農林水産委員会 第26号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1961/04/06
会議録
○委員長長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農業基本法案(参第一三号)天田勝正君外二名発議を議題といたします。 本案は、去る三月三十日本委員会に付託されました。まず提案理由の説明を願います。
○委員外議員(天田勝正君) 私は提案者を代表して、ただいま議題となりました民主社会党の農業基本法案について、提案の趣旨と法案の概要を御説明申し上げたいと存じます。 わが国の農業が曲がり角に来ていると、識者によって指摘されて以来、十年になんなんといたしておりますが、歴代内閣が農業問題に真剣に取り組まず、いわゆる三割農政のまま、今日に至りましたことは、まことに遺憾のきわみであります。すなわち、今日各位の関心事であります所得較差の問題一つを見ましても、わが国が戦後最初の好況に見舞われました昭和二十六年における農林業就業者一人当たりの年所得は六万二千四百円でありますが、同年における非農林業一人当たりの所得は十七万五千四百円であったのであります。この当時、すでに抜本的農業対策を樹立しなければならなかったのであります。 かつて保守党内部においてさえ、赤城農相によって農業に関する五つの赤信号が指摘され、日本の農業危機が警告されたのでありますが、言葉だけの指摘にとどまって、何ら対策は立てられなかったのであります。 その後、日本経済の成長は目ざましく、わけても鉱工業生産の伸びは世界の驚異と相なったのでありますが、農業の伸びは、他産業と歩調を合わせることができず、昭和三十四年における所得較差を見るならば、農林業就業者一人当たりの所得は九万二千円、非農林業就業者一人当たり所得は三十万四千円と較差は拡大したのであります。すなわち、八年間に他産業就業者所得が十三万円伸びる間に、農林就業者所得はわずかに三万伸びたにすぎません。その結果、非農林業一人当たり所得を一〇〇とするならば、農林業一人当たり所得は三〇・三%にすぎないであります。かかる状態から義務教育をおえた若者であって農業にとどまる者は、この五年間に半減いたしたのであります。もしこのまま放置いたしますならば、わが国農業は老人の惰性農業から崩壊の道をたどるでありましょう。 そもそも、いずれの国といえども、農業国から近代的工業国に発展する当初においては、存在しない工業から税収を得て国の財政をまかなうわけにはいかないのでありますから、財政は農業者に依存しつつ、工業を育成して参るのであります。特にわが国のごとく、封建時代、長い間鎖国政策によって諸外国との通商の道を閉ざされて、商業資本の蓄積も十分でないまま、明治新政権の誕生と相なったのでありますから、明治新政権の財政は地租に依存し、この財政の支えによって殖産興業の名のもとに、官業財産払い下げを柱として鉱工業を育成する一方、政商に暴富を積ませてきたのは明らかな事実であったのであります。さらに、わが国の特徴は、商業資本から産業資本への自然の発展でなく、産業資本への地主資本の動員であると思うのでありまして、明治当初における鉄道の建設、銀行の普及はその代表的なものであります。 このような地主の租税負担と資本動員は、あげて耕作農民の肩に転嫁され、つい十数年前まで比類なき高額小作料の収奪として存在したのであります。 かくして農村は長い間常に貧しく捨て置かれ、国民食糧、その他農畜産物の供給者としてのみならず、産業の発展につれて低賃金労働者の供給源として、また下級兵士の供給源として「国のため」の美名のもとに動員せしめられて参ったのであります。私はわが国近代産業の形成に、このように寄与して参りました農業従事者に対し、今の国は償いをしなければならない時が立ち至ったと思うのであります。以上の歴史的事実を全国民に理解していただき、その協力を得て、この法案により画期的施策を実現し、これによって農業発展の障害となる経済的、社会的諸要因を除去し、農業従事者の所得を他農業従事者のそれと均衡させ、農業生産性を向上し、かつ農業従事者の地位を向上させしめようと存ずるのであります。 次に、法案の内容について申し述べます。 第一に、国等の責任を明確にしたことであります。 われわれはただいま趣旨説明において申し述べました通り、この画期的大事業を遂行することは、国の責任であるとの観点に立つのでありますから、政府による報告事項を除き、他に全条文にわたって国の責任を規定したのでありますが、総則中に概括して、まず目的の条において、この法律の趣旨の実現を国の責任において行なうことを目的とする旨を明かにし、次いで法制、財政、税制、金融等、施策全般の責任を規定し、地方公共団体もこれに準ずることによるほか、農業従事者の協同組織の助長、地域性の配慮、必要予算の計上、資金供給等の責任を明らかにいたしたのであります。 第二は、農業近代化に計画性を貫いたことであります。 わが党は、立ちおくれた農業を急速に近代化するためには、計画的に遂行することが必要であると考え、そのため計画を、農業基本計画、農業年度計画、長期生産計画の三つといたしたのであります。 農業基本計画は、一、農業生産基盤の整備拡充計画 二、農用地の造成計画 三、農畜産物の生産及び需給計画 四、農業川資材の需給計画 五、協同組織の拡充計画 六、農業経営の近代化計画 七、所得較差の解消計画 八、生活環境の整備計画の八計画といたし、農業年度計画は、右の基本計画に基づいて、毎年次年度の農業年度計画を立てることにいたし、長期生産計画は主要農畜産物のおのおのについて立てることにいたしたのであります。 以上の八計画は、その名称によってほぼ御理解いただけると存じますので、一々の説明は省略いたしますが、その二、三について申し述べます。わが国の山林原野のうち、農用地に転換可能なものが五百が町歩と称せられるのでありますが、これらは現在の機械と技術をもってするならば、容易に農用地になし得ると思うのであります。もちろん、すべてを田畑に造成することは不可能でありますが、わが国の高温多湿の気候は、北欧酪農国における牧草収穫、年間二回に対し、わが国の平地においては八回の収穫でありますから、酪農地帯として大いに期待し得ると思うのであります。零細過小農、手労働の解消は、わが国農業の宿命的課題でありますが、貧農切り捨てに陥らず、零細協同化に終わらせないためにも、国費による計画的農用地造成は最も重視すべきであると信ずるのであります。次に、所得較差解消の問題は、本法の眼目ともいうべきでありますから、あいまいな言葉を避け、そのものずばりと規定したのであります。 第三の特徴は、農業協同組合及び他の農業従事者の団体の役割についてであります。 これらの団体を重視すべきことは、すでに述べたところでありますが、わが党はその役割を九カ条について規定いたしたのであります。そのおもなるものは、農業協同組合をして長期生産計画の実施に当たらせるほか、農畜産物の流通の面、農業用資材の出離、輸入の面あるいは市場のコントロール、組合、貿易等に主導的役割を果たさしむることにいたしました。またわが党が各秘の農業従事者の団体を農業協同組合と同様に扱ったのは、農業の近代化、協同化または所得の増大のためにあらゆる農業従事者のための団体を動員することが実際的であると考えたからでありまして、団体の名称、内容のいかんを問わないことにいたしたのであります。 第四の特徴は、濃畜産物の価格と流通についてであります。 農業従事者の不利は、流通面においてはなはだしいのでありまして、売り値も、買い値も先様次第であります。われわれはまず主要農畜産物については生産費及び所得補償の原則によることとし、さらに農業協同組合、及び農業従事者の団体によって、販売、貯蔵、保管、加工の事業を推進せしめるとともに市場を三つに分けて、生産地市場は農業協同組合または他の農業従事者の団体の専管とすることにし、消費地市場は生産者、消費者を運営参加せしめて公共性を強め、さらに主要都市に国営モデル市場を設けて、農業者の団体と消費者団体の連携を強化することにいたしたのであります。 第五は兼業農、零細農、及び僻地農業対策であります。 これらに関し特別の対策を持たなければ、農業の近代化はもちろんのこと、所得較差の解消は不可能であります。まず兼業農家が協同事業に参加する場合、従前の農業所得が確保される措置を講じ、零細農家は協同化により専門農業として育成しようとするものであります。 さらに、僻地農業は他産業との所得較差のみならす、農業重視者間においても較差ははなはだしいのでありますから、全般にわたって特別措置を講じて、農業の地域的所得較差とともに、他産業に対する所得較差解消をいたそうとするものであります。 その他農業災害については、完全補償の方向を明らかにし、また生活環境の整備、農業従事者の団結権、団体交渉権を規定し、農政審議会に建議権を付与するなど所要の規定を行なったのであります。 これを要するに、農地所有の権利は改変せず、農業従事者が喜んで協同組織に参加する方途を講じながら、国の責任において、農業の近代化と、農業従事者の所得が他産業のそれと均衡するように諸施策を講じ、農村と農業従事者の地位の向上をはからんとするものであります。何とぞ御審議の上、御賛成賜わりますようお願いいたします。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で提案理由の説明は終わりました。 本案については、本日はこの程度にいたします。速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記始めて。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 肥料取締法の一部を改正する法律案(閣法第一七一号)参議院先議を議題といたします。 本案は、去る四月三日内閣から本院に提出され、本委員会に付託されました。まず提案理由の説明を願います。
○国務大臣(周東英雄君) ただいま提案になりました肥料取締法の一部を改正する法案の提案理由を御説明申し上げます。 第一点は、肥料の定義の改正であります。現行肥料取締法におきましては、植物の栄養に供することまたは植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施されるものを肥料として認めているのでありますが、近時たとえば葉面散布剤のように植物の栄養に供することを目的として植物に直接施用するものが製造市販され、すでに農家の使用するところとなっております。このいわゆる葉面散布剤は、今後、生産消費ともに増大する見込みでありますので、その品質を保全し、公正な取引を確保するため所要の規制を加えることができるよう肥料の定義の改正を行ない、新たに肥料として認めようとするものであります。 第二点は、一般的に禁止されている異物混入について例外を認めるための改正であります。現行肥料取締法におきましては、原則として肥料の品質を低下させるような異物を肥料に混入することを禁止しているのでありますが、近時、農家労働の軽減をはかる目的をもって、農薬を混入する肥料あるいは肥効の増進をはかる目的をもって大谷石等の特定物を混入する肥料等が生産される見込みでありますので、公定規格で定める農薬その他の物を公定規格で定めるところにより混入する場合に限って、異物混入をすることができるよう異物に関する規定を改正することといたしたのであります。 以上が、この法律案を提案する理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さらんことをお願いいたす次第であります。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で提案理由の説明を終わりました。 本案については本日はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 農林水産業施設災害復旧事業費国電補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一五三号)参議院先議を議題といたします。 前回に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○小林孝平君 本年新潟県初め北陸、東北、北海道を襲いました大雪害に関係いたしまして、この被害地区に対しまして、強力なる国の救済の措置が講ぜられなければならぬのでありますが、これに関しましては、各委員会においていろいろ研究され、また近く参議院においては連合審査が行なわれまして、政府の基本的な対策を行ない、校訂することになっておりますが、この際私はその対策の一つであります天災融資法の適用に関しまして、農林大臣のお考えを承りたいと思うのであります。 この雪害の対策の一つといたしまして、天災融資法の適用を関係地方は強く望んでおったのでありますが、今日に至るまで、この適用がされるということが決定されておらないのであります。その理由の一つといたしましては、いまだ被害額の調査が十分でない、従来四十億とか五十億を被害額の基準にして、これの適用が行なわれておったのでありますけれども、今までの調査ではまだ十二億とかあるいは十三億の濃度であるから、その調査をさらに待って適用するかどうかをきめる、こういう御説明でありました。 そこで問題が二つあると思うのであります。一つは、こういうような非常に局地的な被害、しかも六十年とか七十年ぶりの被害であって、非常にその地方にとっては激甚な被害があった場合は、従来の四十億とか五十億円という基準にとらわれないで、これの適用をすべきではないかということが第一点であります。 第二点は、この被害額の算定にあたりまして、従来の天災融資法の第二条の規定によりますと、その農作物の減収量が平年における収穫量の百分の三十以上の場合、あるいはその農作物の損失額がその平年における農業の総収入額の百分の十以上である場合と、こういうふうになっておりますが、たとえば果樹や桑のような場合は、その年の被害はかりに一億円であっても、枝が折れたりなどいたしますと、その被害は来年、再来年に及ぶわけであります。従って、当該年の被害だけを考えたのでは、この天災融資法の精神に沿わないのではないか、こういうふうに考えるものであります。そこで政府は、従来その年の被害だけを考えて、第二条の運用にあたっても、その年の被害だけを考えておったのでありますけれども、この第二条をよく見ますと、その被害減収量というようなものは当該年の減収量、あるいは損失額と書いてないわけであります。従って果樹等の減収量、損失額は、当該年ばかりでなく、来年、再来年に及ぶ額を考えるべきが当然ではないかと思うのであります。第二条には、当該年の減収量あるいは損失額ということは書いてないから、当然そういうふうにこれを解釈するのが当然だと思うのであります。そういう考え方をとらない結果、この天災融資法の適用がおくれているのではないか、こういう二点がありますので、これについてお答えを願いたいと思うのであります。
○国務大臣(周東英雄君) 第一点についてでありますが、御指摘のように、被得の額等の調査が判明いたしておりませんので、今日まで天災融資法の発動というところまでいっておりませんでしたが、最近各方面における被害額の調査も完了いたしましたので、天災融資法を発動いたすことにいたしております。ただいま政令その他の手続を急がせて努力をいたしております。 第二点のお尋ねでありますが、これは事務的な取り扱いについて申しますと、法文の規定について今お読み上げになったようなことでありますが、大体次年度における事柄を考えて、それに対する処置も講じてきたのでありまして、次年度以降さらに先の被害減収量というようなものの測定はなかなか困難であります。今までの取り扱いはそこまで及んでおらぬのでありますが、ただいまのところやむを得ないかと思います。従って、でき得る限り果樹等については、あらかじめこれに対する補助等を出す場合において、施肥あるいは木の植えかえというような問題について補助金等をやり、そして早い樹勢の回復等に努力していくというのが、今までのやり方でございます。今日のところ、繰り返して申しますと、次次年度における減収等測定も困難でありますので、取り扱いはそこまで及んでおらないのが実情であります。
○小林孝平君 農林大臣の御努力でこれが発動することが決定したということは、非常におそまきながら、関係者は喜ぶことだろうと思うのであります。この被害の調査が最近大体わかって、これによって発動することになったというのでございますが、大体どのくらいの額になって発動することになったのですか。
○政府委員(昌谷孝君) 統計調査部の被害調査につきましては、前回の委員会で申し上げましたように、こういった態様の災害でございますので、非常に早期に被害を調査することが困難であったわけでございますが、とりあえず速報として、現在各事務所から報告させたものを、目下詳細な集計の途上でございます。概略申し上げますと、農作物の関係で約十三億、それから林産、林木、森林の関係で約四億程度の被害があるというふうな結果に、集計の結果はなるようでございます。なお正式に集計いたしました結果の統計としての公表と申しますか、外部への表示はまだ済んでおらないようでございます。これは作集計途上の速報でございます。
○小林孝平君 この農作物の被害十三億、林木関係四億、合計十七億、今後増加する見込みではあるけれども、こういうことで適用になったというのは、従来こういう金額で適用になった例はないようでございますから、この適用にあたっては、非常に農林省当局の御努力をされたことだろうと思いまして、御努力に敬意を表しますけれども、この第二条の解釈の問題でございますが、今後の問題もありますから明らかにしておいた方がいいと思うのでございます。今農林大臣は非常に次年度以降の被害を見積もることは困難であるからと、こうおっしゃいましたけれども、農林大臣はどうお考えになりますか。この第二条をこのまま解釈をすれば、次年度以降の被害も考えなければならないことに当然なるわけであります。もし、そういう被害の調査ができるということであったら、当然考えるのが至当ではないかと思うのであります。今までの農林省の御答弁あるいはこの運用に当たっての考え方は、この法律の解釈は、当該年度だけである、こういうふうに解釈をされておったわけであり映すが、それは誤りであって、次年度以降の分も考えるのは、当然ではないかと思うのでありますが、この点いかがですか。
○政府委員(坂村吉正君) 法律の第二条の解釈につきましては、これは当該年度だけであるとか、次年度までであるとかというところまで、今までつめて考えることは実際問題としてないわけでございます。実際問題といたしましては、今まで大体当該年度の被害を中心にいたしまして運用いたして参りましたわけでございまして、それで大体間に合っておった、こういうことでございますが、今度の場合のように、雪害等で果樹等が折れました場合には、当然将来のことをいろいろ考えなければならんということも仰せの通りでございまして、そういうような実態ではございますが、今までの運用は、大体当該年度を中心にして運用して参りましたという関係もございまして、まあ将来にも相当これは被害の影響が響くじゃないか。こういうことを頭に置きまして、先ほど申し上げましたように十三億というようなこと、それから十七億というような例で、きわめて被害額としては総額としては少ないのでございますが、従来の例は大体二十五億から七億が最低でございます。そういう事情でございますけれども、天災融資法を適用したわけでございますので、運用の面において、今回の運用の面一であるいは融資の面等につきましても、その将来のことも少し頭に置きまして、十分ことしの間に手当ができるようにというようなことで、十分考えていきたいというふうに考えております。
○小林孝平君 将来のこともありますから、念のためお尋ねいたしますが、そういたしますと、従来は少なくともこの農林省の御説明は当該年度ということを中心にしてお話しになっておったと思うのです。事実また農林省にそういうお話を持っていきましても、そういうふうの解釈でもってつっぱねられておったわけです。そこで今後はこの運用に当たっては、非常に困難ではあるけれども、そういうことも頭に置くのは置いて被害額の算定をやるのは、第二条の解釈上当然である。あるいは正しいとお答えになったわけだ。その結果今回現在のところでは十七億であるけれども、この発動をすることになった、こういうわけでございますね。
○政府委員(坂村吉正君) 先ほど私のお話し申し上げたものとちょっと違うようでございまするけれども、実際問題といたしまして、それじゃ次年度以降の被害がどれだけ出るかということは、技術的にも算定できないわけでございますが、そういう状態でございまするから、天災融資法の発動をやって、いろいろその対策を講じまする場合には、当然そのときの被害をその年の被害を考えなければ、調査の対象にもなりませんから、調査もできませんからやむを得ない、しかしいろいろその被害が将来にも影響をあとを引く、尾を引くというようなものでございますから、そういう点も考慮に置いていろいろ融資額等についても十分一つ措置をしたい。こういうつもりで運用したらどうかというふうに考えておるわけでございます。
○小林孝平君 くどいようですけれどもね、今回のただいまのところで十七億で発動したということは、全く異例であって、そうして非常に関係者は感謝するだろうと思うのです。これは認めますけれども、私はやはりこれははっきりしておかないと、将来もこういう問題は出てくるおそれがあるわけですね。その際に今回はですね、そういう熱意を示されましたけれども、この次はどうなるかわからんということでは困るわけです。そうしてまた、そのとき、あのときは考慮してやったじゃないか。今度は考慮しないのはおかしいじゃないかということになって、農林省もお困りだから、はっきりしておいたらいいと思うのですね。これは一体そういうことを発動に当たっては念頭に置いて次年度以降の被害を念頭に置いてやったけれども、実はこの法文の解釈はそうではないのだ。当該年度だ。こういう解釈をしたのであるということをはっきりしておかないと困るのではないか。こう思うわけです。そこでまたそのお答えによってもう一回お尋ねいたします。
○政府委員(坂村吉正君) 仰せの通りですね、被害の調査ができませんものですから、次年度以降の被害がどれだけ出るということが、実際問題として被害調査ができません。そういうことでございますから、今回といいまするか、その災害がありましたときに被害調査として被害額を対象にして融資をするわけでございまするから、これはやはりその当年度のものとして解釈をいたしまして、そうして運用するのがまあ適当なことであろうというふうに考えておりますが、実際今の雪害のように非常に尾を引くものがありますが、そういう場合には、今申し上げましたように、ある程度あとの、後年度の被害等も頭に置いてそれに対する措置もできるようなことに運用していって、そうしてカバーしたらどうだろうかというふうに考えておるわけでございます。もちろん、これは異例なことでございまして、今までの例から言いますと、非常に異例なことでございまするので、まあ非常に時間もおくれたのでございまするけれども、これによって救済も相当できると思うのでございまするので、これは一度こういう例がございますと、今後やはりこういう集中的な被害がありましても、これはまあ一つの例にもなりますから、今後の運用としては、農林省としても割合いにそういう考え方がとりやすいのではなかろうかというふうに考えております。
○小林孝平君 繰り返して申し上げますが、全く異例な措置をとられたことに対しては、敬意を表しますけれども、今局長がおっしゃったように調査ができませんということになると、これはまた問題なのです。調査はできるわけなのです。それは今までの解釈上、当該年度と、こうやっていたものだから、そういう調査をやっても、農林省も相手にしないから調査をやらなかったのだけれども、その次年度以降のものも考慮に入れるのが正しいということになればそういう調査というものができるわけなのです。できないということになれば当該年度の調査だって人によって違って、できないといえばできなくなってくる。だから私はそこの点をはっきりしてないと、この次困るのじゃないか。もしあくまでもだめというなら、この法律を改正しないと困るのじゃないかと思っているわけなのです。その点いかがですか。
○国務大臣(周東英雄君) これはお話しの点は私はよくわかります。それで、できれば私はことしのこんなくらいの被害を果樹に与えた。それに対して十分なことしにおける樹勢の回復のためにこれだけの肥料を入れることが科学的に正しいのだ。それだけの肥料を入れてもなおかつ本年度のみならず、次年度以降にもこのくらい減収するだろうというような何か完璧な何ができていて、それによって調査を進めていくことができることになれば、幸いにして今の天災融資法二条によってそういう面から見て私はそれはできるということになると思います。しかし今局長が申しましたのは、現在困難だというのは、実際上どうしてもこれだけ保護し、対策を講じていくが、さらに次年度以降これだけ出るのだということも科学的にできないのじゃなかろうか。おのずから事実問題としてやはり本年度の対策だけにとどまらざるを得なくなるであろう。しかし、将来はそういうものを科学的な根拠を用いて考え出すということを、今から研究をしていくことは私は必要だと思います。たまたま非常な異常の災害で、局部的ではありましたけれども。それに対して金額のいかんを問わず処置することが妥当であるという考えのもとに努力をして参ったわけで、あります。今後のことはさらに検討をいたしたいと思います。
○東隆君 私は大臣がお見えになっておりますからお聞きしますが、この今川の改正ですね。この法案の改正に農林関係だけお書きになりまして、そして漁業関係、「漁港施設及び共同利用施設」、それに関連をされて私は改正をされておいた方が、将来においても好都合じゃないか、こういうふうに考えますが、この点はどうですか。法文は第一条に明らかにその方面のことを書いてあります。それで水産方面は私はあらゆる方面でおくれておるとこう考えておりますので、この際、それを中に入れることによって正しいというよりか、おくれたものを非常に国が保護する、こういうことになろうとこう考えますので、この際その項を特に入れる必要があるのではないか、こういうふうに考えますが、この点お伺いします。
○政府委員(伊東正義君) 漁港と共同施設のお話でございますが、漁港につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の方へ入りますので、公共土木の法律の適用を受けます。それから共同施設でございますが、これは趣旨としまして、公共土木の施設というような性格のものでやろうじゃないかということで、それに準じますといいますか、それと性質を同じくします林道、農業川施設、農地を対象とするわけでございます。
○東隆君 そうすると、漁港関係、それから特に水産方面の共同施設、そういうものについては建設省関係の仕事になる、こういうようなお考えですか。
○政府委員(伊東正義君) そうではございませんで、漁港につきましては、現存の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法がございまして、これの適用を受けるわけでございます。漁港はそれでその法律には連年災の規定がござ いまして、すでに漁港については手当ができておるわけであります。農業施設、林道等は手当ができておりませんので、今度初めてこれを連年災の対象 にしようということにいたしたわけでございます。
○東隆君 この「及び共同施設」というのは私は両方にかかっていると考えるのですが、その点はどうですか。
○政府委員(伊東正義君) 共同施設の点につきましては、若干公共土木的な施設と違うのじゃなかろうかというような私ども見解で、今度の法令の改正の対象には考えておりません。
○東隆君 私は漁港の方は了解いたしましたが、水産業関係の共同施設ですね、これは両方にかかっているようにも法文では見えますので、この際その一点をお考えになった方がいいのじゃないかとこう思いますが、この点は少し疑問なんですが、どういうふうにお考えですか。
○政府委員(伊東正義君) 共同施設につきましては、公共土木の方でも漁港と対象がはっきりいたしておりまして、この連年災害が公共土木施設の中にあるわけでございます。この農業関係ではそのほかにたとえば倉庫でございますとか、いろいろな共同施設が災害復旧の対象になっておりますが、これはいわゆる土木施設とは若干性格を異にするものだというような考えで今度は林道、農業用施設、農地だけを対象にしたわけであります。
○東隆君 くどいようでありますけれども、第一条のところには、「漁港施設及び共同利用施設」とこういうふうに書かれて「(以下「農地等」という。)」こういう表現を使って、あとを理解するようになっておりますが、そこでおそらく「及び共同利用施設」というのは、それは生産業に関係した方面の共同施設ということではないか、漁港に開運をした意味か知りませんが、これは土木関係の方でもやれるようになっているのですか。公共の災害関係の方の関係でもってやれるようになっているのですか。これは抜けているのじゃないですか。
○政府委員(伊東正義君) 今お読みになりました「共同利用施設」というのは、これは水産関係だけでなくて、農業関係等の共同利用の施設が、みなこの条文に入っているわけであります。それで今度の連年災の対象にしましたものは、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法にございます河川でございますとか、海岸、砂防設備、道路とか、港湾、漁港と、こう公共土木の方であげておりまして、そういうものに関しまして実は連年災の規定があるわけでございます。それに準じまして均衡をとる意味で、この農林水産業施設災害復旧の中で公共土木施設に準ずるものといたしまして農地、農業用施設それから林道というものを対象に取り上げたわけでございます。
○秋山俊一郎君 関連して。今の御説明を聞きますと、公共用施設と言われるが、しかし農地というものはここに入っていますね。農地は必ずしも公共用施設じゃないんじゃないかと思うのです。そうしますとね、水産の方面でもたとえば漁場、貝類の養殖漁場あるいはノリの養殖漁場というようなものが、風水害のために土砂が流れ込んで漁場がめちゃくちゃになってしまった。それをようやく回復したかと思うとまた翌年なりその次の年にやられたという、ようなものは、これは連年災になると思うのですがね。これは農地と同じように考えるのが至当じゃないですか。
○政府委員(伊東正義君) 農地の取り扱いにつきましては、確かに先生のおっしゃいますようにこれは私有財産じゃないか、共同という公共的なものから離れた私有財産じゃないかというようなことで実は財政当局なり、この前も災害のときに御説明いたしましたが、自治省その他では、農地をあまりに公共的な取り扱いをし過ぎているんじゃないかという意味のことを、実は言われていることは確かでございます。今、先生御指摘になりました、ように、農地は公共的なものじゃないじゃないかという議論は、実はほかの省から盛んに言われております。しかし、従来から農地につきましては、戦後の食糧増産その他の関係から非常にこれは重要な施設というふうに、私有財西ではございますが、取り扱い上公共的なものとして従来対象にずっといたして参ったわけでございます。で、今回もその点につきましては若干農地につきましては異論がありましたが、従来通りな方針で、私どもはこれは農業施設だけでなくて農地も従来の取り扱いと一緒にやりたいということを主張しまして、実は今度の対象にあげたわけでございます。でありますので、先生のおっしゃいましたように農地が私有財産であれば、ほかにもたくさんあるんじゃないかということも一応わかるのでございますが、私どもとしましては、そうなかなか、広げるというよりも狭めるという方にいろいろ議論をされておりますので、そこは従来の取り扱い通りにしてほしいというようなことで、農地をここに掲上しておるわけでございます。理論的に言いますと、若干その点は一貫しないものがあることは、私もその通りと思いますけれども、やはりそうだからといってこの際落とすということでなくて、私は農業用施設と一緒に取り扱っていきたいというような方針で対象にしたわけでございます。
○秋山俊一郎君 ちょっとそうするとおかしいのですがね。私ども考えてみると、農地は個人がやっているが、漁場は組合あたりで共有でやっておるのですよ、多くの場合。個人が一つ一つ漁場を持っているのじゃなくて、もちろんそれは所有権はないかもしれませんけれども、漁業権というものは設定されて、これはその漁場を、たとえば東京湾の貝の養殖場を見たらわかりますが、ずっと広い海面を漁業協同組合が、耕作するように非常にいろいろの施設をしてやっている。それがよく水が出たとか、あるいは台風の影響などでだめになることが御承知のようにしばしばありますね。もし農地を入れるならば、それを落とすのは片手落ちじゃないかという感じがするのでございますが、大臣、いかがでございましょうか、そういう感じは。どうもとかく水産がまま子扱いされるような感じがするんですが、農地についてそういうふうに省内、あるいは他省の方でも議論があったとするならば、これは水産の力からも一応議論を出さなければならぬ感じがいたしますが、そういう漁場についても、これは入れておいたらいかがですか。貝類の養殖場などはどろで埋まっている、あるいは流木なんかで埋まっておって、この前の伊勢湾台風なんかでもひどい目にあっているのです。それがまた次の年にないとは限らない。また、連年あることが多いのです。そういうものも、農地をやるのならば、これを入れておくのが至当じゃないか、これをはずすのはおかしくないかという感じがするんですが。
○国務大臣(周東英雄君) お話しの点、漁場水面を入れるという意味ですか。
○秋山俊一郎君 漁場水面じゃなくて。
○亀田得治君 漁場施設ですよ。
○秋山俊一郎君 農地と同じような関係で、地べたですから、海底ですから。海底に貝類なんかの養殖をするわけです。それが埋まってしまう。
○国務大臣(周東英雄君) 御意見の点、私よくわかりますが、今直ちにそれでは漁場を、養殖施設海面というものをここに入れる、それだけで簡単に私は片づかぬ問題がたくさんあると思いますので、もう少し検討を要すると思います。それだけの問題じゃなくて。
○秋山俊一郎君 農林省では検討を要するかもしれませんが、私どもでは……。
○国務大臣(周東英雄君) 問題を言えば、初め東君が言われた共同施設についてはどうかという問題を私は初め拝聴しておったんですが、ところが、この共同利用施設についての本法の第三条四項の関係は、今度この改正法で入ってないのですね。そこで一応将来の問題として出てくる。これは「農業用施設」とあるのは、大体用排水関係とかそういう問題であって、農業共同施設ではないものだから。ところが本法には入っている、これはね。
○東隆君 この法律は漁業に関しては関係なしということですか。
○政府委員(伊東正義君) 今の御質問でございますが、これは関係がないというのじゃなくて、この法律の体系からいきまして、共同利用施設等については補助率二割ということでやっております。農地とか農業用施設、林道とかこういうものになりますと、これは、実は高率補助の規定を設けております。それで補助率自体もこの法律体系の中では共同利用施設と、農地、農業用施設、林道そういうものとは体系は実は補助率等でも異にしておりまして、今申し上げましたものについては、累進して高率補助ができるというような、法律の中にすでにもう差別といいますか、事柄の性格上取り扱いを異にいたしております。今度、連年災の規定を設けましたのは、そういう高率補助のあるものだけになっております。 それで先ほど公共土木的ということを私申し上げたのでございますが、農地につきましては、若干その点は秋山先生御指摘のように、私有財産であることは確かでございます。ただ、この法律の中でも、農地につきましては私有財産であるが、これはほかの共同利用施設等と違って、最初は、五割、最後は九割というような高率補助をいたしております、現行法自体で。実はいろいろ取り扱いを異にいたしております。今度やりましたのは農地を除きましては大体公共土木的なものであり、現行の法律の体系の中でも高率補助をしておるというものだけを実は取り上げたわけであります。
○東隆君 もう一つ、実は干し場、魚を取ったのを乾かす場所ですが、これは実は私有地になっております。そうしてしかもこれが連年災害を受けて、そうして決壊をしたりして大弱りをしておるんですが、私はこれは漁業の方面においては、農地よりもまだ重要な役割であり、そうしてしかも共同の使用となっておりますが、古い時代の土地の何というか所有関係でもって、不在地主のような関係、そういうような非常にむずかしい問題も一つある。これが災害を受けたときには、もう土地を持っておる所有者は直すことができないのです。それからそこに住んでおる人たちも、それを復旧させることができない。こんなようなことになって、これは実は盲点になっておる点がある。私はこういうような場合に、干し場の問題を取り上げていただいて、そうしてやはり連年災害その他にもいえるし、また全体の場合にこの災害の関係の対象にも一つしていただく筋合いのものではないか、こういうふうに考えております。この点はどうですか、雑用地になっておるのではないかと思うのです。
○政府委員(伊東正義君) 揚げ干し場でありますとか、あるいは水産物の干し場のお話が出ました、これは共同利用施設その他、そういう種類のものだと思うのです。それで先生のおっしゃいました問題は、これはまあ秋山先生の御指摘もそうなんでございますが、農地等と比較して、非常にそういう問題がアンバランスがあるんじゃないかという私はお話だと思います。それで、これは今度の連年災ということだけじゃなくて、この災害復旧事業国庫補助の指定措置に関する法律というものの基本的なこれは考え方に私はつながってくるのじゃないか、共同利用施設は全部これは一二%というふうになっております。農地よりもはるかに補助率は低くなっております。でありますので、この問題は単に連年災ということだけじゃなくて、この暫定法の考え方といいますか、その対象につきまして基本的にもっと検討をした上でありませんと、これだけに連年災ということは、私はちょっと工合悪いのじゃないかというふうに思いますので、今先生御指摘の点は、この暫定法全部の問題としてもう少し研究さしていただきたいというふうに思います。
○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記とめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記始めて。
○清澤俊英君 農林大臣にちょっとお伺いしたいのは、大体大臣は暖いところに成長せられたので、あまり雪のことを御存じないと思うのです。だから大体においてこの豪雪地帯に対して農林大臣は大体どう考えておられるか、どういうふうに豪雪地帯を見ておられるか、その考え方ですね。ということは、まあ申し上げてみますれば、風水害というようなものは一つの災害が短期にずっと出てくる。それであとに惨たんたる状態がそこに出てくるのです。これが風水害の特性、特質だと思うのです。ところが豪雪地帯はそういうきわだったものは見えません。見えませんが、約半年にわたって雪の中に生活していかなければならない、こういう特殊の状態を持ちますと同時に、いろいろな災害がそれに付帯して出てきます。まだ表面上の問題になっておりませんが、現在魚沼地方の豪雪地帯へ参りますと、一メートル五十もしくは三メートル近くあると言っております。おそらくは除雪がおくれることによってまたいずれ言ってくるだろうと思いますが、冷害並びに作付期の遅延による減収が言うて出られるだろうと思う。こんなことはもうわかっているのです。こういうようなことがはっきりわかっておりますのですから、少なくとも大体の時期が来たら、農林省としても一ぺんくらいそういうところを見てくれたらいいだろうと思うのです、大臣が。今年のごとき豪雪はもう六十年来の豪雪だというので、非常に騒ぎを広範の地域で起こしております。鉄道が五日も六日もとまった、まだ現在肥料輸送が完全にいくかいかぬか、これは疑問です。肥料輸送。輸送はしましても配給の道がない、配給の道がないのです。従いまして多額の配給の引き取りの費用をかければ、これは村の倉庫なり何なり持っていけますけれどもこういうようなものが山積しているのです。ことに最近、大臣も御承知の通りなだれの続発、水害の続発、これがどんどんと出ておるわけです。だから災害は倍加こそすれ、決して十四億円くらいにとまるものではないと思うのですが、こういうことは大体において想定ができるのです。それをただ雪の中にある災害を知らぬ顔して、ただ報告があっただけのものを中心にして考えておられるから、どうとかこうとか言われますけれども、現にまだ霜害なんか問題になっておりません。ようやく桑が頭を出してきた、雪の中から。桑は六尺も八尺も高い桑はないからそう作っておりません。そこで桑園の問題が今ようやく写真をとって問題になってきておる、こういうものは次から次に出てくる。あるいは水害がないとは絶対に保障はできません。今年の雪の状態から見まして、現に北海道でも水害がある、秋田県でも青森でも水害が起きておる。これは直ちに土木や農業施設に対しておそらくは大きな災害を障害を与えるだろうということは考えられます。こういうことについて農林大臣はどういうふうに考えておられるか、一つの意見を伺っておきたいと同時に、できますれば、豪雪地帯に一ぺんくらい今雪のあるうちに行って、どんな様子か見ていただきたいと思います。東京なんか桜の花が咲いておりますよ、桜の花をあてにしておったら問題ではありません。まだ一メートルか二十も三十もある雪の中におるのです。こういうものを一ぺん見ていただきたいのです。これに対して大体のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(周東英雄君) 積雪地帯、ことに今年はお話しのように六十年来の雪だというお話でありますが、この間科学技術庁長官のお話を伺っても、六十年来の雪ではなくて、寒冷が、逆にいうと、元に戻ったんだと、今庄でのような形でなく雪は今後も多いのじゃなかろうかというお話もあり、私どもとしてはもう少し積雪地帯におけるあらゆる問題について科学的な調査研究をなすべき何か機関を作って、これに対する対策を考えたい、こういう話を閣議で話し合っているわけです。ことしの問題はことしの問題として応急処置を講ずるかたわら、雪に対する科学的研究対策を研究をし、それに対する対策を考えていくのが必要じゃなかろうかという今日は考え方でおります。 今いろいろお話がございました、私は実は今度の問題のときには行っておりませんが、井原政務次官に現地は見ていただいておりますが、従来における長岡各地における雪の多かったときに両三回私は参っておりまして、お話のような今でも雪の中に二階から出入りするという地方における生活の暗さといいますか、従ってまた農作物その他に対する問題の処置というものについて、相当にこれは考えていく必要があると、かように考えております。
○清澤俊英君 まあせっかく閣議で決定せられました恒久対策に対する施策については、積極的にお進め願いたいと思います。われわれは豪雪地帯振興法等の名前で出ます防雪基本法というような題名で出すかまだわかりませんが、社会党としても具体的なものを作りたいと思っております。 第二番目に、この天災法の第二条の三項についてお伺いしたいのですが、これは、農地または農作物の災害を防止するため必要な施設、こうなっているのです。そこで農地関係で局長に一つお伺いしたいのは、往々水害等の場合、最近では非常に用水路が発達して参りました。そういう場合に用水路の溢水等を防止するために、非常に多額の金を使う場合が出て参っております。積み俵等をやる場合が出てきておる。これは三十四年災か三十二年災、三十四年災と思っておりますが、新潟県の下越地方で大水害がありまして、そうして福島潟並びに鎧潟で溢水したことがあります。俵何万俵と積みまして数千万円かけてこれを防止している。たまたまその当時私どもはこういう法律のあることを知らなかったのですが、大体そういう積み俵等に対して補助対象になるのは、水防法だけを使っておったわけですから、それですからこれに対する補助金をもらうのに非常に困難したわけです。非常な困難して、そうしてほんのつかみ金を五百万円ばかりもらいましたやつを、その後富山がやはり同じ水害があったというので、富山の方へ分けてやった。ごくわずかなものさえお恵み的にもらわなければならない、こういう実例があります。 そこで局長にお伺いしておきたいことは、ああいった場合周囲三里もあるところの福島潟の全流域並びにそれから通ずるところの用水路全部に積み俵をして、田畑の侵水防止をやって参りました。こういう場合には、この天災法の二条の三項の規定が適用できますかどうか、そいつを一つお伺いしておきたい。
○政府委員(伊東正義君) 先生の御質問は、おそらく天災融資法じゃなくて、農林水産業施設災害復旧事業費の国庫補助の暫定措置に関する法律という法律の第二条の第一項の三号のことと思います。これは農用施設の定義を出しておるわけでございます。それで先生のおっしゃいました「農地又は農作物の災害を防止するため必要な施設」でございまして、そういう保全上必要な公共的施設について考えられておりますのは、たとえば干拓の堤防でございますとか、輪中堤とか、あるいは海岸堤防あるいは防災溜池、温水溜池、あるいは土どめ工とか、階段工とか、そういうような公共施設をこれは実は補助の対象にしておるわけでございます。先生おっしゃいました災害のときに俵や何か積みまして防いだというものは、実はこの二条の三項の公共的な施設というものには実は該当はいたしませんので、そういう事例がありましたときには、土どめの形で、予算的補助というような形で法律に基づかぬでやっておったわけです。
○清澤俊英君 これは何ですね、公共用施設と書いてあるから、あるいはそういう解釈はできるかもしれませんが、実際問題としての農業用水ですね、これは公共施設じゃないですか。用水の給水路というものは、公共施設に入らないんですか。
○政府委員(伊東正義君) これは灌漑排水施設ということで、用排水路等はこういう公共的施設に入っておりません。それが災害でやられました場合に復旧をするというのが、この法律の建前でございます。先生おっしゃいました予防したときの金は、どうなるかということでございますが、これは先生御承知のように、従来は建設省等からそういう俵代等や何かめんどう見てもらうというようなやり方でやっておりまして、この施設の災害復旧事業費の対象には実はいたしてはおりません。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) それではちょっとえさの問題に移ります。
○河野謙三君 まず、かねがね当委員会の要望しておりました飼料の緊急対策として、政府手持ちの麦を直接農民、農業団体に払い下げることを御決定になったことにつきまして、過日食糧庁長官から報告聞きまして、この点大臣の英断に対して感謝をするものであります。ただ、払い下げの要綱、一応まあ最終決定かどうか知りませんけれども、伺いますと、えさの緊急対策として、飼料の確保に非常に困難をしている農民に、一日も早く届けてやりたい、この目的に対して要綱が少しズレていると私は思うのです。と申しますのは、大蔵省というような、うるさいおしゅうとを持っている農林省の立場もよくわかりますけれども、還流のおそれがあるとか、横流れのおそれがあるとか、これを防止することにあまりにきゅうきゅうとして、必要な瀞産農民に、必要な時期に、いかにして届けるかという主目的を私は忘れているとは申しませんけれども、ややこれを閑却しているおそれがあると思う。と申しますのは、御承知のように単協で施設を持っているところ云々とか、その他いろいろ制限事項がありますけれども、これは見ようによりますと、必要なる畜産農家にえてしていかない結果になるんですよ。大臣はよく御承知のように、先日も食糧庁の長官にも申しましたが、単協において粉砕、圧偏の施設を持っているところは主として四国の生産地であります。そういう生産地に必ずしも畜産がないとは言いませんけれども、畜産の主産地というものは、まだ往々にして別にあるわけであります。でありますから、あの条項をもう少し広くお考えにならぬと、せっかくの御親切な緊急対策が、緊急対策の用をなさぬばかりでなく、御心配の横流れ、還流のおそれというものは、あの要綱自体が私はそれを発生するうらみがあると思う。御承知のように、ほんとうに困っている畜産農家のところへ行くならば、横流れなんてあるはずがありません。必要でないところにえてして必要量以上のものがゆくから、還流、横流れのおそれがある。それでありますから、私はあんまり今度の緊急対策に対しまして、麦ぬかにしなければいかんとか、丸粒でくれちゃいかんとか、何しなければいかんということでなしに、極端に言えば、必要な農家はよそへもってこいと言ったって持ってきませんよ。でありますから、従来農村など慣例として一晩水につけて、丸粒の麦をふやかして食べさしているところがあります。また煮沸して食べさしているところがあります。でありますから、あまり、砕かなければいかん、圧偏しなければいかんということ、また重ねて申しますが、横流れのおそれがあるとか、還流のおそれがあるとか、ということだけにあんまり事務的にとらわれて、主目的を私は忘れてはいかんと思います。この点につきましては、特にこれからの払い下げの実施にあたりまして、もう少しほんとうに畜産農家の困っている方々に対してはどうしたらいいかというところに重点を置きかえていかなければならぬと私は思う。 もう一つ私は伺いたいのは、精麦工場にやるのもけっこうであります、ありますけれども、千二百円という安い麦を払い下げて、それから発生する麦ぬかの価格に対して何ら行政的指示がないということ、私はおかしいと思うのです。幾らで売ろうと、精麦工場は勝手である、ただこれだけ大量に払い下げれば、需給関係からいって当然下がるだろう、これだけがたよりなんですね。なるほど今までよりは下がるかもしれませんけれども、政府がはたして適正価格として押えておる千二百円の麦から発生する麦ぬかの価格、これが政府の適正な価格を相当私ども上回る危険性があると思う。と申しますのは、これもこの間畜産局長に申し上げましたが、麦ぬかの価格というのは、麦ぬかの需給関係だけで動いているわけではございません。ふすまとか、その他全般のえさ関係の需要供給の関係で、麦ぬかの価格が動いている思うのでありますから、単に四十万トン、六十万トンの麦をここで緊急払い下げをすれば、麦ぬかが供給過剰になって下がるとか、下がるには下がりますけれども、一体政府が考えておる千二百円の麦から発生する価格が、適正な麦ぬかの価格になるということについて自信があるならけっこうです。それをここで確約するならあえて何も申し上げませんけれども、ただいたずらに需給関係からいって下がるだろうというような程度の気休めでは、私はこの点は了承できない。どうして麦ぬかの価格についてか行政上の一つの指導をされないか、この点を大臣から伺いたい。もし話が少しこまかくなって、大臣からの御答弁でなければ、畜産局長なり、食糧庁長官から、私はもう一ぺん聞きたい。どうしても麦ぬかの価格を野放しにしておくことについて納得できませんから、お伺いいたします。
○政府委員(須賀賢二君) 私から、事務的な点につきまして一応初めに御説明を申し上げておきたいと思います。前回懇談会の際にもるる申し上げましたように、今回の政府手持ち麦の農業団体に対する払い下げ、この措置は、当面しておりまする飼料の非常に窮屈な情勢を緩和いたしますために特にとる措置でございまして、今御指摘のように、玄麦でそのまま農家にいくという形が最も端的な方法じゃないかという御指摘があることは当然でございますが、われわれといたしましても、現在管理をいたしておりまする麦の管理制度の中考えられまする最も簡単な方法を、今回いろいろ検討いたしまして、今まとめておる次第でございます。御承知のように、麦は現在大麦について申し上げますと、一俵千八百円程度の価格でおるわけでございます。今回払い下げをいたしますのは、一俵千二百円という非常に安い価格で、全体として考えますと、これを売りました農家に再び払い下げをするというような形になるわけでございます。こういう例は現在の米麦を通じてやっておりまする食糧管理特別会計の払い下げの方法の中にも、今まではなかったわけでございまして、一例をとって申しますと、災害の場合の米の保有農家に対する払い下げという例がございますが、これも出産者価格で払い下げるという措置をとっておるわけでございます。その辺のところが今までの例としては限度である。それで今回もいろいろ考えまして、結局、裸麦を農家に飼料として供給いたします場合、単位農協を通しまして、いわゆる大、裸麦は、今まで麦ぬかとして使われておったのが通常の形でございます。その麦ぬか、またふすま等が非常に払底をいたしておりますのを、こういう手順で数量的に補てんをしていきたいという考え方をとっておるわけでございます。それで前回申し上げましたような考え方で、政府部内の考え方をまとめておるわけでございまして、いろいろ今回のやり方について、実行上十分でないというような御批判もあるかと思いますが、まあ事柄を急ぐわけでございまするので、とりあえず早く出発をいたしませんと、いたずらに相談にだけ時間をかけておるということも、当面の事態からいたしまして、われわれとして避けなければならないと考えますが、とにかくただいま私どもが考えておりますような方向、考え方で一つ出発をさしていただきまして、実施の状況等も見まして、さらに改めるべき事項が出て参りますれば、その事態に即してさらに改善、工夫を加えるということで、御了承をお願いしたいと考える次第でございます。 なお、精麦業者に拡い下げまする麦ぬかの価格に対する指示の問題でございますが、前回も申し上げましたように、私ども数量的に需給関係をゆるくして参りますることによって、実際に価格が下がることを期待をしておるということを申し上げておるわけでございますが、これは、この前申し上げましたように、今回の措置をとりますと、麦ぬかの供給量は倍以上にもなるわけでございまするし、そういう需給関係からいたしまして、十分その効果は私どもは現実に出て参るというふうに見ておるわけでございます。実際にその価格を指示いたしましても、これは従来の経験からいたしましても、なかなか需給関係がそれに照応するような形になっておりませんと、実際の末端価格が、政府が期待するような価格として実現するということは、非常にむずかしいわけでございます。私どもの考え方といたしましては、需給関係を、そういう価格が実現できるような、なるべく安い価格が実視できるような形のものに持っていくということが先決問題でございまするので、その方向に努力をいたしておるわけ、でございます。現実に価格を指示するということになりますと、この千二百円の払い下げ麦で、なかなかこの価格で、いわゆる業者の側から見まして、そう安い価格を指示するというわけにもいかない面もございまするので、しばらくはこの千二百円の麦で、実際にどういう価格が実現するか、できる限り安い価格で売らせるように、いわゆる総合的な行政指導をすることはもちろんであります。実際にこれでどういう価格が実現をするかという状況を見てからの問題として、考えたいと思っております。
○河野謙三君 第一点の食糧庁長官のお答えにつきましては、私は大臣から御答弁願いたい。農業団体の過去の業績につきましては、大いに農村の振興に貢献したことはもちろんでありますけれども、また非常に農林省の意思に沿わないような、いわゆる、言葉は悪いけれども、前科がありますよ。だから農業団体を全部全面的に私は信頼してやれということは言いませんが、しかし何と申しましても農林行政を進めていく上において一番大事な手がかりは、農林省から見れば外郭団体といわれる農業団体でしょう。この農業団体が、何にも信頼ができない赤の他人と同じような、こうしたらあぶない、ああしたらあぶないということでは、一体、農林行政は進まないと思う。だからそれはびしびし監督指導したらいいと思う。それを過去の二、三の例をとらえて、そうしてそれだけによって、せっかく農業団体に期待する農民が、これだけ飼料の不足に困っておるときに、手続上のことで、主たる目的の困った農家にえさを早く届けるということにズレが起こるということは、私は農林行政全般の問題として、農林省は農業団体をいかに考えていくか、またいかに今後指導すべきかということについて、大臣の私は御方針があると思う。現に今提案されておる農業基本法にいたしましても、これは政府の提案はもちろんのこと、社会党、民社党の基本法にいたしましても、すべてこれは農政を進めていく手がかりは農業団体。むしろ農業団体が主体でしょう。その農業団体に対してわずかなえさを払い下げる場合に、あぶないあぶないというようなことでやっていることについては、どうも私は納得がいかない。これは一つ農業団体につきましての、大臣の、過去のことは過去のこととして、将来どうするか、どういうふうに扱っていくかということについて、私は根本的な方針を伺いたいと思う。 それから精麦工場の麦ぬかの問題ですが、価格は需給関係に、よって起こるんだ。今までのような供給不足のときに政府が権力によって価格を指示したって実行不可能、しかし今度のように事柄の本質から需給関係はむしろ供給過剰の状態にあるといわれるぐらいになったその場合には、価格の指示をしたらいいじゃないですか。何で価格の指示をしないか。私は価格を指示しなくても大丈夫だとおっしゃるなら、一体千二百円の麦を精麦工場にやって、それから発生するところの麦ぬかというものは、適正価格をどのくらいと考えておられるか。下がる下がるといいましても、今農家が八百円で買っておるものを五十円下がって七百五十円になっても下がった、七十円下がって七百三十円になっても下がったんです。しかし七百円台ということは私はないと思う。千二百円の麦を払い下げて、それから発生するところの麦ぬかが、ただ下がればいいといっても、二十円でも三十円でも五十円でも下がったら下がったんです。一体政府は、千二百円の麦から発生する麦ぬかの適正価値をどのくらいに抑えておるか。下がるという見通しは、どのくらい下がるであろうという腹づもりのところまで下がったときに、初めて政府はわが意を得たりということになるんでしょう。それを七百五十円でも七百円でも下がったら下がったということで、それで妥当だということになるのですか。私はこの際千二百円の麦から発生するところの麦ぬかの価格というものは一体どのくらいが適正であるか、同じ下がっても、三十円や五十円下がったんではほっておけない、当然だと思う。一体どのくらいと押えておられるか。これはむしろ大臣でなくて、食糧庁長官から伺いたいと思う。私はこの間食糧庁長官に懇談のとき言いましたが、大臣へ私は直接訴えますが、どうも製粉、精麦工場に対する扱い方が少しおかしいですよ。たとえば私がこの間申し上げたのは、学校給食の麦を毎月二万トン程度払い下げているでしょう。これは一般の麦と違って委託加工ですよ、学校給食のやつは。一般の製粉工場に払い下げるのは完全な払い下げです。ところが学校給食のものは委託加工です。これを君たち加工して粉を一つ作ってくれ、その粉は政府が買い取って学校給食に回わしておるわけです。委託加工賃を払うわけですよ。その委託加工賃を払う場合にふすまができるから、そのふすまの価格というものは五百八十円を適正な価格として、そうして加工賃の中から差っ引いておるわけですよ。だからふすまというものは五百八十円で売っているわけですね、政府が。これははっきり五百八十円で売っておるわけですよ、委託加工ですから。ところがその五百八十円で売っておる学校給食のふすま、これについては今幾ら……、やっぱり一般のふすまと同じように九百円で農家は買っておるじゃないですか。委託加工の製粉工場は八百円から八百二十円で売っておる。だから政府から五百八十円で現実に買ったものを、右から左に八百円から八百三十円で売っておる。これはおかしいじゃないですか。どうしてこういうことを改めないか。一般の製粉工場ではそれは委託加工じゃない。払い下げる場合に、この払い下げ価格によって、粉が幾らできる。ふすまは幾らできるというので一応の目安の価格はあります。しかし、これは委託加工じゃございませんから、製粉工場が粉が安くなればふすまを高くする、ふすまが安くなれば粉を高くし得るということで、両方で天びんをとって自分の計算を立てておるわけです。しかし、学校給食のようなものは全く性質が違うんです。こういうことをどうして逡巡してやらないか、というようなことを考えますと、今度の麦ぬかの場合も、私はいつも、育ちが悪いから変なことを言いますけれども、どうも、こんなはっきりした千二百円で払い下げながら麦ぬかについて価格の指示ができないなんていうことは私はおかしいと思う。指示しなくてもいいけれども、必ず政府が責任を持って今度の千二百円から発生する麦ぬかについては幾ら幾らの間に政府は安定させるという御言明がいただければ、私は何も行政指導によるところの価格指示なんというものは必要ないと思う。しかし幾らで売るかという政府からの発表もなくて、ただいたずらに需給関係が緩和するから安くなるだろうというだけでは、私は今までの製粉なり精麦業者に対するところの農林省の行政からいって、どうも私は信用できない、こう思うんです。これについて一つ御答弁をいただきたい。
○国務大臣(周東英雄君) まず第一点についてお答えいたしますが、今後の農政を遂行するについて農業協同組合が重要な役割を持っていることは御指摘の通りであり、私もあらゆる機会においてそれを申し述べております。がしかし、そのことは当然重要な役割を負担していただくということと同時に、農業協同組合のあり方についてもよく反省をしていただいて、新しい立場に立って義務を持ってもらうことも必要ではないか。その上に立って政府は大きくこれを活用するための必要な助成等も行ないたいということを考えております。従ってその意味から言うと、双方大きく信頼関係に立たなければいけないんじゃないかということは御指摘の通りであります。私はその意味においてこのたびの要望にこたえて農協に直接に出そうと思っているのですが、なかなかいろいろこの問題は河野さん御存じてしょうけれども、千、百の中でただ一つの非違を行なうものがおっても、これは大きな問題になります。そこでいろいろの点について何か制限を加えたような格好に見えますが、そういう形で今相談をしております。御趣旨の点はよく尊重して、なお実行問題として私は考えていきたいと思います。しかし、あくまでもその点は昨日農業団体の中央団体の方があいさつに見えましたが、責任を持って私どもはやります、決して間違いは起こしませんということを中央団体の人は言明をして帰りました。その意思を尊重しつつ、なお単協に払い下げる場合における措置については十分考えていきたいと思います。 それから今の安く払い下げる麦について製表工場に対してある程度価格の誘導的な指導を考えたらいいんじゃないかということはごもっともでございます。よく事務当局とも話して、その方向へいって、少なくともこの場合は非常事態であるという考えのもとに飼料対策を考えていきたいと思います。 なお、学校給食等で委託加工されました小麦から出るふすま等の問題については、よく調査の上善処いたすつもりであります。
○河野謙三君 食糧庁長官にお伺いしますが、千二百円の麦を払い下げ、製麦工場で加工をして麦ぬかを作った場合の麦ぬかの農林省から見た適正価格というのはどのくらいになりますか。
○政府委員(須賀賢二君) 千二百円で大麦を払い下げをいたしますと、これを全部麦ぬかに加工をしたという計算をいたしてみますると、大体三十キロ、いわゆる一袋でございますが、三十キロ当たりの原料代が約六百八十円ぐらいにつくわけでございます。それで、それはいわゆる原料費でございますから、六百八十円の原料費に麦ぬかに加工をする経費、それから工場としての妥当な利潤等が織り込まれましたものが、工場出し値ということになるわけでございます。まあ、今度の場合、原料粉というような新しい加工方式でございますから、それ自体の経費としては、私どもは必ずしも確実に把握しておりませんが、おおむね私どもの見当としましては、一袋七百円ないし七百円を若干上回るぐらいのところを工場出し値の一つの目標というくらいの見当に置いております。
○河野謙三君 今のは原料をすりつぶした場合ですね。原料をすりつぶした場合、それじゃ今度の場合は当てはまらぬですけれども、千二百円の麦ぬかを従来通り加工いたしまして、六〇、四〇ですか、そういう従来通りの加工をして出ました麦ぬかの価格は幾らになりますか、適正価格は。従来通りの精麦工場の加工による、六〇%はとるんですか、四〇%を麦ぬかにするのですか、その場合の麦ぬかの価格は。
○政府委員(須賀賢二君) この四十万トンにつきましても、従来通りのいわゆる精麦、その麦ぬか等に従来通りの割合で製粉するという計算をいたしますれば、この四十万トンのものについても、従来六十万トンのものと同じ計算になるわけであります。その場合は、現在の食糧庁の加工賃、加工経費の積算の基礎からいきますれば、今麦ぬかの織り込みはたしか五百八十円であります。
○河野謙三君 ふすまと同じですか。
○政府委員(須賀賢二君) 五百四十円。五百四十円でございますから、そういう計算をする場合には、四十万トンから出る麦ぬかも五百四十円という計算になるわけでございます。ただ、今回の場合は、合計百万トン出る、百万トンの麦を精麦業者に年間売る計画であります。その百万トンの麦のうち、六十万トンの分、従来の五割八分の割合で製品をとりまして、あとの四十万トンは、これは全部麦ぬかにするという計算でやっておりまして、それを両方とも同じ割合で精麦を作ったのではこれは作り過ぎになっちまう。従いまして、一応計算いたします場合は、四十万トンの分は全部麦ぬかになるという計算で私ども考えておるわけでございます。
○河野謙三君 そうすると、全部すりつぶした場合には、この六百八十円というのは、三十キロで六百八十円というのは工場渡しの裸の値段ですか。
○政府委員(須賀賢二君) 三十キロで六百八十円と申しますのは、千二百円の麦を全部すりつぶして麦ぬかにしたという計算をいたします場合、その原料代が三十キロについて六百八十円かかるわけであります。千二百円の麦というのは、それを三十キロに直してみると六百八十円になるということであります。従ってその六百八十円の玄麦に対して、それをすりつぶす経費、工場の適正利潤というものがそれに加わるわけでございます。まあ幾らになりますか、七百円以上になるんじゃなかろうかと思うわけであります。
○河野謙三君 その七百円以上というのは、それは工場渡しの裸の値段ですか。それに包装費とか運賃というのが当然加わってくる計算になるわけですか。
○政府委員(須賀賢二君) 一応考え方としては、工場渡しの裸でございます。
○河野謙三君 そうすると、これはむしろ畜産局から聞いた方がいいと思いますが、そういう食糧庁の計算のもとにおいて、一体末端の農家に渡る価格というのはどのくらいを適正と考えておりますか。
○説明員(花園一郎君) これは中間の値幅というか、需給関係によりまして、大幅に動くわけでございますが、一応ふすまの通常のベースで考えました場合は、末端に及びます場合に、大体三割かかるという感じでございます。しかし、これはあくまでふすまの場合の例でございまして、麦ぬかの例ではございません。麦ぬかの例でございますと、現在これは卸の段階で、食糧庁の織り込み価格とは別に、一応七百円程度の値段が出ておりまして、これは値幅から言いますと、卸の段階までにまあ相当な利潤が出ておるという感じはいたします。
○河野謙三君 どうも大臣ね、お聞きの通りでね。どうも私は、この払い下げるのは、農家に払い下げるのです、という気持です。ところが、団体までのことは考えられるけれども、一体こういう特別の措置をとって、政府が財政負担までして農家のためにやるのですね。だから、そういう措置によって出ている麦が、えさとなって、農家の手元に幾らぐらいでいかなくちゃならん、幾らでいくべきだという計算がまだないのはおかしいと思うのですよ。団体にやるのじゃないのです、私が言うまでもなく。だから、私がさっきから申し上げているように、これだけの特別措置をとったならば、消費者たる農民に一体幾らで届くであろうという、いわゆる公定価格にしないまでも、政府に一つの抑えがなくちゃ、私はおかしいと思うのですよ。それが一点。 それから、もう一ぺん繰り返しますがね、大臣。どうも農業団体に、さっきも大臣御指摘のように、私も数多くの、今までの農林省に意に満たない行為があったということは、私も認めますよ。しかし、さればといって、それをあまりに取り締まろうということで、早く農家に届けるという点がずれちゃ困ると思うのです。三越に行ったって、ローズものはありますよ、あなた。ローズもののない店なんてありませんよ。大量のものを扱えば扱うほど、ローズものは出ますよ。大体三越だってローズものを一割は見ていますよ。かっぱらいだって見ているわけです。かっぱらいだって二%や、三%、デパートはちゃんとあれに見ていますよ。あったっていいとは私は言いませんけれども、ただ、そのかっぱらいとか、ローズものというのは、なくそうとしたってなくなるものじゃないです、これは。そういうものに主点を置いて、重点を置いて、施策を考えて、目的そのものを見失うというようなことが私は非常にあると思うのですがね。これは私はどこをどうしてくれとは言いませんが、どうぞ目的を見失わないように、ぜひ一つ御善処いただきたいということを申し上げて、あと、他の委員からの御質問もあるようですから、一つお願いいたします。
○亀田得治君 大体河野委員から問題点をお触れになったから、私は簡単に一つだけお聞きいたします。それは、この今度農協への直接の払い下げをお考えになった分量は、おおよそ二十万トン、こういうふうに長官の方からは聞いておるわけです。で、もちろんこれは下部の団体からきっと要求が出てきて、要求がそこまでいかなきゃ、もちろん問題ないわけですが、それをこえてきた場合ですね、この精麦業者への渡すものを減してでも、この際は農協の方に渡してやるべきじゃないか。まあ理由を申せば、これはいろいろあるわけですが、ちょうど先ほど河野委員から御質疑があって、その中でも明確になったように、精麦業者を通じて麦ぬかにして渡っていくのは、相当やはり高いのですね、値段が。最終的にはそういうことが予想される。だから、これは緊急対策としてはやはりどうもうまくないので、農協の方でどんどん要求が出てくれば四十万トンと二十万トンの配分というふうな点にはとらわれないで、一つ処理をしてほしいというふうに思うのですが、またそういうふうな態勢を農林省がとっておれば、業者も、関係者もあまりやはり値段の上でも無理をしない、一方ではどんどん出るということになれば。と思いますので、その点だけを、一つこれは大臣から直接、長官からは多少幅のあるようなお答えも聞いているわけですが確かめておきたい。
○国務大臣(周東英雄君) その点は長官のお答えした通りでありまして、一応希望によって処置しておりますから、農業団体の方で現実に即し、必要量の計算に基づいて要求があれば、数量にはこだわりません。
○清澤俊英君 数量にこだわらぬと今おっしゃった、大臣、それはきのうのお話を聞いておりますと、数量六十万トンのうち業者に渡るものが四十万トン、農業団体に渡すものが二十万トンと、数量にこだわっているが、そこはどうなりましょう、重大な問題ですよ。
○国務大臣(周東英雄君) 今亀田さんのお尋ねは、一応二十万トンになっているが、それ以上要求があったら出すかというお尋ねですから、その二十万トンにはこだわらず出しますと、こういう意味です。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。 ここでしばらく休憩し、午後は一時三十分再開いたします。 午後零時二十三分休憩 ————・———— 午後二時五分開会
○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再開いたします。 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を収正する法律案(閣法第一五一号)参議院先議を議題といたします。 午前に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
○安田敏雄君 実は、この法案に関連いたしまして、地域的な特徴的な災害でございますけれども、昨日富士山の北麓におきまして、雪代における被害が発生したわけでございますけれども、この点について少しく当局にお尋ねしたいと思うわけでございます。私は、きのう所用があって富士吉田へ参りましたところ、夕方でございますが、自衛隊や消防団が出動しておりまして、河川へはんらんいたしました土砂の流出作業をやっておりまして、この災害は昨日の午前零時ごろから起きたものでございまして、非常な暖気とそれから強風と雨を伴いまして、富士山の小御岳付近から発生いたしまして、三合目あたりに積もっておりました雪に亀裂を生じまして、それが火山灰を、あすこの特有な火山灰とともに土砂を伴って下方に流出して起きた災害でございます。そして、あすこにおけるところの県有林であるとか、あるいは林道であるとか、そういうようなものを破壊いたしまして、非常な勢いをもって下流に流出したわけでございます。ちょうど富士吉田の下吉田という地域の付近におきましては、宮川という川があるわけでございますが、この宮川の深さが大体三メートルぐらいあるわけでございますけれども、同時に、下流の方が河口湖からの放水路になっております。これに火山灰がたまりまして、約二百メートルぐらいの火山灰がずっとたまっておりまして、この土砂を消防団と自衛隊が流出作業をしておったのでございますが、幸いにしまして、雨が早く上がり風がやんだものでございますから、被害が最小限度に済んだわけでございます。こういうことでございますけれども、ことし、すでにこの災害が二回発生しておりまして、毎年小さい災害が繰り返されておるわけでございます。 ところが、被害がなぜこのように拡大したかと申しますというと、上流に起きた、富士山のふもとに起きた雪代、地方では雪代と言っておりますが、雪どけ水でございますけれども、これが米軍の演習地及びその付近を通って流れるために、よけい災害がひどくなってくるという結果が言われておるわけでございます。従って、こういうものに対するところの対策を当局にお聞きしたいわけでございますけれども、従来、この富士山の付近におけるところの砂防であるとか、あるいは防災関係の工事というものはほとんど顧みられなかったというところは、毎年災害が繰り返される大きな原因があるのではないかと、こういうように考えるわけでございます。 それから、もう一つは、御存じのように、地元の、要請に基づいて調達庁が農林省に特撮工事を施行さしておるわけでございますが、この特撮工事が部分的に行なわれておりますが、その特損工事のあった個所につきましては、幸い、被害がないわけでございますけれども、特損工事をやらない方面の方におきましては、かえって被害がひどくなった、激しかった、こういうことになるわけでございますが、こういう点について今まで放置せられたというこの防災工事につきまして至急調査をして、農林省当局で適当な一つ今後における措置を講じてもらうということが必要ではないかと、こういう観点からいきまして、幸いちょうど農林施設災害復旧事業費の問題が審議されておりますから、当局に、起きた問題といたしましてお尋ねするわけでございますが、これに対する考え方と、一応今後の、特徴的な災害でございますから、至急調査方をお願いしたい、こういうわけで御質問申し上げたわけでございます。一つよろしく。
○政府委員(伊東正義君) 今の御質問の点でございますが、実は私の方にまだはっきりした報告が県から参っておりませんので、内容等につきまして御説明まだいたしかねますが、もしも河川溢水でございますとか、あるいは決壊等で農地農用施設がやられた、こういうことになりますと、当然暫定法の補助の対象になるわけでございます。それから先生がおっしゃいました特別損失、補償法に基づく工事だと思いますが、これがそういう米軍がやりました演習と因果関係がはっきりしているということになりますと、これは私の方では実は工事はいたしておりませんが、調達庁関係で十割で工事をいたしております。ただ本件がそういうものでございますかどうかということは、私ども報告を受けておりませんのでわかりませんが、農地農用施設に被害があれば当然どちらかで災害復旧の対象になることはその通りでございます。今先生おっしゃいました特損工事が、この辺に行なわれているというお話でございますが、実は農林省が委託を受けてやっておりますのは、山中湖から桂川に出ます上流のところ、これは金額は六千万円の工事でございますが、三十四、三十五年でその桂川の最上流の改修等はやっております。あと二千万残るわけでございますが、その部分だけが実は農林省が委託を受けてやっている工事でございます。全国に調達庁から委託を受けてやっている工事は、農林省が委託を受けておりますのは、技術的な問題がございますので、用水路関係だけを実は委託を受けてやっておりまして、一般の砂防でありますとか、防災関係等はこれは調達庁が直接やる、こういうやり方をやっております。先生の御指摘の富士吉田近辺は、もしやっているものがあるとすれば、それは実は調達庁でやっている仕事でございます。農林省が委託を受けておりますのは、先ほど申し上げました梓川上流分だけでございます、それで今先生がおっしゃいましたように、これは農林省でもさっそく調査いたしますと同時に、調達庁にも連絡して、これはどこがやることになりますかわかりませんが、調達庁にも連絡をいたしまして、向こうでも調べてもらうように至急に手配いたしたいと思います。
○安田敏雄君 富士山周辺のこの防災工事といいますか、そういうようなものについては、ほとんど県が貧弱でございますから、従来から少し等閑視されてきたという問題が一つあるわけであります。 それからもう一つの問題としては、この被害が、昨日は、この写真にありますように、非常に町の中へ土砂がもう堆積してしまったということからいたしまして、上流地帯における被害調査というものは、まだきのうは全然進められておらなかった。すなわち林道であるとか、県有林であるとか、あるいは恩賜林というものについては、調査が全然していなかったということでございますが、下流方面におきましても約五町歩ぐらいの農地が冠水あるいは流失しているわけであります。そうしますというと、また調査が進みますというと、もっと被害がたくさん出るのではないか、こういうように考えられますので、やはり県も貧弱でございますから、農林省の方で積極的に一つ現場を調査していただいて、そうしてこの本法の対象になるものについては、ぜひ一つ吸い上げてやって今後の一つ対策をしていただきたい、こういうように重ねてまあ要望しておく次第でございますけれども、一つよろしくお願いしたいと思います。
○政府委員(伊東正義君) 御趣旨を体しまして、すぐに調査を始めまして、どちらで、先ほど申しましたように調達庁が関係あるかどうかということも調べますし、もしそうでなければこの暫定法で取り上げるということにいたしたいと思います。
○委員長(藤野繁雄君) 本案については、本日はこの程度にいたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) この際魚価安定基金法案(閣法第七四号)、漁業生産調整組合法案(閣法第七五号)及び漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)、以上いずれも予備審査の三案を一括し議題といたします。三案についてはすでに提案理由の説明を聴取いたしております。本日は三案についての補足説明を順次聴収をいたします。
○政府委員(西村健次郎君) 魚価安定基金法案の提案理由につきましては、過日御説明申し上げた通りでございますが、本法律案の趣旨及びその概要につきまして、私から補足的に御説明申し上げます。 わが国の漁業は、最近における漁船の大型化、合成繊維漁網の普及、魚群探知能力の向上その他の技術的発展等により、その漁獲量において、順調な増加を示しておりますが、この中で、サンマ、スルメイカ、アジ、サバ等のいわゆる多獲性の水産物の増加が顕著でございます。これらの多獲性の水産物につきましては、その漁獲が地域的にまたは時期的に、水揚げ港における輸送、冷蔵、冷凍、加工等の処理能力を越えて集中して水揚げされ、盛漁期にその魚価が暴落し、いわゆる大漁貧乏の現象を呈することがしばしばありまして、これに関係いたします漁業者の経営を著しく不安定なものといたしておりますことは、提案理由で御説明申し上げた通りでございます。今後における国民経済の成長発展に即応し、中小漁業者の所得水準を高め、国民経済において正当な地位を確保し得るよう、これら漁業者の経営を不安定ならしめている要因を除去するために、総合的な施策を樹立することが要請されています。 政府といたしましても、鋭意その対策を検討した結果、一方におきまして、漁業者団体における出荷調整の機能を考慮いたしまして、冷蔵庫、冷蔵自動車の設置及び主要生産地市場における情報センターの設置につきまして、所要の予算措置を講ずる等、流通改善のための施策を推進することといたしておりますが、これらの措置にあわせまして、漁業者が生産面において自主的に適切な調整を行なう組織を設けるため、漁業生産調整組合法案を提出いたすとともに、これと相待って生産及び流通の調整等の事業につき助成をする組織を設けるため、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容について概略御説明申し上げます。 第一は、この基金の性格でありますが、魚価安定基金は、多獲性の水産物の価格の著しい低落がこれに関係する中小漁業者の経営の安定を著しく阻害している事態にかんがみまして、漁業生産調整組合、水産業協同組合等が、多獲性の水産物の価格を安定させるために行なう調整等の事業につき助成をすることによりまして、漁業経営の安定に資することを目的として設立される法人であります。法人組織にいたしましたのは、政府、都道府県及び民間団体の協力により、本事業を運営するという見地から、これらのものの出資により基金の造成を行なうこととした次第でありますが、そのためには、このような制度が最も適当であると考えたためであります。 第二は、基金の資本金及び出資に関する規定であります。基金の成立の当初における資本金は、一億六千万円を下るものであってはならないと法定しておりますが、このうち政府は、八千万円を出資することといたしたのであります。その他の出資者といたしましては、都道府県のほか、この基金の業務に関係する諸団体に広く協力を願う趣旨から、漁業生産調整組合、水産業協同組合及び水産加工業を営む者が組織する中小企業等協同組合を予定いたしておりますが、都道府県の出資につきましては、地方財政の健全性を確保するため、自治大臣の承認を要することといたしたのであります。 第三は、この基金の管理に関する規定でありますが、基金の管理につきましては、一般的な方針といたしまして極力事務の簡素化をはかり、その事務費の節減に努力して参る所存でございますが、役員の定数についても、これを必要な最少限度のものとするため、総数を五人以内に限定した次第であります。また、基金の業務の能率的、かつ、適正な運営をはかるため、基金に理事長の諮問機関として評議員会を置き、基金の業務に関する重要事項を調査審議することといたしたのであります。 第四は、基金の業務に関する規定でありますが、基金は二つの業務を行なうものといたしました。 その第一点は、出資者たる漁業生産調整組合に対する資金の交付であります。漁業生産調整組合が行なう事業につきましては、この法律案とともに御審議をお願いいたしております漁業生産調整組合法案の御説明で申し上げましたように、二種類ございます。一つは、一般的な制限として、休漁日の設定、積載量の制限等を予定しておりますが、他の一つは、一定の事態において、以上の制限を行なっても、なお調整事業が十分な効果を上げ得ない場合に、一部の組合員を対象としまして陸揚げの制限を行なおうというものでありまして、その一部の組合員に対しては一種の犠牲をしいることにもなるわけでありまして、この場合に、漁業生産調整組合が、これらの組合員に対して調整金を支給することといたしておりますが、基金は、この調整金の支給に要する経費の全部または一部に相当する金額を交付することにより、漁業生産調整組合の事業の円滑な実施を確保しようというものであります。 その第二点は、出資者たる水産業協同組合または中小企業等協同組合に対する資金の交付であります。これは、従来実施して参りました水産物流通調整事業に所要の改称を加え、この基金の事業として制度的に確立いたしたいというものであります。水産物流通調整中業は、系統漁協が実施するサンマかす及びスルメイカの調整保管事業につきまして、一定の条件により、保管期間中の金利相当分を助成することにより、その原料魚であるサンマ及びスルメイカの価格の著しい低落を防止しようとするものでありますが、魚価安定の実効を期するために、多獲性の水産物の生産及び流通の実態に即応した改善が強く要請されていたのであります。 このため、新たに基金の事業といたしまして、出資者たる水産業協同組合または中小企業等協同組合が一定の条件のもとに、多獲性の水産物を加工し、またはこれを原料として製造した製品を、その加工者または製造者の委託を受けて保管及び販売をした場合に、当該組合に対し、その製品の保管に要する経費、すなわち金利及び保御料相当額を限度とする金額を交付することにより、魚価の安定をはかろうとするものであります。この場合、基金の業務の対象といたします製品は、政令で指定することとしておりますが、さしあたり昭和三十六年度におきましては、サンマかすを指定する予定にしておりまして、その他のものにつきましては、諸般の情勢が整備されれば、漸次拡充をしたいと考えております。 第五は、基金の財務及び会計に関する規定であります。 基金は、毎事業年度、収入及び支出の予算、事業計画並びに資金計画を作成した場合、また財務諸表及び決算報告書を作成した場合には、農林大臣の承認を受けさせることとし、財務及び会計の健全化を期することとした次第であります。 また、基金は、その資産を金融機関への預金、国債その他の有価証券の取得等の方法によって運用して得られる果実により、その業務を実施することを原則としておりますが、多獲性の水産物の生産、流通及び価格変動の実態から見て、毎年の事業量にかなりの変動が予想されますので、とくに必要があると認められる場合には、農林大臣の承認を受けて一定の範囲内で基金の元本を取りくずことができることといたしてまして、基金の業務の運営に遺憾のないようにに措置したいと考えております。 その他、この基金の行ないます業務は、いずれもきわめて公益性の高いものでありますため、それが適正に行なわれるよう、この法律案は、若干の監督規定を設けるほか所要の罰則規定も設けてあります。また、この基金に対しては登録税法その他の税法上の特例を設けてあります。 以上で、本法律案の趣旨及び概要についての補足説明を終わらせていただきます。 次に、漁業生産調整組合法案の趣旨及び概要の補足説明をいたします。 漁業生産調整組合法案の提案の理由につきましては、さきに、御説明申し上げた通りでありますが、本法案の概要及びその趣旨につきまして、私より補足的に御説明申し上げます。 わが国の漁業において重要な地位を占める中小の漁船漁業は、一般にその経営が不振でありますが、なかんずくサンマ、イカ、アジ、サバ、イワシ等いわゆる多獲性の大衆魚の採捕を目的とする漁業については、時期的な過度の漁獲により、陸揚地の輸送、保蔵、加工等の処理能力の限度をこえて陸揚げが集中するため、魚価が暴落し、いわゆる大漁貧乏の現象を生ずることがしばしばあり、その経営が著しく不安定となっておりますことは、すでに提案理由で御説明申し上げた通りであります。このような中小漁業の経営の安定をはかるためには、一方において陸揚げ後における水産物の流通を調整することが必要でありますが、他方この種の漁業の特質上、その前提として漁業生産自体の調整を行なうことが必要となって参るのであります。かような見地に心づきまして、今般別途御審議願うこととしております魚価安定基金法案を提出いたし、中小漁業者等が自主的に生産の調整を行なうための組織として漁業生産調整組合を設けることができるようにするとともに、必要な場合に国が直接漁業生産活動の規制に関する命令を発することによってこれを補完する措置を講ずることができるようにするため、所要の立法措置を講ずることとし、今回この法案を提出した次第であります。 次に、本法案の内容について概略御説明申し上げます。 この法案の骨子の第一点は、この法案の適用を受ける漁業は政令で指定することとしていることであります。この指定の対象となるのは、一定の海域においては多獲性の水産物の採捕を目的とする漁業でありますが、その指定の要件は二つありまして、その第一は、その漁業を営む者の中で中小漁業者の占める地位が高いこと、すなわちその漁業を営む者の総数の三分の二以上が中小漁業者であり、かつ、その漁業における生産活動の相当部分が中小漁業者により行なわれていることを必要としております。その第二は、生産の調整を必要とする事態であること、すなわち、時期的に過度の漁獲が行なわれることにより、しばしばその漁獲、物の価格が著しく低落し、その結果その漁業を営む中小漁業者等の経営の安定が阻害され、または阻害されるおそれがあるということであります。このような要件に合致する漁業を政令で指定するのでありますが、その指定の仕方は、一定の操業区域において一定の魚種を一定の漁法により採捕する漁業というように行なう予定で、具体的な対象としては、さしあたり、千葉県以北の太平洋におけるサンマ棒受網漁業、山陰地方におけるアジ・サバ・イワシまき網漁業、東海黄海におけるアジ・サバまき網漁業、青森県沖合いの太平洋におけるイカ釣漁業等を考えております。 第二点は組合の設立の仕方であります。組合は法人と、しておりますが、組織の原則としましては、この種の組合の例に準じ、営利を目的としないこと、組合員が任意に加入しまたは脱退することができること、組合員の議決権及び選挙権が平等であることの三つの要件を備えなければならないことといたしております。組合は指定漁業ごとに設立するものとし、かつ、重複設立を避けるため、指定漁業ごとに一側としております。指定漁業は、さきに申し述べました通り、一定の操業区域ごとに指定することになっておりますので、組合は、陸揚げの地区によらず一定の操業区域を単位として設立されることになります。また一度設立された組合は、この種漁業の性格にかんがみ、対象漁業が指定漁業としての要件を備えるものとして指定を受けている限り、一時的な事情に左右されず、常時存置し得るものといたしております。次に、組合員たる資格につきましては、小規模の漁船を使用して営む者については、漁獲量の全体に占める割合もきわめて小さく、また経営の規模が零細なために調整事業に参加せしめることが必ずしも必要、かつ、適当とは考えられない場合もありますので、組合の定款で一定規模以上の漁船を使用する者に限定することができることとしております。組合の設立の要件といたしましては、中小漁業者が主体となり、かつ、調整事業の効果を十分に発揮し得る場合にのみ設立を認めるという見地から、組合員たる資格者の三分の二以上が組合員となるとともに、組合員たる資格者の三分の二以上が中小漁業者であり、かつ、総組合員の三分の二以上が中小漁業者であるものでなければ、設立することができないこととしており、さらに、設立については、農林大臣の認可を受けることを必要とし、農林大臣は認可の申請が一定の要件に適合する場合に認可を行なうことにいたしております。 第三点は、組合の事業に関してであります。漁業者の協同組織による経済的地位の向上につきましては、水産業協同組合系組織による経済事業に期待することとして、漁業生産調整組合は経済事業は行なわず、生産調整事業とこれに必要な最少限度の事業に限定しております。すなわち水産業協同組合と漁業生産調整組合は、それぞれ事業の分野を分かちつつ、相協力して漁業経営の安定に資することを期待している次第であります。組合の必須事業である調整事業につきましては、二種類ありまして、一つは、組合員の行なう当該漁業の目的とする水産物の採捕、運搬または陸揚げに関する一般的な制限であり、具体的には休漁日の設定、漁獲物積載数量の制限、運搬船の使用隻数の制限等を予定しております。 他の一つは、組合員の一部を、対象とする陸揚げの制限でありまして、一定の事態において一般的な制限を行なっても、なお調整事業十分な効果を上げ得ないような場合、これを具体的に申しますと、サンマ漁業において一定の港に陸揚げをしようとする漁船の漁獲物がその港における輸送、保蔵、加工等の処理能力をこえ、かつ、価格が著しく低落するような場合におきまして、一部の組合員の漁船に対して陸揚げの停止をさせることを予定しているのであります。この場合には、その対象となる組合員に一種の犠牲をしいることにもなりますので、組合がその組合員に調整金を支払うこととするとともに、魚価安定基金からその組合に対し、それに要する経費の全部または一部を交付することとしておるのであります。 組合が以上の調整事業を実施しようとする場合には、制限の種類、方法、実施の期間等を調整規程で定め、農林大臣の認可を受けなければならないこととしております。農林大臣は、調整規定の認可を行なうにあたっては、その調整事業が指定漁業の経営の安定をはかるために必要な最少限度をこえないこと、不当に差別的でないこと、一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないことの三つの要件に適合しなければしてはならないものとしております。 組合の事業としては、調整事業のほか、任意事業として組合員に対する情報提供手業と組合員のためにする組合協力の締結があります。組合協約は、組合員の経営の不安定な事態を克服するために締結するもので、調整事業に関しては陸揚地市場の卸売業者、漁獲物運搬業者、組合員資格を有する員外者と締結することができ、その相手方は正当な理由がない限り、その交渉に応じなければならないこととするとともに、必要がある場合には、農林大臣が交渉の当事者に対し勧告を行なうことができるものとしております。また調整事業に関する組合協約のうち、とくに組合員資格を有する員外者と締結するものについては、調整規程と同様の趣旨から農林大臣の認可を必要とすることにいたしております。 そのほか、組合協約は、組合員と取引関係がある事業者との同においても締結することができることにしております。この場合、相手方は誠意をもってその交渉に応じなければならないものといたしております。 第四点は漁業生産活動の規制に関する命令であります。すなわち、組合の自主的な生産調整事業では十分な効果を上げ得ないような場合には、一定の要件のもとに農林大臣が直接に組合の調整事業と同様の制限を定めて組合員たる資格者全員に対しこれに従うべきことを命ずることができることとしております。そしてその発動は、組合員たる資格を有する員外者の漁業生生産活動が調整事業の前提となっている経営不安定の事態の克服を阻害しており、または組合の統制力が十分でないため、自主的な生産調整ではかかる事態の克服ができず、もしくはその方法が適当でないと認められる場合において、このような状態の継続することが、当該漁業の経営の安定に重大な悪影響を及ぼし、国民経済の健全な発展に著しい支障を生ずるおそれがあると認められるときに限って行なわれるものとしているのであります。この命令の内容は、当該組合の組合員たる資格者が行なう当該漁業の目的とする水産物の採捕、運搬または陸揚げに関する一般的な制限について、当該組合が総会の議決を経て農林大臣に申し出た場合に限り、当該組合の調整規程の内容を参酌して定め、農林省令をもってすることとしております。 第五点は、いわゆる独禁法の適用除外についての定めであります。すなわち、農林大臣の認可をうけた調整規定または組合協約及びこれらに基づいてする行為には、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の規定は、不公正な取引方法を用いるとき等を除いては適用しないこととし、他面、農林大臣は調整規程もしくは組合協約の認可をしようとするとき、または漁業生産活動の規制に関する命令をしようとするときは、公正取引委員会に協議しなければならないものとしております。 第六点は、農林大臣は漁業の指定についての政令の制定、改廃の立案をしようとするとき、または漁業生産活動の規制に関する命令をしようとするときは、中央漁業調整審議会に諮問しなければならないものとするとともに、この法律の施行に関する重要事項についても同審議会の意見を聞くことができるものとしております。このため中央漁業調整審議会の増員をはかり、新たに一般消費者及び関連事業者をも委員に加え、さらに部会の設置もできるようにして、この法律の適正な運用に資したいと考えております。また、調整規程もしくは組合協約または漁業生産活動の規制に関する命令の実施が関係都道府県における水産業に著しい影響を及ぼすと認めるときは、調整規程もしくは組合協約の認可をし、または規制命令を発する前に、あらかじめその都道府県知事の意見をきかなければならないものといたしております。 以上のほか、組合の管理、解散等につきましては、この種の組合の例に準じ所要の規定を設けますとともに、組合の事業に対しましては、農林大臣が十分な監督を行なうこととし、一定の場合には組合に対し必要な措置をとるべきことを命じ、あるいは組合の解散を命ずることができるものとしており、さらにこの法律の違反に対しては罰則を設けて、実効の確保をはかっております。また、組合の中業については一定の場合に非課税の特典を認める等のため、附則で関係法律の改正をすることといたしております。 以上で本法案の概要と趣旨についての補足説明を終わります。 ————————————— 次に、漁業権存続期間特例法案の提案理由につきましては、さきに御説明申し上げた通りでありますが、本法案の概要及び趣旨につきまして、私より補足的に説明申し上げます。 沿岸漁業は、いわば低所得、不安定を特質とする産業として停滞的でありますので、その振興をはかるため、政府におきましては各種の施策を講じておりますが、これらの施策と相待ってそのよって立つ漁場の利用及び漁業者の協同組織のあり方自体について根本的な検討を加える必要があるのではないかと考えられます。そこで、昭和三十三年六月農林省に漁業制度調査会を設け、漁業に関する基本的制度の改善をはかるための方策を調査審議していただくことといたしましたことは、提案理由の説明の際に御説明申し上げた通りであります。 漁業制度調査会の最終的な答申は、本年三月末に行なわれましたので、政府においては、この答申に基づきまして、漁業法、水産業協同組合法等の改正案を取りまとめ、次の通常国会に提案いたしたいと考えております。ところで、現行漁業法に基づいて免許されております漁業権は、おおむね本年八月三十一日及び十二月三十一日に満了することになっておりますが、漁業権の切りかえは改正後の漁業法によって行なうことが妥当と考えられるのでございます。なお、漁業権の切りかえ免許には、漁場の測量、調査、漁場計画の海区漁業調整委員会への諮問、公聴会の開催、漁場計画の公示等、その準備に約一カ年の期間を必要としますので、これらの期間をも見込みまして、ほぼ二カ年間漁業権の存続期間を延長することができるようにいたしますため、この法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の内容につきまして概略御説明申し上げます。 第一点といたしまして、本年八月一日現在存在する漁業権で、昭和三十八年八月三十日までにその存続期間が満了するものにつきましては、漁業法に定めております存続期間の特別措置として、後に御説明申し上げます特定の漁業権を除き、昭和三十八年八月三十一日、同年十二月三十一日または昭和三十九年三月三十一日のうち都道府県知事が漁業権ごとに指定する期日まで、ほぼ二カ年間延長することにいたしております。三つの期日を選びました理由は、漁場の総合利用という見地からすれば、できるだけ一斉に切りかえを行なうことが望ましいのでありますが、他面、地域により、または漁業の種類によりまして、漁業の時期も異なっておりますので、これらの点も考慮し、実情に即し円滑に実施されるよう、漁業制度改革の際の例に準じ三つの期日とした次第でございます。 存続期間の延長措置をすべての漁業権について一律に適用することは妥当でないと考えられますので、次の二の場合には適用しないことといたしております。その一は、漁業調整その他公益上の必要により漁業権の取り消しの事由があるか、またはその取り消しの事由が昭和三十八年八月三十一日までに発生することが確実なものであります。この事由に該当するかどうかは、現地における具体的な事情を十分調査し、海区漁業調整委員会に諮問した上で、都道府県知事が認定することといたしております。他の一つは、漁場の敷地が他人の所有に属するか、またはその漁場の水面が他人の占有にかかる漁業権で、その所有者または占有者から存続期間の延長につき同意が得られないものであります。海面下の敷地や河川法の適用を受ける河川の敷地は私的所有の対象となりませんので、漁場の敷地が他人の所有に属する場合に該当する場合は、準用河川、ため池、沼等敷地の場合であります。また、漁場の水面が他人の占有にかかるものは、公有水面埋立の免許にかかる水面等の場合であります。これらの二つの漁業権につきましては、公益上の必要性または他の私権との調和をはかる観点から、特例措置により延長することは妥当でないと考えまして除外することにいたした次第であります。 第二点といたしまして、この法律の施行の日から昭和三十八年八月三十一日までの間に新たに免許される漁業権につきましては、さきに申し述べました特例措置と同様の趣旨によりまして、その存続期間を昭和三十九年三月三十一日をこえない範囲内において都道府県知事が漁業権ごとに定める期間までとすることにいたしております。 その他権利関係の安定をはかるため、延長措置の適用を受ける漁業権と適用を受けない漁業権をできるだけ早く区別し、それぞれ公示等の規定を設けております。 以上で、本法案の概要と趣旨についての補足説明を終わります。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で三案の補足説明は終わりました。 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。
○千田正君 漁業権の問題で、過去においていろいろ問題が起きて、それを調整したもの、あるいはペンディングになっているようなもの、今度のあれに参考になるようなものがありましたらいただきたい。
○政府委員(西村健次郎君) 今の具体的な内容まで、あるいはモデル的なもののようでございますか。
○千田正君 モデル的なもの、重点的なものでけっこうですから……。
○政府委員(西村健次郎君) わかりました。
○亀田得治君 それから魚価安定に関する今までの資料ですね、値段の上下等の。それも一つ適当に出して下さい。
○政府委員(西村健次郎君) これは、魚価安定基金法、漁業生産調整法とも関連すると思いますのでこれに関連する資料をできるだけ私どもの方でお出しすることにいたします。また、それで御不満、御要求があれば、さらに調整してお出しすることにいたします。
○清澤俊英君 漁獲高と、それからそれの年別、大衆魚に対する年別のなにを資料として出して下さい。
○政府委員(西村健次郎君) 今の御要求のような資料は、私どもの方で用意いたしておりますから、お配りすることができます。
○河野謙三君 資料のいろいろ準備ができておると思いますが、漁港別の輸送施設、輸送能力、こういうものはございますか。ありましたら、もしかりになくても、要するに、魚価安定のために、やはり輸送力というものが大きな影響がある。この輸送能力、輸送施設、これらにつきまして、できましたら資料をいただきたい。
○政府委員(西村健次郎君) 今御要求の資料も、御要求に沿うようなものがあると思います。また、私どもの方でできるだけそれに沿うように作ってみたいと思います。
○清澤俊英君 追加して。さっきから中小企業、中小漁業こう言われる。それの区分ですね。はっきりとした。船ならば何トン以上何トンまでが、というようなものを出していただきたい。それから中小企業は資本関係、資本関係になるだろうと思いますが、大体資本金がどれくらいのもの以下を中といい、どれくらい以下を小というか、それらの区分、それを出していただきたい。
○政府委員(西村健次郎君) 御趣旨のような資料をお出しいたします。
○委員長(藤野繁雄君) 三案については、本日はこの程度にいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後二時五十一分散会