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38回国会参議院1961/03/09

農林水産委員会 第13号

発言数
5
登壇者
2
会派数
1
開催日
1961/03/09

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について報告いたします。  昨三月八日、棚橋小虎君が辞任、その補欠として赤松常子君が選任されました。   ―――――――――――――

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 農業近代化資金助成法案(閣法第一〇八号)、農業信用基金協会法案(閣法第一一一号)、農業協同組合合併助成法案(閣法第一一二号)、農業協同組合法の一部を改正する法律案(閣法第一一三号)、農地法の一部を改正する法律案(閣法第一一四号)、大麦及びはだか麦の生産及び政府買入れに関する特別措置法案(閣法第一三五号)、愛知用水公団法の一部を改正する法律案(閣法第一四〇号)、以上、いずれも予備審荘、の七法案を一括議題といたします。  まず、これらの七法案について、順次提案理由の説明を求めます。

井原岸高自由民主党農林政務次官

○政府委員(井原岸高君) ただいま提案になりました農業近代化資金助成法案の提案理由を御説明申し上げます。  農業経営の改善をはかり、農業の近代化を強力に推し進めて参りますためには、農地の集団化等土地保有の合理化と並んで、家畜の導入、農作業の機械化等農業の生産施設等の整備拡充をはかることが不可欠でありますが、そのためには長期かつ低利の施設資金の融通を一そう円滑にする必要があることは申すまでもないところであり、農村におけるこれらの資金の需要はますます増加する趨勢にあります。  他方、農業協同組合等の組合系統金融機関の資金は、最近次第に充実を示して参りましたが、その貸出金利が割高であること等の理由から農民の資金需要に十分にこたえることができず、また、従来の農業改良資金等の制度金融につきましても、その資金ワクが少ないこと等の理由からその機能を十分に発揮するには至っていないと考えられます。  そこで政府といたしましては、今後農業協同組合につきまして自由資本の充実、合併の促進、部門別経理の確立等による経営の合理化の措置を総合的かつ強力に推進し、貸し出しの促進と貸出金利の引き下げ等組合系統金融の刷新強化をはかる所存でありますが、組合系統金融の現状にかんがみまして、なお利子補給等の助成措置を講じなければ農業近代化の重要な一翼をになうべき組合系統金融の機能を十分に発揮させることは困難と考えられますので、組合系統資金を農業施設資金として大幅に活用し、農業経営の近代化に資することを目的として、ここに農業近代化資金融通制度を設けることとした次第であります。  次に、この農業近代化資金助成法案の内容について御説明申し上げます。  この法律案は、農業者等の資本装備の高度化をはかり、農業経営の近代化を推進するために、農業者等に対し農業協同組合及びその連合会等が、これらの資金を貸し付ける場合に都道府県が行なう利子補給等の措置に対して国が助成を行なら制度を設けるものでありますが、そのおもな内容は次の通りであります。  第一は、国の助成の対象となる農業近代化資金の内容であります。  これは、農業者等の経営の近代化に資するために、農業協同組合等の融資機関が、利率年七分五厘以内、償還期限原則として十年以内の条件で、農業者等に貸し付ける畜舎、果樹棚、農機具等の施設の改良等に必要な資金、果樹その他の永年性植物の植栽に要する資金及び乳牛その他の家畜の購入に必要な資金等であります。  第二は、このような内容の農業近代化資金に対して行なわれる政府の助成であります。  この政府の助成には利子補給補助と出資補助の二つがございますが、このらち利子補給補助は、農業近代化資金を貸し付ける融資機関と都道府県との契約により、都道府県が利子補給を行なうのに要する経費の全部または一部を国が補助するものであります。政府の行なう助成のうちもう一つの出資補助は、農業近代化資金にかかわる債務保証をおもな業務として新たに各都道府県に設立されます農業借用基金協会に対し、都道府県が農業近代化資金の債務保証に充てるための基金として出資を行なうのに必要な経費の一部を国が補助するものであります。  以上がこの法律案を提案する理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  次いで、ただいま提案になりました農業信用基金協会法案の提案理由を御説明申し上げます。  農業の生産性の向上と農業経営の改善をはかりますためには、農業経営に必要な資金の融通を円滑にすることがきわめて重要なことでありますが、農業協同組合等の組合系統金融機関からの貸し出しは、現状では必ずしも十分とは言えない状況にあります。そこで、その貸し出しが消極的となっている原因の一つと考えられまする農業者等の信用力の弱さを補うものとしては、従来から農業改良資金制度による債務保証基金や、地方公共団体、農業協同組合等を出援者として、設立された財団法人組合等による農業信用基金協会がありますが、このたび、農業近代化資金融通制度の発足に伴いまして、このような信用補完制度を整備し、農業近代化資金についての債務の保証及び従来各地方の協会が行なって参りました一般の貸付についての債務の保証をおもなる業務とする農業信用基金協会の制度を確立することとし、この法律案を提出することとした次第であります。  次に、この農業信用基金協会法案の内容について御説明申し上げます。第一点は、協会の業務についてであります。すなわち、この協会は、農業者等が、農業近代化資金その他の農業者等の事業資金、生活に必要な資金を、農業協同組合、信用農業協同組合連合会等の融資機関から借り入れることにより負担する債務の保証の業務並びにこれに付帯する業務を行なうこととなっております。  この保証業務に伴いまして、協会の負担する保証債務の弁済に充てるための基金の管理方法、剰余金の処分方法、経理の区分等につきまして必要な規定を設けることとなっております。  第二点は会員についてであります。この協会の会員たる資格を有する者は、協会の区域すなわち都道府県の区域内に住所を有する農業者、農業共同組合、同連合会並びに都道府県及び市町村でありますが、これらの会員の出資、議決権、加入及び脱退に関し必要な規定を設けることとしております。  第三点は設立についてでありますが、協会の設立は、主務大臣の認可を受けなければならないものとするほか、発起人、創立総会その他設立に関し必要な規定を設けることとしております。  第四点は協会の管理、解散及び清算、監督等についてでありますか、この種の特殊法人について必要な諸規定を整備することといたしております。  第五点は付則といたしまして、現存する財団法人たる農業信用基金協会からの引き継ぎ、都道府県の保証業務の引き継ぎ等所要の経過規定を置くこと、税法その他関係法律の規定の整備等をはかることであります。  以上がこの法律案を提案する理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さらんことをお願いいたす次第であります。  次に、農業協同組合合併助成法案につきまして、その提案の理由を御説明いたします。  昭和二十二年に農業協同組合法が制定されましてから、農業協同組合が広く全国各地に設立され、農民の協同組織として、その経済的、社会的地位の向上に多大の貢献をいたして参ったのであります。  しかし、戦後のきびしい社会経済事情のもとで数多くの農業協同組合が経営不振に陥ったために、政府におきましても、昭和二十六年以来農林漁業組合再建整備法による施策を初めとする一連の再建整備措置を講じ、不振農協対策としては、相当の効果を上げてきたのであります。  しかしながら、その後の社会経済の発展に伴い農業協同組合の規模そのものについても検討を加える必要が生じて参っており、他方今後農業経営の近代化等を強力に推進していくため、農業協同組合に期持するところが大きくなっておりますのでさらにこれを合併によって強化する必要が痛感されるに至っております。  そこで政府といたしましても、 この際、経済規模の過小、事業基盤の狭小な農業協同組合の合併についての援助、助成等の措置を講じ、その合併を促進して規模の拡大をはかり、農民の要望にこたえ得る協同組織としてその機能を十分に果たし得るようにするため、本法案を提出した次第であります。  次に、本法案のおもな内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、信用事業を行なっております、いわゆる総合農協を強化することが農業協同組合組織全体の強化にもなりますことから、総合農協の合併を中心に本法案による措置を考えていくことにしております。  第二に、本法案による助成等をいたしますのは、農業協同組合で合併及び合併後の事業経営に関する計画を立て、都道府県知事が適当であると認定をしたものといたしております。この認定にあたりましては、都道府県農業協同組合中央会の意見を聞くほか、農業協同組合に関し学識経験を有する者の意見を広く聞いて認定することといたしております。  第三に、その計画が適当である旨の認定を受けました農業協同組合が合併いたしました場合に、その効率的な事業経営のため特に必要とする施設の整備に要します経費及び合併後の農業協同組合に都道府県農業協同組合中央会が駐在指導員を派遣して、その事業経営のし同をいたします場合の指導に要する経費につきまして補助するほか、都道府県が農業協同組合の合併について行ないます指導に要する経費につきましても補助することとしております。  第四に、本法案に、よる助成等の措置は、五年間行なうものとして昭和四十一年三月三十一日までに合併したものを対象とすることといたしております。  なお、本法案と関連して別に提案を予定しております租税特別措置法の一部を改正する法律案によりまして、合併後の農業協同組合が合併により解散しました農業協同組合から引継ぎます欠損金について、法人税の課税標準たる所得の計算上、損金算入を認めることとするほか、清算所得、不動産の登録税につきましても、現行法人税法及び登録税法の特別措置を設ける等合併推進の障害になると思われる諸問題について、税制面での助成措置を講ずることといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びそのおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう御願いいたします。  次に、農業協同組合法の一部を改正する。法律案、につきましてその提出理由を御説明申し上げます。  農業協同組合法は、農民の協同組織の発達を促進し、もって農業生産力の増進と農民の経済的社会地位の向上とをはかり、あわせて国民経済の発展を期することを目的としておりますことは、御承知の通りであります。  さきに国会に提案して御審議をいただいております農業基本法案におきましては、農業構造の改善をはかる施策の一環として、農業生産行程についての協業を助長するため、農民が協同して農業経営を行なうことができるようにその協同組織を整備すること及び農業協同組合に農地等の信託の引き受けの事業を行なわせることによって、農地等についての権利の設定または移転が農業構造の改善に資することとなるようにすること等を要請しているのであります。  この農業基本法案の趣旨に沿いその実現をはかるとともに、あわせて農業協同組合及び農業協同組合連合会の業務の運営につき整備措置を講じようとするのが、この法律案を提出いたしました理由でであります。  次に、法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、農業生産協同組合制度の創設でありますが、現行農業協同組合法のもとにおきましては、農業協同組合は、組合員たる農民の個別の経営を育成発展せしめることを目的としており、みずから独立の事業主体となって農業経営を行なうことを予想しておりませんので、新たに農民がその協同により農業経営を行なう簡易な協同組織として、農業生産協同組合の制度を創設することとしております。  農業協同生産組合は、組合員たる農民の協同により、農業経営及びこれに付帯する事業を行なうことを目的とする協同組織でありますから、組合員が組合の行なう事業に従事することについての規制をするとともに、員外理事の禁止、剰余金配当方法の制限協同組合としての特質を保持するため、必要な制限を設けておりますが、農業を経営するという農業生産協同組合の業務の実質に即しまして、その設立、管理等を極力簡素化し、組合員相互間の緊密な結合による業務の円滑な運営を期待しております。  なお、この農業生産協同組合に関連しまして別に提案しております農地法の一部を改正する法律案に所要の規定を設けております。  第二に、農業等の信託の引き受けの事業でございますが、農業の近代化のためには、農地についての権利移転が自立家族経営の育成、農業経営の協業化等農業構造の改善に資するよう行なわれることが必要であります。そこで、農地法の基本理念を堅持しながら、農業構造の改善に寄与し得るよう農地の権利移転について農地法の規制を緩和して参りますためには、農民の自主的な協同組織としての農業協同組合に農地等の信託の引き受けの事業を行なわせ、この農地等の権利移転の円滑化を期することが最も適当であると考えられるのであります。そのため農業協同組合が農地等の貸付及び売り渡しを目的とする信託の引き受けの事業を行なう道を新たに開くことといたしました。また農業協同組合が信託を引き受けた農地等を貸し付け、または売り渡す場合には、組合員等の農業経営の改善に資することとなるよう配意してしなければならないものといたしますとともに、その他所要の規定を設け、その事業の健全かつ円滑な運営を確保することとしております。  以上の措置に加えまして、農業生産協同組合制度の創設に伴う農業協同組合の組合員資格の整備、員外利用制限の緩和、剰余金配当方法の改善、総会における議決権及び選挙権の代理行使等の制限の緩和等の措置を講ずることとしておりますが、これらはいずれも最近における農業事情その他の事情の推移に対処し、農業協同組合組織の機能を強化し、その事業の健全な運営を確保するための措置であります。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決下さいますようにお願いいたします。続いて農地法の一部を改正する法律案につきましてその提案の理由を御説明申し上げます。  農地法は、農村における民主化の促進、農業生産力の増進、農民の経済的社会的地位の向上をはかることを目的として行なわれた農地改革の成果の維持の役割を果たしているものであることは言うまでもありません。ところで、近時、わが国経済の発展の過程において農業とそれを取り巻く諸条件とには著しい変化が生じてきております。この変化に対応して農業が産業経済の重要な一部門として他産業におくれをとらないように生産性を向上し得るようにするとともに、農業従事者が他店業従事者と均衡する生活を営み得るようにいたしますためには、農業基本法案に掲げましたような諸般の施策を総合的に進めて参ることが必要と考えるのでありますが、その最も重要な一環として、農地保有の合理化と農業経営の近代化とをはかることが緊要であると存ずるのであります。むろん、農地保有の合理化と農業経営の近代化という構造改善への道は必ずしも容易なものではないと存じます。しかしながら、近時農業技術水準の向上が見られ、他方労働力需要の増大の傾向が現われ、構造改善の可能性も生じているのであります。法人組織により農業経営を行なおうとすること等も農業経営の合理化、近代化に対する農業者の意欲の現われであると考えられるのであります。従いまして、この際、農地制度につきましても、農地改革以来十余年の施策の成果を維持し、これとの調和を保ちながら、諸般の施策と相待ちまして、農地保有の合理化と農業経営の近代化に資するような法制的措置を講ずべきものと考える次第であります。  すなわち、農地法は、農地改革の成果を維持することを主眼といたしまして、農地等の権利移動の統制をし、小作地等の所有制限をし、その他小作関係の調整をいたしておりますが、この基本趣旨をそこなうことのないような配慮のもとに、家族農業経営がその経営規模を拡大しようとする場合、あるいは家族農業経営の補完と発展に資するため一定の要件を備える法人組織により農業経営を行なおうとする場合、あるいは農業協同組合が農地等の信託を引き受けてその農地等の有効利用をはかり、農業経営の改善へ寄与しようとする場合等に必要な農地等の権利移動をこの際容易にしたいと思うのであります。これがこの法案を提出いたしました趣旨でございます。  次に、法案の主要点につきまして御説明いたします。  主要な改正点は、三点ございまして、第一は、家族農業経営に関しまして農地等の権利収得の最高面積制限を緩和することであります。すなわち、現行法のもとにおいては、農地等の収得は、取得後の経営面積が、農地は内地平均三町歩、採草放牧地は内地平均五町歩になるように各都道府県刑に定めた制限面積をこえることとなる場合は、原則として許可できないこととなっているのでありますが、最近の農業技術の発展、農業就業人口の減少の動向にかんがみまして、経営規模の拡大をより容易にするため、この際、農地等の取得後の経営面積がこの制限面積をこえる場合であっても、農地等の権利を収得しようとする者が、その取得後において主としてその自家労力によって効率的に経営することができると認められるときは許可できることを原則とするように改正することとしております。  第二は、個々の家族農業経営の規模の拡大ではなく、これらが共同して規模の拡大ないし資本装備の高度化の経済成果をとげるため、法人組織により農業経営を行なおうとする場合の農地等の権利取得につきまして規定を整備することであります。まず、農業経営を目的とする法人の農地等の権利の収得については、家族農業経営を補うものとしての協業化を助長する趣旨のもとに、農業協同組合法の改正により設立されることとしております農業生産協同組合のほか、合名会社、合資会社、または有限会社であって、農業の共同経営体としてふさわしい、要件を備えるものに限り、農地法上、所要の改正を行なうことといたしました。  すなわち、このような農業生産法人につきましては、最高面積の制限を設けないこととし、その常時従事者たる構成員に限って在村地主の保有限度をこえた貸付、創設農地等の貸付または借り受け小作地等の転貸を認めることとしております。なお、農業生産法人につきましては、所有権、賃借権等の取得を認めることといたしております。  次に、農業生産法人がその要件を欠くに至りました場合または農業生産法人の常時従事者たる構成員が構成員でなくなった場合の措置でございますが、農業生産法人がその要件を欠くに至りました場合には、一定期間内にその要件を満たすための措置を講じさせ、なお要件を満たさない場合には、その法人が所有する農地等は他に譲渡させ、その法人の借りている農地等は返還させることとし、この場合の賃貸借の解約等につきましては、これを許可することとしております。なお、一定期間を過ぎましてもなお所有または貸付のまま残っております農地等は、国が買収することとしております。  一方、農業化権法人の常時従事者たる構成員が法人から脱退した場合や常時従事することをやめた場合におきまして、在村地主の保有限度をこえる貸付小作地等や創設農地等が依然としてその法人に貸し付けられたまま残っておりますときは、一定期間内にその小作地等または創設農地等をその法人に譲渡するか、または返還を受けさせることとし、その期間を過ぎましても、なお貸付のまま残っております農地等は、国が買収することとしております。なお、構成員が法人から脱退し、主として自家労力で農業経営を行なおうとする場合の賃貸借の解約等につきましてもこれを許可することとしております。  第三に、農業協同組合法の改正により、新たに農業協同組合が農地等の貸付または売り渡しにかかる信託の事業を行なう道を開くことといたしておりますが、これを円滑に行ない得るよう、信託の引き受けと信託の終了の際の農地等の権利移動については許可を要しないこととしております。さきにも申し述べましたように、この制度の活用により、農地等の有効利用とさらに家族経営の健全な発達、自立経営の育成、農業経営の協業化に寄与するような農地移動がはかられることを期待しているわけであります。  以上がこの法案のおもな内容でございますが、なおこの際、次の改正を行なうこととしております。すなわち、現在自作農創設特別措置特別会計に所属する土地等で自作農創設または土地の農業上の利用の増進という買収目的を喪失したものの旧所有者への売り払いは、現行法では所有者一代限りとなっておりますが、これらの一般承継人に対しても、この売り払いを行なうことが現行法の趣旨を生かすゆえんであると存じますので、この際この売り払いの対象を旧所有者の一般承継人にまで拡大することといたしております。  なお、以上の農地法の改正に伴いまして、土地改良区の組合員である法人の業務を執行する役員を土地改良区または土地改良区連合の役員に選ぶことができるようにし、農業生産法人の構成員に農業委員会の委員の選挙資格を与え、また農業生産法人が都道府県知事より果樹園経営計画の認定を受けた場合には農林漁業金融公庫から所要の融資を受け得るよう、付則で関係法律の規定を整備することとしております。  農地法の一部を改正する法律案の内容はおおむね以上の通りでございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますよう御願い申し上げます。  次に、大麦及びはだか麦の生産及び政府買入れに関する特例措置法案につきましてその提案理由を御説明申し上げます。  最近の大麦及び裸麦の需給を見まするに、米の生産の増大と国民消費水準の上昇によりその消費は逐年減少しているにかかわらず、その生産はほぼ従来の水準で推移しているため、その需給は、著しく不均衡となっておりまして、政府の手持ち在庫量も急激に増加している状況にあります。従って大麦及び裸麦の出産につきましては、これを需要に適合したものとするため、大麦及び裸麦から小麦、飼料作物、菜種、テンサイ、果樹等、今後の需要の伸びが期待される作物への転換を積極的に推進するとともに、管理の面においてもその買い入れ及び価格決定の方法等について所要の改正措置を講ずる必要があると考えられるのであります。  この法律は、大麦及び裸麦につき、その生産及び流通の合理化に資するため、当分の間、政府が必要な助成措置を講じて、その生産の転換を促進するとともに、その政府買い入れについて食糧管理法に所要の特例を設けることを目的とするものでありますが、以下この法案の主要点につき御説明申し上げたいと存じます。  まず第一に、農林大臣は、毎年、大麦及び裸麦の生産及び需給の事情と当面の需要の見通しを公表するとともに、これに基づいて翌年産の大麦及び裸麦の生産及び用途の転換に関する方針と政府の買い入れ数量を定めることといたしております。政府買い入れ数量につきましては、大麦及び裸麦の精麦、原料としての需要見込み数量を基準として定めることといたしております。  第二には、国の麦作転換方針に即して、大豆及び裸麦の転換を行なう場合において、その円滑な実施に資するため、農家に転換奨励金を交付する措置を講ずるとともに、都道府県及び市町村の麦作転換計画の作成及び実施に要する経費について、国がこれを補助することといたしております。  第三に、都道府県知事及び市町村長が、それぞれ麦作転換計画及び市町村刑、生産者別の政府買入れ数量を定めるに必要な手続を規定いたしております。  第四に、大麦及び裸麦の政府買い入れにつきましては、生産者別に定められた政府買い入れ数愚を買い入れることとするとともに、その価格は、パリティ価格及び需給事情その他の経済事情を参酌して定めることといたしております。  第五に、昭和三十六年産の大麦及び裸麦の政府買い入れ数量については、今回の措置がすでにその植付後であることを考慮いたしまして過去三年の大麦及び裸麦の政府買い入れ数量を基準として生産事情を参酌して定めることといたしております。  なお、この法律は特例措置法でありますので、この法律施行の間は、大麦及び裸麦については、食糧管理法第四条ノ二の規定は、適用しないことといたしております。  以上がこの法案のおもな内容でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたす次第であります。  引き続き愛知用水公団法の一部を改正する法律案についてその提案の理由を御説明いたします。  昭和三十一年から着手いたしました愛知用水の建設工事は、牧尾ダム、兼山取水田、幹線水路を初めとしてその大部分の工事が十五年度に完了し、三十六年度からは公団の建設にかかる施設を管理する段階に入ることになります。これに伴いまし三十六年度の途中から公団の人員及び機材に余裕を生することになりますが、愛知用水の建設工事に多大の成果を上げましたこれら職責の貴重な経験と大型高性能の機械を同種の他の事業に一括活用することが国家的見地から見て得策であると考えられるのであります。  従来、農林省が国営事業として実施しておりました豊川総合水利開発事業は、その事業地域が昭和二十六年に天龍東三河総合開発特定地域に指定され、二十九年に総合開発計画として閣議決定された事業の一つでございまして、豊川水系の水資源を総合的に開発してその利用の高度化をはかるため、豊川流域及び渥美半島一帯にわたる約二万町歩の耕地に灌漑するとともに、豊橋市周辺及び蒲郡市周辺の工業及び上水道に水を供給する計画の事業でありますが、事業の規模並びに水資源の総合開発という点におきましてほとんど従来の愛知用水事業と同様の事業であります。  従って、この国営豊川総合水利開発事業その他関連事業を公団事業として吸収することにより、愛知用水事業とほぼ同じ方式によりまして工事の早期完成をはかり、地域総合開発に寄与いたさせますとともに、あわせて公団の人員及び機材の有効な活用を期することとした次第であります。  このような理由によりまして、愛知用水公団法の一部を改正いたすこととしたいのであります。  以下法律案の内容につきましてその概要を御説明申し上げます。  まず、公団の目的に豊川水系の水資源を総合的に開発し得ることを加え、次に業務につきましては、豊川水系にかかる区域におきまして現に国が工事を施行いたしております国営土地改良事業及び県が工事を施行いたしております県営土地改良事業で県から農林大臣に申し出がありましたものは、一定の日をもちまして公団の事業となりますことを規定いたしております。  これに伴いまして従来国営土地改良事業として計画されておりました埋め立てまたは干拓の事業を公団が行ない得ること及びその事業によって造成されます埋立地または干拓地の処分を土地改良法と同様な手続で行なうことにしております。  また、公団の事業となる国営土地改良事業につきまして、それが公団の事業となる日までに国が要しました費用のうち、国が徴収すべき地元負担金を公団が賦課徴収し得ること及び公団の事業となるときにおいてその事業に関して国が有しておりました権利及び義務は、公団が承継することといたしております。  その他豊川事業が新たに入りますことによって必要となります事業基本計画等の作成手続、経理区分等必要となる規定の整備をはかったものでございます。  以上、この法律案の提案の理由及び内容のおもな点であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第でございます。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 以上で七法案についての提案理由の説明を終わりました。七法案については、本日はこの程度にいたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 速記を始めて。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時三十一分散会    ――――・――――

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