農林水産委員会 第15号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1961/03/14
会議録
○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第一五一号)参議院先議、及び畜産物の価格安定等に関する法律案(閣法第一四三号)、大豆なたね交付金暫定措置法案(閣法第一四六号)、漁業権存続期間特例法案(閣法第一五〇号)、いずれも予備審査の三案、以上四件の法案を一括議題といたします。 まず、四案について順次提案理由の説明を求めます。
○政府委員(井原岸高君) ただいま議題となりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 農林業経営の基盤である農地、農業用施設及び林道については、災害によりしばしば大きな被害を受けており、従ってその復旧事業の推進については、国及び地方公共団体において常に努力いたしておるところでありますが、今回これらの農地、農業用施設、林道に関する災害復旧事業をさらに円滑に実施するため、連年災害をこうむった農林業者の災害復旧事業に対する国庫補助率を高める措置に関する規定を設置することといたしました。 現行法におきましては、毎年その年発生した災害が激甚な場合には、地域を指定し、高率の補助率が適用されることとなっております。しかしながら、関係者にとりましては、たとえ当年発生の災害が激甚でない場合であっても、年々連続して災害を受けた場合には、そのこうむる損失または打撃の程度は、当該一年間に激甚な被害を受けた場合と格別異なるものではございません。またすでに公共土木施設の災害復旧については、関係法令におきまして連年災害の場合における高率国庫負担の特例規定が設けられている次第でありまするので、これとの均衡をも考慮し、今回必要な規定を追加することにいたしました。 以下本法案の内容について簡単に御説明いたします。 第一に、政令で定める区域内におけるその年の十二月三十一日までの農地、農業用施設及び林道にかかる災害復旧事業については、過去三年間の災害が単年度に発生したものと見なして、現行の単年災における場合に準じて補助率を卸足し、当該補助率をその年のこれらの施設の災害復旧事業に適用することといたしております。 第二に、その年の災害が特に激甚であり、現行法の規定により策定した補助率の方が高くなる場合には、現行法により算定した補助率を適用することといたしております。 なお、この法律は昭和三十五年一月一日以後に発生した災害から適用することといたしております。 以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申す次第でございます。 畜産物の価格安定等に関する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 戦後わが国における畜産の発展は、まことにめざましいものがあり、主要家畜の飼養頭数について見ましても、戦前の水準を上回わり、中でも乳用牛と豚につきましては、戦前の最高水準を二倍以上も上回わっております。この結果、農家経済の中に占める畜産の比重は、著しく増大いたしており、この傾向は、今後なお持続するものと考えられるのであります。これは、申すまでもなく国民経済の発展、国民生活の向上に伴う畜産物需要の増大を背景といたすものでありますが、畜産が、わが国農業の転換さらには発展の中心部門として、米、麦中心のわが国農業の体質を改善し、草地開発等土地の高度利用を促進するとともに、国民に対する畜産物供給を確保する等の使命を有していることによるものと考えられます。 しかしながら、今日までの畜産の発展を顧みますと、ややもすれば生産の増加と需要の増加とが調和しない場合があり、これが流通機構の未整備と相待って、畜産物価格の不安定を招き、畜産の健全な発展を阻害したことは、いなめないところであります。このような状況にかんがみ、今後畜産の一そうの発展をはかりますためには、畜産物の価格の安定をはかり、生産者と消費者に安心感を与えることがきわめて重要であります。 政府といたしましては、従来とも牛乳、乳製品及び食肉を中心といたしまして家畜、畜産物の流通改善に努力して参りましたが、わが国農業の転機とも申すべき時期に際し、農業生生産の選択的拡大がうたわれているとき、新たな発展のにない手である畜産の画期的な伸張を期するため、ここに安定措置についての効率性と可能性を考慮しつつ、当面最も安定を必要とする主要な畜産物につき、従来の施策に加えてさらに歩を進めた直接的な価格の安定措置を講ずることといたした次第であります。この措置の適切な運用により畜産物の価格安定をはかって参りますことは、畜産及びその関連産業の発達によりまして、農業の発展の基盤を築くとともに食生活の充実によりまして、国民の生活水準上昇に最も重要な条件を整備することになると考えるのであります。これがこの法律案を提出いたしました趣旨でございます。 次に、法案の主要点につきまして御説明いたします。 まず第一に、農林大臣は、本法案の趣旨に従って原料乳、指定乳製品及び指定食肉につきまして、その額を下回って価格が低落することを防止することを目的として、安定下位価格を定めるとともに、指定乳製品、指定食肉につきましてその額をこえて騰貴することを防止することを目的として安定上位価格を定めることといたしております。従いましてこの上位、下位の両安定価格の間に畜産物の価格が安定することを期待いたしているわけでありますが、この価格の具体的な決定につきましては、関係学識経験者をもって構成する帝産物価格審議会を新設し、農林大臣はあらかじめその意見を聞いた上、それぞれの畜産物の生産条件、需給事項その他の経済条件を参酌して定めることといたしたのであります。 第二に、価格安定に関する措置についてでありますが、まず主として政府出資による畜産振興事業団を新たに設立いたすことにいたしまして、事業団が安定下位価格で買い入れ、安定上位価格をこえて騰貴する場合に売り渡すことによって、指定乳製品及び指定食肉の価格の安定をはかることとしたのであります。この指定乳製品の買い入れにあたりましては、その乳業者が生乳の安定下位価格以上の乳価を支払うことを条件といたしておりますので、乳業者がそれ以上の乳価を支払うことが期待できる仕組みであります。また売り渡しにつきましては、事業団がその保管しているものを売り渡すのでありますが、その際、事業団に手持ちがないというような事態につきましては、乳製品、食肉の輸入を行ないまして事業団が売り渡すことができることといたしております。右の事業団による売買のほか、農林大臣または都道府県知事は、実情に即しまして、生乳の安定下位価格以下の乳価を支払う乳業者に対しまして、乳価を少なくとも生乳の安定下位価格まで引き上げるよう勧告できることといたしますとともに、畜産物の価格安定につきまして価格低落時におきまして生乳及び肉畜の生産者団体、乳業者の自主的な計画と調整に期待いたしまして、生乳生産者団体が委託加工を含む乳製品の生産に関する計画を立てること、生乳生産者団体または乳業者が乳製品の保管または事業団その他への販売に関する計画を立てること、肉畜生産者団体が食肉の保管または事業団その他への販売に関する計画を立てることのそれぞれの計画につきまして、農林大臣が認定することといたしました。 この農林大臣の認定があった場合におきまして、事業団は、生乳生産者団体の乳製品の委託加工をあっせんいたしますとともに、乳製品、食肉の保管経費について助成することといたしましたほか、農林大臣は、事業団のあっせんにもかかわらず正当な理由なく委託加工に応じない乳業者に対しまして、生乳生産者団体の申し出によって、その委託に応ずるよう指示できることといたしました。以上の価格安定に関する諸措置の適切な運用によりまして、価格安定の実を上げ得るものと考える次第であります。 第三に、畜産振興事業団について申し上げます。畜産振興事業団が行なう価格安定措置については、さきにその概略を申し述べた通りでありますが、事業団は、この他牛乳乳製品及び食肉の需要増進業務を行なうとともに、従来の酪農振興基金の債務保証業務その他一切を引き継ぐことといたしまして、事業団設立に伴ない、この酪農振興基金は解散することとしたのであります。 畜産振興事業団の資本金は政府出資金十億円と民間出資額の合計額であります。政府出資金につきましては、従来酪農振興基金に対しまして政府が出資いたしておりました五億円と三十六年度におきまして新たに政府が出資することを予定いたしております五億円とを合わして十億円といたしたのでありますが、事業団にこの他借入金をすることができることとしておりますので、これらの資金をもちまして業務運用に当たることとなります。また、事業団には役職員のほか、評議員会を置くことといたしまして、その業務運営に関する重要事項につきまして、理専一長の諮問に応じて調査審議するとともに、理事長に意見を具申することができることといたしました。 第四に、畜産物価格審議会の設置でありますが、農林省に設置いたしますこの審議会におきましては、さきに申述べた安定価格の決定につきまして農林大臣の諮問に応ずるほか広く牛乳、乳製品及び食肉の価格安定に関する重要事項につきまして調査審議いたすこととしているのであります。もとより本法案が予定いたしております事業団の買い入れ、売渡し等の諸措置が対象といたします品目は、おのずから限定されざるを得ないのでありますが、牛乳乳製品及び食肉のそれぞれの内部におきましては各品目の間において相互に密接な関連がありますので、本審議会の審議もその全般に及ぶものといたした次第であります。 以上が本法案の提案理由及び主要な内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。 次に、大豆菜種交付金暫定措置法案につきましてその提案理由を御説明申し上げます。 この法案は、大豆の輸入の自由化が国内西大豆及び菜種の価格に及ぼす影響に対処するため、当分の間、その生産者及び集荷業者に交付金を交付して、農家所得の安定に資することを目的とするものであります。 大豆の輸入を自由化した場合、国内産大豆の価格は、かなり低落することが予想され、これに対処して農家所得の安定をはかるためには、従来の農産物価格安定法の措置によっては、適当でない点がありますので、今回新たに、大豆の生産者及び集荷業者に交付金を交付する措置をとることといたした次第であります。菜種につきましては、その輸入の自由化は行なわれませんが、大豆の輸入の自由化に伴い、菜種の価格も影響を受けることが予想されますので、大豆と同様この法律の対象とすることといたしたのであります。 以下この法案の主要な内容について御説物申し上げたいと存じます。 まず第一に、政府は、大豆または菜種の集荷業者が、生産者から大豆または菜種の売り渡しまたは売り渡しの委託を受けた場合において、割当証明書を添えて交付金の交付の申請があったときは、当該集荷業者に対し、一定の基準によって交付金を交付することといたしております。 交付金は、農家が受け取る価格の基準となる基準価格、金利及び保管料等の経費、生産地における標準販売価格に基づいて算定することといたしておりますが、この場合、基準価格は、農業パリテイ指数に基づき算出した価格及び生産事情、需給事情その他の経済事情を参酌して定め、標準販売価格は、大豆については消費地における標準的な取引価格、菜種については集荷業者の標準的な販売価格からそれぞれ流通経費を控除した額を基準として農林大臣が定めることといたしております。 右の交付金のうち、基準価格と標準販売価格の差額に相当する部分が生産者に交付されることとなっております。 第二に、交付金の交付対象数量は、政令で定める一定年間における名年産の大豆または菜種の生産者販売数量の年平均数量、大麦及び裸麦の生産の転換のための施策の実施等による大樹または菜種の生産の実績等を参酌して定めること並びにこれを都道府県及び市町村を通じて生産者別に決定する手続等を規定しております。 最後に、この法律により交付金を交付する措置を講ずることにより、大耳及び菜種については、この法律施行の岡は、農産物価格安定法は、これを適用しないこととしております。 以上がこの法案の主要な内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げる次第であります。 漁業権存続期間特例法案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 沿岸漁業は、いわば低所得、不安定を特質とする産業として停滞的でありますので、その振興をはかるため、政府においては各種の施策を講じておりますが、これらの施策と相待って、そのよって立つ漁場の利用及び漁業者の協同組織のあり方自体について根本的に検討を加える必要があるのではないかと考えられます。そこで、昭和三十三年六月農林省に漁業制度調査会を設け、漁業に関する基本的制度の改善をはかるための方策を調査審議していただくことにいたした次第であります。 漁業制度調査会は、発足以来、漁業権制度、水産業協同組合制度、生産協同化の組織、漁業許可制度、漁業調整制度及び水産資源保護制度等広範かつ困難な問題について詳細に調査審議を続け、昭和三十四年十月にはそれまでの審議結果の概要を取りまとめて、農林大臣に対し、一応中間報告を行なっているのでありますが、さらに本月末全般にわたる最終的な答申が行なわれる見通しとなっているのであります。 政府においては、漁業制度調査会の答申に基づいてできる限りすみやかに、漁業権制度、漁業許可制度、漁業者の協同組織に関する制度等漁業に関する基本的制度の改正案を取りまとめ、漁業法、水産業協同組合法等所要の法律の改正案を次の通常国会に提案いたしたいと考えております。 ところが、現行漁業法に基づいて免許されております漁業権は、おおむね本年八月及び十二月に切りかえが行なわれることとなっておりますので、漁業法の改正の必要を考慮してその切りかえ免許は、改正後の漁業法によって行なうことが妥当と考えられるのであります。なお、漁業権の一斉切り称えには、漁場の測量及び調査、漁場計画の海区漁業調整委員会への諮問、漁場計画に関しての関係漁業者の公聴会の開催、漁業計画の公示等その準備に約一年の期間を必要としますので、現在の漁業権の存続期間を、原則として昭和三十八年度まで延長いたしますとともに、今後に免許される漁業権の存続期間を昭和三十八年度中に満了させる措置を講ずることができるようにいたしますため、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容について、概略御説明申し上げます。 第一点といたしまして、本年八月一日現在存在する漁業権で、昭和三十八年八月三十日までにその存続期間が満了するものにつきましては、漁業法に定められております存続期間の特例措置として、後に御説明いたします特定の漁業権を除き、昭和三十八年八月三十一日、同年十二月三十一日または昭和三十九年三月三十一日のいずれかの期日のうち都道府県知事が漁業権ごとに指定する期日まで、ほぼ二カ年間その存続期間を延長することにいたしております。 この存続期間の特例措置の適用を受けない漁業権には、二つの種類がありまして、その一つは、漁業調整上あるいは公益上の必要により、漁業権の取り消しの事由が昭和三十八年八月三十一日までに発生することが確実であると都道府県知事が認めて指定するものであります。他の一つは、漁場の敷地が他人の所有に属するか、またはその漁場の水面が他人の占有にかかる漁業権で、その所有者または占有者から存続期間の延長につき同意が得られないものであります。これらの漁業権につきましては、公益上の必要性あるいは他の私権との調和をはかる観点から、存続期間延長の特例措置を講ずることは妥当でないと考えられますので、除外した次第であます。 第二点といたしまして、この法律の施行の日から昭和三十八年八月三十一日までの間に新たに免許される漁業権につきましては、さきに申し述べました存続期間の特例措置と同様の趣旨によりまして、その存続期間を、免許の日から昭和三十九年三月三十一日をこえない範囲内において、都道府県知事が漁業権ごとに定める期間までとすることにいたしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で四案についての提案理由の説明を終わりました。予備審査の三案については、本日はこの程度といたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 続いて、本院先議の農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案について補足説明を求めます。
○政府委員(伊東正義君) 政務次官から提案理由の御説明をいただきました暫定措置に関する法律案の一部改正に、これは連年災の規定でございますが、これの改正につきまして、お手元に資料もお配ばりしておりますので、これにつきまして簡単に補足説明いたします。 今までの法律には、実は公共土木施設災害につきましては、連印災の規定があったのでございますが、実は農林水産業施設災害については、この規定を欠いていたような次第でございます。過去におきまして、実はこういうことを考えたこともあるのでございますが、まだ実現を見ないで今日に至ったのでございますが、特に昭和三十五年度の災害等につきまして、特に岐阜でございますとか京都でございますとか、あの辺は一昨年の伊勢湾台風に引き続きまして、また昨年同じ個所が災害があるというようなことで、特にこの法律改正の要望があった次第でございます。現在の仕組みは、御承知の通り、ある一定の規模までにつきましては、当年災だけにつきまして農地にあっては当該復旧事業費の十分の五、施設は十分の六・五、六割五分、林道は奥地幹線林道が六割五分、その他は五割というような補助率を適用いたしまして、現在の単年災についてはやっているわけでございます。これは被害が甚大になりますと、後ほど述べますように、高率補助の適用もございますが、原則はそういうことにいたしまして、単年災という考え方でやっておるわけでございますが、今度これにつきましては、従来の単年災だけの規定で足りませんので、新しく規定を設けたような次第でございます。 それでは、連年災につきまして、どういう場合についてこの適用があるかということでございますが、これはその年の十二月三十一日まで、たとえば三十五年度の災害でございますと昨年の一月から三十五年の十二月までに発生した分と、その前の二年間、すなわち昨年の十二月三十一日までの三年間に発生しました被害をとりまして、その復旧事業の合計額を出しております。これは農地、農業用の施設の場合でございますが、一戸当たり三年間のものを割ってみると十万円になる、それから三十五年当年災だけ法律適用の一番下の八万円というところの半分の四万円になるというような、ある一定のワクを作りまして、それに該当する場合には一つ連年災の規定を適用しようというような考え方をとっておるわけでございます。それで、現在は、そのほかに高率補助ということをやっておるわけでございますが、今度は連年災の補助率算定につきましては、これは現行の単年災でやっておる高率補助と同様な算出方法をとることをしております。どこからどこまでが適用範囲かということにつきましては、先ほど申し上げましたように一番下は、当年災が二戸当たり四万円、従来の高率適用になります八万円の半分ぐらいまでなければ工合が悪い。また三年間で一戸当たり十万円なければ工合が悪いというように一定のワクを作っておきますが、その適用される農家につきましての補助のやり方については、これは現在の高率補助と同じような考え方をとっております。これも農地、農業用施設で御説明いたしますと、現在は八万、十五万というところに一定の基準を置きまして、先ほど農地については五割、農業用施設は六割五分と申し上げましたが、今度は八万円をこえまして十五万円まで、それから十五万円以上というふうに分けまして八万円までは、農地でありますれば十分の五、八万から十五万の間は十分の八、それから十五万をこえますと十分の九、農業川施設はそれが六割五分、九割、最後は十割というふうに算定をいたしておりますが、今度の連年災につきましての高率補助をします場合は、先ほどの四万、十万の間に入ってくる人について、過去三カ年に発生した災害がすべてその年に発生したというようにみなしまして、その場合にはどうなるかというようなことで補助率を算定することにしました。算定の例は、後ほど簡単に御説明しますが、そういうことにいたしております。これは農地、農業用施設で御説明いたしましたが、林道についても考え方としては同じような考え方をとっております。また、連年災の規定を設けましても、単年度に起きた災害だけで今申し上げましたような計算例で計算した方が、連年災三年間とってそれが薄まってしまって、補助率が低くなるというような場合には、選択的な規定を置きまして、過去においては、過去二年は災害が割合薄かった、しかし当年度は高かったという場合には、その当年の分だけをとりまして高い補助率を適用するというような選択的な規定を設けまして、どちらでも高い方を、農民の有利な方をとるというような仕組みにしたわけでございます。これで、当年は大した被害がありませんでも、過去一年、二年の間に大きな被害があったというような人につきましては、当年災は従来ですと非常に低い補助率になりますものも、これは連年災の場合には、高い補助率が適用できるというようなことに相なるように編成したわけでございます。計算例を農地、農業用施設だけにつきまして一応お配りしてあると思うのでございますが、設例で三つ設けてございます。 一番目は当年災では普通補助率の適用しか受けられないというところでも、連年災の規定を持ってきますと、これは補助率は上がりますというのが第一番目の例でございます。 第二番目は当年災でも高率補助にはなるけれども、連年災の規定を持ってきた方が、なお補助率が高くなるというのが、二番目の例でございます。 三番目は当年災で計算した方が、連年災の規定を適用するよりも薄まらないで、補助率が高くなるというのが第三の例としてあげております。いずれも農地と農業用施設の事業費の比率は、便宜上全国平均の一対四としまして、それから戸数も被害関係農家は便宜上当年災三十戸、三年間六十戸というように一応の前提を置きまして計算した計策で先ほど申し上げましたように八万、十五万を境いとしまして高率の適用があるということでやってみますと、こういう例もございますというような三つの計算例を差し上げてございます。これは公共土木関係の方との均衡をとりましたことも一つでございますが、特に最近やかましく言われました毎年災害を受けるというところの人々に対しまして、少しでも負担を軽くしようというようなねらいで、この法律を改正したわけでございます。
○説明員(大野文夫君) 林道関係につきましての計算例をお手元に差し上げております。それを補足説明いたします。ただいま農地局長からお話がありましたのでございますが、そのうちの林道の適用条件につきまして申し上げますと、市町村の区域内でその年に発生しました災害にかかります復旧事業費が、関係の林道の既設延長につきまして一メートル当たり千円をこえるものについて適用するという旨に現行法はなっておるんでございますが、単年災でございます。連年災につきましては、それを災害にかかわります復旧事業費の合計額がその三年間の関係林道の既設、実延長につきまして、メートル当たり千百円をこえ、なおかつ当年災にかかわりまする災害復旧事業費が関係林道の既設延長につきまして、メートル当たり五百円をこえるもの、いわゆる農地の方の十万円、四万円というものが林道ではメートル当たり千百円、五百円というふうになるわけでございます。 なお、林道関係におきます補助率につきましては、奥地幹線林道につきましては千円までの分につきましては十分の六・五、千円をこえ千二百円までの部分につきまして十分の九、千二百円をこえますものにつきましては十分の十、その他の林道につきましては千円までの分につきましては十分の一五、千円をこえ千二百円に至りますものは十分の七・五、千二百円以上をこえますものは十分の八・五とこういうふうな係数になっております。それによりまして先ほど農地関係で御説明されましたと同様にこの例はあるところにおきまして、ある村におきまして被害があった場合といたしまして、現行法によりますとその単年災におきましては高率補助の資格がないものにつきましても、この2に述べておりますように改正法の基準によりますと、この三年間の関係道林の実延長で、三年間の事業費を割りますと四千円になりますので、千百円をこえまして、かつまた三十五年災の事業費につきましても五百円をこえるということによりまして、この高率補助が適用になるという例でございます。 それから3は、これは現行法で打算した場合の方が連年災で計算した場合よりも高率になるという例を出したものでございます。 簡単でございますが、この計算例の御説明を終わります。
○委員長(藤野繁雄君) 以上で本案に対する補足説明を終わりました。 続いて本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。 ここでしばらく休憩し、午後一時から再開いたします。 午前十一時三十三分休憩 ————・———— 午後一時二十九分開会
○委員長(藤野繁雄君) 委員会を再会いたします。 果樹農業振興特別措置法案(閣法第九九号)予備審査を議題といたします。 まず、本案について補足説明を求めます。
○政府委員(斎藤誠君) 今回提案いたしておりまする果樹農業振興特別措置法につきまして補足的の御説明を申し上げたいと存じます。 特別措置法案の提案理由につきましては、さきに御説明したところでございますが、その提案理由にも述べております通り、近年における果樹農業の急速な伸展が見られ、また、今後成長農産物としてわが国農業におきます重要な役割を果たすものと考えられるわけでございます。そのような意味から、果樹農業の健全な発展をはかることが現在強く要請されておると考えるのであります。農林省におきましても、これに関連いたしまする施策といたしまして、関係予算を計上し、昨年におきましては果樹行政機構の整備強化をはかりまして、振興局に園芸課を設けることにいたしたのでございますが、果樹全般につきまして、今後生産、流通、加工の各分野にわたって総合的な施策を講じて、健全な果樹農業の発展を期することが必要であろうと考えるのでございます。 このような果樹農業振興の一環として、御承知のように、昨年の第三十四国会におきまして果樹艇業振興特別措置法案を政府案として上程いたしたのでございますが、この法案は周知の通り審議未了のために不成立に終わっております。政府といたしましては、この旧法案をもとにいたしまして、三十六年度予算の内容等をも勘案いたしまして、あらためて今回果樹農業振興特別措置法案を提出することに相なったわけでございます。 法案の主要な内容といたしましては、第一に、果樹についての長期見通しを立てこれを公表すること。第二に、合理的な果樹園経営の確立をはかるため、指導、融資等の措置を講ずることといたしております。第三に、流通、加工の合理化等、果樹農業振興のための方途及び都道府県の援助措置を規定いたしております。第四に、果樹農業振興審議会を設置することといたしております。 以上の四点が法案の主要な内容でございます。以下、主要な点につきまして先般提案された法案と比較しながら申し上げたいと存じます。その第一は、果樹についての長期見通しでございます。 第二条に、果樹の植裁等についての長期見通しを規定いたしたわけでございます。言うまでもなく果樹の永年作物としての特性にかんがみまして、今後果実生産の安定的拡大をはかるためには、果実の長期的需給の動向に即応した果樹の植栽と、果実の生産を誘導する必要があるわけでございます。このため今回の法案におきましては新たに長期の見通しに関する規定を設けることにいたしまして、果実の需要及び生産の長期の見通しに即応いたしまして主要な果実の種類ごとに植栽、それから果実の生産についての見通しを立ててこれを公表することといたしております。 大体の考え方といたしましては、植栽の見通しにつきましては、政令で五年後、その他の果実の生産につきましては、五年後または五年ごと、十年後を目標に立てることにいたしたい、かように考えておるわけでございます。それから二項におきまして、果樹につきましては御承知のように特に立地条件によってそれぞれ特性を有するのでございまして、国や都道府県は果樹農業振興対策を講ずるにあたっては、右の長期計画の見通しのほか、さらに地区ごとの特性を十分考慮して施策を行なうという宣言的規定を設けたわけでございます。 それから第二は、第三条以下の合理的な果樹園経営計画の確立のための措置でございます。これは第三条から第五条にかかわるものでございます。果樹園経営の合理化をはかるためには、果樹農業者の集団または果樹農業者が構成員となっている法人は、果樹園経営計画を作成することができるということにいたしまして、これについては国及び都道府県は、その作成について適切な助言、指導を行なうことにいたしたのでございます。従来この点に関しましては、公庫から融資を受けます場合に、果樹園経営計画を提出いたしまして、そしてそれの認定を受けて融資を、受けるということにいたしましたのでございますが、今回、果樹園経営計画の適否のみを府県に申請して認定を受けて、受ければそれに対して知事に認定をする義務を与える、こういう制度を設けたわけでございます。従来とも果樹園経営計画につきましては、事実上、県なり試験場なりの指導を受けておったわけでございますけれども、今後の事態に即応いたしまして、果樹園経営計画を作って、そして一定の集団的な樹園地を作り、さらにどういう品種をどういう計画で作ったらよろしいかといったような、計画自身の認定を知事に求める、こういう道を開いたのでございます。で、その結果一定の条件に該当いたすもの、つまり第四条に規定いたしております条件に該当いたすものにつきましては、知事はこれに対して認定をいたすことにいたしまして、その中でさらにこの経営計画を達成するために必要な資金の貸付を希望するというようなものにつきましては、特に第五条以下におきまして公庫から資金の貸付を行なう、こういうことにいたしたのでございます。経営認定を受けた者が、あるいは近代化資金の融通を受けるということになる場合もあると思います。しかし、ここでは特に公庫から金の融通を受けるものだけにつきましては、第五条に資金の貸付の規定を設けたわけでございます。この経営計画の作成、指導につきましては、予算といたしまして三十六年には六百四十六万円を計上いたしております。 それから第三条におきまして、果樹は政令で定める果樹に限ると規定いたしておりまするが、現在柑橘、リンゴ、ブドウ、ナシ、桃、桜桃、ビワ、カキ、及びクリの九種類を予定いたしております。 それから申請の資格者につきましては、果樹農業者二人以上共同して樹園地における果樹の栽培を計画的かつ合理的に行なおうとする場合、当該果樹農業者とそれから果樹農業者が構成員となっている法人ということにいたしておりますが、いわゆる農業生産法人につきましても、果樹園経営計画作成の主体として本法案の対象とすることに考えておりまして、これにつきましては別途農地法の一部改正法案の附則で諸要の措置を講ずることといたしております。 次に、公庫資金の貸付条件でございますが、法律上は七分以内ということにいたしておりますが、実行上におきましては据置期間を十年以内とし、その期間中は年六分、償還期間は十五年以内としてその間は七分とする予定でございます、なお、これに関連いたします三十六年度の資金ワクといたしましては、公庫に十億円を予定いたしております。 それから第四条の都道府県知事の認定条件でございますが、その第一は樹園地の面積を掲げておりますが、これにつきましては今後の果樹園経営における生産性の向上をはかるためには、樹園地の集団化が基礎条件でありますので、また特に商品生産の色彩のきわめて強いという点で、一定量以上の出荷単位が要求されるというようなことを考えまして、計画対象の樹園地の目標といたしましては、おおむね十町歩以上集団して所在しているということを条件としております。また立地条件につきましては、農林省令で定めることにいたしておりますが、気象条件等の最低の限界条件に適合することを要するということに規定いたしたいと考えております。なおまた、右の十町歩という面積が集団する度合いを規定いたしております。この十町歩の、面積は、現在すでに樹園地化されているということを必ずしも要するものではございませんが、将来植栽されるものをも含めて一画目標の達成のときまでに、おおむね十町歩以上集団化した果樹園が形成されればよいという趣旨でございまして、この点については弾力的な運用をはかっていく考えでございます。なおまた、今申し上げました集団の度合いにつきましても、統一的な果樹園作業によって運営される範囲の樹園地の集団を意味しておりまして、必ずしも連続し接続しているということを要件として考えてないという点でございます。 それから次は、第六条ないし八条に移りまして、ここでは流通、加工の合理化等果樹農業振興のための岡及び都道府県の援助措置を規定いたしたものでございます。今後の果樹農業の健全な発展を期するためには、生産面での施策とともに、果実の流通、加工の合理化のための施策が必要であり、このために新たに第六条を設けまして、国及び都道府県は果実及び果実製品の生産、集荷、貯蔵、販売、価格等の状況について調査を行なうとともに、市況放送とか中央、地方の協議会の開催等によりましてこれらの情報を提供するように努めることといたしておるのであります。生産面に対応する流通、加工の部面におきましては、行政部面としては今後の拡充に待つべきものが多多あるわけでございますけれども、何をおきましても、現状におきましてはいろいろの制約を受けておりますので、われわれといたしましては、今申し上げましたような生産、集荷、貯蔵、販売等の状況につきまして、適時名団体あるいは各県に調査をし、その結果を適時的確に流していく、そうしてこれを協議会という形式で定例的に協議会を設けまして、そこで今後計画出荷なり、出荷調整なりの参考に資するように指導をして参りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。これに関連いたしまして第八条に報告の徴収の規定を設けまして、一定の報告をも法令上とり得るという措置を講ずることにいたした次第でございます。 それから第七条は、第六条以外の援助措置につきまして規定いたしておるわけでございますが、特に果樹につきましては、今後果樹の新柏、改植に応じまして、種苗の的確なる供給の確保と、さらに優良な種苗の供給が必要でございまするので、特にそれらの点につきましては予算も計上いたしまして援助の措置を講じて参りたいという意味で、第七条にはその旨を規定した次第でございます。 以上の施策に関連いたしまする三十六年度の予算といたしましては、第六条の調査とかあるいは情報提供、協議会等の関係経費としまして二千三百六十一万三千円、それから苗木対策関係として八百四十万六千円、これらを含めて果樹農業振興関係の経費としては六千四百六十万円を計上いたしておりますが、このほかに試験研究あるいは卸売市場、輸出振興等についても、農林省の各部局において別途計上いたしておる次第でございます。 第四は、果樹農業振興審議会の設置についての規定でございまして、第九条から第十三条まで規定いたしております。果樹農業の健全な発展をはかりまするためには、今後生産から流通、加工、消費にわたる各般の施策をさらに強化拡充していく必要があると考えるのでございますが、本法案におきましては、そのための一つの措置といたしまして、農林省の付属機関として果樹農業振興審議会を設置いたしまして、これに果樹農業全般にわたる重要事項を調査審議せしめる、こういうことにいたしております。委員の数は十二人以内となっておりますが、生産、流通、加工、金融等にわたる学識経験者を選定していきたいと、かように考えておる次第でございます。 以上が本法案の補足的説明でございます。
○委員長(藤野繁雄君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。 以上で本案についての補足説明を終わりました。本法律案の質疑は、日をあらためて行なうことにいたします。 —————————————
○委員長(藤野繁雄君) 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第一〇〇号)予備審査を議題といたします。 本案に対する質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
○北村暢君 まず、あの開拓者資金融通法による政府の貸付金の償還条件の緩和等に関する特別措置法が、この前の国会ですでに通過しておるのですが、これの政府資金の償還条件の緩和についての実情は、一体どういうふうになっておるのか、概略御説明願いたいと存じます。
○政府委員(伊東正義君) これは貸付残高は開拓融資特別会計からの貸付金は二百三十一億くらいでございます。それを、これは全部が対象になるわけじゃなくて、返せる人もあるわけでございますが、条件緩和をしなくてもよいわけでございますが、一つは、今までは組合貸しをいたしておりますので、これを個人別に切りかえていくということをやっております。二百三十一億のうち、三十五年度に法律が発足しましたのが若干おそい関係で約六十四億という金を判り振りまして、二百三十一億のうちでそれを組合貸しをしておるのを個人別に切りかえて、その上で条件緩和をするという作業を実はしておるわけでございます。これは組合貸しをしておりますのは、国の特別会計からだけじゃなくて、中金あるいは公庫の金もございますので、国の金だけを個人別に切りかえるといいましても、これはなかなかむずかしいので、系統資金、公庫資金につきましても実は一緒にやっておるわけでございます。まだ六十四億割り当てまして、借りかえいたしましたりしましたのは、たしか二十五、六億というふうに記憶いたしておりますが、三十五年度中にはそれだけはやりまして、残りにつきまして三十六年度中に借りかえなり、償還条件の緩和をしたいというふうに思っております。見通しでございますが、おそらく条件緩和をする人のうち六〇%くらいがおそらく五年据え置き、十五年というような長期の借りかえになるのじゃなかろうかというような見通しをいたしております。
○北村暢君 それで借りかえが、二百三十一億かのワクでやろうとしておるのですが、この前の委員会で資料要求をしておりました、開拓関係の政府、公庫並びに系統資金の総額についての資料要求をしておったのですが、きょうの配付された資料の中にあるようでありますが、きょう今いただきましたのをちょっと見ているひまがないので、大体開拓者のこの借入残高等について概略説明をしていただきたい。それとですね、今申しましたこの償還条件緩和の法律に伴う関係について、ちょっとわかるように説明していただきたい。
○政府委員(伊東正義君) きょうお配りしました資料のうちで、八ページをお開き願いたいのでございますが、八ページに開拓者の借入金の残高、三十六年三月三十一日現在推定、若干推定が入っておりますが、表がございます。ごらんになりますと、一番上が開拓者資金、これが特別会計でございます、二百三十一億、それから農林漁業金融公庫資金が四十四億八千五百万、それから災害経営資金、それから次の営農改善資金、これは中金から出ている金でございます。これは災害のときに借りまして、災害経営資金は短期でございまして、営農改善資金は十年の方に借りかえ、災害資金で両方中金から出ております。それから自作農資金が四十五億三千八百万、これは公庫から出ております。それから保証制度のきょう御審議願っておりますものによる残高が一億六千八百万、合計しまして三百六十三億八千八百万という貸付残高がございます。実はこのほかに註の(2)に書いておりますように、このほかに系統プロパーの資金、あるいは個人債務というようなものが実はございます。これは三十四年度に営農実績調査しましたときには、系統プロパーの資金が二十一億とその他個人債務が十五億というようなものがございましたが、上の表にはそれは載せておりません。今申し上げました貸付残高が三百六十三億で、二戸当たりにしてみますと、これは一戸当たりの平均でございますが、右の方にございまして、全国平均では二十四万五千円、その中で十五万六千円が特別会計の資金ということになっております。それで条件緩和いたしますのは、このうちの開拓者資金の残高二百三十一億でございますが、これを対象にしまして、どうしても返せぬという人については五年据え置き十五年、あるいは据え置きなしの十五年というようなふうにしまして、借りかえをしていくというのが二百三十一億を対象にしたそのうちのかなりの部分をそういうことにいたすというふうに考えております。
○北村暢君 そうしますとね、今ここに出ておる三百六十三億八千八百万ですか、これに対して二百三十一億を借りかえしようと、こういう計画になっておるわけですね。それで昨年度から実施して、昨年度が六十四億のワクのうち、実施になったものが二十五億程度でないかという見通しのようでございますが、この二百三十一億のワクは何年間でこれを実施しようという考え方になっておりますか。
○政府委員(伊東正義君) 残高二百三十一億ございますが、借りかえをし条件緩和をするのは、実は三十五年と三十六年に条件緩和をしようということになっております。ただ二百三十一億全部を条件緩和するわけではございません。この中でも返せる人は、従来のと同様に返せる人もございますので、借りかえは、個人別の借りかえは希望があれば、みないたしますが、条件緩和をしますのはそのうちの七割くらいになるのじゃなかろうかという今予想をいたしております。
○北村暢君 そうすると、借りかえは全部するが、条件緩和するものの七割というと二百三十一億の七割ですか。
○政府委員(伊東正義君) 私どもはそういうふうに思っております。
○北村暢君 そうしますと借りかえしますというと、政府資金それから公庫、系統資金と、これを全部引っくるめてこの借りかえをするということになるというと、手続としては非常に、条件としては簡素化されるのでないかと思うのです。思うのですが、これはいろいろな種類の条件のものを借りておるわけでしょう。そうしますと、この条件緩和の分とそうでないものとで、従来の貸付条件よりも低下するものがあるのかないのか、この点についてどのような計画でおられるのか。
○政府委員(伊東正義君) お答えいたします。個人債務を全部借りかえをしようというのは、開拓者資金だけでございます。実は公庫、系統資金につきましては、これは債務の確認といいますか、全部個人貸しにしてしまうということよりも、中金の考えは、お前さんは幾ら借りておる、災害資金は幾らだというふうに、個人別に債務の確認をしよう、借りかえされるあとの方は、まだ徹底してやろうというふうには実は考えておりません。そういう確認をいたしておるわけでございます。ただ開拓者資金につきましては、先生今おっしゃいましたように、これは借りかえをしよう、で、その場合の条件でございますが、これは先生おっしゃいますように二十年ものでございますとか、十年ものとかいろいろなものを借りております。また、その現時点をとらえましても、残っておる期間もばらばらでございます。こういうものにつきましては、金利の一本のものごとに加重平均しまして、決して今までよりも不利にならぬというようなやり方をもって借りかえをすることにしております。
○北村暢君 だいぶ実情が、どうもまだはっきりわからないのですけれども、大体私はこの措置による借りかえなり条件緩和というようなことでやっても、これは既往の負債に対する措置であるわけですね。従って、それでは、もちろんこれも重荷になっていって、開拓者の営農自身が振興しなかったということではあるのですが、当然私どもの考え方では、開拓者の今までの借金というものは、たな上げせいという要求が相当あったわけですよ。ですからこの措置によって、一体どの程度借金が電荷にならない程度になるのか。今もお伺いしているといろいろ種類があってそれをどういうふうに処理されるか、加重平均でもって従来よりも不利になるようなことはないのだと、こうおつしゃられるのだけれども、どういう意味においても、今直ちに、どんどん返済をしているというような形では、実質的に営農改善のために役立たないのじゃないかと、こういうふうな感じがするのです。従って、今の御説明いただいた中で、端的にどの程度重荷にならないで今後の営農の改善に役立つのか、ここら辺のところをもう少しわかるように説明してもらいたい。
○政府委員(伊東正義君) 条件緩和しますものの中で一番有利なものは、今償還期に来ておるというようなものにつきまして、また新しく借りかえてさらに五年間は償還しない、五年据置十五年、二十年かかって償還というような一番有利な条件緩和をしようとしておりますのは約六〇%ぐらい、先ほど申しましたように開拓者の六〇%ぐらいがそれに該当するのではないかというふうにわれわれは推測しております。なるべく私どもとしましては、償還の時期にきておりますものにつきましては、そして営農不振だという人には、今言いましたような一番有利な据置期間を作りまして、これは従来の基本営農資金、最初に貸しましたときと同じ条件でございます。そういう有利なさらに五年間は払わぬでもいいというようなことをしまして、借金を返していくということの重圧に対しては、ある程度負担の緩和をしようじゃないかということで、それが対象の一番大きなものであろうと思っております。それだけでなくて、先生がおっしゃったそれはうしろむきのあれでございますので、振興対策資金という前向きの、たとえば乳牛を入れますとか、機械を入れますとかいう場合につきまして、そういう人に対しましては来年度二十五億の予算を取りまして、貸付は従来通りやっていくというような格好になっております。
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、私は今の開拓者の現状からいえば、乳牛、果樹相当入って参りましたけれども、大体平均からいけば、まだまだこの家畜等の導入についても既存農家から比べれば非常に程度が低い、こういうふうに思うのです。まあ実態もそうだと思うのですが、従って、今までの開拓に対する抜本的な要請が行なわれて開拓振興資金等もやられているのですがどうも不徹底である。従って振興資金等もこれはワクを拡大しない限り問題にならないのじゃないか。それから今の出ておりますこの資金による債務保証による系統資金等についても、中期、短期の高利のものでは、なかなか開拓ではペィをしないということで、全体的からいってどうしても抜本的な開拓の振興をはかるためには、今までのとった措置では、私は振興しないのじゃないか、こういうふうに思うのです。従って、この所得倍増なり、あるいはこの今基本問題で触れてきております自立農家なり、こういうものとの関連において、この営農類型というものを根本的に検討し直さなければならないのじゃないかというふうな感じがするのです。従って、それに見合う財政投融資というものが、当然考えられなければならない、こう思うのですが、それで従来のとってきた施策と、今度抜本的に開拓のあり方というものを変えていこうという、しかも既入植者に力を入れて新しい開拓はやらない、こういう考え方なんですから、それじゃ一体どのように抜本的にやってもらえるのか、入植者の八割が営農不振だという、それにいろいろ措置はとったけれども、実際はやはり不十分で、今の開拓農家がほんとうに立っていくというような形にはならないのじゃないか。しかも畜産三倍の果樹二倍というこの施策と、開拓農家というものについて、どのように一つこの対策として考えられておるのか、どうも基金ですか、協会の五千万円くらいの増資では問題は解決しそうに私どもは考えられないのですよ。それでどのように自立農家との関連において、この不振状態にある開拓農家を振興させようと考えているのか、これを一つ方針としてお伺いしたい。
○政府委員(伊東正義君) 今、先生おっしゃいました五千万円は、これは実は昨年は一億で、今年は五千万円になりましたのは、この前もちょっと御説明いたしましたように、これは地方の協会の出資と、中央の協会の出資と、バランスをとっていくものでございますから、地方の出資が来年度、一年度では昨年のようにそのバランスがとれるとは、一億国が出すほどは集まらんじゃないかというような見通しで、実は五千万にいたしたわけでございまして、この五千万円とか、こういう金で、基本的な問題をどうというふうには、先生のおっしゃる通り解決はいたしかねる点でございます。 もう一つの大きい問題でございますが、これは開拓営農審議会でいろいろ問題なっているところでございます。新規のはどうしているかということにつきましては、実はきょうも審議会がございまして新しい開拓をどう考えていくかということは、きょうから御審議願っておりますが、私どもとしましては、新規のものについては、先生おっしゃる通りでございます。これは過去のような開拓ではまずいので、やはり営農類型その他につきましては、相当高いことを考える必要があるのじゃないかというふうに思っておりまして、現時点で新規に入ってもらう人につきましては、なるべく、所得基本類型を現在作っておりますが、三十五万というのを大体見当にして作っておりますが、少なくともそれまではやれるようなことを考えたらどうかというようなことで、基本類型中に入れようというようなことを考えております。 既入植者につきましては、これは審議会でもいろいろ議論がございまして、今入っている人をどの程度のところに持っていくのだ、それにまた既入植者全部をそこまで持っていくのかということがだいぶ議論になりまして、まだ結論は出ておりません。やはり既入植者の中でも、全部この対象とするのではなくて、やはり卒業生は卒業生として見ていくし、どうしてもその開拓地へ開拓者として残っていくのは無理だと、また営農の意欲その他も考えまして、これはある程度の、まあ環境整備的なものですか、そういうことをする人と、ほんとうに入植者として営農していくその望みのあるという人と、若干いろい分けてみまして、それで今後の対象に、開拓の対象にするという人については、少なくとも近傍の農村の専業艇家と同じくらいのレベルには早く上げたい。今、開拓営農振興臨時措置法でいろいろ施策をやっておりますが、これをどういうふうに改正するかは別問題でございますが、やはり時点を切りまして、そういう人は少なくとも近傍の農村の専業農家と同じレベルまで持っていって同じスタート・ラインにつかせて進めたいというようなことが抽象的に今議論されておるわけでございます。最終的な答申はいただいておりませんが、その場合に、所得何十万というような目標まではまだきまっておりませんが、考え方としては今申し上げましたようなところに、早くスタート・ラインにつけて、その上でその人たちがさらに拡大していくというようなところに持っていきたいというようなことが今審議会で議論されております。私どもも大体そういう考え方で今後の開拓をやりたいと思っておりますが、具体的にそれじゃ所得を何十万にするというようなところまではいろいろまだ問題がございますので、確定はいたしておりますんが、なるべく大きな人を、これから開拓者として残せるというものを、かなり幅を持った人を選びまして、その人を中心に開拓事業を進めていくというふうに思っております。
○北村暢君 そうしますと、今の考え方ですと、今の十四万何干かの入植農家をさらに整理をしていくというような考え方のようですが、昨年から実施しました過剰入植の整理の状況、これは一体どういうふうになっているのですか。
○政府委員(伊東正義君) 過剰入植の問題でございますが、これは三十五年度では六百戸が予算の対象になっておったわけでございます。それで私どもも県の方といろいろ相談し、話がついて、それじゃほかへ出ようという話がついた数が四百二十三戸ございます。内訓を見ますと、海外に移住するという人が八十九戸、約九十戸ございます。それから再入植をするという人が六十九戸、それから農村に帰って、あるいはまた山で働く、農業なり林業にまた、そこからは引き揚げて従事したいというのが五十三戸、鉱山に行きたいというのが八戸、それから二次産業、製造工業その他に行きたいというのが十戸、その他はこれは町に出るとかあるいは三次産業につくというような人が百二十五戸というような今数字になっております。六百戸予定いたしましたが、初年度でもございますので、今言いましたような実績になっております。
○大河原一次君 ちょっと今のと関連するのですけれども、これはあらためて何か、基本法等の中に御質問申し上げるのが筋だと思うのですが、今北村さんのとちょっと関連しますから聞くのですが、基本法の中に構造改善事業計画案なるものが考えられて、全国の何か九十二の指定地域のための、その選定基準というものが考えられておるのですが、その選定基準の中に、開拓地域というものが入っておるかどうか、一つこの際聞いておきたいと思います。
○政府委員(伊東正義君) 私実は局が違いますので、そこまではっきりは知っておりませんが、これはある村を選んで、そこで集中的にいろいろな、たとえば環境整備の問題でありますとか、基盤整備の問題とか、あるいは交換分合ですか、あるいは農地の信託、いろいろなことを集中的に施策をしてみようということでございまして、ある村の中に開拓地が入ったところも私は当然選んでもいいんじゃないかと思っておりますが、まだ私どもはっきりこうだということを存じませんので、あるいは調べましていずれ御答弁いたしたいと思います。
○北村暢君 そうすると、六百戸の予定で四百二十三戸間引きができた、こういうことのようですが、しかもそれの中に再入植がある、あるいは海外へ出て行った者、これは農業をやろうという意欲ある者が大部分だと思うのですが、この程度であるということになりますと、これは昨年の場合、試験的にやるのではないか、説明のときにも、そういうような口ぶりであったわけですが、今年度予算でいくというと、これが約三倍くらいにふえているようですが、一体、この過剰入植の整理というものをどのように将来考えていくのか、試験ではなしに、どのくらいの戸数のものを減らそうと、間引きしようと考えているのか。 それともう一つ、過剰入植ですから、過剰入植の地帯はいいんですけれども、そうでない適正規模というか、今の配分でいったというようなところまで拡大をしていくのじゃないか。先ほどの局長の説明ですというと、不振農家は、開拓農家のどうにもこうにもならないというのは整理していくよりしょうがない、そういうようなのは他産業へ持っていかなければならない、こういうような考え方もあるようですから、過剰入植とそのほかの不振農家というようなものとの関連で、一体どんなような計画を持っておられるのか、この点についてお尋ねしておきます。
○政府委員(伊東正義君) 金額は確かに三倍くらいになっております。ただ戸数は三十六年度は干戸でございます。これは三十五年が十五万という、その三分の二を補助するという形でございましたが、来年度は十五万を倍にいたしまして、一戸当たり三十万、その三分の二補助ということになりましたので、金額はふえておりますが、戸数は千戸でございます。これは私の方でまだはっきりと計画が立ちまして、どの地区で何戸、全国でどうという数字まで実はまだ計画的に——集まっておりません。来年度千戸というのもやはり試験的と言わざるを得ないと思っております。ただ、県等では、いろいろ過剰入植と思われるところを調べまして、県の、自分の県はどうだというようなことを持ってきましたのは、集計しますと六千七百、約七千戸くらいの数字を実は持っております。しかしこれは私どもとしまして計画的にそれがそういう数字でやるのだというようなことまで、まだつめておりません。それからさっき私御説明しました中で、何か整理というようにつながるというお話でありましたが、まだ審議会の方でいろいろ分類分けをしまして、その残った人についてどうするのか、どういう対策をとっていくかということは、実はまだはっきりはきまっており・ません。従来も入植された人で自然脱落といいますか、何か出ておるのは、先ほど御承知の通りで、今まで五一万戸以上、五万九千戸くらい脱落といいますか、脱落している人がございますので、これはそういうふうに、自然にまかせるか、少し計画的にやって、どうしても出たいという人は出やすくするということをやる必要があるんじゃないかということを考えております。これは審議会の答申をいただいてから、今の開拓営農振興臨時措置法をどうするかということを一緒に考えて、三十七年度からはどういう考え方でやるかということをきめたいと思っております。
○北村暢君 昨年は十五万円で、今度は一戸当たり三十万円というが、これは実施してみて、十五万ということではとても離農できないということで増額されたのかどうなのか。大体開拓農家が離農する場合に、転業資金なり何なりという考え方がだいぶ入っているのだろうと思いますけれども、一体、十五万とか三十万という、倍に実はなったわけですが、そこら辺の、実施した状況から見て一体どういうようなんでしょうか。私どもは十五万くらいですというと、大体借金背負ってるわけですから、もちろん土地の整理なり何なりやっていきましようから、そのための収入はあるにしても、十五万ぐらいというのは、借金なしをして、借金を背負ってないような人は出ていかないでしょうから、従って相当不振な人が借金なしをすればとてもなお借金を払えないで出ていくのじゃないかという感じがするのです。大体平均二十万以上の負債を持っているわけでしょう。それですから、政府資金にしてもそのほかの負債にしても、負債整理をして一体どのような形で離農されたのか。ここら辺のところ、せっかく間引きをやった経験からして、どんなふうな実施の状況であったのか、お伺いしたい。
○政府委員(伊東正義君) 今御質問ありました借金の整理等については、大体国からの債務につきましては、これは即決和解をして、手続をして支払いを延ばすというふうなことをやっているのが大部分でございます。そのほかの借金につきましては、これは土地を処分したり、あるいは住宅処分とか、そういうもので払っている人もありますし、またもう一つは、あとの人に土地を分けていくという場合に、その人に借金を肩がわりしてもらうというようなやり方でやった場合もあるのでございますが、十五万という金では、やはりいろいろなものを処分し、借金を国のものを延ばし、あるいは肩がわりしてもらっても、やはり次に移る当座の生計費でございますとか、あるいは事業資金というふうなものがどうしても足りぬというので、もっとこれは増額してくれという要望がだいぶ、これは私ども県から聞いた話でございますが、県等から要望が強かったものでございますので、初年度の経験では若干十五万ということじゃ無理だということで、いろいろ積算しまして三十万ということにしたわけでございます。
○北村暢君 ただ十五万から三十万、とたんに倍にしてやるというのは、全く計画的でないように私は感ずるのですがね。それでもなおかつ私は不十分じゃないかというような感じがするのです。しかし、そういう経験の中から三十万にふやしたということについては、まあ一つの前進かとも思うのですが、それでなしに、間引きもいいのですが、過剰入植ですから、間引きをしたものによって拡大される農地というのは、どちらかといえば大したことないのじゃないかと思うのですが、それよりもやはり積極的に増反というふうなことを考えるべきじゃないか。その際に、やはり緊急開拓投資で計画の不備によるものでありますから、そういう積極的な増反なんというものは考えられないのかどうか、またそういう条件というものは実際ないのかどうなのか、この点お伺いしたいのです。
○政府委員(伊東正義君) 今おっしゃった点は、われわれも考え方同じでございまして、実は来年私の方の計画部というところに若干予算を計上したのでございますが、従来入植しているところをもう一回洗い直してみよう、捜査してみよう、そして先生のおっしゃいましたように、そこにまだ工事が残っておる、工事をやっておるという場合に、単に入植者を入れていくというだけでなく、なるべく入った人によけい土地を持たせていくということを考えたらいいのじゃないか、先生のおっしゃいました一回入った入植者に、さらにその地区に土地があれば工事をやって、新規の入植ということよりも、その人らに土地を分けていこうということの方がいいということで、再検討してみようじゃないかということで、ことし、来年くらいからやってみようと思います。その結果は、先生がおっしゃいましたように、なるべく、入った人が経営面積が小さいということであれば、その人たちに優先的に土地を分けていくということにしたいと思っております。
○北村暢君 それから、これは振興対策としていろいろな施策を講じておるのですが、振興資金の関係ですね。これは振興資金については、資金ワクの問題について、やはり問題がだいぶあると思うのです。従って振興資金、せっかく振興臨時措置法ができたのだけれども、その効果があまり現われてないという意見がだいぶあるわけです。振興資金の貸付状況というのは一体どうなっておるのか、この点についてお伺いしたいのです。
○政府委員(伊東正義君) 振興対策を作りましたときに、資金の関係は、先生のおっしゃいました振興対策資金と、公庫の資金、いろいろな施設費を貸してほしいという公庫の資金、それから従来の個人から高利で借り受けました資金を自作農資金で借りかえたいということ、もう一つは災害資金を中金から借りていたのを、この臨時措置法によって営農改善資金に、十年に借りかえたい。資金の関係は四つございました。その計画を集めました金額は、最初の振興対策資金が百四十二億ございます。それから公庫資金が九十億ございます。自作農資金が五十二億、営農改善資金に切りかえようというのが四十億ということで、計画では出て参りまして、振興対策資金は三十五年度までに六十一億出ております。三十六年に二十六億、一応予算で予定しておりますので、三十六年まで加えてみますと、六割くらいは出ることになります。公庫資金は、これはなかなか希望が、実はあっても借りられぬということもございますが、ということよりもむしろあまりこっちの希望が少ないということで、九十億とありますが、三十五年までには二十四億出ております。三十六年に九億七千万くらい予定しておりますが、これでいきますと、三八%くらいになります。自作農維持資金は五十二億でございますが、これはほとんど全部要望通り出しておりますが、営農改善資金につきましては四十億、これは全部借りかえ終わっておりますというような状態でございまして、振興対策資金は、まだ先生おっしゃいましたように計画通り十分は出ていません。一人当たりにしてみますと十四万くらいの金になるのでございますが、これが十分であるかないかということは、今先生おっしゃった通りの問題がございまして、これも先ほど申しました審議会等で、それじゃこれから振興対策やっていくにはどういう内容のものをやるのだというようなことで、この資金のワク等が当然また問題になるだろう、こういうふうに思っております。
○北村暢君 今の説明ですと、やはり振興対策資金としては、私はとても問題にならないじゃないかと思うのです。それで家畜の導入にしても、果樹に切りかえるにしても、開拓農家というのは、そんなに水田農家というのはないですから、ほとんどこれは、畑作の方が圧倒的に多い、しかも畑作の不利というものについては、もう絶対に不利であるわけですよ、今の状況では。そういう中で、一戸当たり十四万や何かで振興しようなんといったって、とてもこれは振興にならぬのですね。まあせいぜいやって豚の何頭か飼える、鶏が幾らか入るという程度にしかならないじゃないかと思うのですね。でありますから、私はやはり開拓農家への融資、その他については、これから振興しようという考え方、開拓審議会の結論を待ってということではあるけれども、これはやはり、開拓農家こそは、私は経営の共同化なり何なりやって、そして合理化していく、多頭飼育という政策を取り入れるということで、やはりパイロット式のもので再編成しない限り、今の開拓農家は簡単な振興臨時措置法では物事は解決しない。やはり思い切って、一戸百万でも、何ぼでも投資しない限り、これは絶対今の開拓農家は浮かばれないと私はそう思いますね。特に有畜農家としての、それしか開拓農家に道がないと思うのですよ、果樹もね。それが今平均して、乳牛等でも、一戸当たり一頭足らずの平均、そういう状態の中で、開拓農家をよくしようといったってならないですよ。だからやっぱり振興資金にしても、総ワクが問題になると思うのですね。僕は、今言ったように、一戸当たり十万幾らで何やれといったってこれはできないです。ですから、そういう自立農家との関係において、抜本的なものを私どもは考え直さなければならない。そういうものは、やはりまた開拓農家は望んでいるんじゃないか。非常に苦労をしてきておるわけですから、そういう措置をとれば、やはり開拓精神というものを持っている人が残っておるわけですから、相当ふるいにがかったものですからね。私は各地の開拓地へ行って、いろいろな意見を聞いてきますが、もう、やはり問題は金がないということですよ。借金も借金ですけれども、借金はこれは払えないものは払わなくていいけれども、浮かび上がるためには、絶対にこれは資金のワクが足りないのですよ。借りられないのですね、金も。そこに問題がやっぱりあるのじゃないかと思うのです。従って、多頭飼育の問題なり、あるいは果樹転換なりやろうという意欲は持っておるけれども、持っておるけれどもどうにも手が出ないというのが実情である。このように思うのですよ。ですから、今ちょっと触れられたようでございますけれども、これはやはり抜本的な考え方を一直さなければならない。このように思うのです。従ってこれはもう簡単にはいきませんので、何カ年計画かでやはり計画的にやらないと、私はせっかく入れた十余万何戸のものはじり貧でもうどうにも、はしにも棒にもかからないような、他産業にでも転換してもらうよりしょうがないというのではなく、今の玄までおいたらみんなそうなってしまいますよ。ですから、やはりせっかく多額の経費をかけて入植させたのですから、この離農をするのを待つようなことではなしに、積極的にやはり成り立つような形における徹底した振興策というものがとらるべきである、こう思うのですね。ですから、この点について、これはもう何回か言われたことなんで、こんなことを今さら言う筋合いでもないのですが、いずれにしても不徹底であるために、いろいろな施策はとるけれども、それがいずれも満足じゃない、不十分。不十分といってももうはなはだしく不十分なために八割が不振農家だと、今だって私は八割は不振農家だと思いますよ。でありますから、いろんな振興対策をとりながら、なおかつ八割の不振農家というものは解消しないのですから、やはりここら辺で抜本的な対策というものが講ぜらるべきだと、こう思うのですよ。だから、その点について熱意があるのかないのか、私はお伺いしておきたい。これはまあ農林大臣とでも一発やらなければ話は解決しないのだけれども、局長せっかくお見えだから一応お伺いしておきたい。
○政府委員(伊東正義君) 先ほど申しましたように、審議会でもそういうことが非常に問題になっているので、そういう場合に、先生のおっしゃいましたように、全部の農家、十五万戸ですね、これを全部対象にして同じような内容のことをやるのか、あるいはいろいろグループ分けして対策の内容を変えていくのかというようなことがいろいろ議論されているのでございまして、私どもとしましては全部といっても、また卒業生もいるんですから、全部じゃないが、ある程度幅の広い人を拾って何とかしなければ、先生のおっしゃるように、さいの川原に石を積むようなことになって、金を使ってもむだだというようなことを何度もやっておりますので、今度の審議会で結論を得ましたら私どもはその辺のところは何か思い切ったことを考える必要があるのじゃないかというふうには思っております。
○大河原一次君 先ほど条件緩和の問題が出たのですけれども、せっかく十五年間並びに二十年間という期限の一応の条件緩和が政府資金によってなされることになったのですが、ただその場合、その条件緩和の事務手続をとる場合に、その前提条件としてやはり農協の単協の持っておる債権債務の整理をしなければならぬと思うのですね。その整理をする場合に、政府資金ばかりではなくて公庫資金並びに系統資金に対してもあわせて整理をしなければならぬという、こういう条件ですが、しかし、一応この条件緩和のためには政府資金は出しておるんだが、借金にはもちろん変わりはないと思うけれども、しかし、あわせて公庫資金なり系統資金まで整理をしなければならないということ、ちょっと僕はわからないところがあるのですが、その点について。
○政府委員(伊東正義君) 先ほどの八ページにございますように、貸付残高が公庫資金その他載っております。私ども考えましたのは、残高の中で圧倒的に多いのは実は政府資金でございますので、これが非常に重圧になるということがいわれておりましたので、またわれわれもそういうふうに判断をしまして、政府資金だけにつきまして実は条件緩和をしたわけでございます。公庫資金、自作農資金等になりますと、これは一般的な問題でなくて、たとえば災害その他でありますれば延ばせるというようなことを具体的な個々の問題としてはやっておりますが、制度全般として今先生がおっしゃったところまでやるかどうかということにつきましては、これは系統資金も入っておりますので、まだそこまで実は踏み切らずに政府資金中心で考えたわけでございます。この問題は実は開拓者等からの要望もございますが、なかなかむずかしい問題もございますので、政府資金以外につきましては、これはもう少し検討さしていただきたいというふうにわれわれは思っております。
○亀田得治君 この前、農地局長は開拓の審議会では一応近傍の中庸農家ですか、そういうものをめどにしておる、将来の育成の基準というんですか、そういうことでそういうふうなことをちょっとおっしゃったようですが、その中庸ということの中身ですね、もう少し具体的に説明してほしい。
○政府委員(伊東正義君) 私が申し上げましたのは、審議会で決定とかそういうことはまだございません、いろいろ議論をされているということでございます。それで既入植の問題も今後の開拓の問題も振り返ってまた検討しようというようなことで、まだ何も結論的なものは出ておらないんですが、既入植者についてどこまで一体、今北村先化のお話もございましたが、上げていくのだろうということがいろいろ講論になった中で、今基本営農類型というのを農林省でやっておりますが、これは三十五万ぐらいの所得を一応目標にしたものを作っておりますが、それでは三十五万以下でいいかということになりますと、これまた非常に問題がありまして、将来の所得倍増で考えております自立経営農家の所得ももっと高くなっております。ところが、現実のそれじゃ開拓者はどうかといいますと、粗収入で見まして三十万から以下、粗収入でこれは七五%ぐらいがそんなものでございます。非常に低い。それを一挙にここ短い期間の間に高い所得まで持っていくといってもなかなかむずかしいことがあるんじゃないか、それである時限を何年か切りまして、切って上げるのは、まず近傍の専業の農家のところぐらいまで持っていってスタート・ラインを一つにして、一緒にして、さらに進めようということの議論が多く出たのでございまして、その場合にそれはスタート・ラインに張りつけるということで、それが将来の目標じゃない、そこからさらに出発していくんだという議論が出ております。その場合に一体所得は幾らにするのかというような具体的なことは、これは非常に地方々々の問題がいろいろございますので、まだ所得が何ぼがいいというようなことまではさまっておりませんで、これは他産業との均衡等いろいろの問題がございますので、絶対額でものは表現できるか、それらの問題はまだこれからの問題だろうと思います。
○亀田得治君 その際の近傍の、この前は中庸農家といったと思うんですが、今近傍の専業農家とおっしゃっておるわけですが、これは基本法でいう自立経営にまで達しないものですか。
○政府委員(伊東正義君) これは所得倍増なり、基本問題でいっております自立経営というのはまだかなり高いところを考えておるわけです。現時点でそういう高いものが相当近傍の専業農家にあるかというと、私はそうよけいないと思っております。それでまずスタート・ラインにつける、スタート・ラインはそれよりも低いところということで、それから高い目標に向かって進んでいくということになるだろうというふうに思っております。それでいろんな振興対策の施策をするにも、まずスタート・ラインにつけるようなところまでの施策をしようというようなことが中心になるんじゃなかろうか。これはまだ中間の段階でございますので、結論的には申し上げかねますが、そういうことが議論されております。
○亀田得治君 これはまあ議論ですから、局長の意見じゃないのだから、あまり人の意欲について質疑しても、多少筋違いかと思いますので、この程度にしておきますが、もう一つ、きょう配付していただきました第五——一番あとの表ですが、この中で、労働力といいますか、人数の関係ですね。どの程度のもので運営されていくことになるのか、そういうような点はどうなっておりますか。
○政府委員(伊東正義君) これは実験農場といいますか、この前先生から御質問がありまして、何か将来の問題として考えているかということの例で、三十五年度から初めてやってみようと、大体これはみな共同経営でございます。それで、形としましては、大体そこに入植をするということじゃなくて、地元の人がこれは増反地として配分を受ける。そして、その増反地について経営をするには、一つの法人を作るなり、組合なりという形で、共同経営をやってみようというような形で、これは飯山はまだ始まっておりませんが、スタートしたのでございまして、たとえば久住飯田あたりは、これは、関係者は百数戸ございますが、常時そこに出て働くのは、たしか私の記憶では、若い人が十人前後で、機械を使ってやってみようというようなことで、始めたばかりでございまして、これは牛を入れるとか、そういうような段階にはまだ至っておりませんが、開墾は始めておるというような実情でございます。
○亀田得治君 そうすると、まだ完成していないわけですが、完成した場合には、何人ぐらいの労働力でやっていけるという見当なんですか。
○政府委員(伊東正義君) 大体の見当は、経営主体なり、構成員というのが、五十名ないし百名ぐらいの者で鱗成しまして、専従者は五、六名ぐらいのところでやれるのじゃなかろかというような規模をえております。ただ、そのほかに、季節々々には、構成員の中から働きに出るというようなことになると思っております。
○安田敏雄君 これは、一昨年できた草地制度研究会というのがあるわけですが、その草地制度研究会の答申に基づいたのが、第二表の草地造成年次目標ですか。
○政府委員(伊東正義君) あれは、今草地の審議会をやっておりますが、まだ答申は出ておりません。
○安田敏雄君 これは農林省自体か、あなたの方だけの試案なんですか。
○政府委員(伊東正義君) ここにあります雑地造成目標というやつですね。これは、畜産局が一応こういうことも考えられるという案でございまして、まだこれが農林省の案としてオーソライズして、外へこれでやりますというふうにはなっておりません。
○北村暢君 これに関連してちょっとお伺いしておきたいのですが、農地白書の中に百五万町歩の開拓適地がある。これは現在の技術をもってして百万町歩あるのだと、こういうことがあったと思うのです。それで、今後、今出ているこの草地造成という問題を含めますと、従来の耕地といったような観念に対して、農用地として牧野、採草地をひっくるめていきますというと、まだ開拓適地というものがあるのだと、こういうふうに思うのです。ただその物合、これは自然的条件において適地である、こういう考え方だろうと思う。従って、未墾地として買収が簡単にできるかできないかということは、これは別問題で考えられた数字なのか、そこら辺の百五万町歩という内容についてちょっとお伺いいたしたい。
○政府委員(伊東正義君) この数字でございますが、この前亀田先生から御質問がありまして、お出ししました資料でございますが、最初の五百五十万という数字は、これは五万分の一で落としまして作ったものでございます。条件等も、どっちかというと、今から考えれば割合粗雑なものであったのではないかというふうに考えております。 それから、次の先生の御質問がありました二十八年の調査でございますが、この場合には、単に最初に五万分の一に落としたということだけでなくて、条件等につきましても、現在の農地法の施行令にありますような基準——大体ここにある基準でございますが、こういうことを頭に置き、それから取得の可能性ということも頭に置きまして県から報告をとりましたのが第二の二十八年の調査でありまして、その県から出てきました数字と、それからそれまでに国が買いました面積とを合わせましたものから着手しましたものを引きましたのが百五万ということになっております。その場合に、先生おっしゃいましたように、取得の問題等も頭に入れましてこれは報告が出ておる数字でございます。
○北村暢君 この点、農地局のいう牧野と、林野庁で考えている森林法からくる原野、それから畜産関係の牧野法による牧野と、いろいろ考え方が違うのですけれども、まあ統計で原野と称するものが総計で約百四十万町歩くらいあるわけなんです。これは農林省の統計に出ている数字なんです。そうすると、この原野の百四十万町歩というものは、これは畜産局のいう採草地というものと密接な関連を持っておる。今この畜産局の資料によっても、集約牧野が四十四万町歩ですか、それから改良牧野が五十四万町歩、計で九十九万町歩ですか、そこら辺、そういうような数字が出ておるのですけれども、これは、一体草地造成の点からいって、この原野と称するものと、この牧野というものとの関係、それから今度先ほど説明のありました百五万町歩、こういうものの関連なんですがね。同じ農林省の中で、おのおのが数字を出しておるので、どれがほんとうなのかちょっと私どもわからないわけなんですよ。それで、この百五万町歩というのは、もちろん山林を含んで、適地がある。今説明によるというと、適地基準による相当可能性のあるのが百五万町歩。現在の農地法によって未墾地として取得できる見通しのもの、こういうふうな説明にお伺いいたしましたから、これと原野あるいは牧野というものとの関連で、私どもは農地、耕地の観念の中に軍というものを入れるというと、相当程度適地基準というようなものも変えて差しつかえないのではないか。たとえば傾斜度十五友以内ということになっておるけれども、十五反以上でも草というもので考えていき、農法そのものを変えれば、また開拓の技術そのものを変えれば、まだ開拓可能な土地がある。現在の技術だけで百五万町歩ある、こういうふうにいっているのですから。従って、従来の農地というものの考え方というものを今後の成長財である畜産、果樹というものを取り入れて、農用地として今後拡大をしていくという考え方に立てば、開拓の技術そのものも進んできておりましょうし、適地基準というものもこれは改めなければならない、そういうふうに思うのです。従って、百五万町歩というのは、現在の状況で開拓方式を変えないでも百五万町歩ある。こういうことをはっきりいっているのですから、もっと方法を変えれば開拓というものは可能であるものが出てくるということを言っているのですから、そういう点からいって、ここら辺の統計数字なり何なりというものについて、農地局としての見方として一体どのように考えられておるかということなんです。それで、この前の説明では、十年間に二十一万町歩ちょっとしか開拓しない、こういう考え方にあるようですが、これは農用地を拡大しないという考え方からいけばそういうことなんでしょう。どうなんでしょう。私どもは開拓技術なり何なり進んでくれば、また大型機械を入れていくならば、もっと農地造成のために、従来の一反歩二十万なり三十万なりかけてやるということでなしに、もっと安い単価で農地造成というものはできるのではないか、こういうふうな感じがするのです。従って、そういう点からいって、農用地の拡大ということについて、白書との関連からいって、どのように感じておられるか。この点は後ほど基本問題とも関連しますから、大臣に質問したいと思っておりますけれども、一応事務当局としての見方、そういうものを一つお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(伊東正義君) 資料で差し上げました百五万町歩につきましては、これは行政白書で示した数字でございまして、この条件等をごらん願いますと、傾斜その他につきましても若干、五百五十万やりましたときよりも、十五度以上でありましてもそういうものはとるというように、条件はかなり変えております。しかし、先生のおっしゃいますように、若干まだこれは検討の余地はあろうかと思います。そういうことで、百五万町歩というものは、国が大部分持っておりますほかに、七十万町歩ぐらいだが可能だろうということで、出てきたものから着手したものを引いて出した数字でございますが、畜産で考えられているこの草地の問題等につきましては、私は百五万との間の調整は、もう少し厳密にやってみませんと、当然ダブっているものがかなりあるのではないかというふうに思っております。草地につきましては、実は三十五年、三十六年に畜産が予算を取りまして、草地造成の可能性の調査を実は今たしか畜産局でやっておられるはずでございますので、これがもう少したてば、はっきりしてくるのではないかというふうに思っております。それで百五万町歩のほかに、九十九万なり百万あるということでなくて、これにはかなりダブつたものがあるのではないか。まだ今私、ここで、現時点で、幾らダブっておりますということを申し上げかねますが、かなりダブっているものがあるというふうに私どもは考えております。林野で出ております原野等につきましてもこれは私の方の百五万と、やはり場所によってはダブっておるということが当然考えられますが、それが幾らダブって、というところまでの調査はいたしておりません。ただ私どもは、先生は先ほど二十一万七千の数字もお述べになりましたが、十五年間でやりました開拓の総面積は、増反を入れまして、五十一万町歩、十五年間ぐらいでやっておるわけでございますが、今後の二十一万というのは、所得弾性値からはじいた需要ということを考えておりますので、私はかなりな数字ではないかと実は思っております。
○亀田得治君 ちょと関連して。この二十九年の調査では、「用地収得の見通しその他社会経済的条件をも勘案して」、ここら辺がだいぶ強く作用しているのではないかと想像するわけですが、これは具体的にいうと、どういうことですか。
○政府委員(伊東正義君) 五百五十万をやりましたときには、これはほんとうに五万分の一で、傾斜はその他でやりましたので、これは非常な大きな数字になっておりますが、この場合やりましたときには、たとえば社会経済的条件といいまして、非常に俗な言葉で、市場から離れたような、非常に不便な上こんなところに、いろいろな飛び地があっても、そういうものをやっては、開拓が成功せぬのではないかというようなところは、これは落としておるというようなことを当然やったわけでございます。それから取得の問題になりますと、先生のおっしゃいましたように、これは人によってかなり判断、主観といいますか、が入りますので、全国同一基準というわけには参りませんが、用地取得をずっと緊急開拓時代からやっておりました県の職員なり事務局の職員の経験からいって、大体村に話して、この土地は買えるとか買えないとかいうことの判断がかなりつくような年数にもなっておりますので、そういうことを基準にしたわけでございまして、ただその点には若干主観的な面もあるかというふうに思っております。
○亀田得治君 そこら辺はどうですか。技術的には可能であるが、そういう主観的な判断なり、あるいは飛び地というような関係から落とされた、どの程度、それは整理されているものですか。
○政府委員(伊東正義君) 現時点ではちょっとそこはわかりかねますが、だいぶ前の実は調査でございますので、そこまではっきりした数字的な御説明をするのはなかなかむずかしいのじゃないかと実は思いますが、現在ではそれで幾ら落ちたということは実は今わかっておりません。
○亀田得治君 しかし各府県ではいろいろ専門家の諸君が検討して出してきた数字だから、何かそういうものがあるはずですね。それがなしに、ただ、まあこの辺にしておけというわけにはいかないはずですが、そこら辺が非常に重要だと思うのですね。それはちょっと農地の造成に積極的な立場をとるのととらんのと、ここら辺の数字というものは非常に違ってくる。これはこの法案であまり突っ込んで御質問申し上げるのも何ですが、これはわれわれにとっては、一時開拓が多少下火になった時期がある。しかし現在では別な角度からやはり問題が御承知のように出ているわけですから、これはいずれ十分お尋ねすることになると思うので、一つ調べておいてほしいのです。これは各府県にあるはずです。もしそんなことがなしで、これだけの数字が出ておるんだということになると、それはきわめて政治的な、しかもある意味では用地収得に水をかける立場での数字ということにならざるを得ぬですね。よく研究してほしいですが、いずれこれはあらためてお聞きしますが、これはどれだけ出てくるか、土台がはっきりしないことには農地計画も何もないんだから、これは要望をしておきましよう。 それからもう一点ですが、さっき、一番終わりの表についての人数を私お尋ねしたのですが、完成した場合の姿としては専従者五、六名、季節的に関係の農家からもちろん応援に出かける、こういうことでしたが、経営面積だけをとってみても非常に違うわけですね。五つおのおの——飯山などは十倍くらいあるわけですね、一番小さいのより。これはみんな同じ——これは一番小さいやつをおっしゃったんですか、さっき。
○政府委員(伊東正義君) これは大体久住飯田を標準にごらん願いたいと思います。
○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本件については、本日はこの程度にいたします。 本日はこれをもって散会いたします。 午後三時十三分散会 ————・————