農林水産委員会 第27号
- 発言数
- 47 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/04/07
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 肥料取締法の一部を改正する法律案(閣法第一七一号)参議院先議を議題といたします。きのうの提案理由の説明の聴取に続き、本日はまず本案についての補足説明を聴取いたします。
○政府委員(坂村吉正君) それでは、昨日肥料取締法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げたわけでございまするが、これにつきまして補足説明を申し上げます。 現行の肥料取締法で肥料と申しますのは、「植物の栄養に供すること又は植物の栽培に資するため土じょうに化学的変化をもたらすことを目的として、土地にほどこされる物をいう。」のでありまして、植物の栄養になるものでも、土地に施すものでない場合には、取締法上肥料として取り扱っていなかったのであります。従いまして、肥料と同じように植物の栄養となるものでありましても、葉面などに直接施されるものは、取締法の適用を受けておりません。ところが、近年肥料成分を含んだもので品質粗悪なものが取締法の適用をのがれるために葉面散布剤と称して相当高値で市販されておる模様でありますし、またこれとは反対に、非常に良質の葉面散布材も生産、市販されておりますので、これをはっきり肥料と認めまして、他の普通肥料と同様の取り扱いをする必要があると思うのであります。今後この葉面散布剤は、生産、消費とも増大する見込みでありますので、その品質を保全いたしまして、公正な取引を確保いたしまするために所要の規制を加えることができますように新たに取締法上肥料と認めようとするのが改正の第一点であります。ところで、この葉面散布剤のように肥料成分を葉面に散布いたしますと、葉から吸収され、栄養分となりますが、適切な散布であれば、それは土地から施すよりも早く吸収されまして、また肥料成分の利用率も相当程度高くなるのであります。なお、現在葉面散布剤は、リンゴ、桑、蔬菜等に利用されておりまして、特に青森県や長野県のリンゴには実用化いたされております。 改正の第二点は、一般的に禁止されております肥料への異動混入について例外を認めるものであります。すなわち、公定規格で定める農薬その他の物を公定規格で定めるところによって混入する場合を認めようとするものであります。近町農家労働力の軽減をはかる目的で肥料と農薬の混合が考えられております。その事例を申し上げますと、土壌中に生息する昆虫類を駆除するために施しますところのアルドリン、へプタクロールという農薬を複合肥料とまぜまして土壌に施すことによりまして害虫の駆除効果もまた肥料の効果もそれぞれを単独に施したものと変わるところがないであります。また除草剤のP・C・Pを尿素にまぜた肥料でありますが、これを施しますと、除草並びに肥料としての効果は、それぞれを単独に施した場合とほとんど相違するところがありません。 次に、肥効の増進を目的とした大谷石、あるいはベントナイトの特定肥料への混入でありますが、化学肥料は水に溶けやすく、施肥して後水に溶けて流亡したり、あるいは窒素はガスとなって空中に逃げたりする損失が多いのでありますが、この化学肥料に大谷石やペントナイトをまぜまして粒状化いたしますと肥効の増進することが明らかにされております。これは水に溶けない大谷石やぺントナイトを粒にすることによって化学肥料を包み込んでしまいますので、一時に水に溶けてしまうようなことがなくなるからであります。その上、大谷石やペントナイトはアンモニアやカリを吸着しておく性質がありますので、水に溶けて流亡することも、またガスとなって窒素の揮散も一そう少なくなりまして、従って作物が必要なときに肥料残分を吸収するようになりますから効果が増進するというわけでありまして、特に水田におきましてはその効果が顕著であります。このような農業生産上、労働力の節減に役立ち、また肥効を増進することとなります公定規格で定める農薬その他の物を公定規格で定めるところによって混入する場合に限りまして、肥料への異物混入をすることができるよう改正することといたした次第であります。 以上にあげました物が当面公定規格に定めて混入を認めようとする物でありますが、これ以外の物でありましても、有効な物が生産されるようになりましたならば、試験の成績によりまして、混入を認めるように公定規格の改正をそのつど行なう建前になっておるわけでございます。 以上はなはだ簡単でございますが、補足説明を終わります。 ついでにお手元にお配り申し上げております資料でございますが、肥料取締法関係資料という膨大な資料を提出いたしております。この内容につきまして、簡単に申し上げたいと思います。 第一ページを開いていただきたいと思いますが、第一ページは、肥料の取締法によって業者は登録をすることになっておるのでございます。肥料の登録でございますが、農林大臣登録肥料の登録と、それから更新件数の一覧でございます。これは非常に多いのでございまして、二ページ、三ぺ−ジに合計がございます。農林大臣に登録をしております肥料の合計でございますが、これが総計で三十五年末を見ますと、三ページの一番右の方に合計がございまして、二万九千四百九十七とございます。最近の年別の登録の数を見ますと、ここで左の方に暦年という欄と登録という欄がございます。登録の方は、大体二千ちょっとこえる程度のものが毎年の登録数になっております。それから更新がその次で、右の方から二段目の欄で、昭和三十五年度千六百という程度のものが大体更新の数になっております。それがその資料でございます。それからその次に、四ページは登録肥料の一覧でございまして、これは内容でございます。その内容でやはり複合肥料が一番多いのでございまして、四ページのちょうどまん中から下の方にございますが、複合肥料は一番多いようでございます。大体これは九一%くらいになっております。それから五ページが農林大臣登録肥料の有効登録一覧、有効登録と申し上げまするのは、その中途の段階で期限が切れましたり、あるいはその事業をやめたりしまして消えるものもございますが、現在残っておる登録の数でございます。これが一番下の合計を見ますと、一万七百三十七というのが三十五年三月末現在でございます。ここで大ざっぱにあれを申し上げますと、一番上の欄の無機質窒素質肥料の登録が二百六十五でございますが、これが大体全体の二%、それから無機質燐酸質肥料、これが四百八十四、これは五%くらいになっております。それから無機質のカリ質肥料、四%くらい、これは四百でございます。それから複合肥料がここにございますように九千百十三、これは全体の八五%を占めております。そういう状況でございます。六ページは、その有効登録業者数の一覧表でございます。業者はここにございますように、最後の方にございます六百十五、生産業者と輸入業者が登録することになっております。合計して六百十五、こういうことでございます。業者の数からいたしましても、この複合肥料の業者が四〇%を占めております。 それから次は、都道府県の関係の登録の状況でございます。これは農林大臣とそれから都道府県と肥料の種類によって登録を分けておるのでございますが、ここで都道府県のものが合計をいたしますと、有効登録、現在残っておる登録が一万四十ということでございます。それから次をめくっていただきますと、大体それは内訳でございます。県別の肥料の内訳でございまして、ずっとそのこまかい内訳がございます。それから十二ページに都道府県の有効登録、現在残っておる登録の内訳がございます。十四ページが、都道府県知事の登録肥料の有効登録業者の数の一覧でございまして、都道府県知事に登録しておりまする業者が、普通肥料生産業者で五千九百、それから特殊肥料の生産業者で一万一千九百、販売業者が二万八千、こういう次第でございます。 次が生産の状況でございますが、これは肥料取締法によって生産の報告をとっておるわけでございます。その大体の資料でございます。十五ページは、農林大臣登録肥料の生産数量一覧全部で、ここには全部を突っ込みまして八百九十三万七千トンというのが合計の数字でございます。あるいは肥料の需給計画というものを毎年作っておりますが、アンモニア等についてはそういう需給計画を作っておりますが、これは幾らかこまかいところは食い違うところがあるかもしれませんが、需給計画の方は肥料年度で作っておりますが、これは大体暦年で数字を出しておりますので、幾らかその数字の食い違いがございますが、大体こういう数字でございます。それから次が、都道府県の関係の生産数量、これが百七十六万八千。十六ページの一番最後の合計欄がそういう数字になっております。それから次が、都道府県別の生産数量の一覧表でございます。その内訳でございます。 それから二十三ページをごらんいただきますと、肥料検査というものを農林省がやっておるわけでございますが、この検査の現況が書いてございます。農林省では札幌、仙台、東京、名古屋、神戸、福岡、六カ所に肥料検査所を持っておりまして、ここに肥料の検査官がおるわけでございます。検査所の定員は九十一人。そのうち検査官に当たるものが五十六人おります。それから検査所別人員配置というところの数字でカッコをしてありまするのが検査官でございます。予算額は三十五年四千六百万。 それから都道府県肥料取締関係者、農林省の検査所のほかに県には取締関係者がおりまして、これが大体各県別にこういう状況になっておりまして、全部の合計で百三十六人。そのうち検査吏員が百十二人、こういう状況でございます。 その次が二十五ページが、農林省、都道府県公表肥料検査成績という一覧でございまして、三十三年度の分でございますが、二十六ページをごらんいただきますと、二十六ページの一地下の欄をごらんいただきますと、三十三年度農林省の検査で不合格率というものが三・六%でございます。それから都道府県の検査では五・七%、合計といたしまして四・六%という不合格の率になっております。不合格の多いのは、非常にやはり有機質肥料、いろいろまぜたような、そういう普通肥料のものが需要が多いわけであります。それからその次は、これはずっと内訳でございます。それから三十二ページをごらんいただきますと、三十二ページの一番下でございますが、これは総合計で、三十四年度の検査成績の総トータルでございます。農林省関係で三・三%の、不合格率、都道府県では四・八%、合計しまして四%の不合格率、こういうことになっております。その次は全部内訳でございます。それから次は三十九ページ、三十五年度の検査結果の状況でございまして、これは農林省のものだけがまとまっておりまするが、県のものはまだまとまっておりませんので、県の方はブランクでございますが、農林省の方は三・六%、こういう不合格率になっております。大体この程度のところが不合格になっておるということでございます。 それから次は四十ページ、肥料取締法第二条第三項の政令で定める主要な成分——肥料の主要な成分を政令で定めるということになっておりますので、ここに内応が書いてございます。それから次の四十二ページは、肥料取締法の第三条第一項の規定に基づく普通肥料の公定規格をここで定めておりますが、これは公定規格の内容でございます。それからずっとございまして、あとは五十七ページまでは全部この肥料の公定規格でございます。 五十八ページが、特殊肥料というものが法律で書いてあるのでございますが、特殊肥料の指定をいたしております。これは肥料取締法第二条第二項の特殊肥料というものは、ここで「左に掲げる肥料で粉末にしないもの」、「(ロ)米ぬか、はっこう米ぬか、はっこうかす」、こういうのがいろいろこまかいものをあげております。 それから次の五十九ページには、肥料取締法施行規則に基づいて普通肥料というものを指定しております。 大体肥料の内容といたしましてはそういうことでございまして、検査関係、登録関係を主体にいたしました資料を御提出申し上げております。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で補足説明は終わりました。 次いで、本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○小林孝平君 ちょっとこれに関連いたしまして、農薬のことについてお尋ねいたします。最近、三重県下においてブドウ酒に農薬テップを混入して大量に殺人をした事件があったのですけれども、この事件の発生によって、農薬の取り締まりをもっと厳重にすべきではないかという世論が高まってきておるわけであります。そこで、これは取り締まりも必要でありますけれども、農薬の使用というのは、農業関係からいえば非常に重要な意味があるのであって、むやみに必要以上に取り締まりをやると、角をためて牛を殺すということにもなりかねない、こういうことも心配されるわけであります。そこで、まず取り締まりを厳重にせいとか、いろいろのことを言う前に、一体、現状はどうなっておるのかということを知らなければならぬと思いますので、一体、農薬の取り締まりは今どういうことになっておるのかということを農林省からちょっとお尋ねしたいと思うのです。あわせて、ほんとうは、これは警察から来てもらってお話を伺えばいいのですけれども、三重県下に起こったこの事件の詳細、どういう農薬を使って、どれくらい使って、どういうことになったかという点もあわせて報告できたら、していただきたいと思います。それに従ってまた質問したいと思います。
○説明員(石倉秀次君) ただいまの農薬の取り締まり状況につきましての御質問にお答え申し上げます。農薬取締法という法律がございますが、この農薬取締法は、農業生産上ただいま御指摘のように農薬が大へん重要な資材でありますので、その品質を保持し、そして優秀なる農薬を農家に懸念なく供給するという建前で作られておる法律でございます。製造及び販売の過程における農薬の品質の保持ということを目的とした法律でございます。ただし、農薬を使いまして防除を商業的な行為として行ないます農薬取締法におきまする防除業者というものがございます。この防除業者につきましては農薬の使用方法等につきましても規制を加えるような法律になっております。で、個々の農家が農薬を農業生席上どのように使うのが適切であるかという点につきましては、農業改良普及組織そのほかの指導組織をもって農家を指導しているというような形になっております。
○小林孝平君 そこで、今私お尋ねしたのは、農薬の取締法の概要だけでなくて、農薬の厚生省関係の点も——私はだから警察と、ほんとうは厚生省関係の方も来ていただくようにこないだお話したんですけれども、来ておりませんが、これはあらためてまた来ていただくことにして、厚生省関係のこの毒物、劇物の取り締まりの関係はどうなっているかということを、わかりましたらちょっとお願いいたします。
○説明員(石倉秀次君) それでは補足いたします。厚生省所管の法律で毒物及び劇物取締法というのがございます。これは御承知のように、医薬品として使われる以外の物質につきまして毒性及び劇性のあるものを取り締まる法律でございまして、この法律によりまして人畜に対して危害を与えるおそれのある農薬も取り締まられるわけであります。この法律によります毒物と申しますのは、経口毒性——口から入る毒性につきまして、体重一キログラム当たり三十ミリグラム以内で死亡するもの、これは実験小動物としてネズミ等を使って検定するのが普通のようでありますが、これを毒物といたしております。それから三十一ミリ以上ということになりましょうか、三十ミリから三百ミリグラムまでのものが劇物扱いということになっております。で、現在農薬は、農薬の原体と申しますか、有効成分の量で申しますと、市販されております農薬は約百五十種類ぐらいになろうかと思います。そのうちで毒物に相当いたしますものは、殺菌剤として三種類、それから殺虫剤として八種類、そのほか、すなわちネズミを殺す薬とか、あるいは除草剤というようなものであります。これが三種類。それから劇物に当たりますものが、殺菌剤として六種類、殺虫剤として二十種類、その他に相当しますものが四種類ございます。このほかに、殺虫刑のうちで特に毒性が高く、使用の過程におきまして農家そのものも中毒をするおそれがあるという殺虫剤六種、殺鼠剤一種が特定毒物に指定されております。で、毒物及び劇物につきましては、毒物及び劇物取締法において、生産、輸送、販売、保管等が取り締られるわけでございます。使用そのものについては何らの規制がございません。しかし、この特定毒物につきましては用途そのものにつきましても規制が加えられております。以上が特定毒物、毒物及び劇物でございます。そのほかに農薬として普通塾すなわち経口毒性が三百ミリグラム以上のものが殺菌剤として二十二種類、殺虫剤として十六種類、その他の農薬が十四種類というようにございます。農薬の大部分のものは人畜にまず危険が少ないと申してよろしいものであろうかと思います。で、われわれ農家に対しまして、農薬の使用あるいはその保管について特に注意を喚起しておりますのは、ただいま申し上げました六種類の殺虫剤、一種類の殺鼠剤、合計七種類の特定種物、それから合計十四種類の毒物にあたりますものでありまして、これらの取り扱いにつきましては、毎年厚生省と共同いたしまして、五月の中旬から一カ月間、すなわちその年の農薬の使用に入る前におきまして危害防止月間を設け、そうして農薬の危険に対し注意を喚起し、また正常な使用方法を指律しております。特定毒物につきましては、そのうちで皆さん方特に御存じなのは、稲の害虫であります二化メイ虫防除に使いますところのパラチオン剤であります。このパラチオンの使用法についてはこのような印刷物を作りまして、これを農村におきます各指導者まで持たせ、そうして農家の指導をやっております。このパラチオンは昭和二十七年から実用に供しておりますが、このような危害防止運動を行なっておりますために、この使用しております農家の事故数は年々減って参っております。昭和二十八、九年ごろにはこのパラチオン散布のために千五百人から千八百人という大へんな中毒者を出しておったのであります。最近では昭和二十八、九年のパラチオンの使用量に対しまして約三倍の使用量となっておりますにもかかわらず、中毒者は昨年の厚生省の総計におきまして五百三十七名、約三分の一に減ってきております。また不幸この中毒のために死亡した人数も、昭和二十八年の七十名から昨年は二十七名というように減って参っております。で、今回の事件で問題になります点は、農薬というものが本来の目的に使われる際に起こります事故はこのように指導いたすことによって軽減ないし防止できるのでありますが、ある意図を持ちましてほかの目的に使います場合の危害につきましては、このような指導体制だけでは不備であろうかと考えられます。で、それでまあどのようにすべきかということになりますが、この農薬にはただいま申しましたように、人畜に対して危害を与えるもののほかに、かって散布しました農薬によりまして魚類が被害を受けたというような問題もございます。農薬の適正なる使用につきましては、農薬の保管あるいは管理というような点について、なお指導あるいは体制を強化すべきではないかというように考えております。特に毒性の強い農薬を個々の農家に保管させておきますことは、その間におきましていろいろと今回のような事故を起こしがちでありますので、保管個所数を減らすという意味において、毒性の強い農薬は何か共同保管というような体制を考えていきたいと考えております。特に最近農村地帯におきましては病虫害切除そのものが共同作業になってきておりますので、この点と関連いたしまして共同保管を推進していきたい。なお、この共同保管をやって参りますためには、この保管施設というものを考える必要があろうかと存じます。これまでこの共同保管施設について農林省として助成なり、あるいはそのほかの方途を講じたことがございませんので、この点もあわせて考えていくべきではなかろうかと考えております。 なお、この農藥のうち毒性の強いものにつきましては、たとえば人の非常に嫌悪するようなにおいをつけたり、味をつけたり、あるいは色をつけるというような製剤技術上での解決策もございます。現在農薬の製剤につきましては農林省が監督指導をいたしておりますが、今後の製剤につきまして、ただいま申しましたような点を加味して、毒性農薬に対しては一般の人がすぐにわかるような製剤に持っていきたいというように考えております。 なお、この毒性の強い農薬の一部につきましては、厚生省当局とも連絡をとりまして、特定毒物の考え方を再検討していかなければならないかと存じます。その際に農薬というものは製剤によりまして有効、成分の含有量が少なく、実質的に人畜に対して危害の少ない製剤も多々ございますので現在の毒物及び劇物取締法においては有効成分の致死量をもって規定されております農薬という観点から申しますと、製剤の致死量という点から毒物及び劇物、あるいはそのほかの分類をしていただけると、農村地帯におきます農薬の使用についてそれほど不都合な、かつまた今回のような事件を起こさずに済ませ得るのではないかというように考えております。 そのほか最近は人畜に対する毒性の低い農薬が数々出ておりまして、中には農林省の試験研究によりまして有効な農薬も出ております状況でありますが、今後は極力このような毒性の低い農薬の普及に努力して参り、総体的に毒性の高い農薬の使用量を減らすという方向に進めたいというように考えております。
○小林孝平君 この三重県の事件で一体どういうものをどれだけ使ったのかわかりませんか。
○説明員(石倉秀次君) この点につきましては、当方からただいま三重県農林部長あてに三十六年四月一日をもって文書で状況報告を求めておりますが、この回答をまだいただいておりません。私の力で知っている範囲、先日来種々の新聞報道並びに先般地方行政委員会におきましての御発言でございます、それによりますと、使いました農薬は有機燐製剤のうちのテツプでございます。このテップはいろいろな商品名がございまして、三重県で使われましたものはニッカリンという商品名で売られておるものでございます。このテップは三重県並びに奈良県の山間地方におきましては主として茶のダニ防除に使われております。このテッブのよろしい点はにおいがないということ、それからまた散布液にいたして作物に散布いたしますと、大体一、二日の間で全く毒性のなくなる殺虫剤でございます。従いまして、茶のようににおいをきらい、かつまた農薬が葉に残っては好ましくないような作物の害虫防除にはきわめて優秀な殺虫剤と申すことができます。なお、このほか桑の害虫の防除にもこのテップ剤を使われます。これはただいま言いましたように、散布後一日、二日の間に全く毒性がなくなりますが、その桑の葉をすぐに蚕に給与するということができ得るためでございます。
○小林孝平君 これはブドウ酒のびんに入れたんですけれども、このテップを何CCか何グラム入れたんですか。
○説明員(石倉秀次君) これは私も新聞の記事以上のことは今のところ知っておりませんが、たしか竹の筒に入れて、七・八CC入れたということではないかと思います。
○小林孝平君 これは無臭だけれども、味はあるんですかね。
○説明員(石倉秀次君) 味は私も聞いた範囲でありますが、やや苦みがあるということであります。しかし、おそらくブドウ酒に入れればわからない程度ではなかろうかと思います。
○小林孝平君 この厚生省関係の毒物及び劇物取締法ですね、これは生産、輸送、販売をあれして、取り扱いについては何ら規定がないわけなんですね。
○説明員(石倉秀次君) 私からその点については答弁すべきことではないかと思いますが、法律を私が読みました範囲では、その毒物及び劇物取締法で特定毒物に指定されるもの並びに別表の一に規定されているもの以外につきましては、販売以後の取り扱いといいますか、使用についての規制はできないといいますか、それには触れていないというように解釈しております。
○小林孝平君 ちょっと速記をとめていただきたい。
○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委長員(藤野繁雄君) 速記をつけて。
○東隆君 私は、この法案の関係で、この葉面散布の肥料ですね。これを私は農薬にしておいた方がいいのじゃないか、こう思うのです。あとの方は、これは肥料とされた方がいい。前の分は、これは農薬にされたらいいのじゃないか。そうでないと、あとでいろいろ問題になってお困りになるのじゃないか。というのは、ビートに使っているようですけれども、普通葉面にいろいろな農薬を散布しますと、結局、たとえば果実の方は非常に大きくなるのです。これはかえって葉の生長だのその他のものを抑制して、そうして根部あるいは果実の方を大きくしていく、そういう一つの植物生理学の現象があるのです。だから、問題は、抑制するのに、たとえば枝を切ったり、それから芽をつんだりして、そうして生長を抑制するという作用を、葉面に薬をかけたりなんかすると、その働きがある。そうすると、まあ、肥料でいう、普通、窒素、燐酸、カリ、それくらいのものかもしれませんけれども、そういうふうに考えてみますると、かえってそういうようなものが別な働きをしているのじゃないか。それで私は、もう少し植物生理の学者だのなんか、そういう方面とよく御相談なすって、葉面散布の肥料についてはもう少しお考えになる必要があるのじゃないか。それからあとの方は、これは肥料の中にまぜるのですから、そうして下の方に肥料と同じような使い方をされるのだから、こっちは私は肥料の部類の中へ入れておいても差しつかえないと思う。だけれども、上の方にやるのは、サボテンみたいなようなものと一応別な考え方で見るべきじゃないか。で、農薬の方からの関係の人も見えているようですし、どっちにされたらいいか、これはなかなか問題だろうと思う。将来大きな問題になってくると思う。取り締まりがうまくいけばいいのですが。そうすると、窒素、燐酸カリぐらいの肥効でもってやるかというと、私はまあ肥料はちょうど人間で言えば食物のようなものだと思う。だから、そいつは一定の場所から吸収されて、そうしていくのに限っている、こう一応見なければならぬので、ほっぺたにくっつけてみたって栄養にはならぬ。だけれども、薬だったら、これはほかのところにくっつけてもきくわけですね。だから、薬と見るべきか、肥料と言うべきかと、そういう境にある問題だと思う。ところが、売る人は、葉面にかけてやれば非常に労力も楽だし、だからそいつにひっかけて、少し窒素、燐酸、カリぐらいまぜたのじゃないですか。そういうような面を考えると、肥料に重点を置いておるようですけれども、窒素、燐酸、カリだって、薬として見る場合もあるし、何もそんなに……。考うべきじゃないかと思うのです。そういう気がするのですよ。食物なら口から入るのだし、薬だと外部にくっつけるのだから、そういう理屈からいうと少しおかしい。こういう考え方をいたしますので、これは将来いろいろ問題が起きてくるじゃないかと思いますので、もう少し植物生理の学者ともよく相談をされて、そうしておきめになった方がいいと思う。だいぶむずかしい問題が出てくると思うのです。
○政府委員(坂村吉正君) はなはだ申し上げにくいのでございますが、ちょっと何か誤解があるのじゃないかと思うのでございますけれども、葉面散布剤と申しますのは、先ほど御説明申し上げましたように、大体植物の生長のための窒素、燐酸、カリを主成分とした水溶性の肥料でございまして、これは葉面から吸収されて、そして植物の栄養に役立もまして、そして植物の生長を助ける、こういうような純然たる肥料であります。肥料成分でございまして、これは前々からもうすでにアメリカ等でも研究されておりまするし、それから日本でも終戦後非常に熱心にこれは研究いたされまして、農林省の試験場等でも十分検討して参ったわけでございます。そういうような関係で、大体製品といたしましても、相当自信の持てるものができておるのでございまして、そこでもう肥料として、葉面から施す肥料という考え方でこれは取り上げていい段階ではないかというふうに考えてきて肥料取締法に入れておる、こういう考え方でございます。これは完全に肥料、植物の生長を助けるための肥料という、そういう内容のものでございます。
○東隆君 私はよくそれも承知しているのですけれども、使用するときは実は花が開いてそれからあとでないかと思うのです。だから果実が非常に大きくなるという時分じゃないかと思うのです。それで最初にやるのじゃなくて、あとでやるのじゃないか、こういうようなことを考えますと、そうすると普通、植物というのは、たとえばジャガイモなんかでもボルドー液だとか何だとか、今はそうは言っていないのですけれども、そういうものを散布しますと、エロンゲーションを起こさぬわけです。そして下の方の実が大きくなってくる。生長がとまるのです。枝や葉を生長させないから、だからそういう意味で下から上がったものがどんどん果実に入って、そして果実が大きくなってくる。だからそういうような効果を現わさせる面もあるわけですね。だから施した窒素、燐酸、カリが肥料としてきいておるのか、それともその植物生理の方面における葉だの、何だのの生長を抑制して、そっちの方面から損失しないようにして、そして下の方から吸収したもので大きくなるのか、そういうような問題が出てくると思うのですよ。だから常識からいうと、根から栄養分を吸い取ってそして木は生長していく、作物は生長していく、そういうように考えていくと、栄養分については、これは食料なんですから、それは口から入っていってそして吸収されていく。そういうように考えていくと、薬の方だったら外部にくっつけるものもあるし、いろいろあるのだから、これは薬として取り扱われてみたらどうか、こういうのは私の簡単な常識論ですが……。
○政府委員(坂村吉正君) あるいは誤解があるのじゃないかと思いますが……。
○東隆君 局長、局長は法律の方だし、これは技術の問題だから……。
○政府委員(坂村吉正君) 法律の方といいましても、これは十分検討いたしまして法案にいたしておるのでございますからお答え申し上げますが、ただいま申し上げましたように、肥料といいますのは、東委員がおっしゃいますように、従来は根から吸収してそうして植物に栄養をつけた、こういうことでございますけれども、これは葉から吸収しても植物の栄養をつけるということでは同じことでございます。たとえば人間がその栄養分をとります場合も、口からとる場合もございます。病気になってとれない場合には注射をする、あるいは皮膚面から吸収させる、こういうようなものもございまして、これは薬という観念ではなくて、あくまで窒素、燐酸、カリの肥料成分が根からとられ、あるいは葉からとられる、こういう姿のものでございまして、そういう面からこれは十分検討されてきているわけでございます。たまたま今までのいわゆる根でなければ、土の中でなければ肥料分がなかったから、吸収しやすいものがなかったものですから、根からとるものだけを肥料だ、こういうふうに考えていたわけですけれども、葉の状態のところに肥料分で吸収される形のものがあればこれは当然そこから入って栄養がつけられる、こういうことになるわけでございますので、ですからこれは農薬だという考え方は私は少しどうかと思うのでございます。 それと、抑制するという機能ではないのです。抑制するという機能はこの葉面散布剤には期待していないわけでございます。大体その生長の促進でございます。そうして葉から吸収されたものは直接日光との光合成によって、そして蛋白分になりまして、そしてそこで栄養になる、こういうメカニズムになっておるものでございます。 (笑声)
○東隆君 私はこれは笑いごとではない。薬の中には栄養の薬がたくさんある、そうしてこれは口からもちろん飲んで、それから注射もありましょうし、いろいろあるのです、その薬の面は。食べものは、普通のいわゆる食物と称しているものは、大てい口から入る、だからどうですか、これは私は何も固執しません、固執しませんが、あとで問題が起きてきます。下の方にあるものは肥料で、それから上の方のは農薬の方でもって取り扱われたらどうですか、扱う人は大てい肥料、農薬を一緒に扱っているようですけれども。これは技術の方面からお聞きした方が……。
○説明員(石倉秀次君) 農薬の方にというお話でございますが、農薬はまくものだという東委員のお話でございますが、実は農薬を土の中に入れて上まで上がるものもある、そうなりますと、どうもけんかになりませんで、むしろこれは私はやはり取り締まりをやるということになりますというと、いろいろな取り締まりのための分析なりそのほかの技術的な問題がからんでくると思います。その場合に、肥料でありますと、やはり三要素というものを主体とした取り締まりの方法もございますし、農薬の面でございますというと、農薬としての有効成分並びにそれの殺虫、殺菌力というものが主体となって品質の取り締まりがなされるというのが筋ではないかと思いますので、私の方もできることなら葉面散布剤は農薬の方に入れていただかない方がよろしいのじゃないか、また逆に泥の中に入れます殺虫剤につきましては、私の方に残しておいていただいた方がすっきりと仕事が進められるのじゃないかと思います。
○委員長(藤野繁雄君) 本案については、本日はこの程度にいたします。 ——————————
○委員長(藤野繁雄君) 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一五一号)参議院先議を議題といたします。 本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○亀田得治君 本案では災害に対する補助面を拡大する、そういう面でもちろんわれわれとしては賛成しているわけなんですが、経済効果が少ないということで、災害があったものに対して補助対象から落とすことに法律がなっております。 それらの経済効果が少ないということの具体的な規定としては政令の中では若干書いているわけです。その点についての疑問が一、二ありますので、ちょっとお尋ねしたいと思うのですが、これは政令の第九条に書いてあるものですが、その中の第一番目の傾斜が二十度をこえる農地、こういう規定がしてあるわけですが、傾斜度だけで実際にはそこを回復してやるべきだと、だれが見ても思われるものを、二十度をこえているから、それはもう補助の対象にしない、こういうことは多少形式的過ぎるんじゃないかという感じを持っているわけです。おそらくこれは開墾適地の傾斜度の標準の度数あたりからきているんじゃないかと思いますけれどもね。たとえば果樹にしても畜産にしましても、だんだんそういう面を農林省としても成長させようと一方では考えているわけですから、二十度をこえたから補助の対象にしない、こういうふうな規定の仕方は、現在の農林省の考え方からいっても、検討すべきじゃないかというふうに思っているのです。 それから時間がないからまとめて全部疑問点を申し上げますが、第五番目の「有効幅員百二十センチメートル未満の農業用道路」そうすると、これなんかもちょっと規定の仕方が形式的だと思うのですね。百二十センチをこえていても大して用のないようなところもあるだろうし、ところがそれよりも狭くとも非常に大事な農業用道路もあるだろうし、もう少しここら辺のものの見方というものを変える必要があるんじゃありませんか、というふうに思います。この二つ。 それから結局こういう政令における規定があれば、実際に補助対象にするかしないかというときに、予算などが窮屈になってくると、こういうものによってやはり補助対象からはずれていく、こういうものがあるはずですね。だから実際にそういうものがどれくらい、こういう政令の規定があるために、今まで補助を要求しているのに対象とされなかったのかというふうな実例等、わかっていれば御報告を願いたいと思います。 以上三点ですが、まとめて一つ御答弁願いたい。
○政府委員(伊東正義君) 三点の御質問でございますが、第一点の傾斜度が二十度をこえるというものは、最近の農業事情から考えれば検討を要するんじゃないか、あるいはこれは開拓地の関係から出たんじゃないかという御質問でございますが、開拓地の選定基準では、これは農地法の施行令の四条でございますが、十五度以下ということに実はいたしております。開拓地の場合はもう少し緩傾斜以下でございますが、それよりは五度ほどこれは強くなっておりますが、二十度といいましても、これは仕事をやりまして階段耕とか何か復旧事業をやりましても、なおかつ二十度をこえるというような場合の農地については、これはほとんど出畑のようなところしか考えられないんじゃないかというように考えておりまして、そういうところについては復旧をしても、また当然と言っては何でございますが、災害が来るようなところじゃないかというようなことで、一応の限度を作っております。ただこの限度と、これは御質問にはございませんでしたが、開拓基準の十五度、こういう問題につきましては、先生おっしゃいますように、農林省としてさらに検討をする必要があるだろうというふうには私も思います。これは今後検討いたしてみたいと思います。 それから五番目の百二十センチでございますが、これは大体一間幅の道路くらいでございます。それ以下のごく狭いものについては、これはむしろそういう狭いものを作るということじゃなくて、そういうものについてはまた別途これは考えていいんじゃないか。ごく狭い農道というものについては、あまり利用価値もない場合が多うございますので、こういうものについては別途に考えたらどうかということで、これはいろいろな基準の中の一つとしてあげているのでございますが、災害復旧いたします場合に、こういう基準でどのくらいのものが落ちているかという御質問でございますが、実は今資料をちょっと持ち合わせておりませんので、ここですぐに幾らということは申し上げかねますが、これは早急に資料として差し上げたいと思います。
○亀田得治君 第一番目の度数の点については、どこから二十度が出たのかよく私としてはわかりませんが、ただ開墾の方が十五度になっている、既墾地だからということで開墾よりも五度だけふやした。既墾地だから。そういう意味くらいに私は解釈しておったわけです。ともかく全体として傾斜地というものに対する考え方をやはり検討するのが私は正しいと思いますのでもちろん焼き畑のようで、あとはどうにもならないのだというようなことがはっきりしておれば、それは度数がもっと低くたって、そういうものは困るというようなことはあり得ていいのじゃないか、その度数ということに非常に重きを置き過ぎるのは多少検討の余地があるということを私は申し上げたのです。研究されるということでありますから一つ研究していただきたいと思います。それから五番目の幅員でございますが、一間ほどとこうおっしゃるのですが、それはもちろんいいと思うわけですが、ごく狭いようなものは大して用がないのだ、それはいろいろあるわけですね。私は何も一尺や二尺のものを申し上げているわけじゃないのです。こういうふうに何センチメートルというふうな書き方でちゃんと線を引かれると、非常に不自然なものがやはり出てくるのじゃないか、そういうことを申し上げているわけであります。だからここら辺の規定の仕方ももう少し検討の余地がこれはあるのじゃないか。ただし、実際に必要な道路であれば、多少の幅員の不足があっても、それは補助の対象に従来入れてきているというふうなことならもちろんいいのですが。それで第三の、こういう基準があるために非常に気の稀なことになったそういう事例というものをお聞きしたわけですが、私の申し上げている意味はわかると思いますから、これはやはりちょっと研究してほしいと思うのです。どうですか、研究していただけますか。
○政府委員(伊東正義君) 暫定法の問題は、この前も秋山先生の御質問等いろいろございまして、基本に触れますようないろいろな問題が出たわけでございます。私どもとしましても暫定法自体がこれも暫定でいいかどうかもまた問題でございますので、その辺のところを検討いたしたいと思います。
○清澤俊英君 近ごろいろいろ灌排水とか河川とかというようなものがだんだんと完備してきて、大体災害は集中して、山間部に起きている、これはお認めになると思います。そういう非常に弱い所で災害が集中して起きるのが最近の現象じゃないか、そういう場合に、大災害がある場合には特別立法でいろいろ考慮せられるが、そういうものがたまたま局部的なものだと非常に冷遇されているという形が出ております。これはもう何か考えていい時期にきているのではないかと私は始終思っている。災害は山に登る、これは近ごろのはやり言葉です。こういう事態が参りまするならば、総体的に、こういった災害復旧の臨時措置法であるとか、こういったものをもう一度考え直さなければならぬ事態ができ上がってきておるのではないか。大災害の場合は、大体それが地方的に何とか補助育成していく力がないからおそらく特別の方式をもっていろいろな特典を考えられておる。そういう点からいいますと、山間部の零細農を中心にした地方農村というものは力がない、またそういうものの多い県におきますればなおさらやはり県もない、こういうことを考えましたならば、それはやはり根本的に考えていただく時期にきておるのではないかと思っているが、この点について局長並びに政務次官おられますからお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(伊東正義君) 先生おっしゃいますように、現在の災害対策は、此較的通年にとってみまして災害が少ないという場合には、特別立法等はいたさず、現在あります法律の高率適用、そういうところが被害が特に集中的、局部的にきておるということになりますと、今の暫定法でも実は九割以上の補助率になるところが往々にして出て参ります。そういう今の法律でやれる範囲で手当をしていくというやり方をやっておりますが、これはいささか私見になるかもしれませんが、現在の法律でいきますと、実は一つの市町村の中でも被害が割合軽微であった人も、場合によっては町村単位にものを考えますので、非常に高率適用を受けるというようなことも実は出てくるのでございます。それで私どもとしましても、こういう暫定法のこういう形がいいのか、もう少し個人別の被害というようなところまで芸をこまかくするといいますか、やるのがいいのか、これは実はわれわれとしましてもいろいろ中で議論があるところでございます。先生のおっしゃいましたように、まあ、災害のあまり大きくない年については、今の法律体系からいうと、あまり行政のきめがこまかくないという御指摘は、これはわれわれもそういうふうに考えることがございます。でありますので、今の法律の体系の中でいけるか、あるいはもう少しそういう場合には個人別のようなことまで考えるのかというようなことにつきまして、そういうやり方でうまく救えるかというようなことは、いろいろ問題がございますから、われわれとしても検討はいたしてみたいと思っております。
○政府委員(井原岸高君) お答えいたします。おっしゃるようなふうに、最近の災害状況を見まするというと、局部的ないわゆる集中災害がございますが、しかしその地域が非常にこまいために、ややともすると国の手が届かないような状況のあることもお説の通りだと思います。しかし、以前は、御承知のようなふうにほとんど相当な地域を対象にした災害補助あるいは方法を講じたわけでありますが、最近は、町村の段階までおりてきたわけでございますが、なおかつおっしゃるようなこともあろうと存じますので、ただいま局長から答弁いたしましたようなふうに、十分に検討いたしまして、遺憾のないような方法をとりたいと存じます。
○委員長(藤野繁雄君) 速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。 他に御質疑もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより本案の採決に入ります。農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤野繁雄君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。 この際お諮りいたします。委員長及び理事打合会において御協議をいただきました本案に対する附帯決議案を便宜私から提案申し上げまして委員各位の御賛成を得たいと存じます。 まず、案文を朗読いたします。 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案附帯決議(案) 政府は、次の事項に関し、速かに、これが実現に努力すべきである。 一、漁場及び牧野に関する災害復旧事業費の国庫補助について、これを制度化すること。 二、昭和三十五年発生の農地及び農林水産業施設の小災害の復旧事業に関し、昭和三十四年伊勢湾台風等の際採られた措置にかんがみ、地方公共団体が施行するものについて特別の措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 別に御発言もなければ、ただいまの附帯決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいまの附帯決議について発言を求められております。この際許します。
○政府委員(井原岸高君) 一、二とも附帯決議、きわめて重要な問題でございますので、政府におきましても御趣旨を体しまして善処いたしたいと存じます。 ——————————
○委員長(藤野繁雄君) 魚価安定基金法案(閣法第七四号)、漁業生産調整組合法案(閣法第七五号)、漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)、以上予備審査の三案を一括議題といたします。 本日は三案に対する質疑を行ないますが、最初に本日当局から提出されました資料についてその要点の説明を求めます。
○政府委員(高橋泰彦君) それでは資料の説明をさせていただきます。 まず、お手元にお配りいたしました「魚価安定基金法案参考資料」というこの横とじの資料をごらんいただきます。 まず第一ページでございますが、これは法案中で問題になっておりまする多獲性魚種という内容と、それが年次別に全国水揚げに対してどういう比率を持っておるかということでございます。ここで概略説明いたしますと、サンマ、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシといったようなイワシ類、それからマアジ、サバ類、タラ、スルメ、イカ、この種のものは、ここの一番右に書いてありますが、比率をごらんになりまするように、この種の魚がいわゆる多獲性魚種ということであるという資料でございます。 めくっていただきますと、年次別の魚種別の産地市場の価格の問題でございますが、これは問題となりまするイカ、アジ、サバ、サンマ等につきまして年次別の価格の変動と、それから三十四年の月別の価格の変動を一キロ当たりの産地市場価格という表にしてございまするが、ごらんいただきまするように月別に相当の変動がある。年によりましては漁獲量に伴いましていろいろと変動しているという資料でございます。 それから次は、サンマ棒受網漁業の道県別、月別の漁獲量の数字でございまして、先ほどの説明で概略を申し上げましたのをサンマの棒受網漁業につきまして詳細な資料を作ったわけでございます。なお、サンマの産地市場価格を、概略説明いたしますと、昭和三十三年では一キログラム当たり平均二十円、昭和三十三年は十三円、昭和三十四年では十八円という数字に相なっておりまして、昭和三十三年程度の豊漁になりますと相当値が下がっているというデータでございます。それから次は、サンマ棒受網漁業の主要水揚げ港の旬別平均価格ということでございます。 それから次は、サンマ棒受網漁業の漁船の数でございまして、ここを見てもわかりまするように、隻数としては十トン未満及び五十トンより百トン未満というところにウエートがあるというようなことが見えております。それからめくっていただきますと、先ほど概略申し上げました数量と価格の関係でございまするが、最もモデルとなると思われる気仙沼港におきまするサンマの水揚げ数量と平均価格の一覧表でございまして、実線で書いてあるのが水揚げ数量、点線で書いてあるのが平均値でございます。ごらんになりまするように、数量が増加いたしますと、価格が顕著に下がるという表でございます。それをめくっていただきまして、サンマの水揚げ量と価格の相関関係を図表によって説明いたしておるわけでございまして、要するに数量が多いと下がり、少ないと上がるという関係を図表によって説明しておるわけでございます。 なお、御参考までにめくっていただきまして、サンマの利用配分状況が出ているわけでございますが、たとえば昭和三十四年を見ますと、鮮魚に向くものが二〇%、加工に向くものが八〇%、その加工の内訳としては、冷凍に向くものが芸三%、カン詰向きが八%、圧搾されるものが四・九%、かすになるものが三〇%、塩ぼしその他の製品になるものが四・一%というウエートになっております。 次は、サンマと非常に密接な関係がありますサンマかすの価格の推移についての資料でございます。めくっていただきまして、その次は魚かす類の生産量について数字を書いたわけであります。 その次にサンマ漁業経営費、これは必ずしも完全なものではございませんけれども、私どものできる限りの調査によりますと、まあ個別にはいろいろなデーターがあるわけでございますが、平均いたしますと、およそ収入と生産費用の関係は、この表のようになっているという数字でございます。なおめくっていただきまして、産地価格と消費地価格と小費価格との動きでございます。 それから次は、無価安定基準の事業実施の機構でございまして、これは過日来御説明いたしました考え方を図によって示したものでございます。なお次に14として、御参考までにフィッシュ・ミールの海外の市況の最近の推移につきまして、ここに作ったわけでございます。以上でございます。 次は、漁業生産調整組合法案に関する資料というのをごらんいただきたいと思います。 まず最初に、主要な魚の種類別に漁獲統計表をあげてあるわけですが、先ほどと同じように、どのようなものが多くて、どのように変動しているかというものの概括的な数字でございます。 次は、多獲性魚種の年次別魚獲量の全国水揚げに対する比率でございまして、まあこのような比率になって、このように変動しているということを説明した表でございます。次は、先ほど御説明いたしましたものと全く同じでございますので、説明は省略させていただきます。それから次は、昭和三十三年気仙沼港における日別サンマ水揚げ状況でございまして、これは今まで説明して参りましたのは、主として月別ないし旬別の御説明であったわけですが、なおそれを日別にとりますと、さらにこのように激しく変動しているという説明の資料でございます。 次は、八戸港におきまするイカの水揚げ数量と平均値の一覧表でございまして、これも同様に、サンマと同様に数量と価格というのが、数量が多ければ価格が下がるというものの説明の図でございます。次は今の、ただいまお示ししました図の数字的な説明でございます。 それからあと二枚ほどめくっていただきまして、組合の設立予定でございますが、これはサンマの棒受網漁業につきまして生産調整組合を作るということが予定されておるわけですが、対象となる魚としてはサンマ、操業区域としては日本海を除く北緯三十四度五十四分、これは野島崎灯台を通過する緯度でございますが、この以北の太平洋の海域、主としてサンマの漁業調整をいたしておるのがこの海域でございますので、それとも合わせまして操業区域としてはこのような区域を想定したわけでございます。それから漁船の規模でございまするが、これは過日御説明申し上げましたように、十トン未満の零細なものは対象にいたさずに、それ以上の十トン以上の漁船を考えているということでございます。そういたしますと、組合の資格者は千七百数十人ということになろうかと思うのでございまてし、網の数といたしましては、約千八百六十統ほどであろう。この組合員資格者による漁獲量は約五十万トン程度。これをなお規模別に分けますと以下のような状況になるということでございます。 次は、イカ釣漁業でございまして、対象魚種はイカ、操業区域としては、青森県の沖合の区域、これは「青森県下北郡大間町弁天灯台と北海道亀田郡汐首岬灯台とを結ぶ線以西の海域を除く」ということで、おもなイカの区域を選びたいというふうに考えたのでございます。漁船の規模は、やはり「十トン以上の漁船」と考えました。そういたしますと、組合員の資格は約六百八十名程度ということになろうか。漁獲量は約十二万トンほどになろう、こういうふうに考えるのであります。 次は、山陰漁場におけるまき網漁業でございまして、目的となる魚はアジ、サバ、イワシということでございまして、操業区域として、兵庫県と鳥取県の海岸線における境界点を通る正北の線と島根県と山口県の境を通ります北西の線とによって囲まれた日本海の海域ということを考えておるわけでございまして、規模としては「五トン以上の網船によるもの」というふうに考えております。組合員資格者は約六十八名、統数は八十二統、組合員資格者による漁獲量は約二十万トンということでございます。それから次は4として、山口以西の漁場におけるまき網漁業でございまして、対象はアジ、サバ、区域は山口県と島根県の境からの北西の線から西の日本海、それから黄海及び東シナ海というふうに考えまして、規模は、「総トン数五十トン以上の網船によるもの」というふうに考えておるわけでございます。組合員資格者は百四名、漁獲量は約二十万トン程度だろうと考えております。それから次は、5として、北部太平洋の漁場におけるまき網漁業でございまして、魚はアジ、サバ、イワシ、操業区域は「千葉県安房郡野島岬灯台正南の線以東の太平洋の海域」漁船の規模は、「総トン数十五トン以上のまき網によるもの」こういたしますと、組合員資格者は約二百四十名程度、漁獲量は約十五万六千トン程度ということになろうかと思います。 以下は都道府県別、年度別のサンマ操業船の隻数の表でございます。 なお、きのう要求のありました中小企業者の定義並びに中小漁業融資関係の資料、その他中小企業に関する資料をここに書いておいた次第でございます。 なお、昨日河野委員から御要求のありました主要生産地の冷凍カン詰生産能力及び貸車輸送能力という御要求があったわけでございましたので、別紙のように作りまして、本日ごらんに入れたわけでございます。 それから次は、漁業権存続期間特例法案に関する資料でございまして、内容は漁業権満了日の調べでございます。まず第一ページは海面におきます共同漁業権の期間満了の状況を都道府県と月別に件数をここに書いたわけでございまして、ごらんになるように三十六年の八月、三十六年の十二月等に満了日が集中しておるというようなことでございます。 次は、内水面における共同漁業権の資料でございます。次は、海面におきます区画漁業権の満了日の調べでございまして、別に取立てて説明することもございません。次は、内水面の区画漁業権の調査でございます。めくっていただきまして、次は、海面の定置漁業権、これは内水面でないわけでございますが、海の方の定置漁業権の満了の調査でございまするが、ここでも三十六年の八月、三十六年の十二月等に満了日が相当件数集中しておる、こういう表でございます。それから次は、千田委員の御要望の資料がございまして、「漁業調整上問題になっている事例」この漁業権存続期間の特例の法案を中心として漁業調整上問題になっている事例についての御要求がございましたので、三ページほどになっているわけですが、資料としてここにごらんに入れた次第でございます。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。 これら三案については、本日はこの程度にとどめ、本日はこれをもって散会いたします。 午後三時十四分散会