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38回国会参議院1961/03/03

農林水産委員会 第12号

発言数
55
登壇者
12
会派数
4
開催日
1961/03/03

会議録

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  南九州防災営農振興法案(衆第一号)及び南九州防災営農公団法案(衆第三号)、いずれも予備審査の二案を一括議題といたします。  同案について、順次提案理由の説明をお願いいたします。衆議院議員片島港君。

片島港日本社会党

○衆議院議員(片島港君) ただいま議題となりました南九州防災営農振興法案及び南九州防災営農公団法案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  まず南九州防災営農振興法案について申し上げます。  南九州地方は、今日産業経済の面において、他の地方に比べ全般にはなはだしいおくれをとっておりますが、農業におきましても生産性の低さ、従ってまた、農業所得の低さが多くの人によってしばしば指摘せられているのであります。しかしてそのよってきたるゆえんのものを考えますならば、究極におきましては、後進地域産業開発に関する従来の施策に適切を欠くものがあった事実に帰せざるを得ないと存ずるのでありまするが、しかし、一面におきましては、南九州農業を取り巻く自然条件の苛烈さ、あるいは社会経済的環境の劣悪さによるところも決して少なくはないと申さざるを得ないのであります。御承知の通り南九州は、台風襲来の玄関口ともいうべき地点に位置し、また、そこに分布する土壌は、そのままでは農耕にとってまことに工合の悪い性質を有しておりますので、勢い農業生産力は低い水準にとどまらざるを得ず、他方、社会経済的条件から見ましても、工業の発達に見るべきものがなく、大消費地からも隔絶して市場条件に恵まれない状態にありますので、農家は父祖伝来の狭隘な農地にひしめいていて、零細経営に坤吟することを余儀なくされているのでありまするが、さらにこれらが原因となり結果ともなって、現在みるような資本装備の貧弱、他地域に比しての著しい所得の落差、負債の累積等をもたらすことと相なっているのであります。  以上が南九州農業の偽りのない実態でございますが、今にしてここに適切な施策が及ばないとするならば、これら一連の悪循環は絶えず繰り返され、農業の停滞性、ひいては産業経済の後進性はいよいよ深刻なものとなり、国民経済にとってもゆゆしき損失をもたらすおそれなしとしないのであります。  しかしながら、幸いにして近来この僻遠の地に対しても、ようやく科学技術の進歩の影響が及び始め、土壌保全に関する耕地防風林、耕地牧草あるいは灌漑水等の効用が明らかにせられるとともに、水陸稲の早期栽培やビート等の新秋作物導入の可能性が実証され、またカンショや豚等の生産の伸びにささえられ、農業発展の前途につきささやかなる曙光を見出すに至っているのであります。  かくて、この地域における農業振興の基本方向は、農業生産基盤の画期的な整備拡充と、合理的な営農方式の採用によって再編成された総合的防災営農の確立にあるべきことを明確に指向するに至っているのであります。  ここにおいて、われわれは、国の責任を中心とする大幅な財政投融資と濃密な指導態勢のもとに大規模な出産基盤整備事業、防災作付体系の確立、畜産の向上発展、生産、加工、流通過程の共同化等を包含した抜本的かつ総合的な防災営農振興対策を講ずることによって、立ちおくれた南九州農業に、科学技術の進歩にささえられた安定と発展の地位をもたらそうとして本案を提出することとした次第でありまするが、かくすることが、経済の高度成長下に発生する所得の地域的産業的な不均衡を改め、国民経済を全体として健全な姿で発達せしめる方途につながるものでもあると深く確信いたすものであります。  なお、従前の地域特殊立法は、その施行後の実績にかんがみまするに、いずれも計画に対する財政上の裏づけがきわめて貧弱であって、計画面と実施面に大きなそごを随所に露呈しておりますので、本案におきましては、かかる欠陥を是正するとともに、事業の特殊性をも考慮いたしまして、別途に南九州防災営農公団法案を提出して、公団方式により必要な事業の推進をはかる措置を講ずることといたしておりますが、南九州防災営農対策の樹立と実施の期間は五カ年間、所要事業費の総額は約五百億円、その負担区分は、当地方の財政状態と住民の負担力を考慮して、国費七割、県費二割、市町村、受益者それぞれ五分ずっとして法律の運営をはかる所存であります。  以上、本案の提案理由について申し上げましたが、以下そのおもな内容について申し上げます。  第一に、農林大臣は、九州地方開発審議会の審議を経て、南九州の地域でしばしば台風の来襲を受け、かつ特殊土壌のため農業出産力が著しく劣っている地域を、南九州防災営農振興地域として指定することとし、その場合、閣議の決定を経なければならないこととし、また、農林大臣は南九州防災営農振興地域の指定を審議会の審議に付する場合、あらかじめ関係県知事の意見を聞かなければならないこととし、さらに地域指定をしたときは、これを公示しなければならないこととしております。  第二に、農林大臣は、南九州防災営農振興地域について南九州防災営農振興計画を策定し、閣議の決定を求めた上、これを公表することとしており、この決定事項に関し利害関係を有するものは、公表の日から三十日以内に政令の定めるところにより、関係県の知事を通じて意見を申し出ることができることとしており、この申し出があった場合、農林大臣はその申し出を考慮して必要な措置を講じなければならないこととしております。  第三に、防災営農振興計画の内容は、一、灌漑排水事業に関する事項、二、耕地整備事業に関する事項、三、農地及び採草放牧地の開発に関する事項、四、特殊土壌対策事業、急傾斜保全事業その他の農地防災事業に関する事項、五、農地の集団化に関する事項、六、農業水利の調整に関する事項、七、営農類型の設定その他農業技術及び農業経営の改善に関する事項、八、以上のほか、防災営農の振興に関する事項等について定めるものとしております。  第四に、関係行政機関の長、関係地方公共団体及び関係事業者は、防災営農振興計画の円滑な実施が促進されるように協力しなければならないこととしております。  第五に、農林大臣は、南九州防災営農振興地域における農業者の農業経営の目標として、当該地域につき、自然的、経済的、社会的条件が共通な地区ごとに当該地区の立地条件に適合する営農類型を定め、これを公表しなければならないこととしております。  第六に、政府は防災営農振興計画を実施するために必要な資金の確保をはかり、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならないこととしております。  第七に、国は農地事務局の付属機関として、南九州防災営農振興地域において必要な地に、農業サービスセンターを置くこととし、農業サービスセンターは、南九州防災営農振興地域における農業技術の改良、農業経営の機械化共同化に資するため、農業者に対し、農業用機械器具を貸し付け、その使用に関し、指導しまた委託を受けてその修理をすることとしており、また農業サービスセンターの管轄区域その他農業サービスセンターに関し必要な事項は政令で定めることとしております。  第八に、農業改良助長法に基づく国の助成を、本法の対象地域については特に増額することとしております。  第九に、農林漁業金融公庫は南九州防災営農振興地域における農業者に対し、営農類型に基づく農業経営改善計画の達成に必要な資金を、利率年三分五厘以内、償還期間二十年年以内の条件で貸し付けることができることとしております。  第十に、国土総合開発計画、九州地方開発促進計画または台風常襲地帯における災害の防除に関する特別措置法に基づく災害防除事業五カ年計画と、防災営農振興計画との調整は、内閣総理大臣と農林大臣が国土総合開発審議会、九州地方開発審議会または台風常襲地帯対策審議会の意見を聞いて行なうこととしております。  第十一に、防災営農振興計画に基づく事業のうち必要かつ適切な事業は、南九州防災営農公団が行なうこととしております。  その他附則で本法は、公布の日から施行すること、南九州防災営農振興地域として指定された地域については、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の規定については、これを適用しないこととしているほか、農林漁業金融公庫法、農林省設置法、総理府設置法に所要の改正を加えることといたしております。  次に南九州防災営農公団法案について申し上げます。  この法律案は、先述いたしました南九州防災営農振興法案第十二条の規定により、南九州防災営農振興地域における畑地灌漑事業、農地防災事業等を総合かつ効率的に実施するため南九州防災営農公団を設立することとし、その組織及び業務並びに公団に対する必要な監督規定等を設けたものであり、その大要を申し上げますと次の通りであります。すなわち第一に、この南九州防災営農公団は、法人とし、主たる事務所を鹿児島市に置くこととし、役員は、総裁及び副総裁を各一人、理事五人以内、監事二人以内とし、その任命は、総裁及び監事は農林大臣が、そして副総裁及び理事は総裁が農林大臣の認可を受けてそれぞれ任命することといたしております。しかしてこれら役員の任期は三カ年とし、その再任は妨げないことといたしております。  第二に、公団の業務としては、南九州防災営農地域における畑地灌漑事業、特殊土壌対策事業、急傾斜対策事業、農地防風林の造成、開田、開畑等の事業及びこれらの事業の施行によって生じた施設についての災害復旧事業及び管理等を行なうことといたしておりますが、公団がこれらの事業を行なう場合、関係知事と協議して定めた事業実施計画、または施設管理規定に基づいて実施しなければならないこととし、その費用としては、大体現行の土地改良事業に準じ、公団が受益者及び関係地方公共団体から賦課金あるいは負担金として賦課徴収することができることといたしております。  第三に、公団の財務及び会計につきましては、その収支予算及び資金計画につきましては、毎年度農林大臣の認可を受けなければならないことといたし、さらに借入金の借り入れ、余裕金の運用、財産の処分等につきましても、一定の制限を付する等その経理に公正を期しております。また、公団は、農林大臣の認可を受けて、防災営農債券を発行できることとして所要の規定を設けております。  第四に、公団に対する監督につきましては、農林大臣が行なうことといたしており、農林大臣は、この法律の施行するため必要があると認めたときは、公団に対してその業務に関し監督上必要な命令をすることができることとし、さらに公団に対し、業務及び資産の状況に関し報告させることができることといたしております。  第五に、公団に対する税法上の特例を設けることとして、公団に対しては所得税、法人税及び固定資産税等の諸税を課さないことといたしております。  以上、両案の提案理由とその大要について申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御可決賜わらんことをお願いいたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 以上で両案についての提案理由の説明を終わりました。  両案については、本日はこの程度にいたします。   ―――――――――――――

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に、森林火災国営保険法の一部を改正する法律案(閣法第四十七号)予備審査を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。なお、御質疑の前に、きのうの委員会における北村委員の質疑に対する答弁を求めます。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 昨日御答弁いたしかねましたような点につきまして答弁をいたしたいと存じます。  第一点は、昭和三十四年度におきまする病虫害に基づく素材、いわゆる丸太であります、それから製材品等の損害がどういうふうになっているのかという点であります。昭和三十四年の七月の豪雨から伊勢湾台風まであわせてまず申し上げますと、素材におきましては四十四万九千立方メートル、金額が四十一億五千万円、それから製材につきましては数量が二万三千立方メートル、金額が二億一千五百万円というふうなことになっておるのであります。そのうち伊勢湾台風によりますものが素材におきまして三十七万二千立方メートル、金額にいたしまして三十六億四千万円というふうに殻も大きいのであります。また製材につきましても、同様伊勢湾台風によるものが一万九千九百立方メートル、金額にいたしまして一億六千八百万円というふうな工合になっておるのであります。この被害額は、被害が発生当時に府県から報告されたものでありまして、これをその自後におきましてもちろん相当量回収もいたしますし、幾分か流出によって回収不能というようなものもできておるわけであります。たとえばその回収に要した費用がどれだけであるのか、また回収したものの材としての価値の減少がどの程度であるのかというふうな、いわゆる実損額というものが先ほど申し上げました金額ではないのでありまして、その点は実は調査をいたしていないのであります。で、先ほど申し上げましたように、素材におきましては、一立方当たり九千円くらいの損害額だということに相なっておるようでありますし、製材につきましてもやはり一立方九千円くらいの損害であるというようなことになっておるのであります。なお、伊勢湾台風の三十七万二千立方という素材のうちには、名古屋港におきますラワン材、ソ連材等が流失いたしましたもの二十五万立方メートルを含んでおるわけでありまして、これはほとんど全部回収いたしまして、その経費に五億円弱を要したというふうな点から考えましても、実損額というものは、先ほど申し上げました金額よりも相当減るというようなものであるように考えておりますので、その点御了承願いたいと思います。  三十四年度におきますこれらのものに対する政府としての援助はどういうふうにいたしたかと申し上げますと、いわゆる経営資金という形で天災融資法による融資を考えたのであります。これに対して予定は、四億六千万円を予定いたしたのでありますが、この貸し出しの実績は五千万円、それから森林組合等が素材その他の整理をいたしますために、事業資金として同じく天災融資法による貸し出しを考えたのであります。これに対して約四千万円程度の予定いたしましたものが、これは大体全額貸し出した実績になっておるというような工合に相なっておるのであります。これ以外の資金といたしまして、農林中金から約四億円、商工中金から約八億円というようなものを貸し出しをいたしておるのであります。  それから次に、昭和三十三年度におきます病虫獣害の被害の状況を、昨日、私から御説明をいたしましたが、その数字が林業統計要覧と非常に食い違っておるという問題が御指摘になったのであります。で、これがどういうわけで食い違っておるのかという点を率直に申し上げますと、これらにつきましての統計調査というものがきわめて、お恥ずかしい次第でありますが不十分だというところに原因があるわけでありまして、この概要を申し上げますと、昭和三十三年度におきまして野ネズミによる被害を考えてみたのでありますが、林業統計要覧によりますと、被害面積が三千町歩というようなことに相なっておりますが、現実に三十三年度に林野庁が予算を組みましてネズミの駆除を行ないました面積は七万一千町歩であるのであります。そのほかに、比較的害が少ないというふうに認められたところは、補助等の事業による駆除を行なわなかったわけでありまして、それらも二、三万町歩はあるかというふうに考えておるのであります。そういうものに対しまして、被害の面積が三千町歩というようなことはいかにもふに落ちぬというふうにわれわれも考えたのであります。また、虫害について見ますと、統計要覧では、被害面積が十一万町歩くらいに相なっておるのでありますが、これのうちで、杉の造林地等に関係のありますすきたまばえ、すぎはだに、こういうようなものだけについて考えましても、予算折衝の過程におきまして、県から要求のあります量は二十万町歩にも達するというふうな現状にあるのでありまして、これまた統計要覧と現実とにかなり大きい食い違いがあるのじゃないかというようなことが、われわれとして反省させられたのであります。従いまして、今後の虫害、鼠害等のいろいろな害に対する政府の施策といたしまして、補助事業による駆除等を行なっておるのでありますが、そういうものを今後確実に必要な限度に積極的に拡大してやっていくということをやらなければいかぬのでありますが、そのためには、やはりそういう面の十分な統計資料の整備も要るのではないかというふうな観点に立ちまして、三十四年の秋に三十三年度の被害の現実というものを調査いたしたのであります。と申し上げますのは、これらの害によりまして当時枯れるというふうに考えておりましたものが、やはり一年の成長期間を経てみますと、まあ成育の見込みがあるのだとか、あるいは逆にそうでないものが出るのだというふうな現実も生ずるわけでありまして、やや的確なものが得られるのではないだろうかというふうな観点に立ちまして、三十四年の秋に再調を行なってみたのであります。その結果が昨日申し上げましたように、虫害におきましては統計要覧で十一万四千町歩というふうに載っておりますものが、まあ被害区域面積としては五十八万八千町歩だ。野ネズミにつきましては、被害面積が三千八十五町歩というふうに計上されておりますものが、現実には三万八千町歩くらいの区域面積が被害を受けているのだというようなことに相なったわけでありまして、そういう点を昨日申し上げたわけであります。で、要はまあ林野庁の統計がきわめて不十分だということに相なるわけでありまして、この点申しわけないと考えますが、われわれといたしましては、今後これらの被害を少なくしていくというために、やはりこの実態の把握をいたしまして、予算措置等、その他を考えていかなければならぬというふうに考えますので、三十三年度のものを三十四年に調査したというふうな工合に、今後とも継続的にこういうものの調査を行ないまして、今後の行政に的確にまた駆除事業というものをより拡大して善処していけるような方法にぜひとも努力したいというふうに考えている次第でありまして、その点まことに申しわけない次第でありますが、御了承をお願いしたいと思うのであります。  それから次に、この火災保険事業におきまする経営率の問題でありますが、この国営火災保険におきまして、従来事務費が非常に多いじゃないか、しかも支払う保険金が少ないじゃないかというふうな点が御指摘がありましたが、民間の会社等におきますいわゆる損害保険という事業の実態を見てみますと、民間損害保険におきましても、年々の保険料収入に対しまして五〇%前後のものがいわゆる業務費として使われておるというふうな実態にあるのであります。国の火災保険事業におきましても、最近の両三年来、年々の保険料収入に対しまして四七%程度前後の業務費を支払っておるという現実にあるのでありまして、山林の比較的小さい造林地を対象にしてこの保険事業をやっておるという趣旨からいたしまして、まあ業務費の率としては大体ほどほどのものではなかろうかというふうに考えておるのであります。ただ、その場合に支払う保険金というものが非常に少ないというところに問題があり、少ないので、それが利益金とか剰余金という形で残るというところにその問題があるわけでありまして、率直に申し上げまして、火災保険だけを対象にして考えました場合には、まあ国営保険という、国営でぜひともこれをやらなければいかぬというような点にも問題はあるということを、われわれも考えておる次第であります。  次に、昨日もお話がありました積立金の使途の問題でありますが、これにつきましては、その利子収入の一部を三十年度以降火災予防費の補助金という形で支出いたしておりまして、六百万円程度から出発いたしまして、千二百万円というような程度にまでこれを年々使っておるという現状でありますので、これをつけ加えておきたいと存じます。  以上をもちまして、昨日からの関連の事項に対しまする御説明を終わりたいと存じますが、ただ資料として提出いたすべきものもあるわけでありますが、手続の関係で少しおくれますことを御了承願いたいと存じます。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 質疑を続けます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今林野庁長官から説明がありましたが、病虫害の被害等における統計要覧と、実際の従来の林野庁の行政として予算折衝その他に使った数字と、非常に大きな食い違いを出しておるということは、これは少々けたが違うほど違っておるわけなのでありまして、それじゃ私どもは一体何を信用して見ればいいかということについて、疑義を持たざるを得ないのです。今の説明によりますと、大へんな差でありますから、そうするとまあこれは相当金をかけて林野庁でこれを毎年出しておるわけなのでありますけれども、発行の責任だの何だのということになってくるというと、国費を使ってやっておるのだろうと思うのですが、非常にまずいということになる。従来この基本問題調査会における問題の審議にあたって、林野庁関係の統計の不備ということが非常に指摘せられて、基本対策を立てる上においても非常に大きな支障があったのだということが随所に出ておるわけであります。でありますから、これはやはり統計の問題については科学的な行政をやる、あるいは新しい政策を立てるという上においては、絶対の必需要件である、こういうふうに思うのです。これを林野庁だけでやろうといっても、これはなかなかできないことだろうと思うのですが、農林省の統計調査部等がありまして、林業関係についても統計調査をやっておるわけでありますから、もう少し統計というものについてのやり方について、今後これは検討してもらわないというと、私ども何を信じて論議をしていいのだか、わからなくなってしまう。この点は一つ十分注意していただく必要があるのじゃないか、このように思います。  それから今の説明の中に私の要求しておりました三十四年災における素材、製材等の報告はあったわけなんですが、人工林、天然林の気象災害による状況についての資料を要求しておりましたが、これは報告はなかったのですけれども、これは一つ後刻でいいですから、わかる程度に資料の提出をしていただきたいというふうに思います。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 天然林、人工林別に実は立木等の、台風による被害等を精細に調査したものが実はありませんので、この点御了承願いたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 ないと言って、これは詳しい資料がないのかもしれませんけれども、三十四年度の風水害特別措置について、あれだけ国会で論議したのですから、被害がどれだけあるかわからないで対策が講ぜられるはずはないですよ。ですから被害の程度は大体どのくらいあるのかくらいわからないということは私はないと思うのですがね、どうなんですか。政務次官、おかしく思いませんか。災害の被害がどの程度あるんだかわからないで、災害の対策をやろうなんて、そんなことは私はないと思うのですよ。ですから、あれだけ特別委員会を作って審議もしたのでありますから、正確な数字はわからないまでも、一つ検討をするようにしていただきたいと思うのですよ。そうでないと、私なぜこれをしつこく言うかというと、きのうも申しましたように、今度の保険では天然災害、風水害というものを入れましたけれども、これは人工林に限られておるわけですね。ところが、風水害ということになるというと、これは天然林に対しましても相当な被害が出てくるということは想定できるのです。しかもそれに対しては何らの措置が講じられていないということになると、きのうも申しましたように、今後災害の跡地については天然林を人工林に切りかえていくという方向をとっておるのでありますから、災害を受けたものはほったらかしておくのでなくして、積極的な災害の復旧ということについて、災害を契機として人工造林地に切りかえていくということは考えられることなのです。だから、まあ、今度の法律改正でそれができるかできないか別にしても、状況を明らかにしておく必要がある、このように思っておるのですが、それがどうしてもわからないということになると、今の私の考えている、明らかにしたいということが明らかになってこないので、概略の数字でいいから一つ調査をして、来週の木曜日ですか、この法案が上がるまでに一つ概略の調査をしてもらう、これくらいはできないものかどうか。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 率直に申し上げまして、先ほども申し上げた通りでありますが、これが跡地の造林等の関係につきましては、府県が調査しまして、その知っている限度において出てきてはおるわけでありまして、県等といろいろ折衝というか打ち合わせいたしました概略の推定的なものはできると思いますが、先ほど申し上げましたように、素材、製材というふうな工合に統計的なものとしてお出しするというふうな正確さを持ったものではないということをお認め願いたいと思います。

北村暢日本社会党

○北村暢君 災害の処置についていろいろ、天災融資法の措置、それから農林中金、商工中金等の措置、これらもやられておるようでございますが、その場合に天災融資法の場合を一つ例にとりましても、要求額の四億六千万円に対してわずか五千万円の融資しか行なわれないということであったようでございます。これは要求額と実績とは、もうとんでもない差があるのですね。そういうことで、災害の処理というものについて今申したような状況ですから、実際にはやはり災害にあって、実損額が調査していないからわからないと、こうおっしゃられるのですが、それにしても相当の損害額に上ったことだけは想像できるのです。ラワン材の回収にだけでも五億円かかっておるというのですから、そういうような点からいって素材、製材等の実際の損害というものについても相当のものがあるのじゃないかという想像はつくわけです。ところが、今御報告を願ったところによるというと、実損害額に対する国の補償というようなものはもちろんない、保険で救われたというものもない。ただ経営資金としての天災融資法あるいは商工中金、こういうものからの融資だけしかない。従ってまあ当座の経営資金といいますか、立ち上がり資金といったようなものが貸し出された程度であるのじゃないか、このように思われるのです。そうしますと、風水害というものを取り上げて気象災害で保険というものができるということになれば、立木だけでなしに、素材、製品というものについての保険制度というものが考えられていいような感じがするのですね、今まで何にも措置がないのですから。これについては、こういう製品というものを保険の対象に入れるということは、これは法的に、立法措置的にいって全く不可能なものなのかどうなのかということですね。これを一つ御説明願いたいと思うのです。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 素材、それから製材等におきまする三十四年度の概要は御報告いたしたのでありますが、お話しの通り、まあ実損というようなものの調査はいたしておりませんが、ある程度相当の金額としては上るのじゃないかということは想像できるのであります。こういうまあ何といいますか、動産という形のものになって、何といいますか、保険の対象というものが固定化しない、回転性のあるようなものであるわけでありますので、こういうようなもののまあ保険設計というようなものを、どういうふうにやらなければいかぬのかというような点につきましては、今われわれも十分に研究もいたしていないのであります。そういう点は今後十分研究してみたいと、こう思っております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 山土場等においても、置く期間というのは、確かに固定資産じゃなしに流動資産ですが、この保険そのものに適用するということは、非常に困難かもしれませんけれども、この山土場等の積んである木材というものは、風水害にあった場合に、相当やはり何といいますか、被害をこうむることだけは事実なんですよ。で、しかも、これは集積しておいて量的に幾らということは非常に明確にわかっているものですね、わかっておって危険にさらされているものでありますから、これがまあ保険の制度からいえば、まあ飛行機に乗るとき飛行機一回乗るごとに保険かけている、ああいう制度のものだってあるわけですよ、保険制度の中に。でありますから、そういう面からいえば、流動資産についての、今言った天然災害、非常に大きなものをこうむる可能性というものがある、といった場合に、やはり私は、流動資産であるけれども、保険の対象としてやはり考えられるべきでないか、これはほかに何か相当な行政措置で救われる道があればいいのですよ、あればいいのですが、往々にして、今聞いた範囲ですというと、経営資金等だけで、実害に対する何らの補償というものはない、これは相当な打撃をこうむるのだろうと思いますが、そういうもののために、この保険というものが私はあるんだろうと思うのです。でありますから、これは一つやはり今後の課題として研究をしてもらう価値があるんじゃないか、このように思います。  それから次にお伺いしたいのは、先ほどの国営保険としてのやらなければならないという問題については、まあ若干検討を要しなければならない問題であると、こういうような意見でございましたが、私の聞き違いであるかどうか知りませんが、昨日は、民営の保険もあるけれども、これは大規模のものが契約しているので、経営規模等も零細なものである場合に、やはり国営保険としてやっていくことがいいんだ、まあこういうふうにお伺いしたので、やはり将来ともこの国営保険というものはやっていくんだ、こういうふうに受け取れたのですが、何かこう国営保険というものが将来確固たる基礎を持たないんじゃないか、再検討を要して民営にしてもいいのじゃないかと、こういうような考え方があるやに受け取れたのですけれども、どうなんでしょうか。その点を一つ林野庁長官、はっきりお答え願いたい。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 昨日も申し上げましたところは、火災だけを対象にして考えました場合には、そういう問題点もあるように考えるというふうに申し上げたつもりでありますが、もともと、これの出発が、民営等で取り上げなかった幼令林を対象にして出発してきたわけであります。これには、それなりの重要な国営保険としての意味があったように思います。これも二十数年行なわれまして、その被害率がどうだとか、いろいろな点も相当明確になってきたというような問題もありまして、今後、火災だけを続けていくというようなところには、やはり問題点を持っておるということをお話したわけでありまして、われわれといたしましては、これに、風水害というような非常にフラクチュエーションの大きい、年による偏差の大きいものを対象にして今後やりたいと考えておるわけであります。そういう性質をやや従来よりも発展した形におきます国労保険というものは、やはり今後とも、われわれとしてはやっていかなければならぬというふうに考えておるわけであります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、この資料によりますというと、第一ページによるというと、契約の件数は、昭和二十一年当時から見れば、約半分以下に件数は減ってきておる。逆に契約面積、保険金額ははるかにふえてきておる。こういう点からいって、保険の経営内容からいえば、相当合理化されてきておるのじゃないか。これは一面に、今までの個人契約というものが、森林組合を単位とする契約に指導をした、こういうことのようでございますが、その点は保険経営の上からいって、今申しておったように、合理化されてきたように思うのです。そうして、努力をされてきたことも、この表によってわかるのでありますが、それでもなおかつ、きょう御答弁のありました業務費が相当なかさに上っておる。これは昨日も申しましたように、三十四年の例で、保険料金が二億四百二十六万五千円、それに対しまして、損害補てんの額が一千五百二十万二千円、それから業務費が九千四百八十七万一千、そういう結果になっておるようでございますが、どうも保険料金の中に占める業務費の四七%ということになると、ほかの民営においてもそういう面が見られるので、決して国営保険というものが不健全でないというようにおっしゃられたのでありますけれども、農業共済関係の再保険でありますけれども、その問題、あるいは漁業再保険の問題と比較して、相当森林火災保険の方が、業務費の占める率が高い、このように思うのです。それで、そういう保険の比較において一体この業務費というのが妥当性があるのかないのかということについてきのうもお尋ねしたのですが、どうなんでしょう、森林関係の国営保険がこれで妥当なのかどうなのかということ、私もあまりはっきりわからないのでお伺いしておるのですけれども、御答弁をいただきたいと思います。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) その点につきまして今、昨日からいろいろ関係の方で検討いたしておりますが、そういう、まあ再保険を中心にして向こうは運営されております。また、これの保険の対象というようなものが性格的にも非常に異なるというふうな面もあるようでありまして、それらの点につきましては、もう少し検討をさせていただきたいと考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 なぜ私こういうことを聞くかというと、その対象の農業共済保険が、農業政策上の大問題として今度の国会に出てくるところなんですね。そういうものと森林火災保険が無関係で出てくるというところに、私はどうしても割り切れない、わからない問題があるのですよ。でありますから、今の長官の御答弁だというと、これを今から検討するということになるというと、これは今度の改正にはもちろん間には合わないんだし、そういうことを検討されないでこの改正案が出てきたということになるというと、これはやはりちょっと、農政の曲がりかどだと、しかも林業関係でも、今、基本問題調査会の答申を得て新しい政策に乗り出そうというのに、全然大問題から離れちゃって、この保険制度の気象災害を簡単に入れただけで出てくるというところに、やはり割り切れない感じがするのです。で、今、林業と農業とは違うと言いますけれども、それじゃ農業と林業でどれだけ経済的な優位性があるのか、また、国家補償的なものを必要としないのかどうかというと、きのうの説明を聞きましても、一件当たりは約二十町歩で、それをさらに四十人かの人でもってやっているというのでしょう。そうすると、農家一戸にしては四反歩か五反歩だと、こういうわけです。そういう零細な人の保険を取り扱っているという場合に、農業の災害に対する補償制度と林業の災害の補償制度と、私はこれは性格が全然違うというのだけれども、どういうふうに性格が違うのかわかりませんけれども、天然災害まで入れようというのでありますから、当然そこら辺のことが論議されなければならない、こういうふうに思うのです。もうその第一点では今度の共済の中でも、農業共済の方でも、賦課金はなくして、これを事務人件費については全額国で負担しようというような要求が非常に強く出てきているわけですね。そして、そのことがまじめに考えられていた。ところが、これは全額国庫負担どころではない、全然やっていない、完全な保険料金だけで運営されているわけです。そういう点から見て、どうも割り切れないものがある。でありますから、これは今後検討されるというのですから、どうにもこうにもしようがないですが、私はこの法律もごく簡単な法律だと、こう考えておったのですが、きのう亀田さんが言われたけれども、やってみるというと、これは簡単でないわいという感じが、審議すれば審議するほどしてくるわけです。そういうふうな問題がありますから、これはやはり今度の議会では間に合いませんけれども、林野庁当局としては十分一つこの性格、その他について根本的に考えてもらう必要がある、このように思います。  それで内容的に私それじゃお伺いいたしますが、この業務費の内容が一体どういうふうになっているのか、それから三十六年度の予算関係は一体どのようになっているのか、それから今後一体どういう計画でいくのか、ここには従来の統計なり、何なりが出ているのですけれども、この保険を運営していく上においての将来の計画というようなものは、どの資料にも出ていない。従って料率を一〇%引き上げることと関連して、この国営保険をどのように今後事業の運営をしていこうとしているのか、この見通しを御説明願いたいと思います。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) この業務費の内容についてまず御説明いたしますと、三十五年度についてまず申し上げますと、業務費が九千二百十万円と相なっております。このうちでいわゆる本庁経費が七百五十七万九千円、都道府県の経費が五千三十万八千円、市町村の経費が二千八十八万九千円、火災予防費が千二百二十七万五千円、それから還付金が百五万八千円という工合に相なっております。それから三十六年度におきましては、本庁の経費が千二百一万七千円、都道府県の経費が七千四百二十八万円、市町村の経費が三千三百八十九万八千円、火災予防費が九百九万四千円、還付金が百六十九万六千円、合計いたしまして一億三千九十八万五千円ということに相なっております。われわれといたしまして、三十六年度はこの風水害が保険に入るというようなことに伴う事務的な増というようなものもあるわけでありますから、そういうものを見まして先ほど申し上げたような予算に相なっているわけであります。今後におきますこの保険の考え方を申し上げますと、三十六年度におきましても、この風水害が入ったというふうな措置を十分に森林所有者に徹底させまして、現在におきましては、新値する面積に対しましては大体九〇%程度が保険の加入にされております。さらに壮齢林等の部門につきましても、この保険に加入するということを考えまして、特に壮齢林等のこの保険への加入というものを十分にPRして参って、この保険の面積拡大という点に特に力を注いで進んでいきたいというふうに考えております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 今の業務費の内容ですが、お伺いしたいのですが、本庁の人員というのは一体どのくらいおられるのか、それから府県、市町村と、こういうふうにあったようですが、この保険を運営している人員はどのくらいおられて、これの都道府県に配置してある人というのは、これは一体どういう身分の人なのか、国営保険として国の経費でもってやっているのかどうか、国家公務員なのか、地方公務員なのか、身分の内容、それは一体どのような給与内容になっておるか。それから、三十六年度の人員増加等について三十人くらいふえるようになっているようですが、この補助職員の増員というのは、この補助職員というようなことで事足りるのかどうなのか、そういう人員関係のことと、それからこの保険を運営する上において、査定なり審査なりあるいは保険金の支払いの方法なりというものについて概略説明を願いたい。それと同時に、森林組合が組合単位でもって加入をするということになれば、これは森林組合としては各組合員の個別にまた割り振りしなきゃならないのじゃないか、こういうふうに思うのです。そういう場合の森林組合に対しては何らの補助も何もなされておらないのかどうなのか、そういうような運用上の問題について御説明願いたいと思います。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 人員の問題でありますが、本庁におきまして従来十二名というのが十六名に増加いたしております。都道府県におきましては、従来九十三名の職員が百二十三名と相なるのでありますが、この職員は地方公務員でありますが、その人件費と申しますのはいわゆる俸給とか手当、そういうものが全部国費で全額負担するという立場になっておるのであります。それから、先ほど申し上げましたときにちょっと落としたのでありますが、市町村に交付する経費と申し上げました三十六年度の三千三百八十九万円というような経費は、市町村だけでなしに、市町村、森林組合を含めまして、市町村等に出すいわゆる交付金、手数料という意味でありますので、御訂正願いたいと思います。これによりまして、その契約した量に応じまして、市町村、森林組合にそれぞれこの金が渡されることになるわけであります。で、この保険におきまして、災害が発生しました場合に、どういうふうな経過を通って保険金が支払われるかという点については、説明員の方から一つ説明さしていただきたいと思います。

福森友久林保護課長

○説明員(福森友久君) 造林地が被害にあいました場合、その保険を契約しております被保険者は、罹災通知書を、契約者でありますところの市町村、あるいは森林組合の方に提出いたします。その罹災通知を受けました市町村あるいは森林組合は、その罹災通知を、さらに都道府県の方に提出いたします。都道府県におりますところの職員が、評価の査定員に任命されておりまして、都道府県の職員は保険の契約地に参りまして実地調査をいたします。その際には経由機関でございますところの市町村あるいは森林組合の担当職員並びに被保険者の立ち会いを求めまして、実地調査をいたします。その実地調査をいたしまして損害額を算定いたしまして、都道府県から損害調査の報告と同時に、保険金の請求が林野庁の方に提出されます。それに基づきまして林野庁としましては保険金の支払いを、金券をもちまして都道府県に支払いいたします。それから都道府県はその金券を、さらに被保険者の方に直接払いするということに相なっておる次第でございます。

北村暢日本社会党

○北村暢君 それにしても業務費のふえ方が、今度の保険料の収入予定額の増額分が、ほとんどこの業務費になりそうであります。でありますから、私は三十六年度の予算を見ましても、この業務費は相当やはり問題があるのではないかというふうに思いますので、これはやはり被保険者の立場からすれば、農業関係あるいは漁船保険関係、こういうものと比べて、いずれもこれは政府の一般会計からの事務費の補助を待ているのですね、ところがこれは全額もう完全な保険料金だけでまかなわれている、従って特別会計の職員としての本庁の職員の給与から一切が、この特別会計で持たれておる、従って国が行なっている保険ではありますけれども、経費の内容からいえば、完全に被保険者がまかなっていることになるわけであります。でありますから、保険料金だけで運営されているということになりますから、これはやはりほかの保険との関係からいって、私は考える余地があるのじゃないかというふうに思います。経費の面からばかり見ますと、何か国営保険でやるということ自体が、もう少し何か施策があってしかるべきじゃないかという感じがいたしまするので、この点は、業務費の問題は一つ検討を願う、どういうことにしていただきたいと思います。  次にお伺いしたいのは、保険の金額、標準金額ですね。これは政令でもって定めることになっておるわけでございますが、一体、一町歩当たりの造林費、五年以下の場合は、これは保険額が針葉樹で三万五千円、三十五年四月一日以降のもので三万五千円ということになっておるわけですが、一体、最近における実際の一町歩当たりの造林のための事業費、五年以下でいえば、それの利子を見て一体どのくらいの一町歩当たりの事業費がかかっているのか。それから四十一年以上のものが、針葉樹で保険金額一町歩当たり八十万ということになっておりますけれども、四十年以上の一町歩の標準のいわゆる材積表による四十年の蓄積、それから時価、一体どのくらいの立木価格になっておるのか、これについて御説明願いたい。最近のことを私わかりませんので。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) 針葉樹、まあカラマツを除きまして、杉とかヒノキとかいうものを予想しました場合に新植の経費が四万二千円くらいのものじゃないかと考えております。それから四十一年生以上という言い方をしておりますが、四十一年、四十二、三年というようなものを考えてみますと、一町歩の、現在杉というようなものを想定いたしました場合には百三十万円くらいのものではないだろうか、平均いたしまして。そういうふうに考えております。で、この保険は御存じの通り無審査の保険であるわけであります。そういうふうな予定のものよりも何ぽか低めな標準金額を使って参るということにいたしております。

北村暢日本社会党

○北村暢君 そうしますと、保険標準金額というのは、これは杉の一町歩四十年以上のやつが百三十万というのは、これはまだやさしいのじゃないかと思います。最近の木材の値上がり、従って立木代金も非常に値上がりを、特に立木代金の値上がりというのは激しいのでございますけれども、今長官の申した額においても、多少額において低く見るというのですが、百三十万と八十万じゃ多少低く見たじゃなくて、これは相当低いですね。大体五十万の差があるわけです。そうすると、保険金額自体がもうこれは実際のものの六割くらいしか保険がかけられないということになる。しかも八十万というのは、保険金額として、まあ全部燃えてなくなってしまって八十万もらえるのですね、一町歩。ところが、これは焼けたからといって、まあ焼損木として、売られた場合の評価をして実際の損額ということになる。そうすれば、標準額自体が低いところへもってきて、そして実際の損額ということになると、これは保険金額として受け取るものというものは全く微々たるものになってしまって、保険そのものに対する魅力というものがないのじゃないかというような感じがするのですよ。その点は一体どうなのか。新値経費が四万二千円というのですが、五年生以下でもって三万五千円しか保険金がかけられないわけですよ。そういうことになると、この保険自体が、被害地における再造林を確保していこう、こういうことになるというと、保険料金では新植できないという結果になる。無審査のために低く見ているというのだけれども、これでは標準額そのものが実態に合わないのじゃないか。しかもこれは三十五年四月以降がこうでありまして、それ以前のものはまだ低いわけですね。政令のこれに載っておるやつを見ますと、これははるかに低いわけですよ。五年以下でもって三万五千円のところが三万円、四十一年以上が六十二万円になっておるのですね。以前はそうであるわけです。そういうような点からいって、保険に対する魅力の問題、それからもう一つは、これは昭和十二年からやっているんですか、そういう保険ですから、古いものが継続して保険契約がなされている場合に、保険の金額そのものが、貨幣価値の問題からいってだいぶ実情に沿わないものになっているんじゃないかというような感じがするのです。これは実態はわかりません。それで一体どのような処置になっておるのか、この点を一つお知らせを願、いたい。

山崎斉林野庁長官

○政府委員(山崎斉君) この標準金額は、三十五年四月から、政令で改正して現在のようになっているわけであります。その前は、今お話のありましたように、現在三万五千円のものが三万円というような工合に低かったわけであります。で、こういうものが罹災を受けました場合に、再造林との関係は一体どうなるのかというふうな問題でありますが、先ほど申し上げました約四万二千円くらいというものは、まあ原則といたしまして、拡大造林、再造林の場合はそれより安くて三万円前後だというふうな関係もあるわけでありまして、任意保険、無審査というような関係からこの三万五千円というような標準のものを出しているわけでありまして、この金額というようなものもやはりこの賃金の状況、あるいは価格の状況というようなものを十分に検討いたしまして、現実にそぐうように、またこの政策の目的が達成せられますように改正は加えていかなければいかぬというふうに考えている次第であります。

北村暢日本社会党

○北村暢君 私は質問は以上で大体終わりますけれども、この法案は昨日の亀田委員からの意見もございまして、法文で修正を要するような点も、政務次官もあっさりお認めになっているようでございますから、これらに関する関連の問題は後日に一つ譲りまして、本日の私の質問はこれで終わります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本案については、本日はこの程度にいたします。   ―――――――――――――

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 次に、農林省の機構に関する件を議題といたします。  今回、農林省設置法の一部を改正する法律案を提出されておりますが、一応その内容について説明を求めます。

小林誠一農林大臣官房文書課長

○説明員(小林誠一君) 農林省設置法の一部を改正する法律案について概要を御説明申し上げます。  お手元に資料がお配りしてございますが、その十七ページに法律案の要綱がございますので、それを中心に御説明申し上げたいと存じます。  まず第一番目でございますが、一のところに書いてございますのは、「農林畜水産業に関する予測事業等の事務を大臣官房に移管し、大臣官房の所掌事務を整備する。」ということでございまして、大臣官房の企画調査機能を強化するための改正でございます。  二と三のところに書いてございまするのが、農業に関します試験研究の管理事務を農林水産技術会議において処理せしめるための改正でございまして、三のところにございますように、「農林本省の試験研究機関の行なう試験研究に関する事務等を関係各局から農林水産技術会議に移管する。」ということでございます。それに伴いまして、二のところにございます振興局の研究部を技術会議に吸収することにいたしております。  四から七までのところでございますが、これは農業に関する試験研究機関を再編成するための改正でございまして、まず四のところにございますように、「農業技術研究所を農業に関する技術上の基礎的調査研究を行なう機関とする。」ための改正でございます。  その次に五にございますように、「農林本行の付属機関として、農事試験場、畜産試験場、園芸試験場、茶業試験場及び農業土木試験場を設置する。」ことにいたしております。  次に六にございますように、「農林本省の付属機関である関東東山農業試験場及び農村工業指導所を廃止する。」となっておりますが、現在の鴻巣にございます関東東山農業試験場は、現在はその所在が地方及びこれと農業事情をひとしくする地方のための農事に関しましての試験研究機関として、いわゆる農業試験場でございますが、これを五のところにございます農事試験場に編成がえをいたしまして、農事部門についての全国的な共通問題または数地域にわたりまして比較検討に要します問題等についての試験研究機関にいたすわけでございます。「農村工業指導所を廃止する。」となっておりますが、これは七のところにございます食糧研究所を食糧庁から農林本省に移管することに伴いまして、農村工業指導所は食糧研究所の支所にいたすわけでございます。  そのほか八にございますように、農林本省の付属機関として、現在神戸の植物防疫所でございますのを昇格いたしまして名古屋植物防疫所を設置する改正でございます。  以上が農林省設置法の一部を改正する法律案の概要でございます。御説明を終わります。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) ただいまの説明に対し、御質疑のおありの方は順次御発言をお願いします。

千田正無所属クラブ

○千田正君 六の農村工業指等所を廃止する、これは従来どういう農村工業の指導をやっておったのですか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 御存じと思いますが、農林経済局の所掌しております指導所であったわけでございます。で、農村更生時代の副業奨励の趣旨でいろいろと当時、最初のころには木工品でありますとか、いろいろ当時の農村工業にふさわしい諸事業の指導に当たってきたわけでございます。最近時代の推移とともに重点を主として食料品加工に移しまして、もちろん当時からみそでありますとか、しょうゆでありますとか、びん・カン詰というようなものも相当のウエートを持ってやっておりましたが、最近特にそちらの方に重点を移しまして、ほとんど大部分の仕事がそちらになった。で、従いましてこの機会に食料品の加工、そういった点に実質が移っておりますので、それを食糧研究所の支所にいたしまして、今まで御承知のように食糧研究所は支所を持っておりませんでした。今度はそれを食糧研究所の支所といたしまして名実ともに食料品加工関係の東北方面の一つのよりどころにいたしたい、そういうことに考えたわけであります。

千田正無所属クラブ

○千田正君 終戦後、当時農村工業、農村におけるいろいろな中小企業の育成強化という意味で、農林省が農村加工に対して農村工業を指導しておったわけですね。それを今おっしゃるような、食料品の方に重点を置くと。ちょうど林野庁長官おりますから聞きますが、山村地帯におけるところの方においても、相当農林省の農村工業の指導に基づいて小さい工業が起きているわけです。山村地帯には木材工業とか、そういう箱材を作るとか、板材を作るとか、いろいろな小さな工業が農林省の農村工業の指導のもとにできておった。今の話によるというと、こういうものはほとんどなくなってきておって、食糧の方面が重点になっておるから廃止ずると、こういうお話なんですが、それでよろしいのですか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 先ほど申しましたように、そういった加工関係の仕事がだんだん時代の推移とともにより専門的に、より大規模になってくる傾向があるわけであります。そこで、御指摘のようにいろいろやっておりましたのではどれもこれも中途半端な指導になりますので、重点を主として食料品の加工、自家食糧を含みましたそういった加工食品は現実に移しておりますので、御指摘のように木工関係とか何とかいうものは逐次、むしろ林業試験場の方に本格的に御研究いただくということで専門分科をこの際、実質的にもかなりそうなっておりますので、それを形式的にもそうした方がより一そうの発展があろうかという趣旨でございます。

東隆民主社会党

○東隆君 今の問題で、昔雪害調査所が山形県の新庄でしたか、あれが農村工業指導所か、そのように変わって、その後どういうふうになりましたか、あれは。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) お話の雪の関係は、場所は同じ新庄であったかと思いますが、昔は一緒の時代もあったのですが、経済局に今までございました。今度は農業総合研究所の雪の関係の研究室ということでそれが別途切り離しておりますので、本件とは関係がございません。なお、雪の研究につきましては、北陸の方に雪そのものの農業との関係の研究は移しております。

千田正無所属クラブ

○千田正君 それで、この改廃によって特に予算がついて、農林省としては今後非常にこういう面における発展する段階への新しい予算がこれによってついたとか、そういう点はどういうことなんですか。著しく変わった、今までより変わったということについて。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 予算の関係では、もちろん官房に今度予測事業が移りますという関係で、若干その所掌事務の変更に伴いまして、予算の、局の所管の計上の仕方が変わってくるわけでございますが、それらの関係は予算総則でうたってありますことによって、省内の内部の問題としておりますので、特に御質問の趣意とは違うと思いますが、それ以外におきましては、特段にこのために予算がどうのこうのということはまずないというふうにお考えいただいてけっこうです。

千田正無所属クラブ

○千田正君 人件費については、これが改廃によって、縮小されて人件費が少なくなったとか、強化されて人件費が多くなったとか、こういう点はどうなんですか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 先般予算の説明でもごらんいただきましたように、農林省の省全体としての人員の問題は、既存の定員関係につきましては増減がございません。ふえましたのは、例の事務の移り変わりによっての、局部的な移り変わりはございます。農林省全体としては変動はございません。

岡村文四郎自由民主党

○岡村文四郎君 農林省設置法の一部を改正するということはよくわかりますが、私は近ごろ直接感じておるわけでございますが、こんな改正じゃだめじゃないかと思っております。そこで、そう申し上げるのは、どだい話が違うが、今までは農業というのは適材適所にやることが農業でございますが、今はそうではございません。そこで、農林省の研究が足らぬから百姓はいつもばかを見ておるのです。今一つの例を申しますと、私のところで実は三年前に七千五百万円かけて澱粉工場を作った、ところが今大へんなんです。三人で見に行きましたが、一体食糧庁としては前途をどう見ておるのか、一時的なものか、あるいは将来性があるのか、輸出はどのくらいきくのか、さっぱりわかりません。だから、そういうことについて農林省は大いにやって、こうやらなければだめだということ、それができていない。だから、私はこの際大々的に改革をして、農地局もつぶして、それから振興局もつぶして、農政局を作って大々的にやらなければだめだ。今までのような研究ではてんで話になりません。だから、少しは考えてもらわないと、採算の合わないことを言っていたのではだめなんです、まるっきり。農業研究試験場はたくさんございますが、さあさあ、ほとんどおかげ様でこうなりましたというのはございません。ですから、実は僕は鴻巣の試験場なんか何だといって見たら、その試験場も事務的な研究ばかりだから役に立ちません。もっと真剣になって、真に日本の農業のことを研究することをやらないと、今のような役に立たない、ただ飯を食っているだけのようなのではだめです。本気になって考えてもらわなければならぬと思うのですが、今のお話のようにちょこちょこいじってもだめだから、大々的に一つ本気になって日本の農業加工やその他栽培の方法など、何によったらいいか、さまよっているような状態、現在実際迷っておりますよ。困っているが、試験場は何もなりません。どうすればいいかということなんです。試験研究の結果がさっぱりないじゃありませんか。バレイショを、澱粉をたくさん作って、売れもせぬのに買え買え、こんなことじゃいけません。困ったことには、澱粉というものはバレイショを食うものだよ。めんどくさいものはだめだ。きずイモもだめだ。どうも丸紅さんだとか、代表的な大資本家にやられてしまう。それじゃいけません。ぜひ一つ本気になってこの際研究してもらいませんと、農業基本法が泣きますよ。どうぞ一つ役人まかせにしないで、法制局がばかにせぬような、行政でいい形の役に立つものにしなければだめなんです。今までの役所まかせのようなことでは、日本の農業は仕合わせになりません。今までの役所では何もならない。農業基本法もまことにけっこうだが、あんな子供だましの法律じゃだめなんです。真の法律でないと何の役にも立ちゃしません。役所の方でも真剣になって、われわれ給料もらって働いておるがどうです、というくらいのものを一つやってもらわないと、現在においてはこの法律はだめですよ。こんな法律は何の役にも立たぬということだけを申し上げておきます。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 試験研究の機関を技術会議一本にまとめていくことは私はいいと思う。なぜいいかということを私の角度から申しますと、私はかつて二、三年前に農林省の先輩の東畑四郎さんやなんかと平塚の農林省の試験場に行った。あそこには御承知のように、農地局の方の農業土木の試験場がある。これがくっついている。ところが、その間に土手を築いてりっぱな門を作っている。同じ農林省の試験研究の機関でありながら、一方の試験場ともう一方の試験場とがくっついていながら、土手を築いて門までかまえている。そういうことだけを見ましても、いかに試験研究というものが総合的に行なわれていなかったかという一つの事例だと思うのです。そういう点は、これは単に門とか、土手の問題じゃなくて、非常に大きく今までの農林行政の試験研究の効果というものを発揮する上において障害になっておったと思うのです。そういう意味合いで私はこれに踏み切られたことは非常にいいと思うのですがね。  そこで私は一つ伺いたいのは、農林省の外郭団体と申しますか、もしくは民間機関でもけっこうです、こういうもので試験研究の機関がそれぞれありますね。これは今度どういうふうな局の扱いになるのですか。これもやっぱり農林水産技術会議の方の扱いになるのですか。今までこれはそれぞれの局と関連を持ってやっておりましたね。そういうものは数多くありました。これはどうなりますか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) それぞれの事業の所管は当然従来通り各局がやるわけでございますけれども、そういった事業の団体の監督も従来通り各局が分担して参ります。ただし、国がそういった政府機関以外のところで行ないます研究を助成いたします意味で、従来もございましたが、たとえば応用研究費というような補助金がございました。技術的な研究、あるいは経済的な研究、それから、さらには、企業の合理化の試験研究といったようなものが従前は各局に、補助金も、合理化のごときは経済局が担当というふうになっておりましたが、応用研究費はすでに技術会議が統括してやってきておりますけれども、それ以外の経済的な研究、あるいは企業合理化の試験研究、そういった対外的に農林省が財政的な援助を行ないますものはすべて今後技術会議一本に統合して、同じ目で見てやって参るということに今回いたした次第であります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 これは私は大体わかっておりますけれども、現在、外郭団体と申しますか、民間機関と申しますか、そういうもので試験研究の機関が幾つあるか。どういうものがあるか。これを一つ資料で出していただきたい、かように思います。  同時に、私は今御答弁の趣旨は、大体技術会議の方に一本に関連の試験研究機関はまとめるというような意味に私は受け取ったのですが、当然そうだと思うのです。そうでなければ私はおかしいと思うのです。これを従来の予算の関係とか、補助金の関係とか、補助金が食糧庁から出ているとか、やれどこから出ているとかいうような関係で、従来の因縁ががそのまま残っておるとすれば、本省だけでこういうものをやっても、意味がないとは申しませんけれども、徹底しない。これは私の聞きそこないか何か、今、官房長のお話では、外郭団体、民間試験研究機関も、本省のこの機構改革と同時に、技術会議一本に連絡指導はまとめる、こういうふうに伺ったと思うのですが、それでいいですか。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 私が申し上げましたのは、企業合理化の試験研究のための助成金でありますとか、応用研究費でありますとか、そういった外部の研究機関に対しての研究管理という趣旨で、あるいは研究助成という趣旨で農林省から出ております諸補助金その他は技術会議でまとめて、一本の目で見てやっていただくということを申し上げたのであります。  それから、外郭団体にもいろいろ組織がございますと思いますが、その事業に関連してできております団体そのものの監督指導は、これはやはりその事業それぞれの属します局が引き続き監督の窓口になるわけであります。技術会議でやりますのはあくまで試験研究の行政、試験研究の管理を一本でやって参るという趣旨では御質問の通りであります。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 後段に申された方も同時に一本で技術会議の方に移行されることはどうしていけないのですか。何か支障がございますか。私はその方が徹底すると思いますがね。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 試験研究のみを目的とした民間の組織でございますれば、今後技術会議の方に監督をお願いするということに当然相なろうと思います。しかし、大方の民間の試験研究の組織は企業に付属しておりましたり、あるいは一般的にほかの目的を持った財団法人なり社団法人が、その目的の一部として研究試験をやっておるというようなものの方がむしろ多いわけでございます。そこで、団体そのものの監督指導は、やはりそういう団体の本来の性格ごとに所管の局が分担するということに相ならざるを得ない。試験研究だけを肝的といたします組織が、あまりたくさんはないようでございますが、今後生まれて参れば、それらは、試験研究行政の窓口をこの際一本化したわけでございますから、技術会議で直接扱っていただくというふうに考えたらよろしいのではないかと考えております。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それは意見の分かれることですけれども、民間の企業におきましても、企業に付属しておる試験研究と申しましても、やはりその企業においては試験研究というものは独立的な性格を持たしておるわけです。今度の農林省がおやりになったことを、すでにどこの企業でもやっておるのが私は通例だと思う。だから、企業に付属しておるから必ずしもそれが試験研究と独立でき得ないということはちょっと私はおかしいと思うのです。これらはあらためて、先ほどもお願いいたしました、それぞれの資料に基づきまして具体的にまた私は検討さしていただきたい、かように思います。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) あるいはお答えは必要はないかもしれませんが、先ほど、補助金その他は技術会議が一本で支出――支出ばかりでございませんが、対象の選定から監督からいたしますと申しましたのは、やや御趣旨に沿ったことだと思います。つまり試験研究そのものは技術会議が管理をいたすわけでございますから、民間の団体の研究所が行ないます試験研究の項目のうち、国が助成するに値すると思いますものを、どういうものを選び、どこにどの程度の助成をやり、どういう注文を出すかということは、あげて技術会議がやるわけでございます。もちろん関係局の意見は聞きますが、技術会議の責任においてやっていただくわけであります。従って、あまり私の申し上げておることと差がないような気がいたします。

河野謙三自由民主党

○河野謙三君 それでは、私はこの資料に基づいて検討さしてもらいたいという私のほんとうの気持は、従来農林省がいろいろ助成したり、関連を持っておる試験研究機関で、あまり意味のないのがたくさんあるのですよ。それを技術会議に持っていけば、おのずとそこに、はっきりと、これは意味がない、これはおれの方でやるのだ、これはおれの方でやれるのだということがはっきり出ると思うのです。ところが、技術会議に持っていかないで、従来各局別の関連機関をしておくと、従来の惰性がそのまま引き継がれるということになって、いつまでも改革できない、ここが私のほんとうの気持ですよ。そういう意味からいって、私は前段申し上げたような一つの主張を持っておるのですが、それは前に申し上げましたように、データをいろいろいただいた上で具体的に質問さしていただきます。

東隆民主社会党

○東隆君 これは、水産関係と林町関係の方の試験研究機関は統合されないのですね。

昌谷孝農林大臣官房長

○政府委員(昌谷孝君) 水産関係と林野関係はお説のように従来通り、林野庁なり水産庁に所属をいたします。しかし、すでに技術会議が発足いたしました当初から、それらを含めまして技術会議は総合的な総合調整の機能を担当しております。従って、いわゆる私どもの役所の言葉で申しますと、原局的立場に立ってのめんどうを見るのは、農業関係をこの際一本化したわけでございまして、原局としては、水産、林野の関係はそれぞれもとのままでございますが、しかし、試験研究項目あるいは試験研究の諸般の総合調整は従前通り技術会議が行ないます。

東隆民主社会党

○東隆君 私は試験研究の機関の統合その他についてお考えになっておるような方向に進むのは賛成なんでありますが、実は今の国立大学、あるいはその他の関係方面に相当金を出されておるようでありますし、いろいろなことを農林省としてもおやりになっていると思うのですが、そういうような関係をずっと考えてみて、今の大学というものは一体どういうような形かと、こう考えてみますと、昔の帝国大学時代の例の大学令による学術のうんのうをきわめ、かねて国家思想を涵養しなんという調子で書いてあったあの大学令時代の大学と、今の新制大学を比べてみますと、私は今の大学はどちらかというと、職業の訓練をやって、そうして就職に都合のいいように教え込むような、そういう程度になっているんじゃないかと、こういう気がするわけです。そこで、農業技術方面の例の博士論文ですね、テイテル・アルバイト、私は農林省管轄の試験場あたりでもって出していいんじゃないか。これはインドに先般、だいぶ前に参りました、ときに、インドの農業試験場を見ますと、これはもう実に膨大なものです。それで一つの、たとえば農芸化学なら農芸化学だけの試験場でも、これはもうびっくりするほどでっかい組織で、そういうものが何棟も合わされて、そうして総合的な部門を取り扱う。たしか八つくらいに分かれておったはずであります。そうして膨大なものになっておって、そうしてそこで農学博士ですか、その学位はそこで出すようになっている。私はそれを今思い出したわけでありますけれども、しかし、私はもし技術会議でもって試験研究機関をおまとめになって、そうしておやりになるならば、それはそのくらいな意気込みで一つ農業方面の技術に関する方面、そっちの方面についての学位は農事試験場の方でお出しになるんだと、これくらいな一つ権威を持っていただくと、私は相当身の入れ方も違うのじゃなかろうかと、こういうように考えますが、農林大鹿おられませんけれども、政務次官がおられますので、一つこの際に御意見お伺いします。

井原岸高自由民主党農林政務次官

○政府委員(井原岸高君) なかなか名論でございます。よく研究をいたしまして何をいたします。

藤野繁雄自由民主党

○委員長(藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本件については、この程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後三時二十四分散会

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