農林水産委員会 第20号
- 発言数
- 50 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1961/03/24
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第一〇〇号)を議題といたします。 本案は、昨日衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。 本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
○東隆君 私はこの開拓融資保証法の一部を改正する法律案の関係は、やはり中心は開拓農家の経営をりっぱにして、そうして既存の農家と同等に早くなるようにすることがこれが必要なことだと、こういうふうに考えるわけであります。従って、そういうような方向に進めていくのには、私は今の開拓農協そのものがどちらかと申しますと、非常に農業協同組合法の特殊農協として成立をされてそうしておる関係から、流通その他の面における仕事はこれはやり得る態勢でありますけれども、開拓の当初から一番必要な共同で開拓をやる、こういうような面になりますると、実は非常に障害が多いと思うのであります。それで、一番初めに開拓地に入植をする農家は、これは当然居小屋から始まってみんな共同でもって生活をする、そういうようなことをやったのが歴史的なこれは経過であります。そういうようなことを私どもよく承知をいたしておりますので、開拓農家が作るところの協同組合というものはもっと開墾そのものに共同の力でもってやり得るような態勢、あるいは耕作の方面においてももっと共同でやり得るような態勢、そういうようなものをやり得るような法律的な基礎があることが必要だと、こういうふうに考えておったわけでありますが、たまたま農業基本法その他において、農業生産協同組合でありますか、そういうようなものの考え方も出ておりますし、協同組合法の一部改正、あるいは農地法の一部改正、そういうような面と相待って、開拓農協そのものを改編してもいい時期に到達しておるのではないか、こんなような考えがいたしますので、農林省の方でそういう点についての構想がございまするならば、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(伊東正義君) 開拓農協の御質問でございますが、これは先生も御承知のように、四千百くらいありますらちに、ごくわずかな、二十戸未満くらいの開拓農協が二千数百ございます。非常に農協の形として見ますと弱小といいますか、の農協でございます。過去におきましてはこういう農協の形で経済的な問題以外のいろんな入植者の世話をする、行政関係までの世話をするというようなことをやっていたことがありますが、こういうふうな開拓の営農がなかなか進んでいかぬというような問題もあり、今後金融面等でも非常に問題になってきますと、今のままの開拓農協でいいかどうかということはやはり非常に問題でございます。それでこれは開拓審議会におきましても開拓農協についてどういうふうに持っていくのだということは、金融の問題とからみまして、非常にまあ議論されております。まだ結論は出ておりませんが、開拓農協の関係の人々は、開拓農協として独自の存在をもっていきたいという主張をしておりますし、特に金融画等の人はそういうことは無理じゃないかというような意見も出ておりまして、まだ最終的な結論には至っておりません。至っておりませんが、農林省といたしましては、今先生がおっしゃいましたように、開拓農協を特殊なものとして考えていくという考え方をいつまでもとるのはどうであろうか、一般の総合農協というものに加入しまして、総合農協の力を借りていくということも、相当出てくるのじゃなかろうか、またそうすべき面が多分にあるのじゃないかというふうに考えております。 もう一つの、おっしゃいました農業生産協同組合の問題は、これは従来は、農協は農業を営むことはできないという解釈をとっておりましたので、今度農協法の一部改正をしまして、新しく農業生産協同組合というものを作るわけでございますが、一つの小さい今までの開拓農協の行き方として、そういうことに切りかわるということも、これは地域により、あるいは組合の希望により、こういうことも出てくるであろうかと考えております。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて下さい。 開拓融資保証法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤野繁雄君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。 この際、お諮りいたします。委員長及び理事打合会において御協議をいただきました本案に対する附帯決議案を、便宜私から提案申し上げ、委員各位の御賛成を得たいと存じますが、まず案文を朗読いたします。 政府は、速かに、開拓金融制度に全面的検討を加え、これが根本的な改善を図るとともに、開拓者の負債の実情を明らかにして、これが整理に関し、抜本的な措置を考究すべきである。 右決議する。 以上でございます。 別に御発言もなければ、だたいまの附帯決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ただいまの附帯決議について発言を求められております。これを許します。
○政府委員(井原岸高君) 委員会満場によって附帯決議がなされたわけでございますが、御趣旨十二分に尊重いたしまして、政府におきましても善処いたしたいと存じます。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案(閣法第九八号、予備審査)を議題といたします。 本案に対する提案の理由の説明は、三月二日聴取いたしました。本日は、まず、本案についての補足説明を求めます。
○政府委員(坂村吉正君) それでは、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、補足説明を申し上げます。 農林漁業金融公庫は、農林漁業者に対しまして、農林漁業の生産力維持増進に必要な、長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通することを困難とするものに融通することを目的として、昭和二十八年四月に設立されたのでありますが、設立以来八年、公庫はこの目的に従いまして、長期低利資金を融通して参っております。この間に公庫の貸し付けて参りました資金の額を年度別に見ますると、お配りいたしてございます資料の二ページでございまするが、二ページに、年度別の貸付の累計が目的ごとに整理をされておるのでございます。年度別、業種別貸付決定実績というのがございまして、これは特別会計のときに、昭和二十六年から三十四年までのものを整理をいたしております。一番下の総計というところについて申し上げますと、二十六年、二十七年は特別会計のときでございます。二十八年度から公庫になりましたわけでございますが、二十八年度は二百七十九億円、それから二十九年度は二百六十一億円、三十年度は二百八十八億円、三十一年度は三百八億円、三十二年度は三百四十億円、三十三年度は三百六十九億円、三十四年度は四百六十四億円、こういうことになっておるのでありまして、三十五年度には、大体今の予定では五百二十五億円というものが見込まれております。これを公庫の前身でありました農林漁業資金融通特別会計時代をも合計をいたしまして、二十六年から合計をいたしまして累計をいたしますと、三十五年度末におきましては約三千二百億円という累計になりまして、その融資残高は約二千百億円という額に達する見込みでございます。 次に、これを業種別におもなるものについて見ますると、三十五年度末におきますところの累計の見込み額は、土地改良で一千二百四十六億円でございます。それから林業で三百六十七億円、漁業で二百九十億円、塩業で百三十四億円、共同利用施設及び新規用途事業で三百九十七億円、主務大臣指定施設で六十七億円、開拓で四十二億円、総合対策事業で百三十九億円、自作農維持創設で四百七十六億円、こういうことに相なります。以上のような貸付を行ないますための資金調達は出資金と借入金がありますけれども、三十五年度末におきましては、政府の出資金は八百六億円、借入金の残高は千二百四億円に達する見込みでございます。この借入金は、大部分が資金運用部特別会計と簡易生命保険及び郵便年金特別会計からのものでございます。 次に、公庫の貸付利率でございますが、これは御承知の通り、非補助小団地等の土地改良事業の年三分五厘を初め、年四分から七分五厘までの範囲におきまして、業種別に異なっておりますけれども、その総体の運用利回りは、ほぼ五分五厘前後の非常に低い率と相なっておりまして、ほかの機関に比べまして長期低利資金を融通します農林漁業金融公庫の特色を出しておるようなわけでございます。 以上が大体過去の公庫の貸付実績の概要でありますが、昭和三十六年度におきましても前年度に引き続きまして、重要農林漁業施策に即応いたしまして、さらに積極的に農林漁業の生産基盤の強化と経営安定に必要な資金の融通を行なうため資本金を増額いたしますとともに、新たな業務として林業経営の維持及び改善に必要な資金の貸付等ができますように法律改正を行なう必要がありまして本法律案を提出した次第でございます。 以下農林漁業金融公庫法の改善の内容について申し上げますが、第一点は、出資金の増額でございます。三十六年度におきましては、貸付額は前年度予定計画よりも八十三億円増の六百億円を予定いたしておりますが、これは農業近代化資金制度創設に関連いたしまして、共同利用施設及び主務大臣定指施設の一部を農業近代化資金に移すということも考えますると、実質的には百億円以上の増加になるものというふうに考えております。 三十六年度の貸付予定計画のおもなものを申し上げますと、これはお配りしてございまする資料の三ページでございますが、三ページが三十六年度の貸付予定計画の表でございます。昭和三十六年度貸付予定計画と前年度との対比でございます。これにつきまして、おもな点を申し上げますると、土地改良が二百八億円、林業が五十五億円、それから漁業が四十七億円、共同利用施設及び新規用途事業が二十一億円、総合対策事業が四十三億円、自作農維持創設が百六十億円でございます。この六百億円の貸付決定を行ないまするためには、前年度に貸付決定をして三十六年度に資金を交付いたしまする分が二百四億円ございます。これを含めまして五百六十四億円の資金交付をいたす必要がございます。このために財源として自己資金、すなわち回収金から借入金の返済分を差し引きました額及び繰越金百五十億円が見込まれておるのでありますが、そのほか四百十四億円を出資金と借入金によらなければならないということになるのでございます。そこで公庫の資金運用利回り、諸経費率といった公庫の経理状況と国の財政投融資、財源の事情も勘案いたしまして、出資金といたしましては一般会計からの造林事業のための出資金九億円、それから産業投資特別会計からの出資金八十億円、借入金といたしましては、資金運用部特別会計から二百六十八億円と、簡易生命保険及び郵便年金特別会計から五十七億円の借入金をいたすこととしているのでございます。以上の通り、政府が一般会計及び産業投資特別会計から八十九億円を出資することとなっておりまするので、公庫法第四条に規定されております政府の出資金の額を改正することといたしたのでございます。 第二点は、公庫の新たな事業として、林業経営の維持または改善に必要な資金の貸付を加えることでございます。林業はその性格上特に長期かつ低利の資金を必要とするものでありまして、従来とも造林資金、伐採調整資金、林道資金等の長期低利資金を融通して参りましたが、業種別貸付残高について見ますと、林道に対するものは共同利用施設等を除いても総貸付残高の約一二%を占めているのでございます。今回さらに農林漁業基本問題調査会の答申における自立農林業者の維持、育成の考え方もありまするので、農山村においてみずから森林の経営を行なっているものに対しまして、その森林の保全、管理、造林のための土地の取得等、その営む林業経営を改善するために必要な資金及び疾病等の原因によりまして林業経営を維持することが困難となった場合におきまするその林業経営を維持するのに必要な資金、すなわち農業の関係で申し上げますると、自作農維持創設資金のような性格のものになろうかと思うのでございまするが、そういうような資金を公庫が貸し付けることといたしまして、その貸付条件を、金利年五分五厘以内、償還期限は二十年以内とするよう、第十八条、業務の範囲及び別表貸付金の条件の規定につき改正を行なおうとするものでございます。 第三点は、理事の増員でございます。さきに申し上げましたように、公庫の貸付金、貸付件数とも毎年増加をいたしまして、これに伴って貸付残高も増加してきておりまするが、それのみならず、三十一年度から公庫の直貸しを開始いたしまして、貸付額中公庫直貸しによるものの比率は次第に増加を示して参っておりまするので、公庫の事務員は年々増大して参りました。このため支店の設置、職員の増員等を行なって参りまして、職員数は、昭和二十八年設立当時の九十八人に比べまして、昭和三十五年度におきましては五百四十三人に増加をいたしておりますが、理事については設立以来今日まで四人の理事をもって業務を執行して参っております。しかし、その業務の執行をさらに適正にいたす必要がありまするので、理事の定員を一員増加いたしまして、これを公庫の貸付、債権の管理に充てることといたしまして、第八条の役員の規定を改正する、こういう考え方のものでございます。 以上がこの法律案の内容のあらましでございます。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で本案に対する補足説明は終わりました。 引き続き本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
○北村暢君 資料を要求しておきますが、昭和二十六年以降の年度別の公庫資金の運用の利回り、それから資金原価、それから滞貸償却費引当率、これの前年度比というものがわかるような資料を一つ出していただきたい。それだけ資料を一つ要求しておきます。 それから質問いたしますが、資金運用部並びに簡易保険からの借入金の利子は、一体どのくらいで借り入れておるのですか。
○政府委員(坂村吉正君) 先ほどの資料の御要求でございまするが、後刻、御要求の資料を提出いたしたいと思いますが、今ここに数字はございまするけれども、申し上げましょうか、どういたしましょうか。
○北村暢君 文書で出してもらった方がいいですね。
○政府委員(坂村吉正君) ではいずれ文書で提出いたします。ただ二十六年からというものは、二十六年については別会計でございますから、二十八年に公庫になりましてからのやつの資料を提出いたしたいと思います。 それから、先ほどの御質問の借入金の利子は六分五厘でございます。
○北村暢君 両方とも六分五厘でございますか。
○政府委員(坂村吉正君) 両方とも六分五厘でございます。
○北村暢君 次にお伺いしたいのは、改正点の第二点の、林業経営の維持及び改善資金の新設でございますが、これの改善資金というのは、今後の基本問題調査会の答申に基づく林業経営の改善をはかっていく、まあこういうことでわかるわけですが、疾病等の原因で経営を維持していく資金として貸付対象にする、このことはどうも、自立林家というものを今後育成していくという面と矛盾するような感じがするわけです。ここの第一点目は、造林のため土地取得する者に改善資金をやろうということ、そうして一方では、疾病等で林業経営をやめなければならないというものを保護していくということになると、どうもここ矛盾した金を貸すような形になるんでないか、まあそういうような感じがするのですが、一体、ここら辺のところ、どういうふうに関連さして検討されたのか、内容を御説明いただきたい。
○政府委員(坂村吉正君) 先ほどの私の説明のところで、林業についての基本問題調査会の考え方を参酌して、というようなことを申し上げたのでございまするが、必ずしもそのことだけをねらいにしているということではございませんで、実は一面から申し上げますると、今まで伐採調整資金というのが御承知のようにございまして、これは森林法に基づきまして林木の伐採制限に伴う伐採制限をやっておりまして、それに伴いまして金融をつけてやろう、こういう制度でございましたけれども、今、森林法の伐採許可制度というものについて検討いたしておりますわけでございます。林野庁におきましても、その問題について検討を進めておるという段階でございまするので、その結果を見なければわかりませんが、こういう制度がいずれ今後の問題といたしましては、もう少し幼齢林といいますか、若いうちから、とにかく、林業というものは非後に長い間時間がかかるものでございますから、その間に収益がないのでございますから、若いうちから何か金融の道を考えて、そうして林業の経営が安定しまするように、こういうようなことを考えて参りますると、とにかく、今度考えておりますような経営安定のための資金というようなことを若いうちでも一つ考えてやる必要があるのじゃないかというように考えておるわけでございます。そこで、病気とか、あるいはその他の事故で、せっかくの造林をやりましたものを、それを手放さなければならぬということに相なりますると、経営が縮小し、あるいは経営をやめなければならぬというようなことにもなるのでございまして、こういうようなことをできるだけ防止いたしまして、また、従来の経営をとにかく維持していくというためにこういうようなものをやっておるわけでございまして、必ずしも自立経営を拡大していくとか、あるいは、これを増強していくとかいうことだけではなくて、消極面の方でやはりこういう防止のための措置を考えてやる必要があるのじゃないかということとあわせて考えておるわけでございます。
○北村暢君 この資料によりましても、三十六年度の貸付予定計画が出ておりますが、伐調資金並びに林業経営安定資金で二十五億予定をしておるようですが、これが前年は伐調資金だけでしたから、十八億八千万円ですから、この差額が経営安定資金の増額と見ていいのですか。伐調資金というものは減らすようなことになっておるのですか。というのは、今、木材の増産ということで将来は伐採調整資金というものが必要でなくなるのじゃないかというようなふうにも受け取れたのですが、そういう面での伐調資金を減らしていくという考え方、そうして林業経営安定資金をふやしていく、こういうふうに理解していいですか。この二十五億の内容をどういうふうに考えておられるのか、運用面においてどういうふうに考えられておるのか、この点一つ御説明願いたい。
○政府委員(坂村吉正君) お話の通り、昨年は、三十五年度は伐調資金は十八億でございましたが、これを三十六年度におきましては、十五億円予定をいたしまして、その二十五億のうちの残る部分のあと十億といいますものが林業経営安定資金というふうに考えておるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、伐調資金につきましては、全体といたしまして減らすか減らさぬかという問題は、まだこれは結論というところまでは参っておりませんけれども、一応林野庁の方でも伐採許可制度というようなものを、そういうことを一つ検討しようということになっておりまするので、そういう面ともからめまして、一応三十六年度におきましては、三十五年度の三億減の十五億ということで考えたらいいんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。
○北村暢君 それから次にお伺いしたいのは、自作農維持資金がここにふえておるわけなんですがね。自創資金をふやした理由をお伺いしたい。
○政府委員(坂村吉正君) 自創資金は昨年百三十億でございましたが、三十六年度におきましては百六十億というふうに増額をいたしておるのでございます。このふやしました理由と申しまするか、自作農維持資金の需要は非常にこれは多いのでございまして、非常に需要が多いものですから、できるだけふやそうということでふやしたわけでございます。
○北村暢君 需要が多いからふやしたというのは、まあこれは条件がいいから需要者が多いのですけれども、これは基本問題調査会の答申からいけば、自立経営農家というものを今後創設していくといった場合に、自創資金ということで零細農家等のある程度の整備をしていかなけりゃならない、こういう考え方と、この自作農維持をやっていくということと矛盾しないのかどうなのかということですね、その点をどのように考えておられるのか。今後とも自作農維持資金というのは需要が多ければどんどん増額していく、こういう考え方なのかどうなのか、その点を一つ伺いたいと思います。
○政府委員(坂村吉正君) お説の通り、今後の問題といたしましては、自立経営の育成、経営規模の拡大という問題が当然考えられるわけでございまして、従来通りの自作農の維持という考え方だけではたしていいかどうかという問題があろうと思うのでございます。ですから、従いまして今回の百六十億の自作農維持創設資金の貸付の額を、金額を運用いたしまする場合には、新たに経営の拡大資金といいまするか、土地の取得資金というようなものに対しましてもこれは貸し付けていくということで考えていこうというふうに考えておるわけでございます。
○北村暢君 そうしますと、自創資金の中で土地を取得するための資金までを見ていく、こういうことですと、趣旨はだいぶ自創資金との趣旨と違っておるんじゃないかと思うんですが、この点は、白創資金というのは、災害その他の事情で、経営が、どうしても自作農として土地を手放さなきゃならなくなる、そういう人のために自創資金というものができた、こういうふうに思うんですが、積極的に、持っておる土地を失うんではなくして、今度は取得するところまでいくということになると、もう目的が全然逆になるんじゃないかという気がするんですが、そういう逆の積極的な経営規模の拡大というところまでいくというと、性格が非常に変わってくるので、これは別にすべきでないかと思うのです。ということは、今土地を手放さなければならないほど困っている人に貸す利率と、これから経営を拡大していくという人の借りる利率と同じということは、私はどうも矛盾すると思うんですよ。そういう積極的な施策で、経営を拡大する者に対しても、今土地を手放さなければならないというような人と同じような利率の安い条件のいい金を貸していく。貸そうという思いやりはいいとしても、性格がだいぶ違うのじゃないか、こういうふうに思うのです。で、その点を一つわかるように説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(坂村吉正君) ごもっともな御意見であろうかとも思いますが、実はこの自作農維持創設資金といいますのは、非常にまあ何と申しますか、実態的には農民の借り入れる資金といたしましては、公庫から借り入れる資金といたしましては、非常に農民の実情に沿うといいますか、そういうな意味で需要が非常に多いわけでございます。ですから、そこで今後経営を拡大するというようなものも、あるいは経営を失うのをこれを防止するというようなものも、いずれにいたしましても、これは考えようによっては、失うものを防止いたしまするのは、いわゆる消極的な経営の拡大といいますか、維持といいますか、そういうようなものと考えてもいいというふうにもまあ考えられるわけでございまして、また自作農維持創設資金融通法の法律におきましては、目的といたしまして、「この法律は、農地及び採草放牧地が農業経営の基盤であり、かつ、農業者がとれらの土地を所有することがその農業経営の安定を図るための要件であることにかんがみ、農地若しくは採草放牧地を取得し、自作地若しくは自作採草放牧地を維持し、又は自作地若しくは自作採草放牧地の細分化を防止しようとする農業者に対し」、云々、こういうようなことになって、いるのでございまして、今のこの法律の建前から申しましても、自作農資金というものを、経営の拡大のために、土地の取得のために貸し付けるという運用をいたしましても、法律の精神からいきましても間違いではない、こういうふうに考えているわけでございます。
○北村暢君 これはまあ見解の、法律解釈上の問題については、私も後ほど検討をいたしまして、なお質疑をいたしたいと思いますが、きょうは検討不十分ですから、このままにしておきます。 次にお伺いいたしたいのは、公庫資金の逆ざやの傾向が強まってきていると同時に、貸付利率の引き下げというものが、今言ったように、自制資金のような条件のいいものということの要請が強くなってきている。そういうような点からいって、資金構成の面において改善が要望せられている。この点は私最初に資料要求いたしましたものについて検討をして質問いたしたいと思っているんですが、大体の傾向を簡単に概略的にお伺いしておきたいと思うんです。
○政府委員(坂村吉正君) ごもっともでございまして、公庫の現在の金のやりくりは必ずしも楽だというふうには言えないと思うのでございます。いずれ資料によって、資料を御提出申し上げすすが、資金の運用利回りで見てみますると、先ほど御説明申し上げましたように、三十六年度の予定では五分五厘八毛と、こういう見当でございます。それから三十五年度は五分五厘三毛、それから三十四年度は五分五厘九毛という、大体五分五厘から五分前後のところが現在の公庫の運用利回りでございます。そこで先ほど私が申し上げましたように、借入金に相当大きな金を依存しているのでございまして、これは大体六分五厘という金利を払っております。しかしながら、一般の状況といたしましてだんだんだんだん最近では回収金がふえて参っております。そういう関係で自己資金というものはどんどん回収金という形でふえて参りまして、それに加えまして、一般会計あるいは産業投資特別会計からの出資をやっておる、こういうような形で、まあそれもできるだけ年々ふやしていこうというふうなことも考えておりますので、そういうことで、できるだけ公庫の運用を合理化していこうというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、実際問題といたしましては、全体の採算といたしましてはどういう状況になっていますかといいますと、昭和三十六年度の見込みでは大体その滞貸償却の引当金を見てみますと、〇・一七というふうな程度になろうかと思っております。これは滞貸別の採算を見まする場合にこれが一つの目安になるのでございますが、これは三十五年度におきましては〇・六でございまして、わずかではございまするが、三十六年度には〇・〇一だけの何といいますか、採算がよくなってきているというふうなことになろうかと思うのでございます。もちろん、この前のずっと昭和二十八、九年度、そういう当初におきましては非常に山資金も思い切って初めの時期でございますから出しておりましたが、そういう関係で〇・五であるとかあるいは〇・三であるとかそういう滞貸償却引き当てを見込んでおりました時代もございましたが、最近非常に落ちましたので、特に三十五年度におきましては落ちておりますので、これをできるだけ改善するために努力をしておるということでございます。
○北村暢君 もう一ぺんお伺いしておきますが、三十四年の公有林野造林融資の新規取り扱いの七億だったと思うのですが、これが一般会計から出資されて貸付をされたと、こういうことになりまして、これが公営企業金融公庫ですか、これとの関係の問題があったわけですが、三十四年度の公有林野の造林の融資の貸付の結果が一体どういうことになっているか、おわかりだったらちょっと。
○政府委員(坂村吉正君) 三十四年度の七億の国有林特別会計からの出資のうち三億五千というものを公有林に回したわけでございますが、これはいろいろ自治省等との話し合いがおくれたというような関係もございまして、そういう年度末までずれまして、そしてまあ貸付を行なったというような状況でございます。三十五年度はやはり同じく七億を国有林特別会計から出資をいたしまして、そのうちの三億五千万を公有林野に、公有林造林にということで計画をいたしたのでございますが、これにつきましては自治省との話し合いで、ここが最終責任は農林漁業金融公庫が負いまするけれども、貸付の実際の仕事につきましては公営企業金融公庫にお願いをする、こういうような形で話し合いがつきまして公営企業金融公庫の方に今お願いをしておるわけでございます。そこでそういうようなことがすっきりと話がつきましたので割合円滑に事が運んでおる、こういう状況でございまして、一面非常に公有林造林の需要が多いのでございまして、最近三億五千という貸付計画を修正をいたしまして六億九千という計画にいたして増額をいたしておりますわけでございます。
○北村暢君 三十六年度の計画はどうなっておりますか。
○政府委員(坂村吉正君) 三十六年度におきましては公有林造林は八億という予定をいたしております。それから大造林が六億、小造林が六億、合計をいたしまして二十億ということで計画をいたしております。
○石谷憲男君 今度のこの法律改正によりまして新しく事業経営の維持と改善に必要な資金、こういうものが加わる。それでたしか三十六年度の金額は十億というふうに承知をいたしておるわけなんですが、一体この維持と改善のどちらに重点を置いてこの新しいものを運用されようとしているのか、その点一ぺん一つ明らかにしていただきたい。
○政府委員(坂村吉正君) 維持と改善とにつきまして、まあ特にこの資金の貸付のワクの中でワクを作っていこうという考え方はございません。ですから、従いましてたしかこういう十億というワクを設けたわけでございまするが、この運用は私どもの責任でもございませんで、実際は林野庁の方に林野庁の指導方針に従って運用をしていただくというふうに考えております。
○石谷憲男君 経済局長よく御存じかと思いますが、従来御承知のように利用期に達しない前の未成熟の立木というものを担保にして何とか融資の道が開かれないものだろうか、いわゆる立木担保制度というものはかなり関係者が長く要望しておった制度である。そこでこういう新しいものができますと、一般の人間は初めてそういった制度が開けた、こういう理解の上に立つのもやむを得ぬし、むしろ、そういうふうに理解すべきものでもあろうかと思うのです。その際に、ここには疾病等の原因によるということで何か条件が非常に窮屈に制約されているようなふうに考えられるのですが、原因は那辺にあろうとも、いわゆる農業における青田売りというようなことを余儀なくされるようなことがこの資金によって救済されるというふうにどうして考えられないのか、その点一つ明らかにしていただきたい。
○政府委員(坂村吉正君) 立木金融というものに対する要望は非常に強いわけでございまして、今度の制度がそのまま何と申しますか、一歩を踏み入れたというふうに考えていいのじゃないかと思うのでございまするが、そこで現在の段階では一面におきまして伐調資金というものもございまするし、そういうふうなもので、とにかく一応若い造林地であっても非常に困った場合には金が借りられるというような制度を開くことによって、今後の立木金融についての端緒を開くというようにお考え願ったらいいのではないかと思います。私はそういうふうに考えます。従いまして全面的に立木金融をやるというようなことで、ですからことしの問題として考えているわけではございませんで、できるだけ制限的に疾病あるいはその他の事情でどうしても困った場合にこれを手放さなければならぬというようなときに、これを金融によって解決したらどうかというようにとりあえず考えているわけでございまして、今後の問題といたしましては、十分その立木金融というものを検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
○石谷憲男君 多年要望しておったものに対しまして新しく道が開けますと、どっと殺到するという傾向が確かにあります。すでに局長も昨年例の公有林造林に対する融資の問題で非常に御苦心をいただいたわけなんです。ああいう現象がこの場合にも生じてくるおそれもあるのではないか。もちろんこれは指導いかんにもよりましょうがね。そういった場合に必ずしも十億のワクに制約されないのだというふうに考えていいのか、あくまでこれは初年度の十億というワクに制約して考えなくちゃならないのか、その辺のところはどうでしょう。
○政府委員(坂村吉正君) 現在のところはまだ年度にも入らないのでございまして、一応その予定といたしましては十億ということに考えておりまするが、今のところ十億をこれを直したらいいのじゃないかということは考えておりませんけれども、私は、公有林造林の場合にも御経験がありますように、どうしても需要が多くてまかない切れないというような事態でございますれば、これは他の融資の進行状況等からも十分考えまして、あるいは途中で修正をしなければならぬような事態が起こるかもしれませんが、その問題はそのときの問題といたしておきたいというふうに考えております。
○石谷憲男君 それから、造林のための土地の取得等とありますね。しかしながら、造林のためであればだれでもこの取得資金がこれによって得られる、こういうふうな考え方じゃないと思うのですね。何かやはりしぼる条件があるのじゃありませんか。
○政府委員(坂村吉正君) 今のところお説の通り何でもかんでもということを考える必要はないかと思うのでありまして、取得の結果二十町歩をこえる者にはこれは貸さなくてもいいだろうというようなことで、取得の結果二十町歩以下の者というふうに考えていったらどうかというふうに考えております。
○石谷憲男君 そういう考え方は、例の林業基本問題の答申の中にあります自立林業者の営む林業経営、そういうものを育成をする、そういう考え方がひそんでおるじゃないかと、こういうふうに考えられるのですがね。これはあくまでも答申であって、私はこの問題につきましては、おそらくいま少しく徹底して農林省の政策として取り上げたらどうか。よほど研究問題がひそんでおるんじゃないかと思う。ところが、もういち早くそういうための必要な資金を借り入れる道が開けたと、こういうことになりますと、事実の方が先行してしまうんだというふうに世間一般考えがちになるという点も一つ十分頭の中に置いてぜひとも運用していただきたい、こういうふうに考えるわけです。その点どうでしょう。
○政府委員(坂村吉正君) おっしゃる通りでございまして、十分まあ今後の問題としても検討しなければならぬ問題があろうと思うのでございます。しかし、まあ何といたしましても来年度とにかく初めて手をつけますものでございますから、ある程度実行の状況を見ました上でいろいろ検討して、そして今後の発展を期するというふうに考えた方がいいのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○石谷憲男君 申し上げるまでもないと思いますけれどもね、そういった場合の新しい土地の取得源が国有林であったり、あるいは公有林であったり、あるいは不在村地主の所有している林地であったり、こういうことなんで、従ってそういう問題の検討というものが先に立ちませんと実際問題としてここに道が開かれているだけでは私はよほど指導よろしきを得ないと、むしろ準備が完成していないのにこういうことを言うことによって混乱を生じはしないかということを、この機会に経済局長に十分承知の上で、ぜひとも新しい制度の運用を特にさしあたりの年度についてはおやりいただくということを一つ希望として申し上げておきます。
○委員長(藤野繁雄君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記をつけて。 それではお諮りいたします。本件について必要な参考人の出席については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤野繁雄君) それでは、さよう決定いたします。 他に御発言もなければ、本件については、本日はこの程度にいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時一分散会