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38回国会参議院1961/04/20

農林水産委員会 第32号

発言数
201
登壇者
17
会派数
2
開催日
1961/04/20

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  森林開発公団法の一部を改正する法律案(閣法第四五号)及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案(閣法第四六号)いずれも衆議院送付の二案を議題といたします。  まず、両案について参考人のお方から、御意見を承わることにいたします。  この際、参考人の各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は御多忙中のところ、本委員会に参考人として御出席をいただき、厚くお礼を申し上げます。本委員会において、審査中のこの二法案につきまして、各位の忌憚のない御意見を述べていただき、委員会の審査の参考にいたしたいと存じます。  それではまず、参考人各位からお一人十分以内で順次御意見を述べていただきます。参考人の各位に対する委員からの質疑は、参考人の方が全部御意見をお述べになったあとで願います。参考人の方の御発言は、安孫子参考人、岡庭参考人、岡村参考人、清井参考人、田畑参考人の順でお願いいたします。それではまず安孫子参考人にお願いいたします。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 本件につきましては、四月六日に、全国の知事会が開催されました際に、いろいろ問題があるようでございまするので、この問題の討議をいたしまして、一応結論を得ておりますので、それを中心として申し上げたいと思います。全国知事といたしましては、この法案は全般の情勢からいたしまして成立を期待する。しかしながら、これが実施につきまして、また審議の過程におきまして、次の諸条項について十分なる検討をしてもらいたいという結論になっておるわけでございます。  その条項を申し上げますと、水源地域以外の公有林野造成につきましては、造成費の補助、融資を一つ拡大してもらいまして、なおその指導を強化するというようなことで、現在の林野行政の一環として重要なものでございますから、一そう一つ施策の充実をはかってもらいたい。  第二点は、森林開発公団と市町村の分収歩合の問題につきましては、市町村の基本財産造成の趣旨もございまするので、将来とも既定の、従来の分収率を下回らざるよう措置をいたすべきであるというのが第二点でございます。  第三点は、本法の廃止によりまして、林野庁の現地機構の縮小であるとか、あるいは従業員の縮減を来たすことのないように配意をしてもらいたい。  第四点は、本法の廃止によりまして、新たに府県の指導事務費が増加するのではなかろうかと思うのでございますが、府県の現状からいたしまして、新たに増加するであろうところの府県の指導事務費につきまして、国において負担をするようなことを考慮してもらいたい。また市町村との間に、将来にわたって契約を締結されつつある個所があるわけでございます。これが相当問題の要点になろうかと思いますが、この既契約分につきましては、解約をして公団の方に移すという話もございますが、いろいろ実情が違うと思うのでございます。個別的に申しますれば、いろいろな事情から、やはりこの際そういうふうにした方がいいという個所もございましょうし、また市町村の立場におきまして、この契約をそのまま存続して進捗をしてやってもらいたいという個所もあろうと思うのでございます。そこで、この経過措置につきましては、十分当該市町村の意向を尊重いたしまして、遺漏のないようにいたしてもらいたい。一律に申し上げるわけには参らぬかと思いますが、契約でございまするから、一方的破棄に陥るような結論が出ないように、なお、林野庁は相当強力な機構でございますので、地元市町村といたしましても、この点についていろいろと苦慮する面もあろうと思いますが、そういうような負担が市町村にいかないように、十分留意をしてもらいまして、適当な措置を講じてもらいたい。これが第四点でございます。  それから森林開発公団の水源林の造成につきましては、地元の市町村森林組合というものはもとよりでありますが、森林開発公社というものを作っておる府県もございます。そういうものの造林能力の活用と相待って、この事業を進めるようにしてもらいたい、かような措置を講じまするならば、本法の改廃等によりまして、造林の事業が後退することなく、さらに充実をしていくものでなかろうか、かような考えでこの要望の決議をいたしたわけでございます。この点一つ御参考にしていただきまして御審議いただきたいと思います。  この要望をいたしまして、私の意見の陳述を終わります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に、岡庭参考人にお願いいたします。

岡庭正幸長野地方本部執行委員長

○参考人(岡庭正幸君) 岡庭でございます。私どもが本法案に反対する理由は、大別して二つございますが、その一つは、国有林野に働いている労働者に非常に不利益を及ぼすということ、すなわちこれは私たちにとって首切りに通ずるものである、こういうふうに判断をいたしております。いま一つは、市町村の基本財産の造成あるいは国土保全上、幾多の疑問点を持っておるというこの問題点が、今日なお鮮明されていないということでございます。私は特に第一点に重点を置いて、長野営林局の本事業に関連する具体的事実を申し上げて、これを本委員会が現地認識の一助として、今後の御審議を進められるようにお願いを申し上げたい、かように存じます。  長野営林局管内における官行造林地の設置の状況を申し上げますと、関係市町村の数が百ございます。団地数は三百二十四、契約面積は三万六千六百八十四ヘクタール、造林面積は二万八千九百九十ヘクタール、この面積は県単位としては全国最高となっております。関係営林署は、管内二十一営林署のうち上松運輸営林署を除いた二十署でございまして、この平均は約千八百ヘクタールとなります。官行造林関係に就労している職員数を申し上げますと、専門に雇用されている者といたしまして、三十五年度現在で常勤作業員以上、これは月給制でございますが、三十八名、常用作業員、日給制でございますけれども、年間継続されておりますので、ほぼ実態としては月給制と同じような内容になっております、これが十一名、定期作業員、六カ月以上で毎年定期的に雇用される作業員でございます、それが三百九十名、月雇い作業員、一カ月以上雇用されるわけでございますが、常用作業員にまではいかない、そういうことで雇用されている者が百十八名でございます。計五百五十七名で、このほかに国有林の造林あるいは治山事業等とかねて雇用されている者が、定期作業員に二百六十名、月雇い作業員で二百二十名、計四百八十名ございます。全体で約一千名ございますが、このほかに純然たる本来の臨時的なものとして日雇い作業員が相当数ございます。今回の法案によって保育の関係も逐次減少して参りますが、従ってついにはこの人員構成も皆無になるというふうな性格を持っておるわけでございますけれども、当面三十六年度のみを対象として申し上げますと、三十五年度雇用定期作業員のうち、ただいま申し上げました専門の者三百九十名中百五十名が雇用されないかあるいは期間を短縮され、定期作業員としての資格を喪失する。  ここで定期作業員とそれから臨時日雇い作業員、あるいは月雇い作業員の性格の違いを若干申し上げておきますと、定期作業員というのは、六カ月以上一年未満の一定期間に毎年連続反覆雇用される作業員の雇用実態を申し上げるわけでございまして、この人たちは失業保険の対象になりますし、退職手当法の対象に該当するわけでございます。それから月雇い作業員あるいは日雇い作業員は、もちろんそういう該当にならないわけでございまして、一般的に期末手当等の対象も非常に内容が異なって参りますので、労働条件としては、この作業形態の違いが大きな内容の差を持っておるわけでございます。兼務の者でも、先ほど申し上げました国有林造林あるいは治山事業を兼務して雇用されている者でも、二百六十名の定期作業員全員が資格喪失となり、失業保険あるいは退職手当の対象からはずされるということになるわけでございます。現在長野の管内として問題となっておりますおもな現場を申し上げますと、大町営林署の管内の神城苗畑が廃止となりまして、この理由を当局は官行造林法の廃止のためだと言明しております。ここでは八名の定期作業員、男子二名、女子六名でございますが、これが解雇されることになりましたが、これは中央段階、あるいは営林局、営林署を通じて数次にわたる交渉を行なった結果として、かろうじて男子二名については、他に職種がえをするということによって救済されました。しかし、女子六名については適当な配置がえあるいは職種転換も考慮されず、署当局の最終的な案だとして炊事手に配置がえをするという考え方を強行する態度を示して参っております。炊事手というのは何かと申し上げますと、男子作業員と奥地の同一宿舎に寝泊まりして、食事作り、宿舎の管理を受け持つ職種でございまして、二十才前後の結婚期を前にした女子作業員、本大町の苗畑に従事している女子従業員の人たちは、こういう二十才前後の結婚期を前にした人方でございますが、こういう女子作業員のとうてい容認できない案でございまして、実際にはからめ手から解雇を迫っておるにすぎない、こういうふうに判断しております。また、飯田の営林署におきましては、定期作業員百五十名中百八名が三十五年度の雇用期間、四月十日前後から十二月上旬まで、従って実際に八カ月あったわけでございますけれども、三十六年度の雇用としては四月二十五日から十月三十日まで、こういうことでございまして、事実上二カ月程度の雇用期間の短縮であり、これによってかろうじて定期作業員という名目を残しているということでございまして、期末手当の対象外となり、失業保険の対象外の期間を多くし、著しい労働条件の低下を来たさせることになるわけでございます。その原因は、三十六年度新植予定約三百十ヘクタール、延べ人員一万二千人の雇用の減が生ずるためでございます。  この新たに本年度定期作業員として雇用にあたっての特殊現象として、長野の実態として現われておる問題点を若干拾って申し上げますと、まず第一点として、定期的に継続雇用されるこの種の作業員の雇用時の面接、これは実際にはそう厳密に新規雇用というふうな格好での面接なり、あるいは諸調査を行なわなくてもいいはずでありますけれども、今回はこの面接を必要以上にきびしい態度で行なっている。あたかも往時の徴兵検査に匹敵するほど署長以外管理者及び担当区主任、また事業所主任の居並ぶ中に各人ごとに呼び出して、御承知のように山奥で働いている作業員でございますので、なかなか人前に出て応答ができがたい者でありますが、そういう者が、さらに質問も困難な威圧の中で当局側が一方的に定めた労働条件明示の雇用契約書に同意せしめる、こういう格好をとっております。そのために雇用の職場を去っている者が現在続出しております。  次に、二十年余も営々として国有林野事業の第一線で働き、また一家の生計を立て守る支柱となっている一部作業員を、今後の生活のめども与えないままに高齢者というレッテルを張って追放しようとしております。  次には、治療の方法も講ぜず冷酷に人員縮小の具にしている高血圧者対策がございます。高血圧者に対しては、ただ単に現場作業員のみが高血圧者を出しているということではなくて、これは職場に一般的に見られる現象でございまして、定員内あるいはその他の方々にとっては十分治療の措置が講ぜられておるはずでありますのに、ひとり現場の作業員のみが高血圧だからといって職場追放される、こういうような現象が起こっております。しかも、これらの人たちは国有林を追われて、生きるがために民間の今まで以上の不なれな職場に命がけで働いておるのであって、利用するだけ利用して、多少の障害を生ずればちりあくたのごとくに捨て去るのは、これは奴隷制度といって差しつかえない、こういうふうに考えております。  次に、本年度の出来高単価決定についての当局態度についてでございますが、本年度の出来高単価の決定についての現在の当局の態度は、不当に強硬なものがございまして、伐木造材というと、木を伐り倒して造材するわけでございますが、現在この作業にチェンソーを導入しております。このチェンソー導入以来極端に単価切り下げを行なって参りまして、地形、立地条件等による安全性を考慮しないで個人々々の単独作業による労働強化を計画し、非常に険阻な、しかも隣りの人もわからない状態の中で、さらにごうごうとチェンソーのごう音がこだまするという悪環境下でこれを強行しようとしています。また、勝手に予定した昨年の二分の一程度の単価を押しつけて対等な立場に立って協議する賃金決定の原則を無視し、当該作業員の反撃にあって、現在木曾谷九営林署のほとんどの事業所が紛糾の状態にあります。ちなみに王滝営林署の管理者は、面接にあたって、「おれの言うことを聞かないやつは、仕事にくることはまかりならぬ。作業員ぐらいどこに行っても間に合う」と強圧的だし、妻籠営林署の某主任は、現在第二組合の幹部をやっているが、単価交渉の際に「おれの言う単価で気に入らなければみんなやめろ。事業縮小か請負に出す。第二組合にくれば何とかしてやるが、」また単価のきまらない前に「業務命令だ、仕事にかかれ」等不穏当な発言をして事態悪化に拍車をかけておる事実がございます。さらに同じ営林署額付事業所では、伐木造材手十名程度のうちで七名が去る十七日下山して退職の意思表示をいたしております。このことは、単価交渉をかねて行なっておったわけでございますが、単価交渉が今申し上げましたように、一方的に押しつけられるのでうまくいかない。従って仕事につくわけに参りませんので、その点で作業につかないで交渉を続けておりますと、一方的に業務命令だとか、あるいは処分するとかいうようなことを威圧的にかぶせてくる。作業員としては、処分を押しかぶせてくるような職場の中で、これ以上働くわけにいかないということで、退職の意思表示をしたというのが実態であります。一方、国有林造林関係では昨年の七号、十五号台風による風倒木処分跡地の新植地が増大しておるにかかわらず、立木払い下げの受給業者をして請け負わせている事実があります。直営作業員の雇用増は全然計画されていない。むしろ各営林署とも人頭数を縮小しておるのに反して、雇用期間の短縮という現象が出て参っております。しかも請負造林賃金は、昨年秋の地ごしらえでは六十五才以上の女子作業員でさえ七百円を下らない。直営で優秀作業員五百八十円程度と比較すれば、ゆうに二割の高賃が支払われておるというところがあります。この点については、他の面からさらに考えなければならない問題点があろうかと思います。  長野営林局の最近におけるこうした非近代的な姿勢は、単に官行造林のみに関連したものとしてとらえるだけでなくて、全般的な経営合理化への動きをあわせて考察することによって初めて正確な分析ができるものと考えます。昭和主十四年以来全林野のトップをいく地本として、私ども長野地本を徹底的にたたくことが組合に押されがちな態勢の転位をはかることであるし、さらに国有林野事業経営合理化の前提となるのだと、こういう考え方のもとに、同年夏ごろからの林野庁人事を初めとして、全国から組合弾圧経験者を徹底的に長野に集中して、適所に配置して、攻撃をかけて参ったわけでございます。しかしながら、組合側の強靱な抵抗にあって、容易にこれは成功しない、こういう判断のもとに、ついに労使関係における末期的現象といわれている人事権の介入、組合分裂策動、従来の慣行の破棄、優先雇用の協約等、百数十件に上る協約の一方的破棄等、あらゆる方法をもって今日なお弾圧を続けて参っております。特に昨年四月からの人事異動では、第二組合の育成と相待って、全林野の活動家を分散し、精神的圧迫を加えて参りまして、最近における四月一日異動まで実に十九回、五百名余のかつて例のない配置がえを行なっております。当局の不当性の確実な裏づけになるものについては、逐次第三者の救済を求めておりますが、もちろんその判定を待つまでもなく、私どもは組合として常にこの不当性を追及しておるところであります。しかし、今日の長野営林局当局のこの狂気じみた職制権力からの雰囲気は、先ほど申し上げた通り末端、職場の主任に至るまでも異常な精神状態に持ち込んでいるという、こういうことが申し上げられるのではないかと思います。  また、本法案が衆議院通過の報を受けると、長野営林局の造林課長は十日駒ケ根、十一日伊那、十三日諏訪営林署と急遽管内を回りまして、村長あるいは村会議長等をたずねて「衆議院は七日に通ったので、参議院は今週中に通ることは間違いない。そうすればすぐ職員が来て仕事をすることになるので作業員の手配をしてくれ、解約の印鑑を押してもらいたい」ということで参っております。  以上、長野営林局の管内における実態を申し上げたわけでございますが、この中で私どもは官行造林の今回の廃止にあたっては、決して従事する労働者の労働条件を考えてのことではないと、こういうふうなことが断定できるわけでございます。  第二点につきましては、理論的な問題点の取り上げは、先般中央の委員長が衆議院の参考人として申し上げておりますので省略いたして、私どもが直接地元の事情を聴取する中から承知した点を申し上げますと、第一に先ほど申し上げた人員配置と熟練した作業員をもってしても、なおかつ要員不足であるし、うまくいかないというのが実態であるにもかかわらず、どろなわ式に人寄せを行なったとしても満足な仕事は望み得ない、こういうふうに考えております。次には、諸事情から判断して地元市町村が造林実行者とならざるを得ない実情であるにもかかわらず、その態勢がほとんどできていない。また、当該市町村としては、一般的に内容の具体的なものを承知していないため、従来通り官側に依存しているのが事実であります。みずから取り組んでいこうとする積極さに欠けております。官造の多くは奥地林であって、今日までわれわれが非常な苦労をいたして参っておりますが、態勢を持たない大多数の市町村としては、ほとんど着手不可能な状態であり、さらに賃金問題等についても関連して申し上げますと、今日一般的には長野営林局管内としては非常に高騰いたしております。こうした中では、画然とした賃金体系を持つ営林局署への完全雇用によってのみ、この問題が適切に処理されることであって、たとえば木曾谷の南部地区の実態を申し上げますと、造林手の賃金が一般としては五百円程度でありますが、同じ仕事を民間では七百円、八百円という額で雇用しているのが実態であります。かりに公団がどういうふうな査定をして造林経費を出すか存じませんけれども、今日の段階では、少なくも市町村がみずからの経費を計上しなければ造林不可能な状態にある。こういうことが指摘できるのではないかと思います。  以上申し上げたわけでございますが、要約して、私どもは今日出されております法案に反対する理由として、私ども国有林の中に働く労働者の労働条件が極端に損害を受けつつある、こういうこと、不利益をこうむりつつあるということ、それから対象になる地元市町村にとっては、これを受け入れるべき態勢が全然ないということ、こういうふうなことを申し上げまして、反対としての開陳を申し上げるわけでございます。  以上事情をお含みの上、今後の御審議をお願いいたしたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に、岡村参考人にお願いします。どうぞ十分以内にお願いします。

岡村明達政治経済研究所所員

○参考人(岡村明達君) 岡村であります。私は林業問題、山村問題の研究者でありまして、そういう立場から今度の二法案につきまして反対意見を述べたいと思います。  まず、反対の論拠でありますが、第一に、私は現在の林野行政がとっておりまする公有林野政策、特に昨年十二月二十六日に出されました林業基本問題答申の考え方に対しまして、政策論として疑義があるということであります。それから、第二の論拠といたしましては、今度の官行造林廃止の論拠がすこぶるあいまいである。そうして新しい公団造林の性格につきましても、はっきりしない点が多々ある。しかも林野庁自体の考え方も、答申との関係、あるいは自治省との覚書などを見まするというと非常に動揺しているように感じられる。また、公団造林自体につきましても、はたしてどのような契約のもとで事業が行なわれるかという点もはっきりしていない。そういうように林野庁自体の考え方が非常に不明確であって、法案自体が正体不明の法案になっていると申しますか、そういうような性格を持っている。そういう点につきまして疑義があるわけであります。要するに基本問題答申との関係におきましても、あるいは公団造林の内容の点におきましても、本国会に出された限りの原案では、とても国会審議にたえ得る内容を備えていないのではないか。でありますから、私といたしましては、この際林業基本問題答申で示されました公有林野政策の方向に対しまして、林野行政がはたしてそれに対してどういう態度をとるかということを明確にし、また公団造林に移管するとしましても、もっとその性格、その体裁をはっきり整えた上で、十分審議に耐え得るような形のものとして、ここに提案するという形で出面すべきではないかというふうに思うわけであります。  次に、今申し上げました点をさらにこまかく申し上げたいと思いますが、まず第一に、公有林野政策についてであります。実は公有林野に対する戦後の林野行政の姿勢を見てみまするというと、これは戦前と比べまして非常に公有林野を軽視しているといいますか、そういう姿勢が現在までとられてきたんじゃないかと思います。特に官行造林に対しましては、三十一年に法改正がありまして、市町村有地だけではなくて、一般私有林の中の水源林地帯をも対象地に包含するようになったのでありますが、その際にはまだ市町村の優先主義というものがとられておったし、市町村有林につきましては、水源林だけでなく普通林も対象地とされていたのでありますが、この法改正があった翌年の三十二年から、市町村有地の優先主義というものがなくなって、市町村有地の中の普通林地は対象にしなくなった。そうしてこれに水源林造成事業としての性格を持たしていったというふうに変わったわけであります。そうして昨年の十二月末の基本問題答申におきましては、さらにそういった公有林野の軽視の姿勢を進めて公有林の解体の方向を強く打ち出したわけであります。これはあらためて私がここで説明するまでもなく、例の農業におきまする自立農家の林業版である家族経営的林業というものを考えまして、これを育成し拡大するために、公有林野を縮小していく。つまり公有林野を分割してそれを家族経営的林業に持たしていくという方向を出したわけであります。そうしてそれに関連いたしまして、官行造林を公有林野に実施していくのはこの答申の考え方、つまり家族経営的林業に対する分割地を確保するという意味合いにおいて非常に疑問であるというふうに否定的な見解を出したわけであります。このように公有林野の縮小、解体政策というものが答申の中で明確に打ち出されておるし、また、今までの林野行政を見ましても、戦後はそういう方向に向かって進んできておったという点から見まして、今後官行造林がここで廃止になり新たに公団造林という形で再出発するということになった場合には、公有林野にとって、先ほど知事会の決議にありましたようないろいろな疑問点があるわけですが、それが現実の問題となってくるのではないかという疑惑があるわけ外ありまして、私はそういうような公有林野縮小、あるいは解体政策というものは、これは日本の山村の実情を無視しておるだけでなく、林業の発展という見地に立って見ても非常に疑問があるのではないか。むしろ真の公有林野政策というのはそういうものではなくして、公有林野についての土地利用区分をはっきりさせる、あるいは公有林野上の実質部落有地についてはこれを私権と認めて権利を安定化する、農民の権利を安定化するというような方向をとるとか、あるいは残った土地は直営を充実していく。そうしてそれを補強する意味で官行造林をむしろ強化していく、あるいは経営ないし販売の体制を民主化していくというような点に重点を置いた公有林野政策というものが、ここでこの際考えられなければならないのであって、答申のような公有林野政策というものは、非常に山村の経済を破壊するものであるし、また、市町村の財政を破壊するものであるという観点を持っておるわけであります。  そこで、林業基本問題答申が、そういうような、公有林野の破壊政策を打ち出したわけでありますが、それに対する林野庁の態度が、非常に現在の時点で、動揺し、かつ不明確であるということを指摘しなければならないと思うわけであります。  まず、答申が出た十月二十六日以後の段階におきましては、林野当局は、明らかにこの答申の線に従って、公有林野の縮小を進めていくという態度をとっておったわけでありまして、さらに、二月の十七日に、部落有林野についてのまた別の答申が出たわけであります。そのときは、さらにこの公有林野に、基本問題の答申以上に、徹底的な私権説の立場に立ったわけであります。ところが、二月の二十一日になりまして、例の自治省との覚書を結んだ段階に至りますると、これまでの私権説とは全く対立した、自治省の公権説の主張を採用しておる。こういうように、僅々四カ月の間に、林野庁の公有林野に対する考え方が、非常に大きく動いたわけであります。ところが、現在、今もって、衆議院の審議の状況の様子などを聞きまするというと、この両極端の、林業基本問題答申と、それから自治省との覚書の主張との、このいずれの立場に立って今後の公有林野政策をやっていくかという点がさだかでないというふうに考えられるわけであります。  言うまでもなく、入会に関する学説は、昔から、四十数年来、公権説と私権説というものが対立してきたわけでありますが、現在の林野当局のとっている立場を見ますというと、この全く相対立した両極端の学説を、同時にとっているようなふうにも見えますし、その間を右往左往しているようなふうにも見えるわけであります。こういうような状況のもとでは、はたして林野庁が今後公有林野政策をどういう形で展開していくのかという点に、非常な不安が持たれるわけでありまして、かりに林業基本問題答申の線に従って政策を進めていくのだということになるとすれば、先ほど私が申し上げましたように、官行造林が、対象地を、市町村右地から私有地に移行していくと、市町村有地というものは解体するのであるから、そこにはもはや官行造林を実施していかないというような結果が生ずるのではないかという不安も残るわけであります。  そこで、こういった問題についての態度をまず明確にすることが、今度の法案を審議するにあたっての前提になるのではないかと考えるわけであります。  次に、公団造林そのものについての疑問点を若干申し上げたいと思います。  法案の提案説明を見ますというと、従来国が官行造林法に基づいてやってきたと同じ事業を森林開発公団がやるにすぎないということを言っておりまするけれども、この点は非常に問題があることであって、言うまでもなく、現在の官行造林法に規定する事業は、公団がやろうとしている奥地水源林造成事業に限定されないわけであります。市町村有地につきましては、水源林のほかに普通林にも造林できるわけであって、単に引き継ぐというようなものではないということを、はっきりさせなければならないのじゃないかと思います。  それから、現在の官行造林法では、市町村の優先的立場がはっきりしておるわけでありますが、これが今度の公団造林では抜けている。こういう点で提案理由そのものにも非常に疑問が感ぜられるわけであります。  それから、公団造林が考えておりまする費用負担方式に対して、大きな疑問を感ずるわけであります。現在、地方の市町村の間では、官行造林が廃止になって、新たに公団造林というものが生まれるにしても、実情は官行造林と変わらないのじゃないか。公団が同じように全部造林までやってくれるんじゃないかというような考えを持っているところもあるように聞いておりまするが、公団は費用負担方式という全く新しい形式のもとに造林をやるわけであります。ところが、この費用負担方式という造林方法を考えてみますというと、この点は、外国の例はあまり知りませんけれども、たとえばドイツで官行施業方式という形でこういう方式をやっておるわけであります。また、日本でも、パルプの県行造林という形で、岩手県あるいは宮城県でやっております。しかしながら、これらの費用負担方式と、公団が今度やろうとする費用負担方式とは全く質が違うわけであります。たとえばドイツの場合を考えてみますというと、これは、公共団体あるいは教会などが所有する土地について、造林を国にやってもらう、費用は公共団体が出していく、そういう形になっております。つまり造林者が国家である。それから宮城県、岩手県のパルプ県行造林を考えてみますというと、これはパルプ会社、東北パルプ会社でありますが、東北パルプが造林費を出して、県がその委託を受けて造林者になっている、そういう形の費用負担方式の造林なんであります。このいずれの場合を見ましても、国または県が造林者でありまして、今度の公団のように、市町村あるいは森林組合が造林者というものとは質的に違うわけでありまして、現在市町村ないし森林組合の造林能力が非常に問題になっている場合に こういった方式の造林を行なうことは疑問ではないかと思うわけであります。  さらに、この費用負担方式の造林につきましては、公団の責任が非常に不明確である、明確でないというふうに私は考えるわけであります。現在、森林開発公団は、公団法の十八条だったかと思いますが、剣山あるいは熊野川地区の流域で造林事業も行なうというような規定がございますけれども、実際は造林事業をやっておるわけでないし、またその能力もないわけであります。公団が造林能力がないということは、この人員構成から見ても明らかでありますけれども、私は監督能力もないのではないかという気がするわけであります。言うまでもなく、奥地水源林というのは、非常に山奥にあるわけでありまして、簡単に現地に出かけて行って、一々監督するというようなことはできないわけでありまして、かりにその造林地が、非常に造林成績が悪いというような場合に、これが造林者が手を抜いたからそうなったのか、あるいは天然の原因でそうなったのかと、そういう判定はつきがたいと思うわけであります。またそれだけではなくて、公団の責任が明確でないというのは、国有林の特別会計から出資される出資金に対しまして金利がついていないということが非常に大きな特徴であり、かつ公団をして無責任たらしめることになるのではないかと思うわけであります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) もうほとんど倍の時間になりますから、どうぞ簡単に願います。

岡村明達政治経済研究所所員

○参考人(岡村明達君) そういうことで公団の責任が不明確でありますから、造林成績が官行造林に比べて悪化するということは当然考えられると思うわけであります。  それから分岐契約につきまして少し申し上げたいと思います。今度の公団造林の中で造林者につきまして、一〇ないし二〇%の分収歩合を認めるということになっておりますが、それに対して造林者の義務が明確でないわけであります。現在の分収造林特別措置法の模範契約例、これは長官通達で各知事に出されたのでありますが、それを読みますというと、造林者が管理事務費の一部を負担することになっております。それから林道その他公共施設設置に伴う受益者の負担金の一部も造林者が分担することになっております。さらに火災とか天災とか、その他の災害によって再造林が必要になったときに、その費用負担を分収歩合の割合によって出すことになっております。こういった造林者が費用の一部を負担するという義務があるために、造林者の分収歩合があるのだと思うわけでありますが、今度の公団の場合の造林者の義務内容というものは、いまだに明らかにされていないのではないかと思うわけであります。おそらく公団方式によりまして一〇ないし二〇%の造林者の分収歩合というものが現実のものとなるにつきましては、当然造林者に対していろいろな義務が課されると思うのでありますが、これについて明らかにされていないということは、この法案がかりに通過いたしまして現実に問題となった場合に、いろいろ混乱を起こすのではないかと思うわけでありまして、こういった点もあらかじめ明確にした上で審議すべきではないかと考えるわけであります。  それから火災とか天災によって再造林が必要となった場合、その費用をどちらで出すかということも問題になるわけでありまして、こういった点も明確でない。造林事業というのは、すべての契約がそうでありましょうけれども、特に造林事業は、非常に長期にわたる事業でありますから、こういう点を明確にした上で、はたして公団造林が是か非かという審議をするのが順序ではないかと思うのでありますが、そういう点が非常に不明確であるがために、この法案につきまして非常な混乱を生じている一因になっているのではないかと思うわけであります。  実は今度の公団造林につきましては、そのほか分収歩合の問題であるとか、あるいは保安林行政との関係であるとか、いろいろ問題があるわけでございますが、もうすでに時間を超過してしまったわけでありますので、また質疑の際に申し上げることにいたしまして、一応私の陳述を終わりたいと存じます。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に、清井参考人にお願いいたします。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) ただいま問題となっております二つの法律案について意見を申し上げます。  公有林野等官行造林法による造林が大正九年から始められまして、当時放任状態にありました公有林野のうち、約半分に当たる面積を対象といたしまして一定の分収契約に基づいて造林を行ないまして、森林資源の造成と市町村の基本財産保護のために積極的に寄与することを目的として実施されて参っておるわけでございます。三十四年度末現在の数字を見ますと、当初の目標は、大体その造林を終わって目標を達成されたというように数字を拝見いたしたのであります。このようなときに際会いたしまして、その他一般の事情あるいは特別な事情等も勘案いたしまして今回従来やって参ったところの官行造林を廃止いたしまして、水源林造成については、森林開発公団の悪業としてこれを行なわしめたいというのが、二つの法律案の趣旨であるように拝見いたすのでございますが、私はこの二つの法律案の考え方につきまして、次の五つの事項を申し上げて賛成いたしたいと思います。  その五つの事項の第一は、ただいま申し上げました皆さん御承知の通り、すでに公有林野等官行造林法の制定当初の事業目的の面積の造林がほぼ達成されたということでございますし、その上今年度からは、官行造林地につきまして主伐期が到来して参るということでございます。そういうことでございますと、官行造林事業というものが、今まではほとんど造林にのみ、のみというと語弊がございますが、造林が主体でございましたが、今度は伐採をいたすというふうに事業の内容が変化いたして参るというふうに考えるわけでございます。また、それに加えて昭和三十一年に本法の改正によって制度化されましたところの水源林造成事業というものが、本年度からは急速に、かつ計画的に実施することになったということでありますので、このようにいろいろな事情に変化を生じましたようなときでございますので、その変化が生じました時期をとらえて、この際造林事業の実施者である国が他へこの実施者の転換をはかるということを考えるということは、私といたしましては了解できるというふうに考えるのでございます。  それから第二点でございますが、第二点は水源林造成ということが非常に急速かつ計画的に行なわれまして、国土保全を期することが要請されているわけでございますが、これを実施いたしますためには、計画の数字を拝見いたしますと、昭和三十六年度におきまして二万町歩の造林を必要といたします。自後造林面積が、だんだんとふえて参りまして、昭和四十四年では二万八千町歩も造林を必要とするということでございます。こういうものでございますというと、従来の造林あるいは官行造林の実施面積より相当程度造林事業の分量が増大することになると思うのでございます。また一方水源林造成の対象地が、その性質上一団の団地か零細化するということになり、またその団地が分散し、あるいは孤立化するという傾向は、当然避けられないということが想像されるわけであります。従ってこの水源林造成事業の事業分量なり、事業効率なり、事業内容なり、あるいはこれに要する所要経費というようなことを勘案いたしますと、相当事業実施者に負担がかかって参るということが了解されるわけでございます。ところが、国有林本来の事業も相当今後事業量が増大して参るというふうに伺っているのでございまするから、こういうような事情を考えますと、この際、水源林造成事業を、直接国の官行事業から切り離していこうという考え方もうなずけることと考えるわけでございます。  第三に、それでは本来の国有林野事業の力はどうかというふうに考えますというと、木材需給確保のために伐採量がふえ、また、これに必然的に伴うところの造林事業量がふえて参ります等のために、前年度に比較いたしまして国有林野事業全体の規模も相当増大するようでございます。また、それにつけ加えまして、既往の官行造林地の伐採量が本年度は前年度に比較いたしまして大幅に増大することとなるのであります。右のような事情にかんがみますると、事業実施上の負担の多い水源林造成事業を本来の国有林野事業からこの際切り離して行なうという考え方も、私はうなずけることと考えるわけでございます。  第四点といたしましては、今回法律の改正によりまして水源林の造成の事業を行なうこととなる森林開発公団につきましては、これは申すまでもなく、林業関係ではたった一つの公的な機関でございます。また、役所と違う公的機関でございまするので、事業の運営なり、予算の運用の面から申しましても、国が直接事業を実施いたしますことよりは、公団で実施いたしますことの方が、より弾力的に機宜に応じた措置がとり得るものと考えますので、この際、森林開発公団が水源林造成事業を実施することといたすことは適切であると考えます。しかし、この国から公団への切りかえによりまして、関係の市町村や部落または民有林の所有者その他労務関係の人等に対しまして、この切りかえによって将来への不安を与えましたり、あるいは以前とは異なった不当な損失を及ぼしたりすることは絶対に避けるべきだと考えますので、公団がこの事業を実施する上の具体的な事項を定めます上におきましては、この点を慎重に考えなければならないと思います。また、公団自体の組織、機構、職員、その背景となる予算等につきましても、新事業を遺憾なく実施するために必要な万全の措置をとるべきであると思います。さらに、公団に対する林野庁の指導監督もさらに強化する必要があると思いますし、また、公団と地元市町村、森林組合、その他関係者との連絡もさらに緊密化をはかる必要があると思います。  第五に、今回の法律案につきまして、最近における市町村の造林意欲の向上等によるところの市町村の自主的な林業経営に期待する面が大いにあるということでございますが、これとあわせまして分収造林特別措置法の適正な運用をはかるとともに、農林漁業金融公庫から公有林造成面への長期、低利の融資制度の拡充をはかる必要があると考えます。さらにそれに加えまして主伐期に入りました既往の官行造林地の伐採による収入が本年度以降において、国の収益分と当該市町村の収益分と合わせまして毎年四十億以上になるということが数字上出ているのでございますが、かかる膨大な収入を、将来の公有林造林なり、水源林造成の所要経費に対していかなる関係を持たすべきかということも、この際慎重に検討しなければならない問題だと考えます。  以上五点にわたりまして、私の意見を申し上げまして賛成する次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に田畑参考人にお願いいたします。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 私は長野県の伊那市の市会議員の田畑でありますが、参考人に御招集をいただきましたのでまかり出たわけであります。実はこの二法案が春植えの直前の時期に至って突如として提案されまして参って、出先機関等におきまして、これらの説明等もいたしまして準備を急がれたようでございますが、そういう説明等におきまして、一般の契約者団体等が深く法案の内容というものを知らぬ、説明の程度におきましては、これは重大問題だ、こういうことでございまして、特に伊那市におきましては、財産区その他部落におきまして、二十一団体の契約者がございます現状です。それらから反対の意見を付して議会に請願がございましたし、それからまた、全林野労働組合の伊那営林署支部の関係におきましても、反対の請願が出て参ったわけでございます。いずれにいたしましても指摘いたします不安点は一致をいたしておりまして、労働組合等におきましても、大正九年以来の市町村の財産基盤の点におきまして貢献している問題等もくずれるのではないかということを指摘すると同時に、労務関係におきましても、非常な不安定を与えるのではないかといわれているその通りに、契約団体等におきましても、考えて参っておりまするので、市会におきましてもこの点、重大でありますので、十分検討を加えました結果、この案の成立に対しましては反対を申し上げざるを得ないということにおきまして、反対の決議を三月十日にいたした次第でございます。従来の官行造林事業におきまして植栽育成いたして参って歴史が四十年を重ねました。そうしてここにいよいよ収穫の時期になって参って、非常にこの契約団体はその効果の偉大なることを喜んでおったやさきでございますので、特に先ほど申し上げます通りこの二法案が出たことは非常な不安を感じた、こういうことになるわけでございます。  また一方、私どもの考えておりまする一番の心配点は、経済問題ももちろんであります。市町村の財源問題ももちろんでございますが、一番憂慮される問題は、着々と進めてきて、その効果を上げて参ったこの官行造林の事業が、国土保全の上から見ましても、すでにその実績を上げて参っているここで、公団に移管されまして、いろいろ経済上の分収問題、そういう問題にも不明確な点がございますし、また二者契約にいたしましても、三者契約にいたしましても、その公団が造林費の支給と申しますか、交付等におきましても、一応一町歩当たりの植裁費というものにある限定があるであろうということになると、これらの問題をカバーしていかなければならぬ、こういう問題になって参りますので、従ってその結果は、簡単に申し上げますと、この公団造林が官行造林に比して成果をおさめないであろうという幾多の理由を検討をいたしたわけでございます。  さようにいたしまして、この問題がうまく参らないという見通しを前提といたしますならば、国土の治山治水という問題も順次くずれて参る。もちろん荒廃地の復旧事業等も並行するので、そういう局部的の問題はほかの面でやられるでありましょうけれども、広い植裁をしていく面からいきますと、国土保全がくずれるであろう、こういうことを非常に憂慮するわけであります。だからこれは私から申し上げましては釈迦に説法でございますけれども、私どもは一応まあこんなところで申し上げては観光宣伝になりますが、伊那節の発祥地であります権兵衛峠を越して、木曾へ入ってみるというと、相当な雨降りでも川は濁っておらぬ、上伊那の方へ出て参りますと川は濁るということで、山に木がありますれば治山の面では今申し上げました現象におきまし推察ができるわけでありますので、そういう観点からこれを官行造林の、今までのやって参った実績から非常に信頼をいたしておりまするので、この方法でやっていっていただくと同時に、さらにこの官行造林を強化をいたしまして今後やっていってもらいたいということを念願をいたすわけであります。一朝台風等において洪水が出ますれば国におきましても御承知の通り百億から百五十億は一ぺんに飛んでしまうのでありまするので、十億程度のことで、あとは追加すると書いてありますが、そこらのことでなく、これは十分に国でしょい込んで今までのものを強化してやっていってもらうことが安心である、こういうふうに実際問題として痛感をいたしておるわけであります。  それから時間が長くなりましては申しわけありませんので、あとでまた御質問にお答え申し上げるといたしまして、伊那市の実態は、現在二千町歩の契約を持っておるわけであります。そのうち千三百町歩が植栽をして、先ほど申し上げました通り収穫に入ったものもあって非常に喜んでおるわけであります。あと七百町歩につきましては、三百町歩を最近に植えまして、あと四百町歩というものがまだ未植栽地である、それからさらに契約外に今後ぜひ契約を遂行をしてもらいたいというものが三百五十町歩ほどあるわけであります。こういう未植栽の四百町歩、今後希望しておるところの三百五十町歩というものが、ここで公団になりますれば、公団になるという、さきに述べました不安の中でどうなるかということを一番心配しておるわけでありまするので、そういう関係者は非常に動揺をいたしております。さようにいたしましてごく最近の現在といたしましては、そういう不安の中で本年度の春植えというものがこの未植栽の四百町歩というようなものに関連をいたしますと思いますが、私はその面接の当事者でありませんので知りませんが、苗等が用意したものが宙に迷っておるやに聞いておるわけであります。これらの問題がすでにそういうことで猶余期間等も置かずにやって参ったというきょう今日表われた現象であろう、最近そういうふうに思っておるわけであります。  まことに簡単でありまするけれども趣旨はそういうことで、反対の決議をいたしましたことと加えまして私の意見の開陳等をいたしました。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 以上で参考人の方の発言は全部終わりました。ただいまの参考人各位の御意見に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 田畑さんにちょっと引き続いてお伺いしますが、本年の春植えの予定であった四百町歩、これは現在どういうことになっておりますか。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) ただいまの御質問の四百町歩は、契約したる面積でありまして、今度の法案によりますと、任意解約というか、合意解約という地点になろうと思うわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういうことをお聞きしているのじゃなしに、まだ法案が通っておらぬわけですから、従ってこれは従来の契約が生きているわけですし、従来の契約が続いているわけです。だから法案が通っても、あなたの方で解約をするのをいやだと言えば、従来通り植える、こういうふうに国会審議の過程ではなってきているわけです。だからそこら辺のことをお聞きしているのじゃなしに、あなたの方の春植えといいますと、いつまでにこれはやらなければならぬのか、その点をお知りでしたら明らかにしてほしいし、そうしてその春植えの予定があった四百町歩というものが、現在は全然営林署の方で手をつけておらぬのかどうか。本来ならば法律ができておらぬわけですから、植えなければいかぬわけなんですね。だからその現状がどうなっているかということを説明して下さい。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 先ほどの四百町歩の問題に対して申し上げたつもりでありますが、四百町歩の部分の苗木であろうとこう思う、こう申し上げたわけであります。従いましてこの四百町歩が未植栽だから、これに本年春植えを全部するということではないと思います。これはもちろん営林署あるいは土地所有者等の計画によりまして、まだ未植栽地が四百町歩残っているから、それも至急植栽しなければならぬ、必ず春植えとは限っておりませんが、至急やらなければならないという四百町歩であります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 その点わかりましたが、そうすると春植えだけの意味ではないようですが、ともかく春植えということを伊那ではやっておらぬわけですね。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 春植えは現在のところ、私は先ほど申し上げた通りその当事者でありませんから、市役所の農林課等でいろいろ情報を聞くわけなんですが、そういう部分が何ともまだ判明をしておらない。もちろん、先ほどおっしゃるように法案が通っておらないから以前通りだと、こういうことですが、通るものとの前提の上に立って話等も考えておられるようでありますから、そういう点に少し行き悩みというか、問題が起きているようだと聞いているわけであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 はっきりわからぬようですが、むしろ岡庭さんの方がわかっておられたら、その点をちょっと、伊那市だけじゃなしに、ほかの部分についてもわかっておられたら説明してほしいのです。

岡庭正幸長野地方本部執行委員長

○参考人(岡庭正幸君) 逐一、詳細にわたっての理解をいたしておりませんけれども、たとえば先ほど申し上げました大町営林署の神城苗畑等におきましては、当然春殖えとして準備している苗木が、そのまま何ら手をつけられないで仮植の状態で置かれている。御承知のように苗が仮植の状態でいつまでも置けるというものではないのでございまして、気候が暖かくなって参りますると枯死してしまう、こういうふうな状態になって参るわけでございます。従ってそういうことが各所に行なわれている、伊那でもそうでありますし、飯田においても、もちろん前年度からそういう準備はなされているわけでございまして、主として秋植えの方が多いようでございますけれども、しかしすでにもう地ごしらえ等が完了して、直ちに植えなければ、もうすでに植えていなければならない地域もございまして、相当今日の段階では問題を持っていることは事実でございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 これはどうでしょうか、国会審議の過程では、予算を流用をして、そうして従来通りの官造をやれると、こういうことに審議の過程で明らかになっているのですが、で、明らかになれば当然そういう今おっしゃったような事態を解消するように林野庁から各末端の方に指示がいくべきものなんですが、それはそういう指示がいっていないのですかな、どうなんでしょう。

岡庭正幸長野地方本部執行委員長

○参考人(岡庭正幸君) 指示がいっているのかいっていないのかということについては存じませんけれども、現在私どもが判断するところでは、先ほども申し上げましたが、営林局の造林課長がみずから各町村を回って歩きまして、もう法案が通るのだから、そのための準備をしてくれというようなことを説得して歩いております。従って営林局の段階では、どういう連絡があろうと、今日、今まで通り造林を実行するというふうな考え方はないのではないだろうか、またそういう事実はない、こういうふうなことを申し上げられると思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 この問題はこれでいいです、ほかの問題はまだあるのですが。

北村暢日本社会党

○北村暢君 関連して。今の指示がいったかいかないかそれはわかりませんけれども、現実の問題として、伊那市等においては、例年であれば、もう今ごろ植栽をやっておるわけでしょう。ところが植栽が、植付が延びておることだけは事実なんじゃないですか。その点はどうなんですか。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 全面的に、この官行造林に契約地が全面的に延びているというふうではきっとないと思いますけれども、たとえば未栽植分が四百町歩あれば百町歩は営林署の計画によって植えるということになって、営林署自体が植えているかもしれませんが、そのほか百五十町歩予定しておって五十町歩がまたどちらとも何かできないというようなことにあるように聞いております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私の聞いておるのは、四百町歩の既契約分の面積がありまして、そのうちことしは何町歩やるか毎年計画を立ててやっておるわけですよ。四百町歩全部植えるとか植えないとかということは計画によってやっておるのですから、今後二年かかるか三年かかるか、かかるわけですね。そのうち毎年計画によってやっておればこの春植えに、植える時期というものがあるわけですからね、一番植えるのに適切な時期というものがあるのだから、いつもならばもうそろそろ植えていなければならない時期である。ところが、ことしはまだ植えてない。苗が宙に浮いているというのは、苗木はそこのところまでいっているらしいけれども、その植えるべき苗がまだ植えられていない。これだけは事実なんじゃないですか。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) その点は、量においてはよく判明しませんけれども、農林課等でそういう調査をいたした結果がそういうことになっております。それから植栽の適季でありますけれども、植栽の適季は、非常に海抜の高いところでありますので、まだ相当おくれても海抜の高いところならば差しつかえない、苗をそこのところまで持っていっておきさえすれば差しつかえない、こういうことであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 いろいろほかにも御質問があるようですから、きわめて簡単に私要点だけ申し上げますが、安孫子さんに一つお尋ねしますがね。あなたの方で六点ばかり問題点をおあげになったわけですが、おのおの私たち非常に地元の知事として了承できるわけなんです、その問題点は。ところで、そういうことになりますと、そういう問題点があなたの御意見等の中に入っていたわけですが、そのようにすっきりした形で解決されなければ、結局この法律には反対ということに結論としてはなるわけですね。そこら辺どうなんです。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) この四月六日のわれわれが要望いたしました事項については、一つはまあ経過措置についての要望と、今後の公有林野の造成の活発化という問題と、二つあるわけでございますが、経過措置につきましては、承るところによると、おおむね既契約は尊重していくと、既契約分はそのままやるのだと、ただ合意解約のできるものについてはまあそういう方向をとると、こういうふうに言明があったと、こう承知をしておるわけです。  それから補助造林あるいは融資造林の強化、あるいは府県の指導専務費の問題、またこれを実際にやる場合の森林開発公社等の活用と、こういう問題については現実にやる場合の問題でございますので、これは並行的に考えてもらっていいじゃないか。  それから従業員の問題についてもこれは縮小をしないという言明を得ておると私は聞いておるわけです。  分収歩合の問題については、五分を下回らぬというふうに聞いておりますので、そうした方向で参りますれば、この改訂方策というものが、いろいろ議論はありましょうけれども、やはり現在の国有林の状況、あるいはまた今後水源林の造成を大いにやらにゃならぬと、また市町村もこういう公有林野の造成をみずからの力においてやるという意欲等も相当盛り上がっている部面もありまするので、そういうものも総体的に考えますればこの法案を、まあいろいろ御審議を願うにいたしましても、基本的には賛成をしていいじゃないか、こういう考え方をしておるわけなんです。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 まあ議論にわたることはよしますが、まあ知事としていろいろ経過措置なり、あるいは人員なり機構の問題について聞いておる点があるとおっしゃるわけだが、一方ではあなたがお聞きになっておるように、必ずしもこうならぬのではないかというふうな具体的な動きも出ておるから、やっぱり問題になるのじゃないか。だから、従ってまああなたの条件付き賛成ということの条件というものがちょっと未確定なんでして、これは知事としても、聞いておるという程度じゃなしに、大事な問題ですから、もう少しやっぱりはっきり念を押してもらいたいと思います。  で、一つお聞きしたいのは、山形県で従来の官行造林に対して市町村の皆さんがどういう感じをもって見ておるかという点ですね、大まかに。私たちとしては、これはまあ決して市町村の、実際に造林能力等が出て、そうして自発的にやるというふうなことが、実際にこう盛り上がっておるなら何もそれを否定するつもりはない。ただしかし、実際の事情は、それはそういうところもあるかもしれぬが、ともかく従来の官行造林というものはよくやってもらったということで感謝の気持なんですね、やっぱり。あるのですよ。安心しておる。ただ政府が法案を出そうということになると、また違った気分というものは働く。それはまた別として、こういう法案が出るまでは、官行造林に対してそんなに私たち批判を聞いたことはないし、皆喜こんでおる。そういうふうに思うておるわけなんですが、そこら辺の実際の山村の人の気持ですね、参考人にお聞きしたい。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 官行造林につきましては、地元関係市町村は非常に感謝をしているわけです。従って、積極的にこの制度をどうこうしてもらいたいものだというような考え方はないだろうと思うのです。それから、現在公有林野その他についての方策が打ち出されてきた。その際に、私も、きのう、おとといほかの用事で、特に山形県の官行造林の多い地帯に参ったんですが、関係者が参りまして、この経過措置については一つぜひ何とか考えてもらうように知事の方でも考慮してもらいたい。というのは、既契約分をやはり続行してやってもらいたい、こういう気分は、これは大体一致しておるようです。ただ既契約分でなく、今度新規のものをやるについては、やはり国の方針にのっとって、十分検討して自分たちはやって参りたい、こういうのが大体の実情だと思うのですね、私の県では。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 それじゃ清井さんに一点だけお聞きしますが、清井さんは、例の林業の基本問題の審議に参加されたはずですね。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 私は林業の基本問題に参加いたしませんでございました。私ども臨時委員でございましたけれども、水産の方には参加いたしましたが、林業の方には参加いたしませんでした。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 じゃ、これは質問はやめときます。

重政庸徳自由民主党

○重政庸徳君 ちょっと簡単に田畑さんに御質問いたしたいのですが、要約すると、あなたの御意見は、官行造林は非常に喜んで工合よくいっておった。今度は公団でやるというと、それに不安がある、どこということはないが、新しいものだからというような反対、結論的にいえば、というような反対意見だったろうと思いますが、そうですか。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 要点は、まあ一言にして御質問の通りであります。

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 岡庭参考人にお聞きしますけれども、先ほどあなたの反対事由が二つあるわけだが、その中の一つは、要するに市町村の造林能力というものにつきましても、非常に不安があるということがあげられたように思うわけですが、長野県一円につきまして、明らかに不安があるということを確認されるような当たり方をされてみた上の、そういう反対事由の一つとなって、それが取り上げてあるかどうかということが一つですね。  それから、現在国有林野事業に従事しておる職員並びに労務者の労働条件が現実的に低下されると、こういう問題を私ども聞かされておるわけなんですが、先ほど来の御意見の中には、造林以外の一般職種の問題につきましてもだいぶございましたが、それを取りはずして、当面の問題になる官行造林事業に従事しておる職員定期あるいは定常勤常傭、こういう人たちのいわゆる労働条件の低下についての不安というものが、現実の問題としてどういう姿で起きておるか、これを一つ具体的に伺っておきたいと思います。この二点について。

岡庭正幸長野地方本部執行委員長

○参考人(岡庭正幸君) 第一点の問題については、私ども全県下に組織を持っておりますので、つぶさに関係市町村に参っております。そうしてその中で言えることは、先ほど田畑参考人がおっしゃられたように、ばく然とした将来の不安ということもありましょうけれども、そういうことでなしに、公団移管によっての実際上の運営、それからさらに、かりに造林実行者が地元市町村になった場合の能力の問題、それから現に、多くは奥地林に官行造林地を持っているわけでありますが、これがもし同じような条件で将来も行なわれるということになれば、奥地林であったということによって、従来各市町村がみずから造林を行ない得ない状態にあったわけでありまして、そういう点で再びどうにもならない段階が来る。また労務需給の関係から今日判断いたしましても、各市町村ともそういった余剰労働力の持ち合わせがない、こういうふうなことが、実態としてあるわけでございます。従って私どもは、ただ単に臆測で各市町村の現実としてある、この実行不可能な実態を申し上げているわけじゃなくて、あくまでも現実に実際に当たってその現地の実情を調査した中から申し上げておるわけでございます。  それから第二点の労働条件の低下について、一般的なところがはさまれておる、こういうふうなお話でございましたが、たとえば今回の雇用の問題等が、長野営林局管内には、相当問題点として発生しております。そのことは、どういう形態になっているかというと、全般的な雇用の格好での争点として出ている、これは確かにその通り大多数がこういうことでありますけれども、しかし、官行造林を廃止するというと、各営林署にも大なり小なり影響があるわけでございまして、そのことによるしわ寄せというものが、あるいは職種の変更なり、あるいは老年者の首切りなり、あるいは積極的な首切りなりが意図されておる、こういうふうに判断されるわけでございまして、私どもとして、実はこういう問題が惹起されるや、いち早く全般的なそういう立場も含めつつ、失業反対の闘争を組んだわけでございます。といいましても、これは私どもの当面している実情を全県下に訴えて参りまして、県民の御賛同を得て署名運動を行なったわけでございますが、官行造林、それから一般的な失業反対の署名運動が、今日ではおおむね七十五万に達しております。そういう事実を見ましても、いかに私どもの段階で労使関係がきびしい状態であり、さらに失業というものが現実にひしひしと迫っている問題であるかということを県民各位に了承していただいた、絶大な支持をしていただいている、こういうふうに理解しておるわけでございます。そういう事実を一つおくみ取り願って御審議をお願いいたしたいと思います。

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 それで実際におわかりになっておるだろうと思うから、お聞きしたわけですが、ただ水源林造成というところに、今までのというか、特に昨今の官行造林事業の焦点が向いておりますが、従っておおむね奥山だということは承知をいたしておるわけです。ところで、その町村に当たられまして、自分たちが造林者となって造林をやれといったって、とても私たちはそれをやる元気もないし、能力もない、こういうことなんですが、そこでおおむね造林労務者として季節的に雇用する人々は、大体その付近の町村の人なんです。従って国有林野事業がやっても、一本々々木を植える人は、その市町村の人なんです。国有林野事業がやられれば、そういう人は頼めるけれども、われわれがやったんじゃ頼めないということがあるから、もうあるいはあれやこれやの問題を含めて、とってもそんなことはわれわれはやる気もしないし、やる元気もない、従ってやる能力もないのだ、こういうことを端的にお当たりになった市町村の人が言っているのか、そういう実情ですよ、お聞きしているのは。

岡庭正幸長野地方本部執行委員長

○参考人(岡庭正幸君) 先ほど私申し上げましたが、いろいろな事情があるわけでございます。もちろん、ただ単に一時的現象でその適期といいますか、四月なら四月の一時期を画して植林だけに従事するということであるならば、今日大半の営林署ではそういう格好で実施しております。しかし官行造林と同じように、将来継続的にこれを主としていくということであれば、これはただ単に一時的な現象だけをとらえて、雇用が安全だということにはならないと思うのです。そういう意味から考えまして、現在の労務需給の関係をつぶさに検討すれば、各市町村ともそういう隘路があるということは現実でございます。

石谷憲男自由民主党

○石谷憲男君 市町村であるから隘路になって、国有林野だから隘路にならぬということはおかしいと私は思う。そこで田畑さんにお伺いしますが、ただいま伊那市会で決議をされまして、ということは、私ども決議文をちょうだいいたしておりますからよく知っておりますが、官行造林事業というものは、やっぱり四十年の歴史を持って、最近主伐期に入って、相当大きなものを市町村にもたらそうという意味で、その限りにおいてもこの仕事が支持されておるということはよくお話でわかったのですが、それではかりにこれを公団造林で同じようなものを続行すると、こういうふうになりました場合に、まあほとんどの場合はやはり土地所有者である市町村が造林者になるというのが、これはまあ一般である。そういうことでなければ、なかなか、かりにこの法律が通って、新しい制度でやろうとしても、実際問題として先行きいかぬと思う。そういう問題で、かりに田畑さんお住まいの伊那の場合は、いわゆる従来は国でやってもらったのだが、それにとってかわって自分たちが自主的にやっていく、造林事業をやっていく、将来の森林計画の衝に当たっていくということは、今の伊那市の現状からいうと、無理でしょうかね、どうですかね。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 実はその問題に対して不安があるわけです。理屈では、今まで営林署でやっていた作業員を団体に置きかえればそれでいいだろう、こういうふうに一応考えます。先ほど来、こちらでお話がありましたように、労働者の状況が非常にそういう重労働をきらうような事態がきて、そして若い者がもうどんどん中小企業に流れていくという現象のやさきでありますので、その置きかえをしたときに、そっくりその通りに置きかえられるかということに一大不安がありますので、そういう点がまさに置きかえられさえすれば、そういう点はいいように思います。非常にその点に不安があるということを、だれしもが言っております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 清井さんにたった一つお伺いしますが、先ほど、これから伐採期に入ったら収入が大体四十億ある。この四十億の使い方について考えなければいかぬと、こうおっしゃって、それをどういうふうに使うんだかということははっきりしておりませんね。だから考え方によりますと、こういうことになるのじゃないですか。切った木の、今まで金をかけない木の代金が相当町村に入るから、それを使って自分の造林をやった方がいいのじゃないか、こういう考え方がその中に盛り込んであるのじゃないですか。その点がどうもはっきりしておりません。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 御質問の点、私は数字はいただいた資料を拝見して、こういう膨大な数字になるかなと思った程度でございますので、資料による数字でございますが、三十六年度以降毎年相当な収入が上がる。たしか官民合わせて四十億か何かの数字だということであります。まあ、半分半分にいたしましても、国が二十億、市町村が二十億ということになるわけでありますが、国の方の収入についてどう使うかということは、これは私自身として申し上げるべき限界を越えるわけでございますけれども、ただ法案を拝見いたしますと、十億の出資を森林開発公団にいたすということであります。今後森林開発公団で水源林の造成をさらに拡大してやっていこうと思えば、相当膨大な資金が必要でございます。また、相当この公団の事業実施について御批判があるわけでございます。そういった場合につきましても、相当の資金をやはり公団として持っておりませんと、新しく実施する事業がうまくいかないだろうと思います。従って官行造林による主伐の国の収入という分は、この水源林造成のための公団に必要な資金というものと密接な関係を持たしていく方が、せっかく公団が水源林造成をやるならば、こういう点で密接な関係を持った方がいいのじゃないかという感じを持っているわけでそう申し上げたわけであります。一方、民間の資金でございますが、これはたまたま官行造林をしている町村でございますれば、伐採した跡地に植える場合において、今度は自主的に、相当市町村の自主的ないわゆる造林を大いに促進したいという御趣旨のようでございます。そうなりますれば、その資金を元として自分で造林をされるということもけっこうでございます。あるいは分収造林という問題もございます。要するに、この資金について当該市町村としてお使いになる道は相当あるだろう。やはり問題は、全部というわけにはいきませんけれども、この収入によって上がった相当の部分は、やはり林業に還元するというふうに考えられたらいいのじゃないかという感じを持って私は申し上げた次第であります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。  それではこれでしばらく休憩し、午後は一時半から再開することにいたします。    午後零時十九分休憩    ――――・――――    午後一時三十八分開会

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。  午前に引き続いて森林開発公団法の一部を改正する法律案、(閣法第四五号)及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案(閣法第四六号)のいずれも衆議院送付を議題とし、両案についての参考人の御意見に対する質疑を続行いたします。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 安孫子さんにちょっとお尋ねいたしますけれども、午前にお述べになったところによりますと、知事会においてのこれに対する要望、いろいろ六点ばかりございましたが、大体それは満足すべき状態においてこれが施行になるようだ、こういうお話でございました。  そこで、それに関連してお尋ねいたしますが、知出会では、この従来のやり方に比較して、今度の公団によるやり方が関係者に不利にならないようにということを要望されておられたのですけれども、実は自治省の行政局長と林野庁長官の了解事項というものがあります。御存じだと思いますけれども、この了解事項を見ますと、「市町村の土地所有者としての分収割合は五〇%を標準とすること」こういうことが書いてあります。そうしますと、「分収割合は五〇%を標準とすること」と、こうなっておりますと、これは五〇%を下ることもあるわけなんです。そういうことになると従来より不利になる、こういうことになるわけですけれども、こういう点はどういうふうにお考えになっておりますか、お尋ねしたいと思います。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) この点は五〇%を下らないようにぜひやってもらいたい、こういう知事会としては要望をいたしておるわけでございます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 そこで、先ほど、そういうふうにいろいろ要望された、要望した点は大体実現するように了解したと、こういうふうにおっしゃったように思うのですけれども、下らないようにしてくれと、こう要望されたとおっしゃいますけれども、この了解事項では、「五〇%を標準とすること」と、こういうことになっておりまして、しかもこの了解事項は、これを取り消すとか、変えるということをしないというふうに林野庁の長官は言っておられるのですけれども、その点からいたしますと、今、安孫子さんがおっしゃったようなふうにはならないように思うのですが、どういうふうにお考えになっておりますか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) まあ御見解でありますが、私どもといたしましては、従来の分を下回らないように、一方そういう自治省との間の約束がある。そうすると、その点は不安じゃないか、知事側としてはどう考えるかというような御質問になるわけでございますが、私どもといたしましては、市町村の現状また財産造成という観点から、ぜひ、これは法案に出て参りますかどうか承知いたしておりませんが、運用の面等におきまして、従来の分収歩合を下回ることのないように十分一つお考えを願いたい、こういうことをお願いするよりはかなかろうかと、こう思います。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 それからもう一つは、やはり従来より不利にいろいろならないようにという建前からいたしますと、やはり同様にこの了解事項には、「水源かん養のための造林に限定し将来とも他の公有林野へ拡大しないものとすること」、これは開発公団が今後行なう分については、こういうことが書いてあるのですけれども、こういうことになりますと、従来のやっておったものに比較して、非常にやっぱり不利になるのではないかと思うのですけれども、この点はどういうふうにお考えになっておりますか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) この審議の過程にもちろん私ども参加しておるわけでございませんので、大綱について私どもはさように承知をしておるのでございまするが、今一々の問題につきましてその点の念押しの意味の御質問であるわけですけれども、この点はまだ十分検討はいたしておりません。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 もう一つお尋ねいたしますが、山形県議会では、三月二十七日、県議会で決議をされまして、この官行造林事業の公団移管については反対である、「従来どおり、公有林野等常行造林法により実施することを要望する。」という意見書を内閣総理大臣、農林大臣宛てに提出されておるわけでありますが、民選知事として安孫子さんは、この山形県議会の決議に対してどういうふうにお考えになりますか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 県議会において、さような決議をいたしたことは、私もあとで承知をいたしました。この点については、この法案の内容等について、いろいろとまた私の考えも話をいたしまして、この点について同調するように今後努力いたしたい、かように考えております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 しかし、こういうふうに強力に決議をされておるのですけれども、安孫子さんがお話になって、簡単に同調する見通しがあるのですか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 同調するか、どうかはわかりませんです。ただ私の考えといたしましては、全国の知事の大体意向というものを、前に申し上げましたように、この問題について意見の統一をいたしまして、それが先ほど申し上げたような結論になっておるのでございまして、この間、自分の県についての調整につきましては、なお今後努力をしていかなくちゃならぬ、かように思っております。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 知事会議の決議もございますけれども、その決議は、元ほどちょっと一、二指摘しましたように、大体安孫子さんはその決議の趣旨に沿って法律が運用される見通しだと、こうおっしゃったのですけれども、ただ、例をあげたように、必ずしもそうなっておらない。さらに県議会がこういうふうに決議をした、こういう情勢では、私は民選知事としては、むしろ知事会議の決議というよりも、この県議会の決議を尊重して、これを説得するのでなくて、この決議を取り上げて、むしろこの法案が通過しないようにやられるのが、民選知事の立場でないかと思うのですけれども、いかがでございますか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 御意見十分一つ承っておきます。

小林孝平日本社会党

○小林孝平君 ちょっとその御返答がむずかしいかと思いますけれども、ただ承っておくばかりでは、ちょっと困るのじゃないかと思うのです。私はこの機会に、民選知事を長い間おやりになっておりますから、知事の心がまえというものを聞かしていただければ非常に幸せだと思うのです。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) そういう考え方もございましょうし、また事案につきまして、より深く掘り下げて検討をいたしまして、そうしてまたお互いの考え方を持ち合うということも一つの方法だろうかと思うのです。絶対にこうした決議があれば、それに全部従わなくちゃならぬ、これが民選知事の義務であるというふうに、私固くは本件について考えておりません。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 岡村さんにお尋ねいたしますが、先ほど費用負担方式の説明の中で、ドイツの例、宮城、岩手のパルプ植栽に関する例をあげられまして、その中で公団のとっておる費用負担方式と、例示したものの中の負担方式では、質的に異なる、こういう御説明があったわけでございますが、あなたの考え方としては、どういう方法が一番森林開発の建前上理想的であるか、お尋ねしたいと思います。

岡村明達政治経済研究所所員

○参考人(岡村明達君) 私が先ほど、公団の費用負担方式があまり類例がないと申し上げましたのは、造林者の性格の問題に関連して申し上げたのであります。今のドイツの官行施業主義の場合、それから東北パルプがやっております、岩手県と宮城県の県行造林の場合は、造林者が国もしくは県であるということなんであります。これで実はこの水源林造成事業につきまして今まで林野庁がとられた態度は、この水源林のような奥地の造林のような場合には、単に植付費、植栽費だけを国が支出する、そしてあとの保育なり保護なりを土地所有者にまかせるという形では生育に対して自信が持てない、つまり土地所有者が技術上、また森林経営上そういう最後までめんどうをみていく能力がないのじゃないか、でありますからこれについては国あるいは県のような技術陣を豊富にそろえたところで最後までめんどうをみていくということがいいだろうということで、実は昭和三十二年まで公共事業の国の負担で水源林造成補助事業というものがあったのでありますが、それをやめて官行造林事業に吸収してやってきたわけであります。その際に林野庁の説明としては、この水源林造成事業という、つまり土地所有者に新穂費を全額補助してやらせるというやり方を本来ならば県行造林の形で切りかえていくのが好ましい、しかし、県の財政状態からいって、それが現実問題としてできないからして、官行造林でやっていくのだ、そういう説明であったわけであります。私はそういう考え方が現在の市町村、あるいは民間の私有地の水源林造成事業の場合にも妥当な考え方じゃないかと思っております。と申しますのは、たとえば市町村を例にとってみますというと、これは農林省の統計調査部の調査でありますが、現在の市町村で山林の管理機構を備えているのは三〇%足らずで、あとの七〇%は何らの技術者もかかえていない、管理機構を持っていないわけであります。そういったような実情のところへもってきて、公団の費用負担方式で、ただ金だけ出してやるというからあとのことはやってくれというやり方では、早急に市町村としても対応できないのじゃないかという気がするわけであります。でありますから、私といたしましてはやはり最後の伐採まで国ないし県がめんどうをみて、つまり現在の官行造林を継続していくか、これがどうしてもできないならば、公団ではなしに県に出資をいたしまして県行造林でやっていくかこのいずれかしか考えられないのじゃないか、かように考えておるわけであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 それから第二点といたしまして、今度の公団がやるようになりますというと、公団に移管されるというと、分収歩合の説明の中で、造林者に対するところの義務規定、義務内容ですか、そういうものが明らかにされておらないということを説明されたわけでございますけれども、具体的にどういうことをやっていくという心がまえでおられるか、その点を聞きたいと思います。

岡村明達政治経済研究所所員

○参考人(岡村明達君) それは現在の分収造林特別措置法の中で、これは長官通達でございますが、造林者の義務内応を明確に規定しているわけであります。それで今度の新しい公団造林も、分収造林特別措置法に基づいてやるんだという建前になっておりますので、私は当然造林者についても同じような義務が賦課されるのじゃないか、そういうふうに思うわけであります。  その義務内容はどういった点かと申しますと、先ほど一応申し上げましたけれども、もう一度申し上げますと、第一に造林軒が管理業務費の一部を負担するということになっております。管理業務費は費用負担者が大部分負担するわけでありますが、その一部を負担する。それから第二に、林道を設ける、その他の公共施設を設ける場合に、その受益者の負担金の一部を造林者が負担するということになっております。それから第三に、災害が起きた場合、そうして再造林が必要になってきた場合に、その費用負担は費用負担者と造林者と土地所有者との分収歩合に応じて出すということになっているわけであります。  こういった義務があるからして、そこに造林者の分収歩合というものが認められたわけじゃないかと思うわけであります。ところが、今度の公団造林の場合を考えて見ますと、実は昨日業務方法書というのをいただきまして、それを見たのですが、こういった造林者の義務について触れてないわけであります。しかしながら、他方で造林者に対して一〇ないし二〇%の分収歩合を与えるということになっているので、その間の関係がどうも明瞭でない。つまりもし造林者が一切の資金も出さない、労力も出さないということであれば、分収造林の建前からすれば、造林者に分収歩合を与えるのはおかしくないかということになるわけでありますので、当然そこに今申し上げましたような義務が伴うと思うのですが、その辺が明らかになっていないし、またそういったことを市町村なり、あるいは自治省関係なりに御説明になっていないんじゃないかという点に対して、私は疑問を持ったのであります。

安田敏雄日本社会党

○安田敏雄君 それから、これは今後の審議にも関連する問題ですけれども、先ほど時間がなくて岡村さんの方では御説明が足りなかったのでありますが、分収歩合と保安林の関係について、どういうお考えを持っておりますか、簡単に一つ御説明願えれば幸いと存じますけれども。

岡村明達政治経済研究所所員

○参考人(岡村明達君) まず最初に分収歩合について簡単に申し上げます。これは先ほど質疑の中にもございましたが、第一には市町村に対しては五分五分を原則とする、こういうことなんであります。これは自治省との了解事項でそういう線が出てきているわけでありますが、この点については、しかし林業基本問題答申との関係で、これが確かなものと言えるかどうかという点が一つあるわけでございます。と申しますのは、これはおそらく二月四日の時事通信であったと思いますが、時事通信の地方行政版で、この五分五分が確定的じゃないというような記事が出ているわけであります。つまり、これは林野庁の説明として出ているわけですが、その中で一応官行造林の森林開発公団移管を実現するために、五分五分という協定を結んだんだけれども、これは暫定的であって、将来林業基本問題答申の公有林野政策を進めていく中で、また変わるかもしれないということを説明しているというふうにあるわけでありまして、この点が非常に問題じゃないかと思うわけです。これは結局、基本問題にありますところの公有林野政策をはたして否定するのか、あるいはそのまま実行するのか、あるいは修正して、新しい公有林野政策を考えていくのか、その点の根本問題につきまして、林野行政の態度が明確でないがために起こってくることでありまして、私は、やはり、単に、官行造林の分収歩合がどうということよりも、公有林野政策というものをどうやっていくのかという点をはっきりさせることが、市町村の疑惑を解消していく前提の問題じゃないかと思うわけです。  それから第二に、市町村の場合はともかくといたしまして、私有林に対して三〇ないし四〇%という分収歩合を発表しておるわけでありますが、これも基本問題答申との関係で疑問があるわけであります。三〇%ないし四〇%という地代は、戦前の高額小作料に匹敵する高率の地代でありますが、これを、答申が出た今日、なお、こういう高い地代を維持していくということは、政策的にも疑問があるのじゃないか。私有地に対してでございますけれども、不当に土地所有者を保護することになるのじゃないかというふうに私は思うわけです。この点につきましては、実は、この三〇ないし四〇%という高い地代が生まれてきた計算の基礎が示されておらないので、それについて理論的にいろいろのことを今ここでは言えませんけれども、ただ感じることは、現在、奥地水源林というものは、とにかく一番採算のとれない土地なんだ、普通林地と比べると、一番不採算の土地だということを林野庁当局は説明しておるわけでありますが、こういった地域に、どうしてこの三〇ないし四〇%というような高い地代が生まれるのか、採算がとれて初めてそこに地代というものが発生するわけでありますから、こういう奥地水源林に三〇ないし四〇%という地代が生まれてくる過程、計算の方法といったものにも、かなり疑問があると思うわけです。この点は、その算式が発表されないと、具体的に言えないわけでございますが、聞いたところによりますと、たとえば公団の管理費を費用の中に入れないで算出してあり、あるいは初年度の新植費をやはり費用の中に入れてないというようなことがあるらしいのであります。それから費用を算出する場合の金利を五分五厘という、かなり低いものに見ておる。そういうことからして、地代が高くなっておるというふうに聞いておりますが、そういった点についても疑問があるのじゃないかと思います。  それから三番目に、こういった私有林につきまして、高い地代を、しかも奥地に成立させるということになると、里山地帯の分収歩合は、地代は一そう高くなる、土地所有者の取り分が高くなるわけでありますが、これは一般の分収造林を阻害することになるのじゃないかという心配があるわけであります。この点は、林業基本問題答申の中でも明確に指摘されているところでありまして、分収造林を推進するためにも、現在の高い地代は低下させなくちゃいかぬということを言っているわけでありますが、このことと関連して考えてみますというと、特に疑問を持たざるを得ないのであります。  それから地代に関連するもう一つの問題は、やはり林業基本問題答申との関連でございますが、答申の中で、国土保全上必要な奥地の水源地については、国有の方途を講ずべきであるという一節があるわけであります。そういう意味からいっても、官行造林というものに対して疑問を出しているのではないかと思いますが、ともかく国有という線を出している。その場合に、この答申を実施して、国有を促進していくということになりますというと、これは当然買収価格というものが問題になると思うのでありますが、この公団で考えておりますような、三〇ないし四〇%というような高い地代を奥地に成立させることになると、当然地価が高くなり、買収価格が高くなり、国有が困難になるのじゃないか、そういった疑いを持つわけであります。時間がありませんので、簡単になりましたけれども、分収歩合につきましては、大体そういった点に問題を感ずるわけです。  それから保安林行政との関連ですが、この点は、実は昭和三十一年に法改正をやりまして、公有林野から私有の水源地帯に官行造林を広げていく。その際の、あのときは石谷さんが長官のときであったと思いますが、石谷さんの説明では、水源林造成事業は、保安林ないし保安林予定地を対象とした醜業である。そういうことを言っておった。しかしながら、今度の森林開発公団が行なうところの水源林造成事業を見ていくというと、水源林と申しますと、いかにも保安林的な印象を受けるわけでありますが、必ずしも保安林ないし保安林予定地に限らないというような線も出ているわけでありまして、この点がかなりあいまいじゃないか。水源林という名前でもって保安林にならないような普通林地に造林していくというようなことにならないか、そういうことになると、私有林の地主を不当に擁護することにならないかという気がするわけであります。この点は、先ほど申し上げました地代がかなり高いという問題と関連していいますというと、非常に疑問があるわけでありまして、やはり私は、昭和三十一年に法改正の際に言われましたように、保安林ないし保安林予定地に限定するという態度を明確にすべきではないかと思います。まあ、保安林につきましては、大体そういったところが問題じゃないかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は、きょう参られました各参考人に御質問いたしたいと思いますが、まず、田畑さんにお伺いいたしたいのですが、官行造林の廃止をして、今度公団に切りかえるということは、いつごろ伊那では知られたでしょうか。ことしになってですか。去年のうちからわかっておりましたか。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) この問題は、二月ごろからぼつぼつ話がありました。

北村暢日本社会党

○北村暢君 安孫子知事にお伺いいたしたいのですが、安孫子知事はいつごろこの問題、お聞きになったでしょうか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) この官行造林について、一つ今後積極的に公有林野対策を押し進めていきたいのだ、こういう意向のあること、内容については私は承知いたしませんでしたが、そういう意向のあることは、昨年の半ばごろ聞いたことがございます。しかし、現実にこういう形においてやるのだという話は、全然その後知りませんで、おそらく二月の半ばごろだったと思うのですけれども、全林町等が、こういうことになっておるので、この点について知事はどう思うか、こういうような話に見えましたので、そのとき初めてその内容というものを私は承知しました。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それで安孫子知事にお伺いしますが、そうしますと知事会で、これは私の聞いた範囲だと二時間か三時間、だいぶ論議になったそうでございます。こういうごく簡単な法律でずいぶん長い間論議されたものだと、こう思うのですがね。従って知事さんとしては知事会議で初めてこういう論議をする、こういうことでなかったかと思うのですけれどもね、事情はいかがでしょうか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) これは四月の五日でございましたか、全国知事会を開催いたしまして、五日と六日であったかと思いますが、いろいろ当面の問題について話し合いをいたしましたが、六日の日にこの問題が関係県から出まして、論議が行なわれ、この問題だけで三時間も費したということじゃなかったかと思うのですが、かれこれ決議案というか、要望書を作成する時間等も入れればそのくらいの時間がかかった、かように思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで安孫子知事にお伺いいたしたいのですが、この知事会の要望書の四番目のところに「本法の廃止により新たに増加する府県の指導事務費については国においてこれを負担すること」ということであったのですが、これに対する林野庁の説明は、どのようで指導事務費は負担するというお話であったのですか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) この際公有林野宮行造林法の廃止に関しての法案、また今後の方向というようなものについて業務部長から説明がその際あったと思います。説明を聴取いたしましたその際、林野庁に対しまして四の事項を特に掲記をいたしまして、この点についてどういう措置をとるのだ、こういうような話し合いはいたしておらないと記憶しております。この要望書を作成する際に、やはり府県事務も相当増加する見通しであるから、この点については一つ善処方を要望すべきじゃないか、こういう意見が出ましてこれを追加いたしました。この点についてどの程度やるかということについては、何らはっきりした回答と申しますか、結論というものは聞いておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ここでは府県の指導事務費ということだけうたっておりますけれども、町村の方は問題にならなかったでしょうか、あまり町村のことが出ていないのですが。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 町村のことは、その際論議にはならなかったです。そこで、これはまあ相当早急に取りまとめいたしましたので、個々の事項に平仄を合わせる意味からすれば、あるいは市町村の事務費等についても掲記する筋合いでもあろうかと思うのですが、しかしまた分収歩合の面でその問題が解決できるということであれば、特に掲記をすることもないだろうと思いますが、その点についての十分な掘り下げはなかったです。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それでは知事並びに田畑さんにお伺いいたしたいのですがね。この公団に切りかえるということですね、官行造林法を廃止をして切りかえる、切りかえでない、予定が終わったのだからというような話もあるかもしれませんけれどもね。特に水源林という、よりむずかしい仕事を公団でやっていくということになるわけなんですが、そのときに従来の官行造林と、皆さんが御要望しているように分収歩合を下らないとか、あるいは経過措置というようなことで官行造林から公団に変わっても、市町村あるいは私有林の土地所有者ですね、これには従来の官行造林と大して変わらないのだと、こういうような感じで説明を受けておるんじゃないかと思うのですがね。変わると考えられておるのか、あるいは官行造林というような形でやっていたものが、公団になっても大して変わらない、こういうふうな理解でおられたか、この点を一つ御説明願いたい。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) その点は官行造林について長い歴史もあるし、これが相当市町村の基本財産造成等にも貢献をいたしておる。この点についてはみんなひとしくその効果というものを認めております。しかしながら、昨今は若干状況が違ってきましたけれども、官行造林事業が積極的に非常に拡大をしていく、国有林好事業の姿において拡大をしていくということは、なかなかむずかしい問題がある。こういう建前を変更してこういう方向でいけば、さらに官行造林的な事業が伸びると、こういう方向で問題が考えられておる、こういう説明を聞いた記憶がいたします。またわれわれは要するに、この国でやる官行造林ということだけに限らず、公有林の拡充整備ということが非常に重要な問題でございますので、そういうことが達成されるならば、むしろその方法もいいんじゃないか。こういう考え方を持ったように、これはめいめいの考え方は若干違うと思いますけれども、そういう大体結論といっていいんじゃないかと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 田畑さん、どういうふうな感じで受け取られておりますか。

田畑五郎司伊那市議会議員

○参考人(田畑五郎司君) 私の方では大体変わらないだろうとは思いません。と申しますのは、この土地所有者、あるいは費用負担者、造林者というような問題がそれぞれ示されてあり、そういう数字を示したわけでございますが、しかし公有林野等については今後、今後というか、今までのようなふうに五〇%ずつの分収というような線に大体なるだろうというようなあいまいな説明でありますから、書いてあることとその説明のあいまいさとによりまして、これは不利益であるという結論に至ったのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、安孫子知事にお伺いしたいのですが、従来の分収造林特別措置法に基づく分収造林、これはおたくの県でもおそらくやっておるじゃないかと思いますが、おたくの県で費用負担者になっている分収造林というのがございますかどうか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 私今具体的に記憶にございません。まああるにはあるのじゃないかと思いますが、それは承知しておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうすると、お伺いしたいのですが、従来の分収造林法というのは、どういう形でやっておられたか御存じでしょうか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) これもまあ私はっきり承知しておりませんが、あるいは東北パルプ等が土地所有者との切り分けによって若干やっておるものがあるのじゃないかと思いますが、それがどういう形勢、どんな現状になっておるかということは私承知しておりません。

北村暢日本社会党

○北村暢君 その分収造林というのは二者契約、あるいは三者契約になって、土地所有者と費用負担者とそれから造林者とこの三者がおって、いずれか二者が一人である場合があるわけですね。その場合、特別措置法による分収造林というのは費用負担者が造林者になっておる。大部分そうです。従って、県が費用負担者である場合には県が植えておる。従って、これは県行造林とほとんど同じようなものです。それからパルプ会社が植える場合、費用負担者である場合、金を出す場合もパルプ会社が植えるのですね。そうしてこれの維持、管理というのは費用負担者が、造林者が維持管理の責任を持つと、こういうふうになっております。従って、県が費用負担者で、県が植えれば維持、管理は県がやる。その中でこの土地所有者であるものが一部の管理事務について責任を持っておる、費用負担者と造林者が全部じゃない、維持、管理の責任を一部持つわけです。従って、造林者なりあるいは土地所有者というもの、こういうものがこの分収ということについて、造林者が全部をやっちまえば、これは土地所有者としての取り分がなくなってしまいますから、そうじゃなしに、その維持、管理の面について土地所有者も一部分収できる、こういうようなことになっているようですね。ですから今度の場合は非常に変わってしまうわけなんですよ。というのは、費用負担者が、今までのやつは大体造林者になって維持、管理をやっておったのですが、今度の公団は、費用は出すけれどもほとんど植えない。ごく例外で、どうしても市町村が植えられないものしか植えないわけです。市町村なり私有林が植えられないわけです。そこで非常に変わってくる。従って、費用は出すが、造林者は、土地所有者が造林者になる。そういうことを林野庁もこれは望んでおります。従って、土地所有者は費用は負担してもらうが造林もやる、こういうことになるわけです。そうすると、費用というものの限界がどの程度になってくるかわかりませんが、今のところ全額負担するということになっているのです。従って、今までの官がやっていたと同じように全部やってくれるのだと、官行造林と同じようにやってくれるのだということになると、そうしますと、造林者の取り分というものがなくなってしまいますね。費用全部を負担するのですから。何かこの造林者が、維持、管理とかなんとかいう責任を持ってやればいいのですけれども、その維持、管理する費用も何も一切持つというわけですから、そうすると造林者としての取り分というものがなくなってくる。従って市町村の造林者としての取り分がなくなってくる、こういうことになるわけです。しかしながら、実際問題として、市町村は今までは市町村の吏員を使って何かにやるということはなかった。官が一切やってくれたわけですから、災害があっても何があっても、今度は市町村がやらなければならないのですから、これは人夫賃とかなんかの費用は出ますけれども、市町村自身の吏員の俸給まで費用負担として出すか出さないかということが問題になってくる。   〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕 従って、私は県の指導事務費といいますか、そういうものと関連して、市町村にもやはり何か費用負担を林野庁から補助金かなんかみないとおかしくなってくるのですよ。ところが、費用負担者は公団ですが、公団が市町村の吏員の担当者の俸給までみるかみないかというところは、これはちょっと問題になってくるところなんですよ。やはり行政官庁ですから、そういう指導業務といえば、やはり政府から補助金を出すのが建前だと思いますね。従って私は府県だけの指導事務費だけでなしに、町村には、必ず造林者になるのですから、この費用がかかってくる、こういうこともあるだろうと思うのですね。そういう点について、官行造林とは一切同じじゃない。それから先ほど言った災害等が起こった場合ですね、植えたものが幼令林のうちに雪害でもって折れてしまった。そして価値がゼロになった。こういう場合は分収歩合ですから、分収造林の建前からいけば、これは利益を得るときも規定された分収歩合で分けるし、損をしたときもやはりこれは損は同じにしなければならない。これが分収造林の建前ですから、ところが官行造林は、災害が起こった場合は一切官でやっておったわけですね。そしてそれは収益するときには、価値は下がるかもしれませんけれども、再造林をするというような場合でも官がやっておった。そこら辺のところが、やはり今度の公団の造林については明確じゃないのですよ。従って、官行造林法を廃止して、公団がやるのは分収造林特別措置法で今後はやるのですからね。従って従来行なっております分収造林と、今までやっておるわけですから、それを今度は公団が費用負担者というもので、一つふえた形で、分収造林特別措置法というものが行なわれる。私から言わせれば、性格の変わったものが一つ入ってくるわけですね。従って分収造林特別措置法そのものも、何カ所か改正しなければならないところが出てくるはずなんです。ところが、まだそこまではいっていない。今、林野庁の考えているのは、これはおそらく実施してくると、そういう問題が出てくるのじゃないかと思う。そういう点が実は明らかにされておらない。従って薄ぼんやりと、今まで官行造林をやっていたのと大した変わりがないのだといったようなことで、それなら賛成してよかろう、こういうことになったんじゃないか。林野庁の説明を聞けばそういうふうになるのですから。ですけれども、私ども説明に出させていただければよかったのですけれども、そういうわけにもいかなかったのでしょうがね。だからそういう点があるということは、問題はやはりたくさんある法律であるということだけは、一つ知事会のせっかくの要望でございますがね、決して不利にならないということではなくして、何といってもやはり官行造林でやったのが一番有利なんですよ。一番有利、これは間違いないんですね。そういう点を一つ、そういうふうに考えておるんですが、そういうところまでは知事会ではお話しになったのじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうか。

安孫子藤吉山形県知事

○参考人(安孫子藤吉君) 今触れられた問題点まで十分な論議を尽くして要望書が作成されたということじゃございません。もう少し大局と申しますか、大筋のところでこの要望書が作成されたと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃあ、次に清井さんに一つお伺いいたしたいのですが、五点についてお話があったわけでありますが、第四点目に、森林開発公団でやることが、国が実施していたときよりもより弾力的であるから、国から公団に切りかえるということは、かえって公団に期待できるのじゃないか、こういうような趣旨の御説明であったと思うのです。しかしこれは十分慎重に考えられなければならない、こういう話のようでございますが、この公団の能力というものについてどのように判断されているか。私どもは公団というのは、それは政府のいわゆる国でやっておる国営事業、これが非常に悪くいえばお役人仕事で、しかも予算というようなことで縛られて、そして弾力性がないために、経済合理主義に立ったところの事業遂行ということがなかなかやりにくい。そういう面からこの公団ということで、公団というのは役所の非能率というものを克服して、生産性向上なり、合理化なりという、より経済合理主義の上に立ってなされるというのがこの公団だ、こういうふうに一般には公団というものはそういうふうに理解している。役所の悪いところと、民間でできない公共性のものと調和するところに公団の妙味というものがある、そういうことで公団が発足していると思うのですが、森林開発公団についてもそのような理解で、国よりもより弾力的でいいのだ、こういうような趣旨のように受け取れるのですが、森林開発公団に対する評価というものが、今私が申したような評価であられるのかどうか、そこで第四の理由というものを出されたのかどうか、この点一つお伺いいたしたいと思います。   〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 御質問の点でございますが、公団、事業団といいますか、そういうようなものの法律的な意味、あるいは存在の実際的理由というものは、これは今北村先生のおっしゃいました通りに実は私も理解いたしますが、割合に企業的仕事といたしましても、国の予算に縛られる関係上、国が直接事業をいたします場合には、相当弾力性を欠く場合がございます。それを公団という形でありますれば、具体的な場合は別といたしましても、考え方としてはある程度楽な運用ができるのではなかろうか、事業をいたす場合におきましても、当然事業に伴う予算、それが裏づけとなりますし、当然そういうことがいえるのでございます。それから一般民間企業でありますれば、当然営利的な仕事になるという場合もありますので、ただいまのような特徴を生かせる仕事につきましては、やはり政府から離した一つの公企業体というものを設置いたしまして、そこで公共的性格を持っている仕事をするということが、適切なやり方だと私は考えておるわけであります。  そこで、この森林開発公団が今度の仕事をするについての問題でありますが、私恐縮でありますが、森林開発公団の内容についてあまり深く知っておりませんので、あるいは不十分なお答えになるかと思いますが、聞くところによりますと、当初の目的を大体達成されかかってきておるということでありますが、関連林道の仕事が若干残っておる、こういうふうなお話を承っておるのであります。ただ、造林する事業も基本的にはあったと思いますが、聞くところによりますと、実際的にはやったことはないということでございますので、こういうことをいたすということになりますと、おそらく公企業体として初めての事業ということになるのじゃないかと考えております。しかし当初の目的を達成しておりまするし、関連林道の仕事が残っておるといたしましても、おそらく林野関係の機関、林野庁以外の唯一の森林関係の公団でございますので、公共的性格を持つものである仕事は、もしも官庁自身が直接おやりにならないならば、この公団でこれをおやりになるということは、最も適切ではないかというふうに考えておるわけでございます。もっともその場合におきましても、先ほど申し上げましたように、いろいろ問題はあると思います。従って、これを公団に移管するということによって、不当な損害を与えるということはよろしくないのではないかと思いますので、これに必要な措置はやらなければならないことは、先ほど申した通りでございますけれども、これは林野庁関係におきまして、たった一つの公企業体でございますから、役所がやらなければこれでやる、それでやらないならちゃんとした組織の整備なり、財政的な裏打ちをするということが、それが一番いいことではないかと、私は率直に考える次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、清井さんも政府関係機関の総裁なんですから、そういう立場で、私、公庫、公営企業、事業団、公社、これはいずれも同じ似たり寄ったりの性格を持っている。金融機関であると事業体であると、差はあるだけでして、そういう意味でお伺いしているのですが、実はこの森林開発公団というのは、先ほども申しましたように、ほんとうは造林をやる事業団であるべきはずなんですね。造林開発公団というので、名前を造林事業団というふうにまでしようという考え方があって、それがちょっとできなくて、森林開発公団でもって林道をつけるものが造林までやろう、こういうことに変わってきているわけですが、そういう公団が私は造林を、官行造林のように官で行なったと同じように、公団が事業そのものを行なうのであったならば、行政上の責任という点からいって、私はこれは非常に適当だと思うのです。しかも、高度な、従来の普通林地における造林よりも非常に困難な造林です。しかも造林をやったところは、今後保安林に指定される、そういうお言葉のようですが、保安林になるようなところ、保安林になるということになれば、これは今後やるところは施業に制限を受けるので、間伐、主伐でどんどん切るというわけにはいかなくなる。また成林するかどうかについてもあやぶまれるし、非常にせき悪地だとか無立木地等、非常に荒廃地に造林しようとしているから、造林技術的にいっても、非常にむずかしいわけなんですね。これを造林担当の人員が百名か二百名で、全国の保安林の造成である水源林造成というものをやろうとしている。しかもそれは費用だけ負担をして、公団自身は植えないということなんですね。そうすると、あなたのところで融資造林をやっておるわけなんですが、金を貸して、低利で長期資金でやっておるのだが、全額国庫出資ということでありますけれども、その面では若干いいわけですが、事業体としてそういう費用負担者だけであるということが適切であるかどうかという評価は、されなかったのではないかと思うのですが、そういう点はどうでしょうか、お考えになったのでしょうか。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 確かにその問題は率直に申しましてあると思います。公団がやる場合に、いわゆる費用負担だけじゃなしに、実際費用負担と同時に造林を行なうということも考えられることであり、これがまた公共性を持つ公団としては、一つの仕事であるということも確かに考えられることだと率直に考えます。ただ、私ごくわずかの知識で恐縮でございますが、この法案を拝見し、お話しを伺ったのでございますけれども、一方にいわゆる最近勃興して参りました市町村のいわゆる自主経営というものも相当振興したい、こういう政府で考えておられるようなことが一面にございました。一方また、公団が直接造林まで実施するということになりました場合に、一体そこまでいくことは理想的ではありまするけれども、はたしてそこまでやり得るかどうかということに若干問題があるのじゃないかという気がいたしたのであります。そこで一方、費用だけ負担するという面についてはどうか、これは費用を負担するということになれば、事業実施という面においては一方不十分の点がございますけれども、一方地元市町村の造林意欲を高進し、自主的な造林をさせるということには意味がある、こういうふうに考えられます。また、公団自身の現在能力という点から見ましても、そういう点を考えることが適切であるという判断もあるのじゃないか、こういうふうに考えまして、私といたしましては、率直に申しまして、これは両方の考え方があると思いますけれども、諸般の事情をよく伺いますれば、森林開発公団が費用負担者であることを第一とするという考え方をとることもやむを得ないのではないか、こういうふうに考えるに至りました次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それではもう時間が時間のようですから、あまりお引きとめしても無理かと思いまするので、ここら辺で終わりたいと思いますが、ただ一点だけ清井さんにお伺いしたいのですが、今度の公団、特に分収歩合というものとの関連で、基本問題調査会の答申案である林業問題の基本問題並びにその対策という中にある公有林対策というものについての趣旨とこれは合致したものであるかどうかということは御検討になられましたか。

清井正農林漁業金融公庫総裁

○参考人(清井正君) 詳しく答申を勉強いたしておりませんが、大体の方針は私も読んで勉強いたしたわけでございますが、先ほど来ちょっとその点について問題が出たかと思いますが、私はまだまだ林野庁といたしましても、基本問題調査会の答申に基づいて全体の林野政策については御検討中であると思っております。そこで、全体的な林野政策の一環として国有林を含めて公有林、部落林、私有林についてどうあるべきかということを検討されて、同時にあるべき公有林自体の措置もまた別途研究されていると私は考えているわけでありますが、そういうような動向の過程におきまする今回の措置でありますけれども、私といたしましては、いろいろ御批判もあるかもしれませんが、伺うところによると、本来の公有林事業は相当膨大な事業になるので、この事業主体を変えていく、変えていくのは唯一の公営企業体である公団を使いたいということでございます。それで、一方地元の造林意欲も相当高進するようにやっていきたい、こういうような意向もあるようでございまして、私ども感じといたしましては、前回の基本問題調査会の答申に沿うている一つの行き方であるというふうに考えている次第であります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 他に御質疑もなければ、二法案について参考人から御意見を求めることはこれをもって終わります。  参考人の各位におかれましては、長時間にわたり御意見をお述べいただき厚くお礼を申し上げます。   ―――――――――――――

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) それでは引き続き二案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。

北村暢日本社会党

○北村暢君 この前に続きまして御質問いたしますが、官行造林の実施の経過でございますが、これについて実績の調査によって資料を御配付願っているのでございますが、それによりますと、大正九年六月から三十一年までやって参りました三十七年間の契約件数、これが千六百四件で、面積が二十八万六千一百二十二ヘクタール、一年間の平均件数が大体四十三件、一件当りの平均面積が百七十八ヘクタールであります。法律改正後の三十一年から三十五年三月までの五年間の契約件数は七百九十四件、面積で五万七百六十二ヘクタールで、一カ年間の平均件数が百五十九件です。一件当たりの平均面積が六十四ヘクタールであります。ところが、今後の公団造林でやろうとしている三十六年から四十四年までの九カ年間の契約件数は、一万四千四百四十二件、面相で二十三万二千ヘクタール、一カ年平均の件数が千六百四件であります。そうして一件当たりの平均面積は、十六ヘクタールである。こういうふうに林野庁でも、政府も説明しておりますように、零細化、分散化が行なわれてくる。こういうことのようでございますが、まあ三十一年以降の改正後と比較しましても、一年平均の件数が百五十九件、これが今後は約十倍の千六百四件になろうとしておるわけです。一件当たりの平均面積は、先ほど申したように、約五分の一になっている。こういう非常に零細化、分散化していく、しかもこれが水源林造成というむずかしい問題でございます。これを今、公団造林でもってやっていこう、こういうことになるわけでございますが、提案理由で説明をいたしておりますように、確かに零細化、分散化いたしまして、国の事業としてやる分において不適当である。あるいは国の事業分量がふえてきて、これらの積極的な事業というものは、国でできない。こういう考え方の反面、わずらわしさを避けて公団造林にこれらのものを持っていったというふうにしか私は感ぜられないのです。一体全国三百幾つの営林署を持ち、何千という担当区を持っている国有林の機能ですら、なかなか完全にできないというような問題について、公団造林が、先日来説明のありました公団の組織でこれをやっていこうということについては、私は非常にこれは危険じゃないかというふうに思うのです。水源林の造林のための人員が、六十三名でもってこれをやっていこう。一体この公団に切りかえて、これらの問題がやっていけるかどうか。従来は営林局が十人、関係営林署が二百十九、担当区が七百九十五担当区です。それから所要人員については、資料にもありますように、契約業務が二十四人、管理が百八人、新植八十三人、保育百七十人、収獲百二十三人、計五百八人で今までやってきた。新値その他については、あまり人員は要らないというようなことにいたしましても、収獲業務等がなくなったとしましても、ここでいう契約の二十四人というのは、私は営林署、あるいは担当区というようなものにささえられて、これはやっておるというふうに見るより以外にないと思うのですが、こういう膨大な機構で担当をしておりましたものが、わずか六十三名の公団の人員で、今言った困難な事業の完遂をしていくという自信がおありになるのかどうか、これは端的に一つお答え願いたい。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 今後の水源林造林が零細化し、分散化するということは御説の通りであろうと思うのです。で既往の常行造林につきまして四十年にわたってやって参ったのでありますが、特に昭和十三年ごろから昭和二十九年ごろまでの間におきまする官行造林事業の停滞というものが、大きな影響をもたらしまして、予定計画というものの達成が非常におくれたという現実がありますことは、まことに過憾なことであります。で、今後の水源地帯の造林につきまして、そういうふうに零細化し分散化している、非常に件数も多いという現実があるわけであります。こういう地帯におきまする造林を適確に行なって参りますためには、やはり造林事業等につきまして、この事業の計画性等も、国がやるといたしますと重要な因子とも相なるのであります。で、御存じの通り重要な保安林の買い入れというものを二十九年から実施されておるのでありますが、これにいたしましても、国が管理、経営するという面からいたしまして、その最低規模を三百町歩というふうな線にいたしまして、それ以上のものを買い上げるという施策を現に二十九年から実行しているというような点からいたしましても、国が森林の維持、管理をするという面からいたしまして、やはり一定の規模というものがそこにあるということが最も適当だというふうにも考えられるのであります。また一方、市町村の行なっております造林についてみましても、三十三年、四年、五年と相なるに及びまして、この拡大造林というものが、早急に遊んで参っておるのでありまして、拡大造林だけについてみましても、三十五年度におきましては四万五、六千町歩が行なわれております。三十六年度からはさらにそれが増大すると、しかも市町村有林の面積が二百六、七十万町歩と考えられるのでありまして、その約二%にも達するような拡大造林が行なわれてきているという現実からみましても、市町村等の造林能力、意欲というものが非常に向上して参っているということがはっきりいえるように思うのであります。従いましてこういうふうな零細化され分散化されたところに対します造林は、やはりその地元で土地所有者であります市町村等が、これの実行の責任を持ってやっていただくということが、最も適当した方法である。で、分収造林特別措置法による市町村等が、土地所有者であり造林者であるという立場に立って事業をやっていくということが、この地帯の造林を適確に行ない、水源林としての目的を達成するという上からいたしましても最も適当であるというふうに考えておるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 あなたはそういうことを言うけれども、腹からそういうふうに思っているのですか。そういう形式的な答弁を聞いているのじゃないのですよ、私は。大体、今までの営林署が今読み上げた通り大へんな数で、担当区その他があってやっておる。しかも先ほど言ったように、零細化、分散化していく、これはもうはっきりしている。まとまっていた方が管理しやすいし、監督も行き届くということは、もうこれはだれがいったってわかり切っている話だ。今までの件数からいって、先ほど言ったように営林署でやっている場合は、契約事務は二十四人で契約事務をやって、そのときの件数は一年間で百五十九件、ところが、今度からやる場合には千六百四件です、三十六年にして。私の方の資料からいっても、三十六年だけでも八百件、九百件かの資料が出ておったと思いますが、九百四十四件ですかの件数になるわけであります。三十六年は。ところが、これは平均してあなたの方のこの水源林の計画でいくというと、一年間に一千六百四件ですよ。今まで百五十九件しか営林署の場合契約してない。今後は十倍以上の契約件数がある。しかもそれがあなたの計画されておる今の配置では、担当しているのが二百十九の営林署で、担当、区が七百九十五もあって、そのくらいのところで管理しているのに、あなたの方の機構では、ここで出ておるように、出張所が九つくらいでまあ中央も入れて幾つくらいになりますか、ごくわずかな地方の組織でこれをやっていこうとしておるわけですね。私はそういう点からいけば、これは、出張所にしてもわずか二人くらいしかいない、従ってこれはもう書類審査で、書類だけで契約する以外にない。現地まで行けるような形にならぬじゃないかと思う。実際問題として、東北に二人くらい行って、青森、秋田、福島から山形、宮城かけて二人くらいの職員がおって契約するのだが、各県かけずり回って契約しなければならない。一体こういう業務が、実際に今までこの営林局署が担当しておった業務が、この公団で契約がうまくいくかいかないかというようなことは、あなたが言ったように、適当でございますなんのと言ったって、実際問題としてできないのじゃないかということを心配しておるのですよ。どうですか、これは、そのできるという理論的な根拠を示して下さい。千六百四件について五十何人か六十人の人間が担当していくのだから、一体これをどういうふうに処理していくのか、具体的に計画的にあなた説明して下さい。そうでないと納得いたしません。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 公団がこの事業を行ないます場合におきまして、お説の通りこの零細なものにつきましての契約を、まず公団として行なわなければならぬのであります。で、この公団といたしまして、この水源林造林事業に関係します職員は六十三名を予定いたしておるのでありまして、この国有林特別会計におきまして、従来これに従事しておる職員が五百八名という資料を御提出いたしております。その中におきますこの事業の量的な配分から申し上げますと、保育とかあるいは間伐、そういう面の新植、造林等の仕事に関係しております者が三百七十六名であるのであります。管理とか契約とかという面に関係しております職員がまあ百三十二名という形に相なっているのであります。こういう点からいたしまして、もちろん契約関係等の事務はお説の通り増大いたすわけでありまして、この公団の職員六十三名をもちまして、あるいはそれに共通的な仕事をしております四十名の中からも、もちろんこれに関係いたしまして、まず契約の事務を促進していくということを考えなければいかんと思っておるのであります。この契約にあたりまして最も重要なことと相なりまするのは、いわゆる民有林の造林行政の一環といたしまして、この水源林造林というものもその一環として考えるべき問題に相なるのでありまして、治山治水等の関係もあるわけでありますので、その適地に官行造林公団がやるべき造林の予定地というふうなもの、それの所有者等に接触いたしまして、早急に造林すべきじゃないか。こういう方法があるんだというふうな点につきましては、県等におります半面の造林を担当しておる職員というような方々も公団に嘱託という形で協力を願いまして、まずそこで所有者との第一回と申しますか、最先端における接触もしていただこう。それでそういうものを受けまして公団の職員がそれぞれの所有者等にまたお会いしまして、十分制度、方法等を御説明申し上げまして、それでこの契約というものに臨んでいくという形を進めて参りたい。そういうことで進んでいきますならば、予定しております事業はできるというふうに考えておるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今県に嘱託を置くと言われましたが、嘱託の経費は公団が負担するのですか。どうなるか予算書で説明して下さい。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 嘱託等のいわゆる関係のところに出かけて行くいろいろするというような経費は、公団として負担しなければいかんと考えております。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 今ですね、嘱託という一つの業務がふえればですな、当然、県ではまた業務がふえるんですから、人員を増加しなければならんという問題が出てきますね。その点はどうなるのですか。それほど県の今の仕事が余っているでしょうか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 県に嘱託等をお願いするといたしましても、御存じのように県は民有林の造林ということにつきましての指導、監督等につきましての全面的な責任者であるわけであります。民有林の造林促進という意味におきます県としてのやはり責任も、現在までもやっておるわけでありまして、造林計画を県が現地について立てる、そういう場合におきまして、重要な水源地帯の造林というようなものにつきまして、方法の説明とか、あるいは、どういうふうにその造林ができるかというようなことを、所有者と、そういう機会に接触していただくということを考えておるわけであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 そんなことはわかっている。簡単に言って下さい。  そこでして、とにかく、業務がふえれば、今まで遊んでいたのですか、余っていたのですか。余っていないことはわかっているでしょう。そうすれば、その業務がふえれば、県の方で何がしかの人がふえなければならぬ。それはやっていないという。それですから、さっきも安孫子さんの、そういう県の指導費等については一つ国が負担してくれ、こういう議論が出る。そんなことは常識でだれも考えられる問題だろうと思う。議論外の議論で、実際だろうと思う。

北村暢日本社会党

○北村暢君 だから、予算書で説明してもらえばいいのですよ。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) もちろん、いろいろ出かけたりいろいろすることの経費はふえるわけでありまして、そういうものを公団等が負担していこうというふうに考えておるわけであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 だから、あなたのこの提出した公団の予算書で、どこにその経費が入っているかを説明して下さいと言っているのです。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 提出いたしました予算書につきましては、公団の三十六年度の予算は、これを、提出いたしました資料の二十一ページに掲上いたしておいたのであります。これの詳細な内容につきましては、なお造林部門につきましては、大蔵省との協議を要するという段階に相なっておるのでありまして、その詳細につきましてまだ決定いたしておるわけではないのでありまして、この支出の欄の一番上のところをごらん願いますと、造林事業勘定の部、造林費八億九千七百万、管理勘定への繰り入れ一億三百万円、こういうことに相なっておるのであります。この管理勘定と申し上げますのは、人件費、事務費というふうなものを、公団が事業実行いたして参ります場合に、共通的な人もおるわけでありまして、ここの人をそれぞれの勘定に全部あげてしまうというところには、無理が現実上あるのでありますから、事業の量等に基づきまして、公団としての管理費、こういうものを、造林事業、それから林道の受託工事の関係、あるいは公団林道の維持、管理事業というふうなものに振り分けるというふうな形をとっているのであります。で、こういう中から、その嘱託等の経費は考えていくということになるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 適当にこの場限りの答弁しないで下さいよ。それじゃ、県にどこに何人をどうやるかという計画ありますか。どこから何人どこに出すということをはっきりさして下さい。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) その嘱託等は、現在の段階におきましては、その県の水源造林事業の量というものを、予定しております量等を勘案いたしまして、一名ないし二名配置するということに考えておるのでありまして、まだ何県のだれとか、何人とかいうことまでは最終的にきめていないのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこです。私はそういうものの、公団が嘱託をするのに、その嘱託費を公団から払う、このこと自体が私は問題があると思うのです。公団といえば、どっちかといえば民間でしょう。県なり政府が民間へ委託をして、嘱託を置いて委託するというなら、これはまだ話はわかる話だが、民間が県に嘱託を置いて仕事をやるという制度がありますか。そういう制度はあるかい。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 国と機関といたしまして、地方公共団体等にそういうことをお願いするということはあるように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それは、あるようにというのですけれども、これは法制局を呼んで聞かなければならないけれども、民間が県なり政府に委託をして仕事をやるという、この民間から経費を払ってやるということがあるかないか、これは厳重に調べて下さい。私としては、これはなかなか簡単にいかない。  それともう一つですね。関連をして、一体この水源林として国が、国土保安の関係からいってこういうところを保安林に指定する、森林法から言えば大臣の指定事項になっているでしょう。そういう保安施設なり何なりについては、保安林行政はあなたの責任なんですよ。あなたの責任なんですよ、保安林行政というのは。水源林も、もし植えたならばこれは保安林に指定することになるかもしれない。またその保安林施設ということになる、こういうことでしょう。そうしたならば、これは当然政府が県なり何なりに、嘱託を置くのにせよ、そういう仕事をやるというのは政府が負担すべきじゃないですか。公団が負担するのですか、そういうことは。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 保安林の指定につきましては、その調査その他は県知事にやらしておるのでありまして、その経費は国が県に対して補助するという制度をとっておるわけでありまして、保安林の調査その他につきましては、そういう制度でこれをやっていくということになるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それで、この前からこの水源林造成というのは、保安林行政なのか何なのかということが非常にこんがらかってしまっているから、行政としては混乱を来たしておるということを、私ども盛んに指摘しておった。水源林そのものの問題についてやっておったのです。あなたが今おっしゃったように、指定なり、保安林行政というものは、国がやって、県に委託をしてやるということになっているでしょう。従って、この公団が今仕事をやろうというような、指導とか何とかという業務は、当然県の嘱託を公団が委託してやるのでなくして、政府がやるべきじゃないのですか、どうなんですか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) これの造林ということにつきます契約事務というようなものにつきましては、この造林者という立場に、造林者と申し上げますか、費用を出す者あるいは造林をする者、土地を出す者というものにおきます契約関係の問題であるのでありまして、保安林にそれを指定するとかという具体的な事務としては、国と県が責任をもってやるということに相なるのでありまするので、契約造林につきましての契約というようなもの等は、直接国がそれをやらなければいかんという正確なものではないように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 大体それでわかってきたのですが、そうすると、公団の業務を行なう者を、公団の業務の一部を行なう者を県に嘱託として置くと、こういうことになりますね。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 公団の業務と申し上げますか、公団が契約まで運んでいく。もちろん契約という事務は、公団がやるわけでありますが、それを一般の民有林等につきます造林行政の一環として、造林の促進という立場から県にそういうことを協力を願うという意味に考えておるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃ嘱託を置くのはあれですか、公団の業務はやらないのですか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) その個々の人に公団というものの造林の制度をよく説明したり、あるいは早急にそういう方法によって造林を進めてもらいたい、進めたらどうだろうというふうなことをこの嘱託等の人に協力してやっていただくというふうに考えておるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そんなことはこの分収造林法に知事がそういう契約をあっせんしたりすることが書いてある。当然の地方自治体の業務です。そういうことは嘱託でやるべきものじゃないですよ。この分収造林法をあなたが制定しているのです。契約を結んだり、何なりするのには、そういうあっせんを知事がやることになっているのです。それになぜ公団の嘱託を置かなければできないのですか。これは分収造林法の第二条によって、「都道府県知事は、分収造林契約の当事者となろうとする者から分収造林契約の締結についてのあっせんの申出があった場合において、これを相当と認めるときは、適正な分収造林契約が締結されるようにあっせんに努めるものとする。」となっている。長官の言ったようなことは、これは分収造林法によってこれは地方自治体がやる事柄なんです。そうじゃないのだ、私の聞いているのは。嘱託を置くというのは、公団が行なう仕事を公団の人間が五十六人で足りないから、それで地方自治体にあなたは嘱託を置いて加勢してもらうのだと言ったんじゃないですか。そんなことであなたの今言ったようなことは、法律に基づいて地方自治体が当然やることなんですよ、そんなことは。何を答弁しているのですか、あなたは。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 分収造林特別措置法におきましては、もちろん県知事があっせん等の労をとることは明らかにされておるところであります。しかし、御存じの通り、その文面から見ましても、その所有者からそういうことを知事等に申し出るというふうな一つの前提条件といいますか、そういうものがしかれておるわけでありまして、土地所有者等がこの制度というものを十分認識いたしまして、そういうふうな積極的な希望というものを持ってもらうというようなことにつきましては、やはり公団としてもそれに努力していかなければならぬというふうに考えますし、そういう点につきましても、県等の協力を求めていくということを考えておるのであります。ただ、特にこれが一般経済林というふうな場合でありますならば、今そう積極的にする必要もないという議論も出ると思いますが、九カ年等で早急にやっていくことが必要だという重要な水源地帯というようなものでありますので、これを計画的に行ない、早急に契約するように持っていくというためには、そういう努力というものを払っていくということが公団としても必要じゃないかというふうに考えておるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 あなたの答弁何を答弁しているのか、聞かないことは答弁しなくてもいいのですから、聞いていることを答弁していただきたいのですよ。嘱託で県に置く人は、公団の業務をやるのかやらないのかと聞いておる。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 先ほど申し上げましたような範囲といいますか、種類の仕事につきまして、公団に協力していただくということになるのであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと関連して。これは分収造林特別措置法の施行についてという通達がありますが、その第四の第一項に書いてある点ですね、問題は……。これはここにも書いてあるように、土地所有者から申し出した場合にだけ知事があっせんするというあれじゃない。「契約当事者となろうとする者」というあれですから、あなたの力も契約当事者になるのだから、公団が……。そちらからあった場合についても知事が動き得るわけだ。それから第二項によりますと、特に必要なところについてはそういう申出等がなくてもこの知事の方が動けるわけですね。だから従って、この規定からいきますと、PRの程度のことであれば、これは非常に広く、知事がすでに義務づけられておるわけです、この規定からいけば。だからこれと離れてなおかつ嘱託を置くということになれば、結局は、公団がやるべき契約の締結と、それを公団では人手がどうも足らぬから県の人にかわりにやってもらうのだ、こういうところをねらっておるのでなければ、特にそんなわざわざ公団に費用まで払ってそういうものを置く必要がないように私も感ずるのですね。県がやるべき仕事としてもうきまっているわけなんだ。従って、これはきまっていることですから、当然これは県が払うべき費用ですわね。そういうPR程度のことは、だから実際何とか県の人に事実上の契約を結んでもらう、こういうふうに、公団の理事長考えているのと違いますか。ちょっと理事長に一ぺん聞いているのです。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) ただいまのお尋ねの点でありますが、私どもといたしましては、今考えております県に対する嘱託といいますものは、大体まあ一人当たり五千円程度に考えておりまして、これは旅費程度のことと考えております。それで、契約までやってもらうという、ふうには考えておりませんが、先ほど来長官から御説明がありましたように、いろいろ町村の方々に対する指導、それからそういうことをやったらどうかという意味の地方当局に協力をしていただく、そういう程度に考えております。契約その他のものは私どもの方の責任でやることにいたします。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 県のそういう人に契約の事務をやってもらうというふうには絶対に考えないのであります。契約の事務等は、もちろん公団の責任において結ばねばならないし、また結んでいこうというふうに考えておるのでありまして、県の嘱託の方々等に対しましては、今理事長からも話がありました、先ほど申し上げましたように、やはりそれぞれの現地の所有者の方々に、公団造林というものにつきましての認識を十分に与えていただくということ、これまた必要で、特に一般人よりも高いというふうに考えまして、そういうことに考えております。それでどういうふうにその制度によってやるのか、どういうふうに造林、その場合に土地所有者あるいは造林者、そういう者がどういうふうに一体なるのか。これはもちろん御存じの通り、一般の分収造林という分収造林自体も、まだまだこれから大いにPRしていかなければならぬ段階にもあるわけであります。そういう点に主体を置きまして公団に協力していただくということを趣旨として考えておりますのであります。で、そういう方々が希望があるということになれば、公団の職員が直接それらの人々とお会いしまして、さらに十分話し合って公団の責任においてみずから契約していくというやり方をしたいと思うのであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっとお聞きしますがね、法律ができて公団が発足した。その場合の公団の方では、どの方面で分収契約をやりたいからということを県の方に申し出るわけでしょう、おそらく順序としては。そういうことは何も言わないで、ただ県が法律ができたら自分で自主的に動くということは、これは考えられぬのですね。やはりあなたの方でどの方面で分収契約をやりたい、こういうことを県に示すことになるのでしょう。どうなんですか、これは。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) この法律が成立いたしました場合には、林野庁といたしまして、大体それぞれの県でどれくらいのものを三十六年度あるいは三十七年度等にやっていきたいか、契約としてはどの程度のものを考えているか、それで実行はその中でどの程度ををやっていくかというものは、われわれの方からも、あるいはまた、公団の方からもそれぞれ県に出すということはもちろんであります。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 理事長にお聞きしますが、林野庁としてはそういう大まかな計画面積というものは出すでしょうが、その契約当事者である公団としては、そういう嘱託までお考えになっておるのであれば、やはり県に対してどういう場所でどの程度のことをやりたいのか、大まかにはやはり何か言って出ることになるのでしょう。そこはどういうふうに考えているのですか。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) その点につきましては、もちろん、林野庁の方の県別契約というものが私どもの方に示されてくると思いますが、それに従いまして、当該県のものは県の方に私どもの方で出向きまして、県の予定地なり何なりを伺って、それから具体的に計画を立てたいと思っております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 あなたの方はそうすると契約の当事者になるわけですけれども、ほとんどこう不安というか、そういうものがないような話し振りですな。とにかく法律ができてから、役所の方から示されたら、それで一つ勉強してということのようです。順序はそれでもよい、それは知らぬのならそういう経路を踏まなければいかぬでしょうが、そういうふうにして役所から示された、それで自分の方で勉強してそれでのみ込んだ。しかし、いよいよ仕事にかかる場合には、あなたが責任者なんですからね。だからそこで、県の方に対して勉強した結果、こういうふうに考えるから、この方面へ一つPRをしてくれとか、努力してくれとか、やっぱりこういうことをまずあなたの方がおっしゃることになるのでしょう。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) その点は、先ほど申しましたように、まず県と打ち合せをいたしまして、県内の予定地の所在地なり、あるいはまた希望の町村におきまして、県の方についてはわかりますから、それで私どもの方から積極的に出かけて行って、県の方にも協力していただく、進言する、そういう順序になると思います。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 そういうことになりますと、対象がだいぶしぼられてきて、そうして県の方が動くということにやっぱりなるわけです。そうしますと、ほんとうの意味の一般的な分収造林を大いにやっているのだというふうなポスターを張ったり、演説して歩く程度のことなら、これは法律には書いてないけれども、別にどこの行政官庁がやって悪いということもない。しかし、そんなことじゃこれは事業にならぬわけですから、事業主体ですから、結局はあなたがおっしゃったようなやっぱり調査というものは、ずっと狭められてきて、そこで県の方にもお手伝い願う、こういうことになるのが順序だと思う。そうすると、その際に県の方が動くというのは、すでに出ておる通達からいきましても、契約締結のあっせんなんですからね、だから相当具体的なところまで義務づけられておるわけなんです。義務というか権限というか、とにかくそっちまで入っていいことになっておるわけなんです。だから、その範囲のことは県が当然費用を持っていいわけなんです。これは現行制度ではそれで大体いいわけですね。嘱託も何も要らない。だから特に嘱託を置くというなら、あっせんよりももう一つ先のことがなければ一人当たり五千円にしろ、金まで出して嘱託を置くという意味は、これはなくなってくる、そうならざるを得ぬ。そういうふうに私は考えるのですが、ともかくあっせん、干渉のもう一つ先のことじゃなければ、これは要らぬことになるのですから、理事長どう考えるか、あなたが金を出すからあなたに聞く。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) 私といたしましては、先ほど申し上げましたように、契約の締結ということにつきましては、むろんこれは公団で責任を持ってやるのでありますが、ただいろいろこれはもう簡単に話し合いがつくこともありましょうが、なかなか話し合いがつきにくいというようなこともあろうかと思いますが、そういう際に県の当局の力に口添えを願うということも、再々あろうかと思うわけであります。そういうことで、初年度から次年度と年次計画を立てて逐次県別にやっていくわけでありますから、そういうものに協力していくという意味で考えております。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 だからちょっと話してもなかなか話がつかぬ場合もあるから努力願う。つまりそれはあっせんなんです、いわゆる。まさしくあっせんなんで、そういうことは北村さんが言うように知事がやることになっているわけですよ。さらに五千円をあなたの方が出すなら、やっぱりもう一つそれから進んで契約締結だな、判こを押すまでは、それは県の人は行かぬでしょう。しかし判こを押せば、ちゃんといいようにするところまで県の嘱託の方がやるのじゃなかったら、それは意味がない。しかしまた意味がないというのは、公団の方が手薄だからそこまでまたやってもらうということは、公団の今の陣容では必要でしょうね。だからそういうことならそういうことでそこをはっきりしてもらった方が筋が通るわけです。契約締結のその一部をやるわけでしょう。判こを押すのはあなたの方ですよ。もう一ぺんそこのところを答えて下さい。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) 私の考えといたしましては、むろん判こをつくまで、先生のただいまおっしゃったのは判こを押すばかりにしてもらうのだろう、こういうお話のように伺っておりますが、まあ何と申しますか、むろん私の方で現場に出張っていって、相手方の方とお話し合いをして契約をするわけでありますが、それまでの下話と申しますか、根固めと申しますか、そういう面でむろん県の方々にも現場に向かっていただいてやっていただく。そういうように考えておるわけであります。

清澤俊英日本社会党

○清澤俊英君 関連。いいところまできているのですがね。契約の判をつくんでしょう。そういうとき、わしはしろうとで何にもわからないけれども、聞いていますと、とにかく町村が契約当事者になって、町村が造林を実行する、こうなんでしょう。そうすると契約するとき、それ自体はあなたの方は経費を負担するのだから、実地の調査もしなければならないし、いろいろな作業があると思います。それをあなたの方では今契約書を人が足らぬくらいですから、それを全部やるくらいの人数はないのでしょう。そういうことを考えると、今の問題はひとりでに解決していくものだと思うんだ。やれないものをやるんだから、それを県の方で、嘱託費、全部やってもらう。五千円くらい出してやってもらうとあなたは言っておるが、山崎さんはそうじゃない。まあ大体一県一名くらいのことは増員を考えておる、こう言っておる。そういうものが要りますよ。当然ひとりでに落ちる。これは落ちているのじゃないかと思います。そうしなければ問題にならないのだ。(「大体そんなことはできないよ」と呼ぶ者あり)どうなんです。そこらあたり、どう考えておられるのか。そこがなくて、人が何もなくて、実地調査から経費まで全部計算して経費だって、山元では地形によっては、いろいろ経費の見積もり方も違いましょう。あなたの方で数字を出すのだから、それが契約の内容になるのでしょう。内容を整えるには、そこまで要りようなんだということですから、ただ契約契約というから問題はないかもしれないけれども、契約をするのには、そこまでの内容は私は必要じゃないかと思う。そういうものをやる。あなたの方には人がいない。そこが問題があるわけなんです。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 今お話しましたように契約の自体の仕事、これの内容というものはもちろん非常に重要なことでございますので、こういう問題につきまして、公団がその県の嘱託等におまかせしてやるというわけにはもちろんいかぬわけであります。公団の職員等が最終的な必要な折衝もし、また調査もいたしまして、両者で話し合ってその負担をどうするとか、そういうことを前提にして契約を結ぶわけであります。そういう重要な面につきましてこの県の人等にそれをまかすということは、絶対やるべきではないし、やってはならぬと考えているのであります。この嘱託等につきましては、先ほど私から御説明をし、あるいは理事長からお話いたしましたような点を考えているのであります。と申し上げますのは、御存じの通り、今後この二十三万二千町歩を、しかも零細な非常に関係者の多いものを九カ年でやろうというふうに考えているわけでありますので、県に対しまして、その県の予定がたとえば千町歩あったというふうにいたしましても、それの希望者というふうなものがどういうふうにその間に配置されるかというふうな点が、これは強制してやるという筋合いのものでもないわけでありますし、どこまでもそれぞれの所有者の方々の認識、話し合いというものを前提にしてやらなければ、契約までいかぬわけであります。こういうことにつきましての県等の関係者の協力というものを必要とするように存ずるのでありまして、そういう面につきましての協力を県にお願いするというふうに考えているのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 理事長に聞きますけれども、五千円出すというけれども、嘱託費ね。受け取るのにどうやって受け取るのですか。今の公務員は給与の二重取りはできないことになっていますよ。あなた払おうったって、向こうの人は受け取りませんよ。どういうことになっていますか、それは。どうやってあんた渡すんだい、この五千円を。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) この点はまだ予算を……。

北村暢日本社会党

○北村暢君 予算の問題じゃないよ。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) いや今予算上一応五千円程度を考えているということを申し上げたのでありますが、まだ具体的に支出方法をどうするかというところまで、実はこまかに見つめておりません。ただ、これは実費支弁という意味で考えておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 長官にお伺いしますが、嘱託費五千円払うというが、地方公務員は公団の払う五千円を受け取る方法がありますか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) これはお話の意味は、どういう意味かわかりませんが、いわゆる人件費と申しますか、俸給等の一部という形では払うということはできないように考えておるのでありまして、いわゆる現地に行っていただいたときの旅費という形において、こういうものを(「冗談じゃないよ」と呼ぶ者あり)払っていかなければならぬというふうに考えております。この点につきましては、農林漁業金融公庫等におきましても、県にいろいろな面のめんどうをみていただくという意味のやはり委託費と申しますか、事務費というようなものは出しておるわけでありまして、そういう線に沿った行き方をしていきたいというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それはね、出しておりますけれども、それは嘱託費じゃないんですよ。昔のように、あなた方古い役人だから嘱託費だなんといって嘱託費もらえると思っているかもしれないけれども、嘱託費をもらうような制度になっておりませんよ、今の給与制度は。地方公務員だってこれは準じています。公庫から経費は入れますけれども、それは一たんやはり地方財政の中に入ってそして給与として行なわれているので、地方公務員にそれを委託したからといっても、その業務の過重になっただけ金を払うというような形になっておりませんよ。そういう方法はありますか。検討されましたか、それは。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) お話しました通り、いわゆる俸給とかというものの形においてこれを出すということを考えてないのでありまして、(「適当に答弁している」と呼ぶ者あり)先ほど申し上げましたいわゆる嘱託という言葉が、あるいはまあ昔の嘱託制度というようなものに関連しまして適当ではないかもしれませんが、先ほど申し上げましたような趣旨においてこれをやっていきたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 聞けば聞くほど奇々怪々でわけがわからない。今聞かれたから思い出して答弁しているような答弁としか受け取れない。だから予算にも載ってない。ここに県に委託するなら委託するように、委託手数料幾らといって手数料で払えばいいじゃないですか、委託手数料でなくて、業務で出張するというのなら、出張したのは契約のために出張するのでしょう、そうすると公団の業務をやることになるのでしょう、一般的に行政指導とか何とかいうことではないのでしょう。さっきから聞いているのは、その辺がもやもやして何もはっきりしないじゃないですか。公団の業務をやるのかやらないのかと先ほどから聞いている。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 先ほどお話しいたしました通り、公団の業務と申しますか、この水源地帯の造林の契約を早急に進めていくという……。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それば契約の業務なんだよ。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) それは協力をお願いするというわけなんでありまして、これがいわゆる人件費の一部という形におきまして、公団がそれぞれ県の職員に人件費というふうなもので出すというふうには考えてないのであります。で、旅費とかいうふうな形において出していくというふうに考えているのでありますが、これは今後県等と折衝いたしまして、県の収入にあるいは繰り入れるという場合もあるかと思いますし、また、それぞれ個々の人に、その現実に応じて支給していくというようなことになる場合があるかとも思っております。これらの点は今後十分検討していきたいと思うのであります。要は人件費というふうなものを負担するという趣旨ではないというふうに御了承願いたいのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 いずれにしましても、そこら辺のところはまだ検討されてない。事実問題として人が足りなくて、どうにもならないのじゃないですかと聞いたら、県の方とも、嘱託を置いてと、こういう逃げ口上としか私は受け取れない。であまりやっていても今後検討すると言われているのですから検討した結果、あすあさって早くどういうふうにするかきめて、予算書の中にでも出していただきたい。  それからもう一つお伺いいたしますが、公団の予算はまだ承認になっておりませんか。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) まだ承認になっておりません。今大蔵省と案で話し合い中であります。私の方は農林大臣に申請いたしまして、農林大臣の認可を受けるわけでありますが、農林省が大蔵省と協議をする、こういうことになっております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 予算が承認になっていなければ、四月の俸給だの何だのどうやって払いましたか。

石坂弘森林開発公団理事長

○参考人(石坂弘君) その点につきましては、一応近々に予算の認可があるものとして、仮払いの形で支払うことにいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 どうもだんだんおかしくなってきた。三十六年度予算の認可がないということになれば、さっそくこの認可になる前に私は県の今いった委託費であるとか、何とかいう内容について大蔵省と協議をして、そうして明らかにしたものをもう一度報告してもらいたい。そうでない限り、これは大臣の認可事項になっているからということで、国会では審議権がないというふうに今なっておる。しかしこういう問題について、私は本質的な問題として疑問があるのです。従ってこれはどういうふうに認可されるか、先ほどいった委託費とかそういうものについてまだ認可になっておらないのなら、一つはっきり大蔵省と折衝した結果を予算書の中に出していただきたい、これは確約できますか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 現在この予算は大蔵省と折衝の過程にあるわけでありまして、御存じの通り林道等の関係はすでに問題はないように思っておるのであります。造林等の部門におきまして国会におきます審議の経緯、そういうものを見まして、大蔵省としても最終的な決定をしたいという考え方もあって、現在まだその結論に達していないのでありますが、林道その他のものにつきましては、もう問題はないという形になっておるように考えております。これらの点も早急に大蔵省と打ち合わせいたしたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 予算というのは、大体三月三十一日までに認可を取るのが普通なんですよ、これ、あなたのところだけじゃないですか。今四月何日ですか、二十日ですか、認可が出ていないなんて、そんなでたらめなことないでしょう。まあとにかく認可を得てないのですから、認可をしてないのですから、これは長官の責任である。農林大臣が認可するのですけれども、これは長官がサボっていたから、こういうことになるのでありますから、これは一つ早く認可してやらないと予算を使えないですよ。  次にお伺いいたしたいのは、公団そのものの問題についてお伺いいたしたいのですが、全額国庫出資のこういう金融公庫あるいは公団、公社というようなもので、政府関係機関でないものがあるかどうか検討されたことがありますか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 林野庁としては、そういう点を私は研究したことはないのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 林野庁として研究したことないというのは、はなはだ不見識な話で、あなたのところに答申になっておる、政府に対する答申案、基本問題調査会の答申案の中には、国有林野事業は今後公社として検討すべきである、こういう答申案が出ているはずです。公社の問題については検討されましたか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 公社の問題につきましては、そういう基本問題調査会等の関係もありまして、検討は進めておるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 公社と公団というのは、差は何ですか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 端的に申し上げまして、公社といいますものは種々の点で公団、事業団等よりはその運用上国に近い取り扱いがされておりまして、公社の予算には国会の議決を必要とするというふうに相なっておるのであります。また五現業と並んで公共企業体等労働関係法の適用がされるというふうなことに相なると思うのであります。公団につきましては、それよりもやはり民間という点に一歩近づいたような方向をとっておるのであります。その収支の予算等は、国会の議決を必要とせず、大臣認可だということ。それから先ほど申し上げました公共企業体労働関係法の適用がないというふうな点が両者の相違であるように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 全額国庫出資のものが公社よりも政府関係機関から遠いという、そういう理解で差しつかえございませんか。今度の森林開発公団は、造林関係は全額国庫出資でしょう。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 全額出資を前提といたしました公団が公社よりも国にまあ近いのか、あるいは遠いのかという御質問であるように思うのでありますが、これは公団というものの性格からいたしまして、われわれの段階といたしまして、どっちに近いと、公社よりも国に近いというふうな考え方は、私たちの段階におきましては申し上げかねるのであります。それらの点は財務当局等から十分意見を聞いてお答えいたしたい。

北村暢日本社会党

○北村暢君 もしかりに、基本問題調査会の答申案によって国有林野事業が公社になった場合、森林開発公団との関係はどういうことになりますか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 公社というふうな場合におきまして、その関連と申しますか、必要な部門に必要な経費を出資すると申し上げますか、そういうふうなことは、特別会計等の場合よりも可能性というものは大きいのじゃないかというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そういうことをお伺いしているのではなくして、公社と公団というのとの差というのは、先ほど長官が言われたように現状においては公労法が適用になっているとか、あるいは実体法上からいって、政府関係機関として予算、決算は国会で受けなければならないとか、こういう差はあるのです。あるのですが、これについて政府関係機関とは、それでは一体どういうものなのか。政府関係機関というのはどういうものなのか、これについて検討を加えたことはありますか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 私たちといたしましては、十分に突っ込んだ最終的な検討までいたしておるわけではありませんが、政府関係機関というふうに考えますのは、政府が出資をして、あるいは政府資金、特別な法律に基づきまして公共的な仕事をし、政府資金等がそれに投ぜられるというふうなものを政府関係機関というふうに考えるべきかと思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それじゃ全額国庫出資の機関は、政府関係機関とはいいませんか、森林開発公団は。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 政府関係機関であるというふうにわれわれは思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それはそういうことになっておらないのですよ。政府関係機関というのは、三公社と八公庫と二特殊銀行以外は政府関係機関になっておらないのです。しかし、これは法律じゃないのです。今の財政の取り扱いがそういうふうになっている。政府関係機関というのは、三公社と八公庫と二特殊銀行以外にないのですよ。公団その他は、これは全部政府関係機関じゃないのです。公社なり、あるいは公団の業務を取り扱って法案を提案しているのに、そんなことがわからないなら、法案を提案したってつまらないじゃないですか。どうなんですか、明確な答弁できる人はいないの。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 先ほど御説明いたしましたように、きわめて通俗的な意味で御説明したわけでありまして、その点は一つ検討して御答弁いたしたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。   〔速記中止〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。

佐俣幸二林野庁森林開発公団監理官

○説明員(佐俣幸二君) 答弁がおくれまして、はなはだ失礼いたしましたが、私どもの今までの研究では、公社、公団、公庫というのは、現実に今あります公社、公団、公庫等の性格を研究することが、その性格といいますか、いわゆる定義づけというようなものについては、現在あるもののその性格を調べなければならない、そういう調べ方以外にはないというふうなことで調べておりまして、それによりますと、公社、公団、公庫の性格というものは、いわば紙一重のもの、非常に通俗的なお答えで恐縮でありますけれども、従来までの研究の経過ではそういうことで、その性格の差は先ほど長官が申されたような形になっております。今北村先年がおっしゃられた三公社、五現業に二特殊銀行という点につきましては、まことに恐縮でございますけれども、確実に調べてございませんので、さっそく今すぐ調べましてお答え申し上げたいと思います。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記とめて。   〔速記中止〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記始めて。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今こちらで言われたのは、三公社五現業と言ったのは、私は五現業なんて言わないのです。五現業は入っていない、政府機関ではなくてあれは政府なんです。だから、五現業は政府なんですから。

佐俣幸二林野庁森林開発公団監理官

○説明員(佐俣幸二君) 間違いました。

北村暢日本社会党

○北村暢君 大蔵省にお伺いいたしたいのですがね。今林野庁に対して国有林野特別会計というものは国有林野事業ですね、これは合理化その他の点で公社として検討して、早晩、林野庁としては答申案が出ているのですから、検討せざるを得ないところに追い込まれているわけです。追い込まれている。従って私は今お伺いしているのは、もしかりに林野庁が公社ということになった場合、今森林開発公団というものができて、現在あって、これが林道事業の奥地林開発ということだけでなしに、造林事業もやるということになると、その造林事業というのは、今まで官行造林でやっておった事業を引き継ぐわけではないけれども、引き継ぐみたいな形でやるわけですね。従ってこれは官行造林事業も国有林野事業であったわけです。従ってこの官行造林事業が森林開発公団に引き継がれたのですから、それでその今までやっていた国営卒業としての公団事業が、森林開発公団でやるという場合と、国有林野事業が公社になった場合の公団と公社との差というのは、一体どういう関係になるのかということをお伺いしておったのです。おわかりでしょうか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの御質問でございますが、公社あるいは公団というものの性格がどういうものであるか、こういう問題にからむわけでございます。で、この公社または公団と申しまする性格につきましては、これはいろいろ議論がございますので、ただいまの現行法の基礎に立って申し上げますと、現行法におきましては、特に国民生活あるいは経済政策上非常に重要な意味を占めまする御存じの三公社があるわけでございます。ことにこれにつきましては、憲法ないし財政法に基づきまする租税法律主義の範疇に入って参りまするいわば独占事業的な経営形態という点も考えられまして、公社という形態をとっておるわけでございます。そういうような中に、たとえば国有林野事業が一体公社というものに値するのか、あるいは公団に値するのか、その辺はいろいろ議論があるところでございます。ことに今申しました公社の概念は、実定法上の、今の現行法に基づきまする概念でございますので、これを、どういう範疇のものを公社として取り上げていくかという問題につきましては、いろいろ議論のあるところでございます。かりにそういう国有林野特別会計で経営いたしておりまするものを、国から独立をいたしまして、独立の法人で経営させることが検討の結果適当であるというような結論が出ました場合におきましての御質疑かと思いまするが、その場合におきましても、いずれの形態をとるにいたしましても、それぞれのその独立法人でもって営みます業務形態、あるいは業務の範囲というものは、またいろいろの検討の中におきまして決定されるべきものだと考えております。たとえば、例を申し上げますと、かつて日本道路公団がございましたが、そのうちの首都東京都におきまする高速道路につきましても、この日本道路公団でやった方がいいのではないかという議論もあったことは御存じかと思いますが、いろいろの検討の結果、それにつきましては首都高速道路の公団が別途できておるというような状況もあるわけでございますので、いかなる公団がどういう業務範囲を行なっていくかということは、それぞれの実情に応じ検討された結果考えられるべき問題である、こういうふうに考えるのでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ちょっとはっきりのみ込めないのですが、これはむずかしい問題ですから、非常に私のみ込めないのですが、それじゃ公共企業体と公社ですね、公団、公庫、事業団、こういうものの関係ですね、公共企業体というものとの関係、これについて御説明いただけるかどうかわかりませんが、一つ説明をして下さい。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 今申されました公共企業体という意味でございまするが、非常に広い意味で、何と申しますか、パブリック・コーポレーションと申しますか、学問的な公企業というような概念でございますと、今仰せられましたものは全部入るわけでございます。もっとも通例いわれております公共企業体と申しますのは、公企労法の適用のあるもの、すなわち三公社のみこれを狭い意味ではいうわけでございます。従いまして、それを使います意味によりまして違うわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 公共企業体といえば、今の実定法上からいえば三公社だけが公共企業体なんですね、あと以外は全部準公共企業体です。しかし今あなたが言われたように、公共企業体というものが、私が今準公共企業体と言いましたが、それすらもあなたは公共企業体とおっしゃられたですね。学説的にいえばパブリック・コーポレーション、これはガバメント・コーポレーションとなって、そういう範疇に入ることは間違いない。従ってこちらの先ほどの答弁にありましたように、公社と公団とは紙一重だと言われたのですが、その通りなんです。区別がつかないのです。実は。ただ実定法上からいうと、公共企業体というものは三公社だけが公共企業体になっておって、公企労法という法律でいう公共企業体とは三公社になっておる。しかし公団と公社というものは、非常に公共企業という点からいくと、性格が非常に似ているのです。従ってどれを公社といい、どれを公団というかということは、これは非常にむずかしいのです。この区別の仕方は。従って私は先ほど来言っていることは、今公団、森林開発公団に移されたこの官行造林事業というものは、従来公共企業体として、等という中に入って公労法の適用を受けておったものですね、これは。従ってこれが基本問題調査会の答申案に基づいて、もし公社ということになれば、これは公社の中に入って、そして今までやっていた国有林好事業が公社になるんですから、当然官行造林事業を引き継いでおれば、これは公社の中で行なわれたはずなんですね。そして公労法も現実に今適用になっておるわけです。官行造林の職員は、従業員は公労法が適用になっているわけですね。そういう点からいきますというと、これは当然公団にいったことによって、公団は今公社でございませんから、労働法関係は労働三法が適用になるわけです、公務員じゃないのですから、そういうことになるでしょう。そういう点からいって、この点からいけば、もし国有林野事業が公社ということになれば、公団と公社とは紙一重で、公共企業体ということでは大体性格は同じなんですから、同一のものに入るものであるから、もし公社になったならば、この森林開発公団と国有林野公社というものは従来が一緒であったんですから、一緒であってもこれは差しつかえないんじゃないか。わざわざ官行造林というものを引き継いでいたものなら公団として設ける必要がないんじゃないか、同じ公社の中でできるんじゃないか、こういう理屈が出てくるんじゃないか、こういうような感じがするのです。それでもなおかつ公団を置いていいんだという場合もありましょう。ありましょうけれども、今まで一緒にやってきたものなんです。だから今後も一緒にやっていけないということはない。従って公団というものは公社に吸収されるべきものである。こう見て差しつかえないんじゃないか、そういう感じをしているんですよ。従って公団に今移そうとしているわけでございますけれども、こういう問題について公団、公共企業体、公社こういう三者の関係からいって、一体解釈的にいって、法体系からいって、一体そういう一緒になるということが無理なのかどうなのか、そこら辺のところがどのように感じておられるかお伺いしておきたい。まあよけいなものを、弱小なものととんでもない強力なものと二つできるわけでありますから、それじゃ少し私は政府関係機関である上からいって、行政組織的にいっても無理があるんじゃないか、このように思うわけですよ。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) ただいまの問題でございますが、国有林肝事業を公社で経営するのが適当かどうかといいます問題は、非常にむずかしい問題でございまして、十分慎重に検討しなければならない問題でございます。一方におきまして森林開発公団におきまして、水源林の造成のために従来の官行造林の引き継ぎといたしまして、そういう造林事業をやっていくということも、これは至急やらなくてはならないことだと考えております。しかもそれをやります場合に、むしろ森林開発公団の現状等にかんがみまして、森林開発公団がやっていく方が適当であるという判断を実は政府はいたしたわけでございまして、そういうことでその御審議を願っているわけでございます。従いまして、まずそちらの方の御審議を願うわけでございまするが、かりに公団ができた場合にそれをどうするか、こういう問題につきましては、もちろんそのときにあわせて検討すべき問題かとも思いまするけれども、従ってそのときにそれは論理的に申しまして、一緒になってもかまわぬという議論がもちろんあると思います。しかしながら、また逆にそれぞれの、先ほど申しましたように業務分野に応じまして、どういう業務をどこでやっていくのが一番能率的であるか、こういう観点に立ちまして判断いたしましたる結果、やはり同じように分けておいた方がよろしいという結論もあり得るかと思いますので、その点につきましては今後の検討の問題ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そういう政治的な答弁をあなたに要求しているのじゃないのですよ、あなたは法規誤長なんだから、法規的に僕は説明してもらいたい。そういうのは大臣なり長官なりにまかしておいていいのです。そういう政治的な答弁をあなたに要求しているのじゃないのですよ、法規課長だから。行政組織的にいって一緒になることもできると思うし、公社と公団というものの解釈の上からいったって紙一重なんだから、学説的にはいろいろあるのですから、まだその結論も出ていないけれども、むずかしい問題です。確かにむずかしい問題ですけれども、しかしながら、これはあなたが法規課長として、公社と公団というものとの解釈の中から言って、今までの私が言っているように、今まで一緒であって公労法という法律が適用になっている、それが公社にもしかりになったとすれば、公社ということになれば、これは公労法を適用になって公社になる、かりになればですね、そうして一方は公団ですから、先ほど言ったように労働法は労働三法ですよ。そこでやはり差がついてくるのです、今の実定法からいけば、そういう点で。しかしながら、公共企業体というものからいけば、行政組織上からいけば、従って一緒になっても差しつかえないのであろう、これはこの公社制度なり何なりというものが終戦後の新しい機構でありますし、しかも今盛んに事業団というものが出てきているのですから、政府としてもこれは結論を下さなければならない段階に追い込まれているのですね、水利公団なんていうのは。今はやりなんですから、公団というのは、そうでしょう。そういう状態にあるのだから、私は特にこの問題についてしつこく聞いている。だから法規的に大蔵省は、いつか決断を下さなければならない段階に追い込まれているのですよ、法規的な解釈からいって、そうじゃないですか、どうなんですか。  私はそれと関連をいたしましての、政府関係機関というものは三公社と八公庫と二特殊銀行だ、これが政府関係機関ですね、予算、決算は出さなければならない、それ以外の公団、事業団一切これは大臣の認可事業で、予算、決算は国会に出さなくてもいいことになっておりますね。ところが森林開発公団は全額国庫出資ですよね、規模が小さいといえば小さいかもしれませんけれども、しかしこれも昭和四十四年までですか、これから九年間であるというと百何十億になるわけです。そういう全額国庫出資の機関が、国会で予算審議をしなくていいかどうかという問題が一つ出てくると思う。政府関係機関というものも、あれは法律できめたものでないのですね、全く公団は政府関係機関ではなくて、予算は国会でやらなくていい、こういうことは成り立たない、実際は。いかにでたらめやってもいいかということになるのですね。もう現実に今の森林開発公団なんというのは、何が何だかわけわからない。予算を、今大蔵省の認可をごまかして取ろうとしている、けしからぬと思っているのですけれども。けしからぬと思っている。そういうものに対して国会が、全額国庫出資だのにわれわれが審議権がないなんて、そんなばかな話ないです。そういうことが今行なわれようとしているから、私は大蔵省の見解を聞いておかないというと、政府関係機関というのは三公社と八公庫と二特殊銀行でいいですよなんということでは、これは何をしでかすかわからない。従ってこういう問題についてもやはり明確な解決を迫まられている事態にある、時期にきている。今公団がわっさわっさできるのですよ。そういうものが大臣の認可事項で、国会に審議権がないといった日には、予算、決算が今まで国営事業でやっていたものがみんな決算でできなくなってしまう、予算、決算で審議できなくなる、こういうばかげたことはあり得ないのですよ。だから予算、決算の、国会との関係において、議会制度というものの関係においてもこの問題は問題になってきているのです。今日従って、私はそのあなた方の計画が、公団が今やった方がいいからやるなんという、そういう御都合主義でやるべき問題ではない。もっとやはり政府として慎剣にこの政府関係機関、公社、公団、公庫、こういうもののあり方というものについて、明確なやはり方針というものを政府が立てるべきだ。こういう問題についてはまあ池田総理大臣に来てもらってやらなければならない問題なんだ。実際はそういう問題なんです。国政の、国家行政としての重要な任務を持って公団というものはおるのですから、行政の一部の機関を担当するわけですね、水源林造成という。そういう全額出資の公団が国会の予算の審議権がないという、そんなばかなことはないのですよ。そういうことは大蔵省にまかせておけなんと言われたって、私どもまかしておくわけにいかない。こういうことになるとどうしてもここに問題が出てくる、検討するという。でありますから、この問題は簡単にいかない問題であるということで、あなた方に重大な注意を喚起をいたしたいし、軽々にこういう問題を取り扱ってもらいたくない。そういう観点から法規課長にわざわざ御足労願っているわけです。きのうは失礼いたしましたが、きょうは少しまともに答弁していただきたいと思いますね。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 御意見ごもっともでございますが、法規課長らしくぎりぎりの法律論をいたしますと、御存じのように憲法及び財政法では、国の予算につきましては、及び決算につきましては国会の議決を得ることになっております。ただそれ以外の公企業あるいは公共企業体、そういうようなものについては、それぞれの実定法の立法政策の問題にかかっているわけであります。従いまして、ただいま政府がとっております方針といたしましては、三公社、先ほど申しましたような国民経済生活に非常に大きな影響を及ぼすものにつきましては、これは国の予算の例に準じまして国会の議決を経、また決算につきましても同じく会計検査院の検査を経ました決算報告書を国会で御審議願うことになっております。また公庫及び開発銀行、輸銀につきましては、国の特殊金融の一端をになうものといたしまして同様の取り扱いをいたしておるのであります。それ以外の公団、事業団その他につきましては、もちろん今おっしゃいましたように、国が全額出資あるいは相当部分の出資をいたしておりまするので、これについても国会のコントロールのもとに置くべきであるという御議論もごもっともな御議論だと思います。ただ、一面、こういうような公団ないし事業団というシステムが生まれて参りました経緯を考えますると、一つには、国の活動の分野が広がって参りますにつれまして、何と申しますか、国家の行政組織の一環として、あるいはいわゆる国家公務員が扱いまする範囲といたしまして、あるいはその適用を受けまする会計経理規程その他において、国の会計制度そのものを適用していくことが必ずしも適当でないというような議論もあるわけでございます。むしろそういうものから独立した法人形態におきまして、比較的自由に能率的にその運営をはからしていった方が適当ではないか。いわゆる公共性と能率性の調和をはかっていくべきではないかと、こういう議論でございます。そういうような観点から、もっとも、その公共性の観点からはやはりこれは国即国民のコントロールのもとに置かれるべきものでございまするから、公共性の観点からは、むしろ行政権の監督の系列に属せしめる。従って国会のコントロールはその行政権を通じてコントロールを受けていく。もちろんそういうような方針を作りまする場合には法律が要るわけでございまするから、その立法に際して国会の御審議を受け、また憲法の規定によりまして、内閣は国会に責任を負うわけでございまするから、その系列を通じて国会のコントロールを受け、ひいては国民のコントロールを受けるというようなシステムが、いわゆる公団以下の事業形態でございます。もちろん、それにつきましてはいろいろの御議論がございまするけれども、そういうような考え方から、ただいま政府がとっておりまする方針といたしましては、公社、公庫につきましては、予算、決算につきまして直接国の予算に準じた取り扱いをし、それ以外のものにつきましては今申し上げましたような監督制度を設ける、こういうことでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 ちょっと一つ。名称は公団でありましても、全額出資をしているとか、あるいはその事業の内容等から見て、予算並びに決算について国会にやはり出してくれ、こういうふうな規定を公団法の中に一項目設けたところで、別に理論上おかしいことにはならぬでしょう。あなたの見解は。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) 憲法に違反するかどうかという問題になりますと、先ほど申しましたようにそれではございませんので、そういう立法も可能でございます。ただ、今御説明申し上げましたように、公社、公庫というものは、こういうそのコントロールを受けるべきもので、公団というものはこういうコントロールを受けぬものという概念のもとに立法をいたしておりまするので、その特例措置になるわけでございます。従いましてそういう特例措置をお考え願わなければならないかどうかという問題が一つあると思いまするし、それまでの理由がなければ、やはり同じような類型でもって立法をしていくのが正しいやり方ではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。

亀田得治日本社会党

○亀田得治君 名前は公団でありましても実質はむしろ三公社、五現業に近いというようなことがはっきりしてきた場合には、置くのが私は筋だと思うのです。それから実際は、名前は公社というふうな名前になっていても、中身から考えると公団的なものだということになれば、公社であってもそんな規定は置かぬでもいいと思う。私はやっぱりこれは、そんな公社であるか公団と呼ぶかということの問題じゃなしに、事業そのものの中身からやっぱり検討して、やっぱりそれにふさわしい規定を入れるべきだと思うのです。まあ、ほんとうは名前を変えればそれは一番いいことでしょう。だから公団だからどうだ、公社だからどうだ、そういうことでなしに、やっぱり中身から判断して、適当であれば置いてちっとも理論的には差しつかえないことですね。もう一ぺんちょっとそこを。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) その、名は体を表わさないとかというような言葉がございます。そういうことがございませんように、制度化いたしまするときには、できるだけ実態に合わせまして名前をつけていく。従いまして公社の性格を持っておりまするものは公社という名前を用い、従って公団という性格を持ったものが公団としての性格を、名前を持つように制度を作るのが正しいやり方だと思っております。その公社と公団の性格の区分でございまするけれども、これはいろいろ御議論があろうと思いますが、現行法におきましては、今申しましたように、国民生活に重要な関係があり、かつ独占事業として行なわれている所、こういうようなもの、あるいはいろいろな議論も性格論としてございますが、たとえば公社につきましては、恒久的に国の制度の一環として行なわれているような性格が強いわけでございますが、公団につきましては、これは非常に論理的な問題でございますが、そのときどきの経済政策に応じまして作られていくといったような性格も多分に持っておるわけでございまして、そういうようないろいろな性格を検討いたしまして、公社にすべきものは公社にし、公団にすべきものは公団にするというのが正しい立法論ではないかと、こういうように考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 時間も時間ですからやめたいと思うのですが、もう一つお伺いしておきたいのは、今、亀田委員もお伺いしているように、内容の問題ですね。政府関係機関ということで、これだけは今予算、決算について、議会制度というもののあり方で、一応これは国会の審議を経る、こういうことになっている。   〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕 しかし、これは法律的に何もきめたものはないのじゃないですか。法律的にきまっておりますか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) これはその各法律にきまっておるわけでございます。公社につきましては各公社法に予算及び決算の規定がございます。それから公庫等につきましては公庫等の予算、決算に関する法律というのがございます。公団以下につきましては、それぞれの公団法、事業団法にそれぞれの予算、決算の処理の方法が規定されてございます。で、中身は御存じの通りの格好で書いてあるわけでございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ですから、各個別の法毎できめているだけであって、政府の統一した意思として、こういうものは国会の議決を経るとか、こういうものは大臣の認可事項だ、こういうきめたものはないわけですね。個々の問題できめているわけですね。そうでしょう。だから、その基準というものが、個々にはきまっておるのだけれども、ないわけですよ、基準というものはね。だから、これは国会に諮らなければならないかなということになれば、その法律で、国会に諮る、こういうことですね。まあ一応の区分はできているわけですけれども、しかし実際問題として、ここが問題なんです、私が検討しなければならないというのは、内容の問題なんですね。公団というのは、それじゃ、認可事項だからよろしいと、実際には公団という内容でありながら、国会の議決を経た方がいいというものがあるわけですね。あるのですよ。しかし、公団という名前だから、公団以下は、事業団は一切、住宅公団、道路公団一切、大臣の認可事項だ、こういうことになっているわけですね。でありますから、そうではなしに、政府が全額国庫出資をしているとか、あるいは政府から借入金を借りているとか、あるいは、これは債券発行でもって独自の財源の方が大きいという、政府に依存している程度が少ないというようなもの、あるいは補助金だけでやっているもの、そういうものは大臣の認可事項でいいでしょう。たとえば農業共済基金という基金がある。これは補助金だけでやっているわけですね。三分の一くらい補助金を出す、出資はしておらぬ、政府から貸し付けもしておらぬ、そういうものは大臣の認可事項でよかろう。金額出資しているものは、国の経費を直接全額無利子で出資しているのですから、国営の代行みたいなものですね、これは。そういうものは、予算、決算の建前からいえば、全額国庫出資したものは、補助金等でやっているものよりは、これはやはり国会で予算、決算としてはやるべきじゃないか。というのは、内容的な問題からいって、私はそうあるべきだと思うのですよ。従ってこういう問題については、公団とか公団でないとかいうことできめるべきではなくして、公団であっても、国会の議決を経るものは実体法の中できめればいいわけですからね。それでいいじゃないか。しかし公団は全部だめなんだ、こういうような、私は、理屈は成り立たないのじゃないか。この問題がやはり今問題になっているのですよ。あなた方、近い将来においてこれは解決の迫られておる問題なんですね、予算、決算のあり方という問題について。事業団というものがどんどん出てくるときにおいて、これは必ず出てくる問題なんですよ。ですからこの点は私は特に、今森林開発公団の水源林造成というものは十億の全額国庫出資ですからね、ほかは何もないのですから。そこで今特別に会計経理を別途にして、今、事業をやろうとしておるわけです。全額国庫出資のものは、これはやはり何か実体的にいって考えるべきじゃないのか、これは理屈として私は成り立つと思うのですけれども、どうなんでしょうか。

上林英男大蔵省主計局法規課長

○政府委員(上林英男君) いわゆる公企業のうちで、どの程度国が参画をしておりますれば、それについての予算、決算を国会の議決に諮らしめるかという問題は、いろいろ議論があるわけでございまして、お説のような全額国庫出資の場合に国会のコントロールに付せしめておる例はアメリカに例がございますが、それにつきましては、またいろいろの批判があるわけでございます。従いまして、どの程度の機関につきまして直接国会の議決を経る、国会のコントロールのもとに置く機関を作るかという問題につきましては、むずかしい問題でございますが、ただ、私どもが今考えておりますのは、公庫あるいは公社または公団の類型に入りまするものにつきましては、そういう直接の予算、決算につきましては、国の予算、決算に準じてやる。公団以下につきましては、今申しました行政権の系列に属せしめるというような法形態を基準にいたしております。ただここで問題になりますのは、しからば、いかなるものが公社である、いかなるものが公団である、そういう基準の問題でございまするが、この基準につきましては、いろいろな事情を研究いたしまして、きめていかなければならない問題かと思っております。ただ、現実のいろいろの行政の中には、今おっしゃいましたように、国会のコントロールを強化した方が適当であるという御意見のほかに、先ほど申しましたように、より能率的に、あるいはより経済的にその公企業の運用をはかっていくためには、むしろ行政権の系列に属した方が、よりスムーズに運営されるという議論もございます。そういうところの調和の問題である、こういうふうに考えておるわけでございまして、具体的なその卒業を行ないまする公団の業務の範囲なり、運用の状況なりというようなものを考えまして進めていくべき問題ではないかというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこで、もう一問で終わりますが、林野庁長官にお伺いいたしますが、いろいろの解釈上の問題で、まあ問題はあるが結論が出ていない。これは学説的にも非常に   〔理平櫻井志郎君退席、委員長着席〕 結論が出ていないし、実体の法規の上からいっても問題がある。しかも、今、事業団というものが非常にブームに乗ってたくさん出てくる段階において検討を加えられるべき問題である。この点については、私はまた別の機会でやりたいと思いますけれども、さしあたっての森林開発公団と、それからこの答申との関係でございますが、答申では、国有林経営の合理化のために、現在の行政と経営とか分離されていない機構では、積極的、合理的の方法を貫徹することには限界があるので、公社制度等の積極的な機構改革の方法について十分に検討する必要がある。というふうにされておるわけでございます。そこで私は、先ほどあなたは公社の方は基本問題について検討しているが、公団はさしあたり急ぐから公団でやったのだ、こういうことのようですが、実際に聞いてみれば長官初め林野当局は公社なり公団という問題についてどれだけ深く検討されて、とりあえずだなんということの結論を出したのか知りませんけれども、聞きますというと、実際は何もわかっておらないという状態です。検討すらやっていない。文書を、書いたものを読み上げる程度で、どこかの論文をそのまま読むという程度で検討なんかやっていないですよ、大体、そういう中で今基本問題で結論を迫られているのに、それは公団なら公団でもいいですよ。公社なら公社でもいい、二つ置くなら二つ置くという結論を出すにしてもいいが、とにかく明確な検討をされないままでここに今日この法案を出してきているというところに、私は非常に問題があると思う。それだけの検討は加えておらぬ、林野庁はやっておらない、農林省はやっておらないのですよ。さっきの答弁で明確にその点はなっておる、でありますから、私はこういう重要な問題でありますから、一年や二年じっくり考えて公社、公団の差異とか何とかというものを研究されて、そうしてからこの問題にとりかかっても何らさしつかえない。それなるがゆえに今日基本問題調査会から答申が出ている、農業基本法が出て、そうして林業の基本政策を作ろうとしているのだ、今、その結論が何にもできてないうちに、こんなものを出してくるというところに、これはもう重大な、何をあわててこんなものを出さなければならないのか、全然理由がわかりません。あなた方はこれは不用意に出している。そういう点からいって、まあ予算等において大蔵省も十億出資を認めたということ自体に、政府部内において、これは大蔵省もあまり検討せずにやったのじゃないかという感じがする。いずれにしましても、この公団の問題は今非常に政治的にも、行政的にも、行政組織的にも問題になっている問題ですから、これは慎重に対処してもらいたかったと思うのですけれどもどうなんですか、一体これは私の今言ったことに答える自信がありますか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 国有林の経営につきまして、基本問題調査会等で公社等の問題も検討すべきであるというふうになっているのでありますが、これらの点につきましては御存じの通り公社というふうな形式も一応考えられますし、また考え方によりましては、大蔵省等でやられております国税庁と主税局というふうな考え方も考えられます。で、現在の特別会計の様式という三つのものが考えられるように思っているのでありまして、これらそれぞれが国有林の経営上、運営していく上におきまして、具体的にどういう点に利点があり、また欠点があるのかというふうな点をこまかくやはり検討していくべき問題であろうというふうに考えまして、どういう方向をとって、目標にするのかということでなしに、それぞれ現在検討を加えているという段階にあるのであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 検討中だから、結論が出ないうちに、こんなものを出すのはおかしいじゃないかと言っているのです。検討中なんでしょう、結論出てないんでしょう。出てないのに、こんなものを出すというのはおかしいじゃないんですか。まあ、きょうはこのくらいにしておきます。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、両案については、本日はこの程度にいたします。  散会いたします。    午後四時五十五分散会

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