) 先ほどお話しました通り、従来の通り国有林野事業の職員、作業員として残っていくということになるのであります。
○阿部竹松君 その次にお尋ねいたしますが、なかなか御答弁を聞いておってもよくわからないわけですが、一体何のために官行造林をやめなければならぬかということですね。あなたの方から説明書をいただいてもなかなか理解がいかぬ。あなたの前長官の——きょうおりませんが、前長官の話を承っても、これはけっこうじゃないというようなことで、反対の意味を含めた質問がある。一口にいってどういうためにこれをやらなければならぬのだろうか。どこかでやらなければならぬのですから、全部やめだと、こういうものは国の赤字になるから全部やめだとおっしゃるならまだ話がわかる。だれかがやらなければならぬ。しかもきのう公庫であるかないか、公庫の性格の論争までおやりになっているのを私は聞いたのですがね。これは結論的には国のやはり税金のたらい回しでやることになるのですから、あなたの方で実際定員をふやしてくれといっても大蔵当局はなかなか定員をふやさぬ。従って公団に移せば、公団の定員数というものは比較的に楽であるから公団に仕事をやっていただいて、そうすると農林省の定員は変わりないが、しかし実質的には五百名なり六百名ふえたという格好になるというようなことでおやりになっているものかね。一口にいってどうですか。僕は必ずしもその大正九年にできた法律に基づいて全部大正九年をそのまま残しておけということは申しません。しかし、私どうしても納得のできぬ点がある。一つ長官の明快な、納得せしめるような御答弁をいただきたい。
○政府委員(山崎斉君) 今後のこの水源林造林事業を考えて参ります場合に、この造林事業というものを、あるいは自後の維持管理事業というものも含めましてどういうものがその担当になった方が一番いいのかという問題がまずあるように思うのであります。で、今までも御説明いたしました通り、この団地が零細化されて分散化されるというふうな実態からいたしましても、あるいはまた市町村等の造林の意欲、力というふうな点からいたしましても、やはり土地を持っておられる方に経済的な貧相というものは特別かけないで、それらの方々の技術、意欲というものを中心にしてこれの経営に当たっていただくということが最も望ましいというふうに考えておるのであります。で、そういう点からいたしまして、こういう地帯の造林というものを分収造林特別措置法による国の機関が費用負担者になる。あるいはどうしても必要な場合には造林者にもなるという形でこの事業を遂行していくということが最もまあ適応しているという考え方に基づいておるのであります。
○阿部竹松君 そこまで長官割り切るのだったら、一番最初僕がお尋ねした、木を売る方も公団にやってもらったらどうですか。売る方が簡単で金がもうかるから売る方だけ残しておいて、植える方はこれはめんどうで、三十年もたたなければ金の卵生まぬからそっちの方をはずすと、こうおっしゃるのですが、そのくらいあなた明確にずばりと言うのであれば、売る方も公団にやらせなさい。売る方は簡単で、天然林だから一銭も金がかからない。国の木を切って。そっちの方は持っている。片っ方の方はこれから杉の苗木やカラマツを植えて、三十年もたたなかったらだめだということで、そっちをやってもらいたい。それじゃ筋が通らぬじゃないですか。それほど逆に考えて大切なものであれば、公団のちっぽけな十億とか二十億とか三十億という金をつぎ込んでやるよりも、やはり国のために国の力でやるのが一番いいんじゃないですか。とにかく理路整然とせぬのですが、一つ反駁するところがあったら反駁してみて下さい。
○政府委員(山崎斉君) 国有林の管理経営というものは、やはり国という立場におきまして総合的にこれを維持管理、広い黄味で経営していくということが、これが今の組織その他の面からいいましても当然やっていかたきゃいかぬ問題のように思うのでありまして、それの売り払い等の業務だけを公団に移すというような問題は、われわれとしてそれが適切であるかどうかという点は、これは重大な問題として検討しなければいかぬように考えておるのでありまして、林業の経営、そういうものが先ほども申し上げました通り、やはり所有者というものがそこに自主性を持ちながら造林、維持管理、経営というものをやっていくということがやはり姿としては一番望ましい姿ではなかろうかというふうに考えておるのでありまして、そういう面からいたしまして、市町村等にも非常な浩林等に対する熱意も向上して参っておるわけでありますし、市町村等のそういう意欲というものをこういう面にも十分生かしていくということは林政の方向として最もいい方法であろうというふうに考えておるのであります。
○阿部竹松君 その次にもう一つお尋ねしておきますが、長官のところですね、全林野という労働組合がありますね。そういう労働組合と、やっぱりこういう職員をどうするかとか、作業員あるいは常用の人をどうするかという話し合いは話し合って、両方で了解しておるのですか。あなた一方的にやったわけじゃないでしょうね。
○政府委員(山崎斉君) こういう問題につきまして、また官仕造林事業の廃止、あるいは公団法による造林の実施というような点につきましては、関係の部課長から組合等とも話し合いし説明しておるという経緯をとっておるのであります。
○阿部竹松君 組合も了解しておると、こういうことに通じますか。
○政府委員(山崎斉君) 組合もこれに了解しておるかどうかということは、私からは申し上げるのは適当じゃないのじゃないかと考えております。
○阿部竹松君 どういうわけで適当でないか。大臣から聞きなさいということであれば、大臣と討論する機会があるようですからやめますが、最後に一点だけ、この五百八名、百六名、二千、千というの、これは必ずあなたの方で責任もって、よそへ配置転換だとか、あるいはよそへいって職を求めなさいということじゃないのですね。ちょっとくどいようですが、最後にお尋ねしておきます。
○政府委員(山崎斉君) お話のように、国有林としては使わない、よそへいって働いてくれというふうなことは、責任をもってさせないというつもりでおるのであります。
○北村暢君 私は主として特別会計の問題等、基本問題に関することについてこれからお尋ねいたしますが、なるべくきょうは協力しまして時間を早く済むようにいたしますから……。 まず、特別会計の関係で、いただきました資料によりますというと、昭和二十二年から三十六年までの純損益計算の資料をいただきましたが、それによるというと、純益が、損を引きまして、純益が十五年間に三百九億七千七百万円ということで、年平均にしまして、二十億六千五百万ということのようでございます。今後の特別会計の損益として一体どのような見通しに立っておられるか。この点を一つまず一点お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山崎斉君) 三十六年度におきましては、四十三億ばかりの利益金が出るかと考えておりますが、自後におきましても大体それを下らない程度のものは期待できるというふうに考えております。
○北村暢君 大体四十三億という純益金が見込まれるということのようですが、今次仲裁裁定の実施において大体どのくらいの予算が必要でございますか。
○政府委員(山崎斉君) 定員内職員、それから常勤労務者と申しますか、それから就業規則三十七条適用者等で十八億見当のものであるように考えております。
○北村暢君 特別会計全体で聞いているんですから、三七以上だけを聞いているんじゃないですから。
○政府委員(山崎斉君) 作業員につきましては、仲裁裁定という形で三月でありますか、出ましたものが四千万円の減収を持っているということに相なっているのでありますが、三十六年度以降におきまして、作業員の賃金等をどういうようにしていくかということは、労使双方で今後十分検討しろという仲裁裁定であるのでありまして、それらの点をどれくらいになるということは、今直ちに申し上げかねるのであります。
○北村暢君 今直ちに申し上げかねると言いますけれども、あなた方は仲裁裁定を受けるときに、仲裁委員会、公労委に対して大体作業員の賃金はどのくらい上げたらいいということを説明したはずでございませんか。どういう説明しましたか。
○政府委員(山崎斉君) 作業員の賃金につきましては、業種により地域によりましてそれぞれ改定すべきものがあるということを当局も言っておるのでありますが、それの金額が幾らになるかというこの点は、今明確に申し上げる資料を持っていないのであります。
○北村暢君 それじゃ三十六年度の純益見込み四十三億というのはどうして出したんです。予算がなくて出てくるわけがないじゃないですか。
○政府委員(山崎斉君) これは三十六年度の予算におきまして、これが四十三億程度のものが出るというふうに見込んでおるのであります。この仲裁裁定への原資が、たとえば予備費等で全部まかなえるかどうかという問題は、今後なお作業員等の賃金がどうなるかというようなことにもよって何ほかの変更があるということになるのであります。
○北村暢君 作業員に対してだけ仲裁裁定十九億と言っておりますが、これは三七以上作業員については地域別、業種別、あとは金額についてはわからぬでは、それじゃあまりに、予算を立てるときにはどういうふうに書いてあるんですか。とにかく上がるだろうというととは想定しておった。予算が出るときにはどういうふうに考えておったんです。予算の説明はできるはずです。
○政府委員(山崎斉君) 予算におきましては、将来どの程度ベース・アップを考えなければならぬかという点はもちろん織り込んでないのであります。
○北村暢君 織り込んでなければ今後やるということでしょう。しかし、今団体交渉中ですから、私はその内容について今ここで言えといえば、私に回答したようなことになるからそんなむちゃなことをしようとしてはいない。していないが、しかし、予算の立て方の考え方として、どのくらいのものであったかということは言い得るだろうし、また仲裁裁定にいった際においてもあなた方は説明しておるんですから、これはそういうものがあったはずです。全然ないということはないだろうと思う。しかし、これが今ここでしゃべることと団体交渉で出ることとは違ったってそれを私はどうだのこうだのということはないだろうと思うのですよ。国会でこう言ったから団体交渉がこうだとかいうことでこう詰められるとしても、それはそのときの考え方がこうだったということでいいと思うのです。ただ私はここで言っておきたいのは、この仲裁裁定の中にありますように、三年間この作業員の賃金というのは、仲裁裁定はゼロ回答であるわけです。それで、この定員内職員については、昨年度も八百円何がしの仲裁裁定が出ている。そのときもゼロで、とにかくこの仲裁裁定によれば、三十五年度の仲裁裁定第六十号主文第三項において、「その実態を調査し、現在の賃金決定方式をも含めて、さらに検討の上善処することを指示したところであるが、いまだに賃金決定方式についての解決を見ていないことは遺憾である。」といって、仲裁裁定委員会から出されている。一年かかって、あなた、賃金決定の方式を解決していない、一年間かかっておるのですよ、やってないですよ。一体、仲裁委員会からは遺憾であるといわれている。そういう点からいって、定員内は上がっているが、定員外の職員は依然としてゼロである。それで、今回においても早く相談をしてやりなさいということになっている。だから私はこのゼロ回答である国有林労働者の、低賃金の中においてやられてきたということは、石谷前長官も——今、石谷委員も指摘しておる通りだ、林業労働者の賃金は低いとはっきり言っておる。しかも地場賃金が低いから……、あなた方は、国有林の労働者は比較的高いから上げる必要はない、こういうことをしばしば言っている。その地場賃金というのは、ほかの産業から比べてとんでもない安い低賃金なんだ、そういうものと比較して高過ぎると言っている。ところが最近に至って、その地場賃金の方が国有林の賃金より高くなってしまっておる。こういうようなところがたくさん出てきた。こういう状態でしょう。これに対してあなた方は、今団体交渉中であるけれども、一体どのように対処しようとしているのか、考え方を承りたい。
○政府委員(山崎斉君) この点につきましては、仲裁裁定の段階において、当局からも仲裁委に話等をいたしました通り、地域によりあるいは職種により、当局としても賃金の向上をすべきものがあるということをお話いたしておるのでありまして、そういう点を中心といたしまして、今後団体交渉というものをやっていきたいというふうに考えております。
○北村暢君 上げるのか、上げないのか。
○政府委員(山崎斉君) 職種により、地域によって、今申し上げましたのは、もちろん上げなければいかぬということを、当局も考えておるということであります。
○北村暢君 先ほど三月に四千万円分だかを支給したと誓ったが、これはごく限られた職員しかもらう人がいない、そういう実情であることはよく知っているだろうと思うのですが、今度の仲裁裁定で三七以上についてですか、〇・五の期末手当というのか、特別手当が出るようになったですね、名前は何というか私知りませんが、出るようになったのですが、これは作業員について考えられますか。
○政府委員(山崎斉君) 仲裁裁定によりましては、それらは定員内職員並びにそれに準ずる人に対して出すということに相なっておるのでありまして、〇・五というものとの同一の思想におきまして、作業員にそういう程度のものを出していくということはできないように考えております。
○北村暢君 制度上できないのかもしれませんけれども、定員内の方はこういうものも出る、それから今度のように一二%何がしですか賃金は上がる、ところが作業員の賃金は低い、この点はもうはっきりしておる。そういう点を勘案して、方法があれば出したいというような気持はないですか。
○政府委員(山崎斉君) 〇・五カ月というふうなものに相当するようなものとして、別途に出すということは、制度上もできないというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 とにかく長官は、もう少し国有林の基幹である作業員に対して、あたたかい気持で接しなければならない、こういうことは私言っておきたいと思います。それは末端の営林署なり何なりのこの作業員に接する態度というものが、林野庁の首脳部の考え方がそのまま下へ行っておって、全く冷酷無比な態度である。標準貸金できめられているのだから、作業員の賃金はこのくらいでよかろうといった程度の考え方しか持っておらぬ、それが実情ですよ。ですから、私は、ここでこの問題が中心でございませんから、この問題はいつかまた触れたいと思いますけれども、とにかくそういう地場賃金が低いのだから、国有林の作業員の賃金が低くてよろしいといったような、この地場賃金との比較の考え方というのは改められなければならないのですよ。これを改めない限り、私は国有林の作業員なんというのは、所得倍増だの何だのと言ったって、何らの恩典になんか浴しません。しかも労働条件については悪くなってきておる、これはもう事実です。あなた方は首切りもしない、何もしない、かにもしないと言っているけれども、現実にきのうも参考人の言った通り、国会の場では、あなた方は首切りもしない、不利になることは一切しませんと言っているが、実際参考人が言っている通り、事実首は切らなくても、やめなければならないようなふうにしむけておる、これは事実ですよ。参考人が言った通りなんです。そういうことをあなた方はやってきている。これは一つ私は大臣にも言いたいと思いますけれども、改めてもらわなければならない。
○政府委員(山崎斉君) この作業員の賃金がどうあるべきかという点につきましては、それぞれ御意見もわれわれとしても伺っておるのでありますが、もちろん地場賃金と申しますか、あるいは農業がどういうふうになっておるか、一般林業というものがどういうふうになっておるかということも、また大きい因子ではあるわけでありまして、そういうものも考え、また今後の国有林野事業というものを円滑にやっていく上から考えまして、その雇用条件、そういうものをどういうふうに持っていくかというふうなこと、そういう点をそれぞれ総合いたしまして、われわれとしてはこの問題に臨んでいかなきゃならぬというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 私は三十七条の職員の給与予算、仲裁裁定実施に伴う予算が十八、九億ということのようでございますから、人員的にいけばこれは延べ人員で計算してそして個人に換算すればいいと思うんですけれども、従業員の方が圧倒的に国有林では多い。どういう比較になりますかちょっとわかりませんけれども、多いことは間違いない。従って定員内十九億の仲裁裁定の原資が必要であるということになれば、定員外もそれに匹敵するか、それ以上かの費用が要るんじゃないかと私は想像できる。そういうようなことにはなりませんか、どうですか。
○政府委員(山崎斉君) これらの点につきましては、仲裁裁定の趣旨も十分に参酌いたしまして、組合等との団体交渉の結論を経て、どのぐらいになるのかというような点を、われわれとしては考えなきゃいかぬというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 定員外の賃金七、八億というようなことを聞いておるんですけれども、まさかそういうことはないでしょうな。
○政府委員(山崎斉君) そういうふうな前提というものを置いて考えておるわけではないのであります。
○北村暢君 私はこれ以上この問題は追及しません。しかし最後に私は、三年間ゼロ回答で地場賃金という名のもとに、低賃金に押えてきた作業員のことをもう少し同情を持って考えてやっていただきたいということだけは一つお願いをしておきたいと思います。 そこで、本来の質問に移りますが、仲裁裁定の実施——作業員も必要になってくるのでありますが、それを見込んで三十六年度の純益金は四十三億と言われましたけれども、これは減ることはございませんか。
○政府委員(山崎斉君) 御存じの通り三十六年度の支出といたしましては、不時の用というものを前提にいたしまして予備費等も組んでおるわけでありまして、こういうものによりまして仲裁裁定等の原資がまかなえるかどうかということに相なるわけでありますけれども、そういうものが予備費等で足りないという形になれば、国有林の収支と申しますか、そういうものもその面からは変動が来るということ、並びにもちろん木材の価格その他がどういうふうになっていくかというようなことも大きい原因として残るわけでございまして、それらが総合されたものがやはり収支として考えていかなきゃいかぬということになるのであります。
○北村暢君 予備費は三十億でしょう。予備費は三十億だから仲裁裁定、これに入るか入らないぐらいのことはすぐわかるんじゃないですか。
○政府委員(山崎斉君) 先ほど申し上げましたように、仲裁裁定で出ました十八、九億円程度のものはこの予備費というものでまかなっていけるということになることは御意見の通りであります。
○北村暢君 予備費三十億ということはわかっておるんですよ、この予算書によって、あなたのところの。三十億五千九百万円ということになっているのですよ、予算書では。だからこれからはみ出るということになると、私は相当高い額が作業員に仲裁裁定によって来るんじゃないか、こういうように思ったもんだから、これで足りないようだったら、なるべくこの純益金が減らないような方向に仲裁裁定を実施してもらいたいというふうに思っているのですがね。そこら辺は数字が出ていることだから、あまり隠して言わないでもわかっておるのですよ。ですから、純益金の見込みというものは、仲裁裁定に対する影響というものは予備金でまかなえる。予備金はもっとも仲裁裁定のためばかりの予備金ではないし、災害とか何とかを含んでおるのです。それは承知の上ですが、この点についてはしつこく聞きませんが、今後の特別会計の見通しの中で、今ちょっと触れられましたが、木材の価格の値上がりその他が非常に大きな要素になってくる。黒字が出るか赤字が出るか、これはもう大へんな問題だと思うのです。そこで今国有林というのは大体一七〇%の過伐になっておる。二二〇%から一七〇%ぐらいの過伐になっておるということは間違いない。そこでこの過伐をやっているのでありますが、今国有林は増伐をさらにやる、こういうことで閣議決定にもなったようです。そういうような点からいって、この三十六年度の収支見込みというものに影響がないのか。それから私は木材の価格の値上がり値上がりと言いますけれども、現実に今も、現在も上がっておるようですが、今後この木材の価格がそれほどべらぼうに上がっていくということは考えられない、このように思いますが、いかがですか。
○政府委員(山崎斉君) 木材価格につきまして昨年の秋ごろから急激に上がり始めたように思うのでありますが、こういうふうな調子といいますか、テンポで今後とも木材価格が上がっていくというふうにはもちろんおっしゃる通り考えられない。むしろ安定すると申しますか、そういう方向に動くのではなかろうかというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 そうしますと、先ほど言われました今年度の特別会計の純益金四十三億というものが将来もその程度は続いていくのだということのようでございますが、今申したように、仲裁裁定、災害その他というものが出てこないとは限らない。従って予定した純益金というものが出てくるか出てこないかということについて私は疑問に思う。そうして先ほども申しましたように、現在までの特別会計の平均しての純益金というのは二十億であります。ところが、今度特別会計法を改正してさらに特別会計法の施行令の改正も伴いまして、利益金のうち利益積立金と特別積立金とに分かれるようですが、その場合この純利益金の二分の一しか特別積立金には繰り入れられない、このように理解しているのですが、この点は間違いございませんか。
○政府委員(山崎斉君) 提案いたしております国有林野事業特別会計法におきましては、そういうふうになっておるのであります。
○北村暢君 そうしますと、三十六年度の一般会計の繰り入れが一公団に十億、公庫に九億、公共投資四億で二十三億のようです。従って、この特別積立金に二十三億支出するということになれば、これは当初五十億繰り入れたようでございますから、二十三億出してもまだ二十七億ばかり残っておるようですが、とにもかくにも今後の見通しからいえば、やはり四十億以上の特別会計の純益金というものがないというと、一般会計の繰り入れというものは二十億以上やっていくということは非常に困難である、こういうふうに思うのでございますが、一体この四十億以上の特別会計の純益金というものが、今後将来そのような形でずっといき得る見通しがあるのかないのか。これは今後の運営上非常に重要な問題になってくると思いますが、見通しについていかがでしょうか。
○政府委員(山崎斉君) この利益金といいますものが年によっていろんな事情から変動があるということはもちろん考えられるのでありまして、いろいろ考えました結果からいたしまして、また三十六年度の予算について考えてみましても、これを編成いたしました当時、十二月でありますが、そういう時点におきまする見通しというものとも現在の段階ではかなり大きい違いも出てきておるわけでありまして、そういう点いろいろと総合的に検討いたしまして、今後におきましても四十二、三億程度のものはやはり出てくるのじゃないかというふうに私どもとしては考えておるのであります。
○北村暢君 そうしますと、この公団の今後の資金計画は一体どのようになっておりますか。
○政府委員(山崎斉君) 公団の事業計画につきましては、お手元に資料を当初に配付いたしたように考えておりますが、四月十日に提出いたしました参考資料Iの二十四ページをごらん願いたいと思います。三十六年度から四十四年度までに百八十一億を必要とするということに予定いたしておるのであります。
○北村暢君 その百八十一億の、要るということはわかっておりますけれども、どうやって資金調達をする計画ですか。
○政府委員(山崎斉君) これにつきましては、当初いろいろお話が、御質問がありました通り、一般会計からの支出というものを中心にして考えていきたいというふうに考えております。
○北村暢君 一般会計からの支出を中心にということのようですが、一般会計からの支出を中心に考えていきますというと、これは百八十一億を九年間ですから、約二十億のものを毎年見ていかなければならない。三十六年度は十億である。一体一般会計から約二十億のものを全部今後とも見ていくつもりですか。
○政府委員(山崎斉君) 提案いたしております国有林野事業特別会計法の改正におきましては、先ほど先生からお話がありました通り、一般会計に五十億円、既往の蓄積の中から五十億円というものを財源にし、しかも三十六年度以降におきまして年々生ずる利益金の二分の一をこれに積み立てていくという両立てで行っておるわけでありまして、そういうものがいわゆる一般林政協力事業として、そういう財源を一般会計に繰り入れていくということになるのでありますけれども、もちろんそういう繰り入れ財源がいわゆる民有林協力の使命を持っておるわけでありますから、そういうものを充当していくということが第一点に考えられておるのであります。それで、もしもそれが足りなかったらどうなるかという問題にも関連するわけであります。一般会計からも出資してもらうというふうにわれわれとしては考えておるのであります。
○北村暢君 今四十億緯度の純益金が出て、二十億程度は特別積立金で積み立てていく、三十六年度の一般会計の繰り入れたのは、先ほど言いましたように、公団に十億、公庫に九億、その他の民有林協力ですか、何かに四億、二十三億出ているわけでしょう。そうすると、今後この特別会計から出る二十億というのは、今五十億あるわけですが、二十三億出しますと二十七億残る。しかしながら、今後二十億ずつというものが公団にかかるということになれば、公庫その他に出資するものですか、そういうものを含めますというと、約三十億くらいずつ、三十億以上金が要ることになる。そういう計算になるわけですね。公団に二十億、公庫に九億というのも融資造林その他でしばらく続くわけですね。そのほかに林政協力で四億くらい出るのですから、従って、公団の分が十億というのが二十億になりますというと、特別会計の純益金から繰り入れる二十億では足りないことになってしまう結果になるのじゃないか。その足りないものについてはほかの一般会計から公庫に出資をしてもらうのだ、こういうことのようですが、これは言うべくしてなかなかできないことだと思うのです。特別積立金からの二十億程度のものしか出ないということになれば、あとの十億は一般会計からそれでは公庫に出資をしてくれるか、そんなうまい工合にはいきません、これは。どこからいったっていかない。大蔵省、承知しない、大体。でありますから、これは一つはっきりさしていただかなければならないのですが、今度できる公庫は出資金だけで、一般会計からの出資金だけで、借入金はございませんか。
○政府委員(山崎斉君) 森林開発公団は、現在の法律におきましても借入金ができることになっておるのであります。でありますが、われわれといたしましてはこの借入金というふうなものは、もうやむを得ない場合という以外はやはりこの造林のために借り入れるというようなことはいたしたくないと考えております。
○北村暢君 そうすると、今後九年間に必要な百八十億というものは一般会計からの出資で大部分はまかなっていくのだと、こういう見通しのもとにこの公団というものが発足するということになりますね。
○政府委員(山崎斉君) お説の通り出資金というもので極力やっていこうという考え方でいかなければいかぬというふうに思っております。
○北村暢君 資金運用部から借りるという計画はございませんでしたか。
○政府委員(山崎斉君) 資金運用部から借りるということも先ほど申し上げました通り不可能ではないのでありますが、この造林事業の性格からいたしまして、資金運用部から多額のものを借りるというふうなことは考えていくべきではないというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 これは今後の公団運営の上において非常に重要なことですからね、慎重に答弁して下さいよ。あなた今言っているけとれども、国有林の特別会計から四十億の黒字が出ていって、二十億だけは特別積立金へ積み立てていくと言っているでしょう。大体そういう計画だと言っている。それが実際に出るのは、二十億ずつ出るのですよ。今二十七億あるけれども、二年間たてばその特別積立金でもたなくなってくることは一、二年過ぎればすぐ出てくるのですよ。これはそれでもなおかつあなたは一般会計から——ほかの一般会計というのですからどこという区別はないでしょうけれども、特別会計からそういうような特別積立金ということで一般会計に繰り入れないで、ほかの一般会計でもって公団に十億くらいのものが毎年々々続けて出資されると考えておられるのかどうなのか、この点どうですか。
○政府委員(山崎斉君) 数回御説明いたしております通り、借入金というものによりますと、その金利その他の面からも、造林事業の性格から見ても無理があることは御承知の通りであります。借人命等に依存するものは極力少なくしていく、避けていくということを考えていかなければならぬというふうに考えております。
○河野謙三君 関連して。ただいまの話を聞いておりますと、北村さんも、そういう国家の将来の財政に大きな影響のあるものを一林野庁長官に北村さんともあろうものが質問するのもおかしいし、また長官が長官の分限を越えて、あなたが林野の特別会計の範囲内において答弁するならいいけれども、これはりっぱに農林大臣の答弁ですよ。でありますからね、この問題は、僕は今北村さんの御質問も無理だと思う、林野庁長官の答弁を求めるべきでないし、答えることがあなたの域を脱していると思うので、議事進行上これは言っているのです。
○北村暢君 ただいまの河野委員のお説は非常にごもっともで、私もそうだと思う。だからあした一つ大蔵大臣に来てもらって、その約束ができるのかできないのか、あした、ちゃんと聞きたいと思う。それは大へんなことですからね。
○委員長(藤野繁雄君) あしたは土曜日です。
○北村暢君 では月曜日に……。
○委員長(藤野繁雄君) 大澤審議官が見えておりますからどうぞ。
○北村暢君 ただいま河野委員から丁重なる御注意があって、もっともだと思いますから、そのように委員長から一つ取り計らって下さい。これは私とうしてもむずかしい問題で、将来の公団のためにもどうしても聞いておきたいことだと思います。 次にお伺いいたしますが、これは月曜日の大臣が来られるときの質問のためにこの論議を集約しておきたいと、こういうつもりでお伺いいたすのですが、この法案提出の時期と、部落有林野対策協議会の答申の出た時期と、それから自治省との了解事項の結ばれた時期と、この点について私は非常に疑問に思う。というのは、大臣とこの問題でやりましたときには、私大臣の答弁を聞き違えましてあのとき引き下がったわけなんですけれども、どうもあとで期日を調べてみますとふに落ちない点があるわけでございまして、それでお伺いいたしますが、おのおのの今申しました月日はとういうふうになっているのですか。
○政府委員(山崎斉君) 自治省との覚書を捺印しまして交換いたしましたのは二月二十一日であったかと思います。資料として御提出した通りでありまして、それから部落有林野対策協議会から、協議会といたしまして林野庁にこれが提出されましたのも、資料に御説明いたしました通り三月二十七日であったと考えているのであります。
○北村暢君 そうではないんじゃないですか。法案の提出になったのが、衆議院に出したのが二月十八日、部落有林野対策協議会の答申は二月十七日、了解事項の出ているのが二月の二十一日、こうだと思いますが間違いございませんか。
○政府委員(山崎斉君) 自治省との了解事項の締結は二月二十一日、それから部落有林野対策協議会から林野庁長官に正式に答申案が提出されましたのは三月二十七日。この部落有林野対策協議会におきまして二月十七日でありましたか、案を作りまして、この協議会の総会と申しますか、協議会にかけたのでありますが、それがいろいろと議論があったようでありまして、協議会の会長がそれらの点を検討して、元のままの日付で出せというふうな経緯になっているのでありまして、その点この日付とやや違うという点を御了承願いたいと思うのであります。自治省との二月二十一日の締結は、すでにこの文書を交換いたします前に大方の線は話し合いをいたしておったのであります。それで締結という時期が二月二十一日に相なったというふうな経緯もありますので、お含み願いたいと思います。
○北村暢君 しかし問題は、法案が提出され、部落有林野対策協議会が二月十七日に答申しようとしないとにかかわらず、そういうものが出てきたということは事実である。従って自治省との協議等についてもこういうものがやはり新設であればやられるべきだと思っておるのです。そこでこの部落有林野対策協議会というのは、これは林野庁の長官限りのいわば法律に基づいたものでも何でもない。でありますから、これを取り上げて私はここでとやかく言う筋合いはないと思う。ないと思うのですが、あなたのところで今国有林野対策協議会ですか、こういうものを何か解散せよという命令が出て解散するということを聞いておるのですが、どうなっておる、これは。
○政府委員(山崎斉君) 部落有林野対策協議会でありますか。これは答申によりまして目的を達したわけでありますから、もちろんこれで終わるわけであります。臨時国有林野経営調査会につきましては、これが大臣から、もちろん法律に基づいて成立しておるものではないのでありますが、既往におきまして、大臣からこれに諮問をする委員等も正式に委嘱するというふうな形をもちましてこれを運用して参ったのでありますが、農林省等の方針という面からいたしまして今後こういう形態でこの協議会を続けていくということは、この答申の線からいっても適当ではないというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 そこで大澤審議官にお伺いいたしますが、最近農林省の中に農業基本問題対策の推進本部とか何とかというものができたようなことが新聞に出ておりましたが、それに間違いございませんか。
○政府委員(大澤融君) 省内限りの事務の進め方に都合のいいような形でそういうものを考えております。
○北村暢君 考えておりますでなくて、できましたかできませんかと聞いておるのです。
○政府委員(大澤融君) できました。
○北村暢君 そこでこれを推進しようというのですから、これは農業基本問題だけですか。林業、水産含んでおりますか。
○政府委員(大澤融君) 農業に限らず、林業、漁業も含んでおります。
○北村暢君 非常にりっぱな公務員で、これはおほめに値するのだと思います。そういう趣旨で一つ明らかにしてやっていただきたいと思うのでありますね。 そこでお伺いいたすのですが、林業の基本問題につきまして、公有林、それから公有林対策並びに私有林、あるいは分収造林、官行造林いろいろそれぞれについて基本問題でその対策について答申がなされているわけなんですが、私は端的にお伺いいたしますが、先日も大臣に質問し、どうしても要領を得ないのでございますが、自治省とのこの了解事項の中の2(1)のところに、「公有林野の縮小を促進するような政策は原則としてとらないこと。」、こういうようなことになっておりますが、この公有林野の中には実質部落有林野は含んでいるのですか、含んでいないのですか。
○政府委員(山崎斉君) 公有林野の中におきまするまあ入会権等のある山、そういうものは公有林野という中に含まれておるのであります。
○北村暢君 そうしますと、公有林野の中の実質部落有林野というものはどのくらいあるというふうに見ておりますか。
○政府委員(山崎斉君) 大体六十万町歩前後じゃないかと考えております。
○北村暢君 その実質部落有林野に対して答申は、どのように処理すべきだ、対策としてどのようにすべきだということになっておりますか。
○政府委員(大澤融君) 北村先生は私よりは林業の御専門家でよく御了解願っていることかと思うのですが、答申では木材生産と申しますか、林業生産物の生産は需要に必ずしもマッチしていないという点と、林業所得の発展が必ずしも均衡的な発展をしていないというようなことを問題にして、結局そういう問題の解決は構造改善ということでやらなければいけないという考え方をしているわけでありますが、そういうことから公有林野については今後の対策を考えようという示唆をしております。
○北村暢君 言われる通り、これはこの分収林、あるいは官行造林についても、歩合の問題については問題があるのですけれども、それはまた別の機会に譲りまして、構造政策の問題についてだけこれ触れたいと思うのですけれども、今大津審議官が申されましたように、林業発展のために構造政策として、実質部落有林野というものは一般の林野から比べれば非常に非経済的な原因になっている。従って、構造政策の面からいってもこの実質部落有林野は権利関係を明確にしていかなければならない。まあこういう考え方に立っておるわけでございますが、これは基本問題とは別個で、先ほど出ました部落有林野対策協議会からの答申によりましても、公有名義の部落有林野についても非常に「山村民の権利は極めて不安定な現状にある。」ので、これを地方自治法の上からいって非常に「公法上の制約がある。このため、所有権を公有形態にとどめたままで、現在慣行使用権にくみこまれている山村民の利用権を物権的保護をうけうる安定した近代的利権たらしめるには多くの困難を伴うであろう。従って、公有名義の部落有林野については、前記1の方向に」——前記1というのは私権化の方向です。「方向に即して公有名義を廃止し山村民に所有権を取得せしめることが望ましい。」ということでいっております。ほぼ同様の趣旨のことが、やはり基本問題調査会でもいわれているわけでございます。そうしますと、市町村有林の中における五十七、八万町歩の実質部落有林野というものは、原則として私権化するという方向にいくべきでないか。こういうことになれば、この自治省との了解事項の公有林野の縮小を促進するような政策は原則としてとらないことということは、一体基本問題調査会の答申案と照らして、限界的はむずかしいでしょうけれども、基本問題調査会の趣旨とは少なくとも合致していないと私は理解しますが、大澤審議官は、どのようにお考えでしょうか。考え方をお伺いいたしたい。
○政府委員(大澤融君) 御承知のように、構造改善の問題は、先ほどのような観点から、答申では、家族経営林業というような形を打ち出しております。そういうものを今後は育成していくという上において、公有林野、国有林野に限らず、もちろん部落有林野も利用されていくということは、この答申でもいっておりますし、それから、今言われた部落有林野対策協議会の方の答申でもいっております。ただ、部落有林野につきましても、その分解状態がどの程度であるかというようなことは、一がいに私言えないのじゃないかと思うので、そうした方向を答申はいっておりますけれども、具体的には、なかなか分解の状態で、いろいろ問題があろうかと思うのでありますので、おそらくケース・バイ・ケースでそういうことも考えていかなければならないのだと思うのですが、ただ、ここに、協定と申しますか、覚書に書いてありますようなことは、おそらくまあ今のようなことを考えて、公有林野として市町村が直営をしていくということが適当だというものについては、基本問題調査会の答申の中でもいっておりますように、林業の経営能力を高めてやっていく、そういう趣旨でおそらくいっているのであろうと、こう私は了解いたしますので、基本問題調査会なり何なりの答申と、北村先生言われるようにまっこうから反対して対立したような考え方だというふうにもとれないのじゃないかと思います。
○北村暢君 それでは、今度の公団の造林予定地二十三万二千町歩のうち、公有林野が約九千幾らですか、それから部落有林が五千町歩くらいで、それから私有林が約十万町歩と、まあこのようになっておりますね。そうしますと、この公有林野というのは、公団の対象地の公有林野には、実質部落有林野は含んでおりますか、含んでおりませんか。
○政府委員(山崎斉君) これの分類は、市町村有林という所有形態のものを、その所有形態の形において掲示をいたしておるわけでありまして、部落有林野というようなものもこれに入っておる、実質部落林というものも入っておるというふうに御了承願いたいのであります。
○北村暢君 そうしますと、部落有林、これは約五千町歩程度だと思ったのですが、まあ資料を見ればわかるのですが、四千町歩ですか——四万町歩ですか、四万町歩ぐらい入っておるのでしょうが、これはそうすると、私有名義の実質部落有林野、私有林の実質部落有林野、こういうことだろうと思いますが、それで差しつかえございませんか。
○政府委員(山崎斉君) 私有名義の部落有林というふうにお説の通りお考え願いたいと思います。
○北村暢君 それでは大澤審議官にお伺いしますが、基本問題調査会では従来の官行造林というものが公有——実質部落有林野に官行造林をするということは、現在の出されておる基本問題調査会の答申案のいわゆるでき得れば——いろいろ方法はあるわけですが、まあ原則として私権化をしていく、こういう考え方が原則としてはあるわけですか。そういうものについて基本問題では官行造林なり何なりが行なっていくということについては、こういう権利というものを、固有の権利といいうものを官行造林をやることによって、その固有の権利を公有——市町村的、いわゆる公権化していく、こういう方向にいくのであって、これらについては非常に大きな批判がなされておる。従って官行造林というもの、あるいは分収造林というもの、こういうものに対しての考え方について私権化をはばんで公権化してきたということについての行き方について、やはり反省すべきである、こういうことになっていると思うのですが、そういう考え方から構造政策の一環として家族経営林業を行なっていく上において私権化していった方がいい、こういうことになっておるようですから、従って公団の行なわれるこの分収造林というものが今いいましたように、市町村有林に実質部落有林野は含んでおる、また私有の部落有林についてもこういう公団ということによって市町村なり何なりでやっていくということは、私権化をしていこうという考え方に反しているものでないかというふうに思うのですが。いかがでしょうか。その公有林には実質部落有林は含んでいるのですか、そういうものを含んだ形で今まで通り続けていくということが基本問題の精神に沿っていると御理解ですか。
○政府委員(大澤融君) 御承知のように、答申の中でもいっておったと思うのでありますが、公有林というものは過渡的に二重性格を持っておるというようなことがいわれておりますけれども、そこで財産的な、財産収入的な面があり、あるいはまた地元に住んでいる方々に利用されている面と二つあるということを今のような言葉でいっているのだと思いますけれども、ですから今後私ども考えていく場合には、前者についてはそのまま持っておるならば必ずしも、今の市町村というものの林業経営の適格性というようなものがどうかというような批判もございますので、これはやっぱり林業経営の能力をつけてそういうものはやっていく、しかし後者の方のようなものについては先ほど申し上げたような家族経営林業というような形で生産性も上げ、それをやられる方の所得の増大にも資するというような形でやられていくことだと思います。私必ずしも部落有林の実態を知っておりませんので、そういう抽象的なお答えしかできないのでありますけれども、今言ったような方向で物事は考えていかれるべきだ、こういうふうに思っております。
○北村暢君 私は大澤さんに、あなたは基本問題の対策の推進の本部の長なるがゆえに、私はあなたはまじめに一つ答えていただきたいと思うのですよ。あなたは推進本部で、今一生懸命農林省やろうとしておるその本家の元締めなんだから、あいまいな答弁では、私はあなたの役人の生命だな——政治生命はこっちの方だけれども、役人の生命に関する問題だから、もう少しはっきり答えていただきたいのですがね。で、この了解事項は、私はやはり内容的に改めるのが至当だと思うんだが、どうですか、そこら辺、少し腹割って話したらいい。
○政府委員(大澤融君) まあ、今申し上げたようなことに私の話は尽きるのでありますけれども、御承知のように、今まあ農業基本法が中心になってやられているわけでありまして、並行的に林業の答申はずっと時期的におくれましたので、これをただいま林野庁も中心になって検討を続けておるところでございます。今申したような考え方が答申に盛られているわけでありますけれども、そういうこともいろいろ考えあわせて、今後の林業についての基本対策を見てと、こういうことになろうかと思います。
○北村暢君 私は公有林野の中に、この了解事項の公有林野の中にも実質部落有林野が入っている。それから基本問題調査会の公有林野にも、この対策としての中にも、この実質部落有林野が入っている。解釈は同じ、これは当然のことですね。そういう中で、その五十七万町歩あるわけですから、そういうものについて五十七万町歩あるわけですから、それが対象地になっておる、私権化する方向の。そればかりでなしに、基本問題調査会では実質部落有林野以外の薪炭共用林的な地元施設的な利用のもの、これは実質部落有林野でない一切の市町村有林、そういうものについても、地元と密接な関係のあるものですら、今後の構造政策の上からいって、こういうものも対象にして、その家族経営の林家を作っていくということに、そういうところの用に供すべきである、こういうのが答申ではっきり出ているわけでしょう。それは認めるでしょうね、答申の解釈。私の解釈の違いでないと思うのですけれどもね。どうでしょうか。いや、文章読み上げてもいいですよ、あるのですから、ここに。
○政府委員(大澤融君) 大体そういう趣旨のことがこの答申の中に盛られております。
○北村暢君 そうしますと、どうしても公有林野の縮小を促進するような政策は原則としてとらないということはどうも一致しないのじゃないですか。これは日本語を普通に解釈すればそういうふうになりませんかね、どうでしょう。
○政府委員(大澤融君) 私は先ほど申し上げたような趣旨で、必ずしも等申の線とこれとが矛盾しているとは思いません。
○北村暢君 それじゃ、公有林野の縮小は促進するというのですから、これらの公有林野の中の部落有林野が私権化されるということになれば、これは公有林野は減るということになりませんか。
○政府委員(大澤融君) 市町村が直営してしかるべき林野と、分かれた方がいい林野とがあるわけです。そういう意味で、直営してしかるべきものについては何も縮小する必要がない、経営能力をつけてしっかりやるようにしておけばいい、そういう趣旨に了解いたしますと、答申の線とは矛盾をしていない、こういうふうに考えます。
○北村暢君 それじゃ、この公有林野の中には、実質部落有林野を含んでいると、こうおっしゃっているのだから、そういう答弁をされておるのだから、最初にね。それじゃ、実質部落有林野も縮少するということは、促進するということにならないと——答弁と食い違うでしょう、そういう点は。
○政府委員(山崎斉君) この点につきましては、この参議院におきます委員会の最初の日に、自治大臣並びに農林大臣からも答弁がありましたように、実質部落有林野というようなものにつきましても、それぞれの実態というものに応じて、分解あるいは入会権者等の利用形態という面から最も適合したような、やはり行き方というものを考えていくべきだというふうに、両大臣からお答えいたしました通りでありまして、縮小——いたずらにその公有林というものを、実質部落有林等を形成するというようなふうな意味で、縮小するという方向をとるというのではない。それぞれのやはり実態に応じて考えていくということが、最もスムーズな行き方、適当な方法じゃないかというふうに答申がありました通りであります。
○北村暢君 時間もきたようですからね。どうしてもそういう点で答弁ができないようでしたら、それじゃ解釈から言って、大澤審議官の解釈から言って——いいですか、公有林野のうち、実質部落有林野は縮小するというようなことはしない——公有林野のうちで、直営の公有林野については縮小しない、ただ、実質部落有林野については私権化する方向に向かう、こういうふうに理解していいですか。大澤さんの解釈はそういうふうに解釈しているよ。
○政府委員(大澤融君) 私が申し上げた解釈は、もう先ほどの通りでございます。
○北村暢君 よし、それだけ確認しておけば。あれですね、直営の公有林野は縮小しない、実質部落有林野は私権化する方向にこれはもう原則としていって、ケース・バイ・ケースというのは、分解の程度に応じて共有にすることもあるだろうし、共同にすることもあるだろうし、名前は町村有にしておいて私権化を、権利だけを明確にする、こういう方法もあるだろうし、これは答申の通りですからそういうふうに理解していいですね。
○政府委員(山崎斉君) お話の通り市町村有林野というものにつきまして、特に実質部落有林野というものにつきまして私権化するという、私権化と申しますか、所有権というふうなものにまで及びまして、原則として開放と申しますか、所有権にまでさかのぼってそれをどうこうということを原則としてとっていくという方向でなしに、それぞれの実態に応じてお話のありましたように分解して、個人にほんとうに所有権まで渡すというものもあるかと思いますが、またその入会権というものをほんとうの物権化とするとかというふうな形におきまして考えていくという、それぞれの場合があるというふうに考えたいと思うのであります。
○北村暢君 市町村右名義のものを、具体的にいえばこういうことですよ、市町村有名義のものをこれは公有林野で実質部落有林野というものがある。これは五十七万町歩あるということですね。公有林野のうちで。そういうもののうち、答申は分解の程度によって違うけれども、直営のものは直営のもので公有林として大いにやりなさい、そして実質部落有林野については名義のあるものは答申——こちらの答申の方がまず明確なんですけれども、町有名義のものを個人の名義に書きかえなさい、それが一番の趣旨ですよ、あんた。そういうふうになって出ているんですよ。そういうことでなしになんてあなたは今最初に言ったですね。そういうことじゃないんですよ。趣旨は個人名義にかえなさいというのが基本問題の趣旨であり、部落有林野対策協議会の趣旨なんですよ、あんた。それでできないものは仕方ないから、市町村名義で置いて権利だけは明確にしなさい、今までは代表者で借りておって、だれが借りておったかわからないというような形になっておったものを個人個人の名義ではっきり市町村から借りるというふうに権利を近代化しなさいと、こういっているでしょう、この私の解釈、間違ってないでしょう。
○政府委員(山崎斉君) この部落有林野対策協議会の考え方は将来の最も望ましい姿としては所有権にまでさかのぼって個々に分割するということが望ましいということはお説の通りであります。しかし、実質部落有林というものにつきましてそのいろいろな利用の形態、その他の段階がきわめて複雑多岐であるわけでありますから、その実態に応じてお話のように市町村等の所有権までなくして個々にほとんうに分けてしまうという場合もあるわけでありますし、また個々に市町村の所有名義はそのままにいたしておきまして、その入会権というものをほんとうにはっきりさせた形で物権化すると申しますか、そういう形態もとるとか、いろいろ段階的に弾力的な運用というものをやっていかなきゃいかぬじゃないかという趣旨が全体の思想としてうたわれておるというふうにわれわれは了解しておるのであります。
○北村暢君 私はその第一番目の方がどこに重きがあるとか、どこにそれは五十七万町歩がどういうふうになるかわかりませんよ。個人名義になるものが何千町歩で、それから共有の名義で名前は連ねた、共有の名義での契約なり何なり、いろいろ違うのですよね。共同利用ということでやるというようなものもあるし、共有という形でやるものもあるしいろいろなんですよ。いろいろなんですが、そういうことはこのそういう今までぼうっとしておいた慣行によって権利を明確化していく、その明確化が今までは官行造林——そういう入会権というものを持っているところに官行造林ということで造林をしてしまうというと、その個人の権利というものが抹殺されてしまい、それで公権化ということで個人の権利というものが持っていかれてしまった。そういう意味からいって従来はそういう政策をとってきたのです。ところが、今回はそういう政策ではなしに、そういう入会権利というものは近代化して個人所有というもので明確にしましょう、こういうことなんですからね。そういうことを答申ではいっているのです。それに対して私は答申というものに対しての解釈を聞いておるのです。この答申はそういうふうにあるけれども、大臣のように、答申はちょっときびし過ぎるからというようなことでそれはそうなっているけれども、こっちの方はこうやりたいのだというのは、これは政策の問題ですよ、政策のことを聞いているのじゃないのですよ、私は。答申案にはどうなっていますか。この答申案を推進本部として推進する大澤審議官は一体どのような気持でこの答申というものを理解されているかということを聞いているのです。そこのところを混同しないで下さいよ。だから私の解釈でいいとするならば、今後の論議の上においてこれは政策問題としてどうやるかということについては林野庁はまだ検討中で結論が出ていないはずです。出ていないはずのものが今度公団ということで常行造林なりなんなりに引き継いだような形でもって、一つ結論を出したような形で、しかも基本問題調査会の答申とは相反するような形がとられているから、これは官行造林でも分収造林でもみんなそうです。そういうことが明確に出ているでしょう、分収造林についてはこれは横尾さんの書いた解説の、これは答申案を見ていただければわかるので、二百三十八ページの「分収造林及び官行造林の問題」として、(a)(b)これは答申の中にはっきり出ているのですよ。分収造林だって今までの通り分収造林を進めるということ、官行造林も今までの官行造林をそのまま進めるということについては問題があるといっている。それは私権化というものを公権化していく、私権を剥脱していくような方向に作用をしておったからそれは今回は改めるべきではないか、検討すべき問題じゃないかと言っているのです。そういうことは大臣は何とかこれをごまかそうとかかっているのです。そうして了解事項を合理化しようとか、そういう太いことを考えないで、これは事実は事実として公有林野の縮小を促進するような政策は原則としてとらないことなんという、日本語を知っている者だったらどんな解釈をしてもこの答申の趣旨に少なくとも沿っておらないということだけは言い得るのじゃないかと思います。だからあなたの今の解釈からいえばこの了解事項の公有林野については大澤審議官の解釈のように、これは直営の公有林野のことであって、実質部落有林野は入っていないと理解した方がいいのだ、こういう解釈だから、それならそのような解釈で非常によろしい。そこでそれがそうだというのですから、私はこれを確かめておいて質問を終わりたいと思います。いいですな。それでいいことにしておいて下さい。非常にいい言質をとったので感謝感激しているのですから……。(笑声)
○政府委員(大澤融君) 林野庁長官が言われた意味は答申の中に「部落有林野についての対策」の中に、ちょっと読み上げますが、「分解にあたっては、個別私権化を原則とすべきであろうが、必要に応じて公共的管理の方法をも考えるべきである。」また「必ずしも個別私権として安定したものになってきているといえない。」というような点を言われたのだと思います。
○北村暢君 十分わかっている、そういうことですよ。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、両案については、本日はこの程度にいたします。 次回は、来たる四月二十四日、月曜日午前十時から開会することにいたしまして、本日は散会いたします。 午後五時十一分散会