農林水産委員会 第31号
- 発言数
- 336 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/18
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 この際、お諮りいたします。石谷憲男君から理事を辞任したい旨の申し出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。 つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。その互選の方法は成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それでは私より桜井志郎君を理事に指名いたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 沿岸漁業振興法案(衆第二三号)予備審査を議題といたします。 まず、提案理由の説明を願います。衆議院議員角屋堅次郎君。
○衆議院議員(角屋堅次郎君) ただいま議題となりました沿岸漁業振興法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 戦後のわが国漁業の著しい発展にもかかわらず、沿岸漁業の衰退と関係漁民の窮乏には、目をおおわしめるものがあります。昭和三十三年の沿岸漁業臨時調査によれば、経営体総数の八六・一%を占める沿岸漁家の漁獲はわずか全体の一七・九%を占めるにすぎず、漁家一経営当たりの平均漁獲高は十九万二千円、しかもこれは、やや能率的な三トン未満の動力船によるものを含んでいるので、無動力船階層では一段と低くなっております。昭和三十三年における階層別の漁業生産所得調査によると、三トン未満動力船階層の一経営当たり漁業生産所得は十九万八千百六十八円、同じく就業者一人当たり生産所得十一万三千六百八十九円となっているのに、無動力階層では一経営当り七万八千九百五十七円、就業者一人当たり五万九千五百九十円であります。このような低い所得を余儀なくされております関係で、漁家の消費水準はきわめて低く、農民一〇〇に対して九四%、都市一〇〇に対して六三%を占めるにすぎません。 沿岸漁業のこのような窮状は、沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へと、もっぱら外に伸びることのみに目を奪われ、沿岸漁業への施策を軽視してきた歴代政府の行政上の誤りによるものと断じても、決して過言ではないと存じます。 荒廃し果てた漁場を改良し、沿岸漁業を振興し、関係漁民の所得及び生活水準を向上させるためには、あれこれの思いつきで当面を糊塗しようとする政府の無責任な態度を一擲せしめ、思い切った振興政策を、しかも総合的に実施するのでなければなりません。すなわち、漁業条件の改善、水産資源の増殖、漁業の生産施設及び水産物の流通施設の整備等の事業につき、総合的な計画の実施をはかるとともに、これに必要な助成措置を講じ、もって、沿岸漁業の近代化、共同化を促進してその経営の安定と沿岸漁業者の所得及び生活水準の向上に資する必要があります。 われわれが、沿岸漁業振興法案を提案するに至ったのはこのためであります。 次に、この法案の概要について申し上げます。 まず、この法案でいう沿岸漁業の範囲についてでありますが、漁業権もしくは入漁権に基づく漁業(当該漁業以外の漁業で、総トン数十トン以上の漁船を使用して営むもの以外のものを含む)をいい、沿岸漁業者とは沿岸漁業を営む者及びその者のために沿岸漁業に従事する者をいうことといたしました。 第二点といたしましては、この法律でいう沿岸漁業振興事業とは、国、地方公共団体、漁業協同組合または漁業協同組合連合会が沿岸漁業を振興するために行なう事業であって、農林大臣が沿岸漁業振興審議会の意見を聞いて定める基準に適合するものをいうこととし、その主要なものを例示いたしました。重ねて申し上げますが、沿岸漁業の振興は、一、二の施策を思いつきで施すことによっては不可能であり、強力な施策を、しかも総合的に施すことが肝要であります。従って、第二条第三項に例示いたしました項目は、どれ一つとして重要でないものはありませんが、中でも一号から七号までは、漁場の豊度を高めることによって漁業の生産性を向上するための事業であり、私どもの最も重視しているものの一つであります。すなわち、第一号から第五号(特に人工孵化放流事業)に至る事業を大がかりに推進することによって水産資源の増大をはかるとともに、第五号から第七号までを推進することによって、いわゆる取る漁業から育てる漁業への発展を目ざそうというわけであります。なお、特に一言申し添えておきたい点は、養魚事業のうちきわめて大きな将来性を持つものと考えられる海面養魚事業の促進のため、漁協の自営を条件として特に補助率を高めた点であります。 また、漁業の生産施設及び水産物の流通施設等の整備を推進するほか、特に、集団操業の指導のための施設の設置に関する事業及び漁業生産組合の育成に関する事業を推進することによって、漁業の共同化を促進することもまた私どもの重視している事業であります。 第三点といたしましては、沿岸漁業振興事業は、都道府県及び国の定める毎五カ年を各一期とする沿岸漁業振興基本計画、及びそれに基づいて国及び都道府県が作成する沿岸漁業の振興年度計画に基づいて行なうこととし、それぞれ、計画の作成方法その他について詳しく規定いたしました。これは、従来の水産行政の最大の欠陥である場当たり行政を排し、長期的な展望と計画を持った行政を確立することによってより効果的に沿岸漁業振興事業を推進しようとの念願によるものであります。 第四点といたしましては、国の沿岸漁業振興年度計画、または都道府県の沿岸漁業振興年度計画に基づく沿岸漁業振興事業を実施する者は、漁業権に属する区域内においては、当該沿岸漁業振興事業を行なおうとする場合には、当該区域にかかる漁業権者、入漁権者及び漁業法第八条の規定による漁業を営む権利を有する者の同意を得なければならないと規定することによって、これらの者の権利を保護することといたしました。 第五点といたしましては、規模が著しく大であり、かつ、二以上の都道府県の沿岸漁業者によって利用される施設及び高度の技術を必要とするものについては、国がみずからこれを行なうこととし、国の積極的な施策を期待することといたしました。 第六点といたしましては、都道府県に対し、都道府県が農林大臣の承認を受けた沿岸漁業振興年度計画に基づいてみずから行ないまたは補助を行なう事業に対する国の補助率を法律で定め、かつ、現行の補助率を引き上げることによって、振興事業の促進を期することといたしました。由来、沿岸漁業振興の基本対策は財政政策との対決にあるとさえいわれております。次に述べる低利長期資金の貸付とともに、私どもの最も力を入れているものの一つであります。 第七点といたしましては、資金の貸し付けについてでありますが、農林漁業金融公庫(以下単に「公庫」という)は、第三の規定により農林大臣の承認を受けた沿岸漁業振興年度計画に基づいて沿岸漁業振興事業を行なう漁業協同組合または漁業協同組合連合会に対し、当該沿津漁業振興事業の実施に必要な資金で公庫法第十八条第一項第五号、第五号の二、第七号または第八号に掲げるものの貸し付けを行なうものといたしました。なお、貸付条件は、都道府県が補助を行なう事業にかかる沿岸漁業振興事業の実施に必要な資金として貸し付ける場合には、利率は年五分以内において、その他の沿岸漁業振興事業の実施に必要な資金として貸し付ける場合には、利率は年三分五厘以内、償還期間(据置期間を含む。)は三十年以内、据置期間は五年以内において、公庫がこれを定めることといたしました。なお、沿岸漁業振興計画の実施に必要な資金を貸し付けるための原資として、昭和三十六年度に一般会計から新たに五十億円を公庫に繰り入れることとしております。 第八点といたしましては、この法律によってその権限に属させられた事項をつかさどるほか、農林大臣の諮問に応じて、沿岸漁業の振興に関する重要事項を調査審議し、及びこれに関し必要と認める事業を農林大臣に建議するため、水産庁に附属機関として沿岸漁業振興審議会を設けることといたしました。 以上が、この法案の提案理由及びその内容の概略であります。 何とぞ、慎重御審議の上すみやかに御採択いただくようお願いする次第であります。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で提案理由の説明は終わりました。本案については、本日はこの程度にいたします。
○千田正君 ちょっとお伺いしますが、ただいま提案された沿岸漁業振興法の予備審査のために付託されて御説明を承りましたが、聞くところによると、政府においても沿岸漁業振興法を提案するやの話があるのですが、これが委員長としては、政府がもし提案するとすれば、両方ともわれわれは審査しなければならないと思うのですが、その間の事情はどういうふうになっておりますか。全然政府が提案の見込みがないとするならば、これを先議で十分に審議する必要があると思うのですが、その点はどういうふうになっておりますか。
○委員長(藤野繁雄君) 政府も近く提案するのじゃないかと思っておりますから、提案を見た上で一緒に審議したいと思っております。
○千田正君 私の調査するところによりますると、あまり近いうちには提案しそうにもないようにわれわれは考えるのですがね。政府から一ぺんその点について方針を聞いておきたい。
○政府委員(高橋泰彦君) ただいま政府で立案しておる沿岸漁業振興法についてのお尋ねでございますが、一応私どもとしては立案を終えて、ただいま各省とそれぞれの所管の事項につきまして連絡し、協議中でございまするので、遠からず提案の上御審議いただけるものと考えております。
○千田正君 次長はそういうふうに言っておるけれども、どうも真剣になってこの問題に取っ組んでいるかどうかということを、私ははなはだ疑問に思う。真剣にやっておるのなら、どういう問題があって、あと何日くらいこの会期が残っておるかということを考えたら、われわれが十分審査できないじゃないですか、ぼやぼやしていたのでは。真剣に、ほんとうに漁民のために沿岸漁業振興法を政府が提案するというのならば、もうすでに提案しておらなければならない。この第三十八国会は、一体国会の会期はあとどれだけ残っておると思います、わずか一カ月ちょっとしか残っておらない。それにもかかわらずいまだこれを提案しないとするならば、われわれが慎重に審議したならば一カ月くらいかかりますよ。これは漁業にとっては、農業の基本法と同じような漁業の基本法である。それだけにわれわれは慎重に審議したいのでありますから、政府としてはすみやかに提案してもらいたい。一言要望しておきます。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 肥料取締法の一部を改正する法律案(閣法第一七一号)参議院先議を議題といたします。 本案に関する質疑を行ないます。本案に関連して質疑の要求がありますので、まずそれから質疑を願います。
○小林孝平君 先般の当委員会においても一部質問をしたのでありますけれども、過日の三重県下における農薬による大量傷害事件を契機として、農薬の取り扱いについていろいろ問題になっているわけであります。そこで、警察当局、厚生省、農林省にそれぞれ所管事項についてお尋ねをいたします。 最初に、厚生省にお尋ねいたしますが、劇物毒物取締法による現実の農薬の末端における取れ締り状況というのはとういうふうにやられておるのですか。
○委員長(藤野繁雄君) 政府委員及び説明員の出席者を申し上げます。農林経済局長坂村君、警察庁保安課長小野沢君、厚生省薬事課長広瀬君、農林省植物防疫課長石倉君であります。
○説明員(広瀬治郎君) 私、厚生省の薬事課長でございます。薬務局長が海外出張中でありますので、私からお答えいたします。毒物及び劇物の取り扱いにつきましては、お手元に資料をお配りしておきましたが、毒物及び劇物取締法という法枠がありまして、それによってやっております。 この要旨を簡単に申し上げますと、毒性あるいは劇性の強いものを毒物あるいは劇物に指定しております。それから毒物の中にさらに毒性の強いものにつきましては、特定毒物という指定をいたしまして、特定毒物につきましては、一般の毒物、劇物よりもさらに強い規制をしております。 末端の方の取り扱いでございますが、これは製造業、販売業はいずれも厚生大臣、あるいは都道府県知事への登録が必要でございまして、一般に毒物あるいは劇物を使用者が買う場合には、この法律の第十四条に規定がございます。すなわち、毒物あるいは劇物の名称及び数量、それから販売、授与の年月日、それから譲受人の氏名、職業、住所、そういうものを書面にいたしまして、一般の人は、第二項にございますが、印を押した書面を提出して、買うことになっております。さらに、特定毒物になりますと、これは法律の第三条の二というのがございますが、それで規定されておりまして、これは非常に強い規制になっております。すなわち、その製造、輸入も特定の人だけに制限しておりますし、その使用も、特定権物研究者あるいは、特定毒物の使用者に限っておりまして、しかもその人たちも、品目ごとに政令で、その使用する特定毒物が指定されるようになっております。それから、その用途も制限されておりまして、特定毒物研究者は、学術研究のこと以外に使ってはいけない。また特定毒物の使用者は、品目ごとに定める用途だけしか使ってはいけないというふうになっております。さらに特定毒物につきましては、一般人に対しては譲渡を禁止されております。さらに政令で、特定毒物の品質あるいは着色、表示の標準を定めることになっております。それから一般人の所持は禁止されております。まあそういうふうに、特定毒物につきましては、普通の人は使用したり所持したりすることが禁止されておる。大体そういうふうな取り扱いになっております。
○小林孝平君 あとからまた聞きますけれども、ちょっと警察関係にお尋ねしますが、この農薬による事故というものはどういうふうになっているのですか。
○説明員(小野沢知雄君) お手元に配布してございますと思いますけれども、農薬による中毒事故数という表がございますので、これでごらんいただきますとわかるのでございますけれども、昭和三十三年と三十四年と分けまして、それが過失による中毒、自殺、犯罪に関係ある事故、計というように、三段階に分かれております。三十三年は、過失による中毒が合計六百四十四件、死亡が六十五、傷害が五百七十九でございます。自殺が、既遂が千四百二十二、未遂が九十三、合計千五百十五でございます。犯罪に関係ある事故が死亡が二十一、傷害その他が十八、合計三十九でございます。で、三十三年度の合計が、死亡、既遂でございますけれども、千五百八件、傷害その他が六百九十件、合計いたしまして二千百九十八件でございます。昭和三十四年は、過失による中毒が六十、傷害が三百三十八、合計三百九十八、自殺が、既遂が千二百八十八、未遂が八十五、計千三百七十三、犯罪に関係ある事故が、死亡が二十、傷害その他が七十八、計九十八、その合計が、死亡が千三百六十九、傷害その他が四百九十九、合計いたしまして、千八百六十八件でございます。それを昭和三十三年と三十四年とを比べますと、三十四年は前年に比べまして六二・〇%という減少をみております。自殺の方は九〇・三%、多少減少をみているわけでございます。ところが犯罪に関係ある事故が二五一・〇%、二倍半近くの増加をみているわけであります。合計いたしますと八五・〇というふうになるわけでございます。 以上でございます。
○小林孝平君 これは二カ年しか出ておりませんけれども、大体こういう傾向は、たとえば過失による中毒はだんだん減っている。自殺もだんだん減っている。犯罪による事故はふえている、大体こういう傾向なんですが、これは二カ年の対比だけですか。
○説明員(小野沢知雄君) 実は三十五年が今集計中でございますけれども、この傾向は、特にこの犯罪に関係ある事故が急増したという傾向は、三十四年からだいぶふえているようでございます。おそらく三十五年も、こういう傾向をたどっているのじゃないかと推定されるわけであります。
○小林孝平君 自殺とか過失による中毒は、これは三十五年はともかくとして、その前の、三十三年以前ですね、それに比べれば、これは減っているのですか。
○説明員(小野沢知雄君) 大へん失礼でございますが、手元に今ございますのが、三十三年からしかないのであります。
○小林孝平君 この問題は、最近衆議院の地方行政委員会でも問題になって、警察としては、ある程度農薬によるいろいろの事故ですね。そういうものについて、御研究になっているのですが、総括的にいって、農薬による事故というものは非常に多い。この数字だけではわからないけれども、総体的に考えて、非常に多いと警察では考えるのですか。あるいは大したことではないというふうに考えるのか。
○説明員(小野沢知雄君) 大体この犯罪に関係ある事故のうちの一〇%ぐらい、一〇%以下だと思っております。しかし数はそう大して多くはないのでございますけれども、非常にこれがこの薬の関係で、小林先生御承知のように、例の三重県の事件でも、あるいはまたその他の事件でも、非常にこの被害者の範囲が広がるわけでございまして、その点で、非常にこれは注目すべき傾向であると存じております。
○小林孝平君 過失、自殺の方はどうなんです。犯罪の方はあれですけれども、過失、自殺についてはどういうふうに……。
○説明員(小野沢知雄君) 三十三年、三十四年につきまして、申し上げたいと思います。まず三十二年、既遂から申し上げますと、自殺者の総数が八千四百二十人、農薬による既遂が千四百二十二、パーセントでいいますと、一六・九%を占めております。それから未遂が、自殺者の総数が、一万一千三百四十でございまして、農薬による自殺の未遂が、九十三でございます。全体に占める割合が〇・八%でございます。合計いたしますと、一万九千七百六十件が自殺の総数でございまして、農薬による自殺の数が、千五百十五でございます。このパーセントは七・七%でございます。 それから昭和三十四年は、既遂から申し上げますと、自殺の総数が六千九百六十五、農薬による数が千二百八十八、パーセンテージは一八・五%でございます。それから未遂は、自殺者の総数が二万百九十六、農薬による数が八十五、〇・八%でございます。合計いたしますと、自殺者の総数が二万七千百六十一、農薬による自殺者の数が千三百七十三、八%を占めているわけでございます。
○小林孝平君 私ね、あなたたち専門的立場から、過失による中毒あるいは自殺、こういう数字はこれは非常に多いと考えているのですか。あるいはさっき言ったように、この程度のものは大したことはないと考えておられるのですか。警察の立場としてはどうなんですか。
○説明員(小野沢知雄君) 先ほど申し上げましたように、パーセンテージはただいま申し上げましたような数でございますけれども、最近の非常に世間の耳目を聳動せしめるという意味からいいまして、これはやはり重大だと思っております。
○小林孝平君 それは犯罪に関係ある事故でしょう。犯罪に関係ある事故は、これは世間の耳目を聳動させるような事件があってあれだけれども、この過失によるやつ、自殺による数字というものは一体どういう程度のものですか。専門的に、感じですね。
○説明員(小野沢知雄君) そうでございますね、自殺者の総数に対しまして八%という数でございますので、数からいったら、そう割合は多くないと考えられます。
○小林孝平君 自殺あるいは過失の中毒ともその数からいえば、まあそれは事故は非常に因ることなんですけれども、大したことはないと、こういうふうに警察では考えられておるわけですね。 そこでちょっと薬事課長にお尋ねいたしますけれども、そうするとこの劇物、毒物というのを買うには、要するに名前を書いて判こを押せばいつでも買えるわけなんですね。
○説明員(広瀬治郎君) そうでございます。
○小林孝平君 そうして特定毒物の方は、具体的にどういう手続をやるのですか。たとえばこのテップを買うときはどういう手続が要るのですか。
○説明員(広瀬治郎君) テップは現在のところ毒物でございまして、特定毒物では、ございません。
○小林孝平君 テップでなくてパラチオン剤ですね。
○説明員(広瀬治郎君) 特定毒物につきましてはその使用者、あるいは用途、それぞれものによりまして若干違っております。例をパラチオンにとって申しますと、使用者は、国、地方公共団体、農業協同組合、農業共済組合その他農業者の組織する団体で知事の指定を受けた者だけが使用者ということに政令できまっております。それから用途といたしましては、農作物の害虫の駆除のみであるというふうにきまっております。従ってこれ以外の者は購入も使用もできないわけでございます。
○小林孝平君 そうすれば、それらの人がパラチオン剤をこういうことに使いたいといって届け出れば、自由に買えるわけなんですね。
○説明員(広瀬治郎君) その政令で指定してあります使用者は買えます。
○小林孝平君 そこで今度買ったものの使用についてはあれですか、何か制限があるのですか。
○説明員(広瀬治郎君) 使用方法につきましても、同じく毒物及び劇物取締法施行令で規定がありまして、たとえて申しますと、まずこの使用の場合には、特定の人の実地の指導員の指導のもとでなければ使っていけないというのがあります。その指導員と申しますのは、これはいろいろな人がおりますが、たとえて申しますと、薬事あるいは毒物、劇物に関する試験、研究あるいはそういう事務に従事する厚生省あるいは都道府県の技術職員、次にあるいは植物防疫法の規定によります植物防疫官、あるいは特定の農林省の技術職員、その他農業改良助長法に規定しております専門技術員あるいは改良普及員といったような農薬に関する専門家の実地の指導のもとに使うというのが第一点であります。それから第二点といたしましては、この特定毒物を実際に使う日及び区域、それからその指導員の氏名をその市町村長を経由して保健所長にあらかじめ届けておかなければならぬ、それから防除実施の二日前から防除が終わって後七日の間、その区域及び日時を公示しておかなければならない、それから撒布方法につきましても、いろいろ詳細な規定がございます。
○小林孝平君 警察の方、保安課長にお尋ねしますが、過失による中毒のうちにそういう農薬として使用中にあやまって中毒を起こした者と、そうでなくて中毒を起こしたものとの区別というものはわかりますか。
○説明員(小野沢知雄君) ちょっと今の点、手元に資料がないわけでございますのでわからないわけでございます。
○小林孝平君 今手元にないけれども、調べればわかるのですか。
○説明員(小野沢知雄君) 調べればわかります。
○小林孝平君 それがわからないと、この農薬の取り扱いについていろいろ今後注意しなければならぬとか何とかいう問題がわからないのではないかと思うのですね。そいつを資料で出してもらいたい。この中毒が農薬として使用中に起きたものでなければ、これはまた別の取り扱いになるわけですね。ですからその資料を一つ出していただきたいと思うのですけれどもね。 そこで薬事課長にお尋ねしますけれども、買うときは、そういうふうに用途を指定して、使うときも特定の指導者のもとで使うというけれども、買う量というのは、一回に使う量ではなくて、何回分も買い得るのでしょう。
○説明員(広瀬治郎君) 法律的には特別制限はありませんが、実際の指導といたしましては、まあ必要限度というふうに指導しております。
○小林孝平君 そうすると、今度その買ったものの保管について、残ったものの保管について、何か取り締りというふうなものはあるのですか。
○説明員(広瀬治郎君) 法律の十六条に特定毒物の取り扱い上の規定がございます。それによりますと、「保健衛生上の危害を防止するため必要があるときは、政令で、特定毒物の運搬、貯蔵その他の取扱について、技術上の基準を定めることができる。」ということがございまして、それに基づきまして、やはり施行令におきまして、それぞれ特定の毒物につきまして保管上の注意、あるいはその容器の処置、そういうことが規定されております。
○小林孝平君 具体的にどういう注意があるのですかね。
○説明員(広瀬治郎君) 有機燐製剤を使用して害虫の防除を行なったときには、すでに使用した器具とか、衣服に有機燐製剤が付着したり、付着したおそれがある場合には、そのつど害のないように処理をしなければならないとか、あるいはからになった容器の処置につきましては、その中の有機燐製剤を全部使った場合には、その有機燐製剤の入っていた容器を、保健衛生上害のないように処理しなければならない。たとえば焼き得るものですと焼き捨ててしまうとか、物によっては泥の中に深く入れてしまうとか、そういう規定がございます。
○小林孝平君 そういうことを実際やっているんですか。
○説明員(広瀬治郎君) これは法律に基づく政令の規定でもございますので、実際にこれは十分に守られております。
○小林孝平君 保管場所などについても守られているんですか。
○説明員(広瀬治郎君) 保管場所につきましても盗難の防止、あるいは液が流れ出たり、しみ出たりしないような規定も法律にございまして、それも十分注意してやっております。
○小林孝平君 盗難というけれども、盗難にあわないように倉庫の中に入っているのです。それはかぎがあって盗難はないですけれども、米が積んであってその隣にパラチオン剤があるというようなことが、あるんじゃないですか、あなたの方盗難ばっかり言っておるけれども。
○説明員(広瀬治郎君) これは保管する場所には医薬用外並びに毒物あるいは劇物という表示をまずその貯蔵する場所にすることになっていまして、それにかぎをかけておかなくちゃならないことになっておりますので、ほかのものと一緒に入れるようなことはないようにしております。
○小林孝平君 それじゃ他の農産物と一緒に置くようなことはないと、こう言われるんですか。
○説明員(広瀬治郎君) そうでございます。
○小林孝平君 ほんとうにそうですか。そんなに特別の倉庫なんかないんじゃないですか。あなた地方をごらんになったことありますか。法律ではそうなっているだけの話で、ごらんになったことないんじゃないですか。
○説明員(広瀬治郎君) 私も薬事課長日が浅いことで、まだ現場は見ておりませんが、そういうふうに指導しております。
○小林孝平君 法律に書いてあったり、政令に書いてあったり、指導していることはよくできておるんですよ、その通りなら何ら事故はないのです。そうなっていないので、今言っておるのは、当然従来でもやるべきことをやっていれば問題にならぬのを、そういうことをやられておらないので問題になっている。そうするとこれは取り締りが不備ではないかといって、やらないでいいようなことまで始まってくるですね。そこで私は今の範囲内でやるべきことをやっているかどうかということがまず問題じゃないか。あなたたち最近は取り締り、取り締りといって警察も、厚生省も言われておるだろうと思うのですね。ところが、その当然やることをやっていないものだから、今度はかえって角をためて牛を殺すというようなことになりかねないものだから心配しておるんです。あなたは日が浅いなら仕方がないけれども、これはもう少しよく御承知の方、厚生省におられないのですか。厚生省こういうことは、あんまり関心がないんですな、農薬なんということは。法律はあなたの所管だけれども。
○説明員(広瀬治郎君) これは薬務局の所管の法律でございまして、大いに関心を持っております。実はちょっと御質問の趣旨とはずれるかもしれませんが、先ほど警察の方から中毒の数字の御説明ありましたが、これはまあ実際に農薬を使うときに、いろんな不注意その他の関係で事故が起こるのが大部分でございまして、この保管中、保管が悪いために事故が起こったというのは、事実としてはほとんどないように聞いております。
○小林孝平君 それは従来はなかったのです。あんまりなかったのじゃないかと思うけれども、今後大量にそういうことが起こる可能性があるんですよ、そこで心配しているんです。また起きてからじゃ……。 農林省にお尋ねしますけれども、今のような農産物の倉庫の中に一緒にほうり込んで、かぎがかかっているから大丈夫なんということで、あなたの方も大体大丈夫だと思っているのですか。
○説明員(石倉秀次君) お答え申し上げます。私多少農村の事情も知っておりますが、ただいま小林委員の御指摘のように、農薬の量が非常に多いものでございますから、ときどき、農産物と同じ倉庫というわけじゃございませんが、かなり一般の倉庫が農薬の保管に使われているようであります。ただ、私そのようなところに保管中に盗難にあうというようなことはあまり聞いておりません。むしろ最近のように農薬が目的外にいろいろ使われますのは、特にパラチオン等につきましては、何と申しましても農家自身がその薬効をよく知っておりますので、毒物及び劇物取締法施行令をもちまして、個人の所有を禁じ、また共同防除に使うように指導はしておりますが、その間端的に申し上げますが、こっそり持って帰えるというような農民があるのでございます。このように流れるものがむしろ問題なのでございますので、この点をどのように防止してゆくかということが、私は農薬による農村におけるいろいろの好ましからぬ事件の防止に役に立つのではなかろうかというように考えております。
○小林孝平君 今後ますます農薬は多く使われるのですけれども、その一般の倉庫、今、農産物等のは少ないと言われたけれども、そういうものが現にありますが、そういうものの出し入れの際に事故が起きるということは、今後予想されるのじゃないですかね。そこで、そういう特別の農薬を保管する設備というようなものは要らないのですかな。
○説明員(石倉秀次君) 御指摘の通り、私はあればそれにこしたことはないと思います。と申しますのは、このような農薬によりまして病害虫を防除する場合に、その防除効果そのものを増進するためにも、共同防除という形が好ましいのでありますが、現在共同防除の施設として、国はこれまで防除器具の助成をいたして参っておりますが、このような防除器具の保管並びに共同防除に使う農薬の保管施設があれば、御指摘のような点はかなり改善されると思います。
○小林孝平君 経済局長にお尋ねしますが、今のような話で、そういうものがあればいいんですがね。それで今後事故をそれによって防ぎ得る。そのままにしていくと、ときどき事故が起きて、農薬の使用を非常に厳重に取り締まらなければならぬということになって、実際困るのじゃないかと思います。そこで、農林省として今後そういう保管設備に助成でもして、積極的に設備をやるというお考えはありませんか。
○政府委員(坂村吉正君) 私の直接の所管でございませんのでなにでございまするけれども、いろいろ農業の共同利用施設というものにつきましては、公庫の融資等もございまするし、それから今度いろいろ御審議いただいております近代化資金というようなことで、いろいろ積極的な助成をしてやっているという問題もございまするので、それはそういう面で、農薬の面でそういう要望がほんとうにあるのであれば、必要があるのであれば、十分やはり考えていかなければならないというような考え方です。
○小林孝平君 この三重県の今度の傷害事件に使われたニッカリンですね、テップ、これは特定毒物ではないんだけれども、猛毒があるのですけれども、この特定毒物と指定したものは、今パラチオンとかフラトールとか、数種あるのですけれども、どういう違いがあるのですか。そのどの程度のものが特定毒物なんですか。
○説明員(広瀬治郎君) 毒物あるいは劇物、あるいは特定毒物の指定の基準でございますが、一番大事なのは致死量によって区別しております。なお、そのほかにも若干の要素は考慮しておりますが、大体致死量によってそれを区別しております。
○小林孝平君 どういう基準になっておりますか。
○説明員(広瀬治郎君) この致死量の計り方もいろいろございまして、まず大体ウサギとかネズミとか、モルモットとか、そういう動物を使って実験をするわけでございますが、それも経口、口から入れる場合、飲んだ場合、あるいは皮下に注射した場合、あるいは静脈に注射した場合、いろいろ違うわけでございますが、一般的な基準を申し上げますと、毒物の致死量の基準といたしましては、経口の場合には、体重一キログラム当たり三十ミリグラム、それから皮下注射の場合には二十ミリグラム、静脈注射の場合には十ミリグラムというのが基準でございます。劇物の場合には、経口の場合が三百ミリグラム、皮下注射の場合が二百ミリグラム、静脈注射の場合が百ミリグラムとなっております。なお、このほか、ものによりまして、ガス化し得るものは、その吸入した場合の毒性も検査しております。これはそのほかに慢性毒性、急性ではないけれども、非常に慢性的な毒性が強い、そういう要素も考慮しております。それから実際問題といたしましても、通常の使用方法におきましても、中毒作用の発現率が非常に高いもの、あるいはその程度の厚いもの、そういうものも考慮をしております。以上が劇物、毒物でございますが、その毒物のうちで、特に致死量の高いものを特定毒物というふうにしておるわけでございます。
○小林孝平君 この毒物のあれは、体重一キロについて三十ミリグラムですな。特定毒物はどうなんですか。
○説明員(広瀬治郎君) 特定毒物の基準といたしましては、経口の場合が十五ミリグラムでございます。三十の数が十五と、半分にしております。それから経皮、皮膚から毒性が入る場合には三百ミリグラム、これは先ほど申しました毒物、劇物にはないものでございますが、この場合には三百ミリグラムにしております。それから皮下注射の場合には十ミリグラムにしております。いずれも毒物の基準よりもきつくしております。
○小林孝平君 そこでテップは、ニッカリンですね。この間の三重県の。ニッカリンの致死量というのは一体どのくらいなのですか。
○説明員(広瀬治郎君) チップにつきましては、当初粉剤がございまして、その後乳剤が出たと聞いておりますが、これは非常に毒性が強くて、液剤につきましては一、二というふうに文献ではなっております。
○小林孝平君 経口でですか。
○説明員(広瀬治郎君) 経口で一・二ミリグラムでございます。
○小林孝平君 そうすると、パラチオンは幾らですか。
○説明員(広瀬治郎君) エチルパラチオンは六、メチルパラチオンは二十一ということになっております。
○小林孝平君 そうすると、パラチオンが二十だというのに、テップは一・二というのは、非常に毒性が強いのじゃないですか。
○説明員(広瀬治郎君) その通りでございまして、非常に毒性が強いわけでございますので、毒性の点だけ見れば、パラチオンよりもはるかに強いわけでございますが、現在まで単に毒物だけになっておりまして、特定毒物にされていなかったのは、通常の農薬として使用する場合に、非常に毒性の分解が早くて、使用後すみやかに毒性がなくなる。従いまして通常の使用の場合には、比較的そういう事故が少ないという理由で、現在単に毒物だけになっていたわけでございます。
○小林孝平君 そうすると、この毒物の定義というか指定、一キロ三十ミリグラムというのは、これは何できめてあるのですか。どこか政令か何かにあるのですか。
○説明員(広瀬治郎君) これは特別法律でも政令でもございませんで、厚生省の内規できめておるわけでございます。
○小林孝平君 内規できめているが、その内規は一体どうなっているのですか。内規をやるのに、腰だめでやっているわけではないでしょう。それでは一キロ三十ミリグラムというのは、これは厚生省の何ですか。
○説明員(広瀬治郎君) いずれも厚生大臣が指定するわけでございまして、その指定基準ということでございます。
○小林孝平君 指定基準というものがあるでしょう。ないのですか。
○説明員(広瀬治郎君) 法律的には……。
○小林孝平君 法律的にはないけれども、この指定基準というものは、厚生省にあるでしょう。
○説明員(広瀬治郎君) それが先ほど申しました。経口の場合は幾ら……。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。
○小林孝平君 その基準というものがあるでしょう。基準というものを、何でもなくて腰だめでやっているわけじゃないので、その内規というものがあるから、内規というものを見せて下さい。資料ありませんか。
○説明員(広瀬治郎君) 特別印刷して持って参りませんでしたが、先ほど口で申しましたのが、内規の要旨でございます。
○小林孝平君 その内規にはそういうことが書いてありますか。たとえばチップは散布後一日ぐらいで大体無毒になる。だからこういうものは一・五ミリであってでもいいというようなことが書いてあるのでしょうか。
○説明員(広瀬治郎君) しかし明確には書いてありませんが、やはり先ほどちょっと申しましたように、実際の事故数が多いか少ないかというようなことも参酌して言っておるわけでございまして、そのチップにつきましては、先ほど申しましたように、その毒性の分解が非常に早いこと、それから皮膚からあまり毒性が入ってこないというような特色がありましたので、現在特定毒物には指定していなかったのでございます。
○亀田得治君 チップは非常に毒性が強いが、毒性が早くなくなる、それで特定毒物にしておらんということのようですが、この取り締まりはそういう毒物、劇物が正規に使用されるということばかりを予定しておらんわけでしょう。予定しておらないからこそ、こういう取締規則というものが必要であるという面も加わってこれはできているのでしょう。だから、農薬として使わないでいきなりこうほかの用途に使うという場合は非常に危険があるわけでしょう。だから、その辺はちょっと間違っているのじゃないでしょうか。
○説明員(広瀬治郎君) 確かにおっしゃる通りでざいまして、やはり犯罪その他に使われる場合もあり得るわけでございますから、特にあの事件が起こったからというわけじゃございませんが、ほかにもこれに類似するものもあるかと思いますので、ただいまのところ、そういう毒性の強いものにつきまして再検討を加えまして、チップ等は特定毒物にする方法でこちらも検討しており、かつ関係の農林省とも協議中でございます。
○小林孝平君 私は今の答弁のようだったから、これは問題になるのです。よそでわいわい言われたから今まで特定毒物でないのを今検討して入れますなんと言って、だんだんそういうことに、あなたの方でしっかりしたその基準がないから勘でやかましいこと言われるから入れるというようなことでは困るのです。入れない以上は、入れない理由があったのだろうと思うのです。散布後ほとんどこれは一日で無毒になって、非常にこの点は有利というか、よかったのですがね。それを何かわいわい言われたから、やかましくなったから今度はチップも入れる。この調子だと何か事件が起きてくるとどんどんやって、取り締まりが必要以上に厳重に、それはやった方がいいかどうかは問題ですけれども、あなたの方の態度がはっきりしていないから、ふらふらするおそれがあるから、私今ここで聞いているのです。意地悪るで聞いているのじゃないのです。あなたの厚生省は何か基準があって、僕らそんなことを言ったって、いやこれはこういう理由で入れないのだという説明があってしかるべきだと思う。あなたなったばかりだからそうなんで、省に帰れば、それはこういう理由があるのだということになるのじゃないのですか。簡単にあなたチップを特定毒物に入れるなんと言うけれども、入れられないのじゃないのですか。
○説明員(広瀬治郎君) 先ほどチップの毒性一・二ミリと申しましたが、御承知のようにまあ農薬は次から次から新しいものができておりまして、先ほどちょっと申しましたようにチップも当時は粉剤しかなかったわけでございまして、粉剤はそういう毒性があまり強くなかったわけでございます。それから液剤につきましても一・二ミリということは最近の実験で最近に至って科学的に明らかにされたということで、従来は一・二ミリも強いということまで学問的にはっきりした証明がなかったわけでございます。 それから先ほどこの指定の基準のお話がございましたが、特定毒物につきまして致死量の問題だけを申し上げましたが、なお内規といたしまして若干の事項がございますので、御参考までに申し上げたいと思います。毒性のほかにさらにこの慢性毒性を起こして回復した場合においても、後遺障害が残ってその程度の高いものというものも基準にしております。その次に中毒を起こした場合に、その治療が非常に困難なものということも基準にしております。それから局所刺激作用が極度に激しいもの。その次に広範囲に使用され、かつ一般使用者、第三者等に中毒を起こし、または危害を与える可能性の大きなもの、次に残効性の長いため被害を起こす可能性のあるもの。これが先ほどチップでは非常に分解が早いということで若干ただいま申しました基準には該当しないという理由があるわけでございます。さらに毒性が強烈であって体内に移行した場合に、その検出が不可能あるいはきわめて困難なもの。以上が大体特定毒物の指定基準として私どもの内規としておりますので、御参考までに申し上げます。
○小林孝平君 その基準の中にこういうことありませんか。その農薬自身は非常に毒性が強いけれども、これは着色をするとか、あるいはにおいをうけるとか、味をつけるとか、そういうことによってその事故が防げるというような場合は、その特定毒物にしないというような基準がないのですか。
○説明員(広瀬治郎君) 着色の問題につきましては、この法律の十三条にございます。すなわちこの「農業用毒物又は劇物の着色」というのがありまして、まあ非常ににおいが強くて、においだけですぐこれはあぶないものだということがわかるというものは別といたしまして、他とまぎらわしいものにつきましては、厚生省令で定める方法により着色しなければならないというのがございまして、一から五までありまして、その他政令で定める毒物、劇物も着色するようになっております。また特定毒物につきましては、それぞれ政令でそれぞれの着色をするようになって、できるだけ危害を防止するように努めております。
○小林孝平君 それからもう一つは、それ自身は非常に毒性が強いけれども、それを薄めて溶液でも粉剤でもいいのですが、薄めれば非常に、たとえば毒物は三十ミリ以内なんだけれども、それを薄めれば劇物になり、あるいは普通薬に近いものになるというようなこともあり得るわけなんですね。しかし、厚生省は薄めてもそのものが毒性があれば特定毒物、劇物として指定しているのじゃないですか。そういう非常にしゃくし定木的なことが行なわれているのじゃないですか。
○説明員(広瀬治郎君) 粉剤につきましては、大体メーカーで作ったものがそのまま使われるのが普通でございますが、液済はいずれも何倍かに延ばして使うのが普通でございます。このテップにつきましては、大体千倍くらいにのばして使うものだと聞いております。従いまして、このメーカーの方ですでにのばして、あまり毒性の強くないものを作った方が、危害の防止という面から考えますといいわけでございますが、そういたしますと、非常にまあ量が大きくなり、容器、運送賃、その他いろいろまあそういう問題がありますので、危害防止の面から見れば、なるべく薄まったものが好ましいわけでございますが、一方、そういう問題もあるわけでございます。
○小林孝平君 私の聞いておるのはそうじゃなくて、かりにフラトールならフラトールは、それ自身は特定毒物ですけれども、これを二%の溶液にして作ればほとんどまあ特定毒物にしなくてもいい。ところが、あなた、厚生省の方は、二%溶液にしてもやはり特定毒物として指定するのじゃないですか。これは今の基準からいくとそういうことがあるから、そんなものを作ったってやっぱり特定毒物だから作らないのですよ。私よくわからないけれども、作らない。もうそういうことは特定毒物でない、そうして一般に簡単に買えるということになれば、どんどん売れるから作るのだけれども、そういうものを作ってみても、そのもとがもう特定毒物、フラトールが特定毒物に指定されておれば、もう幾ら薄めても特定毒物と指定するのが、今のやり方じゃないですか。
○説明員(広瀬治郎君) 大体やり方は、今おっしゃられたようでございます。と申しますのは、この倍に薄めたからといって必ずしもその毒性、あるいは浸透度などが半分に減るというわけでもございませんので、必ずしも薄めたからすぐにまあ毒物でなくなるというわけにもいきませんので、大体そういう毒物を原料にしたものにつきましては、ものによりましてはそのまま毒物、劇物になっておるものもあります。しかしながら、薄めることによってこの毒性、劇性が非常に少なくなって、そういう取り扱いもする必要がないというものははずしてありますが、ものによって取り扱いを異にしております。
○小林孝平君 失礼ですけれども、あなた専門の方ですか。
○説明員(広瀬治郎君) 実は私事務官でございまして、あまり薬物のことはよくわかりませんが……。
○小林孝平君 あなたの今の御答弁おかしいですよ。たとえば三十ミリ以上、一キロ当たり三十ミリ以上でもってものを指定した場合は、それは薄めればそれはもうこれは基準に当てはまらなくなるのですよ。それはあなた御答弁から、大体そうなっていますなどとおっしゃって、よくおわかりにならぬから仕方がないけれども、もう少しちょっと委員長、わかる方に来てもらってこれはまたやる必要ありますな。大事なことなんですよ。そういうものを薄めたって劇性が弱まらぬなどとおっしゃるけれども、そんなことじゃないですよ。薄めたらそれはそれだけ致死量が少なくなるというか、多くなるというか、違うのですよ。二倍飲まなければならない、半分に薄めれば、殺すには……。だから、それを非常に、たとえばフラトールについていえば、二%のものを作れば、これは特定毒物の基準に当てはまらなくなるのですよ。従って、厚生省、そういう立場で今後おやりにならぬと、業者もメーカーも作らないわけですよ。これは一つの例、これは適切であるかどうかわからぬ、私もあまり専門家でないからわかりませんけれども……。 それからもう一つは、御答弁はいいです、あなた専門でないから。もう一つはこういうことがある。そのものそれ自身は非常に毒性があるけれども、ほかのものにまぜるのですね。そうすると、もう非常に、二%なら二%しかまぜない。そうすると、もう今の特定毒物のその基準に当てはまらなくなるのです、非常に量が少ないですから。しかし、厚生省の今の基準でやると、それはたとえばフラトールが入っておるので、どんなに微量が入っておっても、特定毒物として全体の新しいその農薬が特定毒物として指定されるわけなんですね。そういうことをやるもんだから、しゃくし定木の基準をやっておるもんだから、当然そういうやり方によって他のものと混合する、あるいは希釈するという、そういうことによって中毒を防げるものが厚生省のこの基準のきめ方によって防げないのですよ。防げないことがあり得るのです。だから、厚生省もう少し頭を切りかえてもらって研究してもらったらいいと思う。何か国会でわいわい言ったり、新聞の投書でわいわい言われると、このテップをさっそく入れましょうなんということでは解決しないですよ。そんなことはばかでもできるのですよ。だれでもできるのだ。そんな考え方、やかましく言ったら入れると、そんなことじゃなくて、中毒を防ぐにはどうしたらいいかという新たなる観点で問題を取り上げないと解決しないのじゃないか、私そう思うのです。だから、私は厚生省のやり方を攻撃しているわけでも何でもないのです。それでおやりになるべきが至当だと思うのですね。その世論は、そういうことが起きる、その後またどこかで何か井戸に農薬をぶち込んだ。それでまたさらに取り締りを厳重にせいということが起きているけれども、取り締りもさることながら、そういう厚生省のしゃくし定木の規定の仕方に考慮してもらえば、今後農薬の使用というものはもう少しスムーズにいくのじゃないかと、こう思いますので、一つ研究してもらいまして、いずれ今申し上げた、今御返答いただこうとは思いませんけれども、研究して回答していただきたいと思うのです。 そこでちょっと保安課長にお尋ねしますがね、この間からいろいろ取り締りを厳重にせいとか何とかいうのは、新聞の社説や何かに出ておりますが、そういうものをいろいろあれして、警察でこの農薬の問題、どういうふうに考えておられますか。
○説明員(小野沢知雄君) 確かに最近農薬によりまするいろいろな犯罪事故が多いのでございますけれども、一面にこれはやはり農業に携わる方々の利便ということも考えなければならないと思っております。そういうかね合いにつきましても、あるいは厚生省、あるいは農林省とよく連絡をとりまして、警察が独走するということのないように適切な取り締りをして参りたいと思います。
○亀田得治君 ちょっと関連して。その取り締りの関係に関係のあることですが、先ほどいただいた表ですね、まず自殺の点ですね、これは農薬を使う立場にある人なんですか、あるいはそうじゃなしに、何か保管されていたものをだれかが少し持っていって、そして使ったといったようなことなのか、この自殺者の内訳ですね、これはどういうふうになっておりますか。
○説明員(小野沢知雄君) 実はそこまでとっておらないのでございまして、まあおそらく両方含まれるのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
○亀田得治君 それは両方含まれるということは、これはだれが見たって想像できるのであって、そこら辺のところが実際はどの程度になっているかということをお聞きしませんとね、どういうふうに対策として考えていいのかわからぬもんですからお聞きしたのですがね。これはしかし、今そこに資料がないでしょうが、こういうふうに教字を出しているわけですから、内訳というものは役所の方ではわかっておるわけでしょうな。
○説明員(小野沢知雄君) 実はそこまでおそらくとってないと思いますけれども、たとえば法令で当然正当に使用あるいは保管を何といいましょうか、認められたものかどうかということですね。そこまでとっていないと思います。大へん失礼いたします。
○亀田得治君 それはやっぱり調べてもらいませんと、あなたの方は取り締りを厳重にするという、どちらかというとそういう立場なんです。で、農林水産委員の諸君としてはそういう面だけをあまり一方的に考えちゃいかぬぞと、こういう考え方が相当あるわけです、農業者の便利という立場からね。従ってほかのものが使うのなら、これはどろぼうの対策をもっと特殊な方法で考えなければいかぬとか、いろいろこう手の打ち方が違うわけですわね。そういう意味でお聞きしておるわけなんでして、この自殺関係の数が非常に多いので、それでお聞きしたわけだが、これはやはり調べてほしいと思いますね。どうなっておるのか、大まかにいって農薬としての使用者のものか、あるいはそれ以外のものかという点ですね。それから同じように犯罪に関係ある事故、これはまあふえてきておるわけですがね、統計でいくと。それの内訳も非常に大事だと思うのです。農業者自体は初めからそんな犯罪ということを考えていないでしょう。たとえ使ったとしても、たまたまそれが農業用としてあるものだから、ふっとそういう気になったというのと手の打ち方が違うわけですわね。だからそういうものが多ければ、先ほど出た共同防除とかあるいは保管なり、そういう面についての対策ですね、積極的な対策を進めなければいかぬわけですし、その内訳を一つ調べてほしい。第一の過失によるというのは、これはおそらく農業者が使用者であるものがこうなるのだと思いますけれども、そのほかの点は、これはやはりちょっと調べてみないとわからないと思うのですね。で、それに応じたような対策でありませんと……、これは委員会外でもいいわけですから、そういう調査ができましたら、一ついただきたいと思います。
○小林孝平君 さっきから言っておるように、一方では厚生省のこの毒物劇物の取扱規則、それに基づく毒物、劇物の指定の基準、そういうものについていろいろ考慮をしてもらうということと同時に、先ほど申し上げたように、農林省が一方では共同保管というようなものについて積極的な考え方を持っていただきたいのです。これは先ほど経済課長は所管外だけれどもと言われたのですが、農林省としてどういうことを、そういうことにどれだけ積極的に共同保管等について考えるかという点を、あらためて適当な機会にその意見を聞かしてもらいたいと思うのです。同時に厚生省からの意見も聞かせてもらいたい。この両方、そういうことをやればこの世間で非常にやかましく言われる問題もある程度片づくのじゃないか、事故も少なくなるのじゃないかと思うのです。 そこで農林省にお尋ねしますが、農薬取締法の第七条の六に、「人畜に有毒な農薬については、その旨及び解毒方法」というの、これを書かなければならぬことになっているのだな、薬剤が。そこでテップにはどういう解毒方法があるのですか。どういうことが書いてありますか、その薬剤に。
○説明員(石倉秀次君) テップは有機燐剤でございますが、有機燐剤の一般的解毒方法は硫酸アトロピンを使うことです。それから最近ではパムという解毒剤がございます。これを使うようになっております。ただしテップのびんには私の記帳では解毒方法書いてありましたか……、法律では書くことにきめておりますから、おそらく入っておると思います。中毒した場合に硫酸アトロピンを使うことということですね。
○小林孝平君 法律には、これは第七条に書くことになっているけれども、今課長も言われたように、書いてないのじゃないですか。こういう解毒方法なんというのは書いてありますか。ちょっとこれも調べて……大体書いてないのじゃないですか。
○説明員(石倉秀次君) 取り調べまして御返答申し上げます。
○小林孝平君 これはテップばかりではない、ほかのものについてもあれなんです。私はこれを見まして、解毒方法というのが書いてないのじゃないかと思うのですね。だからそういう程度に厚生省の方のこれに相当する毒物及び劇物取締法も、法律はあるけれどもその内容は非常にルーズになっていると、こういう実情じゃないかと思うのです。これは一つあとから調べて、大したことではありませんから、ちょっとお尋ねするだけです。
○亀田得治君 私はまあ罰則のことばかり聞くようですけれども、たとえばそういう解毒方法などを書いてないと、こういうものにはやっぱり罰則がついているわけですね、十七条の第一号、何かこういうことで処罰されたそういう業者などはあるのですか、今まで。
○説明員(石倉秀次君) お手元に農薬の検査取締状況という資料、五枚の資料でございます。それの三枚目、四枚目に三十三年度、三十四年度、三十五年度の取締状況がございます。このうちの表示不正と書いて、あります件数が、この法律において表示を要求しております点につきまして不正があったものの摘発でございます。
○亀田得治君 まあ表示については、ここ十ばかり法律では書いてあるわけですが、小林委員の言うのは、特に解毒方法といったようなことはあまりどうも見ないようだという意味で疑問を持ってお聞きになっているようだが、この表示不正の中で解毒方法が書いてないという意味で処罰されたと、そういう例があるのか。
○説明員(石倉秀次君) 今までそのような例はございません。
○亀田得治君 ないとすると、全部書いてあるということになるのか、あるいはそういう詳細な点まではよくわからぬという意味になるのでしょうか、どっちなんです。
○説明員(石倉秀次君) この解毒の方法を書くのは、解毒の方法のわかっております農薬について書くことになっております。それで、たとえば先ほど御指摘のパラチオン剤につきましては、すべて書いてございます。チップも私はっきり申し上げませんが、たぶん書いてあると思います。書いてあるから今まで表示について、解毒関係で解毒の表示につきまして不正表示がなかったというように御解釈願いたいと思います。
○亀田得治君 それは、その解釈はちょっと、そんなことを言ったら、裁判所に今年は窃盗罪が一件もなかったから、だからこの地区ではどろぼうが一つもないと御解釈下さいというのと一編じゃないですか。これはやはりしょっちゅう農村を回っている小林君がそういう疑問を持っておるのだから、やはりこれは調べてほしいと思います。
○説明員(石倉秀次君) はい。
○亀田得治君 こういうものが書いてあるかないか、やはり非常に何か間違いがあった場合、結果が違ってくるわけですから大事なことです。そこでしからば、表示不正というのは一体どんなようなことが一番多いのですか。
○説明員(石倉秀次君) 表示不正の多くは製造年月日のあいまいな記載が多い。
○亀田得治君 その次はどういうことが多いのですか。
○説明員(石倉秀次君) 第二に多いのは、適用病害虫につきまして、試験成績が十分でないにもかかわらず、適用病害虫として例示している例があるのであります。
○亀田得治君 そうすると製造年月日の間違いというのは、農薬の効果にこれは影響してくるわけなんですね。
○説明員(石倉秀次君) 農薬の中には、たとえばマラソン剤のようにかなり経時変化、時間がたつに従いまして成分の分解するものがございますので、表示がございませんと、農家としては古いものをつかまされる。その結果、薬効が劣るということが出て参ります。
○亀田得治君 経済的な効果というような、何かそういうところに検査の重点が置かれておるような感じですね。
○説明員(石倉秀次君) 農薬取締法はその精神が農薬の品質を保証して、そうして農家に効果のある農薬を供給する建前になっておりますので、主として成分の保証を目標といたしております。
○亀田得治君 だからその辺にもやはり多少の手抜かりがあるんじゃないかと思うのです。これはなるほどきき目のない農薬を売ってはいけない、それが一番大事なことかもしれない。だから、そういう立場で表示などをお調べになっているのだろうと思うのですが、しかし一方では危害ということも大へん人権上大事なことなのだから、そっちの方ももっとやはり注意してほしいですね。同等、同じ程度に。たとえば第八項に貯蔵上の注意事項というのがありますが、こういうのはみんなきちんとこまかく調べておりますか。
○説明員(石倉秀次君) 貯蔵状況等につきましては、県の植物防疫担当係員が防除指導と兼ねまして、病害虫防除所等を通じ、定期的ではございませんが、ときおり調査いたしております。なお保管につきましては、先般も局長通達をもちまして、各都道府県に対し指導通達を出しております。
○亀田得治君 私はそういうのじゃなしに、表示の中に貯蔵上の注意事項というものを書くことになっておりますが、そういうふうな点などがあなたの方でも、あまりこう注意をして調べていないのじゃないですか、あなたの方が注意しないということになると、自然に業者としては、農薬の効果とかそういうような点だけを正確に書いておけばいいのだということになって、やっぱりだんだんルーズになってしまう。あまりそういうことはあなたの方で検査する人自体が注意しておらないというのが実情なんじゃないですか。
○説明員(石倉秀次君) 農薬の取り締りは、今農薬検査所の二十八名というわずかな定員をもってやっておりますので、最近では、実情としては、なかなかかゆいところに手が届かない状況でございます。で、この農薬取り締まりに当たります職員が行ないますのは、農薬の品質保全の意味での貯蔵場所の検査と申しますか、検査並びに指導をいたしております。たとえば農薬の種類によりましては、温度の高くなるような所に置きますと、品質の悪化が早いというような点もございますので、そのようなことのないように指示をしたりいたしております。それにからめて毒性の強い農薬につきましては、毒物及び劇物取締法によりますかぎをかける施設その他を指導しておるという状況でございます。
○亀田得治君 いや、指導じゃなしに、指導の方はまたあとから聞きますが、表示のことを言っておるのです。表示にそういうことをきちんと書かすようにどうもその点が、さっきから何回も聞くのですが、はっきりこう注目して調べておらぬようですね。経済効果が落ちないような貯蔵の仕方、たとえば温度とか、そういったようなことばかりに何か関心があるようであって、貯蔵上の注意事項というのはそんなことばかりじゃない。
○説明員(石倉秀次君) 農薬を登録いたしますと、登録票を交付いたすわけであれます。その登録票には農薬の個々の製品に張りますレッテルでございますね。レッテルに記載すべき事項を規定しております。この記載すべき事項の中に御指摘の点は毒物及び特定毒物につきましては、保管の際、保管の方法等につきましても入れてございます。
○亀田得治君 農薬取締法は全部の農薬についてのことですからね。全部の農薬についてすら、これだけ厳重なことがちゃんと書いてあるわけなんです。いわんやその農薬の中で特に毒性があるというようなものについては、この農薬取締法第七条で書いてあるようなことは一そう、やっぱり注意深く検査する方もしてもらわないといかぬわけですね、そういうふうにずっと現行法を順序立てていけば、そんなに新たに、こうしゃちほこばってどうこうするという問題はなくて済むのじゃないかと思うのです。 それからもう一つお聞きしますが、さっきの説明によりますと、毒物及び劇物取締法で貯蔵については、ほかの食料品などと一緒に置いてならない、そういうふうに政令ではちゃんとはっきりきまっておるのですか。さっきそのような御説明がちょっとありましたが、十六条に関連してそういうふうなことをはっきりしているのですか。
○説明員(広瀬治郎君) 保管につきましては、十六条に特定毒物の規定がございまして、政令できめることになっております。特に法律上はほかのものと一緒に置いてはならないという規定はないと思いますが、その事柄の性質上、当然そういうふうにするように監視等をしているわけでございます。 それからなお法律の十一条に、これは毒物、劇物一般でございますが、その容器は「堅固な容器又は被包を用い、」というようなことで、ほかのものに農薬がつくことのないような規定があります。
○亀田得治君 ほかのものと一緒に置くというのは、法律の規定でないとおっしゃるわけですが、もちろん十六条には書いてないわけですが、政令にもそういうことは別に書いてないわけですね。
○説明員(広瀬治郎君) 政令にも書いてありません。ただし、法律の毒物そのもの、それから毒物、劇物を貯蔵する場所に「医療用外」と「毒物」あるいは「劇物」という表示をする規定がありますので、その解釈といたしまして、当然まあほかのものをその中に一緒に入れてはいかんということになると思いますので、指導といたしましては、ほかのものは入れないようにというふうに取り扱っております。
○亀田得治君 そうすると単なる指導であれば、一緒に置いてあるのは相当あるようですが、指導としてなるべく離すようにというような弱いやはり指導になるわけですね。それに一緒に置いているからといって、十六条違反としてこの取締法の二十四条の罰則などを適用する、そういうわけにはいかんわけなんだわね。一緒に置いておっても二十七条ですか、十六条違反の罰則は……。そういうことになれば、ほかの条項違反についてはいろいろ罰則もあるのだが、この点だけは特に抜けてあるわけですから、これは一緒に置いておいてもいい、結局はそうなってしまいますね。引き離すことを相当強く求めるなら求めるように、この取締法それ自体を検討しなければならない。そのかわりそれに対する措置というものは、農林省全体としても、そういう入れものの共同施設等について考えなければならぬだろうし、どうもその辺があやふやなようですね。指導面からいっても取り締まり面から見ても、関連だからこれくらいにして。
○小林孝平君 今の薬事課長の言われる表示しなければならぬというのは、何条ですか。
○説明員(広瀬治郎君) 法律の第十二条でございます。
○小林孝平君 第十二条は「毒物劇物営業者及び特定毒物研究者」ですよ、使用者の場合じゃないですよ、あなた今おっしゃっているように十二条の規定は……。
○説明員(広瀬治郎君) 十二条そのものはそうでございますが、それを二十二条で「常業者及び特定毒物研究者以外の者に対する準用」というところで準用しております。
○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。
○河野謙三君 時間もだいぶ経過しておりますから、端折って御質問申し上げますから、農林省からも簡潔に御答弁願います。 資料によりましてまずお尋ねしたいことは、肥料の検査を農林省検査、府県検査と分けておりますが、これはどこを境目にしておるのですか。たとえば農林省の検査は、製品発生場所と申しますか、メーカー段階の検査を農林省が担当し、流通段階を府県が担当する、こういうふうに分けておるのですか。どこで農林省検査と府県検査と分かれておるか、これを一つ。
○政府委員(坂村吉正君) お話しの通り、肥料の検査につきましては、農林大臣の検査とそれから都道府県知事の検査とございますが、この区分は原則といたしまして農林大臣登録肥料につきましては農林大臣、それから都道府県知事に対する登録の肥料につきましては、都道府県知事が検査をする、それから販売業者については知事が検査をする、まあ大体そういう原則で検査をやっておるのでございまするが、検査でございまするから、たとえばメーカーの、一つの工場を見ました場合にも、そばに便宜上一つの小さな工場もございますし、そういうような関係でありまして、必ずしも厳格にそういう区分で検査が行なわれているということじゃございませんで、ある程度重複しているところがございます。
○河野謙三君 原則はそうであっても、実情は全く一つのものを農林省と府県が追いかけ回しておる。いわゆる一人の女を二人で追いかけ回しておる、こういうことだと思うのです。これはまあ検査を厳密にする意味において、二人でも三人でも追いかけるやつは多い方がけっこうですが、ただしかし、農林省、府県と、こう分けておる以上は、ここに府県と農林省の連絡において、またあくまでも農林省は指導的立場においてその使命を果たす、こういう何か一つの基準がなければ私はいかぬと思うのですよ。たとえば農林省の検査は何か各地区ごとに検査所がありますね、東北とか北海道とか北陸とか、そうしますと、まだ北海道以外はいいのですが、北海道の場合には北海道の道庁の検査官と北海道にある農林省の検査官と全く同じ検査をやっておるわけですね。その間に権限の差異がないということは一体どうかと私は思うのです。これに対して将来何かかくすべきであるというようなことを検討をされておりますか。
○政府委員(坂村吉正君) 今までの問題といたしましては、お説の通りある程度は重複しておるところもございまするけれども、先ほど申し上げましたように、原則は農林大臣登録肥料とそれから都道府県知事登録肥料と、こういう考え方で検査をいたしておるわけでございます。ですから、従いまして農林大臣登録肥料といいまするものは、どちらかと申し上げますれば、全国流通をするような、流通が大体県内にとどまらないというようなものが大体大部分でございまするし、また検査の上からいいましても、非常に科学的な検査がむずかしいというような問題もございまして、そういうようなものが大体農林大臣登録肥料、それから知事のものはどちらかと申し上げますれば、地方的なものというようなものが、大体対象になっていると思うのでございます。まあそういうようなことで運用しているわけでございまして、現在必ずしも不便はございませんが、それにはいろいろ県の検査官と、農林省の検査官と実際の検査の仕事等につきましては、十分連絡をとらにゃいかぬという問題もございまして、そういうような意味で農林省といたしましては、県の検査官に対する指導等もいろいろやっておりまするけれども、公定規格等はこれは農林省できめまして、そしてこれに基づきまして、県の検査官も検査をする、こういうような連絡をとっているわけでございます。また、北海道の問題は、非常にいろいろの仕事で、北海道については問題があるのでございまするが、たとえば農業試験場等におきましても、国の試験場と北海道の道の試験場というようなものが重複しておるというような関係もございまして、実際にはそういう面もございまするが、先ほど言いましたような考え方で、肥料検査もやって参っておるのでございまして、いずれにいたしましても今後の問題といたしましては、やはり非常に費用が複雑になって参りまして、いろいろの費用が出てきておるのでございまするので、これらの検査につきましては、何か統一のとれた、もう少したとえば地方とそれから中央とかが別になっておりましても、もっと連絡を緊密にしていくというような方法も考えにゃいかぬと思いまするけれども、組織といたしましても今後の問題といたしましては十分検討したいと思っております。今まではまだそこまで検討をいたしておりません。
○河野謙三君 経済局長の、農林省の検査と府県の検査の分けている原則論はわかりますけれども、いただいた資料には、おそらくそれとはほど遠い実情ですよ。実情は全く違うんです。私は今まだ今後こうしたいというような御発表がありませんでしたから、私の気持をこの際ついでに申しますと、検査に一番大事なことは、完全な独立性ですよ、権威を持つということですよ。ところが、府県の検査というものは、この資料によりましても大体想像がつきますが、現在のように知事の公選制度になりましてからの自治体におけるところの検査官というものは、得てして情実にへこまされている傾向が強いのですよ。でありますから、やはり検査に独立性を持たせ、権威を持たせる意味からいけば、この検査に関してはもう少し農林省の検査というものが進出していかなきゃいかぬじゃないか、私はそういうふうに思うのです。それらについて私はもう少し検討する余地があるんじゃないか、資料にそういう傾向が出ておりますよ。でありますから、私はこれを申し上げたのですが、そこで時間もありませんから次にお尋ねしますが、この資料によりますと、違反件数と申しましても内訳を見ますと、肥料の場合には無機質と有機肥料を分けると、無機質の違反件数は非常に少ないし、パーセンテージは非常に少ないですね。有機質が非常に多いですね。それからこれを単肥と配合といいますか、複合肥料に分けますと、複合肥料に非常に多くて、単肥にはほとんど違反件数はない、こういう傾向でありますが、資料でそうでありますから農林省からの御答弁も、私の今申し上げたことを肯定されると思いますが、その通りでございますか。
○政府委員(坂村吉正君) その通りでございます。
○河野謙三君 そうであれば、問題を極端にしぼれば、肥料の取り締まりは有機質にあるんだ、一番大きな問題は、重点は有機質にあるんだ、また配合にあるんだ、ということになれば、ここで私は餌料の、えさの問題が出てくると思う。きょう畜産局からえさの検査のあれを見ましたが、私は全くこれは驚いたことなんです。ひどいのになると検査をやったものは全部違反になっています。一〇〇%違反もしくは五〇%、三〇%というのはざらですよ。これは検査の無政府状態ですよ。この検査成績を農民が一体見たらどう思います。ところが、この肥料の方の有機質、これの方は同じ有機質でも多いといってもえさとは比較にならないほど少ない。そこに検査の制度の欠陥があると思うのです。そこで私は経済局長だけではこれはちょっと無理かもしれませんが、一応経済局長の御意見を伺いたいが、何でえさの検査と肥料の検査と一つにしないかと思うのです。農林省なり地方の肥料検査官は、有機質の分析をやるときに窒素の分析をやっております。えさの検査官は蛋白の分析をする、脂肪の分析をする、窒素の分析をやっている。肥料の検査官が単に私伺いますと、六・二五掛ければそれがすなわち蛋白になるじゃありませんか。何も別の技術が要るわけじゃない。別な手間が要るわけじゃない。窒素の検査をしながら、そのときに即座に蛋白の検査ができるのです。そういうものを、なぜ肥料の検査とえさの検査とを一緒にしないか。伺いますと検査員の定員は、千葉県だけは極端に十人もある、ほかの県は大体二、三人だ、どうして千葉県が多いかというと、千葉県の知事は、肥料とえさの検査を一緒にしているから定員が多いのだとこう言う。非常に私は千葉の知事はえらいと思う。そういうことについては何か農林省でお考えになっていることございますか。
○政府委員(坂村吉正君) お説の通り、えさの検査と肥料の検査は局の所管も違いますので、そういう関係もございまして、別の検査機構をもっているわけでございまするが、検査の内容につきましても御承知の通り、えさの場合においては餌料成分が大体中心になっておりますが、肥料の場合におきましては、たとえば窒素とか燐酸とかカリとかというようなことで、肥料の成分が大体中心になって参る、そういうような関係もございまして、いろいろ分析方法等についても、たとえば窒素だけをとって、窒素と蛋白とを比べますと、これは同じものでございますから、河野委員のおっしゃるように六・二五掛ければいいのじゃないかというようなことにはなりますけれども、そのほかの成分がいろいろありますわけでございまして、そういう関係で、従来は別の系統で検査をやっております。しかし、やはり畜産の問題が今後大いに発展をしにやならぬという問題もございまするし、同時に肥料の問題につきましても、農業の生産構造がいろいろ変わって参りますと、非常に特殊な肥料等もまた出て参るのでございまして、これらの検査につきましては、もっと真剣に検査制度を検討しにゃいかんということを痛感いたしております。そこで具体的にそれをどうこうしようというところまでは、まだ検討いたしておりませんが、今の検査制度が農林省の中におきまして必ずしも十分でないということは、私たちも痛感いたしております。
○河野謙三君 農林省が畜産局と経済局と振興局に分かれているから、理屈はまさしく河野君と同感だけれども、ちょっとその点が是認しかねるという、そんなのは理由にならぬと思うのです、私は。かりに理由になったとしても、それならそれで百歩譲っても、府県の段階では現に千葉のように一つにしているところもあるのですよ、府県の段階一つにしたらいいじゃないですか、特に私は、この際もっと積極的に申し上げますが、肥料の検査員は同時にえさの検査員の資格がありますよね、技術的には。あなたは蛋白以外にまだあると言うけれども、脂肪でしょう。脂肪の検査ってそんなめんどうなものじゃございませんわ。それからまた、県によっては輸出農産物の検査もありますよ、それから水産物の検査もありますよ、水産物の検査のごときは世界的にはどうか知らんけれども、私は科学がこれだけ進歩している時代に、五感検査で甘いとかすっぱいとかという検査をしているのはおかしいと思うのですよ。いまだに水産物は五感検査でしょう、五感検査もけっこうです。私は否定いたしませんけれども、五感検査と同時に科学的な検査をやって、肥料の検査、えさの検査、こういうものの技術というものをもっと活用してやられたらいいと思う。そのほかにまだ検査には、各府県の試験場に依頼検査もあるでしょう、そういうものがばらばらになって、それを一つにまとめれば、足らざるを、全部とは言いませんけれども、相当補えるのに、そういうものを一つにしようとしないで、先ほど伺えば農薬の問題がこれだけわかっているのに農薬の検査官は、有機質のごときは半分ぐらいが違反だと、半分ということは全部ということですよ、無政府状態ですよ、そういうような状態にあるのに、そういうことについて少しも消費者たる農民には、この選別はつかないのですから、砂を入れられたってわからないのですから、私はこれについてはもっと積極的でなければいかぬと思うのですよ。話は戻りますが、有機質の違反件数は異物混入が多いのですが、有機質の違反件数と内容はどうなんですか。これはパーセンテージまでとは言いませんけれども、傾向を教えて下さい。
○説明員(花園一郎君) 飼料の方の違反件数が非常に多いことにつきましては、まだ飼料検査が出発して八年目でございますが、肥料に比較して五十年の出発点の差という歴史の差がやはり大きくございまして、メーカーの方にまだしかるべき規格に対する十分なる確信のある生産ができておらぬところに問題があると思うのですが、えさの方の違反の実は非常に大きなパーセンテージを占めますものは、私がえさ課長当時御審議願いましたえさの品質改善法の改正がその後ございまして、公定規格を第三条の二で入れられております。この公定規格違反というものが実は非常に多いわけでございます。従いまして、いわゆる異物混入という線での違反というものは、現在までの段階におきまして摘発件数との関係におきましては、むしろ公定規格違反の方が多いわけであります。
○河野謙三君 その点は、まあえさには、詳しい花園さんと私は違うので、これは先ほどの農薬で小林さんの地方の実情と中央の厚生省の課長の間に非常に開きがあるように、私の知っている限りでは、有機質は異物混入が非常に多いと思う。第一、現在流通数量が肥料と同じぐらいまでなっている、このたくさんなえさの中で検査件数が、なんですかわずかに顕微鏡で見なければわからぬほどの検査件数で、そうして大勢をうかがうことは、この意味じゃできませんよ。私はもう少し地方の実情を調べてもらいたいと思うが、特に最近のようにえさ不足の際には、非常に異物混入が私は多いと思う。これについては一つ、これは私だけの見方ですから、よく御検討をいただきたいと思いますが、今えさの歴史が浅いとおっしゃるけれども、浅いからと言ったって、深くしたらいいじゃないですか。たとえば今おっしゃるように、えさは非常に伸びたと、肥料と同じほどの流通数量だと、しかも、金額にすれば肥料より上でしょう。農家の支出は。しかるにこの大事な非常に問題の多い有機質のえさにおいて農林省は肥料の方が古いせいもありましょうが、農林省のこの資料を読みますと、検査官が肥料の方では九十一名、えさの方ではたった二十名だ、そうして府県にいきますともっと開きが強い。これを早く何とか解決しないで、そうしてただ名目上えさの価格が高くちゃいかぬから安くと、幾ら安くたって悪いものを幾ら馬にやったってききませんよ。薬だって一粒でもきくものはきくが、馬にやったってきかないやつはだめなんです。そういう意味では、もっとこの問題については私はこれは畜産局を責めるのではない、もっと将来について積極的にやってもらいたいと思う。 そこで、まだいろいろ申し上げたいこともありますけれども、もう一つ伺いたいのは、今度の農薬の混入ですね。これは取り締りは、肥料の取り締りを受けて、農薬の取り締りを受けて、また劇物の取り締りかなんかで、一体何と何の取り締りを受けるんです、これは。
○政府委員(坂村吉正君) もし農薬の中に劇物毒物等の別のものが、入っておる場合、たとえばPCP、尿素というような場合におきましては、毒物劇物の取り締りの関係の監督を受けまするし、それから農薬法の適用も受けまするし、それから肥料取締法の適用も受ける、こういうことに相なるわけでございます。
○河野謙三君 そこで三つの取り締りを受けるという以上は、登録はやはり三つするんですか。
○政府委員(坂村吉正君) その通りでございます。
○河野謙三君 登録料は一体それぞれ幾らになっていますか。
○政府委員(坂村吉正君) PCP、尿素で調べてみますと、毒物劇物取締法の登録が千円、それから農薬取締法の登録が三千円、それから肥料取締法が千円でございます。
○河野謙三君 その登録料というのは一体どういう基準できめるんです、それは必要経費から割り出してきめるんですか、それとも何かほかにその製品の価格から、要するに従価率できめるんですか、何でそれをきめるんです。
○政府委員(坂村吉正君) 現在のところ千円とか三千円とか、いろいろ登録料をきめておりますけれども、これについての厳格な計算の基礎というようなものはございませんけれども、従来のいろいろな登録料あるいは手数料、そういうようなものの慣例等から大体適当なところをきめているようなものが多いというふうに考えております。
○河野謙三君 いや、その適当なものとおっしゃいますけれども、適当とは何かと聞いているんです。要するに従価率なのか、それとも役所の必要経費から出しているのか、それは一つ宿題にしておきますが、そこで、一つのものを三つ登録をこれからもずっと受けなければいかぬということ、何かこれを一つにまとめる方法はないんですか。
○政府委員(坂村吉正君) 先ほどからいろいろ御議論がございましたように、毒物劇物の取り締りといたしましては、またそういう面からの厚生省その他の監督もございまするし、それから農薬という面からいたしましては、農薬としてのやはり効果、あるいは品質保全という面もございまするし、そういう関係で農薬の一貫した取り締りの関係にやはり服させるという必要もあろうと思うのでございます。それからそれにあわせて肥料の効果というものがくっついてきた場合には、やはり肥料としての品質保全という面も十分考えなければいかぬと思いますので、肥料の面としての取り締りにも服させる、こういう必要があろうと思いますので、必ずしも全体のものについてこういうことじゃございませんが、たまたまそういうようなものにぶつかりました場合には、これはやむを得ないんじゃなかろうかというふうに私どもは考えております。
○河野謙三君 いずれにしても一つのものを三つ登録を受けて、しかもそれがあるところへ行ったら千円であった、あるところへ行ったら三千円よこさなければならぬ、これは何かもう少し調整をしたらいいと思うと同時に、これはやはり小さいことながら消費者の負担ですよ、結局登録料というものはそういうことになるんですね。だからこれについてももう少し御検討をいただきたい、こういうように思います。 で話はまた元へ戻りますが、先ほど申し上げましたが、農林省の農林規格はあなたのところの経済課でやっていますね、でありますから、輸出農産物とか水産物とか肥料とか飼料とか、こういうものについて何かもう少し充実した検査を目標にして統一されることはお考えになりませんか。というのは、先ほども北海道の例を申しましたが、北海道のごときは全部これが北海道庁と農林省と重複しているわけですよ。こういうのは何かやらなければならぬ時期が私は来ていると思うんですがね、そしてもっとこの表にあるような、だれが見たって、えさの検査件数というのはびっくりしますよ、これだったら、私が畜産農家だったらこわくて買いませんよ、百パーセント違反だと、しかもそれは何千件という中で二つか三つ検査したものが百パーセント違反だと、それだったら農民の生活を保護する農林省なんて言えますか。それは、私はこれについて、何も政府に対して攻撃しているのじゃないですよ。もう少しわれわれ農林委員会も農林省も一体になって、目標は農民の生活を保護するという点から、この問題について私は積極的であるべきだと思うのですが、坂村さん、この際、もし何でしたら、経済局長とか、農林省の職員とかいうことでなしに、あなた個人として、一体この検査をどうしたらいいということでも発表して下さい。
○政府委員(坂村吉正君) 御指摘の通り、農林経済局の例をとってみましても、日本農林規格で魚かす等については検査をしておるわけでございます。おのおの検査の目的、それから検査の仕方等は違うのでございますけれども、たとえば魚肥なら魚肥、魚かすなら魚かすを相手にいたしまして、日本農林規格で検査すると、それからこれは肥料になります場合には肥料の検査がありますし、えさになります場合にはえさの検査があります。というような関係で、何か私も、個人的な考え方を率直に言えということでございまするから、率直に申し上げますると、もっと一つの対象物に対して、統一的な検査の方法というものがあっていいんじゃないかというような感じがいたしております。しかし、先ほどから申し上げましたように、現在、日本農林規格で検査しております魚かすは、これはつぶさないやつでございまして、魚からしぼったやつの商品としての規格を検査しておるわけでございます。これが粉末になって肥料になります場合、それから飼料になります場合には、大部分が配合されるわけでございますけれども、その場合には肥料なり飼料という、その目的に従った検査が行なわれるということになるのでございまして、魚かすだけとしての商品の取引もありますわけでございますので、そういうようなものも、やはり検査も現実に必要なわけでございます。しかしながら、必ずしもこれは別個の法律の体系の中で、別個の機関によって検査をやらなければならぬということもないのじゃないかというような感じもいたすのでございますので、十分将来の問題といたしましては、この機構あるいは検査方法等につきまして検討をして参りたいというふうに実は考えております。非常な歴史を持っておるいろいろな制度でございまするから、相当時間はかかると思いますけれども、十分一つ検討してみたいというふうに考えております。
○河野謙三君 検討されることはけっこうですが、いつも私は冗談に言いますが、農林省は何かというと、検討とか、案を練るとか言うけれども、下手な菓子屋みたいに、あんばかり練っていないで、特に肥料、飼料、農薬につきましては、現実をもう少し直視してもらいたいと思う。それと、今までのあなた方の機構そのものは、それぞれの理由があって、それぞれの歴史を持っておりますよ。持っておりますけれども、現実にあなたの方の出された資料によって、ほとんど、えさのごとき、有機質のごときは無検査状態になっているというような現実を直視されたならば、しかも、この現実が非常に農家の経済に大きく影響している。こういう時代には、やはりもう少し飛躍して、私はこの問題に対処しなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うのです。特に、私は畜産局に伺いますが、今あなたの方では、要求しても定員が取れなかったのでしょうけれども、それは事務当局の責任じやございませんけれども、肥料でさえも検査が非常に手不足なときに、九十一人の肥料に対して、あなたの方はわずかに二十人だとおっしゃいますけれども、一体あなたの方の関係のえさの生産工場と申しますか、たとえば製粉とか、精麦とか、その他魚肥関係とか、そういう生産工場の数は一体幾つありますか。
○説明員(花園一郎君) えさの生産工場は、単に配合飼料ということだけではございませんで、製粉工場並びに精麦工場、製油工場、すべてが実はえさのメーカーでございます。その意味におきましては、全部を合わせますと約二千に上ると考えております。これは、ただし、製粉、精麦その他一切を入れた数字でございます。
○河野謙三君 二千もあるのに二十人の検査官で、しかも、そのほかに流通段階のいろいろな問題がある。できっこないですよ。坂村さん、肥料の方は一体メーカーの数が非常に少ないですが、地方の配合工場まで入れましても大したことはない。一体幾つありますか、参考に伺いたい。
○政府委員(坂村吉正君) これは非常に有機質肥料のこまかい業者まで入れますと、登録をいたしております業者の数で調べてみますと、登録の件数で見ますると、農林大臣登録が一万、それから都道府県の登録が一万でございます。業者数で見ますと、県知事のものだけで、普通肥料の生産業者が県知事登録している業者が五千九百、そのほかに農林大臣の数は、割合これよりは少ないはずでございますが、ちょっと今資料がみつかりませんので、後ほどお答えいたします。
○河野謙三君 いずれにしても、肥料も十分ではございませんが、えさについては、直接この法律に関係がございませんけれども、関連して私は希望を申しますが、積極的に一つえさの取り締りについては善処をしていただきたいということを、強く私は要望しておきますが、そこで、最後に伺いますが、今度この輸入のトウモロコシやなんか無税になるわけですね。そうすると、輸入品の取り締り検査というものはどうなりますか。
○説明員(花園一郎君) 飼料の品質改善に関する法律の第三条で、輸入業者はすべて届け出義務がございます。従いまして、一方におきまして、飼料用トウモロコシは、今度は第二条におきまして、「飼料とは」、「農林大臣の指定するものをいう。」と書いてございますが、ちょっと中間を略して読み上げましたが、輸入トウモロコシを飼料と指定いたしまして、そうしてそれの輸入業者の方は届け出義務がございますので、指定いたしますれば、これは取り締りの対象になるわけでございます。
○河野謙三君 そうすると、現在までと、無税になったときとの、その検査に要する手数というものは変わりませんか。
○説明員(花園一郎君) 変わりません。
○河野謙三君 私は、今まで税金をかけて、税関なりまた保税工場、こういうものを通したときとそうでないときとは、非常に違ってくると思うのですが、これも直接この法律とは関係ございませんから、また別の機会に伺うことにいたしますが、この肥料取締法の改正の問題については、その改正自体には私は問題ないと思いますが、ただ、その背後に、現在の肥料の取り締りの状況、また、それと関連して考えられるえさの問題、農林物資全体の問題等につきまして、非常に問題が多々ある。そのうちの二、三を私は申し上げただけでございますので、これは別の機会に申し上げますが、もし、別の機会にまた伺うときまでに、私が今申し上げたような、一口に言えば、取り締りを強化しろ、そうして、取り締りの機構をもう少し整備しろ、こういう点につきまして、それまでに御検討の結果、何か色よい御返事でも伺えれば大へんけっこうだと、かように私は思いまして、質問を終わります。
○政府委員(坂村吉正君) 先ほどの業者の数でございますが、数字がみつからなかったので失礼いたしましたが、農林大臣の登録業者は六百十五でございます。それから知事の登録業者は、先ほど申し上げましたように、五千九百でございます。 それからただいまの御指摘の点は、十分私たちも、先ほど申し上げましたように問題のあることは、承知をいたしておるのでございまするので、十分一つ検討いたしたいと思っております。
○委員長(藤野繁雄君) 本件については、本日はこの程度にいたします。 ここでしばらく休憩し、午後二時から再開いたします。 午後零時五十一分休憩 ————・———— 午後二時二十一分開会
○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。 森林開発公団法の一部を改正する法律案(閣法第四五号)及び公有林野等官行造林法を廃止する法律案(閣法第四六号)、いずれも衆議院送付、の二案を議題といたします。 最初に、今日提案された資料要点の説明を求め、ます。
○政府委員(山崎斉君) お手元に配付いたしました資料につきまして、主要な点を御説明申し上げたいと存じます。 まず一ページをごらん願いますと、官行造林の既契約分のうちで造林未済のものがどういうふうになっておるのかという点を掲上いたしたのでございます。水源林につきましては、ここにありますように、公有林におきまして件数で三百三件、面積で一万三千八百ヘクタール、部落有林は件数百四十五、面積六千五百ヘクタール、私有林が件数六十六、面積三千ヘクタール、合計いたしまして、五百十四件、二三千三百ヘクタールが造林未済として残っているという現状に相なっております。 それから二ページをごらん願いますと、二ページの左上2分収造林実施の概要であります。三十三年度から掲上いたしまして、三十三年度が一万五千六百二十四ヘクタール、三十四年度が一万五千三百三十六ヘクタール、三十五年度の見込みが約二万ヘクタールという現状であります。以上の件数につきましては、調査いたした資料が十分でありませんで、掲上できないのをはなはだ残念と思います。 3といたしまして、分収造林年次別費用負担者調でありまして、費用負担者といたしまして、ここにありますように、県、市町村、学校、会社、森林組合、その他の団体、個人というふうに分かれております。三十三年度から三十五年度の見込みまでを掲上いたしたのであります。やはり県が主体であります。次が会社、その他の団体、個人、次が学校というふうな順序に相なっておるのであります。 それから4といたしまして、分収造林年次別土地所有形態別実施状況、単位はヘクタールであります。これの区分は、いわゆる、ここにありますように、県有林、市町村有林、部落有林、その他となっておりますが、その他というのは、一般の私有林というふうにお考え願いたいのであります。三十三年度が一万五千六百二十四ヘクタールというふうに相なっております。分収造林される場所といたしましては、市町村有林が最も多い。次がいわゆる一般の私有林、その次が部落有林というふうに相なっておるのであります。 それから5といたしまして、分収造林年次別林相別実施状況、これは天然喬林、薪炭林、粗悪林、原野に分けて掲上したのであります。 それから三ページをごらん願いますと、分収造林分収歩合の実施状況、その1といたしまして、二者契約の場合に、これは三十三年度に新規に分収契約したものについて調査いたしたものでありまして、造林者と土地所有者の取り分ですが、ここに掲上いたしましたように、造林者が多いものは八〇%、少ないものが五〇%、この中の幾つかの団体に相なっておるのであります。 それから三者契約の場合におきまして、2にありますように、造林者、費用負担者、土地所有者と三つに分かれるのであります。造林者の取り分といたしましては二%から五%、それから中には造林者の取り分が一五%というようなものも見られるのであります。費用負担者といたしましては四五%から六五%までの幅に入っているのであります。土地所有者は三〇%から四五%程度の幅に入っているという現状になるのであります。 それから7といたしまして分収造林に対する年次別融資状況というのがありますが、これは金融公庫等から造林に対して融資いたしておりまするが、分収造林であるとか、あるいは自営造林であるというふうな区別が、実は融資に明確にありませんので、資料として掲上できないのであります。 それから四ページをごらん願いまして、三十六年度水源林造成計画、支所別、県別、件数、面積、事業費、これを掲上いたしてありまして、合計いたしまして九百四十四件、面積が二万ヘクタール、事業費が八億九千七百万円というふうになっているのであります。 それから五ページでありますが、公団林道開設改良事業の事業費の資金、内容、今後の運用計画、これの(1)としまして林道開設改良事業費の資金の内容、これは年度ごとに掲上いたしまして、三十一年度から三十五年度までに三十三億七千二百万円を事業費に出資いたしておるのであります、それの借り入れといたしましては、余剰農産物資金融通特別会計から十億円、農林漁業金融公庫から四億円、資金運用部特別会計から十七億、合計いたしまして借入金が三十一億円、それから自己資金が二億七千一百万円、合計いたしまして三十三億七千一百万円を支出いたしたのであります。 六ページでは、今後の運用計画といたしまして国庫補助金の収入計画がどういうふうになるか、県負担金の収入計画がどうなるか、受益者賦課金の収入計画、雑収入の収入計画、七ページにいって借入金の償還計画及び公団経営費の支出計画というものを掲上いたしておいたのであります。 それから次をごらん願いますと、関連林道資金計画、十ページになっておりますが、これは三十四年度から三十九年度まで五十一億二百八十九万五千円を予定いたしております。支出も同額な計上であります。 それから十一ページでありまして、森林開発公団収入支出の決算書を掲上、掲記いたしたのでありますが、三十一年度、三十二年度、三十三年度、三十四年度というふうに資料は相なっておるのであります。収入予算額と収入決定済み額というような点に相違がありますのは、特に三十一年度におきまして大きく相違がありますのは、公団の事業が三十一年度に出発したという関係で、この仮収入予算額を次年度に繰り越して書いたというような関係に相なっているのであります。 それから十九ページに森林開発公団の三十四年度の貸借対照表を掲示いたしたのであります。で、これでごらん願いますと、この公団の事業が資本金というようなものをなしに、借入金に依存して実行いたしまして、しかもその借り入れた事業費に対する利子はその年から払っていかなければならぬ。それから事業費に対します国の補助金あるいは受益者負担金、県の負担金というふうなものは次年度から順次納められるというふうな点からいたしまして、繰越の欠損金というものが出て参りますし、それが今後順次解消していくという過程をとる本質を持っておる関係から、三十二年度におきましては、左の一番下にございますように、前期繰越欠損金が五千百万、当期の欠損金が二千四百万というふうな形に相なっておるのであります、て それから二十一ページをごらん願いますと、三十六年度の公団の予算の見込みを掲上をいたしたのであります。これは造林事業勘定、林道事業勘定、管理勘定というふうに三つに分けてあります。造林事業勘定におきましては、出資金が十億円、利息収入、雑収入等が少しあるわけであります。それから林道事業は、賦課金の収入と補助金、県負担金、受託林道の収入というものをこれに予定いたしておるのであります。それから支出には、造林事業勘定におきまして、造林費として費用負担者として負担すべきもの、あるいは管理勘定に入れるものというふうに分かれております。林道事業におきましては、受託工事、林道の管理事業費、借入金償還、同じく管理勘定へ繰り入れというふうな項目に分かれておるのでありまして、三十六年度といたしましては四十二億四千万円余の予算に相なるという予定でございます。 それから二十二ページからにおきましては、森林開発公団の役員の給与規程をここに掲示をいたしたのであります。 それから二十五ページ以降に森林開発公団の職員の給与規程を順次掲示をいたしたのであります。 それから三十五ページをごらん願いますと、公団役職員の学歴別、年令別構成を掲示いたしたのであります。1に学歴別の調べ、それをいわゆる林科、土木科、法文科、その他と分けまして、現在おります役職員合わせて百二十八名の内訳を掲示いたしたのであります。2といたしまして、その百二十八名に対します年令別の構成を掲示いたしたのであります。 それから三十六ページの14といたしまして国有林野事業特別会計の年度別損益計算、二十二年からの実績と、三十五年度、三十六年度の見込み損益をここに掲示いたしたのであります。 それから三十六ページの右にあります15といたしまして、部落有林野対策協議会の答申、これはこのページから膨大な資料に相なっておりまして、五十七ページまで継続いたしておるわけでありますが、これの概要を簡単に申し上げたいと存じます。 約二百二十万町歩に及びます部落有林野は、山村民の私経済にとりまして不可決の用益地となっておるにもかかわりませず、粗放な利用の状態に置かれておるのであります。その原因は、山村の半自給経済的な零細農林業経営にあるわけでありますが、このことがまた部落有林野をめぐっての前近代的な複雑かつ不明確な権利関係を残すというようなことにもなっておるのであります。従って再度利用をはかるためには、政府の強力な農林業振興施策の実施と、これに並行して権利関係の近代化を促進する制度的措置が講ぜられなければならない。 こういう観点からまず第一には、山村の実態に即応した経常類型を確立いたしまして、そのような経営類型の方向に沿って農林業振興施策を強力に総合一元的に実施する必要がある。 第二には、林野の農業的利用と林業的利用の調整をはかり、土地利用の流動性を高めるために、現行土地制度に検討を加える必要がある。 第三に、部落有林野の利用をめぐる権利関係を分解、近代化いたしまして、原則的にはこれを山村民の近代的な個別私権とすることを促進する必要がある。 なお、公有名儀の部落有林野は、公法上の規制がないために、山村民の権利がきわめて不安定であるので、公有名儀をやめまして、山村民に所有権を取得せしめることが望ましいが、それが困難な場合の措置といたしまして、安定した私権としての利用権の設定をも考慮すべきであろう。 対策の要点は、おおむね以上の通りでありますが、なお権利関係の分解、近代化につきまして具体的に述べられておるところを簡単に申し上げますと、現在のおもな利用形態であります個人分割利用、団体直轄利用、共同利用の三形態が現在とられておるわけでありまして、それらにつきましてはそれぞれ次のように考えていくべきではなかろうか。現に個人分割利用形態のものにおきましては、個人の単独利用というものを考えていく。また、団体規制が強いという場合には、暫定的に共有というような形も考えていったらどうだろうか。 次に、団体の直轄利用形態のものにおきましては、もちろん個人単独有とするか、あるいは共有というふうにすることを考えていくべきでありますが、また必要な場合には、近代的な集団による共同経営というものも強く考えていくべきであろう。 それから次といたしまして、共同利用形態のものにありましては、もちろん暫定的に現在のままの共有ということにいたしまして、必要な場合には近代的な集団による共同経営をも考慮していくべきではなかろうかというふうに述べられておるのであります。 が、最後に、利用関係の分解近代化を進めるにあたりましては、各地域の今申し上げましたような実態に即応して、段階的にかつ弾力的に行なっていくことが必要であるという趣旨がこれに述べられておるのであります。 それから五十八ページをごらん願いますと、ページが抜けておるかと思いますが、黄色い紙の表のようになっておるのであります。これは昭和三十二年度以降官行造林計画とそれの実施状況を御説明いたしておいたのであります。三十二年度以降、普通林としまして既契約で残っておりました一万二千ヘクタールを官行造林事業で実施する。それから水源林につきましては、昭和二十九年保安林整備計画による要造林地、これが四十三万ヘクタール、このうちで民有保安林の買い上げによって国有林で実行するものが八万、従って民有林としてやるべきものが三十五万ヘクタール、この三十五万に対しまして官行造林事業によりまして昭和三十、三十一年度に実行したものが三千、それから水源林造成事業によりまして同じく三十、三十一年度に実行いたしましたのが四万一千三百ヘクタール、従いまして三十二年度以降実行事業が三十万五千七百ヘクタールと相なるのであります。この三十万五千七百ヘクタールのうちで、二十八万七千七百ヘクタールを水源林として常行造林事業でやっていく、一万八千ヘクタールを水源林造成事業という補助事業によってやっていくという計画をされたのであります。これに対しまして三十二年度から三十五年度まで実績を掲上をいたしておいたのであります。普通林におきましては二万二千七百ヘクタールを造成し、水源林につきましては三万七千ヘクタール、それから水源林造成事業では一万八千ヘクタール、こういう実行をいたしたわけであります。で、水源林につきましては、三十五年度末の要造林面積が、先ほど御説明申しました三十万五千七百ヘクタールから表の一番右にあります五万五千ヘクタールの実行済みを差し引きまして、二十五万七百ヘクタールが残っておる。このうちで部落有林等で入会慣行等の関係で契約ができないというものが一万八千七百ヘクタールあるわけでありますので、三十六年度以降二十三万二千ヘクタールを実行しなければならない、こういうことになっておるのであります。 それから五十九ページをごらんいただきますと、林業所得の山林所得、素材生産所得、薪炭生産所得別分配の推移を二十六年から三十三年度まで掲上いたしておるのであります。そこで問題となります点は、山林所得は二十六年から三十三年まで漸次増大いたしておるのであります。三十三年は前年よりやや減少はいたしておりますが、それに対しまして、素材生産所得の全体における比率が二十六年度三〇%でありましたものが漸次減少して参った、薪炭生産所得につきましても同様二三%のウェイトを持っておりましたものが、漸次減少してきているというところに、この山林所得というものにつきましての特異点があるように考えるのであります。 それから十九といたしまして、種類別民有林の造林実績を掲上いたしました。一般造林といたしまして補助、融資、自力、それから水源林造林、官行造林、この五つに分けまして、その実態を掲記いたしてみたのであります。 それから二十といたしまして、森林開発公団法の十八条第一項第四号の受託造林事業の実施状況、これは該当のものがありませんので、該当事項なしと相なっておるのであります。 それから二十一、森林開発公団の作業機械調べ、これはダンプトラック一台だけでございます。 それから六十一ページに、国有林、民有林別の造林計画を掲上いたしてあるわけであります。 それから最後のページに治山事業十カ年計画、昨年度決定されました治山治水緊急措置法に基づきまして、治山事業の十カ年計画を掲上いたしたのであります。 以上で、はなはだ簡単でありますが、資料の御説明を終わりたいと思います。
○委員長(藤野繁雄君) 両案に対する質疑を行ないます。 御質疑のおありの方は、順次御発言を求めます。
○北村暢君 きょう提出していただきました資料につきましては、まあきょう出ないのかと思っておりましたけれども出ましたので、十分検討させていただきましてまた質疑させていただくことにいたしまして、きょうはまず森林開発公団の、公団自身の問題についてこれから質問をいたしたいと思います。 ちょっと速記とめてくれませんか。
○委員長(藤野繁雄君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記始めて。
○北村暢君 まずお伺いいたしたいのは、森林開発公団の公団林道の実施の状況、それから関連林道の実施の状況ですね。資料において数字等は提出を願っているのでありますが、お伺いしたいのは、どういうこの事業のやり方をやって今日に至っているか、その現況を御説明願いたい、このように思うのです。これは林野庁長官でもよろしいし、公団の理事長でもいいし、どちらでもけっこうですからお答え願いたい。
○参考人(石坂弘君) まあ公団のやり方を説明しろというお話でありますから、概略申し上げますが、公団方式による林道開発の仕事は、まず政府が基本計画を定められて、公団に示されるわけでありますが、それに従いまして私どもはまず予定路線の概査をいたしまして、実施計画というものを作るわけであります。それで実施計画ができますと、これを関係市町村の役場に公表いたしまして、その間二十五日やるわけでありますが、利害関係人の意見を徴する、こういうことでやるわけでありますが、そこでこの実施計画の公表期間が満了いたしますと、それを関係府県知事と協議をいたします。その実施計画には路線の延長、それから事業費、こういうものが掲げられるわけでありますが、それを関係府県知事に協議いたしまして、府県知事の同意がありますと、これを農林大臣に申請いたしまして認可を受けるわけであります。そうして、その認可を得ました上で、実行に移るわけでありますが、実施計画の策定は概査でやりますので、実施計画を公表中に私どもの方で実施設計を行ないます。これは私どもの職員が現場に入りまして、設計調査をするわけでありますが、むろん実施計画を作る前に設計しておるのもありまするし、実施計画公表後設計を実施したものもありますが、これは路線によって仕事の分量によって変わっておりますが、おおむね農林大臣の認可がありますまでに、実施設計を終わるということで進めて参ったわけであります。その認可後に請負に付しまして、工事に着手する、こういう段取りになるわけであります。 請負の関係でありますが、これは公団内部に請負業者等審議会というものを設けまして、役員とそれから支所長及び関係の課長で、各請負業者の実績その他をこまかに見まして、あらかじめ格づけしておるわけでありまして、その中から指名をいたしまして指名競争入札に付するわけであります。そうしていよいよ工事の実行に移りますと、私どもの方では大きな路線につきましては、場合によっては二人の監督を置くこともありますが、最低限一人、これには補助員がつくわけでありますが、現場監督を置きまして、常時工事に誤りのないように監督をやっておるのであります。それから完成いたしますと、これは原則として本部の専門職員が竣工検査をいたしまして、工事の不十分なところはむろん手直しを命じます。そうして合格証を発行したしで代金の支払いをする、こういう手順にいたしております。
○北村暢君 そこでちょっとお伺いしたいのは、計画は公団が実施するが、事業の実行は請負がやる、こういうことのようでございますが、請負人、業者の選定といいますか、それについてどのようになっておるでしょうか。私のお伺いしたいのは、この公団林道としての林道開発について、他の林道開発と変わった性格を持っておるはずであります。従ってその工事の内容等についても、やはり特殊な形というものがあるのが普通でないか、たとえて言えば、愛知用水のように非常に短期間に経済効率を上げるために大型機械を入れてやる、これは一般の民間ではとてもできない。従って愛知用水公団というような規模でもってやるというように非常に特徴的なものがあるわけです。林道開発についても、森林公団についても、私は請負の選定上においてそういう特殊なものが何かなければならないじゃないか、このように思うのですが、これは一般の林道の請負と同じで、ただ数を多くして早くやった、こういうことにすぎないのかどうなのかその点です。どういうことでほかの林道開発と変わっているのか、そういう点についてちょっと変わっている点があれば、特徴的な点があれば、御説明をいただきたい。
○参考人(石坂弘君) 私どもの方の林道のやり方につきまして、他の林道工事と変わった点があるかというお尋ねでありますが、これは一般の公共事業等でやります林道とやり方の相違と申しますか、違っております点は、短期間に集中的にやっていく。で、相当長い距離をまとまった事業費で短期間に仕上げるということが、これはやり方の内容の違いではないのでありますが、変わった点でありますが、ただまあ何せ、山間のことでありますので、愛知用水の工事のように近代的な機械を大規模に動員してやるといったようなことはありません。もちろん、所によっては比較的大きな機械を使う業者もあるわけでありますが、大体は小さな機械と人力を中心としてやっておる、こういうやり方になっておるように考えております。
○北村暢君 そうすると、工事の施行方法そのものについては、大して従来の林道工事と変わっていない、こういうふうに見ていいのですね。経費を集中的に使って短期間に相当の延長キロに対して実施をする場合が変わっている、こういうふうに見て差しつかえないと思うのですね。 それではお伺いいたしますが、それから引き続いて関連林道について事業を実施してきたわけでございますが、関連林道を実施して参りましたやり方ですね、これは公団林道と同じ形でやっておられるのかどうなのか、もちろん、これは国営の委託事業ですから、形は若干変わっているのかとも思いますが、その実施の状況を御説明願いたい。
○参考人(石坂弘君) 関連林道につきましては、これは国有林野特別会計の委託を受けて実行いたしますので、各営林局長から、全体計画は林野庁長官から示されるわけでありますが、路線別に申しますと、各営林局長の計画の指示に基づきまして、私どもの方で実地測量をし、実施計画を立てて認可を得て、それから工事に着工するわけですから、関連林道、公団方式との違いは、先ほど申しました実施計画の報告、関係府県知事の協議、認可、そういうものが省けることが違う。それともう一つの違いは、委託事業であります関係上、当該年渡内に完成して当該年度内に国有林の方へ引き渡す、これが違う。公団方式の方は、大体継続事業的なやり方を認めておるわけでありますが、その点に違いがあるわけであります。
○北村暢君 これは林野庁の方にお伺いいたしたいのですが、森林開発公団が関連林道を実施する当時における計画によりますというと、延長キロ数二十四年から三十七年で三百五十キロ、三十七年までの四カ年間で実施することに計画がなされておったようであります。それが今配付になっております資料を見ますというと、延長キロ数が四百十キロで、年度も三十九年度と二年延びておるわけでございますが、これは法律改正当時の計画と変わっておるわけですが、この変わった理由は何ですか。
○政府委員(山崎斉君) 関連林道と申し上げますのは、一つの流域に国有林と民有林が併存する、その流域開発を一元的に、計画的に実施するということが必要だということから出発いたしまして、お話のように、当初におきましては三百五十キロという計画を立てたのでありますが、全国におきますこれらの流域ごとの計画、開発地域というものを精査いたしました結果、やはりこの三百五十キロという計画を、お話しのように四百十キロという程度にまで増大するということが、この国有林、民有林併存する地域の開発上きわめて望ましいという観点に立ちまして、この四百十キロという計画に計画を変更し、増大したという経緯であるのであります。
○北村暢君 路線の数は、当時四十本といったのですけれども、四十路線になっておったようですが、計画がふえますというと、一体計画路線もふえるのか。それから分布している県の数ですが、これは従来の実施したものによるというと、提出された資料で計算しますと、大体二十七、八県にまたがっておるようですが、これは事業量がふえることによって本数もふえるのですか。
○政府委員(山崎斉君) 路線数は、三百五十キロという当時におきましても四十路線、この新しい計画に、四百十キロの計画におきましても、四十路線には変わりないのであります。これのそれぞれ現地につきまして検討いたしました結果、やはり勾配その他利用区域の関係からいたしまして、路線の延長を増大するということが必要であるということに相なりまして、この延長の増大というものを計画いたしたわけであります。
○北村暢君 そこでお伺いしますが、公団が、関連林道について事業の実行とそれから設計より、林道の開設工事、これを委託を受けて実施するこういうことになっております。そしてこれの完成後の維持、管理というものについては国有林がやる、こういうことのようでございますが、この関連林道と公団の事業との関係からいきまして、従来、人員が百三十八名で三十五年度まで実施をされてきた。そして職員の配置、機構、組織というものは、公団林道の実施をする体制であったわけです。従って、奈良支所あるいは徳島支所というものに多くの人員、それからあとは中央、こういうことで人員の配置がなされておる。それに対しまして、関連林道を二カ年間やりましたが、三十四年は公団林道と重複しているようでございますが、一体この関連林道の実施の仕方でございますが、これは公団林道は地域的に四県にまたがっているだけで、熊野と剣山に集中しているわけでございますが、関連林道はこれは二十七県にまたがって、四十路線の事業をやっておるわけでございます。一体この森林開発公団は、この機構の中で関連林道を二年間どういうふうにしてやってきたのですか。
○参考人(石坂弘君) 公団林道のほかに関連林道の仕事をやるようになりましてからの、私の方の組織上の仕事の分担でございますが、これは徳島の支所が、四国とそれから九州の関連林道の設計及び工事の監督を受け持つことにいたしました。それから奈良支所関係は、比較的路線数が少なかった関係上、近畿地方とそれから中国地方を受け持たせることにいたしたわけでありますが、これは三路線でございますから、十分それでこなせたわけでございます。それからそれ以東の、中部地方から以東は本所直轄といたしまして、本所の業務部で直接設計もやり、業務の監督も、工事の監督もやるようにいたしたわけでありますが、それに必要な人員は、主として奈良支所において手のすいた設計員なり現場監督員を配置転換いたしまして、本所直轄関係の仕事を実行いたして参ったわけであります。
○北村暢君 そうしますと、この配付をいただきました森林開発公団組織図という、三十五年度百三十八名というのは、実態はこのようになっていなかったわけですね。どうなんですか。
○参考人(石坂弘君) 人数から申しますと、この通りでございます。これはもともと奈良の支所が、これはもう熊野地区では非常に路線数も多くありました関係上、もっと人数が多かったのでありますが、これを本部へ移しまして、奈良支所が現在四十二人になっております。今正確に記憶しておりませんが、十数人の者を本部の方へ行かしたわけであります。
○北村暢君 そうしますと、ただいま配付いただきました資料によりますと、この土木関係並びに林科、まあ技術者でございますか、この技術者が全部で六十二名ばかりおるのでしょうかね。六十名ばかりおるわけでございますが、この技術者の按分といいますか、関連林道についても、公団林道と同じように一つの事業監督に一名ないし二名つけたと、しかもこれは相当分布が二十七県くらいにまたがっておるようでございますが、これは出張をして監督に当たったと、こういうことになるのではないかと思いまするが、私の感じでは、これだけ関連林道が広範になるというと、人員の配置からいっても、非常にこれは困難で、経費が食うのじゃないかといったような感じがいたすのでございますが、関連林道運営上の問題について、不便はなかったものなのかどうか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。
○参考人(石坂弘君) 現場監督の関係につきましては、私どもの職員を現地に駐在させるわけでありますが、これはむろん出張ではありますが、旅費規定の中で日額旅費制度を作りまして、長期滞在の者の特別の旅費規程を作っておりまする関係上、比較的通常の普通旅費でやりますならば、これはもう大へんな金になりますが、そういう意味で節約の措置を講じておるわけであります。それからなるほど現地が相当散在はいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、中部以北は本部でやる、西の方は徳島ということでやっておりますが。今まで通信連絡等の関係でそう不便を感じたというふうにも思っておりませんので、大体今日まで支障なく執行いたして参ったわけでございます。
○北村暢君 私の感じでは、との関連林道を実施したということは、やはり公団の事業としては非常に不適正な事業をやったような感じがするのです。まあ、どちらかといえば非常に不経済ではないか。また事業の執行にあたって、完全に責任を遂行できるという面については、非常に問題があったのじゃないかというふうに考えられるわけであります。結局、中央が大部分で中央から各県に一人か二人行って事業の監督をやると、そのような形で一体この林道工事というものはうまくいくかいかないのかということは、これは事業をやるものから見ればすぐわかるのでありまして、この事業のやり方そのものについて、大体何か内容的にわかるような感じがするのです。まあ、理事長は非常に任務が完全に実行できたような御報告ですから、疎漏にやったとは申しませんけれども、なかなか簡単に言われるような形で、合理的にしかも事業がスムーズにいったということは、なかなかこれは考えられないじゃないかというふうな感じがいたします。
○亀田得治君 ちょっと関連して。監督者を派遣して林道工事をずっと見て回らした、そういったようなことですが、大体その一人の人が出張するのに何日間ぐらい出張されるのですか。
○参考人(石坂弘君) 先ほどのお尋ねとあわせてお答え申し上げますが、大体出張いたします期間は、これはもう工事の現場駐在でありますから、着工前に現場に参りまして、いろいろと地元との打ち合のせもいたしますし、工事が始まりますと、毎日現場につききりで監督をいたします。竣工して局の方へ引き渡たすまで現場に参っております。従いまして三カ月工事がかかりますれば三カ月いるのであります。そういったようなわけで、一人何日ということはちょっとここで今申し上げられないわけでございます。それから各現場に職員は大体原則としてもちろん一人ずつでありますが、それの補助員といたしまして現場労務者と申しますか、事業費支弁の職員を必要に応じて、これも技術者を主としておりますが、中等程度の技術学校を出た職員を補助員として現場で使っているようなわけであります。それでろくな仕事はできぬじゃないかというような御批評でありますが、これは私どもの今日までやって参りましたところではそれほどの批評を受けている路線はございません。奈良、熊野、剣山地区でやりました公団方式の林道と同じようなできばえの林道ができておりますように考えております。
○亀田得治君 まあ、工事によって大小があるでしょうが、大体関連林道の場合およそ何日くらいかかっているのですか。
○参考人(石坂弘君) これも先ほど申しましたように路線によって違いますが、長い路線でありますと、半年もかかるようなものがありますが、大体、私どもの公団の平均の工事費と申しますか、最低月四百万円くらいのことで、むろんこれは最低でありますが月三千五百万円−五百万円の工程といたしますと、五千万円の工事で十カ月かかるといったような勘定になるわけでありますが、平均どうということをちょっと今正確に申し上げられませんので、一般的なことでそういうふうに申し上げたのでございます。
○亀田得治君 いや、おおよそわかるでしょう。
○参考人(石坂弘君) ですから大体工事の工程といたしましては、月平均四百万円くらいの工程でやっておりますので、工事の工事費用と申しますか、その事業費が五千万円の事業費の場合ならばおよそ十カ月ないし十一カ月かかる、こういうことになるわけであります。
○亀田得治君 まあ相当長期にかかるわけですね。
○参考人(石坂弘君) そうです。
○亀田得治君 それでその監督者というのは、一人の人が初めから終わりまで監督をすることになっておりますか。
○参考人(石坂弘君) 大体監督は一人でありますが、それに補助員をつけることになっておりますが……。
○亀田得治君 いや補助者は別に……。
○参考人(石坂弘君) むろん特別の事情がない限り着工から完成まで現場に駐在するわけでございます。
○亀田得治君 現在一人の人がずっとつき切って、そのほかに補助員をお使いになると言ったが、これは正規の職員外にその地方の人を使うわけですか。
○参考人(石坂弘君) これは場合によりますと、地方の人でしかるべき人の推薦のあった者でありますとか、あるいはまた、中央でしかるべき者があった場合にはそういう者を派遣するという場合もございますが、まあどちらかと申しますと、現地及び現地付近で採用する人の方が多いのであります。
○亀田得治君 それはまあ学歴の程度はさっきおっしゃったが、大体幾つくらいの人を採用するのですか。
○参考人(石坂弘君) これも一がいには申せませんが、まあ補助員でありますから、大体学校を出まして二年なり三年なりというのが多いように思います。中には学校を出まして十年くらいほかの方で経験を積んでおるというような人もありますが、大体まあ中等程度の技術の学校を卒業して間もない者が多い、こういうふうに御了解になってけっこうでございます。
○亀田得治君 そういう補助員の手当ですね、これは月給的なことになっておるのか、あるいは何か日給ででもやるのですか。
○参考人(石坂弘君) 補助員は日給でございます。ただし、普通二十五日働くものとしてまとめて支給する、こういうことになっております。
○亀田得治君 日給にしてそれ一日幾らになっていますか。
○参考人(石坂弘君) これもその人の出ました学校なり、あるいはその後の経験等によって違いますが、大体三百円から四百四、五十円ということになっておるように記憶いたしております。
○亀田得治君 大体現場の近くの人が多いようですが、夜は自分の家に帰ってそうしてまた朝現場へ出て来る、そういう格好になるのですか。あるいは山のことですから一々帰れないということで、やはり林道の工事現場の付近で泊まるという形が多いのですか、どっちなんですか。
○参考人(石坂弘君) これは私どもの方では現場監督員と一体となって仕事をしなければなりませんので、できるだけ現場に近いところに私どもの現場事務所を設けまして、そこに同時に宿泊もできるという設備をいたしております。たとえばパイプハウスを現地に持って行って、現場職員の宿舎にするといったような措置を講じております。
○亀田得治君 こまかい話ですが、そういうところへ泊まる場合には先ほど申された日当の、日給のほかに幾らか出るわけですか。出るとしたらどれくらい……。
○参考人(石坂弘君) これは日給者でありますので、特別の手当を出すということはいたしておりません。これはそういう条件で現場で働いていただく、こういうことになるのであります。ただ福利施設と申すほどのことではございませんが、その宿舎の中には、私どもの方で炊事婦は必ず置くことにいたしておりまして、まかないその他はごく安く上がるようにやっているわけであります。
○亀田得治君 そうすると安く上がるように工夫しているとおっしゃいますが、ともかく自分の食べるものは自分で負担をする、建前はそうなるのですか。
○参考人(石坂弘君) そういうことでございます。
○亀田得治君 その泊まる場所は事務所から派遣されている、正規の職員の方ですね、その方もそこへ泊まるのですか。
○参考人(石坂弘君) 原則としてみんな一緒に寝起きすることにいたしております。
○亀田得治君 その工事の請負をやっている会社の職員はどういうふうになっておりますか。
○参考人(石坂弘君) これは会社の現場事務所と私の方の監督事務所は全然別になっております。
○亀田得治君 そうすると会社の方はこれは請負の会社で、人数は大体どれくらいいるのですか。これも工事によって違うでしょうが、五、六名くらい、違ってもいいが、大体どのくらいのものですか。
○参考人(石坂弘君) これも工事の規模なり、なんなりによって違うと思いますが、会社では現場責任者というものを必ず置きまして、これは公団に対して、その人の履歴なり、今日までの実績を届けることになっておるわけでありまして、その人をキャップにいたしまして、社員の補助員もありましょうが、若干名の補助員も持っていると思いますが、何人ぐらいおるかということはちょっと申し上げかねますが、大体十人以内あるいは五、六人程度じゃないかと思いますが。
○亀田得治君 そんな少ないものなのですか。あなたはよく知らぬのと違うか。うしろの方がよく知っていらっしゃるのでしょう。
○参考人(石坂弘君) ただいまのお尋ねは、向こうの現場責任者及びこれの補助員でございますから、その他労務者関係はもちろん相当数おるわけであります。これは当然のことであります。
○亀田得治君 そうすると大体そういう建物のある所は水の関係とか、そういうことで請負の会社のある所も、それからこちらの方の泊まる所も大体同じような所でしょう。
○参考人(石坂弘君) これは現場が大体奥地でございますので、まあ川っぶちでありますとか、比較的水の便利もよくて平坦な所を選んで飯場、事務所を建てますから、比較的近い所もありますし、あるいはまたところによっては、相当請負業者の現場事務所と離れている所もございます。
○亀田得治君 それから正規の職員がずっと監督されるわけですが、この方が出張される。それに対して出張のための特別旅費を支給しておるというお話だったのですが、それはどれくらい出るのですか。
○参考人(石坂弘君) 先ほど申しました日額旅費を支給するわけでありますが、これも今申しました大体公団の施設のある所におります関係上、日額の旅費は大体七百円ぐらいじゃなかったかと思います。それからこれが本所にたとえば設計変更の打合わせといったようなことで参りますときには、これは普通旅費を支給することにいたしております。
○亀田得治君 日額旅費七百円というのは、つまりそこに泊まって——七百円は違うのですか。
○参考人(石坂弘君) 日額旅費は訂正いたします。現場で公団の宿舎というか、事務所兼宿舎に宿泊するのは日額四百八十円でございます。
○亀田得治君 その中から自分の食費を出すことになるわけですか。
○参考人(石坂弘君) そういうことであります。ありますが、私の方の職員は月給は別に支給するわけであります。
○亀田得治君 それはそうだ。家族がいる。
○参考人(石坂弘君) 駐在族費でございます。
○亀田得治君 それはわかっている。そこで、大体こういうところの請負現場におる会社の職員なり、あるいは労務者この諸君の給与というものはどの程度なんです。
○参考人(石坂弘君) これも実はどの程度ということは、私もつまびらかに知りませんが、最近現場では非常に労賃が上がってきているということを申しております。大体私どもの方の設計監査としましては、労働省の基準賃金をペースにしておるわけでありますが、通常それの五割増しくらいのところでなければ気に入られない。それがまたさらにその五割ぐらいにもなっているというようなことで、現場では相当人夫を集めるのにも苦労していると聞いております。
○亀田得治君 そこで具体的に金額で言って、どの程度のものが支払われているようですか。
○参考人(石坂弘君) その点はただいま手元に資料がございませんので、よく調べましてお答え申し上げることにしたいと思います。
○亀田得治君 今のお話からでも、相当賃金が上がっている。だからおそらく私の推測ですが、あなたの方の監督者が特別旅費をもらっていく。あるいは現場で採用されるその補助員、そういう職員よりも多いのではないか、相当。そう思うわけなんです。それはどうです。
○参考人(石坂弘君) これもまあ一がいには言えないと思いますが、私どもの方の職員は、正規、正規と申しますか、俸給のほかに日額旅費をもらって現場で仕事をしているわけであります。もちろんこれは請負業者の方の現場責任者等は、これは人にもよりましょうが、これはまあ会社のことでありますから、待遇等はおそらくいいだろうと思いますが、まあ労務者でありましても普通の切り取りだけに従事しているような労務者と、あるいはまた石積みをやる労務者と、そういったような専門技術を身につけた労務者とは違うわけでありますから、これはまあいろいろ現場でバラエティがあると思いますので、これも一がいにどうということはちょっと申し上げられないかと思います。
○亀田得治君 一がいに言えぬことは、これは私だって承知して聞いているので、大体の傾向をお聞きしたいと思って、まあなぜこういうことを聞くかといいますと、それはやはりこの人里離れた山の中に相当長期にわたって住むわけですから、一方の方はさっきの話ですと、まあ二人か三人で住まっているわけだ。それで月給は大したことない。それは家の方に出す月給、そんなことをあなたはさかんに言うけれども、そんなものは別だよ。それは家族が使う。現場で使われるのは四百八十円。それを補助者の方はこれは月給も入れて三百円ないし四百円、四百五十円程度。それでみな食費もやっているわけでしょう。一方の方は会社ですから、それでもらい分自体は賃金が上がっているから手取りがいいわけです。会社だから若干の融通がきくわけでしょう。そういう状態に人間を置いておけば、どうしたって一方がにぎやかにやっておったら、そっちの方に引きずられるということになる。監督者が引きずられてはだめなんで、それでお聞きしているわけなんです。だからそれはあなたもそんな会社のことは知らぬというのじゃなしに、絶えずそれはよく研究しておく必要がありますよ。大事なことなんです。この職員にしても補助者にしても、毎日自分の家に帰るなら別なんです。それはあなただって経験あるでしょう、若いときは、どんな心理状態になるかということは。だからよほどこういうことはこまかいことのようですが、やはり研究だけはよくして、その辺のバランスがとれるように考えませんといけないと思うのです。それでどうなんですか。そういう山の中で、二人か三人あなたの直接の人がおるわけですが、今申されたそういう手当のほかにこれは何にもないのですか。これは日曜日だってやはりおることになるでしょう。そういうときにちょっとはずんだりした場合には、ちっとも出てこないこういうことになっているのですか。そこら辺のところをちょっと。
○参考人(石坂弘君) これは休日出勤でありますとか、あるいはふだんの日の超過勤務等についてはもちろん手当を出すことにいたしております。それから現場の職員につきましては、大むね単身赴任するわけでありますが、家族はまあ公団で宿舎を持ちまして、そこで収容するようにいたしておりますので、その辺のところはまあできるだけのめんどうは見ておるつもりでございます。
○亀田得治君 いや、その家族のことの心配は私申し上げておるのではないのです。現場における派遣されておる人の生活状態、それと向こうは会社ですよ。その諸君の間の生活の状態というものをよほど研究して、適正な扱いをしておきませんと、どうしたってやはり長くおれば、そのいろいろな関係もできてくるわけですよ。それは直接やはり監督という問題に触れてくるわけなんですよ。大体そんなことで、どうも困ったやつだというような問題が起きたことはないのですか。
○参考人(石坂弘君) その点につきましては、私ども常時現場監督には非常に注意も与えておりますし、大体みな非常によくやってくれているというふうに私は感謝しておるくらいでございますが、今まで大ぜいの中で一、二、これは業者にたかったというようなほどのことでもないのですが、現場監督員としては不適当だと認めて処分した例はございます。あとは別にないようでございます。
○亀田得治君 それは必ず今お話のあったような状態だと、やはり可能性のある問題だと僕は思うのです。それは理事長がおそらく全部まで知らない、自分の耳には入ってこない、しかし、実際はそれが林道自体に影響しておるかもしれない。だから、もうちょっとそこら辺のところを突っ込んで、こう研究してみる必要があるのではないですかね。一般の労務費が上がっておるというのであれば、当然あなたの方でお使いになる労務費、補助員の日当にしたって、これは考えなければならぬ。二人でちょっと仕事でも済んで一ぱい飲んだら必ずそのことは出ますよ。理事長はそういう現場なんかちょいちょい見回ることはあるのですか。
○参考人(石坂弘君) 私もできるだけ機会があれば現場に行って、現場職員とひざをつき合わせて、いろいろ報告を聞きますし、話し合いもするように私ども努力しております。 それから一言、つけ加えさしていただきますと、先ほど申しました超過勤務手当、これも平均でございますが、現場のことでありますので二十時間ぐらいずつは出ておるようでございますが、二十時間といたしますと、大体二千四、五百円平均にはなるように思っております。
○亀田得治君 そこで、そこら辺のところは今後十分もっと深い合理的な研究がほしいと思うのです。それで各路線全部、一人の方を配っておるように言われておるわけですが、公団の現在の職員からいって、そんなにたくさん現場へ釘づけにできるわけですか。関連林道全部に——現在手をつけているのは、四十路線ですか、今やっているのは少し違うでしょうが、もう済んだのも幾つかあるわけだから、現在幾つあるのですか。
○参考人(石坂弘君) これは四十路線は絶対数でありますので、すでに二カ年やっております。統計上現在約二十路線実行中のものがあるわけであります。
○亀田得治君 それで二十人取られてしまうわけですね。そんなことで公団のほかの仕事はちっとも差しつかえないのですか。ちょいちょい行かない期間もあるのじゃないですか。
○参考人(石坂弘君) 現場に常駐いたしますのは、工事実行中でありまして、常時今度は逆に本部におりますのは、四、五名のものでございます。これは設計の審査、指導、それから工事実行の指導等をやる者でありまして、その他の職員があるいは設計あるいは現場に常時行ったり来たり往復するような格好になっております。
○亀田得治君 そうすると、そういう林道の実際の技術的な面からも指導なり監督できるのは、あなたの職員の中で二十四、五人、こういうふうに理解していいわけですね。
○参考人(石坂弘君) これはお手元に差し上げてあります学歴別、年齢別構成調がございますが、これは林科と申しましても、林道、土木をやった者もかなりございますし、それから土木科におります者は、これは高等工業なり普通の工業学校なりの専門でございますので、ここに掲げてあります職員の林科の五十七人、土木科の職員十四人、これはいずれも林道、森林土木のわかっておる職員であります。
○亀田得治君 わかっているけれども、関連林道のそういう現場関係以外の仕事をしているというわけですね。
○参考人(石坂弘君) この五十七人の職員の中に現場監督員がおりますし、それから設計要員もおりますし、それから本部で設計の指導なり工事の指導に当たる者も含まれておるわけであります。
○北村暢君 今亀田委員から詳しく、こまかくお尋ねいたしましたが、大体私は関連林道と公団林道で、今後は公団林道は、この際維持管理事業のみ、こういうことのようでございますが、この組織図によれば、公団林道の維持管理事業については、十五名を予定をしているようでございます。 〔委員長退席、理事櫻井志郎君着席〕 ところがこの別の表によりますというと、公団林道の方の維持管理のために管理事務所に管理員が七名、路線に五十六名、監視員三十二名、計九十五名でもって維持管理をやっておるということになっているようです。この十五名の人員と、この九十五名との関連は一体どのようになっておるのですか、説明して下さい。
○参考人(石坂弘君) ちょっと今お尋ねのことがわからなかったのですが、公団林道維持管理事業には十五名おるわけでありますが、これは熊野地区に管理事務所を三カ所、それから剣山地区に一カ所、それにそれぞれ管理員を置いておるわけであります。それからあと九十五名の関係という、これはもっぱらこの諸君は管理事業だけに従事するものであります。
○北村暢君 わからないのですけれども、公団林道維持管理事業ということで、組織図のところには十五名がこれに当たる、それには奈良の林道事務所に七名、徳島に三名、それからこれは大阪の分室かなんかにおられるのかどうか知りませんが、あと五名どこかにおるわけですね。ところが別の表で出ている——配付いただきました資料によるというと、管理の事務所に四名、管理員七名、保線夫五十六名ですか、監視員が三十二名で、九十五名の人が要るということが出ているわけです、管理のためにね。これは林野庁から出した資料の中にあるんですよ。従って、この九十五名というのは、この十五名以外の人で、これはいわば公団の定員外の人を使ってやるということなのか、この九十五名というのは。そのことをお伺いしているわけです。
○参考人(石坂弘君) それはお尋ねの通りでございます。この保線夫五十六名、監視人三十二名と申しますのは、これは人夫賃で雇用いたしております労務者でございます。従いまして定員外になる——定員職員でないわけでございます。
○北村暢君 そうしますと、管理事務所の四名と管理員の七名、これが普通の公団の職員ということになりますね。そうしますと、この監視人というのはこれは料金を徴集したりなんなりするような人ですか。それとも別な人なんですか、これは。
○参考人(石坂弘君) 監視人と申しますのは、それぞれ林道の入口に、まあ関門と申しますと少しきついですが、まあ林道の入口におりまして——この通行料はあらかじめ各支所なりあるいは主として関係市町村に委託しまして通行券を販売いたしておりまするので、入ってくるトラックはその買った通行券を持って通るわけでありますが、その通行券を受け取るのが監視人の仕事になっております。
○北村暢君 そこでお伺いしますが、今後は、まあ現在もそうでしょうけれども、公団林道についての管理の人員はわずかな十五名くらいでやると。ところが組織図によりますというと、関連林道事業に五十六名、共通事業に四十名、こういうことで、そのほかに水源造林事業をやる人員とに分かれるわけでございますが、大体、従来行なって参りました公団林道の建設にあたりまして百三十八名の人員を必要とした。ところが、関連林道はこの公団林道と路線数においても、事業量においてもやや匹敵している。それ以上であるといって差しつかえないと思う。ところが、これは先ほども申しましたように、地域的に公団林道は熊野、剣山ということに限られているわけでございますが、関連林道の場合は、これは先ほども申しているように二十七県にまたがって分散しているわけであります。従って当然これは公団林道よりも関連林道の事業の運営において、これは必ず人がよけいかかるというのは、これは普通の常識からいえば、そういうことが言えると思う。ところが、これは逆に人員が減っているということになっているのですが、これで一体この関連林道の事業遂行ということについて十分な成果というものを期待できると思っているのか、どうなのか。これは一つ林野庁長官からも、理事長からもお答えいただきたいと思いますが、全くこの両者の比較からいきますと、私はどこをどう押してみても矛盾しているのではないか、このように思うのでございますが、一体人員を減らして、事業量はほとんど同じで、地域的に分散をして、そしてこれだけの人員を減らしてやっていく、こういうことになると、これはもう公団の職員なり、何なりを酷使する結果になるのではないかというふうに思いますが、その点について一つわかりやすく説明をしていただきたい。
○参考人(石坂弘君) ただいまお尋ねの点につきましては、先ほども申し上げましたように、今日まで関連林道の実行上さして不都合を感じたことはないのでありますが、ただ人数の関係がどうかという御疑念でございますが、実は公団林道につきましては、着工前に賦課金の賦課調整の仕事がございます。これはまあ準備事業といたしましては、大へんな仕事で、人手も食い、手間もかかったわけであります。その関係のことは関連林道にはないわけでございまして、設計とこれの実行ということでありますので、大体そういったことで、この関連林道の方が比較的人数が少なくて仕事がやれる、そういうことになっているわけであります。
○政府委員(山崎斉君) この問題につきましては、今理事長の方から説明がありました通りでございまして、賦課調整等の面におきましては、その受益地帯の森林の状況、その他につきましても、県の資料等に基づきまして十分な集計調査というふうな面の仕事が必要でございますし、また公団林道につきましては、一路線当たり三、四十名というふうな大ぜいの受益者がおるわけでございまして、そういう方々と十分話し合い、了解に達して初めて林道の工事に着手できるというふうな関係にあるわけでありますので、 〔理事櫻井志郎君退席、委員長着席〕 そういう点に非常な人手と時間がかかる。少し極端に申し上げますと、それらの話が終わるということによってその林道開発の仕事の半分以上の、六割近いものが解決したというふうにさえ言われておるのでありまして、今後の関連林道におきましてはそういう問題はほとんどないわけでありますので、そういう点からいたしまして、公団林道のような大ぜいの人というものがこれに必要だということにはならないように考えておるのであります。
○北村暢君 その賦課金の何か調査、契約、そういうものの仕事をやっている人は、これは技術屋さんですか、事務屋さんですか。
○参考人(石坂弘君) これは賦課金の算定基準は、森林法に基づきましてこまかに算定するわけでありまして、主として林科をおさめた諸君が中心になってやっております。
○北村暢君 そうしますと、やはり事業量の面からいえばほぼ匹敵するだけあるのですから、工事の監督その他については、これは事務屋が監督するというわけにはいかない。従って当然これは技術屋さんが工事の監督等に当たる。そうすればこの面は異動はしない。しかも分散しただけこれは人員がよけい要るということは、これは常識として言い得ることだと思うのです。それで、それじゃその林道関係で賦課金その他の仕事の余ってくる事務屋さん、これをそれじゃどこへ持ってくるかというと、これはこれからやろうとしている関連水源林、水源林の造成の方の契約の事務をやる、こんなことになるんじゃないかというふうに思われます。そういうような点からいけば、実際にはそういう人がよけい要ったというのでありますけれども、今度は水源林造成というふうな仕事を持つのですから、人員は三十何名かふえますけれども、これは大へんな人員になるんじゃないか、このように思います。これはまた後ほどお伺いしますけれども……。従って、これは関連林道についても今おっしゃられるようなことだけでは、これは業務遂行上非常に欠陥が出てくるんじゃないか、こういう心配がいたします。十分できるという自信がおありのようでございますけれども、非常に心配はある、このように私どもは、感じます。 それから次にお伺いいたしたいのは、共通事業の四十名というのは、一体これはどういうことをやられる予定になっているのか、ちょっとお伺いします。
○参考人(石坂弘君) この共通事業と申しますのは庶務、会計、そういったような事務的方面を担当するものを予定しております。
○北村暢君 それじゃ次にお伺いしますが、公団は、まあ法律によりましても、それから業務方法書によりましても、造林者となることになっているようでございますが、実際にはどういうふうにされようというふうに考えておられるのか、この点……。
○政府委員(山崎斉君) 水源林造成の事業におきまして、公団はお説の通り出資者ということも考えられておりますし、また造林をする出資者兼造林者と申しますか、それが造林者になるわけでありますが、それもできるということに相なっているのであります。で、今まで御説明申し上げました通り、やはりこの事業の遂行という面からいたしまして、地元の町村等の造林能力というふうなものを極力活用していくという考え方になっているわけでありますので、費用負担者という形で公団は進みまして、指導あるいは契約の履行等を十分に監督していくという立場に立つことが望ましいというふうに考えておるのであります。それにいたしましても、地元の土地所有者が造林能力がどうしてもない、また造林者として選ぶべまものも適当なものがどうしても見つからないというふうな場合におきましては、この水源林という仕事の重要性からいたしまして、公団もまた造林者となってやらなければいかんという場合もあり得るように考えておるのであります。また、契約後公団が費用負担者として契約いたしまして事業の実行の過程におきまして、造林者がその契約に従った十分な保林その他の仕事ができないというふうな事態に立ち至りました場合に、公団がそのあとを引き継いで造林者という立場に立たなければいかんという場合もあるのではなかろうかというふうに考えておるのであります。
○北村暢君 それじゃ、あなたの方で出されているこの水源林のしおりという中には、公団が造林者になるようなことは一つも書いていない。実際には公団は、法律並びに業務方法書で書いてありますけれども、造林者になるということは大体考えておらぬ、万やむを得ないときにだけやるのだ、こういうふうなことに理解されるのでありますが、一体今年度、今もう直ちにこの法律が通ればすぐ実施しなければならないわけでありますけれども、一体公団が造林事業を実施するというようなところは何カ所くらいを予定しておるのか、この点についてお伺いいたします。
○政府委員(山崎斉君) 個々の土地所有者と契約いたします段階におきまして、それぞれ十分な打ち合わせに基づいて二者契約あるいは三者契約というふうなものを取り入れていくわけでありますので、現在の時点におきまして、公団が造林者とならなければならないというものは、どこの場所においてどれだけの面積があるのかというふうな点はまだ十分に明らかになっていない段階であります。
○北村暢君 大体この法律が通れば、植えるために苗木から何から準備しているわけでしょう。今もうすぐ実施するわけなんで、一体二者契約になるのか三者契約になるのか、今もってわからないというようなことで、一体春植える造林に間に合うと考えておられるのか、理事長はどういうふうにやろうとされておりますか。
○政府委員(山崎斉君) 公団におきましては、この法律が正式に成立いたしました暁においてこの行動ができるということに相なるのでありまして、公団としては具体的にその計画がどうということにはならないように考えておるのであります。林野庁といたしましては、御存じのように、造林につきましてはそれぞれ地域的に適期というものがあるわけでありまして、四月の終わりまでが適期であるというものもありましょうし、また、地域によりましては五月の中旬あるいは下旬までが適期だというようなところもありますし、また四月の中ごろ——中旬くらいまでが適期だというようなところも、それぞれあるわけでありまして、そういう適期をはずすということではこの春植えというものはうまくいかないわけでありまして、現在の時点におきましては、その適期をはずさないように、公団で造林ができないという場所につきましては官行造林等の従来の行き方で造林を行なうということを考えていかなければいかぬというふうに思っておるのであります。
○北村暢君 私はおそらく資料として要求したと思って今探しておるのですが、今年度の予算とそれに伴う実行計画というものは、当然もうできていなければならないのじゃないかというふうに思います。従って、大体この法律は、当初の案によりますというと、四月一日から実施することになっている。すでに、衆議院を通過したときがもう四月を過ぎておったのでありますから、通過した時期ということに修正されてきておりますけれども、当初は四月一日ということを予定しておったはずであります。従って、四月一日から実施するものに対して実施計画ができておらないなんということで、今、長官の答えられたようなばく然たる抽象的なことで、一体この水源林造成というものができるのかどうなのか。しかも、今の御答弁によれば、なかなか話のつかないところは従来の契約によります官行造林でやるのだ、こういうことのようでございますが、これは当初の皆さんの計画では、とのしおりにもありますように、既契約のものは合意によって解約をして、そうしてこれは公団が実施するのだ、これがもう建前になっておるわけです。従って、この点非常に大きな疑問があったのですけれども、とにもかくにも、大蔵省なり何なりとの連絡の結果、予備費を流用しても何しても、一銭の予算も組んでいないけれども、事業実行はできるのだ、こういうことで国会では答弁としては逃げておりますけれども、実際問題として、こういう事業実行の問題は、立法の趣旨からいっても、私は、経過措置というものを十分考えておくべきであった。それが、経過措置ということを考えずに、法律通過と同時に実施するということになるから、今言ったようなむずかしい問題が処理できない結果になる。実際には今すぐ実施しなければならない、今法律が通ればあすからでも実施しなければならないものに対して、実施計画すらない。これから契約をどういうふうにやるかということをやっていくというのでは、春植えにはもう間に合わないことになる。これが実態ですよ。従って、この法律は二月か三月に通る予定だったのでしょうけれども、これはあまりにもむちゃな法律の出し方であります。従ってこういうようなことは、私は繰り返しておってもしょうがありませんが、長官の言われるような抽象的なことでは、この水源林造成というようなことが、あるいは関連林道の実施というようなことが、人員の配置その他がうまくいって、完全な、理事長の言われるような業務が達成せられるとは、おそらくここにおられる人はだれも考えられないと思う。非常にむちゃなやり方である、このように思います。これについて所見があれば一つお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(山崎斉君) 本日お配りいたしました資料の四ページにもございますように、公団が三十六年度にやろうといたしております水源林造成計画を府県別に件数、面積等を計画いたしておったのでありますが、これらのうちで、先ほどお話がありましたように、この法案の成立等との関係にかんがみまして、適期を失するというおそれのあるところに対しまして、応急の処置と申しますか、すでに契約もし、また事後の次第等も終わっておるというようなものもあるわけでありますので、そういうものは適当な時期を過ぎないように造林という仕事はどうしてもやらなければならぬという考え方に立って、官行造林事業費による進捗というようなものも考えて実行していくということにいたしたいと考えるのであります。
○小林孝平君 関連。もうすでに質問されたかもしれませんけれども、それならそれでよろしゅうございますけれども、ちょっと今お聞きしたところでお尋ねいたしますが、この適期というのは、四月の半ばごろのもあり、四月の末日のものもあり、五月の半ばごろのものもあり、それぞれによって——四月の十日ごろのは、もう過ぎてしまっておる。そこで計画しておるもののうち、四月半ばごろの適期のものはどのくらい、四月の末日のはどのくらい、五月の半ばは幾ら、そのあとは幾らというようなことはわからぬですか。
○政府委員(山崎斉君) 春植えのものにつきまして、四月の十日までというふうにはっきり分けておるわけではありませんが、大体、熊本、高知、大阪等の方面は、四月の中ごろまでにやはりやることが適当だというふうに考えておりますし、名古屋地区から前橋方面、これらは四月の末ごろまでが大体適期と考えてよかろうかと——秋田、青森あたりは四月の下旬から五月の上旬程度が適期ではなかろうか。北海道におきましては、五月の中ごろから二十日ごろまでが適期だというふうになるように思っておるのであります。で、その面積は、地ごしらえ等をいたしまして、中には苗木等の準備もできておるものもありますが、これらを通じまして、約千八、九百町歩程度あるというふうに考えておるのであります。
○小林孝平君 そうしますと、四月中旬といっても、もう中旬過ぎるわけですね。これはどうなんですか。
○政府委員(山崎斉君) これらは、すでに、今までに、官行造林としての契約をいたしておる場所でありますし、しかも地ごしらえ等も済んでおるという場所になるわけでありますから、その適期が過ぎるというこうことでは、非常に土地所有者にも不利を与える、また苗木等の点からももったいないというふうな問題にもなるわけでありますので、これらにつきましては、官行造林費によりまして、従来のように造林するということを考えていくわけであります。
○小林孝平君 そうすると、この四月中旬を適期とする熊本、高知、大阪、これらについては、公団でやらないで、従来通りやると、そういうことですか。
○政府委員(山崎斉君) お説の通り、地ごしらえ等が終わり、あるいは苗木を準備しておるというふうなものにつきましては、従来通りやっていくということであります。
○小林孝平君 ところが、四月中旬が適期なんでしょう。そうすると、もう適期は大体過ぎているのですね、過ぎるのですよ。これは一体どうなんですか、みんな適期を過ぎても大したことはないのですか。
○政府委員(山崎斉君) それらの分につきましては、もうすでに植栽しているか、終わっておるという段階にあるわけであります。
○小林孝平君 要するに、熊本、高知、大阪の分については従来通りと、こういうわけですな。
○政府委員(山崎斉君) その通りであります。
○小林孝平君 次に、この四月末といいましても、この国会を通るのは一体いつか、通るか通らぬかもわからぬけれども、かりに政府の考えているように通ったとしても、四月の末でしょう。そうすると、名古屋、前橋、これも従来通りですね。
○政府委員(山崎斉君) この法律が通ったという時点以降に適期がくるものだけが、公団がやり得るようなことに相なるのであります。
○小林孝平君 公団の理事長にお尋ねしますが、この法律が通ったといえば、すぐ植えつけることができるのですか。国会で成立したら、もう直ちに公団はやれるのですか、何日余裕があればやれるのですか。
○参考人(石坂弘君) これは、私どもといたしましては、法律案が通ったらすぐ動き出して——何日たったらというお尋ねでありますが、まだ、それぞれ支所の人員配置も何もやっておりませんので、さっそく陣容の整備からかからなくちゃなりませんので、今のところ、通過後何日たったら植栽できるかということについては、ちょっと申し上げかねます。
○小林孝平君 今のようなことで、要するにやれない。そうすれば、この名古屋、前橋の関係の四月末のものは全部やれない、従来通りと、こういうことですな。
○政府委員(山崎斉君) いつ成立するということになるのか、またそれに伴いまして、公団等で陣容を整備し、それぞれ関係の方々と話し合うという過程もあるわけでありますので、どういうふうに考えましても、四月末を適期とするものにつきましては、公団等でやるという形にはならぬように考えております。
○小林孝平君 そこまではもうはっきりしておる。次は、今度秋田の五月上旬と言われるけれども、これだってだめじゃないか。いつ通過するかわからぬと言うけれども、政府が考えておる一番思う通りに行ったとしても、今の石坂理事長の話からいけば、五月上旬適期のものは、これは間に合わぬということじゃないですか。ここまでは少なくともだめじゃないですか。あなたうまいことを言われたって、結局数字的にだめだということになる。
○政府委員(山崎斉君) もちろん、成立の時期と、その後の準備その他の話し合いという関係があるわけでありますけれども、公団等と打ち合わせいたしまして、早急にそういう態勢を進めて参りたいと思っております。それにいたしましても、五月の上旬のものはどうかというような点につきまして、それが公団でできるか、あるいは従来通りの様式でその分はやっていくべきかというようなところは、今直ちにだめだとかいいとか言うわけにはいかぬように思っております。
○小林孝平君 私はそれはおかしいと思うのですね。いつ通るかわからぬと言ったって、今週通るはずはないのですね。これはもうはっきりしておる。幾らうまくいったって来週——来週もわからぬけれども、まあ来週としても、今の理事長の話では、これから人員を配置してというのでしょう。できるはずがないですよ。あなたうまいことを言ったって、この五月上旬まではだめだと、こう答えた方が早いでしょう。相談すると言ったって、相談する相手がだめだと言っているのですから。
○政府委員(山崎斉君) もちろん、新しく契約するというふうな問題というものは、お説のように、時間的にも相当長くかかるという問題になるように思います。現在の公団自体の本所におきましても、林業関係の人というものを十数名は、現状のままにおきましても、造林関係に割愛できるというふうな形にもあるわけでありますし、そういう点は、法案成立の時期的な関係というものを見まして、適期を過ぎないようにとにかく造林というものをしていくという考え方に立ってやっていきたいというふうに思っております。
○小林孝平君 その長官の気持はよくわかるのだけれども、あなた幾らそうおっしゃったって、できないのではないですか。公団の方は、通ってから、これから人員を配置してやるというのでしょう。しかも、月末から来月にかけてずっと休みがあるわけです。そういうことを考えれば、新たに契約するどころじゃない、従来の準備したものをやることも不可能じゃないですか。公団の理事長はさっき不可能だと言っておるのです。あなたの気持はわかりますよ、やりたいという気持は。
○参考人(石坂弘君) 先ほどの私のお答えが不十分だったと思いますが、何日でできるかというお尋ねだったものですから、何日あったらできますということはちょっと私も申し上げかねたのでありますが、私どもといたしましては、これは林野庁の御方針に従って仕事をやる立場でありますから、法案が通過いたしましたならば、一日も早く仕事にかかれるように、十分林野庁当局ともお打ち合わせいたしまして、これが実行可能になるように努力をいたしたいと思います。
○小林孝平君 またそんな、一日も早くとか、そんなことはだめですよ。公団というものはもう少ししっかりしたものでなければこのことはまかせられないと思うんですな、今のような御答弁では。私は五日であるか、六日であるか、そういうことをはっきり言えと言っているんじゃないんですよ。一日も早くなんていうのはとらえどころがないじゃないですか。今これ法律が通ろうとしている。まあ通るか通らぬかわからぬけれども、通るつもりであなたたち一生懸命やっているが、その通ったら一日もすみやかに——大体これが通ったら何日ぐらい話したらできるぐらいのことは多少間違えても答弁ができるようでなければ、これは通すわけにいかぬじゃないですか。うそでもいいから言えと言うわけじゃないのですよ。大よその見当、十日ぐらいかかるとか、十五日ぐらいかかるとかぐらい答弁ができないようじゃあこの大仕事をあなたのところにまかすわけにはいかぬということにこれはなってくるんですな。だいぶこれは、いいかと思ったら、本日初めてこのお話を聞きまして、これはちょっと大問題だということを私は考えているんです。これじゃあもう少し質問を広範、多岐にわたって行なわなければ、これは簡単に通すわけにいかぬ、こういうふうに思うんですがね。一日も早くとか何とかと、あなた、実際仕事をやるところでしょう。これから大体人員の配置をするには何日かかる、そうして大よそ十日ぐらいかかりますというぐらいのことは、あなた、わからなければ、この法律の審議ができないんじゃないかと思うんですがな。
○参考人(石坂弘君) 私どもといたしましては、ただいま本所に若干名のいつでも造林の仕事に従事し得る者がおります。こういうような者はすぐに出動させるわけでありますが、なお各地方支所等でそれぞれの専門の職員もおるわけでありますが、必要に応じてそういう者もまあ出るといいますか、応援を願うという態勢にして、まあ東北方面の比較的適期のおそい方面については、すぐにかかればやり得ると思っておるわけであります。
○亀田得治君 ちょっと関連して。理事長にお聞きしますが、今度この法律が通った場合に、公団が契約をされる分収の歩合ですね。これはせんだって長官から説明があったわけですが、まああなたが責任者ですから、契約のね、あの通りですか。
○参考人(石坂弘君) これは既契約のものを受け継ぎましたものは、むろんそのままでいかなければなりませんし、それから公有林等については、従来の五分五分を踏襲するということになっておりますので、それもむろんその方針に従わなければならぬと思います。それからその他のものにつきましては一定の、まあ費用負担者六分以内、土地所有者四分以内といったような林野の標準がありますので、その標準に準拠いたしまして、個々の場合で考えると、まあ相手方と相談をしていくと、こういうことになると思います。
○亀田得治君 まあ造林をした結果の分配の問題ですから、それはちょうど労使の分配でもなかなかもめるように、やはり契約をする場合に、そういう点は公団として時間がかかるわけでしょう、常識的にいって。今までの官行造林ですときまっておりますから、歩合が。だからまあ理事長はそういう点を考慮されて、どれくらいかかるかわからぬというふうにおっしゃっておるかと思うんですが、そういうことなのですか。
○参考人(石坂弘君) この春植えの分につきましては、やりましても既契約の分だけになると思いますので、春植えの分についてはおそらく分収率云々の問題で時間をとるというようなことはないと思っております。
○亀田得治君 いや、既契約の分は、たとえ法律が通っても、契約解除はいやだということであれば、従来の通りの官行造林でいくわけなので、あなたの方とは関係ないわけになる、そうなんでしょう、長官。
○政府委員(山崎斉君) 既契約の分につきましては、話し合いの上で従来通りどうしても官行造林でやってもらいたいというものについては、官行造林でやるわけであります。公団に移りたいという希望のものは公団に移るという形になるわけであります。
○亀田得治君 だから、そういうわけですからね。おそらくこの既契約分について、せっかくできている契約をこれは途中で解除することになりますからね。そんなことはおそらく私は好まないと思うのです。新たな場所へ移るのなら、それはまあ新たな方式で考えてもいいということはあり得ても、おそらく私はないと思う。だから、公団として仕事をやるとすれば、結局新しい分ということになろうと思うのですね。そうすると、やはり公団としては初めてこういう分収歩合等をきめるわけですからね。これは公団の責任できめなければならぬ。法律にはそんな官行造林のような一律なきめ方になっておらぬわけですからね。で、そこら辺のきめ方について、時間がかかるのは私は当然だと思うのです。また、軽率なことをやられてはこれは困るわけです。私たちの委員会においても、長官が説明されておるような分収歩合というものがはたして正当なものかどうか、こういうものについても相当議論のあるととろなんです。そういう議論のあるところを長官の方では、いやまあこれを標準にして、いろいろの費用のかかり工合とか、いろいろなことを考えてきめるのだ、こういう御説明ですから、なかなか実際問題として、一つの土地について新しく契約しようと思えばそう簡単にいかないと思うのですね。また、それくらい慎重にやってほしいわけなんです。いろいろなことに響いてくるわけでしょう。一般の分収造林なんかにはこれはやっぱり響いてくるわけですから——だから、小林委員からは、理事長たるものは勇気を持って、たとえば十日だとか十五日だとか言えなくちゃいかぬじゃないかとおっしゃるけれども、私はまあその言えない気持も、そういう意味じゃわかるわけなんです。しかし、そんなむずかしいものだということは、これは初めからわかっているので、そんなことは、むずかしいことも考慮に入れてもなおかつ理事長たる者は言えなければいかぬじゃないかという小林委員の趣旨だろうと思いますがね。 そこで、まあ端的にお二人に聞くわけですがね。まあ一部分は従来の官行造林で法律が通るまでは当然やっていくのだ、これは解除とかそんな問題はない、当然やらなければならぬわけです。そうして、今ずっと春植えの順序から聞いてみますと、もうだいぶん東の方まで従来通りやらなければならぬことになっておるわけだね。こんなことならいっそのこと、ともかく今年度は従来通りの官造でやる、ともかくそこの予算の流用等の問題についても大体の見通しがついているわけですから、そういうふうに割り切った方がいいんじゃないですかね。一部は従来通り、一部は何か新しい形、非常に乱雑な格好になりますからね。だから、提案されている法律について、施行期日を来年の四月一日というふうにしてしまえば、その辺の問題は解消するわけですからね。何らそれで問題はない。公団にしたって、新しい仕事なんだから、やはり準備も要するわけだし、いろいろ聞いてみると、なかなか職員の配置にしたって問題がいろいろあるわけだ。それから全然仕事がないわけではない、林道関係の仕事はたくさんあるわけでしょう。だから、もうそういうふうに腹をきめてかかった方がわれわれとしてもわかりがいいんですがね。これは大臣にも相談しなければならぬということにおそらくなる重大な問題だと思いますがね。これは井原政務次官はなかなか常識が発達されているのですが、これは理事長や長官に聞いてもちょっと工合が悪いかもしれぬ。だから政務次官に、どうです、実際のところ打ち割った話が……。
○政府委員(山崎斉君) 今お話の中には、既契約のものはほとんど全部新しい様式に移ることはないというふうな前提に立ってのお話だったようにも思いますが、必ずしもそういうふうなことではないようにわれわれは考えております。で、この法案成立ということを、時期を契機にいたしまして、所有者の方々と話をする、特に時期的なズレもありますので、東北方面とか北海道等の方面に、春植えとの関係が出てくるわけでありまして、しかも、既契約の問題、また地ごしらえ等の準備も進んでおるというふうな形から考えまして、現に公団にも、先ほど資料でも御説明しました通り、十数名、あるいは工面すれば二十名近いような人が、この春植えというものを前提にいたしまして、造林の契約、実行の指導等にも当たることができるという陣容でもあるわけです。そういう形で今後進めていくのが適当じゃなかろうかというふうに考えますとともに、また新しい契約等につきまして、その契約地が一年で全部造林されてしまえるという性格のものでもないわけでございまして、一契約に対して、新しい契約に対しまして、二年とか三年とかという、やはり年次計画を持って造林をして、かなければならぬというふうな性格のものでもあるわけでありますので、そういうふうな行き方で最も現実に即するということにはならないように思うのであります。
○亀田得治君 それは、長官はいろいろなことをおっしゃったが、あとの点が非常に大事です。たとえば、施行後一年延ばしても、ずっと年次計画を立ててやっていくことになるから、一年延ばしたって必ずしも順序よくいかぬというふうにおっしゃるけれども、私はそうじゃないと思う。法律が通って来年の四月一日から実行されるんだということになれば、法律の施行は四月一日であっても、法律は成立しておるのだから、公団としては今から準備もし、そうしてやはり契約の予備的な交渉なんかしたって、これは越権行為だとかということには決してならぬ。だから、決して一年延ばすということが非常に無意味なことじゃないのであって、非常に意味がある。それからもう一つは、従来の密行造林の契約を必ずしも全部が続けるとは限らない。中には破棄する人もある。解除を希望する人もあるはずだとおっしゃるが、それはまあごくまれにはそれはあるかもしれませんが、大部分の気持は、やはり突然こんな問題を出されてはなはだ迷惑だと、こう考えているのです。その証拠に、この前あなたにお聞きしたときにも、そんな、地方で官行造林をやめてくれなんていうような陳情は一つもなかったわけです。あなたのところにきておらぬのです、官行造林を積極的にやめてくれ……。それはただ、政府が、今度はやめて、こういう方式でいくのだというから、それに調子を合わすために、それではもし法律が成立するものなら、こうしたいというような、そういう二次的な意味での希望というものは出ているだろうけれども、そういう事態ですから、契約を解除する者が少ないだろうと、僕はこう思っている。それはほとんど続けます。だからもしそうでないとしたら、法律が通ったのだからということで、多少強制する意味が出てくる。おそらく多少強制しなければ、官行造林でみんな喜んでいる者が、やめるわけがないです。だからそういう無理なことをしないで、一年延ばしてあげれば、公団にしたって、十分準備ができるのだし、何にも被害がないのではないか。そこで、やはり井原政務次官の考え方を一つ率直に聞きたい。
○政府委員(井原岸高君) 連日の各先生方の御高見を拝聴いたしまして、ごもっともな点が非常に多いわけでございますが、御承知のように、この法律を提起いたしました中には、従来市町村が、経済的に非常に効果の薄い地域として、植林をやらないでほうってある場所、これが災害の大きな原因になっている。だから今回公団でやろうという仕事の大きな対象は、むしろ今まで官行造林として経済的効果のあるところには、金を貸して、分収でなしに、全額市町村の収入にしていとう。そうして国としては、こういう経済的に成り立たないようなところを取り上げて、しかも、その中に利益があれば、その分収を渡していこうということによって、今までの行き方とは違った一つの考え方に基づいて、治水のためにやるということが一つと、それからもう一つは、御承知のように、近年経済が伸びて参りましたために、また憲法の行き方も変わりまして、御存じのように家屋というものもほとんど一世帯一つというような、昔のように何世帯も一緒に住むということがございませんで、毎年ああいうふうに住宅が不足をいたしまして、これをどんどん出して、建てていかなければならぬ。ことに製紙に関しましては、今まではパルプで使わなかった、たとえばミカン箱のようなものや、いろいろなものが、ほとんど段ボールに変わりましたり、あるいは今度は米の俵さえ紙袋に変えようというような状況でございまして、木材の需要というものが、われわれの予想しなかったほどにぐんぐんと伸びてきたわけでございます。従いまして先日来御審議の中でも運賃を高くしたことによってそれが木材の価格を非常に高くする大きな原因だと、むろんそれもそうだったと思っておるのでございますが、むしろそういう意味で需給のバランスがとれなくなってきました。今まで切り倒しましてあるいは市場に出てきましたものを買っておった、自分の庭先に運ばせてそれで何カ月かの手形を渡して木材業者から買っておりました消費者でございます製紙会社も、こぞって山へ出かけまして五年、十年先にしか伐採できないような早年生の木材までも、石何千円というような高い価格で買わなければならないほど木材の将来し対しても不安を抱いておるのでございます。従いまして政府といたしましては、そういう動向も勘案いたしまして、できるだけ、非常に経済的に不安のある個所もございますが、そういう個所をも一日も早く植林いたしまして、今日のこの不安を取りのけ、また将来のことに備えなければならないという考えに基づいて、この改正案をお願いいたしたわけでございます。おっしゃるようなふうに、もう大体季節も過ぎたのだから一年延ばして十二分に準備をして、段取りをして、来年は一つ思い切ってスタートをした方がいいんじゃないかという亀田さんのお話ごもっともなのでございますが、やはりまだ秋の植付の時期もございますので、どうぞ一つ御案議していただきまして、秋にはさき申しました政府の考えのような方向にいけまするようなふうに一つお運びいただけますることをお願いいたしたいと存じます。
○政府委員(山崎斉君) 今、政務次官から答弁を申し上げましたところを補足いたしたいと思います。御存じのように、提案しております法律によりましても既契約等のも、のにつきましては、なお従来通りの効力を持つということに相なっておりますし、先ほど申し上げましたように、既契約の土地所有者の方々とも十分に話し合いました結果、公団の方式に賛成してかわっていただける方はかわっていただく、そうでない人は官行造林という方式でやはりやっていくという法律の建前にもなっておるわけでありまして、政務次官からお話がありましたような、もしもこの春の造林等にこの成立等の関係で間に合わないという事態がもしもあったといたしましても、秋植え等には十分その機会も時間もあるわけでありますので、そういう点はお含みおき願いたいと存じておるのであります。
○亀田得治君 もう一点だけ。そうすると、大体春の方はおあきらめになったようですから、そうすると秋ですね。秋ということになれば、これはそう一日や二日、わいわい騒いでどうするほどのことはない。とにかくよく審議して、秋にはどうせ間に合いますよ、どれだけ慎重審議やっておっても。だから政務次官やはり常識がなかなかあるので、ずっと質疑聞いておって、これはもう春はだめだ、秋からだ、これは私は、その点だけは非常にはっきりしたのは収穫だと思うのですが、それなら一年を半分ずつというようなことをしないで、さっとやればこの混乱は終わってしまう。まあこれはちょっと関連で横から口を出したのでこの程度にしておきます。考えておいてもらいます。
○小林孝平君 あと少しやります。今亀田君も言われたように、結論はそうなんです。私はそういう結論になるようにだんだんこれ聞いてきたのです。秋田まできたのです。秋田までだめだということははっきりした。これからまだやれば青森もだめだということになるのです。それでほとんど全部熊本、高知、名古屋、前橋まで長官も認めた。秋田はちょっともやもやしているけれども、これも大体だめ、青森もだめといえば、間に合うのは北海道だけくらいになるのですね。それで北海道もだめだけれども、そこでこの法律を非常に急いで国会を通過させなければならぬといって政府が急いだ理由は何であるかというと、春植えに間に合わない。そうすると、官行造林の方もこれは予算がないのだからできない。春植えが全部だめになるから大へんだというので急いで、他の重要法案をみな、農業基本法なども吹っ飛ばして衆議院ではこれをやってきたわけなんですね。ところが、今こうやってみれば、その大問題であった春植えはほとんど全部間に合わない。間に合わないが、それは官行造林で大蔵省との話し合いでできるということになれば、ただいま亀田君が言われたように何もあわてることはなくなったんですね。私は一年とは言わぬけれども、少なくとも春植えについては今までこれをわんわんと急いだ理由がなくなったのですね。
○政府委員(山崎斉君) 時期的な点から申し上げますと、春植えといたしましては東北の一部、あるいは北海道というところに対象が限定されるということに時期的にはなってきたということはお説の通りであります。しかし、新しいこういう行き方というものを十分に森林所有者の、土地所有者の方々等に十分に徹底もさせ、また契約も具体的に進めていくということでなければ、なかなか事業というものは円滑にいかないように思うのであります。そういう点からいたしまして、われわれといたしましてはできるだけ早くこういう制度を実現さしていくということを切望しておる次第であります。
○小林孝平君 私、長官の熱意はわかるのです。わかりますけれども、あなたの熱意の根拠がみな崩壊したのです、先ほどから言っておる通り、だからこれはあらためて、私はきょう関連であれしたからこれでやめますけれども、あなたたちがどうしてもこの春植えに間に合うようにこの法律を通過させなければならぬといって主張していた根拠、この予算がないから、これが通らないと春植えが全部だめになるというけれども、もう熊本から、あなた方の意見によると前橋までは全部従来通り、こういうような情勢なんです。だから非常にこれは問題がありますので、私はあまり、大体少なくとも質問にはつじつまの合う答弁がされておるんだろうと思ったけれども、ちょっとやってみたらこの程度だから、その他の部面についても相当聞かなければならぬと思いますから、あらためて質問しますわ。それできょうは私はこの程度にしておきます。 それから一つどうも、先ほど政務次官の御答弁を聞いていますと、亀田委員は最後の点、感心されたようだけれども、前段のあなたの意見では、このパルプ事情、あるいは木材の需給事情、そういうのを非常に考慮すると従来のやり方では間に合わない。国が国有林を持って林野庁で経営しておったのではだめだ、これは公団や、あるいは将来は公社、そういうものでなければだめだというような内容の御発言があったのです。ところが、これはきわめて重大ですから、私は近くこれは、あなた私に指摘されて訂正されようとしてもこれは速記録にありますから、これは政府の重大なる、国有林を将来公社に移行させようという思想があるようですから、農林大臣に次に来てもらいまして、とくと質問したいと思いますから……。
○政府委員(井原岸高君) お答えいたします。だめだという、だけではという二つが落ちておるのかもしれませんが、従来のやり方だけではという意味でございまして、従って新しい方法を加えなければならない。さっき申しましたようなふうに、今まで官行造林でやろうといたしましても、市町村は比較的経済的効果の上がらないところは喜ばないのであります。先日もだれかが金を貸してやって無利子でやらせたらどうか、無利子でやらせても借金は借金でありますから、地元の町村が喜ばない、今度そういうところを公団の手によって早急に植林していく、それが治山にも通じるし、同時にその地域から経済的な一部分の効果は上がらないといたしましても、国全体からいたしますれば、五十年かかりましても、あるいは七十年かかりましても、そこに植林して木材も多少なりとも生産が上がりますことは、国から申しますればそれだけの利益があるわけでございますから、従ってそういう方向へいかなければならないということでございまして、従来のことがいかないということでない。従来のことだけではいかない。もっと広くそういう植林の方法を奨励する、あるいはまた民間にもやってもらうような方法を講じたいという、いろいろな民間への奨励するところ等をも含めたことを申し上げたのでありまして、言葉の足らぬところは一つ御訂正を願いたいと存じます。
○小林孝平君 言葉が足らぬのではなくて、非常によくわかった。だからこれは後刻速記録を見まして、これは非常に重要な問題だから、農林大臣からも来てもらいましてとくとまた御意見を承ります。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて、本案については、本日はこの程度にいたし、これをもって散会いたします。 午後五時五分散会